(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】音響共振器アセンブリ及びフィルタ
(51)【国際特許分類】
H03H 3/02 20060101AFI20230912BHJP
H03H 9/17 20060101ALI20230912BHJP
H03H 9/54 20060101ALI20230912BHJP
H03H 9/02 20060101ALI20230912BHJP
H03H 3/08 20060101ALI20230912BHJP
H03H 9/145 20060101ALI20230912BHJP
H03H 9/25 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
H03H3/02 B
H03H9/17 F
H03H9/54 Z
H03H9/02 J
H03H3/08
H03H9/145 D
H03H9/25 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517371
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2020116909
(87)【国際公開番号】W WO2022056943
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202010990291.9
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522504282
【氏名又は名称】杭州星▲闔▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 林萍
(72)【発明者】
【氏名】盛 ▲荊▼浩
(72)【発明者】
【氏名】江 舟
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097AA30
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5J108FF11
5J108JJ01
5J108KK02
5J108MM14
(57)【要約】
本発明は音響共振器アセンブリ及びフィルタを開示し、音響共振器アセンブリは、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器を含み、音響共振器は、基板上にそれぞれ設けられた音響ミラー、底電極層、圧電層、及び頂電極層を含み、音響共振器の有効領域は、音響ミラー、底電極層、圧電層、及び頂電極層の重畳部分によって定義され、音響共振器は、音響ミラーの基板に投影された領域の外周の基板または圧電層上に設けられた支持層をさらに含み、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、支持層上で接続されている。本発明で加工したフィルタは、デバイスの体積65%及び面積40%を著しく低減し、設計自由度を向上させて設計難度を低下させ、プロセスの製造過程を最適化してプロセスの互換性を高め、製品の性能を強化してコストを大幅に低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響共振器アセンブリであって、
前記音響共振器アセンブリは、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器を含み、前記音響共振器は、基板上にそれぞれ設けられた音響ミラー、底電極層、圧電層、及び頂電極層を含み、前記音響共振器の有効領域は、前記音響ミラーと、前記底電極層と、前記圧電層と、前記頂電極層との重畳部分によって定義され、前記音響共振器はさらに、前記音響ミラーの前記基板に投影された領域の外周の前記基板または前記圧電層上に設けられた支持層を含み、前記互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、前記支持層上で接続されている、ことを特徴とする音響共振器アセンブリ。
【請求項2】
前記音響共振器の頂電極層は、前記頂電極層の少なくとも一側から前記支持層の上方まで延在し、前記支持層を介して延在して外部に接続された外部接続部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項3】
前記外部接続部は、階段状構造を形成するとともに、前記圧電層及び前記支持層とエアギャップを形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項4】
前記外部接続部の階段状構造において、少なくとも2つの段差を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項5】
前記音響共振器の頂電極層は、質量負荷部を有し、前記質量負荷部は、前記支持層を介して前記圧電層上に延在して形成されたリード線上に掛け渡され、前記リード線は、前記圧電層及び前記支持層とエアギャップを形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項6】
前記エアギャップの前記基板上への投影は、少なくとも一部分が前記音響ミラー内に位置し、または前記音響ミラーの境界にある、ことを特徴とする請求項3または5に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項7】
前記エアギャップには低誘電率材料が充填されている、ことを特徴とする請求項3または5に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項8】
前記音響共振器の少なくとも一側と別の音響共振器の対応する少なくとも一側の前記頂電極層、または前記頂電極層に接続されたリード線は、2つの前記音響共振器の中間に向かって延在し、接続されて宙吊り状構造を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項9】
