(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】光ファイバーコネクタを接続するアダプタ及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
G02B6/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513366
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 US2021047226
(87)【国際公開番号】W WO2022046680
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520238923
【氏名又は名称】エーエフエル アイジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イェ、 ジディ
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036QA01
2H036QA44
2H036QA47
2H036QA57
(57)【要約】
アダプタ、及び光ファイバーコネクタをアダプタに接続する方法が与えられる。アダプタは、摺動可能面を含む保持クリップを含む。シャッターばねは、摺動可能面に沿うように位置決めされる。シャッターが保持クリップに、コネクタをアダプタの中に挿入する前の第1角度から、当該コネクタ受容後の第2角度まで枢動可能に接続される。本体が開口を形成し、当該開口を通って保持クリップが受容される。コネクタは、ブッシング及びスリーブによって形成される開口を通して挿入可能である。方法は、シャッターばねを保持クリップの中へ摺動させることと、シャッターと当該シャッターばねに接続することと、当該シャッターを、コネクタの挿入に先立っては非直交角度に保持される当該シャッターばねを介して前方向に付勢することと、当該シャッター及び当該シャッターばねを含む当該保持クリップを本体の中に挿入することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーコネクタをアダプタに接続する方法であって、
前記アダプタは、ブッシング、スリーブ、本体、シャッター、一対のピン、保持クリップ、及びシャッターばねを含み、
前端が画定され、前記前端からコネクタが前記本体の中に受容され、
内向き方向が画定され、前記内向き方向に向かって前記コネクタが前記本体の中に受容され、
前記方法は、
前記ブッシング及び前記スリーブを前記本体に接続することと、
前記シャッターばねを前記保持クリップの中へ摺動させることと、
前記シャッターを前記シャッターばねに接続し、前記シャッターを、前記本体の中に位置決めされる前記シャッターばねを介して前方向に付勢することであって、前記シャッターばねは、前記コネクタの挿入に先立っては非直交角度に保持されることと、
前記シャッター及び前記シャッターばねを含む前記保持クリップを前記内向き方向に沿って前記本体の中へ挿入することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記コネクタを前記アダプタの中へ挿入することを含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記コネクタを前記アダプタに挿入するときに前記シャッターを、前記シャッターばねに抵抗して前記内向き方向に枢動させることを含む、請求項2の方法。
【請求項4】
前記シャッターを前記内向き方向に枢動させることは、前記シャッターを90度よりも小さくゼロ度よりも大きい角度だけ回転させることを含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記シャッターの中に凹部を形成することを含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記コネクタを前記本体に接続するときに前記コネクタの終端部分に先立って前記シャッターに前記コネクタの胴体部分を係合させることを含む、請求項5の方法。
【請求項7】
前記コネクタの胴体部分を係合させることは、前記コネクタの終端部分を係合することに先立って前記シャッターの下端に前記コネクタを係合させることを含む、請求項6の方法。
【請求項8】
前記シャッターの中の前記凹部によって、前記コネクタの胴体部分に先立って前記コネクタの終端部分が前記シャッターに係合することが防止される、請求項6の方法。
【請求項9】
前記ブッシング及び前記スリーブを前記本体に接続することは、前記ブッシング及び前記スリーブを、前記前端から前記内向き方向に沿って前記本体に接続することを含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記シャッターばねを前記保持クリップの中へ摺動させることは、前記シャッターばねを、前記前端から前記内向き方向に沿って摺動させることを含む、請求項1の方法。
【請求項11】
アダプタであって、
軸方向が画定され、前記軸方向に沿ってコネクタが前記アダプタの中に受容され、
前端が画定され、前記コネクタは前記前端から前記アダプタの中に受容され、
前記軸方向に沿って内向き方向が画定され、前記コネクタは、前記内向き方向に向かって前記アダプタの中へ延び、
前記軸方向に沿って前記内向き方向の反対に外向き方向が画定され、
前記アダプタは、
前記軸方向に沿って延びる摺動可能面を含む保持クリップであって、シャッターばねが、前記保持クリップにおいて前記摺動可能面に沿うように位置決めされ、シャッターが前記保持クリップに、前記コネクタを前記アダプタの中に挿入する前の第1角度から前記コネクタ受容後の第2角度まで枢動可能に接続され、前記第1角度は0度よりも大きく90度よりも小さい、保持クリップと、
開口を形成する本体であって、前記開口を通って前記保持クリップが、前記前端から前記内向き方向に沿って前記本体の中に受容及び位置決めされる、本体と、
ブッシングと、
スリーブと
を含み、
前記ブッシング及び前記スリーブは孔を形成し、前記孔を通って、前記コネクタが前記アダプタの中に挿入可能となる、アダプタ。
【請求項12】
前記本体は後壁を含み、前記後壁において前記シャッターばねが前記シャッターを前記外向き方向に向けて付勢し、前記コネクタは前記外向き方向から受容される、請求項11のアダプタ。
【請求項13】
前記シャッターは、前記内向き方向に延びる凹部を含み、前記凹部は、前記コネクタの終端部分を受容するように位置決めされる、請求項11のアダプタ。
【請求項14】
前記保持クリップ及び前記シャッターばねはそれぞれが開口を形成し、前記開口の中への前記シャッターの凹部が許容される、請求項13のアダプタ。
【請求項15】
前記シャッターは下端を含み、前記下端は、前記本体に形成される前記開口に近接するように、前記開口より遠位に設けられる上端に対して位置決めされる、請求項11のアダプタ。
【請求項16】
前記シャッターは、横方向に沿って前記保持クリップまで延びる一対のピンを含む、請求項15のアダプタ。
