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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】海中用バランスピストンポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/14 20060101AFI20230915BHJP
   F04B 23/02 20060101ALI20230915BHJP
   B63G 8/14 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
F04B53/14 Z
F04B23/02 E
B63G8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515843
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 AU2021051045
(87)【国際公開番号】W WO2022051810
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】2020903234
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523085186
【氏名又は名称】ワイアンドアール アルム ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】アルム ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ホーナー ライズ
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA01
3H071AA03
3H071BB01
3H071CC11
3H071CC26
3H071DD01
3H071DD06
3H071DD13
3H071DD14
3H071DD31
3H071DD72
3H071DD75
3H071DD76
3H071DD84
(57)【要約】
海中航走体、例えば、可変浮力エンジン用のバランスピストンポンプ(300)は、入口(321)、出口(325)、及び入口と出口との間の少なくとも1つの流体経路を含む。流体経路内のピストン構成は、大端部(333)と小端部(331)を有する段付きピストン(330)を含む。ピストンの段部(336)は、ポンプ本体(310)と協働してピストン室(320)を形成する。ピストンの端部(332、334)はそれぞれ、周囲圧にさらされる。ポンプの駆動に必要な力は、ピストンの端部の断面積の差に依存する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a、ポンプ本体と、
b、少なくとも1つの入口と、
c、少なくとも1つの出口と、
d、前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間の流体経路と、
e、前記流体経路に配置され、前記少なくとも1つの入口から前記流体経路を介して前記少なくとも1つの出口へ流体をポンピングするように構成された少なくとも1つのピストン構成であって、i、ピストン室と、ii、入口弁と、iii、出口弁と、iv、前記ピストン室内を移動するように配置され、第1端部にある第1外端面、及び第2端部にある第2外端面を含むピストンと、v、前記ピストン室内で前記ピストンを駆動し、前記ピストンの第1端部に動作可能に取り付けられたピストンドライブとを含む、ピストン構成と、を含み、
f、前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つが周囲圧にさらされ、
g、前記第1外端面の表面積が前記第2外端面の表面積より小さいため、前記第2端部の周囲圧による力が前記第1端部の周囲圧による力より大きい、ポンプ。
【請求項2】
前記ピストンの第1外端面と第2外端面はそれぞれ、周囲圧にさらされる、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
少なくとも1つの周囲圧室を含み、前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つは、前記周囲圧室内に配置される、請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの周囲圧室は、前記ポンプの第1端部にある第1周囲圧室と、前記ポンプの第2端部にある第2周囲圧室とを含む、請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
前記ポンプ本体は、前記ポンプ本体を貫通し、前記第1周囲圧室と前記第2周囲圧室とを流体接続する1つ以上の流体導管を含む、請求項4に記載のポンプ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの周囲圧室は、周囲圧流体を受け取る入口接続部を含む、請求項3又は4に記載のポンプ。
