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特表2023-540251二次元電子気体領域を含むダイ封止リング
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  • 特表-二次元電子気体領域を含むダイ封止リング 図1
  • 特表-二次元電子気体領域を含むダイ封止リング 図2A
  • 特表-二次元電子気体領域を含むダイ封止リング 図2B
  • 特表-二次元電子気体領域を含むダイ封止リング 図3A
  • 特表-二次元電子気体領域を含むダイ封止リング 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】二次元電子気体領域を含むダイ封止リング
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/80 20060101AFI20230914BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20230914BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H01L29/80 Z
H01L29/80 H
H01L21/265 601J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513830
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021047836
(87)【国際公開番号】W WO2022051173
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】63/073,062
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【弁理士】
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】クオ-チャン ロバート ヤング
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ クディノヴ
(72)【発明者】
【氏名】カマル ラジ ヴァラダラジャン
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ アンコウディノヴ
(72)【発明者】
【氏名】ソリン エス ジョーゼスク
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GJ03
5F102GJ10
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR09
5F102HC01
5F102HC10
(57)【要約】
二次元電子気体を含むダイ封止リングが本明細書において提示される。半導体デバイスは有効デバイス領域を含む。有効デバイス領域は、デバイス端子と、有効デバイス領域を囲む二次元電子気体領域を含むダイ封止リングとを備える。二次元電子気体領域にデバイス端子を電気的に結合することにより、半導体側壁における電圧は、デバイス端子のそれに実質的に等しくなるように制御され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス端子を備える有効デバイス領域と、
前記有効デバイス領域を囲むダイ封止リングであって、前記ダイ封止リングが、二次元電子気体領域を含む、前記ダイ封止リングと、
を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記有効デバイス領域が、横方向電界効果トランジスタ(FET)を備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記横方向電界効果トランジスタが、高電子移動度トランジスタ(HEMT)である、
請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記二次元電子気体領域が、窒化ガリウム(GaN)を含む、
請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記二次元電子気体領域が、前記有効デバイス領域から横方向に離隔された、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
絶縁体領域を更に備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記絶縁体領域が、窒化ガリウム(GaN)を含む、
請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記絶縁体領域が、イオン注入を使用して形成された、
請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記二次元電子気体領域が、前記デバイス端子に電気的に結合された、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記二次元電子気体領域が、前記デバイス端子の電位を受信するように構成された、
請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記デバイス端子が、ゲート端子である、
