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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】視覚機能評価法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/06 20060101AFI20230915BHJP
   A61B 3/028 20060101ALI20230915BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20230915BHJP
   G16H 50/00 20180101ALI20230915BHJP
【FI】
A61B3/06
A61B3/028
A61B10/00 H
G16H50/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514898
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021049250
(87)【国際公開番号】W WO2022051710
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】63/075,084
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592233750
【氏名又は名称】ノースイースタン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ベックス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】スカースウェタット,ジャン
【テーマコード(参考)】
4C316
5L099
【Fターム(参考)】
4C316AA08
4C316AA13
4C316AA14
4C316AA15
4C316AA19
4C316AA30
4C316FA01
4C316FB12
4C316FC21
4C316FC28
4C316FZ02
5L099AA03
(57)【要約】
多種多様な視覚障害および神経学的障害の迅速、自己管理的、および適応試験のための方法および装置は、様々な強度の視覚刺激の対象者へのグラフの提示に基づいている。 精神測定関数は、選択された刺激に対する対象者の感度を決定するために使用される。 眼科的、検眼的、および/たは神経学的状態の診断は、対象者の刺激感受性パターンから達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象の視覚的または神経学的機能を試験するための方法であって、該方法は、
(a)グラフ表示とユーザー入力とを有する装置を提供する工程と、
(b)ディスプレイ上にグリッドのセットを順次表示し、各グリッドが複数のセルを含むことと、前記各グリッドは、前記グリッドの2つ以上のセルに表示される視覚刺激を含み、グリッド内に表示される視覚刺激は、セルごとに強度が異なり、ここで、各グリッドについて表示される刺激は、前記セットの少なくとも1つの他のグリッドについて表示される刺激と異なり、
(c)ユーザー入力を通じて対象者の応答を受信し、その応答は、表示された各グリッドの各セルに対する刺激の知覚された特性を示す、ことと、および
(d)感度関数を用いて各グリッドからの対象者応答を分析し、前記グリッドのセットにおける前記刺激の各々に対する対象者の応答性を取得し、前記応答性は、刺激強度の関数として前記刺激を報告する確率として特徴付けられる。
【請求項2】
さらに、
(e)前記セットのグリッドの刺激のうちの2つ以上に対する対象者の応答性を分析して、前記対象者の応答性のパターンを取得すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
(f)対象者の応答性のパターンを1つ以上の既知の応答性のパターンと比較すること、および
(g)対象者における1つ以上の視覚的または神経学的状態の存在もしくは不存在、またはその可能性を特定すること、
とを含む、特徴2の方法。
【請求項4】
前記刺激の知覚特性は、不在、存在、輝度、コントラスト、色、深さ、動き、ちらつき、空間形態、物体認識、物体形状、物体形態、物体サイズ、顔認識、顔特徴認識、特徴位置、特徴角度、空間分解能、ノイズ定義深さ、およびスパースパターン深さからなる群から選択される1つ以上の刺激特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
グリッド内の前記刺激強度は、対象者にとって検出が困難なものから検出しやすいものまでの範囲に及ぶ、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グリッド内の刺激含有の位置がランダムまたは非ランダムである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記各グリッドのセル内の刺激が、一度に1つだけ表示され、前記グリッドの他のすべてのセルは、表示されたセルに対する対象者の応答が得られるまで空白のままである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のグリッドのフォーマットが可変数の行および列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上のグリッドが刺激ごとに表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
グリッド内の刺激タイプまたは刺激強度が、対象者の応答に基づいて以前に提示されたグリッドから変化される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記対象者が、前記刺激が前記セル内に存在するか否かをグリッドの各セルに対して応答し、前記各グリッドに表示される前記刺激に対する前記対象者の感度が計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記対象者が、それらの応答または二次応答の位置に基づいて、各セルに対するそれらの応答における信頼度を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記感度関数がd’関数であり、次のように定義される請求項1に記載の方法:
【数17】

ここで、τ は感度閾値(刺激強度、ここでd’=1)、β は飽和関数の上漸近線(刺激強度、ここでd’=5)、 sは信号強度、およびγは関数の傾きであり、式中d’(s) は、対象者が刺激の存在を以下の精神測定関数による刺激強度の関数として報告する確率に関連する。
【数18】

ここで、G(s) は累積ガウス関数、zはz-スコア、および
yes(0) は誤警報率 である。
【請求項14】
前記精神測定関数が、各グリッドについてオンザフライで計算され、対象者にとって検出が非常に困難なd’=0.1の刺激と、対象者にとって検出が非常に容易なd’=4.5の刺激強度とを推定するために使用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記試験が、前記グリッドのセットの2回以上の試行を行うことによって前記対象者に対して最適化され、前記第1の試行における刺激強度は、以前の観察者からのデータまたは前記表示の物理的刺激限界に基づいており、前記後続の試行における刺激強度が、前記現在の観察者についての以前の全てのグリッドについて計算された感度の推定に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記対象者の閾値刺激強度および超閾値性能の両方が決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
個々のセルが2つ以上の刺激を含み、前記対象者の応答が、前記2つ以上の刺激間の識別を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記感度関数が配向誤差関数であり、次のように定義される請求項1に記載の方法:
【数19】

τは感度閾値、θiは対象者の視覚系内の固有の配向の不確実性、sは信号強度、 γ は関数の傾きである。
【請求項19】
前記感度関数が累積ガウス関数であり、次のように定義される請求項1に記載の方法:
【数20】

τ は感度閾値、pguessは推測に対する正しい応答の確率(代替応答選択肢の数の逆数に等しい)、sは信号強度、 γ は関数の傾きである。
【請求項20】
前記刺激のうちの1つ以上に対する感度が、2つ以上の次元で変化することができ、前記1つ以上の刺激と2つ以上の刺激に対する対象感度のタイプの間に、既知の関係が存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記2種類以上の対象感度が、空間周波数およびコントラストを含み、前記既知の関係は、以下:
によって定義される、請求項20に記載の方法。
【数21】
【請求項22】
前記2種類以上の対象感度が、空間周波数、時間周波数およびコントラストを含み、前記既知の関係は、以下:
によって定義される、請求項20に記載の方法。
【数22】

【請求項23】
前記2種類以上の対象感度が、彩度および色相角を含み、前記既知の関係は、以下:
によって定義される、請求項20に記載の方法。
【数23】

式中、τ は刺激感度sに対する視覚色感度 、hは色相角、 kは彩度である。
【請求項24】
前記2種類以上の対象感度は、刺激分散および応答分散を含み、前記既知の関係は、次のように定義される等価ノイズ関数によって定義される:
【数24】

ここで 、τ は刺激強度Sに対する視覚検出閾値、σintは観察者の視覚系における固有のノイズ、 σIex は刺激における外部ノイズ、 Nsamp は観察者が使用する刺激サンプルの数に対応するサンプリング効率である。
【請求項25】
前記2種類以上の対象感度は刺激ペデスタル強度および感度を含み、前記既知の関係は、次のように定義されるディッパー(ひしゃく)または閾値対強度関数によって定義される:
【数25】

