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特表2023-540813環境内でのゾーン間のロボット誘導管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-26
(54)【発明の名称】環境内でのゾーン間のロボット誘導管理
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230919BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516146
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021049553
(87)【国際公開番号】W WO2022056056
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】17/017,801
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519067275
【氏名又は名称】ローカス ロボティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャケ、ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、マイケル チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】オルカット、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD01
5H301DD07
5H301DD15
5H301FF11
5H301GG08
5H301GG09
5H301HH01
5H301HH02
5H301KK03
5H301KK08
5H301QQ04
5H301QQ06
(57)【要約】
環境内の第1のゾーン及び隣接する第2のゾーン、第1のゾーンと第2のゾーンとの間の境界に沿った敷居、並びに敷居に関連付けられた経由地点を画定するよう構成されたサーバを備える、ロボット誘導管理のためのシステム及び方法が提供される。サーバと通信する1台又は複数台の自律型ロボットは、敷居を横切る第1のゾーンから第2のゾーンへの、経由地点を含むルートを判断し、敷居を横切ることと併せて、経由地点を通過することを含め、第1のゾーンから第2のゾーンへのルートに沿ってロボットを誘導するよう構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境内の第1のゾーンから隣接する第2のゾーンまで、自律型ロボットを誘導する方法であって、
サーバによって、前記環境内の前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンと、前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンの間の境界に沿った敷居と、前記敷居に関連付けられた経由地点とを画定するステップ、
前記自律型ロボットのための、前記敷居を横切る前記第1のゾーンから前記第2のゾーンへのルートを判断するステップであり、前記ルートが、前記経由地点を含む、ルートを判断するステップ、並びに
前記敷居を横切るステップと併せて前記経由地点を通過するステップを含む、前記第1のゾーンから前記第2のゾーンへの前記ルートに沿って前記ロボットを誘導するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記経由地点が、経由地点のポーズによって画定され、ルートを判断する前記ステップが、前記経由地点のポーズへのルート・セグメントを判断するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記経由地点を通過する前記ステップが、前記経由地点のポーズで一時停止することなく、前記経由地点のポーズを通過するステップ、又は前記敷居を横切るステップの前に、前記経由地点のポーズで一時停止するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記経由地点が、前記敷居から距離を置いて配置されるか、又は前記敷居に沿った前記境界上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サーバによって、前記敷居に関連付けられた第2の経由地点を画定するステップをさらに含み、前記経由地点及び前記第2の経由地点が、前記敷居の両側に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記2箇所の隣接するゾーン間の前記境界が、物理的障壁であり、前記敷居が、前記物理的障壁の開口部に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記2箇所の隣接するゾーン間の前記境界が、仮想障壁であり、前記敷居が、前記仮想障壁に沿って画定された場所である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サーバによって、前記隣接するゾーン間の前記境界に沿った第2の敷居、前記第2の敷居に関連付けられた第2の経由地点を画定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サーバによって、第1の方向へのロボットの通行を可能にする前記敷居を画定するステップと、前記隣接するゾーン間の前記境界に沿った、前記第1の方向と反対の方向へのロボットの通行を可能にする、第2の敷居を画定するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ロボットが、前記敷居を通過するのを待つロボットの待ち行列に加わるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ロボットが、カメラ、レーザ検出器、若しくはレーダ検出器、又はこれらの組合せを使って、前記敷居にある障害物を検出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ゾーンのそれぞれが、安全なエリア、温度管理されたエリア、倉庫エリア、若しくは隣接するエリアとは別の高さのエリア、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
環境内の第1のゾーンから隣接する第2のゾーンまで、自律型ロボットを誘導するシステムであって、前記システムが、
前記環境内の前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンと、前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンの間の境界に沿った敷居と、前記敷居に関連付けられた経由地点とを画定するよう構成された、サーバ
前記サーバと通信する自律型ロボット
を備え、前記ロボットが、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されると、前記ロボットに、
前記敷居を横切る前記第1のゾーンから前記第2のゾーンへの、前記経由地点を含むルートを判断させ、且つ
前記敷居を横切らせることと併せて、前記経由地点を通過させることを含め、前記第1のゾーンから前記第2のゾーンへの前記ルートに沿って前記ロボットを誘導させる
命令を記憶する、システム。
【請求項14】
