(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】タンパク質および核酸をアッセイするための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/68 20060101AFI20230920BHJP
C12Q 1/68 20180101ALI20230920BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20230920BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20230920BHJP
G01N 27/62 20210101ALI20230920BHJP
C12Q 1/6813 20180101ALN20230920BHJP
C12Q 1/686 20180101ALN20230920BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALN20230920BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
G01N33/68
C12Q1/68
G01N33/50 P
G01N33/53 M
G01N27/62 V
C12Q1/6813 Z ZNA
C12Q1/686 Z
C12Q1/6869 Z
C12N15/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513345
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021047397
(87)【国際公開番号】W WO2022046804
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521436957
【氏名又は名称】シアー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホーンバーグ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フィガ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, シャオヤン
(72)【発明者】
【氏名】シディキ, アシム エス.
(72)【発明者】
【氏名】マ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】キム, サンテ
(72)【発明者】
【氏名】ファロクザド, オミッド シー.
(72)【発明者】
【氏名】ドノヴァン, マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム, ジョン イー.
(72)【発明者】
【氏名】プラット, セオドア
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, ダミアン
【テーマコード(参考)】
2G041
2G045
4B063
【Fターム(参考)】
2G041AA06
2G041CA01
2G041EA04
2G041FA11
2G041FA12
2G041FA13
2G041GA09
2G041JA02
2G041JA06
2G041JA13
2G041LA07
2G041LA08
2G045AA40
2G045CA25
2G045CA26
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2G045CB11
2G045DA13
2G045DA36
4B063QA01
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4B063QS25
(57)【要約】
平行して、タンパク質および核酸についてアッセイするための組成物および方法を本明細書に開示する。一部の態様では、本開示は、対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)対象由来の生体試料をアッセイして、生体試料中のタンパク質を特定して、生体試料のプロテオミクス情報を得るステップ、(b)生体試料由来の核酸分子を分析して、生体試料の遺伝子型情報を特定するステップ、ならびに(c)プロテオミクス情報および遺伝子型情報に基づいて、対象のペプチドバリアントまたはゲノムバリアントを特定するステップであって、ペプチドバリアントまたはゲノムバリアントが、それぞれ、(a)または(b)において、他に特定可能ではない、ステップを含む方法を記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象由来の生体試料を分析するための方法であって、
(a)前記対象由来の前記生体試料をアッセイして、前記生体試料中のタンパク質を特定して、前記生体試料のプロテオミクス情報を得るステップ、
(b)前記生体試料由来の核酸分子を分析して、前記生体試料の遺伝子型情報を特定するステップ、ならびに
(c)前記プロテオミクス情報および前記遺伝子型情報に基づいて、前記対象のペプチドバリアントまたはゲノムバリアントを特定するステップであって、前記ペプチドバリアントまたは前記ゲノムバリアントが、それぞれ、(a)または(b)において、他に特定可能ではない、ステップ
を含む、方法。
【請求項2】
(a)が、前記生体試料を、前記生体試料中の前記タンパク質を特定するアッセイに付すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)が、前記生体試料を粒子と、前記生体試料由来の前記タンパク質の前記粒子への吸着に十分な条件下で接触させるステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記タンパク質が、前記粒子に対して圧縮されたダイナミックレンジを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記粒子が、異なる物理化学的特性を有する複数の粒子を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の粒子が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の粒子が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N
1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の粒子の第1の粒子によって吸着された前記タンパク質の第1のタンパク質のサブセットが、前記複数の粒子の第2の粒子によって吸着された前記タンパク質の第2のタンパク質のサブセットと共通する最大で80%の種類のタンパク質を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記タンパク質が、約50~500種類のタンパク質またはタンパク質群を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記タンパク質が、約250~25000種類のタンパク質またはタンパク質群を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記対象が、1人の対象を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、複数の対象を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記タンパク質が、前記生体試料中に0.2%~2%の前記種類のタンパク質を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
(a)が、前記生体試料中の前記タンパク質の存在量を特定するステップを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸分子が、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞リボ核酸(cfRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
(b)が、前記核酸分子を、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含むものとして特定するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(b)が、前記ctDNAの細胞型、がん型、がんのステージ、またはそれらの任意の組合せを特定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記核酸分子が、エキソソーム、アポトーシス小体、腫瘍細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せに由来する、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
対象由来の生体試料を分析するための方法であって、
(a)前記対象由来の前記生体試料中の核酸分子を分析して、前記核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップ、および
(b)前記細胞型に関連する前記生体試料中の複数のタンパク質についてのタンパク質存在量を定量化するステップ
を含む、方法。
【請求項20】
前記核酸分子の配列を得て、前記遺伝子型情報を特定するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記配列を前記得るステップが、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記タンパク質存在量を前記定量化するステップが、前記生体試料を粒子と接触させ、それによって、前記複数のタンパク質を含む前記粒子上の生体分子コロナを形成するステップを含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記複数のタンパク質が、前記生体分子コロナ内の圧縮されたダイナミックレンジを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記生体分子コロナが、前記生体試料中の存在量よりも低減された存在量を有する1つまたは複数の高存在量のタンパク質を含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記粒子が、異なる物理化学的特性を含む複数の粒子を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の粒子が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の粒子が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N
1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質が、約50~500種類のタンパク質またはタンパク質群を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記タンパク質が、約250~25000種類のタンパク質またはタンパク質群を含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象が、1人の対象を含む、請求項19~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が、複数の対象を含む、請求項19~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記複数のタンパク質が、前記生体試料中に少なくとも2%の前記種類のタンパク質を含む、請求項28~31に記載の方法。
【請求項33】
前記タンパク質存在量を前記定量化するステップが、前記複数のタンパク質のスプライシングバリアント、コンフォメーション、翻訳後修飾、補助因子の関連、または基質の関連を特定するステップを含む、請求項19~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
対象由来の生体試料を分画するための方法であって、
(a)前記生体試料を複数の粒子と接触させて、前記複数の粒子上で、前記生体試料由来のタンパク質および核酸分子を含む生体分子コロナを形成するステップ、ならびに
(b)少なくとも前記生体分子コロナのサブセットを前記生体試料から分離し、それによって、前記生体試料を分画するステップ
を含む、方法。
【請求項35】
対象由来の生体試料を分析するための方法であって、
(a)前記対象由来の前記生体試料中のタンパク質をアッセイして、第1の複数のタンパク質またはタンパク質断片に割り当て可能なシグナルを特定するステップ、
(b)核酸配列データについて、前記生体試料中の核酸分子をアッセイし、それによって、前記核酸配列に関連する第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップ、および
(c)前記第1の複数のタンパク質またはタンパク質断片から、前記生体試料中の1つまたは複数のタンパク質を特定するステップであって、前記1つまたは複数のタンパク質が、前記核酸配列データの非存在下で、他に特定不能である、ステップ
を含む、方法。
【請求項36】
前記タンパク質を前記アッセイするステップが、前記タンパク質を粒子に吸着させるステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記タンパク質を前記粒子に前記吸着させるステップが、前記タンパク質のダイナミックレンジを圧縮する、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記核酸分子を前記アッセイするステップが、シークエンシングするステップを含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記特定するステップが、前記1つまたは複数のタンパク質に関連し、前記第1の複数のタンパク質に割り当て可能な前記シグナルのシグナルと重複するシグナルを特定するステップを含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
対象由来の生体試料を処理するための方法であって、
(a)核酸分子またはその断片の核酸配列について、前記対象由来の前記生体試料中の前記核酸分子をアッセイするステップ、
(b)前記核酸配列をコンピュータ処理して、前記ヌクレオチド配列に関連するタンパク質のタンパク質配列を含むデータを作成するステップ、
(c)少なくとも前記タンパク質のサブセットに割り当て可能なシグナルについて、前記生体試料をアッセイするステップ、および
(d)前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットから、(b)において作成された前記データに少なくとも部分的に基づいてタンパク質を特定するステップ
を含む、方法。
【請求項41】
(c)の前記アッセイするステップが、前記生体試料を粒子と接触させ、それによって、前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットを含む前記粒子上の生体分子コロナを形成するステップ含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットに割り当て可能な前記シグナルが、少なくとも100,000シグナルを含む、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記特定するステップが、前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットの中からスプライシングバリアントを特定するステップを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記スプライシングバリアントを前記特定するステップが、複数のスプライシングバリアントの存在量比を特定するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットに割り当て可能な前記シグナルが、複数の重複するシグナルを含み、前記特定するステップが、前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットのタンパク質からの前記複数の重複するシグナルの重複するシグナルの強度を決定するステップを含む、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
生体試料をアッセイするための方法であって、
(a)表面修飾粒子および支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップであって、前記表面修飾粒子が、複数の生体分子または生体分子群の可変的に選択的な吸着のための物理化学的特性を有する、ステップ、
(b)液体中で前記乾燥組成物を再構成するステップ、ならびに
(c)前記生体試料を(b)において再構成された前記乾燥組成物と接触させて、前記表面修飾粒子の表面上で、前記生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を吸着させるステップ
を含む、方法。
【請求項47】
前記生体分子または生体分子群が、タンパク質またはタンパク質群を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生体試料中で、少なくとも7桁の濃度のダイナミックレンジを有する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生体試料中で、少なくとも8桁の濃度のダイナミックレンジを有する、請求項47または48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記生体試料が、血漿、血清、CSF、尿、涙液、細胞溶解物、組織溶解物、細胞ホモジネート、組織ホモジネート、針吸引液、糞便試料、滑液、全血、唾液、またはそれらの組合せを含む、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記乾燥組成物が、凍結乾燥されたビーズの形式である、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記乾燥組成物が、前記表面修飾粒子を含む複数の粒子を含む、請求項46~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
