(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】燃料電池の少なくとも1つのストレス状況を認識する方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04313 20160101AFI20230920BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20230920BHJP
H01M 8/04992 20160101ALI20230920BHJP
H01M 8/04694 20160101ALI20230920BHJP
【FI】
H01M8/04313
H01M8/04858
H01M8/04992
H01M8/04694
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509452
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 AT2021060316
(87)【国際公開番号】W WO2022051790
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518151386
【氏名又は名称】エーヴィエル・リスト・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルーン、タナー
(72)【発明者】
【氏名】デフネ、トーマス
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127DB00
5H127DC00
5H127DC42
(57)【要約】
本発明は、燃料電池(100)の少なくとも1つのストレス状況(SS)を認識する方法に関し、次の各ステップを有する:燃料電池(100)の少なくとも1つの動作パラメータ(BP)が監視され、監視される少なくとも1つの動作パラメータ(BP)がストレスデータバンク(SD)のストレスパラメータ(SP)と比較され、比較をベースとして、監視される動作パラメータ(BP)がストレスデータバンク(SD)に由来するストレス状況(SS)に割り当てられ、割り当てられたストレス状況(SS)が出力モジュール(50)によって出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の少なくとも1つのストレス状況を認識する方法において、次の各ステップを有し、
-燃料電池の少なくとも1つの動作パラメータが監視され、
-監視される少なくとも1つの前記動作パラメータがストレスデータバンクのストレスパラメータと比較され、
-前記比較をベースとして、監視される前記動作パラメータが前記ストレスデータバンクに由来するストレス状況に割り当てられ、
-割り当てられた前記ストレス状況が出力モジュールによって出力される、方法。
【請求項2】
割り当てられた前記ストレス状況が前記動作パラメータと前記ストレスパラメータの比較結果とともに前記出力モジュールによって出力される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ストレス状況を除去および/または低減するために、割り当てられた前記ストレス状況に加えて少なくとも1つのコントロール推奨が前記出力モジュールによって出力される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
割り当てられた前記ストレス状況とともに前記出力モジュールによって障害種類が出力される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記燃料電池が少なくとも1つのストレス状況のもとにあるストレス持続時間が特に監視モジュールによって検出される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
特に比較モジュールでの前記ストレスパラメータと前記動作パラメータとの比較が定量的に行われる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
特に割当モジュールでの前記ストレス状況への割当にあたって別のストレスパラメータおよび/または別のストレス状況に対する少なくとも1つの相互影響が考慮される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記比較および/または前記割り当てのステップがニューラルネットワークの利用なしに行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法のステップが定期的に、特に継続的に、反復される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記比較および/または前記割り当てにあたって少なくとも1つの前記動作パラメータおよび/またはストレスパラメータが1つまたは複数の加重係数によって適合化される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記燃料電池での少なくとも1つの障害の決定が行われ、出力されたストレス状況と決定された障害との比較が行われて前記ストレスデータバンクの適合化が行われる、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
