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特表2023-540442ロボット支援電気外科手術用モジュール式装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】ロボット支援電気外科手術用モジュール式装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20230915BHJP
   A61B 18/18 20060101ALI20230915BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20230915BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/18
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023507749
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 EP2021069652
(87)【国際公開番号】W WO2022028837
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】2012303.0
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】メドウクロフト,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ,ジョージ・クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4C130
4C160
【Fターム(参考)】
4C130AA32
4C130AA42
4C160JK01
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK58
(57)【要約】
電気外科機能を提供するための装置をロボットアームに直接的に取り付け可能であるか、またはロボットアーム内に統合するロボット支援手術システム。装置は、同じ環境内の異なるロボットアーム間で移動可能であってよい脱着可能なモジュールまたはカプセルであってよい。装置は、それぞれが異なる治療モダリティを提供する複数のモジュールを含み得る。行う処置に応じて、異なるモジュールまたはモジュールの組み合わせを選択し、1つまたは複数のロボットアームに取り付け得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット支援手術システム用の電気外科用発電機ユニットであって、
前記ロボット支援手術システムの関節式ロボットアームに脱着可能に取り付け可能であるように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に入れられた信号発生器であって、前記ロボット支援手術システムが使用するために前記電気外科信号を生成するように構成された前記信号発生器と、
前記電気外科信号を前記ロボット支援手術システムに結合するように構成されたエネルギー送達構造と
を備える、前記電気外科用発電機ユニット。
【請求項2】
前記ハウジング内に入れられ、前記信号発生器に動作可能に接続されるコントローラをさらに備え、前記コントローラが、制御信号を受信し、前記受信した制御信号に基づいて前記信号発生器を制御するように構成される、請求項1に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項3】
前記ロボット支援手術システムの制御ネットワークに通信可能に接続可能である入力部分をさらに備え、前記コントローラが、前記ロボット支援手術システムの前記制御ネットワークから前記制御信号を受信するように構成される、請求項2に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項4】
前記コントローラが、前記入力制御信号を無線で受信するように構成された無線通信モジュールを含む、請求項2に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項5】
流体供給源と、流体を前記流体供給源から前記ロボット支援手術システムに結合するように構成された流体導管とをさらに備える、任意の先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項6】
前記エネルギー送達構造及び前記流体導管が、共通給電構造に入れられる、請求項5に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項7】
前記共通給電構造が、誘電材料で外部導体から分離された内部導体を有する同軸伝送線路を備え、前記流体導管が、前記内部導体内に形成された通路を備える、請求項6に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項8】
前記ハウジング内に入れられ、前記エネルギー送達構造に接続された信号検出器をさらに備え、前記信号検出器が、前記エネルギー送達構造で信号特性をサンプリングし、前記信号特性を示す検出信号を生成するように構成される、いずれかの先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項9】
前記ロボット支援手術システムから給電を受けるように構成された電力結合ユニットをさらに備える、いずれかの先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項10】
前記給電がDC信号であり、前記信号発生器が、前記DC信号を使用して前記電気外科信号を生成するように構成される、請求項9に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項11】
前記ハウジング内に入れられた電池をさらに備え、前記電池が前記電気外科用発電機ユニットの内部電源として構成される、いずれかの先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項12】
前記信号発生器が、マイクロ波源と、前記マイクロ波源に結合された増幅ユニットとを備え、前記電気外科信号がマイクロ波信号を含む、いずれかの先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項13】
前記信号発生器が、無線周波数(RF)信号発生器を備え、前記電気外科信号がRF信号を含む、いずれかの先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニット。
【請求項14】
ロボット支援手術システム用の器具ホルダーであって、
前記ロボット支援手術システムの関節式アームに取り付け可能であり、前記ロボット支援手術システムの関節式アームによって操作可能である近位端と、
手術器具を保持するように構成された遠位部分と、
いずれかの先行請求項に記載の電気外科用発電機ユニットを受け入れ、前記電気外科用発電機ユニットからの電気外科信号を前記手術器具に結合するように構成された中間部分と
を有する本体
を備える、前記器具ホルダー。
【請求項15】
ロボット支援手術システムであって、
関節式アームと、
前記関節アームの遠位端に取り付けられた器具ホルダーと、
前記器具ホルダーに取り付けられた電気手術器具と、
前記器具ホルダーに脱着可能に取り付けられた請求項1~13のいずれか1項に記載の電気外科用発電機ユニットと
を備え、
前記器具ホルダーが、前記電気外科用発電機ユニットによって生成された電気外科信号を前記電気手術器具に結合するように構成される、
前記ロボット支援手術システム。
【請求項16】
前記電気手術器具が、近位エネルギー伝達構造及び遠位先端を有する細長いプローブを備え、前記器具ホルダーが、前記遠位先端への送達のために前記電気外科信号を前記エネルギー伝達構造に結合するように構成される、請求項15に記載のロボット支援手術システム。
【請求項17】
制御ネットワークを介して前記関節式アームに接続された制御コンソールをさらに備え、前記制御コンソールが、前記制御ネットワークを介して送信された制御信号を使用して前記電気外科用発電機ユニットを制御するように構成される、請求項15または16に記載のロボット支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット支援電気外科手術用の装置に関する。特に、本発明は、ロボット手術システムに組み込むことができ、そのシステムが電気手術器具とともに動作することを可能にする様々なモジュールに関する。モジュールは、例えば、同じ手術室環境内の異なるロボットシステム間でモジュールを交換可能にするために、脱着可能に取り付け可能であってよい。モジュールは、既存のロボット手術システムに組み込むことが可能である場合がある。
【0002】
モジュールは、電気手術器具で使用するための様々なタイプの電磁エネルギーを生成し得る。例えば、生物組織を治療または測定するために、高周波エネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーを生成し得る。例えば、高周波エネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーは、アブレーション、止血(つまり、血液凝固を促進することによって損傷した血管を密封すること)、切断、滅菌などのいずれかを行うために使用され得る。
【背景技術】
【0003】
電磁(EM)エネルギー、特にマイクロ波及び高周波(RF)エネルギーは、体組織を切断する能力、凝固させる能力、及び切除する能力があり、電気外科手術に役立つことが分かっている。典型的には、EMエネルギーを体組織に送達するための装置は、EMエネルギー源を含む発電機と、エネルギーを組織に送達するために、発電機に接続される電気手術器具とを含む。
【0004】
マイクロ波EMエネルギーを使用する組織アブレーションは、生物組織が主に水から構成されているという事実に基づいている。人間の軟器官組織は、通常、水分含有量が70%~80%である。水分子には永久的な電気双極子モーメントがあり、これは、分子全体に電荷の不均衡が存在することを意味する。この電荷の不均衡により、時間変化する電場を印加することによって生成される力に応答して、分子が回転して電気双極子のモーメントが印加された電場の極性と整合するので、分子が移動する。マイクロ波周波数では、急速な分子の振動が摩擦の加熱を引き起こし、その結果、熱の形で場のエネルギーが散逸する。これは誘電加熱として知られている。
【0005】
この原理はマイクロ波アブレーション療法において利用され、この療法では、マイクロ波周波数の局所的な電磁界を加えることにより、標的組織中の水分子が急速に加熱され、組織の凝固及び細胞死がもたらされる。肺及びその他の器官の様々な症状を治療するために、マイクロ波放射プローブを用いることが知られている。例えば、肺では、マイクロ波放射を用いて、喘息を治療したり、腫瘍または病変を切除したりすることができる。
【0006】
外科的切除術は、ヒトまたは動物の体内から臓器の一部分を取り除く方法である。そのような臓器は、多数の血管を含み得る。組織が切断されると(分割または横切されると)、細動脈と呼ばれる微小血管が損傷し、または破裂する。初期出血に続いて、出血点を塞ごうとして血液が凝血塊に変えられる凝固カスケードが起こる。手術中に、患者が、可能な限り血液を失わないことが望ましく、したがって出血のない切断を提供しようとして、様々なデバイスが開発されてきた。
【0007】
鋭利なブレードの代わりに、高周波(RF)エネルギーを用いて生物組織を切断することが知られている。RFエネルギーを使用して切断する方法は、電流が(細胞及び細胞間電解質のイオン含有量によって助長されて)組織マトリクスを通過する際に、組織を横切る電子の流れに対するインピーダンスによって熱が生じるという原理を用いて行われる。組織マトリックスにRF電圧が印加されると、細胞内に十分な熱が発生して組織の含水を蒸発させる。このように乾燥が増加する結果、特に、組織を通る電流経路全体の中で電流密度が最も高い器具のRF放出領域(本明細書ではRFブレードと言う)に隣接して、RFブレードの切断ポールに隣接する組織はブレードとの直接接触を失う。印加電圧は次いで、この空隙のほとんど全体にわたって現れ、結果として空隙はイオン化して、プラズマが形成され、体積抵抗率が組織と比べて非常に高くなる。この相違は重要である。なぜならば、RFブレードの切断ポールと組織との間の電気回路を完成させたプラズマに印加エネルギーを集中させるからである。なんらかの揮発性材料がプラズマに十分ゆっくりと入ると蒸発するため、組織解離性のプラズマという認識になる。
【0008】
手術を支援するためのロボット装置の使用は、急速に増加している。通常、ロボット支援手術は、所与の外科処置の様々な動きまたは操作を行うために外科医が直接的にまたは遠隔で制御できるロボットアームの使用を伴う。ロボットアームは、ロボットアームの遠位端にエンドエフェクタを有し得る。エンドエフェクタは、手術器具であってもよいし、手術器具を担持してもよい。ロボット支援手術システムは、開腹手術及び腹腔鏡手術で使用され得る。
