IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シージェイ チェイルジェダン コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特表-蒸し調理装置 図1
  • 特表-蒸し調理装置 図2
  • 特表-蒸し調理装置 図3
  • 特表-蒸し調理装置 図4
  • 特表-蒸し調理装置 図5
  • 特表-蒸し調理装置 図6
  • 特表-蒸し調理装置 図7
  • 特表-蒸し調理装置 図8
  • 特表-蒸し調理装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】蒸し調理装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/16 20060101AFI20230913BHJP
   A23L 5/10 20160101ALN20230913BHJP
【FI】
A47J27/16 Z
A23L5/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513594
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 KR2021013335
(87)【国際公開番号】W WO2022071750
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0127549
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513178894
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン ギル
【テーマコード(参考)】
4B035
4B054
【Fターム(参考)】
4B035LC16
4B035LP03
4B035LP44
4B035LT02
4B054AA05
4B054AA17
4B054AB03
4B054AB17
4B054BA02
4B054BB07
4B054BB08
4B054CG07
(57)【要約】
蒸し調理装置に係り、さらに詳細には、料理対象物を運ぶ移送装置の側部からスチームを噴射することにより、スチーム投入量が低減され、設備運用及び設備管理の費用が節減されうる蒸し調理装置に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレームと、
前記本体フレームを貫通し、料理対象物を所定の方向に移動させる移送装置と、
前記移送装置の両側部に位置する噴射装置と、を含み、
前記噴射装置は、
前記料理対象物の運び方向と平行な方向に延長される配管部と、
前記配管部に連結され、スチームを供給され、外部にスチームを噴射するノズル部と、を含み、
前記ノズル部は、前記移送装置の外側から前記移送装置の内側方向に、スチームを噴射し、
前記移送装置は、
複数本の移送ラインを含み、
前記複数本の移送ラインは、上下に所定間隔を有し、多層に配列され、
前記配管部は、
上下方向に前記移送ライン間に位置し、
前記ノズル部は、複数個であり、
前記複数個のノズル部のうち少なくとも一つは、第1方向に向けてスチームを噴射し、
前記複数個のノズル部のうち少なくとも一つは、第2方向に向けてスチームを噴射し、
前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有するが、
前記第1間角の大きさと、第2間角の大きさは、互いに異なる、蒸し調理装置。
【請求項2】
前記ノズル部は、複数個であり、
それぞれの前記ノズル部は、噴射口を含み、
前記複数個のノズル部のうち少なくとも1つの噴射口は、第1方向に向けて貫通され、
前記複数個のノズル部のうち少なくとも1つの噴射口は、第2方向に向けて貫通され、
前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有するが、
前記第1間角の大きさと、前記第2間角の大きさは、互いに異なる、請求項1に記載の蒸し調理装置。
【請求項3】
前記ノズル部は、
第1ノズル部、第2ノズル部及び第3ノズル部を含み、
前記第1ノズル部は、第1方向に向けてスチームを噴射し、
前記第2ノズル部は、第2方向に向けてスチームを噴射し、
前記第3ノズル部は、第3方向に向けてスチームを噴射し、
前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有し、前記第3方向と水平面は、第3間角を有し、
前記第1間角、前記第2間角及び前記第3間角の大きさは、互いに異なる、請求項1に記載の蒸し調理装置。
【請求項4】
前記ノズル部は、
第1ノズル部、第2ノズル部及び第3ノズル部を含み、
