(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】埋め込み型圧力センサパッケージング
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0215 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A61B5/0215 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513486
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021045750
(87)【国際公開番号】W WO2022046425
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・ケイダー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・サイモン・ヴリーク
(72)【発明者】
【氏名】ミン・エイチ・ウ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・エイチ・シーモンズ
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA01
4C017AB04
4C017AC04
4C017FF17
(57)【要約】
埋め込み型センサデバイスは、センサ支持基材と、センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、変換媒体上に適用された生体適合性層と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型センサデバイスであって、
センサ支持基材と、
前記センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、
前記圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、
前記変換媒体上に適用された生体適合性層と、を備える、埋め込み型センサデバイス。
【請求項2】
前記圧力センサデバイスに電気的に結合された1つ以上のボンディングワイヤを更に備える、請求項1に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項3】
前記変換媒体が、前記1つ以上のボンディングワイヤの少なくとも一部分を覆う、請求項2に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項4】
前記センサ支持基材が、前記1つ以上のボンディングワイヤのうちの少なくとも1つが前記センサ支持基材の裏面へと通過して通る1つ以上の貫通穴を含む、請求項2又は3に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項5】
前記変換媒体が、パリレンを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項6】
前記変換媒体が、シリコーンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項7】
前記変換媒体が、エポキシを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項8】
前記変換媒体が、コンフォーマルではない上部表面を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項9】
前記変換媒体が、前記圧力センサデバイスの形態に適合するコンフォーマルな表面を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項10】
前記生体適合性層が、金属フィルムを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項11】
前記生体適合性層の表面上に形成された酸化物層を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項12】
前記酸化物層に結合された有機フィルムを更に備える、請求項11に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項13】
前記有機フィルムが、前記酸化物層に共有結合している、請求項12に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項14】
前記有機フィルムが、ポリエチレングリコール、長鎖有機酸、タンパク質、又は炭水化物のうちの少なくとも1つを含む、請求項12又は13に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項15】
前記センサ支持基材が、金属を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項16】
前記圧力センサデバイス、前記変換媒体、及び/又は生体適合性層が、前記センサ支持基材に機械的に結合された側壁内に少なくとも部分的に配置される、請求項1~15のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項17】
圧力センサデバイスをパッケージングする方法であって、
センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスを提供することと、
前記圧力センサデバイス上に変換媒体を適用することと、
前記変換媒体上に生体適合性層を適用することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記変換媒体の前記適用が、前記変換媒体で、前記圧力センサデバイス、及び前記圧力センサデバイスに電気的に結合された1つ以上のボンディングワイヤの少なくとも一部分を覆うことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記変換媒体が、パリレンを含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記変換媒体が、シリコーンを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記変換媒体が、エポキシを含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記変換媒体が、コンフォーマルではない上部表面を有する、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記変換媒体の前記適用が、前記圧力センサデバイス及び前記センサ支持基材の少なくとも一部分上に前記変換媒体のコンフォーマルな層を形成することを含む、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記生体適合性層の前記適用が、前記変換媒体上にチタンフィルムをスパッタリングすることを含む、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記生体適合性層の表面上に酸化物層を形成することを更に含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
有機フィルムを前記酸化物層に結合することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
圧力センサアセンブリであって、
基部及び1つ以上の側壁を含む金属缶構造と、
前記金属缶構造の前記基部に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、
前記金属缶構造の前記基部内の1つ以上の貫通穴を介して前記圧力センサデバイスに電気的に結合されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に電気的に結合されたコイルアンテナと、
前記プリント回路基板及び前記コイルアンテナの少なくとも一部分を封入する剛性管であって、前記金属缶構造に機械的に固定されている、剛性管と、
前記金属缶構造の前記1つ以上の側壁内の前記圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、
前記変換媒体上に適用された生体適合性層と、を備える、圧力センサアセンブリ。
【請求項28】
前記変換媒体が、パリレンを含む、請求項27に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項29】
前記変換媒体が、シリコーンを含む、請求項27又は28に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項30】
前記変換媒体が、エポキシを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項31】
前記変換媒体が、コンフォーマルではない上部表面を有する、請求項27~30のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項32】
前記変換媒体が、前記圧力センサデバイスの形態に適合するコンフォーマルな表面を有する、請求項27~31のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項33】
前記生体適合性層が、金属フィルムを含む、請求項27~32のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項34】
前記生体適合性層の表面上に形成された酸化物層を更に備える、請求項27~33のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項35】
前記酸化物層に結合された有機フィルムを更に備える、請求項34に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項36】
圧力センサアセンブリであって、
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板に電気的に結合された無線送信器と、
前記プリント回路基板及び前記無線送信器の少なくとも一部分を封入する剛性管であって、第1及び第2の端を有する、剛性管と、
前記剛性管の前記第1の端を越えて軸方向に延在する前記プリント回路基板の端部に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、
前記プリント回路基板、前記無線送信器、及び前記圧力センサデバイスを覆う変換媒体であって、前記剛性管を充填し、前記プリント回路基板の前記端部上で前記剛性管の前記第1の端を越えて軸方向に突出する、変換媒体と、
前記剛性管の前記第1及び第2の端上、並びに前記剛性管の前記第1及び第2の端と関連付けられた前記変換媒体の部分上にそれぞれ適用された、生体適合性層と、を備える、圧力センサアセンブリ。
【請求項37】
前記変換媒体が、パリレンを含む、請求項36に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項38】
前記変換媒体が、シリコーンを含む、請求項36又は37に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項39】
前記変換媒体が、エポキシを含む、請求項36~38のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項40】
前記生体適合性層の少なくとも一部分上に適用されたポリマー層を更に備える、請求項36~39のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項41】
前記生体適合性層が、ポリマー及び金属の交互層を含む、請求項36~40のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項42】
前記ポリマー及び金属の交互層が、少なくとも2つの金属層と、少なくとも2つのポリマー層と、を含む、請求項41に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項43】
前記生体適合性層の表面上に形成された酸化物層を更に備える、請求項36~42のいずれか一項に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項44】
前記酸化物層に結合された有機フィルムを更に備える、請求項43に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項45】
埋め込み型センサデバイスであって、
センサ支持基材と、
前記センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、
前記圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、
前記変換媒体上に適用された生体適合性層であって、金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層を含む、生体適合性層と、を備える、埋め込み型センサデバイス。
【請求項46】
前記金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層が、少なくとも2つの金属フィルム副層と、少なくとも2つのポリマーフィルム副層と、を含む、請求項45に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項47】
前記金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層が、少なくとも10個のフィルム副層を含む、請求項46に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項48】
前記金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層が、少なくとも12個のフィルム副層を含む、請求項47に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項49】
前記生体適合性層の少なくともいくつかの副層が、約1μm以下の厚さを有する、請求項45~48のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項50】
前記生体適合性層が、約10μm以下の厚さを有する、請求項45~49のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【請求項51】
前記生体適合性層の底部及び上部副層が、金属フィルム副層である、請求項45~50のいずれか一項に記載の埋め込み型センサデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年8月25日に出願され、IMPLANTABLE PRESSURE SENSOR PACKAGINGと題された米国仮特許出願第63/069,907号に対する優先権を主張し、その完全な開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
本開示は概して、医療用埋め込みデバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置は、様々な心臓の心腔及び解剖学的構造内など、体内の医療用埋め込みデバイスの埋め込みを伴う。センサデバイスは、患者の健康の見通しに影響を与え得る流体圧力など、こうした解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的パラメータを測定するために使用することができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載されるのは、身体内における埋め込み型圧力センサの埋め込み及び/又は維持を容易にする方法、システム、並びにデバイスである。特に、有利な圧力変換特性及び生体適合性強化特性を提供する、様々な圧力センサパッケージング解決策が開示される。
【0005】