【0009】
電気外科処置でロボット支援手術システムを使用することは既知である。例えば、Intuitive Surgicalが製造するDa Vinchシステムは、ロボットアームを担持する患者用カートに接続可能であるビジョンカートに発電機を統合することを可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
最も一般的には、本発明は、電気外科機能を提供するための装置をロボットアームに直接的に取り付け可能であるか、またはロボットアーム内に統合するロボット支援手術システムを提供する。装置は、同じ環境内の異なるロボットアーム間で移動可能であってよい、(本明細書では「カプセル」と呼ばれる)脱着可能なモジュールであってよい。装置は、それぞれが異なる治療モダリティを提供する複数のモジュールを含み得る。行う処置に応じて、異なるモジュールまたはモジュールの組み合わせを選択し、1つまたは複数のロボットアームに取り付け得る。
【0011】
本発明はいくつかの利点を提供し得る。第1に、装置をロボットアームに直接的に取り付けることによって、電気外科手術のためのエネルギーを生成するための手段を電気手術器具により近づけることができる。これにより、発電機と電気手術器具との間でエネルギーを伝達する際に発生する可能性がある損失の低減または排除が促進される。第2に、装置をロボットアームに設けることによって、電気外科用発電機を収容するための別個の手術室家具の必要性が回避される。これにより、手術室の空間を節約し得る。第3に、モジュール式セットアップを提供することによって、マルチアームシステムの各ロボットアームが、電気外科手術用に各アームを別々に構成するコストをかけずに同じ機能を有することが可能になり得る。
【0012】
特に有利な構成では、本発明は、脱着可能な電気外科モジュールをロボットアームに提供し得、電気外科モジュールは、ロボットアームの内部電源によって電力を供給される。例えば、ロボットアームは、エンドエフェクタの制御及び移動、ならびにアーム自体の操作に利用可能なDC電源を有し得る。電気外科モジュールは、DC電源を利用して、ロボットアームによって保持される電気手術器具に供給される、例えば高周波エネルギーまたはマイクロ波エネルギーなどの他の形のエネルギーを生成するように構成され得る。この構成は、それによりロボットアーム上に別個の電源を提供する必要性がなくなるため、有利であり得る。
【0013】
本発明の一態様によれば、ロボット支援手術システム用に提供される電気外科用発電機ユニットがあり、電気外科用発電機ユニットは、ロボット支援手術システムの関節式ロボットアームに脱着可能に取り付け可能であるように構成されたハウジングと、ハウジング内に入れられた信号発生器であって、ロボット支援手術システムが使用するために電気外科信号を生成するように構成された信号発生器と、電気外科信号をロボット支援手術システムに結合するように構成されたエネルギー送達構造とを含む。本発明の本態様は、手術器具が使用するための電気外科信号用の局所化されたソースを提供する、脱着可能に、したがって交換可能なユニットを提供する。
【0014】
電気外科用発電機ユニットは、ハウジング内に入れられ、信号発生器に動作可能に接続されるコントローラをさらに含み得る。コントローラは、制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて信号発生器を制御するように構成され得る。制御信号は、好ましくはロボット支援手術システムを通して送信され得る。例えば、電気外科用発電機ユニットは、ロボット支援手術システムの制御ネットワークに通信可能に接続可能である入力部分をさらに含み得、コントローラは、ロボット支援手術システムの制御ネットワークから制御信号を受信するように構成される。この構成により、電気外科用発電機ユニットに別個の通信チャネルを提供する必要性が回避され得る。
【0015】
代わりにまたはさらに、コントローラは、入力制御信号を無線で受信するように構成された無線通信モジュールを含み得る。
【0016】
信号発生器は、複数の治療モダリティの1つまたは複数で使用するための電気外科信号を提供するように構成され得る。例えば、電気外科信号は、手術器具の遠位端で組織アブレーションを引き起こすために適した電力レベルを有するマイクロ波信号または無線周波数(RF)信号であってよい。別の例では、電気外科信号は、いかなる組織損傷も引き起こさずに組織の特性を測定するために適するように選択された電力を有するマイクロ波エネルギーまたはRFエネルギーであってよい。信号発生器は、RF信号とマイクロ波信号の両方ともを別々にまたは同時にのどちらかで生成することが可能であってよい。以下により詳細に説明されるように、RFエネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーは、プラズマが手術器具の遠位端に衝突することを可能にするための流体(例えば、ガス)と組み合わせて送達され得る。
【0017】
同様に、RFエネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーは、手術器具の遠位端で冷凍アブレーションを行うことを可能にするために、冷凍流体(cryofluid)と組み合わせて送達され得る。
【0018】
他の例では、信号発生器は、それを手術器具の遠位端で組織のエレクトロポレーションを引き起こすために適したものにする電気外科信号の波形を生成するように構成されたパルス発生器を含み得る。
【0019】
信号発生器は、例えば超音波などの他のタイプのエネルギーを生成するように構成され得る。
【0020】
電気外科用発電機ユニットは、それ自体モジュール式構成を有し得、ハウジングは、1つまたは複数の脱着可能な信号発生器モジュールを受け入れるように構成され得る。この構成では、電気外科用発電機ユニットは、所望の目的のために電気外科信号を発生させるように調節可能に構成され得る。
【0021】
上述のように、電気外科用発電機ユニットは、流体供給源と、流体を流体供給源からロボット支援手術システムに結合するように構成された流体導管をさらに含み得る。一例では、電気外科信号用のエネルギー送達構造、及び流体導管は、共通給電構造に入れられてよい。共通給電構造は、誘電材料で外部導体から分離された内部導体を有する同軸伝送線路を含み得、流体導管は、内部導体内に形成された通路を含む。
【0022】
電気外科用発電機ユニットが測定モダリティを提供するように構成された構成では、電気外科用発電機は、ハウジング内に入れられた信号検出器をさらに含み得る。信号検出器は、エネルギー送達構造に接続され、エネルギー送達構造で信号特性をサンプリングするように構成され得る。信号特性は、例えばエネルギー送達構造での反射電力の振幅及び/または位相であってよい。ハウジング内の信号検出器またはコントローラは、信号特性を示す検出信号を生成するように構成され得る。検出信号は、例えば制御コンソールのディスプレイ上でユーザーが読み取ることができるように、ロボット支援手術システムの制御ネットワークを介して出力、例えば戻され得る。
【0023】
電気外科用発電機ユニットは、他のタイプの測定を含み得る。例えば、電気外科用発電機ユニットは、レーザー分光法を行うための光源と、センサユニットとを含み得る。電気外科用発電機ユニットは、温度検知モジュール及び放射組織センサの任意の1つまたは複数をさらに含み得る。
【0024】
特に有利な構成では、電気外科用発電機ユニットは、ロボット支援手術システムの内部電源を介して電力を供給され得る。したがって、電気外科用発電機ユニットは、ロボット支援手術システムから給電を受けるように構成された電力結合ユニットを含み得る。給電は、DC信号であってよい。信号発生器は、DC信号を使用して電気外科信号を生成するように構成され得る。信号発生器は、例えばリニアレギュレータまたは切り替えモードレギュレータを使用して、DC信号の電圧を使用に適したレベルに調節するように構成され得る。
【0025】
さらにまたは代わりに、電気外科用発電機ユニットは、独立した電源を有し得る。例えば、電気外科用発電機ユニットは、主電源への別個の接続部を有する場合もあれば、電気外科用発電機ユニットは、ハウジング内に入れられた電池を含む場合もある。
【0026】
一例では、信号発生器は、マイクロ波源と、マイクロ波源に結合された増幅ユニットとを含み得る。この例では、電気外科信号は、マイクロ波信号を含み得る。増幅ユニットは電力増幅器を含み得、信号発生器は電力増幅器のためにドレイン電圧と電源電圧の両方をDC信号から抽出するように構成され得る。
【0027】
別の態様では、本発明は、ロボット支援手術システム用の器具ホルダーを提供し得る。器具ホルダーは、ロボット支援手術システムの関節式アームに取り付け可能であり、それによって操作可能である近位端と、外科器具を保持するように構成された遠位部分と、上述のように、電気外科用発電機ユニットを受け入れるように構成された中間部分とを有する本体を含み得る。例えば、中間部分は、電気外科用発電機ユニットを差し込むことができる凹部を含み得る。器具ホルダー及び電気外科用発電機ユニットは、それらの間での電力信号及び制御信号の転送を可能にするために協働するコネクタを有し得る。特に、器具ホルダーは、電気外科用発電機ユニットからの電気外科信号を、遠位部分に保持された手術器具に結合するように構成され得る。
【0028】
さらなる態様では、本発明は、関節式アームと、関節式アームの遠位端に取り付けられた器具ホルダーと、器具ホルダーに取り付けられた電気手術器具と、器具ホルダーに脱着可能に取り付けられた上述の電気外科用発電機ユニットとを含むロボット支援手術システムを提供し得、器具ホルダーは、電気外科用発電機ユニットが生成する電気外科信号を電気手術器具に結合するように構成される。
【0029】
電気手術器具は、近位エネルギー伝達構造と、遠位先端とを有する長いプローブを含み得る。器具ホルダーは、遠位先端への送達のために電気外科信号をエネルギー伝達構造に結合するように構成され得る。
【0030】
ロボット支援手術システムは、制御ネットワークを介して関節式アームに接続された制御コンソールをさらに含み得、制御コンソールは、制御ネットワークを介して送信された制御信号を使用して電気外科用発電機ユニットを制御するように構成される。
【0031】
本明細書では、同軸伝送線路または他の同軸構造に関して、用語「内部」は、構造の中心(例えば、軸)に対して半径方向により近いことを意味する。用語「外部」は、構造の中心(軸)から半径方向により遠いことを意味する。
【0032】
用語「伝導性の」は、本明細書では、文脈上別の意味が示される場合を除き、導電性を意味するために使用される。
【0033】
本明細書では、用語「近位」及び「遠位」は、電気外科用発電機ユニットの信号発生器に対する位置を指す。使用時、近位端は、電気外科信号を提供するための信号発生器により近く、一方、遠位端は信号発生器からより遠い。
【0034】
本明細書では、「マイクロ波」は、400MHz~100GHzの周波数範囲を指して広く使われてよいが、好ましくは1GHz~60GHzの範囲を指す。マイクロ波EMエネルギーの好ましいスポット周波数は、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz、及び24GHzを含む。5.8GHzが好ましい場合がある。デバイスは、これらのマイクロ波周波数のうちの複数の周波数でエネルギーを送達し得る。
【0035】
用語「高周波」または「RF」は、300kHz~400MHzの周波数を示すために使用され得る。
【0036】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明を適用するロボット支援電気外科システムの全体的な概略システム図である。
図2】本発明の一実施形態である電気外科手術用の関節式ロボットアームの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による関節式ロボットアーム用の器具ホルダーの概略図である。
図4】本発明の一実施形態によるロボットアーム用の取り外し可能な電気外科手術カプセルの概略図である。
図5図4の取り外し可能な電気外科手術カプセルでの使用に適したマイクロ波生成モジュールの概略図である。
図6図4の取り外し可能な電気外科手術カプセルでの使用に適した共通給電線路にDC電力エネルギー及び低電力マイクロ波エネルギーを発射するための構成要素の概略図である。
図7図4の取り外し可能な電気外科手術カプセルでの使用に適したマイクロ波生成モジュールを示す回路図である。
図8図4の取り外し可能な電気外科手術カプセルでの使用に適した別のマイクロ波生成モジュールの概略図である。
図9】本発明の一実施形態において関節式ロボットアームが対処できる電気手術器具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、ロボット支援手術との関連での電気手術器具の生成及び使用に関する。図1は、本発明を適用するロボット支援電気外科システム100の全体的な概略システム図である。システム100は、3つの主要なエンティティ、つまりロボット手術道具102と、手術台104と、制御コンソール106とを含む。
【0039】
