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特表2023-540567無針注射器、関連付けられた再装填可能かつ廃棄可能なノズル及び注射方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】無針注射器、関連付けられた再装填可能かつ廃棄可能なノズル及び注射方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/30 20060101AFI20230915BHJP
   A61M 5/42 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
A61M5/30
A61M5/42 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515238
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021049660
(87)【国際公開番号】W WO2022056125
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/075,857
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500429103
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(71)【出願人】
【識別番号】301040958
【氏名又は名称】ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィア
【氏名又は名称原語表記】THE CHILDREN’S HOSPITAL OF PHILADELPHIA
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】マッツァフェロ、ダニエル、エム.
(72)【発明者】
【氏名】バートレット、スコット、ピー.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066HH22
4C066LL21
(57)【要約】
【解決手段】 無針経皮注射デバイス及び方法が提供される。デバイス及び方法は、例えば、内部に注射可能な治療剤を収容するように構成された封止可能な注射体積、並びに(a)注射体積を注射可能な治療剤源と流体連通して設置するように構成された弁若しくは他の要素、(b)経皮注射構成要素の外部の環境に対して封止可能な注射体積を封止するように配設された封止器、(c)封止可能な注射体積と流体連通する少なくとも1つのオリフィスを備え、そのためプランジャが少なくとも1つのオリフィスを通して注射体積から注射可能な治療剤を施すように構成される構成要素、(d)少なくとも1つのオリフィスに近接して配設された開口部、(e)プランジャの運動若しくはプランジャと係合する要素の運動を停止させるように構成された少なくとも1つの任意選択的に調整可能な要素、又は(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)のうちの2つ以上の任意の組み合わせを含むことができる。また関連する動作方法も提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮注射構成要素であって、
内部に注射可能な治療剤を収容するように構成された封止可能な注射体積と、
プランジャであって、
前記プランジャが、前記注射体積と封止可能に係合し、
前記プランジャが、任意選択的に、アクチュエータデバイスの要素と係合するように構成されており、
前記プランジャが、患者への前記注射可能な治療剤の経皮注射をもたらすために、前記注射体積から前記注射可能な治療剤を施すように構成された、プランジャと、を備え、
(a)前記封止可能な注射体積と流体連通する一方向弁であって、
前記一方向弁が、前記構成要素が前記注射可能な治療剤源と係合しているとき、前記注射可能な治療剤源と流体連通するように前記注射体積を設置するように構成されており、そのため、流体移動が、前記注射可能な治療剤源から前記注射体積にのみ許容される、一方向弁、
(b)(1)前記プランジャが前記注射体積において負圧を施すとき、(2)前記構成要素が前記注射可能な治療剤源と係合するとき、又は(1)及び(2)の両方のとき、前記経皮注射構成要素の外部の環境に対して前記封止可能な注射体積を封止するために配設された封止器、
(c)前記封止可能な注射体積と流体連通する少なくとも1つのオリフィスを備える構成要素であって、そのため前記プランジャが、前記少なくとも1つのオリフィスを通して前記注射体積から前記注射可能な治療剤を施すように構成される、構成要素、
(d)前記少なくとも1つのオリフィスに近接して配設された開口部を画定する構成要素であって、前記開口部が、前記開口部からの十分な負圧の適用が、前記開口部に向かうように患者の皮膚を促すように寸法設定されている、構成要素、
(e)前記プランジャの運動に伴い前記注射体積から施された流体の体積を限定するために、前記プランジャの運動若しくは前記プランジャと係合する要素の運動を停止するように構成された少なくとも1つの任意選択的に調整可能な要素、
あるいは
任意の組み合わせで(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)のうちの2つ以上を備える、経皮注射構成要素。
【請求項2】
前記構成要素が、前記封止可能な注射体積と流体連通する一方向弁を備え、前記構成要素が前記注射可能な治療剤源と係合しているとき、前記一方向弁が、前記注射可能な治療剤源と流体連通するように、前記注射体積を設置するように構成されており、そのため流体移動が、前記注射可能な治療剤源から前記注射体積へのみ許容される、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項3】
前記構成要素が、(1)前記プランジャが前記注射体積において負圧を施すとき、(2)前記構成要素が前記注射可能な治療剤源と係合するとき、又は(1)及び(2)の両方のとき、前記経皮注射構成要素の外部の環境に対して前記封止可能な注射体積を封止するように配設された封止器を備える、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項4】
前記開口部が、前記少なくとも1つのオリフィスを直接取り囲む、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項5】
前記構成要素が、バリアを備え、前記バリアが、前記少なくとも1つのオリフィスと前記開口部との間に半径方向に位置決めされ、そのため前記開口部が、前記少なくとも1つのオリフィスから離間される、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項6】
前記開口部が、第1の開口部であり、前記構成要素が、前記少なくとも1つのオリフィスを直接取り囲む第2の開口部を画定する、請求項5に記載の経皮注射構成要素。
【請求項7】
前記構成要素が、シュラウドを備え、前記シュラウドが、前記プランジャの周りに延在し、前記開口部を画定する、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項8】
前記少なくとも1つのオリフィスが、前記シュラウドに対して突き出る、請求項7に記載の経皮注射構成要素。
【請求項9】
前記少なくとも1つのオリフィスが、前記シュラウドに対して実質的に面一である、請求項7に記載の経皮注射構成要素。
【請求項10】
前記少なくとも1つのオリフィスが、前記シュラウドに対して凹設されている、請求項7に記載の経皮注射構成要素。
【請求項11】
前記シュラウドが、エラストマー材料を含む、請求項7に記載の経皮注射構成要素。
【請求項12】
前記構成要素が、前記プランジャの運動に伴い前記注射体積から施された流体の体積を限定するために、前記プランジャの運動を停止するように構成された少なくとも1つの要素を備える、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項13】
前記構成要素が、前記封止可能な注射体積と流体連通する複数のオリフィスを備え、そのため前記プランジャが、前記複数のオリフィスを通して前記注射体積から前記注射可能な治療剤を施すように構成される、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項14】