ここで、τ は刺激強度Sに対する視覚検出閾値、σintは観察者の視覚系における固有のノイズ、σiexは刺激ペデスタルの強度、Sは観察者が用いる識別基準である。
【請求項26】
前記対象者が、タッチ式表示画面、コンピュータポインティングデバイス、または音声認識ソフトウェアを使用して反応を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、医療施設、視力検査施設、または医師のオフィスの外で前記対象者によって監督または自己管理される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、1回以上の間隔の後に繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、眼科的状態、検眼的状態、または神経学的疾患もしくは状態の進行を検出および/または監視するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記眼科疾患または状態が、加齢黄斑変性症および早期視覚神経経路のその他の障害、糖尿病性網膜症、色覚障害、緑内障および弱視からなる群より選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記検眼状態が、近視、遠視、乱視ならびに低次および高次の他の光学収差、老眼、白内障、角膜浮腫、およびその他の光学的不透明度の変化からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
検眼または眼科的状態が検出または監視され、視力が、各セル内の配向した円弧を刺激として使用して決定され、前記円弧は、その角度位置が円弧配向の尺度として前記対象者によって登録されるギャップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記円弧は、前記円弧直径の1/5である線幅を含み、前記ギャップ角度は前記線幅に等しい、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ギャップの前記角度位置は、円弧配向の尺度としてセル境界において対象者によって登録される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
一連のセルは、刺激検出が、容易に可視から閾値以下の可視まで前記対象者のためにパーソナライズされた範囲に及ぶ対象者に提供される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
刺激検出が、20/200の視力を有する者にとって容易に見える範囲から20/10の視力を有する者にとって閾値以下の範囲に及ぶ、一連のセルが前記対象者に提供される、請求項32に記載の方法
【請求項37】
以前のグリッド上での性能に基づく前記対象者の視覚機能が非定型であり、刺激次元が拡張されている、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記刺激輝度および背景輝度が、輝度およびコントラスト状態の範囲にわたって対象者の性能を測定するように調整される、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
セル境界の輝度強度およびサイズが調整されてグレア源を生成する、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が、前記対象者の視覚的矯正を決定および/または監視するために使用される、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記神経学的疾患または状態が、脳しんとう、外傷性脳損傷、外傷性眼損傷、および他のタイプの神経学的外傷、認知障害、自閉症スペクトラム状態(ASC)、注意欠陥障害(ADD)、およびその他の高レベルの神経障害、統合失調症、うつ病、双極性障害、およびその他の精神病性障害からなる群より選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記検出または監視される神経学的疾患または状態が、相貌失認、物体失認、および情動障害からなる群より選択され、前記顔または物体画像を含む一連のセルが、第1の刺激カテゴリーおよび第2の刺激カテゴリーを含む刺激対が漸進的にブレンドされた対象者に提示され、 前記対象者の応答は、前記第1の刺激カテゴリーまたは前記第2の刺激カテゴリーが表示されるかどうかを各セルについて識別することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記刺激対が、物体、動物、異なるアイデンティティ、、異なる感情を示す顔、および異なる性別の顔を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記眼科状態、検眼状態、または神経学的疾患もしくは状態の進行の検出および/または監視が、表1に示されるような感度のパターンの分析を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
前記装置が、グラフ表示、ユーザー入力、プロセッサ、メモリを含み、任意選択で、前記プロセッサおよび/またはメモリが、前記方法を実行するための指示を含む、請求項1に記載の方法を実行するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種多様な視覚および神経学的障害の迅速な、自己管理の、および適応性の試験のための方法および装置に関する。
【0002】
連邦政府が後援する研究または開発に関する声明
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号EY029713の下で政府の支援を受けて行われた。 政府は発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
臨床科学と基礎科学の両方における視力検査は、視覚系の機能障害を定量化する重要なステップである。 臨床現場では、視力検査は病気の診断とモニタリングに不可欠である。基礎科学において、視力検査は、感覚的または知覚的能力を定量化したり、研究参加者が特定の研究の包含基準または除外基準を満たしていることを確保することができる。
【0004】
最近の社会的距離の測定と通信、ディスプレイおよびセンサー技術の開発は、遠隔視力検査が遠隔眼科において重要な役割を果たし得ることを意味する。 臨床ガイドラインは、複数年間隔で視力検査の実施を推奨している。 ただし、これらの長い間隔では、特に徐々に失われる場合、重大な視力の変化が検出されない可能性がある。 自己管理型視力検査は、特に遠隔地や医学的に十分なサービスを受けていない場所で、クリニック訪問間の重要な在宅モニタリングの役割を果たすことができる。 人間の視覚系には、構造的および機能的に特殊化された複数の相互依存経路が含まれており、生涯にわたって選択的に影響を受ける可能性がある。したがって、包括的な視力検査には、理想的には、さまざまな視覚経路の完全性を評価する複数の検査の管理が必要である。 ただし、実際の制限により、管理できるテストの数が制限されている。 さらに、多くの場合、視力試験では、対象者が各試験の新しいタスクまたは新しい刺激のセットを学習し、パラダイムが閾値以下の刺激の提示を必要とするため、推測を余儀なくされる多くの試行を完遂する必要がある。 これらの要因は対象者にとっていらだたしいものであり、注意、学習、記憶の効果を視覚機能の欠陥と混同する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の技術では、管理される試験の数と期間に妥協が必要であり、ノイズの多いデータや制約が不十分なために視力検査が不正確になったり、検査のサブセットのみが管理されるため不完全であったりするリスクが伴なう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、多種多様な視覚および神経学的障害の迅速な、自己管理の、および適応性の試験のための方法および装置を提供する。 この方法は、段階的な強度の視覚刺激の対象者へのグラフィカルな提示と、選択された刺激に対する対象者の感度を決定するための精神測定関数の使用に基づいている。 眼科的、検眼的、および/または神経学的状態の診断は、対象者の刺激感受性パターンから達成される。
【0007】
本件技術は、次の特徴のリストによってさらに要約することができる。
1.ヒト対象の視覚的または神経学的機能を試験するための方法であって、該方法は、
(a)グラフ表示とユーザー入力とを有する装置を提供する工程と、
(b)ディスプレイ上にグリッドのセットを順次表示し、各グリッドが複数のセルを含むことと、前記各グリッドは、前記グリッドの2つ以上のセルに表示される視覚刺激を含み、グリッド内に表示される視覚刺激は、セルごとに強度が異なり、ここで、各グリッドについて表示される刺激は、前記セットの少なくとも1つの他のグリッドについて表示される刺激と異なり、
(c)ユーザー入力を通じて対象者の応答を受信し、その応答は、表示された各グリッドの各セルに対する刺激の知覚された特性を示す、ことと、および
(d)感度関数を用いて各グリッドからの対象者応答を分析し、前記グリッドのセットにおける前記刺激の各々に対する対象者の応答性を取得し、前記応答性は、刺激強度の関数として前記刺激を報告する確率として特徴付けられる。
【0008】
2.さらに、
(e)前記セットのグリッドの刺激のうちの2つ以上に対する対象者の応答性を分析して、前記対象者の応答性のパターンを取得すること、
とを含む、特徴1の方法。
3.さらに、
(f)対象者の応答性のパターンを1つ以上の既知の応答性のパターンと比較すること、および
(g)対象者における1つ以上の視覚的または神経学的状態の存在もしくは不存在、またはその可能性を特定すること、
とを含む、特徴2の方法。
【0009】
4.前記刺激の知覚特性は、不存在、存在、輝度、コントラスト、色、深さ、動き、ちらつき、空間形態、物体認識、物体形状、物体形態、物体サイズ、顔認識、顔特徴認識、特徴位置、特徴角度、空間分解能、ノイズ定義深さ、およびスパースパターン深さからなる群から選択される1つ以上の刺激特性を含む、先行する特徴のいずれかに記載の方法。
5.グリッド内の前記刺激強度は、対象者にとって検出が困難なものから検出しやすいものまでの範囲に及ぶ、先行する特徴のいずれかに記載の方法。
6.グリッド内の刺激含有の位置がランダムまたは非ランダムであることを特徴とする、先行する特徴のいずれかに記載する方法。
【0010】
7.前記各グリッドのセル内の刺激は、一度に1つだけ表示され、前記グリッドの他のすべてのセルは、表示されたセルに対する対象者の応答が得られるまで空白のままである、先行する特徴の何れかに記載する方法。
8.1つ以上のグリッドのフォーマットが可変数の行および列を含む、先行する特徴の何れかに記載の方法。
9.1つ以上のグリッドが各刺激について表示されることを特徴とする、先行する特徴のいずれかに記載する方法。
10.グリッド内の刺激タイプまたは刺激強度が、対象者の応答に基づいて以前に提示されたグリッドから変化させられる、先行する特徴の何れかに記載の方法。
11.前記対象者が、前記刺激が前記セル内に存在するか否かをグリッドの各セルに対して応答し、前記各グリッドに表示された前記刺激に対する前記対象者の感度が計算されることを特徴とする、先行する特徴の何れかに記載の方法。
【0011】
12.前記対象者が、それらの応答または二次応答の位置に基づいて、各セルに対するそれらの応答における信頼度を示す、先行する特徴の何れかに記載の方法。
13.前記感度関数がd’関数であり、次のように定義される、先行する特徴の何れかに記載の方法:
【数1】