(c)の後の前記表面修飾粒子が、凍結乾燥の非存在下で前記液体に溶解した同じ表面修飾粒子が前記生体試料から吸着されるであろう前記生体試料中の生体分子の少なくとも90%を吸着する、請求項46~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記可変的に選択的な吸着が、低い結合親和性、遅い結合キネティクス、またはその両方を含む、請求項46~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記可変的に選択的な吸着が、タンパク質-リガンド相互作用ではない相互作用を含む、請求項46~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
生物流体試料をアッセイするための方法であって、
(a)表面修飾粒子および凍結乾燥された支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップであって、前記表面修飾粒子が、複数の生体分子または生体分子群に対する親和性を有する、ステップ、ならびに
(b)前記乾燥組成物の再構成の非存在下で、前記生物流体試料を前記乾燥組成物と接触させて、前記表面修飾粒子の表面上で、前記生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を吸着させるステップ
を含む、方法。
【請求項57】
前記生物流体試料が、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約1部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記乾燥組成物が、前記表面修飾粒子を含む複数の粒子を含む、請求項56または57に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の粒子が、少なくとも2つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記複数の粒子が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複数の粒子が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N
1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記表面修飾粒子が、抗体、T細胞受容体、キメラ抗原受容体、受容体タンパク質、またはそれらのバリアントもしくは断片を含まない、請求項56~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
(a)の前に、前記表面修飾粒子および前記支持剤を含む溶液または懸濁液を作製するステップをさらに含む、請求項56~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記溶液または懸濁液を瞬間凍結して、凍結した組成物を生成するステップをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記凍結した組成物を凍結乾燥して、前記乾燥組成物を生成するステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
生体試料をアッセイするためのシステムであって、
粒子および支持剤を含む乾燥組成物を含む基材、
生体試料を含む試料ストレージユニット、
前記基材および前記試料ストレージユニットに動作可能に連結されたローディングユニット、ならびに
機械実行可能コードを含むコンピュータ可読媒体であって、プロセッサーによる実行の際に、
(a)前記ローディングユニットを使用して、前記生体試料またはその一部分を前記試料ストレージユニットから前記基材に移動させるステップ、および
(b)前記生体試料を前記乾燥組成物との接触に向かわせて、複数の生体分子または生体分子群を含む生体分子コロナを生成するステップ
を含む方法を行う、コンピュータ可読媒体
を含む、システム。
【請求項67】
前記方法が、(b)の前に、前記生体試料の種を溶解して、溶解物を生成するステップをさらに含む、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記方法が、前記溶解物を還元するステップ、前記溶解物を濾過するステップ、前記溶解物をアルキル化するステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナを変性させて、変性された生体分子コロナを生成するステップ、(b)の後に、前記生体分子コロナを消化して、消化された生体分子コロナを生成するステップ、(b)の後に、前記生体分子コロナを溶出させるステップ、および(b)の後に固相抽出を使用して分離するステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項66~68のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナに対して質量分析を行うステップをさらに含む、請求項66~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記基材が、プラスチックウェアを含み、前記方法が、少なくともプラスチックウェアバーコード、粒子バーコードおよび試薬バーコードを含むバーコードのセットを提供するステップ、ならびに前記バーコードのセットを前記コンピュータ可読媒体に通信するステップをさらに含む、請求項66~70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記方法が、前記乾燥組成物の少なくとも一部分を前記生体試料の少なくとも一部から分離するステップを含み、前記分離するステップが、磁気分離を含む、請求項66~71のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
乾燥粒子製剤であって、(i)複数の生体分子または生体分子群の吸着のための表面修飾を含む粒子、および(ii)支持剤を含む乾燥組成物を含み、前記乾燥組成物が、25℃超の温度で少なくとも3か月間安定である、乾燥粒子製剤。
【請求項74】
前記表面修飾が、シリカ被覆、PDMAPMAポリマー官能化、グルコース-6-リン酸官能化、ポリスチレンカルボキシル官能化、デキストラン官能化、アミド官能化、カルボキシル官能化、トリアミン官能化、ジアミン官能化、モノアミン表面官能化、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項73に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項75】
前記表面修飾が、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン官能化、1,6-ヘキサンジアミン官能化、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項73に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項76】
前記表面修飾が、金属酸化物被覆を含む、請求項73~75のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項77】
前記表面修飾が、少なくとも1つの露出した第1級アミン基、第2級アミン基、第3級アミン基を含む、請求項73~76のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項78】
前記表面修飾が、少なくとも1つの単糖を含む、請求項73~77のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項79】
前記支持剤が、スクロース、d-マンニトール、トレハロース、グリセロール、デキストラン、PEG、グルコース、ラクトース、ポリソルベート、またはアミノ酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項73~78のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項80】
前記温度が、25℃~60℃である、請求項73~79のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項81】
前記粒子が、溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%である平均ゼータ電位を有する、請求項73~80のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項82】
溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の85%~115%である平均直径を有する、請求項73~81のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項83】
前記乾燥粒子製剤が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む複数の粒子を含む、請求項73~82のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項84】
前記乾燥粒子製剤が、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N
1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む複数の粒子を含む、請求項73~83のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項85】
請求項73~84のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤、および前記乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含むキット。
【請求項86】
乾燥粒子製剤であって、複数の生体分子または生体分子群の吸着のために表面修飾された粒子、および支持剤を含む乾燥組成物を含み、前記乾燥組成物が、溶媒への再構成なしのその後の使用のために構成されている、乾燥粒子製剤。
【請求項87】
前記乾燥組成物が、37℃超の温度で少なくとも7日間安定である、請求項86に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項88】
前記乾燥組成物が、37℃で少なくとも40日間安定である、請求項86に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項89】
前記粒子が、凍結乾燥された粒子である、請求項86~88のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項90】
前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの85%~115%である粒子サイズを有する、請求項89に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項91】
前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%であるゼータ電位を有する、請求項89または90に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項92】
シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む複数の粒子を含む、請求項86~91のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項93】
シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N
1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む複数の粒子を含む、請求項86~91のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤。
【請求項94】
請求項86~93のいずれか一項に記載の乾燥粒子製剤、および前記乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年11月10日に出願された米国仮特許出願第63/112,071号、2021年1月29日に出願された米国仮特許出願第63/143,738号、2021年3月25日に出願された米国仮特許出願第63/166,173号、2021年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/194,612号、および2020年8月25日に出願された米国仮特許出願第63/070,205号の利益を主張し、それらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
生体試料は、多種多様なタンパク質および核酸を含有する。タンパク質および核酸の存在および濃度、ならびに生物学的状態を示し得るタンパク質と核酸との間の任意の相関を解明するための組成物および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
一部の態様では、本開示は、対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)対象由来の生体試料をアッセイして、生体試料中のタンパク質を特定して、生体試料のプロテオミクス情報を得るステップ、(b)生体試料由来の核酸分子を分析して、生体試料の遺伝子型情報を特定するステップ、ならびに(c)プロテオミクス情報および遺伝子型情報に基づいて、対象のペプチドバリアントまたはゲノムバリアントを特定するステップであって、ペプチドバリアントまたはゲノムバリアントが、それぞれ、(a)または(b)において、他に特定可能ではない、ステップを含む方法を記載する。
【0004】
一部の実施形態では、生体試料は、全血、血漿、軟膜、血清、尿、脳脊髄液、滑液、涙液、唾液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、汗、間隙液、精液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、流動化固体、穿刺吸引試料、組織ホモジネート、リンパ液、細胞培養試料、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0005】
一部の実施形態では、生体試料は、血漿または血清を含む。
【0006】
一部の実施形態では、生体試料は、5000種類超のタンパク質を含む。
【0007】
一部の実施形態では、(a)は、生体試料を、生体試料中の複数のタンパク質を特定するアッセイに付すステップを含む。
【0008】
一部の実施形態では、(a)は、生体試料を粒子と、生体試料由来のタンパク質の粒子への吸着に十分な条件下で接触させるステップを含む。
【0009】
一部の実施形態では、タンパク質は、粒子に対して圧縮されたダイナミックレンジを含む。
【0010】
一部の実施形態では、粒子に吸着されたタンパク質は、生体試料中の存在量よりも低い存在量を有する1つまたは複数のタンパク質を含む。
【0011】
一部の実施形態では、粒子の表面積1平方ミリメートル(mm2)あたり少なくとも10-9ミリグラム(mg)のタンパク質が吸着される。
【0012】
一部の実施形態では、粒子は、異なる物理化学的特性を有する複数の粒子を含む。
【0013】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0014】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0015】
一部の実施形態では、異なる物理化学的特性は、サイズ、形状、表面官能化、コア材料、密度、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0016】
一部の実施形態では、複数の粒子の第1の粒子によって吸着されたタンパク質の第1のタンパク質のサブセットは、複数の粒子の第2の粒子によって吸着されたタンパク質の第2のタンパク質のサブセットと共通する最大で80%の種類のタンパク質を含む。
【0017】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも5種類のタンパク質を含む。
【0018】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも200種類のタンパク質を含む。
【0019】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも500種類のタンパク質を含む。
【0020】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも1000種類のタンパク質を含む。
【0021】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも2000種類のタンパク質を含む。
【0022】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも5000種類のタンパク質を含む。
【0023】
一部の実施形態では、タンパク質は、5~1000種類のタンパク質を含む。
【0024】
一部の実施形態では、タンパク質は、20~200種類のタンパク質を含む。
【0025】
一部の実施形態では、タンパク質は、約50~500種類のタンパク質またはタンパク質群を含む。
