(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】アゼチジニルトリプタミン及び精神障害を処置する方法
(51)【国際特許分類】
C07D 403/06 20060101AFI20230914BHJP
A61K 31/4045 20060101ALI20230914BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20230914BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230914BHJP
C07F 9/09 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
C07D403/06 CSP
A61K31/4045
A61K31/675
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/22
A61P25/14
A61P25/28
A61P25/00
A61P25/20
A61P25/04
C07F9/09 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514998
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021049149
(87)【国際公開番号】W WO2022051670
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522254734
【氏名又は名称】ギルガメッシュ・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・キャリー・クリューゲル
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB03
4C063CC06
4C063DD02
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC13
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA18
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB21
(57)【要約】
本開示は、アゼチジニルトリプタミン及びそのような化合物により精神障害を処置する方法を含む。アゼチジニルトリプタミンを含む医薬組成物も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】
[式中、
R
1~R
6は、H、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
1~C
5ヘテロアルキル、C
2~C
5ヘテロアルケニル、C
2~C
5ヘテロアルキニル、C
1~C
5ハロ-アルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
7~R
10及びR
12は、H、F、Cl、Br、I、CF
3、SF
5、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
1~C
10ヘテロアルキル、C
2~C
10ヘテロアルケニル、C
2~C
10ヘテロアルキニル、C
1~C
10ハロ-アルキル、-CN、-O-(C
1~C
10アルキル)、-O-(C
1~C
10ヘテロアルキル)、-S-(C
1~C
10アルキル)、-S-(C
1~C
10ヘテロアルキル)、-S(O)-(C
1~C
10アルキル)、-SO
2-(C
1~C
10アルキル)、OH、-CO
2H、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH-(C
1~C
10アルキル)、-CO
2-(C
1~C
10アルキル)、-O-C(O)-(C
1~C
10アルキル)、-O-P(O)(OH)(OH)、NH
2、-NH-(C
1~C
10アルキル)、-N(C
1~C
10アルキル)(C
1~C
10アルキル)、NO
2、OCF
3からそれぞれ独立して選択され、
R
11は、H、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
1~C
5ヘテロアルキル、C
2~C
5ヘテロアルケニル、C
2~C
5ヘテロアルキニル、C
1~C
5ハロ-アルキルから選択される]
を有する化合物、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項2】
R
1~R
6が、H、Me、Et、n-Pr、i-Pr、シクロプロピル、-CHCH
2(ビニル)、-CCH(エチニル)、-CH
2CHCH
2(アリル)からそれぞれ独立して選択され、
R
7~R
10及びR
12が、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF
3、-SF
5、-Me、-Et、-n-Pr、-i-Pr、シクロプロピル、-CHCH
2(ビニル)、-CCH(エチニル)、-CH
2CHCH
2(アリル)、-CN、-OMe、-OEt、-SMe、-SEt、-OH、-OAc、-CO
2H、-C(O)-NH
2、-CO
2Me、-O-C(O)-(C
1~C
5アルキル)、-O-P(O)(OH)(OH)、-NH
2、-NO
2、-OCF
3からそれぞれ独立して選択され、
R
11が、-H、-Me、-Et、-n-Pr、-i-Pr、シクロプロピル、-CH
2CHCH
2(アリル)から選択される、請求項1に記載の化合物、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項3】
R
1~R
6が、-H、-Me、-Etからそれぞれ独立して選択され、
R
7~R
10及びR
12が、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF
3、-SF
5、-Me、-Et、-CN、-OMe、-SMe、-OH、-OAc、-C(O)-NH
2、-O-P(O)(OH)(OH)、-NH
2、-NO
2、-OCF
3からそれぞれ独立して選択され、
R
11が、-H、-Me、-Etから選択される、
請求項1に記載の化合物、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項4】
R
1~R
6が、-H、-Me、-Etからそれぞれ独立して選択され、
R
7~R
10及びR
12が、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF
3、-Me、-CN、-OMe、-OH、-OAc、-C(O)-NH
2、-O-P(O)(OH)(OH)、-NH
2からそれぞれ独立して選択され、
R
11が、-Hである、
請求項1に記載の化合物、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項5】
前記化合物が、式(I-a):
【化2】
によって表される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
R
7が、-H、-OH、-O-(C
1~C
10アルキル)、-O-C(O)-(C
1~C
10アルキル)及び-O-P(O)(OH)(OH)からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R
7が、-H、-OH、-OAc及び-O-P(O)(OH)(OH)からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
R
8が、-H、-OH、-O-(C
1~C
10アルキル)及び-O-C(O)-(C
1~C
10アルキル)からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
R
8が、H、-OH、-OMe及び-OAcからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項11】
【化4-1】
【化4-2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項12】
【化5-1】
【化5-2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項13】
【化6】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【請求項14】
構造:
【化7】
を有する、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項15】
構造:
【化8】
を有する、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項16】
構造:
【化9】
を有する、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項17】
構造:
【化10】
を有する、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項18】
構造:
【化11】
を有する、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の1つ又は複数の化合物を含む医薬組成物。
【請求項20】
それを必要とする患者において精神疾患又は障害を処置する方法であって、前記方法が、有効量の請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物を前記対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項21】
前記精神疾患又は障害が、大うつ病性障害、持続性抑うつ障害、産後うつ病、月経前不快気分障害、季節性情動障害、精神病性うつ病、重篤気分調節症、物質/医薬品誘発性抑うつ障害、及び別の医学的状態に起因する抑うつ障害からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記精神疾患又は障害が、双極性障害I型、双極性障害II型、気分循環性障害、物質/医薬品誘発性双極性及び関連障害、並びに別の医学的状態に起因する双極性及び関連障害からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記精神疾患又は障害が、物質関連障害又は物質使用障害である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記精神疾患又は障害が、分離不安障害、場面緘黙症、限局性恐怖症、社交不安障害、パニック障害、パニックアタッチ、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/医薬品誘発性不安障害、別の医学的状態に起因する不安障害からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記精神疾患又は障害が、強迫性及び関連障害、心的外傷及びストレス要因関連障害、食行動及び摂食障害、境界性パーソナリティ障害、注意欠陥/多動性障害、並びに自閉症スペクトラム障害からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記精神障害が、神経認知障害である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記精神疾患又は障害が、治療抵抗性疾患又は障害である、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、悲しみ又は無気力又は倦怠感、抑うつ気分、感覚の消失、不安で心を痛める感覚、恐怖、緊張を感じること、焦燥を感じること、すべて又はほぼすべての活動への関心の低下、活動を開始することの困難、体重増加又は体重減少につながる食欲の著しい増大又は減少、不眠症、易刺激性、疲労、無価値感又は低い自尊心、自己、他人又は世界について強く心に抱いた否定的信念又は悲観的思考、無力感、集中力の欠如又は散漫性、死亡又は自殺について繰り返し考えること、罪悪感、記憶愁訴、肯定的な感情を経験することの困難、人から疎外されている又は距離があると感じること、過覚醒、リスクテイキング行動、ストレスの多い又は外傷性事象についての思考の回避、疼痛及び痛み、反芻及び強迫観念的思考、強迫的行動、よく知らない人又は見知らぬ人と話す、注目の的になる、心を乱す侵入思考、薬物使用なしでは1週間を乗り切れない、薬物使用についての罪悪感、薬物使用による友人又は家族との問題、並びに薬物使用による離脱症状からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
対象において創造性又は認知を増強する方法であって、前記方法が、有効量の請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物を前記対象に投与する工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
新規アゼチジニルトリプタミン及びそのような化合物により精神障害を処置する方法。アゼチジニルトリプタミンを含む医薬組成物も提供される。
【背景技術】
【0002】
背景
トリプタミンは、天然アルカロイドトリプタミンの構造的足場を含有する多様なクラスのアルカロイドである。
【化1】
【0003】
天然に存在する化合物、並びに同様の構造を持つ合成及び半合成化学誘導体を含む、多くの数のトリプタミン化合物がある。トリプタミンは、多様な精神活性及び生理学的効果を有することが公知である。いくつかのトリプタミンは、セロトニン2A(5-HT2A)受容体アゴニスト及び/又は他のセロトニン受容体のモジュレーターであり、精神活性である及び/又は血管収縮を誘発することが公知である。一部の場合において、そのような化合物は、持続的な幻覚を誘発する。他のトリプタミンは、モノアミン輸送体のモジュレーターである。最も周知のトリプタミンはサイケデリック化合物であり、幻覚性キノコ(entheogenic fungi)(サイロシビン及びサイロシン)、DMT、LSD、5-MeO-DMT、ブフォテニン及びイボガインに由来する化合物を含む。これらの化合物は、思考、知覚及び行動に対して有意な効果を有することが公知である。しかしながら、これらの化合物は、それらの高い乱用の可能性、許容される医学的用途がないこと、及び確立された安全性の欠如により、現在は、規制物質法の下、スケジュールI薬物として分類されている。その上、トリプタミンは、一部の場合において、モノアミン酸化酵素を含むいくつもの経路によって代謝され、いくつかの化合物の経口バイオアベイラビリティを限定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、精神障害の処置に確実に使用されうる安全且つ有効なトリプタミン化合物が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示は、一般式Iを有する化合物:
【化2】
[式中、
R
1~R
6は、H、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
1~C
5ヘテロアルキル、C
2~C
5ヘテロアルケニル、C
2~C
5ヘテロアルキニル及びC
1~C
5ハロ-アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R
7~R
10及びR
12は、H、F、Cl、Br、I、CF
3、SF
5、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
1~C
10ヘテロアルキル、C
2~C
10ヘテロアルケニル、C
2~C
10ヘテロアルキニル、C
1~C
10ハロ-アルキル、-CN、-O-(C
1~C
10アルキル)、-O-(C
1~C
10ヘテロアルキル)、-S-(C
1~C
10アルキル)、-S-(C
1~C
10ヘテロアルキル)、-S(O)-(C
1~C
10アルキル)、-SO
2-(C
1~C
10アルキル)、OH、-CO
2H、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH-(C
1~C
10アルキル)、-CO
2-(C
1~C
10アルキル)、-O-C(O)-(C
1~C
10アルキル)、-O-P(O)(OH)(OH)、NH
2、-NH-(C
1~C
10アルキル)、-N(C
1~C
10アルキル)(C
1~C
10アルキル)、NO
2及びOCF
3からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R
11は、H、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
1~C
5ヘテロアルキル、C
2~C
5ヘテロアルケニル、C
2~C
5ヘテロアルキニル及びC
1~C
5ハロ-アルキルからなる群から選択される]
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを提供する。
