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特表2023-540141テトラアセチルエチレンジアミンの複合体形態
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】テトラアセチルエチレンジアミンの複合体形態
(51)【国際特許分類】
   C07C 233/36 20060101AFI20230913BHJP
   C07C 231/12 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
C07C233/36 CSP
C07C231/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515634
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 GB2021052321
(87)【国際公開番号】W WO2022053804
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】2014070.3
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523083045
【氏名又は名称】ワン1スター・ソリューションズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ONE1STAR SOLUTIONS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤクォーブ,モハンメド
(72)【発明者】
【氏名】ヤクォーブ,サマイラ
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB68
4H006AB70
4H006AC53
4H006AC93
(57)【要約】
本発明は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)の複合体形態およびその調製方法に関する。前記複合体形態は、新規結晶形を含むことがある。本発明は、結晶形そのものにもまた、関する。本発明は、これらの形態でテトラアセチルエチレンジアミンを含む組成物にもまた、関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)の複合体形態であって、前記複合体形態が、TAEDおよびイオン成分を含み、前記イオン成分が、深共晶溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物から選択される、複合体形態。
【請求項2】
前記TAEDが、結晶形(フォームIII)であり、前記結晶形が、前記イオン成分中に分散されるときに、9.1746±0.2および18.1788±0.2の2θでピークを2つだけ有するXRPDパターンを有することを特徴とし、ここで前記XRPDは、Kα2/Kα1の比が0.5であるCu放射線を用いて測定される、請求項1に記載の複合体形態。
【請求項3】
前記結晶形が、実質的に図2に示されるとおりのXRPDパターンを有する、請求項2に記載の複合体形態。
【請求項4】
前記複合体形態が、ゲルであり、前記TAEDが、固体成分であり、前記イオン成分が、液体成分である、請求項1または2に記載の複合体形態。
【請求項5】
固体である、請求項1または2に記載の複合体形態。
【請求項6】
前記固体複合体形態が、固体界面活性剤をさらに含む、請求項4に記載の複合体形態。
【請求項7】
前記界面活性剤が、クレゾール酸、安息香酸デナトニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム(KMPS)、グリコール酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、表面改質ポリマー、硫酸ナトリウム、リシノール酸亜鉛、ジステアリン酸エチレングリコール、アルキルポリペントシド(APPs)、アルキルポリグルコシド(APGs)、アミンオキシド、アンホアセテート、コカミドDEAおよびMEA、ココアミノプロピオネート、ココアンホジプロピオネート、ココイミノジプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウム炭酸塩/重炭酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、MEA&TEA中和DDBSA、エトキシ化脂肪族アミン、フッ素化界面活性剤、オクチルイミノジプロピオネート、オキソアルコールエトキシレート、PEG-7グリセリルココエート、プロポキシレート/エトキシレート、シリコーン界面活性剤、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、C14-17アルキルSec-スルホン酸ナトリウム(SAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、尿素およびそれらの混合物から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
粉末である、請求項4から6のいずれか1項に記載の複合体形態。
【請求項9】
TAED対前記イオン成分のモル比が、3:1から1:3の範囲内である、請求項1から7のいずれか1項に記載の複合体形態。
【請求項10】
前記イオン成分が、DESである、請求項1から8のいずれか1項に記載の複合体形態。
【請求項11】
前記DESが、塩化コリン:乳酸DES;およびプロリン:乳酸DES;塩化コリン:クエン酸DESおよびプロピレングリコール:クエン酸DESから選択される、請求項9に記載の複合体形態。
【請求項12】
前記DESが、プロピレングリコール:クエン酸DESである、請求項9に記載の複合体形態。
【請求項13】
前記イオン成分が、イオン液体である、請求項1から8のいずれか1項に記載の複合体形態。
【請求項14】
以下のステップ:
(a)TAEDを深共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物とともに、150℃以上の温度に加熱するステップ;および
(b)混合物を冷まし、TAEDの複合体形態を形成させるステップ
を含む、TAEDの複合体形態を形成させる方法。
【請求項15】
前記共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)またはイオン液体(IL)が、ステップ(b)の生成物が5000cPから120000cPの粘度を有するように選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱するステップ(a)が、プロピレングリコール(1,2-プロピレングリコール)もしくはトリポリリン酸ナトリウム、苛性ソーダ、スルホン酸またはそれらの混合物の存在下で実行されることがある、請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(b)で形成される複合体形態が、ゲルであり、前記方法が、ステップ(c):固体界面活性剤を前記(b)の生成物に添加し、固体である複合体形態を得るステップを含む、請求項13から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記固体界面活性剤が、クレゾール酸、安息香酸デナトニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム(KMPS)、グリコール酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、表面改質ポリマー、硫酸ナトリウム、リシノール酸亜鉛、ジステアリン酸エチレングリコール、アルキルポリペントシド(APPs)、アルキルポリグルコシド(APGs)、アミンオキシド、アンホアセテート、コカミドDEAおよびMEA、ココアミノプロピオネート、ココアンホジプロピオネート、ココイミノジプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウム炭酸塩/重炭酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、MEA&TEA中和DDBSA、エトキシ化脂肪族アミン、フッ素化界面活性剤、オクチルイミノジプロピオネート、オキソアルコールエトキシレート、PEG-7グリセリルココエート、プロポキシレート/エトキシレート、シリコーン界面活性剤、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、C14-17アルキルSec-スルホン酸ナトリウム(SAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、尿素およびそれらの混合物から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
