(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】レーザレーダ及び測距方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20230914BHJP
G01S 17/10 20200101ALI20230914BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/10
G01C3/06 120Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578743
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2020112206
(87)【国際公開番号】W WO2022041137
(87)【国際公開日】2022-03-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】朱雪洲
(72)【発明者】
【氏名】▲エン▼凱民
(72)【発明者】
【氏名】劉海華
(72)【発明者】
【氏名】向少卿
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA03
2F112CA05
2F112DA02
2F112DA04
2F112DA09
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2F112DA19
2F112DA25
2F112EA05
5J084AA05
5J084AA10
5J084AC02
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5J084AD01
5J084BA04
5J084BA05
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5J084BB28
5J084CA03
5J084DA02
5J084EA07
(57)【要約】
複数のレーザ機器(111)、及び、対象物を探知するための探知レーザビーム(L1)を出射するようにレーザ機器(111)を駆動可能に配置される駆動回路(112)を含む出射ユニット(110)であって、探知レーザビーム(L1)をレーザレーダ(100)の近距離範囲内にある対象物が受信可能になるとともに、前記対象物によって反射される反射波(L1’)を探知器(121)が受信可能になるように配置される死角補正ユニットをさらに含む出射ユニット(110)と、探知レーザビーム(L1)が対象物によって反射される反射波(L1’)を受信して電気信号に変換可能に配置される複数の探知器(121)を含む受信ユニット(120)と、受信ユニット(120)に結合され、電気信号を受信して対象物の距離及び/又は反射率を計算可能に配置される処理ユニット(130)と、を備えるレーザレーダ(100)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザレーダであって、
複数のレーザ機器、及び、対象物を探知するための探知レーザビームを出射するように前記レーザ機器を駆動可能に配置される駆動回路を含む出射ユニットであって、前記探知レーザビームを前記レーザレーダの近距離範囲内にある対象物が受信可能になるとともに、前記対象物によって反射される反射波を探知器が受信可能になるように配置される死角補正ユニットをさらに含む前記出射ユニットと、
前記探知レーザビームが前記対象物によって反射される反射波を受信して電気信号に変換可能に配置される複数の探知器を含む受信ユニットと、
前記受信ユニットに結合され、前記電気信号を受信して前記対象物の距離及び/又は反射率を計算可能に配置される処理ユニットと、
を備える、前記レーザレーダ。
【請求項2】
前記駆動回路は、チップに集積され、前記複数のレーザ機器と該複数のレーザ機器に対応する前記駆動回路とは、同一のプリント回路板に設けられ、
前記受信ユニットは、前記探知器に結合され、前記探知器から出力される電気信号を読み取るためのアナログフロントエンドモジュールをさらに含み、前記アナログフロントエンドモジュールはチップに集積され、前記複数の探知器と該複数の探知器に対応するアナログフロントエンドモジュールとは、同一のプリント回路板に設けられる、請求項1に記載のレーザレーダ。
【請求項3】
前記出射ユニットは、第1反射部を含み、前記死角補正ユニットは、第2反射部を含み、前記第1反射部と前記第2反射部とは、互いに平行しないように設けられる、請求項1に記載のレーザレーダ。
【請求項4】
前記第2反射部は、前記第1反射部よりも、前記探知レーザビームを前記受信ユニットの光軸方向へより多く屈折させる、請求項3に記載のレーザレーダ。
【請求項5】
前記第1反射部と前記第2反射部は別体の反射ミラーであり、又は、前記第1反射部と前記第2反射部は同一の反射ミラーの異なる部分である、請求項4に記載のレーザレーダ。
【請求項6】
前記第1反射ミラーと前記第2反射ミラーの反射面でなす角度は、180°よりも大きく、360°よりも小さい、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項7】
前記出射ユニットは、第1反射部及び出射レンズ群を含み、前記死角補正ユニットは、第1死角補正反射ミラーと第2死角補正反射ミラーを含み、
前記第1死角補正反射ミラーは、前記出射レンズ群から前記探知レーザビームを受信して該探知レーザビームを前記第2死角補正反射ミラーまで反射させるためのものであり、
前記第2死角補正反射ミラーは、前記探知レーザビームを再反射させてレーザレーダから外部へ出射させるためのものであり、外部へ出射した前記探知レーザビームは、前記出射レンズ群から出射された前記探知レーザビームよりも、前記受信ユニットの光軸に近づいている、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項8】
前記出射ユニットは、出射レンズ群をさらに含み、前記死角補正ユニットは、死角補正光源を含み、
前記出射レンズ群は、前記レーザ機器の光路の下流に設けられ、
前記死角補正光源は、前記出射レンズ群の焦点面からずれた位置に設けられる、請求項2に記載のレーザレーダ。
【請求項9】
上カバープレートと、下カバープレートと、前記上カバープレートと下カバープレートとの間に位置する回転軸とをさらに備え、
前記出射ユニット及び前記受信ユニットにより構成される光電機器のロータは、前記上カバープレートに固定され、モータによって前記回転軸を介して駆動回転される、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項10】
上通信プレートと下通信プレートとをさらに備え、前記上通信プレートと下通信プレートとの間に、二方向の無線通信リンクを構築可能であり、前記下通信プレートと前記下カバープレートとは一体に集積され、
前記上通信プレートは、間隔をあけて前記回転軸の上方に設けられ、前記上カバープレートに結合され、
前記光電機器のロータの底部に、前記上通信プレートに適合し、前記上通信プレートを収容するための収容キャビティが設けられている、請求項9に記載のレーザレーダ。
【請求項11】
前記受信ユニットは、前記探知器の光路の上流に設けられ、前記探知器に入射させる所定の波長範囲の探知反射波を選択するためのフィルタをさらに含む、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項12】
前記探知器は、アバランシェフォトダイオードを含み、
