(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】固定具並びに関連するインプリントシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230920BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20230920BHJP
G01N 37/00 20060101ALN20230920BHJP
B81C 1/00 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 Z
G01N37/00 101
B81C1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580757
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 US2021048166
(87)【国際公開番号】W WO2022051206
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ラップ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マーケル,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ザック,オードリー
【テーマコード(参考)】
3C081
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
3C081AA18
3C081CA37
3C081CA44
3C081DA03
3C081DA06
3C081DA08
3C081DA31
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG05
4F209AH33
4F209AP01
4F209AQ03
4F209PA02
4F209PB01
4F209PJ01
4F209PN09
4F209PN20
4F209PQ14
4F209PQ20
5F146AA31
(57)【要約】
固定具並びに関連するシステム及び方法が開示される。一実装形態によれば、方法は、樹脂(124)を基板(122)上に適用し、かつ基板を固定具(104)のベース(108)のチャック(110)上に位置付けることを含む。方法はまた、金型(118)を移動させて樹脂と係合させ、かつ樹脂を硬化させることを含む。方法はまた、金型と樹脂とを分離し、かつ金型と樹脂とを分離している間に、金型と樹脂との間の分離距離の関数として適用される分離力を決定することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
樹脂を基板上に適用し、
前記基板を固定具のベースのチャック上に位置付け、
金型を移動させて前記樹脂と係合させ、
前記樹脂を硬化させ、
前記金型と前記樹脂とを分離し、かつ
前記金型と前記樹脂とを分離している間に、前記金型と前記樹脂との間の分離距離の関数として適用される分離力を決定することを含む、方法。
【請求項2】
前記金型を金型支持体内に固設し、かつ前記金型支持体を前記固定具の支持体に連結することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持体と前記固定具の前記ベースとをヒンジ式に連結することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記支持体と前記ベースとの間のヒンジ点を、第1の位置と第2の位置との間で変化させることを更に含む、請求項2及び3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒンジ点を変更することが、前記ヒンジ点を、前記金型又は前記金型支持体によって画定された平面から離隔させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記支持体とロードセルとを連結することを更に含み、前記金型と前記樹脂とを分離することは、前記支持体が前記ロードセルに連結されている間に、前記金型と前記樹脂とを分離することを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記支持体と前記ロードセルとを連結することが、前記支持体の端部においてストラップをクランプし、かつ前記ストラップを前記ロードセルに連結することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ストラップをクランプすることが、前記支持体の端部においてクランプを閉じることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ストラップが、ジップタイを含む、請求項7及び8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記金型と前記樹脂とを係合することが、前記金型支持体を前記固定具の前記ベースに向かって回転させることを含む、請求項2~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
真空を使用して、前記基板を前記チャックに向かって引き寄せることを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
装置であって、
1)チャックを有するベース、及び2)前記ベースにヒンジ式に連結され、かつ金型支持レセプタクルを含む支持体を含み、固定具を備え、
前記支持体が、ロードセルに連結可能である、装置。
【請求項13】
前記支持体が、支持ブラケットを含み、前記ベースが、前記支持ブラケットとヒンジ式に連結されたベースブラケットを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記支持ブラケット及び前記ベースブラケットの各々が、L字形ブラケットを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記支持ブラケットと前記ベースブラケットとの間のヒンジ点が、前記支持体によって画定された平面から離隔されている、請求項13及び14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ベースブラケットは、前記支持体と前記ベースとの間のヒンジ点が第1の位置と第2の位置との間で変化することを可能にする複数の連結孔を備える、請求項13~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記支持体が矩形であり、かつ前記支持体の各角に角支持体を含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記ベースが、前記チャックに流体的に連結されたポートを含む、請求項12~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記支持体の端部が、ストラップを介して前記ロードセルに連結可能なクランプを含む、請求項12~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