【0006】
本開示は、本開示の1つ又は複数の化合物を含む医薬組成物を更に提供する。
【0007】
本開示は、それを必要とする患者において精神疾患又は障害を処置する方法であって、前記対象に、有効量の本開示の化合物を含む組成物を投与する工程を含む方法を更に提供する。
図面の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】FSTにおける不動時間を示す図である。一元ANOVAは、FSTにおける不動で過ごした合計時間に対する処置の有意な主効果(F(5,54)=19.35、P<0.0001)を明らかにした。ダネットの多重比較検定を使用して、ある群がビヒクルと有意に異なるか否かを試験した。すべての処置は、ビヒクルと有意に異なっていた。****P<.0001対ビヒクル。
【
図2】FSTにおける水泳時間を示す図である。一元ANOVAは、FSTにおける水泳に費やした合計時間に対する処置の有意な主効果(F(5,54)=9.606、P<0.0001)を明らかにした。ダネットの多重比較検定を使用して、ある群がビヒクルと有意に異なるか否かを試験した。**P<.01、****P<.0001対ビヒクル。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
下記の詳細な記述において、本開示の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的詳細が明記される。しかしながら、本開示はこれらの具体的詳細なしに実践されうることが、当業者には理解されるであろう。他の場合では、本開示を分かりにくくしないように、周知の方法、手順及び成分は詳細に記述されていない。
【0010】
本明細書において記述されるのは、新規アゼチジニルトリプタミン及びそのような化合物により精神障害を処置する方法である。アゼチジニルトリプタミンを含む医薬組成物も提供される。提供される化合物は、それらの非環状対応物、例えばN,N-ジメチル置換基を担持するトリプタミンと比較して、セロトニン1A(5-HT1A)受容体アゴニストとしてより優れた効力を有する。更に、化合物は、そのようなN,N-ジメチル対応物よりも良好な代謝安定性を有する。
【0011】
本開示は、一般式Iを有する化合物:
【化3】
[式中、
R
1~R
6は、-H、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
1~C
5ヘテロアルキル、C
2~C
5ヘテロアルケニル、C
2~C
5ヘテロアルキニル及びC
1~C
5ハロ-アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R
7~R
10及びR
12は、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF
3、-SF
5、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
1~C
10ヘテロアルキル、C
2~C
10ヘテロアルケニル、C
2~C
10ヘテロアルキニル、C
1~C
10ハロ-アルキル、-CN、-O-(C
1~C
10アルキル)、-O-(C
1~C
10ヘテロアルキル)、-S-(C
1~C
10アルキル)、-S-(C
1~C
10ヘテロアルキル)、-S(O)-(C
1~C
10アルキル)、-SO
2-(C
1~C
10アルキル)、OH、-CO
2H、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH-(C
1~C
10アルキル)、-CO
2-(C
1~C
10アルキル)、-O-C(O)-(C
1~C
10アルキル)、-O-P(O)(OH)(OH)、NH
2、-NH-(C
1~C
10アルキル)、-N(C
1~C
10アルキル)(C
1~C
10アルキル)、-NO
2及び-OCF
3からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R
11は、-H、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、C
1~C
5ヘテロアルキル、C
2~C
5ヘテロアルケニル、C
2~C
5ヘテロアルキニル、C
1~C
5ハロ-アルキルからなる群から選択される]
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルを提供する。
【0012】
実施形態では、
R1~R6は、-H、-Me、-Et、-n-Pr、-i-Pr、シクロプロピル、-CH=CH2(ビニル)、-C≡CH(エチニル)及び-CH2CHCH2(アリル)からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R7~R10及びR12は、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-SF5、-Me、-Et、-n-Pr、-i-Pr、シクロプロピル、-CH=CH2(ビニル)、-C≡CH(エチニル)、-CH2CHCH2(アリル)、-CN、-OMe、-OEt、-SMe、-SEt、-OH、-OAc、-CO2H、-C(O)-NH2、-CO2Me、-O-C(O)-(C1~C5アルキル)、-O-P(O)(OH)(OH)、-NH2、-NO2及び-OCF3からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R11は、-H、-Me、-Et、-n-Pr、-i-Pr、シクロプロピル及び-CH2CHCH2(アリル)からなる群から選択される、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【0013】
実施形態では、
R1~R6は、-H、-Me及び-Etからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R7~R10及びR12は、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-SF5、-Me、-Et、-CN、-OMe、-SMe、-OH、-OAc、-C(O)-NH2、-O-P(O)(OH)(OH)、-NH2、-NO2及び-OCF3からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R11は、-H、-Me及び-Etからなる群から選択される、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【0014】
実施形態では、
R1~R6は、-H、-Me及び-Etからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R7~R10及びR12は、-H、-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、-Me、-CN、-OMe、-OH、-OAc、-C(O)-NH2、-O-P(O)(OH)(OH)及び-NH2からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R11は、-Hである、
又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステル。
【0015】
一部の実施形態では、化合物は、式(I-a):
【化4】
によって表されるか、又は薬学的に許容されるその塩である。
【0016】
一部の実施形態では、R7は、-H、-OH、-O-(C1~C10アルキル)、-O-C(O)-(C1~C10アルキル)及び-O-P(O)(OH)(OH)からなる群から選択される。一部の実施形態では、R7は、-H、-OH、-OAc及び-O-P(O)(OH)(OH)からなる群から選択される。一部の実施形態では、R8は、-H、-OH、-O-(C1~C10アルキル)及び-O-C(O)-(C1~C10アルキル)からなる群から選択される。一部の実施形態では、R8は、-H、-OH、-OMe及び-OAcからなる群から選択される。
【0017】
実施形態では、本開示の化合物は、
【化5-1】
【化5-2】
から選択されるか、又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルである。
【0018】
実施形態では、本開示の化合物は、
【化6】
から選択されるか、又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルである。
【0019】
実施形態では、本開示の化合物は、
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
から選択されるか、又は薬学的に許容されるその塩である。
【0020】
実施形態では、本開示の化合物は、
【化8】
から選択されるか、又は薬学的に許容されるその塩若しくはエステルである。
【0021】
実施形態では、本開示の化合物は、構造:
【化9】
又は薬学的に許容されるその塩を有する。
【0022】
実施形態では、本開示の化合物は、構造:
【化10】
又は薬学的に許容されるその塩を有する。
【0023】
実施形態では、本開示の化合物は、構造:
【化11】
又は薬学的に許容されるその塩を有する。
【0024】
実施形態では、本開示の化合物は、構造:
【化12】
又は薬学的に許容されるその塩を有する。
【0025】
実施形態では、本開示の化合物は、構造:
【化13】
又は薬学的に許容されるその塩を有する。
【0026】
本開示は、本開示の1つ又は複数の化合物を含む医薬組成物を更に提供する。
【0027】
本開示は、それを必要とする患者において精神疾患又は障害を処置する方法であって、前記対象に、有効量の本開示の化合物を含む組成物を投与する工程を含む方法を更に提供する。
【0028】
実施形態では、精神疾患又は障害は、大うつ病性障害、持続性抑うつ障害、産後うつ病、月経前不快気分障害、季節性情動障害、精神病性うつ病、重篤気分調節症、物質/医薬品誘発性抑うつ障害、及び別の医学的状態に起因する抑うつ障害からなる群から選択される。
【0029】
実施形態では、精神疾患又は障害は、双極性障害I型、双極性障害II型、気分循環性障害、物質/医薬品誘発性双極性及び関連障害、並びに別の医学的状態に起因する双極性及び関連障害からなる群から選択される。
【0030】
実施形態では、精神疾患又は障害は、物質関連障害又は物質使用障害である。
【0031】
実施形態では、精神疾患又は障害は、分離不安障害、場面緘黙症、限局性恐怖症、社交不安障害、パニック障害、パニックアタッチ(panic attach)、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/医薬品誘発性不安障害、別の医学的状態に起因する不安障害からなる群から選択される。
【0032】
実施形態では、精神疾患又は障害は、強迫性及び関連障害、心的外傷及びストレス要因関連障害、食行動及び摂食障害、境界性パーソナリティ障害、注意欠陥/多動性障害、並びに自閉症スペクトラム障害からなる群から選択される。
【0033】
実施形態では、精神障害は、神経認知障害である。
【0034】
実施形態では、精神疾患又は障害は、治療抵抗性疾患又は障害である。
【0035】
実施形態では、方法は、悲しみ又は無気力又は倦怠感、抑うつ気分、感覚の消失、不安で心を痛める感覚、恐怖、緊張を感じること、焦燥を感じること、すべて又はほぼすべての活動への関心の低下、活動を開始することの困難、体重増加又は体重減少につながる食欲の著しい増大又は減少、不眠症、易刺激性、疲労、無価値感又は低い自尊心、自己、他人又は世界について強く心に抱いた否定的信念又は悲観的思考、無力感、集中力の欠如又は散漫性、死亡又は自殺について繰り返し考えること、罪悪感、記憶愁訴、肯定的な感情を経験することの困難、人から疎外されている又は距離があると感じること、過覚醒、リスクテイキング行動、ストレスの多い又は外傷性事象についての思考の回避、疼痛及び痛み、反芻及び強迫観念的思考、強迫的行動、よく知らない人又は見知らぬ人と話す、注目の的になる、心を乱す侵入思考、薬物使用なしでは1週間を乗り切れない、薬物使用についての罪悪感、薬物使用による友人又は家族との問題、及び薬物使用による離脱症状からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を提供する。
【0036】
本開示は、対象において創造性又は認知を増強する方法であって、前記対象に、有効量の本開示の化合物を含む組成物を投与する工程を含む方法を更に提供する。
【0037】
実施形態では、方法及び組成物は、抑うつ障害を含む精神障害、例えば、大うつ病性障害、持続性抑うつ障害、産後うつ病、月経前不快気分障害、季節性情動障害、精神病性うつ病、重篤気分調節症、物質/医薬品誘発性抑うつ障害、別の医学的状態に起因する抑うつ障害を処置するために使用されうる。
【0038】
難治性うつ病、例えば、他の抗うつ化合物又は治療薬のうちの少なくとも1つ又は少なくとも2つの十分な過程に対して応答しない及び/又は応答しなかった抑うつ障害に罹患している患者を処置する方法も、本明細書において提供される。本明細書において使用される場合、「抑うつ障害」は難治性うつ病を包含する。
【0039】
実施形態では、方法及び組成物は、双極性及び関連障害を含む精神障害、例えば、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、物質/医薬品誘発性双極性及び関連障害、別の医学的状態に起因する双極性及び関連障害を処置するために使用されうる。
【0040】
実施形態では、方法及び組成物は、物質関連障害を含む精神障害を処置するため、例えば、物質使用への渇望を予防する、物質使用への渇望を低下させる、及び/又は物質使用の中止若しくは離脱を容易にするために使用されうる。物質使用障害は、精神活性化合物、例えばアルコール、カフェイン、大麻、吸入薬、オピオイド、鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬、覚醒剤、ニコチン及びタバコの乱用を伴う。本明細書において使用される場合、「物質(単数又は複数)」は、中毒性でありうる精神活性化合物、例えばアルコール、カフェイン、大麻、幻覚剤、吸入薬、オピオイド、鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬、覚醒剤、ニコチン及びタバコである。例えば、方法及び組成物は、禁煙又はオピオイド使用の中止を容易にするために使用されうる。
【0041】
実施形態では、方法及び組成物は、不安障害を含む精神障害、例えば、分離不安障害、場面緘黙症、限局性恐怖症、社交不安障害(社交恐怖症)、パニック障害、パニック発作、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/医薬品誘発性不安障害、及び別の医学的状態に起因する不安障害を処置するために使用されうる。
【0042】
実施形態では、方法及び組成物は、強迫性及び関連障害を含む精神障害、例えば、強迫性障害、身体醜形障害、ためこみ症、抜毛症(抜毛障害)、皮膚むしり(皮膚はがし)症、物質/医薬品誘発性強迫性及び関連障害、別の医学的状態に起因する強迫性及び関連障害を処置するために使用されうる。
【0043】
実施形態では、方法及び組成物は、心的外傷及びストレス要因関連障害を含む精神障害、例えば、反応性愛着障害、脱抑制型対人交流障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害及び適応障害を処置するために使用されうる。
【0044】
実施形態では、方法及び組成物は、食行動及び摂食障害を含む精神障害、例えば、神経性食欲不振症、神経性過食症、むちゃ食い障害、異食症、反芻性障害、及び回避/制限性食物摂食障害を処置するために使用されうる。
【0045】
実施形態では、方法及び組成物は、神経認知障害を含む精神障害、例えば、せん妄、大神経認知障害、軽度神経認知障害、アルツハイマー病による大又は軽度神経認知障害、大又は軽度前頭側頭型神経認知障害、レビー小体を伴う大又は軽度神経認知障害、大又は軽度血管性神経認知障害、外傷性脳損傷による大又は軽度神経認知障害、物質/医薬品誘発性大又は軽度神経認知障害、HIV感染症による大又は軽度神経認知障害、プリオン病による大又は軽度神経認知障害、パーキンソン病による大又は軽度神経認知障害、ハンチントン病による大又は軽度神経認知障害、別の医学的状態に起因する大又は軽度神経認知障害、及び複数の病因による大又は軽度神経認知障害を処置するために使用されうる。
【0046】
実施形態では、方法及び組成物は、神経発達障害を含む精神障害、例えば、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥/多動性障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、持続性(慢性)運動又は音声チック障害、及び暫定的チック障害を処置するために使用されうる。
【0047】
実施形態では、方法及び組成物は、パーソナリティ障害を含む精神障害、例えば、境界性パーソナリティ障害を処置するために使用されうる。