請求項13から17のいずれか1項に記載の方法によって得ることができることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の複合体形態。
【請求項20】
請求項1から12および18のいずれか1項に記載のTAEDの複合体形態を含む、組成物。
【請求項21】
固体組成物である、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
粉末組成物である、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
0.1重量%から20重量%または0.1から50重量%または75重量%以上で前記TAEDの複合体形態の結晶形を含む、請求項19から21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
漂白剤をさらに含む、請求項19から22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
界面活性剤または湿潤剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項19から23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
pH調整剤、キレート剤、安定化剤、希釈剤、流動促進剤、結合剤、発泡剤、崩壊剤およびコーティング剤からなる群から選択される添加剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項19から24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
TAEDの結晶形(フォームIII)であって、前記結晶形が、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)中に分散されるときに、9.1746±0.2および18.1788±0.2の2θでピークを2つだけ有するXRPDパターンを有することを特徴とし、ここで前記XRPDは、Kα2/Kα1の比が0.5であるCu放射線を用いて測定される、結晶形。
【請求項28】
実質的に図2に示されるとおりのXRPDパターンを有する、請求項26に記載の結晶形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)の複合体形態およびその調製方法に関する。前記複合体形態は、新規結晶形を含むことがある。本発明は、結晶形そのものにもまた、関する。本発明は、これらの形態でテトラアセチルエチレンジアミンを含む組成物にもまた、関する。
【背景技術】
【0002】
テトラアセチルエチレンジアミン(TAED;IUPAC名:N,N’-エチレンビス(ジアセトアミド);CAS登録番号:10543-57-4)は、洗濯用および食器用の固体洗剤または添加剤に主に使用される、周知の漂白活性化剤である。
【0003】
TAEDの2つの結晶形、フォームIおよびフォームIIは既知である。フォームIは、非常に溶解度が低く(20℃で0.2g/リットル)、水における溶解速度が低い。
【0004】
本発明の特定の実施形態の目的は、TAEDの安定な形態、例えば安定な結晶形を提供することである。本発明の特定の実施形態の目的は、その他の形態よりも安定なTAEDの形態、例えば結晶形を提供することである。
【0005】
本発明の特定の実施形態の目的は、その他の形態、例えばその他の結晶形よりも溶解性の高いTAEDの形態、例えば結晶形を提供することである。
【0006】
本発明の特定の実施形態は、上記の目的の一部または全部を満たす。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様において、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)の複合体形態であって、前記複合体形態が、TAEDおよびイオン成分を含み、前記イオン成分が、深共晶溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物から選択される、複合体形態が提供される。
【0008】
本発明の複合体形態中のTAEDは、一般に20℃で約2g/L以上の溶解度(複合体中に存在するTAEDの質量により算出される)を有する。市販のTAEDは、一般に約200mg/Lの溶解度を有する。同様に、漂白剤、例えば過炭酸ナトリウムの存在下において、本発明の複合体形態中のTAEDの溶解度は一般に、20℃で市販の形態のそれよりもかなり高い(約4g/L)。それゆえ、本発明の複合体形態は、適切な漂白剤と接触するときに、水中で高濃度の過酢酸をもたらすことができる。
【0009】
複合体形態は、ゲルである場合がある。この実施形態において、TAEDは、ゲルの固体成分であり、イオン成分は、ゲルの液体成分である。TAEDは、イオン成分からなる液体中に分散される場合がある。
【0010】
複合体形態は、固体である場合がある。TAEDは、イオン成分の固体中に包まれる場合がある。TAEDは、イオン成分との混合物である場合がある。
【0011】
複合体形態は、界面活性剤を含むことがある。前記界面活性剤は、固体界面活性剤である場合がある。一般に、固体界面活性剤を含む複合体形態は、固体である。固体界面活性剤は、TAEDおよびイオン成分との混合物である場合がある。
【0012】
界面活性剤が存在する場合、それは、複合体形態の総重量の10w/w%から80w/w%の量で存在することがある。
【0013】
複合体中のTAEDは、結晶性フォームIIIである場合がある。
【0014】
前記複合体形態は、以下のステップ:
(a)TAEDを深共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物とともに、150℃以上の温度に加熱するステップ;
(b)混合物を冷まし、複合体形態を形成させるステップ
によって得ることができる(例えば得られる)ことを特徴とする場合がある。
【0015】
TAED対イオン成分のモル比は、3:1から1:3の範囲内である場合がある。TAED対イオン成分のモル比は、2:1から1:2の範囲内である場合がある。TAED対イオン成分のモル比は、約1:1である場合がある。
【0016】
TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して10%を超えて存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して25%を超えて存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して50%を超えて存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して95%未満で存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して90%未満で存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して80%未満で存在してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様において、フォームIIIである、TAEDの結晶形が提供される。
