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特表2023-540523バイメタルSSZ-91触媒を使用する基油製造のプロセス及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】バイメタルSSZ-91触媒を使用する基油製造のプロセス及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C10G 45/64 20060101AFI20230915BHJP
   B01J 29/70 20060101ALI20230915BHJP
   B01J 29/74 20060101ALI20230915BHJP
   B01J 29/76 20060101ALI20230915BHJP
   B01J 29/78 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
C10G45/64
B01J29/70 M
B01J29/74 M
B01J29/76 M
B01J29/78 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514833
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021048992
(87)【国際公開番号】W WO2022051576
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】63/074,212
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、イホア
(72)【発明者】
【氏名】オジョ、アデオラ フローレンス
(72)【発明者】
【氏名】レイ、グワン - ダオ
【テーマコード(参考)】
4G169
4H129
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA03A
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BC20A
4G169BC22A
4G169BC22B
4G169BC61A
4G169BC64A
4G169BC64B
4G169BC65A
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169BC69A
4G169BC70A
4G169BC70B
4G169BC72A
4G169BC72B
4G169BC74A
4G169BC74B
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CC04
4G169CC14
4G169FC08
4G169ZA16A
4G169ZA32A
4G169ZA32B
4G169ZB03
4G169ZC04
4G169ZF02A
4G169ZF02B
4G169ZF05A
4G169ZF05B
4G169ZF07A
4H129AA02
4H129CA01
4H129CA07
4H129CA08
4H129CA09
4H129CA13
4H129CA15
4H129CA29
4H129DA21
4H129KC03X
4H129KC10X
4H129KC16X
4H129KC17X
4H129KD17X
4H129KD17Y
4H129KD18X
4H129KD20X
4H129KD21X
4H129KD21Y
4H129KD23X
4H129KD24X
4H129KD24Y
4H129KD25X
4H129KD25Y
4H129KD26X
4H129KD26Y
4H129KD31X
4H129KD31Y
4H129NA15
4H129NA32
4H129NA35
(57)【要約】
基油生成物を製造し、基油の芳香族含有量を低減すると同時に、良好な生成物収率を提供するための改良されたプロセス及び触媒システム。このプロセス及び触媒システムは、一般に、バイメタルSSZ-91触媒を炭化水素原料と接触させて脱ろう基油生成物を提供することによるバイメタルSSZ-91触媒の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基油を含む脱ろう生成物を製造するのに有用な水素異性化プロセスであって、
水素異性化条件下で炭化水素フィードを水素異性化触媒と接触させて生成物を生成すること、を含み;
ここで、前記水素異性化触媒が、SSZ-91分子篩と、周期表の第7~10族及び第14族金属から選択される少なくとも2つの異なる改質金属とを含む、前記水素異性化プロセス。
【請求項2】