前記構成要素が、前記少なくとも1つのオリフィスのうちの少なくとも1つに近接して配設された複数の開口部を画定し、前記開口部が、前記複数の開口部の第1の開口部であり、前記複数の開口部が、前記複数の開口部からの十分な負圧の適用が、前記複数の開口部の各々に向かって患者の皮膚を促すように寸法設定されている、請求項1に記載の経皮注射構成要素。
【請求項15】
前記複数の開口部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのオリフィスのうちの1つに各々近接する、請求項14に記載の経皮注射構成要素。
【請求項16】
経皮注射システムであって、
請求項1~15のいずれか一項に記載の経皮注射構成要素と、
前記経皮注射構成要素と係合するように構成されたアクチュエータデバイスと、を備え、
前記アクチュエータデバイスが、前記プランジャの運動をもたらすために、前記経皮注射構成要素の前記プランジャと係合するように構成された可逆的に移動可能な要素を備え、
前記可逆的に移動可能な要素が、電磁場の動作によって作動されている、経皮注射システム。
【請求項17】
前記可逆的に移動可能な要素及び前記プランジャのうちの少なくとも1つに力を施すように構成された弾性部材を更に備える、請求項16に記載の経皮注射システム。
【請求項18】
負圧源を更に含み、
患者の皮膚が、概して、前記経皮注射構成要素の方向に施され、任意選択的に、前記患者の皮膚が、前記構成要素に接触するように、前記負圧源が負圧を施すように構成されている、請求項16又は17に記載の経皮注射システム。
【請求項19】
撮像列を更に備え、前記撮像列が、患者の1つ以上の特徴、前記注射可能な治療剤の場所、又はその両方を判定するように構成されている、請求項16~18のいずれか一項に記載の経皮注射システム。
【請求項20】
前記撮像列が、前記患者内の血管の位置を特定するように構成されている、請求項16に記載の経皮注射システム。
【請求項21】
前記撮像列が、患者の表皮、真皮、脂肪、筋肉、又は骨のうちの1つ以上の位置を特定するように構成されている、請求項19又は20に記載の経皮注射システム。
【請求項22】
前記撮像列が、超音波プローブ、光コヒーレンス断層撮影プローブ、若しくはサーモグラフィプローブ、又は他のタイプの光学撮像デバイスのうちの少なくとも1つを備える、請求項19~21のいずれか一項に記載の経皮注射システム。
【請求項23】
前記システムが、前記撮像列から収集された信号に応答して、前記注射可能な治療剤の流れを調節するように構成されている、請求項19~22のいずれか一項に記載の経皮注射システム。
【請求項24】
前記システムが、前記患者内の血管を示す前記撮像列から収集された信号に応答して、前記注射可能な治療剤の流れを制限するように構成されている、請求項23に記載の経皮注射システム。
【請求項25】
患者への前記治療剤の経皮注射をもたらすために、請求項19~24のいずれか一項に記載の経皮注射システムを動作させることを含む、方法。
【請求項26】
方法であって、
内部に配設されたある量の注射可能な治療剤を有する注射体積と係合したプランジャを駆動させるために、可逆的に移動可能な要素の電磁的駆動運動をもたらすことであって、前記運動が、複数のオリフィスから患者への前記注射可能な治療剤の経皮注射をもたらすために、前記注射体積と流体連通する前記複数のオリフィスを通して前記注射可能な治療剤を施すことをもたらす、ことと、
任意選択的に、前記複数のオリフィスに向かって前記患者の皮膚を促すために、前記皮膚に負圧を適用することと、を含む、方法。
【請求項27】
一連の経皮注射をもたらすことを更に含み、各々の前記一連の経皮注射の体積が、前記注射体積内に配設された移動可能な要素によって判定されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
撮像列によって収集された信号に応答して、前記プランジャの運動を調節することを更に含む、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
方法であって、
撮像列から収集された信号に応答して、経皮的に注射された材料の患者への流れを調節することを含み、
前記信号が、前記患者の血管、前記患者の表皮、前記患者の真皮、前記患者の脂肪、前記患者の筋肉、前記患者の骨、又はこれらの任意の組み合わせの場所を示す、方法。
【請求項30】
前記調節することが、前記経皮的に注射された材料の粘度に更に応答している、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記信号が、超音波信号又は赤外線信号である、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記撮像列が、前記患者内の2つ以上の深度で信号を収集する、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記調節することが、前記患者の表皮、前記患者の真皮、前記患者の脂肪、前記患者の筋肉、前記患者の骨、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上の推定される特徴に少なくとも部分的に応答する、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記調節することが、前記経皮的に注射された材料を施すプランジャの運動を調節することによってもたらされる、請求項29~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無針注射器の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医療治療剤の注射は、伝統的に針を伴い、とりわけ、取り扱い、安全性、及び患者の不快感の観点から問題を提起する。しかしながら、既存の無針アプローチは、その用途が限定され、それらの注射プロファイルに対する微細な制御を提供しない。したがって、当該技術分野では、改善された無針注射デバイス、システム、及び方法に関して長期間にわたる必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
説明された長期間にわたる必要性を満たすために、本開示は、第一に経皮注射構成要素を提供し、これは、内部に注射可能な治療剤を収容するように構成された封止可能な注射体積と、プランジャであって、
【0004】
プランジャが、注射体積と封止可能に係合し、プランジャが、任意選択的に、アクチュエータデバイスの要素と係合するように構成され、プランジャが、患者への注射可能な治療剤の経皮注射をもたらすために、注射体積から注射可能な治療剤を施すように構成された、プランジャと、を備え、
(a)封止可能な注射体積と流体連通する一方向弁であって、
一方向弁が、構成要素が注射可能な治療剤源と係合するとき、注射可能な治療剤源と流体連通するように注射体積を設置するように構成されており、そのため、流体移動が、注射可能な治療剤源から注射体積にのみ許容される、一方向弁、
(b)(1)プランジャが注射体積において負圧を施すとき、(2)構成要素が注射可能な治療剤源と係合するとき、又は(1)及び(2)の両方のとき、経皮注射構成要素の外部の環境に対して封止可能な注射体積を封止するために配設された封止器、
(c)少なくとも1つのオリフィスに近接して配設された開口部を画定する構成要素であって、開口部は、開口部からの十分な負圧の適用が開口部に向かって患者の皮膚を促すように寸法設定されており、ある態様では、患者の皮膚は、垂直方向及び水平方向においてオリフィスに接して取り囲む開口部に向かって促され、追加的又は代替的な態様では、患者の皮膚は、周囲のオリフィスの近くの開口部に向かって促されるが、オリフィスからの距離における物理的なバリアによって分離される、構成要素、
(d)プランジャの運動に伴い注射体積から施された流体の体積を限定するために、プランジャの運動又はプランジャと係合する要素の運動を停止するか又は逆にするように構成された少なくとも1つの任意選択的に調整可能な要素、
(e)封止可能な注射体積と流体連通する複数のオリフィスを備え、そのためプランジャが複数のオリフィスを通して注射体積から注射可能な治療剤を施すように構成される構成要素であって、ある態様では、皮膚の表面に対するオリフィスを通る注射可能な治療剤の角度は、およそ0~180度であり、例えば、構成要素が3つのオリフィスを備える場合、中心オリフィスは、皮膚に対してほぼ垂直であり得(例えば、90度)、他のオリフィスは、中心オリフィスから反対方向においておよそ45度(例えば、45度及び135度)で角度付けされ得る、構成要素、あるいは
任意の組み合わせで(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)のうちの2つ以上を備える。
【0005】
