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▶ エンハンスト エネルギー グループ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(54)【発明の名称】炭素捕捉システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20230919BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20230919BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20230919BHJP
【FI】
B01D53/04 110
B01D53/26 231
B01D53/04 230
C01B32/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513907
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021048988
(87)【国際公開番号】W WO2022055797
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/076,521
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/464,199
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515052268
【氏名又は名称】エンハンスト エネルギー グループ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Enhanced Energy Group LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダン、ポール、エム.
【テーマコード(参考)】
4D012
4D052
4G146
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012BA04
4D012CA01
4D012CA03
4D012CA05
4D012CA06
4D012CA15
4D012CA16
4D012CA20
4D012CB16
4D012CD03
4D012CD07
4D012CD10
4D012CE01
4D012CG01
4D012CG05
4D012CJ05
4D012CK03
4D012CK04
4D052CD00
4D052DA00
4D052DA04
4D052DB01
4D052GA01
4D052GB00
4D052GB08
4D052HA00
4D052HA02
4G146JA02
4G146JB09
4G146JC08
4G146JC27
(57)【要約】
炭素捕捉システムは、複数のCO熱スイング吸着(TSA)ベッドを含むことができる。複数のCO TSAベッドは少なくとも、捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において捕捉されたCOを再生するように構成される、第1TSAベッド、第2TSAベッド、及び第3TSAベッドを含むことができる。炭素捕捉システムは、第1、第2および第3TSAベッドのそれぞれの動作モードを切り替えることを可能にするように構成される、複数のバルブおよび関連する流路を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素捕捉システムであって、
少なくとも、
捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、前記捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において前記捕捉されたCOを再生するように構成される、第1TSAベッド、
捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、前記捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において前記捕捉されたCOを再生するように構成される、第2TSAベッド、および
捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、前記捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において前記捕捉されたCOを再生するように構成される、第3TSAベッド、を含む複数のCO熱スイング吸着(TSA)ベッドと、
前記第1、第2および第3TSAベッドのそれぞれの動作モードを切り替えることを可能にするように構成される、複数のバルブおよび関連する流路と、
前記複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つが捕捉モードで動作して、排気流からCOを除去し、窒素流を出力し、それと同時に、前記複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つが加熱再生モードで使用されてCOを生成流に放出し、それと同時に、前記複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つが冷却モードで動作して冷却流によって冷却されるよう、前記複数のバルブを制御して連続動作を提供するように構成される、制御モジュールと、を含む炭素捕捉システム。
【請求項2】
前記炭素捕捉システムは、そこからエンジン排気を受け取るためにセミクローズドサイクルエンジンシステムに接続されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各TSAベッドに選択的に接続され、前記生成ストリームを再生モードにおけるそれぞれのTSAベッドを通して循環させて、前記TSAベッドから追加のCOを再生し、前記生成流におけるCO濃度を増加させるように構成される生成ストリームサーキュレーターサブシステムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、前記再生モードで動作するそれぞれのTSAベッドを再生温度範囲内に加熱するのに十分な熱を前記生成流に加えるように構成される熱源を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、前記サーキュレーター内で前記生成流を移動させるように構成される動力源を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、CO出力サブシステムと流体連通する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記熱源は、前記エンジンの下流に位置する前記排気流と熱連通するように構成される廃熱交換器であり、前記動力源は、タービンに接続される圧縮機であり、前記廃熱交換器は、廃熱が前記タービンを駆動して前記圧縮機に電力を供給するように、前記圧縮機と前記タービンとの間で流体連通する、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記炭素捕捉システムを通って前記捕捉モードで動作するそれぞれのTSAベッドに流れるために前記排気流に動力流を提供するように構成されるフロームーバをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記捕捉モードで動作する前記第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの上流に位置する水を除去するために、前記フロームーバの下流かつ前記第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの上流に位置する脱水サブシステムをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記脱水サブシステムは、少なくとも2つの脱水TSA及び関連するバルブを含み、前記制御モジュールは、乾燥排気を前記複数のCO TSAのうちの少なくとも1つに出力するために第1脱水TSAを水捕捉モードで動作させ、第2脱水TSAを、加熱された前記複数のCO TSAからの前記窒素流を使用して水再生モードで動作させ、または冷却された前記複数のCO TSAからの前記窒素流を使用して冷却モードで動作させるように前記少なくとも2つの脱水TSAを動作させるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1、第2、および第3TSAベッドのそれぞれと一体化されて、同じ位置の水およびCOを除去する脱水サブシステムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記冷却モードで動作する時の前記第1、第2、および第3のTSAベッドの冷却効果を増加させるために、前記捕捉モードにおけるそれぞれのTSAベッドによって出力された窒素を再循環させるように構成される窒素フロームーバを有する窒素再循環システムを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
生成モードで動作する前記第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの下流に位置する水を除去するために、前記生成モードで動作する時の前記第1、第2、および第3TSAベッドの少なくとも1つの下流に位置する脱水サブシステムを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、前記捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において前記捕捉されたCOを再生するように構成される、熱スイング吸着(TSA)ベッドと、
前記TSAベッドに選択的に接続され、加熱された生成ストリームを熱スイング吸着(TSA)ベッドを通して循環させて、前記TSAベッドから追加のCOを再生し、前記生成流におけるCO濃度を増加させるように構成される、生成ストリームサーキュレーターサブシステムと、を含む炭素捕捉システム。
【請求項15】
前記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、前記TSAを再生温度範囲内に加熱するのに十分な熱を前記生成流に加えるように構成される熱源を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、前記サーキュレーター内で前記生成流を移動させるように構成される動力源を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、CO出力サブシステムと流体連通する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
加熱されたCO豊富な生成流をCO TSAベッドに再循環させて、前記CO TSAベッドの生成モードにおけるCO濃度を増加させるステップを含む、方法。
【請求項19】
エンジン廃熱を使用して、前記加熱されたCO豊富な生成流を加熱し、前記加熱されたCO豊富な生成流に動力を与えるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
窒素を再循環させて冷却モードにおける前記TSAベッドを冷却するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、(例えば、セミクローズドサイクルエンジンシステム用の)炭素捕捉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の既存の炭素捕捉技術は、排気流から二酸化炭素を捕捉するために圧力スイング吸着ベッドを利用する。従来のシステムでは、適切な純度で二酸化炭素を生成するために複数のステージが必要であり、システムを通る流れを駆動するためのエネルギー需要が増加し、システム全体の効率が低下する。
【0003】
そのような従来の方法およびシステムは、一般に、意図された目的に対して十分であると考えられている。しかしながら、この分野では、改善された炭素捕捉システムが依然として必要である。本開示は、このようなニーズのための解決策を提供する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の少なくとも1つの態様により、炭素捕捉システムは、複数のCO熱スイング吸着(TSA)ベッドを含むことができる。複数のCO TSAベッドは少なくとも、捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において捕捉されたCOを再生するように構成される、第1TSAベッド、第2TSAベッド、及び第3TSAベッドを含むことができる。炭素捕捉システムは、第1、第2および第3TSAベッドのそれぞれの動作モードを切り替えることを可能にするように構成される、複数のバルブおよび関連する流路を含むことができる。
【0005】
炭素捕捉システムは、制御モジュールを含むことができる。上記制御モジュールは、複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つが捕捉モードで動作して、排気流からCOを除去し、窒素流を出力し、それと同時に、複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つが加熱再生モードで使用されてCOを生成流に放出し、それと同時に、複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つが冷却モードで動作して冷却流によって冷却されるよう、複数のバルブを制御して連続動作を提供するように構成される。
【0006】
炭素捕捉システムは、そこからエンジン排気を受け取るためにセミクローズドサイクルエンジンシステムに接続されるように構成され得る。本開示の少なくとも1つの態様により、セミクローズドサイクルシステム(例えば、ピストン、タービンなど)は、本明細書に開示される炭素捕捉システムの任意の適切な実施形態を含むことができる。
