(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】ワイヤレス・ネットワークについてのネットワーク性能指標に基づいてマルチモード・アンテナを構成するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20230915BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20230915BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20230915BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20230915BHJP
H04B 7/0417 20170101ALI20230915BHJP
【FI】
H04B7/06 956
H04B7/08 804
H04W24/10
H04W16/28
H04B7/0417
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576878
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 US2021049048
(87)【国際公開番号】W WO2022055805
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243967
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ (サンディエゴ), インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ヒルベルト,ジェフリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シング,アビシエイク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE10
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
ワイヤレス・ネットワーク上にある複数のネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成するシステムを提供する。このシステムは、ネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成することができる複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標を示すデータを得るように構成された1つ以上のプロセッサを含む。複数のアンテナ・モードの各々は、別個の放射パターンを有することができる。1つ以上のプロセッサは、前述のデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するように構成することができる。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、ワイヤレス・ネットワークを通じて、1つ以上の制御信号を供給するように構成することができる。制御信号(1つまたは複数)は、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成し直す動作と関連付けることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス・ネットワーク上にある複数のネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成するシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ読み取り可能命令を格納する1つ以上のメモリ・デバイスと、
を備え、
前記コンピュータ読み取り可能命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行すると、当該1つ以上のプロセッサに動作を実行させ、前記動作が、
前記ネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成可能な複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標(CQI)を示すデータを得る動作であって、前記複数のアンテナ・モードの各々が別個の放射パターンを有する、動作と、
少なくとも部分的に前記データに基づいて、前記ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定する動作と、
少なくとも部分的に、前記ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標と、前記ネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成する動作と関連付けられた1つ以上の制御信号とに基づいて、前記ワイヤレス・ネットワークを通じて、1つ以上の制御信号を供給する動作と、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、1つ以上のネットワーク性能指標を判定する動作が、
前記1つ以上のアンテナ・モードに関連するCQIを示すデータを、機械学習モデルへの入力として供給する動作と、
前記1つ以上のネットワーク性能指標を、前記機械学習モデルの出力として得る動作と、
を含む、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記CQIを示すデータが、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、または信号対干渉+ノイズ比(SINR)の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記1つ以上の制御信号が、前記マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、前記複数のアンテナ・モードの中の第1アンテナ・モードから、前記複数のアンテナ・モードの中の第2アンテナ・モードに切り替える動作と関連付けられる、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ワイヤレス・ネットワークについての前記1つ以上のネットワーク性能指標が、前記ネットワーク・デバイスの各々に対するアップリンク速度、または前記ネットワーク・デバイスの各々に対するダウンリンク速度の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ワイヤレス・ネットワークについての前記1つ以上のネットワーク性能指標が、前記ワイヤレス・ネットワーク上におけるトラフィック量を示すデータを含む、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記1つ以上のネットワーク性能指標が、前記ワイヤレス・ネットワークのネットワーク機器と関連付けられた保守作業を示す信号を含む、システム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、前記1つ以上の制御信号が、前記マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、前記マルチモード・アンテナが前記ネットワーク機器と通信する第1アンテナ・モードから、前記マルチモード・アンテナが前記ネットワーク機器と通信しない第2アンテナ・モードに構成し直す動作と関連付けられる、システム。
【請求項9】
請求項7記載のシステムにおいて、前記ネットワーク機器が、アクセス・ポイント、ブリッジ、ハブ、ルータ、または配線の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ワイヤレス・ネットワークが、セルラ・ネットワークを含む、システム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ワイヤレス・ネットワークが、802.11ネットワークを含む、システム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定する動作が、
前記CQIを示すデータを、モデルへの入力として供給する動作と、
前記1つ以上のネットワーク・デバイスの性能を示すデータを、前記モデルの出力として得る動作と、
少なくとも部分的に、前記モデルの出力に基づいて、前記ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定する動作と、
を含む、システム。
【請求項13】
ワイヤレス・ネットワーク上にある複数のネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成する方法であって、