本開示による経皮注射構成要素と、経皮注射構成要素と係合するように構成されたアクチュエータデバイスであって、プランジャの運動をもたらすために経皮注射構成要素のプランジャと係合するように構成された可逆的に移動可能な要素(例えば、要素は前方に、かつ可逆的に移動することができる)を備え、可逆的に移動可能な要素が、電磁場の動作によって作動される、アクチュエータデバイスと、を備える経皮注射システムもまた提供される。
【0006】
本開示15による経皮注射システムを動作させて、患者への治療剤の経皮注射をもたらすことを含む方法が更に提供される。
【0007】
内部に配設されたある量の注射可能な治療剤を有する注射体積と係合したプランジャを駆動させるために、可逆的に移動可能な要素の電磁的駆動運動をもたらすことであって、運動が、複数のオリフィスから患者への注射可能な治療剤の経皮注射をもたらすために、注射体積と流体連通する複数のオリフィスを通して注射可能な治療剤を施すことをもたらす、ことと、任意選択的に、複数のオリフィスに向かって患者の皮膚を促すために、皮膚に負圧を適用することと、を含む方法もまた提供される。
【0008】
撮像列から収集された信号に応答して、経皮的に注射された材料の患者への流れを調節することを含み、信号は、患者の血管、患者の表皮、患者の真皮、患者の脂肪、患者の筋肉、患者の骨、又はこれらの任意の組み合わせの場所を示す、方法もまた開示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面では、必ずしも縮尺比に合わせて描画されているわけではなく、類似の数字が、異なる図において同様の構成要素を説明し得る。異なる文字接尾辞を有する類似の数字は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表し得る。図面は、概して、限定としてではなく、例示として本文書で考察された様々な態様を例解する。
【0010】
図1】本開示によるシステムの切断図を提供する。
図2】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図3】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図4】装填(左パネル)状態及び注射(右パネル)状態における本開示による注射体積の切断図を提供する。
図5A】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図5B】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図5C】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図5D】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図5E】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図5F】本開示による構成要素の切断図を提供する。
図6】本開示による撮像列を有するシステムの図を提供する。
図7】本開示による撮像列を有するシステムの図を提供し、撮像列は、患者の血管の存在を記録する。
図8】本開示の代替的な態様による、注射システムの第2の端部の切断図を提供する。
図9】本開示の代替的な態様による、注射システムの第2の端部の切断図を提供する。
図10】本開示の一態様による、シュラウドの斜視図を例解する。
図11】本開示の別の代替的な態様による、注射システムの第2の端部の切断図を提供する。
図12図11に例解される注射システムの第2の端部の近接図を提供する。
図13】ユーザの皮膚上の図11に示される注射システムの第2の端部の切断図を提供する。
図14】本開示の別の代替的な態様による、注射システムの第2の端部の切断図を提供する。
図15】注射中に捕捉された位置対時間を例解するグラフを示す。
図16】注射中に捕捉された力対時間を例解するグラフを示す。
図17】注射中に捕捉された電流対時間を例解するグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、所望の実施形態の以下の詳細な説明及び内部に含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0012】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先するであろう。好ましい方法及び材料は、以下に記載されるが、本明細書において説明されたものと同様又は同等の方法及び材料が、実践又は試験において使用することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体において参照により組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び例は、例示的であるにすぎず、限定的であることを意図しない。
【0013】
「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈で別様に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「備える(comprising)」という用語は、「からなる(consisting of)」及び「本質的にからなる(consisting essentially of)」実施形態を含み得る。本明細書で使用される場合、「備える(comprise)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「収容する(contain)」という用語、及びそれらの変形例は、指定された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許容する非限定型移行句、用語、又は単語であることが意図される。しかしながら、かかる説明は、列挙された成分/ステップ「からなる(consisting of)」及び列挙された成分/ステップ「から本質的になる(consisting essentially of)」として組成物又はプロセスを説明するものと解釈されるべきであり、これは、そこから生じ得る任意の不純物とともに、指定された成分/ステップのみの存在を可能にし、他の成分/ステップを除外する。
【0015】
本明細書で使用される場合、「約」及び「ほぼ」という用語は、問題の量又は値が、およそ又はほぼ同じいくつかの他の値を指定する値であり得ることを意味する。本明細書で使用される場合、別様に指示がない限り、又は推測されない限り、±10%の変動を示す公称値であることが概して理解される。この用語は、同様の値が特許請求の範囲に記載される同等の結果又は効果を促進することを伝えることを意図する。すなわち、量、サイズ、配合物、パラメータ、並びに他の量及び特性は、正確ではなく、かつ正確である必要はないが、所望により、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に既知の他の要因を反映して、おおよそであり得、及び/又はより大きく若しくはより小さくなり得ることが理解される。概して、量、サイズ、配合物、パラメータ、又は他の量若しくは特性は、そのように明示的に記載されているか否かにかかわらず、「約」又は「およそ」である。定量値の前に「約」が使用される場合、パラメータはまた、別様に特に明記されない限り、特定の定量値自体も含むことが理解される。
【0016】
反対に示されない限り、数値は、値を判定するために本出願に記載されたタイプの従来の測定技術の実験誤差よりも小さい数値と異なる、同じ数の有効数字及び数値に低減されたときに、同じである数値を含むと理解されなければならない。
【0017】
本明細書に開示された全ての範囲は、列挙された終点を含み、終点、2グラム及び10グラム、並びに全ての中間値とは無関係である。)本明細書に開示された範囲及び任意の値の終点は、正確な範囲又は値に限定されず、それらは、これらの範囲及び/又は値に近似する値を含むほど十分に曖昧である。
【0018】
