IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プロテクナ エスアーの特許一覧

特表2023-540378容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具
<>
  • 特表-容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具 図1
  • 特表-容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具 図2
  • 特表-容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具 図3
  • 特表-容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具 図4
  • 特表-容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(54)【発明の名称】容器閉鎖具のシールキャップ及びそのシールキャップを有する容器閉鎖具
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/08 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
B65D39/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515780
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2021069054
(87)【国際公開番号】W WO2022053202
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】102020123861.4
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510094263
【氏名又は名称】プロテクナ エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラット ベアント
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA12
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084EA03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LC01
(57)【要約】
本発明は、容器ソケットベースに形成された注ぎ口ソケット(19)に配置される注ぎ口プラグ(22)を有する容器ソケットを配置するために、容器に形成された容器ソケットベースを有する容器閉鎖具(15)用の、弾性プラスチック材料で形成されたシールキャップ(23)に関する。シールキャップ(23)は、下面(28)に配置された締結手段(29)を有し、注ぎ口プラグ(22)とスナップロック接続を形成するためのスナップロック手段(38)と、蓋ディスク(24)の周縁に配置され所定の破断手段(27)を介して蓋ディスク(24)に接続されるエッジスカート(25)と、が設けられた蓋ディスク(24)を有する。蓋ディスク(24)は、蓋ディスク(24)を容器ソケットベースに支持するための支持手段を有し、支持手段は、蓋ディスク(24)の下面(28)において所定の破断手段(27)に隣接する径方向内側に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器ソケットベースに形成された注ぎ口ソケット(19)に配置される注ぎ口プラグ(22)を有する容器ソケットを配置するための、容器に形成された前記容器ソケットベースを有する容器閉鎖具(15)用の、弾性プラスチック材料で形成されたシールキャップ(23)であって、
前記シールキャップ(23)は、下面(28)に配置された締結手段(29)を有する蓋ディスク(24)であって、前記注ぎ口プラグ(22)とスナップロック接続を形成するためのスナップロック手段(38)と、前記蓋ディスク(24)の周縁に配置され所定の破断手段(27)を介して前記蓋ディスク(24)に接続されるエッジスカート(25)と、が設けられた蓋ディスク(24)を有し、
前記蓋ディスク(24)が、前記蓋ディスク(24)を前記容器ソケットベースに支持するための支持手段を有し、前記支持手段は、前記蓋ディスク(24)の下面(28)において所定の破断手段(27)に隣接して径方向内側に配置されていることを特徴とするシールキャップ。
【請求項2】
請求項1に記載のシールキャップにおいて、
