(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】調節核酸配列
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20230915BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20230915BHJP
C12N 15/861 20060101ALI20230915BHJP
C12N 15/867 20060101ALI20230915BHJP
C12N 7/01 20060101ALI20230915BHJP
C12N 15/90 20060101ALI20230915BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230915BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230915BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230915BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20230915BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20230915BHJP
A61P 25/14 20060101ALN20230915BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/864 100Z
C12N15/861 Z
C12N15/867 Z
C12N7/01
C12N15/90 Z
C12N5/10
A61K48/00
A61P43/00 105
A61K35/76
A61K31/7088
A61P25/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514994
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 GB2021052273
(87)【国際公開番号】W WO2022049385
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520375033
【氏名又は名称】アスクレピオス バイオファーマシューティカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アン・ブラーエ
(72)【発明者】
【氏名】フアン・マヌエル・イグレシアス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エル・ロバーツ
(72)【発明者】
【氏名】シンクレア・クーパー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
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4B065AA95Y
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4C084AA13
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4C084ZB21
4C086AA01
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4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZB21
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA12
4C087MA66
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZA02
4C087ZB21
(57)【要約】
本発明は、調節核酸配列、特に、NS特異的プロモーター、細胞特異的プロモーター、多細胞特異的プロモーター及びそのエレメントに関する。本発明はまた、このようなプロモーターを含む、発現構築物、ベクター、ビリオン、医薬組成物及び細胞に、及びその使用方法に関する。調節核酸配列は、遺伝子療法適用にとって特に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーター:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)又はその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_S100B(配列番号24)又はその機能的バリアント、
- CRE0005_GFAP(配列番号19)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0012_Arc(配列番号21)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_GFAP(配列番号27)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_GFAP(配列番号28)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント。
【請求項2】
以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる、請求項1に記載の合成NS特異的プロモーター:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント。
【請求項3】
以下のCRE又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる、請求項1又は2に記載の合成NS特異的プロモーター:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント。
【請求項4】
機能的バリアントが、配列番号20、22、23、25、26、37~41のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む、請求項3に記載の合成NS特異的プロモーター。
【請求項5】
配列番号1~14、33~36のいずれか1つに記載の配列又はその機能的バリアントを含む又はそれらからなる、請求項1から3のいずれか一項に記載の合成NS特異的プロモーター。
【請求項6】
配列番号1~14、33~36のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む、請求項5に記載の合成NS特異的プロモーター。
【請求項7】
配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つに記載の配列又はその機能的バリアントを含むNS特異的シス調節エレメント(CRE)。
【請求項8】
配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む、請求項7に記載のNS特異的シス調節エレメント(CRE)。
【請求項9】
配列番号15~18のいずれか1つに記載の配列を含む、又は請求項7若しくは8に記載のCREを含む、合成NS特異的シス調節モジュール(CRM)。
【請求項10】
請求項7若しくは8に記載のCRE又は請求項9に記載のCRMを含む、合成NS特異的プロモーター。
【請求項11】
配列番号25、26、29~32、39~41のいずれか1つに記載の配列又はその機能的バリアントを含む、単離されたプロモーターエレメント。
【請求項12】
配列番号25、26、29~32、39~41のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む、請求項11に記載の単離されたプロモーターエレメント。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のプロモーターエレメントを含む合成NS特異的プロモーター。
【請求項14】
発現産物をコードする核酸配列に作動可能に連結した、請求項1~6、10又は13のいずれか一項に記載の合成NS特異的プロモーターを含む発現カセット。
【請求項15】
請求項1~6、10若しくは13のいずれか一項に記載の合成NS特異的プロモーター又は請求項14に記載の発現カセットを含むベクター。
【請求項16】
ウイルスベクター、例えば、AAVベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクターである、請求項15に記載のベクター。
【請求項17】
レンチウイルスベクターである、請求項16に記載のベクター。
【請求項18】
AAVベクターである、請求項16に記載のベクター。
【請求項19】
請求項15~18のいずれか一項に記載のベクターを含むビリオン。
【請求項20】
請求項1~6、10若しくは13に記載の合成NS特異的プロモーター、請求項14に記載の発現カセット、請求項15~18のいずれか一項に記載のベクター又は請求項19に記載のビリオンを含む医薬組成物。
【請求項21】
医薬として使用するための、請求項1~6、10若しくは13に記載の合成NS特異的プロモーター、請求項14に記載の発現カセット、請求項15~18のいずれか一項に記載のベクター、請求項19に記載のビリオン又は請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
請求項1~6、10若しくは13に記載の合成NS特異的プロモーター、請求項14に記載の発現カセット、請求項15~18のいずれか一項に記載のベクター又は請求項19に記載のビリオンを含む細胞。
【請求項23】
医学的状態又は疾患の処置のための医薬組成物の製造において使用するための、請求項1~6、10若しくは13に記載の合成NS特異的プロモーター、請求項14に記載の発現カセット、請求項15~18のいずれか一項に記載のベクター、請求項19に記載のビリオン又は請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項24】
発現産物を生成する方法であって、NS細胞において請求項14に記載の合成NS特異的発現カセットを提供する工程及び合成NS特異的発現カセット中に存在する発現産物を発現させる工程を含む、方法。
【請求項25】
NS細胞において治療用導入遺伝子を発現させる方法であって、NS細胞中に請求項14に記載の合成NS特異的発現カセット、請求項15~18のいずれか一項に記載のベクター又は請求項19に記載のビリオンを導入する工程を含む、方法。
【請求項26】
発現カセット、ベクター又はビリオンが静脈内注射によって導入される、請求項25に記載のNS細胞において治療用導入遺伝子を発現させる方法。
【請求項27】
注射が、橈側皮静脈、正中静脈又は尺側皮静脈のうち1つにおいてである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
それを必要とする対象、好ましくは、ヒトの療法の方法であって、
- 対象に、請求項1~6、10又は13のいずれか一項に記載のプロモーターに作動可能に連結した治療用産物をコードする配列を含む、請求項14に記載の発現カセット、請求項15~18のいずれか一項に記載のベクター、請求項19に記載のビリオン又は請求項20に記載の医薬組成物を投与する工程、及び
- 前記対象のNSにおいて治療用産物の治療量を発現させる工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節核酸配列、特に、神経系特異的プロモーター、細胞特異的プロモーター、多細胞特異的プロモーター及びそのエレメントに関する。本発明はまた、このようなプロモーターを含む発現構築物、ベクター、ビリオン、医薬組成物及び細胞に、並びにその使用方法に関する。調節核酸配列は、遺伝子療法適用にとって特に有用である。
【背景技術】
【0002】
以下の考察は、本開示の理解において読者を補助するために提供されており、先行技術の内容又は関連性についての何らかの承認を構成するものではない。
【0003】
体内の遺伝子調節の内部機構の広範な研究の後に、研究の焦点は最近、細胞中に外因性核酸配列を導入することによる遺伝子発現の調節に移行した。
【0004】
これは、研究及びバイオプロセシングにおいて従来的に行われ、プロモーターに作動可能に連結された所望の発現産物の核酸配列が、しばしばベクターの形態で産生細胞株中に導入される。
【0005】
遺伝子療法の分野では、これは、患者の細胞における欠陥のある遺伝子の存在によって引き起こされる遺伝子障害、例えば、単一遺伝子障害(又はメンデル型障害)にとって特に興味深いものであった。従来の医薬は症状に対処できるだけであるが、患者の細胞へのプロモーターに作動可能に連結した欠陥のある遺伝子の野生型対立遺伝子の核酸配列の導入は、状態を治癒できるので好都合な処置選択肢である。
【0006】
更に、又は或いは、欠陥のある遺伝子を抑制できる核酸の患者の細胞への導入は、欠陥のある遺伝子が、野生型対立遺伝子に対して拮抗的に作用するドミナントネガティブ変異を有する場合には有益である可能性がある。最後に、欠陥のある遺伝子の有害な効果に対抗できる、又はそれを軽減できる核酸配列を患者の細胞中に導入することはまた、代替又はアジュバント治療選択肢である。
【0007】
遺伝子療法では、細胞に導入された外因性核酸の発現を制御することは、患者の健康及び安全にとって極めて重要である。処置が有効であるためには、発現産物のレベルが、治療濃度域内である必要があるだけでなく、発現が、必要とする組織内又は必要とする組織内の特定の領域中にあることも必要である。更に、副作用を避けるために発現が、特定の細胞種又は複数の細胞種に制限される必要がある場合がある。治療濃度域の外側の(すなわち、より低い又はより高い)発現又は治療領域の外側の、若しくは特定の細胞又は細胞の組合せの外側の発現でさえ、治療上有用ではない、又は更に有害でさえある場合がある。
【0008】
ハンチントン舞踏病は、ハンチンチン遺伝子の2つの遺伝性コピーの1つでの常染色体優性突然変異によって引き起こされる。この神経変性性疾患は、次第に悪化する運動機能障害、ニューロンの死によって引き起こされる認知能力の障害に関連している。ハンチントン舞踏病の治癒はなく、処置は、症状を軽減することに向けられる。疾患は、身体中に存在する野生型ハンチンチン対立遺伝子に対して拮抗的に作用する常染色体優性突然変異によって引き起こされるので、野生型対立遺伝子の導入による補充療法が、特に有益である可能性は低い。
【0009】
ハンチントン舞踏病の1つの治療選択肢は、欠陥のあるハンチンチン遺伝子を抑制できる核酸を患者の細胞中に導入することである。非疾患状態では、ハンチンチンは、身体全体で発現され、CNSにおいて極めて高度に発現され、すべてのニューロン及びまたグリア細胞において見出される(Schulte及びLittleton、2011)。欠陥のあるハンチンチン遺伝子における常染色体優性突然変異による機能の喪失及び/又は欠陥のあるハンチンチン遺伝子の機能の獲得は、神経細胞死にだけでなく、グリア機能障害に寄与する。それを裏付けるように、神経細胞死に加えて、反応性ミクログリア及び活性化星状細胞及びオリゴデンドログリアがハンチントン患者の脳において観察されている(Schulte及びLittleton、2011)。したがって、すべてのニューロンにおいてだけでなく、一部又はすべてのグリア細胞においても欠陥のあるハンチンチン遺伝子を抑制できる核酸を発現させることが望ましい。
【0010】
したがって、神経系(NS)、具体的には、CNSにおいて、特に、ニューロン並びに一部又はすべてのグリア細胞を含むニューロン支持細胞、オリゴデンドロサイト、介在ニューロン等といった特定の細胞種において発現を駆動するプロモーターが必要である。神経系(NS)における発現は、中枢神経系(CNS)及び/又は末梢神経系(PNS)の細胞における発現を含む。CNSにおける発現は、脳及び脊髄における細胞における発現を含み、ニューロン細胞並びに非ニューロン細胞、介在ニューロン又はニューロン支持細胞を含む。PNSにおける発現は、末梢神経系における細胞における発現を含み、ニューロン細胞並びに非ニューロン細胞、介在ニューロン又はニューロン支持細胞を含む。
【0011】
別の治療選択肢として、欠陥のあるハンチンチン遺伝子の有害効果に対抗できる、又はそれを軽減できる核酸配列を患者の細胞中に導入することがある。ハンチントン舞踏病は、異常なコレステロール代謝と関連しており、合成の低減にも関わらず脳における持続的なコレステロール蓄積がある(Boussicaultら、2016)。血液脳関門は、コレステロールに対して透過性ではないので、CNSのコレステロールホメオスタシスは、身体の残りの部分とは異なり、したがって、別個に標的化することができる。CNSでは、星状細胞がコレステロールを合成し、ニューロンが、ニューロン特異的酵素CYP46A1を介してそれを異化する(Boussicaultら、2016)。更に、コレステロールは、オリゴデンドロサイトにおいて代謝されて、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)が生じる。ハンチントン舞踏病ではCYP46A1発現レベルが低減され、CYP46A1酵素レベルは、脳におけるコレステロール蓄積を克服するには明らかに不十分である(Boussicaultら、2016)。これを裏付けるように、遍在性プロモーターCMV又はCAGによるCYP46A1発現は、マウスハンチントン舞踏病モデルにおいて脳においてコレステロール代謝を調節するとわかった(Kacherら、2019)。したがって、ニューロン細胞において追加のCYP46A1を発現させること及び/又はグリア細胞中にCYP46A1(及び、したがって、コレステロールを異化する能力)を導入することによって、脳においてコレステロール代謝を調節できる。
【0012】
CNSにおけるCYP46A1の発現は、ハンチントン舞踏病の魅力的な治療選択肢であるように見えるが、ヒトにおける遺伝子療法設定では、最小に侵襲的な全身投与、例えば、静脈内又は動脈内(例えば、頸動脈内)投与によって、CYP46A1をコードする核酸をNSに導入することが好ましい。しかし、遍在性プロモーターに作動可能に連結したCYP46A1酵素をコードする核酸の全身投与は、非NS細胞におけるCYP46A1の発現のためにNSの以外のコレステロール代謝に対して望ましくない副作用を有する場合がある。
【0013】
したがって、ニューロン及び一部又はすべてのグリア細胞において発現を駆動するNS特異的プロモーターが必要である。
【0014】
NSの他の疾患もまた、遺伝子療法の適した標的である。一部のこのような疾患では、特定のNSにおける治療遺伝子の標的化された発現が望ましい場合があり、他の場合には、NS、好ましくは、CNSにおけるより一般化された非特異的発現が適している場合がある。
【0015】
本発明の1つ又は複数の態様は、上記の問題のうち1つ又は複数に対処するよう意図される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】WO2019/199867A1
【特許文献2】WO2020/076614A1
【特許文献3】WO2020/097121
【特許文献4】WO2014/144229
【特許文献5】WO2019/028306
【特許文献6】WO2000/28004
【特許文献7】WO2001/23001
【特許文献8】WO2004/112727
【特許文献9】WO2005/005610
【特許文献10】WO2005/072364
【特許文献11】US6204059
【特許文献12】US5756283
【特許文献13】US6258595
【特許文献14】US6261551
【特許文献15】US6270996
【特許文献16】US6281010
【特許文献17】US6365394
【特許文献18】US6475769
【特許文献19】US6482634
【特許文献20】US6485966
【特許文献21】US6943019
【特許文献22】US6953690
【特許文献23】US7022519
【特許文献24】US7238526
【特許文献25】US7291498
【特許文献26】US7491508
【特許文献27】US5064764
【特許文献28】US6194191
【特許文献29】US6566118
【特許文献30】US8137948
【特許文献31】WO1996039530
【特許文献32】WO1998010088
【特許文献33】WO1999014354
【特許文献34】WO1999/015685
【特許文献35】WO1999/047691
【特許文献36】WO2000/055342
【特許文献37】WO2000/075353
【特許文献38】WO2001/023597
【特許文献39】米国特許US5478745A
【特許文献40】米国特許US5622856A
【特許文献41】米国特許US5658776A
【特許文献42】米国特許US6440742B1
【特許文献43】米国特許US6632670B1
【特許文献44】米国特許US6156303A
【特許文献45】米国特許US8007780B2
【特許文献46】米国特許US6521225B1
【特許文献47】米国特許US7629322B2
【特許文献48】米国特許US6943019B2
【特許文献49】米国特許US5872005A
【特許文献50】米国特許出願番号US2017/0130245
【特許文献51】米国特許出願番号US20050266567A1
【特許文献52】米国特許出願番号US20050287122A1
【特許文献53】米国特許US7083981B2
【特許文献54】米国特許US6207455B1
【特許文献55】米国特許US6555107B2
【特許文献56】米国特許US8349606B2
【特許文献57】米国特許US7262049B2
【特許文献58】米国特許出願番号US20070025970A1
【特許文献59】米国特許出願番号US20170067079A1
【特許文献60】米国特許出願番号US20110028694A1
【特許文献61】米国特許US7510875B2
【特許文献62】米国特許US7820440B2
【特許文献63】米国特許US7749493B2
【特許文献64】米国特許US7820440B2
【特許文献65】米国特許US10041049B2
【特許文献66】国際特許出願番号WO2000070071A1
【特許文献67】米国特許出願5番号WO2000070071A1
【特許文献68】米国特許出願5番号US20030022356A1
【特許文献69】米国特許出願5番号US20080050770A1
【特許文献70】米国特許US6919085B2
【特許文献71】米国特許US6225060B1
【特許文献72】米国特許US5194376A
【特許文献73】米国特許第4,683,195号
【特許文献74】米国特許出願第20050272923号
【特許文献75】米国特許出願第20050266552号
【特許文献76】米国特許出願第20050142581号
【特許文献77】米国特許出願第20050075492号
【特許文献78】米国特許第9,441,206号
【非特許文献】
【0017】
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【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様において、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
プロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_S100B(配列番号24)又はその機能的バリアント、
- CRE0005_GFAP(配列番号19)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0012_Arc(配列番号21)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_GFAP(配列番号27)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_GFAP(配列番号28)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント、
任意選択で、プロモーターエレメントは、以下から選択される:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)又はその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント。
【0019】
一部の実施形態では、神経系(NS)特異的プロモーターは、中枢神経系(CNS)及び末梢神経系(PNS)の両方において活性である。一部の実施形態では、NS特異的プロモーターは、CNSにおいて活性、すなわち、CNS特異的プロモーターである。一部の実施形態では、NS特異的プロモーターは、CNSにおいて活性であるが、PNSではそうではない。一部の実施形態では、NS特異的プロモーターは、PNSにおいて活性、すなわち、PNS特異的プロモーターである。一部の実施形態では、NS特異的プロモーターは、PNSにおいて活性であるが、CNSではそうではない。
【0020】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)又はその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_S100B(配列番号24)又はその機能的バリアント、
- CRE0005_GFAP(配列番号19)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0012_Arc(配列番号21)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_GFAP(配列番号27)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_GFAP(配列番号28)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント。
【0021】
機能的バリアントは以下に定義される。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号19~32、37~41のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号25、26、29~32、39~41のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列に作動可能に連結した、配列番号19、20、21、22、23、24、27、28、37、38のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。
【0022】
一実施形態では、以下のシス調節エレメント(CRE)のうち少なくとも1つを含む又はそれらからなるNS特異的プロモーターが提供される:
CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、及び/又は
CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
CRE0001_S100B(配列番号22)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0007_GFAP(配列番号20)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_S100B(配列番号23)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0002_S100B(配列番号24)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0005_GFAP(配列番号19)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0012_Arc(配列番号21)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0006_GFAP(配列番号27)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0008_GFAP(配列番号28)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0006_AQP4(配列番号37)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、及び
CRE0008_AQP4(配列番号38)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列。
【0023】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はそれからなる:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_GFAP(配列番号27)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_GFAP(配列番号28)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント。
【0024】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される:
プロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント、
任意選択で、プロモーターエレメントは、以下から選択される:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント。
【0025】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)又はその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント。
【0026】
機能的バリアントが本明細書において以下に定義される。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号20、22、23、37、38、29、32、41、40、39のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号29、41、40、39又は32のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列に作動可能に連結した、配列番号20、22、37、38又は23のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。
【0027】
一実施形態では、以下のシス調節エレメント(CRE)のうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、及び
CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
CRE0001_S100B(配列番号22)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0007_GFAP(配列番号20)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_S100B(配列番号23)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0006_AQP4(配列番号37)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0008_AQP4(配列番号38)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列。
【0028】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はそれらからなる:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、~に作動可能に連結したCRE0016_Eno2_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、~に作動可能に連結したCRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアント
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、~に作動可能に連結したCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント。
【0029】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成CNS特異的プロモーターが提供される:
プロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
任意選択で、プロモーターエレメントは、以下から選択される:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント。
【0030】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント。
【0031】
機能的バリアントは、本明細書において以下に定義される。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号20、22、23、29、32のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号29又は32のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列に作動可能に連結した、配列番号20、22又は23のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。
【0032】
一実施形態では、以下のシス調節エレメント(CRE)のうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
CRE0001_S100B(配列番号22)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0007_GFAP(配列番号20)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_S100B(配列番号23)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列。
【0033】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はそれからなる:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント。
【0034】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される:
プロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)若しくはその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)若しくはその機能的バリアント、
任意選択で、プロモーターエレメントは、以下から選択される:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)若しくはその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)若しくはその機能的バリアント。
【0035】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)若しくはその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)若しくはその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)若しくはその機能的バリアント、及び
- CRE0008_AQP4(配列番号38)若しくはその機能的バリアント。
【0036】
機能的バリアントは、本明細書において以下に定義される。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号20、22、23、37、38、25、26、39、40、41のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号25、39、40、41又は26のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列に作動可能に連結した、配列番号20、22、37、38又は23のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。
【0037】
一実施形態では、以下のシス調節エレメント(CRE)のうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、及び/又は
CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
CRE0001_S100B(配列番号22)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0007_GFAP(配列番号20)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_S100B(配列番号23)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0006_AQP4(配列番号37)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、及び
CRE0008_AQP4(配列番号38)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列。
【0038】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はそれからなる:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、
CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)、又はその機能的バリアント、~に作動可能に連結したCRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0006_AQP4(配列番号37)、又はその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント。
【0039】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
プロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)若しくはその機能的バリアント、及び
- CRE0009_S100B(配列番号23)若しくはその機能的バリアント、
任意選択で、プロモーターエレメントは以下から選択される:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)若しくはその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)若しくはその機能的バリアント。
【0040】
適宜、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)若しくはその機能的バリアント、及び/又は
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)若しくはその機能的バリアント
