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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】手順の妥当性を推定すること
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20230915BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
A61B1/045 615
A61B1/045 614
A61B1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515283
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 IL2021051074
(87)【国際公開番号】W WO2022054043
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/075,778
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/228,937
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VISUAL BASIC
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】506203914
【氏名又は名称】ギブン イメージング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ペレグ, ドリ
(72)【発明者】
【氏名】エイロット, ドブ
(72)【発明者】
【氏名】ツァドク, ヨッシ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161CC06
4C161DD07
4C161TT15
4C161WW19
4C161YY12
(57)【要約】
カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法は:CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;複数の特性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することであって、妥当性測度は、複数の画像により提供される撮像カバレッジがGITの少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象がGITの少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず提供する、判断すること;及び妥当性測度に基づきCE手順の妥当性指示を表示することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法であって、前記方法は、
CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;
前記複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;
前記複数の特性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することであって、前記妥当性測度は、前記複数の画像により提供される撮像カバレッジが前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、判断すること;及び
前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性指示を表示すること、を含み、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは古典的機械学習技術、深層学習技術又は発見的方法のうちの少なくとも1つに基づく、方法。
【請求項2】
複数の画像グループを識別するために前記複数の画像を処理することであって、前記複数の画像グループの各画像グループでは、それぞれの画像グループの各画像は同じ組織領域を捕捉する、処理することをさらに含む請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループ内の画像の数を含み、そして前記CE手順の妥当性測度は、前記複数の画像グループの各画像グループ内の前記画像の数に基づき判断される、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループの平均洗浄比を含み、前記CE手順の前記妥当性測度は前記複数の画像グループの各画像グループの前記平均洗浄比に基づき判断される、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
洗浄比への洗浄スコアのマッピングにアクセスすること、及び
前記複数の画像グループの画像グループ毎に:
前記それぞれの画像グループ内の画像毎に洗浄スコアにアクセスすること、
前記洗浄比への洗浄スコアのマッピングに基づき前記それぞれの画像グループ内の各画像の洗浄比を判断すること、及び
前記それぞれの画像グループ内の前記画像の前記洗浄比の平均として前記それぞれの画像グループの前記平均洗浄比を判断すること
を行うことにより各画像グループの平均洗浄比を判断することをさらに含む請求項4に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記妥当性測度が、前記複数の画像により提供される前記撮像カバレッジは前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということをこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断することをさらに含む請求項1に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記CE手順の前記妥当性指示は、何故前記CE手順が適切でないと判断されたかの少なくとも1つの理由を含む、コンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記GITの前記少なくとも一部は複数のセグメントを含み、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは、
前記複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度を判断すること、及び
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断すること、を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは、
前記複数のセグメントの各セグメント内の前記当該事象の発生の先験的確率にアクセスすることであって、前記先験的確率は患者集団に基づき経験的に判断される、アクセスすること;及び
前記先験的確率に基づき、そして前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することを含む、請求項7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること;
前記少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき前記妥当性指示を判断すること;及び
前記少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき前記妥当性測度を判断することをさらに含む請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するためのシステムであって、前記システムは、
表示デバイス;
少なくとも1つのプロセッサ;及び
その上に格納された指令を含む少なくとも1つのメモリを含み、
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記システムに:
CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部の複数の画像にアクセスすること;
前記複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;
前記複数の特性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することであって、
前記妥当性測度は、前記複数の画像により提供される撮像カバレッジが前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、判断すること;及び
前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性指示を前記表示デバイス上に表示すること、をさせ、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは古典的機械学習技術、深層学習技術又は発見的方法のうちの少なくとも1つに基づく、システム。
【請求項11】
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、複数の画像グループを識別するために前記複数の画像を処理させ、前記複数の画像グループの各画像グループでは、それぞれの画像グループの各画像は同じ組織領域を捕捉する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループ内の画像の数を含み、そして前記CE手順の妥当性測度は、前記複数の画像グループの各画像グループ内の前記画像の数に基づき判断される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループの平均洗浄比を含み、前記CE手順の前記妥当性測度は前記複数の画像グループの各画像グループの前記平均洗浄比に基づき判断される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
洗浄比への洗浄スコアのマッピングにアクセスすること、及び
前記複数の画像グループの画像グループ毎に:
前記それぞれの画像グループ内の画像毎に洗浄スコアにアクセスすること、
前記洗浄比への洗浄スコアのマッピングに基づき前記それぞれの画像グループ内の各画像の洗浄比を判断すること、及び
前記それぞれの画像グループ内の前記画像の前記洗浄比の平均として前記それぞれの画像グループの前記平均洗浄比を判断すること、
を行うことにより各画像グループの前記平均洗浄比を判断させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記GITの前記少なくとも一部は複数のセグメントを含み、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは、
前記複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度を判断すること、及び
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の前記妥当性測度を判断する際に、
前記指示は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記システムに、
前記複数のセグメントの各セグメント内の前記当該事象の発生の先験的確率にアクセスすることであって、前記先験的確率は患者集団に基づき経験的に判断される、アクセスすること;及び
前記先験的確率に基づき、そして前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の前記妥当性測度を判断することをさせる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
前記複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること;
前記少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき前記妥当性指示を判断すること;及び
前記少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき前記妥当性測度を判断することをさせる、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
「前記妥当性測度が、前記複数の画像により提供される前記撮像カバレッジは前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということをこのような当該事象が前記GITの少なくとも前記一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する」ということを判断させ、
前記CE手順の前記妥当性指示は何故前記CE手順が適切でないと判断されたかの少なくとも1つの理由を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記当該事象は重大なポリープであり、
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
前記妥当性測度が、前記複数の画像により提供される前記撮像カバレッジは前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということをこのような当該事象が前記GITの少なくとも前記一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断させ;そして
重大なポリープが前記複数の画像を処理したポリープ検出器により前記複数の画像内に検出されたということを判断させ、
前記CE手順の前記妥当性指示は、前記CE手順は適切ではないと判断されたが前記判断はポリープ検出器により覆されたという指示を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
プロセッサにより実行されると方法の実行を引き起こす指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;
前記複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;
前記複数の特性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することであって、前記妥当性測度は、前記複数の画像により提供される撮像カバレッジが前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、判断すること;及び
前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性指示を表示することを含み、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは古典的機械学習技術、深層学習技術又は発見的方法のうちの少なくとも1つに基づく、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記指令は、前記プロセッサにより実行されると、以下のこと:
前記複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること;
前記少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき前記妥当性指示を判断すること;及び
前記少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき前記妥当性測度を判断すること、
を含む前記方法のさらなる実行を引き起こす、請求項20に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それぞれの全内容を参照のために本明細書に援用する2020年9月8日申請の米国仮特許出願第63/075,778号明細書と2021年8月3日申請の米国仮特許出願第63/228,937号明細書の利益及び優先権を主張する。
【0002】
本開示は、画像解析方法及びシステムに関し、そしてより具体的には、手順の妥当性を推定するためにカプセル内視鏡検査手順を介し捕捉された一連の画像を解析するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カプセル内視鏡検査(CE:capsule endoscopy)は胃腸管(GIT:gastrointestinal tract)全体を内視鏡検査的に調べることを可能にする。GITの特定部分(小腸(SB:small bowel)又は結腸など)を調べることを目的とするカプセル内視鏡検査システム及び方法が存在する。CEは患者が入院することを必要としない非侵入性手順であり、そして患者は、カプセルが自身の体内にある間ほとんどの日常活動を続け得る。
【0004】
典型的CE手順では、患者は医師による手順に付託される。次に、患者はこの手順を行うために医療施設(例えば診療所又は病院)に着く。およそ総合ビタミン剤サイズであるカプセルは、医療施設において医療従事者(例えば看護婦又は医師)の監督下で患者により呑み込まれ、そして患者は装着可能デバイス(例えば患者の肩の周囲に置かれるパウチ及びストラップ内に置かれるセンサベルト及びレコーダ)を提供される。装着可能デバイスは通常、ストレージデバイスを含む。患者はガイダンス及び/又は指令を与えられ、そして次に自身の日常活動へ解放され得る。
【0005】