【請求項17】
前記本体は一体的なモノリシックコンポーネントである、請求項11のアダプタ。
【請求項18】
前記本体は、前記開口から延びるチャネルを形成し、前記チャネルは、前記アダプタの前端から前記保持クリップを受容するように構成される、請求項17のアダプタ。
【請求項19】
前記シャッターの外周が、前記本体が前記シャッターを取り囲むことに対応する、請求項11のアダプタ。
【請求項20】
前記アダプタは、
前記保持クリップ、前記シャッター及び前記シャッターばねを含む第1シャッターアセンブリであって、前記本体の前端から前記開口を通って前記内向き方向に沿って前記本体の中に受容及び位置決めされる第1シャッターアセンブリと、
前記保持クリップ、前記シャッター及び前記シャッターばねを含む第2シャッターアセンブリであって、前記本体の後端から後方開口を通って前記内向き方向に沿って前記本体の中に受容及び位置決めされる第2シャッターアセンブリと、
複数のブッシングを結合する前記スリーブを含むブッシングアセンブリと
を含み、
前記第1シャッターアセンブリと前記ブッシングアセンブリとは、前記本体において前記前端から前記軸方向に沿って直列に位置決めされ、
前記第2シャッターアセンブリは、前記後端から前記軸方向に沿って前記ブッシングアセンブリの後方に位置決めされる、請求項11のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年8月26日に出願された仮出願第63/070,558号の優先権を主張し、その開示内容は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、光ファイバーコネクタのアダプタ、並びにコネクタをアダプタに接続する構造物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバーコネクタのための既知のアダプタは、所定の組み立て工程を必要とし、いくつかの場合、ダストキャップの利用を必要とする。さらに、組み立てのための既知のアダプタ及び方法は、望ましくない微粒子からの保護が不十分、かつ、頑丈性及び耐久性が不十分となり得る。かかる不十分さは、LCコネクタのような矩形断面光ファイバーコネクタのためのアダプタにとって特に深刻となり得る。
【0004】
したがって、光ファイバーコネクタをアダプタに接続するための改善されたアダプタ及び方法が業界で望まれている。詳しくは、改善された頑丈性及び耐久性をもたらし、かつ、望ましくない微粒子からの保護ももたらす光ファイバーコネクタをアダプタに接続するためのアダプタ及び方法が有利である。
【発明の概要】
【0005】
本開示に係る本発明の側面及び利点が、以下の説明において部分的に記載され、又は当該説明から自明となり得るか、若しくは当該技術の実施を通じて知ることができる。
【0006】
本開示の一側面はアダプタに関する。軸方向が画定され、当該軸方向に沿ってコネクタがアダプタの中に受容される。前端が画定され、コネクタは当該前端からアダプタの中に受容される。軸方向に沿って内向き方向が画定され、コネクタは、当該内向き方向に向かってアダプタの中へ延びる。軸方向に沿って内向き方向の反対に外向き方向が画定される。アダプタは保持クリップを含み、当該保持クリップは、軸方向に沿って延びる摺動可能面を含む。シャッターばねが、保持クリップにおいて摺動可能面に沿うように位置決めされる。シャッターが保持クリップに、コネクタをアダプタの中に挿入する前の第1角度から当該コネクタ受容後の第2角度まで枢動可能に接続される。第1角度は0度よりも大きく90度よりも小さい。アダプタは、開口を形成する本体を含む。この開口を通って保持クリップが、前端から内向き方向に沿って本体の中に受容及び位置決めされる。アダプタはブッシング及びスリーブを含む。ブッシング及びスリーブは孔を形成する。この孔を通して、コネクタがアダプタの中に挿入可能となる。
【0007】
本開示の他側面は、光ファイバーコネクタをアダプタに接続する方法に関する。アダプタは、ブッシング、スリーブ、本体、シャッター、一対のピン、保持クリップ、及びシャッターばねを含む。方法は、ブッシング及びスリーブを本体に接続することと、シャッターばねを保持クリップの中へ摺動させることと、当該シャッターばねにシャッターを接続して当該シャッターを、当該本体の中に位置決めされた当該シャッターばねによって前方向に付勢することとを含む。シャッターばねは、コネクタの挿入に先立っては非直交角度に保持される。方法は、シャッター及びシャッターばねを含む保持クリップを内向き方向に沿って本体の中へ挿入することを含む。
【0008】
本発明のこれら及び他の特徴、側面、並びに利点が、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照して良好に理解される。本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす添付図面は、本技術の複数の実施形態を示し、本説明とともに、本技術の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本主題のベストモードを含む当業者に向けられた本主題の完全かつ有効な開示が、添付図面を参照する本明細書に記載される。
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の複数の側面に係るアダプタの一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の複数の側面に係るアダプタの一実施形態の分解図である。
【
図3】
図3は、本開示の複数の側面に係るアダプタの本体の一実施形態の一実施形態の側面図である。
【
図3A】
図3Aは、
図3の本体の一実施形態の前方開口を通して内向き方向に沿って見た図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3の本体の一実施形態の後方開口を通して内向き方向に沿って見た図である。
【
図4】
図4は、本開示の複数の側面に係るアダプタの一実施形態の垂直断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の複数の側面に係るアダプタのブッシングの一実施形態の斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の複数の側面に係るアダプタの保持クリップの一実施形態の斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、
図6の保持クリップの一実施形態の横方向に沿った側面図である。
【
図7】
図7は、本開示の複数の側面に係るアダプタのシャッターばねの一実施形態の斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、
図7のシャッターばねの一実施形態の軸方向に沿った側面図である。
【
図8】
