(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】電気自動車用シャーシ及び該シャーシを備えた電気自動車
(51)【国際特許分類】
B62D 21/02 20060101AFI20230914BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20230914BHJP
B62D 21/08 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B62D21/02 Z
B62D25/04 A
B62D21/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514769
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2021074414
(87)【国際公開番号】W WO2022049264
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521104838
【氏名又は名称】ボルタ・トラックス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Volta Trucks Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】プライス,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ウォレン,シェル
(72)【発明者】
【氏名】ノーデン,カール-マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ジロット,ラッセル
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203AA31
3D203BA03
3D203BA05
3D203BB54
3D203BC09
3D203CA54
3D203CB06
3D203CB09
3D203DA11
3D203DA13
3D203DA26
3D203DA51
3D203DA72
3D203DA73
3D203DB05
3D203DB07
(57)【要約】
走行面上で駆動可能な電気自動車のためのシャーシであって、電気自動車は、運転台部分と荷物運搬部分とを含む。シャーシは、運転台部を支持するように構成され、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面を規定する前部シャーシ部と、貨物運搬部分を支持するように構成され、後部シャーシ部が主面を構成する後部シャーシ部と、前部シャーシ部と後部シャーシ部とを結合する中間シャーシ部とからなる。中間シャーシ部は、前部シャーシ部と後部シャーシ部との間の移行部を形成し、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面が、後部シャーシ部の主面よりも走行面に近い位置に配置可能であるように構成される。また、このシャーシを構成する電気自動車が提供される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行面上を走行可能な電気自動車のためのシャーシであって、
前記電気自動車は、運転台部と貨物運搬部分とを含み、
前記シャーシは、
前記運転台部を支持するように構成され、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面を画定する前部シャーシ部と、
前記貨物運搬部分を支持するように構成された後部シャーシ部であって、前記後部シャーシ部は主面を有する後部シャーシ部と、
前記前部シャーシ部と前記後部シャーシ部とを連結する中間シャーシ部とを備え、
前記中間シャーシ部は、前記前部シャーシ部と前記後部シャーシ部との間に移行部を形成し、運転者用シートを支持するための前記第1のシート取付面が、前記後部シャーシ部の前記主面よりも走行面に近い位置に配置可能なように構成される、電気自動車用シャーシ。
【請求項2】
前記前部シャーシ部は、空間フレーム型構造を有する請求項1に記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項3】
前記後部シャーシ部は、ラダー型構造である請求項1または2に記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項4】
前記前部シャーシ部の剛性は、前記後部シャーシ部の剛性よりも大きい、請求項1-3のいずれかに記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項5】
前記中間シャーシ部は、
前記後部シャーシ部に結合され、前記後部シャーシ部の前記主面に実質的に直交して配置された第1の対のシャーシ部材と、
前記第1の対のシャーシ部材に結合され、前記後部シャーシ部の前記主面に実質的に平行に配置された第2の対のシャーシ部材と、を備える請求項1-4のいずれかに記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項6】
前記中間シャーシ部は、