から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
- CRE0001_S100B(配列番号22)若しくはその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)若しくはその機能的バリアント、及び
- CRE0009_S100B(配列番号23)若しくはその機能的バリアント。
【0041】
機能的バリアントは、本明細書において以下に定義される。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号20、22、23、25~26のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。適宜、合成NS特異的プロモーターは、配列番号25又は26のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列に作動可能に連結した、配列番号20、22又は23のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含み得る。
【0042】
一実施形態では、以下のシス調節エレメント(CRE)のうち少なくとも1つを含む又はそれらからなる合成神経系(NS)特異的プロモーターが提供される:
CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、及び/又は
CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列
から選択されたプロモーターエレメントに作動可能に連結した、
CRE0001_S100B(配列番号22)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0007_GFAP(配列番号20)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列、
CRE0009_S100B(配列番号23)又はそれに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である配列。
【0043】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はからなる:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、又は
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント。
【0044】
NS特異的プロモーターを他の細胞において発現させることができる。しかし、脳、脊髄及び末梢神経系中のNS細胞、例えば、ニューロン細胞並びに脳、脊髄及び末梢神経系に局在する非ニューロン細胞、介在ニューロン又はニューロン支持細胞においてより高度の発現を有する。例えば、NS特異的プロモーターは、CNS及び/又はPNSの外側に局在する細胞と比較して、脳、脊髄及び末梢神経系に局在するニューロン及び非ニューロン細胞及び介在ニューロンを含む、NSに局在する細胞において、少なくとも25%又は少なくとも35%又は少なくとも45%又は少なくとも55%又は少なくとも65%又は少なくとも75%又は少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は25%~95%の間の任意の整数だけ高く遺伝子を発現する。
【0045】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、1つ又は複数の追加のCRE又はその機能的バリアントを含み得る。CREは、本発明に従うCRE(配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ)、その機能的バリアント又は他のCREであり得る。適宜、1つ又は複数の追加のCREが本発明に従うCREではない場合、1つ又は複数の追加のCREは、当技術分野で公知の任意のCREから選択され得る。例えば、一実施形態では、1つ又は複数の追加のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。一部の好ましい実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、CRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアントを更に含み得る。
【0046】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はからなる:
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、~
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0001_S100B(配列番号22)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0007_GFAP(配列番号20)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0009_S100B(配列番号23)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0006_AQP4(配列番号37)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0008_AQP4(配列番号38)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント。
【0047】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、CRE0002_S100B(配列番号24)、又はその機能的バリアントを含み得る。CRE0002_S100B(配列番号24)は、CRE0009_S100B(配列番号23)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0009_S100B(配列番号23)は、CRE0002_S100B(配列番号24)の短いバージョンである。したがって、CRE0002_S100B(配列番号24)は、CRE0009_S100B(配列番号23)の(より長い)機能的バリアントと見なすことができる。本明細書において開示される態様又は実施形態では、CRE0002_S100B(配列番号24)は、CRE0009_S100B(配列番号23)の代わりに提供される場合がある。
【0048】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、CRE0005_GFAP(配列番号19)、又はその機能的バリアントを含み得る。CRE0005_GFAP(配列番号19)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0007_GFAP(配列番号20)は、CRE0005_GFAP(配列番号19)の短いバージョンである。したがって、CRE0005_GFAP(配列番号19)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)の(より長い)機能的バリアントと見なすことができる。本明細書において開示される態様又は実施形態では、CRE0005_GFAP(配列番号19)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)の代わりに提供される場合がある。
【0049】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、CRE0006_GFAP(配列番号27)を含み得る。CRE0006_GFAP(配列番号27)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0007_GFAP(配列番号20)は、CRE0006_GFAP(配列番号27)の短いバージョンである。したがって、CRE0006_GFAP(配列番号27)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)の(より長い)機能的バリアントと見なすことができる。本明細書において開示される態様又は実施形態では、CRE0006_GFAP(配列番号27)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)の代わりに提供される場合がある。
【0050】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、CRE0008_GFAP(配列番号28)を含み得る。CRE0008_GFAP(配列番号28)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0007_GFAP(配列番号20)は、CRE0008_GFAP(配列番号28)の短いバージョンである。したがって、CRE0008_GFAP(配列番号28)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)の(より長い)機能的バリアントと見なすことができる。本明細書において開示される態様又は実施形態では、CRE0008_GFAP(配列番号28)は、CRE0007_GFAP(配列番号20)の代わりに提供される場合がある。
【0051】
適宜、合成NS特異的プロモーターは、以下を含む又はそれらからなる:
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0005_GFAP(配列番号19)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、
- CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント、又は
- CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、若しくはその機能的バリアントに作動可能に連結した、CRE0002_S100B(配列番号24)、若しくはその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、若しくはその機能的バリアント。
【0052】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含む。
【0053】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含む。
【0054】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0012_Arc(配列番号21)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含む。
【0055】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0012_Arc(配列番号21)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含む。
【0056】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0007_GFAP(配列番号20)を含む。
【0057】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0007_GFAP(配列番号20)を含む。
【0058】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0009_S100B(配列番号23)を含む。
【0059】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0009_S100B(配列番号23)を含む。
【0060】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0002_S100B(配列番号24)を含む。
【0061】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0001_S100B(配列番号22)を含む。
【0062】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0002_S100B(配列番号24)を含む。
【0063】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0001_S100B(配列番号22)を含む。
【0064】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0002_S100B(配列番号24)及びCRE0012_Arc(配列番号21)を含む。
【0065】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0002_S100B(配列番号24)及びCRE0012_Arc(配列番号21)を含む。
【0066】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0006_AQP4(配列番号37)及びCRE0004_GFAP_mp(配列番号41)を含む。
【0067】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0008_AQP4(配列番号38)及びCRE0015_GAP43_mp(配列番号39)を含む。
【0068】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0006_AQP4(配列番号37)及びCRE0015_GAP43_mp(配列番号39)を含む。
【0069】
一実施形態では、NS特異的プロモーターは、CRE0006_AQP4(配列番号37)及びCRE0016_Eno2_mp(配列番号40)を含む。
【0070】
配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つのバリアントCREを含む本発明に従うプロモーターが、参照CREの活性の少なくとも25%、50%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%を保持することが一般に好ましい。活性の保持は、参照プロモーターの制御下で適したリポーターの発現を、同等の条件下で置換されたCREを含むそうでなければ同一のプロモーターと比較することによって評価できる。適宜、前記活性は、本明細書で記載されるような例を使用して評価されるが、他の方法も使用できる。
【0071】
配列番号25~26、29~32、39~41のいずれか1つのバリアントプロモーターエレメントを含む本発明に従うプロモーターが、参照プロモーターエレメントの活性の少なくとも25%、50%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%のいずれか1つを保持することが一般に好ましい。適宜、前記活性は、本明細書において記載されるような例を使用して評価されるが、他の方法を使用してもよい。
【0072】
適宜、CREは、神経系特異的CRE、適宜、CNS特異的シス調節エレメント及び/又はPNS特異的シス調節エレメントである。
【0073】
適宜、プロモーターエレメントは、最小又は近位プロモーターである。好ましくは、存在する場合には、近位プロモーターは、NS特異的プロモーターエレメント、適宜、CNS特異的近位プロモーター及び/又はPNS特異的近位プロモーターである。
【0074】
一部の実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号1~14、33~36のいずれか1つに従う配列又はその機能的バリアントを含む又はそれからなる。
【0075】
一部の実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号1~14、33~36のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む又はそれからなる。
【0076】
本発明は、したがって、種々の合成NS特異的プロモーター及びその機能的バリアントを提供する。配列番号1~14、33~36のいずれか1つのバリアントである本発明に従うプロモーターが、参照プロモーターの活性の少なくとも25%、50%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%を保持することが一般に好ましい。適宜、前記活性は、本明細書において記載される例を使用して評価されるが、他の方法を使用してもよい。
【0077】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号1、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0078】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号2、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0079】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号3、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、興奮性ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0080】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号4、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、興奮性ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0081】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号5、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0082】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号6、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0083】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号7、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0084】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号8、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0085】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号9、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0086】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号10、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0087】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号11、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0088】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号12、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0089】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号13、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、興奮性ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0090】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号14、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、興奮性ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。
【0091】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号33、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0092】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号34、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0093】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号35、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0094】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号36、又はその機能的バリアントを含む又はそれからなり、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0095】
一部の実施形態では、合成NS特異的プロモーターSP0013(配列番号1)、SP0014(配列番号2)、SP0030(配列番号5)、SP0031(配列番号6)、SP0032(配列番号7)、SP0019(配列番号9)、SP0020(配列番号10)、SP0021(配列番号11)、SP0022(配列番号12)、SP0011(配列番号33)、SP0034(配列番号34)、SP0035(配列番号35)及びSP0036(配列番号36)は、特に好ましい。一部の実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号33、配列番号34、配列番号35又は配列番号36を含む又はからなる。
【0096】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、星状細胞において活性であるCNS特異的CREを含み、適宜、CREは、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0002_S100B(配列番号24)、CRE0006_AQP4(配列番号37)、CRE0008_AQP4(配列番号38)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)から選択され得る。
【0097】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、オリゴデンドロサイトにおいて活性であるCNS特異的CREを含み、適宜、CREは、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0002_S100B(配列番号24)又はCRE0009_S100B(配列番号23)から選択され得る。
【0098】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、興奮性ニューロンにおいて活性であるCREを含み、適宜、CREは、CRE0012_Arc(配列番号21)であり得る。
【0099】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、ニューロンにおいて活性であるプロモーターエレメントを含み、適宜、プロモーターエレメントは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)から選択され得る。
【0100】
一実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、星状細胞において活性であるプロモーターエレメントを含み、適宜、プロモーターエレメントは、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)であり得る。
【0101】
本発明の別の態様では、配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ又はそのいずれかの機能的バリアントに従う配列を含む又はそれらからなるNS特異的シス調節エレメント(CRE)が提供される。一部の実施形態では、NS特異的CREは、配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む。
【0102】
NS特異的CREは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した場合にCNSにおいて活性、すなわち、CNS特異的CREであり得る。NS特異的CREは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した場合にPNSにおいて活性、すなわち、PNS特異的CREであり得る。NS特異的CREは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した場合にCNS及びPNSにおいて活性であり得る。
【0103】
配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つのバリアントである本発明に従うNS特異的CREが、参照CREの活性の少なくとも25%、50%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%を保持することが一般に好ましい。活性の保持は、同等の条件下で参照プロモーターの制御下の適したリポーターの発現を、置換CREを含むそうでなければ同一のプロモーターと比較することによって評価できる。適宜、前記活性は、本明細書において記載されるような例を使用して評価されるが、他の方法を使用してもよい。
【0104】
適宜、本発明に従うCRE又はその機能的バリアントは、活性を依然として維持しながらできる限り短いものであり得る。適宜、本発明に従うCRE又はその機能的バリアントは、「短縮された」と定義でき、600bp未満、550bp未満、500bp未満、450bp未満又は400bp未満の長さを有し得る。好ましくは、本発明に従うCRE又はその機能的バリアントは、500又はそれより少ないヌクレオチド、より好ましくは、450又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0105】
適宜、本発明に従うCREは、プロモーターエレメントに作動可能に連結されてもよい。プロモーターエレメントは、最小又は近位プロモーターであり得る。存在する場合には、好ましくは、近位プロモーターは、NS特異的近位プロモーター、適宜、CNS特異的近位プロモーターである。適宜、プロモーターエレメントは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアントであり得る。
【0106】
CNS特異的シス調節エレメント(CRE)は、最小又は近位プロモーターに作動可能に連結した場合に星状細胞において活性である場合があり、適宜、CREは、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0002_S100B(配列番号24)、CRE0006_AQP4(配列番号37)、CRE0008_AQP4(配列番号38)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)から選択され得る。一部の実施形態では、最小又は近位プロモーター、又はその機能的バリアントに作動可能に連結した場合に星状細胞において活性であるCREは、600bp未満、550bp未満、500bp未満、450bp未満又は400bp未満の長さを有し得る。最小又は近位プロモーター、又はその機能的バリアントに作動可能に連結した場合に星状細胞において活性であるCREは、好ましくは、500又はそれより少ないヌクレオチド、より好ましくは、400又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。本発明に従うCNS特異的CREは、星状細胞において活性であり、短縮される、すなわち、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)及びCRE0002_S100B(配列番号24)から選択される場合がある。
【0107】
CNS特異的シス調節エレメント(CRE)は、最小又は近位プロモーターに作動可能に連結した場合にオリゴデンドロサイトにおいて活性であり得る、適宜、CREは、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0002_S100B(配列番号24)又はCRE0009_S100B(配列番号23)から選択され得る。一部の実施形態では、最小又は近位プロモーター、又はその機能的バリアントに作動可能に連結した場合にオリゴデンドロサイトにおいて活性であるCREは、600bp未満、550bp未満、500bp未満、450bp未満又は400bp未満の長さを有し得る。最小又は近位プロモーター、又はその機能的バリアントに作動可能に連結した場合にオリゴデンドロサイトにおいて活性であるCREは、好ましくは、500又はそれより少ないヌクレオチド、より好ましくは、400又はそれより少ないヌクレオチドである。本発明に従うCNS特異的CREは、オリゴデンドロサイトにおいて活性であり、短縮される、すなわち、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)及びCRE0002_S100B(配列番号24)から選択され得る。
【0108】
NS特異的シス調節エレメント(CRE)は、最小又は近位プロモーターに作動可能に連結した場合に興奮性ニューロンにおいて活性である場合があり、適宜、CREは、CRE0012_Arc(配列番号21)であり得る。
【0109】
本発明に従うNS特異的CREは、好ましくは、短縮されている、すなわち、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)及びCRE0002_S100B(配列番号24)から選択される。
【0110】
適宜、本発明に従うCREは、1つ又は複数の追加のCREと組み合わされて、シス調節モジュール(CRM)を形成してもよい。適宜、1つ又は複数の追加のCREは、配列番号19~24、27、28若しくはその機能的バリアントに従うCREであり得る、又はそれらは、他のCREである場合もある。適宜、1つ又は複数の追加のCREが、本発明に従うCREではない場合には、1つ又は複数の追加のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。適宜、追加のCREは、NS特異的、適宜、CNS特異的及び/又はPNS特異的である。
【0111】
本発明の別の態様では、配列番号19~24、27、28,37,38のいずれか1つに従うCRE又はその機能的バリアントを含むか又はそれらからなる合成NS特異的プロモーターが提供される。一部の実施形態では、CREは、プロモーターエレメントに作動可能に連結され得る。一部の実施形態では、プロモーターエレメントは、最小又は近位プロモーターであり得る。好ましくは、近位プロモーターは、NS特異的近位プロモーター、適宜、CNS特異的及び/又はPNS特異的近位プロモーターである。適宜、プロモーターエレメントは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアントであり得る。
【0112】
本発明のさらなる態様において、本発明に従うCREを含むNS特異的シス調節モジュール(CRM)が提供される。適宜、CRMは、配列番号15~18、又はその機能的バリアントのいずれか1つを含む又はそれからなる。
【0113】
NS特異的CRMは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した場合にCNSにおいて活性、すなわち、CNS特異的CRMであり得る。NS特異的CRMは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した場合にPNSにおいて活性、すなわち、PNS特異的CRMであり得る。NS特異的CRMは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した場合にCNS及びPNSにおいて活性であり得る。
【0114】
適宜、合成NS特異的CRM配列番号15~18のいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である配列を含む又はそれからなる。
【0115】
本発明に従うCRMは、プロモーターエレメントに作動可能に連結され得る。プロモーターエレメントは、最小又は近位プロモーターであり得る。存在する場合は、好ましくは、近位プロモーターは、NS特異的近位プロモーター、適宜、CNS特異的及び/又はPNS特異的近位プロモーターである。適宜、プロモーターエレメントは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアントであり得る。
【0116】
本発明に従う合成NS特異的プロモーターは、プロモーターエレメント(通常、最小又は近位プロモーター)に作動可能に連結した本発明に従うCRMを含み得る。近位プロモーターは、好ましくは、NS特異的近位プロモーター、適宜、CNS特異的及び/又はPNS特異的プロモーターエレメントである。適宜、プロモーターエレメントは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアントであり得る。
【0117】
適宜、CRMは、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントのうち少なくとも1つを含む:
- CRE0001_S100B(配列番号22)又はその機能的バリアント、
- CRE0002_S100B(配列番号24)又はその機能的バリアント、
- CRE0005_GFAP(配列番号19)又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)又はその機能的バリアント、
- CRE0009_S100B(配列番号23)又はその機能的バリアント、
- CRE0012_Arc(配列番号21)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_GFAP(配列番号27)又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0008_GFAP(配列番号28)又はその機能的バリアント。
【0118】
適宜、CRMは、以下のシス調節エレメント(CRE)又はその機能的バリアントうち少なくとも1つを含む:
- CRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、
- CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアント、及び
- CRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント。
【0119】
適宜、CRMは、CRE0002_S100B(配列番号24)、又はその機能的バリアント、CRE0005_GFAP(配列番号19)、又はその機能的バリアント、CRE0006_GFAP(配列番号27)又はその機能的バリアント、CRE0008_GFAP(配列番号28)又はその機能的バリアント、CRE0006_AQP4(配列番号37)又はその機能的バリアント、CRE0008_AQP4(配列番号38)又はその機能的バリアントを含み得る。
【0120】
適宜、CRMは、本発明に従う1つ又は複数の追加のCRE又は他のNS特異的CREを含み得る。適宜、1つ又は複数の追加のCREが本発明に従うCREではない場合には、1つ又は複数の追加のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。適宜、CRMは、CRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアントを更に含み得る。
【0121】
適宜、合成NS特異的CRMは、以下を含む又はそれからなる:
- CRE0001_S100B(配列番号22)、又はその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアント、
- CRE0007_GFAP(配列番号20)、又はその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアント、
- CRE0006_AQP4(配列番号37)、又はその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアント、
- CRE0008_AQP4(配列番号38)、又はその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアント、又は
- CRE0009_S100B(配列番号23)、又はその機能的バリアント、及びCRE0012_Arc(配列番号21)、又はその機能的バリアント。
【0122】
一実施形態では、NS特異的CRMは、CRE0012_Arc(配列番号21)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含む。適宜、このような実施形態では、CRMは、配列番号15又は配列番号16を含み得る又はからなり得る。適宜、NS特異的CRMは、最小プロモーターに作動可能に連結した場合に興奮性ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0123】
一実施形態では、NS特異的CRMは、CRE0002_S100B(配列番号24)及びCRE0012_Arc(配列番号21)を含む。適宜、このような実施形態では、CRMは、配列番号17又は配列番号18を含み得る又はそれからなり得る。適宜、NS特異的CRMは、最小プロモーターに作動可能に連結した場合に興奮性ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において活性である。
【0124】
一実施形態では、合成NS特異的CRMは、星状細胞において活性であるCREを含み、適宜、CREは、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0002_S100B(配列番号24)、CRE0006_AQP4(配列番号37)、CRE0008_AQP4(配列番号38)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)から選択され得る。
【0125】
一実施形態では、合成NS特異的CRMは、オリゴデンドロサイトにおいて活性であるCREを含み、適宜、CREは、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0002_S100B(配列番号24)又はCRE0009_S100B(配列番号23)から選択され得る。
【0126】
一実施形態では、合成NS特異的CRMは、興奮性ニューロンにおいて活性であるCREを含み、適宜、CREは、CRE0012_Arc(配列番号21)であり得る。
【0127】
本発明のさらなる態様において、配列番号25~26、29~32、39~41又はその機能的バリアントのいずれか1つに従う配列を含む又はそれらからなるプロモーターエレメント(最小又は近位プロモーター)が提供される。
【0128】
