(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】移植のための人工弁
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513812
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021047000
(87)【国際公開番号】W WO2022046568
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・エー・ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】シドハース・ヴァド
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ルイス・シェリー
(72)【発明者】
【氏名】テイラー・ジェイコブ・シェインブラム
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・エム・ゴレモ
(72)【発明者】
【氏名】イェヴジェニー・ダヴィドヴィッチ・カウフマン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ロバート・ランドン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC05
4C097CC14
4C097SB02
4C097SB09
(57)【要約】
人工弁のための装置、システム、及び方法が記載されている。人工弁の実施形態は、弁葉アンカーが半径方向内側に移動するか、又は封止本体の壁を通過することを可能にするように構成された封止本体を含み得る。別の方法として、又は追加的に、封止本体は、周囲組織と接触するために、弁葉アンカーを半径方向外側に移動させるように構成され得る。この通過機構は、弁葉アンカーが天然弁葉を完全に捕捉できない場合に、封止本体が周囲の天然組織に対して緊密なシールを形成することを可能にする。密封、アンカー、及び弁機能の改善のための追加の実施形態は、モジュラー弁システム、及び、例えば、腱索、小柱、又は乳頭筋などの心臓構造に結合するためのアンカーを含む、人工弁を含み得る。実施形態はまた、患者の天然弁の石灰化を係合するために適合されたアンカーを含む、人工弁を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記複数の人工弁弁葉に結合され、かつ患者の心臓の一部分に固定するように各々が構成されている、1つ以上のアンカーと、
前記複数の人工弁弁葉の半径方向外側に位置付けられており、かつ流体流を減少させるために前記患者の心臓の一部分に当接するように構成されている、封止本体であって、前記1つ以上のアンカーが半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている、封止本体と、を備える、人工弁。
【請求項2】
前記封止本体が、前記人工弁の外面を備える、請求項1に記載の人工弁。
【請求項3】
前記封止本体が、フレームを含む、請求項1又は2に記載の人工弁。
【請求項4】
前記フレームが、空間によって分離された複数の支柱を含み、前記封止本体は、前記1つ以上のアンカーのうちの少なくとも1つが前記空間のうちの1つを少なくとも部分的に通過するように構成されている、請求項3に記載の人工弁。
【請求項5】
前記空間のうちの1つが、前記フレームの遠位端に位置付けられている、請求項4に記載の人工弁。
【請求項6】
前記フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記近位部分が、前記複数の人工弁弁葉から半径方向外側に延在しており、前記遠位部分が、前記複数の人工弁弁葉から間隙を有して離間されている、請求項3~5のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項7】
前記フレームが、外側フレームであり、前記人工弁が、前記外側フレームによって囲まれた内側フレームを更に備える、請求項3~6のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項8】
前記複数の人工弁弁葉が、前記内側フレームに結合されており、かつ前記内側フレームから半径方向内側に延在している、請求項7に記載の人工弁。
【請求項9】
前記内側フレームが、前記外側フレームに結合された近位部分と、前記1つ以上のアンカーに結合され、かつ前記外側フレームから間隙を有して離間された遠位部分と、を含む、請求項7又は8に記載の人工弁。
【請求項10】
前記1つ以上のアンカーの各々が、前記内側フレームから半径方向外側に、かつ前記内側フレームの前記遠位部分と前記外側フレームとの間の前記間隙を横切って延在するように構成されている、請求項9に記載の人工弁。
【請求項11】
前記1つ以上のアンカーの各々が、遠位に延在し、その後、前記1つ以上のアンカーのそれぞれのアンカーの先端に対して近位方向に湾曲するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項12】
前記先端が、前記封止本体を半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている、請求項11に記載の人工弁。
【請求項13】
前記封止本体が、スカートを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項14】
前記スカートは、前記1つ以上のアンカーが半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成された1つ以上の受容部分を含む、請求項13に記載の人工弁。
【請求項15】
前記1つ以上の受容部分が、ポケット又は開口のうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の人工弁。
【請求項16】
前記スカートが、近位部分及び遠位部分を含み、前記遠位部分は、前記1つ以上のアンカーが前記半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている、請求項13~15のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項17】
1つ以上のアンカーの各々が、非展開構成から半径方向外側に展開構成に移動するように構成されており、かつ前記展開構成で半径方向内側に偏向するように構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項18】
前記封止本体が、前記1つ以上のアンカーを包囲するように構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項19】
1つ以上のアンカーの各々が、前記1つ以上のアンカーが前記半径方向内側方向に偏向するためのヒンジを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項20】
前記封止本体が、前記1つ以上のアンカーの外径であるか、又はそれより大きい外径を有するように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項21】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記複数の人工弁弁葉に結合され、かつ前記患者の心臓の一部分に固定するように各々が構成されている、1つ以上のアンカーと、
前記複数の人工弁弁葉の半径方向外側に位置付けられており、かつ流体流を減少させるために前記患者の心臓の一部分に当接するように構成されている、封止本体であって、前記1つ以上のアンカーが半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている、封止本体と、を含む、展開することを含む、方法。
【請求項22】
1つ以上の天然弁弁葉の周りに前記1つ以上のアンカーを延在することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ以上のアンカーのうちの少なくとも1つで、1つ以上の天然弁弁葉の捕捉を損ねることを更に含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
捕捉を損ねた前記少なくとも1つのアンカーに、前記封止本体を前記半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過させることを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
捕捉を損ねた前記少なくとも1つのアンカーの周りを前記封止本体で封止することを更に含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記封止本体を前記1つ以上の天然弁弁葉に当接させることを更に含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
捕捉を損ねた前記少なくとも1つのアンカーを、前記封止本体内に包囲することを更に含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
捕捉を損ねた前記少なくとも1つのアンカーを、前記封止本体に対して半径方向内側に移動させることを更に含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
捕捉を損ねた前記少なくとも1つのアンカーを、半径方向内側に偏向させて、前記封止本体を少なくとも部分的に通過させることを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記天然弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁である、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記封止本体が、フレームを含む、請求項21~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
1つ以上の天然弁弁葉の捕捉時に前記フレームの偏向を撮像するために蛍光透視を利用することを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記フレームが、空間によって分離された複数の支柱を含み、前記封止本体は、前記1つ以上のアンカーのうちの少なくとも1つが前記空間のうちの1つを少なくとも部分的に通過するように構成されている、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記フレームが、外側フレームであり、前記人工弁が、前記外側フレームによって囲まれた内側フレームを更に備える、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上のアンカーが、前記内側フレームの遠位部分に結合されている、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
モジュラー人工弁システムであって、
遠位アンカーの複数の異なる構成と、
近位アンカーの複数の異なる構成と、
弁本体であって、複数の人工弁弁葉を含み、かつ前記遠位アンカーの複数の異なる構成から選択された遠位アンカーの構成のうちの1つに結合されるように構成されており、かつ前記近位アンカーの複数の異なる構成から選択された近位アンカーの構成のうちの1つに結合されるように構成されている、弁本体と、を備える、モジュラー人工弁システム。
【請求項37】
前記遠位アンカーが、天然弁弁葉の周りに延在するように構成された心室アンカーである、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記近位アンカーが、天然弁の心房側上に位置付けられるように構成された心房アンカーである、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項39】
前記遠位アンカーの異なる構成の各々が、前記弁本体から半径方向外側に互いに異なる程度に延在するように構成されている、請求項36~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記遠位アンカーの異なる構成の各々が、互いに異なる曲率半径を有する、請求項36~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記近位アンカーの異なる構成の各々が、前記弁本体から半径方向外側に互いに異なる程度に延在するように構成されている、請求項36~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記遠位アンカーの異なる構成の各々が、互いに異なる長さを有する、請求項36~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記近位アンカーの各々が、近位端及び遠位端を有し、前記遠位アンカーの各々が、近位端及び遠位端を有し、前記近位アンカーの前記遠位端が、前記遠位アンカーの前記近位端に結合するように構成されている、請求項36~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
ロックは、前記近位アンカー及び遠位アンカーが前記弁本体に結合されたときに、前記近位アンカーが前記遠位アンカーに対して回転することを防止する、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記ロックが、前記近位アンカーの前記遠位端又は前記遠位アンカーの前記近位端の凹部内に挿入するように構成されたインサートを含む、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記弁本体が、弁フレームを含み、前記弁フレームが、前記遠位アンカーの複数の異なる構成に結合されるように構成されており、かつ前記近位アンカーの複数の異なる構成に結合されるように構成されている、請求項36~45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
前記遠位アンカーの複数の異なる構成の各々が、前記弁フレームの外面に結合するように構成されており、前記近位アンカーの複数の異なる構成の各々が、前記弁フレームの外面に結合するように構成されている、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記弁本体の半径方向外側に位置付けられるように構成されたスカートを更に備える、請求項36~47のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
各々が前記弁本体の半径方向外側に位置付けられるように構成されたスカートの複数の異なる構成を更に備える、請求項36~48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
封止本体の複数の異なる構成を更に備え、前記封止本体の複数の異なる構成の各々が、前記弁本体の半径方向外側に位置付けられるように構成されており、かつ流体流を減少させるために患者の心臓の一部分に当接するように構成されており、かつ前記近位アンカーの複数の異なる構成が半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている、請求項36~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
人工弁を形成する方法であって、前記方法が、
遠位アンカーの複数の異なる構成から遠位アンカーの構成を選択することと、
近位アンカーの複数の異なる構成から近位アンカーの構成を選択することと、
前記遠位アンカーの選択された構成及び前記近位アンカーの選択された構成を、複数の人工弁弁葉を含む弁本体に結合することと、を含む、方法。
【請求項52】
前記遠位アンカーの異なる構成が、各々異なるサイズの天然弁への固定用であり、前記近位アンカーの異なる構成が、各々異なるサイズの天然弁への固定用である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記遠位アンカーの選択された構成、前記近位アンカーの選択された構成、又は前記弁本体のうちの1つ以上に、スカートを結合することを更に含む、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
スカートの複数の異なる構成から、前記スカートの構成を選択することを更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
封止本体の複数の異なる構成から封止本体の構成を選択することであって、前記封止本体の複数の異なる構成の各々が前記弁本体の半径方向外側に位置付けられるように構成されており、かつ流体流を減少させるために患者の心臓の一部分に当接するように構成されており、かつ前記近位アンカーの複数の異なる構成が半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている、選択することと、
前記複数の人工弁弁葉の半径方向外側に前記封止本体の選択された構成を位置付けることと、を更に含む、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記遠位アンカーの異なる構成の各々を含む在庫から、遠位アンカーの構成を選択することと、前記近位アンカーの異なる構成の各々を含む在庫から、近位アンカーの構成を選択することと、を更に含む、請求項51~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記弁本体が、フレームを含み、前記遠位アンカーの選択された構成の遠位端を前記フレームに結合することと、前記近位アンカーの選択された構成の近位端を前記フレームに結合することと、を更に含む、請求項51~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記近位アンカーの選択された構成の前記近位端に、前記遠位アンカーの選択された構成の前記遠位端を結合することを更に含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記近位アンカーの選択された構成の前記近位端に、前記遠位アンカーの選択された構成の前記遠位端を係止して、前記近位アンカーの選択された構成に対する前記遠位アンカーの選択された構成の回転を防止することを更に含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記遠位アンカーが、天然弁弁葉の周りに延在するように構成された心室アンカーであり、
前記近位アンカーが、天然弁の心房側上に位置付けられるように構成された心房アンカーであり、
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に移植されるように構成されている、請求項51~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、かつ前記人工弁を前記天然弁内に固定するために、1つ以上の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように構成された、巻回特徴部を含む、1つ以上のアンカーと、を備える、人工弁。
【請求項62】
前記巻回特徴部が、ワイヤを備える、請求項61に記載の人工弁。
【請求項63】
各アンカーが、前記腱索、小柱、又は乳頭構造内に絡むように構成されている、複数の前記ワイヤを含む、請求項62に記載の人工弁。
【請求項64】
前記ワイヤが、前記腱索、小柱、又は乳頭構造の周りを包囲するように構成されている、請求項62に記載の人工弁。
【請求項65】
各ワイヤが、前記腱索、小柱、又は乳頭構造の周りにスパイラルを形成するように構成されている、請求項64に記載の人工弁。
【請求項66】
前記巻回特徴部が、1つ以上のクランプを含む、請求項61に記載の人工弁。
【請求項67】
前記1つ以上のアンカーが、非展開構成から展開構成に移動するように構成されている、請求項61~66のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項68】
前記巻回特徴部が、形状記憶を有し、かつ前記巻回特徴部が前記腱索、小柱、又は乳頭構造に結合する構成に付勢されている、請求項61~67のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項69】
前記1つ以上のアンカーが、天然弁弁葉に固定するように構成されていない、請求項61~68のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項70】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項61~69のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項71】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、かつ前記人工弁を前記天然弁内に固定するために、1つ以上の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように構成された、巻回特徴部を含む、1つ以上のアンカーと、を含む、展開することと、
前記腱索、小柱、又は乳頭構造のうちの1つ以上に、前記巻回特徴部を結合することと、を含む、方法。
【請求項72】
前記巻回特徴部が、ワイヤを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
各アンカーが、前記腱索、小柱、又は乳頭構造内に絡むように構成されている、複数の前記ワイヤを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記ワイヤが、前記腱索、小柱、又は乳頭構造の周りを包囲するように構成されている、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
各ワイヤが、前記腱索、小柱、又は乳頭構造の周りにスパイラルを形成するように構成されている、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記巻回特徴部が、1つ以上のクランプを含む、請求項71~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記巻回特徴部が、形状記憶を有し、かつ前記巻回特徴部が前記腱索、小柱、又は乳頭構造に結合する構成に付勢されている、請求項71~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
