(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】自動車のリムを保護するための装置
(51)【国際特許分類】
B60B 7/01 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
B60B7/01 C
B60B7/01 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514991
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2020074411
(87)【国際公開番号】W WO2022048735
(87)【国際公開日】2022-03-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523075899
【氏名又は名称】ファルク アルティンソイ
【氏名又は名称原語表記】Faruk Altinsoy
【住所又は居所原語表記】Am Hannenhof 6a, 40668 Meerbusch, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】523075903
【氏名又は名称】リヴィオ ステラ
【氏名又は名称原語表記】Livio Stella
【住所又は居所原語表記】Gerhart-Hauptmann-Strasse 18, 40880 Ratingen, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】523075914
【氏名又は名称】カーステン シャファルツ
【氏名又は名称原語表記】Carsten Schaffarz
【住所又は居所原語表記】Friesenweg 63, 47506 Neukirchen-Vluyn, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ファルク アルティンソイ
(57)【要約】
本発明は、自動車のリム(2)を保護するための装置(3)であって、この装置(3)によってリムフランジ(4)の外面が覆われており、装置(3)は、リムフランジ(4)の直径に合わせて調整される直径を有する1つのリング(5)から成っており、リング(5)は、装置(3)をリムフランジ(4)に取り付けるために、リムフランジ(4)の内面とタイヤ(1)のサイドウォールとの間に緊締可能である周方向に延在する舌片(5.2)を有する、装置に関する。速度が極めて高い場合でも、装置(3)に作用する力が相応に大きい場合でも、装置(3)がリム(2)に確実に保持されていることが求められている。この場合、リム(2)に対しては変更が不要であり、組付けが簡単であることが求められている。このことは、単一のリング(5)が、硬質の材料から製作されていて、一貫した半径方向の間隙(6)を有しており、リングの、間隙(6)により形成された端面(5.3)同士が、緊締ねじ(8)によって結合可能であることによって達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のリム(2)を保護するための装置であって、
前記装置(3)によってリムフランジ(4)の外面が覆われており、
前記装置(3)は、前記リムフランジ(4)の直径に合わせて調整される直径を有する1つのリング(5)から成っており、
前記リング(5)は、前記装置(3)を前記リムフランジ(4)に取り付けるために、該リムフランジ(4)の内面とタイヤ(1)のサイドウォールとの間に緊締可能である周方向に延在する舌片(5.2)を有する、
装置において、
単一の前記リング(5)は、硬質の材料から製作されていて、一貫した半径方向の間隙(6)を有しており、
前記リングの、前記間隙(6)により形成された端面(5.3)同士が、緊締ねじ(8)によって結合可能であることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記リング(5)は、軽金属または軽金属合金から製作されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記リング(5)は、カーボン複合材料から製作されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記間隙(6)は、前記リング(5)の緊締されていない状態で5mm~20mmの幅を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記緊締ねじ(8)のねじ山は、互いに異なる呼び径を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記間隙(6)にカバー(9)が覆設可能であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記リング(5)の外向きの面に装飾リング(12)が取付け可能であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記カバー(9)または前記装飾リング(12)は、前記緊締ねじ(8)のねじりを防止するための手段(9)を備えることを特徴とする、請求項6または7記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のリムを保護するための装置であって、この装置によってリムフランジの外面が覆われており、装置は、リムフランジの直径に合わせて調整される直径を有する1つのリングから成っており、リングは、装置をリムフランジに取り付けるために、リムフランジの内面とタイヤのサイドウォールとの間に緊締可能である周方向に延在する舌片を有する、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置自体は、例えばリム保護リングという用語で知られている。装置は、特に高価なリム、例えば、いわゆる軽金属リムを機械的な損傷から保護するために使用される。このような損傷は、走行中、例えば走行路上に存在する物体との接触または特に縁石の縁による引掻き傷の形態で与えられることがある。特に外側のリムフランジの外側の面が損傷に見舞われ、この損傷は非常に目につきやすいがゆえに不快なものである。
【0003】
自動車用のリムは、基本的には、ディスク状のホイールリムから成っている。このホイールリムの周面には、リムウェルが配置されている。このリムウェルは、各々の側方でリムフランジによって画定されている。タイヤは、リムウェルに接してリムフランジ同士の間に緊締されている。リムとタイヤとがホイールを形成している。
【0004】
独国実用新案第202010004397号明細書に基づき、タイヤとリムフランジとの間にクランプ式に組み付けられたリム保護リングが公知である。このリム保護リングはタイヤの側面の一部を覆っているにすぎず、リム自体は外側から保護されないままである。リム保護リングは、タイヤと共にリムに組み付けることができるにすぎない。
【0005】
独国特許出願公開第102012015516号明細書には、装飾リングとして形成されたリム保護リングが開示されている。リム保護リングは、リム外面の平面を越えて外向きに張り出しているものの、リム外面を覆わないように成形されている。これによって、リムに対する僅かな保護作用しか存在していない。リム保護リングは、タイヤと共にリムに組み付けることができるにすぎない。
【0006】
独国特許出願公開第4009757号明細書には、弾性的な材料から成るリム保護リングが記載されている。このリム保護リングは、特殊に成形された周方向溝を有している。この溝によって、リム保護リングはリムフランジにクランプ式に装着される。これは、タイヤの組付け前に行われなければならない。
【0007】
欧州特許第2150421号明細書には、肉薄に形成された内側の区分と、広幅に形成されたヘッド区分とを備えた、弾性的な材料から成るリム保護リングが開示されている。内側の区分は、リムフランジの内面とタイヤとの間に緊締されており、ヘッド区分は、リムフランジに外側で重なり合っていて、特別な構成では、リムフランジに密着している。リム保護リングは、タイヤと共にリムに組み付けることができるにすぎない。材料の弾性に基づき、ヘッド区分は、負荷がより大きいと逸れてしまい、有効な保護を提供しなくなってしまう。
【0008】
類似のことが、米国特許出願公開第2014/0167490号明細書についても言える。同明細書では、取付けのための区分が連続しておらず、相応の羽根を有している。
【0009】
米国特許第2964357号明細書に基づき、ばね弾性的なクリップによりリムフランジに取り付けられた装飾リングが公知である。取付けは、装飾リングが、対応するクリップに設けられた第2のばね要素によって初めて取り付けられているので、比較的安全でないように見受けられる。
【0010】
米国特許出願公開第2007/0290548号明細書には、ねじによりリムフランジに緊定された、リムを保護するためのリングが記載されている。
【0011】
国際公開第2005/009761号に基づき、リムフランジの外側にクリップにより取付け可能であるリム保護リングが公知である。このリム保護リングは、負荷が半径方向にかかるとリムから比較的容易に跳び出してしまう。
【0012】
独国実用新案第202009013418号明細書には、保護リング(リムアタッチメント)が外側にねじ締結されたリムが示されている。保護リングは、特定のリムに対してしか使用することができない。
【0013】