プロモーターエレメントは、CNSにおいて活性、すなわち、CNS特異的プロモーターエレメントであり得る。プロモーターエレメントは、PNSにおいて活性、すなわち、PNS特異的プロモーターエレメントであり得る。プロモーターエレメントは、PNS及びCNSにおいて活性であり得る。
【0129】
本発明の別の態様では、前記最小又は近位プロモーターを含む合成プロモーター、適宜、前記最小又は近位プロモーターを含む合成NS特異的プロモーターが提供される。適宜、最小又は近位プロモーターの機能的バリアントは、配列番号25~26、29~32、39~41に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%同一である配列を含む。
【0130】
適宜、本発明に従うプロモーターエレメント又はその機能的バリアントは、活性を依然として維持しながらできる限り短いものであり得る。適宜、本発明に従うプロモーターエレメント又はその機能的バリアントは、「短縮された」と定義でき、500bp未満、450bp未満、400bp未満、350bp未満、300bp未満、250bp未満、200bp未満、150bp未満又は100bp未満の長さを有し得る。好ましくは、本発明に従うプロモーターエレメント又はその機能的バリアントは、350又はそれより少ないヌクレオチド、より好ましくは、300又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0131】
最小又は近位プロモーターは、ニューロンにおいて活性であり得る、適宜、プロモーターエレメントは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)又はCRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアントから選択され得る。適宜、ニューロンは、CNSニューロン及び/又はPNSニューロンであり得る。適宜、ニューロンにおいて活性である最小又は近位プロモーター又はその機能的バリアントは、500bp未満、450bp未満、400bp未満、350bp未満、300bp未満、250bp未満、200bp未満、150bp未満又は100bp未満の長さである。好ましくは、ニューロンにおいて活性である最小又は近位プロモーター又はその機能的バリアントは、300又はそれより少ないヌクレオチド、より好ましくは、250又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0132】
最小又は近位プロモーターは、星状細胞において活性であり得る、適宜、プロモーターエレメントは、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)、又はその機能的バリアントであり得る。適宜、星状細胞において活性である最小又は近位プロモーター又はその機能的バリアントは、500bp未満、450bp未満、400bp未満、350bp未満、300bp未満、250bp未満、200bp未満、150bp未満又は100bp未満の長さである。好ましくは、星状細胞において活性である最小又は近位プロモーター又はその機能的バリアントは、300又はそれより少ないヌクレオチド、より好ましくは、250又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0133】
本発明に従うプロモーターエレメントは、好ましくは、短縮されている、すなわち、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)から選択される。
【0134】
本発明に従うプロモーターエレメントは、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)又はCRE0003_CEND1_mp(配列番号25)からなり得る又はそれを含み得る。CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)は、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)は、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)の短いバージョンである。CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)は、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)は、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)の短いバージョンである。同様に、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)は、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)は、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)の短いバージョンである。本明細書において開示される態様又は実施形態では、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)又はCRE0003_CEND1_mp(配列番号25)は、互いに代わりに提供され得る。
【0135】
本発明に従うプロモーターエレメントは、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はCRE0009_SYN1_mp(配列番号26)からなり得る又はそれを含み得る。CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)は、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)は、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)の短いバージョンである。CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)は、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)は、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)の短いバージョンである。同様に、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)は、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及び追加の配列を含む、すなわち、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)は、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)の短いバージョンである。本明細書において開示される態様又は実施形態では、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)又はCRE0009_SYN1_mp(配列番号26)は、互いに代わりに提供され得る。
【0136】
適宜、最小又は近位プロモーターは、CRE又はCRMと作動可能に連結され得る。CREは、本発明に従うCRE又は任意の他のCREであり得る。適宜、CREが本発明に従うCREではない場合には、CREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。CRMは、本発明に従うCRMであり得る、又は本発明に従うCREを含み得る。適宜、CRE又はCRMは、NS特異的、適宜、CNS特異的及び/又はPNS特異的である。
【0137】
適宜、本発明に従う近位プロモーターは、1つ又は複数の近位プロモーターと作動可能に連結され得る。本発明に従う合成NS特異的プロモーターは、2つの近位プロモーターを含み得る又はそれからなり得る。適宜、本発明に従う合成NS特異的プロモーターは、2つ又はそれより多い近位プロモーターを含み得る又はそれからなり得る。適宜、近位プロモーターは、NS特異的近位プロモーター、適宜、CNS特異的近位プロモーター及び/又はPNS特異的近位プロモーターである。適宜、近位プロモーターは、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアントから選択され得る。適宜、本発明に従う合成NS特異的プロモーターは、以下の群のうちいずれか2つを含み得る又はそれらからなり得る:CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0015_GAP43_mp(配列番号39)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)、CRE0004_GFAP_mp(配列番号41)及びCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、又はその機能的バリアント。適宜、少なくとも2つの近位プロモーターは、本発明に従うCRE若しくはCRM又は他のCRE若しくはCRMに作動可能に連結され得る。
【0138】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNS及び/又はPNSにおいて活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又は合成プロモーターは、CNSにおいて活性、すなわち、CNS特異的CRE、最小/近位プロモーター又は合成プロモーターである。一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又は合成プロモーターは、PNSにおいて活性、すなわち、PNS特異的CRE、最小/近位プロモーター又は合成プロモーターである。一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNS及びPNSにおいて活性である。
【0139】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNSの特定の領域において、好ましくは、CNS中の特定の領域において、又は特定のCNS細胞種において、又はCNS細胞種の組合せにおいて、又は両方の組合せにおいて活性であり得る。したがって、適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター、又はプロモーターは、CNS特異的である。
【0140】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNSの特定の領域において、好ましくは、PNS中の特定の領域において、又は特定のPNS細胞種において、又はPNS細胞種の組合せにおいて、又は両方の組合せにおいて活性であり得る。したがって、適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター、又はプロモーターは、PNS特異的である。
【0141】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、NSの種々の部分のうち1つ又は複数、適宜、CNSの種々の部分のうち1つ又は複数及び/又はPNSの種々の部分のうち1つ又は複数において活性であり得る。
【0142】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNSの種々の部分のうち1つ又は複数において活性であり得る。CNSは、主に脳及び脊髄からなるからなる。網膜、視神経、嗅覚神経及び嗅上皮は、脳及び脊髄と並んでCNSの部分と考えられることもある。これは、それらが中間神経線維を伴わずに脳組織と直接的に接続しているためである。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳及び脊髄において活性であり得る。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳で活性であるが、脊髄又はCNSの任意の他の部分では活性ではない場合がある。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脊髄で活性であるが、脳では活性ではない場合がある。好ましくは、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳及び脊髄において活性であり得る。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳において活性である場合がある。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳内の種々の領域のうち1つ又は複数において活性であり得る。
【0143】
脳領域の限定されない例として、前頭葉、頭頂葉(pariental lobe)、後頭葉、側頭葉(海馬及び扁桃体を含む)、小脳、中脳(基底核を含み、順に、線条体及び黒質を含む)、脳橋、髄質及び間脳(視床及び視床下部を含む)が挙げられる。脊髄領域の限定されない例として、頸椎、胸椎、腰椎、仙椎及び尾椎が挙げられる。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターが脳において広範な活性を示すことが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターが脳及び脊髄において広範な活性を示すことが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳又はCNSのすべての部分において(汎CNS)、好ましくは、脳のすべての領域において活性である。一部の実施形態では本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳において活性であるが、CNSの他の部分、例えば、脊髄では活性ではない。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脊髄において活性であるが、CNSの他の部分、例えば、脳では活性ではない。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙された脊髄の領域のうち1、2、3、4、又は5つにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脊髄中の領域の大部分、すなわち、上記で列挙された脳のうち少なくとも3、少なくとも4つ又は5つすべてにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙された脳の1、2、3、4、5、6、7、8又は9の領域において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙された脳の1、2、3、4、5、6、7、8又は9の領域において及び脊髄において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳中の領域の大部分、すなわち、上記で列挙された脳の9領域うち少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8つ又は9つすべてにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、脳中の領域の大部分、すなわち、上記で列挙された脳の9領域のうち少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8つ又は9つすべてにおいて及び脊髄において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙された脳の4~6の領域において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙された脳の2~4の領域において活性である。適宜、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、好ましくは、以下の脳領域のいずれか又はすべてにおいて活性である:前頭葉、頭頂葉(pariental lobe)、後頭葉(occipital love)、側頭葉(海馬を含む)、小脳、中脳(基底核を含み、順に、線条体及び黒質を含む)及び間脳(視床及び視床下部を含む)。これは、ハンチントン舞踏病において最も悪影響を受ける脳の領域である線条体、黒質、大脳皮質の第3、5及び6層(大脳皮質は、前頭葉、頭頂葉(pariental lobe)、後頭葉及び側頭葉を含む)、海馬、小脳、視床下部及び視床として特に好ましいものであり得る。適宜、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、好ましくは、脊髄において及び以下の脳領域のいずれか又はすべてにおいて活性である:前頭葉、頭頂葉(pariental lobe)、後頭葉(occipital love)、側頭葉(海馬を含む)、小脳、中脳(基底核を含み、順に、線条体及び黒質を含む)及び間脳(視床及び視床下部を含む)。
【0144】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNSの種々の部分のうち1つ又は複数において活性であり得る。PNSとは、脳及び脊髄の外側である神経系の部分を指す。末梢神経系の限定されない例として、脳神経、腕神経叢、胸腹神経、腰神経叢、仙骨神経叢及び神経筋接合部が挙げられる。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターが、PNSにおいて広範な活性を示すことが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙されたPNSの領域のうち1、2、3、4、5又は6つにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNS中の領域の大部分、すなわち、上記で列挙されたPNSの6領域のうち少なくとも4、少なくとも5又は6つすべてにおいて活性である。
【0145】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記のPNS及びCNSの種々の領域のうち1つ又は複数の組合せにおいて活性であり得る。
【0146】
一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターが、CNSの1つの領域において、適宜、脳の1つの領域において、又は脊髄の1つの領域において優勢な活性を示すことが望ましい場合がある。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターが、脳の1つの領域において活性を示すが、脳の残りの部分、脊髄、CNS又はPNSでは活性を示さない又は最小の活性のみを示すことが望ましい場合がある。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターが、脊髄の1つの領域において活性を示すが、脊髄の残りの部分、脳、CNS又はPNSでは活性を示さない又は最小の活性のみを示すことが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙された脳又は脊髄の領域の1つの領域においてのみ活性である。
【0147】
一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターが、PNSの1つの領域において優勢な活性を示すことが望ましい場合がある。適宜、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターが、PNSの1つの領域において活性を示すが、脳、CNS又はPNSの残りの部分では活性を示さない又は最小の活性のみを示すことが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で列挙されたPNSの領域のうち1つの領域においてのみ活性である。
【0148】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、神経系の種々の細胞において活性であり得る。細胞は、CNS細胞及び/又はPNS細胞であり得る。
【0149】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNSの種々の細胞において活性であり得る。PNSにおける優勢な細胞種は、ニューロン、衛星細胞及びシュワン細胞である。特に、炎症状態では、他の細胞種が存在する場合もある。一部の実施形態では、プロモーターにとって多数の異なる細胞種において活性であることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNSの実質的にすべての細胞(例えば、ニューロン、衛星細胞及びシュワン細胞)において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたPNS細胞種から少なくとも2つのPNS細胞種、例えば、ニューロン及び衛星細胞において活性である。
【0150】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNSの種々の細胞において活性であり得る。CNSにおける優勢な細胞種は、ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、ミクログリア及び上衣細胞である。特に、炎症状態では、他の細胞種が存在する場合もある。一部の実施形態では、プロモーターにとって多数の異なる細胞種において活性であることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNSの実質的にすべての細胞(例えば、ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、ミクログリア、上衣細胞)において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から少なくとも4つのCNS細胞種、例えば、ニューロン、星状細胞、ミクログリア及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から少なくとも3つのCNS細胞種、例えば、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から少なくとも2つのCNS細胞種、例えば、ニューロン及び星状細胞において活性である。
【0151】
本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記のようなPNS及び/又はCNSの細胞の任意の組合せにおいて活性であり得る。本発明のCRE、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、介在ニューロンにおいて活性であり得る。
【0152】
一部の実施形態では、プロモーターにとって制限された数のCNS細胞種において、又は1以下のCNS細胞種において活性であることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から4、3、2又は1以下のCNS細胞種において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から3つ以下のCNS細胞種、例えば、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から2つ以下のCNS細胞種、例えば、ニューロン及び星状細胞において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたCNS細胞種から1つのみのCNS細胞種、例えば、ニューロンにおいて活性である。
【0153】
一部の実施形態では、プロモーターにとって制限された数のPNS細胞種において、又は1つ以下のPNS細胞種において活性であることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたPNS細胞種から2又は1つ以下のPNS細胞種において活性である。
【0154】
一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたPNS細胞種から2つ以下のPNS細胞種、例えば、ニューロン及び衛星細胞において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたPNS細胞種から1つのみのPNS細胞種、例えば、ニューロンにおいて活性である。
【0155】
一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNS細胞の特定のサブタイプ、例えば、有棘GABA作動性投射ニューロン(線条体において見られる)、ドーパミンニューロン(黒質において見られる)、錐体ニューロン(大脳皮質の第3、5及び6層において見られる)、海馬ニューロン(海馬において見られる)、プルキンエ細胞(小脳において見られる)、外側隆起核ニューロン(視床下部/視床において見られる)等において活性である。一部の特別に好ましい実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたニューロンサブタイプのいずれか又はすべてにおいて活性である。一部の好ましい実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたニューロンサブタイプのいずれか又はすべてにおいて活性であるが、他のCNS又はPNS細胞種又はサブタイプでは活性ではない。一部の好ましい実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたニューロンサブタイプのいずれか又はすべてにおいて、及び他のCNS細胞種又は他のCNS細胞サブタイプにおいて活性である。
【0156】
一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、GABA作動性又はグルタミン作動性ニューロンにおいて活性である。
【0157】
一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNS細胞の特定のサブタイプ、例えば、運動ニューロン、PNS交感ニューロン、PNS腸ニューロン及び感覚ニューロン等において活性である。一部の特別に好ましい実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたPNSニューロンサブタイプのいずれか又はすべてにおいて活性であるが、他の神経系細胞種又はサブタイプでは活性ではない。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記で収載されたPNSニューロンサブタイプのいずれか又はすべてにおいて、並びに他のCNS及び/又はPNS細胞種又は他のCNS細胞サブタイプにおいて活性である。
【0158】
一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNS細胞の特定の種類又はCNS細胞のサブタイプにおいて、及びCNSの特定の領域、適宜、脳の特定の領域において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、PNS細胞の特定の種類又はPNS細胞のサブタイプにおいて、及びPNSの特定の領域において活性である。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、CNS及び/又はPNS細胞の1つ又は複数の特定の種類又はサブタイプにおいて、及びCNS及び/又はPNSの特定の領域において活性である。
【0159】
本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、NSの外側の組織において活性である場合も、活性ではない場合もある。NSの外側の組織の限定されない例として、心臓、肝臓、腎臓、骨格筋及び脾臓がある。適宜、一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、NSの外側の組織又は細胞において活性ではない、又は最小にしか活性ではない。一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、NSの外側の組織又は細胞における発現と比較してNSにおいてより高度に発現される。適宜、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記のNSの外側ののうち1、2、3又は4以下の組織において、適宜、IV送達等の全身送達において活性である。
【0160】
適宜、一部の実施形態では、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターにとって、NSにおいて活性であるが、NSの外側の他の組織においても活性を有することが望ましい場合がある。適宜、本発明のCRE、CRM、最小/近位プロモーター又はプロモーターは、上記のNSの外側の組織のうち少なくとも1、2、3、4又は5つにおいて、適宜、IV送達等の全身送達において活性であり得る。
【0161】
所望の組織又は細胞において本発明のプロモーターによって駆動される発現は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、1 1時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、15日、16日、17日、18日、19日、20日、3週間、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、15年、20年、30年、40年、50年、60年、70年、80年、90年、100年の期間であり得る。所望の組織又は細胞において本発明のプロモーターによって駆動される発現は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、20年、30年、40年、50年、60年、70年、80年、90年、100年より長い期間であり得る。発現は、1~5時間、1~12時間、1~2日、1~5日、1~2週間、1~3週間、1~4週間、1~2ヶ月、1~4ヶ月、1~6ヶ月、2~6ヶ月、3~6ヶ月、3~9ヶ月、4~8ヶ月、6~12ヶ月、1~2年、1~5年、2~5年、3~6年、3~8年、4~8年又は5~10年、10~15年、15~20年、20~30年、30~40年、40~50年、50~60年、60~70年、80~90年又は90~100年の間であり得る。
【0162】
本発明のさらなる態様では、発現産物をコードする配列に作動可能に連結した本発明の任意の態様の合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットが提供される。適宜、発現産物は、遺伝子、例えば、導入遺伝子である。一部の実施形態では、発現産物は、治療用発現産物である。
【0163】
さらなる態様では、本発明に従う合成NS特異的プロモーター又は発現カセットを含むベクターが提供される。一部の実施形態では、ベクターは発現ベクターである。一部の実施形態では、ベクターはウイルスベクターである。一部の実施形態では、ベクターは、遺伝子療法ベクター、適宜、AAVベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、単純ヘルペスベクター又はレンチウイルスベクターである。レンチウイルスベクターは、CNSにおいて遺伝子導入ツールとして広く使用されており、ニューロン、星状細胞お及びオリゴデンドロサイトに成功裏に形質導入することができると知られている(Jakobsson及びLundberg、2006)。それらは、比較的大きなクローニング能を有するので、またウイルス遺伝子が発現されないので有益である。特に好ましいレンチウイルスベクターシステムは、HIV-1に基づいている(Jakobsson及びLundberg、2006)。単純ヘルペスウイルスベクター及びアデノウイルスベクターはまた、それらがCNS細胞の形質導入の成功を示すので、CNSにおいて遺伝子導入ツールとして使用するための可能性を示すが、その毒性のためにあまり好ましくない。
【0164】
AAVベクターは、当技術分野で広く論議されてきた。AAVベクターは通常、ゲノムに組み込まれず、免疫応答を誘発しないので、AAVベクターは、特に興味深い。AAV血清型1、2、4、5、8、9、rh10、DJ8、2i8、2.5、2i8G9及び2g9(AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV8、AAV9、AAVrh10、AAVDJ8、AAV2i8、AAV2.5、AAV2i8G9及びAAV2g9)は、NSにおいて効率的な形質導入を達成すると注目されてきた。したがって、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV8、AAV9、AAVrh10、AAVVDJ8、AAV2i8、AAV2.5、AAV2i8G9、AAV2g9及びそれらの誘導体は、特に好ましいAAV血清型である。一部の実施形態では、AAV9は特に好ましいAAVベクターである。他の実施形態では、AAV2g9は、特に好ましいAAVベクターである(WO2014/144229)。更に他の実施形態では、特に好ましいAAVベクターは、AAVDJ8である。一部の実施形態では、AAVrh10は、特に好ましいAAVベクターである。適宜、AAVベクターは、2つの逆方向末端反復配列(ITR)の間に位置する本発明の核酸配列を含むウイルスゲノムを含む。WO2019/028306には、例えば、CNSにおいて使用できる、種々の野生型及び改変されたAAVベクターが開示されている。一実施形態では、AAVベクターは、AAVベクターの送達後に血液脳関門を透過可能である。一実施形態では、本発明のAAVベクターは、そのウイルスゲノム内に機能的Rep及びCapタンパク質をコードする配列を欠く、複製欠損のある組換えAAVウイルスベクターである。これらの欠陥のあるAAVベクターは、親のコード配列のほとんど又はすべてを欠き、1つ又は2つのAAV ITR配列及び細胞、組織、臓器又は生物への送達のための目的の核酸のみを本質的に保持する場合がある。適宜、本明細書において使用するためのAAVベクターは、目的の核酸ペイロード又はカーゴの形質導入のために必要な最小の成分に低減されているウイルスを含む。この方法では、AAVベクターは、野生型ウイルスにおいて見られる有害な複製及び/又は組込み機構を欠きながら、特異的送達のための媒体として操作される。一実施形態では、本発明のAAV粒子は、scAAVである。別の実施形態では、本発明のAAV粒子はssAAVである。AAV粒子を生成及び/又は改変する方法は、当技術分野で広く開示されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2000/28004、WO2001/23001、WO2004/112727、WO2005/005610号びWO2005/072364を参照されたい)。一実施形態では、AAVベクターは、血管内(例えば、静脈内又は動脈内)投与後に血液脳関門透過を可能にするカプシドを含む(例えば、例えば、血液脳関門の効率的な横断のために操作されたカプシド、例えば、VOY101、VOY201、AAVPHP.N、AAVPHP.A、AAVPHP.B、PHP.B2、PHP.B3、G2A3、G2B4、G2B5、PHP.S及びそれらのバリアントを含むカプシド又はペプチド挿入物を論じるWO2014/144229を参照されたい)。
【0165】
AAVベクターを作製する方法は、当技術分野で周知であり、例えば、米国特許US6204059、US5756283、US6258595、US6261551、US6270996、US6281010、US6365394、US6475769、US6482634、US6485966、US6943019、US6953690、US7022519、US7238526、US7291498及びUS7491508、US5064764、US6194191、US6566118、US8137948、又は国際公開WO1996039530、WO1998010088、WO1999014354、WO1999/015685、WO1999/047691、WO2000/055342、WO2000/075353及びWO2001/023597; Methods In Molecular Biology、Richard編、Humana Press、NJ (1995); O'Reillyら、Baculovirus Expression Vectors、A Laboratory Manual、Oxford Univ. Press (1994); Samulskiら、J Fir.63: 3822~8頁(1989); Kajigayaら、Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 88: 4646~50頁(1991); Ruffingら、J. Vir. 66: 6922~30頁(1992); Kimbauerら、Vir.、219: 37~44頁(1996); Zhaoら、Vir.272: 382~93頁(2000)に記載されており、それらの各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。組換えAAVウイルス粒子の生成のためによく使用されるウイルス複製細胞には、それだけには限らないが、HEK293細胞、COS細胞、HeLa細胞、KB細胞及び他の哺乳動物細胞株が含まれる。
【0166】
ウイルス発現系は、本明細書において記載される方法を使用するその生成の際に所与のウイルスベクターを補完するために必要な任意の必須エレメントを含むように更に改変されるということは理解されるべきである。例えば、ある特定の実施形態では、核酸カセットは、末端反復配列に隣接される。一実施形態では、rAAVベクターの生成のために、AAV発現系は、組換えAAVプラスミド、Repを発現するプラスミド、Capを発現するプラスミド及びアデノウイルスヘルパープラスミドのうち少なくとも1つを更に含む。所与のウイルスベクターの相補的エレメントは、当技術分野で周知であり、当業者は、したがって本明細書において記載されるウイルス発現系を改変可能であろう。
【0167】
AAVベクター(例えば、AAV発現系)を製造するためのウイルス発現系は、トランスで、例えば、誘導プロモーターの制御下に、複製(Rep)遺伝子及び/又はカプシド(Cap)遺伝子を更に含むであろう。Rep及びCapの発現は、これらの遺伝子の発現が一緒に「オン」にされるように1つの誘導プロモーターの制御下にある場合も、別個の誘導因子によって「オン」にされる2つの別個の誘導プロモーターの制御下にある場合もある。AAVゲノムの左側に(5'末端に向かって)、p5及びp19と呼ばれる2つのプロモーターがあり、それから異なる長さの2つのオーバーラップするメッセンジャーリボ核酸(mRNA)が生成され得る。これらの各々は、スプライシングで切り出される場合も、切り出されない場合もあるイントロンを含有し、その結果、4種の潜在的なRep遺伝子、Rep78、Rep68、Rep52及びRep40が生成する。Rep遺伝子(具体的には、Rep78及びRep68)は、自己プライミング作用で逆方向末端反復配列(ITR)によって形成されるヘアピンに結合し、ヘアピン内の指定された末端分離部位で切断する。それらは、AAVゲノムのAAVS1特異的組込みにとって必要不可欠である。4種のRepタンパク質はすべて、ATPに結合し、ヘリカーゼ活性を有すると示された。プラス鎖のAAVゲノムの右側(3'末端に向けて)は、p40と称される1つのプロモーターに作動可能に連結した3つのカプシドタンパク質、VP1、VP2及びVP3のオーバーラップする配列をコードする。cap遺伝子は、アセンブリ活性化タンパク質(Assembly-Activating Protein)(AAP)と呼ばれるさらなる非構造タンパク質を生成する。このタンパク質は、オープンリーディングフレーム2(ORF2)から生成され、カプシドアセンブリプロセスにとって必要不可欠である。AAVベクターを製造するための必須エレメントは、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許US5478745A、US5622856A、US5658776A、US6440742B1、US6632670B1、US6156303A、US8007780B2、US6521225B1、US7629322B2、US6943019B2、US5872005A及び米国特許出願番号US2017/0130245、US20050266567A1、US20050287122A1においてにおいて更に再検討される場合があり、各々開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0168】