天然弁弁葉に前記1つ以上のアンカーを固定しないことを更に含む、請求項71~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開される、請求項71~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記患者の心臓の心室内に前記巻回特徴部を拡張することを更に含む、請求項71~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、かつ前記天然弁の石灰化と係合して前記人工弁を前記天然弁に固定するように構成されている、1つ以上のアンカーと、を備える、人工弁。
【請求項82】
前記人工弁が、中心軸の周りに延在しており、前記1つ以上のアンカーが、それぞれの遠位アンカーの先端に対して前記中心軸に対して水平に延在するように構成された1つ以上の遠位アンカーを備える、請求項81に記載の人工弁。
【請求項83】
前記1つ以上の遠位アンカーが、天然弁弁葉の遠位先端の上に、かつ前記天然弁弁葉の前記遠位先端から前記それぞれの遠位アンカーの前記先端まで水平に延在するように構成されている、請求項82に記載の人工弁。
【請求項84】
前記1つ以上の遠位アンカーが、前記中心軸に対して垂直に延在するように構成されている、請求項82又は83に記載の人工弁。
【請求項85】
前記1つ以上の遠位アンカーが、各々前記石灰化と係合するように構成された近位表面を含む、請求項82~84のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項86】
前記1つ以上の遠位アンカーが、前記石灰化と係合し、かつ前記1つ以上のアンカーのそれぞれの近位表面から近位に延在するように構成された1つ以上のバーブを含む、請求項85に記載の人工弁。
【請求項87】
それぞれの前記遠位アンカーの先端が、可撓性であるように構成されている、請求項82~86のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項88】
前記1つ以上のアンカーが、前記石灰化と係合し、かつ前記天然弁の天然弁弁葉の半径方向内側に位置付けられるように構成された前記人工弁の外面から延在するように構成された1つ以上のバーブを含む、請求項81~87のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項89】
前記1つ以上のバーブが、前記天然弁弁葉の1つ以上を通過するように構成されている、請求項88に記載の人工弁。
【請求項90】
前記人工弁が、僧帽弁又は三尖弁に展開されるように構成されている、請求項81~89のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項91】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、かつ前記天然弁の石灰化と係合して前記人工弁を前記天然弁に固定するように構成されている、1つ以上のアンカーと、を含む、展開することと、
前記石灰化を前記1つ以上のアンカーと係合させることと、を含む、方法。
【請求項92】
前記石灰化の遠位に前記1つ以上のアンカーを位置付けることを更に含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記1つ以上のアンカーが、前記フレームから半径方向外側に延在している、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項94】
前記石灰化が、前記天然弁の1つ以上の天然弁弁葉の半径方向外側に位置付けられている、請求項91~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記人工弁が、中心軸の周りに延在しており、前記1つ以上のアンカーが、それぞれの遠位アンカーの先端に対して前記中心軸に対して水平に延在している1つ以上の遠位アンカーを備える、請求項91~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記1つ以上の遠位アンカーが、天然弁弁葉の遠位先端の上に、かつ前記天然弁弁葉の前記遠位先端から前記それぞれの遠位アンカーの前記先端まで水平に延在している、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記1つ以上のアンカーで前記石灰化を貫通することによって、前記石灰化を係合することを更に含む、請求項91~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記1つ以上のアンカーが、1つ以上のバーブを含み、前記方法が、前記1つ以上のバーブで前記石灰化を貫通することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記1つ以上のバーブが、前記天然弁の天然弁弁葉の半径方向内側に位置付けられた前記人工弁の外面から延在している、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記天然弁が、僧帽弁又は三尖弁である、請求項91~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、かつ各々が先端を有し、かつ前記フレームから半径方向外側に延在するように構成されている、1つ以上のアンカーであって、前記1つ以上のアンカーの各々が、前記アンカーの前記先端に向かう方向において下向きに先細りの厚さを有する一部分を有する、1つ以上のアンカーと、を備える、人工弁。
【請求項102】
前記厚さが、前記アンカーの前記先端に対して下向きに先細になっている、請求項101に記載の人工弁。
【請求項103】
前記1つ以上のアンカーの各々が、曲げ部分と、前記曲げ部分から半径方向外側に延在している、延長部分と、を含み、前記延長部分の前記厚さが、前記アンカーの前記先端に向かって下向きに先細になっている、請求項101又は102に記載の人工弁。
【請求項104】
前記延長部分の前記厚さが、前記アンカーの前記先端に対して下向きに先細になっている、請求項103に記載の人工弁。
【請求項105】
前記曲げ部分の厚さが、前記アンカーの前記先端に向かって下向きに先細になっている、請求項103又は104に記載の人工弁。
【請求項106】
前記1つ以上のアンカーの各々が、前記フレームに結合されており、かつ遠位に延在している、近位部分を含み、前記曲げ部分が、前記先端を近位に方向付けるように構成された曲線を備える、請求項103~105のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項107】
前記曲げ部分が、半径方向内側に延在するループを備える、請求項106に記載の人工弁。
【請求項108】
前記フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記1つ以上のアンカーが、前記フレームの前記遠位部分に結合されている、請求項101~107のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項109】
前記1つ以上のアンカーが、前記天然弁の天然弁弁葉の先端の上に延在するように構成された心室アンカーである、請求項101~108のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項110】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項101~109のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項111】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持するフレームと、
前記フレームに結合され、かつ各々が先端を有し、かつ前記フレームから半径方向外側に延在するように構成されている、1つ以上のアンカーであって、前記1つ以上のアンカーの各々が、前記アンカーの前記先端に向かう方向において下向きに先細りの厚さを有する一部分を有する、1つ以上のアンカーと、を含む、展開することを含む、方法。
【請求項112】
前記厚さが、前記アンカーの前記先端に対して下向きに先細になっている、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記1つ以上のアンカーの各々が、曲げ部分と、前記曲げ部分から半径方向外側に延在している、延長部分と、を含み、前記延長部分の前記厚さが、前記アンカーの前記先端に向かって下向きに先細になっている、請求項111又は112に記載の方法。
【請求項114】
前記延長部分の前記厚さが、前記アンカーの前記先端に対して下向きに先細になっている、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記曲げ部分の厚みが、前記アンカーの前記先端に向かって下向きに先細になっている、請求項113又は114に記載の方法。
【請求項116】
前記1つ以上のアンカーの各々が、前記フレームに結合されており、かつ遠位に延在している、近位部分を含み、前記曲げ部分が、前記先端を近位に方向付けるように構成された曲線を備える、請求項113~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記曲げ部分が、半径方向内側に延在するループを備える、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記1つ以上のアンカーが、前記フレームの前記遠位部分に結合されている、請求項111~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記1つ以上のアンカーが、前記天然弁の天然弁弁葉の先端の上に延在するように構成された心室アンカーである、請求項111~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成されている、請求項111~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームと、
前記内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ前記内側フレームの前記近位部分に結合された近位部分と、前記内側フレームの周りにリングを形成する複数の支柱セルを含む遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体であって、前記外側フレームが、前記外側フレームの前記近位部分から前記複数の支柱セルまで延在する、複数の細長い支柱アームを含み、前記細長い支柱アームのうちの少なくとも1つが、前記複数の支柱セルが前記外側フレームの前記近位部分に対して偏向することを可能にするように構成されている、偏向特徴部を含む、封止本体と、を備える、人工弁。
【請求項122】
前記人工弁が、中心軸の周りに延在しており、前記細長い支柱アームの各々が、前記中心軸の平面において前記外側フレームの前記近位部分から半径方向外側に延在している、請求項121に記載の人工弁。
【請求項123】
前記複数の支柱セルが互いに接合されて、前記内側フレームの周りに前記リングを形成する、請求項121又は122に記載の人工弁。
【請求項124】
前記複数の支柱セルの各々が、開口部の境界を形成する4つの側面を含む、請求項121~123のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項125】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに起伏を含む、請求項121~124のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項126】
前記起伏が、円周方向に延在している、請求項125に記載の人工弁。
【請求項127】
前記起伏が、半径方向に延在している、請求項125に記載の人工弁。
【請求項128】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに第1の起伏及び第2の起伏を含み、前記第1の起伏が、円周方向に延在しており、前記第2の起伏が、半径方向に延在している、請求項125~127のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項129】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに第1の起伏及び第2の起伏を含み、前記第1の起伏の長さが、前記第2の起伏よりも大きい、請求項125~128のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項130】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに1つ以上の開口部を含む、請求項121~129のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項131】
前記1つ以上の開口部が、前記細長い支柱アームの長さに沿って延在する細長い形状を有する、請求項130に記載の人工弁。
【請求項132】
前記偏向特徴部が、前記複数の支柱セルが偏向して、前記リングの非円形形状を形成することを可能にするように構成されている、請求項121~131のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項133】
前記非円形形状が、楕円形又は「D」形状である、請求項132に記載の人工弁。
【請求項134】
前記偏向特徴部が、前記複数の支柱セルが偏向して、前記天然弁の弁輪の形状に輪郭を描くことを可能にするように構成されている、請求項121~133のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項135】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項121~134のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項136】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームと、
前記内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ前記内側フレームの前記近位部分に結合された近位部分と、前記内側フレームの周りにリングを形成する複数の支柱セルを含む遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体であって、前記外側フレームが、前記外側フレームの前記近位部分から前記複数の支柱セルまで延在する、複数の細長い支柱アームを含み、前記細長い支柱アームのうちの少なくとも1つが、前記複数の支柱セルが前記外側フレームの前記近位部分に対して偏向することを可能にするように構成されている、偏向特徴部を含む、封止本体と、を含む、展開することを含む、方法。
【請求項137】
前記人工弁が、中心軸の周りに延在しており、前記細長い支柱アームの各々が、前記中心軸の平面において前記外側フレームの前記近位部分から半径方向外側に延在している、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに起伏を含む、請求項136又は137に記載の方法。
【請求項139】
前記起伏が、円周方向に延在するか、又は半径方向に延在する、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに第1の起伏及び第2の起伏を含み、前記第1の起伏が、円周方向に延在しており、前記第2の起伏が、半径方向に延在している、請求項138又は139に記載の方法。
【請求項141】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに第1の起伏及び第2の起伏を含み、前記第1の起伏の長さが、前記第2の起伏よりも大きい、請求項138~140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記偏向特徴部が、前記細長い支柱アームに1つ以上の開口部を含む、請求項136~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記偏向特徴部が、前記複数の支柱セルが偏向して、前記リングの非円形形状を形成することを可能にする、請求項136~142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記偏向特徴部が、前記複数の支柱セルが偏向して、前記天然弁の弁輪の形状に輪郭を描くことを可能にする、請求項136~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成されている、請求項136~144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームと、
前記内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ複数の支柱を含む、外側フレームであって、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つが、前記外側フレームの可撓性を増加させるように構成された起伏又は開口部を有する、外側フレームと、を備える、人工弁。
【請求項147】
前記外側フレームが、前記天然弁の一部分と封止するように構成されている、請求項146に記載の人工弁。
【請求項148】
前記天然弁の一部分とシールを形成するために前記外側フレームに結合されたスカートを更に備える、請求項146又は147に記載の人工弁。
【請求項149】
前記起伏が、円周方向に延在するか、又は半径方向に延在する、請求項146~148のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項150】
前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つが、第1の起伏及び第2の起伏を含み、前記第1の起伏の長さが、前記第2の起伏よりも大きい、請求項146~149のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項151】
前記開口部が、前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つの長さに沿って延在する細長い形状を有する、請求項146~150のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項152】
前記外側フレームが、近位部分と、前記内側フレームの周りにリングを形成する複数の支柱セルを含む遠位部分と、を有し、前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つが、前記外側フレームの前記近位部分から前記複数の支柱セルまで延在する細長い支柱アームを備える、請求項146~151のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項153】
前記起伏又は前記開口部が、前記外側フレームが偏向して、非円形形状を形成することを可能にするように構成されている、請求項146~152のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項154】
前記起伏又は前記開口部が、前記外側フレームが偏向して、前記天然弁の弁輪の形状に輪郭を描くことを可能にするように構成されている、請求項146~153のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項155】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項146~154のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項156】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームと、
前記内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ複数の支柱を含む、外側フレームであって、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つが、前記外側フレームの可撓性を増加させるように構成された起伏又は開口部を有する、外側フレームと、を含む、展開することを含む、方法。
【請求項157】
前記外側フレームが、前記天然弁の一部分と封止するように構成されている、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記天然弁の一部分とシールを形成するために前記外側フレームに結合されたスカートを更に備える、請求項156又は157に記載の方法。
【請求項159】
前記起伏が、円周方向に延在するか、又は半径方向に延在する、請求項156~158のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つが、第1の起伏及び第2の起伏を含み、前記第1の起伏の長さが、前記第2の起伏よりも大きい、請求項156~159のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
前記開口部が、前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つの長さに沿って延在する細長い形状を有する、請求項156~160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
前記外側フレームが、近位部分と、前記内側フレームの周りにリングを形成する複数の支柱セルを含む遠位部分と、を有し、前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つが、前記外側フレームの前記近位部分から前記複数の支柱セルまで延在する細長い支柱アームを備える、請求項156~161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
