(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(54)【発明の名称】一方向弁及び空調機器
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
F16K27/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511810
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2021089909
(87)【国際公開番号】W WO2022052478
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】202021949418.4
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】趙 劍波
(72)【発明者】
【氏名】宣 永斌
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB10
3H051CC11
3H051CC15
3H051FF08
(57)【要約】
一方向弁及び空調機器であって、弁座(2)は、弁チャンバ(11)内に固定して設けられ且つ弁チャンバ(11)の内壁に封止接続される。弁座(2)は、弁チャンバ(11)を第1チャンバ(111)と第2チャンバ(112)とに分割する。弁座(2)には、第1チャンバ(111)と第2チャンバ(112)とを連通する第1通路(21)が設けられている。ピストン(3)は、第1チャンバ(111)内に設けられている。支持部材(4)は、第1チャンバ(111)の内壁に固定して設けられている。弾性部材(5)は、支持部材(4)とピストン(3)との間に設けられ、弾性部材(5)の一端が支持部材(4)に当接され、他端がピストン(3)に当接される。一方向弁は、弁体(1)の両端に設けられた第1接続パイプ(6)及び第2接続パイプ(7)を更に含み、弁体(1)、第1接続パイプ(6)及び第2接続パイプ(7)は一体に成形された構造であり、溶接強度の低下によって一方向弁に流れ媒体が漏れるリスクがあるという問題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁チャンバが設けられた弁体と、
前記弁チャンバ内に固定して設けられ且つ前記弁チャンバの内壁に封止接続される弁座であって、前記弁チャンバを第1チャンバと第2チャンバとに分割し、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを連通する第1通路が設けられた弁座と、
前記第1チャンバ内に設けられて、前記第1通路を開閉するために前記第1通路と移動可能に係合されるピストンと、
前記第1チャンバの内壁に固定して設けられる支持部材と、
前記支持部材と前記ピストンとの間に設けられ、一端が前記支持部材に当接され、他端が前記ピストンに当接されて、前記ピストンが前記弁座に向かって移動する傾向を有するようにして、片側から前記第1通路を閉鎖する弾性部材と、を含み、
前記弁体の両端に設けられた第1接続パイプと第2接続パイプを更に含み、前記弁体、前記第1接続パイプ及び前記第2接続パイプは一体に成形された構造である、一方向弁。
【請求項2】
前記弁体の両端は、スピニング成形により前記第1接続パイプ及び前記第2接続パイプを形成する、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項3】
前記弁座の外壁に第1制限溝が設けられており、前記弁体に第1制限突起が設けられており、前記弁座を前記弁体内に固定するために前記第1制限突起を前記第1制限溝内に挿入する、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項4】
前記第1制限溝は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈し、前記弁体の前記第1制限突起から乖離する側には、前記第1制限突起に対応して第1圧溝が設けられている、請求項3に記載の一方向弁。
【請求項5】
前記第1制限溝の幅A
2と前記弁座の厚さA
3との比率が20%~30%であり、
及び/又は、前記第1圧溝の幅A
1が前記第1制限溝の幅A
2以下であり、
及び/又は、前記第1制限溝の深さB
2と前記弁体の壁厚B
1との比率が15%~25%であり、
及び/又は、前記第1圧溝の最底部から前記第1制限突起の高部までの距離B
3と前記弁体の壁厚B
1との比率が75%~85%であり、
及び/又は、前記弁体と前記第2接続パイプとを接続する接続セグメントを更に含み、前記弁座と前記接続セグメントとの最短距離hが前記弁座の厚さA
3以上である、請求項4に記載の一方向弁。
【請求項6】
前記弁体は、スピニング成形により前記第1制限突起及び前記第1圧溝を形成する、請求項4に記載の一方向弁。
【請求項7】
固定部及びガイド部を含む支持部材を更に含み、前記固定部が前記第1チャンバの内壁に固定して設けられ、前記ガイド部の一端が前記固定部に接続され、他端が前記弁座に向かって延在し、前記ピストンの前記弁座から離れた一端が前記ガイド部に移動可能に嵌合されている、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項8】