【請求項7】
前記入口弁は、前記出口弁と長手方向に一列になって配置され、前記ピストン室は、前記入口弁に隣接して配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項8】
a、圧力容器と、
b、前記圧力容器の内部から流体をポンピングするように配置されたメインポンプと、を含み、
前記メインポンプは、
i、ポンプ本体と、
ii、少なくとも1つの入口と、
iii、少なくとも1つの出口と、
iv、前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間の流体経路と、
v、前記流体経路に配置され、前記少なくとも1つの入口から前記流体経路を介して前記少なくとも1つの出口へ流体をポンピングするように構成された少なくとも1つのピストン構成であって、ピストン室と、入口弁と、出口弁と、前記ピストン室内を移動するように配置され、第1端部にある第1外端面、及び第2端部にある第2外端面を含むピストンと、前記ピストン室内で前記ピストンを駆動し、前記ピストンの第1端部に動作可能に取り付けられたピストンドライブとを含む、ピストン構成と、を含み、
vi、前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つが周囲圧にさらされ、前記第1外端面の表面積が前記第2外端面の表面積より小さいため、前記第2端部の周囲圧による力が前記第1端部の周囲圧による力より大きい、海中船舶用のポンピングシステム。
【請求項9】
前記メインポンプのピストンドライブを作動させて、前記少なくとも1つのピストン構成のピストンを往復運動させるモータを含む、請求項8に記載のポンピングシステム。
【請求項10】
前記ピストンの第1外端面と第2外端面はそれぞれ、周囲圧にさらされる、請求項8に記載のポンピングシステム。
【請求項11】
少なくとも1つの周囲圧室を含み、前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つは、前記周囲圧室内に配置される、請求項8~10のいずれか一項に記載のポンピングシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの周囲圧室は、前記ポンプの第1端部にある第1周囲圧室と、前記ポンプの第2端部にある第2周囲圧室とを含む、請求項11に記載のポンピングシステム。
【請求項13】
前記ポンプ本体は、前記ポンプ本体を貫通し、前記第1周囲圧室と前記第2周囲圧室とを流体接続する1つ以上の流体導管を含む、請求項12に記載のポンピングシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの周囲圧室は、周囲圧流体を前記少なくとも1つの周囲圧室内に受け取る入口接続部を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のポンピングシステム。
【請求項15】
前記入口接続部と流体接続され、周囲圧流体を収容する外部の可撓性貯留部を含み、前記可撓性貯留部は、周囲圧から作用を受ける、請求項14に記載のポンピングシステム。
【請求項16】
前記圧力容器の内部から前記メインポンプへ流体をポンピングするように配置された一次ポンプを含む、請求項8~15のいずれか一項に記載のポンピングシステム。
【請求項17】
可変浮力エンジンを含む海中航走体であって、前記可変浮力エンジンは、
a、圧力容器と、
b、前記圧力容器の内部から流体をポンピングするように配置されたメインポンプと、を含み、
前記メインポンプは、
i、ポンプ本体と、
ii、少なくとも1つの入口と、
iii、少なくとも1つの出口と、
iv、前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間の流体経路と、
v、前記流体経路に配置され、前記少なくとも1つの入口から前記流体経路を介して前記少なくとも1つの出口へ流体をポンピングするように構成された少なくとも1つのピストン構成であって、ピストン室と、入口弁と、出口弁と、前記ピストン室内を移動するように配置され、第1端部にある第1外端面、及び第2端部にある第2外端面を含むピストンと、前記ピストン室内で前記ピストンを駆動し、前記ピストンの第1端部に動作可能に取り付けられたピストンドライブとを含む、ピストン構成と、を含み、
vi、前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つが周囲圧にさらされ、
vii、前記第1外端面の表面積が前記第2外端面の表面積より小さいため、前記第2端部の周囲圧による力が前記第1端部の周囲圧による力より大きい、海中航走体。
【請求項18】
前記メインポンプのピストンドライブを作動させて、前記少なくとも1つのピストン構成のピストンを往復運動させるモータを含む、請求項17に記載の海中航走体。
【請求項19】
前記ピストンの第1外端面と第2外端面はそれぞれ、周囲圧にさらされる、請求項17に記載の海中航走体。