前記第1ノズル部は、第1方向に向けて貫通される噴射口を有し、
前記第2ノズル部は、第2方向に向けて貫通される噴射口を有し、
前記第3ノズル部は、第3方向に向けて貫通される噴射口を有し、
前記第1方向は、水平面に対して下向きの第1間角を有し、
前記第2方向は、水平面に対して下向きの第2間角を有し、
前記第3方向は、水平面に対して下向きの第3間角を有し、
前記第1間角、前記第2間角及び前記第3間角の大きさは、互いに異なる、請求項1に記載の蒸し調理装置。
【請求項5】
前記第1間角、前記第2間角及び前記第3間角の大きさは、
0°ないし90°である、請求項3または4に記載の蒸し調理装置。
【請求項6】
前記ノズル部は、
前記第1ノズル部、前記第2ノズル部及び前記第3ノズル部が順次に配列されるノズルアレイが、前記配管部に沿い、反復的に具備される、請求項3または4に記載の蒸し調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸し調理装置に係り、より詳細することができるように、料理対象物を運ぶ移送装置の側部からスチームを噴射することにより、スチーム投入量が低減され、設備運用及び設備管理の費用が節減されうる蒸し調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸し調理装置は、例えば、マンドゥのような料理対象物に、高温高圧のスチームを加え、該料理対象物を料理/殺菌する装置である。該料理対象物は、蒸し調理装置内で料理/殺菌された後、製品化されうる。
【0003】
図1は、従来技術による蒸し調理装置の構造を示した図面であり、図2は、従来技術による蒸し調理装置の噴射装置20の構造を示した図面である。
【0004】
従来技術による蒸し調理装置は、料理対象物Kを運ぶ移送装置10、料理対象物Kに対し、スチームを提供する噴射装置20、及び本体フレーム30を含む。
【0005】
移送装置10は、ネット(net)状に構成される。
【0006】
噴射装置20は、配管とノズルとを含む。噴射装置20の配管は、移送装置10の進行方向並んでいる中央配管22と、中央配管22から側方向に延長され、移送装置10の進行方向を横切るブランチ配管24と、を含む。ノズル26は、前記ブランチ配管24に具備される。
【0007】
本体フレーム30は、高温高圧のスチームに耐えることができる格納容器によって構成される。
【0008】
図1に図示されているように、従来技術による蒸し調理装置は、移送装置10(ネット)下部に、噴射装置20が配されている。前記噴射装置20は、図2に図示されているように、枝型配管によって構成され、移送装置10下部の全体面積にわたり、配管とノズルとが等しく分布されている。
【0009】
従って、従来技術による蒸し調理装置においては、矢印Lのように、地面方向にスチームが噴射される。前記噴射されたスチームは、本体フレーム30下部とぶつかった後で上昇し、移送装置10上部に位置する料理対象物Kと接触する。
【0010】
それにより、従来技術による蒸し調理装置においては、不要な設備放熱ロスが生じた。同時に、ノズルと料理対象物Kとの距離が比較的遠く、底及び壁面にスチームが噴射され、熱損失が生じた。
【0011】
すなわち、従来技術による蒸し調理装置においては、スチームの一部だけが料理対象物Kに伝達され、残りは、設備/コンベヤ放熱ロス形態、排気ロス形態に損失されるという問題が生じた。それは、スチームの投入必要量が増加し、設備運用費用が増大するという問題要因として作用する。
【0012】
また、従来技術による蒸し調理装置は、移送装置10下部に、スチーム供給用配管が分布されるので、料理対象物Kで生じた有機物(油分、固形物など)が落下したとき、ネット下部に位置する配管及びノズルに固着してしまう。そのとき、前記有機物は、高温(99℃以上)によって炭化されて残存してしまう。従って、ノズルが詰まったり、炭化物による製品汚染が生じたりするという問題があった。
【0013】
従って、ノズルの詰まりを防止し、製品の品質を維持するためには、前記有機物を周期的に掃除して管理しなければならない。そのとき、既存の蒸し調理装置は、ネット全域に対応する範囲に配管が分布され、掃除の必要な個所が多かった。また、配管に近付くためには、蒸し調理装置のネットを全部分解し、掃除した後、再組み立てする過程が必要であるために、人力と時間とがかなり必要となった。
【0014】