請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記デバイス端子が、ソース端子である、
請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記デバイス端子の前記電位が、実質的にゼロボルトに等しい、
請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
電力電界効果トランジスタ(FET)であって、
前記電力FETが、
有効デバイス領域と、
前記電力FETの周縁部に沿って前記有効デバイス領域を囲むダイ封止リングであって、前記ダイ封止リングが、二次元電子気体領域を含む、前記ダイ封止リングと、
を備える、
電力FET。
【請求項15】
前記有効デバイス領域が、
ドレイン電圧を受信するように構成されたドレイン端子と、
ゲート電圧を受信するように構成されたゲート端子と、
ソース電圧を受信するように構成されたソース端子と、
を備える、請求項14に記載の電力FET。
【請求項16】
前記二次元電子気体領域が、前記ゲート端子に電気的に結合された、
請求項15に記載の電力FET。
【請求項17】
前記二次元電子気体領域が、前記ソース端子に電気的に結合された、
請求項15に記載の電力FET。
【請求項18】
前記二次元電子気体領域が、実質的にゼロボルトに等しい電圧を受信するように構成された、
請求項15に記載の電力FET。
【請求項19】
前記電力FETが、高電圧を遮蔽するように構成された、
請求項15に記載の電力FET。
【請求項20】
前記電力FETが、高電圧をスイッチングするように構成された、
請求項15に記載の電力FET。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる2020年9月1日に出願された米国仮特許出願第63/073,062号の利益を主張する。
【0002】
本開示は概してダイ封止リングに関し、特に、二次元電子気体領域を含むダイ封止リングに関する。
【背景技術】
【0003】
窒化ガリウム(GaN)および他の広バンドギャップIII族窒化物ベースの直接遷移半導体材料は、高破壊電界を示し、および高電流密度に役立つ。この点について、GaNベースの半導体デバイスは、電力および高周波用途においてシリコンベースの半導体デバイスの代わりとして活発に研究されている。例えば、GaN高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)は、同一の面積のシリコン電力電界効果トランジスタに比べて高い絶縁破壊電圧を伴って、より低いオン抵抗率を提供し得る。
【0004】
電力電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)は、エンハンスメント型またはデプレッション型であり得る。エンハンスメント型デバイスは、ゲートバイアスが印加されていないとき(すなわちゲート対ソースバイアスがゼロであるとき)に電流を遮断する(すなわちオフである)トランジスタ(例えば電界効果トランジスタ)を表し得る。対照的に、デプレッション型デバイスは、ゲート対ソースバイアスがゼロであるときに電流を通す(すなわちオンである)トランジスタを表し得る。
【0005】
集積回路および電力FETは典型的には封止リングを使用する。封止リングは、スクライブ線に近接した半導体ダイの周縁部に形成される。
【発明の概要】
【0006】
二次元電子気体(2DEG:two dimensional electron gas)領域を含むダイ封止リングの非限定的かつ非網羅的な実施形態が以下の図を参照しながら説明されており、異なる図の中の同様の参照符号は、別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態によるダイ封止リングを含む半導体デバイスの平面図を示す。
図2A図2Aは、図1の実施形態によるダイ封止リングの断面を示す。
図2B図2Bは、図1の実施形態によるダイ封止リング延伸部の断面を示す。
図3A図3Aは、二次元電子気体領域の断面を示す。
図3B図3Bは、図3Aの断面に対応した一次元伝導バンド図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれているとは限らないことを理解する。例えば、図中の要素および層のうちの幾つかの寸法は、本明細書における教示の様々な実施形態をより理解しやすくするために他の要素より誇張される場合がある。更に、市販に適した実施形態において有用なまたは必要な、一般的だが良く理解される要素、層、および/または工程ステップは多くの場合、二次元電子気体領域を含むダイ封止リングのこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように図示されていない。
【0009】
以下の説明では、二次元電子気体領域を含むダイ封止リングの十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細事項が記載される。しかし、本明細書における教示を実施するために特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが当業者に明らかである。他の例において、本開示を不明瞭にしないために、よく知られた材料または方法は詳細には説明されていない。
【0010】