【0007】
炭素捕捉システムは、生成ストリームサーキュレーターサブシステムを含むことができる。上記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、各TSAベッドに選択的に接続され、生成流を再生モードにおけるそれぞれのTSAベッドを通して循環させて、TSAベッドから追加のCOを再生し、生成流におけるCO濃度を増加させるように構成される。生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、再生モードで動作するそれぞれのTSAベッドを再生温度範囲内に加熱するのに十分な熱を生成流に加えるように構成される熱源を含むことができる。生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、サーキュレーター内で生成流を移動させるように構成される動力源を含むことができる。生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、CO出力サブシステムと流体連通することができる。
【0008】
熱源は、エンジンの下流に位置する排気流と熱連通するように構成される廃熱交換器であり得る。動力源は、タービンに接続される圧縮機であり得る。特定の実施形態では、廃熱交換器は、廃熱がタービンを駆動して圧縮機に電力を供給するように、圧縮機とタービンとの間で流体連通することができる。
【0009】
特定の実施形態では、炭素捕捉システムは、炭素捕捉システムを通って捕捉モードで動作するそれぞれのTSAベッドに流れるために排気流に動力流を提供するように構成されるフロームーバ(例えば、送風機、圧縮機、またはファン)を含むことができる。特定の実施形態では、炭素捕捉システムは、捕捉モードで動作する第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの上流に位置する水を除去するために、フロームーバの下流かつ第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの上流に位置する脱水サブシステムを含むことができる。
【0010】
特定の実施形態では、脱水サブシステムは、少なくとも2つの脱水TSA及び関連するバルブを含むことができる。制御モジュールは、乾燥排気を複数のCO TSAのうちの少なくとも1つに出力するために第1脱水TSAを水捕捉モードで動作させることができ、第2脱水TSAを、例えば、加熱された複数のCO TSAからの窒素流を使用して水再生モードで動作させ、または冷却された複数のCO TSAからの窒素流を使用して冷却モードで動作させることができるように少なくとも2つの脱水TSAを動作させるように構成され得る。特定の実施形態では、脱水サブシステムは、第1、第2、および第3TSAベッドのそれぞれと一体化されて、同じ位置の水およびCOを除去することができる。
【0011】
特定の実施形態では、窒素再循環システムは、冷却モードで動作する時の第1、第2、および第3のTSAベッドの冷却効果を増加させるために、捕捉モードにおけるそれぞれのTSAベッドによって出力された窒素を再循環させるように構成される窒素フロームーバを有することができる。特定の実施形態では、システムは、生成モードで動作する第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの下流に位置する水を除去するために、生成モードで動作する時の第1、第2、および第3TSAベッドの少なくとも1つの下流に位置する脱水サブシステムを含むことができる。
【0012】
本開示の少なくとも1つの態様により、炭素捕捉システムは、熱スイング吸着(TSA)ベッドおよび生成ストリームサーキュレーターサブシステムを含むことができる。上記熱スイング吸着(TSA)ベッドは、捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において捕捉されたCOを再生するように構成される。上記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、TSAベッドに選択的に接続され、加熱された生成流を熱スイング吸着(TSA)ベッドを通して循環させて、TSAベッドから追加のCOを再生し、生成流におけるCO濃度を増加させるように構成される。生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、生成ストリームサーキュレーターの任意の適切な実施形態(例えば、上記に開示されるようなもの)であり得る。
【0013】
本開示の少なくとも1つの態様により、方法は、加熱されたCO豊富な生成流をCO TSAベッドに再循環させて、CO TSAベッドの生成モードにおけるCO濃度を増加させるステップを含むことができる。この方法は、エンジン廃熱を使用して、加熱されたCO豊富な生成流を加熱し、加熱されたCO豊富な生成流に動力を与えるステップを含むことができる。特定の実施形態では、この方法は、窒素を再循環させて冷却モードにおけるTSAベッドを冷却するステップを含むことができる。この方法は、任意の他の適切な方法および/またはその一部を含むことができる。
【0014】
本開示の実施形態のこれらおよび他の特徴は、図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【0015】
本開示が関係する当業者が、過度の実験を行うことなく、本開示のデバイスおよび方法を如何に作成および使用するかを容易に理解できるように、その実施形態は、特定の図を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、HOとCOの典型的なモレキュラーシーブ等温線を示す。
図1A図1Aは、マルチステージ圧力スイング吸着プロセスを利用して示される、本開示による圧力スイング吸着炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図1B図1Bは、吸着、再生/生成、および冷却プロセスのそれぞれについて、図1Aに示される実施形態のバルブタイミングチャートの実施形態を示し、ツーベッド脱水TSAチャートが示され、スリーCO圧力スイング吸着(PSA)ベッドチャートが示される。
図2図2は、CO熱スイング吸着(TSA)プロセスおよびCO再循環システムを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図2A図2Aは、例えば3つのTSAで同時に行われるTSAモルシーブ吸着、再生/生成(加熱)および冷却プロセスの実施形態を示す。
図2B図2Bは、図2Aに示されるような吸着、再生/生成、および冷却プロセスのそれぞれについて、図2に示される実施形態のバルブタイミングチャートの実施形態を示し、ツーベッド脱水TSAチャートが示され、スリーCO TSAベッドチャートが示される。
図3図3は、脱水およびCO捕捉のための多層容器を備えたCO TSAベッドを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図4図4は、冷却を強化するためにN再循環を有するCO TSAベッドを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図5図5は、ガスターボスタート及びセミクローズドサイクルエンジンシステムへ(例えば、排気へ)のCO再循環を有するCO TSAベッドを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図6図6は、機械的CO送風機及び補足的COヒーターを有するCO TSAベッドを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図7図7は、空冷及び直接空気CO捕捉を有するCO TSAベッドを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図8図8は、CO再循環システムのためのCO TSAベッド及び直火式COターボを利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図9図9は、CO再循環システムのためのCO TSAベッド及びバーナー増強熱交換器を利用して示される、本開示による炭素捕捉システムの実施形態を有するセミクローズドサイクルエンジンシステムの実施形態のシステム図である。
図10図10は、例えば、図2に示されるようなシステムの(例えば、1MWのピストンエンジンシステムのための)CO TSAベッド配置の実施形態である。
図11A-C】図11Aは、3つの別個の層状TSA容器の例示的な機械的配置を示す、図3の実施形態のCO TSAベッド配置の側面図である。図11Bは、図11Aの実施形態の直交側面図である。図11Cは、図11Aの実施形態の斜視図である。
図12図12は、内部ライナーおよびインシュレーションを有するCO TSA容器構造の実施形態の部分斜視図である。
図13-A】図13は、例えば、図3の実施形態について、容器、ライナー、およびバッフル配置を示す、一体化された脱水TSAメディアを有するCO TSAの実施形態の断面図である。図13Aは、図10の実施形態に統合されて示される、図13の実施形態の斜視断面図を示す。
図13B-C】図13Bは、図13Aの実施形態の部分斜視断面図を示す。図13Cは、図13Bの実施形態の斜視断面図を示す。
図13D-E】図13Dは、可変穿孔バッフルプレートの実施形態の概略平面図を示す。図13Eは、バッフルプレート配置の実施形態を説明して示される、図13の実施形態の概略図を示す。
図14-A】図14は、別個のコンパートメントを有するCO TSA単一容器構造の実施形態の斜視図を示す。図14Aは、上部コンポーネントを取り外した状態で示される、図14の実施形態の斜視図を示す。
図14B図14Bは、一体化されたダクトワークを有して示される、図14Aの実施形態の斜視概略図を示す。
図14C図14Cは、ダンパーの位置が見えるように上部および下部ダクトが透明に示される、図14Bの実施形態の断面を示す。
図14D図14Dは、図14Cの実施形態の端部正面図を示す。
図15A-B】図15Aは、20MWのセミクローズドサイクルガスタービンのサイジングを有する(例えば、28’D×6.5’の寸法を有する)CO TSA大型容器の実施形態の平面図を示す。図15Bは、図15Aの実施形態の側面図を示す。
図16図16は、積層配置のためのダクトおよび/またはバルブの実施形態に取り付けられて示される、CO TSA大型容器の実施形態の斜視図を示す。
図17図17は、図16の実施形態を4つ積層した配置の実施形態の斜視図を示す。
図18A-B】図18Aは、水平配置のためのダクトおよび/またはバルブの実施形態に取り付けられて示される、CO TSA大型容器の実施形態の斜視図を示す。図18Bは、図18Aの実施形態の側面図を示す。
図19-A】図19は、水平配置のためのCO TSA容器およびモジュラー構造方法の実施形態の斜視図を示す。図19Aは、複数の図19の実施形態のモジュラー配置の実施形態の斜視図を示す。
図20図20は、モジュール間に1つ以上の垂直ダクトを有するCO TSAモジュラー構造の実施形態の斜視図を示す。
図20A図20Aは、図20の実施形態の異なるモードの流れ方向を概略的に示す。
図20B図20Bは、複数の図20の実施形態が互いに接続される実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、同様の参照符号が本開示の同様の構造的特徴または態様を識別する図面を参照する。限定ではなく説明および図示の目的で、水およびCOの典型的なモルシーブ等温線の図を図1に示す。本開示の他の実施形態および/または態様は、図1A~20Bに示される。
【0018】
実施形態は、セミクローズドサイクルエンジンシステムのためのCOターボ熱スイング吸着(TSA)による炭素捕捉を可能にすることができる。実施形態は、例えば、0.5~25MW範囲の分散型電力アプリケーションに一般的に適用可能な、改善された炭素捕捉方法を含む。実施形態は、CO再循環熱スイング吸着(TSA)プロセスを利用することができ、セミクローズドサイクルシステムにおいて有用であるが、任意の他の適切な原CO源にも適用可能である。本明細書では、本開示の任意の実施形態の任意の適切なアプリケーションが企図される。
【0019】
この方法は、そのプロセスの一部として排気廃熱または補足熱を使用することができ、さらに、プロセスに関連するコンポーネントを機械的に駆動するためにその熱を使用することができる。その結果、炭素捕捉補助負荷の大幅な低減を実現することができる。また、CO TSA容器のいくつかの機械的実装と、構造、設置、および動作のコストを大幅に下げることができる配置も開示される。
【0020】
セミクローズドサイクルシステムの実施形態は、エンジン排気における原COレベルを増加させるために、空気、冷却された排気ガスの再循環、および酸素注入(空気富化)の可変レベル(なしも含まれる)の組み合わせによって作り出される人工大気上でエンジンを作動させることができる。特定の実施形態は、モレキュラーシーブ(例えば、圧力スイング吸着(PSA)および/またはTSA)と相分離との組み合わせを使用して、貯留または他の使用に必要なレベルまでCOを精製することができる。モレキュラーシーブプロセスの場合、特定のシステムは、熱スイング、圧力スイング、または真空圧力スイングプロセス、またはそれらの組み合わせを採用できる。実施形態はまた、システム廃熱および廃熱を使用して適切なコンポーネントに電力を供給し、利用可能な廃熱をガス浄化プロセスの要件と統合することができ、その結果、より高い正味電力およびより高い効率をユーザーに提供することができる。
【0021】
吸収ベースまたは吸着ベースの炭素捕捉が使用されるか否かにかかわらず、ポンプ、送風機、ファン、チラーのための電気的および/または機械的負荷と、メディアまたは吸収液を加熱してCOを放出するための熱負荷(多くの場合は蒸気が必要)がある。熱源(例えば、蒸気、熱油)は、メディアまたは吸収剤との直接接触に対応していない可能性があるため、熱負荷は通常、複雑な熱交換器を介して処理できる。蒸気およびその他の相変化熱源はコンパクトである可能性があり、蒸気を生成するための市販品(例えば、排気蒸気発生器)が存在するが、水自体の気化熱は完全に回収されないことが多く、そのようなアプローチは効率が悪い。