前記ワイヤレス・ネットワークのネットワーク・コントローラによって、前記ネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成可能な複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標(CQI)を示すデータを得るステップであって、前記複数のアンテナ・モードの各々が別個の放射パターンを有する、ステップと、
前記ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に前記データに基づいて、前記ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するステップと、
前記ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に、前記複数のワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標と、前記ネットワーク・デバイスの内少なくとも1つに搭載されたマルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成し直す動作と関連付けられた1つ以上の制御信号とに基づいて、前記ワイヤレス・ネットワークを通じて、1つ以上の制御信号を供給するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するステップが、
前記ネットワーク・コントローラによって、前記1つ以上のアンテナ・モードに関連するCQIを示すデータを、機械学習モデルへの入力として供給するステップと、
前記ネットワーク・コントローラによって、前記1つ以上のネットワーク性能指標を、前記機械学習モデルの出力として得るステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項13記載の方法において、前記1つ以上のネットワーク性能指標が、前記ワイヤレス・ネットワークのネットワーク機器と関連付けられた保守作業を示す信号を含む、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、前記1つ以上の制御信号が、複数のネットワーク・デバイスの内少なくとも1つに対して、前記マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、前記マルチモード・アンテナが前記ネットワーク機器と通信する第1アンテナ・モードから、前記マルチモード・アンテナが前記ネットワーク機器と通信しない第2アンテナ・モードに構成し直すステップと関連付けられる、方法。
【請求項17】
請求項13記載の方法において、前記ワイヤレス・ネットワークがメッシュ・ネットワークを含む、方法。
【請求項18】
コンピューティング・デバイスであって、
複数のアンテナ・モードで動作するように構成可能なマルチモード・アンテナであって、前記複数のアンテナ・モードの中の各アンテナ・モードが別個の放射パターンを有する、マルチモード・アンテナと、
1つ以上の制御デバイスと、
を備え、
前記1つ以上の制御デバイスが、
前記マルチモード・アンテナを、前記複数のアンテナ・モードの各々に構成し、
前記マルチモード・アンテナが前記複数のアンテナ・モードの各々に構成されている間にチャネル品質指標(CQI)を示すデータを得て、
ワイヤレス・ネットワークを通じて、前記アンテナ・モードの内1つ以上についてのCQIを示すデータを、ネットワーク・コントローラに供給し、
前記ワイヤレス・ネットワークを通じて、前記ネットワーク・コントローラから1つ以上の制御信号を得て、前記1つ以上の制御信号が、少なくとも部分的に、前記1つ以上のアンテナ・モードについてのCQIを示すデータに基づいて前記ネットワーク・コントローラが判定した、前記ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標に、少なくとも部分的に基づいて、前記マルチモード・アンテナを、前記複数のアンテナ・モードから選択されたアンテナ・モードに構成する動作と関連付けられ、
前記マルチモード・アンテナを、前記選択されたアンテナ・モードに構成する、
ように構成される、コンピューティング・デバイス。
【請求項19】
請求項18記載のコンピューティング・デバイスにおいて、前記1つ以上の制御デバイスが、前記複数のアンテナ・モードの各々についての前記CQIを示すデータを供給するように構成される、コンピューティング・デバイス・
【請求項20】
請求項18記載のコンピューティング・デバイスにおいて、前記1つ以上のネットワーク性能指標が、前記ワイヤレス・ネットワークのネットワーク機器と関連付けられた保守作業を示す信号を含む、コンピューティング・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001] 本願は、2020年9月11日の出願日を有し、“System and Method for Configuring a Multi-Mode Antenna Based on Network Performance Indicators for a Wireless Network”(ワイヤレス・ネットワークについてのネットワーク性能指標に基づいてマルチモード・アンテナを構成するシステムおよび方法)と題する米国仮特許出願第63/077,070号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容が本願にも含まれるものとする。
【0002】
分野
[0002] 本開示は、一般的には、ワイヤレス・ネットワーク上におけるネットワーク・デバイスに関し、更に特定すれば、ワイヤレス・ネットワークについてのネットワーク性能指標に基づく、1つ以上のネットワーク・デバイスに搭載されたマルチモード・アンテナのビーム・ステアリング(beam-steering)に関する。
【従来技術】
【0003】
[0003] マルチモード・アンテナは、種々の用途において使用することができる。例えば、マルチモード・アンテナは、スマートフォンにおいて、他のスマートフォンのような、他のデバイスとの通信を容易にするために使用することができる。マルチモード・アンテナは、複数のアンテナ・モードに構成可能(configurable)にすることができる。複数のアンテナ・モードの各々は、別個の放射パターンを有することができる。更に、マルチモード・アンテナが複数のアンテナ・モードの各々に構成されている間に、チャネル品質指標(CQI:channel quality indicator)を示すデータを得るように、1つ以上の制御デバイスを構成することができる。1つ以上の制御デバイスは、少なくとも部分的に、関連するCQIを示すデータに基づいて、マルチモード・アンテナに選択したアンテナ・モードとして、複数のアンテナ・モードから1つを決定するように構成することができる。このように、マルチモード・アンテナは、このマルチモード・アンテナと1つ以上のリモート・デバイス(例えば、ルータ、セル・タワー等)との間に最適な通信リンクまたはほぼ最適な通信リンクを提供するアンテナ・モード(例えば、選択(selected)アンテナ・モード)に構成することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示の実施形態の態様および利点は、部分的に以下の説明において明記され、またはその説明から学習することができ、もしくは実施形態の実施を通じて習得することができる。
【0005】
[0005] 一態様では、ワイヤレス・ネットワーク上における複数のネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成するシステムを提供する。このシステムは、ネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成することができる複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標を示すデータを得るように構成された1つ以上のプロセッサを含む。複数のアンテナ・モードの各々は、別個の放射パターンを有することができる。1つ以上のプロセッサは、前述のデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するように構成することができる。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、ワイヤレス・ネットワークを通じて、1つ以上の制御信号を供給するように構成することができる。制御信号(1つまたは複数)は、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成し直す動作と関連付けることができる。
【0006】
