(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵デバイス用の不燃性電解液
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0569 20100101AFI20230919BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20230919BHJP
H01M 4/133 20100101ALI20230919BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20230919BHJP
H01M 4/131 20100101ALI20230919BHJP
H01M 4/525 20100101ALI20230919BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20230919BHJP
H01M 10/0525 20100101ALI20230919BHJP
H01M 10/0568 20100101ALI20230919BHJP
H01M 10/0567 20100101ALI20230919BHJP
H01M 4/1393 20100101ALI20230919BHJP
H01M 4/1391 20100101ALI20230919BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230919BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20230919BHJP
【FI】
H01M10/0569
H01M4/587
H01M4/133
H01M4/62 Z
H01M4/131
H01M4/525
H01M4/505
H01M10/0525
H01M10/0568
H01M10/0567
H01M4/1393
H01M4/1391
H01M10/44 A
H01M10/44 P
H01M10/42 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516128
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 US2021049837
(87)【国際公開番号】W WO2022056245
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523086781
【氏名又は名称】シルク テクノロジーズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】523086644
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エル-カディ,マー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】マクベリー,ブライアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,イーサン
(72)【発明者】
【氏名】ケイナー,リチャード ビー.
【テーマコード(参考)】
5H029
5H030
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ02
5H029AJ05
5H029AJ12
5H029AK03
5H029AL07
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ27
5H029CJ08
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5H029CJ22
5H029DJ08
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5H029HJ16
5H029HJ18
5H029HJ19
5H029HJ20
5H030AA06
5H030AS08
5H030AS12
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF22
5H050AA02
5H050AA07
5H050AA15
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB08
5H050DA10
5H050DA11
5H050EA10
5H050EA28
5H050GA10
5H050GA18
5H050GA22
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA05
5H050HA14
5H050HA16
5H050HA17
5H050HA18
5H050HA19
(57)【要約】
【解決手段】本明細書で提供されるのは、エネルギー密度および電力密度、サイクル寿命、ならびに安全性が高いエネルギー貯蔵デバイスである。いくつかの実施形態では、このエネルギー貯蔵デバイスは、電池安全性の改善のために火災の危険性を排除および/または低減する不燃性電解液を含んでおり、電極材料との電極適合性が改善されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)正極と、
b)負極と、
c)ラクトンを含む耐火性電解液と
を備える、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項2】
前記ラクトンは、ブチロラクトン、バレロラクトン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項3】
前記ブチロラクトンは、ガンマ-ブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン、デルタ-バレロラクトン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項2に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項4】
前記バレロラクトンは、ガンマ-バレロラクトンである、請求項2に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項5】
前記耐火性電解液は、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF
4)、1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)、あるいは1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)、エチレンカーボネート(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)および酪酸メチルのうち1つ以上をさらに含む、請求項2に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項6】
前記耐火性電解液は、約30%w/w~約90%w/wのガンマ-ブチロラクトンを含む、請求項5に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項7】
前記耐火性電解液は、約5%w/w~約50%w/wの1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)を含む、請求項1~6のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項8】
前記耐火性電解液は、約1%w/w~約20%w/wのテトラフルオロボレート(LiBF
4)を含む、請求項1~7のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項9】
前記耐火性電解液は、約0.1%w/w~約10%w/wの1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)を含む、請求項1~8のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項10】
前記耐火性電解液は、約0.1%w/w~約10%w/wのリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)を含む、請求項1~9のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項11】
前記負極は、黒鉛粉末から調製された黒鉛材料を含む、請求項1~10のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項12】
前記黒鉛粉末は、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項11に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項13】
前記メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、約5ミクロン~約50ミクロンである、請求項12に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項14】
前記負極は、黒鉛、カーボンブラック、親水性結合剤、カルボキシメチルセルロース、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~10のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項15】
前記負極は、約70%w/w~約95%w/wの黒鉛、約1%w/w~約5%w/wのカーボンブラック、約1%w/w~約5%w/wの親水性結合剤、または約0.1%w/w~約5%w/wのカルボキシメチルセルロースのうち1つ以上を含む、請求項14に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項16】
前記親水性結合剤は、スチレン-ブタジエンゴムを含む、請求項14または15に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項17】
前記正極は、コバルト酸リチウムを含む、請求項1~16のいずれか1つのリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項18】
前記正極は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カーボンブラック、グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項17に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項19】
前記正極は、70%w/w~99%w/wのコバルト酸リチウム、約0.5%w/w~約5%w/wのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、約0.1%w/w~約5%w/wのカーボンブラック、または約0.001%w/w~約5%w/wのグラフェンのうち1つ以上を含む、請求項18に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項20】
前記ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、N-メチル-2-ピロリドン溶剤中に存在する、請求項18に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項21】
前記グラフェンは、還元型酸化グラフェン分散液を含む、請求項18に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項22】
前記正極は、ニッケル:コバルト:マンガンの正極である、請求項1~16のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項23】
前記正極は、Ni:Co:Mnを約5:2:3の比で含む、請求項22に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項24】
電気自動車バッテリーとして構成される、請求項22に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項25】
前記正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウム(NCA)正極である、請求項1~16のいずれか1つのリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項26】
前記正極は、30%w/w~90%w/wのニッケルコバルト酸化アルミニウム、および約1%~約15%のリチウムを含む、請求項25に記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項27】
少なくとも約1500mAhのレート容量を有する、請求項1~26のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項28】
少なくとも約2000mAhの容量を有する、請求項1~27のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項29】
少なくとも約2.5Vの公称電圧を有する、請求項1~28のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項30】
最大で約100mΩの内部抵抗を有する、請求項1~29のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項31】
少なくとも約650サイクル後に、少なくとも約60%の容量を保持する、請求項1~30のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項32】
少なくとも約100Wh/kgのエネルギー密度を有する、請求項1~31のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項33】
少なくとも約300Wh/Lのエネルギー密度を有する、請求項1~32のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項34】
前記リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスの放電容量は、約0℃の温度での動作と約-20℃の温度での動作との間で、最大で約30%減少する、請求項1~33のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項35】
前記リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスの放電容量は、約20℃の温度での動作と約0℃の温度での動作との間で、最大で約10%減少する、請求項1~34のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項36】
約0℃~約45℃の温度で充電するように構成されている、請求項1~35のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項37】
約0℃~約65℃の温度で放電するように構成されている、請求項1~36のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項38】
約-20℃~約50℃の温度で保存されるように構成されている、請求項1~37のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項39】
