(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ブロー成形金型、ボトルブロー機及びプラスチックボトル
(51)【国際特許分類】
B29C 49/48 20060101AFI20230914BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B29C49/48
B29C33/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504058
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020118769
(87)【国際公開番号】W WO2022056960
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202010979443.5
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022045751.9
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521317081
【氏名又は名称】広州達意隆包装機械股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】鄒大群
(72)【発明者】
【氏名】黄孝林
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AA24
4F202AG07
4F202AG28
4F202AH55
4F202AM32
4F202AR13
4F202CA15
4F202CB01
4F202CK12
(57)【要約】
ブロー成形金型、ボトルブロー機及びプラスチックボトルであって、ブロー成形金型は、金型キャビティを有し、ボトルプリフォームのブローが完了した後に、金型キャビティ内にボトルボディ、ボトル肩、取手及びボトルネックが形成され、ボトル肩は、ボトルボディとボトルネックとの間に位置し、取手の一端は、ボトル肩に接続され、取手の他端は、同じくボトル肩に接続されるか、又はボトルネックに接続され、金型キャビティは、ボトルネックに凸起した段差構造を形成させる第1の窪み領域を備える。本願のブロー成形金型の金型キャビティは、ボトルネックに凸起した段差構造を形成させる第1の窪み領域を備え、これにより、該箇所がより多くのプリフォーム材料を占用し、ボトル肩とボトルネックとの接続箇所にシワが現れることが防止され、ボトルプリフォームのブローの品質が高められる。本願のブロー成形金型を採用して作製されたプラスチックボトルは、取手付きのボトルプリフォームからブローされてなり、個別に組み立てる必要のある取手がないため、生産プロセスが簡略化され、生産効率が向上し、生産コストが低減され、取手が脱落する状況の発生が回避される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型キャビティを有し、
ボトルプリフォームのブローが完了した後に、前記金型キャビティ内にボトルボディ、ボトル肩、取手及びボトルネックが形成され、前記ボトル肩は、前記ボトルボディと前記ボトルネックとの間に位置し、前記取手の一端は、前記ボトル肩に接続され、前記取手の他端は、同じく前記ボトル肩に接続されるか、又は前記ボトルネックに接続され、前記金型キャビティは、前記ボトルネックに凸起した段差構造を形成させる第1の窪み領域を備える、
ブロー成形金型。
【請求項2】
前記金型キャビティのキャビティ壁には、前記ボトル肩に第1の凹溝を形成させる少なくとも1本の第1の凸リブが設けられている、
請求項1に記載のブロー成形金型。
【請求項3】
前記第1の凸リブは、前記ボトル肩の高さ方向と垂直に設けられる、
請求項2に記載のブロー成形金型。
【請求項4】
前記金型キャビティのキャビティ壁には、前記ボトルボディに閉合しない又は環状に閉合した第2の凹溝を形成させる少なくとも1本の第2の凸リブがさらに設けられている、
請求項1に記載のブロー成形金型。
【請求項5】
前記第2の凸リブは、1つの平面に設けられ、或いは前記第2の凸リブは、波形状を呈して前記キャビティ壁に設けられる、
請求項4に記載のブロー成形金型。
【請求項6】
前記第2の凸リブの数量は2つ以上であり、各前記第2の凸リブは、互いに離隔して設けられ又は部分的に接続される、
請求項4に記載のブロー成形金型。
【請求項7】
前記金型キャビティは、前記取手を収容するための第2の窪み領域を備える、
請求項1に記載のブロー成形金型。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のブロー成形金型が備えられた、
ボトルブロー機。
【請求項9】
請求項8に記載のボトルブロー機により作製された、
プラスチックボトル。
【請求項10】
前記プラスチックボトルの材質はPETである、