【0048】
実施形態では、方法及び組成物は、性的機能不全を含む精神障害、例えば、遅漏、勃起障害、女性のオーガズム障害、女性の性的関心/興奮障害、性器-骨盤痛/挿入障害、男性の性的欲求低下障害、早発(早期)射精、及び物質/医薬品誘発性性的機能不全を処置するために使用されうる。
【0049】
実施形態では、方法及び組成物は、性別違和を含む精神障害、例えば、性別違和を処置するために使用されうる。
【0050】
他の実施形態では、それを必要とする患者に本開示の化合物を投与することにより、片頭痛又は群発頭痛を処置するための方法及び組成物が提供される。
【0051】
実施形態では、用語「有効量」又は「治療有効量」は、悲しみ又は無気力、抑うつ気分、不安又は悲しい気持ち、すべて又はほぼすべての活動への関心の低下、体重増加又は体重減少につながる食欲の著しい増大又は減少、不眠症、易刺激性、疲労、無価値感、無力感、集中力の欠如、及び死亡又は自殺について繰り返し考えることの頻度又は重症度を低減させることを含むがこれらに限定されない特定の薬理学的及び/又は生理学的効果を実現するため、或いは、所望の薬理学的及び/又は生理学的効果、例えば、神経学的機能不全の根底にある根本的な病態生理学的機序の1つ若しくは複数を低減させる、阻害する若しくは反転させること、ドーパミンレベル若しくはシグナル伝達をモジュレートすること、セロトニンレベル若しくはシグナル伝達をモジュレートすること、ノルエピネフリンレベル若しくはシグナル伝達をモジュレートすること、グルタメート若しくはGABAレベル若しくはシグナル伝達をモジュレートすること、ある特定の脳領域におけるシナプス接続若しくは神経発生をモジュレートすること、又はそれらの組合せを提供するために有効である、化合物、材料、組成物、医薬又は他の材料の量を指す。正確な投薬量は、様々な要因、例えば対象依存変数(例えば、年齢、免疫系の健康、臨床症状等)、処置される疾患又は障害、並びに投与されている作用物質の投与ルート及び薬物動態に従って変動することになる。
【0052】
実施形態では、方法は、それを必要とする患者に、約0.01mgから約400mgの本開示の化合物を含む医薬組成物を投与することにより、精神障害、例えば抑うつ障害を処置することを含む。実施形態では、用量は、例えば、約0.01から400mg、0.01から300mg、0.01から250mg、0.01から200mg、0.01から150mg、0.01から100mg、0.01から75mg、0.01から50mg、0.01から25mg、0.01から20mg、0.01から15mg、0.01から10mg、0.01から5mg、0.01から1mg、0.01から0.5mg、0.01から0.1mg、0.1から400mg、0.1から300mg、0.1から250mg、0.1から200mg、0.1から150mg、0.1から100mg、0.1から75mg、0.1から50mg、0.1から25mg、0.1から20mg、0.1から15mg、0.1から10mg、0.1から5mg、0.1から1mg、10から400mg、10から300mg、10から250mg、10から200mg、10から150mg、10から100mg、10から50mg、10から25mg、10から15mg、20から400mg、20から300mg、20から250mg、20から200mg、20から150mg、20から100mg、20から50mg、50から400mg、50から300mg、50から250mg、50から200mg、50から150mg、50から100mg、100から400mg、100から300mg、100から250mg、100から200mgの範囲内であってよく、例えば、約0.01mg、0.025mg、0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.25mg、1.5mg、1.75mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30,mg、35mg、40mg、45mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、及び400mgの用量が例である。
【0053】
具体的な実施形態では、投薬量は、例えば約1mgから50mg、1mgから40mg、1mgから30mg、1mgから20mg、1mgから15mg、1mgから10mg、0.1mgから10mg、0.1から5mg、又は0.1から1mgの範囲内の量の本開示本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含むことができ、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.5mg、1.0mg、1.75mg、2mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.5mg、4.75mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、10mg、11mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg、30mg、35mg、40mg、45mg、及び50mgの用量が、用量の具体例である。
【0054】
典型的には、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩の投薬量は、1日1回、2回、3回若しくは4回、1日おき、3日に1回、週に2回、週に1回、月に2回、又は月に1回、それを必要とする患者に投与される。実施形態では、投薬量は、例えば約0.1~400mg/日、0.1~300mg/日、0.1~250mg/日、0.1~200mg/日、0.1~100mg/日、0.1~50mg/日、又は0.1から25mg/日、例えば300mg/日、250mg/日、200mg/日、150mg/日、100mg/日、75mg/日、50mg/日、25mg/日、20mg/日、10mg/日、5mg/日、2.5mg/日、1mg/日、0.5mg/日、0.25mg/日、又は0.1mg/日である。実施形態では、前述の用量範囲例は、1日よりも長い間隔にわたって、例えば0.1~400mg/週で送達されうる。
【0055】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩の非経口又は吸入、例えばスプレー又はミスト投与のための医薬組成物は、約0.005mg/mLから約500mg/mLの濃度を有する。実施形態では、組成物は、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、例えば、約5mg/mLから約500mg/mL、約5mg/mLから約100mg/mL、約5mg/mLから約50mg/mL、約1mg/mLから約100mg/mL、約1mg/mLから約50mg/mL、約0.1mg/mLから約25mg/mL、約0.1mg/mLから約10mg/mL、約0.05mg/mLから約10mg/mL、約0.05mg/mLから約5mg/mL、約0.05mg/mLから約1mg/mL、約0.005mg/mLから約1mg/mL、約0.005mg/mLから約0.25mg/mL、又は約0.005mg/mLから約0.1mg/mLの濃度で含む。
【0056】
実施形態では、組成物は、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、例えば、約0.05mg/mLから約500mg/mL、約0.05mg/mLから約100mg/mL、約0.05mg/mLから約50mg/mL、約0.05mg/mLから約25mg/mL、約0.05mg/mLから約10mg/mL、約0.05mg/mLから約5mg/mL、約0.005mg/mLから約1mg/mL、約0.005mg/mLから約0.25mg/mL、約0.005mg/mLから約0.05mg/mL、又は約0.005mg/mLから約0.025mg/mLの濃度で含む。実施形態では、医薬組成物は、例えば約0.1mL、0.25mL、0.5mL、1mL、2mL、5mL、10mL、20mL、25mL、50mL、100mL、200mL、250mL、又は500mLの総体積として製剤化される。
【0057】
典型的には、投薬量は、対象に、1日1回、2回、3回若しくは4回、1日おき、3日に1回、週に2回、週に1回、月に2回、月に1回、年に3回、年に2回、又は年に1回、投与されうる。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩)は、対象に、朝に1回又は夕方に1回投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、朝に1回及び夕方に1回投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、1日に3回(例えば、朝食、昼食及び夕食時)、例えば0.5mg/投与(例えば、1.5mg/日)の用量で投与される。
【0058】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、0.5mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、1mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、2.5mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、5mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、10mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、15mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、20mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、25mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、30mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、40mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、50mg/日の用量で1回又は複数回用量にて投与される。
【0059】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩の投薬量は、0.0005~5mg/kg、0.001~1mg/kg、0.01~1mg/kg又は0.1~5mg/kgを1日1回、2回、3回又は4回である。例えば、実施形態では、投薬量は、0.0005mg/kg、0.001mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.025mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kgを1日1回、2回、3回又は4回である。実施形態では、対象は、0.01mgから500mgの総1日用量の本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩を、1日1回、2回、3回又は4回、投与される。実施形態では、24時間以内に対象に投与される総量は、例えば、0.01mg、0.025mg、0.05mg、0.075mg、0.1mg、0.125mg、0.15mg、0.175mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg 20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、50mg、60mg、75mg、100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、500mgである。実施形態では、対象は低用量から出発することができ、投薬量は漸増される。実施形態では、対象は高用量から出発することができ、投薬量は減少する。
【0060】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、患者に、ヘルスケア提供者の監督下で投与される。
【0061】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、患者に、ヘルスケア提供者の監督下、精神活性処置を施すことに特化したクリニックで投与される。
【0062】
実施形態では、本開示の化合物は、患者に、ヘルスケア提供者の監督下で、対象においてサイケデリック体験を誘発することが意図されている高用量、例えば、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、又は100mgにて投与される。
【0063】
実施形態では、ヘルスケア提供者の監督下での高用量の患者への投与は、患者において治療効果を維持するために周期的に、例えば、3日に1回、週に2回、週に1回、月に2回、月に1回、年に4回、年に3回、年に2回、又は年に1回、起こる。
【0064】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、患者自身によって、自宅で又はそうでなければヘルスケア提供者の監督から離れて、投与される。
【0065】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、患者自身によって、自宅で又はそうでなければヘルスケア提供者の監督から離れて、サブ知覚的(sub-perceptual)であること又は閾値精神活性効果を誘発することが意図されている低用量、例えば、0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、又は4mgにて投与される。
【0066】
実施形態では、患者自身による低用量の投与は、患者において治療効果を維持するために周期的に、例えば、毎日、1日おき、3日に1回、週に2回、週に1回、月に2回、又は月に1回、起こる。
【0067】
実施形態では、本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩は、例えば、吸入を介して又は経口的に、指定された間隔で投与されうる。例えば、処置中に、患者は、本開示の化合物を、例えば、1年間、6か月間、4か月間、90日間、60日間、30日間、14日間、7日間、3日間、24時間、12時間、8時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2.5時間、2.25時間、2時間、1.75時間、1.5時間、1.25時間、1時間、0.75時間、0.5時間、又は0.25時間毎の間隔で投与されうる。
【0068】
本開示の化合物又は薬学的に許容されるその塩に好適な剤形は、経口形態、例えば錠剤、硬若しくは軟ゼラチンカプセル剤、散剤、顆粒剤及び経口液剤、シロップ剤又は懸濁剤、トローチ剤、並びに舌下、口腔内、気管内、眼内若しくは鼻腔内形態、吸入に適応している形態、局所形態、経皮形態、又は非経口形態、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、筋肉内若しくは皮下投与に適応している形態を含むがこれらに限定されない。実施形態では、そのような非経口投与のために、医薬組成物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするために十分な塩又はグルコースを含有し得る滅菌水溶液の形態であってよい。水溶液は、必要ならば、好適に(好ましくは3から9までのpHに)緩衝されるべきである。滅菌条件下での好適な非経口製剤の調製は、当業者に周知である標準的な薬学技術によって容易に遂行される。
【0069】
本明細書における医薬組成物は、即時放出、遅延放出、持続放出、又は調節放出プロファイルを備えることができる。実施形態では、異なる薬物放出プロファイルを持つ医薬組成物を組み合わせて、二相又は三相放出プロファイルを作成することができる。例えば、医薬組成物は、即時放出及び持続放出プロファイルを備えることができる。実施形態では、医薬組成物は、持続放出及び遅延放出プロファイルを備えることができる。そのような組成物は、パルス製剤、多層錠、又は錠剤、ビーズ、顆粒剤等を含有するカプセル剤として提供されうる。組成物は、安全且つ有効とみなされる材料で構成される薬学的に許容される「担体」を使用して調製されうる。「担体」は、医薬製剤中に存在する有効成分(単数又は複数)以外のすべての成分を含む。用語「担体」は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、崩壊剤、充填剤及びコーティング組成物を含むがこれらに限定されない。
【0070】