従って、スチーム投入量を減少させることができ、運用及び管理の費用を節減させることができる蒸し調理装置の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、料理対象物を運ぶ移送装置の側部からスチームを噴射することにより、スチーム投入量が低減され、設備運用及び設備管理の費用が節減されうる蒸し調理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施形態による蒸し調理装置は、本体フレームと、前記本体フレームを貫通し、料理対象物を運ぶ移送装置と、前記移送装置の両側部に位置する噴射装置と、を含み、前記噴射装置は、前記料理対象物の運び方向と平行な方向に延長される配管部と、前記配管部に連結され、スチームを供給され、外部にスチームを噴射するノズル部と、を含み、前記ノズル部は、前記移送装置の外側から前記移送装置の内側方向に、スチームを噴射する。
【0017】
一実施形態によれば、前記移送装置は、複数本の移送ラインを含み、前記複数本の移送ラインは、上下に所定間隔を有し、多層に配列される。
【0018】
一実施形態によれば、前記移送ラインは、ネットで構成される。
【0019】
一実施形態によれば、前記配管部は、上下方向に前記移送ライン間に位置する。
【0020】
一実施形態によれば、前記ノズル部は、複数個であり、前記複数個のノズル部のうち少なくとも一つは、第1方向に向けてスチームを噴射し、前記複数個のノズル部のうち少なくとも一つは、第2方向に向けてスチームを噴射し、前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有するものの、前記第1間角の大きさと、第2間角の大きさは、互いに異なる。
【0021】
一実施形態によれば、前記ノズル部は、複数個であり、それぞれの前記ノズル部は、噴射口を含み、前記複数個のノズル部のうち少なくとも1つの噴射口は、第1方向に向けて貫通され、前記複数個のノズル部のうち少なくとも1つの噴射口は、第2方向に向けて貫通され、前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有するものの、前記第1間角の大きさと、第2間角の大きさは、互いに異なる。
【0022】
一実施形態によれば、前記ノズル部は、第1ノズル部、第2ノズル部及び第3ノズル部を含み、前記第1ノズル部は、第1方向に向けてスチームを噴射し、前記第2ノズル部は、第2方向に向けてスチームを噴射し、前記第3ノズル部は、第3方向に向けてスチームを噴射し、前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有し、前記第3方向と水平面は、第3間角を有し、前記第1間角、前記第2間角及び前記第3間角の大きさは、互いに異なる。
【0023】
一実施形態によれば、前記ノズル部は、第1ノズル部、第2ノズル部及び第3ノズル部を含み、前記第1ノズル部は、第1方向に向けて貫通される噴射口を有し、前記第2ノズル部は、第2方向に向けて貫通される噴射口を有し、前記第3ノズル部は、第3方向に向けて貫通される噴射口を有し、前記第1方向は、水平面に対して下向きの第1間角を有し、前記第2方向は、水平面に対して下向きの第2間角を有し、前記第3方向は、水平面に対して下向きの第3間角を有し、前記第1間角、前記第2間角及び前記第3間角の大きさは、互いに異なる。
【0024】
一実施形態によれば、前記第1間角、前記第2間角及び前記第3間角の大きさは、0°ないし90°である。
【0025】
一実施形態によれば、前記ノズル部は、前記第1ノズル部、前記第2ノズル部及び前記第3ノズル部が順次に配列されるノズルアレイが、前記配管部に沿い、複数個具備される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態による蒸し調理装置は、従来技術による蒸し調理装置に比べ、スチーム使用量節減、ノズル個数による管理ポイント節減、掃除時の分解必要性解消、掃除時間及び人力の低減効果、及び落下有機物による噴射装置汚染防止効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術による蒸し調理装置の構造を示した図である。
図2】従来技術による蒸し調理装置の噴射装置の構造を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による蒸し調理装置の構造を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による蒸し調理装置の本体フレームの外形を示した図である。
図5】本発明の一実施形態による蒸し調理装置の噴射装置の構造を示した図である。
図6図3のA部分を拡大させ、本発明の一実施形態による蒸し調理装置の噴射装置の構造をさらに詳細に示した図である。
図7】ノズル部が形成された方向から配管部を見た図である。
図8図7のX-X方向から見たとき、それぞれのノズル部の形成位置を示した図である。