燃料電池の少なくとも1つのストレス状況を認識するための認識装置において、前記燃料電池の少なくとも1つの動作パラメータを監視するための監視モジュールと、監視される少なくとも1つの前記動作パラメータをストレスデータバンクのストレスパラメータと比較するための比較モジュールと、前記比較をベースとして、監視される前記動作パラメータを前記ストレスデータバンクに由来するストレス状況に割り当てるための割当モジュールと、割り当てられた前記ストレス状況を出力するための出力モジュールとを有する、認識装置。
【請求項13】
前記監視モジュールは前記燃料電池とは別個に独自のセンサ部材を有する、請求項12に記載の認識装置。
【請求項14】
前記監視モジュールは少なくとも1つのセンサ部材を前記燃料電池の一部として有する、請求項12に記載の認識装置。
【請求項15】
コンピュータによってプログラムが実行されたときに請求項1から11のいずれか1項に記載の方法の前記各ステップを実行するように指図するコマンドを含んでいる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の少なくとも1つのストレス状況を認識する方法、このような方法を実施するための認識装置、ならびに、このような方法を実施するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、さまざまに異なる動作状況のもとで作動することが知られている。可能な限り定常的な動作のほか、始動段階、停止段階、負荷状況が僅少の段階もしくは負荷状況のない段階、動的な負荷変動のある段階などを挙げることができる。現在の動作段階に応じて、相応の動作パラメータが燃料電池のそれぞれ異なる負荷状況を表す。周知の設計方策では、燃料電池を試験台でさまざまに異なる動作状況のもとで作動させる。試験台での動作は、燃料電池の長期負荷を実験によって決定し、次いで、認識された負荷に準じて燃料電池の個々のコンポーネントを設計し、燃料電池のその後の利用動作についての制御コンセプトを開発することを可能にする。その際には個々の燃料電池のコンポーネント、たとえばその膜や触媒などを対象とすることができ、および/または燃料電池システムのコンポーネント、たとえばそのコンプレッサや加湿ユニットなどを対象とすることができる。
【0003】
周知の解決法で欠点となるのは、燃料電池の動作パラメータの監視は試験台で実行されるものの、生じる可能性がある燃料電池の障害に関しては、いかなる追加のインテリジェンスも監視をすることができないことにある。むしろ、試験台での動作時に少なくとも部分的に燃料電池に障害が与えられ、それにより当該障害に関する情報を取得し、使用場所での燃料電池のその後の動作のときにそのような障害を認識して回避し、もしくは遅延させる。これに伴って生じる実験コストは非常に大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上に説明した欠点を少なくとも部分的に取り除くことにある。特に本発明の課題は、燃料電池の障害状況を可能な限り簡易な方式で監視して、障害を低減および/または回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の構成要件を有する方法、請求項12の構成要件を有する認識装置、および、請求項15の構成要件を有するコンピュータプログラム製品によって解決される。本発明のその他の構成要件や詳細は、従属請求項、発明の詳細な説明、および図面から明らかとなる。このとき、本発明による方法との関連で記述されている構成要件や詳細は、当然ながら本発明による認識装置ならびに本発明によるコンピュータプログラム製品との関連でも該当し、およびその逆も成り立つので、個々の発明態様についての開示に関しては常に相互の参照がなされ、または参照をすることができる。
【0006】
本発明によると方法は、燃料電池のストレス状況を認識するための役割を果たす。この方法は次の各ステップを有する:
-燃料電池の少なくとも1つの動作パラメータが監視され、
-監視される少なくとも1つの動作パラメータがストレスデータバンクのストレスパラメータと比較され、
-監視される動作パラメータが比較をベースとしてストレスデータバンクのストレス状況に割り当てられ、
-割り当てられたストレス状況が出力モジュールによって出力される。
【0007】
本発明による方法は、燃料電池の動作パラメータの周知の監視に依拠する。このような動作パラメータは、たとえば燃料電池または燃料電池モジュールの電流や相応の動作電圧など、電気的な動作パラメータであってよい。しかしながら、たとえば個々の動作ガスの流量および/またはそのガス組成、温度、圧力など、さらに別の動作パラメータも動作パラメータとして検出可能である。原則として、本発明の意味における動作パラメータは、燃料電池および/または燃料電池システムで特に直接的および/または間接的に測定可能な量である。
【0008】