装置であって、
システムを備え、前記システムが、
ロードセルと、
1)チャックを含むベース、及び2)前記ベースにヒンジ式に連結され、かつ金型支持レセプタクルを含む支持体を含む、固定具と、
前記金型支持レセプタクル内に受容された金型支持体と、を含み、
前記支持体が、前記ロードセルに連結可能である、装置。
【請求項21】
前記金型支持体内に連結されたパターン化されていないホイルと、前記チャック上に位置付けられたマスターテンプレート及び前記マスターテンプレート上に配設された樹脂と、を更に備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記金型支持体内に連結された金型と、前記チャック上に位置付けられた基板及び前記基板上に配設された樹脂と、を更に備える、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記金型が、前記樹脂に係合するように移動可能であり、かつ硬化性であり、前記ロードセルが、前記金型と前記樹脂とが分離するときの分離力を決定するように前記支持体に連結されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ロードセルが、前記支持体に適用される力を決定し、前記システムが、前記支持体に適用される前記力を、前記金型と前記樹脂との間の分離距離の関数として決定する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記金型支持レセプタクル内に前記金型支持体を連結する止めねじを更に備える、請求項20~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記チャックが、真空チャックである、請求項20~25のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、内容の全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる、2020年9月1日に出願された米国特許仮出願第63/073,423号の利益及び優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
パターン化されたフローセル及び/又はマイクロアレイは、半導体製造技術を使用して生産することができる。場合によっては、ナノインプリントリソグラフィを使用して生産された部品は、品質管理手順中に特定され得る欠陥を有する。
【発明の概要】
【0003】
先行技術の欠点は克服され得、本開示で後述する利益は、本明細書に記載する固定具並びに関連するシステム及び方法の提供を通じて達成され得る。本装置及び方法の様々な実施態様が以下に記載され、任意の組み合わせで(これらの組み合わせが矛盾しないことを条件として)、以下に列挙する追加の実装形態を含む、及び含まない、本装置及び方法は、これらの欠点を克服し、本明細書に記載する利点を達成することができる。
【0004】
ナノインプリントリソグラフィを使用して生産された部品の欠陥に影響を及ぼすことが見出された1つのパラメータは、離型手順中に金型と硬化樹脂とを分離するために使用される力の量である。どの樹脂、設計、及び/又は分離速度が、離型手順中により少ない量の分離力を必要とするかを特定するために、本開示の少なくとも1つの態様は、ナノインプリントリソグラフィ並びに関連するシステム及び方法で使用するためのベンチトップ試験固定具を対象としている。有利には、試験固定具を使用して、硬化樹脂から金型を分離するときに金型に適用された分離力を決定するために実験を実行することができる。したがって、オペレータは、異なる離型プロセス、異なるパターン、及び/又は異なる樹脂を小規模又は1回限りの生産で試験して、どの離型プロセス、及び/又はどの樹脂が少ない欠陥及び/又はより低い分離力をもたらすかを決定することができる。より全般的には、開示された試験固定具は、オペレータが、カスタム分離速度プロファイル、カスタム樹脂、及び/又はカスタムナノパターンアレイを作成するときに、より多くの情報に基づいた決定を行うことを可能にする。更に、開示された試験固定具は、パラメータが迅速に変更され、試験されることを可能にし、生産スケールの半導体製造機器に関与する変化を伴わずに、製品の欠陥が少ないことに関連するそれらのパラメータを特定することを可能にする。
【0005】
分離力は、金型と硬化樹脂との間の分離距離の関数として示され得る。更に、試験固定具を使用して、分離作業及び/又は力対距離曲線の下の面積によって表される分離の総作業を決定することができる。開示される実装形態を使用して、異なるナノパターン密度、寸法、及び/又は周期性を有するように作製された金型を、異なる樹脂組成物及び/又は離型手順で試験して、どの金型、樹脂組成物、及び/又は成形手順がより低い分離力を有することを特定することができる。
【0006】
いくつかの実装形態では、試験固定具は、基板が配置され、支持体がベースにヒンジ式に連結された真空チャックを有するベースを含む。支持体は、金型を保持する金型支持体を受容する金型支持レセプタクルを有する。金型は、作業スタンプと称され得る。
【0007】
開示される実装形態を使用してナノパターン化アレイを生産するために、樹脂を基板上にスピンコーティングし、支持体をベースに向かって回転させて、金型と樹脂とを係合する。樹脂を硬化させ、ロードセルに取り付けられた駆動アセンブリを使用して、金型と硬化樹脂とを分離する。駆動アセンブリがロードセル及び金型を移動させ、樹脂が互いに分離すると、ロードセルは、金型に適用される力を決定し、対応するシステムは、金型と樹脂との間の分離距離の関数として金型に適用される力を決定する。いくつかの実装形態では、分離距離は、ロードセルに取り付けられた支持体の縁部が進行する垂直距離である。異なる樹脂の分離力を比較し、より低い分離力を特定し、それによって、樹脂、設計、及び/又は分離速度、及び/又はより少ない欠陥を有する作業スタンプ及び/又はナノパターン化アレイを生産するプロセスを選択することができる。
【0008】
第1の実装形態によれば、方法は、樹脂を基板上に適用し、かつ基板を固定具のベースのチャック上に位置付けることを含む。この方法はまた、金型を移動させて樹脂と係合させ、かつ樹脂を硬化させることを含む。方法はまた、金型と樹脂とを分離し、かつ金型と樹脂とを分離している間に、金型と樹脂との間の分離距離の関数として適用される分離力を決定することを含む。
【0009】
第2の実装形態によれば、装置は、1)チャックを有するベース、及び2)ベースにヒンジ式に連結され、かつ金型支持レセプタクルを含む支持体を含む、固定具を含む。支持体は、ロードセルに連結可能である。
【0010】
第3の実装形態によれば、装置は、ロードセルと、固定具と、金型支持体と、を有するシステムを含む。固定具は、1)チャックを含むベース、及び2)ベースにヒンジ式に連結され、かつ金型支持レセプタクルを含む支持体を含み、金型支持体は、金型支持レセプタクル内に受容される。支持体は、ロードセルに連結可能である。
【0011】
更に、前述の第1、第2、及び/又は第3の実施形態に従って、装置及び/又は方法は、以下のうちのいずれか1つ以上を更に含み得る。
【0012】