一実施形態では、AAVベクターを生成する細胞を懸濁液中で培養する。別の実施形態では、細胞を動物成分不含条件で培養する。動物成分不含培地は、所与の細胞株、例えば、HEK293細胞と適合する任意の動物成分不含培地(例えば、血清不含培地)であり得る。AAVベクターを増殖させることが可能であると当技術分野において公知の任意の細胞株を、本明細書において記載される方法を使用するAAV生成のために使用できる。AAVベクターを生成するために使用できる例示的細胞株には、それだけには限らないが、HEK293、CHO、Cos-7及びNSOが含まれる。
【0169】
一実施形態では、AAVベクターを生成する細胞株は、AAVベクター生成に必要な成分のいずれか又はすべて、例えば、Rep、Cap、VP1等を安定に発現する。一実施形態では、AAVベクターを生成する細胞株は、AAVベクター生成に必要な成分のいずれか又はすべて、例えば、Rep、Cap、VP1等を一過性に発現する。
【0170】
AAVベクターを生成する細胞株が、rep又はcapを安定に発現しない、又は一過性に発現するという事象では、これらの配列は、AAV発現系に提供されるべきである。AAV rep及びcap配列は、当技術分野で公知任意の方法によって提供され得る。現在のプロトコールは、通常、単一プラスミドでAAV rep及び/又はcap遺伝子を発現する。AAV複製及びパッケージング配列は、一緒に提供される必要はないが、そうすることは好都合であり得る。AAV rep及び/又はcap配列は、任意のウイルス又は非ウイルスベクターによって提供され得る。例えば、rep及び/又はcap配列は、ハイブリッドアデノウイルス又はヘルペスウイルスベクターによって提供され得る(例えば、欠失したアデノウイルスベクターのEla又はE3領域中に挿入される)。EBVベクターもまた、AAV cap及びrep遺伝子を発現させるために利用され得る。この方法の1つの利点は、EBVベクターはエピソーム性であるが、連続細胞分裂全体で高コピー数を維持するであろうということである(すなわち、arcは、「EBVベースの核エピソーム」と称される染色体外エレメントとして細胞中に安定に組み込まれる、Margolski、Curr. Top. Microbial. Immun. 158:67 (1992)を参照されたい)。
【0171】
通常、AAV rep/cap配列は、これらの配列のレスキュー及び/又はパッケージング維持を避けるためにTRに隣接されない。
【0172】
本明細書に記載される方法を使用してレンチウイルスを製造するためのウイルス発現系は、核酸カセットのそれぞれの両端に位置する長い末端反復配列(LTR)を更に含むであろう。LTRは、レトロトランスポゾン又はレトロウイルスRNAの逆転写によって形成されたプロウイルスDNAのいずれかの末端で数百又は数千回反復するDNAの同一配列である。LTRは、宿主染色体におけるLTR特異的インテグラーゼによるレトロウイルスDNAの組込みを媒介する。レンチウイルスベクターを製造するためのLTR及び方法は、例えば、米国特許US7083981B2、US6207455B1、US6555107B2、US8349606B2、US7262049B2及び米国特許出願番号US20070025970A1、US20170067079A1、US20110028694A1に更に記載されており、各々の開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0173】
本明細書に記載される方法を使用してアデノウイルスを製造するためのウイルス発現系は、核酸カセットのそれぞれの両端に位置するおよそ90~140塩基対(正確な長さは血清型に応じて変わる)の同一の逆方向末端反復配列(ITR)を更に含むであろう。ITR内のウイルスの複製の起点は、正確にゲノムの末端である。アデノウイルスゲノムは、およそ36000塩基対の直鎖状二本鎖DNA分子である。Often、遺伝子療法において使用されるアデノウイルスベクターは、E1領域の欠失を有し、そこに新規遺伝情報が導入され得る; E1欠失は、組換えウイルス複製を欠陥のあるものにする。アデノウイルスベクターを製造するためのITR及び方法は、例えば、米国特許US7510875B2、US7820440B2、US7749493B2、US7820440B2、US10041049B2、国際特許出願番号WO2000070071A1及び米国特許出願5番号WO2000070071A1、US20030022356A1、US20080050770A1に更に記載されており、各々の開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0174】
一実施形態では、ウイルス発現系は、宿主細胞、例えば、ウイルス、哺乳動物細胞又は昆虫細胞であり得る。例示的昆虫細胞として、それだけには限らないが、Sf9、Sf21、Hi-5及びS2昆虫細胞株が挙げられる。例えば、AAVベクターを製造するためのウイルス発現系は、例えば、ウイルス発現系が昆虫細胞である場合にはバキュロウイルス発現系を更に含むであろう。バキュロウイルス発現系は、バキュロウイルス感染昆虫細胞からの効率的な大規模ウイルス生成及び組換えタンパク質の発現のために設計される。バキュロウイルス発現系は、例えば、米国特許US6919085B2、US6225060B1、US5194376Aに更に記載されており、各々の開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0175】
別の実施形態では、ウイルス発現系は、無細胞系である。ウイルスベクター生成のための無細胞系は、例えば、Cerqueira A.ら、Journal of Virology、2016; Sheng J.ら、The Royal Society of Chemistry、2017並びにSvitkin Y.V.及びSonenberg N. Journal of Virology、2003に更に記載されており、その開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
【0176】
細胞において生成されるウイルスベクターは、任意の標準技術を使用して放出させることができる(すなわち、ベクターを生成した細胞を含まない設定)。例えば、機械的方法、例えば、顕微溶液化、遠心分離若しくは超音波処理又は化学的方法を介して、例えば、溶解バッファー及び界面活性剤の添加によって、ウイルスベクターを放出させることができる。次いで、当技術分野における標準方法を使用して、放出されたウイルスを回収し(すなわち、収集し)、精製して純粋な集団を得る。例えば、深層濾過又は接線流濾過(TFF)を使用する清澄化工程を含む精製法によって、ウイルスベクターをそれらが放出されたバッファーから回収できる。実施例において本明細書において記載されるように、ウイルスベクターは、超音波処理によって細胞から放出させ、カラムクロマトグラフィーを使用する清澄化された溶解物の精製によって回収することができる。
【0177】
一部の実施形態では、ベクターは、例えば、当技術分野で公知であるようにカチオンポリマー又はカチオン脂質を使用する非ウイルスベクターである。種々の非ウイルスベクターは、Selene Ingusciら(Gene Therapy Tools for Brain Diseases. Front. Pharmacol. 10:724. doi: 10.3389)に論じられている。
【0178】
さらなる態様では、本発明に従うベクター、適宜、ウイルスベクターを含むビリオン(ウイルス粒子)が提供される。一部の実施形態では、ビリオンはAAVビリオンである。
【0179】
さらなる態様では、本発明に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター又はビリオンを含む医薬組成物が提供される。
【0180】
例えば、AAVベクター粒子は、医薬組成物として調製できる。このような組成物は、1つ又は複数の有効成分、最も多くは、薬学的に許容される賦形剤を必ず含むことは理解されよう。
【0181】
本開示に従う医薬組成物は、単回単位用量として、及び/又は複数の単回単位用量として調製され、パッケージングされ、及び/又はバルクで販売され得る。本明細書において、「単位用量」とは、所定量の有効成分を含む医薬組成物の別個の量を指す。有効成分の量は、一般に、対象に投与されるであろう有効成分及び/又はこのような投与量の好都合な割合、例えば、このような投与量の2分の1又は3分の1等の投与量に等しい。
【0182】
さらなる態様では、医薬として使用するための本発明に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物が提供される。
【0183】
さらなる態様では、療法、すなわち、医学的状態又は疾患の予防又は処置において使用するための本発明に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物が提供される。
【0184】
さらなる態様では、医学的状態又は疾患の処置のための医薬組成物の製造において使用するための本明細書において記載されるような合成NS特異的プロモーター、NS特異的シス調節エレメント(CRE)、CRM、プロモーターエレメント、発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物が提供される。本態様に関連する例示的医学的状態又は疾患は、以下に論じられる。
【0185】
適宜、医学的状態又は疾患は、異常な遺伝子発現、任意選択で、神経系、適宜、CNS及び/又はPNS組織又は細胞における異常な遺伝子発現と関連する。適宜、使用は、遺伝子療法のため、好ましくは、異常な遺伝子発現が絡む疾患の処置において使用するためである。適宜、異常な遺伝子発現が絡む医学的状態又は疾患は、CNS及び/又はPNSの疾患であり得る。適宜、医学的状態又は疾患は、CNS及び/又はPNSの単一遺伝子障害であり得る。適宜、遺伝子療法は、CNS及び/又はPNS細胞又は組織における治療用発現産物の発現を含む。適宜、発現産物は、欠陥のある遺伝子の野生型対立遺伝子、欠陥のある遺伝子の発現を防ぐ発現産物又は欠陥のある遺伝子の有害な効果に対抗する発現産物であり得る。本態様に関連する例示的医学的状態又は疾患は、以下に論じられる。
【0186】
一実施形態では、医学的状態又は疾患は、ハンチントン舞踏病である。
【0187】
さらなる態様では、本発明の合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター又はビリオンを含む細胞が提供される。一部の実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞、任意選択で、ヒト細胞である。適宜、細胞は、CNS又はPNS細胞である。適宜、細胞は、ニューロン、介在ニューロン又はニューロン支持細胞、例えば、星状細胞、オリゴデンドロサイト、上衣細胞又は小グリア細胞であり得る。適宜、細胞は、ヒトニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、上衣細胞、小グリア細胞、シュワン細胞又は衛星細胞であり得る。合成NS特異的プロモーターは、エピソーム性である場合も、細胞のゲノム中にある場合もある。
【0188】
一実施形態では、細胞は、ヒトニューロン、ヒト星状細胞又はヒトオリゴデンドロサイトである。
【0189】
さらなる態様では、発現産物を生成する方法であって、NS細胞又は組織において本発明の合成NS特異的発現カセット、ベクター又はビリオンを提供すること及び合成NS特異的発現カセット、ベクター又はビリオンにおいて存在する目的の遺伝子を発現させることを含む方法が提供される。方法は、in vitro若しくはex vivoであり得る、又はin vivoであり得る。
【0190】
さらなる態様では、NS細胞において治療用導入遺伝子を発現させる方法であって、NS細胞中に本明細書において記載されるような合成NS特異的発現カセット、ベクター又はビリオンを導入すること及び合成NS特異的発現カセット、ベクター又はビリオンにおいて存在する発現産物(例えば、目的の遺伝子)を発現させることを含む方法が提供される。NS細胞は、CNSの細胞(ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、上衣細胞又は小グリア細胞)又はPNSの細胞(ニューロン、シュワン細胞又は衛星細胞)であり得る。NS細胞は、ニューロン、介在ニューロン又はニューロン支持細胞、例えば、星状細胞、オリゴデンドロサイト、上衣細胞、小グリア細胞、シュワン細胞又は衛星細胞であり得る。
【0191】
一実施形態では、CNS細胞は、ニューロン、星状細胞又はオリゴデンドロサイトである。
【0192】
さらなる態様では、それを必要とする対象、好ましくは、ヒトの療法の方法であって、
- 対象に、本発明に従うプロモーターに作動可能に連結した治療用産物をコードする配列を含む、本明細書において記載されるような発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物を投与する工程;及び
- 前記対象のNSにおいて治療用産物の治療量を発現させる工程
を含む方法が提供される。
【0193】
一実施形態では、CNSにおいて治療用産物の治療量が発現される。一実施形態では、PNSにおいて治療用産物の治療量が発現される。一実施形態では、CNS及びPNSにおいて治療用産物の治療量が発現される。
【0194】
適宜、方法は、神経疾患及び/又は障害の処置、予防、緩和又は寛解のためである。本態様に関連する例示的医学的状態又は疾患は、以下に論じられる。
【0195】
投与の適した方法は、経腸(例えば、経口、舌下及び直腸)又は静脈内、動脈内、脳室内、頭蓋内、筋肉内、皮下、関節内、くも膜下腔内及び皮内注射を含む非経口(例えば、注射)であり得る。好ましい投与方法は、静脈内、動脈内、脳室内、頭蓋内及びくも膜下腔内注射である。
【0196】
一部の実施形態では、方法は、対象のNS中に、治療用産物をコードする遺伝子を含む、本明細書において記載されるような発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物を導入することを含む。CNS中に発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物を導入することに関して特に困難なことは、血液脳関門である。血液脳関門は、血流中のある特定の化学物質及び分子がある特定の神経系の細胞外液中に入ることを防ぐ内皮細胞の半透性境界である。動物研究では、この障壁は、動物の脳中への直接的な注射、例えば、頭蓋内注射、適宜、脳室内(ICV)注射によって克服されてきた(例えば、Keiserら、Curr. Protoc. Mouse Biol. 2018 Dec;8(4):e57を参照されたい)。この投与方法は、実施することが困難であり、対象にとって危険である場合があるので、ヒトにおける遺伝子療法にとって不利であり得る。
【0197】
代わりに、ヒトにおける遺伝子療法設定では、発現カセットを含むウイルスベクターの静脈内、鼻腔内又は動脈内(例えば、頸動脈内)投与によって本明細書で記載されるような発現カセットがNS中に導入されることが好ましい。適宜、ウイルスベクターはAAVベクターである。AAVのいくつかの血清型の静脈内又は動脈内投与によって、AAVベクターのNSへの透過が可能となる。非NS組織及び細胞における最小発現は、本発明に従う合成NS特異的プロモーターのNS特異性によると予測される。更に、具体的には、CNS透過のための改善されたAAVカプシドの開発によって、AAVベクターの透過が改善されると予測される。静脈内又は動脈内投与は、依然として血液脳関門を介した透過を可能にしながら頭蓋内投与よりも安全であり、侵襲性が低い。
【0198】
一部の実施形態では、AAVベクターは、CSF中に直接投与される。例えば、AAVベクターは、くも膜下腔内(IT)又は脳室内(ICV)投与によって投与されてもよい。「くも膜下腔内」投与は、くも膜下腔内注射、すなわち、脳室中への注射を含む、脳脊髄軸の任意のレベルでの脳脊髄液中への投与を意味するために使用される。これは、注射が脳脊髄液(CSF)に到達するような、脊髄膜を介したくも膜下腔中への注射である。脳又は脊髄中への注射は、複雑な脳の手術を必要とするので、くも膜下腔内送達法は、CNS組織自体中へ注射することよりも侵襲性ではないと考えられる。くも膜下腔内送達は、脳注射のための専門センターを必要とせず実施できる。
【0199】
一実施形態では、AAVベクターは、腰椎投与によって投与される。腰椎内くも膜下腔内投与は、好ましくは、L4~L5、L3~L4、L1~L2及びL2~L3脊髄セグメントからなる群から選択される位置でである。最も好ましくは、AAVベクターは、L4とL5の間のくも膜下腔内注射によって投与される。一実施形態では、AAVベクターは、大槽において投与される。一実施形態では、AAVベクターは、大槽中及び/又は腰椎投与を介して投与される。別の実施形態では、槽中への投与は、腰椎投与と組み合わせて実施され、槽中への投与は、腰椎投与の前に、それと同時に、その後に実施される。この実施形態では、腰椎投与は、くも膜下腔内領域においてである。「大槽」又は「小脳延髄管」は、脳の周囲の髄膜のくも膜と軟膜の間のくも膜下腔中の3つの主要な開口部の1つである。開口部は、まとめて、タンク(tank)と呼ばれる。槽は、小脳と髄質の背側面の間に位置する。第4心室において生成される脳脊髄液は、外側及び正中ポートを通って大槽中に排出される。
【0200】
一部の実施形態では、AAVベクターは、血液脳関門破壊のための手段と組み合わせて投与され得る。適宜、AAVベクターが血液脳関門をより容易に透過することを可能にするために。
【0201】
適宜、医学的状態又は疾患は、CNS及び/又はPNSの医学的状態又は疾患である。
【0202】
適宜、医学的状態又は疾患は、PNSの医学的状態又は疾患である。適宜、医学的状態又は疾患は、例えば、副神経障害、アルコール性多発ニューロパチー、麻酔ドロローサ、抗MAG末梢神経障害、自己免疫自律神経節障害、自律神経異常反射、自律神経ニューロパチー、腋窩神経機能障害、腋窩神経麻痺、シャルコー・マリー・トゥース病、化学療法誘発性末梢神経障害、慢性溶媒誘発性脳症、CMV多発神経根脊髄症(polyradiculomyelopathy)、無汗症を伴う疼痛に対する先天性無感覚、脱神経、糖尿病性ニューロパチー、自律神経障害、紅痛症、顔面神経麻痺、家族性自律神経障害、ギランバレー症候群、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー、ホルネル症候群、神経圧迫症候群、神経損傷、ニューラプラキシー、神経炎、起立性低血圧症、起立性不耐性、発作性交感神経機能亢進、末梢単ニューロパチー、末梢神経障害、梨状筋症候群、神経叢障害、多発ニューロパチー、体位性起立性頻脈症候群、原発性自律神経不全症、円筋回内筋症候群、近位糖尿病性ニューロパチー、陰部神経絞扼、純粋自律神経不全症、四辺形間隙症候群、橈骨神経機能障害、橈骨神経障害、放射線誘発性腰椎神経叢障害、神経根症、坐骨神経痛、小径線維末梢神経障害、胸郭出口症候群、尺骨神経障害、血管炎性神経障害、ヴィラレ症候群、ワルテンブルク症候群及び翼状肩甲骨から選択され得る。
【0203】
適宜、医学的状態又は疾患は、CNSの医学的状態又は疾患、例えば、神経疾患及び/又は障害である。適宜、医学的状態又は疾患は、例えば、ドーパミン輸送体欠乏症候群、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、双極性障害、てんかん、多発性硬化症、タウオパチー、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、クラッベ病、副腎白質ジストロフィー、運動ニューロン疾患(MND)、原発性側索硬化症(PLS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、ケネディー病、脳性麻痺、ゴーシェ病、テイ・サックス病、レット症候群、サンドホフ病、シャルコー・マリー・トゥース病、アンジェルマン症候群、伝達性海綿状脳症(TSE)(クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クールー病、致死性家族性不眠症(FFI)及びゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病(GSS)を含む)、遅発型小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、ムコ多糖症IIIA、ムコ多糖症IIIB、白質ジストロフィー(異染性白質ジストロフィー、クラッベ病、副腎白質ジストロフィー、ペリツェウス・メルツバッハー病(PMD)、カナバン病、中枢神経系ミエリン形成不全又はCACHを伴う小児運動失調、アレキサンダー病、レフサム病及び脳腱黄色腫症等)、遺伝性リソソーム蓄積症、例えば、ニーマン・ピック病C1型又はガングリオシドーシス及び/又はニューロンセロイドリポフスチン症、例えば、バッテン病、進行性核上性麻痺(PSP)、皮質基底核症候群及び脳又は脊髄腫瘍又はがん(星状細胞腫及び神経膠芽腫を含む)又はCNSがんの種々の形態、例えば、原発性CNSリンパ腫、転移又は続発性脳腫瘍、原発性脊髄腫瘍、家族性周期性四肢麻痺、フリートライヒ運動失調症、毛細血管拡張運動失調、脊髄小脳失調症1型、2型及び3型、ドパ反応性ジストニア脆弱X染色体症候群、前頭側頭型認知症、運動ニューロン病を伴う前頭側頭型認知症(FTD-MND)、遺伝性痙性対麻痺(HSP)又は家族性痙攣性不全対麻痺(FSP)、脊髄損傷(SCI)、外傷性脳損傷(TBI)、卒中、脊髄梗塞、精神病(重症鬱病、強迫性障害)、巨大軸索神経障害(GAN)、疼痛(癌性疼痛、舌咽神経痛(GN)及び三叉神経痛(TN)を含む)、閉じ込め症候群、視神経脊髄炎(NMO)、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、運動失調の遺伝性及び非遺伝性形態(マシャド・ジョセフ病として知られる遺伝性脊髄小脳失調症等)及び多系統萎縮症(MSA)、シルダー病から選択され得る。一実施形態では、医学的状態又は疾患は、ハンチントン舞踏病である。
【0204】
適宜、治療用産物をコードする配列は、NPC1、EAAT2、NPY、CYP46A1、GLB1、APOE (又はAPOE2)、HEX、CLN1、CLN2、CLN3、CLN4、CLN5、CLN6、SUMF1、DCTN1、PRPH、SOD1、SMN、NEFH、GBA、IDUA、NAGLU、GUSB、ARSA、MANB、AADC、GDNF、NTN、ASP、MECP2、PTCHD1、GJB1、UBE3A、HEXA、FXN及びMOGからなる群から選択される遺伝子のうちの1つであり得る。一部の実施形態では、治療用産物をコードする配列は、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、パルミトイルタンパク質チオエステラーゼ、トリペプチジルペプチダーゼ、リソソーム膜貫通タンパク質、システイン輸送体、酸性セラミダーゼ、酸性α-L-フコシダーゼ、保護タンパク質/カテプシンA、酸性β-グルコシダーゼ又はグルコセレブロシダーゼ、酸性β-ガラクトシダーゼ、イズロン酸-2-スルファターゼ、α-L-イズロニダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、酸性α-マンノシダーゼ、酸性β-マンノシダーゼ、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼA、Nアセチルガラクトサミン-6-スルフェートスルファターゼ、酸性β-ガラクトシダーゼ、N-アセチルグルコースサミン-1-ホスホトランスフェラーゼ、酸性スフィンゴミエリナーゼ、NPC-1、酸性α-グルコシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼB、ヘパランN-スルファターゼ、α-N-アセチルグルコサミニダーゼ、アセチル-CoA、α-グルコサミニドNアセチルトランスフェラーゼ、N-アセチルグルコサミン-6-スルフェートスルファターゼ、α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ、α-Nアセチルガラクトサミニダーゼ、α-ノイラミダーゼ、β-グルクロニダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼA、酸性リパーゼ、神経栄養因子、例えば、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)、ニューロトロフィン-4/5(NT-4/5)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、脳ドーパミン神経栄養因子(CDNF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、インスリン様成長因子(IGF-1)、ハンチントン遺伝子(HTT、HD及びIT15としても知られる)からなる群から選択される遺伝子のうち1つであり得る。
【0205】
一実施形態では、治療用産物をコードする配列は、CYP46A1遺伝子である。
【0206】
本明細書において開示されるようなAAVベクターを(処置又は予防のいずれかとして)用いて処置されるCNS疾患の、例示的遺伝子産物及び医学的状態又は疾患として、ALSの処置のためのGDNF若しくはIGF-1、SMA-1の処置のためのGDNF若しくはIGF-1、SMAの処置のための不完全な脊髄運動ニューロン生存タンパク質(SMN)遺伝子の下方制御のためのmiRNA、ハンチントン舞踏病の処置のための対立遺伝子特異的下方制御又はHTTの両対立遺伝子の下方制御、ハンチントン舞踏病の処置のためのGDNF、MSAの処置のためのGDNF、ファブリー病の処置のためのα-ガラクトシダーゼ、小児バッテン病(CNL3)の処置のためのリソソーム膜貫通タンパク質、ゴーシェ病1型、2型及び3型の処置のための酸性β-グルコシダーゼ若しくはグルコセレブロシダーゼ、ハンター症候群の処置のためのイズロン酸-2-スルファターゼ、ポンペ病の処置のための酸性α-グルコシダーゼ、ヘパランN-スルファターゼ及びサンフィリポ症候群B型の処置のためのN-アセチルグルコサミニダーゼからなる群から選択されるサンフィリポ症候群A型の処置がある。
【0207】
更に、又は或いは、治療用産物は、抗体、抗体断片又は抗体様足場タンパク質であり得る。
【0208】
更に、又は或いは、治療用産物は、疾患対立遺伝子に向けられた遺伝子編集システム(例えば、CRISPR-Cas9システム、TALEN、ZFN等)であり得る。
【0209】
更に、又は或いは、治療用産物は、1つ又は複数の調節性ポリヌクレオチド、例えば、治療薬としてのRNA又はDNA分子であり得る。例えば、調節性ポリヌクレオチドは、miRNA又はsiRNAであり得る。標的遺伝子は、任意の神経疾患、例えば、それだけには限らないが、本明細書において収載されたものと関連する遺伝子のいずれかであり得る。例えば、siRNA二重鎖又はコードされるdsRNAは、NS細胞において標的遺伝子発現を低減又はサイレンシングし、それによって、神経疾患の症状を寛解できる。限定されない一例では、標的遺伝子は、ハンチンチン(HTT)である。別の限定されない例では、標的遺伝子は、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)である。一実施形態では、治療用産物は、HTT遺伝子を標的とする調節性ポリヌクレオチドである。
【0210】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号1を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0211】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号2を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0212】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号3を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、興奮性ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0213】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号4を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、興奮性ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0214】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号5を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0215】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号6を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0216】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号7を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0217】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号8を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0218】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、発現産物に作動可能に連結した配列番号9を含む又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットをNS細胞中に導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0219】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号10を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0220】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号11を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0221】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号12を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0222】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号13を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、興奮性ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0223】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号14を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、興奮性ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において発現される。
【0224】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号33を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0225】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号34を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0226】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号35を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【0227】
さらなる態様では、NSにおいて発現産物を発現する方法であって、NS細胞中に発現産物に作動可能に連結した配列番号36を含む、又はからなる合成NS特異的プロモーターを含む発現カセットを導入することを含む方法が提供される。適宜、発現産物は、ニューロン及び星状細胞において発現される。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【
図1A】
図1Aは、成体マウス脳から得た矢状切片におけるHTT遺伝子の発現パターン(Allenマウス脳アトラスから取得; mouse.brain-map.org)を示す図である。HTT(ハンチンチン)は、脳全体において高度に発現される。
【
図1B】成体マウス脳から得た冠状切片におけるCYP46A1遺伝子の発現パターン(Allenマウス脳アトラスから取得; mouse.brain-map.org)を示す図である。CYP46A1は、脳において広く発現される。
【
図2A】
図2Aは、神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞における対照プロモーターCAGに対する、合成NS特異的プロモーターSP0013、SP0014、SP0030、SP0031、SP0032、SP0019、SP0020、SP0021、SP0022、SP0011、SP0034、SP0035、SP0036及び対照プロモーターシナプシン-1の中央値GFP発現を示す図である。NTCは、非トランスフェクト細胞を表す。データは、3つの生物学的複製から収集され、その各々は、2つの技術的複製の平均である。エラーバーは、標準誤差である。
【
図2B】
図2Bは、GFPに作動可能に連結した、合成NS特異的プロモーターSP0013、SP0014、SP0030、SP0031、SP0032、SP0019、SP0020、SP0021、SP0022、SP0011、SP0034、SP0035、SP0036又は対照プロモーターシナプシン-1及びCAGを用いてトランスフェクトされた場合の、神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞におけるトランスフェクション効率を示す図である。NTCは、非トランスフェクト細胞を表す。データは、3つの生物学的複製から収集され、その各々は、2つの技術的複製の平均である。エラーバーは、標準誤差である。GFP陽性%は、GFP陽性であったすべての細胞の%を表す。
【発明を実施するための形態】
【0229】
CRE及びその機能的バリアント
NS特異的プロモーターの構築において使用できる種々のCREが、本明細書において開示される。適宜、CREは、NS特異的、適宜、CNS特異的及び/又はPNS特異的である。これらのCREは、一般に、ゲノムプロモーター及びエンハンサー配列に由来するが、それらは、その天然ゲノム環境とは全く異なる状況で本明細書において使用される。一般に、CREは、それらが通常関連している遺伝子の発現を制御する、かなり大きなゲノム調節ドメインの小さい部分を構成する。驚くべきことに、これらのCREは、その多くが極めて小さく、その通常の環境から単離され、NS特異的調節活性を保持できるということを見い出した。ゲノムの複雑な「三次元の」天然の状態からの調節配列の回収は、活性の著しい喪失をもたらすことが多く、そのため、所与のCREは、その天然環境からひとたび回収されると観察された活性のレベルを保持することを期待する理由はないので、これは驚くべきことである。CREが、AAVベクター中でNS特異的活性を保持する場合には、更により驚くべきことである。これは特に、AAVベクターが逆方向末端反復配列(ITR)を含み、ゲノムと比較して異なるDNA構造を有し、ITRとDNA構造の両方がCREの活性に影響を及ぼすと知られているような場合である。
【0230】
本発明のCREの配列を、活性の実質的な喪失を引き起こさずに変更できるということは注目すべきである。CREの機能的バリアントは、CREの活性に対して著しく有害である改変は避けられるという条件で、CREの配列を改変することによって調製できる。本開示において提供される情報を考慮して、機能的バリアントを提供するためのCREの改変は容易である。更に、本開示は、任意の所与のCREバリアントの機能性を簡単に評価するための方法論を提供する。
【0231】
本発明に従うある特定のCREの相対的に小さいサイズは、それによって、CRE、より詳しくは、それを含有するプロモーターが、ベクターのペイロードの最小量しか占めずにベクター中に提供されることを可能となるので有利である。これは、CREが容量が制限されたベクター、例えば、AAVをベースとするベクターにおいて使用される場合には特に重要である。
【0232】
本発明のCREは、ある特定のNS特異的転写因子結合部位(TFBS)を含む。一般に、CREの機能的バリアントでは、これらのNS特異的TFBSが機能性を保持することが望まれる。当業者は、TFBS配列は変わるが機能性を保持できることを十分に承知している。これを考慮して、TFBSの配列は、通常、ある程度の変動が通常存在するコンセンサス配列によって例示される。TFBSにおいて生じる変動についてのさらなる情報は、頻度を表す位置重み行列(PWM)を使用して例示でき、これを用いて所与のヌクレオチドは通常、コンセンサス配列中の所与の位置で見出される。TFコンセンサス配列の詳細及び関連する位置重み行列は、例えば、Jaspar又はTransfacデータベース(http://jaspar.genereg.net/及びhttp://gene-regulation.com/pub/databases.html)に見出すことができる。この情報によって、CRE機能性を保持する、一部の場合には、増大さえする方法で、CREの任意の所与のTFBSにおいて当業者が配列を改変することが可能となる。これを考慮して、当業者は、所望のTFに結合する能力を維持しながら、任意の所与のTFについてTFBSを改変できる方法に関して十分なガイダンスを有する;Jasparシステムは、例えば、所与のPWMに対するその類似性に基づいて推定TFBSをスコア付けする。更に、CREをJASPARデータベースからのすべてのPWMに対してスキャンして、すべてのTFBSを同定/分析できる。当業者は、もちろん、文献で追加のガイダンスを見出すことができ、更に、日常的な実験法を使用して、任意のバリアントCREにおいて推定TFBSへのTF結合を確認できる。機能を保持しながらCREにおけるTFBS内でさえのCREにおける著しい配列改変を行うことができることが明らかであろう。
【0233】
本発明のCREを、さまざまな適した最小プロモーター又はNS特異的近位プロモーター、適宜、CNS特異的近位プロモーター及び/又はPNS特異的近位プロモーターと組み合わせて使用できる。
【0234】
CREの機能的バリアントは、参照CREエレメントとは異なるが、NS特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を含む。適したNS特異的転写因子(TF)を動員し、それによって発現を増強するその能力を保持しながら、CREの配列を変えることが可能であるということは当業者には明らかであろう。CREの機能的バリアントは、CREを実質的に非機能性にしないという条件で、参照CREと比較して置換、欠失及び/又は挿入を含み得る。