釘刺し試験を通過するように構成されている、請求項1~38のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項40】
前記正極は、少なくとも約50mAh/gの比容量を有する、請求項1~39のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項41】
前記正極は、少なくとも約1mAh/cm
2の面容量を有する、請求項1~40のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項42】
前記正極は、少なくとも約10mg/cm
2の負荷質量を有する、請求項1~41のいずれか1つのリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項43】
前記正極は、少なくとも約1g/cm
3の記録密度を有する、請求項1~42のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項44】
前記負極は、少なくとも約100mAh/gの比容量を有する、請求項1~43のいずれか1つのリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項45】
前記負極は、少なくとも約1mAh/cm
2の面容量を有する、請求項1~44のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項46】
前記負極は、少なくとも約5mg/cm
2の負荷質量を有する、請求項1~45のいずれか1つのリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項47】
前記負極は、少なくとも約0.5g/cm
3の記録密度を有する、請求項1~46のいずれか1つに記載のリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイス。
【請求項48】
メソカーボンマイクロビーズ電極を形成する方法であって、
a)i)メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、
ii)カーボンブラック、
iii)カルボキシメチルセルロース(CMC)、
iv)親水性結合剤、および
v)水
の混合物を形成する工程と、
b)前記混合物を基板上に被覆する工程と
を含む方法。
【請求項49】
コバルト酸リチウム電極を形成する方法であって、
a)i)コバルト酸リチウム(LCO)、
ii)カーボンブラック、
iii)還元型酸化グラフェン分散液、
iv)親水性結合剤、および
v)溶剤
の混合物を形成する工程と、
b)前記混合物を基板上に被覆する工程と
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年9月10日に出願された米国仮出願第63/076,902号の利益を主張するものであり、この文献は参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現在、エネルギー密度および電力密度が高い、安全なエネルギー貯蔵技術に対するニーズが満たされていない。リチウムイオン(Li-ion)バッテリーは、現在、個人用電子機器および電気自動車、電動工具、さらには宇宙ミッションに電力供給するのに採用されているが、現在市販のLiイオンバッテリーに使用されているカーボネート電解液は可燃性であり、重大な火災の危険性をもたらす。そのようなリチウムイオンバッテリーは、短絡すると、発火する可能性があり、従来の技術を使用して消火がほぼ不可能な場合がある。
【0003】
そのような可燃性カーボネート電解液の不燃性代替物として、イオン液体、フルオロエーテル、有機ケイ素化合物、および有機リン酸化合物などの多数の溶媒和物がテストされているが、溶媒和物は強い触媒活性を有するためグラフェンなどの電極材料と不適合であり、そのような材料を備えたエネルギー貯蔵デバイスはエネルギー密度や電力密度が低くなる。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本明細書に開示されるのは、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスであって、該デバイスは、正極、負極、およびラクトンを含む耐火性電解液を含む。本明細書に開示されるエネルギー貯蔵デバイスは、例えば、釘刺し試験(nail penetration test)を通じて確認されたように、耐火性を有するという利点を有する。加えて、電極に使用されるグラフェンまたは還元型酸化グラフェン材料と耐火性電解液との組み合わせにより、高いエネルギー密度および電力密度などの優れた性能と耐発火性の両方が得られ、特定の条件下で過熱および燃焼を起こしやすいリチウムイオンバッテリーの場合に特に価値がある。これらの特徴により、エネルギー貯蔵デバイスは、電気自動車などのエネルギー集約型の実施におけるバッテリーとしての使用に特に適しているが、その利点は様々なエネルギー貯蔵の場面で適用可能である。
【0005】
いくつかの実施形態では、ラクトンはブチロラクトンである。いくつかの実施形態では、ブチロラクトンはガンマ-ブチロラクトンである。いくつかの実施形態では、耐火性電解液は、ビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)、1,3-ジオキソール-2-オン(VC)、または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)、あるいは1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)の一つ以上をさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のガンマ-ブチロラクトンの重量(w/w)割合は、約30%~約90%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)のw/w割合は、約5%~約50%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のw/w割合は、約1%~約20%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,3-ジオキソール-2-オン(VC)、または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)のw/w割合は、約0.1%~約10%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)のw/w割合は、約0.1%~約10%である。
【0007】
いくつかの実施形態では、負極は、黒鉛粉末から調製された黒鉛材料を含む。いくつかの実施形態では、黒鉛粉末はメソカーボンマイクロビーズを含む。いくつかの実施形態では、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、約5ミクロン~約50ミクロンである。
【0008】
いくつかの実施形態では、負極は黒鉛、カーボンブラック、親水性結合剤、カルボキシメチルセルロース、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、負極は、約70%w/w~約95%w/wの黒鉛、約1%w/w~約5%w/wのカーボンブラック、約1%w/w~約5%w/wの親水性結合剤、または約0.1%w/w~約5%w/wのカルボキシメチルセルロースの1つ以上を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、負極は、約70%w/w~約95%w/wの黒鉛、約1%w/w~約5%w/wのカーボンブラック、約1%w/w~約5%w/wの親水性結合剤、または約0.1%w/w~約5%w/wのカルボキシメチルセルロースの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、負極は、約70%~約95%のw/w濃度の黒鉛を含む。いくつかの実施形態では、負極は、約1%~約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、負極は、約1%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、負極は、約0.1%~約5%のw/w濃度のカルボキシメチルセルロースを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、親水性結合剤はスチレンブタジエンゴムを含む。いくつかの実施形態では、正極はコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidine fluoride)(PVDF)、カーボンブラック、グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、正極は、70%w/w~99%w/wのコバルト酸リチウム、約0.5%w/w~約5%w/wのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、約0.1%w/w~約5%w/wのカーボンブラック、または約0.001%w/w~約5%w/wのグラフェンの1つ以上を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、正極は、70%w/w~99%w/wのコバルト酸リチウム、約0.5%w/w~約5%w/wのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、約0.1%w/w~約5%w/wのカーボンブラック、または約0.001%w/w~約5%w/wのグラフェンの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、正極は、約70%~約99%のw/w濃度のコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、約0.5%~約5%w/wのw/w濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。いくつかの実施形態では、正極は、約0.1%~約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、正極は、約0.001%~約5%のw/w濃度のグラフェンを含む。いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムのw/w濃度が30%~90%w/wのニッケル:コバルト:酸化アルミニウム、および約1%~約15%のリチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、約30%~約90%のw/w濃度のリチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムを有する。いくつかの実施形態では、正極は、約1%~約15%のw/w濃度のリチウムを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、正極は、Ni:Co:Mnを約5:2:3の比で含む
いくつかの実施形態では、正極はNi:Co:Mnを約5:2:3、5:1:3、5:3:3、5:2:4、5:1:4、5:3:4、4:2:3、4:1:3、4:3:3、4:2:4、4:1:4、4:3:4、6:2:3、6:1:3、6:3:3、6:2:4、6:1:4、またはは6:3:4の比で含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、または150mAh/gの比容量を有する。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約1、2、3、4、5、または6mAh/cm2の面容量を有する。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、または40mg/cm2の負荷質量を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、正極は充電および放電に適する多孔性を有する。いくつかの実施形態では、正極は、約2.0g/cm3~約5g/cm3の記録密度を有する。いくつかの実施形態では、正極は、約1~約5g/cm3、約2~約4g/cm3、または約3.0および約3.6g/cm3からの記録密度を有する。いくつかの実施形態では、約2.0g/cm3~約5g/cm3の正極の記録密度は、充放電に十分な多孔性を可能にする。
【0015】
本明細書には、メソカーボンマイクロビーズ電極を形成する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース(CMC)、親水性結合剤および水の混合物を形成する工程、および混合物を基板上に被覆する工程を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、親水性結合剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルギン酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルキトサンナトリウム(CCTS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(フルオレン)、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリナフタレン、ポリ(アセチレン)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリアゼピン、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p-フェニレンサルファイド)(PPS)、ポリアニリン(PANI)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、基板は、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル、自立型カーボンシート、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、混合物は、約85%~約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約2%~約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.1%~約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約1%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物の形成の少なくとも一部は、大気圧以下の圧力下で実行される。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が約1,000mPa*s~約2,000mPa*sである。
【0017】