前記起伏又は前記開口部が、前記外側フレームが偏向して、非円形形状を形成することを可能にするように構成されている、請求項156~162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記起伏又は前記開口部が、前記外側フレームが偏向して、前記天然弁の弁輪の形状に輪郭を描くことを可能にするように構成されている、請求項156~163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成されている、請求項156~164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉に結合されたフレームであって、前記フレームが、近位端及び遠位端と、接合部で接合された複数の支柱と、を含み、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つが、前記近位端から前記遠位端に向かって一方向に延在しており、かつ第1の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第2の軸に沿って延在する第3のセグメントと、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとをある角度で接合する、第1のキンク、及び前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、前記第2の軸が、前記第1の軸からオフセットされている、フレームと、を備える、人工弁。
【請求項167】
前記第1のセグメントが、前記フレームの第1の接合部に結合された端部セグメントであり、前記第3のセグメントが、前記フレームの第2の接合部に結合された端部セグメントである、請求項166に記載の人工弁。
【請求項168】
前記第1の軸が、前記第2の軸と平行に延在している、請求項166又は167に記載の人工弁。
【請求項169】
前記人工弁が、中心軸の周りに延在しており、前記第1の軸及び前記第2の軸の両方が、前記中心軸と平行に延在している、請求項166~168のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項170】
前記第2のセグメントが、前記中心軸に対してある角度で延在している、請求項169に記載の人工弁。
【請求項171】
前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つが、第1の支柱であり、前記フレームが、前記第1の支柱に隣接して位置付けられており、かつ第3の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第4の軸に沿って延在する第3のセグメントと、前記第2のセグメントが前記第1の支柱に向かって延在するような角度で、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとを接合する、第1のキンク、及び前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、前記第4の軸が、前記第3の軸からオフセットされている、請求項166~170のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項172】
前記第1の支柱の前記第3のセグメントが、接合部で第2の支柱の前記第3のセグメントに接合する、請求項171に記載の人工弁。
【請求項173】
前記フレームが、第2の支柱に隣接する前記第1の支柱のパターンを含み、前記パターンが、前記フレームの周りで円周方向に繰り返される、請求項171又は172に記載の人工弁。
【請求項174】
前記フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記遠位部分が、前記第1の支柱及び前記第2の支柱を含み、前記近位部分が、前記第1の支柱及び前記第2の支柱の反転を備える、複数の支柱を含む、請求項173に記載の人工弁。
【請求項175】
前記第1の支柱の前記第1のセグメントが、接合部で第3の支柱に接合し、前記第3の支柱が、前記第1の支柱に隣接して位置付けられており、かつ第5の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第6の軸に沿って延在する第3のセグメントと、前記第2のセグメントが前記第1の支柱から離れて延在するような角度で、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとを接合する、第1のキンク、及び前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、前記第5の軸が、前記第6の軸からオフセットされている、請求項171~174のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項176】
第1の支柱が、前記フレームの半径方向圧縮時に第2の支柱に引き込まれるように構成されている、請求項171~175のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項177】
前記第1の支柱の前記第2のキンクが、前記フレームの半径方向圧縮時に第2の支柱の前記第2のキンクに接触するように構成されている、請求項171~176のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項178】
前記フレームが、円筒形状を有し、かつ前記複数の人工弁弁葉を囲む、請求項166~177のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項179】
前記フレームが、前記複数の人工弁弁葉を支持する内側フレームを囲むように構成された外側フレームである、請求項166~178のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項180】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項166~179のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項181】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉に結合されたフレームであって、前記フレームが、近位端及び遠位端と、接合部で接合された複数の支柱と、を含み、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つが、前記近位端から前記遠位端に向かって一方向に延在しており、かつ第1の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第2の軸に沿って延在する第3のセグメントと、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとをある角度で接合する、第1のキンク、及び前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、前記第2の軸が、前記第1の軸からオフセットされている、フレームと、を含む、展開することを含む、方法。
【請求項182】
前記第1のセグメントが、前記フレームの第1の接合部に結合された端部セグメントであり、前記第3のセグメントが、前記フレームの第2の接合部に結合された端部セグメントである、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記第1の軸が、前記第2の軸と平行に延在している、請求項181又は182に記載の方法。
【請求項184】
前記人工弁が、中心軸の周りに延在しており、前記第1の軸及び前記第2の軸の両方が、前記中心軸と平行に延在している、請求項181~183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
前記複数の支柱のうちの前記少なくとも1つが、第1の支柱であり、前記フレームが、前記第1の支柱に隣接して位置付けられており、かつ第3の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第4の軸に沿って延在する第3のセグメントと、前記第2のセグメントが前記第1の支柱に向かって延在するような角度で、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとを接合する、第1のキンク、及び前記第2のセグメントと前記第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、前記第4の軸が、前記第3の軸からオフセットされている、請求項181~184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
前記フレームが、第2の支柱に隣接する前記第1の支柱のパターンを含み、前記パターンが、前記フレームの周りで円周方向に繰り返される、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
前記フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記遠位部分が、前記第1の支柱及び第2の支柱を含み、前記近位部分が、前記第1の支柱及び前記第2の支柱の反転を備える、複数の支柱を含む、請求項185又は186に記載の方法。
【請求項188】
前記第1の支柱の前記第2のキンクが、前記フレームの半径方向圧縮時に第2の支柱の前記第2のキンクに接触するように構成されている、請求項185~187のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
前記フレームが、円筒形状を有し、かつ前記複数の人工弁弁葉を囲む、請求項181~188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項181~189のいずれか一項に記載の方法。
【請求項191】
天然弁に展開されるように構成された人工弁であって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持する内側フレームと、
前記内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ前記内側フレームから半径方向外側に延在する近位部分と、前記近位部分から軸方向に湾曲し、外側フレームの遠位端に対して軸方向に延在する遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体と、
前記外側フレームの前記遠位部分から半径方向外側に延在しており、かつ前記外側フレームの遠位移動を阻害するように構成されている、複数のアンカーと、を備える、人工弁。
【請求項192】
前記外側フレームの前記遠位部分の湾曲部分が、前記近位部分から軸方向に湾曲しており、前記複数のアンカーが、前記湾曲部分から半径方向外側に延在している、請求項191に記載の人工弁。
【請求項193】
前記湾曲部分が、半径方向内側に湾曲して、前記外側フレームの肩部を形成する、請求項192に記載の人工弁。
【請求項194】
前記内側フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記外側フレームの前記近位部分が、前記内側フレームの前記近位部分に結合する、請求項191~193のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項195】
前記複数のアンカーが、前記外側フレームと一体型である、請求項191~194のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項196】
前記外側フレームが、接合部で接合された複数の支柱を含み、前記複数のアンカーが、前記接合部に結合されている、請求項191~195のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項197】
前記複数のアンカーの各々が、前記外側フレームから半径方向外側に偏向されたアームを備える、請求項191~196のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項198】
前記内側フレームに結合され、かつ前記天然弁の天然弁葉の先端の上に延在するように構成された、遠位アンカーを更に備える、請求項191~197のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項199】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項191~198のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項200】
前記複数のアンカーが、天然弁の心房側上に位置付けられるように構成された心房アンカーを含む、請求項191~199のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項201】
方法であって、
患者の身体の天然弁に人工弁を展開することであって、前記人工弁が、
複数の人工弁弁葉と、
前記人工弁弁葉を支持する内側フレームと、
前記内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ前記内側フレームから半径方向外側に延在する近位部分と、前記近位部分から軸方向に湾曲し、外側フレームの遠位端に対して軸方向に延在する遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体と、
前記外側フレームの前記遠位部分から半径方向外側に延在しており、かつ前記外側フレームの遠位移動を阻害するように構成されている、複数のアンカーと、を含む、展開することを含む、方法。
【請求項202】
前記外側フレームの前記遠位部分の湾曲部分が、前記近位部分から軸方向に湾曲しており、前記複数のアンカーが、前記湾曲部分から半径方向外側に延在している、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
前記湾曲部分が、半径方向内側に湾曲して、前記外側フレームの肩部を形成する、請求項202に記載の方法。
【請求項204】
前記内側フレームが、近位部分及び遠位部分を含み、前記外側フレームの前記近位部分が、前記内側フレームの前記近位部分に結合する、請求項201~203のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
前記複数のアンカーが、前記外側フレームと一体型である、請求項201~204のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
前記外側フレームが、接合部で接合された複数の支柱を含み、前記複数のアンカーが、前記接合部に結合されている、請求項201~205のいずれか一項に記載の方法。
【請求項207】
前記複数のアンカーの各々が、前記外側フレームから半径方向外側に偏向されたアームを備える、請求項201~206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
前記内側フレームに結合され、かつ前記天然弁の天然弁葉の先端の上に延在するように構成された、遠位アンカーを更に備える、請求項201~207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
前記人工弁が、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるよう構成されている、請求項201~208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
前記複数のアンカーが、天然弁の心房側上に位置付けられた心房アンカーを含む、請求項201~209のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔背景〕
本明細書に開示される特定の実施形態は、移植のための人工弁を含む、インプラントに概して関連する。特に、インプラントは、一部の実施形態において、他の特徴の中でも弁傍漏出(PVL)の可能性を低減し得る人工弁に関連する。
【背景技術】
【0002】
ヒト心臓弁は、大動脈弁、肺弁、僧帽弁、及び三尖弁を含み、心臓の拍動と同期して動作する一方向弁として本質的に機能する。弁は、血液が下流に流れることを可能にするが、血液が上流に流れるのを遮断する。罹患した心臓弁は、弁の狭窄又は逆流などの障害を呈し、弁の血流を制御する能力を阻害する。このような障害は、心臓の血液ポンプ効率を低下させ、衰弱性かつ生命を脅かす状態となり得る。例えば、弁の機能不全は、心臓肥大及び心室の拡張などの状態につながることがある。そのため、障害のある心臓弁を修復又は置換するための方法及び装置を開発する広範な努力がなされてきた。
【0003】
プロステーシスは、心臓弁の障害に関連する問題を是正するために存在する。例えば、機械的及び組織ベースの心臓弁プロステーシスを使用して、障害のある天然の心臓弁を置き換えることができる。最近では、心臓弁置換、特に、開心手術よりも患者への外傷が少ない状態で送達され得る組織ベースの心臓弁置換の開発に、かなりの努力が払われてきた。交換用の弁は、低侵襲的処置、更には経皮的処置を通して送達されるように設計されている。こうした置換弁は、しばしば、拡張可能フレームに接続され、その後、天然弁の弁輪に送達される、組織ベースの弁本体を含む。
【0004】
これらの交換弁は、しばしば、血流を少なくとも部分的に遮断することを意図している。しかしながら、プロテーゼの外側の弁の周りに血液が流れると問題が生じる。例えば、心臓弁の交換において、弁傍漏出(PVL)は特に困難であることが実証されている。追加の課題は、例えば、非外傷的な様式で、任意の体腔又は空洞内の組織など、管腔内組織に対してこうしたプロステーシスが固定される能力に関連する。
【発明の概要】
【0005】
人工弁の実施形態は、アンカーが少なくとも部分的に通過するように構成された封止本体を含み得る。アンカーが封止本体を通過する能力によって、アンカーによる弁葉の捕捉を損ねた場合に、封止本体が患者の心臓の一部分を封止することが可能となり得る。そのため、弁傍漏出(PVL)の可能性が低減され得る。封止本体は、アンカーによる弁葉の損ねた捕捉に局所的に適合するように構成された適応封止本体を含み得る。
【0006】
本明細書の実施形態は、モジュラー弁システムを更に含み得る。こうしたモジュラー弁システムは、人工弁の構成の可変性を強化し、こうした人工弁を作製する能力を改善することができる。
【0007】
本明細書の実施形態は、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するためのアンカーを含む、人工弁を更に含み得る。
【0008】
本明細書の実施形態は、天然弁の石灰化を係合して、人工弁を天然弁に固定するためのアンカーを含む、人工弁を更に含み得る。
【0009】
本明細書の実施形態は、人工弁の他の特徴を含み得る。
【0010】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。人工弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。1つ以上のアンカーは、複数の人工弁弁葉に結合され得、かつ患者の心臓の一部分に固定するように各々が構成されている。封止本体は、複数の人工弁弁葉の半径方向外側に位置付けられており、かつ流体流を減少させるために患者の心臓の一部分に当接するように構成されてもよく、封止本体は、1つ以上のアンカーが半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている。
【0011】
方法は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含み得る。人工弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。1つ以上のアンカーは、複数の人工弁弁葉に結合され得、かつ患者の心臓の一部分に固定するように各々が構成されている。封止本体は、複数の人工弁弁葉の半径方向外側に位置付けられており、かつ流体流を減少させるために患者の心臓の一部分に当接するように構成されてもよく、封止本体は、1つ以上のアンカーが半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されている。
【0012】
本明細書に開示されるような実施形態は、モジュラー人工弁システムを含み得る。システムは、遠位アンカーの複数の異なる構成を備え得る。システムは、近位アンカーの複数の異なる構成を備え得る。システムは、弁本体であって、複数の人工弁弁葉を含み、かつ遠位アンカーの複数の異なる構成から選択された遠位アンカーの構成のうちの1つに結合されるように構成されており、かつ近位アンカーの複数の異なる構成から選択された近位アンカーの構成のうちの1つに結合されるように構成されている、弁本体を備え得る。
【0013】
本明細書に開示されるような実施形態は、人工弁を形成する方法を含み得る。方法は、遠位アンカーの複数の異なる構成から遠位アンカーの構成を選択することを含み得る。方法は、近位アンカーの複数の異なる構成から近位アンカーの構成を選択することを含み得る。方法は、遠位アンカーの選択された構成及び選択された近位アンカーの構成を、複数の人工弁弁葉を含む弁本体に結合することと、を含み得る。
【0014】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持するフレームを含み得る。弁は、フレームに結合され、かつ人工弁を天然弁内に固定するために、1つ以上の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように構成された、巻回特徴部を含む、1つ以上のアンカーを含み得る。
【0015】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持するフレームを含み得る。弁は、フレームに結合され、かつ人工弁を天然弁内に固定するために、1つ以上の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように構成された、巻回特徴部を含む、1つ以上のアンカーを含み得る。方法は、巻回特徴部を、腱索又は小柱のうちの1つ以上に結合することを含み得る。
【0016】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持するフレームを含み得る。弁は、フレームに結合され、かつ天然弁の石灰化と係合して人工弁を天然弁に固定するように構成されている、1つ以上のアンカーを含み得る。
