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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/30 20200101AFI20230913BHJP
   D06F 21/02 20060101ALI20230913BHJP
   D06F 23/02 20060101ALI20230913BHJP
   D06F 25/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
D06F37/30
D06F21/02
D06F23/02
D06F25/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514481
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2021011924
(87)【国際公開番号】W WO2022050757
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113079
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ペ チンウ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンチュ
(72)【発明者】
【氏名】イ チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ノ ヒョンウ
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA02
3B165AA05
3B165AA24
3B165AB23
3B165AB30
3B165BA55
3B165BA84
3B165CA01
3B165CA04
3B165CA06
3B165CB31
3B165CB55
3B165CC01
3B165EW02
3B165EW04
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA13
3B165GA26
3B165GH04
(57)【要約】
この出願は、衣類が収容される空間を提供するドラムボディ、前記ドラムボディの前方面を形成する前方カバー、前記ドラムボディの後方面を形成する後方カバー、及び前記前方カバーを貫通するドラム投入口を備えるドラム、前記後方カバーから離隔して位置する固定パネル、前記固定パネルに支持され、回転磁界(rotating field)を形成するステータ、及び前記回転磁界により回転して前記ドラムの回転に必要な動力を発生させるローターを備える駆動部、前記固定パネルを貫通するパネル排気口、前記ドラムから排出された空気を前記パネル排気口に導く排気ダクト、前記排気ダクトに沿って空気を移動させるファン、前記排気ダクトに流入した空気を除湿する吸熱部、及び前記吸熱部を通過した空気を加熱する発熱部を備える熱交換部、前記固定パネルを貫通する多数の貫通孔が前記ステータを囲むように構成された供給口、前記後方カバーを貫通する空気流入口、一端は前記固定パネルに固定され、他端は前記後方カバーに接して設けられて前記供給口と前記空気流入口を連結する流路形成部、及び前記固定パネルに固定されて前記パネル排気口から排出される空気を前記供給口に導くダクトボディ、及び前記ダクトボディを貫通して前記ローターを前記ダクトボディの外部に露出させるローター収容部を備える供給ダクト、を含み、前記供給口は前記ローターの回転中心を通過する水平線の上部に位置する貫通孔の数が前記水平線の下部に位置する貫通孔の数より多く設定されるか、又は、前記水平線の上部に位置する貫通孔の総面積が前記水平線の下部に位置する貫通孔の総面積より大きく設定される衣類処理装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が収容される空間を提供するドラムボディ、前記ドラムボディの前方面を形成する前方カバー、前記ドラムボディの後方面を形成する後方カバー、及び前記前方カバーを貫通するドラム投入口を備えるドラムと、
前記後方カバーから離隔して位置する固定パネルと、
前記固定パネルに支持されて回転磁界(rotating field)を形成するステータ、及び前記回転磁界により回転して前記ドラムの回転に必要な動力を発生させるローターを備える駆動部と、
前記固定パネルを貫通するパネル排気口と、
前記ドラムから排出された空気を前記パネル排気口に導く排気ダクトと、
前記排気ダクトに沿って空気を移動させるファン、前記排気ダクトに流入した空気を除湿する吸熱部、及び前記吸熱部を通過した空気を加熱する発熱部を備える熱交換部と、
前記固定パネルを貫通する多数の貫通孔が前記ステータを囲むように構成された供給口と、
前記後方カバーを貫通する空気流入口と、
一端は前記固定パネルに固定され、他端は前記後方カバーに接して設けられて前記供給口と前記空気流入口を連結する流路形成部と、
前記固定パネルに固定されて前記パネル排気口から排出される空気を前記供給口に導くダクトボディ、及び前記ダクトボディを貫通して前記ローターを前記ダクトボディの外部に露出させるローター収容部を備える供給ダクトと、を含み、
前記供給口は、前記ローターの回転中心を通過する水平線の上部に位置する貫通孔の数が前記水平線の下部に位置する貫通孔の数より多く設定されるか、又は前記水平線の上部に位置する貫通孔の総面積が前記水平線の下部に位置する貫通孔の総面積より大きく設定されることを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
さらに前記ダクトボディの内部を前記貫通孔の一部に連結される第1流路と前記貫通孔の残りの部分に連結される第2流路に区分する隔壁を含み、
前記隔壁は、前記水平線の上部に位置する空間のうち、前記ローター収容部の中心と前記パネル排気口の中心を通過する基準点から前記パネル排気口が位置する方向に向かって離隔して位置することを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記第1流路は、前記ファンの回転方向とは逆方向に空気を導く流路を形成し、前記第2流路は、前記ファンの回転方向と同じ方向に空気を導く流路を形成し、
