(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/20 20060101AFI20230913BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
H02K5/20
H02K9/06 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514498
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2021093413
(87)【国際公開番号】W WO2022062423
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011012097.X
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520441349
【氏名又は名称】追▲べき▼創新科技(蘇州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dreame Innovation Technology (Suzhou) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Bldg. E3, Shangjinwan Headquarters Economic Park, 2288 Wuzhong Ave., Yuexi St., Wuzhong Dist., Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高 春超
(72)【発明者】
【氏名】鄭 磊
【テーマコード(参考)】
5H605
5H609
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC02
5H605DD01
5H605DD11
5H605DD31
5H609BB01
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP07
5H609QQ02
5H609QQ12
5H609RR03
5H609RR31
(57)【要約】
本願はモータを開示し、第1収容室を形成するように内部が中空に設置されるモータハウジングであって、環状支持フレームが設けられ、環状支持フレームがモータハウジングの周方向を取り囲んでモータハウジングの外側に周設されるモータハウジングと、モータハウジングの環状支持フレームに近接する側に取り外し可能に設置され、且つ環状支持フレームに係着される固定インペラと、固定インペラに当接され、第2収容室を形成するように内部が中空に設置されるファンハウジングと、第2収容室内に設けられる可動インペラと、ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、且つ環状支持フレームに係着される外カバーと、モータハウジングに設けられ且つ収容室から部分的に延出して可動インペラに接続されるモータ本体と、を備え、モータには第1収容室と第2収容室とを連通する放熱通路が更に設けられ、モータハウジングには第1収容室に連通する第1吸気口が設けられる。上記方式によって、本願は放熱効果が高い利点を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータであって、
第1収容室を形成するように内部が中空に設置されるモータハウジングであって、環状支持フレームが設けられ、前記環状支持フレームが前記モータハウジングの周方向を取り囲んで前記モータハウジングの外側に周設されるモータハウジングと、
前記モータハウジングの前記環状支持フレームに近接する側に取り外し可能に設置され、且つ前記環状支持フレームに係着される固定インペラと、
前記固定インペラに当接され、第2収容室を形成するように内部が中空に設置されるファンハウジングと、
前記第2収容室内に設けられ且つ前記固定インペラの前記環状支持フレームから離れる側に位置し、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、
前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、且つ前記環状支持フレームに係着される外カバーと、
前記可動インペラを駆動して回転させるように、前記モータハウジングに設けられ且つ前記収容室から部分的に延出して前記可動インペラに接続され、これにより前記第2収容室に負圧を形成させるモータ本体と、を備え、
前記モータには前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する放熱通路が更に設けられ、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する第1吸気口が更に設けられ、前記可動インペラが回転するとき、それが発生した負圧によって空気を前記第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記放熱通路及び前記第2収容室を順次流れてから排出させることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が形成され、前記空気流路は前記第1収容室から前記環状支持フレームまで延在し、前記空気流路の出口が前記環状支持フレームの外周面に形成され、前記外カバーの内壁には前記空気流路と前記第2収容室とを連通する導風溝が少なくとも形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されてエアダクトを形成し、
前記空気流路と前記エアダクトとが前記放熱通路を構成し、前記エアダクトの入口が前記空気流路の出口に対向し、前記エアダクトの出口が前記第2収容室に連通することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記固定インペラは第1固定インペラ及び第2固定インペラを含み、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングから離れる側に第1吸風口が形成され、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングに近接する側に第1出風口が形成され、
前記第1吸風口から前記第1出風口までの方向において前記可動インペラ、前記第1固定インペラ及び前記第2固定インペラが順次設けられることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記第2固定インペラは第2固定インペラ本体と、前記第2固定インペラ本体の周方向を取り囲んで前記第2固定インペラ本体の外周に周設される接続部とを備え、
前記第1出風口が前記接続部に当接されることを特徴とする請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記接続部の外周面には、前記接続部の外周面を前記ファンハウジングに近接する第1接続端及び前記ファンハウジングから離れる第2接続端に分けるための制限用凸リングが周設され、
前記第1出風口が前記第1接続端に当接され、前記第2接続端が前記モータハウジングの軸方向に沿って前記環状支持フレームに係着されることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記外カバーは第3収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第3収容室は前記外カバーの前記モータハウジングから離れる側に第2吸風口が形成され、前記第3収容室は前記外カバーの前記モータハウジングに近接する側に第2出風口が形成され、
前記第2出風口に係着構造が設置され、前記外カバーが前記係着構造により前記環状支持フレームに接続され、前記導風溝と前記係着構造とが同一バスの延長コードに位置し、且つ前記導風溝の入口が前記係着構造に隣接して設置されることを特徴とする請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記第2固定インペラ及び/又は前記環状支持フレームには前記係着構造に係合する係止溝が設けられることを特徴とする請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部に開口が設けられ、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられ、
前記メインハウジングに前記環状支持フレームが形成され、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成され、前記モータハウジング内に空気が流れる空間を形成するように前記モータ本体と前記モータハウジングの内壁との間に取付隙間があることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項9】
前記モータ本体は前記モータハウジングに設けられる回転軸と、前記第1収容室内に位置し且つ前記回転軸に固定して設置される回転子と、前記第1収容室内に設けられ且つ前記回転子の外周に囲設される固定子とを備え、前記回転軸の前記メインハウジング外まで延在する部分が前記可動インペラに接続され、
前記固定子に複数のコイルが巻き付けられ、隣接する2つごとの前記コイルの間に少なくとも1つの前記空気流路が設けられることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項10】
乾湿両用モータに防水シール構造が更に設けられ、
前記防水シール構造は前記回転軸に設けられ且つ前記回転軸に従って回転する防水ガスケットと、前記モータハウジングに形成され且つ前記防水ガスケットに係合するシール部とを備え、
前記防水ガスケットには前記回転軸の周方向を取り囲んで配置される第1環状リブが設けられ、前記シール部内には前記回転軸の周方向を取り囲んで配置される第2環状リブが設けられ、前記第1環状リブと前記第2環状リブとが間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項9に記載のモータ。
【請求項11】
モータであって、
第1収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第1収容室に連通する第1吸気口が設けられるモータハウジングと、