[0006] 他の態様では、ワイヤレス・ネットワーク上の複数のネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成する方法を提供する。この方法は、1つ以上のネットワーク・デバイスに搭載されたマルチモード・アンテナを構成することができる複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標を示すデータを、ワイヤレス・ネットワークのネットワーク・コントローラを通じて入手するステップを含む。複数のアンテナ・モードの各々は、別個の放射パターンを有する。この方法は、ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に前述のデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するステップを含む。この方法は、ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、ワイヤレス・ネットワークを通じて、1つ以上の制御信号を供給するステップを含む。1つ以上の制御信号は、複数のネットワーク・デバイスの内少なくとも1つに搭載されたマルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成し直す動作と関連付けられる。
【0007】
[0007] 更に他の態様では、コンピューティング・デバイスを提供する。このコンピューティング・デバイスは、複数のアンテナ・モードで動作するように構成可能なマルチモード・アンテナを含む。複数のアンテナ・モードの中の各アンテナ・モードは、別個の放射パターンを有する。このコンピューティング・デバイスは、1つ以上の制御デバイスを含む。1つ以上の制御デバイスは、マルチモード・アンテナを複数のアンテナ・モードの各々に構成するように構成される。1つ以上の制御デバイスは、マルチモード・アンテナが複数のアンテナ・モードの各々に構成されている間に、チャネル品質指標を示すデータを得るように構成される。1つ以上の制御デバイスは、アンテナ・モードの内1つ以上についてのチャネル品質指標を示すデータを、ワイヤレス・ネットワークを通じて、ネットワーク・コントローラに供給するように構成される。1つ以上の制御デバイスは、ネットワーク・コントローラから、ワイヤレス・ネットワークを通じて、1つ以上の制御信号を得るように構成される。1つ以上の制御信号は、少なくとも部分的に、1つ以上のアンテナ・モードについてのチャネル品質指標を示すデータに基づいて、ネットワーク・コントローラが判定した1つ以上のネットワーク性能指標に、少なくとも部分的に基づいて、マルチモード・アンテナを、複数のアンテナ・モードから選択したアンテナ・モードに構成する動作と関連付けられる。1つ以上の制御デバイスは、マルチモード・アンテナを、選択されたアンテナ・モードに構成するように構成される。
【0008】
[0008] 種々の実施形態のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付した特許請求の範囲を参照することにより、一層深く理解されよう。添付図面は、本明細書に組み込まれその一部を構成する。これらの添付図面は、本開示の実施形態を図示し、本文の記載(description)と共に、関係する原理を説明する役割を果たす。
【0009】
[0009] 添付図面を参照しながら、本明細書において、当業者を対象とする実施形態の詳細な説明を明記する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態例にしたがって、ワイヤレス・ネットワークについてのネットワーク性能指標に基づいて、マルチモード・アンテナを構成するシステムを示す。
【
図2】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナを示す。
【
図3】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナに伴う二次元放射パターンを示す。
【
図4】本開示の実施形態例によるマルチモード・アンテナの周波数特性(plot)を示す。
【
図5】本開示の実施形態例によるネットワーク・デバイスのコンポーネントのブロック図を示す。
【
図6】本開示の実施形態例にしたがって、ワイヤレス・ネットワークについてのネットワーク性能指標に基づいて、マルチモード・アンテナを構成する方法の流れ図を示す。
【
図7】本開示の実施形態例にしたがって、ワイヤレス・ネットワークについてのネットワーク性能指標に基づいて、マルチモード・アンテナを構成する別の方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0017] これより実施形態について詳細に説明し、その1つ以上の例を図面に示す。各例は、実施形態の説明のために設けられるのであって、本開示の限定のためではない。実際、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく、実施形態に種々の変更および変形を行えることは、当業者には明白であろう。実例をあげると、1つの実施形態の一部として図示または記載される特徴は、他の実施形態と共に使用して、更に他の実施形態を生み出すことができる。つまり、本開示の態様は、このような変更および変形にもその適用範囲が及ぶことを意図している。
【0012】
[0018] 本開示の態様例は、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、1つ以上のネットワーク・デバイスに搭載されたマルチモード・アンテナの動作を制御するシステムを対象とする。このシステムは、ネットワーク・コントローラを含むことができる。このネットワーク・コントローラは、ワイヤレス・ネットワークを通じて、複数のネットワーク・デバイスと通信することができる。ネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナは、複数のアンテナ・モードに構成可能にすることができる。複数のアンテナ・モードの各々は、別個の放射パターンを有することができる。ネットワーク・コントローラは、複数のネットワーク・デバイスの各々からデータを得るように構成することができる。ある実施態様では、ネットワーク・コントローラは、少なくとも部分的に、イベントに基づいてデータを得るように構成することができる。実例をあげると、ある実施態様では、このイベントは時間間隔に対応することができる。つまり、このような実施態様では、ネットワーク・コントローラは、少なくとも部分的に、時間間隔の経過に基づいてデータを得るように構成することができる。代替実施態様では、ネットワーク・コントローラは、連続的にデータを得るように構成することができる。
【0013】
[0019] ある実施態様では、ネットワーク・コントローラが、マルチモード(multi-modal)アンテナを有するネットワーク・デバイスから得るデータは、マルチモード・アンテナを構成可能な複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標を示すことができる。代わりに、または加えて、複数のネットワーク・デバイスの各々は、対応するネットワーク・デバイスの各々に付随するメモリ・デバイス上に格納されたソフトウェア・アプリケーション(例えば、サード・パーティ・ソフトウェア)を実行するように構成された1つ以上の制御デバイスを含むことができる。ソフトウェア・アプリケーションは、対応するネットワーク・デバイスの性能を示すデータを判定するように構成することができる。実例をあげると、ソフトウェア・アプリケーションを実行する1つ以上の制御デバイスは、対応するネットワーク・デバイスに設定されるデータ限度の違反を検出するように構成することができる。以下で論ずるように、ネットワーク・コントローラは、少なくとも部分的に、複数のネットワーク・デバイスの各々から得られたデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するように構成することができる。
【0014】
[0020] ある実施態様では、ネットワーク・コントローラは、複数のネットワーク・デバイスの各々から得られたデータを、1つ以上の機械学習モデルへの入力として供給するように構成することができる。1つ以上の機械学習モデルは、複数のネットワーク・デバイスの各々から得られたデータを処理し、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を出力するように構成することができる。ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標は、ワイヤレス・ネットワーク全体としての性能を示すことができる。1つ以上のネットワーク性能指標の例には、ある時間期間にわたる複数のネットワーク・デバイスの各々に対するアップリンク速度、または同じ時間期間にわたる複数のネットワーク・デバイスの各々に関連するダウンリンク速度の内少なくとも1つを含むことができる。代わりに、または加えて、1つ以上のネットワーク性能指標には、同じ時間期間にわたるワイヤレス・ネットワーク上のトラフィック量を示すデータを含むことができる。ある実施態様では、1つ以上のネットワーク性能指標は、ワイヤレス・ネットワークにおける各リンクに関連するチャネル品質指標(例えば、受信信号強度指標)を含むことができる。
【0015】
