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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】タトゥー施術装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/00 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A45D44/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511826
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 KR2021011855
(87)【国際公開番号】W WO2022050722
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114147
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0181523
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0108911
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0116666
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523051893
【氏名又は名称】キョン,ビョンドク
(71)【出願人】
【識別番号】523051907
【氏名又は名称】リ,スンミ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キョン,ビョンドク
(72)【発明者】
【氏名】リ,スンミ
(57)【要約】
色素を注入する針が皮膚に入る深さを全自動で調節して正確な頭皮層にタトゥー用色素を注入し、既存のタトゥー施術機械において針の上下運動の速度が速くなれば力が強くなる方式から脱却して、針の上下運動の速度及び力(トルク)を個別的に制御してより精密な点を付けることができるようにし、点当たりの針の浸透回数を調節する色素注入量の制御によって色の強度を調節することで、色素が滲むことを防止するようにしたタトゥー施術装置に関するものであり、ニードル引出距離、ニードル引出速度及び色素注入量を設定するための設定部、及び前記設定部によって設定されたニードル引出長、ニードル引出速度及び色素注入量によってニードル引出速度及びニードルを押す力を個別的に制御し、目標とする皮膚層にタトゥー用色素を正確に注入するように制御するタトゥー制御部を含むタトゥー施術装置本体と、前記タトゥー施術装置本体と結合し、前記タトゥー制御部の制御によってソレノイドを用いてニードル部に装着されたニードルの駆動を制御するニードル駆動部を備えたハンドピースとを含むことでタトゥー施術装置を具現する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードル引出距離、ニードル引出速度及び色素注入量を設定するための設定部、及び前記設定部によって設定されたニードル引出長、ニードル引出速度及び色素注入量によってニードル引出速度及びニードルを押す力を個別的に制御し、目標とする皮膚層にタトゥー用色素を正確に注入するように制御するタトゥー制御部を含むタトゥー施術装置本体と、
前記タトゥー施術装置本体と結合し、前記タトゥー制御部の制御によってソレノイドを用いてニードル部に装着されたニードルの駆動を制御するニードル駆動部を備えたハンドピースと、を含むことを特徴とする、タトゥー施術装置。
【請求項2】
前記ハンドピースは、
ニードルが装着されたニードル部と、
前記ニードルの引出をガイドし、頭皮タトゥーの際、髪の毛が針に直接的に接触することを防止し、皮膚に接触した後、圧力を加えることで針が皮膚に浸透するとき、遊動する皮膚を固定して、設定の皮膚層に針が正確に浸透するようにするニードルガイドと、
ハンドピースの移動速度を感知する移動速度感知部と、
皮膚とニードル部との間の圧力を感知する圧力感知部と、を含み、
前記ニードルガイドは、ニードルピンを弾支するシリコンスプリングからなる弾性部材を含み、
前記タトゥー制御部は、前記感知した移動速度及び圧力感知値によってタトゥー施術装置の動作を制御することを特徴とする、請求項1に記載のタトゥー施術装置。
【請求項3】
前記タトゥー制御部は、前記ソレノイドの動作インターバルを調節してニードル引出速度を制御することを特徴とする、請求項1に記載のタトゥー施術装置。
【請求項4】
前記タトゥー制御部は、前記ソレノイドのオン/オフ動作タイムを調節して点射モードを制御することを特徴とする、請求項1に記載のタトゥー施術装置。
【請求項5】
前記タトゥー制御部は、皮膚によってニードルを押す力を調節することで、ニードルが皮膚を貫く深さを調節することを特徴とする、請求項1に記載のタトゥー施術装置。
【請求項6】
前記タトゥー制御部は、
前記設定部によって設定されるニードル引出速度に基づいてニードル引出速度を設定するニードル引出速度設定部と、
前記設定部によって設定されるニードル引出長に基づいてニードル引出長を設定するニードル引出長設定部と、
前記設定部によって設定される色素注入量に基づいて色素注入量を設定する色素注入量設定部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタトゥー施術装置。
【請求項7】
前記タトゥー制御部は、
設定されるニードル引出速度によってニードル駆動速度を制御し、感知したハンドピースの移動速度または設定されたニードル引出速度によってソレノイドのオン/オフ動作を制御するニードル速度制御部と、
