(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】自動食器洗浄洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/37 20060101AFI20230913BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20230913BHJP
C08F 226/10 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D1/66 ZNA
C08F226/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514990
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 US2021071399
(87)【国際公開番号】W WO2022072966
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】デルプランケ、パトリック・フィルミン・アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・エルセン、カトリーン・アンドレア・リーヴェン
(72)【発明者】
【氏名】フラー、リンゼイ・サラ
(72)【発明者】
【氏名】ルキク、ネヴェナ
【テーマコード(参考)】
4H003
4J100
【Fターム(参考)】
4H003AC06
4H003BA09
4H003DA19
4H003EB08
4H003EB12
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB38
4H003EC01
4H003EE03
4H003FA21
4J100AJ02Q
4J100AL03R
4J100AL04R
4J100AL05R
4J100AQ08P
4J100CA05
4J100DA01
4J100JA57
(57)【要約】
(メタ)アクリル酸、直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレート及びビニルピロリドンを含むターポリマーと、非イオン性界面活性剤と、を含む、自動食器洗浄洗剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸、直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレート及びビニルピロリドンを含むターポリマーと、非イオン性界面活性剤と、を含む、自動食器洗浄洗剤組成物。
【請求項2】
前記ターポリマーが、
i)前記ターポリマーの1~55重量%の(メタ)アクリル酸と、
ii)前記ターポリマーの1~25重量%の直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートと、
iii)前記ターポリマーの20~90重量%のビニルピロリドンと、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ターポリマーが、
i)前記ターポリマーの15~40重量%の(メタ)アクリル酸と、
ii)前記ターポリマーの5~20重量%の直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートと、
iii)前記ターポリマーの40~70重量%のビニルピロリドンと、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ターポリマーが、ビニルピロリドン、アクリレート、及びラウリルメタクリレートを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ターポリマーが、約10000g/mol~約2000000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、無リン酸塩である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、少なくとも2つの非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤系であり、好ましくは、前記非イオン性界面活性剤の少なくとも1つが、界面活性剤1モル当たり5~25モルのエチレンオキシドを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、メチルグリシン二酢酸、その塩及びこれらの誘導体、グルタミン酸-N,N-二酢酸、その塩及びこれらの誘導体、イミノジコハク酸、その塩及びこれらの誘導体、カルボキシメチルイヌリン、その塩及びこれらの誘導体、クエン酸、その塩及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を更に含み、好ましくは、前記錯化剤が、メチルグリシン二酢酸、その塩及びこれらの誘導体、クエン酸、その塩及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
酵素を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ポリアルキレンイミン骨格、アルコキシ鎖及び四級化基を含み、40%~98%の四級化度を有する、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを更に含み、
i)前記ポリアルキレンイミン骨格が、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミンの1重量%~40重量%を表し、
ii)前記アルコキシ鎖が、前記アルコキシル化ポリアルキレンイミンの60重量%~99重量%を表す、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
分散剤ポリマー、好ましくはカルボキシル化/スルホン化ポリマーを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、漂白剤と、好ましくはマンガン漂白触媒と、を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、結晶成長阻害剤、好ましくは1-ヒドロキシエチリデン1,1-ジホスホン酸を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
i)前記組成物の0.5~5重量%の前記ターポリマーと、
ii)前記組成物の0.5~20重量%の非イオン性界面活性剤と、
iii)前記組成物の5~50重量%の錯化剤と、
iv)酵素と、
v)前記組成物の0.5~15重量%の分散剤ポリマーと、
vi)任意で、前記組成物の5~25重量%の漂白剤と、を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
食器洗浄機における洗浄中に乾燥を提供する方法であって、前記食器洗浄機の主洗浄に、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を送達する工程を含む、方法。
【請求項16】