前記第1流路から空気が供給される貫通孔の数と前記第2流路から空気が供給される貫通孔の数は、異なることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記ダクトボディは、
前記固定パネルに固定されて前記ローター収容部を形成する内側ボディ、
前記固定パネルに固定されて前記内側ボディを囲む外側ボディ、及び
前記内側ボディの自由端と前記外側ボディの自由端を連結するカバーボディを含み、
前記隔壁は、前記内側ボディ、前記外側ボディ及び前記カバーボディのいずれかに設けられることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記隔壁は、前記カバーボディと前記固定パネルを連結する突起からなることを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記隔壁は、前記カバーボディから前記固定パネルに向かって突出した突起からなり、前記突起の自由端は、前記固定パネルに接しないことを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記隔壁は、前記内側ボディから前記外側ボディに向かって突出した突起及び前記外側ボディから前記内側ボディに向かって突出した突起のいずれかからなることを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記隔壁は、前記カバーボディが前記固定パネルに向かって湾曲した折曲面からなり、前記折曲面の自由端は、前記固定パネルに連結されることを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記隔壁は、前記カバーボディが前記固定パネルに向かって湾曲した折曲面からなり、前記折曲面の自由端は、前記固定パネルに接しないことを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記折曲面は、前記カバーボディが前記固定パネルに向かって下方に傾斜する第1傾斜面、及び前記カバーボディが前記第1傾斜面の自由端に向かって下方に傾斜する第2傾斜面からなることを特徴とする、請求項9に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記外側ボディを貫通する連通孔と、
前記連通孔と前記パネル貫通孔を連結する連結ボディと、
前記内側ボディから前記連通孔に向かって突出して前記連通孔から排出される空気の一部は前記第1流路に導き、残りは前記第2流路に導くガイドと、をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記駆動部は、
前記固定パネルに固定され、前記ステータが固定されるハウジング、
前記ハウジング内に固定されるリングギア、
一端は前記ローターに固定され、他端は前記ハウジング内に位置する第1軸、
前記第1軸に固定されて前記ハウジング内に位置する主動ギア、
前記固定パネルを貫通して一端は前記後方カバーに固定され、他端は前記ハウジング内に位置し、前記第1軸と同心軸(concentric axis)を形成する第2軸、
前記ハウジング内に位置し、前記第2軸の他端が固定されるベース、
前記ベースに回転自在に固定される第1ボディ、第1ボディの円周面に設けられて前記主動ギアに結合される第1ギア、前記第1ボディに固定され、前記第1ボディの直径より小さい直径を有する第2ボディ、及び前記第2ボディの円周面に設けられて前記リングギアに結合される第2ギアを備える従動ギアを含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記空気流入口は、前記後方カバーを貫通する多数の孔が前記ドラムの回転中心を囲むリングを形成して配置され、
前記空気流入口が形成するリングの半径は、前記後方カバー半径の1/2以上に設定されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)を洗濯する洗濯機、乾燥する乾燥機及び衣類の洗濯と乾燥の両方を行う装置の総称である。
【0003】
一般的に洗濯機は水が貯蔵されるタブ、このタブ内に備えられて衣類が収容される洗濯ドラム、及び洗濯ドラムを回転させる駆動部(洗濯駆動部)を含み、乾燥機は衣類が収容される乾燥ドラム、乾燥ドラムを回転させる駆動部(乾燥駆動部)、及び乾燥ドラムに空気を供給して衣類から水分を除去する熱交換部を含む。
【0004】
また一般的に洗濯駆動部はタブに固定されて回転磁界を形成するステータ、回転磁界により回転するローター、及びタブを貫通して洗濯ドラムとローターを連結する回転軸を含み、乾燥駆動部はモーター、モーターの回転軸に固定されるプーリ、及びプーリの回転運動を乾燥ドラムに連結するベルト(動力伝達部)を含む。
【0005】
洗濯駆動部はモーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを連結する。衣類の洗濯や脱水のためには洗濯駆動部が洗濯ドラムの回転数を高く制御するか又は洗濯ドラムの回転方向を変更する必要があるが、モーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを直接連結すると、洗濯ドラムの回転数及び回転方向を容易に制御できる効果がある。
【0006】
一方、従来の乾燥駆動部ではベルトなどの動力伝達部が乾燥ドラムとモーターの回転軸を連結する構造が一般的である。乾燥機は乾燥ドラムの回転数を高く維持する必要性や乾燥ドラムの回転方向を変更する必要性が低いので、ベルトなどの動力伝達部により乾燥ドラムを回転しても構わないためである。しかし、乾燥ドラムの回転数及び回転方向を変更できれば、乾燥ドラム内で衣類の動きを制御できるので、乾燥機としても乾燥時間の短縮及び乾燥性能の向上を期待することができる。
【0007】
従来、ローターの回転数を減速してドラムに伝達する駆動部(減速機及びモーター)を備える洗濯機がある(韓国特許公開第10-2004-0071426)。減速機及びモーターを備える従来の洗濯機はモーターのステータ及び減速機がそれぞれタブに固定される方式である。即ち、従来の洗濯機に備えられたステータは減速機に直接固定される構造ではなく、タブに固定される構造である(ステータの振動幅と減速機の振動幅が異なる可能性もある)。上述した構造の駆動部はタブとドラムの振動時、ローターに連結された入力軸とドラムに連結された出力軸の同心度の維持、及びステータとローターの間隔の維持が容易ではない。