【0017】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持するフレームを含み得る。弁は、フレームに結合され、かつ天然弁の石灰化と係合して人工弁を天然弁に固定するように構成されている、1つ以上のアンカーを含み得る。方法は、石灰化を1つ以上のアンカーと係合させることを含み得る。
【0018】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持するフレームを含み得る。弁は、フレームに結合され、かつ各々が先端を有し、かつフレームから半径方向外側に延在するように構成されている、1つ以上のアンカーを含み得、1つ以上のアンカーの各々は、アンカーの先端に向かう方向において下向きに先細りの厚さを有する一部分を有する。
【0019】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持するフレームを含み得る。弁は、フレームに結合され、かつ各々が先端を有し、かつフレームから半径方向外側に延在するように構成されている、1つ以上のアンカーを含み得、1つ以上のアンカーの各々は、アンカーの先端に向かう方向において下向きに先細りの厚さを有する一部分を有する。
【0020】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームを含み得る。弁は、内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ内側フレームの近位部分に結合された近位部分と、内側フレームの周りにリングを形成する複数の支柱セルを含む遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体を含み得、外側フレームは、外側フレームの近位部分から複数の支柱セルまで延在する、複数の細長い支柱アームを含み、細長い支柱アームのうちの少なくとも1つは、複数の支柱セルが外側フレームの近位部分に対して偏向することを可能にするように構成されている、偏向特徴部を含む。
【0021】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームを含み得る。弁は、内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ内側フレームの近位部分に結合された近位部分と、内側フレームの周りにリングを形成する複数の支柱セルを含む遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体を含み得、外側フレームは、外側フレームの近位部分から複数の支柱セルまで延在する、複数の細長い支柱アームを含み、細長い支柱アームのうちの少なくとも1つは、複数の支柱セルが外側フレームの近位部分に対して偏向することを可能にするように構成されている、偏向特徴部を含む。
【0022】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームを含み得る。弁は、内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ複数の支柱を含む、外側フレームを含み得、複数の支柱のうちの少なくとも1つは、外側フレームの可撓性を増加させるように構成された起伏又は開口部を有する。
【0023】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持し、かつ近位部分及び遠位部分を含む、内側フレームを含み得る。弁は、内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ複数の支柱を含む、外側フレームを含み得、複数の支柱のうちの少なくとも1つは、外側フレームの可撓性を増加させるように構成された起伏又は開口部を有する。
【0024】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉に結合されたフレームを含み得、フレームは、近位端及び遠位端と、接合部で接合された複数の支柱と、を含み、複数の支柱のうちの少なくとも1つは、近位端から遠位端に向かって一方向に延在しており、かつ第1の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第2の軸に沿って延在する第3のセグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとをある角度で接合する、第1のキンク、及び第2のセグメントと第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、第2の軸は、第1の軸からオフセットされている。
【0025】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉に結合されたフレームを含み得、フレームは、近位端及び遠位端と、接合部で接合された複数の支柱と、を含み、複数の支柱のうちの少なくとも1つは、近位端から遠位端に向かって一方向に延在しており、かつ第1の軸に沿って延在する第1のセグメント、第2のセグメント、及び第2の軸に沿って延在する第3のセグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとをある角度で接合する、第1のキンク、及び第2のセグメントと第3のセグメントとをある角度で接合する、第2のキンクと、を含み、第2の軸は、第1の軸からオフセットされている。
【0026】
本明細書に開示されるような実施形態は、天然弁に展開されるように構成された人工弁を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持する内側フレームを含み得る。弁は、内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ内側フレームから半径方向外側に延在する近位部分と、近位部分から軸方向に湾曲し、外側フレームの遠位端に対して軸方向に延在する遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体を含み得る。弁は、外側フレームの遠位部分から半径方向外側に延在しており、かつ外側フレームの遠位移動を阻害するように構成されている、複数のアンカーを含み得る。
【0027】
本明細書に開示されるような実施形態は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含む、方法を含み得る。弁は、複数の人工弁弁葉を含み得る。弁は、人工弁弁葉を支持する内側フレームを含み得る。弁は、内側フレームの半径方向外側に位置付けられており、かつ内側フレームから半径方向外側に延在する近位部分と、近位部分から軸方向に湾曲し、外側フレームの遠位端に対して軸方向に延在する遠位部分と、を有する、外側フレームを含む、封止本体を含み得る。弁は、外側フレームの遠位部分から半径方向外側に延在しており、かつ外側フレームの遠位移動を阻害するように構成されている、複数のアンカーを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書に開示されるようなシステム、装置、及び方法の特徴及び利点は、本明細書、請求項、及び添付図面を参照してより良く理解されるように認識されるであろう。
【0029】
【
図1】本開示の実施形態による人工弁の側面斜視図を示している。
【
図2】弁葉が図から除外された状態である、
図1に示した人工弁の底面図を示している。
【
図3】
図1に示した人工弁の断面概略図を示している。
【
図4】天然心臓弁内に移植された人工弁の概略図を示している。
【
図5】本開示の実施形態による人工弁の概略図を示している。
【
図6】天然心臓弁内に移植された
図1に示した人工弁の断面概略図を示している。
【
図7】
図1に示した人工弁の底面斜視図を示している。
【
図8】弁本体が図から取り除かれた状態である、
図1に示した封止本体の底面斜視図を示している。
【
図9】
図1に示した封止本体のフレーム、及びアンカー先端の相対的位置の平面図を示している。
【
図10】本開示の実施形態による、封止本体のフレーム、及びアンカー先端の相対的位置の平面図を示している。
【
図11】
図1に示した封止本体のセグメントの平面図を示している。
【
図12】一緒に結合された
図1に示した封止本体の複数のセグメントを示している。
【
図13】本開示の実施形態による、封止本体の上面図を示している。
【
図14】
図13に示した封止本体内のアンカーの上部断面概略図を示している。
【
図15】
図13に示した封止本体内のアンカーの側面斜視図を示している。
【
図16】本開示の実施形態による人工弁の側面概略図を示している。
【
図17】
図16に示した封止本体のスリットのクローズアップ斜視図を示している。
【
図18】
図16に示した封止本体の半径方向外側に位置付けられたアンカーの上部断面概略図を示している。
【
図19】
図18に示した封止本体内に位置付けられた
図18に示したアンカーの上部断面概略図を示している。
【
図20】本開示の実施形態による人工弁の側面斜視図を示している。
【
図21】
図20に示した人工弁の一部分の側面図を示している。
【
図22】本開示の実施形態による、人工弁の一部分の側部断面概略図を示している。
【
図23】本開示の実施形態による、人工弁の一部分の側部断面概略図を示している。
【
図24】患者の身体内に延在する送達装置の概略図を示している。
【
図25】本開示の一実施形態による、展開されている人工弁の側面概略図を示している。
【
図26】展開されている
図25に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図27】展開されている
図25に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図28】展開されている
図25に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図29】本開示の実施形態による、モジュラー人工弁の断面概略図を示している。
【
図30】本開示の実施形態による、遠位アンカーに結合された近位アンカーの斜視図を示している。
【
図31】本開示の実施形態による、近位アンカーと遠位アンカーとの間の結合の一部分のクローズアップ図を示している。
【
図32】線形化構成の
図29に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図33】人工弁に結合されたスカートを含む、
図29に示す人工弁の側部断面斜視図を示している。
【
図34】本開示の実施形態による人工弁の側面概略図を示している。
【
図35】展開されている
図34に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図36】展開された
図34に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図37】本開示の実施形態による人工弁の側面概略図を示している。
【
図38】展開されている
図37に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図39】展開された
図37に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図40】本開示の実施形態による人工弁の側面概略図を示している。
【
図41】展開されている
図40に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図42】展開された
図40に示した人工弁の側面概略図を示している。
【
図43】本開示の実施形態による、人工弁の断面概略図を示している。
【
図44】
図43に示した遠位アンカー又は心室アンカーの平面図を示している。
【
図45】
図43に示した人工弁の上部側面概略図を示している。
【
図46】患者の天然弁に延在する送達装置の概略図を示している。
【
図47】患者の天然弁内に移植された
図43に示した人工弁の断面概略図を示している。
【
図48】バーブを含むアンカーの側面概略図を示している。
【
図49】本開示の実施形態による、患者の天然弁内に移植された人工弁の断面概略図を示している。
【
図50】バーブを含む弁フレームの側面概略図を示している。
【
図51】本開示の実施形態による、患者の天然弁内に移植された人工弁の断面概略図を示している。
【
図52】本開示の実施形態による、人工弁の断面概略図を示している。
【
図54A】本開示の実施形態による、人工弁の一部分の側面図を示している。
【
図55A】本開示の実施形態による、人工弁の一部分の側面図を示している。
【
図56】本開示の実施形態による、人工弁の一部分の側面断面図を示している。
【
図57】本開示の実施形態による、
図56に示した人工弁のフレームの平面図を示している。
【
図58】本開示の実施形態による、フレームの平面図を示している。
【
図59】本開示の実施形態による、フレームの平面図を示している。
【
図60】本開示の実施形態による、フレームの平面図を示している。
【
図61】本開示の実施形態による、フレームの平面図を示している。
【
図62A】非展開構成におけるフレームの側面図を示している。
【
図62B】拡張構成における
図62Aに示したフレームの一部分の側面図を示している。
【
図63A】本開示の実施形態による、フレームの一部分の平面図を示している。
【
図65B】拡張された
図65Aに示したようなフレームの一部分の側面図を示している。
【
図66】本開示の実施形態による、フレームの平面図を示している。
【
図67】
図66に示したフレームの一部分の側面図を示している。
【
図68】
図66に示したフレームを利用する人工弁の概略断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、交換用心臓弁の形態の人工弁10の斜視図を示している。人工弁10は、患者の身体の一部分内に展開されるように構成されてもよい。人工弁10は、例えば、天然心臓弁弁輪内に展開されてもよく、これは、天然僧帽弁又は天然三尖弁を含んでもよい。実施形態では、大動脈弁若しくは肺弁内などの他の移植場所、又は所望される患者の身体内の他の弁若しくは場所を利用してもよい。
【0031】
人工弁10は、近位端12及び遠位端14(
図2にマークされる)、並びにその間の長さを含み得る。人工弁10は、弁10を通る流れを制御するための流れチャネルを囲むように構成された複数の人工弁弁葉16を更に含み得る。人工弁弁葉16は、開状態と閉状態との間を移動して、天然弁弁葉の作動を模倣し、かつ置換するように構成され得る。
【0032】
実施形態では、人工弁弁葉16は、
図3の断面図に示されるような、及び
図2の底面図に示されるような弁フレーム18に結合され得る。
図3にマークされるように、弁フレーム18は、近位端19を含む近位部分及び遠位端21を含む遠位部分を含み得る。弁フレーム18は、近位端19と遠位端21との間で半径方向外側に湾曲する湾曲した本体を含む湾曲した構成を有してもよく、又は所望される実施形態で別の構成を有してもよい。
【0033】
弁フレーム18の近位部分は、人工弁弁葉16の近位部分に結合されてもよい。人工弁弁葉16は、弁フレーム18に結合されてもよく、弁フレーム18から半径方向内側に延在してもよい。人工弁弁葉16は、人工弁弁葉16を支持し得る中間本体23を介して弁フレーム18に結合されてもよく、また望ましい場合には、縫合又は別の方法を介して弁フレーム18に弁葉16を結合してもよい。
【0034】
人工弁弁葉16は、
図3にマークされたように流れチャネル25を囲むことができ、流れチャネル25を通る流れを制御するために開状態と閉状態との間で移動することができる。
図3に示すように、人工弁10の近位端は、弁10の流入端部を備えてもよく、また人工弁10の遠位端は、流出端部を備えてもよいが、他の構成が所望に応じて利用されてもよい。
【0035】
図2は、弁10の底面図を示している。弁葉は、
図2から除外されている。
図2の底面図に示すように、弁フレーム18は、空間で互いに離間された複数の支柱を含み得る。こうした構成によって、弁フレーム18は、非展開構成、非拡張構成、又は直線化構成の間で展開又は拡張構成に移動することができる。例えば、弁フレーム18は、展開又は拡張構成に移動するように半径方向外側に拡張してもよく、ここで、弁フレーム18の直径の増加によって弁フレーム18の長さが減少する。弁フレーム18の他の構成は、所望に応じて利用され得る。
【0036】
図1を参照すると、弁10は、複数の人工弁弁葉16に結合され得、かつ患者の心臓の一部分に固定するように各々が構成されている、1つ以上のアンカー17を含み得る。アンカー17は、患者の心臓の天然弁弁葉に固定するように特に構成され得る。アンカー17は、天然弁弁葉に固定するために、弁の周囲に延在してもよい。アンカー17は、弁10の遠位端14に位置付けられた遠位アンカーを備えてもよく、又は実施形態では、所望される別の位置に位置付けられてもよい。
【0037】
アンカー17は各々、流れチャネル25から半径方向外側に、かつ弁10の人工弁弁葉16から半径方向外側に延在し得る。
図3は、例えば、アンカー17が、弁10の内部フレームを含む弁フレーム18に結合され得ることを示している。アンカー17は、弁フレーム18の遠位部分に結合されてもよい。アンカー17は各々、近位部分27及び遠位部分29を含み得、近位部分27は、弁フレーム18に結合され、遠位部分29は、それぞれのアンカー17の先端を備える。
【0038】
図3は、弁10の断面概略図を示している。
図3に示すように、各アンカー17は、遠位に延在し、その後、アンカー17のそれぞれのアンカーの先端に対して近位方向に湾曲するように構成されている。こうした構成は、アンカー17が天然弁葉の周りを延在し、弁葉の遠位部分の周りをフックすることを許容し得る。したがって、アンカー17は、弁10に対して近位方向に加えられる力に抵抗してもよく、弁10を天然弁弁輪内に固定してもよい。アンカー17の他の構成は、所望される実施形態で利用され得る。
【0039】
アンカー17は、アンカー17の先端が近位に延在する展開又は拡張構成で
図1~
図3に示される。実施形態では、アンカーは、アンカー17の先端が遠位に延在する、非展開、非拡張、又は直線化構成であるように構成され得る。展開時、アンカー17は、非展開構成から半径方向外側に展開構成に移動するように構成されてもよく、先端は、近位方向に反転する。こうした動作によって、アンカー17が、展開中に、天然弁弁葉をひっくり返して、天然弁弁葉に固定することが可能になり得る。アンカー17に対する他の展開方法は、所望される実施形態で利用され得る。
【0040】
図1を参照すると、弁10は、封止本体20を含み得る。封止本体20は、弁16から半径方向外側に位置付けられてもよく、弁10の外面を含んでもよい。封止本体20は、弁10の外径を画定してもよく、弁10の外周部を含んでもよい。封止本体20は、近位端31を有する近位部分を含んでもよく、遠位端33(
図2にマークされる)を有する遠位部分を含んでもよい。
【0041】
封止本体20は、
図1に示すように、フレーム22及びスカート24を含んでもよく、又は実施形態では、所望の場合には、フレームのみ又はスカートのみを含んでもよい。フレーム22は、弁フレーム18から半径方向外側に位置付けられている外側フレームを備えてもよい。スカート24は、フレーム22に結合されてもよい。
【0042】
図3を参照すると、フレーム22は、弁フレーム18の近位端19に結合される近位部分35を有し得る。近位部分35は、弁フレーム18の近位端19から、及び人工弁弁葉16から半径方向外側に延在してもよい。フレーム22の遠位部分37は、間隙39を有して人工弁弁葉16及び弁フレーム18から離間されてもよい。間隙は、封止本体20のフレーム22と弁フレーム18の遠位部分との間に位置付けられてもよい。したがって、弁フレーム18は、内側フレームを備えてもよく、封止本体20のフレームは、内側フレームを囲む外側フレームを備えてもよい。封止本体20は、内側弁フレーム18及び人工弁弁葉16を囲むことができる。
【0043】
図3に示すように、封止本体20のフレーム22は、弁フレーム18の遠位端よりも遠位に短い距離まで延在する長さを有してもよい。そのため、封止本体20のフレーム22は、弁フレーム18よりも短くてもよい。封止本体20のフレーム22は、弁フレーム18から外側に湾曲する湾曲した構成を更に有してもよく、フレーム22の最大直径は、フレーム22の遠位部分にある。
【0044】
図1を参照すると、封止本体20のフレーム22は、フレーム22を形成する複数の支柱46を含んでもよく、支柱は、空間によって分離される。こうした構成によって、フレーム22が、
図1に示すように、非展開構成、非拡張構成、又は直線化構成の間で展開又は拡張構成に移動することができ、フレーム22及び封止本体20は、湾曲した球根状形状を有する。弁フレーム18と同様に、封止本体20のフレーム22の長さは、展開中に封止本体20のフレーム22の直径が増加するにつれて減少し得る。封止本体20のフレーム22の直径は、内側弁フレーム18から半径方向に外向きに同時に拡大してもよく、又は実施形態では内側弁フレーム18とは異なる時間又は速度で拡大してもよい。
【0045】
封止本体20は、内側弁フレーム18及び人工弁弁葉16の周りに延在し得る、スカート24を含み得る。スカート24は、封止本体のフレーム22に結合されてもよく、又は実施形態ではフレーム22から解放されてもよい。スカート24は、封止本体20のフレーム22の近位部分に結合され、かつ弁フレーム18の近位部分に結合され得る、近位部分41を有してもよい。スカート24は、内側弁フレーム18の遠位端に結合されてもよく、かつアンカー17のうちの1つ以上に結合されてもよい、遠位部分43(
図2にマークされる)を有してもよい。遠位部分43は、内側弁フレーム18に結合するための一部分を含んでもよく、弁フレーム18の周りで円周方向に交互に位置してもよいアンカー17のうちの1つ以上に結合するための一部分を含んでもよい。部分は、
図12に示すようなタブを含んでもよく、又は所望される別の構成を有してもよい。
【0046】
図3を参照すると、スカート24は、封止本体20のフレーム22に沿って延在し得る。スカート24は、一緒に結合され得る、複数の部分を含み得る。例えば、スカート24の第1の近位部分26は、封止本体20のフレーム22の半径方向内側に位置付けられてもよく、また、フレーム22の遠位端から少なくとも部分的に半径方向外側に位置付けられ、次いで、スカート24の遠位部分43に対してフレーム22の半径方向内側に延在する、スカート24の第2の遠位部分28に結合されてもよい。第2の遠位部分28は、アンカー17及び内側弁フレーム18に結合する、部分を備えてもよい。スカート24の第1の近位部分26及び第2の遠位部分28は、望ましいように、縫合又は別の形態の結合を介して一緒に結合されて、実施形態では連続的な表面を形成してもよい。