前記経由地点が、経由地点のポーズによって画定され、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されると、前記自律型ロボットに、前記経由地点のポーズへのルート・セグメントを判断させる命令をさらに記憶する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記メモリが、前記プロセッサによって実行されると、前記ロボットに、経由地点のポーズで一時停止させることなく、前記経由地点のポーズを通過させるか、又は前記敷居を横切らせる前に、前記経由地点のポーズで一時停止させる命令をさらに記憶する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記経由地点が、前記敷居から距離を置いて配置されるか、又は前記敷居に沿った前記境界上に配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記サーバが、前記敷居に関連付けられた第2の経由地点を画定するよう構成され、前記経由地点及び前記第2の経由地点が、前記敷居の両側に位置する、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記2箇所の隣接するゾーン間の前記境界が、物理的障壁であり、前記敷居が、前記物理的障壁の開口部に位置する、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記2箇所の隣接するゾーン間の前記境界が、仮想障壁であり、前記敷居が、前記仮想障壁に沿って画定された場所である、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記サーバが、前記2箇所の隣接するゾーン間の前記境界に沿った第2の敷居と、前記第2の敷居に関連付けられた第2の経由地点とを画定するよう構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記ロボット誘導サーバが、第1の方向へのロボットの通行を可能にする前記敷居を画定し、また前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間の前記境界に沿った、前記第1の方向と反対の方向へのロボットの通行を可能にする、第2の敷居を画定するよう構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記メモリが、前記プロセッサによって実行されると、前記自律型ロボットに、前記敷居を通過するのを待つロボットの待ち行列に加わらせる命令をさらに記憶する、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記メモリが、前記プロセッサによって実行されると、前記自律型ロボットに、カメラ、レーザ検出器、若しくはレーダ検出器、又はこれらの組合せを使って、前記敷居にある障害物を検出させる命令をさらに記憶する、請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記ゾーンのそれぞれが、安全なエリア、温度管理されたエリア、倉庫エリア、若しくは隣接するエリアとは別の高さのエリア、又はこれらの組合せである、請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記サーバが、倉庫管理システム、注文サーバ、独立型サーバ、前記複数のロボットのうちの少なくとも2台の前記メモリを備える分散型システム、又はこれらの組合せのうちの1つ又は複数をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年9月11日に出願された米国特許出願第17/017,801号の優先権の利益を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この発明は、ロボットの誘導に関し、より詳細には、複数の相異なるエリア又はゾーンを有する環境内での、ロボットの誘導管理に関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットで製品を注文して宅配してもらうのは、非常に人気のあるショッピング手法である。かかる注文を適時正確且つ効率的なやり方で履行することは、控え目に言っても、物流上困難である。仮想ショッピング・カートの「チェック・アウト」釦をクリックすると、「注文」が作成される。注文には、特定の住所に出荷されるべき物品のリストが含まれる。「履行」のプロセスには、こうした物品を大規模倉庫から物理的に取り出すこと、すなわち「ピッキング」、物品を梱包すること、及び指定された住所に物品を出荷することが含まれる。したがって、注文履行プロセスの重要な目標は、できるだけ多くの物品をできるだけ短時間で出荷することである。
【0004】
注文履行プロセスは通常、注文に列挙されたものを含む、多くの製品を収納する大規模倉庫で行われる。したがって、注文履行のタスクの中に、注文に列挙されている様々な物品を見つけて収集するために、倉庫を移動するタスクがある。加えて、最終的に出荷されることになる製品は、まず倉庫で受け取り、倉庫全体にわたって整然としたやり方で保管箱に保管又は「配置」する必要があり、それにより製品は、出荷のために簡単に取り出すことができる。
【0005】
大規模倉庫では、配送され、注文されている商品が、互いに非常に離れて倉庫に保管され、他の多数の商品の間に分散される場合がある。人間の作業者しか使わずに商品の配置及びピッキングを行う注文履行プロセスの場合、作業者は、長時間歩く必要があり、非効率的で時間がかかる可能性がある。履行プロセスの効率は、単位時間当たりに出荷される物品の数の関数なので、時間の増加が効率を低下させる。
【0006】
効率を高めるために、ロボットを使用して、人間の機能を実行できるか、又はロボットを使用して、人間の活動を補うことができる。ロボットは、たとえば、複数の物品を、倉庫全体にわたって分散された様々な場所に「配置」するか、又は梱包及び出荷するために、様々な場所から物品を「ピッキング」するよう割り当てられ得る。ロボットだけで、又は人間の作業者の助けを借りて、ピッキング及び配置を行うことができる。たとえば、ピッキング作業の場合、人間の作業者が棚から物品をピッキングしてロボット上に配置するか、又は配置作業の場合、人間の作業者がロボットから物品をピッキングして棚の上に物品を配置することになる。
【0007】
一部の倉庫又は他の環境は、様々な相異なるエリアに分割されている。たとえば、一部の製品は、温度管理が必要な場合があるため、冷凍庫などの温度管理されたエリアに置かれる。一部の製品は、より高度なセキュリティを必要とする場合があるため、他の製品から障壁で分離されたエリアに置かれる。一部の環境は、傾斜した床又はエレベータによってアクセスできる、様々な高さにあるエリアを有している。一部の様々なエリアは、壁などの物理的障壁によって分離されている一方で、他の様々なエリアは、エリアを分離する物理的障壁がない場合がある。かかるエリア間を誘導することは、非効率的な経路選定、又は複数のロボット間又はロボットと人間の作業者との間の渋滞を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第15/807,672号
【特許文献2】米国特許出願第15/254,321号
【特許文献3】米国特許第10,386,851号
【特許文献4】米国特許第10,429,847号
【特許文献5】米国特許第10,513,033号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Sebastian Thrunの「Robotic Mapping:A Survey」、カーネギ-メロン大学、CMU-CS-02-111、2002年2月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書では、複数のゾーンを有する環境又は誘導空間における、ロボットの誘導管理方法及びシステムが提供される。
【0011】
一態様では、環境内の第1のゾーンから隣接する第2のゾーンまで、自律型ロボットを誘導する方法が提供される。この方法は、サーバによって、環境内の第1のゾーン及び第2のゾーンと、第1のゾーン及び第2のゾーンの間の境界に沿った敷居と、敷居に関連付けられた経由地点とを画定するステップ、自律型ロボットのための、敷居を横切る第1のゾーンから第2のゾーンへのルートを判断するステップであって、ルートが、経由地点を含む、ルートを判断するステップ、並びに敷居を横切るステップと併せて経由地点を通過するステップを含む、第1のゾーンから第2のゾーンへのルートに沿ってロボットを誘導するステップを含む。いくつかの実施例では、経由地点は、経由地点のポーズによって画定され、ルートを判断するステップが、経由地点のポーズへのルート・セグメントを判断するステップを含む。経由地点を通過するステップは、経由地点のポーズで一時停止することなく、経由地点のポーズを通過するステップ、又は敷居を横切るステップの前に、経由地点のポーズで一時停止するステップを含むことができる。経由地点は、敷居から距離を置いて配置されるか、又は敷居に沿った境界上に配置され得る。
【0012】
