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特表2023-540424糖-レクチン結合を使用する核酸検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】糖-レクチン結合を使用する核酸検出
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20180101AFI20230915BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20230915BHJP
   C12Q 1/6816 20180101ALI20230915BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230915BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20230915BHJP
【FI】
C12Q1/68 100Z
C12Q1/6813 Z
C12Q1/6816 Z
C12M1/00 A
C12N15/09 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580778
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 US2021047978
(87)【国際公開番号】W WO2022055726
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/077,416
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520512579
【氏名又は名称】イルミナ・シンガポール・プライベイト・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Illumina Singapore Pte Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】パントージャ,リゴ
(72)【発明者】
【氏名】オーティズ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シャンユエン
(72)【発明者】
【氏名】テオ,イン ナー
(72)【発明者】
【氏名】バーマース,エリック
(72)【発明者】
【氏名】エックハート,アレン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029FA15
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QQ62
4B063QQ67
4B063QQ68
4B063QR43
4B063QR82
4B063QS32
4B063QX02
(57)【要約】
要素を検出するための方法が提供される。方法は、要素-糖複合体を基材に結合することを含む。要素-糖複合体は、糖に結合した要素を含む。方法は、レクチンを糖に結合する工程と、レクチンを検出する工程と、少なくともレクチンの検出を使用して要素を検出する工程と、を含む。基材と、基材に結合された要素-糖複合体と、を含む、システムが提供される。要素-糖複合体は、糖に結合した要素を含む。システムは、糖に結合されたレクチン、及び少なくともレクチンの検出を使用して要素を検出する検出回路を含む。
【選択図】図4D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要素を検出する方法であって、
第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合させる工程であって、前記第1の要素-糖複合体が、第1の糖に結合した第1の要素を含む、工程と、
第1のレクチンを前記第1の糖に結合させる工程と、
少なくとも前記第1のレクチンの検出を使用して、前記第1の要素を検出する工程と、
を含む、要素を検出する方法。
【請求項2】
前記第1の要素が分析物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分析物が第1のヌクレオチドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の要素-糖複合体を前記第1の基材に結合させることが、前記第1のヌクレオチドを前記第1の基材に結合した第1のオリゴヌクレオチドに組み込むことを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のオリゴヌクレオチドが、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、前記第1のヌクレオチドを前記第1のオリゴヌクレオチドに組み込むことが、少なくとも前記第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用して、前記第1のオリゴヌクレオチドを伸長することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の要素-糖複合体を前記第1の基材に結合することが、前記基材上に溶液を流すことを含み、前記溶液が、
前記第1の要素-糖複合体と、
第2の糖に結合した第2の要素を含む第2の要素-糖複合体と、を含み、
前記第1のレクチンが、前記第1の糖に選択的に結合し、前記第2の糖に結合しない、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の要素が、互いに異なるヌクレオチドタイプを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の糖が、互いに異なる糖タイプを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の要素-糖複合体を前記第1の基材又は第2の基材に結合する工程と、
第2のレクチンを前記第2の糖に結合する工程と、
少なくとも前記第2のレクチンの検出を使用して、前記第2の要素を検出する工程と、
を更に含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記溶液が、
第3の糖に結合した第3の要素を含む第3の要素-糖複合体と、
第4の糖に結合された第4の要素を含む第4の要素-糖複合体と、を更に含み、前記方法が、
前記第3の要素-糖複合体を、前記第1の基材、前記第2の基材、又は第3の基材に結合する工程と、
第3のレクチンを前記第3の糖に結合させる工程と、
少なくとも前記第3のレクチンの検出を使用して、前記第3の要素を検出する工程と、
前記第4の要素-糖複合体を、前記第1の基材、前記第2の基材、前記第3の基材、又は第4の基材に結合する工程と、
第4のレクチンを前記第4の糖に結合させる工程と、
少なくとも前記第4のレクチンの検出を使用して、前記第4の要素を検出する工程と、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の要素糖-複合体が、前記要素に結合された第5の糖を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のレクチンを前記第5の糖に結合させることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1のフルオロフォアを前記第1のレクチンに結合させることを更に含み、前記第1のレクチンの検出が、前記第1のフルオロフォアからの蛍光を検出することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のフルオロフォアが第1の複数のフルオロフォアを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のフルオロフォアを前記第1のレクチンに結合させることが、ポリマーを前記第1のレクチンに結合させることを含み、前記ポリマーが、前記第1のフルオロフォア及び第6の糖を含み、前記第1のレクチンが、前記第6の糖に結合する、請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマーがビーズを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマーがポリペプチドを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のフルオロフォアが、前記第1のレクチンを前記第1の糖に結合する前に前記第1のレクチンに結合されている、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のフルオロフォアが、前記第1のレクチンを前記第1の糖に結合した後に前記第1のレクチンに結合される、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
第7の糖が、前記第1のレクチンに結合され、
第2のレクチンが、前記第7の糖に結合され、
前記第1のレクチンの検出が、前記第2のレクチンの検出を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
第2のフルオロフォアが、前記第2のレクチンに結合し、前記第1のレクチンの検出が、前記第2のフルオロフォアからの蛍光を検出することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のフルオロフォアが、前記第2のフルオロフォアとは異なるタイプのフルオロフォアである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のレクチンが、コンカナバリンA(ConA)を含み、前記第7の糖が、N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、前記第2のレクチンが、大豆凝集素(SBA)を含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のレクチンが、コンカナバリンA(ConA)を含み、前記第1の糖が、マンノース(Man)又はグルコース(Glc)を含むか、
前記第1のレクチンが、小麦胚芽凝集素(WGA)を含み、前記第1の糖が、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)又はN-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)を含むか、
前記第1のレクチンが、大豆凝集素(SBA)を含み、前記第1の糖が、ガラクトース(Gal)又はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含むか、
前記第1のレクチンが、ドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA)を含み、前記第1の糖が、GalNAcα3GalNAc又はGalNAcを含むか、
前記第1のレクチンが、リシンを含み、前記第1の糖が、ガラクトースを含むか、
前記第1のレクチンが、ピーナッツ凝集素(PNA)を含み、前記第1の糖が、ガラクトース又はGalβ3GalNAcα(T抗原)を含むか、
前記第1のレクチンが、エンドウ(Pisum sativum)(PSA)を含み、前記第1の糖が、マンノース又はグルコースを含むか、
前記第1のレクチンが、レンズ豆(Lens culinaris)(LCA)を含み、第1の糖が、マンノース又はグルコースを含むか、
前記第1のレクチンが、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA)を含み、前記第1の糖が、マンノースを含むか、
前記第1のレクチンが、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)を含み、前記第1の糖が、(GlcNAc)を含むか、
第1のレクチンが、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1を含み、前記第1の糖が、ガラクトースを含むか、
前記第1のレクチンがガレクチン-3を含み、前記第1の糖がガラクトースを含むか、
前記第1のレクチンが、シアロアドヘシン(Sialoadhesin)を含み、前記第1の糖が、Neu5Acを含むか、
前記第1のレクチンが、カチオン依存性マンノース-6-リン酸受容体(CD-MPR)を含み、前記第1の糖が、Man6Pを含むか、又は
前記第1のレクチンがC反応性タンパク質(CRP)を含み、前記第1の糖がガラクトース、Gal6P、又はガラクツロン酸を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の基材がビーズを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の糖がアルキル糖を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の糖が単糖を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の糖が二糖を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
システムであって、
基材と、
前記基材に結合された第1の要素-糖複合体であって、第1の糖に結合した第1の要素を含む、第1の要素-糖複合体と、
前記第1の糖に結合した第1のレクチンと、
少なくとも前記第1のレクチンの検出を使用して、第1の要素を検出するための検出回路と、
を含む、システム。
【請求項30】
前記第1の要素が分析物を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記分析物が第1のヌクレオチドを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の要素-糖複合体が、前記第1の基材に結合された第1のオリゴヌクレオチドへの前記第1のヌクレオチドの組込みを介して前記第1の基材に結合される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1のオリゴヌクレオチドが、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、前記第1のヌクレオチドの前記第1のオリゴヌクレオチドへの組込みが、少なくとも前記第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用して前記第1のオリゴヌクレオチドを伸長することを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記基材上を流れる溶液を更に含み、前記溶液が、
前記第1の要素-糖複合体と、
第2の糖に結合した第2の要素を含む第2の要素-糖複合体と、を含み、
前記第1のレクチンが、前記第1の糖に選択的に結合し、前記第2の糖に結合しない、請求項29~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1及び第2の要素が、互いに異なるヌクレオチドタイプを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1及び第2の糖が、互いに異なる糖タイプを含む、請求項34又は35に記載のシステム。
【請求項37】
前記第2の要素-糖複合体が、前記第1の基材又は第2の基材に結合され、
第2のレクチンが、前記第2の糖に結合され、
前記検出回路が、少なくとも前記第2のレクチンの検出を使用して前記第2の要素を検出するためのものである、請求項34~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記溶液が、
第3の糖に結合した第3の要素を含む第3の要素-糖複合体、及び第4の糖に結合した第4の要素を含む第4の要素-糖複合体を更に含み、
前記第3の要素-糖複合体が、前記第1の基材、前記第2の基材、又は第3の基材に結合され、
第3のレクチンが、前記第3の糖に結合され、
前記検出回路が、少なくとも前記第3のレクチンの検出を使用して前記第3の要素を検出するためのものであり、
前記第4の要素-糖複合体が、前記第1の基材、前記第2の基材、前記第3の基材、又は第4の基材に結合され、
第4のレクチンが、前記第4の糖に結合され、
前記検出回路が、少なくとも前記第4のレクチンの検出を使用して前記第4の要素を検出するためのものである、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記第1の要素糖-複合体が、前記要素に結合された第5の糖を更に含む、請求項29~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1のレクチンが、前記第5の糖に結合されている、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
第1のフルオロフォアが、前記第1のレクチンに結合され、前記検出回路が、少なくとも前記第1のフルオロフォアからの蛍光の検出を使用して前記第1のレクチンを検出するためのものである、請求項29~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1のフルオロフォアが第1の複数のフルオロフォアを含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1のフルオロフォアが、ポリマーを使用して前記第1のレクチンに結合され、前記ポリマーが、前記第1のフルオロフォア及び第6の糖を含み、前記第1のレクチンが、前記第6の糖に結合する、請求項41又は請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記ポリマーがビーズを含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記ポリマーがポリペプチドを含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1のフルオロフォアが、前記第1のレクチンが前記第1の糖に結合される前に、前記第1のレクチンに結合されている、請求項41~45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1のフルオロフォアが、前記第1のレクチンが前記第1の糖に結合した後に前記第1のレクチンに結合されている、請求項41~45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
第7の糖が、前記第1のレクチンに結合され、
第2のレクチンが、前記第7の糖に結合され、
前記検出回路が、少なくとも前記第2のレクチンの検出を使用して、前記第1のレクチンを検出するためのものである、請求項29~47のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
第2のフルオロフォアが、前記第2のレクチンに結合され、前記検出回路が、少なくとも前記第2のフルオロフォアからの蛍光の検出を使用して前記第1のレクチンを検出するためのものである、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記第1のフルオロフォアが、前記第2のフルオロフォアとは異なるタイプのフルオロフォアである、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記第1のレクチンが、コンカナバリンA(ConA)を含み、前記第7の糖が、N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、前記第2のレクチンが、大豆凝集素(SBA)を含む、請求項48~50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記第1のレクチンが、コンカナバリンA(ConA)を含み、前記第1の糖が、マンノース(Man)又はグルコース(Glc)を含むか、
前記第1のレクチンが、小麦胚芽凝集素(WGA)を含み、前記第1の糖が、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)又はN-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)を含むか、
前記第1のレクチンが、大豆凝集素(SBA)を含み、前記第1の糖が、ガラクトース(Gal)又はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含むか、