図9】本発明の一実施形態による噴射装置の構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施形態による蒸し調理装置は、本体フレームと、前記本体フレームを貫通し、料理対象物を運ぶ移送装置と、前記移送装置の両側部に位置する噴射装置と、を含み、前記噴射装置は、前記料理対象物の運び方向と平行な方向に延長される配管部と、前記配管部に連結され、スチームを供給され、外部にスチームを噴射するノズル部と、を含み、前記ノズル部は、前記移送装置の外側から前記移送装置の内側方向に、スチームを噴射する。
【0029】
以下、添付された図面を参照し、本発明による実施形態について説明する。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態による蒸し調理装置の構造を示した図面である。図4は、本発明の一実施形態による蒸し調理装置の本体フレーム100の外観の例を示した図面である。図5は、本発明の一実施形態による蒸し調理装置の噴射装置300の構造を示した図面である。図6は、図3のA部分を拡大させ、本発明の一実施形態による蒸し調理装置の噴射装置300の構造をさらに詳細に示した図面である。
【0031】
本発明の実施形態による蒸し調理装置は、本体フレーム100と、前記本体フレーム100を貫通し、料理対象物を移動させる移送装置200と、前記本体フレーム100内に位置し、前記移送装置200の側部に位置する噴射装置300と、を含む。
【0032】
本体フレーム100は、内部空間を有する筒体に構成される。本体フレーム100の内部空間は、高温高圧のスチームが充填される蒸し調理空間として機能することができる。本体フレーム100は、強度を有する材質によっても構成される。従って、前記高温高圧のスチームが、本体フレーム100内部に充填されうる。本体フレーム100の両端部には、後述する移送装置200が貫通することができる入口と出口とが具備されうる。図面においては、本体フレーム100の具体的な形状が省略されているが、本体フレーム100は、内部において、移送装置200が移動可能であり、高温高圧のスチームが充填されうるいかなる構成も有することができる。図4は、本体フレーム100の外観の例を図示したものである。ただし、本体フレーム100の外観及び構成は、図4に図示されたところに限定されるものではない。また、本体フレーム100の内部構造は、図示されていないが、本体フレーム100の内部構造は、当業者が自明に理解することができるであろう。
【0033】
移送装置200は、本体フレーム100内に位置する。移送装置200は、前記本体フレーム100を貫通する。
【0034】
移送装置200は、移送装置200上に置かれた料理対象物を移動させることができる装置である。一実施形態によれば、移送装置200は、所定方向に進むコンベヤベルト形態の装置でもある。移送装置200の進行方向は、図3及び図5の矢印Fの通りである。
【0035】
一実施形態によれば、前記移送装置200は、移送ラインを含むものでもある。該移送ラインは、料理対象物が置かれうる所定のベルトラインによっても構成される。
【0036】
一実施形態によれば、前記移送ラインは、ネットでもある。すなわち、ネット上に、料理対象物が置かれうる。従って、該料理対象物の上側面だけではなく、料理対象物の下側面も、スチームに接触することができる。従って、さらに効果的な蒸し調理がなされうる。併せて、該料理対象物と該移送ラインとの接触面積が低減されうる。従って、該料理対象物が該移送ラインに付いてしまうことが防止されうる。
【0037】
該移送ラインは、複数本でもある。前記複数本の移送ラインは、上下に所定間隔を有し、多層にも配列される。それぞれの移送ライン上に、料理対象物が置かれうる。従って、多数の料理対象物を同時に移し、蒸し調理を行うことができる。
【0038】
前記噴射装置300は、前記料理対象物の運び方向と同じ方向に延長される配管部310と、前記配管部310に連結され、スチームを供給され、外部にスチームを噴射するノズル部320と、を含む。
【0039】
配管部310は、所定の配管によっても構成される。配管部310は、外部のスチーム発生装置と連結され、スチームを提供され、前記提供されたスチームを伝達することができる。
【0040】
一実施形態によれば、図3に図示されているように、配管部310は、移送装置200の側部にも配される。ここで、側部というのは、両側方向エッジを意味する。すなわち、移送装置200の両側方向エッジ部部分に、配管部310が位置し、移送装置200によって運ばれる料理対象物の運び方向と同じ方向に前記配管部310が延長されうる。すなわち、移送装置200の延長方向(進行方向)と平行に、配管部310が延長されうる。
【0041】
ここで、図3においては、移送装置200の両側方向エッジの内側に、配管部310が位置するように図示されている。しかし、それに必ずしも限定されるものではない。すなわち、移送装置200の両側方向エッジよりさらに、外側に配管部310が位置することも可能であり、移送装置200の両側方向エッジと重なるように、配管部310が位置することも可能である。
