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特表2023-540745グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースからなる生分解性創傷被覆の生産方法
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  • 特表-グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースからなる生分解性創傷被覆の生産方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(54)【発明の名称】グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースからなる生分解性創傷被覆の生産方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 15/28 20060101AFI20230919BHJP
   A61F 13/00 20060101ALI20230919BHJP
   C01B 32/19 20170101ALI20230919BHJP
   C12P 19/04 20060101ALN20230919BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20230919BHJP
【FI】
A61L15/28 100
A61F13/00 301Z
C01B32/19
C12P19/04 C
C12N1/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514946
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 TR2020051079
(87)【国際公開番号】W WO2022050914
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】2020/13979
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520224133
【氏名又は名称】イルディズ テクニク ユニヴァーシテシ
(71)【出願人】
【識別番号】522039496
【氏名又は名称】イルディズ テクノロジ トランフェレ オフィシ アノニム シルケティ
【氏名又は名称原語表記】YILDIZ TEKNOLOJI TRANSFER OFISI ANONIM SIRKETI
【住所又は居所原語表記】YTU Davutpasa Kampusu Yildiz Teknopark Cifte Havuzlar Mah.Eski Londra Asfalti Cad.Idari Bina Dis Kapi No151,Esenler/Istanbul(TR)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】シャヒネ,ユジェレ
(72)【発明者】
【氏名】トゥルコグル,ネリサ
(72)【発明者】
【氏名】グルス,フレムセ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C081
4G146
【Fターム(参考)】
4B064AF12
4B064CA02
4B064CD09
4B064CD20
4B064CD21
4B064CE20
4B064DA20
4B065AA02X
4B065BB15
4B065BB19
4B065BB29
4B065BC02
4B065BC03
4B065BD12
4B065BD13
4B065CA22
4B065CA44
4C081AA03
4C081AA12
4C081BA14
4C081CD02
4G146AA01
4G146AA15
4G146AB07
4G146AD37
4G146BA02
4G146BC18
4G146DA07
(57)【要約】
グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースからなる生分解性創傷被覆の生産方法
本発明は、慢性化した創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆に関するものであり、本発明においてグラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材を開示する。さらに、本発明は、グラフェンでドープしたバクテリアセルロース創傷被覆材の調製方法を開示する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性化した創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆材であって、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む、ことを特徴とする創傷被覆材。
【請求項2】
前記グラフェン材は、グラフェン、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-F、-Si、-Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P 基で官能基化したグラフェン誘導体から選択される一つ以上の材料である、ことを特徴とする請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項3】
