(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(54)【発明の名称】モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)アセンブリおよびそれを実現するための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20230919BHJP
【FI】
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514960
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 US2021038227
(87)【国際公開番号】W WO2022051015
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】タイス,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】マス,スティーブン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バラコ,マイケル・ティー
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB04
5F136BC03
5F136FA01
5F136FA17
(57)【要約】
集積回路アセンブリは、基板の一方の側に形成された集積回路と、集積回路とは基板の反対側に直接印刷された銀インクから構成されるサーマルスプレッディング層とを含み、サーマルスプレッディング層が、集積回路により生成される熱を取り除く。アセンブリは、基板に対して反対のサーマルスプレッディング層に熱的に取り付けられたヒートシンクも含み、ヒートシンクが、ヒートシンク上にサーマルスプレッディング層と同じ材料を印刷することおよびスプレッディング層をヒートシンクに押し付けることによりサーマルスプレッディング層に取り付けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の側に形成された集積回路と、
前記集積回路とは前記基板の反対側に印刷されたサーマルスプレッディング層であって、前記サーマルスプレッディング層が前記集積回路により生成される熱を取り除く、サーマルスプレッディング層と
を備える、集積回路アセンブリ。
【請求項2】
前記サーマルスプレッディング層が、前記基板に直接印刷されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記サーマルスプレッディング層が、銀組成物である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記基板に対して反対の前記サーマルスプレッディング層に熱的に取り付けられたヒートシンクをさらに備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ヒートシンクが、前記ヒートシンク上に前記サーマルスプレッディング層と同じ材料を印刷することおよび前記スプレッディング層を前記ヒートシンクに押し付けることによって前記サーマルスプレッディング層に取り付けられる、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ヒートシンクが、前記集積回路用の気密封止されたハウジングの一部である、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記基板が、シリコンカーバイド基板である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記集積回路が、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記サーマルスプレッディング層が、約0.305mm(0.012インチ)厚である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記サーマルスプレッディング層が、エアロゾルプリンタまたはインクジェットプリンタを使用して前記基板上へと印刷される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
基板と、
前記基板の一方の側に形成されたモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)と、
前記MMICとは前記基板の反対側に直接印刷された銀インクから構成されるサーマルスプレッディング層であって、前記サーマルスプレッディング層が前記MMICにより生成される熱を取り除く、サーマルスプレッディング層と、
前記基板に対して反対の前記サーマルスプレッディング層に熱的に取り付けられたヒートシンクであって、前記ヒートシンクが前記ヒートシンク上に前記サーマルスプレッディング層と同じ材料を印刷することおよび前記スプレッディング層を前記ヒートシンクに押し付けることにより前記サーマルスプレッディング層に取り付けられる、ヒートシンクと
を備える、集積回路アセンブリ。
【請求項12】
前記ヒートシンクが、前記集積回路用の気密封止されたハウジングの一部である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記サーマルスプレッディング層が、約0.305mm(0.012インチ)厚である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記サーマルスプレッディング層が、エアロゾルプリンタまたはインクジェットプリンタを使用して前記基板上へと印刷される、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
集積回路アセンブリを設けるための方法であって、
基板を用意するステップと、
前記基板の一方の側に形成される集積回路を形成するステップと、
前記集積回路とは前記基板の反対側にサーマルスプレッディング層を印刷するステップであり、前記サーマルスプレッディング層が、前記集積回路により生成される熱を取り除く、印刷するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記サーマルスプレッディング層を印刷するステップが、前記基板に前記スプレッディング層を直接印刷するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サーマルスプレッディング層が、銀組成物である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記基板に対して反対の前記サーマルスプレッディング層にヒートシンクを熱的に取り付けるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記サーマルスプレッディング層にヒートシンクを取り付けるステップが、前記ヒートシンク上に前記サーマルスプレッディング層と同じ材料を印刷するステップと、前記スプレッディング層を前記ヒートシンクに押し付けるステップとを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基板上へと前記サーマルスプレッディング層を印刷するステップが、エアロゾルプリンタまたはインクジェットプリンタを使用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この開示は、全体として集積回路から熱を取り除くためのサーマルスプレッダに関し、より詳細には、基板の裏側に印刷されている銀インクから成るサーマルスプレッディング層を含むモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]時にチップまたはダイとも呼ばれるMMICは、作られるMMICのタイプおよびパワー増幅器、高周波スイッチ、等などのどんな用途向けであるかに応じてある結晶性基板上に、GaN、InP、シリコン、等などのある半導体材料の層をエピタキシャル成長させることによって一般に製造される。製造技術および成長技術が向上するにつれて、またより多くの構成部品がより小さな領域に形成されることが可能になるにつれて、MMICのパワー密度は、顕著に大きくなり続け、このことがデバイス劣化を防止するために適切な熱除去に関する多くの設計上の難題を生み出す。通常、MMICは、デバイスから熱を取り去るためおよびオーバーヒートから劣化させずにデバイスのパワー密度を増加させることを可能にするためにある種のヒートシンクにマウントされる。