図8は、本開示の複数の側面に係るアダプタのシャッターの一実施形態の斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の複数の側面に係るアダプタの一実施形態の一部分へのコネクタの例示的接続の側面図である。
【
図9B】
図9Bは、本開示の複数の側面に係るアダプタの一実施形態の一部分へのコネクタの例示的接続の側面図である。
【
図9C】
図9Cは、本開示の複数の側面に係るアダプタの一実施形態の一部分へのコネクタの例示的接続の側面図である。
【
図10】
図10は、本開示の複数の側面に係るアダプタへコネクタを接続する方法のステップを要約するフローチャートである。
【0011】
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じ又は類似する特徴又は要素を表すことを意図する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、一以上の例が図面に示される本発明の実施形態を、詳細に参照する。「例示的」という用語は、本明細書では、「例、実例、又は例示として役立つ」ことを意味するために使用される。「例示的」としてここに説明されるいずれの実装例も、他の実装例に対して必ずしも好ましい又は有利なものとして解釈されるわけではない。さらに、各例は、技術の制限ではなく説明の態様として与えられる。実際のところ、本技術において、特許請求の範囲に係る技術の範囲又は要旨から逸脱することなく修正例及び変形例をなし得ることは、当業者にとって明らかである。例えば、一つの実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、他実施形態とともに使用されて、なおもさらなる実施形態を得ることができる。すなわち、本開示は、添付の特許請求の範囲、及びその等価物の範囲内となるような修正例及び変形例をもカバーすることが意図される。詳細な説明は、図面における特徴を参照するべく、数字及び文字の指定を使用する。図面及び説明における同じ又は同様の指定は、本発明の同じ又は同様の部分を参照するべく使用される。
【0013】
ここで使用されるように、用語「第1」、「第2」及び「第3」は一つのコンポーネントを他のコンポーネントから区別するべく交換可能に使用され得るが、個々のコンポーネントの位置又は重要性を示すことを意図しない。単数形「一の」、「一つの」、並びに「その」及び「当該」は、そうでないことを文脈が明示しない限り、複数の言及も含む。用語「結合され」、「固定され」、「~に取り付けられ」等は、そうでないことがここに特定されない限り、直接的な結合、固定、又は取り付けと、一以上の中間コンポーネント又は特徴物を介する間接的な結合、固定、又は取り付けとの双方を言及する。ここで使用されるように、「含む」、「備える」、「有する」、又はこれらの任意の他の変形例は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。例えば、一リストの特徴を含むプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしも当該特徴のみに限られるわけではなく、明示的にはリストにされない又はかかるプロセス、方法、物品若しくは装置に固有の他の特徴も含み得る。さらに、反対のことが明示的に述べられていない限り、「又は」及び「若しくは」は、包含的論理和(inclusive-or)を言及し、排他的論理和(exclusive-or)を言及しない。例えば、条件A又はBは、Aが真(又は存在)かつBが偽(又は不存在)、Aが偽(又は不存在)かつBが真(又は存在)、並びにA及びB双方が真(又は存在)のいずれか一つによって満たされる。
【0014】
ここに与えられる範囲はその端点を含む。例えば、1から100の範囲は1及び100を含む。
【0015】
「約」、「一般に」、「近似的に」又は「実質的に」のような近似の用語は、最低値実施形態から最高値実施形態までの10パーセントフルスケール誤差以内の値を含む。例えば、10パーセントフルスケール誤差を有する近似的に10から近似的に100までの範囲を含む一実施形態は、1から109までの値を含んでよい。
【0016】
特定の実施形態に関する利益、その他の利点、課題解決策が以下に記載される。しかしながら、利益、利点、課題解決策、及び、任意の利益、利点若しくは解決策を生じさせ又は顕著にさせ得る任意の特徴が、請求項のいずれか又はすべての、決定的な、必要な又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0017】
アダプタの実施形態、及び光ファイバーコネクタをアダプタに接続する方法の実施形態が与えられる。ここに与えられるアダプタ及び方法の実施形態は、望ましくない微粒子からの保護、並びに改善された頑丈性及び耐久性を与え得る。ここに描かれ及び記載されるアダプタ及び方法の実施形態が、LCコネクタ、STコネクタ、SCコネクタ、MUコネクタ、MTコネクタ、MTRJコネクタ、又は他の適切なタイプの光ファイバーコネクタのような矩形断面光ファイバーコネクタに利益を与え得る。ここに与えられる特定の実施形態により、実質的に矩形の断面を有するコネクタのような、LCコネクタから他のコネクタへのアダプタが許容され得る。
【0018】
ここに与えられるアダプタ及び方法の実施形態は本体を含み、この本体が、一以上のブッシングと、当該本体を通した光信号の伝送のためのオス型コネクタのようなコネクタが差し込まれ得る孔又はコネクタ開口を画定する一以上のスリーブとを含む。ブッシング及びスリーブは、前端(例えば、コネクタがアダプタの中に入れられる一端)を通って本体の中へと位置決めされる。本体は、スリーブを保持するブッシングが当該本体によって保持されるインタフェイスを形成する。本体は特に、ワンピースの単一の一体的なモノリシックコンポーネントとして形成されてよい。本体は特に、(例えば、ねじ、ナット及びボルト、ピン、クランプ等のようであるがこれらに限られない機械的締結具を介して)溶接され、接着され、締結され、又はそれ以外で一緒に接合される2以上のコンポーネントとは対照的に、モノリシックコンポーネントとして形成されてよい。ワンピースの本体により、改善された頑丈性、耐久性、及び横力抵抗が許容される。ワンピースの本体と当該本体の前端を通って与えられるブッシング及びスリーブとを含むアダプタによって、溶接、締結、接合、及び関連する検査又は処置の必要性を排除することができる。
【0019】
ここに与えられるアダプタ及び方法の実施形態はさらに、ブッシング及びスリーブによって形成された孔を選択的にカバーするように構成されるシャッターを含んでよい。シャッターは、シャッター保持クリップに枢動接続される。シャッターは、外部コンポーネントによってクランプされ又は押し付けられるのとは対照的に、保持クリップへと摺動される。保持クリップはシャッターとともに、前端のような外側端から本体の中へと位置決めされる。シャッターばねがシャッターの後ろに位置決めされて本体の中の壁に抵抗するように反応し、シャッターを外側端に向かうように(例えば前端に向かうように)付勢する。シャッターを横切る微粒子の取り込みを、例えば制限し、軽減し、又は排除するべく、シャッターの外周又は領域が、周囲の本体に対応するように形成されてよい。それに対応して本体が、シャッターを横切る微粒子の取り込みを、例えば制限し、軽減し、又は排除するべく、シャッターを封入するように形成されてよい。
