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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】コーヒー焙煎機
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/10 20060101AFI20230915BHJP
   A23N 12/12 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
A23N12/10
A23N12/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515011
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2021074720
(87)【国際公開番号】W WO2022053522
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】01111/20
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523076379
【氏名又は名称】ミカフィ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】mikafi GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosmattstrasse 43, 6005 Luzern Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディズラー, マリウス
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA01
4B061AB04
4B061AB06
4B061AB07
4B061AB08
4B061AB10
4B061BA09
4B061BB05
4B061BB17
4B061BB18
4B061BB19
4B061CD01
4B061CD03
4B061CD07
4B061CD12
4B061CD19
4B061CD30
(57)【要約】
コーヒー焙煎機(1)は、前壁(1112)を有するドラム(111)と、ドラム(111)の後壁(11111)を加熱するための熱風供給部(114)及びドラム加熱器(116)とを有する焙煎ユニット(11)、焙煎豆温度センサ(12a)を含むセンサ装置、及び受信した制御入力信号に依存して時間の関数として制御出力信号を自動的に生成し、所定の選択された焙煎プロファイルに従ってドラム(111)内部のコーヒー豆を焙煎するためにドラム加熱器(116)およびドラムロータ駆動部(113)の動作を制御する制御ユニット(13)、を含み、選択された焙煎プロファイルは、時間の関数としての所望の焙煎豆温度、目標焙煎豆温度、および目標焙煎豆色を含み、制御ユニット(13)は、ドラム(111)内部のコーヒー豆が目標焙煎豆温度を有するかで焙煎終了条件の満足を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆焙煎処理を実施するためのコーヒー焙煎機(1)であって、
a)- 熱伝導性の後壁(11111)を備えたドラム本体(1111)と、ドラム入口(11112)及びドラム出口(11113)を備えたドラム(111)であって、着脱可能な前壁(1112)をさらに備えるドラム(111)と、
- 前記ドラム(111)の内部に回転可能に配置されたドラムロータ(112)と、
- 前記ドラムロータ(112)と動作的に連結されているドラムロータ駆動部(113)と、
- 空気加熱器(1141)と特に供給ファンを含む正圧装置(1142)とを含み、前記ドラム(111)内に熱風を供給する、熱風供給部(114)と、
- 特に引き抜きファンを含む負圧装置(1151)を含み、前記ドラム(111)から排気を引き抜くための排気エア抜き装置(115)と、
- 前記後壁(11111)と熱的に結合されているドラム加熱器(116)と、
を含む焙煎ユニット(11)と、
b)前記ドラム(111)の内部に配置されたコーヒー豆の焙煎豆温度を測定し、焙煎豆温度信号を提供するように構成される、焙煎豆温度センサ(12a)を含むセンサ装置と、
c)前記コーヒー焙煎機(1)による前記コーヒー豆焙煎処理の実行を制御する制御ユニット(13)と、を含み、
前記制御ユニット(13)は、時間の関数としての制御入力信号を受信するように構成され、前記制御入力信号が前記焙煎豆温度信号を含み、
前記制御ユニット(13)は、前記制御入力信号に応じて時間の関数としての制御出力信号を自動的に生成するようにさらに構成され、前記制御出力信号がドラム加熱器制御信号、ドラムロータ駆動制御信号、および空気加熱器制御信号、および/または正圧装置制御信号のうちの少なくとも1つを含み、それによって、前記ドラム加熱器(116)、前記ドラムロータ駆動部(113)、並びに前記空気加熱器(1141)および/または前記正圧装置(1142)のうちの少なくとも1つの動作を制御して、所定の選択された焙煎プロファイルに従って前記ドラム(111)内部の前記コーヒー豆を焙煎し、
前記選択された焙煎プロファイルは、時間の関数としての所望の焙煎豆温度と、目標焙煎豆温度とを含み、前記制御ユニット(13)は、焙煎終了条件が満たされるかどうかを決定するように構成され、前記焙煎終了条件は、前記目標焙煎豆温度を有する前記ドラム(111)内の前記コーヒー豆を含む、
コーヒー焙煎機(1)。
【請求項2】
前記前壁(1112)が透明である、請求項1に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項3】
前記センサ装置が、
- 前記ドラム内に配置された前記コーヒー豆の焙煎豆色を測定し、焙煎豆色信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が前記焙煎豆色信号を含む、焙煎豆色センサ(12b)と、
- 前記後壁(11111)の後壁温度を測定し、後壁温度信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が前記後壁温度信号を含む、後壁温度センサ(12c)と。
- 前記ドラム(111)の内部のドラムエア温度を測定し、ドラムエア温度信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が前記ドラムエア温度信号を含む、ドラムエア温度センサ(12d)と、
- 前記ドラム(111)に供給される熱風の入口エア温度を測定し、入口エア温度信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が前記入口エア温度信号を含む、入口エア温度センサ(12f)と、
- 前記ドラム(111)から引き抜かれた空気の引き抜きエア湿度を測定し、エア湿度信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が前記エア湿度信号を含む、エア湿度センサ(12g)と、
- 前記ドラム(111)から引き抜かれた空気の空気圧を測定し、エア出口圧力信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が前記エア出口圧力信号を含む、エア出口圧力センサ(12h)と、
- 前記ドラム(111)に供給される熱風の空気圧力を測定し、入口エア圧力信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が入口エア圧力信号を含む、エア入口圧力センサ(12h2)と、
- 焙煎中の前記コーヒー豆の第1および/または第2の亀裂の発生を検出し、亀裂検出信号を提供するように構成され、前記制御入力信号が亀裂検出信号を含む、亀裂検出センサ(12e)と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項4】
前記制御出力信号は、負圧装置制御信号を含み、それによって前記負圧装置(1151)の動作を制御する、請求項1乃至3のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項5】
前記後壁(11111)が、前記ドラム加熱器(116)と熱的に接触する誘導加熱可能な外層と、アルミニウムのコア層と、食品グレードの内層と、を備えるサンドイッチとして実現される、請求項1乃至4のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項6】
前記ドラム入口(11112)を交互に開閉するように配置されるドラム入口シャッター(1114)をさらに含み、
前記選択された焙煎プロファイルは、選択された予備焙煎条件を含み、前記制御ユニット(13)は、
- 前記制御出力信号の一部として予備焙煎制御出力信号を生成し、
- 前記制御入力信号に基づいて、選択された予備焙煎条件が満たされたかどうかを判定し、前記選択された予備焙煎条件が満たされたときに前記ドラム入口(11112)を開くように前記ドラム入口シャッター(1114)を制御する、
ように構成される、請求項1乃至5のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項7】
前記ドラム出口(11113)を交互に開閉するように配置されるドラム出口シャッター(1115)をさらに含み、
前記制御ユニット(13)は、前記焙煎終了条件が満たされたときに前記ドラム出口(11113)を開くように前記ドラム出口シャッター(1115)を制御するように構成される、請求項1乃至6のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項8】
a) 冷却容器入口(1411)を有し、前記ドラム出口シャッター(1115)を介して前記ドラム出口(11113)に連結される冷却容器(141)と、
b) 冷却媒体供給源であって、内部冷却容器空間と流体的に結合されて冷却空気を前記冷却容器(141)内に供給する前記冷却エア供給部(144)、特に冷却ファン、及び/又は、前記冷却容器(141)内の前記コーヒー豆に冷却水を噴霧するように構成されるノズル構成を含む冷却水供給部(145)を含む冷却媒体供給源と、
を含む冷却ユニット(14)をさらに含む、請求項7に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項9】
前記冷却容器(141)は、前記ドラム(111)の内部ドラム空間と流体的に、特に流体密に結合され、それによって、前記冷却容器(141)から前記ドラム(111)への冷却空気の移送と、前記排気エア抜き装置(115)による前記ドラムからの前記冷却空気の回収とを可能にする、請求項8に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項10】
前記制御ユニット(13)は、冷却終了条件が満たされると、冷却が完了したことを決定するように構成され、
- 前記冷却ユニット(14)は、冷却豆温度センサ(12i)を含み、前記冷却豆温度センサ(12i)は、前記冷却容器の内部の前記コーヒー豆の冷却豆温度を測定するように構成され、前記冷却終了条件は、所定の目標冷却豆温度に達するか、またはそれを下回る冷却豆温度を含み、および/または
- 前記冷却ユニット(14)は、冷却豆色センサを含み、前記冷却豆色センサは、前記冷却容器の内部の前記コーヒー豆の冷却豆色を測定するように構成され、前記冷却終了条件は、所定の目標冷却豆色を仮定して冷却豆色を含む、請求項8又は9に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項11】
前記ドラムから引き出される前記排気の1つ以上の構成要素に触媒反応をするように構成される触媒装置(157b')を含む排気処理ユニット(15、15')をさらに含む、請求項1乃至10のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項12】
前記排気処理ユニット(15、15')は、前記触媒装置(157b')に対して流体的に上流に配置される排気加熱器(157a')と、前記触媒装置(157b')に対して流体的に下流に配置される排気冷却器(157c')と、を含む、請求項11に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項13】
特にサイクロン分離器を含むチャフ分離器(156、19)をさらに含む、請求項1乃至12のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項14】
前記チャフ分離器(156、19)内の火災を消火するように構成された消火器(194')をさらに含む、請求項13に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項15】
前記制御ユニット(13)は、焙煎プロセスの進行に応じて前記熱風の気流を変化させるように、前記正圧装置(1142)、特に供給ファンの回転速度を制御するように構成される、請求項1乃至14のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項16】
前記制御ユニット(13)は、遠隔コンピュータシステム(2)と動作可能に結合し、前記遠隔コンピュータシステム(2)から前記選択された焙煎プロファイルを受信するように構成される、請求項1乃至15のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項17】
前記制御ユニット(13)は、コーヒー豆焙煎プロセス中にセンサデータを取得して、取得されたセンサデータ及び/又は取得されたセンサデータから導出されたデータを前記遠隔コンピュータシステム(2)に送信するように構成される、請求項16に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項18】
a) 請求項16または17のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)と、
b) 複数の利用可能な焙煎プロファイルを記憶し、複数の利用可能な焙煎プロファイルから前記選択された焙煎プロファイルを選択するためのユーザ入力を受信し、前記選択された焙煎プロファイルを前記制御ユニット(13)に送信するように構成される、遠隔コンピュータシステム(2)と、
を含む、コーヒー焙煎システム。
【請求項19】
請求項1乃至17のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)および/または請求項18に記載のコーヒー焙煎システムを使用すること、を含むコーヒー豆を焙煎する方法および/またはコーヒーを抽出する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー焙煎機の分野、並びにコーヒー豆の焙煎に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー豆の焙煎は、複数のパラメータおよび影響因子に依存する非常に複雑なプロセスであることが知られており、一般にかなりの技能および経験を必要とする。コーヒー豆を焙煎するために、大型産業機器の形態のコーヒー焙煎機が知られており、広く使用されている。さらに、より小さなコーヒー焙煎機は、例えば1kgまたは数キログラムまでの少量のコーヒー豆を焙煎するために利用可能であり、例えば店舗およびいくつかの民間家庭で使用される。しかしながら、特に、これらのより小さいコーヒー焙煎機は、多くの場合に存在しない実質的なスキルを依然としてユーザに要求する傾向があり、満足のいく結果を提供するために、ユーザまたはオペレータによる実質的な注意をさらに必要とする。
【0003】
さらに、コーヒー焙煎機は、一般的に高温で臭いのある排気を生成し、良好に換気された環境での使用、および/または高価で費用のかかる排気処理を必要とする。さらに、焙煎後のコーヒー豆の冷却は、大抵満足のいくものでなく、最適以下の焙煎結果をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に、高品質の焙煎コーヒー豆を製造しながら、例えば、店舗、カフェテリア等での使用に適した小型のコーヒー焙煎機によるコーヒー焙煎に関する技術水準を改善することが、全体的な目的である。
【0005】
好ましくは、前述の問題および欠点のうちのいくつかまたは複数が、少なくとも部分的に克服される。いくつかの実施形態に存在するさらなる特定の利点は、それらのそれぞれの文脈において論じられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、全体的な目的は、コーヒー豆焙煎プロセスを実施するためのコーヒー焙煎機によって達成される。「コーヒー豆焙煎プロセス」という表現は、焙煎プロセス自体に加えて、さらなるプロセスまたは方法、特に、焙煎プロセス後のコーヒー豆の冷却、特に、冷却ユニットなどによる後処理、および/または排気の処理、ならびに、特に、排気処理ユニットによるチャフの除去、ならびに、生コーヒー豆の充填および焙煎コーヒー豆の除去も含み得る。「焙煎プロセス自体」という表現は、以下でさらに説明するように、ドラム内でコーヒー豆を焙煎することを直接指す。