本明細書に提供される別の態様は、コバルト酸リチウム電極を形成する方法である。いくつかの実施形態では、本方法は、コバルト酸リチウム(LCO)、カーボンブラック、還元型酸化グラフェン分散液、親水性結合剤および溶剤の混合物を形成工程、および混合物を基板上に被覆する工程を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、親水性結合剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルギン酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルキトサンナトリウム(CCTS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(フルオレン)、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリナフタレン、ポリ(アセチレン)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリアゼピン、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p-フェニレンサルファイド)(PPS)、ポリアニリン(PANI)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、溶剤は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コバルト酸リチウムの少なくとも一部は粉体の形態である。いくつかの実施形態では、基板は、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル、自立型カーボンシート、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、混合物は、約85%~約99%のw/w濃度のLCOを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.5%~約4%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.05%~約1%のw/w濃度の還元型酸化グラフェン分散液を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約1%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物の形成の少なくとも一部は、大気圧以下の圧力下で実行される。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が約1,000mPa*s~約2,000mPa*sである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本開示の特徴と利点についてのよりよい理解は、本開示の原則が用いられている例証的な実施形態と添付の図面を説明する以下の詳細な記載とを参照することによって得られる。
【
図1】本明細書の実施形態につき、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの電圧電流容量グラフを示す。
【
図2】本明細書の実施形態につき、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの様々なレートでの放電容量あたりの電圧のグラフを示す。
【
図3】本明細書の実施形態につき、開示されるLCOエネルギー貯蔵デバイスおよび現在利用可能なLCOエネルギー貯蔵デバイスの容量保持あたりのサイクル数のグラフを示す。
【
図4】本明細書の実施形態につき、開示されるLCOエネルギー貯蔵デバイスおよび現在利用可能なLCOエネルギー貯蔵デバイスの充放電グラフを示す。
【
図5】本明細書の実施形態につき、様々な温度で例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの電圧グラフあたりに放電容量を示す。
【
図6A】本明細書の実施形態につき、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスのサイクルチャートあたりの容量保持率を示す。
【
図6B】本明細書の実施形態につき、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスのサイクルチャートあたりのインピーダンス保持率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に提供されるのは、エネルギー密度および電力密度、サイクル寿命、ならびに安全性が高いエネルギー貯蔵デバイスである。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、電極材料との電極適合性が改善された、バッテリー安全性の改善のために火災の危険性を排除および/または低減する不燃性電解液を含む。
【0021】
エネルギー貯蔵デバイス
一態様では、本明細書に開示されるのはリチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスであって、該デバイスは、正極、負極、および耐火性電解液を含む。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、電気自動車用バッテリーとして構成される。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは高熱安定性を有する。いくつかの実施形態では、電気自動車用バッテリーは、直列および/または並列に接続された複数のエネルギー貯蔵デバイスを含む。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、直列および/または並列に接続された複数のセルを備えるバッテリーパックを含む。いくつかの実施形態では、バッテリーパックは、直列および/または並列に接続された少なくとも5、10、20、30、40、50、100、または200のセルを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)を含む電極を含む。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、ニッケルマンガンコバルト(NMC)リチウムイオンバッテリーの化学反応を実施する。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスはコバルト酸リチウム電極を含む。いくつかの実施形態では、本明細書のエネルギー貯蔵デバイスの電極はグラフェンを含む。グラフェンは、黒鉛から形成されるカーボンの単層であり、高強度および柔軟性を有するため、充放電中の体積変化に耐えることが可能になり、これによって内部短絡の危険性を低減し得る。さらに、グラフェンはその膨大な表面積に電荷を貯蔵することができるため、高容量と高導電性を実現することができる。グラフェンの高導電性により、内部抵抗が低く、充電中および/または放電中の過熱を防ぎ、熱暴走を排除することができる。
【0023】
電解液は、エネルギー貯蔵デバイスの負極と正極との間でイオンを移動させるための媒体を提供する。いくつかの実施形態では、電解液は塩(例えば、リチウム塩)、溶剤、および1つ以上のサイクル安定性添加剤を含む。本明細書の塩、溶剤および添加剤は、高温でも発火せずに機能し、安定したエネルギー性能を発揮する電解液を形成する。本明細書のそのような電解液を形成するための電解質成分の経済性および効率的な方法は、商業用電子機器のエネルギー貯蔵デバイスの安全性を向上させるための解決策を提供する。いくつかの実施形態では、電解液は、エネルギー貯蔵デバイスの寿命および性能を維持しつつ安全性を提供するg-ブチロラクトン(gbl)を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、内部短絡をシミュレートする釘刺し試験を通過するように構成される。現在利用可能なエネルギー貯蔵デバイスが、過充電または貫通によって短絡すると、そこに貯蔵されたエネルギーが突然放出され、止められない連鎖反応(例えば、熱暴走)が開始し、そのようなデバイス内の温度が急速に(例えば、ミリ秒あたり数百度)上昇して発火を引き起こすことがある。対照的に、本明細書に記載されるエネルギー貯蔵デバイスが、過充電または貫通により、短絡された場合、本明細書に提供される電解液の熱安定性は、発火を防止する。さらに、本明細書に記載のエネルギー貯蔵デバイスは、広温度範囲での作動することができ、全天候型の状態で使用可能である。
【0025】
電解液
いくつかの実施形態では、耐火性電解液はラクトンを含む。いくつかの実施形態では、ラクトンは、引火点が高く、沸点が高い有機溶剤である。対照的に、多くの電解液、は低い引火点を示し、したがって低温で可燃性が高い。いくつかの実施形態では、ラクトンは、安定した固体電解質相間(SEI)層を形成して、繰り返しサイクル中の容量変化を低減して安定性を高める有機溶剤である。
【0026】
ラクトンは、ブチロラクトン、バレロラクトン、カルボン酸エステル、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、ブチロラクトンはガンマ-ブチロラクトンである。いくつかの実施形態では、ブチロラクトンは、ガンマ-ブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン、デルタ-バレロラクトン、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、バレロラクトンはガンマ-バレロラクトンである。ガンマ-ブチロラクトンは、引火点が低く、安定したSEIを形成する有機溶剤であり、リチウムイオンバッテリーに使用することが可能である。さらに、ガンマ-ブチロラクトンの特有の特性により、添加剤の存在下でも正極と負極の両方で安定したSEIを形成する。
【0027】
いくつかの実施形態では、耐火性電解液は、リチウム塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、リチウム塩は、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)、1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)、あるいは1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)、LiPF6、LiFDOB、LiClO4、LiTf、LiTFSi、LiAsF6、エチレンカーボネート(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、耐火性電解液は、SEI安定化剤添加剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、SEI安定化剤添加剤は、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、プロパンスルトン、プロペンスルトン、TMSPi、TMSB、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、耐火性電解液はフッ素化液体溶剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、フッ素化液体溶剤は、PVF(ポリフッ化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA、MFA(パーフルオロアルコキシポリマー)、FEP(フッ化エチレン-プロピレン)、ETFE(ポリエチレンテトラフルオロエチレン)、ECTFE(ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン)、FFPM/FFKM(過フッ素化エラストマー[パーフルオロエラストマー])、FPM/FKM(フルオロカーボン[クロロトリフルオロエチレンビニリデンフロライド])、FEPM(フルオロエラストマー[テトラフルオロエチレン-プロピレン])、PFPE(パーフルオロポリエーテル)、PFSA(パーフルオロスルホン酸)、パーフルオロポリオキサン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のガンマ-ブチロラクトンのw/w割合は、約30%~約90%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のガンマ-ブチロラクトンのw/w割合は、その増分を含む、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約30%~約55%、約30%~約60%、約30%~約65%、約30%~約70%、約30%~約75%、約30%~約80%、約30%~約90%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約35%~約55%、約35%~約60%、約35%~約65%、約35%~約70%、約35%~約75%、約35%~約80%、約35%~約90%、約40%~約45%、約40%~約50%、約40%~約55%、約40%~約60%、約40%~約65%、約40%~約70%、約40%~約75%、約40%~約80%、約40%~約90%、約45%~約50%、約45%~約55%、約45%~約60%、約45%~約65%、約45%~約70%、約45%~約75%、約45%~約80%、約45%~約90%、約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約65%、約50%~約70%、約50%~約75%、約50%~約80%、約50%~約90%、約55%~約60%、約55%~約65%、約55%~約70%、約55%~約75%、約55%~約80%、約55%~約90%、約60%~約65%、約60%~約70%、約60%~約75%、約60%~約80%、約60%~約90%、約65%~約70%、約65%~約75%、約65%~約80%、約65%~約90%、約70%~約75%、約70%~約80%、約70%~約90%、約75%~約80%、約75%~約90%、または約80%~90%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のガンマ-ブチロラクトンのw/w割合は、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、または約90%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のガンマ-ブチロラクトンのw/w割合は、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、、または約80%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のガンマ-ブチロラクトンのw/w割合は、最大で約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、または約90%である。
【0029】
いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)のw/w割合は、約5%~約50%である。いくつかの実施形態では耐火性電解液中の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)のw/w割合は、その増分を含む、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約45%、約5%~約50%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約15%~約40%、約15%~約45%、約15%~約50%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約20%~約40%、約20%~約45%、約20%~約50%、約25%~約30%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約40%~約45%、約40%~約50%、約45%~約50%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)のw/w割合は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)のw/w割合は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約45%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピールエーテル(FEP)のw/w割合は、最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%である。