前記宙吊り状構造の端部は、前記支持層の方向に延在し、前記支持層に接続されていない、ことを特徴とする請求項8に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項10】
前記宙吊り状構造の端部は、前記有効領域の中間に向かって延在する、ことを特徴とする請求項8に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項11】
前記互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、ボンディングまたは溶接の方式によって接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項12】
前記互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、前記支持層上に設けられたボンディング層により互いにボンディングされており、ボンディング接続された後、1つの前記音響共振器の頂電極層と別の音響共振器の頂電極層との有効領域内での距離は、10~20μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項13】
前記音響共振器の電極と別の音響共振器の電極とは自由に組み合わせて接続することで、直列構造及び/または並列構造を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の音響共振器アセンブリを接続することによって形成されたフィルタである、ことを特徴とするフィルタ。
【請求項15】
隣接する2つの並んだ前記音響共振器アセンブリによって形成されたフィルタの間に金属スペーサ層が設けられている、ことを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
【請求項16】
隣接する2つの並んだ前記音響共振器アセンブリの前記音響共振器の前記底電極層は同一層にあり、かつ相互に接続されている、ことを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
【請求項17】
前記音響共振器はさらに弾性表面波共振器を含み、前記弾性表面波共振器のインターディジタル変換器は、前記インターディジタル変換器の少なくとも一側から前記支持層の上方まで延在して外部に接続された接続部を有し、前記接続部は、前記基板及び前記支持層とエアギャップを形成する、ことを特徴とする請求項14に記載のフィルタ。
【請求項18】
前記フィルタにおける前記音響共振器は、少なくとも1つの前記弾性表面波共振器を含む、ことを特徴とする請求項17に記載のフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信デバイスの分野に関し、主に音響共振器アセンブリ及びフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁スペクトルがますます混雑し、無線通信機器の周波帯域と機能が増加するにつれて、無線通信に使用される電磁スペクトルは500MHzから5GHz以上に急速に増加しているので、性能が高く、コストが低く、消費電力が低く、体積が小さい無線周波数フロントエンドモジュールに対する需要も日々増加している。加えて、無線通信技術の高速発展につれて、無線通信機器はますます、高集積度及び多機能の方向に向かって発展し、その発展傾向は、無線周波数フロントエンドモジュールの小型化の発展傾向を促進し、小型化の無線周波数フロントエンドモジュールはまた、無線通信機器のモジュールの集積化及び機能の融合性をさらに実現する。なお、無線周波数フロントエンドモジュールの小型化は、無線通信機器の小型化を実現するだけでなく、さらに回路設計の自由度を増やし、新しい付加価値をもたらすこともできる。フィルタは、無線周波数フロントエンドモジュールの1つであり、信号の発信及び受信を改善することができ、主に複数の共振器によってトポロジーネットワーク構造を介して接続されてなる。Fbar(Thin film bulk acoustic resonator)は、バルク音響共振器であり、Fbarからなるフィルタは、体積が小さく、集積能力が強く、高周波動作時に高品質要素Qを保証し、電力受容能力が強い等の利点を有するため、無線周波数フロントエンドのコアデバイスとする。
【0003】
フィルタの周波数の設計及び性能の最適化は、異なる共振器による組み合わせ設計であり、周波数及び帯域幅の組み合わせ設計と差異設計はまず、各共振器の動作領域(active area)で異なる電極及び圧電膜層の厚さ(一般的には2種の厚さ)を設計し、異なる厚さで様々な周波数及び差異性能の共振器を実現し、共振器の組み合わせ接続によって高性能のフィルタが実現される。従来技術では、同一基板上に一般的には、2種類の異なる電極及び圧電薄膜の厚さの共振器を実現し、同一基板上に特定の共振器のキャビティ上のいくつかの膜層の厚さを調節して2種類以上の厚さを実現すると、設計、製造過程の難度は大幅に増やし、複数回の金属薄膜層の剥離プロセス(lift-off)を経る必要があり、コストが急激に上昇して歩留まりが低下し、膜層構造が複雑になった後、頂電極構造に大きな影響を与えるため、設計にも制限を与える。
【0004】