慢性化した創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆用に、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含有する創傷被覆材の調製方法であって、
-バクテリアセルロースを生産し、生分解性を持たせる(2,3ジアルデヒド基の形成)ことと、
-グラフェンまたはグラフェン誘導体を合成することと、
-得られた前記バクテリアセルロース膜に、グラフェンおよびグラフェン誘導体を1重量%~15重量%の範囲で担持させることと、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【請求項4】
Yucel法により前記グラフェン又は前記グラフェン誘導体を合成すること、を含むことを特徴とする請求項3に記載の創傷被覆材の調製方法。
【請求項5】
請求項4に記載の創傷被覆材の調製方法であって、
-電解質として、0.0001M~10Mの濃度範囲で、各種官能基を構造内に含有する塩、一塩基酸、多塩基酸、塩基及びこれらの混合物からなる溶液を調製することと、
-Ag/AgCl、カロメル、Hg/HgSOを基準電極として使用し、Ptを対電極として使用し、グラファイト系電極を作用電極として使用することと、
-(-3V)~(+6V)の動作電位、0.001V/s~1V/sの走査速度値、及び、1~500の間で変化するサイクルでグラフェン合成を行うことと、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【請求項6】
請求項3に記載の創傷被覆材の調製方法であって、グラフェン、及び、N、S、Cl、P、B、F、Si、Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P基で官能基化したグラフェン誘導体の一つ以上から、各種グラフェン又はグラフェン誘導体を選択すること、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【請求項7】
請求項3に記載の創傷被覆材の調製方法であって、
-バクテリアセルロースの生産用に、二つの異なる培地を調製することと、
-25g/Lの培地、3g/Lのペプトン、5g/Lの酵母エキスを含むように前記培地を調製し、1Mの塩酸(HCl)でpH値を5.0に調整し、120℃で20分間高圧蒸気滅菌によって滅菌することと、
-25mLの培地を100mLの三角フラスコに移し、アセトバクターキシリナム(ATCC10245)菌体を添加することと、
-得られた培地を30℃及び150rpmで2~3日間攪拌することにより、種菌を得ることと、
-種菌用セルロース生産に必要な培地を、20g/Lのブドウ糖、10g/Lのペプトン、10g/Lの酵母エキス、8mMのKHPO、12mMのKHPOを含有するように調製し、1Mの塩酸(HCl)でpH値を5.0に調整し、120℃で20分間高圧蒸気滅菌により滅菌することと、
-ガラス容器に分けた培地に、種菌を1/10の割合で加え、30℃で、7日間放置して培養することと、
-ガラス表面に形成されたセルロース膜を細菌や細胞の不純物から浄化するため、80/↑o↑/Cに調整した水浴中で前記膜を1MのNaOH内に2時間保持し、蒸留水でpH値が7.0になるまで洗浄することと、
-調製した前記膜を高圧蒸気滅菌で保存することと、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野において開放創として定義される創傷が慢性化した場合の治療に用いられる創傷被覆に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、本発明の創傷被覆材であって、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースからなり、創傷エリアの細胞を補助して慢性の、即ち治癒しない創傷(例えば、床ずれ)を治癒させ、開放創における感染症発生リスクを排除することを可能にする創傷被覆材、及びその生産方法に関する。
【背景技術】
【0003】
医療の分野において、開放創と定義される創傷であって、治癒することなく慢性化する創傷に遭遇することは少なくない。即ち、床ずれ(褥瘡)、糖尿病による創傷、循環器疾患による治癒しない創傷等の創傷は、患者の生活品質を著しく低下させる。このような創傷の治癒プロセスを補助するために、従来、創傷被覆材が使用される。従来、創傷のケアや治療に使用される資材としては、天然及び合成の包帯、親水性綿、ロール包帯、及びガーゼ等の資材が挙げられる。このような創傷被覆の使用には、創傷滲出液を気化させることにより、創傷を乾燥させ、創傷培地における細菌の増殖を防止するという理由が根底にある。しかし、上記従来の手法では、組織再生に必要となる最適な環境・条件を提供することはできなかった。今日、創傷エリアにおける組織再生には、創傷部周囲に温かい湿潤環境を作り出し維持することが必要であることが知られている。そこで今日では、創傷の治癒過程で上皮細胞の移動を可能にし、そこに酸素を循環させ、細菌汚染を防ぎ、最適な環境条件を作り出すことができる素材が開発され、使用されている。しかし、より高度なナノテクノロジ素材では、上皮細胞の増殖が一定のレベルに達した後に、上述のように治癒過程における上皮細胞の移動を可能にしつつ、資材を体内に吸収させるという手法がより好まれている。このような近年の資材によって、創傷の治癒過程をより早く、より順調なものにすることができる。創傷被覆材に抗菌性を持たせる方法として、創傷被覆材又は材料の構造に対して、銀ナノ粒子を添加する方法が実施されることが多い。
【0004】