前記モータハウジングに設けられるファンハウジングであって、第2収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングから離れる側に第1吸風口が形成されるファンハウジングと、
前記第2収容室内に設けられ、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、
前記モータハウジングに設けられ且つ前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、前記第1吸風口の延在方向と一致する第2吸風口が設けられる外カバーと、
前記可動インペラを駆動して回転させるように、前記モータハウジングに設けられ且つ前記第1収容室から部分的に延出して前記可動インペラに接続され、これにより前記第2収容室に負圧を形成させるモータ本体と、を備え、
前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が形成され、前記外カバーの内壁と前記ファンハウジングの外壁との間には前記空気流路と前記第2収容室とを連通するエアダクトが形成され、前記可動インペラが動作するとき、それが発生した負圧によって空気を第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記空気流路、前記エアダクト及び前記第2収容室を順次流れてから排出させることを特徴とするモータ。
【請求項12】
前記外カバーの内壁に導風溝が形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されて前記エアダクトを形成することを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項13】
前記エアダクトの出口部分が前記第2吸風口の孔壁に形成されることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項14】
前記ファンハウジングが前記外カバー内に設けられることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項15】
前記外カバーは緩衝カバーであって、ゴム材料で製造されることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項16】
前記外カバーには前記第2吸風口に対向する第2出風口が更に形成され、前記第2出風口に係着構造が設けられ、前記外カバーが前記係着構造により前記モータハウジングに取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項17】
前記モータ本体が回転中心軸線を有し、前記第1吸気口の延在方向が前記回転中心軸線の延在方向に共線又は平行し、前記空気流路の延在方向が前記回転中心軸線の延在方向に垂直であることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項18】
前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部が開口して設置され、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられることを特徴とする請求項11に記載のモータ。
【請求項19】
前記ファンハウジングが前記メインハウジングの前記裏蓋から離れる側に設けられ、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成され、前記空気流路が前記メインハウジングの前記ファンハウジングに近接する側に設けられることを特徴とする請求項18に記載のモータ。
【請求項20】
前記モータ本体は前記モータハウジングに設けられる回転軸と、前記第1収容室内に位置し且つ前記回転軸に固定される回転子と、前記第1収容室内に設けられ且つ前記回転子の外周に囲設される固定子とを備え、前記回転軸の前記メインハウジング外まで延在する部分が前記可動インペラに接続され、
前記モータ本体と前記モータハウジングの内壁との間には気流の流動空間を提供するための取付隙間があることを特徴とする請求項19に記載のモータ。
【請求項21】
モータであって、
環状支持フレームが設けられるモータハウジングであって、前記環状支持フレームが前記モータハウジングの周方向に沿って前記モータハウジングの外側に周設されるモータハウジングと、
前記モータハウジングの片側に設けられ、第2収容室を形成するように内部が中空に設置されるファンハウジングと、
前記第2収容室内に設けられ、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、
前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、且つ前記環状支持フレームに係着される外カバーと、を備え、
前記外カバーの前記環状支持フレームに近接する側には係着構造が設けられ、前記外カバーが前記係着構造により前記環状支持フレームに係着されることを特徴とするモータ。
【請求項22】
前記外カバーは第3収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第3収容室は前記外カバーの前記環状支持フレームに近接する側に第2出風口が形成され、前記第3収容室は前記外カバーの前記環状支持フレームから離れる側に第2吸風口が形成され、
前記係着構造が前記第2出風口に設けられることを特徴とする請求項21に記載のモータ。
【請求項23】
前記係着構造が前記第2出風口の内壁に形成される係止ブロックであることを特徴とする請求項22に記載のモータ。
【請求項24】
前記モータは更に、
前記第2収容室内に部分的に位置し、前記可動インペラにより排出された気流の流れ方向を案内するための固定インペラを備え、
前記外カバーに沿う第2吸風口から第2出風口までの方向において前記可動インペラ及び前記固定インペラが順次設けられることを特徴とする請求項22に記載のモータ。
【請求項25】
前記モータハウジングは第1収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する第1吸気口が設けられ、
前記第1収容室と前記第2収容室との間を、前記モータハウジングの内部を放熱するための放熱通路により連通することを特徴とする請求項21に記載のモータ。
【請求項26】
前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が更に形成され、前記空気流路の出口が前記環状支持フレームの外周面に形成されることを特徴とする請求項25に記載のモータ。
【請求項27】
前記外カバーに導風溝が形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されて、前記空気流路と前記第2収容室とを連通することができるエアダクトを形成し、前記可動インペラが回転するとき、それが発生した負圧によって空気を第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記空気流路、前記エアダクト及び前記第2収容室を順次流れてから排出させることができ、
前記空気流路と前記エアダクトとが前記第1収容室と前記第2収容室とを連通するための前記放熱通路を構成することを特徴とする請求項26に記載のモータ。
【請求項28】
前記導風溝の入口が前記係着構造に隣接して設置されることを特徴とする請求項27に記載のモータ。
【請求項29】
前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部に開口が設けられ、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられることを特徴とする請求項25に記載のモータ。
【請求項30】
前記メインハウジングに前記環状支持フレームが形成され、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成されることを特徴とする請求項29に記載のモータ。
【請求項31】
モータであって、
モータハウジングと、
前記モータハウジングに設けられる回転軸を含み、前記回転軸の一方の端部が前記モータハウジングから延出するモータ本体と、
前記回転軸を覆うように設けられ、防水シールするための防水ガスケットと、を備え、
前記モータハウジングの一端には前記防水ガスケットに係合するシール部が設けられ、前記防水ガスケットには前記回転軸の周方向を取り囲んで配置され且つ前記シール部に向かって延在する複数の第1防水部が設けられ、前記シール部内には前記回転軸の周方向を取り囲んで配置され且つ前記防水ガスケットに向かって延在する複数の第2防水部が設けられ、水蒸気が前記モータハウジングに入ることを防止するように前記第1防水部と前記第2防水部とが間隔を置いて設置されることを特徴とするモータ。
【請求項32】
前記複数の第1防水部は同心に設置される複数の第1環状リブであり、隣接する前記第1環状リブが囲設されて同心に配置される第1環状溝を形成し、
前記複数の第2防水部は同心に設置される複数の第2環状リブであり、前記複数の第2環状リブが前記シール部を同心に配置される複数の第2環状溝に分け、
水蒸気の流動経路を延ばすように、前記第1環状溝に第2環状リブが収容され、前記第2環状溝に第1環状リブが収容されることを特徴とする請求項31に記載のモータ。
【請求項33】
前記第1環状リブの自由端が前記第2環状溝の溝底に当接されることを特徴とする請求項32に記載のモータ。
【請求項34】
前記第2環状溝の数が2つ乃至3つであることを特徴とする請求項32に記載のモータ。
【請求項35】
前記防水ガスケットが前記回転軸に従って同期して回転し、摩擦を軽減するように前記第1環状リブの側壁と前記第2環状溝の側壁とが隙間を空けて設置されることを特徴とする請求項32に記載のモータ。
【請求項36】
前記モータは更に可動インペラ及び固定インペラを備え、
前記可動インペラが前記回転軸の前記モータハウジングから延出する一方の端部に設けられ、送風するためのものであり、
前記固定インペラが前記モータハウジングの一端に設けられ、
前記可動インペラに当接されて前記可動インペラと前記固定インペラとの摩擦を軽減するように、前記防水ガスケットの軸方向における厚さを前記シール部の深さ以上とすることを特徴とする請求項31に記載のモータ。
【請求項37】
前記固定インペラは前記可動インペラに隣接して設置される第1固定インペラを含み、