いくつかの実装形態では、本開示は、埋め込み型センサデバイスであって、センサ支持基材と、センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、変換媒体上に適用された生体適合性層と、を備える、埋め込み型センサデバイスに関する。
【0006】
埋め込み型センサデバイスは、圧力センサデバイスに電気的に結合された1つ以上のボンディングワイヤを更に備え得る。例えば、変換媒体は、1つ以上のボンディングワイヤの少なくとも一部分を覆うことができる。センサ支持基材は、1つ以上のボンディングワイヤのうちの少なくとも1つがセンサ支持基材の裏面へと通過して通る1つ以上の貫通穴を含むことができる。
【0007】
変換媒体は、パリレン、シリコーン、及びエポキシから成る群のうちのいずれか1つ以上を含み得る。
【0008】
変換媒体は、コンフォーマルではない上部表面を有するか、又は圧力センサデバイスの形状に適合するコンフォーマルな表面を有することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、生体適合性層は、金属フィルムを含む。
【0010】
埋め込み型センサデバイスは、生体適合性層の表面上に形成された酸化物層を更に備え得る。有機フィルムは、酸化物層に結合され得る。例えば、有機フィルムは、酸化物層に共有結合され得る。いくつかの実施形態では、有機フィルムは、ポリエチレングリコール、長鎖有機酸、タンパク質、又は炭水化物のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、センサ支持基材は、金属を含む。
【0012】
圧力センサデバイス、変換媒体、及び/又は生体適合性層は、センサ支持基材と機械的に結合している側壁内に少なくとも部分的に配置される。
【0013】
いくつかの実装形態では、本開示は、圧力センサデバイスをパッケージングする方法に関する。方法は、センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスを提供することと、圧力センサデバイス上に変換媒体を適用することと、変換媒体上に生体適合性層を適用することと、を含む。
【0014】
変換媒体の適用が、変換媒体で、圧力センサデバイス、及び圧力センサデバイスと電気的に結合している1つ以上のボンディングワイヤの少なくとも一部分を覆うことを含む。
【0015】
変換媒体は、パリレン、シリコーン、及び/又はエポキシのうちの1つ以上を含み得る。
【0016】
変換媒体は、コンフォーマルではない上部表面を有することができるか、又はコンフォーマルな上部表面を有することができる。
【0017】
変換媒体の適用は、圧力センサデバイス及びセンサ支持基材の少なくとも一部分上に変換媒体のコンフォーマルな層を形成することを含むことができる。
【0018】
生体適合性層の適用は、変換媒体上にチタンフィルムをスパッタリングすることを含むことができる。
【0019】
方法は、生体適合性層の表面上に酸化物層を形成することを更に含むことができる。方法は、有機フィルムを酸化物層に結合することを更に含むことができる。
【0020】
いくつかの実装形態では、本開示は、圧力センサアセンブリであって、基部及び1つ以上の側壁を含む金属缶構造と、金属缶構造の基部に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、金属缶構造の基部内の1つ以上の貫通穴を介して圧力センサデバイスと電気的に結合しているプリント回路基板と、プリント回路基板と電気的に結合しているコイルアンテナと、プリント回路基板及びコイルアンテナの少なくとも一部分を封入する剛性管であって、金属缶構造に機械的に固定されている、剛性管と、金属缶構造の1つ以上の側壁内の圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、変換媒体上に適用された生体適合性層と、を備える、圧力センサアセンブリに関する。
【0021】
変換媒体は、パリレン、シリコーン、及び/又はエポキシのうちの1つ以上を含むことができる。変換媒体は、コンフォーマルではない上部表面を有するか、又は圧力センサデバイスの形状に適合するコンフォーマルな表面を有することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、生体適合性層は、金属フィルムを含む。
【0023】
圧力センサアセンブリは、生体適合性層の表面上に形成された酸化物層を更に含むことができる。有機フィルムは、酸化物層に結合することができる。
【0024】
いくつかの実装形態では、本開示は、圧力センサアセンブリであって、プリント回路基板と、プリント回路基板と電気的に結合している無線送信器と、プリント回路基板及び無線送信器の少なくとも一部分を封入する剛性管であって、第1及び第2の端を有する、剛性管と、剛性管の第1の端を越えて軸方向に延在するプリント回路基板の端部に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、プリント回路基板、無線送信器、及び圧力センサデバイスを覆う変換媒体であって、剛性管を充填し、プリント回路基板の端部上で剛性管の第1の端を越えて軸方向に突出する、変換媒体と、剛性管の第1及び第2の端上、並びに剛性管の第1及び第2の端と関連付けられた変換媒体の部分上にそれぞれ適用された、生体適合性層と、を備える、圧力センサアセンブリに関する。
【0025】
変換媒体は、パリレン、シリコーン、及び/又はエポキシのうちの1つ以上を含むことができる。
【0026】
圧力センサアセンブリは、生体適合性層の少なくとも一部分上に適用されたポリマー層を更に備え得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、生体適合性層は、ポリマー及び金属の交互層を含む。例えば、ポリマー及び金属の交互層は、少なくとも2つの金属層と、少なくとも2つのポリマー層と、を含むことができる。
【0028】
圧力センサアセンブリは、生体適合性層の表面上に形成された酸化物層を更に備え得る。圧力センサアセンブリは、酸化物層と結合している有機フィルムを更に備え得る。
【0029】
いくつかの実装形態では、本開示は、埋め込み型センサデバイスであって、センサ支持基材と、センサ支持基材に装着された微小電気機械システム(MEMS)圧力センサデバイスと、圧力センサデバイス上に適用された変換媒体と、変換媒体上に適用された生体適合性層であって、金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層を含む、生体適合性層と、を備える、埋め込み型センサデバイスに関する。
【0030】
金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層は、少なくとも2つの金属フィルム副層と、少なくとも2つのポリマーフィルム副層と、を含み得る。例えば、金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層は、少なくとも10個のフィルム副層を含む。いくつかの実施形態では、金属フィルム及びポリマーフィルムの交互副層は、少なくとも12個のフィルム副層を含む。
【0031】
生体適合性層の少なくともいくつかの副層は、約1μm以下の厚さを有し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、生体適合性層は、約10μm以下の厚さを有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、生体適合性層の底部及び上部副層は、金属フィルム副層である。
【0034】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規の特徴が記載されている。全てのそのような利点は、必ずしも任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことが理解されるべきである。したがって、開示された実施形態は、本明細書に教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
様々な実施形態が、例示の目的で添付図面に図示されており、決して本発明の範囲を限定していると解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施形態の様々な特徴が、本開示の一部である追加の実施形態を形成するために組み合わせられ得る。図面全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再使用され得る。
【0036】
【
図1】1つ以上の実施形態によるヒト心臓の例示的な表現を示す。
【
図2】1つ以上の実施形態による、様々な心臓の心腔及び血管と関連付けられた圧力波形の例を示す。
【
図4A】1つ以上の実施形態による、ピエゾ抵抗性MEMS圧力センサデバイスの側面図である。
【
図4B】1つ以上の実施形態による、
図4Aのピエゾ抵抗性MEMS圧力センサの側面図であり、センサのダイアフラムが、偏向されている。
【
図4C】1つ以上の実施形態による、
図4A及び4Bに示されるセンサデバイスのダイアフラムの平面図を示す。
【
図5A】1つ以上の実施形態による、静電容量性MEMS圧力センサデバイスの側面図である。
【
図5B】1つ以上の実施形態による、
図5Aの静電容量性MEMS圧力センサの側面図であり、センサのダイアフラムが、偏向されている。
【
図6】1つ以上の実施形態による、埋め込みデバイスを表すブロック図である。
【
図7】1つ以上の実施形態による、患者と関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータをモニタリングするためのシステムを表すブロック図である。
【
図8】1つ以上の実施形態による、センサ埋め込みデバイスの背面及び側面透視図である。
【
図9】1つ以上の実施形態による、
図8のセンサ埋め込みデバイスの正面及び側面透視図である。
【
図10】1つ以上の実施形態による、
図8及び9のセンサ埋め込みデバイスのセンサ缶パッケージの分解図を提供する。
【
図11】1つ以上の実施形態による、
図8~10に示されるセンサ埋め込みデバイス100の断面図を示す。
【
図12】1つ以上の実施形態による、センサ支持ストラット又はアームを有するセンサ埋め込みデバイスを示す。
【
図13】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図14】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図15】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図16】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図17】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図18】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図19】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図20】1つ以上の実施形態による、圧力センサパッケージの側面図である。
【
図21-1】1つ以上の実施形態による、センサ埋め込みデバイスをパッケージングするためのプロセスを示すフロー図である。
【
図21-2】1つ以上の実施形態による、センサ埋め込みデバイスをパッケージングするためのプロセスを示すフロー図である。
【
図21-3】1つ以上の実施形態による、センサ埋め込みデバイスをパッケージングするためのプロセスを示すフロー図である。
【
図21-4】1つ以上の実施形態による、センサ埋め込みデバイスをパッケージングするためのプロセスを示すフロー図である。
【
図22-1】1つ以上の実施形態による、
図21-1~21-4のプロセスの操作に対応する圧力センサパッケージングの画像を提供する。
【
図22-2】1つ以上の実施形態による、
図21-1~21-4のプロセスの操作に対応する圧力センサパッケージングの画像を提供する。
【
図22-3】1つ以上の実施形態による、
図21-1~21-4のプロセスの操作に対応する圧力センサパッケージングの画像を提供する。
【
図22-4】1つ以上の実施形態による、
図21-1~21-4のプロセスの操作に対応する圧力センサパッケージングの画像を提供する。
【
図23】1つ以上の実施形態による、パッケージ化された圧力センサデバイスの側面断面図である。
【
図24】1つ以上の実施形態による、
図23のパッケージ化された圧力センサデバイスの正面及び側面透視図である。
【
図25】1つ以上の実施形態による、パッケージ化された圧力センサデバイスの側面断面図である。
【
図26】1つ以上の実施形態による、パッケージ化された圧力センサデバイスの側面断面図である。
【
図27】1つ以上の実施形態による、パッケージ化された圧力センサデバイスの側面断面図である。
【
図28】1つ以上の実施形態による、標的の心臓解剖学的構造へのアクセスを達成することができる様々なアクセス経路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書に提供される見出しは、単に便宜上のものであり、請求された発明の範囲又は意味に必ずしも影響するものではない。
【0038】
特定の好ましい実施形態及び実施例が以下に開示されているが、本発明の主題は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的な実施形態及び/又は用途、並びにその修正及び均等物にまで及ぶことを理解されたい。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、方法又はプロセスの作用又は動作は、任意の好適な順序で実施され得、必ずしも任意の特定の開示される順序に限定されない。様々な動作は、特定の実施形態を理解するのに有用であり得る様式で、複数の別個の動作として順次説明され得るが、記載の順序は、これらの動作が順序依存性であることを暗示するものとして解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載される構造、システム、及び/又はデバイスは、一体化された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点が記載されている。全てのそのような態様又は利点が、必ずしも任意の特定の実施形態によって達成されるとは限らない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書に同様に教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【0039】
位置の特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書では、様々な実施形態に関して、動物、すなわちヒトの解剖学的構造を指すために使用される。「外側」、「内側」、「上部」、「下部」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」などの特定の空間的に相対的な用語及び同様の用語が、1つのデバイス/要素又は解剖学的構造の別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的な関係を説明するために本明細書で使用されるが、これらの用語は、図面に例示される要素/構造間の位置関係を説明するために説明の容易さのために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に示される方向に加えて、図面に図示される配向に加えて、使用又は動作中の要素/構造の異なる配向を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上」として説明された要素/構造は、対象の患者又は要素/構造の代替的な配向に関して、そのような他の要素/構造の下又は横にある位置を表す場合があり、その逆も同様である。上に列挙されたものを含む空間的に相対的な用語は、参照される図のそれぞれの図示された配向に対して理解され得ることが理解されるべきである。
【0040】