手術台104は、ロボット手術道具102が支援できる処置のために患者を受け入れるための場所を提供する。
【0040】
この例では、ロボット手術道具102は、そこから延びる関節式アーム110を有する制御柱108を含む。制御柱108は、複数の関節式アームを支持し得る。器具ホルダー112は、関節式アーム110の遠位端に取り付けられる。器具ホルダー112は、手術道具114を保持するように構成される。この例では、手術道具114は、例えば既知の腹腔鏡技術などを使用して患者の体内に挿入するために適した剛性の細長い要素として示されている。関節式アーム110は、手術台104に対して手術道具114の位置及び角度を変えることを可能にする。制御柱108はまた、手術室環境内で移動可能であってよい。
【0041】
器具ホルダー112は、手術器具114に接続可能である様々なポートを含み得る。例えば、器具ホルダー112は、手術器具114のエンドエフェクタを制御できるリンクを提供し得る。器具ホルダー112はまた、電力または他の物質(例えば、生理食塩水など)を手術器具に送達するために使用され得る。
【0042】
通常、手術台104及びロボット手術道具102と同じ室内にある制御コンソール106は、通常はロボット手術道具102とは別個であり、関節式アーム110及び器具ホルダー112を遠隔で制御するために使用される。関節式アーム110はまた、手動で位置決めされ得る。
【0043】
本発明では、ロボット手術道具102は、手術器具114による使用のための電気外科信号を生成し、器具ホルダー112を介して送達するように構成された脱着可能な電気外科手術カプセル116を具備する。この例では、電気外科手術カプセル116は、例えばストラップなど、1つまたは複数の適切な接続部120によって関節式アーム110に固定される。しかしながら、本明細書に説明される他の例では、電気外科手術カプセル116は、例えばプラグインモジュールとして、器具ホルダー112に直接的に接続可能であり得る。
【0044】
電気外科手術カプセル116は、電気外科手術で使用するために適した信号の発生及び送達のためのスタンドアロンユニットであってよい。
【0045】
以下により詳細に説明されるように、電気外科手術カプセル116は、ロボット手術道具102の内部DC電源によって電力を供給され得る。すなわち、ロボット手術道具102は、標準的な方法で(図示せず)主電源に接続され得る。制御柱108は、主電源を、ロボットが使用するためのDC電源に変換するための回路を含み得る。制御柱108は、関節式アーム110の動きを制御するための第1のDC電源を有し得る。通常、第1のDC電源は、24Vの電圧を有し、最大2Aまでの電流を許容し得る。制御柱108は、器具ホルダー112が使用するための、または器具ホルダー112で使用するための第2のDC電源を提供し得る。第2のDC電源は、第1のDC電源と同じ電圧(例えば、24V)またはそれより低い電圧(例えば12V)を有し得る。第2のDC電源は、より制限された電流源(例えば、600mA以下)を有し得る。電気外科手術カプセル116は、第1のDC電源または第2のDC電源のどちらかを利用し得る。図1に示される例では、電気外科手術カプセル116は、1つまたは複数のクリップ122によって関節式アーム110に保持され得る、別個のケーブル118によって制御柱108に接続される。ケーブル118は、第1のDC電源からDC信号を伝達し得る。代わりにまたはさらに、電気外科手術カプセル116は、器具ホルダー112と同じ経路を介して電力を受け取るように配置され得る。
【0046】
図2は、本発明の別の実施形態である電気外科手術用の関節式ロボットアーム111の斜視図である。図1のシステムと共通の特徴には同じ参照番号が与えられている。この例では、関節式ロボットアーム111は、図1の関節式ロボットアーム110と同じ機能を実行する。しかしながら、1つまたは複数の電気外科手術カプセル116がその外側表面に取り付けられる代わりに、関節式ロボットアーム111は、電気外科手術カプセル116を受け入れるように構成された凹部を具備する器具ホルダー112を有する。外科手術カプセル116は、例えば、それを、異なるモダリティを提供する電気外科手術カプセルのために容易に交換することを可能にするために、または電気外科手術カプセル116を、同じもしくは異なる制御柱上の別の関節式ロボットアーム111に切り替えることを可能にするために、凹部に脱着可能に取り付け可能であってよい。
【0047】
図3は、図2に示されるタイプの関節式ロボットアーム111用の器具ホルダー112の概略図である。器具ホルダー112は、例では、その遠位部分117から延びる手術器具114と整列した長手方向軸に沿って延びる、概して円筒形の形を有するが、任意の適切な形状を有し得る。
【0048】
器具ホルダー112は、関節式ロボットアームの遠位端に取り付けられた(その上で枢動し得る)近位部分113を含む。近位端113は、関節式ロボットアームを通って伝達される電力入力124を受け取るように構成され得る。
【0049】
この例では、器具ホルダー112は、その中に凹部126が形成される中間部分115を含む。中間部分の周囲の周りに形成された複数の凹部があり得る。器具ホルダー112は、したがって、凹部126内に1つまたは複数の電気外科カプセルを受け入れるように構成され得る。複数の電気外科カプセル116が取り付けられる場合、器具ホルダー112は、電気外科カプセルの任意の1つまたは任意の組み合わせを手術器具114に選択的に接続するように構成され得る。接続部は、例えば、電磁信号(例えば、高周波エネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーを含む)を、遠位器具先端136に伝達し、そこから送達することを可能にするために、電気外科手術カプセルを遠位器具先端136に動作可能に接続し得る。以下に説明されるように、各電気外科手術カプセルは、特定の組織治療または測定モダリティと関連付けられた電磁信号を生成するように構成され得る。
【0050】
電磁信号は、遠位器具先端136に達する前に信号が移動しなければならない経路長を減少させるため、器具ホルダー112で電磁信号を生成することは有利である。したがって、この構成により、電磁信号が伝達されるときの電力損失の減少を促進することができる。したがって、遠位器具先端136で所与のレベルの電力を達成するために、電気外科カプセルは、より遠い発電機よりもより低い電力を生成することを必要とされる場合がある。あるいは、それは、所与の電源について遠位器具先端136でより高い出力を達成可能であり得ることを意味する場合がある。
【0051】
さらに、器具ホルダー112に電気外科用発電機を有することによって、そうでなければ、手術室内の空間を占有するであろう、別個の床ベースの発電機ユニットの必要性がなくなる。
【0052】
中間部分115は、電気外科手術カプセルを相互接続するための手段をさらに含み得る。例えば、凹部126は、その内部表面に1つまたは複数の入力ポート/出力ポートを取り付けられ得る。図3に示される例では、電力(例えば、DC信号)を電気外科手術カプセルに送達するように構成された入力ポート130がある。入力ポート130は、次に電力入力124に接続される適切な伝送線路128によって近位部分113に接続される。同様に、電気外科手術カプセルから手術器具114に電磁信号(例えば、高周波エネルギーまたはマイクロ波エネルギー)を送達するように構成された出力ポート132がある。出力ポート132は、適切な伝送線路134(例えば、同軸ケーブル)によって遠位部分117に接続され得る。遠位部分117は、伝送線路134を手術器具114自体内のエネルギー伝達構造(例えば、別の同軸伝送線路)に接続するように、適切なコネクタ(例えば、QMAコネクタなど)で構成され得る。この例は、図9を参照して以下に説明される。
【0053】
手術器具114は、遠位部分117に脱着可能に取り付けられ得る。同じ器具ホルダー112は、このようにして複数の器具とともに使用され得る。さらに、本発明では、器具ホルダー112は、複数の異なるタイプの電気外科手術カプセルとともに使用され得る。これにより、器具及びエネルギーモダリティの様々な組み合わせを、同じ器具ホルダーで交換可能に使用することが可能になる。
【0054】
図4は、本発明の一実施形態によるロボットアーム用の取り外し可能な電気外科手術カプセル116の概略図である。電気外科手術カプセル116は、上述のタイプの凹部126内に受け入れ可能であってよい。電気外科手術カプセル116は、カプセルを適切に整列させるようにロボットアームの器具ホルダー内の凹部と協調するように形作られ得る剛性ハウジング200を含む。電気外科手術カプセル116は、例えば器具ホルダーを介して、ロボット支援手術システムの制御ネットワークに通信可能に接続可能である入力部分202を含む。入力部分202はまた、電源(例えば、器具ホルダーの内部DC電源)と、電磁信号を生成及び/または制御するための様々な機能構成要素またはモジュールを収容する操作部分203と、電磁信号を器具ホルダーに送達するために出力部分204とを受け入れるように構成され得、器具ホルダーから電磁信号はロボットアームが保持する電気手術器具に伝達される。
【0055】
この例では、入力部分202は、入力制御信号及び電力信号を受信するための入力コネクタ206を含む。出力部分204は、生成された電磁信号を電気外科手術カプセル116から送達するための出力コネクタ208を含み得る。
【0056】
以下の説明では、電気外科手術カプセル116の操作部分203は、所望の出力電磁信号に応じて様々な機能要素が脱着可能または交換可能であり得るモジュール構造を有するとして提示される。そのような構造は、製造の柔軟性の点で有利である。しかしながら、カプセル構成要素のモジュール性は本発明にとって必須ではないことを理解することができる。カプセルは、特定の機能を提供するために「配線接続」してもよく、その場合、以下で説明されるモジュールを組み合わせ得るか、共有構成要素を含み得る。
【0057】
一般に、本明細書で言及される電気外科カプセルは、生物組織の治療または測定に適した高周波(RF)またはマイクロ波EM放射などの電磁(EM)放射を生成するように構成される。
【0058】
一例では、カプセル(または複数のカプセル)の制御は、例えば制御コンソールを使用してなど、ロボット支援手術システムの制御ネットワークを介してカプセル内のコントローラモジュール212に送達される制御信号を使用して行われる。カプセルの制御は、このようにしてロボット支援システムまたは別個のデバイスの制御コンソールであり得るリモートコンピューティングデバイス210に集中し得る。カプセルの制御が有線接続部を介して達成されることが好ましい場合がある。しかしながら、いくつかの例では、カプセルは無線で通信するように構成され得る。リモートコンピューティングデバイス210は、ラップトップ、スマートフォン、及びタブレットコンピュータなどの無線コンピューティングデバイスであってよい。リモートコンピューティングデバイス210は、その動作を制御するように、無線通信チャネルを介して電気外科カプセルと無線で通信することができる。
【0059】
いくつかの例では、異なる任意選択のモジュールは、カプセルに異なる電気外科的能力を提供するために、コアモジュールとともに組み合わされ得る。
【0060】
様々な電気外科モダリティは、例えば、RFエネルギー及びマイクロ波エネルギーなどのEMエネルギー制御された送達を伴う腹腔鏡処置または内視鏡処置で使用するためのロボット支援手術システムとの関連で以下に提示される。そのようなEMエネルギーは、ポリープ及び悪性腫瘍の除去において有用である場合がある。しかしながら、本明細書で提示される発明の態様は、この特定の用途に限定される必要はないことが理解されよう。また、本発明の態様は、RFエネルギーのみが必要とされる実施形態、またはRFエネルギー及び流体送達のみが必要とされる実施形態に等しく適用可能であってよい。
【0061】
図4に戻ると、この例における電気外科カプセル116の操作部分203は、複数のモジュールを含むモジュール式システムとして構成される。複数のモジュール202は、コントローラモジュール212と、信号発生器モジュール214と、給電構造モジュール216とを含む。これらは、操作部分203のコアモジュールであり得る。さらに、複数のモジュールは、さらなる任意選択のモジュール、つまり信号検出器モジュール218と、流体供給モジュール220と、1つまたは複数の追加信号発生器モジュール222を含み得る。これらのモジュールの任意選択の性質は、破線によって図4に示される。
【0062】
