(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】コンクリートまたは同様の材料を吹き付けるためのノズル、そのノズルの一部、およびそのノズルを使用する構造体製造装置
(51)【国際特許分類】
B05B 7/04 20060101AFI20230914BHJP
E02D 17/20 20060101ALI20230914BHJP
B05B 7/14 20060101ALI20230914BHJP
B05B 7/06 20060101ALI20230914BHJP
E04F 21/08 20060101ALI20230914BHJP
E04F 21/12 20060101ALI20230914BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230914BHJP
B28B 1/32 20060101ALI20230914BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B05B7/04
E02D17/20 102G
B05B7/14
B05B7/06
E04F21/08 X
E04F21/12 X
B33Y30/00
B28B1/32 E
B28B1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512077
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2021072476
(87)【国際公開番号】W WO2022038036
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521115133
【氏名又は名称】モブボット エスアー
【氏名又は名称原語表記】MOBBOT SA
【住所又は居所原語表記】Route de la Glane 26, 1700 Fribourg, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100217434
【氏名又は名称】万野 秀人
(72)【発明者】
【氏名】リボー・トマ
(72)【発明者】
【氏名】ガレ・バンジャマン
(72)【発明者】
【氏名】プティ・アニエス
【テーマコード(参考)】
2D044
4F033
4G052
【Fターム(参考)】
2D044DC04
4F033QA01
4F033QB02X
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB05
4F033QB09X
4F033QB12Y
4F033QB13Y
4F033QB15Y
4F033QB18
4F033QB19
4F033QB20
4F033QD02
4F033QD03
4F033QD15
4F033QD16
4F033QD21
4F033QD24
4F033QE09
4F033QE14
4F033QE30
4F033QF11X
4F033QF11Y
4F033QF15Y
4F033QH02
4F033QH04
4F033QH05
4F033QH10
4G052DA01
4G052DB12
4G052DC06
(57)【要約】
本発明は、材料を吹付けノズル(100)に導入するための、当該吹付けノズルの材料入口部分(1)であって、第1材料を吹付けノズルに導入するように適合され、流れ方向において主チャネル(3)の第1部分(31)を規定する第1入口(11)と、ガス/空気材料を吹付けノズルに導入するように適合され、二次チャネル(4)を規定する少なくとも1つの第2入口(12)とを備え、二次チャネル(4)は、当該主チャネル(3)内へ分岐しており、空気/ガス材料が出口(13)を出る際に第1材料に取り囲まれるように主チャネル(3)に対して中央に空気/ガス材料を出力するための当該出口(13)を示している、吹付けノズルの材料入口部分に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を吹付けノズル(100)に導入するための、当該吹付けノズルの材料入口部分(1)であって、
第1材料を前記吹付けノズルに導入するように適合され、流れ方向において主チャネル(3)の第1部分(31)を規定する第1入口(11)と、
第2材料を前記吹付けノズルに導入するように適合され、二次チャネル(4)を規定する少なくとも1つの第2入口(12)とを備え、
前記二次チャネル(4)は、前記主チャネル(3)内へ分岐しており、前記第2材料が出口(13)を出る際に前記第1材料に取り囲まれるように前記主チャネル(3)に対して中央に前記第2材料を出力するための当該出口(13)を示している
吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項2】
前記二次チャネル(4)は、その出口軸と前記主チャネルの軸との角度が5°以下になるように前記主チャネル(3)内へ分岐している
請求項1に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項3】
前記第2入口(12)のセクションは、前記第2材料を前記主チャネル(3)の流れ方向に導入する最小セクションを有するように、前記第1入口(11)と比較して最も小さい直径を示している
請求項1または2に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項4】
前記二次チャネル(4)は、湾曲形状を有する
請求項1または3に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項5】
前記二次チャネル(4)は、前記第2材料を前記流れ方向と平行に注入するように略バナナ形状を有する
請求項4に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項6】
前記第1材料は、コンクリート、土、塗料、金属、高分子のシーリング、絶縁および防水材料、ラフキャストなどのうちの少なくとも1つである
請求項1~5のいずれか1項に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項7】
前記第2材料は、空気/ガスと、水を含む群から選択された湿潤剤または任意の適切な湿潤剤とのうちの少なくとも1つである
請求項1~6のいずれか1項に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項8】
前記二次チャネル(4)は、さらに、前記出口(13)から出力される前に前記二次チャネル(4)内で前記第2材料と混合するように活性剤を受け取るための第2入口を含む
請求項1~7のいずれか1項に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項9】
前記材料入口部分は、さらに、エアスリーブと、1以上の追加の空気入口とのうちの少なくとも1つを備える
請求項1~8のいずれか1項に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項10】
前記二次チャネル(4)が分岐している前記主チャネル(3)のセクション(311)は、前記主チャネル(3)の前記第1部分(31)のセクションまたは残りの部分よりも大きい
請求項1~9のいずれか1項に記載の吹付けノズルの材料入口部分。
【請求項11】
材料を吹付けノズル(100)から送出するための、当該吹付けノズルの材料出口部分(2)であって、出口(22)および入口(23)を示している長尺管状部分(21)を備え、流れ方向において前記出口(22)と前記入口(23)と間に前記主チャネル(3)の第2部分(32)が規定される
吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項12】
前記出口(22)は、楕円形状を示している
請求項11に記載の吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項13】
前記長尺管状部分(21)は、第1直径(r1)と、前記第1直径よりも小さい第2直径(r2)とを少なくとも示し、前記第1直径を有する部分は、前記第2直径を有する部分の上流に前記流れ方向に沿って配置されている
請求項11または12に記載の吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項14】
前記長尺管状部分(21)の内径は、ラバル内部形状を示すように、まず、前記入口(23)から前記出口(22)に向かって減少し、それによって、それらの中間に最小径部分(24)を示し、次いで、再び増加する
請求項13に記載の吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項15】
前記材料出口部分は、第2部分(32’)の端部に二次チャネル(41’)を備える
請求項11~14のいずれか1項に記載の吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項16】
前記二次チャネル(41’)は、二次入口(411’)および二次出口(412’)を示している
請求項15に記載の吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項17】
前記二次出口(412’)は、前記第2部分の出口(22’)を取り囲むリング形状を有する
請求項16に記載の吹付けノズルの材料出口部分。
【請求項18】
混合部分(5)を前記流れ方向に沿って設けるように脱着可能に取り付けられている、請求項1~10のいずれか1項に記載の材料入口部分と、請求項11~17のいずれか1項に記載の材料出口部分とを備える
吹付けノズル(100)。
【請求項19】
前記混合部分(5)は、前記二次チャネル(4)の前記出口(13)の下流に設けられている
請求項18に記載の吹付けノズル。