様々な原料からなる市販の創傷被覆は、数多く存在する。ハイドロコロイド構造を有するものもあれば、ハイドロゲル構造を有するものもある。具体的な違いとしては、これら二つの性質(即ち、ハイドロコロイド、及び、ハイドロゲル)は、異なる二つの種類の創傷(即ち、乾燥した創傷、又は滲出液を伴う創傷)に特化しているということである。一般的にハイドロゲルは、弾力性フィルム(シート)または非晶質ゲルとして使用される。現在、フィルムとして使用されるハイドロゲルは、創傷被覆として最適な特性を多く有する。また、これら薄層フィルム形状のハイドロゲルは、その有用な構造により、創傷の形状に合わせて切断して調製することができる。ハイドロゲルの被覆材は、乾燥した創傷面に貼ることで、創傷に潤いを与え、創傷の治癒に必要とされる理想的な湿潤環境を作り出す。ハイドロゲルの別の利点としては、形状を整えやすく、創傷表面から容易に洗浄できることが挙げられる。ハイドロゲル特性を有する創傷被覆材は、架橋カルボキシメチルセルロース、変性デンプン、アルギン酸塩、又はペクチン等、親水性および水膨潤性を有する数多くの天然又は合成ポリマから得られる。しかし、市販されるハイドロゲルの創傷被覆は、合成ポリマ製のものが多い。天然ポリマを利用した創傷被覆材も相当数あることは言うまでもない。しかし、天然ポリマを使用して調製された材料は、ハイドロゲル膜形成に様々な化学処理が施される。また、化学処理を行った後に、調製されたフィルム層から使用済みの薬剤を除去するには、別の処理ステップが必要となり、当然ながらコストが嵩む。望ましくない化学物質の残留物によって、使用エリアの細胞に細胞毒性、アレルギー性、又は変異原性作用を誘発することが知られている。
【0005】
調査の結果、バクテリアセルロース創傷被覆材及びグラフェンについて、最新の技術とされる文献や刊行物を以下に列挙する。
【0006】
Azarniya, A., Eslahi, N., Mahmoudi, N., & Simchi, A. (2016). Effect of graphene oxide nanosheets on the physicomechanical properties of chitosan/bacterial cellulose nanofibrous composites. (仮訳:キトサン/バクテリアセルロースナノ繊維性複合材料の物理力学的特性に対するグラフェンオキシドナノシートの影響) Composites Part A: Applied Science and Manufacturing, 85, 113-122.
【0007】
Czaja, W., Krystynowicz, A., Bielecki, S., & Brown Jr, R. M. (2006). Microbial cellulose-the natural power to heal wounds.(仮訳:創傷の自然治癒力、微生物セルロース) Biomaterials, 27(2), 145-151.
【0008】
Chook, S. W., Chia, C. H., Zakaria, S., Ayob, M. K., Huang, N. M., Neoh, H. M., & Jamal, R. (2015). Antibacterial hybrid cellulose-graphene oxide nanocomposite immobilized with silver nanoparticles.(仮訳:銀ナノ粒子で固定化された抗菌ハイブリッドセルロース-グラフェンオキシドナノコンポジット) RSC Advances, 5(33), 26263-26268.
【0009】
de Moraes, A. C. M., Andrade, P. F., de Faria, A. F., Simoes, M. B., Salomao, F. C. C. S., Barros, E. B., & Alves, O. L. (2015). Fabrication of transparent and ultraviolet shielding composite films based on graphene oxide and cellulose acetate.(仮訳:グラフェンオキシドと酢酸セルロースを用いた透明・紫外線遮蔽複合膜の作製) Carbohydrate polymers, 123, 217-227.
【0010】
Fan, Z., Liu, B., Wang, J., Zhang, S., Lin, Q., Gong, P., ... & Yang, S. (2014). A novel wound dressing based on Ag/graphene polymer hydrogel: effectively kill bacteria and accelerate wound healing.(仮訳:Ag/グラフェンポリマハイドロゲルに基づく新規の創傷被覆:効果的な殺菌及び創傷治癒の加速) Advanced Functional Materials, 24(25), 3933-3943.
【0011】
Gursu, H., Gencten, M., & Sahin, Y. (2017). One-step electrochemical preparation of graphene-coated pencil graphite electrodes by cyclic voltammetry and their application in vanadium redox batteries.(仮訳:サイクリックボルタンメトリーによるグラフェン被覆鉛筆グラファイト電極のワンステップ電気化学的調製とバナジウムレドックス電池への応用) Electrochimica Acta, 243, 239-249.