コントローラモジュール212は、それから命令またはデータを受信するように、リモートコンピューティングデバイス210と無線で通信するように動作可能な無線通信インタフェースを有する。コントローラモジュール212は、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを提供するように動作可能である。例えば、一実施形態では、制御コマンドは、受信されたデータのすべてまたは一部であってもよく、したがってコントローラモジュール212は、受信されたデータを制御コマンドとして転送してもよい。また、転送することは、転送する前に受信されたデータの一部を削除することを伴ってよい。例えば、受信されたデータは、制御コマンドと通信情報の両方を含むデータパケットを含み得、通信情報は、その発信元(例えば、リモートコンピューティングデバイス210)からその宛先(例えば、コントローラモジュール212)にデータパケットを導くために使用される。無線通信チャネル210は、リモートコンピューティングデバイス210とコントローラモジュール212との間の直接チャネルであってよいが、無線通信チャネル210は、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、及び/または広域ネットワークなどの1つまたは複数の有線ネットワークまたは無線ネットワークを含む間接チャネルでもあってもよい。いずれの場合も、コントローラモジュール212は、制御コマンドのみが残るように、この通信情報(及び、例えば、任意の他の情報)を削除するか、または取り去ってよい。しかしながら、さらにまたは代わりに、コントローラモジュール212は、受信されたデータを受信するように、無線通信インタフェースに結合されたプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を含み得る。使用中、プロセッサは、受信されたデータに基づいて、制御コマンドを生成し得る。すなわち、受信されたデータは、制御コマンドを含まない場合があるか、または制御コマンドの一部しか含まない場合があり、その結果、プロセッサは、制御コマンド自体の少なくとも一部を生成する。制御コマンドが、1つまたは複数のモジュール機能を実行するように、モジュールが理解及び実行することができるフォーマットであることが理解されよう。
【0063】
コントローラモジュール212及びリモートコンピューティングデバイス210の無線通信インタフェースは、コントローラモジュール212がリモートコンピューティングデバイス210と無線で通信することを可能にする。各無線通信インタフェースは、3G、4G、5G、GSM、WiFi、Bluetooth(登録商標)、及び/またはCDMAなどの1つまたは複数の異なるプロトコルを介して通信可能であり得る。いずれの場合も、コントローラモジュール212及びリモートコンピューティングデバイス210は、WiFiなどの同じのプロトコルを介して相互に通信し得る。各無線通信インタフェースは、送信機及び受信機(つまり、トランシーバ)など、データ信号の送信及び受信用の通信ハードウェアを含み得る。また、通信ハードウェアは、アンテナ、ならびにデータ信号の送信及びそれからの受信のためにアンテナにRF信号を提供するRFプロセッサを含み得る。各無線通信インタフェースはまた、プロセッサにデータ信号を提供し、プロセッサからデータ信号を受信するベースバンドプロセッサを含み得る。無線通信インタフェースの正確な構造は、当業者によって理解されるように、実施形態の間で変化してもよい。
【0064】
一実施形態では、コントローラモジュール212は、例えば、リモートコンピューティングデバイス210から無線通信インタフェースで受信されたデータを復号するように動作可能である。また、コントローラモジュール212は、例えば、リモートコンピューティングデバイス210に無線通信インタフェースによって送信されるデータを暗号化するように動作可能である。例えば、コントローラモジュール212が制御コマンドを生成する場合、コントローラモジュール212は、それらの生成された制御コマンドを無線通信インタフェースを介してリモートコンピューティングデバイス210に送信し得る。コントローラモジュール212がプロセッサを含む場合、暗号化プロセス及び復号プロセスは、プロセッサによって実行され得る。代わりに、コントローラモジュール212は、暗号化及び復号を実行するための別個の暗号化デバイスを含み得る。当業者によって既知であるように、任意の暗号化プロトコルが使用されてもよいことが理解されよう。しかしながら、発明の電気外科的性質を所与とすると、医療暗号化プロトコルが好ましい場合がある。データを暗号化形式でコントローラモジュール212に/コントローラモジュール212から送信することを必要とする利点は、悪意のある当事者が、電気手術器具114を支配するために電気外科システム200をハッキングすることがより困難であり、または不可能であると気づくであろうことである。したがって、システムセキュリティ及び患者の安全性が改善される。
【0065】
一実施形態では、コントローラモジュール212は、システム200がその意図した仕様に則して実行しない結果となるであろう一連の潜在的なエラー状態を監視するためのウォッチドッグ(または、障害検出ユニット)を含む。ウォッチドッグは、潜在的なエラー状態の1つが発生したときにアラーム信号を生成するように動作可能である。例えば、ウォッチドッグは、無線通信モジュールとリモートコンピューティングデバイス210との間の通信のステータスを監視し得、潜在的なエラー状態は、事前設定された閾値または期間を上回る持続期間の間のコントローラモジュール212とリモートコンピューティングデバイス210との間の通信の断絶である場合がある。例えば、ウォッチドッグは、無線通信モジュールがリモートコンピューティングデバイス210と10秒以上通信できなかったときにアラーム信号を生成し得る。異なる実施形態では異なる期間が使用されるであろうことが理解されよう。
【0066】
一実施形態では、コントローラモジュール212は、システム200の様々な部分の動作を監視する1つまたは複数のセンサを含み、ウォッチドッグは、これらのセンサの出力が事前設定された限度から外れたときにアラーム信号を生成し得る。例えば、コントローラモジュール212は、コントローラモジュール212のプロセッサまたはメモリなど、コントローラモジュール212の部分の温度に基づいて、温度測定値を生成するように動作可能な1つまたは複数の温度センサを含み得る。ウォッチドッグは次いで、温度測定値と1つまたは複数の事前設定された温度限度の比較に基づいてアラーム信号を生成して、部分が過熱していることを示すように動作可能であってよい。さらにまたは代わりに、プロセッサまたはメモリに能動的な冷却をもたらすファンの動作を監視するために、異なるタイプのセンサ(例えば、電圧センサまたは電流センサ)が設けられ得、その結果、ウォッチドッグは、ファンが誤動作した(例えば、それが電圧または電流を使用していない)ことをセンサが示す場合に、アラーム信号を生成する。さらにまたは代わりに、センサは、コントローラモジュール212のDC電源の電圧レベルを監視し得、ウォッチドッグは、電圧レベルが動作の所定の許容範囲から外れた場合にアラーム信号を生成し得る。コントローラモジュール212は、コントローラモジュールの異なる要素の動作を監視する異なるタイプのセンサを包含することができ、ウォッチドッグが、これらのセンサの出力を監視し、これらの出力のいずれか1つが事前設定された限度から外れた場合にアラーム信号を生成し得ることが理解されよう。加えて、コントローラモジュール212は、他のモジュールの動作を監視するセンサを包含し得、ウォッチドッグは、これらのセンサの出力を監視し、これらの出力のいずれか1つが事前設定された限度から外れた場合にアラーム信号を生成し得る。
【0067】
コントローラモジュール212は、いくつかの異なる方法でアラーム信号に対処し得る。例えば、コントローラモジュール212は、ウォッチドッグに、無線通信インタフェースを介してリモートコンピューティングデバイス210にアラーム信号を送信させ得る。このようにして、リモートコンピューティングデバイス210は、障害が発生したときの記録またはログを保持することができる。また、ウォッチドッグは、アラーム信号に、アラーム信号が関連する障害のタイプへの参照を含め得、その結果、リモートコンピューティングデバイス210は、ログにこの情報を含むことができる。また、リモートコンピューティングデバイス210は、アラーム信号に基づいて、カプセルの応答を外部で制御し得る。例えば、リモートコンピューティングデバイス210は、例えば、安全な方法で電気外科カプセル116を停止するように、アラーム信号に基づいて、コントローラモジュール212に特定の制御コマンドを送信し得る。このようにして、リモートコンピューティングデバイス210は、アラーム信号に基づいて、電気外科カプセル116の応答を外部で制御し得る。さらにまたは代わりに、コントローラモジュール212は、それ自体アラーム信号に基づいて制御コマンドを生成し得る。このようにして、コントローラモジュール212は、アラーム信号に基づいて電気外科カプセル116の応答を内部で制御し得る。この内部制御機構は、上述の通信の損失障害に対して特に適切である場合がある。他方、外部制御機構は、上述の過熱障害に対して特に適切である場合がある。したがって、一部障害が内部で対処されるのに対し、一部の他の障害が外部で対処されるハイブリッドモデルを採用し得る。
【0068】
一実施形態では、コントローラモジュール212はプロセッサを含む場合、ウォッチドッグは独立したプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を含み、その結果、ウォッチドッグは、プロセッサが正確に機能していることを確認することができる。すなわち、プロセッサが誤動作すると(例えば、電圧または電流を使用していない)、アラーム信号を発生することができる。代わりに、ウォッチドッグは、コントローラモジュール212のプロセッサによって実行されるソフトウェアに実装され得る。すなわち、別個のハードウェアプロセッサが含まれない場合がある。
【0069】
したがって、要約すれば、コントローラモジュール212は、リモートコンピューティングデバイス210からデータを受信し、この受信したデータに基づいて信号発生器モジュール214に制御コマンドを提供する。
【0070】
カプセル116は、例えば器具ホルダーを介して受け取られたロボット支援手術システムからの給電によって電力の供給を受け得る。例えば、入力コネクタ206は、給電を受けるように構成された電力結合ユニットを含み得る。給電は、例えば関節式アームを操作するために使用されるDC電源から引き出される、器具ホルダー内からのDC電源であってよい。
【0071】
入力コネクタ206で受け取られるDC電源は、本明細書に説明されるモジュールの任意の1つまたは複数に電力を供給するために使用され得る。代わりにまたはさらに、カプセル115は、ハウジング200内に入れられた電池213を含み得る。電池213は、例えば、入力コネクタ206を通して受けられる給電を補足するか、またはそれにバックアップを提供するために、自給式電源を提供し得る。
【0072】
信号発生器モジュール214は、制御コマンドを受信するように、コントローラモジュール212と通信している。例えば、信号発生器モジュール214は、有線接続またはケーブルを介してコントローラモジュール212に結合され得る。使用中、信号発生器モジュール214は、EM信号を形成するよう、制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御するように動作可能である。信号発生器モジュールは、生物組織の治療のためにEMエネルギーを送達できる任意のデバイスであってよい。
【0073】
例えば、信号発生器モジュール214は、例えば、100~500KHzまたは300~400MHzの周波数を有する、RF EM放射を生成及び制御できるRF信号発生器モジュールであってよい。さらに、RF信号発生器モジュールは、双極RF信号発生器または単極RF信号発生器を含み得る。
【0074】
代わりにまたはさらに、信号発生器モジュール214は、例えば、433MHz、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、14.5GHz、24GHz、または30~31GHzを有する、マイクロ波EM放射を生成及び制御できるマイクロ波信号発生器モジュールであってよい。
【0075】
代わりに、信号発生器モジュール214は、例えば、30~300kHzなど、低周波数を有するEM放射を生成及び制御できるエレクトロポレーション信号発生器モジュールであってよい。
【0076】
信号発生器モジュール214は、制御コマンドに基づいてEM放射を生成する。したがって、例示的な制御コマンドは、その動作周波数、すなわち、433MHzのマイクロ波信号発生器モジュールの場合には433MHzでEM放射を生成するように、信号発生器モジュール214がオンになるための命令を含んでもよい。また、制御コマンドは、EM放射の生成を停止するように、信号発生器モジュール214がオフになるための命令を含んでもよい。さらにまたは代わりに、制御コマンドは、例えば、信号発生器モジュールがEMエネルギー、または生成されたEMエネルギーの電力(もしくは、振幅)を生成するべき持続期間など、EM放射の他のパラメータを指定する他のコマンドを含むであろう。
【0077】