請求項9に記載のプラスチックボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2020年9月17日で出願番号が202010979443.5である中国特許出願、及び出願日が2020年9月17日で出願番号が202022045751.9である中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、ボトルブローの技術分野に関し、例えば、ブロー成形金型、ボトルブロー機及びプラスチックボトルに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の市場では、取手付きのプラスチック哺乳瓶及びドリンクボトルは主に2種類に分けられており、1つの種類が取手付きのHDPE材質のボトルであり、もう1つの種類が後付け取手のPET材質のボトルである。そのうち、取手付きのHDPE材質のボトルには、密封が不完全で、ボトルボディが破損しやすく、及びボトル容量が制御できないなどの欠陥がある一方で、もう1つのPET材質のボトルには、HDPE材質のボトルと比べて、密封性がよく、ボトルボディが丈夫で、酸素バリア性能が高く且つ透明で観測されやすいなどの利点があるものの、現在PET材質のボトルはいずれも後付け取手を作る必要があり、後付け取手のPET材質のボトルにおける取手は特定の機器による生産及び取付が必要であり、且つ取付後に脱落しやすい。以上の理由から、業界内の関連企業は、現在の市場における後付け取手PET材質のボトルの代わりに取手付きPET材質ボトルを用いることを望むよう促されている。
【0004】
取手の位置が変化せず形状が完全であることを保証するために、ボトルプリフォームの取手部位のプリフォーム材料は、縦方向に延伸不可で、横方向のみに延伸可能である。そのため、ボトルプリフォームの加温過程における取手部位に対して技術的な処理を行い、ボトルブロー過程において取手部位の温度が高すぎると柔らかくなるため変形が生じ、さらにボトルブローの失敗を引き起こすことを防止しなければならない。取手付きPETボトルは、2段法のボトルブロープロセス方法を採用して作製されたものであり、即ち、先にボトルプリフォームに射出成形し、その後、ボトルブロー成形金型においてボトルプリフォームをボトルにブローする。取手付きのボトルプリフォームは、従来のボトルプリフォームと比べて取手といった部品が加えられたため、ボトルプリフォームのブロー過程においては、従来のボトルプリフォームのブローの過程において現れたことのない問題が生じる。ボトルプリフォームのブローが完成した後に、取手に対向するボトル肩とボトルネックとの接続箇所にシワが形成されやすく、ボトルの品質が不合格になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、ボトル肩部位に凸起した段差構造を形成させ、ボトル肩とボトルネックとの接続箇所にシワが形成されることを防止することができるブロー成形金型及びボトルブロー機を提供する。
【0006】
本願は、取手付きのボトルプリフォームからブローされてなり、生産効率が高く、コストが低く、取手が脱落する状況の発生を回避可能なプラスチックボトルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施例は、金型キャビティを有し、ボトルプリフォームのブローが完了した後に、前記金型キャビティ内にボトルボディ、ボトル肩、取手及びボトルネックが形成され、前記ボトル肩は、前記ボトルボディと前記ボトルネックとの間に位置し、前記取手の一端は、前記ボトル肩に接続され、前記取手の他端は、同じく前記ボトル肩に接続されるか、又は前記ボトルネックに接続され、前記金型キャビティは、前記ボトルネックに凸起した段差構造を形成させる第1の窪み領域を備える、ブロー成形金型を提供する。
【0008】
本願の1つの選択可能な方案として、前記金型キャビティのキャビティ壁には、前記ボトル肩に第1の凹溝を形成させる少なくとも1本の第1の凸リブが設けられている。
【0009】
本願の1つの選択可能な方案として、前記第1の凸リブは、前記ボトル肩の高さ方向と垂直に設けられる。
【0010】
本願の1つの選択可能な方案として、前記金型キャビティのキャビティ壁には、前記ボトルボディに閉合しない又は環状に閉合した第2の凹溝を形成させる少なくとも1本の第2の凸リブがさらに設けられている。
【0011】
本願の1つの選択可能な方案として、前記第2の凸リブは、1つの平面に設けられ、或いは前記第2の凸リブは、波形状を呈して前記キャビティ壁に設けられる。
【0012】
本願の1つの選択可能な方案として、前記第2の凸リブの数量は2つ以上であり、各前記第2の凸リブは、互いに離隔して設けられ又は部分的に接続される。
【0013】
本願の1つの選択可能な方案として、前記金型キャビティは、前記取手を収容するための第2の窪み領域を備える。
【0014】
1つの実施例は、上記いずれか1つの方案に記載のブロー成形金型が備えられたボトルブロー機を提供する。
【0015】
1つの実施例は、上記ボトルブロー機により作製されたプラスチックボトルを提供する。
