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特表2023-540241エネルギーガイドチェーンの内部分割のための分割バー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】エネルギーガイドチェーンの内部分割のための分割バー
(51)【国際特許分類】
   F16G 13/16 20060101AFI20230914BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20230914BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
F16G13/16
H02G11/00
H02G3/04 075
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513718
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2021074062
(87)【国際公開番号】W WO2022049091
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】202020105121.0
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】イェルク ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
【テーマコード(参考)】
5G357
5G371
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB01
5G357DB10
5G357DC20
5G357DD01
5G357DD16
5G357DE08
5G357DG04
5G371AA05
5G371BA01
5G371CA02
5G371CA03
(57)【要約】
本発明は、2つの端部領域間で高さ方向に延在する2つの主面及び2つの狭面を有するプレート状本体(13;33;93;123)を含むエネルギーガイドチェーンのための分割バー(20;30;90;120)に関する。端部領域(16a、16b)の少なくとも一方は、横断バー(12)に離脱可能な固定のために適合される。プレート状棚のための各本数の保持溝(19)が主面(15;95;125)に設けられる。本発明によると、各保持溝(19)はそれぞれ一方の狭面(17;97;127)から他方に連続構成のものであり、棚(18)が両対向組立て方向にそれぞれの保持溝(19)にそれぞれ導入可能となり、そこから再び取外し可能となる挿入開口(170)を各狭面(17;97;127)に有する。分割バー(20;30;90;120)は、取り付けられた棚(18)を、両組立て方向における不要なずれ及び各保持溝(19)からの不要な離脱に対して固定する固定用デバイスをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーガイドチェーンのチェーンリンク(10)の内部分割のための分割バー(20;30;90;120)であって、前記チェーンリンク(10)は、少なくとも1本の横断バー(12)によって相互に接続されてラインのための受容空間(14)を画定する2枚のサイドプレート(11)を有し、前記分割バー(20;30;90;120)は、
上側端部領域(16a)、下側端部領域(16b)並びに前記端部領域(16a、16b)の間で高さ方向(H)に延在する2つの主面(15;95;125)及び2つの対向する狭面(17;97;127)を有し、前記端部領域(16a、16b)の少なくとも一方が、横断バー(12)への離脱可能な固定のために適合されている、プレート状本体(13;33;93;123)を含み、
両主面(15;95;125)には、前記高さ方向(H)に対して実質的に垂直に延在し、内部分割のためのプレート状棚(18)の各端部が挿入及び保持可能な、各本数の保持溝(19)が設けられ、
各保持溝(19)は、それぞれ一方の狭面(17;97;127)から他方に連続構成のものであり、各狭面(17;97;127)に挿入開口(170)を有し、それにより、棚(18)が、対応する挿入開口(170)を通じて両側から2つの対向する組立て方向の一方に選択的に、それぞれの前記保持溝(19)にそれぞれ導入可能となり、そこから再び取外し可能となり、
前記分割バー(20;30;90;120)は、取り付けられた棚(18)を、両組立て方向における不要なずれ及び結果として各前記保持溝(19)からの不要な離脱に対して固定する固定用デバイスを有する、分割バー(20;30;90;120)。
【請求項2】
前記固定用デバイスは、ロック位置とロック解除位置の間で前記本体(33;93)の受容手段(34;94)内で前記高さ方向(H)に変位可能であり、ロック要素(39;99)を有するロックスライダ(31;91)を有し、各ロック要素(39;99)は保持溝(19)に対応付けられて棚(18)との固定協働のために当該保持溝(19)内で変位可能である、請求項1に記載の分割バー(20;30;90)。
【請求項3】
前記プレート状本体(33)は、それぞれ、外面(35)に多数の連続保持溝(19)を形成し、内面(36)に前記ロックスライダ(31)のための凹部(32)を形成し、接続要素(37a、37b)によって相互に接続可能な、特に対を成す接続要素(37a、37b)によって相互に対して係止可能な、2つのプレート部分(33a)を有する、請求項2に記載の分割バー(20;30)。
【請求項4】
前記固定用デバイスは、前記本体(33)に中央配置されたロックスライダ(31)を備える、請求項2又は請求項3に記載の分割バー(20;30)。
【請求項5】
