(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】搬送装置、倉庫物流システム及びパレット搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230915BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230915BHJP
B65G 7/02 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
B65G1/04 555
B65G1/00 501C
B65G7/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516175
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2021121728
(87)【国際公開番号】W WO2022134722
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011563802.5
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 国 鵬
(72)【発明者】
【氏名】薛 寧 波
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE02
3F022KK01
3F022LL07
3F022MM01
3F022MM11
(57)【要約】
搬送装置(10)、倉庫物流システム及びパレット(20)搬送方法であって、搬送装置(10)は、パレット(20)を搬送するように構成され、自律移動するように構成される車体(1)と、車体(1)に水平摺動して設けられる取付枠(31)と、第1の端が取付枠(31)に接続され、パレット(20)のフォーク孔(201)の中に挿入するように取付枠(31)の運動に伴って水平に伸出し、パレット(20)をリフトさせるように車体(1)に対して昇降するように構成されるフォークアーム(2)とを備え、フォークアーム(2)がパレット(20)をリフトさせる時に、車体(1)及び取付枠(31)は、車体(1)と取付枠(31)との相対運動によりパレット(20)を車体(1)の上方に位置させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット(20)を搬送するように構成される搬送装置であって、
自律移動するように構成される車体(1)と、
前記車体(1)に水平摺動して設けられる取付枠(31)と、
第1の端が前記取付枠(31)に接続され、前記パレット(20)のフォーク孔(201)の中に挿入するように前記取付枠(31)の運動に伴って水平に伸出し、前記パレット(20)をリフトさせるように前記車体(1)に対して昇降するように構成されるフォークアーム(2)と、を備え、
且つ前記フォークアーム(2)が前記パレット(20)をリフトさせる場合に、前記車体(1)及び前記取付枠(31)は、前記車体(1)と前記取付枠(31)との相対運動により前記パレット(20)を前記車体(1)の上方に位置させるように構成される、
搬送装置。
【請求項2】
前記取付枠(31)に設けられ、前記取付枠(31)の前記車体(1)に対する水平移動を駆動するように構成される水平駆動ユニットをさらに備える、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記水平駆動ユニットは、
前記取付枠(31)に回動して設けられて前記車体(1)の上表面に転動接触する転動材(321)と、
前記転動材(321)の回動を駆動するように構成される水平駆動モータと、を備える、
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記取付枠(31)には、前記転動材(321)を弾性的に前記車体(1)の上表面に押し当てるように構成される弾性材(33)がさらに設けられている、
請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記車体(1)の上表面には、収容溝(112)が開設されており、前記フォークアーム(2)は、前記収容溝(112)の中に収容される、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記取付枠(31)は、前記収容溝(112)の溝壁に沿って移動するように構成される、
請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記車体(1)の上表面には、前記パレット(20)を載置するように構成される載置面(111)が形成されており、前記パレット(20)が前記車体(1)の真上に移動した場合に、前記載置面(111)は、前記パレット(20)を支持するように構成される、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記フォークアーム(2)が前記車体(1)に対して伸出して前記パレット(20)をリフトさせている場合に、前記車体(1)は、前記取付枠(31)が静止する前提で前記フォークアーム(2)に対して前記パレット(20)の底部に自律移動するように構成される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記フォークアーム(2)は、前記フォークアーム(2)の幅方向に沿って間隔的に2つ設けられており、前記車体(1)は、前記幅方向に沿って対称に設けられた少なくとも1対の駆動輪(12)を有し、前記2つのフォークアーム(2)は、前記少なくとも1対の駆動輪(12)の対称軸に対して対称に設けられる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記フォークアーム(2)は、地面にサポートされていることと、地面から脱離していることとの間で切り替えられるように構成され、これにより、前記フォークアーム(2)が地面から脱離している場合に前記パレット(20)の底梁を越え、且つ前記フォークアーム(2)の一部が前記フォーク孔(201)に挿入された後に、前記フォーク孔(201)の内部に位置する前記フォークアーム(2)の一部が地面にサポートされる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記フォークアーム(2)は、
一端が前記取付枠(31)に接続されるアーム本体(21)と、
前記アーム本体(21)に設けられ且つ前記取付枠(31)と隔てられ、前記アーム本体(21)に対して下に向かって伸出して前記フォークアーム(2)をサポートし、上に向かって引き込んで前記フォークアーム(2)を地面から脱離させるように構成されるサポート材(23)と、を備える、
請求項10に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記フォークアーム(2)は、前記サポート材(23)の前記アーム本体(21)に対する昇降を駆動し、前記アーム本体(21)の前記取付枠(31)に対する昇降を駆動するように構成される昇降駆動機構(22)をさらに備える、
請求項11に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記昇降駆動機構(22)は、2つの第1のコネクティングロッド(222)及び第1の駆動アセンブリを備え、
各第1のコネクティングロッド(222)の一端は、前記サポート材(23)にヒンジ接続され、
各第1のコネクティングロッド(222)の他端は、前記第1の駆動アセンブリに接続され、前記第1の駆動アセンブリは、前記サポート材(23)を昇降させるように前記2つの第1のコネクティングロッド(222)の他端を互いに近づいたり離れたりするように駆動するように構成される、
請求項12に記載の搬送装置。
【請求項14】
前記第1の駆動アセンブリは、
螺旋方向が逆である第1のネジセグメント(2211)及び第2のネジセグメント(2212)を備えるスクリュー(221)と、
それぞれが前記第1のネジセグメント(2211)及び前記第2のネジセグメント(2212)に嵌設され、前記2つの第1のコネクティングロッド(222)の他端がそれぞれヒンジ接続される2つの第1のナット座(223)と、
前記スクリュー(221)の回動を駆動して、前記2つの第1のナット座(223)の前記スクリュー(221)に沿った対向又は背向移動を駆動するように構成される昇降駆動モータ(227)と、を備える、
請求項13に記載の搬送装置。
【請求項15】
前記昇降駆動機構(22)は、
第1の端が前記取付枠(31)にヒンジ接続され、第2の端が前記アーム本体(21)をサポートする第2のコネクティングロッド(225)と、
前記アーム本体(21)を昇降させるように前記第2のコネクティングロッド(225)の回動を駆動するように構成される第2の駆動アセンブリと、を備える、
請求項12に記載の搬送装置。
【請求項16】
前記第2の駆動アセンブリは、
第3のネジセグメント(2213)を備えるスクリュー(221)と、
前記第3のネジセグメント(2213)に回動嵌設され、前記第2のコネクティングロッド(225)の第2の端がヒンジ接続される第2のナット座(224)と、
前記スクリュー(221)の回動を駆動して、前記第2のナット座(224)の移動を駆動するように構成される昇降駆動モータ(227)と、を備える、
請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
前記第2のナット座(224)は、ナットスリーブ部(2241)、及び前記ナットスリーブ部(2241)に摺動嵌設されるスライド座部(2243)を備え、前記ナットスリーブ部(2241)は、前記第3のネジセグメント(2213)に伝動嵌合され、前記ナットスリーブ部(2241)には、前記スライド座部(2243)の摺動ストロークを制限するように構成される2つの位置規制座部(2242)が設けられており、前記第2のコネクティングロッド(225)は、前記スライド座部(2243)にヒンジ接続される、
請求項16に記載の搬送装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の搬送装置を備える、
倉庫物流システム。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載の搬送装置を採用してパレット(20)に対して搬送を行うパレット搬送方法であって、
前記搬送装置の取付枠(31)が前記搬送装置の車体(1)に対して水平移動することにより、前記搬送装置のフォークアーム(2)を前記パレット(20)のフォーク孔(201)に入り込ませることと、
前記フォークアーム(2)が前記車体(1)に対して縦向きに移動して、前記パレット(20)を持ち上げることと、
前記取付枠(31)と前記車体(1)とが相対的に水平移動することにより、前記パレット(20)を前記車体(1)の真上に位置させることと、を含む、
パレット搬送方法。
【請求項20】
前記取付枠(31)と前記車体(1)とが相対的に水平移動することは、
前記取付枠(31)が静止したまま、前記車体(1)が前記パレット(20)の底部に移動することを含む、
請求項19に記載のパレット搬送方法。
【請求項21】
前記フォークアーム(2)は、アーム本体(21)、及び前記アーム本体(21)に対して鉛直昇降するように構成されるサポート材(23)を備え、前記サポート材(23)及び前記取付枠(31)は、間隔的に設けられ、
前記フォークアーム(2)が前記フォーク孔(201)に設定深さ入り込んだ後に、前記サポート材(23)が、地面に支持されるまで前記アーム本体(21)に対して下に向かって運動する、ことをさらに含む、
請求項19に記載のパレット搬送方法。
【請求項22】
前記サポート材(23)が前記アーム本体(21)に対して下に向かって伸出した場合に、前記フォークアーム(2)が引き続き前記フォーク孔(201)の内部に深く入り込むことをさらに含む、
請求項21に記載のパレット搬送方法。
【請求項23】
前記フォークアーム(2)は、昇降駆動機構(22)をさらに備え、
前記フォークアーム(2)が前記フォーク孔(201)の定位置に挿入された後に、前記昇降駆動機構(22)が、前記パレットを上げるように前記アーム本体(21)を前記取付枠(31)に対して上昇するように駆動し、且つ前記サポート材(23)を前記アーム本体(21)に対して下に向かって伸出して持続的に地面に押し当てられるように同期駆動することをさらに含む、
請求項21に記載のパレット搬送方法。
【請求項24】
前記パレット(20)が前記車体(1)の上方に位置する場合に、前記フォークアーム(20)が前記車体(1)に対して下降することにより、前記パレット(20)を前記車体(1)に接触させることと、
前記サポート材(23)が、地面から脱離するまで上に向かって引き込むことと、をさらに含む、
請求項21に記載のパレット搬送方法。
【請求項25】
前記搬送装置が、パレット(20)を携帯して目標点まで運行することと、
前記フォークアーム(2)が前記車体(1)に対して上昇し、前記パレット(20)が前記車体(1)と接触しなくなることと、
前記車体(1)が前記取付枠(31)に対して水平移動することにより、前記車体(1)を前記パレット(20)の底部から退出させることと、
前記フォークアーム(2)が前記車体(1)に対して下降することにより、前記パレット(20)を下ろすことと、
前記取付枠(31)が前記フォークアーム(2)を携帯して前記車体(1)に対して引込運動することにより、前記フォークアーム(2)を前記フォーク孔(201)から退出させ、且つ前記搬送装置を復位させることと、をさらに含む、
請求項19~24のいずれか1項に記載のパレット搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年12月25日に中国専利局に出願された、出願番号が202011563802.5である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、倉庫物流の技術分野に関し、例えば搬送装置、倉庫物流システム及びパレット搬送方法に関する。
【背景技術】
【0003】
倉庫物流業界の効率化及び自動化の発展に伴い、自律移動機能を備える搬送装置は物品に対する効率自動化搬送を実現するために、倉庫物流業界の多くの部分に広く応用されている。
【0004】
パレットは、倉庫物流において物品を載置するように構成される載置具であり、物品がパレットに置かれた後に、搬送装置がパレットの所在位置まで運行し、パレットにおけるフォーク孔にドッキングした後に、パレットに対してフォークリフト搬送を行うことで、パレットに載置された物品に対する搬送を実現する。パレットにおけるフォーク孔の開設方式に応じて、パレットは、通常、日字型のパレット、川字型のパレット及び田字型のパレットなどに分けられる。
【0005】
