(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ドローン迎撃のためのミリメートル波長レーダアンテナ
(51)【国際特許分類】
G01S 7/02 20060101AFI20230914BHJP
H01Q 21/20 20060101ALI20230914BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G01S7/02 210
H01Q21/20
H01Q21/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515082
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021035663
(87)【国際公開番号】W WO2022072006
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520441626
【氏名又は名称】アンドゥリル・インダストリーズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ANDURIL INDUSTRIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アドナン・エスマイル
【テーマコード(参考)】
5J021
5J070
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA08
5J021AA09
5J021AA11
5J021DB02
5J021DB03
5J021FA13
5J021FA30
5J021FA32
5J021HA04
5J021HA08
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC12
5J070AD08
5J070AF06
(57)【要約】
【解決手段】ドローンレーダのためのシステムが、アンテナアレイを備える。アンテナアレイは、アーク構成を備える。1セットの送信アンテナおよび1セットの受信アンテナが、アーク構成に沿って弧状に配置されている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダのためのシステムであって、
アンテナアレイを備え、
前記アンテナアレイは、アーク構成を備え、
1セットの送信アンテナおよび1セットの受信アンテナが、前記アーク構成に沿って弧状に配置されている、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記1セットの送信アンテナは、N個の送信アンテナを含み、前記1セットの受信アンテナは、M個の受信アンテナを含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、NおよびMは、等しい整数である、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、Nは、3または4である、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムであって、Mは、3または4である、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記アンテナアレイは、複数のアーク構成を備える、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記複数のアーク構成は、中心点の周りで回転された1セットの同様のアーク構成を含む、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムであって、前記複数のアーク構成は、L種のタイプのアーク構成のペアを含み、Lは整数である、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記L種のタイプのアーク構成の内の第1タイプの第1ペアが、中心点の周りで回転された位置に配置されている、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記L種のタイプのアーク構成の内の第2タイプの第2ペアが、前記中心点の周りで回転された位置に配置されている、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記第1タイプの前記第1ペアおよび前記第2タイプの前記第2ペアは、互いに90度回転された状態で配置されている、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、前記アンテナアレイの方位角分解能および前記アンテナアレイの仰角分解能は、互いに+/-50%以内である、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記方位角分解能および前記仰角分解能は、6度よりも小さい、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記アンテナアレイの方位角視野および前記アンテナアレイの仰角視野は、互いに+/-10%以内である、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記方位角視野および前記仰角視野は、約40度、60度、または、80度である、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記アンテナアレイは、30~300GHzの間のレーダ周波数用である、システム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムであって、前記アンテナアレイのアンテナパッドは、1mm×1mmに広がっている、システム。
【請求項18】
レーダのための方法であって、
アンテナアレイを提供することを備え、
前記アンテナアレイは、アーク構成を備え、