前記ロックスライダ(31)は、前記本体(33)の狭面(17)において突出する少なくとも1つの作動突起(38)を有し、好ましくは、前記本体(33)の前記狭面(17)の一方においてそれぞれ突出する2つの対向する、好ましくは対称形の作動突起(38)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の分割バー(20;30)。
【請求項6】
前記固定用デバイスは、ロック位置とロック解除位置の間で前記高さ方向(H)に前記本体(93)の受容手段(94)内でそれぞれ変位可能であるとともにロック要素(99)を有する2つのロックスライダ(91)を有し、各ロック要素(99)は保持溝(19)に対応付けられて棚(98)との固定協働のために当該保持溝(19)内で変位可能であり、前記本体(93)は、好ましくは、各ロックスライダ(91)について前記高さ方向(H)に関して垂直に変位される2つの受容手段(94)を有する、請求項2に記載の分割バー(90)。
【請求項7】
1つ又は複数の前記ロックスライダ(31;91)は、前記本体(33:93)の前記上側又は下側端部領域(16a、16b)に端部突起(82)によってロック解除位置において前記高さ方向(H)に突出する、請求項2から6のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90)。
【請求項8】
前記固定用デバイスは、係止要素(124)、特に協働する係止窪み(122)及び/又は係止突起、を有し、棚(128)における対応する係止要素(124)との係止協働のための少なくとも1つの係止要素、好ましくは係止窪み(122)及び/又は係止突起、が各保持溝(19)に設けられた、請求項1に記載の分割バー(120)。
【請求項9】
前記保持溝(19)は、両主面(15;95;125)においてT形状の各断面を有して、保持目的のために棚(18)の端部(48)においてT形状の断面の対応する突起(48a;98a)と協働し、かつ/又は
前記保持溝(19)は、相互に平行の関係で及びそれぞれ前記高さ方向(H)に対して垂直に連続して延在し、好ましくは、2本のそれぞれの保持溝(19)は、各主面(15;95;125)において同じ高さで相互から離れる方向に向いて設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90;120)。
【請求項10】
前記本体(13;93;123)の両端部領域(16a、16b)は、上側及び下側横断バー(12)における強制ロック及び/又は積極的ロックの関係によって離脱可能な固定のための固定用デバイスを形成し、好ましくは、横断バー(12)への係止のための係止足部(160)の形態である、請求項1から9のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90;120)。
【請求項11】
前記本体(13;93;123)は、その高さ中心平面に関して鏡像対称構成のものであり、かつ/又は
前記本体は、その主平面に関して鏡像対称構成のものであり、若しくは
前記本体は、その高さ中心軸に関して軸対称構成のものである、請求項1から10のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90;120)。
【請求項12】
少なくとも5本の保持溝(19)が、各主面(15;95;125)にそれぞれ設けられた、請求項1から11のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90;120)。
【請求項13】
各保持溝(19)の前記2つの挿入開口(170)は、対向端部の傾斜挿入部又は丸角挿入部をそれぞれ有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90;120)。
【請求項14】
エネルギーガイドチェーンのためのチェーンリンク(10)であって、2枚のサイドプレート(11)と、該サイドプレート(11)を相互に接続してラインのための受容空間(14)を画定する少なくとも1本の横断バー(12)とを含み、
前記受容空間内の内部分割のために、2本の請求項1から13のいずれか一項に記載の分割バー(20)が前記サイドプレート(11)と平行の関係で設けられ、前記分割バー(20)によって端部でそれぞれ保持される少なくとも1つの棚(18)が前記横断バー(12)と平行の関係で設けられる、チェーンリンク(10)。
【請求項15】
複数のチェーンリンクを含むエネルギーガイドチェーン(1)であって、少なくとも各第2のチェーンリンクが、請求項14に記載のチェーンリンク(10)の形態である、エネルギーガイドチェーン(1)。
【請求項16】
エネルギーガイドチェーンのためのチェーンリンク(10)の内部分割のための構成キットであって、少なくとも2本の請求項1から13のいずれか一項に記載の分割バー(20;30;90;120)と、対応する棚(18)とを含む構成キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、例えばケーブル又はホースのようなラインをガイドするためのエネルギーガイドチェーンの分野に関する。エネルギーガイドチェーンは、通常、接続部と、可動消費機器において当該接続部に対して可動の接続部との間で電力、データ又は媒体のための供給ラインをガイドするように作用する。それらは、通常は多数の旋回可能に相互接続されたチェーンリンクを含む。
【0002】
本発明は、特に、エネルギーガイドチェーンのチェーンリンクのためのいわゆる分割バー又は分離バーに関する。
【背景技術】
【0003】
チェーンリンクの少なくとも一部は、2枚の側方外側に配置されたサイドプレート又はサイド部と、サイドプレートを平行に保持する、横断部材ともいうこともある少なくとも1本の横断バーと、からそれぞれ構成される。単数又は複数の横断バーは、サイドプレートに対して固定的又は離脱可能に接続可能である(いわゆる開放バー)。エネルギーガイドチェーンの長手方向に垂直な断面で考えると、サイドプレート及び横断バーは、チェーンリンク内の受容空間を画定する。したがって、チェーンリンクは、長手方向に連続してラインが受容されるガイド通路をともに形成する。