前記設定されるニードル引出長及び圧力感知値によってニードル引出長を実時間で可変的に制御するニードル引出長制御部と、
前記設定される色素注入量によってニードルを押すトルクを制御して色素の滲みを防止するニードルトルク制御部と、をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のタトゥー施術装置。
【請求項8】
前記ニードル速度制御部は、
ニードルを引き出すソレノイドのオン/オフ動作インターバルの調節によって一地点の打点回数を調節し、周期当たりの前記ソレノイドのオン/オフ動作回数の調節によって点射モードを制御することを特徴とする、請求項7に記載のタトゥー施術装置。
【請求項9】
前記ニードル引出長制御部は、前記ソレノイドのオン(on)駆動時間の調節によってニードルの引出長を調節することを特徴とする、請求項7に記載のタトゥー施術装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタトゥー施術装置に関するものであり、特に色素を注入する針が皮膚に入る深さを全自動で調節して正確な頭皮層にタトゥー用色素を注入し、既存のタトゥー施術機械において針の上下運動の速度が速くなれば力が強くなる方式から脱却して、針の上下運動の速度及び力(トルク)を個別的に制御してより精密な点を付けることができるようにし、点当たりの針の浸透回数を調節する色素注入量の制御によって色の強度を調節することで、色素が滲むことを防止するようにしたタトゥー施術装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タトゥーは、毛髪が足りないかなくなった部位に微細な点を付けて色素を注入する施術法を意味する。毛髪移植のように視覚的な効果が目立つことになるとともに施術時間及び費用を節減することができる利点がある。
【0003】
このようなタトゥーは、施術者が手首を用いて非常に速く往復する針に色素を付けて皮膚に点を付ける技術である。
【0004】
基本的に数千個から数万個までの点を付けなければならないが、これは高度の集中力が必要であり、施術時間も最小3時間から最大8時間までかかる。また、深さが調節されなくて浅く付けられた点はすぐなくなるから、1回の施術で済むものではなく、多数回の施術を繰り返さなければならないので、肉体的な疲労を引き起こす。
【0005】
特に、施術者の目は常に針先を見なければならなく、手首は点の個数だけ運動しなければならなくて肉体的疲労がひどいので、手首のストレスを減らしながらも正確に施術し、かつ短時間に施術することができるタトゥー施術装置が要求されている。
【0006】
黒色素を用いてタトゥーを施術すると、時間が経つのに伴って黒色素が青色に変色し、さらに長い時間が経つと緑色に変色する。このような変色を最小化するためには、色素を注入する針の深さ及び色素量、そして毛嚢の損傷なしに頭皮の正確な真皮上部層に均一に注入することをコントロールすることが非常に重要である。
【0007】
特に、色素を用いて皮膚に点を付けるとき、一定の間隔及び深さで点を付けることが重要である。ここで、一定の間隔及び深さ、かつ点を付ける時間差が異なれば点のサイズが変わるかまたは特定の領域の色相のみが変わる問題点を引き起こす。これは、施術者が手を用いてタトゥー施術作業を行うとき、手の移動時間が変わるか頭皮にかかる圧力が変わる場合に発生する。
【0008】
既存のタトゥー施術装置は、ロータリーモーター方式とコイル方式とが主に使われる。
【0009】
ロータリーモーター方式は、低速(rpm)で力を発揮しにくく、針の上下運動距離が決まっており、針の上下運動において加速/減速の区間が長くて皮膚に傷を残す欠点がある。ここで、ロータリーモーター方式は、針がずっと上下運動しているため、針の引出長を調節または策定することができない。
【0010】
また、コイル方式は、針の上下運動距離を調節することができる利点はあるが、騷音及び振動が大きいという欠点がある。
【0011】
したがって、近来には、このような問題点を改善し、正確な皮膚層に均一にタトゥーを施術することができるようにする多様なタトゥー施術装備及び方法が提案されている。
【0012】
下記の<特許文献1>乃至<特許文献4>には従来に提案されたタトゥー施術装置が開示されている。
【0013】
<特許文献1>に開示された従来技術は、本体内に設けられ、偏心回転体によって直線移動する駆動軸を備えた駆動部材、駆動軸と連動するニードルスライダー、ニードルを備えたニードル部材、及び本体の一側に結合され、ニードルが一直線に移動するようにするニードルガイド溝を有するニードルガイドを含む。このような構成により、針を用いて人体皮膚の皺、角質、傷跡、しみ、肉割れ、脱毛などを治療するかまたは色素などを用いて絵や文字を刻み込むようにする皮膚施術装置を提供する。
【0014】
また、<特許文献2>に開示された従来技術は、対象体の皮膚のニードリングのために使うことができ、薬物塗布装置は対象体の皮膚に薬物を塗布するために使うことができる。例えば、ニードリング装置は、毛髪成長のために対象体の皮膚に塗布するか、皺、傷跡、またはタトゥー除去のために使うことができる。薬物塗布装置は、多重薬物を塗布するために、例えば対象体の皮膚に毛髪成長化合物を塗布するために使うことができるニードリング装置及び薬物塗布器を提供する。
【0015】
また、<特許文献3>に開示された従来技術は、眉毛やヘアラインはタトゥー施術した線が隆起してまるで実際の毛髪のように見えるので、自分の元の眉毛や毛髪のように自然さを図り、色素を上部真皮層までのみ浸透させるので、副作用がほとんどなく、2年程度経てば自然になくなり、新しい趣向のタトゥーを施術することができるので、タトゥー除去施術の煩わしさがない眉毛などの半永久的タトゥー施術方法を提供する。