[0021] ネットワーク・コントローラは、少なくとも部分的に1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、ワイヤレス・ネットワーク上で、1つ以上の制御信号をネットワーク・デバイスの内1つ以上に供給するように構成することができる。実例をあげると、ある実施態様では、1つ以上のネットワーク性能指標は、複数のネットワーク・デバイスの中の第1ネットワーク・デバイスを通じて導出されたトラフィック量が、1日の所与の時間(例えば、朝、昼、夕方)に閾値を超えたことを示すことができる。このような実施態様では、ネットワーク・コントローラは、1つ以上の制御信号を、第1ネットワーク・デバイス以外の1つ以上のネットワーク・デバイスに供給するように構成することができる。更に具体的には、1つ以上のネットワーク・デバイスがマルチモード(multi-modal)アンテナを有する場合、1つ以上の制御信号は、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、マルチモード・アンテナの放射パターンが第1ネットワーク・デバイスに向けて照準される第1アンテナ・モードから、マルチモード・アンテナの放射パターンがもはや第1ネットワーク・デバイスに向けて照準されない第2アンテナ・モードに調節する動作と関連付けることができる。このように、1日の所与の時間に第1ネットワーク・デバイスを通じて導出されたトラフィック量を、閾値以下のレベルに減少させ、ワイヤレス・ネットワークの性能を向上させることができる。
【0016】
[0022] ある実施態様では、1つ以上のネットワーク性能指標は、ワイヤレス・ネットワークのネットワーク機器と関連付けられた保守作業(action)を示す信号とすることができる。ネットワーク機器の例には、アクセス・ポイント、ブリッジ、ハブ、ネットワーク交換機、ネットワーク・コントローラ、配線(例えば、イーサネット・ケーブル)、またはワイヤレス・ネットワークの2つ以上のノード間における通信を容易にするように構成された任意の他の種類の機器を含むことができる。このような実施態様では、ネットワーク・コントローラは、1つ以上の制御信号を、マルチモード(multi-modal)アンテナを有する1つ以上のネットワーク・デバイスに供給し、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、マルチモード・アンテナがネットワーク機器と通信している第1アンテナ・モードにおける動作から、マルチモード・アンテナがもはやネットワーク機器と通信しない第2アンテナ・モードにおける動作に切り替えるように、構成することができる。このように、保守作業がネットワーク機器上で行われるまで、ネットワーク上におけるトラフィックの経路を変更することができる。
【0017】
[0023] 本開示の態様例によるシステムは、多数の技術的効果(benefit)および利点(advantage)を提供することができる。実例をあげると、複数のネットワーク・デバイスの各々に搭載されたマルチモード・アンテナの性能と関連付けられたデータ(例えば、CQI値)をネットワーク・コントローラに供給することによって、ネットワーク・コントローラがワイヤレス・ネットワークに対して判定する1つ以上のネットワーク性能指標の精度を高めることができる。更に、ネットワーク・コントローラは、少なくとも部分的に、1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、ネットワーク・デバイスの1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナのアンテナ・モードに対する調節を決定することができる。更に具体的には、この調節は、ワイヤレス・ネットワークの性能を向上させるために、1つ以上のネットワーク・デバイスに対するマルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、第1アンテナ・モードから、第1アンテナ・モードとは異なる第2アンテナ・モードに切り替える動作と関連付けることができる。更に、先に論じたように、ワイヤレス・ネットワークに付随するネットワーク機器の接続性(例えば、リンク品質)が閾値未満であり、もはや改善されることはない場合、ネットワーク・コントローラは、ネットワーク・デバイスの1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、第1アンテナ・モードから第2アンテナ・モードに切り替えて、1つ以上のネットワーク・デバイスがもはやこのネットワーク機器とは通信しないようにすることができる。このように、ネットワーク機器をオフラインに留めて、保守作業がそこで実行できるようにすることができる。
【0018】
[0024] これより図面を参照すると、
図1は、ワイヤレス・ネットワーク150についてのネットワーク性能指標に基づいて、マルチモード・アンテナ120を構成するシステム100を示す。ある実施態様では、ネットワーク・デバイス110の内1つ以上が、実例をあげると、移動体コンピューティング・デバイス(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ウェアラブル・デバイス)を含むことができる。しかしながら、複数のネットワーク・デバイス110は、ワイヤレス・ネットワーク150を通じてデータを伝達する(例えば、送信するおよび/または受信する)ように構成された任意の種類のネットワーク・デバイスを含むことができることは理解されてしかるべきである。
【0019】
[0025] 図示のように、ワイヤレス・ネットワーク150上にある複数のネットワーク・デバイス110の内1つ以上は、マルチモード・アンテナ120を含むことができる。更に、ある実施態様では、ワイヤレス・ネットワーク150上にある複数のネットワーク・デバイス110の内1つ以上は、固定放射パターンを有するアンテナ121を含むことができる。
【0020】
[0026] ある実施態様では、ワイヤレス・ネットワーク150はセルラ・ネットワークとすることができる。このような実施態様では、ネットワーク・デバイス110の内1つ以上は、リピータ、小型セル、フェムト・セル、またはセルラ・ネットワーク上で動作するように構成された任意の他のセルラ・デバイスを含むことができる。尚、ワイヤレス・ネットワーク150は、複数のネットワーク・デバイス110間における通信を容易にするように構成された任意の適した種類のワイヤレス・ネットワークを含むことができることは理解されてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、ワイヤレス・ネットワーク150は、802.11ネットワーク(例えば、WiFiネットワーク)のような、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)を含むことができる。このような実施態様では、ネットワーク・デバイス110の内1つ以上が、ゲートウェイ、ルータ、エクステンダ、または802.11ネットワーク上で通信するように構成された任意の他の適したデバイスを含むことができる。また、ワイヤレス・ネットワーク150は任意の適したトポロジを有することができることも理解されてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、ワイヤレス・ネットワーク150はメッシュ・ネットワークとすることができる。
【0021】
[0027] マルチモード・アンテナ120は、複数の異なるアンテナ・モード(例えば、Am-1、Am,2、Am,3等)に構成可能にすることができる。複数のアンテナ・モードの中の各アンテナ・モードには、異なる放射パターンおよび/または偏波と関連付けることができる。尚、マルチモード(multi-modal)アンテナ120を有する1つ以上のネットワーク・デバイス110は、任意の適した数のマルチモード・アンテナ120を有することができることは理解されてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、ネットワーク・デバイス110の内1つ以上が2つ以上のマルチモード・アンテナを含むことができる。
【0022】
[0028] ある実施態様では、複数のネットワーク・デバイス110の各々が1つ以上の制御デバイス130を含むことができる。1つ以上の制御デバイス130は、アンテナ120、121の動作を制御するように構成することができる。実例をあげると、マルチモード・アンテナ120を有する1つ以上のネットワーク・デバイス110の1つ以上の制御デバイス130は、マルチモード・アンテナ120を複数のアンテナ・モードの各々に構成することができる。このように、1つ以上の制御デバイス130は、マルチモード・アンテナ120を構成可能な複数のアンテナ・モード(例えば、Am-1、Am-2、Am-3等)の内1つ以上のアンテナ・モードについてのチャネル品質指標(CQI)を示すデータを得ることができる。
【0023】