【0022】
大気中のCOレベルは上昇しており、その上昇は、1950年代の約300ppmから現在の400ppm以上に上昇するレベルで、今日も続いている20世紀の急速な発展と相関する。従来の炭素捕捉技術は固定式発電所に適用され得るが、より小規模な分散型発電所、コンプレッサステーション、およびオフグリッド電力要件は、従来の解決策に適合しないことが多い。CO排出量の減少を収益化する欲求と方法はやや新しいものであるが、NOx、SOx、CO、HC(未燃炭化水素)などの他のエンジン汚染物質も減少されるべきである。1つのシステムが1つや2つだけではなく、すべての汚染物質を減少することができれば、付加価値を生み出すことになる。モルシーブは、他の方法と比較して、すべての汚染物質を捕捉するように設計されることができ、実質的に排出なしの電力システムを作り出すという利点があるが、モルシーブは通常、多くのステージを必要とするため、高い補助負荷を有する。
【0023】
本開示の実施形態は、モレキュラーシーブ吸着プロセスを利用する。モルシーブはセラミックに似たメディアで、さまざまな物理的サイズ(例えば、粉体から四分の一の円形)があり、メディアの組成と結晶構造によって、主に分子のサイズに基づいて特定の種を吸着したり、吸着しなかったりすることができる。例えば、3Aシーブは、水(HO)、アンモニア(NH3)、および少量のその他の物質を吸着する。CO、O、N、およびアルゴンのような分子がシーブを通過する。3Aシーブ(及びアルミナ)は、典型的には、脱水プロセスで使用される。5Aシーブは、3Aのすべての種を吸収するが、COとほとんどの汚染物質(CO、HC、NOx)も吸着し、O、N、およびアルゴンをほとんど通過させる。13Xシーブはより大きな分子を捕捉するが、それでもO、N、およびアルゴンを通過させる。モルシーブは、所望の種が冷たい場合、および/または所望の種の分圧が高い場合に、所望の種を吸着する。モルシーブは、温度が上昇する場合、および/または圧力が低下する場合に、所望の種を放出する。
【0024】
実施形態は、例えば、エンジンあたり約0.5MWと約25MWの間で小さな分散型アプリケーションにおける炭素捕捉のコストを低減することができる。実施形態は、COの純度を希釈しないか、または捕捉効率を低下させないような方法で、熱スイング吸着(TSA)プロセスにおいて高性能モレキュラーシーブの使用を可能にすることができる。実施形態は、炭素捕捉に関連する電気的および/または機械的負荷を実質的に低減することができる。実施形態は、TSA「容器」の構造における先行技術のレベルを改善して、コストを低減し、漏れに関連する性能問題を最小限に抑えることができる。また、実施形態は、NOx、SOx、CO、HCなどの他の汚染物質を軽減することができる。さらに、実施形態は、最低のコストで新しい構造または改造アプリケーションに適したソリューションを提供することができる。
【0025】
実施形態は、例えば、分散型電力中に存在する希釈されたCOストリーム(例えば、3~11質量%のCO)を使用して、ガスタービン、リーンバーンピストンエンジン(スパークまたは圧縮点火)、及びリッチバーンピストンエンジンを含むように実施することができる。本明細書では、任意の他の源が企図される。特定の実施形態によれば、高レベルで酸素レベル管理を有する冷却排気再循環を含むことができるセミクローズドサイクル(SCC)システムを使用して、エンジン排気におけるCO濃度を増加させることができる。本開示による炭素捕捉システムを使用すると、この冷却された排気を冷やして、水を除去するのに役立ち、次いでCOで脱水し、モレキュラーシーブで汚染物質を捕捉することができる。シーブが容量に近づくと、シーブは再生され、熱いCOを使用して、捕捉されたCOや他の汚染物質を追い払う。その熱いCOは、ターボ充電器および熱源、例えば、エンジンからの排気廃熱を介して生成することができる。捕捉プロセスにおける再循環および再生は、単一のステージでの貯留に十分なCOの濃度を可能にすることができる。実施形態では、CO TSAプロセスはすべて低圧であり得るため、TSAメディアを保持する任意の圧力容器は、1平方インチあたり数ポンドの定格で済み、結果として、重い構造である必要はない。実施形態は、さらにスペース、コスト、および設置時間を削減する容器配置を可能にする。
【0026】
図1は、特定のモレキュラーシーブの一連の例示的な等温線である。Y軸(垂直)は、分圧と温度の関数として、シーブ内の水またはCOの質量による負荷パーセントを表す。圧力が上昇するか、または温度が低下すると、メディアはより多くの水またはより多くのCOを吸着する。逆に、圧力が低下するか、または温度が上昇すると、メディアは水またはCOを放出する。また、図1から、このシーブは、同じ分圧温度の組み合わせで、COと比較して水に対する負荷能力が大きく異なることも分かる。メディアはまた、COと比較して水に対する異なる親和性を有する。これらすべての要因の結果として、同じメディアを使用して水とCOの両方を捕捉し、プロセスにおける異なる点でそれらの種を追い払うことが可能である。基本的に、等しい分圧では、水の容量は特定の実施形態においてCOの容量を超える。例えば、100hPa及び名目上95~100℃では、水の容量は20%を超えるが、COの容量は約5%に過ぎない。しかし、これらのコンポーネントの分圧は排気ではかなり異なり、1bar(1000hPa)における10%COは100hPaの分圧となるが、1%未満の典型的な水蒸気負荷は約10hPaに過ぎない。排気が冷やされると、水の分圧は、より多くの水が凝縮されるため、10hPa未満になり、その同時、COの容量は増加する(例えば、25℃かつ100hPaで、CO容量は約15%である)。
【0027】
図1Aは、セミクローズドサイクルエンジンシステム99に適用されるモルシーブベースの炭素捕捉システム100の簡略化されたプロセスフロー図(PFD)を示す。図1の上半分は、ガスタービンエンジン(ただし、本明細書では、任意の適切なエンジンが企図される)に適用されるような冷却排気再循環および酸素増加からなるセミクローズドサイクル(SCC)99の実施形態を示す。一般に、排気CO濃度は、SCC技術を使用して約3%から約6%~21%(例えば、濃度の約2~7倍)に増加することができる。再循環されていない排気流の一部、例えば、ガスタービンアプリケーションにおける約20~50%は、ステージワンスクリュー(例えば、圧縮機101)を介して捕捉プロセスに入ることができ、それによって、特定の実施形態では約50~100psigに圧縮することができる。スクリュー排出物は、(例えば、冷却器103で)冷却されることができ、それによって、(例えば、集水器/排水管でガスから凝縮するため)水が除去される。次いで、原COの脱水は、この場合、2つのTSAベッド、TSA1及びTSA2を使用して示される、脱水サブシステム107(例えば、例えばアルミナをメディアとするTSAプロセス)において起こることができる。次のステージからのベントガス(主に乾燥窒素)を使用して、HO捕捉プロセスにないベッドを加熱および冷却するための設備、例えば、示されるようなバルブおよびラインが存在する。PS1、PS2、PS3ベッドは、5Aや13Xなどの従来のCO捕捉メディア(またはCO捕捉のための任意の他の適切な材料)を使用する、スリー容器圧力スイング吸着(PSA)プロセスを表す。COは減圧プロセス中に放出され、原CO純度が非常に高い(SCCを介して可能である)(例えば、25%を超える)場合以外には、この第1ステージの排出におけるCO純度は、ほとんどの用途には十分ではないことが示されている。その結果、ベッドPS4、PS5および第2ステージツースクリュー(第2圧縮機111)を用いた第2ステージPSAアセンブリ109を使用して有用な純度に到達することができる。最後に、第3スクリュー圧縮機(例えば、第3圧縮機113)を、CO圧縮システムの第1ステージとして使用することができる。
【0028】
図1Aでは、炭素捕捉システム100の実施形態について、バルブ(例えば、オン/オフバタフライバルブ)、ライン、ラインの接続、フロームーバ、および他のコンポーネントの実施形態が示される。図1Bには、炭素捕捉システム100(例えば、一次炭素捕捉サブシステム102、第2ステージ113)を、示されたラインを介して様々なモード(例えば、捕捉、生成/再生、および/または冷却)で動作させるための、示されたラインの接続で配置される、示されたバルブのタイミングチャートが示される(図2Bに示される脱水サブシステム107のタイミングの実施形態)。
【0029】
システム100は、図1Bのタイミングチャートに従って示されたバルブを動作させるように構成される制御モジュール115を含むことができる。本明細書では、任意の他の適切なバルブ制御または方法が企図される。制御モジュール115(および本明細書で開示される任意の他の制御モジュール)は、本明細書で開示される任意の適切な機能を実行するように構成される任意の適切なハードウェア(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)および/またはソフトウェアモジュールを含むことができる。
【0030】
システムワークのこのような実施形態は、構築されており、合理的な経済性を有し、したがって合理的なCO捕捉コストを有する。しかしながら、スクリュー(または送風機)のパワーは(例えば、PSAを動作させるために必要な高い圧縮のために)重要である。また、CO以外に、(はるかに低い速度ではあるが)Nのようなものも捕捉する、このメディアの加圧および減圧のプロセスは、結果として、コマーシャルCO純度(例えば、約95%~99%またはそれ以上)に到達するために少なくとも2つのステージに依存する。さらに、示される実施形態では、SCCプロセスは排気冷却要件を完全に負担しており、TSA1とTSA2の負荷(これらは比較的小さい)を除いて、エンジンからの利用可能な廃熱の大部分が浪費されることが多い。最後に、このプロセスは通常15psig以上で動作するため、図1Aに示されるすべての容器はASMEコードまたは相当の(圧力機器指令)認証容器である必要があり、それによってコストが大幅に増加する場合がある。このような容器は、コードに要求される高い安全係数のために重い。それらの重さのため、それらは急速な熱サイクルをサポートしない。そのため、TSA1およびTSA2容器のサイズは、特定の実施形態では数分ではなく、数時間で測定されたサイクル時間と一致する。
【0031】
図1AのPSAシステムを利用する実施形態は、捕捉フローを駆動するために相当量の馬力(例えば、エンジンhpの20%)を使用することができる。図1Aの実施形態は、1つのTSAを脱水モードで実行し、1つのTSAを再生モードで実行するように構成することができ、これにより、プロセスを連続的なプロセスとすることができる。示されるように、T1DとT2Dは、冷却器P2Tの上流に位置する乾燥ガス出口バルブである。これは、捕捉TSAからの出口流が行くところである(例えば、脱水ガスである)。出口ガスは、約90%のN及び約10%のCOであり得る。この流れは、捕捉モードで動作している対応するPSA(PS1、PS2、またはPS3)に流れる(P1in、P2in、P3inのいずれがオープンであるかに依存する)。示された配置は、COの捕捉、COの生成、及びPSAからのNOxのパージを可能にする。
【0032】
示されるようなTSAパージバルブの実施形態は、(T1H、T2H(再生のために熱い)またはT1C、T2C(TSAベッド冷却のために冷たい)に基づいて開かれる経路に応じて)加熱および冷却のためにNをHO TSAベッドに送る。P2HおよびP2Xバルブは、ヒーターラインから熱いNをベントするために開くことができる。Nライン119の一部には、ヒーター117があり得る。流れは、(例えば、異なるサイズのパイプで)熱洗浄バルブ(P1H、P2H、P3H)に制限され、再生TSA内で水を生成/パージすることを可能にしながら、熱洗浄モードで流れのより小さな部分を迂回させる(例えば、NOxをパージする)ことができる。
【0033】
図1Aの実施形態は、COで飽和するまでベッドを連続して使用することができ(例えば、P1inが開いた状態でのPS1)、次いで、制御モジュール115は、バルブを動作させて、PS1から飽和していない別のPSAに流れを切り替えることができる。ベッドを切り替えると、(例えば、PS1が飽和したベッドであると、閉じるP1inを切り替えることにより)飽和したベッドを(P2Tが示される)乾燥ガス入口から閉じることができる。次いで、出口バルブ(例えば、P1D)を開くことができ、吸着されたCOは、第2ステージ圧縮機111(例えば、第1ステージ圧縮機101の約1/5hp)および第2ステージ109に行く、貯蔵された圧力に起因して放出される。
【0034】
タイミングチャートに示されるように、PSAは、数分間で状態を切り替えるように動作することができる。TSAベッドは、数時間で状態を切り替えるように動作することができる。実施形態は、ステージツースクリュー(圧縮機111)の下流に冷却器121を含むことができる。第2圧力スイングステージは、例えば、約95%~98%のCO純度を可能にすることができる。示されるように、各PSAステージは、Nをベントするための背圧レギュレーター(BPR)(例えば、50~60psi圧力リリーフバルブまたは制御バルブ)バルブを含むことができる。
【0035】
ここで図2を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様により、炭素捕捉システム200は、複数のCO熱スイング吸着(TSA)ベッド223を含むことができる。複数のCO TSAベッドは少なくとも、捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において捕捉されたCOを再生するように構成される、第1TSAベッド(例えば、ベッドTS3)、第2TSAベッド(例えば、ベッドTS4)、及び第3TSAベッド(例えば、TS5)を含むことができる。炭素捕捉システム200は、第1、第2、および第3TSAベッドのそれぞれの動作モードを切り替えることを可能にするように構成される、複数のバルブ(例えば、T3in、T4in、T5in、T3D、T4D、T5D、T3T、T4T、T5T、T3C、T4C、T5C、T3H、T4H、T5H、T3X、T4X、T5X、およびBPR)、ならびに関連する流路(示されるようなラインおよび接続、例えば、交差線上で曲線として表されるジャンプオーバーライン)を含むことができる。