本開示は、患者の1つ以上の生理学的パラメータ(例えば、血圧)の遠隔測定モニタリングのために構成されたデバイスをパッケージングするためのシステム、デバイス、及び方法に関する。こうした圧力モニタリングは、統合された圧力センサ及び/又は関連する構成要素を有する心臓埋め込みデバイスを使用して実施され得る。例えば、いくつかの実装形態では、本開示は、心臓環境における長期の埋め込みのためにパッケージ化された圧力センサ若しくは他のセンサデバイスを組み込むか、又はそれらと関連付けられた心臓シャント及び/若しくは他の心臓埋め込みデバイスに関する。「と関連付けられた」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用される。例えば、第1の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材が、第2の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材「と関連付けられた」と記載される場合、そのような記載は、第1の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材が、第2の特徴部、要素、構成要素、デバイス、又は部材に、直接的か又は間接的かにかかわらず、物理的に結合、取り付け、若しくは接続されるか、統合されるか、少なくとも部分的に内部に埋め込まれるか、又は別様に物理的に関連していることを示すように理解されるべきである。
【0041】
以下で詳細に記載するように、埋め込み型圧力センサを使用して、身体の様々な導管及び心腔、例えば、心臓の様々な心腔内の圧力レベルを測定することができる。しかしながら、典型的には、心臓の導管/心腔及び/又は患者内の他の潜在的なセンサ埋め込み位置と関連付けられたアクセシビリティ及び環境条件のために、特定のタイプのセンサ及びセンサパッケージングのみが、所定の適用についての埋め込みに好適であり得る。本開示の実施形態は、埋め込まれたセンサデバイスと患者の体外の1つ以上のデバイス又はシステムとの間の無線によるデータ及び/又は電力通信を可能にする、特定の電子機器並びに遠隔測定特徴部を含む圧力センサ埋め込みデバイスのパッケージングに関する。
【0042】
心臓生理学
心臓埋め込みデバイスに関連して、特定の実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示される特定の原理は、心臓の解剖学的構造に特に適用可能であり得るが、本開示によるセンサ埋め込みデバイスは、任意の好適な若しくは望ましい解剖学的構造に埋め込まれ得るか、又は埋め込みのために構成され得ることが理解されるべきである。
【0043】
心臓の解剖学的構造は、本明細書に開示される特定の発明の概念の理解を支援するために以下に記載される。ヒト及び他の脊椎動物では、心臓は、概して、4つのポンプ室を有する筋肉性の器官を備え、その流れは、様々な心臓弁、すなわち、大動脈弁、僧帽弁(又は二尖弁)、三尖弁、及び肺動脈弁によって少なくとも部分的に制御される。弁は、心周期の様々な段階(例えば、弛緩及び収縮)の間に存在する圧力勾配に応答して、心臓のそれぞれの領域及び/又は血管(例えば、肺、大動脈など)への血液の流れを少なくとも部分的に制御するように構成され得る。様々な心筋の収縮は、心臓の電気システムによって生成されるシグナルによって促進され得、これは、以下で詳しく論じられる。
【0044】
図1は、本発明の開示の特定の実施形態に関連する様々な特徴を有する心臓1の例示的な表現を示す。心臓1は、4つの心腔、すなわち、左心房2、左心室3、右心室4、及び右心房5を含む。血流に関しては、概して、血液は、右心室4から肺動脈弁9を介して肺動脈に流れ、これは、右心室4を肺動脈11から分離し、血液が肺に向かってポンピングされ得るように収縮期中に開き、拡張期中に閉じて、肺動脈11から心臓に血液が逆流するのを防ぐように構成されている。
【0045】
肺動脈11は、脱酸素化された血液を心臓の右側から肺に運ぶ。示されるように、肺動脈11は、肺動脈幹、及び肺動脈幹から分岐する左15及び右13の肺動脈を含む。肺動脈弁9に加えて、心臓1は、三尖弁8、大動脈弁7、及び僧帽弁6を含む、その中の血液の循環を支援するための3つの追加の弁を含む。三尖弁8は、右心房5を右心室4から分離する。三尖弁8は、概して、3つの尖点又は弁尖を有し、概して、心室収縮中(すなわち、収縮期)に閉じ、心室拡張中(すなわち、拡張期)に開き得る。僧帽弁6は、概して、2つの尖点/弁尖を有し、左心房2を左心室3から分離する。僧帽弁6は、左心房2内の血液が左心室3に流入し得るように拡張期中に開き、適切に機能している場合は、血液が左心房2に逆流するのを防ぐように収縮期中に閉じるように構成されている。大動脈弁7は、左心室3を大動脈12から分離する。大動脈弁7は、血液が左心室3を出て大動脈12に入ることを可能にするように収縮期中に開き、血液が左心室3に逆流するのを防ぐように拡張期中に閉じるように構成されている。
【0046】
心臓弁は、概して、本明細書では弁輪と称される比較的密度の高い線維輪、及び弁輪に取り付けられた複数の弁尖又は尖点を含み得る。概して、弁尖又は尖点のサイズは、心臓が収縮したときに、対応する心腔内で生成された結果として血圧が上昇し、弁尖が少なくとも部分的に開いて、心腔からの流れを可能にするようなものであり得る。心腔内の圧力が低下すると、後続の心腔又は血管内の圧力が優勢になり、弁尖に向かって押し戻され得る。その結果として、弁尖/尖点は互いに並置し、それによって流路が閉じられる。心臓弁及び/又は関連する弁尖の機能障害(例えば、肺動脈弁機能障害)は、弁漏れ及び/又は他の健康上の合併症をもたらし得る。
【0047】
房室(すなわち、僧帽及び三尖)心臓弁は、概して、弁尖の適切な癒合を促進及び/又は容易にし、その脱出を防止するために、それぞれの弁の弁尖を固設する腱索及び乳頭筋(図示せず)の集合と結合している。乳頭筋は、概して、例えば、心室壁からの指様突出部を含み得る。弁の弁尖は、腱索によって乳頭筋に接続される。中隔と称される筋肉17の壁は、左2及び右5の心房並びに左3及び右4の心室を分離する。
【0048】
心臓圧及び他のパラメータと関連付けられた健康状態
上記に参照されるように、心臓解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的状態又はパラメータは、患者の健康に影響し得る。例えば、鬱血性心不全は、心臓及び/又は身体を通る血液の比較的遅い移動と関連付けられた状態であり、これは、1つ以上の心腔における流体圧力の増加を引き起こす。その結果として、心臓は、身体の必要性を満たすのに十分な酸素をポンピングしない。心臓の様々な心腔は、より多くの血液を保持して身体を通してポンピングするように伸びることによって、又は比較的硬くなる及び/若しくは厚くなることによって、圧力増加に応答し得る。心臓の壁は、最終的に弱くなり、効率的にポンピングすることができなくなり得る。いくつかの事例では、腎臓は、身体に流体を保持することによって心臓の非効率性に応答し得る。腕、脚、足首、足、肺、及び/又は他の器官における流体の蓄積は、身体を鬱血状態にし、これは、鬱血性心不全と称される。急性非代償性鬱血性心不全は、罹患及び死亡の主要原因であり、したがって、鬱血性心不全の治療及び/又は予防は、医療において重大な関心事である。
【0049】
鬱血性心不全を特定及び/又は治療するための様々な方法は、鬱血性心不全の症状の悪化及び/又は体重の変化の観察を伴う。しかしながら、そのような徴候は、比較的遅発的である、及び/又は比較的信頼できないように思われ得る。例えば、毎日の体重測定値は、顕著に変化し得(例えば、最大9%以上)、心臓関連合併症のシグナル伝達において信頼できない場合がある。更に、徴候、症状、体重、及び/又は他のバイオマーカーをモニタリングすることによって導かれる治療は、臨床転帰を実質的に改善することが示されているわけではない。したがって、埋め込みデバイスを使用した圧力及び/又は他のパラメータの直接的又は間接的な測定/モニタリングは、純粋に観察ベースの解決策よりも良好な転帰を提供することができる。例えば、心臓圧の直接的又は間接的なモニタリングなしで、鬱血性心不全又は他の病状の存在又は発生を推定、決定、又は予測することは困難であり得る。直接的又は間接的な圧力モニタリングを伴わない治療又はアプローチは、体重、胸部インピーダンス、右心カテーテル挿入などを測定することなどの、患者の他の現在の生理学的状態を測定するか、又は観察することを伴い得る。
【0050】
心臓圧モニタリング
本開示の実施形態による心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全を予防又は治療するための積極的な介入機構を提供し得る。概して、拡張期及び/又は収縮期心不全と関連付けられた心室充満圧の増加は、入院につながる症状の発生前に起こり得る。例えば、心臓圧指標は、一部の患者に関しては、入院の数週間前に現れ得る。したがって、本開示の実施形態による圧力モニタリングシステムは、心不全の発症前に、適切な又は所望の薬剤の滴定及び/又は投与を誘導することによって、入院事例を低減するために有利に実装され得る。
【0051】
呼吸困難は、息切れ、又は十分に呼吸することができないという感覚によって特徴付けられる心臓圧指標を表す。呼吸困難は、心房圧上昇に起因し得、これは、圧力の逆流によって肺における流体蓄積を引き起こし得る。病態性呼吸困難は、鬱血性心不全に起因し得る。しかしながら、最初の圧力上昇と呼吸困難の発症との間には顕著な時間が経過し得、したがって、呼吸困難の症状は、心房圧上昇の十分な初期シグナル伝達を提供しない場合がある。本開示の実施形態に従って圧力を直接モニタリングすることによって、正常な心室充満圧が有利に維持され、それによって、呼吸困難などの心不全の影響を防止又は低減することができる。
【0052】
上記に参照されるように、心臓圧に関して、左心房の圧力上昇は、心不全と特に相関し得る。
図2は、1つ以上の実施形態による、様々な心臓の心腔及び血管と関連付けられた圧力波形の例を示す。
図2に示された様々な波形は、1つ以上の圧力センサを、それぞれの例示及び符号付けされた心臓の心腔又は血管に前進させるために右心カテーテル挿入を使用して得られた波形を表し得る。本明細書で開示される圧力センサデバイスは、それぞれの心腔/血管に関連する圧力データを取得するために、
図2に示される心腔/血管のうちのいずれかに埋め込むことができる。
図2に示されるように、左心房圧を表す波形25は、鬱血性心不全の早期検出のための最良のフィードバックを提供するように考慮され得る。更に、概して、左心房圧の上昇と肺鬱血との間には比較的強い相関関係が存在し得る。
【0053】
左心房圧は、概して、左心室拡張末期圧と良好に相関し得る。しかしながら、左心房圧及び拡張末期の肺動脈圧が顕著な相関を有し得るが、そのような相関は、肺血管抵抗が上昇するときに弱まり得る。すなわち、肺動脈圧は、概して、鬱血性心不全の特定の患者を含み得る様々な急性状態の存在下では、左心室拡張末期圧と適切に相関しない。例えば、心不全患者の約25%~83%に影響する肺高血圧症は、左側充満圧を推定するための肺動脈圧測定の信頼性に影響し得る。したがって、波形24によって表されるように、肺動脈圧測定単独では、特に、肺疾患及び/又は血栓塞栓症などの合併症を有する患者にとって、左心室拡張末期圧の不十分又は不正確な指標となり得る。左心房圧は、僧帽弁閉鎖不全の存在及び/又は程度と少なくとも部分的に更に相関し得る。
【0054】
いくつかの解決策では、肺動脈楔入圧が、左心房圧の代替として測定され得る。例えば、圧力センサは、肺動脈内に配設又は埋め込むことができ、それと関連付けられた読み取り値が、左心房圧の代替として使用され得る。しかしながら、肺動脈又は特定の他の心腔又は心臓の領域におけるカテーテルベースの圧力測定に関して、そのような圧力センサを維持するために侵襲的カテーテルの使用が必要とされ得、これは、不便であるか、又は実装が困難であり得る。更に、特定の肺関連状態は、肺動脈内の圧力読み取り値に影響し得、その結果、肺動脈圧と左心房圧との間の相関が望ましくないほど減弱され得る。肺動脈圧測定の代替として、右心室流出路における圧力測定は、左心房圧にも同様に関連し得る。しかしながら、そのような圧力読み取り値と左心房圧との間の相関は、鬱血性心不全の診断、予防、及び/又は治療に利用されるほど十分に強くない場合がある。本開示は、埋め込み部位での圧力条件の直接的な測定を提供するように構成された埋め込み型圧力センサをパッケージングするためのシステム、デバイス、及び方法を提供する。
【0055】
左心房圧を導出又は推論するために、追加の解決策が実装され得る。例えば、拡張初期における重力からのピーク速度血流(E波)の心房収縮によって引き起こされる拡張期後期のピーク速度血流(A波)に対する比を表す、心臓の左心室の機能のマーカーであるE/A比が、左心房圧を測定するための代替として使用され得る。E/A比は、心エコー又は他の画像技術を使用して決定され得、概して、E/A比の異常は、左心室が収縮の間の期間に適切に血液を充填することができないことを示唆し得、これは、上記で記載されたように、心不全の症状につながり得る。しかしながら、E/A比の決定は、概して、絶対圧力測定値を提供しない。
【0056】
直接的な左心房圧の読み取り値は、
図2に示される他の圧力波形と比較して、呼吸状態などの他の状態によって歪むか、又は影響する可能性が比較的低い場合がある。概して、左心房圧は、心不全の発現の最大2週間前などに、心不全を有意に予測し得る。例えば、左心房圧の増加、並びに拡張期及び収縮期心不全の両方が、入院の数週間前に起こり得、したがって、そのような増加の知識が、鬱血性心不全、例えば、鬱血性心不全の急性衰弱症状の発症を予測するために使用され得る。
【0057】
左心房圧モニタリングなどの心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全を治療及び/又は予防するための薬剤の投与を導く機構を提供し得る。そのような治療は、有利には、再入院及び罹患を低減するとともに、他の利益を提供し得る。本開示の実施形態による埋め込み型圧力センサは、心不全の症状又はマーカー(例えば、呼吸困難)の発現の2週間以上前に、心不全を予測するために使用され得る。心不全予測が本開示による心臓圧センサ実施形態を使用して認識されるとき、心臓機能不全の影響を予防又は低減するのに役立ち得る、患者の薬剤レジメンへの修正などの薬剤介入を含む、特定の予防的措置が実装され得る。左心房における直接的な圧力測定は、有利には、心不全又は他の合併症につながり得る圧力蓄積の正確な指標を提供し得る。例えば、心房圧上昇の傾向は、心臓機能不全の発症を決定又は予測するために分析又は使用され得、薬物又は他の療法は、圧力の低減を引き起こし、更に含むか、又は合併症を予防若しくは低減するために増強され得る。
【0058】
図3は、概して、術後の心房細動、急性腎損傷、心筋損傷、心不全、及び/又は他の健康状態の実質的なリスクと関連しない、左心房圧の正常範囲301を含む左心房圧範囲を示すグラフ300を示す。埋め込み型圧力センサデバイスを使用して心臓圧状態をモニタリングするための、本明細書で開示されるシステム、デバイス、及び方法は、患者の左心房圧が、正常範囲301内にあるか、正常範囲303を上回るか、又は正常範囲302を下回るかを決定するために実装され得る。心不全の増加したリスクと相関し得る正常範囲を上回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に記載される本開示の実施形態は、左心房圧をそれが正常範囲301内になるまで低減するための努力を報告し得る。更に、急性腎損傷、心筋損傷、及び/又は他の健康上の合併症の増加したリスクと相関し得る正常範囲301を下回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に記載される本開示の実施形態は、圧力レベルを正常範囲301内にするために左心房圧を増加させる努力を容易にする役割を果たし得る。
【0059】
埋め込み型圧力センサデバイス
医療用埋め込み用途で使用できる圧力センサには、微小電気機械システム(MEMS)技術を利用したセンサが含まれる。こうしたデバイスは、シリコーン又は他の半導体基材などの基材上に比較的小さな機械的及び電気的構成要素を組み合わせることができ、その圧力によって引き起こされる偏向を測定するために使用される変形可能な膜を組み込むことができ、膜の偏向の程度は、センサ膜が埋め込み位置で曝露される圧力条件を示す。
【0060】