【0235】
一部の実施形態では、CREの機能的バリアントは、プロモーターにおいて参照CREの代わりに置換された場合に、その活性を実質的に保持するCREと見なすことができる。例えば、所与のCREの機能的バリアントを含むNS特異的プロモーターは、好ましくは、その活性の少なくとも80%、より好ましくは、その活性の少なくとも90%、より好ましくは、その活性の少なくとも95%、更により好ましくは、その活性の100%を保持する(未改変CREを含む参照プロモーターと比較して)。
【0236】
適宜、CREの機能的バリアントは、参照CREに対して著しいレベルの配列同一性を保持する。適宜、機能的バリアントは、参照CREに対して少なくとも70%同一である、より好ましくは、参照CREに対して少なくとも80%、90%、95%又は99%同一である配列を含む。
【0237】
活性の保持は、参照プロモーターの制御下の適したリポーターの発現を、同等の条件下で置換されたCREを含むそうでなければ同一のプロモーターと比較することによって評価できる。NS特異的プロモーター活性を評価するための適したアッセイは、本明細書に、例えば、実施例において開示されている。
【0238】
一部の実施形態では、CREを1つ又は複数の追加のCREと組み合わせて、シス調節モジュール(CRM)を作出することができる。追加のCREは、本発明に従うCREの上流に、又は本発明に従うCREの下流に提供され得る。1つ又は複数の追加のCREは、本明細書において開示されるCREであり得る、又はそれらは、当技術分野で公知の他のCREであり得る。適宜、1つ又は複数の追加のCREが、本発明に従うCREではない場合、1つ又は複数の追加のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。適宜、追加のCREは、NS特異的である。
【0239】
本発明に従うCRE又は本発明に従うCREを含むCRMは、1つ又は複数の追加の調節エレメントを含み得る。例えば、それらは、誘導可能又は抑制可能エレメント、境界制御エレメント、インスレーター、遺伝子座制御領域、応答エレメント、結合部位、末端リピートのセグメント、応答部位、安定化エレメント、不安定化エレメント及びスプライシングエレメント等を、それらがCRE又はCRMを実質的に非機能性にしないという条件で含み得る。
【0240】
本発明に従うCREを含むプロモーターは、CRMと最小又は近位プロモーターの間及び/又はCREの間にスペーサーを含み得る。更に、又は或いは、スペーサーは、CRMの5'末端に存在し得る。
【0241】
本発明に従う合成NS特異的プロモーターを提供するために、本発明に従うCRE又は本発明に従うCREを含むCRM又はその機能的バリアントを、任意の適したプロモーターエレメントと組み合わせることができるということは明らかであろう。適宜、プロモーターエレメントは、NS特異的近位プロモーターである。
【0242】
多くの例では、特に、ベクター(例えば、AAV等のウイルスベクター)が制限された容量を有する状況において使用するためには、より短いプロモーター配列が好ましい。したがって、一部の実施形態では、本発明に従うCRE又はその機能的バリアントは、600又はそれより少ないヌクレオチド、例えば、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、75、60、50又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。適宜、配列番号19~24、27、28、37、38に従うCREの少なくとも1つ又はその機能的バリアントを含む合成NS特異的CRMは、1000又はそれより少ないヌクレオチド、例えば、950、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、75、60、50又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0243】
CRM及びその機能的バリアント
合成NS特異的プロモーターの構築において使用できる種々の合成NS特異的CRMが本明細書において開示されている。本発明のCRMは、広範な適した最小プロモーター又はNS特異的近位プロモーターと組み合わせて使用できる。
【0244】
CRMの機能的バリアントは、参照CRMエレメントとは異なるが、NS特異的CRMの活性を実質的に保持する配列を含む。適したNS特異的転写因子(TF)を動員し、それによって発現を増強するその能力を保持しながらCRMの配列を変えることが可能であることは当業者には理解されるであろう。CRMの機能的バリアントは、参照CRMと比較して、置換、欠失及び/又は挿入を、それらがCRMを実質的に非機能性にしないという条件で含み得る。
【0245】
一部の実施形態では、CRMの機能的バリアントは、プロモーターにおいて参照CRMの代わりに置換された場合に、実質的にその活性を保持するCRMと見なすことができる。例えば、所与のCRMの機能的バリアントを含むNS特異的プロモーターは、好ましくは、(未改変CRMを含む参照プロモーターと比較して)その活性の少なくとも80%、より好ましくは、その活性の少なくとも90%、より好ましくは、その活性の少なくとも95%及びなおより好ましくは、その活性の100%を保持する。
【0246】
適宜、CRMの機能的バリアントは、参照CRMに対して著しいレベルの配列同一性を保持する。適宜、機能的バリアントは、参照CRMに対して少なくとも70%同一である、より好ましくは、参照CRMに対して少なくとも80%、90%、95%又は99%同一である配列を含む。
【0247】
活性の保持は、同等の条件下で参照プロモーターの制御下の適したリポーターの発現を、置換CRMを含むそうでなければ同一のプロモーターと比較することによって評価できる。NS特異的プロモーター活性を評価するための適したアッセイは、本明細書に、例えば、実施例において開示されている。
【0248】
所与のCRMの機能的バリアントは、一部の実施形態では、参照CRM中に存在するCREのうち1つ又は複数の機能的バリアントを含み得る。例えば、所与のCRMの機能的バリアントは、参照CRM中に存在するCREのうち1つ又は2つの機能的バリアントを含み得る。
【0249】
所与のCRMの機能的バリアントは、一部の実施形態では、参照CRMと同一の組合せのCREを含む場合があるが、CREは、参照CRMとは異なる順序で存在する可能性がある。普通、CREは、参照CRMと同一の順序で存在する(したがって、CRMの機能的バリアントは、参照CRMに記載されるものと同一の順列を適宜含む)ことが好ましい。
【0250】
所与のCRMの機能的バリアントは、一部の実施形態では、参照CRM中に存在するものに対して1つ又は複数の追加のCREを含み得る。追加のCREは、例えば、参照CRM中に存在するCREの上流に、参照CRM中に存在するCREの下流に、及び/又は参照CRM中に存在するCREの間に提供され得る。1つ又は複数の追加のCREは、本明細書において開示されるCREであり得る、又はそれらは、当技術分野で公知の他のCREであり得る。適宜、1つ又は複数の追加のCREが本発明に従うCREではない場合には、1つ又は複数の追加のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。一般に、所与のCRMの機能的バリアントは、同一CRE(又はその機能的バリアント)を含み、追加のCREを含まないことが好ましい。
【0251】
所与のCRMの機能的バリアントは、参照CRMと比較して1つ又は複数の追加の調節エレメントを含み得る。例えば、それらは、誘導可能又は抑制可能エレメント、境界制御エレメント、インスレーター、遺伝子座制御領域、応答エレメント、結合部位、末端リピートのセグメント、応答部位、安定化エレメント、不安定化エレメント及びスプライシングエレメント等を、それらがCRMを実質的に非機能性にしないという条件で含み得る。
【0252】
所与のCRMの機能的バリアントは、隣接するCREの間に追加のスペーサーを含み得る、又は1つ若しくは複数のスペーサーが参照CRM中に存在する場合には、前記の1つ若しくは複数のスペーサーは、参照CRMにおいてよりも長い場合も短い場合もある。参照CRM中に存在するスペーサーは、機能的バリアントでは除去され得る。
【0253】
本発明に従う合成NS特異的プロモーターを提供するために、本明細書において開示されるようなCRM又はその機能的バリアントを、任意の適したプロモーターエレメントと組み合わせることができるということは明らかとなろう。適宜、プロモーターエレメントは、NS特異的近位プロモーターである。
【0254】
多くの例では、特に、ベクター(例えば、AAV等のウイルスベクター)が制限された容量を有する状況において使用するためには、より短いプロモーター配列が好ましい。したがって、一部の実施形態では、合成NS特異的CRMは、500又はそれより少ないヌクレオチド、例えば、450、400、350、300、250、200、150、100、75、60、50又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0255】
合成NS特異的プロモーター及びその機能的バリアント
種々の合成NS特異的プロモーターが本明細書において開示されている。参照合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントとは、参照合成NS特異的プロモーターとは異なるが、NS特異的プロモーター活性を実質的に保持するプロモーターである。合成NS特異的プロモーターの配列は、適したNS特異的転写因子(TF)を動員し、RNAポリメラーゼIIを動員して、作動可能に連結された配列(例えば、オープンリーディングフレーム)のNS特異的発現を提供する能力を保持しながら変わることが可能であるということは当業者には理解されるであろう。合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照プロモーターと比較して置換、欠失及び/又は挿入を、このような置換、欠失及び/又は挿入が、合成NS特異的プロモーターを参照プロモーターと比較して実質的に非機能性にしないという条件で含み得る。
【0256】
したがって、一部の実施形態では、合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照プロモーターのNS特異的プロモーター活性を実質的に保持するバリアントとして見なすことができる。例えば、合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、好ましくは、参照プロモーターの活性の少なくとも70%、より好ましくは、その活性の少なくとも80%、より好ましくは、その活性の少なくとも90%、より好ましくは、その活性の少なくとも95%、更により好ましくは、その活性の100%を保持する。
【0257】
合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成NS特異的プロモーターに対して著しいレベルの配列類似性を保持することが多い。一部の実施形態では、機能的バリアントは、参照合成NS特異的プロモーターに対して少なくとも70%同一である、より好ましくは、参照合成NS特異的プロモーターに対して少なくとも80%、90%、95%又は99%同一である配列を含む。
【0258】
機能的バリアントにおける活性は、参照合成NS特異的プロモーターの制御下の適したリポーターの発現を、同等の条件下で推定機能的バリアントと比較することによって評価できる。NS特異的プロモーター活性を評価するための適したアッセイは、本明細書に、例えば、実施例において開示されている。
【0259】
所与の合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成NS特異的プロモーター中に存在するCREの機能的バリアントを含み得る。所与の合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成NS特異的プロモーター中に存在するCRMの機能的バリアントを含み得る。所与の合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成NS特異的プロモーターと比較した場合に、プロモーターエレメントの機能的バリアント又は異なるプロモーターエレメントを含み得る。
【0260】
所与の合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成NS特異的プロモーター中に存在するものに対して1つ又は複数の追加のCREを含み得る。追加のCREは、例えば、参照合成NS特異的プロモーター中に存在するCREの上流に、又は参照合成NS特異的プロモーター中に存在するCREの下流に提供され得る。1つ又は複数の追加のCREは、本明細書において開示されるCREであり得る、又はそれらは、当技術分野で公知の他のCREであり得る。適宜、1つ又は複数の追加のCREが、本発明に従うCREではない場合には、1つ又は複数の追加のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。
【0261】
所与の合成NS特異的プロモーターの機能的バリアントは、隣接するエレメント(CRE、CRM又はプロモーターエレメント)の間に追加のスペーサーを含み得る、又は1つ若しくは複数のスペーサーが参照合成NS特異的プロモーター中に存在する場合には、前記の1つ若しくは複数のスペーサーは、参照合成NS特異的プロモーターにおいてよりも長い場合も短い場合もある。或いは、参照合成NS特異的プロモーター中に1つ又は複数のスペーサーが存在する場合には、これらのスペーサーは、機能的バリアントでは除去され得る。
【0262】
本発明の合成NS特異的プロモーターは、本発明のCRE又は本発明のCREを含むCRM及び追加の調節配列を含み得るということは明らかとなろう。例えば、それらは、1つ又は複数の追加のCRE、誘導可能又は抑制可能エレメント、境界制御エレメント、インスレーター、遺伝子座制御領域、応答エレメント、結合部位、末端リピートのセグメント、応答部位、安定化エレメント、不安定化エレメント及びスプライシングエレメント等を、それらがプロモーターを実質的に非機能性にしないという条件で含み得る。
【0263】
本発明の好ましい合成NS特異的プロモーターは、NS細胞においてシナプシン-1、Camk2a、GFAP、MBP、IBA1又はNSEプロモーターによって示される活性の少なくとも15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%又は400%であるNS特異的プロモーター活性を示す。多くの場合、より高いレベルのプロモーター活性が好ましいが、これは常に当てはまるわけではなく、したがって、一部の場合には、より中程度のレベルの発現が好ましいこともある。一部の場合には、発現のレベルを必要条件に合わせることを可能にするために、異なる活性レベルのさまざまなプロモーターを利用可能にすることが望ましく、本開示は、このようなさまざまな活性を有するプロモーターを提供する。既知プロモーターと比較される本発明の所与の合成NS特異的プロモーターの活性は、2つのプロモーターが、そうでなければ同等の発現構築物で、及び同等の条件下で提供される場合に、合成NS特異的プロモーターの制御下のリポーター遺伝子のNS特異的発現を、既知プロモーターの制御下の同一リポーターの発現と比較することによって評価できる。
【0264】
異なる活性レベルに加えて、一部の場合には、異なる領域、例えば、NS又はPNS、適宜、CNSの異なる領域、適宜、脳又は脊髄の異なる領域において活性を有するさまざまなプロモーターを利用可能にすることが望ましい。したがって、発現のレベルを必要条件に合わせることを可能にするために、異なる領域全体で異なる活性レベルを有するさまざまなプロモーターを有することが望ましい場合がある。一部の場合には、特定の領域における発現が望まれる。一部の実施形態では、脳における発現が望まれ、CNSの残りの部分、PNS又は身体の残りの部分では発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、脊髄における発現が望まれ、CNSの残りの部分、PNS又は身体の残りの部分では発現がほとんどないか、全くない。適宜、脳又は脊髄内の複数の領域において発現が必要とされる場合がある。一部の好ましい実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、以下の脳領域のうちいずれか又はすべてにおいて活性を示す:線条体、黒質、大脳皮質の第3、5及び6層(大脳皮質は、前頭葉、頭頂葉(pariental lobe)、後頭葉及び側頭葉を含む)、海馬、小脳、視床下部及び視床。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、上記の脳領域において活性を示し、脳の他の領域、CNSの他の領域、PNS又は身体の他の領域では発現がほとんどないか、全くない。
【0265】
異なる活性レベル及び活性の異なる領域に加えて、一部の場合には、異なる細胞又は細胞の組合せ、例えば、CNS細胞及び/又はPNS細胞において活性を有するさまざまなプロモーターを利用可能にすることが望ましい。一部の好ましい実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、PNS及び/又はPNSニューロンにおいて活性を示す。一部の好ましい実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン及び星状細胞において活性を示す。一部の好ましい実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン及びオリゴデンドロサイトにおいて活性を示す。一部の好ましい実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性を示す。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、CNSニューロンにおいて活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、CNS及びPNSニューロンにおいて活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、PNSニューロンにおいて活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン及びオリゴデンドロサイトにおいて活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン及び星状細胞において活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞において活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。一部の実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、ニューロン及び衛星細胞において活性を示すが、他のCNS若しくはPNS細胞種又はCNS若しくはPNSサブタイプでは発現がほとんどないか、全くない。
【0266】
或いは、CNS及び/又はPNSのすべて又はほとんどすべての領域において広範な発現を有することが好ましい場合がある。一部の実施形態では、CNSのすべて又はほとんどすべての領域、適宜、脳のすべての領域において広範な発現を有することが望ましい。これは、例えば、CNS全体、適宜、脳全体で発現が望まれるハンチントン舞踏病等の疾患の処置において当てはまる場合がある。
【0267】
一実施形態では、本発明に従うNS特異的プロモーターは、脳のほとんどすべての領域中の、適宜、線条体、黒質、大脳皮質の第3、5及び6(大脳皮質は、前頭葉、頭頂葉(pariental lobe)、後頭葉及び側頭葉を含む)、海馬、小脳、視床下部及び視床中のニューロン、星状細胞及び/又はオリゴデンドロサイトにおいて活性を示す。
【0268】
本発明の好ましい合成NS特異的プロモーターは、ニューロンにおいてシナプシン-1によって示される活性の少なくとも15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%又は400%であるニューロン特異的プロモーター活性を示す。シナプシン-1に対して比較される本発明の所与の合成NS特異的プロモーターの活性は、2つのプロモーターが、そうでなければ同等の発現構築物で、及び同等の条件下で提供される場合に、合成NS特異的プロモーターの制御下のリポーター遺伝子のニューロン特異的発現を、ニューロンにおけるシナプシン-1プロモーターの制御下の同一リポーターの発現と比較することによって評価できる。一部の実施形態では、本発明の合成NS特異的プロモーターは、対象のニューロンにおける遺伝子(例えば、治療用遺伝子又は目的の遺伝子)の発現を、既知ニューロン特異的プロモーター、適宜、シナプシン-1に対して少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、少なくとも1000%又はそれより多く増大可能である。
【0269】
本発明の好ましい合成NS特異的プロモーターは、星状細胞においてGFAPプロモーターによって示される活性の少なくとも15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%又は400%である星状細胞特異的プロモーター活性を示す。GFAPと比較した本発明の所与の合成NS特異的プロモーターの活性は、2つのプロモーターが、そうでなければ同等の発現構築物中で同等の条件下で提供される場合には、星状細胞において合成NS特異的プロモーターの制御下のリポーター遺伝子の星状細胞特異的発現を、GFAPプロモーターの制御下の同一リポーターの発現と比較することによって評価できる。一部の実施形態では、本発明の合成NS特異的プロモーターは、遺伝子(例えば、治療用遺伝子又は目的の遺伝子)の発現を、公知の星状細胞特異的プロモーター、適宜、GFAPに対して、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、少なくとも1000%又はそれより多く増大できる。
【0270】
本発明の好ましい合成NS特異的プロモーターは、オリゴデンドロサイトにおいてMBPプロモーターによって示される活性の少なくとも15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%又は400%であるオリゴデンドロサイト特異的プロモーター活性を示す。MBPと比較した本発明の所与の合成NS特異的プロモーターの活性は、2つのプロモーターが、そうでなければ同等の発現構築物中で同等の条件下で提供される場合には、星状細胞において合成NS特異的プロモーターの制御下のリポーター遺伝子のオリゴデンドロサイト特異的発現を、MBPプロモーターの制御下の同一リポーターの発現と比較することによって評価できる。一部の実施形態では、本発明の合成NS特異的プロモーターは、対象のオリゴデンドロサイトにおいて対象の遺伝子(例えば、治療用遺伝子又は目的の遺伝子)の発現を、公知のオリゴデンドロサイト特異的プロモーター、適宜、MBPに対して、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、少なくとも1000%又はそれより多く増大できる。
【0271】
一部の実施形態では、本発明の合成NS特異的プロモーターは、対象のCNS及び/若しくはPNSにおける、又はCNS及び/若しくはPNS細胞における遺伝子(例えば、治療用遺伝子又は目的の遺伝子)の発現を、公知のNS特異的プロモーター、適宜、Syn1、Camk2a又はNSEプロモーターに対して少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、少なくとも1000%又はそれより多く増大できる。
【0272】
本発明の好ましい合成NS特異的プロモーターは、非NS細胞(例えば、Huh7及びHEK293細胞)において、CMV-IEと比較した場合に50%以下、好ましくは、CMV-IEの25%以下、より好ましくは、CMV-IEの10%以下、及び一部の場合には、CMV-IEの5%以下又はCMV-IEの1%以下である活性を示す。
【0273】
多くの例では、特に、ベクター(例えば、AAV等のウイルスベクター)が制限された容量を有する状況において使用するためには、より短いプロモーター配列が好ましい。したがって、一部の実施形態では、合成NS特異的プロモーターは、1000又はそれより少ないヌクレオチド、例えば、900、800、700、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100又はそれより少ないヌクレオチドの長さを有する。
【0274】
特に好ましい合成NS特異的プロモーターは、短く、高レベルの活性を示す両方のものである。
【0275】
AAVベクターのITR及びゲノムと比較して異なるDNA構造は、プロモーターの活性に影響を及ぼすと知られており、しばしば、ITR及び異なるDNA構造は、プロモーターの活性に負の影響を及ぼすので、NS特異的プロモーターがAAVベクターにおいてNS特異的活性を保持するとは驚くべきことである。
【0276】
他のCRE
合成NS特異的プロモーターは、1つ又は複数の追加のCRE又はその機能的バリアントを含み得る。CREは、本発明に従うCRE(配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ)、その機能的バリアント又は当技術分野で公知の他のCREであり得る。
【0277】
本発明に従うCREは、1つ又は複数の追加のCREと組み合わせて、シス調節モジュール(CRM)を形成できる。適宜、1つ又は複数の追加のCREは、本発明に従うCRE(配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ)又はその機能的バリアント又は当技術分野で公知の他のCREであり得る。
【0278】
本発明に従うCRMは、1つ又は複数の追加のCREを含み得る。適宜、1つ又は複数の追加のCREは、本発明に従うCRE(配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ)又はその機能的バリアント又は当技術分野で公知の他のCREであり得る。
【0279】
本発明に従う最小又は近位プロモーターは、1つ又は複数のCRE又はCRMに作動可能に連結され得る。1つ又は複数のCREは、本発明に従うCRE(配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ)又はその機能的バリアント又は当技術分野で公知の他のCREであり得る。CRMは、本発明に従うCRE(配列番号19~24、27、28、37、38のいずれか1つ)又はその機能的バリアント又は当技術分野で公知の他のCREを含み得る。好ましくは、1つ又は複数のCREが、本発明に従うCREではない(本明細書において他のCREと呼ばれる)場合に、他のCREは、NS特異的CREである。適宜、1つ又は複数のCREが、本発明に従うCREではない場合に、1つ又は複数のCREは、WO2019/199867A1からの配列番号1~8、WO2020/076614A1からの配列番号1~7及びWO2020/097121からの配列番号25~51、177~178、188から選択され得る。WO2019/199867A1からの配列番号1~8に従うCREは、阻害性GABA作動性介在ニューロンに特異的なCREである。WO2020/076614A1からの配列番号1~7に従うCREは、前脳GABA作動性介在ニューロンに特異的なCREである。WO2020/097121からの配列番号25~34、36~51、177~178、188に従うCREは、グルタミン酸作動性ニューロンに特異的なCREである。WO2020/097121からの配列番号35に従うCREは、グルタミン酸作動性及びGABA作動性ニューロンに特異的なCREである。
【0280】
合成NS特異的発現カセット
本発明はまた、発現産物、適宜、遺伝子(例えば、導入遺伝子)をコードする配列に作動可能に連結した本発明の合成NS特異的プロモーターを含む合成NS特異的発現カセットを提供する。
【0281】
したがって、適宜、発現産物は、遺伝子であり得る。遺伝子がタンパク質をコードする場合には、本質的に任意のタイプのタンパク質である可能性がある。限定されない例として、タンパク質は、酵素、抗体又は抗体断片(例えば、モノクローナル抗体)、ウイルスタンパク質(例えば、REP-CAP、REV、VSV-G又はRD114)、治療用タンパク質又は毒性タンパク質(例えば、カスパーゼ3、8又は9)であり得る。
【0282】
本発明の一部の好ましい実施形態では、遺伝子は、任意選択で、NSにおける、適宜、CNS及び/又はPNSにおける異常な遺伝子発現と関連する疾患又は状態の処置において使用するのに適した治療用発現産物、好ましくは、治療用ポリペプチドをコードする。
【0283】
一部の実施形態では、治療用発現産物には、CNS及び/又はPNS疾患の処置において有用であるものが含まれる。「CNS疾患」及び「PNS疾患」という用語は、原則として、当業者によって理解される。この用語は、CNS及び/又はPNSへの、特に、CNS及び/又はPNS細胞への活性化合物の投与による処置及び/又は予防に適している疾患に関する。一部の実施形態では、CNS及び/又はPNS疾患は、神経疾患及び/又は障害である。
【0284】
疾患は、CNS及び/又はPNSの疾患であり得る。
【0285】
限定されない例として、CNS疾患は、透明中隔欠損、酸性リパーゼ病、酸性マルターゼ欠損症、後天性てんかん性失語症、急性散在性脳脊髄炎、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、アディー瞳孔、アディー症候群、副腎白質ジストロフィー、脳梁欠損症、失認、アイカルディ症候群、アイカルディ・グティーエール症候群障害、AIDS-神経学的合併症、アレキサンダー病、アルパース病、交代性片麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、無脳症、動脈瘤、アンジェルマン症候群、血管腫症、無酸素症、抗リン脂質抗体症候群、失語症、失行症、くも膜嚢胞、くも膜炎、アーノルド・キアリ奇形、動静脈奇形、アスペルガー症候群、運動失調、毛細血管拡張症性運動失調症、運動失調及び小脳又は脊髄小脳変性症、心房細動及び脳卒中、注意欠陥・多動性障害、自閉症スペクトラム障害、自律神経障害、背部痛、バース症候群、バッテン病、ベッカー型筋強直症、ベーチェット病、ベル麻痺、良性本態性眼瞼痙攣、良性限局性筋萎縮症、良性頭蓋内圧亢進症、ベルンハルト・ロート症候群、ビンスワンガー病、眼瞼痙攣、ブロッホ・サルツバーガー症候群、分娩時腕神経叢損傷、腕神経叢損傷、ブラッドベリー・エッグルストン症候群、脳及び脊椎腫瘍、脳動脈瘤、脳損傷、ブラウン・セカール症候群、球脊髄性筋萎縮症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL)、カナバン病、手根管症候群、カウザルギー、カベルノーマ、海綿状血管腫、海綿状血管奇形、中心性頸髄症候群、中心性脊髄症候群、中枢性疼痛症候群、橋中心髄鞘崩壊症、頭蓋障害、セラミダーゼ欠損症、小脳変性症、小脳形成不全、脳動脈瘤、脳動脈硬化症、脳萎縮、脳性脚気、脳海綿状血管奇形(Cerebral Cavemous Malformation)、脳性巨人症、低酸素性脳症、脳性麻痺、脳・眼・顔・骨格症候群(COFS)、シャルコー・マリー・トゥース病、キアリ奇形、コレステロールエステル蓄積症、舞踏病、有棘赤血球舞踏病、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、慢性起立性調節障害、慢性疼痛、コケイン症候群II型、コフィン・ローリー症候群、コルポセファリー、昏睡、複合性局所疼痛症候群、先天性顔面両側麻痺、先天性筋無力症、先天性ミオパチー、先天性海綿状血管奇形、大脳皮質基底核変性症、頭蓋動脈炎、頭蓋骨癒合症、クリー脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、累積外傷性障害、クッシング症候群、巨細胞封入体症、サイトメガロウイルス感染症、ダンシングアイズ・ダンシングフィート症候群、ダンディー・ウォーカー症候群、ドーソン病、ドモルシア症候群、デジュリン・クルンプケ麻痺、認知症、多発脳梗塞性認知症、意味性認知症、皮質下認知症、レビー小体型認知症、歯状核小脳運動失調症、歯状赤核萎縮、皮膚筋炎、発達性失行、デビック症候群、びまん性硬化症、ドラベ症候群、書字障害、失読症、嚥下障害、統合運動障害、ミオクローヌス性小脳性共同運動障害、進行性小脳性共同運動障害、ジストニア、早期乳児てんかん性脳症、エンプティセラ症候群、脳炎、嗜眠性脳炎、脳ヘルニア、脳症、脳症(家族性新生児)、脳三叉神経領域血管腫症、てんかん、てんかん性片麻痺、エルブ型麻痺、エルブ・デュシェンヌ及びデジュリン・クルンプケ麻痺、本態性振戦、橋外髄鞘崩壊症、ファブリー病、ファール症候群、失神、家族性血管腫、家族性特発性基底核石灰化症、家族性周期性麻痺、家族性痙性麻痺、ファーバー病、熱性痙攣、線維筋性異形成、フィッシャー症候群、筋緊張低下児症候群、下垂足、フリードライヒ運動失調症、前頭側頭型認知症、ゴーシェ病、全身性ガングリオシドーシス、ゲルストマン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、巨大軸索ニューロパチー、巨細胞動脈炎、巨細胞封入体病、グロボイド細胞白質ジストロフィー、舌咽神経痛、糖原病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、頭部損傷、頭痛、持続性片側頭痛、片側顔面痙攣、交代性片麻痺(Hemiplegia Alterans)、遺伝性ニューロパチー、遺伝性痙性対麻痺、多発神経炎型遺伝性失調症、帯状疱疹、耳帯状疱疹、平山症候群、ホームズ・アディー症候群、全前脳胞症、HTLV-1関連ミエロパチー、ヒューズ症候群、ハンチントン病、水頭無脳症、水頭症、正常圧水頭症、水脊髄症、副腎皮質ホルモン過剰症、過眠、筋緊張亢進、筋緊張低下、低酸素症、免疫介在性脳脊髄炎、封入体筋炎、色素失調症、小児筋緊張低下、乳児神経軸索ジストロフィー、乳児フィタン酸蓄積症、乳児レフサム病、乳児痙攣、炎症性ミオパチー、後頭孔脳脱出症、腸性脂肪異栄養症、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進症、アイザックス症候群、ジュベール症候群、カーンズ・セイヤー症候群、ケネディー病、キンスボーン症候群、クライン・レビン症候群、クリッペル・フェイル症候群、クリッペル・トレノネー症候群(KTS)、クリューバー・ビューシー症候群(Kliiver-Bucy Syndrome)、コルサコフ健忘症候群、クラッベ病、クーゲルベルグ・ウェランダー病、クールー病、ランバート・イートン筋無力症候群、ランドウ・クレフナー症候群、外側大腿皮神経絞扼、外側髄症候群、学習障害、リー病、レノックス・ガストー症候群、レッシュ・ナイハン症候群、白質ジストロフィー、レビン・クリチリー症候群、レビー小体型認知症、脂質蓄積症、リポイドタンパク症、滑脳症、閉じ込め症候群、ルー・ゲーリック病、ループス-神経学的後遺症、ライム病-神経学的合併症、マチャド・ジョセフ病、大脳症、巨脳症、メルカーソン・ローゼンタール症候群、髄膜炎、髄膜炎及び脳炎、メンケス病、異常感覚性大腿神経痛、異染性白質ジストロフィー、小頭症、偏頭痛、ミラー・フィッシャー症候群、軽度の脳卒中、ミトコンドリアミオパチー、メビウス症候群、一側性筋萎縮症、運動ニューロン疾患、もやもや病、ムコリピドーシス、ムコ多糖症、多発脳梗塞性認知症、多巣性運動ニューロパチー、多発性硬化症、多系統萎縮症、起立性低血圧を伴う多系統萎縮症、筋ジストロフィー、先天性筋無力症、重症筋無力症、びまん性骨髄破壊性硬化症、乳児期ミオクロニー脳症、ミオクローヌス、ミオパチー、先天性ミオパチー、甲状腺中毒性ミオパチー、筋強直症、先天性筋強直症、ナルコレプシー、神経有棘赤血球症、脳内鉄沈着を伴う神経変性症、神経線維腫症、神経遮断薬悪性症候群、AIDSの神経学的合併症、ライム病の神経学的合併症、サイトメガロウイルス感染症の神経学的転帰、ポンペ病の神経症状、ループスの神経学的後遺症、視神経脊髄炎、神経性筋強直症、神経セロイドリポフスチン症、神経細胞移動障害、遺伝性ニューロパチー、神経サルコイドーシス、神経梅毒、神経毒性、海綿状母斑、ニーマン・ピック病、オサリバン・マクラウド症候群、後頭部神経痛、大田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、オプソクローヌス・ミオクローヌス、起立性低血圧、過用症候群、慢性疼痛、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、腫瘍随伴症候群、異常知覚、パーキンソン病、発作性舞踏アテトーゼ、発作性片側頭痛、パリー・ロンバーグ、ペリツェウス・メルツバッハー病、ペナ・ショッカー症候群II型、神経根嚢胞、周期性麻痺、脳室周囲白質軟化症、遷延性植物状態、広汎性発達障害、フィタン酸蓄積症、ピック病、圧迫神経、下垂体腫瘍、多発性筋炎、ポンペ病、孔脳症、ポリオ後症候群、帯状疱疹後神経痛、感染後脳脊髄炎、体位性低血圧症、体位性起立性頻脈症候群、体位性頻脈症候群、原発性歯状核萎縮症、原発性側索硬化症、原発性進行性失語症、プリオン病、進行性顔面片側萎縮、進行性歩行運動失調、進行性多巣性白質脳症、進行性硬化性ポリオジストロフィー、進行性核上性麻痺、相貌失認、偽トーチ症候群、偽性トキソプラズマ症候群、偽脳腫瘍、心因性運動、ラムゼイ・ハント症候群I型、ラムゼイ・ハント症候群II型、ラスムッセン脳炎、反射性交感神経ジストロフィー症候群、レフサム病、乳児型レフサム病、反復動作障害、反復性ストレイン損傷、下肢静止不能症候群、レトロウイルス関連ミエロパチー、レット症候群、ライ症候群、リウマチ性脳炎、ライリー・デイ症候群、仙骨神経根嚢腫、聖ヴィトゥス舞踏病、唾液腺疾患、サンドホフ病、シルダー病、裂脳症、ザイテルベルガー病、発作性障害、意味性認知症、中隔視神経形成異常症、乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)、乳幼児揺さぶられ症候群、帯状疱疹、シャイ・ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸、睡眠病、ソトス症候群、痙攣、二分脊椎、脊髄梗塞、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳萎縮症、脊髄小脳変性症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー症候群、全身硬直症候群、線条体黒質変性症、脳卒中、スタージ・ウェーバー症候群、亜急性硬化性全脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、短時間持続性片側神経痛様(SUNCT)頭痛、嚥下障害、シデナム舞踏病、失神、梅毒性脊髄硬化症、脊髄水空洞症、脊髄空洞症、全身性エリテマトーデス、脊髄ろう、遅発性ジスキネジア、タルロブ嚢胞、テイ・サックス病、側頭動脈炎、脊髄係留症候群、トムゼン筋強直症、胸郭出口症候群、甲状腺中毒性ミオパチー、疼痛性チック、トッド麻痺、トゥレット症候群、一過性脳虚血発作、伝達性遺伝性海綿状脳症、横断性脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性痙性不全対麻痺、トロイヤー症候群、結節性硬化症、血管性勃起性腫瘍、中枢及び抹消神経系の血管炎症候群、フォン・エコノモ病、フォンヒッペル・リンダウ病(VHL)、フォン・レックリングハウゼン病、ワレンベルク症候群、ウェルドニッヒ・ホフマン病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウエスト症候群、むち打ち症、ウィップル病、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、ウォルマン病、X連鎖性球脊髄性筋萎縮症から選択され得る。
【0286】