本発明による方法が燃料電池用の試験台で好ましく適用されるとき、特に、燃料電池での動作状況と相応のストレス状況に関する可能な限り包括的な全体像を得るために、可能な限り多数の動作パラメータが検出される。このとき燃料電池システムに存在するセンサを、動作パラメータの検出のために援用することができる。しかしながら、さらに多くの数の動作パラメータを含むいっそう幅広い全体像を本発明による方法の基礎とするために、追加のセンサが認識装置の一部として設けられることも可能である。
【0009】
周知の解決法では、検出された動作パラメータが手動式に監視され、引き続いて試験運転で燃料電池システムの手動分析により、試験台で動作したときの燃料電池の考えられる障害についての推定を得るのに対して、本発明による方法は試験運転中の、すなわち試験台での動作中の、監視されるこれらの動作パラメータのさらなる処理をベースとする。そして監視される動作パラメータが、ストレスデータバンクのストレスパラメータと関連づけられる。換言すると本発明による方法は、動作状況とストレス状況の間の相関関係が保存されたストレスデータバンクを援用する。
【0010】
たとえば、低すぎる負荷状況(アイドルモード)の帰結として無負荷電圧に達することは、燃料電池にとって負担のかかる状況である。このような低い負荷状況を、電気的な動作パラメータをベースとして、ここではたとえば無負荷電圧をベースとして、認識することができる。このようなそのつどの負荷状況の認識のために、動作パラメータが、ここでは相応に低い電気的な負荷状態が、ストレスパラメータと、ここでは電気的な動作パラメータについての相応の限界値と、比較される。すなわちこの例では、監視される電気的な動作パラメータが、対応する電気的なストレスパラメータの限界値を超えたとき、本発明による方法によってこの動作状況に、ストレスデータバンクからの対応するストレス状況が割り当てられる。ストレスパラメータとは、本発明の意味においては基本的に、これと対応する動作パラメータについての限界値であると理解される。たとえば電圧が動作パラメータとして検出される場合、そのつど検出された電圧値を、ストレスパラメータの形態の限界値と比較することができる。それに伴い、検出された動作パラメータの評価が、ストレスパラメータとの関係において可能である。そして限界値の超過がストレス状況の割当を惹起することができ、それに対して、限界値が遵守されているときはストレス状況の割当が行われない。このように、測定された動作パラメータをベースとしたうえで、ストレス状況を自動的に認識して出力することが可能となる。
【0011】
ストレス状況とは、本発明の枠内においては、基本的にあらゆる形態の機械的、電気的、物理的、化学的、および/またはその他の負荷であって、燃料電池が通常の制御動作にあるときに通常の負荷を上回るものをいう。たとえばストレス状況は、燃料電池の膜の物理的な負荷であり得る。たとえば膜の両方の側の間に圧力差が生じているとき、このような圧力差は、膜の変形およびこれに伴って物理的なストレス状況につながる。ある程度の時間にわたってストレス状況が維持された場合には、それぞれ該当するコンポーネントの可逆的および/または不可逆的な障害が帰結される可能性がある。考えられるこのような障害については、障害種類との関連で、およびストレス持続時間との関連で、あとでまた説明する。
【0012】
このとき本発明の意味におけるストレスデータバンクには、数多くの異なるストレス状況が保存されているのが好ましい。それが意味するのは、ストレスデータバンクにたとえば表形式で少なくとも1つのストレス状況について、通常の動作と、固有の当該ストレス状況のもとでのストレス動作との間の境界を表す少なくとも1つのストレスパラメータが保存されることである。このようにして、検出された動作パラメータをストレスデータバンクの少なくとも1つのストレスパラメータと本発明に基づいて比較することで、それぞれのストレス状況が生じているか否かが明らかとなる。これは一次相関であってよく、あるいは二次相関および/または複素相関であってよい。このとき動作パラメータおよび/またはストレスパラメータは、それぞれ異なるストレス状況について、複数の異なる個所でストレスデータバンクに保存されていてもよい。ストレス状況は、燃料電池の個々の構成要素を対象とすることもできる。たとえば個々のストレス状況が、燃料電池の膜の過度の負荷を表すことができる。膜の過度の負荷は、たとえば膜の機械的な障害、膜厚減少、膜での亀裂生成などにつながり得る。このようなストレス状況を、動作パラメータの監視およびストレスパラメータとの比較を通じて認識し、割り当てることができる。
【0013】
ストレス状況のさらに別の可能性は、たとえば燃料電池に配置されている触媒材料の化学的および/または物理的な負荷である。たとえば相応の動作パラメータのもとで、可逆的または不可逆的である触媒の化学的変化が起こることがある。したがって動作パラメータを参照し、ストレスパラメータとの比較によって、触媒の化学的な変化状況に相当するストレス状況を割り当てることができる。
【0014】