【請求項20】
少なくとも1つの周囲圧室を含み、前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つは、前記周囲圧室内に配置される、請求項17~19のいずれか一項に記載の海中航走体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの周囲圧室は、前記ポンプの第1端部にある第1周囲圧室と、前記ポンプの第2端部にある第2周囲圧室とを含む、請求項20に記載の海中航走体。
【請求項22】
前記ポンプ本体は、前記ポンプ本体を貫通し、前記第1周囲圧室と前記第2周囲圧室とを流体接続する1つ以上の流体導管を含む、請求項21に記載の海中航走体。
【請求項23】
前記少なくとも1つの周囲圧室は、周囲圧流体を前記少なくとも1つの周囲圧室内に受け取る入口接続部を含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の海中航走体。
【請求項24】
前記入口接続部と流体接続され、周囲圧流体を収容する外部の可撓性貯留部を含み、前記可撓性貯留部は、周囲圧から作用を受ける、請求項23に記載の海中航走体。
【請求項25】
前記圧力容器の内部から前記メインポンプへ流体をポンピングするように配置された一次ポンプを含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の海中航走体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、潜水機に関し、特に、有人又は無人の潜水機、特に水中グライダーに使用されるポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
グライダーなどの潜水機は、かなりの深さまで水中を移動する機能を有する。グライダーは、比較的静かであり、最低限の燃料で長距離を移動することができる。これらの利点により、グライダーは、例えば、海洋調査、軍事防衛用などの様々な用途に使用することができる。
【0003】
水中グライダーのポンプは、それらの極限動作深さのため、特定の要求がある。これらのポンプは、厳しい動作環境にもかかわらず、効率性かつ信頼性が要求される。
【0004】
したがって、海中航走体用の改善されたポンプが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るポンプは、
ポンプ本体と、
少なくとも1つの入口と、
少なくとも1つの出口と、
前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間の流体経路と、
前記流体経路に配置され、前記少なくとも1つの入口から前記流体経路を介して前記少なくとも1つの出口へ流体をポンピングするように構成された少なくとも1つのピストン構成であって、ピストン室と、入口弁と、出口弁と、前記ピストン室内を移動するように配置され、第1端部にある第1外端面、及び第2端部にある第2外端面を含むピストンと、前記ピストン室内で前記ピストンを駆動し、前記ピストンの第1端部に動作可能に取り付けられたピストンドライブとを含む、ピストン構成と、を含み、
前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つが周囲圧にさらされ、
前記第1外端面の表面積が前記第2外端面の表面積より小さいため、前記第2端部の周囲圧による力が前記第1端部の周囲圧による力より大きい。
【0006】
本開示の一態様に係る、深海船舶用の2段ポンピングシステムは、
圧力容器と、
前記圧力容器の内部から流体をポンピングするように配置されたメインポンプと、を含み、
前記メインポンプは、ポンプ本体と、
少なくとも1つの入口と、
少なくとも1つの出口と、
前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間の流体経路と、
前記流体経路に配置され、前記少なくとも1つの入口から前記流体経路を介して前記少なくとも1つの出口へ流体をポンピングするように構成された少なくとも1つのピストン構成であって、ピストン室と、入口弁と、出口弁と、前記ピストン室内を移動するように配置され、第1端部にある第1外端面、及び第2端部にある第2外端面を含むピストンと、前記ピストン室内で前記ピストンを駆動し、前記ピストンの第1端部に動作可能に取り付けられたピストンドライブとを含む、ピストン構成と、を含み、
前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つが周囲圧にさらされ、
前記第1外端面の表面積が前記第2外端面の表面積より小さいため、前記第2端部の周囲圧による力が前記第1端部の周囲圧による力より大きい。
【0007】
一態様に係る可変浮力エンジンを含む深海航走体において、前記可変浮力エンジンは、
圧力容器と、
前記圧力容器の内部から流体をポンピングするように配置されたメインポンプと、を含み、
前記メインポンプは、ポンプ本体と、