【0036】
図2Aおよび図2Bをさらに参照すると、炭素捕捉システム200は、制御モジュール215を含むことができる。制御モジュール215は、複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つ(例えば、図2AにおけるTS3)が捕捉モードで動作して、排気流からCOを除去し、窒素流を出力し、それと同時に、複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つ(例えば、図2AにおけるTS4)が加熱再生モードで使用されてCOを生成流に放出し、それと同時に、複数のTSAベッドのうちの少なくとも1つ(例えば、図2AにおけるTS5)が冷却モードで動作して冷却流によって冷却されるよう、複数のバルブを制御して連続動作を提供するように構成される。
【0037】
2つのTSAベッドを使用する脱水プロセスと、少なくとも3つのTSAベッドを使用する捕捉プロセスの両方についてのタイミングチャートの実施形態を図2Bに示す。制御モジュール215は、図2Bに示されるように、複数のバルブを制御するように構成され得る。
【0038】
図1Aの実施形態と同様に、図2に示されるように、炭素捕捉システム200は、そこからエンジン排気を受け取るためにセミクローズドサイクルエンジンシステム99に接続されるように構成され得る。本開示の少なくとも1つの態様により、セミクローズドサイクルシステム(例えば、ピストン、タービンなど)は、本明細書に開示される炭素捕捉システム(例えば、システム200)の任意の適切な実施形態を含むことができる。
【0039】
炭素捕捉システム200は、生成ストリームサーキュレーターサブシステム225を含むことができる。生成ストリームサーキュレーターサブシステム225は、(ループライン229及びバルブT3H、T4H、T5H、T3D、T4D、T5Dを介して)各TSAベッド(例えば、ベッドTS3、TS4、及びTS5)に選択的に接続され、生成流(CO豊富な流れ)を再生モードにおけるそれぞれのTSAベッド(例えば、図2BにおけるTS4)を通して循環させて、TSAベッドから追加のCOを再生し、生成流におけるCO濃度を増加させるように構成される。生成ストリームサーキュレーターサブシステム225は、再生モードで動作するそれぞれのTSAベッドを再生温度範囲内に加熱するのに十分な熱を生成流に加えるように構成される熱源(例えば、システム99の排気ライン231に接続される熱交換器227)を含むことができる。生成ストリームサーキュレーターサブシステム225は、サーキュレーターサブシステム225内で生成流を移動させるように構成される動力源(例えば、圧縮機233)を含むことができる。生成ストリームサーキュレーターサブシステム225は、CO出力サブシステム235(例えば、生成流をCO圧縮システムに出力するように構成される任意の適切なコンポーネント)と流体連通することができる。
【0040】
図2に示されるように、熱源は、エンジンの下流に位置する排気流と熱連通するように構成される廃熱交換器227であり得る。動力源は、タービン237に接続される圧縮機233であり得る。特定の実施形態では、廃熱交換器227は、廃熱がタービン237を駆動して圧縮機233に電力を供給するように、圧縮機233とタービン237との間で流体連通することができる。
【0041】
特定の実施形態では、炭素捕捉システム200は、炭素捕捉システム200を通って捕捉モードで動作するそれぞれのTSAベッド(例えば、図2AにおけるTS3)に流れるために排気流に動力流を提供するように構成されるフロームーバ201(例えば、送風機、圧縮機、またはファン、スクリュー、または他のデバイス、例えば、図1Aの圧縮機と比較して低い馬力)を含むことができる。特定の実施形態では、図1Aの実施形態と同様に、炭素捕捉システム200は、捕捉モードで動作する第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つ(例えば、TS3)の上流に位置する水(例えば、水蒸気および/または蒸気)を除去するために、フロームーバ201の下流かつ第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの上流に位置する脱水サブシステム107を含むことができる。
【0042】
特定の実施形態では、脱水サブシステム107は、示されるように配置される少なくとも2つの脱水TSA(例えば、TSA1及びTSA2)及び関連するバルブ(例えば、T1in、T2in、T1D、T2D、T1H、T2H、T1C、T2C、T1X、T2X)を含むことができる。制御モジュール215は、乾燥排気(水蒸気を除去した排気ガス)を(例えば、冷却器P2T及びTS3ベッド対応の入口バルブT3inを介して)複数のCO TSA223のうちの少なくとも1つに出力するために、第1脱水TSA(例えば、TSA1)を水捕捉モードで動作させることができるように少なくとも2つの脱水TSAを動作させるように構成され得る。制御モジュール215は、第2脱水TSA(例えば、TSA2)を、例えば、(ヒーター117を介して)加熱された複数のCO TSA223(例えば、図2AにおけるTS3からの流出口)からの窒素流を使用して水再生モードで動作させ、または冷却された複数のCO TSAからの窒素流を使用して冷却モードで動作させるように構成され得る。
【0043】
図2のシステム200の実施形態に示されるように、炭素捕捉システム200は、PSAベッド及び熱いCO流の代わりにTSAベッドを利用して、TSAベッドからCOをパージすることができる。このような実施形態は、システムが、PSAを利用する特定の実施形態の約60psiではなく、例えば約3 psiのようなはるかに低い圧力で動作することができるため、フロームーバ201について送風機またはファンを利用することができる。
【0044】
示されるように、水除去/脱水のためのTSA配置は、図1Aに示されるものと同様または同一であり得る。エンジンからの廃熱は、生成流に熱を加えることができ、それによって、ターボを駆動することができ、ターボは、次いで、圧縮機/ファンを駆動して、生成流に動力流を提供する。TSAを利用する実施形態は、図1AのようなPSA構成とは異なる働きをする。TSAの実施形態は、熱を使用して、メディアからCOを放出する。生成されたCOは、次いで、例えば、とにかく無駄にされるエンジン熱を使用して、ガスに熱を加えるサーキュレーターシステム内で循環させることができ、次いで、COが放出されたそれぞれのTSAの反対側にポートし、TSAに熱いCOを提供し、TSAをさらに加熱してさらに多くのCOを放出する。この再循環は、生成ストリーム中のCOの純度を増加させる。図2に示されるように、第2ステージのPSAまたは他の捕捉システムは必要ない。
【0045】
特定の実施形態では、図3の炭素捕捉システム300を参照すると、脱水サブシステム(具体的に図示せず)は、第1、第2、および第3TSAベッドのそれぞれ(TS3、TS4、TS5のそれぞれ)と一体化されて、同じ位置の水およびCOを除去することができる。例えば、各TSAベッドは、例えば各TSAベッドが水とCOの両方を捕捉することができるようにCOモルシーブメディアを挟むHOモルシーブメディアを含むことができる。
【0046】
示されるように、水捕捉TSAは、炭素捕捉TSAと物理的に一体化される。これにより、図1に示されるような別個の水捕捉システムステージが不要とされる。この物理的混合は、任意の方法で(例えば、均一に、層で、または任意の適切な幾何学的形状で)行うことができる。このような実施形態は、例えば、全ての脱水TSAバルブ及びラインの除去を可能にする。TSAメディアは排気ガス中の水分を処理することができるが、PSAは水分を正常に処理することができないので、残留水は炭素除去時または炭素除去後に除去することができる。上流で水分が除去されないと、PSAメディアが正常に機能しない場合がある。示されるように、1つ以上の冷却器303および凝縮器/分離器305を、生成出口ライン上に配置することができる。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切なコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール315によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。
【0047】
図4をさらに参照すると、特定の実施形態では、炭素捕捉システム400は、冷却モードで動作する時の第1、第2、および第3のTSAベッドの冷却効果を(N流の流速を増加させることによって)増加させるために、捕捉モードにおけるそれぞれのTSAベッド(例えば、図2AにおけるTS3)によって出力された窒素を再循環させるように構成される窒素フロームーバ443(例えば、送風機、ファン、スクリューなど)を有することができる窒素再循環システム441を含むことができる。窒素ループ445は、流れをさらに冷却するためにその上に配置される冷却器447を含むことができる。排気バルブT3X、T4X、及びT5Xは、窒素ループと流体連通して、さもなければ(例えば、TSA冷却積層バルブが開いている場合に)ベントされる窒素が窒素ループ445内で循環することを可能にすることができる。
【0048】
特定の実施形態では、システム400は、生成モードで動作する第1、第2、および第3TSAベッドのうちの少なくとも1つの下流に位置する水を除去するために、(生成モードで動作する時の)第1、第2、および第3TSAベッドの少なくとも1つの下流に位置する脱水サブシステム407を含むことができる。例えば、二次PSAシステムは、脱水のために使用することができる。HO/CO TSAの組み合わせで各モードを適切にタイミングするのを助けるために、Nを吹くファンは流れをより速く動かし、冷却を改善することができる。Nの正味流は、再循環されていない場合、冷却積層バルブにベントされることができる。
【0049】
図4に示される実施形態では、CO圧縮機/タービンシステムはまた、再循環されるCOガスが不必要に熱くならないようにして冷却の必要性を低減するように構成される(例えば、制御モジュール415に接続される)バルブ449およびサーモスタットを有することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、これおよび/または窒素再循環システム441を実装することができることが企図される。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切なコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール415によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。
【0050】
図5を参照すると、炭素捕捉システム500は、排気ガス中のCOの濃度を増加させるために、例えば、わずかに、システム500への入口での濃度を改善するために、COブリード551を含むことができ、それによって、TSAの機能およびタイミングならびに出力時の最終濃度を改善することができる。また、図5に示されるように、システム500は、圧縮機が回転を開始するときに開く始動バルブ553(例えば、チェックバルブまたは他の適切なバルブ)を含むことができる。特定の実施形態はまた、CO圧縮機にスターター動力流を提供するためにバルブ555を有することができる。圧縮機が回転を開始し、十分な流量/圧力を発生させると、バルブ555は閉じることができ、バルブ553は開く。
【0051】
図5に示される実施形態は、ガス注入を介するCO再循環圧縮機による開始と、COをさらに濃縮するために排気するCOブリードを含み、それ以外には、図3の実施形態と同様であり得る。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切なコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール515によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。
【0052】
図6を参照すると、システム600は、再循環されたCO流がTSA再生のために適切に熱いことを確保するための追加ヒーター657を含むことができる。また、本実施形態は、エンジン熱駆動ターボの代わりに(または、特定の実施形態では、エンジン熱駆動ターボに加えて)、(例えば、部分的に電気的に駆動されるか、または他の方法で駆動される)送風機659を有することが示される。本実施形態は、図4の実施形態と同様の窒素再循環システムを含むことも示される。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切なコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール615によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。
【0053】
図7を参照すると、システム700は、N再循環システムの代わりに空気ファン761を有することができる。これにより、大きな熱交換器を不要とし、既存のチラーを使用して空気から水を冷却および凝縮することができる。もう1つの利点は、COの直接的な空気捕捉も起こり得ることである。空気ファンに必要な馬力を低くすることができ、冷窒素ライン上の冷却器を取り外すことができる。示されるようなチラーの負荷は追加の熱交換器源ではないが、空気の小さな熱交換の使用を可能にする既存のチラーである。水がチラーの負荷の後でガスからドロップアウトし、大抵乾燥した空気が出力できる。空気は、システム内のNと混合し(捕捉TSAによって出力され)、混合物を本質的に乾燥したN流にすることができる。
【0054】