【0030】
いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のw/w割合は、約1%~約20%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のw/w割合は、その増分を含む、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約1%~約12%、約1%~約14%、約1%~約16%、約1%~約20%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約14%、約2%~約16%、約2%~約20%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約8%、約3%~約10%、約3%~約12%、約3%~約14%、約3%~約16%、約3%~約20%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約4%~約12%、約4%~約14%、約4%~約16%、約4%~約20%、約5%~約6%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約14%、約5%~約16%、約5%~約20%、約6%~約8%、約6%~約10%、約6%~約12%、約6%~約14%、約6%~約16%、約6%~約20%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約14%、約8%~約16%、約8%~約20%、約10%~約12%、約10%~約14%、約10%~約16%、約10%~約20%、約12%~約14%、約12%~約16%、約12%~約20%、約14%~約16%、約14%~約20%、または約16%~約20%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のw/w割合は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、約14%、約16%、または約20%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のw/w割合は、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、約14%、または約16%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中のリチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)のw/w割合は、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、約14%、約16%、または約20%である。
【0031】
いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)のw/w割合は、約0.1%~約10%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)のw/w割合は、その増分を含む、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.1%~約6%、約0.1%~約7%、約0.1%~約8%、約0.1%~約10%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約1%、約0.2%~約2%、約0.2%~約3%、約0.2%~約4%、約0.2%~約5%、約0.2%~約6%、約0.2%~約7%、約0.2%~約8%、約0.2%~約10%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.5%~約6%、約0.5%~約7%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約10%、または約8%~約10%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)のw/w割合は、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)のw/w割合は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、または約8%である。いくつかの実施形態では、耐火性電解液中の1,3-ジオキソール-2-オン(VC)または4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(VEC)のw/w割合は、最大で約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%である。
【0032】
いくつかの実施形態では、割合耐火性電解液中のリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)のw/w割合は、約0.1%~約10%である。いくつかの実施形態では、割合耐火性電解液中のリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)のw/w割合は、その増分を含む、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.1%~約6%、約0.1%~約7%、約0.1%~約8%、約0.1%~約10%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約1%、約0.2%~約2%、約0.2%~約3%、約0.2%~約4%、約0.2%~約5%、約0.2%~約6%、約0.2%~約7%、約0.2%~約8%、約0.2%~約10%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約0.5%~約6%、約0.5%~約7%、約0.5%~約8%、約0.5%~約10%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約10%、または約8%~約10%である。いくつかの実施形態では、割合耐火性電解液中のリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)のw/w割合は、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%である。いくつかの実施形態では、割合耐火性電解液中のリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)のw/w割合は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、または約8%である。いくつかの実施形態では、割合耐火性電解液中のリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)のw/w割合は、最大で約0.2%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約10%である。
【0033】
負極
いくつかの実施形態では、負極は、黒鉛粉末から調製された黒鉛材料を含む。いくつかの実施形態では、黒鉛粉末は、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、約5ミクロン~約50ミクロンである。いくつかの実施形態では、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、その増分を含む、約5ミクロン~約10ミクロン、約5ミクロン~約15ミクロン、約5ミクロン~約20ミクロン、約5ミクロン~約25ミクロン、約5ミクロン~約30ミクロン、約5ミクロン~約35ミクロン、約5ミクロン~約40ミクロン、約5ミクロン~約45ミクロン、約5ミクロン~約50ミクロン、約10ミクロン~約15ミクロン、約10ミクロン~約20ミクロン、約10ミクロン~約25ミクロン、約10ミクロン~約30ミクロン、約10ミクロン~約35ミクロン、約10ミクロン~約40ミクロン、約10ミクロン~約45ミクロン、約10ミクロン~約50ミクロン、約15ミクロン~約20ミクロン、約15ミクロン~約25ミクロン、約15ミクロン~約30ミクロン、約15ミクロン~約35ミクロン、約15ミクロン~約40ミクロン、約15ミクロン~約45ミクロン、約15ミクロン~約50ミクロン、約20ミクロン~約25ミクロン、約20ミクロン~約30ミクロン、約20ミクロン~約35ミクロン、約20ミクロン~約40ミクロン、約20ミクロン~約45ミクロン、約20ミクロン~約50ミクロン、約25ミクロン~約30ミクロン、約25ミクロン~約35ミクロン、約25ミクロン~約40ミクロン、約25ミクロン~約45ミクロン、約25ミクロン~約50ミクロン、約30ミクロン~約35ミクロン、約30ミクロン~約40ミクロン、約30ミクロン~約45ミクロン、約30ミクロン~約50ミクロン、約35ミクロン~約40ミクロン、約35ミクロン~約45ミクロン、約35ミクロン~約50ミクロン、約40ミクロン~約45ミクロン、約40ミクロン~約50ミクロン、または約45ミクロン~約50ミクロンである。いくつかの実施形態では、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン、約25ミクロン、約30ミクロン、約35ミクロン、約40ミクロン、約45ミクロン、または約50ミクロンである。いくつかの実施形態では、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、少なくとも約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン、約25ミクロン、約30ミクロン、約35ミクロン、約40ミクロン、または約45ミクロンである。いくつかの実施形態では、メソカーボンマイクロビーズ、天然グラフェン、合成グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせの直径は、最大で約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン、約25ミクロン、約30ミクロン、約35ミクロン、約40ミクロン、約45ミクロン、または約50ミクロンである。
【0035】
いくつかの実施形態では、MCBMは表面積が小さいため、電解液との副反応は最小限に抑えられ、リチウムイオンバッテリーは安定化させられる。いくつかの実施形態では、MCMBの球状構造および高い電子導電率によって、低内部抵抗および高出力能力がもたらされる。
【0036】
いくつかの実施形態では、負極は黒鉛、カーボンブラック、親水性結合剤、カルボキシメチルセルロース、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、親水性結合剤は、スチレンブタジエン(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルギン酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルキトサンナトリウム(CCTS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(フルオレン)、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリナフタレン、ポリ(アセチレン)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリアゼピン、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p-フェニレンサルファイド)(PPS)、ポリアニリン(PANI)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、負極は、約70%~約95%のw/w濃度の黒鉛を含む。いくつかの実施形態では、負極は、その増分を含む、約70%~約75%、約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約75%~約80%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約80%~約85%、約80%~約90%、約80%~約95%、約85%~約90%、約85%~約95%、または約90%~約95%のw/w濃度の黒鉛を含む。いくつかの実施形態では、負極は、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%のw/w濃度の黒鉛を含む。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%のw/w濃度の黒鉛を含む。いくつかの実施形態では、負極は、最大で約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%のw/w濃度の黒鉛を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、負極は、約1%~約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、負極は、その増分を含む、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約3.5%、約1%~約4%、約1%~約4.5%、約1%~約5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約5%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約3.5%、約2%~約4%、約2%~約4.5%、約2%~約5%、約2.5%~約3%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約5%、約3%~約3.5%、約3%~約4%、約3%~約4.5%、約3%~約5%、約3.5%~約4%、約3.5%~約4.5%、約3.5%~約5%、約4%~約4.5%、約4%~約5%、または約4.5%~約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態において、負極は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態において、負極は、少なくとも約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態において、負極は、最大で約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、負極は、約1%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、負極は、その増分を含む、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約8%~約9%、約8%~約10%、または約9%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、負極は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態において、負極は、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