MEMSセンサは、その比較的小さな形態因子及びパッケージングにより、心臓埋め込み用途に望ましい場合がある。例えば、MEMS圧力センサデバイスは、比較的小さく、安定し、かつ費用効果の高いデバイスとみなすことができ、そのような特性は、特定の埋め込みデバイスの比較的制約された空間及び/又は費用の要件に適合し得る。本開示の実施形態によるMEMS圧力センサデバイスは、特定のドーピング及び/又はエッチングプロセスを使用して、シリコーンで作製することができる。そのようなプロセスは、チップスケールで実施され得、受動及び/又は能動デバイスを含む特定のシグナル調整電子機器と共パッケージ化され得る比較的小さなデバイスを提供する。例えば、本明細書に開示される実施形態のいずれかに関連してMEMS圧力センサと電気的に結合している電子回路は、シグナル増幅、アナログ-デジタル変換、フィルタリング、並びに/又は他のシグナル処理機能及び制御回路を含み得る。「制御回路」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用され、プロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、来る又はより多くの能動的及び/若しくは受動的デバイス並びに/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラム可能な論理デバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーディングに基づいてシグナル(アナログ及び/若しくはデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集団を指し得る。本明細書で参照される制御回路は、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの組み込み回路に具現化され得る、1つ以上の記憶デバイスを更に備え得る。そのようなデータ記憶部は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含み得る。制御回路が、ハードウェア及び/又はソフトウェア状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施形態では、任意の関連する動作命令を記憶するデータ記憶デバイス/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路内に、又はその外部に組み込まれ得ることに留意されたい。
【0061】
様々なタイプの圧力センサは、ピエゾ抵抗性圧力センサ及び静電容量性圧力センサを含む、MEMS技術を使用して構築することができる。そのようなセンサは、概して、圧力下で偏向するダイアフラムとして機能するように構成された変形可能な膜として機能する、少なくとも部分的に可撓性の層を含む。ピエゾ抵抗性センサ及び静電容量性センサは、異なる機構を使用して、そのようなダイアフラム構成要素の変位を測定する。
【0062】
ピエゾ抵抗性MEMS圧力センサに関して、特定の導電性感知要素は、デバイスのダイアフラム上に直接的に作製することができ、そのような導体の電気抵抗の変化を決定して、ダイアフラムに適用された圧力の測定値を示すことができる。概して、抵抗の変化は、導体の歪みに比例し得、導体の抵抗の変化は、導体が配置されているダイアフラムの偏向によって誘導される導体の長さの変化に関連している。
【0063】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、ピエゾ抵抗性MEMSセンサデバイス420の側面図を示す。
図4Bは、ピエゾ抵抗性センサデバイス420の図を示しており、デバイス420のダイアフラム425は、ダイアフラム425が曝露される圧力条件によって引き起こされた偏向構成にある。ダイアフラム425は、シリコーン又は他の半導体若しくは材料などの基材材料426から形成することができる。例えば、溝又は空洞429は、ダイアフラム425のための比較的薄い膜を生成するために、基材426内にエッチング又は形成することができる。
【0064】
ダイアフラム425は、その上に配置及び/若しくは適用される1つ以上の導電性トレース又は要素422を有し得る。例えば、導電性要素422は、金属又は他の導電体のトレースを含み得、導体の1つ以上の長さ部分は、ダイアフラム425の偏向が導体422の1つ以上の部分を伸長/延長させ、それによってその電気抵抗性/インピーダンスを改変するように、ダイアフラム425上に延在する。
図4Bに示されるように、ダイアフラム425が偏向すると、導電性要素422を通る電流及び/又は電圧を測定して、そのそれぞれの抵抗性/インピーダンスを決定し、それによってダイアフラム425の偏向の程度を示す測定値を提供することができ、そのような偏向は、ダイアフラム425が受ける環境圧力を示す。ダイアフラム425は、金属、セラミック、シリコーンなどを含むがこれらに限定されない任意の材料を含み得る。
【0065】
図4Cは、導電性要素422の例示的な配置を示すダイアフラム425の概略図を示す。
図4Cには4つの導電性要素/トレースが示されているが、ピエゾ抵抗性圧力センサデバイスの実施形態は、ダイアフラム導電性要素の任意の数又は配置を含み得ることを理解されたい。
図4Cに示される導体422の構成は、ブリッジ型圧力センサの例を表す。概して、センサデバイス420の線形性は、関連する測定範囲にわたるダイアフラム425の安定性及び/又は導電性要素422の線形性に少なくとも部分的に依存し得る。
【0066】
図5A及び5Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、それぞれ直線及び偏向ダイアフラム構成要素525を有する静電容量性MEMS圧力センサデバイス520の側面図を示す。静電容量性MEMS圧力センサの場合、1つ以上の導電性層521、522を、ダイアフラム525の上/それに対して、及びダイアフラム525の後ろ/その下の空洞529の底部にそれぞれ堆積/適用して、キャパシタを作成することができる。例えば、いくつかの実施では、ダイアフラム自体525は、キャパシタ電極として機能する導電性材料を含み得るか、又は別個の導電性電極は、空洞529内に曝露されたダイアフラム525の側面に適用され得る。すなわち、センサデバイス520は、1つの剛性プレート電極522及び1つの可撓性膜電極525を備え得る。そのような電極の範囲が固定されている場合、電極間の静電容量は、それらの間の距離に比例し得る。
【0067】
図5Bに示されるように、ダイアフラム525の内向き/下向きの偏向/変形は、ダイアフラム525の少なくとも一部分にわたって導体521、522間の間隔を変化させ、それによって、ダイアフラム525とベース電極522との間に形成されるキャパシタの静電容量を変化させ得る。そのような静電容量の変化は、センサデバイス520を、例えば、ダイアフラム525の偏向の程度に比例する基本周波数を有し得る同調回路と結合することによって測定され得る。ダイアフラム525は、金属、セラミック、シリコーンなどを含むがこれらに限定されない任意の材料を含み得る。
【0068】
いくつかの実装形態では、本開示は、センサデバイスに機械的に結合しているシャント構造又は他の埋め込み構造を含み得る、固定埋め込み構造と関連付けられた又は統合されたセンサに関する。
図6は、1つ以上の生体組織壁内及び/又はそれに対して固定するように構成され得る、特定の固定構造39と結合しているセンサデバイス37を備える埋め込みデバイス30を示すブロック図である。センサデバイス37は、例えば、本明細書に開示される実施形態のいずれかによる圧力センサであり得る。いくつかの実施形態では、センサ37は、MEMS圧力変換器などの変換器32、並びに特定の制御回路34を備え、これは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は1つ以上の受動デバイス(例えば、抵抗器、キャパシタ、インダクタなど)で具現化することができる。
【0069】
制御回路34は、変換器32から受信したシグナルを処理する、及び/又はアンテナ38を使用して、変換器に関連付けられたシグナルを生体組織を通じて無線で通信するように構成され得る。アンテナ38は、銅線などの導電性材料の1つ以上のコイル又はループ、又は圧電共振器、又は他の無線シグナル伝達構成要素を備え得る。いくつかの実施形態では、変換器32、制御回路34、及び/又はアンテナ38の少なくとも一部分は、特定のセンサハウジング/パッケージ36構造内に少なくとも部分的に配置又は収容され、これは、任意のタイプの材料を含むことができ、有利には、少なくとも部分的に密封することができる。例えば、ハウジング/パッケージ36は、いくつかの実施形態では、1つ以上の管、缶、基材/基板、又はガラス若しくは他の剛性材料を含む他の構造を備えることができ、これは、その中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング/パッケージ36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジング/パッケージングは、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含むことができ、これは、有利には、センサ37の態様の折り畳み、屈曲、又は折り曲げを可能にして、カテーテル又は他の導入手段の通過を可能にすることができる。
【0070】
変換器32は、任意のタイプのセンサ手段又は機構を備え得る。例えば、変換器32は、力収集タイプ圧力センサであり得る。いくつかの実施形態では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はそのエリア/表面にわたって適用された歪み若しくは偏向を測定する他の歪み若しくは偏向測定構成要素を含む。変換器32は、少なくともその一部分がハウジング/パッキン36内に収容されるか、又はそれに取り付けられるように、ハウジング/パッキン36と関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、変換機32は、ピエゾ抵抗性MEMS圧力センサの構成要素を備えるか、又はそれであり、結合又は形成された導体を使用して、適用された圧力による歪みを検出するように構成され得、
図4A~4Cに関連して上述されたように、圧力が構成要素/材料を変形させると抵抗が増加する。あるいは、変換機は、
図5A及び5Bに関連して上述したように、静電容量性圧力センサの構成要素を備えるか、又はそれであり得る。変換器32は、シリコーン(例えば、単結晶)、ポリシリコーン薄膜、接合金属ホイル、厚膜、シリコーンオンサファイア、スパッタリング薄膜、及び/又は類似のものなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプの材料を組み込むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、変換機32は、電磁圧力センサの構成要素を備えるか、又はそれであり、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、変換機32は、圧電歪みセンサの構成要素を備えるか、又はそれである。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構に対する歪み(例えば、圧力)を決定することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、変換器32は、歪みゲージの構成要素を含むか、又はそれである。例えば、歪みゲージの実施形態は、変換器32の曝露表面上又はそれと関連付けられた感圧要素を備え得る。いくつかの実施形態では、金属歪みゲージが、センサの表面に接着されるか、又は薄膜ゲージが、スパッタリング若しくは他の技術によってセンサ上に適用され得る。測定要素又は機構は、ダイアフラム又は金属ホイルを含み得る。変換器32は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又は他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意の他のタイプのセンサ又は圧力センサを含み得る。
【0073】
変換機32は、本明細書で詳細に記載されるように、缶型パッケージ、基板、及び/又はそれらと同様のものに装着された1つ以上MEMS圧力センサデバイスを備えることができる。更に、変換機32は、以下で詳細に記載されるように、変換媒体及び/又は生体適合性材料の1つ以上の層で覆うことができる。いくつかの実施形態では、変換器32は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)マイクロコントローラ又はチップを含み得る制御回路34に電気的及び/又は通信可能に結合される。制御回路34は、同調キャパシタ、抵抗器、ダイオード、インダクタなどの1つ以上のディスクリート電子部品を更に含むことができる。
【0074】
図7は、1つ以上の実施形態による、患者44における1つ以上の生理学的パラメータ(例えば、左心房圧及び/又は体積)をモニタリングするためのシステム40を示す。患者44は、例えば、患者44の心臓(図示せず)又は関連する生理機能に埋め込まれた医療用埋め込みデバイス30を有することができる。例えば、埋め込みデバイス30は、患者の心臓の左心房内に少なくとも部分的に埋め込むことができる。埋め込みデバイス30は、MEMS圧力センサなどの1つ以上の微小電気機械システム(MEMS)デバイス、又は他のタイプのセンサ変換器など、1つ以上のセンサ変換機32を含むことができる。
【0075】
特定の実施形態では、モニタリングシステム40は、センサ変換器32を含む埋め込み型内部サブシステム又はデバイス30と、1つ以上のマイクロコントローラ、ディスクリート電子部品、並びに1つ以上の電力及び/又はデータ送信器38(例えば、アンテナコイル)を含む制御回路34と、を含む、少なくとも2つのサブシステムを備えることができる。モニタリングシステム40は、特定の制御回路に電気的及び/又は通信可能に結合している無線トランシーバを含み得る、外部リーダ42(例えば、コイル)を含む外部(例えば、非埋め込み型)サブシステムを更に含むことができる。特定の実施形態では、内部及び外部サブシステムの両方は、それらの間に配置された患者組織を通した無線通信及び/又は電力送達のための対応するコイルアンテナを含む。センサ埋め込みデバイス30は、任意のタイプの埋め込みデバイスであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、埋め込みデバイス30は、人工シャント又はステントデバイス/構造などの別の機能的埋め込み構造と統合された圧力センサを備える。
【0076】
埋め込みデバイス30の特定の詳細が、示される拡大されたブロック30に示される。埋め込みデバイス30は、本明細書に記載される特定の固定構造を備えることができる。例えば、アンカー構造39は、本開示全体を通してより詳細に記載されるように、心臓の2つの心腔及び/又は血管の間に流路を提供するために、組織壁に及び/又はその中に固定されるように構成された、経皮的に送達可能なシャントデバイスを含むことができる。特定の構成要素が、埋め込みデバイス30の一部分として
図7に示されているが、センサ埋め込みデバイス30は、示された構成要素/モジュールのサブセットのみを備えることができ、示されていない追加の構成要素/モジュールを備えることができることを理解されたい。埋め込みデバイス30は、
図4に示される埋め込みデバイスの実施形態を表すことができ、その逆もまた同様である。埋め込みデバイス30は、有利に、1つ以上のセンサ変換器32を含むことができ、心房圧などの患者44の1つ以上の生理学的パラメータを示す応答を提供するように構成され得る。圧力変換器が記載されているが、センサ変換器32は、埋め込みデバイス30及び/若しくは患者44と関連付けられた生理学的パラメータ又は状態と関連するシグナルを提供するための任意の好適な又は望ましいタイプのセンサ変換器を備えることができる。
【0077】
変換機32は、本明細書で詳細に記載されるように、缶型パッケージ、基板、及び/又はそれらと同様のものに装着された1つ以上MEMS圧力センサデバイスを備えることができる。更に、変換機32は、以下で詳細に記載されるように、変換媒体及び/又は生体適合性材料の1つ以上の層で覆うことができる。いくつかの実施形態では、変換器32は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)マイクロコントローラ又はチップを含み得る制御回路34に電気的及び/又は通信可能に結合される。制御回路34は、同調キャパシタ、抵抗器、ダイオード、インダクタなどの1つ以上のディスクリート電子部品を更に含むことができる。
