(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】集流管及びそれを有する熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20230913BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
F28F9/02 301D
F28D1/053 A
F28F9/02 301C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503235
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2021112368
(87)【国際公開番号】W WO2022057536
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202022048021.4
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】魏 文建
(72)【発明者】
【氏名】梁 新宇
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103CC01
3L103CC21
3L103DD22
3L103DD32
3L103DD43
(57)【要約】
本出願は、複数の集流チャネルが設けられたハウジングを含み、複数の集流チャネルは間隔をあけて設けられ、ハウジングには間隔をあけて設けられた複数の接続部が更に設けられ、複数の接続部は複数の集流チャネルと一対一に対応するように設けられ、各接続部は対応する集流チャネルに連通し、接続部は熱交換扁平管に連通するために用いられる、集流管及びそれを有する熱交換器を提供している。これは、従来技術における二流路又は多流路熱交換器の取り付けが複雑であるという技術課題を解決するためである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集流チャネル(11)が設けられたハウジング(10)を含み、複数の前記集流チャネル(11)は間隔をあけて設けられ、
前記ハウジング(10)には間隔をあけて設けられた複数の接続部(12)が更に設けられ、複数の前記接続部(12)は複数の前記集流チャネル(11)と一対一に対応するように設けられ、各前記接続部(12)は対応する前記集流チャネル(11)に連通し、前記接続部(12)は熱交換扁平管に連通するために用いられる、集流管。
【請求項2】
各前記接続部(12)は複数の接続口(121)を含み、複数の前記接続口(121)は前記ハウジング(10)の延在方向に沿って間隔をあけて設けられる、請求項1に記載の集流管。
【請求項3】
前記ハウジング(10)の延在方向に沿って、一方の前記接続部(12)の複数の前記接続口(121)と他方の前記接続部(12)の複数の前記接続口(121)とはずらして設けられる、請求項2に記載の集流管。
【請求項4】
前記ハウジング(10)は第1板体(13)及び第2板体(14)を含み、
前記第1板体(13)には複数の開口溝が設けられ、複数の前記開口溝は間隔をあけて設けられ、
複数の前記接続部(12)はいずれも前記第2板体(14)に設けられ、前記第2板体(14)は、前記第1板体(13)と前記第2板体(14)とにより囲われて複数の前記集流チャネル(11)が形成されるように、前記第1板体(13)上に設けられ、且つ複数の前記開口溝の開口部に位置する、請求項1に記載の集流管。
【請求項5】
前記第2板体(14)は平板構造である、請求項4に記載の集流管。
【請求項6】
前記第1板体(13)は複数の弧状板を含み、複数の前記弧状板は接続されて設けられる、請求項4に記載の集流管。
【請求項7】
前記ハウジング(10)は一体成形構造である、請求項1から6のいずれか一項に記載の集流管。
【請求項8】
前記接続口(121)は棒状構造であり、前記接続口(121)の延在方向は前記ハウジング(10)の延在方向に対して垂直である、請求項2に記載の集流管。
【請求項9】
熱交換管アセンブリ及び集流管を含み、