【0020】
シャッターは、コネクタをアダプタの中に挿入又は接続することなしに、当該孔開口に対して非直交角度に保持される。コネクタをアダプタに接続するときは、コネクタの力によりシャッターを後方に(すなわち本体の内側に向かって)枢動させてシャッターばねに抵抗させる。特定の実施形態において、シャッターの回転は90度よりも小さい。シャッターばねは、コネクタがアダプタの中に保持されている間は圧縮されたままである。シャッターばねの開口及び保持クリップの開口によって、シャッターの凹部、及びシャッターばねが保持クリップの中に封入されるので、シャッターばね及びシャッターが枢動して実質的に平坦な位置になることが許容され、コネクタがアダプタの中に設置されるときにシャッターの凹部がシャッターの回転角度を抑制することが防止される。
【0021】
ここに与えられるようなシャッターアセンブリを含む又はシャッターアセンブリを形成するアダプタ及び方法の実施形態によって、周知のアダプタよりも改善された防塵が許容され得る。アダプタは、大きなシャッターが本体の中に保持されることを許容してよい。これにより、本体の中へのほこり又は他の微粒子の軽減が許容され又は改善され得る。ここでのアダプタに与えられるシャッターアセンブリはさらに、本体への挿入時にシャッターと当該シャッターに沿った横壁との間の空間又はギャップを許容し得る。かかるギャップにより、コネクタが接続され取り出されるときのシャッターの開閉を阻害し得る望ましくない微粒子物質のアダプタ内の保持が軽減され得る。シャッターアセンブリは、本体におけるシャッターの停止、かじり付き、又はジャミングを軽減しながら、ほこり及び微粒子の防止を改善し得る。したがって、シャッターは、コネクタが接続されていないときは完全閉のままであってよく、又はコネクタがアダプタから取り出されるときに跳ね返って完全閉に戻ってよい。
【0022】
ここで図面を参照すると、
図1は、本開示の複数の側面に係る光ファイバーアダプタ(以下「アダプタ10」)の例示的実施形態の斜視図である。
図2は、アダプタ10の一実施形態の斜視分解図を与える。基準軸方向Aが画定され、基準軸方向Aに沿ってコネクタがアダプタ10の中へと挿入され又は取り出される。軸方向Aに沿った内向き方向16、18が、外側端12、14それぞれからアダプタ10の中へと画定される。外向き方向が、軸方向Aに沿って内向き方向16、18それぞれに対向するように画定される。前方外側端12(以下「前端12」)が画定され、軸方向Aに沿って前端12の反対側に後方外側端14(以下「後端14」)が画定される。基準横方向Lが、軸方向Aに対して垂直に延びる。基準高さ方向Hが、軸方向A及び横方向Lに垂直に延びる。
【0023】
ここで
図2における分解図の実施形態を参照すると、アダプタ10が、シャッターばね24が位置決めされた保持クリップ22を含む。保持クリップ22は、軸方向Aに沿って延びる摺動可能面122を形成する。シャッターばね24は、摺動可能面122に沿って保持クリップ22に位置決めされる。シャッター26が、保持クリップ22に枢動可能に接続される。保持クリップ22、シャッターばね24及びシャッター26が一緒になってシャッターアセンブリ126を形成してよい。アダプタ10に接続されていないコネクタに対応する第1位置において、シャッター26は、コネクタがアダプタ10の中に挿入される前はシャッターばね24によって第1角度(ここではさらに角度426として描かれる)に保持される。シャッター26は、コネクタを受容すると、シャッターばね24を介してコネクタによって第2角度まで回転される。シャッター26がシャッターばね24によって保持される第1角度は、0度よりも大きく90度よりは小さい。アダプタ10の中に設置されたコネクタに対応する第2角度は、軸方向Aに対して近似的に又は実質的に平坦又は0度となる。コネクタがアダプタ10に接続しようとしているとき、又はアダプタ10に完全に接続されたとき、ここでは
図9A、
図9B及び
図9Cを参照してさらに説明されるように、第1角度から第2角度への回転は互いから90度よりも小さい。
【0024】
アダプタは、開口13、15を形成する本体30を含み、開口13、15を通って一以上のブッシング42、一以上のスリーブ44、及び保持クリップ22が本体30の中に受容されて位置決めされる。ブッシング42及びスリーブ44は一緒になって孔46を形成し、孔46を通ってコネクタがアダプタ10の中に挿入可能となる。開口は前方開口13を含む。前方開口13を通ってコネクタが前端12から、内向き方向16から受容される。ブッシング42、スリーブ44及び保持クリップ22はさらに、前方開口13を通って内向き方向16に沿って受容されてよい。開口はさらに、後方開口15を含んでよい。後方開口15を通ってコネクタが後端14から、内向き方向18から受容される。
【0025】
図3を参照すると、本体30の一実施形態の側面図が与えられる。
図3Aは、前方開口13を通して内向き方向16に沿って見た図を与える。
図3Bは、後方開口15を通して内向き方向18に沿って見た図を与える。
図3、
図3A及び
図3Bを参照すると、特定の実施形態において、本体30が、ワンピースの単一の一体的なモノリシックコンポーネントとして形成される。本体30は、単一の一体的なモノリシックコンポーネントを生成するための鍛造、鋳造、モールディング、積層造形、又は他の適切な製造プロセスによって形成されてよい。本体30は、ブッシング42又はブッシングアセンブリが本体30によって保持されるインタフェイス32を形成する。特定の実施形態において、インタフェイス32は、ここでさらに記載されるように、ブッシング42が本体30の中に前端12から受容及び保持されるように形成される。なおも特定の実施形態において、本体30は、高さ方向H及び横方向Lに沿って延びる内部後壁38を形成する。インタフェイス32は、ブッシング42を受容及び保持するべく後壁38に形成される。詳しくは、インタフェイス32は、ここでさらに記載されるように、ブッシング42に実質的に適合する又はブッシング42によって外形が描かれる開口を含み得る。
【0026】
本体30はさらに、軸方向Aに沿って延びる複数の外壁34、36を画定してよい。外壁は、上及び下の外周壁36を介して横方向Lに沿って分離された横壁34を含む。外周壁36は、横壁34を介して高さ方向Hに沿って分離される。後壁38は、本体30の中において横壁34及び/又は外周壁36から延びる。
【0027】
