(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】呼吸器合胞体ウイルス感染症の治療に有用なベンゾジアゼピン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 498/04 20060101AFI20230913BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230913BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230913BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230913BHJP
C07D 513/04 20060101ALI20230913BHJP
C07D 498/08 20060101ALI20230913BHJP
A61K 31/554 20060101ALI20230913BHJP
A61K 31/553 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
C07D498/04
A61P31/14
A61K45/00
A61K39/395 S
C07D513/04 CSP
C07D498/08
A61K31/554
A61K31/553
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501030
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 GB2021051732
(87)【国際公開番号】W WO2022008912
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】バーレット,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】コッカリル,ジョージ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】グッド,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】エイベリー,クレイグ・アレックス
(72)【発明者】
【氏名】コクラン,エドワード・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】オニオンズ,スチュアート・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,アンドリュー・ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C072
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA01
4C072AA03
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072CC16
4C072EE06
4C072EE09
4C072EE19
4C072FF04
4C072GG09
4C072HH07
4C072UU01
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB33
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC23
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086CB30
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB33
(57)【要約】
式(Ib)のベンゾジアゼピン誘導体:[式中、R
1はHまたはハロ;Yは、O、S、SO、SO
2およびNRから選択され、V、WおよびXのうちの1つまたは2つはNまたはCHであり、他の1つまたは2つはCHであり、R
2は、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、ハロ、-OR、-NHR’’、-SO
mNR
2、-SO
mR、ニトロ、-CO
2R、-CN、-CONR
2、-NHCORおよび-NR
11R
12から選択される基であり、各Rは、独立して、HまたはC
1~C
6アルキルであり、R
11およびR
12は、それぞれ独立して、HもしくはC
1~C
6アルキルであるか、またはR
11およびR
12は、これらが付加しているN原子と一緒になって、(a)互いにパラに位置する2個の環炭素原子を連結している-CH
2-基で場合によって架橋されているモルホリン環、または(b)以下の式(b)のスピロ基のいずれかを形成し、R’’はC
3~C
6シクロアルキルであり、mは1または2であり、nは0、1または2であり、R
3~R
10のそれぞれは、独立して、H、C
1~C
6アルキル、ハロ、-OR、-NR
2、-NHR’’、-SO
mNR
2、-SO
mR、ニトロ、-CO
2R、-CN、-CONR
2、-NHCOR、-NR
13R
14(式中、R
13およびR
14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成する)、ならびに以下の選択肢(i)~(iii):(i)同じ炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つは、C
3~C
6スピロ環を形成すること、(ii)隣接しない炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子を連結するC
1~C
3橋頭基を形成すること、および(iii)隣接する炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C
3~C
6シクロアルキル基を形成することから選択され、上記に列挙された各アルキル基または部分は、直鎖または分枝である]およびその薬学的に許容される塩はRSVの阻害剤であり、したがってこれは、RSV感染症を治療または予防するために使用することができる。
【化1】
【化2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ib)のベンゾジアゼピン誘導体:
【化1】
[式中、
R
1はHまたはハロであり、
Yは、O、S、SO、SO
2およびNRから選択され、
V、WおよびXのうちの1つまたは2つはNまたはCHであり、他の1つまたは2つはCHであり、
R
2は、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6ハロアルキル、ハロ、-OR、-NHR’’、-SO
mNR
2、-SO
mR、ニトロ、-CO
2R、-CN、-CONR
2、-NHCORおよび-NR
11R
12から選択される基であり、
各Rは、独立して、HまたはC
1~C
6アルキルであり、
R
11およびR
12は、それぞれ独立して、HもしくはC
1~C
6アルキルであるか、またはR
11およびR
12は、これらが付加しているN原子と一緒になって、いずれかの(a)互いにパラに位置する2個の環炭素原子を連結している-CH
2-基で場合によって架橋されているモルホリン環、または(b)以下の式(b)のスピロ基:
【化2】
のいずれかを形成し、
R’’はC
3~C
6シクロアルキルであり、
mは1または2であり、
nは0、1または2であり、
R
3~R
10のそれぞれは、独立して、H、C
1~C
6アルキル、ハロ、-OR、-NR
2、-NHR’’、-SO
mNR
2、-SO
mR、ニトロ、-CO
2R、-CN、-CONR、-NHCOR、-NR
13R
14(式中、R
13およびR
14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成する)、ならびに以下の選択肢(i)~(iii):
(i)同じ炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つは、C
3~C
6スピロ環を形成すること、
(ii)隣接しない炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子を連結するC
1~C
3橋頭基を形成すること、および
(iii)隣接する炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C
3~C
6シクロアルキル基を形成すること
から選択され、
上記に列挙された各アルキル基または部分は、直鎖または分枝である]
である化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(Ib)において、
R
1がHまたはFであり、
YがO、SまたはSO
2であり、
VおよびXのそれぞれがCHであり、WがNまたはCHであり、
R
2がC
1~C
6アルキル、ハロ、-NR
2および-NHR’’から選択され、RおよびR’’が請求項1で定義された通りであり、
nが0、1または2であり、
R
3~R
10のそれぞれが独立して、H、C
1~C
6アルキル、ハロおよび-NR
13R
14から選択され、R
13およびR
14が、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成するか、または
同じ炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つが、C
3~C
6スピロ環を形成し、R
3~R
10の残りがHであるか、または隣接しない炭素原子に結合しているR
3~R
10のうちのいずれか2つが、これらが結合している炭素原子を連結するC
1~C
3橋頭基を形成し、R
3~R
10の残りがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の式(I’):
【化3】
(式中、R
1、YおよびR
3~R
10のそれぞれは請求項1または2で定義された通りであり、Zは以下の構造:
【化4】
から選択され、RおよびR’’は請求項1で定義された通りである)
のベンゾジアゼピン誘導体である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
3~R
10が以下の値を取る:
- R
3~R
10のそれぞれはHであるか、または
- R
3~R
10のうちの1つまたは2つは、C
1~C
3アルキル、ハロまたは-NR
13R
14であり、R
13およびR
14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成し、R
3~R
10の残りはHであるか、または
- R
3およびR
10は、これらが結合している炭素原子を連結するC
1またはC
2橋頭基を形成し、R
4~R
9のそれぞれはHである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
3~R
10が以下の値を取る:
- R
3~R
10のそれぞれはHであるか、または
- R
3およびR
10のうちの1つは、C
1~C
3アルキルであり、R
3~R
10の残りはHであるか、または
- R
3~R
8のそれぞれはHであり、R
9およびR
10のそれぞれはC
1~C
3アルキルであるか、または
- R
4~R
9のそれぞれはHであり、R
3およびR
10のそれぞれはC
1~C
3アルキルであるか、または
- R
3~R
6、R
9およびR
10のそれぞれはHであり、R
7およびR
8のそれぞれはハロであるか、または
- R
7およびR
8のうちの1つは-NR
13R
14であり、R
13およびR
14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成し、R
3~R
10の残りはHであるか、または
- R
3およびR
10は、これらが結合している炭素原子を連結するC
1またはC
2橋頭基を形成し、R
4~R
9のそれぞれはHである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
YがOである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R
1がHまたはFである、請求項1および3から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(5-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(5-メチルピリジン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-5,5-ジメチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5,5-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[6-(シクロプロピルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-((S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-5,8-メタノピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-4,4-ジオキソ-5H,6H,7H,8H-4λ
6-ピラゾロ[3,2-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキサミド;
2-(6-エチルピリジン-3-イル)-6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-{6-[(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
4-(6-エチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-{6-(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-6-モルホリン-4-イル-N-[(3R)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
4-(2-フルオロ-4-メチルスルホニルフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(5R*)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8R*)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-N-(2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8S*)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-N-(2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8R*)-N-(9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8S*)-N-(9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(1S*,8R*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-(2-フルオロフェニル)-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1R*,8S*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-(2-フルオロフェニル)-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(1S*,8R*)-4-(6-エチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1R*,8S*)-4-(6-エチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1S*,8R*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-{6-[(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1R*,8S*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-{6-[(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.0
2,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
から選択される請求項1に記載の化合物およびその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
療法によるヒトまたは動物の身体の治療における使用のための、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
RSV感染症の治療または予防における使用のための、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
RSV感染症の治療または予防における使用のための、医薬の製造における、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
RSV感染症を患っているまたは罹りやすい対象を治療する方法であって、前記対象に、有効量の請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項14】
RSV感染症を患っているまたは罹りやすい対象の治療における同時、別個または連続的な使用のための、
(a)請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物;および
(b)1種または複数のさらなる治療剤;
を含有する製品。
【請求項15】
さらなる治療剤が、
(i)RSVヌクレオカプシド(N)-タンパク質阻害剤;
(ii)タンパク質阻害剤、例えば、ホスホタンパク質(P)タンパク質および/もしくは巨大(L)タンパク質を阻害するタンパク質阻害剤;
(iii)抗RSVモノクローナル抗体、例えば、Fタンパク質抗体;
(iv)免疫調節toll様受容体化合物;
(v)呼吸器ウイルスの抗ウイルス性の、例えば、抗インフルエンザおよび/もしくは抗ライノウイルス化合物;ならびに/または
(vi)抗炎症性化合物
である、請求項14に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾジアゼピン誘導体および呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症を治療または予防することにおけるこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
RSVは、パラミクソウイルス科の陰性センス、一本鎖RNAウイルスである。RSVは、感染した人間からの分泌物により表面移動または手から手への移動を介して容易に伝達される。インフルエンザとは異なり、RSVは小粒子エアロゾルにより伝達されない。植菌が成功した後、インキュベーション期間は4~6日の間であり、この期間ウイルスは感染した細胞が未感染細胞を溶融し、および壊死性上皮が腐肉を形成することにより上咽頭から下気道へと拡散する。乳児においては、粘液分泌物および浮腫の増加と相まって、ウイルスは粘液閉塞をもたらし、細気管支炎を示す、過剰な膨張および末端肺組織の崩壊を引き起こす可能性がある。低酸素は一般的であり、供給能力は多くの場合呼吸窮迫のために損なわれる。RSV肺炎において、気道の炎症性浸潤は単核細胞からなり、細気管支、気管支および肺胞の関与がより一般的に起きる。ウイルス排出の期間および程度は臨床的徴候および疾患重症度と相関することが判明している。
【0003】
RSVは、世界中の乳児および幼児において重篤な呼吸器感染症の主要な原因である。最も高い病的状態および死亡率は、早産で生まれたおよび慢性の肺または心疾患を有する乳児および幼児において生じるが、RSV感染症で病院した多くの乳児はその他の点では健康である。乳児期の重篤なRSV感染症は数年繰り返される喘鳴をもたらし、後の喘息の発症に連結する可能性もある。
【0004】
RSVはまた、高齢者および免疫無防備状態である小児および成人ならびに慢性閉塞性肺疾患(COPD)およびうっ血性心不全(CHF)を有する者において病的状態および死亡率の主な原因でもある。
【0005】
