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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】サセプタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230914BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230914BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515305
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 KR2020012407
(87)【国際公開番号】W WO2022055008
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0115557
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520139620
【氏名又は名称】ミコ セラミックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ジュン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ハドン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンヨル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ミョンソプ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェヒョン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB29
5F004BD04
5F045AA08
5F045BB02
5F045EK07
5F045EM02
5F045EM05
5F045EM09
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA19
5F131CA06
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
(57)【要約】
【課題】ウェハ全面に渡って均一なプラズマ処理を可能にするサセプタ及びその製造方法を開示する。
【解決手段】ウェハを装着するための上部表面及びそれに対向する下部表面を含む誘電性プレートと、前記誘電性プレートに埋設された内側RF電極及び外側RF電極とを含み、前記下部表面を基準とした前記内側RF電極が埋設された第1平面の高さは、前記外側RF電極が埋設された第2平面の高さよりも低いことを特徴とするサセプタを提供する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを装着するための上部表面及びそれに対向する下部表面を含む誘電性プレートと、
前記誘電性プレートに埋設された内側RF電極及び外側RF電極と、を含み、
前記下部表面を基準とした前記内側RF電極が埋設された第1平面の高さは、前記外側RF電極が埋設された第2平面の高さよりも低いことを特徴とする、サセプタ。
【請求項2】
前記上部表面は、ウェハを装着するための第1面と前記第1面を取り囲む第2面とを含み、前記下部表面を基準とした前記第1面の高さが前記第2面の高さよりも低いことを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項3】
前記第1平面から前記第1面までの第1上部誘電層厚さudt1は、前記第2平面から前記第2面までの第2上部誘電体層の厚さudt2と実質的に同一であることを特徴とする、請求項2に記載のサセプタ。
【請求項4】
前記第1平面から前記第1面までの第1上部誘電層厚さudt1と、前記第2平面から前記第2面までの第2上部誘電層厚さudt2は、-0.5<(udt1-udt2)/udt1<0.5の関係を満たすことを特徴とする、請求項2に記載のサセプタ。
【請求項5】
内側電極の半径r1に対して前記外側RF電極の内周半径r3と前記内側RF電極の半径r1との差分値と定義される電極間隙δの比率は、-0.9≦r3/r1≦1.0の関係を満たすことを特徴とする、請求項3又は4に記載のサセプタ。
【請求項6】
前記内側RF電極及び外側RF電極は、シートタイプ又はメッシュタイプのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項7】
前記外側RF電極の電力供給のための連結部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項8】
前記連結部材は、シートタイプ又はロッドタイプのいずれかであることを特徴とする、請求項7に記載のサセプタ。
【請求項9】
前記誘電性プレートの内部に発熱体をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項10】
前記誘電性プレートの内部にクランプ電極をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項11】