【請求項20】
前記材料出口部分(2)は、使い捨て可能である
請求項19に記載の吹付けノズル。
【請求項21】
請求項18~20のいずれか1項に記載の吹付けノズルを備える噴射ヘッドを示している、コンクリート材料を用いて三次元物体を製造するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートもしくは同様の材料、またはその混合物を吹き付けるための装置用のノズルに関する。より詳細には、本発明は、改善された空気-コンクリート混合能力を示している、コンクリートと空気の混合物を吹き付けるための装置用のノズルの一部に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートの付加製造は、1980年代から存在する。コンクリートの付加製造には、最も広く使用されているコンタークラフト法と、スマート・ダイナミック・キャスティングと、メッシュモールド技術と、従来の高速吹付けコンクリートとの4種類がある。
【0003】
ここ何年もの間、高速吹付けコンクリートは、他の方法に対して複数の利点を示してきた。より具体的には、吹付けコンクリートとは、技術の様々な構成要素、すなわち、材料として、打設プロセスとして、および工法としてのショットクリートを表す単一の用語である。ショットクリートは1914年から存在し、絶えず適合されてきた。ショットクリートの用途は幅広く、本来、地盤の安定化が含まれる。ショットクリートは、トンネルおよび地下の工事、鉱山、コンクリートおよび歴史的建造物の補修、保護ライニング、遮水工事、またはプール建設において、掘削の安定化に使用される。主な用途は、地下工事と鉱山である。異なる2つの吹付けコンクリートプロセスである、乾式吹付けと湿式吹付けとがあり、ノズルに送り込まれ、吹き付けられる材料の過剰な圧力が発生するポイントに供給される材料の種類を示す。コンクリートは、自然の表面に吹き付けられる。結果として得られる吹付けコンクリートの表面は、不均一なものとなる。
【0004】
ここ数年で、吹付けコンクリートが付加製造に使用され始めた。特許文献1では、コンクリートは、掘削時に垂直に配置された補強材に吹き付けられる。この装置およびこの方法では、結果として得られる製造されたコンクリート部品の側面が粗面となり、層ごとに、さらには同一層内でも完全に不規則な形状となって、全体的に凹凸のある表面をもたらすことが主な欠点である。このため、コンクリート表面を平滑化するために、ツールを使用して表面を削るか、または表面および設計された構造体を平滑化する追加のステップが必要になり、その結果、時間と費用の無駄が生じる。
【0005】
この点において、三次元コンクリート構造体を製造するための新しい種類の装置が発明された。これらの装置は、コンクリート材料を吹き付けるための噴射ヘッドを備え、噴射ヘッドは、コンクリート材料を吹き付けるための噴射ノズルと、噴射ノズルの両側に設けられた少なくとも2つのガイドプレートであって、それらの間の体積を画定し、噴射ノズルが当該体積にコンクリート材料を吹き付けるように適合されているガイドプレートとを含み、噴射ヘッドは、制御手段により所定の経路に沿って繰り返し移動し、また、複数の噴射されたコンクリート層からなる三次元コンクリート構造体を生成するようノズルの移動中に2つのガイドプレートの位置を調整するように構成される。それにより、当該発明は、強度性能および耐久性の特徴について改良されたコンクリート構造体を提供する方法および装置を提供し、受動的補強材を有する三次元構造体をより高速で構築することを可能にする。
【0006】
しかしながら、これらの新しい装置では、既存の市販ノズルは、その中でコンクリート、空気および考え得る添加剤を適切に混合せず、リバウンドと呼ばれる廃棄物を多く生むため、もはや十分に機能していないことが明らかとなった。実際、コンクリートの吹付けにおいて、ノズルは吹付け部品として機能するが、空気、コンクリートおよび考え得る添加剤が、それぞれの経路(ホース)を通って到達し、吹き付けられる前に混合される混合要素としても機能する。
【0007】
例えば、特許文献2に噴射ノズルが記載されており、この噴射ノズルは、供給ラインが取り付けられている分岐管により、高濃度のコンクリート混合物を細かくするように作られている。しかしながら、このノズルには、空気が流れに対して垂直な方向に到達するために空気エネルギーが損失するなどのいくつかの欠点がある。これによって、混合が悪くなり、出力部における粒子速度が低下する。
【0008】
最後に、特許文献3において、特許の主題は、アルファ角によりノズル全体にわたって摩擦力が一定に保たれることで、ノズルの摩耗が低減されることである。この特許では、入口と、制限セクションと、出口とを有し、この加速ゾーンにおいて摩擦力を一定に保つように算出されている形状について言及されている。この特許は、セクションを狭くすることのみに基づいて、コンクリートをある特定の角度アルファに沿って加速している。しかしながら、考慮された式では、非圧縮性の流れ、ひいては円筒状の出口ゾーン3には摩擦はないとみなされている。しかし、吹付けコンクリート用のノズルは、入口の圧力がノズル出口の圧力よりも高くなるような高圧状態にある。圧縮性流体を流体力学と考えるこの仮定は、特許文献3では正しくない。