【0026】
一部の実施形態では、タンパク質は、約250~25000種類のタンパク質またはタンパク質群を含む。
【0027】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中に少なくとも2%のその種類のタンパク質を含む。
【0028】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中に0.2%~2%のその種類のタンパク質を含む。
【0029】
一部の実施形態では、(a)は、生体試料中のタンパク質の存在量を特定するステップを含む。
【0030】
一部の実施形態では、(c)は、プロテオミクス情報および遺伝子型情報に基づいて、タンパク質のスプライシングバリアント、コンフォメーション、翻訳後修飾、補助因子の関連、または基質の関連を特定するステップを含む。
【0031】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中で少なくとも4桁の濃度に及ぶ。
【0032】
一部の実施形態では、方法は、核酸分子の配列を得て、遺伝子型情報を特定するステップをさらに含む。
【0033】
一部の実施形態では、配列を得るステップは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0034】
一部の実施形態では、核酸分子は、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞リボ核酸(cfRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0035】
一部の実施形態では、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)は、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0036】
一部の実施形態では、(b)は、核酸分子を、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含むものとして特定するステップを含む。
【0037】
一部の実施形態では、(b)は、ctDNAの細胞型、がん型、がんのステージ、またはそれらの任意の組合せを特定するステップを含む。
【0038】
一部の実施形態では、(c)の特定するステップは、ctDNAの細胞型、がん型、またはがんのステージを特定するステップを含む。
【0039】
一部の実施形態では、無細胞リボ核酸(cfRNA)は、メッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、YRNA、マイクロRNA(miRNA)、環状RNA、核小体低分子RNA(snRNA)、偽遺伝子RNA、トランスファーRNA(tRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0040】
一部の実施形態では、(b)は、核酸分子を、メッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、YRNA、マイクロRNA(miRNA)、環状RNA、核小体低分子RNA(snRNA)、偽遺伝子RNA、トランスファーRNA(tRNA)、またはそれらの任意の組合せの配列を含むものとして特定するステップを含む。
【0041】
一部の実施形態では、核酸分子は、エキソソーム、アポトーシス小体、腫瘍細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せに由来する。
【0042】
一部の実施形態では、(b)は、核酸分子が、エキソソーム、アポトーシス小体、病的な細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せに由来したことを特定するステップを含む。
【0043】
一部の実施形態では、(b)は、試料が由来する生物体における健康な細胞または病的な細胞のアポトーシスの比率または率を特定するステップを含む。
【0044】
一部の実施形態では、(b)は、健康な細胞または病的な細胞の存在量を特定するステップを含む。
【0045】
一部の実施形態では、(b)は、健康な細胞または病的な細胞の細胞型を特定するステップを含む。
【0046】
一部の実施形態では、方法は、細胞型に関連するか、またはそれに由来するタンパク質のサブセットを特定するステップをさらに含む。
【0047】
一部の実施形態では、(c)の特定するステップは、細胞型に関連するか、またはそれに由来するタンパク質のサブセットを特定するステップを含む。
【0048】
一部の実施形態では、方法は、タンパク質の化学修飾を特定するステップをさらに含む。
【0049】
一部の実施形態では、ペプチドバリアントまたはゲノムバリアントは、化学修飾を含む。
【0050】
一部の実施形態では、方法は、化学修飾に少なくとも一部において基づいて試料の生物学的状態を特定するステップをさらに含む。
【0051】
一部の実施形態では、核酸分子を分析するステップは、配列読み取りデータを得るステップ、および配列読み取りデータを参照配列に対して整列させて、遺伝子型情報を特定するステップを含む。
【0052】
一部の実施形態では、核酸分子を分析するステップは、核酸分子の化学修飾を特定するステップを含む。
【0053】
一部の実施形態では、ペプチドバリアントまたはゲノムバリアントを特定するステップは、核酸分子の化学修飾を特定するステップを含む。
【0054】
一部の実施形態では、方法は、化学修飾に少なくとも一部において基づいて元の細胞の生物学的状態を特定するステップをさらに含む。
【0055】
一部の実施形態では、方法は、生体試料が、プロテオミクス情報および遺伝子型情報に基づいて、生物学的状態を有する確率を決定するステップをさらに含む。
【0056】
一部の実施形態では、(b)は、核酸分子を、生体試料の遺伝子型情報を特定する分析に付すステップを含む。
【0057】
一部の態様では、本開示は、対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)対象由来の生体試料中の核酸分子を分析して、核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップ、および(b)細胞型に関連する生体試料中の複数のタンパク質についてのタンパク質存在量を定量化するステップを含む、方法を記載する。
【0058】
一部の実施形態では、生体試料は、全血、血漿、軟膜、血清、尿、脳脊髄液、滑液、涙液、唾液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、汗、間隙液、精液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、流動化固体、穿刺吸引試料、組織ホモジネート、リンパ液、細胞培養試料、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0059】
一部の実施形態では、生体試料は、血漿または血清を含む。
【0060】
一部の実施形態では、生体試料は、1000種類超のタンパク質を含む。
【0061】
一部の実施形態では、方法は、核酸分子の配列を得て、遺伝子型情報を特定するステップをさらに含む。
【0062】
一部の実施形態では、配列を得るステップは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0063】
一部の実施形態では、核酸分子を分析するステップは、核酸分子の化学修飾を特定するステップを含む。
【0064】
一部の実施形態では、化学修飾は、メチル化、脱メチル化、アミノ化、脱アミノ化、アセチル化、酸化、酸素化、還元、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0065】
一部の実施形態では、核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップは、化学修飾の特定に少なくとも一部において基づく。
【0066】
一部の実施形態では、分析するステップは、核酸分子の非標準核酸塩基を特定する。
【0067】
一部の実施形態では、非標準核酸塩基は、ヒポキサンチン、キサンチン、7-メチルグアニン、5,6-ジヒドロウラシル、5-メチルシトシン、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0068】
一部の実施形態では、核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップは、非標準核酸塩基の特定に少なくとも一部において基づく。
【0069】
一部の実施形態では、分析するステップは、核酸分子の転写後修飾を特定する。
【0070】
一部の実施形態では、転写後修飾は、5’キャッピング、3’切断、3’ポリアデニル化、スプライシング、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0071】
一部の実施形態では、核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップは、転写後修飾の特定に少なくとも一部において基づく。
【0072】
一部の実施形態では、分析するステップは、核酸の非翻訳領域を特定するステップを含む。
【0073】
一部の実施形態では、核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップは、非翻訳領域の特定に少なくとも一部において基づく。
【0074】
一部の実施形態では、タンパク質存在量を定量化するステップは、生体試料を粒子と接触させ、それによって、複数のタンパク質を含む粒子上の生体分子コロナを形成するステップを含む。
【0075】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、生体分子コロナ内の圧縮されたダイナミックレンジを含む。
【0076】
一部の実施形態では、生体分子コロナは、生体試料中の存在量よりも低減された存在量を有する1つまたは複数の高存在量のタンパク質を含む。
【0077】
一部の実施形態では、生体分子コロナは、粒子の表面積1mm2あたり少なくとも10-9mgの複数のタンパク質を含む。
【0078】
一部の実施形態では、粒子は、異なる物理化学的特性を含む複数の粒子を含む。
【0079】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、トリアミン官能化ナノ粒子、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、モノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0080】
一部の実施形態では、異なる物理化学的特性は、サイズ、形状、表面官能化、コア材料、密度、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0081】
一部の実施形態では、複数の粒子の第1の粒子によって吸着された複数のタンパク質の第1のタンパク質のサブセットは、複数の粒子の第2の粒子によって吸着された複数のタンパク質の第2のタンパク質のサブセットと共通する最大で80%の種類のタンパク質を含む。
【0082】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、少なくとも5種類のタンパク質を含む。
【0083】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、少なくとも200種類のタンパク質を含む。
【0084】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、少なくとも500種類のタンパク質を含む。
【0085】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、5~1000種類のタンパク質を含む。
【0086】
一部の実施形態では、タンパク質は、20~200種類のタンパク質を含む。
【0087】
一部の実施形態では、タンパク質は、約50~500種類のタンパク質またはタンパク質群を含む。
【0088】
一部の実施形態では、タンパク質は、約250~25000種類のタンパク質またはタンパク質群を含む。
【0089】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、生体試料中に少なくとも2%のその種類のタンパク質を含む。
【0090】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、生体試料中に0.2%~2%のその種類のタンパク質を含む。
【0091】
一部の実施形態では、複数のタンパク質は、生体試料中で少なくとも4桁の濃度に及ぶ。
【0092】
一部の実施形態では、タンパク質存在量を定量化するステップは、複数のタンパク質のスプライシングバリアント、コンフォメーション、翻訳後修飾、補助因子の関連、または基質の関連を特定するステップを含む。
【0093】
一部の実施形態では、タンパク質存在量を定量化するステップは、相対スプライシングバリアント存在量を特定するステップを含む。
【0094】
一部の実施形態では、方法は、タンパク質存在量に少なくとも部分的に基づいて血漿試料の生物学的状態を特定するステップをさらに含む。
【0095】
一部の実施形態では、核酸分子は、無細胞核酸を含む。
【0096】
一部の実施形態では、無細胞核酸は、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)または無細胞リボ核酸(cfRNA)を含む。
【0097】
一部の実施形態では、(a)は、核酸分子を、細胞型を特定する分析に付すステップを含む。
【0098】
一部の実施形態では、(b)は、生体試料中の複数のタンパク質についてタンパク質存在量を定量化しているステップを含む。
【0099】
一部の態様では、本開示は、対象由来の生体試料を分画するための方法であって、(a)生体試料を複数の粒子と接触させて、複数の粒子上で、生体試料由来のタンパク質および核酸分子を含む生体分子コロナを形成するステップ、ならびに(b)少なくとも生体分子コロナのサブセットを生体試料から分離し、それによって、生体試料を分画するステップを含む、方法を記載する。
【0100】
一部の実施形態では、生体試料は、全血、血漿、軟膜、血清、尿、脳脊髄液、滑液、涙液、唾液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、汗、間隙液、精液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、流動化固体、穿刺吸引試料、組織ホモジネート、リンパ液、細胞培養試料、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0101】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0102】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0103】
一部の実施形態では、生体試料は、血漿または血清を含む。
【0104】
一部の実施形態では、方法は、エキソソーム、アポトーシス小体、細胞、ビルトソーム、またはそれらの任意の組合せを溶解するステップをさらに含む。
【0105】
一部の実施形態では、生体分子コロナのタンパク質または核酸は、溶解物に由来する。
【0106】
一部の実施形態では、核酸分子は、無細胞核酸を含む。
【0107】
一部の実施形態では、核酸分子は、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)または無細胞リボ核酸(cfRNA)を含む。
【0108】
一部の実施形態では、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)は、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0109】
一部の実施形態では、無細胞リボ核酸(cfRNA)は、メッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、YRNA、マイクロRNA(miRNA)、環状RNA、核小体低分子RNA(snRNA)、偽遺伝子RNA、トランスファーRNA(tRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0110】
一部の実施形態では、生体分子コロナの核酸分子は、少なくとも30ヌクレオチドの平均長さを含む。
【0111】
一部の実施形態では、生体分子コロナの核酸分子は、少なくとも60ヌクレオチドの平均長さを含む。
【0112】
一部の実施形態では、生体分子コロナの核酸分子は、生体試料の核酸分子よりも長い平均長さを有する。
【0113】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも5種類のタンパク質を含む。
【0114】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも200種類のタンパク質を含む。
【0115】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも500種類のタンパク質を含む。
【0116】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも1000種類のタンパク質を含む。
【0117】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも2000種類のタンパク質を含む。
【0118】
一部の実施形態では、タンパク質は、少なくとも5000種類のタンパク質を含む。
【0119】
一部の実施形態では、タンパク質は、5~1000種類のタンパク質を含む。
【0120】
一部の実施形態では、タンパク質は、20~200種類のタンパク質を含む。
【0121】
一部の実施形態では、タンパク質は、約50~500種類のタンパク質またはタンパク質群を含む。
【0122】