前記固定部の外壁に第2制限溝が設けられており、前記弁体に第2制限突起が設けられており、前記支持部材を前記弁体内に固定するために前記第2制限突起を前記第2制限溝内に挿入する、請求項7に記載の一方向弁。
【請求項9】
前記第2制限溝は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈し、前記弁体の前記第2制限突起から乖離する側には、前記第2制限突起に対応して第2圧溝が設けられている、請求項8に記載の一方向弁。
【請求項10】
前記第2制限溝の幅A
5と前記固定部の厚さA
6との比率が20%~30%であり、
及び/又は、前記第2圧溝の幅A
4が前記第2制限溝の幅A
5以下であり、
及び/又は、前記第2制限溝の深さB
5と前記弁体の壁厚B
4との比率が15%~25%であり、
及び/又は、前記第2圧溝の最底部から前記第2制限突起の高部までの距離B
6と前記弁体の壁厚B
4との比率が75%~85%である、請求項9に記載の一方向弁。
【請求項11】
前記弁体は、スピニング成形により前記第2制限突起及び前記第2圧溝を形成する、請求項9に記載の一方向弁。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の一方向弁を含む、空調機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年9月8日に出願された、出願番号が202021949418.4であり、発明の名称が「一方向弁及び空調機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用することにより本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は弁の技術分野に関し、特に、一方向弁及び空調機器に関する。
【背景技術】
【0003】
空調機器の設計過程において、空調機器が停止した後に排出された気流の跳ね返りが空調機器の圧縮機に影響を与えることを防止するために、圧縮機の排気管にスプリング式一方向弁を設ける。通常、圧縮機の排気端に使用されるスプリング式一方向弁は、弁体、弁蓋、第1接続パイプ、及び第2接続パイプを含み、弁体と弁蓋との間、弁体と第1接続パイプとの間、弁蓋と第2接続パイプとの間は、通常溶接により接続される。溶接部において溶接強度の低下が発生しやすく、弁体内の流れ媒体が漏れてしまうリスクがある。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、従来技術における、溶接強度の低下によってスプリング式一方向弁に流れ媒体が漏れるリスクがあるという問題を解決する一方向弁及び空調機器を提供することを必要とする。
【0005】
本出願は、弁体、弁座、ピストン、支持部材、及び弾性部材を含む一方向弁を提供する。弁体には弁チャンバが設けられている。弁座は、弁チャンバ内に固定して設けられ且つ弁チャンバの内壁に封止接続される。弁座は、弁チャンバを第1チャンバと第2チャンバとに分割する。弁座には、第1チャンバと第2チャンバとを連通する第1通路が設けられている。ピストンは、第1チャンバ内に設けられて、第1通路を開閉するために第1通路と移動可能に係合される。支持部材は、第1チャンバの内壁に固定して設けられている。弾性部材は、支持部材とピストンとの間に設けられ、弾性部材の一端が支持部材に当接され、他端がピストンに当接されて、ピストンが弁座に向かって移動する傾向を有するようにして、片側から第1通路を閉鎖する。一方向弁は、弁体の両端に設けられた第1接続パイプ及び第2接続パイプを更に含み、弁体、第1接続パイプ及び第2接続パイプは一体に成形された構造である。
【0006】
本出願の一実施例において、弁体の両端はスピニング成形により第1接続パイプ及び第2接続パイプを形成する。スピニング加工のプロセスの成熟度が比較的高く、様々な形状の複雑な曲面を加工することができるため、スピニング成形プロセスにより加工された第1接続パイプ及び第2接続パイプは、弁体と比較的良好な接続性を有し、流れ媒体が弁体と第1接続パイプとの接続部、又は弁体と第2接続パイプとの接続部から漏れることを効果的に防止することができる。
【0007】
本出願の一実施例において、弁座の外壁に第1制限溝が設けられており、弁体に第1制限突起が設けられており、弁座を弁体内に固定するために第1制限突起を第1制限溝内に挿入する。このように設計すると、弁座が弁体内に堅牢に固定され、且つ溶接点がないため、流れ媒体が漏れるリスクを減少させる。
【0008】
本出願の一実施例において、第1制限溝は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈し、弁体の第1制限突起から乖離する側には、第1制限突起に対応して第1圧溝が設けられている。第1制限溝は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈するため、旋盤により直接加工成形しやすい。第1制限突起を加工して形成する過程において、弁体の内側に向かって弁体を押し付けることにより第1制限突起及び第1圧溝を直接形成するため、第1制限突起の加工成形がより簡単になる。