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、「概して安全とみなされる」、例えば、生理学的に忍容されるものであり、ヒトに投与された場合、典型的にはアレルギー性又は同様の有害反応のいずれも生成しない分子実体及び組成物を指す。実施形態では、この用語は、動物において、及び特にヒトにおいて使用するために、FDA若しくは同様のリスト、米国薬局方又は別の一般的に認められている薬局方による市販前審査及び承認に供され、連邦又は州政府の規制機関によって連邦食品・医薬品・化粧品法の第204(s)条及び第409条の下でGRASリストとして承認された分子実体及び組成物を指す。
【0071】
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩、遊離塩基の付加塩を含み、ここで、化合物は、その酸又は塩基塩を作製することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例は、塩基性残基、例えばアミンの鉱物又は有機酸塩、及び酸性残基、例えばカルボン酸のアルカリ又は有機塩を含むがこれらに限定されない。薬学的に許容される塩は、例えば非毒性無機又は有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩を含む。そのような従来の非毒性塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸に由来するもの;並びに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸及びシュウ酸から調製される塩を含む。本開示の化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法によって合成されうる。
【0072】
用語「約」又は「およそ」は、本明細書において使用される場合、当業者によって決定された際の特定の値についての許容される誤差範囲内を意味し、これは、一つには、どのようにして値が測定又は決定されるか、すなわち、測定システムの制限によって決まることになる。例えば、「約」は、当技術分野における実践当たり3以内又は3を超える標準偏差を意味することができる。代替として、「約」は、所与の値の20%までの範囲、10%までの範囲、5%までの範囲、及び/又は1%までの範囲を意味することができる。代替として、特に生物学的システム又はプロセスに関して、該用語は、ある値の一桁以内、例えば5倍以内、又は2倍以内を意味することができる。「約」及び「およそ」は、本明細書において交換可能に使用される。
【0073】
本開示の文脈において、用語「5-HT2A受容体アゴニスト」は、5-HT2A受容体を活性化する任意の化合物又は物質を意味することが意図されている。アゴニストは、部分又はフルアゴニストであってよい。
【0074】
本開示の文脈において、用語「5-HT1A受容体アゴニスト」は、5-HT1A受容体を活性化する任意の化合物又は物質を意味することが意図されている。アゴニストは、部分又はフルアゴニストであってよい。
【0075】
医薬組成物は、経口、経直腸、経鼻、局所(経皮、口腔内及び舌下を含む)、膣内若しくは非経口(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内を含む)投与又はインプラントを介する投与に好適なものを含む。組成物は、調剤分野において周知である任意の方法によって調製されうる。
【0076】
そのような方法は、本開示において使用される化合物又はそれらの組合せを、任意の助剤と会合させる工程を含む。副成分とも称される助剤は、当技術分野で慣行のもの、例えば担体、充填剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、香味剤、酸化防止剤及び湿潤剤を含む。そのような助剤は、意図されている投与形態及びルートに関して並びに従来の医薬実務と一致するように好適に選択される。
【0077】
経口投与に好適な医薬組成物は、不連続な投薬量単位、例えば丸剤、錠剤、糖衣錠剤若しくはカプセル剤として、又は散剤若しくは顆粒剤として、又は液剤若しくは懸濁剤として提示されうる。有効成分は、ボーラス剤又はペースト剤として提示されてもよい。組成物は、経直腸投与のための坐剤又は浣腸に更に加工されうる。
【0078】
錠剤は、有効成分化合物並びに好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘発剤及び溶融剤を含有することができる。ゼラチンカプセル剤は、有効成分化合物及び粉末状担体、例えばラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等を含有することができる。同様の希釈剤を使用して圧縮錠を作製することができる。圧縮錠は、あらゆる不快な味をマスクし錠剤を大気から保護するために糖衣若しくはフィルムコーティング、又は消化管における選択的崩壊のために腸溶コーティングされうる。例えば、錠剤又はカプセル剤の投薬量単位形態での経口投与のために、活性薬物成分を、経口、非毒性の薬学的に許容される不活性担体、例えばラクトース、ゼラチン、寒天、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等と組み合わせることができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えばグルコース又はベータ-ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然及び合成ガム、例えばアカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等を含む。これらの剤形において使用される滑沢剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を含む。崩壊剤は、限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を含む。
【0079】
液体剤形での経口投与のために、経口薬物成分は、任意の経口、非毒性の薬学的に許容される不活性担体、例えばエタノール、グリセロール、水等と組み合わせられる。好適な液体剤形の例は、水、薬学的に許容される脂肪及び油、アルコール、若しくはエステルを含む他の有機溶媒中の液剤若しくは懸濁剤、乳剤、シロップ剤又はエリキシル剤、懸濁剤、液剤及び/或いは無発泡性顆粒剤から再構成された懸濁剤及び発泡性顆粒剤から再構成された発泡性調製物を含む。そのような液体剤形は、例えば、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、増粘剤及び溶融剤を含有することができる。経口投与のための液体剤形は、患者の承諾を増大させるために着色剤及び香味剤を含有することができる。
【0080】
非経口投与のために、好適な組成物は、水性及び非水性無菌液剤を含む。概して、水、好適な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)、並びに関連する糖溶液及びグリコール類、例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコールが、非経口液剤に好適な担体である。非経口投与のための液剤は、好ましくは、有効成分の水溶性塩、好適な安定化剤、及び必要ならば、緩衝物質を含有する。酸化防止剤、例えば重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸は、単独で又は組み合わせてのいずれかで、好適な安定化剤である。クエン酸及びその塩並びにEDTAナトリウムも使用される。加えて、非経口液剤は、保存剤、例えば塩化ベンザルコニウム、メチル-又はプロピル-パラベン、及びクロロブタノールを含有することができる。組成物を、単位用量又は複数回用量容器、例えば密閉バイアル及びアンプルに提示することができ、使用前に滅菌液体担体、例えば水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。経皮投与では、例えば、ゲル剤、パッチ剤又はスプレー剤が企図されうる。例えば経鼻吸入による肺内投与に好適な組成物又は製剤は、定量加圧エアロゾル、ネブライザー又は注入器を利用して生成されうる、細塵又はミストを含む。非経口及び静脈内形態は、鉱物、及びそれらを選択される注射又は送達システムの種類と適合性にするための他の材料も含みうる。
【0081】
本開示の方法において使用される化合物は、リポソーム送達システム、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクル及び多層ベシクルの形態で投与されてもよい。リポソームは、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成されうる。化合物は、組織標的乳剤の成分として投与されうる。
【0082】
本開示の方法において使用される化合物を、標的化可能な薬物担体として又はプロドラッグとしての可溶性ポリマーとカップリングしてもよい。そのようなポリマーは、パルミトイル残基で置換されている、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシルプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタ-ミドフェノール、又はポリエチレンオキシド-ポリリジンを含む。更に、化合物を、薬物の制御放出を実現する際に有用な生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸及びポリグリコール酸のコポリマー、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、並びにヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーとカップリングすることができる。
【0083】
本明細書における医薬組成物は、即時放出、遅延放出、持続放出又は調節放出プロファイルを備えることができる。一部の実施形態では、異なる薬物放出プロファイルを持つ医薬組成物を組み合わせて、二相又は三相放出プロファイルを作成することができる。例えば、医薬組成物は、即時放出及び持続放出プロファイルを備えることができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、持続放出及び遅延放出プロファイルを備えることができる。そのような組成物は、パルス製剤、多層錠、又は錠剤、ビーズ、顆粒剤等を含有するカプセル剤として提供されうる。
【0084】
本明細書における医薬組成物は、当技術分野において公知の技術により、例えば、破砕すること又は水に溶解することが困難な錠剤を作製することにより、乱用抑止特色を備えることができる。
【0085】
本開示は、上記で記述した通りの使用のための組成物の使用説明書を含む包装材料と組み合わせた、上記で記述した通りの医薬組成物を更に含む。
【0086】
組成物の投与の正確な用量及びレジメンは、実現されるべき治療又は栄養効果の種類及び規模に必然的に依存することになり、要因、例えば特定の化合物、式、投与ルート、又は組成物が投与される個々の対象の年齢及び状態に応じて変動しうる。
【0087】
本開示の方法において使用される化合物は、本明細書において詳述されるものを含む種々の形態で投与されうる。化合物による処置は、組合せ療法又は補助療法の成分であってよく、すなわち、薬物を必要とする対象又は患者は、本発明の化合物の1つ又は複数と併せて疾患のための別の薬物を処置される又は与えられる。この組合せ療法は、患者が最初に1つの薬物で処置され、続いて、他の又は2つの薬物が同時に与えられる、逐次療法であってよい。これらは、用いられる剤形に応じて、同じルートによって独立して又は2つ以上の異なる投与ルートによって投与されうる。
【0088】
実施形態では、重水素強化アゼチジニルトリプタミン及びそれらの使用が企図されており、本明細書において記述される方法及び組成物の範囲内である。当技術分野において公知の合成手順に従って、任意の位置に水素(プロチウム)の代わりに合成的に、重水素を組み込むことができる。例えば、重水素は、交換可能なプロトン、例えばアミンN-Hを有する種々の位置に、プロトン-重水素平衡交換を介して組み込まれうる。故に、重水素は、当技術分野において公知の方法によって選択的に又は非選択的に組み込まれうる。例示的な重水素強化アゼチジニルトリプタミンは、
【化14】
又は薬学的に許容されるその塩[式中、Dは、重水素強化-H部位を表す]を含む。
【0089】
実施形態では、各Dは、重水素強化-H部位を表し、化合物の各重水素強化-H部位における重水素のレベルは、0.02%から100%である。
【0090】
実施形態では、各Dは、重水素強化-H部位を表し、化合物の各重水素強化-H部位における重水素のレベルは、50%~100%、70%~100%、90%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、又は99%~100%である。
【0091】
トリプタミンは、そのラセミ及び/又は光学活性異性体であってよい。これに関して、化合物のいくつかは、不斉炭素原子を有することができ、したがって、ラセミ混合物として又は個々の光学異性体(鏡像異性体)としてのいずれかで存在することができる。キラル中心を含有する本明細書において記述される化合物は、2つの鏡像異性体のラセミ混合物、2つの鏡像異性体のスケールミック混合物、又は各鏡像異性体を個々に含み、他の鏡像異性体を実質的に含まない混合物を含む組成物を含む、化合物のすべての考えられる立体異性体を含む。故に、例えば、本明細書において企図されるのは、R鏡像異性体を実質的に含まない化合物のS鏡像異性体又はS鏡像異性体を実質的に含まないR鏡像異性体を含む組成物である。名前を挙げた化合物が1つを超えるキラル中心を含む場合、本開示の範囲は、ジアステレオマー間の可変割合の混合物を含む組成物、及び他のジアステレオマーの1つ又は複数を実質的に含まない1つ又は複数のジアステレオマーを含む組成物も含む。「実質的に含まない」が意味するのは、組成物が、25%、15%、10%、8%、5%、3%未満又は1%未満の副鏡像異性体又はジアステレオマーを含むことである。
【0092】
種々の立体異性体を合成する、単離する、調製する及び投与するための方法は、当技術分野において公知である。ジアステレオマー又はシス及びトランス異性体の分離は、従来の技術によって、例えば、作用物質又はその好適な塩若しくは誘導体の立体異性混合物の分別結晶、クロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、実現されうる。本開示の化合物の化合物の個々の鏡像異性体は、対応する光学的に純粋な中間体から、或いは分割によって、例えば好適なキラル支持体を使用した対応するラセミ体のHPLCによって又は適宜対応するラセミ体の好適な光学的に活性な酸若しくは塩基との反応により形成されたジアステレオマー塩の分別結晶によって、調製することもできる。
【0093】
本開示は、本開示の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を更に提供する。
【0094】
本開示の文脈において、用語「アルキル」は、示されている数の炭素原子を含有し、原子を接続しているすべての結合がシグマ結合である、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0095】
本開示の文脈において、用語「アルケニル」は、示されている数の炭素原子を含有し、鎖の2個の炭素間の少なくとも1つの結合が二重(パイ)結合である、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0096】
本開示の文脈において、用語「アルキニル」は、示されている数の炭素原子を含有し、鎖の2個の炭素原子を接続している少なくとも1つの結合が三重結合である、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0097】
本開示の文脈において、用語「ハロ-アルキル」は、示されている数の炭素原子を含有し、原子を接続しているすべての結合がシグマ結合であり、鎖上の水素原子のうちの少なくとも1個が、F、Cl、Br、Iから選択されるハロゲン原子によって置きかえられている、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0098】
本開示の文脈において、用語「ヘテロアルキル」は、示されている数の炭素原子を含有し、鎖が少なくとも1個のヘテロ原子(O、N、Sから選択される)によって中断又は終端されており、原子を接続しているすべての結合がシグマ結合である、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0099】
本開示の文脈において、用語「ヘテロアルケニル」は、示されている数の炭素原子を含有し、鎖が少なくとも1個のヘテロ原子(O、N、Sから選択される)によって中断又は終端されており、鎖の2個の炭素間の少なくとも1つの結合が二重(パイ)結合である、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0100】