前記第1固定インペラの前記可動インペラに近接する側の端面には前記可動インペラと前記第1固定インペラとの摩擦を軽減するための凹み溝が成形されることを特徴とする請求項36に記載のモータ。
【請求項38】
前記凹み溝が前記第1固定インペラの中心からエッジ方向へ延在することを特徴とする請求項37に記載のモータ。
【請求項39】
前記モータは前記可動インペラと前記第1固定インペラとを覆うファンハウジングを更に備えることを特徴とする請求項38に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はモータ技術分野に関し、特にブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータとは電磁誘導法則に基づいて電力変換又は伝達を実現する電磁装置の1種である。直流モータは構造及び動作原理によってブラシレス直流モータ及びブラシ付直流モータに分けられてもよい。ブラシレスモータは我が中国では発展時間が短いが、技術が日増しに成熟し、改善されていくにつれて速く発展している。既に船や飛行機の模型、医療機械、家庭用電気製品、電動自転車などの複数の分野に広く応用されているが、従来のモータは放熱効果が低いため、モータ内部の温度上昇が高く、モータの使用性能に悪影響を及ぼしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記技術の欠点に対して、本願は放熱効果が高い利点を有するモータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的問題を解決するために、本願が用いる技術案は以下のとおりである。
モータであって、第1収容室を形成するように内部が中空に設置されるモータハウジングであって、環状支持フレームが設けられ、前記環状支持フレームが前記モータハウジングの周方向を取り囲んで前記モータハウジングの外側に周設されるモータハウジングと、前記モータハウジングの前記環状支持フレームに近接する側に取り外し可能に設置され、且つ前記環状支持フレームに係着される固定インペラと、前記固定インペラに当接され、第2収容室を形成するように内部が中空に設置されるファンハウジングと、前記第2収容室内に設けられ且つ前記固定インペラの前記環状支持フレームから離れる側に位置し、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、且つ前記環状支持フレームに係着される外カバーと、前記可動インペラを駆動して回転させるように、前記モータハウジングに設けられ且つ前記収容室から部分的に延出して前記可動インペラに接続され、これにより前記第2収容室に負圧を形成させるモータ本体と、を備え、前記モータには前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する放熱通路が更に設けられ、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する第1吸気口が更に設けられ、前記可動インペラが回転するとき、それが発生した負圧によって空気を前記第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記放熱通路及び前記第2収容室を順次流れてから排出させる。
【0005】
本願の一実施例では、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が形成され、前記空気流路は前記第1収容室から前記環状支持フレームまで延在し、前記空気流路の出口が前記環状支持フレームの外周面に形成され、前記外カバーの内壁には前記空気流路と前記第2収容室とを連通する導風溝が少なくとも形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されてエアダクトを形成し、前記空気流路と前記エアダクトとが前記放熱通路を構成し、前記エアダクトの入口が前記空気流路の出口に対向し、前記エアダクトの出口が前記第2収容室に連通する。
【0006】
本願の一実施例では、前記固定インペラは第1固定インペラ及び第2固定インペラを含み、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングから離れる側に第1吸風口が形成され、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングに近接する側に第1出風口が形成され、前記第1吸風口から前記第1出風口までの方向において前記可動インペラ、前記第1固定インペラ及び前記第2固定インペラが順次設けられる。
【0007】
本願の一実施例では、前記第2固定インペラは第2固定インペラ本体と、前記第2固定インペラ本体の周方向を取り囲んで前記第2固定インペラ本体の外周に周設される接続部とを備え、前記第1出風口が前記接続部に当接される。
【0008】
本願の一実施例では、前記接続部の外周面には、前記接続部の外周面を前記ファンハウジングに近接する第1接続端及び前記ファンハウジングから離れる第2接続端に分けるための制限用凸リングが周設され、前記第1出風口が前記第1接続端に当接され、前記第2接続端が前記モータハウジングの軸方向に沿って前記環状支持フレームに係着される。
【0009】
本願の一実施例では、前記外カバーは第3収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第3収容室は前記外カバーの前記モータハウジングから離れる側に第2吸風口が形成され、前記外カバーの前記モータハウジングに近接する側に第2出風口が形成され、前記第2出風口に係着構造が設置され、前記外カバーが前記係着構造により前記環状支持フレームに接続され、前記導風溝と前記係着構造とが同一バスの延長コードに位置し、且つ前記導風溝の入口が前記係着構造に隣接して設置される。
【0010】
本願の一実施例では、前記第2固定インペラ及び/又は前記環状支持フレームには前記係着構造に係合する係止溝が設けられる。
【0011】
本願の一実施例では、前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部に開口が設けられ、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられ、前記メインハウジングに前記環状支持フレームが形成され、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成され、前記モータハウジング内に空気が流れる空間を形成するように前記モータ本体と前記モータハウジングの内壁との間に取付隙間がある。
【0012】
本願の一実施例では、前記モータ本体は前記モータハウジングに設けられる回転軸と、前記第1収容室内に位置し且つ前記回転軸に固定して設置される回転子と、前記第1収容室内に設けられ且つ前記回転子の外周に囲設される固定子とを備え、前記回転軸の前記メインハウジング外まで延在する部分が前記可動インペラに接続され、前記固定子に複数のコイルが巻き付けられ、隣接する2つごとの前記コイルの間に少なくとも1つの前記空気流路が設けられる。
【0013】
本願の一実施例では、前記モータに防水シール構造が更に設けられ、前記防水シール構造は前記回転軸に設けられ且つ前記回転軸に従って回転する防水ガスケットと、前記モータハウジングに形成され且つ前記防水ガスケットに係合するシール部とを備え、前記防水ガスケットには前記回転軸の周方向を取り囲んで配置される第1環状リブが設けられ、前記シール部には前記回転軸の周方向を取り囲んで配置される第2環状リブが設けられ、前記第1環状リブと前記第2環状リブとが間隔を置いて配置される。
【0014】
本発明は更にモータを提供し、第1収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第1収容室に連通する第1吸気口が設けられるモータハウジングと、前記モータハウジングに設けられるファンハウジングであって、第2収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングから離れる側に第1吸風口が形成されるファンハウジングと、前記第2収容室内に設けられ、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、前記モータハウジングに設けられ且つ前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、前記第1吸風口の延在方向と一致する第2吸風口が設けられる外カバーと、前記可動インペラを駆動して回転させるように、前記モータハウジングに設けられ且つ前記第1収容室から部分的に延出して前記可動インペラに接続され、これにより前記第2収容室に負圧を形成させるモータ本体と、を備え、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が形成され、前記外カバーの内壁と前記ファンハウジングの外壁との間には前記空気流路と前記第2収容室とを連通するエアダクトが形成され、前記可動インペラが動作するとき、それが発生した負圧によって空気を第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記空気流路、前記エアダクト及び前記第2収容室を順次流れてから排出させる。
【0015】
本願の一実施例では、前記外カバーの内壁に導風溝が形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されて前記エアダクトを形成する。
【0016】
本願の一実施例では、前記エアダクトの出口部分が前記第2吸風口の孔壁に形成される。
【0017】
本願の一実施例では、前記ファンハウジングが前記外カバー内に設けられる。
【0018】
本願の一実施例では、前記外カバーは緩衝カバーであって、ゴム材料で製造される。
【0019】
本願の一実施例では、前記外カバーには前記第2吸風口に対向する第2出風口が更に形成され、前記第2出風口に係着構造が設けられ、前記外カバーが前記係着構造により前記モータハウジングに取り外し可能に接続される。
【0020】
本願の一実施例では、前記モータ本体が回転中心軸線を有し、前記第1吸気口の延在方向が前記回転中心軸線の延在方向に共線又は平行し、前記空気流路の延在方向が前記回転中心軸線の延在方向に垂直である。
【0021】
本願の一実施例では、前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部が開口して設置され、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられる。