【0016】
本願の1つの選択可能な方案として、前記プラスチックボトルの材質はPETである。
【発明の効果】
【0017】
本願のブロー成形金型の金型キャビティは、ボトルネックに凸起した段差構造を形成させる第1の窪み領域を備え、これにより、該箇所がより多くのプリフォーム材料を占用し、ボトル肩とボトルネックとの接続箇所にシワが現れることが防止され、ボトルプリフォームのブローの品質が高められる。本願のブロー成形金型を採用して作製されたプラスチックボトルは、取手付きのボトルプリフォームからブローされてなり、個別に組み立てる必要のある取手がないため、生産プロセスが簡略化され、生産効率が向上し、生産コストが低減され、取手が脱落する状況の発生が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来金型を採用して取手付きのボトルプリフォームに対してブローを行う前の模式図である。
【
図2】従来金型を採用する、取手付きのボトルプリフォームに対するブローが完了した後の模式図である。
【
図4】本願の実施例のブロー成形金型の金型キャビティの構造模式図である。
【
図7】本願の実施例のプラスチックボトルの斜視模式図である。
【
図8】本願の別の実施例のブロー成形金型の金型キャビティの構造模式図である。
【
図9】
図8に示すブロー成形金型を採用してブローされたプラスチックボトルの斜視模式図である。
【
図10】本願のさらなる実施例のブロー成形金型の金型キャビティの構造模式図である。
【
図11】
図10に示すブロー成形金型を採用してブローされたプラスチックボトルの斜視模式図である。
【
図12】本願のさらに別の実施例のブロー成形金型の金型キャビティの構造模式図である。
【
図13】
図12に示すブロー成形金型を採用してブローされたプラスチックボトルの斜視模式図である。
【
図14】本願の実施例のブロー成形金型の斜視模式図である。
【符号の説明】
【0019】
1’・・・従来金型、1・・・ブロー成形金型、10・・・金型キャビティ、11・・・左型、12・・・右型、13・・・底型、101・・・第1の窪み領域、102・・・第1の凸リブ、103・・・第2の凸リブ、104・・・第2の窪み領域、105・・・第3の凸リブ、100・・・ボトルプリフォーム、100’・・・プラスチックボトル、110・・・ボトルネック、120・・・ボトル肩、1201・・・シワ、130・・・取手、140・・・ボトルボディ、200・・・延伸ロッド、1100・・・段差構造、1200・・・第1の凹溝、1300・・・第2の凹溝、1400・・・第3の凹溝。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら具体的な実施形態により本願の技術案をさらに説明する。
【0021】
本願において、別途明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又はの「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴が直接接触せずそれらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より小さいことを示す。
【0022】
また、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示したり、指示される技術特徴の数量を暗黙的に指し示したりするものとしては理解できない。従って、「第1」、「第2」が限定された特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。
【0023】
2段法のボトルブロープロセスは、ボトルプリフォーム100を先に製造し、その後、特定の金型を用いてボトルプリフォーム100に対してブローを行う必要があり、
図1ないし
図3に示すように、従来金型1’を使用して取手130付きのボトルプリフォーム100に対してブローを行うときに、取手130といった部品が加えられたため、ボトルプリフォーム100は延伸されて膨らんでいる過程において、ボトルボディ140部位のプリフォーム材料が先に膨らんで金型キャビティ10の下部に充満し、この時、ボトルプリフォーム100の取手130部位がまだ金型キャビティ10のキャビティ壁に当てられておらず、ブローの進行につれて、ボトルボディ140部位のプリフォーム材料は、圧縮空気の作用で取手130を金型キャビティ10のキャビティ壁に押し、最後に圧縮空気の作用で取手130とともに金型キャビティ10のキャビティ壁に当てられ、ブローが完成した後に、ボトル肩120とボトルネック110との接続箇所にシワ1201(
図3に示すように)が現れやすいため、品質欠陥が生じる。
【0024】
図4ないし