パレットを搬送する設備には、通常、電動パレットトラック、自動フォークリフトトラックなどがあり、電動パレットトラック、自動フォークリフトトラックのフォークアームをフォーク孔の中に挿入させることにより、パレットの搬送を行っている。自動フォークリフトトラックのフォークアームは、鉛直昇降可能であるため、異なるタイプのパレットに対する搬送を実現可能であるが、それは通常、体積が大きく、旋回半径が大きく、占用空間が大きいなどの欠点を有し、電動パレットトラックは、日字型のパレット及び田字型のパレットに対して搬送を行うことができず、川字型のパレットに対する搬送だけを実現可能であり、使用範囲が限られている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、搬送装置のパレットに対する搬送時の占用空間及び旋回半径を減少させ、搬送装置の使用の柔軟性及び汎用性を高めるための搬送装置、倉庫物流システム及びパレット搬送方法を提供する。
【0007】
パレットを搬送するように構成され、
自律移動するように構成される車体と、
前記車体に水平摺動して設けられる取付枠と、
第1の端が前記取付枠に接続され、前記パレットのフォーク孔の中に挿入するように前記取付枠の運動に伴って水平に伸出し、前記パレットをリフトさせるように前記車体に対して昇降するように構成されるフォークアームと、を備え、且つ前記フォークアームが前記パレットをリフトさせる場合に、前記車体及び前記取付枠は、前記車体と前記取付枠との相対運動により前記パレットを前記車体の上方に位置させるように構成される搬送装置である。
【0008】
上記のような搬送装置を備える倉庫物流システムである。
【0009】
上記のような搬送装置を採用してパレットに対して搬送を行い、
前記搬送装置の取付枠が前記搬送装置の車体に対して水平移動することにより、前記搬送装置のフォークアームを前記パレットのフォーク孔に入り込ませることと、
前記フォークアームが前記車体に対して縦向きに移動して前記パレットを持ち上げることと、
前記取付枠と前記車体とが相対的に水平移動することにより、前記パレットを前記車体の真上に位置させることと、を含むパレット搬送方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本願の実施例1に係る搬送装置が初期状態にある構造模式図である。
【
図2】本願の実施例1に係る搬送装置がフォークアーム伸出状態にある構造模式図である。
【
図3】本願の実施例1に係るパレットの構造模式図である。
【
図4】本願の実施例1に係る車体の正面構造模式図である。
【
図5】本願の実施例1に係る車体の背面構造模式図である。
【
図6】本願の実施例1に係る並進駆動機構の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例1に係るフォークアームの構造模式図である。
【
図8】本願の実施例1に係る昇降駆動機構の構造模式図である。
【
図9】本願の実施例1に係るフォークアームが初期状態にある時のフォークアームと取付枠との嵌合模式図である。
【
図10】
図9における構造からアーム本体を除去した後の構造模式図である。
【
図11】本願の実施例1に係るフォークアームがリフト状態にある時のフォークアームと取付枠との嵌合模式図である。
【
図12】
図11における構造からアーム本体を除去した後の構造模式図である。
【
図13】本願の実施例2に係る初期状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図15】本願の実施例2に係るフォークアーム伸出状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図16】本願の実施例2に係るフォークアーム伸出リフト状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図17】本願の実施例2に係るフォークアーム引込リフト状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図18】本願の実施例2に係る定位置ドッキング状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【符号の説明】
【0011】
10・・・搬送装置、20・・・パレット、201・・・フォーク孔、
1・・・車体、11・・・ケース、111・・・載置面、112・・・収容溝、1121・・・位置規制溝壁、113・・・X方向案内溝、114・・・第1の案内ローラ、12・・・駆動輪、13・・・自在輪、
2・・・フォークアーム、21・・・アーム本体、22・・・昇降駆動機構、221・・・スクリュー、2211・・・第1のネジセグメント、2212・・・第2のネジセグメント、2213・・・第3のネジセグメント、2214・・・第1のネジ無し軸セグメント、2215・・・第2のネジ無し軸セグメント、222・・・第1のコネクティングロッド、223・・・第1のナット座、224・・・第2のナット座、2241・・・ナットスリーブ部、2242・・・位置規制座部、2243・・・スライド座部、225・・・第2のコネクティングロッド、226・・・スクリュー座、227・・・昇降駆動モータ、228・・・減速機、229・・・位置規制スリーブ、23・・・サポート材、24・・・第3の案内ローラ、25・・・ヒンジ接続軸、
3・・・並進駆動機構、31・・・取付枠、311・・・スタンド部、3111・・・側板、3112・・・接続部、3113・・・Z方向案内溝、3114・・・ヒンジ接続孔、312・・・接続枠部、3121・・・取付溝、313・・・枠天板、32・・・電動ドラム、321・・・転動材、322・・・取付軸、33・・・弾性材、34・・・第2の案内ローラ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願を説明する。
【0013】
本願の説明において、別途規定及び限定されない限り、用語「繋がる」、「接続」、「固定」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取外可能な接続であってもよいし、又は一体になってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接繋がってもよいし、中間媒体を介して間接的に繋がってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。
【0014】
本願において、別途規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴が直接接触せずそれらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示す。
【0015】
本実施例の説明において、用語「上」、「下」、「右」などの方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、説明を容易にし、操作を簡略化するためのものに過ぎず、かかる装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位から構成されて操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本願を制限するものと理解できない。また、用語「第1」、「第2」は、説明で区別するためのものに過ぎず、特別な意味を持たない。
【0016】
図1~3に示すように、本実施例は、倉庫物流システムにおいて、物品に対する搬送の効率及び搬送の利便性を高めるために、物品を載置するように構成されるパレット20に対してフォークリフト式搬送を行うことに応用可能な搬送装置10を提供する。本実施例に係る搬送装置10は、自動誘導車(Automated Guided Vehicle、AGV)型搬送装置であってもよいし、自律式移動ロボット(Autonomous Mobile Robot、AMR)型搬送装置、若しくは物品又はパレット20に対する搬送を実現可能な他の搬送装置形式であってもよい。
【0017】
搬送装置10は、車体1、取付枠31及びフォークアーム2を備え、車体1は、自律移動可能であり、フォークアーム2は、車体1に設けられ、取付枠31は、車体1に水平摺動可能に設けられ、フォークアーム2の第1の端は、取付枠31に接続され、フォークアーム2は、パレット20のフォーク孔201の中に挿入するように取付枠31の運動に伴って水平に伸出可能であり、パレット20をリフトさせるように車体1に対して昇降可能であるように構成され、且つフォークアーム2がパレット20をリフトさせる時に、車体1と取付枠31との相対運動は、パレット20を車体1の上方に位置させることができる。
【0018】
本実施例に係る搬送装置10は、車体1に対して水平移動及び鉛直昇降可能なフォークアーム2を設けることにより、パレット20に対する搬送が必要である場合に、まず、フォークアーム2を一部が車体1の外部から伸出するように車体1に対して水平移動させて、フォークアーム2をパレット20のフォーク孔201の中に挿入させ、そして、フォークアーム2の、車体1に対する上昇によりパレット20をリフトさせることで、パレット20を上げて地面から脱離させ、パレット20が一定の高さ上げられた後に、フォークアーム2を車体1に対して引き込ませて、車体1を少なくとも一部がパレット20の底部に進入可能であるようにさせ、その後、フォークアーム2の下降により、パレット20全体を車体1及び/又はフォークアーム2に支持させることができる。
【0019】
本実施例に係る搬送装置10は、車体1に対して水平移動及び鉛直昇降可能なフォークアーム2を設けることにより、搬送装置10のパレット20に対する搬送の初期ドッキング時に、フォークアーム2がフォーク孔201の中に入れ込まれるだけでよく、車体1がパレット20の外部に位置し、且つパレット20が予め設定された高さまでリフトされた後に、車体1が、一部がパレット20の底部に進入可能で、搬送装置10がパレット20に対するフォークリフトを実現することを保証すると同時に、搬送装置10がパレット20を搬送する過程において、パレットを車体1の上方に位置させることができ、パレット20の搬送過程における、搬送装置10のフォークアーム2の延在方向に沿ったサイズを減少させ、搬送装置10のパレット20の搬送時における旋回半径及び占用空間を減少させ、搬送装置10の使用の柔軟性を高めることができ、同時に、フォークアーム2の一端が取付枠31に接続され、取付枠31が車体1に摺動して設けられているため、フォークアーム2が車体1に対して伸出した後に、フォークアーム2の、取付枠31に接続されていない部分を宙に浮かせて設けることができ、底梁を有する田字型のパレット又は日字型のパレットについても、フォークアーム2は、何の支障もなく底梁を越えてフォーク孔201の中に進入可能であり、これにより、搬送装置10は、複数種類の異なるタイプのパレットの搬送に適用され、使用の柔軟性が高く、使用範囲が広い。
【0020】
上記のパレット20は、
図3に示す田字型のパレットであってもよいし、日字型のパレット、川字型のパレット又は他の構造を有するパレットであってもよく、パレット20にフォークアーム2が挿入可能なフォーク孔201があることを満たしていればよく、本実施例は、搬送装置10により搬送可能なパレット20の構造について制限しない。また、本実施例は、国家標準1200x1000x153mの田字型のパレットを例に搬送装置10の構造について紹介するが、搬送装置10の他のタイプのパレット20に対する搬送は、田字型のパレット20に対する搬送を参照することができ、本実施例は個々に説明しない。
【0021】
説明を容易にするために、
図1に示す方向で座標系を構築し、そのうち、X方向は、フォークアーム2の延在方向であり、Z方向は、高さ方向であり、Y方向は、右手法則に応じて決定される。
【0022】
説明を容易にするために、搬送装置10がパレット20にドッキングされていない時の状態を初期状態とし、フォークアーム2が車体1に対してX方向に沿って伸出するが上昇しない状態をフォークアーム2伸出状態とし、フォークアーム2が車体1に対して伸出し且つ車体1に対して一定の高さまで上昇した状態をフォークアーム2伸出リフト状態と称し、フォークアーム2が水平初期位置まで引き込まれ且つ車体1に対して一定の高さまで上昇した状態をフォークアーム2引込リフト状態と称し、搬送装置10がパレット20とのドッキングを完成させた時のフォークアーム2の状態を定位置ドッキング状態と称する。即ち、搬送装置10がパレット20とのドッキングを開始してから、パレット20と定位置にドッキングするまで、搬送装置10は、初期状態、伸出状態、伸出リフト状態、引込リフト状態及び定位置ドッキング状態を順次経過する。
【0023】
パレット20に対する搬送安定性を高めるために、フォークアーム2は、Y方向に沿って間隔的に複数設けられている。通常、パレット20におけるフォーク孔201は、2つ設けられており、即ち、フォークアーム2は、対応して2つ設けられる。物品のサイズが大きく、パレット20におけるフォーク孔201が3つ又はそれ以上存在する可能性がある場合、フォークアーム2も対応して3つ又はそれ以上設けられてもよい。
【0024】
図4に示すように、搬送装置10の構造のコンパクト性を高め、搬送装置10の体積を減少させるために、車体1の上表面には、パレット20を載置するように構成される載置面111が形成されており、載置面111の、フォークアーム2に対応する位置には、収容溝112が開設されており、収容溝112は、X方向に沿って延在し且つ一端が車体1の対応する側壁を貫通し、他端が位置規制溝壁1121を形成し、位置規制溝壁1121は、フォークアーム2が逆方向に車体1の外部から伸出することを制限する。フォークアーム2が初期状態にある時に、フォークアーム2は少なくとも一部が収容溝112の中に収納される。収容溝112の設置は、搬送装置10の、Z方向に沿った全体の厚さを減少させ、構造のコンパクト性を高めることができ、且つフォークアーム2のX方向に沿った摺動に対する案内に有利である。
【0025】
収容溝112の溝深さは、フォークアーム2の、Z方向に沿った厚さよりも大きく、且つ搬送装置10が初期状態にある時に、フォークアーム2の上表面は、車体1の上表面よりも低い。このような設定は、搬送装置10及びパレット20がドッキングを完成させた後に、パレット20を完全に車体1に支持させ、パレット20を長時間サポートすることによるフォークアーム2の疲労損傷を回避し、フォークアーム2の使用寿命を高めることができ、且つパレット20に対するサポートの安定性を高めることができる。他の実施例において、フォークアーム2の上表面は、車体1の上表面よりも高く、又はフォークアーム2の上表面及び車体1の上表面は面一であってもよい。収容溝112の、X方向に沿った長さは、フォークアーム2の長さよりも大きく、且つ搬送装置10が初期状態にある時に、フォークアーム2は、完全に収容溝112の中に収容されている。
【0026】