約9%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態において、負極は、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、負極は、約0.1%~約5%のw/w濃度のカルボキシメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、負極は、その増分を含む、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約3%、約0.1%~約3.5%、約0.1%~約4%、約0.1%~約4.5%、約0.1%~約5%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約1%、約0.2%~約1.5%、約0.2%~約2%、約0.2%~約2.5%、約0.2%~約3%、約0.2%~約3.5%、約0.2%~約4%、約0.2%~約4.5%、約0.2%~約5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約4.5%、約0.5%~約5%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約3.5%、約1%~約4%、約1%~約4.5%、約1%~約5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約5%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約3.5%、約2%~約4%、約2%~約4.5%、約2%~約5%、約2.5%~約3%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約5%、約3%~約3.5%、約3%~約4%、約3%~約4.5%、約3%~約5%、約3.5%~約4%、約3.5%~約4.5%、約3.5%~約5%、約4%~約4.5%、約4%~約5%、または約4.5%~5%のw/w濃度のカルボキシメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、負極は、約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のカルボキシメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%のw/w濃度のカルボキシメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、負極は、最大で約0.2%、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のカルボキシメチルセルロースを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約100、150、200、250、300、または340mAh/gの比容量を有する。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、または7mAh/cm2の面容量を有する。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約5、10、15、または20mg/cm2の負荷質量を有する。いくつかの実施形態では、負極は、約0.5~約3g/cm3、約1~約3g/cm3、約1~約2g/cm3、または約1.5~約1.7g/cm3の記録密度を有する。
【0042】
正極
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるエネルギー貯蔵デバイスは正極を含む。いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウム(NCA)正極である。いくつかの実施形態では、正極は、ニッケル:コバルト:マンガン(NMC)正極である。いくつかの実施形態では、正極はコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カーボンブラック、グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、N-メチル-2-ピロリドン溶剤中に存在する。いくつかの実施形態では、グラフェンは、還元型酸化グラフェン分散液を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、rGOは、充放電中に電極の導電性および機械的強度を向上させる。いくつかの実施形態では、rGOは、操作時の体積変化中のクラックを防止することによって、電極の構造的完全性を保持する。いくつかの実施形態では、rGOは、粉末形態で製造され、その後、三次元ネットワークを生成するために溶液中で処理される。いくつかの実施形態では、rGO粉末は、熱還元、マイクロウェーブ、還元、またはその両方によって製造される。
【0044】
いくつかの実施形態では、正極は、約70%~約99%のw/w濃度のコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、その増分を含む、約70%~約75%、約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約80%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約85%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約90%、約85%~約95%、約85%~約99%、約90%~約95%、約90%~約99%、または約95%~約99%のw/w濃度のコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のw/w濃度のコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%のw/w濃度のコバルト酸リチウムを含む。いくつかの実施形態では、正極は、最大で約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のw/w濃度のコバルト酸リチウムを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、正極は、約0.5%~約5%のw/w濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。いくつかの実施形態では、正極は、その増分を含む、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約4.5%、約0.5%~約5%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約3.5%、約1%~約4%、約1%~約4.5%、約1%~約5%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約5%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約3.5%、約2%~約4%、約2%~約4.5%、約2%~約5%、約2.5%~約3%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約5%、約3%~約3.5%、約3%~約4%、約3%~約4.5%、約3%~約5%、約3.5%~約4%、約3.5%~約4.5%、約3.5%~約5%、約4%~約4.5%、約4%~約5%、または約4.5%~約5%のw/w濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。いくつかの実施形態では、正極は、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%のw/w濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。いくつかの実施形態では、正極は、最大で約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、正極は、約0.1%~約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、正極は、その増分を含む、約0.5%~約1%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約4.5%、約0.5%~約5%、約0.5%~約0.1%、約1%~約1.5%、約1%~約2%、約1%~約2.5%、約1%~約3%、約1%~約3.5%、約1%~約4%、約1%~約4.5%、約1%~約5%、約1%~約0.1%、約1.5%~約2%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約5%、約1.5%~約0.1%、約2%~約2.5%、約2%~約3%、約2%~約3.5%、約2%~約4%、約2%~約4.5%、約2%~約5%、約2%~約0.1%、約2.5%~約3%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約5%、約2.5%~約0.1%、約3%~約3.5%、約3%~約4%、約3%~約4.5%、約3%~約5%、約3%~約0.1%、約3.5%~約4%、約3.5%~約4.5%約3.5%~約5%、約3.5%~約0.1%、約4%~約4.5%、約4%~約5%、約4%~約0.1%、約4.5%~約5%、約4.5%~約0.1%、または約5%~約0.1%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、正極は、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、または約0.1%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、正極は、最大で約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、または約0.1%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、正極は、約0.001%~約5%のw/w濃度のグラフェンを含む。いくつかの実施形態では、正極は、その増分を含む、約0.001%~約0.005%、約0.001%~約0.01%、約0.001%~約0.05%、約0.001%~約0.1%、約0.001%~約0.5%、約0.001%~約1%、約0.001%~約2%、約0.001%~約3%、約0.001%~約4%、約0.001%~約5%、約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.5%、約0.005%~約1%、約0.005%~約2%、約0.005%~約3%、約0.005%~約4%、約0.005%~約5%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約1%、約0.01%~約2%、約0.01%~約3%、約0.01%~約4%、約0.01%~約5%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.5%、約0.05%~約1%、約0.05%~約2%、約0.05%~約3%、約0.05%~約4%、約0.05%~約5%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、約0.1%~約4%、約0.1%~約5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約3%、約0.5%~約4%、約0.5%~約5%、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約3%~約4%、約3%~約5%、または、4%~約5%のw/w濃度のグラフェンを含む。いくつかの実施形態では、正極は、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%のw/w濃度のグラフェンを含む。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または約4%のw/w濃度のグラフェンを含む。いくつかの実施形態では、正極は、最大で約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%のw/w濃度のグラフェンを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)はN-メチル-2-ピロリドン溶剤中に存在する。いくつかの実施形態では、グラフェンは、還元型酸化グラフェン分散液を含む。いくつかの実施形態では、正極はニッケル:コバルト:マンガン正極である。
【0049】
いくつかの実施形態では、正極は、Ni:Co:Mnを約5:2:3の比で含む。いくつかの実施形態では、正極はNi:Co:Mnを、約5:2:3、5:1:3、5:3:3、5:2:4、5:1:4、5:3:4、4:2:3、4:1:3、4:3:3、4:2:4、4:1:4、4:3:4、6:2:3、6:1:3、6:3:3、6:2:4、6:1:4、または6:3:4の比で含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは電気自動車バッテリーとして構成される。いくつかの実施形態では、正極はリチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウム(NCA)正極である。いくつかの実施形態では、正極は、ニッケル:コバルト:酸化アルミニウムのw/w濃度が、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムの30%w/w~90%w/wであり、およびリチウムのw/w濃度が約1%~約15%である。
【0051】
いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムのw/w濃度が約30%~約90%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムのw/w濃度が、その増分を含む、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約30%~約55%、約30%~約60%、約30%~約65%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約35%~約55%、約35%~約60%、約35%~約65%、約35%~約70%、約35%~約80%、約35%~約90%、約40%~約45%、約40%~約50%、約40%~約55%、約40%~約60%、約40%~約65%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約45%~約50%、約45%~約55%、約45%~約60%、約45%~約65%、約45%~約70%、約45%~約80%、約45%~約90%、約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約65%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約55%~約60%、約55%~約65%、約55%~約70%、約55%~約80%、約55%~約90%、約60%~約65%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60~約90%、約65%~約70%、約65%~約80%、約65%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、または、80%~約90%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムのw/w濃度が約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、または約90%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムのw/w濃度が少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または約80%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウム・ニッケルコバルト酸化アルミニウムのw/w濃度が最大で約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、または約90%である。