本明細書で使用される場合、近似言語は、それが関連する基本的な機能における変化をもたらすことなく変化し得る任意の定量的な表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語によって修正された値は、いくつかの場合において、指定された正確な値に限定されない可能性がある。少なくともいくつかの場合では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。「約」という修飾語はまた、2つの終点の絶対値によって定義される範囲を開示するものと見なされるべきである。例えば、「約2~約4」という表現はまた、「2~4」の範囲を開示する。「約」という用語は、示された数のプラス又はマイナス10%を指し得る。例えば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示し得、「約1」は、0.9~1.1を意味し得る。「約」の他の意味は、四捨五入などの文脈から明らかであり得、そのため、例えば、「約1」はまた、0.5~1.4を意味し得る。更に、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」というその非限定的な意味を有すると理解されるべきであるが、この用語はまた、「含む(consisting)」という限定的な意味の用語を含む。例えば、成分A及びBを含む組成物は、A、B、及び他の成分を含む組成物であり得るが、A及びBのみからなる組成物でもあり得る。本明細書に引用されるいかなる文書も、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。
【0019】
概要
無針皮内及び経皮デバイスは、皮膚の真皮へ、又はより深い皮下脂肪、筋肉、若しくは骨膜層への物質の注射を可能にする。「無針」という用語は、針の有無にかかわらず、デバイス内で使用することができるが、両方の例において、皮膚バリアに最初に浸透するために針は使用されない。また、皮膚を貫通するために必要な圧力を提供するために、多数のタイプのエネルギー源が存在する。
【0020】
エネルギー源は、例えば、加圧ガス、コックスプリング、電磁(EM)アクチュエータ、これら3つの組み合わせ、又は更に他のエネルギー源を含み得る。本明細書において説明されたデバイス及び方法は、針に依存するのではなく、むしろ、皮膚を通って生体内に液体を送達するための圧力に依存する。
【0021】
一態様では、開示された技術は、電磁アクチュエータ及び電池によって給電される無針注射デバイスであり、単一又は多重先端部の廃棄可能なシリンジを使用する多数の注射のための容易な再装填を伴い、可変深度及び体積においてジェット注射を送達する。デバイスは、単回使用又は再充電可能電池、プログラマブルマイクロコントローラ、ステータスライト、電源スイッチ、マルチボタンユーザインターフェース、USプローブ、及びプランジャ上に力を施すためのEMアクチュエータを含むことができる。ユーザは、液体で充填されたノズルをEMデバイスに取り付け、電源をオンにし、マルチボタンインターフェースを使用して注射の深度及び体積を設定し、注射器を身体表面上に設置し、US感知を可能にし、注射力を計算し、並びに最後に注射ボタンを押下することによって、デバイスと相互作用することができる。
【0022】
開示された技術の1つの特徴は、可変深度及び体積で化粧用液体を送達する、コンパクトで、自動化され、高度にカスタマイズ可能であり、かつ再装填可能なEM無針注射器である。EMアクチュエータは、静止磁石及びコイルアセンブリを含むことができる。コイルアセンブリは、磁石アセンブリに対して摺動することができ、調節可能なDC/DCブーストコンバータは、電池によって駆動されて、いずれかの方向において単一軸で電力を送達することができる。これは、プランジャに力を施すことができ、プランジャは最終的に力を廃棄可能なノズルに伝達して、液体を注射する。
【0023】
廃棄可能な単一又は多重先端部のノズルは、磁気コイルの電源入力及び極性を逆にする整流器リングを使用してプランジャを後退させることによって再充填され得る。プランジャが後退すると、液体は、外部液体供給に接続された固有の一方向弁を通してノズルリザーバを再充填することができる。この廃棄可能なノズルは、患者間のノズルの交換を可能にすることにより、リザーバの汚染を防止するのに有用である。プランジャは、異なる深度及び体積を注射するために、様々な電源入力を用いて、可変長に後退することができる。また、容量レベルセンサ又は線形抵抗要素は、流体流動力学を確認し、EMアクチュエータをより速く又はより遅く駆動して、注射プロファイルを調整するために、コンピュータへの適切なフィードバックを可能にするために使用することができる。
【0024】
無針注射デバイスは、任意のタイプの液体、特に化粧品(神経毒素、ヒアルロン酸充填剤、血小板が豊富な血漿、ポリ-L-乳酸、ヒドロキシルアパタイトカルシウム、生体刺激物質、脂肪、脂肪エキソソーム、幹細胞、低温スラリー、高温スラリー、及び他の薬用化粧品)、麻酔薬、成長因子、ワクチン、腫瘍治療剤、生物学的製剤、並びに他の薬剤を注射することに有用性を有する。
【0025】
別の態様では、本開示の技術は、廃棄可能であり、繰り返しの注射を可能にする再装填可能なノズル先端部を含み、これはまた、リザーバを再装填するのに十分な負圧を可能にするために、オリフィスにおいてプランジャと併せて移動する開放/閉鎖一方向弁を含むことができる。再装填可能なノズル先端部はまた、流体が一方向のみにおいて(すなわち、外部液体供給からノズルリザーバに)流れることを可能にするダックビル弁を含むことができる。ノズルは、各患者のための再使用可能なデバイスであり、同じ患者における多数の注射のための再装填を可能にするが、交差汚染を防止するために患者間で廃棄することができる。
【0026】
この廃棄可能なハウジングユニットは、交差汚染を防止するために、EMアクチュエータデバイスから分離して保管することができる。2つのリザーバが存在し得、1つ目は、廃棄可能なノズル内の内部リザーバであり、2つ目は、外部リザーバである。
【0027】
外部リザーバは、一方向開放/閉鎖弁又はダックビル弁を有する小さいチャネルを通して内部リザーバに接続することができる。この弁は、液体が外部リザーバから注射可能な内部リザーバに流れることを可能にする。これにより、最終的に、反復注射のために流体が内部リザーバに容易に再充填されることを可能にする。
【0028】
弁が開放されるとき、流体は、外部リザーバから押し出されるか、又は内部リザーバから引き出され得る。これを可能にする1つの方法は、内部リザーバを再充填しながら、注射器ノズル先端部にわたるカバー(すなわち、プランジャ)を含むことによる。これにより、外部リザーバから内部リザーバに液体を引き込もうとするときに、空気が注射器に入ることを防止する。同様に、これは、人工的なカバーとして機能する、単に皮膚又は任意の他の表面を使用することによって達成することができる。先端部を覆うことによって、完全な負圧が、外部リザーバに適用される。
【0029】
内部リザーバはまた、封止されたバイアルから充填することもできる。可変量の正圧は、任意選択的に、別個のコネクタの使用を通して、封止されたバイアルに導入することができる。可変量の負圧が、封止されたバイアルに施されて、別個のコネクタの使用を通して、バイアルから内部リザーバに流体を抽出することができる。流体は、一方向弁を通って、又は廃棄可能なノズルオリフィスを直接通って流れて、内部リザーバを充填することができる。
【0030】
管及び開放/閉鎖一方向弁は、注射器ノズル先端部の遠位側面からの空気よりもシリンジから液体を排出するために必要な圧力が少ない方法で配置することができる。弁が閉鎖されるとき、無針デバイスは、ノズルプランジャを内部リザーバに対して打ち付けることができ、注射の成功のために流体が無針先端部から出ることを可能にするのみである。外部リザーバは、任意の市販のシリンジ又はバイアルであり得る。注射シリンジ、一方向弁、及び管チャネルは、一体として接続することができる。コネクタ片は、様々な市販のシリンジ先端部に対して密な嵌合を提供するために、チャネルの端部に取り付けることができる。
【0031】
無針ノズルは、皮膚との接触を最適化し、かつ皮膚と封止するための皮膚との封止部を作り出し、「ウェット」(失敗した)注射を防止し、注射深度を増加させ、所望の深度に液体を送達させるためにハンマ/プランジャにおいてより低い力を必要とするために無針デバイスに接続される真空補助配管を含むことができる。皮膚に対する真空封止部は、モータ及びファンなどの電源によって、又はEMアクチュエータを使用して作り出すことができる。真空封止部は、オリフィスを取り囲む皮膚上、シュラウド内に含まれた物理的バリアによってオリフィスから分離された別個のチャンバ上、又はオリフィスの周囲の皮膚及びオリフィスから分離されたチャンバを含む両方のチャンバ上に直接適用され得る。真空チャンバの面積はまた、皮膚上に適用されている圧力の量及びオリフィス上に生成された封止部を変化させるために変更することもできる。
【0032】