前記第1の対のシャーシ部材の間に延び、前記第2の対のシャーシ部材に第2の端部を近接させて結合され、前記後部シャーシ部の前記主面に対して斜めに配置された第3の対のシャーシ部材を有する、請求項5に記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項7】
前記中間シャーシ部と前記後部シャーシ部とを結合する少なくとも1つのガセットをさらに備える、請求項1-6のいずれかに記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項8】
前記前部シャーシ部は、前記第1のシート取付面が前記シャーシの長手方向中心線上に実質的に位置するように構成される、請求項1-7のいずれかに記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項9】
前記前部シャーシ部は、第2の運転室乗員用のシートのための第2のシート取付面を形成する第1のホイールアーチライナを画定し、
前記前部シャーシ部は、第3の運転台部乗員用シートのための第3のシート取付面を形成する第2のホイールアーチライナを画定し、かつ
前記第2のシート取付面および前記第3のシート取付面の少なくとも一方は、前記第1のシート取付面よりも後方にある、請求項1-8のいずれかに記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項10】
前記前部シャーシ部は、フロントスクリーンを境にした一対のAピラーを備え、
前記一対のAピラーのそれぞれの長手方向平面が前記シャーシの長手方向中心線に対して角度を持つように配置されている、請求項1-10のいずれかに記載の電気自動車用シャーシ。
【請求項11】
運転台部、荷物運搬部分および請求項1-10のいずれかに記載のシャーシを含む電気自動車。
【請求項12】
前記運転台部は、前端が後端よりも狭くなるように構成され、前記前端から前記後端にかけて概ね湾曲していることを特徴とする請求項11に記載の電気自動車。
【請求項13】
前記運転台部分の屋根の前端は、前記運転台部分の屋根の後端よりも走行面に近く、
前記屋根は、前端から後端に向かって湾曲しており、
前記湾曲は前記荷物運搬部分の前端にも続いている、請求項11または12に記載の電気自動車。
【請求項14】
前記運転台部の床と前記運転台部の天井との間に実質的に延び、前記ドアが開口部の後方にある開位置と前記ドアが開口部を塞ぐ閉位置との間で移動可能な一対の可動ドアをさらに備える、請求項11から13のいずれかに記載の電気自動車。
【請求項15】
前記前部シャーシ部は、前記運転台部への出入りを容易にするためのステップを規定し、前記ステップは、前記運転台部の内部に配置され、前記閉位置にあるときに前記可動ドアに隣接していることを特徴とする請求項14に記載の電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車用シャーシ、および該シャーシを搭載した電気自動車に関するものである。
【0002】
本発明のシャーシは、電気トラックなどの電気配送車、特に都市環境で使用するための電気トラックに使用するのに特に適している。しかしながら、本発明は、他の電気自動車にも適しており、これには電気ローリー、電気連結ローリー、電気トレーラートラック、電気リグ、電気セミ、電気セミトレーラ、電気バンなど、都市環境または非都市環境で使用するすべてのものが含まれるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
トラックは、人口密度の高い都市部を含め、様々な貨物を輸送するために使用されることが多い。トラックやローリーは、他の道路利用者と比べて相対的に大きく重いこと、また、これらの車両では一般に運転席が高いこと又はドライバの位置が高いことから、通常、様々な安全機能(例えば、ミラー、サイドガード、可聴・視覚警報など)を備えている。それにもかかわらず、トラックは自転車や歩行者と道路を共有しており、特に都市部では、トラックやその他の大型車両が関係する事故や死亡事故が依然として頻繁に発生している。 例えば、ニューヨーク市の交通量に占める大型トラックの割合はわずか3.4%であるが、自転車利用者の死亡事故の32%は大型トラックによるものである。
【0004】
近年、化石燃料に依存した従来のトラックなどの車両に代わる電気自動車(電気トラック含む)の研究開発が盛んに行われている。電気トラックを含む電気自動車は、従来の自動車よりも環境に優しいと広く考えられているため、好ましいとされている。 また、都市部では、電気自動車の使用により、化石燃料を使用する自動車に起因する公害が大幅に削減される可能性がある。
【0005】
電気自動車を含むトラックは、他の道路利用者だけでなく、そのドライバにも安全や健康のリスクをもたらす。多くの国、特に先進国では、トラックドライバは高齢化している。ディーゼルトラックの高所運転室に出入りするためには、急な階段を昇り降りしなければならず、高齢のドライバにとっては困難なことである。実際、高所からの転落は、トラック運転手の怪我の最も多い原因の1つである。
【0006】
本発明者らは、ドライバの視認性を向上させ、したがって、車両が都市環境で使用される場合に他の道路利用者、特に自転車や歩行者に危害を及ぼすリスクを低減し得る電気自動車用のシャーシおよびシャーシを含む電気自動車に対する必要性を高く評価している。 また、本発明者らは、運転者または他の乗員の車両への出入りを容易にする電気自動車用シャーシおよびシャーシを含む電気自動車の必要性を高く評価している。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、添付の独立請求項によって定義され、これに対して今、参照がなされるべきものである。