【0012】
Gursu, H., Gencten, M., & Sahin, Y. (2018). Preparation of N‐doped graphene‐based electrode via the electrochemical method and its application in vanadium redox flow battery.(仮訳:電気化学的方法を介したN-ドープグラフェン系電極の調製、及び、バナジウムレドックスフロー電池におけるその応用) International Journal of Energy Research, 42(12), 3851-3860.
【0013】
Hakkarainen, T., Koivuniemi, R., Kosonen, M., Escobedo-Lucea, C., Sanz-Garcia, A., Vuola, J., ... & Yliperttula, M. (2016). Nanofibrillar cellulose wound dressing in skin graft donor site treatment.(仮訳:皮膚移植におけるドナーの部位を治療する際のナノフィブリルセルロース創傷被覆) Journal of controlled release, 244, 292-301.
【0014】
Hoon, R., Oster, G. A., Damien, C., Wang, J., & Serafica, G. (2005). 米国特許出願第10/864,804号.
【0015】
Kaplan, E., Ince, T., Yorulmaz, E., Yener, F., Harputlu, E., & Lacin, N. T. (2014). Controlled delivery of ampicillin and gentamycin from cellulose hydrogels and their antibacterial efficiency.(仮訳:セルロースハイドロゲルからのアンピシリン及びゲンタマイシンの制御された供給とその抗菌効率) Journal of Biomaterials and Tissue Engineering, 4(7), 543-549.
【0016】
Lacin, N. T. (2014). "Development of biodegradable antibacterial cellulose-based hydrogel membranes for wound healing."(仮訳:「創傷治癒のための生分解性抗菌セルロース系ハイドロゲル膜の開発」) International journal of biological macromolecules 67: 22-27.
【0017】
Lin, W. C., Lien, C. C., Yeh, H. J., Yu, C. M., & Hsu, S. H. (2013). Bacterial cellulose and bacterial cellulose-chitosan membranes for wound dressing applications.(仮訳:創傷被覆用バクテリアセルロース膜およびバクテリアセルロースキトサン膜) Carbohydrate polymers, 94(1), 603-611.
【0018】
Luo, H., Ao, H., Li, G., Li, W., Xiong, G., Zhu, Y., & Wan, Y. (2017). Bacterial cellulose/graphene oxide nanocomposite as a novel drug delivery system.(仮訳:新規薬剤供給システムとしてのバクテリアセルロース/グラフェンオキシドナノ複合材料) Current Applied Physics, 17(2), 249-254.
【0019】
Luo, H., Xie, J., Wang, J., Yao, F., Yang, Z., & Wan, Y. (2018). Step-by-step self-assembly of 2D few-layer reduced graphene oxide into the 3D architecture of bacterial cellulose for a robust, ultralight, and recyclable all-carbon absorbent.(仮訳:堅牢、超軽量、且つ再利用可能な全炭素吸収剤を得るために、二次元数層還元グラフェンオキシドの段階的なバクテリアセルロースの三次元構造への自己組織化) Carbon, 139, 824-832.
【0020】
Maneerung, T., Tokura, S., & Rujiravanit, R. (2008). Impregnation of silver nanoparticles into bacterial cellulose for antimicrobial wound dressing.(仮訳:抗菌性創傷被覆用バクテリアセルロースへの銀ナノ粒子の含浸) Carbohydrate polymers, 72(1), 43-51.
【0021】
Picheth, G. F., Pirich, C. L., Sierakowski, M. R., Woehl, M. A., Sakakibara, C. N., de Souza, C. F., ... & de Freitas, R. A. (2017). Bacterial cellulose in biomedical applications: a review.(仮訳:バイオメディカル用途におけるバクテリアセルロース:評価) International journal of biological macromolecules, 104, 97-106.
【0022】
Shaw, H., & Linnane, P. G. (2010). 米国特許第7759539号 ワシントンDC:米国特許商標庁
【0023】
Shao, W., Liu, H., Liu, X., Wang, S., & Zhang, R. (2015). Anti-bacterial performances and biocompatibility of bacterial cellulose/graphene oxide composites.(仮訳:バクテリアセルロース/グラフェンオキシド複合材料の抗菌性能及び生体適合性) RSC Advances, 5(7), 4795-4803.