前記処理ユニットは、前記電気信号を増幅させるように前記アバランシェフォトダイオードに結合される増幅回路と、前記増幅回路に結合され、増幅された電気信号に対してアナログデジタル変換を行うアナログデジタルコンバータと、をさらに含む、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項13】
前記探知器は、SiPM又はSPAD(s)を含み、前記処理ユニットは、前記探知器に結合される時間デジタルコンバータをさらに含む、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項14】
前記レーザ機器は、端面発光レーザ機器又は垂直共振器型面発光レーザ機器を含む、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項15】
受信レンズ群をさらに備え、前記探知器は、前記受信レンズ群の焦点面に設けられ、前記受信レンズ群は、前記探知器に前記反射波を集中させるように配置される、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のレーザレーダ。
【請求項16】
前記出射レンズ群及び前記受信レンズ群は、板バネ部材によって光電機器のロータに固定される、請求項15に記載のレーザレーダ。
【請求項17】
複数のレーザ機器と駆動回路とを含む出射ユニットによって、探知レーザビームを出射するステップと、
死角補正ユニットによって、前記探知レーザビームを近距離範囲内にある対象物が受信可能になり、前記対象物によって反射される反射波を探知器が受信可能になるように、前記探知レーザビームの方向を変更するステップと、
複数の前記探知器によって、前記対象物からの反射波を受信し、前記反射波を電気信号に変換するステップと、
アナログフロントエンドモジュールによって、前記探知器から出力される電気信号を読み取るステップと、
前記電気信号に基づいて、前記対象物の距離及び/又は反射率を計算するステップと、
を含む、レーザ測距方法。
【請求項18】
前記駆動回路は、チップに集積され、前記複数のレーザ機器と該複数のレーザ機器に対応する前記駆動回路とは、同一のプリント回路板に設けられ、前記アナログフロントエンドモジュールは、チップに集積され、前記複数の探知器と該複数の探知器に対応するアナログフロントエンドモジュールとは、同一のプリント回路板に設けられる、請求項17に記載のレーザ測距方法。
【請求項19】
前記駆動回路は、順番で周期的に発光するように前記複数のレーザ機器を駆動するためのものであり、
前記アナログフロントエンドモジュールは、前記レーダの探知要求に応じて、異なる前記探知器から出力される電気信号を増幅させるためのものである、請求項17又は18に記載のレーザ測距方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光電探知分野に関し、より具体的に、レーザレーダ及び該レーザレーダを利用する測距方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザレーダは常用される測距センサであり、探知距離が長く、解像度が高く、環境から受ける干渉が少ない等の特徴を有し、知能ロボット、無人航空機、無人運転等の分野に幅広く用いられている。レーザレーダの作動原理は、探知レーザビームがレーザレーダと対象との間を往復するためにかかるタイムオブフライト(TOF)によって距離を評価することである。
【0003】
従来の機械レーダでは、出射光は、反射ミラーによって2回屈折され、出射レンズ群から出射し、外部対象物に入射して反射される。反射波は、受信レンズ群を通って、反射ミラーによって2回屈折されてから探知器によって受信される。その後、デジタル信号処理によって、タイムオブフライトTOFを計算することで、外部対象物とレーダとの距離情報を得る。
【0004】
また、従来のレーザレーダは、バイスタティックの光学システムであり、遠距離の対象を計測するために、レーザの出射ビームと探知器の視野とは、遠距離(例えば、200m)で照準される。
図1Aに示すように、距離レーザレーダにある程度近い距離範囲内で、レーザの出射ビームと探知器の視野とは、全く交点がないため、この距離範囲内で、レーザレーダの探知器によって対象障害物から反射される信号光を受信できず、或いは極めて弱い信号光しか受信できない。それが近距離死角である。近距離死角、又はレーザレーダの近距離信号衰弱の原因は、バイスタティック非共通光路構造にあり、即ち、レーザの出射光路と信号の受信光路が完全に重なる共通光路構造ではないことにある。さらに、
図1Aを参照し、出射レンズと受信レンズとの間に、水平方向の変位がある。
【0005】
近距離死角の発生について、次のように2つの解釈がある。
1つ目の解釈として、
図1Aを参照し、近距離死角とは、出射されるレーザビームの、近距離位置での受信視野と完全に交わらない領域である。これは、この領域において、レーザレーダの探知器には出射されるレーザビームが「見えない」ことを意味し、つまり、この領域における対象から反射される信号光は探知器によって受信できないので、この領域の障害物の点群画像を生成することができない。
2つ目の解釈として、
図1Bを参照し、近距離死角内に対象が存在すると仮定し、該近距離対象から反射される信号光が受信レンズを通って結像する点は受信レンズの焦点面に位置せず、焦点面の後に位置する。また、近距離対象が受信レンズ光軸の上方にあるので、受信レンズを通って結像する点は必ず受信レンズ光軸の下方にある。この2つの点を考えると、近距離対象の反射光の焦点と探知器との相対位置は、
図1Bに示すようになる。レーザレーダの近距離死角範囲内において、レーザレーダ探知器によって対象からの反射信号を完全に受信できない。
【0006】
従来のレーザレーダには、大きい(例えば、5m超の)近距離死角が存在し、死角内(0~5m)の対象物は、レーザレーダによって探知できないため、レーザレーダを利用する製品に潜在的な安全リスクがある。
【0007】
さらに、従来のレーダでは、出射端のレーザ機器とレーザ機器の駆動回路は異なる回路板に設けられ、ひいては、異なるモジュールに取り付けられるため、互いの接続配線が長く、信号損失が大きい。受信端の探知器と探知器に必要なアナログフロントエンド回路も、同様に異なる回路板に設けられ、ひいては、異なるモジュールに取り付けられるため、同様に損失問題が存在し、レーザレーダのような高精度の測距のシステムにとって、このように損失される信号も大事である。
【0008】
背景技術の内容は、発明者に知られている技術に過ぎず、もちろん、本分野の従来技術そのものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術に存在する少なくとも1つの問題を鑑みて、本発明は、レーザレーダであって、複数のレーザ機器、及び、対象物を探知するための探知レーザビームを出射するように前記レーザ機器を駆動可能に配置される駆動回路を含む出射ユニットであって、前記探知レーザビームを前記レーザレーダの近距離範囲内にある対象物が受信可能になるとともに、前記対象物によって反射される反射波を探知器が受信可能になるように配置される死角補正ユニットをさらに含む前記出射ユニットと、前記探知レーザビームが前記対象物によって反射される反射波を受信して電気信号に変換可能に配置される複数の探知器を含む受信ユニットと、前記受信ユニットに結合され、前記電気信号を受信して前記対象物の距離及び/又は反射率を計算可能に配置される処理ユニットと、を備える、前記レーザレーダを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