一実装形態によれば、方法は、金型支持体内に金型を固設し、かつ金型支持体を固定具の支持体に連結することを含む。
【0013】
別の実装形態によれば、方法は、支持体と固定具のベースとをヒンジ式に連結することを含む。
【0014】
別の実装形態によれば、方法は、支持体とベースとの間のヒンジ点を第1の位置と第2の位置との間で変化させることを含む。
【0015】
別の実装形態によれば、ヒンジ点を変更することは、ヒンジ点を金型又は金型支持体によって画定された平面から離隔させることを含む。
【0016】
別の実装形態によれば、方法は、支持体とロードセルとを連結することを含み、金型と樹脂とを分離することは、支持体がロードセルに連結されている間に金型と樹脂とを分離することを含む。
【0017】
別の実装形態によれば、支持体とロードセルとを連結することは、支持体の端部においてストラップをクランプし、かつストラップをロードセルに連結することを含む。
【0018】
別の実装形態によれば、ストラップをクランプすることは、支持体の端部においてクランプを閉じることを含む。
【0019】
別の実装形態によれば、ストラップはジップタイを含む。
【0020】
別の実装形態によれば、金型と樹脂とを係合することは、金型支持体を固定具のベースに向かって回転させることを含む。
【0021】
別の実装形態によれば、方法は、真空を使用して、基板をチャックに向かって引き寄せることを含む。
【0022】
別の実装形態によれば、支持体は、支持ブラケットを含み、ベースは、支持ブラケットとヒンジ式に連結されたベースブラケットを含む。
【0023】
別の実装形態によれば、支持ブラケット及びベースブラケットの各々は、L字形ブラケットを備える。
【0024】
別の実装形態によれば、支持ブラケットとベースブラケットとの間のヒンジ点は、支持体によって画定された平面から離隔されている。
【0025】
別の実装形態によれば、ベースブラケットは、支持体とベースとの間のヒンジ点が第1の位置と第2の位置との間で変化することを可能にする複数の連結孔を備える。
【0026】
別の実装形態によれば、支持体は長方形であり、支持体の各角に角支持体を含む。
【0027】
別の実装形態によれば、ベースは、チャックに流体的に連結されたポートを含む。
【0028】
別の実装形態によれば、支持体の端部は、ストラップを介してロードセルに連結可能なクランプを含む。
【0029】
別の実装形態によれば、装置は、金型支持体内に連結されたパターン化されていないホイルと、チャック上に位置付けられたマスターテンプレート及びマスターテンプレート上に配設された樹脂と、を含む。
【0030】
別の実装形態によれば、装置は、金型支持体内に連結された金型と、チャック上に位置付けられた基板及び基板上に配設された樹脂と、を含む。
【0031】
別の実装形態によれば、金型は、樹脂に係合するように移動可能であり、かつ硬化性であり、ロードセルは、金型と樹脂とが分離するときの分離力を決定するように支持体に連結されている。
【0032】
別の実装形態によれば、ロードセルは、支持体に適用される力を決定し、システムは、支持体に適用される力を金型と樹脂との間の分離距離の関数として決定する。
【0033】
別の実装形態によれば、装置は、金型支持レセプタクル内に金型支持体を連結する止めねじを含む。
【0034】
別の実装形態によれば、チャックは、真空チャックである。
【0035】
以下でより詳細に考察される前述の概念及び追加の概念の全ての組み合わせが(かかる概念が相互に矛盾しないならば)、本明細書に開示される発明の主題の一部であると考えられ、本明細書に記載される便益を達成するために任意の組み合わせで実装されてもよいことを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される発明の主題の一部であると企図され、本明細書に記載される利点を達成するために任意の組み合わせで実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本開示の教示に従ったシステムの一実装形態の概略図である。
【
図2】
図1Aのシステムの別の実装形態の概略図である。
【
図4】
図1のシステムとともに使用することができる金型を運ぶ固定具及び金型支持体の実装形態の等角部分拡大図である。
【
図5】
図1のシステムとともに使用することができる固定具の別の実装形態である。
【
図7】硬化樹脂から金型を分離する
図6のシステムの側面図を示す。
【
図8】本明細書に開示される離型手順中に分離力を決定する例示的な方法のフロー図を示す。
【
図9】本明細書に開示される離型手順中に分離力を決定する例示的な方法の別のフロー図を示す。
【
図10】本明細書に開示されるよう離型手順中に分離力を決定する例示的な方法の別のフロー図を示す。
【
図11】本明細書に開示される例示的なシステムを使用した試験結果を示すグラフである。
【
図12】本明細書に開示される例示的なシステムを使用した試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下のテキストは、方法、装置、及び/又は製品の実装形態の詳細な説明を開示しているが、所有権の法的範囲は、本特許の最後に記載された特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、例としてのみ解釈されるべきであり、可能な全ての実装形態を説明することは、不可能ではないにしても、非現実的であろうことから、可能な全ての実装形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替的な実装形態が実装され得る。そのような代替的な実装形態は、依然として特許請求の範囲内に含まれるであろうことが想定される。
【0038】
図1は、本開示の教示に従ったシステム100の一実装形態の概略図を示す。システム100は、ナノインプリントリソグラフィ及び/又は半導体製造技術を使用して、プロトタイプ、パターン化フローセル、マイクロアレイ、及び/又は関連する作業スタンプを生産するときに異なる樹脂に対して試験を実行するために使用され得る。示される実装形態では、システム100は、オフラインインプリントプロセスのための卓上システムであり得、離型手順中に使用されるロードセル102及び駆動アセンブリ103を含む。システム100はまた、作業スタンプ及び/又はナノパターン化アレイ及びコントローラ106を生産するために使用される固定具104も含む。コントローラ106は、ロードセル102、駆動アセンブリ103、及び/又は固定具104に電気的及び/又は通信的に連結され、ロードセル102、駆動アセンブリ103、及び/又は固定具104に、本明細書に開示される様々な機能を実行させるように適合されている。
【0039】