【0022】
本願の一実施例では、前記ファンハウジングが前記メインハウジングの前記裏蓋から離れる側に設けられ、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成され、前記空気流路が前記メインハウジングの前記ファンハウジングに近接する側に設けられる。
【0023】
本願の一実施例では、前記モータ本体は前記モータハウジングに設けられる回転軸と、前記第1収容室内に位置し且つ前記回転軸に固定される回転子と、前記第1収容室内に設けられ且つ前記回転子の外周に囲設される固定子とを備え、前記回転軸の前記メインハウジング外まで延在する部分が前記可動インペラに接続され、前記モータ本体と前記モータハウジングの内壁との間には気流の流動空間を提供するための取付隙間がある。
【0024】
本発明は更にモータを提供し、環状支持フレームが設けられるモータハウジングであって、前記環状支持フレームが前記モータハウジングの周方向に沿って前記モータハウジングの外側に周設されるモータハウジングと、前記モータハウジングの片側に設けられ、第2収容室を形成するように内部が中空に設置されるファンハウジングと、前記第2収容室内に設けられ、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、且つ前記環状支持フレームに係着される外カバーと、を備え、前記外カバーの前記環状支持フレームに近接する側には係着構造が設けられ、前記外カバーが前記係着構造により前記環状支持フレームに係着される。
【0025】
本願の一実施例では、前記外カバーは第3収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第3収容室は前記外カバーの前記環状支持フレームに近接する側に第2出風口が形成され、前記外カバーの前記環状支持フレームから離れる側に第2吸風口が形成され、前記係着構造が前記第2出風口に設けられる。
【0026】
本願の一実施例では、前記係着構造が前記第2出風口の内壁に形成される係止ブロックである。
【0027】
本願の一実施例では、前記モータは、前記第2収容室内に部分的に位置し、前記可動インペラにより排出された気流の流れ方向を案内するための固定インペラを更に備え、前記外カバーに沿う第2吸風口から第2出風口までの方向において前記可動インペラ及び前記固定インペラが順次設けられる。
【0028】
本願の一実施例では、前記モータハウジングは第1収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する第1吸気口が設けられ、前記第1収容室と前記第2収容室との間を、前記モータハウジングの内部を放熱するための放熱通路により連通する。
【0029】
本願の一実施例では、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が更に形成され、前記空気流路の出口が前記環状支持フレームの外周面に形成される。
【0030】
本願の一実施例では、前記外カバーに導風溝が形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されて、前記空気流路と前記第2収容室とを連通することができるエアダクトを形成し、前記可動インペラが回転するとき、それが発生した負圧によって空気を第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記空気流路、前記エアダクト及び前記第2収容室を順次流れてから排出させることができ、前記空気流路と前記エアダクトとが前記第1収容室と前記第2収容室とを連通するための前記放熱通路を構成する。
【0031】
本願の一実施例では、前記導風溝の入口が前記係着構造に隣接して設置される。
【0032】
本願の一実施例では、前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部に開口が設けられ、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられる。
【0033】
本願の一実施例では、前記メインハウジングに前記環状支持フレームが形成され、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成される。
【0034】
本発明は更にモータを提供し、モータハウジングと、前記モータハウジングに設けられる回転軸を含み、前記回転軸の一方の端部が前記モータハウジングから延出するモータ本体と、前記回転軸を覆うように設けられ、防水シールするための防水ガスケットと、を備え、前記モータハウジングの一端には前記防水ガスケットに係合するシール部が設けられ、前記防水ガスケットには前記回転軸の周方向を取り囲んで配置され且つ前記シール部に向かって延在する複数の第1防水部が設けられ、前記シール部内には前記回転軸の周方向を取り囲んで配置され且つ前記防水ガスケットに向かって延在する複数の第2防水部が設けられ、水蒸気が前記モータハウジングに入ることを防止するように前記第1防水部と前記第2防水部とが間隔を置いて設置される。
【0035】
本願の一実施例では、前記複数の第1防水部は同心に設置される複数の第1環状リブであり、隣接する前記第1環状リブが囲設されて同心に配置される第1環状溝を形成し、前記複数の第2防水部は同心に設置される複数の第2環状リブであり、前記複数の第2環状リブが前記シール部を同心に配置される複数の第2環状溝に分け、水蒸気の流動経路を延ばすように、前記第1環状溝に第2環状リブが収容され、前記第2環状溝に第1環状リブが収容される。
【0036】
本願の一実施例では、前記第1環状リブの自由端が前記第2環状溝の溝底に当接される。
【0037】
本願の一実施例では、前記第2環状溝の数が2つ乃至3つである。
【0038】
本願の一実施例では、前記防水ガスケットが前記回転軸に従って同期して回転し、摩擦を軽減するように前記第1環状リブの側壁と前記第2環状溝の側壁とが隙間を空けて設置される。
【0039】
本願の一実施例では、前記モータは更に可動インペラ及び固定インペラを備え、前記可動インペラが前記回転軸の前記モータハウジングから延出する一方の端部に設けられ、送風するためのものであり、前記固定インペラが前記モータハウジングの一端に設けられ、前記可動インペラに当接されて前記可動インペラと前記固定インペラとの摩擦を軽減するように、前記防水ガスケットの軸方向における厚さを前記シール部の深さ以上とする。
【0040】
本願の一実施例では、前記固定インペラは前記可動インペラに隣接して設置される第1固定インペラを含み、前記第1固定インペラの前記可動インペラに近接する側の端面には前記可動インペラと前記第1固定インペラとの摩擦を軽減するための凹み溝が成形される。
【0041】
本願の一実施例では、前記凹み溝が前記第1固定インペラの中心からエッジ方向へ延在する。
【0042】
本願の一実施例では、前記モータは前記可動インペラと前記第1固定インペラとを覆うファンハウジングを更に備える。
【発明の効果】
【0043】
従来技術に比べて、本願の有益な効果は以下のとおりである。
本願に係るモータは、放熱通路によりモータハウジングの第1収容室とファンハウジングの第2収容室とを連通し、可動インペラが第2収容室内に発生した負圧によってモータハウジングの外部での比較的冷たい空気をモータハウジングに吸い込み、モータハウジング内での比較的熱い空気が上記放熱通路を通って第2収容室に流れてからファンハウジングから排出され、放熱効果が高い利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の記述に必要な図面を簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する図面は単に本願の実施例の一例であって、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本願に係るモータの実施例1における構造模式図である。
【
図5】
図1における防水ガスケットの構造模式図である。
【
図6】
図1におけるファンハウジングの構造模式図である。
【
図8】
図1における第1固定インペラの構造模式図である。
【
図9】
図1における第2固定インペラの構造模式図である。
【
図10】
図1における空気流路と固定子との位置関係の模式図である。
【
図11】本願に係るモータの実施例2における半断面構造の模式図である。
【
図14】
図11における第1固定インペラの構造模式図である。
【
図15】
図11における第2固定インペラの構造模式図である。
【
図16】本願に係るモータの実施例3における分解構造模式図である。
【
図18】本願に係るモータの実施例4における分解構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確にして理解しやすくするために、以下に図面を参照しながら本願の具体的な実施形態を詳しく説明する。理解されるように、ここで説明される具体的な実施例は本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。また、更に説明されるように、説明しやすくするために、図面にはすべての構造ではなく本願に関わる部分のみを示す。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく取得したすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0046】
本願における用語「備える」、「有する」及びそれらの任意の変形は非排他的包含を含むように意図される。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は装置は列挙したステップ又はユニットに限定されるのではなく、選択肢として列挙しないステップ又はユニットを更に含み、又は、選択肢としてこれらの過程、方法、製品又は装置固有の他のステップ又はユニットを更に含む。
【0047】
本明細書に言及した「実施例」は実施例を参照して説明した特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の各位置に該用語が出現することは必ずいずれも同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と排他性のある独立した又は代替の実施例でもない。当業者であれば明示的又は暗示的に理解されるように、本明細書に説明される実施例が他の実施例と組み合わせられてもよい。