【0052】
いくつかの実施形態では、正極は、リチウムのw/w濃度が約1%~約15%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウムのw/w濃度が、その増分を含む、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約8%、約1%~約10%、約1%~約12%、約1%~約15%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約8%、約2%~約10%、約2%~約12%、約2%~約15%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約8%、約3%~約10%、約3%~約12%、約3%~約15%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約8%、約4%~約10%、約4%~約12%、約4%~約15%、約5%~約6%、約5%~約8%、約5%~約10%、約5%~約12%、約5%~約15%、約6%~約8%、約6%~約10%、約6%~約12%、約6%~約15%、約8%~約10%、約8%~約12%、約8%~約15%、約10%~約12%、約10%~約15%、または約12%~約15%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウムのw/w濃度が約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、または約15%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウムのw/w濃度が少なくとも約1%、約2%、約3%、4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約、または約12%である。いくつかの実施形態では、正極は、リチウムのw/w濃度が最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約8%、約10%、約12%、または約15%である。
【0053】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、または2400mAhのレート容量を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約2000、2100、2200、2400、2500、2600、2700、または2800mAhの容量を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスには、少なくとも約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、または3.8Vの公称電圧を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、最大で約26、30、40、50、60、70、80、90、または100mΩの内部抵抗を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約650、700、750、800、850、900、950、または1000のサイクル後に、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%の容量を保持する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、または210のWh/kgのエネルギー密度を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約300、350、400、450、500、または550Wh/Lのエネルギー密度を有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスの放電容量は、約0℃の温度での動作と約-20℃の温度での動作との間で、最大で約30%、28%、26%、24%、22%、または20%減少する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスの放電容量は、約20℃の温度での動作と約0℃の温度での動作との間で、最大で約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、または3%減少する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、釘刺し試験を通過するように構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、約0℃~約45℃の温度で充電するように構成されている。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、その増分を含む、約0℃~約5℃、約0℃~約10℃、約0℃~約15℃、約0℃~約20℃、約0℃~約25℃、約0℃~約30℃、約0℃~約35℃、約0℃~約40℃、約0℃~約45℃、約5℃~約10℃、約5℃~約15℃、約5℃~約20℃、約5℃~約25℃、約5℃~約30℃、約5℃~約35℃、約5℃~約40℃、約5℃~約45℃、約10℃~約15℃、約10℃~約20℃、約10℃~約25℃、約10℃~約30℃、約10℃~約35℃、約10℃~約40℃、約10℃~約45℃、約15℃~約20℃、約15℃~約25℃、約15℃~約30℃、約15℃~約35℃、約15℃~約40℃、約15℃~約45℃、約20℃~約25℃、約20℃~約30℃、約20℃~約35℃、約20℃~約40℃、約20℃~約45℃、約25℃~約30℃、約25℃~約35℃、約25℃~約40℃、約25℃~約45℃、約30℃~約35℃、約30℃~約40℃、約30℃~約45℃、約35℃~約40℃、約35℃~約45℃、または約40℃~約45℃の温度で充電するように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、約0℃~約65℃の温度で放電するように構成されている。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、その増分を含む、約0℃~約5℃、約0℃~約10℃、約0℃~約15℃、約0℃~約20℃、約0℃~約25℃、約0℃~約30℃、約0℃~約40℃、約0℃~約50℃、約0℃~約65℃、約5℃~約10℃、約5℃~約15℃、約5℃~約20℃、約5℃~約25℃、約5℃~約30℃、約5℃~約40℃、約5℃~約50℃、約5℃~約65℃、約10℃~約15℃、約10℃~約20℃、約10℃~約25℃、約10℃~約30℃、約10℃~約40℃、約10℃~約50℃、約10℃~約65℃、約15℃~約20℃、約15℃~約25℃、約15℃~約30℃、約15℃~約40℃、約15℃~約50℃、約15℃~約65℃、約20℃~約25℃、約20℃~約30℃、約20℃~約40℃、約20℃~約50℃、約20℃~約65℃、約25℃~約30℃、約25℃~約40℃、約25℃~約50℃、約25℃~約65℃、約30℃~約40℃、約30℃~約50℃、約30℃~約65℃、約40℃~約50℃、約40℃~約65℃、または約50℃~約65℃の温度で放電するように構成されている。
【0057】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、約-20℃~約50℃の温度で保存されるように構成されている。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、その増分を含む、約-20℃~約-10℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約10℃、約-20℃~約20℃、約-20℃~約30℃、約-20℃~約40℃、約-20℃~約50℃、約-10℃~約0℃、約-10℃~約10℃、約-10℃~約20℃、約-10℃~約30℃、約-10℃~約40℃、約-10℃~約50℃、約0℃~約10℃、約0℃~約20℃、約0℃~約30℃、約0℃~約40℃、約0℃~約50℃、約10℃~約20℃、約10℃~約30℃、約10℃~約40℃、約10℃~約50℃、約20℃~約30℃、約20℃~約40℃、約20℃~約50℃、約30℃~約40℃、約30℃~約50℃、または約40℃~約50℃の温度で保存されるように構成されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、または150mAh/gの比容量を有する。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約1、2、3、4、5、または6mAh/cm2の面容量を有する。いくつかの実施形態では、正極は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、または40mg/cm2の負荷質量を有する。いくつかの実施形態では、正極は、約1~約5g/cm3、約2~約4g/cm3、または約3.0および約3.6g/cm3からの記録密度を有する。いくつかの実施形態では、正極は充電および放電に適する多孔性を有する。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約100、150、200、250、300、または340mAh/cm2の比容量を有する。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約1、2、3、4、5、6または7mAh/cm2の面容量を有する。いくつかの実施形態では、負極は、少なくとも約5、10、15、または20mg/cm2の負荷質量を有する。いくつかの実施形態では、負極は、約0.5~約3g/cm3、約1~約3g/cm3、約1~約2g/cm3、または約1.5~約1.7g/cm3の記録密度を有する。いくつかの実施形態では、約2.0g/cm3~約5g/cm3の正極の記録密度は、充放電に十分な多孔性を可能にする。
【0059】
電極を形成する方法
本明細書に提供されるのは、メソカーボンマイクロビーズ電極を形成する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース(CMC)、親水性結合剤および水の混合物を形成進工程、およびその混合物を基板上に被覆する工程を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、親水性結合剤は高分子結合剤である。いくつかの実施形態では、親水性結合剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルギン酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルキトサンナトリウム(CCTS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(フルオレン)、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリナフタレン、ポリ(アセチレン)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリピロール(PPY)、ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリアゼピン、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p-フェニレンサルファイド)(PPS)、ポリアニリン(PANI)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、基板は、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル、自立型カーボンシート、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、基板は純金属を含む。いくつかの実施形態では、基板はカーボンの層で被覆される。
【0061】
いくつかの実施形態では、混合物は、約85%~約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約85%~約87%、約85%~約89%、約85%~約91%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約87%~約89%、約87%~約91%、約87%~約93%、約87%~約95%、約87%~約97%、約87%~約99%、約89%~約91%、約89%~約93%、約89%~約95%、約89%~約97%、約89%~約99%、約91%~約93%、約91%~約95%、約91%~約97%、約91%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%、約95%~約99%、または約97%~約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約85%、約87%、約89%、約91%、約93%、約95%、約97%、または約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも約85%、約87%、約89%、91%、約93%、約95%、または約97%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約87%、約89%、約91%、約93%、約95%、約97%、または約99%のw/w濃度のMCMBを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、混合物は、約2%~約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約6%~約7%、約6%~約8%、または約7%~約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約2%、約3%、約4%、5%、約6%、約7%、または約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、または約7%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、または約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、混合物は、約0.1%~約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.8%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.6%、約0.2%~約0.7%、約0.2%~約0.8%、約0.3%~約0.4%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.6%、約0.3%~約0.7%、約0.3%~約0.8%、約0.4%~約0.5%、約0.4%~約0.6%、約0.4%~約0.7%、約0.4%~約0.8%、約0.5%~約0.6%