本開示の文脈において、用語「ヘテロアルキニル」は、示されている数の炭素原子を含有し、鎖が少なくとも1個のヘテロ原子(O、N、Sから選択される)によって中断又は終端されており、鎖の2個の炭素原子を接続している少なくとも1つの結合が三重結合である、直鎖状、分枝鎖状又は可能な場合、環状炭化水素鎖を指すことを理解すべきである。
【0101】
本主題の開示は、本明細書において開示される化合物に存在する原子のすべての同位体を含むことも意図されている。同位体は、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有するそれらの原子を含む。一般的な例として且つ限定されないが、水素の同位体は、三重水素及び重水素を含む。炭素の同位体は、13C及び14Cを含む。
【0102】
本出願全体を通して構造における炭素の任意の注釈は、更なる注釈なしに使用される場合、炭素のすべての同位体、例えば12C、13C又は14Cを表すことが意図されていることに留意されたい。更に、13C又は14Cを含有する任意の化合物は、本明細書において開示される化合物のいずれかの構造を特異的に有しうる。
【0103】
本出願全体を通して構造における水素の任意の注釈は、更なる注釈なしに使用される場合、水素のすべての同位体、例えば1H、2H又は3Hを表すことが意図されていることにも留意されたい。更に、2H又は3Hを含有する任意の化合物は、本明細書において開示される化合物のいずれかの構造を特異的に有しうる。
【0104】
同位体標識化合物は、概して、当業者に公知である従来の技術により、用いられていた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
【0105】
本明細書において開示される各実施形態は、他の開示されている実施形態のそれぞれに適用可能であるとして企図されている。故に、本明細書において記述される種々の要素のすべての組合せは、本開示の範囲内である。
【0106】
化合物の一般的な合成
本開示の化合物は、有機合成において周知であり且つ当技術分野において通常の技量の実務家によく知られている技術によって調製されうる。例えば、化合物は、スキーム1~4において及びこの後の具体例において示される合成転換によって調製されうる。しかしながら、これらは所望の化合物を合成する又は取得するための唯一の手段ではない可能性がある。
【0107】
スキーム1. アルキル化によるアゼチジニルトリプタミンの合成のための一般的なアプローチ。
【化15】
R
1~R
12は、本発明の所望の化合物を得るため並びに当技術分野において周知である化学的安定性及び反応性の標準的原理に基づいて、選択される。
【0108】
スキーム2. アシル化、続いて得られたグリオキサリルアミド(glyoxalylamide)の還元によるアゼチジニルトリプタミンの合成のための一般的なアプローチ。
【化16】
R
1~R
12は、本発明の所望の化合物を得るため並びに当技術分野において周知である化学的安定性及び反応性の標準的原理に基づいて、選択される。
【0109】
スキーム3. 追加の類似体を得るためのアゼチジニルトリプタミンの後期転換例。
【化17】
R
1~R
5、R
11及びR
12は、本発明の所望の化合物を得るため並びに当技術分野において周知である化学的安定性及び反応性の標準的原理に基づいて、選択される。
【0110】
スキーム4. 3-(2-ブロモエチル)インドール中間体の調製例。
【化18】
R
14は、本発明の所望の化合物を得るため並びに当技術分野において周知である化学的安定性及び反応性の標準的原理に基づいて、選択される。
【0111】
【0112】
工程1:1-(アゼチジン-1-イル)-2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-オンの調製。
DCM(70mL)中のアゼチジン塩酸塩(5.61g、59.94mmol、1.5当量)及びトリエチルアミン(12.13g、119.87mmol、16.68mL、3当量)の混合物に、2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(7g、39.96mmol、1当量)を、N2下、0℃で一度に添加した。溶液に、HATU(22.79g、59.94mmol、1.5当量)を、N2下、0℃で一度に添加し、混合物を20℃に加温させ、2時間にわたって撹拌した。完了したら、反応混合物をNH4Cl水溶液(50mL)の添加によって20℃でクエンチし、次いで、DCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム=Phenomenex社C18(250×100mm、10μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=15%~50%、20分の実行時間)によって精製して、1-(アゼチジン-1-イル)-2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-オンを白色固体(3g、14.00mmol、35%収率)として生じさせた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.85 (br s, 1H), 7.49 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.03 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 6.97 - 6.90 (m, 1H), 4.11 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 3.79 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 3.42 (s, 2H), 2.11 (五重線, J= 7.6 Hz, 2H).
【0113】
工程2:3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドールフマレート(1)の調製。
THF(50ml)中の1-(アゼチジン-1-イル)-2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-オン(1g、4.67mmol、1当量)の溶液を、0℃に冷却した。次いで、LAH(265.68mg、7.00mmol、1.5当量)を添加し、混合物を20℃に加温し、2時間にわたって撹拌した。完了したら、混合物を0℃に冷却し、泡立ちが止まるまで反応物をNa2SO4・10H2Oでクエンチし、混合物を濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム=Waters社クロスブリッジC18(150×50mm、10μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=1%~40%;10分の実行時間)によって精製して、水(800mL)及びMeCN(50mL)の混合物中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドールの溶液を得た。この溶液に、MeCN(2mL)中のフマル酸(231.82mg、2.00mmol)の溶液を、N2下、20℃で一度に添加した。次いで、溶液を凍結乾燥して、3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドールフマレート(1)を褐色固体(550mg、1.90mmol、41%収率、1:フマレート=1:0.77)として生じさせた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.86 (br s, 1H), 7.53 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.34 (d, J= 8,0 Hz, 1H), 7.15 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.07 (dt, J= 1.2, 7.6 Hz, 1H ), 6.98 (dt, J= 1.2, 7.6 Hz, 1H), 6.48 (s, 1.54H = フマレート, 0.77 mol当量), 3.46 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.93 - 2.86 (m, 2H), 2.78 - 2.71 (m, 2H), 2.15 - 2.04 (m, 2H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ 168.56, 136.68, 135.77, 127.48, 123.32, 121.41, 118.72, 111.88, 111.54, 58.16, 54.27, 22.38, 17.21; LCMS (RT = 1.334分, MS計算値: 200.13, [M+H]+ = 201.1); qNMR = 89%.
【0114】
化合物1についてワークアップ及び精製の失敗した方法:
LAH還元をワークアップし、得られた生成物1を精製する複数の代替方法は、部分的又は全体的な分解をもたらし、純粋な生成物が得られなかった。これらの失敗したワークアップ/精製方法を以下にまとめる。
【0115】
方法1:
ワークアップ:完了したら、H2O及び30%NaOH水溶液を混合物に添加し、混合物を濾過し、濃縮した。
【0116】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Waters社クロスブリッジBEH C18(100×25mm、5μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=2%~40%;10分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、1H NMRは生成物が不純であることを示した。
【0117】
方法2:
ワークアップ:完了したら、混合物を0℃に冷却し、反応物をNa2SO4・10H2Oでクエンチし、混合物を濾過し、濃縮した。
【0118】
精製:残留物を分取HPLC(HCl)(カラム=Phenomenex社ルナC18(80×40mm、3μm);移動相=水(HCl)-ACN、B%=1%~25%;7分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、LCMS及び1H NMRは生成物が不純であることを示した。
【0119】
方法3:
ワークアップ:方法2と同じ。
【0120】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Phenomenex社ルナC18(250×70mm、15μm);移動相=水(FA)-ACN、B%=1%~30%;20分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、LCMS及び1H NMRは生成物が不純であることを示した。
【0121】
方法4:
ワークアップ:方法2と同じ。
【0122】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Phenomenex社C18(250×50mm、10μm);移動相=水(NH3H2O+NH4HCO3)-ACN、B%=3%~33%;20分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、残留物をMTBEでトリチュレートし、上清を除去したが、残った固体のLCMS及び1H NMRは生成物が不純であることを示した。
【0123】
方法5:
ワークアップ:方法2と同じ。
【0124】
精製:残留物を分取TLC(DCM/MeOH=5:1)及びカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から1:1)によって精製したが、LCMSは生成物が不純なままであることを示した。
【0125】
方法6:
ワークアップ:方法2と同じ。
【0126】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Phenomenex社C18(250×50mm、10μm);移動相=水(0.05%水酸化アンモニウム)-ACN、B%=5%~40%;20分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、生成物は不純であった。次いで、H2O及びACNの混合物中のフマル酸(約0.5当量)を添加し、混合物を再度凍結乾燥し、残留物をエーテルでトリチュレートし、上清を除去した。しかしながら、LCMS及び1H NMRは生成物が不純なままであることを示した。
【0127】
【0128】
工程1:3-(2-クロロ-2-オキソアセチル)-1H-インドール-4-イルアセテートの調製。0℃のTHF(250mL)中の1H-インドール-4-イルアセテート(25g、142.71mmol、1当量)の溶液に、(COCl)2(27.17g、214.06mmol、18.74mL、1.5当量)を添加した。次いで、混合物を20℃に加温させ、12時間にわたって撹拌した。完了したら、反応混合物を濃縮して、3-(2-クロロ-2-オキソ-アセチル)-1H-インドール-4-イルアセテートを黄色固体(37.91g、142.71mmol、100%収率)として生じさせた。
【0129】
工程2:3-(2-(アゼチジン-1-イル)-2-オキソアセチル)-1H-インドール-4-イルアセテート。DCM(100mL)中のアゼチジン塩酸塩(19.22g、205.48mmol、1.5当量)の溶液に、DIPEA(70.82g、547.94mmol、95.44mL、4当量)を添加し、混合物を20℃で30分間にわたって撹拌した。この時点で、混合物を0℃に冷却し、THF(100mL)中の3-(2-クロロ-2-オキソ-アセチル)-1H-インドール-4-イルアセテート(36.39g、136.99mmol、1当量)を添加し、混合物を20℃に加温させ、3時間にわたって撹拌した。完了したら、NH4Cl水溶液(100mL)を添加し、混合物を5分間にわたって撹拌した。水性相をDCM(50mL×3)で抽出し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=15/1から0/1)によって精製して、3-(2-(アゼチジン-1-イル)-2-オキソアセチル)-1H-インドール-4-イルアセテートを黄色固体(26g、90.82mmol、66%収率)として生じさせた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.47 (br s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.48 - 7.39 (m, 1H), 7.28 (t, J= 7.9 Hz, 1H), 6.90 (d, J= 7.3 Hz,1H), 4.16 (t, J= 7.7 Hz, 2H), 4.04 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.27 (五重線, J= 7.8 Hz, 2H).
【0130】
工程3:3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オール(2)の調製。THF(150mL)中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)-2-オキソアセチル)-1H-インドール-4-イルアセテート(4g、13.97mmol、1当量)の溶液に、LAH(5.30g、139.72mmol、10当量)を0℃で添加した。次いで、混合物を70℃で7時間にわたって加熱した。完了したら、混合物を0℃に冷却し、H2O(5.3mL)でクエンチし、混合物を濾過し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM/MeOH=10/1から0/1)によって精製して、3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オール(2)を淡黄色固体(1.1g、5.09mmol、36%収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.11 (br s, 1H), 10.57 (br s, 1H), 6.89 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 6.84 - 6.70 (m, 2H), 6.28 (dd, J= 0.8, 7.2 Hz, 1H), 3.19 (t, J= 7.2 Hz, 4H), 2.77 - 2.61 (m, 4H), 2.06 - 1.93 (m, 2H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ 152.37, 139.27, 122.33, 121.70, 117.36, 113.05, 104.11, 103.13, 61.83, 54.93, 25.13, 17.46; LCMS (RT = 2.021分, MS計算値: 216.13, [M+H]+ 217.1); qNMR = 93%.