ここで、τは感度閾値(刺激強度、ここでd’=1)、βは飽和関数の上漸近線(刺激強度、ここでd’=5)、sは信号強度、γは関数の傾きであり、式中d’(s)は、対象者が刺激の存在を以下の精神測定関数による刺激強度の関数として報告する確率に関連する。
【数2】

ここで、G(s) は累積ガウス関数、zはz-スコア、およびΨyes(0)は誤警報率 である。
14.前記精神測定関数が、各グリッドについてオンザフライで計算され、対象者にとって検出が非常に困難なd’=0.1の刺激と、対象者にとって検出が非常に容易なd’=4.5の刺激強度とを推定するために使用される、特徴13に記載する方法。
15.前記試験が、前記グリッドのセットの2回以上の試行を行うことによって前記対象者に対して最適化され、前記第1の試行における刺激強度は、以前の観察者からのデータまたは前記表示の物理的刺激限界に基づいており、後続の試行における前記刺激強度が、前記現在の観察者についての以前の全てのグリッドについて計算された感度の推定に基づく、特徴13に記載の方法。
【0012】
16.前記対象者の閾値刺激強度および超閾値性能の両方が決定される、先行する特徴のいずれかに記載の方法。
17.個々のセルが2つ以上の刺激を含み、前記対象者の応答が、前記2つ以上の刺激間の識別を含む、特徴16に記載の方法。
18.前記感度関数が配向誤差関数であり、次のように定義される特徴1~12の何れかに記載する方法:
【数3】


τは感度閾値、θiは対象者の視覚系内の固有の配向の不確実性、sは信号強度、 γ は関数の傾きである。
19.前記感度関数が累積ガウス関数であり、次のように定義される特徴1~12の何れかに記載の方法:
【数4】

τ は感度閾値、pguessは推測に対する正しい応答の確率(代替応答選択肢の数の逆数に等しい)、sは信号強度、γは関数の傾きである。
20.前記刺激のうちの1つ以上に対する感度が、2つ以上の次元で変化することができ、前記1つ以上の刺激と2つ以上の刺激に対する対象感度のタイプの間に、既知の関係が存在することを特徴とする、特徴1~12の何れかに記載の方法。
【0013】
21.前記2種類以上の対象感度が、空間周波数およびコントラストを含み、前記既知の関係は、以下:
【数5】

によって定義される、特徴20に記載の方法。
22.前記2種類以上の対象感度が、空間周波数、時間周波数およびコントラストを含み、前記既知の関係は、以下:
【数6】

によって定義される、特徴20に記載の方法。
23.前記2種類以上の対象感度が、彩度および色相角を含み、前記既知の関係は、以下:
【数7】

によって定義される、特徴20に記載の方法。
式中、τは刺激感度sに対する視覚色感度 、hは色相角、 kは彩度である。
24.前記2種類以上の対象感度は、刺激分散および応答分散を含み、前記既知の関係は、次のように定義される等価ノイズ関数によって定義される:
【数8】

ここで 、τ は刺激強度Sに対する視覚検出閾値、σintは観察者の視覚系における固有のノイズ、 σIex は刺激における外部ノイズ、 Nsampは観察者が使用する刺激サンプルの数に対応するサンプリング効率である。
【0014】
25.前記2種類以上の対象感度は刺激ペデスタル強度および感度を含み、前記既知の関係は、次のように定義されるディッパー(ひしゃく)または閾値対強度関数によって定義される:
【数9】