本明細書中での、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例と関連して説明される特定の特徴、構造物、方法、処理、および/または特徴が二次元電子気体領域を含むダイ封止リングの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」といった表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造物、方法、工程、および/または特徴は、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてもよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれているとは限らないことが理解される。
【0011】
本出願の文脈において、トランジスタが「オフ状態」または「オフ」であるとき、トランジスタは電流を遮断する、および/または実質的に電流を流さない。逆に、トランジスタが「オン状態」または「オン」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流すことができる。更に、本開示の目的において、「グランド」または「グランド電位」は、電子回路、デバイス、または集積回路(IC:Integrated circuit)の全ての他の電圧または電位が規定されるとき、または測定されるときに対比される基準電圧または基準電位を表す。
【0012】
更に本出願の文脈において、中程度の電圧から高電圧まで耐えながら電流を遮断する電力電界効果トランジスタは、高電圧電界効果トランジスタとも呼ばれ得る。例えば、横方向電界効果トランジスタ(FET)は、高いドレイン対ソース電圧を伴って電流を遮断するように構成され得る。1つの用途において横方向FETはエンハンスメント型電界効果トランジスタであり得、横方向FETは、ゲート対ソース電圧が正の閾値電圧未満である間に電流を遮断するように構成され得る。例えば、エンハンスメント型電界効果トランジスタは、ゲート対ソース電圧が実質的にゼロボルトに等しいとき、高いドレイン対ソース電圧(例えば700ボルト)に耐えながら電流を遮断するように構成され得る。
【0013】
別の用途では、横方向FETはデプレッション型電界効果トランジスタであり得、横方向FETは、エンハンスメント型電界効果トランジスタと電気的にカスコード結合され得る。カスコード結合されている状態で、デプレッション型横方向FETは更に、エンハンスメント型トランジスタがオフ状態において動作している間に電流を遮断し得、および中程度の電圧から高電圧まで耐え得る。カスコード結合されている状態で、デプレッション型横方向FETは、そのゲート対ソース電圧がデプレッション型閾値未満の負電圧(例えば負の20ボルト)となるように強制され得るので、高いドレイン対ソース電圧(例えば700ボルト)に耐えながら電流を遮断し得る。
【0014】
残念ながら、半導体デバイスにおける高いドレイン対ソース電圧は、信頼性の低下をもたらし得る。例えば、半導体デバイスの側壁と呼ばれることもあるダイの縁部に向かって高電圧が広がっているとき、高電圧は、空気またはパッケージングコンパウンド(例えばモールド成形コンパウンド)から水分、イオン、および/または他の汚染物質を引き付け得る。更に、表面フィールドプレートを含む従来の封止リングは、GaNベースの半導体における側壁に向かう高電圧の広がりを小さくすることに効果が無いことが明らかであり、したがって、GaNベースの半導体デバイスのための封止リングを開発する必要性が存在する。
【0015】
二次元電子気体を含むダイ封止リングが本明細書において提示される。半導体デバイスは有効デバイス領域を含む。有効デバイス領域はデバイス端子を備え、二次元電子気体領域を含むダイ封止リングが有効デバイス領域を囲む。二次元電子気体領域にデバイス端子を電気的に結合することにより、半導体側壁における電圧は、デバイス端子の電圧に実質的に等しくなるように制御され得る。
【0016】
図1は、実施形態によるダイ封止リング106を含む半導体デバイス100の平面図を示す。半導体デバイス100は、有効デバイス領域110を更に備える。図示されているように、ダイ封止リング106は半導体デバイス100の側壁114の近くに存在し得、有効デバイス領域110を囲み得る。
【0017】
有効デバイス領域110は、有効トランジスタ領域であり得る。例えば、有効デバイス領域110は、横方向高電子移動度トランジスタ(HEMT)または高電圧(電力)電界効果トランジスタ(FET)を備え得る。上述のように、電力FETは、改善された中程度の電圧から高電圧までのパフォーマンスを有益に提供するためにGaNベースであり得る。例えば、窒化ガリウム(GaN)およびアルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)の層間に形成されたヘテロ構造を備える横方向FETは、中程度の電圧から高電圧まで(例えば200ボルトから1200ボルトの間の電圧)の用途のために使用され得る。
【0018】
更に、有効デバイス領域110は、有効デバイス端子(例えばソース端子、ゲート端子、およびドレイン端子)を備える横方向FETを含み得る。1つの実施形態において、有効デバイス端子は、ストライプを使用して形成され得る。本明細書における教示によると、ダイ封止リング106は、有効デバイス領域から側壁114に向かって広がる高電圧を軽減するための二次元電子気体領域を含み得る。
【0019】