【0008】
特に、本発明は、第1の態様において、電気自動車用のシャーシを提供する。
【0009】
本発明は、第2の態様において、第1の形態における本発明のシャーシを含む電気自動車を提供する。
【0010】
本発明の好ましいまたは有利な特徴は、これから参照されるべき従属請求項に記載されている。
【0011】
第1の形態において、本発明は、走行面上で駆動可能な電気自動車のためのシャーシを提供し、電気自動車は、運転台部と荷物運搬部分とを備え、シャーシは、運転台部を支持するように構成され、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面を規定する前部シャーシ部と、荷物運搬部分を支持するように構成される後部シャーシ部であって、後部シャーシ部は主面を構成する後部シャーシ部と、前部シャーシ部と後部シャーシ部とを結合する中間シャーシ部とを有する。
【0012】
このシャーシは、中間シャーシ部が、前部シャーシ部と後部シャーシ部との間の移行部を形成し、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面が、後部シャーシ部の主面よりも走行面に近い位置に配置可能であるように構成されていることを特徴としている。
【0013】
なお、本出願において、「後」、「中間」、「前」という用語は、シャーシ上、またはシャーシを構成する車両上の相対的な位置関係を指す。
【0014】
このように、「後部」は、シャーシ、又は車両の後端に近い部分、すなわち、シャーシ、又は車両のうち、通常の進行方向から最も遠い部分を意味する。
【0015】
「前部」とは、シャーシ又は車両の前端部、すなわちシャーシ又は車両のうち通常の進行方向から最も近い部分に近いシャーシ又は車両の部分をいう。
【0016】
用語「主面」は、後部シャーシ部の主要面によって規定される平面を指す。主面は、車両の耐荷重面、すなわちデッキを支持するように構成されることがある。すなわち、主面は、貨物を運ぶための空間および/または容積の大部分を提供する車両の耐荷重面を支持するように構成されることがある。これは、トレーラ(trailer)と呼ばれることがある。
【0017】
用語「走行面」は、本発明のシャーシを構成する又は包含する車両が走行することができる面を意味する。代替的に、地面、接地面、道路等と称されることもある。走行面は、本発明のシャーシを構成する又は包含する車両の車輪によって接触され得る。
【0018】
スプリットレベルシャーシ、すなわち、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面が、後部シャーシ部の主面よりも走行面に近い位置に配置可能なシャーシを提供することによって、本発明を構成または具現化する車両の運転者の位置は、いくつかの既知の車両よりも低くなり得る。このように低い運転者の位置は、運転者の目線が、車両に乗った他の運転者及び/又は自転車及び/又は歩行者を含むいくつかの他の道路使用者と同様に、走行面又は地面から同様の距離にあることを可能にすることができる。
【0019】
電気トラックのような電気自動車は、従来の、主にディーゼル、トラックで一般的に使用されるタイプのバルク内燃エンジンおよびギアボックスに対する要件を必要としない。このように、運転者用のシートを支持するための第1のシート取付面は、本発明のシャーシを構成または具現化する電気自動車に対して低くなるように構成され得る。
【0020】
有利には、本発明を構成または具現化した電気自動車は、都市環境での使用により適していると考えられる。 特に、電気配送トラックとして好適である可能性がある。視認性が向上することにより、シャーシを構成する車両が、他の道路利用者に傷害を与えるか、または他の害を与える可能性が低くなることが考えられる。
【0021】
さらに有利なことに、本発明のシャーシを構成または具現化した電気自動車の運転台部への出入りは、いくつかの既知のタイプの車両よりも運転者の位置が低く、すなわち走行面に近いため、著しく容易であると考えられる。これにより、運転者が怪我をするリスクを低減することができる。
【0022】
好ましくは、前部シャーシ部は、空間フレームタイプの構造で構成される。これは、所望の剛性および剛性を有し、かつ、運転台部の様々な要件に対応し、運転台部の所望の形状および構成を提供しつつ、前部シャーシ部を構成する有効な手段となり得る。
【0023】
好ましくは、後部シャーシ部は、ラダー型構造からなる。これは、シャーシの様々な要件に対応しつつ、所望の剛性および剛性を有する後部シャーシ部を構成するための有効かつ周知の手段であり、および/または電気自動車の動作に必要な様々なコンポーネントをパッケージングするための手段であってもよい。
【0024】
中間シャーシ部は、前部シャーシ部の空間フレーム型構造と後部シャーシ部のラダー型構造との間の移行部を形成し得る。
【0025】
好ましくは、前部シャーシ部の空間フレーム型構造は、中間シャーシ部と前部シャーシ部とに結合される。空間フレーム型構造を中間シャーシ部と前部シャーシ部の両方に結合することで、空間フレーム型構造の安定性を向上させることができる。
【0026】