限定されない例として、PNS疾患は、副神経障害、アルコール性多発ニューロパチー、麻酔ドロローサ、抗MAG末梢神経障害、自己免疫自律神経節障害、自律神経異常反射、自律神経ニューロパチー、腋窩神経機能障害、腋窩神経麻痺、シャルコー・マリー・トゥース病、化学療法誘発性末梢神経障害、慢性溶媒誘発性脳症、CMV多発神経根脊髄症(polyradiculomyelopathy)、無汗症を伴う疼痛に対する先天性無感覚、脱神経、糖尿病性ニューロパチー、自律神経障害、紅痛症、顔面神経麻痺、家族性自律神経障害、ギランバレー症候群、遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー、ホルネル症候群、神経圧迫症候群、神経損傷、ニューラプラキシー、神経炎、起立性低血圧症、起立性不耐性、発作性交感神経機能亢進、末梢の単ニューロパチー、末梢の神経障害、梨状筋症候群、神経叢障害、多発ニューロパチー、体位性起立性頻脈症候群、原発性自律神経不全症、円筋回内筋症候群、近位糖尿病性ニューロパチー、陰部神経絞扼、純粋自律神経不全症、四辺形間隙症候群、橈骨神経機能障害、橈骨神経障害、放射線誘発性腰椎神経叢障害、神経根症、坐骨神経痛、小径線維末梢の神経障害、胸郭出口症候群、尺骨神経障害、血管炎性神経障害、ヴィラレ症候群、ワルテンブルク症候群及び翼状肩甲骨から選択され得る。
【0287】
一部の疾患は、CNS及びPNSの両方の疾患であり得る。
【0288】
一部の実施形態では、CNS疾患は、ドーパミン輸送体欠乏症候群、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、双極性障害、てんかん、多発性硬化症、タウオパチー、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、クラッベ病、副腎白質ジストロフィー、運動ニューロン疾患、脳性麻痺、バッテン疾患、ゴーシェ病、テイ・サックス病、レット症候群、サンドホフ病、シャルコー・マリー・トゥース病、アンジェルマン症候群、カナバン病、遅発型小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、ムコ多糖症IIIA、ムコ多糖症IIIB、異染性白質ジストロフィー、遺伝性リソソーム蓄積症、例えば、ニーマン・ピック病C1型及び/又は神経セロイドリポフスチン症、例えば、バッテン病、進行性核上性麻痺、皮質基底核症候群及び脳がん(星状細胞腫及び神経膠芽腫を含む)からなるリストから選択される。
【0289】
一実施形態では、CNS疾患は、ハンチントン舞踏病である。
【0290】
上記の状態を処置するのに適した種々の発現産物は、当技術分野で記載されている。適宜、本発明に従う合成NS特異的プロモーターに作動可能に連結した発現産物をコードする配列は、NPC1、EAAT2、NPY、CYP46A1、GLB1、APOE (例えば、ApoE2、ApoE3又はApoE4)、HEX、CLN1、CLN2、CLN3、CLN4、CLN5、CLN6、SUMF1、DCTN1、PRPH、SOD1、NEFH、GBA、IDUA、NAGLU、GUSB、ARSA、MANB、AADC、GDNF、NTN、ASP、MECP2、PTCHD1、GJB1、UBE3A、HEXA、MOGからなる群から選択される遺伝子のうち1であり得る。更に又は或いは、本発明に従う合成NS特異的プロモーターに作動可能に連結した発現産物は、疾患対立遺伝子に向けられたmiRNA/CRISPR Cas9であり得る。適宜、本発明に従う合成NS特異的プロモーターに作動可能に連結した発現産物をコードする配列は、遺伝子CYP46A1であり得る。
【0291】
CYP46A1は、コレステロール分解の律速酵素であり、複数のCNS疾患において有益な役割を果たすとわかっている。CYP46A1阻害は、参照により本明細書に組み込まれる(Djeltiら、2015)に記載されるように、ウイルスコレステロールの量の増大によってアルツハイマー病の誘導及び/又は増悪に寄与する可能性がある。CYP46A1はまた、参照により本明細書に組み込まれる(Boussicaultら、2016)に記載されるように、ハンチントン舞踏病において神経保護的であるとわかっている。したがって、CYP46A1遺伝子は、発現産物をコードする特に好ましい配列である。一部の好ましい実施形態では、CYP46A1遺伝子は、本発明に従う合成NS特異的プロモーターに作動可能に連結される。適宜、CYP46A1遺伝子は、CNSのすべての領域において活性である(汎CNS)合成プロモーター又は上記で列挙された脳の領域のうち5、6、7、8若しくは9よりも多くで活性であるプロモーターに作動可能に連結される。CNSのすべての領域又は上記で列挙された脳の領域のうち5、6、7、8若しくは9よりも多くにおけるCYP46A1の発現は、遍在性プロモーターCMV又はCAGによるCYP46A1発現はマウスハンチントン舞踏病モデルにおいて有益であるとわかった(Kacherら、2019)ので有益である可能性がある。適宜、CYP46A1遺伝子は、配列番号1~14、33~36のいずれか1つからなる、又は含む合成プロモーターに作動可能に連結される。
【0292】
一部の実施形態では、有用な発現産物として、ジストロフィン(マイクロ-ジストロフィンを含む)、ベータ1,4-n-アセチルガラクトサミンガラクトシルトランスフェラーゼ(GALGT2)、カルバモイルシンセターゼI、アルファ-1アンチトリプシン、オルニチンvトランスカルバミラーゼ、アルギノスクシネートシンセターゼ、アルギノスクシネートリアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセトアセテートヒドロラーゼ、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、グルコース-6-ホスファターゼ、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ、シスタチオンベータ-シンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリル-coAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼグルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インスリン、ベータ-グルコシダーゼ、ピルベートカルボキシレート、肝ホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ、H-タンパク質、T-タンパク質及び嚢胞性線維症膜貫通制御因子(CFTR)が挙げられる。
【0293】
更に他の有用な発現産物として、酵素補充療法において有用な酵素が挙げられ、これは酵素の活性の欠乏に起因するさまざまな状態において有用である。例えば、マンノース-6リン酸を含有する酵素は、リソソーム蓄積症の療法において利用できる(例えば、適した遺伝子には、β-グルクロニダーゼ(GUSB)をコードするものが含まれる)。
【0294】
一部の実施形態では、例示的ポリペプチド発現産物として、神経保護ポリペプチド及び抗血管新生ポリペプチドが挙げられる。適したポリペプチドとして、それだけには限らないが、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、線維芽細胞増殖因子2(FGF-2)、ナーチュリン(nurturin)、繊毛様神経栄養因子(CNTF)、神経成長因子(NGF;例えば、神経成長因子-ベータ)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)、ニューロトロフィン-4(NT-4)、ニューロトロフィン-6(NT-6)、上皮成長因子(EGF)、色素上皮由来因子(PEDF)、Wntポリペプチド、可溶性Fit-1、アンギオスタチン、エンドスタチン、VEGF、抗VEGF抗体、可溶性VEGFR、第VIII因子(FVIII)、第IX因子(FIX)及びヘッジホッグファミリーのメンバー(ソニックヘッジホッグ、インディアンヘッジホッグ及びデザートヘッジホッグ等)が挙げられる。
【0295】
一部の実施形態では、有用な治療用発現産物として、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポエチン、アンギオスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン増殖因子I及びII(IGF-I及びIGF-II)、TGFa、アクチビン、インヒビン又は骨形成タンパク質(BMP)のいずれかBMP1~15を含むトランスフォーミング増殖因子アルファスーパーファミリーのいずれか1つ、ヘレグリン(heregluin)/ニューレグリン/ARIA/増殖因子のNeu分化因子(NDF)ファミリーのいずれか1つ、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT-3及びNT-4/5、繊毛様神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アグリン、セマフォリン/コラプシンのファミリーのいずれか1つ、ネトリン-1及びネトリン-2、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン、ソニックヘッジホッグ及びチロシンヒドロキシラーゼを含むホルモン並びに成長及び分化因子が挙げられるが、これに限定されない。
【0296】
一部の実施形態では、有用な発現産物として、サイトカイン及びリンホカイン、例えば、トロンボポエチン(TPO)、インターロイキン(IL)IL-1からIL-25(IL-2、IL-4、IL-12及びIL-18を含む)、単球化学誘引物質タンパク質、白血病抑制因子、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子、Fasリガンド、腫瘍壊死因子アルファ及びベータ、インターフェロン(アルファ、ベータ及びガンマ)、幹細胞因子、flk-2/flt3リガンドを含む免疫系を調節するタンパク質が挙げられるが、それに限定されない。免疫系によって生成された遺伝子産物も本発明において有用である。これらとして、免疫グロブリンIgG、IgM、IgA、IgD及びIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、単鎖抗体、T細胞受容体、キメラT細胞受容体、単鎖T細胞受容体、クラスI及びクラスII MHC分子並びに操作された免疫グロブリン及びMHC分子が挙げられるが、それに限定されない。有用な遺伝子産物としてまた、補体調節タンパク質、例えば、補体調節タンパク質、補体調節タンパク質(MCP)、崩壊促進因子(DAF)、CR1、CF2及びCD59が挙げられる。
【0297】
一部の実施形態では、有用な発現産物として、ホルモン、増殖因子、サイトカイン、リンホカイン、調節タンパク質及び免疫系タンパク質の受容体のいずれか1つが挙げられる。有用な異種核酸配列としてまた、コレステロール調節及び/又は脂質調節の受容体が挙げられ、低比重リポタンパク質(LDL)受容体、高比重リポタンパク質(HDL)受容体、極低比重リポタンパク質(VLDL)受容体及びスカベンジャー受容体が含まれる。本発明はまた、グルココルチコイド受容体及びエストロゲン受容体、ビタミンD受容体及び他の核受容体を含むステロイドホルモン受容体スーパーファミリーのメンバー等の遺伝子産物の使用を包含する。更に、有用な遺伝子産物として、jun、fos、max、mad、血清応答因子(SRF)、AP-1、AP-2、myb、MyoD及びミオゲニン、ETS-ボックス含有タンパク質、TFE3、E2F、ATF1、ATF2、ATF3、ATF4、ZF5、NFAT、CREB、HNF-4、C/EBP、SP1、CCAAT-ボックス結合タンパク質、インターフェロン調節因子(IRF-1)、ウィルムス腫瘍タンパク質、ETS-結合タンパク質、STAT、GATA-ボックス結合タンパク質、例えば、GATA-3及びウィングヘリックスタンパク質のフォークヘッドファミリー等の転写因子が挙げられる。
【0298】
一部の実施形態では、有用な発現産物として、天然に存在しないポリペプチド、例えば、挿入、欠失又はアミノ酸置換を含有する天然に存在しないアミノ酸配列を有するキメラ又はハイブリッドポリペプチドが挙げられる。
【0299】
更に適した発現産物として、マイクロRNA(miRNA)、干渉RNA、アンチセンスRNA、リボザイム及びアプタマーが挙げられる。
【0300】
本発明の一部の実施形態では、合成NS特異的発現カセットは、遺伝子編集にとって有用な遺伝子、例えば、部位特異的ヌクレアーゼ、例えば、メガヌクレアーゼ、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)をコードする遺伝子又はクラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピートシステム(clustered regularly interspaced short palindromic repeats system)(CRISPR-Cas)を含む。適宜、部位特異的ヌクレアーゼは、切断(通常、部位特異的二重鎖切断)を行い、次いで、これを非相同末端結合(NHEJ)又は相同性依存性修復(HDR)を介して修復し、結果として、所望の編集を得ることによって所望の標的ゲノム遺伝子座を編集するように適応している。編集は、機能障害性又は機能的遺伝子のノックダウン若しくはノックアウトである遺伝子の部分的又は完全修復である場合がある。或いは、編集は、当技術分野で公知の適したシステムを使用する塩基編集又はプライム編集を介してであり得る。適宜、ハンチントン舞踏病の処置のために、発現産物は、患者の細胞において欠陥のあるハンチンチン遺伝子を抑制し得る、及び/又は患者の細胞において欠陥のあるハンチンチン遺伝子の有害な効果に対抗できる、若しくはそれを軽減できる。
【0301】
適宜、合成NS特異的発現カセットは、リボソーム結合部位、開始コドン、停止コドン及び転写終結配列のうち1つ又は複数の、及び好ましくは、すべてを提供する又はコードする配列を含む。適宜、発現カセットは、転写後調節エレメントをコードする核酸を含む。適宜、発現カセットは、ポリAエレメントをコードする核酸を含む。
【0302】
ベクター及びウイルス粒子
本発明は、本発明に従う合成NS特異的プロモーター又は発現カセットを含むベクターを更に提供する。
【0303】
本発明の一部の実施形態では、ベクターはプラスミドである。このようなプラスミドは、さまざまな他の機能的核酸配列、例えば、1つ又は複数の選択マーカー、1つ又は複数の複製の起点、多重クローニング部位等を含み得る。本発明の一部の実施形態では、ベクターはウイルスベクターである。
【0304】
本発明の一部の実施形態では、ベクターは、真核細胞における発現のための発現ベクターである。真核細胞の発現ベクターの例として、それだけには限らないが、Stratageneから入手可能であるpW-LNEO、pSV2CAT、pOG44、pXTl及びpSG;Amersham Pharmacia Biotechから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSG及びpSVL;並びにClontechから入手可能なpCMVDsRed2-express、pIRES2-DsRed2、pDsRed2-Mito、pCMV-EGFPが挙げられる。多数の他のベクターが周知であり、市販されている。哺乳動物細胞アデノウイルスベクターについては、pSV及びpCMVシリーズのベクターが特によく知られている限定されない例である。酵母統合プラスミド(YIp)及び酵母複製プラスミド(YRp)を含む多数のよく知られている酵母発現ベクターがあるが、これに限定されない。植物のためには、アグロバクテリウムのTiプラスミドが例示的発現ベクターであり、植物ウイルスも、適した発現ベクターを提供する、例えば、タバコモザイクウイルス(TMV)、ジャガイモウイルスX及びササゲモザイクウイルス。
【0305】
一部の好ましい実施形態では、ベクターは、遺伝子療法ベクターである。種々の遺伝子療法ベクターは、当技術分野で公知であり、AAVベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター及びレンチウイルスベクターを言及できる。ベクターが遺伝子療法ベクターである場合には、ベクターは好ましくは、治療用産物、適宜、治療用タンパク質をコードする、本発明の合成NS特異的プロモーターに作動可能に連結した核酸配列を含む。治療用タンパク質は、分泌可能タンパク質であり得る。分泌可能タンパク質の限定されない例は、上記で論じられており、例示的分泌可能治療用タンパク質として、凝固因子、例えば、第VIII因子又は第IX因子、インスリン、エリスロポエチン、リポタンパク質リパーゼ、抗体又はナノボディ、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、血漿因子、毒性タンパク質等が挙げられる。
【0306】
本発明の一部の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペス又はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。一部の好ましい実施形態では、ベクターは、レンチウイルスベクター、適宜、HIV-1に基づくレンチウイルスベクターである。一部の好ましい実施形態では、ベクターは、AAVベクターである。一部の好ましい実施形態では、AAVは、CNS形質導入に適した、又は具体的に最適化された血清型を有する。PNSの細胞に形質導入するために、血液脳関門を克服することは必須ではなく、そのためPNSの細胞の形質導入は、任意の適したAAV血清型によって行うことができる。一部の実施形態では、AAVは、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV8、AAV9、AAVrh10、AAVDJ8、AAV2i8、AAV2.5、AAV2i8G9及びAAV2g9又はそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0307】
AAVベクターは、好ましくは、AAV形質導入における制限ステップの1つ(すなわち、一本鎖から二本鎖AAVへの変換)を克服するために、自己相補的、二本鎖AAVベクター(scAAV)として使用されるが、一本鎖AAVベクター(ssAAV)の使用も本明細書において包含される。本発明の一部の実施形態では、AAVベクターはキメラであり、これは、少なくとも2つのAAV血清型、例えば、AAV2のITR及びAAV5のカプシドタンパク質に由来する成分を含むことを意味する。AAV9は、CNS細胞に効率的に、及び組織に特に効率的に形質導入することが知られており、したがって、AAV9及びその誘導体は、CNS細胞及び組織を標的化するために特に興味深い。AAV2g9は、CNS細胞に効率的に、及び組織に特に効率的に形質導入することが知られており、したがって、AAV2g9及びその誘導体は、CNS細胞及び組織を標的化するために特に興味深い。AAVrh10は、CNS細胞に効率的に、及び組織に特に効率的に形質導入することが知られており、したがって、AAVrh10及びその誘導体は、CNS細胞及び組織を標的化するために特に興味深い。AAVrh10の全身又は静脈内送達は、参照により本明細書に組み込まれる(Tanguyら、2015)に記載されるように、中枢神経系において高い導入遺伝子発現を提供するとわかっているので、AAVrh10は特に好ましい。AAVDJ8は、CNS細胞に効率的に、及び組織に特に効率的に形質導入することが知られており、したがって、AAVDJ8及びその誘導体は、CNS細胞及び組織を標的化するために特に興味深い。AAVDJ8は、参照により本明細書に組み込まれる(Hammondら、2017)に記載されるように、脳の複数の領域を効率的に標的とする、及び星状細胞を効率的に標的とすることが示されているので好ましい。AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV2i8、AAV2.5、AAV2i8G9及びAAV8はまた、CNS細胞及び組織を標的とすると知られており、したがって、これらのAAV血清型及びその誘導体はまた、CNS細胞及び組織を標的化するために特に興味深い。
【0308】
本発明は更に、上記のようなベクターを含む組換えビリオン(ウイルス粒子)を提供する。
【0309】
医薬組成物
本発明のベクター又はビリオンを、薬学的に許容される賦形剤、すなわち、1つ又は複数の薬学的に許容される担体物質及び/又は添加剤、例えば、バッファー、担体、賦形剤、安定化剤等を用いて医薬組成物に製剤化できる。医薬組成物はキットの形態で提供される場合がある。AAVベクター及びその方法及び使用にとって適切な医薬組成物及び送達システムは、当技術分野で公知である。
【0310】
したがって、本発明のさらなる態様は、本明細書において記載されるようなベクター又はビリオンを含む医薬組成物を提供する。
【0311】
本開示に従う医薬組成物中の有効成分(例えば、AAVベクター粒子)、薬学的に許容される賦形剤及び/又は任意の追加の成分の相対量は、処置されている対象の同一性、大きさ及び/又は状態に応じて、更に組成物が投与されるべき経路に応じて変わる場合がある。例えば、組成物は、0.1パーセントから99パーセント(w/w)の間の有効成分を含み得る。例として、組成物は、0.1パーセントから100パーセントの間、例えば、5から50パーセントの間、1~30パーセントの間、5~80パーセントの間、少なくとも80パーセント(w/w)の有効成分を含み得る。
【0312】
医薬組成物は、(1)安定性を増大する、(2)細胞トランスフェクション又は形質導入を増大する、(3)ペイロードの持続放出又は遅延放出を可能にする、(4)体内分布を変更する(例えば、特定の組織又は細胞種へウイルス粒子を標的化する)、(5)コードされたタンパク質の翻訳を増大する、(6)コードされるタンパク質の放出プロファイルを変更する、及び/又は(7)本発明のペイロードの調節可能な発現を可能するように1つ又は複数の賦形剤又は希釈剤を使用して製剤化できる。一部の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、少なくとも95パーセント、少なくとも96パーセント、少なくとも97パーセント、少なくとも98パーセント、少なくとも99パーセント又は100パーセント純粋であり得る。一部の実施形態では、賦形剤は、ヒト用及び獣医用の使用が承認されている。一部の実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局によって承認される場合がある。一部の実施形態では、賦形剤は、医薬品等級のものであり得る。一部の実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方及び/又は国際薬局方の基準を満たす場合がある。賦形剤には、本明細書で使用される場合、それだけには限らないが、所望の特定の投与形に適したような、ありとあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤又は他の液体ビヒクル、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘又は乳化剤、保存料等が含まれる。医薬組成物を製剤化するための種々の賦形剤及び組成物を調製するための技術は、当技術分野で公知である(参照によりその全文で本明細書に組み込まれる、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、A. R. Gennaro、Lippincott、Williams and Wilkins、Baltimore、MD、2006を参照されたい)。従来の賦形剤媒体の使用は本開示の範囲内で企図され得るが、任意の従来の賦形剤媒体が、任意の望ましくない生物学的効果をもたらすことによって、又はそうではなく有害な方法で医薬組成物の任意の他の成分と相互作用すること等によって、物質又はその誘導体と不適合である可能性がある場合を除く。
【0313】
治療薬及び他の方法及び使用
本発明はまた、疾患、好ましくは、任意選択で、NSにおける異常な遺伝子発現と関連する疾患(例えば、遺伝性NS疾患)の処置において使用するための、本発明の種々の態様に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物を提供する。関連状態、疾患及び治療用発現産物は、上記で論じられている。
【0314】
本発明はまた、医薬として使用するための、本発明の種々の態様に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオンを提供する。
【0315】
本発明はまた、本明細書において記載される任意の状態又は疾患の処置のための医薬組成物の製造において使用するための、本発明の種々の態様に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオンを提供する。
【0316】
本発明は、本発明の種々の態様に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオンを含む細胞を更に提供する。適宜、細胞は真核細胞である。真核細胞は、適宜、動物の(後生動物の)細胞(例えば、哺乳動物細胞)であり得る。適宜、細胞はヒト細胞である。
【0317】
本発明の一部の実施形態では、細胞は、ex vivo、例えば、細胞培養中である。本発明の他の実施形態では、細胞は、組織又は多細胞生物の一部であり得る。
【0318】
好ましい実施形態では、細胞は、NS細胞であり、これは、ex vivoである場合も、in vivoである場合もある。NS細胞は、CNS細胞又はPNS細胞であり得る。PNS細胞は、一次ニューロン、シュワン細胞又は衛星細胞であり得る。CNS細胞は、一次ニューロン、星状細胞、乏突起神経膠細胞、小グリア細胞又は上衣細胞であり得る。或いは、NS細胞は、NS由来細胞株、例えば、不死化細胞株であり得る。一実施形態では、CNS細胞は、ニューロン、星状細胞又はオリゴデンドロサイトである。
【0319】
細胞は、NS組織環境内(例えば、動物のNS内)に存在する場合も、NS組織から単離されている場合もあり、例えば、細胞培養中である場合もある。適宜、一次細胞又は細胞株は、ヒト細胞である。
【0320】
本発明に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット又はベクターは、細胞のゲノム中に挿入できる、又はエピソーム性であり得る(例えば、エピソームベクター中に存在する)。
【0321】
さらなる態様では、本発明は、発現産物を生成する方法であって、細胞、好ましくは、NS細胞において本発明に従う(好ましくは、上記のようなベクター中の)合成NS特異的発現カセットを提供すること、及び合成NS特異的発現カセット中に存在する遺伝子を発現させることを含む方法を提供する。方法は、適宜、前記NS細胞を遺伝子の発現のために適した条件下で維持することを含む。培養では、これは、細胞又は細胞を含む組織を適した培養条件下でインキュベートすることを含み得る。発現は、もちろん、in vivoで、例えば、対象のNS中の1つ又は複数の細胞においてであり得る。
【0322】
適宜、方法は、合成NS特異的発現カセットをNS細胞中に導入するステップを含む。NS細胞をトランスフェクトする広範な方法は、当技術分野で周知である。NS細胞をトランスフェクトする好ましい方法は、細胞に合成NS特異的発現カセットを含むウイルスベクター、例えば、AAVベクターを形質導入することである。
【0323】
本発明の種々の態様に従う合成NS特異的プロモーター、発現カセット、ベクター又はビリオンを、遺伝子療法のために使用できるということは当業者には明らかであろう。したがって、遺伝子療法におけるこのような核酸構築物の使用は、本発明の一部を形成する。
【0324】
本発明はしたがって、一部の実施形態では、対象において遺伝子療法、好ましくは、治療用遺伝子のNS特異的発現による遺伝子療法における使用のために本発明に従う発現カセット、ベクター又はビリオンを提供する。療法は、NS細胞からの治療用産物の分泌による疾患、適宜、上記で論じられたようなNSにおける異常な遺伝子発現が絡む疾患の処置を含む場合がある。
【0325】
本発明はまた、NS細胞において治療用導入遺伝子を発現させる方法であって、NS細胞中に、本発明に従う発現カセット又はベクターを導入することを含む方法を提供する。NS細胞は、in vivoである場合も、ex vivoである場合もある。
【0326】
本発明はまた、それを必要とする対象、好ましくは、ヒトの遺伝子療法の方法であって、
- 対象に、治療用産物をコードする遺伝子を含む、本発明の合成NS特異的発現カセット、ベクター、ビリオン又は医薬組成物を投与すること(適宜、対象のNS中に導入すること)
を含む方法を提供する。
【0327】
方法は、適宜、前記対象のNSにおいて遺伝子から治療用産物の治療量を発現させることを含む。処置できる種々の状態及び疾患は、上記で論じられている。適した治療用産物をコードする遺伝子は、上記で論じられている。
【0328】
方法は、適宜、本発明に従うベクター又はビリオンを対象に投与することを含む。適宜、ベクターは、ウイルス遺伝子療法ベクター、例えば、AAVベクターである。
【0329】
一部の実施形態では、方法は、遺伝子療法ベクターを全身に投与することを含む。全身投与は、経腸(例えば、経口、舌下及び直腸)又は非経口(例えば、注射)であり得る。好ましい注射経路として、静脈内、筋肉内、皮下、動脈内、関節内、くも膜下腔内及び皮内注射が挙げられる。一実施形態では、遺伝子療法ベクターは、注射によってCSF経路中に送達され得る。CSF経路への送達の限定されない例には、くも膜下腔内(脊髄内注射、腰椎注射又はくも膜下腔中への注射)及び脳室内投与が含まれる。一部の実施形態では、遺伝子療法ベクターは、鼻腔内送達によって送達され得る。
【0330】
本発明に従う合成NS特異的プロモーター又は発現カセットを含むAAVベクター又はビリオンの特に好ましい投与経路は、血管内である。適宜、本発明に従う合成NS特異的プロモーター又は発現カセットを含むAAVベクター又はビリオンは、手の甲の静脈又は前腕の静脈に投与できる。前腕における適した静脈は、橈側皮静脈、正中静脈又は尺側皮静脈である。これは、この投与経路が一般に、血液脳関門を通る(CNS中への)幾分かの透過を依然として可能にしながら患者にとって安全であるためである。
【0331】
一部の実施形態では、ウイルス遺伝子療法ベクターは、1つ若しくは複数の追加の治療薬と、又は網状内皮系によるベクターのクリアランスを防ぐように設計された1つ若しくは複数の飽和剤と同時に又は逐次投与できる。
【0332】
ベクターがAAVベクターである場合には、ベクターの投与量は、1×1010gc/kg~1×1015gc/kg又はそれより多く、適宜、1×1012gc/kg~1×1014gc/kg、適宜、5×1012gc/kg~5×1013gc/kgであり得る。
【0333】
一般に、それを必要とする対象は、哺乳動物、好ましくは、霊長類、より好ましくは、ヒトである。通常、それを必要とする対象は、疾患に特徴的な症状を示す。方法は、通常、治療用産物の治療用を発現させることによって、それを必要とする対象によって示された症状を寛解させることを含む。一実施形態では、本発明の治療方法を使用して、それだけには限らないが、総機能的能力(TFC)スケール等の標準評価システムによって測定されるような機能的能力及び日常生活動作の低下を低減できる。一実施形態では、本発明の方法を使用して、神経疾患の症状を測定するために使用される任意の評価でパフォーマンスを改善できる。このような評価として、それだけには限らないが、ADAS-cog(アルツハイマー病評価尺度-認知)、MMSE(ミニメンタルステート検査)、GDS(老年期鬱病尺度)、FAQ(機能活動質問票)、ADL(日常生活動作)、GPCOG(認知の総合診療医評価)、Mini-Cog、AMTS(略式メンタルテストスコア)、時計描画試験、6-CIT(6項目認知障害テスト)、TYM(Test Your Memory)、MoCa(モントリオール認知評価)、ACE-R(アデンブルック(Addenbrookes)認知評価)、MIS(記憶障害スクリーニング)、BADLS(ブリストル(Bristol)日常生活動作尺度)、バーセルインデックス(Barthel Index)、機能的自立度評価法(Functional Independence Measure)、手段的日常生活動作、IQCODE(高齢者の認知機能低下に関する情報提供者アンケート(Informant Questionnaire on Cognitive Decline in the Elderly))、神経精神症状評価、コーエン・マンスフィールドAgitation評価表(The Cohen-Mansfield Agitation Inventory)、BEHAVE-AD、EuroQol、ショートフォーム(Short Form)-36及び/又はMBR介護者ひずみ指数(MBR Caregiver Strain Instrument)又は参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、Sheehan B(Ther Adv Neurol Disord. 5(6):349~358頁(2012))に記載されるような他の試験のいずれかが挙げられる。
【0334】
in vitro及びin vivoでの標的細胞における治療用遺伝子発現のための遺伝子療法プロトコールは、当技術分野で周知であり、ここでは詳細に論じない。手短には、それらは、プラスミドDNAベクター(裸の又はリポソーム中)又はウイルスベクターの、静脈内又は動脈内投与(例えば、頸動脈内(intra-corotid artery)、肝動脈内、肝静脈内)、脳室内、頭蓋内投与、筋肉内注射、間質性注射、気道における滴下注入、内皮及び肝実質内への適用を含む。標的細胞へのDNAの利用可能性を増強するために種々のデバイスが開発された。簡単なアプローチは、標的細胞を関連ベクターを含有するカテーテル又は埋め込み可能な材料と物理的に接触させることであるが、より複雑なアプローチは、ジェット注射デバイス及びそのようなものを使用できる。哺乳動物NS細胞中への遺伝子導入は、ex vivo及びin vivo手順の両方を使用して実施されている。ex vivoアプローチは、通常、NS細胞の収集、適した発現ベクターを用いるin vitro形質導入と、それに続く、形質導入されたNS細胞のNS中への再導入を必要とする。このアプローチは、一般に、NSにおけるNS細胞の収集及び再導入の困難性及び危険のためにあまり好ましくない。In vivo遺伝子導入は、例えば、ウイルスベクターの頭蓋内注射によって、又は静脈内若しくは動脈内注射によって、DNA又はウイルスベクターを直接的にNS中に注射することによって達成された。
【0335】
一実施形態では、遺伝子療法ベクターは、対象の神経疾患の症状を低減する(例えば、既知評価法を使用して決定される)ために治療上有効量で対象(例えば、対象のNS)に投与され得る。一部の実施形態では、遺伝子療法ベクター及び遺伝子療法ベクターを含む組成物は、それらが血液脳関門、血管障壁又は他の上皮障壁を超えることを可能にする方法で投与され得る。
【0336】
遺伝子療法ベクターは、1つ又は複数の他の治療薬、予防薬、研究又は診断剤と組み合わせて使用され得る。「と組み合わせて」とは、薬剤が、同時に投与されなければならに、及び/又は一緒の送達のために製剤化されなければならないということを暗示するように意図されるものではないが、これらの送達方法は、本発明の範囲内である。組成物は、1つ又は複数の他の所望の治療薬又は医療処置と同時に、その前に、又はその後に投与され得る。一部の実施形態では、1つの処置(例えば、遺伝子療法ベクター)の送達は、第2の(例えば、1つ又は複数の治療薬)の送達が開始する時点で依然として生じており、その結果、投与期間の重複がある。これは、「同時」又は「同時送達」と呼ばれることもある。他の実施形態では、1つの処置の送達は、他の処置の送達が開始する前に終了する。一部の実施形態では、処置は、併用投与のためにより有効である。例えば、第2の処置は、より有効である、例えば、より少ない第2の処置を用いて同等の効果が見られる、又は第2の処置は、第1の処置の不在下で第2の処置が投与された場合に見られるであろうものよりも症状をより大きな程度まで低減する、又は第1の処置を用いて類似の状況が見られる。一部の実施形態では、送達は、症状又は障害と関連する他のパラメーターの低減が、他のものの不在下で送達された1つの処置を用いて観察されるであろうものよりも大きいようなものである。2つの処置の効果は、部分的に相加的、全体的に相加的又は相加的よりも大きいものであり得る。送達は、第2のものが送達される時点で、送達された第1の処置の効果が依然として検出可能であるようなものであり得る。本明細書において記載される組成物及び少なくとも1つの追加の療法を、同一物で、又は別個の組成物で同時に、又は逐次投与できる。逐次投与のために、本明細書に記載される遺伝子療法ベクターを第1に投与でき、1つ又は複数の治療薬を第2に投与できる、又は投与の順序を逆転させてもよい。遺伝子療法ベクター及び1つ又は複数の治療薬は、活発な障害の期間の間に、又は緩解若しくはあまり活発ではない疾患の期間の間に投与できる。遺伝子療法ベクターは、別の処置の前、処置と同時に、処置後に、又は障害の緩解の間に投与できる。
【0337】
組合せで投与される場合には、遺伝子療法ベクター及び1つ又は複数の治療薬(例えば、第2又は第3の治療薬)又はすべては、例えば、単剤療法として個別に使用される各々の量又は投与量よりもより高い、より低い又は同じ量又は用量で投与できる。ある特定の実施形態では、遺伝子療法ベクター及び1つ又は複数の治療薬(例えば、第2又は第3の治療薬)又はすべての投与される量又は投与量は、個別に使用される各々の量よりも低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%)。他の実施形態では、所望の効果(例えば、NS疾患又は障害の処置)をもたらす、遺伝子療法ベクター及び1つ又は複数の治療薬(例えば、第2又は第3の治療薬)又はすべての量又は投与量は、同じ治療効果を達成するために個別に必要な各々の量又は投与量よりも低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%低い)。
【0338】
本明細書で記載されたAAV粒子と組み合わせて使用できる化合物として、それだけには限らないが、コリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)、NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチン、統合失調症治療薬、抗うつ薬、抗痙攣薬(例えば、ミオクローヌスのためのバルプロ酸ナトリウム及びレベチラセタム)、セクレターゼ阻害剤、アミロイド凝集阻害剤、銅又は亜鉛モジュレーター、BACE阻害剤、タウ凝集の阻害剤、例えば、メチレンブルー、フェノチアジン、アントラキノン、n-フェニルアミン又はローダミン、微小管安定化剤、例えば、NAP、タキソール又はパクリタキセル、キナーゼ又はホスファターゼ阻害剤、例えば、GSK3(リチウム)又はPP2Aを標的化するもの、アミロイドベータペプチド又はタウホスホエピトープを用いる免疫化、抗タウ又は抗アミロイド抗体、ドーパミン枯渇剤(例えば、舞踏病のためのテトラベナジン)、ベンゾジアゼピン(例えば、ミオクローヌス、舞踏病、ジストニア、硬直及び/又は痙縮のためのクロナゼパム)、ドーパミンのアミノ酸前駆体(例えば、硬直のためのレボドパ)、骨格筋弛緩薬(例えば、硬直及び/又は痙縮のためのバクロフェン、チザニジン)、筋肉麻痺を引き起こす神経筋接合部でのアセチルコリン放出の阻害剤(例えば、歯ぎしり及び/又はジストニアのためのボツリヌス毒素)、非定型神経遮断薬(例えば、精神病及び/又は被刺激性のためのオランザピン及びクエチアピン、精神病、舞踏病及び/又は被刺激性のためのリスペリドン、スルピリド及びハロペリドール、処置耐性精神病クロザピン、顕著な陰性症状を伴う精神病のためのアリピプラゾール)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、鬱病、不安神経症、強迫性挙動及び/又は被刺激性のためのシタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、ミルトラザピン、ベンラファクシン)、睡眠薬(例えば、睡眠・覚醒サイクルの変更のためのゾピクロン及び/又はゾルピデム)、抗痙攣薬(例えば、躁病又は軽躁病のためのバルプロ酸ナトリウム及びカルバマゼピン)及び気分安定剤(例えば、躁病又は軽躁病のリチウム)が挙げられる。