本実施例においては、フォークアーム2がX方向に沿って伸出する平穏性を高めるために、収容溝112の、X方向に沿って延在する対向の両溝壁にはいずれも、第1の案内ローラ114が設けられており、第1の案内ローラ114は、前記収容溝112の開口に近い位置に設けられ、フォークアーム2が収容溝112に摺動して設けられる時に、フォークアーム2は、前記第1の案内ローラ114に支持される。第1の案内ローラ114の設置は、フォークアーム2の、収容溝112における摺動に対してサポート及び案内を行うことができると同時に、フォークアーム2の、車体1に対する昇降運動に干渉することも回避可能である。
【0027】
図4及び5に示すように、車体1の自律移動機能を実現するために、車体1は、ケース11及び駆動輪機構を備え、ケース11の表面には、上記収容溝112が開設されている。駆動輪機構は、駆動輪12、及び駆動輪12の回動を駆動するように構成される駆動モータを備え、駆動輪12は、ケース11の底部に設けられ、駆動モータは、ケース11の内部に設けられる。本実施例において、駆動輪12は駆動安定性を高めるために、中央縦軸線に対して対称に2つ設けられている。車体1は、自在輪13をさらに備え、自在輪13は、4つ設けられており、且つ4つの自在輪13は、矩形を呈して分布し、各駆動輪12はいずれも2つの自在輪13の間に設けられる。
【0028】
他の実施例において、駆動輪12及び自在輪13の個数及び位置は、ニーズに応じて設定することができ、且つ駆動輪機構の駆動形式は、差動駆動であってもよいし、他の駆動形式であってもよく、搬送装置10の前進、後退、コーナリング、原位置自転などの運動を実現できればよく、本願は、駆動輪機構の構造について制限しない。
【0029】
車体1は、中央縦軸線に対して対称に設けられ、且つ2つのフォークアーム2は、該中央縦軸線に対して対称に設けられ、これにより、搬送装置10の運行の平穏性及び構造のコンパクト性が高められる。
【0030】
図1、
図2及び
図6に示すように、搬送装置10は、並進駆動機構3をさらに備え、並進駆動機構3は、それぞれ2つのフォークアーム2に接続され、2つのフォークアーム2が同期してX方向に沿って運動するように駆動する。このような設定は、駆動コストを低減させ、且つ搬送装置10の搬送効率を高め、2つのフォークアーム2の並進の同期性を保証することができる。他の実施例において、各フォークアーム2には、1つの並進駆動機構3が個別に設けられてもよい。
【0031】
並進駆動機構3は、上記の取付枠31、及び取付枠31に設けられた水平駆動ユニットを備え、取付枠31は、収容溝112の溝壁に摺動嵌合され、フォークアーム2の、位置規制溝壁1121に近い一端は、取付枠31に接続され、水平駆動ユニットは、取付枠31を車体1に対してX方向に沿って移動するように駆動する。このような設定形式は、取付枠31の移動により2つのフォークアーム2を同期運動するように動かせ、構造がコンパクトで、且つ設定しやすい。他の実施例において、水平駆動ユニットの固定端は、車体1に対して固定され、水平駆動ユニットの駆動端は、フォークアーム2に接続されてフォークアーム2の運動を駆動してもよい。
【0032】
取付枠31と車体1との摺動接続の安定性を高めるために、取付枠31は、Y方向に沿って間隔的に設けられた2つのスタンド部311を有し、2つのスタンド部311の下端は、それぞれ2つの収容溝112の中に入り込んで収容溝112の溝壁に摺動接続され、水平駆動ユニットは、2つのスタンド部311の間に接続される。このような設定は、収容溝112を同時に取付枠31の案内溝として使用し、フォークアーム2の水平移動の方向の正確性及び安定性を保証することができる。
【0033】
図4に示すように、収容溝112の、X方向に沿って延在する少なくとも1つの溝壁には、X方向案内溝113が開設されており、X方向案内溝113は、X方向に沿って延在し且つ車体1の、位置規制溝壁1121から離れる側を貫通し、スタンド部311には、X方向案内溝113に対応して案内部が設けられており、案内部は、対応するX方向案内溝113の中に入り込んでX方向案内溝113の溝壁に転動又は摺動接続される。X方向案内溝113及び案内部の設置は、取付枠31を収容溝112の開口端から収容溝112内に挿入させると同時に、取付枠31がZ方向に沿って収容溝112から脱離することを防止することができ、構造が簡単で、コストが低い。
【0034】
他の実施例において、取付枠31と車体1との摺動接続を実現するために、例えば、収容溝112の溝壁に案内レールを設け、取付枠31に、案内レールに嵌合されるスライダーを接続するなど、他のX方向案内溝の構造を設けてもよい。本実施例において、
図6に示すように、案内部は、第2の案内ローラ34であり、第2の案内ローラ34は、X方向案内溝113に転動嵌合され、摩擦が減少する。他の実施例において、案内部は、スライダーなどであってもよい。
【0035】
スタンド部311は、Y方向に沿って対向して間隔的に設けられた2つの側板3111を備え、2つの側板3111の外側面には、それぞれ第2の案内ローラ34が設けられており、対応して、収容溝112の、Y方向に沿って対向して設けられた2つの溝壁にはいずれも、X方向案内溝113が開設されており、これにより、取付枠31がX方向に沿って運動する平穏性が高められる。各側板3111には、X方向に沿って複数の第2の案内ローラ34が設けられている。
【0036】
2つの側板3111の末端が相対変位することを回避するために、スタンド部311は、側板3111の下端の間に接続される接続部3112をさらに備え、これにより、スタンド部311の構造の強度及び剛性が補強され、接続部3112は、板状構造であってもよいが、これに限定されない。
【0037】
取付枠31は、2つのスタンド部311の頂端に接続される枠天板313をさらに備え、枠天板313は、Y方向に沿って延在し、側板3111の上端は、枠天板313に垂直接続され、これにより、スタンド部311と枠天板313との間に、フォークアーム2が接続される空間が形成されている。
【0038】
本実施例において、水平駆動ユニットは、転動駆動の形式を採用して取付枠31の、車体1に対する摺動を実現し、転動材321、転動材321が取り付けられる取付軸322、及び転動材321の回動を駆動する水平駆動モータを備える。転動材321は、車体1の上方に位置して車体1の上表面に転動接触し、取付軸322は、Y方向に沿って延在し且つ両端がそれぞれ取付枠31に接続され、水平駆動モータは、転動材321の取付軸322回りの回動を駆動するように構成され、これにより、取付枠31の、車体1に対してX方向に沿った運動が実現される。
【0039】
並進駆動機構3は、転動駆動の方式を採用して車枠に対してX方向に沿った移動を実現し、水平駆動ユニットの複数の構造をいずれも取付枠31に配設させ、水平駆動ユニットに、構造がコンパクトで、占用空間が小さくて、伝動効率が高く、運行が穏やかであるなどの利点を持たせる。そして、このようなフォークアーム2を伸出させる駆動形式は、フォークアーム2が車体1に対して伸出してパレット20をリフトさせている時に、車体1が、フォークアーム2が静止したまま、パレット20の底部に自律移動することを可能にし、水平駆動ユニットへの駆動力のニーズを減少させることにより有利であり、これにより、水平駆動ユニットの全体の体積を減少させ、並進駆動機構3及び搬送装置10の構造をよりコンパクトにさせることができる。他の実施例において、取付枠31のX方向に沿った運動を実現可能な他の駆動構造形式、例えば、回転モータとラックアンドピニオン構造との連携、回転モータとスクリューナット機構との連携などを採用してもよい。
【0040】
構造を簡略化するために、転動材321はドラムであり、水平駆動ユニットは、電動ドラム32の構造形式を採用し、電動ドラム32の取付軸322は、Y方向に沿って延在し且つ両端がそれぞれ取付枠31に接続され、電動ドラム32は、車体1の上方に位置して車体1の上表面に押し当てられる。水平駆動ユニットを電動ドラム32に設定することにより、水平駆動モータを転動材321の内部に隠し、水平駆動ユニットの構造をよりコンパクトにさせ、占用空間をより小さくすることができ、搬送装置10の小型化設計に有利である。
【0041】
電動ドラム32の取付を容易にするために、2つのスタンド部311の間には、接続枠部312がさらに設けられており、接続枠部312は、Y方向に沿って間隔的に2つ設けられており、且つ接続枠部312の上端は、枠天板313に接続され、接続枠部312の下端は、車体1の上表面よりも高く、電動ドラム32は、2つの接続枠部312の間に挟装される。
【0042】
電動ドラム32の取付を容易にするために、各接続枠部312の、電動ドラム32に向かう側には、取付溝3121が開設されており、電動ドラム32の取付軸322は、取付溝3121の中に挿設される。電動ドラム32が車体1の表面に対して滑ることを防止するために、取付枠31には、弾性材33がさらに設けられており、弾性材33は、電動ドラム32を弾性的に前記車体1の上表面に押し当てるように構成される。
【0043】
本実施例において、弾性材33は、取付溝3121の中に鉛直に設けられたばねであり、ばねの上端は、取付溝3121の上溝壁に接続され、ばねの下端は、取付軸322に押し当てられ、且つばねは、終始に圧縮状態にある。他の実施例において、弾性材33は、弾性押え力を提供可能な他の素子、例えば弾性スペーサなどであってもよい。
【0044】
構造のコンパクト性を高めるために、フォークアーム2の第1の端は、2つの側板3111の間に位置し、且つフォークアーム2は、取付枠31に摺動接続されて、取付枠31に対してZ方向に沿って昇降可能である。このような設定は、フォークアーム2の水平及び昇降の運行を駆動する駆動伝動構造をいずれもフォークアーム2及び取付枠31に集中させ、車体1における構造設定を簡略化し、構造のコンパクト性を高めることができる。他の実施例において、取付枠31は、取付枠31の昇降により2つのフォークアーム2を昇降するように動かせるように、車体1に対して昇降可能であってもよい。
【0045】
図2に示すように、本実施例において、搬送装置10がフォークアーム2伸出状態にある時に、取付枠31は、収容溝112の開口に近い位置に位置する。フォークアーム2の伸出長さが長過ぎることによりフォークアーム2の自由端が垂れ下がる又は変形することを回避するために、前記フォークアーム2は、地面にサポートされていることと、地面から脱離していることとの間で切替可能であるように構成され、これにより、前記フォークアーム2が地面から脱離している時に前記パレット20の底梁を越え、且つ前記フォークアーム2の一部が前記フォーク孔201に挿入された後に、前記フォーク孔201内部に位置する前記フォークアーム2の一部が地面にサポートされる。このような設定は、フォークアーム2が田字型のパレット又は日字型のパレットの底梁を越える時に、サポート材23に、フォークアーム2に対して補助的なサポート役割を果たせることができることを可能にする。
【0046】
図7~8に示すように、フォークアーム2は、X方向に沿って延在するアーム本体21、並びにアーム本体21に設けられたサポート材23及び昇降駆動機構22を備え、昇降駆動機構22は、サポート材23に接続され、サポート材23のアーム本体21に対する鉛直昇降を、サポート材23が地面に支持可能な位置まで下降可能であるように駆動するように構成され、これにより、搬送装置10がフォークアーム2伸出状態及びフォークアーム2伸出リフト状態にある時に、フォークアーム2は、取付枠31及びサポート材23により同時にサポート可能であり、フォークアーム2の使用安定性及び荷物の積載安定性が高められ、フォークアーム2が折れ曲がったり折断したりすることが回避され、フォークアーム2の使用寿命が高められる。
【0047】
図2及び
図4に示すように、サポート材23が、フォークアーム2の第2の端に近い位置に設けられ且つ地面に接触するまで下に向かって運動可能であることから、サポート材23に対する退避を実現するために、収容溝112の、位置規制溝壁1121から離れる一端は、車体1の下面を貫通し、これにより、搬送装置10が引込リフト状態にある時に、サポート材23は、地面に接触してフォークアーム2にサポートを提供することができる。
【0048】
図7~12に示すように、昇降駆動機構22は、2つの第1のコネクティングロッド222及び第1の駆動アセンブリを備え、各第1のコネクティングロッド222の一端は、サポート材23にヒンジ接続され、各第1のコネクティングロッド222の他端は、第1の駆動アセンブリに接続され、第1の駆動アセンブリは、サポート材23を昇降させるように2つの第1のコネクティングロッド222の他端を互いに近づいたり離れたりするように駆動するように構成される。
【0049】
第1の駆動アセンブリは、スクリュー221、2つの第1のナット座223及び昇降駆動モータ227を備え、スクリュー221は、螺旋方向が逆である第1のネジセグメント2211と第2のネジセグメント2212とを備え、2つの第1のナット座223は、それぞれ第1のネジセグメント2211及び第2のネジセグメント2212に嵌設され、2つの第1のコネクティングロッド222の他端は、それぞれ2つの第1のナット座223にヒンジ接続される。昇降駆動モータ227は、スクリュー221の回動を駆動して、2つの第1のナット座223のスクリュー221に沿った対向又は背向移動を駆動するように構成される。
【0050】
このような設定は、スクリュー221が回動する時に、2つの第1のナット座223が対向又は背向に同期運動して、2つの第1のコネクティングロッド222の第2の端を互いに近づくか又は離れる方向に沿って運動するように動かせて、サポート材23を鉛直昇降するように動かせる。
【0051】
上記昇降駆動機構22の設置は、サポート材23が鉛直方向のみに沿って運動可能であることを保証し、サポート材23の、X方向に沿った移動を制限し、サポート材23の位置の正確性を保証し、且つ第1のナット座223の、スクリュー221に対して移動するストロークを短くすることができる。他の実施例において、それらのうちの1つの第1のナット座223は、アーム本体21に対して固定される固定座に置換されてもよく、他の1つの第1のナット座223の、スクリュー221に沿った摺動により、2つの第1のコネクティングロッド222を相対的に開く及び閉じるように動かせる。しかし、このような設定では、サポート材23は、Z方向に沿った変位量を有するだけでなく、X方向に沿った変位量も有する。
【0052】
スクリュー221の、Y方向に沿った対向する両側には、それぞれ2グループの第1のコネクティングロッド222が設けられており、2グループの第1のコネクティングロッド222は、それぞれサポート材23の輪軸の両端にヒンジ接続され、これにより、サポート材23に対する接続及びサポートの安定性が高められる。他の実施例において、第1のコネクティングロッド222は、1グループしか設けられなくてもよく、例えばスクリュー221の真下にしか設けられなくてもよい。
【0053】