無針注射ノズルは、無針流体を注射するための2つ以上のオリフィスを含むことができ、所望の流体を注射するための、3、4、5、又は1を超える任意の数のオリフィスを使用する可能性があり、特定の幾何学的構成を有する流体の分散の増加を可能にすることができる。これはまた、90度における完全な垂直から、0度まで、180度までの範囲の皮膚に対して任意の角度で角度付けされるオリフィスのうちの1つ又は全てを含むことができる。オリフィスの皮膚表面に対する角度を変更することによって、液体の分散がまた変更され得る。分散の増加は、充填剤及びワクチンに関して役立つ可能性がある。無針デバイスを使用するワクチンは、従来の針注射と比較すると、増加した免疫応答をもたらすことが示される。多重先端部ノズルを使用する追加の分散は、更なる分散を可能にして、なおより大きい応答が潜在的に高めることができる。
【0033】
これらの2つ以上のノズルは、微量の流体が注射されることを可能にするために、様々な配向又は方向において位置決めすることができる。一例として、多くの無針単一ノズルデバイスは、注射当たりおよそ0.1mLを注射するが、これらの多重先端部無針ノズルは、依然として、合計0.1mLの注射を可能にするが、4つの異なる先端部を通して0.025mLに分散される。これにより、より大きい分散及びより均一な分布を可能にする。複数のノズルを通して注射するために必要とされる電源の力は、抵抗におけるこの変化に対応することができる。
【0034】
ある態様では、無針注射ノズルは、廃棄可能であり得る。連続した可変体積を注射することができる無針の廃棄可能なノズルは、事前装填されたシリンジが可変増分で注射することを可能にする。ノズル及び無針デバイスは、無針デバイスを制御することによって、バリアが、ノズル内に突起して、単にプランジャがそのバリアまで流体を送達させることを可能にするように接続することができる。次いで、バリアを後退させることができ、次の所望の注射体積をプログラムすることができ、新しいバリアをノズル内に設定することができ、注射は、所望の体積を送達する。例えば、ノズルに1mLの流体を充填した後、最初にある場所に0.1mLを注射し、次いで別の場所に0.2mLを注射し、次いで別の場所に0.4mLを注射し、次いで最終の場所に0.3mLを注射することができる。
【0035】
無針の廃棄可能なノズルは、ノズルプランジャとEMハンマ(ハンマがプランジャを駆動する)との間の係合を可能にするように構成することができる。接続により、EMハンマの移動を可変深度で停止させることができ、順に、またノズルプランジャの移動も停止させる。EMハンマとプランジャとの間の係合は、係合の分裂なく、200~300メートル/秒を超える注射スピードを可能にするほど効果的(すなわち、十分に強力)であり得る。前述の一例として、バリアは、EMハンマが所定の距離だけ送達され、次いで停止することを可能にするために、EMハンマの遠位に突起することができる。(バリアは、移動可能であるか、又は別様に調整可能、例えば、摺動可能若しくは後退可能であり得る)。上記の別の例として、EMハンマは、パッケージ化された位置センサを使用することによって所望の距離で停止することができる。EMハンマが停止するとき、プランジャ、したがって、液体の更なる注射も停止される。液体が初期のスピードに起因して漏出し続けないことを確実とするために、EMハンマはまた、事前設定された距離に達した後、直ちに逆方向に後退させることもでき、したがって、プランジャ及び最終的に液体も後退させることができる。それにより、EMハンマが停止するとき、ノズルプランジャもまた停止し、それによって、追加の流体が注射されるのを防止する。例えば、ノズルに1mLの流体を充填した後、最初にある場所に0.1mLを注射し、次いで別の場所に0.2mLを注射し、次いで別の場所に0.4mLを注射し、次いで最終の場所に0.3mLを注射することができる。
【0036】
本開示はまた、所望の深度(すなわち、真皮、皮下脂肪、筋肉、骨)に特定の粘性流体を注射するために必要な力を判定するために設定されたアルゴリズムを使用することによって、所望の深度への自動注射を可能にする画像誘導(すなわち、超音波、光コヒーレンス断層撮影、サーモグラフィ、又は他の光学撮像デバイス)無針注射の使用を提供する。小型化された超音波(US)撮像プローブは、パッケージ化されたセンサモジュールとして含まれ、軟組織注射の深度及び力設定の完全な自動化を可能にすることができ、これは、マルチボタンインターフェースを使用して上書きされ得る。
【0037】
血管内注射を防止するために有用な画像誘導(すなわち、超音波ドップラー)無針注射もまた開示される。無針デバイスの直下に動脈又は静脈を検出するとき、注射を防止するための自動「キルスイッチ」を含むことができる。これは、ヒアルロン酸を注射する場合に関連し、周囲の組織に塞栓する充填剤の血管内注射によって引き起こされる組織壊死及び失明という可能性のある合併症に起因する。
【0038】
図1及び図2は、本開示の態様による、注射システム100の第1の端部及び注射システム100の第2の端部の切断図を例解する。示されるように、注射システム100は、アクチュエータアセンブリ101及び注射アセンブリ201を含むことができる。アクチュエータアセンブリは、例えば、ボイスコイルアクチュエータ(VCA)を含み得る。アクチュエータアセンブリ101は、EMハンマ要素102を含むことができ、この要素102は、磁石104及びコイル106の作用を介して移動し、これらは、EMハンマ要素102に施し、EMハンマ要素102と係合するプランジャ202を移動させるために、EMハンマ要素102を移動させるように動作する。アクチュエータアセンブリ101はまた、整流器リング108を含むことができ、整流器リング108は、EMハンマ102の運動を逆にするように構成され得る。アクチュエータアセンブリ101はまた、スイッチ110、又は廃棄可能な構成要素及び/若しくは注射可能な治療剤源と係合する他の要素を含むことができ、スイッチ110は、廃棄可能な構成要素内への、及び/又は廃棄可能な構成要素からの流体の通過を許容する(若しくは拒否する)ように構成され得る。ある態様では、アクチュエータアセンブリ101は、スイッチ110を除外する。
【0039】
注射システム100はまた、患者の皮膚を注射アセンブリ201のノズル204に向かって促し、及び/又は患者の皮膚を垂直方向若しくは水平方向に延伸させる、減圧を施すように構成された真空列112(例えば、モータ114、ポンプ116、排気/出口118、及びコントローラ120)を含むことができる。
【0040】
注射システム100は、例えば、位置エンコーダ122、DC-DCコンバータ124、コントローラ120及び/又は(プログラマブルであり得る)コントローラボード、並びに他の要素を含む、制御列を更に含むことができる。制御列は、1つ以上の信号(例えば、センサ若しくは撮像列によって収集された信号)又は入力に応答して、EMハンマ102の運動(例えば、EMハンマ102の位置、EMハンマ102のスピード)を調節するように構成することができる。
【0041】
アクチュエータアセンブリ101はまた、ディスプレイ126及びユーザインタフェース(図示せず)を含むことができる。アクチュエータアセンブリ101はまた、電池128を含むか、又は別様に電源に接続されて、例えば、モータ114、コントローラ120、位置エンコーダ122、コンバータ124、ディスプレイ126、又はアクチュエータアセンブリ101の更に他の構成要素に電力を提供することができる。
【0042】
コントローラ120は、注射システム100を制御するように構成されたソフトウェア及び/又はファームウェアを含むことができる。ユーザは、ソフトウェア及びコントローラ120を通してシステム100をプログラムして、EMハンマ102に送達される力、したがって、EMハンマ102のスピードを調整するために、アクチュエータアセンブリ101に適用される電圧及び電流を変化させることができる。アクチュエータアセンブリ101は、ハンマ102に適用される出力が、コイル106内の電流の関数であるように構成され得る。
【0043】
一態様では、位置エンコーダ122は、位置出力のための高分解能(例えば、0.4ミクロン)リニアエンコーダを備えることができる。位置エンコーダ122は、リニアエンコーダデータ対時間を例解するために情報をディスプレイ126に提供して、注射中の速度プロットを達成することができる。
【0044】
本明細書において説明されたアクチュエータアセンブリ101の利点は、ユーザが入力として電圧(すなわち、ハンマ102によって適用された力)を制御し、出力として変位及び時間(すなわち、速度)を測定することができることである。速度プロットは、注射の比較的短い時間間隔(約20~50ms)を与えられたリニアエンコーダのサンプリングレートによって限定され得るが、変位プロットは、ソフトウェア入力(電流、電圧、及び結果として生じる力)を、結果として生じる注射用量成功レート、用量変動性、及び注射深度と比較するための調査の主要変数である。
【0045】