【0018】
第1の態様の複合体形態中のTAEDは、第2の態様の結晶形である場合がある。
【0019】
第1の態様の複合体形態と同様に、TAEDフォームIIIは、20℃で市販のTAEDよりもかなり高い溶解度および溶解速度を有する。それゆえ、本発明のTAEDフォームIIIは、適切な漂白剤と接触するときに、水中で高濃度の過酢酸をもたらすことができる。
【0020】
前記結晶形(すなわちフォームIII)は、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)中に分散されるときに、9.1746±0.2および18.1788±0.2の2θでピークを2つだけ有するXRPDパターンを有することを特徴とすることがあり、ここで前記XRPDは、Kα2/Kα1の比が0.5であるCu放射線を用いて測定される。
【0021】
疑義を避けるために記すと、2つのピークは、XRPDパターンにおける唯一のピークである。
【0022】
前記結晶形(すなわちフォームIII)は、以下のステップ:
(c)TAEDを深共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物とともに、150℃以上の温度に加熱するステップ;
(d)混合物を冷まし、DESまたはIL中に分散されるTAEDフォームIII結晶を形成させるステップ
によって得ることができる(例えば得られる)ことを特徴とする場合がある。
【0023】
TAED結晶性フォームIIIは、DESまたはILを伴う場合がある。TAED結晶性フォームIIIは、液体DESまたはIL中に分散される場合がある。TAED結晶性フォームIIIは、固体DESまたはIL中に包まれる場合がある。
【0024】
前記結晶形は、実質的に図2に示されるとおりのXRPDパターンを有することがある。
【0025】
本発明の第3の態様において、以下のステップ:
(a)TAEDを深共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物とともに、150℃以上の温度に加熱するステップ;および
(b)混合物を冷まし、複合体形態を形成させるステップ
を含む、TAEDの、例えば第1の態様の、複合体形態を形成させる方法が提供される。
【0026】
本発明の第3の態様の方法は、以下のステップ:
(c)TAEDを深共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物とともに、150℃以上の温度に加熱するステップ;および
(d)混合物を冷まし、DESまたはIL中に分散されるTAEDフォームIII結晶を形成させるステップ
を含む、本発明の第2の態様の結晶形(例えば結晶形フォームIII)を形成させる方法である場合がある。
【0027】
TAEDが、DES形成成分とともに加熱される場合、ステップ(b)の生成物は、DES中に分散される固体TAED(例えばTAEDフォームIII結晶)である。
【0028】
混合物がステップ(a)において加熱される温度は、155℃以上である場合がある。混合物がステップ(a)において加熱される温度は、190℃以下である場合がある。混合物がステップ(a)において加熱される温度は、175℃以下である場合がある。
【0029】
ステップ(b)の生成物は、ゲルのようなコンシステンシーを有し、この特性は、DESまたはILまたはそれらの混合物の同一性を変えることで制御され得る。このゲル様物質は、界面活性剤、ポリマーおよびその他の洗剤ベースの成分といった添加剤の添加により、固化し、TAEDフォームIIIを形成させることがある。ステップ(b)の生成物の粘度は、非常に粘稠な、1000cPから120000cPの範囲内であり得る。
【0030】
TAEDは、塩化コリンおよび尿素とともに加熱されることがある。
【0031】
塩化コリン対尿素のモル比は、1:1から4:1の範囲内(例えば約2:1)である場合がある。
【0032】
TAED対DES(もしくはDES形成成分)またはILのモル比は、3:1から1:3の範囲内である場合がある。TAED対DESまたはILのモル比は、2:1から1:2の範囲内である場合がある。TAED対DESまたはILのモル比は、約1:1である場合がある。
【0033】
DESが塩化コリンおよび尿素を含む場合、TAED対塩化コリンのモル比は、2:1から1:2の範囲内である場合がある。TAED対塩化コリンのモル比は、約1:1である場合がある。
【0034】
TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して10%を超えて存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して25%を超えて存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して50%を超えて存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して95%未満で存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して90%未満で存在してもよい。TAEDは、TAEDおよびイオン成分の重量の総和の総重量に対して80%未満で存在してもよい。
【0035】
TAEDをイオン液体またはDES溶媒とともに、150℃以上または155℃以上で加熱すると透明な液体が得られ、これを冷ますと、TAEDをフォームIIIに再結晶化することができる。
【0036】
DESまたはIL中に分散されるときのフォームIIIの安定性は、優れている。ステップ(b)の生成物が、5000cP以上の粘度を有する場合、分散系は、40℃ 75%RHの安定条件において、6か月間物理的および化学的に安定であることが示されている。
【0037】
それゆえ、共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)またはイオン液体(IL)は、ステップ(b)の生成物の液体成分が5000cPから120000cPの範囲内で粘度を有するように選択されるということがある。
【0038】
DESまたはIL系におけるTAEDの溶解速度は、液体添加剤、例えばプロピレングリコール(1,2-プロピレングリコール)もしくはトリポリリン酸ナトリウム、苛性ソーダ、スルホン酸など、またはこれらの成分の混合物など、の添加によってさらに高められ得る。それゆえ、加熱するステップ(a)は、プロピレングリコール(1,2-プロピレングリコール)もしくはトリポリリン酸ナトリウム、苛性ソーダ、スルホン酸またはそれらの混合物の存在下で実行されることがある。
【0039】
方法は、ステップ(c):界面活性剤を(b)の生成物に添加し、DESまたはILを固化させ、TAEDの結晶性フォームIIIを包むステップをさらに含むことがある。
【0040】
前記界面活性剤は、固体界面活性剤である場合がある。
【0041】
適当な固体界面活性剤には、クレゾール酸、安息香酸デナトニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム(KMPS)、グリコール酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、表面改質ポリマー、硫酸ナトリウム、リシノール酸亜鉛、ジステアリン酸エチレングリコール、アルキルポリペントシド(APPs)、アルキルポリグルコシド(APGs)、アミンオキシド、アンホアセテート、コカミドDEAおよびMEA、ココアミノプロピオネート、ココアンホジプロピオネート、ココイミノジプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウム炭酸塩/重炭酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、MEA&TEA中和DDBSA、エトキシ化脂肪族アミン、フッ素化界面活性剤、オクチルイミノジプロピオネート、オキソアルコールエトキシレート、PEG-7グリセリルココエート、プロポキシレート/エトキシレート、シリコーン界面活性剤、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、C14-17アルキルSec-スルホン酸ナトリウム(SAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、尿素が挙げられる。