前記第1平面と第2平面との高さ差は、0.1~2.0mmであることを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサセプタ及びその製造方法に係り、ウェハ全面に渡って均一なプラズマ処理を可能にするサセプタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程では、処理対象となる半導体ウェハに対して成膜処理やエッチング処理などの多様な処理が行われている。このような半導体ウェハに対する処理を行う半導体製造装置では、半導体ウェハを支持するためのサセプタが用いられている。サセプタには、窒化アルミニウムのようなセラミックス材質の基体の内部又は表面に高周波(RF)電極、クランプ電極及び/又は抵抗発熱体などの導電体が形成され、ヒーター及び/又は静電チャックとして機能する。
【0003】
図1は、従来のサセプタの一例を模式的に示した図面である。
【0004】
図1を参照すると、サセプタ1は、ウェハを支持するプレート10を備えている。プレート10は、窒化アルミニウムのような誘電性物質で構成されることができる。誘電性のプレート10の内部には、RF電極12A、12B及び発熱体14が備えられることができる。
【0005】
図1は、誘電性プレートの表面近くに位置する内側の円状RF電極12Aと、プレートの表面からより遠くに位置する外側の環状RF電極12Bとを備えている。円状RF電極12Aと環状RF電極12Bには、電力供給のための端子及びリード線16A、16B、16Cが備えられている。図1の構造によると、環状RF電極12Bを円状RF電極12Aの下部に配置することで端子間の干渉をなくし、RF電極内の電位を均一にすることでプラズマの密度偏差の発生を抑制している。
【0006】
しかしながら、図1のような従来の複層構造サセプタでは、外側RFの電源印加のために、外側RF電極が内側RF電極よりも下層に位置している。このような構造的問題が原因で、内側と外側RF電極のデザイン及びレイヤ構成が制限される。
【0007】
特に、ポケット型(Pocket Type)サセプタの作製時、内側RF電極の上部誘電層厚さ(upper dielectric thickness;以下、「UDT」)と外側RF電極の上部誘電層厚さUDTとが相違するようになるため、プラズマの制御が困難になる。例えば、同一のプラズマ密度を実現するためには、各RF電極に別途の周波数を印加するといった措置が必要となる。
【0008】
このような問題を解決するために、サセプタのウェハの装着面の高さを高く設計するデザインを有するサセプタが開発されつつあるが、このサセプタは、ウェハの装着面の段差を提供する特殊なデザインに限られて適用可能であり、更に、セラミックヒーターの外側にウェハの滑り(Wafer Sliding)防止のための追加部品の締結が必ず必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来技術の問題を解決するために、本発明は、均一なプラズマの制御が可能なサセプタを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、工程時のガス流によるウェハ縁部の浮き現象を防止することで、ウェハの沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)を向上させるサセプタを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、複層構造のRF電極を有するポケット型サセプタを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、ポケット型サセプタの構造に適した電極構造を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、上述したサセプタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した技術的課題を達成するために、本発明は、ウェハを装着するための上部表面及びそれに対向する下部表面を含む誘電性プレートと、前記誘電性プレートに埋設された内側RF電極及び外側RF電極とを含み、前記下部表面を基準とした前記内側RF電極が埋設された第1平面の高さは、前記外側RF電極が埋設された第2平面の高さよりも低いことを特徴とするサセプタを提供する。
【0015】
本発明において、前記上部表面は、ウェハを装着するための第1面と前記第1面を取り囲む第2面とを含み、前記下部表面を基準とした前記第1面の高さが前記第2面の高さよりも低いことが好ましい。
【0016】
このとき、前記第1平面から前記第1面までの第1上部誘電層厚さudt1は、前記第2平面から前記第2面までの第2上部誘電層厚さudt2と実質的に同一であることができる。
【0017】
これとは異なり、前記第1平面から前記第1面までの第1上部誘電層厚さudt1と、前記第2平面から前記第2面までの第2上部誘電層厚さudt2は、-0.5<(udt1-udt2)/udt1<0.5の関係を満たすことができる。
【0018】
本発明において、内側電極の半径r1に対して前記外側RF電極の内周半径r3と前記内側RF電極の半径r1との差分値と定義される電極間隙δの比率は、-0.9≦r3/r1≦1.0の関係を満たすことが好ましい。
【0019】
本発明において、前記内側RF電極及び外側RF電極は、シートタイプ又はメッシュタイプのいずれかであることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記外側RF電極の電力を供給するための連結部材を含むことができる。このとき、前記連結部材はシートタイプ又はロッドタイプのいずれかであることが好ましい。
【0021】
また、本発明のサセプタは、誘電性プレートの内部に発熱体をさらに含むことができる。これに加えて、又は、これとは別に、本発明のサセプタは、前記誘電性プレートの内部にクランプ電極をさらに含むことができる。