カプセルは、GIT中を自然に移動しながら画像を捕捉する。次に、画像及び追加データ(例えばメタデータ)が、患者により装着されるレコーダへ送信される。カプセルは通常は使い捨てであり、そして排便と共に自然に通り抜ける。手順データ(例えば捕捉された画像又はそれらの一部及び追加メタデータ)は装着可能デバイスのストレージデバイス上に格納される。
【0006】
装着可能デバイスは通常、格納された手順データと共に患者により医療施設へ戻される。次に、手順データは通常、医療施設に配置されたコンピューティングデバイスであってエンジンソフトウェアが格納されたコンピューティングデバイスへダウンロードされる。次に、受信された手順データはエンジンソフトウェアによりコンパイル済み研究(又は「研究」)へ処理される。通常、研究は何千もの(約8,000~10,000)画像を含む。通常、処理される画像の数は何万のオーダであり平均で約100,000である。
【0007】
読み手(手順監督医師、専用医師又は委託医師であり得る)はリーダアプリケーションを介し研究にアクセスし得る。次に、読み手はリーダアプリケーションを介し研究を精査し、手順を評価し、そして自身の入力を提供する。読み手は何千もの画像を精査する必要があるので、研究を読む時間は通常、平均で1/2時間~1時間かかり得、この読む作業は退屈であり得る。次に、報告が、コンパイル済み研究と読み手の入力とに基づきリーダアプリケーションにより生成される。平均で、報告を生成するために1時間かかるだろう。報告は、例えば当該画像、例えば手順のデータ(すなわち研究)に基づく患者の病状の評価又は診断、及び/又はフォローアップのための推奨、及び/又は読み手により提供される治療など、読み手により選択された病状を含むとして識別された画像を含み得る。次に、この報告は委託医師へ転送され得る。委託医師は、必要とされるフォローアップ又は治療をこの報告に基づき決定し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は胃腸管(GIT)の一連の画像を解析するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、当該事象を捕捉するためのCE手順の妥当性を推定する(例えば一連の画像の撮像カバレッジは少なくとも1つのポリープを視覚化するために適切だったかどうか(実際に存在するか否かにかかわらず)を推定する)ためにカプセル内視鏡検査(CE)手順が完了した後に一連の画像を解析するためのシステム及び方法に関する。様々な態様では、少なくとも1つのポリープは重大なポリープ(約6mm以上のサイズのポリープなど)を含み得る。本明細書で述べるように、CE撮像デバイスにより生体内で捕捉された画像を使用することによりGITの又はGITの一部分の三次元ビューを構築することによりCE手順の妥当性を判断することが可能でない場合、他の測度及び/又は指標がCE手順の妥当性を判断するために使用される。本開示は、一連の画像のカバレッジを撮像することが少なくとも1つのポリープ(実際に存在するか否かにかかわらず)を視覚化するために適切でないと推定された場合にCE手順の除外を(例えば、臨床医により及び/又は自動的にのいずれかにより)行い得、そしてこれにより、ポリープを有するがカプセル内視鏡検査手順によりいかなる視覚化されたポリープも有しないとして誤って除外される人の割合を著しく低減し得る。CE手順が少なくとも1つのポリープ(実際に存在するか否かにかかわらず)を視覚化するために適切であると推定された場合、本開示はまた、ポリープのない場合のより自信ある除外を行い得る。
【0009】
いくつかの例が、カプセル内視鏡検査デバイスにより体内で捕捉される画像に関して示され説明されたとしても、本開示技術は他のデバイス又は機構により捕捉される画像へ適用され得る。さらに、一貫している限り、本明細書において詳述される態様の任意の又はすべてのものは、本明細書において詳述される他の態様の任意の又はすべてのものと併せて使用され得る。
【0010】
本開示のいくつかの態様に従って提供されるのは、カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法であり、本方法は、CE手順中にCEデバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;CE手順の妥当性測度を判断することであって、妥当性測度は複数の画像内の所定事象を捕捉する際のCE手順の有効性の測定結果を指示する、判断すること;及び妥当性測度をディスプレイ上に表示することを含む。
【0011】
本開示の一態様では、手順の妥当性測度はCE手順の所定特性に基づき判断され得る。
【0012】
本開示の一態様では、所定事象は、或るタイプの病状、或るタイプの病状の少なくとも1つの発生、GITの所定部分における或るタイプの病状のすべての発生、所定サイズの或るタイプの病状の少なくとも1つの発生、GITの所定部分における所定サイズの或るタイプの病状の発生のすべて、ポリープ、ポリープの少なくとも1つの発生、結腸内のポリープのすべての発生、結腸内の所定サイズより大きなポリープの少なくとも1つの発生、結腸内の所定サイズより大きなポリープの発生のすべて、寄生体、病気指標、及び/又は病気外観を含み得る。
【0013】
本開示の別の態様では、所定事象は定期的事象、一時的事象、及び/又は定常的事象であり得る。
【0014】
本開示の別の態様では、本方法はさらに、CE手順に基づく研究が生成されることから除外されるべきか否かの指示を提供することを含み得、この判断は判断された妥当性測度に基づく。
【0015】
本開示のさらに別の態様では、本方法はさらに、判断された妥当性測度に基づき研究を生成することを除外することを含み得る。
【0016】
本開示のさらに別の態様では、本方法はさらに、CE手順が除外された場合:アクセスされた画像内に所定事象が含まれているかどうかを指示する確率スコアを受信すること;及び事象の確率スコアが所定閾値を超えたことに基づき、以前に除外されたCE手順の研究を生成することを含み得る。
【0017】
本開示の一態様では、妥当性測度は古典的機械学習技術、深層学習技術、及び/又は発見的方法に基づき判断され得る。
【0018】
本開示の一態様では、特性測度はセグメント特性又は手順毎グローバル特性を含み得る。
【0019】
本開示の別の態様では、GITの複数の画像の各画像はGITの複数の連続セグメントのうちの1つのセグメントに関連付けられ得る。本方法はさらに、1つ又は複数のセグメント特性に基づきGITの複数の連続セグメントの各セグメントのセグメント妥当性測度を判断することを含み得る。
【0020】
本開示の別の態様では、セグメント特性は:運動スコア又はセグメント当たりの平均洗浄レベルを指示するスコアからなるグループから選択され得る。
【0021】
本開示のさらに別の態様では、妥当性測度はさらに、運動スコア、セグメント当たりの洗浄レベル、及び/又は経過時間のうちの少なくとも2つの乗算に基づくセグメント妥当性確率に基づき判断され得る。
【0022】
本開示の一態様では、手順毎グローバル妥当性測度は、セグメントのうちのすべてのセグメントにわたる平均洗浄スコア(cleansing score)、患者の人口学的統計、CEデバイスが到達したGITの最後のセグメント、及び/又はCEデバイスがGITの一部分において費やした絶対時間に基づき得る。
【0023】
本開示の別の態様では、特性測度は、画像に関連する解剖学的結腸セグメント、カプセル内視鏡検査デバイスの遷移パターン、CEデバイス通信エラー、複数の画像内の解剖学的ランドマーク、及び/又は複数の画像内のGIT組織のカバレッジを含み得る。
【0024】
本開示の態様に従って提供されるのはカプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するためのシステムである。本システムはディスプレイ、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリはその上に格納された指令を含み、この指令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、システムに、CE手順中にCEデバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスさせ;CE手順の妥当性測度(複数の画像において所定事象を捕捉する際のCE手順の有効性の測定結果を指示する)を判断させ;そして妥当性測度をディスプレイ上に表示させる。
【0025】
本開示の別の態様では、手順の妥当性測度はCE手順の所定特性に基づき判断され得る。
【0026】
本開示の一態様では、指令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらにシステムに、CE手順に基づく研究が生成されることから除外されるべきか否かの指示を提供させ、この判断は判断された妥当性測度に基づく。本開示の態様に従って提供されるのは、カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法であり、本方法は:CE手順中にCEデバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;CE手順の妥当性測度を判断することであって、妥当性測度は複数の画像内の所定事象を捕捉する際のCE手順の有効性の測定結果を指示する、判断すること;及びCE手順に基づき研究を生成することを除外することであって、所定閾値未満の妥当性測度に基づく除外すること、を含む。
【0027】
本開示の別の態様では、本方法はさらに、CE手順が除外されたということをユーザへ指示することを含み得る。
【0028】
本開示の別の態様では、本方法はさらに、事象スコアを受信すること、及び受信された事象スコアが所定閾値を超えたことに基づき、以前に除外されたCE手順を研究内に含むことを含み得る。
【0029】
本開示のいくつかの態様によると、カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法は:CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;複数の特性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することであって、妥当性測度は、複数の画像により提供される撮像カバレッジが少なくともGITの一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度を、このような当該事象が少なくともGITの一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず提供する、判断すること;及び妥当性測度に基づきCE手順の妥当性指示を表示することを含む。
【0030】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、本方法は、複数の画像グループを識別するために複数の画像を処理することを含み、ここで、複数の画像グループの各画像グループでは、それぞれの画像グループの各画像は同じ組織領域を捕捉する。
【0031】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、複数の特性測度の中の一特性測度は、複数の画像グループの画像グループ毎に、それぞれの画像グループ内の画像の数を含み、そしてCE手順の妥当性測度は、複数の画像グループの各画像グループ内の画像の数に基づき判断される。
【0032】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、複数の特性測度の中の一特性測度は、複数の画像グループの画像グループ毎に、それぞれの画像グループの平均洗浄比を含み、CE手順の妥当性測度は複数の画像グループの各画像グループの平均洗浄比に基づき判断される。
【0033】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、本方法は、洗浄比への洗浄スコアのマッピングにアクセスすることにより各画像グループの平均洗浄比を判断すること、そして複数の画像グループの画像グループ毎に:それぞれの画像グループ内の画像毎に洗浄スコアにアクセスすること、洗浄比への洗浄スコアのマッピングに基づきそれぞれの画像グループ内の各画像の洗浄比を判断すること、及びそれぞれの画像グループの平均洗浄比をそれぞれの画像グループ内の画像の洗浄比の平均として判断することを含む。
【0034】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、GITの少なくとも一部は複数のセグメントを含む。CE手順の妥当性測度を判断することは、複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度を判断すること及び複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することを含む。
【0035】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、本方法はさらに、妥当性測度が、複数の画像により提供される撮像カバレッジはGITの少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということを、このような当該事象がGITの少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断することを含み得る。CE手順の妥当性指示は何故CE手順が適切でないと判断されたかの少なくとも1つの理由を含む。
【0036】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することは:複数のセグメントの各セグメント内の当該事象の発生の先験的確率にアクセスすることであって、先験的確率は患者集団に基づき経験的に判断される、アクセスすること;及び先験的確率に基づき、そして複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することを含む。
【0037】
コンピュータ実施方法の様々な実施形態では、本方法は、複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること、少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき妥当性指示を判断すること、及び少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき妥当性測度を判断することを含む。
【0038】
本開示のいくつかの態様によると、カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するためのシステムは、表示デバイス、少なくとも1つのプロセッサ、及びその上に格納された指令を含む少なくとも1つのメモリを含む。指令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、システムに:CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部の複数の画像にアクセスすること;複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;複数の特性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することであって、妥当性測度は、複数の画像により提供される撮像カバレッジがGITの少なくとも部内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象がGITの少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず提供する、判断すること;及び妥当性測度に基づきCE手順の妥当性指示を表示デバイス上に表示することをさせる。
【0039】
本システムの様々な実施形態では、指令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらにシステムに、複数の画像グループを識別するために複数の画像を処理させ、そして複数の画像グループの各画像グループでは、それぞれの画像グループの各画像は同じ組織領域を捕捉する。
【0040】
本システムの様々な実施形態では、複数の特性測度の中の一特性測度は、複数の画像グループの画像グループ毎に、それぞれの画像グループ内の画像の数を含み、CE手順の妥当性測度は複数の画像グループの各画像グループ内の画像の数に基づき判断される。
【0041】
本システムの様々な実施形態では、複数の特性測度の中の一特性測度は、複数の画像グループの画像グループ毎に、それぞれの画像グループの平均洗浄比を含み、CE手順の妥当性測度は複数の画像グループの各画像グループの平均洗浄比に基づき判断される。
【0042】
本システムの様々な実施形態では、指令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらにシステムに、次のことを行うことにより各画像グループの平均洗浄比を判断させる:洗浄比への洗浄スコアのマッピングにアクセスすること、そして複数の画像グループの画像グループ毎に:それぞれの画像グループ内の画像毎に洗浄スコアにアクセスすること、洗浄比への洗浄スコアのマッピングに基づきそれぞれの画像グループ内の各画像の洗浄比を判断すること、及びそれぞれの画像グループの平均洗浄比を画像グループ内の画像の洗浄比の平均として判断すること。
【0043】
本システムの様々な実施形態では、GITの少なくとも一部は複数のセグメントを含み、そしてCE手順の妥当性測度を判断することは:複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度を判断すること及び複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することを含む。