いくつかの実施例では、この方法は、サーバによって、敷居に関連付けられた第2の経由地点を画定するステップをさらに含み、経由地点及び第2の経由地点は、敷居の両側に位置する。いくつかの実施例では、2箇所の隣接するゾーン間の境界が、物理的障壁であり、敷居は、物理的障壁の開口部に位置する。いくつかの実施例では、2箇所の隣接するゾーン間の境界が、仮想障壁であり、敷居は、仮想障壁に沿って画定された場所である。いくつかの実施例では、この方法は、サーバによって、隣接するゾーン間の境界に沿った第2の敷居、第2の敷居に関連付けられた第2の経由地点を画定するステップをさらに含む。いくつかの実施例では、この方法は、サーバによって、第1の方向へのロボットの通行を可能にする敷居を画定するステップと、隣接するゾーン間の境界に沿った、第1の方向と反対の方向へのロボットの通行を可能にする、第2の敷居を画定するステップとをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施例では、この方法は、ロボットが、敷居を通過するのを待つロボットの待ち行列に加わるステップをさらに含む。いくつかの実施例では、この方法は、ロボットが、カメラ、レーザ検出器、若しくはレーダ検出器、又はこれらの組合せを使って、敷居にある障害物を検出するステップをさらに含む。いくつかの実施例では、ゾーンのそれぞれが、安全なエリア、温度管理されたエリア、倉庫エリア、若しくは隣接するエリアとは別の高さのエリア、又はこれらの組合せである。
【0014】
さらなる態様では、環境内の第1のゾーンから隣接する第2のゾーンまで、自律型ロボットを誘導するシステムが提供される。システムは、環境内の第1のゾーン及び第2のゾーンと、第1のゾーン及び第2のゾーンの間の境界に沿った敷居と、敷居に関連付けられた経由地点とを画定するよう構成されたサーバ、サーバと通信する自律型ロボットを備え、ロボットは、プロセッサ及びメモリを備え、メモリは、プロセッサによって実行されると、ロボットに、経由地点を含む敷居を横切る、第1のゾーンから第2のゾーンへのルートを判断させ、且つ敷居を横切らせることと併せて、経由地点を通過させること含め、第1のゾーンから第2のゾーンへのルートに沿ってロボットを誘導させる命令を記憶する。いくつかの実施例では、経由地点は、経由地点のポーズによって画定され、メモリは、プロセッサによって実行されると、自律型ロボットに、経由地点のポーズへのルート・セグメントを判断させる命令をさらに記憶する。いくつかの実施例では、メモリは、プロセッサによって実行されると、ロボットに、経由地点のポーズで一時停止させることなく、経由地点のポーズを通過させるか、又は敷居を横切らせる前に、経由地点のポーズで一時停止させる命令をさらに記憶する。いくつかの実施例では、経由地点は、敷居から距離を置いて配置されるか、又は敷居に沿った境界上に配置される。いくつかの実施例では、サーバは、敷居に関連付けられた第2の経由地点を画定するよう構成され、経由地点及び第2の経由地点は、敷居の両側に位置する。
【0015】
いくつかの実施例では、2箇所の隣接するゾーン間の境界が、物理的障壁であり、敷居は、物理的障壁の開口部に位置する。いくつかの実施例では、2箇所の隣接するゾーン間の境界が、仮想障壁であり、敷居は、仮想障壁に沿って画定された場所である。いくつかの実施例では、サーバは、隣接するゾーン間の境界に沿った第2の敷居と、第2の敷居に関連付けられた第2の経由地点とを画定するよう構成される。いくつかの実施例では、ロボット誘導サーバは、第1の方向へのロボットの通行を可能にする敷居を画定し、また第1のゾーンと第2のゾーンとの間の境界に沿った、第1の方向と反対の方向へのロボットの通行を可能にする、第2の敷居を画定するよう構成される。
【0016】
いくつかの実施例では、メモリは、プロセッサによって実行されると、自律型ロボットに、敷居を通過するのを待つロボットの待ち行列に加わらせる命令をさらに記憶する。いくつかの実施例では、メモリは、プロセッサによって実行されると、自律型ロボットに、カメラ、レーザ検出器、若しくはレーダ検出器、又はこれらの組合せを使って、敷居にある障害物を検出させる命令をさらに記憶する。
【0017】
いくつかの実施例では、ゾーンのそれぞれが、安全なエリア、温度管理されたエリア、倉庫エリア、若しくは隣接するエリアとは別の高さのエリア、又はこれらの組合せである。いくつかの実施例では、サーバは、倉庫管理システム、注文サーバ、独立型サーバ、複数のロボットのうちの少なくとも2台のメモリを備える分散型システム、又はこれらの組合せのうちの1つ又は複数をさらに備える。
【0018】
本発明のこうした特徴及び他の特徴は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】注文履行倉庫の上面図である。
図2A図1に示す倉庫内で使用されるロボットのうちの1台の、基部の正面図である。
図2B図1に示す倉庫内で使用されるロボットのうちの1台の、基部の斜視図である。
図3】アーマチュアを装備し、図1に示す棚の前に停車した図2A及び図2Bのロボットの斜視図である。
図4】ロボットのレーザ・レーダを使用して作成された、図1の倉庫の部分的マップの図である。
図5】倉庫全体にわたって分散された基準マーカの場所を突き止めて、基準マーカのポーズを記憶するプロセスを示す流れ図である。
図6】基準識別表示をポーズにマッピングした表である。
図7】箱の場所を基準識別表示にマッピングした表である。
図8】製品のSKUをポーズにマッピングするプロセスを示す流れ図である。
図9】本発明の方法及びシステムで使用する、ロボットシステムの一実施例の構成図である。
図10】複数のゾーンに分割された環境のマップの図である。
図11】例示的なコンピュータ処理システムの構成図である。
図12】例示的な分散型ネットワークのネットワーク図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示並びにその様々な特徴及び利点の詳細を、添付図面に記載及び/又は例示され、以下の説明で詳述される非限定的な実施例及び実例を参照して、より完全に説明する。図面に示した特徴は、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではなく、一実施例の特徴は、本明細書で明示的に述べられていない場合でも、当業者が認識するはずである他の実施例と共に使用され得ることに留意されたい。よく知られている構成要素及び処理技法の説明は、本開示の実施例を不必要に不明瞭にしないために、省略される場合がある。本明細書で使用される実例は、本開示が実施され得るやり方を容易に理解させること、及び当業者が本開示の実施例を実施するのをより一層可能にすることを、単に意図している。したがって、本明細書の実例及び実施例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通して同様の部分を表すことに留意されたい。
【0021】
本発明は、ロボット誘導管理に関する。どんな特定のロボットの用途にも限定されるものではないが、本発明が使用され得る1つの好適な用途は、注文の履行である。この用途でのロボットの使用法について説明し、ロボット誘導管理に関する状況を提示することにするが、その用途に限定されるものではない。
【0022】
図1を参照すると、典型的な注文履行倉庫10には、注文に含まれる可能性がある様々な物品で満たされた棚12が含まれる。動作中、倉庫管理サーバ15から注文16が入ってくる流れが、注文サーバ14に到着する。注文サーバ14は、とりわけ、誘導プロセス中のロボット18に割り当てるために、注文に優先順位を付けてグループ化することができる。ロボットが、処理ステーション(たとえば、ステーション100)で、操作者によって誘導されるとき、注文16がロボット18に割り当てられ、実行するために無線で伝達される。注文サーバ14は、倉庫管理システム・サーバ15及び倉庫管理ソフトウェアと相互運用するよう構成された、個別のソフトウェア・システムを備える別々のサーバであってもよく、又は注文サーバの機能が、倉庫管理ソフトウェアに統合され、倉庫管理サーバ15上で稼働してもよいことが、当業者には理解されよう。
【0023】
好ましい実施例では、図2A及び図2Bに示すロボット18は、レーザレーダ22を具備する自律型車輪付き基部20を備える。基部20は、ロボット18が注文サーバ14及び/又は他のロボットからの命令を受信及びデータを送信するのを可能にするトランシーバ(図示せず)、及び1対のデジタル光学カメラ24a及び24bも特徴とする。ロボットの基部はまた、自律型車輪付き基部20に給電する、バッテリを再充電するための充電ポート26も備える。基部20はさらに、ロボットの環境を表す情報を取り込むために、レーザ・レーダ及びカメラ24a及び24bからデータを受信するプロセッサ(図示せず)を特徴とする。図3に示すように、倉庫10内の誘導に関連する様々なタスクを実行するばかりでなく、棚12上に配置された基準マーカ30へ移動するための、プロセッサと共に動作するメモリ(図示せず)がある。基準マーカ30(たとえば、2次元バー・コード)は、注文された物品の大箱/場所に対応する。本発明の誘導手法については、図4図8に関連して以下で詳細に説明する。基準マーカはまた、この発明の態様にしたがって充電ステーションを識別するために使用され、かかる充電ステーションの基準マーカへの誘導は、注文された物品の大箱/場所への誘導と同じである。ロボットが充電ステーションに移動すると、より正確な誘導手法を使用してロボットを充電ステーションにドッキングする。かかる誘導手法については、以下で説明する。