少なくとも1つの入口と、
少なくとも1つの出口と、
前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間の流体経路と、
前記流体経路に配置され、前記少なくとも1つの入口から前記流体経路を介して前記少なくとも1つの出口へ流体をポンピングするように構成された少なくとも1つのピストン構成であって、ピストン室と、入口弁と、出口弁と、前記ピストン室内を移動するように配置され、第1端部にある第1外端面、及び第2端部にある第2外端面を含むピストンと、前記ピストン室内で前記ピストンを駆動し、前記ピストンの第1端部に動作可能に取り付けられたピストンドライブとを含む、ピストン構成と、を含み、
前記ピストンの第1外端面と第2外端面のうちの少なくとも1つが周囲圧にさらされ、
前記第1外端面の表面積が前記第2外端面の表面積より小さいため、前記第2端部の周囲圧による力が前記第1端部の周囲圧による力より大きい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、例としてのみ、具体的な実施形態及び添付図面を参照する。
【0009】
図1】開ループ2段ポンピングシステムを有する潜水機を概略的に示す。
図2】潜水機用の二重閉ループ2段ポンピングシステムを概略的に示す。
図3】潜水機においてメインポンプとして使用されるバランスピストンポンプを概略的に示す。
図4図3のポンプの動作の吸入段を概略的に示す。
図5図3のポンプの動作の加圧段を概略的に示す。
図6】本発明の一実施形態に係るバランスピストンポンプの概略斜視図である。
図7】外側ハウジング部品が透明に示される図6のポンプを示す。
図8図6のポンプの断面を示す。
図9】入口プレートを示す。
図10】小端部プレートの下面図を示す。
図11】小端部プレートの上面図を示す。
図12】大端部プレートの下面図を示す。
図13】大端部プレートの上面図を示す。
図14】出口プレートの下面図を示す。
図15】出口プレートの上面図を示す。
図16】端部キャップを示す。
図17図6のポンプの下部を示す。
図18図6のポンプのピストンを係合する軸を示す。
図19】トランスミッションハウジングの上面図を示す。
図20】ポンプの油充填圧力容積部内の周囲圧を維持することを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
潜水機は、可変浮力エンジンを利用して前方推進力を生成することが多いため、水上艇とは独立して長期間にわたって動作することができる。可変浮力エンジンでは、潜水機の浮力を変化させることができる。潜水機内の圧力容器に出入りする水、例えば、海水を、開ループシステムと考えられるもので潜水機の外部にポンピングすることにより、浮力を絶対的に変化させることができる。或いは、圧力容器から流体を潜水機の異なる領域にポンピングしたり、流体量を変化させたりして潜水機内の密度・浮力に影響を与えることにより、潜水機内の浮力分布を変化させてもよい。閉ループシステムにおいて、流体は、淡水、油又は他のタイプの流体であってもよく、周囲圧から作用を受ける可撓性貯留部にポンピングされる。
【0011】
圧力容器の内部が真空に近づいてもよいため、内装ポンプが外装メインポンプの一次ポンプとして機能するように圧力容器の内部に取り付けられて、2段システムが提供されてもよい。一次ポンプは、ベーンタイプポンプ、インペラポンプ、ピストンポンプなどの任意の簡単なタイプのポンプであってもよい。
【0012】
図1は、開ループシステムの一実施形態の概略図を示す。潜水機100は、内部の圧力容器102を有する。開ループシステムにおいて、電磁弁などの入口弁104は、外部の海水が圧力容器に流れることを制御することができる。圧力容器102を空にするために、2段ポンプを使用することができる。メインポンプ108は、水を圧力容器102から潜水機100の外部へポンピングすることができる。圧力容器102内に位置する一次ポンプ106は、ラインにおいて十分な圧力をメインポンプ108に供給することを保証するために使用することができる。メインポンプは、モータ110、例えば、流体充填ブラシレスDCモータにより動作することができる。電池112は、モータ110に電力を供給することができる。
【0013】
図2は、閉ループシステムの一実施形態の概略図を示す。潜水機200は、2つの圧力容器202、203、圧力容器のそれぞれの一次ポンプ206、207、及び一次ポンプのそれぞれに結合されたメインポンプ208、209を含む。しかしながら、潜水機の外部から流体をポンピングする代わりに、圧力容器202、203は、外部の周囲圧から作用を受けるバッグなどの内部の可撓性貯留部214から、入口電磁弁204、205を介して流体が充填される。メインポンプ208、209は、貯留部214に作用する周囲圧に抗して、それらの圧力容器202、203のそれぞれから可撓性貯留部214に戻すように流体をポンピングする。流体は、バッグ214に出入りし、かつ独立して圧力容器に出入りすることができるため、圧力容器間の変位量、並びに圧力容器とバッグとの間の変位量が変更可能であり、これにより潜水機の浮力に影響を与える。