【0048】
実施例1
図1~
図10を参照し、本願はモータ100を提供し、モータハウジング120と、モータハウジング120に取り付けられるモータ本体110、可動インペラ130及びファンハウジング140とを備える。モータハウジング120は第1収容室1211を形成するように内部が中空に設置される。モータ本体110をモータハウジング120に取り付けることを容易にするために、モータハウジング120はメインハウジング121及び裏蓋122を備え、メインハウジング121は内部が中空であって底端部が開口して設置され、裏蓋122は第1収容室1211を形成するようにメインハウジング121の底部開口に取り外し可能に被せられる。これにより、モータ本体110を取り付けるとき、裏蓋122をメインハウジング121から取り外した後、モータ本体110をメインハウジング121に容易に取り付けることができる。モータ本体110は、モータハウジング120に回転可能に設置される回転軸111と、第1収容室1211内に位置し且つ回転軸111に固定される回転子112と、第1収容室1211内に設けられ且つ回転子112の外周に囲設される固定子113と、第1収容室1211内に位置し且つ固定子113に電気的に接続される駆動板114と、を備える。回転軸111のメインハウジング121外まで延在する部分が可動インペラ130に接続され、本願では、回転軸111の頂部がメインハウジング121外まで延在し、回転軸111の頂部が可動インペラ130に接続され、可動インペラ130が回転軸111の回転につれて回転し、ここの「頂部」、「底部」の表現は単に説明のためのものであって、本願を制限するものと理解すべきではない。ファンハウジング140はメインハウジング121の裏蓋122から離れる側に設けられ且つ可動インペラ130に覆設され、ファンハウジング140は第2収容室141を形成するように内部が中空に設置され、第2収容室141はファンハウジング140のモータハウジング120から離れる側には第2収容室141に連通する第1吸風口142が形成され、第2収容室141はファンハウジング140のモータハウジング120に近接する側には第2収容室141に連通する第1出風口143が形成され、本願では、第2収容室141はファンハウジング140の軸方向に沿ってそれを貫通する貫通孔であると理解されてもよく、可動インペラ130は第2収容室141内に位置する。可動インペラ130は可動インペラ入風口131及び可動インペラ出風口132を有し、可動インペラ出風口132が外部大気に連通する。回転軸111が可動インペラ130を駆動して回転させる場合、空気は第1吸風口142から第2収容室141に入った後、複数の可動インペラ入風口131を通って複数の可動インペラ出風口132へ流れ、それにより可動インペラ130が第2収容室141内に送風して高速気流を形成することが実現され、これにより第2収容室141に負圧を形成させる。
【0049】
従来の乾湿両用モータは動作過程において、モータハウジング120内の固定子113及び駆動板114が大量の熱を生成することとなるが、モータハウジング120内の空気が効果的に流れることができず、固定子113及び駆動板114を放熱することができず、このため、モータの温度上昇が高すぎて、モータが正常に使用できなくなってしまう。モータハウジング120内の固定子113及び駆動板114を放熱できるために、本願のモータ100にはモータハウジング120の第1収容室1211とファンハウジング140の第2収容室141とを連通する放熱通路が少なくとも設けられ、モータハウジング120の底部には第1収容室1211に連通する第1吸気口1221が設けられ、第1吸気口1221は裏蓋122の中央に形成され、吸気するためのものである。放熱通路と第1吸気口1221とがそれぞれモータハウジング120の対向両側に位置し、本実施例では、第1吸気口1221がモータハウジング120の底部に形成され、放熱通路がモータハウジング120の上方に位置する。モータ本体110とモータハウジング120の内壁との間には気流の流動空間を提供するための取付隙間がある。具体的に、上記流動空間を形成するように、固定子113とモータハウジング120の内壁との間、駆動板114とモータハウジング120の内壁との間にはいずれも取付隙間がある。本願のモータが動作するとき、可動インペラ130を駆動して回転させて、第2収容室141に負圧を形成させ、このとき、モータハウジング120の外部の気流Q1が第1吸気口1221を通って第1収容室1211に入り、第1収容室1211内に入った気流Q2が下から上へ駆動板114及び固定子113を通過してから放熱通路を通って第2収容室141に入り、第2収容室141内の気流Q5が可動インペラ130によりファンハウジング140から排出され、ファンハウジング140から排出された気流Q7が外部大気に入る。これにより、可動インペラ130が第2収容室141内に発生した負圧によってモータハウジング120の外部の比較的冷たい空気をモータハウジング120に吸い込むことができるが、モータハウジング120内の比較的熱い空気が上記放熱通路を通って第2収容室141に流れてからファンハウジング140から排出され、モータハウジング120内の固定子113及び駆動板114を効果的に放熱することができ、モータの温度上昇が高すぎることを回避し、モータの動作効率及び耐用年数を向上させる。
【0050】
モータが使用時に振動により騒音が生じることとなり、騒音がモータの使用性能及びユーザー体験に大きく影響することが考えられる。モータの騒音を低減するために、ファンハウジング140の外周面を覆うように外カバー150が設けられ、外カバー150は振動及び騒音を遮断するためのものであって、モータの使用性能及びユーザー体験を効果的に向上させることができ、具体的な応用シーンにおいて、上記外カバー150は緩衝カバーであって、ゴム材料で製造される。本実施例では、ファンハウジング140は外カバー150内に設けられ、且つ外カバー150によりモータハウジング120に取り外し可能に接続されることは、ファンハウジング140と外カバー150とを組み立ててからモータハウジング120に取り外し可能に接続すると理解されてもよい。具体的に、外カバー150は第3収容室を形成するように内部が中空に設置され、第3収容室は外カバー150のモータハウジング120から離れる側に第2吸風口152が形成され、外カバー150のモータハウジング120に近接する側に第2出風口153が形成され、ファンハウジング140は第3収容室内に位置する。ファンハウジング140及び外カバー150はそれぞれモータ本体110の回転中心軸線Lと同軸に設置され、上記回転中心軸線Lが回転軸111の中心軸線である。第2吸風口152及び第1吸風口142の延在方向が一致し、ここの延在方向とはファンハウジング140及び外カバー150の軸方向を指す。第1吸気口1221の延在方向が回転中心軸線Lの延在方向に共線又は平行する。
【0051】
本実施例では、メインハウジング121の頂部に環状支持フレーム1213が設けられ、環状支持フレーム1213がメインハウジング121の周方向を取り囲んでメインハウジング121の外周に周設され、環状支持フレーム1213がファンハウジング140に近接して設置される。メインハウジング121の頂部には第1収容室1211に連通する空気流路1212が少なくとも更に形成され、空気流路1212がメインハウジング121のファンハウジング140に近接する側に設けられる。空気流路1212が第1収容室1211から環状支持フレーム1213まで延在し、空気流路1212と環状支持フレーム1213とが一体に成形された全体構造であり、空気流路1212の延在方向が回転中心軸線Lの延在方向に垂直である。外カバー150とファンハウジング140との間には空気流路1212と第2収容室141とを連通するエアダクトが少なくとも存在する。本実施例では、エアダクトと空気流路1212とが第1収容室1211と第2収容室141とを連通する放熱通路を構成し、空気流路1212がエアダクトに1対1で対応して設置される。
【0052】
具体的に、外カバー150の内壁にはそのバスに沿って配置され且つ空気流路1212と第2収容室141とを連通する導風溝151が少なくとも形成され、導風溝151とファンハウジング140の外壁とが囲設されて上記エアダクトを形成する。導風溝151が外カバー150のバス方向に沿って延在し、バスとは外カバー150の曲面を形成する動線を指す。空気流路1212の出口が環状支持フレーム1213の外周面に形成され、エアダクトの入口が空気流路1212の出口に対向し、第2収容室141に連通するようにエアダクトの出口部分が第2吸風口152の孔壁に形成される。エアダクトの出口部分が第2吸風口152の孔壁に成形されることとは導風溝151の出口が第2吸風口152の孔壁に成形されることを意味する。可動インペラ130が動作するとき、それが発生した負圧によって、気流Q1が第1吸気口1221から第1収容室1211に流れ込み、第1収容室1211に入った気流Q2が駆動板114及び固定子113を通過してから上向きに流れて空気流路1212に入り、空気流路1212に入った気流Q3が上向きにエアダクトを流れ、エアダクト内の気流Q4が順に第2吸風口152及び第1吸風口142を通って第2収容室141に入り、第2収容室141に入った気流Q5が可動インペラ130を通ってから外カバー150から排出されるようにする。
【0053】
図10を参照し、固定子113上の熱を最大程度で持ち去ってより理想的な放熱効果を実現するために、固定子113に巻き付けられる複数のコイルと空気流路1212との設置関係は、隣接する2つごとのコイルの間に少なくとも1つの空気流路1212が設けられることであり、従って、放熱効果が高い利点を有する。具体的な応用シーンにおいて、コイルの数がiであり、空気流路1212の数がjであり、i=jであり、即ち隣接する2つごとのコイルの間に1つの空気流路1212が設けられ、これにより、固定子113を十分に放熱することが確保される上で、モータ100の構造をできる限り簡素化する。
【0054】
外カバー150の取付容易性を考慮した上で、ファンハウジング140と外カバー150とを一体に組み立ててから環状支持フレーム1213に係着する。具体的に、外カバー150の第2出風口153に係着構造154が設けられ、外カバー150が係着構造154により環状支持フレーム1213に係着され、ファンハウジング140が外カバー150によりモータハウジング120に設けられる。係着構造154は第2出風口153の内壁に形成される係止ブロックであり、係止ブロックが第2出風口153の周方向に沿って等間隔で配置される。