前記支持手段は、前記蓋ディスク(24)の下面(28)に形成され、前記エッジスカート(25)と同心上に配置されたエッジウェブ(33)であることを特徴とするシールキャップ。
【請求項3】
請求項2に記載のシールキャップにおいて、
前記エッジウェブ(33)は、前記蓋ディスク(24)の下面(28)に対して、前記エッジスカート(25)の下縁(35)よりも奥まった下縁(34)を有していることを特徴とするシールキャップ。
【請求項4】
請求項3に記載のシールキャップにおいて、
前記締結手段(29)のスナップロック手段(28)は、前記蓋ディスク(24)の周縁に配置されたプルタブ(36)に接続手段(37)を介して接続され、前記接続手段(37)は、前記蓋ディスク(24)に形成され且つ前記エッジスカート(25)の隣接領域から側部の所定の破断手段(41、42)で分離される、前記エッジウェブ(33)及び前記蓋ディスク(24)の内側部分(40)の蓋ストリップ(39)を有し、蓋ストリップ(39)は、プルウェブ(43)を介してスナップロック手段(38)に接続されているシールキャップ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のシールキャップを有する容器閉鎖具であって、 前記容器ソケットベースは、容器壁に形成された容器開口(16)用の蓋(17)であり、前記蓋(17)は、前記シールキャップ(23)の蓋ディスク(24)の下面(28)に形成された前記支持手段が前記蓋(17)の蓋ディスク(18)の上面(21)に載り、前記エッジスカート(25)が前記蓋(17)の蓋ディスク(18)の上面(21)から離れるように、前記蓋(17)の蓋ディスク(18)内に配置され且つ前記蓋ディスク(18)を貫通する前記注ぎ口ソケット(19)を有する容器閉鎖具。
【請求項6】
請求項5に記載の容器閉鎖具において、
前記注ぎ口ソケット(19)は、前記支持手段が前記注ぎ口ソケット(19)の開口縁(20)に載るように、前記蓋(17)の上面(21)から突出する開口縁を有することを特徴とする容器閉鎖具。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1項に記載のシールキャップを有する容器閉鎖具において、
前記容器ソケットベースは前記容器の壁部であり、前記壁部は、前記シールキャップの蓋ディスクの下面に形成された前記支持手段が前記容器の壁面に載り、前記エッジスカートが前記容器の壁面から離れるように、前記壁部に形成された注ぎ口ソケットを有することを特徴とする容器閉鎖具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器ソケットを配置するための容器に形成される容器ソケットベースを有する容器閉鎖具用の弾性プラスチック材料製のシールキャップに関し、容器ソケットは容器ソケットベースに形成される注ぎ口ソケットに配置される注ぎ口プラグを有し、シールキャップは蓋ディスクを有し、蓋ディスクはその蓋ディスクの下面に配置され且つ注ぎ口プラグとスナップロック結合するためのスナップロック手段を備えた締結手段と、蓋体ディスクの周縁に配置されるとともに所定の破断手段を介して蓋ディスクに連結されたエッジスカートを有する。さらに、本発明は、このようなシールキャップを備えた容器閉鎖具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した種類のシールキャップは、特許文献1からも知られている。この公知のシールキャップは、寸法的に伸縮するプラスチックで形成され、蓋ディスクの底面に配置されるスナップロック手段を有し、このスナップロック手段によってシールキャップが容器閉鎖具の注ぎ口ソケットに配置される注ぎ口プラグに接続される。蓋ディスクは、所定の破断手段を介して蓋ディスクに接続されたエッジスカートがその外周に配置され、所定の破断手段を介してエッジスカートが接続される蓋のエッジにより注ぎ口ソケットの開口端から突出する。所定の破断手段が破損すること(これにはエッジスカートが蓋ディスクから少なくとも部分的に取り外されたことが含まれる)は、シールキャップを容器閉鎖具から取り外す試みがあったことの示唆となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/139196号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知のシールキャップの蓋ディスク及び蓋ディスクの蓋エッジは、注ぎ口ソケットから間隔を空けて配置されている。その結果、所定の破断手段は、エッジの下に到達することによりシールキャップを容器閉鎖具から取り外そうとする試みがある場合だけでなく、上方から蓋ディスクに圧力が加わって蓋ディスクが変形し、それが所定の破断手段を介してエッジスカートに伝達されるため、エッジスカートが注ぎ口ソケットの周囲の容器の壁面に載る場合にも破断される。