上記の説明を踏まえたうえで、実際に検出される動作パラメータが何であるかに関わりなく、多くの多種多様かつ互いに独立したストレス状況を認識可能であることが明らかとなる。ただしこれに加えて、あとでまた説明するように、個々のストレス状況の相互の相関関係も、すなわちストレス状況、ストレスパラメータ、および/または動作パラメータの間の相互関係も、考慮に入れることが可能である。たとえば、1つの動作パラメータとこれに対応するストレスパラメータとをベースとして、さまざまなストレス状況を認識可能にすることが可能である。たとえば、1つの燃料電池の動作パラメータが最低値よりも低下しているとき、このことは、ストレスパラメータの2つまたはそれ以上の相応の限界値との比較につながり、それに伴って、2つまたはそれ以上のストレス状況も認識可能にする。ここでいっそう良好に明らかになるとおり、本発明の中心思想の根底にあるのは、特に、動作パラメータの監視と、燃料電池に及ぼされる当該動作パラメータのネガティブな影響との間の相関関係を認識して、本発明による方法の利用者に提供することである。
【0015】
その結果、本発明による方法によって割り当てられたストレス状況が出力される。周知の解決法とは対照的に、燃料電池を試験台で作動させるときにこれを破壊または意図的に損傷させることは必要なくなる。むしろ、試験台での動作中に検出された動作パラメータをベースとしてストレス状況への割当によりストレス状況が認識可能となり、試験台操作員に出力されることで足りる。
【0016】
試験台での用途に加えてさらに付け加えておくと、当然ながら本発明による方法は、特に燃料電池の制御または調節の形態のコントロールを改善するために、燃料電池がアクティブな制御動作にあるときにも適用することができる。しかしながら1つの大きな利点を実現可能であるのは、特に、試験台での本発明による各方法ステップをベースとして、燃料電池のための相応のコントロールメカニズムが作成されて、制御動作のために実装される場合である。
【0017】
同じくさらに指摘しておくと、本発明による方法は、原則としてどのような形態の燃料電池にも好適である。特に、SOFC設計形態またはPEM設計形態の燃料電池システムが、本発明による方法の適用のために可能である。
【0018】
本発明による方法は、懸念のある動作条件ならびに障害に関して人に情報提供をする、特に燃料電池システム外部の、特に非常にフレキシブルで拡張可能な開発ツールである。それとは対照的に従来技術では、そのために燃料電池システム内部の固定的な統合型の解決法が知られているが、これは、燃料電池システムの動作に直接的に影響を及ぼし、そのようにして障害を低減または回避するという目的を追求するものである。
【0019】
本発明による方法では、特に複数の動作パラメータが利用され、監視されて、割り当てられる。これらの動作パラメータをフレキシブルに拡張可能でもあるのが好ましい。
【0020】
本発明による方法において、割り当てられたストレス状況が、動作パラメータとストレスパラメータの比較結果とともに出力モジュールによって出力されると、利点がもたらされる。原則として、本発明による方法ではストレス状況に関する情報が、すなわちたとえば現在アクティブな障害シナリオに関する情報が、結果的に含まれていれば足りる。しかしさらなる評価のためには、追加の情報が操作者にとって非常に有意義である。たとえば、現在測定されている動作パラメータと、このような方式で提供される限界値の形態での対応するストレスパラメータとの間の相関関係が有益である。このようにして、定義されて割り当てられたストレス状況の存在を定性的に認識できるだけでなく、当該ストレス状況の定量的な評価も手動式または自動式に行うことができる。たとえば、このような実施形態では動作パラメータがストレスパラメータの形態の限界値をごく僅少な差異だけ超過しているのか、それとも相応の限界値が大幅に超過されているのかを認識可能である。通常、多くのストレス状況のもとでは限界値の超過の度合いは、そのような利用状況のもとでの障害作用の度合いと関連する。すなわちこのことは、試験台での燃料電池の作動時に定性的にだけでなく定量的にも、相応のストレス状況との相応のコントロール関連性をいっそう良好かつ明瞭に認識することを可能にする。このことは特に、あとでまた説明するように、ストレス持続時間の形態の限界超過の時間と組み合わせて利用される。
【0021】
本発明の方法において、ストレス状況を取り除くために、および/または低減するために、割り当てられたストレス状況に関して少なくとも1つのコントロール推奨が出力モジュールによって出力されると、同じく利点がもたらされる。この場合にも、コントロール推奨が同じく定性的にだけでなく定量的にも構成されていてよい。このときコントロール推奨は、特に、すでに説明したそれぞれ異なるストレス状況の間の交差相関を活用したうえで、同じくストレスデータバンクを援用する。一般に、本発明の意味におけるコントロール推奨とは、1つまたは複数の動作パラメータを許容される限度範囲内に再び戻すための制御介入についての提案であると理解される。もっとも単純なケースでは、たとえば電気的なストレスパラメータが限界値を下回った場合に、このストレスパラメータの限界値を再び上回るようになるまで、相応の電気的な動作パラメータを引き上げるコントロール推奨が出力される。このことは、このようにして認識されて割り当てられたストレス状況を、燃料電池の変更された動作によって再び解消することを定性的な方式で可能にする。しかしながらこれに加えて交差相関も考慮されれば、別の個所でも間接的な方式で、たとえば燃料電池の物理的な動作パラメータを変更することで、ストレス状況の低減または除去に類似の作用あるいはさらに改善された作用を及ぼす影響を、コントロール介入の形態で生成することができる。このとき、そのようなコントロール推奨による能動的な制御介入に加えて、動作状況とストレス状況との間の障害を起こす関係を認識可能になるだけでなく、さらに試験台の操作員が補助を受け、そのような方式で当該ストレス状況が将来的に回避され、または発生時にストレス状況の作用を除去もしくは低減することができる。このことは、燃料電池の機能形態に関する知見を、考えられるストレス状況との相関関係において拡張し、そのようにして燃料電池の個々のコンポーネントの設計を改良し、ならびに、燃料電池の制御動作について最適化されたコントロールシステムを開発することを可能にする。