図7のような実施形態は、直接空冷および直接空気炭素捕捉、水吸着負荷を低減するためのチラーの使用、ならびにカウンタフローSCCクエンチシステムを可能にする。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切なコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール715によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。
【0055】
図8を参照すると、システム800の本実施形態では、熱いCOを生成するために、SCCの既存の酸素供給を使用して燃料を燃焼することができる。Oを酸化剤として使用することにより、Nの不要な導入が回避される。このような実施形態は、例えば、改造に有用であり得る。この実施形態は、前の実施形態のようにエンジンから熱を吸収するか、または電気ヒーターを使用することなく流れを加熱することを可能にする。
【0056】
システム800は、熱源が酸素バーナー863である燃焼COターボを利用する。バーナー863は、例えば、生成流再循環ループのみと熱連通することができ、バーナーからの燃焼生成物は、システム800により排気と共に処理されるためにエンジンまたはエンジン排気に出力することができる。特定の実施形態では、酸素バーナー863からの排気は、例えば、再循環ループ(例えば、タービン)と流体連通することができる。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切な同様のコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール815によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。
【0057】
図9を参照すると、システム900は、例えば、図2の排気熱交換器227に熱を加えるために追加され得る従来のバーナー965を含むことができる。また、示される実施形態は、(例えば、バルブT3TX、T4TX、T5TXを介して)捕捉からのNガス及び必要に応じて冷却からの空気の直接ベントを可能にする。図9の実施形態は、図7に示されるようなN再循環を含まないことが示される。
【0058】
実施形態は、バーナー増強COターボ熱交換器を利用することができる。バーナー排気は、例えば、SCC排気と混合された約11%のCOであり得る。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切な同様のコンポーネント(例えば、上記のもの)および/または制御モジュール915によるバルブの任意の適切な制御(例えば、1つ以上の上記の実施形態に類似するもの)が企図される。本明細書では、任意の適切な実施形態の任意の適切な部分の任意の適切な組み合わせが企図される。
【0059】
本開示の少なくとも1つの態様により、炭素捕捉システムは、熱スイング吸着(TSA)ベッドおよび生成ストリームサーキュレーターサブシステムを含むことができる。上記熱スイング吸着(TSA)ベッドは、捕捉温度範囲内においてCOを捕捉し、捕捉温度範囲を上回る再生温度範囲内において捕捉されたCOを再生するように構成される。上記生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、TSAベッドに選択的に接続され、加熱された生成流を熱スイング吸着(TSA)ベッドを通して循環させて、TSAベッドから追加のCOを再生し、生成流におけるCO濃度を増加させるように構成される。生成ストリームサーキュレーターサブシステムは、生成ストリームサーキュレーターの任意の適切な実施形態(例えば、上記に開示されるようなもの)であり得る。
【0060】
本開示の少なくとも1つの態様により、方法は、加熱されたCO豊富な生成流をCO TSAベッドに再循環させて、CO TSAベッドの生成モードにおけるCO濃度を増加させるステップを含むことができる。この方法は、エンジン廃熱を使用して、加熱されたCO豊富な生成流を加熱し、加熱されたCO豊富な生成流に動力を与えるステップを含むことができる。特定の実施形態では、この方法は、窒素を再循環させて冷却モードにおけるTSAベッドを冷却するステップを含むことができる。この方法は、任意の他の適切な方法および/またはその一部を含むことができる。
【0061】
図10は、例えば、図2に示されるようなシステムの(例えば、1MWのピストンエンジンシステムのための)CO TSAベッド配置の実施形態である。図11Aは、3つの別個の層状TSA容器の例示的な機械的配置を示す、図3の実施形態のCO TSAベッド配置の側面図である。図11Bは、図11Aの実施形態の直交側面図である。図11Cは、図11Aの実施形態の斜視図である。図11A~11Cは、層状TSA容器の実施形態を示す。上部ヘッダーは、熱CO入口(再生前)、乾燥N出口(吸着後)、および乾燥N入口(冷却用)用であり得る。下部ヘッダーは、排気入口(吸着用)、CO出口(再生後)、およびN出口(後冷却)用であり得る。
【0062】
図12は、内部ライナーおよびインシュレーションを有するCO TSA容器構造の実施形態の部分斜視図である。図12は、蓋を取り外した単一の容器を示す。容器は、薄肉ステンレススチールライナー、モルシーブメディア、インナーシェル、およびインシュレーションを有する、内部が断熱された「圧力容器」であり得る。インシュレーションギャップは、スチール容器との熱交換を防止することができる。
【0063】
図13は、例えば、図3の実施形態について、容器、ライナー、およびバッフル配置を示す、一体化された脱水TSAメディアを有するCO TSAの実施形態の断面図である。図13では、アウターシェル、インシュレーション、インナーライナーは隠される。示されるように、「サンドイッチ」構造は、上部フランジ、穿孔バッフル、ガード/脱水メディア、CO捕捉メディア、別のガード/脱水メディア、メディアサポートスクリーン、穿孔バッフル、及び下部フランジを含むことができる。
【0064】
図13Aは、図10の実施形態に統合されて示される、図13の実施形態の斜視断面図を示す。示されるように、サンドイッチ構造の実施形態は、例えば、図13に示されるように、約40%オープンのプレート、HO吸着モレキュラーシーブ、CO吸着モレキュラーシーブ、別のHO吸着モレキュラーシーブ、サポートメディア及びスクリーン、ならびに別の約40%オープンのエリアプレートを含むことができる。本明細書では、任意の他の適切な配置及びサイズが企図される。
【0065】
図13Bは、図13Aの実施形態の部分斜視断面図を示す。示されるように、構造は、上部カバー内の高温インシュレーション、ラジアルギャップ内の(エアーギャップを埋めるための)高温インシュレーション、および下部カバー内のインシュレーションを含むことができる。図13Cは、図13Bの実施形態の斜視断面図を示す。COおよび乾燥Nは上部から供給できる。原排気は下部から供給できる。
【0066】
図13Dは、可変穿孔バッフルプレートの実施形態の概略平面図を示す。可変穿孔プレートの例は、約40%オープンのエリアプレート、33%オープンのエリアプレートを有するアウターリング、およびパイプ突起を中心とした約37.5%オープンのエリアプレートの出口/入口突起エリアを有することが示される。
【0067】
図13Eは、バッフルプレート配置の実施形態を説明して示される、図13の実施形態の概略図を示す。図13Eは、拡散を容易にするためのプレナム空間を有し、切り替えられた入口および出口位置に逆転される積層バッフルプレートの例を示す。
【0068】
図14は、別個のコンパートメントを有するCO TSA単一容器構造の実施形態の斜視図を示す。図14Aは、上部コンポーネントを取り外した状態で示される、図14の実施形態の斜視図を示す。図14Bは、一体化されたダクトワークを有して示される、図14Aの実施形態の斜視概略図を示す。図14Cは、ダンパーの位置が見えるように上部および下部ダクトが透明に示される、図14Bの実施形態の断面を示す。図14Dは、図14Cの実施形態の端部正面図を示す。
【0069】
示されるように、特定の実施形態は、3つの円筒形容器の代わりに、バッフルを備えた1つの大きな容器を有することができる。バルブは、示されていないが、パイプが合流するフランジに配置することができる。実施形態は、単一の容器内に複数のコンパートメントを提供することができる。実施形態はTSAの使用により、顕著な圧力または圧力差を有し得ず、最小限の補強によるフラットサイド設計は可能である。コンパートメント間のわずかな漏れは、プロセスに大きな影響を及ぼすことはない。生成は、プロセスの残りの部分よりもわずかに高い圧力で行われ、特別な高温または複雑なシールは必要ない。
【0070】
図14B図14Dの実施形態は、(例えば、出荷を容易にするために)複雑なダクトを不要とし、アセンブリ全体をISOコンテナに収める。圧力が低いため、ダクトを完全にシールする必要がなく、漏れが性能に有意な影響を及ぼすことはない。より安価な金属や材料を使うことができる。
【0071】
実施形態は、非常に大きく、製造および輸送において課題となる可能性がある。以下の実施形態は、これらの課題を解決することができる。図15Aは、20MWのセミクローズドサイクルガスタービンのサイジングを有する(例えば、28’D×6.5’の寸法を有する)CO TSA大型容器の実施形態の平面図を示す。図15Aは、例示的な20MWのSCCガスタービン吸着器を示しており、この吸着器は非常に大きく、大きなコンポーネント(例えば、約60”D相当のダクトワーク)を必要とする。図15Bは、図15Aの実施形態の側面図を示す。実施形態は、吸着中の1つ、再生中の1つ、冷却中の2つの計4つの容器を使用することができる。本明細書では、適切な寸法が企図される。
【0072】
図16は、積層配置のためのダクトおよび/またはバルブの実施形態に取り付けられて示される、CO TSA大型容器の実施形態の斜視図を示す。図16は、上部及び下部に約84”×84”の3つのダンパーを有する単一のTSA、ならびに約60”の正方形のダクトへの移行を示す。
【0073】
図17は、図16のTSA実施形態を4つ積層した配置の実施形態の斜視図を示す。図17は、効率的なダクトワークサンドイッチングのために垂直に構築された構造を示す。示されるように、6個のマニホールドと24個のバルブがベッドに使用される。特定の実施形態では、システム全体は、約50’D×50’Hを有することができ、上げられた約300トンまたはそれ以上のメディアを含むことができる。
【0074】
図18Aは、水平配置のためのダクトおよび/またはバルブの実施形態に取り付けられて示される、CO TSA大型容器の実施形態の斜視図を示す。図18Bは、図18Aの実施形態の側面図を示す。図18A及び図18Bは、上部及び下部ダクトに対する代替の水平配置を示す。特定の実施形態では、例えば、4つの容器は、そのような実施形態で、120’×30’の空間に収まることができる。
【0075】
図19は、水平配置のためのCO TSA容器およびモジュラー構造方法の実施形態の斜視図を示す。図19Aは、複数の図19の実施形態のモジュラー配置の実施形態の斜視図を示す。図19の実施形態は、22’×30’における28’直径当量を含むことができる。このような実施形態は、2つの11’×30’モジュールで出荷することができる。モジュール間のシールは、インシュレーション(例えば、低温)の外部にある。このような実施形態は、メディアの両側にダクトおよびバルブを有する。
【0076】
図20は、モジュール間に1つ以上の垂直ダクトを有するCO TSAモジュラー構造の実施形態の斜視図を示す。図20Aは、図20の実施形態の異なるモードの流れ方向を概略的に示す。図20Bは、複数の図20の実施形態が互いに接続される実施形態の斜視図を示す。
【0077】
特定の実施形態では、例えば、図20の実施形態に示されるように、ダクトは、単一(例えば、上部)側に配置することができる。示されるように、6つの流路は、単一のTSAの上側にある。このような実施形態は、すべてのダクトが片側にある、さらに改善されたパッケージングを提供する。実施形態は、例えば、上記の円筒形の実施形態と同様のサンドイッチ構造を含むことができる。
【0078】
より大きな表面は、示されているように、垂直な転送ダクトが下部に達するとともに、すべてのダクトが片側にあることを可能にすることができる。特定の実施形態では、垂直ダクトは、CO TSAモジュール対の間にあることができる。図20Aに示されるように、冷却および再生のためのトップダウンベッドフローは、より高い流量を提供することができ、吸着のためのボトムアップベッドフローは、より低い流量を提供することができる。
【0079】
図20Bは、互いに接続される4つのモジュール対を示す。フォームファクターを考えると、このような実施形態は、基礎上に構築することができ、従来の出荷コンテナで輸送することもできる。示される4つの容器は、代わりに単一のコンクリート基礎に収容されてもよい。このような実施形態では、容器の下側へのアクセスは必要ない。
【0080】
特定の実施形態の追加の非限定的な説明
図2は、本開示の特定の実施形態における一実施形態、すなわち、SCC用のCO TSAを提供し、本明細書で詳しく説明される。いずれのエンジンでも、燃料は燃焼する必要があり、それには酸化剤(通常は空気)が必要である。図2のエンジンを参照すると、図示のエンジン(タービンまたはピストン)は、空気、酸素、および冷却排気の混合物を有する吸気バッファタンクからの作動流体内にある。吸気バッファタンク内の混合酸素濃度は可変であるが、通常12~22%Oの範囲内にある。エンジンは、この人工大気中で燃料を燃焼させて熱排気を生成し、触媒(存在する場合)および補助燃焼(存在する場合)を介して排気を排気熱交換器CO HXに直接流れ込む。この熱交換器は、排気を部分的に冷却し、典型的には約400°Fに冷却し、そこで排気をその後より冷たい水と混合して、クエンチし、典型的には約100°Fに冷却する。これにより、燃焼生成物から水の大部分が凝縮され、その水は従来の気液分離器で除去される。他の方法で使用または処理されない限り、水は貯水タンクに蓄積されるが、この凝縮水は通常、冷却塔での補給水として使用され、水処理の問題が解消または軽減される。水の大部分がなくなった現在の冷却された排気は、吸気バッファタンクまたはTSAスクリュー/送風機に戻る。このTSAスクリュー/送風機における流量は、通常は可変速駆動であるか、または他の流量調整方法を含んでおり、排気再循環のレベルを間接的に設定する。エンジン流量は基本的に固定されているため、捕捉システムによって除去されなかったものはすべて再循環され、エンジンに必要なバランスは空気および/または酸素によって補われる。スクリュー/送風機の下流は、CO TSA捕捉システムのバランスである。スクリューのすぐ下流には熱交換器/チラーがあり、通常は35~50°Fに冷却される。これにより、より多くの水が凝縮し、後続のモレキュラーシーブにおける負荷が軽減される。
