(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】個人用輸送装置
(51)【国際特許分類】
A63C 17/10 20060101AFI20230915BHJP
A63C 17/12 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
A63C17/10
A63C17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516127
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 AU2021051050
(87)【国際公開番号】W WO2022051815
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523086758
【氏名又は名称】ボールドウィン,ダニエル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ボールドウィン,ダニエル
(57)【要約】
第1の足支持部(16)および第1の足支持部(16)から離隔した第2の足支持部(18)を支持するように配置されたシャシー(14)、第1の足支持部(16)に近接して位置する第1の地面係合装置(20)、ならびに第2の足支持部(18)に近接して位置する第2の地面係合装置(22)を含む電動ボード(12)の形態の、個人用輸送装置(10)であって、第1および第2の地面係合装置(20)、(22)は、地表面上で摺動、回転、および移動の少なくとも1つを行うように適合される、個人用輸送装置(10)。第1および第2の地面係合装置(20、22)の少なくとも一方は、無限軌道(28a、28b)を回転可能に支持するローラー装置(26a、26b)を有する駆動軌道アセンブリ(24a、24b)含み得、ローラー装置(26a、26b)は、無限軌道(28a、28b)を駆動するために、電動ローラー(30a、30b)の内部にモーターを収容する電動ローラー(30a、30b)を含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の輸送のための電動ボードであって、前記ボードは、第1の足支持部および前記第1の足支持部から離隔した第2の足支持部を支持するように配置されたシャシー、前記第1の足支持部に近接して位置する第1の地面係合装置、ならびに前記第2の足支持部に近接して位置する第2の地面係合装置を含み、前記第1および第2の地面係合装置は、地表面上で摺動、回転、および移動の少なくとも1つを行うように適合され、
前記第1および第2の地面係合装置の少なくとも一方は、無限軌道を回転可能に支持するローラー装置を有する駆動軌道アセンブリ含み、前記ローラー装置は、前記無限軌道を駆動するために、電動ローラーの内部にモーターを収容する前記電動ローラーを含む、
電動ボード。
【請求項2】
前記ローラー装置は、前記電動ローラーに対して反対側の前記無限軌道に係合するように位置する外部ローラー含む、請求項1に記載の電動ボード。
【請求項3】
前記無限軌道は、グリップ要素を含み、前記外部ローラーは、前記グリップ要素の通過を可能とする隙間を含む、請求項2に記載の電動ボード。
【請求項4】
前記無限軌道は、グリップ要素を含み、前記外部ローラーは、前記グリップ要素の少なくともいくつかの間で前記無限軌道と係合するように適合される、請求項2に記載の電動ボード。
【請求項5】
前記外部ローラーは、前記電動ローラーに隣接して位置する、請求項2~4のいずれか一項に記載の電動ボード。
【請求項6】
前記電動ローラーは、前記外部ローラーより大きい直径を有する、請求項5に記載の電動ボード。
【請求項7】
前記駆動軌道アセンブリは、対向側面支持体ならびに第1の端部および第2の端部を有するローラーシャシーを含み、前記電動ローラーは、前記第1および第2の端部の一方に向かって位置する、請求項2~6のいずれか一項に記載の電動ボード。
【請求項8】
前記ローラーシャシーは、前記対向側面支持体間のブリッジ部材をさらに含み、前記対向側面支持体は、湾曲しており、前記ローラーアセンブリのローラーを位置付ける、請求項7に記載の電動ボード。
【請求項9】
前記ブリッジ部材は、前記外部ローラーを支持し、かつ位置付ける、請求項8に記載の電動ボード。
【請求項10】
前記電動ローラーは、前記モーターと前記ローラーのシェルとの間の少なくとも部分的に中空の軸を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の電動ボード。
【請求項11】
前記電動ローラーは、前記モーターへの水または空気などの流体の通過を可能とするポートを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の電動ボード。
【請求項12】