【0042】
第3の態様の方法は、第1の態様の複合体形態を形成させる方法である場合がある。第3の態様の方法は、第2の態様の結晶形を形成させる方法である場合がある。
【0043】
第1の態様の複合体形態は、第3の態様の方法に従って作成されることがある。第1の態様の結晶形は、第3の態様の方法に従って作成されることがある。
【0044】
本発明の第4の態様において、第1の態様のTAEDの複合体形態または第2の態様のTAEDの結晶形のいずれかを含む組成物が提供される。
【0045】
組成物は、固体組成物、例えば粉末組成物である場合がある。組成物は、TAED複合体形態が固体として存在する懸濁液またはペーストである場合がある。
【0046】
組成物は、洗剤組成物である場合がある。組成物は、漂白組成物である場合がある。
【0047】
組成物は、0.1重量%から20重量%で第1の態様のTAEDの結晶形を含むことがある。
【0048】
一般にTAEDフォームIIIは、固体DESまたはイオン液体中に包まれる。
【0049】
組成物は、一般に固体界面活性剤、例えばクレゾール酸、安息香酸デナトニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム(KMPS)、グリコール酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、表面改質ポリマー、硫酸ナトリウム、リシノール酸亜鉛、ジステアリン酸エチレングリコール、アルキルポリペントシド(APPs)、アルキルポリグルコシド(APGs)、アミンオキシド、アンホアセテート、コカミドDEAおよびMEA、ココアミノプロピオネート、ココアンホジプロピオネート、ココイミノジプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウム炭酸塩/重炭酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、MEA&TEA中和DDBSA、エトキシ化脂肪族アミン、フッ素化界面活性剤、オクチルイミノジプロピオネート、オキソアルコールエトキシレート、PEG-7グリセリルココエート、プロポキシレート/エトキシレート、シリコーン界面活性剤、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、C14-17アルキルSec-スルホン酸ナトリウム(SAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、尿素から選択される固体界面活性剤もまた、含む。
【0050】
組成物は、一つ以上の追加の漂白活性化剤を含むことがある。一つ以上の追加の漂白活性化剤は、TAEDの結晶性フォームI、TAEDの結晶性フォームII、トリアセチルエチレンジアミン、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(DOBS)を含む群から選択されることがある。
【0051】
組成物は、漂白剤をさらに含むことがある。漂白剤は、金属過炭酸塩である場合がある。漂白剤は、アルカリ金属過炭酸塩、例えば過炭酸ナトリウムまたは過炭酸カリウムである場合がある。漂白剤は、過炭酸ナトリウムである場合がある。
【0052】
組成物は、界面活性剤または湿潤剤のうちの少なくとも一つをさらに含むことがある。組成物は、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、希釈剤、流動促進剤、結合剤、発泡剤、崩壊剤およびコーティング剤からなる群から選択される添加剤のうちの少なくとも一つをさらに含むことがある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、以下にさらに記述される。
図1図1は、TAEDフォームIおよびIIのPXRDパターンを示す(WO2017068348A1からの引用)。
図2図2は、TAEDフォームIIIのPXRDパターンを示す。
図3図3は、水における本発明の複合体TAEDおよびTAEDフォームIの溶解速度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
詳細な説明
測定条件(使用される機器、サンプル調製または機械など)に応じて一つ以上の測定誤差を有するX線粉末回折パターンが得られることがあるということは、当技術分野で既知である。特に、X線粉末回折パターンにおける強度は、測定条件およびサンプル調製に応じて変動することがあるということは、一般に既知である。例えば、X線粉末回折の技術分野における当業者は、ピークの相対強度が試験体の配向性および使用される機器の種類および設定によって異なることがあるということを理解するものである。当業者は、反射の位置が、サンプルが回折計に載っている正確な高さおよび回折計のゼロ校正の影響を受け得るということもまた、理解するものである。サンプルの表面の平面性もまた、小さな影響を及ぼすことがある。それゆえ、当業者は、本明細書で提示される回折パターンデータは、絶対的なものとして解釈されるべきでなく、本明細書で開示されるものと実質的に同一な粉末(power)回折パターンを提供する任意の結晶形は、本開示の範囲内にあるということを理解するものである(さらなる詳細についてはJenkins, R & Snyder, R.L. ‘Introduction to X-Ray Powder Diffractometry’ John Wiley & Sons, 1996を参照されたい)。
【0055】
深共晶溶媒
深共晶溶媒は、様々なアニオンおよび/またはカチオン種を含み得る、ルイスまたはブレンステッド酸および塩基の共融混合物から形成される系である。それは、特異的性質を有するイオン溶媒の種類に分類される。それは、一つ以上の化合物を混合物形態に組み入れ、それぞれの成分のいずれかよりもはるかに低い融点を有する共晶混合物をもたらす。最も重要な深共晶現象の一つは、塩化コリンおよび尿素の1:2モル比の混合物について観察された。得られた混合物は、12℃の融点を有し(塩化コリンの融点、302℃および尿素の融点、133℃よりもはるかに低い)、室温で液体となる。
【0056】
第1世代の共晶溶媒は、第四級アンモニウム塩と水素結合ドナー(アミンおよびカルボン酸など)の混合物に基づいていた。4種類の共晶溶媒が存在する。
タイプI 第四級アンモニウム塩+金属塩化物
タイプII 第四級アンモニウム塩+金属塩化物水和物
タイプIII 第四級アンモニウム塩+水素結合ドナー
タイプIV 金属塩化物水和物+水素結合ドナー
【0057】
共晶溶媒は、アンモニウム化合物をアミン、アミド、カルボン酸、アルコール、金属ハロゲン化物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される第2の化合物と反応させることをさらに含む。
【0058】
深共晶溶媒または溶液(DES)は、アンモニウム化合物、例えばN-(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド(塩化コリン)を水素結合ドナー(HBD)、例えばカルボン酸、アミン、アミドおよびアルコールなど、と組み合わせることによって形成される。これらの液体は、孤立イオンから形成されるイオン液体に類似の物理的特性および溶媒特性を有し、一般的な汎用化学製品(例えば塩化コリンおよびカルボン酸またはアミドなど)を単に混合することにより容易に生産される。