前記第1のレクチンが、ドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA)を含み、前記第1の糖が、GalNAcα3GalNAc又はGalNAcを含むか、
前記第1のレクチンが、リシンを含み、前記第1の糖が、ガラクトースを含むか、
前記第1のレクチンが、ピーナッツ凝集素(PNA)を含み、前記第1の糖が、ガラクトース又はGalβ3GalNAcα(T抗原)を含むか、
前記第1のレクチンが、エンドウ(Pisum sativum)(PSA)を含み、前記第1の糖が、マンノース又はグルコースを含むか、
前記第1のレクチンが、レンズ豆(Lens culinaris)(LCA)を含み、前記第1の糖が、マンノース又はグルコースを含むか、
前記第1のレクチンが、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA)を含み、前記第1の糖が、マンノースを含むか、
前記第1のレクチンが、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)を含み、前記第1の糖が、(GlcNAc)を含むか、
第1のレクチンが、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1を含み、前記第1の糖が、ガラクトースを含むか、
前記第1のレクチンがガレクチン-3を含み、前記第1の糖がガラクトースを含むか、
前記第1のレクチンが、シアロアドヘシン(Sialoadhesin)を含み、前記第1の糖が、Neu5Acを含むか、
前記第1のレクチンが、カチオン依存性マンノース-6-リン酸受容体(CD-MPR)を含み、前記第1の糖が、Man6Pを含むか、又は
前記第1のレクチンがC反応性タンパク質(CRP)を含み、前記第1の糖がガラクトース、Gal6P、又はガラクツロン酸を含む、請求項29~50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1の基材がビーズを含む、請求項29~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の糖がアルキル糖を含む、請求項29~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の糖が単糖を含む、請求項29~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の糖が単糖を含む、請求項29~55のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年9月11日に出願された「Detecting Elements Using Sugar-Lectin Coupling」と題する米国仮特許出願第63/077,416号の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
生物学的サンプル中に存在する特定の核酸配列の検出は、例えば、微生物を識別及び分類する、感染症を診断する、遺伝子異常を検出及び特徴付ける、癌に関連する遺伝的変化を識別する、疾患に対する遺伝的感受性を調べる、並びに様々なタイプの治療に対する応答を測定するための方法として使用されてきた。生物学的サンプル中の特定の核酸配列を検出するための一般的な技術は、核酸配列決定である。
【0003】
核酸配列決定方法は、Maxam及びGilbertによって使用された化学的分解法並びにSangerによって使用されたストランド伸長法から進化している。現在では、単一チップ上での数千個の核酸の並行処理を可能にするいくつかの配列決定方法が使用されている。いくつかのプラットフォームは、ビーズベース及びマイクロアレイのフォーマットを含み、シリカビーズが、配列決定、遺伝子型決定、又は遺伝子発現プロファイリングを含む用途でのこのようなフォーマットの適用に応じたプローブで官能化される。
【0004】
いくつかの配列決定システムは、「合成ごとの配列決定」又は遺伝子型決定のために、蛍光ベースの検出を使用し、所与のヌクレオチドは蛍光標識で標識され、ヌクレオチドは、その標識からの蛍光の検出に基づいて特定される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書のいくつかの例では、要素を検出するための方法が提供される。方法は、第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合することを含み得る。第1の要素-糖複合体は、第1の糖に結合された第1の要素を含む。方法は、第1のレクチンを第1の糖に結合させることと、少なくとも第1のレクチンの検出を使用して第1の要素を検出することと、を含み得る。
【0006】
いくつかの例では、第1の要素は分析物を含む。いくつかの例では、分析物は、第1のヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合することは、第1のヌクレオチドを、第1の基材に結合した第1のオリゴヌクレオチドに組み込むことを含む。いくつかの例では、第1のオリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、第1のヌクレオチドを第1のオリゴヌクレオチドに組み込むことは、少なくとも第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用して第1のオリゴヌクレオチドを延長することを含む。いくつかの例では、第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合することは、基材上に溶液を流すことを含む。溶液は、第1の要素-糖複合体と、第2の糖に結合した第2の要素を含む第2の要素-糖複合体とを含み得る。第1のレクチンは、第1の糖に選択的に結合し、第2の糖に結合しない。第1及び第2の要素は、互いに異なるヌクレオチドタイプを含み得る。いくつかの例では、第1及び第2の糖は、互いに異なる糖タイプを含む。
【0007】
いくつかの例では、方法は、第2の要素-糖複合体を第1の基材又は第2の基材に結合することと、第2のレクチンを第2の糖に結合させることと、少なくとも第2のレクチンの検出を使用して第2の要素を検出することと、を更に含む。いくつかの例では、溶液は、第3の糖に結合した第3の要素を含む第3の要素-糖複合体、及び第4の糖に結合した第4の要素を含む第4の要素-糖複合体を更に含む。方法は、第3の要素-糖複合体を第1の基材、第2の基材、又は第3の基材に結合することを更に含み得る。方法は、第3のレクチンを第3の糖に結合させることと、少なくとも第3のレクチンの検出を使用して第3の要素を検出することと、を更に含み得る。方法は、第4の要素-糖複合体を第1の基材、第2の基材、第3の基材、又は第4の基材に結合することを更に含み得る。方法は、第4のレクチンを第4の糖に結合させることと、少なくとも第4のレクチンの検出を使用して第4の要素を検出することと、を更に含み得る。
【0008】
いくつかの例では、第1の要素糖複合体は、要素に結合された第5の糖を更に含む。いくつかの例では、方法は、第1のレクチンを第5の糖に結合することを更に含む。
【0009】
いくつかの例では、方法は、第1のフルオロフォアを第1のレクチンに結合させることを更に含み、第1のレクチンの検出は、第1のフルオロフォアから蛍光を検出することを含む。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1の複数のフルオロフォアを含む。いくつかの例では、第1のフルオロフォアを第1のレクチンに結合することは、ポリマーを第1のレクチンに結合させることを含み、ポリマーは、第1のフルオロフォア及び第6の糖を含み、第1のレクチンは、第6の糖に結合する。いくつかの例では、ポリマーはビーズを含む。いくつかの例では、ポリマーはポリペプチドを含む。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1のレクチンを第1の糖に結合する前に、第1のレクチンに結合される。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1のレクチンを第1の糖に結合した後に、第1のレクチンに結合される。
【0010】
いくつかの例では、第7の糖は、第1のレクチンに結合され、第2のレクチンは、第7の糖に結合され、第1のレクチンの検出は、第2のレクチンの検出を含む。いくつかの例では、第2のフルオロフォアは、第2のレクチンに結合され、第1のレクチンの検出は、第2のフルオロフォアからの蛍光を検出することを含む。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第2のフルオロフォアとは異なるタイプのフルオロフォアである。いくつかの例では、第1のレクチンは、コンカナバリンA(ConA)を含み、第7の糖は、N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、第2のレクチンは、大豆凝集素(SBA)を含む。
【0011】
いくつかの例では、第1の基材はビーズを含む。
【0012】
いくつかの例では、第1の糖は、アルキル糖を含む。
【0013】
いくつかの例では、第1の糖は単糖を含む。
【0014】
いくつかの例では、第1の糖は二糖を含む。
【0015】
いくつかの例では、第1のレクチンは、コンカナバリンA(ConA)を含み、第1の糖は、マンノース(Man)又はグルコース(Glc)を含み、第1のレクチンは、小麦胚芽凝集素(WGA)を含み、第1の糖は、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)又はN-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)を含み、第1のレクチンは、大豆凝集素(SBA)を含み、第1の糖が、ガラクトース(Gal)又はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、第1のレクチンは、ドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA)を含み、第1の糖は、GalNAcα3GalNAc又はGalNAcを含み、第1のレクチンは、リシンを含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、ピーナッツ凝集素(PNA)を含み、第1の糖は、ガラクトース又はGalβ3GalNAcα(T抗原)を含み、第1のレクチンは、エンドウ(Pisum sativum)(PSA)を含み、第1の糖は、マンノース又はグルコースを含み、第1のレクチンは、レンズ豆(Lens culinaris)(LCA)を含み、第1の糖は、マンノース又はグルコースを含み、第1のレクチンは、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA)を含み、第1の糖は、マンノースを含み、第1のレクチンは、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)を含み、第1の糖は(GlcNAc)を含み、第1のレクチンは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1を含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、ガレクチン-3を含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、シアロアドヘシン(Sialoadhesin)を含み、第1の糖は、Neu5Acを含み、第1のレクチンは、カチオン依存性マンノース-6-リン酸受容体(CD-MPR)を含み、第1の糖は、Man6Pを含み、又は、第1のレクチンはC反応性タンパク質(CRP)を含み、第1の糖はガラクトース、Gal6P、又はガラクツロン酸を含む。
【0016】
本明細書のいくつかの例では、システムが提供される。システムは、基材と、基材に結合された第1の要素-糖複合体と、を含み得る。第1の要素-糖複合体は、第1の糖に結合された第1の要素を含み得る。システムは、第1の糖に結合された第1のレクチンを含み得る。システムは、少なくとも第1のレクチンの検出を使用して第1の要素を検出するための検出回路を含み得る。
【0017】
いくつかの例では、第1の要素は分析物を含む。いくつかの例では、分析物は、第1のヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1の要素-糖複合体は、第1の基材に結合された第1のオリゴヌクレオチドへの第1のヌクレオチドの組込みを介して第1の基材に結合される。いくつかの例では、第1のオリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、第1のヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドへの組込みは、少なくとも第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用して第1のオリゴヌクレオチドを延長することを含む。
【0018】
いくつかの例では、システムは、基材上を流れる溶液を更に含む。溶液は、第1の要素-糖複合体と、第2の糖に結合した第2の要素を含む第2の要素-糖複合体とを含み得る。第1のレクチンは、第1の糖に選択的に結合し得、第2の糖に結合しない。第1及び第2の要素は、互いに異なるヌクレオチドタイプを含み得る。いくつかの例では、第1及び第2の糖は、互いに異なる糖タイプを含む。いくつかの例では、第2の要素-糖複合体は、第1の基材又は第2の基材に結合され、第2のレクチンは、第2の糖に結合され、検出回路は、少なくとも第2のレクチンの検出を使用して第2の要素を検出するためのものである。
【0019】
いくつかの例では、溶液は、第3の糖に結合した第3の要素を含む第3の要素-糖複合体、及び第4の糖に結合した第4の要素を含む第4の要素-糖複合体を更に含む。第3の要素-糖複合体は、第1の基材、第2の基材、又は第3の基材に結合され得る。第3のレクチンは、第3の糖に結合され得る。検出回路は、少なくとも第3のレクチンの検出を使用して第3の要素を検出することであり得る。第4の要素-糖複合体は、第1の基材、第2の基材、第3の基材、又は第4の基材に結合され得る。第4のレクチンは、第4の糖に結合され得る。検出回路は、少なくとも第4のレクチンの検出を使用して第4の要素を検出することであり得る。
【0020】
いくつかの例では、第1の要素糖複合体は、要素に結合された第5の糖を更に含む。いくつかの例では、第1のレクチンは、第5の糖に結合される。
【0021】
いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1のレクチンに結合され、検出回路は、少なくとも第1のフルオロフォアからの蛍光の検出を使用して、第1のレクチンを検出するためのものである。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1の複数のフルオロフォアを含む。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、ポリマーを使用して第1のレクチンに結合され、ポリマーは、第1のフルオロフォア及び第6の糖を含み、第1のレクチンは、第6の糖に結合する。いくつかの例では、ポリマーはビーズを含む。いくつかの例では、ポリマーはポリペプチドを含む。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1のレクチンが第1の糖に結合される前に、第1のレクチンに結合される。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第1のレクチンが第1の糖に結合した後に第1のレクチンに結合される。
【0022】
いくつかの例では、第7の糖は、第1のレクチンに結合され、第2のレクチンは、第7の糖に結合され、検出回路は、少なくとも第2のレクチンの検出を使用して第1のレクチンを検出するためのものである。
【0023】
いくつかの例では、第2のフルオロフォアは、第2のレクチンに結合され、検出回路は、少なくとも第2のフルオロフォアからの蛍光の検出を使用して、第1のレクチンを検出するためのものである。いくつかの例では、第1のフルオロフォアは、第2のフルオロフォアとは異なるタイプのフルオロフォアである。
【0024】
いくつかの例では、第1のレクチンは、コンカナバリンA(ConA)を含み、第7の糖は、N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、第2のレクチンは、大豆凝集素(SBA)を含む。いくつかの例では、第1のレクチンは、コンカナバリンA(ConA)を含み、第1の糖は、マンノース(Man)又はグルコース(Glc)を含み、第1のレクチンは、小麦胚芽凝集素(WGA)を含み、第1の糖は、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)又はN-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)を含み、第1のレクチンは、大豆凝集素(SBA)を含み、第1の糖が、ガラクトース(Gal)又はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、第1のレクチンは、ドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA)を含み、第1の糖は、GalNAcα3GalNAc又はGalNAcを含み、第1のレクチンは、リシンを含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、ピーナッツ凝集素(PNA)を含み、第1の糖は、ガラクトース又はGalβ3GalNAcα(T抗原)を含み、第1のレクチンは、エンドウ(Pisum sativum)(PSA)を含み、第1の糖は、マンノース又はグルコースを含み、第1のレクチンは、レンズ豆(Lens culinaris)(LCA)を含み、第1の糖は、マンノース又はグルコースを含み、第1のレクチンは、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA)を含み、第1の糖は、マンノースを含み、第1のレクチンは、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)を含み、第1の糖は(GlcNAc)を含み、第1のレクチンは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1を含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、ガレクチン-3を含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、シアロアドヘシン(Sialoadhesin)を含み、第1の糖は、Neu5Acを含み、第1のレクチンは、カチオン依存性マンノース-6-リン酸受容体(CD-MPR)を含み、第1の糖は、Man6Pを含み、又は、第1のレクチンはC反応性タンパク質(CRP)を含み、第1の糖はガラクトース、Gal6P、又はガラクツロン酸を含む。
【0025】
いくつかの例では、第1の基材はビーズを含む。
【0026】
いくつかの例では、第1の糖は、アルキル糖を含む。
【0027】
いくつかの例では、第1の糖は単糖を含む。
【0028】
いくつかの例では、第1の糖は二糖を含む。
【0029】
本明細書に記載されるような本開示の態様のそれぞれの任意の対応する特徴/実施例は、任意の適切な組合わせで共に実施されてもよく、また、これらの態様のうちの任意の1つ又は複数からの任意の特徴/実施例は、本明細書に記載されるような利点を得るために、任意の適切な組合わせで本明細書に記載されるような(複数の)他の態様の特徴のいずれかと共に実施されてもよいことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略的図である。
図1B】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略的図である。