【0078】
特定の実施形態では、センサ変換器32は、示されたローカル外部モニタシステム42など、患者の身体の外側のデバイスに無線で送信できる電気シグナルを生成するように構成され得る。そのような無線データ送信を実施するために、埋め込みデバイス30は、シグナル処理回路及び1つ以上のアンテナ38などの無線周波数(RF)(又は他の周波数帯域)伝達回路を含み得る。アンテナ38は、患者内に埋め込まれた内部アンテナコイルを含み得る。制御回路34は、電磁シグナルを送信するように構成された任意のタイプのトランシーバ回路を備えることができ、シグナルは、アンテナ38によって放射することができ、アンテナ38は、1つ以上の導電性ワイヤ、コイル、基板などを含み得る。埋め込みデバイス30の制御回路34は、例えば、デバイス30を使用して生成及び/又は送信されるシグナルに対していくらかの量の処理を実施するように構成された1つ以上のチップ又はダイを備えることができる。しかしながら、サイズ、コスト、及び/又は他の制約に起因して、埋め込みデバイス30は、いくつかの実施形態では独立した処理能力を含まない場合がある。
【0079】
埋め込みデバイス30によって生成された無線シグナルは、ローカル外部モニタデバイス又はサブシステム42によって受信することができ、埋め込みデバイス30から無線シグナル伝達を受信するように構成されたリーダ/アンテナインターフェース回路モジュール43を含むことができ、患者44内に少なくとも部分的に配置される。例えば、モジュール43は、トランシーバデバイス/回路を含み得る。
【0080】
外部ローカルモニタ42は、無線シグナル伝達を受信する、及び/又はワンドデバイスなどの外部アンテナ48を使用して無線電力を提供することができる。リーダ/アンテナインターフェース回路43は、埋め込みデバイス30からのシグナルを受信して増幅するように構成された無線周波数(RF)(又は他の周波数帯域)フロントエンド回路を含むことができ、そのような回路は、1つ以上のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)、増幅器(例えば、低ノイズ増幅器)、アナログデジタル変換器(ADC)及び/又はデジタル制御インターフェース回路、位相ロックループ(PLL)回路、シグナルミキサなどを含み得る。リーダ/アンテナインターフェース回路43は、ネットワーク49を介して遠隔モニタサブシステム又はデバイス46にシグナルを送信するように更に構成され得る。リーダ/アンテナインターフェース回路43のRF回路は、ネットワーク49を介して送信されたシグナルを取り扱う/処理するため、及び/又は埋め込みデバイス30からシグナルを受信するための、デジタル/アナログ変換器(DAC)回路、電力増幅器、ローパスフィルタ、アンテナスイッチモジュール、アンテナなどのうちの1つ以上を更に含み得る。特定の実施形態では、ローカルモニタ42は、埋め込みデバイス30から受信したシグナルの処理を実施するための制御回路41を含む。ローカルモニタ42は、イーサネット、Wi-Fiなどの既知のネットワークプロトコルに従ってネットワーク49と通信するように構成することができる。特定の実施形態では、ローカルモニタ42は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、若しくは他のモバイルコンピューティングデバイス、又は任意の他のタイプのコンピューティングデバイスを含む。
【0081】
特定の実施形態では、埋め込みデバイス30は、いくらかの量の揮発性及び/又は不揮発性データ記憶部を含む。例えば、そのようなデータ記憶部は、フローティングゲートトランジスタのアレイなどを利用するソリッドステートメモリを含み得る。制御回路34は、ある期間にわたって収集された感知されたデータを記憶するためにデータ記憶部を利用し得、記憶されたデータは、定期的にローカルモニタ42又は別の外部サブシステムに送信され得る。特定の実施形態では、埋め込みデバイス30は、いかなるデータ記憶部も含まない。制御回路34は、センサ変換器32によって生成されたデータ、又はそれと関連付けられた他のデータの無線伝達を容易にするように構成され得る。制御回路34は、例えば、ネットワーク49を介して、ローカルモニタ42から、又は遠隔モニタ46からなど、1つ以上の外部サブシステムから入力を受信するように更に構成され得る。例えば、埋め込みデバイス30は、1つ以上の構成要素又はセンサをアクティブ化/非アクティブ化することによって、又は埋め込みデバイス30の動作若しくは性能に影響を与えることなどによって、埋め込みデバイス30の動作を少なくとも部分的に制御するシグナルを受信するように構成され得る。
【0082】
埋め込みデバイス30の1つ以上の構成要素は、1つ以上の電源35によって給電され得る。サイズ、コスト、及び/又は電気的な複雑さの懸念に起因して、電源35が、本質的に比較的最小限主義的であることが望ましい場合がある。例えば、埋め込みデバイス30内の高電力駆動電圧及び/又は電流は、埋め込みデバイスと関連付けられた心臓又は他の身体部分の動作に悪影響を及ぼすか、又はそれと干渉し得る。特定の実施形態では、電源35は、例えば、短距離若しくは近距離無線電力伝達、又は他の電磁結合機構の使用を通じて、埋め込みデバイス30の受動回路によって電力を外部源から無線で受信することができるように、本質的に少なくとも部分的に受動的である。例えば、ローカルモニタ42は、埋め込みデバイス30に電力を供給できるRF場を能動的に生成するイニシエータとして機能し得、それによって、埋め込みデバイスの電力回路が比較的単純な形態因子を取得することを可能にする。特定の実施形態では、電源35は、流体流、動きなどの環境源からエネルギーを得るように構成され得る。追加的又は代替的に、電源35は、有利には、バッテリを備えることができ、モニタリング期間(例えば、3、5、10、20、30、40、若しくは90日、又は他の期間)にわたって必要に応じて十分な電力を提供するように構成され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、ローカルモニタデバイス42は、埋め込みデバイス30と遠隔モニタ46との間の中間通信デバイスとして機能することができる。ローカルモニタデバイス42は、埋め込みデバイス30と通信するように設計された専用の外部ユニットであり得る。例えば、ローカルモニタデバイス42は、ウェアラブル通信デバイス、又は患者44及び埋め込みデバイス30に近接して容易に配設され得る他のデバイスであり得る。ローカルモニタデバイス42は、埋め込みデバイス30からセンサベースの情報を抽出又は要求するために、それを連続的、周期的、又は散発的に調査するように構成され得る。特定の実施形態では、ローカルモニタ42は、ユーザインターフェースを備え、ユーザは、インターフェースを利用して、センサデータを閲覧するか、センサデータを要求するか、又はそうでなければローカルモニタシステム42及び/若しくは埋め込みデバイス30と相互作用し得る。
【0084】
システム40は、例えば、モニタリングされる心圧データを表示する及び/若しくはそれと相互作用するためのモニタリングステーション又はインターフェースを提供するように構成されたデスクトップコンピュータ又は他のコンピューティングデバイスであり得る二次ローカルモニタ47を含み得る。一実施形態では、ローカルモニタ42は、患者及び/若しくは埋め込みデバイス30に物理的に近接して配置されるように構成されたウェアラブルデバイス又は他のデバイス若しくはシステムであり得、ローカルモニタ42は、主に、埋め込みデバイス30に、及び/又はそれからシグナルを受信/送信し、そのようなシグナルを表示、処理、及び/又は操作するために二次ローカルモニタ47に提供するように設計されている。外部ローカルモニタシステム42は、埋め込みデバイス30からのデータ結合を介して提供することもできるデバイスIDなど、埋め込みデバイス30から、又はそれと関連付けられた特定のメタデータを受信及び/又は処理するように構成され得る。
【0085】
遠隔モニタサブシステム46は、ローカルモニタデバイス42、二次ローカルモニタ47、及び/又は埋め込みデバイス30からネットワーク49を介して受信したモニタデータを受信、処理、及び/又は提示するように構成された、任意のタイプのコンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイスの集合であり得る。例えば、遠隔モニタサブシステム46は、有利には、病院、医師、又は患者44と関連付けられた他のケア事業体などの医療事業体によって操作及び/又は制御され得る。本明細書に開示される特定の実施形態は、埋め込みデバイスから遠隔モニタデバイス42を介して間接的に遠隔モニタサブシステム46と通信することを記載しているが、特定の実施形態では、埋め込みデバイス30は、遠隔モニタデバイス42を介して情報を中継する必要なく、遠隔モニタサブシステム46とネットワーク49を介して通信することが可能な送信器を備えることができる。
【0086】
特定の実施形態では、外部モニタシステム42のアンテナ48は、内部埋め込み30のアンテナ38と誘導的に対になるように整合及び/又は調整される外部コイルアンテナを備える。いくつかの実施形態では、埋め込みデバイス30は、外部モニタシステム42から間の無線超音波電力充電及び/又はデータ通信を受信するように構成されている。上記に参照されるように、ローカル外部モニタ42は、ワンド又は他のハンドヘルドリーダを含み得る。いくつかの実施形態では、アンテナ48は、ピエゾ電気結晶を含む。
【0087】
埋め込み型圧力センサパッケージング
本開示の態様によるセンサ埋め込みデバイスは、様々な機能的構成要素及び/又はアセンブリを含み得る。例えば、そのような埋め込み物は、概して、感知要素、様々な組込み型電子機器を含み得、1つ以上の特定用途向け集積回路チップ(ASIC)、並びに/又は特定の通信及び/若しくはエネルギー受信/供給構成要素を含み得る。
【0088】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態による、センサ埋め込みデバイス100の透視図である。センサ埋め込みデバイス100は、無線遠隔測定構成要素108を含む。本明細書で開示される埋め込みデバイスと関連付けられた無線遠隔測定機能は、無線周波数電磁シグナル、超音波シグナル、及び/又は他の無線シグナルタイプを送信及び/又は受信するように構成され得る。無線データ及び/又はエネルギー伝達は、本明細書に開示される様々な実施形態と関連して記載されているが、そのような実施形態は、有線データ及び/又は電力伝達機構を使用して実装され得ることが理解されるべきである。例えば、本明細書に開示されるセンサ埋め込みデバイスは、カテーテルアセンブリの構成要素として実装され得、そのようなデバイスは、長期間の埋め込みを意図するものではなく、寧ろ、そのようなカテーテル及び/又はその遠位端の前進並びに位置決めを介して、標的の解剖学的構造に配置され得る。
【0089】
埋め込みデバイス100は、圧力センサ支持缶/カップ150を含み、その中にMEMS圧力センサデバイス120を装着又は固定することができる。埋め込みデバイス100は、回路基板160(例えば、プリント回路基板)を更に含み、1つ以上の受動デバイス164及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)166を含む、それに装着された特定の電子機器を含み、回路基板160の片側又は両側にあってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、ワイヤコイルアンテナ108又は他のタイプの送信器/受信器は、回路基板160及び/又はそれに装着された電気的構成要素と電気的に結合している。例えば、示された実施形態では、導線コイル(例えば、銅線)は、それが少なくとも部分的に配置された円筒形センサハウジング170の軸と同一線上又は同一平面上にあるフェライトコア107の周りに巻かれてもよい。フェライトビーズ、ブロック、チョーク、又は電磁干渉(EMI)フィルタと称され得るフェライトコア107は、比較的高周波の電子ノイズを抑制するように構成され得る。例えば、フェライトコア107は、鉄、セラミックなどを含み得、1つ以上の次元での電磁干渉を防止するために比較的高周波の電流散逸を採用し得る。
【0091】
プリント回路基板160及びアンテナ108を含む様々な制御回路構成要素は、明確にするために
図8に透明物として示されている剛性ハウジング170内に少なくとも部分的に保持され得る。管状ハウジング170は、セラミック、ジルコニア、ガラス、又は埋め込み中及び/若しくは埋め込み部位での長時間の曝露による損傷から内部構成要素を保護するのに十分に硬い他の少なくとも部分的に剛性の構造を含み得る。ハウジング170は、有利には、水分がハウジング170に浸透し、その中に収容された構成要素と相互作用するのを防止するために、水分バリアを提供することができる。電子ハウジング170は、高周波電磁放射に対して十分に透明な材料を更に備えることができ、埋め込みデバイス100とのデータ及び/又は電力通信を可能にするために、アンテナ108に、及び/又はそこから送信され得る。いくつかの実施形態では、センサ埋め込みデバイス100は、超音波シグナルの伝達及び/又は他の音波シグナル通信を通じて、データ及び/又は電力/エネルギーを伝達するように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、ハウジング170を、超音波及び/又は他の音波シグナルに対して十分に透明な材料から構築することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、管の後端106は、管ハウジング170の後開口部を密閉するように構成された金属又は他の密閉構成要素で覆われ得る。
【0092】
図9は、
図8に示されるセンサ埋め込みデバイス100の正面及び側面透視図を示し、デバイスの前端/遠位端の圧力膜155が示されており、いくつかの様式でセンサ缶/カップ150に固定され得る。膜155の偏向は、シリコーンオイルなどの変換媒体を介して、センサ缶パッケージ150内に配置されたMEMSセンサデバイス120のダイアフラム/膜に変換され得る。いくつかの実施形態では、センサ缶パッケージ150は、1つ以上の側壁154と、膜155を缶パッケージ150に流体密封構成で固定及び密閉するように構成されたカバー構成要素156と、を含む。
図10は、1つ以上の実施形態による、
図8及び9のセンサ缶パッケージ150の分解図を提供する。
【0093】
図11は、1つ以上の実施形態による、
図8~10に示されるセンサ埋め込みデバイス100の断面図を示す。
図11の図は、缶構造150に密閉されて缶パッケージ150内の空洞又はチャンバ152を取り囲む、波形金属ディスク又はシートを備え得る膜155を示す。いくつかの実施形態では、チャンバ152は、シリコーンオイルなどの液体材料で充填され、そのような液体は、膜155の内向きの偏向がチャンバ152内の圧力を増加させるように、圧縮性ではない。いくつかの実施形態では、膜155は、波形金属ホイルカバーを含むが、他の材料も可能である。膜155の波形トポロジーは、圧力をセンサデバイス120に変換するように、膜155の偏向を促進し得る。
【0094】
チャンバ152が液体で充填される場合、チャンバ152内に空気又はガス気泡が存在しないようにチャンバを充填することが望ましい場合がある。例えば、空気/ガスは、概して、チャンバ152内の空気/ガスの存在が、膜155の偏向からチャンバ152内の圧力への圧力の変換を減少させることができるように、圧力圧縮性であり得る。いくつかの実装形態では、チャンバ152は、インレット/ポート157を通して充填され得、側壁部分154と関連し得る。例えば、インレット27は、液体をチャンバ152にパイプで送るために使用され得、インレット157は、チャンバ152からの流体の漏出を防止するため、及び/又はチャンバ152が充填された後にガス若しくは他の物質がその中に入るのを防止するために、何らかの様式で密閉される。いくつかの実施形態では、ボールベアリング158又は他の特徴が、インレット157を密閉するために使用され得る。いくつかの実装形態では、チャンバ152は、真空条件下で充填され得る。
【0095】