独国特許出願公開第102016113234号明細書には、リム保護リングであって、このリングに多数の取付け要素が取り外し可能に取り付けられており、タイヤとリムフランジの内面との間に緊締可能であるリム保護リングが記載されている。
【0014】
韓国登録特許第101465055号公報に基づき、帯状の形材が適切な長さに切断され、その後、環状に曲げられるリムプロテクタが公知である。形材には、リフレクタとしての帯材がクランプ式に取り付けられていてよい。
【0015】
国際公開第2009/121120号には、リムフランジに被嵌することができる、軟質の材料から製作されたリム保護リングが開示されている。このリングには、装飾ストリップが取り付けられていてよい。
【0016】
本発明の出発点となる独国特許発明第102019107128号明細書には、2つのリングから形成された、リムを保護するための装置が開示されている。第1のリングは、周方向に延在する舌片と、一貫した半径方向の間隙とを有している。舌片は、リムひいてはホイールへの装置の確実な保持を保証している。なぜならば、舌片の内径がリムフランジの最大の直径よりも小さいからである。第1のリングの組付けは、この第1のリングの短期間の弾性的な開放ひいてはリムフランジへの被嵌を可能にする間隙によって可能となる。この間隙の不本意な開放が、第1のリングに取り外し可能に取り付けられた第2のリングによって阻止される。リングは、硬質の材料から製作されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、リムを保護するための装置を改良して、速度が極めて高い場合でも、装置に作用する力が相応に大きい場合でも、装置がリムに確実に保持されているようにすることである。この場合、リムに対しては変更が不要であることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、請求項1の特徴によって解決されている。単一のリングが、硬質の材料から製作されていて、一貫した半径方向の間隙を有しており、リングの、間隙により形成された端面同士が、緊締ねじによって結合可能である。
【0019】
「結合」とは、本明細書では、結合後に端面同士が直接接触していなければならないことを意味するものではない。大抵の場合、端面同士は装置の組付け時に間隔を有することになり、この間隔が緊締ねじによって橋渡しされている。
【0020】
リングひいては装置は、硬質の材料から製作されている。これによって、高い安定性ならびに耐久性ひいてはリムとタイヤとの良好な保護も保証されている。ホイールの高速の回転中、例えば高い速度での自動車の走行時の「フラッタ」およびその振幅が、少なくとも最小限に抑えられている。
【0021】
間隙によって、装置の組付けまたは取外しが可能となる。
【0022】
緊締ねじによる端面同士の結合は、リムに対する組み付けられた装置の確実な保持を保証している。なぜならば、こうして、緊締ねじを緩めた後でしかリムから再び取り外すことができない、実際には閉じたリングが形成されるからである。この場合、リムの製作誤差も装置の製作誤差も間隙の間隙幅の変更によって補償することができ、これによって、リングを少なくとも遊びなしにリムフランジに組み付けることができる。場合により、リムフランジに加えられるリングの予荷重が調整されてもよい。これによって、装置とリムとが理想的に互いに適合しており、これによって、リムフランジに対するリングの、センタリングされた不動の保持が保証されている。さらに、遊びなしの組付けが、リムおよび装置の相互の損傷を阻止している。
【0023】
装置を取り付けるために、リムに対しての変更は不要である。リムは原型状態を保ち続け、その値を維持している。
【0024】
リングは、リムの見栄えを実質的に共に決定し、こうして、自動車全体の外観にプラスの影響を与える。リングのデザイン、例えばカラーデザインおよび/またはパターンは十分自由に選択可能である。リングにはまた、装飾要素、例えばねじが取り付けられてもよいし、模倣されてもよい。
【0025】
従属請求項は、本発明の好適な構成に該当している。
【0026】
一構成では、リングが軽金属または軽金属合金から製作されている。装置は、全体的に軽量に製作することができるにもかかわらず、大きな強度を有している。
【0027】
代替的な構成では、リングが、カーボン複合材料から製作されている。これによって、重量がさらに減じられる。
【0028】
別の構成では、間隙が、リングの緊締されていない状態で5mm~20mmの幅を有している。「緊締されていない状態」とは、本明細書では、間隙を開閉するための力が作用していないことを意味している。記載した間隙の幅によって、組付けまたは取外しが容易になり、より大きな製作誤差の補償も可能となる。
【0029】