これに鑑み、新型な音響共振器アセンブリを設計することは非常に意義がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術において、同一基板上に共振器が組み合わせて接続されることの難度が大きく、コストが高く、歩留まりが低い等の課題がある。本出願は、上記の課題を解決するために、音響共振器アセンブリ及びフィルタを提案した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本出願の実施例では、音響共振器アセンブリが提案され、音響共振器アセンブリは、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器を含み、音響共振器は、基板上にそれぞれ設けられた音響ミラー、底電極層、圧電層、及び頂電極層を含み、音響共振器の有効領域は、音響ミラーと、底電極層と、圧電層と、頂電極層との重畳部分によって定義され、音響共振器はさらに、音響ミラーの基板に投影された領域の外周の基板または圧電層上に設けられた支持層を含み、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、支持層上で接続されている。
【0007】
いくつかの実施例では、音響共振器の頂電極層及び/または底電極層はそれぞれ、外部接続部を有し、外部接続部は、頂電極層及び/または底電極層の少なくとも一側から支持層の上方まで延在し、支持層を介して延在して外部に接続されている。外部接続部が外部に接続されていることは、複数の共振器の直列または並列を実現し、それに、相互に垂直に接続された2つの音響共振器の間の直列または並列を実現することができる。
【0008】
いくつかの実施例では、頂電極層の少なくとも一側から延在した外部接続部は、階段状構造を形成するとともに、圧電層及び支持層とエアギャップを形成する。外部接続部と圧電層、支持層とからなるエアギャップは、横波がエネルギーを基板に結合するのを抑制して、デバイスの性能を向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、外部接続部の階段状構造において、少なくとも2つの段差を有する。異なる構造の階段状構造の外部接続部は、共振器の電気的接続を実現することができ、横波がエネルギーを基板に結合するのも抑制してデバイスの性能を向上させることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、音響共振器の頂電極層は、質量負荷部を有し、質量負荷部は、支持層を介して圧電層上に延在して形成されたリード線上に掛け渡され、リード線は、圧電層及び支持層とエアギャップを形成する。質量負荷部がリード線上に掛け渡されて音響インピーダンス急変領域を形成することで横波を反射することができ、横波がエネルギーを基板に結合するのを抑制してデバイスの性能を向上させることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、エアギャップの基板上への投影は、少なくとも一部分が音響ミラー内に位置し、または音響ミラーの境界にある。エアギャップは、横波を反射することができ、横波がエネルギーを基板に結合するのを抑制してデバイスの性能を向上させることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、音響共振器の少なくとも一側と別の音響共振器の対応する少なくとも一側の、頂電極層または頂電極層に接続されたリード線は、2つの音響共振器の中間へ延在し、接続して宙吊り状構造を形成する。垂直に接続された2つの音響共振器の頂電極層が相互に接続されて宙吊り状構造を形成することで、2つの音響共振器の間の並列を実現することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、宙吊り状構造の端部は、支持層の方向に延在し、支持層に接続されていない。宙吊り状構造は、支持層及び圧電層と同様にエアギャップが形成されており、横波を反射して、横波がエネルギーを基板に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、宙吊り状構造の端部は、有効領域の中間に向かって延在する。宙吊り状構造の端部が有効領域の中間に向かって延在する傾向があることにより、当該側の電極端部が垂直方向において音響ミラーの内部に投影されるか、または音響ミラーの境界と重なり、横波がエネルギーを基板に結合するのを回避することで共振器の性能を向上させる。
【0015】
いくつかの実施例では、エアギャップには低誘電率材料が充填されている。低誘電率材料も同様に、横波を反射して、横波がエネルギーを基板に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができ、さらにデバイスの安定性を向上させることもできる。
【0016】
いくつかの実施例では、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、ボンディングまたは溶接の方式によって接続されている。ボンディングまたは溶接のプロセスはすべて比較的に成熟しており、コストを効果的に制御することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、支持層上に設けられたボンディング層により互いにボンディングされており、ボンディング接続された後、1つの音響共振器の頂電極層と別の音響共振器の頂電極層との有効領域内での距離が10~20μmである。この距離条件では、垂直にボンディングされた2つの共振器の頂電極層は互いに影響しない。
【0018】
いくつかの実施例では、音響共振器の電極は、別の音響共振器の電極と自由に組み合わせて接続されることで、直列構造及び/または並列構造を形成する。
【0019】
第2の態様では、本出願の実施例はさらに、第1の態様に記載された音響共振器アセンブリの接続によって形成されたフィルタを提案している。
【0020】
いくつかの実施例では、隣接する2つの並んだ音響共振器アセンブリによって形成されたフィルタの間に金属スペーサ層が設けられている。
【0021】