RSVは季節性の発症率を有する;RSVは極めて予測可能であり、両半球における冬、すなわち欧州および北アメリカでは9月から5月に生じて、12月および1月にピークを迎え、熱帯の国では1年を通じて生じ得る。RSVは、2才の年齢までに>90%の乳児および幼児に影響を及ぼし、自然免疫は短命であり、多くは毎年再感染する。インフルエンザと同様に、高齢の人々において、RSVは冬季入院のおよそ10%を占め、10%の死亡率を伴う。
【0006】
現在の抗RSV治療は、パリビズマブと呼ばれるRSVに対するモノクローナル抗体の使用を含む。このようなパリビズマブの使用は、RSVの療法による治療というよりもむしろ予防的治療である。この抗体は多くの場合有効ではあるが、その使用は早産児およびハイリスクの乳児に限定される。実際に、その限定された有用性は、抗RSV治療を必要とする多くの人々には利用不可能であることを意味する。したがって、既存の抗RSV治療に対する有効な代替形態が緊急に必要とされる。
【0007】
小分子がRSVの阻害剤として提案されている。これらにはベンゾイミダゾールおよびベンゾジアゼピンが含まれる。例えば、マイクロモル以下の抗RSV活性を有するベンゾジアゼピン化合物であるRSV604の発見および初期の開発がAntimicrobial Agents and Chemotherapy、2007年9月、3346~3353頁(Chapmanら)に記載されている。RSVのベンゾジアゼピン阻害剤もまた、WO2004/026843およびWO2005/089770(Arrow Therapeutics Limited);WO2016/166546およびWO2018/033714(Durham University);およびWO2017/015449、WO2018/129287およびWO2018/226801(Enanta Pharmaceuticals、Inc.)を含む刊行物で開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
抗RSV活性を有するさらなる化合物、特に強力な抗ウイルス活性と良好な薬物動態特性の組合せを有する化合物を同定する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
新規の一連のベンゾジアゼピン誘導体が、良好な薬物動態および良好な物理化学的特性と共に強力な抗RSV活性を有することが現在までに判明している。したがって、本発明は、式(Ib)のベンゾジアゼピン誘導体:
【0010】
【0011】
[式中、
R1はHまたはハロであり、
Yは、O、S、SO、SO2およびNRから選択され、
V、WおよびXのうちの1つまたは2つはNまたはCHであり、他の1つまたは2つはCHであり、
R2は、C1~C6アルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6ハロアルキル、ハロ、-OR、-NHR’’、-SOmNR2、-SOmR、ニトロ、-CO2R、-CN、-CONR2、-NHCORおよび-NR11R12から選択される基であり、
各Rは、独立して、HまたはC1~C6アルキルであり、
R11およびR12は、それぞれ独立して、HもしくはC1~C6アルキルであるか、またはR11およびR12は、これらが付加しているN原子と一緒になって、(a)互いにパラに位置する2個の環炭素原子を連結している-CH2-基で場合によって架橋されているモルホリン環、または(b)以下の式(b)のスピロ基:
【0012】
【0013】
のいずれかを形成し、
R’’はC3~C6シクロアルキルであり、
mは1または2であり、
nは0、1または2であり、
R3~R10のそれぞれは、独立して、H、C1~C6アルキル、ハロ、-OR、-NR2、-NHR’’、-SOmNR2、-SOmR、ニトロ、-CO2R、-CN、-CONR2、-NHCOR、-NR13R14(式中、R13およびR14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成する)、ならびに以下の選択肢(i)~(iii):
(i)同じ炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つは、C3~C6スピロ環を形成すること、
(ii)隣接しない炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子を連結するC1~C3橋頭基を形成すること、および
(iii)隣接する炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C3~C6シクロアルキル基を形成すること
から選択され、
上記に列挙された各アルキル基または部分は、直鎖または分枝である]
である化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0014】
一実施形態では、本発明は、式(I)のベンゾジアゼピン誘導体:
【0015】
【0016】
[式中:
R1はHまたはハロであり、
Yは、O、SO、SO2およびNRから選択され、
V、WおよびXのうちの1つまたは2つはNまたはCHであり、他の1つまたは2つはCHであり、
R2は、C1~C6アルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6ハロアルキル、ハロ、-OR、-NHR’’、-SOmNR2、-SOmR、ニトロ、-CO2R、-CN、-CONR2、-NHCORおよび-NR11R12から選択される基であり、
各Rは、独立して、HまたはC1~C6アルキルであり、
R11およびR12は、それぞれ独立して、HもしくはC1~C6アルキルであるか、またはR11およびR12は、これらが付加しているN原子と一緒になって、(a)互いにパラに位置する2個の環炭素原子を連結している-CH2-基で場合によって架橋されているモルホリン環、または(b)以下の式(b)のスピロ基:
【0017】
【0018】
のいずれかを形成し、
R’’はC3~C6シクロアルキルであり、
mは1または2であり、
nは0、1または2であり、
R3~R10のそれぞれは、独立して、H、C1~C6アルキル、ハロ、-OR、-NR2、-NHR’’、-SOmNR2、-SOmR、ニトロ、-CO2R、-CN、-CONR2、-NHCOR、ならびに以下の選択肢(i)~(iii):
(i)同じ炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つは、C3~C6スピロ環を形成すること、
(ii)隣接しない炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子を連結するC1~C3橋頭基を形成すること、および
(iii)隣接する炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C3~C6シクロアルキル基を形成すること
から選択され、上記に列挙された各アルキル基または部分は、直鎖または分枝である]
である化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で定義された任意の基、環、置換基または部分が置換されている場合、これは以下で定義されているQで典型的に置換されている。
C1~6アルキル基または部分は直鎖または分枝である。C1~6アルキル基は典型的にはC1~4アルキル基、またはC4~6アルキル基である。C1~6アルキル基および部分の例として、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル(すなわち3-メチルブタ-1-イル)、t-ペンチル(すなわち2-メチルブタ-2-イル)、ネオペンチル(すなわち2,2-ジメチルプロパン-1-イル)、n-ヘキシル、i-ヘキシル(すなわち4-メチルペンタン-1-イル)、t-ヘキシル(すなわち3-メチルペンタン-3-イル)およびネオペンチル(すなわち3,3-ジメチルブタン-1-イル)が挙げられる。念のため書き添えると、基の中に2つのアルキル部分が存在する場合、これらのアルキル部分は同じでも異なっていてもよい。C1~6アルキル基は、非置換であるか、または置換されており、典型的には以下で定義されているような1つまたは複数のQ基で置換されている。例えば、C1~6アルキル基は非置換であるか、または以下で定義されている1、2または3つのQ基で置換されている。
【0020】
Qは、ハロ、ニトロ、-CN、OH、C1~6アルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アルキルチオ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~4ハロアルコキシ、-CO2R’、-NR’2、-SR’、-S(=O)R’、-S(=O)2R’、C3~C10シクロアルキル、5~10員ヘテロシクリル、5~12員アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、各R’は、独立して、H、C1~6アルキル、C3~10シクロアルキル、5~10員ヘテロシクリル、C6~C10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択される。念のため書き添えると、これらの定義におけるアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール部分はこれら自体典型的に非置換である。
【0021】
C1~6アルコキシ基は直鎖または分枝である。これは典型的にはC1~4アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、i-プロポキシ、n-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシまたはtert-ブトキシ基である。C1~6アルコキシ基は、非置換であるか、または置換されており、典型的には上で定義されたような1つまたは複数のQ基で置換されている。
【0022】
C1~6アルキルチオ基は直鎖または分枝である。これは典型的にはC1~4アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i-プロピルチオ、n-プロピルチオ、n-ブチルチオ、sec-ブチルチオまたはtert-ブチルチオ基である。C1~6アルキルチオ基は、非置換であるか、または置換されており、典型的には上で定義されたような1つまたは複数のQ基で置換されている。
【0023】
ハロゲンまたはハロ基はF、Cl、BrまたはIである。これは典型的にはFまたはClである。ハロゲンで置換されているC1~6アルキル基は「C1~6ハロアルキル」と表すことができ、これは1個または複数の水素がハロで置き換えられている、上で定義されたようなC1~6アルキル基を意味する。同様に、ハロゲンで置換されているC1~6アルコキシ基は「C1~6ハロアルコキシ」と表すことができ、これは1個または複数の水素がハロで置き換えられている、上で定義されたようなC1~6アルコキシ基を意味する。典型的には、C1~6ハロアルキルまたはC1~6ハロアルコキシは、1、2または3個の前記ハロゲン原子で置換されている。ハロアルキルおよびハロアルコキシ基としてペルハロアルキルおよびパーハロアルコキシ基、例えば、-CX3および-OCX3(式中、Xはハロゲンである)、例えば-CF3-CCl3-OCF3および-OCCl3が挙げられる。
【0024】
C1~6ヒドロキシアルキル基は、1個または複数のOH基で置換されている上で定義されたようなC1~6アルキル基である。これは典型的には1つ、2つまたは3つのOH基で置換されている。好ましくは、これは単一のOH基で置換されている。
【0025】
C6~C10アリール基は6~10個の炭素原子を含有する芳香族炭素環式基である。これは、単環系であるか、または芳香族環が別の芳香族炭素環に縮合している縮合二環系である。C6~C10アリール基の例としてフェニルおよびナフチルが挙げられる。置換されている場合、アリール基は典型的には、上で定義されたようなQ基、例えば、上で定義されたようなQ基から選択される1、2または3つの基により置換されている。より具体的には、置換アリール基、例えば、置換フェニル基は、C1~C6アルキル、ハロ、-OR8および-N(R8)2(式中、R8はHまたはC1~C6アルキルであり、各R8は、2つ存在する場合、同じまたは異なる)から選択される1または2つの基で置換されている。
【0026】
C3~10シクロアルキル基は、3~10個の炭素原子を有する飽和炭化水素環である。C3~10シクロアルキル基は、例えば、C3~C7シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルであってよい。これは典型的には、C3~C6シクロアルキル、またはC4~C6シクロアルキル、例えばシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。一実施形態では、これはシクロブチルである。C3~10シクロアルキル基は、非置換であるか、または置換されており、典型的には上で定義されたような1つまたは複数のQ基で置換されている。
【0027】
4~10員ヘテロアリール基または部分は、O、NおよびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を含有する4~10員芳香族複素環基である。これは単環式または二環式である。これは典型的には1個のN原子ならびにO、SおよびNから選択される0、1、2または3個の追加のヘテロ原子を含有する。これは、例えば、単環式5~7員ヘテロアリール基、例えば、5または6員のN含有ヘテロアリール基であってよい。例として、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、チエニル、ピラゾリジニル、ピロリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリル基が挙げられる。フラニル、チエニル、イミダゾリル、ピリジルおよびピリミジル基が好ましい。代わりに、これは二環式ヘテロアリール基、例えば、8~10員二環式ヘテロアリール基であってもよい。例として、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、イミダゾピリダジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリミジニルおよびピロロピリミジニルが挙げられる。置換されている場合、ヘテロアリール基(単環式または二環式)は典型的には、1つまたは複数の、例えば、C1~4アルキルから選択される1、2または3つの基および上で定義されたようなQ基で置換されている。
【0028】
4~10員ヘテロシクリル基は、5~10個の炭素原子ならびにN、O、S、SO、SO2およびCOから選択される、より典型的にはNまたはOから選択される少なくとも1個の原子または基を含有する、単環式または二環式非芳香族、飽和または不飽和環系である。環系が二環式である場合、1つの環は飽和であってよく、1つの環は不飽和であってもよい。これは典型的には環内の炭素原子の1、2または3個がO、S、SO2、COおよびNHから選択される原子または基で置き換えられているC4~10環系である。これは、より典型的には単環式環、好ましくは単環式C4~C6環である。例として、ピペリジル、ピペリジン-2,6-ジオニル、ピペリジン-2-オニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、S,S-ジオキソチオモルホリニル、1,3-ジオキソラニル、ピロリジニル、イミダゾール-2-オニル、ピロリジン-2-オニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニル部分が挙げられる。
【0029】
念のため書き添えると、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基の上記定義は環内に存在することができる「N」原子を指すが、熟練した化学者であれば、これが単結合を介してその隣接する環原子のそれぞれに結合している場合、このようなN原子のいずれかはプロトン化されることになる(または上で定義されたような置換基を保持することになる)ことは明らかである。このようなプロトン化形態はヘテロアリールおよびヘテロシクリル基の本発明の定義内に包含されている。
【0030】
式(Ib)または(I)において、R1は典型的にはHまたはFである。Yは典型的にはO、SまたはSO2である。より典型的にはYはOまたはSO2である。最も典型的にはYはOである。
【0031】
式(Ib)または(I)において、基R2が-NR11R12(式中、R11およびR12は、これらが付加しているN原子と一緒になって、互いにパラに位置する2個の環炭素原子を連結している-CH2-基で場合によって架橋されているモルホリン環を形成する)である場合、基は以下の構造(c)または(d):
【0032】
【0033】
を有する。
上で定義されたような式(Ib)の一実施形態において、
R1がHまたはFであり、
YがO、SまたはSO2であり、
VおよびXのそれぞれがCHであり、WがNまたはCHであり、
R2がC1~C6アルキル、ハロ、-NR2および-NHR’’から選択され、RおよびR’’が式(I)に対して上で定義された通りであり、
nが0、1または2であり、
R3~R10のそれぞれが独立して、H、C1~C6アルキル、ハロおよび-NR13R14から選択され、R13およびR14が、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成するか、または
同じ炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つが、C3~C6スピロ環を形成し、R3~R10の残りがHであるか、または隣接しない炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つが、これらが結合している炭素原子を連結するC1~C3橋頭基を形成し、R3~R10の残りがHである、式(Ic)が本明細書で表される。
【0034】
式(Ic)において、Yは典型的にはOである。
上で定義されたような式(I)の特定の実施形態では、
R1がHまたはFであり、
YがOまたはSO2であり、
VおよびXのそれぞれがCHであり、WがNまたはCHであり、
R2が、C1~C6アルキル、ハロ、-NR2および-NHR’’から選択され、RおよびR’’が式(I)に対して上で定義された通りであり、
nが0、1または2であり、
R3~R10のそれぞれが、独立して、H、C1~C6アルキルおよびハロから選択されるか、または
同じ炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つが、C3~C6スピロ環を形成し、R3~R10の残りがHであるか、または隣接しない炭素原子に結合しているR3~R10のうちのいずれか2つがこれらが結合している炭素原子を連結するC1~C3橋頭基を形成し、R3~R10の残りがHである、式(Ia)が本明細書で表される。
【0035】
式(Ia)では、Yは典型的にはOである。
別の実施形態では、本発明の化合物は、以下の式(I’):
【0036】
【0037】
(式中、R1、YおよびR3~R10のそれぞれは、式(Ib)、(Ic)、(I)または(Ia)に対して上で定義された通りであり、Zは、以下の構造:
【0038】
【0039】
から選択され、RおよびR’’は式(Ib)または(I)に対して上で定義された通りである)を有する。典型的にはRはHまたはC1~C3アルキルであり、R’’はシクロプロピルである。
【0040】
式(I’)において、R1は典型的にはHまたはFである。Yは典型的にはO、SまたはSO2である。より典型的にはYはOまたはSO2である。最も典型的にはYはOである。
【0041】
式(Ib)、(Ic)および(I’)において、R3~R10は以下の値を取ってもよい:
- R3~R10のそれぞれはHであるか、または
- R3~R10のうちの1つまたは2つは、C1~C3アルキル、ハロであり、典型的にはF、または-NR13R14(式中、R13およびR14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成する)であり、R3~R10の残りはHであるか、または
- R3およびR10は、これらが結合している炭素原子を連結するC1またはC2橋頭基を形成し、R4~R9のそれぞれはHである。
【0042】
特定の実施形態では、式(I)、(Ia)および(I’)において、R3~R10は以下の値を取ってもよい:
- R3~R10のそれぞれはHであるか、または
- R3~R10のうちの1つまたは2つは、C1~C3アルキルまたはハロであり、典型的にはFであり、R3~R10の残りはHであるか、または
- R3およびR10は、これらが結合している炭素原子を連結するC1またはC2橋頭基を形成し、R4~R9のそれぞれはHである。
【0043】