前記電動ローラーは、前記モーターによって駆動されるシェルを含み、前記シェルは、前記無限軌道を位置付けかつ駆動するように適合されたノッチを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の電動ボード。
【請求項13】
前記第1および第2の地面係合装置の両方が、それぞれ、共通のコントローラと通信する前記電動ローラーの独立した1つを各々有する第1および第2の駆動軌道アセンブリである、請求項1に記載の電動ボード。
【請求項14】
前記シャシーは、前記第1および第2の地面係合装置に、互いに対する少なくともいくらかの制限された垂直運動を提供するように適合されたサスペンション装置を含む、請求項1に記載の電動ボード。
【請求項15】
前記シャシーは、前記第1および第2の地面係合装置に結合する前記それぞれの第1および第2の足支持部の下に伸びる第1および第2の下部部材、ならびに前記サスペンション装置によって前記第1および第2の下部部材に結合する中間部材を含む、請求項14に記載の電動ボード。
【請求項16】
前記シャシーは、前記第1および第2の足支持部を支持するように配置された第1および第2の上部部材をさらに含み、前記第1および第2の足支持部は、前記中間部材によって結合され、前記第1および第2の上部部材は、前記第1および第2の下部部材の上に略平行に伸びる、請求項12に記載の電動ボード。
【請求項17】
前記第1および第2の上部部材は、前記中間部材によって互いに堅く接続される、請求項16に記載の電動ボード。
【請求項18】
前記第1および第2の上部部材は、前記中間部材の可撓性要素を介して柔軟に接続される、請求項16に記載の電動ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年9月11日に出願された豪州仮特許出願第2020903260号の優先権を主張するものであり、その内容が参照により組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、個人用輸送装置に関する。より具体的には、本発明は、個人輸送用電動ボードに関する。
【背景技術】
【0003】
車輪および軌道を含むものなどの、様々な種類の電動ボードが開発されてきた。そのようなボードは、足支持部を有する本体、および本体によって支持された車輪または軌道を含み得る。車輪または軌道は、足の圧力、例えば左右に傾くことによる電動ボードの操舵を可能とする機構を介して本体に結合され得る。モーターは、ボードに結合される電気またはガソリンモーターの形態で提供され得、プーリーベルトまたは他の継ぎ手によって車輪または軌道を駆動し得る。モーターは、手で操作可能なトリガなどによって制御され得る。使用中、ライダーは、ボード上でバランスを取り、トリガを使用して前進または後退を制御し、左右に傾いてボードを操舵し得る。
【0004】
既存のボードの問題は、車輪または軌道の構成、および特にモーターに関連し、モーターは、ボードの重心、ボードの重量、美的外観、および、例えばモーターが使用中にライダーを妨害するなどの、一般的な使い勝手に影響し得る。別の問題は、粗い表面および障害物上での既存のボードの制御および使い勝手に関連する。
【0005】
本明細書で開示される発明は、上記の問題の1つ以上を克服、または少なくとも有用な代替を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0006】
第1の広範な態様によれば、個人の輸送のための電動ボードが提供される。ボードは、第1の足支持部および第1の足支持部から離隔した第2の足支持部を支持するように配置されたシャシー、第1の足支持部に近接して位置する第1の地面係合装置、ならびに第2の足支持部に近接して位置する第2の地面係合装置を含み得、第1および第2の地面係合装置は、地表面上で摺動、回転、および移動の少なくとも1つを行うように適合され得る。第1および第2の地面係合装置の少なくとも一方は、無限軌道を回転可能に支持するローラー装置を有する駆動軌道アセンブリ含み得、ローラー装置は、無限軌道を駆動するために、電動ローラーの内部にモーターを収容する電動ローラーを含み得る。
【0007】
一態様では、ローラー装置は、電動ローラーに対して反対側の無限軌道に係合するように位置する外部ローラーを含む。
【0008】
別の態様では、無限軌道は、グリップ要素を含み、外部ローラーは、グリップ要素の通過を可能とする隙間を含む。
【0009】
さらに別の態様では、無限軌道は、グリップ要素を含み、外部ローラーは、グリップ要素の少なくともいくつかの間で無限軌道と係合するように適合される。
【0010】
さらに別の態様では、外部ローラーは、電動ローラーに隣接して位置する。
【0011】
さらに別の態様では、電動ローラーは、外部ローラーより大きい直径を有する。
【0012】
さらに別の態様では、駆動軌道アセンブリは、対向側面支持体ならびに第1の端部および第2の端部を有するローラーシャシーを含み、電動ローラーは、第1および第2の端部の一方に向かって位置する。