自動食器洗浄における洗浄中に乾燥を提供するための、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤組成物、特に、洗浄中に乾燥を提供することができる(すなわち、乾燥助剤が主洗浄中に提供され、洗浄された洗い物が自動食器洗浄操作の終了時に改善された乾燥を示す)ターポリマーを含む自動食器洗浄洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗浄機の使用者にとって満たされていないニーズの1つは、自動食器洗浄操作後の洗浄された物品の乾燥である。自動食器洗浄操作の終了時には、物品、特にプラスチック物品は、通常濡れている。これらは、収納し得る前に、使用者により乾燥させる必要がある。このことには、追加の手順が必要である。食器洗浄機の使用者は、物品が汚れてから食器棚に収納されるまで、必要な作業量を最小限に抑えることを常に望んでいる。食器洗浄プロセスにおける乾燥を改善するために、様々な提案がなされてきた。国際公開第2008/110816号では、乾燥を提供するために特定のアニオン性ポリエステルの使用を提案している。国際公開第2009/033972号では、スルホン化ポリマーと組み合わせて特定の非イオン性界面活性剤を含む組成物を提案している。国際公開第2009/033830号では、界面活性剤及びアニオン性ポリマーを2つの異なる時点で送達することを含む食器洗浄プロセスを提案している。国際公開第2008/119834号では、特定のポリカーボネート-、ポリウレタン-、及び/又はポリ尿素-ポリオルガノシロキサン化合物を含む組成物を提案している。国際公開第2009/027456号では、食器洗浄機洗剤調製物における低起泡剤としてのエステル化アルキルアルコキシレートを開示している。欧州特許第2333039(A1)号では、洗浄中に乾燥を提供するためのエステル化アルキルアルコキシル化界面活性剤を含む自動食器洗浄組成物を提供する。しかし、乾燥に適した一部の組成物は、とりわけ汚れのひどい洗い物を洗浄した場合に、機械フィルタの残留物を発生させる可能性がある。
【0003】
すすぎ補助剤は、物品の乾燥を助けることができるが、これは、余分な製品の購入及び使用を意味し、前に指摘したように、食器洗浄機の使用者は、食器洗浄作業を可能な限り簡略化することを好む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/110816号
【特許文献2】国際公開第2009/033972号
【特許文献3】国際公開第2009/033830号
【特許文献4】国際公開第2008/119834号
【特許文献5】国際公開第2009/027456号
【特許文献6】欧州特許第2333039(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、洗浄中に良好な乾燥を提供し(すなわち、上昇サイクルにおいて別個の製品を添加する必要がない)、同時に、洗浄された物品の良好な洗浄及び仕上げを提供し、フィルタ残留物の形成を回避する自動食器洗浄組成物を提供することである。別の目的は、より環境に優しい食器洗浄プロセス、すなわち、例えば乾燥時間の短縮のような、時間の短縮及び/又はエネルギー量の低減を伴うプロセスを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、自動食器洗浄洗剤組成物が提供される。組成物は、非イオン性界面活性剤とターポリマーとの組み合わせを含む。ターポリマーは、(メタ)アクリル酸のモノマー、直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートのモノマー、及びビニルピロリドンのモノマーを含む。組成物は、プラスチック製品上であっても良好な乾燥を提供し、膜形成及び斑点形成を防止し、それによってガラス、金属及びプラスチック物品上に良好な光沢を提供する。組成物はまた、食器洗浄機のフィルタ上への汚れの付着を防止する。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、本発明の組成物を使用する食器洗浄方法が提供される。本発明の方法に従って洗浄された食器は、乾燥したままであり、膜形成及び斑点形成が減少し、光沢感がある。
【0008】
本発明の最後の態様によれば、自動食器洗浄における洗浄中に乾燥を提供するための本発明の組成物の使用が提供される。
【0009】
本発明の第1の態様に関連して記載されている本発明の組成物の各要素は、本発明の第2及び第3の態様に対して準用して適用される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、非イオン性界面活性剤及びターポリマーを含む自動食器洗浄洗剤組成物を包含する。組成物は、改善された乾燥を提供し、ガラス、金属及びプラスチック上の膜形成及び斑点形成を大幅に減少させ、優れた洗浄及び光沢を提供する。本発明はまた、本発明の組成物を使用して、洗浄中に乾燥を提供する自動食器洗浄の方法、及び自動食器洗浄における洗浄中に乾燥を提供するための組成物の使用を包含する。
【0011】
本発明の目的において、「食器」は、食卓用食器、調理器具、並びに食事の支度、調理及び/又は飲食に使用される任意の食品保持/取扱用物品を包含する。食器は、通常、セラミックス、ステンレス鋼、プラスチック、又はガラス製である。
【0012】
自動食器洗浄洗剤組成物
自動食器洗浄洗剤組成物は、任意の物理的形態であってよい。当該組成物は、ルース粉末であっても、ゲルであっても、単位用量形態で提示されてもよい。好ましくは、当該組成物は単位用量形態であり、単位用量形態としては、圧縮錠剤及び水溶性パックが挙げられる。本発明の自動食器洗浄洗剤組成物は、好ましくは、単位用量形態で提示され、固体、液体及びゲルの形態を含む任意の物理的形態であり得る。本発明の組成物は、多区画型パックの形態、より具体的には、異なる物理的形態の組成物を有する区画、例えば固体形態の組成物を含む区画と液体形態の組成物を含む別の区画とを含む多区画型パックでの提供に非常によく適している。組成物は、好ましくは、ポリビニルアルコールなどの水溶性フィルムに封入される。厚さ100μm未満のポリビニルアルコールフィルムに包まれた単位用量形態の組成物がとりわけ好ましい。本発明の洗剤組成物は、約8~約25グラム、好ましくは約10~約20グラムの重量を有する。この重量範囲は、食器洗浄機のディスペンサに余裕をもって収まる。この範囲は洗剤としては少ない量に相当するものであるが、洗剤は本明細書で上記に述べたような効果の全てを提供するように配合されている。あるいは、組成物は、複数の用量を含むパックで提供することができ、洗剤組成物は、食器洗浄機に自動投入することができる。
【0013】
組成物は、好ましくは、無リン酸塩である。本明細書において「無リン酸塩」とは、組成物が、組成物の1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満のリン酸塩を含むものとして理解される。
【0014】
ターポリマー
本発明のターポリマーは、ビニルラクタムのモノマー、(メタ)アクリル酸のモノマー、及び直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートのモノマーを含む。好ましくは、ターポリマーは、ビニルピロリドンのモノマー、アクリル酸のモノマー、及び直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートのモノマーを含む。好ましくは、ターポリマーは、i)約20重量%~約90重量%、好ましくは約40重量%~約70重量%のビニルピロリドン、ii)約1重量%~約55重量%、好ましくは約15重量%~40重量%の(メタ)アクリル酸、及びiii)約1重量%~約25重量%、好ましくは約5重量%~約20重量%の直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートを含む。好ましくは、ターポリマーは、適切な技術によって測定した場合に、約10000g/mol~約2000000g/molの重量平均分子量を有する。好ましい直鎖状又は分岐状C1~C20アルキル(メタ)アクリレートは、ラウリルメタクリレートである。本明細書で使用するのに好適なターポリマーとしては、いずれもAshlandによって提供されるStyleze 2000及びAcrylidone LMが挙げられる。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、好ましくは約0.2重量%~約5重量%のターポリマーを含む。本発明のターポリマーは、国際公開第91/00302(A1)号に記載されているような沈殿重合によって製造することができる。