【0007】
以下にさらに記載される冷却ユニットならびに排気処理ユニットは、コーヒー焙煎機の特定の実施形態および全体的な設計の文脈において、本明細書に記載されることに留意されたい。しかしながら、それらは、異なるデザインのコーヒー焙煎機の文脈においても使用され得る。対応する主題の別個の実行は、明示的に留保される。
【0008】
さらなる態様では、全体的な目的は、コーヒー焙煎システムによって達成される。コーヒー焙煎システムは、遠隔コンピュータシステムと動作可能に結合するように設計された1つ以上のコーヒー焙煎機を含む。
【0009】
さらなる態様では、全体的な目的は、コーヒー豆を焙煎する方法および/またはコーヒーを抽出する方法によって達成され、この方法は、本開示の実施形態によるコーヒー焙煎機および/またはコーヒー焙煎システムを使用することを含む。
【0010】
本開示によるコーヒー焙煎機は、焙煎ユニットを含むことができる。焙煎ユニットは、ドラムを含むことができ、ドラムは、熱伝導性の後壁を有するドラム本体を備え、ドラム本体は、ドラム入口およびドラム出口をさらに備える。ドラムは、取り外し可能な前壁をさらに備える。内側ドラム空間は、後壁部、前壁部及び周壁部によって画定される。焙焼ユニットは、ドラムロータを更に含むことができ、ドラムロータは、ドラムの内側に回転可能に配置され、ドラムロータと作動的に連結してドラムロータを回転させるドラムロータドライブを備える。埋め込みにおいて、前壁は透明である。
【0011】
実施形態に応じて、駆動装置は、ドラムに固定して取り付けられ、かつ/またはドラムの一部である。あるいは、駆動装置はドラムとは別個である。駆動装置は、電動機を備えることができる。
【0012】
本明細書に記載の設計、特に取り外し可能で任意選択的に透明な前壁は、典型的な従来技術の機能には存在しないコーヒー焙煎機の全体的な設計に多くの制約および制限をもたらすことに留意されたい。特に、前壁は、透明であり(典型的には、以下にさらに説明するようにガラスから)、および/または取り外し可能であり、その結果、以下にさらに詳細に説明するように、前壁は、コーヒー豆を充填および除去するためのヒータ、センサ、および開口部/その代わりに、全てのそのような特徴は、一般に、ドラム本体、特にドラムの後壁に配置される必要がある。
【0013】
焙煎ユニットは、熱風供給部をさらに含むことができ、熱風供給部は、ドラム内に熱風を供給するための空気加熱器および正圧装置を含む。前記焙煎ユニットは、前記ドラムから排気を引き抜く排気エア引き抜き装置をさらに含むことができる。排気エア引き抜き装置は、負圧装置を含むことができる。
【0014】
前記焙煎ユニットは、ドラム加熱器をさらに含むことができ、前記ドラム加熱器は、前記後壁を加熱するために前記後壁と熱的に結合される。
【0015】
コーヒー焙煎機は、センサ装置をさらに含む。センサ装置は、焙煎豆温度センサを含むことができ、焙煎豆温度センサは、ドラム内部に配置されたコーヒー豆の焙煎豆温度を測定し、焙煎豆温度信号を提供するように構成される。焙煎豆温度センサは、例えば、PT100温度センサ又は赤外線温度センサとして実現することができる。
【0016】
コーヒー焙煎機は、コーヒー焙煎機によるコーヒー豆焙煎処理の実行を制御する制御部をさらに備える。制御ユニットは、時間の関数として制御入力信号を受信するように構成され、制御入力信号は、焙煎豆温度信号を含み得る。制御ユニットは、制御入力信号に応じて時間の関数として制御出力信号を自動的に生成するようにさらに構成される。制御出力信号は、ドラム加熱器制御信号と、ドラムロータ駆動制御信号と、空気ヒータ制御信号および/または正圧機能制御信号のうちの少なくとも1つとを含み、それによって、ドラム加熱器、ドラムロータ駆動機能、および空気加熱器および/または正圧機能のうちの少なくとも1つの動作を制御して、所定の選択された焙煎プロファイルに従ってドラム内部のコーヒー豆を焙煎する。選択された焙煎プロファイルは、時間及び目標焙煎豆温度の関数としての所望の焙煎豆温度を含むことができる。
【0017】
ドラム加熱器制御信号を介して、ドラム加熱器の動作を制御することができる。ドラムロータ駆動制御システムを介して、ドラムロータ駆動部の動作を制御することができる。空気加熱器制御信号を介して、空気加熱器の動作を制御することができる。正圧装置制御信号を介して、正圧装置、特に、以下でさらに説明するような供給ファンの動作を制御することができる。
【0018】
制御ユニットは、焙煎終了条件が満たされるかどうかを決定するようにさらに構成され、焙煎終了条件は、ドラム内のコーヒー豆が目標焙煎豆温度を有することを含むことができる。
【0019】
コーヒー豆の焙煎は、後壁部を介してコーヒー豆に伝達される直接熱と、特に好ましい熱風との組み合わせによって達成される。焙煎中、ドラムロータ駆動装置は一般に作動され、ドラムロータが回転し、ドラム内のコーヒー豆が連続的に混合され、均一な方法で焙煎される。
【0020】
ドラム加熱器の動作を制御することは、特に、ドラム加熱器の加熱電力を制御することを含むことができる。好ましくは、ドラム加熱器の加熱力は、実質的に連続的に制御されてもよい。しかしながら、さらなる実施形態では、加熱電力は、いくつかの別個のステップで制御されてもよく、および/またはドラム加熱器制御信号を介してのみオンおよびオフに切り替えられてもよい。
【0021】
ドラムロータドライブの動作を制御することは、特に、ドラムロータドライブの回転速度を制御すること、したがって、ドラムロータの回転速度を制御することを含むことができる。好ましくは、ドラムロータドライブの回転速度は、実質的に連続的に制御することができる。しかしながら、さらなる実施形態では、ドラムロータドライブの回転速度は、いくつかの別個のステップで制御されてもよく、および/またはドラム加熱器制御信号を介してのみオンおよびオフに切り替えられてもよい。一般に、ドラムロータ駆動部は、ドラムロータ駆動制御信号を介してオフにされてもよい。
【0022】
空気加熱器の動作を制御することは、特に、例えば、加熱電力を連続的に、またはいくつかの個別のステップでオン/オフを切り替えることおよび/または調整することによって、空気加熱器の加熱電力を制御することを含み得る。
【0023】
以下でさらに説明するように、正圧供給源および任意選択的に負圧デバイスの動作を制御することは、一般に、それぞれ、正圧デバイスおよび負圧デバイスを通る入口側と出口側との間の圧力差および/または空気流を制御することに関連する。正圧デバイスが供給ファンを含む実施形態では、正圧供給の動作を制御することは、特に、供給ファンの回転速度を制御することを含むことができる。同様に、負圧デバイスが引き抜きファンを含む実施形態では、負圧デバイスの動作を制御することは、特に、引き抜きファンの回転速度を制御することを含み得る。正圧供給装置または負圧装置のそれぞれの動作は、例えば供給ファンまたは引き抜きファンの回転速度をそれぞれ連続的に制御することによって、実質的に連続的に制御されることが好ましい。さらなる実施形態では、正圧供給および/または負圧供給は、連続的な調節、回転速度の調節を伴わずに、対応する制御信号を介してのみオンおよびオフに切り替えられてもよく、またはいくつかの個別のステップで制御されてもよい。
【0024】
本開示によるコーヒー焙煎機は、店舗、カフェテリアなどでの直接使用、ならびに一般にエンドユーザまたは消費者のためのオンデマンド焙煎に特に適した多数の好ましい特性を有する。本開示によるコーヒー焙煎機は、異なる量のコーヒー豆を取り扱い、焙煎するように設計されてもよいが、典型的には、約0.5kg~1.5のコーヒー豆を焙煎するように設計されてもよく、内側ドラム空間は、したがって、約0.5kg~1.5のコーヒー豆を受け入れるように設計されてもよい。大量のコーヒー豆を均一かつ一般的に時間効率の良い方法で効率的に焙煎するように設計された市販のコーヒー焙煎機によって典型的に使用される焙煎装置とは対照的に、本発明によるコーヒー焙煎機は、実質的に少量のコーヒー豆を柔軟な方法で焙煎するために有利に使用され得る。コーヒー豆の種類ならびに焙煎プロセスおよびそのパラメータは、バッチごとに容易に変更可能であることが好ましい。さらに、本発明によるコーヒー焙煎機は、排気が冷却され、濾過され、および/または触媒を通過するので、健康および安全の観点から問題がないように、店舗およびカフェテリアで直接使用するのに適している。さらに、コーヒー焙煎機は、作動騒音が許容限界内にあるように設計される。
【0025】
コーヒー豆焙煎プロセスは、制御ユニットの制御下で自動的に実行されるので、あらかじめ決定された選択された焙煎プロファイルによって定義される所望の結果を得るために、(たとえあったとしても)ほとんど経験およびコーヒー焙煎技術が必要とされない。また、焙煎の間、実質的に手作業による観察及び取り扱いは必要とされず、これは、例えば、店舗又はカフェテリアでの使用に特に好ましい。用途のタイプの文脈におけるさらなる有利な特徴および実施形態は、一般的な説明および図面の説明のそれぞれの文脈において以下でさらに説明される。
【0026】
コーヒー豆温度の測定(潜在的に、以下にさらに説明するような他の特性および特徴と共に)は、焙煎プロセスを制御し、所望の状態に達し、焙煎プロセスが完了したときを自動的に決定するのに特に適していることが見出された。
【0027】
制御の文脈において、選択された焙煎プロファイルの一部として提供される時間の関数としての所望の焙煎豆温度は、それぞれ基準変数としての時間依存性設定値と見なすことができる。制御出力信号のそれぞれの構成要素は、それぞれの作動変数を補正するものと見なすことができる。目標焙煎豆温度、ならびに1つまたは複数の任意のさらなる目標値、特に、以下でさらに説明するような目標焙煎豆色は、焙煎プロセスを終了するための停止基準として焙煎条件の終了を定義する。
【0028】
ドラム本体は、後壁に加えて、後壁を前壁に接続する周壁を含む。周壁部は、任意選択的に、後壁部と一体に形成されてもよいし、別個に形成されてもよい。好ましくは、周壁部も熱伝導性であり、後壁部と同じようにそれぞれ設計された同じ材料から作製されてもよいが、必須ではない。
【0029】
ドラムは、中心軸それぞれ対称軸であり、後壁部および前壁部の中心を通って延びる長手方向ドラム軸を有する。コーヒー焙煎機の動作構成では、長手方向ドラム軸は、水平であり、重力の方向に対してそれぞれ垂直に横断する。ドラムロータは、共通軸として長手方向ドラム軸とそれぞれ一致するロータ軸を有する。
【0030】
さらに、ドラムは、ドラム軸に沿ったドラム長さそれぞれの延長部、平行な後壁と前壁との間の距離よりも実質的に大きいドラム直径を有することが好ましい。その結果、ドラムは、円板形状であることが好ましい。
【0031】
焙煎プロセスの前、間、及び後にコーヒー豆と接触するコーヒー焙煎機の全ての部分は、食品グレードの材料から作られる。これは、特に、焙煎中に生じる典型的には400℃を超える温度に耐えるようにさらに設計されなければならないドラムおよびドラムロータの場合に当てはまる。
【0032】
一実施形態では、後壁は、ドラム加熱器と熱的に接触する誘導加熱可能な外層と、アルミニウムのコア層と、食品グレードの内層(外層と反対のコーヒー豆接触側)とを備えるサンドイッチとして実現される。この設計は、ドラム加熱器が外層と熱的に接触する誘導加熱器として設計される設計において特に好ましい。コア層は、熱を実質的に均一にかつ低損失で分配する。アルミニウムの代わりに、銅などの高熱伝導性の他の好適な材料をコア層に使用することができる。食品グレードの内層は、例えば、クロム鋼またはステンレス鋼から作製されてもよく、それぞれ比較的薄くてもよく、コーティングとして実現されてもよい。ドラムロータ及びドラム本体の周壁もまた、食品グレードの材料で被覆されているか、又は最小限に被覆されている。特に、周壁部は、後壁部と同じ設計であってもよく、例えば、前述のようにサンドイッチとして実現されてもよい。各層の典型的な厚さは、例えば、1mm~5mmであり得る。「外側層」という表現は、内側ドラム空間から離れる方向を向いている後壁部の外側を指し、内側層は、内側ドラム空間の画定表面を画定する。
【0033】
前壁は、好ましくは、不活性ガラスおよび食品グレードガラスから作製される。前壁は、一般に、操作者による容易な取り外しを可能にするような方法で、ドラム本体に取り外し可能に取り付けられ、任意選択的に、ツールを必要とせず、それによって、清掃および保守目的のための容易な取り外しを可能にする。任意選択的に、前壁の内面は、当技術分野で一般的に知られているように熱反射および透明コーティングでコーティングされてもよく、それによって、望ましくない熱放射を低減し、前壁の一般的に使用者がアクセス可能な外面の温度を制限する。前壁部がドラムベイに取り付けられている動作状態では、ドラムベイと前壁部との間の接続は、好ましくは、気密性および/または臭気密性の両方である。
【0034】
前壁部が透明でない実施形態では、前壁部は、後壁部および/または周壁部とほぼ同じ材料から、例えば食品グレードのステンレス鋼から作製されてもよい。
【0035】
さらなる設計では、ドラム加熱器は、誘導加熱器として設計されず、例えば、抵抗加熱器、ペルチェ素子加熱器または赤外線加熱器として設計される。そのような設計では、外層、コア層、および内層をそれぞれ必要としない前述のサンドイッチ構造を変更することができる。特に、ドラム加熱器が抵抗ヒータである実施形態では、後壁部は、2つの層を含むサンドイッチとして実現されてもよい。1つの層は、アルミニウムまたは高熱伝導率の他の材料の外層であり、その中に加熱要素が埋め込まれている。他の層は、前述のように、食品グレード材料の内層である。
【0036】
ドラム入口は、長手方向ドラム軸の上方に配置される。典型的には、ドラム入口は、周壁への接続部に近接して後壁に配置される。しかしながら、代替的に、ドラム入口はまた、周壁の上部領域に配置されてもよい。ドラム入口は、開口部であるか、または開口部を含み、それを介して、次の焙煎のために、生コーヒー豆をドラムに入れることができる。好ましくは、入口開口部はホッパーに接続されるか、またはホッパーに接続可能であり、ホッパーには、焙煎されるコーヒー豆が、典型的には手動で充填され得る。このようなホッパーは、コーヒー焙煎機の一部であってもよい。特に好ましい実施形態では、ドラム入口は、ホッパーとドラム入口との間に配置されてもよく、又はドラム入口に配置されてもよいドラム入口シャッターを介してホッパーに接続される。ホッパーは、好ましくは、コーヒー豆がホッパーから重力によってドラム内に移送され得るように、ドラム入口の上方に配置される。
【0037】
ドラム出口は、長手方向ドラム軸の下方に配置される。典型的には、ドラム出口は、周壁への接続部に近接して後壁に配置される。しかしながら、代替的に、ドラム出口は、周壁の下側領域に配置されてもよい。ドラム出口は、焙煎されたコーヒー豆をドラムから取り出すことができる開口部であるか、または開口部を含む。特に好ましい実施形態では、ドラム出口シャッターは、以下でさらに説明するようにドラム出口に配置される。以下でさらに詳細に説明される実施形態では、ドラム出口は、焙煎コーヒー豆を冷却するときに冷却容器から冷却空気を受け取るようにさらに構成される。このような設計では、ドラム出口は、冷却容器、特に冷却容器入口とそれぞれ気密に気密結合するように設計されることが好ましい。したがって、ドラムは、コーヒー豆が冷却されると同時に急速に冷却され、ドラムを安全に取り扱うことができる温度に戻すことができ、および/またはその後の焙煎プロセスのためにさらなる未焙煎豆を受け取ることができる。
【0038】
ドラム内に熱風を供給するために、ドラム本体、好ましくは、後壁は、熱風供給部と内部ドラム空間との間の界面として熱風供給開口部を備え、熱風供給部と内部ドラム空間との流体連通をそれぞれ確立する。いくつかの特定の実施形態では、熱風供給開口部は、ドラム出口とそれぞれ同一である。
【0039】
熱風供給の加熱要素は、典型的には、抵抗加熱要素として実現されるが、原理的には、特に誘導加熱要素またはガス加熱要素、ペルチェ要素などとして、別様に実現されてもよい。正圧装置を介して、熱風が、ドラム内に能動的にそれぞれ押し込まれる。典型的な実施形態では、正圧装置は、供給ファンそれぞれ供給ブロワとして実現される。しかしながら、代替実施形態では、正圧デバイスは、例えば、加圧空気タンク、圧縮機などで実現されるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の弁、スロットルなどの流量制御要素が存在してもよい。正圧デバイスは、一般に、熱風供給開口部と接続するための適切なチューブを介して、内部ドラム空間に結合されてもよい。
【0040】
内部ドラム空間から排気を引き出すために、ドラム本体、好ましくは、後壁は、内部ドラム空間と排気エア引き出し器との間の界面として排気エア引き出し開口を備え、排気エア引き出し器と内部ドラム空間との流体連通を確立する。入口開口部と同様に、排出空気抜き開口部は、好ましくは、ドラム本体の長手方向ドラム軸線の上方の上部領域に配置される。好ましくは、特に有孔プレートまたはメッシュの形態のコーヒー豆保持要素が、排気抜き開口部に配置される。コーヒー豆保持要素の開口部は、実質的な抵抗を伴わずに排出空気によって通過することができ、焙煎中にコーヒー豆から分離されるチャフも通過することができるが、コーヒー豆はドラム内に保持されるような寸法にされる。