このような荷重は、特に、容器閉鎖具を備えた容器が適切に積み重ねられられず、下の容器に置かれた上の容器からシールキャップの蓋ディスクに圧力が作用することで発生する可能性がある。このようにして所定の破断手段に生じる破損により、シールキャップが目的とする操作保護がもはや行われなくなり、容器閉鎖具で可能なその後の操作をもはや検出できなくなるという結果がもたらされる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、機能的な信頼性を向上させた前述の種類のシールキャップを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明に係るシールキャップは、請求項1の特徴を有している。
【0007】
本発明によれば、シールキャップの蓋ディスクは、蓋ディスクを容器ソケットベースに支持する支持手段を有し、支持手段は、蓋ディスクの下面に設けられた所定の破断手段に隣接して径方向内側に配置される。
【0008】
本発明に係るシールキャップの所定の破断手段に隣接する径方向内側で蓋ディスクに配置される支持手段は、シールキャップがいったん容器閉鎖具に配置されて注ぎ口プラグ間のスナップロック接続が確立されると、以下の効果を奏する。支持手段と容器ソケットの容器ソケットベースとが圧接するため、外的な圧力に起因するソケットベースの方向への蓋ディスクの変形について、外部の荷重が支持手段を介して容器ソケットベースに伝えられ、所定の破断手段を介してエッジスカートには取り入れられないという効果を奏する。
【0009】
これに対し、公知のシールキャップの蓋ディスクの蓋エッジは注ぎ口ソケットから離れているため、蓋エッジに配置された所定の破断手段及びこれに接続されたエッジスカートとともに蓋エッジが容器ソケットベース方向に撓み、エッジスカートが容器ソケットベースに接触するか載るときに所定の破断手段が破損する可能性がある。エッジスカートは、容器ソケットベースに直接に、または容器ソケットベース上に形成される堆積物(この種の堆積物は、この種の容器の保管及び輸送中に容易に発生する)を介して接触するか載ることがあり、これによりエッジスカートと容器ソケットベースとの間での力の移動が可能になる。このことは、容器が、一般的に繰り返し輸送及び保管されるIBCである場合に特に当てはまる。
【0010】
支持手段は、支持効果がシールキャップの全周にわたって連続して有効になるように、蓋ディスクの下面側でエッジスカートと同心上に配置されたエッジウェブであることが好ましい。
【0011】
エッジウェブが、蓋ディスクの下面に対し、エッジスカートの下縁より奥まった下縁を有すると、エッジスカートは、エッジスカートがエッジウェブの下縁を覆うように配置されることになるので、シールキャップを注ぎ口ソケットから取り外すためにエッジウェブの下縁にアクセスすることが阻止される。
【0012】
締結手段のスナップロック手段が、蓋ディスクの周縁に配置されたプルタブに接続手段を介して接続される場合、接続手段は、蓋ディスクに形成され且つエッジスカートの隣接領域から側部の所定の破断手段で分離される、エッジウェブ及び蓋ディスクの内側部分の蓋ストリップを有し、蓋ストリップは、プルウェブを介してスナップロック手段に接続されることが好ましく、エッジスカートに形成された所定の破断手段が破損した後、エッジウェブは取り外しを阻止する支持手段として作用することなく、シールキャップを注ぎ口プラグから完全に取り外せる。
【0013】
第1の代替例において、本発明に係る容器閉鎖具は、請求項5の特徴を有する。
【0014】
本発明によれば、容器ソケットベースは、容器壁に形成された容器開口用の蓋であり、蓋は、シールキャップの蓋ディスクの下面に形成された支持手段が蓋の蓋ディスクの上面に載り、エッジスカートが蓋の蓋ディスクの上面から離れるように、蓋の蓋ディスク内に配置され且つ蓋ディスクを貫通する注ぎ口ソケットを有する。
【0015】
注ぎ口ソケットは、支持手段が注ぎ口ソケットの開口縁に載るように、蓋の上面から突出する開口縁を有することが好ましい。
【0016】
このように構成された本発明に係る容器閉鎖具により、本発明に係るシールキャップをIBCに使用することが可能になる。
【0017】
別の代替例によれば、本発明に係る容器閉鎖具は請求項7の特徴を有する。
【0018】
本発明に従って構成された容器閉鎖具の容器ソケットベースは容器の壁部であり、この壁部は、シールキャップの蓋ディスクの下面に形成された支持手段が容器の壁面に載り、エッジスカートが容器の壁面から離れるように、壁部に形成された注ぎ口ソケットを有する。
【0019】