【0008】
また衣類乾燥が可能な従来の衣類処理装置はドラムに空気を供給する供給流路を備えるが、従来の供給流路はドラムの上部空間に供給される空気量がドラムの下部空間に供給される空気量より少ない場合がある。
【0009】
ドラムの回転時、衣類はドラムの下部空間から上部空間に移動した後、再度下部空間に落下するか又は転がるが、多い空気がドラムの上部空間に供給されれば、衣類と衣類の接触可能性を高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この出願はドラムの上部領域により多い空気を供給することにより衣類と空気の熱交換を容易にする衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0011】
またこの出願はローターの回転速度を減速してドラムに伝達するが、ローターの回転中心とドラムの回転中心が同心軸を形成する駆動部を備える衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この出願は、衣類が収容される空間を提供するドラムボディ、ドラムボディの前方面を形成する前方カバー、ドラムボディの後方面を形成する後方カバー、及び前方カバーを貫通するドラム投入口を備えるドラム、後方カバーから離隔して位置する固定パネル、固定パネルに支持され、回転磁界(rotating field)を形成するステータ、及び回転磁界により回転してドラムの回転に必要な動力を発生させるローターを備える駆動部、固定パネルを貫通するパネル排気口、ドラムから排出された空気をパネル排気口に導く排気ダクト、排気ダクトに沿って空気を移動させるファン、排気ダクトに流入した空気を除湿する吸熱部、及び吸熱部を通過した空気を加熱する発熱部を備える熱交換部、固定パネルを貫通する多数の貫通孔がステータを囲むように構成された供給口、後方カバーを貫通する空気流入口、一端は固定パネルに固定され、他端は後方カバーに接して設けられて供給口と空気流入口を連結する流路形成部、及び固定パネルに固定されてパネル排気口から排出される空気を供給口に導くダクトボディ、及びダクトボディを貫通してローターをダクトボディの外部に露出させるローター収容部を備える供給ダクトを含み、供給口はローターの回転中心を通過する水平線の上部に位置する貫通孔の数が水平線の下部に位置する貫通孔の数より多く設定されるか、又は水平線の上部に位置する貫通孔の総面積が水平線の下部に位置する貫通孔の総面積より大きく設定される衣類処理装置を提供する。
【0013】
衣類処理装置はさらに、ダクトボディ内を貫通孔の一部に連結される第1流路と貫通孔の残りの部分に連結される第2流路に区分する隔壁を含み、隔壁は水平線の上部に位置する空間のうち、ローター収容部の中心とパネル排気口の中心を通過する基準点からパネル排気口が位置する方向に向かって離隔して位置する。
【0014】
第1流路はファンの回転方向とは逆方向に空気を導く流路を形成し、第2流路はファンの回転方向と同じ方向に空気を導く流路を形成し、第1流路から空気が供給される貫通孔の数と第2流路から空気が供給される貫通孔の数は異なるように設定される。
【0015】
第1流路から空気が供給される貫通孔の数は第2流路から空気が供給される貫通孔の数より多い。
【0016】
第1流路の長さは第2流路の長さより長い。
【0017】
ダクトボディは固定パネルに固定されてローター収容部を形成する内側ボディ、固定パネルに固定されて内側ボディを囲む外側ボディ、及び内側ボディの自由端と外側ボディの自由端を連結するカバーボディを含み、隔壁は内側ボディ、外側ボディ及びカバーボディのいずれかに設けられる。
【0018】
隔壁はカバーボディから固定パネルに向かって突出した突起からなり、突起の自由端は固定パネルに連結される。
【0019】
隔壁はカバーボディから固定パネルに向かって突出した突起からなり、突起の自由端は固定パネルに接しない。
【0020】
隔壁は内側ボディから外側ボディに向かって突出した突起、及び外側ボディから内側ボディに向かって突出した突起のいずれかからなる。
【0021】
隔壁はカバーボディが固定パネルに向かって湾曲した折曲面からなり、折曲面の自由端は固定パネルに連結される。
【0022】
隔壁はカバーボディが固定パネルに向かって湾曲した折曲面からなり、折曲面の自由端は固定パネルに接しない。
【0023】
折曲面はカバーボディが固定パネルに向かって下方に傾斜する第1傾斜面、及びカバーボディが第1傾斜面の自由端に向かって下方に傾斜する第2傾斜面からなる。
【0024】
衣類処理装置はさらに、外側ボディを貫通する連通孔、連通孔とパネル貫通孔を連結する連結ボディ、及び内側ボディから連通孔に向かって突出して連通孔から排出される空気の一部は第1流路に導き、残りは第2流路に導くガイドを含む。
【0025】
駆動部は、固定パネルに固定され、ステータが固定されるハウジング、ハウジング内に固定されるリングギア、一端はローターに固定され、他端はハウジング内に位置する第1軸、第1軸に固定されてハウジング内に位置する主動ギア、固定パネルを貫通して一端は後方カバーに固定され、他端はハウジング内に位置し、第1軸と同心軸(concentric axis)を形成する第2軸、ハウジング内に位置し、第2軸の他端が固定されるベース、ベースに回転自在に固定される第1ボディ、第1ボディの円周面に設けられて主動ギアに結合される第1ギア、第1ボディに固定され、第1ボディの直径より小さい直径を有する第2ボディ、及び第2ボディの円周面に設けられてリングギアに結合される第2ギアを備える従動ギアを含む。
【0026】
空気流入口は後方カバーを貫通する多数の孔がドラムの回転中心を囲むリングを形成して配置され、空気流入口が形成するリングの半径は後方カバー半径の1/2以上に設定される。
【発明の効果】
【0027】
この出願によれば、ドラムの上部領域により多い空気を供給することにより衣類と空気の熱交換を容易にする衣類処理装置を提供することができる。
【0028】
またこの出願によれば、ローターの回転速度を減速してドラムに伝達するが、ローターの回転中心とドラムの回転中心が同心軸を形成する駆動部を備える衣類処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】衣類処理装置の一例を示す図である。
図2】衣類処理装置の一例を示す図である。
図3】駆動部の一例を示す図である。