【0041】
排気エア抜き装置は、吸引によって排気エアを能動的に抜き取るための負圧装置を含む。典型的な実施形態では、負圧装置は、引き抜きファン、それぞれ引き出し送風機として実現される。しかしながら、代替実施形態では、負圧デバイスは、ウォータージェットポンプなどの真空ポンプによって実現される。負圧デバイスは、原則として、例えば、排気抜き開口部と接続するための適切なチューブを使用して、内部ドラム空間に直接結合されてもよい。しかしながら、他の特に好ましい実施形態では、負圧装置は、以下でさらに詳細に説明するように、中間要素としての排気処理ユニットを介して内部ドラム空間と流体的に結合される。さらに、排出空気回収器は、特に、負圧デバイスの下流に流体的に配置され得る煙突、例えば、引き抜きファンを含んでもよい。負圧装置はまた、特定の実施形態の文脈において以下でさらに説明されるように、排気処理ユニットの一部と見なされてもよいことに留意されたい。
【0042】
以下にさらに説明する実施形態では、排気抜き取り器は、冷却ユニット内の焙煎コーヒー豆を冷却するために使用される冷却空気をそれぞれ抜き取るようにさらに構成され、動作中に使用される。
【0043】
一実施形態では、センサ装置は、以下に説明されるように、1つ以上のさらなるセンサをさらに含む:
【0044】
センサ装置は、焙煎豆色センサを含むことができ、焙煎豆色センサは、ドラム内部に配置されたコーヒー豆の焙煎豆色を測定し、焙煎豆色信号を提供するように構成され、制御入力信号は、焙煎豆色信号を含む。焙煎豆色センサは、典型的には、従来技術で知られているような光学センサであるか、または、例えば、対応する画像処理ロジックおよび/または画像処理ファームウェア/ソフトウェアコードと組み合わせたカメラによって実現され得る。焙煎豆色センサは、特に、周壁部または後壁部にそれぞれ配置されてもよい。このような焙煎豆色センサは、ドラム内に配置されることは好ましくないが、コーヒー豆の焙煎豆色を、周壁又は後壁の窓又は開口部を介して構成される。焙煎豆色センサを含む実施形態では、焙煎終了条件は、目標焙煎豆色を有するドラム内部のコーヒー豆を含むことができる。
【0045】
センサ装置は、後壁温度センサを含むことができ、後壁温度センサは、後壁の後壁温度を測定し、後壁温度信号を提供するように構成され、制御入力信号は、後壁温度信号を含む。
【0046】
センサ装置は、ドラムエア温度センサを含むことができ、ドラムエア温度センサは、ドラム内部のドラムエア温度を測定し、ドラムエア温度信号を提供するように構成され、制御入力信号は、ドラムエア温度信号を含む。
【0047】
センサ装置は、入口エア温度センサを含むことができ、入口エア温度センサは、ドラムに供給される熱風の入口エア温度を測定し、入口エア温度信号を提供するように構成され、制御入力信号は、入口エア温度信号を含む。
【0048】
センサ装置は、エア湿度センサを含むことができ、エア湿度センサは、ドラムから引き出されるエアの引き出されたエア湿度を測定し、エア湿度信号を提供するように構成され、制御入力信号は、エア湿度信号を含む。
【0049】
センサ装置は、空気流センサを含むことができ、空気流センサは、ドラムから引き出されるエアの引き出された空気流速を測定し、空気流信号を提供するように構成され、制御入力信号は、空気流信号を含む。
【0050】
センサ装置は、亀裂検出センサを含むことができ、亀裂検出センサは、焙煎中のコーヒー豆の第1および/または第2の亀裂の発生を検出し、亀裂検出信号を提供するように構成され、制御入力信号は、亀裂検出信号を含む。亀裂検出センサは、亀裂から生じる力学的な波に基づいて、第1および/または第2の亀裂の発生を検出するように構成および配置される。検出された力学的な波は音波であってもよく、亀裂検出センサはマイクロフォンであってもよい。代替的に、または追加的に、力学的な波は、ドラム本体、特に後壁および/または周壁において、構造的に生まれ、検出され得る。そのような実施形態では、亀裂検出センサは、例えばピエゾ抵抗または容量ベースの加速度センサまたは振動センサであってもよい。
【0051】
本明細書に記載されるセンサは、自動化された設定の文脈において焙煎プロセスを監視および/または監督するための特定の有用な情報を提供することが見出され、それらのうちの幾つかまたは全てが、それに応じて使用され得る。いくつかの実施形態に存在し得るさらなるセンサは、それらのそれぞれの文脈において以下でさらに論じられる。
【0052】
一実施形態では、センサは、例えば、エア出口圧力センサおよび/またはエア入口圧力センサを含む1つまたは複数の圧力センサを備える。所与の圧力センサは、絶対圧力、相対圧力、および/または差圧を測定することができる。1つまたは複数の圧力センサは、コーヒー焙煎機内の1つまたは複数の場所における空気圧、特にドラムに流入および/またはドラムから流出するエアの空気圧を測定するように構成される。例えば、センサは、周囲圧力に対する入口エアの相対圧力を測定するように構成された、ドラムの上流に配置された圧力センサを備える。さらに、センサは、周囲圧力に対する出口エアの相対圧力を測定するように構成された、ドラムの下流に配置された圧力センサを備えてもよい。1つ以上の圧力センサはそれぞれ、測定された圧力を示す制御信号を提供するように構成される。
【0053】
圧力センサを示す制御信号を使用して、2つ以上の位置間の温度差を決定することができ、これは、例えば、2つの位置間のエアの流量を示す。
【0054】
一実施形態では、制御出力信号は、負圧デバイス制御信号を含み、それによって、排気エア抜き装置の負圧デバイスの動作を制御する。焙煎中、正圧デバイス及び負圧デバイスは、それぞれドラムに供給される熱風の空気流が、それぞれドラムから排出される排気の空気流に対応するように、協調的に制御されてもよい。このようにして、連続的な流れが達成され、いかなる反発も防止される。冷却エアが、ドラム内にそれぞれ供給され、排出エア回収器によって回収される焙煎コーヒー豆を冷却した後である冷却ユニットを含む実施形態では、排出エア回収器、例えば、回収器ファンは、概して高い、潜在的に最大の電力で動作するように制御され得る。このようにして、エアがエア回収器を介してドラムから安全に回収され、反発が生じないことが保証される。
【0055】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は、ドラム入口シャッターを含み、ドラム入口シャッターは、ドラム入口を交互に開閉するように配置される。そのような実施形態では、選択された焙煎プロファイルは、選択された予焙煎条件を含むことができ、制御ユニットは、制御出力信号の一部として予焙煎制御出力信号を生成し、制御入力信号に基づいて、選択された予焙煎条件が満たされた場合を決定し、選択された予焙煎条件が満たされたときにドラム入口を開くようにドラム入口シャッターを制御するように構成することができる。制御ユニットは、コーヒー豆がそれぞれドラム内に充填されたときにドラム入口を閉じ、焙煎中にドラム入口シャッターを閉じた状態に維持するようにドラム入口シャッターを制御するようにさらに構成される。したがって、ドラム入口シャッターは、コーヒー豆をドラム内にそれぞれ移送する充填のためにドラム入口を一時的にのみ開くが、そうでなければ閉じた状態を維持するように制御される。
【0056】
ドラム入口シャッターは、ドラム入口に、またはホッパーとドラム入口との間に配置され、したがって、コーヒー豆が、コーヒー豆入口シャッターが開いている構成で、ドラム内のドラム空間それぞれに充填され得る。入口シャッターが閉じられる構成では、ホッパーからドラムへの通路が遮断される。入口シャッターは、好ましくは、内部ドラム空間からホッパーへの通路を気密に密閉するように設計される。これにより、焙煎中に、排気が入口開口を介して内部ドラム空間から出ることが防止されるが、排気が引き抜かれる開口を介して内部ドラム空間から出るだけである。入口シャッターは、制御ユニットと動作冷却状態にある電磁石またはモータなどの入口シャッタアクチュエータをさらに含む。
【0057】
予備焙煎条件は、典型的には、所望の焙煎に応じて焙煎の開始時に存在するドラムエア温度及びドラム本体温度、特に後壁温度を含む。別の実施形態では、焙煎の開始時に存在するドラム体温のみを含む。
【0058】
制御された入口シャッターを有する実施形態は、焙煎プロセスの利便性および品質の両方に関して好ましい。使用者は、実質的に任意の時点で、例えばコーヒー焙煎機をオンにした後に、生コーヒー豆をホッパーに充填することができる。ホッパー内のコーヒー豆は、予備焙煎条件が満たされた場合に、ドラムとそれぞれの入口シャッターを自動的に開くことによって、ドラム内に移送される。予備焙煎条件が満たされるまでの時間は、予備加熱とも呼ばれる。
【0059】
予熱中、ドラムロータ駆動装置およびドラムロータは、一般に、ドラム内の均一な温度分布を確保するように、それぞれ作動するように制御される。さらに、制御ユニットは、ドラム入口開口が概ね減少した速度で回転するように開いている間に、ホッパーからドラムへのコーヒー豆のそれぞれの移送中にドラムロータ駆動部を制御するように構成されており、それによって、ドラムロータが、コーヒーをドラム入口開口から内側ドラム空間に移送し、ドラム入口開口が塞がれないことを確実にする。ドラム入口開口部がドラム入口シャッターによって再び閉じられると、焙煎が開始され、ドラムロータ駆動装置は、選択された焙煎プロファイルに従って制御される。予熱は、関連するパラメータ、特に後壁温度、それぞれドラムエア温度が、入口シャッターを開き、焙煎を開始する前に一定に維持される、予焙煎条件が満たされた後の保持段階を含むことができる。
【0060】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は、ドラム出口シャッターを含み、ドラム出口シャッターは、ドラム出口を交互に開閉するように配置される。そのような実施形態では、制御ユニットは、焙煎終了条件が満たされたときにドラム出口を開くようにドラム出口シャッターを制御するように構成されてもよい。
【0061】
このタイプの実施形態は、コーヒー豆が、焙煎終了条件が満たされると自動的にドラムから離れ、特に、コーヒー豆が、標的焙煎豆温度を有し、ドラム内の熱い後壁および熱風のために、制御されない望ましくない方法でさらに焙煎されないという特別な利点を有する。
【0062】
ドラム出口シャッターは、前述のドラム入口シャッターと同様のフラップを含むことができるが、例えば、可動有孔プレート又はスライドであってもよい。ドラム出口シャッターは、制御ユニットと動作冷却状態にある電磁石またはモータなどの出口シャッタアクチュエータをさらに含む。
【0063】
ドラム出口が開いている構成では、焙煎されたコーヒー豆は、内側ドラムから取り除かれ、重力によってドラムから好適に脱落することができる。このプロセスの間、ドラムロータドライブは、好ましくは、アクティブであるように制御され、コーヒー豆を内側ドラム空間から押し出すドラムロータを回転させる。
【0064】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は、冷却ユニットを含む。しかしながら、本開示による冷却ユニットは、他のタイプのコーヒー焙煎機の文脈においても実現され、使用され得ることに留意されたい。
【0065】
冷却ユニットは、冷却容器入口を有する冷却容器を含む。冷却容器入口は、ドラム出口シャッターを介してドラム出口と連結されてもよい。
【0066】
冷却ユニットは、冷却媒体供給部をさらに含むことができる。冷却媒体供給部は、冷却エア供給部を含むことができ、冷却エア供給部は、冷却エアを冷却容器内に供給するために、内部冷却容器空間と流体的に結合される。代替的に又は追加的に、冷却媒体供給部は、冷却水供給部を含むことができる。
【0067】
冷却水供給部は、ノズル構成を含むことができ、ノズル構成は、冷却容器内のコーヒー豆に冷却水を噴霧するように構成される。
【0068】
冷却ユニットを介して、コーヒー豆は、明確かつ制御された方法で冷却され得る。特に、一般に、コーヒー豆を湿らせずに、コーヒー豆を急速に冷却することが望ましい。これは、冷却エア供給と冷却水供給の両方を含む実施形態において達成され得る。しかしながら、いくつかの設計では、いずれも十分であり得る。
【0069】
一実施形態では、冷却ユニットは、ドラムロータを回転させるために冷却ロータと動作可能に結合する冷却ロータ駆動部をさらに含むことができる。さらに、一実施形態では、冷却容器は、冷却容器出口を含むことができる。代替実施形態では、専用の冷却容器出口が存在せず、および/または冷却ロータおよび冷却ロータ駆動部が存在しなくてもよい。
【0070】
冷却ユニットは、特に、ドラム出口シャッターを介してドラム出口開口部に結合されてもよく、ドラム出口シャッターは、ドラム出口開口部が開いている場合には冷却ユニットをドラム空間に代替的に接続するか、またはドラム出口開口部が閉じており、それに応じてドラム出口シャッターもそれぞれ冷却容器入口シャッターとして機能すると考えることができる場合には、ドラム出口シャッターはドラム空間から冷却ユニットを切り離す。その結果、焙煎されたコーヒー豆は、ドラム出口シャッターが開いている場合にのみ、ドラムから取り出され、冷却容器に移送され得る。
【0071】
冷却エア供給源は、特に、冷却容器内部空間に結合されて、冷却容器内部空間内にエアを能動的にそれぞれ押し込む冷却ファンおよび冷却送風機を含むことができる。冷却ファンではなく、冷却エア供給源は、例えば、エアを冷却容器の内部空間に押し込むためのエアポンプ又は圧縮機を含むことができる。典型的な実施形態では、冷却エア温度は、一般に、周囲のエア温度である。しかしながら、必要に応じて、冷却エア供給源は、冷却エアを冷却するための専用の冷却装置を含むことができる。
【0072】
コーヒー豆は、冷却水を供給することにより、実際に濡らしてはならない。したがって、ノズル装置は、冷却容器内にミストの雰囲気を作り出す複数のノズルを含むことが好ましい。ノズル装置は、好ましくは、それぞれ冷却容器の上方の頂部に配置される。冷却水供給部は、ノズル装置に冷却水を供給するために冷却水ポンプを含むことができ、及び/又は一般的な水供給源のライン圧力で動作することができる。また、前記冷却水供給部は、前記冷却容器の上方に配置された冷却水タンクを備え、前記冷却水タンクから前記ノズルに重力によって水が押し込まれるようにしてもよい。冷却水供給部は、ノズル制御弁制御信号を介して制御ユニットに動作可能に結合され、制御ユニットによって制御されるノズル制御弁を含むことができる。ノズル制御弁制御信号は、前述のように制御出力信号の一部であってもよい。このようなノズル制御弁は、ノズル装置への給水を連続的に制御するための遮断弁または連続的な制御弁であってもよい。コーヒー豆が実際に濡れるのを防止するために、冷却水供給は、コーヒー豆温度が濡れ温度閾値、特に100℃を超えた場合にのみ作動され、特にノズル制御弁を完全に閉じることによって、コーヒー豆温度が濡れ温度閾値を下回ると、冷却豆温度センサによって示されるようにスイッチオフされるように、好ましくは制御される。
【0073】
冷却ユニットを含む特定の実施形態では、冷却ユニットは、冷却容器出口シャッターをさらに含むことができ、冷却容器出口シャッターは、冷却容器出口を代替的に開閉するように構成される。このような実施形態の制御ユニットは、冷却中に冷却容器出口を閉じるように冷却容器出口シャッターを制御し、冷却が完了すると冷却容器出口を開くように構成することができる。
【0074】
冷却容器出口シャッターは、フラップと、制御ユニットと動作冷却状態にある電磁石またはモータなどの冷却容器出口シャッタアクチュエータとを含むことができる。出口シャッターが開くと、コーヒー豆は出口容器内に落下することがある。制御ユニットは、冷却容器からコーヒー豆を取り出すためだけに冷却容器出口を開くように、冷却容器出口シャッターを制御するように、好ましくは設計されるが、そうでなければ、特に冷却中に閉じられるように設計される。
【0075】
コーヒー豆の冷却中、コーヒー豆は、冷却媒体及び/又は冷却媒体、特に上述の冷却空気及び/又は冷却水へのコーヒー豆の均一な曝露を確実にするために、冷却ロータによって連続的に移動されてもよい。
【0076】
冷却ロータ駆動装置ならびに冷却水供給装置および/または冷却エア供給装置の動作は、冷却ロータ駆動制御信号ならびに冷却エア供給制御信号および/または冷却水供給制御信号を生成するように構成され得る制御ユニットによって制御され得る。冷却中、冷却エア供給および/または冷却水供給は、連続的にかつ一定の方法で動作するように制御され得る。しかしながら、有利には、冷却エア供給及び/又は冷却水供給は、時間の関数として時間変化する制御信号を介して変化するように制御され、それによって、冷却中に時間の経過に伴ってエア及び/又は冷却水による冷却を変化させる。冷却ロータ駆動制御信号ならびに冷却エア供給および/または冷却水供給を時間の関数として生成するための制御パラメータは、制御ユニットによって固定パラメータとして記憶することができる。しかしながら、好ましくは、冷却ロータ駆動制御信号並びに冷却エア供給及び/又は冷却水供給のうちの1つ以上を生成するための制御パラメータは、選択された焙煎プロファイルの一部であってもよく、したがって、選択された目標焙煎プロファイルに応じて変化してもよい。冷却ロータ駆動制御信号ならびに冷却エア供給制御信号および/または冷却水供給制御信号は、制御ユニットによって生成される制御出力信号の一部であってもよい。