より典型的には、式(Ib)、(Ic)および(I’)において、R3~R10は以下の値を取ってもよい:
- R3~R10のそれぞれはHであるか、または
- R3およびR10のうちの1つはC1~C3アルキルであり、R3~R10の残りはHであるか、または
- R3~R8のそれぞれはHであり、R9およびR10のそれぞれはC1~C3アルキルであるか、または
- R4~R9のそれぞれはHであり、R3およびR10のそれぞれはC1~C3アルキルであるか、または
- R3~R6、R9およびR10のそれぞれはHであり、R7およびR8のそれぞれはハロであるか、または
- R7およびR8のうちの1つは-NR13R14(式中、R13およびR14は、これらが付加しているN原子と一緒になって、モルホリン環を形成する)であり、R3~R10の残りはHであるか、または
- R3およびR10は、これらが結合している炭素原子を連結するC1またはC2橋頭基を形成し、R4~R9のそれぞれはHである。
【0044】
特定の実施形態では、より典型的には、式(I)、(Ia)および(I’)において、R3~R10は、以下の値を取ってもよい:
- R3~R10のそれぞれはHであるか、または
- R3およびR10のうちの1つはC1~C3アルキルであり、R3~R10の残りはHであるか、または
- R3~R8のそれぞれはHであり、R9およびR10のそれぞれはC1~C3アルキルであるか、または
- R4~R9のそれぞれはHであり、R3およびR10のそれぞれはC1~C3アルキルであるか、または
- R3~R6、R9およびR10のそれぞれはHであり、R7およびR8のそれぞれはハロであり、典型的にはFであるか、または
- R3およびR10はC1またはC2橋頭基、典型的にはこれらが結合している炭素原子を連結するC1橋頭基を形成し、R4~R9のそれぞれはHである。
【0045】
R3~R10のそれぞれを隣接するC原子に連結する結合は、七員環の平面の上または下に方向づけられてもよく、すなわち
【0046】
【0047】
として示される。
例えば、上記に提示されたR3~R10の値のいずれかを有する、上で定義されたような式(Ib)、(Ic)、(I)、(Ia)および(I’)のいずれかにおいて、R3は、
【0048】
【0049】
であってよい。同様におよび独立して、R10は、
【0050】
【0051】
であってよい。
R3~R10の前述の値のいずれか、およびR3~R10のいずれかの方向性を有する式(Ib)、(Ic)、(I)、(Ia)および(I’)において、Yは典型的にはO、SまたはSO2である。より典型的にはYはOまたはSO2である。最も典型的にはYはOである。
【0052】
特定の本発明の化合物として、以下:
N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(5-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(5-メチルピリジン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-5,5-ジメチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5,5-ジメチル-7,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[6-(シクロプロピルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-((S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-5,8-メタノピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-4,4-ジオキソ-5H,6H,7H,8H-4λ6-ピラゾロ[3,2-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキサミド;
2-(6-エチルピリジン-3-イル)-6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-{6-[(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
4-(6-エチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-{6-(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
2-(2-フルオロフェニル)-6-モルホリン-4-イル-N-[(3R)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
4-(2-フルオロ-4-メチルスルホニルフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(5R*)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8R*)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-N-(2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8S*)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-N-(2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8R*)-N-(9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(8S*)-N-(9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(1S*,8R*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-(2-フルオロフェニル)-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1R*,8S*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-(2-フルオロフェニル)-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5R*)-5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(5S*)-5-エチル-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド;
(1S*,8R*)-4-(6-エチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1R*,8S*)-4-(6-エチルピリジン-3-イル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1S*,8R*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-{6-[(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
(1R*,8S*)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-{6-[(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-3-イル}-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド;
およびその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0053】
本発明の化合物は、非対称的またはキラル中心を含有し、したがって異なる立体異性形態で存在してもよい。これらに限定されないが、ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにこれらの混合物、例えば、ラセミ混合物を含む本発明の化合物のすべての立体異性形態が本発明の一部を形成することが意図される。1つまたは複数のキラル中心を含有する式(Ib)または(I)の化合物は、鏡像異性体またはジアステレオ異性体として純粋な形態、または異性体の混合物の形態で使用することができる。
【0054】
本発明は、上で定義されたような本発明の化合物のすべての幾何学的および位置異性体を包含する。例えば、本発明の化合物が二重結合または縮合環を組み込んでいる場合、cis-およびtrans-形態、ならびにこれらの混合物は本発明の範囲内に包含される。単一の位置異性体もおよび位置異性体混合物も本発明の範囲内にある。
【0055】
本発明の化合物は、非溶媒和ならびに薬学的に許容される溶媒、例えば、水、エタノールなどとの溶媒和形態で存在してもよく、本発明は溶媒和も非溶媒和の形態も包含することを意図する。
【0056】
本発明の化合物は異なる互変異性形態で存在してもよく、すべてのこのような形態は本発明の範囲内に包含される。「互変異性体」または「互変異性形態」という用語は、低いエネルギーバリアを介して相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても公知である)はプロトンの移動を介した相互変換、例えば、ケト-エノール互変を含む。原子価互変異性体は結合電子の一部の再編成による相互変換を含む。
【0057】
本発明は上で定義されたような本発明の化合物のすべてのアイソトポローグを包含する。よって、上で定義されたような本発明の化合物、または任意の中間体もしくは出発化合物に存在する任意の原子は、任意の利用可能な天然由来の同位体形態で存在し得る。例えば、炭素原子は12Cまたは13Cであってもよい。水素原子は1Hまたは2H(重水素)であってもよい。よって、上で定義されたような本発明の化合物は、1つまたは複数の水素原子が2Hとして存在する重水素化された形態で調製されてもよい。あらゆる水素原子またはこれらの組合せは重水素として存在することができる。
【0058】
本発明の化合物は、以下に続く実施例に記載されている合成法により、または熟練した化学者が精通している適当な出発材料および方法論を使用して、このような方法から類推して調製することができる。調製物は典型的には、上で定義された式(Ib)または(I)において中心のアミド連結が形成されるアミドカップリング反応を最終ステップとして含む。よって、本発明の化合物は、実施例において手順A、手順B、および手順Cと指定されたアミドカップリング反応、または適当な合成中間体を使用して、手順A、手順B、および手順Cのいずれかと類推して調製することができる。このような中間体は、調製例に記載されている方法と類似の方法で調製することができる。
【0059】
式(Ib)または(I)のベンゾジアゼピン誘導体は、その薬学的に許容される塩に変換することができ、塩は従来の方法により遊離化合物へと変換することができる。例えば、式(Ib)または(I)のベンゾジアゼピン誘導体は、薬学的に許容される酸と接触させて、薬学的に許容される塩を形成することができる。薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸または塩基との塩である。
【0060】
薬学的に許容される酸は、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭水素酸または硝酸と、有機酸、例えば、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはp-トルエンスルホン酸との両方を含む。薬学的に許容される塩基は、アルカリ金属(例えばナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えばカルシウムまたはマグネシウム)水酸化物および有機塩基、例えば、アルキルアミン、アラルキルアミンおよび複素環アミンを含む。
【0061】
本発明の化合物は、生物学的試験において、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)の阻害剤であることが判明している。本発明の化合物は、強力な抗RSV活性と、良好なバイオアベイラビリティーおよび良好な物理化学的特性との組合せを保有する。この特性の組合せにより、本化合物は、これまでに論じられてきた、従来技術の参考文献において開示された多くの化合物に対して、治療に有用な、優れた薬物候補に挙げられている。
【0062】
したがって、本発明は、療法によるヒトまたは動物の身体を治療する方法における使用のための、上で定義されたような式(Ib)または(I)のベンゾジアゼピン誘導体、またはその薬学的に許容される塩である化合物をさらに提供する。
【0063】
本発明はまた、RSV感染症を治療または予防する方法における使用のための、上で定義されたような本発明の化合物を提供する。またさらには、本発明は、RSV感染症の治療または予防における使用のための、医薬の製造における上で定義されたような本発明の化合物の使用を提供する。RSV感染症を患っているまたは罹りやすい対象は、上で定義されたような本発明の化合物の対象への投与を含む方法によりこうして治療することができる。対象の状態はこれにより改善され、または回復され得る。
【0064】
RSV感染症は典型的には呼吸器感染症である。RSV感染症は、子供における、例えば、10才未満の年齢の子供または2才未満の年齢の乳児における感染症であり得る。一実施形態では本発明は、小児科の患者においてRSV感染症の治療または予防に使用するために、上で定義されたような化合物を提供する。代わりに、感染症は、成人または高齢者、例えば、60才を超える年齢の成人、70才を超える年齢の成人、または80才を超える年齢の成人における感染症であってもよい。本発明は、老人の患者において、RSV感染症の治療または予防に使用するために化合物をさらに提供する。
【0065】
RSV感染症は、免疫無防備状態である個体またはCOPDもしくはCHFを患っている個体における感染症であってもよい。別の実施形態では、RSV感染症は、障害が起きていない個体、例えば、その他の点では健康な個体における感染症である。
【0066】
本発明の化合物は、様々な剤形で、例えば、経口的に、例えば、錠剤、カプセル剤、糖衣錠またはフィルムコート錠剤、液体溶液または懸濁剤の形態で、または非経口的に、例えば、筋肉内、静脈内または皮下に投与することができる。したがって、化合物は、注射、点滴、または吸入もしくは噴霧化により付与されてもよい。化合物は好ましくは経口投与により付与される。
【0067】
用量は、患者の年齢、体重および状態ならびに投与経路を含む様々な因子に依存する。1日投与量は広い限度内で変動し、それぞれ特定の個々の必要条件に対して調整することができる。しかし、典型的には、各投与経路に対して採用される用量は、化合物が単独で成人ヒトに投与される場合、0.0001~650mg/kgであり、最も一般的には0.001~10mg/kg(体重)、例えば0.01~1mg/kgの範囲である。このような用量は、例えば、1日1~5回付与されてもよい。静脈内注射に対して適切な1日用量は0.0001~1mg/kg(体重)であり、好ましくは0.0001~0.1mg/kg(体重)である。1日投与量は、単回用量としてまたは分割用量スケジュールに従い投与することができる。
【0068】
単位用量形態、例えば、錠剤またはカプセル剤は普通1~250mgの活性成分を含有する。例えば、式(Ib)または(I)の化合物は、100~250mgの間の用量で、1日1回、2回または1日3回のいずれかでヒト患者に投与することができる。例えば、式(Ib)または(I)の化合物は、100~250mgの間の用量で、1日1回、2回または1日3回のいずれかでヒト患者に投与することができる。
【0069】
式(Ib)または(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩はこれら自体で使用することができる。代わりに、これらは医薬組成物の形態で投与されてもよい。したがって本発明はまた、本明細書で以前に定義されたような、式(Ib)もしくは(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。適切な医薬製剤の選択および調製に対する慣習的手順は、例えば、「Pharmaceuticals-The Science of Dosage Form Designs」、M.E.Aulton、Churchill Livingstone、1988年に記載されている。
【0070】
投与モードに応じて、医薬組成物は好ましくは、0.05~99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05~80%w、さらにより好ましくは0.10~70%w、さらにより好ましくは0.10~50%wの活性成分を含み、すべての重量パーセンテージは全組成物に対するものである。
【0071】
本発明は、本明細書で以前に定義されたような、式(Ib)もしくは(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合するステップを含む、本発明の医薬組成物の調製のための方法をさらに提供する。
【0072】
本発明の化合物は様々な剤形で投与することができる。よって、これらは経口投与、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁剤、液剤、分散性粉末剤または粒剤として経口投与されてもよい。本発明の化合物はまた、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内、経皮的に関わらず非経口的に、点滴技法によりまたは吸入もしくは噴霧化により投与されてもよい。化合物はまた坐剤として投与されてもよい。
【0073】
本発明の医薬組成物の固形経口形態は、活性化合物と一緒に、希釈剤、例えばラクトース、ブドウ糖、サッカロース、セルロース、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン;滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤;例えば、デンプン、アラビアガム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;脱凝集剤、例えばデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはデンプングリコール酸ナトリウム;飽和剤;染料;甘味剤;湿潤剤、例えば、レシチン、ポリソルベート、硫酸ラウリル;ならびに一般的に、医薬製剤に使用される非有毒性および薬理学的に不活性な物質を含有することができる。このような薬学的調製物は、公知の方式、例えば、混合、造粒、錠剤化、糖コーティング、またはフィルムコーティングプロセスの手段により製造することができる。
【0074】
経口投与用の液体分散液はシロップ剤、乳剤および懸濁剤であってよい。シロップ剤は、担体として、例えば、サッカロースまたはサッカロースを、グリセリンおよび/もしくはマンニトールおよび/もしくはソルビトールと共に含有することができる。
【0075】
懸濁剤および乳剤は、担体として、例えば、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有することができる。筋肉注射用の懸濁剤または液剤は、活性化合物と一緒に、薬学的に許容される担体、例えば滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、例えばプロピレングリコール、および所望する場合、適切な量のリドカイン塩酸塩を含有することができる。懸濁剤に対して適切なさらなる担体として、滅菌水、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリソルベート80、ポリビニルピロリドン(PVP)、エアゾール剤AOT(すなわち1,2-ビス(2-エチルヘキソキシカルボニル)エタンスルホネートナトリウム)、プルロニックF127および/またはカプチソール(すなわちスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)が挙げられる。
【0076】
本発明の化合物は、例えば、以下から選択される担体内の水性懸濁剤として製剤化することもできる:
(i)0.5%w/vヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)/0.1%w/vポリソルベート80;
(ii)0.67%w/vポリビニルピロリドン(PVP)/0.33%w/vエアゾール剤AOT(ナトリウムl,2-ビス(2-エチルヘキソキシカルボニル)エタンスルホネート);
(iii)1%w/vプルロニックF127;および