【0014】
図1及び図2は、一次ポンプが圧力容器からの流体を加圧してメインポンプに供給する2段ポンプシステムを示す。代替的な構成において、圧力容器から、メインポンプを動作させる十分な圧力が得られるならば、一次ポンプを除いてもよい。例えば、圧力容器は、周囲圧により自由な流れで充填されるのではなく、内部に流体がポンピングされて部分的に充填されてもよい。
【0015】
3つのピストン軸方向駆動ポンプは、メインポンプとして使用されることが知られている。しかしながら、このようなポンプは、一般的に、深海で遭遇する(圧力容器の外部の)高い周囲圧で動作するように設計されていない。ポンプは、周囲環境の圧力に抗して流体を外部又は貯留部に吐出する必要がある。
【0016】
海中船舶の動作深さで遭遇する高い周囲圧に対抗するために、本発明の一実施形態に係る、本明細書においてバランスピストンポンプと呼ばれるメインポンプを提供することができる。図3は、本発明の一実施形態に係るバランスピストンポンプの概略図を示す。図3のポンプ300は、ピストン室320を画定する本体310を含む。段付きピストン330は、ピストン室320内で往復運動するように配置される。
【0017】
ピストン室320は、実質的にドーナツ状(toroidal)であり、入口逆止弁322を有する入口321と、出口逆止弁326を有する出口325とを有する。ピストン室320は、最初に一次ポンプ(図3に示されない)によって加圧された圧力容器(又は部分的に充填された圧力容器)から入口321を介して流体を受け取り、出口325を介して流体を吐出する。
【0018】
段付きピストン330は、実質的に長手形状であり、第1端部331(小端部)と、ピストン330の第1端部331とは反対側の長手方向端部の第2端部333(大端部)とを有する。第1端部331は、第2端部333より小径である。ピストン330の段部336は、第1端部331と第2端部333との間でピストン330の直径を変化させる。段部336は、ピストン室320内に配置される。第1端部331は、第1外端面332を有し、第2端部333は、第2外端面334を有する。各外端面332、334は、ピストン室320の外部に位置し、周囲圧にさらされる。ピストンドライブ又はモータ(図示せず)は、ピストン330の往復運動を駆動する。ピストンドライブは、ピストンの第1端部331に取り付けられてもよい。
【0019】
シール342、344はそれぞれ、本体310に突き当てられてピストン330の第1端部及び第2端部を密閉することにより、ピストン室320を周囲圧から隔離する。
【0020】
動作において、モータは、矢印352の方向に第1端部331をピストン室320(図4)内に駆動することにより、ピストン330の大径部をピストン室320の外部に駆動し、ピストン室の利用可能な容積を増大させる(吸入行程)。流体は、入口矢印354に示されるように、入口321を介してピストン室320に吸い込まれる。戻り行程(図5における加圧行程)において、ピストンの大端部は、ピストン室内に戻る(方向矢印356)ため、ピストン室320の容積を減少させ、矢印358に示すように出口325から流体を押し出す。
【0021】
第1外端面332の表面積が第2外端面334の表面積より小さいため、第2端部の周囲圧による力が第1端部の周囲圧による力より大きい。周囲圧により生成される、ピストンの端面332、334に作用する力がほぼ打ち消されるため、ポンプは、任意の深さで動作するように設計することができる。理論に拘束されないが、流体をポンピングするためにピストンドライブがピストンの第1端部331(小端部)に作用すべきの力は、小端面332と大端面334(示される実施形態では、シリンダ室がドーナツ状である)の断面積の差に周囲圧を乗算したものに等しい(摩擦、弁ばね及び他の損失を無視し、入力圧が補助しないと仮定する)。
【0022】
一実施形態では、ピストンの端部は、油充填区画を介して周囲環境の圧力から作用を受ける。これは、「バランス」動作と呼ばれてもよい。一実施形態では、ピストンの1つの端部は、周囲環境にさらされるが、代替的な実施形態では、ピストンの2つの端部が、周囲環境から作用を受ける。上記区画は、互いに分離されてもよく、接続されてもよい。
【0023】
図6は、本発明の一実施形態に係るバランスピストンポンプ600の斜視図を示す。図7は、ポンプの内部部品を見えるために外側本体要素が透明に示される図6の斜視図を示す。ポンプ600は、周にわたって5つのピストンが配置されたマルチピストンポンプである。流体は、流体入口621によりポンプ内部に供給され、ポンプの上面にある出口から外部にポンピングされる。油は、油入口623により油貯留部(図示せず)からポンプ内の油室に供給され、出口627から排出することができる。
【0024】
図8は、反転した図6のポンプ600の断面を示す。ポンプ600の標識された構成要素は、以下のとおりである。
【0025】
【表1】
【0026】