ここで、τ は刺激強度Sに対する視覚検出閾値、σintは観察者の視覚系における固有のノイズ、σiexは刺激ペデスタルの強度、Sは観察者が用いる識別基準である。
26.前記対象者が、タッチ式表示画面、コンピュータポインティングデバイス、または音声認識ソフトウェアを使用して応答を提供する、先行する特徴の何れかに記載の方法。
27.前記方法は、医療施設、視力検査施設、または医師のオフィスの外で前記対象によって監督または自己管理される、先行する何れかの特徴に記載の方法。
28.前記方法が、1つ以上の時間間隔の後に繰り返される、先行する特徴のいずれかに記載の方法。
29.前記方法が、眼科的状態、検眼的状態、または神経学的疾患もしくは状態の進行を検出および/または監視するために使用される、先行する何れかに記載の方法。
【0015】
30.前記眼科疾患または状態が、加齢黄斑変性症、および早期視覚神経経路の他の障害、糖尿病性網膜症、色覚障害、緑内障および弱視からなる群より選択される、特徴29に記載の方法。
31.前記検眼状態が、近視、遠視、乱視ならびに低次および高次の他の光学収差、老眼、乱視、白内障、角膜浮腫、およびその他の光学的不透明度の変化からなる群から選択される、特徴29に記載の方法。
32.検眼または眼科的状態が検出または監視され、視力が、各セル内の配向した円弧を刺激として使用して決定され、前記円弧が、その角度位置が円弧配向の尺度として前記対象者によって登録されるギャップを含む、特徴29に記載の方法。
33.前記円弧は、前記円弧直径の1/5である線幅を含み、前記ギャップ角度は前記線幅に等しい、特徴32に記載の方法。
34.前記ギャップの前記角度位置は、円弧配向の尺度としてセル境界において対象者によって登録される、特徴32に記載の方法。
【0016】
35.一連のセルは、刺激検出が、容易に可視から閾値以下の可視まで前記対象者のためにパーソナライズされた範囲に及ぶ対象者に提供される、特徴32に記載の方法。
36.刺激検出が、20/200の視力を有する者にとって容易に見える範囲から20/10の視力を有する者にとって閾値以下の範囲に及ぶ、一連のセルが前記対象者に提供される、特徴32に記載の方法
37.以前のグリッド上での性能に基づく前記対象者の視覚機能が非定型であり、刺激次元が拡張されている、特徴32に記載の方法。
38.前記刺激輝度および背景輝度が、輝度およびコントラスト条件の範囲にわたって対象の能力を測定するように調整される、請求項32に記載の方法。
39.セル境界の輝度強度およびサイズが調整されてグレア源を生成する、特徴32に記載の方法。
【0017】
40.前記対象者の視覚的矯正を決定および/または監視するために使用される、特徴32に記載の方法。
41.前記神経学的疾患または状態が、脳しんとう、外傷性脳損傷、外傷性眼損傷、および他のタイプの神経学的外傷、認知障害、自閉症スペクトラム状態(ASC)、注意欠陥障害(ADD)、およびその他の高レベルの神経障害、統合失調症、うつ病、双極性障害、およびその他の精神病性障害からなる群より選択される、特徴29に記載の方法。
42.前記検出または監視される神経学的疾患または状態が、相貌失認、物体失認、および情動障害からなる群より選択され、前記顔または物体画像を含む一連のセルが、第1の刺激カテゴリーおよび第2の刺激カテゴリーを含む刺激対が漸進的にブレンドされた対象者に提示され、 前記対象者の応答は、前記第1の刺激カテゴリーまたは前記第2の刺激カテゴリーが表示されるかどうかを各セルについて識別することを含む、特徴41に記載の方法。
43.前記刺激対は、物体、動物、異なるアイデンティティの顔、異なる感情を示す顔、および異なる性別の顔を含む、特徴42に記載の方法。
44.前記眼科状態、検眼状態、または神経学的疾患もしくは状態の進行の検出および/または監視が、表1に示されるような感度のパターンの分析を含む、特徴29に記載の方法。
45.装置が、グラフ表示、ユーザー入力、プロセッサ、メモリを含み、任意選択で、前記プロセッサおよび/またはメモリが、前記方法を実行するための指示を含む、先行する何れかの特徴に記載の方法を実行するための装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A図1Aは、本技術による視覚評価の方法に用いられるグリッドの例を示す。 図1Aのそれぞれに示されるようなセルのグリッドまたはマトリックスが、ヒト対象に提示される。 各マトリックスにおいて、一部のセルには刺激が含まれているが、一部は空である。 各セルにおける刺激の信号強度は、非常に難しいものから非常に簡単なものまでの範囲に及ぶ。観察者は、例えば、コンピュータのマウスまたはタッチパネルを使用することによって、刺激を含むセルを選択する。刺激を有するものとして対象によって選択されたセルは、輪でマークされる。図1Aは、コントラストの異なる角度を有する視覚対象を特定のセル内に含むグリッドを示す。
図1B図1Bは、本技術による視覚評価の方法に用いられるグリッドの例を示す。図1Bのそれぞれに示されるようなセルのグリッドまたはマトリックスが、ヒト対象に提示される。 各マトリックスにおいて、一部のセルには刺激が含まれているが、一部は空である。 各セルにおける刺激の信号強度は、非常に難しいものから非常に簡単なものまでの範囲に及ぶ。観察者は、例えば、コンピュータのマウスまたはタッチパネルを使用することによって、刺激を含むセルを選択する。刺激を有するものとして対象によって選択されたセルは、輪でマークされる。図1Bは、あるセルに特定された空間形式(組織の度合いが異なる円形パターン)を含むグリッドを示し、他のセルはよりランダムなパターンを有する。
図1C図1Cは、本技術による視覚評価の方法に用いられるグリッドの例を示す。図1Cのそれぞれに示されるようなセルのグリッドまたはマトリックスが、ヒト対象に提示される。 各マトリックスにおいて、一部のセルには刺激が含まれているが、一部は空である。 各セルにおける刺激の信号強度は、非常に難しいものから非常に簡単なものまでの範囲に及ぶ。観察者は、例えば、コンピュータのマウスまたはタッチパネルを使用することによって、刺激を含むセルを選択する。 刺激を有するものとして対象によって選択されたセルは、輪でマークされる。図1Cは、あるセルに、さまざまな強度のノイズが定義された深さのパターンを含むグリッドを示す。
図1D図1Dは、本技術による視覚評価の方法に用いられるグリッドの例を示す。図1Dのそれぞれに示されるようなセルのグリッドまたはマトリックスが、ヒト対象に提示される。 各マトリックスにおいて、一部のセルには刺激が含まれているが、一部は空である。 各セルにおける刺激の信号強度は、非常に難しいものから非常に簡単なものまでの範囲に及ぶ。観察者は、例えば、コンピュータのマウスまたはタッチパネルを使用することによって、刺激を含むセルを選択する。刺激を有するものとして対象によって選択されたセルは、輪でマークされる。図1Dは、深さが変化するスパースパターンを持つセルを含有するグリッドを示している。
図1E図1Eは、本技術による視覚評価の方法に用いられるグリッドの例を示す。図1Eのそれぞれに示されるようなセルのグリッドまたはマトリックスが、ヒト対象に提示される。 各マトリックスにおいて、一部のセルには刺激が含まれているが、一部は空である。 各セルにおける刺激の信号強度は、非常に難しいものから非常に簡単なものまでの範囲に及ぶ。観察者は、例えば、コンピュータのマウスまたはタッチパネルを使用することによって、刺激を含むセルを選択する。 刺激を有するものとして対象によって選択されたセルは、輪でマークされる。図1Eは、あるセル内に様々な彩度の色付き物体を有するグリッドを示す。
図1F図1Fは、刺激を報告する確率のd’精神測定関数を刺激強度の関数としてプロットしたものである。
図2A図2Aは、刺激を報告する確率を、コントラストと空間頻度という2つの変数の関数として示す精神測定関数を示す。
図2B図2Bは、刺激を色相彩度の関数(色検出楕円)として報告する確率のプロットを示し、刺激の色は下の面に表示される。
図2C図2Cは、刺激検出の確率を空間周波数、時間周波数、およびコントラストの関数として表す関数のプロットを示す。
【0019】
図3図3は、視力を評価するためのグリッドを示す。対象は、ギャップに対応するセル壁上の位置(薄い灰色の円)をクリックすることにより、ターゲットアーク(C字型構造)の向きを示す。 対象の解像度限界を超えるターゲットの場合、報告される向きはランダムである(平均絶対誤差=90°)。 分解能限界を超えるターゲットの場合、配向誤差は上昇する可能性があるが、ランダム(例えば、屈折誤差による)または上昇して体系的(例えば、乱視による)である。 これらのエラーは、文字識別パラダイムでは提供されない追加情報を提供する。
図4A図4Aは、超閾値識別を採用したグリッドを示す。 これは、図1Aに示すグリッドの変形である。 対象者は、垂直格子を含む各セルをクリックするように求められる。 格子と背景のプロパティは変えることができる。
図4B図4Bでは、タスクは2つの異なる色のブロブを含む各セルをクリックすることである。 ここでも、色と背景のプロパティを変更できる。
図5図5は、知覚された性別を変数として使用して顔認識をテストするために使用されるグリッドを示している。 各面は、個体A(左上)と個体B(右下)のブレンドであり、Bの寄与度はグリッドの下と右に向かって増加する。