【0077】
さらに、制御ユニットは、冷却ロータドライブをバイナリ方式でオンおよびオフに切り替えるように構成されてもよい。代替実施形態では、制御ユニットは、冷却中に冷却エア供給および/または冷却水供給の動作を時間の関数として変化させるように制御し、それによって冷却中に時間とともにエアおよび/または冷却水によって冷却を変化させるように構成されてもよい。
【0078】
オプションの冷却容器出口シャッターが、前述のように、コーヒー豆を冷却容器から取り出し、それらを出口容器に移すために開くと、冷却ロータドライブが有利に作動し、冷却ロータが回転し、それによって、すべてのコーヒー豆が冷却容器出口に確実に移動する。
【0079】
冷却ロータおよび冷却ロータ駆動部を有する冷却ユニットのさらなる実施形態では、冷却ロータは、冷却容器の内部に配置されない。代わりに、冷却ロータは、冷却容器と一体に形成されてもよい。そのような実施形態では、冷却容器は、回転可能であり、冷却容器を回転させるために冷却駆動装置と結合される。そのような実施形態では、冷却容器は、冷却容器の内部空間内に配置され、冷却容器が回転するときにコーヒー豆を撹拌する、ラメラまたはリブなどの撹拌要素を備えてもよい。
【0080】
一実施形態では、冷却は、冷却終了条件が満たされると完了すると考えられる。満足されている冷却終了状態は、特に、1つ以上の冷却センサ信号に基づいて検出することができ、1つ以上の冷却センサ信号は、冷却ユニットの1つ以上の対応する冷却センサによって生成される。特に、冷却ユニットは、冷却豆温度センサを含むことができ、冷却豆温度センサは、冷却容器内のコーヒー豆の冷却豆温度を測定し、対応する冷却豆温度信号を提供するように構成され、冷却終了基準は、所定の対象冷却豆温度に達するかまたはそれを下回る冷却豆温度を含む。さらに、冷却ユニットは、追加的にまたは代替的に、冷却豆色センサを含んでもよく、冷却豆色センサは、冷却容器内のコーヒー豆の冷却豆色を測定し、対応する冷却豆色信号を提供するように構成され、冷却終了基準は、所定の標的冷却豆色を仮定した冷却豆色を含む。冷却終了条件、特に、目標冷却ビーン温度および/または目標冷却ビーン色は、いくつかの実施形態において固定され得る。しかし、好都合なことに、それらは、選択された焙煎プロファイルの一部である。1つまたは複数の冷却センサ信号、特に冷却豆温度信号および/または冷却豆色信号は、制御入力信号の一部であってもよく、1つまたは複数の冷却センサ、特に冷却豆温度センサおよび/または冷却豆色センサは、センサ構成の一部であってもよい。さらなる実施形態では、コーヒー豆の冷却は時間制御され、冷却終了基準は、冷却の開始後の所定の冷却時間スパンの経過である。冷却が完了すると、制御ユニットは、コーヒー豆を解放するために、対応する表示を提供し、および/または冷却容器出口シャッターを制御することができる。
【0081】
冷却ユニットを含む特定の実施形態では、冷却容器は、ドラムの内部ドラム空間と流体的に結合され、それによって、冷却容器からドラムへの冷却エアの移送と、排気引き出し器によるドラムからの冷却空気の引き出しとを可能にする。このような設計は、冷却エアのみで冷却水が冷却媒体として予見されない場合に特に有利である。このような設計では、排気抜き取り器は、制御された方法で冷却中に冷却エアを抜き取るという付加的な目的を果たす。
【0082】
冷却容器とドラム空間との流体結合は、特にドラム出口を介して行うことができる。そのような設計では、ドラム出口は、焙煎されたコーヒー豆をドラムから取り出し、それらを冷却容器内に移送し、その後、冷却容器から冷却エアを取り出し、それをドラム内にそれぞれ移送するのに役立つ。なお、この段階では、ドラム内にコーヒー豆は存在しない。このような実施形態では、出口シャッターは、一般に、冷却中に開くように制御される。しかしながら、別の変形例では、ドラムと冷却容器との間に、冷却容器から冷却エアを除去し、それをドラム内にそれぞれ供給するための別個の流体継手が予見される。
【0083】
一実施形態では、冷却容器は、豆の冷却が完了すると除去されるように構成された取り外し可能なトレイであってもよく、豆はトレイ内にある。冷却容器は、引出しの内部に配置されてもよい。このような設計では、専用の冷却容器出口シャッターを省略することができる。トレイは、特に、上側で開いていてもよく、および/または取り外し可能または開くことができるカバーを有していてもよい。このようなカバーには、ドラム出口と結合するための開口部を設けることができる。あるいは、トレイは、その上側で開いている。前述のような流体的に密な結合は、冷却容器、例えばトレイ、及び/又はコーヒー焙煎機のハウジングの一部であってもよいシーリングによって達成することができる。トレイの側部および/または底部には、豆が通過できないような寸法の空気孔が穿孔されている。トレイは、トレイの穿孔された側部および/または底部が、隣接する表面にそれぞれ完全に接触しないように構成され、それによって、少なくともいくつかの空気孔を通ってトレイ内へのエアの妨げられない通過を可能にする。一実施形態では、冷却容器は、以下でさらに説明するような豆トレイである。引き出しは、トレイ内の豆の重量が決定され得るように、トレイの重量を測定するように構成されたスケールを備えてもよい。さらに、引出しは、冷却エア供給源から冷却エアを受け取り、冷却エアをトレイ内に導くように構成されたインサートを備えてもよい。特に、インサートは、冷却エアが穿孔を通ってトレイに流れ込み、それによって豆を冷却するように、冷却エアを方向付けるように構成される。好ましい例では、冷却容器、特にインサートは、冷却エア供給源への流体密結合を達成するように構成されたシールを備える。
【0084】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は、排気処理ユニットを含む。しかしながら、本開示による排気処理ユニットは、他のタイプの焙煎機の文脈においても実現され、使用され得ることに留意されたい。特定の実施形態では、排気処理ユニットは、水タンクを含むことができ、水タンクは、充填レベルまで水で充填されるように設計され、水タンクは、水タンクエア入口および水タンクエア出口を有する。水タンクエア入口は、排気エア取出開口部に、したがって、内部ドラム空間に流体的に結合される。水タンクエア入口は、水タンクの充填レベルの下方に配置される。水タンクエア出口は、充填レベルの上方に配置される。排気処理ユニットは、水タンク内に淡水を供給するための淡水供給部と、水タンクから廃水を排出するための廃水ドレンとをさらに含むことができる。
【0085】
前述のような引き抜きファンは、水タンクの下流に流体的に配置され、水タンクエア出口に流体的に結合されることが好ましい。したがって、水タンクは、ドラムと引き抜きファンとの間に流体的に配置される。
【0086】
動作中、引き抜きファンは、充填レベルより上のエア容積内に、それぞれ負圧の吸引圧力を生成し、同時に、水を攪拌する。内部ドラム空間との連結部を介して、排気は、水タンクエア入口の配置により、水タンク内に吸い込まれ、充填レベルより下の水タンクに入り、水は、溶解し、したがって、煙およびその成分を排気から除去し、同時に排気を冷却する。冷却された排気は、気泡の形成で水面(充填レベルによって定義される)まで上昇し、引き抜きファンによって吸い出される。水タンクの内部、および概して充填レベルの下に、気泡エンハンサが配置されてもよい。気泡エンハンサは、水タンクの横方向表面積全体にわたって実質的に延在する有孔プレートによって実現されてもよい。気泡エンハンサは、より大きな気泡をそれぞれより小さな気泡に分割し、それによって、煙の除去および冷却効率を高める。
【0087】
いくつかの実施形態では、コーヒー焙煎機は、チャフ分離器を含み、チャフ分離器は、一般に、チャフを排気から分離する目的に役立つ。前述のように水タンクおよび気泡増強剤を有する排気空気処理ユニットを含む特定の実施形態では、気泡増強剤として働く有孔プレート内の孔は、チャフの通過を防止するのに十分に小さい寸法にされる。そのような実施形態では、チャフは、排気空気と一緒に水タンクに入り、手動で、または水タンクの洗浄によって除去されるまで、気泡エンハンサの下の水タンク内に留まる。このような実施形態では、気泡エンハンサは、チャフ分離器としても機能する。
【0088】
さらなる実施形態では、チャフ分離器が、ドラムと水タンクとの間に、特に排気出口と水タンクエア入口との間に配置されてもよい。上記チャフ分離器は、排気によって通過され、チャフが通過するのを防止するメッシュまたは有孔プレートなどの機械的チャフ保持フィルタを含むことができる。チャフは、フラッシング時に排水と共に水タンクから除去されてもよく、及び/又は手動で除去されてもよい。
【0089】
一実施形態では、冷却中にドラムから出る冷却エアがチャフ分離器を迂回するように、バイパスラインが配置される。例えば、バイパスラインの第1の端部は、チャフ分離器の上流、例えば排気出口とチャフ分離器との間に接続される。バイパスラインの第1の端部は、第1の結合点で接続され、第1の結合点は、冷却中に、バイパスラインを通して冷却エアを導くように構成された1つまたは複数の弁を備え得る。バイパスラインの第2の端部は、チャフ分離器の下流に、例えば、チャフ分離器と、以下でより詳細に説明される触媒との間に接続される。特に、バイパスラインの第2の端部は、以下でより詳細に説明されるように、チャフ分離器とフィルタとの間の第2の結合点において接続される。
【0090】
一実施形態では、水温を監視するために、水タンク内で充填レベルの下方に水温センサを配置することができる。水温センサは、制御ユニットに動作可能に結合される。水温センサは、入力制御信号の一部であり得る水温センサ信号を提供する。制御ユニットは、水温制御信号に基づいて、水タンクが洗浄され、水が交換されるべきときを決定するように構成されてもよい。制御ユニットは、特に、水温を例えば摂氏70度の水温閾値と実質的に連続的に比較するように構成されてもよい。水温閾値に達するまたはそれを超える水温は、水タンクがフラッシュされ、水タンク内の水が交換されるべきであることを示す。
【0091】
水タンクを洗浄し、水を交換するために、上述のように、真水入口供給部および排水ドレンが存在してもよく、真水供給弁および排水ドレン弁を介して水タンクの内部容積と結合される。排水供給弁および排水排出弁は、制御ユニットによって制御されてもよく、それによって、必要に応じて、水タンクの自動洗浄および水交換を可能にする。
【0092】
水タンクが、最初に、および洗浄後に、所望の充填レベルまで充填されることを確実にするために、充填レベルセンサが、制御ユニットと動作可能に連結して提供されてもよい。充填レベルセンサは、特にフロートゲージであってもよい。あるいは、充填レベルセンサは、例えば、1つまたは複数の電気抵抗ベースのセンサ、容量センサ、光センサなどによって、異なるように実現されてもよい。制御ユニットは、充填レベルセンサによって提供される信号に従って、真水供給弁および/または排水排出弁を制御するように構成されてもよい。特に、制御ユニットは、水タンクを完全に空にした後、真水入口弁を、充填レベルセンサが所望の充填レベルに達したことを示すまで開くように制御するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、充填レベルセンサは、真水供給部内または真水供給部に配置された水流センサであり、制御ユニットは、水タンクに供給される水の量から充填レベルを決定するように構成される。
【0093】
代替実施形態では、水タンクの洗浄および水の交換は、手動で、例えば、水温が水温閾値に達するかまたはそれを超える場合、ユーザ指示が提供されると、行われてもよい。コーヒー焙煎機が動作していないときには、コーヒー豆バッチの焙煎の間にそれぞれ手動で水を交換する必要があるが、前述したように、制御ユニットの制御下での自動フラッシングおよび水の交換も、進行中の焙煎プロセス中に実施することができる。
【0094】
水タンク空気出口を介して、水タンクから排気エアが引き出される。凝縮器および排気フィルタが存在する実施形態では、排気フィルタは、好ましくは、凝縮器の下流に流体的に配置され、その結果、水タンクを出た後のエアは、最初に乾燥され、続いて濾過される。フィルタを介して、望ましくない臭い及び/又は臭いが排気から除去される。このようにして、コーヒー焙煎機は、望ましくない臭い又は臭いが発生することなく、且つ更なる排気処理装置を必要とすることなく、部屋内でも運転することができる。
【0095】
排気処理ユニットのいくつかの実施形態では、排気処理ユニットは、凝縮器を含み、凝縮器は、水タンクから引き出されるエアが凝縮器を通過するように、水タンクエア出口と流体的に結合される。排気が水タンクから出るとき、一般に、凝縮器によって除去される湿度で飽和され、それによって排気を乾燥させる。したがって、凝縮器は除湿器として機能する。さらに、凝縮器は、排出エアが引き抜きファンの前に凝縮器を通過するように、水タンクエア出口と引き抜きファンとの間に流体的に配置されることが好ましい。
【0096】
排気処理ユニットの一実施形態では、排気処理ユニットは、排気フィルタを含む。排気エアフィルタは、水タンクから引き出されるエアが排気エアフィルタを通過するように、水タンクエア出口と流体的に結合される。排気エアフィルタは、排気から不要な臭気物質を除去する。さらに、排気エアフィルタは、排気エアが引き抜きファンの前に排気エアフィルタを通過するように、水タンクエア出口と引き抜きファンとの間に流体的に配置されることが好ましい。
【0097】
凝縮器および排気フィルタの両方が存在する実施形態では、凝縮器および排気フィルタは、水タンクエア出口と引き抜きファンとの間に流体的に直列に配置され得る。この構成は、特に、排気が、水タンクを出た後に最初に凝縮器を通過し、続いて排気フィルタを通過するようなものであってもよい。
【0098】
チャフ分離器を含む実施形態では、チャフ分離器は、チャフを分離するためのサイクロン分離器と、例えば引き出しの形態のチャフコレクタとを含むことができる。サイクロン分離器は、対応するサイクロン制御信号を介して制御ユニットによって制御することができる。サイクロン分離器は、装置の形状がサイクロンに流入するエアが循環し、螺旋状の空気渦(すなわちサイクロン)を維持するように、受動サイクロン分離器であってもよい。空気中の粒子は、サイクロン分離器の底部の開口部を通ってサイクロン分離器から出る一方、エアは、上部の開口部を通ってサイクロン分離器から出る。このような受動サイクロン分離器は、サイクロンを始動または維持するための能動要素を必要としない。
【0099】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は、チャフ分離器内部のエア温度を直接又は間接的に測定するように構成されたチャフ分離器温度センサを備える。チャフ分離器温度センサは、例えば、チャフ分離器のハウジングに取り付けられたチャフ分離器に配置することができ、ハウジングの温度は、チャフ分離器内部のエア温度を示す。チャフ分離器温度センサは、チャフ分離器の内部に配置することができ、それによって、チャフ分離器の内部のエア温度を直接測定する。チャフ分離器温度センサは、チャフ分離器の下流に流体的に配置することができ、それによって、チャフ分離器を出るエアのエア温度を測定する。チャフ分離器温度センサは、制御ユニットに制御信号を提供する。制御ユニットは、チャフ分離器温度センサによって測定された温度に応じて、コーヒー焙煎機内に火災が存在するかどうかを判定するように構成される。特に、火災温度閾値を超えるチャフ分離器温度センサによって測定された温度は、火災を示すと考えられる。加えて、チャフ分離器温度センサによって測定された温度が所定の温度上昇速度よりも速く上昇する場合、これは火災を示すと考えられる。火災は、典型的には、チャフ引出し内のチャフを燃焼させる。
【0100】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は消火器を含む。消火器は、好ましくはチャフ引出しを含むチャフ分離器内の火災を消火できるように配置される。消火器は、チャフ分離器および/またはチャフ引出しに取り付けられてもよく、または接続されてもよい。制御ユニットが火災を検出すると、消火器が作動される。消火器は、水、CO2、泡、または他の消火手段を使用して消火することができる。さらに、制御ユニットは、例えば、使用者に警告するために音響変換器に送信される警告信号を生成することによって、コーヒー焙煎機の使用者に火事を警告するための警告を生成するように構成されてもよい。さらに、警報信号は、火災状態を視覚的に示すためにコーヒー焙煎機の照明要素に接続されてもよい。さらに、制御ユニットは、すべての加熱要素をオフにし、コーヒー焙煎機を通る空気流を最小レベルまで低減するように構成されてもよく、最小レベルは、加熱要素が損傷を受けないように決定される。
【0101】