前記集流管は、前記熱交換管アセンブリに接続されて設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の集流管である、熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換管アセンブリは第1熱交換扁平管(20)を含み、前記第1熱交換扁平管(20)は、順に連通された、第1連通セグメント(21)、本体セグメント(22)及び第2連通セグメント(23)を含み、前記第1連通セグメント(21)は、前記本体セグメント(22)の第1端に設けられ、且つ前記第1端の中部に位置し、前記第2連通セグメント(23)は、前記本体セグメント(22)の第2端に設けられ、且つ前記第2端の中部に位置し、前記第1連通セグメント(21)及び前記第2連通セグメント(23)はいずれも前記集流管の集流チャネル(11)に連通するために用いられる、請求項9に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記集流管には第1集流チャネル、第2集流チャネル及び第3集流チャネルが設けられ、前記第1集流チャネルは前記第2集流チャネルと前記第3集流チャネルとの間に設けられ、前記熱交換管アセンブリは第2熱交換扁平管(30)及び第3熱交換扁平管(40)を更に含み、前記第1熱交換扁平管(20)は前記第1集流チャネルに連通し、前記第2熱交換扁平管(30)は前記第2集流チャネルに連通し、前記第3熱交換扁平管(40)は前記第3集流チャネルに連通する、請求項10に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月17日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202022048021.4であり、発明の名称が「集流管及びそれを有する熱交換器」である特許出願の優先権を主張している。
【0002】
本出願は、マイクロチャネル熱交換器の技術分野に関し、具体的には、集流管及びそれを有する熱交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来技術における二流路又は多流路熱交換器は、二流路又は多流路のエネルギー交換を実現することができるだけでなく、1つの流路のみが開かれた場合にも、熱交換面積を最大限に利用して熱交換効率を向上させることができる。
【0004】
しかし二流路の熱交換器の場合、一般的に集流管を4つ取り付ける必要があり、取り付け数が多く、取り付けの過程が複雑である。多流路の熱交換器の場合、必要とする集流管の数がより多く、取り付けの過程がより複雑である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の主な目的は、従来技術における二流路又は多流路熱交換器の取り付けが複雑であるという技術課題を解決するために、集流管及びそれを有する熱交換器を提供することにある。
【0006】
上記の目的を実現するために、本出願の一態様によれば、複数の集流チャネルが設けられたハウジングを含み、複数の集流チャネルは間隔をあけて設けられ、ハウジングには間隔をあけて設けられた複数の接続部が更に設けられ、複数の接続部は複数の集流チャネルと一対一に対応するように設けられ、各接続部は対応する集流チャネルに連通し、接続部は熱交換扁平管に連通するために用いられる、集流管を提供している。
【0007】
更に、各接続部は複数の接続口を含み、複数の接続口はハウジングの延在方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0008】
更に、ハウジングの延在方向に沿って、一方の接続部の複数の接続口と他方の接続部の複数の接続口とはずらして設けられる。
【0009】
更に、ハウジングは第1板体及び第2板体を含み、第1板体には複数の開口溝が設けられ、複数の開口溝は間隔をあけて設けられ、複数の接続部はいずれも第2板体に設けられ、第2板体は、第1板体と第2板体とにより囲われて複数の集流チャネルが形成されるように、第1板体上に設けられ、且つ複数の開口溝の開口部に位置する。
【0010】
更に、第2板体は平板構造である。
【0011】
更に、第1板体は複数の弧状板を含み、複数の弧状板は接続されて設けられる。
【0012】
更に、ハウジングは一体成形構造である。
【0013】
更に、接続口は棒状構造であり、接続口の延在方向はハウジングの延在方向に対して垂直である。
【0014】
本出願の別の態様によれば、熱交換管アセンブリ及び集流管を含み、集流管は、熱交換管アセンブリに接続されて設けられる上記で提供された集流管である、熱交換器を提供している。
【0015】
更に、熱交換管アセンブリは第1熱交換扁平管を含み、第1熱交換扁平管は、順に連通された、第1連通セグメント、本体セグメント及び第2連通セグメントを含み、第1連通セグメントは、本体セグメントの第1端に設けられ、且つ第1端の中部に位置し、第2連通セグメントは、本体セグメントの第2端に設けられ、且つ第2端の中部に位置し、第1連通セグメント及び第2連通セグメントはいずれも集流管の集流チャネルに連通するために用いられる。
【0016】
更に、集流管には第1集流チャネル、第2集流チャネル及び第3集流チャネルが設けられ、第1集流チャネルは第2集流チャネルと第3集流チャネルとの間に設けられ、熱交換管アセンブリは第2熱交換扁平管及び第3熱交換扁平管を更に含み、第1熱交換扁平管は第1集流チャネルに連通し、第2熱交換扁平管は第2集流チャネルに連通し、第3熱交換扁平管は第3集流チャネルに連通する。