好ましくは、空間フレーム型構造は、例えばスタッド及び/又はボルトなどの1つ又は複数の異なるタイプのファスナを用いて、フロント部分及び/又は中間部分に結合され得る。 あるいは、締結具は、ねじまたはリベット、あるいは別の適切な固定具であってもよい。
【0027】
好ましくは、前部シャーシ部の剛性は、後部シャーシ部の剛性よりも大きい。これにより、前部シャーシ部がより低い力を受けることになり、それにより、事故の際に、運転席の乗員にとってより安全な運転席部分を提供することができる場合がある。
【0028】
好ましくは、中間シャーシ部は、後部シャーシ部に結合され、後部シャーシ部の主面に実質的に直交するように配置された第1の対のシャーシ部材と、第1の対のシャーシ部材に結合され、後部シャーシ部の主面に実質的に平行に配置された第2の対のシャーシ部材とを備えている。
【0029】
用語「実質的に」は、本明細書において、おおよその位置関係を指し、すなわち、中間シャーシ部の第1の対のシャーシ部材は、それらの間の角度が約80度から約100度の間であれば、後部シャーシ部の主面に対して実質的に直交している。
【0030】
より好ましくは、中間シャーシ部は、第1の対のシャーシ部材の間に延び、第2の対のシャーシ部材に第2の端部を近接させて結合され、後部シャーシ部の主面に対して角度をもって配置された第3の対のシャーシ部材をさらに含む。このように、シャーシは、一般に、ドッグレッグタイプの構成を有することができる。
【0031】
好ましくは、前部シャーシ部は、少なくとも1つの固定具によって中間部分に取り外し可能に結合される。少なくとも1つの固定は、ファスナ、好ましくはスタッドまたはボルトであってよい。代替的に、ねじ、リベット、または他の任意の適切な固定具であってもよい。
【0032】
好ましくは、後部シャーシ部は、溶接、スポット溶接、ろう付け、または当業者には明らかであろう別の適切なプロセスによって結合され得る少なくとも1つの接合部によって、中間シャーシ部に固定的に結合される。有利には、溶接は、中間シャーシ部と後部シャーシ部との間の利用可能な物理的接続を最大化することができ、これにより、中間シャーシ部と後部シャーシ部との間の応力がより大きな物理的接続にわたって分配されることができる。 後部シャーシ部は、さらに、1つまたは複数の他のタイプの固定手段、例えば、スタッドまたはボルトを含み得る少なくとも1つの適切な締結具によって中間シャーシ部に結合されることができる。
【0033】
中間シャーシ部の長さは、最小にすることができる。言い換えれば、シャーシの中間部分は、長手方向において最小化されることがある。それは、前部および/または後部シャーシ部よりも短い長さを有することができる。これは、運転台部およびシャーシの後方部分内またはその周囲に配置され得る任意の構成要素のための利用可能な空間を最大化する役割を果たし得る。
【0034】
好ましくは、シャーシは、中間シャーシ部と後部シャーシ部とを結合する少なくとも1つのガセットをさらに備える。有利には、少なくとも1つのガセットは、中間部分と後方部分との間の接続部における応力集中を低減し得る。中間部分が後方部分に溶接されている場合、溶接された接合部の耐久性が懸念されることがある。このように、溶接接合部または各溶接接合部における応力集中を低減することは、シャーシの耐久性を向上させることができる。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つのガセットは、第1の部分と第2の部分とを備え、第1の部分は、第2の部分に対して実質的に直交している。これにより、ガセットは、中間シャーシ部と後部シャーシ部との間の歪みをより効率的に分散させることができる場合がある。
【0036】
好ましくは、第1の部分および第2の部分の少なくとも一方は、湾曲部を構成する。これにより、ガセットが、中間シャーシ部と後部シャーシ部との間の歪みをより効率的に分散させることができる場合がある。
【0037】
好ましくは、シャーシは、中間部分と前部分との間に設けられたブレース部材をさらに備えている。中間部分が前部分に対して実質的に垂直であるため、ブレース部材は、角部における応力の集中を低減させることができる。
【0038】
好ましくは、シャーシの前部分は、第1のシート取付面がシャーシの長手方向の中心線上に実質的に位置するように構成される。有利なことに、運転者用シートを支持するための中央の第1のシート取付面により、運転者は、運転者用シートが車両(又はシャーシ)の長手方向中心線上にないいくつかの既知のタイプの車両よりも著しく広い直接視野を有することができる。このような広い直接視野は、必要とされるミラーやその他の安全装備の数を減らし、死角の大きさを小さくすることもできる。
【0039】
好ましくは、前部シャーシ部は、第2の運転台部乗員用のシートのための第2のシート取付面を形成する第1のホイールアーチライナを画定し、前部シャーシ部は、第3の運転台部乗員用のシートのための第2のシート取付面を形成する第2のホイールアーチライナを画定し、第2のシート取付面と第3のシート取付面の少なくとも一方は、第1のシート取付面より後方にある。これにより、第2及び第3の運転室乗員用シートの少なくとも一方が、運転室乗員用シートを支持するための第1のシート取付面よりも後方にあるため、第2及び第3の運転室乗員が運転者の直接視界に入らないので、運転者に広い直接視界を提供することができる。このことも、運転台部のスペースの有効活用につながり得る。