【0042】
併せて、前述のように、複数本の移送ラインが具備される場合、前記配管部310は、上下方向に前記移送ライン間に位置しうる。
【0043】
前記ノズル部320は、前記配管部310に連結される所定のノズル装置である。ノズル部320は、複数個でもある。すなわち、1つの配管部310に、複数個のノズル部320が連結されうる。
【0044】
図6ないし8に図示されているように、本発明の一実施形態によれば、ノズル部320は、配管部310に形成される通孔によっても構成される。すなわち、一実施形態によれば、ノズル部320は、配管部310の側面を貫通し、一定方向に貫通方向(指向角)を有する通孔状の噴射口によって構成される構成を有しうる。
【0045】
一方、図9に図示されているように、本発明の一実施形態によれば、それぞれのノズル部320は、配管部310から突出されるノズルボディ322と、前記ノズルボディ322に形成される噴射口324と、を具備する構成を有することもできる。すなわち、ノズル部320の構成は、限定されるものではなく、配管部310から伝達されるスチームを噴射することができる手段であるならば、いかなる構成も有しうる。
【0046】
前記ノズル部320は、移送装置200の内側方向にオープンされている。従って、前記ノズル部320は、前記移送装置200の外側から前記移送装置200の内側方向に、スチームを噴射することができる。
【0047】
噴射装置300が移送装置200の下に配され、下から上への方向にスチームを提供する従来技術による蒸し調理装置と、本発明の実施形態による蒸し調理装置とを比較したとき、本発明の実施形態による蒸し調理装置の効果は、次の通りである。
【0048】
前述のように、本発明の実施形態においては、噴射装置300を構成する配管部310及びノズル部320が、移送装置200の両側部に位置する。従って、スチームが移送装置200の左右から中心部方向に噴射されるサイド噴射方式により、スチームが提供される。
【0049】
従って、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、本体フレーム100内部空間の湿度、温度がスチームによって迅速に上昇し、不要な設備放熱ロスが低減されうる。本発明の実施形態による蒸し調理装置は、また、スチーム投入量が低減されうるので、従来技術による蒸し調理装置に比べ、蒸し調理効率が向上されうる。
【0050】
また、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、従来技術による蒸し調理装置に比べ、設備放熱ロスが低減され、スチーム投入量が減少するので、同一量の蒸し調理対象物を蒸し調理するために必要な配管とノズルとの個数が減少しうる。
【0051】
併せて、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、噴射装置300が、移送装置200の両側部に位置する。従って、料理対象物から、各種副産物(例:マンドゥの皮/具などによる各種有機物)が生じて落下する場合にも、前記副産物が噴射装置300に影響を与えない。
【0052】
従って、蒸し調理装置の設備運用/管理費が節減されうる。
【0053】
一実施形態によれば、前記ノズル部320は、複数個でもある。すなわち、1つの配管部310に、複数個のノズル部320が具備されうる。このとき、複数個のノズル部320は、互いに所定距離を有して離隔される配置を有しうる。例えば、ノズル部320間の距離は、8.5cmでもある。
【0054】
このとき、前記複数個のノズル部320のうち少なくとも一つは、第1方向に向けてスチームを噴射し、前記複数個のノズル部320のうち少なくとも一つは、第2方向に向けてスチームを噴射することができる。このとき、前記第1方向と水平面は、第1間角を有し、前記第2方向と水平面は、第2間角を有するものの、前記第1間角の大きさと、第2間角の大きさは、互いに異なりうる。水平面とは、地平面、または移送装置200の上面を意味しうる。
【0055】
それについて、違った観点から説明すれば、ノズル部320は、少なくとも1つの第1ノズル部320Aと、少なくとも1つの第2ノズル部320Bと、を含み、前記第1ノズル部320Aのオープン方向と、第2ノズル部320Bのオープン方向は、互いに異なるとも説明される。
【0056】
ここで、該オープン方向とは、ノズル部320を構成する通孔の貫通方向を意味する。第1ノズル部320Aと第2ノズル部320Bは、オープン方向が互いに異なることにより、第1ノズル部320Aから噴射されるスチームの噴射方向と、第2ノズル部320Bから噴射されるスチームの噴射方向は、互いに異なりうる。すなわち、前記ノズル部320は、前記スチームが噴射される噴射方向が互いに異なるノズル部320を含むものでもある。