前記触媒が、第1の第10族金属と、周期表の第7~10族及び第14族金属から選択される第2の金属とを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の第10族金属がPtを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第7~10族及び第14族金属が、Pt、Pd、Ni、Re、Ru、Ir、及びSnから選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第2の第7~10族及び第14族金属が、Pd、Ni、Re、Ru、Ir、及びSnから選択される、請求項2~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセスであって、前記篩がZSM-48型ゼオライト材料を含み、前記分子篩が、
全ZSM-48タイプ材料の少なくとも70%のポリタイプ6と;
0と3.5との間の重量パーセントの量のEUO型相と;
1と8との間の平均アスペクト比を有する微結晶を含む多結晶凝集形態と、を有する、前記プロセス。
【請求項7】
前記改質金属の含有量が、0.01~5.0重量%、または0.01~2.0重量%、または0.1~2.0重量%(全触媒重量基準)である、請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記触媒が、前記改質金属の1つとしてPtを、第7族~10族及び第14族から選択される前記第2の金属の0.01~1.0重量%及び0.01~1.5重量%の量で、好ましくは0.3~0.8重量%のPt及び0.05~0.5重量%の第2の金属を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の第10族金属と、第7~10族及び第14族から選択される前記第2の金属との比が、5:1~1:5、または3:1~1:3、または1:1~1:2、または5:1~2:1、または5:1~3:1、または1:1~1:3、または1:1~1:4の範囲である、請求項2~8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記触媒が、第10族金属として0.01~1.0重量%または0.3~0.8重量%の量のPtと、7~10族及び14族金属として0.01~1.5重量%、または0.05~0.5重量%の量の、Pd、Ni、Re、Ru、Ir、及びSnから選択される第2の金属とを、含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記篩の酸化ケイ素対酸化アルミニウムのモル比が、40~220、または50~220、または40~200の範囲である、請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセスであって、前記篩が:
全ZSM-48タイプ材料の少なくとも80%または90%のポリタイプ6;
0.1~2重量%のEU-1;
1と5との間、または1と3との間の平均アスペクト比を有する微結晶;
またはこれらを組み合わせ、のうちの1つ以上を含む、前記プロセス。
【請求項13】
前記触媒が、アルミナ、非晶質シリカ-アルミナ(ASA)、またはそれらの組み合わせから選択されるマトリックス材料をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記触媒が、前記改質金属0.01~5.0重量%、前記マトリックス材料1~99重量%、及び前記SSZ-91分子篩0.1~99重量%を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記炭化水素フィードが、軽油;真空軽油;長い残留物;真空残留物;常圧蒸留物;重質油;油;ワックス及びパラフィン;使用済み油;脱アスファルト残渣または原油;熱または触媒変換プロセスから生じるチャージ;シェールオイル;循環油;動物及び植物由来の脂肪、油及びワックス;石油及びスラックワックス;またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記触媒が、前記改質金属0.01~5.0重量%、前記マトリックス材料1~99重量%、及び前記SSZ-91分子篩0.1~99重量%を含む、請求項1に記載のプロセスにおける使用のための水素異性化触媒。
【請求項17】
芳香族含有量が減少した基油生成物を製造するプロセスであって、炭化水素フィードを請求項1に記載の方法に供することを含む、前記プロセス。
【請求項18】
前記炭化水素フィードが中性重質基油であり、前記触媒がPt/Pd及びPt/Reから選択される改質金属の組み合わせを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
芳香族転化率が、同じプロセスで、前記改質金属としてPtのみを含むSSZ-91触媒を使用した場合と比較して、少なくとも約1.5重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%、または6.0重量%増大する、請求項18に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月3日に出願された米国仮特許出願第63/074,212号の優先権の恩典を主張し、その開示内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