一実施形態では、信号発生器モジュール214は、EM放射からパルス化EM放射を生成する制御コマンドに基づいてコントローラモジュール212によって制御可能であるパルス発生器を含む。したがって、信号発生器モジュール214は、エレクトロポレーション信号発生器モジュールであってよい。例えば、信号発生器モジュール214によって生成及び制御されるEM放射は、給電構造モジュール216によって受信されるEM信号を形成するパルス化EM放射を生成するように、パルス発生器によって作用される。このようにして、信号発生器モジュール214は、パルス化EM信号を提供するように修正される。コントローラモジュール212は、制御コマンドを介してパルス発生器を制御し得、信号発生器モジュール214が、それぞれパルス化されるまたは連続するEM信号を生成するように、単に「オン」または「オフ」にする。代わりに、制御コマンドは、デューティーサイクル、パルス幅(例えば、0.5ns~300ns)、立ち上がり時間(例えば、ピコ秒もしくはナノ秒)、または振幅(例えば、最大で10kV)などの1つまたは複数のパルスパラメータを指定してもよい。さらに、制御コマンドは、単一のパルス、パルス列(例えば、パルスの数もしくは持続期間)、またはパルスのバースト(例えば、バースト持続期間、バーストにおけるパルスの数、バーストの間の期間)を送達するようにパルス発生器に指示し得る。
【0078】
一実施形態では、信号発生器モジュール214は、信号発生器モジュール214の異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定値を送信する1つまたは複数のセンサを含む。上述のように、コントローラモジュール212は(ウォッチドッグを介して)次いで、これらの測定値を許容限度と比較し、これらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成することができる。例えば、信号発生器モジュール214は、信号発生器モジュール(例えば、発振器または増幅器)の部分の温度に基づいて、温度測定を生成するように動作可能な温度センサを含み得る。ウォッチドッグは次いで、温度測定値と1つまたは複数の事前設定された温度限度との比較に基づいて、アラーム信号を生成する。
【0079】
信号発生器モジュール214は、入力コネクタ206から受信した信号及び/または内蔵電池213によって電力を供給され得る。信号は、カプセルが取り付けられるロボットアームのDC電源である場合がある。DC信号は、図5図8を参照して以下に説明されるようにマイクロ波信号の電力を増加させるための増幅ユニットに電力を供給するために使用され得る。電気外科カプセル116の電源が、自給式であるか、またはロボットアームですでに利用可能な電力を利用するかのどちらかであることが望ましい。この構成により、別の給電の必要性がなくなる。
【0080】
要約すれば、信号発生器ジュール214は、EM信号を形成する制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御する。EM放射の周波数は、信号発生器のタイプに依存する。給電構造モジュール216は、信号発生器モジュール214からEM信号を受信する。
【0081】
給電構造モジュール216は、EM信号を受信するように信号発生器モジュール214と通信する。給電構造モジュール216は、ロボットアームを介してEM信号を手術器具に結合するように構成されたエネルギー送達構造を提供する。給電構造モジュール216は、信号発生器モジュール214から給電構造モジュール216の出力ポートにEM信号を伝達する信号チャネルを含む。出力ポートは、出力コネクタ208にEM信号を出力するためであり、したがって、出力ポートは、協調するコネクタを介して手術器具114内の給電構造に接続し得る。給電構造モジュール216は、信号チャネルを含むケーブルアセンブリを介して、信号発生器モジュール214に結合され得る。また、ケーブルアセンブリは、出力ポートにおいて終端し得る。したがって、一実施形態では、給電構造モジュール216は、信号発生器モジュール214を出力コネクタ208に接続するケーブルアセンブリであってよい。
【0082】
任意選択のモジュール218、220、及び222がここで詳細に説明される。
信号検出器モジュール218は、給電構造モジュール216の信号チャネルに関する信号特性をサンプリングし、信号特性を示す検出信号を生成するように構成される。例えば、信号発生器モジュール214は、RF信号発生器モジュールであってもよく、信号特性は、信号チャネル上に存在する電圧または電流であってもよい。代わりに、信号発生器214は、マイクロ波信号発生器モジュールであってよく、信号特性は、信号チャネル上に存在する順方向電力または反射電力であってよい。一実施形態では、信号発生器モジュール214は、信号検出の目的のために低電力EM信号を送達するように構成され得、この低電力信号は、それが手術器具114の遠位端で生物組織を測定する目的で生成されるため、測定信号と呼ばれる場合がある。代わりに、後述される追加信号発生器モジュール222は、測定信号を提供するように構成され得る。信号検出器モジュール218は、信号チャネルを測定し、したがって、信号発生器モジュール214によって放出された信号と、例えば手術器具の遠位端の近くの治療部位において生物組織によって給電構造モジュール216に再度反射された信号の両方を測定することが理解されよう。したがって、測定された信号特性は、生物組織を示し、したがって検出信号は、組織特性とともに変化する。このようにして、検出信号は、組織特性(例えば、組織タイプ)を判定するために使用されてもよい。
【0083】
一実施形態では、コントローラモジュール212は、検出信号を受信するように信号検出器モジュール218と通信している。例えば、コントローラモジュール218は、有線接続またはケーブルを介して信号検出モジュール218に接続され得る。また、コントローラモジュール212は、検出信号に基づいて信号発生器モジュール212に対して制御コマンドを生成するように動作可能である。検出信号は、(例えば、コントローラモジュール212またはリモートコンピューティングデバイス210によって)治療部位における組織の特性を判定するために使用され得、例えば、検出信号は、組織が健康であること、または癌性であることを示し得ることが理解されよう。
【0084】
使用中、信号検出器モジュール218は、電気外科カプセル116が、手術器具114によって治療されている生物組織に動的に応答するための機構を提供し得る。例えば、信号発生器モジュール214は、マイクロ波信号発生器モジュールであってよく、測定された信号特性は、給電構造モジュール216のマイクロ波信号チャネルでサンプリングされた順方向電力及び反射電力を含み得る。順方向電力及び反射電力に基づいて、信号チャネルで測定された反射減衰量は、-6dBと-10dBの間であってよい。この反射減衰量は、出血を示す場合がある。コントローラモジュール212(またはリモートコンピューティングデバイス210)は、この反射減衰量を判定し、さらにそれが出血を示すと判定し得、次いで、マイクロ波信号発生器モジュールが、出血が止まるまで適切な(例えば、増大した)電力レベル及び/またはデューティーサイクルでEM信号を送達する制御コマンドを生成し得る。出血が止まることは、反射電力から測定された反射減衰量の変化によって示される場合がある。代替的な実施形態では、信号発生器モジュール214は、RF信号発生器モジュールであってもよく、測定された信号特性は、給電構造モジュール216のRF信号チャネルでサンプリングされた電圧(または、電流)を含んでもよい。出血の開始の兆候も、測定された電圧/電流の変化によって提供される場合がある。したがって、RF信号発生器モジュールのいずれかの切断動作は、例えば、マイクロ波信号発生器モジュールによって出血に対処できるように停止され得る。
【0085】
さらにまたは代わりに、コントローラモジュール212は、無線通信インタフェースから、例えば、リモートコンピューティングデバイス210に検出信号を送信するように動作可能である。したがって、リモートコンピューティングデバイス210は、検出信号に基づいて制御コマンドを生成し、次いで実行のためにコントローラモジュール212にそれらの制御コマンドを送信するように動作可能である。リモートコンピューティングデバイス210はコントローラモジュール212よりも多くの処理電力を有し得るため、リモートコンピューティングデバイス210に制御コマンドを生成させることが有利である場合がある。代わりに、リモートコンピューティングデバイス210を介するよりむしろ、コントローラモジュール212から信号発生器モジュール214に直接的にデータを転送する方が著しく速い場合があるため、コントローラモジュール212に制御コマンドを生成させることが有利である場合がある。一実施形態では、両方のオプションとも利用可能であってよく、制御コマンドを信号発生器モジュール214で生成するのか、それともコントローラモジュール212で生成するのかの選択肢は、状況次第である。いずれの場合も、検出信号は、治療されている生物組織に基づいてシステム性能を動的に調節するために、リモートコンピューティングデバイス210及び/またはコントローラモジュール212によって使用され得る。これらの調節は、治療及び患者の安全性を改善し得る。
【0086】
一実施形態では、給電構造モジュール216は、EM信号によって送達されるエネルギーを制御するために信号チャネルに接続されたチューナをさらに含む。チューナは、検出信号に基づいて、コントローラモジュール212によって制御可能である調節可能なインピーダンス素子を含む。一実施形態では、コントローラモジュール212は、有線接続またはケーブルを介して給電構造モジュール216(及びチューナ)に接続される。
【0087】
チューナは、組織へのEM放射の効率的な転送を促進するために機能し得る。例えば、信号チャネルからの情報は、手術器具114と組織との間の動的な電力整合をもたらすために信号チャネルに対する調節可能インピーダンスの調節を判定するために使用され得る。これは、電気外科カプセル116と生物組織との間の効率的かつ制御可能なエネルギー転送を保証する。
【0088】
一実施形態では、調節可能インピーダンス素子は、調節可能リアクタンス(例えば、キャパシタンスまたはインダクタンス)であってもよい。例えば、調節可能リアクタンスは、複数のリアクタンス素子を含んでもよく、各リアクタンス素子は、固定リアクタンスを有し、コントローラモジュール212からのそれぞれの制御コマンドに従って信号チャネルとの接続に、または信号チャネルとの接続から独立して切り替え可能である。代わりに、各リアクタンス素子は、コントローラモジュール212からのそれぞれの制御コマンドに従って独立して制御可能な可変リアクタンスを有してもよい。代わりに、調節可能リアクタンスは、可変キャパシタ及び/または可変インダクタによって提供されてよく、コントローラモジュール212は、可変キャパシタまたは可変インダクタのリアクタンスを設定するための制御コマンドを生成するよう配置された自己調節フィードバックループを含む。そのような実施形態は、信号発生器モジュール214がRF信号発生器モジュールであり、信号チャネルがRF信号チャネルである場合に特に適切である場合がある。
【0089】
別の実施形態では、調節可能インピーダンス素子は、コントローラモジュール212によって制御可能である調節可能複合インピーダンスを有するインピーダンス調節装置であってよい。そのような実施形態は、信号発生器モジュール214がマイクロ波信号発生器モジュールであり、信号チャネルがマイクロ波信号チャネルである場合に特に適切である場合がある。
【0090】
一実施形態では、信号検出器モジュール218または給電構造モジュール216は、それぞれのモジュールの異なる要素の動作を監視し、測定値をコントローラモジュール212に送信する1つまたは複数のセンサを含む。上述のように、コントローラモジュール212は(ウォッチドッグを介して)次いで、これらの測定値を許容可能な事前設定限度と比較し、これらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成することができる。
【0091】
追加信号発生器モジュール222は、EM信号を形成するためにコントローラモジュール212からの制御コマンドに基づいてEM放射を生成及び制御するように動作可能であるという意味で、追加信号発生器モジュール222は信号発生器モジュール214に類似している。さらに、追加信号発生器モジュール222とともに機能するために、給電構造モジュール216は、1つまたは複数の追加信号発生器モジュール222を給電構造モジュール216の出力ポートに結合するための1つまたは複数の追加の信号チャネルを有する。これらの追加の信号チャネルは、上述の信号チャネルと同じ物理構造(例えば、ケーブル)に含まれ得る。一実施形態では、給電構造216は、信号発生器モジュール214からのEM信号を、各追加信号発生器モジュール222からのEM信号と結合するために機能し、その結果、それらはすべて出力ポートから手術器具114の遠位端に出力される。
【0092】
上述のように、信号検出器218は、給電構造モジュール216の各追加信号チャネルで信号特性を測定するように構成され得ることが理解されよう。また、上述のように、給電構造モジュール216は、EM信号によって送達されたエネルギーを制御するために各追加信号チャネルに接続されたチューナを含み得る。
【0093】
任意の数の追加信号発生器モジュール222が設けられてよい。さらに、各追加信号発生器モジュール222は、異なる周波数で信号発生器モジュール212及び他の各追加信号発生器モジュール222へのEM放射を生成し得る。