【0009】
本出願の一実施例において、第1制限溝の幅A2と弁座の厚さA3との比率が20%~30%であり、
及び/又は、第1圧溝の幅A1が第1制限溝の幅A2以下であり、
及び/又は、第1制限溝の深さB2と弁体の壁厚B1との比率が15%~25%であり、
及び/又は、第1圧溝の最底部から第1制限突起の高部までの距離B3と弁体の壁厚B1との比率が75%~85%であり、
及び/又は、一方向弁は、弁体と第2接続パイプとを接続する接続セグメントを更に含み、弁座と接続セグメントとの最短距離hが弁座の厚さA3以上である。
【0010】
本出願の一実施例において、弁体はスピニング成形により第1制限突起及び第1圧溝を形成する。スピニング加工のプロセスの成熟度が比較的高く、様々な形状の複雑な曲面を加工することができるため、スピニング成形プロセスにより加工された第1制限突起は比較的良好な構造強度を有する。
【0011】
本出願の一実施例において、一方向弁は、固定部及びガイド部を含む支持部材を更に含み、固定部が第1チャンバの内壁に固定して設けられ、ガイド部の一端が固定部に接続され、他端が弁座に向かって延在し、ピストンの弁座から離れた一端がガイド部に移動可能に嵌合されている。このように設計すると、ピストンをガイド部が延在する方向に沿って移動させることができ、ピストンがガイド部の作用により第1通路を正確に開閉するのに有利である。
【0012】
本出願の一実施例において、固定部の外壁に第2制限溝が設けられており、弁体に第2制限突起が設けられており、支持部材を弁体内に固定するために第2制限突起を第2制限溝内に挿入する。このように設計すると、支持部材が弁体内に堅牢に固定され、且つ溶接点がないため、流れ媒体が漏れるリスクを減少させる。
【0013】
本出願の一実施例において、第2制限溝は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈し、弁体の第2制限突起から乖離する側には、第2制限突起に対応して第2圧溝が設けられている。第2制限溝は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈するため、旋盤により直接加工成形しやすい。第2制限突起を加工して形成する過程において、弁体の内側に向かって弁体を押し付けることにより第2制限突起及び第2圧溝を直接形成するため、第2制限突起の加工成形がより簡単になる。
【0014】
本出願の一実施例において、第2制限溝の幅A5と固定部の厚さA6との比率が20%~30%であり、
及び/又は、第2圧溝の幅A4が第2制限溝の幅A5以下であり、
及び/又は、第2制限溝の深さB5と弁体の壁厚B4との比率が15%~25%であり、
及び/又は、第2圧溝の最底部から第2制限突起の高部までの距離B6と弁体の壁厚B4との比率が75%~85%である。
【0015】
本出願の一実施例において、弁体はスピニング成形により第2制限突起及び第2圧溝を形成する。スピニング加工のプロセスの成熟度が比較的高く、様々な形状の複雑な曲面を加工することができるため、スピニング成形プロセスにより加工された第2制限突起は比較的良好な構造強度を有する。
【0016】
本出願は、上記の実施例のいずれかに記載の一方向弁を含む空調機器を提供する。
【0017】
本出願で提供される一方向弁は、組み立て過程において、まず、支持部材、弾性部材、ピストン及び弁座の組み立てを完了し、その後、組み立て済の支持部材、弾性部材、ピストン及び弁座を弁チャンバ内に装着し、最後に、弁体の両端の第1接続パイプ及び第2接続パイプを加工して成形する。流れ媒体が第2接続パイプから弁体の第2チャンバ内に流れ込み、その後、流れ媒体が弁座の第1通路に入ってピストンを押し開けることにより弁体の第1チャンバ内に入り、最終に、流れ媒体が第1接続パイプに入って弁体の弁チャンバを出る。この場合、ピストンは、弾性部材の弾性作用により第1通路を閉鎖して、流れ媒体の逆流を回避する。弁体、第1接続パイプ及び第2接続パイプは一体に成形された構造であるため、弁体、第1接続パイプと第2接続パイプとの間は溶接する必要がなく、溶接点がないため、流れ媒体が漏れるリスクがない。即ち、本出願で提供される一方向弁は、従来技術における溶接強度の低下によってスプリング式一方向弁に流れ媒体が漏れるリスクがあるという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本出願の一実施例の一方向弁の断面図である。
【0019】
1 弁体、11 弁チャンバ、111 第1チャンバ、112 第2チャンバ、12 第1制限突起、13 第1圧溝、14 第2制限突起、15 第2圧溝、2 弁座、21 第1通路、22 第1制限溝、3 ピストン、4 支持部材、41 固定部、411 第2制限溝、42 ガイド部、5 弾性部材、6 第1接続パイプ、7 第2接続パイプ、8 接続セグメント。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施形態における図面を参照して、本出願の実施形態における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、全ての実施形態ではないことは明らかである。当業者が、本出願における実施形態に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0021】