排気処理ユニットを含む実施形態では、排気処理ユニットは、ドラムから引き出される排気から臭気物質を除去するように構成された触媒を含む。さらに後述するような触媒及び有利な補助構成要素は、上述したような水系排気処理に加えて、特に直列に設けることができる。しかしながら、典型的には、触媒を含む排気処理ユニットは、代替として予見され得る。それは、一般的に複雑で扱いにくい冷却水の取扱いなしに、臭いのあるそれぞれ臭いのある物質を排気から除去することができるという特別な利点を有する。特に、触媒は、排気から一酸化炭素を除去するように構成することができる。
【0102】
触媒装置を備えた排気処理ユニットを含む特定の実施形態では、排気処理ユニットは、排気加熱器を含み、排気加熱器は、触媒装置に対して流体的に上流に配置され、排気冷却器は、触媒装置に対して流体的に下流に配置される。排気加熱器、触媒及び排気冷却器は、一般に、直列に流体的に配置される。排気加熱器は、焙煎方法、特に焙煎方法の最終段階の間に作動され、使用されて、ドラムを離れた排気を、触媒を介してそれぞれ臭気物質を除去する触媒洗浄のための最適温度に加熱する。排気ヒータは、排気を200°~400°、好ましくは250°~300°の温度に加熱することができる。焙煎プロセスのより早い段階では、排気加熱器は、典型的には、それぞれ停止され、スイッチが切られる。
【0103】
排気加熱器は、排気加熱器制御信号を介して制御ユニットによって制御することができる。排気加熱器制御信号は、制御出力信号の一部であってもよい。排気加熱器の動作を制御することは、特に、例えば、加熱電力を連続的に、またはいくつかの個別のステップでオン/オフを切り替えることおよび/または調整することによって、排気加熱器の加熱電力を制御することを含むことができる。さらに、排気エア温度センサは、加熱された排気エアの温度を測定するために、排気加熱器に、または排気加熱器から下流に配置されてもよい。排気冷却器は、触媒装置を出る著しく加熱された排気を冷却するために設けられる。排気冷却器は、例えば、排気が管を通過し、管が加熱された後、対流及び放射を介して環境に熱を放散するガス冷却器を含むことができる。さらに、1つまたは複数のファンがコーヒー焙煎に配置され、排気冷却器、特にガス冷却器の配管上に空気を吹き込むおよび/または吸い込むように構成されて、熱放散の速度を増加させ、したがってコーヒー焙煎機を出る排気の温度を低下させることができる。
【0104】
前述の構成に加えて、又は前述の構成の代わりに、排気処理ユニットは、更なる臭気及び/又は有害物質除去装置を含むことができる。特に、排気によって通過される機械的粒子フィルタが予見され得る。機械的フィルタに加えて、または機械的フィルタの代わりに、粒子フィルタは、静電粒子フィルタを含むことができる。静電粒子フィルタは、静電引力および反発力によって粒子を保持するように構成されてもよい。また、前記パーティクルフィルタは、活性炭フィルタであってもよいし、活性炭フィルタを含んでもよい。一例では、静電粒子フィルタは、ガラス繊維フィルタを含む。一実施形態では、排気処理ユニットは、除去装置、特に機械的粒子フィルタがアクセス可能かつ取り外し可能であり、したがって容易に交換可能であるように構成される。
【0105】
チャフ分離器及び排気処理ユニットは、一般に、ドラム出口と排気回収器との間に流体的に配置される。好ましくは、チャフ分離器は、排気処理ユニットの流体的に上流に配置され、排気処理ユニットに入るとき、排気がチャフを含まないか、またはほとんど含まないようにする。
【0106】
一実施形態では、コーヒー焙煎機は、ドラムに充填される前に生コーヒー豆の重量を測定するための生豆スケールを含む。さらに、一実施形態では、コーヒー焙煎機は、焙煎されたコーヒー豆の焙煎後の重量を測定するための焙煎豆スケールを含むことができる。一実施形態では、コーヒー焙煎機は、生豆スケールおよび焙煎豆スケールの両方として機能する豆スケールを含む。ビーンスケールは、回収器または容器に一体化されてもよい。回収器または容器は、前述のように、未加工コーヒー豆をドラムそれぞれのホッパーに充填するために使用されてもよい。回収器または容器、ならびにボックスおよび豆スケールは、未加工の豆をそれぞれドラムホッパーに充填する前に、未加工のコーヒー豆の重量を測定するように構成されてもよい。焙煎後、焙煎され、場合により乾燥されたコーヒー豆がそれぞれ回収器又は容器内に放出され、焙煎され、冷却され、場合により乾燥されたコーヒー豆の焙煎豆重量が測定されるように、回収器又は容器を冷却容器出口に又はその下に配置することができる。
【0107】
好ましくは、生豆スケール及び焙煎豆スケールを組み合わせた生豆スケール及び焙煎豆スケールとして、生豆スケール及び焙煎豆スケールは、測定された生豆重量及び焙煎豆重量をそれぞれ制御ユニットに送信するための制御ユニットに動作可能に結合される。制御ユニットは、いくつかの実施形態では、生豆重量および焙煎豆重量を記憶および/または手続するように構成されてもよい。任意選択で、制御ユニットは、以下でさらに説明するように、未加工豆重量および/または焙煎豆重量を遠隔コンピュータシステムに送信するように構成されてもよい。制御ユニットおよび/または遠隔コンピュータシステムは、適用可能な場合、生豆重量および焙煎豆重量の差および/または比に基づいて、コーヒー豆の焙煎および乾燥が成功したかどうかを決定するようにさらに構成され得る。肯定的な場合、焙煎された豆の重量は、生の豆の重量よりも10%を超える。
【0108】
コーヒー焙煎機の動作を制御し、状態情報、警告、および/または警告などの情報をユーザに提供するために、制御ユニットは、ユーザインターフェースユニットを含み、かつ/またはユーザインターフェースユニットに動作可能に結合するように設計され得る。ユーザインターフェースユニットは、コーヒー焙煎機の一部であってもよく、または完全にもしくは部分的に、別個のユーザインターフェースデバイスとして提供されてもよい。特定の実施形態では、ユーザインターフェースデバイスは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはラップトップもしくはデスクトップコンピュータなどの汎用コンピューティングデバイスである。一実施形態では、制御ユニットは、そのような汎用コンピューティングデバイスによって完全にまたは部分的に実現され得る。
【0109】
一実施形態では、ユーザインターフェースデバイスおよび制御ユニットは、ワイヤレス通信インターフェース、たとえば、Bluetoothおよび/またはWifiインターフェース、および/または、たとえば、5G規格によるモバイル通信ネットワークを介した通信のためのインターフェースを介して通信するように構成され得る。または、あるいはそれに加えて、ユーザインターフェースデバイスと制御装置は、有線インターフェース、例えば、1つ以上のUSBバス(例えば、ミニ-US、マイクロ-US、US-B、US-C)または有線LANインターフェースを経由して通信するように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、制御ユニットおよびユーザインターフェースデバイスは、インターネットを介して通信するように構成され得る。この目的のために、ユーザインターフェースデバイスおよび制御ユニットは、有線および/または無線インターネットアクセスのために構成され得る。ユーザインターフェースデバイスは、インターネットを介して遠隔コンピュータシステムと通信するようにさらに構成され得る。
【0110】
選択された焙煎プロファイルに従って焙煎プロセスの実行を制御することは、一般に、制御出力信号が、フィードバック信号としての制御入力信号および選択された焙煎プロファイルに基づいて、実質的にリアルタイムでそれぞれ生成される閉ループ制御である。典型的な実施形態では、閉ループ制御は、制御入力信号を組み合わせて形成するセンサ装置のセンサによって提供される信号を伴う多入力多出力制御である。
【0111】
焙煎プロファイル、特に選択された焙煎プロファイルは、例えば、スプラインなどの1つ以上の補間関数、それぞれのパラメータ、および/または時間-温度対のルックアップテーブルの形態で、時間の関数としての所望の焙煎豆温度を含むことができる。さらに、焙煎プロファイルは、次々に近づくべき温度のみを含むことができる。
【0112】
出力制御信号をそれぞれ制御ユニットによって生成することは、古典的なコントローラ設計、例えばPIDコントローラに基づくことができ、及び/又は、例えばファジー制御アルゴリズム及び/又はニューロンネットワークに基づくことができる。
【0113】
制御パラメータは、焙煎プロセスの間、必ずしも経時的に一定である必要はなく、例えば、時間の関数として所定の方法で変更又は修正されてもよく、及び/又は、以下に説明するように、特徴的事象の発生に応じて、焙煎プロファイル、特に選択された焙煎プロファイルの一部を形成する1つ以上の規則に従って変更されてもよい。
【0114】
制御入力信号は、ドラム内部の温度条件、特に焙煎豆温度信号、後壁温度信号、入口エア温度信号、および空気流信号を直接的および/または間接的に示す1つまたは複数のセンサ信号を含むことができる。さらに、制御入力信号は、焙煎プロセスのフェーズおよび/または焙煎プロセス中の特定の特徴的事象を示す1つまたは複数のセンサ信号、特に、前述の焙煎豆色信号および/または亀裂検出信号を含むことができる。そのような特性事象はまた、焙煎豆温度信号など、前述のような温度を示すセンサ信号から導出されてもよい。例として、焙煎豆温度センサによって決定される豆温度は、選択された焙煎プロファイルに従って所定の特性値を仮定することができ、特性事象として機能することができる。特性事象が発生すると、制御ユニットは、制御出力信号の生成を、それぞれその構成要素のうちの1つまたは複数を修正または変更するように構成され得る。例として、焙煎豆温度、後壁温度、ドラムエア温度、空気加熱器の加熱力、及び/又は正圧装置及び/又は負圧装置の設定値、例えば供給ファン及び/又は引き抜きファンの回転速度は、特性事象の発生時に変更されてもよい。
【0115】
しかしながら、全てのセンサ信号が焙煎プロセスを制御するために直接使用されるわけではない。特定のセンサ信号は、制御出力信号に影響を与えることなく、焙煎プロセスを管理および監視するために使用され得る。例として、任意のエア湿度センサによって生成されるエア湿度信号は、コーヒー豆焙煎プロセス、特に焙煎プロセスの進行を全体的に監視するために、制御ユニットによって評価されてもよい。さらに、エア湿度は、焙煎されたコーヒー豆から期待できる味の指標である。さらに、排気温度センサは、任意選択で、例えば煙突または煙突内の排気温度を測定するように構成されてもよい。排気温度信号は、一般に安全のために制御ユニットによって評価することができる。
【0116】
制御出力信号は、ドラム内部の温度条件、特に後壁温度、ドラムエア温度、および/または豆温度が、空気加熱器、ドラム加熱器、正圧装置、および負圧装置のうちの1つまたは複数の動作を制御することによって影響を受け得る1つまたは複数の制御信号を含み得る。一般に、ドラム加熱器および/または空気加熱器の加熱力の増加は、ドラム内部の温度上昇をもたらし、逆の場合もそうである。同様に、正圧装置の動作の増加、特に供給ファンの回転速度の増加は、ドラム内部の温度上昇をもたらし、逆に、ドラム内部の温度上昇をもたらす。負圧デバイスの動作の増加、特に引き抜きファンの動作の増加は、ドラム内部の温度低下をもたらし、逆に、ドラム内部の温度低下をもたらす。前述のように、それぞれドラムに流入する熱風の空気流は、一般に、焙煎中にドラムからそれぞれ流出する排気の空気流に対応すべきである。
【0117】
典型的な実施形態では、後壁温度は、周囲温度から約300℃までの範囲で制御することができ、熱風の温度は、周囲温度から約550℃までの範囲で制御することができ、ドラムロータの回転速度は、例えば50 RPM (Rounds per minute)から90 RPMまでの範囲で作動される場合に制御することができ、引き抜きファン及び供給ファンは、例えば10リットル/分から350リットル/分までの範囲の空気流量で制御することができる。
【0118】
前述のように冷却ユニットを介した冷却プロセスの実行を制御することは、対応する制御信号、特に冷却ロータ駆動制御信号、冷却空気供給制御信号、および/または冷却水供給制御信号のうちの少なくとも1つが、制御入力信号、特に1つまたは複数の冷却センサによって提供される信号、フィードバック信号、および選択された焙煎プロファイルに基づいて、実質的にリアルタイムでそれぞれ生成される閉ループ制御であってもよい。代替の実施形態では、前述の制御信号は、冷却中の開ループ制御に従って少なくとも部分的に生成される。特に、冷却水の供給は、前に説明したように湿潤温度閾値で好適に停止されるが、冷却空気供給、特に供給ファンは、手動でオフに切り換えられるまで、時間制御されるか、または作動し続けることができ、かつ/またはコーヒー豆の次のバッチが焙煎されなければならない。
【0119】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の制限イベントの発生時に、制御入力信号に応じて制御出力信号の生成をさらに修正または変更するように構成され得る。そのような限界事象は、例えば、焙煎豆温度、ドラム内部の熱風温度、またはそれぞれの限界温度を仮定または超える排気温度であってもよい。そのような場合、制御ユニットは、例えば、ドラム加熱器の加熱電力、正圧装置を介して供給される熱風の量、および/または熱風供給の加熱電力を低減するように構成されてもよい。限界値、特に限界温度は、固定されていてもよく、及び/又は焙煎プロファイルの一部であってもよい。
【0120】
制御入力信号に応じて制御出力信号を生成する制御アルゴリズムおよび/または制御パラメータは、制御ユニットによって永続的に記憶されてもよい。代替的に、または追加的に、制御ユニットは、制御アルゴリズムおよび/または制御パラメータを、個人またはいくつかの焙煎手続のための遠隔コンピュータシステムから受信し、制御アルゴリズムおよび/または制御パラメータを記憶し、記憶された制御アルゴリズムおよび/または制御パラメータに従って制御出力信号を生成するように構成され得る。そのような実施形態では、制御アルゴリズムおよび/または制御パラメータは、必要に応じて遠隔コンピュータシステムを介して修正され得る。
【0121】
コーヒー焙煎機、特に本開示によるコーヒー焙煎機は、好ましい実施形態によれば、モジュール式設計を有することができ、例えば、制御ユニットと、電源などの潜在的に補助的な機能とを含むことができるコーヒー焙煎機フレームまたはベースを含むことができる。焙煎ユニット、冷却ユニット、及び排気処理ユニットは、一般的に内蔵型のユニット、例えば、フレーム又はベースに取り付けられるか又は差し込まれるように設計されたプラグインユニットとして設計されてもよく、ベース又はフレーム、並びに単一のモジュールは、好適には、対応する電気的及び流体的カプラを備え、モジュールの結合は、ベース又はフレームを介して行われる。しかしながら、いくつかのまたはすべての結合、特に流体結合は、モジュール間に直接あってもよく、任意選択で、モジュールのいくつかまたはすべては、フレームまたはベースに別々に取り付けられるかまたは差し込まれるように設計されたサブモジュールに分割されてもよい。特に、ドラム加熱器及び熱風供給部を備えたドラムは、別個のサブモジュールとして提供されてもよい。同様に、前述のようなホッパーおよびドラム入口シャッターを含むことができる入口モジュールは、チャフ分離器モジュールが設けられ、フレームまたはベースに取り付けられ、または差し込まれてもよい。いくつかの実施形態では、前述の制御ユニットおよび/または補助的なさらなるデバイスは、コーヒー焙煎機フレームまたはベースに含まれないが、内蔵型モジュールとしても設計される。さらに、例示的な実施形態の文脈において以下でさらに説明されるように、豆スケール、豆トレイ、および引き出しの組み合わせは、別個の構造的に別個のユニットとして提供され得る。
【0122】
そのようなモジュール式設計は、コーヒー焙煎機のメンテナンスおよび洗浄を、特に、それぞれ非技術者のユーザによって、大幅に簡素化する。さらに、それは、欠陥モジュールの修理および交換を単純化する。
【0123】
一実施形態では、制御ユニットは、遠隔コンピュータシステムと動作可能に結合し、遠隔コンピュータシステムから選択された焙煎プロファイルを受信するように構成される。遠隔コンピュータシステムは、集中型および/またはクラウドベースの遠隔コンピューティングシステムであってもよい。好ましくは、遠隔コンピューティングシステムおよびコーヒー焙煎機それぞれの制御ユニットは、前述のようにインターネットを介して通信するように構成される。さらに、そのような実施形態では、前述のようなユーザインターフェースデバイスおよび遠隔コンピュータデバイスは、インターネットを介して通信するように構成され得る。そのような実施形態では、ユーザインターフェースデバイスは、一般に、中間要素として遠隔コンピュータシステムを介してコーヒー焙煎機と通信する。しかしながら、代替的に、または追加的に、ユーザインターフェースデバイスおよびコーヒー焙煎機は、直接有線および/または無線通信のために構成され得る。これは、例えば、コーヒー焙煎プロセスの開始コマンドをコーヒー焙煎機に提供すること、並びに、警告及び警告のような情報、並びに焙煎プロセスに関する情報、例えばセンサ信号を使用者に表示することに特に好ましい。