一部の実施形態では、タンパク質は、約250~25000種類のタンパク質またはタンパク質群を含む。
【0123】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中に少なくとも2%のその種類のタンパク質を含む。
【0124】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中に0.2%~2%のその種類のタンパク質を含む。
【0125】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中の存在量と比べて、低減された存在量を有する1つまたは複数の高存在量のタンパク質を含む。
【0126】
一部の実施形態では、タンパク質由来のタンパク質は、生体試料中で約100ng/ml未満またはそれに等しい濃度を含む。
【0127】
一部の態様では、本開示は、対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)対象由来の生体試料中のタンパク質をアッセイして、第1の複数のタンパク質またはタンパク質断片に割り当て可能なシグナルを特定するステップ、(b)核酸配列データについて、生体試料中の核酸分子をアッセイし、それによって、核酸配列に関連する第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップ、および(c)第1の複数のタンパク質またはタンパク質断片から、生体試料中の1つまたは複数のタンパク質を特定するステップであって、1つまたは複数のタンパク質が、核酸配列データの非存在下で、他に特定不能である、ステップを含む、方法を記載する。
【0128】
一部の実施形態では、生体試料は、約500マイクロリットル(μL)未満またはそれに等しい体積を有する。
【0129】
一部の実施形態では、生体試料は、血漿または血清を含む。
【0130】
一部の実施形態では、タンパク質をアッセイするステップは、タンパク質を粒子に吸着させるステップを含む。
【0131】
一部の実施形態では、タンパク質を粒子に吸着させるステップは、生体試料由来の高存在量のタンパク質と比べて、生体試料由来の低存在量のタンパク質を富化する。
【0132】
一部の実施形態では、タンパク質を粒子に吸着させるステップは、タンパク質のダイナミックレンジを圧縮する。
【0133】
一部の実施形態では、タンパク質をアッセイするステップは、質量分光分析を含む。
【0134】
一部の実施形態では、タンパク質をアッセイするステップは、親和性捕捉、組織学的検査、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0135】
一部の実施形態では、タンパク質をアッセイするステップは、タンパク質をシークエンシングするステップを含む。
【0136】
一部の実施形態では、タンパク質をアッセイするステップは、翻訳後修飾を特定するステップを含む。
【0137】
一部の実施形態では、翻訳後修飾は、アシル化、アルキル化、プレニル化、フラビン化、アミド化、アミノ化、脱アミノ化、カルボキシル化、脱カルボキシル化、ニトロシル化、ホルミル化、シトルリン化、グリコシル化、糖化、ハロゲン化、ヒドロキシル化、リン酸化、スルフリル化、グルタチオン化、スクシニル化、カルボニル化、カルバミル化、酸化、酸素化、還元、ユビキチン化、SUMO化、NEDD化、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0138】
一部の実施形態では、核酸分子をアッセイするステップは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0139】
一部の実施形態では、核酸分子をアッセイするステップは、シークエンシングするステップを含む。
【0140】
一部の実施形態では、第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップは、核酸分子のコード領域をシークエンシングするステップを含む。
【0141】
一部の実施形態では、第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップは、核酸分子の非コード領域をシークエンシングするステップを含む。
【0142】
一部の実施形態では、第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップは、核酸分子の核酸分子に結合するタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップを含む。
【0143】
一部の実施形態では、(c)の特定するステップは、1つまたは複数のタンパク質アイソフォームを特定するステップを含む。
【0144】
一部の実施形態では、1つまたは複数のタンパク質は、生体試料中の生物学的状態または状況の存在または非存在を示す。
【0145】
一部の実施形態では、生物学的状態または状況は、がんを含む。
【0146】
一部の実施形態では、(c)の特定するステップは、がんのステージを特定する。
【0147】
一部の実施形態では、1つまたは複数のタンパク質は、第1の複数のタンパク質のタンパク質のアイソフォームを含む。
【0148】
一部の実施形態では、特定するステップは、1つまたは複数のタンパク質に関連し、第1の複数のタンパク質に割り当て可能なシグナルのシグナルと重複するシグナルを特定するステップを含む。
【0149】
一部の態様では、本開示は、対象由来の生体試料を処理するための方法であって、(a)核酸分子またはその断片の核酸配列について、対象由来の生体試料中の核酸分子をアッセイするステップ、(b)核酸配列をコンピュータ処理して、ヌクレオチド配列に関連するタンパク質のタンパク質配列を含むデータを作成するステップ、(c)少なくともタンパク質のサブセットに割り当て可能なシグナルについて、生体試料をアッセイするステップ、および(d)少なくともタンパク質のサブセットから、(b)において作成されたデータに少なくとも部分的に基づいてタンパク質を特定するステップを含む、方法を記載する。
【0150】
一部の実施形態では、核酸分子をアッセイするステップは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0151】
一部の実施形態では、核酸分子は、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞リボ核酸(cfRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0152】
一部の実施形態では、核酸分子をアッセイするステップは、エキソソーム、アポトーシス小体、病的な細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せから少なくとも核酸分子のサブセットを収集するステップを含む。
【0153】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列に関連するタンパク質配列は、核酸配列によってコードされないタンパク質を含む。
【0154】
一部の実施形態では、(c)のアッセイするステップは、生体試料を粒子と接触させ、それによって、少なくともタンパク質のサブセットを含む粒子上の生体分子コロナを形成するステップを含む。
【0155】
一部の実施形態では、(c)のアッセイするステップは、質量分析、ペプチドシークエンシング、ペプチド親和性捕捉、組織学的検査、クロマトグラフィー、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0156】
一部の実施形態では、少なくともタンパク質のサブセットは、少なくとも20のタンパク質を含む。
【0157】
一部の実施形態では、少なくともタンパク質のサブセットは、少なくとも200のタンパク質を含む。
【0158】
一部の実施形態では、少なくともタンパク質のサブセットは、少なくとも500のタンパク質を含む。
【0159】
一部の実施形態では、少なくともタンパク質のサブセットに割り当て可能なシグナルは、少なくとも100,000シグナルを含む。
【0160】
一部の実施形態では、少なくともタンパク質のサブセットに割り当て可能なシグナルは、少なくとも1,000,000シグナルを含む。
【0161】
一部の実施形態では、特定するステップは、少なくともタンパク質のサブセットの中からスプライシングバリアントを特定するステップを含む。
【0162】
一部の実施形態では、スプライシングバリアントを特定するステップは、複数のスプライシングバリアントの存在量比を特定するステップを含む。
【0163】
一部の実施形態では、タンパク質は、生体試料中での生物学的状況または状態に関連する。
【0164】
一部の実施形態では、少なくともタンパク質のサブセットに割り当て可能なシグナルは、複数の重複するシグナルを含み、特定するステップは、少なくともタンパク質のサブセットのタンパク質からの複数の重複するシグナルの重複するシグナルの強度を決定するステップを含む。
【0165】
一部の実施形態では、方法は、少なくともタンパク質のサブセットから第1のタンパク質および第2のタンパク質の存在量比を特定するステップをさらに含み、第1のタンパク質および第2のタンパク質は、複数の重複するシグナルのシグナルに関連する。
【0166】
一部の実施形態では、重複するシグナルのシグナルは、質量分析シグナルを含む。
【0167】
一部の実施形態では、質量分析シグナルは、複数のタンデム質量分析シグナルに関連し、特定するステップは、(b)のタンパク質配列に少なくとも一部において基づいてタンデム質量分析シグナルを割り当てるステップを含む。
【0168】
一部の態様では、本開示は、生体試料をアッセイするための方法であって、(a)表面修飾粒子および支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップであって、表面修飾粒子が、複数の生体分子または生体分子群の可変的に選択的な吸着のための物理化学的特性を有する、ステップ、(b)液体中で乾燥組成物を再構成するステップ、ならびに(c)生体試料を(b)において再構成された乾燥組成物と接触させて、表面修飾粒子の表面上で、生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を吸着させるステップを含む、方法を記載する。
【0169】
一部の実施形態では、生体分子または生体分子群は、タンパク質またはタンパク質群を含む。
【0170】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生体試料中で、少なくとも7桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0171】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生体試料中で、少なくとも8桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0172】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生体試料中で、少なくとも9桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0173】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生体試料中で、少なくとも10桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0174】
一部の実施形態では、液体は、水、有機溶媒、またはそれらの組合せもしくは混合物を含む。
【0175】
一部の実施形態では、生体試料は、血漿、血清、CSF、尿、涙液、細胞溶解物、組織溶解物、細胞ホモジネート、組織ホモジネート、針吸引液、糞便試料、滑液、全血、唾液、またはそれらの組合せを含む。
【0176】
一部の実施形態では、支持剤は、賦形剤を含む。
【0177】
一部の実施形態では、支持剤は、賦形剤である。
【0178】
一部の実施形態では、賦形剤は、デキストラン、PEG、スクロース、グルコース、トレハロース、ラクトース、ポリソルベート、アミノ酸、マンニトール、グリシン、グリセロール、またはそれらの任意の組合せもしくは変形形態を含む。
【0179】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、凍結乾燥されたビーズの形式である。
【0180】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、または管の体積内にある。
【0181】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、(b)において、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、または管の体積内で再構成される。
【0182】
一部の実施形態では、(c)において、再構成された乾燥組成物は、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、または管の体積内で生体試料と接触する。
【0183】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、または管の体積内の凍結乾燥されたビーズである。
【0184】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、または管の体積内の複数の凍結乾燥されたビーズである。
【0185】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、表面修飾粒子を含む複数の粒子を含む。
【0186】
一部の実施形態では、少なくとも1つの複数の粒子のサブセットの個々の粒子は、異なる表面を含む。
【0187】
一部の実施形態では、少なくとも1つの複数の粒子のサブセットの個々の粒子は、少なくとも1つの物理化学的特性において別のサブセットとは異なる。
【0188】
一部の実施形態では、個々の粒子は、生体分子または生体分子群の異なるセットの可変的に選択的な吸着のために異なる物理化学的特性をそれぞれ含む。
【0189】
一部の実施形態では、複数の粒子は、少なくとも2つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む。
【0190】
一部の実施形態では、複数の粒子は、少なくとも6つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む。
【0191】
一部の実施形態では、複数の粒子は、少なくとも10またはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む。
【0192】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0193】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0194】
一部の実施形態では、複数の粒子は、磁気粒子を含む。
【0195】
一部の実施形態では、複数の粒子は、ナノ粒子、マイクロ粒子、またはそれらの組合せを含む。
【0196】
一部の実施形態では、複数の粒子は、ナノ粒子およびマイクロ粒子を含む。
【0197】
一部の実施形態では、表面修飾粒子は、抗体、T細胞受容体、キメラ抗原受容体、受容体タンパク質、またはそれらのバリアントもしくは断片を含まない。
【0198】
一部の実施形態では、方法は、(a)の前に、表面修飾粒子および支持剤を含む溶液または懸濁液を作製するステップをさらに含む。
【0199】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、1マイクロリットル(μL)超である体積を有する。
【0200】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、100μL未満である体積を有する。
【0201】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、2マイクロリットル(μL)~60μLの体積を有する。
【0202】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、25μL~45μLの体積を有する。
【0203】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、50mg/mL超である濃度を有する。
【0204】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、250mg/mL未満である濃度を有する。
【0205】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、100mg/mL~200mg/mLの濃度を有する。
【0206】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、2.5ミリグラム/ミリリットル(mg/mL)超の粒子濃度を有する。
【0207】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、100mg/mL未満の粒子濃度を有する。
【0208】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、10mg/mL~100mg/mLの粒子濃度を有する。
【0209】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、15mg/mL~80mg/mLの粒子濃度を有する。
【0210】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、1ビーズあたり少なくとも0.5mgの表面修飾粒子を含むビーズである。
【0211】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、1ビーズあたり0.5mg~約5mgの表面修飾粒子を含むビーズである。
【0212】
