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特表2023-540566混合アレイを使用する合成開口撮像システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】混合アレイを使用する合成開口撮像システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515236
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 US2021049226
(87)【国際公開番号】W WO2022055843
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/075,727
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520196081
【氏名又は名称】ディープサイト テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DeepSight Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】944 Lundy Lane,Los Altos,California United States 94024
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ダンホワ
(72)【発明者】
【氏名】チュー,リレン
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB06
4C601GB01
4C601GB02
4C601GB06
4C601GB41
4C601HH21
4C601HH25
4C601HH38
4C601JB01
4C601JB11
4C601JB28
4C601JB34
(57)【要約】
音響光学撮像の方法は、センサアレイの第1のサブ開口部から第1の信号を受信することを含んでもよい。第1のサブ開口部は、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含んでもよい。本方法は、センサアレイの第2のサブ開口部から第2の信号を受信するステップをさらに含んでもよい。第2のサブ開口部は、第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含んでもよい。いくつかの変形例では、第1のタイプのアレイ素子は音響トランスデューサ(例えば、圧電トランスデューサ)であってもよく、および/または第2のタイプのアレイ素子は光学センサ(例えば、ウィスパリング・ギャラリー・モード(WGM)共振器などの光共振器)であってもよい。本方法は、センサアレイの合成開口部を形成するために、第1の信号と第2の信号とを組み合わせるステップをさらに含んでもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響光学撮像の方法であって、
センサアレイの第1のサブ開口部から第1の信号を受信するステップであって、前記第1のサブ開口部が、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含む、ステップと、
前記センサアレイの第2のサブ開口部から第2の信号を受信するステップであって、前記第2のサブ開口部が、前記第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含み、前記第2のタイプが光学センサである、ステップと、
前記センサアレイの合成開口部を形成するために、前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させるステップは、前記第1の信号に第1の遅延を適用するか、または前記第2の信号に第2の遅延を適用するステップを含み、前記第1の遅延および前記第2の遅延は、第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子から撮像されている媒体への第1の伝播時間と、第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子から前記媒体への第2の伝播時間との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の遅延または前記第2の遅延は、音響レンズの厚さおよび音速、または音響整合層の厚さおよび音速、または音響レンズおよび音響整合層の各々の厚さおよび音速に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の遅延または前記第2の遅延は、送信フォーカスおよび/または受信フォーカスに少なくとも部分的に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の信号のノイズを低減するために前記第1の信号をフィルタリングし、前記第2の信号のノイズを低減するために前記第2の信号をフィルタリングするステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の信号と前記第2の信号とを振幅整合させるために前記第1の信号または前記第2の信号を増幅利得で増幅するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記増幅利得が予め設定された値である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記増幅利得が、撮像深度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の信号が、前記第1のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号の組み合わせであるか、または前記第2の信号が、前記第2のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号の組み合わせであるか、またはその両方である、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させるステップの前に、
前記第1のタイプの複数のアレイ素子、または前記第1のタイプおよび前記第2のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号を組み合わせることによって前記第1の信号を生成するステップと、
前記第2のタイプの複数のアレイ素子、または前記第1のタイプおよび前記第2のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号を組み合わせることによって前記第2の信号を生成するステップと、
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のタイプ、前記第2のタイプ、または前記第1および第2のタイプの両方の複数のアレイ素子から、より大きな有効アレイ素子を形成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記合成開口部内のアレイ素子の有効数を低減するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記合成開口部の有効次元数を低減するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記センサアレイが1.5次元(1.5D)アレイであり、前記方法が、前記合成開口部の有効次元数を1.5Dから1次元(1D)に低減するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサアレイが2次元(2D)アレイであり、前記方法が、前記合成開口部の有効次元数を2Dから1.5次元(1.5D)に低減するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させるステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させるステップの後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを振幅整合させるステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合および振幅整合させるステップの後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させるステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させるステップの後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを振幅整合させるステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合および振幅整合させるステップの後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の信号と前記第2の信号との前記組み合わせがコヒーレントな組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記光学センサが光共振器である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記光共振器がウィスパリング・ギャラリー・モード(WGM)光共振器である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光共振器が、マイクロバブル光共振器、フォトニック集積回路(PIC)光共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器、またはマイクロディスク光共振器である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、圧電トランスデューサ、単結晶材料トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、または静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
音響信号を送信するための前記第1のサブ開口部を選択するステップと、
前記音響信号に応答する音響エコーを受信するための前記第1のサブ開口部または前記第2のサブ開口部を選択するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
音響信号を送信するために前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子から素子を選択するステップと、
前記音響信号に応答する音響エコーを受信するために前記第1のサブ開口部または前記第2のサブ開口部を選択するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
音響信号を送信するための角度を選択するステップと、
前記音響信号を送信するステップと、
前記音響信号に応答する音響エコーを受信するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記光学センサがポリマー構造に埋め込まれている、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
ターゲットを撮像するための装置であって、
第1のサブ開口部を形成する第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子と、
前記第1のタイプとは異なり、第2のサブ開口部を形成する第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子であって、前記第2のタイプが光学センサであり、前記第1のサブ開口部が第1の位相を有する第1の信号を受信し、前記第2のサブ開口部が第2の位相を有する第2の信号を受信する、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子と、
前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせることによって少なくとも部分的に合成開口部を生成するように構成されたフロントエンドと、
を含む、装置。
【請求項30】