【0009】
上記に鑑みて、混合を改善し、吹付け速度を高め、廃棄物を削減するという課題を解決するノズルはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/059408号明細書
【特許文献2】国際公開第03/369898号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1570908号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この点において、本発明の主な目的は、上述の課題を解決し、より具体的には、吹付け速度を改善し、均質性、圧縮/トラクションに対する抵抗、リバウンドなどのようなコンクリート性能を改善するための適切な混合を可能にするノズルを提供することである。速度を改善することによって、コンクリートを固めるのに必要な化学物質(活性剤)の量が減少する。
【0012】
本発明の別の目的は、付随的な損失を減少させるために、より直線的な吹付けをもたらすノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題は、本発明によって解決される。
【0014】
本発明者は、ノズルの形状を修正し、吹付け速度、コンクリート吹付け角度などのいくつかのコンクリート物理パラメータに影響を与えるように適合させ、均質性、圧縮/トラクションに対する抵抗、リバウンドなどのコンクリート性能、および生じる埃を改善できることを発見した。
【0015】
また、本発明者は、空気と、湿潤させた材料とを混合することは、本発明を用いて適切に混合した場合、加速の助けとなることを発見した。
【0016】
したがって、本発明の第1の態様は、コンクリートの吹付け速度を高め、コンクリートの均質性を高め、圧縮/トラクションに対するコンクリートの抵抗を高め、コンクリートの吹付け角度を狭くし、コンクリートの吹付けプロセスのエネルギー消費と、コンクリートなどを活性化させるために必要な化学物質とを低減することを可能にする新しいノズルである。
【0017】
本発明の第1の態様は、材料を吹付けノズルに導入するための、当該吹付けノズルの材料入口部分であって、第1材料を吹付けノズルに導入するように適合され、流れ方向において主チャネルの第1部分を規定する第1入口と、ガス/空気材料を吹付けノズルに導入するように適合され、二次チャネルを規定する少なくとも1つの第2入口とを備え、二次チャネルは、当該主チャネル内へ分岐しており、空気/ガス材料が出口を出る際に第1材料に取り囲まれるように主チャネルに対して中央に空気/ガス材料を出力するための当該出口を示している、吹付けノズルの材料入口部分に関する。このノズル構成により、コンクリートの吹付け角度は狭くなり、コンクリートの吹付け速度は高まり、コンクリートの均質性は向上する。
【0018】
有利には、二次チャネルは、その出口軸と主チャネルの軸との角度が0°~5°、好ましくは0°、になるように主チャネル内へ分岐している。したがって、コンクリートの吹付けプロセスのエネルギー消費は低減される。
【0019】
空気注入セクションは、下部にあり、空気をシステムに導入する完全な空気圧回路の最小セクションであることが好ましい。したがって、空気は、このセクション内で最高速度に到達し、これにより、コンクリートを小さい粒子に細かくすることができる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、二次チャネルは、空気/ガス材料を流れ方向と平行に注入するように略バナナ形状を有する。これにより、90°の角度の肘部と比較して、空気損失を低減することができる。
【0021】
第1材料は、コンクリート、土、塗料、金属、高分子の絶縁またはシーリング材料、ラフキャストなどのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0022】
第2材料は、空気/ガスと、水を含む群から選択された湿潤剤または任意の適切な湿潤剤とのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
【0023】
有利には、二次チャネルは、さらに、出口から出力される前に二次チャネル内で空気/ガス材料と混合するように活性剤を受け取るための第2入口を含む。
【0024】
本発明の第2の態様は、材料を吹付けノズルから送出するための、当該吹付けノズルの材料出口部分であって、出口および入口を示している長尺管状部分を備え、流れ方向において出口と入口と間に主チャネルの第2部分が規定される、吹付けノズルの材料出口部分に関する。
【0025】