無針注射に直面する主な問題のうちの1つは、組織に注射されることを意図した流体が注射されず、皮膚の表面上に残る「ウェットショット」を限定することである。皮膚を「開く」ための力(圧力)閾値が存在し、流体が浸透することを可能にする。この同じ閾値は、アクチュエータが所与の位置で停止するために減速すると、注射サイクルの終了時において適用される。注射の終了時に圧力がこの閾値を下回る時間(及び変位)を限定するために、アクチュエータは、急速に減速しなくてはならない。これは、意図された用量の終わりに逆電圧を適用して、およそ15~20ms以内にピーク(例えば、172N)からゼロに適用される力(及びアンプル内の圧力)を低減させることによって、アクチュエータアセンブリ101で遂行することができる。別の例では、力は、5~10msでおよそ100Nの閾値からゼロに低減させることができる。皮膚に浸透するために必要な力閾値と適用されるゼロ力との間のこの限定された時間(及び変位)は、ウェットショットと見なされる流体の量を著しく低減させることができる。
【0046】
図2を参照すると、注射アセンブリ201は、廃棄可能であり得る。廃棄可能な注射アセンブリ201は、破線ボックス内に示され、注射アセンブリ201及び注射システム100は、注射状態にある。
【0047】
システム100及び注射アセンブリ201が注射状態にあるとき、構成要素とシステムとの間の係合(円Bによって示される)は、弁206を作動させて、注射可能な治療剤の外部リザーバ208と注射アセンブリ201との間の流れを遮断するように構成することができる。弁206は、注射可能な治療剤の外部リザーバ208と注射アセンブリ201との間の流体連通(円Cに示される)を可能にし、並びに防止するために開放及び閉鎖するように構成される(例えば、一方向弁)。係合(円Bによって示される)はまた、注射体積212のノズル/オリフィス204への外部の環境との間の流れを遮断するプランジャ210又は他のクロージャ(若しくは弁の作動)の移動を引き起こすことができる(円Dに示される)。
【0048】
注射状態にあるとき、システム100は、注射可能な治療剤の外部リザーバ208間の流れを遮断し、注射体積212(プランジャ202によって駆動される)からの流れを可能にするために構成され得る。円Aによって示されるように、システム100はまた、注射アセンブリ201のノズル204に向かって患者の皮膚を促すか又は「張る」ために減圧を適用する真空列112を含むことができる。
【0049】
図3は、図2において注射アセンブリ201が再装填状態にある場合に示される注射システム100の切断図を提供する。示されるように、注射可能な治療剤の外部リザーバ208との間の弁206は開放され(円C)、プランジャ210(又は弁)は、注射体積212のノズル/オリフィス204の外部の環境との間の流れを遮断する(円D)。
【0050】
示されるように、システム100が再装填状態にある間、患者の皮膚を注射アセンブリ201のノズル204に向かって引き込むために適用された減圧は、適用されなくてもよく(円A)、そのため皮膚がノズル204に向かって「張られ」ない。
【0051】
注射アセンブリ201(円Cに示される)はまた、流体を反対方向に流れさせることなく、外部リザーバから注射体積リザーバ212内への液体(例えば、ダックビル弁)の一方向の流れだけを可能にするように構成することができる。これは、係合(円B)の必要性を排除することによって、弁を簡素化することができる。
【0052】
図4は、本開示の態様による注射体積204の切断図を例解する。左パネル(装填状態)において示されるように、プランジャ202は、プランジャ202の下向きの運動がノズル204に向かって体積内の注射可能な治療剤を施すように、注射体積204内に位置決めされる。一態様では、ノズル204は、単一のオリフィス開口部205又は2つ以上のオリフィス開口部205を含むことができる。ノズル204は、注射体積204を収容するハウジングに取り付けることができるか、又は代替的に、ノズル204は、注射体積204を収容するハウジング内に形成することができる。
【0053】
右パネル(注射状態)に示されるように、プランジャ202の下方への移動は、ノズル204のオリフィス開口部205を通って注射可能な治療剤を施す。
【0054】
図5Aは、事前設定された体積の注射可能な治療剤の送達をもたらすために、プランジャ202(及び/又はプランジャ202を駆動するハンマ102)の運動を停止するように構成されたバリア220又は他の要素を含む実施形態の切断図を例解する。かかるバリア220は、(例えば、0.2mLの設定から0.4mLの設定まで)移動可能であり得る。ある態様では、注射システム100は、多数のかかるバリア220を含むことができ、バリア220は、注射アセンブリ201によって送達される連続的な注射の体積(例えば、0.2mL、続いて0.25mL、続いて0.3mL)を設定するために展開することができる。連続注射は、バリア220なしで送達され得ることが理解されるであろう。例えば、プランジャ202によって適用される力及びその力が適用される時間は、注射の経過中に制御することができる。
【0055】
図5B図5Fは、プランジャ202の可逆性を使用する注射のシーケンスの断面図を例解する。注射システム100はまた、ハンマ102及び/又はプランジャ202の位置を検出するように構成された位置センサ224を含むことができる。図5B及び図5Cを参照すると、位置センサ224は、ハンマ102及びプランジャ202が、それらの各々が所望の体積に等しい特定の距離(すなわち、4mm)を前方に移動することを可能にすることによって、液体(すなわち、0.2mL)を投与することを可能にすることができる。示されるように、ハンマ102及びプランジャ202の4mmの距離分の移動は、0.2mLの液体を送達する。図5Dを参照すると、液体が投与された後、ハンマ102及びプランジャ202は、開始位置に戻って後退する。図5Eを参照すると、追加的又は代替的な態様では、ハンマ102及びプランジャ202は、液体が投与された後も停止したままである。図5Fを参照すると、追加的又は代替的な態様では、ハンマ102及びプランジャ202は、液体が投与された後、一定量(すなわち、2mm)後退する。
【0056】
図6は、本開示の一態様による、撮像列230を含む注射システム100の概略図を例解する。左パネルに示されるように、撮像列230は、プローブ232のモニタリングの深度を変更するために移動可能であるか、又は別様に調整可能であるプローブ232(例えば、患者の血管の深度を位置決めするる超音波プローブ)を含むことができる。
【0057】
プローブ232は、例えば、患者の皮膚/表皮、真皮、脂肪、筋肉、又は更に骨の深度を検出するように構成することができる。次いで、撮像列230は、信号又は他の情報をアクチュエータアセンブリ101に提供することができ、そこから、注射システム100からの治療剤の注射の深度に関する信号又は他の情報が判定される。
【0058】
例えば、所望の注射深度(例えば、真皮深度まで)に基づいて、注射システム100は、その深度に注射可能な治療剤を送達させるために、EMハンマ、及びそれによりプランジャに施される必要がある必要な速度並びに/又は力を判定し、したがって、所望の流体動力学を達成するために、プランジャ202を駆動するハンマ102の運動を調節することができる。
【0059】
ユーザは、注射深度設定のライブラリ(例えば、実験又は他のデータに基づいて、様々な深度に浸透するために必要な流体力のライブラリ、所与の年齢、所与の体重、若しくは他の特徴を有する典型的な患者の筋肉又は他の組織の深度まで浸透するために必要な流体力のライブラリなど)を組み立て、次いで、撮像列によって収集された信号を使用して、所与の注射に必要な適切な設定をライブラリから選択することができる。設定はまた、ユーザが注射可能な治療剤を送達させることを望む場所(例えば、顔、腕、脚)に基づくことができる。このようにして、開示された技術は、対象の異なる部分で使用するためにユーザによって適合させることができるが、多くの既存の無針注射システムは、事前設定された設定で構成され、それにより、事前設定された設定が対応する本体の部分に対してのみ有用である。このため、顔上に腕の筋肉用の設定を使用すると、治療剤が顔の皮膚のはるか下に送達され、重要な顔の構造を損傷(例えば、血管及び神経)のリスクにさらす可能性があるため、治療剤を腕の筋肉へ送達させるように構成された設定は、化粧用治療剤を患者の顔の皮膚のみに送達させることに好適ではない可能性があるので、治療剤を患者の腕の筋肉に送達させるように事前設定された既存の無針注射器は、患者の顔に化粧剤を送達させることに好適でない可能性がある。
【0060】