[0029] ある実施態様では、1つ以上の制御デバイス130が、1つ以上の制御デバイス130に付随する1つ以上のメモリ・デバイス(図示せず)上に格納されているソフトウェア・アプリケーション(例えば、サード・パーティ・ソフトウェア)を実装するように構成することができる。ソフトウェア・アプリケーションは、ワイヤレス・ネットワーク150の監視性能と関連付けることができる。実例をあげると、1つ以上の制御デバイス130が、対応するネットワーク・デバイス110に対して設定されたデータ限度の違反を検出するために、ソフトウェア・アプリケーションを実行することができる。複数のネットワーク・デバイス110の各々にソフトウェア・アプリケーションを実装することによって、ソフトウェア・アプリケーションは、対応するネットワーク・デバイス110のハードウェア(例えば、マルチモード・アンテナ120)に一層接近して機能することができる。このように、ソフトウェア・アプリケーションは、例えば、対応するネットワーク・デバイス110の性能(例えば、健全性)を更に詳しく示すデータ(例えば、1つ以上のアンテナ・モードに対するCQI)を収集することができる。
【0024】
[0030] このような実施態様では、複数のネットワーク・デバイス110の各々は、1つ以上の制御デバイス130とソフトウェア・アプリケーションとの間における通信を容易にするために、アプリケーション・プログラミング・インターフェース140を含むことができる。実例をあげると、アプリケーション・プログラミング・インターフェース140は、マルチモード・アンテナ120を有する1つ以上のネットワーク・デバイス110に搭載された1つ以上の制御デバイス130が、マルチモード・アンテナ120の1つ以上のアンテナ・モードに対するCQIを示すデータを求める要求を、ソフトウェア・アプリケーションから得られるようにすることができる。更に、ソフトウェア・アプリケーションからの要求に応答して、1つ以上の制御デバイス130は、マルチモード・アンテナ120の1つ以上のアンテナ・モードと関連付けられたCQIを示すデータを、アプリケーション・プログラミング・インターフェース140を介して、ソフトウェア・アプリケーションに供給することができる。尚、アプリケーション・プログラミング・インターフェース140は双方向にもできることは認められてしかるべきである。このように、対応するネットワーク・デバイス110の性能を示すデータは、ソフトウェア・アプリケーションによって判定され、アプリケーション・プログラミング・インターフェース140を介して、1つ以上の制御デバイス130に供給することができる。
【0025】
[0031] 図示のように、システム100はネットワーク・コントローラ160を含むことができる。ネットワーク・コントローラ160は、ワイヤレス・ネットワーク150を通じて、複数のネットワーク・デバイス110の各々と通信することができる。このように、ネットワーク・コントローラ160は、複数のネットワーク・デバイス110の各々からデータを得ることができる。実例をあげると、ある実施態様では、ネットワーク・コントローラ160が複数のネットワーク・デバイス110の各々から得られるデータは、ネットワーク・デバイス110の内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナ120の1つ以上のアンテナ・モードに関連するCQIを示すことができる。代わりに、または加えて、ネットワーク・コントローラ160が複数のネットワーク・デバイス110の各々から得られるデータは、複数のネットワーク・デバイス110の各々に搭載された1つ以上の制御デバイス130によって実装されたソフトウェア・アプリケーションの出力データ(例えば、ネットワーク・デバイス110の性能)を含むことができる。このように、ネットワーク・コントローラ160は、少なくとも部分的に、複数のネットワーク・デバイス110の各々から得られたデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワーク150の健全性を監視するように構成することができる。
【0026】
[0032] ネットワーク・コントローラ160は、1つ以上のコンピューティング・デバイス162を含むことができる。1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリ・デバイスとを含むことができる。プロセッサ(1つまたは複数)は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、または他の適した処理デバイスのような、任意の適した処理デバイスを含むことができる。メモリ・デバイス(1つまたは複数)は、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体、RAM、ROM、ハード・ドライブ、フラッシュ・ドライブ、または他のメモリ・デバイスを含むが、これらに限定されない、1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。メモリ・デバイス(1つまたは複数)は、プロセッサ(1つまたは複数)によってアクセス可能な情報を格納することができ、この情報には、プロセッサ(1つまたは複数)によって実行することができるコンピュータ読み取り可能命令が含まれる。コンピュータ読み取り可能命令は、任意の1組の命令とすることができ、これらの命令がプロセッサ(1つまたは複数)によって実行されると、プロセッサ(1つまたは複数)に動作を実行させる。コンピュータ読み取り可能命令は、任意の適したプログラミング言語で書かれたソフトウェアとすることができ、またはハードウェアで実装することもできる。ある実施形態では、コンピュータ読み取り可能命令は、プロセッサ(1つまたは複数)に、これより更に詳しく論ずる動作を実行させるために、プロセッサ(1つまたは複数)によって実行することができる。
【0027】
[0033] 1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、少なくとも部分的に、複数のネットワーク・デバイス110の内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナ120を構成可能な複数のアンテナ・モードの内の1つ以上のアンテナ・モードに関連するCQIを示すデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワーク150についての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するように構成することができる。ある実施態様では、ネットワーク・コントローラ160は1つ以上の機械学習モデル(machine-learned model)164を含むことができる。このような実施態様では、1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、複数のネットワーク・デバイス110の各々から得られたデータ(例えば、マルチモード・アンテナ120の1つ以上のアンテナ・モードについてのCQI)を、1つ以上の機械学習モデル164への入力として供給するように構成することができる。1つ以上の機械学習モデル164は、CQIを示すデータを処理して、ワイヤレス・ネットワーク150についての1つ以上のネットワーク性能指標を出力するように構成することができる。ある実施態様では、ネットワーク・コントローラ160は表示画面166を含むことができる。このように、表示画面166を通じて見るために、1つ以上の機械学習モデル164が出力するデータを供給することができる。代わりに、または加えて、CQIを示すデータは、ネットワーク・コントローラ160の表示画面166によって見るために供給することができる。
【0028】
[0034] 尚、1つ以上の機械学習モデル164は任意の適した種類の機械学習モデルを含むことができることは認められてしかるべきである。実例をあげると、1つ以上の機械学習モデル164は、限定ではなく、ランダム・フォレスト・クラシファイア(classifier)、ロジスティック回帰クラシファイア、サポート・ベクトル機械、1つ以上の判断ツリー、ニューラル・ネットワーク、および/または線形モデルと非線形モデルの双方を含む、他の種類の機械学習モデルを含むことができる。ニューラル・ネットワークの例には、順伝播型ニューラル・ネットワーク、再帰型ニューラル・ネットワーク(例えば、長/短期記憶再帰型ニューラル・ネットワーク)、または他の形態のニューラル・ネットワークを含むことができる。
【0029】
[0035] ある実施態様では、1つ以上の機械学習モデル164を、モデル・トレーナ(model trainer)168の使用によって訓練することができる。モデル・トレーナ168は、1つ以上の訓練または学習アルゴリズムを使用して、1つ以上の機械学習モデル164を訓練することができる。訓練技法の一例に、誤差逆伝搬(「逆伝搬」)がある。例えば、逆伝搬はレーベンバーグ・マーカート逆伝搬(Levenberg-Marquardt backpropagation)を含むことができる。ある実施態様では、モデル・トレーナ168は、1組の教師あり訓練データを使用して、教師あり訓練技法を実行することができる。他の実施態様では、モデル・トレーナ168は、1組の教師なし訓練データを使用して、教師なし訓練技法を実行することができる。モデル・トレーナ168は、訓練対象モデルの一般化能力を高めるために複数の一般化技法を実行することができる。一般化技法には、荷重減衰、ドロップアウト(dropout)、またはその他の技法が含まれる。具体的には、モデル・トレーナ168は、1組の訓練データ169に基づいて、1つ以上の機械学習モデル164を訓練することができる。訓練データ169は、複数の訓練例を含むことができる。各訓練例は、マルチモード・アンテナ120を構成することができる複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードについてのCQIを示すデータのインスタンスを含むことができる。