【0124】
本開示によるコーヒー焙煎システムは、コーヒー焙煎機を含み、制御ユニットは、前述のように遠隔コンピュータと動作可能に結合するように構成される。コーヒー焙煎システムはまた、いくつかのそのようなコーヒー焙煎機を含むことができる。コーヒー焙煎システムは、遠隔コンピュータシステムをさらに含み、遠隔コンピュータシステムは、複数の利用可能な焙煎プロファイルを記憶し、複数の利用可能な焙煎プロファイルから選択された焙煎プロファイルを選択するためのユーザ入力を受信し、選択された焙煎プロファイルを制御ユニットに送信するように構成される。そのような実施形態では、使用者は、概して、前述のように使用者インターフェースデバイス上で焙煎プロファイルを選択し、選択は、遠隔コンピュータデバイスに通信される。
【0125】
制御ユニットが遠隔コンピュータシステムと動作可能に結合するように構成されるいくつかの実施形態では、制御ユニットは、コーヒー豆焙煎プロセス中にセンサデータを取得し、取得されたセンサデータおよび/または取得されたセンサデータから導出されたデータを遠隔コンピュータシステムに送信するように構成される。
【0126】
取得されたデータは、特に、前述のように、焙煎豆温度信号、焙煎豆温度信号、冷却豆温度信号、冷却豆色信号、後壁温度信号、ドラム空気温度信号、入口空気温度信号、空気湿度信号、空気流信号、亀裂検出信号、および/または水温センサ信号のうちの1つまたは複数を含み得る。さらに、取得されたセンサデータは、生豆重量、焙煎豆重量、および/またはそれらの間のそれぞれの比率を含むことができる。
【0127】
さらに、制御ユニットは、制御出力信号および/または制御出力信号から導出されたデータを遠隔コンピュータシステムに送信するように構成されてもよい。
【0128】
取得されたセンサデータから導出されたデータは、例えば、平均値、極値、平滑化値、またはフィルタリングされた値、ならびに特性持続時間または時点、例えば、コーヒー豆焙煎プロセスの開始から、亀裂検出センサによって検出された第1の亀裂までの時間、焙煎プロセスの終了時(冷却前)の焙煎豆温度、冷却プロセスの終了時の冷却豆温度、焙煎プロセスの終了時(冷却前)の焙煎豆色、冷却プロセスの終了時の冷却豆色などであってもよい。
【0129】
遠隔コンピュータシステムは、特に品質管理目的のために、1つまたは複数のコーヒー焙煎機から受信されたデータを記憶および/またはさらに評価および/または処理するように構成され得る。
【0130】
さらに、一実施形態では、遠隔コンピュータシステムは、取得されたセンサデータおよび/または取得されたセンサから導出されたデータを評価して、コーヒー豆焙煎プロセスが成功したかどうかを判定し、対応するフィードバック情報をコーヒー焙煎機、特にその制御ユニット、および/またはユーザインターフェースデバイスに送信するように構成される。
【0131】
さらに、制御ユニットおよびユーザインターフェースまたはユーザインターフェースデバイスは、ユーザインターフェースまたはユーザインターフェースデバイスのディスプレイ上に、特定の特性イベントまたはマイルストーン、特にコーヒー豆焙煎プロセスの特性イベントを表示するように構成され得る。そのような特徴的な事象は、それぞれ予備加熱が完了される予備焙煎条件、焙煎プロセスの開始、第1の亀裂の発生、焙煎の終了、冷却の開始および冷却の終了のうちの1つまたは複数を含むことができ、それぞれ冷却終了条件が満たされる。さらに、制御ユニットおよびユーザインターフェースまたはユーザインターフェースデバイスは、ユーザインターフェースまたはユーザインターフェースデバイスのディスプレイ上にセンサデータをリアルタイムで表示するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0132】
図1】本開示によるコーヒー焙煎機の例示的な実施形態を概略側面図で示す。
図2図1に示すコーヒー焙煎機内のセンサの配置を示す。
図3図1に示すコーヒー焙煎機の制御構成を示す。
図4】本開示によるコーヒー焙煎システムの実施形態を示す。
図5】コーヒー豆焙煎プロセスを例示する。
図6】本開示によるコーヒー焙煎機のさらなる例示的な実施形態を概略側面図で示す。
図7】さらなる例示的なコーヒー豆焙煎プロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0133】
以下では、まず図1を参照して、本開示によるコーヒー焙煎機1の例示的な実施形態を概略側面図で示す。コーヒー焙煎機1は、焙煎ユニット11と、冷却ユニット14と、排気処理ユニット15とを備える。さらに、コーヒー焙煎機1は、構造的に分離されそれぞれ取り外し可能な、引き出し18および一体化された豆はかり16を有する豆トレイ17を含む。
【0134】
焙煎ユニット11は、ドラム本体1111と前壁1112とを備えたドラム111を含み、ドラム111の全体的な形状は、概ね円筒形のそれぞれディスク形状となる。好ましくは、ドラム111は、約1kgのコーヒー豆を焙煎するのに適した、それぞれ内部ドラム空間の充填容積を有する。ドラムは、ドラム111の内部に回転可能に配置されたドラムロータ112のロータ軸と一致する水平ドラム軸Aを有する。ドラムは、一般的な説明で説明されるように設計され、前壁1112は透明であり、取り外し可能である。ドラム本体1111の後壁11111は、上述のようにその熱特性のためにサンドイッチとして設計され、ドラム111の外側に配置された例示的な抵抗ドラム加熱器116と熱的に結合される。ドラム加熱器116は、後壁11111の実質的に均一な加熱を保証するように配置される。後壁11111の上部領域には、ドラム入口11112が配置されている。同様に、ドラム出口11113は、後壁11111の下部領域に配置される。ドラムロータ112は、電気モータとして実現され、ドラムの外側に配置されるドラムロータ駆動部113に接続される。
【0135】
熱風供給部114は、ドラム111内に熱風を供給するために設けられており、ドラムの概ね外側に配置され、ドラム内に熱風を供給するための配管(図示せず)を介してドラム出口11113と流体的に接続されている。図示の実施形態では、熱風供給部114は、抵抗空気加熱器1141と、供給ファンの形態の正圧供給部1142とを含む。図示の実施形態では、熱風供給部114は、チューブを介してドラム出口11113と流体的に結合され、ドラム出口11113は、同時に熱風入口として機能する。しかし、これは必須ではなく、ドラム本体1111、特に後壁11111に別々の熱風供給開口が交互に予見されてもよい。
【0136】
対応するチューブを介して、ドラム入口11112は、焙煎される生豆が充填されるホッパー1113に接続される。ドラム111の内部空間とホッパー1113との接続部には、ドラム入口シャッター1114が配置されている。ドラム入口シャッター1114が開いている場合にのみ、ホッパー1113内に存在する未加工の豆は、重力によってドラム111の内部空間内に移送され得る。ドラム入口シャッター1114は、一般に、未加工コーヒー豆をドラム111に充填するためにのみ開いているが、そうでなければ閉じている。ドラムに生コーヒー豆を充填するために、この実施形態では、このような豆は、まず、ユーザによって豆トレイ17に充填され、ここで、生豆の重量は、豆はかり16によって自動的に測定される。続いて、使用者は、引き出し18と豆はかり16を備えた豆トレイ17をホッパー1113にそれぞれ移動させて、豆トレイ17からホッパー1113内に豆を充填する。
【0137】
この実施形態では、豆トレイ17、引き出し18、および豆はかり16は、コーヒー焙煎機1のさらなる構成要素およびユニットから構造的に分離され、ユーザによって移動可能である一体ユニットを形成する。
【0138】
さらに、ドラムの内部から排気を除去するために、排気エア抜き装置115が設けられている。排気エア抜き装置115は、対応する配管を介して後壁11111の上部領域の排気エア抜き開口部11114と、この実施形態では、以下でさらに説明するように排気処理ユニット15とに流体的に結合される負圧装置1151を含む。負圧デバイス115は、この設計では、吸引圧力を生成するための引き抜きファン1151を含む。さらに、排気エア抜き装置115は、引き抜きファン1151と流体結合する煙突1152を含む。排気エア抜き開口部11114には、有孔板やメッシュ状の豆押さえ11115が配置されており、コーヒー豆がドラム111の内部空間から抜け出ることを防止するとともに、空気やチャフが通過することができるようになっている。
【0139】
排気処理ユニット15は、ドラム111の排気エア出口11114と、煙突1152を有する負圧装置それぞれの引き抜きファン1151との間に流体的に配置される。排気処理ユニットのおかげで、最終的に煙突1152を出る排気は、冷たく、望ましくない臭気物質を実質的に含まず、それによって、コーヒー焙煎機1が、一般に閉鎖された部屋内で使用されることを可能にする。
【0140】
図示の設計では、チャフ分離器19は、ドラム111と排気処理ユニット15との間に流体的に配置される。チャフ分離器19は、特に、上記の一般的な説明によるサイクロン分離器及び/又は機械的チャフリテーナフィルタを含むことができる。
【0141】
排気処理ユニット15の主要要素は、水タンク151である。動作中、水タンク151は、ドラム111の排気エア抜き開口部11114の下にある充填レベルFで、水で充填レベルFまで充填される。図示の実施形態では、水タンク151は、真水供給弁1521が開いている場合に、真水を水タンク151に供給するために、真水供給弁1521を介して真水供給152と流体的に結合される。さらに、水タンク151は、この実施形態では、排水ドレン弁1531が開いている場合に水タンク151から排水を除去するために、排水ドレン弁1531を介して排水ドレン153と流体結合される。
【0142】
一般に、水タンク151の充填容積は、0.5~2リットルの典型的な範囲、例えば1リットルであってもよく、多数の、例えば1~3回の焙煎操作のための排気処理を可能にするのに十分な寸法であることが好ましい。明示的な真水供給152および排水ドレン153、ならびに対応する真水供給弁1521および排水ドレン弁1531は、原則として省略され得ることに留意されたい。そのような実施形態では、水タンク151は、ユーザによって手動で満たされ、空にされ得る。
【0143】
充填レベルFの下方には、水タンクエア入口1511が配置されており、これは、排気エア抜き開口部11114を有するチューブを介して、したがって内部ドラム空間を介して流体的に冷却される。水タンクエア入口1511および水タンクエア出口1512とは別に、水タンク151は、概して、動作中に閉じられる。
【0144】
水タンク151の内部で、概して充填レベルFより下に、水タンク151の横方向表面領域全体にわたって実質的に延在する、有孔プレートの形態のバブルエンハンサ156が配置される。専用のチャフ分離器ユニットがない実施形態では、バブルエンハンサ156は、一般的な説明で上述したように、同時にチャフ分離器として機能することができる。
【0145】
焙煎プロセス中、負圧デバイスそれぞれの引き抜きファン1151は、概してアクティブであり、それによって、充填レベルFより上の水タンク151内の空気容積内にそれぞれ負圧を生成し、その結果、水タンク151内の水が撹拌され、気泡が生成される。チャフと一緒に水タンク151に入る排気は、水と接触し、それに応じて冷却され、チャフから解放され、少なくとも部分的に臭気物質から解放され、さらに関連物質、特に煙を含有する。排気は、充填レベルFで水面に上昇し、前述のように、凝縮器155および排気エアフィルタ154を通過した後、負圧装置それぞれ引き抜きファン1151によって回収される。
【0146】
焙煎工程の最後に焙煎されたコーヒー豆を冷却するために、本実施形態では冷却ユニット14が存在する。冷却ユニット14は、冷却容器入口1411及び冷却容器開口部1412を有する冷却容器141を含む。冷却容器入口1411は、ドラム111の豆出口開口部11113の下に好ましく配置され、それによって、焙煎されたコーヒー豆が、重力によってドラムの内部空間から冷却容器141内に移送されることを可能にする。ドラム出口11113と冷却容器入口1411とのそれぞれの接続部の間には、開いた状態でのみコーヒー豆を冷却容器141内に移送することができるドラム出口シャッター1115が存在する。ドラム111内のコーヒー豆の焙煎中、ドラム出口シャッター1115は閉じられ、焙煎の終わりにのみ開かれる。
【0147】
冷却ユニット14は、冷却容器141の内部に配置され、電気モータの形態の冷却ロータ駆動部143と動作可能に結合された回転式に配置された冷却ロータ142を任意に含む。図示の実施形態では、コーヒー豆の冷却は、冷たい空気ならびに任意の水滴の霧によって得られ、それによって、コーヒー豆を濡らすことなく、または他の方法でコーヒー豆に悪影響を及ぼすことなく、短時間内に効率的な冷却を可能にする。
【0148】
冷気を供給するために、冷却ファン144の形態の冷却エア供給部144が設けられ、これは、冷却容器141内に供給される環境から冷気をそれぞれ吸引し、コーヒー豆の間をコーヒー豆に沿って移動する。好ましくは、冷却空気は、その底部側で冷却容器141に入る。
【0149】
冷却水を供給するために、ノズル装置及びノズル制御弁を含む任意の冷却水供給部145が設けられる。ノズル装置を介して、冷却容器141の内部には、それぞれ小さな水滴霧が生成される。冷却中に回転する冷却ロータを介して、コーヒー豆は、連続的に移動され、冷たい空気ならびに任意の水滴にさらされる。冷却プロセスの終了時に、冷却容器出口シャッター146が開かれ、それによって、冷却容器出口1412の下に置かれた豆トレイ17への冷却されたコーヒー豆の重力による移送が可能になる。冷却中、冷却容器出口シャッターは閉じられ、冷却の終わりにのみ開かれる。コーヒー豆を冷却容器141から豆トレイ17に移送する間、冷却ロータ142は、コーヒー豆が実際に冷却容器出口1412に移送され、冷却容器141を出ることを確実にするために、好適に回転する。
【0150】
以下では、コーヒー焙煎機1のセンサ構成の様々なセンサの構成の例示的な実施形態を示す図2をさらに参照する。センサは、コーヒー豆焙煎プロセス、特にコーヒー豆の焙煎および冷却、ならびに排気処理ユニット15の動作を制御および監視するために使用される。
【0151】
ドラム111の内部には、それぞれ、焙煎豆温度センサ12a、焙煎豆色センサ12b、後壁温度センサ12c、ドラムエア温度センサ12d、及び、マイクとして例示的に実現され得る亀裂検出センサ12eが配置されている。これらのセンサの全ては、ドラム加熱器116と同様に、前壁1112の簡単な取り外しを可能にするために、ドラム本体1111に、好ましくは後壁11111に、および/またはその中に配置される。ドラム出口11113は、前述のように、本実施形態ではドラム111への熱風供給開口としても機能するが、入口エア温度センサ12fが配置される。水タンク151内で充填レベルFの下方には、水温センサ12jが配置されている。
【0152】
さらに、任意の排気温度センサ12kが、この実施形態では、煙突1152を出る前に排気のエア温度を測定する、負圧装置および引き抜きファン1151のそれぞれの下流に配置される。ドラム出口11113と水タンクエア入口1511との間には、排気エア圧及び排気湿度をそれぞれ測定するオプションのエア出口圧力センサ12h、エア入口圧力センサ12h2、及びオプションのエア湿度センサ12gが配置される。
【0153】
コーヒー豆の冷却を監視し、冷却終了条件が満たされるかどうかを検出するために、本実施形態では、冷却容器141の内部に冷却豆温度センサ12iが配置される。上述のように、冷却豆色センサは、追加的に又は代替的に存在することができる。
【0154】
以下では、コーヒー焙煎機1の制御構成を概略的な機能図で示す図3をさらに参照する。コーヒー焙煎機1は、典型的には、対応するソフトウェアコードを実行する1つまたは複数のマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラに基づく制御ユニット13を含むが、さらなる電子機器および回路を含むこともできる。制御ユニット13は、さらに、上で説明され、以下でさらに説明されるように、様々なセンサのうちのいくつかまたはすべてのためのセンサインターフェースおよび/または評価回路を含み得る。しかしながら、そのようなセンサインターフェースおよび/または評価回路はまた、一部または全部のセンサの一部であり、それらと一体に形成されてもよい。同様に、制御ユニット13は、様々なモータ及び更なるアクチュエータのための駆動及び/又は制御回路、並びに後壁加熱器及び空気加熱器並びに弁及びシャッターの更なるアクチュエータを含むことができる。しかしながら、そのような駆動および/または回路は、これらのユニットまたは構成要素の一部または全部の一部であり、それらと一体に形成されてもよい。一般に、制御ユニット13は、センサ信号を評価し、コーヒー焙煎機1全体、特に焙煎ユニット11、冷却ユニット14、および排気処理ユニット15の動作を制御および監視するように構成される。