【0131】
注記:生成物2は不安定であり、冷凍貯蔵し、光から保護し、不活性ガス下に置くべきである。適正に貯蔵した場合、安定性はqNMRによって少なくとも1か月間にわたって確認された。
【0132】
3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オールフマレート(2フマレート)の調製。MeCN(5mL)中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オール(2、100mg、462.37μmol、1当量)の溶液に、H2O(20mL)及びMeCN(2mL)中のフマル酸(37.57mg、323.66μmol、0.7当量)の溶液を、N2下、20℃で一度に添加し、混合物を凍結乾燥して、3-(2-(アゼチジン-1H-イル)エチル)-1H-インドール-4-オールフマレート(2フマレート)を黄色固体(125mg、2:フマレート=1:0.65)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.69 (s, 1H), 6.94 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.86 - 6.72 (m, 2H), 6.51 (s, 1H), 6.33 (dd, J= 0.8, 7.2 Hz, 1H), 3.69 (t, J= 7.6 Hz, 4H), 3.10 (br d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.88 (s, 2H), 2.19 (br t, J= 7.6 Hz, 2H); qNMR = 86%.
【0133】
化合物2についてのワークアップ及び精製の失敗した方法:
LAH還元をワークアップし、得られた生成物2を精製する複数の代替方法は、部分的又は全体的な分解をもたらし、純粋な生成物が得られなかった。これらの失敗したワークアップ/精製方法を以下にまとめる。
【0134】
方法1:
ワークアップ:完了したら、H2O及び30%NaOH水溶液を混合物に添加し、得られたスラリーを濾過し、濃縮した。
【0135】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Welch社エクスティメートC18(250×70mm、10μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=5%~35%;20分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、LCMS及び1H NMRは、得られた生成物が純粋であることを示すように思われたが、qNMRはわずか62%のアッセイを指し示し、LCMSによってもNMRによっても不可視であるポリマー性又は不溶性不純物の存在を示唆していた。
【0136】
方法2:
ワークアップ:完了したら、H2O及び30%NaOH水溶液を混合物に添加し、得られたスラリーを濾過し、フマル酸(約0.5~1当量)を濾液に添加し、濾液を濃縮した。
【0137】
精製:次いで、残留物を分取HPLC(カラム=Waters社クロスブリッジ分取OBD C18(150×40mm×10μm);移動相=水-ACN、B%=0%~30%;20分の実行時間)によって精製したが、生成物はこの精製試行中に分解した。
【0138】
方法3:
ワークアップ:方法1と同じ。
【0139】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Welch社エクスティメートC18(250×70mm、10μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=5%~35%、20分)によって精製して、H2O及びCH3CNの溶液中の生成物を得た。この溶液に、H2O中のフマル酸(約0.5~1当量)の溶液を添加し、混合物を凍結乾燥して生成物を得て、これはLCMS及び1H NMRによって純粋であると思われたが、方法1で不十分な結果が得られた場合、確認するためのqNMRを実施しなかった。
【0140】
【0141】
工程1:2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-2-オキソアセチルクロリドの調製。
0℃のTHF(50mL)中の5-メトキシ-1H-インドール(5g、33.97mmol、1当量)の溶液に、(COCl)2(6.47g、50.96mmol、4.46mL、1.5当量)を滴下添加した。次いで、混合物を20℃に加温させ、12時間にわたって撹拌した。TLC(PE:EA=3:1、Rf生成物=0.1)は、反応がうまくいったことを示した。混合物を濃縮して、粗製の2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-2-オキソアセチルクロリドを褐色固体(8g)として生じさせ、これを更に精製することなく次の工程において直接使用した。
【0142】
工程2:1-(アゼチジン-1-イル)-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エタン-1,2-ジオンの調製。
DCM(50ml)中のアゼチジン塩酸塩(4.72g、50.50mmol、1.5当量)の溶液に、DIPEA(17.40g、134.66mmol、23.46mL、4当量)を添加し、混合物を20℃で0.5時間にわたって撹拌した。この時点で、溶液を0℃に冷却し、THF(100mL)中の2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-2-オキソアセチルクロリド(8g、33.66mmol、1当量)を添加し、混合物を20℃に加温させ、12時間にわたって撹拌した。TLC(PE:EA=0:1、Rf生成物=0.26)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(10mL)の添加によって20℃でクエンチし、次いで、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。粗生成物を、PE(50mL)及びDCM(20ml)からの再結晶によって20℃で精製して、1-(アゼチジン-1-イル)-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エタン-1,2-ジオンを白色固体(2工程にわたって4.2g、16.26mmol、48%収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.13 (br s, 1H), 8.42 (br s, 1H), 7.68 (br s, 1H), 7.42 (br d, J= 8.7 Hz, 1H), 6.88 (br d, J= 7.8 Hz, 1H), 4.33 (br t, J= 7.3 Hz, 2H), 4.05 (br t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.38 -2.19 (m, 2H); LCMS (RT = 1.226分, MS計算値: 258.10, [M+H]+ 259.1);
【0143】
工程3:3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-5-メトキシ-1H-インドールフマレート(3)の調製。
THF(50mL)中の1-(アゼチジン-1-イル)-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エタン-1,2-ジオン(1g、3.87mmol、1当量)の溶液に、LAH(440.86mg、11.62mmol、3当量)を0℃で添加した。次いで、混合物を70℃で8時間にわたって加熱した。完了したら、混合物を0℃に冷却し、泡立ちが止まるまでNa2SO4・10H2Oを添加し、混合物を濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム=Waters社クロスブリッジ分取OBD C18(150×40mm、10μm;移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=5%~35%;8分の実行時間)によって精製して、H2O(400mL)及びMeCN(100mL)の混合物中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-5-メトキシ-1H-インドールの溶液を得た。この溶液に、MeCN(2mL)中のフマル酸(約1当量)の溶液を、N2下、20℃で一度に添加した。混合物を20℃で20分間にわたって撹拌し、次いで、凍結乾燥して、3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-5-メトキシ-1H-インドールフマレート(3)を黄色固体(300mg、0.91mmol、24%収率、3:フマレート=1:0.86)として得て、LCMS(ET47030-21-P1A1、Rt=1.543分、M+H=231.1)によって確認した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.71 (br s, 1H), 7.22 (d, J = 8.70 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.03 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 2.27 Hz, 1H), 6.71 (dd, J 8.70, 2.38 Hz, 1H), 6.48 (s, 1.71H = フマレート, 0.86 mol当量), 3.76 (s, 3H), 3.53 (t, J = 7.45 Hz, 4H), 2.89 - 2.99 (m, 2H), 2.69 - 2.77 (m, 2H), 2.12 (五重線, J = 7.51 Hz, 2H); LCMS (RT = 1.543分, MS計算値: 230.14, [M+H]+ = 231.1).
【0144】
化合物3についてのワークアップ及び精製の失敗した方法:
LAH還元をワークアップし、得られた生成物3を精製する複数の代替方法は、部分的又は全体的な分解をもたらし、純粋な生成物が得られなかった。これらの失敗したワークアップ/精製方法を以下にまとめる。
【0145】
方法1:
ワークアップ:完了したら、H2O及び30%NaOH水溶液を混合物に添加し、得られたスラリーを濾過し、濃縮した。
【0146】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Waters社クロスブリッジ分取OBD C18(150×40mm、10μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=1%~25%;8分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、1H NMRは生成物が不純であることを示した。
【0147】
方法2:
ワークアップ:方法1と同じ。
【0148】
精製:残留物を分取HPLC(カラム=Phenomenex社C18(75×30mm、3μm);移動相=水(NH3・H2Ο+NH4HCO3)-ACN、B%=1%~30%;8分の実行時間)によって精製した。溶出物の凍結乾燥後、1H NMRは生成物が不純であることを示した。
【0149】
【0150】
工程1:3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート(4)の調製。
DCM(1mL)中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オール(2、50mg、231.18μmol、1当量)及びピリジン(23.77mg、300.54μmol、24.26μL、1.3当量)の混合物を、0℃に冷却した。次いで、無水酢酸(25.96mg、254.30μmol、23.82μL、1.1当量)を0℃で滴下添加し、得られた混合物を25℃で1時間にわたって撹拌した。この時点で、溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(カラム=Waters社クロスブリッジBEH C18(100×30mm、10μm);移動相=水(NH4HCO3)-ACN、B%=5%~40%;10分の実行時間)によって精製して、3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート(4)を白色固体(20mg、33%収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (br s, 1 H), 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.11 (d, J= 1.6 Hz, 1 H), 7 02 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.64 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 3.09 (t, J = 6.8 Hz, 4 H), 2.57-2.54 (m, 4 H), 2.32 (s, 3 H), 1.96 - 1.90 (m, 2 H); LCMS (RT = 0.983分, MS計算値: 258.14, [M+H]+ = 259.1).