バイメタルSSZ-91触媒を使用して、炭化水素原料から基油を製造するためのプロセス及びシステム。
【背景技術】
【0003】
炭化水素原料から基油を製造するための水素異性化接触脱ろう法は、水素の存在下で脱ろう触媒システムを含む反応器にフィードを導入することを含む。反応器内で、フィードは、水素異性化脱ろう条件下で水素異性化触媒と接触して、異性化ストリームを提供する。水素異性化は、芳香族及び残留窒素及び硫黄を除去し、ノルマル(直鎖)パラフィンを異性化してコールドフロー特性を改善する。異性化ストリームは、基油生成物から微量の芳香族、オレフィンを除去し、色を改善するなどために、第2の反応器内で水素化仕上げ触媒とさらに接触されてもよい。水素化仕上げユニットは、アルミナ担体及び貴金属、典型的にはパラジウム、またはパラジウムと組み合わせた白金を含む水素化仕上げ触媒を含んでもよい。
【0004】
典型的な水素異性化接触脱ろうプロセスで一般的に直面する課題としては、とりわけ、1つ以上の生成物の曇り点、流動点、粘度及び/または粘度指数限界などの関連生成物仕様を満たし、同時に生成物歩留まりが良い生成物(複数可)を提供することが挙げられる。さらに、芳香族を飽和させて芳香族含有量を減らすことにより、例えば、色及び酸化安定性のために、例えば水素仕上げ法中の生成物品質をさらに改善するためのさらなるアップグレードを使用してもよい。ただし、上流の水素処理及び水素化分解プロセスからの残留有機硫黄及び窒素の存在は、下流のプロセス及び最終的な基油生成物の品質に重大な影響を与える場合がある。したがって、ワックス分子を異性化し、芳香族を飽和種に変換するには、基油製造用のよりロバストな触媒が必要である。したがって、芳香族含有量が低減された基油生成物を製造すると同時に、良好な生成物収率を提供するためのプロセス及び触媒システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ワックス含有炭化水素原料を、一般に芳香族含有量が減少した基油を含む高品位生成物に転化するためのプロセス及び触媒システムに関する。このようなプロセスは、バイメタリックSSZ-91水素異性化脱ろう触媒を含むバイメタリック触媒システムを使用する。水素異性化プロセスは、脂肪族の分岐していないパラフィン系炭化水素(n-パラフィン)をイソパラフィン及び環状化学種に変換し、それによって基油生成物の流動点及び曇り点を原料と比較して低下させる。バイメタルSSZ-91触媒は、非バイメタル触媒を使用して生成された基油生成物と比較して芳香族含有量が減少した基油生成物を有利に提供することが見出された。
【0006】
一態様では、本発明は、適切な炭化水素フィードストリームの水素化処理により、基油、特に1つ以上の生成物グレードの基油生成物を含む脱ろう生成物を製造するのに有用な水素異性化プロセスに関する。必ずしもこれに限定されるわけではないが、本発明の目標の1つは、基油生成物中の芳香族含有量を減少させると同時に、良好な基油生成物収率を提供することである。
【0007】
このプロセスは一般に、水素異性化条件下で炭化水素フィードを水素異性化触媒と接触させて生成物または生成物ストリームを生成することを含み;ここで、水素異性化触媒は、周期表の第7~10族及び第14族から選択される少なくとも2つの異なる改質金属を含むバイメタルSSZ-91分子篩を含む。
【0008】
本発明はまた、本明細書に記載のプロセスで使用されるバイメタルSSZ-91水素異性化触媒を含む水素異性化触媒システムに関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書には、1つ以上の態様の例示的な実施形態が示されているが、開示されているプロセスは、多数の技法を用いて実施され得る。本開示は、本明細書に例示及び記載されているいずれの例示的な設計及び実施形態も含め、本明細書に例示されている例示的または具体的な実施形態、図面及び技法に限定されず、均等物の全範囲とともに、添付の請求項の範囲内で改変してよい。
【0010】
別段に示されていない限り、本開示には、下記の用語、専門用語及び定義を適用する。用語が本開示で使用されているが、本明細書で具体的に定義されていない場合には、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd ed(1997)の定義を適用してもよく、ただし、その定義が、本明細書におけるいずれかの他の開示内容もしくは適用される定義と矛盾しないか、またはその定義が適用されるいずれの請求項も不明確もしくは実施不能にしないことを条件とする。参照により本明細書に援用されるいずれかの文献によって定められているいずれかの定義または用法が、本明細書に定められている定義または用途と矛盾する限りにおいては、本明細書に定められている定義または用法が適用されると理解されたい。
【0011】
「API比重」とは、ASTM D4052-11によって決定される、水に対する石油原料または生成物の比重を指す。
【0012】
「粘度指数」(VI)とは、ASTM D2270-10(E2011)で決定される、潤滑剤の温度依存性を表す。
【0013】