図2A】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための追加の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図2B】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための追加の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図2C】複数の糖に結合された例示的な要素を示す概略図である。
図3】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図4A】糖-レクチン連結と1つ以上の他のタイプの結合との組合わせを使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図4B】糖-レクチン連結と1つ以上の他のタイプの結合との組合わせを使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図4C】糖-レクチン連結と1つ以上の他のタイプの結合との組合わせを使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図4D】糖-レクチン連結と1つ以上の他のタイプの結合との組合わせを使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図5A】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図5B】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図5C】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図6A】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図6B】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図6C】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図7】糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図8】糖及びフルオロフォアをポリペプチドに結合させるための例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図9】糖をビーズに結合するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。
図10】例示的なヌクレオチド-糖複合体の液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)スペクトルである。
図11】ポリメラーゼによる成長中のポリヌクレオチドへのヌクレオチド-糖複合体の組込みの結果を示すゲルの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
糖-レクチン結合を使用した要素の検出を本明細書で提供する。
【0032】
例えば、本出願は、糖-レクチン結合を介して検出可能な部分をそれらの要素に結合することによって要素を検出するためのシステム及び方法を提供する。例示的に、検出される要素は、糖に結合され得るが、検出可能な部分は、その糖に特異的なレクチンに結合され得る。レクチンは、糖に結合され得、したがって、要素を検出可能な部分に間接的に結合する。検出可能な部分は、好適な検出回路を介して検出され得、少なくともそのような検出を使用して、レクチンを検出し得、したがって要素は検出され得る。いくつかの例では、検出可能な部分は、好適な光検出回路を介して検出され得、フルオロフォアからの少なくとも蛍光を使用して、レクチン-、したがって要素が検出され得る、フルオロフォアを含み得る。いくつかの例では、レクチンは、強化された光学検出性を提供するように、複数のフルオロフォアに結合され得る。更に別の例では、複数のフルオロフォアをそれぞれ含む複数のレクチンを互いに結合させることができ、したがって光学的検出性が更に向上する。しかしながら、現在のシステム及び方法では、レクチンが任意の好適な様式で検出され得、蛍光を介した検出に限定されないことが理解されよう。
【0033】
最初に、本明細書で使用されるいくつかの用語を簡単に説明する。次いで、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するためのいくつかの例示的なシステム及び例示的な方法を説明する。
【0034】
用語
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。用語「含む(including)」、並びに他の形態、例えば、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」の使用は、限定的ではない。更に、用語「有する(having)」、並びに他の形態、例えば、「有する(have)」、「有する(has)」、及び「有した(had)」の使用は、限定的ではない。本明細書で使用されるとき、移行句又は請求項の本文において、用語「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドの意味を有するものとして解釈されるべきである。すなわち、上記の用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」と同義であると解釈されるべきである。例えば、プロセスの文脈において使用される場合、用語「含む(comprising)」は、プロセスが少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含み得ることを意味する。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含み得ることを意味する。
【0035】
本明細書全体を通して使用される用語「実質的に」、「およそ」、及び「約」は、処理のばらつき等による小さな変動を説明及び考慮するために使用される。例えば、それらは、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「糖」は、水溶性炭水化物を意味することが意図される。糖は、単糖、二糖類、及び多糖類を含み得る。糖は、天然に存在するか、又は天然に存在しない場合がある。天然に存在する単糖の例としては、マンノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、及びデオキシリボースが挙げられる。天然に存在する二糖類の例には、ラクトース、スクロース、及びマルトースが含まれる。他の例示的な糖としては、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)、N-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)、N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)、Galβ3GalNAcα、GalNAcα3GalNAc、Man6P及びガラクツロン酸が挙げられ得る。天然に存在しない糖は、1つ以上の追加の部分を修飾、添加、又は除去するように修飾された天然に存在する糖を含み得る。例えば、「アルキン糖」は、糖が、ヌクレオチド等の別の要素に結合され得るアルキン基に(例えば、PEG等のリンカーを介して)結合される糖を含み得る。別の例では、「糖アルコール」は、1つ以上の水素が除去されるか、又は1つ以上のヒドロキシル基、例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、及びエリスリトールを添加するように修飾された糖を含み得る。「非糖」という用語は、任意の糖を除外することを意味することが意図される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「レクチン」は、特定の1つ又は複数の糖に選択的に結合するタンパク質を意味することが意図され、そのため、他の糖には結合しない。「一価」レクチンは、所与の時間に単一の糖に結合し得るが、「二価」レクチンは、2つの糖に1回結合し得、「多価」レクチンは、2つ以上の糖に同時に結合し得る。レクチンは、天然に存在するか、又は天然に存在しない場合がある。天然に存在するレクチンは、植物レクチン及び動物用レクチンを含み得る。例示的な植物レクチンには、タチナタマメ由来であり得、α-マンノース、α-グルコース、分枝α-マンノシド構造、高マンノース型リガンドモチーフ、並びにハイブリッド型及び二分岐複合型N-グリカンに選択的に結合する、コンカナバリンA(ConA);小麦に由来し得、(GlcNAc)1-3、Neu5Ac(シアル酸)及びGlcNAcβ1-4GlcNAcβ1-4GlcNAcリガンドモチーフに選択的に結合する小麦胚芽凝集素(WGA);ダイズから誘導され、ガラクトース及びGalNAcに選択的に結合する大豆凝集素(SBA);ウマグラムに由来し得、GalNAcα3GalNAc及びGalNAcに選択的に結合するドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA);ヒマシ豆に由来し得、ガラクトース及びGalβ1-4GlycNAcβ1-Rリガンドモチーフに選択的に結合する、リシンコムニスアグルチニン(Ricin communis Aglutinin)又はリシン(RCA);ピーナッツに由来し得、ガラクトース、Galβ3GalNacα(T-抗原)、及びGalβ1-3GalNAcα1-Ser/Thr(T-抗原)リガンドモチーフに選択的に結合するピーナッツ凝集素(PNA)、エンドウに由来し得、マンノース及びグルコースに選択的に結合する、エンドウ(Pisum sativum)レンティルに由来し得、マンノース及びグルコースに選択的に結合する、レンズ豆(LCA)レンティルに由来し得、二分岐及び三分岐複合型N-グリカンのフコシル化コア領域に選択的に結合するLCH(レンティルレクチン);スノードロップに由来し得、マンノース並びにα1-3及びα1-6結合高マンノース構造に選択的に結合する、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA);アルトカルパス・インテグリフォリア(Artocarpus integrifolia)に由来し得、(Sia)Galβ1-3GalNAcα1-Ser/Thr(T抗原)リガンドモチーフに選択的に結合する、ジャカリン(AIL);ナヨクサフジ(Vicia villosa)に由来し得、GalNAcα-Ser/Thr(Tn抗原)リガンドモチーフに選択的に結合するナヨクサフジ(hairy vetch)レクチン(VVL);セイヨウニワトコ(Sambucus nigra)由来であり得、Neu5Acα2-6Gal(NAc)-Rリガンドモチーフに選択的に結合する、エルダーベリーレクチン(SNA);イヌエンジュ(Maackia amurensis)に由来し得、Neu5Ac/Gcα2-3Galβ1-4GlcNAcβ1-Rに選択的に結合する、イヌエンジュレクチン(Maackia amurensis lectin)(MAL);ハリエニシダ(Ulex europaeus)由来であり得、Fucα1-2Gal-Rリガンドモチーフに選択的に結合する、ハリエニシダ(Ulex europaeusアグルチニン(UEA);ヒイロチャワンタケ(Aleuria aurantia)由来であり得、Fucα1-2Galβ1-4(Fucα1-3/4)Galβ1-4GlcNAc及びR2-GlcNAcβ1-4(Fucα1-6)GlcNAc-R1リガンドモチーフに選択的に結合する、ヒイロチャワンタケ(Aleuria aurantia)レクチン(AAL);哺乳動物多形核好中球の原形質膜に由来し得、β-グルカン、N-アセチルD-グルコサミンを含むリガンドモチーフ、及びグルコース、ガラクトース、N-アセチルD-グルコサミン、及びN-アセチルノイラミン酸の繰り返し単位を含むIII型B群連鎖球菌(Streptococcus)の莢膜多糖類等の多糖類に選択的に結合する補体受容体3(CR3);及びジャガイモに由来し得、(GlcNAc)に選択的に結合するジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)が含まれる。動物レクチンの例としては、ガラクトースに選択的に結合するアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1;ガラクトースに選択的に結合するガレクチン-3;Neu5Acに選択的に結合するシアロアドヘシン(Sialoadhesin)、Man6Pに選択的に結合するカチオン依存性マンノース6リン酸受容体(CD-MPR);ガラクトース、Gal6P、及びガラクツロン酸に選択的に結合するC反応性タンパク質(CRP)が含まれる。ConA、LCH、及びGNAは、「マンノース結合レクチン」と見なすことができる。RCA、PHA、AIL、及びVVLは、「ガラクトース/N-アセチルガラクトサミン結合レクチン」と見なすことができる。WGA、SNA、及びMALは、「シアル酸/N-アセチルグルコサミン結合レクチン」と見なすことができる。UEA及びAALは、「フコース結合レクチン」と見なすことができる。
【0038】
更なる例示的なレクチンとしては、トウアズキ(Abrus Precatorius)レクチン(APA、Jequirity Bean)、イワミツバ(Aegopodium Podagraria)レクチン(APP、Ground Elder)、マッシュルーム(Agaricus bisporus)レクチン(ASA、マッシュルーム)、キイロナメクジ(Limax Flavus)レクチン(LFA、Garden Slug);アメリカカブトガニレクチン(Limulus Polyphemus Lectin)(LPA、Horseshoe Crab)、ニンニクレクチン(Allium Sativum Lectin)(ASA、Garlic)、ロータス・テトラゴノロバスレクチン(Lotus Tetragonolobus Lectin)(LOTUS、Asparagus Pea)、ヨーロッパウナギレクチン(Anguilla Anguilla Lectin)(AAA、Fresh Water Eel)、ダッチアイリスレクチン(Iris Hybrid Lectin)(IRA、Dutch Iris)、トマトレクチン(Lycopersicon Esculentum Lectin)(LEA、Tomato)パラミツレクチン(Artocarpus Integrifolia Lectin)(Jackfruit)、ムラサキソシンカレクチン(Bauhinia Purpurea Lectin)(BPA、Camel’s Foot Tree)、ハリグワレクチン(Maclura Pomifera Lectin)(MPA、Osage Orange)、シバフタケレクチン(Marasmium Oreades Agglutinin Lectin)(MOA、Mushroom)、ブリオニア・ディオイカレクチン(Bryonia Dioica Lectin)(BDA、White Bryony)、モルニガGレクチン(Morniga G Lectin)(MNA-G、Black Mulberry)、ヒロハヒルガオ(Calystega Sepiem Lectin)(CALSEPA、Hedge Bindweed Rhizomes)、モルニガMレクチン(Morniga M Lectin)(MNA-M、Black Mulberry)、ラッパスイセンレクチン(Narcissus Pseudonarcissus Lectin)(NPA、Daffodil)、カニレクチンレクチン(Cancer Antennarius Lectin)(CCA、California Crab)、ライマメレクチン(Phaseolus Lunatus Lectin)(LBA、Lima Bean)、シベリアンピーレクチン(Caragana Arborescens Lectin)(CAA、Pea Tree)、インゲンマメレクチン(Phaseolus Vulgaris Lectin)(PHA-E、Red Kidney Bean)、ヒヨコマメレクチン(Cicer Arietinum Lectin)(CPA、Chick Pea)、インゲンマメレクチン(Phaseolus Vulgaris Lectin)(PHA-L、Red Kidney Bean)-イヌサフランレクチン(Colchicum Autumnale Lectin)(CA、Meadow Saffron)、ヨウシュヤマゴボウレクチン(Phytolacca Americana Lectin)(PWM、Pokeweed)、キティスス・セッシリフォリウスレクチン(Cytisus Sessilifolius Lectin)(CSA、Portugal Broom)、エンドウレクチン(Pisum Sativum Lectin)(PEA、Garden Pea)、シロバナヨウシュチョウセンアサガオレクチン(Datura Stramonium Lectin)(DSA、Jimson Weed)、ソロモンズシールレクチン(Polygonatum Mulitiflorum Lectin)(PMA、Common Solomon’s Seal)、ディオクレア・グランディフロラレクチン(Dioclea Grandiflora Lectin)(DGL、Legume)、アミヒラタケレクチン(Polyporus Squamosus Lectin)(PSL、Mushroom)、アメリカデイゴレクチン(Erythrina Cristagalli Lectin)(ECA、Coral Tree)、セイヨウマユミレクチン(Euonymus Europaeus Lectin)(EEA、Spindle Tree)、チューリップ種レクチン(Lectin)(TL、Tulip)、カキドオシレクチン(Glechoma Hederacea Lectin)(GHA、Ground Ivy)、ハリエニシダレクチン(Ulex Europaeus Lectin)(Gorse)、グリフォニア・シンプリシフォリアレクチン(Griffonia Simplicifolia Lectin)(GS-I)、イラクサレクチン(Urtica Dioica Lectin)(UDA、Stinging Nettle)、グリフォニア・シンプリシフォリアレクチン(Griffonia Simplicifolia Lectin)(GS-II)、ソラマメレクチン(Vicia Fava Lectin)(VFA、Fava Bean)、ヒメリンゴマイマイレクチン(Helix Aspersa Lectin)(HAA、Garden Snail)、リンゴマイマイレクチン(Helix Pomatia Lectin)(HPA、Edible Snail)、ヤドリギレクチン(Viscum Album Lectin)(VAA、Mistletoe)、ヒッペアストラムハイブリッドレクチン(Hippeastrum Hybrid Lectin)(HHA、Amaryllis)、及びフジレクチン(Wisteria Floribunda Lectin)(WFA、Japanese Wisteria)が挙げられる。レクチンは、天然アミノ酸及び非天然アミノ酸の両方で結合効率を改善するように操作又は進化され得る。いくつかの例では、レクチンは、例えば、カチオン性又はアニオン性部分を添加又は除去することによって、脱水又は脱水素又はそれらの逆方向プロセスによって、又はアミノ分解によって、1つ又は複数の糖との結合を改善するために修飾され得る。「非レクチンタンパク質」は、いかなるレクチンも含まないタンパク質を指すことを意図している。
【0039】
ConAが選択的に結合し得る非天然糖の例としては、以下に示すような様式でリンカーを用いて2つの糖が互いに結合している二糖が挙げられる。
【0040】
【化1】
【0041】
【化2】
【0042】
ConAが選択的に結合し得る他の非天然糖の例としては、以下に示すような様式でリンカーを用いて2つ超の糖が互いに結合している多糖が挙げられる。
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】
WGAが選択的に結合することができる例示的な非天然糖は、
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