有利には、出口は、楕円形状を示している。このように、吹付けは、吹付けゾーンを良好に制御するように特定の位置に集中させることができる。
【0026】
長尺管状部分は、第1内径と、第1内径よりも小さい第2内径とを少なくとも示し、第1内径を有する部分は、第2内径を有する部分の上流に流れ方向に沿って配置されることが好ましい。したがって、出口圧力は増加する。
【0027】
好ましい実施形態によれば、長尺管状部分の内径は、ラバル内部形状を示すように、まず、入口から出口まで減少し、それによって、それらの中間に最小径部分を示し、次いで、再び増加する。
【0028】
本発明の第3の態様は、混合部分を流れ方向に沿って設けるように脱着可能に取り付けられている、本発明の第1の態様の材料入口部分と、本発明の第2の態様の材料出口部分とを備える吹付けノズルに関する。
【0029】
混合部分は、二次チャネルの出口の下流に設けられることが好ましい。
【0030】
有利には、材料出口部分は、使い捨て可能である。
【0031】
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様の吹付けノズルを備える噴射ヘッドを示している、コンクリート材料を用いて三次元物体を製造するための装置に関する。
【0032】
本発明のさらなる特有の利点および特徴は、添付の図面を参照する本発明の少なくとも1つの実施形態における以下の非制限的な説明からより明らかになる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、より直線的な吹付けをもたらすノズルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明による吹付けノズルの材料入口部分を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態による吹付けノズルの材料出口部分を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2実施形態による吹付けノズルの材料出口部分を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第3実施形態による吹付けノズルの材料出口部分を概略的に示す図である。
【
図5】
図5は、本発明による材料入口部分と材料出口部分とを備える噴射ノズルを概略的に示す図である。
【
図6】
図6は、材料入口部分に取り付けられた、本発明の第4実施形態による吹付けノズルの材料出口部分を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の詳細な説明は、実施形態の任意の特徴を異なる実施形態の他の任意の特徴と有利な方法で組み合わせることができるため、本発明を非制限的に説明することを意図している。
【0036】
本発明は、三次元物体を製造するための装置と、当該装置に使用されるように適合された吹付けノズルと、当該ノズルを形成する材料入口部分および材料出口部分とに関する。これらのデバイスで使用することができる材料は、コンクリート、セメント系材料、土、塗料、金属、高分子のシーリング、絶縁および防水材料、ラフキャストなどのうちの少なくとも1つを含む群から選択されることが好ましい。
【0037】
図1は、材料、特に空気/ガスおよびセメント系材料を、ホースなどのような送出ツール(図示せず)から吹付けノズル100に導入するための、当該吹付けノズルの材料入口部分1の第1実施形態を示す。材料入口部分1は、第1材料を吹付けノズルに導入するように適合され、流れ方向において主チャネル3の第1部分31を規定する第1入口11と、ガス/空気材料を吹付けノズルに導入するように適合され、二次チャネル4を規定する少なくとも1つの第2入口12とを備え、二次チャネル4は、空気/ガス材料を流れ方向と平行に注入するように、好ましくは湾曲形状、好ましくは略バナナ形状を有し、当該主チャネル3内へ分岐しており、空気/ガス材料が出口13を出る際に第1材料に取り囲まれるように主チャネル3に対して中央に空気/ガス材料を出力するための当該出口13を示している。この構成では、コンクリートの吹付け角度は狭くなり、コンクリートの吹付け速度は高まり、コンクリートの均質性は改善される。
【0038】
好ましい実施形態によれば、二次チャネルが分岐している主チャネル3のセクションは、主チャネルの第1部分または残りの部分よりも大きい。これにより、二次チャネルが流れ方向に挿入されているにもかかわらず、セメント系材料を通過させるのに十分断面を大きく保つことができる。
【0039】
図1に明確に示していないが、二次チャネル4は、コンクリートの吹付けプロセスのエネルギー消費を低減するために、その出口軸と主チャネルの軸との角度が5°以下になるように主チャネル3内へ分岐していることが好ましい。
【0040】