「真空軽油」(VGO)とは、原油の真空蒸留の副産物であり、基油にアップグレードするために水素化処理装置または芳香族抽出に送ることができる。VGOは一般に、沸点範囲が0.101MPaで343℃(649°F)~593℃(1100°F)の炭化水素を含む。
【0014】
「処理」、「処理された」、「アップグレードする」、「アップグレーディング」及び「アップグレードされた」とは、油原料と併せて使用するときには、水素化処理が施されているか、もしくは水素化処理を施した原料、または得られた材料もしくは粗生成物であって、その原料の分子量が低下しているか、その原料の沸点範囲が縮小しているか、アスファルテンの濃度が低下しているか、炭化水素遊離基の濃度が低下しているか及び/または硫黄、窒素、酸素、ハロゲン化物及び金属のような不純物の量が減少しているものを説明するものである。
【0015】
「水素化処理(hydroprocessing)」とは、望ましくない不純物を除去し、及び/または炭素状原料を所望の生成物に転化する目的で、その炭素状原料を高めの温度及び圧力で、水素及び触媒と接触させるプロセスを指す。水素化処理プロセスの例には、水素化分解、水素処理、接触脱ろう、及び水素化仕上げが挙げられる。
【0016】
「水素化分解」とは、水素化及び脱水素に、炭化水素のクラッキング/フラグメンテーションが伴うプロセス、例えば、より重質な炭化水素をより軽質な炭化水素に転化すること、あるいは芳香族化合物及び/またはシクロパラフィン(ナフテン)を非環状分岐パラフィンに転化することを指す。
【0017】
「水素処理(hydrotreating)」とは、典型的には水素化分解と併せて、硫黄及び/または窒素含有炭化水素フィードを、硫黄及び/または窒素含有量が減少した炭化水素生成物に変換し、硫化水素及び/またはアンモニアを(それぞれ)副生成物として生成するプロセスを指す。水素の存在下で行われるそのようなプロセスまたは工程としては、炭化水素原料の成分(例えば、不純物)の水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱金属化、及び/または水素化脱芳香族化、及び/または原料中の不飽和化合物の水素化が含まれる。水素処理の種類及び反応条件に応じて、水素処理プロセスの生成物は、例えば、粘度、粘度指数、飽和分含有率、低温特性、揮発性及び減極性の改善が生じる場合がある。「ガード層」及び「ガード床」という用語は、水素処理触媒または水素処理触媒層を指すために、本明細書では同義的にかつ交換可能に使用され得る。ガード層は、炭化水素脱ろう用の触媒システムの成分であってもよく、少なくとも1つの水素異性化触媒の上流に配置されてもよい。
【0018】
「接触脱ワックス」または水素異性化とは、水素の存在下で触媒と接触させることにより、ノルマルパラフィンをより分岐した対応物に異性化するプロセスを指す。
【0019】
「水素化仕上げ、ハイドロフィニッシング」とは、微量の芳香族、オレフィン、着色体、及び溶媒を除去することにより、水素化仕上げされた生成物の酸化安定性、UV安定性、及び外観を改善することを目的としたプロセスを指す。UV安定性とは、UV光及び酸素にさらされたときの試験対象の炭化水素の安定性を指す。不安定性は、通常はホック(Hoc)または曇りとして見られる目に見える沈殿物が形成された場合、または紫外線及び空気にさらされたときにより暗い色が発生した場合に示される。水素化仕上げ(ハイドロフィニッシング)の一般的な説明は、米国特許第3,852,207号及び第4,673,487号に見出され得る。
【0020】
「水素(Hydrogen)」または「水素(hydrogen)」という用語は、水素そのもの、及び/または水素源を供給する化合物(複数可)を指す。
【0021】
「芳香族含有量」とは、芳香族の転化率(X)を次の式で計算した、脱ろう生成物中の芳香族含有量を指す:X=(Cフィード-C生成物)/Cフィード*100(ここでCフィード及びC生成物は、フィード及び生成物中の芳香族含有量である)。
【0022】
「カットポイント(cut point)」とは、所定の分離度に達する真沸点(TBP)曲線上の温度を指す。
【0023】
「流動点」とは、制御された条件下で油が流れ始める温度を指す。流動点は、例えばASTM D5950によって決定され得る。
【0024】
「曇り点」とは、特定の条件下で油を冷却したときに、潤滑油基油サンプルがヘイズ(haze)を発生し始める温度を指す。潤滑基油の曇り点は、その流動点を補完する。曇り点は、例えばASTM D5773によって決定され得る。
【0025】
「TBP」とは、ASTM D2887-13による模擬蒸留(SimDist)によって決定された炭化水素系(hydrocarbonaceous)フィードまたは生成物の沸点を指す。
【0026】
「炭化水素系(hydrocarbonaceous)」、「炭化水素」及び類似の用語は、炭素原子及び水素原子のみを含む化合物を指す。その炭化水素に特定の基が存在する場合には、他の識別語を用いて、その特定の基の存在を示すことができる(例えば、ハロゲン化炭化水素とは、その炭化水素中の等しい数の水素原子と置き換わっているハロゲン原子が1つ以上存在することを示している)。