【0094】
一実施形態では、信号発生器モジュール214の信号チャネル及び各追加信号発生器モジュール222の信号チャネルは、給電構造モジュール216内に物理的に別個の信号経路を含み得る。また、給電構造モジュール216は、1つまたは複数の入力を有する信号結合回路を含み得、各入力は、物理的に別個の信号経路の異なる1つに接続される。また、信号結合回路は、単一のチャネルに沿って出力ポートに別個にまたは同時にすべてのEM信号を伝達するために共通信号経路に接続された出力を有する。別の言い方をすれば、信号結合回路は、複数のEM信号が複数の異なる信号発生器モジュールから別個の信号経路を介して到達する接点であって、すべてのEM信号が電気手術器具204への送達のために同じ信号経路を介して発出する接点を提供し得る。
【0095】
一実施形態では、信号結合回路は、共通信号経路に接続されるEM信号の1つまたは複数を選択するための切り替えデバイスを含む。切り替えデバイスは、例えば、コントローラモジュール212と給電構造モジュール216との間の有線リンクを介してコントローラモジュール212から受信された制御コマンドに基づいて制御可能であってよい。
【0096】
給電構造モジュール216への上述の修正と組みわせて追加信号発生器モジュール222a~nを設けることは、電気外科カプセル116が、生物組織を治療するために異なるタイプのEM放射を提供するように適合できることを意味する。このモジュールの性質の有利な点は、システムが異なる症状を治療するために異なる方法で組織を治療できるように、電気外科カプセル116の機能を増大することができることである。また、システムがより安価またはより小型(例えば、よりポータブル)となるように、電気外科カプセル116の機能を縮小することができる。
【0097】
一実施形態では、各追加信号発生器モジュール222は、追加信号発生器モジュール222の異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定値を送信する1つまたは複数のセンサを含む。上述のように、コントローラモジュール212は(ウォッチドッグを介して)次いで、これらの測定値を許容可能な事前設定された限度と比較し、これらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成することができる。
【0098】
流体供給モジュール220は、流体を手術器具114に出力するために流体ポートと流体連通している流体供給構造228を含む。この例では、流体供給構造228は、流体を出力コネクタ208に送達し、そこで流体は器具ホルダー112内の適切な結合を介して手術器具に伝達され得る。エネルギー送達構造及び流体供給は、共通供給構造内で結合され得る。例えば、器具ホルダー112内の伝送線路134は、流体とEMエネルギーの両方ともを手術器具114に送達するための結合された流体及びエネルギー供給として構成され得る。次に、手術器具114は、流体を遠位器具先端136に移送する流体供給を含み得る。
【0099】
流体供給源224(例えば、加圧ガスキャニスターなど)は、電気外科手術カプセル116の外面に取り付けられ得る。流体供給モジュール220は、供給導管226によって流体供給源224に接続され得る。
【0100】
流体供給モジュール220は、流体供給構造228を介した出力コネクタ208への流体(例えば、ガスまたは液体)の流れを供給及び制御するよう制御コマンドに基づいてコントローラモジュール212によって制御可能である。例えば、流体供給モジュール220は、有線接続またはケーブルによってコントローラモジュール212に接続され得る。流体供給モジュール220の目的は、遠位器具先端136に流体を提供することであってよい。例えば、流体は、生物組織の治療のためにプラズマを生成するための手術器具114に提供されるガスであってよい。例えば、自然な開口部の内部に存在するか、または体内に導入される異物、すなわち、金属の挿入によって生じるバクテリアを死滅させるためになど、組織を滅菌するために非熱プラズマが使用され得る。また、例えば、組織の表面上の潰瘍の治療のために、組織を切断するか、または表面凝固を行うために熱プラズマが使用され得る。手術器具114は、(信号発生器モジュール212及び1つまたは複数の追加信号発生器モジュール222からの)RFエネルギーまたはマイクロ波エネルギーのどちらかまたは両方を有するガスを(流体供給モジュール220から)受け取り得、熱プラズマまたは非熱プラズマのどちらかを放出するために、これらの構成要素を使用し得る。例えば、非熱プラズマの場合、(RF信号発生器モジュールとしての機能を果たす)信号発生器モジュール212は、ガスを使用してプラズマを開始するために高圧状態のRFパルス(例えば、1msの間に400Vピーク)を生成し得、これに続いて、(マイクロ波信号発生器モジュールとしての機能を果たす)追加信号発生器モジュールが、デューティーサイクルが10%及び振幅が30Wのマイクロ波パルスを10msの持続期間生成し得る。他方、熱プラズマの場合、デューティーサイクルは60%に増加され得、振幅は60Wに増加され得る。一般的な意味では、ガスの流れが存在するときには、RF EM放射は伝導ガスプラズマに衝突するように制御可能であり、マイクロ波EM放射は、ガスプラズマを持続するために配置される。一実施形態では、遠位器具先端136は、その2つの導体間で伝導ガスに衝突する双極プローブを含む。例えば、参照によって本明細書に組み込まれるWO2012/076844に鑑みると、当業者にとって既知であるように、マイクロ波エネルギー及びRFエネルギーの組み合わせを供給することが可能であることにより、遠位器具先端136で生成される熱プラズマまたは非熱プラズマに対する高レベルの制御が可能になる。
【0101】
一実施形態では、流体供給モジュール220は、遠位器具先端136に液体(例えば、生理食塩水)を提供し得る。1つの実施形態では、流体(生理食塩水など)の注入は、治療部位において生物組織を膨張させるために使用される。これは、腸の壁もしくは食道の壁を治療するか、または腫瘍もしくは他の異常が非常に近接して位置するときに門脈もしくは膵管を保護し、これらの構造を保護して、流体のクッションを生成するために器具が使用される場合に特に有用である場合がある。このようにして組織を膨張させることは、腸穿孔のリスク、食道の壁への損傷もしくは膵管からの漏れ、または門脈への損傷などを減少させることに役立ち得る。この態様は、異常(腫瘍、増殖、しこりなど)が敏感な生物学的構造に近い場合に、他の症状を治療することを可能にし得る。
【0102】
また、流体供給モジュール220は、手術器具114から流体を受け取るように構成され得る。例えば、遠位器具先端136において治療部位に存在する流体は、例えば、流体供給構造と流体連通しているポンプまたは他の吸引デバイスによって、器具流体供給を通じて流体供給モジュール220に吸引され得る。
【0103】
一実施形態では、流体供給モジュール220は、流体供給構造内の流体の流れの温度を変化させる制御コマンドに基づいてコントローラモジュール212によって制御可能な温度制御素子を含む。このようにして、流体は、遠位器具先端136に送達される前に、加熱または冷却され得る。温度制御素子は、加熱のみまたは冷却のみを提供し得る。温度制御素子は、流体を加熱するための加熱装置を含んでもよい。また、温度制御素子は、流体を冷却するための冷却装置を含んでもよい。
【0104】
一実施形態では、信号発生器モジュール212(または、追加信号発生器モジュール222)及び流体供給モジュール220は、冷凍アブレーション機能を提供するためにともに使用され得る。例えば、信号発生器モジュール212は、マイクロ波信号発生器モジュールであってよく、流体供給モジュール220は、手術器具114に組織凍結流体を供給するように構成され得る。したがって、電気外科手術カプセル116は、遠位器具先端136の周りの領域で生物組織を凍結し、凍結した組織にマイクロ波エネルギーを印加することができる。凍結した組織内の水分子は、凍結していない組織と比較して、振動自由度及び回転自由度が減少しているので、凍結した組織を通じてマイクロ波エネルギーが伝送されるとき、誘電加熱に対して失われるエネルギーはより小さくなる。よって、遠位端部分の周りの領域を凍結することによって、遠位端部分から放射されたマイクロ波エネルギーを、凍結された領域を通して低損失で、凍結された領域を囲む組織に伝送することができる。これは、従来のマイクロ波アブレーション器具(例えば、プローブ)と比較して、遠位端部分に送達されるマイクロ波エネルギーの量を増大させる必要なく、治療部位のサイズを増大させることを可能にする。凍結した領域を囲む組織がマイクロ波エネルギーにより切除されると、凍結した領域を、徐々に解凍することを可能にすることができ、その結果、領域は、マイクロ波エネルギーを散逸させ、切除される。本発明の装置はまた、マイクロ波エネルギー及び組織凍結の様々な組み合わせが生物組織を効率的に切除するために使用されることを可能にする。
【0105】
組織凍結流体は、低温液体またはガスであってもよく、本明細書で凍結剤と呼ばれる場合がある。用語「凍結剤」は、0℃を下回る温度を生じさせるために使用される物質を指してよい。適切な凍結剤は、液体窒素、液体二酸化炭素、及び液体亜酸化窒素を含むが、これらに限定されない。流体供給構造及び器具流体供給構造は、装置の他の部分が凍結剤によって冷却されることを防止するために、断熱材料及び/または真空ジャケットから作られた断熱層を具備し得る。これはまた、治療ゾーン内の組織だけが凍結し、凍結剤伝達管路に非常に近接する場合がある患者の他の部分が凍結剤によって影響されないことを保証することができる。
【0106】
一実施形態では、流体供給モジュール220は、流体供給モジュール220の異なる要素の動作を監視し、コントローラモジュール212に測定値を送信する、1つまたは複数のセンサを含む。上述のように、コントローラモジュール212は(ウォッチドッグを介して)次いで、これらの測定値を許容可能な事前設定された限度と比較し、これらの異なる要素のいずれか1つが障害を発展させる場合にアラーム信号を生成することができる。
【0107】
流体を伝達するための構造は、電磁信号を送達するために使用される構造と別個であってよい。ただし、いくつかの状況では、これらの構造が、例えばケーブルアセンブリなど同じ物理構造内に含まれることが望ましい場合がある。別個の器具が領域または治療中に導入されると、(例えば、流体の漏出または通気の損失に起因した)収縮が発生する場合があるので、例えば、流体を送達するために、RFエネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーを送達するのと同じ器具を使用することができることが有利である。同一の治療構造を使用して流体を導入できることにより、収縮が発生するとできるだけ早く水位が上がることを可能にする。その上、乾燥または切開を実行するとともに、流体を導入するための単一の機器の使用は、全体的な処置を実行するのに要する時間をも減少させ、患者への害を生じさせるリスクを減少させ、感染のリスクをも減少させる。より一般的には、例えば、廃棄物または除去された組織を除去して、治療するときにより良好な視認性をもたらすためになど、治療領域に水を流すために、流体の注入が使用されてもよい。これは、内視鏡的処置において特に有益である場合がある。一実施形態では、本発明の供給構造は、参照によって本明細書に組み込まれるWO2012/095653において開示された供給構造を含む。
【0108】
図4に示される電気外科手術カプセル116は、モジュール構成の1つの具体的な実施形態を示す。しかしながら、コアモジュールに対する特定の任意選択のモジュールを追加または除去することによって、電気外科手術カプセル116の機能を変更できることが理解され得る。上述のように、コアモジュールは、コントローラモジュール212、信号発生器モジュール214、及び給電構造モジュール214である。これらのコアモジュールは、生物組織を治療するためのEM信号を制御可能に生成し、電気手術器具にそのEM信号を送達するための機構を提供する。EM信号は、RFまたはマイクロ波などのいずれかのタイプの電磁信号であってもよい。さらに、追加の機能をもたらすために、異なる方法でこの主要な機能を補完することができる。例えば、組織の状態を監視して、組織の特性を判定するために、または治療(例えば、EM信号)を組織に適合できるように、信号検出器モジュール218が提供され得る。信号検出器モジュール218は、測定信号(例えば、低電力マイクロ波信号)を提供するために、信号発生器モジュール212を使用し得るが、測定信号を生成するために、別個の追加信号発生器モジュール222を使用してもよい。さらにまたは代わりに、カプセルが複数の異なる周波数を有するEM信号を送達することができるように、1つまたは複数の追加信号発生器222が提供され得る。一例では、RF EM信号とマイクロ波EM信号の両方ともカプセルによって提供され得る。別の例では、複数の異なる周波数のマイクロ波EM信号が提供されてもよい。さらに、給電構造モジュール216は、複数の異なるEM信号の1つまたは複数を手術器具114に別々にまたは同時に送達するように構成することができる。最終的に、治療部位に/治療部位から流体を送達する/受け取るために、流体供給モジュール220が提供され得る。例えば、プラズマを生成するために、RFエネルギーまたはマイクロ波エネルギーと組み合わせたガスが提供されてもよい。代わりに、冷凍アブレーションを実行するために、組織凍結流体がEMエネルギーで送達され得る。さらに、(例えば、吸入またはポンプ機能によって)治療部位から液体が抽出され得る。