図7に示すように、本実施例のブロー成形金型1は、金型キャビティ10を有し、ボトルプリフォーム100のブローが完了した後に、金型キャビティ10内にボトルネック110、ボトル肩120、取手130及びボトルボディ140が形成され、ボトル肩120は、ボトルネック110とボトルボディ140との間に位置し、取手130の一端は、ボトル肩120に接続され、取手130の他端は、ボトルネック110に接続され、取手130の両端はいずれもボトル肩120に接続されてもよく、金型キャビティ10のキャビティ壁には、ボトルネック110に凸起した段差構造1100を形成させる第1の窪み領域101が設けられている。
【0025】
本実施例のブロー成形金型1は、金型キャビティ10のキャビティ壁に、ボトルネック110に凸起した段差構造1100を形成させる第1の窪み領域101が設けられており、これにより、該箇所がより多くのプリフォーム材料を占用し、ボトル肩120とボトルネック110との接続箇所にシワ1201が現れることが防止され、ボトルプリフォーム100のブローの品質が高められる。
【0026】
選択可能に、金型キャビティ10のキャビティ壁には、ボトル肩120に第1の凹溝1200を形成させる少なくとも1本の第1の凸リブ102が設けられている。第1の凸リブ102は、ボトル肩120部位のプリフォーム材料がボトルネック110に移動することを制限して、シワ1201が現れる確率を低減することができ、第1の凹溝1200は、さらに、ボトル肩120の構造強度を増加させる役割を果たすことができる。取手130の存在により、第1の凸リブ102は、1つの閉合した環形を形成できないため、第1の凹溝1200も1つの閉合した形態ではない。
【0027】
例示的に、第1の凸リブ102は、ボトル肩120の高さ方向と垂直に設けられ、これにより、第1の凸リブ102は、ボトル肩120部位のプリフォーム材料がボトルネック110に移動することをよりよく阻止可能である。
【0028】
選択可能に、金型キャビティ10のキャビティ壁には、ボトルボディ140に閉合しない又は環状に閉合した第2の凹溝1300を形成させる少なくとも1本の第2の凸リブ103がさらに設けられている。第2の凸リブ103の設置位置は、ボトル肩120に近いように選択可能であり、これにより、第2の凸リブ103は、ボトルボディ140部位のプリフォーム材料がボトル肩120及び取手130に移動することを制限し、ボトル肩120にシワが生じることを防止し、プリフォーム材料の移動による取手130の位置ズレを回避することができる。また、第2の凹溝1300は、さらに、ボトルボディ140の構造強度を補強する役割を果たし、複数本の第2の凸リブ103を設けることで複数の第2の凹溝1300を得ることができ、これにより、ボトルボディ140は、構造強度が大きく高められ、変形しにくくなる。
【0029】
例示的に、第2の凸リブ103は、1つの平面に設けられ、或いは第2の凸リブ103は、波形状を呈して金型キャビティ10のキャビティ壁に設けられ、第2の凸リブ103の具体的な形態は、実際のニーズに応じて柔軟に選択可能である。
図8及び
図9に示すように、第2の凸リブ103は、閉合した環状又は閉合しない弧線型を呈し、且つ第2の凸リブ103は、1つの平面に設けられ、これにより、各第2の凹溝1300の各箇所の高さが同じとなる。また、
図10及び
図11に示すように、第2の凸リブ103が波形状を呈し、これにより、第2の凹溝1300も波形状を呈し、各第2の凹溝1300の各箇所は同じ高さにあるわけではない。
【0030】
第2の凸リブ103の数量が2つより大きいときに、第2の凸リブ103の間は、互いに離隔した形式に設定されてもよいし、部分的に一緒に接続されてもよい。
図12及び
図13に示すように、各第2の凸リブ103が部分的に接続されているため、これにより、各第2の凹溝1300も一部が重なっている。
【0031】
図4に示すように、選択可能に、金型キャビティ10は、取手130を収容するための第2の窪み領域104を備える。第2の窪み領域104の形状が取手130の形状に合わせているため、取手130はボトルプリフォーム100のブローの過程において正しい位置に停止することができる。
【0032】
図4及び
図7に示すように、いくつかの実施例において、金型キャビティ10のキャビティ壁には、ボトル肩120とボトルボディ140との接続箇所に第3の凹溝1400を形成させる第3の凸リブ105が設けられている。第3の凸リブ105が果たす役割は第2の凸リブ103に類似しており、ボトルボディ140部位のプリフォーム材料がボトル肩120に移動することを制限して、ボトル肩120にシワが生じることを防止することができることである。
【0033】
選択可能に、
図14に示すように、ブロー成形金型1は、左型11、右型12及び底型13を備え、左型11、右型12及び底型13が組み立てられた後に金型キャビティ10が形成される。
図1及び
図2を参照し、ボトルプリフォーム100のブローのステップは、まず、左型11と右型12とを分離させ、その後、加熱後のボトルプリフォーム100を左型11と右型12との間に入れてから、左型11、右型12及び底型13を閉じさせ、延伸ロッド200をプリフォーム口からボトルプリフォーム100の中に挿入させてボトルプリフォーム100を縦方向に延伸するとともに、圧縮空気もプリフォーム口からボトルプリフォーム100内に吹き込ませてボトルプリフォーム100を横方向に延伸し、ボトルプリフォーム100のブローが終了した後に、ブロー成形金型1を開くものである。