【0047】
スカートの第2の遠位部分28は、アンカー17の先端よりも更に遠位に延在してもよく、アンカー17及び弁フレーム18に、アンカー17の先端の遠位にある位置で結合してもよい。
図3に示すように、アンカー17は、内側弁フレーム18から半径方向外側に、間隙39を横切ってそれぞれのアンカー17の先端まで延在するように構成されてもよい。
【0048】
スカート24、特にスカート24の第2の遠位部分28は、スカート24が所望のように移動する、特にアンカー17の位置に適合するように移動することを可能になるように、可撓性であるように構成され得る。スカート24は、布材料、織布材料、又はポリマーなどの他の材料、若しくはそれを通した流体流に耐える他の材料などの、それを通した流体流に抵抗する材料で作製され得る。様々な材料を、所望の場合にはスカート24に利用することができる。
【0049】
封止本体20は、流体流を減少させるために患者の心臓の一部分に当接するように構成され得る。例えば、封止本体20は、封止本体20と天然弁葉との間の流体流を減少させるために、患者の天然弁弁葉の表面と当接してもよい。封止本体20は、患者の心臓の他の部分に当接して、所望により流体流を減少させるように構成され得る。
【0050】
スカート24の第2の遠位部分28は、半径方向内側に延在して、アンカー17が少なくとも部分的に半径方向内側方向に封止本体20を通過することを可能にし得る。封止本体20は、例えば、
図3に示すように、アンカー17が半径方向内側方向に少なくとも部分的に通過するように構成されてもよい。アンカー17は各々、封止本体20の外径がアンカー17の直径以上となるように、封止本体20を少なくとも部分的に通過してもよい。このように、封止本体20の外周は、アンカー17の外周に位置付けられてもよく、又はそれより大きくてもよい。実施形態では、アンカー17の先端などのアンカー17の一部分は、封止本体20から突出してもよく、なおかつ少なくとも部分的に封止本体20を通過してもよい。
【0051】
実施形態では、封止本体20は、半径方向外側に延在するように付勢されてもよい。例えば、封止本体20は、実施形態におけるアンカー17の外径よりも更に半径方向外側に延在するように形状設定されてもよい。こうした構成によって、封止本体20が、アンカー17の外径で、又はアンカー17の外径よりも更に半径方向外側に延在することが可能になり得る。封止本体20は、アンカー17のうちの1つ以上が実施形態では天然弁葉を適切に捕捉できるように、半径方向内側に移動するように偏向するように構成されてもよい。実施形態では、封止本体20の可撓性は、封止本体20が、弁葉の捕捉中に移動できるように調整されてもよい。実施形態では、封止本体20のフレーム22を含む封止本体20の移動は、展開手順の間に撮像されてもよい。撮像は、蛍光透視法、又は心エコー法などの他の形態の撮像であってもよい。封止本体の移動は、アンカー17のうちの1つ以上が天然弁葉を適切に捕捉したかどうかを決定するために撮像されてもよい。例えば、フレーム22の内向きのたわみは、アンカー17のうちの1つ以上が天然弁葉を適切に捕捉したかどうかを決定するために撮像されてもよい。実施形態では、蛍光透視法を利用して、1つ以上の天然弁弁葉の捕捉時にフレーム22の偏向を撮像してもよい。
【0052】
封止本体20は、アンカー17に対して移動して、天然弁葉の誤捕捉がある場合に、1つ以上のアンカー17が、封止本体20を少なくとも部分的に半径方向内側に通過することを可能にするように構成され得る。封止本体20の相対的な移動は、アンカー17に対して半径方向外側にあってもよい。したがって、アンカー17の相対的な移動は、封止本体20に対して半径方向内側であってもよい。
【0053】
様々な実施形態において、アンカー17のうちの1つ以上は、封止本体20に対して半径方向内側に偏向又は移動するように付勢されてもよい。このように、天然弁葉の誤捕捉(又は損ねた捕捉)がある場合、天然弁葉の捕捉を損ねたアンカーは、封止本体20を少なくとも部分的に「通過」するように、偏向するか、又はそうでなければ半径方向内側に移動し得る。そのため、アンカーの最終位置は、移植後及び使用中、封止本体の半径方向内側に位置する。アンカー全体は、封止本体又はアンカーの一部分のみの半径方向内側に位置してもよい。様々な実施形態において、半径方向外側に延在するように付勢された封止本体20と、封止本体20に対して半径方向内側に偏向するか、又はそうでなければ移動するように構成された1つ以上のアンカー17との組み合わせを利用して、アンカー17が少なくとも部分的に封止本体20を通過することを可能にすることができる。これらの特徴は、有利なことに、心臓における人工弁の展開中に、アンカー(又は複数のアンカー)が天然弁葉を捕捉できない場合に、逆流を防止するために改善されたシールを生成する手段を提供する。
【0054】
封止本体20は、弁葉の捕捉を損ねたアンカー17の位置において、封止本体20の外側の流体流を減少させる機能を提供し得る。封止本体のこうした特徴は、
図4の実施例によって反映され、ここで、封止本体は、アンカーが少なくとも部分的に通過するように構成されていない。
図4は、弁葉34の捕捉を損ねたアンカー32で配置された人工弁30を示している。こうした状況では、アンカー32は、天然弁弁葉と弁30の残りの部分との間に位置付けられたままであり得る。アンカー32は、弁内に留まるため、弁30と弁葉34との間の空間を開く。そのため、封止スカート47によってアンカー32の位置に流体シールは形成されない。アンカー32と弁尖34との間の弁傍漏出(流れ線36によってマークされる)が生じてもよく、これは、弁30の機能性を減少させ得る。
【0055】
しかしながら、本明細書の実施形態による弁10は、弁葉の捕捉を損ねた場合に対処するように構成され得る。
図5は、例えば、弁10の封止本体20が、アンカー17に対して移動するように構成されてもよく、その結果、封止本体20は、天然弁葉の捕捉の状況において、アンカー17の半径方向内側に外径で位置付けられてもよいことを示している。こうした構成は、
図5の破線で参照番号20’によりマークされる。封止本体20’は、弁葉の捕捉中に半径方向内側に移動するためにバイアスを克服するように構成されてもよく、及び/又はアンカー17は、封止本体20’から半径方向外側に保持されてもよい。捕捉された弁葉のこうした構成では、天然弁葉は、アンカー17と封止本体20’との間に位置付けられてもよく、封止本体20’は、天然弁葉に当接して、その位置での流体流を低減する。封止本体20’は、天然弁葉に損傷が発生しないように可撓性であってもよい。
【0056】
しかしながら、
図5の実線で示されるように、封止本体20は、弁葉を捕捉できなかったアンカー17が封止本体20の少なくとも一部分を通過することを可能にするように構成されてもよい。封止本体20は、
図5に示すように、アンカー17の外側半径方向の範囲よりも大きい外径を有してもよく、又はアンカー17の外側半径方向の範囲と同じであってもよい。このように、封止本体20は、アンカー32を有する
図4に示す状況とは異なり、流体流を減少させるために天然弁葉に当接し続けるように位置付けられてもよい。
【0057】
図6は、例えば、アンカー17と封止本体20との間に位置付けられた天然弁葉38をその弁葉38に位置付けた、
図6の左側に示される捕捉された天然弁葉38の構成を示している。封止本体20は、天然弁葉38に当接して、封止本体20と天然弁葉38との間の流体流を減少させる。
【0058】
しかしながら、
図6の右側は、その弁葉40でのアンカー17が、展開時に弁葉40の周りに延在できなかった、誤捕捉された天然弁葉40を示している。しかしながら、その弁葉40でのアンカー17は、封止本体20を少なくとも部分的に通過して、封止本体20がその位置で誤捕捉された天然弁葉40に当接して封止することを可能にする。そのため、弁傍漏出(PVL)の減少及び弁10の動作の改善が生じ得る。
【0059】
封止本体20、特に、封止本体20のスカート24は、天然弁葉を捕捉できなかったアンカー17を囲むように構成されてもよい。封止本体20のこれらの部分は、天然弁葉に押し付けて、天然弁葉の捕捉を損ねたアンカー17の位置での流体流を低減し得る。
【0060】
図7は、例えば、アンカー17が封止本体20を少なくとも部分的に通過することを示す、弁10の側面斜視図を示している。封止本体20の部分は、患者の身体の局所表面と接触するために、アンカー17に、又はアンカー17から半径方向外側に位置付けられている。アンカー17の先端は、少なくとも部分的に、封止本体20を半径方向内側方向に通過してもよく、先端の一部は、封止本体20の半径方向外側に位置付けられている。
【0061】
図8は、弁10の残りの部分とは別個の封止本体20の底面斜視図を示している。フレーム22は、空間によって分離された複数の支柱を含むことが示されている。特定の支柱は、アンカー17が支柱間の空間を少なくとも部分的に通過するように構成され得る。例えば、フレーム22の遠位端における遠位支柱42は、アンカー17が通過することを可能にする支柱42間の空間44を有してもよい。
図9は、例えば、アンカー17が通過できるように、その間に空間44を有する遠位支柱42を示している。アンカー17の両側の遠位支柱42の部分は、アンカーが少なくとも部分的に封止本体20を通過するときに、アンカー17の周りの封止本体20に対する追加的な支持を提供し得る。
【0062】
図9に示す通り、支柱は、弁10の送達装置に固定するため、及び封止本体20のスカート24に固定するために、各々が固定装置50に結合する近位支柱46を含み得る。代替的な構成が
図10に示されており、ここで、近位支柱48は固定装置52に結合されてもよく、又はフレームの近位部分で終了してもよい。
図10に示す構成は、アンカー17が通過するためのフレームの遠位支柱56間の空間54を含み得る。
【0063】
図8に戻って参照すると、スカート24は、縫合又は他の形態の結合を介してフレーム22に結合されてもよい。スカート24は、近位部分41及び遠位部分43を含み得る。近位部分41は、フレーム22の半径方向内側に位置付けられてもよく、遠位部分43は、フレーム22の半径方向外側に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。スカート24は、流体、特に血液に対する浸透性が低い又は全くない材料から作製されてもよく、これにより、スカート24が患者の心臓の一部分に対して封止され、流体流を減少させることができる。
【0064】
遠位部分43は、環状形状の遠位部分43を形成するために一緒に結合され得る、複数のセグメント62を含み得る。複数のセグメント62は、継ぎ目64で一緒に結合されてもよく、継ぎ目64は、それぞれのアンカー17を受容するよう構成されている。各継ぎ目64は、アンカー17のうちの1つを受容するための受容部分に対応してもよい。各セグメント62は、スカート24を弁フレーム18に結合するための結合タブ66を含んでもよく、スカート24をアンカー17に結合するための結合タブ68を含んでもよい。
【0065】
図11は、例えば、隣接するセグメントに結合するためのサイド継ぎ目部分70、72を示す、セグメント62を示している。
図12は、互いに結合されてスカート24の遠位部分43を形成する、セグメント62を示している。
【0066】
図7に戻って参照すると、スカート24の遠位部分43は、アンカー17を受容し、かつアンカー17を少なくとも部分的に包囲して、天然弁弁葉を誤捕捉するアンカー17の周りの流体流を減少させるように構成され得る。
【0067】
スカートの他の構成を利用してもよい。
【0068】
図13は、例えば、アンカー17を受容するためのスカート74内に形成されたポケット76の形態の受容部分を含む、スカート74の実施形態の上面図を示している。
図14は、例えば、スカート74の形成されたポケット76内にアンカー17を有する、このようなスカート74の動作、及びスカート74がアンカー17の位置に弁10の外面を形成するように、アンカー17を包囲するスカート74の材料を示している。ポケット76は、アンカー17の形状に輪郭を描いてもよい。輪郭の形状は、ポケット76を含む材料を形成するために使用されるステッチを介して形成され得る。
【0069】
図15は、スカート74の形成されたポケット76内に位置付けられたアンカー17の側面斜視図を示している。
【0070】
図16は、アンカー17が少なくとも部分的に通過する開口部としての役割を果たすスリット82の形態の受容部分を有するスカート80を含む、弁78の別の実施形態を示している。実施形態では、アンカー17は、スカート材料がアンカー17のポケットを形成することなくスリット82を通過してもよく、又は実施形態では、アンカー17のポケットが形成されてもよい。
図17は、例えば、1つ以上のプリーツ86を形成するためにそれ自体の上に折り畳まれるスカート材料を含み得る、ポケット84を含む実施形態を示している。アンカー17は、ポケット84内に位置付けられるスカート80を少なくとも部分的に通過するように構成され得る。
【0071】
図18は、ポケット84の外側に位置付けられたアンカー17を示しており、
図19は、ポケット84内に位置付けられたアンカー17を示している。
【0072】
図20は、スカート87が、アンカー17が少なくとも部分的に通過するための開口部88の形態の受容部分を含み得る、実施形態を示している。スカート87は、アンカー17の半径方向内側に位置付けられた材料を欠いてもよい。アンカー17は、ポケット内に位置付けられることなく、開口88を通過してもよい。
図21は、アンカー17を囲んで示されたスカートの布材料を有する、
図20に示した実施形態の正面図を示している。
【0073】
実施形態では、アンカーは、封止本体を少なくとも部分的に通過するように半径方向内側に偏向するように構成され得る。
図22は、例えば、アンカー90が可撓性材料から作製され、付勢されて屈曲して、封止本体92に向かって半径方向内側に偏向する実施形態を示している。アンカー90は、例えば、アンカー90を付勢して、封止本体92に向かって半径方向内側に偏向し、少なくとも部分的に封止本体92を通過させる、ニチノールなどの形状記憶材料から作製され得る。アンカー90は、例えば、弁フレームから分離して形成されるアンカーフレームに結合されてもよく、弁フレームよりも可撓性のある材料で作製されて、封止本体92に向かって内側に屈曲することができる。
【0074】
図23は、アンカー94が半径方向内側方向に偏向するためのアンカー94用のヒンジ96を含み得る、実施形態を示している。アンカー94は、半径方向内側に偏向して、少なくとも部分的に封止本体98を通過し得る。アンカー94は、ニチノールなどの形状記憶材料を介して、又は別の方法を介して、半径方向内側に偏向するように付勢されてもよい。
【0075】
半径方向外側に延在するように構成された封止本体20と、半径方向内側に偏向するように構成された1つ以上のアンカーとの組み合わせが、実施形態で利用され得る。
【0076】
図24~
図28は、本明細書に開示されるような封止本体を含む弁を展開する例示的な方法を示している。実施形態では、所望の場合に、様々な他の実施形態から、工程の除去、工程の追加、又は工程、システム、若しくは装置の利用を含む方法は、所望の場合に修正されてもよい。
【0077】
方法は、患者の身体の天然弁に人工弁を展開することを含み得る。
図24を参照すると、送達装置100は、低侵襲的な様式で、患者の身体内に経皮的に通過されてもよい。他の実施形態では、より侵襲的な手段が、所望されるように利用されてもよい。
【0078】
送達装置100は、弁の経カテーテル送達に利用され得る。送達装置100は及び、大腿動脈102又は患者の血管構造の別の部分を通して経静脈的を通過し得る。例えば、経頸静脈的進入又は他の進入方法が、所望のように利用されてもよい。送達装置100は、患者の心臓105を通過してもよい。
【0079】
送達装置100は、三尖弁に弁を送達するために使用されてもよく、そのため、三尖弁への送達のために患者の心臓の右房104内に位置付けられてもよい。送達が、僧帽弁への送達である実施形態では、送達装置100は、左房106への経中隔を通過して、僧帽弁への送達を行わせることができる。送達装置100は、僧帽弁送達のために、患者の心臓の左心室108に向かって前進してもよい。
【0080】
図25は、例えば、
図1に示す弁10が、天然僧帽弁112などの天然弁に展開される送達装置100のカプセル110から排出され得ることを示している。人工弁10のアンカー17は、天然弁弁葉38、40の捕捉のために半径方向外側に展開及び延在してもよい。封止本体20は、カプセル110の収縮力によって外側に半径方向に拡張することから部分的又は完全に拘束されてもよい。
【0081】
図26は、弁10が展開し続けており、アンカー17が弁葉38を捕捉し、アンカー17が弁葉40の捕捉を損ねていることを示している。弁葉38を捕捉するアンカー17は、弁葉38の周りに延在してもよい。弁葉40の捕捉を損ねたアンカー17は、この構成では、封止本体20と損ねた弁葉40との間に位置付けられてもよい。
【0082】
図26に示すように、封止本体20はまだ、カプセル110の収縮力によって外側に半径方向に拡張することから部分的又は完全に拘束されてもよい。このように、封止本体20は、まだ外側に拡張されておらず、それによって、弁葉40の捕捉を損ねたアンカー17が封止本体20を通過し、アンカー17によって捕捉された弁葉38に当接して、かつそれに対して封止するためにまだ外側に拡張されていない。
【0083】
図27は、封止本体20の継続的な拡張を示している。拡張によって、封止本体20が捕捉された弁葉38に当接し、かつそれに対して封止することが可能となり得る。
図28は、弁10がカプセル110から解放される際の封止本体20の継続的な拡張を示している。誤捕捉された弁葉40のアンカー17は、少なくとも部分的に、封止本体20を半径方向内側方向に通過して、それにより、封止本体20がアンカー17の周りの弁葉40に対して封止し、それを通した流体流を減少させることを可能にする。弁葉40の捕捉を損ねたアンカーの封止本体20は、アンカー17を包囲することができ、弁葉40に当接し得る。
【0084】
実施形態では、弁葉の捕捉を損ねたアンカー17は、少なくとも部分的に封止本体20を通過するように内側に偏向するように構成され得る。
【0085】
アンカー17のうちの1つ以上は、弁10が天然弁内に固定されたままになるように、弁葉を誤捕捉し得る。封止本体20は、弁葉を誤捕捉するアンカーのうちの1つ以上が少なくとも部分的に通過させるように構成され得る。
【0086】
図24~
図28の方法の変形は、所望に応じて提供されてもよく、構成要素の他の構成は、所望に応じて利用されてもよい。封止本体20及び人工弁10の構成は、実施形態では変化させてもよく、互いに別々に利用されてもよく、又は本明細書に開示される他の構成要素と組み合わせられてもよい。
【0087】
図29は、構成要素が別々に形成され、かつ互いに結合され得る、モジュール式である人工弁120の実施形態を示している。例えば、
図29に示すように、弁120は、複数の人工弁弁葉124を有する弁本体122を含んでもよく、近位アンカー126及び遠位アンカー128を有してもよい。弁本体122は、弁葉124を支持するフレームを含み得る。弁本体122は、弁葉124が互いに適切な接合に係合するようにサイズ設定されてもよい。
【0088】
近位アンカー126及び/又は遠位アンカー128は、弁本体122とは別個に形成されてもよく、実施形態では弁本体122に結合されてもよく、また互いに結合されてもよい。人工弁120は、それぞれの構成要素の所望の構成に基づいて構成要素を選択し、その後結合されて、弁120を形成することができる、モジュラーシステムから形成され得る。
【0089】
例えば、近位アンカー126及び遠位アンカー128の構成は各々、それぞれ近位アンカー及び遠位アンカーの複数の異なる構成から選択され得る。異なる構成は、弁120の異なるサイズに対応し得るか、又は他の特徴を含み得る。例えば、異なる剛性又は固定方法が選択されてもよい。異なる壁厚の管が利用されてもよい。選択された各近位アンカー126は、選択されていない他の近位アンカーとは異なる構成を有してもよく、各遠位アンカー128は、選択されていない他の遠位アンカーとは異なる構成を有してもよい。
【0090】
近位アンカー126は、近位アンカーの異なる構成の各々を含む在庫から選択されてもよく、遠位アンカー128は、遠位アンカーの異なる構成の各々を含む在庫から選択されてもよい。そのため、弁120の形成の間、製造業者、技術者、又は医療専門家などのユーザは、近位アンカーの複数の異なる構成から、近位アンカー126の所望の構成を選択してもよく、また、遠位アンカーの複数の異なる構成から、遠位アンカー128の所望の構成を選択してもよい。選択は、アンカー126、128の所望の構成に基づいてもよい。例えば、近位アンカー及び遠位アンカーの異なる構成は各々、異なるサイズの天然弁へのアンカー用であってもよい。選択は、他の特徴の中でも特に、アンカーが結合するように構成されている天然弁のサイズに基づいてもよい。
【0091】
図29は、アンカー126、128が、
図29の破線で示されるアンカーの他の構成から選択され得ることを示している。例えば、破線で示される近位アンカー126’は、アンカー126が結合するように構成されているよりも大きなサイズを有する天然弁に結合するように構成されてもよい。同様に、近位アンカー126’’は、更に大きなサイズを有する天然弁に結合するように構成されてもよい。アンカー126、126’、126’’が弁本体122から延在するそれぞれの距離は、
図29にマークされるように、互いに異なる程度であってもよい。近位アンカー126、126’、126’’の各々の長さは、互いに変化し得る。
【0092】
同様に、例えば破線で示される遠位アンカー128’は、遠位アンカー128が結合するように構成されているよりも大きなサイズを有する天然弁に結合するように構成されてもよい。同様に、遠位アンカー128’’は、更に大きなサイズを有する天然弁に結合するように構成されてもよい。アンカー128、128’、128’’が弁本体122から延在するそれぞれの距離は、
図29にマークされるように、互いに異なる程度であってもよい。遠位アンカー128、128’、128’’の各々の曲率の長さ及び半径は、互いに変化し得る。
【0093】