【0040】
第2および第3のシート取付面の両方が第1のシート取付面よりも後方にある場合、本発明を構成または包含する車両の3人の乗員(1人の運転手、2人の乗客)は、V字形に座ることができ、運転手は、乗客が運転手に隣接し、それと並んで座るいくつかの既知の車両、特に既知のタイプのトラックに比べて、改善した視界を有する前部に座る。
【0041】
好ましくは、前部シャーシ部は、フロントスクリーンを縁取る一対のAピラーからなり、各Aピラーの長手方向平面がシャーシの長手方向中心線に対して角度を持つように配置される。これにより、フロントシャーシが運転者の視野に与える影響を最小限にすることができる。
【0042】
第2の形態において、本発明は、第1の態様による運転台部分、貨物運搬部分およびシャーシを含む電気自動車を提供する。
【0043】
好ましくは、運転台部は、後端部よりも前端部が狭くなるように構成され、前端部から後端部にかけて概ね湾曲している。これにより、車両の前端部の断面が最小化され、歩行者や他の道路利用者に威圧感を与えないようにすることができる。また、電気自動車の空気抵抗を低減するのに役立つ場合がある。
【0044】
好ましくは、運転台部の屋根の前端は、運転台部の後端よりも走行面に近く、屋根は、前端から後端に向かって湾曲しており、湾曲は、荷台部の前端にも続いている。これにより、車両の前端部の断面が最小化され、歩行者や他の道路利用者に威圧感を与えないようにすることができる。さらに有利なことに、電気自動車の空気抵抗を低減させることができる。
【0045】
運転台部は、広々とした室内を提供することができ、いくつかの既知の車両の室内よりも広々としている、または広々としていると感じることができるものである。それは、より伝統的な計器の代わりに複数のヒューマンマシンインターフェーススクリーンを組み込んだミニマルなデザインを有することができる。
【0046】
好ましくは、電気自動車は、運転台部の床と運転台部の天井との間に実質的に延び、ドアが開口部の後方にある開位置とドアが開口部を塞ぐ閉位置との間で移動可能な一対の可動ドアをさらに含む。有利には、大きな全高のドアは、運転者の視野に悪影響を与えることなく、出入りを容易にし得る。
【0047】
好ましくは、一対の可動ドアの各1つは、電気自動車の前端面に対して90度未満の角度で傾斜している。
【0048】
好ましくは、前部シャーシ部は、運転台部への出入りを容易にするためのステップを規定し、ステップは、運転台部の内側に配置され、閉位置にあるときに可動ドアのうちの1つに隣接する。
【0049】
有利なことに、ステップを設けることにより、運転台部への出入りを容易にすることができる。特に、ステップは、運転者(又は他の乗員)が一歩で運転台部に入ることを可能にし、運転台部への進入及び運転台部からの脱出のための利便性を改善することができる。
【0050】
より好ましくは、前部シャーシ部は、可動ドアの各1つに隣接するステップを規定することができる。
【0051】
好ましくは、該又は各ステップは、電気自動車の幅の少なくとも10%を横切って延びていてもよい。
【0052】
車両の寸法は、車両の「長さ」、すなわち車両の縦軸に沿って前端から後端までの範囲、「高さ」、すなわち走行面、すなわち地面から上面(運転台部または貨物運搬部分のいずれか)までの範囲、および「幅」、すなわち車両の横軸に沿って車両の一側から車両の他側までの範囲と称することがある。
【0053】
電気自動車は、ビーム車軸を含んでいてもよい。 他の実施形態では、電気自動車は、代替的に、各車輪のための個別のサスペンションを構成することができる。ビームアクスルが使用される場合、シャーシの実質的にドッグレッグ型またはステップダウン型の構成が有益である。各車輪に個別のサスペンションが使用される場合、中間部分は傾斜しているか、角度が付けられているか、またはシャーシの構成はドッグレッグ型またはステップダウン型の構成とは別のものであってもよい。
【0054】
好ましくは、電気自動車は、少なくとも1つのバッテリパックを含んでいる。 より好ましくは、少なくとも1つのバッテリパックは、取り外し可能である。これにより、バッテリの充電中のダウンタイムが短縮され、少なくとも1つのバッテリパックのメンテナンスおよび交換が容易になり得る。
【0055】
好ましくは、少なくとも1つの車両は、少なくとも1つの駆動モータを備える。
【0056】
より好ましくは、少なくとも1つのバッテリパックおよび少なくとも1つの駆動モータの少なくとも一方は、後部シャーシ部内に配置される。これにより、少なくとも1つのバッテリパック、または少なくとも1つの駆動モータは、事故の場合に、よりよく保護され、後部シャーシ部のスペースの使用を最適化することができる。
【0057】
好ましくは、電気自動車、またはシャーシは、荷物運搬部分および/または後部シャーシ部上に配置され、またはこれに結合されたサブフレームを含むことができる。サブフレームは、貨物コンテナを受け入れるように構成されていてもよい。
【0058】
第2の態様のさらなる特徴は、第1の態様に関連して上述されてもよく、その逆もまた然りである。
【0059】
本発明の一態様における任意の特徴は、任意の適切な組み合わせで、本発明の他の態様に適用され得る。さらに、1つの態様における任意の、いくつかの、および/またはすべての特徴は、任意の適切な組み合わせで、他の態様における任意の、いくつかの、および/またはすべての特徴に適用され得る。