複数のレーザ機器と駆動回路とを含む出射ユニットによって、探知レーザビームを出射するステップと、
死角補正ユニットによって、前記探知レーザビームを近距離範囲内にある対象物が受信可能になり、前記対象物によって反射される反射波を探知器が受信可能になるように、前記探知レーザビームの方向を変更するステップと、
複数の前記探知器によって、前記対象物からの反射波を受信し、前記反射波を電気信号に変換するステップと、
アナログフロントエンドモジュールによって、前記探知器から出力される電気信号を読み取るステップと、
前記電気信号に基づいて、前記対象物の距離及び/又は反射率を計算するステップと、を含むレーザ測距方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の一部を構成する図面は、本開示に対するさらなる理解を提供するためのものであり、本開示の模式的な実施例及びその説明は本開示を解釈するためのものであり、本開示に対する不当な限定ではない。
【
図1A】近距離死角の可能な発生原因を示す模式図である。
【
図1B】近距離死角の可能な発生原因を示す模式図である。
【
図1C】本発明の一実施例に係るレーザレーダを示す図である。
【
図1D】本発明の一実施例に係るレーザレーダの応用場面を示す図である。
【
図2】従来のレーザレーダにおけるレーザ機器と駆動回路の配置を示す図である。
【
図3A】本発明の実施例に係る出射ユニットを示す図である。
【
図3B】本発明の実施例の探知ユニットを示す図である。
【
図4A】本発明の一実施例に係るレーザレーダを示す平面図である。
【
図4B】
図4Aの実施例に係るレーザレーダの内部構造を示す図である。
【
図4C】
図4Aの実施例に係るレーザレーダを示す平面図である。
【
図4D】
図4Aの実施例に係るレーザレーダの光路を示す模式図である。
【
図4E】
図4Aの実施例を採用するレーザレーダと従来のレーザレーダの死角比較を示す模式図である。
【
図4F】
図4Aの実施例に係るレーザレーダの光路の各パラメータの関係を示す模式図である。
【
図5】本発明の他の実施例に係る死角補正ユニットを示す図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る死角補正光源を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るレーザレーダを示す図である。
【
図8】上カバープレート及び下カバープレートを示す模式図である。
【
図9】俯瞰する場合の上カバープレートを示す模式図である。
【
図12】板バネ部材による出射レンズ群及び受信レンズ群のレーザレーダへの固定を示す模式図である。
【
図12A】板バネ部材による出射レンズ群及び受信レンズ群のレーザレーダへの固定を示す模式図である。
【
図13】板バネ部材による出射レンズ群及び受信レンズ群のレーザレーダへの固定を示す模式図である。
【
図14】レーザレーダの出射ユニットにおけるレーザ機器及び駆動回路が取り付けられているプリント回路板を示す取り付け模式図である。
【
図15A】レーザレーダの受信ユニットにおける探知器及びアナログフロントエンド回路が取り付けられているプリント回路板を示す取り付け模式図である。
【
図15B】レーザレーダの受信ユニットにおける探知器及びアナログフロントエンド回路が取り付けられているプリント回路板を示す取り付け模式図である。
【
図16A】それぞれレーザレーダの出射端のプリント回路板の裏面及び受信端のプリント回路板の裏面を示す模式図である。
【
図16B】それぞれレーザレーダの出射端のプリント回路板の裏面及び受信端のプリント回路板の裏面を示す模式図である。
【
図17】本発明の実施例に係る測距方法を示す図である。
【
図18】本発明の他の実施例に係る測距方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一部の例示的な実施例を簡単に説明する。本分野の技術者が知っているように、本発明の精神又は範囲から逸らさない限り、様々な異なる方法によって説明される実施例を変更することができる。したがって、図面と説明は、本質的に制限性を有していない例示である。
【0013】
本発明の説明において、理解すべきこととして、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等の用語で指示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づいたものであり、説明される装置又は要素が特定な方位を有し、特定な方位で構成及び操作されなければならないことを指示又は暗示するためのものではなく、本発明の説明を便利且つ簡単にするためのものに過ぎないので、本発明に対する制限として理解してはならない。また、「第1」、「第2」の用語は、単に説明するためのものであり、相対的な重要性の指示若しくは暗示、又は、指示される技術的特徴の数の示唆として理解してはならない。したがって、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の前記特徴を明確又は潜在的に含んでもよい。本発明の説明において、他に明確な限定がない限り、「複数」とは、2つ又は2つ以上を意味する。
【0014】
本発明の説明において、説明すべきこととして、他に明確な規定又は限定がない限り、用語「取り付け」、「繋がる」、「接続」は、広義的に理解すべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的な接続であってもよい。機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、通信可能な接続であってもよい。直接な繋がりであってもよく、中間媒体を介した間接的な繋がりであってもよく、2つの要素の内部の連通又は2つの要素の相互な作用関係であってもよい。本分野の技術者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0015】
本発明において、他に明確な規定又は限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが直接に接触せずにそれらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」及び「上側」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを表してもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」及び「下側」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを表してもよい。
【0016】
次の開示により、本発明の異なる構造を実現するための様々な異なる実施形態又は例が提供される。本発明の開示を簡潔化するために、以下、特定な例における部材及び配置を説明する。もちろん、それらは単なる例示であり、本発明を制限するためのものではない。また、本発明は、異なる例において同じ数字符号及び/又は文字符号を付けることがあるが、それは説明の簡潔化及び明確化のためのものであり、それら自体は、議論される各種実施形態及び/又は配置の間の関係を指示しない。また、本発明において、各種の特定なプロセス及び材料の例が提供されるが、本分野の技術者であれば、他のプロセスの応用及び/又は他の材料の使用に思い付くことができる。