前記フロントエンドが、前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させることによって前記合成開口部を生成するようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させることは、前記第1の信号に第1の遅延を、または前記第2の信号に第2の遅延を適用することを含み、前記第1の遅延および前記第2の遅延が、第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子から撮像されている媒体までの第1の伝播時間と、第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子から前記媒体までの第2の伝播時間との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の遅延または前記第2の遅延は、音響レンズの厚さおよび音速、または音響整合層の厚さおよび音速、または音響レンズおよび音響整合層の各々の厚さおよび音速に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記第1の遅延または前記第2の遅延は、送信フォーカスおよび受信フォーカスに少なくとも部分的に基づく、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記フロントエンドが、前記第1の信号のノイズを低減するために前記第1の信号をフィルタリングし、前記第2の信号のノイズを低減するために前記第2の信号をフィルタリングすることによって、前記合成開口部を生成するようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項35】
前記フロントエンドが、前記第1の信号と前記第2の信号とを振幅整合させるために、前記第1の信号または前記第2の信号を増幅利得で増幅することによって前記合成開口部を生成するようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項36】
前記増幅利得が予め設定された値である、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記増幅利得が、撮像深度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記フロントエンドが、前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させることによって前記合成開口部を生成するようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項39】
前記第1の信号が、前記第1のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号の組み合わせであるか、または前記第2の信号が、前記第2のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号の組み合わせである、請求項29に記載の装置。
【請求項40】
前記フロントエンドが、
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させ、
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させた後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを振幅整合させ、
前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合および振幅整合させた後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させることにより、
前記合成開口部を生成するようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項41】
前記フロントエンドが、
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させ、
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合させた後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを振幅整合させ、
前記第1の信号と前記第2の信号とを位相整合および振幅整合させた後に、前記第1の信号と前記第2の信号とを周波数整合させることにより、
前記合成開口部を生成するようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項42】
前記第1の信号と前記第2の信号との前記組み合わせがコヒーレントな組み合わせである、請求項29に記載の装置。
【請求項43】
前記光学センサが光共振器である、請求項29に記載の装置。
【請求項44】
前記光共振器がウィスパリング・ギャラリー・モード(WGM)光共振器である、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記光共振器が、マイクロバブル光共振器、フォトニック集積回路(PIC)光共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器、またはマイクロディスク光共振器である、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、圧電トランスデューサ、単結晶材料トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、または静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記フロントエンドが、
音響信号を送信するための前記第1のサブ開口部を選択し、
前記音響信号に応答する音響エコーを受信するために前記第1のサブ開口部または前記第2のサブ開口部を選択することによって、
前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせるようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項48】
前記フロントエンドが、
音響信号を送信するために前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子から素子を選択し、
前記音響信号に応答する音響エコーを受信するために前記第1のサブ開口部または前記第2のサブ開口部を選択することによって、
前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせるようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項49】
前記フロントエンドが、
音響信号を送信するための角度を選択し、
前記音響信号を送信し、
前記音響信号に応答する音響エコーを受信することにより、
前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせるようにさらに構成される、請求項29に記載の装置。
【請求項50】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、高さ寸法における1つまたは複数の行を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項51】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ素子および前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ素子を含む少なくとも1つの行を含む、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、1次元(1D)アレイ状である、請求項29に記載の装置。
【請求項53】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、1.25次元(1.25D)アレイ状である、請求項29に記載の装置。
【請求項54】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子がアレイ状に配置され、前記アレイが、第1の数のアレイ素子を有する第1行と、第2の数のアレイ素子を有する第2行と、を含む、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記第1行のアレイ素子の前記第1の数が、前記第2行のアレイ素子の前記第2の数に等しい、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記第1行のアレイ素子の前記第1の数が、前記第2行のアレイ素子の前記第2の数とは異なる、請求項54に記載の装置。
【請求項57】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、1.5次元(1.5D)アレイ状である、請求項29に記載の装置。
【請求項58】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子がアレイ状に配置され、前記アレイが、第1の数のアレイ素子を有する第1行と、第2の数のアレイ素子を有する第2行と、を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記第1行のアレイ素子の前記第1の数が、前記第2行のアレイ素子の前記第2の数に等しい、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記第1行のアレイ素子の前記第1の数が、前記第2行のアレイ素子の前記第2の数とは異なる、請求項58に記載の装置。
【請求項61】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、1.75次元(1.75D)アレイ状である、請求項29に記載の装置。
【請求項62】
前記第1のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子ならびに前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、2次元(2D)アレイ状である、請求項29に記載の装置。
【請求項63】
前記第2のタイプの前記1つまたは複数のアレイ素子が、ポリマー構造に埋め込まれた1つまたは複数の光学センサを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項64】
前記光学センサが、一組の光信号を光検出器に送信するために光ファイバに光学的に結合される、請求項29に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年9月8日に出願された米国特許出願第63/075,727号の優先権を主張し、上記米国特許出願は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、一般に、超音波撮像の分野に関し、特に、光共振器および他のセンサのアレイを含む混合アレイからの信号を組み合わせることによって合成開口部を形成することを可能にする方法および装置に関する。本明細書に開示する方法および装置は、撮像性能を改善するために高感度および高動作帯域幅を有する光共振器を含む。
【背景技術】
【0003】
[0003]超音波検出は、多くの利点のために医療撮像および医療診断を含む様々な産業で使用されている。例えば、超音波検出は、顕著な侵入深さを有する超音波信号を利用する。さらに、超音波撮像は、非電離放射線に基づくので、有利には非侵襲的な撮像形態であることが知られている。
【0004】
[0004]超音波撮像に使用される様々な公知の超音波トランスデューサは、多くの欠点を有する。例えば、いくつかの超音波トランスデューサは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などの圧電材料で作られている。しかしながら、PZT材料の6dB帯域幅は、一般に、わずか約70%に制限される。特定の複合PZT材料は、わずかに増加した帯域幅を有するが、依然として最大約80%の帯域幅しか達成しない。別の例として、単結晶材料は、超音波プローブの性能を改善するためにますます使用されているが、キュリー温度は低く、壊れやすい。別のタイプのトランスデューサ材料はシリコンであり、これを処理して、帯域幅を増加させることができる静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)プローブを構築することができる。しかしながら、CMUTプローブはあまり高感度または高信頼性ではない。さらに、CMUTプローブにはいくつかの動作上の制限がある。例えば、CMUTプローブは非線形センサであり、したがって、一般に高調波撮像には適していない。さらに、CMUTプローブは、適切に動作するために追加のバイアス電圧を必要とする。したがって、より高い帯域幅および感度を有するセンサを含む超音波プローブが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一般に、いくつかの変形例では、ターゲットを撮像するための装置は、第1のサブ開口部を形成する第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子と、第1のタイプとは異なり、第2のサブ開口部を形成する第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子とを含むことができ、第1のサブ開口部は、第1の位相を有する第1の信号を受信し、第2のサブ開口部は、第2の位相を有する第2の信号を受信する。装置は、第1の信号と第2の信号とを組み合わせることによって少なくとも部分的に合成開口部を生成するように構成されたフロントエンドをさらに含んでもよい。いくつかの変形例では、フロントエンドは、本明細書に記載の方法の1つまたは複数の態様を使用して合成開口部を生成するように構成されてもよい。
