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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】医学的値を表示するための方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20230920BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20230920BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20230920BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20230920BHJP
   H04M 1/724 20210101ALI20230920BHJP
【FI】
G16H10/00
G06F3/04817
G06F3/0488
G06F3/0481
H04M1/724
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507333
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2021071585
(87)【国際公開番号】W WO2022029087
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】20189070.4
(32)【優先日】2020-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.ANDROID
3.APPLE WATCH
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モレノ サンチェス、ミゲル アンヘル
【テーマコード(参考)】
5E555
5K127
5L099
【Fターム(参考)】
5E555AA28
5E555AA56
5E555BA06
5E555BA22
5E555BA38
5E555BB06
5E555BB22
5E555BB38
5E555BC04
5E555CA12
5E555CA41
5E555CB12
5E555CB74
5E555CC22
5E555DB02
5E555DB18
5E555DB41
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC14
5E555DC35
5E555DC59
5E555DD08
5E555EA14
5E555FA00
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127CA08
5K127CB22
5K127GA14
5K127KA02
5L099AA22
(57)【要約】
本発明は、例えばグルコース値などの医学的値をモバイル装置の画面上に表示するためのコンピュータ実装方法、モバイル装置、およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療アプリケーションを含むモバイル装置の画面上に医学的値を表示するコンピュータ実装方法であって、
第1の医学的値と、任意に、前記第1の医学的値の測定時刻を示す前記第1の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、を前記モバイル装置上で受信するステップと、
前記第1の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、前記第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップと、
描画用の第1のスタイル情報を作成するステップと、
第1の描画領域を作成するステップと、
前記第1のスタイル情報を使用して前記第1の描画領域上に前記第1のテキストを描画して、前記第1の医学的値の画像を作成するステップと、
前記第1の医学的値の前記画像から第1の医学的値アイコンを作成するステップと、
前記モバイル装置の前記画面上に前記第1の医学的値アイコンを表示するステップであって、前記画面が、ホーム画面、ロック画面、または前記医療アプリケーションの外部の別の画面である、表示するステップと、
を含み、
任意に、前記第1の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに、前記第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップ、前記第1のスタイル情報を作成するステップ、前記第1の描画領域を作成するステップ、前記第1の描画領域上に前記第1のテキストを描画するステップ、および前記第1の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、前記第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される、方法。
【請求項2】
前記第1の医学的値を受信した後の第2の医学的値と、任意に、前記第1の医学的値の前記測定時刻の後である前記第2の医学的値の測定時刻を示す前記第2の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、を前記モバイル装置上で受信するステップと、
前記第2の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、前記第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップと、
前記第1のスタイル情報を取得するか、または描画用の第2のスタイル情報を作成するステップと、
第2の描画領域を作成するステップと、
前記第1のスタイル情報または前記第2のスタイル情報を使用して前記第2の描画領域上に前記第2のテキストを描画して、前記第2の医学的値の画像を作成するステップと、
前記第2の医学的値の前記画像から第2の医学的値アイコンを作成するステップと、
前記第2の医学的値アイコンを前記モバイル装置の前記画面上に代わりに表示することによって、前記モバイル装置の前記画面上の前記第1の医学的値アイコンの表示を置き換えるステップと、
をさらに含み、
任意に、前記第2の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに、前記第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップ、前記第1のスタイル情報を取得するか、または前記第2のスタイル情報を作成するステップ、前記第2の描画領域を作成するステップ、前記第2の描画領域上に前記第2のテキストを描画するステップ、および前記第2の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、前記第2の医学的値の前記測定時刻と現在時刻との差が前記所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の医学的値の前記測定時刻と、または第2の医学的値が受信された場合、当該第2の医学的値の測定時刻と、現在時刻との差が前記所定の時間閾値を超えるかどうかを判定または再判定することと、
前記第1の医学的値の前記測定時刻と現在時刻との差、または第2の医学的値が受信された場合、当該第2の医学的値の前記測定時刻と現在時刻との差が前記所定の時間閾値を超える場合、前記モバイル装置のメモリに記憶された所定のアイコンを表示することによって、前記モバイル装置の前記画面上の現在表示されている医学的値アイコンの表示を置き換えることと、