【0027】
「周期表」という用語は、2007年6月22日付のIUPAC元素周期表のバージョンを指し、周期表族の番号付けスキームは、Chem.Eng.News, 63(5), 26-27(1985)に記載のとおりである。「第2族」とは、元素、化合物、またはイオン形態のいずれかにおける、IUPACの2族元素、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、及びそれらの組合せを指す。「第7族」とは、それらの元素、化合物、またはイオン形態における、IUPACの7族元素、例えば、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、及びこれらの組合せを指す。「第8族」とは、それらの元素、化合物、またはイオン形態における、IUPAC第8族元素、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及びそれらの組み合わせを指す。「第9族」とは、元素、化合物、またはイオン形態のいずれかにおける、IUPAC第9族元素、例えばコバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、及びそれらの組み合わせを指す。「第10族」とは、元素、化合物、またはイオン形態のいずれかにおける、IUPAC第10族元素、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及びそれらの組み合わせを指す。「第14族」とは、元素、化合物、またはイオン形態のいずれかにおける、IUPAC第14族元素、例えば、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、及びそれらの組み合わせを指す。
【0028】
「担体」という用語は、特に、「触媒担体」という用語で使用する場合には、典型的には、表面積の大きい固体である従来の材料のうち、触媒材料を担持する材料を指す。担体材料とは、触媒反応において不活性であっても、または触媒反応に関与するものであってもよく、多孔性または非多孔性であってよい。典型的な触媒担体としては、様々な種類の炭素、アルミナ、シリカ、及びシリカ-アルミナ、例えば、非晶質シリカアルミネート、ゼオライト、アルミナ-ボリア、シリカ-アルミナ-マグネシア、シリカ-アルミナ-チタニア、ならびにそれらに他のゼオライト及び他の複合酸化物を加えることによって得られる物質が挙げられる。
【0029】
「分子篩、モレキュラーシーブ」とは、フレームワーク構造内に、細孔の均一な分子寸法を有しており、分子篩の種類に応じて、ある特定の分子のみが、その分子篩の細孔構造に到達できる一方で、その他の分子が、例えば分子のサイズ及び/または反応性に起因して排除されるようになっている物質を指す。「分子篩」及び「ゼオライト」という用語は同義語であり、(a)中間体及び(b)最終または標的の分子篩、及び(1)直接合成または(2)結晶化後処理(二次改質)によって生成される分子篩を含む。二次合成技術は、ヘテロ原子格子置換または他の技術による中間材料からの標的材料の合成を可能にする。例えば、アルミノケイ酸塩は、AlのBに対する結晶化後のヘテロ原子格子置換によって、中間ホウケイ酸塩から合成され得る。このような技術は、例えば、米国特許第6,790,433号に記載されているように公知である。ゼオライト、結晶性アルミノリン酸塩及び結晶性シリコアルミノリン酸塩が、分子篩の代表的な例である。
【0030】
本開示では、組成物、及び方法またはプロセスが、各種の構成要素または工程を「含む」という観点で説明されている場合が多いが、その組成物及び方法は、別段の記載のない限り、その各種の構成要素もしくは工程「から本質的になっても」よいし、またはその各種の構成要素もしくは工程「からなっても」よい。
【0031】
「a」、「an」及び「the」という用語は、複数形の代替、例えば、少なくとも1つを含むことを意図する。例えば、「a」の付された遷移金属または「an」の付されたアルカリ金属という開示内容は、別段の定めのない限り、1つの遷移金属またはアルカリ金属、あるいは2つ以上の遷移金属もしくはアルカリ金属の混合物、または2つ以上の遷移金属もしくはアルカリ金属を組み合わせたものを含むことを意図している。
【0032】
本明細書における詳細な説明及び請求項内のいずれの数値も、示されている値が「約」または「およそ」によって修飾されており、当業者であれば予測するであろう、実験での誤差及び変動が考慮されている。
【0033】
一態様では、本発明は、基油を含む脱ろう生成物を製造するのに有用な水素異性化プロセスであり、このプロセスは、水素異性化条件下で炭化水素フィードを水素異性化触媒と接触させて、生成物または生成物ストリームを生成することを含む。ここで、この水素異性化触媒は、周期表の7~10族及び14族から選択される少なくとも2つの改質金属を含むバイメタルSSZ-91分子篩を含む。
【0034】