第1のナット座223と第1のコネクティングロッド222との接続を実現するために、第1のナット座223は、スリーブ部及びスリーブ部の外表面に凸設された接続板部を備え、スリーブ部の内壁には、対応するネジセグメントに適合するネジが開設されている。接続板部は、Y方向に沿って延在し且つ両端がそれぞれ2つの第1のコネクティングロッド222にヒンジ接続される。接続板部の上側面は、アーム本体21に密着し、これにより、第1のナット座223がアーム本体21に対して回動することが防止される。
【0054】
サポート材23は、サポートローラであり、サポートローラの輪軸は、Y方向に沿って延在し、これにより、フォークアーム2がサポート材23にサポートされると同時に、X方向に沿って移動可能であることを保証し、フォークアーム2の並進の円滑性を高め、フォークアーム2を調節しやすい。
【0055】
サポート材23のアーム本体21に対するサポートの安定性を高めるために、サポート材23は、輪軸、及び輪軸に間隔的に設けられた少なくとも2つの輪本体を備える。少なくとも2つの輪本体は、それぞれスクリュー221の対向する両側に位置し、且つフォークアーム2が初期状態にある時に、輪本体の上端は、スクリュー221の下側よりも高く、これにより、輪軸とスクリュー221との間の間隔が短縮され、構造のコンパクト性が高められる。
【0056】
スクリュー221には、スクリュー座226がされに回動嵌設されており、スクリュー座226には、スクリュー221が通過するネジ無し孔が開設されており、且つスクリュー座226は、アーム本体21に接続される。スクリュー221は、第1のネジセグメント2211と第2のネジセグメント2212との間に位置する第1のネジ無し軸セグメント2214を備え、スクリュー座226は、第1のネジ無し軸セグメント2214に嵌設され、2つの第1のナット座223が互いに衝突することを防止し、且つスクリュー221におけるネジに対する摩耗の発生を回避することができる。
【0057】
2つのスクリュー座226は、それぞれ第1のネジ無し軸セグメント2214の両端に設けられ、且つ搬送装置10が初期状態にある時に、サポート材23は、2つのスクリュー座226の間に位置する。このような設定は、第1のナット座223とサポート材23との衝突の発生を回避し、第1のナット座223の対向運動のストロークに対して位置規制を行うことができ、同時に、フォークアーム2が初期状態にある時に、サポート材23が2つのスクリュー座226の間に挟設されるようにサポート材23の初期取付位置を上げ、初期状態時のスクリュー221とサポート材23との間の隙間を短縮させて、初期状態時のフォークアーム2の、Z方向に沿った全体の厚さを減少させ、構造のコンパクト性を高めることもできる。
【0058】
第1のネジセグメント2211の、スクリュー座226から離れる一端には、位置規制スリーブ229が嵌設されており、第2のネジセグメント2212の、スクリュー座226から離れる一端は、アーム本体21に当接し、対応する第1のナット座223の背向運動時のストロークの位置規制を実現する。
【0059】
昇降駆動機構22はさらに、アーム本体21を取付枠31に対して鉛直昇降するように同期駆動することができ、これにより、フォークアーム2における駆動構造設定が簡略化され、コストが低減され、構造のコンパクト性が高められる。
【0060】
昇降駆動機構22は、第2のコネクティングロッド225及び第2の駆動アセンブリを備え、第2のコネクティングロッド225の第1の端は、取付枠31にヒンジ接続され、他端は、アーム本体21をサポートし、第2の駆動アセンブリは、アーム本体21を昇降させるように第2のコネクティングロッド225の回動を駆動可能であるように構成される。第2のコネクティングロッド225の回動がアーム本体21を昇降するように動かせるよう設定することにより、回動安定性を高め、且つ昇降駆動機構22の、鉛直方向における占用空間を減少させ、コストを低減させることができる。
【0061】
本実施例において、第2の駆動アセンブリは、上記のスクリュー221及び昇降駆動モータ227を備え、第2のナット座224をさらに備え、スクリュー221は、第3のネジセグメント2213を備え、第2のナット座224は、第3のネジセグメント2213に回動嵌設され、第2のコネクティングロッド225の第2の端は、第2のナット座224にヒンジ接続される。このような設定は、第1の駆動アセンブリ及び第2の駆動アセンブリに、スクリュー221及び昇降駆動モータ227を共用させ、コストを低減させて、構造を簡略化し、他の実施例において、第1の駆動アセンブリ及び第2の駆動アセンブリは、個別に設けられてもよい。
【0062】
本実施例において、第2のコネクティングロッド225の第1の端は、スタンド部311の底端にヒンジ接続され、且つ第2のコネクティングロッド225は、第2のナット座224の、取付枠31に向かう側に位置し、第3のネジセグメント2213は、第2のネジセグメント2212の螺旋方向と同じである。そして、フォークアーム2が初期状態にある時に、スクリュー221は、第2のコネクティングロッド225の第1の端よりも高く、第2のコネクティングロッド225は、第1の端から第2の端の方向に沿って斜め上向きに延在する。このような設定は、アーム本体21に上昇が必要とされる時に、第2のナット座224が、取付枠31に向かう方向に沿って運動し、第2のコネクティングロッド225の第2の端が、その第1の端回りに上向きに反転して、スクリュー221を上がるように動かせる。
【0063】
搬送装置10が、フォークアーム2伸出状態及びフォークアーム2伸出リフト状態を有することから、サポート材23が伸出状態及び伸出リフト状態時にいずれも地面に接触するまで下降可能であることを保証するために、第2のナット座224は、ナットスリーブ部2241及びナットスリーブ部2241に摺動嵌設されたスライド座部2243を備え、ナットスリーブ部2241は、第3のネジセグメント2213に伝動嵌合され、ナットスリーブ部2241には、スライド座部2243の摺動ストロークを制限する2つの位置規制座部2242が設けられており、第2のコネクティングロッド225は、スライド座部2243にヒンジ接続される。
【0064】
図8に示す方向を例に説明し、搬送装置10が初期状態にある時に、スライド座部2243及び右側の位置規制座部2242は一定の隙間を有し、そのため、第2のナット座224がスクリュー221に沿って移動する初期段階において、スライド座部2243は、ナットスリーブ部2241に対して摺動し、スライド座部2243が動かず、第1のコネクティングロッド222が動作せず、即ちスクリュー221が昇降せず、サポート材23のみが昇降し、スライド座部2243が右側の位置規制座部2242に当接するまで摺動した後に、ナットスリーブ部2241の、スクリュー221に沿った移動の継続は、スライド座部2243をスクリュー221に沿って移動するように動かせ、さらに第1のコネクティングロッド222を動作するように動かせて、スクリュー221を上昇させる。フォークアーム2が初期状態にある時に、スライド座部2243と右側の位置規制座部2242との間の隙間は、サポート材23の、地面からの高さに応じて設定可能である。
【0065】
本実施例において、第2のコネクティングロッド225は、2つ設けられており、2つの第2のコネクティングロッド225は、それぞれスクリュー221の対向する両側に位置し、各第2のコネクティングロッド225の上端は、スライド座部2243にヒンジ接続される。このような設定は、第2のコネクティングロッド225の両端の同期昇降を効果的に実現し、アーム本体21の昇降運動の平穏性を高めることができる。
【0066】
第2のコネクティングロッド225と取付枠31とのヒンジ接続の利便性を高めるために、フォークアーム2には、ヒンジ接続軸25がさらに備えられ、ヒンジ接続軸25は、Y方向に沿って延在し、2つの第2のコネクティングロッド225の下端はいずれもヒンジ接続軸25にヒンジ接続される。
図10に示すように、取付枠31の側板3111には、ヒンジ接続孔3114が開設されており、ヒンジ接続軸25の両端は、それぞれ2つのヒンジ接続孔3114の中に挿設される。
【0067】
スクリュー221は、第1のネジセグメント2211と第3のネジセグメント2213との間に位置する第2のネジ無し軸セグメント2215をさらに備え、昇降駆動モータ227は、減速機228を介して第2のネジ無し軸セグメント2215に伝動接続される。減速機228の設置は、スクリュー221の回転速度を低減させ、スクリュー221のトルクを増大して、昇降駆動機構22の運行の平穏性を高めることができる。
【0068】
他の実施例において、サポート材23を鉛直昇降するように駆動する昇降駆動機構22と、アーム本体21を取付枠31に対して鉛直昇降するように駆動する昇降駆動機構22とは、分離して設けられてもよく、且つ2セットの昇降駆動機構22はいずれも、モータとスプロケットチェーンとの連携の駆動、スクリューナット機構、スライダクランク機構又はリンク機構などの駆動構造形式を採用するか、若しくはリニアモータ、油圧シリンダなどのリニア駆動構造形式を採用することができ、且つ上記複数種類のリニア駆動構造はいずれも一般的なものであり、ここでは繰り返し説明しない。
【0069】
アーム本体21は、下端が開口した長尺箱状構造を呈し、それには、下端が開口した空洞が形成されており、スクリュー221、昇降駆動モータ227及び減速機228は、空洞の中に収容され、これにより、昇降駆動機構22が保護され、且つ構造のコンパクト性及びフォークアーム2の外形の美観性が高められる。
【0070】
図12に示すように、アーム本体21が取付枠31に対して摺動する安定性を高めるために、スタンド部311の2つの側板3111の内側にはいずれもZ方向案内溝3113が設けられており、Z方向案内溝3113は、Z方向に沿って延在する。アーム本体21の、Y方向に沿った対向する両側にはいずれも案内材が設けられており、案内材は、対応するZ方向案内溝3113の中に伸出してZ方向案内溝3113の溝壁に摺動又は転動嵌合される。
図7に示すように、本実施例において、案内材は、第3の案内ローラ24であり、且つ第3の案内ローラ24は、Z方向に沿って少なくとも2つ設けられている。
【0071】
本実施例は、パレット20及び上記の搬送装置10を備える倉庫物流システムをさらに提供し、上記の搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うことにより、パレット20に対する搬送の利便性及び柔軟性を高め、倉庫物流システムの運行効率を高め、倉庫物流システムの運行コストを低減させることができる。
【0072】
実施例2
図13~18に示すように、本実施例は、実施例1における搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うパレット搬送方法を提供する。
【0073】
本実施例に係るパレット搬送方法は、以下のステップを含む。
【0074】
ステップS1において、搬送装置10は、パレット20の直前方まで運行し、搬送装置10のフォークアーム2をパレット20のフォーク孔201に正対させる。
【0075】
搬送装置10は、ナビゲーションシステムによりパレット20の直前方まで自動運行し、且つ搬送装置10の自動ナビゲーションの設定は、関連技術に応じて行うことができる。
【0076】
ステップS2において、水平駆動ユニットは正方向に運行し、取付枠31を車体1に対してX方向に沿って運動するように駆動して、フォークアーム2を、フォーク孔201の中に挿入するまでX方向に沿って伸出させる。
【0077】
本実施例において、電動ドラム32は回動し、取付枠31をX方向に沿って運動するように動かせる。
【0078】
ステップS3において、フォークアーム2の自由端が車体1から設定距離伸出した後に、昇降駆動機構22は正方向に動作し、サポート材23を、地面に接触するまでアーム本体21に対して下降するように動かせる。
【0079】
フォークアーム2の自由端が車体1から設定距離伸出した後に、サポート材23を地面にサポートさせることにより、フォークアーム2に補助的サポートを提供し、フォークアーム2が折れ曲がることを回避することができる。
【0080】
ステップS4において、フォークアーム2が引き続き前に向かって最大距離まで伸出した後に、水平駆動ユニットは、運行停止する。
【0081】
ステップS5において、昇降駆動機構22は正方向に運行し、アーム本体21を取付枠31に対して上昇させ、同時に、サポート材23を、パレット20の底部が地面に対して予め設定された高さに上がるまで、アーム本体21に対して下降させる。
【0082】
本実施例において、スクリュー221は回動し、2つの第1のナット座223を対向運動するように動かせ、サポート材23をアーム本体21に対して下降するように動かせ、同時に、第2のナット座224は、取付枠31に近づく方向に摺動し、第2のコネクティングロッド225をヒンジ接続軸25回りに上向きに反転するように動かせる。
【0083】
ステップS6において、駆動輪機構は動作し、フォークアーム2及び取付枠31が動かないように保持される前提で、車体1をX方向に沿ってパレット20の底部に運動させる。
【0084】
ステップS7において、昇降駆動機構22は逆方向に動作し、アーム本体21がパレット20を下降するように動かせて車体1の上表面に接触させるまで、アーム本体21を取付枠31に対して下降するよう、且つサポート材23をアーム本体21に対して上昇するように動かせる。
【0085】
本実施例において、スクリュー221は逆方向に回動し、2つの第1のナット座223は背向運行し、サポート材23とスクリュー221との間の高さが減少し、同時に、第2のナット座224は、取付枠31から離れる方向に沿って摺動して、第2のコネクティングロッド225をヒンジ接続軸25回りに下向きに反転させ、アーム本体21を下に向かって運動するように動かせて、アーム本体21に載置されたパレット20を下降するように動かせる。
【0086】
ステップS8において、スクリュー221は、引き続き逆方向運動し、スライド座部2243は固定して位置規制座部2242に対して摺動し、サポート材23は、地面と接触しなくなるまで上に向かって運動し、搬送装置10は、定位置ドッキング状態に達する。
【0087】
ステップS9において、搬送装置10は、パレット20を携帯して予定目的地まで運行する。
【0088】
ステップS10において、昇降駆動機構22は正方向に動作し、スクリュー221を設定高さまで上昇するよう、同時に、サポート材23を、地面に接触するまでアーム本体21に対して下に向って運動するように動かせる。
【0089】
ステップS11において、駆動輪機構12は逆方向に動作して、車体1を、パレット20の下方から移出されるまで取付枠31及びフォークアーム2に対して運動させる。
【0090】
ステップS12において、昇降駆動機構22は逆方向に動作し、アーム本体21がパレット20を地面に接触するまで下降するように動かせるように、スクリュー221を下降するよう、同時に、サポート材23を、アーム本体21に対して上に向かって運動するように動かせる。
【0091】