【0055】
空気流路1212と導風溝151との接続箇所に空気漏れ現象が発生して、干渉が生じて空気流路1212内に負圧が発生することを回避するために、好ましくは、係止ブロック及び導風溝151を同一バスの延長コードに位置させ、且つ導風溝151の入口を係止ブロックに隣接して設置する。これにより、係止ブロックは係止のために使用される以外に、気流の流動方向を案内する役割を更に有する。可動インペラ130が動作するとき、それが発生した負圧によって第1収容室1211内の気流が空気流路1212、外カバー150の導風溝151、第2吸風口152、第1吸風口142及び第2収容室141を順次流れ、最後に可動インペラ130により大気に直接排出されるようにする。上記過程において、気流が空気流路1212から流れ出した後、係止ブロックの阻止作用により空気流路1212を大気に直接連通することなく、導風溝151の入口に連通し、それにより第1収容室1211から流れ出した気流は可動インペラ130の作用によって空気流路1212、導風溝151、第2吸風口152、第1吸風口142及び第2収容室141に沿って、最後に可動インペラ130の可動インペラ出風口132から排出されるようにする。係止ブロックが導風溝151の入口に隣接して設置されていない場合、空気流路1212と導風溝151との接続箇所に空気漏れ現象が発生する恐れがあり、干渉が生じて空気流路1212内に負圧が発生することとなり、このように、モータハウジング120内の気流は負圧の作用によって空気流路1212から流れ出すことができず、これにより放熱効果に悪影響を及ぼしてしまう。
【0056】
前記モータは更に固定インペラ160を備え、固定インペラ160が気流の流れ方向を案内し、騒音を低減する機能を有する。固定インペラ160はメインハウジング121の頂部に取り外し可能に設置され、且つ環状支持フレーム1213に係着される。気流の流れ方向の案内効果を向上させるために、固定インペラ160は第1固定インペラ161及び第2固定インペラ162を含み、第1固定インペラ161と第2固定インペラ162とがねじでメインハウジング121の頂部に固定して設置される。回転軸111の一方の端部はメインハウジング121から外側まで延在した後、第2固定インペラ162、第1固定インペラ161及び可動インペラ130を順次貫通し、即ち第1吸風口142から第1出風口143までの方向において可動インペラ130、第1固定インペラ161及び第2固定インペラ162が順次設けられる。ファンハウジング140は可動インペラ130及び第1固定インペラ161を覆って第2固定インペラ162のモータハウジング120から離れる側に当接され、これにより分かるように、外カバー150が環状支持フレーム1213に係着された後、ファンハウジング140の第1出風口143が第2固定インペラ162のモータハウジング120から離れる側に当接され、可動インペラ130と第1固定インペラ161とが第2収容室141内に位置し、第2固定インペラ162が第2収容室141の外側に部分的に位置する。可動インペラ130が回転するとき、気流が可動インペラ130の頂部の第1吸風口142から入り、気流Q5が可動インペラ130の側面の可動インペラ出風口132から固定インペラ160まで流れ、固定インペラ160での気流Q6が第1出風口143から排出され、ファンハウジング140から排出された気流Q7が外部大気に入る。第1固定インペラ161及び第2固定インペラ162を設置することによって、気流の流れ方向の案内効果を向上させることができ、より多くの風量を単位時間内に案内することができ、可動インペラ130が空気を吸い込むパワーを向上させ、更に気流によるモータの放熱効果を向上させる。
【0057】
具体的に、第2固定インペラ162は、第2固定インペラ本体1621と、第2固定インペラ本体1621の周方向を取り囲んで第2固定インペラ本体1621の外周に周設される接続部1622と、を備える。接続部1622がモータハウジング120の軸方向に沿って環状支持フレーム1213に係着され、ファンハウジング140の第1出風口143が接続部1622に当接される。これにより、モータの全体構造の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0058】
更に、接続部1622の外周面には、接続部1622の外周面をファンハウジング140に近接する第1接続端M及び前記ファンハウジング140から離れる第2接続端Nに分けるための制限用凸リング1623が周設され、第1接続端M及び第2接続端Nがそれぞれ制限用凸リング1623の対向両側に位置する。ファンハウジング140の第1出風口143が第1接続端Mに当接され、第2接続端Nがモータハウジング120の軸方向に沿って環状支持フレーム1213に係着され、第2接続端Nには係着構造154の取付位置を限定するための係止溝1624が更に形成され、理解されるように、上記係止溝1624が更に環状支持フレーム1213に設けられ、又は第2固定インペラ162及び環状支持フレーム1213に上記係止溝1624が同時に設けられてもよく、以上から分かるように、第2固定インペラ162及び/又は環状支持フレーム1213には係着構造154に係合する係止溝1624が設けられる。係止溝1624が接続部1622の第2接続端Nに設けられる場合、係止溝1624内に空気流路1212が収容され、係止溝1624が逆「U」字形を呈し、係着構造154が「U」字形の開口に係設される。係止溝1624が環状支持フレーム1213に設けられる場合、係止溝1624が環状支持フレーム1213の底部に設けられ、この状況は図面に示されていない。
【0059】
前記モータ100は実際に使用されるとき、第1吸気口1221から入った空気は乾燥空気であって水蒸気を含有せず、第2吸風口152及び第1吸風口142を通過して第2収容室141に入った空気は湿った空気であって水蒸気を含有する。可動インペラ出風口132は大気に連通し、可動インペラ130が回転するとき、第2吸風口152及び第1吸風口142から入った水蒸気含有空気は可動インペラ130の可動インペラ出風口132から大気に直接排出されることとなり、これにより防水を実現する。
【0060】
可動インペラ130は運動過程において熱が発生することとなり、可動インペラ130が運動を停止した後、凝縮水が生成しやすく、水蒸気が回転軸111とモータハウジング120との接続箇所でのスリットを通過してモータハウジング120の内部に入ることを防止するために、防水シール構造170を設置する必要があり、防水シール構造170が回転軸111のモータハウジング120から延出する側に位置する。防水シール構造170は防水ガスケット171と、モータハウジング120の先端に成形されて防水ガスケット171に係合するシール部172とを備える。第1固定インペラ161が中心孔1611を有し、シール部172が中心孔1611内に位置し、防水ガスケット171がシール部172の真上に位置する。防水ガスケット171は回転軸111を覆うように設けられ且つ回転軸111に従って回転し、防水シールするためのものである。具体的に、防水ガスケット171には回転軸111の周方向を取り囲んで配置され且つシール部172に向かって延在する複数の第1防水部が設けられ、シール部172内には回転軸111の周方向を取り囲んで配置され且つ防水ガスケット171に向かって延在する複数の第2防水部が設けられ、水蒸気がモータハウジング120に入ることを防止するように第1防水部と第2防水部とが間隔を置いて設置される。これにより、水蒸気の運動経路を効果的に延長させることができ、水蒸気がモータハウジング120の内部に入ることを低減又は回避することができ、モータの耐用年数を延ばす。
【0061】
更に、複数の第1防水部は同心に設置される複数の第1環状リブ1711であり、隣接する第1環状リブ1711が囲設されて同心に配置される第1環状溝1712を形成し、複数の第2防水部は同心に設置される複数の第2環状リブ1721であり、複数の第2環状リブ1721がシール部172を同心に配置される複数の第2環状溝1722に分ける。第1環状溝1712に第2環状リブ1721が収容され、第2環状溝1722に第1環状リブ1711が収容され、第1環状リブ1711と第2環状リブ1721とが間隔を置いて配置される。好ましくは、第2環状溝1722の数は2つ乃至3つであり、防水シールを実現するとともに構造を簡素化し、生産・製造の難しさを低減する。水蒸気をより良く遮断するために、第1環状リブ1711の自由端を第2環状溝1722の溝底に当接させる。防水ガスケットとシール部とが回転する際の摩擦を軽減するために、第1環状リブ1711の側壁と第2環状溝1722の側壁とが隙間を空けて設置される。
【0062】
可動インペラ130が回転軸111に取り付けられる場合、防水ガスケット171は可動インペラ130のガスケットとされ得る。具体的に、可動インペラ130に当接して可動インペラ130と第1固定インペラ161との摩擦を軽減するために、防水ガスケット171の軸方向における厚さをシール部172の深さ以上とする。第1固定インペラ161の前記可動インペラ130に近接する側の端面には凹み溝1612が成形され、凹み溝1612が第1固定インペラ161の中心からエッジ方向へ延在する。凹み溝1612は可動インペラ130と第1固定インペラ161との摩擦を更に低減するためのものである。
【0063】
実施例2
図11~
図15を参照し、実施例1との相違点は、外カバー150が設けられておらず、ファンハウジング140aが可動インペラ130aと固定インペラ160aを直接覆い、即ちすべてのインペラがファンハウジング140aで覆われ、ファンハウジング140aがモータハウジング120aに直接接続されることにある。それに対応して、放熱通路の設置形式及び位置が変化した。本実施例では、放熱通路が空気流路1212aである。
【0064】
具体的に、第2収容室141aはファンハウジング140aの前記モータハウジング120aから離れる側に第1吸風口142aが形成され、第2収容室141aはファンハウジング140aのモータハウジング120aに近接する側に第1出風口143aが形成され、第1出風口143aがモータハウジング120aの環状支持フレーム1213aに接続するためのものである。本実施例では、ファンハウジング140aとモータハウジング120aとが取り外し可能な接続であってもよく、取り外し不可能な接続であってもよい。
【0065】