説明すべきこととして、アセンブリが他のアセンブリに「装着される」とされる場合、他のアセンブリに直接装着されてもよく、又は介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0022】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願に属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0023】
図1を参照すると、本出願で提供される一方向弁は、弁体1、弁座2、ピストン3、支持部材4及び弾性部材5を含む。弁体1には弁チャンバ11が設けられている。弁座2は、弁チャンバ11内に固定して設けられ且つ弁チャンバ11の内壁に封止接続される。弁座2は、弁チャンバ11を第1チャンバ111と第2チャンバ112とに分割する。弁座2には、第1チャンバ111と第2チャンバ112とを連通する第1通路21が設けられている。ピストン3は、第1チャンバ111内に設けられて、第1通路21を開閉するために第1通路21と移動可能に係合される。支持部材4は、第1チャンバ111の内壁に固定して設けられている。弾性部材5は、支持部材4とピストン3との間に設けられ、弾性部材5の一端が支持部材4に当接され、他端がピストン3に当接され、ピストン3が弁座2に向かって移動する傾向を有するようにして、片側から第1通路21を閉鎖する。一方向弁は、弁体1の両端に設けられた第1接続パイプ6及び第2接続パイプ7を更に含み、弁体1、第1接続パイプ6及び第2接続パイプ7は一体に成形された構造である。
【0024】
一方向弁の組み立て過程において、まず、支持部材4、弾性部材5、ピストン3及び弁座2の組み立てを完了し、その後、組み立て済の支持部材4、弾性部材5、ピストン3及び弁座2を弁チャンバ11内に装着し、最後に、弁体1の両端の第1接続パイプ6及び第2接続パイプ7を加工して成形する。流れ媒体が第2接続パイプ7から弁体1の第2チャンバ112内に流れ込み、その後、流れ媒体が弁座2の第1通路21に入ってピストン3を押し開けることにより弁体1の第1チャンバ111内に入り、最終に、流れ媒体が第1接続パイプ6に入って弁体1の弁チャンバ11を出る。この場合、ピストン3は、弾性部材5の弾性作用により第1通路21を閉鎖して、流れ媒体の逆流を回避する。
【0025】
弁体1、第1接続パイプ6及び第2接続パイプ7は一体に成形された構造であるため、弁体1と第1接続パイプ6との間は溶接する必要がなく、且つ弁体1と第2接続パイプ7との間も溶接する必要がなく、溶接点がないため、流れ媒体が漏れるリスクがない。即ち、本出願で提供される一方向弁は、従来技術における溶接強度の低下によってスプリング式一方向弁に流れ媒体が漏れるリスクがあるという問題を解決する。
【0026】
一実施例において、弁体1の両端はスピニング成形により第1接続パイプ6及び第2接続パイプ7を形成する。スピニング加工のプロセスの成熟度が比較的高く、様々な形状の複雑な曲面を加工することができるため、スピニング成形プロセスにより加工された第1接続パイプ6及び第2接続パイプ7は、弁体1と比較的良好な接続性を有し、流れ媒体が弁体1と第1接続パイプ6との接続部、又は弁体1と第2接続パイプ7との接続部から漏れることを効果的に防止することができる。
【0027】
一実施例において、
図1に示すように、弁座2の外壁に第1制限溝22が設けられており、弁体1に第1制限突起12が設けられており、弁座2を弁体1内に固定するために第1制限突起12を第1制限溝22内に挿入する。実際の加工過程において、まず、弁座2の側面に第1制限溝22を加工し、その後、弁座2を弁チャンバ11内に入れ、最後に第1制限突起12を加工して形成し且つ第1制限溝22を係止する。このように設計すると、弁座2が弁体1内に堅牢に固定され、且つ溶接点がないため、流れ媒体が漏れるリスクを減少させる。
【0028】
一実施例において、
図1に示すように、第1制限溝22は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈する。弁体1の第1制限突起12から乖離する側には、第1制限突起12に対応して第1圧溝13が設けられている。第1制限溝22は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈するため、旋盤により直接加工成形しやすい。第1制限突起12を加工して形成する過程において、弁体1の内側に向かって弁体1を押し付けることにより第1制限突起12及び第1圧溝13を直接形成するため、第1制限突起12の加工成形がより簡単になる。
【0029】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、第1制限溝22の幅A
2と弁座2の厚さA
3との比率が20%~30%であるため、第1制限溝22が第1制限突起12に対して比較的堅牢に接続されることができ、且つ第1制限溝22が広すぎることで弁座2の構造の安定性に影響を与えることはない。しかし、これに限定されず、第1制限溝22の幅A
2と弁座2の厚さA