【0003】
[0003]MMIC用の1つの知られた熱除去設計では、約0.254mm(0.01インチ)の厚さを有する銅-ダイアモンド(CuDi)または銀-ダイアモンド(AgDi)金属マトリックスなどのサーマルスプレッディング層が、基板、例えば、シリコンカーバイド(SiC)基板の裏側に、例えば、金-スズ(AuSn)はんだプリフォームを使用してはんだ付けされ、上記基板の上にMMICが形成される。マトリックスは、次いで、例えば、ナミックス銀エポキシを使用して、銅、アルミニウム、タングステン、等のブロックなどのヒートシンクに接着剤で付けられ、ここではヒートシンクはMMIC用の気密封止されたハウジングの一部であってもよい。
【0004】
[0004]この目的のためのサーマルスプレッディング層は、MMICからヒートシンクへと熱を急速かつ効率的に移動させるためにスプレッディング層のいたるところに熱を効果的に広げるように設計される。しかしながら、プリフォームされたはんだを使用してMMIC基板にはんだ付けされた金属プリフォームマトリックスを用いる上に言及したタイプのサーマルスプレッディング層は、典型的には費用がかかり、アライメントし構成することが困難であり、そして基板に効果的に熱的に結合させることが困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]下記の議論は、基板の一方の側に形成された、MMICなどの集積回路と、上記集積回路とは上記基板の反対側に直接印刷された銀インクから構成されるサーマルスプレッディング層であって、上記サーマルスプレッディング層が、上記集積回路により生成される熱を取り除く、サーマルスプレッディング層とを含む集積回路アセンブリを開示し、説明する。上記アセンブリは、上記基板に対して反対の上記サーマルスプレッディング層に熱的に結合されたヒートシンクも含み、上記ヒートシンクが、上記ヒートシンク上に上記サーマルスプレッディング層と同じ材料を印刷することおよび上記スプレッディング層を上記ヒートシンクに押し付けることにより上記サーマルスプレッディング層に取り付けられる。
【0006】
[0006]開示の追加の特徴は、添付の図面とともに、下記の説明および別記の特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】MMICおよび印刷された金属ヒートスプレッディング層を含む集積回路アセンブリの等角図である。
【
図2】
図1に示した集積回路アセンブリの側面図である。
【
図3】
図1に示した集積回路アセンブリのためのヒートスプレッディング層を印刷するために利用可能なエアロゾルジェットプリンタの説明図である。
【
図4】
図1に示した集積回路アセンブリのためのヒートスプレッディング層を印刷するために利用可能なインクジェットプリンタの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0011]基板の裏側に印刷されている銀インクから成るサーマルスプレッディング層を含む集積回路アセンブリに向けられた開示の実施形態の下記の議論は、本質的に単なる例示に過ぎず、開示またはその応用もしくは使用を決して限定するものではない。
【0009】
[0012]SiC基板などの基板14上に製造されたまたは成長された集積回路12、例えば、GaN MMICを含む集積回路アセンブリ10の、
図1は等角図、
図2は側面図であり、上記基板には集積回路12が、パワー増幅器などの任意の好適なデバイス用の構成部品を含むように製造されてもよい。集積回路アセンブリ10は、熱伝導性ヒートスプレッディング層18を含み、上記ヒートスプレッディング層は、銀インクなどの任意の好適な熱伝導性インク材料を使用して、0.305mm(0.012インチ)などの任意の好適な厚さに任意の好適な印刷技術を使用して集積回路12から基板14の裏側上へと印刷されている。印刷プロセスは、典型的には、各々の印刷サイクルについて材料の約0.00254mm(0.0001インチ)の厚さを設ける。熱伝導性インク材料の薄層20もまた、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、等の金属ブロックなどのヒートシンク24の上面22へと印刷される。ヒートシンク24は、上記集積回路12および他の集積回路用の熱伝導性で気密封止されたハウジングの一部であってもよい。層20がまだウェットである間に、スプレッディング層18は、層20と接触するように押され、その結果基板14とともにスプレッディング層18が熱的に結合された配置でヒートシンク24に接着される。ヒートスプレッダに集積回路を熱的に結合するために知られた設計において使用されたはんだプリフォームを除くことによって、より良い熱結合が、複雑でないプロセスと安価なプロセスとの組み合わせで実現されることが可能である。
【0010】
[0013]スプレッディング層18は、インクジェット印刷、エアロゾルジェット印刷、スクリーン印刷および選択メッキなどの任意の好適な印刷プロセスを使用して基板14上へと印刷されることがある。
図3は、エアロゾルジェット印刷装置30の説明図であり、1つの好適な例を示す。装置30は、インク材料34、ここでは銀粒子の組成物の容器32を含み、インク材料は、管40を通り送られるエアロゾル38を生成するために注入口36のところで窒素などの原子化ガスを受け、管40ではエアロゾル38がヒータ42により加熱される。加熱されたエアロゾル38は、エアロゾル38がノズル44から放出され、印刷配線52として基板50上へと向けられるときに、エアロゾル38を含有するために注入口48のところでシースガス46を受け入れるノズル44へ送られ、ここでは、ノズル44から噴霧されるエアロゾル38の方向および量がコンピュータ54により制御される。
【0011】
[0014]
図4は、インクジェット印刷装置60の説明図であり、もう1つの好適な例を示す。装置60は、インク材料64、ここでは銀の組成物を閉じ込める管62を含み、インク材料は、ノズル68から外へ、また印刷配線72として基板70上へと材料64を押し進める注入口66のところで、空気などの圧縮ガスを受け、ここでは、ノズル68から噴霧されるインクの方向および量がコンピュータ74により制御される。
【0012】
[0015]前述の議論は、本開示の例示的な実施形態を開示し説明するに過ぎない。当業者は、様々な変更、修正および変形が以下の特許請求の範囲に規定されたような開示の思想および範囲から逸脱せずにここで行い得ることをこのような議論からならびに添付の図面および特許請求の範囲から容易に理解する。
【国際調査報告】