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
さらなる医学的値と、前記さらなる医学的値に関連付けられたタイムスタンプであって、前記さらなる医学的値の測定時刻を示すタイムスタンプと、を前記医療装置上で受信することと、
前記さらなる医学的値の前記測定時刻と現在時刻との差が前記所定の時間閾値を超えないかどうかを判定することと、
前記時間閾値を超えない場合、
前記さらなる医学的値がテキストとして直接受信されない場合、前記さらなる医学的値をさらなるテキストに変換することと、
前記第1のスタイル情報を取得するか、または描画用のさらなるスタイル情報を作成することと、
さらなる描画領域を作成することと、
前記第1のスタイル情報または前記さらなるスタイル情報を使用して前記さらなる描画領域上に前記さらなるテキストを描画して、前記さらなる医学的値の画像を作成することと、
前記さらなる医学的値の前記画像からさらなる医学的値アイコンを作成することと、
前記モバイル装置の前記画面上に前記さらなる医学的値アイコンを代わりに表示することによって、前記モバイル装置の前記画面上の現在表示されている前記医学的値アイコンの表示を置き換えるか、または前記モバイル装置の前記画面上に前記さらなる医学的値アイコンを代わりに表示することによって、前記モバイル装置の前記画面上の現在表示されている所定のアイコンの表示を置き換えることと、
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
1つまたは複数の前記医学的値が、1つまたは複数のグルコース値、特に1つまたは複数の連続グルコース監視値である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の閾値が、1分から30分の間、特に5分から15分の間である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記モバイル装置がスマートフォンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記医療アプリケーションが、1つまたは複数の医学的値を受信し、1つまたは複数のスタイル情報を作成し、1つまたは複数の描画領域を作成し、1つまたは複数のテキストを描画し、1つまたは複数の医学的値アイコンを作成するように構成され、前記医療アプリケーションが、それぞれの作成された医学的値アイコンを含む通知を、前記モバイル装置のオペレーティングシステムによって前記医療アプリケーションの外部の前記モバイル装置の前記画面上に表示するために、および任意に、前記それぞれの作成された医学的値アイコンと追加情報とを含む通知を、前記医療アプリケーションの外部の前記モバイル装置の画面上の通知パネルにバナー警告またはポップアップ通知として提示するために、送信するようにさらに構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記モバイル装置がタッチセンシティブディスプレイを備え、ユーザが前記通知を前記ディスプレイからスワイプすることに基づいて前記通知が退けられない、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の前記医学的値が、医療センサ、別個の電子装置、またはクラウドから無線で受信される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1、第2、またはさらなる医学的値アイコンが、前記モバイル装置のロック画面に表示される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステータスバーが前記モバイル装置の前記ディスプレイに表示され、前記第1または第2の医学的値アイコンが前記ステータスバーに表示される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのディスプレイを有するモバイル装置であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、モバイル装置。
【請求項14】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、ディスプレイを有するモバイル装置によって前記プログラムが実行されると、前記モバイル装置に、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体、具体的には非一時的記憶媒体であって、前記命令は、ディスプレイを有するモバイル装置によって実行されると、前記モバイル装置に、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばグルコース値などの医学的値をモバイル装置の画面上に表示するためのコンピュータ実装方法、モバイル装置、およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
真性糖尿病は、しばしば糖尿病と呼ばれ、インスリンを産生および/または使用する身体の能力の欠陥から生じる慢性状態である。糖尿病には3つの主要なタイプがある。1型糖尿病は、通常、小児および若年成人に発症し、自己免疫性、遺伝性および/または環境性であり得る。2型糖尿病は、糖尿病症例の90~95%を占め、肥満および運動不足に関連している。妊娠糖尿病は、妊娠中に診断されるグルコース不耐性の形態であり、通常、出産後に自然に回復する。
【0003】
高血糖レベルは、例えば、小血管の劣化に関連付けられた一連の生理学的副作用を引き起こすことがある。これらの副作用は、例えば、腎不全、皮膚潰瘍、眼の硝子体内への出血などを含むことがある。低血糖レベルは、頭痛、発作、意識消失および昏睡のリスクと関連付けられることができる。
【0004】
糖尿病は、主に血流中のグルコースレベルを制御することによって管理される。このレベルは、動的で複雑であり、消費される食品の量および種類、ならびに血液中のインスリン(細胞膜を介するグルコースの輸送を媒介する)の量を含む複数の要因によって影響を受ける。血中グルコースレベルはまた、運動、睡眠、ストレス、喫煙、旅行、病気、月経、ならびに個々の患者に固有の他の心理学的および生活様式の要因に対して感受性がある。
【0005】
ユーザの体内、体上、または体の近くに配置された装置を用いてグルコースレベルを測定するためのいくつかのシステムが開発されている。これらの装置は、典型的には、任意に中間電気装置を介して、データまたは他の情報をセンサから電気装置に無線送信してデータを監視または表示するための1つまたは複数のグルコースセンサおよび通信回路を含む。
【0006】
連続グルコース監視装置などの装置の一般的な用途は、間質液(ISF)または着用者の血液などの体液中のグルコースの自動監視である。そのような分析物監視装置は、糖尿病の管理において特定の価値を有する。例えば、連続グルコース監視(CGM)の場合、皮膚の下または体内に挿入された身体センサが使用されて、グルコースレベルを確認することができる。センサは、数日から数週間または数ヶ月間、所定の位置に留まり、その後交換されなければならない。送信機は、(例えば、無線データ伝送を介して)グルコースレベルに関する情報をセンサから監視または表示のための装置に送信することができる。
【0007】
現在の分析物レベルおよびそれが経時的にどのように変化することができるかを知ることは、糖尿病症状を管理するための適切な治療を決定するために重要である。