【0022】
本発明において、前記第1平面と第2平面との高さ差は、0.1~2.0mmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるとば、均一なプラズマの制御が可能なサセプタを提供することができる。
【0024】
また、本発明によると、工程時のガス流によるウェハ縁部の浮き現象を防止することで、ウェハの沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)を向上させるサセプタを提供することができる。
【0025】
また、本発明は、ポケット型サセプタに適した複層構造のRF電極構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来のサセプタの一例を模式的に示した図面である。
図2A】本発明の一実施形態によるサセプタの電極構造を模式的に示した断面図である。
図2B】本発明の一実施形態によるサセプタの電極構造を模式的に示した平面図である。
図3】本発明の一実施形態による仮焼結されたサセプタ前駆体の断面を示した模式図である。
図4図3の仮焼結体上に成形体が積層された状態のサセプタ前駆体の断面を示した模式図である。
図5】本発明の他の実施形態によって仮焼結されたサセプタ前駆体の断面を示した模式図である。
図6図5の仮焼結体上に成形体が積層された状態のサセプタ前駆体の断面を示した模式図である。
図7A】本発明の一実施形態によって図3の積層仮焼結体の製造過程の一例を詳細に説明するための図面である。
図7B】本発明の一実施形態によって図3の積層仮焼結体の製造過程の一例を詳細に説明するための図面である。
図7C】本発明の一実施形態によって図3の積層仮焼結体の製造過程の一例を詳細に説明するための図面である。
図7D】本発明の一実施形態によって図3の積層仮焼結体の製造過程の一例を詳細に説明するための図面である。
図7E】本発明の一実施形態によって図3の積層仮焼結体の製造過程の一例を詳細に説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。このとき、各図面において同一の構成要素はできるだけ同一の符号で示す。また、既に公知となった機能及び/又は構成についての詳細な説明は省略する。以下に開示する内容は、様々な実施形態による動作を理解する上で必要な部分を重点的に説明し、その説明の要旨を濁し得る要素に関する説明は省略する。さらに、図面中の一部の構成要素は誇張、省略、又は概略して示されることがある。各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではなく、したがって、各図面に示す構成要素の相対的な大きさ又は間隔によってここに記載の内容が制限されるわけではない。
【0028】
なお、本発明において「積層」とは、各層の相対的な位置関係を規定する意味で使用する。「A層上のB層」という表現は、A層とB層の相対的な位置関係を表現するものであって、A層とB層が必ずしも接触する必要はなく、その間に第3の層が介在することができる。同様に、「A層とB層との間にC層が介在」したという表現も、A層とC層との間、又は、B層とC層との間に第3の層が介在する場合を排除しない。
【0029】
図2A及び図2Bは、それぞれ、本発明の一実施形態によるサセプタの電極構造を模式的に示した断面図及び平面図である。
【0030】
図2A及び図2Bを参照すると、サセプタ100は、ポケット型のウェハ装着面116が形成されたプレート110を備えている。プレート110は、AlNのような誘電性物質によって形成されることができる。誘電性のプレート110は、ウェハを支持する側である上部表面と、これに対向する反対側の表面である下部表面とを備えている。
【0031】
上部表面は、ウェハが装着される第1面である装着面116と、ウェハ装着面に隣接して前記ウェハ装着面を取り囲む第2面である外周面118とを含む、少なくとも2つの面を備えている。
【0032】
前記サセプタの内部には、内側RF電極120A及び外側RF電極120Bが備えられている。本発明において、RF電極120A、120Bは誘電性プレート内に埋め込まれることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。本発明において、内側RF電極120A及び外側RF電極120Bは、メッシュタイプ又はシートタイプのものが用いられることができる。
【0033】
上内側RF電極120Aの電力供給のためには、連結部材142及び/又はリード140が備えられることができる。外側RF電極120Bの電力供給のためには、連結部材130及び/又はリード132が備えられることができる。連結部材及びリード130、132は、支持部材150の内部を通過して電力供給手段に連結されることができる。図2Aには、外側RF電極120Bに1つの連結部材130が形成されていることが例示されているが、外側RF電極120Bには複数の連結部材が形成されてもよい。
【0034】
本発明において、内側RF電極120Aは、外周がウェハ又はウェハ装着面の形状に符合する形状を有することができる。好ましくは、内側RF電極120Aの外周形状は平面的に円形である。また、内側RF電極120Aは、全体として円周状を有するが、複数の領域に分割され、分割された各セグメントが所定の角度を有する円弧状を有することができる。
【0035】
本発明において、外側RF電極120Bは、平面的に幅がw2である環状の形状を有することができる。本発明において、外側RF電極120Bの幅は、周りに沿って一定の値であることが好ましいが、これに限定されない。