【0022】
さらに、本発明による方法が燃料電池の実際の設計形態に依存しないことについて述べておく。たとえば障害メカニズムを、および、これに伴って動作パラメータとストレスパラメータとストレスデータバンクとの相関関係を、燃料電池のさまざまに異なる設計形態について好ましく汎用的に適用可能である。このことは、本発明による方法を順応化なしに、または個々の値の僅少な適合化だけをもって、燃料電池のさまざまに異なる設計形態に適用することを可能にする。このような取り組みが可能となるのは、特に、物理的・モデルベースのストレスパラメータに加えて、燃料電池の挙動モデルならびに感度モデルも経験的に判定されて、ストレスデータバンクに保存されることによる。すなわち本発明による方法を相応に装備した試験台は、さまざまに異なる燃料電池のさまざまに異なるバリエーションについてフレキシブルかつ汎用的に適用することができ、そのようにして、数多くのさまざまに異なる試験状況とさまざまに異なる試験体について、本発明に基づく利点をもたらす。
【0023】
本発明による方法において、割り当てられたストレス状況とともに出力モジュールによって障害種類が出力されると、同じく利点をもたらす。一般に障害種類とは、ストレス状況のもとでの動作がこれにつながる障害の種類を意味する。これは可逆的および/または不可逆的な障害であり得る。特にストレス状況が燃料電池の膜負荷と関連している場合、障害種類として、たとえば膜の層間剥離のリスクを出力することができる。燃料電池の膜の高まった負荷のもとでの別の障害種類は、たとえば膜厚減少または膜での亀裂や破断の発生である。このように、負荷のもとにあるそれぞれの設計コンポーネントをストレス状況に割り当てることができるばかりでなく、これに加えて、生じている可能性がある障害種類も、または生じているストレス状況のもとでの以後の作動時に高い蓋然性で生じるであろう障害種類も、ストレス状況に割り当てることができる。このことも、試験台の操作員のためにいっそう大きい認識深さを提供することを可能にする。それに伴って特に定性的なリスク評価も可能であり、このようなリスク評価は、さまざまに異なるストレス状況を、相関関係にある障害種類の観点から、およびこれに伴って生じる燃料電池の負荷リスクの観点から、評価することを操作員に可能にする。このような障害種類は、ストレス状況のフィンガープリントと呼ぶこともできる。このような障害種類は、特に測定可能および/または検証可能な障害種類であり、すでに説明した触媒の層剥離やその層厚減少のほか、触媒の物理的および/または化学的な形態に関する構造的な変化としても生じ得る。燃料電池での望ましくないガスの生成、液体の望ましくない生成、望ましくない金属イオンの遊離なども、考えられる障害種類であろう。
【0024】
本発明の方法において、燃料電池が少なくとも1つのストレス状態にあるときのストレス持続時間が、特に監視モジュールによって検出されると利点がもたらされる。このとき本発明の意味におけるストレス持続時間は、燃料電池がストレス状態のもとで作動した測定可能な持続時間を表す。それに応じてストレス持続時間は、限界値としてのそれぞれのストレスパラメータの超過によって許容される限界領域から外れたときに始まり、対応する動作パラメータが許容される限界領域に再び入るとただちに終了する。このようにストレス持続時間は、複数の個別ストレス持続時間が組み合わされてなっていてもよい。このようなストレス持続時間は1つのストレス状況について、特に特定の障害種類について、固有であるのが好ましい。それに伴って異なるストレス持続時間を、それぞれ相違する障害種類について記録することができる。このことは、そのつど負担となっている燃料電池のコンポーネントの損耗時間幅を、ストレス持続時間にわたって検出可能となることを保証することを可能にする。すなわち、何度か挙げている膜の膜厚減少の例に関して言えば、膜障害のストレス状況のもとでの動作状況は、ストレス状況のもとでのそのような動作形態の間に、膜の高まった負荷がその膜厚減少につながる。すなわち膜の初期厚みに応じて、膜が裂けたり穴があいたりする程度に膜が薄くなるまでに、このような動作形態がそれぞれ相違する長さだけ起こり得る。そこでストレス持続時間が定量的な方式で監視されれば、相応のストレス状況のもとで対応する障害種類が発生するまでにどれだけの時間がかかるかに関して、定量的な判断を下すことができる。このことが特に重要なのは、制御動作についての推計をすることが要請され、それに応じて、燃料電池の制御動作および通常の総動作時間について、対応する膜の厚みがどの程度に設計されるべきかの情報が必要となる場合であるこのように、燃料電池のコンポーネントの設計にあたって、および/または相応のコントロールアルゴリズムの設計にあたって、多大な利点をもたらす追加の情報が定量的な方式でも得られる。