【0057】
すなわち、第1ノズル部320Aと第2ノズル部320Bは、本質的に同一構成を有することができるが、ただし、オープン方向が異なることによって区分される概念でもある。すなわち、第1ノズル部320Aと第2ノズル部320Bとの違いは、通孔が貫通される貫通方向、及びそれによるスチームの噴射方向であると言うことができる。
【0058】
ここで、ノズル部320が、所定方向にスチームを噴射するというのは、スチームが、特定の方向及び空間の範囲内だけに限定的に噴射されることに限定される意味ではない。本質的に、ノズル部320から噴射されたスチームは、拡散されるためである。
【0059】
前述の実施形態のように、噴射方向が互いに異なるノズル部320が具備されることにより、立体的なスチーム提供が可能になり、料理対象物を均一に蒸し調理することができる。従って、蒸し調理効率が向上されうる。
【0060】
さらに具体的な実施形態によれば、図6ないし8に図示されているように、前記ノズル部320は、第1ノズル部320A、第2ノズル部320B及び第3ノズル部320Cを含むものでもある。図6は、図3のAの拡大図であり、図7は、ノズル部320が形成された方向から配管部310を見たものであり、図8は、図7のX-X方向から見たとき、それぞれのノズル部320の形成位置を示したものである。
【0061】
このとき、前記第1ノズル部320Aは、矢印F1のように、第1方向W1に向けてスチームを噴射することができる。併せて、前記第2ノズル部320Bは、矢印F2のように、第2方向W2に向けてスチームを噴射することができる。併せて、前記第3ノズル部320Cは、矢印F3のように、第3方向W3に向けてスチームを噴射することができる。
【0062】
ここで、特定方向に向けてスチームを噴射するという意味は、前述のように、ノズル部に具備される噴射口324の方向が特定方向に向け、当該方向にスチーム噴射が誘導されるという意味にも説明される。
【0063】
図8に図示されているように、前記第1方向W1と水平面Lは、第1間角Aを有し、前記第2方向W2と水平面Lは、第2間角Bを有し、前記第3方向W3と水平面Lは、第3間角Cを有しうる。前記第1間角A、第2間角B及び第3間角Cの大きさは、互いに異なりうる。
【0064】
それにより、ノズル部320は、少なくとも3個の方向に噴射を行うことができる。
【0065】
従って、立体的なスチーム提供が可能になり、料理対象物を均一に蒸し調理することができる。従って、蒸し調理効率が向上されうる。特に、一実施形態のように、スチームの噴射方向を三元化する場合、移送装置200の左側、中間、右側の温度偏差を最小化させることができる。
【0066】
さらに具体的な実施形態によれば、前記第1間角A、前記第2間角B及び前記第3間角Cは、それぞれ0ないし90°の大きさを有しうる。
【0067】
一例によれば、前記第1間角A、前記第2間角B及び前記第3間角Cは、それぞれ0°、22.5°、45°でもある。
【0068】
ただし、前述の範囲に制限されるものではなく、それぞれの間角は、工程条件などによっても変更される。
【0069】
ここで、それぞれの間角は、図8に図示されているように、水平面Lを基準に、下向きの角度である。
【0070】
従って、前記第1ノズル部320Aは、配管部310から比較的遠く離隔された位置に位置する料理対象物(すなわち、移送ラインの中間部分に位置する料理対象物)に対し、スチームを提供することができる。そして、前記第3ノズル部320Cは、配管部310から比較的近い位置に位置する料理対象物(すなわち、移送ラインの外側に位置する料理対象物)に対し、スチームを提供することができる。従って、移送ライン上に位置する多数の料理対象物に対し、均一に蒸し調理効果を提供することができる。
【0071】
また、一実施形態によれば、前記ノズル部320は、前記第1ノズル部320A、第2ノズル部320B及び第3ノズル部320Cが順次に配列されるノズルアレイ320Lを含み、前記ノズルアレイ320Lは、前記配管部310に沿い、複数個具備されうる。
【0072】
従って、前述のように、均一であり、立体的なスチームが提供され、蒸し調理効果をさらに向上させることができる。
【0073】
本発明の実施形態による蒸し調理装置と、従来技術による蒸し調理装置とを比較・対照すれば、以下の通りである。
【0074】
従来技術による蒸し調理装置は、ネット(移送装置10)下部に、スチーム供給用配管(噴射装置20)が分布された。従って、従来技術による蒸し調理装置においては、地面方向にスチームが噴射され、噴射されたスチームは、ネット下部とぶつかった後で上昇し、ネット上部に位置する料理対象物と接触した。併せて、ノズルと料理対象物との距離が比較的遠く、底及び壁面にスチームが噴射されて熱損失が生じた。それにより、不要な設備放熱ロスが生じ、スチーム投入量が増加した。