【0016】
また、<特許文献4>に開示された従来技術は、自重を有する胴体、作動ピン及びスプリングを押圧する作動部材、前記作動部材に形成された固定具を支持する支持カバー、及び前記支持カバーと一体に組み立てられた作動部材を胴体に組み立てて固定するグリップカバーを含む。このような構成により、施術者の手首の負担を最小化するとともに、被施術者の立場では施術の失敗確率を減らし、安全を図ることができる半永久的化粧器具を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1131577号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2018-0084759号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-1565340号公報
【特許文献4】韓国公開特許第10-2018-0073325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、前記のような一般的なタトゥー施術装置及び従来技術は、施術者が手を用いてタトゥー施術を行うとき、手の移動時間が変わるか皮膚にかかる圧力が変わるから、色素注入層が異なれば特定の位置の色相が濃くなるか色素の滲みが発生する。このような手の移動時間の差や圧力の差を補償することができないので、タトゥー施術の後に滲みが発生するか色相が変色し易いなどの欠点があった。
【0019】
また、高度の集中力及び長時間施術時間を要するという欠点、及び施術者の目は常に針先を見なければならなく、手首は点の個数だけ運動しなければならないので、肉体的疲労がひどいという欠点もある。
【0020】
したがって、本発明は前記のような従来技術で発生する諸般の問題点を解決するために提案されたものであり、色素を注入する針が皮膚に入る深さを全自動で調節して正確な頭皮層にタトゥー用色素を注入することができるようにしたタトゥー施術装置を提供することにその目的がある。
【0021】
本発明の他の目的は、点を作るのに針の浸透回数を1~5回まで設定して色素注入量を調節することができるようにしたタトゥー施術装置を提供することである。すなわち、一位置に一つの点を付けるとき、同じ地点を1~5回まで打撃して点を付けて一定量の色素を注入するタトゥー施術装置を提供する。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、皮膚に対する圧力を測定し、測定した圧力に連動してニードルの引出長を自動で調節することで、正確に一定の頭皮層に色素を注入することができるようにしたタトゥー施術装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、ハンドピースの移動量を検出し、手の移動時間が設定の移動時間の範囲を外れれば自動でニードル引出を中止することで、染みが発生するか特定の位置の色相が変わることを防止することができるようにしたタトゥー施術装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、針の速度(rpm)及び力(トルク)を個別的に制御し、針が上下運動するに際して速度とは無関係に設定のパワー/トルクを噴出するようにすることで、ロータリーモーターとは違い、低速でも十分な力を伝達して皮膚を浸透するのに無理がないようにしたタトゥー施術装置を提供することである。
【0025】
すなわち、点の行列は点と点とが近いほど線として表現されるので、本発明のタトゥー施術装置は、点を点で表現するが、上下運動の速度は低め、遅い速度でも皮膚を容易に浸透することができるようにしたタトゥー施術装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前述したような目的を達成するために、本発明による「タトゥー施術装置」は、
ニードル引出距離、ニードル引出速度及び色素注入量を設定するための設定部、及び前記設定部によって設定されたニードル引出長、ニードル引出速度及び色素注入量によってニードル引出速度及びニードルを押す力を個別的に制御し、目標とする皮膚層にタトゥー用色素を正確に注入するように制御するタトゥー制御部を含むタトゥー施術装置本体と、
前記タトゥー施術装置本体と結合し、前記タトゥー制御部の制御によってソレノイドを用いてニードル部に装着されたニードルの駆動を制御するニードル駆動部を備えたハンドピースと、を含むことを特徴とする。
【0027】
前記ハンドピースは、
ニードルが装着されたニードル部と、
前記ニードルの引出をガイドし、頭皮タトゥーの際、髪の毛が針に直接的に接触することを防止し、皮膚に接触した後、圧力を加えることで針が皮膚に浸透するとき、遊動する皮膚を固定して、設定の皮膚層に針が正確に浸透するようにするニードルガイドと、
ハンドピースの移動速度を感知する移動速度感知部と、
皮膚とニードル部との間の圧力を感知する圧力感知部と、を含み、
前記ニードルガイドは、ニードルピンを弾支するシリコンスプリングからなる弾性部材を含み、
前記タトゥー制御部は、前記感知した移動速度及び圧力感知値によってタトゥー施術装置の動作を制御することを特徴とする。
【0028】
前記タトゥー制御部は、前記ソレノイドの動作インターバルを調節してニードル引出速度を制御することを特徴とする。
【0029】
前記タトゥー制御部は、前記ソレノイドのオン/オフ動作タイムを調節して点射モードを制御することを特徴とする。
【0030】