【0339】
一部の好ましい実施形態によれば、上記の方法を、上記で論じられるようなNS関連疾患、適宜、CNS疾患、例えば、ハンチントン舞踏病を有する対象の処置のために使用できる。
【0340】
定義及び一般的なポイント
本発明の種々の実施形態の作製及び使用が以下の詳細に論じられるが、当然のことではあるが、本発明は、多種多様な特定の状況で具体化できる多数の適用可能な発明の概念を提供する。本明細書で論じられる特定の実施形態は、単に、本発明を作製及び使用するための特定の方法の例示であって、本発明の範囲の限界を定めるものではない。
【0341】
本発明の理解を促進するために、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書において定義される用語は、本発明に関連する領域の当業者によって一般に理解されるような意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」等の用語は、単数の実体のみを指すように意図されず、例示のために特定の例が使用され得る一般的なクラスを含む。本明細書において技術用語は、本発明の特定の実施形態を説明するために使用されるが、その利用は、特許請求の範囲において概説される場合を除き本発明の限界を定めるものではない。
【0342】
本明細書における本発明の背景の議論は、本発明の文脈を説明するために含まれる。これは、言及される材料のいずれかが、特許請求の範囲のいずれかの優先日の時点でいずれかの国において公開された、知られている、共通の一般的な知識の一部であったことの承認と解釈されるべきではない。
【0343】
本開示を通じて、種々の刊行物、特許及び公開された特許明細書は、特定する引例によって参照される。本明細書において引用されるすべての文書は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。特に、本明細書において具体的に参照されるこのような文書の教示又はセクションは、参照により組み込まれる。
【0344】
本発明の実施は、特に断りのない限り、当業者の範囲内である細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の従来の技術を利用する。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel、2000、Wiley and son Inc、Library of Congress、USA); Molevular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、(Sambrookら、2001、Cold Spring Harbor、New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press); Oligonucleotide Synthesis(M. J. Gait編、1984);米国特許第4,683,195号; Nucleic Acid Hybridization (Harries及びHiggins編 1984); Transcription and Translation (Hames及びHiggins編 1984); Culture of Animal Cell (Freshney、Alan R. Liss, Inc.、1987); Immobilized Cell and Enzymes (IRL Press、1986); Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);シリーズ、Methods in Enzymology (Abelson及びSimon編集長、Academic Press, Inc.、New York)、特に、154及び155巻 (Wuら編)及び185巻、「Gene Expression Technology」(Goeddel編); Gene Transfer Vectors For Mammalian Cell (Miller及びCalos編、1987、Cold Spring Harbor Laboratory); Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Mayer及びWalker編、Academic Press、London、1987); Handbook of Experimental Immunology、I~IV巻(Weir及びBlackwell編、1986);及びManipulating the Mouse Embryo、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1986)を参照されたい。
【0345】
「神経系」又は「NS」という用語は、当業者によって十分に理解されている。NSは、末梢神経系(PNS)及び中枢神経系(CNS)からなる。
【0346】
「中枢神経系」又は「CNS」という用語は、当業者によって十分に理解されている。CNSは、脳及び脊髄からなる。好ましくは、合成NS特異的プロモーターは、脳において活性である。本発明のプロモーターは、脳及び/又は脊髄において活性であり得る。好ましくは、CNSは、哺乳動物の、更により好ましくは、ヒト対象のCNSである。
【0347】
「末梢神経系」又は「PNS」という用語は、当業者によって十分に理解されている。PNSとは、脳及び脊髄の外側の神経系の部分を指す。本発明のプロモーターは、PNSにおいて活性であり得る。好ましくは、PNSは、哺乳動物の、更により好ましくは、ヒト対象のPNSである。
【0348】
「CNS細胞(単数又は複数)」は、CNS(CNS組織)において見出される、又はCNS組織に由来する細胞に関する。CNS細胞は、一次細胞又は細胞株(例えば、SH-Sy5y、Neuro2A、U87-MG)であり得る。CNS細胞は、in vivo(例えば、CNS組織中)又はin vitro(例えば、細胞培養物中)であり得る。CNS細胞は、ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、小グリア細胞及び上衣細胞からなる。CNS組織において見出されるようなニューロンは、細胞体、長い軸索及びシナプス終末を含む。ニューロンは、細胞体において受け取られた電気信号を、その長い軸索を介して、そのシナプス終末に近い他の細胞に伝達する。オリゴデンドロサイトは、CNS中のグリア細胞の1種であり、より速い電気信号伝導のためにニューロンの軸索を包み込むミエリン鞘を生成する。星状細胞は、星形であり、CNSにおいて最も豊富にある細胞種である。それらは、CNS内で電気インパルスの伝達を補助し、調節する複数の役割及び神経機能を有する。ミクログリアは、CNSにおける常在性マクロファージ細胞であり、免疫防御に関与している。上衣細胞は、脳室の上皮内層を形成する。「CNS細胞(単数又は複数)」という用語は、本明細書で使用される場合、ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、小グリア細胞及び/又は上衣細胞を含む。本発明のプロモーターは、CNS細胞のいずれか(例えば、ニューロン)において活性であり得る。本発明のプロモーターは、CNS細胞のうち2種類(例えば、ニューロン及び星状細胞)において活性であり得る。本発明のプロモーターは、CNS細胞の3つ又はそれより多い種類(例えば、ニューロン、オリゴデンドロサイト及び星状細胞)において活性であり得る。本発明のプロモーターは、CNS細胞のすべての種類(ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、小グリア細胞及び上衣細胞)において活性であり得る。更に、本発明の合成CNS特異的プロモーターは、CNS細胞の1種のサブタイプ、例えば、ドーパミン作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン又は成熟したオリゴデンドロサイトにおいて活性であり得る。一部の実施形態では、本発明の合成CNS特異的プロモーターは、CNS細胞の1種のサブタイプ、例えば、ドーパミン作動性ニューロン又は成熟したオリゴデンドロサイトにおいてのみ活性であり得る。本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、CNSの特定の領域において、特定のCNS細胞及び/又はCNS細胞サブタイプ又は両方において活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、特定のCNS細胞種、例えば、ニューロンにおいて、CNSのすべての領域内で活性であり得る。他の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、特定のCNS細胞種、例えば、ニューロンにおいて、CNSの1以下の領内で活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、すべてのCNS細胞において、CNSのすべての領域において活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、すべてのCNS細胞において、CNSの1以下の領域において活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、CNSの複数の領域中の複数のCNS細胞において活性であり得る。
【0349】
「PNS細胞(単数又は複数)」とは、PNS(PNS組織)において見出される、又はPNS組織に由来する細胞に関する。PNS細胞は、一次細胞又は細胞株であり得る。PNS細胞は、in vivo(例えば、PNS組織において)又はin vitro(例えば、細胞培養物において)であり得る。PNS細胞は、ニューロン、シュワン細胞及び衛星細胞を含む。PNS組織において見出されるようなニューロンは、細胞体、長い軸索及びシナプス終末を含む。ニューロンは、細胞体で受け取った電気信号をその長い軸索を介して、シナプス末端に近い他の細胞に伝達する。
【0350】
シュワン細胞は、PNSにおけるグリア細胞の1種であり、より速い電気信号伝導のためにニューロンの軸索を包み込むミエリン鞘を生成する。衛星細胞(衛星グリア細胞)は、末梢神経系の神経節においてニューロン細胞体の表面を覆い、ニューロン細胞を支持するグリア細胞である。それらは、交感神経節の微小環境の制御を含むさまざまな役割を有する。「PNS細胞(単数又は複数)」とは、本明細書において、ニューロン、シュワン細胞及び/又は衛星細胞を含む。本発明のプロモーターは、PNS細胞のいずれにおいても(例えば、ニューロン)活性であり得る。本発明のプロモーターは、PNS細胞の2種類(例えば、ニューロン及び衛星細胞)において活性であり得る。本発明のプロモーターは、PNS細胞のすべての種類(例えば、ニューロン、シュワン細胞及び衛星細胞)において活性であり得る。更に、本発明の合成NS特異的プロモーターは、PNS細胞の1種のサブタイプ、例えば、感覚ニューロンにおいて活性であり得る。一部の実施形態では、本発明の合成NS特異的プロモーターは、PNS細胞の1種のサブタイプ、例えば、感覚ニューロンにおいてのみ活性であり得る。本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、PNSの特定の領域において、特定のPNS細胞及び/又はPNS細胞サブタイプ又は両方において活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、PNSのすべての領域内の特定のPNS細胞種、例えば、ニューロンにおいて活性であり得る。他の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、PNSの1つ以下の領域内の特定のPNS細胞種、例えば、ニューロンにおいて活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、PNSのすべての領域中のすべてのPNS細胞において活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、PNSの1つ以下の領域中のすべてのPNS細胞において活性であり得る。一部の実施形態では、本発明のCRE、近位/最小プロモーター及びプロモーターは、PNSの複数の領域中の複数のPNS細胞において活性であり得る。
【0351】
「シス調節エレメント」又は「CRE」という用語は、当業者に周知の用語であり、隣接遺伝子の転写を(すなわち、シスで)調節又はモジュレートできる核酸配列、例えば、エンハンサー、プロモーター、インスレーター又はサイレンサーを意味する。CREは、調節する遺伝子の近くに見出される。CREは通常、TFへの結合によって遺伝子転写を調節する、すなわち、それらは転写因子結合部位(TFBS)を含む。単一のTFは、多数のCREに結合する、ひいては、多数の遺伝子の発現を制御する(多面発現性)場合がある。CREは普通、常にではないが、調節する遺伝子の転写開始部位(TSS)の上流に位置する。本文脈において「エンハンサー」とは、それらが作動可能に関連している遺伝子の転写を増強し(すなわち、上方制御する)、それらが調節する遺伝子の上流、下流に、そのイントロン内にさえ見出すことができるCREである。複数のエンハンサーが協調的な方法で作用して、1つの遺伝子の転写を調節する場合がある。この文脈において「サイレンサー」とは、リプレッサーと呼ばれるTFに結合するCREに関し、遺伝子の転写を妨げる又は下方制御するように作用する。「サイレンサー」という用語はまた、そのmRNA分子の翻訳を抑制するタンパク質に結合する、メッセンジャーRNAの3'非翻訳領域中の領域を指す場合があるが、この利用は、CREの説明におけるその使用とは異なる。一般に、本発明のCREは、NS特異的エンハンサーエレメントである(NS特異的CRE又はNS特異的CREエンハンサー又はそのようなものと呼ばれることが多い)。本文脈では、CREは、転写開始部位(TSS)から2500ヌクレオチド又はそれより少ないところ、より好ましくは、TSSから2000ヌクレオチド又はそれより少ないところ、より好ましくは、TSSから1500ヌクレオチド又はそれより少ないところ、適宜、TSSから1000、750、500、250、200、150又は100ヌクレオチド又はそれより少ないところに位置することが好ましい。本発明のCREは、好ましくは、比較的短い長さ、好ましくは、1000ヌクレオチド又はそれより短い長さである、例えば、それらは、800、700、600、500、400、300、200、175、150、90、80、70、60又は50ヌクレオチド又はそれより短い長さである場合もある。本発明のCREは通常、最小プロモーター又は近位プロモーターであり得る作動可能に連結されたプロモーターエレメントと組み合わせて提供され、本発明のCREは、プロモーターエレメントのNS特異的活性を増強し得る。
【0352】
「シス調節モジュール」又は「CRM」という用語は、普通、2つ又はそれより多いCREを含む機能的調節核酸モジュールを意味し、本発明では、CREは通常、NS特異的エンハンサーであり、したがって、CRMは、合成NS特異的調節核酸である。CRMは、複数のNS特異的CREを含み得る。適宜、CRM中に含まれるCREの少なくとも1つは、配列番号19~24、27、28、37、38に従うCRE又はその機能的バリアントである。通常、CRM内の複数のCREは、一緒に作用して(例えば、相加的に、又は相乗的に)、CRMを含むプロモーターが作動可能に関連される遺伝子の転写を増強する。CRM内のCREをシャッフルする(すなわち、並べ替える)、反転する(すなわち、配向を逆転させる)及びそのスペーシングを変更する余地はかなりある。したがって、本発明のCRMの機能的バリアントは、とりわけ、それら内のCREがシャッフルされている、及び/又は反転されている、及び/又はCREの間のスペーシングが変更されている、言及されたCRMのバリアントを含む。
【0353】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という語句は一般に、転写が生じる必要がある、すなわち、転写を開始する、転写されるべき核酸配列の上流に位置するDNAの領域を指す。プロモーターによって、その制御下のコード配列の転写の適切な活性化又は転写の抑制が可能となる。プロモーターは通常、複数のTFによって認識及び結合される特定の配列を含有する。TFは、プロモーター配列に結合し、RNAポリメラーゼ、遺伝子のコーディング領域からRNAを合成する酵素の動員をもたらす。多数の多様なプロモーターが当技術分野で公知である。
【0354】
「合成プロモーター」という用語は、本明細書で使用される場合、天然に生じないプロモーターに関する。本文脈では、通常、最小(又はコア)プロモーター又はNS特異的近位プロモーター(プロモーターエレメント)に作動可能に連結した本発明のCRE及び/又はCRMを含む。本発明のCRE及び/又はCRMは、合成プロモーターに作動可能に連結した遺伝子のNS特異的転写を増強するよう働く。合成プロモーターの一部は、天然に存在する場合がある(例えば、プロモーター中の最小プロモーター又は1つ若しくは複数のCRE)が、実体としての合成プロモーターは、天然に存在しない。或いは、合成プロモーターは、天然に存在するプロモーターの短い、トランケート型バージョンである場合がある。
【0355】
本明細書で使用される場合、「最小プロモーター」(「コアプロモーター」としても知られる)とは、通常、それ自体で不活性であるか、又はほとんど不活性であるが、他の転写調節エレメントと組み合わされると転写を媒介できる短いDNAセグメントを指す。最小プロモーター配列は、原核生物及び真核細胞の遺伝子を含む種々の異なる供給源に由来し得る。最小プロモーターの例として、ドーパミンベータ-ヒドロキシラーゼ遺伝子最小プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)前初期遺伝子最小プロモーター(CMV-MP)及びヘルペスチミジンキナーゼ最小プロモーター(MinTK)が含まれる。最小プロモーターは通常、転写開始部位(TSS)及びすぐ上流のエレメント、RNAポリメラーゼIIの結合部位及び一般的な転写因子結合部位(しばしば、TATAボックス)を含む。最小プロモーターはまた、TSSの下流の一部のエレメントを含む場合があるが、これらは通常、追加の調節エレメントがなければ機能性がほとんどない。
【0356】
本明細書で使用される場合、「近位プロモーター」は、最小プロモーター及び少なくとも一部の追加の調節配列、通常、主な調節エレメントを含有する傾向がある遺伝子の近位配列上流に関する。しばしば、TSSの上流およそ250塩基対に広がり、特定のTFBSを含む。近位プロモーターはまた、TSSの下流の1つ又は複数の調節エレメント、例えば、UTR又はイントロンを含み得る。本場合には、近位プロモーターは、適宜、天然に存在するNS特異的近位プロモーターの短い、トランケート型バージョンである場合がある。本発明の近位プロモーターは、本発明の1つ又は複数のCRE又はCRMと組み合わせてもよい。しかし、近位プロモーターはまた、合成でもあり得る。
【0357】
本明細書で使用される場合、「プロモーターエレメント」とは、上記で定義されるような最小プロモーター又は近位プロモーターのいずれかを指す。本発明の文脈において、プロモーターエレメントは、本発明の合成NS特異的プロモーターを提供するために、1つ又は複数のCREと組み合わせることができる。
【0358】
本発明の文脈においてCRE、CRM、プロモーターエレメント、プロモーター又は他の調節核酸の「機能的バリアント」は、参照配列と、例えば、NS特異的CRE、NS特異的CRM又はNS特異的プロモーターと同じ方法で機能する能力を保持する参照配列のバリアントである。このような機能的バリアントの代替用語として、「生物学的等価物」又は「等価物」が挙げられる。
【0359】
NS特異的エンハンサーとして機能する所与のCRE、CRM、プロモーター又は他の調節配列の能力は、参照配列に結合する同一NS特異的TFに結合する配列の能力によって有意に決定されるということが認められよう。したがって、ほとんどの場合、CRE又はCRMの機能的バリアントは、参照CRE、CRM又はプロモーターと同一のTFのほとんど又はすべてのTFBSを含有する。機能的バリアントのTFBSは、参照CRE、CRM又はプロモーターと同一の相対位置(すなわち、順序及び全体的な位置)にあることが好ましいが、必須ではない。また、機能的バリアントのTFBSが、参照配列と同一配向にあることも好ましいが、必須ではない(一部の場合には、例えば、参照配列中の配列に対する逆補体として逆配向で存在する場合があるということは留意されたい)。機能的バリアントのTFBSが、参照配列と同一鎖上にあることも好ましいが、必須ではない。したがって、好ましい実施形態では、機能的バリアントは、参照配列と同一TFのTFBSを、同一順序、同一位置で、同一配向で、及び同一鎖上に含む。TFBSの間にある配列(一部の場合には、スペーサー配列又はそのようなものと呼ばれる)は、CRE又はCRMの機能にとってあまり重要性はないことも理解されるであろう。このような配列は通常、大幅に変わる場合があり、その長さが変更される場合がある。しかし、好ましい実施形態では、スペーシング(すなわち、隣接するTFBS間の距離)は、参照配列におけるものと、機能的バリアントにおいて実質的に同一である(例えば、20%よりも多く変わらない、好ましくは、10%よりも多く変わらない、より好ましくは、ほぼ同一である)。一部の場合には、CREの機能的バリアントは、逆配向で存在する場合がある、例えば、上記のようにCREの逆補体又はそのバリアントであり得るということは明らかであろう。
【0360】
機能的バリアントと参照配列の間の配列同一性のレベルはまた、指標又は保持された機能性であり得る。CRE、CRM又はプロモーターのTFBSにおける高レベルの配列同一性は、スペーサー配列(配列の任意の保存の必要性がほとんど又は全くない)における配列同一性よりも一般に高い重要性のものである。しかし、機能的TFBSの配列は、コンセンサス配列と正確に対応する必要はないということを考慮すると、TFBS内でさえ相当な程度の配列変動が適応され得るということが認められよう。
【0361】
1つ又は複数のTFの、所与の機能的バリアント中のTFBSに結合する能力は、それだけには限らないが、 電気移動度シフトアッセイ(EMSA)、結合アッセイ、クロマチン免疫沈降(ChIP)及びChIPシーケンシング(ChIP-seq)を含む当技術分野で公知の任意の関連手段によって決定できる。好ましい実施形態では、1つ又は複数のTFの、所与の機能的バリアントに結合する能力は、EMSAによって決定される。EMSAを実施する方法は、当技術分野で周知である。適したアプローチは、上記で引用されたSambrookらに記載されている。この手順を記載する多数の関連文献が入手可能である、例えば、Hellman及びFried、Nat Protoc. 2007; 2(8): 1849~1861頁。
【0362】
「NS特異的」又は「NS特異的発現」とは、他の組織(例えば、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、筋肉及び肺)と比較して優先的な又は優勢な方法でNS細胞において(又はNS由来細胞において)遺伝子の発現を増強又は駆動する、シス調節エレメント、シス調節モジュール又はプロモーターの能力を指す。遺伝子の発現は、mRNA又はタンパク質の形態であり得る。好ましい実施形態では、NS特異的発現は、他の(すなわち、非NS)組織又は細胞において無視できる発現がある、すなわち、発現は高度にNS特異的であるようなものである。NS特異的発現は、CNS特異的及び/又はPNS特異的発現であり得る。
【0363】
「CNS特異的」又は「CNS特異的発現」とは、他の組織(例えば、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、筋肉及び肺)と比較して優先的な又は優勢な方法でCNS細胞において(又はCNS由来細胞において)遺伝子の発現を増強又は駆動する、シス調節エレメント、シス調節モジュール又はプロモーターの能力を指す。遺伝子の発現は、mRNA又はタンパク質の形態であり得る。好ましい実施形態では、CNS特異的発現は、他の(すなわち、非CNS)組織又は細胞において無視できる発現がある、すなわち、発現は高度にCNS特異的であるようなものである。
【0364】
「PNS特異的」又は「PNS特異的発現」とは、他の組織(例えば、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、筋肉及び肺)と比較して優先的な又は優勢な方法でPNS細胞において(又はPNS由来細胞において)遺伝子の発現を増強又は駆動する、シス調節エレメント、シス調節モジュール又はプロモーターの能力を指す。遺伝子の発現は、mRNA又はタンパク質の形態であり得る。好ましい実施形態では、PNS特異的発現は、他の(すなわち、非PNS)組織又は細胞において無視できる発現がある、すなわち、発現は高度にPNS特異的であるようなものである。
【0365】
CRE、CRM又はプロモーターの、NS特異的CRE、CRM又はプロモーターとして機能する能力は、当業者によって容易に評価できる。当業者は、したがって、上記で列挙された特異的CRE、CRM又はプロモーターの任意のバリアントが機能的のままである(すなわち、上記で定義されたような機能的バリアントである)か否かを容易に決定できる。例えば、評価されるべき任意の所与のCRMを、最小プロモーター(例えば、CMV-MPの上流に位置する)に作動可能に連結でき、シス調節エレメントの、遺伝子(通常、リポーター遺伝子)のNS特異的発現を駆動する能力を測定する。或いは、CRE又はCRMのバリアントを、参照CRE又はCRMの代わりに合成NS特異的プロモーター中に置換でき、前記改変プロモーターによって駆動されるNS特異的発現に対する作用を決定し、未改変形態と比較できる。同様に、プロモーターの、NS特異的発現を駆動する能力は、当業者によって容易に評価され得る(例えば、以下の実施例に記載されるように)。参照プロモーターのバリアントによって駆動される遺伝子の発現レベルは、参照プロモーターによって駆動される発現レベルと比較され得る。一部の実施形態では、バリアントプロモーターによって駆動されるNS特異的発現レベルが、参照プロモーターによって駆動される発現レベルの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも100%である場合には、バリアントは機能的なままであると言われ得る。NS特異的発現増強を評価するための適した核酸構築物及びリポーターアッセイは、容易に構築でき、以下に記載される実施例によって適した方法論が与えられる。
【0366】
遺伝子(例えば、治療用又はリポーター遺伝子)の発現がNS由来細胞において優先的に又は優勢に生じるNS特異性を同定できる。例えば、発現のレベルが、NS由来細胞において他の種類の細胞(すなわち、非NS由来細胞)よりも有意に大きい場合に、優先的又は優勢な発現が定義され得る。例えば、NS由来細胞における発現は、適宜、非NS細胞においてよりも少なくとも5倍高い、好ましくは、非NS細胞においてよりも少なくとも10倍高く、一部の場合には50倍高い場合もある。便宜上、NS特異的発現は、適宜、種々の非NS細胞株における発現レベルの比較によって実証され得る、例えば、筋肉由来細胞株、例えば、C2C12又はH2K細胞(骨格筋)又はH9C2細胞(心臓)における、肝臓由来細胞株(例えば、Huh7又はHepG2)、腎臓由来細胞株(例えば、HEK-293)、子宮頸部組織由来細胞株(例えば、HeLa)及び/又は肺由来細胞株(例えば、A549)における発現レベルと比較した、一次NS細胞又はNS由来細胞株、例えば、SH-Sy5y、Neuro2A、U87-MG。
【0367】
本発明の合成NS特異的プロモーターは、好ましくは、非組織特異的プロモーター、例えば、CMV-IEと比較した場合に、非NS由来細胞において、適宜、C2C12、H9C2、Huh7、HEK-293、HeLa、及び/又はA549細胞において発現の低減を示す。本発明の合成NS特異的プロモーターは好ましくは、非NS由来細胞において(適宜、C2C12、H9C2、Huh7、HEK-293、HeLa及び/又はA549において)CMV-IEプロモーターの50%以下、適宜、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下又は1%以下の活性を有する。一般に、非NS由来細胞における発現は最小化されることが好ましいが、一部の場合には、これは必ずしも必要ではない場合がある。本発明の合成NS特異的プロモーターが、例えば、1つ又は2つの非NS細胞においてより高い発現を有する場合であっても、全般的に、非NS細胞に対してさまざまなNS細胞において全体的により高い発現を有する限り、依然としてNS特異的プロモーターであり得る。
【0368】
本発明の合成NS特異的プロモーターは、好ましくは、対象のNSにおける発現の促進、例えば、導入遺伝子、好ましくは、治療用導入遺伝子のNS特異的発現の駆動に適している。本発明の好ましい合成NS特異的プロモーターは、NS特異的導入発現の促進に適しており、NS細胞において、シナプシン-1プロモーターの活性の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%又は400%である活性を有する。一部の実施形態では、本発明の合成NS特異的プロモーターは、シナプシン-1プロモーターの活性の少なくとも100%、好ましくは、シナプシン-1プロモーターの活性の150%、200%、300%又は500%のレベルでのNS特異的導入遺伝子発現の促進に適している。このようなNS特異的発現は、適宜、NS由来細胞、例えば、SH-Sy5y、Neuro2A、U87-MG細胞株又は一次NS細胞(適宜、一次ヒトニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、ミクログリア、シュワン細胞、衛星細胞及び/又は上衣細胞)において決定される。
【0369】
本発明の合成NS特異的プロモーターはまた、NS由来細胞、例えば、SH-Sy5y、Neuro2A、U87-MG細胞株又は一次NS細胞(適宜、一次ヒトニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト、ミクログリア、シュワン細胞、衛星細胞及び/又は上衣細胞)中のCMV-IEと比較して少なくとも50%、100%、150%又は200%のレベルで遺伝子のNS特異的発現を促進可能であり得る。
【0370】
「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、通常、本質的にヌクレオチドからなる任意の長さのオリゴマー又はポリマー(好ましくは、直鎖状ポリマー)を指す。ヌクレオチド単位は、一般に、複素環式塩基、糖基及び少なくとも1つの、例えば、1、2又は3つの改変された又は置換されたリン酸基を含むリン酸基を含む。複素環式塩基には、とりわけ、プリン及びピリミジン塩基、例えば、広範に天然に存在する核酸であるアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)及びウラシル(U)、他の天然に存在する塩基(例えば、キサンチン、イノシン、ヒポキサンチン)並びに化学的又は生化学的に改変された(例えば、メチル化)もの、非天然又は誘導体化された塩基を含まれ得る。糖基には、とりわけ、ペントース(ペントフラノース)基、例えば、好ましくは、天然に存在する核酸に共通するリボース及び/又は2-デオキシリボース又はアラビノース、2-デオキシアラビノース、トレオース又はヘキソース糖基並びに改変された又は置換された糖基が含まれ得る。本明細書において意図されるような核酸には、天然に存在するヌクレオチド、改変されたヌクレオチド又はそれらの混合物が含まれ得る。改変されたヌクレオチドには、改変された複素環式塩基、改変された糖部分、改変されたリン酸基又はそれらの組合せが含まれ得る。リン酸基又は糖の改変は、安定性、酵素分解に対する耐性又はいくつかの他の有用な特性を改善するために導入され得る。「核酸」という用語は、更に好ましくは、DNA、RNA及びDNA RNAハイブリッド分子を包含し、具体的には、hnRNA、プレmRNA、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、増幅産物、オリゴヌクレオチド及び合成(例えば、化学的に合成された)DNA、RNA又はDNA RNAハイブリッドを含む。核酸は、天然に存在する、例えば、自然界に存在する又は自然界から単離されたものである場合も、天然に存在しない、例えば、組換え、すなわち、組換えDNA技術によって生成された、及び/若しくは部分的に若しくは全体的に、化学的若しくは生化学的に合成されたものである場合もある。「核酸」は、二本鎖、部分的に二本鎖又は一本鎖であり得る。一本鎖の場合には、核酸は、センス鎖である場合も、アンチセンス鎖である場合もある。更に、核酸は、環状である場合も、直鎖状である場合もある。
【0371】
「単離」とは、核酸に言及する場合には、自然界ではそれと普通関連している配列を全部又は一部欠く核酸分子又は核酸配列、又は自然界で存在するとおりであるが、それを関連する異種配列を有する配列、又は染色体から解離された分子を意味する。
【0372】
「同一性」及び「同一の」等の用語は、2つのポリマー分子間、例えば、2つの核酸分子間、例えば、2つのDNA分子間の配列類似性を指す。配列アラインメント及び配列同一性の決定は、例えば、Altschulら1990 (J Mol Biol 215: 403~10頁)によって元々記載された基本ローカルアラインメント検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)(BLAST)、例えば、Tatusova及びMadden 1999 (FEMS Microbiol Lett 174: 247~250頁)によって記載された「BLAST2配列」アルゴリズムを使用して行うことができる。
【0373】
比較のために配列をアラインする方法は、当技術分野で周知である。種々のプログラム及びアラインメントアルゴリズムは、例えば、Smith及びWaterman (1981) Adv. Appl. Math. 2:482、Needleman及びWunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443; Pearson及びLipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444; Higgins及びSharp (1988) Gene 73:237~44頁; Higgins及びSharp (1989) CABIOS 5:151~3頁; Corpetら(1988) Nucleic Acids Res. 16:10881~90頁; Huangら(1992) Comp. Appl. Biosci. 8:155~65頁、Pearsonら(1994) Methods Mol. Biol. 24:307~31頁; Tatianaら(1999) FEMS Microbiol. Lett. 174:247~50頁に記載されている。配列アラインメント法及び相同性算出の詳細な考察は、例えば、Altschulら(1990) J. Mol. Biol. 215:403~10頁に見出すことができる。
【0374】
国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)基本ローカルアラインメント検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)(BLAST(商標); Altschulら(1990))は、いくつかの配列分析プログラムに関連して使用するために、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(メリーランド州、ベゼスダ)を含むいくつかの供給源から、及びインターネットで入手可能である。このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法の説明は、BLAST(商標)の「ヘルプ」の節のもとでインターネットで入手可能である。核酸配列の比較のために、BLAST(商標)の「BLAST2配列」機能(Blastn)プログラムを、デフォルトパラメーターを使用して利用できる。参照配列に対して更に大きな類似性を有する核酸配列は、この方法によって評価される場合に同一性パーセンテージの増大を示す。通常、配列同一性パーセンテージは、配列の長さ全体にわたって算出される。
【0375】
例えば、グローバル最適アラインメントは、適宜、以下のスコアリングパラメーターを用いてNeedleman-Wunschアルゴリズムによって見出される:マッチスコア:+2、ミスマッチスコア:-3、ギャップペナルティー:ギャップオープン5、ギャップ伸長2。得られた最適グローバルアラインメントの同一性パーセンテージは、適宜、アラインされた塩基の数の、アラインメントの長さ全体に対する比によって算出され、アラインメントの長さは、マッチとミスマッチの両方を含み、100が掛けられる。
【0376】
「転写因子結合部位」(TFBS)という用語は、当技術分野で周知である。TFBS配列は、意図される転写因子(TF)によって結合される限り改変されてもよいということは当業者には明らかであろう。本明細書で開示される種々のTFBSのコンセンサス配列は、当技術分野で公知であり、当業者ならば、この情報を容易に使用して、代替TFBSを決定できる。更に、所与の推定配列に結合する能力は、当業者によって実験的に(例えば、EMSA及び当技術分野で周知であり、本明細書において論じられる他のアプローチによって)容易に決定できる。
【0377】
「コンセンサス配列」の意味は、当技術分野で周知である。本出願では、文脈が別に示さない限り、コンセンサス配列には以下の表示法が使用される。以下の例示的DNA配列を考えると:
A[CT]N{A}YR
【0378】
Aは、Aが常にその位置に見出されることを意味する、[CT]は、その位置でのC又はTのいずれかを表す、Nは、その位置での任意の塩基を表す、{A}は、Aを除く任意の塩基がその位置で見出されることを意味する。Yは、任意のピリミジンを表し、Rは、任意のプリンを示す。
【0379】
本出願において「合成」とは、自然界では生じない核酸分子を意味する。本発明の合成核酸は、人工的に、通常、組換え技術又はde novo合成によって生成される。このような合成核酸は、天然に存在する配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロン及び他のこのような調節配列)を含有する場合があるが、これらは天然に存在しない状況で存在する。例えば、合成遺伝子(又は遺伝子の部分)は通常、自然界では連続ではない1つ又は複数の核酸配列を含有する(キメラ配列)、及び/又は置換、挿入及び欠失及びそれらの組合せを包含する場合もある。
【0380】
「相補的」又は「相補性」とは、本明細書で使用される場合、2つの核酸配列のワトソン-クリック塩基対合を指す。例えば、配列5'-AGT-3'については、相補的配列3'-TCA-5'に結合する。2つの核酸配列間の相補性は、塩基の一部のみがその相補体に結合する「部分的」である場合も、配列中の全塩基がその相補的塩基に結合する場合には完全である場合もある。
【0381】
「投与」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒト又は動物身体中への生体異物の導入を指す。投与は、例えば、静脈内、動脈内又は頭蓋内であり得る。
【0382】