【0013】
さらに別の態様では、ローラーシャシーは、対向側面支持体間のブリッジ部材をさらに含み、対向側面支持体は、湾曲しており、ローラーアセンブリのローラーを位置付ける。
【0014】
さらに別の態様では、ブリッジ部材は、外部ローラーを支持し、かつ位置付ける。
【0015】
さらに別の態様では、電動ローラーは、モーターとローラーのシェルとの間の少なくとも部分的に中空の軸を含む。
【0016】
さらに別の態様では、電動ローラーは、モーターへの空気の通過を可能とするポートを含む。
【0017】
さらに別の態様では、電動ローラーは、モーターによって駆動されるシェルを含み、シェルは、無限軌道を位置付けかつ駆動するように適合されたノッチを含む。
【0018】
さらに別の態様では、第1および第2の地面係合装置の両方が、それぞれ、共通のコントローラと通信する電動ローラーの独立した1つを各々有する第1および第2の駆動軌道アセンブリである。
【0019】
さらに別の態様では、シャシーは、第1および第2の地面係合装置に、互いに対する少なくともいくらかの制限された垂直運動を提供するように適合されたサスペンション装置を含む。
【0020】
さらに別の態様では、シャシーは、第1および第2の地面係合装置に結合するそれぞれの第1および第2の足支持部の下に伸びる第1および第2の下部部材、ならびにサスペンション装置によって第1および第2の下部部材に結合する中間部材を含む。
【0021】
さらに別の態様では、シャシーは、第1および第2の足支持部を支持するように配置された第1および第2の上部部材をさらに含み、第1および第2の足支持部は、中間部材によって結合され、第1および第2の上部部材は、第1および第2の下部部材の上に略平行に伸びる。
【0022】
さらに別の態様では、第1および第2の上部部材は、中間部材によって互いに堅く接続される。
【0023】
さらに別の態様では、第1および第2の上部部材は、中間部材の可撓性要素を介して柔軟に接続される。
【0024】
本発明は、添付図面を参照することにより、非限定的な単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】電動ボードの形態の装置を示す上から見た背面斜視図である。
【
図11】装置の無限軌道を駆動する電動ローラーを示す断面図である。
【
図13】装置の第2の例を示す別の上面斜視図である。
【
図15a-15b】それぞれ装置の第2の例を示す左側面図および右側面図である。
【
図16a-16b】それぞれ装置の第2の例を示す上面図および底面図である。
【
図17a-17b】それぞれ装置の第2の例を示す背面図および正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~10を参照すると、電動ボード12の形態の個人用輸送装置または車両10の例が示されている。ボード12は、第1の足支持部16および第1の足支持部16から離隔した第2の足支持部18を支持するように配置されたシャシー14、第1の足支持部16に近接して位置する第1の地面係合装置20、ならびに第2の足支持部18に近接して位置する第2の地面係合装置22を含み、第1および第2の地面係合装置20、22は、地表面上で摺動、回転、および移動の少なくとも1つを行うように適合される。
【0027】
第1の足支持部16および第2の足支持部18は、この例に示されるように別個のフットパッドなどであってもよく、またはユーザーもしくはライダーの足の間に伸びる連続的なボードの一部であってもよい。本明細書ではどちらの例も企図される。第1の足支持部16は、好ましくはボード12の前部17の方向に向き、第2の足支持部18は、好ましくはボード12の後部19の方向に向いている。この例では、第1および第2の足支持部16、18は、ユーザーの足とおよそ同じ幅もしくはそれより広い幅であってもよく、正方形もしくは長方形のパッドもしくはプラットフォーム41a、41bであってもよい。後部19は、泥よけ21bを有してもよい。
【0028】
第1および第2の地面係合装置20、22は、軌道、車輪、またはスキーなどの様々な形態を取り得る。しかしながら、好ましくはこの例では、第1および第2の地面係合装置20、22の少なくとも一方は、それぞれ第1または第2の駆動軌道アセンブリ24a、24bを含む。好ましくは、第2の地面係合装置22は、第2の駆動軌道アセンブリ24bを含み、第1の地面係合装置20は、例えば第1の駆動軌道アセンブリ24aに交換可能であり得るか、または、スキー、車輪などであり得る。
【0029】
この例では、第1および第2の地面係合装置20、22の両方が、類似の第1および第2の駆動軌道アセンブリ24a、24bを含み、同様の部分を示すのに同様の符号が使用されている。駆動軌道アセンブリ24a、24bは、無限軌道28a、28bを回転可能に支持するそれぞれのローラー装置26a、26bを含む。ローラー装置26a、26bは、無限軌道28a、28bを駆動するために、電動ローラー30a、30bの内部にモーター32a、32bを収容する電動ローラー30a、30bを各々含み得る。電動ローラー30a、30bの例は、