【0060】
また、本発明の任意の側面において説明および定義された様々な特徴の特定の組み合わせは、独立して実施および/または供給および/または使用され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
次に、本発明の1つまたは複数の例示的な実施形態が、添付の図を参照して説明され、その中で:
【
図1】
図1は、本発明を具体化した電気自動車の透視図、
【
図4】
図4は、
図1~
図3の電気自動車の、密閉された荷運び箱がない状態の透視図、
【
図5】
図5は、本発明を具体化した電気自動車のシャーシを示す透視図、
【
図7】
図7は、
図5、6a、および6bの本発明を具体化した電気自動車のシャーシの前部分の拡大透視図であり、その空間フレーム型運転台部構造を取り除いた状態を示し、
【
図8a】
図8aは、
図5から
図7の本発明を具体化した電気自動車のシャーシの前部シャーシ部および中間シャーシ部の拡大透視図、
【
図8b】
図8bは、
図8aのシャーシの前部シャーシ部および中間シャーシ部の拡大後方透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、本発明を具体化した電気自動車100を示す図である。この例では、電気自動車は、電気トラックである。トラック100は、運転台部102と、貨物運搬部分104とを有する。
【0063】
この例では、トラックは、バッテリ式電気駆動装置からなる電気都市配送トラックである。
【0064】
運転台部102は、全体として、運転台部102の前端が後端よりも狭く、かつ、運転台部102が狭い前端から広い後端に向かって広がるような形状である。運転台部の側面は、運転台部の前端と後端との間で少なくとも部分的に湾曲していてもよい。これは、空気力学的に効率的で視覚的に印象的な形状を規定するのに役立ち得る。
【0065】
同様に、運転台部102の天井300の前端は、運転台部102の天井300の後端よりも走行面に近接している。運転台部102の天井300は、天井300の前端と天井300の後端との間で少なくとも部分的に湾曲していてもよく、湾曲は貨物運搬部分104、例えば貨物運搬箱110の前端上に続く。
【0066】
運転台部102の狭く低い前端から運転台部102の広く高い後端へのテーパ、または曲率は、トラック100の前端での断面を最小化し、歩行者や他の道路利用者に威圧感を与えないようにする。
【0067】
運転台部102は、大きな、ラップアラウンドの、透明な、フロントスクリーン106と、一対の(
図1には1つだけ示されている)フルハイトの、透明な、ドア108とを有する。運転台部102の開放的なデザインは、いくつかの既知の車両と比較して、強化された可視性を運転者に提供する。貨物運搬部分104は、貨物運搬箱110を有し、この箱は、2つの(
図1には1つだけ示されている)側面112と上面114を有する。貨物運搬部分104の貨物運搬箱110は、トラック100が既存の物品インフラストラクチャに適合することを可能にするために、いくつかの既知のトラックまたはトレーラの後部ドアと類似していてもよい後部ドア208を有する。
【0068】
トラック100は、走行面(すなわち、その上に立っている、または走行する道路または軌道)と接触する複数の車輪116を有する。トラック100の前輪は、リジッドアクスルサスペンションシステムを構成する。代替実施形態では、前輪は、独立したフロントサスペンションを構成することができる。
【0069】
ドア108は、ドア108が運転台部102の開口を塞ぐ閉位置(
図1、
図3、および
図4に示すように)と、ドア108が後方に移動して開口の少なくとも部分的に後方に配置される開位置(
図2に示すように)の間で選択的に移動可能である。ドア108は、スライド動作によって閉位置と開位置との間で移動可能である。スライド機構は、先行技術の路面電車や列車などの既存の車両で使用されているドア機構と同じか類似していてもよい。開位置では、ドア108は、運転席200にアクセスするように、運転手などの乗員がトラック100の運転室に入ることを可能にする。ドア108A、108Bは、トラック100の角度のあるまたは湾曲した側面112に配置される。そのようなものとして、それらは、
図3に示されるように、トラック100がトラックの前方の位置から見られるとき、少なくとも部分的に見えるようになっている。
【0070】
ドア108A、108Bは、実質的に対称であり、運転台部102の床と天井の間に実質的に延びている。ドア108A、108Bとトラック100の側面112との間の著しい角度のために、ドア108A、108Bの一方または両方が開位置にあるとき、車両が旋回するときに開いたドアが車輪116またはトラック100の側面112に当たるのを防ぐために、ハードウェアリミッタまたはソフトウェアリミッタによって操舵を制限することができる。
【0071】
図2から最も容易に理解できるように、運転席200、すなわち運転台部102内の運転者のためのシートは、貨物運搬部分104の主面または荷重支持面202より低い。言い換えれば、運転者用のシート(または、運転席200を支持するための第1のシート取付面)は、荷物運搬部104の主荷重面202よりも、車輪116が接触している走行面に近い。言い換えれば、運転者用のシート(または、運転席200を支持するための第1のシート取付面)と走行面との間の距離は、荷物運搬部104の主要な耐荷重面202と走行面との間の距離よりも小さくなっている。これは、少なくとも、走行面が実質的に平坦である場合に起こり得る。