【0155】
制御ユニット13は、実行されると、制御ユニット13のより多くのマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラにコーヒー焙煎機1の動作を制御するように命令する、必要なプログラムコードを記憶するメモリ(別個に参照されない)を含む。さらに、制御ユニット13は、選択された焙煎プロファイルおよび任意選択で複数の利用可能な焙煎プロファイルを記憶するためのメモリを含む。さらに、制御ユニット13は、一般的な説明で上述したように、1つまたは複数のコーヒー豆焙煎プロセスの文脈において、センサおよび任意選択的に豆はかり16によってそれぞれの間に取得されるセンサデータを少なくとも一時的に記憶するためのメモリをさらに含むことが好ましい。
【0156】
図示の実施形態では、制御ユニット13は、焙煎豆温度センサ12a、焙煎豆色センサ12b、後壁温度センサ12c、ドラムエア温度センサ12d、亀裂検出センサそれぞれマイクロフォン12e、入口エア温度センサ12f、エア湿度センサ12g、エア出口圧力センサ12h、エア入口圧力センサ12h2、冷却豆温度センサ12i、水温センサ12j、排気温度センサ12k、および充填レベルセンサそれぞれフロートゲージ12lならびに豆はかり16からの入力信号をそれぞれ受信する。センサは、ハードワイヤードおよび/またはワイヤレス方式で制御ユニット13に動作可能に結合される。ほとんどのセンサは、典型的には、ハードワイヤードであるが、特に、豆はかり16は、好ましくは、無線で、例えば、BluetoothまたはWLANを介して、制御ユニット13に結合され得る。センサ信号、特にコーヒー豆の焙煎および冷却に関連するセンサ信号は、前述のように制御入力信号を組み合わせて形成する。
【0157】
図示の実施形態では、制御ユニット13は、空気加熱器1141、正圧装置それぞれ供給ファン1142、負圧装置それぞれ引き抜きファン1151、ドラム加熱器116、ドラムロータ駆動部113、冷却ロータ駆動部143、冷却エア供給部それぞれ冷却ファン144、および冷却水供給部145それぞれのノズル弁のための制御信号を生成する。さらに、制御ユニットは、ドラム入口シャッター1114、ドラム出口シャッター1115、冷却容器出口シャッター146、ならびに真水供給弁1521および排水ドレン弁1531のための制御信号を生成する。異なる制御信号は、アナログ信号および/またはバイナリ信号であってもよい。制御信号、特にコーヒー豆の焙煎および冷却に関連する制御信号は、前述のように制御出力信号を組み合わせて形成する。
【0158】
以下では、本開示によるコーヒー焙煎システムを示す図4を参照する。コーヒー焙煎システムは、本開示によるいくつかのコーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dと、遠隔コンピュータシステム2とを含む。例示的には、4つのコーヒー焙煎機が例示目的で示されているが、1つのコーヒー焙煎機のみを含む他の数字も存在してもよい。コーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dは、例えば、上記および以下でさらに論じられるように、コーヒー焙煎機1または1'であってもよい。
【0159】
コーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dは、集中型コンピュータシステムとして例示的にちりばめられ遠隔コンピュータシステム2と動作可能に結合されるが、分散型、特にクラウドベースのコンピュータシステムであってもよい。
【0160】
コーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dおよび遠隔コンピュータシステム2は、例示的にインターネットベースの接続を介して動作可能に結合される。
【0161】
さらに、コーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dとは例示的に別個であり、例えばタブレットコンピュータとして実現される、いくつかのユーザインターフェースデバイス3a、3bが存在する。図示の構成では、ユーザインターフェースデバイス3aは、コーヒー焙煎機1a、1bのうちの2つと動作可能に結合され、一方、他の2つのコーヒー焙煎機1c、1dは、それぞれ、1対1の関係でユーザインターフェースデバイス3b、3cと動作可能に結合される。この構成では、コーヒー焙煎機1a、1bは、互いに近接して、例えば1つの店舗内に配置されてもよく、一方、コーヒー焙煎機1c、1dは、別の店舗内の異なる場所に配置される。
【0162】
図示の構成では、ユーザインターフェースデバイスは、例えばBluetoothを介してコーヒー焙煎機と直接通信し、コーヒー焙煎機を介して遠隔コンピュータデバイス2と通信することができる。しかしながら、代替的な構成では、ユーザインターフェースデバイス3a、3b、3cは、インターネットに接続し、インターネットを介してコーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dおよび/または遠隔コンピュータデバイス2と通信する。さらなる構成では、ユーザインターフェースデバイス3a、3b、3cならびにコーヒー焙煎機1a、1b、1c、1dは、中央インスタンスとして遠隔コンピュータデバイス2と通信するだけであり、ユーザインターフェースデバイスおよびコーヒー焙煎機は、遠隔コンピュータデバイスを介して通信する。
【0163】
特に、ユーザインターフェースデバイス3a、3b、3cが汎用デバイスである場合、それらは、対応するプログラムコード、特に、適切なソフトウェアアプリケーションそれぞれのアプリを記憶することができる。しかしながら、代替的に又は追加的に、各コーヒー焙煎機1及び/又は遠隔コンピュータシステム2の制御ユニット13は、ユーザインターフェースデバイスに送信され、ユーザインターフェースデバイスによって処理されるウェブページを生成及び提供するように構成された実装されたウェブサーバを含む。
【0164】
以下では、コーヒー豆を焙煎する例と、選択された焙煎プロファイルおよび/または目標焙煎プロファイルの例とを示す図5をさらに参照する。図5のダイアグラムにおいて、縦軸(縦軸)は、ドラム内の温度(ドラムエア温度センサ12d、後壁温度センサ12cおよび/または焙煎豆温度センサ12aによって測定される)を時間の関数として示す。
【0165】
コーヒー豆焙煎プロセスの開始時に、制御ユニット13は、予備焙煎制御出力信号を生成し、それによって、選択された予備焙煎条件が満たされるまで、ドラム、特に内側ドラム空間を加熱する。予熱の間、熱風供給部114、特に正圧装置それぞれ供給ファン1142および空気加熱器1141、ドラム加熱器116および排気エア抜き装置115、特に負圧装置それぞれ引き抜きファン1151が作動される。さらに、ドラムロータ駆動部113は、任意選択的に、高温空気が内側ドラム空間内に等しく分配されることを確実にするように作動させることができる。予熱中、シャッター、特にドラム入口シャッター1114およびドラム出口シャッター1115は、制御ユニット13によって閉じられるように制御される。予熱の間、ユーザは、豆はかり16によって重み付けされたコーヒー豆を豆トレイ17に充填することができ、重みは、生の豆重量として制御ユニット13に送信される。続いて、使用者は、生コーヒー豆を豆トレイ17からホッパー1113内に充填し、ドラム入口シャッター1114が閉じたままである限り、ホッパー内に残す。
【0166】
予備焙焼条件は、予熱温度によって特徴付けられる。制御ユニット13は、焙煎前の条件が満たされたと判断すると、ドラム入口シャッター1114を一時的に開くように制御し、これにより、生豆をそれぞれドラム111に落下させ、ドラム入口シャッターを再び閉じるように制御する。ドラム111内への生コーヒー豆の移送中、ドラムロータ駆動部113は、ドラムロータ112を適切な速度で回転させて、生コーヒー豆がドラム入口11112から運び去られることを確実にするように制御されることが好ましい。仕上げ色
【0167】
コーヒー豆がドラム111に充填されると、内側ドラム空間の温度は、選択された焙煎プロファイルの一部である転換点温度に達するまで低下する。しかしながら、実際の温度が低下する間、制御出力信号は、予熱温度を維持するように制御される。転換点に続いて、第1の亀裂が亀裂検出センサ12eそれぞれのマイクロフォンによって検出されるまで、温度は再び上昇する。次の進行フェーズでは、焙煎豆温度センサ信号および焙煎豆色信号によって示されるように、選択された焙煎プロファイルに従って目標焙煎豆温度および目標焙煎豆色が到達されるまで、温度が徐々に上昇するように制御される。目標焙煎豆温度及び目標焙煎豆色に到達したことは、焙煎終了条件を示す。
【0168】
焙煎中、温度は、制御ユニット13によって生成される制御出力信号を介して、空気加熱器114、特に熱風供給部1141および正圧装置それぞれ供給ファン1142、ドラムロータ駆動部113、ドラム加熱器116、および負圧装置それぞれ引き抜きファン1151の適切な制御によって制御される。原理的には、これらのユニットそれぞれの要素の全ては、時間的に変化する方法で制御されてもよいが、いくつかは、実質的に定常的な方法で、および/またはオン/オフの方法で制御されてもよい。
【0169】
焙煎終了条件が満たされると、制御ユニット13は、ドラム出口シャッター1115を開くように制御し、それによって、コーヒー豆をドラム111から冷却ユニット14の冷却容器141内に移送する。この移送中、ドラムロータ駆動部113及び冷却ロータ駆動部143は、実質的に全てのコーヒー豆が冷却容器141内に移送されることを確実にするために、ドラムロータ112及び冷却ロータ142を適切な速度で動作させるように好適に制御される。焙煎終了条件が満たされると、空気加熱器1141および正圧装置それぞれ供給ファン1142を備えた熱風供給部114、ならびに負圧装置/引き抜きファン1151は、非作動にされ得る。
【0170】
冷却中、冷却ロータ駆動部143は、冷却ロータ142を回転させるように作動され、冷却エア供給冷却ファン144および冷却水供給部145のノズル弁は、選択された焙煎プロファイルの一部としての目標冷却豆温度に達するまで豆を冷却するように制御ユニット13によって制御され、それによって冷却終了状態を示す。冷却中、豆の温度は、冷却豆温度センサ12iによって測定される。
【0171】
冷却終了条件が満たされると、制御ユニット13は、冷却容器出口シャッターを開くように制御し、それによって、冷却されたコーヒー豆を、冷却容器出口1412の下に配置された豆トレイ17に移送する。
【0172】
任意選択的に、例えば光学式、容量式もしくは誘導式センサ又はスイッチの形態のトレイセンサ12mが、冷却ユニットの出口1412に配置され、制御ユニット13と動作可能に結合される。制御ユニット13は、トレイ17が実際に存在し、正確に位置決めされている場合にのみ、冷却容器出口シャッター146を開くように構成されてもよい。同様に、引出しセンサ12nは、冷却容器出口シャッター146を開くときに引き出し18が挿入されることを確実にするために存在してもよい。
【0173】
焙煎されたコーヒー豆の重量は、豆はかり16によって重み付けされ、重量は、焙煎された豆重量として制御ユニット13に送信される。最後に、使用者は、引き出し18を引っ張り、焙煎され冷却されたコーヒー豆を取り出すことができる。
【0174】
以下では、まず図6を参照し、本開示によるコーヒー焙煎機1'の例示的な実施形態を、図1と同様の概略側面図で示す。コーヒー焙煎機1'は、コーヒー焙煎機1の基本的な設計および動作に関して、ならびにデバイス設計に関するいくつかの態様において、コーヒー焙煎機1と同様であるので、以下の説明は、差に焦点を当てる。明瞭にするために、様々なセンサ、アクチュエータ、および/または他の構成要素は、この実施形態ではすべて示されていないことに留意されたい。原則として、図2に示されるようなセンサ、アクチュエータ及び/又は他の構成要素が存在してもよい。しかしながら、いくつかのセンサ、アクチュエータ、および/または他の構成要素は、省略されてもよい。コーヒー焙煎機1'は、特に、焙煎されたコーヒー豆の冷却およびさらなる取扱い、ならびに排気処理に関して、異なる設計を有する。
【0175】
図6に示す実施形態では、コーヒー焙煎機1'から焙煎されたコーヒー豆を取り出すための豆トレイとしても機能する、ユーザが取り外し可能な冷却容器141'が予見される。冷却容器141'は、豆はかり16上に載るように構成される。冷却容器141'は、空気が通過することを可能にする穿孔された基部を有し、穿孔は、豆が通過することができないように設計される。
【0176】
焙煎されたコーヒー豆を冷却するために、図1、2に示される実施形態と同様に、冷却エア供給および冷却ファン144が予見される。しかしながら、コーヒー焙煎機1'については、冷却のために空気のみが使用される。冷却中、冷却ファン144によって供給される冷却空気は通過し、それによってコーヒー豆を冷却し、ドラム出口11113を介してドラム内に冷却容器を出る。ドラム111から、冷却空気は、負圧装置それぞれの引き抜きファン1151によってそれぞれ除去される。排気エア抜き装置は、この実施形態では、焙焼時に排気を抜き取ることと、冷却空気を抜き取ることの両方の二重の目的を果たす。
【0177】
一実施形態では、サイクロン分離器、触媒及び/又は排気ヒータは、排気が処理されるように冷却中に作動する。
【0178】
冷却が完了すると、それぞれ、満足される冷却終了条件は、前述の実施形態と同じ方法で、および/または、一般的な説明に従って、決定されてもよい。特定の設計では、制御ユニットの制御下にある専用の冷却容器出口シャッターは存在しない。したがって、制御ユニットは、冷却終了状態が満たされると、ユーザ表示、特に光学的および/または音響的表示を任意に提供することができる。
【0179】
コーヒー焙煎機1'のチャフ分離器19'は、チャフを排気気流から分離するためのサイクロン分離器191'を含む。サイクロン分離器191'は、制御ユニットによって制御され、焙煎プロセス中に作動されてもよい。ドラム出口11114を出た後、排気はサイクロン分離器191'に供給され、ここで、チャフは、一般に分離され、後続の廃棄のためにチャフ引き出し192'に移動され、サイクロン分離器191'から、排気は、例示的に静電粒子フィルタ158'として実現される粒子フィルタに供給される。静電粒子フィルタ158'に入る前に、排気は、機械的フィルタとして、例えば、有孔プレートとして実現され得るチャフ保持フィルタ193'を通過し、サイクロン分離器191'を通過した可能性がある任意の残留チャフが、さらなる下流構成要素に入ることを防止する。
【0180】
チャフ分離器19'には、サイクロン分離器191'及び/又はチャフ引き出し192'内の火災を消火する消火器194'が取り付けられている。消火器194'は、火災を示す状態を検出する制御ユニット13に基づいてその作動を制御する制御ユニット13に接続される。火災を示す状態は、火災検出器を使用して決定することができる。例えば、火災は、追加の火災温度センサ、煙検出器、または消火器194'自体、サイクロン分離器191'、チャフ引き出し192'、またはチャフ分離器19'の下流に配置された任意の他のタイプの火災検出器が測定した温度に基づいて検出することができる。
【0181】
コーヒー焙煎機1'の排気処理ユニット15'は、臭気、有害、有毒、および/または汚染物質、例えば一酸化炭素を除去するための触媒装置157b'を含む。触媒装置157b'が効率的に動作するための排気の適切な温度を確保するために、排気加熱器157a'が触媒装置157b'の上流に配置される。触媒装置157b'の下流には、排気冷却器157c'が配置され、触媒装置157b'を出るほぼ高温の排気空気に冷却される。触媒装置は、車両排気システムから知られているような触媒コンバータを備えることができる。
【0182】
動作時には、排気加熱器157a'は、大部分の匂いが発生するとき、連続的にではなく、あるフェーズ、特に、以下でさらに説明するような焙煎プロセスの後期フェーズにおいてのみ、好適に動作される。そうでなければ、それぞれの臭気粒子は、静電粒子フィルタ158'によって保持される。排気加熱器157a'の動作は、コーヒー焙煎機の制御ユニットによって制御される。典型的な加熱温度は、触媒装置157b'のタイプおよび特定の特性に応じて、例えば200℃~400℃、特に250℃~300℃の範囲であってよい。
【0183】
排気処理ユニット15'の下流要素としての排気冷却器157c'から、排気は、前述のように、凝縮器/除湿器155および排気エア抜き装置115を通過し、煙突1152を介してコーヒー焙煎機1'を出る。
【0184】
前述のように、冷却空気は、ちりばめ設計における焙煎中の排気と同じ経路に従う。
【0185】
以下では、さらに、図7を参照し、図5に概ね類似した、コーヒー豆を焙煎する例および選択された焙煎プロファイルおよび/または目標焙煎プロファイルの例を示す。例は、図6に示されるコーヒー焙煎機1'に基づいてこの形成で示される。焙煎プロセスは、概して、図5の文脈で議論されるように、同様の方法で行われ、焙煎豆の温度の経過も同様であるので、以下の説明は、実施形成の特定の側面に焦点を当てる。