【0030】
[0036] ある実施態様では、1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、少なくとも部分的に、ワイヤレス・ネットワーク150についてのネットワーク性能指標に基づいて、1つ以上の制御動作(control action)を実行するように構成することができる。例えば、1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、少なくとも部分的に、1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、ネットワーク・デバイス110の内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナ120に対する1つ以上の調節を決定することができる。ある実施態様では、1つ以上の制御動作は、1つ以上のネットワーク・デバイス110のマルチモード・アンテナ120に対するアンテナ・モードを調節する動作と関連付けられた1つ以上の制御信号を供給することを含むことができる。実例をあげると、1つ以上の制御信号は、ワイヤレス・ネットワーク150の性能を向上させるために、1つ以上のネットワーク・デバイス110のマルチモード・アンテナ120を第1アンテナ・モードにおける動作から、第1アンテナ・モードとは異なる第2アンテナ・モードにおける動作に切り替える動作と関連付けることができる。
【0031】
[0037] 尚、マルチモード・アンテナ120のアンテナ・モードの1つ以上に関連するチャネル品質指標を示すデータの例には、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、振幅誤差比(MER:magnitude error ratio)、変調精度(EVM:error vector magnitude)、ビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER:block error rate)、パケット誤り率(PER)、あるいは以上のメトリックおよび/または種々の他のメトリックの組み合わせを含むことができる。
【0032】
[0038] ある実施態様では、1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、複数のネットワーク・デバイス110の各々を1つ以上のクラスに割り当てるように構成することができる。更に、ある実施態様では、1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、クラスの各々に優先順位を設定するように構成することができる。実例をあげると、ネットワーク・デバイス110の第1グループを、第1優先順位を有する第1クラスに割り当てることができ、一方ネットワーク・デバイス110の第2グループを、第1優先順位とは異なる第2優先順位を有する第2クラスに割り当てることができる。実例をあげると、ある実施態様では、第2優先順位が第1優先順位よりも低いことも可能である。代替実施態様では、第2優先順位が第1優先順位よりも高いことも可能である。ある実施態様では、1つ以上のコンピューティング・デバイス162は、少なくとも部分的に、通信リンクを介して送信されるデータの型に基づいて、複数のネットワーク・デバイス110の中の第1ネットワーク・デバイスと、複数のネットワーク・デバイス110の中の少なくとも第2ネットワーク・デバイスとの間にある通信リンクの優先順位を決定するように構成することができる。尚、第1ネットワーク・デバイスと少なくとも第2ネットワーク・デバイスとの間の通信リンクの優先順位は、この通信リンクを介して送信されるデータの型以外でも、他のパラメータに基づいて決定できることは理解されてしかるべきである。
【0033】
[0039]
図2は、本開示によるマルチモード・アンテナ120の一例を示す。図示のように、マルチモード・アンテナ120は回路ボード200(例えば、接地面を含む)と、回路ボード200上に配置された被駆動アンテナ・エレメント202とを含むことができる。回路ボード200(と、例えば、接地面)と被駆動アンテナ・エレメント202との間に、アンテナ空間を定めることもできる。マルチモード・アンテナ120は、少なくとも部分的にアンテナ空間内に位置付けられた第1寄生エレメント204を含むことができる。マルチモード・アンテナ120は、更に、第1寄生エレメント204と結合された第1同調エレメント206も含むことができる。第1同調エレメント206は、受動または能動コンポーネントあるいは一連のコンポーネントとすることができ、可変リアクタンスまたは接地への短絡のいずれかによって、第1寄生エレメント204上のリアクタンスを変化させるように構成することができる。尚、第1寄生エレメント204のリアクタンスを変化させることによって、マルチモード・アンテナ120の周波数偏移を生じさせる結果が得られることは認められてしかるべきである。また、第1同調エレメント206は、調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含んでもよいことも認められてしかるべきである。
【0034】
[0040] ある実施態様では、マルチモード・アンテナ120は、被駆動アンテナ・エレメント202に隣接し、アンテナ空間の外側に配置された第2寄生エレメント208を含むことができる。マルチモード・アンテナ120は、更に、第2同調エレメント220を含むことができる。ある実施態様では、第2同調エレメント220は、受動または能動コンポーネントあるいは一連のコンポーネントとすることができ、可変リアクタンスまたは接地への短絡のいずれかによって、第2寄生エレメント208上のリアクタンスを変化させるように構成することができる。尚、第2寄生エレメント208のリアクタンスを変化させることによって、マルチモード・アンテナ120の周波数偏移を生じさせる結果が得られることは認められてしかるべきである。また、第2同調エレメント220は、調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含んでもよいことも認められてしかるべきである。
【0035】
[0041] ある実施態様では、被駆動アンテナ・エレメント202のアンテナ放射パターンを調節する(例えば、偏移させる)ために、第1同調エレメント206および第2同調エレメント220の内少なくとも1つの動作を制御することができる。例えば、被駆動アンテナ・エレメント202のアンテナ放射パターンを調節するために、第1同調エレメント206および第2同調エレメント220の内少なくとも1つのリアクタンスを制御することができる。アンテナ放射パターンの調節は、「ビーム・ステアリング」(beam steering)と呼ぶことができる。しかしながら、アンテナ放射パターンがヌルを含む実例では、一般に「ヌル・ステアリング」(null steering)と呼ばれる同様の動作を実行すると、被駆動アンテナ・エレメント202周囲における代わりの位置に、ヌルを偏移させることができる(例えば、干渉を低減するため)。
【0036】
[0042]
図3は、本開示の実施形態例による
図1のマルチモード・アンテナ120に伴うアンテナ放射パターンを示す。尚、マルチモード・アンテナ120を複数のモードに構成するために、第1寄生エレメント204および第2寄生エレメント208の内少なくとも1つの動作を制御できることは認められてしかるべきである。また、マルチモード・アンテナ120は、複数のモードの各々に構成されると、別個のアンテナ放射パターンまたはアンテナ偏波を有することができることも認められてしかるべきである。
【0037】
[0043] ある実施態様では、マルチモード・アンテナ120は、このマルチモード・アンテナ120が複数のモードの内第1モードに構成されたときに、第1アンテナ放射パターン300を有することができる。加えて、マルチモード・アンテナ120は、このマルチモード・アンテナ120が複数のモードの内第2モードに構成されたときに、第2アンテナ放射パターン302を有することができる。更に、マルチモード・アンテナ120は、このマルチモード・アンテナ120が複数のモードの内第3モードに構成されたときに、第3アンテナ放射パターン304を有することができる。図示のように、第1アンテナ放射パターン300、第2アンテナ放射パターン302、および第3アンテナ放射パターン304は、互いに別個とすることができる。このように、マルチモード・アンテナ120は、第1モード、第2モード、および第3モードの各々に構成されたときに、別個の放射パターンを有することができる。
【0038】
[0044]
図4は、本開示のある態様による