示される実装形態では、固定具104は、チャック110を有するベース108と、ヒンジを介してベース108に連結された支持体112とを含み、したがって、チャック110及び支持体112は、ヒンジ式に連結されている。支持体112はまた、金型支持レセプタクル114も含む。金型支持体116は、金型支持レセプタクル114内に受容され、パターン120を有する金型118を保持することができる。パターン120は、約10ナノメートル~約3マイクロメートルであるか又はそれに等しい寸法を有する特徴部を含み得、フローセル内のウェルを形成するために使用され得る。例えば、パターン120上の特徴部のいくつかは、約200ナノメートル~約300ナノメートルであるか又はそれに等しい寸法を有し得る。より全般的には、パターン120上の1つ以上の特徴部の寸法は、約10ナノメートル~約100ナノメートルであるか又はそれらに等しく、約100ナノメートル~約1,000ナノメートルであるか又はそれらに等しく、かつ/又は約1,000ナノメートル~約10,000ナノメートルであるか又はそれらに等しくてもよい。しかしながら、パターン120上の特徴部は、別のサイズであってもよい。
【0040】
金型支持体116は、止めねじなどの締結具121を介して支持体112内に固設され、金型118は、金型クランプ202を介して金型支持体116に固設される(
図4を参照)。金型118は、作業スタンプと称され得る。
【0041】
ナノインプリントアレイを生産するために、基板122はチャック110上に位置付けられ、樹脂124は基板122上に配置される。基板122は、チャック110上に直接又は間接的にあってもよい。金型118と樹脂124とを係合する前に、樹脂124を加熱して、樹脂124から残留溶媒を除去することができる。樹脂124は、約1μm以下の厚さを有する薄膜として適用され得る。しかしながら、他の材料及び/又は厚さも好適であり得る。例えば、樹脂124の厚さは、約200ナノメートル以下、約400ナノメートル~約500ナノメートルであるか又はそれらに等しく、約1.5μm~約2.0μmであるか又はそれらに等しく、かつ/又は約10μm以下であってもよい。より全般的には、樹脂124の厚さは、約200ナノメートル~約2,000ナノメートルであるか又はそれらに等しくてもよい。
【0042】
金型18からパターン120を樹脂124にインプリントするために、金型118が樹脂124に係合して押圧され、かつ樹脂124が硬化されるように、金型118は、支持体112を介して樹脂124に向かって移動させられる。金型118は、ハンドローラ又は別のレベリングデバイスを使用して樹脂124に押し込まれ、樹脂124と金型118との間の毛細管力は、金型118と樹脂124とを接触させたままにすることができる。あるいは、駆動アセンブリ103は、金型118を移動させて樹脂124と係合させることができる。システム100は、紫外線(ultraviolet、UV)ナノインプリントリソグラフィで樹脂124を硬化させるための紫外線光源を含むことができ、かつ/又はシステム100は、熱ナノインプリントリソグラフィにおいて樹脂124を硬化させるための加熱/冷却源を含むことができる。あるいは、固定具104、基板122、及び樹脂124を、システム100から取り外して、システム100の外側の領域で樹脂124を硬化させることができる。
【0043】
樹脂124がどのように硬化されるかに関係なく、離型手順中にロードセル102は、連結具126を介して支持体112に連結される。連結具126は、ストラップ又はジップタイであり得、グリッパ127を使用してロードセル102に固設され得、クランプ128を使用して支持体112に固設され得る。クランプ128は、ブロック129と支持体112との間に形成され得、締結具130を介してクランプ位置とクランプ位置との間で移動可能であり得る。連結具126及び支持体112を固設するために、締結具130が緩められ、連結具126は、ブロック129と支持体112との間に位置付けられ、締結具130は、締め付けられて、クランプ128内に連結具126を固設する。
【0044】
ロードセル102が支持体112に取り付けられた方法に関係なく、ロードセル102が支持体112に取り付けられた後、駆動アセンブリ103は、ロードセル102を矢印131で概ね示される方向に移動させて、金型118及び硬化樹脂124を分離させる。金型118が、ロードセル102とのその取り付けを介して支持体112によって移動させられると、金型118が硬化樹脂124から分離されるにつれて、支持体112は、金型118の回転を阻止する。駆動アセンブリ103は、ロードセル102を可変速度で移動させることができ、及び/又は移動の間でロードセル102を一時停止することができる。その結果、より高い製品品質(欠陥が少ない)及びしたがってスクラップが少ない樹脂124の分離速度が選択される。駆動アセンブリ103がロードセル102を移動させることができるいくつかの速度は、約10ミリメートル(millimeter、mm)/分(minute、min)、約50mm/min、及び/又は約100mm/minを含む。他の速度も好適であり得る。
【0045】
金型118を樹脂124から離れるように移動させる間、ロードセル102は、支持体112に適用される力を決定し、システム100は、金型118と樹脂124との間の分離距離の関数として適用される力を決定する。いくつかの実装形態では、システム100は、Instron(登録商標)3342B万能試験システムなどの力及びトルク測定システムである。しかしながら、他の試験機械が使用されてもよい。追加的又は代替的に、システム100は、力対距離曲線の下の領域によって表される分離作業及び/又は分離の総作業を決定することができる。異なる樹脂124組成物、樹脂124硬化条件、及び/又は金型118パターン120は、分離力の量及び/又は分離作業の量を変化させることができる。分離力及び/又は分離作業に影響を及ぼし得るいくつかの追加のパラメータは、金型118の厚さ、使用される金型118のタイプ、金型118の張力、樹脂124内のレベリング剤の濃度、UV硬化強度、UV硬化時間、金型118に使用される材料、金型118の機械特性、樹脂124の硬化速度、及び/又は金型118の生産時にマスターテンプレートと関連して使用される粘着防止層、及び/又は金型118に適用される粘着防止層を含む。粘着防止層は、任意の好適な材料(例えば、高分子材料、モノマー、単分子膜)を含むことができ、例えば、脱型手順の間にマスターテンプレートと樹脂124との間の接着を低減するためにマスターテンプレートに適用することができる。分離力及び/又は分離作業に影響を及ぼすパラメータを監視するシステム100によって、より低い分離力を有する、かつ/又はより少ない分離作業に関連付けられているパラメータ及び/又は樹脂124を使用して、部品を生産することができる。
【0046】
システム100及び固定具104を更に参照すると、示される実装形態では、システム100は、ベースプレート132を含み、固定具104のベース108は、締結具133を介してベースプレート132に連結されている。ベースプレート132は、ブレッドボードであってもよく、締結具133は、固定具104が比較的容易にシステム100に連結され、かつシステム100から分離されることを可能にする蝶ねじであってもよい。例えば、固定具104は、基板122及び樹脂124がチャック110に適用され、離型手順中にシステム100に連結され得るが、樹脂124が硬化されているときに、固定具104はシステム100から取り外され得る。更に、締結具133は、固定具104をシステム100から容易に取り付けるか、又は取り外すことを可能にし、その結果、1つ以上の予備測定プロセスを固定具104上で実行することができる。
【0047】