いくつかの実施例では、隣接する2つの並んだ音響共振器アセンブリの音響共振器の底電極層は同一層にあり、かつ相互に接続されている。この場合、底電極層は、電気的結合を実現しつつ、並列構造を形成することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、音響共振器はさらに弾性表面波共振器を含み、弾性表面波共振器のインターディジタル変換器は、インターディジタル変換器の少なくとも一側から支持層の上方まで延在して外部に接続された接続部を有し、接続部は、基板及び支持層とエアギャップを形成する。これにより、弾性表面波共振器と弾性表面波共振器との間の直列または並列を実現することができる。
【0023】
いくつかの実施例では、フィルタにおける音響共振器は、少なくとも1つの弾性表面波共振器を含む。これにより、弾性表面波共振器とバルク音響共振器との間の直列または並列を実現できる。
【0024】
本発明は、音響共振器アセンブリ及びフィルタを提案し、音響共振器アセンブリは、互いに垂直にボンディングされた少なくとも2つの音響共振器を含み、音響ミラーの基板に投影された領域の外周の基板または圧電層上に設けられた支持層により、互いに垂直にボンディングされた少なくとも2つの音響共振器は、支持層上に設けられたボンディング層により互いにボンディングされている。ボンディングされてなるフィルタは、フィルタの面積を大幅に低減するので、共振器の面積の低減率を適切に犠牲にして各共振器の面積を増加させることができる。ボンディング前に、2つの基板上にそれぞれ異なる電極及び圧電薄膜厚さの音響共振器を設計することができ、少なくとも2種類の音響共振器の膜層の厚さをそれぞれ実現し、上下基板上の音響共振器の直列共振周波数及び/または並列共振周波数を調節し、少なくとも4つの組み合わせを実現することができ、それにより、1つの基板上ですべての音響共振器の直列共振周波数及び/または並列共振周波数を調節するのに対して、2つの基板により共振周波数を別々に調節しからそれらをボンディングすることは、設計と製造過程の難度を大幅に低減してフォールトトレランスを向上させることができ、また、設計自由度及び製品の性能を大幅に向上させ、プロセス製造過程を簡素化してコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
実施例へのさらなる理解を提供するために添付の図面が含まれ、添付の図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は、実施例を図示し、記述とともに本発明の原理を解釈するために用いられる。他の実施例、及び実施例の多くの予想利点は、以下の詳細な記述を参照することによってよりよく理解されるようになるから、容易に認識されることになる。図面の要素は、必ずしも互いに比例するとは限らない。同じ符号は、対応する類似部材を指す。
【
図1】本発明の一実施例による、音響共振器アセンブリの音響共振器の構造模式図を示す。
【
図2】本発明の実施例1による、音響共振器アセンブリの音響共振器が並列接続され且つ支持層が圧電層上にある構造模式図を示す。
【
図3】本発明の実施例1による、音響共振器アセンブリの音響共振器が並列接続され且つ支持層が基板上にある構造模式図を示す。
【
図4】本発明の実施例1による、音響共振器アセンブリの音響共振器が直列接続される構造模式図を示す。
【
図5】本発明の実施例2による、音響共振器アセンブリの音響共振器の外部接続部に2つの段差が存在する並列構造の構造模式図を示す。
【
図6】本発明の実施例2による、音響共振器アセンブリの音響共振器の外部接続部に2つの段差が存在する直列構造の構造模式図を示す。
【
図7】本発明の実施例2による、2つの音響共振器アセンブリの音響共振器の外部接続部に2つの段差が存在する並列構造の構造模式図を示す。
【
図8】本発明の実施例3による、音響共振器アセンブリの音響共振器が並列接続される構造模式図を示す。
【
図9】本発明の実施例3による、音響共振器アセンブリの音響共振器が直列接続される構造模式図を示す。
【
図10】本発明の実施例4による、音響共振器アセンブリにおける、支持層へ延在する宙吊り状構造を有する音響共振器の構造模式図を示す。
【
図11】本発明の実施例4による、音響共振器アセンブリにおける、有効領域の中心へ延在する宙吊り状構造を有する音響共振器の構造模式図を示す。
【
図12】本発明の実施例4による、音響共振器アセンブリにおける、有効領域の中心へ延在する宙吊り状構造を有し且つ音響ミラーがブラッグ反射層である音響共振器の構造模式図を示す。
【
図13】本発明の実施例5による、底電極層の電気的結合を有する音響共振器によって形成されたフィルタの構造模式図を示す。
【
図14】本発明の実施例6による、音響共振器アセンブリの間に金属スペーサ層があるフィルタの構造模式図を示す。
【
図15】本発明の実施例7による、2つの弾性表面波共振器の接続によって形成されたフィルタの構造模式図を示す。
【
図16】本発明の実施例7による、バルク音響共振器と弾性表面波共振器との接続によって形成されたフィルタの構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面及び実施例を結合して本出願をさらに詳しく説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、関連発明を限定するものではなく、関連する発明を解釈するためのものだけであることが理解される。また、説明の便宜上、図面には、関連発明に係る部分だけが示される。図面における部材のサイズ及び大きさは比例しているわけではなく、明確に示す原因のために、ある部材の大きさを強調表示する可能性があることに留意すべきである。
【0027】
なお、衝突しない場合、本出願における実施例、及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して実施例を結合して本出願を詳しく説明する。
【0028】
本出願の実施例では、音響共振器アセンブリを提案し、音響共振器アセンブリは、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器を含み、