一例として、患者の真皮に治療剤を注射することを所望するユーザは、撮像列230を使用して、患者の真皮の深度を判定し、次いで、流体速度/力のライブラリを参照することにより、患者の真皮の深度への注射を達成するために必要な流体速度を判定することができる。図6の右パネルは、患者の真皮の深度における情報を収集するために配置された撮像列230を有するシステム100の図を提供する。
【0061】
図7は、患者内の血管の位置を特定するために使用される撮像列230の概略図を提供する。特定の理論に拘束されることなく、ユーザは、患者の血管234への注射可能な治療剤材料の注射を回避したい場合がある。
【0062】
図7に示されるように、撮像列230は、患者内の血管の位置を特定するために使用することができ、血管234(列230によって検出される管状のワーム様要素によって示される)が予想される注射経路内にある場合、ユーザに警告し、(例えば、注射体積212からの流体の流れを遮断する弁(図示せず)を係合することによってプランジャ202を押すハンマ102を固定することによって)ロックするか、又は別様に血管234への注射を防止するためにシステム100を動作させるように構成される。
【0063】
いかなる特定の理論又は実施形態にも拘束されることなく、かかる特徴は、患者の安全性及び操作者の使用の容易性を増加させることができる。
【0064】
図8及び図9は、本開示の代替的な態様による、注射システム300の第2の端部の切断図を例解する。注射システム300は、以下で別様に記載されない限り、本明細書に記載される注射システム100と実質的に同様の様式で動作及び構成され得ることが理解されるであろう。注射システム300は、アクチュエータアセンブリ301及び注射アセンブリ302を備える。注射アセンブリ302は、アクチュエータアセンブリ301のノーズ306に取り外し可能に結合されたシュラウド304を備える。注射システム300は、プランジャ310に接続可能であるアンプル308を更に備える。アンプル308は、回転を適切に合わせることによってシュラウド304内に摺動させることができる。患者の皮膚に対するアンプル308の高さは、所望の注射深度に基づいて、調整され得る。
【0065】
注射アセンブリ302は、シュラウド304に結合された真空ノズル312を更に備える。真空ノズル312は、(例えば、真空チェーン112を介して)真空源をシュラウド304によって画定された真空チャネル314に流体的に接続する中を通るノズルチャネルを画定する。真空チャネル314は、シュラウド304の注射開口部311の周りで円周方向に延在することができる。ある態様では、真空チャネル314は、注射開口部311に対して開放される。真空管は、ノズル312に接続されて、患者の皮膚S上の真空源の間に実質的に気密な封止部を形成することができる。図9に例解されるように、患者の皮膚Sは、真空チャネル312を通して適用された真空源に起因して張っている。この態様では、無針アンプル308オリフィスのすぐ周囲の皮膚Sが張られており、最適な封止部を作り出すことができる。張られた皮膚は、改善された流体の注射深度をもたらし、真空吸引を適用するとき、ウェット又は注射の失敗を減少させる。例えば、真空吸引が適用されていないときの注射と比較すると、注射深度は、およそ2.0~2.5倍増加する可能性がある。真空吸引の別の利点は、ユーザによって適用されるより低い装填力(例えば、軸方向装填力、又は押下力)が、所望の注射深度を達成するために必要とされることである。更に、真空吸引は、皮膚に入る液体の注射を最適化するためのより厳密な封止を確実とし、それによって、ウェット又は注射の失敗のリスクを減少させ、潜在的に排除する。
【0066】
図10は、本開示の態様による、シュラウド304の斜視図を例解する。シュラウド304は、アクチュエータアセンブリ301のノーズ306へのシュラウド304の接続及び取り外しを容易にする指要素320を含むことができる。指要素320は、接続中に、シュラウド304がノーズ306に完全に挿入されるまで、指要素320が半径方向内側に屈曲するように、可撓性であり得る。シュラウド304が完全に挿入された後、指要素320は、半径方向外向きに屈曲して、シュラウド304をノーズ306に取り外し可能にロック(例えば、スナップ嵌め)する。
【0067】
図11図13は、本開示の別の代替的な態様による、注射システム400の第2の端部の切断図を例解する。注射システム400は、以下で別様に記載されない限り、本明細書に記載される注射システム100及び300と実質的に同様の様式で動作及び構成され得ることが理解されるであろう。注射システム400は、アクチュエータアセンブリ401及び注射アセンブリ402を備える。注射アセンブリ402は、アクチュエータアセンブリ401に取り外し可能に結合されたシュラウド404を備える。シュラウド404は、内部に画定された真空チャネル414を画定する。注射アセンブリ402の底端部の拡大図を例解する図12を参照すると、真空チャネル414は、シュラウド404の注射開口部411の周りで円周方向に延在することができる。真空チャネル414は、注射開口部411から半径方向外向きに離間されている。この態様では、真空チャネル414は、アンプル408の先端部から分離される(例えば、隔離される)。例えば、プラスチックタイプの構成要素413は、真空チャネル414と開口部411との間に位置決めすることができる。プラスチックタイプの構成要素413(又は任意の他のタイプの材料から作製された構成要素)は、注射開口部と真空チャネルとの間の距離を変更するために、非常に薄いものから非常に厚いものまでの範囲であり得る。
【0068】
図13を参照すると、真空が、真空チャネル414を通して適用されて、アンプル408の先端部に接して取り囲むユーザの皮膚S'を張ることができる。この態様では、ユーザの皮膚S'は、アンプル408自体の先端部の真下で張らない。代わりに、アンプル408の先端部から半径方向外向きに離間した距離で、ユーザの皮膚Sが張られる。その際、真空チャネル414の下で張られた皮膚に接して取り囲む皮膚S'は、水平方向に延伸されて、注射深度を変化させ、ウェット又は注射失敗を確実に防止し、液体の分散に作用する。
【0069】
図11を参照すると、注射システム400のアンプル408の先端部415は、シュラウド404の開口部411を通って延在することができる(例えば、わずかに突出する-突き出る)。使用中、先端部415は、アンプル408がシュラウド404の前に皮膚S'と接触するように、シュラウド404内の真空チャネル414の開口部に対して突出し、突き出る。一態様では、先端部415は、シュラウド404の底端部から任意の距離を延在することができる。一態様では、先端部425は、シュラウド404の底端部を越えて少なくとも2.0mm延在することができる。シュラウド404は、エラストマー材料を含むことができ、そのため、注射中、負圧が真空によって皮膚に適用されるとき、シュラウド404は、真空チャネル414の開口部に対して突き出るわずかに突出する先端部415を後退させる。代替的に、及び図14を参照すると、先端部415は、シュラウド404の開口部411に対して内向きであり得る(例えば、凹設される)。この態様では、シュラウド404は、アンプル408の先端部415の前に(又はその代わりに)皮膚S'に接触することができる。シュラウド404は、1つ以上の真空チャネル414に対する多数の開口部(すなわち、複数の開口部)を含むことができることが理解されるであろう。一態様では、複数の開口部のうちの少なくとも1つは、ノズル412によって画定された少なくとも1つのオリフィスのうちの各々に近接している。一態様では、複数の開口部は、少なくとも1つのオリフィスに近接することができる。別の態様では、少なくとも1つのオリフィスの各々は、少なくとも1つのオリフィスに近接する複数の開口部のうちの単一の1つを含むことができる。
【0070】
図15図17は、本開示の態様による、それぞれ、2回の注射のシーケンス中に捕捉された、経時的な位置、力、及び電流のプロファイルを例解するグラフを示す。図15図17は、注射シーケンスの特定の実施形態のみを例解するように意図され、限定するものではない。したがって、他の代替的な注射シーケンスが企図される。2つの注射のうちの第1の注射は、0.15mLを含み、2つの注射のうちの第2の注射は、0.3mLを含む。注射のシーケンスは、以下のように説明することができる:
a.2~4秒:アクチュエータピストンは、装填されたアンプルの挿入を可能にするために後退される。
b.10~14秒:注射準備のため、注射器は水平位置から垂直位置に移動する。VCAピストンの重量を支えているため、一定の位置を維持するために必要な力は、わずかに増加する。ピストンを所定の位置に保持するために、力はわずかに高くなる(負)。
c.14~19秒:アクチュエータは、前進して最初の注射を実行し、すぐに開始位置に戻る。