【0044】
本システムの様々な実施形態では、複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断する際、指示は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、システムに:複数のセグメントの各セグメント内の当該事象の発生の先験的確率にアクセスすることであって、先験的確率は患者集団に基づき経験的に判断される、アクセスすること;及び先験的確率に基づき、そして複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することをさせる。
【0045】
本システムの様々な実施形態では、指令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらにシステムに:複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること、少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき妥当性指示を判断すること、及び少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき妥当性測度を判断することをさせる。
【0046】
本システムの様々な実施形態では、指示は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、システムに、妥当性測度が、複数の画像により提供される撮像カバレッジはGITの少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということを、このような当該事象がGITの少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断させ得、そしてCE手順の妥当性指示は、何故CE手順が適切でないと判断されたかの少なくとも1つの理由を含む。
【0047】
本システムの様々な実施形態では、当該事象は重大なポリープであり、指示は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、システムに、妥当性測度が、複数の画像により提供される撮像カバレッジはGITの少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということを、このような当該事象がGITの少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断させ、そして複数の画像を処理したポリープ検出器により重大なポリープが複数の画像内に検出されたということを判断させ得る。CE手順の妥当性指示は、CE手順は適切ではないと判断されたがこの判断はポリープ検出器により覆された(overruled)という指示を含み得る。
【0048】
本開示のいくつかの態様によると、非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサにより実行されると、方法の実行を引き起こす指令を格納し、本方法は:CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;複数の特性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することであって、妥当性測度は、複数の画像により提供される撮像カバレッジがGITの少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象がGITの少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず提供する、判断すること;及び妥当性測度に基づきCE手順の妥当性指示を表示することを含む。
【0049】
非一時的コンピュータ可読媒体の様々な実施形態では、指令は、プロセッサにより実行されると、以下のことを含む方法のさらなる実行を引き起こす:複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること、少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき妥当性指示を判断すること、及び少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき妥当性測度を判断すること。
【0050】
本発明の例示的実施形態のさらなる詳細及び態様は添付図面を参照して以下にさらに詳細に説明される。
【0051】
本開示の上記及び他の態様及び特徴は添付図面と併せて取り込まれと以下の詳細説明という観点でよりより明らかになる。同様な参照符号は同様又は同一要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】胃腸管(GIT)を示す線図である。
図2】本開示の態様によるカプセル内視鏡検査(CE)手順を介し生体内で捕捉された医用画像を解析するための例示的システムのブロック図である。
図3】本開示のシステムと共に使用され得る例示的コンピューティングデバイスのブロック図である。
図4】大腸を示す線図である。
図5】本開示の態様による例示的深層学習ニューラルネットワークのブロック図並びに深層学習ニューラルネットワークの入力及び出力である。
図6】本開示の態様による図5の深層学習ニューラルネットワークの層の線図である。
図7】本開示の態様による例示的古典的機械学習分類器のブロック図である。
図8】本開示の態様による劣悪な洗浄スコアを有する図2によるCEデバイスにより捕捉された例示的画像である。
図9A】本開示の態様による盲腸の画像の運動検出器の出力の例示的グラフである。
図9B】本開示の態様による上行結腸の画像の運動検出器の出力の例示的グラフである。
図9C】本開示の態様による横行結腸の画像の運動検出器の出力の例示的グラフである。
図9D】本開示の態様による下行結腸の画像の運動検出器の出力の例示的グラフである。
図9E】本開示の態様による直腸の画像の運動検出器の出力の例示的グラフである。
図10】本開示の態様によるカプセル内視鏡検査手順の妥当性を推定する例示的方法のフローチャートである。
図11】本開示の態様によるカプセル内視鏡検査手順の妥当性を推定する別の例示的方法の流れ図である。
図12】本開示の態様による同じ組織領域を捕捉する画像グループを識別する例示的方法のフローチャートである。
図13】本開示の態様による例示的画像グループの線図である。
図14】本開示の態様による平均洗浄比を推定する例示的方法のフローチャートである。
図15A】本開示の態様による様々な洗浄スコアを有するポリープの画像の数の例示的ヒストグラムである。
図15B】本開示の態様による様々な洗浄スコアを有する大腸画像の数の例示的ヒストグラムである。
図16】本開示の態様による図15A及び15Bのヒストグラムに基づく例示的洗浄比のプロットである。
図17】本開示の態様による複数セグメントスコアに基づくカプセル内視鏡検査手順の妥当性測度を推定する例示的方法のフローチャートである。
図18】本開示の態様による例示的マッピングのグラフである。
図19】本開示の態様による手順を類別するための例示的妥当性規則を描写するグラフである。
図20】本開示の態様による手順を類別するための別の一組の例示的規則を描写するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本開示は、医用画像を解析するためのシステム及び方法に関し、より具体的には、CE手順が完了した後にカプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定する(例えばカプセル内視鏡検査(CE)手順を介し生体内で捕捉された一連の画像により提供される撮像カバレッジが少なくとも1つのポリープ又は他の当該事象を捕捉するために適切であったかどうかを(実際に存在するか否かにかかわらず)推定する)ためのシステム及び方法に関する。手順の推定された妥当性は、CE手順が当該事象を捕捉するために適切だったかどうか(実際に存在するか否かにかかわらず)を理解するために臨床医により使用され得る。CE手順の推定された妥当性はまた、手順が不適切であると推定された場合に手順を研究から自動的に除外するために使用され得る。いくつかの例がCEデバイスにより体内で捕捉された画像に関して示され説明されたとしても、本開示技術は他のデバイス又は機構により捕捉される画像へ適用され得る。
【0054】
手順に関し本明細書で参照される用語「妥当性」及びその派生語は、手順により捕捉された一連の画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を捕捉するために適切だったかどうか(実際に存在するか否かにかかわらず)の測度を指す。
【0055】
手順に関し本明細書で参照される用語「除外された」及びその派生語は、CE手順は当該事象を捕捉するためには適切ではなかった及び/又はCE手順結果は閾値レベル未満の品質であるという指示を提供することを含み得る。例えば、画像は非常に不明瞭であり得る及び/又は結果はCEデバイスとシステムとの間の接続性問題に起因して多くの画像を欠き得る。いくつかの態様によると、CE研究は、除外された手順に関しては生成されない。
【0056】
手順に関し本明細書で参照される用語「所定事象」、「当該事象」、及びそれらの派生語は、数ある中でも特に、定期的事象(収縮など)、一時的事象(新鮮出血など)、又は定常的事象(最初に出現した時からのポリープなど)であり得る又はそれを含み得る。用語「所定事象」及び「当該事象」はまた、限定しないが、例えば:数ある中でも特に、或るタイプの病状、或るタイプの病状の少なくとも1つの発生、GITの一部分内の或るタイプの病状のすべての発生、或るサイズの或るタイプの病状の少なくとも1つの発生、GITの一部分内の或るサイズの或るタイプの病状の発生のすべて、ポリープ、ポリープの少なくとも1つの発生、結腸内のポリープのすべての発生、結腸内の或るサイズより大きなポリープの少なくとも1つの発生、結腸内の或るサイズより大きなポリープの発生のすべて、寄生体、病気指標又は外観、収縮、新鮮出血、狭窄、及び/又は病気を含み得る。
【0057】
手順に関し本明細書で参照される用語「特性測度」及びその派生語は、特性が存在する又は存在しないかの測度又はこのような特性が存在し得るか否かの程度であり得る又はそれを含み得る。様々な実施形態では、特性測度の値はCE手順により捕捉された一連の画像を処理することにより判断され得る。いくつかの特性測度は2進(例えば保持:存在するか否か)であり得、そしていくつかの特性測度はスコア(例えば胃腸洗浄スコア)であり得るということが考えられる。
【0058】
以下の詳細な説明では、特定詳細は本開示の完全な理解を提供するために記載される。しかし、本開示がこれらの特定詳細なしに実行され得るということは当業者により理解されることになる。他の事例では、周知の方法、手順、及び構成要素は本開示の態様を不明瞭にしないように詳細には説明されていない。1つのシステムに関し説明されるいくつかの特徴又は要素は他のシステムに関し説明される特徴又は要素と組み合わせられ得る。明確化のために、同じ又は同様な特徴又は要素の論述は繰り返されないことがある。
【0059】
本開示はこの点に関し制限されないが、例えば「処理する」、「演算する」、「計算する」、「判断する」、「確定する」、「解析する」、又は「照査する」などの用語を利用する論述は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的(例えば、電子的)量として表されるデータを、操作及び/又は処理を行うための指令を格納し得るコンピュータのレジスタ及び/又はメモリ又は他の情報非一時的ストレージ媒体内の物理量として同様に表される他のデータへ操作及び/又は変換するコンピュータ、コンピューティングプラットホーム、コンピューティングシステム又は他の電子コンピューティングデバイスの操作及び/又は処理を指し得る。本開示はこの点に関し制限されないが、本明細書において使用される用語「複数」又は「複数の」は、例えば「多数」又は「2つ以上」を含み得る。用語「複数」又は「複数の」は2つ以上の部品、デバイス、要素、ユニット、又はパラメータなどを説明するために本明細書全体にわたって使用され得る。用語「一組」は、本明細書において使用される場合、1つ又は複数のアイテムを含み得る。別途明示的に述べられない限り、本明細書において説明される方法は特定順序又はシーケンスに制約されない。加えて、説明される方法又はその要素のうちのいくつかは、同時に、同一時点に又は一斉に発生し得る又は行われ得る。用語「分類」は、一組のカテゴリのうちの1つのカテゴリを画像/フレームへ割り当てる判断を指示するために本明細書全体にわたって使用され得る。用語「分類スコア」は、画像/フレームへ適用可能である一組のカテゴリの機械学習システム/モデルにより生成される値のベクトルを説明するために本明細書全体にわたって使用され得る。用語「分類確率」は、一組のカテゴリの各カテゴリが画像/フレームへ適用する確率を反映する値へ分類スコアを変換することを説明するために本明細書全体にわたって使用され得る。変換は、他の要因、値、又は関数の使用に関与し得、そして機械学習システム/モデルを含む1つ又は複数のアルゴリズムを使用し得る。
【0060】
画像に関し本明細書で参照される用語「ロケーション」及びその派生語は、画像を捕捉する間のGITに沿ったカプセルの推定ロケーション又はGITに沿った画像内に示されるGITの一部分の推定ロケーションを指し得る。
【0061】
CE手順のタイプは、とりわけ、興味があり且つ撮像されるGITの一部分(例えば結腸又は小腸(「SB」))に基づき、又は特殊用途(例えばクローン病などのGI病気の状態を照査するための又は結腸癌スクリーニングのための)に基づき判断され得る。
【0062】
画像(例えば別の画像を囲む画像又は他の画像に隣接する画像)に関して本明細書において参照される用語「囲む」又は「隣接する」は、特記しない限り空間的及び/又はそうでなければ時間的特性に関係し得る。例えば、他の画像を囲む又はそれに隣接する画像は、GITに沿った他の画像の近くに位置すると推定された画像及び/又は別の画像の捕捉時刻の近くで捕捉された画像であり得る(或る閾値内、例えば、1又は2センチメートル内、又は1、5又は10秒内)。
【0063】
用語「GIT」及び「GITの一部分」はそれぞれ、その文脈に従って他のものを指し得る又は含み得る。したがって、用語「GITの一部分」はまた、全GITを指し得、そして用語「GIT」はまた、GITの一部分だけを指し得る。本明細書で使用されるように、用語「セグメント化」は一連の画像内の1つ又は複数の遷移点の識別を指し得る。
【0064】
本明細書で使用されるように、用語「セグメント化」又は「分割」は、一連の画像内の胃腸管(GIT)のセグメント又は部分間の1つ又は複数の遷移点の識別を指し得る。
【0065】
本明細書で使用されるように、用語「遠位」は人の口からより遠いGITの部分を指す一方で、用語「近位」は人の口により近いGITの部分を指す。
【0066】
用語「画像」及び「フレーム」はそれぞれ、他の「画像」及び「フレーム」を指し得る又は含み得、そして撮像デバイスにより捕捉された単一「画像」及び「フレーム」を指すために本開示では交換可能に使用され得る。便宜上、用語「画像」が本開示ではより頻繁に使用され得るが、画像への参照はフレームへも適用されるべきであるということが理解される。
【0067】
用語「分類スコア」又は「スコア」は、画像/フレームへ適用可能であるカテゴリ又は一組のカテゴリの値又は値のベクトルを指示するために本明細書全体にわたって使用され得る。様々な実装形態では、分類スコア又は分類スコア群の値又は値のベクトルは確率であり得る又はそれを反映し得る。様々な実施形態では、モデルは確率であり得る分類スコアを出力し得る。様々な実施形態では、モデルは、確率でないかもしれない分類スコアを出力し得る。
【0068】
用語「分類確率」は、確率である分類スコアを説明するために、又は確率でない分類スコアを、一組のカテゴリの各カテゴリが画像/フレームへ適用する確率を反映する値へ変換することを説明するために、使用され得る。「確率」への様々な参照は分類確率を指し、そしてその省略表現であるということが文脈から理解されるようになる。
【0069】
本明細書で使用されるように、「機械学習システム」は、任意のタイプの機械学習を実装する任意のコンピューティングシステムを意味し、そしてそれを含む。本明細書で使用されるように、「深層学習ニューラルネットワーク」は、特徴選択又は特徴エンジニアリングを必要としないいくつかの隠れ層を有するニューラルネットワークを指し、そしてそれを含む。「古典的」機械学習システムは対照的に、特徴選択又は特徴エンジニアリングを必要とする機械学習システムである。
【0070】
図1を参照すると、GIT 100のイラストが示される。GIT 100は人間及び他の動物内の臓器系である。GIT 100は通常、栄養物を取り込むための口102、唾液を生成するための唾液腺104、食物が収縮により支援されて通過する食道106、食物を消化する際に支援するために酵素及び胃酸を分泌する胃108、肝臓110、胆嚢112、膵臓114、栄養素の吸収のための小腸116(例えばSB)、及び排便に先立つ糞便として水及び廃棄物を保存するための結腸400(例えば大腸)を含む。結腸400は通常、虫垂402、直腸428及び肛門430を含む。口を通って取り込まれた食物は栄養素を取り込むためにGITにより消化され、そして残りの廃棄物は肛門430を通って糞便として排出される。
【0071】