前記タトゥー制御部は、皮膚によってニードルを押す力を調節することで、ニードルが皮膚を貫く深さを調節することを特徴とする。
【0031】
前記タトゥー制御部は、
前記設定部によって設定されるニードル引出速度に基づいてニードル引出速度を設定するニードル引出速度設定部と、
前記設定部によって設定されるニードル引出長に基づいてニードル引出長を設定するニードル引出長設定部と、
前記設定部によって設定される色素注入量に基づいて色素注入量を設定する色素注入量設定部と、を含むことを特徴とする。
【0032】
前記タトゥー制御部は、
設定されるニードル引出速度によってニードル駆動速度を制御し、感知したハンドピースの移動速度または設定されたニードル引出速度によってソレノイドのオン/オフ動作を制御するニードル速度制御部と、
前記設定されるニードル引出長及び圧力感知値によってニードル引出長を実時間で可変的に制御するニードル引出長制御部と、
前記設定される色素注入量によってニードルを押すトルクを制御して色素の滲みを防止するニードルトルク制御部とを含むことを特徴とする。
【0033】
前記ニードル速度制御部は、ニードルを引き出すソレノイドのオン/オフ動作インターバルの調節によって一地点の打点回数を調節し、周期当たりの前記ソレノイドのオン/オフ動作回数の調節によって点射モードを制御することを特徴とする。
【0034】
前記ニードル引出長制御部は、前記ソレノイドのオン(on)駆動時間の調節によってニードルの引出長を調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、ニードルの駆動速度及びニードルを押し込む力を個別的に制御し、速度が遅い状況でも瞬間的な力であるトルクの制御によって皮膚を貫くのに必要な力を伝達して効果的に色素を浸透させることで、ニードル駆動速度とは無関係に常に均一なタトゥーを具現することができる効果がある。
【0036】
本発明によれば、色素を注入する針の引出長を自動で調節して正確な皮膚層にタトゥー用色素を注入することができる利点がある。
【0037】
また、本発明によれば、皮膚に対する圧力を測定し、測定した圧力に連動してニードルの引出長を自動で調節し、正確に一定の頭皮層に色素を注入して脱色を防止することができる利点もある。
【0038】
また、本発明によれば、ニードルが含まれるハンドピースの移動量を検出し、手の移動時間が設定の移動時間の範囲を外れれば自動でニードル引出速度を減らして、染みが発生するか特定の位置の点の密度が変わることを防止することで、均一なタトゥーになるように手伝う利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明によるタトゥー施術装置の全体構成図である。
図2図1のタトゥー制御部の具体的な実施例を示すブロック構成図である。
図3】本発明において時間当たりのニードルの駆動速度を調節する説明図である。
図4】本発明において点射モード制御のためのソレノイド駆動タイミング例示図である。
図5】本発明においてニードルを押す力の説明図である。
図6】本発明においてソレノイドのオン駆動時間の調節によってニードルの引出長を調節する説明図である。
図7】本発明によるタトゥー施術装置の写真である。
図8】本発明によるハンドピースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の好適な実施例によるタトゥー施術装置を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0041】
以下で説明する本発明に使用される用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはいけなく、発明者は自分の発明を最良の方法で説明するために用語の概念と適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に合う意味及び概念と解釈されなければならない。
【0042】
したがって、本明細書に記載する実施例及び図面に示す構成は本発明の好適な実施例に過ぎないだけで、本発明の技術的思想を全部代弁するものではないので、本出願の時点でこれらを代替することができる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0043】
図1は本発明の好適な実施例によるタトゥー施術装置の全体構成図であり、図7は斜視図である。本発明のタトゥー施術装置は、設定部10、タトゥー制御部60、表示部70、メモリ80及び電源部90からなるタトゥー施術装置本体1と、ニードル部20、ニードル駆動部30、圧力感知部40、移動速度感知部50及び色素供給部100を含むハンドピース200とから構成される。
【0044】
すなわち、本発明によるタトゥー施術装置は、大別して、タトゥー施術装置本体1と、タトゥー施術装置本体1と連結して施術者がタトゥーを施行するハンドピース200とからなる。
【0045】
タトゥー施術装置本体1は、ニードル引出距離、ニードル引出速度及び色素注入量を設定するための設定部10、及び前記設定部10によって設定されたニードル引出長、引出速度及び色素注入量によってニードル引出速度及びニードルを押す力を個別的に制御して目標とする皮膚層(皮膚、頭皮)にタトゥー用色素を正確に注入するように制御するタトゥー制御部60を含む。
【0046】
ここで、ニードル引出長は皮膚の状態を専門家である施術者が見て設定することが好ましい。
【0047】
前記タトゥー制御部60は、前記ハンドピース200に備えられたニードル駆動手段であるソレノイドのオン(on)/オフ(off)動作タイムを調節して点射モードを制御する。ここで、点射モードとは、一つの打点位置に点を何回付けるかを決定するモードである。例えば、2打点射モードであれば一つの打点位置に2回の点を付けるモードであり、4打点射モードであれば一つの打点位置に4回の点を付けるモードである。