このように本発明によって構成された容器閉鎖具は、本発明に係るシールキャップを任意の容器、特にドラム缶に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、IBCの内容器の上面に配置された容器閉鎖具を有するIBCの斜視図である。
図2図2は、図1に示された容器閉鎖具の単体の図である。
図3図3は、図2に示された容器閉鎖具の断面図である。
図4図4は、図1に示されたIBCの容器開口上に配置された容器閉鎖具の、図1のIV-IV線断面図である。
図5図5は、図2に図示された容器閉鎖具のシールキャップの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照してより詳細に説明する。
【0022】
図1は、IBCとも呼ばれる輸送保管容器10を示し、この輸送保管容器は、輸送パレット11の上に配置され且つケージ12に収容された内容器13を備え、内容器13は容器継手14を前面に備え、容器閉鎖具15で閉鎖可能な容器開口16を上面に備える。
【0023】
図2から図4に示すように、この例では容器閉鎖具15はねじ蓋式の蓋17であり、容器開口16の開口縁にねじ込まれる。蓋17の蓋ディスク18には、注ぎ口ソケット19が配置され、注ぎ口ソケット19は、注ぎ口ソケット19の開口縁20が蓋ディスク18の上面21から突出するように蓋ディスク18を貫いている。
【0024】
特に図4に示すように、注ぎ口ソケット19には注ぎ口プラグ22がねじ込まれ、注ぎ口プラグ22が注ぎ口ソケット19を閉鎖する。注ぎ口プラグ22の上にはシールキャップ23が配置され、シールキャップ23は、蓋ディスク24と、この例ではスリーブ状で蓋ディスク11に対して基本的に直角にのびるエッジスカート25とを有し、エッジスカート25は、特に図2に示すように、所定の破断ウェブ26を有する所定の破断手段27を介して蓋ディスク24に接続されている。
【0025】
特に図3に示すように、蓋ディスク24にはその下面28に締結手段29が設けられ、締結手段29はこの例では締結リングであり、締結手段29の下縁に形成されたスナップロック手段38がプラグ凹部30に形成された相手側のスナップロック手段32に係合するように、注ぎ口プラグ19のプラグ凹部30に係合している。さらに図3に示すように、蓋ディスク24は、その下面28において所定の破断手段27に隣接する径方向内側に、支持手段であるエッジウェブ33を備え、エッジウェブ33の下縁34は、蓋17の上面21の上に配置された注ぎ口ソケット19の開口縁20上に載る。
【0026】
特に図4に明確に示されるように、図示された構成例のエッジスカート25は、所定の破断手段27を介してエッジウェブ33に接続される。下縁34がエッジスカート25の下縁35よりも奥まっているので、エッジスカート25は、開口縁20の上に載ったエッジウェブ33の下縁34を覆う。
【0027】
図4に力を矢印で示すように蓋ディスク24に圧力が作用すると、蓋17がエッジウェブ33を通じて圧接することにより、エッジスカート25には荷重が作用せずに、蓋17の蓋ディスク18の上面21に、より正確にはこの例では注ぎ口ソケット19の開口縁20に載る蓋17に、それに対応する荷重が取り込まれ、エッジスカート25の荷重に起因する反力が所定の破断手段27に作用し得る。そのため、この例で蓋ディスク18に所定の破断手段27を介して接続されているエッジスカート25によって形成される操作保護手段は、シールキャップ23の蓋ディスク24に作用する外部荷重の影響を受けない。
【0028】
他方、シールキャップ23は、特に所定の破断手段27が破断された後に、シールキャップ23を容器閉鎖具15からまとまったユニットとして取り外すことができるように構成され、この場合は支持手段であるエッジウェブ33は取り外しを妨げない。特に図5に示されているように、エッジスカート25に形成されたプルタブ36は、締結手段29に形成されたスナップロック手段38に接続手段37を介して接続され、この接続手段37は、プルタブ36からエッジスカート25及びエッジウェブ33を介して蓋ディスク24の中央の内側部分40へ延び、側部の所定の破断手段41及び42によってエッジスカート25、エッジウェブ33及び蓋ディスク24の内側部分40の隣接領域から分離される蓋ストリップ39を有する。プルタブ36が蓋ディスクの中央へ向かって斜め上方に移動すると、蓋ストリップ39が所定の破断手段41、42に沿って分離され、締結リング29に形成されているスナップロック手段38が、蓋ディスク24の内側部分40に接続されているプルウェブ43を介して径方向内側へ変形して、シールキャップ23をまとまったユニットとして蓋17から取り外せるように、蓋ストリップ39は、締結手段29のスナップロック手段38にプルウェブ43を介して連結されている。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】