このように、ユーザは、人工弁120が移植される天然弁のサイズを決定してもよく、そのサイズに対応する近位アンカー及び遠位アンカーの構成を選択してもよい。次に、ユーザは、それに応じて人工弁120を組み立ててもよく、遠位アンカー(例えば、アンカー128)の選択された構成と近位アンカー(例えば、アンカー126)の選択された構成とを弁本体122に結合してもよい。弁本体122は、遠位アンカー(例えば、128、128’、及び128’’)の複数の異なる構成から選択される遠位アンカー128の構成のうちの1つに結合されるように構成されてもよく、弁本体122は、近位アンカー(例えば、126、126’、及び126’’)の複数の異なる構成から選択される近位アンカー126の構成のうちの1つに結合されるように構成されてもよい。弁本体122は、単一のサイズ又は構成のままであってもよい。このように、人工弁120の製造の改善は、弁本体122の単一の構成が、近位アンカー及び遠位アンカーの所望の構成を選択することによって、様々なサイズの天然弁に結合されるように利用され得るため、結果として生じ得る。遠位アンカー128、128’、128’’の複数の異なる構成、及び近位アンカー126、126’、126’’の異なる構成に結合されるように構成されている、弁本体122用の単一の弁フレームを利用することができる。
【0094】
実施形態では、弁本体122の構成は、弁本体の様々な異なる構成から同様に選択されてもよい。
【0095】
実施形態では、近位アンカーは、天然弁の心房側上に位置するよう構成されている心房アンカーを備えてもよく、遠位アンカーは、天然弁弁葉の周りに延在するよう構成されている心室アンカーを備えてもよい。アンカーの他の構成は、所望に応じて利用され得る。人工弁は、天然僧帽弁又は天然三尖弁に移植されるように構成され得るが、弁の人工弁及びモジュラーシステムは、所望される移植の他の場所について利用され得る。
【0096】
図30は、近位アンカー126を遠位アンカー128に結合する方法を示している。近位アンカー126の遠位端は、遠位アンカー128の近位端に結合されてもよく、また弁本体122に結合されてもよい。結合は、近位アンカー126の開口137を通って延在し得る、ピンを含み得る。遠位アンカー128は、遠位アンカー128の開口139を介して、同様の様式で弁本体122に結合することができる。アンカー126、128は各々、それぞれの開口を通って延在するピンを介して、又は別の方法で、弁本体122の弁フレームの外面に結合されてもよい。
【0097】
アンカー126、128は各々、弁本体122から半径方向外側に湾曲してもよく、遠位アンカー128は、アンカー128の先端127を近位に位置付ける単一の曲線を有する。近位アンカー126は、半径方向外側に延在する初期曲線129を有してもよく、近位にアンカー126の先端を延在する曲線135につながり得る。アンカー126は、実施形態による、曲線129、135の間の中間部分133上のスカートを支持するように形状付けられてもよい。アンカー126は、スカートの張りを保持してもよい。
【0098】
特に、
図31に示すように、近位アンカー126を遠位アンカー128に結合し得る、ロック130が提供されてもよい。ロック130は、アンカー126、128が弁本体122に結合されたときに、遠位アンカー128に対する近位アンカー126の回転を防止するように構成され得る。ユーザは、アンカーの端部を互いに係止して、アンカーの選択された構成の回転を防止し得る。ロック130は、例えば、
図31に示すように遠位アンカー128の近位端上に位置付けられ得る、又は実施形態で近位アンカー126の遠位端上に位置付けられ得る、凹部に入るインサートを備えてもよい。ロック130の存在は、アンカー126、128を互いに、かつ弁本体122に固定するために必要なピン及び開口の数を低減し得る。
【0099】
近位アンカー及び遠位アンカーは、アンカー126、128及び弁本体122が直線化構成の間に2つの円周層のみを形成するように、互いに、かつ弁本体122に結合されてもよい。こうした構成は、
図32に示されている。円周層の数が減少すると、展開のために直線化構成にあるときに、弁の全体的な輪郭が減少し得る。
【0100】
図33は、弁120の側面斜視断面図を示している。上部132及び側面部分134を含む、スカート131は、人工弁120が移植されたときに患者の身体の一部分に対してシールを形成するために提供され得る。
【0101】
実施形態では、スカート131は、近位アンカー126、又は「流入アンカー」によって所望の直径に保持されてもよく、したがって、本明細書に開示されるような封止本体と類似した様式で動作し得る、拡張直径を達成してもよい。スカート131は、近位アンカー126を介してある角度で上向きに張力をかけてもよく、これは、近位アンカー126によって提供されるスカート131の張力を一次封止機構とし得る。遠位アンカー128又は「流出アンカー」に近接するスカート131の下端は、実施形態における開放端であってもよい。
【0102】
スカート131は、弁本体122の半径方向外側に位置付けられ、かつ遠位アンカー、近位アンカー、及び/又は弁本体のうちの1つ以上に結合されるように構成され得る。スカート131の構成は、各々が弁本体122の半径方向外側に位置付けられるように構成されたスカートの複数の異なる構成から選択されるように構成されてもよい。スカート131の構成は、アンカーの選択と同様に、すなわち、スカート131のサイズ又はその他の望ましい特性に基づいて選択され得る。
【0103】
同様に、例えば、本明細書に開示されるような封止本体は、人工弁とともに利用され得る。封止本体の構成は、封止本体のサイズ又は別の構成などの特性を含む、封止本体の複数の異なる構成から選択されてもよい。封止本体は、弁本体122の人工弁弁葉の半径方向外側に位置付けられてもよい。封止本体は、本明細書に開示されるものと類似した様式で動作してもよく、また例えば、遠位アンカー128などのアンカーによる弁葉の損ねた捕捉により、流体流を封止してもよい。
【0104】
人工弁120及びモジュラー人工弁システムの変形は、所望に応じて提供され得る。人工弁120及びモジュラー人工弁システムは、本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせて、又は単独で利用され得る。人工弁120は、本明細書で論じる人工弁10と同様の方法を使用して移植されてもよいが、他の方法は、所望に応じて利用されてもよい。
【0105】
図34~
図42は、遠位アンカー又は心室アンカーが、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合して、人工弁を天然弁内に固定するように構成された巻回特徴部を有するように構成されている、人工弁の実施形態を示している。
【0106】
図34~
図36に示す実施形態では、人工弁140は、アレイ内で互いに離間されてもよいワイヤ142を備え得る、巻回特徴部を含み得る。ワイヤ142は、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造の間に延在し、かつそれら内に絡み合うように構成され得る。ワイヤ142は、展開前に非展開又は直線化構成であるように構成されてもよく、その後、腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように展開されてもよい。
【0107】
図35は、例えば、ワイヤ142が直線化構成である状態で、送達装置のカプセルから展開される人工弁140を示している。展開時に、
図36に示すように、ワイヤ142は、外側に延在し、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造との間に延在し、かつそれらと絡み合うことができる。ワイヤ142は、患者の天然弁内に弁140を固定する役割を果たし得る。したがって、アンカーは、弁葉ではなく、むしろ患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に固定され得る。
【0108】
実施形態では、ワイヤ142は、ニチノール又は別の形状記憶材料などの形状記憶材料から作製されてもよく、非展開構成から
図36に示す展開構成に移動するように付勢される。ワイヤ142は、巻回特徴部が腱索、小柱、又は乳頭構造に結合する構成に付勢され得る。
【0109】
図37~
図39に示す実施形態では、巻回特徴部は、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造の周りを包囲し、かつそれに絡むように構成されたコイルを備え得る、ワイヤ150を備え得る。ワイヤ150は、展開前に非展開又は直線化構成であるように構成されてもよく、その後、スパイラルを形成することによって、腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように展開されてもよい。
【0110】
図38は、例えば、ワイヤ150が直線化構成である状態で、送達装置のカプセルから展開される人工弁151を示している。展開時に、
図39に示すように、ワイヤ150は次に、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造の周りを包囲し、かつそれらと絡み合うことができる。ワイヤ150は、患者の天然弁内に弁を固定する役割を果たし得る。したがって、アンカーは、弁葉ではなく、むしろ患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に固定され得る。
【0111】
実施形態では、ワイヤ150は、展開時に
図39に示す構成に移動するために、ニチノール又は別の形状記憶材料などの形状記憶材料で作製されてもよい。例えば、ワイヤ150は、非展開又は直線化構成で真っ直ぐにされてもよく、その後、展開時に
図39に示す展開又はコイル化構成に移動してもよい。
【0112】
図40~
図42に示す実施形態では、巻回特徴部は、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように構成され得る、1つ以上のクランプ152を備え得る。クランプ152は、展開前に非展開又は直線化構成であるように構成されてもよく、その後、腱索、小柱、又は乳頭構造に結合するように展開されてもよい。
【0113】
図41は、例えば、クランプ152が直線化構成である状態で、送達装置のカプセルから展開される人工弁153を示している。展開時に、
図42に示すように、クランプ152は、次に、延在して、患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に押し付けてクランプし、腱索、小柱、又は乳頭構造に結合し得る。クランプ152は、患者の天然弁内に弁を固定する役割を果たし得る。したがって、アンカーは、弁葉ではなく、むしろ患者の心臓の腱索、小柱、又は乳頭構造に固定され得る。
【0114】
実施形態では、クランプ152は、展開時に
図42に示す展開構成に移動するために、ニチノール又は別の形状記憶材料などの形状記憶材料から作製されてもよい。例えば、クランプ152は、非展開又は直線化構成で真っ直ぐにされてもよく、その後、展開時に
図42に示す展開又はクランプ構成に移動してもよい。実施形態では、別個の機構を利用して、クランプ152を展開及びクランプしてもよい。腱索、小柱、又は乳頭構造上のクランプ152の力は、それに応じて機構によって制御され得る。
【0115】
人工弁は、僧帽弁又は三尖弁とともに展開するために利用されてもよく、又は実施形態では、所望される他の移植位置で利用されてもよい。巻回特徴部の特徴は、本明細書の他の実施形態で利用されてもよく、又は単独で利用されてもよい。人工弁は、本明細書で論じる人工弁10と同様の方法で移植されてもよいが、他の方法は、所望に応じて利用されてもよい。
【0116】
図43~
図51は、1つ以上のアンカーが、天然弁の石灰化と係合して、人工弁を天然弁に固定するように構成されている、人工弁の実施形態を示している。
【0117】
図43は、例えば、天然弁の石灰化と係合して、人工弁160を天然弁に固定するように構成されている、アンカー162を含む、人工弁160の実施形態を示している。
図43に示すように、人工弁160は、天然弁に展開されるように構成されてもよく、弁フレーム164の近位端を含む近位部分166及び弁フレーム164の遠位端を含む遠位部分168を有する、弁フレーム164を含み得る。弁フレーム164は、近位部分166から、実施形態で内側に弓状に曲がる遠位部分168までの形状を有してもよい。他の実施形態では、弁フレーム164の他の形状を、所望のように利用してもよい。
【0118】
弁フレーム164は、
図3に示す中間本体23と同様に構成され得る、中間本体170に結合され得る。中間本体170は、
図1に示す人工弁弁葉16と同様に構成され得る、複数の人工弁弁葉172に結合され得る。弁フレーム164は、人工弁160が移植されたときに、患者の天然弁内で人工弁弁葉172を支持するように構成され得る。
【0119】
人工弁160及び人工弁弁葉172は、人工弁160の中心軸174の周りに延在するように構成され得る。中央軸174は、
図3に示す流れチャネル25と同様の人工弁160の流れチャネル176を通って延在し得る。
【0120】
弁フレーム164は、様々な形態を有してもよく、接合部で接合して、弁フレーム164を形成する、複数の支柱を含み得る。弁フレーム164の構成は、所望に応じて、本明細書に開示される弁フレームの他の実施形態の構成と類似し得る。
【0121】
人工弁160は、弁フレーム164から半径方向外側に延在し得る、心房又は近位アンカー188を含み得る。心房又は近位アンカー188は、実施形態では、弁フレーム164の近位部分166に位置付けられてもよく、近位部分166から半径方向外側に延在して、天然弁の心房側、特に天然弁弁輪の心房側に固定してもよい。心房又は近位アンカー188は、弁フレーム164から半径方向外側に延在するアームとして構成されてもよく、又は所望される実施形態における別の構成を有してもよい。
【0122】
封止本体204は、弁フレーム164に結合されてもよく、弁フレーム164から半径方向外側に位置付けられてもよい。封止本体204は、スカートを備えてもよく、弁フレーム190の近位部分166に位置付けられ得る、近位部分206を有してもよく、遠位アンカー162に結合され得る、遠位部分207を有してもよい。実施形態では、封止本体204の遠位部分207の結合点は変化してもよく、
図43の破線に示されているように、弁フレーム164の遠位部分168に結合され得る。他の結合点は、所望されるような実施形態で利用され得る。
【0123】
封止本体204は、
図43に示すように、心房アンカー188又は近位アンカー188の半径方向外側に位置付けられてもよく、又は実施形態では、心房アンカー又は近位アンカー188の半径方向内側に位置付けられてもよい。封止本体204は、弁フレーム164の全体の周りに延在してもよく、実施形態では、天然弁の内面に押し付けて、天然弁の内面に封止するように構成されてもよい。
【0124】
アンカー162は、遠位アンカーを含んでもよく、人工弁160の遠位部分及び弁フレーム164の遠位部分168に位置付けられてもよい。アンカー162は、弁フレーム164から半径方向外側に延在するように構成されてもよく、アームの形態、又は弁フレーム164から半径方向外側に延在する他の形態のアンカーであってもよい。アンカー162は各々、近位部分208及び遠位部分211を含み得る。アンカー162の近位部分208は、弁フレーム164に結合されてもよく、アンカー162の遠位部分211は、弁フレーム164から半径方向外側に延在してもよい。
【0125】
図44は、例えば、アンカー162のパターンの平面図を示している。アンカー162は、フレーム210に結合されてもよく、フレーム210の遠位部分に位置付けられてもよい。平面図は、アンカー162及びフレーム210の平坦なパターンの表現であり、使用するフレーム210は、円筒形状を有するように弁フレーム164の周りを包囲し、アンカー162は、半径方向外側に曲げられ、フレーム210から半径方向外側に延在する。フレーム210は、弁フレーム164の周りに延在し、かつ弁フレーム164に結合する、近位部分209を含み得る。アンカー162は、フレーム210から半径方向外側に延在してもよい。各アンカーは、
図44に示すように細長いアームとして構成されてもよく、又は所望されるような別の構成を有してもよい。
【0126】
図45は、例えば、弁フレーム164に対するアンカー162の半径方向の延長を示している。近位アンカー188は、封止本体186内の破線で更にマークされている。アンカー162、188は、
図45に示すような9つのアンカーを備えてもよく、又はより大きな若しくはより少ない数が、所望に応じて利用されてもよい。遠位アンカー162の間隔は、互いに等しくてもよく、又は実施形態で異なってもよい。近位アンカー188の間隔は、互いに等しくてもよく、又は実施形態で異なってもよい。近位アンカー188及び遠位アンカー162は、
図45に示すものと同じ周方向位置に整列されてもよく、又は所望により互いに対して異なる位置を有してもよい。
【0127】
図44に戻って参照すると、各アンカー162の遠位先端212は、実施形態では可撓性であってもよい。先端212は、例えば、遠位先端212に可撓性を提供し得るラチス特徴部などの起伏特徴部213を含み得る。実施形態では、先端212のその他の構成は、所望されるような可撓性を提供し得る。例えば、先端212は、可撓性材料で作製されてもよく、又は可撓性を提供する別の構造を有してもよい。実施形態では、先端212は、それぞれのアンカー162の先端に可撓性を提供する、材料で覆われてもよい。
【0128】
実施形態では、先端212は、アンカー162の近位部分208よりも幅が広くてもよい。こうした特徴は、実施形態で望ましくないほど患者の心臓壁の一部分を遠位先端212が穿刺する可能性を減少させるために、先端212の表面積を増大し得る。
【0129】
図43を参照すると、アンカー162は、アンカー162がそれぞれのアンカー162の先端212に対して中央軸174に対して水平に延在するように、フレーム164から半径方向外側に曲げられてもよい。こうした構成は、例えば、遠位アンカー17が、人工弁10の中心軸に対して垂直に延在して、
図6の最も左の側面に示されるように、天然の弁葉の周りにフックする、
図3に示したような構成とは異なる場合がある。
図43に示すようなアンカー162の水平延長は、天然弁弁葉の半径方向外側に位置付けられた石灰化の存在を考慮してもよく、これは、
図6の最も左側に示されている弁葉のフックをブロックする可能性がある。実施形態では、アンカー162は、中心軸174に対して垂直に延在するように構成されてもよく、又は所望の場合、別の角度で延在することができる。アンカー162は、直線であってもよく、又は
図43に示すように、曲率がある場合がある。曲率は、実施形態における石灰化の形状に対して輪郭を描くように構成され得る。
【0130】
アンカー162は、天然弁葉の遠位先端の上に、かつ天然弁葉の遠位先端からそれぞれの遠位アンカー162の先端212まで水平に延在するように構成され得る。こうした構成によって、アンカー162が石灰化と係合して、人工弁160を天然弁に固定することが可能になり得る。
【0131】
図46及び
図47は、例えば、天然弁214に対する人工弁160の展開を示している。天然弁214は、天然弁214の心房側218と、天然弁214の心室側220との間に位置付けられた、天然弁弁葉216を含み得る。天然弁214は、石灰化222を有してもよく、これは、天然弁214の心室側220上の天然弁214の天然弁弁葉216のうちの1つ以上の半径方向外側に位置付けられてもよい。示されるように、石灰化222の位置及びサイズは、天然弁弁葉216と適切に係合する遠位アンカーを垂直に延在する能力を妨げ得る。こうした特徴は、遠位アンカーによる弁葉216のうちの1つ以上の誤捕捉をもたらし得る。石灰化222は、実施形態における、例えば、僧帽弁環状の石灰化、又は他の形態の石灰化など、環状の石灰化を含み得る。
【0132】
図46は、天然弁弁葉216に近接して位置付けられており、かつ人工弁160を展開するための定位置に位置付けられた、
図25に示すカプセル及び送達装置に類似した、送達装置100のカプセル110を示している。
図47は、送達装置100によって展開された人工弁160を示しており、石灰化222は、1つ以上のアンカー162と係合している。人工弁弁葉172などの人工弁160の特定の特徴は、
図47のから除外されている。アンカー162は、アンカー162が石灰化222と係合して、人工弁160を天然弁214に固定するように、弁フレーム164から水平に、かつ中心軸174に対して延在している。1つ以上のアンカー162は、石灰化222の遠位に位置付けられ、かつ弁フレーム164から半径方向外側に延在する。1つ以上のアンカー162は、天然弁弁葉216の遠位端上に延在しており、天然弁弁葉216の遠位端からそれぞれのアンカー162の先端212まで水平に延在している。心房又は近位アンカー188などの追加のアンカーは、天然弁214への更なるアンカー付けに利用され得る。
【0133】
各アンカー162は、石灰化222と係合するように構成され得る、近位表面224を含み得る。近位表面224は、例えば、
図47に示すように、石灰化222に当接して、石灰化222と係合してもよい。近位表面224は、実施形態における石灰化222に当接するための係合表面を備えてもよい。こうした固定は、例えば、
図6の最も左の側面に示されるように、天然弁弁葉の周りをフックし、かつ天然弁の外向き面に当接する、遠位アンカーによって提供される固定に置き換えられ得る。
【0134】
実施形態では、アンカー162のうちの1つ以上は、石灰化222と係合するよう構成され得る、1つ以上のバーブ226を含み得る。
図48は、例えば、アンカー162の近位表面224上など、アンカー162上に位置付けられ得る、1つ以上のバーブ226を示している。1つ以上のバーブ226は、アンカー162の近位表面224から近位に延在してもよい。バーブ226は、アンカー162の先端212に位置付けられて、アンカー162のうちの1つ以上に対して貫通先端を形成してもよい。必要に応じて、他の位置を利用してもよい。
【0135】
図49は、例えば、バーブ226が石灰化222と係合して、人工弁160を天然弁214に固定する、天然弁214に展開された人工弁160を示している。バーブ226は、石灰化222をバーブ226を含むアンカーで貫通することによって、石灰化222と係合する。
【0136】
実施形態では、石灰化と係合するように構成された1つ以上のバーブは、人工弁160のフレームから(例えば、弁フレーム164から)延在し得る。
図50は、バーブ228を含む、弁フレーム164の一部分の側面断面図を示している。バーブ228は、弁フレーム164から半径方向外側に延在してもよく、天然弁214の天然弁弁葉の半径方向内側に位置付けられるように構成された人工弁の外面から半径方向外側に延在してもよい。