【0034】
本願の実施例は、上記いずれか1つの実施例のブロー成形金型1が備えられたボトルブロー機をさらに提供し、これにより、このようなボトルブロー機は、取手130付きのボトルプリフォーム100に対して高品質のブローを行うことができる。
【0035】
図7、
図9、
図11及び
図13に示すように、本願の実施例は、上記ボトルブロー機により作製されたプラスチックボトル100’をさらに提供し、このようなプラスチックボトル100’は、ブローの完了後に再び独立取手を別途取り付ける形式を採用せず、取手130が付いており、生産プロセスが簡略化され、生産コストが低減され、独立取手が脱落するという問題の心配が要らない。
【0036】
選択可能に、プラスチックボトル100’の材質はPETであるため、プラスチックボトル100’は、密封性がよく、ボトル体が丈夫で、酸素バリア性能が高く且つ透明で観測されやすいなどの利点を有する。
【0037】
本願の好ましい実施方案として、本明細書の説明において、参考用語「好ましい」などの説明は、該実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれていることを意味する。本明細書において、上記用語に対する模式的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例、若しくは例において適切な方式で結び付けられることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
現在の市場では、取手付きのプラスチック哺乳瓶及びドリンクボトルは主に2種類に分けられており、1つの種類が取手付きのHDPE(High Density Polyethylene,高密度ポリエチレン)材質のボトルであり、もう1つの種類が後付け取手のPET(Polyethylene Terephthalate,ポリエチレンテレフタレート)材質のボトルである。そのうち、取手付きのHDPE材質のボトルには、密封が不完全で、ボトルボディが破損しやすく、及びボトル容量が制御できないなどの欠陥がある一方で、もう1つのPET材質のボトルには、HDPE材質のボトルと比べて、密封性がよく、ボトルボディが丈夫で、酸素バリア性能が高く且つ透明で観測されやすいなどの利点があるものの、現在PET材質のボトルはいずれも後付け取手を作る必要があり、後付け取手のPET材質のボトルにおける取手は特定の機器による生産及び取付が必要であり、且つ取付後に脱落しやすい。以上の理由から、業界内の関連企業は、現在の市場における後付け取手PET材質のボトルの代わりに取手付きPET材質ボトルを用いることを望むよう促されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型キャビティを有し、
ボトルプリフォームのブローが完了した後に、前記金型キャビティ内にボトルボディ、ボトル肩、取手及びボトルネックが形成され、前記ボトル肩は、前記ボトルボディと前記ボトルネックとの間に位置し、前記取手の一端は、前記ボトル肩に接続され、前記取手の他端は、同じく前記ボトル肩に接続されるか、又は前記ボトルネックに接続され、前記金型キャビティは、前記ボトルネックに凸起した段差構造を形成させる第1の窪み領域を備える、
ブロー成形金型。
【請求項2】
前記金型キャビティのキャビティ壁には、前記ボトル肩に第1の凹溝を形成させる少なくとも1本の第1の凸リブが設けられている、
請求項1に記載のブロー成形金型。
【請求項3】
前記第1の凸リブは、前記ボトル肩の高さ方向と垂直に設けられる、
請求項2に記載のブロー成形金型。
【請求項4】
前記金型キャビティのキャビティ壁には、前記ボトルボディに閉合しない又は環状に閉合した第2の凹溝を形成させる少なくとも1本の第2の凸リブがさらに設けられている、
請求項1に記載のブロー成形金型。
【請求項5】
前記第2の凸リブは、1つの平面に設けられ、或いは前記第2の凸リブは、波形状を呈して前記キャビティ壁に設けられる、
請求項4に記載のブロー成形金型。
【請求項6】
前記第2の凸リブの数量は2つ以上であり、各前記第2の凸リブは、互いに離隔して設けられ又は部分的に接続される、
請求項4に記載のブロー成形金型。
【請求項7】
前記金型キャビティは、前記取手を収容するための第2の窪み領域を備える、
請求項1に記載のブロー成形金型。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のブロー成形金型が備えられた、
ボトルブロー機。
【請求項9】
請求項8に記載のボトルブロー機により作製された、
プラスチックボトル。
【請求項10】
前記プラスチックボトルの材質はPET
(Polyethylene Terephthalate,ポリエチレンテレフタレート)である、
請求項9に記載のプラスチックボトル。
【国際調査報告】