【0048】
また、前記タトゥー制御部60は、皮膚によってニードルを押す力を調節することで、ニードルが皮膚を貫く深さを調節することができる。
【0049】
このようなタトゥー制御部60は、前記設定部10によって設定されるニードル引出速度に基づいてニードル引出速度を設定するニードル引出速度設定部61、前記設定部10によって設定されるニードル引出長に基づいてニードル引出長を設定するニードル引出長設定部62、及び前記設定部10によって設定される色素注入量に基づいて色素注入量を設定する色素注入量設定部63を含む。
【0050】
また、前記タトゥー制御部60は、設定されるニードル引出速度によってニードル駆動速度を制御し、感知したハンドピースの移動速度によってソレノイドのオン/オフ動作を制御するニードル速度制御部66、前記設定されるニードル引出長及び圧力感知値によってニードル引出長を実時間で可変的に制御するニードル引出長制御部68、及び前記設定される色素注入量によってニードルを押すトルク(力)を制御して色素の滲みを防止するニードルトルク制御部67をさらに含むことができる。
【0051】
前記ニードル速度制御部66は、ニードルを引き出すソレノイドのオン(on)/オフ(off)動作のインターバル(interval)の調節によって一地点の打点回数を調節し、周期当たりの前記ソレノイドのオン/オフ動作回数の調節によって点射モードを制御する。
【0052】
前記ニードル引出長制御部68は、前記ソレノイドのオン(on)駆動時間の調節によってニードルの引出長を調節する。
【0053】
表示部70は施術者が設定する設定値を表示し、タトゥー時間及び打孔(打点)回数などの情報を表出する役割を果たし、メモリ80は施術者が設定したニードル引出速度、引出長さ及び色素注入量などの情報を保存し、ニードル引出速度及び引出長の制御のための制御値、色素注入量制御値などを保存する役割を果たす。
【0054】
電源部90はタトゥー施術装置に駆動用電源を供給する部分であり、内装バッテリーを用いるか、または外部の商用交流電源を用いることができる。外部商用交流電源を用いる場合、内蔵されたバッテリーとして二次電池を使用し、内蔵されたバッテリーを充電することもできる。
【0055】
ハンドピース200は、図8に示すように、前記タトゥー施術装置本体1と結合し、前記タトゥー制御部60の制御によって、ソレノイドを用いてニードル部20に装着されたニードルの駆動を制御するニードル駆動部30、ニードルが装着されたニードル部20、及びニードルの引出をガイドするニードルガイド210を含む。
【0056】
ここで、ニードルガイド210は前記ニードルの引出をガイドし、頭皮のタトゥーの際、髪の毛が針に直接的に接触することを防止し、皮膚に接触してから圧力を加えて針を皮膚に浸透させるとき、遊動する皮膚を固定することで、設定された皮膚層に針が正確に浸透することができるようにする役割を果たす。
【0057】
前記ニードル部20は、タトゥー用色素を頭皮に注入する針が皮膚に接触するプローブ(Probe)に内蔵されて構成される。
【0058】
このようなハンドピース200は、ハンドピースの移動速度を感知する移動速度感知部50、及び皮膚とニードル部20との間の圧力を感知する圧力感知部40をさらに含むことができる。
【0059】
前記移動速度感知部50は、移動速度の感知のために、加速度センサーなどを用いることができ、前記圧力感知部40は、圧力センサーを用いることができ、プローブの末端に備えられることが好ましい。
【0060】
また、前記ニードル駆動部30はニードル駆動用ソレノイド(solenoid)を備える。
【0061】
前記タトゥー制御部60は、前記感知した移動速度及び圧力感知値によってタトゥー施術装置の動作を制御し、前記ソレノイドの動作インターバルを調節してニードル引出速度を制御する。
【0062】
すなわち、ハンドピース200は、施術モードに入れば、ソレノイドコイルに電流が流れるか遮断されることで、ニードルが繰り返し移動しながら皮膚を打点することによってタトゥーを施術することになる。ソレノイドコイルに電流が流れれば、電磁気力によってプランジャーに瞬間的に引力が作用することで、プランジャーがニードル組立体側に瞬間的に移動する。これにより、プランジャー作動ピンがシリコンスプリングの弾支力を克服して強制でニードル一体型ニードルピンを押し出すことにより、ニードルが前進する。また、ソレノイドコイルへの電流を遮断すると、強制で伸ばされたシリコンスプリングの復元力によってニードル一体型ニードルピンが反対にプランジャー作動ピンを押し出すことによってプランジャーも元の位置に復帰することを繰り返すことで、ニードルが繰り返し移動する。
【0063】
このために、本発明は、通常の金属材のスプリングよりも弾性及び反発系数が低く外部の力に敏感なシリコンスプリングを使うとともに、ニードル組立体を連結具に組み立てるとき、少し伸びたシリコンスプリングの弾性力によってコアの内部でプランジャー作動ピンとニードル一体型ニードルピンとが互いに突き合わせられて密着した状態で維持される。
【0064】
すなわち、本発明は、金属材のスプリングより弾性及び反発系数が低く外部の力に敏感なシリコンスプリングを使うとともに、コイルの電磁気力によってプランジャーが前進すると、プランジャー作動ピンを介してニードル一体型ニードルピンに力が伝達される。ここで、プランジャー作動ピンとニードル一体型ニードルピンとは互いに突き合わせられ、シリコンスプリングによる弾支力によって密着した状態を維持するので、力がニードルに即刻かつ速やかで早く伝達されることができる。