GIT 100の様々な部分(例えばSB)、結腸400、食道106、及び/又は胃108の研究は好ましいユーザインターフェースを介し提示され得る。本明細書で使用されるように、用語「研究」は、特定患者に対し、そして特定時刻に行われる単一CE手順中にCE撮像デバイス(例えば、212、図2)により捕捉された画像から選択される少なくとも一組の画像を指し、そしてそれを含み、そして画像以外の情報も同様に任意選択的に含み得る。行われる手順のタイプがGIT 100のどの部分が当該部分であるかを判断し得る。行われる手順のタイプの例は限定しないが、SB手順、結腸手順、SB及び結腸手順、SBを具体的に呈示又は照査することを目的とする手順、結腸を具体的に呈示又は照査することを目的とする手順、結腸及びSBを具体的に呈示又は照査することを目的とする手順、又は全GIT(食道、胃、SB及び結腸)を呈示又は照査する手順を含む。
【0072】
図2は、CE手順を介し生体内で捕捉された医用画像を解析するためのシステムのブロック図を示す。本システムは通常、GITの画像を捕捉するように構成されたカプセルシステム210、及び捕捉された画像を処理するように構成されたコンピューティングシステム300(例えばローカルシステム及び/又はクラウドシステム)を含む。
【0073】
カプセルシステム210は、CE撮像デバイス212がGIT中を進むにつれてGITの画像を捕捉するように構成された飲み込み可能CE撮像デバイス212(例えばカプセル)を含み得る。画像はCE撮像デバイス212上に格納され得る及び/又は受信デバイス214(通常はアンテナを含む)へ送信され得る。いくつかのカプセルシステム210では、受信デバイス214は、CE撮像デバイス212を呑み込んだ患者上に配置され得、そして、例えば患者により装着されるベルト又は患者へ固定されるパッチの形式を取り得る。
【0074】
カプセルシステム210は、コンピューティングシステム300と通信可能に結合され得、そして捕捉された画像をコンピューティングシステム300へ伝達し得る。コンピューティングシステム300は、受信された画像を、数ある技術の中でも特に、画像処理技術、機械学習技術、及び/又は信号処理技術を使用することにより処理し得る。コンピューティングシステム300は、患者にとってローカルであるローカルコンピューティングデバイス、及び/又は患者の処理施設、クラウドサービスにより提供されるクラウドコンピューティングプラットホーム、又はローカルコンピューティングデバイスとクラウドコンピューティングプラットホームとの組み合わせを含み得る。
【0075】
コンピューティングシステム300がクラウドコンピューティングプラットホームを含む場合、カプセルシステム210により捕捉された画像はクラウドコンピューティングプラットホームへオンラインで送信され得る。様々な実施形態では、画像は患者により装着される又は持ち運ばれる受信デバイス214を介し送信され得る。様々な実施形態では、画像は、CE撮像デバイス212又は受信デバイス214と結合され得る患者のスマートフォンを介し又はインターネットへ接続される任意の他のデバイスを介し送信され得る。
【0076】
図3は、本開示の画像解析システムと共に使用され得る例示的コンピューティングシステム300のハイレベルブロック図を示す。コンピューティングシステム300は、例えば1つ又は複数の中央処理ユニットプロセッサ(CPU)、1つ又は複数のグラフィック処理ユニット(GPU又はGPGPU)、チップ又は任意の好適なコンピューティング若しくは計算デバイス、オペレーティングシステム215、メモリ320、ストレージ330、入力デバイス335及び出力デバイス340であり得る又はこれらを含み得るプロセッサ又はコントローラ305を含み得る。CE撮像デバイス212(図2)により収集された医用画像を収集若しくは受信するためのモジュール又は機器(例えば患者上に装着される受信器)、又は表示するための若しくは表示を選択するためのモジュール又は機器(例えばワークステーション)は、図3に示すコンピューティングシステム300であってもよいしそれを含んでもよいし、又はそれにより実行されてもよい。コンピューティングシステム300の通信部品322は、例えばインターネット若しくは別のネットワークを介し、無線を介し、又はファイル転送プロトコル(FTP)などの好ましいネットワークプロトコールを介しリモート若しくは外部デバイスとの通信を可能にし得る。
【0077】
コンピューティングシステム300はオペレーティングシステム315を含む。オペレーティングシステム315は、コンピューティングシステム300の動作をコーディネート、スケジュール化、調停、監督、制御、又はそうでなければ管理すること(例えばプログラムの実行をスケジュール化すること)に関わるタスクを行うように構成及び/又は設計された任意のコードセグメントであり得る又はそれを含み得る。メモリ320は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SD-RAM)、ダブルデータレート(DDR)メモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期メモリユニット、又は他の好ましいメモリユニット又はストレージユニットであり得る又はそれを含み得る。メモリ320は複数の恐らく異なるメモリユニットであり得る又はそれを含み得る。メモリ320は、例えば方法(例えば実行可能コード325)を行うための指令、及び/又はユーザ応答、割込みなどのデータを格納し得る。
【0078】
実行可能コード325は任意の実行可能コード(例えばアプリケーション、プログラム、プロセス、タスク又はスクリプト)であり得る。実行可能コード325は、恐らくオペレーティングシステム315の制御下でコントローラ305により実行され得る。例えば、実行可能コード325の実行は、本明細書で説明されるような医用画像の表示又は表示の選択を引き起こし得る。いくつかのシステムでは、2つ以上のコンピューティングシステム300又はコンピューティングシステム300の2つ以上の構成要素が、本明細書において説明される複数の機能のために使用され得る。本明細書において説明される様々なモジュール及び機能のために、1つ又は複数のコンピューティングシステム300又はコンピューティングシステム300の2つ以上の構成要素が使用され得る。コンピューティングシステム300内に含まれるものと同様又は異なる部品を含むデバイスが、使用され得、そしてネットワークへ接続され、そしてシステムとして使用され得る。1つ又は複数のプロセッサ305は、例えばソフトウェア又はコードを実行することにより本開示の方法を行うように構成され得る。ストレージ330は、例えばハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、CD記録可能(CD-R)ドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス、又は他の好ましい着脱可能及び/又は固定ストレージユニットであり得る又はそれを含み得る。コントローラ305により処理され得る指令、コード、医用画像、画像ストリームなどのデータはストレージ330内に格納され得、そしてストレージ330からメモリ320内へロードされ得る。いくつかの実施形態では、図3に示す部品のいくつかは省略され得る。
【0079】
入力デバイス335は、例えばマウス、キーボード、タッチスクリーン若しくはパッド、又は任意の好適な入力デバイスを含み得る。任意の好適な数の入力デバイスがコンピューティングシステム300へ作動可能に結合され得るということが認識されることになる。出力デバイス340は1つ又は複数のモニタ、スクリーン、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は任意の他の好適な出力デバイスを含み得る。任意の好適な数の出力デバイス(ブロック340により示すような)がコンピューティングシステム300へ作動可能に結合され得るということが認識されることになる。任意の適用可能入力/出力(I/O)デバイスがコンピューティングシステム300へ作動可能に結合され得、例えば、有線又は無線ネットワークインターフェースカード(NIC)、モデム、プリンタ又はファクシミリ機、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス、又は外部ハードドライブが入力デバイス335及び/又は出力デバイス340に含まれ得る。
【0080】
図3に示す部品のいくつか又はすべてを含む複数のコンピュータシステム300が、説明されたシステム及び方法と共に使用され得る。例えば、CE撮像デバイス212、受信器、クラウドベースシステム、及び/又は画像を表示するためのワークステーション又はポータブルコンピューティングデバイスは、図3のコンピュータシステムの部品のいくつか又はすべてを含み得る。図3のコンピューティングシステム300などの部品を含むクラウドプラットホーム(例えばリモートサーバ)が、画像及びメタデータなどの手順データを受信し、研究を処理及び生成し得、そしてまた、生成された研究を医者の精査のために表示し得る(例えばワークステーション又はポータブルコンピュータ上で実行されるウェブブラウザ上に)。「オンプレミス(on-premises)」選択肢は、画像及び/又は研究を格納、処理、及び表示するために医療施設のワークステーション又はローカルサーバを使用し得る。
【0081】
本開示のいくつかの態様によると、ユーザ(例えば臨床医)は、興味のあり得る画像として(例えば自動的に)選択された画像(例えば、CE撮像デバイス212により捕捉された)の表示を含む研究を精査することにより或るケースの自分の理解を構築し得る。図4を参照すると、結腸400のイラストが示される。結腸400は水を吸収し、そしていかなる残り廃棄物も排便により除去される前に糞便として保存される。結腸400は、例えば次の5つの解剖学的セグメントへ分割され得る:盲腸404、右側又は上行結腸410、横行結腸416、左側又は下行結腸422(例えば左側結腸シグモイド424)、及び直腸428。
【0082】
回腸末端408は、SBの最終セクションであり、盲腸404に至り、そして回盲弁(ICV:ileocecal valve)406と呼ばれる筋肉弁により盲腸404から分離される。ICV406はまた、回腸末端408を上行結腸410へ接続する。盲腸404は結腸400の最初のセクションである。盲腸404は虫垂402を含む。結腸400の次の部分は上行結腸410である。上行結腸410は盲腸404により小腸へ接続される。上行結腸410は横行結腸416の方向へ腹腔を通り上方へ走る。
【0083】
横行結腸416は、右側結腸曲414としても知られる肝彎曲(肝臓による結腸400の曲がり)から左側結腸曲418としても知られる脾臓曲(ひ臓による結腸400の曲がり)までの結腸400の部分である。横行結腸416は、胃から宙吊りになっており、大網と呼ばれる大きな折り畳みの腹膜によりそれへ取り付けられる。後部側では、横行結腸416は横行結腸間膜として知られた腸間膜により後部腹壁へ接続される。
【0084】
下行結腸422は、左側結腸曲418からシグモイド結腸426の始めまでの結腸400の部分である。消化器系における下行結腸422の1つの機能は、空にされ直腸中へ出されることになる糞便を保存することである。下行結腸422はまた、近位腸より胃腸管に沿って遠くにあるので遠位腸と呼ばれる。腸管内菌叢は通常、この領域内で非常に密である。シグモイド結腸426は下行結腸422後から直腸428前までの結腸400の部分である。名前シグモイドはS字状を意味する。シグモイド結腸426の壁は、筋肉性であり、そして結腸400の内側の圧力を増加するために収縮し、糞便を直腸428内へ移動させる。シグモイド結腸426はシグモイド動脈のいくつか(通常2~6)の分岐から血液を供給される。
【0085】
直腸428は結腸400の最終セクションである。直腸428は、形成された糞便を保持し、排便を介した除去を待つ。
【0086】
CE撮像デバイス212(図2)は結腸400の内部を撮像するために使用され得る。SBから結腸400内への入場はICV406を通じて起こる。通常、ICV406を介し結腸400に入った後、CE撮像デバイス212は盲腸404内へ入る。しかし、時折、CE撮像デバイス212は、盲腸404を省略し、そして上行結腸410内へ直接入る。結腸400は、ほぼ無制約のCE撮像デバイス212運動を可能にするには十分に広いかもしれない。CE撮像デバイス212は回転し転がり得る。CE撮像デバイス212は、1つの場所に長時間留まり得る、結腸400中を非常に高速で移動し得る、又は結腸400の前セグメントを通って戻り得る。
【0087】
一般的に、例えば様々な解剖学的セグメント間のCE撮像デバイス212通過の識別に基づき、GITの解剖学的セグメントへの分割が行われ得る。このような識別は、例えば機械学習技術に基づき行われ得る。セグメント化はまた、例えば当該部分の病気セグメント及び健康セグメントにより得る及び/又は特定病状により得る及び/又はこれらの組み合わせにより得ると考えられる。例えば、クローン病などの病気はほぼ「カーペット」状にGITの一部分上に広がる拡散された病状により特徴付けられる。
【0088】
図5を参照すると、本開示のいくつかの態様による画像を分類するための深層学習ニューラルネットワーク500のブロック図が示される。いくつかのシステムでは、深層学習ニューラルネットワーク500は畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)及び/又は再帰型ニューラルネットワークを含み得る。一般的には、深層学習ニューラルネットワークは複数の隠れ層を含む。以下により詳細に説明されるように、深層学習ニューラルネットワーク500は、GITの一部としてCE撮像デバイス212(図2を参照)により撮影された1つ又は複数の画像を分類するために1つ又は複数のCNNを活用し得る。深層学習ニューラルネットワーク500はコンピュータシステム300(図3)上で実行され得る。当業者は深層学習ニューラルネットワーク500とこれを実装する方法とを理解することになる。
【0089】
機械学習では、CNNは、人工ニューラルネットワーク(ANN:artificial neural network)の一クラスであり、視覚画像の解析に最も一般的に適用される。CNNの畳み込み態様は、行列処理演算を画像の局所化部へ適用することに関係し、そしてこれらの演算(数十の異なる並列及び直列計算に関与し得る)の結果は次の層へ届けられる多くの特徴の集合である。CNNは通常、畳み込み層、活性化機能層、逆畳み込み層(例えばセグメント化ネットワーク内の)、及び/又はあまりにも多くの特徴を失うことなく次元の数を低減するプーリング(通常は最大プーリング)層を含む。追加情報が、これらの特徴を生成する演算内に含まれ得る。ニューラルネットワークに情報を与える特徴を生じる一意的情報を提供することが、ニューラルネットワークへ入力される様々なデータを区別するための総計的やり方を最終的に提供するために使用され得る。
【0090】
図6は、少なくとも1つの入力層610、複数の隠れ層606、及び少なくとも1つの出力層620を含む深層学習ニューラルネットワーク500のトポロジーを示す。入力層610、複数の隠れ層606、及び出力層620はすべてニューロン602(例えばノード)を含む。様々な層間のニューロン602は重み付け604を介し相互接続される。深層学習ニューラルネットワーク500内の各ニューロン602は、前層から来る入力値へ特殊関数を適用することにより出力値を計算する。入力値へ適用される関数は重み付け604のベクトルとバイアスとにより決定される。深層学習ニューラルネットワークにおける学習は、これらのバイアス及び重み付けに対する反復調節を行うことにより進む。深層学習ニューラルネットワーク500はロジットを出力し得る。
【0091】
再び図5を参照すると、深層学習ニューラルネットワーク500はトレーニング画像及び/又はトレーニング画像内のオブジェクトにラベル付けすることに基づきトレーニングされ得る。例えば、画像はGITの一部(例えば直腸又は盲腸)であり得る。本開示によるいくつかの方法では、トレーニングは教師有り学習を含み得る。トレーニングはさらに、雑音を加えること、色を変更すること、トレーニング画像の一部を隠すこと、トレーニング画像のスケーリング、トレーニング画像を回転すること、及び/又はトレーニング画像を伸長させることを含むためにトレーニング画像を強化することを含み得る。当業者は、深層学習ニューラルネットワーク500をトレーニングすることと、これを実装する方法とを理解することになる。
【0092】
本開示によるいくつかの方法では、深層学習ニューラルネットワーク500はCE撮像デバイス212(図2を参照)により捕捉された画像502を分類するために使用され得る。画像502の分類は、CE手順の妥当性測度を判断する際の使用のための様々な特性測度506の分類スコアを判断するために使用され得る。例えば、画像分類は、画像を盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸又は直腸の画像として分類することを含み得る。画像のそれぞれは、GITの連続セグメントの各セグメントの分類スコアを含み得る。分類スコアは、出力に確率を表させるためにSoftMaxなどの関数を適用した後の古典的機械学習分類器700の出力(例えばロジット)を含む。上に述べた特性測度は、特性が複数の画像内に存在するか否かの測度及び/又は特性が存在する又は存在しない程度である。
【0093】
図7を参照すると、古典的機械学習分類器700が本開示のいくつかの態様に従って示される。本明細書で使用されるように、用語「古典的機械学習分類器」は、古典的機械学習分類器への入力のための特徴選択及び/又は特徴エンジニアリングを必要とする機械学習ベース分類器を指す。対照的に、深層学習ニューラルネットワークは特徴エンジニアリング又は特徴選択を必要としない機械学習ベース分類器の例である。以下により詳細に説明されるように、古典的機械学習分類器700は運動スコア及び/又は洗浄スコアなどの様々な特性測度のスコアを提供するように構成され得る。古典的機械学習分類器700は線形ロジスティック回帰分類器、決定木、及び/又はサポートベクトルマシン(SVM)を含み得る。様々な実施形態では、古典的機械学習分類器700はCNN又は他の深層学習ネットワークを含まない。当業者はこのような古典的機械学習システムを実装する方法を理解することになる。