(iv)0.5%w/vポリソルベート80。
【0077】
担体は、当業者に公知の標準的手順で調製することができる。例えば、担体(i)~(iv)のそれぞれは、必要量の賦形剤を秤量して適切な容器に入れ、およそ80%の最終容量の水を添加し、溶液が形成されるまで磁気撹拌することにより調製することができる。次いで、担体には水を容量まで足す。式(Ib)または(I)の化合物の水性懸濁剤は、必要量の式(Ib)または(I)の化合物を秤量して適切な容器に入れ、担体の必要量の100%を添加し、磁気撹拌することにより調製することができる。
【0078】
注射または点滴用の溶液は、担体として、例えば滅菌水を含有してもよいし、または好ましくはこれらは滅菌の、水性、等張生理食塩水の溶液であってもよい。
本発明の化合物はまた、ウイルス感染症の治療のために使用される他の化合物と併せて投与することもできる。よって、本発明は、本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物を含む医薬組成物もしくは製剤が、ウイルス感染症、特にRSVによる感染症の治療または予防のため、別の治療剤または薬剤と並行的にもしくは逐次的に投与される、または別の治療剤もしくは薬剤と組み合わせた調製物として投与される併用療法にさらに関する。
【0079】
本明細書で「組合せ」という用語が使用された場合、これは同時、別個または連続的な投与を指すことと理解されたい。本発明の一態様では、「組合せ」は同時投与を指す。本発明の別の態様では、「組合せ」は別個の投与を指す。本発明のさらなる態様では「組合せ」は連続的投与を指す。投与が連続的または別個である場合、第2の構成成分の投与が遅れても、例えば、組合せの有益な作用は失われるべきではない。
【0080】
併用療法における使用に対して適切な治療剤として以下が挙げられる
(i)RSV融合阻害剤
(ii)他のRSVヌクレオカプシド(N)-タンパク質阻害剤;
(iii)他のRSVタンパク質阻害剤、例えば、ホスホタンパク質(P)タンパク質および巨大(L)タンパク質を阻害する阻害剤;
(iv)Lタンパク質を阻害するヌクレオシドもしくはポリメラーゼ阻害剤;
(v)抗RSVモノクローナル抗体、例えば、F-タンパク質抗体;
(vi)免疫調節toll様受容体化合物;
(vii)他の呼吸器ウイルスの抗ウイルス性、例えば、抗インフルエンザおよび抗ライノウイルス化合物;ならびに/または
(viii)抗炎症性化合物。
【0081】
RSVヌクレオカプシド(N)-タンパク質は、ゲノムRNAとウイルスにコードされたRNA依存性RNAポリメラーゼとの間の相互作用を媒介して、ウイルス性転写および複製において中心的役割を果たしている。RSVP-およびL-タンパク質はRSVウイルスにコードされるRNA依存性RNAポリメラーゼの構成成分である。
【0082】
本発明のさらなる態様に従い、RSVの治療において使用するために、本明細書で以前に定義されたような、式(Ib)もしくは(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、上記(i)~(vi)に列挙された1種または複数の治療剤と組み合わせて提供される。
【0083】
以下に続く実施例は本発明をさらに例示する役目を果たす。調製例は、実施例の化合物を調製するために使用される出発材料および中間体の調製に関する。実施例も、調製例も、本発明を決して制限するものではない。
【実施例】
【0084】
試薬を商業源から入手し、さらに精製せずに使用した。すべての温度は単位℃である。TLCは、254nMにおいて蛍光標識を有するアルミニウムで裏打ちしたシリカゲルプレートで実施した(平均細孔サイズ60Å)。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、KP-SilもしくはUltraシリカゲルカラムを使用するBiotage Isolera OneシステムまたはFlashPureもしくはRediSep Rf/RediSep Rf Goldシリカゲルカラムを使用するIscoコンビフラッシュRfを使用して実施した。
【0085】
分析用キラルHPLC(HPLC法1A)は、カラム周辺温度で、Agilent 1100 HPLC(230nMでのUV検出)で、ChiralPAK ICカラム(2.1×150mm;粒径3μm)を用いて、流速0.4mL/分および10分の作動時間で実施した。分取HPLCは以下の方法によりカラム周辺温度で実施した。HPLC法1は、Waters Sunfire(19×100mm;5μm)カラムを有するWaters精製システム(210~400nmでのUV検出)で、28mL/分で実施した。HPLC法2は、ChiralPAK IC(20×250mm;5μm)を有するGilson HPLCシステム(230nmでのUV検出)で、15mL/分で実施した。HPLC法3は、XBridge BEH C18(30×100mm;5μm)を有するAgilent 1260 Infinity II Prep HPLC(210~400nMでのUV検出)で、42mL/分で実施した。HPLC法4は、Waters XSelect CSH(30×100mm;5μm)カラムを有するAgilent 1260 Infinity II Prep HPLCシステム(210~400nmでのUV検出)で、42mL/分で実施した。
【0086】
分取キラルSFCは、Waters SFC prep 15(210~400nmにおけるDADによるUV検出;流速15mL/分;カラム温度40℃;120バール逆圧)および以下のカラムを使用して実施した:SFC法1:Chiralpak(登録商標)IA(Daicel Ltd.)(1×25cm;5μm);SFC法2:Chiralpak(登録商標)IC(Daicel Ltd.)(1×25cm;5μm);SFC法3:Phenomenex Lux(登録商標)Cellulose-4(1×25cm;5μm)。
【0087】
分析用キラルSFCは、Waters SFC ACQUITY UPC2(220~400nmにおけるDADによるUV検出;流速1.5mL/分;カラム温度40℃;1750psi逆圧)を使用して、別途明示されていない限り以下のカラムで、3分間の作動時間で実施した。SFC法1A:ChiralPAK IA-3(Daicel Ltd.)(2.1×150mm;3μm);SFC法2A:ChiralPAK IC-3(Daicel Ltd.)(2.1×150mm、3μm);SFC法3A:Lux(登録商標)Cellulose-4、LC Column(150×4.6mm、3μm)。SFC法4A:Chiralpak IA、(250×4.6mm、5μm)、流速4mL/分。SFC法5A:Chiralpak IC、(250×4.6mm、5μm)、流速4mL/分。
【0088】
NMRスペクトルは、400または500MHz分光器上で、プローブ周辺温度(公称298K)で記録した。化学シフト(δ)はppmで付与され、溶媒の残存するピークを内部標準(CDCl3、δ=7.26ppm;DMSO-d6、δ=2.50ppm)として使用することによって較正する。結合定数はヘルツ(Hz)で付与される。APCIイオン源を備えたAdvion Plate Express expressionL 小型質量分析器を使用して、LRMSを記録した。
【0089】
LCMS分析は、CSH C18またはBEH C18カラム(2.1×30mm)のいずれかを備えたWaters Acquity UPLCを、40℃、0.77mL/分で、化合物の親油性に適当な線形5~95%アセトニトリル勾配で、1、3、または10分間にわたり使用して実施した。移動相の水性部分は0.1%ギ酸(CSH C18カラム)または10mM炭酸水素アンモニウム(BEH C18カラム)であった。210~400nmの間でWaters Acquity フォトダイオードアレイ検出器を使用してLC-UVクロマトグラムを記録した。ポジティブイオンモードとネガティブイオンモード間で切り替える、ESIを有するWaters Acquity QDa検出器を使用して質量スペクトルを記録した。
方法A:3分間 酸性
方法B:1分間 酸性
方法C:10分間 酸性
調製例(3S)-3-アミノ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンおよび(3S)-3-アミノ-9-フルオロ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンは、WO/2004/026843、WO/2005/090319、およびWO/2017/015449に記載されている方法を使用して調製した。
【0090】
【0091】
調製例
1A エチル3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート
【0092】
【0093】
エチル1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(5.5g、39.3mmol)のEtOH(60mL)中溶液を0℃に冷却し、次いで水(90mL)中酢酸ナトリウム(22.5g、271mmol)を加え、これに続いて臭素(8.25mL、161mmol)を加えた。室温に達するまで反応を行い、週末にかけて撹拌した。飽和水性Na2S2O3(100mL)およびEtOAc(50mL)を分離した相に加え、水相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(0~40%、イソヘキサン中MTBE)で精製して、白色の固体を生成した(10.3g、84%)。LCMS(方法A):m/z297.3/299.4/301.4[M+H]+、1.10分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 14.53 (s, 1H), 4.25 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0094】
2A 5-[Tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシペンタン-2-イルメタンスルホネート
【0095】
【0096】
塩化tert-ブチルジメチルシリル(1.45g、9.62mmol)の無水CH2Cl2(5mL)中溶液を、ペンタン-1,4-ジオール(1g、9.6mmol)、NEt3(3mL、22mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(250mg、2.03mmol)の無水CH2Cl2(20mL)中冷却溶液(0℃)に加え、室温に戻し、10分間撹拌した。反応物を1M水性HCl(20mL)でクエンチし、相分離器に通し、CH2Cl2(3×10mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、残留物をそのまま次の反応に持ち越した。粗残留物を無水CH2Cl2(20mL)に溶解し、冷却し(0℃)、およびNEt3(3mL、22mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(250mg、2.03mmol)を加えた。塩化メタンスルホニル(0.75mL、9.69mmol)を滴下添加し、反応物を室温で10分間撹拌した。1M水性HCl(20mL)を加え、混合物を相分離器に通し、CH2Cl2(3×10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~50%CH2Cl2)による精製によって、無色の油状物質を生成した(780mg、17%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.90 - 4.80 (m, 1H), 3.68 - 3.59 (m, 2H), 3.00 (s, 3H), 1.80 - 1.55 (m, 4H), 1.43 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.05 (s, 6H)。
【0097】
3A 5-ブロモ-2-メチルペンタン-2-オール
【0098】
【0099】
MeMgBr(Et2O中3.0M;3.6mL、10.8mmol)を、エチル4-ブロモブタノエート(1g、5.13mmol)の無水THF(10mL)中冷却(-78℃)溶液に滴下添加した。室温に達するまで反応を行い、終夜撹拌し、次いで飽和水性NH4Cl(10mL)でクエンチした。分離した水相をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~50%MTBE/イソヘキサン)による精製によって、褐色油状物質を生成した(604mg、62%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.44 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.01 - 1.90 (m, 2H), 1.64 - 1.59 (m, 2H), 1.25 (s, 6H)。
【0100】
4A 4-ブロモ-N-メトキシ-N-メチルブタンアミド
【0101】
【0102】
NEt3(10.5mL、75.1mmol)を、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(6.71g、68.8mmol)のCH2Cl2(130mL)中冷却(0℃)懸濁液に加え、これに続いて4-ブロモブタノイル塩化物(7.24mL、62.6mmol)および追加のNEt3(10.5mL、75.1mmol)を滴下添加した。反応物を室温で3時間撹拌し、揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAc(100mL)で希釈し、1M水性HCl、飽和水性NaHCO3およびブライン(それぞれ50mL)で逐次的に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮して、黄色の油状物質を生成した(11g、80%)。これをさらなる精製なしで使用した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.73 (s, 3H), 3.53 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.20 (s, 3H), 2.64 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.33 - 2.16 (m, 2H)。
【0103】
5A 6-ブロモヘキサン-3-オン
【0104】
【0105】
EtMgBr(Et2O中3.0M;3.55mL、10.7mmol)を、中間体4A(1.6g、7.62mmol)の無水THF(16mL)中冷却溶液(-78℃)に加えた。反応物を0℃に温め、3時間撹拌し、次いで飽和水性NH4Cl(50mL)でクエンチし、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機物を1M水性HCl(50mL)、飽和水性NaHCO3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮して、黄色の油状物質を生成した(1.13g、79%)。これをさらなる精製なしで使用した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.47 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.47 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.20 - 2.10 (m, 2H), 1.09 (t, J = 7.3 Hz, 3H)。
【0106】
6A (3-ヒドロキシシクロペンチル)4-メチルベンゼンスルホネート
【0107】
【0108】
p-トルエンスルホニルクロリド(1g、5.25mmol)の無水CH2Cl2(2mL)中溶液を、シクロペンタン-1,3-ジオール(500mg、4.90mmol)、NEt3(1.5mL、10.8mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(121mg、0.98mmol)の無水CH2Cl2(15mL)中冷却溶液(0℃)に滴下添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで1M水性HCl(10mL)とCH2Cl2(10mL)との間で分配した。分離した水相をCH2Cl2(2×10mL)で抽出し、合わせた有機物を1:1水/ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(10~60%イソヘキサン中EtOAc)で精製して、無色のガム状物質を生成した(302mg、22%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.82 - 7.75 (m, 2H), 7.37 - 7.31 (m, 2H), 5.09 - 5.02 (m, 1H), 4.49 - 4.41 (m, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.14 - 2.05 (m, 1H), 2.09 - 1.95 (m, 2H), 1.95 - 1.76 (m, 2H), 1.63 - 1.57 (m, 1H), 1.37 (d, J = 3.2 Hz, 1H)。
【0109】
7A S-(4-ブロモブチル)エタンチオエート
【0110】
【0111】
カリウムエタンチオエート(574mg、5.03mmol)を、1,4-ジブロモブタン(0.6mL、5.03mmol)のDMF(10mL)中溶液に少しずつ加えた。反応物を室温で6時間撹拌し、水(20mL)で希釈し、MTBE(3×20mL)で抽出した。水層をMTBE(20mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(3×40mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~30%MTBE)による精製によって、無色の油状物質を生成した(516mg、53%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.43 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.00 - 1.91 (m, 2H), 1.76 (tt, J = 9.9, 6.2 Hz, 2H)。
【0112】
8A 2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)エチルメタンスルホネート
【0113】
【0114】
塩化メタンスルホニル(1.53mL、19.8mmol)を、2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)エタノール(2mL、14.1mmol)およびNEt3(5.11mL、36.7mmol)のCH2Cl2(40mL)中冷却溶液(0℃)に滴下添加した。反応物を室温で3時間撹拌し、1M水性HCl(40mL)でクエンチし、有機層をブライン(40mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮して、無色の油状物質を生成した(2.81g、80%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.44 - 4.34 (m, 2H), 4.28 - 4.20 (m, 1H), 4.15 - 4.09 (m, 1H), 3.65 - 3.59 (m, 1H), 3.04 (s, 3H), 2.10 - 1.90 (m, 2H), 1.43 (s, 3H), 1.37 (s, 3H)。
【0115】
9A エチル3,5-ジブロモ-1-(4-ヒドロキシブチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0116】
【0117】