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施例を説明するが、理解すべきこととして、ここで説明される好ましい実施例は単に本発明を説明及び解釈するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0018】
図1Cは、本発明の一実施例に係るレーザレーダ100を示す。レーザレーダは、例えば無人運転、V2X、掃除ロボット、配達用車両等、多岐にわたる分野に応用可能である。
図1Dは、本発明の一実施例に係るレーザレーダの応用場面を示し、次に、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0019】
図1Cに示すように、レーザレーダ100は、出射ユニット110と、受信ユニット120と、処理ユニット130とを備える。出射ユニット110は、複数のレーザ機器111及び駆動回路112を含む(
図3Aに示す)。前記駆動回路は、対象物を探知するための探知レーザビームL1を出射するように前記レーザ機器を駆動する。前記レーザ機器は、端面発光レーザ機器(EEL)であってもよく、垂直共振器型面発光レーザ機器(VCSEL)であってもよく、さらに、EELとVCSELの組合せであってもよい。具体的な発光型式から言えば、レーザ機器は、(クロストーク低減のために)所定の順番で交代に1つずつ発光してもよく、一部のレーザ機器が同時に発光してもよく、また、全てのレーザ機器が同時に発光してもよい。レーザ機器は、作動時に、例えば高圧の供給が必要であり、スイッチ回路によってレーザ機器のオンオフを制御してもよい。駆動回路は、正常な作動に必要な高圧及びオンオフ制御をレーザ機器に提供することができ、これによって、レーザ機器の発光タイミングと発光期間を制御し、レーザレーダ製品による距離探知に対する要求を実現し、また、アイセーフの基準にも適合する。駆動回路の具体的な構造は本発明と無関係であるので、駆動回路の構造を詳しく説明しない。
【0020】
受信ユニット120は、1又は複数の探知器121、及びアナログフロントエンドモジュール122を含む(
図3Bに示す)。前記探知器は、前記探知レーザビームL1が対象物によって反射される反射波L1’を受信して電気信号に変換可能に配置されている。前記アナログフロントエンドモジュール122は、前記探知器121に結合され、前記探知器から出力される電気信号を読み取り、増幅させるためのものである。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記探知器は、アバランシェフォトダイオードAPDを含んでもよい。アバランシェフォトダイオードAPDから出力される信号はアナログ信号であり、また、通常強度が弱いため、アナログフロントエンドモジュール122は、アナログデジタルコンバータADC及び任意の信号増幅回路を含んでもよい。これによって、後続のデジタル信号処理のために、アバランシェフォトダイオードAPDから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して増幅させる。本発明の一実施例によれば、前記探知器は、単一光子アバランシェフォトダイオード(SPADs)を多数含んでもよい。単一光子アバランシェフォトダイオードのそれぞれは、入射される光子に反応することができる。単一光子アバランシェフォトダイオードから出力される信号がデジタル信号であることに応じて、アナログフロントエンドモジュール12は、時間デジタルコンバータTDCを含んでもよい。本発明において、探知器は、他のタイプのフォトダイオード又は探知器(例えばSiPM)を含んでもよい。アナログフロントエンドモジュールは、探知器から出力される信号を読み取り、増幅させるように、具体的な探知器に対応するものにすればよい。
【0022】
処理ユニット130は、前記受信ユニット120に結合され、前記出射ユニット110に選択的に結合されており、また、前記電気信号を受信して前記対象物の距離及び/又は反射率を計算可能に配置されている。処理ユニット130は、パルスのタイムオブフライトを探知することによって、対象物の距離を算出することができ、また、反射波の強度によって、対象物の反射率を算出することができ、ここで詳しく述べない。
【0023】
図2は、本出願の発明者に知られている従来のレーザレーダにおけるレーザ機器と駆動回路の配置を示す。
図2に示すように、複数のレーザ機器(及び回路板)は、レーザ機器ホルダに設けられ、駆動回路は、出射回路ホルダに設けられている。レーザ機器ホルダと出射回路ホルダとは互いに離間され、レーザ機器と駆動回路とは、フレキシブルフラットケーブルによって電気的に接続されることで、レーザ機器を駆動して発光させる。
図2の配置において、出射端のレーザ機器とレーザ機器の駆動回路とは異なる回路板に設けられ、両者の間の配線が長いため、信号損失が多い。受信端の探知器及び探知器に必要なアナログフロントエンド回路にも同様な問題が存在する。
【0024】
図3A及び3Bに示すように、レーザ機器111と駆動回路112とは同一のプリント回路板に設けられ、探知器121とアナログフロントエンドモジュール122とは同一のプリント回路板に設けられている。
図2の従来の技術手段に対して、図面だけ見ても、本出願の技術手段によって、配線が長い問題を大幅に改善したことが分かる。性能要求の高いレーザレーダ製品にとって、僅かなSNRの向上であっても、全体的なレーダ探知効果に貢献できるので、このような大幅な改善はなおさらである。また、配線長さを低減させることによって、レーザレーダの電気的クロストークを緩和又は軽減することができるので、対象物の測距精度の向上に有利である。
【0025】
また、チップを採用することで、従来のレーザレーダの基板レベルの回路に必要なコネクタを減らすこともでき、組立も便利になる。
【0026】
図3Aは、本発明の実施例に係る出射ユニット10を示す。駆動回路112とレーザ機器111は同一のプリント回路板に集積されている。
図3Aに示すように、駆動回路112はチップとして集積され、複数のレーザ機器111とそれらに対応する駆動回路112は、同一のプリント回路板に設けられている。本発明の一実施例によれば、前記駆動回路112とレーザ機器111とは1対1の対応関係であってもよい。変更可能に、前記駆動回路112とレーザ機器111とは1対複数の対応関係であってもよい。例えば、
図3Aに示すように、前記駆動回路112はマルチチャネルのチップであってもよい。例えば、4つのレーザ機器111を接続して駆動してもよい。32チャネルのレーザレーダの場合、4つの駆動回路112のチップを用いてもよい。また、好ましくは、レーザ機器111の作動に必要なGaNスイッチ及びキャパシタも、同一のプリント回路板に設けられてもよい。前記GaNスイッチは、好ましくは2チャネルのGaNスイッチであり、即ち、1つのGaNスイッチに2つのレーザ機器が対応的に接続されている。もちろん、単一チャネルのGaNスイッチを使用してもよい。これらは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。また、レーザ機器111及び駆動回路112が設けられたプリント回路板は、好ましくはフレキシブルフラットケーブルによってレーザレーダの上カバープレートに接続される。
【0027】