【0024】
Solway, D. R., Consalter, M., & Levinson, D. J. (2010). Microbial cellulose wound dressing in the treatment of skin tears in the frail elderly.(仮訳:虚弱高齢者の皮膚裂傷治療における微生物セルロース製創傷被覆) Wounds, 22(1), 17.
【0025】
Sahin Y, Hurmus GURSU, Metin GENCTEN, "A method in order to generate graphene-based electrode"(「グラフェン系電極の生成方法」)、トルコ、特許、PCT/TR2017/050121, 2017年10月
【0026】
Unnithan, A. R., Gnanasekaran, G., Sathishkumar, Y., Lee, Y. S., & Kim, C. S. (2014). Electrospun antibacterial polyurethane-cellulose acetate-zein composite mats for wound dressing.(仮訳:創傷被覆用エレクトロスパン抗菌ポリウレタン-酢酸セルロース-ゼイン複合剤マット) Carbohydrate polymers, 102, 884-892.
【0027】
Wu, J., Zheng, Y., Song, W., Luan, J., Wen, X., Wu, Z., ... & Guo, S. (2014). In situ synthesis of silver-nanoparticles/bacterial cellulose composites for slow-released antimicrobial wound dressing.(仮訳:徐放性抗菌創傷被覆用銀ナノ粒子/バクテリアセルロース複合材料の現場合成) Carbohydrate polymers, 102, 762-771.
【0028】
Zhu, W., Li, W., He, Y., & Duan, T. (2015). In-situ bio-preparation of biocompatible bacterial cellulose/graphene oxide composites pellets.(仮訳:生体適合性バクテリアセルロース/グラフェンオキシド複合体ペレットの生物学的現場調製) Applied Surface Science, 338, 22-26.
【0029】
本発明のように、バクテリアセルロース及びグラフェンの双方を構造内に有する創傷被覆材については、国内外のいずれの刊行物にも開示されていない。
【0030】
また、これに関して行われたそれぞれの研究においても、市場で入手可能な同様の市販製品について示されていない。上述したように、種々のセルロース創傷被覆を記載した科学刊行物は国内外のいずれおいても入手可能である。しかしながら、両方の素材を含む創傷被覆はないため、この技術的要素において、本発明の創傷被覆は新規性を有する。これに加え、このような創傷被覆材を生産する生産方法も開発された。
【0031】
さらに、本発明者らは、本発明の生産方法によって製造された本発明の創傷被覆材が、開放創における感染症発生リスクを排除し、慢性の、即ち、治癒しない創傷の、治癒過程で創傷エリアの細胞を補助することを見出した。
【発明の概要】
【0032】
本発明の目的は、慢性の、即ち、治癒しない創傷(例えば、床ずれ)のケアや治療の際に、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除することができる、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材、及びその生産方法を提供することにある。本発明のグラフェン系セルロース創傷被覆は、2,3ジアルデヒドバクテリアセルロース構造、及び抗菌効果を有するフィルムタイプのハイドロゲル及びグラフェン誘導体を含む被覆である。グラフェン系材料は、創傷被覆に抗菌性および物理的特性を提供する必要がある。本発明は、慢性の、即ち、治癒しない創傷(例えば、床ずれ)の治癒を刺激する。
【0033】
本発明の創傷被覆で使用するグラフェン誘導体は、グラフェン、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-F、-Si、-Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P 基で官能基化したグラフェン誘導体から選択される一つ以上の材料であってよい。それぞれの文献に開示されるように、Yucel法で合成されたグラフェン誘導体であることがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】生分解性特性を備えたバクテリアセルロースの(a)AFM図、及び、(b)SEM図である(Lacin 2014)。