【0024】
再び図2Bを参照すると、基部20は、物品を運ぶためにトート又は大箱が格納され得る上面32を備える。その1つを図3に示す、複数の交換可能なアーマチュア40のいずれか1つと係合する、連結部34も示している。図3の特定のアーマチュア40は、物品を収容するトート44を運ぶためのトート保持器42(この場合は棚)、及びタブレット48を支持するためのタブレット保持器46(又はラップトップ/他のユーザ入力デバイス)を特徴とする。いくつかの実施例では、アーマチュア40は、物品を運ぶための1つ又は複数のトートを支持する。他の実施例では、基部20は、収容された物品を運ぶための1つ又は複数のトートを支持する。本明細書で使用する用語「トート」は、貨物保持器、大箱、籠、棚、そこから物品を吊るすことができる竿、缶、木枠、置き棚、台、架台、コンテナ、箱、キャニスタ、容器、及び収納庫を含むが、これらに限定されるものではない。
【0025】
ロボット18は、現在のロボット技術では、倉庫10内を動き回るのには優れているが、ロボットが対象物を操作することに関連する技術的な難しさのため、棚から物品を迅速且つ効率的にピッキングして、物品をトート44内に配置することはあまり得意ではない。物品をピッキングするより効率的なやり方は、注文された物品を棚12から物理的に取り外し、ロボット18の上、たとえばトート44内に物品を置くというタスクを実行する、通常は人間である構内操作者50を使用することである。ロボット18は、構内操作者50が読み取ることができるタブレット48(又はラップトップ/他のユーザ入力デバイス)を介して、又は構内操作者50が使用する携帯用デバイスに注文を送信することによって、構内操作者50に注文を伝達する。
【0026】
ロボット18は、注文サーバ14から注文16を受信すると、たとえば図3に示す、倉庫の最初の場所に進む。ロボットは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行される誘導ソフトウェアに基づいて進む。誘導ソフトウェアは、レーザ・レーダ22、特定の物品を見つけることができる、倉庫10内の場所に対応する基準マーカ30の基準識別表示(「ID」)を識別するメモリ内の内部テーブル、並びに誘導するためのカメラ24a及び24bによって収集される、環境に関するデータに依存する。
【0027】
正しい場所(ポーズ)に到着すると、ロボット18は、物品が保管されている棚12の前にロボット自体を停車させ、構内操作者50が物品を棚12から取り出してトート44の中に入れるのを待つ。ロボット18が他に取り出す物品を有する場合は、その場所に進む。次いで、ロボット18によって取り出された物品は、図1の処理ステーション100に送られ、そこで梱包され出荷される。処理ステーション100は、この図に関して、ロボットを誘導し、荷降ろし/梱包することができると説明されてきたが、ロボットが、ステーションで、誘導又は荷降ろし/梱包のいずれかが行われるよう構成されてもよい。すなわち、ロボットが、単一の機能の実行に制限されていてもよい。
【0028】
当業者は、各ロボットが1つ又は複数の注文を履行している場合があり、各注文が1つ又は複数の物品で構成される場合があることを理解されよう。通常、効率を高めるために何らかの形のルート最適化ソフトウェアが含まれることになるが、これはこの発明の範囲を超えるものであり、したがって本明細書では説明しない。
【0029】
本発明の説明を簡略化するために、単一のロボット18及び操作者50で説明する。しかし、図1から明らかなように、典型的な履行操作には、連続した注文の流れを履行するために、倉庫内で互いに作業する多くのロボット及び操作者が含まれる。
【0030】
この発明の基本誘導手法ばかりでなく、物品が位置する倉庫内の基準マーカに関連付けられた基準ID/ポーズへの、取り出されるべき物品のSKUのセマンティック・マッピングについても、図4図8に関連して以下で詳細に説明される。
【0031】
1台又は複数のロボット18を使用して、倉庫10のマップを作成する必要があり、また倉庫全体にわたって分散された、様々な基準マーカの場所を判断する必要がある。これを行うために、ロボット18のうちの1台又は複数が、倉庫を移動しながら、ロボットのレーザ・レーダ22、及び未知の環境のマップを構築又は更新する演算問題である、自己位置推定と環境マップ作成との同時実行(SLAM:simultaneous localization and mapping)を利用して、図4のマップ10aを構築/更新する。一般的なSLAMの近似解法には、粒子フィルタ及び拡張カルマン・フィルタが含まれる。SLAM GMapping手法が好適な手法であるが、任意の好適なSLAM手法を使用できる。
【0032】
ロボット18は、ロボットのレーザ・レーダ22を利用して、スペース全体にわたって移動し、レーザ・レーダが環境をスキャンするときに受信する反射に基づいて、オープン・スペース112、壁114、物体116、及びスペース内の棚12などの、他の静的障害物を識別して、倉庫10のマップ10aを作成する。
【0033】
マップ10aを構築しながら、(又はその後にマップ10aを更新しながら)、1つ又は複数のロボット18は、カメラ26を使用して倉庫10全体にわたって移動し、環境をスキャンし、倉庫全体に分散され、物品が保管される図3の32及び34などの大箱の近位にある棚の上の基準マーカ(2次元バー・コード)の場所を探し出す。ロボット18は、原点110などの既知の始点又は原点を、基準として使用する。ロボット18が、図3及び図4の基準マーカ30などの基準マーカの場所を、ロボットのカメラ26を使用して探し出すと、倉庫内の原点110に対する場所が決定される。
【0034】
ホイール・エンコーダ及び方位センサを使用することにより、ベクトル120及び倉庫10内のロボットの位置を判断できる。ロボット18は、基準マーカ/2次元バー・コードの取り込まれた画像及びその既知のサイズを使用して、基準マーカ/2次元バー・コードの、ロボットに対する向き及びロボットからの距離、つまりベクトル130を判断することができる。ベクトル120及び130が既知であれば、原点110と基準マーカ30との間のベクトル140を判断することができる。ベクトル140、及びロボット18に対する基準マーカ/2次元バー・コードの判断された向きから、基準マーカ30の4元数(x、y、z、ω)で定義されるポーズ(位置と向き)を判断することができる。
【0035】
基準マーカ位置特定プロセスを説明する、図5の流れ図200について説明する。これは、初期のマッピング・モードで、ロボット18がピッキング、配置、及び/又は他のタスクを実行中に、倉庫内の新しい基準マーカに遭遇すると実行される。ステップ202で、カメラ26を使用するロボット18が画像を取り込み、ステップ204で、取り込まれた画像内の基準マーカを探索する。基準マーカが画像内で発見された場合(ステップ204)、ステップ206で、基準マーカが、ロボット18のメモリ34にある図6の基準テーブル300に既に記憶されているかどうかを判断する。基準情報が既にメモリに記憶されている場合、流れ図はステップ202に戻り、別の画像を取り込む。基準情報がメモリ内にない場合、ポーズが、上記のプロセスにしたがって判断され、ステップ208で、基準対ポーズのルックアップ・テーブル300に追加される。
【0036】
各ロボットのメモリに記憶され得るルックアップ・テーブル300には、基準マーカごとに基準識別表示1、2、3など、及び各基準識別表示に関連付けられた基準マーカ/バー・コードのポーズが含まれる。ポーズは、向きを含む倉庫内のx、y、z座標、又は4元数(x、y、z、ω)で構成される。
【0037】
各ロボットのメモリにも記憶され得る図7の別のルックアップ・テーブル400は、倉庫10内の大箱の場所(たとえば、402a~f)を列挙したものであり、大箱の場所は、特定の基準ID404、たとえば番号「11」と関連付けられている。この実例では、大箱の場所は7つの英数字で構成されている。最初の6文字(たとえばL01001)は、倉庫内の棚の場所に関連し、最後の文字(たとえばA~F)は、棚の場所にある個々の大箱を特定する。この実例では、基準ID「11」に関連付けられた6つの相異なる大箱の場所がある。各基準ID/マーカに関連付けられた、1つ又は複数の大箱があり得る。
【0038】
英数字の大箱の場所は、物品が保管される倉庫10内の物理的場所に一致するので、人間、たとえば図3の操作者50には理解可能である。ただし、ロボット18には無意味である。場所を基準IDにマッピングすることにより、ロボット18は、図6の表300の情報を使用して基準IDのポーズを判断し、次いで、本明細書で説明するようにポーズに移動できる。