横壁34は、本体30の軸方向寸法の一部分に対して軸方向Aに沿って延びるチャネル33を形成してよい。チャネル33は、外側端12、14から内向き方向に沿って延びる。チャネル33は、ここでさらに記載されるように、保持クリップ22を受容するように形成される。詳しくは、各横壁34において形成されるチャネル33は、横方向Lに対して互いに平行に形成される。所定の実施形態において、本体30は、後端14における後方開口から内向き方向18に延びる後方チャネルを形成する。なおも所定の実施形態において、本体30は、前端12における前方開口から内向き方向16に延びる前方チャネルを形成する。
【0028】
所定の実施形態において、本体30の中の内面37が、外周壁36及び/又は横壁34から形成される。内面37は、シャッター26に直接接触する表面を形成する(
図2、
図8、
図8A~
図8B)。特定の実施形態において、内面37は、シャッター26の壁262の外周又は領域に直接接触する(
図2、
図8、
図8A~8B)。シャッター26を取り囲む本体30の内面37は、シャッター壁262(
図2)に対応するように形成されてよい。付加的に又は代替的に、シャッター26の壁262(
図2、
図8、
図8A~8B)は、シャッター26を取り囲む本体30の内面37に対応する。内面37とシャッター26との直接接触によりシャッター26が封入されるので、微粒子がシャッター26を横切って本体30の中に取り込まれることが制限され、軽減され、又は排除され得る。
【0029】
ここで
図4を参照すると、アダプタ10の一実施形態の垂直断面図が与えられる。
図2及び
図4に描かれるような様々な実施形態において、アダプタ10は、一以上のスリーブ44に結合される複数のブッシング42を含む。
図2に描かれるような一実施形態において、ブッシング42a、42bとして示されるような一対のブッシング42が、単一の対応スリーブ44へと摺動する。一対のブッシング42a、42bが、スリーブ44に沿って互いに隣接するように、軸方向Aに沿って位置決めされる。各スリーブ44への複数のブッシング42がブッシングアセンブリ142を形成する。ブッシングアセンブリ142は、コネクタ開口144を形成する。コネクタ開口144は孔を形成し、この孔の中に、本体30を通しての光信号伝送のためのオス型コネクタのようなコネクタが接続されてよい。特定の実施形態において、ブッシングアセンブリは4つのスリーブ44を含み、各スリーブ44が、一対のブッシング42a、42bを保持してコネクタ開口144を形成するように配列される。ブッシング42は、コネクタ開口144を形成するべく横方向L及び高さ方向Hに互いに隣接するように配列されてよい。軸方向Aに沿って互いに隣接するように配列されるブッシング42a、42bによって、前端12から第1コネクタを、後端14から第2コネクタを受容することが許容され得る。ここに与えられる配列によって、以下にさらに記載されるように、ブッシングアセンブリ142が構築されて本体30の前端12を通るように位置決めされることが許容される。しかしながら、他の実施形態が、これよりも少ない又は多い量のブッシング42又はスリーブ44を含み得ることも認識すべきである。
【0030】
図4を参照すると、後壁38がインタフェイス32を形成し、このインタフェイス32を通してブッシング42が本体30の後壁38の中に受容及び保持される。インタフェイス32は、ブッシング42が後壁38において位置決め及び保持され得るように、本体30とブッシング42との間の圧力嵌め、締り嵌め、干渉嵌め若しくは摩擦嵌め、又は他の適切なタイプの幾何学的公差を形成してよい。特定の実施形態において、後壁38は、外壁34、36からの凹みを形成する。インタフェイス32はさらに、外壁34、36のうち一つ以上から隆起する面を画定する嵌り壁138を、後壁38が形成する凹みの前方に(すなわち後端14よりも前端12の方に近接するように)含んでよい。嵌り壁138は、例えば、横方向L沿いの、高さ方向H沿いの、及び少なくとも部分的に軸方向A沿いの動きを防止又は抑制するべく、ブッシング42に対応する所望の嵌め合いを形成する。後壁38は、軸方向Aに沿ったブッシング42の動きを制限する停止部を形成する。この停止部は少なくとも部分的に、コネクタ開口144が位置決めされる本体30内の位置を画定する。
【0031】
図5を参照すると、ブッシング42の一実施形態の斜視図が与えられる。
図5Aは、ブッシング42の一実施形態の、軸方向Aに沿った側面図を与える。
図5Bは、ブッシング42の一実施形態の、横方向Lに沿った側面図を与える。
図5、
図5A及び
図5Bを参照すると、様々な実施形態において、ブッシング42は、スリーブ44(
図2)が受容されるスリーブホルダー242を含む。スリーブホルダー242は、スリーブ開口244を画定する円筒を形成する。このスリーブ開口244を通ってスリーブ44(
図2)がブッシング42の中に受容される。ブッシング壁246が、例えば高さ方向H及び/又は横方向Lに沿って、スリーブホルダー242から延びる。複数のタブ248がブッシング壁246から延びる。複数のタブ248の少なくとも一部分が、本体30まで延びて本体30に接続するように構成される。特定の実施形態において、複数のタブ248の少なくとも一部分が、例えば、ここで記載されるようにブッシング42を本体30(
図4)に接続するべく、インタフェイス32(
図4)まで延びる。特定の実施形態において、タブ248は、例えば、ここで記載されるようにインタフェイス32との対応嵌め合いとして、高さ方向H及び/又は横方向Lに沿ってインタフェイス32まで延びてよい。特定の実施形態において、タブ248の少なくとも一部分が、コネクタ開口144を形成するべくブッシング壁246から延びる。このコネクタ開口144において、コネクタがアダプタ10に接続される。タブ248の少なくとも一部分が、アダプタ10に接続予定の所望のコネクタに応じて、ブッシング壁246から延びてよい。
【0032】
図6を参照すると、保持クリップ22の一実施形態の斜視図が与えられる。
図6Aは、保持クリップ22の一実施形態の、横方向Lに沿った側面図を与える。
図6及び
図6Aを参照すると、保持クリップ22は、シャッターばね24(
図2)が位置決めされる摺動可能面122を形成する。保持クリップ22は、横方向Lに沿って分離されて軸方向Aに沿って延びる横壁222を含んでよい。分割器壁224が軸方向Aに沿って延び、横方向Lに沿って横壁22同士の間に位置決めされる。
【0033】
プラットフォーム226が横方向L及び軸方向Aに沿って延び、横壁222及び分割器壁224に接続される。前壁228が横方向Lに沿って延び、横壁222及び分割器壁224に接続される。前壁228は高さ方向Hに沿って延びる。プラットフォーム226は、ここに記載されるように、シャッターばね24(
図2、
図7)を受容するように形成される。プラットフォーム226は、以下にさらに記載されるように、シャッター26の凹部がプラットフォーム226を通って入ることを許容するプラットフォーム開口227を形成する。詳しくは、プラットフォーム開口227は、シャッターばね24のばねポート324(
図7)が、プラットフォーム開口227を通ってプラットフォーム226の中に入るように構成される。これにより、コネクタがアダプタ10の中に挿入されるときに、