缶パッケージ150及び近位エンドキャップ175を含む、センサ埋め込みデバイス100の様々な構成要素は、管状ハウジング170に溶接され得る。缶パッケージ150の基部151は、1つ以上の貫通穴153を含むことができ、有利には、チャンバ152がオイル又は他の材料で充填されている場合、流体密封することができる。
【0096】
言及されるように、膜155は、有利には、缶パッケージ150に気密密閉され得、シリコーンオイル圧変換チャンバ152は、1つ以上の外側シール/カバー156を使用して封止される。センサ埋め込みデバイス100は、例えば、心臓埋め込み又は身体の別の標的位置内への埋め込みのための特定のパッケージング要件を満たすように設計され得る。したがって、センサ埋め込みデバイス100の構成は、センサ120及び/又はハウジング170内の回路構成要素を埋め込み部位の環境(例えば、血液曝露環境)から必然的又は有利に保護することができる。
【0097】
センサ埋め込みデバイス100は、感度の損失をもたらし得る、センサ埋め込みデバイス100及び/又は膜15の組織封入を防止するために、特定の生体適合性特徴(例えば、コーティング、カバー、処理剤など)を用いて更に構成され得る。センサ埋め込みデバイス100は、センサ120にチャンバ152内に配置された媒体を介して膜155を横切って環境圧力の変換を提供する、埋め込みデバイス100の電気接点を電気的に絶縁する、並びに/又はセンサデバイス120及び/若しくはそれと関連付けられた電気接続及び/又は回路を物理的損傷から保護するように更に構成され得る。
【0098】
いくつかの実装によれば、
図8~11に示すような様式でのセンサデバイスのパッケージングは、センサ120の操作、気密封止/溶接、空洞/チャンバ152への圧力変換媒体の充填、及び/又は他の複雑さを必要とする、望ましくない複雑な封止プロセスを伴い得る。本開示の特定の実施形態は、有利には、缶パッケージへの金属膜の溶接を必要とする解決策よりも少ない処理を必要とする圧力センサ封入を提供する。
【0099】
図12は、シャント/アンカー構造97の一部分に機械的に取り付けられた、又は固定された統合センサ200を有するセンサ埋め込みデバイス90を示す。シャント/アンカー構造97は、センサ支持構造/アーム91を備え、シャント/アンカー構造97と単一形態であり得る。いくつかの実施形態では、支持体91は、シャント/アンカー構造97のアーム部材92の延長部であるか、又はそれと関連付けられた。センサ100は、接着取り付け又は機械的係合を含む、任意の好適な又は望ましい取り付け手段によって、支持構造体/アーム91に取り付けすることができる。例えば、センサ支持体91は、1つ以上のクランプ、ストラップ、タイ、縫合糸、カラー、クリップ、タブを含み得る1つ以上の保持特徴部98を備えるか、又はそれらと関連し得る。そのような保持特徴部98は、センサ100、又はその一部分を円周方向に収容又は保持し得る。いくつかの実施形態では、センサ100は、保持特徴部98を通してセンサ100をスライドさせること、又はセンサ100をセンサ支持体91に押し付けたり、他の機械的な力を適用することによって、クリッピング、ロッキング、又は他の方法で係合させることを通してのいずれかで、機械的に力を適用することを通して、センサ支持体91に装着することができる。いくつかの実施形態では、保持特徴部98は、機械的な固定のためにセンサ支持体91の1つ以上の側面にポップアップ又は延在するように構成され得る1つ以上のタブを備える。そのようなタブは、形状記憶金属(例えば、ニチノール)又は他の少なくとも部分的に剛性の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、センサ支持体91は、少なくとも部分的に非剛性である。例えば、センサ支持体91は、センサ100を浮かせるように構成される非剛性テザーを備え得る。そのような構成は、有利には、センサ100が周囲の血流とともに動くことを可能にし得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、センサ100は、センサ支持体91に予め取り付けられる、及び/又は埋め込み前にそれと統合される。例えば、いくつかの実施形態では、センサ支持体91は、センサ支持体91及びセンサ100のハウジングの少なくとも一部分が単一形態であるように、センサ100のハウジングの少なくとも一部分を形成する。
【0101】
いくつかの実施形態では、シャント/アンカー構造97の長手方向軸99に対するセンサ支持体91及び/又はセンサ100の角度又は位置は、センサが長手方向軸99から離れて突出するようなものである。例えば、シャント/アンカー構造97が長手方向軸99の寸法に沿って生体組織と係合される場合、センサ100は、有利には、生体組織から少なくとも部分的に離れて、例えば、心腔空洞(例えば、心臓の心房)内に突出し得る。いくつかの実施形態では、センサ支持体91は、センサがシャントの長手方向軸に実質的に直交するように、軸99に対して実質的に直角又は90°の配向で構成されるか、又は構成され得る。そのような構成は、有利には、センサ要素が、流路軸94を通って流れるシャントされた血流から望ましい距離だけ離れて位置付けられることを可能にし得る。
【0102】
センサ200のセンサ要素250は、センサ200の任意の場所に配設されるか、又は位置付けられ得る。例えば、センサ要素250は、有利には、センサ200の遠位部分250、又はその近くに配置され得る。代替的又は追加的に、センサ要素は、センサ100の近位部分201に、又はその近くに配設されるか、又は位置付けられ得る。センサ要素250は、以下で詳細に記載するように、1つ以上の変換及び/又は生体適合性層を含む、本明細書に開示される様々な実施形態に従ってパッケージ化され得る。
【0103】
図8~11に示されるセンサ埋め込みデバイスのシリコーンオイル充填缶パッケージに関して上記で実証されたように、埋め込みデバイス用のMEMS圧力センサの二次処理は、生物学的環境でセンサ埋め込みデバイスを使用し、圧力測定値をそのような読み取り値を使用できる外部デバイスに中継する機能を提供するために必要となり得る。しかしながら、そのような二次処理は、いくつかのパッケージング解決策に関して、製造の観点から十分に困難であり得る。例えば、
図8~11に示される缶パッケージは、実質的な手動操作及び/又は単一ユニット操作を必要とし得る 更に、そのような二次的処理は、比較的高い故障率及び/又は低減された製品歩留まりをもたらし得る。
【0104】
本開示は、患者の心臓又は他の解剖学的構造への埋め込みに好適であるMEMSセンサパッケージングのための解決策を提供する。そのような解決策は、有利には、比較的大量の半導体処理を利用して、圧力センサをパッケージすることができる。いくつかの実装形態では、MEMS圧力センサパッケージングは、半導体チップ製造技術を超えたセンサデバイスの手動操作を必要とせずに達成され得る。
【0105】
本開示に記載される様々な実施形態を生産するためのパッケージング処理は、MEMS圧力センサデバイスと、関連する基板、構造、及び/又は回路との間のワイヤボンド接続の安定化、並びに例えば、シリコーンポッティング、又はパリレンタイプのコンフォーマルコーティング、若しくは他のポリマーの堆積を使用したそのような接続の絶縁を伴う、及び/又は提供することができる。更に、いくつかの実施形態では、シリコーン、パリレン、スパッタリングフィルム(例えば、チタンフィルム)などのうちの1つ以上の層を含む追加の生体適合性コーティングを適用することができる。
【0106】
本開示の態様による圧力センサ埋め込みデバイスは、例えば、変換媒体が少なくともその圧力感知ダイアフラム/変換器構成要素を介して適用される剛性基板上にパッケージ化される、MEMS圧力センサデバイスなどの1つ以上の圧力センサデバイスを含み得る。そのような変換媒体は、センサに接続されたワイヤボンドなどの特定の電気接続上及び/又はセンサデバイスが装着されている/固定されている剛性基材/基板の少なくとも一部分上に更に適用され得る。いくつかの実施形態では、圧力センサデバイスへの電気接続は、フリップチップ電気接続、又は任意の他のタイプの回路基板電気接続を介する。したがって、当然のことながら、本明細書における変換媒体で覆われる電気接続の記載は、任意のタイプの電気接続(例えば、貫通穴/ビア、ボンドパッド、はんだ付け接続など)に適用されると理解され得ることが理解されるべきである。MEMS圧力センサデバイスへの電気接続が、MEMS圧力センサの裏面を介する場合、そのような接続は、変換媒体を覆うことによって直接的に接触されない場合があり、むしろ、MEMS圧力センサは、その1つ以上の側面にわたって変換媒体によって完全に覆うことができ、それによって裏面接続に絶縁を提供する。
【0107】
本開示の実施形態に関連してセンサ要素上に適用される変換媒体は、シリコーン、パリレン(例えば、パリレンC)、エポキシ、及び/又は他のポリマーを含み得る。本開示の実施形態に関連して使用される変換媒体は、センサデバイス及び/若しくはそれによって覆われる電気接続上にコンフォーマルな又はコンフォーマルではない表面を形成し得る。センサデバイス上に適用された変換媒体のコンフォーマルな層に関して、そのような層/材料は、少なくとも部分的に、センサデバイスの外形、フットプリント、及び/若しくは形状、並びに/又はそれらへの電気接続、並びに1つ以上の他のパッケージング構成要素又は電子機器に適合/追従することができる。
【0108】
本開示の実施形態は、変換媒体上に適用された生体適合性層を更に含み得、生体適合性層は、有利には、埋め込みデバイスに水分層を提供することができる。「層」という用語は、本明細書では、その広義の通常の意味に従って使用され、領域を覆う材料又は複数の材料の厚さを指し得る。本明細書で使用される場合、生体適合性層などの「層」は、例えば、水分バリアを提供すること、構造又は材料と環境又は他の構造若しくは材料との間の比較的不活性な生体適合性界面を提供することなど、特定の機能を実行する材料の厚さを集合的に提供する複数の個々の副層を含み得る。すなわち、いくつかの実装形態では、生体適合性層などの層は、異なる材料又は組成物の複数の積み重ねられた層を含み得る。例えば、本開示による生体適合性層は、スパッタリングチタンフィルムなどの金属フィルムの1つ以上の層、並びにシリコーン又はパリレンなどのポリマーの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態では、酸化物層は、生体適合性層上に形成され、ポリエチレングリコールなどの有機フィルム、又は他のタイプの有機フィルム(例えば、非鎖有機酸、タンパク質、炭水化物など)が、表面酸化物層に結合(例えば、共有結合)される。
【0109】
図13は、本開示の1つ以上の実施形態による、パッケージ化された圧力センサデバイス130の側面図を示す。パッケージ化された圧力センサ130は、パッケージング基材131上に配置されたMEMS圧力センサデバイス132を備え、回路基板、金属シート、若しくは基部、又は他の構造を含み得る。基材131は、有利なことに、いくつかの実施形態では剛性であり得る。センサデバイス132への電気接続は、基材131における1つ以上の開口部/貫通穴105を通して行うことができる。例えば、1つ以上のボンディングワイヤ133又は他の電気コネクタは、貫通穴105を通って通過し、圧力センサデバイス132との電気接触を提供することができる。貫通穴105は、センサデバイス132の側面に対して横方向に基板131に配置されるように示されているが、いくつかの実施形態では、貫通穴105は、センサデバイス132の直下に配置/位置付けられ得、電気接続は、その下でセンサデバイス132に接触し得るか、又はワイヤボンド若しくは他の接点がセンサデバイス132の下に配線され得る。
【0110】
変換層/媒体134は、MEMS圧力センサ132上、並びにセンサ132とパッケージ基材131及び/又は他の構成要素との間の電気接続133(例えば、ワイヤワイヤ、ボンドパッドなど)のうちの1つ以上の上に適用され得る。変換媒体/層134は、シリコーン、パリレン、エポキシ、又は別のポリマーを含み得る。変換層134は、例えば、センサ132上にシリコーン(又は他の材料)ポッティングを生成することができるスピンコーティング処理を使用して適用され得る。いくつかの実装形態では、変換(例えば、シリコーン)層/媒体は、その適用後に硬化されて、媒体を更に固化させる。変換媒体134は、圧力センサデバイス132及び/又はセンサデバイス132に接続されたワイヤボンド133を保護、安定化、及び/又は絶縁する役割を果たし得る。変換媒体/層134は、センサ132及び/又は接続133の周りの基部基材131の少なくとも一部の上に、及び/又はそれと付着して更に適用され得る。一部の実施では、変換媒体/層134は、圧力センサ132及び/又は接続133の上に液体形態で適用され、硬化処理に供されて、媒体が少なくとも部分的に硬化/固化されて、その流出を防止し得る。すなわち、変換媒体134は、いくつかの実施形態では、密閉された缶パッケージ内に含まれる必要が無い場合があり、変換媒体134は、側壁、カバーなどからの必要な支持なしに、及び/又は配向に関係なく、その形状を保持するのに十分な固体性を有する。
【0111】
上で参照したように、概して、膜/ダイアフラムの偏向を妨害又は干渉する可能性があり、それによってセンサの圧力センサ機能を損ない、及び/又はその感度を低減させる可能性があるため、MEMS圧力センサデバイスの活性膜/ダイアフラム構成要素に材料を適用することは望ましくないと考えられている。したがって、
図13の変換層134は、有利には、変換層134の表面190で受ける圧力及び/又は偏向が、感度の損失をほとんど又は全く伴わずに、センサ膜/ダイアフラム197の相応の偏向をもたらすように、機械的圧力を伝達/変換できる特性を有し得る。
【0112】
変換層134は、生体適合性層135によって/それで更に覆われるか、又はコーティングされ、心腔若しくは身体の他の標的位置に埋め込まれるときに比較的不活性であり、及び/又は水分に対して耐性若しくは不透過性である、チタン又は他の材料のうちの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態では、生体適合性層135は、チタンフィルムを含み、これは、スパッタリングプロセスを使用して、又は任意の他の適用プロセスを通じて適用され得る。
【0113】
いくつかの実装形態では、シリコーン又は他のポリマー変換媒体134を適用するためのポッティング/適用プロセスは、比較的コンフォーマルではない上部表面190を生成することができる。すなわち、変換媒体134の上部サービス190は、比較的平坦/平面的であり、並びに/又はセンサ132及び/若しくは接続133など、それが適用される構成要素の形状及び/又は形態に実質的に適合しない場合がある。いくつかの実装形態では、変換層134の表面190は、センサデバイス132上で少なくとも部分的に凹面又は凸面であり得、そのような凹面は、変換層/媒体134の材料の表面張力及び/又はその他の特性の結果であり得る。
【0114】
変換媒体/層134の材料は、比較的可撓性なポリマーを含み得る。本明細書では、シリコーン、エポキシ、パリレンなどが明示的に言及されているが、本開示の実施形態に関連して、他のタイプの比較的可撓性な/柔らかいポリマー材料を使用できることを理解されたい。例えば、低デュロメータエポキシ及び/又は同様のポリマー材料は、それを通して機械的圧力の変換を可能にする特性を有するものを使用することができる。
【0115】
記載されるように、生体適合性層135は、いくつかの実施形態ではチタンを含み得る。しかしながら、生体適合性層135は、代替的又は追加的に、シリコーン、パリレン、及び/又は他のタイプのスパッタリングフィルムのうちの1つ以上の層を含み得ることを理解されたい。
【0116】
本開示の全体を通して参照されるように、本開示の様々な実施形態による変換媒体及び/又は生体適合性層として使用され得る例示的な材料は、パリレンである。本明細書で使用される「パリレン」は、例えば、1,2-エタンジイル架橋(例えば、CH2-CH2)によって連結されたパラ-ベンゼンジイル環(例えば、C6H4)を含むポリマーを指すことができる。いくつかの実施形態において、パリレンは、パラキシリレン(例えば、H2C=C6H4=CH2)の重合によって得ることができる。本明細書で使用される「パリレン」という用語は、同様の構造を有するポリマーを指すこともあり得、いくつかの水素原子は、他の官能基によって置き換えられる。例えば、そのようなバリアントは、「パリレンC」及び「パリレンAF-4」などの特定の文字番号コードによって識別され得る。パリレンのコーティングを本開示の実施形態に適用して、心臓若しくは他の解剖学的構造への比較的長期的な埋め込みのための電気絶縁、水分バリア、又は腐食及び/若しくは化学的損傷に対する保護を提供することができる。本開示の圧力センサパッケージのパリレンコーティング/層は、摩擦を低減する、及び/又は埋め込まれたデバイスに対する有害反応を防止するのに更に役立つ。本明細書に開示される圧力センサパッケージングの一部分として(例えば、生体適合性層の一部分として)適用されるパリレンフィルム及び/又は層は、化学気相成長を含む任意の好適な又は望ましいプロセスを使用して適用され得る。例えば、そのような堆積は、モノマーパラキシリレンの雰囲気中で実装され得る。