【0059】
その他の例には、塩化コリン:乳酸DES、およびプロリン:乳酸DES、塩化コリン:クエン酸およびジメチル尿素:クエン酸、プロピレングリコール:クエン酸DESが挙げられる。
【0060】
イオン成分は、塩化コリン:乳酸DES;およびプロリン:乳酸DES;塩化コリン:クエン酸DESおよびプロピレングリコール:クエン酸DESから選択されるDESである場合がある。イオン成分は、プロピレングリコール:クエン酸DESである場合がある。
【0061】
イオン液体
実例的なイオン液体には、WO2006050307、US20190085273およびWO2017156141に記載されるものが挙げられる。
【0062】
実例的なイオン液体には、イミダゾリウム塩、例えばヘキサフルオロリン酸1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム(別名[bmim])など、が挙げられる。その他の周知のイオン液体には、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド 塩化アルミニウム(III)(通常[emim]Cl-AlClと呼ばれる)およびN-ブチルピリジニウムクロライド 塩化アルミニウム(III)(通常[Nbupy]Cl-AlClと呼ばれる)が挙げられる。別の実例的なイオン液体には、ジイソプロパノールアミン(DIPA)が挙げられる。
【0063】
本発明のためのイオン液体で用いるのに適するアニオンおよびカチオンの限定されない例は、以下に開示される。
【0064】
アニオン
本発明のイオン液体で用いるのに適するアニオンには、以下の物質が挙げられるが、これらに限らない。
【0065】
(1)アルキルスルフェート(AS)、アルコキシスルフェートおよびアルキルアルコキシスルフェート;アルコキシスルフェートの限定されない例には、市販のアルコキシコポリマー(例えばPluronics(登録商標)(BASFから)など)の硫酸化誘導体が挙げられる。
【0066】
(2)スルホスクシネートのモノエステルおよびジエステル:限定されない例には、飽和および不飽和C12-18モノエステルスルホスクシネート(例えばMackanate LO-100(登録商標)(The Mclntyre Groupから)として入手できるラウリルスルホスクシネートなど);飽和および不飽和C-C12ジエステルスルホスクシネート(例えばAerosol OT(登録商標)(Cytec Industries,Inc.から)として入手できるジオクチルエステルスルホスクシネートなど)が挙げられる。
【0067】
(3)メチルエステルスルフォネート(MES)
【0068】
(4)アルキルアリールスルフォネート、限定されない例には、トシレート、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和C-C14アルキルを有するアルキルアリールスルフォネート;アルキルベンゼンスルフォネート(LAS)(例えばC11-C12アルキルベンゼンスルフォネートなど)が挙げられる。
【0069】
(5)アルキル部分において8から22個の炭素原子を有するアルキルグリセロールエーテルスルフォネート
【0070】
(6)ジフェニルエーテル(bis-フェニル)誘導体:限定されない例には、トリクロサン(2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル)およびジクロサン(4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル)が挙げられ、両方がCiba Specialty ChemicalsからIrgasan(登録商標)として入手できる。
【0071】
(7)直鎖または環状カルボキシレート:限定されない例には、シトレート、ラクテート、タートレート、スクシネート、アルキレンスクシネート、マレアート、グルコネート、ホルメート、シンナメート、ベンゾエート、アセテート、サリチレート、フタレート、アスパルテート、アジペート、アセチルサリチレート、3-サリチル酸メチル、4-ヒドロキシイソフタレート、ジヒドロキシフマレート、1,2,4-ベンゼントリカルボキシレート、ペンタノエートおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0072】
(8)中鎖分岐アルキルスルフェート(HSAS)、中鎖分岐アルキルアリールスルフェート(MLAS)および中鎖分岐アルキルポリオキシアルキレンスルフェート;MLASの限定されない例には、US6,596,680;US6,593,285;およびUS6,202,303に開示されるものが挙げられる。
【0073】
(9)サルコシネート;限定されない例には、アンモニウムラウロイルサルコシネート(Dow ChemicalsからHamposyl AL-30(登録商標)として入手できる)およびナトリウムオレオイルサルコシネート(Dow ChemicalからHamposyl O(登録商標)として入手できる)が挙げられる。
【0074】
(10)直鎖または分岐鎖の硫酸化およびスルホン化油および脂肪酸(例えばNorman,Fox&Co.からNorfox 1101(登録商標)として入手できるヤシ油カリウム石鹸およびChemron Corp.からのオレイン酸カリウムに由来する、スルフェートまたはスルフォネートなど)
【0075】
(11)脂肪酸エステルスルフォネート
【0076】
(12)甘味料由来のアニオン:サッカリネートおよびアセスルファメート;
【化1】
式中、M+は、下記のイオン液体のカチオンから選択されるカチオンである。
【0077】
(13)エトキシ化アミドスルフェート;トリポリリン酸ナトリウム(STPP);二水素ホスフェート;フルオロアルキルスルフォネート;ビス-(アルキルスルホニル)アミン;ビス-(フルオロアルキルスルホニル)アミド;(フルオロアルキルスルホニル)(フルオロアルシル(allcyl)カルボニル)アミド;ビス(アリールスルホニル)アミド;カーボネート;テトラフルオロボレート(BF4);ヘキサフルオロホスフェート(PF6):
【0078】
(14)アニオン性漂白活性化剤、限定されない例には、
【化2】
4-ノナノイルオキシベンゼンスルフォネート
【化3】
4-ドデカノイルオキシベンゼンスルフォネート
【化4】
4-デカノイルオキシベンゾエート
などが挙げられ、US5,891,838;US6,448,430;US5,891,838;US6,159,919;US6,448,430;US5,843,879;US6,548,467に開示される。
【0079】
カチオン
本発明のイオン液体で用いるのに適するカチオンには、以下の物質が挙げられるが、これらに限らない。
【0080】
(a)アミンオキシド、ホスフィンオキシド、またはスルホキシドのカチオン(すなわち、プロトン化された、陽イオンの形にある)
(b)ベタイン;ベタインの限定されない例には、ドデシルジメチルベタイン、アセチルジメチルベタイン、ドデシルアミドプロピルジメチルベタイン、テトラデシルジメチルベタイン、テトラデシルアミドプロピルジメチルベタイン、ドデシルジメチルアンモニウムヘキサノエート;およびアミドアルキルベタインが挙げられ、これらは米国特許番号第3,950,417号;第4,137,191号;および第4,375,421号;ならびに英国特許番号GB2,103,236に開示され、もう一つの実施形態において、カチオンは、スルホベタインである場合があり、これは米国特許番号第4,687,602号に開示される。
(c)ジエステル第四級アンモニウム(DEQA)カチオン、例えば米国特許番号第6,004,922号に記載のDEQAカチオン
(d)アルキレン第四級アンモニウムカチオン、例えば
ジアルキレンジメチルアンモニウムカチオン(Adogen(登録商標) 472という商標名でWitco Corporationから入手可能なジオレイルジメチルアンモニウムなど);またはモノアルケニルトリメチルアンモニウム(モノオレイルトリメチルアンモニウム、モノキャノーラトリメチルアンモニウム、およびソヤトリメチルアンモニウムなど)