【0075】
一方、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、移送装置200両側に、噴射装置300の配管部310が設けられ、配管部310は、移送装置200の進行方向と平行な方向に延長される。従って、本発明による蒸し調理装置においては、移送装置200の両側からスチームが噴射され、噴射されたスチームが、料理対象物と比較的近い距離で直接接触することができる。従って、設備放熱ロスが低減され、スチーム投入量が減少されうる。
【0076】
また、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、スチームを噴射するノズル部320の角度が、水平面から所定の間角(一実施形態によれば、0°、22.5°、45°)を有し、ノズル部320が、互いに所定距離(一実施形態によれば、8.5cmである)を有することにより、移送装置200左側、右側、中央部に噴射されるスチームの偏差が最小化されうる。
【0077】
それにより、スチームの原単位が、既存使用量対比で、約15%~約20%節減されうる。ここで、スチームの原単位というのは、蒸し調理対象物1トン当たり必要なスチームのkg量を意味する。
【0078】
すなわち、従来技術による蒸し調理装置のスチームの原単位は、837.11kg/tonであるところに対し、本発明の実施形態による蒸し調理装置のスチームの原単位は、約697.74kg/tonでもある。すなわち、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、スチーム量が節減されうる。従って、同一設定温度を維持するのに必要なスチームの使用量が、既存の配管構造を有する噴射装置20を使用する蒸し調理装置に比べ、本発明による噴射装置300を含む蒸し調理装置においては、約16%低減されることを確認することができた。
【0079】
また、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、ノズル部320の個数が減りながら、蒸し調理装置の運用、管理の容易性が画期的に改善されうる。
【0080】
従来技術による蒸し調理装置は、ネット(移送装置10)下部に、スチーム供給用配管が分布されるので、料理対象物から生じた有機物などが落下したとき、ネット下部の配管及びノズルに固着されてしまう。このとき、前記有機物は、高温(99℃以上)によって炭化されて残存しうる。従って、ノズルの詰まりを防止し、製品の品質を維持するためには、前記有機物を周期的に掃除して管理しなければならない。このとき、既存の蒸し調理装置は、図2に図示されているように、ネット全域に対応する範囲に配管が分布され、掃除の必要な個所が多かった。また、配管に近付くためには、蒸し調理装置のネットを分解し、掃除後に再組み立てする過程が必要であるために、人力と時間とがかなり必要となった。
【0081】
一方、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、配管部310及びノズル部320が、移送装置200の下部ではない左右に位置する。従って、配管部310及びノズル部320にたまる有機物がないか、あるいは有機物の量が大幅に減少されうる。併せて、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、掃除時、移送装置200を分解する必要なしに、移送装置200の左右にある配管部310、ノズル部320だけ掃除すればよいために、掃除に必要な人力と時間とが画期的に改善されうる。
【0082】
下記の表1は、従来技術対比で、本発明の実施形態による蒸し調理装置の効果を表で示したものである。
【0083】
【表1】
【0084】
前述の表1に示されているように、本発明の実施形態による蒸し調理装置は、従来技術による蒸し調理装置に比べ、スチーム使用量節減、ノズル個数による管理ポイント節減、掃除時の分解必要性解消、掃除時間及び掃除人力の低減効果、及び落下有機物による噴射装置300汚染防止効果を有するということを確認することができる。
【0085】
以上においては、望ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は、前述の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求される本発明の要旨を外れることなしに、当該発明が属する技術分野において当業者により、多様な変形実施が可能であるということは、言うまでもなく、そのような変形実施は、本発明の 技術的な思想や展望から個別的に理解されるものなのである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】