水素異性化触媒に使用されるSSZ-91分子篩は、例えば、米国特許第9,802,830号;同第9,920,260号;同第10,618,816号に;及びWO2017/034823に記載されている。SSZ-91分子篩は、一般に、ZSM-48タイプのゼオライト材料を含み、この分子篩は、ZSM-48タイプの材料全体の少なくとも70%のポリタイプ6;0~3.5重量パーセントの量のEUO型相;及び1~8の平均アスペクト比を有する微結晶を含む多結晶凝集形態を有する。SSZ-91分子篩の酸化ケイ素対酸化アルミニウムのモル比は、40~220または50~220または40~200の範囲であってよい。前述の特許は、SSZ-91篩、それらの調製方法、及びそれから形成された触媒に関する追加の詳細を提供する。
【0035】
バイメタルSSZ-91触媒は、第10族金属と、任意選択で、周期表の第7~10族及び第14族金属から選択される第2金属とを含むことが有利であり得る。第10族の金属は、例えば、白金、パラジウム、またはそれらの組み合わせであってもよく、任意選択で、第2族の金属を含む。白金は、ある態様では、別の7~10族及び14族の金属と並んで、適切な10族の金属である。これらに限定されるものではないが、第7~10族及び第14族の金属は、Pt、Pd、Ni、Re、Ru、Ir、Sn、またはそれらの組み合わせからより狭く選択されてもよい。SSZ-91触媒の第1の金属としてのPtと共に、バイメタルSSZ-91触媒の第2の金属も、第2の第7~10族からより狭く選択してもよく、第14族の金属は、Pd、Ni、Re、Ru、Ir、Sn、またはそれらの組み合わせから選択される。より具体的な例では、バイメタルSSZ-91触媒は、10族金属としてPtを、0.01~5.0重量%、または0.01~2.0重量%、または0.1~2.0重量%、より具体的には0.01~1.0重量%及び0.01~1.5重量%の量で、及び第7族から第10族及び第14族の金属として、Pd、Ni、Re、Ru、Ir、Sn、またはそれらの組み合わせから選択される第2の金属を0.01~5.0重量%または0.01~2.0重量%、または0.1~2.0重量%、より具体的には0.01~1.0重量%及び0.01~1.5重量%の量で含んでもよい。別の例では、触媒は、改質金属の1つとしてPtを、第7~10族及び第14族から選択される第2の金属の0.01~1.0重量%及び0.01~1.5重量%の量で、または、より具体的には、0.3~0.8重量%のPt及び0.05~0.5重量%の第2の金属を含む。
【0036】
バイメタルSSZ-91触媒中の金属含有量は、典型的に有用な範囲にわたって変動し得、例えば、触媒の総改質金属含有量は、0.01~5.0重量%または0.01~2.0重量%または0.1~2.0重量%であり得る (総触媒重量基準)。場合によっては、触媒は、改質金属の1つとして 0.01~1.0重量%のPt、及び7~10族及び14族から選択される0.01~1.5重量%の第2の金属、または0.3~1.0重量%のPt及び0.03~1.0重量%の第2の金属、または0.3~1.0重量%のPt及び0.03~0.8重量%の第2の金属を含む。場合によっては、第10族の金属と第7~10族及び第14族から選択される任意の第2の金属との比は、5:1~1:5、または3:1~1:3、または1:1~1:2、または5:1~2:1、または5:1~3:1、または1:1~1:3、または1:1~1:4の範囲であってもよい。
【0037】
バイメタルSSZ-91触媒は、アルミナ、シリカ、チタニアまたはそれらの組み合わせから選択されるマトリックス材料をさらに含んでもよい。さらに特定の場合には、第1の触媒は、改質金属0.01~5.0重量%、マトリックス材料1~99重量%、及びSSZ-91分子篩0.1~99重量%を含む。
【0038】
炭化水素フィードは、一般に、様々な基油原料から選択してもよく、軽油;真空軽油;長い残留物;真空残留物;常圧蒸留物;重質油;油;ワックス及びパラフィン;使用済み油;脱アスファルト残渣または原油;熱または触媒変換プロセスに起因するチャージ;シェールオイル;サイクルオイル;動物及び植物由来の脂肪、油及びワックス;石油及びスラックワックス;またはそれらの組み合わせを含むことが有利である。炭化水素フィードはまた、400~1300°F、もしくは500~1100°F、もしくは600~1050°Fの蒸留範囲のフィード炭化水素カットを含んでもよく、及び/または炭化水素フィードは、約3~30cStまたは約3.5~15cStのKV100(100℃での動粘度)範囲を有する。
【0039】
場合によっては、SSZ-91触媒がPt/Pd及びPt/Reから選択される改質金属の組み合わせを含む炭化水素フィードとして重質中性基油にとって、このプロセスを有利に使用し得る。
【0040】
生成物(複数可)または生成物ストリームは、例えば、約2~30cStの範囲のKV100を有する複数のグレードを製造するために、1つ以上の基油生成物を製造するために使用され得る。そのような基油生成物は、場合によっては、約-5℃、または-12℃、または-14℃以下の流動点を有し得る。
【0041】