【0004】
多数のガイドラインを有する用途では、受容空間又はガイド通路が別個の領域に細分されていること、すなわち、エネルギーガイドチェーンのいわゆる内部分割に供することが有利となる。これによると、とりわけ、異なる曲率半径又は方向転換アークの相対移動に起因するライン同士の摩擦が、低減又は回避可能となる。基本的には、大きく異なる径を伴うラインは、相互に対して分離してガイドされるべきである。エネルギーガイドチェーンの内部分割はまた、重量が異なるラインの場合に重量を分散するための長寿命構成を可能とする。
【0005】
内部分割は、とりわけ、例えば重い電線によってホースが潰されてしまうことになるラインの不要な移動、例えば、ガイド通路における回転移動(いわゆる「コークスクリュー」など)又はラインの上下間のずれを回避する。
【0006】
分離バー又は分割バーは、鉛直方向の細分化、すなわち、受容空間の幅を分割するために設けられる。分離バー又は分割バーは、サイドプレートに略平行に延在し、一般的に横断バーに取り付けられる。エネルギーガイドチェーンのリンクのための分離バーは、例えば、本出願人による特許文献1又は特許文献2に記載されている。
【0007】
水平方向の分割、すなわち、受容空間の使用可能な高さを細分することは、横木と同様のいわゆるコンパートメント棚(支持棚、挿入棚などともいう)の提供によって行われる。コンパートメント棚は、ラインのためのサポートとして作用し得る。コンパートメント棚は、横断バーに平行に、すなわち、サイドプレートに略垂直に延在し、通常は分割バー又は分離バーに取り付けられる。コンパートメント棚は、特許文献3に記載されている。
【0008】
分割バーという用語は、ここでは、棚のための複数のホルダ又は棚を取り付けるための手段を少なくとも片側、好ましくは両側に有する特殊な分離バーを示すものとして用いられる。したがって、分割バーは、内部空間内で棚を選択的に取り付けるための種々の可能な選択肢を本質的に与える。
【0009】
分割バーについての試行錯誤された構造は、細分的な高さ方向の分割を棚によって可能とするものであり、本出願人による特許文献3にも示されている。特許文献3は、横断バーに離脱可能に固定するための上側及び下側端部領域を有するプレート状本体、2つの大主面、並びに端部領域間を高さ方向に延在する2つの対向狭面を有する分割バーを開示する。両主面には、高さ方向に略垂直に延在する各本数の保持溝が設けられる。対応する端部を有するプレート状棚は、各保持溝に挿入されて保持され得る。端部の棚は、実矧ぎ接続の態様で保持溝と協働する一種の舌部を形成する。
【0010】
この分割バーによって、高さ方向の細分的な分割が可能となる。保持溝間のより狭い間隔によって、棚のための連続的な受容開口又は開口部と比較して、棚の選択的位置決めのためのモジュール寸法の減少が可能となる。
【0011】
基本的に、最小限の時間及び労力で内部分割のための構成要素の容易な取扱い及び取付けが、取付け作業には望ましい。受容空間の内部分割の別個の領域も、一般に棚の分解を必要とする保守目的のために、例えばラインの交換のために、容易にアクセス可能とされるべきである。同様に、必要に応じて、例えば、細分化が後で実施されることになる場合に、分割を容易に変更できることが望ましい。内部分割のための従前の周知の構造では、取扱いの容易性又は使い勝手に関しても改良がなおも必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国登録実用新案第29907443号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4313242号明細書
【特許文献3】欧州特許第0343192号明細書
【発明の概要】
【0013】
上述の現行技術をその基本的な開始点として捉えた上で、本発明の第1の課題は、内部分割のための構造、特に、その目的のために更に展開され、組立て及び保守に対する取扱いを簡略化し、又はより使い勝手の良い分割バーを提案することである。
【0014】
これは、請求項1に記載の分割バー、請求項14に記載のチェーンリンク、及び請求項15に記載のエネルギーガイドチェーンによってそれぞれ達成される。
【0015】
本発明によると、請求項1の分類部分に記載されるような分割バー又は分離バーにおいて、少なくとも一部及び好ましくは全部の保持溝が、それぞれ一方の狭面から他方の狭面までの連続構造のものであり、各々が各狭面に挿入開口を有することが提案される。これにより、棚は、それぞれ、チェーンの両側において、両側から又は両(移動)方向に、対応する挿入開口を通じて、したがって2つの対向する組立て方向のうちの一方にそれぞれの保持溝に挿入可能となり、その態様で再び取外し可能となる。さらに、本発明によると、分割バーは、両組立て方向における不要なずれに対して、及び結果として各保持溝からの不要な離脱に対して、単数又は複数の取り付けられた棚を固定する固定用デバイス又は固定用機構を有することが規定される。
【0016】
両対向方向への保持溝に対するアクセス性によって、棚の挿入及び取外しの際に、ユーザは棚のいずれかの特定の組立又は分解方向を気にする必要がなくなるので、実用において重要な有利な効果を与えるとともに使い勝手が向上する。両方向への交互の作業も可能であり、これは相互に重畳される関係で配置された複数の棚との関連で有利となり得る。固定用デバイスに関して様々な可能な選択肢があり、特にそれらは低度の力の付与で動作可能である。
【0017】
それぞれの保持溝に対する棚の挿入及び取外しは、特に、エネルギーガイドチェーンの長手方向に又は高さ方向に対して垂直に、平行移動の挿抜によって行われ得る。
【0018】