【0094】
線形ロジスティック回帰分類器は古典的機械学習分類器である。線形ロジスティック回帰分類器は、各試料がクラスの各クラスに属する確率を最も良く記述するロジスティックモデルのパラメータを推定する。線形ロジスティック回帰分類器は教師有り学習モデルである。ロジスティック回帰はロジスティックモデルのパラメータを推定する。サポートベクトルマシンは、分類のために使用されるデータを解析する関連学習アルゴリズムを有する教師有り学習モデルである。様々な実施形態では、サポートベクトルマシンの出力は「0」と「1」の間で正規化され得る。
【0095】
いくつかの態様では、SoftMaxは、ネットワークの非正規化出力(例えば、深層学習ニューラルネットワーク及び/又は古典的機械学習分類器700のロジット)を1つ又は複数の分類スコア(例えば深層学習ニューラルネットワークの分類スコア)の予測出力クラスにわたる確率分布へマッピングするように構成され得る。SoftMaxは、入力としてN個の実数のベクトルを取り、そして入力された数値の指数関数に比例するN個の確率からなる確率分布へ正規化する関数である。すなわち、SoftMaxを適用することに先立ち、いくつかのベクトル成分は負である又は1より大きい可能性があり、そして合計が1にならない可能性がある。しかし、SoftMaxを適用した後、各成分は間隔(0,1)間隔内にあり、成分は確率として解釈され得るように合計1になる。
【0096】
古典的機械学習分類器700は教師有りのやり方でトレーニングされ得る。GITの一部分の画像はラベル付けされ、そしてトレーニングデータとして使用され得る。当業者は、古典的機械学習分類器700をトレーニングすることと、これを実装する方法とを理解することになる。
【0097】
本開示によるいくつかの方法では、古典的機械学習分類器700は、CE撮像デバイス212(図2を参照)により捕捉された画像に関しGITの各セグメントの分類確率を提供するために使用され得る。画像の分類確率は、GITの連続セグメントの分類確率を有する各画像を含み得る。GITのセグメントは、限定しないが、例えばSB又はその一部(例えばSBが長さに従って分割され得る)、又は結腸又はその一部を含み得、例えば結腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、及び/又は直腸などのセグメント又は領域へ分割され得る。例えば、画像分類確率は結腸の一部(例えば盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、及び/又は直腸)とラベル付けされ得る。
【0098】
様々な特性測度が図8及び図9A~Eに関連して以下に説明される。このような特性測度は、深層学習ニューラルネットワーク(例えば500、図5)により、及び/又は古典的機械学習システム(例えば700、図7)により、又は他の技術により提供され得る。本明細書において後でより詳細に説明されるように、特性測度は、CE手順が当該事象(存在するか否かにかかわらず)を捕捉するために適切だったかどうかを推定するために使用され得る。以下に開示される特性測度は例示的であり、そして他の固有特徴は本開示の範囲内であると考えられる。
【0099】
本開示のいくつかの態様によると、特性測度は、画像内に示される洗浄の程度を指示する洗浄スコアを含み得る。当業者が理解するように、「洗浄」は、GITが効果的に撮像され得るように胃腸管(GIT)から障害物を除去することを指す。障害物は例えば、数ある中でも特に糞便又は気泡を含み得る。図8は、劣悪な洗浄を有する、CEデバイスにより捕捉された例示的画像を示す。画像は、GITの明瞭なビューを妨害する大量の糞便残留物を含む。本開示のいくつかの態様によると、深層学習ニューラルネットワーク(例えば500、図5)及び/又は古典的機械学習システム(例えば700、図7)、又は別の技術が、CE手順により捕捉された一連の画像の各画像の浄化の程度を判断するために使用され得る。当業者は、その全体を参照により本明細書に援用する、例えば:Klein A,Gizbar M,Bourke M,Ahlenstiel G.“A Validated Computerized Cleansing Score for Video Capsule Endoscopy.”Dig.Endosc.2015;28:564-569に記載の技術を使用することなどにより洗浄スコアを判断する様々なやり方を認識することになる。洗浄スコアを判断するためのこのような技術及び他の技術は本開示の範囲内であると考えられる。
【0100】
本開示のいくつかの態様によると、特性測度は、CE撮像デバイスが画像を捕捉したときにCE撮像デバイス(例えば212、図2)が経験した運動の程度を推定する画像の運動スコアを含み得る。図9A~9Eは、GITの様々なセグメント内で捕捉された画像の例示的運動スコア対時間のグラフを示す。図9AはGITの盲腸部分の運動スコア対時間のグラフを示す。このグラフでは、CEデバイスは通常、低い運動スコアを有する。図9Bでは、GITの上行結腸部分の運動スコア対時間のグラフが示される。このグラフでは、CEデバイスは、上行部内に約2秒の間あり、そして平均で0.5を超える比較的より高い運動スコアを有する。図9Cを参照すると、結腸の横行部の運動スコア対時間のグラフが示される。CEデバイスの運動スコアはグラフの始め及び終わりにおいてより高い。図9Dを参照すると、結腸の下行部の運動スコア対時間のグラフが示される。このグラフは約3500秒の範囲をカバーする。このグラフの運動スコアは約2500~3000秒で平均が最も高い。図9Eを参照すると、直腸の運動スコア対時間のグラフが示される。このグラフでは、平均運動スコアはほぼ零である。当業者は、画像を処理し運動スコアを提供するために使用され得る技術(例えば、その全体を参照により本明細書に援用する米国特許第8,792,691号明細書に記載の技術など)を認識することになる。運動スコアを判断するためのこのような及び他の技術は本開示の範囲内であると考えられる。様々な実施形態では、運動スコアは特性測度であり得る。様々な実施形態では、特性測度は、運動スコアが所定閾値を超えるフレームの数を計数することにより判断され得る。様々な実施形態では、このような特性測度はGITの一部分のセグメントに関し判断され得る。例えば、特性測度は、盲腸内で動いているフレームが40あったという計算に基づき判断され得る。このような及び他の実施形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0101】
図8及び図9A~Eは例示的であり、そしてCE手順の妥当性測度を判断するための他の特性測度は本開示の範囲内であると考えられる。例えば、様々な実施形態では、特性測度は、数ある中でも特に、画像に関連する解剖学的結腸セグメント、カプセル内視鏡検査デバイスの遷移パターン、CEデバイス通信エラー、複数の画像内の解剖学的ランドマーク、複数の画像内のGIT組織のカバレッジ、経過時間、画像が少なくとも1つのポリープを含むか否かという画像毎指示、カプセル内視鏡検査デバイスが当該GIT部分内にあった期間にわたって画像を捕捉した時間を指示する時間パーセント、及び/又は各画像までの、そして撮像される全GIT部分に対するカプセルの移動を指示する進捗パーセントのうちの1つ又は複数を含み得る。このような及び他の実施形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0102】
図10の流れ図は、カプセル内視鏡手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法1000を示す。様々な態様では、画像は上に詳述されたGITのいくつかの部分を含み得る。当業者は、方法1000の1つ又は複数の操作が本開示の範囲から逸脱することなく異なる順序で行われ、反復され得る、及び/又は省略され得るということを理解することになる。本開示によるいくつかの方法では、示された方法1000における操作のいくつか又はすべては、カプセル内視鏡(例えばCE撮像デバイス212(図2を参照)、受信デバイス214(図2を参照)及びコンピューティングシステム300(図2を参照))を使用することにより行い得る。他の変形形態は本開示の範囲であると考えられる。図10の動作はコンピューティングデバイス(例えばCE手順を介し生体内で捕捉された医用画像を解析するためのシステム200(図2)のコンピューティングシステム300、又は任意の他の好ましいコンピューティングシステムデバイス、又は遠隔的に配置されたコンピューティングデバイスを含むそのロケーション)に関して説明されることになる。図示された動作は他のシステム及びその部品に同様に適用可能であるということが理解されることになる。
【0103】
上述のように、CE手順の妥当性測度は、CE手順において捕捉された一連の画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を(存在するか否かにかかわらず)捕捉するために適切だったかどうかの測度を提供し得る。利点は、一連の画像が病状に関係するいかなる事象又は指示も視覚化しなかったので患者は病状が誤って除外される偽陰性の低減である。CE手順が不適切であると判断されれば、コンピューティングシステム300は、反復CE手順を推奨し得る、又は反復手順が推奨されるという警告を有する情報を提供し得る。
【0104】
当初、ブロック1002では、この動作は、CE手順中にCEデバイスにより捕捉されたGIT(例えば結腸400)の少なくとも一部の画像(例えば時系列の画像)にアクセスすることを含む。複数の画像は以下のうちの1つであり得る:CE手順中に捕捉され、そしてCE撮像デバイス(及び/又はコンピューティングシステム300)からアップロード(又は受信)された画像のすべて、捕捉され、そして当該GIT部分(例えば食道、SB、結腸、SB、及び/又は結腸)のコンピューティングシステム300から受信/アップロードされた画像のすべて、GITの当該エリア又は部分(例えば、関心エリアが結腸である場合は横行結腸)の所定セグメントの、捕捉され、そしてコンピューティングシステム300から受信/アップロードされた画像のすべて。
【0105】
ブロック1004では、この動作は上述の1つ又は複数の特性測度などの画像に関連する1つ又は複数の特性測度にアクセスすることを含む。いくつかの態様では、特性測度は臨床的に合理的なやり方で選択され得る。合理的なやり方は、不適切であるとしていくつかのCE手順を除外するための論理的根拠が臨床医に説明可能となり、したがって本技術のユーザによりより良い採用レベルを提供する、という利点を提供する。いくつかの態様では、特性測度に対応する特性は、特性のレベル又は存在と手順の妥当性との測定された相関に基づき判断され得る。
【0106】
いくつかの態様では、特性測度は、上に説明したようにアクセスされた画像に基づき判断され得、そして運動スコア(図9A~E)及び/又は洗浄スコア(図8)であり得る、又はそれに基づき得る。上述のように、運動スコアに基づく特性測度は、CEデバイスが動いているということを運動スコアが指示する画像の数であり得る。上述のように、洗浄スコアに基づく特性測度はGITのセグメント当たりの平均洗浄スコアであり得る。いくつかの態様では、この動作は、GITのセグメントの各セグメントの洗浄スコアを平均化することによりGITのすべてのセグメントの総合特性測度を判断し得る。
【0107】
いくつかの態様では、特性測度は、画像が捕捉された解剖学的結腸セグメント、カプセル内視鏡検査デバイスの遷移パターン、CEデバイス通信エラー、複数の画像内の解剖学的ランドマーク、及び/又は複数の画像内のGIT組織のカバレッジを含み得る。当業者は、どのようにこのような特性測度を本開示、参照により本開示に援用された参考文献、及び/又は従来技術における知識に基づき判断するかを理解することになる。
【0108】
いくつかの態様では、不完全手順特性測度は、複数の画像内に結腸の視覚化なし、複数の画像内の結腸の可能な視覚化、及び/又は体脱出なし(no body exit)(例えばCEデバイスが患者の体から出ない)の指示に基づき得る。不完全手順特性測度は1又は0の値を有し得る。いくつかの態様では、GIT内にCEデバイスが保持されていれば、スコアは零であり得る。例えば、CEデバイスが結腸に達した場合、又は捕捉された画像が結腸の一部だけをカバーし得る場合(例えば技術的問題、電力消耗、等々に起因して)、不完全手順特徴測度は零の値を有し得る。いくつかの態様では、不完全手順特徴測度は機械学習システムにより判断され得る。
【0109】
特性測度のいくつかは、このような測度がGITのセグメント/一部分の特徴へ適用可能であるという意味でセグメント測度であると考えられ得る。特性のいくつかは、このような測度が手順のあらゆる部分へ適用可能であるという意味でグローバル特性測度であると考えられ得る。特性のいくつかは上述のように、手順が何らかの理由で不完全であるということを指示する不完全手順特性に関係し得る。
【0110】
ブロック1006では、この動作は手順の妥当性測度を判断することを含む。様々な実施形態では、手順の妥当性測度は、以下により詳細に説明されるようにGITの様々なセグメントの妥当性測度、手順毎グローバル妥当性測度、及び/又は不完全手順特性測度に基づき得る。さしあたり、様々な実施形態では手順の妥当性測度はGITの1つ又は複数のセグメントの重み付けセグメント妥当性測度、重み付けグローバル妥当性測度、及び/又は重み付け不完全手順特性測度を乗算することにより判断され得るということに留意することで十分である。
【0111】
いくつかの態様では、GITの複数の画像の各画像は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、及び/又は直腸などのGITの複数の連続セグメントのうちの1つのセグメントに関連し得る。いくつかの態様では、この動作は、GITの複数の連続セグメントの各セグメントのセグメント妥当性測度を以下のうちの1つ又は複数に基づき判断し得る:運動スコア、セグメント毎洗浄スコア、経過時間、画像が少なくとも1つのポリープを含まないという画像毎指示、カプセル内視鏡検査デバイスが当該GIT部分内にあった期間にわたってカプセル内視鏡検査デバイスが画像を捕捉した時間を指示する時間割合、及び/又は各画像までの、そして撮像される全GIT部分に対するカプセルの移動を指示する進捗パーセント。例えば、この動作は、セグメント当たりの平均洗浄レベルを指示するスコアを判断するためにGITの複数の画像の各画像を解析し得る。画像は劣悪な洗浄を含み得る。例えば、画像は、大量の糞便、又は信頼可能検査を妨げるのに十分な糞便又は暗い流体を含み得る。いくつかの態様では、スコアはGITのセグメント毎に判断され得、そして次に、セグメント妥当性測度はセグメント毎スコアに基づき判断され得る。いくつかの態様では、セグメント毎スコアを判断する際、様々なセグメントの様々な特性が利用され得る。例えば、盲腸に関し、運動スコアが盲腸セグメント妥当性測度を判断するために使用され得、そして上行結腸セグメントに関し、洗浄スコアが上行結腸セグメント妥当性測度を判断するために使用され得る。いくつかの態様では、1つのセグメントのセグメント毎妥当性測度は前のセグメントのセグメント毎妥当性測度により乗算され得る。いくつかの態様では、セグメント妥当性測度は機械学習システムにより判断され得る。
【0112】
様々な実施形態では、セグメント妥当性測度は少なくとも以下のうちの2つを乗算する積であり得る:運動スコア、セグメント毎洗浄レベル、及び/又は経過時間。乗算が一例として使用されたが、スコアを組み合わせる任意の他の関数が考えられる。いくつかの態様では、スコアはGITのセグメント毎に判断され得、そしてセグメント妥当性測度はGITのセグメント当たりのスコアに基づき判断され得る。いくつかの態様では、領域スコアが使用され得る。例えば、結腸は2つの領域へ分割され得る(例えば、近位セグメントである最初の3つのセグメントと遠位セグメントである最後の2つのセグメントとをマージすることにより)。いくつかの態様では、各セグメントのセグメント確率は、運動スコア、又はセグメント毎洗浄レベル、及び/又は経過時間の非線形関数に基づき得る。次に、セグメント妥当性測度はすべてのセグメント確率を乗算することに基づき得る。様々な実施形態では、この乗算は他の関数(例えば加重平均関数)により置換され得る。セグメント妥当性測度は手順の妥当性測度を判断するために様々なやり方で使用され得る。
【0113】
上述のように、手順毎グローバル特性測度は、すべての画像に関し、そしてCEデバイスが撮像したすべてのGITセグメントに関し計算され得る。いくつかの態様では、グローバル妥当性測度は、数ある中でも特に、1つ又は複数の手順毎グローバル特性測度に基づき得る。いくつかの態様では、グローバル妥当性測度は、セグメントのすべてのセグメントにわたる平均洗浄スコア、患者の人口学的統計、CEデバイスが到達したGITの最後のセグメント、及び/又はCEデバイスがGITの一部分において費やした絶対時間に基づき得る。患者の人口学的統計は、限定しないが、例えば年齢、性別、BMI、体重、身長、喫煙、結腸直腸癌を有したことがある家族の発病率、及び/又は栄養状態を含み得る。例えば、この動作は、当該のいくつかの事象の手順の妥当性を判断する際に男性の患者より女性の患者のより低い妥当性測度閾値を利用し得る。いくつかの態様では、グローバル妥当性測度は機械学習システムにより判断され得る。グローバル妥当性測度は手順の妥当性測度を判断するために様々なやり方で使用され得る。