【0006】
[0006]一般に、いくつかの変形例では、ターゲットを撮像するための方法は、センサアレイの第1のサブ開口部から第1の信号を受信するステップを含んでもよく、第1のサブ開口部が、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含む。本方法は、センサアレイの第2のサブ開口部から第2の信号を受信するステップをさらに含んでもよく、第2のサブ開口部が、第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含む。本方法は、センサアレイの合成開口部を形成するために、第1の信号と第2の信号とを組み合わせるステップをさらに含んでもよい。
【0007】
[0007]装置および方法のいくつかの変形例では、第1のタイプのアレイ素子は、音波を送信するように構成された音響トランスデューサ(例えば、圧電トランスデューサまたは静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)センサ)などの非光学センサであってもよく、第2のタイプのアレイ素子は、ウィスパリング・ギャラリー・モード(WGM)センサなどの光学センサであってもよい。光学センサは、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器(例えば、円形の断面形状またはレーストラックもしくは楕円形などの非円形の断面形状を有する)、マイクロバブル共振器、フォトニック集積回路(PIC)共振器、および/またはマイクロディスク共振器とすることができる/を含むことができる。場合によっては、第1および第2のタイプのアレイ素子は、送信された音波に対応する音響エコーを検出するように構成されてもよい。
【0008】
[0008]いくつかの変形例では、本方法は、第1の信号と第2の信号とを位相整合させるステップをさらに含んでもよい。信号を位相整合させるために、第1の遅延を第1の信号に適用してもよく、および/または第2の遅延を第2の信号に適用してもよい。場合によっては、第1の遅延および/または第2の遅延は、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子から撮像されている媒体への第1の伝播時間と、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子から媒体への第2の伝播時間との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。追加的または代替的に、第1の遅延および/または第2の遅延は、音響レンズの厚さおよび音速ならびに/または音響整合層の厚さおよび音速に基づいて決定されてもよい。第1の遅延および/または第2の遅延は、各アレイ素子および/またはサブ素子間の様々な差を考慮に入れた遅延プロファイルとして与えられてもよい。
【0009】
[0009]いくつかの変形例では、本方法は、信号内のノイズを低減するために、および/または信号の周波数範囲を整合させるために、第1の信号および/または第2の信号をフィルタリングするステップをさらに含んでもよい。フィルタは、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、および/またはデジタルフィルタなどを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法は、第1の信号および/または第2の信号を増幅利得で増幅して、第1の信号と第2の信号とを振幅整合させるステップをさらに含んでもよい。増幅利得は、予め設定された値であってもよく、および/または撮像深度に基づいて決定されてもよい。増幅利得は、一定の値を含むことができ、または各アレイ素子に特定の利得を提供する増幅利得値のテンソルを含むことができる。
【0010】
[0010]超音波センサアレイは、1次元(1D)アレイ、1.25次元(1.25D)アレイ、1.5次元(1.5D)アレイ、1.75次元(1.75D)アレイ、または2次元(2D)アレイであってもよい。いくつかの変形例では、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子ならびに第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子は、1.25Dアレイまたは1.5Dアレイに配置されてもよい。1.25Dアレイまたは1.5Dアレイの各々は、第1行および第2行を含むことができる。第1行は第1の数のアレイ素子を含むことができ、第2行は第2の数のアレイ素子を含むことができる。場合によっては、第1行のアレイ素子の第1の数は、第2行のアレイ素子の第2の数に等しくなり得る。例えば、第1行および第2行が、各々128個のアレイ素子を含んでもよい。場合によっては、第1行のアレイ素子の第1の数は、第2行のアレイ素子の第2の数とは異なり得る。例えば、第1行が128個のアレイ素子を含んでもよく、第2行が192個のアレイ素子を含んでもよい。
【0011】
[0011]いくつかの変形例では、第1の信号は、第1のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号の組み合わせを含んでもよい。追加的または代替的に、第2の信号は、第2のタイプの複数のアレイ素子から生じる信号の組み合わせを含んでもよい。互いに近い距離を有する同様のタイプのアレイ素子からの信号を組み合わせることにより、混合アレイの次元数を低減することができる(例えば、1.5Dアレイから1Dアレイ)。結果として、混合アレイは、より少ないフィルタおよび/または増幅器を必要としてもよい。
【0012】
[0012]いくつかの変形例では、本方法は、任意の適切な順序で第1の信号および第2の信号の周波数整合、振幅整合、および位相整合を含んでもよい。例えば、本方法は、第1の信号と第2の信号とを周波数整合し、続いて振幅整合し、次いで位相整合するステップを含んでもよい。別の例として、本方法は、第1の信号と第2の信号との位相整合、振幅整合、および周波数整合をこの順序で行うステップを含んでもよい。アレイ素子のタイプごとに別々に周波数整合、振幅整合、位相整合を行った後に、第1の信号と第2の信号とを組み合わせることができる。この組み合わせは、コヒーレントな組み合わせを含むことができる。
【0013】
[0013]いくつかの変形例では、本方法は、音響信号を送信するための第1のサブ開口部と、音響信号に応答する音響エコーを受信するための第1のサブ開口部と第2のサブ開口部との組み合わせと、を選択するステップを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法は、音響信号を送信するための第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子、および音響信号に応答する音響エコーを受信するための第1のサブ開口部と第2のサブ開口部との組み合わせから素子を選択するステップを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法は、音響信号を送信し、および/または音響エコーを受信するための角度(例えば、ステアリング角)を選択するステップを含んでもよい。上記の選択プロセスは、すべてのサブ開口部、アレイ素子、および/または角度が完全にカバーされるまで反復的に繰り返すことができる。
【0014】
[0014]いくつかの変形例では、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子は、ポリマー構造に埋め込まれた光学センサを含むことができる。光学センサは、一組の光信号を光検出器に送信するために光ファイバに光学的に結合されてもよい。光学センサは、音響エコーに応答して光信号を変更するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】混合アレイを有する例示的な合成開口撮像システムのブロック図である。
図2】混合アレイを有する合成開口撮像システムの例示的なフロントエンドのブロック図である。
図3】混合アレイを有する合成開口撮像システムの例示的なフロントエンドのブロック図である。
図4】混合アレイを有する合成開口撮像システムの例示的なプローブのブロック図である。
図5】合成開口撮像システムの例示的な混合アレイの概略図である。
図6】合成開口撮像システムの例示的な混合アレイの概略図である。
図7】合成開口撮像システムの例示的な混合アレイの概略図である。
図8】合成開口撮像システムの例示的な混合アレイの概略図である。
図9】合成開口撮像システムの例示的な混合アレイの概略図である。
図10】合成開口撮像システムの例示的な混合アレイの概略図である。
図11】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のフローチャートである。
図12】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のフローチャートである。
図13】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のフローチャートである。
図14】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のブロック図である。
図15】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のブロック図である。
図16】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のブロック図である。
図17】混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のブロック図である。
図18】混合アレイ内の2つのタイプのセンサによって生成される例示的な信号を示す図である。
図19】混合アレイ内の2つのタイプのセンサに合わせて調整された2つのバンドパスフィルタの例示的な周波数応答を示す図である。
図20】例示的な混合アレイ窓およびそれらの対応するビームプロットを示す図である。
図21】混合アレイおよびそれらの対応するビームプロットの例示的な合成開口窓を示す図である。
図22】均一アレイの例示的な遅延プロファイルおよび混合アレイの例示的な遅延プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0037]本発明の様々な態様および変形例の非限定的な例が本明細書に記載され、添付の図面に示されている。
【0017】
[0038]本明細書では、複数の異なるタイプのアレイ素子を含む混合アレイを有する超音波プローブを使用する合成開口撮像のための方法および装置について説明する。本明細書に記載の混合アレイは、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子と、第1のタイプとは異なる第2のタイプ(例えば、WGM光共振器などの光学センサなど)の1つまたは複数のアレイ素子とを含む。光学センサは、他のタイプの超音波センサと比較して、超音波信号の受信において高い感度および広い帯域幅を有する。第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、トランスデューサ、または非光サブアレイ)は、第1の組の信号を形成するために使用されてもよい。並行して、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、光サブアレイ内の光学センサ)は、第2の組の信号を形成するために使用することができる音響エコーを検出するために使用される。高感度で広帯域の光学センサによって生成される第2の組の信号は、独立して使用されてもよく、または第1の組の信号と組み合わせてさらに改善された画像を形成することができる。光学センサの高感度および広帯域幅のために、光学センサによって生成された画像は、改善された空間分解能、改善されたコントラスト分解能、改善された浸透深さ、改善された信号対雑音比(NSR)、改善された組織高調波撮像、および/または改善されたドップラー感度を有することができる。