その目的のため、提案される分割バーは、保持溝の少なくとも大部分において、好ましくは各保持溝において、狭面における第1の挿入開口、対向する他方の狭面における第2挿入開口を有し、すなわち、保持溝は両側においてアクセス可能であり、又は開口している。これは、特に、両主面における全ての保持溝について設けられてもよい。2つの挿入開口があれば、各保持溝はエネルギーガイドチェーンの長手方向に実質的に開口し、したがって両側で開口する。保持溝は、それぞれ、本体に垂直な方向において棚の対応する構成の端部を保持する。保持溝は、好ましくは、本体の2つの主面間に高さ方向に対して垂直にかつ主平面に平行に延在する。保持溝は、特に、主面の凹部の形態であってもよく、主平面に垂直なその断面は、特に、例えば、あり継ぎ形状、T形状などの実剥ぎ接続の態様で積極的ロック保持動作を可能とする。
【0019】
各構造高さに応じて、狭面は主面の長面を形成することになり、端部領域は短面となる。「高さ」及び「幅」の方向に関する用語は、受容空間に言及するものであり、本ケースでは、エネルギーガイドチェーンの長手方向に垂直な断面平面における方向を示す。本ケースでは、いずれの場合もチェーンリンクの実際の空間的配向にかかわらず、水平とは受容空間の幅の方向を意味し、鉛直とは受容空間の高さの方向を意味する。用語「上」及び「下」も絶対的な意味ではなく例示としての空間内の配置構成に関して解釈されるものであり、その点において互換可能である。用語「平行」及び「垂直」は、本ケースでは、技術的ではあるが厳密に幾何学的に解釈されるものではない。幾何学的な平行からの多少の角度量でわずかにずれていても、それは平行とみなされる。
【0020】
強制ロック関係において棚を固定するために力を付与することを回避するため、好適な実施形態では、固定用デバイスが、ロック位置とロック解除位置の間で本体の受容手段内で高さ方向に変位可能なロックスライダを有するとともに、ロック要素を有し、各ロック要素は保持溝に対応付けられることが規定される。この点において、各ロック要素は、棚と、特に棚の端部凹部との固定協働のために、関連する保持溝内に変位可能である。好ましくは、全ての必要なロック要素は、保持溝の総数に対応する多数のロック要素が設けられるように同じロックスライダに設けられる。
【0021】
この場合、各ロック要素は、好ましくは、ロック又はそのロックのための爪として作用する止め要素として棚の凹部と協働する。
【0022】
ロックスライダを両主面の保持溝に対して、例えば中央に設けることも可能であり、ロックスライダを各主面においてそこでの保持溝に対して設けることも可能であり、又は棚の端部をロックするための各共通のロックスライダを伴う両主面に対して、例えば両狭面に設けることも可能である。したがって、固定用デバイスは、本体の中央に配置されたロックスライダを実質的に備え得る。特に好適な実施形態では、両主面の保持溝に対して共通の中央ロックスライダが設けられる。この場合、プレート状本体は、好ましくは同一構造の又は同一部品の形態で生産される2つのプレート部分を含んでいてもよく、それらは、外面にはそれぞれ多数の連続保持溝を形成し、かつ内面にはロックスライダのための凹部を形成する。プレート部分は、適宜の接続要素によって相互に接続可能であり、例えば、対を成す接続要素によって相互に係止可能であり、又はスナップコネクタなどによって相互に固定可能である。
【0023】
動作のより大幅な簡素化のために、ロックスライダは、本体の狭面に突出する少なくとも1つの作動突起を有して、スライダボタンなどによる作業と同様に、より容易な手作業を可能としてもよい。好ましくは、両側での作業性も、ここでは、本体の狭面の一方にそれぞれ突出する2つの対向する、好ましくは対称形の作動突起を有するロックスライダによって実現される。この場合、作動突起は、片側にスライダボタンを形成し得る。
【0024】
ロックスライダは、好ましくはロック要素と一体とされ、及び任意選択的に作動突起と一体とされる。
【0025】
更なる実施形態では、固定用デバイスは、2つのロックスライダを含む。それらは、ロック位置とロック解除位置の間で高さ方向に本体の受容手段内で変位可能であってもよく、例えば、保持溝の数に対応するロック要素を有し得る。ここでも好ましくは、ロック要素は、保持溝に対応付けられ、棚、例えば、端部凹部との固定協働のためにそこで変位可能である。この実施形態では、本体は、各ロックスライダに対して、高さ方向に対して垂直に変位される2つの受容手段を有し得る。この場合、2つの受容手段及びそこに取り付けられるロックスライダの1つは、各主面に各々設けられる。
【0026】
単数又は複数のロックスライダを有する全ての実施形態において、ロック解除位置にある各ロックスライダが、本体の上側又は下側端部領域における端部突起によって高さ方向に突出すると有利である。これにより、横断バーを閉じることによって、ロックスライダが確実にロック位置に変位可能となり、すなわち、横断バー及びチェーンリンクの閉状態において、棚が不要な離脱に対して確実に固定される。これにより、横断バーが開放される場合にのみロック解除が可能となるので、チェーンリンクが閉じられた場合の(横断バーが両側に取り付けられ/閉じられた状態での)不要なロック解除も防止又は阻止される。好ましくは、ロックスライダは、いずれの各横断バーが開放されるか(内径又は外径)に応じて、端部突起が上側及び下側端部領域を超えてロックスライダが交互に突出可能となるような構成のものであり、適宜の構造高さのものである。
【0027】
ただし、適宜の固定用デバイスは、必ずしもスライダを有するロック構成の形態である必要はない。構造的に簡素な代替構成において、固定用デバイスは、協働する係止要素を有していてもよい。それは、例えば、保持溝及びそこに係合する棚の端部領域において、協働する係止窪み及び/又は係止突起を有していてもよい。この場合、少なくとも1つの係止窪み及び/又は係止突起は、好ましくは、棚において、対応して対を成す端部係止要素との係止協働のために各保持溝に設けられる。追加的又は代替的に、係止要素として、好ましくは棚の端部における弾性係止舌部を検討することも可能である。それは、係止溝の境界面において、例えば係止窪みの対応する係止縁部と協働することができる。特に、長手方向における不要な離脱に対して棚をロック又は固定するために、例えば、返しなどの態様で、係止溝の境界面において各係止縁部と協働し、挿入に応じて動作不能となる各弾性係止舌部又は弾性係止フックを、係止溝に係合する棚の端部領域の両側に設けることが可能である。