【0109】
図4の電気外科手術カプセル116は、コントローラモジュール212と無線で通信するリモートコンピューティングデバイス210を含む。コントローラモジュール212は、電気外科手術カプセル116の他の各モジュールと通信し、制御コマンドを介して他の各モジュールを制御することができる。例えば、コントローラモジュール212は、信号発生器モジュール214に、EM信号を生成する制御コマンドを発行し得る。コントローラモジュール212は、給電構造モジュール216に、その調節可能インピーダンス素子を変化させることによって、信号チャネルを同調する制御コマンドを発行し得る。いずれの場合も、上述のように、コントローラモジュール212は制御コマンド自体を生成し得るが、コントローラモジュール212は、それがリモートコンピューティングデバイス210から受信する制御コマンドを単に転送するにすぎない場合がある。したがって、一実施形態では、システム200の制御は、リモートコンピューティングデバイス210に集中し、コントローラモジュール212は、制御コマンドをモジュールに転送するだけにすぎない場合があり、リモートコンピューティングデバイス210から受信されたデータを生成または処理しない場合がある。しかしながら、別の実施形態では、コントローラのモジュール212は、カプセル116の制御の少なくとも一部を実行し得、したがって、カプセル116の制御は、リモートコンピューティングデバイス210とコントローラモジュール212との間で共有され得る。このハイブリッドの構成では、カプセル116の制御は、リモートコンピューティングデバイス210になおも集中し得、コントローラモジュール212は、例えば、リモートコンピューティングデバイス210とコントローラモジュール212との間の通信が機能停止するとき、特定の状況においてのみこの制御を補完し得る。代わりに、カプセル116の制御は、コントローラモジュール212に集中し得、リモートコンピューティングデバイス210は、例えば、ユーザー入力が必要とされる特定の状況においてのみこの制御を補完し得る。したがって、要約すれば、カプセル116の全体的な制御は、リモートコンピューティングデバイス210とコントローラモジュール212のどちらかまたは両方によって制御され得る。
【0110】
上述のように、電気外科手術カプセル116は、それが取り付けられているロボットアームからの局部電池またはDC電源によって完全に電力を供給され得る。換言すれば、電気外科手術カプセルは、外部主電源への専用接続を必要としない。これは、主電源を手術器具から、そして最終的には患者から隔離するための手段を考慮する必要がなくなるので、望ましい場合がある。図5図8は、本明細書に説明される電気外科手術カプセル116での使用に適したマイクロ波信号発生モジュールのために増幅ユニットでDC信号を利用できる回路を示す。
【0111】
図5は、図4に示される構成で示されるタイプの信号発生モジュール214として使用され得るマイクロ波生成モジュールの概略図である。
【0112】
信号発生モジュール214は、DC供給線路308上で入力としてDC電力を受け取る。DC電力は、DC信号を共通伝送線路構造306に発射するために機能する信号調整ユニット316で受け取られる。例えば、24Vの電圧VDDを有するDC信号。
【0113】
信号発生モジュール214は、マイクロ波信号310を、この例では同軸伝送線路である共通伝送線路構造306に発射するように構成されたマイクロ波源314をさらに含む。マイクロ波信号発生器314は、図6を参照して以下に説明される。マイクロ波信号発生器314からのマイクロ波信号310は、DC信号がマイクロ波信号発生器314に漏れるのを防ぐためにDC隔離障壁として機能するコンデンサ312を介して同軸伝送線路に結合される。
【0114】
有利なことに、DC信号はマイクロ波信号310を搬送する同軸伝送線路の内部導体で発射される。しかしながら、他の例では、DC信号を伝達するための独立した細長い導体(例えば、ワイヤ)が提供され得る。
【0115】
伝送線路構造306は、DC信号及びマイクロ波信号310を、マイクロ波信号310を治療に適した電力レベルに増幅するように機能する増幅ユニット304に伝達する。増幅されたマイクロ波信号318は、増幅ユニット304によって出力され、コンデンサ319を介して給電構造モジュール216に結合され、給電構造モジュール216から手術器具114に送達される。コンデンサ319は、DC信号が器具に達するのを防ぐために給電構造モジュール216と増幅ユニット304との間でDC障壁として動作する。
【0116】
増幅ユニット304は、例えばパワーMOSFETなどの電力増幅器320を含む。電力増幅器320は、同軸伝送線路から出力されたマイクロ波信号322を入力として受信する。電力増幅器320への入力は、コンデンサ324により、DC信号から保護されている。
【0117】
増幅ユニット304は、マイクロ波信号からDC電力を分離し、それを電力増幅器320にわたって印加するように配置されている。増幅ユニット304は、DC信号(VDD)が印加される電圧レール326を含み得る。マイクロ波信号322は、以下により詳細に説明されるように、1対の4分の1波長スタブを含み得るフィルタリング配列328によって、電圧レール326から遮断され得る。同様に、マイクロ波エネルギーが電力増幅器320から電圧レール326上に漏れ出すのを防ぐために、電圧レール326と電力増幅器320との間の接続部に、フィルタリング配列330を配置し得る。
【0118】
増幅ユニット304は、電力増幅器320のゲートに印加されるバイアス電圧VGGをDC信号から引き出すように動作するゲート電圧抽出モジュール332をさらに含む。ゲート電圧抽出モジュール332は、DC信号電圧を電力増幅器320に適したレベルにダウンコンバートする、DC-DCコンバータを含み得る。
【0119】
遠位増幅部304は、電力増幅器320へのゲート電圧の印加を制御するためのゲート制御モジュール334をさらに含み得る。以下に、より詳細に説明されるように、ゲート制御モジュール334は、電力増幅器320のオン(導通)状態とオフ(非導通)状態とにそれぞれ対応する2つのバイアス電圧状態を切り替えるように動作し得る。ゲート制御モジュール334は、増幅プロセスの円滑な初期化を確保するために、電力増幅器320にわたる(すなわち、そのドレイン電圧としての)DC信号の印加と、電力増幅器320をオンにするためのバイアス電圧の印加との間に、時間遅延を導入するように動作し得る。
【0120】
マイクロ波エネルギーが電力増幅器320からゲート制御モジュール334に漏れるのを防ぐために、ゲート制御モジュール334と電力増幅器320のゲートとの間の接続部に、フィルタリング配列336が配置され得る。
【0121】
ゲート電圧抽出モジュール332及びゲート制御モジュール334の詳細な構造については、図7を参照して以下に説明される。
【0122】
使用時にマイクロ波発生モジュールは、このようにして、低電力のマイクロ波信号の治療に適した電力レベルへの増幅を実行する。増幅した電力レベルは、例えば10W以上など、マイクロ波源314から出力される電力レベルよりも1桁以上高くなる場合がある。
【0123】
図6は、同軸伝送線路370の近位端にマイクロ波信号及びDC信号を発射するように構成された、信号調整ユニット316及びマイクロ波源314のさらなる詳細を示す概略図である。図5と共通する特徴には同じ参照番号を付け、改めて説明しない。同軸伝送線路370は、誘電材料374によって外部導体376から分離された内部導体372を含む。同軸伝送線路370は、例えば、Huber+Suhnerによって製造されたSucoformケーブルであってよい。
【0124】
図6は、マイクロ波信号発生器314の構成要素を示す。この例では、マイクロ波信号発生器314は、電気外科手術カプセルのコントローラモジュール212によって制御され得る可変減衰器380が後に続くマイクロ波周波数源378を有する。可変減衰器380の出力は、例えばパルス化波形をマイクロ波信号に印加するためにコントローラモジュール212によって制御され得る信号変調器382に入力される。信号変調器382からの出力は、増幅ユニット304への入力のために所望の電力レベルでマイクロ波信号を生成するために駆動増幅器384に入力される。マイクロ波信号は、コンデンサ312を介して同軸伝送線路370に結合される。
【0125】
DC信号用の信号調整ユニット316は、DC信号が受信される入力コネクタへのマイクロ波信号の逆伝送を防ぐためにローパスフィルタ390が設けられるマイクロストリップ伝送線路388のセクションを含む。ローパスフィルタ390は、マイクロストリップ伝送線路388上に1対の4分の1波長スタブ392、394を含む。第1のスタブ392は、同軸伝送線路370の内部導体372への接続点396から半波長(すなわち
【0126】
【数1】
【0127】
)の距離に設置されている。ただし、λは、マイクロ波伝送線路388上のマイクロ波信号の波長であり、nは、1以上の整数である。これにより、第1の4分の1波長(すなわち
【0128】
【数2】
【0129】
)スタブ392の基部が短絡状態にあり、したがって4分の1波長スタブ392の他端が開回路状態にあることが確実となる。第2の4分の1波長スタブ394は、第1のスタブから半波長(すなわち
【0130】
【数3】
【0131】
)の距離だけ間隔を空けて配置されている。信号調整ユニット316は、DC信号経路上の他の不要なAC要素を取り除くために、DC信号を伝達する伝送線路にシャント接続されたコンデンサのセット387をさらに含み得る。
【0132】
図7は、本発明の実施形態のための増幅ユニット304を示す概略回路図である。前の図面と共通する特徴には同じ参照番号を付け、改めて説明しない。
【0133】
この例では、伝送線路構造306の遠位端は、増幅ユニット304に入力を提供する。伝送線路構造306は、マイクロ波信号とDC信号の両方を伝達する上述の同軸伝送線路370を含み得る。増幅ユニット304は、フィルタを使用してDC信号からマイクロ波信号を分割する。DC信号は、マイクロ波信号の通過を防ぐために配置された1対の4分の1波長スタブ328を含むローパスフィルタを有する第1の接続線路502を介してDCレール326に進む。
【0134】
この1対のスタブ328は、マイクロストリップ伝送線路上に作製されてもよい。第1のスタブは、同軸伝送線路の内部導体への接続点から半波長(すなわち
【0135】
【数4】

【0136】
)の距離に設置されている。ただし、λは、マイクロ波伝送線路上のマイクロ波信号の波長であり、nは、1以上の整数である。これにより、第1の4分の1波長(すなわち
【0137】
【数5】
【0138】
)スタブの基部が短絡状態にあり、したがって4分の1波長スタブの他端が開回路状態にあることが確実になる。第2の4分の1波長スタブは、第1のスタブから半波長(すなわち
【0139】
【数6】
【0140】
)の距離だけ間隔を空けて配置されている。
一方、マイクロ波信号は、接続線路504沿いに電力増幅器320に進み、そこで増幅すべき入力信号となる。接続線路504は、マイクロストリップ伝送線路などであってもよい。接続線路504は、マイクロ波信号が結合されるが、DC信号を遮断するコンデンサ324を含む。したがって、コンデンサ324は、同軸伝送線路370から伝達される任意のDC成分から電力増幅器320を隔離する。
【0141】
接続線路506は、電圧レール326を電力増幅器320に接続して、電力増幅器320にわたって(すなわちドレイン電源として)DC信号の電圧を印加する。接続線路506上の電力増幅器320からマイクロ波エネルギーが漏れ出るのを防ぐために、1対の4分の1波長スタブ330がローパスフィルタとして配置されている。1対のスタブ330は、接続線路506と電力増幅器320との間の接続点に関してではあるが、スタブ328と同じようにして配置されてもよい。
【0142】
接続線路506は、DC信号経路上の他の不要なAC要素を取り除くために、DC信号を伝達する接続線路にシャント接続されたコンデンサのセット508をさらに含む。
【0143】
接続線路506は、電力増幅器320と電圧レール326との間に直列に接続されたインダクタ510をさらに含む。このインダクタンスにより、電圧レール326へのAC信号の漏れがさらに抑制される。
【0144】
上述の接続線路のそれぞれは、DC信号またはマイクロ波信号を必要に応じて伝達するための適切な伝送線路として実装し得る。例えばコンパクトな構成にまとめることができるフレキシブル基板上にあるマイクロストリップ線路が好適な例である。
【0145】