【0137】
図51は、こうした構成の例を示している。人工弁230は、天然弁214に展開されており、バーブ228は、弁フレーム164から半径方向外側に、かつ天然弁214の天然弁弁葉216の半径方向内側に位置付けられるように構成された人工弁230の外面232から外側に延在している。外面232は、天然弁214の天然弁弁葉216の半径方向内側に位置付けられている。
【0138】
バーブ228は、天然弁214の天然弁弁葉216のうちの1つ以上を通過して、石灰化222と係合するように構成され得る。バーブ228は、天然弁弁葉216を通過し、かつ石灰化222と係合するのに十分な長さを有してもよい。バーブ228は、石灰化222をバーブ228の形態のアンカーで貫通することによって、石灰化222と係合する。
【0139】
バーブ228がアンカーとして利用される構成では、遠位アンカー162は、こうした実施形態から除外され得る。そのため、
図51に示す人工弁230は、遠位アンカー162の使用を除外してもよい。実施形態では、バーブ228及び遠位アンカー162の組み合わせ、並びに所望される他のアンカーを利用してもよい。アンカーの様々な組み合わせを、所望に応じて利用することができる。
【0140】
人工弁は、僧帽弁又は三尖弁とともに展開するために利用されてもよく、又は実施形態では、所望される他の移植位置で利用されてもよい。人工弁は、実施形態における固着、又は他の形態の石灰化のために、例えば、僧帽弁環状の石灰化などの環状の石灰化を利用してもよい。人工弁を天然弁に固定するために天然弁の石灰化と係合するように構成されたアンカーの特徴は、本明細書の他の実施形態に利用されてもよく、又は単独で利用されてもよい。人工弁は、本明細書で論じる人工弁10と同様の方法で移植されてもよいが、他の方法は、所望に応じて利用されてもよい。
【0141】
本明細書に開示される実施形態の様々な修正が提供されてもよい。実施形態にわたる特徴の組み合わせは、所望に応じて提供されてもよい。
【0142】
図52は、天然弁に展開されるように構成された人工弁240の実施形態の概略断面図を示している。人工弁240は、複数の人工弁弁葉242を含んでもよく、複数の人工弁弁葉242を支持するフレーム244を含んでもよい。実施形態では、フレーム244は、近位部分246及び遠位部分248を含んでもよく、また人工弁240を通る流体流のための中央チャネル245を囲むことができる。実施形態の近位部分246は、人工弁240の流入部分を備えてもよく、遠位部分248は、実施形態では、人工弁240の流出部分を備えてもよい。
【0143】
人工弁240は、外側フレーム252及びスカート254を含み得る、封止本体250を含み得る。実施形態では、人工弁240の構成は、
図52に示す構成から変化する場合がある。
【0144】
人工弁240は、人工弁を所望の移植部位に固定するために利用され得る、1つ以上のアンカー256を含み得る。
図52に示すように、アンカー256は、フレーム244の遠位部分248に結合されてもよく、フレーム244から半径方向外側に延在してもよい。実施形態では、アンカー256は、フレーム244の別の部分に結合されてもよい。
【0145】
アンカー256の各々は、フレーム244の遠位部分248に結合され得る、近位端260を有する近位部分を含み得る。近位部分は、
図52に示すように遠位に延在し得る。実施形態では、アンカー256は、近位部分に隣接し得る、曲げ部分262を含み得る。曲げ部分262は、それぞれのアンカー256を近位に方向付けるように構成され得る。曲げ部分262は、アンカー256の先端264を近位に方向付けるように構成された曲線を備えてもよい。曲げ部分262は、
図52に示すように、実施形態で半径方向内側に延在するループを備えてもよく、又は所望される別の構成を有してもよい。曲げ部分262は、アンカー256を方向付けて、反対方向に延在させてもよい。例えば、
図52に示すように、曲げ部分262は、アンカー256の近位部分から約180度で延在するようにアンカー256を方向付けてもよい。
【0146】
実施形態では、曲げ部分262は、心臓の天然の弁葉のような心臓の一部分を受容するための凹部265を形成し得る。
【0147】
アンカー256は、曲げ部分262から半径方向外側に延在し、かつそれぞれのアンカー256の先端264まで半径方向外側に延在し得る、延長部分266を含み得る。
【0148】
実施形態では、アンカー256は、人工弁240の遠位部分に位置付けられた遠位アンカーを含み得る。アンカー256は、心室アンカーを含んでもよく、天然弁の天然弁葉の先端上に延在するように構成されてもよい。例えば、アンカー256は、天然弁葉が凹部265内に位置付けられた天然弁葉の先端と、天然弁葉から半径方向外側に位置付けられたアンカー256の先端264との周りをフックし得る。
【0149】
実施形態では、アンカー256は、非展開構成から展開構成に偏向するように構成され得る。例えば、非展開構成では、アンカー256は、細長い場合があり、直線状の構成を有してもよい。展開された構成では、アンカー256は、曲げ部分262の周りを偏向して、
図52に示す構成を形成し得る。
【0150】
図53Aは、アンカー256の側面図を示している。アンカー256は、アンカー256の長さに沿って一様である厚さ268を含み得る。
図53Bは、非展開又は直線状の構成におけるアンカー256の上面図を示している。
図56Cは、非展開又は直線状の構成におけるアンカー256の側面図を示しており、アンカー256の厚さ268は、アンカー256の長さ及び程度に沿って一様であることが示されている。
【0151】
実施形態では、アンカーのうちの1つ以上は、アンカーの先端に向かう方向で下向きに先細りする厚さを有してもよい。
図54Aは、例えば、アンカー270の先端276に向かう方向で下向きに先細りする厚さ274を有する一部分272を有する、アンカー270の側面図を示している。それ以外の場合は、アンカー270は、
図53A~Cに示されているアンカー256と同様に構成され得、これは、別様に、
図53aに示されているそれぞれの部分と同様に構成され得る、近位端278、曲げ部分280、及び延長部分282を含む、近位部分を含む。
【0152】
アンカー270は、先細りの厚さが先端276に向かう方向で開始する、延長部分282上の移行点284を含み得る。それに応じて、延長部分282の厚さは、アンカー270の先端276に向かって下向きに先細りしてもよく、
図54Aに示すように、アンカー270の先端276まで下向きに延在してもよい。
図54Cは、例えば、移行点284がマークされ、かつ示されている先端276に対する下向きの先細りの厚さを有する、細長いアンカー270の側面図を示している。
図54Bは、
図54Cに示したアンカー270の上面図を示している。アンカー270の幅は、均一であってもよく、又は望ましいように変化してもよい。
【0153】
実施形態では、先細りの厚さを有するアンカーの部分のサイズは変化し得る。
図55Aは、例えば、アンカー286の曲げ部分285が、アンカー286の先端288に向かう方向で下向きに先細りする厚さを含む、実施形態を示している。移行点290は、例えば、曲げ部分285の近位端に位置付けられてもよく、テーパリングは、曲げ部分285の近位で開始されてもよく、曲げ部分285によって形成されるループを通って継続してもよい。実施形態では、先細りの厚さは、延長部分292を通って延在してもよく、アンカー286の先端288まで延在してもよい。
図55Cは、例えば、移行点290がマークされ、かつ示されている先端288に対する下向きの先細りの厚さを有する、細長いアンカー286の側面図を示している。
図55Bは、
図55Cに示したアンカー286の上面図を示している。アンカー286の幅は、一様であってもよく、又は望ましいように変化してもよい。
【0154】
実施形態では、アンカーの一部分は、アンカーの先端に向かう方向に下向きに先細の厚さを有して、アンカーに減衰機構を提供し得る。例えば、
図53Aに示すように、アンカー256は、アンカー256の均一な厚さ268のために、その長さに沿って硬い場合がある。
図54A及び
図55Aに示すように、先細の厚さは、それぞれのアンカーの可撓性を高め、アンカーに適用される力の減衰を可能にし得る。それに応じてテーパリングは、アンカー又は人工弁に適用される負荷(半径方向負荷又は側方負荷であり得る)時に、アンカー及び人工弁に対して耐疲労性を生成し得る。負荷は、心室壁運動、又はアンカー又は人工弁に印加される他の力によって生成され得る。テーパリングは、疲労株がアンカーの長さに沿って放散することを可能にし得る。
【0155】
実施形態では、テーパリングの量は変化し得る。例えば、アンカーの厚さの変動は、実施形態で20%~95%であり得るが、他の範囲が提供されてもよい。厚さの変動は、実施形態で50%であってもよい。
【0156】
テーパリングは、例えば、
図54C及び
図55Cに示すように、厚さの線形減少である可能性があり、又は非線形の減少である可能性がある。実施形態では、厚さの減少は、ラチス特徴などのアンカー内の起伏を含み得る。実施形態では、アンカーの一部分のみが、所望により先細りであってもよく、又はアンカー全体の厚さが減少していてもよい。
【0157】
実施形態では、人工弁240は、所望により他の移植部位の中でも特に、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成された弁を備えてもよい。人工弁が天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開される実施形態では、アンカーは、心室の力を減衰させるための先細りの厚さを有してもよい。
【0158】
人工弁240の特徴、及び人工弁のアンカーは、本明細書に開示される任意の他の実施形態と単独で又は組み合わせて利用され得る。人工弁240は、本明細書に開示される展開方法を利用して、移植部位に展開されてもよい。
【0159】
図56は、人工弁300の半分の断面概略図を示している(他の半分は、そのミラー画像を含み得る)。人工弁300は、天然弁に展開されるように構成されてもよい。人工弁300は、複数の人工弁弁葉(図示せず)と、複数の人工弁弁葉を支持し得る、内側フレーム302と、を含み得る。内側フレーム302は、近位部分304及び遠位部分306を含み得る。内側フレーム302は、例えば、
図52に示すフレーム244と同様に構成されてもよい。内側フレーム302は、例えば、人工弁300の流れチャネル308を囲むことができる。人工弁300は、
図52に示すアンカー256と同様に構成され得る、又は所望される別の構成を有し得る、遠位アンカー310を含み得る。人工弁300は、中心軸315の周りに延在してもよい。
【0160】
人工弁300は、内側フレーム302の半径方向外側に位置付けられ得る、封止本体312を含み得る。封止本体312は、内側フレーム302の半径方向外側に位置付けられ得る、外側フレーム314を含み得る。実施形態では、封止本体312は、本明細書に開示されるスカートと同様に構成され得る、スカート(図示せず)を含み得る。
【0161】
図57は、
図56に示されている外側フレーム314の平面図を示しており、外側フレーム314は、
図57で平らになって示されている。
図56及び
図57を参照すると、外側フレーム314は、内側フレーム302の近位部分304に結合され得る、近位部分316を含み得る。例えば、近位部分316は、溶接又は縫合、又は所望される別の方法を介して、内側フレーム302の近位部分304に接合されるように構成されてもよい。近位部分316は、望ましい場合、展開手順中に送達装置の一部分に結合するように構成され得る、結合本体318を含み得る。
【0162】
実施形態では、複数の細長い支柱アーム320は、外側フレーム314の近位部分316から半径方向外側に延在してもよい。細長い支柱アーム320は、例えば、
図57に示されており、直線形状を有してもよい。
図56を参照すると、細長い支柱アーム320は、中心軸315から半径方向外側に延在してもよく、
図56に示すように、中央軸315の平面で放射状に外側に延在してもよい。中心軸315の平面は、垂直に延在してもよく、中心軸から半径方向外側に延在するスポークと同様に、中心軸315から外側に延在してもよい。
【0163】
細長い支柱アーム320の遠位部分は、軸方向及び遠位に延在するように湾曲してもよい。例えば、
図56に示すように、遠位に湾曲し得る湾曲部分322が形成され得る。湾曲部分322は、外側フレーム314の遠位部分324を配向して、軸方向に遠位に延在することができる。
【0164】
図57を参照すると、外側フレーム314の遠位部分324は、複数の支柱326を含み得る。支柱326は、複数の支柱セル328を形成してもよい。支柱セル328は、内側フレーム302の周りにリングを形成してもよく、支柱セル328aは、支柱セル328bに結合され、遠位部分324は、
図57に示す平坦化された構成から、内側のフレーム302の周りに巻き付けられる。
【0165】
複数の支柱セル328は、内側フレーム302の周りにリングを形成するために互いに接合されてもよく、又は所望される別の構成を有してもよい。各支柱セル328は、開口部329に接する4つの側面を含んでもよく(例えば、支柱セル328bで示されるように)、又は所望される別の構成を有してもよい。各支柱セル328は、例えば、
図57に示すようなひし形を有してもよく、又は所望される別の形状を有してもよい。
【0166】
細長い支柱アーム320は各々、外側フレーム314の遠位部分324で、外側フレーム314の近位部分316から複数の支柱セル328まで延在し得る。複数の支柱セル328は、細長い支柱アーム320の遠位部分に結合する近位部分330を含んでもよく、複数の支柱セル328は、外側フレーム314の遠位端332に延在してもよい。
【0167】
実施形態では、外側フレーム314は、複数の支柱セル328が外側フレーム314の近位部分316に対して偏向することを可能にするように構成され得る、1つ以上の偏向特徴部334を含み得る。偏向特徴部334は、外側フレーム314上に望ましいように位置付けられてもよく、様々な構成を有してもよい。例えば、
図57に示すように、実施形態では、偏向特徴部334は、細長い支柱アーム320の各々上に位置付けられてもよい。偏向特徴部334は、細長い支柱アームの遠位部分に位置付けられてもよく、細長い支柱アーム320と支柱セル328の近位部分330との間の結合点に位置付けられてもよい。
【0168】
偏向特徴部334は、
図56及び
図57に示す線335の遠位の外側フレーム314の部分が、所望されるように偏向できるように位置付けられてもよい。実施形態では、偏向特徴部334は、所望される別の位置を有してもよい。
【0169】
偏向特徴部は、細長い支柱アーム320の他の部分よりも可撓性である、細長い支柱アーム320の一部分を備えてもよい。したがって、偏向特徴部は、偏向特徴部の位置での偏向を可能にする細長い支柱アーム320の縮小された強度部分を備えてもよい。実施形態では、偏向特徴部は、細長い支柱アーム320上に含まれてもよく、又は所望の場合に、外側フレーム314の複数の支柱のうちの少なくとも1つ上に位置付けられてもよい。実施形態では、偏向特徴部は、例えば、支柱セル328の支柱上に位置付けられてもよい。実施形態では、偏向特徴部は、細長い支柱アーム320と支柱セル328の支柱との組み合わせ上に位置付けられてもよい。
【0170】
偏向特徴部は、細長い支柱アーム320のうちの1つ以上に、起伏を備え得る。
図57を参照すると、例えば、起伏は、円周方向に延在してもよく、起伏のサイクル数は、所望の場合に1つ以上のサイクルであってもよい。起伏は、外側フレーム314の支柱のラチス特徴を含み得る。
【0171】
起伏の長さは、所望のように設定されてもよく、
図57は、比較的短い起伏の長さを示している。起伏の長さは、偏向特徴部によって提供される可撓性の量を決定するように設定されてもよく、短い長さは、より可撓性の低いものに対応し、及び長い長さは、より可撓性の高いものに対応する。様々な他の構成は、所望に応じて利用され得る。
【0172】
偏向特徴部によって、支柱セル328が偏向して、支柱セル328によって形成されるリングの非円形形状を提供することができる。偏向は、様々な形態を有してもよい。例えば、
図56を参照すると、支柱セル328は、
図56に示す破線で表されるように、半径方向内側に偏向するように構成され得る。実施形態では、支柱セル328は、偏向特徴部によって許容される偏向に起因して、楕円形状又は「D」形状を形成するように偏向するように構成され得る。支柱セル328によって形成されるリングの様々な他の形状が提供されてもよい。
【0173】
偏向特徴部は、支柱セル328が偏向して、天然弁の弁輪の形状に輪郭を描くことを可能にし得る。例えば、天然弁が楕円形又は「D」形状を有する場合、支柱セル328は、こうした形状に輪郭を描くように偏向し得る。天然弁弁輪が石灰化を有する場合、支柱セル328は、石灰化によって生成されるこのような形状に輪郭を描くように偏向し得る。偏向特徴部は、実施形態におけるLVOT障害物の可能性を低減してもよく、展開時に移植部位との外側フレーム314による許容される封止を強化してもよい。
【0174】
偏向特徴部によって、実施形態では、支柱セル328が偏向して、封止本体312と心臓弁弁輪との間の弁傍漏出の可能性を低減することが可能になり得る。
【0175】
偏向特徴部の構成は、実施形態によって変化し得る。
図58は、例えば、偏向特徴部336が、
図57に示されるよりも長い長さを有する起伏を含み、かつ起伏の長さの間により大きな間隔を有する、実施形態を示している。こうした特徴部は、
図57に示される偏向特徴部334によって提供されるよりも高い可撓性を提供することができる。
【0176】
図59は、円周方向に延在する起伏を有する偏向特徴部336と、半径方向に延在する起伏を有する偏向特徴部338とを提供することができる、実施形態を示している。半径方向に延在する起伏は、その起伏特徴部336の起伏よりも長く延在する長さを有してもよく、それに応じて、起伏特徴部336の起伏よりも大きな可撓性を有してもよい。実施形態では、細長い支柱アーム、又は外側フレーム314の他の支柱は、所望される他の組み合わせの中でも、円周方向に延在する第1の起伏と半径方向に延在する第2の起伏との組み合わせを含み得る。更に、様々な長さを有する起伏の組み合わせが、所望されるように提供されてもよい。
【0177】
実施形態では、偏向特徴部は、細長い支柱アームに1つ以上の開口部を含み得る。
図60は、例えば、複数の開口部342を含む細長い支柱アーム340を示している。開口部342は、細長い支柱アーム340から材料を除去して、それに応じて細長い支柱アーム340の可撓性を増加させてもよい。開口部342は、
図60に示すように、実施形態における細長い支柱アーム340の長さに沿って延在し得る細長い形状を有してもよく、又は所望される別の構成を有してもよい。
【0178】
図61は、細長い形状が細長い支柱アーム344の長さに沿って延在している、単一の開口部346を有する細長い支柱アーム344を示している。
【0179】
実施形態では、偏向特徴部の組み合わせが提供されてもよい。例えば、他の形態の偏向特徴部の中でも特に、起伏と開口部の組み合わせが、所望されるように提供されてもよい。実施形態では、外側フレーム314の少なくとも1つの支柱は、他の形態の偏向特徴部の中でも、フレームの可撓性、並びに起伏と開口部の組み合わせを増加させるように構成された起伏又は開口部を有してもよい。
【0180】
実施形態における外側フレーム314は、天然弁の一部分と封止するように構成されてもよく、又は所望される実施形態における別の構成を有してもよい。実施形態では、天然弁の一部分とシールを形成するために、外側フレーム314上にスカートが提供されてもよい。
【0181】
実施形態では、人工弁300は、所望により他の移植部位の中でも特に、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成された弁を備えてもよい。人工弁300の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態と単独で又は組み合わせて利用され得る。人工弁300は、本明細書に開示される展開方法を利用して、移植部位に展開されてもよい。
【0182】
図62Aは、複数の支柱350を含む人工弁のフレームを示している。各支柱350は、真っ直ぐであってもよく、接合部354に結合された第1の端部352から、接合部358に結合された第2の端部356まで延在してもよい。支柱350は、開口部360を囲むことができ、開口部360の境界を形成して、支柱セルを形成してもよい。
図62Bは、拡張又は展開された構成のフレームを示しており、支柱350は、互いに引き離され、開口部360のサイズは増大している。
【0183】
図62Cは、支柱350が互いに向かって引き寄せられ、一緒に圧縮された、圧着構成又は非展開構成のフレームを示している。各支柱350が直線である場合、各支柱350の端部352、356に歪みが提供されてもよい。例えば、
図62Aに示される構成で支柱350に半径方向の圧縮が加えられて、
図62Cに示される圧着構成又は非展開構成に到達し、支柱350の端部352、356は曲がり、歪みを受け得る。
【0184】
図63Aは、例えば、
図62Aに示されるように、真っ直ぐな支柱の不利な結果を減少させ得る支柱を有する、フレーム362の一部分の平面図を示している。
図63Aは、接合点366で接合された複数の支柱364を含む、フレーム362の実施形態を示している。フレーム362は、近位端368及び遠位端370を含んでもよく、支柱364は、近位端368から遠位端370に向かって一方向に延在してもよい。
【0185】
図63Bは、(
図63Aの領域63Bでマークされたような)フレーム362の一部分のクローズアップ図を示している。複数の支柱364は、複数のセグメント372a、372b、及び372cを含み得る、支柱364aを含み得る。セグメントは、第1のセグメント372a、第2のセグメント372b、及び第3のセグメント372cを含んでもよい。第1のセグメント372aは、第1の軸375aに沿って延在してもよい。第2のセグメント372bは、第2の軸375bに沿って延在してもよい。支柱364aは、ある角度で第1のセグメント372aを第2のセグメント372bに接合し得る、第1のキンク374aを含み得る。支柱364aは、ある角度で第2のセグメント372bを第3のセグメント364cに接合し得る、第2のキンク374bを含み得る。第1の軸375aは、第2の軸375bからオフセットされてもよい。
【0186】