【0018】
[0039]光学センサは、超音波信号を生成せず、したがって、超音波信号を生成する他のトランスデューサ(例えば、圧電トランスデューサ、CMUTなど)との混合アレイで一緒に使用される。混合アレイは、様々な構成で配置することができ、様々なノイズレベル、振幅応答、位相遅延、周波数範囲などを有するセンサ素子を含むことができる。したがって、1つのタイプのセンサを有するプローブに一般的に使用されるビーム成形方法およびデバイスは、複数のタイプのセンサの混合アレイを使用するプローブには使用することができない。
【0019】
[0040]各混合アレイ構成について、ビーム成形方法およびアルゴリズムは、混合アレイ構成に適合するように調整することができる。非光サブアレイと光サブアレイの両方が超音波エコー信号を受信するために使用され得るので、混合アレイの受信開口部は複数のサブ開口部に分割することができる。例えば、第1の受信サブ開口部(「非光学開口部」とも呼ばれる)は、光学センサではない1つまたは複数のセンサを含んでもよい。さらに、第2の受信サブ開口部(「光学センサ開口部」とも呼ばれる)は、1つまたは複数の光学センサを含んでもよい。受信開口部は、追加のサブ開口部(例えば、第3のサブ開口部、第4のサブ開口部など)を含んでもよい。サブ開口部から受信された信号は、以下でさらに説明するように、合成開口部を生成するために撮像システムの受信ビーム成形器によって一緒に組み合わされ得る。
【0020】
[0041]合成開口超音波撮像にビーム成形器を使用することには、いくつかの利点がある。例えば、合成開口超音波撮像は、システムチャネル数を増加させることなく開口サイズを増加させることができる。さらに、合成開口超音波撮像は、合成開口超音波撮像によって生成された画像内の線密度を低下させることなく、超音波撮像のフレームレートを増加させることができる。別の例として、合成開口超音波撮像は、送信と受信の両方のための動的焦点合わせを実現することによって画質を改善することができる。
【0021】
[0042]合成開口撮像システム
図1は、混合アレイを有する例示的な合成開口撮像システム100のブロック図である。合成開口撮像システム100は、プローブ125、撮像システム160、およびディスプレイ170を含む。プローブ125は、撮像システム160に(例えば、通信可能に結合される)結合することができる。プローブ125は、撮像システム160との間で一組の信号(例えば、電気信号、光信号など)を受信および/または送信することができる。プローブ125は、超音波画像を形成するために媒体との間で一組の信号(例えば、音響信号など)を受信および/または送信することができる混合アレイ110を含むことができる。撮像システム160は、(例えば、1つまたは複数の送信チャネルを介して)プローブに送信される信号の物理的パラメータ(例えば、タイミング、位置、角度、および/または強度など)を集合的に決定し、(例えば、1つまたは複数の受信チャネルを介して)プローブ125によって受信された信号を処理して画像を形成することができるフロントエンド140およびバックエンド150を含むことができる。撮像システム160はまた、ディスプレイ170に通信可能に結合されて、一組の信号(例えば、電気信号、電磁信号など)をディスプレイ170に送信することができる。例えば、いくつかの変形例では、ディスプレイ170は、撮像システム160によって生成された画像を(例えば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)で)表示するように構成することができる。追加的または代替的に、撮像システム160は、ディスプレイ170から信号を受信することができる。例えば、ディスプレイ170は、合成開口撮像システム100の動作を制御するなどのために、合成開口撮像システム100のユーザからのコマンドを受信するための対話型インターフェース(例えば、タッチスクリーン、キーボード、モーションセンサなど)をさらに含んでもよい。
【0022】
[0043]図1に示すように、プローブ125は、混合アレイ110、マルチプレクサ120、および光学センサケーブル130を含んでもよい。混合アレイ110は、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(PZTトランスデューサ、CMUTトランスデューサなどの非光学センサ)および第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(WGM共振器などの光学センサ)を含んでもよい。非光トランスデューサは、音響波を送信するように構成されてもよく、いくつかの変形例では、送信された音響波に応答してエコー信号を追加的に受信および検出するように構成されてもよい。光学センサは、高感度および広帯域応答でエコー信号を受信および検出するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、プローブ125は、混合アレイ110を使用して視野にわたって反復的にスキャンするように構成することができる。そうすることにより、以下でさらに詳細に説明するように、光学センサおよび/または非光学トランスデューサを使用して画像が生成される。混合アレイ110内の非光トランスデューサは、撮像システム160と非光トランスデューサとの間の送信および/または受信された電気信号を処理するマルチプレクサ120に動作可能に結合することができる。混合アレイ110内の第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子は、撮像システム160と光学センサとの間の送信および/または受信光信号を処理する光学センサケーブル130に動作可能に結合することができる。
【0023】
[0044]マルチプレクサ120は、個々のシステムチャネルを所望のアレイ素子に選択的に接続するように機能する。マルチプレクサ120は、アナログスイッチを含んでもよい。アナログスイッチは、多数の高電圧アナログスイッチを含んでもよい。各アナログスイッチは、個々のシステムチャネルに接続することができる。結果として、マルチプレクサ120は、撮像システム160の一組のシステムチャネルからの個々のシステムチャネルを、混合アレイ110の所望のトランスデューサ素子に選択的に接続することができる。
【0024】
[0045]光学センサケーブル130は、光学センサとの間で光信号を送信および/または受信するための専用の光路を含んでもよい。光学センサケーブル130は、光ファイバケーブルまたは同軸ケーブルなどの1つまたは複数の光導波路を含んでもよい。光学センサケーブル130の特性は、光信号のタイプ、光学センサのタイプ、および/または光学センサの配置に依存してもよい。いくつかの構成では、複数の光学センサ(例えば、光学センサのサブアレイ全体、またはその一部を形成する任意の2つ以上の光学センサ)を単一の光導波路に光学的に結合することができる。したがって、複数の光学センサからの信号は、単一の光導波路に結合され、単一の光導波路によって通信され得る。いくつかの構成では、光学センサのサブアレイは、1:1の比で光導波路のアレイに光学的に結合されてもよい(例えば、各光学センサは、それぞれの光導波路に結合されてもよい)。したがって、光学センサのサブアレイからの光信号は、光学センサケーブル130内の1つまたは複数の光導波路に結合され、それによって撮像システム160に通信することができる。さらに、いくつかの変形例では、合成開口撮像システム100は、上述のように構成された複数の光学センサケーブルを含んでもよい。
【0025】
[0046]撮像システム160は、フロントエンド140およびバックエンド150を含んでもよい。一般に、フロントエンド140は、音響ビームを生成し、電気信号および/または光信号を受信するためにプローブ125とインターフェースする。バックエンドシステム150は、フロントエンドを介して混合アレイ110から受信した信号を処理して画像を生成するための1つまたは複数のプロセッサ、画像を記憶するためにプロセッサに動作可能に結合されたメモリ、および/または画像を(例えば、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して)ユーザに提示するための通信インターフェースを含んでもよい。
【0026】
[0047]例えば、ディスプレイ170は、撮像システム160によって生成された一組の画像を表示するために、撮像システム160のバックエンドシステム150に動作可能に結合することができる。いくつかの変形例では、ディスプレイ170は、追加的または代替的に、対話型ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン)を含み、一組のコマンド(例えば、一時停止、再開など)を撮像システム160に送信するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、合成開口撮像システム100は、合成開口撮像システム100に情報を入力するか、または合成開口撮像システム100から情報を出力するために使用される一組の1つまたは複数の補助デバイス(図示せず)をさらに含んでもよい。一組の補助デバイスは、例えば、キーボード、マウス、モニタ、ウェブカム、マイクロフォン、タッチスクリーン、プリンタ、スキャナ、仮想現実(VR)ヘッドマウントディスプレイ、ジョイスティック、バイオメトリックリーダなど(図示せず)を含んでもよい。
【0027】
[0048]図2は、混合アレイ110を有する合成開口撮像システム100の例示的なフロントエンド140のブロック図であり、非光学センサと光学センサの両方を使用して超音波信号を検出することができる。図2に示すように、いくつかの変形例では、フロントエンド140は、プローブインターフェース141、送信機142、受信機143、光音響受信機144、送信ビーム成形器146、および受信ビーム成形器145を含んでもよい。送信ビーム成形器146は、1つまたは複数の送信チャネルを含むことができ、受信ビーム成形器145は、1つまたは複数の受信チャネルを含んでもよい。各送信または受信チャネルは、混合アレイ110のアレイ素子に(例えば、一組の電線、一組の光導波路などを介して)接続されてもよい。例えば、送信ビーム成形器146は128個の送信チャネルを含むことができ、受信ビーム成形器145は256個の受信チャネルを含んでもよい。
【0028】
[0049]送信ビーム成形器146は、撮像モードに基づいて様々な送信波形を生成することができる。波形は、プローブインターフェース141を介してプローブ125の素子に印加される前に、送信機142によって増幅することができる。プローブインターフェース141は、プローブ125が撮像対象に向かって音響信号を送信することができるように、撮像システム160を混合アレイ110を有するプローブ125に接続する役割を果たす。受信機143は、音響信号に応答して非光学センサによって検出されたエコー信号を入力として受信し、これらのエコー信号を処理して第1の組のデジタル化信号を出力として生成し、そのような出力を受信ビーム成形器145に送信することができる。さらに、光音響受信機144は、音響信号に応答して光学センサによって検出されたエコー信号を入力として受信し、それらのエコー信号を処理して出力として第2の組のデジタル化信号を生成し、そのような出力を受信ビーム成形器145に送信することができる。受信ビーム成形器145は、第1の組の信号および第2の組の信号を使用して受信ビームを生成する。
【0029】
[0050]図3は、混合アレイ110を有する合成開口撮像システム100の例示的なフロントエンド140のブロック図であり、混合アレイ110の光学センサのみが超音波エコー信号を検出するために使用される(すなわち、PZTサブアレイ113内のセンサなどの非光学センサは、超音波信号を送信するためにのみ使用され、エコー信号を検出するためには使用されない)。図3に示すように、フロントエンド140は、送信機142、光音響受信機144、送信ビーム成形器146、および受信ビーム成形器145を含んでもよい。送信機142は、非光学アレイ素子が音響波を送信することを可能にするように、(例えば、プローブインターフェース141を介して)PZTサブアレイ113などの非光学センサに接続されるか、または動作可能に結合され得る。混合アレイの光学センササブアレイ115は、エコー信号を検出し、それらを光音響受信機144に通信するために使用することができる。図2に示す変形例とは対照的に、図3に示す変形例では非光学センサによって信号が検出されないため、音響エコーに基づいて信号を生成するために非光学センサに関連付けられた別個の受信機143は必要とされない。したがって、受信ビーム成形器145は、光音響受信機144によって生成された信号を使用して受信ビームを生成する。
【0030】