【0151】
注記:生成物4は加水分解に感受性であり、水性移動相を用いるLCMS及びHPLCによる分析中に加水分解が観察された。
【0152】
実施例5. ヒト肝ミクロソームにおける代謝安定性
開示化合物をヒト肝ミクロソーム(HLM)における安定性について試験し、結果をTable 1(表1)にまとめた。アゼチジニル化合物1、2及び3は、それぞれそれらのジメチル対応物N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)、サイロシン及び5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)よりも優れた代謝安定性を呈した。したがって、アゼチジニル化合物は、それらのジメチル対応物よりも優れた経口バイオアベイラビリティを有することが期待される。
【0153】
試験化合物。化合物1、2及び3は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。
【0154】
HLM安定性。成人男性及び女性ドナー由来のプールされたHLM(Corning社452117)を使用した。ミクロソームインキュベーションは、マルチウェルプレート中で行った。肝ミクロソームインキュベーション培地は、PBS(100mM、pH7.4)、MgCl2(1mM)及びNADPH(1mM)に、1mL当たり0.50mgの肝ミクロソームタンパク質を加えたものからなっていた。対照インキュベーションは、NADPH-補因子システムをPBSで置きかえることによって実施した。試験化合物(1μΜ、最終溶媒濃度1.0%)をミクロソームとともに絶え間なく振とうしながら37℃でインキュベートした。6つの時点を60分間にわたって分析し、反応混合物の60μLのアリコートを各時点で抜き取った。200ng/mLのトルブタミド及び200ng/mLのラベタロールを内部標準(IS)として含有する180μLの冷(4℃)アセトニトリルを添加することにより反応アリコートを停止させ、続いて、10分間にわたって振とうし、次いで、4℃で20分間にわたって4,000rpmでの遠心分離によるタンパク質沈降を行った。上清試料(80μL)を水(240μL)で希釈し、目的に適う液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC-MS/MS)方法を使用して、残った親化合物について分析した。
【0155】
データ分析。排除定数(ke1)、半減期(t1/2)及び固有クリアランス(CLint)は、線形回帰分析を使用し、自然対数(AUC)対時間のプロットで決定した。
【0156】
【0157】
実施例6. モノアミン酸化酵素の存在下での安定性
開示化合物をヒト肝ミトコンドリア調製物中におけるモノアミン酸化酵素A及びB(MAO-A及びMAO-B)の存在下での安定性について試験し、結果をTable 2(表2)にまとめた。アゼチジニル化合物1及び3は、それぞれそれらのジメチル対応物N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)及び5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)よりも優れた安定性を呈した。したがって、アゼチジニル化合物は、それらのジメチル対応物と比較して低減した脳代謝を受けることが期待される。アゼチジニル化合物2は、この調製物中において既に安定なそのジメチル対応物サイロシンと同様の安定性を呈した。
【0158】
試験化合物。化合物1、2及び3は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。
【0159】
肝ミトコンドリアインキュベーション。ヒト肝ミトコンドリア(Xenotech社H0610.M)を使用した。ミトコンドリアインキュベーションは、マルチウェルプレート中で行った。肝ミトコンドリアインキュベーション培地は、PBS(100mM、pH7.4)に1mL当たり0.30mgの肝ミトコンドリアタンパク質を加えたものからなっていた。試験化合物(1μΜ、最終溶媒濃度1.0%)を肝ミトコンドリアタンパク質とともに絶え間なく振とうしながら37℃でインキュベートした(1ウェル当たりの総反応体積100μL)。6つの時点を60分間にわたって分析した。各時点で、200ng/mLのトルブタミド及び200ng/mLのラベタロールを内部標準(IS)として含有する300μLの冷(4℃)アセトニトリルを添加することにより反応を停止させ、続いて、10分間にわたって振とうし、次いで、4℃で20分間にわたって4,000rpmでの遠心分離によるタンパク質沈降を行った。上清試料(100μL)を水(300μL)中5%のトリクロロ酢酸で希釈し、目的に適う液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC-MS/MS)方法を使用して、残った親化合物について分析した。
【0160】
データ分析。排除定数(ke1)、半減期(t1/2)及び固有クリアランス(CLint)は、線形回帰分析を使用し、自然対数(AUC)対時間のプロットで決定した。
【0161】
【0162】
実施例7. マウス脳ホモジネートにおける安定性
開示化合物をマウス脳ホモジネートにおける安定性について試験した(Table 3(表3))。アゼチジニル化合物1、2及び3はいずれも、実験条件下で良好な安定性を呈し、N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)よりもはるかに安定であった。
【0163】
試験化合物。化合物1、2及び3は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。
【0164】
脳ホモジネート安定性。冷凍マウス脳ホモジネート(雄CD-1マウスからプールしたもの、BioreclamationIVT社、MSE00BRAINMZA)を使用直前に37℃の水浴中で解凍した。陽性対照及び試験化合物(インキュベーション培地中の最終濃度=試験化合物については1μM及び対照については2μM、すべて2%DMSOを加えたもの)を、各時点(0、10、30、60及び120分)について二連で、マウス脳ホモジネート中、100μLの総反応体積にて37℃でインキュベートした。各インキュベーション期間の終わりに、内部標準(200ng/mLのトルブタミン(tolbutamine)及び200ng/mLのラベタロール)を含有する400μLのアセトニトリルで反応物を直ちにクエンチし、徹底的に混合した。次いで、プレートを密閉し、20分間にわたって振とうし、4,000rpmにて4℃で20分間にわたって遠心分離した。50μLの各上清のアリコートを100μLの水中に希釈し、次いで、混合物を再度10分間にわたって振とうした。得られた混合物は、目的に適うLC-MS/MS方法を使用して、残った親化合物について分析した。
【0165】
【0166】
実施例8. ラット脳ホモジネートにおける安定性
開示化合物をラット脳ホモジネートにおける安定性について試験した(Table 4(表4))。アゼチジニル化合物1、2及び3はいずれも、実験条件下で良好な安定性を呈し、それぞれそれらのジメチル対応物N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)、サイロシン及び5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)よりも安定であった。
【0167】
試験化合物。化合物1、2及び3は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。
【0168】
脳ホモジネート安定性。冷凍ラット脳ホモジネート(雄スプラーグドーリーラットからプールしたもの、BioreclamationIVT社、RAT00BRAINMZA)を使用直前に37℃の水浴中で解凍した。陽性対照及び試験化合物(インキュベーション培地中の最終濃度=試験化合物については1μM及び対照については2μM、すべて2%DMSOを加えたもの)を、各時点(0、10、30、60及び120分)について二連で、ラット脳ホモジネート中、100μLの総反応体積にて37℃でインキュベートした。各インキュベーション期間の終わりに、内部標準(200ng/mLのトルブタミン(tolbutamine)及び200ng/mLのラベタロール)を含有する400μLのアセトニトリルで反応物を直ちにクエンチし、徹底的に混合した。次いで、プレートを密閉し、20分間にわたって振とうし、4,000rpmにて4℃で20分間にわたって遠心分離した。50μLの各上清のアリコートを100μLの水中に希釈し、次いで、混合物を再度10分間にわたって振とうした。得られた混合物は、目的に適うLC-MS/MS方法を使用して、残った親化合物について分析した。
【0169】
【0170】
実施例9. セロトニン受容体における機能的活性
開示化合物を、Ca2+フラックス機能アッセイを使用していくつかのセロトニン受容体サブタイプ(5-HT2A、2-HT2B、5-HT2C及び5-HT1A)におけるアゴニスト活性について試験し、結果をTable 5(表5)にまとめた。すべての化合物が、5-HT2Aにおいて強力なアゴニスト活性を呈し、潜在的な幻覚誘発活性及び考えられる治療効果を示唆していた。しかしながら、アゼチジニル化合物は、概して、5-HT1Aにおいて、密接に関係する化合物と比較してはるかに優れた効力を呈した。例えば、化合物1は、この受容体において、それぞれそのジメチル及びメチルエチル対応物、N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)及びN-メチル-N-エチルトリプタミン(MET;N-エチル-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン)よりも50倍超強力であった。同様に、化合物2は、5-HT1Aにおいて、それぞれそのジメチル及びメチルエチル対応物、サイロシン及び4-ヒドロキシ-N-メチル-N-エチルトリプタミン(4-HO-MET;3-(2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール)よりも5倍超強力であった。最後に、化合物3は、5-HT1Aにおいて、そのジメチル対応物5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)よりも10倍超強力であった。アゼチジニル化合物1、2及び3についての5-HT1A効力におけるこれらの増大は、5-HT2Aにおける同様の又はわずかに低減した効力と相まって、これらの化合物についてそれらのジメチル及びメチルエチル対応物と比較して5-HT1Aよりも5-HT2A選択性において相対的低減があったことを意味していた。5-HT1Aアゴニストは抗不安及び抗うつ効果を有することが公知であるため、この標的における活性の増大は、気分障害の処置用のアゼチジニル化合物の治療活性を増強することが期待される。
【0171】
試験化合物。化合物1、2及び3は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。
【0172】
5-HT2A、5-HT2B及び5-HT1Aにおける機能アッセイ。5-HT2A、5-HT2B及び5-HT1A受容体におけるアゴニスト活性を、FLIPR Ca2+フラックスアッセイを使用し、WuXi AppTec(香港)Limited社においてその標準プロトコールに従って決定した。簡潔に述べると、目的の受容体を発現している安定にトランスフェクトされた細胞(5-HT2A及び5-HT2BについてはHEK293;5-HT1AについてはCHO細胞)を増殖させ、384ウェルプレート中で平板培養し、37℃及び5%CO2で終夜インキュベートした。1mLのFLIPRアッセイ緩衝液中の250mMプロベネシドの溶液を新たに調製した。これを蛍光色素(Fluo-4 Direct(商標))と合わせて、2.5mMの最終アッセイ濃度にした。化合物を1:3.16に10点希釈し、750nLを384ウェル化合物プレートに、ECHOを30μLのアッセイ緩衝液とともに使用して添加した。次いで、蛍光色素をアッセイプレートにアッセイ緩衝液とともに添加して、40μLの最終体積とした。細胞プレートを、37℃及び5%CO2で50分間にわたってインキュベートし、FLIPRテトラに化合物プレートとともに入れた。次いで、10μLの基準物質及び化合物を化合物プレートから細胞プレートへ移し、蛍光シグナルを読み取った。
【0173】
5-HT2Cにおける機能アッセイ。5-HT2Cにおけるアゴニスト活性を、FLIPR Ca2+フラックスアッセイを使用し、Eurofins DiscoverX社(Fremont、CA)においてその標準プロトコールに従って決定した。簡潔に述べると、ヒト5-HT2C受容体を発現している安定にトランスフェクトされた細胞を増殖させ、384ウェルプレート中で平板培養し、37℃及び5%CO2で終夜インキュベートした。アッセイは、HBSS/20mM Hepes中の1×色素、1×添加物A及び2.5mMプロベネシドからなる1×色素ローディング緩衝液中で実施した。プロベネシドは新たに調製した。細胞に色素をロードした後、試験し、37℃で30~60分間にわたってインキュベートした。色素ローディング後、細胞をインキュベーターから除去し、10μLのHBSS/20mM Hepesを添加した。3×ビヒクルがアッセイ緩衝液に含まれていた。細胞を、室温、暗所で30分間にわたってインキュベートして、プレート温度を平衡化した。試料ストックの中間希釈を実施して、アッセイ緩衝液中の4×試料を生成した。化合物アゴニスト活性をFLIPRテトラ(MDS社)で測定した。カルシウム動員を2分間にわたってモニターし、アッセイが始まって5秒で、10μLのHBSS/20mM Hepes中4×試料を細胞に添加した。
【0174】
【0175】
実施例10. マウスにおける頭部攣縮応答(HTR)に対する効果
開示化合物を、マウスにおいて頭部攣縮応答(HTR)を誘発するそれらの能力について試験し、結果をTable 6(表6)にまとめた。開示されているアゼチジニル化合物の最大効果(10回未満の頭部攣縮/20分)は、原型5-HT2Aアゴニスト4-ヨード-2,5-ジメトキシアンフェタミン(DOI)(35.6回の頭部攣縮/20分)及び原型サイケデリックトリプタミン、4-HO-MET(4-ヒドロキシ-N-メチル-N-エチルトリプタミン;20.8回の頭部攣縮/20分)のものよりもはるかに少なかった。5-HT1AアゴニズムはHTRアッセイにおいて最大効果を抑制することが公知であるので、この観察は、インビトロで観察された5-HT1Aのアゴニストとしての化合物1及び2のはるかに優れた効力と一致している。
【0176】
動物。8週齢の成熟雄C57BL/6マウス(体重20~25g)をこれらの実験において使用した。動物を、制御温度下及び12時間の明/暗サイクル(07:00~19:00時の間点灯)で収容し、食物及び水を自由に与えた。プロトコールは、Eurofins Advinus社の動物実験委員会によって承認された。この研究は、米国国立衛生研究所の動物実験の適正な実施に向けたガイドラインの勧告に厳密に従って行われた。苦痛を最小化するためにあらゆる努力が為された。
【0177】