【0039】
この発明による注文履行プロセスが、図8の流れ図500に示されている。ステップ502で、注文サーバ14は、倉庫管理システム15から、取り出されるべき1つ又は複数の物品で構成され得る注文を取得する。注文割当てプロセスはかなり複雑であり、この開示の範囲を超えていることに留意されたい。かかる注文割当てプロセスの1つは、2016年9月1日に出願された、共通所有されている米国特許出願第15/807,672号、名称「Order Grouping in Warehouse Order Fulfillment Operations」に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。ロボットは、単一のロボットが複数の注文を実行できるように、箱又は区画ごとに1つずつ、トート・アレイ群を有することができることにも留意されたい。かかるトート・アレイ群の実例は、2016年9月1日に出願された、米国特許出願第15/254,321号、名称「Item Storage Array for Mobile Base in Robot Assisted Order-Fulfillment Operations」に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0040】
続けて図8を参照すると、ステップ504で、物品のSKU番号が倉庫管理システム15によって判断され、ステップ506で、SKU番号から大箱の場所が判断される。次いで、注文の大箱の場所のリストがロボット18に送信される。ステップ508で、ロボット18は、大箱の場所を基準IDと関連付け、ステップ510で、基準IDから各基準IDのポーズを取得する。ステップ512で、ロボット18は、図3に示すようなポーズに移動し、そこで操作者は、適切な大箱から取り出されるべき物品をピッキングして、ロボット上に置くことができる。
【0041】
倉庫管理システム15/注文サーバ14によって取得されたSKU番号及び大箱の場所など、物品固有の情報が、ロボット18のタブレット48に送信されてもよく、それにより操作者50は、ロボットが各基準マーカの場所に到着したときに、取り出されるべき特定の物品について知ることができる。
【0042】
SLAMのマップ及び既知の基準IDのポーズを用いて、ロボット18は、様々なロボット誘導技法を使用して、基準IDのいずれか1つに容易に移動できる。好ましい手法は、倉庫10内のオープン・スペース112、並びに壁114、棚(棚12など)、及び他の障害物116の知識を前提として、基準マーカのポーズへの初期ルートを設定することを含む。ロボットは、ロボットのレーザ・レーダ26を使用して倉庫を移動し始めると、他のロボット18及び/又は操作者50などの固定の又は動的な任意の障害物がロボットの経路にあるかどうかを判断し、基準マーカのポーズへのロボットの経路を繰り返し更新する。ロボットは、約50ミリ秒ごとに1回、ロボットのルートを再計画し、障害物を回避しながらも最も効率的で効果的な経路を常に探索する。
【0043】
その両方を本明細書で説明する、SLAM誘導技法と組み合わせた製品のSKU/基準IDから基準ポーズへのマッピング技法を用いて、ロボット18は、通常使用される、倉庫内の場所を判断するためのグリッド線及び中間基準マーカを必要とする、より複雑な誘導手法を使用する必要なく、非常に効率的且つ効果的に倉庫の空間を移動できる。
【0044】
ロボット18は、SLAMのマップ及び既知の基準IDのポーズを用い、様々なロボット誘導技法を使用して、基準のいずれか1つに容易に移動できる。好ましい手法は、倉庫10内のオープン・スペース112、並びに壁114、棚(棚12など)、及び他の障害物116の知識を前提として、基準マーカのポーズへの初期ルートを設定することを含む。ロボットは、ロボットのレーザ・レーダ22を使用して倉庫を移動し始めると、他のロボット18及び/又は作業者50などの固定の又は動的な任意の障害物が、ロボットの経路にあるかどうかを判断し、基準マーカのポーズへのロボットの経路を繰り返し更新する。ロボットは、約50ミリ秒ごとにルートを再計画し、障害物を回避しながらも最も効率的で効果的な経路を常に探索する。倉庫内でのロボットの自己位置推定は、たとえば、SLAMのマップ上で動作する多対多の多分解能スキャン・マッチング(M3RSM:many-to-many multiresolution scan matching)によって実現することができる。M3RSMは、2019年8月20日に登録された米国特許第10,386,851号、名称「MULTI-RESOLUTION SCAN MATCHING WITH EXCLUSION ZONES」で説明されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。同様に、2019年10月1日に登録された米国特許第10,429,847号、名称「DYNAMIC WINDOW APPROACH USING OPTIMAL RECIPROCAL COLLISON AVOIDANCE COST-CRITIC」における説明を、使用することができる。
【0045】
図9は、本明細書で説明されるロボット誘導システムで使用するための、ロボット18の一実施例のシステム図を示している。ロボット・システム600は、データ・プロセッサ620、データ記憶部630、処理モジュール640、及びセンサ補助モジュール660を備える。処理モジュール640は、だから経路計画モジュール642、駆動制御モジュール644、マップ処理モジュール646、自己位置推定モジュール648、及び状態推定モジュール650を備えることができる。センサ補助モジュール660は、測距センサ・モジュール662、駆動トレイン/ホイール・エンコーダ・モジュール664、及び慣性センサ・モジュール668を備え得る。
【0046】
データ・プロセッサ620、処理モジュール640、及びセンサ補助モジュール660は、ロボット・システム600について本明細書で図示し、又は説明した構成要素、デバイス、又はモジュールのいずれとも通信することができる。トランシーバ・モジュール670は、データを送受信するために備えられ得る。トランシーバ・モジュール670は、監視システムとの間で、又は1台の若しくは他の複数のロボットとの間で、データ及び情報を送受信することができる。送受信するデータには、マップ・データ、経路データ、探索データ、センサ・データ、場所及び方向データ、速度データ、処理モジュールの命令又はコード、ロボットのパラメータ及び環境設定、並びにロボット・システム600の動作に必要な他のデータが含まれ得る。
【0047】
いくつかの実施例では、測距センサ・モジュール662は、走査レーザ、レーダ、レーザ距離計、距離計、超音波障害物検出器、立体視システム、単眼視システム、カメラ、及び撮像ユニットのうちの1つ又は複数を備えることができる。測距センサ・モジュール662は、ロボットの周りの環境をスキャンして、ロボットに対する1つ又は複数の障害物の場所を判断することができる。いくつかの実施例では、駆動トレイン/ホイール・エンコーダ664は、ホイール位置をエンコードする1つ又は複数のセンサと、1つ又は複数のホイール(たとえば、地面に係合するホイール)の位置を制御するアクチュエータとを備える。ロボット・システム600はまた、速度計、レーダ・ベースのセンサ、又は回転速度センサを含む、対地速度センサを備えることができる。回転速度センサは、加速度計と積分器との組合せを含むことができる。回転速度センサは、データ・プロセッサ620又はその任意のモジュール向けに観測された回転速度を供給できる。
【0048】
いくつかの実施例では、センサ補助モジュール660は、速度、並進、位置、回転、高さ、方位、及び慣性データの瞬間的な測定値の時間の経過に伴う履歴データを含む、並進データ、位置データ、回転データ、高さデータ、慣性データ、及び方位データを供給することができる。並進速度又は回転速度は、ロボットの環境内の1つ又は複数の固定基準点又は静的対象物を参照して検出できる。並進速度は、ある方向の絶対速度として、又はロボットの位置対時間の1次導関数として表すことができる。回転速度は、角度単位の速度として、又は1次導関数若しくは角度位置対時間として表すことができる。並進及び回転速度は、原点0,0(図4)、及び絶対座標系又は相対座標系に対応する0度の方向に対して表すことができる。処理モジュール640は、ロボットの観測された回転速度を推定するために、検出された回転速度と組み合わせて、観測された並進速度(又は位置対時間の測定値)を使用できる。
【0049】