【0008】
最初は、(連続)グルコース監視装置は、グルコースレベルに関するデータを、グルコースレベル、およびユーザ(患者)のための他の情報を表示するように特に設計された専用の医療装置に無線で送信していた。しかしながら、スマートフォンおよびスマートフォン上で実行されるソフトウェアアプリケーション(アプリ)の人気が高まるにつれて、専用の医療装置を携帯する必要性を回避することを好むユーザがますます増えている。代わりに、彼らは、スマートフォン、タブレット、またはスマートウォッチまたはスマートグラスのようなウェアラブル装置などのモバイルコンピューティング装置上で実行されるソフトウェアアプリを使用して血糖値を監視することを好む。
【0009】
米国特許第10596318号明細書は、患者ユーザが、例えば、彼らのスマートフォン装置のロック画面または彼らのスマートウォッチから、彼らにとって最も便利な方法でグルコース通知を閲覧および削除することを可能にするCGMアプリを開示している。また、CGMアプリは、患者ユーザのスマートフォンまたはウェアラブル装置(例えば、Apple Watch)のオペレーティングシステム(例えば、Apple iOSの今日のウィジェット)の重要なツールを使用してデータの提示を管理することができ、ユーザがグルコースおよびインスリンデータを一目で分かるように見て、治療のための即時の決定を行うことを可能にすることも開示されている。
【0010】
豪州特許出願公開第2015335913号明細書は、現在のグルコースレベルおよび変化率のうちの1つまたは複数が、装置がロックされているときにロックされた画面上に表示されることができる旨を記載している。
【0011】
米国特許第9585563号明細書は、受信したセンサデータに基づいて遠隔モニタに通知メッセージを送信することを記載している。
【0012】
米国特許第10406287号明細書は、低グルコース警告のコンテキスト内でスマートフォンのロック画面上にスマート警告を提供することができる旨を記載している。ユーザが自分のスマートフォン上の通知を見ると、自分の電話のロックを解除し、警告の「ポップオーバー」通知を見ることができる。
【0013】
米国特許第10328204号明細書は、ユーザのCGMデータを表示するときに関連するユーザの証印を表示することができるCGM受信機またはCGMスマートフォンアプリケーションを開示している。
【0014】
米国特許出願公開第20170220750号明細書は、スマートウォッチと同様に電話ロック画面上で通知が提供されることができ、異なるボタンオプションをユーザに提示して、アプリに入る必要なしにアプリへのフィードバックを可能にする旨を開示している。
【0015】
米国特許出願公開第20150289821号明細書は、GUI値に基づいて実施可能な警告示すためにモバイル装置ユーザインターフェース上で使用可能ないくつかのタイプの機能を開示している。ユーザインターフェースは、特に、血糖緊急度指数および血糖またはグルコース情報を示すことができる。GUI値の表示は、色またはアイコンなどの要素などの視覚化または表現の使用など、いくつかの方法で行うことができる。
【0016】
医学的値に関係なく、米国特許第8904479号明細書は、その上端に沿ってステータスバーを示すディスプレイを開示している。例として、そのようなステータスバーは、例えば、WiFiまたはブルートゥースの有無を示し、さらに、ステータスバーはまた、画面が最後に操作されてからの音声メール、不在着信、テキストメッセージおよび受信された電子メールメッセージの通知のためのグラフィカル要素を示す。
【0017】
従来技術は、モバイル装置の画面上にグルコース情報を表示することを記載しているかもしれないが、モバイル装置のオペレーティングシステムは、(糖尿病)アプリケーションの製造業者が完全に彼の裁量でモバイル装置の画面上に医療データを表示することを可能にしないかもしれない。特に、モバイル装置のロック状態および/または糖尿病アプリケーションの外部では、離散的且つ迅速に最新のグルコース情報をユーザに提供することを妨げる制限がある。
【0018】
本開示の目的は、グルコース値などの医学的値をモバイル装置の画面上でユーザに表示し、それによって糖尿病症状などの彼の医学的症状(ステータス)を管理するための適切な治療を決定するための情報を提供するための改善された技術を提供することである。
【発明の概要】
【0019】
この課題は、本明細書において提供される方法によって解決される。単独の方式または任意の恣意的な組み合わせで実現されることができる特定の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0020】
一態様では、本発明は、医療アプリケーションを含むモバイル装置の画面上に医学的値を表示するコンピュータ実装方法であって、方法が、以下のステップ、すなわち、
第1の医学的値と、任意に、第1の医学的値の測定時刻を示す第1の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、をモバイル装置上で受信するステップと、
第1の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップと、
描画用の第1のスタイル情報を作成するステップと、
第1の描画領域を作成するステップと、
第1のスタイル情報を使用して第1の描画領域上に第1のテキストを描画して、第1の医学的値の画像を作成するステップと、
第1の医学的値の画像から第1の医学的値アイコンを作成するステップと、
モバイル装置の画面上に第1の医学的値アイコンを表示するステップであって、画面が、ホーム画面、ロック画面、または医療アプリケーションの外部の別の画面である、表示するステップと、
を含み、
任意に、第1の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を作成するステップ、第1の描画領域を作成するステップ、第1の描画領域上に第1のテキストを描画するステップ、および第1の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される、コンピュータ実装方法に関する。
【0021】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つのディスプレイを有するモバイル装置であって、上述した方法を実行するように構成される、モバイル装置に関する。
【0022】
別の態様では、本発明は、プログラムがディスプレイを有するモバイル装置によって実行されると、モバイル装置に上述した方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0023】
別の態様では、本発明は、ディスプレイを有するモバイル装置によって実行されると、モバイル装置に上述した方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体、具体的には非一時的記憶媒体に関する。
【0024】
以下において使用される場合、用語「有する(have)」、「備える(comprise)」もしくは「含む(include)」またはこれらの任意の文法的変化形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、このコンテキストにおいて説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つまたは複数の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で、且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つまたは複数のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0025】