チャック110は、基板122を受容し、流体ライン136を介してベース108のポート135に流体的に連結された表面134を含む。システム100は、ポート135に連結され、基板122をチャック110上に保持する吸引力を提供する真空ポンプ138を含む。真空ポンプ138は、樹脂124が基板122に適用されているとき、金型118が樹脂124と係合されるとき、及び/又は金型118が硬化した樹脂124から分離するときに、基板122をチャック110に固設するように作動させることができる。
【0048】
ベース108及び支持体112を参照すると、示される実装形態では、ベース108及び支持体112は、ベース108の一対のベースブラケット142によって形成される一対のヒンジ140、支持体112の一対の支持ブラケット144、及びブラケット142、144内に受容されてブラケット142、144を一緒に連結するピン146を介して互いにヒンジ式に連結される。示される実装形態では、ベースブラケット142は、支持ブラケット144の対応する連結孔150と整列可能である複数の連結孔148を画定する。ピン146を連結孔148、150の異なるものに挿入して、支持体112とベース108との間のヒンジ点が、例えば、第1の位置と第2の位置との間で変化することを可能にすることができる。異なるヒンジ点は、支持体112が離型手順中に提供する梃子力の量を変化させることができる。ベースブラケット142は、複数の連結孔148を含むことが示されているが、他の実装形態では、支持ブラケット144は、追加的又は代替的に複数の連結孔150を含むことができる。
【0049】
上記の例は、ナノパターンアレイを生産及び試験するためにシステム100を使用して言及されているが、システム100は同様に、
図10で更に詳細に論じられるように、金型118を生産及び試験するために使用され得る。そのような実装形態では、金型118を生産するために、マスターテンプレートがチャック110上に配置され、パターン化されていないホイルが金型支持体116に連結される。粘着防止層は、マスターテンプレートと樹脂124との間の接着を低減するためにマスターテンプレートに適用され得、樹脂124はマスターテンプレートに適用され、パターン化されていないホイルは樹脂124上に積層されて、作業スタンプと呼ばれる金型118を生産する。樹脂124をマスターテンプレートに適用することにより、樹脂124は、マスターテンプレートによって定義されるナノパターンアレイに充填することができる。
【0050】
コントローラ106を参照すると、図示した実装形態では、コントローラ106は、ユーザインターフェース152と、通信インターフェース154と、1つ以上のプロセッサ156と、開示される実装形態を含む様々な機能を実行するための、1つ以上のプロセッサ156によって実行可能な命令を記憶するメモリ158と、を含む。ユーザインターフェース152、通信インターフェース154、及びメモリ158は、1つ以上のプロセッサ156に電気的にかつ/又は通信可能に連結されている。
【0051】
実装形態では、ユーザインターフェース152は、ユーザーからの入力を受信し、システム100の動作及び/又は行われる分析と関連付けられた情報をユーザーに提供するように適合されている。ユーザインターフェース152は、タッチスクリーン、ディスプレイ、キーボード、スピーカ、マウス、トラックボール、及び/又は音声認識システムを含み得る。タッチスクリーン及び/又はディスプレイは、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を表示することができる。
【0052】
実装形態では、通信インターフェース154は、ネットワークを介してシステム100と遠隔システム(例えば、コンピュータ)との間の通信を可能にするように適合されている。ネットワークとしては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(local-area network、LAN)、広域ネットワーク(wide-area network、WAN)、同軸ケーブルネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、衛星ネットワーク、デジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL)ネットワーク、セルラーネットワーク、Bluetooth接続、近距離無線通信(near field communication、NFC)接続などを挙げることができる。遠隔システムに提供される通信の一部は、システム100によって生成された、又は別の方法で取得された、分析結果、試験データなどと関連付けられ得る。システム100に提供される通信のうちの一部は、試験操作、半導体製造技術、及び/又はシステム100によって実行されるプロトコルに関連付けられてもよい。
【0053】
1つ以上のプロセッサ156及び/又はシステム100は、プロセッサベースのシステム又はマイクロプロセッサベースのシステムのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のプロセッサ156及び/又はシステム100は、プログラマブルプロセッサ、プログラマブルコントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、縮小命令セットコンピュータ(reduced-instruction set computer、RISC)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、フィールドプログラマブル論理デバイス(field programmable logic device、FPLD)、論理回路、及び/又は本明細書に記載されるものを含む様々な機能を実行する別の論理ベースデバイスのうちの1つ以上を含む。
【0054】
メモリ158は、半導体メモリ、磁気読み取り可能メモリ、光学メモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、光学記憶ドライブ、ソリッドステート記憶デバイス、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、不揮発性RAM(non-volatile RAM、NVRAM)メモリ、コンパクトディスク(compact disc、CD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)、Blu-rayディスク、独立ディスクの冗長アレイ(redundant array of independent disks、RAID)システム、キャッシュ、及び/又は任意の持続時間にわたって(例えば、永続的に、一時的に、長期にわたって、バッファリングのために、キャッシングのために)情報が記憶される任意の他の記憶デバイス若しくは記憶ディスクのうちの1つ以上を含むことができる。
【0055】
図2は、
図1Aのシステム100の別の実装形態の概略図を示す。示される実装形態では、システム100は、ロードセル102と、固定具104と、金型支持体116と、を含む。
図1のシステム100と同様に、