また、本発明の実施例において、レーザレーダの全てのレーザ機器、及びそれらに対応する駆動回路は、同一のプリント回路板に設けられてもよい。変更可能に、例えば64チャネル、128チャネルのレーザレーダ等の、マルチチャネルのレーザレーダの場合、全てのレーザ機器及び駆動回路を同一のプリント回路板に設けてもよい。また、組立の利便性、電気絶縁性の要求、及びレーダ垂直解像度の性能基準を考えると、この場合、レーザ機器を複数の回路板に設けてもよいが、各レーザ機器と該レーザ機器に対応する駆動回路が同一のプリント回路板に設けられることを確保すれば、配線が長すぎる問題を回避することができる。もちろん、マルチチャネルのレーザレーダであっても、レーザ機器のパッケージサイズが小さくなるにつれ、レーザ機器及び駆動回路を全て同一の回路板に設けることも可能になり、同様に本発明の保護範囲内に含まれる。
【0028】
前記駆動回路112のチップは、レーザレーダの作動の要求に応じて配置されればよい。16チャネルのレーザレーダを例として、例えば、レーザレーダの回転速度が10HZである場合、0.1°ごとに、順番に発光するように16チャネルのレーザ機器を駆動する。レーザ機器の駆動中、高速な充放電が必要になり、従来技術の基板レベルの回路において、回路の作動及び速度に影響する寄生キャパシタが多数存在するが、本発明の技術手段によれば、これらの技術問題を有効に克服又は軽減することができる。
【0029】
図3Bは本発明の実施例の探知ユニット120を示す。探知器121とアナログフロントエンドモジュール122は同一のプリント回路板に集積されている。
図3Bに示すように、アナログフロントエンドモジュール122はチップとして集積され、複数の探知器121とそれらに対応するアナログフロントエンドモジュール122は、同一のプリント回路板に設けられている。好ましくは、前記アナログフロントエンドモジュール122はマルチチャネルのチップであり、例えば、
図3Bに示すように、16チャネルのチップであってもよい。各チップは、それぞれに16個の探知器121を接続し、探知器121から出力される電気信号を読み取り、増幅させることができる。32チャネルのレーザレーダの場合、2つのアナログフロントエンドモジュール122のチップを設ければよい。前記探知器121は、アバランシェフォトダイオードであってもよく、SiPMであってもよく、また、SPADsであってもよい。
図3Bに示すように、前記アナログフロントエンドモジュールは、好ましくはフレキシブルフラットケーブルによってレーザレーダの上カバープレートに接続される。
【0030】
また、本発明の実施例において、レーザレーダの全ての探知器121とそれらに対応するアナログフロントエンドモジュール122は、同一のプリント回路板に設けられてもよい。変更可能に、探知器を複数の回路板に設けてもよいが、各探知器と該探知器に対応するアナログフロントエンドモジュール122が同一のプリント回路板に設けられることを確保すれば、配線が長すぎる問題を回避することができる。ここで詳しく述べない。
【0031】
レーザレーダから出射される探知レーザビームは、対象物によって拡散反射された後、一部の反射波がレーザレーダに戻り、レーザレーダの探知器によって受信され、電気信号に変換される。対象物とレーザレーダの距離が所定の距離範囲を超えた(例えば5メートル以上)場合、出射視野と受信視野が少なくとも部分的に重なるので、レーザレーダの受信レンズ群によって、対象物から反射される反射波を探知器に集中させることができ、これによって、レーザレーダの点群画像に該障害物の情報を生成することができる。しかし、対象物とレーザレーダの距離が近い(例えば5メートル以内)場合、出射視野と受信視野が全く重ならないので、レーザレーダから見れば、点群画像に該対象物の情報を何も表示できず、つまり、レーザレーダによって対象物を探知することができない。近距離死角の可能な発生原因について、
図1A及び
図1Bによる説明を参照し、ここで繰り返して述べない。従来の近軸の光路システムのレーザレーダは、通常、ある程度の探知死角が必ず存在し、探知死角内の対象物はレーザレーダによって探知することができず、探知死角の範囲の大きさは、レーザレーダの性能を評価するための重要な基準となっている。
【0032】
本出願の発明者は、レーザレーダの出射端に死角補正ユニットを追加設置することによって、レーダの死角を大幅に縮小させることに思い付いた。具体的に、死角補正ユニットは、レーザ機器の光路の下流に設けられてもよい。レーザ機器から出射される探知ビームは、死角補正ユニットによって処理されると、近距離範囲内の対象物によって受信可能になり、また、該近距離範囲内の対象物によって反射される反射波は、探知器によって受信可能になり、そして、後続の信号処理ユニットによる処理を経て、最終的に、該障害物の情報は、レーザレーダスキャンによって得られる点群画像に表示される。言い換えれば、死角補正ユニットは、出射光の一部を特定な角度で探知器の受信視野へ偏向させることができるので、死角補正ユニットから出射されるビームは、レーダに近い領域内であっても探知器の受信視野と交わるので、近距離死角の範囲が縮小される。本出願は、死角補正ユニットによって、レーダの死角の範囲を大幅に縮小させ、ひいては、死角を完全になくし、レーダの性能を大いに向上させる。本分野の技術者による本出願のさらなる理解及び実現のために、次に、具体的に、
図4A~4Eを参照しながら、死角補正ユニットの各実施例を詳しく説明する。具体的な実施において、近距離範囲は、0~3mであっても、0.1m~2mであっても、0.3m~2.5mであってもよいが、本分野の技術者であれば、本出願を実際に実施するときに、レーザレーダの探知距離の要求、レーダのサイズ、レーダのレンズ群のパラメータ等の情報に応じて、適宜に調整することができる。死角補正ユニットの偏向角度と近距離死角の範囲縮小との関係は
図4Fを参照する。
図4Fにおいて、ビーム偏向角をθ(θは死角補正ユニットによって屈折したビームと受信ビームとの夾角である)とし、死角補正ユニットによって偏向した死角補正ビームの、レーダ出射位置から受信レンズの中心までの距離をdとし、受信レンズの直径をDとし、近距離信号補強領域における、受信レンズ頂点までの最も遠い距離をLとし、最も近い距離をL’とすると、
図4Fに示すように、それらの間は、次の関係が成立する。
【0033】
【0034】
したがって、上記関係式によって、補強が必要な最も近い距離L’に基づいて死角補正ユニットの取り付け位置、偏向角等のパラメータを決定する。
【0035】
図4Aは本発明の一実施例に係るレーザレーダ100を示す平面図である。
図4Aに示すように、レーザレーダ100の出射ユニット110は、レーザ機器111、第1反射ミラー113(第1反射部とも呼ばれる)、及び出射レンズ群115を含む。レーザ機器111は、探知レーザビームを出射し、探知レーザビームは、前記第1反射ミラー113に照射され、出射レンズ群115に向けて反射され、出射レンズ群115によって変調処理(例えばコリメート)を行われた後に、レーザレーダ100のハウジングを通って周囲の環境に出射される。前記出射ユニット110は、死角補正ユニットとして用いられる第2反射ミラー114(第2反射部)をさらに含む。第1反射ミラー113と第2反射ミラー114とは、互いに平行しないように設けられ、即ち、第1反射ミラー113と第2反射ミラーでなす夾角はゼロではない。前記第2反射ミラー114は、前記第1反射ミラー113よりも、前記探知レーザビームを前記受信ユニットの受信光軸方向へより多く屈折させる。これによって、死角内の少なくとも一部の対象物は前記探知レーザビームを受信可能になり、また、前記対象物によって反射される反射波は探知器によって受信可能になる。
【0036】
図4Aにおいて、レーザレーダの作動中、レーザ機器111から出射される探知レーザビームは、正確にはコリメート光ではなく、発散角の大きい発散光であるので、一部の光が第2反射ミラー114に到達することがある。これらの光は、近距離の対象物に照射できるため、強度が比較的に弱くても、対象物との距離が小さいことから探知器によって受信可能な反射波強度になっている。探知器から出力される電気信号は後続の信号処理及び計算に提供することができる。