図1に示すように、音響共振器は、それぞれ基板101上に設けられた音響ミラー201、底電極層301、圧電層401、及び頂電極層501を含み、音響共振器の有効領域は、音響ミラー201と、底電極層301と、圧電層401と、頂電極層501との重畳部分によって定義され、音響ミラー201はキャビティまたはブラッグ反射層を含み、以下の実施例では、主にキャビティを主要なものとする。音響共振器はさらに、音響ミラー201の基板101に投影された領域の外周の基板101または圧電層401上に設けられた支持層601を含み、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、支持層601上で接続されている。支持層601の存在は、下部の音響共振器と上部の逆向きの音響共振器とが接続された後の機械安定性を保証することができる。任意選択の実施例では、基板101の材料について、Si/サファイア/尖晶石等を選択することができる。支持層601の材料は誘電材料(dielectric material)であり、例えば、Si/SiN/SU8/PI/SiO
2等の絶縁材料及びlow K材料(FSG、SiLK、BCB、Black Dimond(CドープSiO
2))である。底電極層及び頂電極層は、Ti/Al/Cu/Au/Mo/Ru/Ni/W/Pt/TiN等の単一金属または合金であり、圧電層はAlN/PZT/ZnO/LiTaO3/LiNbO3等の圧電材料である。
【0029】
実施例1
具体的な実施例では、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、ボンディングまたは溶接の方式によって接続されている。ボンディングまたは溶接のプロセスはすべて比較的に成熟しており、コストを効果的に制御することができる。好ましい実施例では、
図2に示すように、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、支持層611上に設けられたボンディング層711により互いにボンディングされており、ボンディング接続された後、1つの音響共振器の頂電極層511と別の音響共振器の頂電極層511との有効領域内での距離は、10~20μmである。この距離条件で、垂直に接続された2つの共振器の頂電極層511は互いに影響しない。好ましい実施例では、ボンディング層711は主に金属Au/Snまたはボンディング剤であり、ボンディング後の信頼性が保証される。
図3に示すように、支持層611は基板111上に設けられてもよい。支持層611は、基板111に直接接続され、支持層611が基板111に接していることは、支持層611が圧電層411に接していることよりも、良好な機械安定性を有し、支持層611が圧電層411に接していることは、製造過程を簡素化することができる。
【0030】
具体的な実施例では、
図2に示すように、音響共振器の頂電極層511は別の音響共振器の頂電極層511に接続され、音響共振器の底電極層311は別の音響共振器の底電極層311に接続され、これにより、並列構造が形成される。
図4に示すように、音響共振器の頂電極層511は別の音響共振器の底電極層311に接続され、音響共振器の底電極層311は別の音響共振器の頂電極層511に接続され、これにより、直列構造が形成される。
【0031】
図2に示すように、音響共振器の頂電極層511は外部接続部811を有し、外部接続部811は、頂電極層511の少なくとも一側から支持層611の上方まで延在し、支持層611を介して延在して外部に接続されている。外部接続部811が外部に接続されていることは、複数の共振器の直列または並列を実現することができ、また、相互に垂直に接続された2つの音響共振器の間の直列または並列を実現することができる。具体的な実施例では、外部接続部811は、階段状構造を形成するとともに、圧電層411及び支持層611とエアギャップ911を形成する。好ましい実施例では、基板111上へのエアギャップ911の投影は、少なくとも一部分が音響ミラー211内に位置し、または音響ミラー211の境界にある。エアギャップ911は、横波を反射して、横波がエネルギーを基板111に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができる。他の好ましい実施例では、エアギャップ911には低誘電率材料が充填されてもよい。低誘電率材料は同様にも、横波を反射して、横波がエネルギーを基板に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができ、さらにデバイスの安定性を向上させることができる。低誘電率材料は、支持層611と同じ材料を選択し、支持層611と同時に形成することができる。エアギャップ911は、ボンディングの完了後に、支持層611と同じ低誘電率材料を選択的に除去するのを採用して形成されたものであってもよい。支持層611の作用は、デバイスの安定性を向上させることに加えて、外部接続部811を外部まで延在させ、外部構造と電気的に接続され、エアギャップ911を形成するように支持することができる。
【0032】
実施例2
本実施例は、実施例1と比較すると、その区別は以下のことにあり、即ち、外部接続部821の階段状構造において、少なくとも2つの段差を有する。好ましい実施例では、
図5に示すように、外部接続部821の階段状構造は、2つの段差が存在してもよく、他のいくつかの実施例では、複数の段差を有してもよい。同様に、階段状構造の外部接続部821は、頂電極層521が電気的に接続される際に設けられ、圧電層421及び支持層621と組み合わせてなるエアギャップ921は、横波がエネルギーを基板121に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができ、エアギャップ921の少なくとも一部分は、基板121に垂直な方向において音響ミラー221内または境界に投影される。
【0033】
具体的な実施例では、