図9Cに描かれるように、シャッター26が枢動して実質的に平坦な位置になることが許容される。
【0034】
図7を簡単に参照すると、シャッターばね24の一実施形態の斜視図が与えられる。
図7Aは、シャッターばね24の一実施形態の、軸方向Aに沿った側面図である。シャッターばね24の様々な実施形態が、保持クリップ22のプラットフォーム226を受容するべく構成されるクリップ開口321を形成するクリップ320を含む。クリップ320は、軸方向Aに沿って延びる一対の壁322を含む。接続壁323が高さ方向Hに延び、一対の壁322を一緒になるように結合して内側端(すなわち外側端14、16の内向きになるアダプタ10内の一端)にする。一対の壁322と接続壁323とが一緒になって、高さ方向Hに沿って一対の壁322の間にクリップ開口321を形成する。一対の壁322が保持クリップ22の摺動可能面122(
図6)を摺動するように、シャッターばね24が保持クリップ22(
図6)へと摺動し得る。
【0035】
なおも
図7及び
図7Aを参照すると、
図4にも描かれているように、シャッターばね24が、第1角度326で延びるばね部分324を有する。第1角度326は、コネクタが、アダプタ10に挿入されていないこと又はシャッターばね24に装填されていないことに対応する。ばね部分324は、シャッター26(
図2)を、0度よりも大きく90度よりも小さい第1角度326に位置決めする。ばね部分324は、ばね部分が壁322に接続される下端327を含む。ばね部分324の上端329が、下端327よりも遠位に画定される。ばね部分324は、角度326で下端327から上端329へ延びる。付加的に、下端327は、上端329よりも軸方向Aに沿って内側端に近接する。
【0036】
保持クリップ22におけるプラットフォーム開口227(
図6)に実質的に対応するように壁322を通る開口325が形成されてよい。コネクタ200(
図9A~
図9C)をアダプタ10の中に設置するとき、シャッターばね24のばね部分324は、開口325、227を通って保持クリップ22の中に封入されてよい。開口325、227は、シャッター26に形成される凹部266が、ばね部分324又はプラットフォーム226に載置されるのを防止し得る。開口325、227によって、シャッター26は、
図9Cに描かれるように、実質的に平坦な位置まで枢動し得る。
【0037】
図6及び
図7を一緒に参照すると、
図4にさらに示されるように、特定の実施形態において、保持クリップ22の前壁228が、ばね部分324の上端329に対応するように高さ方向Hに沿って延びる。したがって、保持ばね24が第1角度326にあるとき、又は一般にコネクタが未装着のとき、シャッター26は、ばね部分324から高さ方向Hに沿って外側方向に(すなわち外周壁36に向かって)延びる。保持ばね24、シャッター26及び本体30は一緒になって、外側端12、14と、ブッシング42が形成するコネクタ開口144との間に障壁を形成する。特定の実施形態において、ばね部分324が上端329において、シャッター26の内側端267において又は内側端267に近接してシャッター26に圧力をかける。保持ばね24は、シャッター26を、シャッターの内側端267からシャッター26の外側端269まで延びる鋭角に位置決めする。したがって、この障壁が、ほこり又は他の微粒子がアダプタ10に入ることを軽減し得る。
【0038】
ここで
図8を参照すると、シャッター26の一実施形態の斜視図が与えられる。
図8Aは、シャッター26の一実施形態の、軸方向Aに沿った側面図を与える。
図8Bは、シャッター26の一実施形態の、横方向Lに沿った側面図を与える。
図8、
図8A及び
図8Bを参照すると、シャッター26は、アダプタ10の外側端12、14とコネクタ開口144(
図2)との間に障壁を形成する壁262を形成する。壁262の外周又は領域は、周囲の本体30に対応するように形成されてよい。特定の実施形態において、シャッター26の壁262は、本体30の内面37(
図2、
図3、
図3A~
図3B)に対応する。このように形成された壁262は、シャッター26を横切る微粒子の取り込みを制限し、軽減し、又は排除し得る。それに対応するように本体30の内面37(
図2、
図3、
図3A~
図3B)が、シャッター26を横切る微粒子の取り込みを、例えば制限し、軽減し、又は排除するべく、シャッター壁262を封入するように形成されてよい。
【0039】
横方向Lに沿ってピン264が延びる。特定の実施形態において、ピン264は、横方向Lに沿って保持クリップ22の横壁222の中に延びるピン開口229(
図6)の中に挿入されるように構成される円柱構造物を形成する。もう一つのピン264が、シャッター26又は詳しくは壁262から、分割器壁224に形成されるチャネル231(
図6)まで延びる。チャネル231は横方向Lに沿って延びる。特定の実施形態において、チャネル231は、ピン264が高さ方向Hに沿ってチャネル231の中に係合するのを許容するように構成される開放面付きスロットである。チャネル231はさらに、シャッター26が、横方向Lに沿ってピン開口229の中へ摺動することも許容し得る。ピン264は保持クリップ22に枢動可能に係合することが許容される。
【0040】
ここで
図9A、
図9B及び
図9Cを参照すると、コネクタ200がアダプタ10の中に挿入される図が与えられる。
図8、
図8A及び
図8Bも参照すると、シャッター26の壁262が、コネクタ200の終端部分202(
図9A、
図9B、
図9C)を受容するべく構成される凹部266を形成してよい。それによって、終端部分202がシャッター26に係合する前にコネクタ200の周囲非終端胴体部分204がシャッター26に係合する。
図9Aを参照すると、シャッター26の内側端267に近接する一部分のようなコネクタ200の胴体部分204は、コネクタ200の終端部分202(例えばフェルール)に先立ってシャッター26に接触することが許容される。特定の実施形態において、シャッター26のピン264における枢動軸と保持クリップ22における開口229とに近接するコネクタ200の胴体部分204は、コネクタ200の終端部分202に先立ってシャッター26に接触することが許容される。
【0041】
図9B及び
図9Cを参照すると、凹部266と、挿入前にシャッター26が保持される角度426とが、終端部分202がシャッター26に係合する前にコネクタ200の胴体部分204がシャッター26に係合するのを許容するように構成される。付加的に、凹部266と、挿入前にシャッター26が保持される角度426とは、胴体部分204がシャッター26に係合する前にコネクタ200の終端部分202がシャッター26に係合するのを防止するように構成される。凹部266、及びシャッター26の角度426の特定の利益によって、凹部266を必ずしも、コネクタ200の露出した終端202よりも深い深さに画定しなくてよいことが許容され得る。異なる言い方をすれば、凹部266は、軸方向Aに沿って終端202の寸法よりも小さな突起を形成し得る。シャッター26が(
図9B及び
図9Cに描かれるように)回転して、