【0081】
このプロセスの第1のステップは、典型的にはアルミナおよび3Aシーブのブレンドによる吸着容器TSA1およびTSA2内での水の脱水である。これは、バッチ式のプロセスであり、一方の容器が水を吸着ている間に、他方の容器がオフラインで、加熱または冷却される。バルブT1InおよびT2Inは、どの容器が冷却された排気を受け取るかを制御する。説明のため、TSA1が脱水中であると仮定すると、バルブT1Inが開いており、排気はTSA1を介してバルブT1Dから流出し、別の冷却器P2Tを介して3つの捕捉容器TS3、TS4、またはTS5のいずれか1つに流れる。捕捉TSA容器の入口では、排気は本質的に水を含まず、典型的に、5~20%のCO、0~10%のO、および残部の不活性ガス(窒素、および少量のアルゴン)を有する。
【0082】
この時点でTS3がCOを吸着していると仮定すると、バルブT3Inは開いており、バルブT4InとT5Inは閉じている。COと水がなくなった現在の排気ガスは、開いているT3Tを介してTS3から流出し、T4TとT5Tは閉じている。この比較的低温の乾燥ガス(大部分はN)は、いくつかの位置にマニホールドされる。まず、すべての下流バルブが閉じている場合、または何らかの理由で背圧が一時的に高い場合、余分なガスは、背圧レギュレーターBPRによって制御されるCO TSAベントを介して空気に排出される。通常、圧力は設定点よりも低く、BPRは閉じたままである。この乾燥Nガスの一部は、サイクルタイムに応じて、TSA1またはTSA2(水を吸着していない方、この例ではTSA2)を加熱するか、またはTSA2を冷却するために使用される。例えば、TSA1とTSA2における水吸着に対する設計点が8時間である場合、TSA1は8時間吸着し、これと並行して、TSA2は、最初にT2HとT2Xを開いて、加熱された乾燥Nを使用して約4時間再生(加熱)され、次にT2Hを閉じながら(T2Xを開いたまま)T2Cを開いて冷却される。8時間後、このプロセスは逆転し、TSA2が脱水吸着の役割を引き継ぎ、TSA1が加熱され、その後、T1H、T1C、およびT1Xでのバルブ動作の組み合わせにより冷却される。水吸着に対するサイクル時間は典型的には数時間であり、通常は3~12時間である。
【0083】
ほとんどの場合、排気における水よりも排気におけるCOの方が桁違いに多く、モルシーブの単位重量あたりのCOの容量は水の容量よりも低い。その結果、ベッドTS3、TS4、およびTS5のCO吸着機能に対するサイクル時間は、時間単位ではなく、分単位で測定される。本明細書で説明するように、TS3がCOを吸着していると仮定すると、T3InとT3Tは開いており、オプションとしてチラーを介してさらに冷却された乾燥Nの一部は、T4CまたはT5Cを通過してこれらのベッドを冷却でき、T4XまたはT5Xを介して排出される。なお、冷却に必要なガスの量は、TS3からの流量では十分に満たされない可能性があり、再循環によって流量を増加させる方法、または必要な流量を減少させる方法については、本開示において後で説明する。
【0084】
CO吸着サイクルが完了した後、捕捉されたCOは、主に加熱によるTSAプロセスで放出する必要がある。本発明の特定の実施形態では、その加熱は、この例ではバルブT3Hを介してベッドTS3に送達される、大部分がCOである熱ガス混合物によって提供される。熱COの供給は一般に600~800°Fであり、650°Fが最も一般的な設計点である。ガスは容器TS3内のメディアを通って下方に流れ、メディアを徐々に加熱して、より多くのCOを排出する。この温かいCOは、バルブT3Dを介して冷却器に流れる。また、ガスの一部が分割され、分離器(理論的には必要ないが、これは乾燥ガスであり、実際には制御を改善するために体積を増加させるために存在する)を介してスクリューコンプレッサーに流れ、下流へ残りのCO圧縮または使用システムに流れる。このCOスクリューにおける流量も、一般に速度可変であり、脱着プロセス中の容器TS3内の圧力を間接的に設定する。
【0085】
必要な脱着流量は、質量ベースでも体積ベースでも、原排気流量よりもはるかに高い。また、温度が高くなると、ベッドを通過する圧力損失も高くなり、吸着には1~2psiであるのに対し、最大10psiとなり、高い電気的負荷をもたらすことになる。本発明では、CO生成物は、これらのより高い流量をサポートするために再循環される。さらに重要なのは、再循環に使用される動力は「COターボ」を介しており、そこで、そのターボチャージャーに動力を供給し、ベッド自体を加熱するのに必要な熱は、エンジンの排気から得られる。再び図2を参照すると、T3Dと冷却器を通過した後、CO生成物の一部はターボチャージャーコンプレッサーに入り、典型的に圧力が15~25psiに上昇し、温度が300°F以上に上昇する。そこで、当該CO生成物は、その後CO HXに入り、典型的には800~900°Fの原排気温度に近い温度に加熱される。次に、この熱COは、ターボチャージャーのエキスパンダー側で膨張し、再生に必要な600+°FのCOが生成される。その圧力は、通常のターボチャージャーの場合と同様に、圧縮機側の圧力上昇がエキスパンダー側の圧力低下を顕著に上回るので、ベッドを通過する流れをサポートするのに十分高い圧力のままである。
【0086】
再生プロセスの最後に、TS3ベッドには、COも実質的に残っていなく、当然ながら水もほとんど残っていない。メディアは高温で、典型的には約500°Fの平均温度を有する。メディアは、次の吸着サイクルの開始に備えるために冷却する必要があり、これはバルブT3CおよびT3Xを開き、T3In、T3T、T3H、およびT3Dを閉じることによって達成される。冷却プロセスは、メディア温度を周囲温度に完全に戻す必要はない。再び図1を参照すると、100℃(212°F)未満の温度であれば、COの初期吸着能力がいくつか得られるが、50℃(122°F)付近またはそれ以下が好ましい。原排気ストリームが名目上10℃(50°F)で提供されるので、ベッドの冷却は吸着プロセスと並行してある程度継続する。
【0087】
TSAプロセスの流量方向および操作順序は、図2Aに一般的に示す。ツーベッドTSAを用いたTSA脱水及びスリーベッドTSAを用いたTSA捕捉のプロセスのタイミングの例は、図2Bにまとめられる。同様のサイズのベッドの場合、脱水プロセスは捕捉プロセスよりもはるかに遅く、ベッドごとに数時間かかり、理論的には非常に迅速に実行できるが、実際には10~30分のプロセス間隔で実行される。
【0088】
ここで、本開示の特定の実施形態の変形および好ましいプロセス実施形態を概説する。エンジンの仕様および他のプロセス要件に応じて、これらの基本プロセスの変形の異なる組み合わせがしばしば使用されるが、図3~9の実施形態は、これらの変形に対処できる。
【0089】
図1Aで説明したように、現在の最先端技術では、脱水にはTSAプロセスが使用されるが、捕捉には複数ステージの真空圧力スイング吸着(VPSA)またはPSAプロセスが使用される(VPSAは技術的にはPSAのサブセットであるが、業界でよく使用される用語である)。本開示の特定の実施形態では、図2図2A、および図2Bの説明で論じたように、現在、同じ基本プロセス(TSA)が脱水と捕捉の両方に使用されており、同様のサイズの容器では、これらのプロセスのサイクルタイミングが異なるが、名目上同じ捕捉温度と再生温度が使用されている。
【0090】
図3を参照すると、本開示の特定の実施形態では、TSAプロセスが脱水と捕捉の両方に使用されると仮定すると、これらの機能を単一の容器で組み合わせることが可能である。図1に示されているように、特定のメディアがCOとH2Oの両方に対する捕捉能力を有するため、その容器は、機能が発生する場所を制御するために、異なるメディアの層を有するか、メディアのブレンドを有するか、または単一のメディアを有することができる。
【0091】
具体的には、図3には、図2の基本プロセスを繰り返し、そこで、容器TSA1およびTSA2、ならびにそれらに関連するバルブT1In、T2In、T1X、T2X、T1C、T2C、T1H、T2H、T1D、およびT2Dを削除し、プロセス間の冷却器P2Tを削除する。
【0092】
図3には、18個のT3~T5ファミリーバルブに関連するすべてのプロセスが保持される。現在、より短い捕捉サイクル時間が依然として支配的であるため、脱水メディアの量は捕捉メディアよりもはるかに少なくなり、代わりに、捕捉メディアがある程度の脱水能力を持っているので、脱水層を排除することができる。しかし、典型的な捕捉メディアはアルミナまたは3Aよりも高価であるため、ほとんどの場合、これは実用的ではない。追加の任務には、わずかに大きな容器が必要になるか、わずかに短いプロセス時間が必要になるが、図2Aにおける捕捉プロセスのタイミングは保持される。
【0093】
特定の実施形態では、捕捉および再生に対するガスの流量は等しくなく、それは再生用のCOの再循環によって調整される。図2から図3への発明の変更により、資本設備とバルブ数の大幅な削減が達成されるが、脱水メディアもより速いサイクルで冷却しなければならないので、図3の冷却要件は、場合によっては図2の冷却要件よりも劣る。これは、容器の数を変更することで対処できる。一方の容器での加熱と冷却の時間が、他方の容器での吸着時間と並行して達成できる限り、容器を2つまでしか持たないシステムを設計することができる。これは、図2Bの2つの容器脱水タイミングに類似している。冷却および/または加熱に利用できる時間が捕捉の時間よりも長くなるように、4つまたは5つまたは6つの容器で他の方向に進むことも可能である。これらの基本的なオプションは、次の表1にまとめられる。
【0094】
【表1】
表1
冷却と加熱の時間を不均等にすることも可能である。例えば、フォーベッドの設計では、サイクルが最終的に同期して繰り返すことができる限り、吸着をX、再生をX、冷却を2X、またはその逆、またはその間のいずれかとするサイクル時間を有することができる。
【0095】
図3は、セミクローズドサイクル(SCC)用の最先端のモルシーブ捕捉システムよりも大幅な節約と簡素化をもたらす。図3における捕捉および脱水部分は、SCCの排気ガス再循環なしでも機能するが、モルシーブ捕捉プロセスの上流でCOを濃縮するいくつかの方法により、COの商用品質または隔離品質を達成するために必要なステージの数が削減され、最終的に、適切なウェル設計を有する隔離用途の単一ステージの捕捉システムが可能になる。
【0096】
図4を参照すると、図3のすべての構成要素が、関連するプロセスとタイミング、主に冷却の問題に対処するためのいくつかの追加構成要素、および非隔離またはパイプライン用途に必要なCO仕様とともに繰り返される。冷却器付きのN再循環ファンは、追加の容器に代えて又は加えて使用され、利用可能な時間内に十分な冷却を可能にすることができる。COの周りのバイパスバルブも存在する。これにより、再生サイクル中の流量と温度の両方を下げることができる。十分な熱がメディアの容器と最上層「内」にあり、COがそのメディアから排出されると、流量と温度を下げる可能性がある。熱波は、メディアが熱再生器として機能することで、依然として容器を下っていき、それにより、メディアの下部レベルが加熱され、メディアの上部レベルが冷却され始める。
【0097】
同様に図4を参照すると、COスクリューの下流に新たなコンポーネントが追加され、関連するバルブP1In、P2In、P1D、P2D、P1X、およびP2Xを備えた2つのPSA容器が含まれる。このPSAプロセスの操作は従来通りであるが、アルミナまたは3Aなどのメディアを使用することで、TSA1及びTSA2として存在するものよりもはるかに低い総流量で、はるかに小型容器で最終的な脱水が行われる。非常に低い露点を必要とする用途(州間COパイプラインなど)の場合、このアドオンPSAにより、本開示の特定の実施形態が依然としてこれらのパイプラインの仕様を満たすことを可能にする。PSAの知識のある人にはよく知られているように、P1IN、P1D、及びP2Xが開いており、他のバルブが閉じていると、P1INの下流の容器は水を吸収し、P2INの下流の容器は水を排出し、バルブの位置が反対の場合は逆の事態になる。
【0098】
図5には、システム起動を支援し、TSAの前にCOを濃縮するための追加の方法を提供するいくつかの追加のコンポーネントを含む、図4と同じ改良の一部が含まれる。図5を参照すると、COターボは、典型的なエンジン上のターボチャージャーとは異なり、典型的には、始動が必要である。COターボは、物理的にはコンプレッサーとエキスパンダーを備えた電気駆動の「コンパンダー」であり、典型的には通常のブルギア上にあり、始動するとモータのパワーがほぼゼロになる(または、負になり、発電機のように機能することさえある)。COターボが、エンジンのターボチャージャーのようなものであり、コンプレッサーとタービンが共通のシャフトに物理的に接続されており、外部入力または出力がない場合、何かがそのシャフトの回転を開始する必要がある。始動を達成するために、より高い圧力のCO(またはプロセスでこの時点で最初に存在する何らかのガス)が圧縮され、逆止バルブまたは自動バルブを介して、圧縮機の下流にあるがCO HXの上流にあるCOターボエキスパンダーに送られ、タービンのスプールアップを機械的に始動する。COターボエキスパンダーが熱ガスを検出すると、すぐに始動し、COターボコンプレッサーの下流のチェックを開き、他方のチェックを閉じる(自動化されていない場合)。図5には、追加の機能も含まれる。再生プロセスを通る流量が、典型的に、原エンジン排気の流量よりもはるかに高い(典型的に2倍)ため、また、この流れが高純度のCO(>>90%CO)であるのに対し、エンジンの排気はSCCを使用してもはるかに低い純度のCO(時には<10%CO)であるため、非常に少量のブリード流は、CO再生流の一部として、サイクルに入る原COの純度に大きな影響を与える。このCO TSAの再循環は、排気COを濃縮する別の方法であり、SCCに類似しているが、COをエンジンの入口に戻す必要はない。後者は、特にSCC用に最適化されていない、改造プロジェクトまたは標準的なエンジンメーカーの製品、定格、および制御を使用する新たな設置の場合に、より大きな酸素プラントまたは特定のエンジンタイプと互換性のない他のエンジンの変更を必要とする場合がある。