図6図6は、隠れたセルパラダイムで提示されたグリッドを示している。 隣接するセルからの干渉を避けるために、視線の位置またはカーソルの位置にあるセル内の刺激のみが所与の時間に提示される。 対象者は、周りを見回したりカーソルを動かしたりしてグリッドを探索し、他のセルが表示されずに一度に1つのセルに応答する。
【0020】
詳細な説明
本技術は、ヒトの視覚および神経機能を包括的に評価するための迅速で管理しやすい方法を提供する。
この技術の一つの態様は、ヒト対象の視覚的または神経学的機能を試験するための方法である。
この方法は、(a)グラフ表示とユーザー入力デバイスまたは機能を有するデバイスを提供することと、(b)ディスプレイ上にグリッドのセットを順次表示し、各グリッドは視覚刺激を表示できる複数のセルを含むことと、(c)ユーザー入力を通じて対象者応答を受信し、前記対象者は、少なくともどのセルが前記刺激を含むかを識別することと、(d)感度関数を用いて各グリッドからの対象者の応答を分析し、グリッドのセット内の各刺激に対する対象者の応答性を得ること、とを含む。 感度関数は、対象者が刺激を報告する確率を刺激強度の関数として記述する。 任意選択で、本方法はまた、(e)グリッドのセットの2つ以上の異なる刺激に対する対象者の応答性を分析して、対象者の応答性のパターンを得るというさらなるステップを含むことができる。 さらなる選択肢として、本方法は、(f)対象の応答性のパターンを一つ以上の既知の応答性のパターンと比較するステップをさらに含むことができ、および(g)対象者における1つ以上の視覚的または神経学的状態の存在もしくは不存在、またはその可能性を特定すること、とを含む、特徴2の方法。
【0021】
この方法は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、または携帯電話などの任意の汎用計算デバイス上で、または、タッチスクリーン、マウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイス、キーボード、ボタン、または音声認識ソフトウェアと一緒にマイクまたはヘッドセットなどのグラフ表示およびユーザー入力機能を有する特別な目的のデバイス上で実行することができる。 デバイスは、指示、コマンド、または聴覚刺激を提示するための1つ以上のスピーカーをさらに含むことができる。 こ 方法は、訓練を受けた人による支援なしで、または支援を受けて、家庭やオフィスなどのあらゆる環境における対象者による自己管理に適している。 コンピュータまたは他のデバイスは、任意選択で、さらなる分析のために、または医療または検眼専門家による注意のために、対象のテストの結果を遠隔施設に送信することができる。 コンピュータまたは特殊用途デバイスは、スポーツイベントまたは戦場などの現場で使用するために、携帯可能でバッテリ駆動とすることができる。 試験を実施するために使用されるコンピュータまたは他のデバイスは、ディスプレイ、入力デバイス、プロセッサ、メモリ、および好ましくは無線通信用の無線トランシーバを含むであろう。 プロセッサおよび/またはメモリには、テストの実施、結果の計算、結果の保存、および別のコンピュータまたは他のデバイスへの結果の送信のためのソフトウェアをプレロードすることができる。
【0022】
ディスプレイは、アニメーションの有無にかかわらず画像の高解像度グラフ表現(時間の経過に伴う画像の変化)が可能なカラーディスプレイであることが好ましい。 試験画像の好ましい提示は、サイズおよび形状が類似または同一である多数のセルで構成されるグリッドまたはマトリックスの形態であるが、画像は、ディスプレイ上またはランダムまたはパターン化された配置を含む他の配置で単一で提示することもできる。 グリッドは通常、セルの長方形の順序を示し、セル自体は長方形、正方形、円形、楕円形、または別の形状にすることができる。 このような矩形配列は、行および列に配置された任意の数のセルを有することができる。 たとえば、グリッドは、2x2、2x3、2x4、2x5、2x6、3x2、3x3、3x4、3x5、3x6、4x2、4x3、4x4、4x5、4x6、5x2、5x3、5x4、5x5、5x6、6x2、6x3、6x4、6x5、または6x6グリッド(行x列)、またはその他の配置に配置されたセルであり得る。 セット内のグリッドの形式は、同じでも異なっていてもよい。 グリッドのセルは、任意の所望の2次元配置、例えば、3、4、6、8、9、10、12、15、16、20、24、25、27、30個またはそれ以上のセルを含む正方形または長方形のグリッド、または異なる配置で配置することができる。 セットには、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、30、40、50個、またはそれ以上のグリッドなど、任意の数のグリッドを含むことができる。
【0023】
グリッドのセルは、好ましくは、刺激なしまたは単一タイプの刺激のいずれかを表示し、ここで、刺激の強度は、刺激を含有するセル毎に変化する。 グリッドのセットは、各グリッドにおいて異なる刺激を含有することができ、またはセットの2つ以上のグリッドは、セル配置または強度範囲において同一または異なって提示される同じ刺激を含有することができる。 グリッドのセットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上の異なる刺激など、任意の数の異なる刺激を含有することができる。 グリッドのセットはまた、異なる強度範囲にわたって1つ以上のタイプの異なる刺激を提示することができ、その範囲は単一のグリッドで提示されるか、または2つ以上のグリッドに広げられる。
【0024】
刺激は、対象者によって知覚される視覚オブジェクトの特性であり得る。 例えば、刺激の知覚される特性は、視覚的オブジェクトまたはパターンの不在、存在、輝度、コントラスト、色、深さ、動き、ちらつき、空間形態、物体認識、物体形状、物体形態、物体サイズ、顔認識、顔特徴認識、特徴位置、特徴角度、空間分解能、ノイズ定義深度、および視覚物体またはパターンの疎パターン深さであり得、任意選択で、時間または空間にわたる変化または聴覚刺激の追加によって補完することができる。 好ましくは、知覚される特性は、それが現れるグリッドのすべてのセルについて同じであり、対象者による強さ、強度、または検出可能性は、グリッド内で変化する。 好ましくは刺激の強さ、強度、または検出可能性の範囲は、容易に検出可能な特性と同様にほとんど検出不可能な特性を包含する。 刺激を含有するかしないか、または刺激の様々な強度を含むセルのグリッドにおける位置は、ランダムにすることができ、または所望のパターンに従って選択することができる。 刺激またはその強度の範囲も適応的に表示することができ、対象者の感度がその場で計算され、後続のセル、グリッド、またはグリッドのセットにおける刺激または強度の範囲を変更するために使用される。 視覚刺激を伴なうグリッドの例を図1A~1Eに示す。
【0025】
任意選択で、セルは、グリッドの他のセルを表示せずに個々に表示することができ、対象者の気を散らすこと、または対象者の目または心の中のセル間の相互作用を回避することができる。 パターン知覚および運動知覚刺激は、複数の刺激の存在によって影響を受ける可能性がある。 動きやパターン刺激に対する感度は、中心視野よりも周辺視野で優れている可能性がある。 これは、ターゲットが現在の視線方向から離れたセルに表示され、対象者がセルを直接見ると表示されなくなり得ることを意味し、混乱を招く可能性がある。 さらに、所与のセルにおける刺激に対する感度は、特定のタスクのために隣接するセルにおける刺激によって影響を受ける可能性がある。 このような影響を回避するために、マウスの下のセルのみがいつでも提示される隠れたセルパラダイムを実施できる(図6を参照)。
【0026】
対象者が標的刺激を検出する任意のセルを選択することに加えて、追加の応答パラメータを記録し、スコアリングすることができる。 例えば、対象者の応答に対する信頼度は、セル内の別の場所をクリックすることによって示すことができる。 たとえば、観察者は、セルの左側をクリックして応答の信頼度が低いことを示すか、セルの右側をクリックして応答の信頼度が高いことを示すことができる。 セルの2つの次元(垂直と水平、または径と回転方向)を使用して、別々のパラメータ(たとえば、横軸に顔の見かけの年齢、縦軸に見かけの性別)をスコアリングすることができる。
【0027】
対象者が刺激を含有すると考えるすべてのセルを選択した後、コンピュータアルゴリズムは、各セルの応答を次のように分類することができる。
ヒット(正解:ターゲットが存在し、対象者によって選択されている)
ミス(正しくない:ターゲットは存在するが、対象者によって選択されていない)、
誤警報(正しくない:ターゲットは存在しないが、対象者によって選択されている)または
正しい拒否(正しい:ターゲットが存在せず、対象者によって選択されていない)
【0028】
信号検出理論は、各刺激強度の感度を推定するために使用することができる。 例えば、以下に示すd-プライム(d’)という関数を使用することができる。 データは精神測定関数と適合し、このタスクのこの観察者のd-プライム(d’)の更新された推定値を生成する。
【数10】