【0072】
言い換えれば、多くの既知のタイプのトラックにおいて、運転手のためのシートと走行面との間の距離は、主荷重支持面と走行面との間の距離よりも大きい。
【0073】
トラック100は、運転席200に座る平均的な運転者の目が、走行面から約180cmの高さに位置することがあるように構成されている。これは、運転者の目が、少なくともいくつかの他の道路利用者、例えば他の車両の運転者、サイクリスト、または歩行者と同様の高さ(または走行面からの距離)にあることを意味し得る。特に、トラック100は、運転席200の平均的な運転者の目が、運転者のためのシート、したがって運転者の目が比較的高く、または運転面から遠くに配置されているいくつかの他の既知のタイプのトラックよりも低く、すなわち運転面に近いように構成されている。
【0074】
運転台部102は、ドア108A、108Bの各々に隣接し、そのすぐ内側にステップ204を含む。 これは、いくつかの既知のトラックで一般的に必要とされるような、急で潜在的に危険なステップを登ることなく、運転手、または運転室の他の乗員が、運転室に容易に入ったり、そこから出たりすることができるように設計されている。ステップ204は、いくつかの既知のトラックのステップよりも深くてもよい。
【0075】
深いステップ204およびフルハイトの後方スライドドア108A、108Bの結果として、運転者がトラック100の運転台部102に一歩で入ることが実行可能であり得る。これは、昇降式運転台部を有する多くの既知のトラックと比較して、運転台部102に出入りする際に強化された運転者の安全性および利便性を提供し得る。
【0076】
トラック100は、エアサスペンションを有する。これは、輸送される貨物の重量に依存せず、ステップ204の高さを低く維持するのに役立ち得る。また、トラックから出るときに下げ、トラックが移動しているときに上げることを可能にすることもできる。
【0077】
運転台部102は、ステアリングホイール206をさらに含む。
【0078】
図3の正面図に示すように、運転席200は、運転台部内の実質的に中央に位置し、トラック100の長手方向の中心線上にある。このように、運転席200は、トラックの幅に関して中央に配置される。
【0079】
助手席302A、302Bは、運転席200の両側で、かつ後方に配置されている。 運転席200と助手席302A,302Bとは、矢印状又はV字状に配置される。
【0080】
図4に示すように、トラック100は、2つのバッテリパック400A,400Bを備えており、これらのバッテリパックは、荷台部104において、主荷台面202の下に配置される。バッテリパック400A、400Bは、中央シャーシ402の両側に配置されるように示されている。あるいは、バッテリパック400A、400Bの一方または両方は、シャーシ402の中央部分内に配置されてもよい。
【0081】
バッテリパック400A、400Bは、例えば、取り外し、交換、またはメンテナンスのために、トラック100からサイドパネル210を取り外すことによって、アクセス可能である。
【0082】
主要な耐荷重面202の下で、トラック100は、駆動シャフトとともに単一のトラクションモータ406を備え、このトラクションモータ406によって駆動されてトルクを提供する。 あるいは、車輪は、独立して駆動されてもよい。
【0083】
トラック100は、パワーエレクトロニクスに流体冷却を提供するためのエアコンプレッサーおよびウォーターポンプをさらに備える。
【0084】
トラック100は、スプリットレベル(またはステップダウン)タイプのシャーシ402を備えている。これは、
図5、6a、6b、7、8a、および8bにおいてより詳細に示されている。
【0085】
シャーシ402は、トラック100の長手方向に沿うように配置された2本の平行なメインビーム502と、2本の平行なメインビーム502の間に延びる複数の短いサポートビーム504とを有する梯子型構造の後部シャーシ部500を有する。主梁502は、C断面梁であってもよい。これにより、梁の吹き付けおよび/またはシャーシの組み立てが容易になり得る。
【0086】
シャーシ402は、空間フレームタイプの構造である前部シャーシ部506をさらに備える。前部シャーシ部506は、大きな、ラップアラウンドの、フロントスクリーン106のための高強度支持を提供するように構成された高強度ビーム510に結合された2つのAピラー508を有する。強化されたAピラー508は、フロントスクリーンの上下に高強度ビーム510を支持するように構成される。
【0087】
Aピラー508は、各Aピラー508の長手方向平面がトラック100の長手方向中心線に対して角度を持つように配置される。これは、Aピラーが運転者の視線または視野に対して最小限の混乱を引き起こすような方法で配向されるため、いくつかの既知のトラックと比較して強化された視認性を提供し得る。
【0088】
角度付けは、衝撃に耐えるAピラー508の能力を低下させるので、Aピラー508の部分の壁厚は、特に例えば膝レベルおよび頭部レベルで、運転者および乗客に十分な保護を提供するように、他の場合よりも大きくてもよい。
【0089】