【0114】
上述のように、手順の妥当性測度は、CE手順により捕捉された一連の画像により提供される撮像カバレッジが当該事象(存在するか否かにかかわらず)を捕捉するために適切だったか否かの測度を提供する。当該事象は収縮、新鮮出血、狭窄、少なくとも1つのポリープ(例えば重大なポリープ)、及び/又は病気を含み得る。例えば、事象は1つのポリープ、すべてのポリープ、及び/又は特定サイズ(例えば6mm以上)のポリープを含み得る。用語「病気」及びその派生語はまた、症候群(IBSなど)、腸障害などを含み得る。病気は、画像内に出現し得る又は発見され得る或る外観の指標により診断され得る。当該このような事象及び他の事象は本開示の範囲内であると考えられる。
【0115】
いくつかの態様では、手順の妥当性測度は、古典的機械学習技術(入力として特性測度を使用する古典的機械学習分類器700など)、深層学習技術(深層学習分類器500など)、又は入力として特性測度を使用する発見的方法に基づき判断され得る。例えば、古典的機械学習技術は限定しないがSVM及び/又は決定木を含み得る。例えば、深層学習技術はCNNを含み得る。発見的方法は一連のif-then文など一組の規則を含み得る。いくつかの態様では、手順の妥当性測度はさらに、以下のうちの少なくとも2つを乗算する積を含み得る:セグメント妥当性測度、グローバル妥当性測度、及び/又は不完全手順特性測度。
【0116】
ブロック1008では、この動作は判断された妥当性測度を表示することを含む。本開示のいくつかの態様によると、妥当性測度は値、色、及び/又はカテゴリとして提示され得る。値は、例えば0~1であり得る。色は限定しないが赤色/黄色/緑色であり得る。カテゴリは、限定しないが適切/不適切及び/又は良い/悪いを含み得る。いくつかの態様では、CE手順の妥当性は、妥当性測度が所定閾値を超えることに基づき判断され得る。この動作さらに、CE手順を除外すべきか否かの指示を提供することを含み得、ここで、指示は判断された妥当性測度に基づく。例えば、この動作は、CE手順を除外するための指示を臨床医のために表示し得る。他の態様では、手順は、不適切であると識別されると自動的に除外され得る。除外する指示に基づき、臨床医は、CE手順を繰り返すこと又は患者を結腸内視鏡検査へ向かわせることを判断し得る。例えば、この動作は、0.25の妥当性測度(例えば値)と、CE手順がこのような値に基づき不適切だった(例えば所定閾値未満であれば)という指示とを表示し得る。この動作は「盲腸の経過時間が短すぎる」などのCE手順が除外された理由を臨床医に提供し得る。他の例は限定しないが、以下のことを含み得る:「全体洗浄レベルがあまりにも低い」、「カプセルは上行結腸を通っていない」、「カプセルは下行結腸を通っていないAND盲腸内にあまりにも少ない運動フレームがあったAND上行結腸内にあまりにも少ない運動フレームがあった」。
【0117】
いくつかの態様では、この動作は、CE手順が不適切であるという指示を提供し得、そして、どこでカプセルが終了したかを判断する能力を臨床医へ提供し得る複数の画像のショートクリップ以外のすべての画像を研究から除外し得る。
【0118】
いくつかの態様では、この動作は不適切なCE手順を除外し得る。いくつかの態様では、この動作は、CE手順が事象又は事象の一部を実際に表示する際に、除外を覆し得る。例えば、いくつかの態様では、この動作は、少なくとも1つの重大なポリープが存在するということに確信がある場合、除外する判断を覆し得る。
【0119】
いくつかの態様では、この動作は、判断された妥当性測度に基づきCE手順を自動的に除外し得る。この動作又は他の方法又はシステムは、妥当性測度が所定閾値未満である場合、複数の画像の所定事象を検出し得る。例えば、ポリープ又は所定最小サイズのポリープが、手順を介し提供される画像内で検出され得る。次に、事象スコアがこの検出に基づき受信され得る。手順を覆す判断は、事象スコアに基づき又は事象スコア及び妥当性測度に基づきなされ得る。一例として、少なくとも1つのポリープの存在の確率スコアの計算は同時係争中米国特許出願公開第63/075,795号明細書において取り組まれている。同時係争中特許出願の全内容は参照により本明細書に援用される。事象確率スコアを計算するための他の技術は当業者により理解されることになる。
【0120】
いくつかの態様では、比較的低い品質のCE手順は研究から除外され得る。例えば、時に、いくつかの手順は妥当性測度に従って依然として「適切」であり得るが、その品質は非常に劣悪(例えば、接続性問題に起因して多くの画像を欠落する画像又はCE手順における重大な閉塞)であり得る。このような手順は、手順が適切であったということを妥当性測度が指示したとしても除外され得る。
【0121】
したがって、上述のことは、CE手順により捕捉された一連の画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を捕捉するために適切か否かの測度を(このような当該事象が患者内に実際に存在するか否かにかかわらず)指示するための妥当性測度である。上述のように、患者のGITの三次元ビュー又はGITの一部分の三次元ビューを構築することが可能でない場合、様々な特性測度(上に説明したものなど)はCE手順が適切かどうかの指示を提供する。CE手順の妥当性を判断するための別の実施形態が図11~20に関連して以下に説明される。
【0122】
図11は、カプセル内視鏡手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法1100の別の実施形態の流れ図を示す。当業者は、方法1000の1つ又は複数の動作が、本開示の範囲から逸脱することなく異なる順序で行われ、反復され、及び/又は省略され得るということを理解することになる。図11の動作は、CE手順を介し生体内で捕捉された医用画像を解析するためのコンピューティングデバイス(例えば図2又は図3のコンピューティングシステム300)、又は任意の他の好ましいコンピューティングシステムデバイス又はそのロケーション(遠隔的に配置されたコンピューティングデバイスを含む)により実施され得る。図示された動作は他のシステム及びその部品に同様に適用可能であるということが理解されることになる。
【0123】
始めに、ブロック1110では、この動作は、CE手順中にCEデバイスにより捕捉されたGIT(例えば結腸400)の少なくとも一部の画像(例えば時系列の画像)にアクセスすることを含む。ブロック1110においてアクセスされる画像は、例えば本明細書において上に説明された図10のブロック1002においてアクセスされる画像であり得る。
【0124】
ブロック1120では、この動作は1つ又は複数の特性測度にアクセスすることを含む。例えば幾つの画像が同じ組織領域を捕捉するかを指示する特性測度(図12)、洗浄比を指示する特性測度(図16)、及び/又は特異ビューの数を指示する特性測度(図18)を含む様々な特性測度が本明細書において後でより詳細に説明される。いくつかの態様では、特性測度はさらに、CE手順を受ける患者の人口学的情報を含み得る。人口学的情報は、例えば年齢及び/又は性別を含み得る。
【0125】
ブロック1130では、この動作は1つ又は複数の特性測度に基づきCE手順の妥当性測度を判断することを含む。上述のように、妥当性測度は、CE手順により捕捉された一連の画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を(実際に存在するか否かにかかわらず)捕捉するために適切だったか否かの測度を指示する。いくつかの態様では、妥当性測度は、数ある中でも特に古典的機械学習技術(入力として特性測度を使用する古典的機械学習分類器700など)により及び/又は深層学習技術(深層学習分類器500など)により入力として特性測度を使用する発見的方法に基づき判断され得る。妥当性測度を判断する一例が本明細書において後でより詳細に説明される。
【0126】
ブロック1170では、この動作はCE手順の品質を指示する品質測度にアクセスし得る。品質測度は、CE手順及び/又は捕捉された画像の品質の指標の中でも特に、例えばGITのすべてのセグメントにわたる平均洗浄スコア、患者の人口学的統計、CEデバイスが到達したGITの最後のセグメント、CEデバイス通信エラー、GIT内のCEデバイスの疑わしい保持、又はCEデバイスがGITの一部分内で費やした絶対時間を含み得る。例えば、品質測度は、CEデバイスが左側結腸内で費やした時間対CEデバイスが右側結腸内で費やした時間を比較し得る。CE手順及び/又は捕捉された画像が品質判定基準を満足するかどうかを判断するために、様々な判断基準及び/又は閾値が品質測度に関連して使用され得る。他の例示的品質測度は、所定数以下の数のセグメント(例えば3つのセグメント)がGITセグメント化アルゴリズム1720(図17)に従って到達されれば除外及び/又は警告すること、GITの特定セグメントのすべてがCEデバイスにより到達されなければ除外及び/又は警告すること、及び/又は全GIT経過時間が所定期間(例えば約10分間)より短ければ除外又は警告することを含み得る。
【0127】
例えば、右及び/又は左側結腸内の時間は、品質測度であり得、そして右側結腸内で捕捉された画像と左側結腸内で捕捉された画像とを識別するためにGITセグメント化アルゴリズムを使用することにより判断され得る(図17に関連して説明される)。このような画像に関連するタイムスタンプが、CE撮像デバイスが右側結腸内にあった時間の量及び/又はCE撮像デバイスが左側結腸内にあった時間の量を判断するために使用され得る。様々な実施形態では、左側結腸内の時間及び/又は右側結腸内の時間がいくつかの閾値を満足しなければ、品質測度は満足され得ない。
【0128】
GIT上の平均洗浄スコアは、品質測度であり得、そして例えば、本明細書において上に説明されたやり方で、各画像の洗浄スコアにアクセスし、そしてすべての画像にわたって洗浄スコアを平均化することにより判断され得る。様々な実施形態では、全GITにわたる平均洗浄スコアがいくつかの閾値を満足しなければ、品質測度は満足され得ない。
【0129】
技術的失敗は、品質測度であり得、そしてあまりにも多くの画像が失われたかどうかを判断するやり方である通信ギャップを含み得る。例えば、この動作は、この失われた画像の割合と所定閾値とを比較し得る。例えば、この動作は、全画像から失われた画像の割合を計算し得、そしてこの割合が約25%より大きければ、品質測度は不合格となり得る。他の割合が品質測度に関し使用され得る。
【0130】
GITによるCE撮像デバイスの疑わしい保持は品質測度であり得る。この動作は、GIT内のCEデバイスの疑わしい保持があるかどうかを、検出されたセグメント遷移、複数の画像内の結腸の視覚化がないという指示、複数の画像内の結腸の可能な視覚化、及び/又は体脱出なし(例えばCEデバイスが患者の体から出ない場合)に基づき判断し得る。いくつかの態様では、GIT内のCEデバイスの疑わしい保持があれば、品質測度は満足され得ない。
【0131】
上述の品質測度及び閾値及び条件は例示的であり、そして他の品質測度及び閾値又は条件は本開示の範囲内であると考えられる。
【0132】
ブロック1150では、この動作は、ブロック1130において判断された妥当性測度、ブロック1170においてアクセスされた品質測度、及びポリープ検出器1160の出力を考慮する一組の妥当性規則を適用することを含み得る。ポリープ検出器1160は、ブロック1110においてアクセスされた画像を処理し得、そしてポリープを含む画像を高確信度で識別するように動作し得る。ポリープ検出器1160の一例は、その全体を参照により本明細書に援用する米国特許出願公開第63/075,795号明細書に記載されている。
【0133】
ブロック1150を引き続き参照すると、様々な実施形態では、妥当性規則は、図19、20に関連して説明される規則に基づきCE手順の妥当性を判断し得る。様々な実施形態では、品質測度のいかなるものも満足されなければ、妥当性規則は手順が不適切だったという指示を提供し得る(図20に関連して説明される)。様々な実施形態では、妥当性測度又は品質測度が、手順は不適切だったが、ポリープ検出器が少なくとも1つのポリープの画像を高確信度で識別する、ということを指示すれば、妥当性規則1150は、手順がポリープ検出器により覆される不適切判断により不適切であると判断し得る。このような妥当性規則は例示的であり、そしていくつかの変形形態は本開示の範囲内である考えられる。例えば、様々な実施形態では、図11の動作は、ポリープ検出器1160を含まないかもしれなく、したがって、妥当性測度又は品質測度を覆し得ない。様々な実施形態では、図11の動作は品質測度に関与しないかもしれない。このような及び他の変形形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0134】
ブロック1140では、この動作は妥当性判断を表示することを含む。CE手順が不適切であると判断されれば、この動作は何故手順が不適切であったかの1つ又は複数の理由を提供し得る。例えば、手順が不適切だったと判断するための理由は数ある中でも特に以下のものを含み得る:結腸は視覚化されなかった、短い経過時間、劣悪な洗浄、技術的失敗(通信ギャップなどの)、右及び/又は左側結腸が視覚化されなかった、及び/又は右及び/又は左側結腸は部分的にだけ視覚化された。CE手順が適切であると判断されれば、この動作は、CE手順が適切であったということと、CE手順は研究内に含まれるということとの指示を臨床医のために表示し得る。他の態様では、手順は、不適切であるとして識別されると自動的に除外され得る。除外する指示に基づき、臨床医は、CE手順を繰り返すこと又は患者を結腸内視鏡検査へ向かわせることを判断し得る。この動作はCE手順が除外された理由を臨床医に提供し得る。例えば「盲腸の経過時間が短すぎる」。他の例は限定しないが、以下のことを含み得る:「結腸が視覚化されなかった(保持)」、「右側結腸が視覚化されなかった」、及び「左側結腸が視覚化されなかったAND短い経過時間だったAND通信エラーがあった」。
【0135】
特性測度、妥当性測度、品質測度及び妥当性規則の特定例が以下に説明される。
【0136】
図12は、CEデバイスが静止していた間に又はゆっくり移動していた間に捕捉され得、したがって同じ組織領域を捕捉し得る画像のグループを識別することにより特性測度を提供する方法1200のフローチャートである。この動作はGITの多くの異なる「ビュー」を進捗スコアに基づき効果的に判断し、ここで、各画像グループはGITの異なるビューに対応する。
【0137】
当初、ブロック1202では、この動作は新しい画像グループを指定する。ブロック1204では、この動作は、CE手順中にCEデバイスにより捕捉されたGITの少なくとも一部の一連の画像(例えば時系列の画像)の次の画像にアクセスする。ブロック1206では、この動作は、画像を捕捉した際にGIT内のCEデバイスの運動を指示する画像の進捗スコアにアクセスする。上述のように、当業者は、上に参照により本明細書に援用した米国特許第8,792,691号明細書に記載の技術などの進捗スコアを判断するための技術を認識することになる。
【0138】
ブロック1208では、この動作は、画像の進捗スコアが所定閾値より大きいかどうかを判断する。より低い進捗スコアはより小さな運動又は無運動を指示得る一方でより高い進捗スコアはより大きな運動の指標であり得る。画像の進捗スコアが所定閾値以下である場合、画像は、GITの同じビュー/組織領域を捕捉すると考えられ得、そしてグループに含まれ得、そしてこの動作はブロック1204へ戻り、ここで次の画像がアクセスされる。画像の進捗スコアが所定閾値より大きければ、画像はGITの異なるビュー/組織領域を捕捉すると考えられ得、したがってこの動作は、ブロック1202へ戻り得、そして、GITの新しいグループ/ビューの開始としてこの画像を指定し得る。図12の動作は、CE手順により捕捉された一連の画像内のすべての画像が処理されるまで続く。図12の動作は例示的であり、そして同じビューを捕捉し得る画像のグループを識別するための他の技術は本開示の範囲内であると考えられる。
【0139】
図13図12の動作から生じた画像グループの例を示す。図13は一連の画像1300を示す。画像の第1のグループ1310は、その進捗スコア1314がすべて所定閾値(示されない)未満である1つ又は複数の画像を含む。したがって、画像の各グループ1310は、GIT内の小さい運動又は無運動に対応し、そして同じ組織領域の「ビュー」を提供すると考えられ得る。図示の例では、第1のグループ1310は、すべてが特定グループ番号1312(例えば、グループ「1」)の一部である6つの画像1316を含む。第1のグループ1310内の画像1316のそれぞれは所定閾値以下である進捗スコア(例えば1314)を有する。
【0140】
図示の例では、第7番目の画像1310bは、所定閾値より大きい進捗スコアを有するので、第2のグループとして指定される。図12の動作は、画像1300を処理することと、それらの進捗スコアに基づき画像をグループ化することとを続ける。図示の例では、12個の画像1300が7つのグループへグループ化された。したがって、12個の画像1300はGITの7つの異なるビューを提供すると考えられ得る。
【0141】
図13の例では、第1のグループは6つの画像を含む一方で、他のグループのそれぞれは単一画像を含む。本開示のいくつかの態様によると、GITの同じ「ビュー」のより多くの画像が、特定ビュー内の当該事象(例えばポリープ)を識別する確率を増加する。したがって、グループ内の画像の数は当該事象(例えばポリープ)を撮像する確率を表す特性測度であり得る。様々な実施形態では、グループ内の画像の数は当該事象を撮像する確率へ変換され得、そしてこのような確率は特性測度であり得る。例えば、様々な実施形態では、単一画像を含むグループは、当該事象を撮像する特定確率(例えば15%確率)を有し得る一方で6つの画像を含むグループは当該事象を撮像する非常に高い確率(例えば90%確率)を有し得、グループ内の異なる数の画像に関して同様である。確率数は例示的であり、そして異なる確率数は本開示の範囲内であると考えられる。図12、13により提供される特性測度は妥当性測度を生成するために使用され得、これは以下にさらに詳細に説明される。