【0015】
非イオン性界面活性剤
本明細書での使用に好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が挙げられ、好ましくは、組成物は、いかなる他の界面活性剤も含まない。従来的には、非イオン性界面活性剤は、表面修飾目的、特に膜形成及び斑点形成を回避し、光沢を改善するためのシート化を目的として、自動食器洗浄において使用されてきた。非イオン性界面活性剤は、汚れの再堆積の防止にも寄与することができることが判明している。
【0016】
好ましくは、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤系を含み、より好ましくは、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系は、蒸留水中、濃度1%で測定した場合に20~70℃、好ましくは35~65℃の転相温度を有する。「非イオン性界面活性剤系」とは、本明細書において、2つ以上の非イオン性界面活性剤の混合物を意味する。非イオン性界面活性剤系が、本明細書での使用に好ましい。これらは、単一の非イオン性界面活性剤よりも、製品中で、改善された洗浄及び仕上がり特性並びに良好な安定性を有すると考えられる。
【0017】
転相温度とは、それよりも低い温度では界面活性剤又はその混合物が油膨張ミセルとして水性相中に優先的に分配され、それよりも高い温度では水膨張逆ミセルとして油性相中に優先的に分配される温度である。転相温度は、混濁が生じる温度を識別することによって視覚的に判断することができる。
【0018】
非イオン性界面活性剤又は系の転相温度は、以下のように判断することができる。蒸留水中、溶液の1重量%の対応する界面活性剤又は混合物を含有する溶液を調製する。溶液を軽く撹拌した後、転相温度を分析して、プロセスが化学平衡で生じることを確実にする。転相温度は、75mm密封ガラス試験管中に溶液を浸漬することによって熱安定性の浴槽内で測定する。漏れがないことを確実にするために、転相温度の測定の前後に試験管を秤量しておく。温度が事前予測した転相温度より数度下に達するまで、温度を1℃/分未満の速度で徐々に増加させる。転相温度は、濁りの最初の兆候があった時点で視覚的に判断される。
【0019】
好適な非イオン性界面活性剤としては、i)6~20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノール(alkyphenol)と、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり、好ましくは少なくとも3モル、特に好ましくは少なくとも5モル、更により好ましくは少なくとも7モルのエチレンオキシドとの反応によって調製される、エトキシル化非イオン性界面活性剤、ii)6~20個の炭素原子及び少なくとも1つのエトキシ基及びプロポキシ基を有するアルコールアルコキシル化界面活性剤、が挙げられる。界面活性剤i)とii)との混合物が、本明細書での使用に好ましい。
【0020】
他の好適な非イオン性界面活性剤は、次式で表されるエポキシキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコールであり、
R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(OH)R2] (I)
式中、R1は、4~18個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であり、R2は、2~26個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であり、xは、0.5~1.5、より好ましくは約1の平均値を有する整数であり、yは、少なくとも15、より好ましくは少なくとも20の値を有する整数である。
【0021】
好ましくは、式Iの界面活性剤は、末端エポキシド単位[CH2CH(OH)R2]中に少なくとも約10個の炭素原子を有する。本発明によれば、式Iの好適な界面活性剤は、例えば、Olin Corporationによる1994年10月13日に公開された国際公開第94/22800号に記載の、Olin CorporationのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF-18B非イオン性界面活性剤である。
【0022】
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、少なくとも2つの非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤系である。好ましくは、界面活性剤系の非イオン性界面活性剤の少なくとも1つは、界面活性剤1モル当たり5~25モルのエチレンオキシドを含むエトキシル化アルコールであり、より好ましくは、界面活性剤系は、エトキシ基及びプロポキシ基を含むアルコキシル化アルコールも含む。好ましくは、2つの非イオン性界面活性剤、すなわちエトキシル化アルコールとエトキシ基及びプロポキシ基を含むアルコキシル化アルコールとの重量比は、2:1~1:2である。
【0023】
本発明の組成物は、組成物の約0.1~約25重量%、より好ましくは組成物の約0.5~約20重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0024】
錯化剤
分散剤ポリマー及び/又は錯化剤を含む組成物により、優れた乾燥及び光沢効果が得られる。本発明の目的において、「錯化剤」とは、カルシウム、マグネシウム、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、マンガン、鉄、アルミニウム及び他のカチオン性多価イオンのような多価イオンと結合して水溶性の錯体を形成することが可能な化合物のことである。
【0025】
好ましくは、本発明の組成物は、好ましくは、メチル-グリシン-二酢酸(MGDA)、その塩及びその誘導体、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、その塩及びその誘導体、イミノジコハク酸(IDS)、その塩及びその誘導体、カルボキシメチルイヌリン、その塩及びその誘導体、クエン酸、その塩及びその誘導体、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、アミノカルボキシル化錯化剤を含む。本明細書における使用にとりわけ好ましい錯化剤は、MGDA及びその塩からなる群から選択され、MGDAの三ナトリウム塩が、本明細書における使用にとりわけ好ましい。好ましくは、錯化剤はMGDAの三ナトリウム塩であり、分散剤ポリマーはスルホン化ポリマーであり、より好ましくは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマーを含む。MGDAの塩とクエン酸の塩との混合物も、本明細書での使用に好ましい。
【0026】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の10重量%~60重量%、好ましくは20重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~35重量%の錯化剤を含む。
【0027】
分散剤ポリマー
分散剤ポリマーは、存在する場合、組成物の約0.1重量%~約30重量%、好ましくは0.25重量%~約20重量%、より好ましくは0.5重量%~15重量%の任意の好適な量で使用される。スルホン化/カルボキシル化ポリマーは、本発明の組成物に特に好適である。