【0037】
第1反射ミラー113と第2反射ミラー114とは隣接して設けられてもよい。両者は、平行しないように前記レーザ機器111の光路の下流に設けられ、レーザ機器111から出射される探知レーザビームを受信する。前記出射レンズ群115は、前記第1反射ミラー113及び第2反射ミラー114の光路の下流に設けられている。探知レーザビームは、前記第1反射ミラー及び第2反射ミラーによって反射された後に、前記出射レンズ群115に直接に入射され、前記出射レンズ群115によって変調された後に出射される。本発明の一実施例によれば、第1反射ミラー113と第2反射ミラー114の両者は、一体成型されたものであってもよく、即ち、同一の反射ミラーの異なる部分(互いに所定の角度をなす)とされてもよい。変更可能に、第1反射ミラー113と第2反射ミラー114の両者は、例えば、接着剤又は機械的固定具によって反射ミラーホルダに固定された別体の反射ミラーであってもよい。本出願において、第1反射ミラー113と第2反射ミラー114の具体的な製造及び取り付けを限定しない。
【0038】
前記第1反射ミラー113は、(主に非死角領域内の他の障害物を探知するための)主反射ミラーとして用いられてもよい。第2反射ミラー114は、死角補正に利用されてもよく、第1反射ミラー113の反射面となす角度が180°よりも大きく、360°よりも小さいことが好ましく、例えば、好ましくは190°であり、これによって、近距離死角の補正機能を補強する。理解すべきこととして、第1反射ミラー113と第2反射ミラー114の反射面でなす夾角は、レーザレーダ全体の光電機器のロータの大きさに関係しており、夾角の設定は、死角補正だけでなく、死角補正反射ミラーによって反射されたビームが屈折してレーダの外に出射可能なものであることも考慮する必要がある。また、探知レーザビームは前記第1反射ミラー及び第2反射ミラーによって反射された後に前記出射レンズ群115に直接入射するため、このような1回の折り返しの光路デザインでは、レーザレーダの空間を有効に活用することができ、限られた空間でレーダの焦点距離を大きくすることができる。本実施例において、第1反射ミラー113の幅は、第2反射ミラー114の幅よりも大きくてもよい。第2反射ミラーは、光源からの一部の光を距離レーザレーダに近い対象物まで反射させることによって、死角補正の効果を達成することができる。
【0039】
死角補正ユニット追加後の効果をより明らかにするために、
図4Dは、第2反射ミラー114追加後のレーザレーダの光路を示す模式図であり、
図4Eは第2反射ミラー114追加後のレーザレーダの死角改善を示す模式図である。
図4D及び
図4Eに示すように、レーザ機器111から出射されるレーザの大部分は、第1反射ミラー113に入射され、第1反射ミラー113によって反射されてから、反射レンズ群115を通ってレーザレーダの外部に出射され、探知レーザビームL1を形成する。レーザ機器111から出射されるレーザの小部分(例えば、発散角の大きい、端面寄りの一部の光)は、第1反射ミラー114に入射され、第1反射ミラー114によって反射されてから、反射レンズ群115を通ってレーザレーダの外部に出射され、死角補正レーザビームL2を形成する。探知レーザビームL1よりも、死角補正レーザビームL2は、受信レンズ群125の受信光軸に近づいている(
図4Aを参照)。理解すべきこととして、死角補正ユニットの作用は、出射されるレーザビームの一部を出射ビームから分離させ、その方向を変更させる(出射ビームの発散角の変更も含まれる)ことによって、レーダに近い位置で探知器の視野と交わらせることである。このように、探知器は、近距離対象によって反射される信号光を受信可能になり、レーザレーダ近距離死角の縮小を達成する。
図4Eを参照すれば、死角補正反射ミラーを採用すると、死角が大いに縮小し、0まで縮小することもある。
【0040】
続けて
図4Aを参照し、受信ユニット120は、受信レンズ群125と前記探知器121の光路の上流に設けられたフィルタ123及び反射ミラー124を含んでもよい。前記探知器121は、前記受信レンズ群125の焦点面に設けられている。反射ミラー124及びフィルタ123は、受信レンズ群125と探知器121との間にこの順に設けられている。対象物からの反射波は、受信レンズ群125を通って集中され、そして、反射ミラー124を通って方向が変更され、フィルタ123を通ってから探知器121に入射され、探知器121によって電気信号に変換される。探知器121の表面にフィルタ123を設けることによって、前記探知器に入射される探知反射波をろ過し、前記探知器に入射させる所定の波長範囲の探知反射波を選択することによって、ノイズ光の影響を低下させることができる。さらに、異なるビーム入射角波長の青方偏移の問題を考えると、信号対雑音比のバランスが取れている前提で、フィルタの帯域幅を適切に大きくしてもよい。
【0041】
図4Bは、
図4Aの実施例に係るレーザレーダの内部構造を示し、
図4Cは、レーザレーダを示す平面図である。
図4B及び
図4Cに示すように、前記出射ユニット110は、2つの反射ミラーを含み、それぞれに第1反射ミラー113と第2反射ミラー114であり、両者は平行しないように配置されている。また、第1反射ミラー113の幅は第2反射ミラー114の幅よりも大きい。第1反射ミラー113は、通常のレーザレーダ探知に用いられ、第2反射ミラー114は、近距離死角補正に用いられ、即ち、光源111から出射される探知レーザビームの一部をレーザレーダに近い障害物へ反射させることによって、死角補正の効果を達成する。
【0042】
また、本発明の一実施例によれば、
図4Cに示すように、レーザレーダの前記受信ユニット120は、遮光板126をさらに含む。該遮光板126は、前記反射ミラー124と探知器121との間に位置し、前記反射ミラー124から反射される反射波の一部を遮蔽することによって、レーザレーダ点群におけるゴーストラインを減少させることができる。
【0043】
図5は本発明の他の実施例に係る死角補正ユニットを示す。
図5に示すように、死角補正ユニットは、出射レンズ群115の外部に位置する第1死角補正反射ミラー116及び第2死角補正反射ミラー117を含む。第1死角補正反射ミラー116と第2死角補正反射ミラー117によって屈折した探知ビームが屈折前のビームよりも受信光軸に近くなり、所定の閾値範囲内(例えば5m以内)の障害物が探知ビームを受信可能になり、これらの障害物から反射される反射波が探知器によって受信可能になり、最終的に、該障害物の情報がレーダの点群に表示されるようになれば、第1死角補正反射ミラー116と第2死角補正反射ミラー117とは平行するように設けられても、平行しないように設けられてもよい。第1死角補正反射ミラー116は、出射レンズ群115から出射される探知レーザビームを受信し、第2死角補正反射ミラー117に向けて反射させる。第2死角補正反射ミラーは、探知レーザビームを反射させて外部に出射させ、死角補正レーザビームL2を形成する。前記出射レンズ群から出射される探知レーザビームよりも、死角補正レーザビームL2は受信レンズ群125の光軸に近くなり、これによって、死角補正効果が補強される。
【0044】
図4A~4D及び
図5は、それぞれに死角補正ユニットの2つの実施例を示す。本分野の技術者であれば分かるが、2つの実施例を組み合わせることによって、探知レーザビームをさらに受信レンズ群125の受信光軸方向へ屈折させることで、死角補正効果をさらに補強させてもよい。