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.8%、約0.6%~約0.7%、約0.6%~約0.8%、または約0.7%~約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、または約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、または約0.7%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、または約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、混合物は、約1%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約8%~約9%、約8%~約10%、または約9%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は含む、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約9%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が約1,000mPa*s~約2,000mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が、その増分を含む、約1,000mPa*s~約1,100mPa*s、約1,000mPa*s~約1,200mPa*s、約1,000mPa*s~約1,300mPa*s、約1,000mPa*s~約1,400mPa*s、約1,000mPa*s~約1,500mPa*s、約1,000mPa*s~約1,600mPa*s、約1,000mPa*s~約1,700mPa*s、約1,000mPa*s~約1,800mPa*s、約1,000mPa*s~約1,900mPa*s、約1,000mPa*s~約2,000mPa*s、約1,100mPa*s~約1,200mPa*s、約1,100mPa*s~約1,300mPa*s、約1,100mPa*s~約1,400mPa*s、約1,100mPa*s~約1,500mPa*s、約1,100mPa*s~約1,600mPa*s、約1,100mPa*s~約1,700mPa*s、約1,100mPa*s~約1,800mPa*s、約1,100mPa*s~約1,900mPa*s、約1,100mPa*s~約2,000mPa*s、約1,200mPa*s~約1,300mPa*s、約1,200mPa*s~約1,400mPa*s、約1,200mPa*s~約1,500mPa*s、約1,200mPa*s~約1,600mPa*s、約1,200mPa*s~約1,700mPa*s、約1,200mPa*s~約1,800mPa*s、約1,200mPa*s~約1,900mPa*s、約1,200mPa*s~約2,000mPa*s、約1,300mPa*s~約1,400mPa*s、約1,300mPa*s~約1,500mPa*s、約1,300mPa*s~約1,600mPa*s、約1,300mPa*s~約1,700mPa*s、約1,300mPa*s~約1,800mPa*s、約1,300mPa*s~約1,900mPa*s、約1,300mPa*s~約2,000mPa*s、約1,400mPa*s~約1,500mPa*s、約1,400mPa*s~約1,600mPa*s、約1,400mPa*s~約1,700mPa*s、約1,400mPa*s~約1,800mPa*s、約1,400mPa*s~約1,900mPa*s、約1,400mPa*s~約2,000mPa*s、約1,500mPa*s~約1,600mPa*s、約1,500mPa*s~約1,700mPa*s、約1,500mPa*s~約1,800mPa*s、約1,500mPa*s~約1,900mPa*s、約1,500mPa*s~約2,000mPa*s、約1,600mPa*s~約1,700mPa*s、約1,600mPa*s~約1,800mPa*s、約1,600mPa*s~約1,900mPa*s、約1,600mPa*s~約2,000mPa*s、約1,700mPa*s~約1,800mPa*s、約1,700mPa*s~約1,900mPa*s、約1,700mPa*s~約2,000mPa*s、約1,800mPa*s~約1,900mPa*s、約1,800mPa*s~約2,000mPa*s、または約1,900mPa*s~約2,000mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が約1,000mPa*s、約1,100mPa*s、約1,200mPa*s、約1,300mPa*s、約1,400mPa*s、約1,500mPa*s、約1,600mPa*s、約1,700mPa*s、約1,800mPa*s、約1,900mPa*s、または2,000mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が少なくとも約1,000mPa*s、約1,100mPa*s、約1,200mPa*s、約1,300mPa*s、約1,400mPa*s、約1,500mPa*s、約1,600mPa*s、約1,700mPa*s、約1,800mPa*s、または1,900mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が最大で約1,100mPa*s、約1,200mPa*s、約1,300mPa*s、約1,400mPa*s、約1,500mPa*s、約1,600mPa*s、約1,700mPa*s、約1,800mPa*s、約1,900mPa*s、または2,000mPa*sである。
【0066】
本明細書に提供される別の態様は、コバルト酸リチウム電極を形成する方法である。いくつかの実施形態では、本方法は、コバルト酸リチウム(LCO)、カーボンブラック、還元型酸化グラフェン分散液、親水性結合剤および溶媒の混合物を形成工程、および混合物を基板上に被覆する工程を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、親水性結合剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アルギン酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルキトサンナトリウム(CCTS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(フルオレン)、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリナフタレン、ポリ(アセチレン)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリアゼピン、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p-フェニレンサルファイド)(PPS)、ポリアニリン(PANI)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、溶剤は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コバルト酸リチウムの少なくとも一部は粉体の形態である。いくつかの実施形態では、基板は、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル、自立型カーボンシート、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、またはこれらの組み合わせである。
【0068】
いくつかの実施形態では、混合物は、約85%~約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約85%~約87%、約85%~約89%、約85%~約91%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約87%~約89%、約87%~約91%、約87%~約93%、約87%~約95%、約87%~約97%、約87%~約99%、約89%~約91%、約89%~約93%、約89%~約95%、約89%~約97%、約89%~約99%、約91%~約93%、約91%~約95%、約91%~約97%、約91%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%、約95%~約99%、または約97%~約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約85%、約87%、約89%、約91%、約93%、約95%、約97%、または約99%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも約85%、約87%、約89%、91%、約93%、約95%、または約97%のw/w濃度のMCMBを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約87%、約89%、約91%、約93%、約95%、約97%、または約99%のw/w濃度のMCMBを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、混合物は、約2%~約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約6%~約7%、約6%~約8%、または約7%~約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約2%、約3%、約4%、5%、約6%、約7%、または約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、または約7%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、または約8%のw/w濃度のカーボンブラックを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、混合物は、約0.1%~約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.8%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.5%、約0.2%~約0.6%、約0.2%~約0.7%、約0.2%~約0.8%、約0.3%~約0.4%、約0.3%~約0.5%、約0.3%~約0.6%、約0.3%~約0.7%、約0.3%~約0.8%、約0.4%~約0.5%、約0.4%~約0.6%、約0.4%~約0.7%、約0.4%~約0.8%、約0.5%~約0.6%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.8%、約0.6%~約0.7%、約0.6%~約0.8%、または約0.7%~約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、または約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、または約0.7%のw/w濃度のCMCを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、または約0.8%のw/w濃度のCMCを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、混合物は、約1%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、その増分を含む、約1%~約2%、約1%~約3%、約1%~約4%、約1%~約5%、約1%~約6%、約1%~約7%、約1%~約8%、約1%~約9%、約1%~約10%、約2%~約3%、約2%~約4%、約2%~約5%、約2%~約6%、約2%~約7%、約2%~約8%、約2%~約9%、約2%~約10%、約3%~約4%、約3%~約5%、約3%~約6%、約3%~約7%、約3%~約8%、約3%~約9%、約3%~約10%、約4%~約5%、約4%~約6%、約4%~約7%、約4%~約8%、約4%~約9%、約4%~約10%、約5%~約6%、約5%~約7%、約5%~約8%、約5%~約9%、約5%~約10%、約6%~約7%、約6%~約8%、約6%~約9%、約6%~約10%、約7%~約8%、約7%~約9%、約7%~約10%、約8%~約9%、約8%~約10%、または約9%~約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は含む、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、または約9%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、最大で約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のw/w濃度の親水性結合剤を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が約1,000mPa*s~約2,000mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が、その増分を含む、約1,000mPa*s~約1,100mPa*s、約1,000mPa*s~約1,200mPa*s、約1,000mPa*s~約1,300mPa*s、約1,000mPa*s~約1,400mPa*s、約1,000mPa*s~約1,500mPa*s、約1,000mPa*s~約1,600mPa*s、約1,000mPa*s~約1,700mPa*s、約1,000mPa*s~約1,800mPa*s、約1,000mPa*s~約1,900mPa*s、約1,000mPa*s~約2,000mPa*s、約1,100mPa*s~約1,200mPa*s、約1,100mPa*s~約1,300mPa*s、約1,100mPa*s~約1,400mPa*s、約1,100mPa*s~約1,500mPa*s、約1,100mPa*s~約1,600mPa*s、約1,100mPa*s~約1,700mPa*s、約1,100mPa*s~約1,800mPa*s、約1,100mPa*s~約1,900mPa*s、約1,100mPa*s~約2,000mPa*s、約1,200mPa*s~約1,300mPa*s、約1,200mPa*s~約1,400mPa*s、約1,200mPa*s~約1,500mPa*s、約1,200mPa*s~約1,600mPa*s、約1,200mPa*s~約1,700mPa*s、約1,200mPa*s~約1,800mPa*s、約1,200mPa*s~約1,900mPa*s、、約1,200mPa*s~約2,000mPa*s、約1,300mPa*s~約1,400mPa*s、約1,300mPa*s~約1,500mPa*s、約1,300mPa*s~約1,600mPa*s、約1,300mPa*s~約1,700mPa*s、約1,300mPa*s~約1,800mPa*s、約1,300mPa*s~約1,900mPa*s、約1,300mPa*s~約2,000mPa*s、約1,400mPa*s~約1,500mPa*s、約1,400mPa*s~約1,600mPa*s、約1,400mPa*s~約1,700mPa*s、約1,400mPa*s~約1,800mPa*s、約1,400mPa*s~約1,900mPa*s、約1,400mPa*s~約2,000mPa*s、約1,500mPa*s~約1,600mPa*s、約1,500mPa*s~約1,700mPa*s、約1,500mPa*s~約1,800mPa*s、約1,500mPa*s~約1,900mPa*s、約1,500mPa*s~約2,000mPa*s、約1,600mPa*s~約1,700mPa*s、約1,600mPa*s~約1,800mPa*s、約1,600mPa*s~約1,900mPa*s、約1,600mPa*s~約2,000mPa*s、約1,700mPa*s~約1,800mPa*s、約1,700mPa*s~約1,900mPa*s、約1,700mPa*s~約2,000mPa*s、約1,800mPa*s~約1,900mPa*s、約1,800mPa*s~約2,000mPa*s、または約1,900mPa*s~約2,000mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が約1,000mPa*s、約1,100mPa*s、約1,200mPa*s、約1,300mPa*s、約1,400mPa*s、約1,500mPa*s、約1,600mPa*s、約1,700mPa*s、約1,800mPa*s、約1,900mPa*s、または2,000mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が少なくとも約1,000mPa*s、約1,100mPa*s、約1,200mPa*s、約1,300mPa*s、約1,400mPa*s、約1,500mPa*s、約1,600mPa*s、約1,700mPa*s、約1,800mPa*s、または1,900mPa*sである。いくつかの実施形態では、混合物は、基板上に被覆されたときの粘度が最大で約1,100mPa*s、約1,200mPa*s、約1,300mPa*s、約1,400mPa*s、約1,500mPa*s、約1,600mPa*s、約1,700mPa*s、約1,800mPa*s、約1,900mPa*s、または2,000mPa*sである。