1セットの送信アンテナおよび1セットの受信アンテナが、前記アーク構成に沿って弧状に配置されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ドローンが普及しており、悪用される可能性のあるカメラおよび簡易爆発装置などの積載物を運ぶことができる。ドローンが脅威であることを検出および判定することは困難であり、問題であると判定された時にドローンを迎撃するのはなおさら困難である。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下の詳細な説明と添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0003】
【
図1A】カウンタードローンの一実施形態を示すブロック図。
【0004】
【
図1B】レーダシステムの一実施形態を示すブロック図。
【0005】
【
図2A】アンテナアレイの一実施形態を示すブロック図。
【0006】
【
図2B】パラメータに関連する波形の一実施形態を示す図。
【0007】
【
図2C】回転されたアンテナアークセットの一実施形態を示すブロック図。
【0008】
【
図3A】アンテナアレイの一実施形態を示すブロック図。
【0009】
【
図3B】アンテナアレイの一実施形態を示すブロック図。
【0010】
【
図4A】アンテナアレイ回路基板の一実施形態を示すブロック図。
【0011】
【
図4B】ドローンレーダシステムの一実施形態を示すブロック図。
【0012】
【
図4C】ドローンレーダシステムアーキテクチャの一実施形態を示すブロック図。
【0013】
【
図5】アンテナアレイ較正システムの一実施形態を示すブロック図。
【0014】
【
図6】アンテナアレイを較正するための方法の一実施形態を示すフローチャート。
【0015】
【
図7】ドローンレーダを提供するための方法の一実施形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成、コンピュータ読み取り可能な格納媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/または、プロセッサ(プロセッサに接続されたメモリに格納および/またはそのメモリによって提供される命令を実行するよう構成されたプロセッサ)を含め、様々な形態で実施されうる。本明細書では、これらの実施例または本発明が取りうる任意の他の形態が、技術と呼ばれうる。一般に、開示されている処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。特に言及しない限り、タスクを実行するよう構成されるものとして記載されたプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、或る時間にタスクを実行するよう一時的に構成された一般的な構成要素として、または、タスクを実行するよう製造された特定の構成要素として実装されてよい。本明細書で用いられているように、「プロセッサ」という用語は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するよう構成されている1または複数のデバイス、回路、および/または、処理コアを指す。
【0017】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本発明は、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。簡単のために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0018】
ドローンレーダのためのシステムが開示されている。システムは、アンテナアレイを備える。アンテナアレイは、アーク(弧状)構成を備える。1セットの送信アンテナおよび1セットの受信アンテナが、アーク構成に沿って弧状に配置されている。
【0019】
レーダを較正するためのシステムが開示されている。システムは、アンテナアレイおよびプロセッサを備える。アンテナアレイは、アーク(弧状)構成を備える。プロセッサは、ドローンレーダを較正するよう構成されている。較正は、アンテナアレイのトランスミッタに単一の標的へ向かって送信させ、トランスミッタとペアになった各レシーバの位相オフセットを決定するためにアンテナアレイの各アーク構成内の各レシーバで信号を測定し、アンテナアレイに対するトランスミッタ-レシーバペアの較正を決定することを含む。
【0020】
ドローンレーダシステムは、無人航空機(UAV)(例えば、カウンタードローン)に搭載するのに十分に小さく、低レーダ断面(RCS)(例えば、-20dBsmのRCS)で標的を検出できる。例えば、システムは、その規定された検出レンジ(例えば、100メートル)の端から標的に至るまで、カウンタードローンが追跡中にピッチングおよびローリングを行っている間、飛来する脅威ドローンの追跡および捕捉を提供するのに十分な視野角(FOV)(例えば、60度×60度)を有する。
【0021】
様々な実施形態において、構成は、システム要件に応じて、狭くまたは広い。様々な実施形態において、レーダ検知システムは、より広いFOVを有して固定され、より狭いFOV(例えば、60度×60度よりも狭い)を有してジンバルに支持されて機械的に操作され、より狭くて(例えば、60度×60度よりも狭い)電子的に(例えば、アクティブ電子スキャンアレイを用いて)操作され、もしくは、任意のその他の適切な構成を有する。
【0022】
より広いレンジを達成するより狭いFOV構成では、回避追跡を損なう飛行中のより複雑な探索アルゴリズムのコストが掛かり、もしくは、高い指向精度、高速での制御性、信頼性、および、さらなる複雑さの負担を必要とするジンバルが必要になる。
【0023】
システムは、カウンタードローンに搭載可能な既存のレーダシステムよりも高い角度精度および広いレンジを示す。いくつかの実施形態においては、システムは、複数のカウンタードローンの存在下で複数の脅威ドローンを識別するために十分に高い角度分解能を有する。いくつかの実施形態において、レーダは、分解能が検出の画像を作成するのに十分であるため、標的の画像化に利用される。