【0045】
また、
図6に示すように、本発明の一実施例によれば、死角補正の効果を補強するために、死角補正ユニットは、死角補正光源(例えば、3~8個、必要に応じて具体数を選択すればよいが、本出願において3つを例とする)を含んでもよい。前記死角補正光源は、前記出射レンズ群の焦点面からずれた位置に設けられている。
【0046】
図6に示すように、レーザ機器111と探知器121とは、通常、1対1で対応している。レーザ機器111は出射レンズ群115の焦点面に設けられる。そのため、レーザ機器111から出射されるレーザビームは、反射、コリメートを経て平行光としてレーザレーダから出射することができ、最大探知距離(例えば200m)の対象物に照射され、その反射波がレーザレーダに戻ると、該レーザ機器111に対応する探知器121によって受信される。通常、レーザレーダに近い領域において死角が存在するので、死角を縮小させるために、本実施例では、出射レンズ群115の焦点面からずれた位置に配置された死角補正光源111’を追加する。よって、死角補正光源111’から出射されるレーザが対象物によって反射されると、光電探知器において、反射波によって形成されるムラが比較的に大きく(
図6に示す破線で囲まれた部分)、複数の探知器121をカバーすることができる(
図6において、4つの探知器121がカバーされている)。対象物が遠い場合、探知器121における光エネルギが非常に低く、探知器121によって探知されず、或いは、ノイズとしてろ過される可能性がある。近距離の対象物から反射される反射波のみが、光電探知器によって受信可能であるので、近距離死角補正に利用することができる。
【0047】
好ましくは、前記レーザ機器は、端面発光レーザ機器を含み、前記探知器は、アバランシェフォトダイオードAPDを含む。複数の端面発光レーザ機器は、同時に発光せずに、所定の順番で発光することが好ましい。これによって、探知チャネルの間のクロストークを低減させ、信号対雑音比を向上させることができる。前記レーザ機器から出射される探知レーザのパルスは、ダブルパルス符号化を採用してもよい。例えば、ダブルパルスの時間間隔及び/又は幅の値によって符号化することで、クロストークを低減させる。レーザ機器の発光強度は、一定としてもよく、即ち、毎回の探知において同じパワーで出射してもよい。変更可能に、レーザ機器の発光強度は動的に調節してもよい。例えば、レーザレーダの環境光の強度に応じて動的に調節してもよい。例えば、レーザレーダの環境光強度が閾値よりも高い場合、レーザ機器の発光強度又はパワーを高め、環境光強度が閾値よりも低い場合、レーザ機器の発光強度又はパワーを減少させる。また、前のチャネルによる探知で得られた対象物の反射率に基づいて、レーザ機器の発光強度を調整してもよい。例えば、対象物の反射率が高い場合、レーザ機器の発光強度又はパワーを適宜減少させてもよい。対象物の反射率が低い場合、レーザ機器の発光強度又はパワーを適宜高めてもよい。
【0048】
図7は本発明の一実施例に係るレーザレーダを示す。
図7に示すように、レーザレーダは、上カバープレート101、下カバープレート102及び回転軸103をさらに含む。回転軸103は、前記上カバープレート101と下カバープレート102との間に位置する。前記出射ユニット110及び受信ユニット120により構成される光電機器のロータは、前記上カバープレートに固定され、モータによって前記回転軸を介して駆動回転される。
図7の実施例において、光電機器のロータと上カバープレート101とは固定され、ともに回転軸103によって駆動回転され、回転周波数は、例えば10Hz又は20Hzであり、回転中、所定の角度(例えば0.1度又は0.2度)ごとに1回の探知が行われ、出射ユニット110のレーザ機器が順次に出射することで、1サークルの出射を完成し、同時に、受信ユニット120によって反射波を受信して対応する信号処理を行うことで、探知を完成する。
【0049】
また、
図7の実施例において、回転軸103はレーザレーダの高さ全体を貫通しておらず、レーザレーダのわずか小部分の高さを占めている。そのため、上カバープレートの上方の空間全体をレーザレーダの光電機器のロータに用いることができ、空間の配置と利用に有利である。また、非貫通軸を採用し、回転軸と軸受けを大きくしたため、軸システムの寿命と信頼性を向上させることができる。前記回転軸を駆動するために、レーザレーダは、モータ(未図示)を含んでもよい。前記モータは、下カバープレート102に設けられてもよい。前記モータの接続端は、溶接を回避するために、一旦フレキシブルフラットケーブルに集積されてもよい。
【0050】
図8は、上カバープレート101と下カバープレート102を示す模式図であり、
図9は、俯瞰する場合の上カバープレート101を示す模式図である。
図8に示すように、レーザレーダ100は、上通信プレート104と下通信プレートをさらに含み、前記下通信プレートと前記下カバープレート102とは一体に集積されている。前記上通信プレート104と下通信プレートとの間は、二方向の無線通信リンクを構築可能である。二方向の通信リンクを例として説明する。レーザレーダの光電機器のロータによって対象物を探知することで形成された探知信号は、ダウンリンクの通信リンクによって、上通信プレート104から下通信プレートに伝送され、さらに下カバープレートに伝送されてもよい。座標系付け等の下カバープレートによる操作を経て、レーザレーダの点群が生成される。一部のレーザ機器発光を制御するために、或いは、一部のレーザ機器の発光強度を調整するために、或いは、一部の探知器のストローブのために、対応する光電機器のロータに送信される制御信号は、アップリンクの通信リンクによって、下通信プレートから上通信プレート104に伝送されてもよい。前記上通信プレートは、間隔をあけて回転軸の上方に設けられ、例えば、複数のパッキンによって上通信プレートを上カバープレートの上方に支持することで、上通信プレートと回転軸とを所定の距離で離間させる。上通信プレート104は、さらに上カバープレート101に結合されている。また、
図9に示すように、前記上通信プレート104は、例えば長尺状である。
【0051】
図10は、前記光電機器のロータを示す底面図であり、
図11は、前記光電機器のロータを反転させた斜視図である。
図10及び
図11に示すように、前記光電機器のロータの底部に、前記上通信プレート104に対応し、前記上通信プレート104を収容するためのキャビティ1011が設けられている。これによって、上通信プレート104が光電機器のロータに埋め込まれるので、上通信プレート104によってレーザレーダの全体高さが高くなることはなく、レーザレーダの高さを低く維持するのに有利であり、異なるクライアントの要求を満たすことができる。
【0052】
探知器がアバランシェフォトダイオードAPDを含む場合、前記受信ユニットは、増幅回路及びアナログデジタルコンバータADCをさらに含んでもよい。前記増幅回路は、前記電気信号を増幅させるように前記アバランシェフォトダイオードに結合されている。前記アナログデジタルコンバータADCは、前記増幅回路に結合され、増幅された電気信号に対してアナログデジタル変換を行う。それとともに又はその代わりに、前記探知器は、SiPM又は単一光子アバランシェフォトダイオードSPADを含む。前記受信ユニットは、時間デジタルコンバータをさらに含む。前記時間デジタルコンバータは、前記探知器に結合されている。
【0053】