【0017】
本出願の技術態様を適用すると、取り付ける際に、熱交換管アセンブリの両端に集流チャネルを1つずつ設けるだけで、二流路又は多流路を実現することができ、熱交換器に必要な集流管の数を削減し、取り付け手順を簡素化し、取り付けが容易になった。従って、本出願によって提供される技術態様によって、従来技術における二流路又は多流路熱交換器の取り付けが複雑であるという技術課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0019】
【
図1】本出願の実施例によって提供される2つの集流チャネルを有する集流管の構成模式図を示す。
【
図2】本出願の実施例によって提供される同じ側に偏心した第2熱交換扁平管を有する二流路熱交換器の分解図を示す。
【
図3】本出願の実施例によって提供される同じ側に偏心した第2熱交換扁平管の構成模式図を示す。
【
図4】本出願の実施例によって提供される逆側に偏心した第2熱交換扁平管を有する二流路熱交換器の分解図を示す。
【
図5】本出願の実施例によって提供される逆側に偏心した第2熱交換扁平管の構成模式図を示す。
【
図6】本出願の実施例によって提供される熱交換器の構成模式図を示す。
【
図7】本出願の実施例によって提供されるV型構造の熱交換器の構成模式図を示す。
【
図8】本出願の実施例によって提供される3つの集流チャネルを有する集流管の構成模式図を示す。
【
図9】本出願の実施例によって提供される第1熱交換扁平管の構成模式図を示す。
【
図10】本出願の実施例によって提供される同じ側に偏心した第2熱交換扁平管を有する三流路熱交換器の分解図を示す。
【
図11】本出願の実施例によって提供される逆側に偏心した第2熱交換扁平管を有する三流路熱交換器の分解図を示す。
【0020】
ここで、上記の図面には、以下の符号が含まれる。
10 ハウジング、11 集流チャネル、12 接続部、121 接続口、13 第1板体、14 第2板体、20 第1熱交換扁平管、21 第1連通セグメント、22 本体セグメント、23 第2連通セグメント、30 第2熱交換扁平管、40 第3熱交換扁平管。
【発明を実施するための形態】
【0021】
なお、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0022】
図1から
図11に示すように、本出願の実施例1は、複数の集流チャネル11が設けられたハウジング10を含み、複数の集流チャネル11は間隔をあけて設けられる、集流管を提供している。ここで、ハウジング10には間隔をあけて設けられた複数の接続部12が更に設けられる。複数の接続部12は複数の集流チャネル11と一対一に対応するように設けられ、各接続部12は対応する集流チャネル11に連通し、接続部12は熱交換扁平管に連通するために用いられる。具体的には、本実施例における複数は、2つ以上の場合を含む。本実施例における集流管は、平板型熱交換器に適用されるだけでなく、V型構造の熱交換器にも適用される。
【0023】
本実施例によって提供される集流管を採用すると、ハウジング10に複数の集流チャネル11が設けられ、且つ各集流チャネル11にそれと対応する接続部12が設けられるため、各接続部12を介して対応する集流チャネル11に連通することができ、取り付ける際に、熱交換管アセンブリの両端に集流チャネル11を1つずつ設けるだけで、二流路又は多流路を実現することができ、熱交換器に必要な集流管の数を削減し、取り付け手順を簡素化し、取り付けが容易になった。従って、本実施例によって提供される集流管は、従来技術における二流路又は多流路熱交換器の取り付けが複雑であるという技術課題を解決することができる。
【0024】
具体的には、本実施例における各接続部12は複数の接続口121を含み、複数の接続口121は、それを介して複数の熱交換管と容易に接続するように、ハウジング10の延在方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0025】
本実施例において、ハウジング10の延在方向に沿って、一方の接続部12の複数の接続口121と他方の接続部12の複数の接続口121とはずらして設けられる。このような構造設置を採用すると、複数の熱交換管をずらして設けることで、複数の熱交換管が互いに干渉することを回避することができ、構造のレイアウト上有利である。
【0026】
具体的には、本実施例におけるハウジング10は第1板体13及び第2板体14を含み、第1板体13には複数の開口溝が設けられ、複数の開口溝は間隔をあけて設けられる。複数の接続部12はいずれも第2板体14に設けられ、第2板体14は、第1板体13と第2板体14とにより囲われて複数の集流チャネル11が形成されるように、第1板体13上に設けられ、且つ複数の開口溝の開口部に位置する。このような構造設置を採用すると、構造が簡単で、製造が容易になる。