【0099】
図6は、図3の基本的な発明に対する別の改良を示す。非常に効率的なエンジン、特に高効率的な希薄燃焼ピストンエンジンでは、CO TSA COターボの動作を完全にサポートするには不十分な排気熱が存在する。他のケースでは、十分な熱があるが、カスタムがその熱を自分のプロセスで使用することを選択したため、使用可能な総排熱は少なくなる。極端な例(図6に示されているように)では、使用可能な総排熱はなく、COターボは電気駆動の送風機に置き換えられ、CO HXは電気ヒーターに置き換えられた。プロセスの残りの部分は同じままである。実際には、CO HXは存在し、COターボはコンパンダー(電動アシスト)の形で存在するが、追加の熱と電力がコンパンダーのモータによって提供され、図3のCO HXの下流であるが、COエキスパンダーまたはT#Hバルブの上流に小型ヒーターがある。
【0100】
図7は、図4~6に既に説明した改良の一部と、いくつかの新たな特徴を示す。具体的には、図4の再循環N送風機は、空気送風機またはファン、およびチラーに置き換えられ、できるだけ多くの水(露点約40°F、または<<1%の水)を排出する。乾燥Nに加えて、空気が冷却プロセスに使用される。前述したように、N図2Bと一致してT#TバルブからT#Cバルブに流れるが、現在、この流量は、部分的に脱水された空気でT#Cバルブの上流で増加する。これにより、大きなコンポーネントであるN再循環冷却器が不要になり、追加の利点がもたらされる。空気が再循環Nよりも低い温度であるため、CO TSAでの直接空冷の使用により、ベッドをより効果的かつ迅速に冷却する。また、これにより、ベッドは空気から少量のCOを捕捉する。該少量のCOは典型的に、捕捉されたCOの総量の1~2%であるが、CO TSAは、そもそも適切な設計によりすでにCOの99%以上を捕捉することができるため、システム全体をカーボンネガティブ(非排出)にするのに十分である。
【0101】
図7の他の改良は、ピストンエンジンよりもガスタービンに適用しやすく、SCC内の向流直接接触冷却器の使用である。これにより、クエンチに必要な冷水の流量は大幅に減少するが、背圧は確実に増加する。タービンエンジンは、ピストンよりもこの背圧に対してより耐性があり、そうでなければクエンチを実現するために非常に高い水流量を必要とする。
【0102】
図7の最後の改良も、ピストンエンジンよりもガスタービンに適用しやすく、このサイクル内の空気の部分的脱水およびその他の冷却負荷に関連するより大きな冷却要件をサポートするように、吸着チラーと機械的チラーを使用することである。注意すべきなのは、図7は、図4または図5の最終的な脱水PSAを保持することである。これは、直接空冷を使用すると、CO生成物に含まれる水が多くなり、ほとんどの用途で最終的な脱水が必要になるためである。
【0103】
図8は、本開示の特定の実施形態の別の変形を反映しており、同様に、排気熱が制限されたピストンエンジン、または熱のすべてまたは大部分がすでに他のエンジンによって使用されるタービンエンジンに適用可能である。この図は、基本的にこのターボチャージャーを小型熱CO発生器に変える、COターボコンプレッサーとエキスパンダーの間にある小型燃焼器を示す。所望の温度を達成するための燃焼量が非常に少なく、得られた混合物が空気酸化では可燃性ではないため、また、これはすでに捕捉プロセスの製品側にあるため、このミニガス発生器は酸素で燃焼される。燃焼の生成物はCOと水であり、該COは高温であるため、最終的にメディアを通って流れ、捕捉されたCOに追加される。燃焼水は、図7のように、最終的なPSAによって除去される。このアプローチは、ほとんどの場合、この小さな負荷のみに対するO生成の経済性が経済的に実行可能ではないため、高純度の酸素源をすでに使用しているSCCの実施でのみ実用的である。
【0104】
図9は、利用可能な排気廃熱を高めるための、より頻繁に使用される実用的な方法を示す。多くの熱回収蒸気発生器の場合と同様に、一般的には、利用可能な熱を増加させるために、ガスタービン排気で補助燃焼を行う。これはSCCと互換性があるが、同じ結果を達成する別の方法は、CO HXの上流にバーナーを取り付けることであるが、主な排気流と直列ではなく並列に取り付ける。これは、改造された設置との互換性がはるかに高く、約11%の濃縮COストリームを生成する。これは、カスタムの熱交換器の下流であるがクエンチシステムの上流である原SCC排気に追加できる。
【0105】
図10~20の説明は、特定の実施形態の機械的実装に対処するために続く。
【0106】
CO TSAの発明、程度はより低いでは、SCC自体は、エンジン効率とカスタムの設置仕様により(主に使用可能な排気廃熱の違う量により)さまざまな実装を行う。CO TSAの発明はまた、小型システム用、典型的にはピストンエンジン用の異なる機械的実装を有しており、そこで、個々の容器は、より大きいが依然として輸送可能な/モジュラー型システムのサブセットとすることができる。逆に、はるかに大きなシステムに対して、また、一般的にはより大きなガスタービンに対して、機械的な理由から、流れを複数の流、すなわち、「二重排気CO TSA」に分割するが、または容器コンパートメントを複数のモジュールに分割して現場で組み立てる必要がある。これが可能である理由は、CO TSAプロセスの3つの機能である吸着、再生、および冷却がすべて本質的に同じ圧力で発生し、再生がわずかに高い圧力で発生するためである。同様の圧力があり、すべての圧力が低いため、構造上の要件は最低である。さらに重要なのは、再生(CO生成)はわずかに高い圧力で発生するため、漏れはすべて製品(再生)側からプロセス側(吸着または冷却)に戻され、COが失われることはなく、漏れにつながる製品の不純物が生じることもないことである。プロセス図でのパイプ/ダクトのように見えるものは、実際にはバッフルまたはパネルによってより大きな構造内に実現でき、CO TSA発明のプロセス間の密封シールについて心配する必要はない。
【0107】
図10は、1MWと呼ばれる小型ピストンエンジン発電機における本開示の特定の実施形態についての典型的な一般配置を示す。典型的な場合と同様に、エンジンはエンクロージャー内に搭載されており、この例では、SCC再循環システムと排気クエンチを含む。エンクロージャーの前面には3つのラジエータが搭載されており、1つはSCCクエンチ水用、1つはアフター冷却水用、もう1つはジャケット水用である。CO HXはエンクロージャーの上部にあり、プラントのバランスは、N再循環ファンと熱交換器を備えた電動CO送風機を反映する。CO TSA容器TS3、TS4、およびTS5は、軽量構造(ほとんどの場合はステンレス製)の個々の丸い圧力容器として示される。
【0108】
図11は、熱CO入口(再生前)、乾燥N出口(吸着後)、乾燥N入口(冷却用)用の上部ヘッダーの詳細を示す。図11はまた、排気入口(吸着用)、CO出口(再生後)、およびN出口(後冷却)用の下部ヘッダーの詳細も提供する。前述のすべては、積層容器アプローチ用であり、脱水と捕捉プロセスが単一の容器で行われる。
【0109】
図12は、本開示の特定の実施形態の鍵の詳細を提供する。メディアは、容器壁の内側および蓋の内側で断熱された非常に薄い壁付きステンレスライナー内に保持される。このように、メディアと非常に少量のサポート金属インナーライナーのみが、プロセスのために温度を変更する必要がある。薄い高性能エアロゲルインシュレーションにおける新開発、特にアスペンエアロゲルの新開発により、この設計は可能になる。
【0110】
図13およびサブパートは、単一の容器、例えばTS3の断面における異なるビューを示す。捕捉メディア(通常は5Aまたは13X)の上部と下部にある脱水(ガード)層(通常は3Aまたはアルミナを使用)の相対的な荷重が示されている。メディアによって良好な流れの分配を持つことは重要であり、圧力損失が低いことも重要である。両方の目標は、比較的短いアスペクト比で達成される。通常、メディアの高さは容器の直径よりもはるかに小さい。ダクト作業も、ダクトからベッドへの流れの分配を助けるために使用されるバッフルプレートを使用して、低圧力損失と低速度のために特大である。計算流体力学(CFD)モデリングは、モルシーブ容器での流れ分配器としてよく使用される典型的なセラミックボールが、バッフルプレートを介して完全に除去されなくても大部分除去できることを示した。ガードメディアは、分配をさらに容易にするために、多くの場合、捕捉メディアよりも粗い(サイズが大きい)。
【0111】
図10図13はすべて、3つの独立したTSA容器を示し、すべてのTSA容器が円筒形で、平らな蓋を有する。使用できる半楕円ヘッド、半球ヘッド、さらには球形の容器を含むその他の容器構成があり、それは、圧力容器の設計でよく使用され、本発明で使用できる。非常に低い圧力、及び3つの異なるプロセスで同様の圧力を使用する設計の性質により、「圧力容器」の通常とは異なる設計が可能になる。平面モジュール、または六角形または長方形/正方形の断面を含むコンパートメントは、単一のより大きな「圧力」構造内に詰め込むことができる。本発明の容器設計における最大負荷は、多くの場合、ガス圧力ではなく、メディアの重量およびメディアの圧力降下によって引き起こされる。
【0112】
図14は、TS3、TS4、およびTS5の1つの代替パッケージング方法を示す。ただし、この方法は、TSAコンパートメントの数が少なくても多くても使用できる。図14は、メディアのロードと断面に関して、図11の3つの容器の設計と同等である3つのコンパートメントを備える単一の長方形断面の容器を示す。図14Aは、蓋を取り外した内部図を示し、図12および図13の円形断面容器について示されているものと同じ基本的な内部ライナーと内部断熱構造を有する3つの独立したコンパートメントが見える。メディア内のタイロッドまたは内部構造は、メディアの重量に対して薄い壁を支持するのに役立つ。図14Bは、容器の設計に関して図14および図14Aと同じであるが、N、CO、および排気用の上部と下部のパイプがダクトと内部ダンパーに置き換えられる。これらはすべて、より大きな圧力境界/構造の内部にあるが、動作中、3つのプロセス間にはまだいくらかの圧力差が存在する。前述したように、再生プロセスから他のプロセスへの漏れの一部は、動作を著しく損なうことはない。これらのダクトは、図14Bに示されるように、より大きな構造内にパネルを配置することによって実際に作成できる。これらのパネルは、ダンパー、ダンパーアクチュエータ、およびリンケージなどの内部機構へのアクセスを可能にするように、アクセスポートまたはハンドホールをさらに含むことができる。
【0113】
図15A~20Bは、より大きなシステムに関連する本開示の特定の実施形態の異なる機械的実装アプローチに対処する。図15~20に示されるサイズは、15~25MWのガスタービンの設置と一致している。より大きなシステムには、図10~14で説明されているより小さなシステムとは異なる機械的課題と実装解決策がある。具体的には、送風機用の電気負荷(大きな断面積により、圧力損失が最小化され、したがって電力が最小化される)、水に対するCOの吸着/メディアへの影響(TSAの前に水を除去するのに役立つ吸着チラー)、大径/断面のダクトサイズ、ダクト内の長さ/容積/圧力損失、断面積の大きい容器内の流れの分配(ダクトではさらに低い速度が必要)、全体的なフットプリント、および輸送用のコンポーネントのサイズ、という技術的問題がより大きなシステムで支配的である。
【0114】
図15Aおよび図15Bは、本開示の特定の実施形態の公称20MWガスタービンの実装に関連する単一のTSA容器の外部図を示す。例示的な20MW SCCガスタービンTSAは、奥行き28’x高さ6.5’であり、バッフルとすべてのメディアを含む。ダクトワークは、約60”D相当、またはそれ以上である必要がある。4つの容器は必要であり、バッチプロセスでは、1つが吸着用、1つが再生用、2つが冷却用に使用される。同じメディア負荷を有する、より小さい直径であるがより高い容器を設計することは可能であるが、フットプリントがより小さいと、ベッドの圧力降下が高くなり、それにより、N/空気およびTSAスクリュー動力の要件が高くなる。
【0115】
図16を参照すると、速度をできる限り低く保ち、容器の大径にわたる均等の分配を助けるために、上部に84”x84”のダンパーが3つ、下部に84”x84”のダンパーが3つの、84”の正方形のダンパーから60”の正方形のダクトに移行する例示的な機械的設計が示されている。異なるTSA要件に固有の異なる寸法が存在し得る。図15A~20Bのすべては、設計の実施形態の例を提供することを意味する。
【0116】
4つの28’Dの容器とすべてのダクトにおけるフットプリントは、一部の設置では課題となる。ダクトの長さ、および関連する容器と送風機の間の圧力降下も重要であり得る。図17は、6つのマニホールドと24つのバルブを備えた4つのCO TSA容器の積層がベッドに使用される解決策を示す。システム全体は約50’Dx50’Hであり、フットプリントが大幅に減少されている。しかし、容器はそれらのサイズに対してかなり軽量であるが、300トンを超えるメディアが上げられ、特に地震地域では注意深い構造設計が必要である。
【0117】
図18は、4つの容器の選択された配置が垂直ではなく水平である場合の単一の28’D TSA容器の配置を示す。この例では、84”の正方形のダンパーはまだ使用されているが、上部と下部の長方形のダクトにより、事前に製造して現場に出荷するのがより容易なセクションが作成される。上部と下部のダクトを備えたこの代替配置では、容器のコンポーネントは依然として大きいが、4つの容器が120’x30’のスペースに収まり、また、現場での製作が必要になる可能性がある。
【0118】