【0028】
本明細書に記載される好適なスルホン化/カルボキシル化ポリマーは、約100,000Da以下、又は約75,000Da以下、又は約50,000Da以下、又は約3,000Da~約50,000Da、好ましくは約5,000Da~約45,000Daの重量平均分子量を有し得る。
【0029】
好ましいスルホン化モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピル、3-スルホ-プロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及び上述の酸又はこれらの水溶性塩の混合物のうちの1つ以上を含む。
【0030】
好ましくは、ポリマーは、以下の濃度のモノマー、すなわち、ポリマーの約40~約90重量%、好ましくは約60~約90重量%の1種以上のカルボン酸モノマー、ポリマーの約5~約50重量%、好ましくは約10~約40重量%の1種以上のスルホン酸モノマー、及び任意にポリマーの約1重量%~約30重量%、好ましくは約2~約20重量%の1種以上の非イオン性モノマーを含む。とりわけ好ましいポリマーは、ポリマーの約70重量%~約80重量%の少なくとも1種のカルボン酸モノマー及びポリマーの約20重量%~約30重量%の少なくとも1種のスルホン酸モノマーを含む。
【0031】
ポリマー中、カルボン酸基又はスルホン酸基の全て又はいくつかが中和形態で存在していてよく、すなわちいくつか又は全ての酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子が、金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと置き換えられ得る。
【0032】
カルボン酸は、好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0033】
好ましい市販のポリマーとしては、Nouryonによって供給されるAlcosperse 240及びAquatreat AR 540;Dowによって供給されるAcumer 3100、Acumer 2000、Acusol 587G及びAcusol 588Gが挙げられる。特に好ましいポリマーは、Dowによって供給されるAcusol 587G及びAcusol 588Gである。
【0034】
好適なポリマーには、低分子量のアニオン性カルボン酸ポリマーが含まれる。それらは、約200,000g/モル以下、又は約75,000g/モル以下、又は約50,000g/モル以下、又は約3,000g/モル~約50,000g/モル、好ましくは約5,000g/モル~約45,000g/モルの重量平均分子量を有するホモポリマー又はコポリマーであり得る。分散剤ポリマーは、1,000~20,000、特に2,000~10,000、及び特に好ましくは3,000~5,000の平均分子量を有するポリアクリレートの低分子量ホモポリマーであってもよい。
【0035】
ポリマーは、70,000未満の分子量を有する、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とマレイン酸のコポリマー並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸とフマル酸のコポリマーであってもよい。それらの分子量は、2,000~80,000g/モル、より好ましくは20,000~50,000g/モル、特に30,000~40,000g/モルの範囲であり、(メタ)アクリレートとマレエート又はフマレートセグメントとの比は30:1~1:2である。
【0036】
ポリマーは、3,000~100,000、あるいは4,000~20,000の分子量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーであってもよく、分散剤ポリマーの50重量%未満、あるいは20重量%未満のアクリルアミド含有量も使用され得る。あるいは、そのようなポリマーは、4,000~20,000の分子量、及びポリマーの0重量%~15%のアクリルアミド含有量を有してもよい。
【0037】
本明細書で好適なポリマーには、イタコン酸ホモポリマー及びコポリマーも含まれる。
【0038】
あるいは、ポリマーは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、アルコキシル化ポリカルボキシレート、ポリエチレングリコール、スチレンコポリマー、セルロースサルフェートエステル、カルボキシル化多糖、両親媒性グラフトコポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0039】
漂白剤
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の約1~約30重量%、より好ましくは約2~約25重量%、更により好ましくは約5~約20重量%の漂白剤を含む。
【0040】
無機及び有機漂白剤が、本明細書での使用に好適である。無機漂白剤としては、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などの過水和塩が挙げられる。無機過水和塩は、通常、アルカリ金属塩である。無機過水和塩は、追加の保護なしの結晶性固体として含まれ得る。あるいは、塩はコーティングされていてもよい。好適なコーティングとしては、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。当該コーティングは、表面に塗布される混合物として塗布されるか、又は順次積層して塗布され得る。
【0041】
アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書における使用に好ましい漂白剤である。過炭酸塩は、最も好ましくは、製品内安定性を提供するコーティングされた形態で製品に組み込まれる。
【0042】
過酸化モノ過硫酸カリウムは、本明細書で有用な別の無機過水和塩である。
【0043】
典型的な有機漂白剤は、有機ペルオキシ酸、とりわけドデカンジペルオキシ酸、テトラデカンジペルオキシ酸、及びヘキサデカンジペルオキシ酸である。モノ及びジペルアゼライン酸、モノ及びジペルブラシル酸も、本明細書において好適である。ジアシル及びテトラアシル過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジラウロイルは、本発明の関連において使用可能な他の有機過酸化物である。
【0044】
更なる典型的な有機漂白剤としては、ペルオキシ酸が挙げられ、具体例は、アルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換の誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸の他、ペルオキシ-α-ナフトエ酸及びモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシヘキサン酸(PAP)]、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸及びN-ノネニルアミドペルスクシネート、並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイルジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0045】
漂白活性化剤
漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度での洗浄の過程で漂白作用を強化する有機過酸前駆体である。本明細書での使用に好適な漂白活性化剤には、過加水分解条件下で、好ましくは1~12個の炭素原子、特に2~10個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸(peroxoycarboxylic acid)、及び/又は任意に置換された過安息香酸を与える化合物が含まれる。好適な物質は、炭素原子の数が指定されているO-アシル基及び/若しくはN-アシル基並びに/又は任意に置換されたベンゾイル基を有する。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はイソ-NOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、二酢酸エチレングリコール及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、並びにクエン酸トリエチルアセチル(TEAC)も好まれる。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.2~2重量%の漂白活性化剤、好ましくはTAEDを含む。
【0046】
漂白触媒
本明細書の組成物は、好ましくは、漂白触媒、好ましくは金属含有漂白触媒を含有する。より好ましくは、金属含有漂白触媒は、遷移金属含有漂白触媒、とりわけマンガン又はコバルト含有漂白触媒である。
【0047】
本明細書での使用に好ましい漂白触媒としては、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn、及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体が含まれる。
【0048】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の0.001~0.5重量%、より好ましくは0.002~0.05重量%の漂白触媒を含む。好ましくは、漂白触媒は、マンガン漂白触媒である。
【0049】
無機ビルダー
本発明の組成物は、好ましくは、無機ビルダーを含む。好適な無機ビルダーは、炭酸塩、ケイ酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される。炭酸ナトリウムが、本明細書における使用にとりわけ好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の5~50重量%、より好ましくは10~40重量%、とりわけ15~30重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0050】
酵素
本明細書の酵素変異体を説明する際、参照しやすいように以下の命名法が用いられる:元のアミノ酸:位置:置換アミノ酸。標準的な酵素IUPACのアミノ酸の1文字コードを使用する。
【0051】
プロテアーゼ
好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及び中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼ等のセリンプロテアーゼ、例えばスブチリシン(EC3.4.21.62)、並びにその化学的に又は遺伝的に修飾された突然変異体が挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、Bacillus lentus、Bacillus alkalophilus、Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのBacillus属由来のものを含むスブチリシン(EC3.4.21.62)が挙げられる。
【0052】
本発明の洗剤にとりわけ好ましいプロテアーゼは、Bacillus lentus由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、とりわけ100%の同一性を示すポリペプチドであり、これは、本明細書に参照により援用する国際公開第00/37627号に示されるようなBPN番号方式及びアミノ酸略号を用いた場合に、以下に示す位置の1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に突然変異体を有する:V68A、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I及び/又はM222S。
【0053】
最も好ましくは、プロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はスブチリシン309野生型(N87Sの自然変異体を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の突然変異体(BPN番号方式)を含む群から選択される。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
【0054】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(デンマーク)によって商標名Savinase(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)で販売されているもの、Genencor Internationalによって商標名Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)で販売されているもの、Solvay Enzymesによって商標名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)で販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわちBLAPが挙げられる。
【0055】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましい濃度としては、約0.1~約10、より好ましくは約0.5~約7、とりわけ約1~約6mgの活性プロテアーゼが挙げられる。
【0056】
アミラーゼ
本明細書における使用に好ましい酵素としては、細菌又は真菌由来のものを含むα-アミラーゼが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性α-アミラーゼは、バチルスの菌種、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のバチルス種、例えばバチルス種NCIB12289、NCIB12512、NCIB12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第5,856,164号並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載の変異体、とりわけ国際公開第06/002643号において配列番号12に列挙されているAA560酵素に対して以下の位置に1つ以上の置換基を有する変異体:
9、26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、195、202、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、320、323、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、458、461、471、482、484、好ましくはD183*及びG184*の欠失も含む変異体。
(b)Bacillus種707由来の野生型酵素(米国特許第6,093,562号中の配列番号7)と少なくとも95%の同一性を示す変異体、とりわけ以下の突然変異体:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L又はM202T突然変異体のうちの1つを含む。