【0027】
本実施例において、第2板体14は平板構造である。このような構造設置を採用すると、熱交換管と容易に接続することができ、第2板体14の熱交換管への干渉を回避し、構造のレイアウトが最適化される。
【0028】
具体的には、本実施例における第1板体13は複数の弧状板を含み、複数の弧状板は接続されて設けられる。このような構造設置を採用すると、集流チャネル11が囲われて形成されるように、複数の弧状板によって複数の弧状の開口溝を容易に形成することができる。具体的には、熱交換器が二流路熱交換器である場合、第1板体13は2つの弧状板を含み、即ち、弧状板の数は熱交換器の流路の数と一致する。具体的には、二流路熱交換器である場合、集流管はB型構造が可能であり、熱交換管の一端に集流管を設け、熱交換管の他端に通常の集流管路の構造を設けることができる。
【0029】
好ましくは、本実施例におけるハウジング10は一体成形構造であるため、製造が容易になる。
【0030】
本実施例において、接続口121は棒状構造であり、接続口121の延在方向はハウジング10の延在方向に対して垂直である。このような構造設置を採用すると、熱交換管と集流管とを容易に接続することができ、集流管と熱交換管との接続部の連通面積を確保すると同時に、接続口121の高さをできるだけ低くして、ハウジング10における接続口121の数を増やしやすくして、ハウジング10が複数の熱交換管と接続できることを確保する。
【0031】
本出願の別の実施例は、熱交換管アセンブリ及び集流管を含み、集流管は、熱交換管アセンブリに接続されて設けられる上記で提供された集流管である、熱交換器を提供している。
【0032】
具体的には、本実施例における熱交換管アセンブリは第1熱交換扁平管20を含み、第1熱交換扁平管20は、順に連通された、第1連通セグメント21、本体セグメント22及び第2連通セグメント23を含み、第1連通セグメント21は、本体セグメント22の第1端に設けられ、且つ第1端の中部に位置し、第2連通セグメント23は、本体セグメント22の第2端に設けられ、且つ第2端の中部に位置し、第1連通セグメント21及び第2連通セグメント23はいずれも集流管の集流チャネル11に連通するために用いられる。本実施例における第1熱交換扁平管20の構造を採用すると、第1連通セグメント21及び第2連通セグメント23のレイアウト及び絞り構造を最適化することによって、第1連通セグメント21及び第2連通セグメント23と熱交換器の他の構造とが互いに干渉することを回避することができる。
【0033】
本実施例において、集流管には第1集流チャネル、第2集流チャネル及び第3集流チャネルが設けられ、第1集流チャネルは第2集流チャネルと第3集流チャネルとの間に設けられる。熱交換管アセンブリは第2熱交換扁平管30及び第3熱交換扁平管40を更に含み、第1熱交換扁平管20は第1集流チャネルに連通し、第2熱交換扁平管30は第2集流チャネルに連通し、第3熱交換扁平管40は第3集流チャネルに連通する。具体的には、一方の接続部12の複数の接続口121と他方の接続部12の複数の接続口121とはずらして設けられるため、第1熱交換扁平管20、第2熱交換扁平管30及び第3熱交換扁平管40はハウジング10の延在方向に沿って間隔をあけて設けられるようになる。具体的には、本実施例における第1熱交換扁平管20は第2熱交換扁平管30と第3熱交換扁平管40との間に位置するため、空間構造のレイアウトを最適化するのに有利である。本実施例における第2熱交換扁平管30と第3熱交換扁平管40とは、同じ構造であり、構造のレイアウトを容易に最適化するように、いずれも偏心絞り構造が用いられる。
【0034】
具体的には、本実施例における第1熱交換扁平管20、第2熱交換扁平管30及び第3熱交換扁平管40は1つの熱交換扁平管群を形成し、第1熱交換扁平管20と対応するのは第1接続口121、第2接続口121及び第3接続口121であり、第1接続口121、第2接続口121及び第3接続口121は階段状に間隔をあけて設けられる。
【0035】
具体的には、本実施例における第2熱交換扁平管30の両端にはいずれも第1偏心絞り構造及び第2偏心絞り構造が設けられ、第1偏心絞り構造及び第2偏心絞り構造はいずれも集流管と接続するために用いられる。ここで、第1偏心絞り構造及び第2偏心絞り構造はいずれも第2熱交換扁平管30の一方側に偏っており、このような構造が用いられる第2熱交換扁平管30を、同じ側に偏心した第2熱交換扁平管30という。或いは、第1偏心絞り構造は第2熱交換扁平管30の一方側に偏り、第2偏心絞り構造は熱交換扁平管の他方側に偏っており、このような構造が用いられる第2熱交換扁平管30を、逆側に偏心した第2熱交換扁平管30という。
【0036】