図2】合成した各種グラフェン誘導体の細胞生存率の結果を示す図である。
図3】マクロファージ上でのIL-1β合成に対するグラフェン誘導体の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆用に開発された創傷被覆材に関するものであり、本発明では、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材を開示する。
【0036】
本明細書で使用されるグラフェン材は、グラフェン、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-F、-Si、-Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P 基で官能基化したグラフェン誘導体から選択される一つ以上の材料であってよい。
【0037】
本発明の別の新規特性は、慢性化した創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆用に、グラフェン担持2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースの創傷被覆材を調製する方法が含まれることである。一般的に、グラフェン担持2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材を調製する本発明の方法は、以下の処理ステップを含む。
【0038】
-バクテリアセルロースを生産し、生分解性を持たせる(2,3ジアルデヒド基の形成)。
【0039】
-グラフェンまたはグラフェン誘導体を合成する。
【0040】
-得られたバクテリアセルロース膜に、グラフェンおよびグラフェン誘導体を1重量%~15重量%の範囲で担持させる。
【0041】
調製方法に関して上述したように、異なるグラフェン又はグラフェン誘導体は、グラフェン、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-F、-Si、-Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P 基で官能基化したグラフェン誘導体から選択される一つ以上の材料であってよい。
【0042】
本発明者らによる先の研究において実施された方法は、調製方法に規定されたバクテリアセルロースの生産段階で使用される。
【0043】
セルロースは、自然に存在するバイオポリマであって、植物の構造内に大量に含まれる。セルロースは植性ソースから得ることができるため、細菌によって生産することも可能である。本発明で使用されるバクテリアセルロース(BC)は、これまでに実施されてきた方法で生産されたものである。バクテリアセルロースの生産には、二つの異なる培地を調製する。二つの培地のうちの一つは、種菌の生成用に調製された培地である。調製は、25g/Lの培地、3g/Lのペプトン、5g/Lの酵母エキスを含むように行われ、1Mの塩酸(HCl)でpH値を5.0に調整後、120℃で20分間高圧蒸気滅菌によって滅菌する。25mLの培地を100mLの三角フラスコに移し、アセトバクターキシリナム(ATCC 10245)菌体を添加する。得られた培地を30℃及び150rpmで2~3日間攪拌することにより、種菌を得ることができる。種菌用セルロース生産に必要な培地は、20g/Lのブドウ糖、10g/Lのペプトン、10g/Lの酵母エキス、8mMのKHPO、12mMのKHPOを含有するように調製し、1Mの塩酸(HCl)でpH値を5.0に調整し、120℃で20分間高圧蒸気滅菌により滅菌する。ガラス容器に分けた培地に、種菌を1/10の割合で加え、30℃で7日間放置して培養する。ガラス表面に形成されたセルロース膜を、80/↑o↑/Cに調整した水浴中で膜を1MのNaOH内に2時間保持して、細菌や細胞の不純物から浄化する。その後、蒸留水でpH値が7.0になるまで洗浄する。調製された膜は高圧蒸気滅菌され、保存される。我々のグループが過去に行った研究の結果、バクテリアセルロースの生産が最適化された(Lacin 2014)。図1Aには、バクテリアセルロースのAFM写真及びSEM写真が示されている。我々のグループが過去に行った研究では、バクテリアセルロースに生分解性が付与された(Lacin 2014)。
【0044】
グラフェン担持2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材を調製する本発明の方法の第二の段階を行い、以下に記載するようにYucel法によってグラフェン誘導体を合成し特徴づける。
【0045】