一部の実施形態では、(b)の後の表面修飾粒子の直径は、溶液または懸濁液中の表面修飾粒子の直径の約90%~約110%である。
【0213】
一部の実施形態では、(b)の後の表面修飾粒子のゼータ電位は、瞬間凍結するステップの前の液体中の同じ表面修飾粒子のゼータ電位の約90%~約110%である。
【0214】
一部の実施形態では、(c)の後の表面修飾粒子は、凍結乾燥の非存在下で液体に溶解した同じ表面修飾粒子が生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも90%を吸着する。
【0215】
一部の実施形態では、方法は、溶液または懸濁液を瞬間凍結して、凍結した組成物を生成するステップをさらに含み、瞬間凍結するステップは、液体窒素中、冷却板上、または冷却された空気中においてである。
【0216】
一部の実施形態では、方法は、凍結した組成物を凍結乾燥して、乾燥組成物を生成するステップをさらに含む。
【0217】
一部の実施形態では、方法は、ウェルまたは管においてインサイチュで瞬間凍結するステップを実施するステップをさらに含む。
【0218】
一部の実施形態では、方法は、複数のウェルまたは複数の管において瞬間凍結するステップを実施するステップをさらに含む。
【0219】
一部の実施形態では、再構成は、25℃で、少なくとも0.1分-1の速度を含む。
【0220】
一部の実施形態では、再構成は、25℃で、少なくとも0.5分-1の速度を含む。
【0221】
一部の実施形態では、再構成は、最大で20分間行われる。
【0222】
一部の実施形態では、再構成は、超音波処理、振とう、または混合を含む。
【0223】
一部の実施形態では、再構成は、物理的摂動を含まない。
【0224】
一部の実施形態では、再構成の後、表面修飾粒子は、粒子凝集物を実質的に含まない。
【0225】
一部の実施形態では、再構成の後、液体は、約5~約9のpHを含む。
【0226】
一部の実施形態では、可変的に選択的な吸着は、低い結合親和性、遅い結合キネティクス、またはその両方を含む。
【0227】
一部の実施形態では、可変的に選択的な吸着は、タンパク質-リガンド相互作用ではない相互作用を含む。
【0228】
一部の実施形態では、可変的に選択的な吸着は、複数の生体分子または生体分子群を表面修飾粒子の表面と接触させるステップを含み、表面は、官能化タンパク質を含まない。
【0229】
一部の実施形態では、複数の生体分子または生体分子群の可変的に選択的な吸着は、生体分子コロナを形成する。
【0230】
一部の態様では、本開示は、生物流体試料をアッセイするための方法であって、(a)表面修飾粒子および凍結乾燥された支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップであって、表面修飾粒子が、複数の生体分子または生体分子群に対する親和性を有する、ステップ、ならびに(b)乾燥組成物の再構成の非存在下で、生物流体試料を乾燥組成物と接触させて、表面修飾粒子の表面上で、生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を吸着させるステップを含む、方法を記載する。
【0231】
一部の実施形態では、生物流体試料は、血漿、血清、CSF、尿、涙液、細胞溶解物、組織溶解物、細胞ホモジネート、組織ホモジネート、乳頭吸引液、針吸引液、糞便試料、滑液、全血、唾液、またはそれらの組合せを含む。
【0232】
一部の実施形態では、生物流体試料は、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約1部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される。
【0233】
一部の実施形態では、生物流体試料は、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約2部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される。
【0234】
一部の実施形態では、生物流体試料は、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約5部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される。
【0235】
一部の実施形態では、生物流体試料は、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約10部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される。
【0236】
一部の実施形態では、生物流体試料は、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約20部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される。
【0237】
一部の実施形態では、生体分子または生体分子群は、タンパク質またはタンパク質群を含む。
【0238】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生物流体試料中で、少なくとも7桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0239】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生物流体試料中で、少なくとも8桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0240】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生物流体試料中で、少なくとも9桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0241】
一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質群は、生物流体試料中で、少なくとも10桁の濃度のダイナミックレンジを有する。
【0242】
一部の実施形態では、支持剤は、賦形剤を含む。
【0243】
一部の実施形態では、支持剤は、賦形剤である。
【0244】
一部の実施形態では、賦形剤は、デキストラン、PEG、スクロース、グルコース、トレハロース、ラクトース、ポリソルベート、アミノ酸、マンニトール、グリシン、グリセロール、またはそれらの任意の組合せもしくは変形形態を含む。
【0245】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、凍結乾燥されたビーズである。
【0246】
一部の実施形態では、凍結乾燥されたビーズは、2マイクロリットル(μL)~60μLの体積を含む。
【0247】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、マルチウェルプレートまたは管の体積内にある。
【0248】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、マルチウェルプレートまたは管の体積内の凍結乾燥されたビーズである。
【0249】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、マルチウェルプレートまたは管の体積内の複数の凍結乾燥されたビーズである。
【0250】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、表面修飾粒子を含む複数の粒子を含む。
【0251】
一部の実施形態では、(b)の後に、複数の粒子の少なくとも99.9%が、生物流体試料中で凝集していない。
【0252】
一部の実施形態では、少なくとも1つの複数の粒子のサブセットの個々の粒子は、少なくとも1つの物理化学的特性において別のサブセットとは異なる。
【0253】
一部の実施形態では、個々の粒子は、生体分子または生体分子群の異なるセットの可変的に選択的な吸着のために異なる物理化学的特性をそれぞれ含む。
【0254】
一部の実施形態では、複数の粒子は、少なくとも2つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む。
【0255】
一部の実施形態では、複数の粒子は、少なくとも6つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む。
【0256】
一部の実施形態では、複数の粒子は、少なくとも10またはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む。
【0257】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、トリアミン官能化ナノ粒子、ジアミン官能化ナノ粒子、またはモノアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0258】
一部の実施形態では、複数の粒子は、シリカ被覆SPION、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化ナノ粒子、デキストラン官能化ナノ粒子、混合アミドおよびカルボキシレート官能化シリカ被覆ナノ粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆ナノ粒子、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン官能化ナノ粒子、または1,6-ヘキサンジアミン官能化ナノ粒子のうちの少なくとも2つを含む。
【0259】
一部の実施形態では、複数の粒子は、磁気粒子を含む。
【0260】
一部の実施形態では、複数の粒子は、ナノ粒子、マイクロ粒子、またはそれらの組合せを含む。
【0261】
一部の実施形態では、複数の粒子は、ナノ粒子およびマイクロ粒子を含む。
【0262】
一部の実施形態では、表面修飾粒子は、抗体、T細胞受容体、キメラ抗原受容体、受容体タンパク質、またはそれらのバリアントもしくは断片を含まない。
【0263】
一部の実施形態では、方法は、(a)の前に、表面修飾粒子および支持剤を含む溶液または懸濁液を作製するステップをさらに含む。
【0264】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、1マイクロリットル(μL)超である体積を有する。
【0265】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、100μL未満である体積を有する。
【0266】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、2マイクロリットル(μL)~60μLの体積を有する。
【0267】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、25μL~45μLの体積を有する。
【0268】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、50mg/mL超である濃度を有する。
【0269】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、250mg/mL未満である濃度を有する。
【0270】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、250mg/mL未満である濃度を有する。
【0271】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液中の支持剤は、100mg/mL~200mg/mLの濃度を有する。
【0272】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、2.5ミリグラム/ミリリットル(mg/mL)超の粒子濃度を有する。
【0273】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、100mg/mL未満の粒子濃度を有する。
【0274】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、10mg/mL~100mg/mLの粒子濃度を有する。
【0275】
一部の実施形態では、溶液または懸濁液は、15mg/mL~80mg/mLの粒子濃度を有する。
【0276】
一部の実施形態では、方法は、溶液または懸濁液を瞬間凍結して、凍結した組成物を生成するステップをさらに含む。
【0277】
一部の実施形態では、瞬間凍結するステップは、液体窒素中で瞬間凍結するステップを含む。
【0278】
一部の実施形態では、方法は、凍結した組成物を凍結乾燥して、乾燥組成物を生成するステップをさらに含む。
【0279】
一部の実施形態では、(b)の後の液体中の粒子直径は、溶液または懸濁液中の平均粒子サイズの約90%~約110%である。
【0280】
一部の実施形態では、(b)の後に、表面修飾粒子の0.1%未満が、粒子凝集物として存在する。
【0281】
一部の実施形態では、(b)の後の液体中の表面修飾粒子は、参照ゼータ電位の約90%~約110%のゼータ電位を含み、参照ゼータ電位は、液体を瞬間凍結するステップの前に、表面修飾粒子を含む溶液から測定可能である。
【0282】
一部の実施形態では、凍結した組成物は、ウェルまたは管中で形成される。
【0283】
一部の実施形態では、凍結した組成物は、複数のウェルまたは複数の管中で形成される。
【0284】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、1ビーズあたり少なくとも0.5mgの表面修飾粒子を含むビーズである。
【0285】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、1ビーズあたり約0.5mg~約5mgの表面修飾粒子を含むビーズである。
【0286】
一部の態様では、本開示は、生体試料をアッセイするためのシステムであって、粒子および支持剤を含む乾燥組成物を含む基材、生体試料を含む試料ストレージユニット、基材および試料ストレージユニットに動作可能に連結されたローディングユニット、ならびに機械実行可能コードを含むコンピュータ可読媒体であって、プロセッサーによる実行の際に、(a)ローディングユニットを使用して、生体試料またはその一部分を試料ストレージユニットから基材に移動させるステップ、(b)生体試料を乾燥組成物との接触に向かわせて、複数の生体分子または生体分子群を含む生体分子コロナを生成するステップを含む方法を行う、コンピュータ可読媒体を含む、システムを記載する。
【0287】
一部の実施形態では、基材は、マルチウェルプレートまたは管である。
【0288】
一部の実施形態では、基材は、乾燥組成物をそれぞれ含む複数の乾燥組成物を含む。
【0289】
一部の実施形態では、複数の乾燥組成物の個々の乾燥組成物に含まれる少なくとも1つの粒子のサブセットは、別のサブセットとは異なる。
【0290】
一部の実施形態では、少なくとも1つの粒子のサブセットは、少なくとも1つの物理化学的特性において別のサブセットとは異なる。
【0291】
一部の実施形態では、複数の乾燥組成物は、シリカ被覆SPION、トリアミン官能化ナノ粒子、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、モノアミン官能化ナノ粒子、またはそれらの組合せをそれぞれ含む少なくとも2つの乾燥組成物を含む。
【0292】
一部の実施形態では、マルチウェルプレートのそれぞれのウェルは、複数の乾燥組成物の個々の乾燥組成物を含む。
【0293】
一部の実施形態では、試料ストレージユニットは、複数の異なる生体試料を含む。
【0294】
一部の実施形態では、(a)の移動させるステップが、複数の異なる生体試料のそれぞれを、マルチウェルプレートの異なるウェルに移動させるステップを含む。
【0295】
一部の実施形態では、生体試料は、複数の部分を含む。
【0296】
一部の実施形態では、(a)の移動させるステップは、生体試料の複数の部分のそれぞれを、マルチウェルプレートの異なるウェルに移動させるステップを含む。
【0297】
一部の実施形態では、生体試料の複数の部分を移動させるステップは、実質的に平行して行われる。
【0298】
一部の実施形態では、生体試料またはその一部分は、(b)の前に、溶媒に少なくとも約2倍体積に希釈される。
【0299】
一部の実施形態では、生体試料またはその一部分は、(b)の前に、溶媒に少なくとも約10倍体積に希釈される。
【0300】
一部の実施形態では、生体試料の細胞膜は、(b)の前に、少なくとも部分的に溶解されている。
【0301】
一部の実施形態では、方法は、(b)の前に、液体中で、乾燥組成物を再構成するステップをさらに含む。
【0302】
一部の実施形態では、液体は、少なくとも約3.5~最大で約7.4のpHを有する。
【0303】
一部の実施形態では、液体は、少なくとも約4.5~最大で約5.5のpHを有する。
【0304】
一部の実施形態では、液体は、最大で約150mMのイオン濃度を有する。
【0305】
一部の実施形態では、液体は、最大で約50mMのイオン濃度を有する。
【0306】
一部の実施形態では、液体は、最大で約0.1mMのイオン濃度を有する。
【0307】
一部の実施形態では、生体試料は、(b)において、少なくとも約10秒間、乾燥組成物と接触したままである。
【0308】
一部の実施形態では、生体試料は、(b)において、少なくとも約1分間、乾燥組成物と接触したままである。
【0309】
一部の実施形態では、生体試料は、(b)において、少なくとも約5分間、乾燥組成物と接触したままである。
【0310】
一部の実施形態では、方法は、再懸濁を伴って、(b)の後に、生体分子コロナを洗浄するステップをさらに含む。
【0311】
一部の実施形態では、方法は、再懸濁を伴わずに、(b)の後に、生体分子コロナを洗浄するステップをさらに含む。
【0312】
一部の実施形態では、方法は、(b)の前に、生体試料の種を溶解して、溶解物を生成するステップをさらに含む。
【0313】
一部の実施形態では、方法は、溶解物を還元するステップをさらに含む。
【0314】
一部の実施形態では、方法は、溶解物を濾過するステップをさらに含む。