具体的には、本実施例における熱交換器が二流路構造である場合、用いられる第2熱交換扁平管30の構造の違いによって、二流路構造の流れ方向が異なる。同じ側に偏心した第2熱交換扁平管30を用いる場合、液体は同じ側から流れ込んで同じ側から流れ出ることになり、逆側に偏心した第2熱交換扁平管30を用いる場合、液体は一方側から流れ込んで他方側から流れ出ることになる。
【0037】
本実施例における熱交換器が三流路構造である場合、用いられる第2熱交換扁平管30の構造の違いによって、三流路構造の異なる回路の流れ方向が異なる。具体的には、第2熱交換扁平管30と第3熱交換扁平管40との構造は同じであり、同じ側に偏心した第2熱交換扁平管30を用いる場合、第2熱交換扁平管30及び第3熱交換扁平管40内の液体は同じ側から流れ込んで同じ側から流れ出ることになり、逆側に偏心した第2熱交換扁平管30を用いる場合、第2熱交換扁平管30及び第3熱交換扁平管40内の液体一方側から流れ込んで他方側から流れ出ることになる。
【0038】
以上の説明から分かるように、本出願の上記の実施例は次のような技術効果を実現している。集流管の数を削減し、熱交換器の取り付けの過程を簡素化している。
【0039】
ここで用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈上明確な指摘がなされていない限り、単数形式は複数形式を含むことも意図し、更に、本明細書において、「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されるべきである。
【0040】
特に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載された部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比率関係で描かれたものではないことは理解されるべきである。当業者に既に知られている技術、方法及び機器については詳細な説明を省略する場合があるが、必要に応じて、当該技術、方法及び機器は、承認された明細書の一部としてみなされるべきである。ここで示し、且つ説明した全ての例では、いずれの具体的な値も例示的なものにすぎず、限定するためのものではないと解釈すべきである。従って、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。類似した符号及び文字は、以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されると、その後の図面においては、それについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0041】
本出願の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等のような方位用語で表される方位又は位置関係は、一般的に、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであるが、本出願の説明を容易にし、且つ簡潔にするためのものにすぎず、逆の説明がない場合、これらの方位用語は、示された装置又は素子が必ずしも特定の方位を有するか、或いは、特定の方位で構成し操作されることを示し且つ暗示するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、「内、外」という方位用語は、各部材自体の輪郭に対する内、外である。
【0042】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上の」等のような空間相対用語を用いて、図に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、図面中のデバイスの上下が逆さまになると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって、例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置する)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0043】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別するためのものにすぎず、特に説明がない限り、上記用語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0044】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は何れも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】