5つのピストンを有するポンプ600は、複数の円形プレートが一体に接合された本体を有し、これらの複数の円形プレートは、単一の入口621から単一の出口625まで本体を貫通する5つの個別流体流路を画定する。ピストン構成は、流体流路のそれぞれに配置される。以下の説明では、図6の配向に示すように、出口625と大端部を上部に示し、小端部又は駆動端部を下部に示す。配向の用語は、説明のためのものに過ぎず、本発明の範囲をこれらの配向に限定することを意図するものではない。
【0027】
図9は、入口プレート900の上面図を示す。入口プレートには、プレートを通って長手方向に延びる5つのピストンガイド孔902が放射状に分散して形成される。ガイド孔902は、段付きピストンの小端部を収容するように構成される。径方向孔904は、入口621を受け取り、プレートの周縁906から中央縦孔908に延び、中央縦孔908は、プレート900の上面910から径方向孔904に突き当たるように下方に延びる。縦孔908は、プレート900の下面で閉塞される。
【0028】
入口プレート900の上面910は、小端部プレート1000の裏面(図10)に当接している。小端部プレート1000は、入口プレート900のピストンガイド902と位置合わせされた、プレート1000を通って長手方向に延びるピストンガイド1002を含む。小端部プレートの裏面1004は、プレートの内に延びて上面1010で閉塞された中央縦孔1008を有する。一連(5つ)の流路1012は、中央孔1008から外側流路端部1014まで放射状に延びる。各外側流路端部1014には、プレート1000を通って上面まで長手方向に延びる孔が形成されている。
【0029】
小端部プレート1000の上部が図11に示される。5つの凹部1018は、プレートの周囲に分散している。各凹部1018は、入口ポペット弁座1020を含む。ポペット弁座内には、流路1012の外側流路端部1014に位置合わせされ、プレートを通って延びる流路孔1016が形成されている。入口ポペット弁座1020は、流路孔1016を密閉する入口ポペット弁の端部を受け取るように構成される。単一のポペット弁1022が図11に示され、残りのポペット弁は、簡略化のために図面において省略される。凹部1018は、ピストンガイド1002まで延びる。ピストンガイドは、ピストン室の下端部を画定する段部1024を有する。段部1024は、ピストン1030の段部と適合する。ピストンガイドは、ピストンの段付き部分を受け取り、座を提供するように構成される。入口ポペット弁1022に隣接する単一のピストン1030が示される。残りのピストンは、簡略化のために図面において省略される。
【0030】
図10は、各ピストンガイド1002が段部1016を有することを示す。ピストンガイドの上部は、段付きピストンの小端部にぴったりとフィットする寸法とされる。段部の下で、ピストンガイドの幅が増加する。密閉リング1018は、下面からピストンガイド1002内に挿入され、段部1016に位置して、密閉リングの下方の周囲圧から、密閉リングの上方のピストン室を密閉する。
【0031】
ピストン座1024の上方は、ピストン室1120である(以下、より詳細に説明される)。入口流路1026は、入口ポペット弁座1020からピストン室1120まで延びる。ピストンは下部構成がピストン座1024によって完全に座を提供された(着座した)状態にある場合、ピストン1030の本体は、入口流路1026に対して密閉し、ピストン室1120への任意の流体の流入を防止する。このとき、ポペット弁は、流路孔1016を閉塞するように付勢されている。ピストンが上昇して座1024から離れる場合、入口流路1026は、ピストン室に開放されている。このとき、ピストン室1026内に形成された真空と、入口からの流体の圧力とが、入口ポペット弁1022の閉塞付勢力を上回るのに十分である。ポペット弁は開き、流体は、入口プレート900を通って小端部プレートの流路1012内に流れ、それぞれの開いたピストンの流路孔1016及び入口流路1026を通ってピストン室1120内に流れる。
【0032】
図11に示すように、ポペット弁1022は、上部から開き、ポペット弁1022の本体の側部にある孔1023を含む。ピストン室1120が流体で満たされて圧力が入口圧力に等しくなるときのピストン行程の上部では、ポペット弁の上方に配置されたばね又は同様の付勢機構は、ポペット弁を閉じるように押し付けることにより、流路孔1016を密閉してもよい。
【0033】
図12は、小端部プレート1000上に着座する大端部プレート1200の裏面図を示す。大端部プレート1200は、小端部プレート1000のピストンガイド1002と位置合わせされた、プレート1200を通って長手方向に延びるピストンガイド1202を含む。ガイド孔1202は、段付きピストンの大端部を収容するように構成される。大端部プレート1200の下面1201には、小端部プレート1000にあるポペット弁座1020と位置合わせされた入口ポペット弁ガイド1204が形成される。図12は、ポペット弁ガイド1204に配置された単一の入口ポペット弁1022を示す。残りの入口ポペット弁は、簡略化のために図面において省略される。