図2の固定具104は、チャック110を有するベース108と、ベース108にヒンジ式に連結され、かつ金型支持レセプタクル114を含む支持体112と、を含む。金型支持体116は、金型支持レセプタクル114内に配設されて示されており、支持体112は、ロードセル102がベース108と支持体112との間の分離力を決定することを可能にするために、連結具126を介してロードセル102に連結されて示されている。
【0056】
図3は、
図2の固定具104の概略図であるが、金型支持体116を有しない。示される実装形態では、固定具104は、チャック110を有するベース108と、ベース108にヒンジ式に連結され、かつ金型支持レセプタクル114を含む支持体112と、を含む。支持体112は、ロードセル102に連結可能であり、ベース108と支持体112との間の分離力を決定する。
【0057】
図4は、
図1のシステムとともに使用することができる金型118を運ぶ固定具104及び金型支持体116の実装形態の等角部分拡大図である。固定具104のベース108を参照すると、示される実装形態では、ベース108は、チャック110を取り囲み、かつねじ切り穴162及びL字形側壁164を画定する中央部分160を含む。締結具130は、ねじ切穴162にねじ切り可能に係合し、中央部分160及び側壁164は、前面開口部168及び背面開口部170を有するレセプタクル166を形成する。閉鎖位置(
図5を参照)では、支持体112は、ベース108のレセプタクル166内に入り、それぞれが側壁164の対応する部分174を受容する一対の又は後部切り欠き172を含む。側壁164はL字型であることが示されているが、他の実装態様では、側壁164は直線状であってもよい。あるいは、側壁164は省略されてもよい。
【0058】
示される実装形態では、ベース108はまた、各々がベースブラケット142の脚178を受容する下部切り欠き176を画定する。ベースブラケット142は、締結具180を使用してベース108に連結されている。しかしながら、ベースブラケット142及びベース108は、異なる方法で連結することができる。あるいは、ベースブラケット142及びベース108は、一体であり得る。
【0059】
ベースブラケット142及び支持ブラケット144は、ヒンジ140のヒンジ点が、支持体112、金型支持体116、及び/又は金型118によって形成された平面から離隔されることを可能にする、上方に向いたL字形ブラケット182であるように
図4に示されている。ヒンジ点が平面から外れている結果として、支持体112、金型支持体116、及び金型118が上方及び
図1に示される矢印131で概ね示される方向に移動させられた結果、ヒンジ140の反対側の支持体112の端部は、実質的に垂直に隆起させることができる。本明細書に記載されるように、「実質的に垂直」という語句は、約15度以下の垂直を意味する。ロードセル102と支持体112との間の連結126の可撓性は、追加的又は代替的に、支持体112を実質的に垂直に隆起させることを可能にし得る。金型118に対して平面から外れているヒンジ140もまた、金型118が樹脂124に時期尚早に接触しないことを可能にする。したがって、金型118は、樹脂124に係合する前に、約0.1mm~約0.8mmに位置付けることができる。ブラケット142、144の長さはまた、支持体112が離型手順中に提供する梃子力を増加又は減少させるように変更することもできる。
【0060】
示される実装形態では、支持体112を参照すると、支持体112は矩形であり、かつ支持体112の角188で交差する側壁184を有する。角支持体190は、角188の各々で側壁184に連結され、側壁184とともに金型支持レセプタクル114を形成する。金型支持体116が金型支持レセプタクル114内に受容されると、金型支持体116は、角支持体190上に載置され、締結具121を介して金型支持レセプタクル114内に固設される。
【0061】
金型支持体116を参照すると、示される実装形態では、金型支持体116は矩形であり、かつ開口部200を形成する側面192、194、196、198を有する。示される実装形態では、金型クランプ202は、ばね204によって対向する側面194、198に連結されている。金型支持体116を使用して、例えばナノパターンアレイを生産するとき、金型118は、金型クランプ202に、及び金型クランプ202の間に連結することができる。ばね204は、金型118上の張力を維持するために使用される。
【0062】
金型支持体116は、2つの金型クランプ202を含むように示されているが、金型支持体116は、代替的に、例えば、金型支持体116の遠位側194に連結された1つの金型クランプ202を含み得る。更に、金型支持体116は、特定の配置においていくつかのばね204を含むことが示されているが、任意の配置に位置付けられた任意の数のばね(例えば、1、2、4)を使用することができる。更に、単一の金型支持体が
図4に示されているが、互いに類似していても異なっていてもよい固定具104とともに、任意の数の金型支持体が使用されてもよい。
【0063】
図5は、
図1のシステム100とともに使用することができる固定具104の別の実装形態である。
図5の固定具104は、
図4の固定具104と少なくとも実質的に同様である。しかしながら、対照的に、ベースブラケット142は、ベース108と支持体112との間の連結点が異なる位置に変化することを可能にする複数の連結孔148を含む。ベースブラケット142の各々は、特定の配置における連結孔148の9つを含むことが示されているが、任意の数の連結孔が、ブラケット142、144のいずれかの任意の配置に含まれ得る。
【0064】
図6は、
図1のシステム100の実装形態の側面図を示す。システム100は、システムベース300、カラム302、及びカラム302に移動可能に装着され、かつロードセル102を運ぶヘッド304を含む。システム100はまた、システムベース300から延在し、ベースプレート132及び固定具104に連結された脚部306を含む。
【0065】
図7は、硬化樹脂124から金型118を分離する
図6のシステム100の側面図を示す。示される実装形態では、連結具126の第1の端部308は、グリッパ127内に固設され、連結具126の第2の端部310は、支持体112のクランプ128内に固設されている。動作中、システム100のヘッド304は、ロードセル102を矢印312で概ね示される方向に移動させ、ロードセル102は、支持体112に適用される力を決定し、システム100は、測定されている樹脂124の変位プロファイルに対して結果として生じる力を決定する。
【0066】
図8~
図10は、例えば、本明細書に開示される離型手順中の分離力を決定する方法のためのフロー図を示す。ブロックの実行順序は変更されてもよく、かつ/又は記載されたブロックの一部は変更され、削除され、連結され、及び/又は複数のブロックに細分化されてもよい。
【0067】
図8のプロセスは、樹脂124が、例えば、スピンコーティング技術を介して基板122に適用される(ブロック801)ことで始まる。基板122は、固定具104のベース108のチャック110上に位置付けられる(ブロック802)。基板122は、ガラス、シリコン、及び/又は二酸化ケイ素であり得る。しかしながら、基板122は、異なる材料で作製され得る。固定具104の支持体112及びベース108は、ヒンジ式に連結され(ブロック804)、支持体112とベース108との間のヒンジ点は、第1の位置と第2の位置との間で変更される(ブロック806)。ヒンジ点の位置を変更することは、支持体112が離型手順中に上方に付勢されているときに支持体112が提供する梃子力の量を変化させる。いくつかの実装形態では、ヒンジ点を、金型118又は金型支持体116によって画定された平面から離隔して、樹脂124が成形される前に、金型118が不注意に樹脂124と係合しないことを可能にする。