さらに、特徴または要素が1回または複数回存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回を超えて存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」という表現は繰り返されない。
【0026】
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語により導入される特徴は、任意の特徴であり、特許請求の範囲を、いかなる方法によっても制約することを意図されていない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関するいかなる制限も伴わず、本発明の範囲に関するいかなる制限も伴わず、そのようなやり方で導入される特徴を本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関するいかなる制限も伴わない任意の特徴であるように意図される。
【0027】
上記のように、第1の実施形態では、本発明は、医療アプリケーションを含むモバイル装置の画面上に医学的値を表示するコンピュータ実装方法であって、方法が、以下のステップ、すなわち、
第1の医学的値と、任意に、第1の医学的値の測定時刻を示す第1の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、をモバイル装置上で受信するステップと、
第1の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップと、
描画用の第1のスタイル情報を作成するステップと、
第1の描画領域を作成するステップと、
第1のスタイル情報を使用して第1の描画領域上に第1のテキストを描画して、第1の医学的値の画像を作成するステップと、
第1の医学的値の画像から第1の医学的値アイコンを作成するステップと、
モバイル装置の画面上に第1の医学的値アイコンを表示するステップであって、画面が、ホーム画面、ロック画面、または医療アプリケーションの外部の別の画面である、表示するステップと、
を含み、
任意に、第1の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を作成するステップ、第1の描画領域を作成するステップ、第1の描画領域上に第1のテキストを描画するステップ、および第1の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される、コンピュータ実装方法に関する。それにより、適切な治療を決定するために、患者(モバイル装置のユーザ)の医学的症状に関する(最新の)情報が患者に提供される。
【0028】
「モバイル装置」という用語は、モバイル電子装置、より具体的には、携帯電話またはスマートフォンなどのモバイル通信装置を指すことができる。追加的または代替的に、モバイル装置はまた、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、または別の種類のポータブルコンピュータを指してもよい。モバイル装置は、画面上で患者に医学的値を表示するためのディスプレイ(例えば、タッチセンシティブディスプレイ)を備える。患者は、モバイル装置のユーザとも呼ばれることがある。モバイル装置はまた、オペレーティングシステム、例えばAndroidを備えることができる。モバイル装置は、医療アプリケーション(アプリ)をさらに備える。医療アプリは、モバイル装置にインストールされる。
【0029】
1つまたは複数の医学的値は、特に1つまたは複数のグルコース値、特に1つまたは複数の連続グルコース監視値とすることができる。医学的値は、特に、患者の体液中の分析物の濃度を示すことができる。一例では、分析物はグルコースである。したがって、医学的値という用語は、特にグルコース値、特に患者の血糖濃度を指すことができる。あるいは、グルコース値は、患者の間質液、尿、唾液または別の種類の体液中のグルコース濃度を示すことができる。本発明においてモバイル装置によって受信された2つ以上の医学的値がある場合(すなわち、第2の医学的値および/またはさらなる医学的値が受信された場合)、それらは、第1の医学的値と同じ種類の医学的値であり、第1の医学的値と同じ患者に対して決定される。例えば、第1の医学的値、第2の医学的値およびさらなる医学的値は、例えば、全てのグルコース値である。あるいは、医学的値は、トリグリセリド値、乳酸値、またはコレステロール値またはケトン値であってもよい。
【0030】
医学的値は、例えば、連続グルコース監視センサなどの医療センサ、別個の電子装置、または受信ユニットを介したクラウドから、モバイル装置上で無線で受信されることができる。受信ユニットは、データを受信および送信するためにブルートゥースインターフェースなどのインターフェースを備えることができる。医学的値にそれぞれ関連付けられたタイムスタンプは、医学的値と同じ方法で受信されることができる。医学的値に関連付けられたタイムスタンプは、それぞれの医学的値がいつ測定されたかを示す。
【0031】
医学的値は、任意のフォーマット(データタイプ)で、例えばテキストフォーマットで直接、モバイル装置上で受信されることができる。代替として、医学的値は、テキスト以外の形式で、例えば整数などの数値として受信される。医学的値が携帯電話でテキストとして直接受信されない場合、それはテキストに変換される。変換は、テキストに直接行われてもよく、または変換は、最初に中間フォーマット(例えば(倍精度)浮動小数点形式)、次いでテキストに行われてもよい。
【0032】
「描画用の第1のスタイル情報を作成する」という用語は、作成される画像のプロパティを定義することを指す。スタイル情報は、特に、色、テキストサイズ、およびテキスト位置合わせのうちの少なくとも1つに関する情報を含むことができる。このようにして、描画の仕方に関するスタイル情報を保持するペイントオブジェクトが作成されることができる。描画用の第1のスタイル情報を作成するために、スタイル情報がモバイル装置のメモリから取得されることができる。
【0033】
「第1の描画領域を作成する」という用語は、特定の幅および高さならびに/またはピクセルのグリッドを含む描画領域を定義することを指す。したがって、第1の描画領域を作成することは、キャンバスが描画するピクセルを保持するためのビットマップを作成することを含むことができる。第1の描画領域を作成することは、作成される描画領域の幅および高さに関する情報、またはピクセルのグリッドに関する情報を携帯電話のメモリから取得することをさらに含むことができる。
【0034】
描画コマンドは、第1の描画領域上に第1のテキストを描画するために生成されてもよい。したがって、「第1の描画領域上に第1のテキストを描画する」という用語は、第1のスタイル情報を使用して第1の医学的値の画像を作成する描画コマンドを適用することを含むことができる。したがって、本発明の方法は、ビットマップを通過するキャンバスを作成することと、ペイントを使用して第1のテキストをビットマップ内に描画することとを含むことができる。
【0035】
本明細書で使用されるアイコンという用語は、モバイル装置の画面に表示される記号またはグラフィカル表現として定義される。本発明において、アイコンは、特に通知アイコンである。