本明細書で使用される場合、「分析物」は、検出されることが望ましい化学要素を意味することを意図している。分析物は、「標的」と称され得る。分析物は、ヌクレオチド分析物及び非ヌクレオチド分析物を含み得る。ヌクレオチド分析物は、1つ以上のヌクレオチドを含み得る。非ヌクレオチド分析物は、ヌクレオチドではない化学的実体を含み得る。例示的なヌクレオチド分析物は、デオキシリボヌクレオチド又は修飾デオキシリボヌクレオチドを含むDNA分析物である。DNA分析物は、単一ヌクレオチド多型又はDNAメチル化等の検出の対象であり得る任意のDNA配列又は特徴を含み得る。別の例示的なヌクレオチド分析物は、リボヌクレオチド又は修飾リボヌクレオチドを含むRNA分析物である。RNA分析物は、mRNA又はcDNAの存在又は量等、検出のために対象となり得る任意のRNA配列又は特徴を含み得る。例示的な非ヌクレオチド分析物は、タンパク質分析物である。タンパク質は、二次構造、三次構造、又は四級構造等のより高次の構造を有し得るポリペプチドの配列を含む。別の例示的な非ヌクレオチド分析物は、代謝物分析物である。代謝物分析物は、代謝中に形成又は使用される化学要素である。追加の例示的な分析物としては、糖(例えば、グルコース)、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオシド、神経伝達物質、リン脂質、及び重金属等の炭水化物が挙げられるが、これらに限定されない。本開示において、分析物は、疾患状態の分析、代謝健康の分析、マイクロバイオームの分析、薬物相互作用の分析、薬物反応の分析、毒性の分析、又は感染性疾患の分析等の任意の好適な用途(複数可)の文脈において検出され得る。例示的に、代謝産物は、疾患に応答して上方制御又は下方制御される化学要素を含み得る。分析物の非限定的な例としては、キナーゼ、セリンヒドロラーゼ、メタロプロテアーゼ、特定の疾患のための抗原等の疾患特異的バイオマーカー、及びグルコースが挙げられる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」という用語は、糖及び少なくとも1つのリン酸基を含む分子を意味することが意図され、いくつかの例では、核酸塩基も含む。核酸塩基を欠くヌクレオチドは、「脱塩基」と呼ぶことができる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、ペプチドヌクレオチド、修飾ペプチドヌクレオチド、修飾ホスファート糖骨格ヌクレオチド、及びそれらの混合物を含む。ヌクレオチドの例としては、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシシチジン二リン酸(dCDP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、ジデオキシアデノシン三リン酸(ddATP)、ジデオキシチミジン三リン酸(ddTTP)、ジデオキシシチジン三リン酸(ddCTP)、ジデオキシグアノシン三リン酸(ddGTP)、ジデオキシウリジン三リン酸(ddUTP)等が挙げられる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」という用語はまた、天然に存在するヌクレオチドと比較して、1つ又は複数の修飾された核酸塩基、糖、及び/又はリン酸部分を含み得る任意のヌクレオチド類似体を包含することが意図される。修飾核酸塩基の例としては、イノシン、キサタニン(xathanine)、ヒポキサニン(hypoxathanine)、イソシトシン、イソグアニン、2-アミノプリン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルグアニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、15-ハロウラシル、15-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニン又はグアニン、8-アミノアデニン又はグアニン、8-チオールアデニン又はグアニン、8-チオアルキルアデニン又はグアニン、8-ヒドロキシアデニン又はグアニン、5-ハロ置換ウラシル又はシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン等が挙げられる。当技術分野で知られているように、特定のヌクレオチド類似体は、ポリヌクレオチド、例えば、アデノシン5’-ホスホスルファート等のヌクレオチド類似体に組み込まれることができない。
【0052】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド-糖複合体」という用語は、糖に共有結合したヌクレオチドを含む要素を意味することを意図する。そのような共有結合は、それ自体がヌクレオチドも糖でもない「リンカー」を介してもよい。リンカーの例としては、ポリエチレングリコール(PEG、例えば、PEG1~48)、(CHアルキル鎖、及びポリペプチド鎖)が挙げられるが、これらに限定されない。ヌクレオチドを糖に結合させるために使用され得る共有結合の例としては、アミン-NHSエステル、アミン-イミドエステル、アミン-ペンタフルオロフェニルエステル、アミン-ヒドロキシメチルホスフィン、カルボキシル-カルボジイミド、チオール-マレイミド、チオール-ハロアセチル、チオール-ピリジルジスルフィド、チオール-チオスルホネート、チオール-ビニルスルホン、アルデヒド-ヒドラジド、アルデヒド-アルコキシアミン、ヒドロキシイソシアネート、アジド-アルキン、アジド-ホスフィン、トランスシクロオクテン-テトラジン、ノルボルネン-テトラジン、アジド-シクロオクチン及びアジド-ノルボルネンが挙げられる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、互いに結合したヌクレオチドの配列を含む分子を指す。ポリヌクレオチドは、ポリマーの非限定的な一例である。ポリヌクレオチドの例としては、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、及びそれらの類似体が挙げられる。ポリヌクレオチドは、RNA又は一本鎖DNA等のヌクレオチドの一本鎖配列、二本鎖DNA又は二本鎖RNA等のヌクレオチドの二本鎖配列であるか、又はヌクレオチドの一本鎖及び二本鎖配列の混合物を含み得る。二本鎖DNA(dsDNA)は、ゲノムDNA及びPCR及び増幅産物を含む。一本鎖DNA(ssDNA)はdsDNAに変換され得、逆もまた同様である。ポリヌクレオチドは、エナンチオマーDNA等の非天然DNAを含み得る。ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの正確な配列は、既知であるか、又は不明であり得る。以下は、ポリヌクレオチドの例示的な例であり、遺伝子又は遺伝子フラグメント(例えば、プローブ、プライマー、発現配列タグ(EST)、又は遺伝子発現の連続分析(Serial Analysis of Gene Expression:SAGE)タグ)、ゲノムDNA、ゲノムDNA断片、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、合成ポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、プライマー、又は前述のいずれかの増幅されたコピーが挙げられる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」及び「核酸」は、互換的に使用され得、例えばリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指すことができる。したがって、この用語は、一本鎖、二本鎖、又は多本鎖のDNA又はRNAを含む。用語「ポリヌクレオチド」はまた、二本鎖分子及び一本鎖分子の両方を指す。ポリヌクレオチドの例としては、遺伝子若しくは遺伝子断片、ゲノムDNA、ゲノムDNA断片、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、非コードRNA(ncRNA)(Piwi結合RNA(piRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、及び長鎖非コードRNA(lncRNA)など)、低分子ヘアピン型(shRNA)、低分子核内RNA(snRNA)、マイクロRNA(miRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)及びウイルスRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝状ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、プライマー、又は上記のいずれかの増幅コピーが挙げられる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチド、及び非天然塩基を有するヌクレオチド、アザプリン又はデアザプリンなどの修飾天然塩基を有するヌクレオチドを含むヌクレオチド類似体を含むことができる。いくつかの例では、ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、及びチミン(T)の特定の配列で構成することができる。ウラシル(U)はまた、例えば、ポリヌクレオチドがRNAである場合に、チミンの天然代替物として存在することができる。ウラシルは、DNAにも使用することができる。したがって、用語「配列」は、天然及び非天然塩基を含む、ポリヌクレオチド又は任意の核酸分子のアルファベット表現を指す。
【0055】
本明細書で使用するとき、「標的核酸」又はその文法的等価物は、同定、配列決定、分析、及び/又は更なる操作が望まれる核酸分子又は配列を指すことができる。いくつかの例では、標的核酸は、特定される一塩基多型(SNP)を含み得る。いくつかの例では、SNPは、プローブを標的核酸にハイブリダイズさせ、プローブを延長することによって特定することができる。いくつかの例では、伸長プローブは、伸長プローブを捕捉プローブにハイブリダイズすることによって検出することができる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイズ」は、ヌクレオチド塩基の特定の水素結合対合を介して、それらのポリヌクレオチドの長さに沿って第1のポリヌクレオチドを第2のポリヌクレオチドに非共有結合させることを意味することが意図される。第1ポリヌクレオチドと第2ポリヌクレオチドとの間の結合の強度は、それらのポリマー内のモノマー単位の配列間の長さ及び相補性と共に増大する。例えば、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとの間の結合の強度は、それらのポリヌクレオチド内のヌクレオチドの配列間の相補性及びその相補性の長さと共に増加する。「一時的にハイブリダイズする」とは、ポリマー配列が第1の時間に互いにハイブリダイズし、第2の時間に互いに脱ハイブリダイズすることを意味する。
【0057】
例えば、本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズする」、又はその文法的等価物は、1つ以上のポリヌクレオチドが反応して、少なくとも部分的にはヌクレオチド残基の塩基間の水素結合によって形成される複合体を形成する反応を指すことができる。水素結合は、ワトソン-クリック塩基対合、フーグスティーン結合、又は他の任意の配列特異的方法で生じ得る。複合体は、二本鎖構造を形成する2本の鎖、多重鎖複合体を形成する3本以上の鎖、単一の自己ハイブリダイズ鎖、又はこれらの任意の組み合わせを有することができる。鎖はまた、水素結合に加えて、力によって架橋又は結合され得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドをポリヌクレオチドに重合することによってポリヌクレオチドを組み立てる活性部位を有する酵素を意味することを意図している。ポリメラーゼは、プライミングされた一本鎖ポリヌクレオチド鋳型に結合することができ、ヌクレオチドを成長プライマーに連続的に付加して、鋳型の配列に相補的な配列を有するポリヌクレオチドを形成することができる。
【0059】
本明細書で使用される場合、「プライマー」という用語は、遊離3’OH基を有する一本鎖を有するポリヌクレオチドとして定義される。プライマーはまた、結合反応を可能にするか、又はプライマーを別の部分に結合することを可能にするために、5’末端に修飾を有し得る。プライマーの長さは、任意の数の塩基の長さであることができ、様々な非天然ヌクレオチドを含むことができる。プライマーを3’末端でブロックして、ブロックが除去されるまで重合を阻害することができる。
【0060】
本明細書で使用される場合、「伸長する」、「伸長」、又はそれらの任意の文法的等価物は、ポリメラーゼ又はリパーゼ等の伸長酵素によるプライマー、ポリヌクレオチド又は他の核酸分子へのdNTP又はddNTPの付加を指すことができる。
【0061】
本明細書で使用される場合、「検出可能な部分」という用語は、要素に結合され、かつ要素の存在が検出され得ることに基づいて、構造を意味することを意図する。検出可能な部分は、フルオロフォア又は検出され得る他の要素が、直接的又は間接的に結合され得る部分を含み得る。例えば、要素の標識は糖を含み得、フルオロフォア又は検出され得る他の要素は、糖に結合することによって要素に間接的に結合するようになるレクチンに結合され得る。検出可能な部分の非限定的な例は、光回路を使用して検出され得るフルオロフォアである。検出可能な部分の別の非限定的な例は、電流が流れる要素に結合し、その要素の電気的特性を検出可能に変化させる構造である。
【0062】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、本明細書に記載の構成物の担体として使用される材料を指す。例示的な基材材料は、ガラス、シリカ、プラスチック、石英、金属、金属酸化物、有機シリケート(例えば、多面体有機シルセスキオキサン(POSS))、ポリアクリレート、酸化タンタル、相補金属酸化物半導体(CMOS)、又はそれらの組合わせを含み得る。POSSの一例は、Kehagias et al.,Microelectronic Engineering 86(2009),pp.776-778に記載されているものであり得、これは、参照によりその全体が組み込まれる。いくつかの例では、本出願で使用される基材は、ガラス、縮合シリカ、又は他のシリカ含有材料等のシリカ系基材を含む。いくつかの例では、シリカ系基材は、ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は水素化シリコーンを含むことができる。いくつかの例では、本出願で使用される基材は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリ(メチルメタクリレート)等のプラスチック材料又は構成要素を含む。例示的なプラスチック材料としては、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、及び環状オレフィンポリマー基材が挙げられる。いくつかの例では、基材は、シリカ系材料又はプラスチック材料あるいはそれらの組合わせであるか、又はそれらを含む。特定の例では、基材は、ガラス又はケイ素系ポリマーを含む少なくとも1つの表面を有する。いくつかの例では、基材は金属を含むことができる。いくつかのそのような例では、金属は金である。いくつかの例では、基材は、金属酸化物を含む少なくとも1つの表面を有する。一例では、表面は、酸化タンタル又は酸化スズを含む。アクリルアミド、エノン、又はアクリレートはまた、基材材料又は構成要素として利用され得る。他の基材材料としては、ヒ化ガリウム、リン酸インジウム、アルミニウム、セラミック、ポリイミド、石英、樹脂、ポリマー、及びコポリマーを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの例では、基材及び/又は基材表面は、石英であり得るか、又は石英を含み得る。いくつかの他の例では、基材及び/又は基材表面は、GaAs又はITO等の半導体であり得るか、又はそれを含むことができる。前述のリストは、本出願を例示するが、限定することを意図しない。基材は、単一の材料又は複数の異なる材料を含むことができる。基材は、複合材又は積層体とすることができる。いくつかの例では、基材は、有機シリケート材料を含む。
【0063】
基材は、平坦、円形、球形、棒状、又は任意の他の好適な形状とすることができる。基材は、剛性又は可撓性であり得る。いくつかの例において、基材は、ビーズ若しくはフローセル、又はフローセル内に位置するビーズである。
【0064】
基材は、基材の1つ又は複数の表面上に非パターン化、テクスチャー化、又はパターン化され得る。いくつかの例では、基材はパターン化される。そのようなパターンは、ポスト、パッド、ウェル、隆起、チャネル、又は他の三次元凹状若しくは凸構造を含み得る。パターンは、基材の表面にわたって規則的又は不規則的であり得る。パターンは、例えば、ナノインプリントリソグラフィによって、又は非金属表面上に特徴を形成する金属パッドの使用によって形成することができる。
【0065】
いくつかの例では、本明細書に記載の基材は、フローセルの少なくとも一部を形成するか、又はフローセル内に位置するか、又はフローセルに結合される。フローセルは、複数のレーン又は複数のセクタに分割されるフローチャンバを含み得る。本明細書に記載の方法及び構成物で使用することができるフローセル及びフローセルの製造のための基板の例には、Illumina,Inc.(San Diego,CA)から市販されているものが含まれるが、これらに限定されない。ビーズは、フローセル内に位置し得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「表面」は、試薬、ビーズ又は分析物と接触するためにアクセス可能な基材又は支持構造体の一部を指すことができる。表面は、実質的に平坦又は平面であり得る。あるいは、表面は丸みを帯びているか、又は輪郭付けられ得る。表面上に含まれ得る例示的な輪郭は、ウェル、くぼみ、柱、隆起部、チャネルなどである。基材又は支持構造として使用することができる例示的な材料としては、改質又は官能化ガラスなどのガラス;プラスチック、例えば、アクリル、ポリスチレン、又はスチレンと別の材料とのコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、又はTEFLON;多糖類又は架橋多糖類、例えば、アガロース又はセファロース;ナイロン;ニトロセルロース;樹脂;ケイ素及び変性ケイ素を含むシリカ又はシリカ系材料;炭素繊維;金属;無機ガラス;光ファイバーバンドル、又は様々な他のポリマーが挙げられる。単一の材料又はいくつかの異なる材料の混合物は、本発明において有用な表面を形成することができる。いくつかの例では、表面はウェルを含む。いくつかの実施形態では、支持構造体は、1つ又は複数の層を含むことができる。例示的な支持構造体としては、チップ、フィルム、マルチウェルプレート、及びフローセルを挙げることができる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「ビーズ」は、固体材料で作られた小さな本体を指すことができる。ビーズの材料は、剛性又は半剛性であってもよい。物体は、例えば、球体、楕円形、微小球、又は規則的若しくは不規則な寸法を有するかどうかに関わらず他の認識された粒子形状として特徴付けられる形状を有することができる。いくつかの例では、ビーズ又は複数のビーズは、表面を含み得る。ビーズに有用な例示的な材料の例としては、改質又は官能化ガラスなどのガラス;プラスチック、例えば、アクリル、ポリスチレン、又はスチレンと別の材料とのコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、又はTEFLON;多糖類又は架橋多糖類、例えば、アガロース又はセファロース;ナイロン;ニトロセルロース;樹脂;ケイ素及び変性ケイ素を含むシリカ又はシリカ系材料;炭素繊維;金属;無機ガラス;又は他の様々なポリマーであり得るが、それらに限定されない。例示的なビーズとしては、制御された細孔ガラスビーズ、常磁性ビーズ、トリアゾル(thoria sol)、セファロースビーズ、ナノ結晶、及び当該技術分野で公知の他のものが挙げられる。ビーズは、生物学的又は非生物学的材料で作製され得る。磁性ビーズは、本明細書に記載される方法の様々なプロセスにおける磁石を使用した磁性ビーズの操作の容易さにより、特に有用である。特定の例で使用されるビーズは、約5.0nm~約100μm、例えば、約10nm~約100μm、例えば、約50nm~約50μm、例えば、約100nm~約500nmの直径、幅、又は長さを有することができる。いくつかの例では、特定の例で使用されるビーズは、約100μm、50μm、10μm、5μm、1μm、0.5μm、100nm、50nm、10nm、5nm、1nm、0.5nm、100pm未満の直径、幅若しくは長さ、又は前述の直径、幅若しくは長さのいずれか2つの範囲内の任意の直径、幅若しくは長さを有することができる。ビーズサイズは、特徴部を分析するために十分なシグナル(1特徴部当たりのテンプレートコピー数)を維持しながら、縮小されたサイズを有するように選択することができ、したがって、単位面積当たりにより多くの特徴部を得ることができる。