第2のセグメント372bは、第1のセグメント372aに対してある角度で延在し、それにより、第2のセグメント372bは、第1のセグメント372aに対して斜めに延在する。第1のセグメント372aと第2のセグメント372bとの間の角度は、鈍角であってもよい。鈍角は、第2のセグメント372bを、第1のセグメント372aに対して円周方向及び軸方向の両方に延在させ得る。第2のセグメント372bの円周方向の範囲は、第1のセグメント372aから第3のセグメント372cを円周方向にオフセットしてもよい。
【0187】
第3のセグメント372cは、第2のセグメント372bに対してある角度で延在してもよい。第3のセグメント372cと第2のセグメント372bとの間の角度は、鈍角であってもよく、第1のセグメント372aと第2のセグメント372bとの間の角度として反対方向であってもよい。鈍角は、第3のセグメント372cが、第1のセグメント372aと同様に軸方向に延在することを可能にし得るが、第2の軸375bが第1の軸375aからオフセットしている。
【0188】
それに応じて、第1のキンク374a及び第2のキンク374bは、第1のセグメント372aの長さを第2のセグメント372bの長さから変位させてもよく、変位は、
図63Bに示すように円周方向であってもよい。このように、
図63Bに示される構成で支柱364aに半径方向の圧縮が加えられて、圧着構成又は非展開構成に達すると、例えば、
図62Aに示されるような真っ直ぐな支柱よりも、支柱364aの歪みが少なくなり得る。第1のキンク374a及び第2のキンク374bを有する支柱の形状と、直線支柱350との比較を、例えば、
図64に示す。
【0189】
図63Bを参照して、実施形態では、支柱の第1のセグメント372aは、フレーム362の第1の接合部366aに結合し得る支柱の第1の端部セグメントを含み得る。支柱の第3のセグメント372cは、フレーム362の第2の接合部366bに結合し得る、第2の端部セグメントを含み得る。端部間の支柱の残りの部分は、フレーム362の任意の他の部分に接続されていない場合がある。
【0190】
実施形態では、第1の軸375aは、第2の軸375bと平行に延在してもよい。実施形態では、第2の軸375bは、第1の軸375aに対してある角度で延在してもよく、なおかつ第1の軸375aからオフセットしたままである。第2のセグメント372bは、第1の軸375a及び第2の軸375bに対してある角度で延在する軸に沿って延在してもよい。
【0191】
実施形態では、フレーム362を利用する人工弁は、中心軸(
図56に示される中心軸315と同様)の周りに延在してもよい。第1の軸375a及び第2の軸375bは両方とも、実施形態で中心軸315と平行に延在してもよい。第2のセグメント372bは、中心軸に対してある角度で延在してもよい。
【0192】
フレーム362は、実施形態における支柱364aと同様に構成された他の支柱を含み得る。例えば、
図63Bに示すように、フレーム362は、支柱364aに隣接して位置付けられ、かつ第1のセグメント376a、第2のセグメント376b、及び第3のセグメント376cを含む、支柱364bを含み得る。第1のセグメント376aは、第3の軸に沿って延在してもよく、第3のセグメント376cは、第4の軸に沿って延在してもよい。第1のキンク378aは、第2のセグメント376bが支柱364aに向かって延在するような角度で第1のセグメント376aを第2のセグメント376bに接合してもよい。第2のキンク378bは、ある角度で第2のセグメント376bを第3のセグメント376cに接合してもよい。第4の軸は、第3の軸からオフセットされてもよい。
【0193】
実施形態では、支柱364bは、支柱364aに円周方向に隣接して位置付けられた支柱364aの反転を含み得る。支柱364aの第3のセグメント372cは、接合部366bで支柱364bの第3のセグメント376cに接合されてもよい。
【0194】
実施形態では、フレーム362は、フレーム362の周りに円周方向に繰り返される、第2の支柱364bに隣接する第1の支柱364aの繰り返しパターンを含み得る。例えば、
図65Aに示すように、パターンが円周方向に繰り返されて、人工弁の中心軸の周りに延在し得る円筒形フレーム362を形成し得る。そのため、
図63Bに戻って参照すると、第2の支柱364bの繰り返しであり得る第3の支柱364cは、第1の支柱364aに円周方向に隣接して位置付けられ得る。第3の支柱364cは、第2の支柱364bよりも第1の支柱364aの他方の側に位置付けられてもよい。
【0195】
第2の支柱364bの繰り返しである第3の支柱364cは、第1のセグメント381a、第2のセグメント381b、及び第3のセグメント381cを含み得る。第1のセグメント381aは、第5の軸に沿って延在してもよく、第3のセグメント381cは、第6の軸に沿って延在してもよい。第1のキンクは、第2のセグメント381bが支柱364aから離れて延在するような角度で、第1のセグメント381aを第2のセグメント381bに接合してもよい。第2のキンクは、ある角度で第2のセグメント381bを第3のセグメント381cに接合してもよい。第5の軸は、第6の軸からオフセットされてもよい。第3の支柱364cの第1のセグメント381aは、接合部366aで第1の支柱364aの第1のセグメント372aに結合してもよい。
【0196】
図65Aを参照すると、実施形態では、フレーム362は、近位部分380及び遠位部分382を含み得る。遠位部分382は、第1の支柱364a及び第2の支柱364bの円周方向の反復パターンを含み得る。近位部分380は、実施形態では、第1の支柱364a又は第2の支柱364bと同様に構成された支柱を含み得る。実施形態では、近位部分380は、第1の支柱364a及び第2の支柱364bの反転を含む、支柱を含み得る。支柱を一緒にして、開口部384の境界を形成する支柱セルを形成し得る。
【0197】
フレーム362は、実施形態では円筒形本体として構成されてもよく、複数の人工弁弁葉を囲むことができる。人工弁弁葉は、本明細書に開示される人工弁弁葉の実施形態と同様に構成され得る。実施形態におけるフレーム362は、所望の円筒形状とは異なる形状を有してもよい。
【0198】
フレーム362は、複数の人工弁弁葉を支持するように構成された内側フレームを備えてもよく、又は実施形態では、複数の人工弁弁葉を支持する内側フレームを囲むように構成された外側フレームを備えてもよい。実施形態では、内側フレーム及び外側フレームの両方は、支柱364aと同様に構成された1つ以上の支柱を含んでもよく、又は支柱364a、364bのパターンを含んでもよい。実施形態では、フレーム362は、人工弁とともに利用される単一のフレームを含んでもよい。
【0199】
支柱364a、364bの構成は、フレーム362の半径方向の圧縮の改善及び支柱364a、364bに適用される歪みの低減を可能にし得る。例えば、
図65Aは、非圧縮構成のフレーム362を示している。
図65Bは、拡張構成におけるフレーム362の一部分を示している。フレーム362は、半径方向に拡張されてもよく、支柱364a、364bは、互いから離れるように円周方向に移動してもよい。開口部384のサイズは増加している。
【0200】
図65Cは、圧縮状態におけるフレーム362を示している。フレーム362は、半径方向内側に圧縮されている。支柱364aは、フレーム362の半径方向の圧縮時に支柱364bに引き込まれる。支柱364a、364bの端部の歪みは、例えば、
図62Cに示されるような支柱の構成から低減され得る。実施形態では、支柱364a、364bの部分が、互いに接触してもよい。支柱のそれぞれの隣接するキンク(例えば、第1の支柱364aの第2のキンク374b、及び第2の支柱364bの第2のキンク378b)は、フレーム362の半径方向の圧縮時に互いに接触して、支柱364a、364b上の歪みを更に緩和し得る。提供される歪みの程度は、キンク間の接触により減少し得る。更に、支柱の幅は、例えば、
図62Aに示すような実施形態から減少され得る。
【0201】
更に、拡張すると、隣接する支柱間の角度(例えば、接合部366bにおける支柱364a、364b間の角度)は、例えば、
図62Aに示すような実施形態よりも小さいままであり得る。こうした特徴は、支柱上の歪みを更に低減し得る。
【0202】
実施形態では、フレーム及び支柱を利用する人工弁は、所望により他の移植部位の中でも特に、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成された弁を備えてもよい。人工弁の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態と単独で又は組み合わせて利用され得る。人工弁は、本明細書に開示される展開方法を利用して、移植部位に展開されてもよい。
【0203】
図66は、人工弁389(
図68でマークされる)とともに利用され得る、平坦化された外側フレーム390の平面図を示している。
図67は、外側フレーム390の一部分の側面図を示している。
図68は、人工弁389の概略断面図を示している。
図66~
図68を参照すると、人工弁389は、複数の人工弁弁葉を支持するように構成され得る、内側フレーム393を含み得る。人工弁弁葉は、本明細書に開示される他の人工弁弁葉と同様に構成され得る。内側フレーム393は、接合部で接続された複数の支柱を含む、本明細書に開示される他の内側フレームと同様に構成され得る。内側フレーム393は、近位部分405及び遠位部分407を含み得る。
【0204】
外側フレーム390は、心臓弁の一部分とのシールを形成するために利用され得る、封止本体391の一部分を備えてもよい。封止本体391は、内側フレーム393の半径方向外側に位置付けられてもよい。封止本体391は、外側フレーム390に結合されたスカートを含んでもよく、又は実施形態では、スカートは除外されてもよい。封止本体391及び外側フレーム390は、実施形態で内側フレーム393の周りに延在し得る。
【0205】
外側フレーム390は、接合部394で接続された複数の支柱392を含んでもよく、支柱392の間に開口部396を含んでもよい。実施形態では、支柱392は、本明細書に開示される支柱セルの他の構成と同様に構成され得る、支柱セルを形成し得る。
【0206】
外側フレーム390は、近位部分398及び遠位部分400を含み得る。
図67を参照すると、外側フレーム390は、近位部分398が内側フレーム393から半径方向外側に延在するように構成されてもよい。外側フレーム390の近位部分398は、例えば、
図68に示すように、内側フレーム393の近位部分405に結合するように構成され得る。
【0207】
図67に示すように、外側フレーム390の遠位部分400は、近位部分398から軸方向に湾曲してもよく、外側フレーム390の遠位端402まで軸方向に延在してもよい。実施形態では、遠位部分400は、近位部分398から軸方向に湾曲し得る、湾曲部分404を含み得る。湾曲部分404は、例えば、
図67に示すように、半径方向内側に湾曲して肩部406を形成するように構成され得る。肩部406は、外側フレーム390及び人工弁389の遠位移動を阻害するように構成され得る、外側フレーム390の突出部分を備えてもよい。肩部406は、外側フレーム390及び人工弁389の遠位移動を阻害するために、弁輪の側面上の心臓弁弁輪の一部分に接触するように構成され得る。肩部406は、例えば、心臓弁の心房側上に位置付けられてもよい。
【0208】
実施形態では、複数のアンカー410は、外側フレーム390の遠位部分400から半径方向外側に延在してもよく、外側フレーム390の遠位移動を阻害するように構成されてもよい。
図66を参照すると、アンカー410は、外側フレーム390の接合部394に結合されてもよく、特に、最も遠位の支柱392a、bと最も遠位の支柱セル397a、bとの間の接合部394に結合されてもよい。アンカー410は、支柱392a、bの間に位置付けられてもよく、最も遠位の支柱392a、bの間で開口部396a内に位置付けられてもよい。アンカー410は、実施形態で外側フレーム390と一体型であってもよく、又はそうでなければ外側フレーム390に結合されてもよい。各アンカー410は、外側フレーム390からアームの先端まで延在する、アームを備えてもよい。
【0209】
図67を参照すると、アンカー410は、外側フレーム390から半径方向外側に偏向されてもよい。アンカー410は、外側フレーム390から半径方向外側に延在してもよく、特に外側フレーム390の湾曲部分404から半径方向外側に延在してもよい。アンカー410は、外側フレーム390の肩部406に、かつ肩部406の最大の半径方向の範囲の遠位に位置付けられてもよい。実施形態におけるアンカー410は、
図68にマークされた人工弁389の中心軸411に対してある角度で外側フレーム390から突出し得る。角度は、実施形態で遠位方向であってもよい。
【0210】
アンカー410は、望ましい場合、実施形態において、等しい間隔又は他の間隔を用いて、円周方向に互いに離間されてもよい。
【0211】
図68を参照すると、アンカー410は、心臓の一部分に接触することによって外側フレーム390の遠位移動を妨げ得る。部分は、心臓弁弁輪の一部分を含んでもよく、実施形態では、心臓弁弁輪の心房部分を含んでもよい。部分は、実施形態では、心臓弁弁葉の一部分を含んでもよい。アンカー410は、遠位運動の可能性を低減する軸方向力を提供し得る。こうした力は、適用され得る半径方向の力と区別され得るが、実施形態では、アンカー410によって軸方向及び半径方向の力が適用され得る。実施形態では、アンカー410による固定は、半径方向の力から独立していてもよい。アンカー410は、実施形態では心室移動であり得る、人工弁389の遠位移動の可能性を低減する役割を果たし得る。アンカー410の位置は、実施形態では、環状上又は環状内であってもよい。
【0212】
実施形態では、人工弁389は、追加のアンカーを含み得る。例えば、実施形態では、アンカー410は、近位アンカーを備えてもよく、遠位アンカー412を利用してもよい。遠位アンカー412は、本明細書に開示される遠位アンカー412の他の実施形態と同様に構成されてもよく、また実施形態では、天然弁の天然弁葉の先端の上に延在するように構成されてもよい。実施形態では、他の形態の遠位アンカー及び/又は追加の近位アンカーを、所望に応じて利用してもよい。実施形態では、アンカー410は、天然弁の心房側上に位置するように構成されている心房アンカーを備えてもよく、遠位アンカー412は、心室アンカーを備えてもよい。アンカーの他の構成は、所望される実施形態で利用され得る。
【0213】
本明細書に開示されるアンカー及びフレームの様々な修正を、所望に応じて利用することができる。実施形態では、アンカーの構成は、人工弁弁葉を支持する単一のフレームで利用され得る。他の構成は、所望に応じて利用され得る。
【0214】
実施形態では、人工弁389は、所望により他の移植部位の中でも特に、天然僧帽弁又は天然三尖弁に展開されるように構成された弁を備えてもよい。人工弁の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態と単独で又は組み合わせて利用され得る。人工弁は、本明細書に開示される展開方法を利用して、移植部位に展開されてもよい。
【0215】
本明細書に開示されるインプラントは、とりわけ、人工心臓弁、又はステント若しくはフィルター、若しくは診断装置などの他の形態のインプラントを含み得る。インプラントは、圧縮状態又は非展開状態から拡張状態又は展開状態に移動するように構成された拡張可能なインプラントであってもよい。インプラントは、縮小された外側輪郭を有し、インプラントを圧縮状態又は非展開状態に移動するように、内側に圧縮されるように構成された圧縮可能なインプラントであってもよい。
【0216】
様々な形態の送達装置が、本明細書に開示される実施形態で利用され得る。本明細書に開示されるような送達装置は、同様に大動脈、大動脈弁、三尖弁、並びに肺の置換及び修復に利用され得る。送達装置は、とりわけ、ステント若しくはフィルター、又は診断装置などの他の形態のインプラントの送達のための送達装置を含み得る。
【0217】
本明細書に開示されるインプラント及びシステムは、経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)又は他の天然心臓弁(例えば、僧帽弁、三尖弁、又は肺)の置換に使用され得る。本明細書に開示される送達装置及びシステムは、経大腿動脈的アクセスを含む患者の心臓への経動脈的アクセスに利用され得る。送達装置及びシステムは、経大腿又は経頸静脈的であり得る経動脈的処置を含む、経カテーテル的経皮的処置に利用され得る。経根的処置も、とりわけ利用され得る。所望に応じて、他の処置を利用してもよい。
【0218】
実施形態の特徴は、望ましいように、実施形態全体にわたって修正、置換、除外、又は組み合わされてもよい。
【0219】
更に、本明細書の方法は、具体的に記載する方法に限定されないが、本明細書に開示されるシステム及び装置を利用する方法を含み得る。方法のステップは、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法を用いて、修正、除外、又は追加されてもよい。
【0220】
まとめると、本明細書の態様は、特定の実施形態を参照することによって強調されるが、当業者であれば、これらの開示された実施形態は、本明細書に開示される主題の原理の例示に過ぎないことを容易に認識されることが理解されるであろう。したがって、開示された主題は、本明細書に記述された特定の方法論、プロトコル、及び/又は試薬などに決して限定されないことが理解されるべきである。したがって、本開示の主題の様々な修正又は変更、又は代替的な構成は、本明細書の精神から逸脱することなく、本明細書の教示に従って行うことができる。最後に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを記述する目的であり、本明細書に開示されるようなシステム、装置、及び方法の範囲を限定することを意図するものではなく、これは特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、システム、装置、及び方法は、図示及び記載されるように正確に限定されない。
【0221】
システム、装置、及び方法の特定の実施形態が本明細書に記載されており、それらを実行するための発明者に知られている最良のモードが含まれる。当然のことながら、これらの記載される実施形態の変形は、前述の記載を読んだときに当業者にとって明らかとなる。発明者は、当業者に、かかる変形を適宜採用することを期待し、発明者は、本明細書に具体的に記述される以外の方法で実施されるシステム、装置、及び方法を意図する。したがって、システム、装置、及び方法は、準拠法により許容される通り、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正及び均等物を含む。更に、本明細書に別段の示唆がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上述の実施形態の任意の組み合わせは、システム、装置、及び方法によって包含される。
【0222】
システム、装置、及び方法の代替的な実施形態、要素、又はステップのグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、又は本明細書に開示される他のグループメンバーとの任意の組み合わせで、言及され、かつ請求されてもよい。グループの1つ以上のメンバーは、利便性及び/又は特許性を理由に、グループに含まれてもよく、又はグループから削除される可能性があることが予想される。こうした包含又は欠失が発生すると、本明細書は、修正されたグループを含有し、したがって添付の特許請求の範囲で使用される全てのマ-カッシュグループの記述を満たすとみなされる。
【0223】
別段の示唆がない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される特徴、アイテム、数量、パラメータ、特性、項などを表す全ての数字は、全ての場合で用語「約」によって修正されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用される場合、用語「約」は、そのように修飾された特徴、アイテム、数量、パラメータ、特性、又は項が、変動し得る近似を包含することを意味するが、それでも、本明細書で論じる所望の動作又はプロセスを実施することができる。
【0224】
システム、装置、及び方法(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)を記述する文脈で使用される用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び類似の参照語は、本明細書に別段の示唆がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅するものとして解釈されるものとする。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の示唆がない限り、又は文脈によってそうでなければ明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な文言(例えば、「など(such as)」)の使用は、単にシステム、装置、及び方法をより良く照らすことを意図するものであり、そうでなければ請求されるシステム、装置、及び方法の範囲に制限をもたらさない。本明細書のいかなる文言も、システム、装置、及び方法の実践に必須であるいかなる請求されていない要素も示すものとして解釈されるべきではない。
【0225】
本明細書において参照及び識別される全ての特許、特許刊行物、及びその他の刊行物は、例えば、システム、装置、及び方法に関連して使用され得る、かかる刊行物に記載される組成物及び方法論を記述及び開示する目的で、その全体が参照により個別に及び明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日の前に、それらの開示のためにのみ提供される。この点に関するいかなる規定も、発明者が、先行発明を理由として、又はその他の任意の理由により、かかる開示を先行する権利を有するものではないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付又は表明に関する全ての声明は、出願人が入手可能な情報に基づくものであり、これらの文書の日付又は内容の正確性を認めるものではない。
【符号の説明】
【0226】
10、16、230、240、300、389 人工弁
16、172、242 人工弁弁葉
17、126、128、162、256、270、286、410 アンカー
20、186、204、250、312、391 封止本体
【国際調査報告】