【0024】
いくつかの実施形態において、ドローンレーダのためのシステムは、ミリメートル波長レーダを備える。いくつかの実施形態において、ドローンレーダのためのシステムは、フェーズドアレイレーダ(例えば、多入力多出力(MIMO)レーダ)を備える。
【0025】
カウンタードローン内の空間的制約のため、ドローンレーダ用のシステムの高周波(RF)生成/検出、インターフェース、および、信号処理の回路基板は、設計の柔軟性を提供するためにモジュール式ハードウェアアーキテクチャを備える。いくつかの実施装形態において、第1モジュール式回路基板は、アンテナアレイおよびアナログレーダプロセッサを備える(例えば、集積導波路およびRF処理を備えたRFアンテナ回路基板)。いくつかの実施形態において、第1モジュール式回路基板は、ミリメートル波長RFおよび信号処理を相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセス内に統合している。いくつかの実施形態において、第2モジュール式回路基板は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)インターリンク基板を備える。様々な実施形態において、特定用途向け集積回路(ASIC)が、FPGAインターリンク基板上のFPGAの内の1または複数に対して用いられる。例えば、FPGAの代わりにASICを利用すると、電力削減および/または回路基板空間の節約がなされる。いくつかの実施形態において、第3モジュール式回路基板は、デジタルレーダプロセッサ基板(例えば、MIMO処理基板)を備える。
【0026】
アンテナアレイは、1または複数のアーク構成に配置された送信アンテナのセットおよび受信アンテナのセットを備える。アンテナアーク構成は、合成開口レーダ(SAR)で用いられる典型的な均一アレイ構成よりも高いドローンレーダシステム分解能を提供するようにトランスミッタおよびレシーバを配置するための不均一構成を記述する。開示されている不均一アーク構成は、標準的なアレイ(例えば、線形トランスミッタおよび/またはレシーバアレイ)と比較して、格子サイドローブ干渉を抑制することによって分解能を高める。アーク構成の1または複数の形状は、カウンタードローンでの利用に適した市販のレーダシステムと比較して、広いFOVならびに仰角および方位角の高分解能のための設計仕様を達成するように選択される。
【0027】
図1Aは、カウンタードローンの一実施形態を示すブロック図である。図の例において、カウンタードローン100は、ドローンステーション(図示せず)の中または上にあり、通信ネットワークを介してカウンタードローン命令を受信する。バッテリ102は、ドローンパッドインターフェース104を介して充電電流を受信する(例えば、ドローンパッドインターフェース104は、ドローンステーションとのハードワイヤ接続または電磁誘導結合を備える)。
【0028】
いくつかの実施形態において、カウンタードローン100は、飛来する脅威ドローンに対するジオフェンスエリアを監視および保護するために、1または複数のセンサシステム(例えば、ステーション内、タワー内、ドローン内、ドローンステーション内、車載、人間に装着のセンサシステム)と、1または複数のカウンタードローンステーションとを結びつけるネットワークを備えたカウンタードローンシステムの一部である。センサシステムはネットワークと連携して、飛来する脅威ドローンに応じて、利用可能な所望のカウンタードローン特性(例えば、バッテリレベル、ペイロードなど)に基づいて、そして、迎撃可能性を考慮して、どのカウンタードローンを発射および/または(例えば、すでに飛行中の場合)向かわせるのかを決定する際に役立つように生センサ情報および/または派生センサ情報を提供する。
【0029】
カウンタードローン100が脅威ドローンを迎撃するために配備されている一例において、レーダシステム106は、(例えば、迎撃飛行経路の決定に役立つように)生データおよび/または派生センサ情報(例えば、レーダ画像)をドローンプロセッサ108に提供する。いくつかの実施形態において、レーダシステム106は、(例えば、脅威ドローンの位置、高度、速度、加速度、および/または、軌道を通信するために)カウンタードローンシステムへの生データおよび/または派生センサ情報をドローンプロセッサ108を介して通信ネットワークへ提供する。
【0030】
ドローンプロセッサ108は、次に、離陸を達成するためにスピードコントローラ112を介してカウンタードローンモータ114を作動させて制御するフライトコントローラ110へ迎撃飛行経路情報を送信する。フライトコントローラ110は、プロセッサ、ジャイロ、加速度計、高度センサ(例えば、バロメータ)、電流センサ、(例えば、飛行中のカウンタードローン100の安定性を維持するための)比例・積分・微分(PID)コントローラ、ならびに、フライトコントローラ110が脅威ドローン迎撃に適切なコースをナビゲートして維持することを可能にする標準的な通例のその他の構成要素を備える。
【0031】
図1Bは、レーダシステムの一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図1Bのレーダシステム120は、
図1Aのレーダシステム106を実装するために用いられる。図の例において、レーダシステム120は、アンテナアレイ122、アナログレーダプロセッサ124、デジタルレーダプロセッサ126、および、メモリ128を備える。アナログレーダプロセッサ124は、アンテナアレイ122からmm波信号(例えば、30~300GHzの間のレーダ周波数)を受信し、デジタルレーダプロセッサ126への中間周波数(IF)入力(例えば、250KHz~5MHzの範囲の周波数[要チェック])を生成するためにmm波信号をダウンミックスする。例えば、ダウンミックスを行ってデジタルレーダプロセッサ126へのIF入力を生成するために、mm波信号が、アンテナアレイ122によって送信され、対象標的から反射され、アンテナアレイ122によって受信される。アナログレーダプロセッサ124は、IF信号を(例えば、アナログデジタル変換器を用いて)デジタル化する。デジタルレーダプロセッサ126は、IF信号の振幅および位相を算出し、対象標的(例えば、飛来する脅威ドローン)の仰角および方位角と、対象標的までの距離とを決定する。メモリ128は、レーダシステム120の動作を円滑にするために、生センサデータおよび/または(例えば、デジタルレーダプロセッサ126からの)派生センサ情報、もしくは、任意のその他の適切な情報を格納する。