(e)ジ脂肪アミド(di-fatty amido)第四級アンモニウムカチオン、例えばジ脂肪アミドクアット(difatty amido quat)は、Varisoft(登録商標)という商標名でWitcoから市販されている。
(f)C8-22第四級界面活性剤(Scher Chemicals,Inc.からSchercoquat IIS(登録商標)として、エトスルフェート塩の形で入手可能なイソステアリルエチルイミドニウム、Cognis CorporationからDehyquart SP(登録商標)として入手可能なクオタニウム-52、およびAkzo Nobel Surface Chemistry LLCからArquad 2C-75(登録商標)として、クロライド塩の形で入手可能なジココジメチルアンモニウムなど)
【0081】
(g)カチオン性エステル(例えば米国特許番号第4,228,042号、第4,239,660号、第4,260,529号および第6,022,844号に記載のものなど)
【0082】
(h)4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-3-イソチアゾロン(RohmおよびHaasからKathon(登録商標)として入手可能)
【0083】
(i)第四級アミノポリオキシアルキレン誘導体(コリンおよびコリン誘導体)
【0084】
(j)アルキルオキシアルキレンカチオン
【0085】
(k)米国特許番号第6,136,769号に記載されるアルコキシレート第四級アンモニウム(AQA)
【0086】
(1)置換および非置換ピロリジニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ピラゾリウム、ベンズピラゾリウム、チアゾリウム、ベンズチアゾリウム、オキサゾリウム、ベンズオキサゾリウム、イソキサゾリウム、イソチアゾリウム、イミダゾリデニウム(imdazolidenium)、グアニジウム、インダゾリウム、キヌクリジニウム、トリアゾリウム、イソキヌクリジニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピリダジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、アゼピニウム、ジアゼピニウム、ピリジニウム、ピペリドニウム、ピリミジニウム、チオフェニウム;ホスホニウム
【0087】
(m)第四級アンモニウム部分を有するカチオン性漂白活性化剤、以下に限らないが、例えば
【化5】
N,N-ジメチル-2-[(フェノキシカルボニル)オキシ]-N-[2-[(フェノキシカルボニル)オキシ]エチル]エタナミニウム
【化6】
4-(シアノメチル)-4-メチルモルホリニウム;1-シアノ-N,N,N-トリメチルメタンアミニウム
【化7】
l-メチル-3-(l-オキソヘプチル)-lH-イミダゾリウム
が挙げられ、イオン液体のカチオンとして本明細書で使用するのに適する、これらのおよびその他のカチオン性漂白活性化剤は、US 5,599,781、US 5,686,015、US 5,686,015、WO 95/29160、US 5,599,781、US 5,534,179、EP 1 253 190 Al、US 6,183,665、US 5,106,528、US 5,281,361、およびBulletin de Ia Societe Chimique de France(1973),(3)(Pt.2),1021-7に開示される。
【0088】
(n)カチオン性抗微生物剤(例えばセチルピリジニウム、クロロヘキシジンおよびドミフェンなど)
【0089】
(о)アルキル化カフェインカチオン
【0090】
本発明は、以下の番号付けされた項に従って記述される場合もある。
【0091】
1.TAEDの結晶形(フォームIII)であって、前記結晶形が、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)中に分散されるときに、9.1746±0.2および18.1788±0.2の2θでピークを2つだけ有するXRPDパターンを有することを特徴とし、ここで前記XRPDは、Kα2/Kα1の比が0.5であるCu放射線を用いて測定される、結晶形。
【0092】
2.実質的に図2に示されるとおりのXRPDパターンを有する、項1に記載の結晶形。
【0093】
3.以下のステップ:
(a)TAEDを深共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)、イオン液体(IL)またはそれらの混合物とともに、150℃以上の温度に加熱するステップ;および
(b)混合物を冷まし、DESまたはIL中に分散されるTAEDフォームIII結晶を形成させるステップ
を含む、TAEDの結晶形(フォームIII)を形成させる方法。
【0094】
4.前記共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)またはイオン液体(IL)が、ステップ(b)の生成物が5000cPから120000cPの範囲内で粘度を有するように選択される、項3に記載の方法。
【0095】
5.結果として高濃度の過酢酸系を生み出すための、過炭酸ナトリウムの存在下におけるTAED溶解度(100ml 水中、4グラム以上のTAED)が達成され得る、項3に記載の方法。
【0096】
6.前記共晶溶媒(DES)形成成分、DES溶媒(DES)またはイオン液体(IL)が、TAEDを加熱、融解および再結晶化するのに使用され、TAEDがフォームIIIからフォームIに変換する場合、その水における溶解速度は、一定期間変化しない(水溶性は変化しない)、項3に記載の方法。
【0097】
7.前記加熱するステップ(a)が、プロピレングリコール(1,2-プロピレングリコール)もしくはトリポリリン酸ナトリウム、苛性ソーダ、スルホン酸またはそれらの混合物の存在下で実行されることがある、項3または4に記載の方法。
【0098】
8.ステップ(c):固体界面活性剤を前記(b)の生成物に添加し、前記DESまたはILを固化させ、DESまたはIL中に包まれたTAEDの結晶性フォームIIIを得るステップを含む、項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【0099】
9.前記界面活性剤が、クレゾール酸、安息香酸デナトニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム(KMPS)、グリコール酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、表面改質ポリマー、硫酸ナトリウム、リシノール酸亜鉛、ジステアリン酸エチレングリコール、アルキルポリペントシド(APPs)、アルキルポリグルコシド(APGs)、アミンオキシド、アンホアセテート、コカミドDEAおよびMEA、ココアミノプロピオネート、ココアンホジプロピオネート、ココイミノジプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウム炭酸塩/重炭酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、MEA&TEA中和DDBSA、エトキシ化脂肪族アミン、フッ素化界面活性剤、オクチルイミノジプロピオネート、オキソアルコールエトキシレート、PEG-7グリセリルココエート、プロポキシレート/エトキシレート、シリコーン界面活性剤、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、C14-17アルキルSec-スルホン酸ナトリウム(SAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、尿素およびそれらの混合物から選択される、項6に記載の方法。
【0100】