3との比率は30%~40%であってもよく、弁座2の構造の安定性を確保するとともに、第1制限突起12と第1制限溝22とも堅牢に接続されることができる。第1圧溝13の幅A
1が第1制限溝22の幅A
2以下であるため、弁体1の第1制限突起12における構造強度を高めるのに有利である。第1制限溝22の深さB
2と弁体1の壁厚B
1との比率が15%~25%であるため、弁体1の第1制限突起12における構造強度を高めるのに有利である。第1圧溝13の最底部から第1制限突起12の高部までの距離B
3と弁体1の壁厚B
1との比率が75%~85%であるため、弁体1の第1制限突起12における構造強度を高めるのに有利である。一方向弁は、弁体1と第2接続パイプ7とを接続する接続セグメント8を更に含み、弁座2と接続セグメント8との最短距離hが弁座2の厚さA
3以上であり、このように設計すると、一方向弁の組み立てが容易になる。
【0030】
一実施例において、弁体1は、スピニング成形により第1制限突起12及び第1圧溝13を形成する。スピニング加工のプロセスの成熟度が比較的高く、様々な形状の複雑な曲面を加工することができるため、スピニング成形プロセスにより加工された第1制限突起12は比較的良好な構造強度を有する。
【0031】
一実施例において、
図1に示すように、一方向弁は、固定部41及びガイド部42を含む支持部材4を更に含み、固定部41は、第1チャンバ111の内壁に固定して設けられる。ガイド部42の一端が固定部41に接続され、他端が弁座2に向かって延在し、ピストン3の弁座2から離れた一端がガイド部42に移動可能に嵌合されている。このように設計すると、ピストン3をガイド部42が延在する方向に沿って移動させることができ、ピストン3がガイド部42の作用により第1通路21を正確に開閉するのに有利である。
【0032】
一実施例において、
図1に示すように、固定部41の外壁に第2制限溝411が設けられており、弁体1に第2制限突起14が設けられており、支持部材4を弁体1内に固定するために第2制限突起14を第2制限溝411内に挿入する。実際の加工過程において、まず、支持部材4の固定部41の側面に第2制限溝411を加工する必要があり、その後、支持部材4を弁チャンバ11に入れ、最後に加工により第2制限突起14を形成して第2制限溝411を係止する。このように設計すると、支持部材4が弁体1内に堅牢に固定され、且つ溶接点がないため、流れ媒体が漏れるリスクを減少させる。
【0033】
一実施例において、
図1に示すように、第2制限溝411は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈し、弁体1の第2制限突起14から乖離する側には、第2制限突起14に対応して第2圧溝15が設けられている。第2制限溝411は、環状を呈し、且つ断面が矩形を呈するため、旋盤により直接加工成形しやすい。第2制限突起14を加工して形成する過程において、弁体1の内側に向かって弁体1を押し付けることにより第2制限突起14及び第2圧溝15を直接形成するため、第2制限突起14の加工成形がより簡単になる。
【0034】
一実施例において、
図3に示すように、第2制限溝411の幅A
5と固定部41の厚さA
6との比率が20%~30%であるため、第2制限溝411が第2制限突起14に対して比較的堅牢に接続されることができ、且つ第2制限溝411が広すぎることで支持部材4の構造の安定性に影響を与えることはない。しかし、これに限定されず、第2制限溝411の幅A
5と固定部41の厚さA
6との比率は30%~40%であってもよく、支持部材4の構造の安定性を確保するとともに、第2制限突起14と第2制限溝411とも堅牢に接続されることができる。第2圧溝15の幅A
4が第2制限溝411の幅A
5以下であるため、弁体1の第2制限突起14における構造強度を高めるのに有利である。第2制限溝411の深さB
5と弁体1の壁厚B
4との比率が15%~25%であるため、弁体1の第2制限突起14における構造強度を高めるのに有利である。第2圧溝15の最底部から第2制限突起14の高部までの距離B
6と弁体1の壁厚B
4との比率が75%~85%であるため、弁体1の第2制限突起14における構造強度を高めるのに有利である。
【0035】
一実施例において、弁体1は、スピニング成形により第2制限突起14及び第2圧溝15を形成する。スピニング加工のプロセスの成熟度が比較的高く、様々な形状の複雑な曲面を加工することができるため、スピニング成形プロセスにより加工された第2制限突起14は比較的良好な構造強度を有する。
【0036】
本出願は、実施例のいずれかに記載の一方向弁を含む空調機器を更に提供する。
【0037】
上述した実施形態の各技術特徴は、任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために、上記の実施形態における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0038】
当業者が理解すべきこととして、以上の実施形態は単に本出願を説明するために使用され、本出願を限定するためのものではなく、本出願の実質的な趣旨の範囲内で、以上の実施形態によりなされる適切な変更及び変化は、いずれも本出願の保護を求める範囲に属する。
【国際調査報告】