薬物及び薬物投与。化合物1及び2は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。試験化合物を、遊離塩基(2)、フマル酸塩(4-HO-MET及び1)又は塩酸塩(DOI)として使用した。薬物を、生理食塩水からなるビヒクル(DOI、4-HO-MET、及び1)又は生理食塩水中の10%DMSO、10%ツイーン80及び1モル当量のHClの混合物(2)に溶解し、10mL/kgの体積で皮下に(SC)投与した。試験化合物を、1化合物当たり5回用量(0.1から10mg/kg、遊離塩基に基づき算出)でN=6匹の動物/群を使用して投与した。対照化合物DOIを、1回用量(3.16mg/kg、HCl塩に基づき算出)でN=12匹の動物を使用して投与した。
【0178】
手順。マウスに、1回用量の試験薬物(又はビヒクル)をSC投与し、行動観察のために直ちに小さなオープンフィールドに入れた。動物を20分間連続して観察し、処置条件に対して盲検化されている観察者によってHTR数を係数した。
【0179】
統計的分析。Table 6(表6)に示すデータ点は、平均±標準誤差(SEM)である。分析は、グラフパッドプリズム9を使用して実施した。
【0180】
【0181】
実施例11. ラットにおける強制水泳試験
開示化合物2は、ラットにおける強制水泳試験(FST)において、23.5時間の前処置時間で抗うつ様効果を誘発した(
図1)。具体的には、化合物は、ビヒクル対照と比べて不動時間を低減させ、抗うつ様効果を指し示した。不動に対するこの効果は高度に強力であり、試験された最低用量(0.1mg/kg)でも有意な効果が観察された。更に、薬物のほとんど又はすべてが全身循環から取り除かれた時点である単一化合物投与の23.5時間後に効果が観察され、化合物2が即効性及び長続きする抗うつ様効果の両方を有することを示唆していた。加えて、化合物は、試験中に水泳(図>2)行動における有意な増大を誘発した。水泳に対するこれらの効果は、対照抗うつ薬デシプラミンによって誘発されるものよりも強かった。
【0182】
動物。8~10週齢の雄スプラーグドーリーラットを実験において使用した。動物を、2つの群で、制御温度(22±3℃)及び相対湿度(30~70%)条件下、12時間の明/暗サイクルで収容し、食物及び水を自由に与えた。これらの研究は、インドの動物実験の管理と監督を目的とする委員会(CPCSEA)の要件に厳密に従って行われた。苦痛を最小化するためにあらゆる努力が為された。
【0183】
薬物及び薬物投与。化合物2は上述した通りに調製した。他のすべての化合物は商業的に入手した。試験化合物、生理食塩水ビヒクル及び陽性対照デシプラミンを皮下に(SC)投与し、用量は遊離塩基に基づき算出した。化合物2を除いて生理食塩水をビヒクルとして使用し、化合物2は、生理食塩水中の、10%DMSO、10%ツイーン80及び1モル当量のHClの混合物に溶解した。すべての化合物を5mL/kgの体積で投与した。試験化合物及びビヒクルは、訓練水泳(水泳1)の開始0.5時間後及び試験水泳(水泳2)の23.5時間前に投与した。デシプラミンは、試験水泳(水泳2)の23.5時間、5時間及び1時間前に、各時間20mg/kgの用量で3回投与した。
【0184】
強制水泳試験(FST)。動物を体重に基づいて無作為化し、群間変動が最小限であり、群全体の平均体重の±20%を超えないことを確実にした。群サイズは、1回の処置当たりN=20であったビヒクル及びデシプラミン群を除いて、N=10であった。実験手順の開始前の5日間にわたって、毎日約2分間、ラットを取り扱った。実験初日(すなわち、0日目)に、無作為化後、訓練水泳セッション(水泳1)を12:00から18:00時の間に行い、23~25℃の水を深さ30cmで含有する個々のガラスシリンダー(高さ46cm×直径20cm)にラットを15分間入れることにより、すべての動物を用いた。水泳1の終了時に、動物をペーパータオルで乾かし、加熱乾燥ケージに15分間入れ、次いで、それらのホームケージに戻した。次いで、動物に、適切な薬物又はビヒクル処置を上述した通りに投与した。明確にするために、水泳2の23.5時間前の化合物投与時間は、水泳1の開始0.5時間後及び水泳1の完了0.25時間後(すなわち、ホームケージに戻った直後)を意味する。1日目(すなわち、水泳1の開始24時間後)に、動物は試験水泳(水泳2)を5分間にわたって実施したが、それ以外は水泳1と同じ条件下にあった。すべての水泳セッション中、各動物の間で水を換えた。
【0185】
行動スコアリングは、処置群に対して盲検化されている観察者によって行った。水泳2の間、動物を連続して観察し、以下の行動に従事して過ごした合計時間を記録した:不動、水泳及びよじ登り。ラットは、もがくことなく水中に浮遊したままであり、頭を水上に保つために必要な動作のみをする場合に、不動であると判断された。ラットは、頭を水上に単に維持するために必要である以上の積極的な泳ぐ動きをした(例えば、シリンダー内を動き回っている)場合に、泳いでいると判断された。ラットは、通常は壁に向けられている前足を用いて水の内外で積極的な動作をした場合に、よじ登りと判断された。
【0186】
統計的分析。
図1及び
図2に示すデータ点は、平均±標準誤差(SEM)を表す。分析は、グラフパッドプリズム9を使用して実施した。群間比較は、一元配置分散分析(ANOVA)、続いて、ビヒクルに対する比較のためのダネットの検定を使用して実施した。
【0187】
実施例12. 化合物4は化合物2のプロドラッグである。
動物、例えばヒトに投与される場合、化合物4の酢酸エステルを急速に加水分解して、フェノール化合物2を活性代謝物として得る。化合物4は化合物2よりも酸化に対してより安定であるため、より容易に貯蔵され取り扱われる化合物2の有用なプロドラッグである。(フェノールにおける)化合物2の他のエステルはプロドラッグとして同様の有用な特性を有する。
【0188】
実施例13. 追加の化合物のミクロソーム安定性。
追加の開示化合物を、ヒト肝ミクロソームにおける安定性について実施例5において記述した通りに試験する。化合物は、この調製物中において良好な安定性を呈し、それらのN,N-ジメチル対応物よりも安定である。
【0189】
実施例14. モノアミン酸化酵素の存在下での追加の化合物の安定性
追加の開示化合物を、モノアミン酸化酵素の存在下でのそれらの安定性を決定するために、肝ミトコンドリア調製物を使用し、実施例6において記述した通りに試験する。化合物は、この調製物中において良好な安定性を呈し、それらのN,N-ジメチル対応物よりも安定である。
【0190】
実施例15. 5-HT1A及び5-HT2A受容体における追加の化合物のアゴニスト活性
追加の開示化合物を、5-HT2A及び5-HT1A受容体におけるそれらのアゴニスト活性を決定するために、実施例9において記述した通りに試験する。化合物は、両方の受容体において強力且つ効果的なアゴニスト活性を呈し、5-HT1Aにおいて、それらの最寄りの非環式アミン類似体と比較して、より強力である。
【0191】
実施例16. HTRアッセイにおける追加の化合物の効果
追加の開示化合物を、マウスにおいて頭部攣縮応答(HTR)を誘発するそれらの能力を決定するために、実施例10において記述した通りに試験する。化合物は、他の5-HT2Aアゴニスト、例えばDOI及び4-HO-METと比較して、低から中等度の最大効果を誘発する。
【0192】
実施例17. ラットの強制水泳試験における追加の化合物の効果
追加の開示化合物を、ラットの強制水泳試験(FST)において、実施例11において記述した通りに試験する。化合物は、この試験において用量依存様式で不動を低減させ、抗うつ様効果と一致する。
【0193】
実施例18. 追加の化合物の合成
追加の開示化合物は、有機合成分野の当業者に公知である標準的な方法、例えば、実施例1~4において提示されている及び本明細書の他の箇所で記述されているものによって調製されうる。
【0194】
実施例19. 化合物5の調製
方法1:
【化23】
【0195】
工程1:ベンジル(3-(2-(1-ベンジルアゼチジン-1-イウム-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル)ホスフェートの調製。
-78℃の無水THF(2の1mmol当たり8.3mL)中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オール(2、1当量)の混合物に、ヘキサン(1.2当量)中の2.5M nBuLiの溶液を、内部温度を-60℃未満に維持しながら数分間かけて滴下添加する。反応混合物を10分間にわたって撹拌し、次いで、ピロリン酸テトラベンジル(1.1当量)を一度に添加し、撹拌を-78℃で1.5時間にわたって続ける。この時点で、冷却浴を除去し、温度を約2時間かけて-25℃にゆっくりと上昇させる。LCMSにより反応の完了を確認する。反応物が-25℃のまま、アミノ結合シリカゲル(2の1mmol当たり0.5g)を一度に添加し、反応混合物をEtOAc(2の1mmol当たり10mL)で希釈する。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、EtOAc(2の1mmol当たり6.7mL)で洗浄する。濾過ケーキを追加のEtOAc(2の1mmol当たり6.7mL)で10分間にわたって再スラリー化し、再度濾過する。合わせた濾液を濃縮し、残留物をDCM(2の1mmol当たり1.7mL)に再溶解し、溶液をヒートガンで沸騰するまで5分間にわたって加熱する。次いで、混合物を室温に冷却させ、次いで、4℃に更に冷却し、その温度で終夜保持する。得られた沈殿物を濾過によって収集し、DCM(2の1mmol当たり4×1.7mL)でトリチュレートし、上清を毎回除去し、次いで、徹底的に乾燥させて、ベンジル(3-(2-(1-ベンジルアゼチジン-1-イウム-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル)ホスフェートを得る。
【0196】
工程2:3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル二水素ホスフェート(5)の調製。
N2下、MeOH(基質の1mmol当たり33.7mL)中のベンジル(3-(2-(1-ベンジルアゼチジン-1-イウム-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル)ホスフェート(1当量)の混合物に、10%Pd/C(基質の1mmol当たり30.9mg)を添加し、雰囲気を排気し、バルーンから1気圧のH2を再充填する。次いで、反応混合物を室温で終夜撹拌する。LCMSにより反応の完了を確認する。次いで、フラスコを排気し、N2を再充填し、懸濁液をセライトのパッドに通して濾過する。フィルターパッドをMeOH(基質の1mmol当たり14mL)で洗浄し、合わせた濾液を濃縮して、粗生成物を得る。粗固体をiPrOH(基質の1mmol当たり5.6ml)に懸濁し、30分間にわたって沸騰させ、熱いうちに(50から60℃)濾過し、収集した固体をアセトンで洗浄する。次いで、この材料をiPrOH中25%MeOHに懸濁し、30分間にわたって沸騰させ、熱いうちに濾過し、収集した固体をiPrOH中25%MeOHで洗浄する。最後に、固体をアセトン中30%水から再結晶させて、純粋な3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル二水素ホスフェート(5)を得る。生成物を、アセトン中30%水又は純水から更に再結晶させて、所望ならばより高純度の材料を取得することができる。
【0197】
【0198】
工程1:3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル二水素ホスフェート(5)の調製。
N2下、無水THF(2の1mmol当たり3.07mL)中の3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-オール(2、1当量)及びセライト(2と等質量)のスラリーを調製し、室温で少なくとも2時間にわたって撹拌し、次いで、混合物を-15℃に冷却する。別個に、POCl3の溶液(1.5当量)をN2下、無水THF(POCl3の1mmol当たり1.36mL)中で調製し、-15℃に冷却する。次いで、2/セライト/THFスラリーをPOCl3溶液に、内部温度を-15から0℃の間で維持しながらゆっくりと添加し、得られた混合物を-15℃で1時間にわたって撹拌する。THF/H2O(70:30、2の1mmol当たり2.04mL)及びEt3N(6当量)のクエンチ溶液を調製し、-20から0℃に冷却する。次いで、反応混合物をクエンチ溶液に、内部温度を-20から0℃で維持しながらゆっくりと添加する。氷冷THF(2の1mmol当たり2×0.41mL)及び水(2の1mmol当たり0.61mL)を使用して、内部温度を-20から0℃で維持しながら反応フラスコ中の残留物を洗浄し、クエンチ混合物とする。次いで、合わせた混合物を-20から0℃で少なくとも1時間にわたって撹拌する。この時点で、混合物を濾過し、ケーキを5から10℃の水(2の1mmol当たり2×0.41mL)で洗浄する。生成物を含有する下部水性相を分離し、iPrOH(2の1mmol当たり2.04mL)と混合し、混合物を45℃未満の内部温度で濃縮して、2の1mmol当たり約1.02mLの体積とし、そこから水だけが蒸留する(水の共沸蒸留を支援して標的体積を実現するために必要に応じて追加のiPrOHが添加される)。この時点で、追加の水(2の1mmol当たり1.02mL)を添加し、混合物を室温で少なくとも24時間にわたって撹拌する。得られた沈殿物を、N2雰囲気下、濾過によって収集し、ケーキを冷水(2の1mmol当たり2×0.41mL)で洗浄し、収集した固体を、真空下、35~45℃で少なくとも24時間にわたって乾燥させる。粗生成物をMeOH(粗生成物の1g当たり10mL)とN2下で混合し、室温で少なくとも12時間にわたって撹拌する。混合物をN2下で濾過し、ケーキをMeOH(粗生成物の1g当たり2×1.5mL)により室温ですすぐ。収集した固体を水(粗生成物の1g当たり10mL)とN2下で混合し、45~55℃で少なくとも24時間にわたって撹拌する。次いで、混合物を約2時間かけて室温に冷却し、その温度で追加で2時間にわたって更に撹拌する。固体を、N2下、濾過によって収集し、室温の水(粗生成物の1g当たり2×1mL)で洗浄し、真空下、35~45℃で少なくとも24時間にわたって乾燥させて、純粋な3-(2-(アゼチジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-4-イル二水素ホスフェート(5)を得る。
【0199】
実施例20. 化合物5は化合物2のプロドラッグである。
動物、例えばヒトに投与される場合、化合物5のリン酸エステルを急速に加水分解して、フェノール化合物2を活性代謝物として得る。化合物5は化合物2よりも安定であるため、より容易に貯蔵され取り扱われる化合物2の有用なプロドラッグである。
【0200】
本明細書において提供される実施例及び実施形態は例示であることが理解されるべきである。当業者ならば、本明細書における開示の範囲と一致する実施例及び実施形態の種々の修正形態を想定するであろう。そのような修正形態は、請求項によって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】