いくつかの実施例では、自律型ロボット又は半自律型ロボットによる移動は、ロボットの環境の何らかの形の空間モデルを必要とする。空間モデルについては、米国特許第10,386,851号でさらに説明されている。空間モデルは、ビットマップ、対象物のマップ、目印のマップ、及び他の形式の2次元及び3次元のデジタル画像で表すことができる。倉庫施設の空間モデルは、倉庫、並びに壁、天井、屋根支持体、窓及び扉、棚及び保管箱などの内部の障害物を表すことができる。障害物は、据付型か、たとえば倉庫内で動作する他のロボット若しくは機械など、移動するものか、又は一時的な仕切り、パレット、棚、及び箱など、比較的固定されているが、倉庫のアイテムが貯蔵され、ピッキングされ、補充されるときに変化するものであり得る。空間モデルは、ロボットがタスクを実行するために方向付けされ得る基準、又は一時的に保持する場所若しくは充電ステーションの場所に至るまでの基準でマークされた、棚又は箱などの目標とする場所を表すこともできる。空間モデルには、障壁、横切る敷居、及びRFIDトンネルなどの、仮想障害物及び物体も含まれ得る。
【0050】
いくつかの実施例では、ロボットは、マップを使用して、環境内でのロボットのポーズを判断し、障害物を回避しながらの、経路に沿ったロボットの移動を計画及び制御することができる。かかるマップは、ロボット若しくは目標場所のすぐ近くの空間的特徴を表す「ローカル・マップ」、又は1つ又は複数のロボットの動作範囲を含むエリア若しくは施設の特徴を表す「グローバル・マップ」であり得る。マップは、外部監視システムからロボットに与えられてもよく、又はロボットが、内蔵された測距及び位置特定センサを使用してマップを構築してもよい。1台又は複数台のロボットが、共有環境を協調的にマッピングすることができ、その結果得られたマップは、ロボットが移動し、環境に関する情報を収集し、且つ共有するので、さらに改良される。
【0051】
いくつかの実施例では、監視システムは、本明細書に記載している方法及びシステムの用途の一般性を失うことなく、製造倉庫若しくは他の施設内の複数のロボットの監視を実行する中央サーバを備えてもよく、又は監視システムは、施設内又は施設外で、完全に若しくは部分的に遠隔で動作する、1台又は複数台のサーバで構成される分散型監視システムを備えてもよい。監視システムは、監視システムを実行するために、少なくともコンピュータ・プロセッサ及びメモリを具備する1台又は複数台のサーバを備えることができ、倉庫又は他の施設で動作する1台又は複数台のロボットと情報を通信するための、1つ又は複数のトランシーバをさらに備えることができる。監視システムは、コンピュータ・サーバ上にホストされてもよく、又はクラウドでホストされてもよく、ロボットと監視システムとの間で、インターネットを含む有線及び/又は無線の通信媒体を介して、メッセージを送受信するよう構成されたローカルのトランシーバによって、ローカルのロボットと通信する。
【0052】
当業者は、本発明の目的のためのロボットのマッピングが、一般性を失うことなく、当技術分野で既知の方法を使用して実行できることを認識するであろう。ロボットのマッピング方法のさらなる議論については、Sebastian Thrunの「Robotic Mapping:A Survey」、カーネギ-メロン大学、CMU-CS-02-111、2002年2月に見ることができ、参照により本明細書に組み入れられている。
【0053】
ロボット誘導管理
倉庫などの一部の誘導空間又は環境は、2つ以上のゾーンに分割することができる。かかるゾーンには、たとえば、より高いセキュリティを必要とする製品のための安全なエリア、冷凍庫などの温度管理されたエリア、特定の種類の商品のためのエリア、又は隣接するエリアとは別の高さのエリアが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。ゾーンには、たとえば、上記で説明されたように、注文に含まれることになる物品で満たされた棚12を備えることができる。ゾーンは、たとえば、環境内でのロボットの急速な移動に対応するために、棚又は他の障害物がない状態であり得る。
【0054】
ゾーンは、固定された壁又は可動仕切りなど、物理的障壁によって区切ることができる。ゾーンは、物理的障壁が存在しない、仮想障壁によって区切ることができる。物理的障壁は、そこに扉又は他の可動区切りを備えることができる。様々な高さの隣接するゾーンには、傾斜床又はエレベータを使ってアクセス可能であり得る。
【0055】
本明細書では、ロボット18を、2箇所以上のゾーンに分割された環境を移動可能にするための、ロボット誘導管理システム及び方法について説明される。図10は、5箇所のゾーン901、902、903、904、905に分割されている、誘導空間又は環境900を示すマップである。環境は、任意の所望の数及び種類のゾーンに分割できることが理解されよう。隣接するゾーン間の境界は、物理的障壁、仮想障壁、又はこれらの組合せによって定めることができる。図10に示されているように、第1のゾーン901は、図9の実線912、914によって示された壁などの物理的障壁によって、第2のゾーン902及び第3のゾーン903から区切られている。扉932が、壁914に設けられ、ロボット若しくは人間の通過を可能にするために開くことができるか、又はロボット若しくは人間の通過を防止するために閉じることができる。第2のゾーン902と第3のゾーン903との間の境界は、実線で示される物理的な壁918によって部分的に定められており、また破線で示される仮想障壁918によって、部分的に定められている。第3のゾーン903と第4及び第5のゾーン904、905との間の境界は、破線で示される仮想障壁922によって定められている。同様に、第4のゾーン904と第5のゾーン905との間の境界は、破線で示される仮想障壁924によって定められている。
【0056】
マップは、ロボット18又は人間50が1つのゾーンから隣接するゾーンまで進むことができる、境界を通る通路又は敷居も示している。図10に示されている実施例では、第1のゾーン901と第3のゾーン903との間の壁914の扉932が、境界に沿った敷居942に位置している。仮想敷居944は、第2のゾーン902と第3のゾーン903との間の境界を形成する仮想障壁918、及び第3のゾーン903と第4のゾーン904との間の境界を形成する仮想障壁に位置している。2つの仮想敷居946、948は、第3のゾーン903と第5のゾーン905との間の境界を形成する仮想障壁922に位置している。敷居を横切るロボットの追跡を可能にするためのRFIDトンネルであり得る敷居952は、第3のゾーン903と第5のゾーン905との間に位置している。敷居は、第1のゾーン901と第2のゾーン902との間の物理的障壁、又は第4のゾーン904と第5のゾーン905との間の仮想障壁には、配置されていない。仮想障壁を設けることにより、物理的な壁を立てる必要なしに、倉庫を区画することができる。必要に応じて仮想障壁を変更することにより、区画を変更することができる。さらに、示されているように、たとえばゾーン905の場合、ゾーン905の入口に示されているRFIDトンネルを通る、ゾーン905へのロボットの進入を追跡することが可能である。
【0057】
敷居は、両方向又は一方向だけにロボットの通過が可能になるように、画定することができる。たとえば、敷居932及び946は、双方向矢印で示される、両方向への通過を可能にするよう画定されている。敷居952は、ゾーン903からゾーン905への、一方向の通過を可能にするよう画定され、敷居948は、ゾーン905からゾーン903への、逆方向の通過を可能にするよう画定されている。
【0058】
少なくとも1箇所の経由地点が、各敷居に関連付けられる。いくつかの実施例では、2箇所の経由地点が各敷居に関連付けられる。いくつかの実施例では、経由地点は、境界から距離を置いた場所に画定することができる。いくつかの実施例では、経由地点を、敷居に沿った境界上に画定することができる。いくつかの実施例では、敷居に沿った境界の両側の場所に間隔を置いて配置された、敷居に関連する2箇所の経由地点を画定することができる。いくつかの実施例では、たとえば、通路に沿った効率的な一方向の移動を可能にするために、2箇所の経由地点が、敷居を横切る通路の始点及び終点を画定することができる。
【0059】
経由地点は、図4に関して上記で説明されたように、原点110を基準にして画定することができる。したがって、各経由地点は、少なくともx及びy座標、又はx、y、及びz座標で画定することができる。各ロボット18は、各経由地点の座標を示し、これによってロボットの各経由地点への誘導を可能にする、メモリに記憶されたルックアップ・テーブルを備える。ルックアップ・テーブルには、各経由地点に関連付けられたポーズも含まれ得る。ルックアップ・テーブルには、したがって、上記で説明されたように、向き又は4元数(x、y、z、ω)が含まれ得る。いくつかの実施例では、基準マーカを、1つ又は複数の経由地点に関連付けることができるが、経由地点に関連付けられた基準マーカは、本明細書にされているロボットの誘導には必要ない。図4に関連して上記で説明されたように、経由地点の座標を備えるロボットは、たとえば、ホイール・エンコーダ及び方位センサを使用して、その経由地点に移動することができる。ロボットは、所望の経由地点に到達すると、その経由地点に関連付けられた所望のポーズの場所に、向きを合わせることができる。