ステップS13において、水平駆動ユニットは逆方向に動作し、取付枠31及びフォークアーム2を、フォークアーム2がフォーク孔201から脱離して取付枠31及びフォークアーム2が初期位置に戻るまで車体1に対して移動させる。
【0092】
ステップS14において、スクリュー221は逆方向に回動し、サポート材23を、地面から脱離するまで引き続きアーム本体21に向かう方向に沿って運動するように動かせる。
【0093】
ステップS13及びステップS14は、同期して行ってもよいし、前後に行ってもよい。
【0094】
本実施例に係るパレット搬送方法は、上記の搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うことにより、パレット20に対する搬送の柔軟性及び適用性を高め、パレット20の搬送過程における旋回半径及び占用空間を減少させることができる。
【0095】
実施例3
本実施例は、実施例1における搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うパレット搬送方法を提供し、且つ本実施例に係るパレット搬送方法は、実施例2に係るパレット搬送方法とほぼ同じであり、一部のステップのみが異なり、本実施例は、実施例2と同じステップについて繰り返し説明しない。
【0096】
パレット搬送方法は、以下のステップを含む。
【0097】
ステップS1~ステップS5は、実施例2を参照することができる。
【0098】
ステップS6において、車体1は動かないように保持され、水平駆動ユニットは逆方向に回動し、フォークアーム2が車体1の上方に戻るまで、取付枠31及びフォークアーム2を、車体1に対して後に向かって運動するように動かせる。
【0099】
ステップS7~ステップS10は、実施例2を参照することができる。
【0100】
ステップS11において、車体1は動かないように保持され、水平駆動ユニットは正方向に回動し、車体1がパレット20の底部から脱離するまで、取付枠31及びフォークアーム2を、前に向かって伸出するように動かせる。
【0101】
ステップS12ないしステップS14は、実施例2を参照することができる。
【0102】
具体的な実施において、ステップS6は、実施例2におけるステップS6を採用し、ステップS11は、実施例3におけるステップS11を採用し、若しくはステップS6は、実施例3におけるステップS6を採用し、ステップS11は、実施例2におけるステップS11を採用してもよく、フォークアーム2と車体1との間の相対運行を実現できればよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット(20)を搬送するように構成される搬送装置であって、
自律移動するように構成される車体(1)と、
前記車体(1)に水平摺動して設けられる取付枠(31)と、
第1の端が前記取付枠(31)に接続され、前記パレット(20)のフォーク孔(201)の中に挿入するように前記取付枠(31)の運動に伴って水平に伸出し、前記パレット(20)をリフトさせるように前記車体(1)に対して昇降するように構成されるフォークアーム(2)と、を備え、
且つ前記フォークアーム(2)が前記パレット(20)をリフトさせる場合に、前記車体(1)及び前記取付枠(31)は、前記車体(1)と前記取付枠(31)との相対運動により前記パレット(20)を前記車体(1)の上方に位置させるように構成される、
搬送装置。
【請求項2】
前記取付枠(31)に設けられ、前記取付枠(31)の前記車体(1)に対する水平移動を駆動するように構成される水平駆動ユニットをさらに備える、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記水平駆動ユニットは、
前記取付枠(31)に回動して設けられて前記車体(1)の上表面に転動接触する転動材(321)と、
前記転動材(321)の回動を駆動するように構成される水平駆動モータと、を備え、
前記取付枠(31)には、前記転動材(321)を弾性的に前記車体(1)の上表面に押し当てるように構成される弾性材(33)がさらに設けられている、
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記車体(1)の上表面には、収容溝(112)が開設されており、前記フォークアーム(2)は、前記収容溝(112)の中に収容され、
前記取付枠(31)は、前記収容溝(112)の溝壁に沿って移動するように構成される、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記車体(1)の上表面には、前記パレット(20)を載置するように構成される載置面(111)が形成されており、前記パレット(20)が前記車体(1)の真上に移動した場合に、前記載置面(111)は、前記パレット(20)を支持するように構成される、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記フォークアーム(2)が前記車体(1)に対して伸出して前記パレット(20)をリフトさせている場合に、前記車体(1)は、前記取付枠(31)が静止する前提で前記フォークアーム(2)に対して前記パレット(20)の底部に自律移動するように構成される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記フォークアーム(2)は、前記フォークアーム(2)の幅方向に沿って間隔的に2つ設けられており、前記車体(1)は、前記幅方向に沿って対称に設けられた少なくとも1対の駆動輪(12)を有し、前記2つのフォークアーム(2)は、前記少なくとも1対の駆動輪(12)の対称軸に対して対称に設けられる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記フォークアーム(2)は、地面にサポートされていることと、地面から脱離していることとの間で切り替えられるように構成され、これにより、前記フォークアーム(2)が地面から脱離している場合に前記パレット(20)の底梁を越え、且つ前記フォークアーム(2)の一部が前記フォーク孔(201)に挿入された後に、前記フォーク孔(201)の内部に位置する前記フォークアーム(2)の一部が地面にサポートされる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記フォークアーム(2)は、
一端が前記取付枠(31)に接続されるアーム本体(21)と、
前記アーム本体(21)に設けられ且つ前記取付枠(31)と隔てられ、前記アーム本体(21)に対して下に向かって伸出して前記フォークアーム(2)をサポートし、上に向かって引き込んで前記フォークアーム(2)を地面から脱離させるように構成されるサポート材(23)と、を備え、
前記フォークアーム(2)は、前記サポート材(23)の前記アーム本体(21)に対する昇降を駆動し、前記アーム本体(21)の前記取付枠(31)に対する昇降を駆動するように構成される昇降駆動機構(22)をさらに備える、
請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記昇降駆動機構(22)は、2つの第1のコネクティングロッド(222)及び第1の駆動アセンブリを備え、
各第1のコネクティングロッド(222)の一端は、前記サポート材(23)にヒンジ接続され、
各第1のコネクティングロッド(222)の他端は、前記第1の駆動アセンブリに接続され、前記第1の駆動アセンブリは、前記サポート材(23)を昇降させるように前記2つの第1のコネクティングロッド(222)の他端を互いに近づいたり離れたりするように駆動するように構成され、
前記第1の駆動アセンブリは、
螺旋方向が逆である第1のネジセグメント(2211)及び第2のネジセグメント(2212)を備えるスクリュー(221)と、
それぞれが前記第1のネジセグメント(2211)及び前記第2のネジセグメント(2212)に嵌設され、前記2つの第1のコネクティングロッド(222)の他端がそれぞれヒンジ接続される2つの第1のナット座(223)と、
前記スクリュー(221)の回動を駆動して、前記2つの第1のナット座(223)の前記スクリュー(221)に沿った対向又は背向移動を駆動するように構成される昇降駆動モータ(227)と、を備える、
請求項9に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記昇降駆動機構(22)は、
第1の端が前記取付枠(31)にヒンジ接続され、第2の端が前記アーム本体(21)をサポートする第2のコネクティングロッド(225)と、
前記アーム本体(21)を昇降させるように前記第2のコネクティングロッド(225)の回動を駆動するように構成される第2の駆動アセンブリと、を備え、
前記第2の駆動アセンブリは、
第3のネジセグメント(2213)を備えるスクリュー(221)と、
前記第3のネジセグメント(2213)に回動嵌設され、前記第2のコネクティングロッド(225)の第2の端がヒンジ接続される第2のナット座(224)と、
前記スクリュー(221)の回動を駆動して、前記第2のナット座(224)の移動を駆動するように構成される昇降駆動モータ(227)と、を備え、
前記第2のナット座(224)は、ナットスリーブ部(2241)、及び前記ナットスリーブ部(2241)に摺動嵌設されるスライド座部(2243)を備え、前記ナットスリーブ部(2241)は、前記第3のネジセグメント(2213)に伝動嵌合され、前記ナットスリーブ部(2241)には、前記スライド座部(2243)の摺動ストロークを制限するように構成される2つの位置規制座部(2242)が設けられており、前記第2のコネクティングロッド(225)は、前記スライド座部(2243)にヒンジ接続される、
請求項9に記載の搬送装置。
【請求項12】
請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置を備える、
倉庫物流システム。
【請求項13】
請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置を採用してパレット(20)に対して搬送を行うパレット搬送方法であって、
前記搬送装置の取付枠(31)が前記搬送装置の車体(1)に対して水平移動することにより、前記搬送装置のフォークアーム(2)を前記パレット(20)のフォーク孔(201)に入り込ませることと、
前記フォークアーム(2)が前記車体(1)に対して縦向きに移動して、前記パレット(20)を持ち上げることと、
前記取付枠(31)と前記車体(1)とが相対的に水平移動することにより、前記パレット(20)を前記車体(1)の真上に位置させることと、を含む、
パレット搬送方法。
【請求項14】
前記取付枠(31)と前記車体(1)とが相対的に水平移動することは、
前記取付枠(31)が静止したまま、前記車体(1)が前記パレット(20)の底部に移動することを含む、
請求項13に記載のパレット搬送方法。
【請求項15】
前記フォークアーム(2)は、アーム本体(21)、及び前記アーム本体(21)に対して鉛直昇降するように構成されるサポート材(23)を備え、前記サポート材(23)及び前記取付枠(31)は、間隔的に設けられ、
前記フォークアーム(2)が前記フォーク孔(201)に設定深さ入り込んだ後に、前記サポート材(23)が、地面に支持されるまで前記アーム本体(21)に対して下に向かって運動する、ことをさらに含む、
請求項13に記載のパレット搬送方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年12月25日に中国専利局に出願された、出願番号が202011563802.5である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、倉庫物流の技術分野に関し、例えば搬送装置、倉庫物流システム及びパレット搬送方法に関する。
【背景技術】
【0003】
倉庫物流業界の効率化及び自動化の発展に伴い、自律移動機能を備える搬送装置は物品に対する効率自動化搬送を実現するために、倉庫物流業界の多くの部分に広く応用されている。
【0004】
パレットは、倉庫物流において物品を載置するように構成される載置具であり、物品がパレットに置かれた後に、搬送装置がパレットの所在位置まで運行し、パレットにおけるフォーク孔にドッキングした後に、パレットに対してフォークリフト搬送を行うことで、パレットに載置された物品に対する搬送を実現する。パレットにおけるフォーク孔の開設方式に応じて、パレットは、通常、日字型のパレット、川字型のパレット及び田字型のパレットなどに分けられる。
【0005】
パレットを搬送する設備には、通常、電動パレットトラック、自動フォークリフトトラックなどがあり、電動パレットトラック、自動フォークリフトトラックのフォークアームをフォーク孔の中に挿入させることにより、パレットの搬送を行っている。自動フォークリフトトラックのフォークアームは、鉛直昇降可能であるため、異なるタイプのパレットに対する搬送を実現可能であるが、それは通常、体積が大きく、旋回半径が大きく、占用空間が大きいなどの欠点を有し、電動パレットトラックは、日字型のパレット及び田字型のパレットに対して搬送を行うことができず、川字型のパレットに対する搬送だけを実現可能であり、使用範囲が限られている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、搬送装置のパレットに対する搬送時の占用空間及び旋回半径を減少させ、搬送装置の使用の柔軟性及び汎用性を高めるための搬送装置、倉庫物流システム及びパレット搬送方法を提供する。
【0007】
パレットを搬送するように構成され、
自律移動するように構成される車体と、
前記車体に水平摺動して設けられる取付枠と、
第1の端が前記取付枠に接続され、前記パレットのフォーク孔の中に挿入するように前記取付枠の運動に伴って水平に伸出し、前記パレットをリフトさせるように前記車体に対して昇降するように構成されるフォークアームと、を備え、且つ前記フォークアームが前記パレットをリフトさせる場合に、前記車体及び前記取付枠は、前記車体と前記取付枠との相対運動により前記パレットを前記車体の上方に位置させるように構成される搬送装置である。
【0008】
上記のような搬送装置を備える倉庫物流システムである。
【0009】
上記のような搬送装置を採用してパレットに対して搬送を行い、
前記搬送装置の取付枠が前記搬送装置の車体に対して水平移動することにより、前記搬送装置のフォークアームを前記パレットのフォーク孔に入り込ませることと、
前記フォークアームが前記車体に対して縦向きに移動して前記パレットを持ち上げることと、
前記取付枠と前記車体とが相対的に水平移動することにより、前記パレットを前記車体の真上に位置させることと、を含むパレット搬送方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本願の実施例1に係る搬送装置が初期状態にある構造模式図である。
【
図2】本願の実施例1に係る搬送装置がフォークアーム伸出状態にある構造模式図である。
【
図3】本願の実施例1に係るパレットの構造模式図である。