【0065】
このように構成されたタトゥー施術装置を用いて、毛髪が足りないかなくなった部位に点を付けるように色素を注入することで、自然なヘアスタイルを具現し、皮膚に所望のタトゥーを具現する。
【0066】
このように構成された本発明によるタトゥー施術装置の動作を具体的に説明すると次のようである。
【0067】
まず、施術者が、タトゥー施術装置を使うために、電源部90を介して電源を供給する。電源部90によって駆動電源が供給されれば、タトゥー制御部60は初期化を遂行し、設定部10によって設定される入力値を待機する。ここで、使用者が別にニードル引出速度、引出長、色素注入量などを設定せず、入力部を介して動作させれば、タトゥー制御部60は、メモリ80に保存された以前に使用したニードル引出速度、引出長、色素注入量などの情報を引き出してタトゥー施術装置の動作を制御する。
【0068】
これとは違い、施術者が設定部10を介してニードル引出長、引出速度及び色素注入量を設定すると、これに基づいてタトゥー施術装置の動作を制御する。ここで、使用者(施術者)は、施術対象者の皮膚状態を見てニードル引出長及び色素注入量などを設定する。人体の皮膚状態は互いに異なり得る。ある人は硬く、ある人は相対的に柔らかい。タトゥーはニードルの深さ及び色素量に密接な関係がある。特に、皮膚の薄層に正確に色素を注入することで、脱色や染みなどを防止し、自然なタトゥーまたはヘアスタイルを演出することができる。したがって、施術対象者の皮膚状態をチェックしてニードル引出長及び色素注入量を決定することは非常に重要であると言える。したがって、多くの経験及びノーハウを有する専門家(施術者)が施術することが好ましい。
【0069】
ニードル引出速度も、皮膚状態、すなわち頭皮タトゥーの場合、髪の毛が長いか短いかなどを見て専門家が設定することが好ましい。
【0070】
施術者が設定部10を介してニードル引出長、引出速度及び色素注入量を設定すると、タトゥー制御部60はこれに基づいてタトゥー施術装置の動作を制御する。
【0071】
すなわち、タトゥー制御部60は、前記設定部10によって設定されたニードル引出長、引出速度及び色素注入量に基づいてメモリ80から制御値を抽出して頭皮タトゥー施術装置のメイン動作を制御し、移動速度及び圧力感知値を参照して引出速度及び力を個別的に制御することでタトゥー施術装置の動作を付加的に制御する。
【0072】
例えば、タトゥー制御部60のニードル引出長設定部62は、前記設定部10によって設定されるニードル引出長に基づいて、メモリ80からニードル引出長制御値を抽出してニードル引出長を設定する。
【0073】
ニードル引出長制御部68は、このように設定されるニードル引出長制御値を用いて、前記ハンドピース200のニードル駆動部30に備えられたソレノイドのオン(on)駆動時間を調節してニードルの引出長を調節する。
【0074】
図6に示すように、ソレノイドに印加される駆動電流の時間を調節してニードルの最終移動距離、すなわち、引出距離を調節する。
【0075】
図6で駆動電流である電力の供給時間は、power1<power2<power3<power4の関係を有し、これはソレノイドのオン駆動時間になる。
【0076】
すなわち、power1の時間の間に駆動電流を印加するとニードル引出距離が一番短くなり、power2の時間の間に駆動電流を印加すると前記power1の時間よりもちょっと長くニードル引出距離が増加し、power3の時間の間に駆動電流を印加すると前記power2の時間よりもちょっと長くニードル引出距離が増加し、power4の時間の間に駆動電流を印加すると前記power3の時間よりもちょっと長くニードル引出距離が増加する。
【0077】
言い換えれば、同じ電圧でニードルを最大値に引き出すのにかかる時間が1と言えば(power4)、電流印加時間を前記1よりも小さく設定すると、ニードルの移動距離も小さくなる。このように、ソレノイドのオン駆動時間を調節してニードルの引出長を調節する。
【0078】
また、ニードル引出速度設定部61は、前記設定部10によって設定されるニードル引出速度(rpm)に基づいてメモリ80からニードル引出速度制御値を抽出してニードル引出速度を設定する。
【0079】
前記ニードル速度制御部66は、前記ニードル引出速度設定部61のニードル引出速度の設定に対応して、ニードルを引き出すニードル駆動部30のソレノイドのオン(on)/オフ(off)動作のインターバル(interval)調節によって一地点の打点回数、すなわち、ニードル速度(rpm)を調節する。
【0080】
例えば、図3に示すように、ニードル速度制御部66は、ソレノイドの電流が印加されない時間のインターバル時間を調節してニードル駆動速度(rpm)を調節する。上部の波形のように前記インターバル時間が短ければ、同じ時間にニードルが引出/引込されるニードル駆動速度が早くなり、下部の波形のように前記インターバル時間が長ければ、同じ時間にニードルが引出/引込されるニードル駆動速度が遅くなる。言い換えれば、ソレノイドに電流が印加されないインターバル時間を短くすると、時間当たり(秒当たり)のニードル駆動速度が早くなり、相対的にインターバル時間を長くすると、時間当たり(秒当たり)のニードル駆動速度が遅くなる。
【0081】
このような過程でニードル速度を調節する。
【0082】
一方、ニードル速度制御部66は、使用者が設定した点射モードによって前記ソレノイドのオン/オフ駆動周期及びインターバル時間を調節して点射を調節する。
【0083】