4-ブロモブタン-1-オール(0.31mL、3.36mmol)および中間体1A(1g、3.36mmol)を、K2CO3(1g、7.24mmol)のMeCN(10mL)中溶液に加え、反応物を80℃で76時間加熱した。4-ブロモブタン-1-オール(0.62mL、6.72mmol)を加え、80℃で加熱を終夜継続した。反応物を室温に冷却し、濾過し、MeCN(2×20mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~60%EtOAc)による精製によって、無色の油状物質を生成した(916mg、73%)。LCMS(方法A):m/z369.2/371.3/373.3[M+H]+、1.65分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.46 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.26 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.21 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.42 - 3.37 (m, 2H), 1.84 - 1.73 (m, 2H), 1.42 - 1.34 (m, 2H), 1.30 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0118】
10A エチル3,5-ジブロモ-1-(4-オキソペンチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0119】
【0120】
K2CO3(1.2g、8.68mmol)、NaI(1g、6.02mmol)および5-クロロペンタン-2-オン(0.7mL、6.14mmol)を、中間体1A(1.2g、4.03mmol)のMeCN(10mL)中溶液に加え、反応物を60℃で終夜加熱した。反応物を室温に冷却し、濾過し、MeCN(2×20mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~50%MTBE)による精製によって、オレンジ色の油状物質を生成した(1.38g、83%)。LCMS(方法A):m/z381.5/383.5/385.5[M+H]+、1.33分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.24 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.47 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.14 - 2.07 (m, 2H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0121】
11A エチル3,5-ジブロモ-1-(4-オキソヘキシル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0122】
【0123】
K2CO3(1.68g、12.2mmol)および中間体5A(1.13g、6.33mmol)を、中間体1A(1.45g、4.87mmol)のMeCN(10mL)中溶液に加えた。反応物を60℃で3時間加熱し、室温に冷却し、濾過し、MeCN(2×20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0~50%MTBE/イソヘキサン)で精製して、黄色の油状物質を生成した(1.78g、76%)。LCMS(方法B):m/z395.2/397.2/399.2[M+H]+、0.66分において。
【0124】
12A エチル3,5-ジブロモ-1-[5-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシペンタン-2-イル]ピラゾール-4-カルボキシレート
【0125】
【0126】
K2CO3(750mg、5.43mmol)および中間体2A(780mg、2.63mmol)を、中間体1A(785mg、2.63mmol)のMeCN(10mL)中溶液に加えた。反応物を80℃で終夜加熱し、室温に冷却し、濾過し、MeCN(2×20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0~20%、イソヘキサン中MTBE)で精製して、無色の油状物質を生成した(637mg、48%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.72 - 4.61 (m, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.62 - 3.51 (m, 2H), 2.08 - 1.97 (m, 1H), 1.90 - 1.80 (m, 1H), 1.46 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.45 - 1.39 (m, 1H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.36 - 1.24 (m, 1H), 0.88 (s, 9H), 0.03 (s, 6H).LCMS(方法A):m/z497.4/499.4/501.4[M+H]+、2.28分において。
【0127】
13A エチル3,5-ジブロモ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0128】
【0129】
中間体1Aおよび3Aを用いて、中間体12Aに対して記載されている手順と類似の手順で調製した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.23 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.01 - 1.91 (m, 2H), 1.52 - 1.45 (m, 2H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.23 (s, 6H).LCMS(方法A):m/z379.6/381.6/383.6[M-OH]+、1.33分において。
【0130】
14A エチル3,5-ジブロモ-1-(3-ヒドロキシシクロペンチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0131】
【0132】
中間体1Aおよび6Aを用いて、中間体12Aに対して記載されている手順と類似の手順で調製した。LCMS(方法A):m/z381.1/383.1/385.1[M+H]+、1.24分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 5.15 - 5.06 (m, 1H), 4.45 - 4.39 (m, 1H), 4.39 - 4.32 (m, 2H), 4.01 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 2.40 - 2.29 (m, 1H), 2.29 - 2.21 (m, 1H), 2.18 - 2.13 (m, 1H), 2.13 - 2.04 (m, 1H), 2.04 - 1.96 (m, 1H), 1.94 - 1.83 (m, 1H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0133】
15A エチル1-(4-アセチルスルファニルブチル)-3,5-ジブロモピラゾール-4-カルボキシレート
【0134】
【0135】
K2CO3(1.41g、10.2mmol)および中間体7A(646mg、3.06mmol)を、中間体1A(760mg、2.55mmol)のMeCN(15mL)中溶液に加えた。反応物を70℃で3日間加熱し、室温に冷却し、濾過し、MeCN(2×20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、オレンジ色の油状物質を生成した(1.06g、72%)。これをさらに精製せずに使用した。LCMS(方法B):m/z427.2/429.2/431.1[M+H]+、0.72分において。
【0136】
16A エチル3,5-ジブロモ-1-[2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)エチル]ピラゾール-4-カルボキシレート
【0137】
【0138】
K2CO3(4.45g、32.2mmol)および中間体8A(2.81g、11.3mmol)を、中間体1A(2.4g、8.06mmol)のMeCN(100mL)中溶液に加えた。反応混合物を70℃に加熱し、4時間撹拌し、室温に冷却し、濾過し、MeCNで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0~60%MTBE/イソヘキサン)で精製して、(2.91g、81%)を無色の油状物質として生成した。LCMS(方法A):m/z425.2/427.2/429.2[M+H]+、1.53分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.44 - 4.29 (m, 4H), 4.16 - 4.04 (m, 2H), 3.57 (dd, J = 7.9, 6.3 Hz, 1H), 2.21 - 2.00 (m, 2H), 1.46 - 1.34 (m, 9H)。
【0139】
17A エチル3,5-ジブロモ-1-(3,4-ジヒドロキシブチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0140】
【0141】
中間体16A(2.91g、6.83mmol)のAcOH(20mL)および水(10mL)中溶液を、110℃で2時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をCH2Cl2(30mL)に溶解し、飽和水性NaHCO3(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、溶媒を減圧下で除去して、無色の油状物質を生成した(2.80g、85%)。これをさらなる精製なしで使用した。LCMS(方法B):m/z385.4/387.5/389.5[M+H]+、0.50分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.50 - 4.34 (m, 4H), 3.79 - 3.65 (m, 1H), 3.55 - 3.49 (m, 1H), 2.12 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 2.10 - 1.97 (m, 1H), 1.97 - 1.91 (m, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.41 (td, J = 7.1, 2.9 Hz, 3H)。
【0142】
18A エチル3,5-ジブロモ-1-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-ヒドロキシブチル]ピラゾール-4-カルボキシレート
【0143】
【0144】
中間体17A(2.8g、6.15mmol)のCH2Cl2(10mL)中溶液を、塩化tert-ブチルジメチルシリル(1.11g、7.39mmol)およびイミダゾール(1.05g、15.4mmol)のCH2Cl2(40mL)中溶液に加え、室温で72時間撹拌した。反応混合物を濾過し、CH2Cl2(2×20mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し(ヘプタン中0~50%MTBE)、淡黄色の油状物質を生成した(1.91g、53%)。LCMS(方法A):m/z499.3/501.3/503.3[M+H]+、1.96分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.43 - 4.36 (m, 4H), 3.71 - 3.61 (m, 2H), 3.51 - 3.40 (m, 1H), 2.54 (s, 1H), 2.07 - 1.99 (m, 1H), 1.97 - 1.86 (m, 1H), 1.42 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.92 (s, 9H), 0.09 (s, 6H)。
【0145】
19A エチル3,5-ジブロモ-1-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-オキソブチル]ピラゾール-4-カルボキシレート
【0146】
【0147】
デス-マーチンペルヨージナン(540mg、1.27mmol)を、中間体18A(0.5g、0.85mmol)のCH2Cl2(10mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を10%水性Na2S2O5(20mL)でクエンチし、飽和水性NaHCO3(20mL)で洗浄した。このワークアッププロセスをさらに2回繰り返し、次いで有機物をブライン(20mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮して、無色の油状物質として生成した(414mg、92%収率)。LCMS(方法A):m/z497.2/499.2/501.2[M+H]+、2.00分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.48 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 4.37 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 4.22 (s, 2H), 3.17 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.94 (s, 9H), 0.11 (s, 6H)。
【0148】
20A エチル3,5-ジブロモ-1-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3,3-ジフルオロブチル]ピラゾール-4-カルボキシレート
【0149】
【0150】
三フッ化ジエチルアミノ硫黄(2.78mL、21.07mmol)を、中間体19A(2.1g、4.21mmol)のCH2Cl2(100mL)中溶液に加え、室温で24時間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、飽和水性NaHCO3溶液(100mL)でクエンチし、層を分離した。有機画分をブライン(50mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(0~100%MTBE/イソヘキサン)による精製によって、無色の油状物質を生成した(801mg、20%)。LCMS(方法A):m/z519.3/521.2/523.2[M+H]+、2.17分において。
40A エチル3,5-ジブロモ-1-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-モルホリン-4-イルブチル]ピラゾール-4-カルボキシレート
【0151】
【0152】
モルホリン(395μL、4.52mmol)を、中間体19A(900mg、1.81mmol)のCH2Cl2(10mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で20分間撹拌し、その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.53g、7.22mmol)を加え、混合物を室温で8日間撹拌した。反応混合物を飽和水性NaHCO3(20mL)でクエンチし、水層をEtOAc(30mL)で抽出した。有機物をブライン(20mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、真空中で濃縮して、粗残留物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~100%MTBE、次いでMTBE中10%MeOHによる)で精製して、無色の油状物質を得た(183mg、18%)。LCMS(方法A):m/z568.2/570.2/572.2[M+H]+、1.32分において。
【0153】
21A エチル3,5-ジブロモ-1-(5-ヒドロキシペンタン-2-イル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0154】
【0155】
フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M;1.4mL、1.40mmol)を、中間体12A(635mg、1.27mmol)の無水THF(5mL)中溶液に加えた。反応物を室温で10分間撹拌し、次いで飽和水性NH4Cl(10mL)およびEtOAc(20mL)を加えた。分離した水相をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中10~70%MTBE)による精製によって、薄黄色のガム状物質を生成した(449mg、91%)。LCMS(方法A):m/z383.2/385.2/387.2[M+H]+、1.27分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.73 - 4.63 (m, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.67 - 3.54 (m, 2H), 2.14 - 2.03 (m, 1H), 1.93 - 1.82 (m, 1H), 1.54 - 1.48 (m, 1H), 1.47 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.37 - 1.31 (m, 2H)。
【0156】
21B エチル3,5-ジブロモ-1-(3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシブチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0157】
【0158】
フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M;1.7mL、1.7mmol)を、中間体20A(221mg、0.42mmol)の無水THF(5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、EtOAc(20mL)で希釈し、飽和水性NH4Cl(20mL)でクエンチした。水層をさらなるEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~100%MTBE)による精製によって、(105mg、59%)を無色の固体として生成した。LCMS(方法A):m/z405.5/407.5/409.5[M+H]+、1.29分において。
21C エチル3,5-ジブロモ-1-(4-ヒドロキシ-3-モルホリン-4-イルブチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0159】
【0160】
中間体21Aに対して記載されている手順と類似の手順で調製した。LCMS(方法A):m/z454.2/456.1/458.1[M+H]+、0.67分において。
22A エチル3,5-ジブロモ-1-(4-ヒドロキシペンチル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0161】
【0162】
NaBH4(408mg、10.8mmol)を、中間体10A(4.08g、10.7mmol)のEtOH(30mL)中冷却溶液(0℃)に加えた。反応物を10分間にわたり室温に温め、1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を1M水性HCl(50mL)とEtOAc(50mL)との間で分配し、分離した水相をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮して、黄色の油状物質を生成した(3.84g、93%)。LCMS(方法A):m/z383.2/385.2/387.2[M+H]+、1.25分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.30 - 4.17 (m, 2H), 3.88 - 3.78 (m, 1H), 2.07 - 1.86 (m, 2H), 1.51 - 1.42 (m, 2H), 1.41 - 1.37 (m, 1H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
【0163】
22B エチル3,5-ジブロモ-1-(4-ヒドロキシヘキシル)ピラゾール-4-カルボキシレート
【0164】
【0165】
中間体11Aを用いて、中間体22Aに対して記載されている手順と類似の手順で調製した。LCMS(方法B):m/z397.2/399.5/401.4[M+H]+、0.64分において。
23A エチル2-ブロモ-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0166】
【0167】