ここで、τ は感度閾値(すなわち、d’=1のときの刺激強度)、βは飽和関数の上漸近線(すなわち、d’=5の刺激強度)、sは信号強度、 γ は関数の傾きである。
【0029】
d-プライム関数は、刺激の存在をその強度の関数として報告する確率の精神測定関数に関連付けることができる(図1Fに図示)。
【数11】

ここで、G(s) は累積ガウス関数、およびΨyes(0)は誤警報率 である。
精神測定関数は、各グリッドについてオンザフライで計算され、対象者にとって検出が非常に困難なd’=0.1の刺激と、対象者にとって検出が非常に容易なd’=4.5の刺激強度とを推定するために使用される。
【0030】
代替の感度関数は配向誤差関数であり、次のように定義される:
【数12】

τは感度閾値、θiは内部配向の不確実性、sは信号強度、γは関数の傾きである。
【0031】
その他の関数には、次のように定義される累積ガウス関数が含まれる。
【数13】

τは感度閾値、pguessは推測に対する正しい応答の確率(代替応答選択肢の数の逆数に等しい)、sは信号強度、γは関数の傾きである。
各マトリックスの刺激は、難しいものから簡単なものまでの範囲に及ぶように選択できる。 信号刺激の数は、好ましくは各試行においてランダムであり、そしてマトリックスにおけるそれらの位置は好ましくは各試行においてランダムである。 最初の試行の刺激強度は、以前の観察者からのデータ(例えば、比較可能な対象者に対する典型的な感度)に基づくことができ、または物理的刺激限界(例えば、ディスプレイの色域)に基づくことができる。 後続の刺激に対する刺激強度は、現在の対象者の以前のすべてのグリッドについて計算されたd-プライムまたは別の精神測定関数の推定値に基づくことができ、各対象者の試験を最適化する。 試験の最後に、すべてのセルに対するすべての応答から視覚感度を計算できる。
【0032】
本技術の実施は、Psychtoolbox・オープンソースソフトウェアを利用することができる(psychtoolbox.org/credits 参照)。 他のソフトウェアも使用できる。
WO2013170091A1に記載されている試験、アルゴリズム、システム、またはデバイスのいずれも、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本技術において使用することができる。
【0033】
精神測定式は、コントラストの空間周波数や色の色相などの単一の刺激次元を使用して、コントラストや色などの刺激特性の閾値を決定するために使用し得る。 多くの場合、そのような閾値に対する関数形式が知られている。 たとえば、対数放物線は、コントラスト感度を空間周波数の関数として表す(図2A)。非対称楕円は、色の閾値を色相の関数(図2B)または時間的コントラスト感度関数の関数形式として表す。 これらの場合、各グリッド上の刺激の範囲は、潜在的に可視の刺激範囲(例えば、空間周波数、色相、または時間的周波数)および刺激強度(例えば、0.1から4.5までのd’の進行中の推定値にまたがる)の進行中の推定値をカバーするように指定することができる。 図2は、コントラスト感度関数と色検出楕円のための2次元d’面の一例を示す。このアプローチは、3次元(例えば、時空間コントラスト感度関数、図2C)またはさらに高次元関数に一般化することができる。
【0034】
対象者検査から出力される要約データは、刺激と感度の関係の関数形式がわかっている場合、対数コントラスト感度関数の下の面積、閾値対コントラスト関数の下の面積、色彩感度関数の下の領域、および空間時間的コントラスト感度関数の下の体積を含むことができる。
一例として、視覚コントラスト感度は、次の関係に従って、空間周波数とコントラストの関数として2次元で変化する。
【数14】

(Watson & Ahumada, 2005, A Standard Model for Foveal Detection of Spatial Contrast, Journal of Vision, 5, 717-740)。
一例として、視覚コントラスト感度は、次の関係に従って、空間周波数とコントラストの関数として3次元で変化する。
一例として、視覚コントラスト感度は、次の関係に従って、空間周波数とコントラストの関数として3次元で変化する。
【数15】