すなわち、図4の上部のように、施術者が2打点射モードを選択すると、ニードル速度制御部66は、ソレノイドのオン/オフ周期を一定の時間間隔で2回オン/オフし、ついで一定の時間インターバルをおいた後、またソレノイドを一定の時間間隔で2回オン/オフし、一定の時間インターバルをおいた後、さらにソレノイドを一定の時間間隔で2回オン/オフし、一定の時間インターバルを有する周期で点射を調節する。
【0084】
また、施術者が4打点射モードを選択すると、図4の下部のように、ニードル速度制御部66は、ソレノイドのオン/オフ周期を一定の時間間隔で4回オン/オフし、ついで一定の時間インターバルをおいた後、またソレノイドを一定の時間間隔で4回オン/オフし、一定の時間インターバルをおいた後、さらにソレノイドを一定の時間間隔で4回オン/オフし、一定の時間インターバルを有する周期で点射を調節する。
【0085】
実際に既存のモーター方式のタトゥー施術装置は、ニードル引出速度(rpm)を調節することは可能であるが、ニードルを一回のみ引き出してから停止させるかまたは2回だけ引き出してから停止させることは極めて難しい。したがって、本発明のような点射モード制御が不可能であるが、本発明はソレノイドを用いるニードル制御方式であるので、ソレノイドの駆動タイムの調節のみで簡単に点射モードを具現することができるようになる。
【0086】
また、色素注入量設定部63は、前記設定部10によって設定される色素注入量に基づいてメモリ80から色素注入量制御値を抽出して色素注入量を設定する。
【0087】
ここで、色素注入量はニードル速度に左右されることができる。ニードル速度が早ければ色素注入量が相対的に少なくなり、ニードル速度が遅ければ相対的に色素注入量が増加することができる。
【0088】
ニードル速度制御部66は、前記色素注入量を考慮して前記のような方式でニードル速度を制御することができる。
【0089】
一方、本発明の他の特徴として、皮膚状態によってニードルを押す力(トルク)をニードル速度とは別個に制御して、ニードルが皮膚を貫く力を調節することで、最適のタトゥーを具現することができる。
【0090】
例えば、図5に示すように、ニードル駆動速度とは無関係に針を押す力(トルク)を異にすることで、皮膚の表面に屈曲を引き起こさず、最適のタトゥーの具現が可能である。
【0091】
言い換えれば、既存のモーター方式のタトゥー施術装備は、点と点との間の間隔を増やすためにニードル引出速度を減らせば、相対的に力も減少してニードルが皮膚を貫くことができない状態になり、施術速度を高めるためにニードル引出速度を高めれば、施術者の手の速度も相対的に高くなって皮膚が剥かれる現象が発生する。このように、既存のモーター方式のタトゥー施術装備は、針の長さ調節は可能であったが、皮膚に挿入される針の長さは結局施術者の手技術に依存しなければならない問題がある。
【0092】
このような問題点を改善するために、本発明においては、ニードル速度とは関係なく、ニードルのトルクのみを制御することで、ニードル引出速度が遅くても力の調節によって所望の皮膚層に色素を注入する。
【0093】
すなわち、ニードルトルク制御部67は、図5に示すように、ソレノイドに印加されるパワー(電圧)を変えて力を調節する。パワーが増えるほど段々強い力(トルク)で押すので、ニードル速度が低くても最大距離に到逹する時間を短縮することができ、これにより皮膚の表面に屈曲を引き起こさず、ニードルが皮膚を貫くことができる。ニードルの深さは皮膚の状態によって施術者が適切に調節すること好ましい。
【0094】
最大パワーであるpower4ですべての施術が可能であるが、パワーが高ければ相対的にハンドピースの過熱時間が短縮することがあるから、長時間の連続施術には適しないこともあるので、施術者が皮膚状態を見て深さを適切に調節することが好ましい。このようなニードル深さの調節もニードル駆動部がソレノイドであることによって可能な特徴である。
【0095】
ニードルが早く動けば、ニードルの表面にもっと少ない量の色素をつけて動くようになるので、もっと小さな点(皮膚に入る色素量が少なくなる)を付けることができ、ニードル速度が低くなれば、相対的に大きな点を付けることができる。
【0096】
既存のモーター方式のタトゥー施術装備は、速いニードル移動速度の機器を用いる場合、施術者の手首の移動速度が遅ければ、ニードルが一地点を多く打撃することになって望まない大きな点が生成される問題が発生し得るが、本発明は、ソレノイド方式を用いることで、ニードル速度を低め、ソレノイドのインターバル時間を長く調節して所望の個数だけの点を付けることができるので、点のサイズを施術者が容易に調節することができる。
【0097】
頭皮タトゥーにおいて、既存の毛髪がある状態で密度が足りなくて頭皮が映る現象を防止するためには、むしろはげ頭より高い密度に作業する場合に結果物が目立つことができる。しかし、大きな点で多くの点を付ければ、あまりにも濃い色によって不自然な結果が発生する。これを克服するためには、目によく見えないほどに小さな点を無数に付けて点と点との間の頭皮色相をある程度活かしながら施術しなければならない。非常に小さな点のためには、1ヶ所に針で一回のみ付けなければならなく、点が小さくなる分だけもっと多くの点を付けなければならない。
【0098】
これは、結局施術時間が長くなる結果になる。これを克服するために、本発明は、ニードルの速度及び手が動く速度の調節によって点と点との間の間隔を調節することができる。既存のモーター方式のタトゥー施術装備は、ニードルの速度が早いから、前記のように施術する場合、点ではなく線が発生するが、本発明は、点を一つずつ付けるよりは線でつければ総施術時間を短縮させる効果を得ることができる。
【0099】
このように、本発明は、点の深さ、及び注入回数を自動で調節することができるので、施術時間を短縮することができ、よって施術者の手首ストレスを減らすことができ、針先ではなく施術対象部位のみを見れば良いので、目の疲労も減らすことができる。このような肉体的な疲労度の減少により、若い施術者はもちろんのことお年寄りも充分に施術することができるタトゥー施術装置を提供する。