【0068】
いくつかの例では、捕捉プローブ又はコード等のポリヌクレオチドは、ビーズに結合することができる。いくつかの例では、ビーズは、フローセル等の基材の表面上のウェルに分配することができる。特定の例で使用することができる例示的なビーズアレイとしては、ランダムに順序付けられたビーズアレイの技術(Illumina Inc.,San Diego CA)が挙げられる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」は、互いに結合され、モノマーと呼ばれ得る多くのサブユニットの鎖を含む分子を指す。サブユニットは、互いに繰り返すか、又は互いに異なり得る。ポリマーは、生物学的又は合成ポリマーであり得る。適切に標識内に含めることができる生物学的ポリマーの例としては、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチド類似体、及びポリペプチド類似体が挙げられる。ポリヌクレオチド及びポリヌクレオチド類似体の例には、DNA、エナンチオマーDNA、RNA、PNA(ペプチド-核酸)、モルホリノ、及びLNA(ロック核酸)が含まれる。ポリマーはスペーサーホスホラミダイトを含んでいてもよく、これはポリヌクレオチドに結合していてもよいが、核酸塩基を欠いており、例えばGlen Research(Sterling,VA)から市販されている。合成ポリペプチドの例としては、荷電又は中性アミノ酸並びに親水性及び疎水性残基を挙げることができる。合成ポリマーの例としては、PEG(ポリエチレングリコール)、PPG(ポリプロピレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、NYLON(脂肪族ポリアミド)、TEFLON(登録商標)(テトラフルオロエチレン)、熱可塑性ポリウレタン、ポリアルデヒド、ポリオレフィン、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ω-アルケン酸エステル)、ポリ(アルキルメタクリレート)、並びに他のポリマーの化学的及び生物学的リンカーが挙げられる。
【0070】
本明細書で使用される場合、「タイプ」は、識別可能な特徴を有することを意味することが意図される。したがって、要素が別の要素と「異なる」タイプであることは、要素が互いに異なる物理的空間を占める以外の方法で互いに区別可能であるように、1つの要素が他の要素の少なくとも1つの特性と区別可能な少なくとも1つの特性を有することを意味する。比較すると、互いに同じタイプである要素は、互いに異なる物理的空間を占有し得るが、そうでなければそれらの両方が互いに同じ特性を有するため互いに区別不能である。比較すると、互いに異なるタイプである2つの要素は、互いに異なる物理的空間を占有し得、それらの特性のうちの少なくとも1つが異なるため、互いに区別可能であり得る。実例として、互いに異なる塩基を有するddATP、ddTTP、dddGTP、dUTP、及びddCTP、並びに異なる糖、異なるリン酸塩等の互いに異なる修飾を有するヌクレオチド類似体等、いくつかの異なるタイプのヌクレオチドが本明細書に記載されている。任意の2つの所与のヌクレオチドは、互いに異なる物理的空間を占有し得、互いに同じタイプであり得るか(例えば、両方ともddATPを含み得る)、又は互いに異なるタイプであり得る(例えば、ddATPを含み得、他方はddTTPを含み得る)。同様に、異なるタイプの単糖(例えば、マンノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース及びデオキシリボース)、異なるタイプの二糖(例えば、ラクトース、スクロース及びマルトース)、及びN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)、N-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)、N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)、Galβ3GalNAcα、GalNAcα3GalNAc、Man6P、及びガラクツロン酸等の他の糖のタイプ等、いくつかの異なるタイプの糖が本明細書に記載されている。任意の2つの所与の糖は、互いに異なる物理的空間を占有してもよく、互いに同じタイプ(例えば、両方がグルコースを含んでいてもよい)であってもよく、又は互いに異なるタイプ(例えば、一方はグルコースを含むことができ、他方はガラクツロン酸を含むことができる)であってもよい。同様に、それぞれのタイプの糖に選択的ないくつかの異なるタイプのレクチンが本明細書に記載されている。任意の2つの所与のレクチンは、互いに異なる物理的空間を占有してもよく、互いに同じタイプ(例えば、両方がConAを含んでいてもよい)であってもよく、又は互いに異なるタイプ(例えば、一方はConAを含むことができ、他方はWGAを含むことができる)であってもよい。同様に、異なるタイプのフルオロフォアが本明細書に記載されている。任意の2つの所与のフルオロフォアは、互いに異なる物理的空間を占有し得、互いに同じタイプであり得るか(例えば、両方が同じ波長で蛍光を発し得る)、又は互いに異なるタイプであり得る(例えば、異なる波長で蛍光を発し得る)。
【0071】
糖レクチン結合を使用して要素を検出するための例示的なシステム及び方法
蛍光標識を使用してヌクレオチド等の分析物を検出する技術は、信号強度、均一性、及び線形ダイナミックレンジによって制限され得る。これらには、低信号強度が問題になり得るシーケンシングごとの用途、特にフローセル内の特徴サイズがより小さくなり、クラスター当たりの配列決定テンプレートの数が減少する。別の例は、ビーズごとに捕捉された少数の分子の検出が、単一の蛍光標識イベントに対するシグナルの増強から恩恵を受ける、遺伝子型決定アレイプラットフォームである。本明細書では、糖-レクチン結合を使用して検出可能な部分(例えば、限定されないが、フルオロフォア)を要素に結合することによって、分析物等の要素を検出するためのいくつかの例示的な方法が提供される。本方法は、任意の好適なシステムで検出するために、任意の検出可能な部分を任意の所望の要素に結合するように適切に適合され得ることが理解されよう。
【0072】
図1A図1Bは、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。図1Aに示す非限定的な例では、検出される要素は、オリゴヌクレオチドを特徴付けるために、例えばオリゴヌクレオチドの有無を判定するために、又はオリゴヌクレオチドの配列中の特定のヌクレオチドの同一性を検出及び判定するために、一塩基付加プロセスで使用され得るヌクレオチド等の分析物を含む。例示的には、第1のオリゴヌクレオチド102は、図1Aに示されるようなビーズ等の基材101に、又は平面基材若しくは平面基材上若しくは平面基材内の特徴(具体的には図示せず)として結合される。第1のオリゴヌクレオチド102は、例えば、特徴付けることが望ましい配列に相補的な配列を含み得る。図1Aに示すプロセス110では、第2のオリゴヌクレオチド111は、第1のオリゴヌクレオチド102とハイブリダイズし、それによって基材101に結合される。プロセス120では、ヌクレオチド-糖複合体124を基材101に結合させることができ、ヌクレオチドの存在を検出すること、又はヌクレオチドの同一性を検出及び決定することが望ましい。図1Aに示すように、ヌクレオチド-糖複合体124は、例えば、リンカー123を介して、糖122に結合されたヌクレオチド121を含み得る。プロセス120において、ヌクレオチド121は、少なくとも第2のオリゴヌクレオチド111の配列を使用してポリメラーゼ(具体的には図示せず)によって第1のオリゴヌクレオチド102に組み込まれ得、第2のオリゴヌクレオチド111を特徴付けるために使用され得る。例えば、ヌクレオチド121の存在を使用して、第2のオリゴヌクレオチド111の存在を決定することができ、ヌクレオチド121の同一性を使用して、ヌクレオチド121に相補的であるヌクレオチドの第2のオリゴヌクレオチド111内の同一性を決定することができる。
【0073】
糖-レクチン結合を使用してヌクレオチド121を検出することができ、いくつかの例では、ヌクレオチド121を特定するために使用され得る。例えば、図1Aに示すプロセス130では、第2のオリゴヌクレオチド111は、第1のオリゴヌクレオチド102から脱ハイブリダイズされ得る。図1Aに示されるプロセス140では、レクチン142は、糖122に結合され得、ヌクレオチド121は、少なくともレクチン142の検出を使用して検出され得る。例えば、図1Aに示されるシステム141は、基材101、基材に結合された(例えば、第1のオリゴヌクレオチド102を介して)ヌクレオチド121、糖122、及びレクチン142、並びに少なくともレクチン142の検出を使用してヌクレオチド121を検出するための検出回路144を含むことができる。例示的に、フルオロフォア143は、レクチン142に結合され得、検出回路144は、少なくともフルオロフォア143からの蛍光の検出を使用してレクチン142を検出するための光学センサを含み得る。
【0074】
図1Bに示される非限定的な例では、検出される要素は、オリゴヌクレオチドの配列中の複数のヌクレオチドを決定するために合成ごとのプロセスで使用され得るヌクレオチド等の分析物を含む。例示的には、第1のオリゴヌクレオチド102’は、図1Bに示されるようなビーズ等の基材101’に、又は平面基材若しくは平面基材上若しくは平面基材内の特徴(具体的には図示せず)として結合される。第1のオリゴヌクレオチド102’は、例えば、シーケンシングによる合成プロセスを使用して配列決定することが望ましい配列に相補的な配列を含み得る。図1Bに示すプロセス110’では、第2のオリゴヌクレオチド111’は、第1のオリゴヌクレオチド102’とハイブリダイズし、それによって基材101’に結合される。プロセス120’において、第1のヌクレオチド-糖複合体124’は、基材101’に結合され得、第1のヌクレオチドの同一性を検出することが望ましい。図1Bに示すように、第1のヌクレオチド-糖複合体124’は、例えば、第1のリンカー123’を介して、第1の糖122’に結合された第1のヌクレオチド121’を含み得る。プロセス120’において、第1のヌクレオチド121’は、第1のオリゴヌクレオチド102’を少なくとも第2のオリゴヌクレオチド111’の配列を使用して伸長するようにポリメラーゼ(具体的には図示せず)によって組み込まれ得、第2のオリゴヌクレオチド111’を特徴付けるために使用され得る。例えば、第1のヌクレオチド121’の同一性を使用して、第2のオリゴヌクレオチド内の特定の場所で第2のオリゴヌクレオチド111’の配列を決定することができる。
【0075】
糖-レクチン結合を使用して、第1のヌクレオチド121’を検出及び特定することができる。例えば、図1Bに示されるプロセス130’では、第1のレクチン142’は、第1の糖122’に結合され得、第1のヌクレオチド121’は、少なくとも第1のレクチン142’の検出を使用して検出及び特定され得る。例えば、図1Bに示すシステム141’は、基材101’と、基材に結合された第1のヌクレオチド121’(例えば、第1のオリゴヌクレオチド102’を介して)と、第1の糖122’と、第1のレクチン142’とを含む組成物、並びに少なくとも第1のレクチン142’の検出を使用して第1のヌクレオチド121’を検出及び同定する検出回路144’を含み得る。例示的には、第1のフルオロフォア143’は第1のレクチン142’に結合されてもよく、検出回路144’は、少なくとも第1のフルオロフォア143’からの蛍光の検出を使用して第1のレクチン142’を検出するための光学センサを含んでもよい。第1のレクチン142’が検出された後、プロセス140’において、第1のリンカー123’、第1の糖122’及び第1のレクチン142’は、第1のヌクレオチド121’から切断されて、少なくとも第2のオリゴヌクレオチド111’の配列を用いて一つ以上の更なるヌクレオチドを付加するために、第1のヌクレオチド121’を用いて伸長された第1のオリゴヌクレオチド102’を調製し得る。
【0076】
例えば、図1Bに示されるプロセス150’では、第2のヌクレオチド-糖複合体164’は、基材101’に結合され得、第2のヌクレオチドの同一性を検出することが望ましい。図1Bに示すように、第2のヌクレオチド-糖複合体164’は、例えば、第2のリンカー163’を介して、第2の糖162’に結合した第2のヌクレオチド161’を含み得る。プロセス160’において、第2のヌクレオチド161’は、第1のオリゴヌクレオチド102’を少なくとも第2のオリゴヌクレオチド111’の配列を使用して伸長するようにポリメラーゼ(具体的には図示せず)によって組み込まれ得、第2のオリゴヌクレオチド111’を特徴付けるために使用され得る。例えば、第2のヌクレオチド161’の同一性を使用して、第2のオリゴヌクレオチド内の特定の場所で第2のオリゴヌクレオチド111’の配列を決定することができる。
【0077】
糖-レクチン結合を使用して、第2のヌクレオチド161’を検出及び特定することができる。例えば、図1Bに示されるプロセス160’において、第2のレクチン172’は、第2の糖162’に結合され得、第2のヌクレオチド161’は、少なくとも第2のレクチン172’の検出を使用して検出及び同定される。例えば、検出回路144’は更に、少なくとも第2のレクチン172’の検出を使用して、第2のヌクレオチド161’を検出及び同定することであり得る。例示的には、第2のフルオロフォア173’は、第2のレクチン172’に結合されてもよく、検出回路144’は、少なくとも第2のフルオロフォア173’からの蛍光の検出を使用して第2のレクチン142’を検出するための光学センサを含んでもよい。例えば、第2の糖162’は、第1の糖122’とは異なるタイプの糖であってもよく、第2のレクチン172’は、第1のレクチン142’とは異なるタイプのレクチン(例えば、第2の糖162’に選択的に結合してもよく、第1の糖122’に結合しなくてもよい。)であってもよく、第2のフルオロフォア173’は、第1のフルオロフォア143’とは異なるタイプのフルオロフォアであってもよい。したがって、異なるタイプのフルオロフォアが、(第1のレクチン142’を介して)第1のヌクレオチド121’に結合されるよりも、(第2のレクチン172’を介して)第2のヌクレオチド161’に結合されるようになり得、異なるタイプのフルオロフォアは、互いに光学的に区別可能であり得、したがって、第1及び第2のヌクレオチドが互いに区別されることを可能にし得る。第2のレクチン172’が検出された後、第2のリンカー163’、第2の糖162’及び第2のレクチン173’は、第2のヌクレオチド161’から切断されて、少なくとも第2のオリゴヌクレオチド111’の配列を用いて一つ以上の更なるヌクレオチドを付加するために、第1のヌクレオチド121’及び第2のヌクレオチド161’を用いて伸長された第1のオリゴヌクレオチド102’を調製する。
【0078】
図1A~1Bを参照して記載されるような例では、レクチンは、検出回路を使用して検出可能な任意の適切な部分を含むか又はそれに結合されてもよく、例えば、フルオロフォア及び光学検出回路での使用に限定されないことを理解されたい。更に、任意の適切な要素、例えば分析物は、その要素を検出するためにレクチンが結合され得る糖に結合され得ることを理解されたい。したがって、本糖-レクチン結合を使用して検出され得る要素は、図1A図1Bの非限定的な例を参照して記載される特定の分析物(ヌクレオチド)に限定されない。
【0079】
任意の適切な異なるタイプの糖は、それぞれ互いに異なる要素に結合していてもよく、それらのタイプの糖に選択的なレクチンを使用して異なる要素を検出してもよい。例えば、図2A及び図2Bは、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための追加の例示的なプロセスフローを概略的に示す。
【0080】
図2Aに示される非限定的な例では、検出される要素は、オリゴヌクレオチドを特徴付けるために、例えばオリゴヌクレオチドの存在若しくは非存在を決定するために、又はオリゴヌクレオチドの配列中の特定のヌクレオチドの同一性を検出及び決定するために、一塩基付加プロセスで使用され得るヌクレオチド等の分析物を含む。例示的に、複数の第1のオリゴヌクレオチド202は、それぞれの基材201(図2Aで標識されている単一のそのような第1のオリゴヌクレオチド及び単一のそのような基材)に結合されている。基材201は、図2Aに示されるように、フローセル内のそれぞれのウェル203内に配置され得るビーズを含み得るか、又は平面基材上又は平面基材内にそれぞれの特徴を含み得る(具体的に図示されていない)。第1のオリゴヌクレオチド202のそれぞれは、例えば、特徴付けることが望ましい配列に相補的な配列を含み得る。第1のオリゴヌクレオチド202の配列は、互いに異なっていてもよく、又は互いに同じであってもよい。図2Aに示すように、第2のオリゴヌクレオチド211は、それぞれの第1のオリゴヌクレオチド202とハイブリダイズすることができ、それによってそれぞれの基材201に結合させることができる。したがって、第2のオリゴヌクレオチド211はそれぞれ、それらがハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド202の配列に相補的な配列を有し得る。
【0081】
図1Aを参照して説明したものと同様の方法で、ヌクレオチド糖-複合体224は、それぞれの基材201に結合され得、ヌクレオチドの存在を検出すること、又はヌクレオチドの同一性を検出及び決定することの両方が望ましい。実例として、互いに異なる糖タイプに結合した異なる要素タイプを含む複数の要素-糖複合体、例えば、互いに異なる糖タイプにそれぞれ結合した異なるヌクレオチドタイプを含む複数のヌクレオチド-糖複合体を含み得る溶液を基材201上に流すことができる。例えば、ヌクレオチド糖-複合体224は、例えば、それぞれのリンカーを介して、糖に結合したそれぞれのヌクレオチドを含み得る。実例として、ヌクレオチド-糖複合体は、1つ以上のddNTP-糖複合体、例えば、ddCTP-糖1複合体、ddGTP-糖2複合体、ddATP-糖3複合体、及びddTTP-糖4(又はddUTP-糖4)複合体を含み得、ここで、糖1、糖2、糖3及び糖4は、互いに異なる糖タイプを含む。図1Aを参照して説明したものと同様の方法で、ヌクレオチド-糖複合体224のヌクレオチドは、少なくともそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド211の配列を使用して、ポリメラーゼ(具体的には図示せず)によってそれぞれの第1のオリゴヌクレオチド202に組み込まれてもよく、第2のオリゴヌクレオチド211を特徴付けるために使用されてもよい。例えば、ヌクレオチド-糖複合体224のヌクレオチドの存在を使用して、それぞれの第2のオリゴヌクレオチド211の存在を決定してもよく、ヌクレオチド-糖複合体224のヌクレオチドの同一性を使用して、それらのヌクレオチドに相補的なヌクレオチドのそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド211内の同一性を決定してもよい。
【0082】