【0032】
図2Aは、アンテナアレイの一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図2Aのアンテナアレイ200は、
図1Bのアンテナアレイ122を実装するために用いられる。図の例において、アンテナアレイ200は、或るタイプのアンテナアーク構成のペア(例えば、アンテナアーク202Aおよびアンテナアーク202B)と、別のタイプのアンテナアーク構成のペア(例えば、アンテナアーク204Aおよびアンテナアーク204B)と、を備える。いくつかの実施形態において、アンテナアレイ200は、複数のアーク構成を含む。各タイプのアンテナアーク構成は、アンテナアレイ200を備えるトランスミッタおよびレシーバを配置するための不均一構成を記述する。対照的に、合成開口レーダ(SAR)(例えば、カウンタードローンで利用可能である安価なSARシステム)において用いられる標準的な仮想アンテナアレイのトランスミッタおよびレシーバは、一般に均一構成(例えば、線形)で配置される。
【0033】
SARシステムにおける仮想チャネル素子の数は、アレイを形成するために用いられるトランスミッタの数およびレシーバの数の積である。例えば、12個のトランスミッタおよび16個のレシーバを備えたアンテナアレイは、192個の仮想チャネル素子を提供する。SARで用いられる多数の仮想チャネル素子の長所は、狭いビーム幅を生成することである(すなわち、非SARシステムよりも高い分解能を提供する)。さらなる分解能の改善が、不均一構成を用いて達成される。
【0034】
図2Aの不均一アーク構成は、格子サイドロ-ブ干渉を抑制することによって分解能を増大させる。SARの狭いビーム幅は、格子サイドローブ(すなわち、ビーム中心から離れた二次強度ピーク)という代償を伴う。二次強度ピークは、標的の位置を決定するにあたって曖昧さを生むのに十分な強度である(例えば、ビームの中心の位置を二次強度ピークの位置と混同する)。開示されているドローンレーダ用システムにおいて、
図2Aに示すアーク構成は、格子サイドローブ強度を抑制する結果として、均一なアレイ構成と比べて高いシステム分解能をもたらす(例えば、他の構成の5~7度の分解能と比べて3~4度の分解能を提供する)。
【0035】
いくつかの実施形態において、方位角分解能および仰角分解能は、システム要件に従って標的を分解するために、6度よりも小さい。いくつかの実施形態において、方位角分解能および仰角分解能は、システム要件に従って標的を分解するために、4度の半値全幅(FWHM)よりも小さい。いくつかの実施形態において、方位角分解能および仰角分解能は、18度の高さであるが、複数の潜在的な標的を分離するためにシステム要件に依存する。いくつかの実施形態において、アンテナアレイの方位角分解能およびアンテナアレイの仰角分解能は、互いに+/-50%以内である。いくつかの実施形態において、アンテナアレイの方位角分解能およびアンテナアレイの仰角分解能は、おおよそ等しい(例えば、互いに+/-1%、5%、10%以内)。いくつかの実施形態において、角度精度は、10dBの信号対ノイズ比(SNR)で測定された1.5度よりも小さい。いくつかの実施形態において、レンジ分解能は、-10dBsmのRCSで標的に対して70メートルの射程で0.2メートルより小さい。いくつかの実施形態において、システムは、-20dBsmのRCSに対して0.1mの分解能で120mのレンジを達成する。
【0036】
様々な実施形態において、システム性能特性は、ソフトウェア定義された様々なパラメータに応じて変化しうる。これらのパラメータは、レンジ、レンジ分解能、ドップラー、ドップラー分解能、反射される電力/SNR、ならびに、様々な波形およびビームの特性を変化させうる。応用例に対する波形(チャープ構成としても知られる)の開発は、利用事例の十分な網羅を達成するために(例えば、動眼視野内にZ個の他の標的と共にYレンジ(距離)においてX速度で進んでいる非常に小さい標的を検出できるように)、様々なパラメータにわたる複雑なトレードオフを伴う。
【0037】
図2Bは、パラメータに関連する波形の一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態において、波形は、レーダシステム(例えば、
図1のレーダシステム106)のレーダ波形である。図の例においては、y軸に沿って周波数が表され、x軸に沿って時間が表されており、フレームの複数の波形チャープランプが波形240に表示されている。波形240は、チャープランプC
1、C
2、C
3、C
4、・・・、C
N-1、C
Nからフレーム間時間242だけ離れたフレーム周期244のチャープランプC
1、C
2、C
3、C
4、・・・、C
N-1、C
Nを備える。
【0038】
波形220は、チャープランプの拡大図を示している。波形220は、チャープサイクル時間222、アナログデジタル変換器(ADC)サンプリング窓224、ランプ開始228からのADC開始226、ランプ終了234からランプ開始228までのアイドル時間230、ランプ開始228からの送信開始232、および、周波数が掃引帯域幅239にわたって周波数傾斜238でランプしているトランスミッタ・オン236の示唆を含む。
【0039】