図1から、第2入口のセクション12(例えば空気注入セクション)は、第1入口(11)と比較して最も小さい直径を示していることが分かる。これにより、第2材料を主チャネル(3)の流れ方向に導入する最小セクションを有することができる。空気をシステムに導入する完全な空気圧回路の最小セクションは、空気がこのセクション内で最高速度に到達することを可能にし、これにより、コンクリートを小さい粒子に分解することができる。
【0041】
別の実施形態によれば、二次チャネル4は、さらに、出口13から出力される前に二次チャネル内で空気/ガス材料と混合するように活性剤を受け取るための第2入口を含むことができる。加えて、材料入口部分は、さらに、エアスリーブと、1以上の追加の空気入口とのうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0042】
図2は、材料を吹付けノズル100から送出するための、当該吹付けノズルの材料出口部分2であって、出口22および入口23を示している長尺管状部分21を備え、流れ方向において出口22と入口23と間に主チャネル3の第2部分32が規定される、吹付けノズルの材料出口部分2の第1実施形態を示す。分かるように、長尺管状部分21は、第1直径r1と、第1直径よりも小さい第2直径r2とを少なくとも示し、第1直径を有する部分は、第2直径を有する部分の上流に流れ方向に沿って配置されている。
【0043】
図3は、出口22が楕円形状を示している材料出口部分の第3実施形態を示す。
【0044】
図4は、材料出口部分の第3実施形態を示し、長尺管状部分21の内径は、ラバル内部形状を示すように、まず、入口23から出口22に向かって減少し、それによって、それらの中間に最小径部分24を示し、次いで、再び増加する。
【0045】
最後に、
図5は、混合部分5を流れ方向に沿って設けるように脱着可能に取り付けられている、上述の材料入口部分と材料出口部分とを備える吹付けノズル100の実施形態を示す。図示するように、混合部分5は、二次チャネル4の出口13の下流に設けられる。材料出口部分2は、使い捨てできるように使い捨て材料で設計することができることに留意しなければならない。
【0046】
さらに、
図6は、材料を吹付けノズルから送出するための、当該吹付けノズルの材料出口部分2’であって、出口22’および入口23’を示している長尺管状部分21’を備え、流れ方向において出口22’と入口23’と間に主チャネル3’の第2部分32’が規定される、吹付けノズルの材料出口部分2’の第4実施形態を示す。この実施形態では、第2部分32’の内部形状は、第1実施形態から第3実施形態のうちのいずれかの形状、すなわち、少なくとも第1直径r1、および第1直径よりも小さい第2直径r2、および/または楕円出口、および/またはラバル内部形状を示してもよい。
【0047】
この第4実施形態の特異性は、第2部分32’の端部に、例えば空気、水、または任意の流体のための、二次チャネル41’が存在することにある。この実施形態では、二次チャネル41’は、空気チャネルである。このチャネルは、二次入口411’および二次出口412’を示していることが好ましい。二次出口412’は、第2部分の出口を取り囲むリング形状を有することが好ましい。
【0048】
二次チャネル41’は、空気/ガスと、水を含む群から選択された湿潤剤または任意の適切な湿潤剤とのうちの少なくとも1つである材料を導入するために使用することができる。
【0049】
この二次チャネルは、材料噴射角度を小さくすることを可能にする、主チャネル3への第2の到達をもたらす。これにより、ノズルの出口における乱流を低減し、材料流を集中させることができる。二次チャネルは、また、埃が生じるのを抑制する助けとなる。
【0050】
この材料出口部分2’により、まず、材料、好ましくはコンクリートまたはセメント系材料を、材料入口部分の第2入口12から到達する水などの湿潤剤と混合して湿潤させ、次いで、湿潤させた材料を第2部分32’の端部で空気と混合することが可能である。
【0051】
あるいは、材料入口部分の第2入口12から空気を導入して材料(好ましくはコンクリートまたはセメント系材料)を分解し、第2部分32’の端部に空気を導入して噴射角度を小さくすることが可能である。
【0052】
上で示した吹付けノズルを含む噴射ヘッドを示している、コンクリート材料を用いて三次元物体を製造するための装置も本特許に包含されるが、図には示していない。
【0053】
実施形態について複数の実施形態と併せて説明してきたが、当業者には多くの代替形態、修正形態および変更形態が明らかになるであろうこと、または明らかであることは明白である。したがって、本開示は、本開示の範囲内にあるような代替形態、修正形態、等価物および変更形態をすべて包含することを意図している。これは、例えば、使用可能な様々なコンクリートもしくは添加剤、またはコンクリート流量、空気流、空気圧もしくはコンクリートのレオロジーなどのコンクリート材料の噴射を最適化するために選択された様々なパラメータに関する場合に、特に当てはまる。
【国際調査報告】