更なる構成では、緊締ねじのねじ山が、互いに異なる呼び径を有している。これによって、装置の組付けが容易になる。なぜならば、端面に対する緊締ねじの誤った向きに即座に気づけるからである。
【0030】
更なる構成では、間隙にカバーが覆設可能である。これによって、装置の視覚的な作用が改善され、汚れの堆積が減少し、こうして、取外しを容易にすることができる。
【0031】
カバーに対して代替的には、リングの外向きの面に装飾リングが取付け可能である。この装飾リングは、リムの予め規定の部分と、場合により、タイヤの外側側面の一部とを覆う。これによって、保護作用が全体的に向上する。さらに、ホイールのデザインを全体的にさらに変更することができる。
【0032】
好適には、カバーまたは装飾リングが、緊締ねじのねじりを防止するための手段を備える。この手段は、例えば、緊締ねじに設けられた相応の孔と協働する心棒として形成されているか、またはクリップとして形成されている。これによって、緊締ねじが不本意に緩み、ひいては、装置が不安定になるかまたはリムから跳び出してさえしまうことが阻止される。
【0033】
本発明を概略図に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】リムを保護するための装置が組み付けられたホイールを示す図である。
【
図4】間隙の領域におけるリングの詳細な縦断面図である。
【
図5】カバーの詳細な背面図(a)ならびに側面図(b)である。
【
図6】装飾リングを備えたリングの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1~
図4から明らかであるように、自動車(Kfz)のホイールはタイヤ1を備えている。このタイヤ1は、リム2に通常の形態で組み付けられている。自動車にホイールが取り付けられている場合に難なく認めることができる円形の面であるホイールの外面には、リム2を保護するための装置3が配置されている。
【0036】
リム2は、通常のように、リムディスクを備えている。このリムディスクの外周面には、リムウェルが配置されている。このリムウェルの各々の周側方は、リムフランジ4によって画定されている。リム2に最終的に組み付けられたタイヤ1は、そのサイドウォールのビードの領域でリムフランジ4同士の間に緊締されている。タイヤ1の外側、つまり、ホイールが組み付けられている場合に認めることができるサイドウォールには、リムフランジ4の近くに、ゴムから成る環状の肉厚部が形成されていてよい。
【0037】
装置3は、リム2の呼び径に適合した平均直径を有する単一のリング5から成っている。このリング5は、リムフランジ4のうちの外側のリムフランジ4に外向きに配置されている。
【0038】
リング5は、
図3により明瞭に示してある。リング5はその全周のうちの一箇所で半径方向に分断されており(これによって、リング5は、正確に言えば、例えば約350°~約359°にわたるリング区分である)、したがって、間隙6を形成している。分断の結果、分離箇所には、間隙6を画定する2つの端面5.3が形成されている。
【0039】
リングは、横断面で見て実質的に長方形である基体5.1を有している。
【0040】
基体5.1の第1の長辺の、
図3で見て上側の端領域には、基体5.1と一体に舌片5.2が一体成形されている。この舌片5.2は、第1のリング5の周方向にわたって延在しており、基体5.1に向いた凹状の面を有する湾曲部を有している。舌片5.2の凹状の画定部は、円セグメントと直線とから形成されていて、リムフランジ4の、割り当てられた部分の形状に適合している。舌片5.2はその自由端部に向かって先細りにされている。これは、凸状の画定部の円セグメントのアールが、舌片5.2の凹状の画定部のアールよりも大きいことを意味している。自由端部は、半円形に丸み付けされている。凸状の画定部は、延長部において、基体5.1の、割り当てられた上側の半径方向外側の広幅面を画定している。
【0041】
基体5.1のこの半径方向外側の広幅面には、図示のように、例えばV字形の溝5.4が加工されていてよい。
【0042】
図4から特に良好に明らかであるように、端面5.3の各々には、この端面5.3に対して垂直に第1の盲孔7が加工されている。両方の第1の盲孔7は、好ましくは、互いに異なる直径を有している。第1の盲孔7の各々には、明示的に図示していない雌ねじ山が配置されている。この場合、両方の雌ねじ山は互いに逆向きである。
【0043】
端面5.3同士の間には、第1の盲孔7の雌ねじ山に係合して、緊締ねじ8が配置されている。この緊締ねじ8は、通常のように、互いに逆向きの2つの雄ねじ山(図示せず)を有している。これら2つの雄ねじ山は、第1の盲孔7の雌ねじ山に適合するように、互いに異なる直径を有している。雄ねじ山同士の間には、中間部分が形成されている。この中間部分はねじ山を有しておらず、雄ねじ山のうちの大きい方の雄ねじ山よりも大きな取囲み直径を有している。中間部分には、互いに直交するように配置された2つの半径方向の貫通孔が加工されている。貫通孔に対して代替的には、中間部分が六角形に成形されており(図示せず)、これによって、中間部分を適切なスパナによって軸線方向にねじることができる。