【0028】
強健な積極的ロック保持動作を水平方向に又は主平面に垂直に与えるために、両主面において、保持溝は、棚を保持するための棚の端部の対応する突起と協働するために、主平面に垂直な各断面がT形状のものとなる。T形状断面に対する代替として、あり継ぎ形状などの断面を与えることも可能である。
【0029】
好ましくは、保持溝は、相互に対して平行にかつ高さ方向に対して垂直に一方の狭面から他方に連続的に延在する。保持溝は、好ましくは、同じ高さで相互から離れる方向を向くそれぞれの対において各主面に設けられるが、これは必ずしもそうでなくてもよい。サイドプレートに当接するための、すなわち、片側のみに保持溝を有するいわゆるサイド部は、ここでは分割バーとみなされる
【0030】
好ましくは、本体の両端部領域は、上側及び下側横断バーにおいて強制ロック及び/又は積極的ロック接続によって離脱可能な固定のために固定用デバイスを有する。この場合、少なくとも一方の端部領域、好ましくは両端部領域は、それ自体公知のタイプの横断バーとの係止係合のための係止足部の形態であってもよい。
【0031】
好ましくは、端部領域が上部と下部で互換可能であり、組立ての観点においてその配向は重要な関心事ではなくなるように、本体はその高さ方向の中央平面に関して鏡像対称構成のものである。
【0032】
両側での同等の作業性によって、この構成は、好ましくは分割バーに関して対称特性を与える。
【0033】
好ましくは、本体は、その主平面に関して鏡像対称構成のものであり、すなわち、共通のスライダ又はロックが両主面において両側で使用されると、特に有利である。あるいは、本体は、例えば、専用のスライダ又はロックが各主面に設けられる場合、その高さ方向の中心軸に関して軸対称構成のものであってもよい。
【0034】
本発明は、棚のための比較的多数の位置によって細分された内部分割に関して、すなわち、少なくとも5個の保持溝が各主面にそれぞれ設けられることにより多数の選択肢を与えると、特に有利である。特に、ロックスライダを用いる場合、その場合における全ての挿入済みの棚が、単一の作動によって同時にロック及びロック解除可能となる。
【0035】
更なる容易化のため、各保持溝の2つの挿入開口が対向端部の傾斜挿入部又は丸角挿入部をそれぞれ有することが規定され得る。この傾斜挿入部又は丸角挿入部は、特に、保持溝の長手軸に関して鏡像対称構成で両側にかつ対関係で設けられてもよい。
【0036】
本発明は、2枚のサイドプレート及びサイドプレートを相互に接続する少なくとも1本の横断バーを含むことでラインのための受容空間を画定するエネルギーガイドチェーンのためのチェーンリンクにも関し、チェーンリンクは本発明に係る2本以上の分割バー及びこれらの分割バーによってその端部にそれぞれ保持される少なくとも1つの棚を有する。本発明はさらに、多数のチェーンリンクを含むエネルギーガイドチェーンに関し、少なくとも各第2のチェーンリンクは本発明に係る分割バーを有する。またさらに、本発明は、本発明に係る少なくとも2本の分割バー及び少なくとも1つの対応する棚を含むエネルギーガイドチェーンのためのチェーンリンクの内部分割のための構成キットに関し、最後に、エネルギーガイドチェーンにおける内部分割のための本発明に係る分割バーの使用にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】実施形態に係るエネルギーガイドチェーンのチェーンリンクの分解図を示す。
図2A図1のチェーンリンクを正面図として示す。
図2B図1のチェーンリンクを断面図として示す。
図3】第1の実施形態に係る分割バーの分解図を示す。
図4A】棚を平面図として示す。
図4B】棚を正面図として示す。
図5A】ロックスライダをロック解除位置とした図3の分割バーを側面図として示す。
図5B】ロックスライダをロック位置とした図3の分割バーを側面図として示す。
図6A図5Aの詳細図を示す。
図6B図5Bの詳細図を示す。
図7A】挿入済みの棚とともにロックスライダをロック位置とした図3の分割バーを正面図として示す。
図7B】挿入済みの棚とともにロックスライダをロック位置とした図3の分割バーをAFに沿う断面図として示す。
図8A】ロックスライダをロック解除位置とした図3の分割バーを示す。
図8B】ロックスライダをロック位置とした図3の分割バーを示す。
図9A】2つのロックスライダをロック解除位置とした分割バーの更なる第2の実施形態を示す。
図9B】2つのロックスライダをロック位置とした分割バーの更なる第2の実施形態を示す。
図10A図9A~9Bの分割バーの本体を示す。
図10B図9A~9Bの分割バーのロックスライダを示す。
図10C図9A~9Bの分割バーに合う棚を示す。
図11A図9Aの分割バーの詳細図を示す。
図11B図9Bの分割バーの詳細図を示す。
図11C】棚の主平面に沿う断面における挿入済み棚とともに分割バーの部分図を示す。
図12A】分割バーの更なる第3の実施形態の斜視図を示す。
図12B】対応する棚の更なる第3の実施形態の斜視図を示す。
図13A図12Aの分割バーの詳細図を示す。
図13B】棚の主平面に沿う断面における挿入済み棚とともに分割バーの部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の更なる詳細、特徴及び有利な効果は、純粋に例示としての添付図面を参照して、例示としての好適な実施形態の以降の詳細な説明から明らかとなり得る。
【0039】