d.19~22秒:アクチュエータは、前進して第2の注射を実行し、注射が完了した後もその位置を維持する。
【0071】
態様
以下の態様は、例示的であるにすぎず、本開示又は添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0072】
態様1.経皮注射構成要素であって、内部に注射可能な治療剤を収容するように構成された封止可能な注射体積と、プランジャであって、
プランジャが、注射体積と封止可能に係合し、プランジャが、任意選択的に、アクチュエータデバイスの要素と係合するように構成され、プランジャが、患者への注射可能な治療剤の経皮注射をもたらすために、注射体積から注射可能な治療剤を施すように構成された、プランジャと、を備え、
(a)封止可能な注射体積と流体連通する一方向弁であって、
一方向弁が、構成要素が注射可能な治療剤源と係合するとき、注射可能な治療剤源と流体連通するように注射体積を設置するように構成されており、そのため、流体移動が、注射可能な治療剤源から注射体積にのみ許容される、一方向弁、
(b)(1)プランジャが注射体積において負圧を施すとき、(2)構成要素が注射可能な治療剤源と係合するとき、又は(1)及び(2)の両方のとき、経皮注射構成要素の外部の環境に対して封止可能な注射体積を封止するために配設された封止器、
(c)少なくとも1つのオリフィスに近接して配設された開口部を画定する構成要素であって、開口部からの十分な負圧の適用が開口部に向かって患者の皮膚を促進するように寸法設定されている、構成要素、
(d)プランジャの運動に伴い注射体積から施される流体の量を限定するように、プランジャの運動又はプランジャと係合する要素の運動を停止するように構成された少なくとも1つの任意選択的に調整可能な要素、
(e)プランジャが、複数のオリフィスを通して注射体積から注射可能な治療剤を施すように構成されるように、封止可能な注射体積と流体連通する複数のオリフィスを備える構成要素、あるいは
任意の組み合わせで(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)のうちの2つ以上を備える、経皮注射構成要素。
【0073】
態様2.構成要素が、封止可能な注射体積と流体連通する一方向弁を備え、構成要素が注射可能な治療剤源と係合しているとき、一方向弁が、注射可能な治療剤源と流体連通するように、注射体積を設置するように構成されており、そのため流体移動が注射可能な治療剤源から注射体積へのみ許容される、態様1に記載の経皮注射構成要素。
【0074】
態様3.構成要素が、(1)プランジャが注射体積において負圧を施すとき、(2)構成要素が注射可能な治療剤源と係合するとき、又は(1)及び(2)の両方のとき、経皮注射構成要素の外部の環境に対して封止可能な注射体積を封止するように配設された封止器を備える、態様1に記載の経皮注射構成要素。
【0075】
態様4.構成要素が、少なくとも1つのオリフィスに近接して配設された開口部を画定するように配置され、開口部が、開口部からの十分な負圧の適用が開口部に向かって患者の皮膚を促進するように寸法設定される、態様1に記載の経皮注射構成要素。
【0076】
態様5.構成要素が、プランジャの運動に伴い注射体積から施された流体の体積を限定するために、プランジャの運動を停止するように構成された少なくとも1つの要素を備える、態様1に記載の経皮注射構成要素。
【0077】
態様6.構成要素が、封止可能な注射体積と流体連通する複数のオリフィスを備え、そのためプランジャが、複数のオリフィスを通して注射体積から注射可能な治療剤を施すように構成される、態様1に記載の経皮注射構成要素。
【0078】
態様7.経皮注射システムであって、
態様1~6のいずれか1つに記載の経皮注射構成要素と、
経皮注射構成要素と係合するように構成されたアクチュエータデバイスと、を備え、
アクチュエータデバイスが、プランジャの運動をもたらすために、経皮注射構成要素のプランジャと係合するように構成された可逆的に移動可能な要素を備え、
可逆的に移動可能な要素が、電磁場の動作によって作動されている、経皮注射システム。
【0079】
態様8.可逆的に移動可能な要素及びプランジャのうちの少なくとも1つに力を施すように構成された弾性部材を更に備える、態様7に記載の経皮注射システム。
【0080】
態様9.負圧源を更に含み、患者の皮膚が、概して、経皮注射構成要素の方向に施され、任意選択的に、患者の皮膚が、構成要素に接触するように、負圧源が負圧を施すように構成されている、態様7又は8に記載の経皮注射システム。
【0081】
態様10.撮像列を更に備え、撮像列が、患者の1つ以上の特徴、注射可能な治療剤の場所、又はその両方を判定するように構成されている、態様7~9のいずれか1つに記載の経皮注射システム。
撮像列(又はその一部分)は、構成要素に組み込むことができるが、構成要素が係合するアクチュエータデバイス又は他の要素に組み込むこともできることを理解されたい。
【0082】
態様11.撮像列が、患者内の血管の位置を特定するように構成されている、態様10に記載の経皮注射システム。
【0083】
態様12.撮像列が、患者の表皮、真皮、脂肪、筋肉(様々な筋肉層を含む)、又は骨のうちの1つ以上の位置を特定するように構成されている、態様10又は11に記載の経皮注射システム。
【0084】
態様13.撮像列が、超音波プローブ、光コヒーレンス断層撮影プローブ、若しくはサーモグラフィプローブ、又は1つ以上の他のタイプの光学撮像デバイスのうちの少なくとも1つを備える、態様10~12のいずれか1つに記載の経皮注射システム。
【0085】
態様14.システムが、撮像列から収集された信号に応答して、注射可能な治療剤の流れを調節するように構成されている、態様10~13のいずれか1つに記載の経皮注射システム。
【0086】
態様15.システムが、患者内の血管を示す撮像列から収集された信号に応答して、注射可能な治療剤の流れを制限するように構成されている、態様14に記載の経皮注射システム。
【0087】
態様16.患者への治療剤の経皮注射をもたらすために、態様10~15のいずれか1つに記載の経皮注射システムを動作させることを含む、方法。
【0088】
態様17.方法であって、内部に配設されたある量の注射可能な治療剤を有する注射体積と係合したプランジャを駆動させるために、可逆的に移動可能な要素の電磁的駆動運動をもたらすことであって、運動が、複数のオリフィスから患者への注射可能な治療剤の経皮注射をもたらすために、注射体積と流体連通する複数のオリフィスを通して注射可能な治療剤を施すことをもたらす、ことと、任意選択的に、複数のオリフィスに向かって患者の皮膚を促すために、皮膚に負圧を適用することと、を含む、方法。
【0089】
態様18.一連の経皮注射をもたらすことを更に含み、各々の一連の経皮注射の体積が、注射体積内に配設された移動可能な要素によって判定されている、態様17に記載の方法。一連の注射の各々は、同じ又は異なる深度で同じ体積であり得るが、一連の注射のうちの1つ以上が他の注射と同じ又は異なる深度で異なる体積であり得るため、これは必要条件ではない。
【0090】
態様19.撮像列によって収集された信号に応答して、プランジャの運動を調節することを更に含む、態様17又は18に記載の方法。
【0091】
態様20.方法であって、撮像列から収集された信号に応答して、経皮的に注射された材料の患者への流れを調節することを含み、信号が、患者の血管、患者の表皮、患者の真皮、患者の脂肪、患者の筋肉、患者の骨、又はこれらの任意の組み合わせの場所を示す、方法。
【0092】
態様21.調節することが、経皮的に注射された材料の粘度に更に応答している、態様20に記載の方法。経皮的に注射された材料の粘度は、いくつかの例では、G'(又は他のレオロジー特性)として特徴付けることができる。
【0093】
態様22.信号が、超音波信号又は赤外線信号である、態様20又は21に記載の方法。
【0094】
態様23.撮像列が、患者内の2つ以上の深度で信号を収集する、態様20~22のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
態様24.調節することが、患者の表皮、患者の真皮、患者の脂肪、患者の筋肉、患者の骨、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上の推定される特徴に少なくとも部分的に応答する、態様20~23のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
態様25.調節することが、経皮的に注射された材料を施すプランジャの運動を調節することによってもたらされる、態様20~24のいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】