【0057】
好適な市販のα-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S、Bagsvaerd,Denmark)、KEMZYM(登録商標)(AT9000 Biozym Biotech Trading GmbH Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,Palo Alto,California)並びにKAM(登録商標)(花王、103-8210日本国東京都中央区1丁目日本橋茅場町14-10)が挙げられる。本明細書における使用にとりわけ好ましいアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
好ましくは、本発明の製品は、少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10、より好ましくは約0.1~約6、とりわけ約0.2~約5mgのアミラーゼを含む。
【0059】
好ましくは、本発明の製品のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、粒子の形態であり、この粒子は粒子の29重量%未満の硫酸ナトリウムを含むか、又は硫酸ナトリウムと活性酵素(プロテアーゼ及び/若しくはアミラーゼ)との重量比が4:1未満である。
【0060】
アルコキシル化ポリアルキレンイミン
本発明の組成物は、好ましくはアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含み、より好ましくはポリエチレンイミンを含み、更により好ましくはエトキシル化ポリエチレンイミンである。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1重量%~約5重量%、好ましくは約0.2重量%~約3重量%のポリアルキレンイミンを含む。アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む組成物は、特に、アルコキシル化ポリアルキレンイミンがアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む場合、乾燥及び光沢に更に寄与し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミン骨格、アルコキシ鎖及び四級化基を含み、アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、40%~98%の四級化度を有し、
i)ポリアルキレンイミン骨格が、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの1重量%~40重量%を表し、
ii)アルコキシ鎖が、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの60重量%~99重量%を表す。
【0061】
ポリアルキレンイミン骨格のアルコキシル化は、修飾がポリアルキレンイミン骨格の内部窒素原子又は末端窒素原子で起こるかどうかに応じて、窒素原子における1又は2のアルコキシル化修飾を含み、アルコキシル化修飾が、モノアルコキシレン又は好ましくは平均約1~約50のアルコキシ単位を有するポリアルコキシレン鎖による、ポリアルキレンイミン中の水素原子の置換を含み、ポリアルコキシレン鎖の末端アルコキシ単位が、水素、C1~C4アルキル又はこれらの混合物でキャップされている。更に、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの各窒素原子は、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル、アルキルアリール若しくはアリール置換基、又はこれらの組み合わせ、好ましくはベンジル置換基及び/又はC1~C12、好ましくはC1~C4アルキル、アリール若しくはアルキルアリール置換基を有し得、結果として、その置換基の総数に応じて各窒素原子に中性又はカチオン性の電荷がもたらされる。これらの修飾により、ポリアルキレンイミン骨格の窒素原子が永久的に四級化される可能性がある。永久的な四級化度は、ポリアルキレンイミン骨格の窒素原子の少なくとも5%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%~100%である。
【0062】
好ましくは、全ての窒素原子が、アルコキシル化修飾を含むことになるが、窒素原子の一部のみがアルコキシル化されたポリアルキレンイミンを有することも可能であり得る。
【0063】
可能な修飾の例を本明細書に示す。修飾は、ポリエチレンイミン骨格中の末端窒素原子に対応する。式中、Rはエチレンスペーサーを表し、EはC1~C12アルキル単位を表し、X-は、好適な水溶性対イオン、例えば塩素、臭素又はヨウ素、硫酸塩(すなわち、-O-SO3H又は-O-SO3-)、メチルスルホネートなどのアルキルスルホネート、トリルスルホネートなどのアリールスルホネート、及びメトサルフェートなどのアルキルサルフェート(すなわち-O-SO2-OMe))を表す。
【0064】
【0065】
可能な修飾の例を示す。修飾は、ポリエチレンイミン骨格の内部窒素原子に対応する。式中、Rはエチレンスペーサーを表し、EはC1~C12アルキル単位を表し、X-は好適な水溶性対イオンを表す。
【0066】
【0067】
また、例えば、限定されないが、以下に、ポリエチレンイミン骨格の内部窒素原子への可能な修飾を示す。式中、Rはエチレンスペーサーを表し、EはC1~C12アルキル単位を表し、X-は好適な水溶性対イオンを表す。
【0068】
【0069】
ポリアルキレンイミン骨格のアルコキシル化修飾は、平均約1~約50のアルコキシ単位、好ましくは約2~約40のアルコキシ単位、より好ましくは約3~約30単位、とりわけ約3~約20のアルコキシ単位を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換を含み得る。アルコキシ単位は、好ましくは、エトキシ(EO)、1,2-プロポキシ(1,2-PO)、ブトキシ(BO)、及びこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、ポリアルコキシレン鎖は、エトキシ単位、及びエトキシ単位とプロポキシ単位との組み合わせから選択される。より好ましくは、ポリアルコキシレン鎖は、約1~約50、より好ましくは約2~約40、とりわけ約3~20の平均度でエトキシ単位を含む。この度合いのエトキシ単位を含むポリアルキレンイミンは、漂白可能な汚れ、特に茶渋及びコーヒー渋の除去の観点から最も優れた性能を示すことが判明している。また、漂白可能な汚れ除去の観点から好ましいのは、エトキシ鎖とプロポキシ鎖との混合物を含むポリアルコキシレン鎖であり、好ましくは、ポリアルコキシレン鎖は、平均して約1~約30のエトキシ単位と、より好ましくは平均度が約0~約10のプロポキシ単位とを含み、より好ましくは約2~約20のエトキシ単位と、約1~約10のプロポキシ単位とを含む。
【0070】
好ましいアルコキシル化ポリエチレンイミンの例は、式(I)の一般構造又は四級化型(II)を有する。
【0071】
【化4】
式中、ポリエチレンイミン骨格は、約600~約5000g/モルの重量平均分子量を有し、式(I)又は(II)のnは平均3~20を有し、式(I)のRは水素、C
1~C
4アルキル又はベンジル、及びこれらの混合物から選択される。式(II)のポリアルキレンイミン骨格の四級化度は、ポリアルキレンイミン骨格の窒素原子の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも20%、とりわけ70%以上であり得る。