図4】動力伝達部の一例を示す図である。
図5】動力伝達部の一例を示す図である。
図6】供給ダクトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好ましい実施形態について詳しく説明する。後述する要素又は装置の制御方法は本開示の実施形態を説明するだけであり、本開示の範囲を限定することではない。可能な限り、同一又は類似する部品を参照するために、全図面において同じ参照番号を使用している。
【0031】
図1は衣類処理装置100の一例を示し、衣類処理装置100はキャビネット1、このキャビネット内に回転自在に設けられて衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)が貯蔵される空間を提供するドラム2、ドラム2に高温の乾燥空気(常温より高い温度の空気、室内空気の乾燥度より高い乾燥度の空気)を供給して衣類から水分を除去する供給部3、及びドラムを回転させる駆動部(D)を含む。
【0032】
キャビネット1は衣類処理装置の前方面を形成する前方パネル11及び衣類処理装置の底面を形成するベースパネル17を含む。前方パネル11にはドラム2に連通する投入口111が備えられ、投入口111はドア113により閉鎖される。
【0033】
前方パネル11には制御パネル115が備えられ、制御パネル115にはユーザの制御命令が入力される入力部116とユーザが選択可能な制御命令などの情報が出力される表示部117が設けられる。入力部116は衣類処理装置に電力供給を要請する電力供給要請部、多数のコースのうち、ユーザが所望するコースを選択可能なコース入力部及びユーザが選択したコースの開始を要請する実行要請部を含む。
【0034】
ドラム2は中空の円筒状である。図1では一例としてドラム2が前方面と後方面が開放した円筒状のドラムボディ21、ドラムボディ21の前方面を形成する前方カバー22及びドラムボディ21の後方面を形成する後方カバー23からなる場合を示している。前方カバー22にはドラムボディ21の内部と外部を連通させるドラム投入口221が設けられる。
【0035】
ドラムボディ21にはさらにリフター26が設けられる。リフター26は前方カバー22から後方カバー23に向かって延びた板(board)が、ドラムボディ21からドラム2の回転中心に向かって突出して(ドラムの円周面からドラムの回転中心に向かって突出して)形成される。
【0036】
衣類処理装置100が衣類の乾燥のみのための装置である場合には、ドラム2はドラムの内部とドラムの外部を連通するためにドラムボディ21を貫通するドラム貫通孔を備えなくてもよい。
【0037】
ドラム2はボディ第1支持部12とボディ第2支持部15のいずれかに回転自在に固定されるが、図1では一例として後方カバー23は駆動部(D)を介してボディ第2支持部15に回転自在に固定され、前方カバー22はボディ第1支持部12に回転自在に連結された場合を示している。
【0038】
ボディ第1支持部12はキャビネット1に固定されて前方パネル11と前方カバー22の間に位置する支持パネル121からなる。図1では一例として支持パネル121がベースパネル17に固定されて前方パネル11と前方カバー22の間に位置する場合を示している。この場合、前方パネル11の後方面(支持パネルに向かう面)は支持パネル121に固定され、下端はベースパネル17に固定される。
【0039】
支持パネル121は、支持パネル貫通孔122、支持パネル貫通孔122とドラム投入口221を連結するドラム連結ボディ123、及び支持パネル貫通孔122と投入口111を連結するパネル連結ボディ126を含む。支持パネル貫通孔122は支持パネル121を貫通して投入口111とドラム投入口221を連通する手段である。
【0040】
ドラム連結ボディ123は支持パネル121の後方面(支持パネルが提供する空間のうち、ドラム投入口に向かう面)に固定されたパイプからなる。ドラム連結ボディ123の一端は支持パネル貫通孔122を囲み、ドラム連結ボディ123の自由端は前方カバー22を支持する。即ち、ドラム連結ボディ123の自由端はドラム投入口221に挿入されるか、又はドラム投入口221を形成する前方カバー22の自由端に接する。
【0041】
図1は一例としてドラム連結ボディ123の自由端が前方カバー22の自由端に接する場合を示している。この場合、ドラム連結ボディ123にはリンク状のダンパー124(連結ダンパー)が設けられる。連結ダンパー124はドラム2が回転或いは振動するとき、ドラム投入口221がドラム連結ボディ123から分離される恐れ(ドラム内の空気がキャビネットに漏れる恐れ)を最小化する手段である。
【0042】
連結ダンパー124は圧縮性材質(外力により体積増減が可能な材質)からなる。この場合、連結ダンパー124はドラム連結ボディ123の自由端とドラム投入口221の縁部(前方カバーの自由端)の間で圧縮された状態を維持する(後述する後方支持部により圧縮された状態を維持する)。ドラム2が支持パネル121と固定パネル151の間で振動する場合、ドラム投入口221がドラム連結ボディ123から分離されることを最小化するためのものである。連結ダンパー124の一例として、繊維を圧縮して製作されるフェルトがある。
【0043】
パネル連結ボディ126は支持パネル121の前方面(支持パネルが提供する空間のうち、前方パネルに向かう面)に固定されたパイプからなる。パネル連結ボディ126の一端は支持パネル貫通孔122を囲み、パネル連結ボディ126の他端は投入口111に連結される。従って、投入口111に供給される衣類はパネル連結ボディ126、支持パネル貫通孔122、ドラム連結ボディ123及びドラム投入口221を介してドラムボディ21に移動する。
【0044】
ボディ第2支持部15は後方カバー23から離隔したところに位置するようにキャビネット1に固定される固定パネル151からなる。図1では一例として固定パネル151がベースパネル17に固定されて衣類処理装置100の後方面(キャビネットの後方面)を形成する場合が示されている。
【0045】
図2に示すように、固定パネル151には駆動部(D)が取り付けられる空間を提供する駆動部取付溝153が設けられる。駆動部取付溝153は固定パネル151がドラムの後方カバー23に向かって凹状に湾曲した溝である。固定パネル151にはドラム2の回転軸が貫通する固定パネル貫通孔155が設けられるが、固定パネル貫通孔155は駆動部取付溝153内に位置する。