【0117】
生体適合性材料135の単一のストライプ/層が
図13に示されているが、本開示の様々な実施形態と関連して本明細書に開示される生体適合性層は、一緒に積み重ねられた任意の好適な又は望ましい数の層を有し得ることが理解されるべきである。例えば、いくつかの実装では、本開示の生体適合性層は、金属フィルム及びポリマーフィルムの交互層を含む。
図14は、1つ以上の金属フィルム層135と、パリレンなどの1つ以上のインターリーブポリマー層136と、を含む生体適合性層139を含む、
図13に示されるセンサパッケージングの例示的な構成の側面図を示す。金属フィルム層135aは、変換媒体層134上に直接的に堆積されるように示されているが、いくつかの実装形態では、パリレン又は他のポリマーフィルムの層は、変換層134の上部表面190に直接的に適用することができ、金属フィルム層(例えば、スパッタリングチタンフィルム)がその上に適用される。
【0118】
図14は、生体適合性層139内の3つの金属フィルム層135及び2つのポリマーフィルム層136を示しているが、本開示の態様による生体適合性コーティング/層は、任意の好適な又は望ましい数の金属フィルム層及びポリマーフィルム層を含み得ることが理解されるべきである。更に、交互の金属フィルム層及びポリマーフィルム層が示されているが、いくつかの実装形態では、異なるタイプのポリマーの複数のポリマーフィルム層及び/又は異なるタイプの金属の複数の金属フィルム層が、互いに直接的に積み重ねることができる。例えば、生体適合性層139は、金属及びポリマーフィルムの層の交互の群を含み得る。本明細書における生体適合性層の層への言及は、互いに積み重ねられた又は配置された副層の積み重ねを含む生体適合性層の副層を指すと理解され得る。
【0119】
生体適合性層139における奇数の層が示されているが、金属フィルム135は、積み重ね139の最上層及び最下層として存在し、本開示の態様による生体適合性層/特徴は、最下層として1つのタイプのファイル(例えば、金属又はポリマー)を有し、最上層として他のタイプ(例えば、金属又はポリマー)を有する交互の金属及びポリマーフィルムの偶数の層を含み得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、生体適合性層139は、奇数のフィルム層から成り、上層及び下層はポリマーフィルムを含む。奇数のフィルム副層から成る生体適合性層に関して、3、5、7、9、11、13、又は15の副層を含むがこれらに限定されない任意の数の副層が実装され得る。偶数のフィルム副層から成る生体適合性層に関して、2、4、6、8、10、12、14、又は16の副層を含むがこれらに限定されない任意の数の副層が実装され得る。
【0120】
本開示の任意の実施形態は、
図14に示され、及び/又はそれに関連して記載されるように、金属及びポリマーフィルムの交互層を有する生体適合性層を含み得る。更に、そのような生体適合性層(例えば、生体適合性層139)の副層は、任意の好適な又は望ましい厚さであり得る。更に、ポリマーフィルム副層及び金属フィルム副層は、同じ厚さを有することができるか、又はポリマーフィルム副層は、金属フィルム副層とは異なる厚さを有し得る。個々の副層の厚さ及び生体適合性層の全体的な厚さは、有利には、気密封止を提供しながら、それを通して圧力を効率的に変換するための望ましい可撓性(すなわち、圧力透過性)を提供するように設計される。例えば、生体適合性層のポリマーフィルム及び/又は金属フィルム副層は、約1μm以下の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム及び/又は金属フィルム副層は、約100nm以下である。いくつかの実施形態では、生体適合性層139の副層の厚さの合計は、約10μm以下の生体適合性層139の合計の厚さを生成する。
【0121】
図15は、
図13のパッケージ化された圧力センサの別の構成例を示しており、生体適合性層135は、スパッタリングチタンフィルムなどの層を備えることができ、その上部表面191上に形成される酸化物層137を有する。以下に詳細に記載されるように、MEMS圧力センサ132上に適用された生体適合性層の酸化物含有表面の更なる処理が、様々な目的のために実施され得る。例えば、上述の実施形態と同様に、生体適合性層(例えば、スパッタリングチタンフィルム)135は、MEMS圧力センサ132及び介在する変換層134の上に適用される。表面酸化物層137は、生体適合性層135の表面191上に形成され、追加の有機フィルム層138は、表面酸化物137に化学的に結合され、強化された生体適合性特性を提供する。
【0122】
酸化物層137及び有機フィルム層138の形成は、生体適合性層135及び/又は他の酸化物含有表面の特定の更なる処理を必要とし得る。有機フィルム層138は、有機フィルム138を酸化物層137に取り付けるために、任意の好適な又は望ましい化学結合プロセス/アプローチを使用して、酸化物層137に結合され得る。いくつかの実施形態では、有機フィルム層138は、酸化物層137と共有結合され得、強固な結合特性及び/又は改善された生体適合性特徴を提供し得る。有機フィルム層138は、ポリエチレングリコール(PEG)、長鎖有機酸、タンパク質、炭水化物などのうちの1つ以上の適応物/層など、任意の好適な又は望ましい有機材料を含み得る。
【0123】
本開示のいくつかの実施形態によれば、MEMS圧力センサデバイスは、1つ以上の変換層及び/若しくは生体適合性層によって覆われる、並びに/又は絶縁されるように処理され得、圧力センサデバイスは、センサデバイスを配置できる缶又はカップを形成する1つ以上の側壁を含む缶パッケージ内に配置される。
図16は、1つ以上の側壁119を有する缶パッケージ内のMEMS圧力センサ112上に適用又は堆積された1つ以上の変換層114及び1つ以上の生体適合性層115を含む圧力センサパッケージ160を示す。示されるように、センサデバイス112は、基部111及び側壁119によって形成される区画内に配置/入れ子状態にされる。いくつかの実施形態では、側壁119は、センサデバイス112を旋回半径で囲む。
【0124】
図16の実施形態では、上記で開示された特定の他の実施形態と同様に、変換媒体/層114は、センサデバイス112上に適用される。変換媒体/層114は、シリコーン、パリレン、エポキシ、又は他の少なくとも部分的に可撓性のポリマーを含んでもよく、缶パッケージ110の側壁119内に(例えば、スピンコーティング又は他の適用プロセスを使用して)堆積されてもよい。示されるように、変換媒体/層114は、概して、その上部表面192が、変換層114が適用される圧力センサデバイス112及び/又は接続113の形状に従わないように、コンフォーマルではない場合がある。
【0125】
生体適合性層115は、変換層114の上に更に適用され得る。生体適合性層115は、本明細書に開示される特定の他の実施形態と同様に、チタンフィルム又は他の金属フィルムを含むことができ、例えば、スパッタリングプロセスを使用して適用され得る。更に、生体適合性層115は、
図14を参照して上で詳細に記載したように、金属及びポリマーフィルムの交互層又は層群などの複数の層を含み得ることを理解されたい。したがって、生体適合性層に関する
図14の態様、及び関連するテキストの記載は、特定の実施形態において生体適合性層115に適用されると理解されるべきである。
【0126】
図17は、
図16に示される圧力センサパッケージの例示的な構成を示し、生体適合性層115は、
図15に関連して上述したのと同様の様式で処理される。すなわち、
図17に示される実施形態では、生体適合性層115は、その上に形成された酸化物層117を有し、有機フィルム118が酸化物層と結合して、強化された生体適合性特性を提供する。
図17の酸化物層117及び有機フィルム層118は、
図15に関連して上述した酸化物層及び有機フィルム層と様々な点で類似し得ることが理解されるべきである。
【0127】
図18は、変換媒体及び/又は生体適合性材料のうちの1つ以上のコンフォーマルな層を含む、圧力センサパッケージ140の実施形態を示す。すなわち、本明細書に開示される特定の他の実施形態は、比較的平坦である、並びに/又はそれらが適用されるデバイス若しくは構成要素の形状/形態に従わない、又は一致しない特定の凹面を有する変換層及び/若しくは生体適合性層を含むが、
図18の実施形態、及び以下に記載される様々な他の実施形態は、それらが覆うデバイスの形態に適合する層を含み、これは、変換媒体を介した機械的な力の変換に関して改善された感度、並びに/又は生体適合性層に関して改善された密閉及び/又は水分バリア特性を提供し得る。更に、そのようなデバイスは、1つ以上の次元に関して低減された嵩高性及び/又は形態因子を有し得、比較的小さな送達システム及び/又は蛇行した解剖学的アクセス経路(例えば、血管)を介して標的埋め込み部位に送達する必要がある埋め込みデバイスにとって有利であり得る。コンフォーマルな変換及び/又は生体適合性層の使用は、ほとんどの場合、コンフォーマルな表面を可能としない液体変換媒体を実装する他の解決策とは異なり、それぞれの層が比較的固体状態であるため、本開示の実施形態に従って可能となり得る。
【0128】
図18の実施形態では、圧力センサデバイス142は、最初にコンフォーマルな絶縁及び変換媒体層144で覆われる。変換媒体144は、例えば、パリレン、シリコーン、エポキシ、又は他のポリマー堆積を含むことができ、化学気相堆積又は他のプロセスを使用して堆積させることができる。変換媒体144は、示されるように、圧力センサ142上、及びワイヤボンドなどの1つ以上の電気接続143上に適用され得る。
【0129】
生体適合性層146は、変換媒体層144上に更に適用され得る。生体適合性層146は、金属フィルム(例えば、スパッタリングチタンフィルム)及び/又はポリマーフィルム(例えば、パリレン)のうちの1つ以上の層を含み得る。いくつかの実装形態では、生体適合性層146は、例えば、スパッタリング堆積プロセスを使用して少なくとも部分的に堆積され得る。生体適合性層146は、同様に、堆積される表面に対してコンフォーマルであり得る。例えば、生体適合性層46の表面は、センサデバイス142、接続143、及び/又は変換媒体層144の形態又は形状に適合し得る。
【0130】
図19は、
図18に示される圧力センサパッケージの例示的な構成を示しており、生体適合性層146は、
図15に関連して上述したのと同様の様式で処理される。すなわち、
図19に示される実施形態では、生体適合性層146は、その上に形成された酸化物層147を有し、有機フィルム148が酸化物層と結合して、強化された生体適合性特性を提供する。
図19の酸化物層147及び有機フィルム層148は、
図15に関連して上述した酸化物層及び有機フィルム層と様々な点で類似し得ることが理解されるべきである。
【0131】
図20は、1つ以上の金属フィルム層155と、パリレンなどの1つ以上のインターリーブポリマー層156と、を含む生体適合性層159を含む、
図18に示されるセンサパッケージングの例示的な構成の側面図を示す。金属フィルム層155aは、変換媒体層144上に直接的に堆積されるように示されているが、いくつかの実装形態では、パリレン又は他のポリマーフィルムの層は、変換層144の上部表面201に直接的に適用することができ、金属フィルム層(例えば、スパッタリングチタンフィルム)がその上に適用される。
【0132】
図20は、生体適合性層159内の3つの金属フィルム層155及び2つのポリマーフィルム層156を示しているが、本開示の態様による生体適合性コーティング/層は、任意の好適な又は望ましい数の金属フィルム層及びポリマーフィルム層を含み得ることが理解されるべきである。更に、交互の金属フィルム層及びポリマーフィルム層が示されているが、いくつかの実装形態では、異なるタイプのポリマーの複数のポリマーフィルム層及び/又は異なるタイプの金属の複数の金属フィルム層が、互いに直接的に積み重ねることができる。例えば、生体適合性層159は、金属及びポリマーフィルムの層の交互の群を含み得る。
【0133】
図21-1~21-4は、本開示のいくつかの実施形態による、センサ埋め込みデバイスをパッケージングするためのプロセス2100を示すフロー図である。
図22-1~22-4は、1つ以上の実施形態による、
図21-1~21-4のプロセスの操作に対応する圧力センサパッケージングの画像を提供する。
【0134】
ブロック2102で、プロセス2000は、缶パッケージ175内にMEMS圧力センサ172を配置することを伴う。
図2201は、MEMS圧力センサ172がその中に配置されている缶パッケージ175を示す。缶パッケージ175は、側壁179を有するものとして示されている。いくつかの実施形態では、缶パッケージ175は、そのような側壁を含まない。むしろ、圧力センサ172は、側壁と関連付けられていない基部171上に配置され得る。いくつかの実施形態では、缶パッケージ175は、センサ172と関連付けられた特定の電子機器/回路を収容することができる、管状ハウジング181又は他の構造と物理的に結合している。
【0135】
ブロック2104で、プロセス2100は、缶パッケージ175の基部171を通してセンサデバイス172への電気接続を行うことを伴う。例えば、いくつかの実施形態では、ボンディングワイヤ173は、基部171における開口部、貫通穴、又は他の特徴部177を通して回路基板182と電気的に結合され得る。ブロック2106で、プロセス2100は、センサデバイス172及び/又は電気接続(例えば、ボンディングワイヤ)173を、パリレン、シリコーン、エポキシなどのうちの1つ以上の層を含み得る、変換媒体174で覆うことを伴う。
【0136】
ブロック2108で、プロセス2100は、変換媒体174を硬化することを伴い得る。例えば、いくつかの実施形態では、変換媒体174は、少なくとも部分的に液体状態で適用され得、ブロック2108と関連付けられた動作に関連する硬化は、変換媒体を固化するのに役立ち得る。ブロック2110で、プロセス2100は、本明細書で詳細に記載するように、金属及び/又はポリマーフィルムのうちの1つ以上の層を適用することを伴い得る、変換媒体174上に生体適合性層176を適用することを伴う。ブロック2112で、プロセス2100は、生体適合性層176の表面上に酸化物層187を形成することを伴う。ブロック2114で、プロセス2100は、有機フィルム層188を酸化物層187に結合することを伴う。
【0137】
1つ以上のMEMS圧力センサデバイスが、金属缶などの缶パッケージ内にパッケージ化された圧力センサ埋め込みデバイスに関連する様々な実施形態が上述されている。いくつかの実施形態では、圧力センサ埋め込みデバイスは、回路基板又は他の非缶基板若しくは構造上に配置された1つ以上のMEMS圧力センサデバイスを含み得る。
図23は、回路基板構成要素260上に配置されたMEMS圧力センサデバイス220を含むセンサ埋め込みデバイス200の断面図であり、センサデバイス220は缶パッケージ内に収容されていない。
【0138】
センサ埋め込みデバイス200は、回路基板260のいずれかの側に配置され得る、1つ以上の受動回路構成要素264及び/又は集積回路構成要素266を含む特定の電子機器を含む。埋め込みデバイス200は、コイルアンテナ又は他の遠隔測定特徴部を備え得る、無線伝達構成要素208を更に含む。センサ埋め込みデバイス200は、剛性円筒形管又は同様の構造を備え得る、ハウジング構造270を更に含む。いくつかの実施形態では、回路基板260の部分291は、基板260の部分291上に配置され得る、センサデバイス220が、ハウジング270によって覆われないように、ハウジング270の端294を通過して軸方向に延在するように構成及び/又は配置され得る。
【0139】
センサ埋め込みデバイス200は、