【0072】
別の好ましいポリエチレンイミンは、式(III)の一般構造を有し、四級化型は、式(IV)として示される。
【0073】
【化5】
式中、ポリエチレンイミン骨格は、約600~約5000g/モルの重量平均分子量を有し、式(III)及び(IV)のnの平均は7であり、式(III)及び(IV)のmの平均は1であり、式(III)及び(IV)のRは水素、C
1~C
4アルキル及びこれらの混合物から選択される。式(IV))の永久四級化度は、ポリエチレンイミン骨格窒素原子の5%~100%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%であり得る。
【0074】
本発明の組成物に好適なポリアルキレンイミンは、例えば、二酸化炭素、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、酢酸などの触媒の存在下でエチレンイミンを重合させることによって調製することができる。
【0075】
アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンとアルコキシ単位との反応によって公知の方法で調製することができ、このプロセスは、本明細書ではポリオキシエチレンイミンのエトキシル化について記載される。
【0076】
好ましい手順の1つは、最初に第1の工程でポリアルキレンイミンの初期エトキシル化のみを行うことである。この工程では、ポリアルキレンイミンは、NH単位1モル当たり約1モルのエチレンオキシドに相当する、使用するエチレンオキシドの総量の一部のみと反応する。この反応は、概して、水溶液中、触媒の非存在下で、約70~約200℃、好ましくは約80~約160℃の反応温度で実施される。この反応は、最大約10バール、特に最大約8バールの圧力で影響を受ける可能性がある。
【0077】
次に、第2の工程では、残りの量のエチレンオキシドとのその後の反応により、更なるエトキシル化が行われる。更なるエトキシル化は、典型的には、塩基性触媒の存在下で行われる。好適な触媒の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムのようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、特には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及びカリウムtert-ブトキシドのようなナトリウム及びカリウムのC1~C4-アルコキシド、水素化ナトリウム及び水素化カルシウムのようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、並びに、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムのようなアルカリ金属の炭酸塩である。アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコキシドが優先され、特に水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが優先される。塩基の典型的な使用量は、ポリアルキレンイミンとアルキレンオキシドとの合計量に基づいて、0.05~10重量%、特に0.5~2重量%である。
【0078】
更なるエトキシル化は、物質中(変形例a))又は有機溶媒中(変形例b))で行われてもよい。変形例a)では、第1の工程で得られた初期エトキシル化されたポリアルキレンイミンの水溶液が、触媒の添加後に先ず脱水される。この脱水は、約80~約150℃に加熱し、約0.01~約0.5バールの減圧下で水を留去することによる単純な方法で行うことができる。その後のエチレンオキシドとの反応は、典型的には約70~約200℃、好ましくは約100~約180℃の反応温度で行われる。その後のアルキレンオキシドとの反応は、典型的には最大約10バール、特に最大8バールの圧力で行われる。その後のエチレンオキシドとの反応時間は、概して約0.5~約4時間である。
【0079】
変形例b)に適した有機溶媒は、特に非極性及び極性の非プロトン性有機溶媒である。特に好適な非極性非プロトン性溶媒の例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン及びキシレンなどの脂肪族及び芳香族炭化水素が挙げられる。特に好適な極性非プロトン性溶媒の例は、エーテル、特に、テトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドなどのN,N-ジアルキルアミド、並びにN-メチルピロリドンなどのN-アルキルラクタムである。当然、これらの有機溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましい有機溶媒は、キシレン及びトルエンである。
【0080】
変形例b)では、第1の工程で得られる溶液は、触媒及び溶媒の添加後、初めに脱水され、脱水は、約120~約180℃の温度で、好ましくは穏やかな窒素気流により助けられ、水を分離することにより有利に行われる。その後のアルキレンオキシドとの反応は、変形例a)と同様に行うことができる。変形例a)では、アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、直接物質中で得られ、所望により、水溶液に変換されてもよい。変形例b)では、有機溶媒は典型的には除去されて、水と置き換えられる。当然、生成物は、物質中で単離されてもよい。
【0081】
アルコキシル化ポリエチレンイミンの四級化は、好ましくはC1~C12アルキル、アリール又はアルキルアリール基の導入により達成され、例えば国際公開第2009060059号に記載されているように、対応するアルキル-、アルキルアリール-ハライド及びジアルキルサルフェートとの反応によって通常の方法で行うことができる。
【0082】
エトキシル化ポリエチレンイミンの四級化は、好ましくは、アミンを、式EX[式中、EはC1~C12アルキル、アリール又はアルキルであり、Xは、窒素(及びC2~C6アルキレンオキシド、とりわけエチレンオキシド又はプロピレンオキシド)によって置換可能である、脱離基である]の化合物から選択される少なくとも1つのアルキル化化合物と反応させることによって達成される。
【0083】
好適な脱離基Xは、ハロゲン、とりわけ塩素、臭素又はヨウ素、硫酸塩(すなわち-O SO3H又は-O SO3-)、メチルスルホネートなどのアルキルスルホネート、トリルスルホネートなどのアリールスルホネート、及びメトサルフェートなどのアルキルサルフェート(すなわち-O SO2 OMe)である。好ましいアルキル化剤EXは、C1~C12アルキルハライド、ビス(C1~C12-アルキル)サルフェート、及びベンジルハライドである。このようなアルキル化剤の例は、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、塩化ベンジル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルである。
【0084】
アルキル化剤の量は、ポリマー中のアミノ基の四級化の量を決定する。四級化の量は、非四級化アミンと四級化アミンのアミン価の差から算出することができる。
【0085】
アミン価は、DIN16945に記載の方法に従って決定することができる。
【0086】
反応は無溶媒で行うことができるが、水、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの溶媒又は希釈剤を用いてもよい。反応温度は、通常、10℃~150℃の範囲であり、好ましくは、50℃~110℃である。
【0087】