【0036】
一方、図2Bに示したように、前記内側RF電極及び外側RF電極は、同心円構造をなして配置されることができる。また、図面では、内側RF電極と外側RF電極とが平面的に重ならないように示しているが、本発明はこれに限定されない。要求されるプラズマ分布に応じて、内側RF電極及び外側RF電極はプレート内の他の平面上に存在することから、平面的に重なることができる。したがって、本発明において、内側及び外側という表現は、各電極の同心円における外周半径r1、r2の大きさで規定されることができる。
【0037】
本発明において、外側電極の内周半径r3と内側電極の半径r1との差分値を電極間隙δと定義することができる。外側電極と内側電極が同心円でない場合、電極間隙は平均値で定義されることができる。本発明における電極間隙は、正の値又は負の値を有することができる。
【0038】
本発明において、内側電極の半径r1に対する電極間隙δに対する比率(ratio)は適切に設計されることができる。電極の重なりを許容する場合、好ましくは0.8≦r3/r1≦1.0、より好ましくは0.9≦r3/r1≦1.0の値を有することができる。電極が重ならない場合、好ましくは1<r3/r1<1.2、より好ましくは1≦r3/r1<1.1の値を有することができる。r1はr2を超過しないことが好ましい。
【0039】
本発明において、内側RF電極120Aと外側RF電極120Bとは、異なる平面上に配置される。具体的には、前記外側RF電極が配置された平面は、前記内側RF電極が配置された平面よりもδhだけ高い(δh>0)。本発明においてδhは、0.1~2.0mmであることが好ましい。
【0040】
一方、前記内側及び外側RF電極の垂直配置関係は、電極が位置する平面からその上部の誘電性プレート110の表面までの距離を意味する上部誘電層厚さudtで規定されることができる。内側RF電極が配置された平面と装着面116との間の平面距離はudt1で表現され、外側RF電極が配置された平面と外周面118との間の平面距離はudt2で表現されることができる。本発明において、udt1とudt2との差は所定の範囲の値を有するように制限されるが、udt1とudt2との差はゼロ(zero)に近いことが好ましい。好ましくは、udt1及びudt2は、-1<(udt1-udt2)/udt1<1、-0.9<(udt1-udt2)/udt1<0.9、-0.8<(udt1-udt2)/udt1<0.8、-0.7<(udt1-udt2)/udt1<0.7、-0.6<(udt1-udt2)/udt1<0.6、-0.5<(udt1-udt2)/udt1<0.5、-0.4<(udt1-udt2)/udt1<0.4、-0.3<(udt1-udt2)/udt1<0.3、-0.2<(udt1-udt2)/udt1<0.2、又は、-0.1<(udt1-udt2)/udt1<0.1の関係を満たすのが好ましい。
【0041】
このように、上部誘電体層の厚さを実質的に同じ値にすることによって、外周面でプラズマを均一に分布させることができる。このような均一なプラズマ分布は様々な利点を提供する。例えば、サセプタ上のウェハ縁部付近の成膜を均一に行なえる利点を提供することができる。
【0042】
一方、特に説明はしないが、本発明のサセプタは、プレートの内部に発熱体及び/又はクランプ電極をさらに含むことができる。前記発熱体及びクランプ電極は、前記RF電極の上部又は下部の適切な位置に配置されることができる。
【0043】
以下では、本発明の一実施形態によるサセプタを実施する方法について図面を参照して説明する。
【0044】
異なる平面上に存在する2つのRF電極を形成するために多様な方法が適用されることができる。その一例として、図3及び図4は、仮焼結を用いたサセプタの製造過程を説明するための図面である。
【0045】
図3は、仮焼結されたサセプタ前駆体200の断面を示した模式図であり、図4は、仮焼結体上に成形体が積層された状態のサセプタ前駆体200の断面を示した模式図である。
【0046】
図3を参照すると、サセプタ前駆体200は、下部仮焼結体212A及び上部仮焼結体212Bが積層された構造を有する下部仮焼結体212A上には内側RF電極220Aが形成され、上部仮焼結体212B上には外側RF電極220Bが形成されている。内側RF電極及び外側RF電極には、電力供給のための電極連結部材230A、240Aが備えられている。このようなサセプタ前駆体200は、仮焼結体の厚さによってRF電極の高さを調節することができるという利点を有する。
【0047】
図4は、図3の積層仮焼結体212A、212Bの上部及び下部に成形体213、214を積層した状態を示している。成形体213、214の一部又は全部は成形粉末で代替可能である。図4に示したように積層された状態の原料粉末は、ホットプレスのような焼結工程を経て焼結体に製造され、後続加工工程を経ることによって、最終的に図2A及び図2Bに示したサセプタが製造されることができる。
【0048】
以上、図3及び図4を参照して、多層又は多段の仮焼結体を用いて電極間距離を確保することについて説明したが、本発明は他の方式によって実現されることができる。
【0049】
