(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】LNG再ガス化および低温清水と低温乾燥空気の同時発生のための装置
(51)【国際特許分類】
F25B 27/00 20060101AFI20230915BHJP
B01D 5/00 20060101ALI20230915BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20230915BHJP
F28D 15/02 20060101ALI20230915BHJP
F28F 1/40 20060101ALI20230915BHJP
F28F 13/02 20060101ALI20230915BHJP
F28F 1/12 20060101ALI20230915BHJP
C09K 5/04 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
F25B27/00 Q
B01D5/00 A
B01D53/26 100
F28D15/02 E
F28D15/02 Z
F28F1/40 R
F28F13/02 B
F28F1/12 E
C09K5/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516130
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 ES2021070655
(87)【国際公開番号】W WO2022053733
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517368305
【氏名又は名称】ダブリュージーエイ ウォーター グローバル アクセス ソシエダッド デ レスポンサビリダッド リミターダ
(71)【出願人】
【識別番号】517368338
【氏名又は名称】ノーメン カルヴェ フアン エウセビオ
(71)【出願人】
【識別番号】517368327
【氏名又は名称】ハンガヌ ダン アレクサンドル
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ノーメン カルヴェ フアン エウセビオ
(72)【発明者】
【氏名】ハンガヌ ダン アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
4D052
4D076
【Fターム(参考)】
4D052AA08
4D052BA03
4D052BB03
4D076BC02
4D076HA01
(57)【要約】
液化天然ガスLNGを再ガス化して低温清水と低温乾燥空気を同時に発生させるための装置であって、この再ガス化装置は、外部から気密封止された少なくとも1つのケーシング(4)を有し、少なくとも1つのケーシング(4)は、真空条件に耐えるとともに作動流体をその液相(5)および気相(6)(15)の状態で収容し、少なくとも1つのケーシング(4)を横切って少なくとも1本の極低温管(3)が延びており、少なくとも1本の極低温管(3)中には、液化天然ガスLNGが少なくとも1本の極低温管(3)の一端を経て送り込まれるとともに再ガス化天然ガス(2)が他端を経て集められ、少なくとも1本の極低温管(3)の外面は、凝縮面であり、作動流体の液相(6)(15)は、凝縮面上で凝縮し、それにより、エネルギーが放出され、再ガス化装置は、外部凝縮面が湿潤空気と接触した状態で少なくとも1つのケーシング(4)の外側に設置された多数の蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)を有し、湿潤空気中に含まれている蒸気としての空気は、蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)の外部凝縮面上で凝縮し、それにより、低温清水(10)が生じるとともにエネルギーが放出され、このエネルギーは、蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)の内部凝縮面上を流れている液相(5)の状態にある作動流体によって吸収されて作動流体が蒸発し、それにより、作動流体の気相(12)が生じ、該気相(12)は、蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)の一端を通って出、そして気相(12)の凝縮のために少なくとも1つのケーシング(4)中に方向づけ(15)られることを特徴とする再ガス化装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化天然ガスLNGを再ガス化して低温清水と低温乾燥空気を同時に発生させるための装置において、前記再ガス化装置は、外部から気密封止された少なくとも1つのケーシング(4)を有し、前記少なくとも1つのケーシング(4)は、真空条件に耐えるとともに作動流体をその液相(5)および気相(6)(15)の状態で収容し、前記少なくとも1つのケーシング(4)を横切って少なくとも1本の極低温管(3)が延びており、前記少なくとも1本の極低温管(3)中には、液化天然ガスLNGが前記少なくとも1本の極低温管(3)の一端を経て送り込まれるとともに再ガス化天然ガス(2)が他端を経て集められ、前記少なくとも1本の極低温管(3)の外面は、凝縮面であり、前記作動流体の前記液相(6)(15)は、前記凝縮面上で凝縮し、それにより、エネルギーが放出され、前記再ガス化装置は、外部凝縮面が湿潤空気と接触した状態で前記少なくとも1つのケーシング(4)の外側に設置された多数の蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)を有し、前記湿潤空気中に含まれている蒸気としての空気は、前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)の前記外部凝縮面上で凝縮し、それにより、低温清水(10)が生じるとともにエネルギーが放出され、該エネルギーは、前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)の内部凝縮面上を流れている前記液相(5)の状態にある前記作動流体によって吸収されて前記作動流体が蒸発し、それにより、前記作動流体の気相(12)が生じ、該気相(12)は、前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)の一端を通って出、そして前記気相(12)の凝縮のために前記少なくとも1つのケーシング(4)中に方向づけ(15)られる、再ガス化装置。
【請求項2】
前記再ガス化装置は、湿潤空気(8)を前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)(17)の外部凝縮面上に動かす少なくとも1つのファン、ブロワまたはタービン(19)を有する、請求項1記載の再ガス化装置。
【請求項3】
前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)は、少なくとも一部が微小スロット、微小溝、焼結ウィックの形態をした毛管構造または前記作動流体の前記気‐液インターフェースを曲げるとともに液体フィルムが形成されることなく滞りなく流す他の毛管構造で覆われた内部蒸発面を有し、前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)は、少なくとも一部が微小スロット、微小溝、焼結ウィックの形態をした毛管構造または前記凝縮水の前記気‐液インターフェースを 曲げるとともに水の膜が形成されることなく滞りなく流す他の毛管構造で覆われた外部凝縮面を有する、請求項1記載の再ガス化装置。
【請求項4】
前記少なくとも1本の極低温管(3)の前記外部凝縮面は、交換表面を広くするために少なくとも一部がフィンで覆われている、請求項1記載の再ガス化装置。
【請求項5】
前記少なくとも1本の極低温管(3)の前記外部凝縮面は、少なくとも一部が前記気相(6)(15)の前記作動流体を毛管凝縮方式で凝縮させる毛管構造で覆われている、請求項1記載の再ガス化装置。
【請求項6】
前記再ガス化装置は、湿潤空気(8)の流れを前記蒸発凝縮器管またはチャンバ(7)(17)の前記蒸発面上に方向づけるよう少なくとも1つのファン、ブロワまたはタービン(19)を備えた少なくとも1つの構造体(18)を有する、請求項2記載の再ガス化装置。
【請求項7】
前記再ガス化装置は、特定の作動流体(20)(21)を入れる2つ以上のケーシング(4)を有し、前記2つ以上のケーシングは、前記特定の作動流体の凝固温度よりも高い特定の動作温度範囲内で働く、請求項1記載の再ガス化装置。
【請求項8】
前記再ガス化装置は、前記少なくとも1つのケーシング(4)と前記少なくとも1つの気密容器との間に真空条件(16)下で挿入される少なくとも1本のヒートパイプ(27)(28)(29)を有し、前記少なくとも1本のヒートパイプ(27)(28(29)は、特定の二相作動流体(20)(22)(23)を収容し、前記特定の二相作動流体は、前記ヒートパイプ(27)(28)(29)の動作温度範囲よりも低い温度で凝固点を有する、請求項1記載の再ガス化装置。
【請求項9】
前記少なくとも1本のヒートパイプ(27,28,29)は、前記作動流体(20,22,23)の温度を制御するために高感度熱交換器(25,26)を含みまたは該高感度熱交換器に連結されている、請求項8記載の再ガス化装置。
【請求項10】