例えば、ドレイン端子(例えばドレインストライプ)が高電圧であるときのオフ状態中に、高電圧は有効デバイス領域の周縁部の近くに存在し得る。図示されているように、ダイ封止リング延伸部123は、デバイス端子122との電気的接続に役立つようにダイ封止リング106から延び得る。デバイス端子122(例えばソース端子またはゲート端子)に二次元電子気体を電気的に接続することにより、二次元電子気体の電圧は、デバイス端子122の電圧に実質的に等しくなり得る。
【0020】
したがって、デバイス端子122の電圧が最低相対電圧(例えばグランド電位)であるとき、ダイ封止リング106の電圧(すなわち二次元電子気体領域の電圧)は、強制的に側壁電圧をデバイス端子122の電圧に実質的に等しくさせ得る。そうすることにより、前述の高電圧による水分に関連した損傷が低減され、または無くされ得る。
【0021】
半導体デバイス100がGaNベースの半導体デバイスであるとき、二次元電子気体領域は、有効デバイス領域110の工程ステップ中に役立てられ得る。例えば、GaNベースの工程では、ダイ封止リング106およびダイ封止リング延伸部123の二次元電子気体領域は、横方向FETの同一または類似の工程ステップを使用して形成され得る。
【0022】
この点について、ダイ封止リング106は、横方向FETにおけるゲート領域の寸法と釣り合った寸法140をもち得る。例えば、寸法140は、5マイクロメートルから25マイクロメートルの間であり得る。更に、ダイ封止リング106は側壁から距離130内に位置し得る。1つの用途において、距離130は、2マイクロメートルから50マイクロメートルの間であり得る。
【0023】
更に、図2Aおよび図2Bの説明において以下で提示されるように、ダイ封止リング106およびダイ封止リング延伸部123は、有効デバイス領域110から物理的に(すなわち横方向に)離隔され得る。
【0024】
図2Aは、図1の側壁114と位置Aとの間のセグメント101に対応した断面201を示す。図示されているように、セグメント101はダイ封止リング106を更に含む。断面201により示されているように、ダイ封止リング106は、次の層、すなわち、基材202、二次元電子気体(2DEG)領域206、誘電体208(例えば横方向FETゲート誘電体)、金属210(例えば横方向FETゲート金属)、およびパッシベーション212を備える。
【0025】
断面201により更に示されているように、近接した領域207および近接した領域209は、金属210と二次元電子気体領域206とを除いて、封止リング106と同じ層を含む。二次元電子気体領域206を形成する層を含む代わりに、近接した領域207および近接した領域209は、二次元電子気体領域206に近接した絶縁層204を含む。絶縁層204は二次元電子気体領域206を、側壁114から、および有効デバイス領域110から横方向に離隔し、および/または絶縁し得る。
【0026】
当業者が理解し得るように、層(例えば基材202および二次元電子気体領域206)の寸法は一定の縮尺で示されているとは限らない。更に、層のうちの幾つかは、説明目的のために示されない場合がある。例えば、幾つかの実施形態は、パッシベーション層および/または金属層の複数の層を含み得る。1つの実施形態において基材はシリコンまたはサファイアであり得、二次元電子気体領域206は、数マイクロメートルの厚さで成長させられたバッファ層(例えばエピタキシャル層)に重ねて形成され得る。
【0027】
更に、絶縁層204および二次元電子気体領域206は、20ナノメートルから50ナノメートルの間の総厚をもつGaNおよび/またはAlGaNを含み得る。別の実施形態では、絶縁層204は、GaN格子を乱すために窒素(N)を注入することにより生成され得る。
【0028】
図2Bは、図1の側壁114と位置Bとの間のセグメント121に対応した断面221を示す。図示されているように、セグメント121はダイ封止リング延伸部123を更に含む。断面221により示されているように、ダイ封止リング延伸部123は金属210を除いてダイ封止リング106と同じ層を備える。代替的に、ダイ封止リング延伸部123は、例えば金属または多結晶シリコンといった相互接続体材料であり得るデバイス端子122を含む。
【0029】
更に示されるように、デバイス端子122は誘電体208における開口(例えばビアまたは接点開口)のおかげで二次元電子気体領域に電気的に接続されている。
【0030】
更に、近接した領域227は、二次元電子気体領域206を除いてダイ封止リング延伸部123と同じ層を含み、近接した領域229は、デバイス端子122と二次元電子気体領域206とを除いて、ダイ封止リング延伸部123と同じ層を含む。近接した領域207および近接した領域209と同様に、近接した領域227および近接した領域229は絶縁層204を含む。上述のように、絶縁層204は、側壁114から、および有効デバイス領域110から二次元電子気体領域206を横方向に離隔し、および/または絶縁し得る。
【0031】
図2Aに関連して既に説明されているように、層の寸法は一定の縮尺で示されているとは限らず、更に、幾つかの層および/または相互接続層(例えば金属)が説明目的のために省略され得る。例えば、後述のように、二次元電子気体領域206はGaNを含み得、更に、絶縁層204は、イオン注入により意図的に損傷を受けたGaNを含み得る。
【0032】
図3Aは、二次元電子気体領域206の断面300を示す。断面300は、絶縁体領域204により横方向に隔離された二次元電子気体領域206を示す。断面300は、界面Y1と界面Y2との間に引かれた線301を示している。線301の寸法は、ヘテロ接合を形成するために使用される材料または材料層の厚さに対応し得る。