図11に最も良くに示される。いくつかの例では、駆動軌道アセンブリ24a、24bの一方は、電動ローラーを省略してもよく、または2つ以上の電動ローラーを含んでもよいことに留意する。
【0030】
シャシー14をより詳細に見ると、
図5および
図6に最も良く示されるように、シャシー14は、第1の軌道アセンブリ24aに結合された第1の部材配置34a、第2の軌道アセンブリ24bに結合された第2の部材配置34b、および第1の部材34aと第2の部材34bとの間に伸びてそれらの橋渡しをする中間部材36を含む。中間部材36は、第1の部材34aと第2の部材34bとの間の動きを可能とするように減衰させ得る旋回軸38を含み得る。第1および第2の足支持部18、20は、それぞれ第1および第2の部材配置34a、34bの略上に結合される。
【0031】
第1および第2の部材配置34a、34bは、この例ではばねの形態で提供される1つ以上の弾性要素40a、40bを各々含む可動継ぎ手39a、39bによって、第1および第2の軌道アセンブリ24a、24bに結合される。そのような可動継ぎ手38a、38bは、ユーザーまたはライダーが第1および第2の足支持部18、20に足で圧力をかけてボード12上で横方向に傾いた時に操舵を提供するように、シャシー14と第1および第2の軌道アセンブリ24a、24bとの相対的な横方向運動またはヨー運動を可能とする。
【0032】
この例では、第1および第2の部材配置34a、34bは、第1および第2の足支持部18、20の足支持プラットフォーム41aおよび41bまたはその下にそれぞれ位置する上部またはフォーク部材42a、42bを各々含み、フォーク部材42a、42bは、第1および第2の軌道アセンブリ24a、24bの可動継ぎ手39a、39bに伸びかつそれと結合する、第1および第2の部材配置34a、34bの下部部材46a、46bに枢動可能に接続される。
【0033】
フォーク部材42a、42bと下部部材46a、46bとの間の結合は、第1および第2の軌道アセンブリ24a、24bが、足支持プラットフォーム41aおよび41bに対して少なくともいくらかの垂直運動を受けることを可能とするサスペンション装置50a、50bを含む。この例では、サスペンション装置50a、50bは、空圧または油圧ショックアブソーバであり得る第1および第2のショックアブソーバ52a、52bをそれぞれ含む。ショックアブソーバ52a、52bは、中間部材36と、足支持プラットフォーム40aおよび40bがリンク55a、55bを介してその上に可動式に接続された下部部材46a、46bとの間に接続され、それにより、足支持プラットフォーム40aおよび40bの制限された独立運動を提供する。
【0034】
次に第1および第2の軌道アセンブリ24a、24bをより詳細に見ると、第1および第2の軌道アセンブリ24a、24bは、
図1および
図2に最も良く示される、対向側面軌道支持部材56a、56bの間に伸びるブリッジ構造54a、54bを有するローラーシャシー25a、25bを含む。ブリッジ構造54a、54bは、各々集中して無限軌道28a、28bの上で可動継ぎ手39a、39bを支持する。ブリッジ構造54a、54bは、対向側面支持部材56a、56bに結合するブリッジ側部58a、58bを含む。
【0035】
軌道側部支持部材56a、56bは、湾曲した形状であり、ローラー装置26a、26bの周りに伸びる無限軌道28a、28bの輪郭を画定する。ローラー装置26a、26bは、軌道支持部材56a、56bの間に伸びる複数のガイドローラー62a、62b、電動ローラー30a、30b、およびエンドローラー64a、64bを含む。電動ローラー30a、30bは、ローラーシャシー25a、25bのいずれかの端部に向かって位置してよいが、この例では、ボード12の中心に向かって内側に位置する。
【0036】
電動ローラー30a、30bおよびエンドローラー64a、64bは、ガイドローラー62a、62bより大きい直径を有し得る。ローラー装置26a、26bは、電動ローラー30a、30bに対して反対側の無限軌道28a、28bに位置する外部ローラー68a、68bを各々含む。外部ローラー68a、68bは、
図2に最も良く示され、軌道28a、28bのコブまたはグリップがローラー68a、68bを通過することを可能とする隙間69a、69bをその車輪間に含む。
【0037】
外部ローラー68a、68bは、ブリッジ側部58a、58bの間に伸び、シャシー14の略下に進むように無限軌道28a、28bの輪郭または経路を低くし、それにより、ボード12の全高、特に足支持部16、18を低くするように配置される。これは、ユーザーまたはライダーが、より低い重心を有することを可能とする。いくつかの例では、軌道アセンブリ1つ当たり、1つのみの外部ローラー68a、68bが存在し得る。
【0038】
ここで