図9Cに描かれるような近似的に又は実質的に平坦な位置又は90度位置になると、凹部266は、高さ方向H沿いのプラットフォーム226からの横壁222(
図6)の延びに対応する体積内に受容され得る。したがって、この体積、又は詳しくは高さ方向H沿いの横壁222の延びは、突出が少ない凹部266によって低減され得る。この寸法低減によってさらに、ここに与えられるようなシャッター26、シャッターばね24又は保持クリップ22の一以上の実施形態の位置決めが許容され得る。付加的に又は代替的に、この寸法低減によってさらに、一体的なワンピースの本体30がシャッターアセンブリ126(
図2)を受容することが許容される。
【0042】
図2に戻ると、アダプタ10は、本体30を前端12から入れるべく構成される第1シャッターアセンブリと、本体30を後端14から入れるべく構成される第2シャッターアセンブリとを含み得る。第1シャッターアセンブリ126及びブッシングアセンブリ142は、本体30において前端12から軸方向Aに沿って直列に位置決めされる。第2シャッターアセンブリ126は、後端14から軸方向Aに沿ってブッシングアセンブリ142の後ろに位置決めされる。
【0043】
ここで
図10を参照すると、光ファイバーコネクタをアダプタに接続する方法(以下「方法1000」)のステップを要約するフローチャートが与えられる。ここに与えられる方法1000のステップは、付加的に又は代替的に、光ファイバーコネクタのためのアダプタを形成する方法をなす。方法1000は、ここに与えられるアダプタ10の一以上の実施形態とともに行うことができる。しかしながら、方法1000が他のアダプタにも適用できることを認識すべきである。
【0044】
方法1000は、1010において、ブッシング及びスリーブを本体に接続することを含む。特定の実施形態において、方法1000は、1010において、ブッシング及びスリーブを、内向き方向に沿って本体の前端を通して本体の中に接続することを含む。
【0045】
方法1000は、1020において、シャッターばねを保持クリップの中へ摺動させることを含む。方法1000は、1020において特に、シャッターばねを保持するべく保持クリップ以外のコンポーネントをクランプ又は利用することよりはむしろ、シャッターばねを保持クリップの中へ摺動させることを与えてよい。特定の実施形態において、シャッターばねを保持クリップの中へ摺動させて保持することは、シャッターばねを、内向き方向に沿って前端から本体の中へ摺動させることを含む。
【0046】
方法1000は、1030において、シャッターをシャッターばねに接続し、本体の中に位置決めされたシャッターばねを介して当該シャッターを外向き方向に付勢することを含む。シャッターばねは、コネクタの挿入に先立っては非直交角度に保持される。非直交角度はゼロ度よりも大きく90度よりも小さい。
【0047】
方法100は、1040において、シャッター及びシャッターばねを含む保持クリップを内向き方向に沿って本体の中に挿入することを含む。1040における方法1000は、保持クリップを本体の中に中心部分を通して挿入すること、又は保持クリップを本体に溶接若しくは接着することと対照的である。
【0048】
様々な実施形態において、方法1000は、1050において、コネクタをアダプタの中に挿入することを含む。特定の実施形態において、方法1000は、1060において、コネクタをアダプタに挿入するときにシャッターを、シャッターばねに抵抗して内向き方向に枢動させることを含む。特定の実施形態において、シャッターを内向き方向に枢動させることは、シャッターを90度よりも小さくゼロ度よりも大きい角度だけ回転させることを含む。
【0049】
特定の実施形態において、方法1000は、1070において、シャッターの中に凹部を形成することを含む。方法1000は、1080において、コネクタを本体に接続するときに当該コネクタのフェルールのような終端部分に先立って当該コネクタの胴体部分をシャッターに係合させることを含んでよい。特定の実施形態において、コネクタの胴体部分を係合することは、コネクタの終端部分を係合させることに先立って当該コネクタをシャッターの下端に係合させることを含む。なおも特定の実施形態において、シャッターの中に形成される凹部は、コネクタの胴体部分に先立って当該コネクタの終端部分がシャッターに係合することを防止する。付加的に又は代替的に、シャッターの中に形成される凹部は、コネクタの終端部分に先立って当該コネクタの胴体部分がシャッターに係合することを許容する。
【0050】
ここに与えられるアダプタ10及び方法1000によって、ほこり及び微粒子が本体の中に取り込まれることが軽減され得る。アダプタ10は、組み付けの容易性及びコスト低減を許容するように、既知のアダプタよりも少ないコンポーネントを含んでよい。
【0051】
本発明のさらなる側面が、以下の実施形態の一つ以上によって与えられる。
【0052】
[条項1]光ファイバーコネクタをアダプタに接続する方法であって、当該アダプタは、ブッシング、スリーブ、本体、シャッター、一対のピン、保持クリップ、及びシャッターばねを含み、前端が画定され、当該前端からコネクタが当該本体の中に受容され、内向き方向が画定され、当該内向き方向に向かって当該コネクタが当該本体の中へと延び、当該方法は、当該ブッシング及び当該スリーブを当該本体に接続することと、当該シャッターばねを当該保持クリップの中へ摺動させることと、当該シャッターばねに当該シャッターを接続して当該シャッターを、当該本体の中に位置決めされた当該シャッターばねによって前方向に付勢することとであって、当該シャッターばねは当該コネクタの挿入に先立っては非直交角度に保持されることと、当該シャッター及び当該シャッターばねを含む当該保持クリップを、当該内向き方向に沿って当該本体の中へ挿入することとを含む、方法。
【0053】
[条項2]当該方法は、当該コネクタを当該アダプタの中に挿入することを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0054】
[条項3]当該方法は、当該アダプタの当該コネクタを挿入するときに当該シャッターを、当該シャッターばねに抵抗して当該内向き方向に枢動させることを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0055】
[条項4]当該シャッターを当該内向き方向に枢動させることは、当該シャッターを90度よりも近くゼロ度よりも大きい角度だけ回転させることを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0056】
[条項5]当該方法は、当該シャッターの中に凹部を形成することを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0057】
[条項6]当該方法は、当該コネクタを当該本体に接続するときに当該コネクタの終端部分に先立って当該シャッターに当該コネクタの胴体部分を係合させることを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0058】