図5は、上下2つの音響共振器が相互にボンディングして形成された並列構造を示し、
図6は、上下2つの音響共振器が相互にボンディングして形成された直列構造を示し、
図7は、1つの音響共振器アセンブリと別の音響共振器アセンブリとが形成された並列構造を示し、音響共振器1は音響共振器2に直列接続され、音響共振器2は音響共振器3に並列接続され、音響共振器3は音響共振器4に直列接続される。
【0034】
実施例3
本実施例は実施例1と比較すると、その区別は以下のことにあり、即ち、
図8に示すように、音響共振器の頂電極層531は質量負荷部532を有し、質量負荷部532は、支持層631を介して圧電層431上に延在して形成されたリード線1031上に掛け渡され、リード線1031は、圧電層431及び支持層631とエアギャップ931を形成し、支持層631の上方にあるリード線1031は、支持層631とボンディング層731との間に形成される。エアギャップ931の基板131上への投影は、少なくとも一部分が音響ミラー231内に位置し、または音響ミラー231の境界にある。質量負荷部532がリード線1031上に掛け渡されて音響インピーダンス急変領域を形成することは、横波を反射して、横波がエネルギーを基板131に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができる。本実施例では、
図8は、上下2つの音響共振器が相互にボンディングして形成された並列構造を示し、
図9は、上下2つの音響共振器が相互にボンディングして形成された直列構造を示す。
【0035】
実施例4
本実施例は実施例1と比較すると、その区別は以下のことにあり、即ち、
図10に示すように、音響共振器の少なくとも一側と別の音響共振器の対応する少なくとも一側の頂電極層541、または頂電極層541に接続されたリード線1041は、2つの音響共振器の中間へ延在し、接続して宙吊り状構造1042を形成する。垂直にボンディングされた2つの音響共振器の頂電極層541は相互に接続して宙吊り状構造1042を形成することにより、2つの音響共振器の間の並列接続を実現することができる。
図10に示すように、そのうちの1つの実施例では、音響共振器の少なくとも一側と別の音響共振器の対応する少なくとも一側の頂電極層541は、2つの音響共振器の中間へ延在し、接続して宙吊り状構造1042を形成し、宙吊り状構造1042の端部は支持層641の方向へ延在し、支持層641に接続されていない。宙吊り状構造1042は、支持層641及び圧電層441と同様にエアギャップ941が形成されており、横波を反射して、横波がエネルギーを基板141に結合するのを抑制することでデバイスの性能を向上させることができる。
【0036】
別の実施例では、
図11に示すように、音響共振器の少なくとも一側と別の音響共振器の対応する少なくとも一側の頂電極層541、または頂電極層541に接続されたリード線1041は、2つの音響共振器の中間へ延在し、接続して宙吊り状構造1042を形成し、さらに、宙吊り状構造1042の端部は、有効領域の中間へ延在する。宙吊り状構造1042の端部は、有効領域の中間に向かって延在する傾向があることにより、当該側の電極端部が垂直方向において音響ミラー241の内部に投影され、または音響ミラー241の境界と重なり、横波がエネルギーを基板141に結合するのを回避することで共振器の性能を向上させる。この場合、よりSMR構造に適用され、
図12に示すように、ブラッグ反射層はキャビティに対して非常に良好な機械安定性を有し、これにより、有効領域の中央に向かう傾向にある宙吊り状構造1042は、少なくとも頂電極層541の一側に設けられ、さらに頂電極層541全体を取り囲むことができる。
【0037】
本出願の実施例はさらに、上述した音響共振器アセンブリの接続によって形成されたフィルタを提案する。
【0038】
フィルタの周波数の設計及び性能の最適化は、異なる共振器による組み合わせ設計であり、周波数及び帯域幅の組み合わせ設計、差異設計はまず、各共振器の有効領域(active area)で異なる電極及び圧電膜層の厚さ(一般的には2種類の厚さ)を設計し、異なる厚さは、様々な周波数及び差異性能の共振器を実現し、共振器の組み合わせ接続によって高性能なフィルタが実現される。従来技術では、同一基板上に2種類の異なる電極及び圧電層の厚さの共振器を実現するのが一般的であり、同一基板上で特定の共振器のキャビティ上のいくつかの膜層の厚さを調節して2種類以上の厚さを実現すると、設計と製造過程の難度は大幅に増加し、複数回の金属薄膜層の剥離プロセス(lift-off)を経る必要があり、コストが急激に上昇して歩留まりが低下し、膜層構造が複雑になった後、頂電極構造への影響が大きいため、設計にも制限を与える。
【0039】
本出願の実施例では、ボンディングの前に、2つの基板上に、異なる電極及び圧電層の厚さの共振器をそれぞれ設計することができ、少なくとも2種類の共振器の膜層の厚さをそれぞれ実現し、上下基板上の共振器の直列共振周波数及び/または並列共振周波数を調節し、少なくとも4種類の組み合わせを実現することができ、これにより、1つの基板上ですべての共振器の直列共振周波数及び/または並列共振周波数を調節するのに対して、2つの基板により共振周波数を別々に調節しからそれらをボンディングすることは、設計と製造過程の難度を大幅に低減してフォールトトレランスを向上させることができる。例えば、同一基板上に3種類の異なる共振器の厚さを実現する場合、この技術案において、最大9種類の組み合わせ設計を実現することができ、設計自由度及び製品の性能を大幅に向上させ、プロセス製造過程を簡素化してコストを低減する。以下に提案された実施例は、実施例1~実施例4から提案された任意の音響共振器アセンブリによって形成されたフィルタの構造である。
【0040】
実施例5
実施例1~実施例4から提案された任意の音響共振器アセンブリを基礎とし、本実施例の区別は以下のことにあり、即ち、