【0186】
図7において、太線は、焙煎豆温度センサ12aによって決定される焙煎豆温度信号を、それぞれ焙煎豆温度を概略的に示し、選択された焙煎プロファイルに従って所望の焙煎豆温度に概ね対応するか、またはそれを示す。一点鎖線は、ドラム111の後壁11111の温度である。また、図7に供給空気の流れを破線で示す。
【0187】
準備フェーズOにおいて、コーヒー豆の重量は、前述のように豆はかり16によって決定される。ここで、冷却容器141'は、豆トレイとして機能する。フェーズIは、後壁11111およびドラム111内の空気が、選択された焙煎プロファイルに従って所望の目標値に加熱される予熱フェーズである。図示の例では、後壁温度は、実質的に一定に保たれるが、別の選択された焙煎プロファイルの場合にはそうではない場合がある。予熱フェーズIは、ここでは二分割されており、特にドラム空気温度が選択された焙煎プロファイルに従って所望の値に加熱されるI-aのような予熱フェーズを含む。この温度に達すると、イベントE1としてドットで示されるように、ドラム空気温度は、予熱保持フェーズI-bにおいて概して一定に維持されるように制御される。予熱保持フェーズの終わりに、制御ユニットは、ドラム入口シャッター1114を一時的に開くように制御し、それによって、重量を決定した後にホッパー1113内に充填された使用者によるコーヒー豆をドラム111内に移送する。焙煎中の焙煎豆温度の経過は、先に論じた図5の例と同様の示された例である。ドラムロータ駆動部113は、この例では一定の回転速度でドラムロータ112を回転させるように制御されるが、これは必須ではない。代わりに、選択された焙煎プロファイルは、時間可変プロファイルを含むことができる。
【0188】
両方ともドラム空気温度に大きな影響を及ぼす正圧装置それぞれ供給ファン1142および空気加熱器1141は、この例では、次のように制御される:供給ファン1142は、それぞれドラム111の入口で、供給ファン1142の後の所定の空気流および/または圧力に、いくつかの段階で制御される。空気加熱器1141は、時間の関数として所望の焙煎豆温度が達成されるように制御される。異なるフェーズは、それぞれ、時間制御されてもよく、選択された焙煎プロファイルに従って特定の焙煎豆温度を仮定する焙煎豆温度、および/または選択された焙煎プロファイルに従って特定の焙煎豆色を仮定する焙煎豆色に基づいて、焙煎豆温度に基づいて発生してもよい。
【0189】
一例として、フェーズI-bの終了時に、供給ファン1142は、最大空気流量の60%に設定され、供給空気の温度は、450℃に設定される。焙煎豆温度センサ12aによって検出される温度(実線によって示される)は、ドラム111に入る比較的低温の豆の上に降下する。これにより、焙煎豆温度センサ12aが示す温度が豆の温度と一致する(これは、熱い供給空気および熱いドラム111によって増加している)まで、焙煎豆温度センサ12aが示す温度が急速に低下する。フェーズIIの間、制御ユニット13は、焙煎豆温度センサ12aによって示される最低温度を検出するように構成される。最小値が検出されると、供給ファン1142は、最大空気流量の65%に調整され、供給空気の温度は460℃に設定される。ほぼこの時点から、焙煎豆温度センサ12aによって測定される温度は、豆の実際の温度によく対応する。焙煎豆温度センサ12aが、豆が193℃に達したことを示すと、点E2に達する。次いで、供給ファン1142は、最大空気流量の40%に設定され、供給空気の温度は、430℃に設定される。説明される実施例に示される特定の温度は、焙煎プロファイルに依存する。
【0190】
負圧装置の各引き抜きファン1151は、前述したように制御され、逆流のない安定した空気流を確保する。空気流および/または空気入口および/または排気エア抜き開口部11114における圧力は、さらに、あらかじめ定義された閾値について監視されてもよく、閾値を超えた場合、遮断されたフィルタなどの故障または欠陥を示してもよい。
【0191】
示された例では、焙煎自体は、第1の焙煎フェーズII-1およびその後の第2の焙煎フェーズII-2で二分割される。第1の焙煎フェーズII-1とは対照的に、排気加熱器157a'は、排気空気を例えば300℃の温度に加熱するように作動され、触媒プロセスで前述したように、触媒装置157b'が臭気、有害、毒性、及び/又は汚染物質を除去することを可能にする。第2の焙煎フェーズII-2の開始は、例えば、焙煎豆の温度、例えば150℃の値に応じて開始することができる。
【0192】
特徴的なイベントE3として示される焙煎条件の終了は、図5の例と同様であり、選択された焙煎プロファイルによって定義されるそれぞれの目標値を仮定して、コーヒー豆温度および任意選択的にコーヒー豆色によって決定される。さらに、焙煎の時間は、焙煎の終了条件、特に特定の温度および/またはそれを超える焙煎の時間を定義することができる。その後の冷却ステップIII、および焙煎されたコーヒー豆の重量決定ステップIVは、冷却ユニット15と比較して冷却ユニット15'の異なる設計および動作、および冷却容器141'からの焙煎されたコーヒー豆の手動除去を考慮して、前述のように実行される。
【符号の説明】
【0193】
1, 1', 1a, 1b, 1c, 1d コーヒー焙煎機
11 焙煎ユニット
111 ドラム
1111 ドラム本体
11111 後壁(ドラム本体)
11112 ドラム入口
11113 ドラム出口
11114 排気エア抜き開口部
11115 豆押さえ/穴あき板
1112 前壁
1113 ホッパー
1114 ドラム入口シャッター
1115 ドラム出口シャッター
112 ドラムロータ
113 ドラムロータ駆動部
114 熱風供給部
1141 空気加熱器
1142 正圧装置/供給ファン
115 排気エア抜き装置
1151 負圧装置/引き抜きファン
1152 煙突
116 ドラム加熱器
12a 焙煎豆温度センサ
12b 焙煎豆色センサ
12c 後壁温度センサ
12d ドラムエア温度センサ
12e 亀裂検出センサ/マイク
12f 入口エア温度センサ
12g エア湿度センサ
12h エア出口圧力センサ
12h2 エア入口圧力センサ
12i 冷却豆温度センサ
12j 水温センサ
12k 排気温度センサ
12l 充填レベルセンサ/フロートゲージ
12m トレイセンサ
12n 引き出しセンサ
13 制御ユニット
14' 冷却ユニット
141, 141' 冷却容器
1411 冷却容器入口
1412 冷却容器出口
142 冷却ロータ
143 冷却ロータ駆動部
144 冷却エア供給部/冷却ファン
145 冷却水供給部/ノズル装置
146 冷却容器出口シャッター
15, 15' 排気処理ユニット
151 水タンク
1511 水タンクエア入口
1512 水タンクエア出口
152 真水供給
1521 真水供給弁
153 排水ドレン
1531 排水ドレン弁
154 排気エアフィルタ
155 凝縮器
156 バブルエンハンサ/チャフ分離器
157a' 排気加熱器
157b' 触媒装置
157c' 排気冷却器
158' (静電)粒子フィルタ
16 豆はかり
17 豆トレイ
18 引き出し
19 チャフ分離器
191' サイクロン分離器
192' チャフ引き出し
193' チャフ保持フィルタ
194' 消火器
2 遠隔コンピュータシステム
3a, 3b ユーザインターフェースデバイス
F 充填レベル(水タンク)
A ドラム軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆焙煎処理を実施するためのコーヒー焙煎機(1)であって、
a)- 熱伝導性の後壁(11111)を備えたドラム本体(1111)と、ドラム入口(11112)及びドラ
ム出口(11113)を備えたドラム(111)であって、着脱可能な前壁(1112)をさらに備えるドラ
ム(111)と、
- 前記ドラム(111)の内部に回転可能に配置されたドラムロータ(112)と、
- 前記ドラムロータ(112)と動作的に連結されているドラムロータ駆動部(113)と、
- 空気加熱器(1141)と特に供給ファンを含む正圧装置(1142)とを含み、前記ドラム(111)
内に熱風を供給する、熱風供給部(114)と、
- 前記後壁(11111)と熱的に結合されているドラム加熱器(116)と、
を含む焙煎ユニット(11)と、
b)前記ドラム(111)の内部に配置されたコーヒー豆の焙煎豆温度を測定し、焙煎豆温度信
号を提供するように構成される、焙煎豆温度センサ(12a)を含むセンサ装置と、
c)前記コーヒー焙煎機(1)による前記コーヒー豆焙煎処理の実行を制御する制御ユニット(
13)と、を含み、
前記制御ユニット(13)は、時間の関数としての制御入力信号を受信するように構成され
、前記制御入力信号が前記焙煎豆温度信号を含み、
前記制御ユニット(13)は、前記制御入力信号に応じて時間の関数としての制御出力信号
を自動的に生成するようにさらに構成され、前記制御出力信号がドラム加熱器制御信号、
ドラムロータ駆動制御信号、および空気加熱器制御信号、および/または正圧装置制御信
号のうちの少なくとも1つを含み、それによって、前記ドラム加熱器(116)、前記ドラム
ロータ駆動部(113) 、並びに前記空気加熱器(1141)および/または前記正圧装置(1142)の
うちの少なくとも1つの動作を制御して、所定の選択された焙煎プロファイルに従って前
記ドラム(111)内部の前記コーヒー豆を焙煎し、
前記選択された焙煎プロファイルは、時間の関数としての所望の焙煎豆温度と、目標焙
煎豆温度とを含み、前記制御ユニット(13)は、焙煎終了条件が満たされるかどうかを決定
するように構成され、前記焙煎終了条件は、前記目標焙煎豆温度を有する前記ドラム(111
)内の前記コーヒー豆を含む、
コーヒー焙煎機(1)。
【請求項2】
前記前壁(1112)が透明である、請求項1に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項3】
前記センサ装置が、
- 前記ドラム内に配置された前記コーヒー豆の焙煎豆色を測定し、焙煎豆色信号を提供
するように構成され、前記制御入力信号が前記焙煎豆色信号を含む、焙煎豆色センサ(12b
)と、
- 前記後壁(11111)の後壁温度を測定し、後壁温度信号を提供するように構成され、前記
制御入力信号が前記後壁温度信号を含む、後壁温度センサ(12c)と。
- 前記ドラム(111)の内部のドラムエア温度を測定し、ドラムエア温度信号を提供するよ
うに構成され、前記制御入力信号が前記ドラムエア温度信号を含む、ドラムエア温度セン
サ(12d)と、
- 前記ドラム(111)に供給される熱風の入口エア温度を測定し、入口エア温度信号を提供
するように構成され、前記制御入力信号が前記入口エア温度信号を含む、入口エア温度セ
ンサ(12f)と、
- 前記ドラム(111)から引き抜かれた空気の引き抜きエア湿度を測定し、エア湿度信号を
提供するように構成され、前記制御入力信号が前記エア湿度信号を含む、エア湿度センサ
(12g)と、
- 前記ドラム(111)から引き抜かれた空気の空気圧を測定し、エア出口圧力信号を提供す
るように構成され、前記制御入力信号が前記エア出口圧力信号を含む、エア出口圧力セン
サ(12h)と、
- 前記ドラム(111)に供給される熱風の空気圧力を測定し、入口エア圧力信号を提供する
ように構成され、前記制御入力信号が入口エア圧力信号を含む、エア入口圧力センサ(12h
2)と、
- 焙煎中の前記コーヒー豆の第1および/または第2の亀裂の発生を検出し、亀裂検出信
号を提供するように構成され、前記制御入力信号が亀裂検出信号を含む、亀裂検出センサ
(12e)と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項4】
前記後壁(11111)が、前記ドラム加熱器(116)と熱的に接触する外層と、アルミニウムの
コア層と、食品グレードの内層と、を備えるサンドイッチとして実現される、請求項1乃
至4のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項5】
前記ドラム入口(11112)を交互に開閉するように配置されるドラム入口シャッター(1114
)をさらに含み、
前記選択された焙煎プロファイルは、選択された予備焙煎条件を含み、前記制御ユニッ
ト(13)は、
- 前記制御出力信号の一部として予備焙煎制御出力信号を生成し、
- 前記制御入力信号に基づいて、選択された予備焙煎条件が満たされたかどうかを判定
し、前記選択された予備焙煎条件が満たされたときに前記ドラム入口(11112)を開くよう
に前記ドラム入口シャッター(1114)を制御する、
ように構成される、請求項1乃至5のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項6】
前記ドラム出口(11113)を交互に開閉するように配置されるドラム出口シャッター(1115
)をさらに含み、
前記制御ユニット(13)は、前記焙煎終了条件が満たされたときに前記ドラム出口(11113
)を開くように前記ドラム出口シャッター(1115)を制御するように構成される、請求項1
乃至6のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項7】
a) 冷却容器入口(1411)を有し、前記ドラム出口シャッター(1115)を介して前記ドラム出
口(11113)に連結される冷却容器(141)と、
b) 冷却媒体供給源であって、内部冷却容器空間と流体的に結合されて冷却空気を前記冷
却容器(141)内に供給する前記冷却エア供給部(144)、特に冷却ファン、及び/又は、前記
冷却容器(141)内の前記コーヒー豆に冷却水を噴霧するように構成されるノズル構成を含
む冷却水供給部(145)を含む冷却媒体供給源と、
を含む冷却ユニット(14)をさらに含む、請求項6に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項8】
前記冷却容器(141)は、前記ドラム(111)の内部ドラム空間と流体的に、特に流体密に結
合され、それによって、前記冷却容器(141)から前記ドラム(111)への冷却空気の移送と、
前記ドラムからの前記冷却空気の回収とを可能にする、請求項7に記載のコーヒー焙煎機
(1)。
【請求項9】
前記ドラムから引き出される前記排気の1つ以上の構成要素に触媒反応をするように構
成される触媒装置(157b')を含む排気処理ユニット(15、15')をさらに含む、請求項1乃至
8のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項10】
前記排気処理ユニット(15、15')は、前記触媒装置(157b')に対して流体的に上流に配置
される排気加熱器(157a')と、前記触媒装置(157b')に対して流体的に下流に配置される排
気冷却器(157c')と、を含む、請求項9に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項11】
特にサイクロン分離器を含むチャフ分離器(156、19)をさらに含む、請求項1乃至10
のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項12】
前記チャフ分離器(156、19)内の火災を消火するように構成された消火器(194')をさら
に含む、請求項11に記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項13】
前記制御ユニット(13)は、焙煎プロセスの進行に応じて前記熱風の気流を変化させるよ
うに、前記正圧装置(1142)、特に供給ファンの回転速度を制御するように構成される、請
求項1乃至12のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項14】
前記制御ユニット(13)は、遠隔コンピュータシステム(2)と動作可能に結合し、前記遠
隔コンピュータシステム(2)から前記選択された焙煎プロファイルを受信するように構成
される、請求項1乃至13のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)。
【請求項15】
前記制御ユニット(13)は、コーヒー豆焙煎プロセス中にセンサデータを取得して、取得
されたセンサデータ及び/又は取得されたセンサデータから導出されたデータを前記遠隔
コンピュータシステム(2)に送信するように構成される、請求項14に記載のコーヒー焙
煎機(1)。
【請求項16】
a) 請求項14または15のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)と、
b) 複数の利用可能な焙煎プロファイルを記憶し、複数の利用可能な焙煎プロファイルか
ら前記選択された焙煎プロファイルを選択するためのユーザ入力を受信し、前記選択され
た焙煎プロファイルを前記制御ユニット(13)に送信するように構成される、遠隔コンピュ
ータシステム(2)と、
を含む、コーヒー焙煎システム。
【請求項17】
請求項1乃至15のいずれかに記載のコーヒー焙煎機(1)および/または請求項16に記
載のコーヒー焙煎システムを使用すること、を含むコーヒー豆を焙煎する方法および/ま
たはコーヒーを抽出する方法。
【国際調査報告】