[条項7]当該コネクタの胴体部分を係合させることは、当該コネクタの終端部分を係合することに先立って当該シャッターの下端に当該コネクタを係合させることを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0059】
[条項8]当該シャッターの中の凹部によって、当該コネクタの胴体部分に先立って当該コネクタの終端部分が当該シャッターに係合することが防止される、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0060】
[条項9]当該ブッシング及び当該スリーブを当該本体に接続することは、当該ブッシング及び当該スリーブを、当該前端から当該内向き方向に沿って当該本体に接続することを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0061】
[条項10]当該シャッターばねを当該保持クリップの中へ摺動させることは、当該シャッターばねを、当該前端から当該内向き方向に沿って摺動させることを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0062】
[条項11]アダプタであって、軸方向が画定され、当該軸方向に沿ってコネクタがアダプタの中に受容され、前端が画定され、当該コネクタは当該前端から当該アダプタの中に受容され、当該軸方向に沿って内向き方向が画定され、当該コネクタは、当該内向き方向に向かって当該アダプタの中へ延び、当該軸方向に沿って当該内向き方向の反対に外向き方向が画定され、当該アダプタは、当該軸方向に沿って延びる摺動可能面を含む保持クリップであって、シャッターばねが、当該保持クリップにおいて当該摺動可能面に沿うように位置決めされ、シャッターが当該保持クリップに、当該コネクタを当該アダプタの中に挿入する前の第1角度から当該コネクタを当該アダプタの中に受容した後の第2角度まで枢動可能に接続され、当該第1角度は0度よりも大きく90度よりも小さい、保持クリップと、本体であって、当該本体は開口を形成し、当該保持クリップは当該開口を通って受容されて当該本体の中に当該前端から当該内向き方向に沿って位置決めされる、本体と、ブッシングと、スリーブとを含み、当該ブッシング及び当該スリーブは孔を形成し、当該コネクタは当該孔を通って当該アダプタの中に挿入可能である、アダプタ。
【0063】
[条項12]当該本体は後壁を含み、当該後壁において当該シャッターばねが当該シャッターを当該外向き方向に向けて付勢し、当該コネクタは当該外向き方向から受容される、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0064】
[条項13]当該シャッターは、当該内向き方向に延びる凹部を含み、当該凹部は、当該コネクタの終端部分を受容するように位置決めされる、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0065】
[条項14]当該シャッターは下端を含み、当該下端は、本体に形成される開口に近接するように、当該開口より遠位に設けられる上端に対して位置決めされる、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0066】
[条項15]当該シャッターは、横方向に沿って保持クリップまで延びる一対のピンを含む、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0067】
[条項16]当該本体は一体的なモノリシックコンポーネントである、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0068】
[条項17]当該本体は、開口から延びるチャネルを形成し、当該チャネルは、アダプタの前端から保持クリップを受容するように構成される、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0069】
[条項18]当該本体は、本体の後端に形成される後方開口から延びる後方チャネルを形成し、当該後方チャネルは、アダプタの後端から第2保持クリップを受容するように構成される、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0070】
[条項19]当該ブッシングは、スリーブの第1端に位置決めされる第1ブッシングと、軸方向に沿って第1ブッシングの反対側にある当該スリーブの第2端に位置決めされる第2ブッシングとを含む、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0071】
[条項20]当該アダプタは、保持クリップ、シャッター及びシャッターばねを含む第1シャッターアセンブリであって、本体の前端から開口を通って内向き方向に沿って当該本体の中に受容及び位置決めされる第1シャッターアセンブリと、保持クリップ、シャッター及びシャッターばねを含む第2シャッターアセンブリであって、本体の後端から後方開口を通って内向き方向に沿って当該本体の中に受容及び位置決めされる第2シャッターアセンブリと、複数のブッシングを結合するスリーブを含むブッシングアセンブリとを含み、当該第1シャッターアセンブリと当該ブッシングアセンブリとは、当該本体において当該前端から軸方向に沿って直列に位置決めされ、当該第2シャッターアセンブリは、当該後端から当該軸方向に沿って当該ブッシングアセンブリの後方に位置決めされる、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0072】
[条項21]当該シャッターの外周が、当該本体が当該シャッターを取り囲むことに対応する、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0073】
[条項22]当該保持クリップ及び当該シャッターばねはそれぞれが開口を形成し、当該開口の中へのシャッターの凹部が許容される、ここでのいずれか一以上の条項のアダプタ。
【0074】
[条項23]ここでのいずれか一以上の条項のアダプタを含む、ここでのいずれか一以上の条項の方法。
【0075】
[条項24]光ファイバーコネクタのためのアダプタを形成する方法であって、ここでのいずれか一以上の条項の方法のいずれか一以上のステップを含む方法。
【0076】
この書面による説明は、ベストモードを含む複数の例を使用して、本発明を開示するとともに、当業者が本発明を、任意の装置又はシステムを作成及び使用して任意の組み込まれた方法を行うことを含めて実施することを可能にする。発明の特許可能な範囲が、請求項によって画定され、当業者に想起される他例も含み得る。かかる他例は、請求項の文言どおりの言葉と異なることのない構造要素を含む場合、又は請求項の文言どおりの言葉と実質的な違いのない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【国際調査報告】