シャーシ402は、後部シャーシ部500と前部シャーシ部506とを結合する中間シャーシ部600をさらに含んでいる。中間シャーシ部600は、空間フレームタイプの前部シャーシ部506とラダータイプの後部シャーシ部500との間の移行を提供する。
【0090】
中間シャーシ部600は、分割レベルのシャーシ移行を形成する。この結果、後部シャーシ部500は、前部シャーシ部506の運転者用のシートを支持するためのシート取付面よりも高い主荷重受け面202を規定する荷運び部を支持するためのベースを提供する。すなわち、運転室の床と一致し得る運転者用シートの取付面は、後部シャーシ部の主面よりも走行面に近い位置に配置可能である。これにより、前部シャーシ部506における第1のシート、すなわち運転席200は、主面または耐荷重面202よりも低くすることができ、運転席200に座る平均的なプロポーションの運転手は、約180cmのアイレベル高さを有することができる。
【0091】
前部シャーシ部506は、各ステップ204に隣接して、乗客シート602を含み、その各々が乗客シート302A、302Bのうちの1つのためのベースを形成する。乗客シート602は、ホイールアーチの上にある空間フレーム型前部シャーシ部506の部分によって規定されてもよい。ホイールアーチライナ603が設けられてもよい。この構成は、運転台部内の利用可能なスペースを改善的に使用することができる。
【0092】
前部シャーシ部506は、Aピラー508に加えて、事故の際に運転台部の乗員の脚を保護するように設計された強化クランプルゾーン604、Bピラー606、およびCピラー608を有する。
【0093】
スプリットレベルシャーシ402は、既知のタイプのトラックと同等のロードフロア高(すなわち、主面または荷重支持面202の高さ)を維持しながら、低い運転姿勢を提供する。 これにより、トラック100が既存の物品インフラとの互換性を維持することを保証し得る。
【0094】
中間シャーシ部600は、
図7、8a、および8bにおいてより詳細に示されている。中間シャーシ部600は、後部シャーシ部500の2つのメインビーム502に対して、および走行面に対して実質的に直交して配置された一対のシャーシ部材700を含んでいる。一対の直交シャーシ部材700の各々は、主面または耐荷重面202と実質的に同じ高さで、かつ平行である一対の後部シャーシ部材702に結合される。一対の直交シャーシ部材700の各々は、さらに、主荷重支持面202よりも低い高さ、すなわち走行面に近い位置にあり、主荷重支持面202と平行な一対の下部シャーシ部材704に結合されている。 支持部材706は、一対の下側シャーシ部材704の間に延在している。
【0095】
一対の下部シャーシ部材704は、一対の直交シャーシ部材700に対して実質的に直交しているため、コーナー応力を低減するためにブレース部材708が設けられる。
【0096】
運転台部102の空間フレームは、一対の後部シャーシ部材702および支持部材704に設けられたボルト孔710,712を介してシャーシにボルト止めされる。
【0097】
後部シャーシ部500は、1つまたは複数の溶接接合部によって中間シャーシ部600に固定的に結合される。これらは、他のタイプの結合部よりも、中間シャーシ部600と後部シャーシ部500との間で伝達される応力に耐えることができる場合がある。
【0098】
このように、
図8Aおよび
図8Bに示すように、トラック100は、中間シャーシ部600を後部シャーシ部500に結合する4つのガセット800、802をさらに備え、これにより、または各溶接接合部における応力集中を低減し、および/またはシャーシ402の耐久性を向上させる。特に、2つの上部ガセット800は、走行面に実質的に平行な第1の部分804と、の部分804に直交する第2の部分806を有する。
【0099】
上部ガセット800の第1の部分804は、中間シャーシ部600と後部シャーシ部500との間の剛性推移を分配するように、細長い表面である。
【0100】
図7から最も容易に理解されるように、ガセット800、802は、後部シャーシ部500の2つの平行な主ビーム502を形成するCセクションのフランジ内に収まっている。
【0101】
上部ガセット800および下部ガセット802の両方は、ガセット800、802における応力の集中を低減するように湾曲部808を構成する。これはまた、バッテリパックおよび/またはモータおよび/またはパワートレインの他の部品を配置するためのシャーシ包囲内の空間を確保するのに役立つ可能性がある。
【0102】
このシャーシ配置の結果として、中間シャーシ部600は、ドッグレッグ、またはステップダウン、またはスプリットレベルまたはドロップレベルタイプのシャーシを提供する。 これは、運転手のためのシートが主要な耐荷重面202よりも低いトラックを提供する。
【0103】
例示的なトラック100は、約3mと約4mの間の高さ、約9mと約11mの間の長さ、および約2mと約3mの間の幅を有し得る。トラック100の総重量は、約16トンである。トラック100がこのような寸法を有する場合、貨物運搬部104の貨物運搬箱110によって提供される積載スペースは、約6mと約8mの間の長さと、約30m^3と約45m^3の間の容積を有する。これは、約14ユーロパレットと約18ユーロパレットの間の容量に相当し、約8トンから10トンの間の最大積載量である。 例示的なトラック100において、ステップ204は、少なくとも20cmの深さであってもよい。
【国際調査報告】