水素化ナトリウム(270mg、6.75mmol)を、中間体22A(1.26g、3.28mmol)の乾燥THF(10mL)中溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温に戻し、3日間撹拌した。水(10mL)およびCH2Cl2(20mL)を加え、分離した水性画分をCH2Cl2(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~50%MTBE)による精製によって、白色の固体を生成した(664mg、66%)。LCMS(方法A):m/z303.2/305.2[M+H]+、1.28分において。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.37 - 4.23 (m, 3H), 4.10 - 4.01 (m, 2H), 2.09 (ddd, J = 14.6, 5.1, 3.2 Hz, 1H), 2.05 - 1.94 (m, 1H), 1.94 - 1.87 (m, 1H), 1.79 - 1.69 (m, 1H), 1.49 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
表1に列挙された以下の中間体化合物は、同じ一般的手順で調製した。
【0168】
【0169】
24A エチル2-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキシレート
【0170】
【0171】
中間体15A(1.06g、2.48mmol)を、K2CO3(1.71g、12.4mmol)の水(10mL)およびEtOH(10mL)中懸濁液に加えた。反応混合物を70℃で2時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。水(30mL)およびEtOAc(30mL)を加え、分離した水層をEtOAc(30mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮して、無色の油状物質を生成した(673mg、86%)。LCMS(方法B):m/z305.2/307.2[M+H]+、0.64分において。
【0172】
25A エチル2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0173】
【0174】
反応容器に、中間体23B(140mg、0.484mmol)、フェニルボロン酸(118mg、0.97mmol)、K3PO4(124mg、0.583mmol)、XPhos(12mg、0.025mmol)およびXPhosPd(クロチル)Cl(Pd-170;18mg、0.026mmol)を投入した。反応容器を真空排気し、N2を充填し、THF:水(約4:1;5mL)を加え、混合物をN2でスパージし、65℃に終夜加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(25mL)で希釈し、ブライン(3×25mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(0~70%イソヘキサン中EtOAc)による精製によって、白色の固体(186mg、94%)を生成した。LCMS(方法A):m/z287.3[M+H]+、1.31分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.92 - 7.85 (m, 1H), 7.60 - 7.52 (m, 2H), 7.43 - 7.29 (m, 2H), 4.26 - 4.20 (m, 2H), 4.22 - 4.16 (m, 2H), 4.11 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.07 - 1.99 (m, 2H), 1.88 - 1.80 (m, 2H), 1.14 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0175】
以下の調製例を中間体25Aと類似の方式で調製した。調製例25E、25F、および25Gに対しては、THF:水(約4:1)の代わりに、THFを反応溶媒として使用した。
【0176】
【0177】
26A エチル2-(5-メチルピリジン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0178】
【0179】
反応容器に、中間体23B(140mg、0.484mmol)、5-メチルピリジン-3-ボロン酸(133mg、0.970mmol)、K3PO4(124mg、0.583mmol)、XPhos(12mg、0.025mmol)およびPd-170(18mg、0.026mmol)を投入した。反応容器を真空排気し、N2を充填し、THF:水(約4:1;5mL)を加え、混合物をN2でスパージし、65℃に終夜加熱した。さらなるPd-170(18mg、0.026mmol)および5-メチルピリジン-3-ボロン酸(133mg、0.970mmol)を反応物に加え、これをN2でスパージし、65℃に終夜加熱した。反応物を室温に冷却し、MeOH(25mL)で希釈し、シリカ-プロピルスルホン酸固相抽出カートリッジ(アイソリュートSCX-2、2g)に通し、これをMeOH(100mL)で洗浄し、これに続いて生成物をMeOH(100mL)中0.7M NH3で溶出した。溶媒を減圧下で除去して、オレンジ色の油状物質を生成した(154mg、84%)。これをさらなる精製なしで使用した。LCMS(方法A):m/z302.3[M+H]+、0.72分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) 8.53 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.39 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.78 - 7.75 (m, 1H), 4.27 - 4.23 (m, 2H), 4.22 - 4.19 (m, 2H), 4.12 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.35 - 2.30 (m, 3H), 2.05 - 2.01 (m, 2H), 1.90 - 1.79 (m, 2H), 1.14 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0180】
27A エチル5-エチル-2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0181】
【0182】
THF:水(3:2;10mL)中の中間体23C(269mg、0.85mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸(237mg、1.696mmol)、Pd-170(43mg、0.064mmol)、XPhos(40mg、0.085mmol)およびK3PO4(234mg、1.103mmol)から、70℃で18時間加熱して、中間体25Bに対して記載されている手順と類似の手順で調製した。LCMS(方法A):m/z333.3[M+H]+、0.68分において。
28A 2-エチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン
【0183】
【0184】
酢酸カリウム(633mg、6.45mmol)を、ビス(ピナコラト)ジボロン(601mg、2.365mmol)および5-ブロモ-2-エチルピリジン(400mg、2.150mmol)のジオキサン(3.3mL)中懸濁液に加えた。反応混合物をN2でスパージし、Pd(dppf)Cl2(118mg、0.161mmol)を加え、100℃で1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(30mL)で希釈し、セライトを介して濾過し、EtOAc(40mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、赤色の油状物質を生成した(501mg、100%収率)。これをさらなる精製なしで使用した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (s, 1H), 8.01 (dd, J = 7.7, 1.7 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 2.86 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.34 (s, 12H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
29A エチル6,6-ジフルオロ-2-(2-フルオロフェニル)-7,8-ジヒドロ-5H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0185】
【0186】
中間体23F(41mg、0.126mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸(35mg、0.252mmol)、K3PO4(107mg、0.504mmol)およびXPhos(12mg、0.025mmol)の3:2THF:水(10mL)中溶液を、N2でスパージし、Pd-170(8.5mg、0.013mmol)を加え、反応物を70℃で3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、ブライン、飽和水性NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0~100%MTBE)による精製によって、無色の油状物質を生成した(32mg、75%)。LCMS(方法A):m/z341.3[M+H]+、1.42分において。
【0187】
以下の調製例を中間体28Aと類似の方式で調製した。調製例29Cおよび42Bは対応するピナコールエステル中間体28Aから調製した。
【0188】
【0189】
30A エチル2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0190】
【0191】
反応容器に、中間体23B(187mg、0.613mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸(172mg、1.227mmol)、K3PO4(156mg、0.740mmol)、およびXPhos PdG2(25.8mg、0.033mmol)を投入した。反応容器を真空排気し、N2を充填し、THF(4mL)および水(1mL)を加え、N2でスパージし、65℃で終夜加熱した。冷却した反応物をEtOAc(10mL)と水(10mL)との間で分配し、分離した水相をEtOAc(3×10mL)で抽出し、有機層を合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~80%EtOAc)による精製によって、白色の固体を生成した(186mg、94%)。LCMS(方法A):m/z305.3[M+H]+、1.28分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.48 - 7.39 (m, 2H), 7.26 - 7.18 (m, 2H), 4.27 - 4.22 (m, 2H), 4.24 - 4.18 (m, 2H), 4.03 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.07 - 1.99 (m, 2H), 1.89 - 1.81 (m, 2H), 1.04 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0192】
31A エチル5-エチル-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0193】
【0194】
反応容器に、中間体23C(269mg、0.848mmol)、2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(372mg、1.696mmol)、XPhos(40mg、0.085mmol)およびK3PO4(234mg、1.103mmol)を投入した。THF(6mL)および水(4mL)を加え、混合物をN2でスパージし、次いでXPhos Pd G2(50mg、0.064mmol)を加え、反応物を70℃で18時間加熱した。中間体に対して記載されているワークアップと類似のワークアップ、これに続くフラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中0~100%MTBE)による精製によって、白色の固体を生成した(186mg、94%)。LCMS(方法B):m/z330.3[M+H]+、0.46分において。
32A エチル2-(2-フルオロフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキシレート
【0195】
【0196】
中間体24A(135mg、0.443mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸(124mg、0.886mmol)、XPhos(32mg、0.066mmol)およびK3PO4(141mg、0.665mmol)の3:2THF:水(10mL)中溶液をN2でスパージし、Pd-170(22mg、0.033mmol)を加え、反応物を室温で72時間加熱した。中間体に対して記載されているワークアップと類似のワークアップ、これに続くフラッシュクロマトグラフィー[0~100%(酢酸エチル中10%MeOH)イソヘキサン中]による精製によって、無色の油状物質を生成した(54mg、59%)。LCMS(方法B):m/z321.3[M+H]+、0.66分において。
43A エチル4-(2-フルオロ-4-メチルスルホニルフェニル)-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキシレート
【0197】
【0198】
反応容器に、中間体23G(400mg、1.33mmol)、2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニルボロン酸(434mg、1.99mmol)およびXPhos Pd G2(78mg、0.10mmol)を投入した。容器を真空排気し、N2(3×)を再充填した。THF(6mL)およびK3PO4(2M水性;1.33mL、2.66mmol)は両方ともN2で脱気しておき、これらを加え、反応物を80℃で終夜加熱した。揮発物を減圧下で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中20~100%EtOAc)で精製して、白色の固体を生成した(145mg、27%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.85 - 7.75 (m, 2H), 7.75 - 7.65 (m, 1H), 5.32 - 5.20 (m, 1H), 4.86 - 4.74 (m, 1H), 4.02 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.32 (s, 3H), 2.37 - 2.28 (m, 1H), 2.25 - 1.98 (m, 5H), 1.05 (t, J = 7.1 Hz, 3H).LRMS(APCI+)m/z395.0[M+H]+。
【0199】
33A エチル2-[6-(シクロプロピルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボン酸
【0200】
【0201】
DIPEA(105μL、0.603mmol)およびシクロプロピルアミン(195μL、2.815mmol)を、中間体25B(162mg、0.500mmol)のDMSO(1mL)中溶液に加え、反応物を50℃で5時間加熱した。反応物を室温に冷却した、EtOAc(10mL)と水(10mL)との間で分配し、分離した水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー[0~60%(EtOAc中10%MeOH)イソヘキサン中]による精製によって、エチル2-[2-(シクロプロピルアミノ)-6-フルオロピリジン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレートを微量生成物として生成した[LCMS(方法A):m/z361.4[M+H]+、1.37分において]。これに続いて主要生成物、中間体33Aを白色の固体として生成した(80mg、44%)。LCMS(方法A):m/z361.4[M+H]+、1.26分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.64 - 7.54 (m, 1H), 7.27 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.49 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 4.28 - 4.13 (m, 4H), 4.07 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.08 - 1.97 (m, 2H), 1.89 - 1.79 (m, 2H), 1.11 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.73 (d, J = 6.8, 4.6 Hz, 2H), 0.48 - 0.41 (m, 2H)。
【0202】
34A エチル2-[6-(エチルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0203】
【0204】
DIPEA(0.55mL、3.16mmol)およびエチルアミン(THF中2.0M;4mL、5.09mmol)を、中間体25C(530mg、1.57mmol)のDMSO(3mL)中溶液に加え、反応物をMWIで、130℃で30分間加熱した。中間体33Aに対して記載されているワークアップと類似のワークアップ、これに続くフラッシュクロマトグラフィー(イソヘキサン中20~80%EtOAc)による精製によって、薄黄色の固体を生成した(206mg、35%)。LCMS(方法A):m/z363.4[M+H]+、1.34分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) 7.62 (dd, J = 9.5, 8.1 Hz, 1H), 6.23 (dd, J = 8.2, 1.9 Hz, 1H), 4.59 - 4.55 (m, 1H), 4.40 - 4.35 (m, 1H), 4.25 - 4.16 (m, 2H), 4.13 - 4.07 (m, 2H), 3.36 - 3.27 (m, 2H), 2.13 - 2.06 (m, 1H), 2.09 - 1.99 (m, 1H), 1.99 - 1.88 (m, 1H), 1.88 - 1.75 (m, 1H), 1.51 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.24 (q, J = 7.3 Hz, 3H), 1.24 (q, J = 7.3 Hz, 3H)。
【0205】
34B エチル2-[2-フルオロ-6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0206】
【0207】
中間体34Aに対して記載されている手順と類似の手順で調製した。LCMS(方法A):m/z377.5[M+H]+、1.44分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) 7.61 (dd, J = 9.5, 8.1 Hz, 1H), 6.21 (dd, J = 8.2, 1.9 Hz, 1H), 4.49 - 4.44 (m, 1H), 4.41 - 4.34 (m, 1H), 4.27 - 4.14 (m, 2H), 4.14 - 4.06 (m, 1H), 3.95 - 3.85 (m, 1H), 2.10 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 2.03 - 1.99 (m, 1H), 1.99 - 1.88 (m, 1H), 1.86 - 1.75 (m, 1H), 1.51 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.27 - 1.20 (m, 9H).