【0060】
かかる誘導を管理するために、図10に示されているように、倉庫管理システム・サーバ又は注文サーバは、マップ900を備えることができる。環境内を移動しようとする各ロボット18は、サーバと通信する。概して、各ロボット18が誘導空間内で動作している限り、上記で説明されたように、ロボットは、順序付けられたタスク・リストの1つ又は複数のタスクを履行するよう動作することができる。各ロボットは、所定のタスク・リストに基づいて、上記で説明された、ロボットが敷居の横断を必要とする場合がある、最適化されたルートを判断することができる。ロボットは、たとえば、上記で説明された経路計画モジュール642及び経路探索アルゴリズム(pathfinder algorithm)を利用することができる。
【0061】
いくつかの実施例では、ロボットは経由地点を通過し、停止することなく敷居を横断するよう構成され得る。いくつかの実施例では、ロボットは、経由地点に到着すると、敷居を横断する前に一時停止するよう構成され得る。いくつかの実施例では、ロボットは、経由地点で一時停止した後、敷居を横切る前に、上記で説明されたように、たとえばカメラ、レーザ検出器、若しくはレーダ検出器、又はこれらの組合せを使用して、敷居に往来がないかどうかを判断することができる。いくつかの実施例では、ロボットは、経由地点に到着すると、敷居を横断するかどうかに関して、ロボット監視サーバからさらなる命令又はコマンドを受信することができる。かかる命令又はコマンドは、サーバから自動的に、又はロボットからの要求に応じてプッシュされ得る。ロボットの、経由地点通過又は一時停止を必要とすることにより、ロボットがゾーンの境界(物理的又は仮想的)を横切って通過するよう指示する、敷居を横切るロボットの誘導が制御される。
【0062】
いくつかの実施例では、ロボットは、敷居を横断するのを待っているロボットの待ち行列に加わるよう構成され得る。たとえば、経由地点を画定するポーズの場所に、別のロボットが既に一時停止している場合がある。また、他の1台又は複数台のロボットが、やはり適切なタイミングで敷居を横切るために、待ち行列の場所で待っている場合がある。新しく到着したロボットは、経由地点のポーズの場所からずれた、及び/又は敷居を横断するために待ち行列で待っている他のロボットのポーズの場所からずれた、待ち行列のスロット又は場所に加わることができる。ロボットが待ち行列に入ることは、たとえば、誘導サーバ又は倉庫管理サーバ15によって制御され得る。
【0063】
たとえば、1台又は複数台のロボットが、別のロボットが占有する空間に移動しようとすると、ロボットの代替の目的地が生成され、ロボットを待ち行列に入れ、「競合状態」の発生を回避する。別のロボットが占有空間に移動しようとすると、ロボットは、占有されているポーズからずれた、一時的に保持する場所又は待ち行列のスロットへ向きを変えられる。待ち行列のスロットの場所は、倉庫の動的な環境を考慮すると、均一でなく、可変であり得る。待ち行列のスロットは、基になるグローバル・マップ、並びにローカル・マップの既存の障害物及び制約を観察する待ち行列アルゴリズムに従って、ずらすことができる。待ち行列アルゴリズムは、通行を妨げること、他の場所の邪魔をすること、及び新しい障害物を作り出すことを回避するために、目標とする場所/ポーズに近接した空間での、待ち行列に入ることの実際的な制限も考慮することができる。
【0064】
加えて、ロボットが適切に待ち行列のスロットへ入ることを管理でき、これにより、ポーズを占有するための第1優先度を有するロボットが、第1の待ち行列のスロットに入ることができるのに対して、他のロボットは、それぞれの優先度に基づいて、他の待ち行列のスロットに入る。優先度は、ロボットが、ポーズに近接したゾーンに入る順序によって判断され得る。ロボットが、ポーズ(目標とする場所)から移動すると、次のロボットが、待ち行列のスロットからポーズへ移動し、他のどのロボットも、それぞれ待ち行列のスロットの位置に進むことができる。したがってロボットを、待ち行列のスロットへ、最終的には目標とする場所へ誘導するやり方は、ロボットを、目標とする場所のポーズから待ち行列のスロットのポーズへ、一時的に向きを変えることによって達成される。言い換えると、ロボットを待ち行列のスロットに配置する必要があると判断された場合、ロボットの目標とするポーズが、一時的に、ロボットが割り当てられた待ち行列のスロットの場所に対応するポーズへ調整される。ロボットが、待ち行列内での場所が前進するとき、ポーズは、そのときにポーズが元の目標とするポーズに再設定される、元の目標とする場所にロボットが到達できるまで、次に優先度が高い待ち行列のスロットのポーズへ、再度一時的に調整される。待ち行列に入るロボットついて、2019年12月24日に登録された米国特許第10,513,033号、名称「ROBOT QUEUING IN ORDER FULFILLMENT OPERATIONS」でさらに説明されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
いくつかの実施例では、ルートは、ロボットの、隣接するゾーンの高さとは相異なる高さのゾーンへの移動を必要とする場合がある。いくつかの実施例では、敷居は、ゾーン間の傾斜面又は傾斜部を横切ることができる。いくつかの実施例では、傾斜の程度に応じて、2つの経由地点が、敷居を横切る傾斜に沿った通路の始点及び終点を画定することができる。いくつかの実施例では、ロボットをあるゾーンから別のゾーンに移送するために、エレベータを設けることができる。ロボットが、エレベータに関連付けられた経由地点に到着でき、またエレベータを呼び、エレベータの扉を開けるための要求及び/又は命令を発行することができ、これによりロボットが、エレベータに入り、エレベータを次のゾーンへ向けることができるように、エレベータの扉で敷居を画定することができる。
【0066】
さらなる説明として、仮想障壁に画定された敷居がない場合、ロボットは、物理的障壁の端部の近くを通過するルートが、目的地への最短ルートであると判断する可能性がある。たとえば、図9に破線で示されるロボット18’は、壁の端部の近くを通過し、より短く、より効率的なルートを取ることが示されている。ただし、ルートをより短くすると、一層渋滞が増えるという結果をもたらすか、さもなければ望ましからざる状態となる可能性がある。したがって、この場合、壁の端部から境界に沿ってさらに間隔を置いた所定の場所に、敷居及び関連する経由地点を画定することにより、ロボット18’は、敷居の経由地点を通過するか、又は敷居の経由地点で一時停止するルートを取らざるを得なくなる。したがって、ロボットが通常とるであろう、あまり望ましくないが恐らくより可能性が高いルートは、回避される。
【0067】
サーバは、ロボット及び/又は人間の作業者の倉庫内での活動を追跡でき、たとえば、倉庫管理システム15、注文サーバ14、独立型サーバ、サーバのネットワーク、クラウド、ロボットのタブレット48のプロセッサ及びメモリ、ロボット18の基部20のプロセッサ及びメモリ、ロボットのタブレット48及び/又は基部20のうちの少なくとも2つの、メモリ及びプロセッサを備える分散型システムを含む、任意のサーバ又はコンピュータ処理デバイスであり得る。いくつかの実施例では、経由地点情報は、ロボット監視サーバ902からロボット18に自動的にプッシュすることができる。他の実施例では、経由地点情報は、ロボット18からの要求に応答して送信することができる。
【0068】
したがって、誘導管理システム及び方法は、有利なことに、ゾーンに分割されている誘導空間を通して、より効率的に、より低い衝突リスクでロボットを導くことができ、ロボットのタスク完了の非効率的な遅延を防ぐことができる。
【0069】
非限定的で例示的なコンピュータ処理デバイス