図11をより詳細に参照すると、電動ローラー30bの例がより詳細に示される。電動ローラー30bは、モーター32bを収容するローラー本体70を含む。モーター32bは、対向側面支持部材56bに締結具72を介して接続され、中空軸74を駆動する軸73を回転させ、中空軸74がローラー本体70のシェル81を駆動する。内部固定スリップリング75および外部スリップリング77が、モーター32bと支持部材56bとの間に位置する。中空軸74は、軸受76および開口またはポート78によって対向側面支持部材56bに位置づけられ、中空軸74の内部の空気をモーター32bに換気または通気することを可能とする。ポート78は、空気または水を通過させて、熱および/または混入物のパージを可能とする。中空軸74は、無限軌道28bを位置付け、その駆動を支援するための、V字形環状ノッチなどのノッチ79を含む。中空軸74は、アセンブリを単純化するために、モーター32bの一部として形成されてもよい。
【0039】
モーター32bは、シャシー14によって、例えば、足支持部16、18の下またはその中間に収容され得る制御システムおよび電池(図示せず)と、有線または無線のいずれかで電気通信し得る。電池は、概してボード12の中間にある、交換可能な電池パックなどであり得る。制御システムは、マイクロコントローラ、ならびにユーザーがモーター(単数または複数)の速さおよび方向を制御し、したがって使用中にボード12の動きを制御することを可能とする、関連する手動トリガを含み得る。
【0040】
図12~17bは、第2の例の装置110を示し、同様の数字列は同様の部分を示す(すなわち10、110など)。この例では、装置110は、第1の例とほとんど同様であり、前部および後部軌道アセンブリ124a、124bは同じである。しかしながら、シャシー114の配置は、単一のショックアブソーバ170、第1の足支持部116と第2の足支持部118との間の中間旋回軸174を有する2つの部分からなるボード172を含むように変更されている。
【0041】
2つの部分からなるボード172は、旋回軸174で合流する第1および第2のシャシー部分173aおよび173bによって支持される。2つの部分からなるボード172は、重なり部分176で第2の部分175bと重なる第1の部分175aを有する。第2の部分175bは、第1の部分175aの上にあり、それと重なる。
【0042】
旋回軸174、ショックアブソーバ170、および重なり部分176の配置は、一方向への枢動を制限し、屈曲に頼り得る一方で、他の方向は枢動し、単一のショックアブソーバ170を活性化し得る。2つの部分からなるボード172はまた、電池、制御部品、および例えば充電用のコネクタ(図示せず)のためのハウジング178を含み得る。
【0043】
図18および
図19は、それぞれ第3および第4の例の装置210、310を示し、
図18に示されるスキーアタッチメント280、および
図19に示されるスノーボードアタッチメント380の形態の、第1の装置の代替物を有する。アイススケートアタッチメントなどの他のアタッチメントも企図され、アタッチメントは交換可能であり得る。電池379を含むハウジング378が、
図19で装置310の中間部に示される。
【0044】
有利なこととして、ローラーの内側に搭載されたモーターを有すること、および/または外部ローラーで無限軌道の輪郭を低くすることによって、より低い重心を可能とする軌道装置を含むボードの形態の個人用輸送装置を説明してきた。さらに有利なことに、ボードの例は、フロントまたはデュアルフロントおよびリヤサスペンション、ならびにボードの乗り心地および使い勝手を改善する中心旋回軸を含むサスペンションを含む。
【0045】
本明細書および以下の特許請求の範囲の全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という語ならびにその変形(「comprises」および「comprising」など)は、表記された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群の包含を意味し、他のどの整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群の除外も意味しないと理解される。
【0046】
本明細書でのどの公知の事項または先行公開への言及も、公知の事項または先行技術公開が、本発明が属する技術分野での共通の一般的知識の一部をなすことの承認または自認または示唆ではなく、また、そのように解釈されるべきではない。
【0047】
本発明の具体例を説明してきたが、本発明は、開示されたまたは本明細書で提供された開示から明らかな特徴の代替的な組み合わせにまで及ぶことが理解されるであろう。
【0048】
開示されたまたは本明細書で提供された開示から明らかな本発明の範囲から逸脱することなく、多くの様々な変更が当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】