本出願において「トランスフェクション」とは広く、細胞中に核酸を計画的に導入する任意のプロセスを指し、ウイルス及び非ウイルスベクターの導入を対象とし、形質転換、形質導入並びに同様の用語及びプロセスを含む又はそれと同等である。例として、それだけには限らないが、ウイルスベクターを用いるトランスフェクション、プラスミドベクターを用いる形質転換、エレクトロポレーション(Frommら(1986) Nature 319:791~3頁)、リポフェクション(Feignerら(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413~7頁)、マイクロインジェクション(Muellerら(1978) Cell 15:579~85頁)、アグロバクテリウム媒介性導入(Fraleyら(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803~7頁)、直接DNA取り込み、ウィスカー媒介性形質転換及び微粒子銃(Kleinら(1987) Nature 327:70)が挙げられる。
【0383】
本明細書で使用される場合、「導入遺伝子」という語句は、外因性核酸配列を指す。一例では、導入遺伝子は、産業的に又は薬学的に有用な化合物をコードする遺伝子又は望ましい形質をコードする遺伝子である。更に別の実施例では、導入遺伝子は、アンチセンス核酸配列等の有用な核酸をコードし、アンチセンス核酸配列の発現は、標的核酸配列の発現を阻害する。導入遺伝子は、好ましくは、治療用産物、例えば、タンパク質をコードする。
【0384】
「ベクター」という用語は、当技術分野で周知であり、本明細書で使用される場合、本発明に従う核酸配列が挿入されている可能性がある核酸分子、例えば、二本鎖DNAを指す。ベクターは、挿入された核酸分子を適した宿主細胞中に輸送するために、適宜使用される。ベクターは通常、挿入核酸分子の転写を、好ましくは、転写物のポリペプチドへの翻訳を可能にする必要なエレメントのすべてを含有する。ベクターは通常、ひとたびベクターが宿主細胞中にあると、ベクターが宿主染色体DNAと独立に、又は宿主染色体DNAと同時に複製でき、ベクターのいくつかのコピー及びその挿入された核酸分子が生成されるように必須のエレメントのすべてを含有する。本発明のベクターは、エピソームベクター(すなわち、宿主細胞のゲノム中に組み込まれない)である場合も、宿主細胞ゲノム中に組み込まれるベクターである場合もある。この定義には、非ウイルス及びウイルスベクターの両方が含まれる。非ウイルスベクターとして、それだけには限らないが、プラスミドベクター(例えば、pMA-RQ、pUCベクター、bluescriptベクター(pBS)及びpBR322又は細菌配列(ミニサークル)を欠くそれらの誘導体)、トランスポゾンベースのベクター(例えば、PiggyBac(PB)ベクター又はSleeping Beauty(SB)ベクター)等が挙げられる。より大きな挿入部分を収容するために、人工染色体(細菌(BAC)、酵母(YAC)又はヒト(HAC))等のより大きなベクターが使用され得る。ウイルスベクターは、ウイルスに由来し、それだけには限らないが、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルスベクター等を含む。必ずしもではないが通常は、ウイルスベクターは、複製に必須のウイルス遺伝子がウイルスベクターから排除されているため、それらが所与の細胞において増殖する能力を喪失しているので、複製欠損性である。しかし、一部のウイルスベクターはまた、所与の細胞、例えば、がん細胞等において特異的に複製するよう適応させることができ、通常、(がん)細胞特異的(腫瘍)溶解を引き起こすために使用される。ビロソームは、ウイルス及び非ウイルスエレメントの両方を含むベクターの限定されない例であり、特に、それらは、リポソームを不活化HIV又はインフルエンザウイルスと組み合わせる(Yamadaら、2003)。別の例は、カチオン性脂質と混合されたウイルスベクターを包含する。
【0385】
「作動可能に連結された」、「作動可能に接続された」という用語又は同等の表現は、本明細書で使用される場合、エレメントが機能的に接続され、意図される方法で互いに相互作用できるような、互いに対する種々の核酸エレメントの配置を指す。このようなエレメントとして、プロモーター、CRE(例えば、エンハンサー又は他の調節エレメント)、プロモーターエレメント、ポリアデニル化配列、1つ又は複数のイントロン及び/又はエクソン並びに発現されるべき目的の遺伝子のコード配列が挙げられるが、それに限定されない。核酸配列エレメントは、適切に配向される又は作動可能に連結される場合に、一緒に作用して、互いの活性をモジュレートする、最終的には発現産物の発現のレベルに影響を及ぼす場合もある。モジュレートするとは、特定のエレメントの活性のレベルを増大、減少又は維持することを意味する。他のエレメントに対する各エレメントの位置は、各エレメントの5'末端及び3'末端又は別のエレメント若しくは部分(例えば、TSS又はプロモーターエレメント)の上流若しくは下流のその位置の観点で表すことができ、任意の特定のエレメント間の距離は、エレメントの間の介在するヌクレオチド又は塩基対の数によって言及することができる。当業者によって理解されるように、作動可能に連結されたとは、機能活性を暗示し、必ずしも天然の位置的連結と関連しない。実際、核酸発現カセット中で使用される場合には、CREは通常、プロモーターエレメントのすぐ上流に位置する(これは一般的な場合であるが、核酸発現カセット内の位置の制限又は除外として明確に解釈されるべきではない)が、in vivoではそうである必要はなく、例えば、その転写が影響を受ける遺伝子の下流に天然に存在する調節エレメント配列が、プロモーターの上流に位置する場合と同一方法で機能できる。したがって、特定の具体例によれば、調節エレメントの調節又は増強効果は、位置に依存しない場合がある。
【0386】
「スペーサー配列」又は「スペーサー」とは、本明細書で使用される場合、2つの機能的核酸配列(例えば、TFBS、CRE、CRM、プロモーターエレメント等)を分ける核酸配列である。それは、機能的核酸配列(例えば、シス調節エレメント)が望まれるように機能するのを妨げない限り(例えば、これはサイレンサー配列を含む場合に起こる可能性があり、所望の転写因子又はそのようなものの結合を妨げる)、本質的に任意の配列を有し得る。通常、隣接する機能的核酸配列を互いから距離をあけて配置するためだけにその中に存在するので、非機能的である。一部の実施形態では、スペーサーは、75、50、40、30、30又は10ヌクレオチド又はそれより短い長さを有し得る。
【0387】
「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、当技術分野と一致しており、医薬組成物の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないことを意味する。
【0388】
「治療上有効量」及び同様の語句は、例えば、NSにおいて治療用遺伝子を発現させる、所望の特定の薬理学的効果を提供する、対象における用量又は血漿中濃度を意味する。治療上有効量は、本明細書で記載される状態の処置において常に有効ではない場合もあるが、このような投与量は、当業者によって治療上有効量であると見なされる。治療上有効量は、投与経路及び投与形、対象の年齢及び体重並びに/又は処置されている疾患若しくは状態に基づいて変わり得る。
【0389】
「AAVベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、当技術分野で周知であり、一般に、種々の核酸配列を含むAAVベクター核酸配列を指す。AAVベクターとは、本明細書で使用される場合、通常、ベクターの一部としてAAV起源のものではない異種核酸配列を含む。この異種核酸配列は、通常、本明細書で開示されるようなプロモーター並びに細胞の遺伝的形質転換のための目的の他の配列を含む。一般に、異種核酸配列は、少なくとも1つの、一般に、2つのAAV逆方向末端反復配列配列(ITR)に隣接する。「AAVビリオン」又は「AAVウイルス」又は「AAVウイルス粒子」又は「AAVベクター粒子」とは、少なくとも1つのAAVカプシドポリペプチド(バリアントAAVカプシドポリペプチド及び非バリアント親カプシドポリペプチドの両方を含む)及びカプシド形成されたポリヌクレオチドAAVベクターから構成されるウイルス粒子を指す。粒子が異種核酸(すなわち、野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド、例えば、哺乳動物細胞へ送達されるべき導入遺伝子)を含む場合には、「AAVベクター粒子」又は簡単に「AAVベクター」と呼ばれる場合もある。したがって、AAVビリオン又はAAV粒子の生成は、AAVベクターの生成を必ず含むが、これは、このようなベクターがAAVビリオン又はAAV粒子内に含有されるからである。ITRは、Table 1(表1)に列挙された血清型のいずれかから選択される、カプシドと同一の血清型に由来する場合もあれば、カプシドとは異なる血清型に由来する場合もある。AAVベクターは、通常、1つより多くのITRを有する。限定されない例では、AAVベクターは、2つのITRを含むウイルスゲノムを有する。一実施形態では、ITRは、互いと同一の血清型のものである。別の実施形態では、ITRは、異なる血清型のものである。限定されない例には、カプシドと同一の血清型を有するITRのうち0、1つ又は両方が含まれる。独立に、各ITRは、約100~約150ヌクレオチドの長さであり得る。ITRは、約100~105ヌクレオチドの長さ、106~110ヌクレオチドの長さ、111~115ヌクレオチドの長さ、116~120ヌクレオチドの長さ、121~125ヌクレオチドの長さ、126~130ヌクレオチドの長さ、131~135ヌクレオチドの長さ、136~140ヌクレオチドの長さ、141~145ヌクレオチドの長さ又は146~150ヌクレオチドの長さであり得る。一実施形態では、ITRは、140~142ヌクレオチドの長さである。ITR長の限定されない例は、102、105、130、140、141、142、145ヌクレオチドの長さである。
【0390】
本明細書で使用される場合、「マイクロRNA」という用語は、それだけには限らないが、内因性マイクロRNA及び人工マイクロRNA(例えば、合成miRNA)を含む任意の種類の干渉RNAを指す。内因性マイクロRNAは、mRNAの生成的利用を調節可能なゲノム中に天然にコードされる小さいRNAである。人工マイクロRNAは、mRNAの活性を調節可能な、内因性マイクロRNA以外の任意の種類のRNA配列であり得る。マイクロRNA配列は、これらの配列のうち任意の1つ又は複数から構成されるRNA分子であり得る。マイクロRNA(又は「miRNA」)配列は、Limら、2003、Genes & Development、17、991~1008頁、Limら、2003、Science、299、1540、Lee及びAmbrose、2001、Science、294、862、Lauら、2001、Science 294、858~861頁、Lagos-Quintanaら、2002、Current Biology、12、735~739頁、Lagos-Quintanaら、2001、Science、294、853~857頁並びにLagos-Quintanaら、2003、RNA、9、175~179頁等の刊行物に記載されている。マイクロRNAの例として、大きなRNAの任意のRNA断片が挙げられ、又はmiRNA、siRNA、stRNA、sncRNA、tncRNA、snoRNA、smRNA、shRNA、snRNA若しくは他の小さい非コーディングRNAがある。例えば、米国特許出願第20050272923号、同20050266552号、同20050142581号及び同20050075492号を参照されたい。「マイクロRNA前駆体」(又は「プレmiRNA」)とは、マイクロRNA配列が組み込まれたステム-ループ構造を有する核酸を指す。「成熟マイクロRNA」(又は「成熟miRNA」)には、マイクロRNA前駆体(「プレmiRNA」)から切断された、又は合成された(例えば、細胞不含合成によって実験室で合成された)マイクロRNAが含まれ、約19ヌクレオチド~約27ヌクレオチドの長さを有し、例えば、成熟マイクロRNAは、19nt、20nt、21nt、22nt、23nt、24nt、25nt、26nt又は27ntの長さを有し得る。成熟マイクロRNAは、標的mRNAに結合し、標的mRNAの翻訳を阻害できる。
【0391】
「処置」又は「処置すること」という用語は、疾患又は状態の1つ又は複数の症候、症状又は作用を低減すること、寛解すること又は排除することを指す。「処置」は、本明細書で使用される場合、したがって、哺乳動物における、特に、ヒトにおける疾患の任意の処置を含み、(a)疾患にかかりやすい、又は疾患を獲得するリスクにあるが、それを有するとまだ診断されていない対象において疾患が生じるのを防ぐこと、(b)疾患を阻害すること、すなわち、その発生を停止すること、及び(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の退縮を引き起こすことを含む。
【0392】
対象への薬剤の「投与」は、その意図された機能を発揮するための対象への薬剤の任意の導入又は送達経路を含む。投与は、経口的、鼻腔内に、眼内に、点眼によって、非経口的に(血管内に、筋肉内に、腹膜内に又は皮下に)又は局所的にを含めて任意の適した経路によって実施できる。投与は、自己投与及び他者による投与を含む。静脈内又は動脈内投与は、本発明において特に興味深い。
【0393】
「個体」、「対象」及び「患者」という用語は、同義的に使用され、処置を必要とする疾患又は状態を有する任意の個々の対象を指す。本開示の目的上、対象は、霊長類、好ましくは、ヒト又は別の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヤギ又はウシ等であり得る。
【0394】
「領域において、又は組織において特異的に活性である」という用語は、その領域又は組織において優勢に活性である、すなわち、その領域又は組織において、他の領域又は組織においてよりも活性であるプロモーターを指す。
【実施例1】
【0395】
配列情報
【0396】
【0397】
【0398】
【0399】
【0400】
【0401】
【0402】
【0403】
【0404】
【0405】
【0406】
【0407】
【0408】
【0409】
【0410】
【0411】
【実施例2】
【0412】
本発明に従う合成NS特異的プロモーターを、NS細胞において高度に活性である遺伝子及びそのそれぞれのプロモーターを同定するために科学文献を精査することによって設計した。
【0413】
これらのプロモーターの設計の際に、既知NS特異的プロモーターの特定の欠点が考慮された。まず最初に、NS細胞種に特異的な公知のNS特異的プロモーター(例えば、シナプシン-1、CAMKIIa及びGFAP)は、全細胞集団で発現されない(例えば、すべてのニューロン/星状細胞において発現されない)。これは、(Zhangら、2019)によってGFAPについて示されており、Allen脳アトラスからのニューロンにおけるSyn-1の分布から見ることができる。第2に、既知CRE、プロモーターエレメント及びプロモーターの大部分は大きすぎて、自己相補性AAVベクター(scAAV)中に含めることができない(導入遺伝子のサイズに応じて、プロモーターのサイズは、1000bp未満、好ましくは、900bp未満、より好ましくは、800bp未満、最も好ましくは、700bp未満である必要がある場合がある)。更に、NS全体、適宜、CNS全体又は脳全体にわたって特定の細胞種又は細胞種の組合せにおいて、発現が必要である場合がある。
【0414】
現在知られているプロモーターは、これらの欠点に対処できず、遺伝子療法では、標的化される局在化した発現とNS全体にわたる発現の両方を備えた、短い、細胞種NS特異的プロモーターを開発する必要がある。例えば、NS全体(例えば、脳全体)にわたる発現の必要性は、
図1A及び
図1Bにおいて示される成体マウス脳におけるHTT(ハンチンチン)及びCYP46A1遺伝子の発現パターンによって強調される。HTT(ハンチンチン)遺伝子は、脳全体で発現されるので、脳全体で発現されることは、欠陥のあるハンチンチン遺伝子を抑制する、及び/又は欠陥のあるハンチンチンの有害な作用に対抗する、若しくはそれを軽減する任意の潜在的発現産物にとって有益であり得る。同様に、CYP46A1遺伝子は脳全体で発現されるので、任意の潜在的な補充性CYP46A1発現について脳全体であることは有益であり得る。
【0415】
CNS全体にわたるすべてのニューロン並びに星状細胞及び/又はオリゴデンドロサイトにおける遺伝子発現は、ハンチントン舞踏病等の一部の疾患の処置において望ましいものであり得る。グリア細胞はハンチントン舞踏病に関与しているので(Shinら、2005)、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおける発現は有益であり得る。更に、治療設定では、YAC128マウスモデルにおいて行動表現型をレスキューするためのAAV-RNAi媒介性HTT低下治療薬に関して、星状細胞形質導入が必要であることがわかった(Stanek, Bu及びShihabuddin、2019)。
【0416】
したがって、本発明は、上記で収載された欠点の一部に対処しながら、複数のNS細胞種において活性であるタンデムNSプロモーターを設計することに着手する。例えば、プロモーター設計は、複数のNS細胞種において活性であるプロモーターを作出するために個々のCRE/プロモーターエレメントと比較して細胞指向性を広げるために、また全細胞集団において発現されていない既知プロモーターの弱点に対処するために、1つ又は複数のCREとプロモーターエレメントとの組合せを含んでいた。更に、大きすぎて、自己相補性AAVベクター(scAAV)等のAAVベクター中に含めることができない既知CRE、プロモーターエレメント及びプロモーターの弱点に対処するために、本発明のCRE及びプロモーターエレメントの一部を、生物情報学的分析、文献検索及び公的に利用可能なゲノムデータベースを使用して短縮したが、依然として活性なCRE及びプロモーターエレメントであることが予測される。例えば、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)及びCRE0007_GFAP(配列番号20)が短縮されたが、プロモーターエレメントに作動可能に連結された場合に星状細胞特異的活性を付与する活性な調節配列であると予測される。同様に、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)及びCRE0002_S100B(配列番号24)が短縮されたが、プロモーターエレメントに作動可能に連結された場合に星状細胞特異的及びオリゴデンドロサイト特異的活性を付与する活性な調節配列であると予測される。本発明に従うNS特異的CREは、好ましくは、短縮されている、すなわち、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0009_S100B(配列番号23)及びCRE0002_S100B(配列番号24)。これらは、その短いサイズ及び予測されるNS特異的活性のために特に好ましいCREである。更に、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)は、短縮されているが、ニューロン細胞において活性な調節配列であると予測される。最後に、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)は、短縮されているが、ニューロン細胞において活性な調節配列であると予測される。本発明に従うプロモーターエレメントは、好ましくは、短縮されている、すなわち、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0013_SYN1_mp(配列番号32)は、その短いサイズ及び予測されるニューロン活性のために特に好ましいプロモーターエレメントである。
【0417】
本発明に従う合成NS特異的プロモーターを、CYP46A1導入遺伝子及びヒトインフルエンザ血球凝集素(HA)タグをコードする核酸配列に作動可能に連結し、野生型C57BL6/Jマウスにおいて実験的に試験する。CYP46A1導入遺伝子及びHAタグをコードする核酸配列に作動可能に連結された本発明に従う合成NS特異的プロモーターをウイルスベクター中で静脈内投与する。ベクターコピー数を、同等な注射用量を確認するために内部ゲノムDNAコピー数対照に対して正規化されたウイルス導入遺伝子CYP46A1のqPCR分析によって脳及び脊髄組織切片において評価する。ウエスタンブロットを実施して、脳及び脊髄組織においてHAタグ付き導入遺伝子のタンパク質発現を評価する。最後に、脳及び脊髄組織切片で免疫蛍光染色を実施して、CNS細胞種内の導入遺伝子の発現を評価する。同様に、PNS組織切片で免疫蛍光染色を実施して、PNS細胞種内の導入遺伝子の発現を評価できる。具体的には、HAタグを使用して二重染色を実施して、ニューロン、星状細胞、オリゴデンドロサイト及びミクログリアについてCYP46A1遺伝子発現及び標準マーカーをマークする。
【0418】
SP0013(配列番号1)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0014(配列番号2)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0026(配列番号3)は、興奮性ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0027(配列番号4)は、興奮性ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0030(配列番号5)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0031(配列番号6)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0032(配列番号7)は、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0033(配列番号8)は、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0019(配列番号9)は、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0020(配列番号10)は、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0021(配列番号11)は、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0022(配列番号12)は、ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0028(配列番号13)は、興奮性ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0029(配列番号14)は、興奮性ニューロン、星状細胞及びオリゴデンドロサイトにおいて活性であると予測される。SP0011(配列番号33)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0034(配列番号34)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0035(配列番号35)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。SP0036(配列番号36)は、ニューロン及び星状細胞において活性であると予測される。
【0419】
RNAシーケンシングデータの生物情報学的分析によって、本発明のCRE及び/又はプロモーターエレメントと関連する遺伝子の一部が(aqp4、cend1、eno2、gfap、s100B、syn1)、後根神経節及び脛骨神経において発現されることが予測される。したがって、これらの遺伝子と関連するCRE及び/又はプロモーターエレメントは、PNSの細胞において発現されると予測される。CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0002_S100B(配列番号24)、CRE0005_GFAP(配列番号19)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0009_S100B(配列番号23)、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0006_AQP4(配列番号37)、CRE0008_AQP4(配列番号38)、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)及びCRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアントは、PNSの細胞において活性であると予測される。単細胞RNAシーケンシングデータの生物情報学的分析によって、本発明のCRE及び/又はプロモーターエレメントと関連する遺伝子の一部(aqp4、cend1、eno2、gfap、s100B、syn1)は、感覚ニューロン、PNS交感ニューロン及びPNS腸ニューロンにおいて発現されることが予測される。したがって、これらの遺伝子と関連するCRE及び/又はプロモーターエレメントは、感覚ニューロン、PNS交感ニューロン及びPNS腸ニューロンにおいて発現されると予測される。CRE0001_S100B(配列番号22)、CRE0002_S100B(配列番号24)、CRE0005_GFAP(配列番号19)、CRE0007_GFAP(配列番号20)、CRE0009_S100B(配列番号23)、CRE0006_GFAP(配列番号27)、CRE0008_GFAP(配列番号28)、CRE0006_AQP4(配列番号37)、CRE0008_AQP4(配列番号38)、CRE0003_CEND1_mp(配列番号25)、CRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0001_CEND1_mp(配列番号29)、CRE0002_CEND1_mp(配列番号30)、CRE0008_SYN1_mp(配列番号31)、CRE0013_SYN1_mp(配列番号32)、CRE0016_Eno2_mp(配列番号40)及びCRE0004_GFAP_mp(配列番号41)又はその機能的バリアントは、感覚ニューロン、PNS交感ニューロン及び/又はPNS腸ニューロンにおいて活性であると予測される。
【実施例3】
【0420】
本発明に従うCRE、CRM、プロモーターエレメント又は合成NS特異的プロモーターのNSにおける活性を評価するために、本発明に従う合成NS特異的プロモーター又はCRE、CRM、プロモーターエレメントを含む合成NS特異的プロモーターを、リポーター遺伝子(GFP等)に作動可能に連結することが望ましい。上記のものを含む発現構築物を、動物(マウス又はラット等)においてCNSを透過するウイルスベクター中で、静脈内投与する。一定期間(1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月等)後、動物を屠殺する。動物のCNS及びPNSを処理して組織切片にし、免疫染色(蛍光及び比色)を実施して、CNS及びPNS全体にわたって、及び様々なCNS及びPNS細胞種においてリポーターの発現を評価できる。定量化が必要な場合は、CNS及びPNS組織でリポーターのウエスタンブロットを実施する。これらの技術を実施することは、日常的であり、公知である。
【実施例4】
【0421】
CYP46A1遺伝子を安定に組み込むように操作されているPro10/HEK293細胞からウイルスベクターを製造する方法が、本明細書において記載される。
【0422】
安定細胞株である、米国特許第9,441,206号に記載されるようなPro10/HEK293は、AAVベクターのスケーラブルな生成にとって理想的である。この細胞株を、配列番号1~14、33~36のいずれか1つに従うNS特異的プロモーター又はそのバリアントに作動可能に連結されたCYP46A1遺伝子を含む発現ベクターと接触させることができる。当技術分野で周知の方法を使用して、そのゲノム中に組み込まれたCYP46A1を有するクローン集団を選択する。
【0423】
CYP46A1遺伝子を安定に包含するPro10/HEK293細胞を、Rep2及び血清型特異的Cap2をコードするパッケージングプラスミド:AAV-Rep/Cap並びにAd-ヘルパープラスミド(XX680:アデノウイルスヘルパー配列をコードする)を用いてトランスフェクトする。
【0424】
トランスフェクション。トランスフェクションの当日、ViCell XR Viability Analyzer(Beckman Coulter)を使用して細胞をカウントし、トランスフェクションのために希釈する。トランスフェクションカクテルを混合するために、コニカルチューブに以下の試薬をこの順序で加える:プラスミドDNA、OPTIMEM(登録商標)I(Gibco)又はOptiPro SFM(Gibco)又は他の血清不含適合性トランスフェクション媒体、次いで、プラスミドDNAに対して指定の比率のトランスフェクション試薬。カクテルを反転して混合し、その後、室温でインキュベートする。トランスフェクションカクテルをピペットでフラスコ中に入れ、振盪機/インキュベーター中に戻す。すべての最適化研究を30mLの培養容積で実施し、続いて、より大きな培養容積で検証する。48時間のトランスフェクション後、細胞を回収する。
【0425】
ウェーブバイオリアクターシステムを使用するrAAVの生成。トランスフェクションの2日前にウェーブバッグに播種する。ウェーブバッグに播種した2日後、トランスフェクション前に、細胞培養物のカウントをとり、次いで、細胞培養物を拡大増殖/希釈する。次いで、ウェーブバイオリアクター細胞培養物にトランスフェクトする。少なくともトランスフェクションの48時間後に、ウェーブバイオリアクターバッグから細胞培養物を回収する。
【0426】
力価:AAV力価は、標準曲線(AAV ITR特異的)及びCYP46A1遺伝子に特異的なプライマーに対してqPCRを使用してDNアーゼ消化後に算出する。
【0427】
振盪フラスコ及び60のウェーブバイオリアクターバッグからの懸濁細胞の回収。トランスフェクションの48時間後、細胞培養物を、振盪フラスコから注ぎ入れること又はウェーブバイオリアクターバッグからポンプで入れることのいずれかによって500mLのポリプロピレンコニカルチューブ(Corning)中に収集する。次いで、細胞培養物を、Sorvall RC3Cプラス遠心機及びH6000Aローターを使用して655xgで10分間遠心分離する。上清を廃棄し、細胞を1xPBSに再懸濁し、50mLのコニカルチューブに移し、655xgで10分間遠心分離する。この時点で、ペレットをNLT -60℃で保存してもよく、精製をし続けもよい。
【0428】
qPCRを使用する細胞溶解物から得たrAAVの力価測定。10mLの細胞培養物を回収し、Sorvall RC3Cプラス遠心機及びH6000Aローターを使用して655xgで10分間遠心分離する。細胞ペレットから上清をデカントする。次いで、細胞ペレットを、5mLのDNアーゼバッファー(5mM CaCl2、5mM MgCl2、50mM Tris-HCl pH8.0)に再懸濁し、続いて、超音波処理して、細胞を効率的に溶解する。次いで、300μLを回収し、1.5mLのマイクロチューブ中に入れる。次いで、140ユニットのDNアーゼIを各サンプルに加え、37℃で1時間インキュベートする。DNアーゼ消化の有効性を判定するために、4~5mgのCYP46A1プラスミドを、DNアーゼを加えた及び加えていない非トランスフェクト細胞溶解物中に添加する。50μLのEDTA/サルコシル溶液(6.3%サルコシル、62.5mMのEDTA pH8.0)を各チューブに加え、70℃で20分間インキュベートする。次いで、50μLのプロテイナーゼK(10mg/mL)を加え、55℃で少なくとも2時間インキュベートする。サンプルを15分間煮沸して、プロテイナーゼKを不活性化する。各サンプルから、qPCRによって分析されるべきアリコートを回収する。2回のqPCR反応を実施して、細胞あたりどれほど多くのrAAVベクターが生じたかを効率的に決定する。1回のqPCR反応は、プラスミドXX680の骨格上の相同配列、pXR2及びCYP46A1に結合するように設計されたプライマーのセットを使用して設定する。第2のqPCR反応は、CYP46A1遺伝子内の領域に結合し、増幅するためのプライマーのセットを使用して設定する。Roche製のSybr緑色試薬及びLight cycler 480を使用してqPCRを実施する。サンプルを95℃で10分間変性させ、続いて、45サイクル(90℃で10秒、62℃で10秒及び72℃で10秒)及び融解曲線(1サイクル99℃で30秒、65℃で1分間継続)を行う。
【0429】
粗溶解物からのrAAVの精製。各細胞ペレットを、10mLの最終容量に調整する。ペレットを短時間ボルテックス処理し、1秒オン、1秒オフバーストで30%の収率で4分間超音波処理する。超音波処理後、550UのDNアーゼを加え、37℃で45分間インキュベートする。次いで、Sorvall RCSBプラス遠心機及びHS-4ローターを使用してペレットを9400xgで遠心分離して、細胞片をペレットにし、清澄化された溶解物をType70Ti遠心管(Beckman 361625)に移す。rAAVの単離のための懸濁HEK293細胞の回収及び溶解に関して、当業者は、機械的方法として顕微溶液化等又は界面活性剤等の化学的方法等、それに続いて、深層濾過又は接線流濾過(TFF)を使用する清澄化工程を使用できる。
【0430】
AAVベクター精製。当業者は承知しているであろう、またその全文で参照により本明細書に組み込まれる、以下の原稿(Allayら、Davidoffら、Kaludovら、Zolotukhinら、Zolotukinら等)に記載されているように、清澄化されたAAV溶解物を、カラムクロマトグラフィー法によって精製する。
【実施例5】
【0431】
プロモーターのin vitro試験
本発明に従うNS特異的プロモーターの選択を、神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞において試験した。
【0432】
材料及び方法
細胞維持及びトランスフェクション
SH-SY5Y細胞を、1mMのL-グルタミン(Gibco 11765-054)、15%の熱不活化FBS(ThermoFisher 10500064)、1%の非必須アミノ酸(Merck M1745-100ML)及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisher 15140122)を有するHAM F12培地で培養した。細胞を1:3から1:4の間で週に2回継代して、70~80%の間の健常な細胞密度を維持した。細胞を継代数20未満で維持した。トランスフェクションのために、細胞を105個細胞/ウェルで接着性48ウェルプレート中に播種した。播種の24時間後、Lipofectamine3000試薬(ThermoFisher L3000008)を使用して300ngのプラスミドを細胞中にトランスフェクトした。
【0433】
SHSY5Y細胞株中にトランスフェクトされたプラスミドは、GFPに作動可能に連結したSP0013、SP0014、SP0030、SP0031、SP0032、SP0019、SP0020、SP0021、SP0033、SP0011、SP0034、SP0035又はSP0036を含む。
【0434】
フローサイトメトリー
トランスフェクションの48時間後、SH-SY5Y細胞をPBSで洗浄し、その後、0.05%トリプシンを用いて解離させた。細胞を収集し、90%のPBS、10%のFBS溶液に再懸濁した。細胞のGFP発現を、Attune Nxt音響集束サイトメーターを使用するフローサイトメトリーによって評価した。細胞生存色素7-AAD(ThermoFisher 00-6993-50)を対照細胞集団と混合して、死細胞を同定し、排除した。バンド-パスフィルター510/10nmで青色488nmレーザーを使用して、生存している単細胞集団においてGFPの発現を測定した。非トランスフェクト細胞を使用して、GFP陰性及びGFP陽性細胞のゲートを設定した。Attune Nxtソフトウェアによって、GFP陽性単細胞の数及びすべてのGFP陽性細胞の中央値GFP蛍光を算出した。
【0435】
結果
この実験の結果は、
図2A及び2Bに示されている。GFPに作動可能に連結したSP0013、SP0014、SP0030、SP0031、SP0032、SP0019、SP0020、SP0021、SP0022、SP0011、SP0034、SP0035又はSP0036を含む発現カセットをトランスフェクトされた神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞を、フローサイトメトリーによって中央値GFP発現及びGFP陽性細胞のパーセンテージについて評価した。GFPに作動可能に連結した既知プロモーターシナプシン-1及びCAGを含む発現カセットを対照として使用した。すべての試験したプロモーターは、ニューロン特異的対照プロモーターシナプシン-1に対して匹敵するトランスフェクション効率及び中央値GFP発現を有する(
図2A及び2Bを参照されたい)。対照プロモーターCAGは、対照プロモーターシナプシン-1及び試験した合成NS特異的プロモーターと比較して、2~3倍高いトランスフェクション効率(
図2B)及びおよそ2.5高い中央値GFP発現を示した(
図2A)。
【0436】
合成NS特異的プロモーターSP0028(配列番号13)は、両方ともCRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0002_S100B(配列番号24)を含むので、合成NS特異的プロモーターSP0019(配列番号9)と同様の設計である。これらのエレメントに加えて、SP0028(配列番号13)は、CRE0012_Arc(配列番号21)を更に含む。従って、SP0028(配列番号13)は、SP0019(配列番号9)と同様の性能を示すと予測できる。
【0437】
合成NS特異的プロモーターSP0029(配列番号14)は、両方ともCRE0009_SYN1_mp(配列番号26)、CRE0002_S100B(配列番号24)を含むので、合成NS特異的プロモーターSP0021(配列番号11)と同様の設計である。これらのエレメントに加えて、SP0029(配列番号14)は、CRE0012_Arc(配列番号21)を更に含む。従って、、SP0029(配列番号14)は、SP0021(配列番号11)と同様の性能を示すと予測できる。
【0438】
合成NS特異的プロモーターSP0026(配列番号3)は、両方ともCRE0003_CEND1_mp(配列番号25)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含むので、合成NS特異的プロモーターSP0013(配列番号1)と同様の設計である。これらのエレメントに加えて、SP0026(配列番号3)は、CRE0012_Arc(配列番号21)を更に含む。従って、SP0026(配列番号3)は、SP0013(配列番号1)と同様の性能を示すと予測できる。
【0439】
合成NS特異的プロモーターSP0027(配列番号4)は、両方ともCRE0009_SYN1_mp(配列番号26)及びCRE0005_GFAP(配列番号19)を含むので、合成NS特異的プロモーターSP0014(配列番号2)と同様の設計である。これらのエレメントに加えて、SP0027(配列番号4)は、CRE0012_Arc(配列番号21)を更に含む。従って、SP0027(配列番号4)は、SP0014(配列番号2)と同様の性能を示すと予測できる。
【0440】
合成NS特異的プロモーターSP0033(配列番号8)は、両方ともCRE0009_SYN1_mp(配列番号26)を含むので、SP0021(配列番号11)と同様の設計である。SP0033(配列番号8)は、SP0021(配列番号11)に含まれるCRE0002_S100B(配列番号24)のより短いバージョンである、CRE0009_S100B(配列番号23)を含む。したがって、SP0033(配列番号8)は、SP0021(配列番号11)のより短いバージョンであり、従って、同様の性能を示すと予測できる。
【0441】
参考文献
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【配列表】
【国際調査報告】