図1のマルチモード・アンテナ120の周波数プロット例を示す。尚、第1寄生エレメント204および第2寄生エレメント208の内少なくとも1つの電気特性(例えば、リアクタンス)を制御できることは理解されてしかるべきである。このように、第1寄生エレメント204および第2寄生エレメント208の内少なくとも1つの電気特性を調節すると、対応するマルチモード・アンテナが動作している周波数を偏移させることができる。
【0039】
[0045] ある実施態様では、第1寄生エレメント204および第2寄生エレメント208を不作動にする(deactivated)(例えば、オフに切り替えられる)と、マルチモード・アンテナ120を第1周波数f0に同調させることができる。代わりにおよび/または加えて、第2寄生エレメント208を接地に短絡させると、マルチモード・アンテナ120を周波数fLおよびfHに同調させることができる。更に、第1寄生エレメント204および第2寄生エレメント208の双方を接地に短絡させると、マルチモード・アンテナ120を周波数f4に同調させることができる。更にまた、第1寄生エレメント204および第2寄生エレメント208を各々接地に短絡させると、マルチモード・アンテナ120を周波数f4およびf0に同調させることができる。尚、他の構成も本開示の範囲に入ることは理解されてしかるべきである。例えば、もっと多いまたはもっと少ない寄生エレメントを採用することもできる。寄生エレメントの位置付けを変更することによって、異なる周波数および/または周波数の組み合わせを呈することができる追加のモードを達成することもできる。
【0040】
[0046]
図2~
図4は、例示および論述の目的に限って、複数のモードを有するモーダル・アンテナの一例を示す。本明細書において提示する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他のモーダル・アンテナおよび/またはアンテナ構成も使用できることは、当業者には理解できよう。本明細書において使用する場合、「モーダル・アンテナ」(modal antenna)とは、複数のモードで動作することができるアンテナを意味し、各モードには別個の放射パターンと関連付けられる。
【0041】
[0047] これより
図5を参照して、
図1を参照して先に論じた複数のネットワーク・デバイス110の中の1つのネットワーク・デバイスの実施形態例を示す。図示のように、マルチモード・アンテナ120は、被駆動エレメント510と寄生エレメント512とを含むことができる。マルチモード・アンテナ120は、先に論じたように、複数の異なるモードで動作可能にすることができる。複数のモードの中の各モードは、実例をあげると、
図2~
図4を参照して先に説明したように、異なる放射パターンおよび/または偏波特性と関連付けることができる。更に、ネットワーク・デバイス110は1つのマルチモード・アンテナ120だけを有するように図示されているが、ネットワーク・デバイス110は任意の適した数のマルチモード・アンテナを含んでもよいことは認められてしかるべきである。実例をあげると、ある実施態様では、ネットワーク・デバイス110は2つ以上のマルチモード・アンテナを含むことができる。
【0042】
[0048] ネットワーク・デバイス110は、マルチモード・アンテナ120を複数の異なるモードで動作させるために、寄生エレメント512に伴う電気特性を制御するように構成された同調回路520を含むことができる。ある実施態様では、ネットワーク・デバイス110は可調整コンポーネント530を含むことができる。図示のように、可調整コンポーネント530は、寄生エレメント512と同調回路520との間に結合することができる。同調回路520は、寄生エレメント512を電気接地に結合するというように、寄生エレメント512の電圧ソースまたは電圧シンクあるいは電流ソースまたは電流シンクとの電気接続を変化させるために、可調整コンポーネント530の動作を制御するように構成することができる。
【0043】
[0049] ネットワーク・デバイス110は、RF回路540を含むことができる。ある実施態様では、RF回路540はフロント・エンド・モジュールを含むことができる。フロント・エンド・モジュールは、実例をあげると、1つ以上の電力増幅器、ロー・ノイズ増幅器、インピーダンス整合回路等を含むことができる。このように、フロント・エンド・モジュールは、マルチモード・アンテナ120の被駆動エレメント510に送信されるRF信号および/または被駆動エレメント510から受信されたRF信号を増幅するように構成することができる。
【0044】
[0050] ある実施態様では、ネットワーク・デバイス110の1つ以上の制御デバイス130は、同調回路520に動作可能に結合することができる。このように、1つ以上の制御デバイス130は、マルチモード・アンテナ120を複数の異なるモードに構成するために、同調回路520の動作を制御するように構成することができる。代わりにおよび/または加えて、1つ以上の制御デバイス130は、RF回路540と電気通信状態になることができる。このように、RF回路540を介して、マルチモード・アンテナ120において受信されたRF信号を1つ以上の制御デバイス130に供給することができる。加えて、1つ以上の制御デバイス130は、RF回路540を介して、マルチモード・アンテナ120の被駆動エレメント510に供給される送信RF信号上に変調されるデータを供給することができる。
【0045】
[0051] 図示のように、1つ以上の制御デバイス130は、1つ以上のプロセッサ132と1つ以上のメモリ・デバイス134とを含むことができる。プロセッサ(1つまたは複数)132は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、または他の適した処理デバイスのような、任意の適した処理デバイスを含むことができる。メモリ・デバイス(1つまたは複数)134は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体には、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体、RAM、ROM、ハード・ドライブ、フラッシュ・ドライブ、または他のメモリ・デバイスが含まれるが、これらに限定されるのではない。
【0046】
[0052] メモリ・デバイス(1つまたは複数)134は、プロセッサ(1つまたは複数)132によってアクセス可能な情報を格納することができ、この情報には、プロセッサ(1つまたは複数)132によって実行することができるコンピュータ読み取り可能命令が含まれる。コンピュータ読み取り可能命令は、プロセッサ(1つまたは複数)132によって実行されると、プロセッサ(1つまたは複数)132に動作を実行させる任意の1組の命令とすることができる。コンピュータ読み取り可能命令は、任意の適したプログラミング言語で書かれたソフトウェアとすることができ、またはハードウェアで実装することもできる。ある実施形態では、コンピュータ読み取り可能命令は、プロセッサ(1つまたは複数)132によって実行され、これより更に詳しく論ずる動作を、プロセッサ(1つまたは複数)132に実行させることができる。
【0047】
[0053] これより
図6を参照して、本開示の実施形態例にしたがって、ワイヤレス・ネットワーク上にある複数のネットワーク・デバイスの内1つ以上に搭載されたマルチモード・アンテナを構成する方法600の流れ図を示す。全体的に、ここでは
図1を参照して先に説明したシステム100を参照しながら、方法600について論ずる。加えて、
図6は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示すが、本明細書において論ずる方法は、いずれの特定の順序にも配列にも限定されない。尚、本明細書において提示される開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、ここで開示する方法の種々のステップを省略する、並び替える、組み合わせる、および/または種々の方法で適応させることも可能であることは、当業者には認められよう。
【0048】
[0054] (602)において、方法600は、ネットワーク・コントローラを介して、マルチモード・アンテナを有する1つ以上のネットワーク・デバイスからデータを得るステップを含む。実例をあげると、ある実施態様では、このデータは、マルチモード・アンテナを構成することができる複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標(CQI)を示すことができる。尚、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードの内1つ以上に関連するチャネル品質指標を示すデータは、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、振幅誤差比(MER)、変調精度(EVM)、ビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER)、パケット誤り率(PER)、または以上のおよび/または種々の他のメトリックの組み合わせを含むことができることは認められてしかるべきである。