固定インペラ160aの外輪面に複数の導風羽根が周設され、固定インペラ160a上の隣接する導風羽根が挟設されて空気が流れるための導風通路Hが形成され、第1収容室1211aと導風通路Hとの間には第1収容室1211aと導風通路Hとを連通するように空気流路1212aが設けられ、空気流路1212aの入口が第1収容室1211aに連通し、空気流路1212aの出口が導風通路Hに連通する。可動インペラ130aが動作するとき、それが発生した負圧によって気流を第1吸気口1221aから流れ込んで第1収容室1211a、空気流路1212a及び導風通路Hを順次流れてから排出させる。固定インペラ160aの送風効率を向上させるために、空気流路1212aの出口から流れ出した気流の運動方向が固定インペラ160aの導風通路H内の気流の運動方向と一致し、これにより、スムーズに送風でき、送風効率が高い利点を有する。
【0066】
更に、空気流路1212aは第1収容室1211aと導風通路Hとを連通する孔路であってもよく、又は、空気流路1212aは第1収容室1211aと導風通路Hとを連通するホース(図示せず)であってもよい。空気流路1212aが孔路である場合、空気流路1212aはモータハウジング120aに形成されるモータハウジング流路と、固定インペラ160aに形成される固定インペラ流路とを含み、モータハウジング流路が固定インペラ流路に連通する。上記モータハウジング流路が第1収容室1211aに連通し、上記固定インペラ流路が導風通路Hに連通する。空気流路1212aがホースによる接続方式を用いる場合、ホースは一方の端部が第1収容室1211aまで延在し、他方の端部が導風通路Hまで延在する。
【0067】
本実施例では、固定インペラ160aは更に第1固定インペラ161a及び第2固定インペラ162aを含む。第1固定インペラ161aの隣接する導風羽根の間に第1導風通路H1を有し、第2固定インペラ162aの隣接する導風羽根の間に第2導風通路H2を有する。空気流路1212aの出口が第1導風通路H1及び/又は第2導風通路H2に連通することは、下記した並列する3つの解決手段を含む。それらはそれぞれ、第1解決手段としては、空気流路1212aの出口が第1導風通路H1に連通し、この場合、可動インペラ130aが動作するとき、それが発生した負圧によって気流Qa1が第1吸気口1221aから流れ込み、次に第1収容室1211a内の気流Qa2が空気流路1212aに入り、その後、空気流路1212a内の気流Qa3が第1固定インペラ161aの第1導風通路H1まで流れ、最終的に第1導風通路H1内の気流Qa4がファンハウジング140aから排出されるようにし、上記解決手段において、空気流路1212aはほぼ逆「L」字形を呈し、回転軸111aの中心軸線の軸方向に沿って延在するモータハウジング流路と、回転軸111aの径方向に沿って延在する固定インペラ流路とを含み、第2解決手段としては、空気流路1212a′の出口が第2導風通路H2に連通し、この場合、可動インペラ130aが動作するとき、それが発生した負圧によって気流Qa1が第1吸気口1221aから流れ込み、次に第1収容室1211a内の気流Qa2が空気流路1212a′に入り、その後、空気流路1212a′内の気流Qa3が第2固定インペラ162aの第2導風通路H2まで流れ、最終的に第2導風通路H2内の気流Qa4′がファンハウジング140aから排出されるようにし、上記解決手段において、空気流路1212a′がほぼ回転軸111aの径方向に沿って延在し、第3解決手段としては、空気流路の出口が同時に第1導風通路H1及び第2導風通路H2に連通する。
【0068】
実施例3
図16及び
図17を参照し、実施例1との相違点は、外カバー150が設けられておらず、ファンハウジング140bが可動インペラ130b及び固定インペラ160bを直接覆い、即ちすべてのインペラがファンハウジング140bで覆われ、ファンハウジング140bがモータハウジング120bに直接接続されることにある。具体的に、第2収容室141bはファンハウジング140bの前記モータハウジング120bから離れる側に第1吸風口142bが形成され、ファンハウジング140bのモータハウジング120bに近接する側に第1出風口143bが形成され、第1出風口143bがモータハウジング120bの環状支持フレーム1213bに接続するためのものであり、具体的に、第1出風口143bがモータハウジング120bに係着又は締りばめして接続される。
【0069】
本実施例における放熱エアダクトは空気流路1212bとエアダクト144bとで構成され、相違点は、エアダクト144bの設置形式が変化したことにある。具体的に、モータハウジング120bには少なくとも前記第1収容室1211bに連通する空気流路1212bを有し、前記モータには前記空気流路1212bと第2収容室141bとを連通するエアダクト144bが少なくとも設けられる。エアダクト144bは空気流路1212bに1対1で対応して設置され、入口が空気流路1212bに連通し、出口が第1吸風口142bに連通する。可動インペラ130bが動作するとき、それが発生した負圧によって気流Qb1が第1吸気口1221bから第1収容室1211bに流れ込み、次に第1収容室1211b内の気流Qb2が空気流路1212bを流れ、その後、空気流路1212b内の気流Qb3がエアダクト144bに入り、ついでにエアダクト内の気流Qb4が第2収容室141bへ流れ、最後に第2収容室141b内の気流Qb5が可動インペラ130bを通過してから排出されるようにする。エアダクト144bの設置形式は複数あり、取付の利便性を考慮した上で、144bをファンハウジング140bの外壁と内壁との間に形成され且つそのバス方向に沿って延在する貫通孔とし、又は144bをファンハウジング140bの内壁に設けられるホースとする。
【0070】
実施例4
図18及び
図19を参照し、実施例1との相違点は、異なる防水シール構造並びに放熱通路の設置形式及び位置が異なることにある。
【0071】
具体的に、防水シール構造は仕切板180であり、仕切板180はファンハウジング140c内に位置し、回転軸111cのモータハウジング120cから延出する端部を覆うように設けられ、且つ可動インペラ130cとモータハウジング120cとの間に位置し、水蒸気を遮断するためのものである。仕切板180は回転軸111cに従って同期して回転し、仕切板180とモータハウジング120cとの間には回転軸111cの径方向に沿って延在する通風隙間Pが形成される。通風隙間Pはファンハウジング140c内に位置し、通風隙間Pと第1収容室1211cとが空気流路1212cにより連通する。本実施例において、放熱通路は空気流路1212cと通風隙間Pとで構成される。可動インペラ130cが動作するとき、通風隙間Pに負圧を生じさせ、気流を第1吸気口1221cから前記第1収容室1211cに流れ込ませ、且つ空気流路1212cを通って通風隙間Pまで流れてから排出させ、気流の流動経路をQc1-Qc2-Qc3-Qc4-Qc5とする。
【0072】
更に、前記モータは、モータハウジング120cの先端部に取り外し可能に設置され且つ仕切板180とモータハウジング120cとの間に位置する固定インペラ160cを更に備える。通風隙間Pが仕切板180と固定インペラ160cとの間に位置し、可動インペラ130cが動作するとき、空気が可動インペラ130cから固定インペラ160cへ流れ、通風隙間Pに負圧を生じさせる。具体的に、固定インペラ160cは第1固定インペラ161c及び第2固定インペラ162cを含み、可動インペラ130cからモータハウジング120cまでの方向において可動インペラ130c、第1固定インペラ161c及び第2固定インペラ162cが順次設けられる。通風隙間Pが仕切板180と第1固定インペラ161cとの間に位置する。仕切板180の回転軸111cの軸方向における投影が可動インペラ130cを完全に覆っており、これにより、水蒸気が上記仕切板180を通ってモータハウジング120cの内部に入ることを回避し、防水シール効果が高い利点を有する。
【0073】
空気流路1212cは、前記モータハウジング120cに形成される第1流路と、前記第1固定インペラ161cに形成される第2流路と、前記第2固定インペラ162cに形成される第3流路とを含む。モータハウジング120cがメインハウジング121c及び裏蓋122cを備え、第1流路がメインハウジング121cに形成され、第1吸気口1221cと第1流路とがそれぞれモータハウジング120cの対向両側に位置する。
【0074】
ファンハウジング140cは第2収容室141cを形成するように内部が中空に設置され、第2収容室141cはファンハウジング140cのモータハウジング120cから離れる側に第1吸風口142cが設けられ、ファンハウジング140cのモータハウジング120cに近接する側に第1出風口143cが設けられる。可動インペラ130c、仕切板180及び第1固定インペラ161cが第2収容室141c内に順次設けられ、第1出風口143cが第2固定インペラ162cのモータハウジング120cから離れる側に当接される。
【0075】
理解されるように、本願におけるモータは異なる使用シーンに応用されてもよく、以下に例を挙げて説明する。
【0076】
本願におけるモータは洗浄装置に応用されてもよく、該洗浄装置が洗浄対象の表面を洗浄するためのものである。該洗浄装置は前記モータ100及び胴体部分を備え、前記モータ100が胴体部分内に設けられ、洗浄動力を供給するためのものである。
【0077】
要するに、本願は放熱通路によりモータハウジングの第1収容室とファンハウジングの第2収容室とを連通し、可動インペラが第2収容室内に生じた負圧によってモータハウジングの外部の比較的冷たい空気をモータハウジングに吸い込み、モータハウジング内の比較的熱い空気が上記放熱通路を通って第2収容室まで流れてからファンハウジングから排出され、放熱効果が高い利点を有する。更に、外カバーに係着構造を設置することで、外カバーを係着構造によりモータハウジング上の環状支持フレームに係着させ、これにより、外カバーとモータハウジングとが安定して確実に接続できる利点を有する。更に、導風溝の入口が係着構造に隣接して設置されることにより、空気流路と導風溝との接続箇所に空気漏れ現象が生じることを効果的に回避することができる。更に、第1固定インペラ及び第2固定インペラを設置することにより、気流の流れ方向の案内効果を向上させることができ、より多くの風量を単位時間内に案内することができ、可動インペラが空気を吸い込むパワーを向上させ、更に気流によるモータの放熱効果を向上させる。更に、回転軸とモータハウジングとの間に防水シール構造を設置することにより、水蒸気がモータハウジングに入ることを防止することができ、防水シール効果が高い利点を有し、モータの耐用年数を効果的に延ばす。