プロセス及びシステムはまた、追加のプロセス工程またはシステム構成要素と組み合わせてもよく、例えば、原料は、炭化水素フィードをSSZ-91水素異性化触媒と接触させる前に、水素処理触媒を用いて水素処理条件にさらに供してもよく、任意選択で、水素処理触媒は、約0.1~1重量%のPt及び約0.2~1.5重量%のPdを含む耐火無機酸化物質を含むガード層触媒を含む。
【0042】
本プロセス及び触媒システムによって提供される利点の中には、非バイメタルSSZ-91触媒が使用される同じプロセスと比較して、バイメタルSSZ-91触媒システムを使用して製造される基油生成物の芳香族含有量が減少する。プロセス及びシステムによって提供される利点のうち、芳香族転化率は、同じプロセスで、同じ10族金属、例えば、Ptのみを含むがバイメタルSSZ-91触媒の第2の金属を含まない非バイメタルSSZ-91触媒を使用する場合と比較して、バイメタルSSZ-91触媒を使用する場合、少なくとも約1.5重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%、または6.0重量%だけ顕著に増大する。
【0043】
実際には、水素化脱ろうは主に、基油からワックスを除去することによって基油の流動点を低下させるため、及び/または基油の曇り点を低下させるために使用される。典型的には、脱ワックスは、ワックスを処理するための触媒プロセスを使用し、一般に、脱ワックスフィードは、粘度指数を増大させ、芳香族及びヘテロ原子含有量を減少させ、脱ワックスフィード中の低沸点成分の量を減少させるために、脱ワックスの前にアップグレードされる。一部の脱ろう触媒は、ワックス分子を低分子量分子に分解することにより、ワックス変換反応を達成する。他の脱ワックスプロセスは、炭化水素フィードに含まれるワックスをワックス異性化によるプロセスに変換し、異性化されていない分子対応物よりも低い流動点を有する異性化分子を生成し得る。本明細書で使用される場合、異性化は、接触水素異性化条件下でワックス分子の異性化において水素を使用するための、水素異性化プロセスを包含する。
【0044】
適切な水素化脱ろう条件は、一般に、使用されるフィード、使用される触媒、所望の収率、及び基油の所望の特性に依存する。典型的な条件には、500°F~775°F (260℃~413℃)の温度;15psig~3000psig(0.10MPa~20.68MPaゲージ)の圧力;0.25時間-1~20時間-1のLHSV;及び2000SCF/bbl~30,000SCF/bbl(356~5340m/mフィード)の水素対フィード比を含む。一般に、水素は生成物から分離され、異性化ゾーンに再循環される。一般に、本発明の脱ろうプロセスは、水素の存在下で実施される。典型的には、炭化水素に対する水素の比率は、炭化水素1バレル当たり約2000~約10,000標準立方フィートHの範囲であってもよく、通常、炭化水素1バレル当たり約2500~約5000標準立方フィートHであってもよい。上記の条件は、水素処理ゾーンの水素処理条件、ならびに第1及び第2の触媒の水素異性化条件に適用してもよい。適切な脱ろう条件及びプロセスは、例えば、米国特許第5,135,638号;同第5,282,958号;及び同第7,282,134に記載される。
【0045】
触媒システムは一般にバイメタルSSZ-91触媒を含む触媒を含み、さらなる水素化仕上げステップの前に原料がSSZ-91触媒と接触するように配置される。バイメタルSSZ-91触媒は、それ自体であっても、他の触媒と組み合わせても、及び/または層状触媒システムであってもよい。追加の処理ステップ及び触媒が含まれてもよく、例えば、上述のように、水素処理触媒(複数可)/ステップ、ガード層、及び/または水素化仕上げ触媒(複数可)/ステップが含まれてもよい。
【実施例
【0046】
実施例1-水素異性化触媒の調製
水素異性化触媒Aは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金を含有する溶液で含浸し、含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。全体的な白金の負荷量は0.6重量%であった。
【0047】
水素異性化触媒Bは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、パラジウムを含有する溶液で含浸さし、含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は0.46重量%のPdであった。
【0048】
水素異性化触媒Cは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金及びパラジウムを含有する溶液で含浸し、含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.67重量%のPt及び0.09重量%のPdであった。
【0049】