【0315】
一部の実施形態では、方法は、溶解物をアルキル化するステップをさらに含む。
【0316】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナを変性させて、変性された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む。
【0317】
一部の実施形態では、変性させるステップは、段階的に変性させるステップである。
【0318】
一部の実施形態では、変性させるステップは、約50℃~約95℃の温度で実施される。
【0319】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナを消化して、消化された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む。
【0320】
一部の実施形態では、消化するステップは、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度でトリプシンを使用するステップを含む。
【0321】
一部の実施形態では、消化するステップは、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度で段階的にlysCを使用するステップを含む。
【0322】
一部の実施形態では、消化するステップは、最大で約3時間消化するステップを含む。
【0323】
一部の実施形態では、消化するステップは、最大で約1時間消化するステップを含む。
【0324】
一部の実施形態では、消化するステップは、約1000ダルトン~約4000ダルトン(Da)の平均質量を有するペプチドを生じる。
【0325】
一部の実施形態では、方法は、複数の生体分子または生体分子群を溶液に放出させるステップをさらに含む。
【0326】
一部の実施形態では、方法は、複数の生体分子または生体分子群を還元するステップをさらに含む。
【0327】
一部の実施形態では、方法は、複数の生体分子または生体分子群を濾過するステップをさらに含む。
【0328】
一部の実施形態では、方法は、複数の生体分子または生体分子群をアルキル化するステップをさらに含む。
【0329】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナを変性させて、変性された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む。
【0330】
一部の実施形態では、変性させるステップは、段階的に変性させるステップである。
【0331】
一部の実施形態では、変性させるステップは、約50℃~約95℃の温度で実施される。
【0332】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナを消化して、消化された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む。
【0333】
一部の実施形態では、消化するステップは、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度でトリプシンを使用するステップを含む。
【0334】
一部の実施形態では、消化するステップは、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度で段階的にlysCを使用するステップを含む。
【0335】
一部の実施形態では、消化するステップは、最大で約3時間消化するステップを含む。
【0336】
一部の実施形態では、消化するステップは、最大で約1時間消化するステップを含む。
【0337】
一部の実施形態では、消化するステップは、約1000ダルトン~約4000ダルトン(Da)の平均質量を有するペプチドを生じる。
【0338】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナを溶出させるステップをさらに含む。
【0339】
一部の実施形態では、溶出させるステップは、無傷のタンパク質を粒子から放出させるステップを含む。
【0340】
一部の実施形態では、溶出させるステップは、最大で約2倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含む。
【0341】
一部の実施形態では、溶出させるステップは、最大で約8倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含む。
【0342】
一部の実施形態では、溶出させるステップは、最大で約50psiの圧力で溶出させるステップを含む。
【0343】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、固相抽出をさらに含む。
【0344】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナに対して質量分析を行うステップをさらに含む。
【0345】
一部の実施形態では、方法は、(b)の後に、生体分子コロナに対して液体クロマトグラフィーを行うステップをさらに含む。
【0346】
一部の実施形態では、基材は、プラスチックウェアを含み、方法は、少なくともプラスチックウェアバーコード、粒子バーコードおよび試薬バーコードを含むバーコードのセットを提供するステップ、ならびにバーコードのセットをコンピュータ可読媒体に通信するステップをさらに含む。
【0347】
一部の実施形態では、方法は、プラスチックウェアを、プラスチックウェアバーコードに少なくとも部分的に基づいて、プラスチックウェアストレージからローディングユニットに移動させるステップをさらに含む。
【0348】
一部の実施形態では、方法は、乾燥組成物を、粒子バーコードに少なくとも部分的に基づいて、粒子ストレージからローディングユニットに移動させるステップをさらに含む。
【0349】
一部の実施形態では、方法は、試薬を、試薬バーコードに少なくとも部分的に基づいて、試薬ストレージからローディングユニットに移動させるステップをさらに含む。
【0350】
一部の実施形態では、方法は、乾燥組成物の少なくとも一部分を生体試料の少なくとも一部分から分離するステップを含む。
【0351】
一部の実施形態では、方法は、少なくとも生体分子コロナの複数の生体分子または生体分子群のサブセットを生体試料から分離するステップを含む。
【0352】
一部の実施形態では、分離するステップは、磁気分離を含む。
【0353】
一部の態様では、本開示は、乾燥粒子製剤であって、(i)複数の生体分子または生体分子群の吸着のための表面修飾を含む粒子、および(ii)支持剤を含む乾燥組成物を含み、乾燥組成物が、25℃超の温度で少なくとも3か月間安定である、乾燥粒子製剤を記載する。
【0354】
一部の実施形態では、表面修飾は、シリカ被覆、PDMAPMAポリマー官能化、グルコース-6-リン酸官能化、ポリスチレンカルボキシル官能化、デキストラン官能化、アミド官能化、カルボキシル官能化、トリアミン官能化、ジアミン官能化、モノアミン表面官能化、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0355】
一部の実施形態では、表面修飾は、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン官能化、1,6-ヘキサンジアミン官能化、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0356】
一部の実施形態では、表面修飾は、金属酸化物被覆を含む。
【0357】
一部の実施形態では、表面修飾は、少なくとも1つの露出した第1級アミン基、第2級アミン基、第3級アミン基を含む。
【0358】
一部の実施形態では、表面修飾は、少なくとも1つの単糖を含む。
【0359】
一部の実施形態では、複数の生体分子または生体分子群は、ペプチド、核酸、代謝産物、脂質、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0360】
一部の実施形態では、支持剤は、スクロース、d-マンニトール、トレハロース、グリセロール、デキストラン、PEG、グルコース、ラクトース、ポリソルベート、またはアミノ酸のうちの少なくとも1つを含む。
【0361】
一部の実施形態では、複数の粒子は、支持剤の存在下で凍結乾燥されている。
【0362】
一部の実施形態では、支持剤は、乾燥組成物の少なくとも約60wt%を構成する。
【0363】
一部の実施形態では、支持剤は、乾燥組成物の少なくとも約70wt%を構成する。
【0364】
一部の実施形態では、支持剤は、乾燥組成物の最大で約80wt%を構成する。
【0365】
一部の実施形態では、支持剤は、乾燥組成物の最大で約90wt%を構成する。
【0366】
一部の実施形態では、温度は、25℃~60℃である。
【0367】
一部の実施形態では、温度は、35℃~40℃である。
【0368】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、37℃超の温度で少なくとも7日間安定である。
【0369】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、37℃で少なくとも40日間安定である。
【0370】
一部の実施形態では、粒子は、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%である平均ゼータ電位を有する。
【0371】
一部の実施形態では、粒子は、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の90%~110%である平均ゼータ電位を有する。
【0372】
一部の実施形態では、粒子は、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の95%~105%である平均ゼータ電位を有する。
【0373】
一部の実施形態では、粒子は、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の85%~115%である平均ゼータ電位標準偏差を有する。
【0374】
一部の実施形態では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の90%~110%である平均ゼータ電位標準偏差を有する。
【0375】
一部の実施形態では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の95%~105%であるゼータ電位標準偏差を有する。
【0376】
一部の実施形態では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の85%~115%である平均直径を有する。
【0377】
一部の実施形態では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の90%~110%である平均直径を有する。
【0378】
一部の実施形態では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の95%~105%である平均直径を有する。
【0379】
一部の実施形態では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の98%~102%である平均直径を有する。
【0380】
一部の実施形態では、乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の85%~115%である直径標準偏差を有する。
【0381】
一部の実施形態では、乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の90%~110%である直径標準偏差を有する。
【0382】
一部の実施形態では、乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の95%~105%である直径標準偏差を有する。
【0383】
一部の実施形態では、乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の98%~102%である直径標準偏差を有する。
【0384】
一部の態様では、本開示は、本明細書に開示される乾燥粒子製剤のいずれか1つ、および乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含むキットを記載する。
【0385】
一部の実施形態では、基材は、管またはウェルを含む。
【0386】
一部の実施形態では、基材は、96ウェルプレートである。
【0387】
一部の実施形態では、基材は、マイクロ流体デバイスを含む。
【0388】
一部の実施形態では、基材は、そのそれぞれが請求項337~364のいずれか一項に記載の乾燥組成物を含む複数の空間的に分離された場所を含む。
【0389】
一部の実施形態では、複数の空間的に分離された場所の個々の場所は、個々におよび/または独立してアドレス可能である。
【0390】
一部の態様では、本開示は、乾燥粒子製剤であって、(a)複数の生体分子または生体分子群の吸着のために表面修飾された粒子、および支持剤を含む乾燥組成物を含み、乾燥組成物が、溶媒への再構成なしのその後の使用のために構成されている、乾燥粒子製剤を記載する。
【0391】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、25℃超の温度で少なくとも7日間安定である。
【0392】
一部の実施形態では、温度は、25℃~60℃である。
【0393】
一部の実施形態では、温度は、35℃~40℃である。
【0394】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、37℃で少なくとも7日間安定である。
【0395】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、37℃で少なくとも10日間安定である。
【0396】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、37℃超の温度で少なくとも7日間安定である。
【0397】
一部の実施形態では、乾燥組成物は、37℃で少なくとも40日間安定である。
【0398】
一部の実施形態では、粒子は、凍結乾燥されている。
【0399】
一部の実施形態では、粒子は、支持剤の存在下で凍結乾燥されている。
【0400】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの85%~115%である粒子サイズを有する。
【0401】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの90%~110%である粒子サイズを有する。
【0402】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの95%~105%である粒子サイズを有する。
【0403】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの98%~102%である粒子サイズを有する。
【0404】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%であるゼータ電位を有する。
【0405】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の90%~110%であるゼータ電位を有する。
【0406】
一部の実施形態では、凍結乾燥された粒子は、乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の95%~105%であるゼータ電位を有する。
【0407】
一部の実施形態では、その後の使用は、試料との接触後の生体分子コロナ形成を含む。
【0408】
一部の態様では、本開示は、本明細書に開示される乾燥粒子製剤のいずれか1つ、および乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含むキットを記載する。
【0409】
一部の実施形態では、基材は、管またはウェルを含む。
【0410】
一部の実施形態では、基材は、96ウェルプレートである。
【0411】
一部の実施形態では、基材は、そのそれぞれが乾燥組成物を含む複数の空間的に分離された場所を含む。
【0412】
一部の実施形態では、複数の空間的に分離された場所の個々の場所は、個々におよび/または独立してアドレス可能である。
参照による組み込み
【0413】
本明細書に言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個々に、参照により組み込まれることが示されたかのように同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0414】
本発明の新規特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に示される。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理を利用する例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明および添付の図面(また、本明細書において「図(Figure)」および「図(FIG.)」)を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0415】
【
図1】
図1は、試料中のタンパク質および核酸をアッセイするための例示的なワークフローを示す。
【0416】
【
図2】
図2Aは、29の別々の試料からの10の粒子パネルにおいて収集されたタンパク質の中から特定されたタンパク質変異の数を要約する。
図2Bは、
図2Aにおけるタンパク質バリアントの特定の例を提供する。試料からグリシンおよびアルギニン(丸を付けたアミノ酸)ペプチドバリアントの特定を可能にする試料からRNAにおいて特定された複数の対立遺伝子を示す。
【0417】
【
図3】
図3は、がん患者および健康な患者に由来する複数の試料からの6つの別々のBMP1ペプチド(1~6としてラベル付けしたプロット)についての正規化された質量分析強度を示す。