【0046】
上述したように、ドラム2がドラムボディ21、ドラムボディに固定される前方カバー22、及びドラムボディに固定される後方カバー23からなると、ドラムボディ21の開放した前方面と後方面が支持パネル121と固定パネル151のそれぞれに回転自在に連結された構造に比べてドラムの強性が高くなる。ドラムの強性が高くなると、ドラムの回転時にドラムボディ21の変形を最小にすることができ、これにより、ドラムボディ21の変形時にドラムボディと支持パネルの間の空間、ドラムボディと固定パネルの間の空間に衣類が挟まれる問題を最小化できる(駆動部の負荷を最小化できる)。
【0047】
支持パネル121にはパネル連結ボディ126を貫通するドラム排気口(第1排気口)128が設けられ、固定パネル151にはパネル排気口(第2排気口)157及び供給口158が設けられる。
【0048】
供給口158は固定パネル151を貫通する多数の貫通孔が駆動部取付溝153を囲むように配置される(多数の貫通孔は駆動部取付溝を囲むリングを形成する)。
【0049】
図1に示すように、供給部3は、第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト31、第2排気口157に排出される空気を供給口158に導く供給ダクト32、及び排気ダクトに設けられて空気の除湿と加熱を順に行う熱交換部34を含む。第1排気口128にはドラム2から排気ダクト31に移動する空気をろ過するフィルター129が備えられる。
【0050】
排気ダクト31は第1排気口128に連結される第1ダクト311、第2排気口157に連結される第2ダクト312、及び第1ダクト311と第2ダクト312を連結する第3ダクト313を含む。第3ダクト313はベースパネル17に固定される。
【0051】
熱交換部34は排気ダクト31に流入した空気の除湿と加熱を順に行う様々な装置からなるが、図1では一例として熱交換部34がヒートポンプ(heat pump)及びファン349からなる場合を示している。
【0052】
即ち、図1の熱交換部34は、排気ダクト31に流入した空気から水分を除去する第1熱交換器(吸熱部)341、排気ダクト31内に備えられて吸熱部341を通過した空気を加熱する第2熱交換器(発熱部)343、及びドラム2から排出された空気が吸熱部と発熱部を順に経た後、供給ダクト32に移動するようにするファン359を含む。図1では一例としてファン349が第2ダクト312に備えられた場合を示している。
【0053】
吸熱部341と発熱部343は空気の移動方向に沿って順に配置され、冷媒の循環流路を形成する冷媒管348を介して互いに連結される。冷媒は排気ダクト31の外部に位置する圧縮器345により冷媒管348に沿って移動し、冷媒管348には発熱部343から吸熱部341に移動する冷媒の圧力を調節する圧力調節器347が備えられる。
【0054】
吸熱部341は排気ダクト31に流入した空気の熱を冷媒に伝達することにより空気を冷却(冷媒を蒸発)する手段であり、発熱部343は圧縮器345を通過した冷媒が有する熱を空気に伝達することにより空気を加熱(冷媒を凝縮)する手段である。
【0055】
図2に示すように、供給ダクト32は固定パネル151に固定されて第2排気口157に排出された空気を供給口158に導く手段である。
【0056】
供給口158がリング状に配置された多数の貫通孔からなる場合、供給ダクト32は、固定パネル151に固定されて第2排気口157と供給口158を連結する流路を形成するダクトボディ321、ダクトボディ321を貫通するローター収容部322、及び第2ダクト312とダクトボディ321を連結する連結ボディ323を含む。ダクトボディ321及びローター収容部322を備える供給ダクト32は略リンク状の流路を形成し、駆動部取付溝153に固定される駆動部(D)はローター収容部322により供給ダクト32の外部に露出される。
【0057】
ダクトボディ321は、固定パネル151に固定されてローター収容部322を形成する内側ボディ321a、固定パネル151に固定されて内側ボディ321aを囲む外側ボディ321b、及び内側ボディの自由端と外側ボディの自由端を連結するカバーボディ321cを含む。連結ボディ323は外側ボディ321bを貫通する連通孔321d(図6を参照)を介してダクトボディ321に連結される。
【0058】
供給口158を介してキャビネット1内に供給された空気がドラム2に供給されるように、ドラム2には後方カバー23を貫通する空気流入口233が設けられ、固定パネル151には供給口158から排出される空気を空気流入口233に導く流路形成部159が設けられる。
【0059】
空気流入口233は後方カバー23を貫通する多数の孔がドラム2の回転中心を囲むリングを形成して配置される。流路形成部159は一端(固定パネルに固定される一端)は供給口158を囲み、他端(ドラムに接する一端)は空気流入口233を囲むパイプからなる。ドラム2の回転中に発生する振動が固定パネル151に伝達されることを最小化するために、流路形成部159は大きい弾性を有する材質(ゴムなど)からなる。
【0060】
空気流入口233が形成するリングの半径(内側ボディの半径又は外側ボディの半径)は後方カバー23の半径の1/2以上に設定される。これにより、空気流入口233を介してドラム内に排出される空気がドラムの円周面に沿って移動することができる。
【0061】
駆動部(D)は駆動部取付溝153に位置するモーター5、及び固定パネル151に固定されてモーターにより発生する動力をドラム2に伝達する動力伝達部6を含む。
【0062】
駆動部(D)の重さ及び駆動部(D)の作動中に発生する外力により固定パネル151が変形することを最小化するために、駆動部取付溝153にはモーター5と動力伝達部6のいずれかが固定される空間を提供する駆動部ブラケット4が備えられる。即ち、動力伝達部6は駆動部ブラケット4に固定され、モーター5は動力伝達部6と駆動部ブラケット4のいずれかに固定される。駆動部ブラケット4は駆動部取付溝153に固定されるリンク状の金属(固定パネルよりも大きい強度を有する金属)からなる。
【0063】
図3に示すように、モーター5は、回転磁界(rotating field)を形成するステータ51、及び回転磁界により回転するローター52を含む。
【0064】
ステータ51は、駆動部ブラケット4又は動力伝達部6に固定されるコア511、コアを貫通するコア貫通孔512、及びコア511の円周面に等間隔に配置される電磁石513(コイル)を含む。