図10は、図1図9を参照して上記で説明された様々な実施例に従って、使用され得る例示的なコンピュータ処理デバイス1210、又はコンピュータ処理デバイスの一部の構成図である。コンピュータ処理デバイス1210には、例示的な実施例を実施するための、1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令又はソフトウェアを記憶する、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体が含まれる。非一時的コンピュータ可読媒体には、1つ又は複数のタイプのハードウェア・メモリ、非一時的有形媒体(たとえば、1つ又は複数の磁気記憶ディスク、1つ又は複数の光ディスク、1つ又は複数のフラッシュ・ドライブ)などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。コンピュータ処理デバイス1210に含まれるメモリ1216は、たとえば、本明細書で開示されている動作を実行するための、コンピュータ可読且つコンピュータ実行可能命令又はソフトウェアを記憶することができる。メモリは、たとえば、図1図9に関連して論じられた、開示された様々な動作を実行するようプログラムされた、ソフトウェア・アプリケーション1240を記憶することができる。コンピュータ処理デバイス1210には、メモリ1216に記憶されたコンピュータ可読でコンピュータ実行可能な命令又はソフトウェア、及びシステム・ハードウェアを制御する他のプログラムを実行するために、設定可能及び/又はプログラム可能なプロセッサ1212及び関連するコア1214、並びに任意選択で、1つ又は複数の追加の設定可能及び/又はプログラム可能な処理デバイス、たとえばプロセッサ1212’及び関連するコア1214’(たとえば、複数のプロセッサ/コアを有する計算デバイスの場合)も含まれ得る。プロセッサ1212及びプロセッサ1212’はそれぞれ、シングル・コアのプロセッサ又はマルチ・コア(1214及び1214’)のプロセッサであり得る。
【0070】
コンピュータ処理デバイス内の基礎構造及びリソースを動的に共有できるように、コンピュータ処理デバイス1210で、仮想化を使用することができる。仮想マシン1224は、プロセスが、複数のコンピュータ処理リソースではなく、ただ1つのコンピュータ処理リソースだけを使用していると見えるように、複数のプロセッサ上で稼働するプロセスを扱うために設けられ得る。1つのプロセッサで、複数の仮想マシンを使用することもできる。
【0071】
メモリ1216には、これらに限定されるものではないが、DRAM、SRAM、EDO RAMなどの計算デバイス・メモリ又はランダム・アクセス・メモリが含まれ得る。メモリ1216には、さらに他のタイプのメモリ、又はそれらの組合せも含まれ得る。
【0072】
ユーザは、例示的な実施例に従って実現され得る、1つ又は複数のユーザ・インタフェース1202を表示できる、コンピュータ・モニタなどの視覚表示デバイス1201、111A~Dを介して、コンピュータ処理デバイス1210と相互作用することができる。コンピュータ処理デバイス1210には、ユーザから入力を受け取るための他のI/Oデバイス、たとえば、キーボード又は任意の好適な多点接触式インタフェース1218、ポインティング・デバイス1220(たとえば、マウス)が含まれ得る。キーボード1218及びポインティング・デバイス1220は、視覚表示デバイス1201に結合され得る。コンピュータ処理デバイス1210には、他の好適な従来のI/O周辺デバイスが含まれ得る。
【0073】
コンピュータ処理デバイス1210には、データ、並びに本明細書に開示されている動作を実行する、コンピュータ可読命令及び/又はソフトウェアを記憶するための、ハードドライブ、CD-ROM、又は他のコンピュータ可読媒体などであるがこれらに限定されるものではない、1つ又は複数の記憶デバイス1234も含まれ得る。例示的な記憶デバイス1234はまた、例示的な実施例を実施するのに必要な任意の好適な情報を記憶する、1つ又は複数のデータベースを記憶することができる。データベースは、データベース内の1つ又は複数の項目を追加、削除、及び/又は更新するために、任意の好適なタイミングで、手動で又は自動で更新され得る。
【0074】
コンピュータ処理デバイス1210には、1つ又は複数のネットワーク・デバイス1232を介して、1つ又は複数のネットワーク、たとえば、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、或いは標準電話回線、LAN若しくはWANリンク(たとえば802.11、T1、T3、56kb、X.25)、広帯域接続(たとえばISDN、フレーム・リレー、ATM)、無線接続、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN:controller area network)、又は上記のいずれか若しくはすべての何らかの組合せを含むがこれらに限定されるものではない、様々な接続を介したインターネットとインタフェースをとるよう構成された、ネットワーク・インタフェース1222が含まれ得る。ネットワーク・インタフェース1222には、組込ネットワーク・アダプタ、ネットワーク・インタフェース・カード、PCMCIAネットワーク・カード、カード・バス・ネットワーク・アダプタ、無線ネットワーク・アダプタ、USBネットワーク・アダプタ、モデム、又はコンピュータ処理デバイス1210が、通信して、本明細書で説明されている動作を実行できる、任意のタイプのネットワークとインタフェースをとるのに好適な、他の任意のデバイスが含まれ得る。さらに、コンピュータ処理デバイス1210は、ワークステーション、デスクトップ・コンピュータ、サーバ、ラップトップ、ハンドヘルド・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、又は通信が可能であり、本明細書で説明されている動作を実行するのに十分なプロセッサの能力及びメモリ容量を有する、他の形態のコンピュータ処理若しくは電気通信デバイスなどの、任意の計算デバイスであり得る。
【0075】
コンピュータ処理デバイス1210は、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティング・システム(Microsoft、Redmond、ワシントン州)の任意のバージョン、Unix及びLinux(登録商標)オペレーティング・システムの様々なリリース、MacintoshコンピュータのMAC OS(登録商標)(Apple,Inc.、Cupertino、カリフォルニア州)オペレーティング・システムの任意のバージョン、任意の組込オペレーティング・システム、任意のリアルタイム・オペレーティング・システム、任意のオープン・ソースのオペレーティング・システム、任意の独自のオペレーティング・システム、又はコンピュータ処理デバイス上で稼働し、本明細書で説明されている動作を実行できる、他の任意のオペレーティング・システムなど、任意のオペレーティング・システム1226を稼働させることができる。例示的な実施例では、オペレーティング・システム1226は、ネイティブ・モード又はエミュレーション・モードで稼働され得る。例示的な実施例では、オペレーティング・システム1226は、1つ又は複数のクラウド・マシン・インスタンス上で稼働され得る。
【0076】
図11は、ある分散型の実施例の、例示的な計算デバイスの構成図である。図1図9、及び上記の例示的な議論の一部は、それぞれが個別の又は共通のコンピュータ処理デバイス上で動作する、倉庫管理システム15、注文サーバ14、又はロボット追跡サーバ902を参照しているが、その代わりに、倉庫管理システム15、注文サーバ14、又はロボット誘導サーバのうちのいずれでも、ネットワーク1305を介して別々のサーバ・システム1301a~dに、及び場合によってはキオスク、デスクトップ・コンピュータ・デバイス1302、又は携帯型コンピュータ・デバイス1303などのユーザ・システムに、分散されてもよいことが認識されよう。たとえば、注文サーバ14は、ロボット18のタブレット48間で分散されてもよい。一部の分散型システムでは、倉庫管理システムのソフトウェア及び/又は注文サーバのソフトウェアのいずれか一方又は両方のモジュールは、サーバ・システム1301a~d上に別個に位置することができ、ネットワーク1305を介して互いに通信することができる。
【0077】
本発明の前述の説明により、当業者は、現在その最良の形態であると考えられるものを作成及び使用することができるが、当業者は、本明細書での具体的な実施例及び実例の変形、組合せ、及び同等物の存在を、理解及び認識するであろう。上記の本発明の実施例は、実例にすぎないことを意図している。当業者は、ここに添付される特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲から逸脱することなく、特定の実施例に対して変更、修正、及び変形を行うことができる。したがって、本発明は、上記で説明された実施例及び実例によって限定されない。
【0078】
本発明及びその好ましい実施例を説明してきたが、新規であるとして特許請求され、特許証によって保護されるものは、以下である。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】