【0418】
【
図4】
図4は、実験における健康な患者、併存患者、早期ステージの肺がん患者および後期ステージの肺がん患者(X軸、左から右)にわたるリン酸化ヘパリン補助因子2の非リン酸化ヘパリン補助因子2に対する比(Y軸)を示す。
【0419】
【
図5】
図5は、タンパク質配列の対象特異的ライブラリーを作成するための方法、および核酸データからの予測される質量分析のペプチドシグナルを示す。
【0420】
【
図6】
図6は、核酸データおよびプロテオミクスデータを使用するホモ接合性またはヘテロ接合性を決定するための方法の例を提供する。
【0421】
【
図7】
図7は、タンパク質質量分析データを使用して発現パターンを決定するためのワークフローを示す。
【0422】
【
図8】
図8Aは、研究されたそれぞれの試料群における対象の数を示す。
図8Bは、非小細胞肺がん(NSCLC)集団の異なるパーセンテージについて一般に特定されたタンパク質群の最大数を提供する。
【0423】
【
図9】
図9は、粒子において収集され、トリプシン消化に付された血漿タンパク質から特定されたペプチド断片の数を示す。
【0424】
【
図10】
図10は、29人の対象において特定された464のバリアント(暗色のより低いバー)の中、および2504人の対象において特定された約10
8のバリアント(明色のより高いバー)の中の対立遺伝子頻度分布を提供する。
【0425】
【
図11】
図11は、29人の対象の集団の中で特定された464の対立遺伝子についての密度プロットを提供する。
【0426】
【
図12-1】
図12Aは、生物学的状態関連タンパク質アイソフォームを特定するための方法の概要を述べる。簡潔には、タンパク質(「タンパク質X」)の断片を、2つの生物学的状態間の差次的発現について調査して、生物学的状態依存性のスプライシング変異を有するタンパク質を特定する。
【0427】
【
図12-2】
図12Bは、それらのOpen Target肺癌関連スコアによって、16の特定された非小細胞肺がんタンパク質バイオマーカーをランク付けする。
図12Cは、Human Plasma Proteome Projectからの濃度を使用して、公知の血漿タンパク質存在量による
図12Bからの16の特定されたNSCLCタンパク質バイオマーカーをプロットする。
【0428】
【
図13】
図13は、後期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)、早期ステージの非小細胞肺がん、併存、または健康な状態を有する29人の対象のそれぞれにおいて特定されたタンパク質バリアントの数を提供する。
【0429】
【
図14】
図14は、後期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)、早期ステージの非小細胞肺がん、併存、または健康な状態を有する29人の対象のそれぞれにおいて観察された7つの肺がん関連候補タンパク質からのバリアントの数を提供する。
【0430】
【
図15】
図15は、本明細書に開示される方法の一部についての利点をグラフで示す。
【0431】
【
図16】
図16は、本明細書に開示される方法の一部についての平行の構成可能なワークフローを概略的に示す。
【0432】
【
図17】
図17は、本明細書に開示される方法の一部を行うパイプラインを概略的に示す。本明細書に開示される方法の一部は、簡易で自動化されたハンドリングを可能にし得る。本明細書に開示される方法の一部は、流体ハンドリングおよび磁気捕捉を含み得る。本明細書に開示される方法の一部は、液体ハンドリング機器アッセイインプリメンテーションを含み得る。
【0433】
【
図18】
図18は、一部の化学構造を有するSPIONを官能化するための方法を概略的に示す。
【0434】
【
図19A】
図19A~19Bは、本明細書に開示される粒子の一部についてのサイズおよび組成のデータを示す。本明細書に開示されるナノ粒子の一部は、サイズ、形態、および組成において一致する。一部の場合では、本明細書に開示される粒子の特性評価は、品質管理目的のために使用され得る。
【0435】
【
図19B】
図19A~19Bは、本明細書に開示される粒子の一部についてのサイズおよび組成のデータを示す。本明細書に開示されるナノ粒子の一部は、サイズ、形態、および組成において一致する。一部の場合では、本明細書に開示される粒子の特性評価は、品質管理目的のために使用され得る。
【0436】
【
図20】
図20は、タンパク質の存在量、ならびにタンパク質の構造基および官能基を分析するための複数の粒子を使用するための方法を示す。
【0437】
【
図21】
図21は、MS強度のデータベース、本開示のナノ粒子を使用することなく枯渇した血漿中で検出されたMS強度、本開示の5つのナノ粒子のパネルを使用して枯渇した血漿中で検出されたMS強度の複合、および本開示の5つのナノ粒子の1つをそれぞれ使用して枯渇した血漿中で検出された5つの独立したMS強度についてのプロットを示す。NSCLCを有する141人の対象からの血漿試料をこの研究のために使用した。生体試料(例えば、血漿)中のタンパク質は、広い濃度範囲またはダイナミックレンジを含み得る。高存在量のタンパク質の量が低減している試料(例えば、枯渇した血漿)においてさえ、深く(高存在量のタンパク質および低存在量のタンパク質の両方)および幅広くタンパク質を検出すること(ある特定のタンパク質に対する最小限の選択バイアスで幅広い種類のタンパク質を検出すること)は、難易度が高くあり得る。タンパク質を、データベースにおいてMS強度のランクによって順序付けた。タンパク質が試料の少なくとも25%に存在した場合に、タンパク質をプロットした。複合プロットでは、色の強度は、5つの別個のナノ粒子からの最高の検出値を示す。複合プロットは、ナノ粒子が、より完全に、利用可能な血漿タンパク質の全検体を検出したことを示す。その一方で、それぞれ個々のナノ粒子も、枯渇した血漿の直接MS分析よりも多くのタンパク質を検出した。個々のナノ粒子は、血漿プロテオームのほぼ全範囲をアッセイすることが可能であった。一部の場合では、ナノ粒子のパネルは、プロテオームの範囲全体またはプロテオームの特異的な部分をカバーするように最適化されてもよい。ナノ粒子を使用する枯渇した血漿におけるMS実験は、より少ない存在量のタンパク質を検出すること、および/またはより幅広くプロテオームを検出することを可能にし得る。
【0438】
【
図22】
図22は、ペプチド濃度の関数としてさまざまなペプチドについて、本明細書に開示される方法の一部を使用して検出された質量分析(MS)の特徴的強度についての実験データを示す。ゴールドスタンダードのELISAに対してモデル化されたナノ粒子コロナからのMSデータを用いるスパイク回復実験は、スパイクされたタンパク質の1倍、2倍、5倍、10倍、および100倍の内因性レベルで、4つのナノ粒子で4つのポリペプチドに応答する直線性を実証する。データは、ナノ粒子に基づくタンパク質検出の良好な精度および正確性を示す。したがって、タンパク質の相対濃度または絶対濃度(較正による)は、本明細書に開示される方法の一部を使用して決定され得る。
【0439】
【
図23】
図23Aは、本明細書に開示される一部の粒子を用いる実験からの生のMS特徴的強度のヒストグラムを示す。
図23Bは、本明細書に開示される一部の粒子のMS特徴的強度の変動係数(CV)を示す。3反復実験を、3つのナノ粒子(すなわち、NP1、NP2、およびNP3)について実施した。さまざまなタンパク質についてのMSシグナルの分布をヒストグラム化した。反復実験の結果を、プロットにおいて重ね合わせ、実験の再現性を示した。粒子による特徴的強度の分布は、実験の反復試行にわたって保存された。変動係数を、それぞれのナノ粒子について算出した。結果は、25の試料および2000のタンパク質の測定により、タンパク質濃度において50%の差を検出するための約85%の検出力が存在することを示唆する。この例では、力は、予想されるエフェクトサイズ、試料サイズ、および測定精度を考えて、実験が特定の結果について有意差を見出す確率を指す。この例では、50%の差は、2つの生体試料間のタンパク質の存在量の比(例えば、濃度によって測定される場合)を指す。
【0440】
【
図24】
図24は、本明細書に開示される粒子の一部を使用して、さまざまなタンパク質についての1タンパク質あたりの検出されたペプチドの数についての実験データを示す。タンパク質を、141人の健康な対象および早期NSCLC対象からアッセイした。試料の少なくとも25%に存在したタンパク質(1992のタンパク質)をプロットする。1タンパク質あたりの検出されたペプチドの数についての中央値は、約7~8である。
【0441】
【
図25】
図25Aは、訓練された機械学習分類子についての受信者動作特性(ROC)曲線を示す。
図25Bは、訓練された機械学習分類子に対するインプット特徴の特徴的な重要性ランクを示す。機械学習分類子を、健康な対象と早期NSCLC対象との間を分類するための多重クロス検証により訓練した。訓練された機械学習分類子は、0.91のAUC、59%の感度、および98%の特異度を有する。特徴的な重要性ランクは、どのナノ粒子からのシグナルが対象を分類するために重要であったかを示す。重要特徴の大部分は、NSCLCを研究するために有用であることが新たに発見された。重要特徴の1つは、パクリタキセルのための標的であるチューブリンである。
【0442】
【
図26】
図26は、本明細書に開示される方法の一部に従ってナノ粒子を使用してタンパク質を分析するためのフローチャートの例を示す。
【0443】
【
図27】
図27は、癌試料、およびヒトゲノムにおけるさまざまなエクソンについての対照試料における改変比の実験的測定を示す。この研究で検出されたペプチドの中で、6つの特異的なペプチドが、骨形態形成タンパク質1(BMP1)のさまざまな部分からもたらされた。BMP1タンパク質の短い形態は、がん患者において主に発現されたが、タンパク質の長い形態は、健康な対照の中でより頻繁にまたはより高いレベルで見られた。そのため、疾患によるタンパク質アイソフォームの差次的発現が検出され得る。
【0444】
【
図28】
図28は、非リン酸化ペプチドと比較したリン酸化ペプチド(ホスホ-ペプチド)の実例を示す。
【0445】
【
図29】
図29は、プロテオゲノミクス情報からのタンパク質配列多型(例えば、単一ヌクレオチドバリアント突然変異)の実験的測定を示す。0.001%の集団頻度のSNVによって誘導されたアミノ酸置換を検出した。
【0446】
【0447】
【
図31】
図31は、ヒト血漿インタラクトームマップの実例を示す。
【0448】
【
図32】
図32は、276人の対象由来の試料において検出されたタンパク質を使用するSTRING PPIデータベースから作成したタンパク質間相互作用マップを示す。ドットは、個々のタンパク質を表し、より明るい陰影はより高い存在量を表す。3つの丸を付けたクラスターは、健康な試料および病的な試料にわたる血漿インタラクトームの差次的発現を示す。
【0449】
【
図33】
図33は、本明細書に記載される組成物および方法の一部のさまざまな特徴を列挙する表を示す。
【0450】
【
図34】
図34は、本明細書に開示される方法の一部を行うパイプラインを概略的に示す。
【0451】
【
図35】
図35は、本明細書に開示される生体分子コロナをアッセイするための方法の一部を行うパイプラインを概略的に示す。
【0452】
【
図36】
図36は、本明細書に開示される粒子の一部の実例、顕微鏡画像、ならびに直径およびゼータ電位測定を示す。
【0453】
【
図37】
図37は、生体分子コロナをアッセイするための自動化システムの例を示す。
【0454】
【
図38】
図38は、マルチウェルアッセイプレートの図を示す。
【0455】
【
図39】
図39は、生体分子コロナをアッセイするための自動化システムのデッキレイアウトについての図を示す。
【0456】
【
図40】
図40は、本明細書に開示される生体分子コロナをアッセイするための方法の例を概略的に示す。
【0457】
【
図41】
図41は、対照実験のためのウェルを含むマルチウェルアッセイプレートの図を示す。
【0458】
【
図42】
図42は、個々のプロテオミクス機を用いて行われた実験結果を示す。
【0459】
【
図43】
図43は、アルツハイマー病研究のために200の試料において行われた生体分子コロナアッセイの結果を示す。
【0460】
【
図44】
図44は、ネイキッド血漿カウント実験と比較した、生体分子コロナアッセイ実験を使用する試料によるパネルタンパク質群カウントを示す。
【0461】
【
図45】
図45は、生体分子コロナ分析ワークフローのためのデータ構造の例を示す。
【0462】
【
図46】
図46は、生体分子コロナ分析ワークフローのためのデータ構造の例を示す。
【0463】
【
図47】
図47は、生体分子コロナ分析ワークフローのためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の例を示す。
【0464】
【
図48】
図48は、本明細書に開示される一部の分析ツールおよびGUIエレメントの例を示す。
【0465】
【
図49】
図49は、本明細書に開示される一部の分析ツールおよびGUIエレメントの例を示す。
【0466】
【
図50】
図50は、本明細書に開示される一部の機器の例を示す。
【0467】
【
図51】
図51は、本明細書に開示される一部の粒子についての製造実験の結果を示す。
【0468】
【
図52】
図52は、本明細書に開示される一部の粒子についての顕微鏡画像を示す。
【0469】
【
図53】
図53は、本明細書に開示される乾燥組成物の一部の例を示す。
【0470】
【
図54】
図54A~54Bは、本明細書に開示される一部の乾燥組成物についての安定性実験結果を示す。
【0471】
【
図55】
図55は、DLSによって測定される、本明細書に開示される一部の粒子およびそれらの乾燥組成物についての直径を示す。
【0472】
【
図56】
図56は、本明細書に開示される一部の粒子およびそれらの乾燥組成物についてのゼータ電位を示す。
【0473】
【
図57】
図57は、標準パネル、使用前に水で再構成された乾燥組成物、再構成なしの乾燥組成物の使用、および凍結乾燥なしで使用される賦形剤を含む対照組成物についてのペプチドカウントおよびタンパク質群カウントを示す。
【0474】
【
図58】
図58は、ライブラリーバリアント検出方法の概略的な全体像を提供する。
【0475】
【
図59】
図59は、バリアントペプチドの検出および分析のための方法を図示する。
【0476】
【
図60】
図60は、本明細書に提供される方法を行うためにプログラムされたか、またはそうでなければ構成されたコンピュータシステムを示す。
【0477】
【
図61】
図61は、別々の対象由来の29の試料における、参照または代替の対立遺伝子バリアントに対応するヘテロ接合性およびホモ接合性の対立遺伝子に対応する検出された遺伝的バリアントのカウントを要約する。
【0478】
【
図62】
図62は、29の試料において検出されたバリアントタンパク質の代替対立遺伝子頻度を要約する。パネルAは、1%の代替対立遺伝子頻度の増分でビニングされたバリアントによるヒストグラムを提供する。パネルBは、代替対立遺伝子頻度の10%増分に対応するビンによる表を提供する。
【0479】
【
図63】
図63は、10%超および10%未満の集団レベル存在量に対応するヘテロ接合性およびホモ接合性の対立遺伝子に対応する検出された遺伝的バリアントのカウントを要約する。
【0480】
【
図64-1】
図64Aは、29のアッセイされた試料の少なくとも2つにおいて検出された0.01未満の代替対立遺伝子頻度を有する単一アミノ酸多型バリアントを列挙する。
図64Bは、29の患者試料にわたって検出された凝固因子V(F5)の参照およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Cは、29の患者試料にわたって検出されたアルファ-1アンチトリプシン(SERPINA1)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Dは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質H(APOH)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Eは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質B(APOB)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Fは、29の患者試料にわたって検出されたインター-アルファ-トリプシン阻害剤重鎖3(ITIH3)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Gは、29の患者試料にわたって検出された凝固因子V(F5)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Hは、29の患者試料にわたって検出されたアルファ-1アンチトリプシン(SERPINA1)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Iは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質H(APOH)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Jは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質B(APOB)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Kは、29の患者試料にわたって検出されたインター-アルファ-トリプシン阻害剤重鎖3(ITIH3)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
【0481】
【
図64-2】
図64Aは、29のアッセイされた試料の少なくとも2つにおいて検出された0.01未満の代替対立遺伝子頻度を有する単一アミノ酸多型バリアントを列挙する。