[0051]図4は、混合アレイ110を有する合成開口撮像システム100の例示的なプローブ125のブロック図である。プローブ125は、混合アレイ110、光源117、熱制御部119、光検出器111、およびマルチプレクサ121を含んでもよい。光源117は、連続波(CW)またはパルス発光(誘導放出、自然放出など)を生成することができる。光源117は、光学センササブアレイ115の光共振器に光学的に結合された導波路媒体(例えば、光ファイバ、自由空間、フォトニック集積回路導波路など)の一端に発光をさらにアウトカップリングすることができる。光検出器111は、導波路媒体の他端で光共振器からのアウトカップリング光を受信する。アウトカップリングされた光は、一般に、光共振器の存在および音響振動(例えば、反射された音波に対応する)に起因して位相、振幅、および/またはスペクトル変化を受ける。プローブ125の熱制御部119は、光共振器の温度を一定に維持することができる。場合によっては、熱制御部119を使用して、光共振器の光応答を安定させることができる。
【0031】
[0052]混合アレイ
混合アレイ110は、センサ素子のアレイを含み、以下でさらに説明するようなものなど、1次元(1D)構成、1.25次元(1.25D)アレイ構成、1.5次元(1.5D)アレイ構成、1.75次元(1.75D)アレイ構成、または2次元(2D)アレイ構成で動作するように構成することができる。一般に、超音波センサアレイの次元数は、超音波センサアレイを用いて撮像するときに達成可能な高さビーム幅(または高さビームスライス厚さ)の範囲、ならびに撮像フィールド全体(例えば、撮像深度全体)にわたってセンサアレイの高さビーム開口サイズ、焦点、および/またはステアリングについてシステムをどの程度制御するかに関連する。1Dアレイは、高さ寸法および固定された高さ開口サイズの素子の行を1つだけ有する。1.25Dアレイは、高さ寸法および可変高さ開口サイズの素子の複数の行を有するが、音響レンズを介して固定された高さ焦点を有する。1.5Dアレイは、電子遅延制御を介して、高さ寸法、可変高さ開口サイズ、および可変高さ焦点の素子の複数の行を有する。1.75Dアレイは、追加の高さビームステアリング能力を有する1.5Dアレイである。2Dアレイは、大きなビームステアリング角に対する最小ピッチ要件を満たすために、横寸法および高さ寸法の両方において多数の素子を有する。
【0032】
[0053]いくつかの変形例では、合成開口超音波撮像システムは、1.5Dアレイ構成または2Dアレイ構成を1Dアレイ構成に変えることができる。混合アレイ110は、多数(例えば、16、32、64,128,256、1024、4096、8192、16384など)の素子を含んでもよい。いくつかの変形例では、混合アレイ110は、矩形構成で配置されてもよく、N×M個の素子を含んでもよく、Nは行の数であり、Mは列の数である。混合アレイ110は、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子および第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含み、第1のタイプは、超音波を送信するように構成されたトランスデューサまたは他の非光学センサであってもよく、第2のタイプは、WGM光共振器などの光学センサであってもよい。第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子および第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子は、矩形配列、湾曲配列、円形配列、または疎配列で集合的に配置されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、混合アレイは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第63/029,044号に記載されている混合アレイのいずれかと同様であってもよい。さらに、混合アレイは、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第63/046,888号に記載されているように、高調波撮像を実行するように構成されてもよい。
【0033】
[0054]混合アレイ110内のトランスデューサは、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)トランスデューサ、ポリマー厚膜(PTF)トランスデューサ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)トランスデューサ、静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)トランスデューサ、光音響センサ、単結晶材料(例えば、LiNbO(LN)、Pb(Mg1/3Nb2/3)-PbTiO(PMN-PT)、およびPb(In1/2Nb1/2)-Pb(Mg1/3Nb2/3)-PbTiO(PIN-PMN-PT))に基づくトランスデューサ、および/または音響センシングに適した任意のセンサを含んでもよい。
【0034】
[0055]光学センサの各々は、例えば、マイクロリング共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロバブル共振器、ファイバベースの共振器、集積フォトニック共振器、マイクロディスク共振器などの光共振器であってもよい/を含んでもよい。いくつかの変形例では、光学センサは、1つまたは複数のWGM光共振器を含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、光学センサは、PCT出願第PCT/US2020/064094号、PCT/US2021/022412号、およびPCT/US2021/033715号に記載されている光共振器のいずれかと同様であってもよく、これらの各々は、その全体が本明細書に組み込まれる。光学センサは、光のいくつかの許容周波数が閉ループ内を連続的に伝播することを可能にし、光の許容周波数の光エネルギーを閉ループ内に蓄積する透明媒体(例えば、ガラス、透明ポリマー、窒化ケイ素、二酸化チタン、または光共振器の動作波長で適切に光学的に透明な任意の他の材料)の閉ループを含んでもよい。上述したことは、光共振器が、光共振器の凹面を移動し、許容周波数に対応するモード(例えば、ウィスパリング・ギャラリー・モード(WGM))の伝搬を可能にして、共振器の円周を循環させることができることと等価である。各モードは、許容された光の周波数からの光の周波数の伝播に対応する。本明細書に記載の光の許容周波数および光共振器の品質係数は、光共振器の幾何学的パラメータ、透明媒質の屈折率、および光共振器を取り囲む環境の屈折率に少なくとも部分的に基づいてもよい。光共振器の共振周波数は、(例えば、一組のWGMの伝播に起因して)高感度検出プローブに適した高い品質係数を有することができる。一般に、光学センサの感度は、光共振器の品質係数を高めることによって改善することができる。特に、いくつかの変形例では、感度は光共振器の幾何学的パラメータによって制御することができる。超音波検出器として使用される場合、光共振器は、低ノイズ等価圧力および広帯域動作帯域幅を有することができる。いくつかの変形例では、光共振器は、光導波路内を伝播する光が光ファイバ内で結合し、光ファイバの周囲を伝播するときに、光ファイバおよび光導波路の断面に形成された検出ノードを含んでもよい。いくつかの変形例では、光学センサは、一体型フォトニック光共振器を含んでもよい。
【0035】
[0056]光共振器の内側および/または周囲の空間は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、パリレン、ポリスチレンなどの超音波増強材料で充填されてもよい。超音波増強材料は、光学センサの感度を高めることができる。例えば、超音波増強材料は、一組の超音波エコーを受信する光共振器に応答して、(例えば、一組の超音波エコーによって誘発される機械的応力または歪みを受けると)超音波増強材料の屈折率が光共振器の材料の屈折率よりも大きく変化するように、比較的高い弾性光学係数を有することができる。
【0036】
[0057]光共振器は、(例えば、音響光学システムにおける超音波撮像または他の検出用途のために)光を受信し、光を送信し、実際に有用であるように外界に結合されてもよい。いくつかの実施態様では、光共振器は、光ファイバ(例えば、テーパ光ファイバ)を介して、光源(例えば、レーザー、波長可変レーザー、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器など)および/または光検出器に動作可能に結合されてもよい。光学センサに基づく音響光学システムは、超音波に応答した(例えば、超音波エコー)共振器の光弾性効果および/または物理的変形によって超音波を直接測定することができる。したがって、光学センサは、機械的エネルギー(例えば、音響エネルギー)を光エネルギーに変換することができる光音響トランスデューサと考えることができる。例えば、超音波(または任意の圧力)波の存在下では、共振器を移動するモードは、共振器の屈折率および形状の変化によって引き起こされるスペクトルシフトまたは振幅変化を受ける可能性がある。スペクトル変化は、光検出器を使用してスペクトル領域で容易に監視および分析することができる。振幅変化は、光検出器によって検出することもできる。光検出器は、最終的に、光共振器および光ファイバ内を伝搬する光エネルギー(すなわち、光信号)を、電子回路による処理に適した電気エネルギー(すなわち、電気信号)に変換する。さらに、混合アレイ間の光共振器の光応答を監視および分析することによって、追加の空間情報および他の情報を導出することができる。例示的な混合超音波アレイが本明細書に記載されている。
【0037】
[0058]いくつかの変形例では、混合アレイ110は、高さ寸法に1つまたは複数の行を含んでもよい。例えば、(第1のタイプおよび第2のタイプの)アレイ素子は、多数の行および多数の列を含む矩形アレイにまとめて配置されてもよい。いくつかの変形例では、図5に示すように、混合アレイ110は、高さ寸法に3行の素子を含んでもよい。3つの行は、1つの内側行と2つの外側行とを含む。2つの外側行は、第2のタイプ114(例えば、WGM光共振器などの光共振器)で構成されてもよい。内側行は、第1のタイプ112(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサ)で形成されてもよい。2つの外側行は、対応する列に平行に配置された等しい数の素子を含んでもよい。2つの外側行の同じ列に配置された素子114の各ペアは、任意選択的に接続され(例えば、電気的に接続された、または電磁的に結合された)、1.25次元(1.25D)アレイ構成または1.5次元(1.5D)アレイ構成の単一の組み合わされた外側素子を形成することができる。
【0038】
[0059]図5は、3つの行を有する混合アレイ110を示しているが、いくつかの変形例では、行の数は、3,5...2n+1などの任意の奇数であってもよく、nは整数である。いくつかの変形例では、第1のタイプのアレイ素子112は、一組の奇数行の中央行に配置されてもよい。例えば、1.5Dアレイ構成は、5つの行を含み、中央行にPZTトランスデューサ行があり、中央行に隣接する2つの光共振器行があり、光共振器行に隣接する最外側行に2つのPZTトランスデューサ行がある。いくつかの変形例では、中央行にトランスデューサを含めることが有利であり得る。例えば、中央行は、超音波の送信および受信の両方を実行することができる第1のタイプのトランスデューサ素子112を含むので、高さアポダイゼーションプロファイルは、トランスデューサの送信モードおよび受信モードの両方について、中央に「ディップ」を有していない。高さアポダイゼーションプロファイルにおいて生じるこのディップは、画像品質を低下させ、画像アーチファクトを導入し得る。したがって、(例えば、図5に示すように)第1のタイプのトランスデューサ素子112を中央行に配置することは、好適には、画像品質および画像アーチファクトのそのような低下を回避するのに役立ち得る。しかしながら、いくつかの変形例では、混合センサアレイは、中央行に光共振器を含んでもよい。
【0039】
[0060]いくつかの変形例では、行の数は、2、4...2nなどの任意の偶数であってもよく、nは整数である。例えば、1.25Dアレイ構成または1.5Dアレイ構成は、一方の行に第1の数のPZTトランスデューサ素子(または他のトランスデューサ素子)を有し、他方の行に第2の数の光学センサ素子を有する少なくとも2つの行を含んでもよい。いくつかの変形例では、第1および第2の数は同じであってもよいが、他の変形例では、第1および第2の数は異なっていてもよい(例えば、ある行は128個のアレイ素子を含んでもよく、別の行は192個のアレイ素子を含んでもよい)。
【0040】