【0065】
ローター52は、円板状(disk)のローターボディ52a、ローターボディに固定されるパイプ状のローター円周面52b及びローター円周面に固定される多数の永久磁石525を含む。永久磁石525はN極とS極が交互に露出されるようにローター円周面52bに固定される。
【0066】
動力伝達部6は、中空の円筒状からなり、固定パネル151に固定されるハウジング61、ハウジング内に固定されるリングギア62、一端はローターボディ52aに固定され、他端はハウジング61内に位置する第1軸63(入力軸)、第1軸63に固定されてハウジング61内に位置する主動ギア631、主動ギア631とリングギア62を連結する従動ギア677、従動ギアによりハウジング61内で回転するケージ67、及び一端は後方カバー23に固定され、他端はケージ67に固定される第2軸65(出力軸)を含む。
【0067】
第1軸63によるローターボディ52aの変形の恐れを最小化するために、第1軸63は固定板524を介してローターボディ52aに固定される。
【0068】
第2軸65は第1軸63と同心軸(concentric axis)を形成することが望ましい。第2軸65と第1軸63が同心軸を形成すると、ドラム2の回転時に動力伝達部6に発生する振動を最小化することができる。
【0069】
ハウジング61は駆動部ブラケット4を介して固定パネル151に固定されてコア貫通孔512に位置することが望ましい。ハウジング61をコア貫通孔512内に位置させることにより、駆動部(D)の体積を最小化することができる。
【0070】
ハウジング61は、固定パネル151に向かう面が開放した円筒状の第1ハウジング61a、及び第1ハウジングに向かう面が開放した円筒状であり、第1ハウジング61aに結合して第1ハウジングの開放面を閉鎖する第2ハウジング61bを含む。
【0071】
第1ハウジング61aには第1軸支持部611及び第1軸支持部611を貫通する第1軸貫通孔612が備えられる。第1軸63は第1軸貫通孔612に挿入されることにより第1ハウジング61aを貫通し、第1軸支持部611には第1軸63を第1ハウジング61aに回転自在に固定する第1軸ベアリング613が備えられる。
【0072】
図4に示すように、第1軸支持部611は第1ハウジング61aから第2ハウジング61bに向かって突出するパイプからなる。第1軸支持部611が第1ハウジング61aから第2ハウジング61bに向かって突出したパイプからなると、ハウジング61の体積を最小化することができる(駆動部の体積最小化、衣類処理装置の体積最小化が可能である)。
【0073】
第2ハウジング61bには第2軸支持部616及び第2軸支持部616を貫通する第2軸貫通孔617が備えられる。第2軸65は第2軸貫通孔617を介して第2ハウジング61bを貫通し、第2軸支持部616には第2軸65を第2ハウジング61bに回転自在に固定する第2軸ベアリング618が備えられる。
【0074】
第2軸支持部616は第2ハウジング61bから固定パネル貫通孔155に向かって突出するパイプ(ドラムの後方カバーに向かって突出したパイプ)からなる。
【0075】
第1軸ベアリング613は第1軸63の長さ方向に沿って備えられる第1軸第1ベアリング613a及び第1軸第2ベアリング613bを含み、第2軸ベアリング618は第2軸65の長さ方向に沿って備えられる第2軸第1ベアリング618a及び第2軸第2ベアリング618bを含む。
【0076】
第1軸ベアリング及び第2軸ベアリングがそれぞれ2つ以上のベアリング613a,613b,618a,618bからなると、ローター52が回転時に第1軸63と第2軸65が編心することを最小化することができる(駆動部に発生する振動を最小化できる)。
【0077】
複数のベアリングは回転軸に沿って配置されるので、多数のベアリングが備えられた駆動部(D)は体積が増加せざるを得ない。従って、制限した体積のキャビネット1を有する衣類処理装置100において、多数のベアリングが回転軸を支持するように設計することが容易ではない。しかし、上述した衣類処理装置100はハウジング61がステータのコア貫通孔に位置する構造、及び第1軸支持部611がハウジングの中心に向かって突出したパイプ構造などにより駆動部の体積を最小化し、それによりベアリング613,618の数を増やすことができる。
【0078】
ハウジング61の体積を最小化するために、第1ハウジング61aの直径と第2ハウジング61bの直径は互いに異なるように設定される。即ち、第1ハウジング61aの直径は第2ハウジング61bの直径より小さく設定されるか又は第2ハウジング61bの直径より大きく設定される。
【0079】
リンクギア62はリンクギアボディ、リンクギアボディを貫通するリンクギアボディ貫通孔及びリンクギアボディの内側円周面(リンクギアボディ貫通孔を形成する円周面)に沿って備えられるギア歯(gear teeth)を含む。
【0080】
リンクギア62は第1ハウジング61aと第2ハウジング61bのうち、直径が小さいハウジングに固定される。図示したように、第1ハウジング61aの直径が第2ハウジング61bの直径より小さい場合、リンクギア62は第1ハウジング61aの円周面に固定される。
【0081】
図3に示すように、ケージ67は、ハウジング61内に位置するベース671、従動ギア677をベース671に回転自在に固定する連結軸675、及び連結軸675の一端に固定されるリンク状のベースカバー673を含む。
【0082】
第2軸65は固定パネル貫通孔155に挿入されてベース671とドラムの後方カバー23を連結する。第2軸65の回転による後方カバー23の破損を防止するために、後方カバー23には第2軸65の一端が固定される軸ブラケット651(図2を参照)が設けられる。
【0083】
図2に示すように、軸ブラケット651によりドラムの体積が増加することを最小化するために、後方カバー23には軸ブラケット651が固定される軸ブラケット取付溝231が設けられる。軸ブラケット取付溝231は後方カバー23が固定パネル151から離れる方向に向かって湾曲した溝からなる。軸ブラケット取付溝231は駆動部取付溝153と同じ位置に設けられ、軸ブラケット取付溝231の直径は駆動部取付溝153の直径より大きいことが望ましい。それにより、ドラム2の回転時に後方カバー23が駆動部取付溝153に衝突する恐れを最小化することができる。
【0084】