図19は、大きい容器の直径、および大きい直径の容器を設置場所に直接出荷できる機能の問題に対処したものである。28’D TSAの代わりに、長方形の22’x30’の28’相当のTSAが使用される。この長方形容器は、2つの11’x30’のモジュールで出荷でき、そこで、モジュール間のシールはインシュレーション(低温)の外側にあり、特別なガスケットまたはシールの要件はない。金属と金属ボルトをコーキングで締めれば十分である。図19Aは、それぞれが2つのモジュラーコンパートメントを有するこれらの28’D相当の4つの容器が現場で如何に組み合わされるかを示す。内部インシュレーションの設置と同様に、フットプリントは、より好ましくは、依然として約30’x約100’であり、重量は基本的に変わらないが、コストは低くなる。
【0119】
各TSA容器を形成するために2つのモジュールを使用することも、機会を生み出す。図20は、すべてのバルブとダクトワークを側面に配置できるように、垂直ダクトが片側または両側でも使用できるが、中央の垂直ダクトの使用を示す。図20に示されるように、ダクトはすべて上部にあるが、ダクトはすべて下部にあることも同様に簡単に実現され得る。好ましい実施形態は、CO TSAモジュールペアの間に垂直ダクトを有するものである。
【0120】
図20Aは、2つのモジュールおよび垂直ダクトで作成されたTSA容器の1つの断面図であり、吸着、再生、および冷却の3つのプロセスに対して流れがどのように発生するかを示す。
【0121】
図20Bは、モジュラー構造および垂直ダクトを用いた4つのTSA容器の組み立てを示す。図示の4つの容器は、容器の下側にアクセスする必要がなく、重量が大きいため、代わりに単一のコンクリート基礎に収容され得る。このタイプの構造は、メディアコンパートメントの内部補強を不要とすることにも役立ち、現場でのメディアのロードをはるかに容易にする。
【0122】
異なる数の容器、異なる数のコンパートメント、異なるサイズのダクト、異なるサイズのバルブ、およびダンパーを含む、本開示の特定の実施形態の変形は、特定のプロジェクト要件および設置制約に基づいて実施される。
【0123】
実施形態は、例えばSCCまたは他の適切な用途のCO TSAシステム、脱水および捕捉用TSAs、二層または多層TSAs、同一容器内での脱水および捕捉(例えば、同一メディア内にまたは積層メディアで)、N再循環ファンを有する多層TSAs、PSAプロセスによる最終脱水、ガスインジェクションによるCOターボスタート、COをさらに濃縮するために排気するためのCOブリード、電気駆動のCO送風機、部分電気駆動のCO送風機(コンパンダー)、CO用の別の熱源、直接空気(捕捉)冷却、水吸着負荷を低減するためのチラーの使用、向流SCCクエンチシステム、燃焼COターボ、バーナー増強COターボ熱交換器、SCC排気と混合されたバーナー排気CO、積層TSA容器、上部ヘッダー(熱CO入口(再生前)、乾燥N出口(吸着後)用)、乾燥N入口(冷却用)、下部ヘッダー(排気入口(吸着用)、CO出口(再生後)、N出口(後冷却)用)、内部断熱された「圧力容器」、薄肉ステンレススチール(SS)ライナー、ガード脱水メディア上部および/または下部、流れ分配のためのTSAにおけるセラミックボールに代わる可変面積穿孔バッフル、TSAにおける積層されたバッフルプレート、単一の容器における複数のコンパートメント、顕著な圧力または圧力差がない、最小限の補強で平らな側面の設計が可能、補強を最小化した平面設計の可能性、コンパートメント間のわずかな漏れがプロセスに顕著な影響を与えないこと、不純物がCO製品に漏れないようにプロセスの残りよりもわずかに高い圧力での生成、特別な高温または複雑なシールを必要としないこと、モジュラー容器構造内に一体化されたN、COなどのダクトワーク/バッフル、垂直に積層されたSCC CO TSA容器、大型容器用の上部および下部ダクト、より小型のモジュラー容器で形成された大型容器、大型モジュラー容器用の内部垂直ダクト、モジュラー容器コンポーネント間の垂直ダクト、ダクト内部のダンパー、単一構造内部のバッフルによって形成されたダクト、すべてのバルブを上部に配置可能な垂直内部ダクト、および/または「地上プール内」のTSA構造を可能にする垂直内部ダクトを有する上部ダクト配置、を含むことができる。
【0124】
任意の適切な制御モジュールは、関連する機能を実行するように構成された任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールを含むことができる。バルブの制御に関して特定の実施形態が上記で開示されたが、例えば、他の適切な制御スキームおよびバルブを制御する順序/タイミングが本明細書において考慮される。特定の構造を有する実施形態が示されているが、実施形態に対する任意の適切な寸法および任意の適切な形状を有する任意の適切な他の構造も、本明細書において考慮される。
【0125】
当業者によって理解されるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。その可能性のすべては、本明細書では「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶことができる。「回路」、「モジュール」、または「システム」は、「回路」、「モジュール」、または「システム」の開示された機能を一緒に実行できる、1つ以上の別個の物理的なハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントの1つ以上の部分を含むことができる。または、「回路」、「モジュール」、または「システム」は、(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの)単一の自己完結型ユニットであることができる。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。
【0126】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが使用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、または前述の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)としては、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータのディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM またはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせが挙げられる。この書類の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用される、またはそれらと関連して使用されるためのプログラムを含むまたは記憶することができる任意の有形媒体であり得る。
【0127】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドで、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた伝播データ信号を含み得る。このような伝播信号は、電磁、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形態のいずれかを取り得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用される、またはそれらと関連して使用されるためのプログラムを通信、伝播、または転送できる任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0128】
コンピュータ可読媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0129】
本開示の態様における動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ得る。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行し得る。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続し得、または(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを介して)外部コンピュータに接続し得る。
【0130】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して上記で説明され得る。任意のフローチャートおよび/またはブロック図の各ブロック、ならびに任意のフローチャートおよび/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。このように、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令は、任意のフローチャートおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実現するための手段を作成する。
【0131】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスを特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納され得る。これにより、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実現する命令を含む製品を製造する。
【0132】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスにロードされ得、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成する。これにより、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令は、本明細書で指定された機能/動作を実現するためのプロセスを提供する。
【0133】
当業者は、本明細書に開示される任意の数値が正確な値であってもよいし、範囲内の値であってもよいことを理解する。さらに、本開示で使用される任意の近似用語(例えば、「約」、「前後」、「おおよそ」)は、範囲内の記載値を意味することができる。例えば、特定の実施形態では、範囲は、(プラスまたはマイナス)20%以内、または10%以内、または5%以内、または2%以内、または当業者によって理解される任意の他の適切なパーセンテージまたは数(例えば、公知の許容範囲または誤差範囲)内であり得る。
【0134】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、および「the」は、本明細書では、文脈から明らかでない限り、冠詞の文法上の目的語の1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例えば、「an element(要素)」とは、1つ以上の要素を意味する。
【0135】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じように解釈されるべきである、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上」である。「および/または」という句によって具体的に特定された要素以外の他の要素は、具体的に特定された要素に関連するかどうかにかかわらず、オプションとして存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などの開放型言語と組み合わせて使用される場合には、例えば、一実施形態では、Aのみ(オプションとしてB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(オプションとしてA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(オプションとして他の要素を含む)を指すことができる。
【0136】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、「または」は、上で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち、いくつかの要素または要素のリストの少なくとも1つだけでなく、複数を含み、オプションとして、追加の列挙されていない項目を含むと解釈されるべきである。「…の1つだけ」、「…のいずれか1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合は「からなる」など、反対に明確に示されている用語のみが、いくつかの要素または要素のリスト中の要素を1つだけ含むことを指す。一般に、本明細書で使用される用語「または」は、「いずれか」、「…の1つ」、「…の1つだけ」、または「…のいずれか1つ」などの排他性の用語が先行する場合、排他的な代替物(すなわち、「一方または他方であり、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるべきである。
【0137】
開示された任意の実施形態の任意の適切な組み合わせおよび/またはその任意の適切な部分が、本開示に鑑み、当業者によって理解されるように、本明細書において予想される。
【0138】
上で説明し、図面に示したように、本開示の実施形態は、関連する技術の改善のために提供する。本開示は、特定の実施形態への言及を含むが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく変更および/または修正を行うことができることは、当業者には容易に理解される。
関連出願の相互参照
【0139】
本出願は、2020年9月10日に出願された米国仮出願第63/076,521号及び2021年9月1日に出願された米国非仮出願第17/464,199号に対する優先権及び利益を主張しており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図1A
図1B
図2
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A-C】
図12
図13-A】
図13B-C】
図13D-E】
図14-A】
図14B
図14C
図14D
図15A-B】
図16
図17
図18A-B】
図19-A】
図20
図20A
図20B
【国際調査報告】