【0049】
[0055] 代替実施態様では、CQIを示すデータを、マルチモード・アンテナを有する1つ以上のネットワーク・デバイスの制御デバイス上で実行するモデル(例えば、サード・パーティ製ソフトウェア・アプリケーション)への入力として供給することができる。このモデルは、CQIを示すデータを処理して、対応するネットワーク・デバイスの性能(例えば、健全性)を示すデータを得ることができる。このような実施態様では、マルチモード・アンテナを有する1つ以上のデバイスから得られたデータは、制御デバイス上で実行するモデルの出力を含むことができる。更に具体的には、モデルの出力は、対応するネットワーク・デバイスの性能を示すデータを含むことができる。
【0050】
[0056] (604)において、方法600は、ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に、(602)において得られたデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するステップを含む。実例をあげると、ある実施態様では、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するステップは、(606)において、1つ以上の機械学習モデルへの入力として、データを供給するステップを含むことができる。例えば、マルチモード・アンテナの1つ以上のアンテナ・モードについてのCQIを示すデータを、1つ以上の機械学習モデルへの入力として供給することができる。代わりに、または加えて、1つ以上のネットワーク・デバイスの制御デバイス上で実行するモデルによって出力されたデータを、1つ以上の機械学習モデルへの入力として供給することもできる。1つ以上の機械学習モデルは、このデータを処理し、(608)において、方法600は、1つ以上のネットワーク性能指標を、1つ以上の機械学習モデルの出力として得るステップを含むことができる。
【0051】
[0057] (610)において、方法600は、ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に、(604)において判定した1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、1つ以上の制御信号をネットワーク・デバイスの内1つ以上に供給するステップを含む。1つ以上の制御信号は、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成し直す動作と関連付けることができる。更に具体的には、1つ以上の制御信号は、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、複数のアンテナ・モードの中の第1アンテナ・モードから、複数のアンテナ・モードの中の第2アンテナ・モードに切り替える動作と関連付けることができる。このように、通信ネットワークの性能を向上させるために、少なくとも部分的に、(604)において判定した1つ以上のネットワーク性能指標に基づいて、1つ以上のネットワーク・デバイスに対するマルチモード・アンテナの放射パターンを操る(steer)ことができる。
【0052】
[0058] これより
図7を参照すると、本開示の実施形態例にしたがって、ワイヤレス・ネットワーク上にある複数のネットワーク・デバイスの各々に搭載されたマルチモード・アンテナを構成する方法700の他の流れ図が示されている。全体的に、ここでは、
図1を参照して先に説明したシステム100を引用しながら、方法700について論ずる。加えて、
図7は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示すが、本明細書において論ずる方法は、いずれの特定の順序にも配列にも限定されることはない。尚、本明細書において提供する開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において開示する方法の種々のステップを省略する、並び替える、組み合わせる、および/または種々の方法で適応させることも可能であることは、当業者には理解されよう。
【0053】
[0059] (702)において、方法700は、ネットワーク・コントローラによって、マルチモード・アンテナを有する1つ以上のネットワーク・デバイスからデータを得るステップを含む。更に具体的には、このデータは、マルチモード・アンテナを構成することができる複数のアンテナ・モードの内1つ以上のアンテナ・モードに関連するチャネル品質指標(CQI)を示すことができる。尚、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードの内1つ以上に関連するチャネル品質指標を示すデータは、受信信号強度指標(RSSI)、信号対ノイズ比(SNR)、信号対干渉+ノイズ比(SINR)、振幅誤差比(MER)、変調精度(EVM)、ビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER)、パケット誤り率(PER)、あるいは以上のおよび/または種々の他のメトリックの組み合わせを含めばよいことは認められてしかるべきである。
【0054】
[0060] 代替実施態様では、CQIを示すデータを、マルチモード・アンテナを有する1つ以上のネットワーク・デバイスの制御デバイス上で実行するモデル(例えば、サード・パーティ製ソフトウェア・アプリケーション)への入力として供給することができる。このモデルは、CQIを示すデータを処理して、対応するネットワーク・デバイスの性能(例えば、健全性)を示すデータを得ることができる。このような実施態様では、マルチモード・アンテナを有する1つ以上のデバイスから得られたデータは、制御デバイス上で実行するモデルの出力を含むことができる。更に具体的には、モデルの出力は、対応するネットワーク・デバイスの性能を示すデータを含むことができる。
【0055】
[0061] (704)において、方法700は、ネットワーク・コントローラによって、少なくとも部分的に、(702)において複数のネットワーク・デバイスの各々から得られたデータに基づいて、ワイヤレス・ネットワークについての1つ以上のネットワーク性能指標を判定するステップを含む。実例をあげると、ある実施態様では、方法700は、(706)において、(702)において得られたデータを、1つ以上の機械学習モデルへの入力として供給するステップを含む。例えば、複数のネットワーク・デバイスの各々に搭載されたマルチモード・アンテナの1つ以上のアンテナ・モードについてのCQIを示すデータを、1つ以上の機械学習モデルへの入力として供給することができる。代わりに、または加えて、1つ以上のネットワーク・デバイスの制御デバイス上で実行するモデルによって出力されたデータを、1つ以上の機械学習モデルへの入力として供給することもできる。1つ以上の機械学習モデルは、このデータを処理し、(708)において、方法700は、1つ以上のネットワーク性能指標を、1つ以上の機械学習モデルの出力として得るステップを含むことができる。
【0056】
[0062] (710)において、方法700は、ネットワーク・コントローラによって、ワイヤレス・ネットワークに付随するネットワーク機器(例えば、アクセス・ポイント、ネットワーク交換機、ブリッジ、ルータ、リピータ、配線、ネットワーク・コントローラ等)において、保守作業を行う必要があると判定するステップを含む。実例をあげると、ワイヤレス・ネットワークについて(704)において判定された1つ以上のネットワーク性能指標は、ネットワーク機器に対する保守作業を示す1つ以上の信号を含むことができる。
【0057】
[0063] (712)において、方法700は、ネットワーク・コントローラによって、(710)においてネットワーク機器に対して保守作業が必要であると判定したことに応答して、ネットワーク・デバイスの内1つ以上に対して、マルチモード・アンテナのアンテナ・モードを構成し直す動作と関連付けられた1つ以上の制御信号を供給するステップを含む。実例をあげると、ある実施態様では、1つ以上の制御信号は、1つ以上のネットワーク・デバイスに搭載されたマルチモード・アンテナのアンテナ・モードを、マルチモード・アンテナが、保守作業が必要とされたネットワーク機器と、通信できる第1アンテナ・モードから、マルチモード・アンテナがこのネットワーク機器と通信できない第2アンテナ・モードに切り替える動作と関連付けることができる。このように、ワイヤレス・ネットワークの性能劣化を回避できるように、ネットワーク機器を回避するために、ネットワーク・トラフィックの経路を変更することができる。
【0058】
[0064] 以上、本発明の主題を、その具体的な実施形態例に関して、詳細に説明したが、以上の説明の理解が得られれば、このような実施形態に対する変更、変形、および均等物も、当業者は容易に生み出せることは認められよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく一例であり、当業者には容易に認められるように、本開示は、本発明の主題に対するこのような変更、変形、および/または追加の包含を除外しない。
【国際調査報告】