従動ギア677は互いに同角度離隔した多数のギアからなるが、図3では一例として従動ギア677及び連結軸675が120°ずつ離隔した3つのギア及び軸からなる場合を示している。
【0085】
それぞれの従動ギア677は、連結軸675を介してベース671に回転自在に固定される第1ボディ677a、第1ボディ677aの円周面に設けられて主動ギア631に結合する第1ギア677b、第1ボディ677aに固定され、第1ボディの直径より小さい直径を有する第2ボディ677c、及び第2ボディ677cの円周面に設けられてリンクギア62に結合する第2ギア677dを含む。
【0086】
図4に示すように、第1軸63の自由端に固定される主動ギア631は第1ギア677bのそれぞれに連結されるように従動ギアの間に形成された空間に位置する。また第1軸支持部611の自由端はベースカバー673の中央に形成されたベースカバー貫通孔674に挿入されてベースカバー673を貫通する。このような構造(第1軸支持部とベースカバーの構造)はハウジングの体積を最小化する特徴を有する(駆動部体積の最小化)。
【0087】
固定パネル貫通孔155を密閉するために(ドラムに供給された空気がキャビネットの外部に漏れることを防止するために)、駆動部ブラケット4又は固定パネル151にはさらにシーリング部41が備えられる。駆動部ブラケット4が固定パネル貫通孔155を囲むリンク状であり、ハウジング61は駆動部ブラケット4に固定されてコア貫通孔512内に位置し、コア511はハウジングに固定される場合、シーリング部41は駆動部ブラケット4と第2ハウジング61bの間に形成された空間を密閉する。
【0088】
図3に示すように、ステータ51がハウジング61に固定される場合、コア511にはコアブラケット515が備えられ、ハウジング61にはコア取付部619が備えられる。コア511はコアブラケット515をコア取付部619に固定するコア締結部517を介してハウジング61に固定される。コア取付部619は第2ハウジング61bの直径方向に沿って第2ハウジング61bの円周面から離れる方向に向かって突出する突起からなる。
【0089】
以下、上述した構造を有する駆動部(D)の作動過程について説明する。図5に示すように、ローター52が時計方向に回転すると、第1軸63及び主動ギア631も時計方向に回転する。
【0090】
主動ギア631が時計方向に回転すると、従動ギア677は第1ギア677bにより反時計方向に回転する。第1ギア677bが反時計方向に回転すると、第2ギア677dも反時計方向に回転する。リンクギア62が固定パネル15に固定される状態であるので、第2ギア677dが反時計方向に回転すると、ベース671及び第2軸65は時計方向に回転する。ドラム2とベース671は第2軸65により連結されるので、ドラム2はローター52と同じ方向に回転する。
【0091】
ステータ51がハウジング1に固定されると、第1軸63と第2軸65の同心度及びステータとローターの間隔の維持に有利である。ステータ51がハウジング61ではない固定パネル151に固定される場合を仮定する。この場合、第2軸65にはドラムの振動及び固定パネル151の振動が伝達され、第1軸63には固定パネル151の振動が伝達される。これはドラム2の振動幅と固定パネル151の振動幅が異なる場合があることを意味するので、場合によっては第1軸と第2軸の間隔、同心度(concentricity)及びステータのコイル513とローターの永久磁石525の間の間隔を所望の水準に維持することが難しくなる。しかし、ステータ51がハウジング61に固定されると、外部から第1軸と第2軸に伝達される振動が同一であるので、上述したような問題を解決することができる。
【0092】
図示したように、第1ギア677bの直径は主動ギア631の直径より長く設定され、第2ギア677dの直径は主動ギア631の直径よりは長く、第1ギア677bの直径よりは短く設定される。図示していないが、第2ギア677dの直径は主動ギア631の直径と同一に設定されてもよい。
【0093】
上記のように第1ギア、第2ギア及び主動ギアが備えられると、駆動部(D)はローター52の回転数より低い回転数でドラム2を回転させる。即ち、駆動部(D)は減速機の役割も行う。
【0094】
上述したように、固定パネル151にはリンク状に配置された多数の貫通孔158a,158bが形成される。図6に示すように、ローター52の回転中心を通過する水平線(H)の上部に位置する貫通孔の数は水平線(H)の下部に位置する貫通孔の数より多く設定される。
【0095】
ファン349により供給ダクト32に流入した空気はファン349に近いほど速度が速い。これにより、水平線(H)の下部に位置する貫通孔(ファンに近い貫通孔)を介してドラムに移動する空気量が水平線(H)の上部に位置する貫通孔を介してドラムに移動する空気量に比べて多くなる。従って、水平線(H)の上部に位置する貫通孔の数を水平線(H)の下部に位置する貫通孔の数より多く設定すると、ドラムの上部空間に供給される空気量を増加させることができる。
【0096】
ドラム2の回転時に衣類はドラムの下部空間から上部空間に移動した後、再度下部空間に落下するか又は転がるが、空気がドラムの上部空間に多く供給されると、衣類と空気が接触する可能性が高くして乾燥時間を短縮することができる。この効果は水平線(H)の上部に位置する貫通孔158a,158bの総面積を水平線(H)の下部に位置する貫通孔の総面積より大きく設定することによって達成することもできる。
【0097】
供給ダクト32にはさらにダクトボディ321内を貫通孔の一方158aに連結される第1流路(F1)と貫通孔の他方に158bに連結される第2流路(F2)に区分する隔壁36が備えられる。
【0098】
隔壁36は水平線(H)の上部に位置する空間のうち、ローター収容部322の中心とパネル排気口157の中心を通過する基準点(L)からパネル排気口157が位置する方向に向かって離隔した地点(P)に位置する。
【0099】
ファン349の回転方向に沿って第1流路(F1)と第2流路(F2)に供給される空気量は変更可能である。即ち、ファン349が反時計方向に回転する場合、図6の第1流路(F1)はファンの回転方向とは逆方向に空気を導く流路(第1流路は時計方向に空気を導く流路)となり、第2流路(F2)はファンの回転方向と同じ方向に空気を導く流路(第2流路は反時計方向に空気を導く流路)になる。この場合、第1流路(F1)に供給される空気量と速度は第2流路(F2)に供給される空気量と速度とは異なっていてもよい。