様々な実施形態において、基本パラメータは、有効掃引帯域幅(例えば、3000MHzの掃引帯域幅239)、初期ランプ傾斜(例えば、65.97MHz/μs)、ランプ傾斜パラメータ(例えば、1366)、ランプ傾斜(例えば、65.95MHz/μsの周波数傾斜238)、チャープ間時間(例えば、20.20μsのアイドル時間230)、チャープ時間(例えば、45.48μs)、チャープあたりのサンプル数(例えば、223)、最大ビート周波数(例えば、4.4MHz)、サンプリング周波数最小値(4.89Msps)、総掃引帯域幅(例えば、3881.04MHz)、搬送波周波数(例えば、77.80GHz)、ラムダ(例えば、3.86mm)、アイドル時間最小値(例えば、7μsのアイドル時間230)、ランプ終了時間(例えば、58.85のランプ終了234)、ADC有効開始時間最小値(例えば、6μsのADC開始226)、最大チャープ反復期間(例えば、133.50μs)、チャープ反復期間(例えば、131.70μsのチャープサイクル時間222)、レンジFFTビンの数(例えば、256)、チャープループの最小数(例えば、フレーム期間244などのフレーム期間sの数、例えば27)、ドップラーFFTビンの数(例えば、32)、アクティブフレーム時間(例えば、4.21ms)、レンジビン間分解能(例えば、4.36cm)、速度ビン間分解能(例えば、0.47m/s)、レーダキューブサイズ(216KB)、または、任意のその他の適切なパラメータ、を含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、他のパラメータが、レーダチップにわたってインターフェースして多相構成で変調を行うために変更される。いくつかの実施形態において、波形は、所望のシステム性能特性に合わせてカスタマイズされる。
【0041】
図2Cは、回転されたアンテナアークセットの一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図2Cのアンテナアレイ290は、
図1Bのアンテナアレイ122を実装するために用いられる。図の例において、アンテナアーク292Aおよびアンテナアーク292Bは、或るタイプのアンテナアークのペアを含み、アンテナアーク294Aおよびアンテナアーク294Bは、別のタイプのアンテナアークのペアを含む。アンテナアーク292Aおよびアンテナアーク292Bの位置は、アンテナアーク292Aが中心296の周りで180度回転された場合に、アンテナアーク292Aがアンテナアーク292Bと重なり、同様にアンテナ292Bがアンテナアーク292Aと重なるように、それらが配置されるような位置である。アンテナアーク294Aおよびアンテナアーク294Bの位置は、アンテナアーク294Aが中心296の周りで180度回転された場合に、アンテナアーク294Aがアンテナアーク294Bと重なり、同様にアンテナアーク294Bがアンテナアーク294Aと重なるように、それらが配置されるような位置である。アンテナアレイ290のアンテナアークの位置は、最小の格子サイドローブ干渉を達成するように中心点296の周りで回転された位置に配置されている。アンテナアレイのアンテナは、所定のFOVおよび分解能を達成するように配置されている。いくつかの実施形態において、アンテナアレイの方位角視野およびアンテナアレイの仰角視野は、互いに+/-10%以内である。いくつかの実施形態において、システムは、20度の仰角FOVおよび60度の方位角FOVを有する。様々な実施形態において、方位角視野および仰角視野は、約40、60、または、80度、もしくは、任意のその他の適切な視野角である。
【0042】
いくつかの実施形態において、アンテナアレイ290の複数のアーク構成は、中心点296の周りで回転された同様のアーク構成のセットを含む。いくつかの実施形態において、アンテナアレイ290の複数のアーク構成は、L種のタイプのアーク構成のペアを含み、ここで、Lは整数である。いくつかの実施形態において、アンテナアレイ290のL種のタイプのアーク構成の内の第1タイプのアーク構成の第1ペアが、中心点296の周りで回転された位置に配置される。いくつかの実施形態において、アンテナアレイ290のL種のタイプのアーク構成の内の第2タイプのアーク構成の第2ペアが、中心点296の周りで回転された位置に配置される。いくつかの実施形態において、第1タイプの第1ペアおよび第2タイプの第2ペアは、互いに90度回転された状態で配置されている。
【0043】
図3Aは、アンテナアレイの一実施形態を示すブロック図である。図の例において、
図3Aのアンテナアレイは、2つのタイプのアンテナアークおよび2つのタイプのアンテナ(すなわち、タイプAおよびタイプB)を備える。図の例において、第1タイプのアンテナアークは、タイプAアンテナ300およびタイプBアンテナ302によって形成され、第2タイプのアンテナアークは、タイプAアンテナ304およびタイプBアンテナ306によって形成されている。タイプAアンテナ308およびタイプBアンテナ310は、タイプAアンテナ300およびタイプBアンテナ302によって形成されたアンテナアークに対して中心点の周りで180度回転された第1タイプのアンテナアークを形成している。タイプAアンテナ312およびタイプBアンテナ312は、タイプAアンテナ304およびタイプBアンテナ306によって形成されたアンテナアークに対して中心点の周りで180度回転された第2タイプのアンテナアークを形成している。いくつかの実施形態において、タイプAアンテナは、送信アンテナであり、タイプBアンテナは、受信アンテナである。いくつかの実施形態において、タイプAアンテナは、受信アンテナであり、タイプBアンテナは、送信アンテナである。様々な実施形態において、送信アンテナのセットは、N個の送信アンテナを含み、受信アンテナのセットは、M個の受信アンテナを含み、ここで、MおよびNは、整数である(例えば、Nは3または4であり、および/または、Mは3または4である)。いくつかの実施形態において、NおよびMは、等しい整数である。様々な実施形態において、Nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、または、任意のその他の適切な数である。様々な実施形態において、Mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、または、任意のその他の適切な数である。アンテナアレイのアンテナは、所定のFOVおよび分解能を達成するように配置されている。