図1及び図2Aは、例えばケーブル及びホース(不図示)のようなラインを能動的にガイドするためのエネルギーガイドチェーン1のチェーンリンク10の例示としての内部構造のそれぞれ分解図及び正面図を示す。多数のチェーンリンク10が、旋回可能に相互に接続されて、図2Aの平面に垂直に長手方向Lにエネルギーガイドチェーン1を形成する。長手方向Lは、ガイドされるラインの長手範囲に対応する。チェーンリンク10は、ここでは、個々の部品からなり、少なくとも2枚のサイドプレート11を有する。各チェーンリンク10、又は例えば各第2のチェーンリンク10において、サイドプレート11は、図2Aに示すように、2本の平行かつ同一の横断バー12によって箱状構成で固定接続され、長手方向Lに垂直にかつ相互に対して平行にチェーンリンク10の横断方向Qに間隔を空けて保持される。
【0040】
図示する例では、横断バー12は、離脱可能である(開放バーという)。この目的のため、横断バー12は、端部固定用領域によって、例えば、サイドプレート11のホーン110(図1に示す)における締付け受容手段によって、サイドプレート11に離脱可能又は旋回可能に固定される。チェーンリンク10の横断バー12は、高さ方向Hに相互から離間される。高さ方向Hは、長手方向Lに垂直にかつ横断方向Qに垂直に延在する。サイドプレート11及び横断バー12は、ガイドされるラインのための受容空間14を画定する。したがって、両横断バー12は、開放状態にある受容空間14へのアクセスを可能とするために開放バーの形態となり得る。
【0041】
エネルギーガイドチェーン1は、長手方向Lに旋回可能に相互に接続された多数のチェーンリンク10から構成される。相互に対して可動の2つの接続位置の間でラインをガイドする際に、エネルギーガイドチェーン1は、上側ラン、下側ラン、及びその間の方向転換軸周りに湾曲される部分である方向転換アークを形成し得る。エネルギーガイドチェーン1の構造はそれ自体では周知であり、例えば、サイドプレート11を構成するクランク状サイドプレート又は交互の内側プレート及び外側プレートを有する任意の所望の構造のものであり得る。特に、2部品チェーンリンクが検討されてもよく、2枚のサイドプレート11及び一方の横断バー12が一部分で構成され、すなわち、一体に構成され、他方の横断バー12のみが離脱可能となる(不図示)。
【0042】
内部分割について、図2Aに例示として示すように、横断方向Qにおいて受容空間14を分割するための鉛直の分割バー20及び高さ方向Hにおいて受容空間14を分割するための水平の棚18を設けることが知られている。
【0043】
分割バー20は、通常、分割バー20がチェーンリンク10に適宜の態様で組み立てられた状態で、長手方向L、及びサイドプレート11に平行な高さ方向Hに延在する主平面を有するプレート状又は平坦な本体13を有する。棚18も、プレート状構成のものであり、チェーンリンク10に適宜の態様で組み立てられた状態で、横断バー12に平行に延在する。分割(分離)バー20及び棚18は、同一に維持されるコンパートメント(分割体)140において整列されて良好に保護されたラインの案内のための受容空間14を与えるために、各n番目のチェーンリンク10、特に各第2のチェーンリンク10において同一の配置構成で提供され得る。図2Aでの図示は、ここでは例示のみのために簡略化した形式のものであり、更なる分割バー20及び更なる棚18が通常は設けられる。
【0044】
高さ方向Hにおいて、分割バー20は、各々が固定用デバイスを、ここでは各クリップ状係止足部160を有する2つの端部領域16a、16bを有し、少なくとも端部領域16a、16bの一方において横断方向Q、すなわち、横断バー12の長さの方向、及び長手方向Lにおける選択可能な位置において横断バー12の端部23に、例えば係止接続によって固定可能である。その端部23に沿って、横断バー12は、分割バー20の係止足部160と協働するために、図1に示すように歯状バーを有していてもよい。横断バー12は、チェーンリンク10の長手方向Lにおいて、又は横断バー12の幅の方向においていずれの場合も固定される。
【0045】
棚18は、高さ方向Hに関して選択可能な段に分割バー20に取り付けられるものである。この点について、例示として示す図1及び2Aは、2本の分割バー20の間で受容空間14の一部を分割する1つの棚18のみを示す。
【0046】
分割バー20の本体13は、相互から離れる方向を向くとともに主平面に平行に延在する2つの主面15、及び相互から離れる方向を向くとともに上側端部領域16aから下側端部領域16bへの高さ方向Hにおいて主面15に垂直にそれぞれ延在する2つの狭面17をさらに有する。本体13は、その主面15において、棚18を受けるための同一の構成の複数の保持溝19をそれぞれ有する。保持溝19は、相互に対して平行にかつ高さ方向Hに対して垂直に一方の狭面17から他方の狭面17に連続して延在する。各保持溝19は、各狭面17において開口して各挿入開口170となる。したがって、対応してプロファイル化された棚18の端部は、各狭面17から、すなわち、長手方向Lに沿う2つの組立て方向の各々において、各保持溝19に挿入可能であり、同様にしてそこから取外し可能である。
【0047】
図3は、第1の実施形態の分割バー30の分解図を示す。棚18を長手方向Lでの不要なずれ及び保持溝19からの意図しない離脱に対して固定するために、分割バー30は、ロックスライダ31を有する固定用デバイスを有する。
【0048】
分割バー30は、主平面(図2AにおけるW-W参照)上で鏡像対称であるとともに2つの同一のプレート部分33aから構成される本体33を有する。プレート部分33aの各々も、主平面に垂直に高さ中心平面に対して対称である。さらに、2つの構造的に同一のプレート部分33aの各々は、2つのプレート部分33aの対称中心を通じて図3において破線として延在する中心軸に対して点対称である。
【0049】