【
図4】本願の実施例1に係る車体の正面構造模式図である。
【
図5】本願の実施例1に係る車体の背面構造模式図である。
【
図6】本願の実施例1に係る並進駆動機構の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例1に係るフォークアームの構造模式図である。
【
図8】本願の実施例1に係る昇降駆動機構の構造模式図である。
【
図9】本願の実施例1に係るフォークアームが初期状態にある時のフォークアームと取付枠との嵌合模式図である。
【
図10】
図9における構造からアーム本体を除去した後の構造模式図である。
【
図11】本願の実施例1に係るフォークアームがリフト状態にある時のフォークアームと取付枠との嵌合模式図である。
【
図12】
図11における構造からアーム本体を除去した後の構造模式図である。
【
図13】本願の実施例2に係る初期状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図15】本願の実施例2に係るフォークアーム伸出状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図16】本願の実施例2に係るフォークアーム伸出リフト状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図17】本願の実施例2に係るフォークアーム引込リフト状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【
図18】本願の実施例2に係る定位置ドッキング状態にある時の搬送装置とパレットとのドッキング模式図である。
【符号の説明】
【0011】
10・・・搬送装置、20・・・パレット、201・・・フォーク孔、
1・・・車体、11・・・ケース、111・・・載置面、112・・・収容溝、1121・・・位置規制溝壁、113・・・X方向案内溝、114・・・第1の案内ローラ、12・・・駆動輪、13・・・自在輪、
2・・・フォークアーム、21・・・アーム本体、22・・・昇降駆動機構、221・・・スクリュー、2211・・・第1のネジセグメント、2212・・・第2のネジセグメント、2213・・・第3のネジセグメント、2214・・・第1のネジ無し軸セグメント、2215・・・第2のネジ無し軸セグメント、222・・・第1のコネクティングロッド、223・・・第1のナット座、224・・・第2のナット座、2241・・・ナットスリーブ部、2242・・・位置規制座部、2243・・・スライド座部、225・・・第2のコネクティングロッド、226・・・スクリュー座、227・・・昇降駆動モータ、228・・・減速機、229・・・位置規制スリーブ、23・・・サポート材、24・・・第3の案内ローラ、25・・・ヒンジ接続軸、
3・・・並進駆動機構、31・・・取付枠、311・・・スタンド部、3111・・・側板、3112・・・接続部、3113・・・Z方向案内溝、3114・・・ヒンジ接続孔、312・・・接続枠部、3121・・・取付溝、313・・・枠天板、32・・・電動ドラム、321・・・転動材、322・・・取付軸、33・・・弾性材、34・・・第2の案内ローラ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願を説明する。
【0013】
本願の説明において、別途規定及び限定されない限り、用語「繋がる」、「接続」、「固定」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取外可能な接続であってもよいし、又は一体になってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接繋がってもよいし、中間媒体を介して間接的に繋がってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。
【0014】
本願において、別途規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴が直接接触せずそれらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示す。
【0015】
本実施例の説明において、用語「上」、「下」、「右」などの方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、説明を容易にし、操作を簡略化するためのものに過ぎず、かかる装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位から構成されて操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本願を制限するものと理解できない。また、用語「第1」、「第2」は、説明で区別するためのものに過ぎず、特別な意味を持たない。
【0016】
実施例1
図1~3に示すように、本実施例は、倉庫物流システムにおいて、物品に対する搬送の効率及び搬送の利便性を高めるために、物品を載置するように構成されるパレット20に対してフォークリフト式搬送を行うことに応用可能な搬送装置10を提供する。本実施例に係る搬送装置10は、自動誘導車(Automated Guided Vehicle、AGV)型搬送装置であってもよいし、自律式移動ロボット(Autonomous Mobile Robot、AMR)型搬送装置、若しくは物品又はパレット20に対する搬送を実現可能な他の搬送装置形式であってもよい。
【0017】
搬送装置10は、車体1、取付枠31及びフォークアーム2を備え、車体1は、自律移動可能であり、フォークアーム2は、車体1に設けられ、取付枠31は、車体1に水平摺動可能に設けられ、フォークアーム2の第1の端は、取付枠31に接続され、フォークアーム2は、パレット20のフォーク孔201の中に挿入するように取付枠31の運動に伴って水平に伸出可能であり、パレット20をリフトさせるように車体1に対して昇降可能であるように構成され、且つフォークアーム2がパレット20をリフトさせる時に、車体1と取付枠31との相対運動は、パレット20を車体1の上方に位置させることができる。
【0018】
本実施例に係る搬送装置10は、車体1に対して水平移動及び鉛直昇降可能なフォークアーム2を設けることにより、パレット20に対する搬送が必要である場合に、まず、フォークアーム2を一部が車体1の外部から伸出するように車体1に対して水平移動させて、フォークアーム2をパレット20のフォーク孔201の中に挿入させ、そして、フォークアーム2の、車体1に対する上昇によりパレット20をリフトさせることで、パレット20を上げて地面から脱離させ、パレット20が一定の高さ上げられた後に、フォークアーム2を車体1に対して引き込ませて、車体1を少なくとも一部がパレット20の底部に進入可能であるようにさせ、その後、フォークアーム2の下降により、パレット20全体を車体1及び/又はフォークアーム2に支持させることができる。
【0019】
本実施例に係る搬送装置10は、車体1に対して水平移動及び鉛直昇降可能なフォークアーム2を設けることにより、搬送装置10のパレット20に対する搬送の初期ドッキング時に、フォークアーム2がフォーク孔201の中に入れ込まれるだけでよく、車体1がパレット20の外部に位置し、且つパレット20が予め設定された高さまでリフトされた後に、車体1が、一部がパレット20の底部に進入可能で、搬送装置10がパレット20に対するフォークリフトを実現することを保証すると同時に、搬送装置10がパレット20を搬送する過程において、パレットを車体1の上方に位置させることができ、パレット20の搬送過程における、搬送装置10のフォークアーム2の延在方向に沿ったサイズを減少させ、搬送装置10のパレット20の搬送時における旋回半径及び占用空間を減少させ、搬送装置10の使用の柔軟性を高めることができ、同時に、フォークアーム2の一端が取付枠31に接続され、取付枠31が車体1に摺動して設けられているため、フォークアーム2が車体1に対して伸出した後に、フォークアーム2の、取付枠31に接続されていない部分を宙に浮かせて設けることができ、底梁を有する田字型のパレット又は日字型のパレットについても、フォークアーム2は、何の支障もなく底梁を越えてフォーク孔201の中に進入可能であり、これにより、搬送装置10は、複数種類の異なるタイプのパレットの搬送に適用され、使用の柔軟性が高く、使用範囲が広い。
【0020】
上記のパレット20は、
図3に示す田字型のパレットであってもよいし、日字型のパレット、川字型のパレット又は他の構造を有するパレットであってもよく、パレット20にフォークアーム2が挿入可能なフォーク孔201があることを満たしていればよく、本実施例は、搬送装置10により搬送可能なパレット20の構造について制限しない。また、本実施例は、国家標準1200x1000x153mmの田字型のパレットを例に搬送装置10の構造について紹介するが、搬送装置10の他のタイプのパレット20に対する搬送は、田字型のパレット20に対する搬送を参照することができ、本実施例は個々に説明しない。
【0021】
説明を容易にするために、
図1に示す方向で座標系を構築し、そのうち、X方向は、フォークアーム2の延在方向であり、Z方向は、高さ方向であり、Y方向は、右手法則に応じて決定される。
【0022】
説明を容易にするために、搬送装置10がパレット20にドッキングされていない時の状態を初期状態とし、フォークアーム2が車体1に対してX方向に沿って伸出するが上昇しない状態をフォークアーム2伸出状態とし、フォークアーム2が車体1に対して伸出し且つ車体1に対して一定の高さまで上昇した状態をフォークアーム2伸出リフト状態と称し、フォークアーム2が水平初期位置まで引き込まれ且つ車体1に対して一定の高さまで上昇した状態をフォークアーム2引込リフト状態と称し、搬送装置10がパレット20とのドッキングを完成させた時のフォークアーム2の状態を定位置ドッキング状態と称する。即ち、搬送装置10がパレット20とのドッキングを開始してから、パレット20と定位置にドッキングするまで、搬送装置10は、初期状態、伸出状態、伸出リフト状態、引込リフト状態及び定位置ドッキング状態を順次経過する。
【0023】
パレット20に対する搬送安定性を高めるために、フォークアーム2は、Y方向に沿って間隔的に複数設けられている。通常、パレット20におけるフォーク孔201は、2つ設けられており、即ち、フォークアーム2は、対応して2つ設けられる。物品のサイズが大きく、パレット20におけるフォーク孔201が3つ又はそれ以上存在する可能性がある場合、フォークアーム2も対応して3つ又はそれ以上設けられてもよい。
【0024】
図4に示すように、搬送装置10の構造のコンパクト性を高め、搬送装置10の体積を減少させるために、車体1の上表面には、パレット20を載置するように構成される載置面111が形成されており、載置面111の、フォークアーム2に対応する位置には、収容溝112が開設されており、収容溝112は、X方向に沿って延在し且つ一端が車体1の対応する側壁を貫通し、他端が位置規制溝壁1121を形成し、位置規制溝壁1121は、フォークアーム2が逆方向に車体1の外部から伸出することを制限する。フォークアーム2が初期状態にある時に、フォークアーム2は少なくとも一部が収容溝112の中に収納される。収容溝112の設置は、搬送装置10の、Z方向に沿った全体の厚さを減少させ、構造のコンパクト性を高めることができ、且つフォークアーム2のX方向に沿った摺動に対する案内に有利である。
【0025】
収容溝112の溝深さは、フォークアーム2の、Z方向に沿った厚さよりも大きく、且つ搬送装置10が初期状態にある時に、フォークアーム2の上表面は、車体1の上表面よりも低い。このような設定は、搬送装置10及びパレット20がドッキングを完成させた後に、パレット20を完全に車体1に支持させ、パレット20を長時間サポートすることによるフォークアーム2の疲労損傷を回避し、フォークアーム2の使用寿命を高めることができ、且つパレット20に対するサポートの安定性を高めることができる。他の実施例において、フォークアーム2の上表面は、車体1の上表面よりも高く、又はフォークアーム2の上表面及び車体1の上表面は面一であってもよい。収容溝112の、X方向に沿った長さは、フォークアーム2の長さよりも大きく、且つ搬送装置10が初期状態にある時に、フォークアーム2は、完全に収容溝112の中に収容されている。
【0026】
本実施例においては、フォークアーム2がX方向に沿って伸出する平穏性を高めるために、収容溝112の、X方向に沿って延在する対向の両溝壁にはいずれも、第1の案内ローラ114が設けられており、第1の案内ローラ114は、前記収容溝112の開口に近い位置に設けられ、フォークアーム2が収容溝112に摺動して設けられる時に、フォークアーム2は、前記第1の案内ローラ114に支持される。第1の案内ローラ114の設置は、フォークアーム2の、収容溝112における摺動に対してサポート及び案内を行うことができると同時に、フォークアーム2の、車体1に対する昇降運動に干渉することも回避可能である。
【0027】
図4及び5に示すように、車体1の自律移動機能を実現するために、車体1は、ケース11及び駆動輪機構を備え、ケース11の表面には、上記収容溝112が開設されている。駆動輪機構は、駆動輪12、及び駆動輪12の回動を駆動するように構成される駆動モータを備え、駆動輪12は、ケース11の底部に設けられ、駆動モータは、ケース11の内部に設けられる。本実施例において、駆動輪12は駆動安定性を高めるために、中央縦軸線に対して対称に2つ設けられている。車体1は、自在輪13をさらに備え、自在輪13は、4つ設けられており、且つ4つの自在輪13は、矩形を呈して分布し、各駆動輪12はいずれも2つの自在輪13の間に設けられる。
【0028】
他の実施例において、駆動輪12及び自在輪13の個数及び位置は、ニーズに応じて設定することができ、且つ駆動輪機構の駆動形式は、差動駆動であってもよいし、他の駆動形式であってもよく、搬送装置10の前進、後退、コーナリング、原位置自転などの運動を実現できればよく、本願は、駆動輪機構の構造について制限しない。
【0029】
車体1は、中央縦軸線に対して対称に設けられ、且つ2つのフォークアーム2は、該中央縦軸線に対して対称に設けられ、これにより、搬送装置10の運行の平穏性及び構造のコンパクト性が高められる。
【0030】
図1、
図2及び
図6に示すように、搬送装置10は、並進駆動機構3をさらに備え、並進駆動機構3は、それぞれ2つのフォークアーム2に接続され、2つのフォークアーム2が同期してX方向に沿って運動するように駆動する。このような設定は、駆動コストを低減させ、且つ搬送装置10の搬送効率を高め、2つのフォークアーム2の並進の同期性を保証することができる。他の実施例において、各フォークアーム2には、1つの並進駆動機構3が個別に設けられてもよい。
【0031】