【0036】
したがって、「第1の医学的値の画像から第1の医学的値アイコンを作成する」という用語は、ホーム画面、ロック画面、または医療アプリケーションの外部の別の画面に表示するために、定義されたファイルフォーマットで第1の医学的値の作成された画像から医学的値のシンボルまたはグラフィカル表現を作成することを指すことができる。アイコンは、医療アプリケーションの外部のホーム画面、ロック画面、または別の画面に表示するために、モバイル装置のオペレーティングシステムによって受け入れられる。このような画面の少なくとも一部では、テキストの表示が受け入れられない場合がある。しかしながら、これらの画面に表示するための(通知)アイコンが受け入れられる。
【0037】
医療アプリケーション(医療アプリとも呼ばれる)は、モバイル装置上で動作するソフトウェアプログラム(例えば、アプリストアからダウンロード可能)として定義されることができる。医療アプリは、特に、モバイル装置の製造業者とは異なる製造業者によるソフトウェアプログラムおよびモバイル装置のオペレーティングシステムである。医療アプリは、特に、本発明の方法の受信ステップ、変換ステップ、取得ステップ、作成ステップ、描画ステップ、および決定ステップのうちの1つまたは複数を実行するように構成されることができる。医療アプリは、モバイル装置のオペレーティングシステムに、ホーム画面、ロック画面、または医療アプリケーションの外部の別の画面に、医学的値アイコンまたは所定のアイコンを表示させるようにさらに構成されることができる。
【0038】
ホーム画面は、モバイル装置にインストールされた複数のアプリケーション(プログラム)のどれがフォアグラウンドで実行されるかを患者が選択することを可能にするための画面である。フォアグラウンドでアプリケーションが実行されると、このアプリケーションの画面が表示される。アプリケーションがフォアグラウンドで実行されていない場合、アプリケーションの外部の画面が表示される。
【0039】
ロック画面は、モバイル装置がロック状態にあるときに表示される画面である。モバイル装置をロック解除するために、患者から患者認証が必要とされることができる。ロック状態では、患者は、電話で実行されているアプリケーションと相互作用することができない。電話がロック解除状態にある場合、患者は、モバイル装置上で実行されているアプリケーションと相互作用することができる。
【0040】
ホーム画面およびロック画面は、医療アプリケーション以外の例示的な画面である。アプリケーションの内部の画面は、アプリケーションがフォアグラウンドで実行されているときの医療アプリケーションの画面である。
【0041】
一実施形態では、第1の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を作成するステップ、第1の描画領域を作成するステップ、第1の描画領域上に第1のテキストを描画するステップ、および第1の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数は、第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される。したがって、本発明の方法は、第1の医学的値に関連付けられたタイムスタンプを使用して、第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えるかどうかを判定することを含むことができる。所定の時間閾値の超過を確認し、肯定の場合、第1の医学的値アイコンを表示することをやめることは、モバイル装置のユーザに彼の医学的ステータスに関する最近の情報のみが提供されることを保証する。古い情報は、例えば、患者に深刻な合併症を引き起こす可能性がある誤った医療処置につながることがある。
【0042】
本発明の方法は、以下のステップ、すなわち、
第1の医学的値を受信した後の第2の医学的値と、任意に、第1の医学的値の測定時刻の後である第2の医学的値の測定時刻を示す第2の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、をモバイル装置上で受信するステップと、
第2の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップと、
第1のスタイル情報を取得するか、または描画用の第2のスタイル情報を作成するステップと、
第2の描画領域を作成するステップと、
第1のスタイル情報または第2のスタイル情報を使用して第2の描画領域上に第2のテキストを描画して、第2の医学的値の画像を作成するステップと、
第2の医学的値の画像から第2の医学的値アイコンを作成するステップと、
第2の医学的値アイコンをモバイル装置の画面上に代わりに表示することによって、モバイル装置の画面上の第1の医学的値アイコンの表示を置き換えるステップと、
をさらに含むことができ、
任意に、第2の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を取得するか、または第2のスタイル情報を作成するステップ、第2の描画領域を作成するステップ、第2の描画領域上に第2のテキストを描画するステップ、および第2の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される。
【0043】
第2の医学的値は、第1の医学的値と同じ患者について決定され、第1の医学的値と同じ種類の医学的値である。したがって、第1および第2の医学的値は、双方とも、連続グルコース監視値とすることができる。第2の医学的値は、第1の医学的値の後にモバイル装置上で受信され、第2の医学的値の測定時刻は、第1の医学的値の測定時刻の後である。モバイル装置の画面上の第1の医学的値アイコンの表示は、モバイル装置の画面上に第2の医学的値アイコンを代わりに表示することによって置き換えられることができ、画面は、ホーム画面、ロック画面、または医療アプリケーションの外部の別の画面である。それにより、患者には常に最新の情報が提供されることができる。第2の描画領域上に第2のテキストを描画するために、取得された第1のスタイル情報が再利用されてもよく、または第2のスタイル情報が作成され、第2の医学的値の画像を作成するために使用される。前者のプロセスは、本方法をさらに効率的にすることができる。描画用の第1および/または第2のスタイル情報は、モバイル装置のメモリに記憶された第1のスタイルデータのセットに基づくことができる。また、第1および/または第2の描画領域の作成は、モバイル装置のメモリに記憶された第1の描画領域データセットに基づいてもよい。
【0044】
一実施形態では、第2の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を取得するか、または第2のスタイル情報を作成するステップ、第2の描画領域を作成するステップ、第2の描画領域上に第2のテキストを描画するステップ、および第2の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数は、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される。したがって、本発明の方法は、第2の医学的値に関連付けられたタイムスタンプを使用して、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えるかどうかを判定することを含むことができる。所定の時間閾値の超過を確認し、肯定の場合、第2の医学的値アイコンを表示することをやめることは、モバイル装置の患者にその医学的ステータスに関する最近の情報のみが提供されることを保証する。古い情報は、例えば、患者に深刻な合併症を引き起こす可能性がある誤った医療処置につながることがある。