35A エチル6,6-ジフルオロ-2-[6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-7,8-ジヒドロ-5H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキシレート
【0208】
【0209】
DIPEA(597μL、3.43mmol)を、イソプロピルアミン(147μL、1.71mmol)および中間体29B(117mg、0.343mmol)のDMSO(5mL)中溶液に加え、反応物を70℃で3時間加熱した。中間体33Aに対して記載されているワークアップと類似のワークアップ、これに続くフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0~100%MTBE)による精製によって、無色の油状物質を生成した(44mg、34%)。LCMS(方法A):m/z381.3[M+H]+、0.79分において。
44A エチル4-[6-(プロパン-2-イルアミノ)ピリジン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキシレート
【0210】
【0211】
中間体42A(253mg、0.80mmol)、DIPEA(1.389mL、7.97mmol)およびイソプロピルアミン(685μL、7.97mmol)のDMSO(5mL)中溶液を、MWIで、130℃で8時間加熱した。さらなるイソプロピルアミン(343μL、3.99mmol)を加え、反応物をMWIで、130℃で8時間加熱した。反応物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(2×15mL)で抽出した。有機抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、溶媒を減圧下で除去して、オレンジ色の固体を生成した(241mg、83%)。LCMS(方法A):m/z357.4[M+H]+、0.70分において。
36A エチル2-(2-フルオロフェニル)-4,4-ジオキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキシレート
【0212】
【0213】
メタクロロ過安息香酸(81mg、0.328mmol)を、中間体32A(42mg、0.131mmol)のCH2Cl2(5mL)中冷却溶液(0℃)に加え、反応物を室温で72時間撹拌した。反応物をCH2Cl2(25mL)で希釈し、10%w/vの水性Na2S2O3(25mL)でクエンチした。分離した有機相を飽和水性NaHCO3(3×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、減圧下で濃縮して、無色の油状物質を生成した(45mg、94%)。これをさらなる精製なしで使用した。LCMS(方法B):m/z353.4[M+H]+、0.61分において。
37A 2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボン酸
【0214】
【0215】
LiOH(1.5M水性、3mL、4.55mmol)を、中間体25A(130mg、0.46mmol)のTHF:MeOH(1:1、6mL)中溶液に加え、反応物を40℃で週末にかけて撹拌した。反応物を室温に冷却し、MTBE(3×10mL)で洗浄し、次いで1M水性HClでpH約1に酸性化し、CHCl3:iPrOH(約3:1、3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮して、白色の固体を生成した(120mg、97%)。これをさらなる精製なしで使用した。LCMS(方法A):m/z259.4[M+H]+、0.94分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.04 (s, 1H), 7.61 - 7.57 (m, 2H), 7.39 - 7.32 (m, 3H), 4.26 - 4.14 (m, 4H), 2.06 - 1.98 (m, 2H), 1.89 - 1.79 (m, 2H).
以下の中間体は、中間体37Aと類似の手順で調製した。
【0216】
【0217】
38A 2-(2-フルオロフェニル)-8-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボン酸
【0218】
【0219】
LiOH(85mg、3.55mmol)を、中間体30A(140mg、0.44mmol)の1:1:1MeOH:THF:水(3mL)中溶液に加え、反応物を50℃で2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、1M水性HCl(5mL)で酸性化し、CH2Cl2(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物を、ブライン(20mL)を含有する相分離器に通し、加圧下で濃縮して、白色の固体を生成した(122mg、96%)。これをさらなる精製なしで使用した。LCMS(方法A):m/z291.3[M+H]+、1.04分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 (s, 1H), 7.46 - 7.37 (m, 2H), 7.24 - 7.15 (m, 2H), 4.64 - 4.56 (m, 1H), 4.35 - 4.27 (m, 1H), 4.09 - 4.01 (m, 1H), 2.23 - 2.14 (m, 1H), 2.01 - 1.91 (m, 2H), 1.89 - 1.81 (m, 1H), 1.43 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
以下の中間体は、中間体38Aの手順と類似の手順により調製した。
【0220】
【0221】
39A 2-[6-(シクロプロピルアミノ)-2-フルオロピリジン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボン酸
【0222】
【0223】
LiOH(1.5M水性;1.29mL、1.94mmol)を、中間体33A(70mg、0.194mmol)のTHF:MeOH(1:1、2mL)中溶液に加え、反応物を40℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、1M水性HCl(1.3mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮して、オレンジ色の固体を生成した(64.5mg、100%)。これをさらなる精製なしで使用した。LCMS(方法B):333.8[M+H]+、0.49分において。
45A 4-(2-フルオロ-4-メチルスルホニルフェニル)-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボン酸
【0224】
【0225】
中間体43A(140mg、0.355mmol)および5M水性NaOH(0.57mL、2.84mmol)のEtOH(10mL)中溶液を、60℃に終夜加熱した。揮発物を減圧下で除去し、1M水性HClで(pH約2)に酸性化し、CHCl3:iPrOH(3:1;3×15mL)で抽出した。合わせた有機物を水およびブライン(15mL)でそれぞれ洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去して、オフホワイト色の固体を生成した(129mg、99%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.98 (s, 1H), 7.83 - 7.73 (m, 2H), 7.72 - 7.63 (m, 1H), 5.28 - 5.19 (m, 1H), 4.84 - 4.73 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 2.36 - 2.26 (m, 1H), 2.22 - 1.88 (m, 5H).LRMS(APCI+)m/z367.2[M+H]+。
【0226】
実施例1
N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド(手順A)
【0227】
【0228】
NEt3(64μL、0.459mmol)、HATU(84mg、0.221mmol)および(3S)-3-アミノ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(55mg、0.220mmol)を、中間体37A(57mg、0.220mmol)のDMF(2mL)中溶液に加え、反応物を40℃で1時間撹拌した。反応物をEtOAc(40mL)で希釈し、ブライン(4×20mL)で洗浄した。層を分離し、水層をCHCl3:iPrOH(3:1;30mL)で抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%MeOH)で精製して、白色の固体を生成した(69mg、64%)。LCMS(方法C):m/z492.4[M+H]+、4.27分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.99 (s, 1H), 8.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.71 - 7.68 (m, 2H), 7.67 - 7.62 (m, 1H), 7.55 - 7.50 (m, 1H), 7.50 - 7.43 (m, 4H), 7.36 - 7.29 (m, 5H), 7.29 - 7.25 (m, 1H), 5.33 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.48 - 4.42 (m, 1H), 4.42 - 4.36 (m, 1H), 4.33 - 4.28 (m, 2H), 2.18 - 2.08 (m, 2H), 1.95 - 1.86 (m, 2H).