【0078】
以上の説明は本願の実施形態に過ぎず、それにより本願の特許範囲を規制するものではなく、本願の明細書及び図面内容を利用して行われる等価構造又は等価フロー変換は、他の関係技術分野に直接又は間接的に運用されており、同一の理由でいずれも本願の特許保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
100 モータ
110 モータ本体
111 回転軸
112 回転子
113 固定子
114 駆動板
120 モータハウジング
121 メインハウジング
1211 第1収容室
1212 空気流路
1213 環状支持フレーム
122 裏蓋
1221 第1吸気口
130 可動インペラ
131 可動インペラ入風口
132 可動インペラ出風口
140 ファンハウジング
141 第2収容室
142 第1吸風口
143 第1出風口
150 外カバー
151 導風溝
152 第2吸風口
153 第2出風口
154 係着構造
160 固定インペラ
161 第1固定インペラ
1611 中心孔
1612 凹み溝
162 第2固定インペラ
1621 第2固定インペラ本体
1622 接続部
1623 制限用凸リング
1624 係止溝
170 防水シール構造
171 防水ガスケット
1711 第1環状リブ
172 シール部
1712 第1環状溝
111a 回転軸
120a モータハウジング
1211a 第1収容室
1212a 空気流路
1212a′ 空気流路
1213a 環状支持フレーム
1221a 第1吸気口
130a 可動インペラ
140a ファンハウジング
141a 第2収容室
142a 第1吸風口
143a 第1出風口
160a 固定インペラ
161a 第1固定インペラ
162a 第2固定インペラ
1211b 第1収容室
120b モータハウジング
1212b 空気流路
1221b 第1吸気口
130b 可動インペラ
140b ファンハウジング
141b 第2収容室
142b 第1吸風口
143b 第1出風口
144b エアダクト
160b 固定インペラ
180 仕切板
111c 回転軸
120c モータハウジング
121c メインハウジング
1211c 第1収容室
1212c 空気流路
122c 裏蓋
1221c 第1吸気口
130c 可動インペラ
140c ファンハウジング
141c 第2収容室
142c 第1吸風口
143c 第1出風口
160c 固定インペラ
161c 第1固定インペラ
162c 第2固定インペラ
【手続補正書】
【提出日】2023-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータであって、
第1収容室を形成するように内部が中空に設置されるモータハウジングであって、環状支持フレームが設けられ、前記環状支持フレームが前記モータハウジングの周方向を取り囲んで前記モータハウジングの外側に周設されるモータハウジングと、
前記モータハウジングの前記環状支持フレームに近接する側に
設置され、且つ前記環状支持フレームに係着される固定インペラと、
前記固定インペラに当接され、第2収容室を形成するように内部が中空に設置されるファンハウジングと、
前記第2収容室内に設けられ且つ前記固定インペラの前記環状支持フレームから離れる側に位置し、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、
前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、且つ前記環状支持フレームに係着される外カバーと、
前記可動インペラを駆動して回転させるように、前記モータハウジングに設けられ且つ前記収容室から部分的に延出して前記可動インペラに接続され、これにより前記第2収容室に負圧を形成させるモータ本体と、を備え、
前記モータには前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する放熱通路が更に設けられ、前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する第1吸気口が更に設けられ、前記可動インペラが回転するとき、それが発生した負圧によって空気を前記第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記放熱通路及び前記第2収容室を順次流れてから排出させることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が形成され、前記空気流路は前記第1収容室から前記環状支持フレームまで延在し、前記空気流路の出口が前記環状支持フレームの外周面に形成され、前記外カバーの内壁には前記空気流路と前記第2収容室とを連通する導風溝が少なくとも形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されてエアダクトを形成し、
前記空気流路と前記エアダクトとが前記放熱通路を構成し、前記エアダクトの入口が前記空気流路の出口に対向し、前記エアダクトの出口が前記第2収容室に連通することを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記モータ本体は前記モータハウジングに設けられる回転軸と、前記第1収容室内に位置し且つ前記回転軸に固定して設置される回転子と、前記第1収容室内に設けられ且つ前記回転子の外周に囲設される固定子とを備え、前記回転軸の前記メインハウジング外まで延在する部分が前記可動インペラに接続され、
前記固定子に複数のコイルが巻き付けられ、隣接する2つごとの前記コイルの間に少なくとも1つの前記空気流路が設けられることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
乾湿両用モータに防水シール構造が更に設けられ、
前記防水シール構造は前記回転軸に設けられ且つ前記回転軸に従って回転する防水ガスケットと、前記モータハウジングに形成され且つ前記防水ガスケットに係合するシール部とを備え、
前記防水ガスケットには前記回転軸の周方向を取り囲んで配置される第1環状リブが設けられ、前記シール部内には前記回転軸の周方向を取り囲んで配置される第2環状リブが設けられ、前記第1環状リブと前記第2環状リブとが間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項
3に記載のモータ。
【請求項5】
モータであって、
第1収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第1収容室に連通する第1吸気口が設けられるモータハウジングと、
前記モータハウジングに設けられるファンハウジングであって、第2収容室を形成するように内部が中空に設置され、前記第2収容室は前記ファンハウジングの前記モータハウジングから離れる側に第1吸風口が形成されるファンハウジングと、
前記第2収容室内に設けられ、高速気流を形成するように前記第2収容室内を送風するための可動インペラと、
前記モータハウジングに設けられ且つ前記ファンハウジングの外周面を覆うように設けられ、前記第1吸風口の延在方向と一致する第2吸風口が設けられる外カバーと、
前記可動インペラを駆動して回転させるように、前記モータハウジングに設けられ且つ前記第1収容室から部分的に延出して前記可動インペラに接続され、これにより前記第2収容室に負圧を形成させるモータ本体と、を備え、
前記モータハウジングには前記第1収容室に連通する空気流路が形成され、前記外カバーの内壁と前記ファンハウジングの外壁との間には前記空気流路と前記第2収容室とを連通するエアダクトが形成され、前記可動インペラが動作するとき、それが発生した負圧によって空気を第1吸気口から流れ込んで前記第1収容室、前記空気流路、前記エアダクト及び前記第2収容室を順次流れてから排出させることを特徴とするモータ。
【請求項6】
前記外カバーの内壁に導風溝が形成され、前記導風溝と前記ファンハウジングの外壁とが囲設されて前記エアダクトを形成することを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項7】
前記エアダクトの出口部分が前記第2吸風口の孔壁に形成されることを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項8】
前記ファンハウジングが前記外カバー内に設けられることを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項9】
前記外カバーは緩衝カバーであって、ゴム材料で製造されることを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項10】
前記外カバーには前記第2吸風口に対向する第2出風口が更に形成され、前記第2出風口に係着構造が設けられ、前記外カバーが前記係着構造により前記モータハウジングに取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項11】
前記モータ本体が回転中心軸線を有し、前記第1吸気口の延在方向が前記回転中心軸線の延在方向に共線又は平行し、前記空気流路の延在方向が前記回転中心軸線の延在方向に垂直であることを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項12】
前記モータハウジングはメインハウジング及び裏蓋を備え、前記メインハウジングは内部が中空であってその一方の端部が開口して設置され、前記裏蓋は前記第1収容室を形成するように前記メインハウジングの開口に取り外し可能に被せられることを特徴とする請求項
5に記載のモータ。
【請求項13】
前記ファンハウジングが前記メインハウジングの前記裏蓋から離れる側に設けられ、前記裏蓋に前記第1吸気口が形成され、前記空気流路が前記メインハウジングの前記ファンハウジングに近接する側に設けられることを特徴とする請求項
12に記載のモータ。
【請求項14】
前記モータ本体は前記モータハウジングに設けられる回転軸と、前記第1収容室内に位置し且つ前記回転軸に固定される回転子と、前記第1収容室内に設けられ且つ前記回転子の外周に囲設される固定子とを備え、前記回転軸の前記メインハウジング外まで延在する部分が前記可動インペラに接続され、
前記モータ本体と前記モータハウジングの内壁との間には気流の流動空間を提供するための取付隙間があることを特徴とする請求項
13に記載のモータ。
【国際調査報告】