【0142】
図14は、平均洗浄比と本明細書では呼ばれる特性測度を提供する方法のフローチャートである。ブロック1402では、この動作は図12の動作(例えばグループ1310、図13)により判断された画像グループにアクセスする。ブロック1404では、この動作はグループ内の各画像の洗浄スコアにアクセスする。上述のように、当業者は、画像の洗浄スコアを判断する方法(数ある技術の中でも特に上に参照により援用されたKlein A,Gizbar M,Bourke M,Ahlenstiel G.“A Validated Computerized Cleansing Score for Video Capsule Endoscopy.”Dig.Endosc.2015;28:564-569に記載された技術を含む)を認識することになる。
【0143】
ブロック1406では、この動作はグループ内の各画像の洗浄比を判断する。洗浄比は図15A、15B及び図16に関連して説明される。例えば、図13の第1のグループの画像1310内では、6つの画像のそれぞれは関連洗浄比を有することになる。ブロック1408では、この動作はグループ内の画像の洗浄比の平均を判断することに関与する。各グループの平均洗浄比は特性測度であり得る。
【0144】
図15Aは、当該事象(例えばポリープ)を含み、そしてそれぞれの様々な洗浄スコアの洗浄スコア毎に集計される一連の画像内の画像の数のヒストグラムであり、そして、図15Bは、様々な洗浄スコアの洗浄スコア毎に集計される一連の画像全体内の画像の数のヒストグラムである。本開示のいくつかの態様によると、図15A、15Bのヒストグラムは同じY軸範囲を有するように正規化された。様々な実施形態では、Y軸範囲は、図15A、15Bが確率分布と見做され得るように[0,1]の確率範囲であり得る。一般性のために、図15Aの正規化ヒストグラムは「当該事象ヒストグラム」と呼ばれ、そして図15Bの正規化ヒストグラムは「全フレームヒストグラム」と呼ばれることになる。図15A、15Bの正規化ヒストグラムの各部分のY軸値は「正規化高さ」と呼ばれることになる。本明細書で使用されるように、洗浄比は、比:(当該事象ヒストグラムの洗浄スコアの正規化高さ)/(全フレームヒストグラムの洗浄スコアの正規化高さ)を指す。
【0145】
図16は洗浄スコア全体にわたる洗浄比1602のプロットであり、ここで、洗浄比1602は白丸により示される。様々な実施形態では、回帰分析が、曲線1604をプロットされた洗浄比1602へフィッティングして洗浄スコアを洗浄比へマッピングするために使用され得る。図示の例では、フィッティングされた曲線1604は三次多項式である。しかし、フィッティングされた曲線は任意の次数の任意の多項式であり得る。
【0146】
本開示のいくつかの態様によると、用語「洗浄比」はプロットされた洗浄比1602又はフィッティングされた洗浄比曲線1604のいずれかを指し得る。また図14を参照すると、洗浄スコアはグループの画像毎にアクセスされ、そして、洗浄比(例えば1602、1604、図16)は洗浄スコアに基づきグループの画像毎に判断される。上述のように、グループの平均洗浄比は特性測度であり得る。
【0147】
図15A、15B、16の図示の実施形態は例示的であり、そしていくつかの変形形態は本開示の範囲内であると考えられる。例えば、様々な実施形態では、GITの様々な部分の別々のヒストグラム及び洗浄比プロットが生成され得る。例えば、結腸に関し、様々なセグメントは洗浄に関する様々な振る舞いを有し得る。一般的に、研究中のほとんどの画像は、平均CE手順中にCE撮像デバイスがほとんどの時間を盲腸内で費やすので盲腸に由来する。別のヒストグラム及び洗浄比プロット/フィッティングされた曲線が、様々な結腸セグメント(盲腸、右側又は上行結腸、横行結腸、左側又は下行結腸、及び直腸の別のヒストグラム、及び洗浄比プロット/フィッティングされた曲線など)に関し生成され得る。このような及び他の変形形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0148】
したがって、図12~16に関する上の説明は、各画像グループ/観点の当該事象(例えばポリープ)を撮像する確率、及び各撮像グループ/観点の平均洗浄比を含む様々な特性測度を提供する。本開示のいくつかの態様によると、画像グループ/観点毎に、さらなる特性測度が:(グループ内の当該事象を撮像する確率)×(グループの平均洗浄比)のように判断され得、そしてこのような測度は「グループスコア」と本明細書では呼ばれることがある。
【0149】
本開示のいくつかの態様では、CE手順の妥当性測度は、図12の動作により識別された画像グループのすべてのグループスコアの和であり得る。グループスコアのより大きな和は、許容可能洗浄を有するGITのより多くのマルチフレームビューが存在するということを指示し得、そしてグループスコアのより小さな和は、GITのより少ないマルチフレームビューが存在する及び/又は洗浄は準最適だったということを指示し得る。様々な実施形態では、グループスコアの和は図18の例に示すように確率へマッピングされ得、そして確率は妥当性測度として役立ち得る。図18に示すマッピングは例示的である。様々な実施形態では、図18のマッピングは、トレーニングデータ及び/又は検証データから経験的に判断され得、データへフィッティングされ得る及び/又はデータから外挿され得る、又は所望マッピングに基づき任意であり得る。
【0150】
いくつかの態様では、図18に示すマッピングは受信器動作特性(ROC:receiver operating characteristics)曲線に基づき提供され得る。当業者が認識することになるように、ROC曲線は、様々な分類閾値における分類モデルの実行を示すグラフである。図18のマッピングを生成する目的のために、分類モデルはグループスコアの各和を以下の2つの分類の1つへ分類するように構成される、すなわち、画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を捕捉するために(このような当該事象が実際に存在するか否かにかかわらず)適切だったという「陽性」分類、及び画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を捕捉するために(このような当該事象が実際に存在するか否かにかかわらず)適切でなかった「陰性」分類。特定閾値が分類を行うために使用される場合、分類モデルは特定真陽性率(TPR:true positive rate)及び特定偽陽性率(FPR:false positive rate)を有することになる。様々な閾値は様々なTPR及びFPRを生じることになり、そして様々な実施形態では、様々な閾値はグループスコアの和の可能な値の範囲全体に広がり得る。当業者が理解することになるように、ROC曲線は、これらの対のFPR及びTPRを2軸座標空間(ここではX軸が偽陽性率(FPR)を表し、そしてY軸が真陽性率(TPR)を表す)において様々な閾値に関しプロットすることにより、そして次に、プロットされた座標間で補間を行うことにより又は曲線をプロットされた座標へフィッティングすることにより生成される。ROC曲線は、フィッティングされた曲線であり得る、又はプロットされた座標間の補間と併せたプロットされた座標であり得る、又はこれら両方の或る組み合わせであり得る。
【0151】
本開示のいくつかの態様によると、グループスコアの和を適切又は不適切として分類する分類モデルのROC曲線が、図18のマッピングを生成するために使用され得る。上述のように、ROC曲線は、グループスコアの和の可能な値の範囲に広がり得る様々な閾値から生成される。したがって、各閾値はある意味でグループスコアの特定和のプロキシと見做され得、そして閾値に対応する真陽性率は、画像により提供される撮像カバレッジが当該事象を捕捉するために(このような当該事象が実際に存在するか否かにかかわらず)適切だった確率と見做され得る。したがって、図18のマッピングは、グループスコアの和を妥当性測度として使用され得る確率へマッピングするために使用され得る。
【0152】
図18のマッピングと図18に関連して説明された実施形態は例示的である。他の実施形態は本開示の範囲内であると考えられる。例えば、図17に関連して以下に説明されるように、グループスコアの別の和がGITの様々なセグメントに関し計算され得、そして、GITの各セグメントは図18に示すマッピングのような対応マッピングを有し得る。
【0153】
図17は、画像グループが、結腸の様々な部分(例えば盲腸、右側又は上行結腸、横行結腸、左側又は下行結腸、及び直腸)など様々なGIT部分にまたがる場合の妥当性測度を判断する一実施形態を扱う。便宜上、以下の段落は結腸部分を参照して説明され得る。しかし、以下の説明は他のGIT部分へ同様に適用されるように意図されている。
【0154】
図17は複数のGITセグメントが存在する場合の妥当性測度を提供する方法のフローチャートである。図17の動作は、図2、3のコンピューティングシステム300などのコンピューティングシステムにより行われ得る。ブロック1702では、この動作は図12の動作により判断された画像グループにアクセスする。ブロック1704では、この動作は、一連の画像を画像が捕捉されたGITの部分に対応するように分割するGITセグメント化アルゴリズム1720からの入力に基づき各画像グループとGITセグメントとを関連付ける。一般的に、GITセグメント化アルゴリズム1720は、例えば様々な解剖学的セグメント間の様々なランドマークの識別又は遷移指標に基づき行われ得る。このような識別は、例えば機械学習技術に基づき行われ得る。解剖学的セグメントに対応するように一連の画像をセグメント化する1つのやり方は、その全体を参照により本明細書に援用する米国特許出願公開第17/244,988号明細書に記載されている。
【0155】
ブロック1706では、この動作は各GITセグメント(例えば盲腸、上行結腸など)のセグメントスコアを判断する。各GITセグメントのセグメントスコアは、例えば本明細書における上述のグループスコアの和であり得、ここでは、GITセグメントの一部である画像グループだけがグループスコアの和のために使用される。
【0156】
ブロック1708では、この動作は各セグメントスコアをグループスコアの和に対応するマッピングされた確率へ変換するが、これは図18に関連して上に説明された。GITの各セグメントは、各セグメントのROC曲線を使用することにより生成され得る図18に示されるような別のマッピングを有し得る。このような実施形態では、各GITセグメントは、このような当該事象が患者内に実際に存在するか否かにかかわらず、当該GITセグメント内の当該GITセグメント(例えば少なくとも1つのポリープ又は重大なポリープ)に対応する画像により提供されるGITセグメントの撮像カバレッジが当該事象を捕捉するために適切だった確率として解釈され得る対応確率を有するだろう。例えば、結腸セグメント(盲腸、右側又は上行結腸、横行結腸、左側又は下行結腸、及び直腸)の確率は[P,...,P]であり得、そしてこのような確率はブロック1708の結果であり得る。
【0157】
ブロック1710では、この動作はCE手順の妥当性測度をGITセグメントの確率の加重和として判断することに関与する。例えば、結腸セグメント(盲腸、右側又は上行結腸、横行結腸、左側又は下行結腸、及び直腸)の確率が[P,...,P]であれば、加重和は
【数1】
となるだろう。様々な実施形態では、重み付け[w,...,w]は、各セグメント内にある当該事象の先験的確率に基づき判断される値を有し得る。様々な実施形態では、先験的確率が、患者集団全体にわたる当該事象(例えばポリープ)の既知の事例と既知の事例が患者集団内のGIT内のどこで発生したかとを編纂することにより経験的に判断され得る。GITの各セグメント内で発生するすべての事例のパーセンテージが判断され得、そしてこのようなパーセンテージはGITのセグメント内の当該事象の発生の先験的確率として使用され得る。結腸の数値例を使用することにより、以下の値が判断されると仮定する。
【0158】
【表1】
【0159】
CE手順の妥当性測度は次のように加重和として計算され得る:
(0.9*0.08)+(0.8*0.22)+(0.7*0.16)+(1.0*0.38)+(0.0*0.16)=0.74。
上記例の特定値は例示的であり、そして他の値は本開示の範囲内であると考えられる。
【0160】
様々な実施形態では、別の妥当性測度が、先験的確率を使用することによりGITの別の部分に関して計算され得る。一例として結腸を続けると、別の妥当性測度が、結腸の左側(例えば下行シグモイド結腸及び直腸)に関して、そして結腸の右側(例えば盲腸、上行結腸、及び横行結腸)に関して計算され得る。本開示のいくつかの態様によると、結腸の左側の先験的確率は、下行シグモイドの0.38及び直腸の0.16が下行シグモイドに関し約0.7、そして直腸に関し0.3となるように1へ再正規化され得る。結腸の左側の妥当性測度は(1.0*0.7)+(0.0*0.16)=0.7として計算される。同様に、結腸の右側の先験的確率は、盲腸に関し0.08、上行結腸に関し0.22、及び横行結腸に関し0.16が盲腸に関し約0.17、上行結腸に関し0.48、及び横行に関し0.35となるように1へ再正規化され得る。結腸の右側の妥当性測度は(0.9*0.17)+(0.8*0.48)+(0.7*0.35)=0.782として計算され得る。結腸は単に一例として使用されており、したがって本開示技術は、先験的確率を使用することによりGITの様々な部分の妥当性測度を判断するためにGITの他の部分へ適用され得る。CE手順が不適切であると判断された場合、GITの様々な部分の妥当性測度は、GITのどの部分がCE手順を不適切にさせたかを説明するために使用され得る。
【0161】
したがって、上記説明は、様々な特性測度の例と、このような特性測度に基づき妥当性測度を計算するための様々なやり方とを提供する。図19、20は、妥当性規則(1150、図11)(妥当性測度1130に基づき適用され得る)、品質測度1170、及びポリープ検出器1160の出力の例をグラフィック的に示す。便宜上、図19、20の実施形態は、他の可能性の中でも特に図17のブロック1710により出力される確率であり得る又は図18によりマッピングされる確率であり得る妥当性確率として妥当性測度を参照する。本開示のいくつかの態様によると、図19のグラフは品質測度がすべて満足された場合に適用され得、そして図20のグラフはいかなる品質測度も満足されないときは常に適用され得る。
【0162】
図19を参照すると、図示されたグラフは、すべての品質測度(例えば1170、図11)が満足された場合にCE手順を適切である、不適切である、又は不適切であるが覆されるとして類別するための妥当性規則により使用されるポリープ確率値(例えば1160、図11)と妥当性確率値(例えば1130、図11)との組み合わせを描写する。各「○」1910はCE手順の妥当性確率と、少なくとも1つのポリープがCE手順により視覚化されたポリープ確率とのプロットである。各「x」1912は、CE手順の妥当性確率とCE手順が少なくとも1つのポリープを視覚化しなかったポリープ確率とのプロットである。図示の例では、妥当性確率が0.2以下(領域1904)であれば、又は妥当性確率が0.4以下で且つポリープ確率が0.01以下(領域1908)であれば、この動作はCE手順が不適切だったと指示する。妥当性確率が0.4~1.0の範囲(領域1902)内にあればこの動作はCE手順が適切だったと指示する。妥当性測度が0.2~0.4の範囲内にあり且つポリープ確率が0.01より大きければ(領域1906)、この動作はCE手順が不適切だったが覆されたと指示する、これは、CE手順が妥当性確率に基づき不適切であるが非妥当性判断はポリープ確率に基づき覆されるということを指示する。したがって、この動作は、自信がある場合にCE手順の結果を除外するために判断を少なくとも1つの重大なポリープが存在するというポリープ確率に基づき覆し得る。上述のように、この動作はさらに、なぜ不適切な結果が覆されたかに関する論理的根拠を臨床医へ表示し得る。グラフ内に「○」及び「X」マーカにより示されるように、CE手順を類別する判断のうちのいくつか(領域1906及び1902内のいくつかのマーカなど)はCE手順内で実際に発生したものに合致しないかもしれないがほとんどのカテゴリ化は正しい。当該事象を識別するためにCE手順のすべての画像を手動で精査することは非実用的であると思われるので、妥当性判断はCE手順の結果における医師の信頼性を改善し得る。
【0163】
図19に示す領域1902~1908及び値は例示的であり、そしていくつかの変形形態は本開示の範囲内である考えられる。例えば、各領域は妥当性確率の下側閾値及び上側閾値及び/又はポリープ確率の下側閾値及び上側閾値により定義され得る。このような下側及び上側閾値は図19に示すものとは異なる値を有し得る。このような及び他の変形形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0164】
図20は、いかなる品質測度(例えば1170、図11)も満足されない場合にCE手順を適切である、不適切である、又は不適切であるが覆されるとして類別するために妥当性規則により使用されるポリープ確率値(例えば1160、図11)と妥当性確率値(例えば1130、図11)との組み合わせを示すグラフである。図示の例では、妥当性確率が0.2以下(領域2004)であれば、又はポリープ確率が0.01以下(領域2008)であれば、この動作はCE手順が不適切だったと指示する。妥当性測度が0.2~1の範囲内にあり且つポリープ確率が0.01より大きければ(領域2006)、この動作はCE手順が不適切だったが覆されたと指示する、これは、CE手順が妥当性確率に基づき不適切であるが非妥当性判断はポリープ確率に基づき覆されるということを指示する。