以下の本発明の化合物は、(3S)-3-アミノ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンまたは(3S)-3-アミノ-9-フルオロ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを用いて、実施例1の化合物に対して記載されている手順と類似の手順により調製した。
【0229】
【0230】
実施例5
2-(2-フルオロフェニル)-5,5-ジメチル-N-[(3S)-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7,8-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド(手順B)
【0231】
【0232】
NEt3(30μL、0.215mmol)、HATU(38mg、0.100mmol)および(3S)-3-アミノ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(25mg、0.100mmol)を、中間体38F(30mg、0.100mmol)のDMF(0.5mL)中溶液に加え、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を水(20mL)でクエンチし、生成した沈殿物を濾過し、水で洗浄した。沈殿物をCH2Cl2(10mL)で溶解し、ブライン(10mL)を含有する相分離器に通し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中10~60%MeOH)による精製によって、白色の固体を生成した(41mg、77%)。LCMS(方法C):m/z538.3[M+H]+、4.65分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.97 (s, 1H), 8.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.67 - 7.60 (m, 1H), 7.54 - 7.47 (m, 1H), 7.47 - 7.40 (m, 4H), 7.40 - 7.33 (m, 2H), 7.33 - 7.28 (m, 2H), 7.28 - 7.22 (m, 1H), 7.19 - 7.14 (m, 1H), 7.14 - 7.09 (m, 1H), 5.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.34 - 4.20 (m, 2H), 2.14 - 2.08 (m, 2H), 1.93 - 1.89 (m, 2H), 1.58 (s, 3H), 1.49 (s, 3H)。
【0233】
以下の本発明の化合物は、実施例5の化合物に対して記載されている手順と類似の手順により調製した。
【0234】
【0235】
以下の本発明の化合物は、実施例5の化合物に対して記載されている手順と類似の手順で、ジアステレオマーの1:1混合物として調製した。0.5Hは、1H NMR帰属におけるジアステレオマーピークの1Hに対応する。実施例16および17は、アミドカップリングステップにおいて5当量のNEt3を使用して調製した。
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
20. N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]チアゼピン-3-カルボキサミド(手順C)
【0240】
【0241】
中間体32A(42mg、0.131mmol)およびLiOH(63mg、2.622mmol)のMeOH:THF;水(1:1:1;12mL)中溶液を、60℃で72時間加熱した。反応物を室温に冷却し、1M水性HCl(10mL)で酸性化し、溶媒を減圧下で除去した。粗残留物をDMF(5mL)に溶解し、NEt3(91μL、0.655mmol)および(3S)-3-アミノ-9-フルオロ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(35mg、0.131mmol)を加え、これに続いてHATU(50mg、0.131mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。実施例5の化合物に対して記載されているワークアップと類似のワークアップ、これに続くフラッシュクロマトグラフィー[0~100%(酢酸エチル中10%MeOH)イソヘキサン中]による精製によって、白色の固体を生成した(40mg、56%)。LCMS(方法C):m/z544.3[M+H]+、4.40分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.89 (s, 1H), 8.83 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.62 - 7.51 (m, 2H), 7.54 - 7.42 (m, 5H), 7.44 - 7.38 7.41 (m, 1H), 7.30 (td, J = 8.1, 4.9 Hz, 1H), 7.25 - 7.20 (m, 1H), 7.22 - 7.13 (m, 2H), 5.38 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.52 (q, J = 4.1, 2.6 Hz, 2H), 3.05 - 2.95 (m, 2H), 2.14 (s, 2H), 1.82 (s, 2H)。
【0242】
以下の本発明の化合物は、実施例20の化合物に対して記載されている手順と類似の手順により調製した。
【0243】
【0244】
以下の本発明の化合物は、実施例20の化合物に対して記載されている手順と類似の手順により、ジアステレオマーの1:1混合物として調製した。0.5Hは、1H NMR帰属におけるジアステレオマーピークの1Hに対応する。
【0245】
【0246】
【0247】
28. 6,6-ジフルオロ-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-2-(2-フルオロフェニル)-5H,6H,7H,8H-ピラゾロ[3,2-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド
【0248】
【0249】
中間体29A(32mg、0.094mmol)およびLiOH(34mg、1.411mmol)のMeOH:THF;水(1:1:1;12mL)中溶液を60℃で18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、1M水性HCl(10mL)で酸性化し、溶媒を減圧下で除去した。粗残留物をDMF(5mL)に溶解し、NEt3(66μL、0.470mmol)および(3S)-3-アミノ-9-フルオロ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(25mg、0.094mmol)を加え、これに続いてHATU(36mg、0.094mmol)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、相分離カートリッジに通し、溶媒を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー[0~100%(EtOAc中10%MeOH)ヘプタン中]による精製によって、白色の固体を生成した(30mg、57%)。LCMS(方法C):m/z564.3[M+H]+、4.44分において。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.97 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.62 - 7.38 (m, 8H), 7.31 (td, J = 8.1, 4.9 Hz, 1H), 7.24 - 7.12 (m, 3H), 5.37 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.72 (t, J = 10.9 Hz, 2H), 4.44 - 4.38 (m, 2H), 2.60 (d, J = 9.3 Hz, 2H)。
【0250】
29. 2-(2-フルオロフェニル)-6-モルホリン-4-イル-N-[(3R)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-5,6,7,8-テトラヒドロピラゾロ[5,1-b][1,3]オキサゼピン-3-カルボキサミド
【0251】
【0252】
実施例28に対して記載されている手順と類似の手順により、追加のHPLC[HPLC法4:水(0.1%ギ酸)中10~100%MeCN]による精製を用いて調製した。ジアステレオマー混合物。LCMS(方法C):m/z613.5[M+H]+、2.36および2.47分において。
【0253】
32. 4-(2-フルオロ-4-メチルスルホニルフェニル)-N-[(3S)-9-フルオロ-2-オキソ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-3-イル]-7-オキサ-2,3-ジアザトリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカ-3,5-ジエン-5-カルボキサミド
【0254】
【0255】
中間体45A(121mg、0.33mmol)、DIPEA(115μL、0.661mmol)およびHATU(138mg、0.363mmol)のDMF(3mL)中溶液を室温で10分間撹拌した。(3S)-3-アミノ-9-フルオロ-5-フェニル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(89mg、0.33mmol)を加え、反応物を室温で22時間撹拌した。反応物を水(15mL)でクエンチし、生成した沈殿物を濾過によって収集し、水(2×10mL)で洗浄した。沈殿物をCH2Cl2に溶解し、溶媒を減圧下で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中60~100%EtOAc)により精製して、白色の固体を生成した(173mg、85%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.97 (s, 0.5H), 10.96 (s, 0.5H), 7.88 - 7.80 (m, 1H), 7.79 - 7.64 (m, 3H), 7.64 - 7.39 (m, 6H), 7.36 - 7.25 (m, 1H), 7.19 - 7.06 (m, 1H), 5.54 - 5.42 (m, 1H), 5.34 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.92 - 4.78 (m, 1H), 3.28 (s, 3H), 2.49 - 2.41 (m, 4H), 2.31 - 2.04 (m, 5H).LRMS(APCI+)m/z618.4[M+H]+。
【0256】
表されたジアステレオマーの親混合物からのキラル分離により、以下の本発明の化合物を示された方法により調製し、未知の絶対立体化学の単一の立体異性体として単離した。示された分析用条件下でそれぞれ分割されたジアステレオマーに対する保持時間はtRで表されている。これらの化合物の立体化学的立体配置はR*またはS*と指定され、任意に定義された立体中心にアスタリスク記号が付けられている。
【0257】
【0258】
【0259】
【0260】
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
実施例33:in vitroでの有効性
以下のプロトコルに従い、化合物をRSVプラーク減少アッセイ対象下においた。
プラーク減少アッセイ。
Hep-G2細胞(ECACC、85011430)をフラスコ内で継代させ、24ウェルプレート内で抗生剤を含有し、10%FBSを補充したDMEM中に播種した。植菌およびその後のインキュベーションの間、2%FBSを含有するDMEM中で細胞を培養した。RSV(RSV A2 ECACC、0709161v)の単位/ウェルを形成する100個のプラークを化合物の8段階希釈と混合した。続いて、100μLのウイルス/化合物混合物を集密的Hep-G2細胞単層に加えた。細胞およびウイルス/化合物混合物を、加湿5%CO2インキュベーター内で、37℃で2時間インキュベートしてから、種菌を除去し、化合物の希釈物を含有する、1mLのオーバーレイ(2%FBSおよび0.8%CMCを含有するDMEM)を加えた。細胞を、加湿した5%CO2インキュベーター内で、37℃で2日間インキュベートした。
【0267】
細胞をPBSで3分間洗浄してから、75/25%v/vEtOH/MeOHを加えた。固定剤を除去し、プレートをPBSで洗浄した。予め滴定した量の一次抗体を200μLのPBS/2%ミルク粉末に加え、プレートを37℃で90分間インキュベートした。プレートをPBS/0.05% Tween20で3回洗浄してから、200μLPBS/2%ミルク粉末中のウサギ抗-ヤギホースラディッシュペルオキシダーゼを加え、37℃で1時間インキュベートした。PBS/0.05% Tween20、200μLによる3回の洗浄ステップ後、すぐに使えるTrueBlueを加え、プレートを室温で10~15分間インキュベートしてから、水で洗浄した。水の除去後、プレートを暗所で風乾した。
【0268】
プレートをスキャンし、Immunospot S6マクロ分析器を使用して分析した。この分析器は免疫染色したプラーク(virospots)のカウンティング用BioSpot分析ソフトウエアを備えている。プラークカウント数を使用して、RSVに対して、ウイルスの対照ウェルにおけるプラークカウント数の平均値に対する感染%を計算した。Dotmaticsにおいて可変の傾きを有する4パラメーター非線形回帰でフィットした阻害曲線の内挿により、EC50値をシグナルにおける50%減少としてそれぞれ計算した。プラークEC50および細胞毒性CC50値は、少なくとも2つの実験の平均値であり、数字は全単位に対して四捨五入したものである。
【0269】
結果
【0270】
【0271】
【0272】
実施例34:水性製剤
実施例1の化合物を、以下の手順に従い、pH4で、30%w/vカプチソール中溶液(すなわちスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)として製剤化する。
【0273】
必要量のカプチソールを秤量して適切な容器に入れることで30%w/vカプチソール(すなわちスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)の担体を準備し、およそ最終容量の水の80%を加え、溶液が形成されるまで磁気撹拌する。次いで、担体には容量まで水を足す。
【0274】
175mgの化合物を秤量して適切な容器に入れることで実施例1の化合物の水溶液を準備し、必要量の担体のおよそ80%を加える。塩酸の水溶液を使用して、pHをpH2に調節し、生成した混合物を、溶液が形成されるまで磁気撹拌する。次いで、製剤に容量まで担体を足し、水酸化ナトリウムの水溶液を使用して、pHをpH4に調節する。
【0275】
実施例35:錠剤製剤
それぞれの重さが0.15gであり、25mgの本発明の化合物を含有する錠剤を以下の通り製造する:
10,000錠剤に対する組成
本発明の化合物(250g)
ラクトース(800g)
トウモロコシデンプン(415g)
タルク粉末(30g)
ステアリン酸マグネシウム(5g)
本発明の化合物、ラクトースおよび半分のトウモロコシデンプンを混合する。次いで混合物を、篩0.5mmメッシュサイズを介して押し出す。トウモロコシデンプン(10g)を温水(90mL)に懸濁させる。生成したペーストを使用して、粉末を造粒する。粒状体を乾燥させ、1.4mmメッシュサイズの篩上で砕いて小さな断片にする。デンプン、タルクおよびマグネシウムの残りの量を加え、慎重に混合し、加工して錠剤にする。
【0276】
実施例36:注射用製剤
【0277】
【0278】
本発明の化合物を大部分の水(35℃~40℃)に溶解し、必要に応じて塩酸または水酸化ナトリウムを用いて、pHを4.0~7.0の間になるように調節する。次いで、バッチに水を容量まで足し、滅菌微小孔フィルターを介して滅菌10mL琥珀色ガラスバイアル(タイプ1)へと濾過し、滅菌の密閉およびオーバーシールで密閉する。
【0279】
実施例37:筋肉注射
【0280】
【0281】
本発明の化合物をグリコフロールに溶解する。次いで、ベンジルアルコールを加え、溶解し、水を3mLまで加える。次いで、混合物を、滅菌微小孔フィルターを介して濾過し、滅菌3mLガラスバイアル(タイプ1)に入れて密閉する。
【0282】
実施例38:シロップ剤製剤
【0283】
【0284】
本発明の化合物をグリセロールと大部分の精製水の混合物に溶解する。次いで、安息香酸ナトリウムの水溶液を溶液に加え、これに続いてソルビトール(sorbital)溶液を加え、最後に香味料を加える。容量まで精製水を足して、よく混合する。
【0285】
実施例39:in vitroでの薬物動態
化合物を以下のアッセイの対象下におき、肝臓ミクロソームの安定性を調べた。
ミクロソームのインキュベーション:実験手順
プールした肝ミクロソームを信頼できる業者から購入し、使用前-80℃で貯蔵した。ミクロソーム(最終タンパク質濃度0.5mg/mL)、0.1Mリン酸緩衝液pH7.4および試験化合物(最終基質濃度1μΜ;最終DMSO濃度0.25%)を37℃で予備インキュベートしてから、NADPH(最終濃度1mM)を加え、反応を開始させた。最終インキュベーション容量は50μLであった。対照インキュベーションは試験した化合物ごとに含まれており、この場合、NADPHの代わりに0.1Mリン酸緩衝液pH7.4が加えられた(マイナスNADPH)。2つの対照化合物が種ごとに含まれていた。すべてのインキュベーションは各試験化合物に対して単独で実施した。各化合物は0、5、15、30および45分間インキュベートした。対照(マイナスNADPH)は45分間のみインキュベートした。適当な時間点で、1:3の比で、インキュベートをアセトニトリルに移すことにより反応を停止した。停止プレートを3,000rpmで、4℃で20分間遠心分離して、タンパク質を沈殿させる。タンパク質の沈殿に続き、4種までの化合物の試料の上澄み液をカセット内で合わせ、内部標準を加え、試料をLC-MS/MSで分析した。時間に対するlnピーク面積比(化合物ピーク領域/内部標準ピーク領域)のプロットから線の勾配を決定した。続いて、半減期(t1/2)および内因性クリアランス(CLint)を計算した。
【0286】
【0287】
実施例40:in vivo薬物動態
化合物の薬物動態をラットにおいて1mg/kg(IV)および10mg/kg(PO)の用量でin vivoで研究した。
【0288】
方法
頸静脈カニューレを用いて外科的準備を施した雄のラット[Sprague Dawley(SD)]を静脈内投与(IV;n=3;1mg/kg)または経口投与(PO;n=3;10mg/kg)を介して実験化合物で処置した。化合物を40:60ジメチルアセトアミド:生理食塩水中溶液(IV投与)および10%DMSO、10%クレモフォールの水(80%)中溶液(PO投与)として製剤化した。任意の明白な臨床的徴候または症状について動物を観察した。化合物のIV投薬後の0.02、0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間において、連続的な血液試料を、カニューレを介して収集し、化合物の経口投薬から0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間後、血漿を遠心分離で準備し、直ちに-80℃で貯蔵した。続いて試料を解凍し、アセトニトリルによるタンパク質沈殿による分析に対して準備し、マトリックスを合致させた標準曲線を使用したエレクトロスプレーイオン化を使用して直列LCMSで分析した。生成したデータからPKパラメーターを計算した。
【0289】
【国際調査報告】