【0045】
本発明の方法は、
第1の医学的値の測定時刻と、または第2の医学的値が受信された場合、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えるかどうかを判定または再判定することと、
第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差、または第2の医学的値が受信された場合、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超える場合、モバイル装置のメモリに記憶された所定のアイコンを表示することによって、モバイル装置のディスプレイ上の現在表示されている医学的値アイコンの表示を置き換えることと、
をさらに含むことができる。所定のアイコンは、本明細書では未知の現在の医学的ステータスアイコンとも呼ばれることがある。
【0046】
例としての所定のアイコンは、クエスチョンマークのグラフィカル表現を含む。医学的値アイコンとは対照的に、所定のアイコンは、新たな医学的値が受信されるたびに新たに作成される(「オンザフライ」)のではなく、現在表示されている医学的値が古くなりすぎ、新たな医学的値が受信されていないと判定されるたびに同じ所定のアイコンが使用されることができる。それにより、患者は、モバイル装置上で最新の医学的値が受信されていないことを警告される。したがって、患者は、自分の(未知の)医学的症状に注意することができる。これはまた、例えば、それを介して医療装置によって医学的値が受信されることができる、患者がモバイル装置とセンサまたは他の外部装置との間の無線接続またはクラウド接続を確認するためのトリガであってもよい。
【0047】
先行する請求項の方法は、第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差、または第2の医学的値が受信された場合、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が、所定の時間閾値を超えない場合、現在表示されている医学的値アイコンの表示を継続することをさらに含むことができる。
【0048】
また、それによって、例えば、現在表示されている医学的値アイコンがまだ最新であることが数分ごとに確認されることができる。
【0049】
本発明の方法は、
さらなる医学的値と、さらなる医学的値に関連付けられたタイムスタンプであって、さらなる医学的値の測定時刻を示すタイムスタンプと、を医療装置上で受信することと、
さらなる医療の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えないかどうかを判定することと、
時間閾値を超えない場合、
さらなる医学的値がテキストとして直接受信されない場合、さらなる医学的値をさらなるテキストに変換することと、
第1のスタイル情報を取得するか、または描画用のさらなるスタイル情報を作成することと、
さらなる描画領域を作成することと、
第1のスタイル情報またはさらなるスタイル情報を使用してさらなる描画領域上にさらなるテキストを描画して、さらなる医学的値の画像を作成することと、
さらなる医学的値の画像からさらなる医学的値アイコンを作成することと、
モバイル装置のディスプレイ上にさらなる医学的値アイコンを代わりに表示するか、またはモバイル装置のディスプレイ上の現在表示されている所定のアイコンの表示を代わりに置き換えることによって、モバイル装置のディスプレイ上の現在表示されている医学的値アイコンの表示を置き換えることと、
をさらに含むことができる。
【0050】
さらなる医学的値は、以前に受信した医学的値と同じ患者について決定され、以前に受信した医学的値と同じ種類の医学的値である。したがって、さらなる医学的値はまた、連続グルコース監視値とすることができる。
【0051】
したがって、本明細書で言及される1つまたは複数の医学的値は、1つまたは複数のグルコース値、特に1つまたは複数の連続グルコース監視値とすることができる。
【0052】
所定の閾値は、30分未満とすることができる。例として、所定の閾値は、1分から30分の間、特に5分から15分の間とすることができる。一実施形態では、所定の閾値は、約10分である。所定の閾値は、モバイル装置のメモリに記憶されてもよい。示された閾値は、所定のアイコンを表示することによってグルコース値の欠落について患者を頻繁に煩わせることなく最新の情報を保証するので、医学的値がグルコース値である場合に特に適している。
【0053】
医療アプリケーションは、1つまたは複数の医学的値を受信し、1つまたは複数のスタイル情報を作成し、1つまたは複数の描画領域を作成し、1つまたは複数のテキストを描画し、1つまたは複数の医学的値アイコンを作成するように構成されることができ、医療アプリケーションが、それぞれの作成された医学的値アイコンを含む通知を、モバイル装置のオペレーティングシステムによって医療アプリケーションの外部のモバイル装置の画面上に表示するために、および任意に、それぞれの作成された医学的値アイコンと追加情報とを含む通知を、医療アプリケーションの外部のモバイル装置の画面上の通知パネルにバナー警告またはポップアップ通知として提示するために、通知を送信するようにさらに構成される。
【0054】
医療アプリケーションはまた、医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えていないかどうかを判定するように、および/またはメモリから第1のスタイル情報を取得するように構成されることができる。
【0055】
一実施形態では、モバイル装置は、タッチセンシティブディスプレイを備え、ユーザが通知パネル内の通知をディスプレイからスワイプすることに基づいて通知は退けられない。
【0056】
一実施形態では、1つまたは複数の医学的値は、医療センサ、別個の電子装置、またはクラウドから無線で受信される。
【0057】
一実施形態では、第1、第2のさらなる医学的値アイコンは、モバイル装置のロック画面に表示される。一実施形態では、所定のアイコンは、モバイル装置のロック画面に表示される。
【0058】
ステータスバーは、モバイル装置の画面上に表示されてもよく、第1、第2、またはさらなる医学的値アイコン、または所定のアイコンがステータスバーに表示されてもよい。一実施形態では、ステータスバーは、ホーム画面、ロック画面、および任意に他のアプリケーション(フォアグラウンドで実行されている)の画面に表示される。一実施形態では、ステータスバーは、表示用のテキストを受け入れないか、またはテキストを受け入れ、テキストは30または10秒以内で表示されるという点でさらに定義されてもよい。
【0059】
ステータスバー内のアイコンは、通知アイコンおよびステータスアイコンとして分類されてもよい。通知アイコンは、個々のアプリにリンクされている。ステータスアイコンは、常にオペレーティングシステムに関連している。通知アイコンは、特にステータスバーの左側にあってもよい。ステータスアイコンは、特にステータスバーの右側にあってもよい。通知アイコンは、通常、通知パネルに1つまたは複数の対応する通知を有する。本明細書に記載の第1、第2のさらなる医学的値アイコン、および所定のアイコンは、特に通知アイコンである。
【0060】