図5及び図6を参照して、本発明の他の実施形態による製造工程について説明する。図5は、仮焼結されたサセプタ前駆体200の断面を示した模式図であり、図6は、仮焼結体上に成形体が積層された状態のサセプタ前駆体200の断面を示した模式図である。図3とは異なり、図5のサセプタ前駆体200は単一の仮焼結体212Cで構成されている。単一の仮焼結体212Cの内部には内側RF電極が埋設されており、上部には外側RF電極が設けられている。また、前記RF電極に電力を印加するための連結部材230B、240Bが提供されることができる。前記端子は、仮焼結体の加工後に金属材質の端子を挿入する工程によって製造されるか、又は、仮焼結体の製造前に金属材質の連結部材を埋め込んだ後、仮焼結する工程などの多様な方式によって製造されることができる。
【0050】
次いで、図6に示したように、仮焼結体212Cの上部及び下部に成形体(又は成形体粉末;213、214)を積層した後、ホットプレス工程を行うことによってサセプタが製造されることができる。
【0051】
図7Aから図7Eは、本発明の一実施形態によって図3の積層仮焼結体の製造過程の一例を詳細に説明するための図面である。
【0052】
先ず、図7Aを参照すると、下部仮焼結体212Aが提供される。下部仮焼結体212Aは、複数の階段状表面構造213、215、217を備えている。中央の溝217は内側RF電極の形成位置に対応し、成形体213の上面及び中間溝215は上部仮焼結体を積層するための固定枠として機能する。
【0053】
上述の階段状表面構造213、215、217は、仮焼結体を適切な方式で表面加工することによって得られることができる。一方、下部仮焼結体212Aには、外側RF電極用連結部材のための孔232が備えられる。図示していないが、内側RF電極用連結部材のための孔が備えられることができる。
【0054】
次に、図7Bに示したように、中央溝217に内側RF電極を形成する。内側RF電極の形成には、中央溝217の形状に応じて加工された金属電極を載置する方式、導電性金属粒子のスラリーを用いたスクリーンプリンティングのような印刷法などの様々な方式が適用されることができる。
【0055】
次に、図7Cに示したように、下部仮焼結体212Aの上部に上部仮焼結体212Bが積層される。上部仮焼結体212Bは、外側RF電極の形成位置に対応する溝218が備えられている。また、仮焼結体212Bは、外側RF電極用連結部材のための孔232が延長形成される。以上の外側RF電極用連結部材のための孔232の形成方法は例示的なものである。連結部材用孔232は、上部及び下部仮焼結体の積層後に形成されても構わない。
【0056】
次いで、図7Dに示したように、「コ」字状に加工された金属部材を外側RF電極用孔232に挿入して連結部材230を形成する。このとき、連結部材230は、「コ」字状に加工された薄くて長い板状であってもよく、断面が円形又は多角形であるロッド(rod)状であってもよい。連結部材230は、電極用孔232に挿入された後、外側RF電極形成用溝218で曲げられる。
【0057】
次に、図7Eに示したように、電極用孔232に加工された金属電極を載置するか、又は、導電性金属粒子のスラリーを用いたスクリーンプリンティングのような印刷法によって外側RF電極を形成することにより、図3に示されたようなサセプタ前駆体が製造されることができる。
【0058】
<実施例>
下記規格のセラミックヒーターを用いて成膜試験を行った。
【0059】
A.サセプタのRF電極と発熱体電極
【0060】
RF電極:メッシュタイプ、厚さ0.6mm
【0061】
発熱体電極:コイルタイプ、線厚さ0.6mm
【0062】
B.CVD工程条件
【0063】
成膜厚さTarget:1800Å
【0064】
ヒーターTarget温度:550℃
【0065】
圧力:7200mTorr
【0066】
RFパワー:1600W
【0067】
ガス及び流量:N2 500sccm、C3H6 1000sccm、Ar 300sccm、He 800sccm
【0068】
表1は、各RF電極のudtを同一にした場合のRF電極の仕様及び成膜結果を示した表であり、表2は、RF電極のudtを異ならせた場合のRF電極の仕様及び成膜結果を示した表である。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
以上のように、本発明を具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例及び図面によって説明したが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。したがって、本発明の思想は、説明した実施例に限定されて定められてはならず、後述の特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価的な変形がある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、半導体製造用などに使用されるセラミックヒーター及び/又は静電チャックなどのサセプタに利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1、100 サセプタ
10、110 プレート
12A 円状RF電極
12B 環状RF電極
14 発熱体
16A、16B、16C リード線
116 ウェハ装着面
118 外周面
120A、220A 内側RF電極
120B、220B 外側RF電極
130、142 連結部材
132、140 リード
150 支持部材
200 サセプタ前駆体
212A 下部仮焼結体
212B 上部仮焼結体
212C 仮焼結体
213、214 成形体
215、217、218 溝
230、230B、240B 連結部材
230A、240A 電極連結部材
232 孔
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
【国際調査報告】