(D. Kelly, Motion and vision. II. Stabilized spatio-temporal threshold surface, JOSA, 69, pp. 1340-1349 (1979).
【0035】
さらに別の例として、視覚的な色感度は、基準点(h,k)を中心とした楕円に従って、彩度(k)と色相角(h)の関数
【数16】
として2次元で変化する。(W. R. J. Brown and D. L. MacAdam, "Visual Sensitivities to Combined Chromaticity and Luminance Differences*," J. Opt. Soc. Am. 39, 808-834 (1949))
【0036】
上記の方法は、視力を評価するために使用することができる。
-これは通常、予め印刷されることが多いレターチャートで測定される。 従来の方法は遅く、通常は技術者によって管理され、参加者は西洋のアルファベットを知っている(または子供に優しい文字を認識する)必要があり、通常、訓練を受けたテスト管理者による応答スコアリングが必要である。本技術は、迅速で直感的であり、診療所で管理されるか、自宅で自己管理されるという利点を備えた視力を測定するために使用することができる。 図3は、このメソッドを適用するためのグリッドの例を示している。 標準的な視力チャート(logMARおよびSnellenなど)における場合と同様に、試験は、典型的な視力のある集団の視力の範囲にまたがるために、簡単(20/200相当)から難しい(20/10相当)の範囲の一連の刺激から始まる。 この範囲外の刺激は、対象者が第1チャート上の刺激の全てまたは全く正確に識別しない場合にも提示され得る。 このような場合、アルゴリズムは自動的に試験範囲を拡大できる。 各刺激は、線幅が刺激直径の1/5であり、ギャップ角度が線幅に等しい配向円弧であり、FDAの視力基準に抗う。観測者は輪をクリックして円弧の方向を示す。 これは、標準チャートの少数の選択肢(logMARの場合は10AFC;HOTV、ランドルトC、またはタンブリングEの場合は4AFC)とは異なり、継続的な応答である。 さらに、本試験は、空間処理視覚経路の異なる領域をプローブするために刺激をバンドパスフィルタリングする、または色刺激を使用するなどの他の方法と組み合わせることができる。 これにより、識別するのに十分な大きさの刺激であっても誤差の推定が可能になり、白内障や乱視などの状態や加齢黄斑変性症などの神経眼疾患の診断が可能になる。
【0037】
本方法は、超閾値識別性能、ならびに閾値性能を推定するために拡張することができる。 図4Aは、ペデスタル対コントラスト刺激の測定を示しており、ターゲット(ここではガボールパッチ)がさまざまなコントラストレベルの背景に表示される。 この刺激に対する感度は、神経測定反応に関連している。 図4Bは、2つの例、すなわちコントラスト対閾値(a)および色識別閾値(b)タスクの測定を示す。 この場合、各セルには複数の刺激が含まれている。 非標的セルにおいては刺激は同じ色相であり、標的セルにおいては刺激の色相は色空間の可変距離によって異なる。 観察者は要素の色が異なるセルを選択し、アルゴリズムは色空間の閾値距離を適応的に推定する。 円錐コントラスト制御色検出感度(図1E)が網膜色欠損の診断であるのに対し、超閾値色識別閾値は皮質有彩色処理を探索する。
図5は、顔認識、この場合は知覚される性別を変数として使用する例を示している。 各面は、個体A(左上)と個体B(右下)のブレンドであり、Bの寄与度はグリッドの下と右に向かって増加する。
【0038】
いくつかの神経障害は、顔の処理に選択的に影響を与える。 例えば、相貌失認では個人の識別が損なわれ、自閉症スペクトラム障害の人では感情的影響の認識が損なわれ得る。 この技術は、社会的認知障害の存在、進行、または改善を検出するために、標的および非標的の社会的認知信号を含むように拡張することができる。 図5は、個体A(左上)のアイデンティティを個体B(右下)に徐々にブレンドした例を示す。各個人の寄与の重みは、閾値(等しく個人Aまたは個人B)と傾き(患者の決定が変化する速度)によって決定され、チャート(グリッド)間でアルゴリズムによって適応的に制御され得る。 パラダイムの変形には、怒り、軽蔑、嫌悪感、楽しみ、恐怖、悲しみ、驚きなどの感情状態、またはセル間で異なるそれらの組み合わせが含まれ得る。 年齢も変数として使用できる。輝度とクロミナンスの手がかりを同一性に排除するために、開始画像のRGBヒストグラムを調整して一致させることができることに注意されたい。 このような方法は、神経型対象者および神経学的状態を有する患者における社会的手がかりの検出の精度および正確さを定量化するために使用することができる。 このアプローチでは、物体認識や画像の複雑さを含む、視覚認知の他の領域の調査も可能する。
【0039】
本技術は、以下の方法で従来技術の限界に取り組む可能性を有する。 第一に、検査は非常に迅速であるため、1回のクリニック訪問またはスクリーニングで1つ以上の検査を便利に施すことができる。 第二に、複数の異なる刺激タイプを使用して同じパラダイムを採用することができるため、異なる脳領域の機能の包括的な評価を迅速かつ効率的に完了することができる。 第三に、すべてのテストに同じわかりやすいプロトコルを使用できるため、すべての能力のヒトの対象者がテストを完了でき、異なるテストで新しいプロトコルを習得する必要はない。 第四に、テストには簡単な刺激と難しい刺激が同時に含まれているため、対象者は現在の仕事のテスト信号を覚えておく必要はない。 第五に、テストは自己管理できるため、ヒトの対象者は、クリニックに行かずに、自宅、職場、旅行中、またはスポーツイベントのサイドラインにおいてテストを完了できる。
【0040】
本技術は、加齢黄斑変性症、緑内障、弱視など、さまざまな眼科疾患の進行を検出および/または監視するために使用できる。 脳しんとうなどの神経学的疾患または状態もまた、本技術を用いて診断および/または監視することができる。 この技術は、眼科疾患や神経疾患の医薬品開発に大きく貢献することができる。 本明細書で提供される試験はまた、コンタクトレンズ、眼鏡、または眼内レンズを含む矯正などの検眼補正のエンドポイントとして使用することができる。 この検査は、外傷性脳損傷、頭部外傷、自閉症スペクトラム障害、注意欠損障害などの神経眼科疾患の処置のエンドポイントとしても使用できる。 表1は、この技術がさまざまな視覚的および神経学的状態を具体的に診断する方法をまとめたものである。
【0041】
【表1】

表1: 科学的参照を含む対象条件の非網羅的なリスト。各テストはまた、典型的または非定型の発達または加齢に伴う変性を定量化する
*欠損のパターンは病変の軌跡によって異なる