糖-レクチン結合は、ヌクレオチド-糖複合体224のヌクレオチドを検出するために使用され得、いくつかの例では、ヌクレオチド-糖複合体224のヌクレオチドを特定するために使用され得る。例えば、図2Aに示すプロセス210において、第2のオリゴヌクレオチド211を第1のオリゴヌクレオチド202から脱ハイブリダイズさせることができる。図2Aに示されるプロセス220では、レクチン242は、ヌクレオチド-糖複合体224の糖に結合され得、それらのヌクレオチド-糖複合体224のヌクレオチドは、少なくともレクチン242の検出を使用して検出され得る。例えば、図2Aに示されるシステムは、基材201、それぞれの基材に結合されたヌクレオチド-糖複合体224(それぞれ第1のオリゴヌクレオチド202を介して)、及びレクチン242を含む組成物、並びに少なくともそれぞれのレクチン242の検出を使用してヌクレオチドを検出するための検出回路244を含み得る。例示的には、フルオロフォアは、それぞれのレクチン242に結合されてもよく、検出回路244は、少なくともフルオロフォアからの蛍光の検出を使用してレクチン242を検出するための光学センサを含んでもよい。例えば、レクチン242は、レクチン1-色素1複合体、レクチン2-色素2複合体、レクチン3-色素3複合体、及びレクチン4-色素4複合体を含むことができ、色素1、色素2、色素3、及び色素4は、互いに異なる波長を放出する異なるフルオロフォアを含み、レクチン1は、糖1に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合せず(例えば、糖2、糖3及び糖4に結合しない)、レクチン2は、糖2に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合せず、レクチン3は、糖3に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合せず、レクチン4は、糖4に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合しない。すなわち、レクチン1、レクチン2、レクチン3及びレクチン4は、互いに異なるレクチンタイプを含み得る。少なくとも、ヌクレオチド-糖複合体224の異なる糖タイプに対する異なるレクチン242の選択的結合、及びそれらのレクチンに結合した異なるフルオロフォア(又は他の検出可能な部分)を使用して、検出回路244を使用して、それらのヌクレオチド-糖複合体224の異なるヌクレオチドを検出及び同定することができる。
【0083】
図2Bに示される非限定的な例では、検出される要素は、オリゴヌクレオチドを特徴付けるために、例えばオリゴヌクレオチドの存在若しくは非存在を決定するために、又はオリゴヌクレオチドの配列中の特定のヌクレオチドの同一性を検出及び決定するために、一塩基付加プロセスで使用され得るヌクレオチド等の分析物を含む。図2Aを参照して説明したのと同様に、図2Bでは、複数の第1のオリゴヌクレオチド202が、フローセルのそれぞれのウェル203内に位置するビーズ等のそれぞれの基材201に結合される。第1のオリゴヌクレオチド202の各々は、例えば、第2のオリゴヌクレオチド211の配列と相補的な配列である、特性決定が望まれる配列と相補的な配列を含み得る。図1A及び図2Aを参照して説明したものと同様の方法で、ヌクレオチド-糖複合体は、それぞれの基材201に結合され得、ヌクレオチドの存在を検出すること、又はヌクレオチドの同一性を検出及び決定することの両方が望ましい。しかしながら、図2Aを参照して記載されるような例では、ヌクレオチド-糖複合体224はそれぞれ、それぞれのレクチン242が選択的である単一の糖を含んでもよいが、図2Bでは、ヌクレオチド-糖複合体はそれぞれ、ヌクレオチドと、それぞれの結合(複数可)を介してヌクレオチドに結合された2つ以上の糖とを含んでもよく、例えば、ヌクレオチド-糖複合体224及び1つ以上の追加の糖224’を含んでもよい。レクチン242は、二価又は多価であり得、したがって、糖の各々に選択的に結合し得る。
【0084】
実例として、互いに異なる糖タイプに結合した異なる要素タイプを含む複数の要素-糖複合体、例えば、それぞれが複数の糖(例えば、2つ以上の糖に)に結合した異なるヌクレオチドタイプを含む複数のヌクレオチド-糖複合体を含み得る溶液を基材201上に流すことができ、ヌクレオチドのそれぞれに結合した糖タイプの少なくとも1つは、ヌクレオチドの別のものに結合した糖タイプの少なくとも1つとは異なる。実例として、ヌクレオチド-糖複合体は、1つ以上のddNTP-糖複合体、例えば、ddCTP-糖1及び追加の糖1を含む複合体、ddGTP-糖2及び追加の糖2を含む複合体、ddATP-糖3及び追加の糖3を含む複合体、並びにddTTP-糖4(又はddUTP-糖4)及び追加の糖4を含む複合体を含み得、ここで、糖1、糖2、糖3及び糖4は異なる糖タイプを含む。図2Bに示されるようないくつかの例では、各特定の糖タイプのうちの2つは、それぞれの複合体内に含まれ、あるいは、図2Cを参照して以下に更に記載される実施例では、ヌクレオチド-糖複合体のうちの1つ以上は、2つ以上の異なる糖を含み得る。図1Aを参照して説明したものと同様の方法で、ヌクレオチド-糖複合体224、224’のヌクレオチドは、少なくともそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド211の配列を使用して、ポリメラーゼ(具体的には図示せず)によってそれぞれの第1のオリゴヌクレオチド202に組み込まれてもよく、第2のオリゴヌクレオチド211を特徴付けるために使用されてもよい。例えば、ヌクレオチド-糖複合体224、224’のヌクレオチドの存在を使用して、それぞれの第2のオリゴヌクレオチド211の存在を決定してもよく、ヌクレオチド-糖複合体224、224’のヌクレオチドの同一性を使用して、それらのヌクレオチドに相補的なヌクレオチドのそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド211内の同一性を決定してもよい。
【0085】
糖-レクチン結合は、ヌクレオチド-糖複合体224、224’のヌクレオチドを検出するために使用され得、いくつかの例では、ヌクレオチド-糖複合体のヌクレオチドを特定するために使用され得る。例えば、図2Bに示すプロセス210’において、第2のオリゴヌクレオチド211を第1のオリゴヌクレオチド202から脱ハイブリダイズさせることができる。図2Bに示されるプロセス220’において、多価、例えば二価のレクチン242は、それぞれのヌクレオチド-糖複合体224,224’の糖、及び少なくともレクチン242の検出を使用して検出されたそれらのヌクレオチド-糖複合体のヌクレオチドの両方に結合され得る。例えば、図2Bに示されるシステムは、基材201と、それぞれの基材(例えば、それぞれの第1のオリゴヌクレオチド202’を介して)に結合したヌクレオチド-糖複合体224,224’と、多価、例えば二価のレクチン242とを含む組成物、並びに図1A及び図2Aを参照して説明したのと同様の方法で、少なくともそれぞれのレクチン242の検出を用いてヌクレオチドを検出する検出回路(具体的には図示せず)を含み得る。少なくとも、異なる多価、例えば二価のレクチン242の、ヌクレオチド-糖複合体224,224’の異なる糖タイプへの選択的結合、及びそれらのレクチンに結合した異なるフルオロフォア(又は他の検出可能な部分)を使用して、それらのヌクレオチド-糖複合体の異なるヌクレオチドは、検出回路を使用して検出され得、同定され得る。
【0086】
ヌクレオチド等の検出される要素は、任意の好適な数及びタイプの糖に結合され得ることが理解されよう。例えば、図2Bを参照して説明されるような様式で、検出される要素は、互いに同じタイプである2つの糖に結合され得る(例示的には、ddCTPは、2個の糖1に結合している)。あるいは、各要素は、互いに異なるタイプであり得る2つ以上の糖に結合され得る。例えば、図2Cは、複数の糖に結合された例示的な要素を概略的に示す。図2Cに示す非限定的な例では、要素230(ヌクレオチド等)は、適切な分岐リンカー240を介して、互いに異なるタイプの2つの糖224’に結合されてもよい。他の例(具体的には図示せず)では、要素230は、好適な分岐リンカーを介して、互いに同じタイプであり得る3つ以上の糖に結合され得る。更に他の例(具体的には図示せず)では、要素230は、適切な分岐リンカーを介して、互いに異なるタイプであり得る3つ以上の糖に結合されてもよい。
【0087】
図3は、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。図3に示される非限定的な例では、検出される要素は、オリゴヌクレオチドの配列中の複数のヌクレオチドを決定するために合成ごとのプロセスで使用され得るヌクレオチド等の分析物を含む。例示的に、複数の第1のオリゴヌクレオチド302は、それぞれの基材301(図3で標識されている単一のそのような第1のオリゴヌクレオチド及び単一のそのような基材)に結合されている。基材301は、図3に示すように平面基材上又は平面基材内にそれぞれの特徴を含んでもよく、又はフローセルのそれぞれのウェル内に配置され得るビーズを含んでもよい(具体的には図示せず)。第1のオリゴヌクレオチド302のそれぞれは、例えば、特徴付けることが望ましい配列に相補的な配列を含み得る。第1のオリゴヌクレオチド302の配列は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。例えば、第1のオリゴヌクレオチド302は、第2のオリゴヌクレオチド311の一部を形成するプライマーに相補的なプライマーを含んでいてもよい。図3に示すように、第2のオリゴヌクレオチド311は、それぞれの第1のオリゴヌクレオチド302とハイブリダイズすることができ、それによってそれぞれの基材301に結合させることができる。したがって、第2のオリゴヌクレオチド311は、それぞれ、それらがハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド302の配列に相補的な部分と、配列決定される部分とを有する配列を有し得る。
【0088】
図1A及び図2Aを参照して説明したものと同様の方法で、ヌクレオチド-糖複合体324は、それぞれの基材301に結合され得、ヌクレオチドの存在を検出すること、又はヌクレオチドの同一性を検出及び決定することの両方が望ましい。実例として、操作310において、互いに異なる糖タイプに結合した異なる要素タイプを含む複数の要素-糖複合体、例えば、互いに異なる糖タイプに結合した異なるヌクレオチドタイプを含む複数のヌクレオチド-糖複合体を含み得る溶液を基材301上に流すことができる。例えば、ヌクレオチド-糖複合体324は、例えば、それぞれのリンカーを介して、糖に結合したそれぞれのヌクレオチドを含み得る。実例として、ヌクレオチド-糖複合体は、1つ以上のddNTP-糖複合体、例えば、ddCTP-糖1複合体、ddGTP-糖2複合体、ddATP-糖3複合体、及びddTTP-糖4(又はddUTP-糖4)複合体を含み得、ここで、糖1、糖2、糖3及び糖4は、互いに異なる糖タイプを含む。溶液はまた、ポリメラーゼを含み得る。図1A及び図2Aを参照して説明したものと同様の方法で、ヌクレオチド-糖複合体324のヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチド302を延長するように、少なくともそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド311の配列を使用して、ポリメラーゼ(具体的には図示せず)によってそれぞれの第1のオリゴヌクレオチド302に組み込まれてもよく、第2のオリゴヌクレオチド311を特徴付けるために使用されてもよい。例えば、ヌクレオチド-糖複合体324のヌクレオチドの同一性を使用して、それらのヌクレオチドに相補的なヌクレオチドのそれぞれの第2のオリゴヌクレオチド311内の同一性を決定することができる。
【0089】
糖-レクチン結合は、ヌクレオチド-糖複合体324のヌクレオチドを検出するために使用され得、いくつかの例では、ヌクレオチド-糖複合体324のヌクレオチドを特定するために使用され得る。例えば、図3に示されるプロセス320では、レクチン342は、ヌクレオチド-糖複合体324の糖に結合され得、それらのヌクレオチド-糖複合体324のヌクレオチドは、少なくともレクチン342の検出を使用して検出され得る。例えば、図3に示されるシステムは、基材301、それぞれの基材に結合されたヌクレオチド-糖複合体324(それぞれ第1のオリゴヌクレオチド302を介して)、及びレクチン342を含む組成物、並びに少なくともそれぞれのレクチン342の検出を使用してヌクレオチドを検出するための検出回路344を含み得る。例示的には、フルオロフォアは、それぞれのレクチン342に結合されてもよく、検出回路344は、少なくともフルオロフォアからの蛍光の検出を使用してレクチン342を検出するための光学センサを含んでもよい。例えば、レクチン342は、レクチン1-色素1複合体、レクチン2-色素2複合体、レクチン3-色素3複合体、及びレクチン4-色素4複合体を含むことができ、色素1、色素2、色素3、及び色素4は、互いに異なる波長を放出する異なるフルオロフォアを含み、レクチン1は、糖1に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合せず(例えば、糖2、糖3及び糖4に結合しない)、レクチン2は、糖2に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合せず、レクチン3は、糖3に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合せず、レクチン4は、糖4に選択的に結合し、他の糖タイプのいずれにも結合しない。すなわち、レクチン1、レクチン2、レクチン3及びレクチン4は、互いに異なるレクチンタイプを含み得る。少なくとも、ヌクレオチド-糖複合体324の異なる糖タイプに対する異なるレクチン342の選択的結合、及びそれらのレクチンに結合した異なるフルオロフォア(又は他の検出可能な部分)を使用して、検出回路344を使用して、それらのヌクレオチド-糖複合体324の異なるヌクレオチドを検出及び同定することができる。レクチン及び糖は切断されてもよく、操作310及び320は、糖-レクチン結合を使用して、それによって付加されたヌクレオチドの同一性を検出しながら、第2のオリゴヌクレオチド311の配列を使用して第1のオリゴヌクレオチド302の伸長を継続するために、任意の適切な回数繰り返される。
【0090】
図1A図1B図2A図2B及び図3を参照して提供されるような例から、異なる要素-糖複合体(例えば、異なるヌクレオチド-糖複合体)は、例えば互いに異なる時間に、互いに同じ基材にそれぞれ結合され、又は、例えば互いに同時に、互いに異なる基材に結合され得ることを理解されたい。好適な検出回路は、要素-糖複合体の糖に結合した異なるレクチンの検出を使用して、異なる要素を検出することができる。異なる要素-糖複合体は、要素、したがって糖、したがってレクチンが結合し得る構造(オリゴヌクレオチド等)上に流される溶液を介して導入され得る。そのような溶液は、それぞれが糖に結合した要素、例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、又は10個以上の異なる要素-糖複合体を含む、任意の適切な数の異なる要素-糖複合体を含み得る。いくつかの例では、1つ以上の要素-糖複合体は、例えば図2Bを参照して説明したような方法で要素に結合した追加の糖を含み得、レクチンは二価であり得、要素に結合した糖の両方に選択的に結合し得る。
【0091】
任意の適切な糖が本発明の要素-糖複合体に含まれてもよく、任意の適切なレクチンがそのような糖に選択的に結合してもよい。例えば、糖の1つ以上は、アルキル糖、例えば、それを介して糖がヌクレオチド等の要素に結合され得るアルキル基を含む糖を含み得る。糖の1つ又は複数は、単糖を含み得る。糖の1つ又は複数は、二糖を含み得る。糖の1つ又は複数は、多糖を含み得る。いくつかの例では、レクチンは、コンカナバリンA(ConA)を含み、要素-糖複合体の糖は、マンノース(Man)又はグルコース(Glc)を含む。他の例では、レクチンは、小麦胚芽凝集素(WGA)を含み、要素-糖複合体の糖は、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)又はN-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)を含む。他の例では、レクチンは大豆凝集素(SBA)を含み、要素-糖複合体の糖はガラクトース(Gal)又はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含む。他の例では、レクチンは、ドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA)を含み、要素-糖複合体の糖は、GalNAcα3GalNAc又はGalNAcを含む。他の例では、レクチンはリシンを含み、要素-糖複合体の糖はガラクトースを含む。他の例では、レクチンは、ピーナッツ凝集素(PNA)を含み、要素-糖複合体の糖は、ガラクトース又はGalβ3GalNAcα(T抗原)を含む。他の例では、レクチンは、エンドウ(Pisum sativum)(PSA)を含み、要素-糖複合体の糖は、マンノース又はグルコースを含む。他の例では、レクチンはレンズ豆(Lens culinaris)(LCA)を含み、要素-糖複合体の糖はマンノース又はグルコースを含む。他の例では、レクチンは、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA)を含み、要素-糖複合体の糖は、マンノースを含む。他の例では、レクチンは、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)を含み、要素-糖複合体の糖は、(GlcNAc)を含む。他の例では、レクチンは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1を含み、要素-糖複合体の糖は、ガラクトースを含む。他の例では、レクチンはガレクチン-3を含み、要素-糖複合体の糖はガラクトースを含む。他の例では、レクチンは、シアロアドヘシンを含み、要素-糖複合体の糖は、Neu5Acを含む。他の例では、レクチンはカチオン依存性マンノース6-リン酸受容体(CD-MPR)を含み、要素-糖複合体の糖はMan6Pを含む。他の例では、レクチンはC反応性タンパク質(CRP)を含み、要素-糖複合体の糖はガラクトース、Gal6P又はガラクツロン酸を含む。適切なレクチンの他の例は、本明細書の他の箇所に記載されており、糖-要素複合体の糖は、そのようなレクチンが選択的に結合する任意の適切な糖を含み得る。
【0092】
実例として、ヌクレオチド-糖複合体のヌクレオチドは、ddNTP、例えばddUTP、ddTTP、ddATP、ddCTP又はddGTPであり得るか、それらを含み得る。ヌクレオチドは、それぞれのリンカー、例えばPEG(例えば、PEG1~48)、アルキル又はペプチドを介して糖に結合され得る。1つの非限定的な例において、ヌクレオチド-糖複合体は、以下に示される構造を有するddUTP-PEG7-マンノースである。
【0093】
【化8】
【0094】
別の非限定的な例では、ヌクレオチド-糖複合体は、以下に示される構造を有するddATP-PEG7-マンノースである。
【0095】
【化9】
【0096】
別の非限定的な例では、ヌクレオチド-糖複合体は、以下に示される構造を有するddCTP-PEG7-β-GlcNAcである。
【0097】
【化10】
【0098】
別の非限定的な例では、ヌクレオチド-糖複合体は、以下に示される構造を有するddGTP-PEG7-β-GlcNAcである。
【0099】
【化11】
【0100】
限定されないが、ddUTP-PEG7-マンノース、ddATP-PEG7-マンノース、ddCTP-PEG7-β-GlcNAc及びddGTP-PEG7-β-GlcNAc等のヌクレオチド-糖複合体を調製するための例示的な反応スキームを実施例3において以下に提供する。
【0101】
いくつかの例では、異なる要素タイプが、上に列挙したような異なる糖タイプの異なるものに結合され、上に列挙したようなそのような糖から選択されるレクチンが、そのような糖タイプに結合され、それらの糖タイプに結合された要素を検出するために使用される。
【0102】
いくつかの例では、1つ又は複数の異なる要素タイプが、上に列挙したような異なる糖タイプに結合していてもよく、上に列挙したようなそのような糖に選択的なレクチンは、そのような糖タイプに結合し、それらの糖タイプに結合した要素を検出するために使用されるが、他の要素タイプは、それらの部分の選択的な非レクチンタンパク質によって選択的に結合した非糖部分に結合していてもよい。例えば、図4A図4Dは、糖-レクチン連結と1つ以上の他のタイプの結合との組合わせを使用して要素を検出するための例示的なプロセスフローを概略的に示す。図4Aでは、第1のオリゴヌクレオチドは、それぞれの基材401に結合されている。図1A及び図2Aを参照して説明したものと同様の方法で、複数のヌクレオチド複合体は、第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用してそれぞれの第1のオリゴヌクレオチドを介して基材に結合され、次いで、第2のオリゴヌクレオチドが除去される(第1及び第2のオリゴヌクレオチドは明示的に示されていない)。図4Aに示される例では、ヌクレオチド複合体は、本明細書の他の箇所に記載されるような1つ以上のヌクレオチド-糖複合体424、並びに1つ以上のヌクレオチド-非糖部分複合体434を含む。図4Aに示される非限定的な例では、ヌクレオチド-糖複合体424は、GalNAcを含むが、任意の好適な糖タイプを使用することができることを理解されたい。ヌクレオチド-非糖部分複合体(複数可)は、非レクチンタンパク質が選択的である部分に結合したヌクレオチドを含み得る。図4Aに示す非限定的な例では、複合体434の非糖部分はビオチンを含んでもよいが、任意の適切な非糖部分を使用してもよいことを理解されるべきである。