[0061]図6は、例示的な混合アレイの概略図である。混合アレイ110は、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサ)および第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、WGM共振器などの光学センサ)を含んでもよい。混合アレイ110は、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ素子および第2のタイプの少なくとも1つのアレイ素子を有する少なくとも1つの行を含んでもよい。図6に示すように、混合アレイ110は、例えば、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ素子および第2のタイプの少なくとも1つのアレイ素子を含む中央行を含んでもよい。例えば、中央行は、第2のタイプの単一のアレイ素子を有してもよく、他の行は、第1のタイプのアレイ素子のみを有してもよい。第2のタイプの単一のアレイ素子は、送信された音響波の波長とほぼ等しいかまたはそれよりも小さい光共振器とすることができる。いくつかの変形例では、単一の光共振器の使用は、画質改善のために光学センサの超高感度を利用しながら、プローブ製造の複雑さを最小限に抑えることができる。
【0041】
[0062]図7は、例示的な混合アレイの概略図である。混合アレイ110は、2つ以上の行を含んでもよい。2つ以上の行の各々は、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ素子(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサ)と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ素子(例えば、WGM共振器などの光学センサ)とを有することができる。第2のタイプのアレイ素子は、規則的なパターンで空間的に分布していてもよく、または不規則なパターンで空間的に分布していてもよい(例えば、ランダムパターン)。内側行および2つの外側行の一組の素子は、光共振器114を含むことができ、残りの素子は、例えば、PZTトランスデューサおよび/またはCMUTトランスデューサを含む第1のタイプ112を含む。いくつかの構成では、光共振器114の位置の空間分布はランダムであり得る。いくつかの構成では、光共振器114の位置の空間分布は、配置パターンに従うことができる(例えば、同じであれば、センサ素子のうちの1つのセルだけ右にシフトし、センサ素子のうちの2つのセルだけ下にシフトする)。光学センサのサイズは、第1のタイプ112のサイズよりも小さくても同じでもよい。
【0042】
[0063]図8は、複数のアレイ素子またはセンサ素子を含む単一の行を含む例示的な1D混合アレイ110の概略図である。複数のアレイ素子は、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ素子112(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサ)と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ素子114(例えば、WGM光共振器などの光学センサ)とを含んでもよい。いくつかの構成では、第1のタイプのもの112および第2のタイプのもの114の空間分布はランダムであってもよい。いくつかの構成では、第1のタイプのアレイ素子112および第2のタイプのアレイ素子114の空間分布は、変位パターンに従うことができる。1つのタイプのセンサのみを含む従来の1Dアレイと比較して、混合アレイは、光学センサの追加により、検出帯域幅および/または感度において改善された性能を有することができる。
【0043】
[0064]図9は、長方形構成に配置された例示的な2D混合アレイ110の概略説明であり、N×M個のセンサ素子を含むことができ、Nは行の数であり、Mは列の数であり、両方とも整数である。いくつかの実施態様では、行の数および/または列の数は、31行および/または31列より大きくてもよい。例えば、2D混合アレイは、64×96=6,144個のセンサ素子を含んでもよい。混合アレイ110は、矩形配置で集合的に位置決めされ得る第1のタイプ(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサ)の1つまたは複数のアレイ素子および第2のタイプ(例えば、WGM光共振器などの光学センサ)の1つまたは複数のアレイ素子を含み得る。いくつかの構成では、第1のタイプ112および第2のタイプ114の空間分布はランダムであってもよい。いくつかの構成では、第1のタイプ112および第2のタイプ114の空間分布は、分解パターンに従うことができる。
【0044】
[0065]図10は、疎アレイ構成における典型的な2D混合アレイ110の概略説明である。混合アレイ110を完全にサンプリングされた配置の代わりに疎アレイ構成に配置することにより、混合アレイを製造するために使用されるセンサ素子の総数を減らすことができる。例えば、完全にサンプリングされた2Dの同じサイズを有する疎な2Dアレイは、完全にサンプリングされた混合アレイの64×96=6,144個のセンサ素子と比較して、1000個のセンサ素子のみを含んでもよい。混合アレイ110は、スパースアレイ構成で集合的に配置された、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサ)および第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、WGM光共振器などの光学センサ)を含んでもよい。第1のタイプのアレイ素子112および第2のタイプのアレイ素子114の空間分布は、ランダムであってもよいし、統計分布(例えば、正規分布、ガウス分布など)に従うものであってもよい。第1のタイプ112および第2のタイプ114のアレイ素子の疎な空間分布を使用することにより、混合アレイによって生成される画像におけるグレーティングローブの発生を低減/防止することができる。第1のタイプのアレイ素子112の空間分布は、第2のタイプのアレイ素子114の空間分布と同じであってもよく、類似していてもよく、または異なっていてもよい。例えば、混合アレイ110内の一組の光学センサの第1の組の位置は均一な分布を有してもよく、混合アレイ110内の一組のPZTトランスデューサの第2の組の位置は正規分布を有してもよい。
【0045】
[0066]合成開口撮像を実施する方法
以下に説明する図11図17は、合成開口撮像を実行する例示的な方法の態様を示す。合成開口撮像を実行する方法は、合成開口撮像システム(例えば、図1に関して図示および説明した合成開口撮像システム100)の一部である、および/または合成開口撮像システムに動作可能に結合された合成開口部コンピューティングデバイス(図示せず)によって実行されてもよい。合成開口部コンピューティングデバイスは、プロセッサ、メモリ、および通信インターフェースなどの一組の電子回路を含んでもよい。プロセッサは、例えば、ハードウェアベースの集積回路(IC)または一組の命令/コードを実行または実行するための任意の他の適切なデバイスを含んでもよい。例えば、プロセッサは、汎用プロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、加速処理ユニット(APU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)チップ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタル信号処理(DSP)チップなどを含むことができる。メモリは、例えば、プロセッサに1つまたは複数のプロセスまたは機能(例えば、フィルタリング信号、増幅信号、位相整合、ノイズ低減、開口部の選択など)を実行させるための命令を含むコードを記憶することができる。メモリは、例えば、メモリバッファ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどであってもよい/それらを含んでもよい。通信インターフェースは、USBインターフェース、PCIeインターフェース、あるいはプロセッサおよび/もしくはメモリに動作可能に結合され、合成開口コンピューティングデバイスと合成開口撮像システムの構成要素および/またはいくつかの変形例では、外部デバイスおよび/もしくはデバイスのネットワーク(例えば、インターネット)との通信を可能にすることができるハードウェア構成要素とすることができる/含むことができる。
【0046】
[0067]合成開口部コンピューティングデバイスは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されるソフトウェアとしてのアプリケーションを含んでもよい。例えば、アプリケーションは、プロセッサに開口部の選択、信号の分析、画像の生成などを行わせるためのコードを含むことができる。あるいは、アプリケーションは、ハードウェアベースのデバイス上に実装することができる。例えば、アプリケーションは、合成開口部コンピューティングデバイスに信号をフィルタリングさせ、信号を増幅させ、および/または信号を遅延させることができるデジタル回路またはアナログ回路を含むことができる。
【0047】
[0068]図11は、シリアルスキャンラインごとに各超音波画像フレームを生成するように構成された混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のフローチャートである。合成開口撮像システムは、新しいスキャンラインを開始するための指示信号を受信した後に合成開口撮像の実行を開始することができる。次いで、合成開口撮像システムは、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、PZTトランスデューサ)を含む送信開口部を選択することができる。次いで、合成開口撮像システムは、送信ビーム成形器(例えば、図2に関して図示および説明した送信ビーム成形器146)の送信チャネルを第1のタイプの選択されたアレイ素子に接続することができる。次いで、合成開口撮像システムは、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含む受信開口部を選択する(例えば、光学センサ)。いくつかの変形例では、受信開口部は、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子をさらに含んでもよい。一般に、受信開口部の選択は、少なくとも3つの可能なタイプの受信開口部、すなわち、第1のタイプのアレイ素子のみを有する受信開口部、第2のタイプのアレイ素子のみを有する受信開口部、または第1のタイプおよび第2のタイプの混合アレイ素子を有する受信開口部が存在するため、送信開口部の選択よりも複雑になり得る。
【0048】
[0069]送信開口部および受信開口部が選択され、システムチャネルに接続されると、合成開口撮像システムのフロントエンド(例えば、図1に関して示され説明されたフロントエンド140)は電気信号を送出して送信開口部のアレイ素子を励起し、音響信号(例えば、パルス)を生成し、撮像の目標に向かって音響信号を送信する。次いで、受信開口部は、これらの音響信号に応答して音響エコーを受信し、音響エコーに対応する信号(例えば、電気信号)を生成し、信号をフロントエンドの受信ビーム成形器に送信する。合成開口撮像システムが同じ送信開口部に対して2つ以上の受信開口部を含む場合、追加の音響エコーを取得するために次の受信開口部が選択される。すべての受信開口部が少なくとも1回選択され、対応する信号が取得されると、受信ビーム成形器は、すべての受信開口部から生成された信号を合成(例えば、コヒーレント組み合わせ、位相整合、周波数整合、振幅整合、和など)することができる。その後に、システムは、送信開口部ごとに受信開口部のすべてを循環することを繰り返すことができる。すべての送信開口部が少なくとも1回選択されると、合成開口撮像システムは、すべての送信開口部から生成された信号を合成して、すべての受信開口部および送信開口部を含む完全な合成開口部を生成する。上述のプロセスは、超音波撮像の各フレームの複数のスキャンラインに対して実行することができる。次いで、合成開口撮像システムは、各フレームをメモリに記憶し、および/または合成撮像システムに含まれるかまたは動作可能に結合されたディスプレイ上でフレームを送信することができる。上述したプロセスは、複数のフレームの超音波撮像に対して実行することができる。
【0049】