一実施形態では、医学的値アイコンは、30秒を超えて画面に表示される。それは、より最近の医学的値に置き換えられるまで、またはそれが古くなるまで(表示された医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えると判定されるとき)表示されることができる。したがって、10分の例示的な時間閾値では、医学的値アイコンは、例えば、最大10分間表示されることができる。
【0061】
上記で概説したように、モバイル装置は、具体的には、モバイル通信装置であってもよい。したがって、具体的には、モバイル装置は、スマートフォンであってもよい。方法ステップは、前述の実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するためのプログラム手段を備えるモバイル装置のプロセッサによってコンピュータ実装またはコンピュータ支援されてもよい。プログラム手段は、モバイル装置にインストールされた医療アプリによって提供されてもよい。
【0062】
本発明の態様では、少なくとも1つのディスプレイを有するモバイル装置であって、本明細書に記載の実施形態のいずれかにかかる方法を実行するように構成されたモバイル装置が開示される。
【0063】
本発明のさらなる態様では、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つにかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが開示される。特に、プログラムは、モバイル装置のプロセッサ上で実行される。
【0064】
さらなる態様では、特に、命令を含むコンピュータプログラムであって、当該命令は、プログラムがディスプレイを有するモバイル装置によって実行されると、モバイル装置に、本明細書に記載の実施形態のいずれかにかかる方法を実行させる、コンピュータプログラムが開示される。
【0065】
したがって、一般的に言えば、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる1つまたは複数の実施形態において、本発明にかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが開示および提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データ媒体に記憶されることができる。したがって、具体的には、上述したような方法ステップの1つ、2つ以上、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行されることができる。コンピュータは、具体的には、モバイル装置に完全にまたは部分的に統合されることができ、コンピュータプログラムは、具体的には、ソフトウェアアプリとして具体化されることができる。
【0066】
さらなる態様では、特に、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体、具体的には非一時的記憶媒体であって、当該命令は、ディスプレイを有するモバイル装置によって実行されると、モバイル装置に、先行する方法請求項のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体が開示される。
【0067】
以下、異なる実施形態を参照して、例として本発明をさらに詳細に説明する。
【0068】
実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明のさらなる理解を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】ステータスバーのロック画面上にグルコース値アイコンを表示する本発明のモバイル装置の実施形態を示している。
図2】所定のアイコンをホーム画面上のステータスバーに表示する本発明のモバイル装置の実施形態を示している。
図3】本発明の方法の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1では、ロック画面112のステータスバー114に医学的値アイコン116を表示するモバイル装置110の例示的な実施形態が示されている。医学的値アイコン116は、特にグルコース値アイコンとすることができる。この場合の135は、135mg/dlの血糖値を表すことができる。この例のステータスバーは、医学的値アイコン以外の他のアイコンを含む。ステータスバーの右側には、バッテリアイコン、信号強度アイコン、wifiアイコンなどのステータスアイコンが表示される。ステータスバー通知アイコンの左側には、医学的値アイコン116、新たな電子メールアイコン(例えば、小さいエンベロープのグラフィカル表現を用いて)、および不在着信アイコン(例えば、電話受信機のグラフィカル表現を用いて)などが表示される。ステータスバーは、画面の上部に配置されてもよい。ステータスバーは、画面のほんの一部を占めるにすぎない。例として、ステータスバーは、表示される全画面の1/10未満、すなわち1/20未満を占める。それにより、画面の十分な部分は、通知アイコンおよびステータスアイコン以外のコンテンツを患者に表示するために利用可能である。特に、医学的値アイコンは、他の人の注意を引くことなく、患者の現在の医学的症状について離散的にのみ患者に知らせるべきである。ステータスバー内の全てのアイコンは、例えば、96×96ピクセル未満のサイズを有することができる。特に、ステータスバー内の全てのアイコンは、例えば、xxxhdpi画面上で96×96ピクセル以下のサイズを有する。別の例として、ステータスバー内の全てのアイコンは、24×24dp以下として表示されてもよい。dp(密度独立ピクセル)は、画面の物理密度に基づく抽象単位である。これらの単位は、160dpiの画面に対するものであるため、160dpiの画面では1dpが1ピクセルとなる。通知アイコンは、画面上に全て白色で表示されてもよい。したがって、一実施形態では、医学的値アイコンおよび/または所定のアイコンは、画面上に全て白色で表示される。
【0071】
図2では、ホーム画面118のステータスバーに所定のアイコン120(未知の現在の医学的ステータスアイコンとも呼ばれる)を表示するモバイル装置110の別の例示的な実施形態が示されている。ホーム画面には、モバイル装置にインストールされているアプリケーションのアイコンが複数表示されてもよい。タッチセンシティブディスプレイ上のそのようなアイコンをタップすることにより、それぞれのアプリケーションがフォアグラウンドで実行されるように起動されることができる。したがって、そのようなアイコンは、ランチャーアイコンと呼ばれることがある。ホーム画面には、通知アイコンよりも大きなランチャーアイコンが表示される。ランチャーアイコンは、例えば、少なくとも1.5倍または少なくとも2倍または少なくとも3倍のサイズの通知アイコンを有する。図2の実施形態は、画面上に表示された4つのランチャーアイコンを備える。例えば、電話アプリ124のランチャーアイコンが左に表示され、続いて(左から右に)メールアプリのランチャーアイコンが表示され、続いて音楽アプリのランチャーアイコンが表示される。右側には、モバイル装置にインストールされた医療アプリ122のランチャーアイコンが表示される。医療アプリは、特に糖尿病アプリとすることができる。図2の例では、未知の現在の医学的ステータスアイコンは、医療アプリのランチャーアイコン(の一部)およびクエスチョンマークのグラフィカル表現とすることができる。
【0072】