【0103】
図4Bは、複合体424の糖へのレクチン442の選択的結合、及び複合体434の部分への非レクチンタンパク質452の選択的結合を示す。図4Bに示される非限定的な例では、レクチン442はSBAを含むが、複合体424の糖タイプ(複数可)に対して選択的である任意の好適なレクチンタイプを使用することができることを理解されるべきである。図4Bに示す非限定的な例では、非レクチンタンパク質452はストレプトアビジンを含むが、複合体434の非糖部分タイプ(複数可)に選択的な任意の適切な非レクチンタンパク質タイプ(複数可)を使用できることを理解されるべきである。レクチン442の各々は、フルオロフォア443を含み得、例えば、複数のフルオロフォア443を含み得る。非レクチンタンパク質452の各々は、フルオロフォア453を含み得、例えば、フルオロフォア443とは異なるタイプであり得る複数のフルオロフォア453を含み得、レクチン442が、好適な検出回路(具体的には図示せず)を使用して非レクチンタンパク質452と光学的に区別されることを可能にする。例えば、フルオロフォア443は赤色であってもよく、フルオロフォア453は緑色であってもよいが、任意の好適な色及びタイプのフルオロフォアが使用されてもよい。
【0104】
複合体424、434の各々に結合され得るフルオロフォアの数を更に増加させ、したがって、そのような複合体のヌクレオチドの検出可能性及び同定を増加させるために、追加のレクチン又は非レクチンタンパク質を、複合体にすでに結合しているレクチン又は非レクチンタンパク質に結合させることができる。追加のフルオロフォアは、追加のレクチン又は非レクチンタンパク質に結合され得る。例えば、図4Bに示すように、レクチン442は、糖444を含み得、非レクチンタンパク質452は、糖454を含み得る。図4Bに示す非限定的な例では、糖444はマンノース(Man)を含み、糖454はGlcNAcを含むが、任意の適切な糖タイプを使用できることを理解されたい。図4Cは、第2のレクチン442’と糖454との結合、及び第3のレクチン442”と糖444との結合を示す。図4Cに示される非限定的な例では、第2のレクチン442’は、WGAを含み、第3のレクチン442”は、ConAを含むが、レクチン442又は非レクチンタンパク質452に含まれる糖に選択的に結合する任意の好適なレクチンタイプを使用することができることを理解されるべきである。第2及び第3のレクチン442’、442”は、フルオロフォアを含み得るか、又はフルオロフォアがそれに結合され得る追加の部分を含み得る。例えば、第2のレクチン442’は、図4Dを参照して以下に記載されるような方法で追加のフルオロフォアを追加の非レクチンタンパク質を介して結合させることができる非糖部分455を含み得る。別の例として、第3のレクチン442”は、フルオロフォア443又は453の一方又は両方と同じタイプであり得るか、又は異なり得るフルオロフォア445を含み得る。追加的又は代替的に、第3のレクチン442”は、図4Dを参照して以下に記載されるような方法で、追加のフルオロフォアが追加のレクチンを介して結合され得る糖446を含み得る。図4Cに示す非限定的な例では、非糖部分455はビオチンを含み、糖446はGalNAcを含むが、任意の適切な非糖部分タイプ及び糖タイプを使用できることを理解されたい。
【0105】
図4Dは、糖446に対する第4のレクチン462の選択的結合、及び非糖部分455に対する第2の非レクチンタンパク質472の選択的結合を示す。図4Dに示される非限定的な例では、第4のレクチン462はSBAを含むが、糖446に選択的な任意の適切なレクチンタイプが使用され得ることを理解されるべきである。図4Dに示す非限定的な例では、非レクチンタンパク質472はストレプトアビジンを含むが、非糖部分455に選択的な任意の適切な非レクチンタンパク質タイプを使用できることを理解されるべきである。レクチン462の各々は、フルオロフォア448を含み得、例えば、複数のフルオロフォア448を含み得る。非レクチンタンパク質472の各々は、フルオロフォア473を含み得、例えば、フルオロフォア473とは異なるタイプであり得る複数のフルオロフォア473を含み得、レクチン462が、好適な検出回路(具体的には図示せず)を使用して非レクチンタンパク質472と光学的に区別されることを可能にする。例えば、フルオロフォア448は赤色であってもよく、フルオロフォア473は緑色であってもよいが、任意の好適な色及びタイプのフルオロフォアが使用されてもよい。図4B図4Dを参照して記載される様式と同様の様式で、レクチン462及び非レクチンタンパク質472は、更なる糖又は非糖部分(例えば、マンノース等の糖447又はGlcNAc等の糖448)を含み得、それを介して、複合体424、434を検出するために更なるレクチンが結合され得る。
【0106】
図4A図4Dは、レクチンと非レクチンタンパク質との混合物を使用してヌクレオチド等の分析物を検出する例を示しているが、他の例では、非レクチンタンパク質を除外するレクチンの混合物を代替的に使用してもよいことが理解されよう。例示的に、図5A~5Cは、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを概略的に示す。図5Aでは、第1のオリゴヌクレオチドは、それぞれの基材501に結合されている。図1A及び図2Aを参照して説明したものと同様の方法で、複数のヌクレオチド複合体は、第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用してそれぞれの第1のオリゴヌクレオチドを介して基材に結合され、次いで、第2のオリゴヌクレオチドが除去される(第1及び第2のオリゴヌクレオチドは明示的に示されていない)。図5Aに示す例では、ヌクレオチド複合体は、本明細書の他の箇所に記載されているような第1のヌクレオチド-糖複合体524、並びに一又は複数の第2のヌクレオチド-糖複合体534を含む。図5Aに示す非限定的な例では、第1のヌクレオチド-糖複合体524はα-マンノースを含み、第2のヌクレオチド-糖複合体534はB-GlcNAcを含むが、任意の適切な糖タイプを使用してもよいことを理解されたい。
【0107】
図5Bは、複合体524の糖へのレクチン542の選択的結合、及び複合体534の糖へのレクチン552の選択的結合を示す。図5Bに示す非限定的な例では、レクチン542はConAを含み、レクチン552はWGAを含むが、複合体524、524の糖に対してそれぞれ選択的な任意の適切なレクチンタイプを使用できることを理解されるべきである。フルオロフォアは、レクチンが糖に結合する前にレクチン542、552に結合されてもよく、又はレクチンが糖に結合した後にレクチン542、552に結合されてもよい。例えば、レクチン542及び552の各々は、フルオロフォアを含んでいてもよく、例えば、複数のフルオロフォア(具体的には図示されていないフルオロフォア(複数可))を含んでいてもよく、それらは、レクチン542が適切な検出回路(具体的には図示されていない回路)を使用してレクチン552から光学的に区別されることを可能にするように、互いに異なるタイプのものであってもよい。
【0108】
あるいは、フルオロフォア(複数可)は、後続のステップでレクチンに結合され得る。例えば、図5Bに示すように、レクチン542及び552は、二価であり得る。したがって、追加の糖は、レクチン542、552の各々に結合されてもよく、レクチンがすでに結合されている糖に加えて、例えば、図5Cに示されるような様式で結合されてもよい。追加の糖は、レクチンが検出可能である任意の適切な構造(複数可)に結合されてもよい。図5Cに示される非限定的な例において、更なる糖563は、レクチン542に結合され、また、レクチンを検出することができるポリマー、例えば、第1の波長を放出する蛍光ビーズ564にも結合され、更なる糖573は、レクチン552に結合され、また、それを介してレクチンを検出することができるポリマー、例えば、第2の異なる波長を放出する蛍光ビーズ574に結合される。例示的には、追加の糖563はマンノースを含み得、追加の糖573はGlCNacを含み得るが、レクチン542、552がそれぞれ選択的である任意の適切な糖が使用され得ることを理解されるべきである。蛍光ビーズ564は赤色(例えば、647nmで蛍光を発し得る)であってもよく、蛍光ビーズ574は緑色(例えば、555nmで蛍光を発し得る)であってもよいが、任意の適切な蛍光ビーズを使用してもよいことを理解されるべきである。更に、更なるレクチン及び更なる蛍光ビーズは、図4C図4Dを参照して説明したのと同様の方法で更なる糖563、573に結合され得ることを理解されるべきである。図5Cを参照して記載されるような糖を含む蛍光ビーズは、例えば図9を参照して記載されるような任意の適切な一連の工程を使用して調製され得る。
【0109】
図6A~6Cは、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを示す概略図である。図6Aでは、第1のオリゴヌクレオチドは、それぞれの基材601に結合されている。図1A及び図2Aを参照して説明したものと同様の方法で、複数のヌクレオチド複合体は、第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用してそれぞれの第1のオリゴヌクレオチドを介して基材に結合され、次いで、第2のオリゴヌクレオチドが除去される(第1及び第2のオリゴヌクレオチドは明示的に示されていない)。図6Aに示す例では、ヌクレオチド複合体は、本明細書の他の箇所に記載されているような第1のヌクレオチド-糖複合体624、並びに一又は複数の第2のヌクレオチド-糖複合体634を含む。図6Aに示す非限定的な例では、第1のヌクレオチド-糖複合体624はα-マンノースを含み、第2のヌクレオチド-糖複合体634はB-GlcNAcを含むが、任意の適切な糖タイプを使用してもよいことを理解されたい。
【0110】
図6Bは、複合体624の糖へのレクチン642の選択的結合、及び複合体634の糖へのレクチン652の選択的結合を示す。図6Bに示す非限定的な例では、レクチン642はConAを含み、レクチン652はWGAを含むが、複合体624、624の糖に対してそれぞれ選択的な任意の適切なレクチンタイプを使用できることを理解されるべきである。フルオロフォアは、レクチンが糖に結合する前にレクチン642、652に結合されてもよく、又はレクチンが糖に結合した後にレクチン642、652に結合されてもよい。例えば、レクチン642及び652の各々は、フルオロフォアを含んでいてもよく、例えば、複数のフルオロフォア(具体的には図示されていないフルオロフォア(複数可))を含んでいてもよく、それらは、レクチン642が適切な検出回路(具体的には図示されていない回路)を使用してレクチン652から光学的に区別されることを可能にするように、互いに異なるタイプのものであってもよい。
【0111】
あるいは、フルオロフォア(複数可)は、後続のステップでレクチンに付加され得る。例えば、図6Bに示すように、レクチン642及び652は、二価であり得る。したがって、追加の糖は、レクチン642、652の各々に結合されてもよく、レクチンがすでに結合されている糖に加えて、例えば、図6Cに示されるような様式で結合されてもよい。追加の糖は、レクチンが検出可能である任意の適切な構造(複数可)に結合されてもよい。図6Cに示される非限定的な例において、更なる糖663は、レクチン642に結合され、また、レクチンを検出することができるポリマー、例えば、第1の波長を放出するフルオロフォア665を含むポリペプチド664に結合され、更なる糖673は、レクチン652に結合され、また、それを介してレクチンを検出することができるポリマー、例えば、第2の異なる波長を放出するフルオロフォア675を含むポリペプチド674に結合される。ポリペプチド664、674は、ポリペプチド環、例えば、ポリリジン又は他の好適なペプチド又はペプチドの組合わせを含む環を含み得る。環は、蛍光及び糖分子の局所的な領域を提供し得る。リジンはアミノ側鎖を含むため、ポリリジンを含む環は、そのようなリジン側鎖とのアミド結合反応によって容易に官能化(例えば、フルオロフォア及び糖分子を含むように)され得る。例示的には、追加の糖663はマンノースを含み得、追加の糖673はGlCNacを含み得るが、レクチン642、652がそれぞれ選択的である任意の適切な糖が使用され得ることを理解されるべきである。フルオロフォア665は赤色(例えば、647nmで蛍光を発し得る)であってもよく、フルオロフォア675は緑色(例えば、555nmで蛍光を発し得る)であってもよいが、任意の適切なフルオロフォアが使用されてもよいことを理解されるべきである。更に、更なるレクチン及び更なるポリペプチドを、図4C図4Dを参照して記載されたものと同様の様式で更なる糖663に結合させることができることを理解されるべきである。図6Cを参照して記載されるような糖及びフルオロフォアを含むポリペプチドは、例えば図8を参照して記載されるような任意の適切な一連の工程を使用して調製され得る。
【0112】
本明細書に記載されるようなシステム及び組成物は、要素を検出するための任意の好適な方法での使用に適合され得る。例示的に、図7は、糖-レクチン結合を使用して要素を検出するための別の例示的なプロセスフローを概略的に示す。図7に示すプロセスフロー700は、第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合することを含み得、第1の要素-糖複合体は、第1の糖に結合された第1の要素を含む(操作702)。例えば、ヌクレオチド-糖複合体121は、図1Aを参照して説明されるような方法で、第1のオリゴヌクレオチド102’を介して基材101に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体121’は、図1Bを参照して説明されるような方法で、第1のオリゴヌクレオチド102を介して基材101’に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体224の第1のものは、図2Aを参照して説明されるような方法で、第1のオリゴヌクレオチド202を介して基材201に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体224’の第1のものは、図2Bを参照して説明されるような方法で、第1のオリゴヌクレオチド202’を介して基材201’に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体324の第1のものは、図3を参照して説明されるような方法で、第1のオリゴヌクレオチド302を介して基材301に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体424の第1のものは、図4Aを参照して説明されるような様式で基材401に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体524又は534の第1のものは、図5Aを参照して説明されるような様式で基材501に結合され得る。又は、例えば、ヌクレオチド-糖複合体624、634の第1のものは、図6Aを参照して説明されるような様式で基材601に結合され得る。いくつかの例では、第1の基材は、例えば、図1A図1B図2A図2B図4A図4Dを参照して説明されるようなビーズを含む。
【0113】
図7に示すプロセスフロー700は、第1のレクチンを第1の糖に結合することを含み得る(操作704)。例えば、レクチン142は、図1Aを参照して説明されるような様式でヌクレオチド-糖複合体121に結合され得る。又は、例えば、レクチン142’は、図1Bを参照して説明されるような様式でヌクレオチド-糖複合体121’に結合され得る。又は、例えば、レクチン242の第1のものは、図2Aを参照して説明されるような様式でヌクレオチド-糖複合体224の第1のものに結合され得る。又は、例えば、レクチン242’の第1のものは、図2Bを参照して説明されるような様式でヌクレオチド-糖複合体224’の第1のものに結合され得る。又は、例えば、レクチン342の第1のものは、図3を参照して説明されるような方法で、ヌクレオチド-糖複合体324のうちの第1のものに結合され得る。又は、例えば、レクチン442の第1のものは、図4Bを参照して説明されるような様式でヌクレオチド-糖複合体424のうちの第1のものに結合され得る。又は、例えば、レクチン542又は552のうちの第1のものは、図5Bを参照して説明されるような方法で、ヌクレオチド-糖複合体524又は534のうちの第1のものに結合され得る。又は、例えば、レクチン642又は652の第1のものは、図6Bを参照して説明されるような様式で、ヌクレオチド-糖複合体624、634のうちの第1のものに結合され得る。
【0114】
図7に示すプロセスフロー700は、少なくとも第1のレクチンの検出を使用して第1の要素を検出することを含み得る(操作706)。例えば、レクチン142は、図1Aを参照して説明されるような方法で1つ以上のフルオロフォア143を使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン142’は、図1Bを参照して説明されるような方法で1つ以上のフルオロフォア143’を使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン242の第1のものは、図2Aを参照して説明されるような方法で、色素1、色素2、色素3、又は色素4等の1つ以上のフルオロフォアを使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン242’の第1のものは、図2Bを参照して説明されるような方法で、色素1、色素2、色素3、又は色素4等の1つ以上のフルオロフォアを使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン242’の第1のものは、図3を参照して説明されるような方法で、色素1、色素2、色素3、又は色素4等の1つ以上のフルオロフォアを使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン442の第1のものは、図4Bを参照して説明されるような様式で1つ以上のフルオロフォア443を使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン542又は552の第1のものは、図5Cを参照して説明されるような方法で1つ以上の蛍光ビーズ564、574を使用して検出され得る。又は、例えば、レクチン642又は652の第1のものは、図6Cを参照して説明されるような様式で1つ以上のフルオロフォア665、675を使用して検出され得る。
【0115】
図7を参照して説明したプロセスフロー700のいくつかの例では、第1の要素は分析物を含む。異なる分析物の例は、本明細書の他の場所で提供される。いくつかの例では、分析物は、例えば、図1A図1B図2A図2B図3図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような、第1のヌクレオチドを含む。いくつかの例では、第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合することは、例えば、図1A図1B図2A図2B図3図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような様式で、第1のヌクレオチドを、第1の基材に結合された第1のオリゴヌクレオチドに組み込むことを含む。第1のオリゴヌクレオチドは、例えば、図1A図1B図2A図2B図3図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような様式で、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。第1のヌクレオチドを第1のオリゴヌクレオチドに組み込むことは、例えば、図1A図1B図2A図2B図3図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような方法で、第1のオリゴヌクレオチドを、少なくとも第2のオリゴヌクレオチドの配列を使用して伸長することを含み得る。