前記少なくとも1本の介在したヒートパイプ(27)は、その外面に設けられた少なくとも1本の蒸発管(24)を有するとともにその内面上に設けられた凝縮器を有し、前記蒸発管は、前記作動流体(20)を蒸発させ、蒸発した前記気相は、前記少なくとも1つのケーシング(4)内に制御された温度で供給され、前記作動流体(20)は、前記少なくとも1本の極低温管(3)の前記外面の温度よりも低い凝固点を有する二相作動流体である、請求項8記載の再ガス化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガスを再ガス化して低温清水と低温乾燥空気を同時に発生させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガスLNG再ガス化システムは、主として、次の4つの源を用いている。
1‐化石燃料の燃焼、その周知のCO2エミッションの問題がある。
2‐周囲空気の顕熱、必要な設備のサイズが大きいという問題および氷が生成するという問題が生じる。
3‐海水の潜熱、腐食の問題、氷生成の問題、オープンラック気化器ORVの低温表面との直接的な接触に起因した海洋生物の直接的な死亡という問題がある。
4‐湿潤空気中に含まれている水蒸気の潜熱およびその顕熱、国際出願PCT/ES2016/070589号明細書に開示されたユニットのCAPEX資本投資の問題がある。
【0003】
具体的に説明すると、国際出願PCT/ES/070589号明細書は、空気循環による再ガス化装置に関連した技術の現状の文献中に完全に記載された問題、ORVへの海水の供給による再ガス化装置に関連した問題および炭化水素燃焼による再ガス化装置に関連した問題を開示している。国際公開PCT/ES2016/070589号明細書は、管・ケーシング再ガス化装置を開示しており、この装置は、その内面に設けられた凝縮器導管およびその外面に設けられていて飽和空気を内部で循環させる蒸発器導管を有する。この装置の問題は、その生産能力およびその資本費に制約があることであり、というのは、湿潤空気を内部で循環させる管の束全体がケーシング内に配置されているからである。ケーシング直径およびこの真空密ケーシングに関する制約により、この技術の実行可能性が制約される。加うるに、湿潤空気を内部で循環させる蒸発凝縮器管の外壁を通る液相の作動流体の供給は、複雑な仕組みになっており、通常は、結局のところ水または液体作動の膜を形成することで終わり、かかる液体膜は、潜熱伝達効率を制限し、そのためには、空気が内部に存在する管の表面積を増大させるとともに外側ケーシングの直径を増大させる必要があり、これは、この技術の実行可能性にとって制限要因である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際出願PCT/ES/070589号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現行の全ての技術は、実際には、LNG管上に氷が生成し、これがエネルギー供給プロセスを妨害するという問題を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特許請求の範囲に記載されている液化天然ガスLNG再ガス化装置によって上述の欠点のうちの1つ以上を解決しようとしている。
【0007】
液化天然ガスLNG再ガス化装置は、潜熱と顕熱の交換のための管またはチャンバを用いて低温清水と乾燥空気の同時発生を可能にし、かかる管またはチャンバは、内部蒸発面および外部凝縮面を備えている。
【0008】
再ガス化装置は、以下のコンポーネントを有する。
‐液化天然ガス(以下、LNG)が一端経由で送り込まれ、液化天然ガスLNGが他端を経由して出るようにする少なくとも1本の極低温導管が設けられる。この導管は、流量制御システムおよび安全システムを有するのがよく、この導管は、外部エネルギーの適正な供給により、熱勾配を現行のオープンラック気化器(Open Rack Vaporizer:ORV)が行っているようにその壁内の制御された温度に維持することができる。
‐LNGを循環させ、結果として生じる再ガス化NGを放出させる少なくとも1本の極低温導管は、真空条件に耐える少なくとも1つの気密ケーシング内に配置され、このケーシング内には、液相および気相の作動流体が存在する。作動流体の気相は、LNG管の外面上で凝縮する。ケーシング内に存在する液相の作動流体は、次に、潜熱と顕熱の交換のためにケーシングの外側に配置され、しかも内部真空下にある蒸発凝縮器管またはチャンバの内部蒸発面に供給される。
‐潜熱と顕熱の交換のための蒸発凝縮器管またはチャンバは、内部真空条件下にある。潜熱と顕熱の交換のための蒸発凝縮器管またはチャンバは、大気圧で湿潤空気の流れにさらされる外面上に設けられた凝縮器、および液相の作動流体を供給するこれらの内面上に設けられた蒸発器である。外部凝縮面は、少なくとも一部が微小スロット、微小溝、焼結ウィックの毛管構造または他の毛管構造で覆われているのがよい。毛管構造は、流体が凝集および付着の分子間力によって制御されるように設計された構造であり、その結果、凝縮中の流体の液‐気インターフェースは、その長さ全体に沿って曲げられ、凝集および付着の分子間力は、強力である。内部凝集面は、少なくとも一部が微小スロット、微小溝、焼結ウィックの毛管構造または純粋もしくは他の作動液を流して毛管方式で蒸発させる他の毛管構造で覆われているのがよい。毛管方式での蒸発面と毛管方式での凝縮面の並置により、水の膜が生じないで、高い潜熱伝達率を達成することができ、しかも効率的な顕熱伝達が可能である。