【0034】
入口ポペット弁ガイドは、入口ポペット弁の幅を収容するのに十分な直径を有し、入口ポペット弁との間に空間を有する。弁ガイドは、大端部プレート1200の大部分を通って終了する。小出口開口は、弁ガイドを通って大端部プレート1200の上面まで延びる。ばね又は他の付勢機構(図8における39)は、弁ガイド1204に設けられて、入口ポペット弁を入口ポペット弁座1020に向かって下方に付勢する。入口ポペット弁のベース1025は、ポペット弁の主体より狭いが、流路孔1016を密閉するのに十分である。しかしながら、ベースが流路孔1016に対して密閉されると、流体は、入口ポペット弁の周囲を流れて、弁ガイド1204内に流れることができる。したがって、ピストンが戻り行程にある場合、流体は、ポペット弁1022の側部にある孔1023の流路1026を介して、ピストン1030によって(ピストン1030の小端部とピストンガイド1202の壁との間のドーナツ状空間1120として示される)ピストン室から弁ガイド1204内に押し込まれる。
【0035】
図13は、大端部プレート1200の上部1210を示す。各ピストンガイド1202に隣接するのは、下部の入口ポペット弁ガイド1204と位置合わせされた出口開口1206である。出口開口1206は、出口ポペット弁1422によって密閉される。単一の出口ポペット弁1422が図13に示される。残りの出口ポペット弁は、簡略化のために省略される。図13は、各ピストンガイド1202が段部1216を有することを示す。ピストンガイドの下部は、段付きピストンの大端部にぴったりとフィットする寸法とされる。段部の上では、ピストンガイドの幅が増加する。密閉リング1218は、段部1216に位置して、密閉リングの上方の周囲圧から、密閉リングの下方のピストン室を密閉することができる。
【0036】
図14は、出口プレート1400の裏面1401を示す。出口プレートは、大端部プレート1200上に着座する。出口プレート1400は、大端部プレート1200のピストンガイド1202と位置合わせされた、プレート1200を通って長手方向に延びるピストンガイド1402を含む。ガイド孔1402は、段付きピストンの大端部を収容するように構成される。面1401内には、大端部プレート1200の入口ポペット弁ガイド1204と位置合わせされた出口ポペット弁ガイド1404が埋め込まれる。各出口ポペット弁ガイド1404からは、出口プレート1400を軸方向に貫通する中央孔に突き当たるように延びる径方向流路1406が延びている。図14は、弁ガイド1404に配置された単一の出口ポペット弁1422を示す。残りの出口ポペット弁は、簡略化のために図面において省略される。
【0037】
図15は、出口プレート1400の上面1410を示す。上面1410は、ピストンガイド1402と、出口プレートの上方に延びる単一のピストン1030とを示す。残りのピストンは、簡略化のために図面において省略される。プレート1400の下側にある流路1406と連通する中央孔1408は、プレート1400の厚さを貫通するように示される。
【0038】
図16は、ポンプの端部キャップ1600を示す。端部キャップは、出口625につながる中央孔1608を有する。中央孔は、出口プレート1400の中央孔1408と位置合わせされる。端部キャップ1600は、ほぼ中空であり、出口プレート1400の上面1410と共に周囲圧容積部1604を画定する。ピストンの大端部は、容積部1604内に延びる。弁ばね(例えば、図8における弁ばね23)は、ばね凹部1606に着座することができる。ばね凹部1612のうちの1つは、端部キャップを通って延びて、周囲圧容積部1604に対して周囲圧との接続を提供する。一実施形態では、(図6において油の出口627として端部キャップ1600の外部に示される)開口1612は、周囲圧容積部1604に油を入れるか、又は周囲圧容積部1604から油を排出するために使用することができる。
【0039】
上述したように、ピストン1030の下降行程において、流体は、入口ポペット弁の弁ガイド1204内に押し込められる。ピストンの力が下降行程において増加するにつれて、入口ポペット弁ガイド1204の出口開口1206を密閉する出口ポペット弁1422の圧力により、出口ポペット弁を開き、流体は、出口ポペット弁ガイド1404内に流れ、流路1406の内に流れ、出口プレート1400の軸方向孔1408を通って、端部キャップ1600の出口625に流れることができる。これにより、流体は、ポンプから排出される。
【0040】
ポンプの下端部において、ピストンの小端部は、入口プレート900のピストンガイド902を通って、入口プレートの下端部とトランスミッションハウジング1700(図17)との間に画定される容積部内に突出する。
【0041】