【0100】
第1流路(F1)を通じてドラムに供給される空気量と第2流路(F2)を通じてドラムに供給される空気量を同様に維持するためには、第1流路(F1)の長さと第2流路(F2)の長さが互いに異なることが望ましい。即ち、第1流路(F1)から空気が供給される貫通孔158aの数と第2流路(F2)から空気が供給される貫通孔158bの数が異なることが望ましい。図6では一例として第1流路(F1)に連結された貫通孔158aの数が第2流路(F2)に連結された貫通孔158bの数より多い場合を示している。
【0101】
図6に示すように、第1流路に連結された貫通孔158aは多数の孔が隔壁36から第2排気口157に向かって配置され、第2流路に連結された貫通孔158bは隔壁36に接するか又は隔壁36に隣接して配置された1つの孔からなる。
【0102】
図示とは異なり、第2流路に連結された貫通孔158bの下端は水平線(H)の上部に位置し、上端は隔壁の下部に位置する。
【0103】
隔壁36はカバーボディ321cが固定パネル151に向かって湾曲した折曲面からなる。折曲面の自由端は固定パネル151に接するか(第1流路と第2流路を完全に区分)、又は固定パネル151から離隔した状態を維持する。第1流路(F1)を移動する空気の速度と第2流路(F2)を移動する空気の速度が隔壁36の付近で急に低下することを防止するために(ドラムに空気が供給される速度低下を防止するために)、隔壁36は2つの流路F1、F2を完全に区分して備えられることが望ましい。
【0104】
折曲面はカバーボディ321cが固定パネル151に向かって下方に傾斜する第1傾斜面361及びカバーボディ321cが第1傾斜面361の自由端に向かって下方に傾斜する第2傾斜面362を含む。折曲面が上述した2つの傾斜面361,362からなると、空気の移動方向を貫通孔158a,158bが位置する方向に転換するときに発生する流路抵抗を最小化することができる。
【0105】
ダクトボディ321はさらに内側ボディ321aから連通孔321dの中心に向かって突出したガイド37が備えられる。ガイド37は連通孔321dから排出された空気を第1流路(F1)と第2流路(F2)に導く役割、及び連通孔321dから排出された空気が各流路F1、F2に分離されるときに発生する流路抵抗を最小化することができる。
【0106】
図示とは異なり、隔壁36はカバーボディ321cと固定パネル151を連結する突起からなってもよい。この場合、突起の自由端は固定パネル151に連結されるか、又は固定パネル151から離隔した状態を維持する。
【0107】
また隔壁36は内側ボディ321aから外側ボディ321bに向かって突出した突起、又は外側ボディ321bから内側ボディ321aに向かって突出した突起のいずれかからなってもよい。
【0108】
図1に示すように、ドラムの後方カバー23は駆動部(D)を介して固定パネル15に結合した状態を維持するが、ドラムの前方カバー22は連結ダンパー124を介して支持パネルのドラム連結ボディ123に接した状態を維持する。従って、振動によりドラム2が衣類処理装置の後方(X軸方向)に移動すると、前方カバー22がドラム連結ボディ123から分離される可能性がある。
【0109】
前方カバー22がドラム連結ボディ123から分離されると、ドラム投入口221は支持パネル貫通孔122から分離され(ドラムに供給された空気がドラムの外部に漏出され)、それによりエネルギー浪費、乾燥時間の増加及び乾燥効率の減少などの問題が発生する。
【0110】
また前方カバー22がドラム連結ボディ123から分離されると、衣類が前方カバーとドラム連結ボディの間の空間に挟まれ、それによりモーターに大きい負荷が発生する。
【0111】
この問題を解決するために、衣類処理装置100はさらに前方カバー22を支持する前方支持部7,8及び後方カバー23を支持する後方支持部9のいずれかを含む。図1では一例として前方支持部7,8及び後方支持部9を全て備える衣類処理装置100を示す。
【0112】
前方支持部7,8は前方カバー22が支持パネル121の高さ方向(Z軸方向)及び支持パネルの幅方向(Y軸方向)に沿って移動することを最小化するように設けられ、後方支持部9は前方カバー22が支持パネル121から離れる方向(X軸方向及び-Z軸方向)に沿って移動することを最小化するように設けられる。
【0113】
図2に示すように、前方支持部は前方カバー22の円周面のうち、ドラムの回転中心を通過する水平線(H)の下部に位置する領域を支持する前方第1支持部7、前方カバー22の円周面のうち、水平線(H)の上部に位置する領域を支持する前方第2支持部8を含む。前方第1支持部7は支持パネル121に回転自在に固定された第1ローラー71及び第2ローラー73を含む。
【0114】
後方支持部9は後方カバー23の円周面のうち、ドラムの回転中心を通過する水平線(H)の下部に位置する領域を支持する手段であり、ベースパネル17に固定されるか又は固定パネル12に固定され、ベースパネル及び固定パネルに固定されてもよい。
【0115】
上述した衣類処理装置100では循環式乾燥システムを備える場合を基準として説明したが、この衣類処理装置100は排気式乾燥システムにも適用することができる。循環式乾燥システムはドラム2から排出された空気の除湿と加熱を順に行った後、ドラムに高温乾燥な空気を再供給する乾燥方式をいう。排気式乾燥システムは外気を加熱してドラム2に供給し、熱交換終了後にドラム2から排出される空気をキャビネット1の外部に排気する乾燥方式をいう。
【0116】
衣類処理装置100が排気式乾燥システムからなる場合、供給部3は第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト、外気(キャビネット内の空気又はキャビネット外の空気)をドラム2に供給する供給ダクト、及び供給ダクトに流入した空気を加熱する熱交換部を含む。
【0117】
当業者には本開示の精神及び本質的な特徴から逸脱することなく、本開示を他の特定の形態で具現化できることが明らかであろう。従って、上記の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲の合理的な解釈によって決定されるべきであり、本開示の同等の範囲内にある全ての変更は本開示の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】