【0116】
いくつかの例では、第1の要素-糖複合体を第1の基材に結合することは、基材上に溶液を流すことを含み得る。溶液は、第1の要素-糖複合体と、例えば、図2A図2B及び図3を参照して説明されるような方法で、第2の糖に結合された第2の要素を含む第2の要素-糖複合体と、を含み得、これらはまた、図1A図1B図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明される実施例に実装され得る。第1のレクチンは、選択的に第1の糖に結合し得、第2の糖に結合しない。第1及び第2の要素は、互いに異なるヌクレオチドタイプを含み得る。第1及び第2の糖は、互いに異なる糖タイプを含み得る。プロセスフロー700は、第2の要素-糖複合体を第1の基材又は第2の基材に結合することを含み得る。例えば、第2の要素-糖複合体は、例えば、図1Bに示される第2のヌクレオチド-糖複合体164’を参照して記載されるような方法で、第1の要素-糖複合体と同じ(第1の)基材に結合していてもよく、又はヌクレオチド-糖複合体424の第2のものは、図4Aを参照して記載されるような方法で、ヌクレオチド-糖複合体424の第1のものと同じ基材401に結合され、又はヌクレオチド-糖複合体524の第2のものは、図5Aを参照して記載されるような方法で、ヌクレオチド-糖複合体524の第1のものと同じ基材501に結合され、又はヌクレオチド-糖複合体624の第2のものは、図6Bを参照して記載されるような方法で、ヌクレオチド-糖複合体624の第1のものと同じ基材601に結合される。又は、例えば、第2の要素-糖複合体は、例えば、図2Aを参照して説明したような方法でヌクレオチド-糖複合体224のうちの第1のものとは異なる基材201に結合されたヌクレオチド-糖複合体224のうちの第2のものを参照して記載されるような方法で、第1の要素-糖複合体とは異なる(第2の)基材に結合されてもよく、又はヌクレオチド-糖複合体224’のうちの第2のものは、図2Bを参照して説明したような方法でヌクレオチド-糖複合体224’のうちの第1のものとは異なる基材201’に結合され、又はヌクレオチド-糖複合体324のうちの第2のものは、図4Aを参照して説明したような方法でヌクレオチド-糖複合体324のうちの第1のものとは異なる基材301に結合され、又はヌクレオチド-糖複合体424の第2のものは、図4Aを参照して説明したような方法で、ヌクレオチド-糖複合体424の第1のものとは異なる基材401に結合され、又ヌクレオチド-糖複合体524の第2のものは、図5Aを参照して説明したような方法でヌクレオチド-糖複合体524の第1のものとは異なる基材501に結合され、又はヌクレオチド-糖複合体624の第2のものは、図6Aを参照して説明したような方法で、ヌクレオチド-糖複合体624の第1のものとは異なる基材601に結合される。
【0117】
プロセスフロー700は、第2のレクチンを第2の糖に結合させ、少なくとも第2のレクチンの検出を使用して第2の要素を検出することを更に含み得る。例えば、第2のレクチン172’は、図1Bを参照して記載されるような様式で第2の糖162’に結合されてもよく、又はレクチン242のうちの第2のものは、図2Aを参照して記載されるような様式でヌクレオチド-糖複合体224の第2のものの糖に結合されてもよく、又はレクチン242’の第2のものは、図2Bを参照して記載されるような様式でヌクレオチド-糖複合体224’の第2のものの糖に結合されてもよく、又はレクチン342の第2のものは、図3を参照して記載されるような様式でヌクレオチド-糖複合体324の第2のものの糖に結合されてもよく、又はレクチン442の第2のものは、図4Bを参照して記載されるような様式でヌクレオチド-糖複合体424の第2のものの糖に結合されてもよく、又は、レクチン542、552の第2のものは、図5Bを参照して記載されるような様式で、ヌクレオチド-糖複合体524、534のうちの第2のものの糖に結合されてもよく、又はレクチン642、652の第2のものは、図6Bを参照して記載されるような様式で、ヌクレオチド-糖複合体624、634の第2のものの糖に結合されてもよい。
【0118】
溶液は、第3の糖に結合した第3の要素を含む第3の要素-糖複合体、及び第4の糖に結合した第4の要素を含む第4の要素-糖複合体を更に含み得る。プロセスフロー700は、第3の要素-糖複合体を第1の基材、第2の基材、又は第3の基材に結合する工程と、第3のレクチンを第3の糖に結合させる工程と、少なくとも第3のレクチンの検出を使用して、第3の要素を検出する工程と、第4の要素-糖複合体を、第1の基材、第2の基材、第3の基材、又は第4の基材に結合する工程と、第4のレクチンを第4の糖に結合させ、例えば、図2A図2B図3図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような様式で、少なくとも第4のレクチンの検出を使用して第4の要素を検出する工程と、を更に含む。
【0119】
いくつかの例では、第1の要素糖複合体は、要素に結合された第5の糖を更に含む。例えば、図2Bを参照して説明したような様式で、ヌクレオチド-糖複合体224’は、ヌクレオチドに結合した追加の糖を含み得る。プロセスフロー700は、第1のレクチンを第5の糖に結合することを含み得る。例えば、図2Bを参照して説明されるような様式で、レクチンのうちの1つ以上は二価であり得、したがってそれぞれのヌクレオチド-糖複合体の両方の糖に結合され得る。二価レクチンは、例えば、図1A図1B図2A図3図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような、本明細書で提供される任意の他の例で使用され得ることが理解されよう。
【0120】
いくつかの例では、プロセスフローは、第1のフルオロフォアを第1のレクチンに結合させることを含み得、第1のレクチンの検出は、第1のフルオロフォアから蛍光を検出することを含む。例示的に、レクチン142、レクチン142’、レクチン242、レクチン242’、レクチン342、レクチン442、レクチン542、レクチン552、レクチン642、又はレクチン642’は、第1のフルオロフォアを含み得るか、又は第1のフルオロフォアに結合され得る。第1のフルオロフォアは、第1の複数のフルオロフォアを含み得る。第1のフルオロフォアを第1のレクチンに結合することは、ポリマーを第1のレクチンに結合させることを含み得、ポリマーは、第1のフルオロフォア及び第6の糖を含み、第1のレクチンは、第6の糖に結合する。例えば、図5Cを参照して説明されるような方法で、ポリマーは、レクチン542が結合する糖563を含む蛍光ビーズ564、又はレクチン552が結合する糖573を含む蛍光ビーズ574を含み得る。又は、例えば、図6Cを参照して説明したような方法で、ポリマーは、フルオロフォア665、並びにレクチン642が結合する糖663を含むポリペプチド664、又はフルオロフォア675、並びにレクチン652が結合する糖673を含むポリペプチド674を含み得る。
【0121】
第1のフルオロフォアは、第1のレクチンを第1の糖に結合する前に、例えば、図1A図1B図2A図2B、又は図3を参照して説明されるような方法で、第1のレクチンに結合され得る。あるいは、第1のフルオロフォアは、第1のレクチンを第1の糖に結合させた後、例えば、図4A図4D図5A図5C、又は図6A図6Cを参照して説明されるような方法で、第1のレクチンに結合され得る。
【0122】
いくつかの例では、第7の糖は、第1のレクチンに結合され得、第2のレクチンは、第7の糖に結合され得、第1のレクチンの検出は、第2のレクチンの検出を含む。例えば、図4B図4Cを参照して説明したような様式で、レクチン442の第1のものは、第2のレクチン442”が結合され得る糖444を含み得、第2のレクチン442”は、例えば蛍光を使用して検出され得る。例示的に、第2のフルオロフォア445は、第2のレクチン442”に結合され得、第1のレクチンの検出は、第2のフルオロフォアから蛍光を検出することを含み得る。第1のフルオロフォアは、第2のフルオロフォアとは異なるタイプのフルオロフォアであってもよく、又は第2のフルオロフォアと同じタイプのフルオロフォアであってもよい。図4B図4Cを参照して説明したような特定の非限定的な一例では、第1のレクチン442はコンカナバリンA(ConA)を含み、第7の糖444はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、第2のレクチン442”は大豆凝集素(SBA)を含む。
【0123】
いくつかの例では、第1の糖は、例えば、実施例3に記載されるようなアルキル糖を含む。第1の糖は、単糖を含み得るか、又は二糖を含み得る。
【0124】
プロセスフロー700の様々な例示的な実現形態では、第1のレクチンは、コンカナバリンA(ConA)を含み、第1の糖は、マンノース(Man)又はグルコース(Glc)を含み、第1のレクチンは、小麦胚芽凝集素(WGA)を含み、第1の糖は、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)又はN-アセチル-ノイラミン酸(Neu5Ac)を含み、第1のレクチンは、大豆凝集素(SBA)を含み、第1の糖が、ガラクトース(Gal)又はN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含み、第1のレクチンは、ドリコス・ビフロリス(Dolichos bifloris)(DBA)を含み、第1の糖は、GalNAcα3GalNAc又はGalNAcを含み、第1のレクチンは、リシンを含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、ピーナッツ凝集素(PNA)を含み、第1の糖は、ガラクトース又はGalβ3GalNAcα(T抗原)を含み、第1のレクチンは、エンドウ(Pisum sativum)(PSA)を含み、第1の糖は、マンノース又はグルコースを含み、第1のレクチンは、レンズ豆(Lens culinaris)(LCA)を含み、第1の糖は、マンノース又はグルコースを含み、第1のレクチンは、スノードロップ(Galanthus nivalus)(GNA)を含み、第1の糖は、マンノースを含み、第1のレクチンは、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(STA)を含み、第1の糖は(GlcNAc)を含み、第1のレクチンは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)H1を含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、ガレクチン-3を含み、第1の糖は、ガラクトースを含み、第1のレクチンは、シアロアドヘシン(Sialoadhesin)を含み、第1の糖は、Neu5Acを含み、第1のレクチンは、カチオン依存性マンノース-6-リン酸受容体(CD-MPR)を含み、第1の糖は、Man6Pを含み、又は、第1のレクチンはC反応性タンパク質(CRP)を含み、第1の糖はガラクトース、Gal6P、又はガラクツロン酸を含む。
【0125】
追加の実施例
追加の実施例が、以下の実施例において更に詳細に開示されるが、これらの実施例は、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
【0126】
実施例1.ポリペプチドへの糖及びフルオロフォアの結合
図8は、糖及びフルオロフォアをポリペプチドに結合させるための例示的なプロセスフローを示す概略図である。動作810で、数(X)のポリリジン鎖内のリジンは、アジド(RN)基を含むように官能化され、例えば、アジドスクシンイミジルエステル(ThermoFisher ScientificからのA10280)を使用し、式中、Rは、PEG、アルキル、又はペプチド等のリンカーである。動作820で、操作810から生じるアジド官能化ポリリジンの第1の部分は、フルオロフォアAlexa Fluor555アルキン(ThermoFisher ScientificからA20013)及びアルキル糖β-GlcNAc-PEG3-アルキン(SigmaからのSMB00414)と溶液中で混合されて、数(Z)の糖GlcNAc及び数(M)のフルオロフォアAlexa Fluor 555を含むポリリジンを得る。操作820’で、操作810から生じるアジド官能化ポリリジンの第2の部分は、フルオロフォアAlexa Fluor647アルキン(ThermoFisher ScientificからのA10278)及びアルキル糖α-Man-PEG3-アルキン(SigmaからのSMB00415)と溶液中で混合されて、数(Y)の糖マンノース及び数(N)のフルオロフォアAlexa Fluor647を含むポリリジンを得る。いくつかの例では、Xは、約50~約200、例えば、約100~約150である。いくつかの例では、Yは、約10~約50、例えば、約20~約40である。いくつかの例では、Zは、約10~約50、例えば、約20~約40である。いくつかの例では、Mは、約5~約50、例えば、約15~約40である。いくつかの例では、Nは、約5~約50、例えば、約15~約40である。操作820から生じるポリペプチドを使用して、図6Cに示される方法でレクチンConAを蛍光標識する。操作820’から生じるポリペプチドを使用して、図6Cに示される方法でレクチンWGAを蛍光標識する。この例から、糖及びフルオロフォアは、ヌクレオチドが蛍光検出され得るような方法でレクチンに結合され得ることが理解され得る。
【0127】
実施例2.糖をビーズに結合させる
工程A.アミノ官能化アルキル糖の調製
アルキル糖β-GlcNAc-PEG3-アルキン(Sigma製のSMB00414)を、硫酸銅(II)の存在下、トリス(3-ヒドロキシプロピルトリアゾルメチル)アミン(THPTA)を配位子として、アスコルビン酸ナトリウムを還元剤として、銅(I)支援クリック反応を用いて、以下に示すようにアジド-PEG2-アミンと反応させて、アルキン基をアミノ基に変換し、β-マンノース-PEG5-アミンを得る。
【0128】
【化12】
【0129】
アルキル糖α-Man-PEG3-アルキン(Sigma製のSMB00415)を、硫酸銅(II)の存在下、トリス(3-ヒドロキシプロピルトリアゾルメチル)アミン(THPTA)を配位子として、アスコルビン酸ナトリウムを還元剤として、銅(I)支援クリック反応を用いて、以下に示すようにアジド-PEG2-アミンと反応させて、アルキン基をアミノ基に変換し、α-マンノース-PEG5-アミンを得る。
【0130】
【化13】
【0131】
ステップB.アミノ官能化アルキル糖をカルボキシレート修飾ビーズと反応させる
カルボキシレート修飾蛍光ポリスチレン20nmミクロスフェア(FluoSpheres(登録商標)ビーズ)は、ThermoFisher Scientificから入手する。ミクロスフェアの第1のセットは緑色であり、535nmで励起最大値及び575nmで発光最大値を有し(F8784)、一方、ミクロスフェアの第2のセットは赤色であり、660nmで励起最大値及び680nmで発光最大値を有する(F8783)。
【0132】
図9は、糖をビーズに結合するための例示的なプロセスフローを示す概略図である。カルボキシレート修飾赤色ミクロスフェア910を、ステップAのアミン官能化アルキルマンノースと反応させて、マンノース官能化赤色ミクロスフェア920を得る。より具体的には、カルボキシレート修飾赤色ミクロスフェア(7.5nmol)及びアミン官能化アルキルマンノース(600nmol)を、500mMのMES緩衝液(100uL、pH6)を有するガラスバイアル内で混合し、室温で15分間インキュベートする。水中のEDC.HCl(30μmol)を混合物に添加し、15分間インキュベートする。pHを20xボレート緩衝液でpH8.3に調整する。混合物を室温で一晩回転させる。次いで、混合物を100mMのトリス緩衝液(50uL)でクエンチし、続いて透析によって精製する。操作920から生じるマンノース官能化赤色ミクロスフェアを使用して、図5Cに示される方法でレクチンConAを蛍光標識する。
【0133】
カルボキシレート修飾緑色ミクロスフェアを、ステップAのアミン官能化アルキルGlcNAcと同様に反応させて、GlcNAc官能化緑色ミクロスフェアを得る。GlcNAc官能化緑色ミクロスフェアを使用して、図5Cに示される方法でレクチンWGAを蛍光標識する。この例から、糖及びフルオロフォアは、ヌクレオチドが蛍光検出され得るような方法でレクチンに結合され得ることが理解され得る。
【0134】
実施例3.ヌクレオチド-糖複合体の調製
非限定的な実行実施例では、アジド官能化ヌクレオチドddCTP-Nを、アルキン官能化アルキル糖と反応させて、以下の反応スキームを使用してヌクレオチド-糖複合体を得る。
【0135】
【化14】
【0136】
より具体的には、各水中のCuSO、THPTA、及びアスコルビン酸ナトリウムの1M原液を調製した。CuSO(3uL、3umol)及びTHPTA(9uL、9umol)をチューブにピペットで移した。アスコルビン酸ナトリウム(15uL、15umol)を混合物に添加した。ddCTP-N(60nmol、12uL、5mM)及びGlcNAc(72nmol、14.4uL、5mM)を混合物に添加した。10xPBS(6μL)を添加し、混合物を一晩撹拌した。次いで、生成物をHPLCで精製し、LCMS(ネガティブモードESI)で分析した。計算値[M-H=1167.9,[M-2H2-=583.4。実測値[M-H=1167.7,[M-2H2-=583.7。図10は、得られた例示的なヌクレオチド-糖複合体の液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)スペクトルである。583.67、1167.67、及び1168.57で強いピークが観察され、ヌクレオチド-糖複合体の調製に成功したことを示している。
【0137】
実施例4.ヌクレオチド-糖複合体の特徴評価
図11は、ポリメラーゼによる成長中のポリヌクレオチドへのヌクレオチド-糖複合体の組込みの結果を示すゲルの画像である。より具体的には、ddATP-マンノース、ddUTP-マンノース、ddCTP-GlcNAc、及びddGTP-GlcNAc複合体を、実施例3に記載されるような様式で調製し、第1のポリメラーゼ(「バリアント1」)又は第2のポリメラーゼ(「バリアント2」)のいずれかを使用して、蛍光アミダイト(FAM)標識プライマーを使用して成長ポリヌクレオチドに組み込んだ。図11に示すゲルでは、レーン1~4は陰性対照、すなわちヌクレオチド-糖複合体が添加されなかったプライマーに対応し、レーン5~8は、ddATP-マンノース、ddUTP-マンノース、ddCTP-GlcNAc、及びddGTP-GlcNAc複合体のプライマーへの第1のポリメラーゼを用いた組込みに対応し、レーン9~12は、ddATP-マンノース、ddUTP-マンノース、ddCTP-GlcNAc、及びddGTP-GlcNAc複合体のプライマーへの第2のポリメラーゼを用いた組込みに対応する。図11のレーン1、5、及び9の比較から、ddATP-マンノースが両方のポリメラーゼを使用してプライマーに成功裏に組み込まれたことが理解され得る。図11のレーン2、6、及び10の比較から、ddATP-マンノースが両方のポリメラーゼを使用してプライマーに成功裏に組み込まれたことが理解され得る。図11のレーン3、7、及び11の比較から、ddATP-マンノースが両方のポリメラーゼを使用してプライマーに成功裏に組み込まれたことが理解され得る。図11のレーン4、8、及び12の比較から、ddATP-マンノースが両方のポリメラーゼを使用してプライマーに成功裏に組み込まれたことが理解され得る。したがって、ddNTP糖複合体が成長ポリヌクレオチドに組み込まれ得ることが実証された。
【0138】
追記事項
様々な例示的な実施例が上述されているが、本発明から逸脱することなく、様々な変更及び修正がその中で行われ得ることは、当業者には明らかであろう。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲内にある、そのような全ての変更及び修正を網羅することを意図している。
【0139】
本明細書に記載されるような本開示の態様のそれぞれの任意の対応する特徴/実施例は、任意の適切な組合わせで共に実施されてもよく、また、これらの態様のうちの任意の1つ又は複数からの任意の特徴/実施例は、本明細書に記載されるような利点を得るために、任意の適切な組合わせで本明細書に記載されるような(複数の)他の態様の特徴のいずれかと共に実施されてもよいことを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】