【0100】
一方、本発明の他の特徴として、タトゥー施術が始まれば、移動速度感知部50は、加速度センサーなどでハンドピースの移動速度値を感知してタトゥー制御部60に伝達し、同時に圧力感知部40も圧力センサーなどで頭皮とプローブとの間の圧力を測定して実時間でタトゥー制御部60に伝達する。
【0101】
タトゥー制御部60の移動速度判断部65は、前記移動速度感知部50によって感知される移動速度値とメモリ80に登録された基準移動速度範囲値とを比較し、異常発生の際、移動速度判断値を生成してニードル速度制御部66に伝達する。すなわち、移動速度感知部50によって感知される移動速度値が基準移動速度範囲を超えるかそれに至らない場合、移動速度判断値を生成してニードル速度制御部66に伝達する。ここで、ハンドピースの移動速度があまりにも早いか遅ければ、均一でありながらも自然なヘアスタイルを具現することができない。例えば、移動速度があまりにも早ければ、色素注入量が少なくて毛髪が正常に具現できなくて頭皮タトゥーの効果が少なく、移動速度があまりにも遅ければ、特定の領域の色素注入量が多くなり、染みが発生するかまたは周辺に比べてあまりにも濃い色相が具現されることがある。したがって、決まった移動速度範囲でハンドピースを移動させながら頭皮タトゥー施術を行うことが好ましい。
【0102】
ニードル速度制御部66は、移動速度判断部65から移動速度判断値が伝達されれば、これに基づき、手の移動時間が設定の移動時間の範囲を設定の範囲だけ外れると、自動でニードル引出速度を減らすことで、染みが発生するか特定の位置の点の密度が変わることを防止する。必要に応じて、表示部70を介して警告メッセージを表示することも好ましい。また、手の移動時間が設定の移動時間の設定範囲を超えて外れると、ニードル駆動部を停止させる。施術者は、頭皮タトゥー施術中にタトゥー施術装置が急に停止すると、表示部70を介して警告メッセージを確認し、これからハンドピースの移動速度があまりにも遅いか早いことを認知する。その後、再びタトゥー施術装置を動作させ、移動速度に気を付けながらタトゥー施術を行う。
【0103】
また、タトゥー制御部60の圧力判断部64は、前記圧力感知部40によって感知される圧力値とメモリ80に登録された基準圧力範囲値とを比較し、異常発生の際、圧力判断値を生成してニードル引出長制御部68に伝達する。
【0104】
すなわち、圧力感知部40によって感知される圧力値が基準圧力範囲値を超えるかこれに至らない場合、圧力判断値を生成してニードル引出長制御部68に伝達する。ここで、プローブと頭皮との間の圧力があまりにも高いか低ければ、正確な頭皮層(薄層)に色素を注入することが難しいので、均一でありながらも自然なヘアスタイルを具現することができない。例えば、圧力値があまりにも高ければ、望まない深層に色素が注入され、圧力値があまりにも低ければ望まない頭皮の表面にのみ色素が注入されて毛髪が正常に具現されない欠点を引き起こす。したがって、決まった圧力範囲内で頭皮タトゥー施術を行うことが好ましい。
【0105】
また、ニードル引出長制御部68は、移動速度判断部65から移動速度判断値が伝達されると、これに基づいてニードルの引出長を自動で制御する。すなわち、圧力値が決まった範囲より高ければ、メモリ80から引出長調整値を引き出し、ニードルの引出長が相対的に短くなるようにニードル駆動部30のソレノイドを制御し、圧力値が決まった範囲より低ければ、メモリ80から引出長調整値を引き出し、ニードルの引出長が相対的に長くなるようにニードル駆動部30のソレノイドを制御する。
【0106】
このように、本発明は、瞬間的な力であるトルクをニードル速度と別個に制御することで、皮膚の表面に注入された色素が滲むことを防止する。ここで、力は皮膚を貫く力である。通常、ニードル速度が早くなると力も強くなり、ニードル速度が遅くなると力も弱くなることがモーターを用いる一般的なタトゥー施術装備の特徴であるので、速度が低い状況で頭皮を貫く力も小さくなり、相対的に、ニードルが所望の皮膚厚さだけ挿入されなくて色素が頭皮の表面に注入されて滲む欠点が発生する。
【0107】
本発明は、このような一般的なタトゥー施術装備の欠点を改善するために、ソレノイドを用い、ニードル速度及び皮膚を貫く力であるトルクを個別的に制御することで、ニードル速度が低い状況でもトルクを高めて常に頭皮の適切な深さに色素が注入されるようにし、色素が滲むことを防止することができる。
【0108】
同様に、ニードル速度が高い状況では、トルクを適切に低めて常に頭皮の適切な深さに色素が注入されるようにし、色素が滲むことを防止することができる。
【0109】
以上で本発明者によってなされた発明を前記実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能であるというのは当該技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0110】
10 設定部
20 ニードル部
30 ニードル駆動部
40 圧力感知部
50 移動速度感知部
60 タトゥー制御部
61 ニードル引出速度設定部
62 ニードル引出長設定部
63 色素注入量設定部
64 圧力判断部
65 移動速度判断部
66 ニードル速度制御部
67 ニードルトルク制御部
68 ニードル引出長制御部
70 表示部
80 メモリ
90 電源部
100 色素供給部
200 ハンドピース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】