したがって、図1および図2の例では、患者は、20:20に自分のモバイル装置のロック画面を確認し、ステータスバーに表示されるグルコース値アイコンを見ることができる。それによって、彼は、彼の現在の医学的ステータスについて知らされ、より具体的には、このようにして、彼は、彼の現在のグルコース値について知らされることができる(135は、135mg/dlの血糖値を表す)。32分後(20:52)、彼は、図2の例における彼のモバイル装置のホーム画面を見て、未知の現在の医学的ステータスアイコンを見る。例として、所定の時間閾値が10分に設定されていると仮定すると、それにより、患者は、直近の10分間に測定されたモバイル装置上でグルコース値が受信されていないことを通知されることができる。それにより、患者は、自分のグルコースセンサが動作を停止したかどうか、またはモバイル装置がグルコースセンサによって測定された現在のグルコース値を受信するための潜在的な問題を引き起こす接続性問題が生じたかどうかを確認するようにトリガされることができる。
【0073】
モバイル装置110は、モバイル装置に含まれるプロセッサの適切なプログラミングによって、本発明にかかる方法を実行および/またはサポートするように構成される。これについて、図3のフローチャートに示す例示的な実施形態を参照して説明する。
【0074】
方法130は、具体的には所与の順序で実行されることができる以下のステップを含む。さらに、異なる順序も可能とすることができる。2つ以上の方法ステップを完全にまたは部分的に同時に実行することができてもよい。さらに、1つ、2つ以上、または全ての方法ステップを1回または繰り返し実行することができてもよい。方法130は、
(参照符号132によって示される)第1の医学的値と、任意に、第1の医学的値の測定時刻を示す第1の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、をモバイル装置(112)上で受信することと、
(参照符号134によって示される)第1の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、第1の医学的値を第1のテキストに変換することと、
(参照符号136によって示される)描画用の第1のスタイル情報を作成することと、
(参照符号138によって示される)第1の描画領域を作成することと、
(参照符号140によって示される)第1のスタイル情報を使用して第1の描画領域上に第1のテキストを描画して、第1の医学的値の画像を作成することと、
(参照符号142によって示される)第1の医学的値の画像から第1の医学的値アイコンを作成することと、
(参照符号144によって示される)モバイル装置の画面上に第1の医学的値アイコン(116)を表示することであって、画面が、ホーム画面、ロック画面(112)、または医療アプリケーション(122)の外部の別の画面である、表示することと、
を含み、
任意に、第1の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第1の医学的値を第1のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を作成するステップ、第1の描画領域を作成するステップ、第1の描画領域上に第1のテキストを描画するステップ、および第1の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行される。
【0075】
方法130は、図3に列挙されていない追加の方法ステップを含むことができる。したがって、方法130は、追加のステップ、すなわち、
第1の医学的値を受信した後の第2の医学的値と、任意に、第1の医学的値の測定時刻の後である第2の医学的値の測定時刻を示す第2の医学的値に関連付けられたタイムスタンプと、をモバイル装置上で受信するステップと、
第2の医学的値がテキストとして直接受信されない場合、第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップと、
第1のスタイル情報を取得するか、または描画用の第2のスタイル情報を作成するステップと、
第2の描画領域を作成するステップと、
第1のスタイル情報または第2のスタイル情報を使用して第2の描画領域上に第2のテキストを描画して、第2の医学的値の画像を作成するステップと、
第2の医学的値の画像から第2の医学的値アイコンを作成するステップと、
第2の医学的値アイコンをモバイル装置の画面上に代わりに表示することによって、モバイル装置の画面上の第1の医学的値アイコンの表示を置き換えるステップと、
を含むことができ、
任意に、第2の医学的値アイコンを表示するステップ、ならびに第2の医学的値を第2のテキストに変換するステップ、第1のスタイル情報を取得するか、または第2のスタイル情報を作成するステップ、第2の描画領域を作成するステップ、第2の描画領域上に第2のテキストを描画するステップ、および第2の医学的値アイコンを作成するステップのうちのゼロ、1つまたは複数が、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えない場合にのみ実行され、
および/または
第1の医学的値の測定時刻と、または第2の医学的値が受信された場合、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えるかどうかを判定または再判定することと、
第1の医学的値の測定時刻と現在時刻との差、または第2の医学的値が受信された場合、第2の医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超える場合、携帯電話のメモリに記憶された所定のアイコンを表示することによって、モバイル装置の画面上の現在表示されている医学的値アイコンの表示を置き換えることと、
を含むことができる。
【0076】
本方法は、
さらなる医学的値と、さらなる医学的値に関連付けられたタイムスタンプであって、さらなる医学的値の測定時刻を示すタイムスタンプと、を医療装置上で受信することと、
さらなる医学的値の測定時刻と現在時刻との差が所定の時間閾値を超えないかどうかを判定することと、
時間閾値を超えない場合、
さらなる医学的値がテキストとして直接受信されない場合、さらなる医学的値をさらなるテキストに変換することと、
第1のスタイル情報を取得するか、または描画用のさらなるスタイル情報を作成することと、
さらなる描画領域を作成することと、
第1のスタイル情報またはさらなるスタイル情報を使用してさらなる描画領域上にさらなるテキストを描画して、さらなる医学的値の画像を作成することと、
さらなる医学的値の画像からさらなる医学的値アイコンを作成することと、
モバイル装置の画面上にさらなる医学的値アイコンを代わりに表示することによって、モバイル装置の画面上の現在表示されている医学的値アイコンの表示を置き換えるか、またはモバイル装置の画面上にさらなる医学的値アイコンを代わりに表示することによって、モバイル装置の画面上の現在表示されている所定のアイコンの表示を置き換えることと、
をさらに含むことができる。
【0077】
本発明は、それらが変化することがあるため、本明細書に記載の特定の方法およびプロトコルに限定されない。本明細書に記載の方法および材料と類似または均等の任意の方法および材料が本発明の実施に使用されることができるが、好ましい方法および材料が本明細書に記載される。さらに、本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態のみについて記載する目的のためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】