本実施形態では、増幅ユニット304は、電圧レール326から電力増幅器用のバイアス電圧VGGを抽出するように構成される。電圧レール326は、例えば24Vまたは同じような電圧など、比較的高い電圧である場合があるが、一方、電力増幅器320用のバイアス電圧は、1桁低い電圧である必要がある場合がある。バイアス電圧を得るために、遠位マイクロ波増幅モジュール304は、ゲート電圧抽出モジュール332を含む。ゲート電圧抽出モジュール332は、DC-DCコンバータとして機能し、本実施形態では、1対の並列降圧型コンバータ512、514として実装されており、これらのそれぞれが異なる電圧を出力するように構成されていて、バイアス電圧を2つの異なる状態に切り替えることができるようにする。
【0146】
各降圧型コンバータ512、514は、入力電圧を提供するために電圧レール326に接続されている。各降圧型コンバータ512、514内のキャパシタンス及びインダクタンスの値は、入力電圧を所望の出力電圧に変換するために選択される。出力電圧は、電力増幅器の動作特性に基づいて選択し得る。この例では、降圧型コンバータ512、514は、ダイオードを用いて各コンバータにおける適切な電流の流れ方向を制御することにより、負の出力電圧を生成するように構成される。このことは、出力電圧(バイアス電圧)を、電力増幅器が導通状態となるその特性の点の近くに設定できることを意味する。
【0147】
例えば、第1の降圧型コンバータ512は、電力増幅器特性の非導電部にあるバイアス電圧、例えば-6Vを出力するように構成されてもよい。第2の降圧型コンバータ514は、電力増幅器特性の導電部にあるバイアス電圧、好ましくは導電状態への遷移の直後にあるバイアス電圧、例えば-2Vを出力するように構成されてもよい。
【0148】
対の降圧型コンバータ512、514からの出力は、ゲート制御モジュール334の一部を構成するスイッチ516のそれぞれの入力極に接続されている。スイッチ516の出力は、接続線路518に接続されており、この接続線路518は、ゲート電圧抽出モジュール332から電力増幅器320のゲートにバイアス電圧を提供するために、接続線路504に接続されている。
【0149】
接続線路518上の電力増幅器320からマイクロ波エネルギーが漏れ出るのを防ぐために、1対の4分の1波長スタブ336がローパスフィルタとして配置されている。1対のスタブ336は、接続線路518と接続線路504との間の接続点に関してではあるが、スタブ328と同じようにして配置されてよい。
【0150】
接続線路518は、バイアス電圧信号経路上の他の不要なAC要素を取り除くために、バイアス電圧を伝達する接続線路518にシャント接続されたコンデンサのセット520をさらに備える。
【0151】
ゲート制御モジュール334は、電力増幅器320のゲートに必要なバイアス電圧を印加するように動作する。したがって、ゲート制御モジュール334は、電力増幅器320を選択的に作動させるために効果的に動作する。この例では、ゲート制御モジュール334は、電力増幅器320にバイアス電圧を提供するために、降圧型コンバータ512、514を選択するスイッチ516を制御するために機能する。スイッチ516は、電圧レール326へのDC信号の印加時に通電されるインダクタ522によって制御され得る。したがって、スイッチ516は、インダクタ522が通電されていないときに、デフォルト(例えばオフ)の構成を採用し得る。この構成では、スイッチ516は、非導通電圧レベル(例えば-6V)の降圧型コンバータを電力増幅器に接続する。インダクタ522が通電されると、スイッチは、作動された(例えばオン)構成を採用し、導通電圧レベル(例えば-2V)の降圧型コンバータが電力増幅器に接続される。
【0152】
本実施形態では、ゲート制御モジュール334は、電力増幅器320のための「ソフトスタート」回路524を含み、この回路は、インダクタ522に印加される電圧を滑らかに増加させることにより、スイッチの状態変化を遅延させるように作用する。本構成の利点は、電力増幅器を作動させるためのバイアス電圧が印加される前に、電力増幅器320にわたるドレイン電圧が定常状態に到達することを可能にすることである。「ソフトスタート」回路524は、RC回路528からの変化する第1の入力と、分圧器回路530からの固定入力との差に基づいて、インダクタ522への出力を生成するコンパレータ526を用いて実装される。
【0153】
図8は、マイクロ波増幅装置として構成された信号発生器モジュール214の別の例を示す概略図である。図5と共通する特徴には同じ参照番号を付け、改めて説明しない。
【0154】
図8の信号発生器モジュール214は、ゲート電圧が近位端で生成され、二次DC信号として伝送線路306を通して転送される点で、図5の信号発生器モジュールとは異なる。
【0155】
この構成で受信されたDC信号(例えば、電圧VDDを有する)は、専用の伝送線路371によって増幅ユニット304に伝達され得る。増幅ユニット304では、伝送線路371の遠位端は、上述のタイプであってよいローパスフィルタ330を通して電力増幅器320のドレインに結合される。専用伝送線路371は、ローパスフィルタを介してドレインに直接接続してもよいし、または図8に示す電圧レール326を介して接続してもよい。
【0156】
この構成では、電力増幅器のためにバイアス電圧を生成するための手段は、伝送線路306の近位端に配置され得る。例えば、ゲート電圧抽出モジュール332は、上述と同じ方法での動作のために構成され得、ゲート制御モジュール334は、伝送線路306に供給されるバイアス電圧を制御するために提供され得る。
【0157】
この例では、バイアス電圧は、ケーブルアセンブリ306内の同軸伝送線路370の内部導体を通じて遠位部分に伝達される。同軸伝送線路370はまた、マイクロ波信号発生器314からのマイクロ波信号310を伝達するために用いられる。
【0158】
いくつかの例では、DC信号の専用線路371は、同軸伝送線路370の外部導体の周りに形成され、例えば、信号3軸ケーブルを効果的に形成するために、そこから絶縁層によって分離される追加の導電層であってよい。この例では、マイクロ波信号が電圧レール326上に漏れるのを避けるために、DC信号が同軸伝送線路370から分離される点で、増幅ユニット304に低域フィルタを含めることが望ましい場合がある。
【0159】
図9は、本発明の一実施形態において関節式ロボットアームが対処できる電気手術器具114を通る概略断面図である。電気手術器具114は、上述の方法で関節式ロボットアームを介して電気外科手術カプセル116に接続可能であり得る。電気手術器具114は、遠位アセンブリにある、または遠位アセンブリの近くの治療部位に位置する生物組織を治療するために、遠位器具先端(または遠位アセンブリ)136からEM放射を送達するように配置または構成される。電気手術器具114は、使用中、生物組織の治療のためにEMエネルギー(例えば、RFエネルギー、マイクロ波エネルギー)を使用するように配置された任意のデバイスであってよい。電気手術器具114は、摘出、凝固、及びアブレーションのいずれかまたはすべてにEMエネルギーを使用し得る。例えば、器具114は、摘出デバイス、1対のマイクロ波鉗子、またはマイクロ波エネルギーを放射する、及び/またはRFエネルギーを結合するスネア、及びアルゴンビーム凝固剤であってよい。
【0160】
電気手術器具114は、遠位端138にEM放射(例えば、EM信号)を伝達するための器具給電構造140を含む。この例では、給電構造140は、外部導体146から分離された内部導体142から形成された同軸伝送線である。内部導体142は、流体を送達するための通路148を画定するために中空である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット支援手術システム(100)であって、
電気外科用発電機ユニット(116)と、
電気手術器具(114)と、
ロボット手術道具(102)であって、
関節式アーム(110)と、
器具ホルダー(112)であって、
前記関節式アームに取り付け可能であり、前記関節式アームによって操作可能である近位部分(113)であって、前記関節式アームを通して伝達される電力入力(124)を受け取るように構成された前記近位部分と、
前記電気手術器具を保持するように構成された遠位部分(117)と、
前記電気外科用発電機ユニットを受け入れるように構成された中間部分(115)と
を有する本体を備える前記器具ホルダー(112)と
を備える、前記ロボット手術道具と
を備え、
前記電気外科用発電機ユニットが、前記器具ホルダーに脱着可能に取り付け可能であり、
ハウジング(200)と、
前記器具ホルダーを介して給電を受けるように構成された電力結合ユニットを有する入力コネクタ(206)と、
前記ハウジング内に入れられた信号発生器(214)であって、電気外科信号を生成するように構成された信号発生器と、
前記電気外科信号を前記中間部分の出力ポート(132)に結合するように構成されたエネルギー送達構造(216)であって、前記中間部分から前記電気外科信号が、前記器具ホルダー内に配置された伝送線路(134)を介して前記電気手術器具に送達可能である、前記エネルギー送達構造(216)と
を備える、
前記ロボット支援手術システム。
【請求項2】
前記中間部分(115)が凹部を備え、前記ハウジング(200)が前記凹部(126)に脱着可能に取り付け可能である、請求項1に記載のロボット支援手術システム。
【請求項3】
前記中間部分(115)が複数の凹部を備え、各凹部が、それぞれの電気外科用発電機ユニットを受け入れるように構成され、前記中間部分が、前記電気外科用発電機ユニットからの1つまたは複数の電気外科信号を前記電気手術器具に結合するように構成される、請求項1に記載のロボット支援手術システム。
【請求項4】
前記電気外科用発電機ユニットが、前記ハウジング内に入れられ、前記信号発生器に動作可能に接続されるコントローラ(212)をさらに備え、前記コントローラが、制御信号を受信し、前記受信した制御信号に基づいて前記信号発生器を制御するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項5】
前記電気外科用発電機ユニットが、前記ロボット支援手術システムの制御ネットワークに通信可能に接続可能である入力部分(202)をさらに備え、前記コントローラが、前記ロボット支援手術システムの前記制御ネットワークから前記制御信号を受信するように構成される、請求項4に記載のロボット支援手術システム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記入力制御信号を無線で受信するように構成された無線通信モジュールを含む、請求項4に記載のロボット支援手術システム。
【請求項7】
前記電気外科用発電機ユニットが、流体供給源(224)と、流体を前記流体供給源から前記ロボット支援手術システムに結合するように構成された流体導管(226)とをさらに備える、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項8】
前記エネルギー送達構造(216)及び前記流体導管(226)が、共通給電構造に入れられ、前記共通給電構造が、誘電材料で外部導体から分離された内部導体を有する同軸伝送線路を備え、前記流体導管が、前記内部導体内に形成された通路を備える、請求項7に記載のロボット支援手術システム。
【請求項9】
前記電気外科用発電機ユニットが、前記ハウジング内に入れられ、前記エネルギー送達構造に接続された信号検出器(218)をさらに備え、前記信号検出器が、前記エネルギー送達構造で信号特性をサンプリングし、前記信号特性を示す検出信号を生成するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項10】
前記給電がDC信号であり、前記信号発生器が、前記DC信号を使用して前記電気外科信号を生成するように構成される、請求項1に記載のロボット支援手術システム。
【請求項11】
前記電気外科用発電機ユニットが、前記ハウジング内に入れられた電池(213)をさらに備え、前記電池が前記電気外科用発電機ユニットの内部電源として構成される、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項12】
前記信号発生器が、マイクロ波源(314)と、前記マイクロ波源に結合された増幅ユニット(304)とを備え、前記電気外科信号がマイクロ波信号(318)を含む、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項13】
前記信号発生器が、無線周波数(RF)信号発生器を備え、前記電気外科信号がRF信号を含む、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項14】
前記電気手術器具が、近位エネルギー伝達構造及び遠位先端を有する細長いプローブを備え、前記器具ホルダーが、前記遠位先端への送達のために前記電気外科信号を前記近位エネルギー伝達構造に結合するように構成される、いずれかの先行請求項に記載のロボット支援手術システム。
【請求項15】
制御ネットワークを介して前記関節式アームに接続された制御コンソールをさらに備え、前記制御コンソールが、前記制御ネットワークを介して送信された制御信号を使用して前記電気外科用発電機ユニットを制御するように構成される、請求項14に記載のロボット支援システム。
【国際調査報告】