図13に示すように、隣接する2つの並んだ音響共振器アセンブリの音響共振器の底電極層351は同一層にあり、かつ相互に接続されている。この場合、底電極層351は、電気的結合を実現しつつ、並列構造を形成することができる。
【0041】
実施例6
実施例1~実施例4から提案された任意の音響共振器アセンブリを基礎とし、本実施例の区別は以下のことにあり、即ち、
図14に示すように、隣接する2つの並んだ音響共振器アセンブリによって形成されたフィルタの間に金属スペーサ層662が設けられている。左側5、6は、受信端フィルタを構成する音響共振器のうちの2つであり、右側7、8は、発信端フィルタを構成する音響共振器のうちの2つであり、発信フィルタ、受信フィルタは金属スペーサ層662によって分離され、発信フィルタと受信フィルタとを分離し、同時に、金属スペーサ層662はシールド作用も果たし、受信フィルタと発信フィルタは金属スペーサ層と同じdie内にある。発信フィルタ及び受信フィルタはそれぞれ、実施例1~実施例4から提案されたいずれかの音響共振器アセンブリによって接続されてなる。
【0042】
実施例7
実施例1~実施例4から提案されたいずれかの音響共振器アセンブリを基礎とし、本実施例の区別は以下のことにあり、即ち、音響共振器はさらに弾性表面波共振器を含み、
図15に示すように、弾性表面波共振器のインターディジタル変換器は、インターディジタル変換器571の少なくとも一側から支持層671の上方まで延在して外部に接続された接続部871を有し、接続部871は、基板171及び支持層671とエアギャップ971を形成する。これにより、弾性表面波共振器と弾性表面波共振器との間の直列または並列を実現することができる。
【0043】
本出願の実施例では、さらに上述した音響共振器を含むフィルタも提案されている。以上の音響共振器アセンブリは、Fbar、SMR-BAW、CRF、SCF、SBAR、RBAR、DBAR等を含むあらゆる構造と方式のBAWフィルタに適用され、ZnO、PZT、炭酸リチウムLN、ニオブ酸リチウムLT等のあらゆる圧電材料からなるSAW共振器、圧電デバイス、センサ等のmems類のすべてのデバイスタイプを含むあらゆる圧電材料にも適用される。具体的な実施例では、フィルタにおける音響共振器は少なくとも1つの弾性表面波共振器を含む。そのうちの1つの実施例では、
図16に示すように、バルク音響共振器と弾性表面波共振器との接続構造の1つが示されているので、弾性表面波共振器とバルク音響共振器との間の直列または並列を実現することができる。
【0044】
本発明は音響共振器アセンブリ及びフィルタを提案し、音響共振器アセンブリは、互いに垂直にボンディングされた少なくとも2つの音響共振器を含み、音響ミラーの基板に投影された領域の外周の基板または圧電層上に設けられた支持層により、互いに垂直にボンディングされた少なくとも2つの音響共振器は、支持層上に設けられたボンディング層により互いにボンディングされている。ボンディングされてなるフィルタはフィルタの面積を大幅に低減し、これにより、共振器の面積の低減率を適切に犠牲にして各共振器の面積を増やすことができる。ボンディングの前に、2つの基板上に、異なる電極及び圧電薄膜の厚さの音響共振器をそれぞれ設計することができ、少なくとも2種類の音響共振器の膜層の厚さをそれぞれ実現し、上下基板上の音響共振器の直列共振周波数及び/または並列共振周波数を調節して、少なくとも4種類の組み合わせを実現することができ、これにより、1つの基板上ですべての音響共振器の直列共振周波数及び/または並列共振周波数を調節するのに対して、2つの基板により共振周波数を別々に調節してからそれらをボンディングすることは、設計と製造過程の難度を大幅に低減してフォールトトレランスを向上させることができる。設計自由度及び製品の性能を大幅に向上させ、プロセス製造過程を簡素化してコストを低減する。ボンディングされたフィルタは効果的に、フィルタの面積を約40%低減し、体積を約65%減少することができ、これにより、フィルタはフロントエンドモジュールにおいてより小さな空間を占有して空間利用率を向上させる。
【0045】
以上は、本出願の具体的な実施形態を記述したが、本出願の保護範囲はこれに限定されず、本技術分野に精通した任意の当業者は、本出願に開示された技術範囲内で、変化または差し替えを容易に想到することができ、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本出願の保護範囲は、請求項の保護範囲を基準とすべきである。
【0046】
本出願の記述において、理解されるものとするように、「上」、「下」、「内」、「外」等の用語で示される方位または位置関係が図面に基づいて示される方位または位置関係であり、示される装置または素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造、操作されることを指示または示唆することがなく、本出願の説明を容易にし、説明を簡素化するためだけであり、よって、本出願への限制と理解されることができない。「含む」という言葉は、請求項に挙げられない要素またはステップの存在を排除しない。要素の前の言葉である「1」または「1つ」は、複数のこのような要素の存在を排除しない。互いに異なる従属請求項にある措置が記載されるという簡単な事実は、これらの措置の組み合わせが改善に適用されることができないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0047】
101 基板
111 基板
121 基板
131 基板
141 基板
171 基板
201 音響ミラー
211 音響ミラー
221 音響ミラー
231 音響ミラー
241 音響ミラー
301 底電極層
311 底電極層
351 底電極層
401 圧電層
411 圧電層
421 圧電層
431 圧電層
441 圧電層
501 頂電極層
511 頂電極層
521 頂電極層
531 頂電極層
532 質量負荷部