水素異性化触媒Dは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金及びパラジウムを含有する溶液で含浸し、この共含浸した触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.42重量%のPt及び0.23重量%のPdであった。
【0050】
水素異性化触媒Eは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金及びイリジウムを含有する溶液で含浸し、この共含浸した触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.6重量%のPt及び0.2重量%のIrであった。
【0051】
水素異性化触媒Fは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、レニウムを含有する溶液で最初に含浸し、含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金を含有する溶液で2回目含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.6重量%のPt及び0.2重量%のReであった。
【0052】
水素異性化触媒Gは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、ルテニウムを含有する溶液で最初に含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金を含有する溶液で2回目含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.6重量%のPt及び0.2重量%のRuであった。
【0053】
水素異性化触媒Hは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、スズを含有する溶液で最初に含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金を含有する溶液で2回目含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.6重量%のPt及び0.4重量%のSnであった。
【0054】
水素異性化触媒Iは次のように調製した。微結晶SSZ-91をアルミナと複合化して、65重量%のゼオライトを含む混合物を提供し、その混合物を押し出し、乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、ニッケルを含有する溶液で最初に含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。乾燥及びか焼された押出物を、白金を含有する溶液で2回目含浸し、この含浸された触媒を次いで乾燥し、か焼した。金属負荷量は、0.6重量%のPt及び0.2重量%のNiであった。
【0055】
表1は、実施例で使用したバイメタルSSZ-91触媒の金属含有量をまとめたものである。触媒A及びBは、改質金属を1つだけ有する非バイメタル触媒である。
【表1】

実施例2-水素異性化性能
【0056】
WO2012/005980に記載のフィード及び反応条件を用いて、実施例1の触媒A~Iの水素異性化性能を評価した。表2に示す特性を有するワックス状の重質中性水素化分解生成物(水素化分解物、600N)フィードを使用した。
【表2】
【0057】
反応はマイクロユニットで実施し、実験は全圧1500~2300psig(例えば、場合によっては全圧2100psig)及び580~650°Fの範囲の温度で操作した。フィードを導入する前に、触媒を活性化した。重質中性フィードを、0.5~3時間-1の範囲のLHSV及び約3000scfbの水素対油比で、水素異性化反応器を通過させた。基油の未完成品は、蒸留セクションを介して燃料から分離した。芳香族含有量は、脱ろうされた生成物中の芳香族含有量を使用することによって決定された。芳香族の転化率は、次の式で計算した:X=(Cフィード-C生成物)/Cフィード*100(ここで、Cフィード及びC生成物は、このフィード及び生成物中の芳香族含有量である)。評価した触媒の結果を表3に示す。
【表3】
【0058】
参照触媒A(Ptのみ)と比較して、実施例C(Pt/Pd)、D(Pt/Pd)、及びF(Pt/Re)は、有意に改善された芳香族転化率、すなわちこれらのバイメタル触媒を使用して製造された基油生成物の品質は、改質金属としてPtのみを含む非バイメタルSSZ-91触媒と比較して改善される。
【0059】
本発明の1つ以上の実施形態の上記の説明は、主に例示のためのものであり、変形形態を用いてよく、その上、その変形形態が、本発明の本質に組み込まれることは認識されている。本発明の範囲を判断する際には、下記の請求項を参照すべきである。
【0060】
米国特許の実施慣行の目的上、及び認められる場合には、その他の特許庁においては、本発明の上記の説明で引用したいずれの特許及び刊行物も、それらに含まれるいずれかの情報が、上記の開示内容と整合し及び/または上記の開示内容を補う限りにおいては、参照により、本明細書に援用される。
【国際調査報告】