【0042】
参照


【0043】
本技術は、以下の有利な特徴を含む:
i)テストは非常に迅速で、同等のテストよりも少なくとも10倍高速である。 1回の包括的なテストは、代替方法で18分であるのに対し、約30秒で実行できる。
ii)試験方法は、さまざまな視覚経路の幅広い検査に一般化できる。 他のテストでは、対象者はテストごとに新しい刺激とタスクを習得する必要がある。 同じ方法が幅広い検査で採用されているため、患者のより包括的な評価を行うことができる。
iii)テストは直感的で管理が簡単である。 他の検査(例えば、文字視力チャート)は、対象者が特定の検査項目(例えば、西洋のアルファベット)を習得することを必要とし、これは若い、または非西洋の、または認知障害のある対象者のテストを複雑にする。
iv)テストは適応的である。 各グリッドは、連続する刺激に対する応答に基づいて更新することができ、各グリッドは、挑戦的な刺激と簡単な刺激の両方を含むことができ、これは、例示的な刺激の存在を保証し、タスクに対するメモリ需要を減少させる。
v)テストには意図的にキャッチとヌルの刺激が含まれており、不正行為を防ぎ、他のテストで遭遇する推測のフラストレーションを排除する。
vi)テストは自己管理することができ、臨床医または技術者がテストを監督する必要はありません。
vii)テストは、家庭、スポーツアリーナ、戦場などのクリニックから離れた場所で、または生態学的瞬間評価のために実施できる。 管理の容易さと迅速さは、他の方法よりも早期に視覚経路欠損の障害を特定するのに役立ち、早期介入と治療結果の改善につながる可能性がある。
【0044】
本明細書に記載される方法は、任意の適切なコンピューティングシステムにおいて実施することができる。コンピューティングシステムは、コンピューティングデバイスがアプリケーション層を実行するか、または他の方法で様々な処理タスクを実行することを可能にするハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの組み合わせを含むコンピュータデバイスとして実行することができ、またはそれを含むことができる。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバー、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、無線デバイス、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、組み込みデバイス、マイクロプロセッサベースのデバイス、マイクロコントローラベースのデバイス、プログラマブル家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
処理タスクは、1つ以上のプロセッサによって実行することができる。単一プロセッサまたはマルチプロセッサ、中央処理装置(CPU)、マルチコアプロセッサ、並列プロセッサ、または分散プロセッサなど、さまざまな種類の処理テクノロジを使用できる。グラフィックス(例えば、グラフィックス処理ユニットまたはGPU)、ビデオ、マルチメディア、または数学的処理能力などの追加の特殊な処理リソースを提供して、特定の処理タスクを実行できる。処理タスクは、コンピューティングデバイスによって実行されるアプリケーションプログラムまたは他のプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令を用いて実行することができる。アプリケーションプログラムおよびプログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、またはデータを操作するルーチン、サブルーチン、プログラム、スクリプト、ドライバ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。
【0045】
プロセッサは、小規模集積回路、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルロジックデバイス、マスクプログラムゲートアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などの1つ以上の論理素子を含むことができる。論理素子には、算術論理ブロックおよび演算子、レジスタ、有限状態マシン、マルチプレクサ、アキュムレータ、コンパレータ、カウンタ、ルックアップテーブル、ゲート、ラッチ、フリップフロップ、入出力ポート、搬入および実行ポート、パリティジェネレータ、ならびに論理ブロック、論理ユニットおよび論理セルの相互接続リソースを含むことができる。
【0046】
コンピューティングデバイスには、メモリまたはストレージを含み、これらは、システムバスによって、または他の任意の方法でアクセスすることができる。メモリは、制御ロジック、指示、および/またはデータを格納できる。メモリは、キャッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、メインメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ブロックランダムアクセスメモリ(BRAM)、およびメモリスタ・メモリセルなどの一時的メモリ含むことができる。メモリは、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)および消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)などのファームウェアまたはマイクロコード用のストレージを含むことができる。メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ワンタイムプログラマブル不揮発性メモリ(OTPNVM)、ハードディスクドライブ、光ストレージデバイス、コンパクトディスクドライブ、フラッシュドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、メモリチップ、およびメモリスタ・メモリセルなどの非一時的または不揮発性または永続メモリを含むことができる。非一時的メモリは、リムーバブル記憶装置に提供できる。コンピュータ可読媒体は、命令を符号化することができる任意の物理媒体および/または、本明細書に記載されるシステムおよび方法の実施形態を実行するためにプロセッサによってその後使用することができるデータを記憶することができる任意の物理媒体を含むことができる。物理メディアには、フロッピー ディスク、光ディスク、CD、ミニCD、DVD、HD-DVD、ブルーレイ ディスク、ハード ドライブ、テープ ドライブ、フラッシュ メモリ、またはメモリ チップなどがある。プロセッサに命令および/またはデータを提供することができる任意の他のタイプの有形、非一時的ストレージを、本明細書に記載されるシステムおよび方法において使用することができる。
【0047】
コンピューティングデバイスには、入力および出力デバイスをコンピューティングデバイスの様々な他のコンポーネントに接続するための1つ以上の入力/出力インターフェースを含むことができる。入力および出力デバイスには、キーボード、マウス、ジョイスティック、マイク、カメラ、ウェブカメラ、ディスプレイ、タッチスクリーン、モニター、スキャナー、スピーカー、およびプリンターが含まれるが、これらに限定されない。インターフェースには、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポートなどを含むことができる。
【0048】
コンピューティングデバイスには、コンピューティングデバイスに電気通信能力を提供するネットワーク接続を介してネットワークにアクセスすることができ、ネットワーク接続は、コンピューティングデバイスが、通信リンクを介して、リモートデバイス、リモートネットワーク、およびリモートエンティティの任意の組み合わせと通信および相互作用することを可能にする。通信リンクは、有線または無線リンクを含むがこれらに限定されない任意のタイプの通信リンクであり得る。例えば、ネットワーク接続は、コンピューティングデバイスが、有線および/または無線ネットワークであり得、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、企業全体のネットワーク、中程度領域ネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WANS)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、インターネット、セルラーネットワークなどの任意の組み合わせを含むことができるネットワークを介してリモートデバイスと通信することを可能にすることができる。制御ロジックおよび/またはデータは、ネットワーク接続を介してコンピューティングデバイスとの間で送受信することができる。ネットワーク接続は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカード、または、通信リンクを介したデータの伝送および受信を可能にするなどを含むことができる。トランシーバは、共通の回路、ハウジング、または回路基板を共有するか、または分離された回路、ハウジング、または回路基板に分散するかにかかわらず、信号を送受信する1つ以上のデバイスを含むことができ、トランスミッタレシーバを含むことができる。
【0049】
コンピューティングデバイスは、ユーザーが通信リンクを介してウェブサーバーによって提供されるページまたは他のコンテンツを閲覧および表示することを可能にするブラウザおよびディスプレイを含むことができる。ウェブサーバー、サーバー、およびデータベースは、同じ場所または異なる場所に配置でき、同じコンピューティングデバイス、異なるコンピューティングデバイスの一部にすることも、ネットワーク全体に分散することもできる。データセンターは遠隔地に配置し、ネットワークを介してコンピューティングデバイスからアクセスできる。 コンピュータシステムには、例えば、クラウドコンピューティングアーキテクチャなどの、1つ以上のネットワーク上に分散されたアーキテクチャを含むことができる。クラウドコンピューティングには、たとえばサービスとしてのソフトウェア(SaaS)を提供するための分散ネットワークアーキテクチャが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
本明細書で使用される場合、「本質的に~からなる」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を及ぼさない材料またはステップを含めることを可能にする。 本明細書における用語「含む」の任意の引用は、特に組成物の構成要素の説明または装置の要素の説明において、「本質的に~からなる」または「~からなる」という代替表現と交換することができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】