541 頂電極層
571 インターディジタル変換器
601 支持層
611 支持層
621 支持層
631 支持層
641 支持層
662 金属スペーサ層
671 支持層
711 ボンディング層
731 ボンディング層
811 外部接続部
821 外部接続部
871 接続部
911 エアギャップ
921 エアギャップ
931 エアギャップ
941 エアギャップ
971 エアギャップ
1031 リード線
1041 リード線
1042 状構造
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響共振器アセンブリであって、
前記音響共振器アセンブリは、互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器を含み、前記音響共振器は、基板上にそれぞれ設けられた音響ミラー、底電極層、圧電層、及び頂電極層を含み、前記音響共振器の有効領域は、前記音響ミラーと、前記底電極層と、前記圧電層と、前記頂電極層との重畳部分によって定義され、前記音響共振器はさらに、前記音響ミラーの前記基板に投影された領域の外周の前記基板または前記圧電層上に設けられた支持層を含み、前記互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、前記支持層上で接続されて
おり、前記音響共振器の少なくとも一側と別の音響共振器の対応する少なくとも一側の前記頂電極層、または前記頂電極層に接続されたリード線は、2つの前記音響共振器の中間に向かって延在し、接続されて宙吊り状構造を形成する、ことを特徴とする音響共振器アセンブリ。
【請求項2】
前記音響共振器の頂電極層は、前記頂電極層の少なくとも一側から前記支持層の上方まで延在し、前記支持層を介して延在して外部に接続された外部接続部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項3】
前記外部接続部は、階段状構造を形成するとともに、前記圧電層及び前記支持層とエアギャップを形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項4】
前記外部接続部の階段状構造において、少なくとも2つの段差を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項5】
前記音響共振器の頂電極層は、質量負荷部を有し、前記質量負荷部は、前記支持層を介して前記圧電層上に延在して形成されたリード線上に掛け渡され、前記リード線は、前記圧電層及び前記支持層とエアギャップを形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項6】
前記エアギャップの前記基板上への投影は、少なくとも一部分が前記音響ミラー内に位置し、または前記音響ミラーの境界にある、ことを特徴とする請求項3または5に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項7】
前記エアギャップには低誘電率材料が充填されている、ことを特徴とする請求項3または5に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項8】
前記宙吊り状構造の端部は、前記支持層の方向に延在し、前記支持層に接続されていない、ことを特徴とする請求項
1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項9】
前記宙吊り状構造の端部は、前記有効領域の中間に向かって延在する、ことを特徴とする請求項
1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項10】
前記互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、ボンディングまたは溶接の方式によって接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項11】
前記互いに垂直に接続された少なくとも2つの音響共振器は、前記支持層上に設けられたボンディング層により互いにボンディングされており、ボンディング接続された後、1つの前記音響共振器の頂電極層と別の音響共振器の頂電極層との有効領域内での距離は、10~20μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項12】
前記音響共振器の電極と別の音響共振器の電極とは自由に組み合わせて接続することで、直列構造及び/または並列構造を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の音響共振器アセンブリ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の音響共振器アセンブリを接続することによって形成されたフィルタである、ことを特徴とするフィルタ。
【請求項14】
隣接する2つの並んだ前記音響共振器アセンブリによって形成されたフィルタの間に金属スペーサ層が設けられている、ことを特徴とする請求項
13に記載のフィルタ。
【請求項15】
隣接する2つの並んだ前記音響共振器アセンブリの前記音響共振器の前記底電極層は同一層にあり、かつ相互に接続されている、ことを特徴とする請求項
13に記載のフィルタ。
【請求項16】
前記音響共振器はさらに弾性表面波共振器を含み、前記弾性表面波共振器のインターディジタル変換器は、前記インターディジタル変換器の少なくとも一側から前記支持層の上方まで延在して外部に接続された接続部を有し、前記接続部は、前記基板及び前記支持層とエアギャップを形成する、ことを特徴とする請求項
13に記載のフィルタ。
【請求項17】
前記フィルタにおける前記音響共振器は、少なくとも1つの前記弾性表面波共振器を含む、ことを特徴とする請求項
16に記載のフィルタ。
【国際調査報告】