【0025】
本発明による方法において、ストレスパラメータと動作パラメータとの比較が特に比較モジュールで行われると同じく好ましい。このことは、ストレスパラメータとしての限界値の基本的な上回りや下回りに加えて、その差異の影響から、定量的な障害状況の相応の決定が定量的な方式で可能になることにつながる。特にこのような定量的な比較が、前の段落のストレス持続時間と相関づけられる。このことは、ストレス状況の持続時間だけでなく、ストレス状況の障害量も定量的な方式で考慮した障害程度を決定することを可能にする。最大負荷限度との比較は、特に再生可能でない最大負荷限度との比較は、そのようなストレス状況に由来する燃料電池の不可逆的な障害を認識し、相応に記録し、低減し、あるいは回避することさえも可能にする。
【0026】
本発明による方法において、特に割当モジュールでのストレス状況への割当にあたって、他のストレスパラメータおよび/または他のストレス状況との少なくとも1つの相互影響が考慮されると同じく好ましい。そのような相互影響は、それぞれのストレス状況の間の交差相関として理解することもできる。たとえば触媒の化学的な負荷は、追加的に、膜の化学的な負荷ともなり得る。このような二重の負荷は、相応の動作パラメータから、たとえばガス成分の化学的な濃度値から、相応の障害種類と、2つまたはそれ以上のストレス状況との相関関係が帰結されることにつながる。さらに、このような相互影響が互いに強め合いながら、燃料電池のストレス状況を上昇させることが起こり得る。しかし、共通のストレスデータバンクで上記の相関関係が組み合わされることで、補償をするように作用するストレスメカニズムを認識することも起こり得る。たとえば、1つのストレス状況についての障害状況が、別のストレス状況に対する補償作用となることが考えられる。燃料電池の多種多様な動作状況をベースとするこうした高度に複雑な関係性は、本発明による方法の適用によって初めて認識可能となる。対応するストレス状況が出力されることで、こうした相関関係が試験台の操作員のために提供されるからである。すなわち、周知の手動式の方法に基づく個別観察と比較したとき、燃料電池のストレス状況の現在の状況の完全な全体像がもたらされる。
【0027】
これに加えて、本発明による方法において、比較のステップおよび/または割当のステップがニューラルネットワークの利用なしに行われると利点がもたらされる。特にこれらのステップは、アルゴリズムによる特に物理的および化学的な関連性をベースとする人工知能の利用なしに行われる。これらのステップは、燃料電池の設計者の経験により、およびその経験値に準じて、ストレスパラメータの形態の相関関係としてストレスデータバンクに保存されることによって構成される。すなわちこのような関連性に関する既存の知見が、比較と割当のステップで、ニューラルネットワークの利用なしに保存される。しかしながらストレスデータバンクの作成のために、ニューラルネットワークがたとえば情報源および/またはトレーニングデータとして利用されることも可能である。
【0028】
同様に、本発明による方法において各方法ステップが定期的に、特に継続的に、反復されると利点をもたらすことができる。本発明による方法は、特に試験台で、燃料電池の継続的な監視の役目を果たすのが好ましい。このことは、燃料電池を多種多様な動作状況のもとにおき、将来的な制御動作形態の全体図を試験台で相応に生起することを可能にする。このことは、ひいては試験台での動作に由来する情報を利用して、燃料電池の個々のコンポーネントを、および制御技術上の観点からコントロールメカニズムを、改良された形での燃料電池の制御動作のために設計することを可能にする。
【0029】
本発明による方法において、比較および/または割当のときに少なくとも1つの動作パラメータおよび/またはストレスパラメータが1つまたは複数の加重係数によって適合化されると、さらに別の利点を得ることができる。このことは、本発明による方法の結果を、さまざまに異なる利用状況に合わせて適合化することを可能にする。加重係数を用いてのこのような適合化は、本方法により、特に個々の動作パラメータをベースとしたうえで自動式に行うことができる。操作員による手動式の適合化も可能である。その際には、すでに説明したベースアルゴリズムと同様の方式で影響を適合化可能である。換言すると、このようにして動作を相応の適合化することで、さまざまな負荷状況を試験台で実際に提供することができるだけでなく、相応に適合化された加重係数による本発明の方法によって、評価の側からも提供することができる。
【0030】
本発明による方法において、燃料電池での少なくとも1つの障害の決定が行われ、出力されたストレス状況と決定された障害との比較が行われ、ストレスデータバンクの適合化が行われると、さらに好ましい場合があり得る。原則として本発明による方法は、ストレス状況と、ストレスパラメータと、動作パラメータとの間の関係性を通じての、すでに説明した方式をベースとする。しかしながら試験台での試験運転の最後に、試験台での実際の動作形態によって発生した、実際に生じた障害状況に関して手動式のチェックを行うことができる。そして、このような発生した障害状況が、本発明による方法の実施をベースとして決定された予期される障害状況と比較される。決定された障害状況の相違と合致とがいずれもストレスデータバンクの適合化につながり、それにより、ストレスデータバンクおよびそこに含まれる相関関係が、本発明による方法の適用期間を通じてさらにいっそう改善されていく。すなわち、本発明による方法のために好ましくは継続的な学習を提供する、ストレスデータバンクへのフィードバックが与えられる。