グラフェン系材料の合成は、発明者チームによって開発された方法であるYucel法( H. Gursu vd. 2019 )と呼ばれる方法によって行われる。我々のグループにより前述したすべての方法で、グラフェン及びその誘導体(グラフェン、並びに、-N、-S、-Cl、-P、-B、-F、-Si、及び、-NO基、-NH基、-ClO基、-B基、-P基等の官能基をドープしたグラフェンを含むグラフェン誘導体)を合成する。
【0046】
従来の三電極システムを用いて、電気化学的Yucel法によりグラファイト系材料からグラフェン系材料を調製する。Ag/AgCl、カロメル、Hg/HgSOを基準電極として使用し、Ptを対電極として使用し、グラファイト系電極を作用電極として使用した。電解質としては、0.0001M~10Mの濃度範囲で、各種官能基を構造内に含有する塩、一塩基酸、多塩基酸、塩基及びこれらの混合物からなる溶液が使用される。文献とは異なり、電気化学的方法によるグラフェン生産で使用される定格電圧は低く、必要とされるエネルギが少ない。合成方法は、(-3V)~(+6V)の動作電位、0.001V/s~1V/sの走査速度値、及び、1~500の間で変化するサイクルで実施される。
【0047】
要約すると、Yucel法によってグラフェン誘導体を合成する、グラフェン担持2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材を調製する本発明の方法における第二の段階は、以下の処理ステップを含む。
【0048】
-電解質として、0.0001M~10Mの濃度範囲で、各種官能基を構造内に含有する塩、一塩基酸、多塩基酸、塩基及びこれらの混合物からなる溶液を調製すること。
【0049】
-Ag/AgCl、カロメル、Hg/HgSOを基準電極として使用し、Ptを対電極として使用し、グラファイト系電極を作用電極として使用することと。
【0050】
-(-3V)~(+6V)の動作電位、0.001V/s~1V/sの走査速度値、及び、1~500の間で変化するサイクルでグラフェン合成を行うこと。
【0051】
グラフェン担持2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む創傷被覆材を調製する本発明の方法の第三の段階には、グラフェンをドープした創傷被覆材を調製し特徴づけることが含まれる。
【0052】
再生医療の分野で行われた研究により、バクテリアセルロースはナノフィブリルを用いた3Dプリントに最適な材料であることが証明された。中でも最も重要な利点は、バクテリアセルロース材の機械的特性を制御できることである。これに関して、Torres-Rendon et al.は、3Dバイオプリンタ用のセルロースナノフィブリルの調製と分析を報告している。Torres-Rendon et al.には、得られたハイドロゲルを処理して、異なる形状に印刷し、印刷工程で得られた構造を再水和することが示されている(Torres-Rendon vd. 2016)。
【0053】
事前に行われた研究では、グラフェンの種類が細胞の成長にプラスの影響を与えると結論付けられている。
【0054】
上述した試験で使用する作用電極としてグラファイトロッドをYucel法により取得し、硝酸溶液内に1.0と+2.3Vの間の電位、-0.7V~+2.3Vの電位、及び、0Vと+2.3の間の電位で浸し、Ag/Ag/Cl(3MのKCL)混合物内に、常温(25℃)且つ100(走査レート50mV/s)のボルタメトリックサイクルで浸すことで、1.0gのグラフェン粉末を生産した。グラフェン系材料は、グラファイト(G)、Nドープグラフェンオキシド(M0)、Nドープグラフェン1(M1)、Nドープグラフェン2(M2)、Nドープグラフェン3(M3)、Nドープグラフェン4(M4)と名付けられる。
【0055】
Nドープグラフェンおよびグラフェンオキシド系素材について、細胞の生存率および免疫学的アッセイを実施し、得られた結果は上述の通りである。これに関して、L929細胞株に対して、比色法である3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイにより、細胞生存率アッセイを実施した。濃度0.2g/mLのグラフェンサンプルをMTTアッセイ、及び、IL-1βアッセイに使用した。それぞれの試験の結果、すべてのグラフェン基が細胞増殖を促すことが示された。図2には、グラフェン(G)および各種官能基を有するグラフェン誘導体(M0、M1、M2、M3、M4)のMTTアッセイ結果が示されている。細胞生存率は、G基で323%、M0基で200%、M1基で224%、M2基で181%、M3基で323%、M4基で179%と算出された。試験対象となったグラフェン基は、全て細胞分裂を促すと判定される。体内でのグラフェン基の免疫反応を予見するために、ヒトマクロファージ細胞を用いてIL-1β量を測定したところ、M0基を除いて、いずれのグラフェン基も細胞から分泌されるIL-1β量に大差ないことが確認された。この段階で使用するマクロファージ細胞は、THP-1(単球)細胞株を刺激することで得た。IL-1β量は、市販のELISAキットを用いて測定した。得られた結果(図3)から、著しい免疫反応は引き起こさないと判定された。