図18は、軸1802と、傾斜プレート又は斜めプレートとも呼ばれる傾斜した斜板1804とに位置するピストン1030の小端部を示す。軸1802と斜板は、ピストンの往復運動を生成するピストンドライブを形成する。軸1802が回転するにつれて、傾斜した斜板1804は、各ピストンを順次上昇させることにより、各ピストン室の吸入行程を提供する。斜板の高い点を通過すると、ピストンの大端部とピストンの小駆動端部とに作用する周囲圧の差圧によってピストンを復帰させることにより、加圧行程を実行する。
【0042】
軸の端部は、モータのクランクによってトランスミッションハウジング1700を介して係合されて、回転を軸に付与してもよい。様々なクランクモータの接続が当業者には明らかであろう。モータは、電子的整流式流体充填ブラシレスDCモータであってもよい。流体が充填されることにより、モータは、かなりの水中深さでの動作に良好に適する。知られているように、電池が、モータを動作するように設けられてもよい。
【0043】
トランスミッションハウジング1700は図19に個別に示される。内部で、トランスミッションハウジングは、入口623を介して提供された周囲圧容積部1704とする。入口623により、容積部1704は、周囲圧にさらされてもよい。代替的に、容積部1704は、周囲圧で維持される油が充填されてもよい。
【0044】
ポンプのプレートは、一体に接合された場合、小端部から大端部まで連続したピストンハウジングを画定する。プレートは、各プレートの相補的に位置合わせされた孔を通って延びる適切なボルト630により一体に接続されてもよい。Oリングシールがプレート間に設けられて、水がポンプ本体内に入ることを防止してもよい。入口プレート900(図9)は、Oリングシールを受け取る溝914を上面に有する。プレート1000、1200、1400、トランスミッションハウジング1700及び端部キャップ1600には、いずれも同様の溝が設けられる。
【0045】
ピストンのバランス動作は、段付きピストンの大小両端部を周囲圧容積部に配置することにより行われる。図面は、ポンプの大端部及び小端部にそれぞれ位置する2つの周囲圧容積部1604、1704を示す。周囲圧容積部は、それぞれの開口部627、623を介して独立して維持されてもよい。しかしながら、各周囲圧容積部が同じ圧力に維持されることを保証するために、容積部は、ポンプのプレートを介して接続されてもよい。したがって、示される実施形態では、トランスミッションケース容積部1704は、入口プレート900(孔950)、小端部プレート1000(孔1050)、大端部プレート1200(孔1250)及び出口プレート1400(孔1450)における位置合わせされ接続された孔を介して端部キャップ容積部1604に接続される。図面において、簡略化のために1つの接続部が示されるが、ポンプのプレートを貫通する複数の油路導管を示す。
【0046】
図20は、どのように油を用いてポンプの各端部の周囲圧を維持するかを概略的に示す。図20において、段付きピストン1030は、大端部が周囲圧容積部1604内に突出し、小端部が周囲圧容積部1704内に突出しているように示される。流体導管1750は、ポンプを介して容積部1604、1704を接続する。可撓性油貯留部1760は、トランスミッション容積部1704の入口621及び端部キャップ容積部1604の出口625に接続される。貯留部1760は、ブラダー(袋)に作用するばねなどによって、正補償のためにわずかに加圧されてもよい。最初に、このシステムは、ポンプを油などの周囲流体で充填するために使用されてもよい。システムは、逸脱した空気を除去するように抜き取られ、次に貯留部1760との接続が維持されてもよい。貯留部が周囲圧から作用を受けるため、流体が周囲圧の増加につれて圧縮されても、容積部1604、1704の圧力は、同じ周囲圧のままである。周囲圧流体として油を説明したが、開ループシステムの場合の海水、閉ループシステムの場合の淡水などの他の流体が使用されてもよい。
【0047】
実施形態、特に図8の断面図は、ピストンの大端部がばねを介して着座することを示すが、ピストンの一端部又は両端部にあるばねは、任意であると考えられてもよい。
【0048】
示される実施形態では、同じ流体経路の入口ポペット弁及び出口ポペット弁は、互いに真上に配置されている。代替的な実施形態では、1つの流体経路の出口ポペット弁を隣接する流体経路の入口ポペット弁の上方に配置し、ピストン室と出口とを接続する追加の流路を設けることにより、クロスフローを実現してもよい。クロスフローは、動作の効率の点で有利である可能性がある。
【0049】
明細書の実施形態のポンプは、2段ポンピングシステムのメインポンプとして説明される。しかしながら、ポンプの代替的な使用は、当業者には明らかであろう。例えば、ポンプは、十分な入口圧力が利用可能であれば、一次ポンプと独立して使用されてもよい。
【0050】
本発明の実施形態が添付図面に示され、以上の記載に説明されているが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に記載及び限定される本発明の要旨を逸脱することなく、数多くの再構成、変更及び置換が可能であることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】