【0044】
リング5は、硬質の材料、例えば軽金属合金またはカーボン複合材料から製作されている。緊締ねじ8は鋼から成っている。
【0045】
好適な構成では、間隙6は、
図5に詳細に示した取外し可能なカバー9によって外側で覆われている。このカバー9は、リング5の半径にほぼ相当する平均半径を有するリング区分の形状を有している。カバー9の長さは、例えば3cm~6cmである。カバー9はU字形の横断面を有している。この場合、組み付けられた状態では、U字の脚部が、基体5.1の広幅面を少なくとも部分的に取り囲んでいる。カバー9の長手方向端部は、
図5に示したように、半円形に丸み付けされていてよい。長手方向の中央には、凸状の側に近づくようにずらされて、図示の構成では円形の横断面を有する心棒10の形態の、緊締ねじ8のねじりを防止するための手段が配置されている。心棒10は、U字の脚部の高さよりも大きく、この場合、少なくとも心棒10がカバー9の組付け時に緊締ねじ8の貫通孔のうちの一方を完全に貫通するような大きさである長さでカバー9の内側の面から垂直に突出している。
【0046】
半径方向で心棒10の前後には、それぞれ1つの係止ばね11が配置されており、これによって、この係止ばね11の対が緊締ねじ8の中間部分にクランプ式に作用するようになっている。これによって、カバー9がリング5に着脱可能に保持されている。係止ばね11の対向した面は、中間部分に相応に成形されており、これによって、六角形の中間部分の場合に緊締ねじ8のねじりの防止が確保されている。
【0047】
係止ばね11の長さは、最大で中間部分の軸線方向の長さに等しい大きさである。カバー9の、組み付けられた状態で認めることができる面、つまり外側の面は、装飾、例えばロゴまたはマークを有していてよい。
【0048】
リング5の全周にわたって均等に分配されて、基体5.1の外面には、雌ねじ山を有する複数の第2の盲孔または貫通孔が加工されていてよい。
図6に示したように、カバー9の配置に対して代替的には、リング5の外面が装飾リング12によって覆われている。この装飾リング12には、上述した孔に対応する第3の貫通孔が配置されている。装飾リング12はリム2の直径に適合しており、装飾リング12の半径方向外側の縁部に形成された短い折曲げ片を除いて実質的に平らである。折曲げ片は数mmの幅を有していて、装置3が最終的に組み付けられた場合、基体5.1の半径方向外側の広幅面に対して遊びを全く有していないかまたはほんの僅かしか有していないように直角内向きになっている。装飾リング12は、例えばキャップスクリュによってリング5に取り付けられている。代替的には、折曲げ片は幾分かより広幅であり、溝5.4内に係止可能である係止突起を有している。装飾リング12は種々異なるデザインを有していてよく、簡単に交換可能である。
【0049】
装置3をホイールに組み付けるためには、まず、リング5が、緊締ねじ8を相応にねじることによって開放され、その後、舌片5.2がリムフランジ4に被せられてよい。この場合、緊締ねじ8は、第1の盲孔7から完全に取り出されるべきではなく、これによって、数ピッチのねじ山が内部に保持されている。緊締ねじ8を逆方向にねじることによって、装置の直径が縮径され、その後、舌片5.2が、僅かな予荷重を伴ってリムフランジ4に密着する。最後に、ホイールが自動車に取り付けられる。装置は、1つには、舌片5.2の最小の直径に対するリムフランジ4のより大きな外径によって、もう1つには、リムフランジ4とタイヤ1との間での舌片5.2の緊締によって、ホイールに確実に取り付けられている。
【0050】
場合により、カバー9または代替的には装飾リング12が、基体5.1の外側に取り付けられる。
【0051】
装置3をホイールから、例えば装置の交換のためにまたはタイヤ交換に際して取り外すためには、場合により、カバー9または装飾リング12が基体5.1から取り外される。リング5は、緊締ねじ8を相応にねじることによって開放され、その後、リムフランジ4を越えて舌片5.2をリムフランジ4から引き離すことができ、こうして、装置3をホイールから取り外すことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 タイヤ
2 リム
3 装置
4 リムフランジ
5 リング
5.1 基体
5.2 舌片
5.3 端面
5.4 溝
6 間隙
7 第1の盲孔
8 緊締ねじ
9 カバー
10 心棒
11 係止ばね
12 装飾リング
【国際調査報告】