【0068】
金型118は、金型支持体116内に固設されている(ブロック808)。いくつかの実装形態では、金型118を金型支持体116内に固設することは、金型118を引張状態に保つばね付勢型金型クランプ202に金型118を連結することを含む。金型支持体116は、例えば、金型支持体116を支持体112内に入れ子にして、金型支持体116と支持体112との間の確実な連結を提供することによって、固定具104の支持体112に連結される(ブロック810)。
【0069】
ナノパターンアレイを形成するために、金型118を移動させて樹脂124と係合させて(ブロック814)、パターン120を金型118から樹脂124にインプリントする。いくつかの実装形態では、金型118と樹脂124とを係合することは、金型支持体116を固定具104のベース108に向かって回転させることを含む。樹脂124は、例えば、UVナノインプリントリソグラフィ(nanoimprint lithography、NIL)硬化技術及び/又は熱NIL硬化技術を使用して硬化される(ブロック816)。
【0070】
離型手順を実行するために、支持体112は、ロードセル102に連結される(ブロック818)。いくつかの実装形態では、支持体112とロードセル102とを連結することは、ストラップとして形成された連結部126を支持体112の端部のクランプ128内にクランプすることを含み、ストラップをロードセル102に連結することは、連結部126を関連グリッパ127内に位置付けることを含む。連結具126はまた、ジップタイであり得る。しかしながら、他の種類の連結具も好適であり得る。
【0071】
金型118及び硬化樹脂124は、互いに分離される(ブロック820)。いくつかの実装形態では、駆動アセンブリ103は、支持体112に取り付けられたロードセル102を固定具104のベース108から離れるように移動させることによって、金型118と硬化樹脂124とを分離する。金型118と樹脂124とが分離されている間、金型118と樹脂124との間の分離距離の関数として適用される分離力が決定される(ブロック822)。いくつかの実装では、ロードセル102は、支持体112に適用される力を決定し、システム100は、金型118と樹脂124との間の分離距離の関数として適用される力を決定する。
【0072】
図9のプロセスは、樹脂124が、例えば、スピンコーティング技術を介して基板122(ブロック901)に適用され、基板122が、固定具104のベース108のチャック110上に位置付けられることから始まる(ブロック902)。いくつかの実装形態では、樹脂124は、基板122がチャック110上に位置付けられる前に基板122に適用される。ナノパターンアレイを形成するために、金型118を移動させて樹脂124と係合させて(ブロック906)、パターン120を樹脂124にインプリントする。樹脂124は、例えば、UVナノインプリントリソグラフィ(NIL)硬化技術及び/又は熱NIL硬化技術を使用して硬化される(ブロック908)。
【0073】
離型手順を実行するために、金型118と硬化樹脂124とを互いに分離する(ブロック910)。金型118と樹脂124とが分離されている間、金型118と樹脂124との間の分離距離の関数として適用される分離力が決定される(ブロック912)。いくつかの実装では、ロードセル102は、支持体112に適用される力を決定し、システム100は、金型118と樹脂124との間の分離距離の関数として適用される力を決定する。システム100はまた、離型手順と関連付けられた分離作業値と、分離距離に対する力の積分曲線とを決定するために使用され得る。分離力及び/又は関連する分離作業を使用して、どの樹脂がより高い品質及び/又はより低い欠陥率を有するナノインプリントアレイを生産するかを特定することができる。
【0074】
図10のプロセスは、樹脂124が、例えば、スピンコーティング技術を介してマスターテンプレートに適用される(ブロック1002)ことで始まる。樹脂124は、マスターテンプレートによって画定されるパターン(パターン120と同様)に充填され得る。
【0075】
マスターテンプレートは、固定具104のベース108のチャック110上に位置付けられる(ブロック1002)。いくつかの実装形態では、樹脂124は、マスターテンプレートがチャック110上に位置付けられる前にマスターテンプレートに適用される。そのような実装形態では、樹脂124がマスターテンプレートに適用されている間に、真空ポンプ138を使用して、マスターテンプレートをチャック110に向かって引き寄せて、基板122が移動するのを阻止することができる。粘着防止層は、マスターテンプレートと樹脂124との間の接着を低減するためにマスターテンプレートに適用され得る。固定具104の支持体112及びベース108は、ヒンジ式に連結され(ブロック1004)、支持体112とベース108との間のヒンジ点は、第1の位置と第2の位置との間で変更される(ブロック1006)。
【0076】
パターン化されていないホイルは、金型支持体116内に固設される(ブロック1008)。いくつかの実装形態では、金型支持体116内にパターン化されていないホイルを固設することは、金型118をばね付勢型クランプ202に連結して、パターン化されていないホイルを引張状態に保つことを含む。金型支持体116は、例えば、支持体112内に金型支持体116を入れ子にすることによって、固定具104の支持体112に連結されている(ブロック1010)。
【0077】
金型118を形成するために、パターン化されていないホイルを移動させて樹脂124と係合させて(ブロック1014)、樹脂124をホイルに接着させ、かつ/又はパターン120をマスターテンプレートから樹脂124にインプリントする。いくつかの実装形態では、マスターテンプレート上のパターン化されていないホイル及び樹脂124を係合することは、金型支持体116を固定具104のベース108に向かって回転させることを含む。樹脂124は、例えば、UVナノインプリントリソグラフィ(NIL)硬化技術及び/又は熱NIL硬化技術を使用して硬化される(ブロック1016)。
【0078】
離型手順を実行するために、支持体112は、ロードセル102に連結される(ブロック1018)。マスターテンプレートと硬化樹脂124とは、互いに分離される(ブロック1020)。硬化樹脂124がマスターテンプレートから分離すると、硬化樹脂124は、後の使用のために金型118を形成するために、パターン化されていないホイル(現在は樹脂124でパターン化されている)に付着したままである。マスターテンプレートと樹脂124とが分離されている間、金型118と樹脂124との間の分離距離の関数として適用される分離力が決定される(ブロック1022)。システム100はまた、離型手順と関連付けられた分離作業値と、分離距離に対する力の積分曲線とを決定するために使用され得る。分離力及び/又は関連する分離作業を使用して、どの樹脂、離型コーティング、及び/又はホイルがより高い品質及び/又はより低い欠陥率を有する金型118を生産するかを特定することができる。