並進駆動機構3は、上記の取付枠31、及び取付枠31に設けられた水平駆動ユニットを備え、取付枠31は、収容溝112の溝壁に摺動嵌合され、フォークアーム2の、位置規制溝壁1121に近い一端は、取付枠31に接続され、水平駆動ユニットは、取付枠31を車体1に対してX方向に沿って移動するように駆動する。このような設定形式は、取付枠31の移動により2つのフォークアーム2を同期運動するように動かせ、構造がコンパクトで、且つ設定しやすい。他の実施例において、水平駆動ユニットの固定端は、車体1に対して固定され、水平駆動ユニットの駆動端は、フォークアーム2に接続されてフォークアーム2の運動を駆動してもよい。
【0032】
取付枠31と車体1との摺動接続の安定性を高めるために、取付枠31は、Y方向に沿って間隔的に設けられた2つのスタンド部311を有し、2つのスタンド部311の下端は、それぞれ2つの収容溝112の中に入り込んで収容溝112の溝壁に摺動接続され、水平駆動ユニットは、2つのスタンド部311の間に接続される。このような設定は、収容溝112を同時に取付枠31の案内溝として使用し、フォークアーム2の水平移動の方向の正確性及び安定性を保証することができる。
【0033】
図4に示すように、収容溝112の、X方向に沿って延在する少なくとも1つの溝壁には、X方向案内溝113が開設されており、X方向案内溝113は、X方向に沿って延在し且つ車体1の、位置規制溝壁1121から離れる側を貫通し、スタンド部311には、X方向案内溝113に対応して案内部が設けられており、案内部は、対応するX方向案内溝113の中に入り込んでX方向案内溝113の溝壁に転動又は摺動接続される。X方向案内溝113及び案内部の設置は、取付枠31を収容溝112の開口端から収容溝112内に挿入させると同時に、取付枠31がZ方向に沿って収容溝112から脱離することを防止することができ、構造が簡単で、コストが低い。
【0034】
他の実施例において、取付枠31と車体1との摺動接続を実現するために、例えば、収容溝112の溝壁に案内レールを設け、取付枠31に、案内レールに嵌合されるスライダーを接続するなど、他のX方向案内溝の構造を設けてもよい。本実施例において、
図6に示すように、案内部は、第2の案内ローラ34であり、第2の案内ローラ34は、X方向案内溝113に転動嵌合され、摩擦が減少する。他の実施例において、案内部は、スライダーなどであってもよい。
【0035】
スタンド部311は、Y方向に沿って対向して間隔的に設けられた2つの側板3111を備え、2つの側板3111の外側面には、それぞれ第2の案内ローラ34が設けられており、対応して、収容溝112の、Y方向に沿って対向して設けられた2つの溝壁にはいずれも、X方向案内溝113が開設されており、これにより、取付枠31がX方向に沿って運動する平穏性が高められる。各側板3111には、X方向に沿って複数の第2の案内ローラ34が設けられている。
【0036】
2つの側板3111の末端が相対変位することを回避するために、スタンド部311は、側板3111の下端の間に接続される接続部3112をさらに備え、これにより、スタンド部311の構造の強度及び剛性が補強され、接続部3112は、板状構造であってもよいが、これに限定されない。
【0037】
取付枠31は、2つのスタンド部311の頂端に接続される枠天板313をさらに備え、枠天板313は、Y方向に沿って延在し、側板3111の上端は、枠天板313に垂直接続され、これにより、スタンド部311と枠天板313との間に、フォークアーム2が接続される空間が形成されている。
【0038】
本実施例において、水平駆動ユニットは、転動駆動の形式を採用して取付枠31の、車体1に対する摺動を実現し、転動材321、転動材321が取り付けられる取付軸322、及び転動材321の回動を駆動する水平駆動モータを備える。転動材321は、車体1の上方に位置して車体1の上表面に転動接触し、取付軸322は、Y方向に沿って延在し且つ両端がそれぞれ取付枠31に接続され、水平駆動モータは、転動材321の取付軸322回りの回動を駆動するように構成され、これにより、取付枠31の、車体1に対してX方向に沿った運動が実現される。
【0039】
並進駆動機構3は、転動駆動の方式を採用して車枠に対してX方向に沿った移動を実現し、水平駆動ユニットの複数の構造をいずれも取付枠31に配設させ、水平駆動ユニットに、構造がコンパクトで、占用空間が小さくて、伝動効率が高く、運行が穏やかであるなどの利点を持たせる。そして、このようなフォークアーム2を伸出させる駆動形式は、フォークアーム2が車体1に対して伸出してパレット20をリフトさせている時に、車体1が、フォークアーム2が静止したまま、パレット20の底部に自律移動することを可能にし、水平駆動ユニットへの駆動力のニーズを減少させることにより有利であり、これにより、水平駆動ユニットの全体の体積を減少させ、並進駆動機構3及び搬送装置10の構造をよりコンパクトにさせることができる。他の実施例において、取付枠31のX方向に沿った運動を実現可能な他の駆動構造形式、例えば、回転モータとラックアンドピニオン構造との連携、回転モータとスクリューナット機構との連携などを採用してもよい。
【0040】
構造を簡略化するために、転動材321はドラムであり、水平駆動ユニットは、電動ドラム32の構造形式を採用し、電動ドラム32の取付軸322は、Y方向に沿って延在し且つ両端がそれぞれ取付枠31に接続され、電動ドラム32は、車体1の上方に位置して車体1の上表面に押し当てられる。水平駆動ユニットを電動ドラム32に設定することにより、水平駆動モータを転動材321の内部に隠し、水平駆動ユニットの構造をよりコンパクトにさせ、占用空間をより小さくすることができ、搬送装置10の小型化設計に有利である。
【0041】
電動ドラム32の取付を容易にするために、2つのスタンド部311の間には、接続枠部312がさらに設けられており、接続枠部312は、Y方向に沿って間隔的に2つ設けられており、且つ接続枠部312の上端は、枠天板313に接続され、接続枠部312の下端は、車体1の上表面よりも高く、電動ドラム32は、2つの接続枠部312の間に挟装される。
【0042】
電動ドラム32の取付を容易にするために、各接続枠部312の、電動ドラム32に向かう側には、取付溝3121が開設されており、電動ドラム32の取付軸322は、取付溝3121の中に挿設される。電動ドラム32が車体1の表面に対して滑ることを防止するために、取付枠31には、弾性材33がさらに設けられており、弾性材33は、電動ドラム32を弾性的に前記車体1の上表面に押し当てるように構成される。
【0043】
本実施例において、弾性材33は、取付溝3121の中に鉛直に設けられたばねであり、ばねの上端は、取付溝3121の上溝壁に接続され、ばねの下端は、取付軸322に押し当てられ、且つばねは、終始に圧縮状態にある。他の実施例において、弾性材33は、弾性押え力を提供可能な他の素子、例えば弾性スペーサなどであってもよい。
【0044】
構造のコンパクト性を高めるために、フォークアーム2の第1の端は、2つの側板3111の間に位置し、且つフォークアーム2は、取付枠31に摺動接続されて、取付枠31に対してZ方向に沿って昇降可能である。このような設定は、フォークアーム2の水平及び昇降の運行を駆動する駆動伝動構造をいずれもフォークアーム2及び取付枠31に集中させ、車体1における構造設定を簡略化し、構造のコンパクト性を高めることができる。他の実施例において、取付枠31は、取付枠31の昇降により2つのフォークアーム2を昇降するように動かせるように、車体1に対して昇降可能であってもよい。
【0045】
図2に示すように、本実施例において、搬送装置10がフォークアーム2伸出状態にある時に、取付枠31は、収容溝112の開口に近い位置に位置する。フォークアーム2の伸出長さが長過ぎることによりフォークアーム2の自由端が垂れ下がる又は変形することを回避するために、前記フォークアーム2は、地面にサポートされていることと、地面から脱離していることとの間で切替可能であるように構成され、これにより、前記フォークアーム2が地面から脱離している時に前記パレット20の底梁を越え、且つ前記フォークアーム2の一部が前記フォーク孔201に挿入された後に、前記フォーク孔201内部に位置する前記フォークアーム2の一部が地面にサポートされる。このような設定は、フォークアーム2が田字型のパレット又は日字型のパレットの底梁を越える時に、サポート材23に、フォークアーム2に対して補助的なサポート役割を果たせることができることを可能にする。
【0046】
図7~8に示すように、フォークアーム2は、X方向に沿って延在するアーム本体21、並びにアーム本体21に設けられたサポート材23及び昇降駆動機構22を備え、昇降駆動機構22は、サポート材23に接続され、サポート材23のアーム本体21に対する鉛直昇降を、サポート材23が地面に支持可能な位置まで下降可能であるように駆動するように構成され、これにより、搬送装置10がフォークアーム2伸出状態及びフォークアーム2伸出リフト状態にある時に、フォークアーム2は、取付枠31及びサポート材23により同時にサポート可能であり、フォークアーム2の使用安定性及び荷物の積載安定性が高められ、フォークアーム2が折れ曲がったり折断したりすることが回避され、フォークアーム2の使用寿命が高められる。
【0047】
図2及び
図4に示すように、サポート材23が、フォークアーム2の第2の端に近い位置に設けられ且つ地面に接触するまで下に向かって運動可能であることから、サポート材23に対する退避を実現するために、収容溝112の、位置規制溝壁1121から離れる一端は、車体1の下面を貫通し、これにより、搬送装置10が引込リフト状態にある時に、サポート材23は、地面に接触してフォークアーム2にサポートを提供することができる。
【0048】
図7~12に示すように、昇降駆動機構22は、2つの第1のコネクティングロッド222及び第1の駆動アセンブリを備え、各第1のコネクティングロッド222の一端は、サポート材23にヒンジ接続され、各第1のコネクティングロッド222の他端は、第1の駆動アセンブリに接続され、第1の駆動アセンブリは、サポート材23を昇降させるように2つの第1のコネクティングロッド222の他端を互いに近づいたり離れたりするように駆動するように構成される。
【0049】
第1の駆動アセンブリは、スクリュー221、2つの第1のナット座223及び昇降駆動モータ227を備え、スクリュー221は、螺旋方向が逆である第1のネジセグメント2211と第2のネジセグメント2212とを備え、2つの第1のナット座223は、それぞれ第1のネジセグメント2211及び第2のネジセグメント2212に嵌設され、2つの第1のコネクティングロッド222の他端は、それぞれ2つの第1のナット座223にヒンジ接続される。昇降駆動モータ227は、スクリュー221の回動を駆動して、2つの第1のナット座223のスクリュー221に沿った対向又は背向移動を駆動するように構成される。
【0050】
このような設定は、スクリュー221が回動する時に、2つの第1のナット座223が対向又は背向に同期運動して、2つの第1のコネクティングロッド222の第2の端を互いに近づくか又は離れる方向に沿って運動するように動かせて、サポート材23を鉛直昇降するように動かせる。
【0051】
上記昇降駆動機構22の設置は、サポート材23が鉛直方向のみに沿って運動可能であることを保証し、サポート材23の、X方向に沿った移動を制限し、サポート材23の位置の正確性を保証し、且つ第1のナット座223の、スクリュー221に対して移動するストロークを短くすることができる。他の実施例において、それらのうちの1つの第1のナット座223は、アーム本体21に対して固定される固定座に置換されてもよく、他の1つの第1のナット座223の、スクリュー221に沿った摺動により、2つの第1のコネクティングロッド222を相対的に開く及び閉じるように動かせる。しかし、このような設定では、サポート材23は、Z方向に沿った変位量を有するだけでなく、X方向に沿った変位量も有する。
【0052】
スクリュー221の、Y方向に沿った対向する両側には、それぞれ2グループの第1のコネクティングロッド222が設けられており、2グループの第1のコネクティングロッド222は、それぞれサポート材23の輪軸の両端にヒンジ接続され、これにより、サポート材23に対する接続及びサポートの安定性が高められる。他の実施例において、第1のコネクティングロッド222は、1グループしか設けられなくてもよく、例えばスクリュー221の真下にしか設けられなくてもよい。
【0053】
第1のナット座223と第1のコネクティングロッド222との接続を実現するために、第1のナット座223は、スリーブ部及びスリーブ部の外表面に凸設された接続板部を備え、スリーブ部の内壁には、対応するネジセグメントに適合するネジが開設されている。接続板部は、Y方向に沿って延在し且つ両端がそれぞれ2つの第1のコネクティングロッド222にヒンジ接続される。接続板部の上側面は、アーム本体21に密着し、これにより、第1のナット座223がアーム本体21に対して回動することが防止される。
【0054】
サポート材23は、サポートローラであり、サポートローラの輪軸は、Y方向に沿って延在し、これにより、フォークアーム2がサポート材23にサポートされると同時に、X方向に沿って移動可能であることを保証し、フォークアーム2の並進の円滑性を高め、フォークアーム2を調節しやすい。
【0055】
サポート材23のアーム本体21に対するサポートの安定性を高めるために、サポート材23は、輪軸、及び輪軸に間隔的に設けられた少なくとも2つの輪本体を備える。少なくとも2つの輪本体は、それぞれスクリュー221の対向する両側に位置し、且つフォークアーム2が初期状態にある時に、輪本体の上端は、スクリュー221の下側よりも高く、これにより、輪軸とスクリュー221との間の間隔が短縮され、構造のコンパクト性が高められる。
【0056】
スクリュー221には、スクリュー座226がされに回動嵌設されており、スクリュー座226には、スクリュー221が通過するネジ無し孔が開設されており、且つスクリュー座226は、アーム本体21に接続される。スクリュー221は、第1のネジセグメント2211と第2のネジセグメント2212との間に位置する第1のネジ無し軸セグメント2214を備え、スクリュー座226は、第1のネジ無し軸セグメント2214に嵌設され、2つの第1のナット座223が互いに衝突することを防止し、且つスクリュー221におけるネジに対する摩耗の発生を回避することができる。
【0057】
2つのスクリュー座226は、それぞれ第1のネジ無し軸セグメント2214の両端に設けられ、且つ搬送装置10が初期状態にある時に、サポート材23は、2つのスクリュー座226の間に位置する。このような設定は、第1のナット座223とサポート材23との衝突の発生を回避し、第1のナット座223の対向運動のストロークに対して位置規制を行うことができ、同時に、フォークアーム2が初期状態にある時に、サポート材23が2つのスクリュー座226の間に挟設されるようにサポート材23の初期取付位置を上げ、初期状態時のスクリュー221とサポート材23との間の隙間を短縮させて、初期状態時のフォークアーム2の、Z方向に沿った全体の厚さを減少させ、構造のコンパクト性を高めることもできる。