【0165】
図20に示す領域2004~2008及び値は例示的であり、そしていくつかの変形形態は本開示の範囲内である考えられる。例えば、各領域は妥当性確率の下側閾値及び上側閾値及び/又はポリープ確率の下側閾値及び上側閾値により定義され得る。このような下側及び上側閾値は図20に示すものとは異なる値を有し得る。このような及び他の変形形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0166】
様々な実施形態では、すべての品質測度が満足される(例えば図19)場合の一組の妥当性規則及びいかなる品質測度も満足されない(例えば図20)場合の一組の妥当性規則を有するのではなく、3組以上の妥当性規則が使用され得る。例えば、異なる妥当性規則は特定品質測度が満足されなければ使用され得る。このような及び他の変形形態は本開示の範囲内であると考えられる。
【0167】
いくつかの例がCEデバイスにより体内で捕捉される画像に関して示され説明されたとしても、本開示技術は他のデバイス又は機構により捕捉される画像へ適用され得る。
【0168】
本明細書において開示された実施形態は本開示の一例であり、したがって様々な形式で具現化され得る。例えば、本明細書におけるいくつかの実施形態は別々の実施形態として説明されたが、本明細書における実施形態のそれぞれは本明細書における他の実施形態の1つ又は複数と組み合わせられ得る。本明細書において開示された特定構造及び機能詳細は、制限としてではなく、本開示をほぼ任意の適切に詳細構造で様々なやり方で採用するための特許請求の範囲のベースとして、そして当業者を教示する代表的ベースとして解釈されるべきである。同様な参照符号は添付図面説明の説明を通して同様な又は同一な要素を指し得る。
【0169】
句「一実施形態では」、「実施形態では」「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、又は「他の実施形態では」はそれぞれ本開示による1つ又は複数の同じ又は異なる実施形態を指し得る。形式「A又はB」の句は「(A)、(B)、又は(A及びB)」を意味する。形式「A、B又はCの少なくとも1つ」の句は「(A);(B);(C);(A及びB);(A及びC);(B及びC);又は(A、B及びC)」を意味する。
【0170】
本明細書において説明された動作、方法、プログラム、アルゴリズム又はコードの任意のものはコンピュータ又は機械可読媒体上に具現化されるプログラミング言語又はコンピュータプログラムへ変換され得る又はそれで表され得る。本明細書で使用される用語「プログラミング言語」及び「コンピュータプログラム」はそれぞれ、指令をコンピュータに対し規定するために使用される任意の言語を含み、そして(限定しないが)以下の言語及びそれらの派生語を含む:アセンブラ、ベーシック、バッチファイル、BCPL、C、C+、C++、デルフォイ、フォートラン、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、マシンコード、オペレーティングシステム命令言語、パスカル、Perl、PL1、Python、スクリプト言語、Visual Basic、自身がプログラムを規定するメタ言語、そしてすべての第1、第2、第3、第4、第5、又は第6以降の世代コンピュータ言語。また、含まれるのは、データベース、他のデータスキーマ、及び任意の他のメタ言語である。解釈される言語、編纂される言語、又は編纂手法及び解釈手法の両方を使用する言語は区別されない。プログラムの編纂バージョンとソースバージョンとは区別されない。したがって、プログラミング言語が2つ以上の状態(ソースバージョン、編纂バージョン、オブジェクトバージョン、又はリンクバージョンなどの)で存在し得るプログラムへの参照はありとあらゆるこのような状態への参照である。プログラムへの参照は実際の指令及び/又はこれら指令の意図を包含し得る。
【0171】
これまでの説明は本開示の例示に過ぎないということを理解すべきである。一貫している限り、本明細書において詳述される態様の任意の又はすべての態様は本明細書において詳述される他の態様の任意の又はすべての態様と併せて使用され得る。様々な代替及び修正形態が、本開示から逸脱することなく当業者により考案され得る。したがって、本開示はこのような代替、修正及び変形形態をすべて包含するように意図されている。添付図面を参照して説明された実施形態は本開示のいくつかの例だけを実証するために提示される。上に説明したものと実質的に異なる及び/又は添付の特許請求の範囲内の他の要素、工程、方法及び技術もまた、本開示の範囲内であるように意図されている。
【0172】
本開示のいくつかの実施形態が添付図面において示されたが、本開示は従来技術が許容する範囲と同じぐらい広いということと、本明細書は同様に読まれるということとが意図されているので本開示はいくつかの実施形態に限定されるということを意図していない。したがって、上記説明は、制限ではなく特定実施形態の単なる例証と解釈されるべきである。当業者はここに添付された特許請求の範囲及び精神内の他の修正形態を予想することになる。
(項目1)
カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するコンピュータ実施方法であって、
CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;
前記複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;
前記複数の特性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することであって、前記妥当性測度は、前記複数の画像により提供される撮像カバレッジが前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、判断すること;及び
前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性指示を表示することを含む方法。
(項目2)
複数の画像グループを識別するために前記複数の画像を処理することであって、前記複数の画像グループの各画像グループでは、それぞれの画像グループの各画像は同じ組織領域を捕捉する、処理することをさらに含む項目1に記載のコンピュータ実施方法。
(項目3)
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループ内の画像の数を含み、そして前記CE手順の妥当性測度は、前記複数の画像グループの各画像グループ内の前記画像の数に基づき判断される、項目2に記載のコンピュータ実施方法。
(項目4)
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループの平均洗浄比を含み、前記CE手順の前記妥当性測度は前記複数の画像グループの各画像グループの前記平均洗浄比に基づき判断される、項目2に記載のコンピュータ実施方法。
(項目5)
洗浄比への洗浄スコアのマッピングにアクセスすること、及び
前記複数の画像グループの画像グループ毎に:
前記それぞれの画像グループ内の画像毎に洗浄スコアにアクセスすること、
前記洗浄比への洗浄スコアのマッピングに基づき前記それぞれの画像グループ内の各画像の洗浄比を判断すること、及び
前記それぞれの画像グループ内の前記画像の前記洗浄比の平均として前記それぞれの画像グループの前記平均洗浄比を判断すること
を行うことにより各画像グループの平均洗浄比を判断することをさらに含む項目4に記載のコンピュータ実施方法。
(項目6)
前記妥当性測度が、前記複数の画像により提供される前記撮像カバレッジは前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということをこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断することをさらに含む項目1に記載のコンピュータ実施方法であって、
前記CE手順の前記妥当性指示は、何故前記CE手順が適切でないと判断されたかの少なくとも1つの理由を含む、コンピュータ実施方法。
(項目7)
前記GITの前記少なくとも一部は複数のセグメントを含み、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは、
前記複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度を判断すること、及び
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断すること、を含む、項目1に記載のコンピュータ実施方法。
(項目8)
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは、
前記複数のセグメントの各セグメント内の前記当該事象の発生の先験的確率にアクセスすることであって、前記先験的確率は患者集団に基づき経験的に判断される、アクセスすること;及び
前記先験的確率に基づき、そして前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することを含む、項目7に記載のコンピュータ実施方法。
(項目9)
前記複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること;
前記少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき前記妥当性指示を判断すること;及び
前記少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき前記妥当性測度を判断することをさらに含む項目1に記載のコンピュータ実施方法。
(項目10)
カプセル内視鏡検査(CE)手順の妥当性を推定するためのシステムであって、前記システムは、
表示デバイス;
少なくとも1つのプロセッサ;及び
その上に格納された指令を含む少なくとも1つのメモリ、を含み、
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記システムに:
CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部の複数の画像にアクセスすること;
前記複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;
前記複数の特性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することであって、前記妥当性測度は、前記複数の画像により提供される撮像カバレッジが前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、判断すること;及び
前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性指示を前記表示デバイス上に表示することをさせる、システム。
(項目11)
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、複数の画像グループを識別するために前記複数の画像を処理させ、前記複数の画像グループの各画像グループでは、それぞれの画像グループの各画像は同じ組織領域を捕捉する、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループ内の画像の数を含み、そして前記CE手順の妥当性測度は、前記複数の画像グループの各画像グループ内の前記画像の数に基づき判断される、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記複数の特性測度の中の一特性測度は、前記複数の画像グループの画像グループ毎に、前記それぞれの画像グループの平均洗浄比を含み、前記CE手順の前記妥当性測度は前記複数の画像グループの各画像グループの前記平均洗浄比に基づき判断される、項目11に記載のシステム。
(項目14)
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
洗浄比への洗浄スコアのマッピングにアクセスすること、及び
前記複数の画像グループの画像グループ毎に:
前記それぞれの画像グループ内の画像毎に洗浄スコアにアクセスすること、
前記洗浄比への洗浄スコアのマッピングに基づき前記それぞれの画像グループ内の各画像の洗浄比を判断すること、及び
前記それぞれの画像グループ内の前記画像の前記洗浄比の平均として前記それぞれの画像グループの前記平均洗浄比を判断すること、
を行うことにより各画像グループの前記平均洗浄比を判断させる、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記GITの前記少なくとも一部は複数のセグメントを含み、
前記CE手順の前記妥当性測度を判断することは、
前記複数のセグメントの各セグメントの妥当性測度を判断すること、及び
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することを含む、項目10に記載のシステム。
(項目16)
前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の前記妥当性測度を判断する際に、
前記指示は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記システムに、
前記複数のセグメントの各セグメント内の前記当該事象の発生の先験的確率にアクセスすることであって、前記先験的確率は患者集団に基づき経験的に判断される、アクセスすること;及び
前記先験的確率に基づき、そして前記複数のセグメントの各セグメントの前記妥当性測度に基づき前記CE手順の前記妥当性測度を判断することをさせる、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
前記複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること;
前記少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき前記妥当性指示を判断すること;及び
前記少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき前記妥当性測度を判断することをさせる、項目10に記載のシステム。
(項目18)
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
「前記妥当性測度が、前記複数の画像により提供される前記撮像カバレッジは前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということをこのような当該事象が前記GITの少なくとも前記一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する」ということを判断させ、
前記CE手順の前記妥当性指示は何故前記CE手順が適切でないと判断されたかの少なくとも1つの理由を含む、項目10に記載のシステム。
(項目19)
前記当該事象は重大なポリープであり、
前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、さらに前記システムに、
前記妥当性測度が、前記複数の画像により提供される前記撮像カバレッジは前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するためには適切でなかったということをこのような当該事象が前記GITの少なくとも前記一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、ということを判断させ;そして
重大なポリープが前記複数の画像を処理したポリープ検出器により前記複数の画像内に検出されたということを判断させ、
前記CE手順の前記妥当性指示は、前記CE手順は適切ではないと判断されたが前記判断はポリープ検出器により覆されたという指示を含む、項目10に記載のシステム。
(項目20)
プロセッサにより実行されると方法の実行を引き起こす指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
CE手順中にCE撮像デバイスにより捕捉された胃腸管(GIT)の少なくとも一部分の複数の画像にアクセスすること;
前記複数の画像に関連する複数の特性測度にアクセスすること;
前記複数の特性測度に基づき前記CE手順の妥当性測度を判断することであって、前記妥当性測度は、前記複数の画像により提供される撮像カバレッジが前記GITの前記少なくとも一部分内の当該事象を捕捉するために適切だったかどうかの測度をこのような当該事象が前記GITの前記少なくとも一部分内に実際に存在するか否かにかかわらず指示する、判断すること;及び
前記妥当性測度に基づき前記CE手順の妥当性指示を表示することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目21)
前記指令は、前記プロセッサにより実行されると、以下のこと:
前記複数の画像に関連する少なくとも1つの品質測度にアクセスすること;
前記少なくとも1つの品質測度が満足されると第1組の妥当性規則に基づき前記妥当性指示を判断すること;及び
前記少なくとも1つの品質測度のいずれかが満足されないと第2組の妥当性規則に基づき前記妥当性測度を判断すること、
を含む前記方法のさらなる実行を引き起こす、項目20に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】