【0044】
図3Bは、アンテナアレイの一実施形態を示すブロック図である。図の例において、
図3Bのアンテナアレイは、或るタイプの送信アンテナアークのペア(すなわち、送信アンテナ320のセットおよび送信アンテナ322のセットが各々、或るタイプのアンテナアークを形成する)と、別のタイプの受信アンテナアークのペア(すなわち、受信アンテナ324および受信アンテナ326が各々、別のタイプのアンテナアークを形成する)と、を備える。様々な実施形態において、送信アンテナのセットは、N個の送信アンテナを含み、受信アンテナのセットは、M個の受信アンテナを含み、ここで、MおよびNは、整数である(例えば、Nは3または4であり、および/または、Mは3または4である)。いくつかの実施形態において、NおよびMは、等しい整数である。様々な実施形態において、Nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、または、任意のその他の適切な数である。様々な実施形態において、Mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、または、任意のその他の適切な数である。アンテナアレイのアンテナは、所定のFOVおよび分解能を達成するように配置されている。
【0045】
図4Aは、アンテナアレイ回路の一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図4Aのアンテナアレイ回路基板400は、
図1Bのアンテナアレイ122およびアナログレーダプロセッサ124を実装するために用いられる。図の例において、アンテナアレイ回路基板400は、アンテナアレイ402、アナログレーダプロセッサ406A、アナログレーダプロセッサ406B、アナログレーダプロセッサ406C、および、アナログレーダプロセッサ406Dを備える。アナログレーダプロセッサ406A、アナログレーダプロセッサ406B、アナログレーダプロセッサ406C、および、アナログレーダプロセッサ406Dは、アンテナアレイ402からmm波信号(例えば、30~300GHzの間のレーダ周波数)を受信し、中間周波数(IF)信号出力(例えば、250KHz~5MHzの範囲の周波数[要チェック])を生成するためにmm波信号をダウンミックスする。例えば、ダウンミックスを行ってIF信号出力を生成するために、mm波信号が、アンテナアレイ402によって送信され、対象標的から反射され、アンテナアレイ402によって受信される。アナログレーダプロセッサ406A、アナログレーダプロセッサ406B、アナログレーダプロセッサ406C、および、アナログレーダプロセッサ406Dは、(例えば、デジタルレーダプロセッサへの入力として用いられるように)IF信号をデジタル化する。
【0046】
アンテナアレイ402は、複数のアンテナ(例えば、アンテナ404の形態の複数のアンテナ)を含む。アンテナ404は、複数のアンテナパッドを備える。図の例において、アンテナ404は、アンテナパッド408A、アンテナパッド408B、アンテナパッド408C、および、アンテナパッド408Dを備える。いくつかの実施形態において、複数のアンテナパッドの内の1つのアンテナパッドは、コンパクトなアンテナアレイのための設計仕様を達成するために、1mm×1mmまたは任意のその他の適切な寸法に広がっている。
【0047】
図4Bは、ドローンレーダシステムの一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図4Bのレーダシステム420は、
図1Bのレーダシステム120に対応する。図の例において、レーダシステム420は、アンテナアレイ422、アナログレーダプロセッサ基板424、FPGAインターリンク基板426、および、デジタルレーダプロセッサ基板428を備える。カウンタードローン内の空間的制約により、アナログレーダプロセッサ基板424、FPGAインターリンク基板426、および、デジタルレーダプロセッサ基板428は、設計の柔軟性を提供するためのモジュール式ハードウェアアーキテクチャと、コンパクトなフォームファクタと、を備える。いくつかの実施形態において、アナログレーダプロセッサ基板424は、CMOSプロセス内にミリメートル波長RFおよび信号プロセッサを統合する。いくつかの実施形態において、FPGAインターリンク基板は、ドローンプロセッサへのインターフェース(例えば、イーサネットリンクまたはその他の通信バスコネクタ)を備える。様々な実施形態において、特定用途向け集積回路(ASIC)が、FPGAインターリンク基板426上のFPGAの内の1または複数に対して用いられる。例えば、FPGAの代わりにASICを利用すると、電力削減および/または回路基板空間の節約がなされる。デジタルレーダプロセッサ基板428は、レーダを用いて検出された標的のレンジ(距離)および角度を決定するために、レーダ信号の較正および振幅/位相の算出を含むデジタル信号処理を実行するためのプロセッサを備える。いくつかの実施形態において、レーダ信号の較正は、決定される仰角および方位角の精度に役立つように用いられる。さらに、レーダシステム420は、標的までの距離を決定するために用いられる信号を送受信する。いくつかの実施形態において、レーダ信号の較正は、決定された標的までの距離の精度にも役立つように用いられる。
【0048】
図4Cは、ドローンレーダシステムアーキテクチャの一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図4Cのドローンレーダシステムアーキテクチャは、
図1Bのレーダシステム120に対応する。図の例において、
図4Cのドローンレーダシステムアーキテクチャは、デジタルレーダプロセッサ基板440、FPGAインターリンク基板442、および、アナログレーダプロセッサ基板444を備える。基板コネクタ458(例えば、60ピンSamtec QSHタイプのコネクタ)が、デジタルレーダプロセッサ基板440、FPGAインターリンク基板442、および、アナログレーダプロセッサ基板444を電気接続するために用いられている。