【0058】
第1のネジセグメント2211の、スクリュー座226から離れる一端には、位置規制スリーブ229が嵌設されており、第2のネジセグメント2212の、スクリュー座226から離れる一端は、アーム本体21に当接し、対応する第1のナット座223の背向運動時のストロークの位置規制を実現する。
【0059】
昇降駆動機構22はさらに、アーム本体21を取付枠31に対して鉛直昇降するように同期駆動することができ、これにより、フォークアーム2における駆動構造設定が簡略化され、コストが低減され、構造のコンパクト性が高められる。
【0060】
昇降駆動機構22は、第2のコネクティングロッド225及び第2の駆動アセンブリを備え、第2のコネクティングロッド225の第1の端は、取付枠31にヒンジ接続され、他端は、アーム本体21をサポートし、第2の駆動アセンブリは、アーム本体21を昇降させるように第2のコネクティングロッド225の回動を駆動可能であるように構成される。第2のコネクティングロッド225の回動がアーム本体21を昇降するように動かせるよう設定することにより、回動安定性を高め、且つ昇降駆動機構22の、鉛直方向における占用空間を減少させ、コストを低減させることができる。
【0061】
本実施例において、第2の駆動アセンブリは、上記のスクリュー221及び昇降駆動モータ227を備え、第2のナット座224をさらに備え、スクリュー221は、第3のネジセグメント2213を備え、第2のナット座224は、第3のネジセグメント2213に回動嵌設され、第2のコネクティングロッド225の第2の端は、第2のナット座224にヒンジ接続される。このような設定は、第1の駆動アセンブリ及び第2の駆動アセンブリに、スクリュー221及び昇降駆動モータ227を共用させ、コストを低減させて、構造を簡略化し、他の実施例において、第1の駆動アセンブリ及び第2の駆動アセンブリは、個別に設けられてもよい。
【0062】
本実施例において、第2のコネクティングロッド225の第1の端は、スタンド部311の底端にヒンジ接続され、且つ第2のコネクティングロッド225は、第2のナット座224の、取付枠31に向かう側に位置し、第3のネジセグメント2213は、第2のネジセグメント2212の螺旋方向と同じである。そして、フォークアーム2が初期状態にある時に、スクリュー221は、第2のコネクティングロッド225の第1の端よりも高く、第2のコネクティングロッド225は、第1の端から第2の端の方向に沿って斜め上向きに延在する。このような設定は、アーム本体21に上昇が必要とされる時に、第2のナット座224が、取付枠31に向かう方向に沿って運動し、第2のコネクティングロッド225の第2の端が、その第1の端回りに上向きに反転して、スクリュー221を上がるように動かせる。
【0063】
搬送装置10が、フォークアーム2伸出状態及びフォークアーム2伸出リフト状態を有することから、サポート材23が伸出状態及び伸出リフト状態時にいずれも地面に接触するまで下降可能であることを保証するために、第2のナット座224は、ナットスリーブ部2241及びナットスリーブ部2241に摺動嵌設されたスライド座部2243を備え、ナットスリーブ部2241は、第3のネジセグメント2213に伝動嵌合され、ナットスリーブ部2241には、スライド座部2243の摺動ストロークを制限する2つの位置規制座部2242が設けられており、第2のコネクティングロッド225は、スライド座部2243にヒンジ接続される。
【0064】
図8に示す方向を例に説明し、搬送装置10が初期状態にある時に、スライド座部2243及び右側の位置規制座部2242は一定の隙間を有し、そのため、第2のナット座224がスクリュー221に沿って移動する初期段階において、スライド座部2243は、ナットスリーブ部2241に対して摺動し、スライド座部2243が動かず、第1のコネクティングロッド222が動作せず、即ちスクリュー221が昇降せず、サポート材23のみが昇降し、スライド座部2243が右側の位置規制座部2242に当接するまで摺動した後に、ナットスリーブ部2241の、スクリュー221に沿った移動の継続は、スライド座部2243をスクリュー221に沿って移動するように動かせ、さらに第1のコネクティングロッド222を動作するように動かせて、スクリュー221を上昇させる。フォークアーム2が初期状態にある時に、スライド座部2243と右側の位置規制座部2242との間の隙間は、サポート材23の、地面からの高さに応じて設定可能である。
【0065】
本実施例において、第2のコネクティングロッド225は、2つ設けられており、2つの第2のコネクティングロッド225は、それぞれスクリュー221の対向する両側に位置し、各第2のコネクティングロッド225の上端は、スライド座部2243にヒンジ接続される。このような設定は、第2のコネクティングロッド225の両端の同期昇降を効果的に実現し、アーム本体21の昇降運動の平穏性を高めることができる。
【0066】
第2のコネクティングロッド225と取付枠31とのヒンジ接続の利便性を高めるために、フォークアーム2には、ヒンジ接続軸25がさらに備えられ、ヒンジ接続軸25は、Y方向に沿って延在し、2つの第2のコネクティングロッド225の下端はいずれもヒンジ接続軸25にヒンジ接続される。
図10に示すように、取付枠31の側板3111には、ヒンジ接続孔3114が開設されており、ヒンジ接続軸25の両端は、それぞれ2つのヒンジ接続孔3114の中に挿設される。
【0067】
スクリュー221は、第1のネジセグメント2211と第3のネジセグメント2213との間に位置する第2のネジ無し軸セグメント2215をさらに備え、昇降駆動モータ227は、減速機228を介して第2のネジ無し軸セグメント2215に伝動接続される。減速機228の設置は、スクリュー221の回転速度を低減させ、スクリュー221のトルクを増大して、昇降駆動機構22の運行の平穏性を高めることができる。
【0068】
他の実施例において、サポート材23を鉛直昇降するように駆動する昇降駆動機構22と、アーム本体21を取付枠31に対して鉛直昇降するように駆動する昇降駆動機構22とは、分離して設けられてもよく、且つ2セットの昇降駆動機構22はいずれも、モータとスプロケットチェーンとの連携の駆動、スクリューナット機構、スライダクランク機構又はリンク機構などの駆動構造形式を採用するか、若しくはリニアモータ、油圧シリンダなどのリニア駆動構造形式を採用することができ、且つ上記複数種類のリニア駆動構造はいずれも一般的なものであり、ここでは繰り返し説明しない。
【0069】
アーム本体21は、下端が開口した長尺箱状構造を呈し、それには、下端が開口した空洞が形成されており、スクリュー221、昇降駆動モータ227及び減速機228は、空洞の中に収容され、これにより、昇降駆動機構22が保護され、且つ構造のコンパクト性及びフォークアーム2の外形の美観性が高められる。
【0070】
図12に示すように、アーム本体21が取付枠31に対して摺動する安定性を高めるために、スタンド部311の2つの側板3111の内側にはいずれもZ方向案内溝3113が設けられており、Z方向案内溝3113は、Z方向に沿って延在する。アーム本体21の、Y方向に沿った対向する両側にはいずれも案内材が設けられており、案内材は、対応するZ方向案内溝3113の中に伸出してZ方向案内溝3113の溝壁に摺動又は転動嵌合される。
図7に示すように、本実施例において、案内材は、第3の案内ローラ24であり、且つ第3の案内ローラ24は、Z方向に沿って少なくとも2つ設けられている。
【0071】
本実施例は、パレット20及び上記の搬送装置10を備える倉庫物流システムをさらに提供し、上記の搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うことにより、パレット20に対する搬送の利便性及び柔軟性を高め、倉庫物流システムの運行効率を高め、倉庫物流システムの運行コストを低減させることができる。
【0072】
実施例2
図13~18に示すように、本実施例は、実施例1における搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うパレット搬送方法を提供する。
【0073】
本実施例に係るパレット搬送方法は、以下のステップを含む。
【0074】
ステップS1において、搬送装置10は、パレット20の直前方まで運行し、搬送装置10のフォークアーム2をパレット20のフォーク孔201に正対させる。
【0075】
搬送装置10は、ナビゲーションシステムによりパレット20の直前方まで自動運行し、且つ搬送装置10の自動ナビゲーションの設定は、関連技術に応じて行うことができる。
【0076】
ステップS2において、水平駆動ユニットは正方向に運行し、取付枠31を車体1に対してX方向に沿って運動するように駆動して、フォークアーム2を、フォーク孔201の中に挿入するまでX方向に沿って伸出させる。
【0077】
本実施例において、電動ドラム32は回動し、取付枠31をX方向に沿って運動するように動かせる。
【0078】
ステップS3において、フォークアーム2の自由端が車体1から設定距離伸出した後に、昇降駆動機構22は正方向に動作し、サポート材23を、地面に接触するまでアーム本体21に対して下降するように動かせる。
【0079】
フォークアーム2の自由端が車体1から設定距離伸出した後に、サポート材23を地面にサポートさせることにより、フォークアーム2に補助的サポートを提供し、フォークアーム2が折れ曲がることを回避することができる。
【0080】
ステップS4において、フォークアーム2が引き続き前に向かって最大距離まで伸出した後に、水平駆動ユニットは、運行停止する。
【0081】
ステップS5において、昇降駆動機構22は正方向に運行し、アーム本体21を取付枠31に対して上昇させ、同時に、サポート材23を、パレット20の底部が地面に対して予め設定された高さに上がるまで、アーム本体21に対して下降させる。
【0082】
本実施例において、スクリュー221は回動し、2つの第1のナット座223を対向運動するように動かせ、サポート材23をアーム本体21に対して下降するように動かせ、同時に、第2のナット座224は、取付枠31に近づく方向に摺動し、第2のコネクティングロッド225をヒンジ接続軸25回りに上向きに反転するように動かせる。
【0083】
ステップS6において、駆動輪機構は動作し、フォークアーム2及び取付枠31が動かないように保持される前提で、車体1をX方向に沿ってパレット20の底部に運動させる。
【0084】
ステップS7において、昇降駆動機構22は逆方向に動作し、アーム本体21がパレット20を下降するように動かせて車体1の上表面に接触させるまで、アーム本体21を取付枠31に対して下降するよう、且つサポート材23をアーム本体21に対して上昇するように動かせる。
【0085】
本実施例において、スクリュー221は逆方向に回動し、2つの第1のナット座223は背向運行し、サポート材23とスクリュー221との間の高さが減少し、同時に、第2のナット座224は、取付枠31から離れる方向に沿って摺動して、第2のコネクティングロッド225をヒンジ接続軸25回りに下向きに反転させ、アーム本体21を下に向かって運動するように動かせて、アーム本体21に載置されたパレット20を下降するように動かせる。
【0086】
ステップS8において、スクリュー221は、引き続き逆方向運動し、スライド座部2243は固定して位置規制座部2242に対して摺動し、サポート材23は、地面と接触しなくなるまで上に向かって運動し、搬送装置10は、定位置ドッキング状態に達する。
【0087】
ステップS9において、搬送装置10は、パレット20を携帯して予定目的地まで運行する。
【0088】
ステップS10において、昇降駆動機構22は正方向に動作し、スクリュー221を設定高さまで上昇するよう、同時に、サポート材23を、地面に接触するまでアーム本体21に対して下に向って運動するように動かせる。
【0089】
ステップS11において、駆動輪機構12は逆方向に動作して、車体1を、パレット20の下方から移出されるまで取付枠31及びフォークアーム2に対して運動させる。
【0090】
ステップS12において、昇降駆動機構22は逆方向に動作し、アーム本体21がパレット20を地面に接触するまで下降するように動かせるように、スクリュー221を下降するよう、同時に、サポート材23を、アーム本体21に対して上に向かって運動するように動かせる。
【0091】
ステップS13において、水平駆動ユニットは逆方向に動作し、取付枠31及びフォークアーム2を、フォークアーム2がフォーク孔201から脱離して取付枠31及びフォークアーム2が初期位置に戻るまで車体1に対して移動させる。
【0092】
ステップS14において、スクリュー221は逆方向に回動し、サポート材23を、地面から脱離するまで引き続きアーム本体21に向かう方向に沿って運動するように動かせる。
【0093】
ステップS13及びステップS14は、同期して行ってもよいし、前後に行ってもよい。
【0094】
本実施例に係るパレット搬送方法は、上記の搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うことにより、パレット20に対する搬送の柔軟性及び適用性を高め、パレット20の搬送過程における旋回半径及び占用空間を減少させることができる。
【0095】
実施例3
本実施例は、実施例1における搬送装置10を採用してパレット20に対して搬送を行うパレット搬送方法を提供し、且つ本実施例に係るパレット搬送方法は、実施例2に係るパレット搬送方法とほぼ同じであり、一部のステップのみが異なり、本実施例は、実施例2と同じステップについて繰り返し説明しない。
【0096】
パレット搬送方法は、以下のステップを含む。
【0097】
ステップS1~ステップS5は、実施例2を参照することができる。
【0098】
ステップS6において、車体1は動かないように保持され、水平駆動ユニットは逆方向に回動し、フォークアーム2が車体1の上方に戻るまで、取付枠31及びフォークアーム2を、車体1に対して後に向かって運動するように動かせる。
【0099】
ステップS7~ステップS10は、実施例2を参照することができる。
【0100】
ステップS11において、車体1は動かないように保持され、水平駆動ユニットは正方向に回動し、車体1がパレット20の底部から脱離するまで、取付枠31及びフォークアーム2を、前に向かって伸出するように動かせる。
【0101】
ステップS12ないしステップS14は、実施例2を参照することができる。
【0102】
具体的な実施において、ステップS6は、実施例2におけるステップS6を採用し、ステップS11は、実施例3におけるステップS11を採用し、若しくはステップS6は、実施例3におけるステップS6を採用し、ステップS11は、実施例2におけるステップS11を採用してもよく、フォークアーム2と車体1との間の相対運行を実現できればよい。
【国際調査報告】