【0031】
本発明のさらに別の対象物は、燃料電池の少なくとも1つのストレス状況を認識するための認識装置である。このような認識装置は、燃料電池の少なくとも1つの動作パラメータを監視するための監視モジュールを有する。さらに、監視される少なくとも1つの動作パラメータをストレスデータバンクのストレスパラメータと比較するための比較モジュールが設けられる。これに加えて認識装置は、比較をベースとして、監視される動作パラメータをストレスデータバンクに由来するストレス状況に割り当てるための割当モジュールを有する。最後に認識装置は、割り当てられたストレス状況を出力するための出力モジュールをさらに有する。このとき本発明による監視モジュール、本発明による比較モジュール、本発明による割当モジュール、および/または出力モジュールは、本発明による方法を実施するために構成されるのが好ましい。個々のモジュールは、たとえば燃料電池もしくは燃料電池の制御装置から独立した別個の試験装置の一部であってよく、あるいは、単一のスタックもしくは燃料電池システム全体の形態の燃料電池に、たとえば燃料電池の制御装置の統合という形態で統合されていてよい。
【0032】
本発明による認識装置において、監視モジュールが独自のセンサ部材を燃料電池とは別個に有していると、利点がもたらされ得る。すなわち監視モジュールは、燃料電池そのものによってはまだ検出可能でない独自の動作パラメータを記録することができる。このような認識モジュールは、特に、燃料電池のための試験台で利用することができる。
【0033】
本発明による認識モジュールにおいて、監視モジュールが少なくとも1つのセンサ部材を燃料電池の一部として有していると、同じく好ましいことがあり得る。このことは燃料電池のセンサを援用することを可能にし、それにより、認識装置をいっそう低コストかつ簡素に構成することができる。特に、アクセスが難しい燃料電池の区域で動作パラメータが検出される場合、このようにして、本発明による方法でそのような動作パラメータを考慮に入れることが可能となる。
【0034】
本発明のさらに別の対象物は、コンピュータによってプログラムが実行されたときに本発明による方法の各ステップを実行するように指図するコマンドを含む、コンピュータプログラム製品である。それに伴い、本発明によるコンピュータプログラム製品は、本発明による方法との関連で詳細に説明したのと同じ利点をもたらす。
【0035】
認識装置は、たとえば車両の標準制御装置に統合されていてよいのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明のその他の利点、構成要件、および具体的事項は、図面を参照しながら本発明の実施例について記述する以下の説明から明らかとなる。
【0037】
【
図6】さまざまな動作パラメータの組み合わせである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1には、本発明による方法の手順が模式的に示されている。ここでは燃料電池100が模式的な形式で表されている。これは単一の燃料電池、燃料電池スタック、または燃料電池システム全体であってよい。個々のセンサ部材22を用いて、燃料電池100の現在の動作状況についての動作パラメータBPを検出することが可能である。このような動作パラメータBPは、特に、電気的な動作パラメータBP、化学的な動作パラメータBP、および/または物理的な動作パラメータBPであってよい。このときセンサ部材22は燃料電池100の一部であってよく、あるいは別個の認識装置10の一部であってよい。
【0039】
そして、監視されて検出された動作パラメータBPが認識装置10に供給される。特に表形式で、またはモデルの形態もしくはニューラルネットワークの形態で、ストレスデータバンクSDが存在しており、動作パラメータBPと、ストレスパラメータSPと、ストレス状況SSとの間の相関関係をそこで認識することができる。そして検出された動作パラメータBPが、ストレスパラメータSPと相関づけられる。このときストレスパラメータSPは限界値を表すのが好ましく、これを上回ったときや下回ったときにストレス状況SSが存在するとして相関づけられる。このように各々の動作パラメータBPについて、少なくとも1つのストレスパラメータSPとの少なくとも1つの比較が行われるのが好ましい。しかしながら、2つまたはそれ以上の動作パラメータBPが、相応の相関関係にある2つまたはそれ以上のストレスパラメータSPと比較されると利点がもたらされる場合もあり、それは、いっそう複雑な関連性も1つまたは複数のストレス状況SSと関係づけるためである。
【0040】
そして、