【0049】
デジタルレーダプロセッサ基板440は、プロセッサ446(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)マイクロプロセッサチップ)と、(例えば、生センサデータおよび/または派生センサ情報、位相オフセット較正データ、もしくは、ドローンレーダシステムの動作で用いられる任意のその他の適切なデータを格納するために、プロセッサ446によって用いられる)メモリ448と、(例えば、プロセッサ446ならびに/もしくは
図4Cのドローンレーダシステムアーキテクチャを構成するその他のICの内の1または複数と直接通信するために用いられる)ジョイントテストアクショングループ工業(JTAG規格)コネクタ450と、(例えば、外部コンピュータまたはデータストレージデバイスに接続するための)ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ452と、データストレージ454(例えば、固定データストレージデバイス(例えば、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、など)または着脱可能データストレージデバイス(例えば、マイクロSD(セキュアデジタル工業規格)カードなど)と、電力管理集積回路(IC)456と、を備える。電力管理IC456は、ドローンレーダシステムの仕様によって必要とされる以下の機能の内の1または複数のために用いられる。DC-DC変換、バッテリ充電、電源選択、電圧スケーリング、電源シーケンシング、または、任意のその他の適切な電力管理機能。
【0050】
FPGAインターリンク基板442は、4個のFPGAインターリンクIC(すなわち、FPGAインターリンク460、FPGAインターリンク462、FPGAインターリンク464、および、FPGAインターリンク466)と、コントローラエリアネットワーク(CAN)コネクタ464と、イーサネットコネクタ470と、電力コネクタ472と、を備える。4個のFPGAインターリンクICは、プロセッサ446による利用に向けてドローンレーダシステムアンテナアレイの各アンテナアークからの信号を接続および変換する。様々な実施形態において、ASICが、FPGAインターリンク基板442上の4個のFPGAインターリンクICの内の1または複数のために用いられる。例えば、FPGAの代わりにASICを利用すると、電力削減および/または回路基板空間の節約がなされる。
【0051】
CANコネクタ464は、コマンド(例えば、センサデータを返す、接触器状態を読む、など)を送受信し、および/または、(例えば、イーサネットコネクタ470を介して)外部コンピュータまたはエンドユーザと通信する目的で、コントローラエリアネットワークへ接続するために用いられる。例えば、アンテナアレイ較正、システムデバッグ、または、メンテナンスの際に、システムイベントログまたは診断ファイル、もしくは、ドローンレーダシステムの較正、操作、または、維持においてエンドユーザを支援するための任意のその他の適切な機能の負荷を掛けないように、外部コンピュータが用いられる。電力コネクタ472は、
図4Cのドローンレーダシステムアーキテクチャを電源(例えば、1または複数の充電式バッテリ、もしくは、ドローンレーダシステムの設計仕様(例えば、重量、サイズ、バッテリ容量などの設計仕様)を満たす任意のその他の適切な電源)に接続するために用いられる。
【0052】
アナログレーダプロセッサ基板440は、4個のアンテナアークIC(すなわち、アンテナアーク474、アンテナアーク476、アンテナアーク478、および、アンテナアーク480)と、2個の電力管理IC(すなわち、電力管理IC482および電力管理IC484)と、を備える。4個のアンテナアークIC(すなわち、ドローンレーダシステムのアンテナアレイを構成する4個のアンテナアークに対応する)は各々、mm波信号(例えば、30~300GHzの間のレーダ周波数)を受信し、中間周波数(IF)信号出力(例えば、250KHz~5MHzの範囲の周波数[要チェック])を生成するためにmm波信号をダウンミックスし、FPGAインターリンク基板442の4個のFGPAインターリンクICを介してプロセッサ446へ送信するためにIF信号をデジタル化するために用いられる。電力管理IC482および電力管理IC484は、ドローンレーダシステムの仕様によって必要とされる以下の機能の内の1または複数のために用いられる。DC-DC変換、バッテリ充電、電源選択、電圧スケーリング、電源シーケンシング、または、任意のその他の適切な電力管理機能。
【0053】
図5は、アンテナアレイ較正システムの一実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態において、
図5のアンテナアレイ較正システムは、
図1Bのレーダシステム120を較正するために用いられる。いくつかの実施形態において、アンテナアレイ500は、
図1Bのアンテナアレイ122に対応する。図の例において、アンテナアレイ500および標的506は、無響室512の中に配置されている。いくつかの実施形態において、標的506は、コーナーリフレクタを備える。例えば、標的506は、ソースへ波を反射する3個の互いに直交する平面からなる単一のコーナーリフレクタを備える。アンテナアレイ500は、基準点504において指示方向502に向けて配置されている。例えば、指示方向502は、アンテナアレイ500がカウンタードローンに取り付けられた時に指し示す方向と実質的に同じ方向を指している。
【0054】
いくつかの実施形態において、アンテナアレイ500は、カウンタードローンに取り付けられている。例えば、アンテナアレイ500は、カウンタードローンに取り付けられたレーダシステム内に取り付けられ、無響室512内に配置されているいくつかの実施形態において、カウンタードローンに取り付けられたアンテナアレイ500は、基準点504に配置され、指示方向502に向けて(例えば、アンテナアレイ500のFOVの中心を指す指示方向、または、任意のその他の適切な指示方向に向けて)配置されている。