[0070]図12は、並列処理で複数のスキャンラインから各超音波画像フレームを生成するように構成された混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のフローチャートである。合成開口撮像システムは、指示信号を受信して新しいフレームを開始した後に、合成開口撮像の実行を開始することができる。次いで、合成開口撮像システムは、完全なフレームの第1のサブフレームを選択することができる。サブフレームは、例えば、完全な画像フレーム(例えば、32スキャンライン)を形成するスキャンラインのサブセットを含んでもよい。次いで、合成開口撮像システムは、送信開口部、受信開口部、およびステアリング角を選択することができる。選択された受信開口部は、第1のタイプのアレイ素子のみ、第2のタイプのアレイ素子のみ、または第1のタイプおよび第2のタイプの混合アレイ素子で作製することができる。サブフレームおよびステアリング角のための適切な送信開口部および受信開口部が選択され、システムチャネルに接続されると、合成開口撮像システムのフロントエンド(例えば、図1に関して示され説明されたフロントエンド140)が、電気パルスを送出して送信開口部のアレイ素子を励起し、音響信号(例えば、パルス)を生成し、選択された送信開口部を介して撮像のターゲットに向かって音響信号を送信する。次いで、選択された受信開口部は、それらの音響信号に応答して音響エコーを受信し、音響エコーに対応する信号(例えば、電気信号および光信号)を生成し、信号をフロントエンドの受信ビーム成形器に送信する。
【0050】
[0071]合成開口撮像システムがサブフレームに対して複数の送信角度を選択する必要がある場合、追加の音響エコーを取得するために追加のステアリング角度が選択されてもよく、上述のプロセスは、サブフレームの追加のステアリング角度ごとに繰り返されてもよい。サブフレームのすべてのステアリング角が少なくとも1回選択され、対応する信号が取得されると、受信ビーム成形器は、サブフレームのすべてのステアリング角から生成された信号をコヒーレントに合成(例えば、コヒーレント組み合わせ、位相整合、周波数整合、振幅整合、和など)することができる。その後に、システムは、各サブフレームのすべてのステアリング角を循環することを繰り返すことができる。すべてのサブフレームが少なくとも1回選択されると、合成開口撮像システムは、完全なフレームを生成するために、すべてのサブフレームから生成された信号を合成(例えば、コヒーレント組み合わせ、位相整合、周波数整合、振幅整合、和など)することができる。次いで、合成開口撮像システムは、フレームをメモリに記憶することができ、および/または合成開口撮像システムに含まれるかまたは動作可能に結合されたディスプレイにフレームを送信することができる。上述したプロセスは、複数のフレームの超音波撮像に対して実行することができる。
【0051】
[0072]図13は、撮像のために動作するように意図された送信素子(例えば、PZTトランスデューサまたは別のタイプのトランスデューサなどの第1のタイプのトランスデューサ)ごとの複数の受信開口部から各超音波画像フレームを生成するように構成された混合アレイを使用して合成開口撮像を実行する例示的な方法のフローチャートである。合成開口撮像システムは、指示信号を受信して新しいフレームを開始した後に、合成開口撮像の実行を開始することができる。次いで、合成開口撮像システムは、送信ビーム成形器(例えば、図2に関して図示および説明した送信ビーム成形器146)の送信チャネルを第1の送信素子に接続することによって第1の送信素子を選択することができる。第1の送信素子は、音響信号を生成することができる第1のタイプのアレイ素子である。次いで、合成開口撮像システムは、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子を含み、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子をさらに含んでもよい受信開口部を選択する。受信開口部には、第1のタイプのアレイ素子のみを有する受信開口部、第2のタイプのアレイ素子のみを有する受信開口部、または第1のタイプおよび第2のタイプの両方のアレイ素子を有する受信開口部の3つの可能なタイプがある。
【0052】
[0073]送信素子および受信開口部が選択され、システムチャネルに接続されると、フロントエンドは電気信号を送信して送信素子を励起し、音響信号を生成し、撮像のターゲットに向かって音響信号を送信する。次いで、受信開口部は、これらの音響信号に応答して音響エコーを受信し、音響エコーに対応する信号を生成し、信号をフロントエンドの受信ビーム成形器に送信する。合成開口撮像システムが同じ送信素子に対して2つ以上の受信開口部を含む場合、その送信素子からの送信に関連する追加の音響エコーを取得するために追加の受信開口部が選択される。すべての受信開口部が少なくとも1回選択され、対応する信号が取得されると、受信ビーム成形器は、その送信素子のすべての受信開口部から生成された信号を合成(例えば、コヒーレント組み合わせ、位相整合、周波数整合、振幅整合、和など)することができる。その後に、システムは、撮像に使用される送信素子のすべてを循環することを繰り返すことができる。すべての送信素子が選択されると、合成開口撮像システムは、単一のフレームまたは複数のフレームを生成するために合成開口部を生成するためにすべての送信素子を合成することができる。次いで、合成開口撮像システムは、フレームをメモリに記憶し、および/またはフレームを合成撮像システムに含まれるか、または動作可能に結合されたディスプレイに送信することができる。上述のプロセスは、患者の連続的なスキャンのために実行されてもよい。
【0053】
[0074]図14は、いくつかの変形例による、混合アレイを使用して得られた音響データを合成する例示的な方法のブロック図である。本明細書に記載されるように、混合アレイは、第1のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、非光トランスデューサ)と、第2のタイプの1つまたは複数のアレイ素子(例えば、WGM光共振器などの光学センサ)とを含む。したがって、混合アレイは、光信号および非光信号を生成する。光学センサ信号および非光学センサ信号は、異なる信号経路を有することができる。光学センサおよび非光学センサの各々は、混合アレイ内の異なる物理的位置を有し、光共振器は、一般に、非光学センサと比較して異なる周波数応答、感度、および振幅を有する。結果として、光共振器からの信号は、光学センサ信号および非光学センサ信号が受信ビーム成形器によって効果的に組み合わされ得る前に、非光学センサからの信号に対するそれらの差を補償するために、異なるフィルタ(例えば、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、および/またはデジタルフィルタなど)、増幅器(例えば、デジタル増幅器)、および/または位相遅延を介した処理を必要とし得る。
【0054】
[0075]例えば、図14に示すように、異なるバンドパスフィルタは、受信した光学センサ信号および非光学センサ信号の波形を整形して、詳細分解能および信号対雑音比(SNR)を改善することができる。少なくとも1つの光学センサバンドパスフィルタを使用して、受信した光学センサ信号を整形することができ、少なくとも1つの非光バンドパスフィルタを使用して、(例えば、光学センサ信号と非光学センサ信号とが周波数において整合するように)受信した非光学センサ信号を整形することができる。光学センサバンドパスフィルタおよび非光バンドパスフィルタは、光共振器および非光学センサの周波数応答の差を説明するために異なる特性を有することができる。超音波信号が軟組織内を伝播するにつれて、超音波信号の波形またはスペクトル形状は、浸透深さと共に変化し得る。波形およびスペクトル形状のそのような変動を考慮に入れるために、合成開口撮像システムは、侵入深さ、波形、および/またはスペクトル形状に基づいてフィルタを選択することができる。
【0055】
[0076]さらに、異なる増幅器は、受信した光学センサ信号および非光学センサ信号に利得値および/またはアポダイゼーションプロファイルを提供して、最小またはほぼ最小のサイドローブを有する最適またはほぼ最適なビームパターンを生成することもできる。例えば、少なくとも1つの光学センサデジタル増幅器を使用して、光学センサ信号に関連する適切な利得および/またはアポダイゼーションプロファイルを提供することができ、少なくとも1つの非光デジタル増幅器を使用して、(例えば、光学センサ信号と非光学センサ信号とが振幅において整合するように)非光学センサ信号に関連する適切な利得および/またはアポダイゼーションプロファイルを提供することができる。光学センサデジタル増幅器によって提供される利得および/またはアポダイゼーションプロファイルは、光共振器および非光学センサの異なる感度を説明するために非光デジタル増幅器によって適用されるものとは異なり得る。利得および/またはアポダイゼーションプロファイルは、合成開口撮像システムのメモリに記憶された予め設定されたおよび/または所定の値を含むことができる。場合によっては、合成開口撮像システムは、利得および/またはアポダイゼーションプロファイルを動的に生成するように構成することができる。いくつかの例では、増幅器の利得および/またはアポダイゼーションプロファイルは、一定の数であってもよく、深さの関数として可変であってもよい。
【0056】
[0077]さらに、光共振器および/または非光学センサ間の位置および/または位置差に基づいて、光学センサ信号および非光学センサ信号に異なる位相遅延を適用することができる。光学センサ遅延ユニットは、光学センサ信号に適切な位相遅延を適用することができ、非光遅延ユニットは、(例えば、光学センサ信号と非光学センサ信号とが位相において整合するように)非光学センサ信号に適切な位相遅延を適用することができる。光学センサ遅延ユニットおよび非光遅延ユニットによって加えられる位相遅延は、光共振器および非光学センサの異なる位置を考慮するために異なり得る。位相遅延は、メモリに記憶された予め設定された/所定の値を含むことができる。場合によっては、合成開口撮像システムは、位相遅延(例えば、位相遅延プロファイル)を動的に生成するように構成することができる。場合によっては、位相遅延はまた、他の要因を説明することもできる。例えば、位相遅延は、公称または既知の音響レンズ厚さに基づく記憶された遅延値、および/または音響レンズおよび/または媒体の位相収差および/または他の欠陥を検出するように構成された適応システムを使用して決定された動的に記憶された遅延値を組み込むことができる。レンズの他に、光学センサおよび非光学トランスデューサの両方が、センサ表面と患者の身体との間に他の層(例えば、整合層、コーティング層など)を含んでもよい。厚さの考慮に加えて、音響速度は、合成開口部ビーム成形のための最終遅延プロファイルを決定する際の別のパラメータとすることができる。
【0057】
[0078]受信した光学センサ信号および非光学センサ信号を処理するために上述したようにフィルタ、増幅器、および位相遅延を適用した後に、光学センサ信号および非光学センサ信号が組み合わされ、受信ビーム成形器に通信されて画像を形成することができる。いくつかの変形例では、光学センサ信号と非光学センサ信号との組み合わせはコヒーレントな組み合わせであってもよい。
【0058】
[0079]図14は信号処理の特定のシーケンス(フィルタリングし、次いで増幅し、次いで位相遅延を適用する)を示しているが、いくつかの変形例では、上述の信号処理ステップは任意の適切な順序で実行されてもよいことを理解されたい。例えば、図15は、いくつかの変形例による、混合アレイを使用して得られた音響データを合成する例示的な方法のブロック図である。図15に示すように、フィルタリングおよび増幅後に光学センサ信号および非光学センサ信号に位相遅延を適用する代わりに、合成開口撮像システムは、最初に位相遅延を適用し、続いて増幅し、次いでフィルタリングすることができる。別の例として、いくつかの変形例では、光学センサ信号および非光学センサ信号は、位相遅延を適用し、次いでフィルタリングを実行し、次いで増幅を実行することによって処理されてもよい。言い換えれば、光学センサ信号を混合アレイからの非光学センサ信号と合成することは、フィルタリング、増幅、および位相遅延の適用の任意の順列を含んでもよい。
【0059】
[0080]図16は、いくつかの変形例による、混合アレイを使用して得られた音響データを合成する例示的な方法のブロック図である。合成開口撮像システムは、受信した光学センサ信号のすべてを位相整合させるために、(例えば、各光学センサ信号について)複数のそれぞれの光学センサ遅延ユニットを使用して光学センサ信号に第1の組の位相遅延を適用するように構成されてもよい。次いで、得られた位相整合光学センサ信号を互いに組み合わせることができる。同様に、合成開口撮像システムは、受信した非光学センサ信号のすべてを位相整合させるために、(例えば、各非光信号について)複数のそれぞれの非光学遅延ユニットを使用して非光学センサ信号に第2の組の位相遅延を適用するように構成されてもよい。次いで、得られた位相整合非光学センサ信号を互いに組み合わせることができる。合成開口撮像システムは、図14に関して上述したものと同様に、組み合わされた光学センサ信号および組み合わされた非光学センサ信号の各々に増幅器およびフィルタをさらに適用するように構成することができる。例えば、図16に示すように、組み合わされた光学センサ信号は、少なくとも1つの光学センサデジタル増幅器および少なくとも1つの光学センサバンドパスフィルタ(いずれの順序でも)でさらに処理されてもよく、組み合わされた非光学センサ信号は、少なくとも1つの非光デジタル増幅器および少なくとも1つの非光バンドパスフィルタ(いずれの順序でも)でさらに処理されてもよく、その結果、組み合わされた光学センサ信号および組み合わされた非光学センサ信号は、振幅および周波数応答において整合する。位相整合された、振幅整合された、および/または周波数整合された光学センサ信号および非光学センサ信号は、組み合わされ、受信ビーム成形器に通信されて画像を形成することができる。図14および図15に関して図示および説明した変形例と比較して、図16の変形例は、合成開口撮像システムで使用されるフィルタおよび増幅器の数を低減し、それによって製造コストなどを低減するという利点を有することができる。