従来のレーザレーダでは、出射レンズ群と受信レンズ群とは、通常、接着剤によって固定されている。接着剤による固定は、操作が煩雑であり、例えば、接着剤の選択、接着剤の硬化温度、硬化に必要な時間、硬化による応力、及び硬化後の温度耐性等を考慮しなければならない。本発明の一実施例によれば、出射レンズ群と受信レンズ群の接着剤による固定の代わりに、前記出射レンズ群と受信レンズ群を板バネ部材によって光電機器のロータとともに前記レーザレーダに固定することができる。
図12、
図12A及び
図13に示すように、出射レンズ群115及び受信レンズ群125は、板バネ部材107によってレーザレーダに固定されることが好ましい、これによって、接続がより確実になる。前記板バネ部材107は、レーザレーダの枠体又はハウジングに設けられてもよい。板バネ部材の弾性力又はネジ締結部材によって、出射レンズ群115と受信レンズ群125を板バネ部材107によって締め付ける。板バネ部材で接着剤に替えることで、レーザレーダの信頼性を大いに向上させることができる。
【0054】
図14は、レーザレーダの出射ユニット110におけるレーザ機器及び駆動回路が取り付けられているプリント回路板を示す模式図である。該プリント回路板を固定するために、接着剤による固定ではなく、締め付け板とネジによる固定の方が好ましい。
【0055】
図15A及び
図15Bはレーザレーダの受信ユニット120における探知器121及びアナログフロントエンド回路122が取り付けられているプリント回路板を示す取り付け模式図である。該プリント回路板を取り付けるために、ネジを用いることが好ましい。
図15Aは、受信ユニット120の該回路板を示す。同図に示すように、該回路板は、例えば4つの貫通孔を有する。受信ユニット120は、取り付け部材(
図15Bに示される)をさらに含む。該取り付け部材は、同様に貫通孔を有し、貫通孔の位置は、例えばプリント回路板における貫通孔に対応する。ネジを該取り付け部材における貫通孔及び回路板における貫通孔に挿通することによって、該回路板を固定する。また、該回路板を組み立てる時に、図中の左右方向、上下方向、及び紙面に垂直な方向において、取り付けのための裕度を確保する必要がある。例えば、前記回路板における貫通孔及び取り付け部材における貫通孔は、孔径がいずれも前記ネジの直径よりも大きく、これによって、図中の左右方向及び上下方向において前記回路板、即ち前記探知器121の位置を調整することができる。これはレーザレーダ較正にとって非常に有利であり、それは、対応するレーザ機器から出射される探知レーザビームによる反射波を受信するために、探知器121の位置を微調整する必要があるためである。
図15A及び
図15Bにおける紙面に垂直な方向において、プリント回路板の底部にパッキンを追加することによって位置合わせしてもよい。
【0056】
図16A及び16Bは、出射ユニットの回路板と受信ユニットの回路板の電気的接続を示す。
図16Aに示すように、出射ユニットは、接続線を有し、該接続線は、一端が出射ユニットの回路板に接続され、他端がレーザレーダの上カバープレート101(
図7及び
図8に示される)に接続可能なコネクタを有する。同様に、
図16Bに示すように、受信ユニットは、接続線を有し、該接続線は、一端が受信ユニットの回路板に接続され、他端がレーザレーダの上カバープレート101(
図7及び
図8に示される)に接続可能なコネクタを有する。前記受信ユニットの接続線は、PCB配線とFPC配線の組合せではなく、全てPCB配線又はFPC配線を採用することが好ましい。配線の混用は費用が高いため、コストを大幅に節約することができる。
【0057】
図17に示すように、本発明は、さらに測距方法200に関し、次のステップを含む。
【0058】
ステップS201において、複数のレーザ機器と駆動回路とを含む出射ユニットによって、対象物を探知するための探知レーザビームを出射する。前記駆動回路はチップに集積され、複数のレーザ機器と前記駆動回路は同一のプリント回路板に設けられている。
【0059】
ステップS202において、複数の前記探知器によって、前記対象物からの反射波を受信し、前記反射波を電気信号に変換する。
【0060】
ステップS203において、アナログフロントエンドモジュールによって、前記探知器から出力される電気信号を読み取る。前記アナログフロントエンドモジュールは、チップに集積され、複数の探知器とそれらに対応するアナログフロントエンドモジュールは、同一のプリント回路板に設けられている。
【0061】
ステップS204において、前記電気信号に基づいて、前記対象物の距離及び/又は反射率を計算する。
【0062】
本発明の一実施例によれば、前記レーザ測距方法200は、
前記レーザ機器の光路の下流に設けられた死角補正ユニットによって、前記探知レーザビームを近距離範囲内の対象物に入射させるステップと、
前記探知器によって、前記近距離範囲内の対象物からの反射波を受信するステップと、をさらに含む。
【0063】
本発明の一実施例によれば、前記駆動回路は、順番で周期的に発光するように前記複数のレーザ機器を駆動するためのものである。
【0064】
前記アナログフロントエンドモジュールは、前記レーダの探知要求に応じて、異なる前記探知器から出力される電気信号を増幅させるためのものである。
【0065】
例えば、レーザ機器の駆動チップは4チャネルの駆動チップであり、それぞれ4つのレーザ機器を順に駆動する。それぞれのアナログフロントエンド回路のチップは、16チャネルのチップであり、16個のチャネルの間で絶えずに切り替えることによって、それぞれの探知器から出力される電気信号を順に読み取り、増幅させる。
【0066】
図18に示すように、本発明は、さらに測距方法300に関し、次のステップを含む。
【0067】
ステップS301において、複数のレーザ機器と駆動回路とを含む出射ユニットによって、探知レーザビームを出射する。
【0068】
ステップS302において、死角補正ユニットによって、前記探知レーザビームを近距離範囲内にある対象物が受信可能になり、前記対象物によって反射される反射波を探知器が受信可能になるように、前記探知レーザビームの方向を変更する。
【0069】
ステップS303において、複数の前記探知器によって、前記対象物からの反射波を受信し、前記反射波を電気信号に変換する。
【0070】
ステップS304において、アナログフロントエンドモジュールによって、前記探知器から出力される電気信号を読み取る。
【0071】
ステップS305において、前記電気信号に基づいて、前記対象物の距離及び/又は反射率を計算する。
【0072】
本発明の一実施例によれば、前記駆動回路は、チップに集積され、複数のレーザ機器と該複数のレーザ機器に対応する前記駆動回路とは、同一のプリント回路板に設けられている。前記アナログフロントエンドモジュールは、チップに集積され、複数の探知器と該複数の探知器に対応するアナログフロントエンドモジュールとは同一のプリント回路板に設けられている。
【0073】
本発明の一実施例によれば、前記駆動回路は、順番で周期的に発光するように前記複数のレーザ機器を駆動するためのものである。
【0074】
前記アナログフロントエンドモジュールは、前記レーダの探知要求に応じて、異なる前記探知器から出力される電気信号を増幅させるためのものである。
【0075】
最後に説明すべきこととして、以上の記載は単に本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。上記実施例を参照しながら本発明を詳しく説明したが、本分野の技術者であれば、上記各実施例に記載された技術手段を変更し、又は、一部の技術的特徴を等価置換することができる。本発明の精神及び思想から逸脱しない限り、あらゆる変更、等価置換、改善等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】