【0055】
標的506は、基準点504に関して複数の高度および方位角に配置される。図の例において、標的506は、高度508および方位角角度510に配置されている。アンテナアレイ500の較正は、複数の高度および方位角の各々についてアンテナアレイ500の各トランスミッタ-レシーバペアに対する到来角を決定することを含む。例えば、アンテナアレイ500のトランスミッタに、標的506へ向かって送信を行わせると同時に、トランスミッタとペアになったレシーバが、標的506からの反射信号を測定する。アンテナアレイ500を備えたレーダシステムに関連付けられているアナログレーダプロセッサおよびデジタルレーダプロセッサは、アンテナアレイ500の各トランスミッタとペアになった各レシーバについて反射信号の位相オフセットを決定し、アンテナアレイ500に対するトランスミッタ-レシーバペアの較正を決定する。この処理は、所定の分解能でアンテナ500の全FOVを網羅するのに十分な複数の高度および方位角について繰り返される(例えば、[アドナン、十分な複数の高度および方位角の典型的な数および範囲を挿入してください])。次いで、較正オフセットが、標的に対するレーダ測定された角度およびレンジ(距離)を標的に対する既知の角度およびレンジ(距離)と比較することによって決定される。この較正オフセットは、レーダアレイの各仮想チャネル(例えば、トランスミッタ-レシーバペア)に対して決定される。
【0056】
図6は、アンテナアレイを較正するための方法の一実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図6の処理は、
図5のアンテナアレイ較正システムを実装するために用いられる。図の例において、工程600で、アンテナアレイは、指示方向に向けて配置される。例えば、アンテナアレイは、カウンタードローンに取り付けられた時にアンテナアレイが指し示す方向と実質的に同じ方向(例えば、1度以内、数度以内、5度以内、など)を指す指示方向、アンテナアレイのFOVの中心を示す指示方向、または、任意のその他の適切な指示方向に向けて配置される。
【0057】
工程602で、高度および方位角が、指示方向に関して選択される。例えば、高度および方位角が、複数の高度および方位角(例えば、所定の分解能でアンテナアレイの全FOVを網羅するのに十分な複数の高度および方位角)から選択される。
【0058】
工程604で、標的が、選択された高度および方位角で配置される。例えば、標的は、単一のコーナーリフレクタを備え、選択された高度および方位角で配置される。工程606で、アンテナアレイの次の送信アンテナが選択される。例えば、アンテナアレイのトランスミッタ-レシーバペアの次の送信アンテナが選択される。
【0059】
工程608で、較正信号が、送信アンテナを用いて標的に向かって送信される。例えば、アンテナアレイのトランスミッタが、反射信号を取得するために、較正信号を標的に向かって送信させられる。工程610で、標的から反射された信号の位相データが、アンテナアレイの各受信アンテナで測定される。例えば、アンテナアレイを備えたレーダシステムに関連付けられているアナログレーダプロセッサおよびデジタルレーダプロセッサが、アンテナアレイの各受信アンテナで測定された反射信号の位相オフセットを決定する。
【0060】
工程612で、位相オフセット較正が、位相データに少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば、トランスミッターレシーバペアの較正が決定される。工程614で、位相オフセット較正が、メモリに格納される。例えば、位相オフセット較正データは、アンテナアレイを備えたレーダシステムに関連付けられているデジタルレーダプロセッサメモリに格納される。
【0061】
工程616で、さらなる送信アンテナが存在するか否かが判定される。例えば、較正を必要とするアンテナアレイの送信アンテナがさらに存在するか否かが判定される。さらなる送信アンテナが存在するとの判定に応じて、制御は工程606に進み、アンテナアレイの次の送信アンテナが選択される。さらなる送信アンテナが存在しないとの判定に応じて、処理は工程618に進む。工程618で、さらなる高度またはさらなる方位角が存在するか否かが判定される。例えば、選択されたトランスミッタ-レシーバペアの較正を完了させるために残っているさらなる高度またはさらなる方位角が存在するか否かが判定される。
【0062】
さらなる高度またはさらなる方位角があるとの判定に応じて、制御は工程602に進み、次の高度および方位角が選択される。さらなる高度もさらなる方位角も在しないとの判定に応じて、工程は620に進む。工程620で、較正が完了したことが示され、処理は終了する。例えば、較正が完了したことが較正システムのユーザに示され、処理は終了する。
【0063】
図7は、ドローンレーダを提供するための方法の一実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図7の処理は、
図1Bのレーダシステム120を実装するために用いられる。図の例において、工程700で、デジタルレーダプロセッサが提供される。工程702で、デジタルレーダプロセッサへ接続されたメモリが提供される。工程704で、アナログレーダプロセッサが提供され、ここで、アナログレーダプロセッサは、デジタルレーダプロセッサへデータを提供する。工程706で、アンテナアレイが提供され、ここで、アンテナアレイは、信号をアナログレーダプロセッサへ提供し、アンテナアレイは、アーク構成を備え、1セットの送信アンテナおよび1セットの受信アンテナが、アーク構成に沿って弧状に配置され、処理が終了する。
【0064】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供された詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示された実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
【国際調査報告】