【0060】
[0081]図17は、いくつかの変形例による、混合アレイを使用して得られた音響データを合成する例示的な方法のブロック図である。合成開口撮像システムは、内側サブ素子および2つの外側サブ素子(例えば、図5に関して図示および説明した1.5Dアレイ)を含む単一の素子を合成するように構成されてもよい。2つの外側サブ素子は、同じサイズを有し、内側サブ素子の各側に配置されてもよい。したがって、2つの外側サブ素子から生じる信号は、それらの信号に(高さフォーカシングのための)遅延を適用する前に、共に組み合わせ(例えば、合計)され得る。2つの外側素子からの信号を組み合わせた後に、位相遅延、増幅器および/またはフィルタを任意の適切な順序で組み合わされた信号に適用することができる。さらに、内側サブ素子から生じる信号は、別々に増幅およびフィルタリングされ、最後に2つの外側サブ素子の組み合わされた信号と組み合わされ得る。各素子の内側サブ素子および外側サブ素子が上記のように合成されると、1.5Dアレイまたは2Dアレイは、ビーム成形のために1D線形アレイに単純化することができる。その結果、位相遅延処理の回数を大幅に削減することができる。図17は、3つのサブ素子(1つの内側サブ素子および2つの外側サブ素子)を示しているが、上述のプロセスは、3つを超えるサブ素子を含むシステムに適用されてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの例では、上記のプロセスは、2つまたは3つを超えるサブ素子を有する1.5Dアレイに適用されてもよい。例えば、素子は、5つのサブ素子、7つのサブ素子などを含むことができる。
【0061】
[0082]いくつかの変形例では、図17に関して説明した手法を複数の素子に拡張することもできる。例えば、1.5Dアレイの2つの隣接する素子は、そのピッチが2つの隣接する素子のピッチの合計に等しい単一の素子と見なされるように合成することができる。そのような手法によって生成された結果として得られる1Dアレイは、元の素子数の半分しか有さない。より一般的には、n個の隣接する素子を合成してより大きな素子を形成し、したがって合成開口部の有効素子の数をn倍減らすことができ、nは1より大きい整数である。
【0062】
[0083]いくつかの変形例では、高さビーム成形が、横ビーム成形の前に実行される。しかしながら、いくつかの変形例では、ビーム成形の順序は逆であってもよい。すなわち、横ビーム成形は、高さビーム成形の前に実行され得る。
【0063】
[0084]実施例
図18は、混合アレイ内の2つのタイプのセンサによって生成される例示的な信号を示す。左上隅の図(「非光学センサエコー信号」)は、時間領域における非光学センサによって生成された信号を示し、左下隅の図(「光学センサエコー信号」)は、時間領域における光共振器によって生成された信号を示す。右上隅の図(「非光学センサエコー信号のスペクトル」)は周波数領域の非光学センサによって生成された信号を示し、右下隅の図(「光学センサエコー信号のスペクトル」)は周波数領域の光共振器によって生成された信号を示す。図示するように、光共振器によって生成された信号は、非光学センサによって生成された信号と比較して、振幅、周波数、位相、およびノイズレベルが異なる。振幅、周波数、位相、および雑音レベルのこのような変動は、図14図17に関して上述したような信号に増幅器、フィルタ、位相遅延、および雑音フィルタを適用することによって補償することができる。
【0064】
[0085]図19は、混合アレイ内の非光学センサおよび光共振器によって生成された信号の例示的な周波数応答、ならびに非光学センサ信号および光学センサ信号を合成するときの各周波数応答に適切なバンドパスフィルタ周波数応答を示す。具体的には、破線は、周波数領域(図18に示すものと同様)でセンサによって生成された信号を示す。さらに、実線は、光共振器によって生成された信号(下の図)および非光学センサによって生成された信号(上の図)を処理するように設計された2つのバターワースバンドパスフィルタの周波数応答を示す。図19に示すように、光学センサバンドパスフィルタおよび非光バンドパスフィルタは、それぞれが非光学および光共振器によって生成されるそれぞれのスペクトル応答(破線)に対応する異なる中心周波数および帯域幅を有するように決定される。例えば、図19の下のプロットに示すように、光共振器のスペクトルは、最終的な超音波画像の詳細な解像度を低下させる可能性がある約0~約4MHzの強い低周波成分を有する。したがって、光学センサ信号用のバンドパスフィルタは、約4MHz未満のこれらの低周波数成分を減衰させるように設計され、それによって撮像目的のために光学センサ信号のより貴重な周波数成分を分離する。しかしながら、非光学センサ信号を処理する場合、バンドパスフィルタのそのような4MHzのカットオフ周波数は高すぎて、3~4MHzの間の有用な周波数成分を維持することができない。したがって、非光学センサ信号用のバンドパスフィルタは、光共振器用のバンドパスフィルタと比較して、より低いカットオフ周波数(例えば、約3MHz)で設計することができる。
【0065】
[0086]図20は、例示的な混合アレイ窓およびそれらの対応するビームプロットを示す。ビームプロットは、撮像面内のある深さにおける1Dビームパターンである。ビームプロットは通常、中央ローブおよびサイドローブのメインローブからなり、メインローブの両側に低いピーク値を有する。メインローブの幅は、超音波画像の空間分解能を決定する。サイドローブのレベルは、コントラスト分解能を決定することができる。場合によっては、素子ピッチが大きすぎる場合、または素子感度プロファイルが周期的に不均一である場合、グレーティングローブがビームプロット上に現れることがある。グレーティングローブは、ゴースト像を含む望ましくない画像アーチファクトを生成する可能性がある。
【0066】
[0087]3つの開口窓関数およびそれらの対応するビームプロットを図20に示す。左上の図(「混合アレイ窓」)は、図8に関して図示および説明された混合アレイ構成によって生成された窓関数を提示する。窓関数の不均一性は、混合アレイ内の光共振器と非光学センサとの間の感度の差によって引き起こされる。右上の図(「混合アレイビームプロット」)に示すように、周期的に不均一な窓は、約-8.4dBの振幅を有する2つのグレーティングローブを生成する。中央の図(「修正された混合アレイ窓」および「修正された混合アレイビームプロット」)は、2つのタイプのセンサに異なるデジタル増幅利得を適用することによってグレーティングローブを克服できることを示している。そのようなデジタル増幅利得を適用することにより、均一な窓関数を生成することができる。同様の手法を利用して、2つの下の図(「最適化された混合アレイ窓」および「最適化された混合アレイビームプロット」)に示すように、ビームプロットのサイドローブを低減するためのガウス様アポダイゼーション窓を生成することができる。図14図16に示す3つのビーム成形器アーキテクチャはすべて、均一な窓関数を生成することができる。しかしながら、場合によっては、図14および図15のビーム成形器アーキテクチャのみが任意の窓関数を生成することができる。
【0067】
[0088]図21は、混合アレイおよびそれらの対応するビームプロットの例示的な合成開口窓を示す。3つの例示的な合成開口(SA)窓関数およびそれらの対応するビームプロットが示されている。上の2つの図は、良好なビームパターンを生成するために2つ以上のサブ開口部を適切に合成しなければならない理由を示している。左上の図(「不適切なSA窓」)は、不適切に合成された開口窓関数を示している。右上のビームプロット(「不適切なSAビームプロット」)は、合成開口窓関数の2つのサブ開口部間のギャップのために生成された上昇したサイドローブを示す。中央の2つの図(「従来のSA窓」および「従来のSAビームプロット」)は、左上の図および対応するビームプロットの合成開口部に使用される同じ2つのサブ開口部を有する従来の合成開口部を示している。サイドローブは、右上のビームプロットよりも大幅に低減されている。サイドローブは、2つの下の図に示すように、2つの重ね合わされたサブ開口部を合成することによってさらに低減することができる。合成開口部は、左下の図(「重ね合わされたSA窓」)に示すような粗いアポダイゼーション窓を有する。右下の図の結果として得られるビームプロット(「重ね合わされたSAビームプロット」)は、重ね合わされたサブ開口部によるサイドローブの減少を示している。
【0068】
[0089]図22は、均一アレイの例示的な遅延プロファイルおよび混合アレイの例示的な遅延プロファイルを示す。いくつかの変形例では、音波および/または信号は、信号がビーム成形器によって加算される前に異なる信号経路を通って移動することができる。例えば、PZTセンサ素子の場合、音波および対応する信号は、PZTセンサに到達する前に音響レンズおよび1つまたは複数の整合層を通って移動することができる。一方、光共振器の場合、音波および対応する信号は、光共振器に到達する前に、異なる厚さおよび/または音速を有する音響レンズおよび異なる厚さおよび/または音速を有するポリマー層を通って移動することができる。信号経路の違いは、追加の遅延をもたらし得る。そのような余分な遅延は、ビーム成形に位相誤差を導入し、その結果、詳細解像度、コントラスト解像度、および信号対雑音比(SNR)を含む撮像性能を低下させる。したがって、図22に示され、以下でさらに説明するように、2つのセンサチャネル間の余分な遅延がそれに応じて調整され得る。
【0069】
[0090]上のプロット(「均一なアレイの遅延プロファイル」)は、同じセンサの64個の素子を有する開口部の遅延プロファイルを示す。下部遅延プロファイル(「混合アレイの遅延プロファイル」)は、図8に関して図示および説明した混合アレイなどの2つの異なるセンサの64個の素子を有する開口部用である。2つのタイプのセンサ間の信号経路の差を補償するために、非光チャネルまたは光共振器チャネルのいずれかに追加の固定位相遅延を追加することができる。示されている遅延プロファイルは、送信ビーム成形と受信ビーム成形の両方に使用することができる。
【0070】
[0091]混合アレイのための合成開口撮像方法およびシステムは、超音波撮像の文脈で説明されているが、いくつかの変形例では、合成開口撮像方法およびシステムは、超音波撮像以外の用途で使用することができる。例えば、場合によっては、合成開口撮像方法およびシステムは、計測、信号処理、粒子物理学、リモートセンシング、航空宇宙用途などに使用することができる。
【0071】
[0092]前述の説明は、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために特定の命名法を使用した。しかしながら、本発明を実施するために特定の詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の特定の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されている。それらは網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。明らかに、上記の教示を考慮すると、多くの修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際の用途を説明するために選択および説明され、それにより、他の当業者が本発明および企図される特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態を利用することを可能にする。以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物が本発明の範囲を定義することが意図される。
図1
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図5
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【国際調査報告】