【0056】
バクテリアセルロースとグラフェン誘導体は、当方グループで別途作製した。グラフェンをドープしたバクテリアセルロース創傷被覆の調製では、1重量%~15重量%の範囲(ヘテロ原子含有)のグラフェン、及び、他のグラフェン誘導体濃度を含むバクテリアセルロース溶液を調製する。
【0057】
本発明のグラフェン系バクテリアセルロース創傷被覆は、医療分野の大規模な市場で訴求力を有する。バクテリアセルロースの生産は、すでに工業的な規模で行われている。グラフェンを含有する創傷被覆材は、現在活用される工業生産方法に代わるものとして開発された本発明の方法を実施することで、産業規模の生産が可能となるだろう。

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性化した創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆材であって、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含む、ことを特徴とする創傷被覆材。
【請求項2】
前記グラフェン材は、グラフェン、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-F、-Si、-Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P 基で官能基化したグラフェン誘導体から選択される一つ以上の材料である、ことを特徴とする請求項1に記載の創傷被覆材。
【請求項3】
慢性化した創傷の治療に際し、創傷エリアの細胞を補助し、開放創での感染症発生リスクを排除する創傷被覆用に、グラフェン系2,3ジアルデヒドバクテリアセルロースを含有する創傷被覆材の調製方法であって、
-バクテリアセルロースを生産し、生分解性を持たせる(2,3ジアルデヒド基の形成)ことと、
-グラフェンまたはグラフェン誘導体を合成することと、
-得られた前記バクテリアセルロース膜に、グラフェンおよびグラフェン誘導体を1重量%~15重量%の範囲で担持させることと、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【請求項4】
請求項に記載の創傷被覆材の調製方法であって、
-電解質として、0.0001M~10Mの濃度範囲で、各種官能基を構造内に含有する塩、一塩基酸、多塩基酸、塩基及びこれらの混合物からなる溶液を調製することと、
-Ag/AgCl、カロメル、Hg/HgSOを基準電極として使用し、Ptを対電極として使用し、グラファイト系電極を作用電極として使用することと、
-(-3V)~(+6V)の動作電位、0.001V/s~1V/sの走査速度値、及び、1~500の間で変化するサイクルでグラフェン合成を行うことと、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【請求項5】
請求項3に記載の創傷被覆材の調製方法であって、グラフェン、及び、N、S、Cl、P、B、F、Si、Tiでドープしたグラフェン材、グラフェンオキシド、及び、-N、-S、-Cl、-P、-B、-Si、-Fでドープしたグラフェンオキシド材、又は、-Si基、-B基 -NH基、-ClO基、-B基、-P基で官能基化したグラフェン誘導体の一つ以上から、各種グラフェン又はグラフェン誘導体を選択すること、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【請求項6】
請求項3に記載の創傷被覆材の調製方法であって、
-バクテリアセルロースの生産用に、二つの異なる培地を調製することと、
-25g/Lの培地、3g/Lのペプトン、5g/Lの酵母エキスを含むように前記培地を調製し、1Mの塩酸(HCl)でpH値を5.0に調整し、120℃で20分間高圧蒸気滅菌によって滅菌することと、
-25mLの培地を100mLの三角フラスコに移し、アセトバクターキシリナム(ATCC10245)菌体を添加することと、
-得られた培地を30℃及び150rpmで2~3日間攪拌することにより、種菌を得ることと、
-種菌用セルロース生産に必要な培地を、20g/Lのブドウ糖、10g/Lのペプトン、10g/Lの酵母エキス、8mMのKHPO、12mMのKHPOを含有するように調製し、1Mの塩酸(HCl)でpH値を5.0に調整し、120℃で20分間高圧蒸気滅菌により滅菌することと、
-ガラス容器に分けた培地に、種菌を1/10の割合で加え、30℃で、7日間放置して培養することと、
-ガラス表面に形成されたセルロース膜を細菌や細胞の不純物から浄化するため、80/↑o↑/Cに調整した水浴中で前記膜を1MのNaOH内に2時間保持し、蒸留水でpH値が7.0になるまで洗浄することと、
-調製した前記膜を高圧蒸気滅菌で保存することと、を含むことを特徴とする創傷被覆材の調製方法。
【国際調査報告】