図1に示す本発明の方法が実施される結果としてストレス状況SSが出力され、それにより、特に試験台の操作員が、燃料電池100について手動式に解釈されるべき動作パラメータBPを参考情報の形態で取得するだけでなく、少なくとも1つのストレス状況SSの形態で事前解釈された結果をも取得する。そして、このようなストレス状況SSの形態の結果を、試験台での燃料電池100の以後の動作形態の基礎とすることができる。しかしながら特にこのような情報は、引き続いて燃料電池100のコンポーネントを設計するときに、および/または燃料電池100の制御動作についてコントロールメカニズムを生成するときに、このような情報を相応に考慮に入れるために好ましい。
【0041】
図2は、
図1の実施形態の発展例を示している。ここではストレス状況SSに追加して、それぞれの動作パラメータBPと、これに対応するストレスパラメータSPとの間の相関関係がさらに出力される。特にここでは検出された動作パラメータBPと、これに対応するストレスパラメータSPとの間の定量的な差異も出力される。このことは、ストレス状況SSの基本的な存在を認識するだけでなく、これに加えてさらに定量的な相関関係を、すなわち対応するストレスパラメータの超過の度合いを、表すことも可能にする。
【0042】
図3に示す方法では、ストレス状況SSに追加してコントロール推奨KEが出力される。このようなコントロール推奨KEは、操作員に追加の情報を参考情報の性質として供給するためにのみ出力することができる。しかしながら、特に認識されたストレス状況SSを取り除くために、またはその影響を少なくとも低減するために、燃料電池100の現在のコントロールメカニズムにコントロール推奨KEをフィードバックすることも可能である。
【0043】
図4では、ストレス状況SSに関する追加の出力として障害種類SAが行われる。すでに説明したとおり、ストレス状況SSはさまざまに異なる障害種類SAにつながり得る。たとえば高くなった内圧は、膜の機械的な障害をもたらし得る。すなわちこれは、過圧による亀裂という障害種類SAを有する膜のストレス状況SSである。膜にとってのさらに別のストレス状況SSは、たとえば膜の膜厚減少につながりかねない、化学的な要因による負荷である。このような膜厚減少は、極端なケースでは同じく膜の亀裂や穿孔に、ただしこの場合には過圧による破断のときとは異なる障害種類SAのもとで、同じくつながることになる。
【0044】
図5は、特に本発明による方法が継続的に適用される場合に、動作パラメータBPをその推移に関して監視することができることを模式的に示している。
図5における動作パラメータBPの時間的推移は、対応するストレスパラメータSPとの相関関係で、動作パラメータがストレス持続時間SZのあいだストレスパラメータSPの限界値を下回っていることを示している。このストレス持続時間SZが監視され、出力され、特に保存される。動作パラメータBPがストレスパラメータSPの限界値を下回っているとき、個々のストレス持続時間SZを互いに加算して、全体ストレス持続時間を得ることができる。ストレス持続時間SZの定義とその監視は、燃料電池100がそれぞれのストレス状況SSのもとにある時間の長さを認識することを可能にする。特にこのようにして、燃料電池100が一時的にのみストレス状況SSのもとにあるのか、それとも、長期的な負荷が燃料電池100の持続的な障害につながり得るのかを区別することができる。
【0045】
図6は、本発明による方法がいっそう複雑な関連性も考慮できることを示している。たとえば、それぞれ相関関係にあるストレスパラメータSPと2つの動作パラメータBPとの組み合わせが可能である。相互影響QBも可能であり、それにより、たとえば同一の動作パラメータBPを、それぞれ異なるストレスパラメータSPについての2つの異なる限界値と比較することができる。その代替または追加として、2つの動作パラメータBPと、これらに固有に対応するストレスパラメータSPとのそれぞれ比較とを組み合わせて、1つのストレス状況SSにすることが可能である。そしてこの1つのストレス状況SSが、他のストレス状況SSに対する相互影響QBを同じく有することができる。
【0046】
図7は、本発明による認識装置10の構造を再度模式的に示している。この認識装置は監視モジュール20を装備しており、1つまたは複数のセンサ部材22を用いて動作パラメータSPを検出し、監視することができる。引き続いて比較モジュール30で、ストレスデータバンクSDのストレスパラメータSPと動作パラメータBPとのすでに説明した比較が行われる。割当モジュール40を用いて、ストレスデータバンクSDに由来するストレス状況SSを割り当てることができ、引き続いて出力モジュール50を通じて出力することができる。このとき個々の手順は、上述した各図面との関連で説明した手順と同一である。このような認識装置が少なくとも部分的にコンピュータプログラムとして構成されて、相応のコンピュータにインプリメントされるのが好ましい。
【0047】
各実施形態についての以上の説明は、本発明を例示の枠内でのみ記述したものである。
【符号の説明】
【0048】
10 認識装置
20 監視モジュール
22 センサ部材
30 比較モジュール
40 割当モジュール
50 出力モジュール
100 燃料電池
SS ストレス状況
SA 障害種類
SZ ストレス持続時間
BP 動作パラメータ
SP ストレスパラメータ
SD ストレスデータバンク
KE コントロール推奨
QB 相互影響
【国際調査報告】