10.項3から7のいずれか1項に記載の方法によって得ることができることを特徴とする、TAEDの結晶形(フォームIII)。
【0101】
11.項1、2および8のいずれか1項に記載のTAEDの結晶形を含む、組成物。
【0102】
12.固体組成物である、項9に記載の組成物。
【0103】
13.TAEDフォームIIIが、固体DESまたはイオン液体中に包まれる、項9または10に記載の組成物。
【0104】
14.0.1重量%から20重量%または0.1から50重量%または75重量%以上で項1、2および8のいずれか1項に記載のTAEDフォームIの結晶形を含む、項9から11のいずれか1項に記載の組成物。
【0105】
15.固体界面活性剤をさらに含む、項9から12のいずれか1項に記載の組成物。
【0106】
16.前記界面活性剤が、クレゾール酸、安息香酸デナトニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム(KMPS)、グリコール酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、表面改質ポリマー、硫酸ナトリウム、リシノール酸亜鉛、ジステアリン酸エチレングリコール、アルキルポリペントシド(APPs)、アルキルポリグルコシド(APGs)、アミンオキシド、アンホアセテート、コカミドDEAおよびMEA、ココアミノプロピオネート、ココアンホジプロピオネート、ココイミノジプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウム炭酸塩/重炭酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、MEA&TEA中和DDBSA、エトキシ化脂肪族アミン、フッ素化界面活性剤、オクチルイミノジプロピオネート、オキソアルコールエトキシレート、PEG-7グリセリルココエート、プロポキシレート/エトキシレート、シリコーン界面活性剤、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、C14-17アルキルSec-スルホン酸ナトリウム(SAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、尿素およびそれらの混合物から選択される、項13に記載の組成物。
【0107】
17.漂白剤をさらに含む、項9から14のいずれか1項に記載の組成物。
【0108】
18.界面活性剤または湿潤剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、項9から15のいずれか1項に記載の組成物。
【0109】
19.pH調整剤、キレート剤、安定化剤、希釈剤、流動促進剤、結合剤、発泡剤、崩壊剤およびコーティング剤からなる群から選択される添加剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、項9から16のいずれか1項に記載の組成物。
【0110】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体にわたって、「~を含む(comprise)」および「~を含む(contain)」という単語およびそれらの変形は、「~を含むがこれ(ら)に限らない(including but not limited to)」という意味であり、他の部分、添加剤、成分、整数またはステップを除外することを意図しない(かつ除外しない)。本明細書の説明および特許請求の範囲全体にわたって、単数形は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数であること並びに単数であることを企図するものとして理解されるべきである。
【0111】
本発明の特定の態様、実施形態または実施例と組み合わせて記載される特徴、整数、特性、化合物、化学部分または化学基は、本明細書に記載される任意の他の態様、実施形態または実施例に、それらと不適合でない限り、適用できるということが理解されるべきである。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示される全ての特徴、および/またはそのように開示される任意の方法または工程の全てのステップは、少なくともかかる特徴および/またはステップのいくつかが相互排他的である組み合わせを除く、任意の組み合わせで組み合わされることがある。本発明は、任意の上述の実施形態の詳細に制限されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示される特徴のうちの任意の新規のもの、または任意の新規の組み合わせ、またはそのように開示される任意の方法もしくは工程のうちの任意の新規のもの、または任意の新規の組み合わせにまで及ぶ。
【0112】
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時に、または本明細書より前に提出され、本明細書とともに公開される全ての文書に向けられ、かかる全ての文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0113】
一般的な手順
手順I:
・モル比でイオン液体またはDES形成成分(例えば、1:2または1:1のモル比でプロピレングリコールおよびクエン酸)をガラスのビーカー中に正確に秤量する。
・透明な液体が得られるまで、150℃を超えて混合物を加熱する。
・TAEDをこれに添加し、透明な液体が得られるまで混合物を攪拌する。
・透明な液体が得られたら加熱を止める。
・最終混合物を冷ます。TAEDは一般に、多形フォームIIIに再結晶する。
・混合物の冷却完了後、混合物のPXRDを行い、TAEDの構造が多形フォームIIIであることを確認した。
【0114】
手順II:
・イオン液体またはDES形成成分(例えば、プロピレングリコール:クエン酸を1:2および1:1のモル比で)を正確に秤量し、正確に必要な量のTAEDをこれに添加する。
・これらの成分を十分に混合する。
・攪拌しながら、150℃を超えてこの混合物を加熱する。
・透明な液体が得られたらすぐに加熱を止め、混合物を冷ます。
・冷ました混合物のPXRDを行い、TAED多形フォームIIIを確認する。
【0115】
実施例1-フォームIIIの(S)-エピマーを単離する方法
・手順IIに続いて、1グラムのTAED、および等モル比のDES形成成分を取る(例えばプロピレングリコール:クエン酸 1:2であれば、0.76グラムのプロピレングリコールおよび3.84グラムのクエン酸を取る)。
・液体で均質な最終生成物が得られるまで、ビーカー中で上記の全ての原料を混合し、150℃を超えて(155℃または160℃)加熱する。
・最終生成物は冷ますのがよい。
【0116】
実施例2-X線粉末回折(XRPD)
実施例1のDES中に懸濁したTAEDの結晶性フォームIIIの粘稠なサンプル(TAEDは、複合体の総重量に対して20%である。DESは、1:1 モル比のプロピレングリコール:クエン酸である。)をサンプルホルダー上に広げた。X線波長1.54Åおよびフィラメント放出40mAの40KV Cu(Kα)線源を有する装置を用いて、PXRDパターンを分析した。0.01°のステップ幅および1秒の計数時間で全てのサンプルを5から35°(2θ)までスキャンした。散乱スリットおよび受光スリットは、0.2°および1°であった。
【0117】
得られたスペクトルを図2に示す。観察されたピークは以下の通りであった。
【表1】
2Th.=°2θ 一般に±0.2°2θの誤差が、XRPDピーク位置中に存在する。
【0118】
発明者は、塩化コリン:乳酸DES;プロリン:乳酸DES;および塩化コリン:クエン酸DESを用いて実施例1を繰り返すと、TAEDの結晶性フォームIIIが生成されるということもまた、示している。発明者は、ジイソプロパノールアミンイオン液体を用いて実施例1を繰り返すと、TAEDの結晶性フォームIIIが生成されるということもまた、示している。
【0119】
実施例3:20℃における性能および水混和性のための手順