【0033】
例えば、図3Bは、図3Aの断面に対応した一次元伝導バンド図302を示す。伝導バンド図302は、界面Y1と界面Y2との間の線301に沿った位置の関数として伝導バンドエネルギーEcを示す。伝導バンド図302は、位置Ydに伝導バンドエネルギーEcにおける不連続部を更に示す。界面Y1と位置Ydとの間に、二次元電子気体領域206はAlGaNおよび/またはAlGaN層を含み得る。位置Ydと界面Y2との間に、二次元電子気体領域206は、GaNおよび/またはGaN層を含み得る。当業者が理解し得るように、電子気体は位置Ydに、または位置Yd付近に形成され、位置Ydでは、フェルミレベルEfが伝導バンドエネルギーEcより大きい(すなわち、その上方にある)。
【0034】
要約で説明される事項を含む本開示の示される例の上述の説明は、網羅的であることを意図したものではなく、開示される形態そのものへの限定であることを意図したものでもない。二次元電子気体領域を含むダイ封止リングの特定の実施形態が本明細書において例示を目的として説明されているが、本開示のより広い趣旨および範囲から逸脱せずに様々な同等な変更が可能である。実際、特定の例示的なデバイス断面が説明のために提示されていること、および、本明細書の教示に従って他の実施形態および/または材料(例えばガリウムヒ素およびアルミニウムガリウムヒ素)が使用されてもよいことが理解される。
【0035】
本発明は請求項において規定されるが、本発明が代替的に以下の例により規定され得ることが理解されなければならない。
【0036】
例1:有効デバイス領域と有効デバイス領域を囲むダイ封止リングとを備える、半導体デバイス。ダイ封止リングは、二次元電子気体領域を含む。
【0037】
例2:有効デバイス領域が、横方向電界効果トランジスタ(FET)を備える、例1に記載の半導体デバイス。
【0038】
例3:横方向電界効果トランジスタが、高電子移動度トランジスタ(HEMT)である、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0039】
例4:二次元電子気体領域が、窒化ガリウム(GaN)を含む、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0040】
例5:二次元電子気体領域が、有効デバイス領域から横方向に離隔された、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0041】
例6:絶縁体領域を更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0042】
例7:絶縁体領域が、窒化ガリウム(GaN)を含む、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0043】
例8:絶縁体領域が、イオン注入を使用して形成された、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0044】
例9:二次元電子気体領域が、デバイス端子に電気的に結合された、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0045】
例10:二次元電子気体領域が、デバイス端子の電位を受信するように構成された、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0046】
例11:デバイス端子が、ゲート端子である、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0047】
例12:デバイス端子が、ソース端子である、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0048】
例13:デバイス端子の電位が、実質的にゼロボルトに等しい、前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0049】
例14:有効デバイス領域とダイ封止リングとを備える、電力電界効果トランジスタ(FET)。ダイ封止リングが、電力FETの周縁部に沿って有効デバイス領域を囲み、ダイ封止リングが、二次元電子気体領域を含む。
【0050】
例15:有効デバイス領域が、ドレイン電圧を受信するように構成されたドレイン端子と、ゲート電圧を受信するように構成されたゲート端子と、ソース電圧を受信するように構成されたソース端子とを備える、前述の例のいずれか1つに記載の電力FET。
【0051】
例16:二次元電子気体領域が、ゲート端子に電気的に結合された、前述の例のいずれか1つに記載の電力FET。
【0052】
例17:二次元電子気体領域が、ソース端子に電気的に結合された、前述の例のいずれか1つに記載の電力FET。
【0053】
例18:二次元電子気体領域が、実質的にゼロボルトに等しい電圧を受信するように構成された、前述の例のいずれか1つに記載の電力FET。
【0054】
例19:電力FETが、高電圧を遮蔽するように構成された、前述の例のいずれか1つに記載の電力FET。
【0055】
例20:電力FETが、高電圧をスイッチングするように構成された、前述の例のいずれか1つに記載の電力FET。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【国際調査報告】