プレート部分33aは、本体の主面15の一方及び保持溝19を形成する外面35、並びに外面35から離れる方向を向くとともに、第2のプレート部分33aに係止して本体33を形成するための接続要素として係止突起37a及び対応する窪み37bを有する内面36を有する。さらに、内面36は、十字型凹部32を有する。2つのプレート部分33aが組み立てられて本体33を形成する場合、凹部32は、ロックスライダ31が本体33に中心で受容可能となるように、ロックスライダ31のための受容手段34を形成する。
【0050】
ロックスライダ31は、ロック位置とロック解除位置の間で高さ方向Hに変位可能に分割バー30の受容手段34に取り付けられる。図3に示す実施形態では、ロックスライダ31は、高さ方向Hに延在する鉛直バー311及びその鉛直バー311に垂直に延在する水平バー312を有する十字型構成のものである。本ケースにおける鉛直及び水平という用語は、チェーンリンク10におけるロックスライダ31の適宜の動作位置に言及するものであり、鉛直にとは高さ方向Hに沿うことを意味し、水平にとは長手方向Lに沿うことを意味する。空間的配向は、チェーンリンク又はエネルギーガイドチェーンの各位置に応じて異なり得る。
【0051】
水平バー312の両端において、ロックスライダ31は、ロック解除位置とロック位置の間でロックスライダ31の手動変位のために人間工学的に形成された各作動突起38を有する。ロックスライダ31が本体33の2つのプレート部分33aの間に取り付けられる場合、2つの作動突起は本体33の狭面17においてそれぞれ突出する。その目的のため、凹部32も、十字形に形成され、狭面17に開口する。
【0052】
両側において、鉛直バー311はブロック状突起の形態において一列のロック要素39を有し、その数は各主面の保持溝19の数に対応する。ロック要素39は、主平面に垂直な方向に突出し、保持溝19と同じ鉛直グリッド間隔で配置される。ロックスライダ31は、ロック要素39との一体射出成形の形態で生産される。
【0053】
ロックスライダ31がロック位置にある場合、ロック要素39は各保持溝19に延在し、そこで略中央に配置され得る。
【0054】
図4A及び4Bは、端部48の間に横断方向Qの範囲を有するプレート状の長細い構成の棚18を示す。図4Bの端面図では、端部48の各々は、保持溝19への端部48の挿入のために、長手方向Lに延在して、例示においてT形状の、保持溝19のプロファイルに相補的な各端部突起48aを有する。他の、保持溝19及び棚18の端部48の、例えばあり継ぎ形状プロファイルも可能である。このプロファイルであれば、挿入済みの棚18は、分割バー30の主平面に垂直な横断方向Qにおいて固定される。
【0055】
長手方向L、すなわち、保持溝19の長手方向における棚18の固定のために、棚18の端部の各々は、各関連するロック要素39と協働するための各開口46を有する。保持溝19への棚18の端部48の挿入のためには、ロックスライダ31は、ロック解除位置になければならない。棚18の端部48が保持溝19に受容されると、ロックスライダ31は、ロック要素39はそれぞれ保持溝19に延在して棚18の端部開口46に係合するロック位置に変位可能となる。この位置では、棚18は、分割バー30に対して長手方向Lに固定され、保持溝19に沿って変位可能ではなく又はわずかにしか変位可能でない。
【0056】
図5A及び5B(並びに各々が拡大スケールで一部分を示す図6A及び6B)は、長手方向Lに沿う側面図において、ロックスライダ31がロック解除位置(図5A、6A)及びロック位置(図5B、6B)にある分割バー30を示す。保持溝19は棚18の挿入のためのロック解除位置では空いているが、保持溝19はロック位置では関連するロック要素39によって塞がれている。
【0057】
図7Aは、長手方向Lに沿う側面図を示し、棚18が保持溝19に挿入されてロックスライダ31がロック位置にある分割バー30を示す。図7Bは、長手方向L及び横断方向Qに延在する棚18の主平面を通る断面を示す。棚18が、一方では、保持溝19のT形状プロファイルによって固定されて高さ方向H及び横断方向Qにおけるずれを防止し、他方では、棚18の開口46とロックスライダ31の関連するロック要素39との間の積極的ロック接続によって固定されて長手方向Lにおけるずれを防止することが、図7A及び7Bを併せて検討することで最も良く分かる。
【0058】
ロックスライダ31は、3個のそれぞれの対称平面を有する点対称かつ鏡像対称構成のものである。このように、それは、棚18を分割バー30の両側に固定することができ、鉛直に沿って両方向にロック解除可能となる。これは、両横断バー12が開放バーの形態であるチェーンリンク10の場合に特に有利である。したがって、必要に応じて、ロックスライダ31は、横断バー12の各々においてロック解除可能となる。
【0059】
ロックスライダ31は、ロック位置から高さ方向Hに沿って両方向に移動されてロック解除位置となり得る。作動突起38による変位の他に、ロック動作は、鉛直バー311への押圧によっても実現可能である。この目的のため、鉛直バー311の端部は、本体33から突出し得る端部突起82をそれぞれ形成する。本体33に受容されるロックスライダ31のロック解除位置では、端部突起82の一方が、高さ方向Hに沿ってロック解除するためにロックスライダ31が変位されるそれぞれの方向に応じて、図8Aに示すように本体33から突出する。図示のケースにおいて端部突起82の上方への挿入によって、ロックスライダ31は移動してロック位置となる。これは、特に、開放された横断バー12を閉じることによって行われ得る。このように、作業可能となった閉じられたチェーンリンク10に未ロック状態の分割バー30が残ること、又は自動ロックが引き起こされることを防止することができる。
【0060】