【0079】
図11は、本明細書に開示される例示的なシステム100を使用した試験結果を示すグラフ1100である。実行された試験では、離型手順を監視して、異なるパターン密度を有するナノパターンアレイを生産するときに、2つの異なる樹脂に対する力対変位を決定した。グラフ1100は、ロードセル102及び/又は支持体112の変位をミリメートル(mm)で表すX軸1102、及びニュートン(Newton、N)で支持体112に適用された力を表すY軸1104を含む。試験が実行される間、ロードセル102を約50mm/分(min)の速度で移動させた。しかしながら、ロードセル102は、例えば、10mm/min及び/又は100min/minなどの異なる速度で移動され得る。
【0080】
示されるグラフでは、第1の曲線1106は、第1の樹脂を使用した結果を表し、第2の曲線1108は、第2の樹脂を使用した結果を表す。曲線1106、1108は、システム100によって適用される力が急激に減少する鋸歯状プロファイルを有する落下領域1110を含む。鋸歯状プロファイルは、「スティックスリップ」と呼ばれることがあり、ナノパターンアレイのパターン化された部分がナノパターンアレイのパターン化されていない部分に移行する結果であり得る。これらの落下領域1110での力の大きな変化は、ナノパターンアレイに欠陥を生じさせる可能性がある。示されるように、第2の曲線1108の落下領域1110は、参照番号1112、1114の差によって表されるより大きい大きさを有し、したがって、第2の樹脂を使用して生産されたナノパターンアレイは、より多くの欠陥を有し得る。オペレータは、グラフ1100によって提供されるフィードバックを使用して、より大規模な生産のためのより高い分離力を有する第2の手綱に対してより低い分離力を有する第1の樹脂を選択することができる。分離力に影響を及ぼすいくつかのパラメータには、樹脂組成物及びナノパターンアレイのパターンが含まれる。
【0081】
図12は、本明細書に開示される例示的なシステム100を使用した試験結果を示すグラフ1200である。実行された試験では、異なる分離速度を使用して離型手順を監視して、力対変位を決定した。グラフ1200は、ロードセル102及び/又は支持体112の変位をミリメートル(mm)で表すX軸1202、及びニュートン(N)で支持体112に適用された力を表すY軸1204を含む。
【0082】
示されるグラフでは、第1の曲線1206は、10mm/minの分離速度を使用した結果を表し、第2の曲線1208は、50min/mmの分離速度を使用した結果を表し、第3の曲線1210は、100min/mmの分離速度を使用した結果を表す。示されるように、第2の曲線1208及び第3の曲線1210によって表されるより高い分離速度は、より高い分離力を有し、したがって、生産されるナノパターンアレイに存在するより多くの欠陥をもたらし得る。より具体的には、第2の曲線1208及び第3の曲線1210の分離力は、約17mm~約30mmであるか又はそれに等しい変位の第1の曲線1206の分離力よりも約1N高い。グラフ1200によって提供されるフィードバックに基づいて、オペレータは、離型プロセスの第1の部分(例えば、約15mm以上の変位)の第1の分離速度(例えば、100mm/min)を使用し、離型プロセスの第2の部分(例えば、15mm以上の変位)の第2の分離速度(例えば、10mm/min)を使用することができる。より全般的には、グラフ1200によって提供されるフィードバックは、オペレータが、製品欠陥が少ないカスタム分離速度プロファイルを作成することを可能にする。
【0083】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載される様々な構成を実践することを可能にするために提供される。対象技術は、様々な図及び構成を参照して特に説明されてきたが、これらは例示目的のみのためであり、対象技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0084】
本明細書で使用する際、単数形で記載され、かつ単語「a」又は「an」に続く要素又はプロセスは、かかる除外が明示的に記載されていない限り、複数のこれらの要素又はプロセスを除外しないものとして理解されるべきである。更に、「一実装形態」への言及は、列挙された特徴をまた組み込む追加の実装形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。更に、反対に明示的に記載されない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、又は「有する(having)」実装形態は、その特性を有するか否かにかかわらず、追加の要素を含み得る。更に、用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などは、本明細書において互換的に使用される。
【0085】
本明細書全体を通して使用される「実質的に」、「およそ(approximately)」、及び「約」という用語は、処理のばらつきなどに起因する小さな変動を説明及び考慮するために使用されている。例えば、それらは、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
【0086】
主題技術を実施するための多くの他の方法が存在し得る。本明細書に記載される様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なって分割され得る。これらの実装形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義される全般的な原理は、他の実装形態に適用することができる。したがって、主題技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって、多くの変更及び修正を主題技術に行うことができる。例えば、異なる数の所与のモジュール又はユニットが用いられ得、異なる種類若しくは複数の種類の所与のモジュール又はユニットが用いられ得、所与のモジュール又はユニットが追加され得、あるいは所与のモジュール又はユニットが省略され得る。
【0087】
下線付き及び/又はイタリック体の見出し及び副見出しは、便宜上のみのために使用され、主題技術を限定するものではなく、主題技術の説明の解釈と関連して言及されない。当業者に既知である、又は後に知られることになる、本開示全体を通って記載される様々な実装形態の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題技術に包含されることが意図される。更に、本明細書に開示された何物も、そのような開示が上記の説明において明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公開専用であることを意図するものではない。
【0088】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【国際調査報告】