本発明の組成物のアルコキシル化ポリアルキレンイミンに関する全ての分子量は、特に指定しない限り、グラム/モルとして表される重量平均分子量である。分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定することができる。欧州特許第2 662 436(A1)号に記載されている。
【0088】
結晶成長阻害剤
結晶成長阻害剤は、炭酸カルシウム結晶に結合して、アラゴナイト及び方解石などの種の更なる成長を防止することができる材料である。
【0089】
本明細書における使用にとりわけ好ましい結晶成長阻害剤は、HEDP(1-ヒドロキシエチリデン1,1-ジホスホン酸)である。本発明の組成物は、好ましくは製品の0.01~5重量%、より好ましくは0.05~3重量%、とりわけ0.5~2重量%の結晶成長阻害剤、好ましくはHEDPを含む。
【0090】
金属ケア剤
金属ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、並びに銀及び銅などの非鉄金属を含む金属の曇り、腐食又は酸化を防止又は低減することができる。好ましくは、本発明の組成物は、製品の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、とりわけ0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、金属ケア剤はベンゾトリアゾール(BTA)である。
【0091】
ガラスケア剤
ガラスケア剤は、食器洗浄プロセス中にガラス製品の外観を保護する。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、ガラスケア剤は亜鉛含有材料、特に水亜鉛土である。
【0092】
本発明の自動食器洗浄組成物は、好ましくは、20℃の蒸留水中1重量/体積%の水溶液中で測定した場合に、約9~約12、より好ましくは約10~約11.5未満、とりわけ約10.5~約11.5のpHを有する。
【0093】
本発明の自動食器洗浄組成物は、好ましくは、20℃において100グラムの製品を含むNaOH中で測定した場合に、pH9.5で、約10~約20、より好ましくは約12~約18の予備アルカリ度を有する。
【0094】
好ましくは、本発明の組成物は、
i)組成物の0.5~5重量%のターポリマーと、
ii)組成物の0.5~20重量%の非イオン性界面活性剤と、
iii)組成物の5~50重量%の錯化剤、好ましくはMGDAの塩を含む錯化剤と、
iv)酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼと、
v)任意で、組成物の0.5~15重量%の分散剤ポリマー、好ましくはカルボキシレート/スルホネートポリマーと、
vi)任意で、組成物の5~25重量%の漂白剤、より好ましくは漂白触媒と、を含む。
【0095】
好ましくは、本発明の組成物は、
i)組成物の0.5~5重量%のターポリマーと、
ii)組成物の0.5~10重量%の非イオン性界面活性剤と、
iii)組成物の5~50重量%のビルダーと、
iv)組成物の5~50重量%の錯化剤、好ましくはMGDAの塩を含む錯化剤と、
v)酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼと、
vi)組成物の0.5~5重量%の分散剤ポリマー、好ましくはカルボキシレート/スルホネートポリマーと、
vii)任意で、組成物の5~25重量%の漂白剤、より好ましくは漂白触媒と、
viii)結晶成長阻害剤と、
ix)任意であるが好ましくは、ポリアルキレンイミン骨格、アルコキシ鎖及び四級化基を含み、40%~98%の四級化度を有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンであって、
i)ポリアルキレンイミン骨格が、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの1重量%~40重量%を表し、
ii)アルコキシ鎖が、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの60重量%~99重量%を表す、アルコキシル化ポリアルキレンイミンと、を含む。
【0096】
自動食器洗浄方法
本発明の自動食器洗浄方法は、食器洗浄機の主洗浄サイクル(本明細書では「主洗浄」とも呼ばれる)において本発明の組成物を送達する。自動食器洗浄操作(本明細書では「自動食器洗浄プロセス」とも呼ばれる)は、典型的には、3つ以上のサイクル、すなわち、前洗浄サイクル、主洗浄サイクル、及び1つ以上のすすぎサイクルを含み、これらのサイクルの後に、通常、乾燥サイクルが続く。本発明で使用される洗剤組成物は、主洗浄に送達される。改善された乾燥効果は、乾燥サイクルの終わりに注目する必要がある。
【実施例1】
【0097】
2つの自動食器洗浄組成物を、本明細書において以下に詳述するように作製した。
【0098】
I.試験組成物の調製
組成物1:14.5グラムの自動食器洗浄組成物を調製した。組成物は、0.89グラムのMarlipal(登録商標)O 13/70(Sasolによって供給される非イオン性界面活性剤)及び0.84グラムのPlurafac(登録商標)SLF180(BASFによって供給される非イオン性界面活性剤)を含む。組成物2は、0.5gのStyleze 2000(Ashlandによって供給されるポリマー)を更に含む。グラムはグラム活性として与えられる。
【0099】
II.試験項目
以下の物品を調達し、各自動食器洗浄機に添加した。
【0100】
【0101】
III.追加のバラスト汚れ1
試験に追加の汚れを加えるために、以下に記載する手順によって調製されるように、汚れのブレンドを食器洗浄機に加える。
【0102】
【0103】
汚れの調製
1. 植物油と全卵とを合わせ、完全に混合する(約30分)。
2. ケチャップ及びマスタードを添加し、なお激しく撹拌する。
3. 脂肪を溶融し、約40℃に冷却し、次いで混合物に添加し、十分にブレンドする。
4. クリーム及び乳を加えて撹拌する。
5. 粉末固体成分を添加し、全てを滑らかなペーストに混合する。
6. 50gの汚れ混合物をプラスチックポットに入れ、凍結する。
【0104】
IV.試験洗浄の手順
【0105】
【0106】
実施例1
食器洗浄機に、組成物1及び組成物2を使用して洗浄した上記の物品を入れた。4サイクルを連続して実行した後、物品の乾燥度を0~100%のスケール(100%は完全に乾燥している)で視覚的に評価する。平均は2人の評価者から求められ、各サイクルの後に評価される。
【0107】
【0108】
実施例2
食器洗浄機に、組成物1及び組成物2を使用して洗浄した上記の物品を入れた。4サイクル連続して実行した後、プラスチックタンブラーとダラスガラスを黒の背景で撮影し、コンピュータ支援ソフトウェアを使用して画像を分析した。生成された画像はグレースケールに対して分析され、同じものを通る光の平均透過率を示す数値が割り当てられる。画像が白くなるほど、試料を通過する光の透過率が低くなり、画像が黒くなるほど、試料を通過する光の透過率が高くなる。数値はパーセンテージスケールに変換され、透明度(%)と呼ばれる。2の透明度の差は有意である。
透明度(%)=100-((平均グレースケール値/255)*100)
【0109】
斑点は、背景に対してより高いグレースケール(4単位)を有する4ピクセルより大きい円形クラスターとして定義され、グリットは、背景に対してより高いグレースケール(4単位)を有する4ピクセルより小さい円形クラスターとして定義される。
【0110】
【0111】
上記の表から分かるように、本発明の組成物は、ガラス及びプラスチックタンブラーの両方の上の斑点の数及びグリットの量を減少させる。
【0112】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【国際調査報告】