過炭酸ナトリウムの存在下で水にTAEDを添加すると過酢酸が得られるが、本発明のDES複合体中のTAEDフォームIII(TAEDは、複合体の総重量に対して20%である。DESは、1:1 モル比のプロピレングリコール:クエン酸である。)および市販のTAEDフォームIを用いて、過酢酸形成速度を比較した。
【0120】
実験の詳細:
過炭酸ナトリウムの存在下におけるTAEDの性質および水混和性を調べるために、実験を行った。1グラムのTAEDを2.5グラムの過炭酸ナトリウムとともに1リットル水に添加し、オーバーヘッドスターラーを用いて500rpmで攪拌した。実験セットアップにおいて、実験のために用いる水の量は、1.1リットルであった。5分後に残りの物質の重量を算出した。結果は、DESベースのフォームIIIが、市販のTAEDと比較して、完全混和性または透明な溶液を示すということを示す。結果を下記の表に示す。
【表2】
【0121】
上記の結果は、どれくらいの速さでDES/イオン液体中のTAEDフォームIIIが、過炭酸ナトリウム存在下の水に溶解し、過酢酸を形成するかを示す。
【0122】
より少ない量の水(100ml、250ml、500ml)で同様の実験を行ったが、全ての実験で上記と同様の結果が得られ、5分後に残った量は、100mlの実験において、TAED DES系においては5~10mg未満であり、市販のTAEDでは800mg残ったが、一方で250mlの実験については、TAED DES系溶液は透明であり、500mlの試験においても同様であったが、市販のTAEDが残った量はそれぞれ、750mgおよび690mgであった。TAED量を5グラムに増やし、1リットル水で行った同様の実験の結果を下記の表に示す。
【表3】
【0123】
最大量のTAED DES系(TAED DES系において、TAED量が4グラムであった)が、より少ない量の水、すなわち100ml中にあるように実験を行い、5分攪拌すると溶液が透明になり始め、さらに攪拌を続けるとほぼ全ての溶液が透明になった(最終溶液の濾過後に残った物質は100mg未満であった)が、これは、水における溶解度についてのTAED DES系の効率および最高量の過酢酸発生は、加熱することなく、室温の水でTAED DES系を用いて達成され得るということを示す。
【0124】
発明者は、同様の結果が、塩化コリン:乳酸DES;プロリン:乳酸DES;および塩化コリン:クエン酸DES;およびジイソプロパノールアミンイオン液体を含む複合体で得られるということもまた、示している。
【0125】
実施例4
過炭酸ナトリウムの存在下で水にTAEDを添加すると過酢酸が得られるが、本発明の複合体TAED 本発明のDES複合体中のTAEDフォームIII(TAEDは、複合体の総重量に対して20%であった。DESは、1:1 モル比のプロピレングリコール:クエン酸である。)および市販のTAEDフォームIを用いて、過酢酸形成速度を比較した。
【0126】
実験の詳細:
パートI:
過炭酸ナトリウムの存在下における、本発明の複合体TAEDの性質および水混和性を調べるために、実験を行った。実験のために用いられるTAED:過炭酸ナトリウムの比は、1:2.5 w/wであった。量り分けた量のTAED(1gの市販サンプルおよび等モル量の本発明の複合体TAED、すなわち5g)を過炭酸ナトリウムとともに100ml水に添加し、オーバーヘッドスターラーを用いて500rpmで攪拌した。この100mL溶液をそのまま、または900ml水でさらに希釈して1Lサンプルにして使用した。5分後に残りの物質の重量を算出した。攪拌を止めてすぐに(T=0)および6か月後に(T=6か月:サンプルを40℃および75%相対湿度で維持)サンプルを検査した。結果は、TAEDフォームIIIが、市販のTAEDと比較して、完全混和性または透明な溶液を示すということを示す(下記の表を参照)。
【表4】
【0127】
上記の結果は、本発明の複合体TAEDが、市販のTAEDよりも有意に大きな程度まで、過炭酸ナトリウム存在下で水中に溶解することを示す。
【0128】
パートII:
100ml水中のTAED量を3グラム(3gの市販サンプルおよび等モル量の本発明の複合体TAED、すなわち15g)に増やして同様の実験を行った。結果を下記の表に示す。
【表5】
【0129】
上記の結果は、本発明の複合体TAEDが、市販のTAEDよりも有意に大きな程度まで、過炭酸ナトリウム存在下で水中に溶解することを示す。
【0130】
実施例5-溶解速度手順
水(500ml)における本発明のDES中の複合体TAEDフォームIII(TAEDは、複合体の総重量に対して20%であった。DESは、1:1 モル比のプロピレングリコール:クエン酸である。)の溶解速度を、20℃でUSP II溶出装置を用いて、市販のテトラアセチルエチレンジアミン(フォームI)の溶解速度と比較した。1gの市販のサンプルおよび等モル量の本発明の複合体TAED、すなわち5g。実施例1および2の粉末を50rpmでディスクから回転させ、5、10、15、20および25分の間隔でサンプルを取った。溶解したテトラアセチルエチレンジアミンの量を高速液体クロマトグラフィーにより監視した。結果を図3に示す。
【0131】
図3は、本発明の複合体TAEDの溶解速度が、市販のTAEDの30倍を超える大きさであることを明らかに示す。これは、そして次に過酢酸形成速度に反映される。これは、本発明の複合体TAEDが、より大きい速度で過酢酸を形成すること、およびより高濃度の過酢酸溶液が、20℃で調製され得ることを明らかに示す。
【0132】
実施例6-PAA放出
クエン酸およびプロピレングリコール(1:1 モル比)中のTAEDの4つの異なるサンプルを調製し、TAED対DESの比が、室温(@20℃)における過酢酸の放出速度に影響を及ぼすかどうかを評価した。
サンプル1 (液体)TAED濃度:複合体形態の20~25w/w%
サンプル2 (液体)TAED濃度:複合体形態の45~50w/w%
サンプル3 (半固体)TAED濃度:複合体形態の60~65w/w%
サンプル4 (固体粉末;ラウリル硫酸ナトリウム様界面活性剤もまた含む)TAED濃度:DESに対して70~75w/w%。TAED/DESの組み合わせ対界面活性剤の比は、4:1から6:1の範囲であった。
【0133】
分析
サンプルを水中で過炭酸ナトリウムとともに混合した(1:1.25)。0.1M 過マンガン酸カリウム溶液および0.01M チオ硫酸ナトリウム溶液を用いる滴定で、サンプルを分析した。0.5M 硫酸中にサンプルを溶解した。溶解後、色が変わるまで過マンガン酸カリウムを添加した。添加している間、サンプルのpHおよび温度を監視し、これらのパラメータが滴定の間変化するかどうか確かめた。色が変化した後、ヨウ化カリウムを添加した。デンプン指示薬溶液を用いることによって、色が変わるまでサンプルをチオ硫酸ナトリウムでさらに滴定した。滴定の間もまた、サンプルのpH値および温度を監視した。
【0134】
過マンガン酸カリウムを用いる滴定で、過酸化水素の量を両方のサンプルで決定した。サンプル4は、203947ppm 過酸化水素を含み、サンプル3は、141209ppm 過酸化水素を含む。両方のサンプルをduplicateで分析した。サンプル1は、9380ppm 過酸化水素を含む。サンプル2010013597は、155462ppm 過酸化水素を含む。過酢酸の決定:チオ硫酸ナトリウムを用いる滴定。チオ硫酸ナトリウムを用いる滴定で、サンプル中の過酢酸の量をduplicateで決定した。結果は、サンプル4が7599ppm 過酢酸を含むことを示す。サンプル3は、3178ppm 過酢酸を含む。サンプル1は、1387ppm 過酢酸を含む。サンプル2は、2452ppm 過酢酸を含む。
【0135】
これは、20℃において、本発明の複合体が、DESの量に対してTAEDの重量が非常に高い場合であっても、過炭酸塩にさらされると非常に高濃度の過酸化水素および/または過酢酸をもたらすことを示す。溶解度は、固体サンプル4であっても高いままである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】