図9A~11Cは、更なる第2の実施形態の分割バー90を示す。分割バー30との関連での相違は、分割バー90の本体93が一体に生産可能であることである。図10Aに示すように、一体型本体93は、プレート状構成のものであり、相互から離れる方向を向くとともに主平面に平行に延在する2つの主面95、及び相互から離れる方向を向くとともに上側端部領域16aから下側端部領域16bへの高さ方向Hに主面95に垂直にそれぞれ延在する2つの狭面97を有する。端部領域16a、16bには、上記実施形態と同様に係止足部160が装備される。本体93は、その主面95において、棚18を受容するためのそれぞれ複数の同一の保持溝19を有する。保持溝19は、相互に対して平行にかつ連続して一方の狭面97から他方に高さ方向Hに対して垂直に延在する。各保持溝19は、各狭面97において開口して2つの端部挿入開口170のうちの1つとなる。対応してプロファイル化された棚18の端部は、各狭面97から、すなわち、長手方向L又は分割バー90及び棚18の幅に沿う2つの組立て方向の各々において各保持溝19に挿入可能であり、同様にしてそこから取外し可能である。
【0061】
図9A~11Cでは、設置済み棚18を保持溝19内に固定するための分割バー90は、本体93の各主面95について各々1つの2つのロックスライダ91を有する。ロックスライダ91の各々は、長手方向Lに沿って各受容手段94内で変位可能である。受容手段94は、本体93の各主面95において窪みの形態である。本体93は、分割バー90が高さ方向H、長手方向L又は横断方向Qに関して180度にわたって回転して挿入可能ともなるように中心対称性を有する。
【0062】
ここでは、2つのロックスライダ91は同一である。図10Bが示すように、ロックスライダ91は、突起の形態の複数のロック要素99を有する長細いストリップ又はバー部材の形態である。図9Aに示すような又は図11Aにおいて詳細部分として示すようなロックスライダ91のロック解除位置では、突起又はロック要素99は、棚98の端部が保持溝19に対して押込み及び引抜き可能となるように、高さ方向Hに関して保持溝19間に配置される。
【0063】
棚98は、プレート状構成のものであり、その端部において保持溝19との協働のために、保持溝19のプロファイルに対応する各T形状の突起98aを有する。第1の実施例に関連する更なる相違として、ここでは、棚98の各端部は、ロック要素99をそれぞれ受容することができる2つの開口96を有しない。したがって、棚98は、鏡像対称構成のものであり得る。長手方向Lにおける棚98の各長い狭面からの各開口96の間隔は、本体93の最も近い狭面からの各受容手段94の間隔に対応する。両端縁部において端部ロックする棚に開口96がない実施形態も考えられる。
【0064】
図9B及び図11B(棚なし)又は図11Cに示すように、ロックスライダ91が高さ方向Hに受容手段94内で変位又は移動されてロック位置となると、ロック要素99は、主面95に垂直に保持溝19内に延在する。このロックスライダの位置では、棚98は、保持溝19に沿う不要なずれを防止するように固定される。
【0065】
図12A~13Bは、一体に生産されるがここではロックスライダを有さない更なる実施形態の分割バー120を示す。上記実施例におけるように、分割バー120も、2つの主面125及び2つの狭面127を有する対称形プレート状本体123を有する。主面125の各々は、棚128の端部128aを受容するとともに積極的ロックで保持するための各列のプロファイル化した保持溝19を有する。この実施形態では、保持溝19はまた、一方の狭面127から他方に連続的に延在して、狭面127の各々の端部において、両側で開口し、すなわち、各挿入開口170となる。それらの端部において、棚128は、保持溝19のプロファイルに対応して長手方向Lに延在する突起を有する。ここでは、保持溝19に挿入されてその保持溝19に沿うずれを防止する棚128の固定は、係止要素の係止係合によって行われる。その目的のため、係止突起124が棚128の端部128aに設けられ、それは本体123の主面125において対応する係止凹部122に係止係合する。係止突起が本体に設けられた反転構成も考えられる。
【0066】
チェーンリンク10の、特に分割バー20、30、90、120の全ての上記構成要素は、好ましくは、射出形成法を用いてプラスチック部品の形態で生産される。
【符号の説明】
【0067】
図1、2A、2B
1 エネルギーガイドチェーン
10 チェーンリンク
11 サイドプレート
12 横断バー
13 分割バーの本体
14 受容空間
15 本体の主面
16a、16b 分割バーの端部領域
17 本体の狭面
18 棚
19 保持溝
20 分割バー
23 横断バーの端部
110 サイドプレートのホーン
140 受容空間のコンパートメント
160 (分割バーの)係止足部
170 保持溝の挿入開口
H 高さ方向
L 長手方向
Q 横断方向
図3~8
15 本体の主面
17 本体の狭面
18 棚
19 保持溝
30 分割バー
31 ロックスライダ
32 凹部
33 分割バーの本体
34 受容手段
33a (本体の)プレート部分
35 (プレート部分の)外面
36 (プレート部分の)内面
37a 係止突起
37b 窪み
38 作動突起
39 ロック要素
46 棚の開口
48 棚の端部
48a 棚の端部における突起
82 ロックスライダの端部突起
170 保持溝の挿入開口
311 鉛直バー
312 水平バー
H 高さ方向
L 長手方向
Q 横断方向
図9~11
16a、16b 分割バーの端部領域
18、98 棚
19 保持溝
90 分割バー
91 ロックスライダ
93 分割バーの本体
94 受容手段
95 本体の主面
96 棚の開口
97 本体の狭面
98a 棚の端部における突起
99 ロック要素
160 係止足部
170 保持溝の挿入開口
H 高さ方向
L 長手方向
Q 横断方向
図12~13
19 保持溝
120 分割バー
122 係止凹部
123 本体
124 棚の係止突起
125 本体の主面
127 本体の狭面
128 棚
128a 棚の端部
170 保持溝の挿入開口
H 高さ方向
L 長手方向
Q 横断方向
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
【国際調査報告】