図23に示されるように、ポリマーポッティング234を含むことができ、これは、ハウジング270を通して注入又は注がれ/流れて、それによって埋め込みデバイス200の様々な回路/電気構成要素を覆うことができる。ポリマーポッティング234は、本明細書で詳細に記載されるように、それに印加された圧力を圧力センサデバイス220の圧力ダイアフラムに伝達するように構成され得る、変換媒体として機能し得る。変換媒体234が回路基板260及びセンサデバイス220上に適用されると、変換媒体234の少なくとも部分290は、ポリマー変換媒体の突出部290がハウジング270の端294を越えて延在するように、管ハウジング270の端294を越えて軸方向に延在し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング270の反対側の端295は、同様に、その開口部から突出する変換媒体の部分292を有し得る。
【0140】
センサ埋め込みデバイス200は、露出した変換媒体290、292、及び/又はハウジング270のうちの1つ以上の部分上に適用され得る、生体適合性材料/層のうちの1つ以上の部分237、239を更に含み得る。例えば、生体適合性層は、埋め込みデバイス200の外部表面領域全体に適用され得るか、又はハウジング270の少なくとも部分299が、生体適合性材料で覆われないようにマスクされ得る。例えば、生体適合性層におけるギャップ299の存在は、生体適合性材料が、電磁放射を干渉し得る導電性材料(例えば、チタンフィルム)、及び/又は超音波若しくは実装される他の音波シグナル通信デバイスのための音波シグナル伝送を干渉し得る材料を含む場合、伝達要素208への、及び/又はそれからの無線伝達への干渉を低減し得る。
図23の特定の実施形態では、生体適合性層は、生体適合性層の遠位239及び近位237部分を効果的に提供するためにマスクされ、各々がハウジング270のそれぞれの端を覆う。
【0141】
生体適合性層239(及び/又は237)は、本明細書で詳細に記載するように、金属フィルム及び/又はポリマーフィルムのうちの1つ以上の層を含み得る。すなわち、生体適合性層239は、開示された生体適合性層の実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるような任意の構成を有し得る。例えば、生体適合性層239は、本明細書に開示される特定の実施形態に関して記載されるように、有機フィルム層と結合している表面酸化物を含み得る。いくつかの実施形態では、生体適合性層239は、スパッタリングチタンフィルム及びパリレンフィルム(例えば、パリレンC)のスパッタリングされた又は他の方法で適用された層など、金属フィルム及びポリマーフィルムの交互層を含む。
【0142】
図24は、本開示の1つ以上の実施形態による、
図23の圧力センサ埋め込みデバイス200の透視図を示す。
図24では、生体適合性層の部分239、237が、管状ハウジング270のそれぞれの端部上に適用され、それによってMEMS圧力センサ220を覆う変換媒体の突出部290を覆うことが示されている。
【0143】
図25は、
図23及び24に関連して上述した圧力センサ埋め込みデバイス200と特定の点で類似している圧力センサ埋め込みデバイス300の断面図を示し、圧力センサ埋め込みデバイス300は、埋め込みデバイス300の電子機器の部分を覆う管状ハウジングを含まない。例えば、変換媒体334のコンフォーマルな層は、無線伝達要素/デバイス308(例えば、コイルアンテナ、圧電共振器など)、回路基板360、受動364、及び/又は集積回路366チップ/構成要素、MEMS圧力センサデバイス320、並びに/又はそれらへの電気接続を含む、埋め込みデバイス300の電子機器の全ての上に適用され得る。変換媒体334の外側表面の一部又は全部は、本明細書で記載されるように、生体適合性材料339で覆われ得る。すなわち、生体適合性材料339は、開示される実施形態のいずれかに関連して記載される生体適合性層/材料に関して本明細書に記載される任意の構成を有し得る。例えば、生体適合性層339は、チタンフィルム及びパリレンの交互層、又は本明細書に開示される任意の他の構成を含み得る。いくつかの実施形態では、生体適合性層339は、金属フィルム(例えば、スパッタリングチタンフィルム)上に形成された表面酸化物層を含み、有機フィルム層は、表面酸化物層に結合(例えば、共有結合)している。
【0144】
埋め込みデバイス300は、アセンブリを空洞/型内に配置し、シリコーン又は他のポリマーをその構成要素上に流し/ポッティングして、示されるように電子機器をコーティングすることによって、少なくとも部分的に変換媒体334でコーティングされ得る。いくつかの実装形態では、生体適合性層339は、デバイス300の外側領域/表面全体を覆うパリレン又は他の水分耐性ポリマーのコーティングを含み、無線伝達構成要素308を覆わない部分などの特定の部分は、マスキング若しくは他の技術/プロセスを使用してチタンフィルム又は他の金属/導電性フィルムでコーティングされるが、生体適合性層のウィンドウは、無線伝達を可能にするためにマスクされる。変換媒体334及び生体適合性層339は、基板360上の電子回路のトポロジーに関してコンフォーマルであるように示されているが、いくつかの実装形態では、変換媒体334は、コンフォーマルではないシリコーンポッティング又は他の同様のポリマーポッティングを含み得る。例えば、センサ埋め込みデバイス300は、直角プリズムの形態因子を有し得る。
【0145】
図26は、無線データ及び/若しくはエネルギーの送信並びに/又は受信のために、電荷を音響/圧力系シグナルに変換するように構成された圧電共振器/変換器などのMEMS圧力センサデバイス520及び電気音響変換器デバイス510を含むセンサ埋め込みデバイス500の側面図を示す。すなわち、
図26の実施形態は、ワ無線伝達デバイス/要素510がワイヤコイルアンテナではなく電気音響デバイスであることを除いて、様々な点で
図25のセンサ埋め込みデバイス300と同様であり得る。
【0146】
埋め込みデバイス500は、アセンブリを空洞/型内に配置し、シリコーン又は他のポリマーをその構成要素上に流し/ポッティングして、示されるように電子機器をコーティングすることによって、少なくとも部分的に変換媒体534でコーティングされ得る。いくつかの実装形態では、生体適合性層539は、変換媒体534の少なくとも一部上に適用され、パリレン又は他の水分耐性ポリマーのコーティングを含む。いくつかの実施形態では、生体適合性層/コーティング539は、デバイス500の外側領域/表面全体にわたって適用され、無線伝達構成要素510を覆わない部分などの特定の部分は、マスキング若しくは他の技術/プロセスを使用してチタンフィルム又は他の金属/導電性フィルムでコーティングされるが、生体適合性層のウィンドウは、ワイヤレス伝送を可能にするためにマスクされる。変換媒体534及び生体適合性層539は、基板560上の電子回路のトポロジーに関してコンフォーマルであるように示されているが、いくつかの実装形態では、変換媒体534は、コンフォーマルではないシリコーンポッティング又は他の同様のポリマーポッティングを含み得る。例えば、センサ埋め込みデバイス500は、直角プリズムの形態因子を有し得る。
【0147】
図27は、基板460上に配置されたMEMS圧力センサ420を含む圧力センサ埋め込みデバイス400の側面断面図を示し、プラスチック、ガラス、金属、又は他の材料など、好適な又は望ましい少なくとも部分的に剛性材料を含み得る。埋め込みデバイス400は、圧力センサデバイス420の上に配置されたカバー/ハウジング470を更に備える。
【0148】
カバー/ハウジング470は、外部圧力条件が開口部475を通って圧力センサデバイス420によって測定され得るように、圧力センサデバイス420上に少なくとも部分的に位置/配置され得る開口部475を備え得る。いくつかの実施形態では、カバー470内の空洞は、本明細書に開示される任意のタイプの変換媒体であり得る変換媒体434で少なくとも部分的に充填され得る。例えば、シリコーン、パリレン、エポキシ、又は他の比較的柔らかい固体ポリマーが使用され得る。固体ポリマーは、開口部475の存在により液体ポリマーよりも好ましく、そうでなければ、シリコーンオイルなどの液体変換媒体の流出を可能にし得る。
【0149】
いくつかの実装形態では、開口部475は、本明細書に開示される生体適合性層のいずれかの特徴を有し得る生体適合性層416で充填され得る。例えば、開口部475は、開口部475を通って露出される変換媒体434の表面415上に適用される生体適合性層416を有し得る。生体適合性層416は、スパッタリングチタンフィルム及び/又はパリレンフィルムなどの金属フィルム及びポリマーフィルムの交互層など、任意の好適な又は望ましい数の層を有し得る。いくつかの実施形態では、生体適合性層416は、その上に形成された表面酸化物を有する金属フィルムを含み、有機フィルム層は、本明細書に詳細に記載されるように、表面酸化物と結合している。
【0150】
本開示の1つ以上の実施形態によるパッケージ化されたセンサ埋め込みデバイスは、任意の好適な又は望ましい手順を使用して、左心房、心房中隔、及び/又は任意の他の心臓の心腔若しくは血管に前進させることができる。例えば、心臓の様々な心腔/血管へのアクセスは、経大腿又は他の経カテーテル処置を通じてなど、右心房及び/又は下大静脈を介するものとして、特定の実施形態と関連して例示及び記載されているが、
図28と関連して記載/示されるように、本開示の実施形態に従って他のアクセス経路/方法が実装され得る。例えば、
図28は、それぞれ示されるように、下大静脈16又は上大静脈28を通して、右心房5から、中隔壁(図示せず)を通して、左心房2に入って行われ得る、経中隔アクセス401a、401bを含む、左心室へのアクセスが達成され得る様々なアクセス経路を例示する。経大動脈アクセス402に関して、送達カテーテルは、下行大動脈、大動脈弓12、上行大動脈、及び大動脈弁7を通過し、左心房2内に僧帽弁6を通って通過し得る。経心尖アクセス403に関して、アクセスは、心臓の尖部を通して左心室3内に、及び左心房2内に僧帽弁6を通して直接的に行われ得る。
図28に示されたもの以外の他のアクセス経路も可能である。
【0151】
追加の実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載されるプロセス又はアルゴリズムのいずれかの特定の作用、事象、又は機能が、異なる順序で実施されてもよく、追加されてもよく、併合されてもよく、又は完全に除外されてもよい。したがって、特定の実施形態では、全ての記載された作用又は事象が、プロセスの実践に必要であるわけではない。
【0152】
とりわけ、「できる(can)」、「できた(could)」、「得る(might)」、「得る(may)」、「例えば(e.g.,)」などの本明細書で使用される条件付きの文言は、特に別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で別様に理解されない限り、その通常の意味で意図され、かつ特定の特徴、要素、及び/又はステップを特定の実施形態が含むが、他の実施形態が含まないことを伝えることが概して意図される。したがって、そのような条件付きの文言は、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態に任意のやり方で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップが含まれるか、又は任意の特定の実施形態で実行されるかを判断するための論理を、著者の入力又は促しの有無にかかわらず、必然的に含むことを暗示することが概して意図されるものではない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、同義であり、それらの通常の意味で使用され、包括的に、非限定的な様式で使用され、追加の要素、特徴、作用、動作などを排除しない。また、「又は」という用語は、その包括的な意味で使用され(かつその排他的な意味ではない)、そのため、例えば、要素のリストを接続するように使用されるとき、「又は」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味する。特に別段の記載がない限り、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」などの接続的な文言は、項目、用語、要素などが、X、Y、又はZのいずれかであり得ることを一般的に伝えるために使用されるように文脈を用いて理解される。したがって、そのような接続的な文言は、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが各々存在することを必要とすることを暗示することが概して意図されるものではない。
【0153】
上記の実施形態の記載では、開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を支援する目的で、様々な特徴が、単一の実施形態、図、又はその記載において一緒にグループ化されることがあることが理解されるべきである。しかしながら、この開示の方法は、任意の特許請求の範囲がその特許請求の範囲に明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に示される及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれらとともに使用され得る。更に、構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップのグループは、各実施形態に必要又は不可欠であるわけではない。したがって、以下に開示及び請求される本明細書の発明の範囲は、上記に記載された特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
【0154】
特定の順序的な用語(例えば、「第1」又は「第2」)は、参照の容易さのために提供され得、必ずしも物理的特徴又は順序を暗示するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、操作などの要素を修正するために使用される順序的な用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、いかなる他の要素に対する要素の優先順位又は順序を必ずしも示すものではなく、むしろ、要素を、同様又は同一の名称(順序的な用語の使用以外)を有する別の要素から概略的に区別し得る。加えて、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0155】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。更に、一般的に使用される辞書に定義される用語などの用語は、関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解される。
【0156】
空間的に相対的な用語「外側」、「内側」、「上部」、「下部」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、及び類似の用語は、図面に示されるように、1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するために、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示される配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる配向を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面に示されるデバイスが裏返される場合、別のデバイスの「下」又は「真下」に位置付けられるデバイスは、別のデバイスの「上」に配置され得る。したがって、例示的な用語「以下」は、下位置及び上位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に配向されてもよく、したがって、空間的に相対的な用語は、配向に応じて異なる解釈をすることができる。
【0157】
別段の明示的な記載がない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的な意味での「より少ない」だけでなく、「以下」も意味し得る。
【国際調査報告】