‐蒸発凝縮器管またはチャンバ内で蒸発した作動流体の気相は、ケーシング中に方向づけられ、このケーシング内には、NGに変換されるLNGを送り込む少なくとも1本の極低温管が設けられている。
‐LNGおよび作動流体蒸気の供給制御システムは、極低温管の壁内の制御された温度までの熱勾配が得られるよう流体供給分を投入する。
‐再ガス化装置は、少なくとも1本の極低温管の連続した区分が設けられている一連のケーシングにコンパートメント化されるのがよく、かかるケーシングは、互いに異なる温度範囲相互間で働く。
‐再ガス化装置内における作動流体の固相の生成を回避するため、少なくとも1本のヒートパイプが少なくとも1本のLNG極低温管を収容した少なくとも1つのケーシングと蒸発凝縮器管またはチャンバからの蒸気および過剰の液体の収集のための容器との間に挿入されるのがよい。少なくとも1本のヒートパイプを挿入することにより、LNG極低温管上または別の中間の蒸発凝縮器管またはチャンバの凝縮面上における作動流体の固化を阻止する互いに異なる固化温度を有する互いに異なる作動流体の使用が可能であり、しかも、蒸発凝縮器管またはチャンバの外面上における氷の生成が阻止されるとともに段階的な作動温度を生じさせるよう顕熱交換器の導入が可能である。
【0009】
添付の図に基づく以下の記載においてより詳細な説明を与える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】再ガス化装置の略図であり、蒸発凝縮器チャンバが湿潤空気を駆動するための少なくとも1つのファン、ブロワまたはタービンが設けられた容器内に位置した状態を示す図である。
【
図3】中間ヒートパイプを備えた再ガス化装置の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、液化天然ガスLNGのための再ガス化装置であって、低温清水および低温乾燥空気の同時発生をも可能にする装置は、少なくとも次の構成要素を有する。
‐液化天然ガスLNG1が一端経由で送り込まれ、再気化状態の天然ガス2が他端のところで取り出される少なくとも1本のLNG相変化極低温管3が設けられている。この管の内面は、LNG蒸発性であり、外面は、凝縮器である。LNG相変化極低温管は、技術の現状において知られると共に文献記載されている。これらLNG相変化極低温管は、これら極低温管の受ける温度差に耐えるのに適した金属でかつ肉厚に作られている。これらは、エネルギーの正確な外部供給により、LNG再ガス化方式で用いられていて現行では室温の海水がかけられるオープンラック気化器の場合と同様にこれらの壁内においてLNGとこれらの外面上の制御された温度との熱勾配を維持する能力を有する。
‐真空条件に耐える少なくとも1つの気密ケーシング4が設けられ、このケーシングを横切って少なくとも1本の極低温管3が延びている。少なくとも1つのケーシング4内において、真空条件下の作動流体が設けられ、一部が液相5であり、残部が気相6である。この2つの相5,6の作動流体は、純粋もしくは水溶液または他の二相作動流体であるのがよい。少なくとも1本の極低温管3の外面と気相6の作動流体の温度との間の熱勾配が所与の場合、作動流体の気相6は、少なくとも1本のLNG管3の外面上で凝縮する。凝縮時、作動流体の気相6は、凝縮潜熱およびこの再ガス化プロセスのためのLNGによって吸収される顕熱の形態をしていて、生じた天然ガスの温度を増大させるエネルギーを放出する。作動流体の液相5は、少なくとも1つのケーシング4の底部に溜まる。
‐液相5の作動流体は、少なくとも1つのケーシング4の外側に位置する蒸発凝縮器管またはチャンバ7の内部蒸発面に供給される。蒸発凝縮器管またはチャンバ7は、内部真空条件下にある。蒸発凝縮器管またはチャンバは、少なくとも1つのケーシング4の外側に位置しているので、少なくとも1つのケーシング4のCAPEX資本費の相当な節約が達成され、少なくとも1つのケーシング4の内容積は、装置の作動能力の制限要因ではなくなる。
‐少なくとも1つのファン、ブロワまたはタービン19によって駆動可能な湿潤空気8の流れは、蒸発凝縮器管またはチャンバ7の外面上に至る。湿潤空気8の流れ中に含まれる水蒸気は、蒸発凝縮器管またはチャンバ7の外部凝縮面上で凝縮し、その結果、蒸発凝縮器管またはチャンバ7の外面上で凝縮した水蒸気は、凝縮潜熱および顕熱の形態をしたエネルギーを、少なくとも一部が蒸発する蒸発凝縮器管またはチャンバ7の内面上に流れる作動流体5に放出し、それにより、蒸発凝縮器管またはチャンバ7の一端を通って出る気相12が生じる。エネルギーの伝達後に低温になる空気流8中に含まれている水蒸気の凝縮のこのプロセスに起因して生じる凝縮水(復水)10は、蒸発凝縮器管またはチャンバ7の外部凝縮面を通って流れ、そして外部収集容器11内に溜まり、そして都市用水、農業または産業上の使用のための低温凝縮水として使用できる。蒸発凝縮器管またはチャンバの外部凝縮面を通って流れる湿潤空気8の流れは、乾燥かつ低温空気9の流れになり、この流れは、方向づけられて冷凍システムまたは空調システムで使用されるのがよい。