【0073】
エネルギー貯蔵デバイスの特性評価
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは高耐熱性を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスの放電容量は、約0℃の温度での動作と約-20℃の温度での動作との間で、最大で約30%、28%、26%、24%、22%、または20%減少する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスの放電容量は、約20℃の温度での動作と約0℃の温度での動作との間で、最大で約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、または3%減少する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、約0℃~約45℃の温度で充電するように構成されている。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、約0℃~約65℃の温度で放電するように構成されている。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、約-20℃~約50℃の温度で保存するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、内部短絡をシミュレートする釘刺し試験中に爆発しないように構成されている。釘刺し試験は、バッテリー安全性をテストするための公知の標準的手法である。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、釘刺し試験を通過するように構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、釘を刺しても爆発または発火しない場合、釘刺し試験を通過する。いくつかの実施形態では、釘刺し試験は、約100mm~約500mmのストローク距離で実行される。いくつかの実施形態では、釘刺し試験は、約5kN~約40kNの荷重で実行される。いくつかの実施形態では、釘刺し試験は、約0.01mm/分~約1,000mm/分の速度で実行される。
【0075】
図1は、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの電圧電流容量グラフを示す。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、または3.8Vの公称電圧を有する。
【0076】
図2は、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの様々なレートでの放電容量当たりの電圧のグラフを示す。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、または2400mAhのレート容量を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約2000、2100、2200、2400、2500、2600、2700、または2800mAhの容量を有する。
【0077】
図3は、開示されるLCOエネルギー貯蔵デバイスおよび現在利用可能なLCOエネルギー貯蔵デバイスの容量保持あたりのサイクル数のグラフを示す。現在利用可能なLCOエネルギー貯蔵デバイスの容量は、300サイクル以内に約80%カットオフまで低下するが、本明細書に開示されるLCOエネルギー貯蔵デバイスのいくつかの実施形態は、640サイクル後に初期容量の約83.5%を維持する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約650、700、750、800、850、900、950、1000、1200、1300、または1400のサイクル後に、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%の容量を保持する。
【0078】
図4は、本明細書に開示される新規なLCOエネルギー貯蔵デバイスおよび従来のLCOエネルギー貯蔵デバイスの充放電グラフを示す。示されるように、本明細書に提供されるLCOエネルギー貯蔵デバイスは、従来のLCOバッテリーよりもインピーダンス特性が向上し、イオン輸送特性が速く、電荷移動抵抗が低く、およびより高い電力密度を示す。
【0079】
図5は、様々な温度で例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの電圧あたりの放電容量のグラフを示す。そこに示されているように、LCOエネルギー貯蔵デバイスは、-20℃~+40℃の温度の広範囲で使用され得る。対照的に、現在利用可能なLCOエネルギー貯蔵デバイスは、20℃以上の温度でしか機能せず、寒い天候下での使用から除外または減少させる。
【0080】
図6Aおよび
図6Bは、約40℃の温度でC/5CCCV充電プロトコルおよびC/2放電プロトコルで実行された、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスの2.8Vから4.2Vまでのサイクルあたりの容量保持率およびインピーダンス保持率それぞれを示す。示されるように、例示的なLCOエネルギー貯蔵デバイスは、高安定性で900サイクル後にその性能を保持する。
【0081】
いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、最大で約26、30、40、50、60、70、80、90、または100mΩの内部抵抗を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、または210のWh/kgのエネルギー密度を有する。いくつかの実施形態では、リチウムイオンエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも約300、350、400、450、500、または550Wh/Lのエネルギー密度を有する。
【0082】
用語および定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語はすべて、本開示が属する分野における当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0083】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に指定していない限り、複数の基準を含む。「または」への任意の言及は、別段の定めがない限り、「および/または」を包含することを意図している。
【0084】
本明細書で使用されるように、場合によっては用語「約」は、記載された量とほぼ同じである量を指す。
【0085】
本明細書で使用されるように、「約」との用語は、その増分を含む、10%、5%、または1%によって明示される量に近い量を指す。
【0086】
本明細書で使用されるように、パーセンテージに関する用語「約」は、記載されたパーセンテージを、その増分を含む、10%、5%、または1%だけ大きくまたは小さくした量を指す。
【0087】
本明細書で使用されるように、「少なくとも1つ」、「1つ以上」、および「および/または」という表現は、運用において接合的および離接的の両方であるオープンエンドの表現である。例えば、表現「A、BおよびCの少なくとも1つ」、「A、BまたはCの少なくとも1つ」、「A、BおよびCの1つ以上」、「A、BまたはCの1つ以上」および「A、Bおよび/またはC」のそれぞれは、A単独、B単独、C単独、AおよびBともに、AおよびCともに、BおよびCともに、またはA、BおよびCともに、を意味する。
【0088】
本明細書で使用されるように、「w/w」は、重量比による乾燥重量を指す。
【0089】
本明細書で使用されるように、用語「可燃性」は、着火して火災または燃焼爆発を引き起こすことがある物質を指す。いくつかの実施形態では、可燃性材料は、米国政府の危険物識別システム(HMIS)の下で、評価1(発火前に予熱する必要がある材料)、評価2(発火前に適度に加熱するか比較的高い周囲温度にさらす必要がある材料)、評価3(ほぼすべての温度条件で発火できる材料)または評価4(大気圧および常温で急速に気化するか空気中で容易に分散して容易に燃える材料)のように分類される。
【0090】
本明細書で使用されるように、用語「不燃性」は、着火できない物質、または特定の条件下でのみ着火できる物質を指す。いくつかの実施形態では、可燃性物質は、米国政府の危険物識別システム(HMIS)の下で、評価0(燃焼しない物質)、評価1(発火前に予熱する必要がある物質)、または評価2(発火前に適度に加熱するか、比較的高い周囲温度さらす必要がある物質)として分類される。
【実施例】
【0091】
以下の実例となる実施例は、本明細書に記載されるソフトウェアアプリケーション、システム、および方法の実施形態の代表であり、いかなる方法でも限定する目的ではない。
【0092】
実施例1―散布されたLCO電解液を形成する方法
一実施例では、116.62グラムのg-ブチロラクトン(GBl)を、十分に洗浄した清潔なフラスコに注ぎ、水分をすべて除去するためにオーブンで一晩焼いてた。5グラムのVC、5グラムのLiBOB、および15グラムのLiBF4を、撹拌棒と共にフラスコに添加する。その後、フラスコをセプタムでキャップし、一晩攪拌させる。翌日、49.98グラムのFEPをフラスコに添加し、スパージ前に少なくとも1時間攪拌させる。その後、アルゴンラインに付けられた長いカニューレをセプタムからフラスコの底まで挿入し、ヘッドスペースに残っているガス抜き用の針もともに挿入する。フラスコを攪拌しながら、アルゴンを1時間かけて溶液に通過し、一定の気泡を観察する。その後、カニューレと針を外し、出荷する前に溶液を再び一晩撹拌させる。
【0093】
実施例2―散布されないLCO電解液を形成する方法
一実施例では、g-ブチロラクトン(GBl)、FEP、VCの別々の溶液を、十分に洗浄し焼いた別々のシュレンクフラスコに入れる。その後、フラスコを閉じてシュレンクラインに取り付け、完全に凍結するまで液体窒素中に置く。凍結後、シュレンクラインの真空ポートを圧力計が150mmHg未満になるまで1つのフラスコに開け、そのフラスコを閉じ、解凍するために温水浴に入れ、次のフラスコのポートを開ける。すべてのフラスコが一旦解凍したら、それらを再凍結し、このプロセスをさらに2回繰り返す。圧力は、すべてのフラスコ上で2回目と3回目のサイクルそれぞれで<100mmHgおよび<75mmHgに到達するようにする。一旦、すべてのフラスコを3回解凍したら、キムワイプ(kim wipe)で乾燥させ、清潔なフラスコ、および十分な量のLiBOBとLiBF4とともに、<20ppm O2を含むグローブボックスの副室に入れて、少なくとも12時間置く。グローブボックス内に入ると、15グラムのLiBF4、5グラムのLiBOB、および5グラムのVCを166.62グラムのGBlに添加し、一晩攪拌させる。翌日、49.98グラムのFEPをこの溶液に添加し、再び一晩攪拌させる。
【0094】
実施例3―NCA電解液を形成する方法
一実施例では、g-ブチロラクトン(GBl)、FEP、VCの別々の溶液を、十分に洗浄し焼いた別々のシュレンクフラスコに入れる。その後、フラスコを閉じてシュレンクラインに取り付け、完全に凍結するまで液体窒素中に置く。凍結後、シュレンクラインの真空ポートを圧力計が150mmHg未満になるまで1つのフラスコに開け、そのフラスコを閉じ、解凍するために温水浴に入れ、次のフラスコのポートを開ける。すべてのフラスコが一旦解凍したら、それらを再凍結し、このプロセスをさらに2回繰り返す。圧力は、すべてのフラスコ上で2回目と3回目のサイクルそれぞれで<100mmHgおよび<75mmHgに到達するようにする。一旦、すべてのフラスコを3回解凍したら、キムワイプ(kim wipe)で乾燥させ、清潔なフラスコ、および十分な量のLiBOBとLiBF4とともに、<20ppm O2を含むグローブボックスの副室に入れて、少なくとも12時間置く。グローブボックス内に入ると、15グラムのLiBF4、5グラムのLiBOB、および5グラムのVCを120グラムのGBlに添加し、一晩攪拌させる。翌日、52グラムのFEPをこの溶液に添加し、再び一晩攪拌させる。
【0095】
実施例4―メソカーボンマイクロビーズ電極スラリーを形成する方法
1870グラムのMCMB黒鉛、70グラムの炭素C45、353グラムの親水性結合剤およびCMC結合剤のスラリーを調製する。攪拌速度を5m/s、ポンプ回転数を30Hzに設定する。スラリーの粘度が1,200mPa*s程度に維持するために混合速度を増減し、20分間真空にする。
【0096】
銅ロールを巻き出しローラーに挿入し、その後、銅は被覆機のローラーを通り、巻取りローラー上のロールコアに装着される。ロールコアは、巻取りローラー上で、機械の端からロールコアの内側の端まで8.5cmの位置に配置される。基板を、機械の端から基板の内側まで9.6cmの位置で銅ロールに取り付ける。その後、EPC(Edge Position Control)センサーを約2100に設定し、被覆速度を300mm/minに設定し、加圧ローラー、オートラン、アライメントの機能を作動させる。スラリーコンテナーバルブを開き、フィードポンプを100rpmで作動させてスラリーを基板に付着させ、スロットダイを作動させてフィーラーゲージで被覆ローラーから約190umのギャップを設定する。供給ポンプの速度は、一定の負荷質量、厚さ、またはその両方を達成するために増減することができる。
【0097】
実施例6―18650規格LCOエネルギー貯蔵デバイス
18650規格に従って、LCO正極、MCMB負極、ガンマ-ブチロラクトン電解液を含むエネルギー貯蔵デバイスを調製する。本デバイスの仕様は、表1に示されるように決定された。
【0098】
【0099】
本開示の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないということは、当業者に明らかであろう。多くの変形、変更、および置き換えは、本開示から逸脱することなく、当業者によって想到されるものである。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代案が、本開示の実施に際して利用され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】