‐蒸発凝縮器管またはチャンバ7の出口は、真空条件下にあって流体を集める気密容器16に連結され、蒸発凝縮器管またはチャンバ7の内部蒸発面上で蒸発した作動流体12の液相13および気相の作動流体の残部は、この気密容器16内に溜まる。蒸発凝縮器管またはチャンバ7の内部蒸発面上で蒸発した作動流体の蒸気12は、少なくとも1つのケーシング4の内部に方向づけ(15)られ、かかる蒸気は、このケーシング4内で、少なくとも1本の極低温管3の外部凝縮面上で再び凝縮する。容器16内に溜められた作業流体の液相13の残部は、少なくとも1つのケーシング4の内部にポンプ送り(14)される。
【0012】
本装置は、極低温管3中に送り込まれるLNG1の流れのための調節システムおよび少なくとも1本の凝縮器‐蒸発器チャンバおよび/または管の外部凝縮面上に供給された湿潤空気8の流れのための調節システムをさらに有する。LNGの流れと湿潤空気の流れのバランスを取らなければならず、その結果、作動流体は、液相の状態でしかも制御された温度のままでいるようになる。
‐エネルギー伝達率を増大させるため、蒸発凝縮器管またはチャンバの内部蒸発面は、少なくとも一部が微小スロット、微小溝、焼結ウィックの形態をした毛管構造または作動流体の気‐液インターフェースを曲げるとともに液体フィルムが形成されることなく滞りなく流す他の毛管構造で覆われるのがよく、その結果、蒸発は、毛管蒸発方式で起こるようになる。この作動流体は、不純物または鉱物沈澱に関する問題のない作動流体なので、毛管構造の種々の形態を遮断する恐れがない。
‐エネルギー伝達率を増大させるため、蒸発凝縮器管またはチャンバの外部凝縮面は、少なくとも一部が微小スロット、微小溝、焼結ウィックの形態をした毛管構造または作動流体の気‐液インターフェースを曲げるとともに液体フィルムが形成されることなく滞りなく流す他の毛管構造で覆われるのがよく、その結果、凝縮が毛管凝縮方式で起こるようになる。
‐エネルギー伝達率を増大させるため、極低温管3の外部凝縮面は、少なくとも一部が、交換表面を広くするためにフィンで覆われるとともに少なくとも一部が作動流体を毛管凝縮方式で凝縮させる毛管構造で覆われるのがよい。
【0013】
図2に示すように、本発明の1つの実施形態は、蒸発凝縮器管またはチャンバ17を蒸発凝縮器管またはチャンバ17の外部蒸発面上に湿潤空気8の流れを駆動する少なくとも1つのファン、ブロワまたはタービン19を備えた少なくとも1つの構造18内に配置するステップを含む。
【0014】
図3に示すように、再ガス化装置は、少なくとも1本の極低温管3の周りに連続して配置された2つ以上のケーシング4で構成されるのがよく、その結果、各ケーシング4の内部では、特定の温度の一範囲および各温度範囲に適合した互いに異なる作動流体20,21を取り扱うことが可能である。
【0015】
少なくとも1本のLNG極低温管3の外面上における氷の生成を阻止するため、少なくとも1本のヒートパイプ27,28,29を挿入するのがよい。少なくとも1本のヒートパイプ27,28,29は、互いに異なる作動流体20,22,23を収容することができる。
【0016】
少なくとも1本のヒートパイプ27,28,29は、作動流体20,22,23の温度を制御するために内部または外部顕熱交換器25,26を備えるのがよい。
【0017】
少なくとも1本のヒートパイプ27は、少なくとも1つの外部蒸発面および作動流体20を蒸発させる少なくとも1つの内部凝縮面24を有し、蒸発した気相は、制御された温度でケーシング4の内部に供給され、作動流体20は、少なくとも1本の極低温管3の外面の温度よりも低い凝固点を有する二相作動流体であり、したがって、作動流体の固相は、極低温管3の外面上に溜まることができず、極低温管3の外面に供給された作動流体の気相の温度が制御されるようになる。
【0018】
次に、n本のヒートパイプ28をこれらの作動流体22が作動温度のこれらの範囲および高感度交換システム26に対応した状態で挿入するのがよく、それにより作動流体が凝固することのない作動温度の漸次勾配が得られる。
【0019】
少なくとも1本のヒートパイプのこの挿入の終わりに、外面上で湿潤空気8の水蒸気を凝縮させる蒸発凝縮器管またはチャンバ7の内部蒸発面に供給された液相23の作動流体は、0℃を超える温度の状態にあり、それにより、各蒸発凝縮器管またはチャンバ7の外面上の凝縮水が凍結することがないようになる。
【国際調査報告】