図64Bは、29の患者試料にわたって検出された凝固因子V(F5)の参照およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Cは、29の患者試料にわたって検出されたアルファ-1アンチトリプシン(SERPINA1)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Dは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質H(APOH)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Eは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質B(APOB)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Fは、29の患者試料にわたって検出されたインター-アルファ-トリプシン阻害剤重鎖3(ITIH3)の参照形態およびバリアント形態の相対カウントを提供する。
図64Gは、29の患者試料にわたって検出された凝固因子V(F5)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Hは、29の患者試料にわたって検出されたアルファ-1アンチトリプシン(SERPINA1)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Iは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質H(APOH)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Jは、29の患者試料にわたって検出されたアポリポタンパク質B(APOB)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
図64Kは、29の患者試料にわたって検出されたインター-アルファ-トリプシン阻害剤重鎖3(ITIH3)の代替形態および参照形態についての質量分析強度を提供する。
【0482】
【
図65】
図65A~Bは、29の試料にわたる検出されたヘテロ接合性対立遺伝子間の重複を示す。
【0483】
【
図66】
図66A~Bは、0.5未満の代替対立遺伝子頻度を有するバリアントペプチドについて、29の試料にわたる検出されたホモ接合性対立遺伝子間の重複を示す。
【0484】
【
図67】
図67A~Bは、0.5超の代替対立遺伝子頻度を有するバリアントペプチドについて、29の試料にわたる検出されたホモ接合性対立遺伝子間の重複を示す。
【発明を実施するための形態】
【0485】
詳細な説明
本発明のさまざまな実施形態を本明細書に示し、記載しているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には自明であろう。多数の変形形態、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者に思い当たり得る。本明細書に記載される発明の実施形態に対するさまざまな代替を用いてもよいことが理解されるべきである。
【0486】
生体試料は、タンパク質、核酸、脂質、多糖などを含むさまざまな生体分子の複雑な混合物である。さまざまな生体分子の存在または非存在および濃度、ならびに生体分子(例えば、タンパク質および核酸)のさまざまなサブセット間の相関は、試料の生物学的状態(例えば、健康な状態または病的な状態)を示し得る。1つまたは複数の試料においてシークエンシング(例えば、次世代シークエンシング(NGS)技法)を使用する微粒子の表面および核酸(例えば、無細胞核酸)上の生体分子のコロナ分析を含む方法を使用する、タンパク質の分析のための組成物およびワークフローが本明細書に開示される。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の生体試料を含み得る。1つまたは複数の試料は、対象から得られ得る。1つまたは複数の試料は、複数の対象から得られ得る。本明細書に開示される方法は、タンパク質と核酸との間、または本明細書に開示されるさまざまな生体分子のいずれかの間の関連パターンを特定し得、ここで、関連パターンは、1つまたは複数の生物学的状態を示し得る。一部の場合では、生物学的状態は、健康な生物学的状態または病的な状態であり得る。
【0487】
方法は、特定の病的な状態(例えば、がんのサブタイプまたはがんのステージ)の間をさらに区別し得る。
【0488】
図1に示されるワークフローの例では、本開示のプロテオゲノミクス法を記載し、必要に応じたステップを破線およびボックスで示す。最初に、生体試料を得る100。生体試料は、必要に応じて、試料の第1の部分および試料の第2の部分を含む複数の部分に分割される105。試料の第1の部分は、センサーエレメント(例えば、粒子)と接触し得る。接触する際に、試料由来の生体分子(例えば、タンパク質またはタンパク質群)を、センサーエレメント表面に吸着させて、生体分子コロナを形成し得る110。粒子は、試料中の未結合の生体分子から分離され得る115。必要に応じて、試料または試料の一部分は、粒子との接触110、または未結合の生体分子からの粒子のその後の分離115の後に、核酸分析に付され得る(例えば、必要に応じて130、必要に応じて135、140、および150)。コロナ中の生体分子は、粒子表面から、例えば、溶出またはトリプシン処理によって、放出され得る120。得られる生体分子またはその断片(例えば、ペプチドおよび/またはタンパク質)は、質量分析などのいくつかの定性的または定量的技法を使用してアッセイされ得る125。生体分子コロナの組成、および生体分子コロナ内の種の存在量(例えば、タンパク質またはタンパク質群の量)は、このようにして特定され、それによって、プロテオミクスデータを作成する。試料または試料の第2の部分は、核酸分析を受けてもよい。核酸は、例えば、必要に応じて、増幅またはプルダウンプローブ(例えば、溶液中のまたは固体基材に付着した)を使用して、富化され得る130。必要に応じて、試料または試料の一部分は、核酸富化の後、生体分子コロナ分析(例えば、110、必要に応じて、115、必要に応じて、120、125、および145)に付され得る130。核酸は、シークエンシング135、140などの核酸分析のための試薬と接触して、配列情報またはゲノムデータを与え得る140。シークエンシングは、生体試料から核酸配列を定量化することを含んでいてもよい。シークエンシングは、合成によるシークエンシング(NGS)によって行われてもよい。シークエンシングは、伝統的なサンガーシークエンシングによって行われてもよい。作成されたプロテオミクスデータ125を使用して、試料から、ペプチド、タンパク質またはタンパク質群を特定してもよく145、ゲノムデータ140を使用して、試料中の核酸配列を特定してもよい。必要に応じて、核酸配列は、ペプチド、タンパク質もしくはタンパク質群の特定を知らせ得るか、または生体分子をアッセイするのに影響を及ぼし得る(例えば、質量分析データのデータ依存型取得を知らせることによって)。試料中で特定されたペプチド、タンパク質またはタンパク質群はまた、核酸配列の特定に影響を及ぼし得る。特定されたペプチド、タンパク質、タンパク質群および/または核酸配列は、生体試料の生物学的状態を特定するために組み合わされてもよい155。
【0489】
次世代シークエンシング方法のために、試料を、核酸を短い配列区間に切断するための試薬、例えば、ヌクレアーゼと接触させてもよい。無細胞核酸分子が分析される例では、無細胞核酸分子が短い断片ですでに存在している傾向があるので、切断は必要でないことがある。次に、核酸分子を、アダプターに接触させ得る。アダプターは、核酸分子にライゲーションされ得る。アダプターがライゲーションされた核酸は、例えば、検出可能標識で標識されたヌクレオチドの組み込みを伴うポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)によって、増幅され得る。試料を画像化してもよく、検出可能標識を、試料由来の核酸の配列を決定するために、イメージングによって検出してもよい。
【0490】
さらなるワークフローの例では、生体試料を得て、次いで、試料由来の核酸に結合する粒子と接触させてもよい。粒子は、核酸結合部分で官能化されてもよい(例えば、DNA結合モチーフを有するタンパク質、または標的核酸にハイブリダイズすることができる一本鎖領域を有するオリゴヌクレオチド)。捕捉されたヌクレオチドは、粒子から溶出され得、例えば、ゲル電気泳動、インサイチュハイブリダイゼーション、またはシークエンシングによって、分析され得る。そのようなワークフローでは、別々の試料体積において、生体試料はまた、核酸結合部分を欠く粒子と接触し、生体分子コロナの形成を可能にしてもよい。粒子コロナは、試料から単離され、アッセイされて、タンパク質を含む生体分子コロナ中のさまざまな生体分子を特定または検出し得、それによって、生体試料のマルチオミックスナップショットにし得る。
【0491】
本明細書に開示される組成物および方法は、試料から低存在量の生体分子を捕捉し、試料とのセンサーエレメントのインキュベーションの際に試料中の生体分子のダイナミックレンジを圧縮し得る粒子を提供する。本明細書に開示される方法は、生体分子の補捉が特に困難であり得る低体積試料においてさえ、低存在量の生体分子を捕捉し得る。本開示の方法は、中存在量または高存在量の生体分子も含む試料からの低存在量の生体分子の捕捉をさらに可能にし、それによって、低存在量の生体分子を富化し得る。例えば、試料を粒子と接触させた後、タンパク質は、それが収集された試料中よりも、生体分子コロナ中により高い相対存在量で存在し得る(例えば、タンパク質が、試料中で107のタンパク質の1つ、生体分子コロナ中で105のタンパク質の1つを構成する場合)。低存在量の生体分子の富化は、mg/ml範囲のタンパク質(例えばアルブミン)およびpg/ml範囲のタンパク質(例えば、ある特定のサイトカイン)を含有する血液、血漿、および血清試料を分析する場合に有用であり得る。本明細書に開示される方法は、他の質量分析技法(例えば、データ非依存型取得、DIA、125分の注入グラジエント)と比較して、生体試料からより多くの数のタンパク質またはタンパク質群をアッセイすることを可能にし得る。例えば、本明細書に開示される粒子に基づくアッセイ方法は、枯渇した(高存在量のタンパク質の低減された存在量)および枯渇していない血漿試料の両方のための粒子に基づかないアプローチ(データ非依存型取得、DIA、125分の注入グラジエント)よりも、血漿試料から1.7~4.5倍多いタンパク質群をアッセイすることが可能であり得る。
【0492】
さまざまな生体試料とともにインキュベートされ得るセンサーエレメント(例えば、粒子)の組成物を本明細書に提供する。一部の態様では、組成物は、さまざまな粒子の種類を単独でまたは組み合わせて含み、これは、広範囲の生体試料とともにインキュベートされて、タンパク質コロナを形成するための粒子表面への結合に基づいて、生体試料中に存在する生体分子(例えば、タンパク質)を分析することができる。単一の粒子の種類を使用して、特定の生体試料中のタンパク質をアッセイしてもよく、または複数の粒子の種類を使用して、生体試料中のタンパク質を一緒にアッセイすることができる。タンパク質コロナ分析は、生体試料を複数の粒子と接触させること、生体試料を複数の粒子とともにインキュベートして、生体分子コロナ(例えば、タンパク質コロナ)を形成すること、粒子を生体試料から分離すること、および生体分子コロナを分析して、生体分子コロナの組成を決定することによって、生体試料(例えば、生物流体)に対して行うことができる。タンパク質コロナ分析方法は、シークエンシングによる生体試料中の核酸の平行分析に適合する。一部の方法は、タンパク質コロナの質量分光分析を含む。複数の粒子を有する試料の調査、それに続く複数の粒子上で形成されたタンパク質コロナの分析は、本明細書で「タンパク質コロナ分析」と称され得る。生体試料は、1つまたは複数の粒子の種類を用いて調査され得る。それぞれの粒子の種類のタンパク質コロナは、別々に分析されてもよい。1つまたは複数の粒子の種類のタンパク質コロナはまた、組み合わせて分析されてもよい。
【0493】
本開示は、本明細書に開示される粒子および本明細書に提供される方法を使用してアッセイすることができるいくつかの生体試料を提供する。そのような生体試料はまた、核酸シークエンシングによってアッセイされて、試料の細胞部分または無細胞部分中の核酸分子(例えば、DNA、RNA、cDNAなど)が分析され得る。例えば、生体試料は、生物流体試料、例えば、脳脊髄液(CSF)、滑液(SF)、尿、血漿、血清、涙液、間隙液、精液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、汗または唾液であってもよい。生物流体は、流動化固体、例えば、組織ホモジネート、または生体試料から抽出された液体であってもよい。生体試料は、例えば、組織試料、または穿刺吸引(FNA)試料であってもよい。生体試料は、細胞培養試料であってもよい。生物流体は、流動化生体試料であってもよい。生物流体は、細胞抽出物であってもよい。生物流体は、溶解物であってもよい。例えば、生物流体は、流動化細胞培養抽出物であってもよい。
基材
【0494】
本開示の組成物および方法は、本明細書の以下で基材と称される、広範囲の構造、デバイスおよび装置において、使用されてもよく、または行われてもよい。基材は、試料もしくは試薬の体積を保持するための単一の区画(例えば、エッペンドルフ管)を含んでいてもよく、または試料もしくは試薬の体積を保持するための複数の区画(例えば、16ウェルプレート、96ウェルプレート、384ウェルプレート、マイクロウェルプレート中の複数のウェル)を含んでいてもよい。区画は、ウェル、チャネル(例えば、マイクロ流体デバイス中のマイクロ流体チャネル)、またはコンパートメントを含み得る。区画は、プラスチックウェア(例えば、プラスチックマルチウェルプレート)、金属構造(例えば、金属マルチウェルプレート)、炭素材料構造(例えば、炭素複合材料マルチウェルプレート)、ゲル、ガラスウェア、またはそれらの任意の組合せを含み得る。基材は、インプリント構造を含んでいてもよい。基材は、流体チャネルまたはチャンバーを含んでいてもよい。流体チャネルまたはチャンバーは、マイクロ流体またはナノ流体チャネルまたはチャンバーであってもよい。基材は、密閉されていてもよく(例えば、取り外し可能なプラスチックスリップまたは突き刺し可能なセプタム)、または密閉可能であってもよい(例えば、再利用可能なキャップまたは蓋を含んでいてもよい)。
【0495】
区画は、少なくとも1~10マイクロリットル(μl)、少なくとも5~25μl、少なくとも20~50μl、少なくとも40~200μl、少なくとも100~500μl、少なくとも200μl~1ml、少なくとも2ml、少なくとも3ml、またはそれよりも大きい体積を保持するように構成されていてもよい。区画は、約240μl、200μl、150μl、100μl、75μl、50μl、25μl、10μl、5μl、1μl未満、またはそれ未満の体積を保持するように構成されていてもよい。区画は、温度制御されていてもよい。区画は、蒸発を防止または減少させるように構成されていてもよい。区画は、周辺光の流入を最小化するように設計されていてもよい。
【0496】
基材は、複数の区画を含んでいてもよく、ここで、区画は、
図38に示されるように、粒子、試料、対照、またはそれらの任意の組合せによってグループ分けされていてもよい。この例では、基材は、5種類の粒子(すなわち、NP1、NP2、NP3、NP4、およびNP5)とともに使用することができる8行および12列を含む。それぞれのナノ粒子は、2列を占め、最大で16の生体試料を堆積させ得る。この例では、それぞれの生体試料は、X16まで、X1、X2、X3などとラベル付けされる。対照実験のために2列が存在していてもよく、ここで、列中のそれぞれの対照ウェルは、対照粒子組成物、対照生体試料、またはその両方を受け入れ得る。それぞれの対照ウェルは、従う実験手順がトラブルシュートされ得るように、実験のある特定のステップまたはステップ間で利用されてもよい。一部の場合では、粒子が、区画に投入されてもよく、次いで、生体試料が、その後、添加されてもよい。一部の場合では、生体試料が、区画に投入されてもよく、次いで、粒子が、その後、添加されてもよい。
【0497】
区画の任意のサブセットは、粒子によってグループ分けされてもよく、または試料によってグループ分けされてもよい。一部の場合では、複数の区画は、試料についての行および粒子についての列を含んでいてもよい。一部の場合では、複数の区画は、特異的な粒子の組成物によってグループ分けされていてもよい。
【0498】
一部の場合では、基材は、対照のために2つの行または列を含んでいてもよい。一部の場合では、基材は、対照のために1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10行を含んでいてもよい。
【0499】
一部の場合では、区画は、単一の生体試料について単一の粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、区画は、単一の生体試料について複数の粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、区画は、複数の生体試料について単一の粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、区画は、複数の生体試料について複数の粒子を含んでいてもよい。
【0500】
一部の場合では、基材は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100の行または列を含んでいてもよい。一部の場合では、基材は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100の行または列を含んでいてもよい。
【0501】
試料は、単一の基材もしくは基材の区画内で調製または調査されてもよく、複数の基材もしくは基材の区画間で分けられてもよく、または順次、複数の基材または基材の区画間で移動されてもよい。例えば、5mlの試料を、500区画間で均等に分けてもよく、別々の10μlの試料体積が得られる。試料は、区画内で試薬と混合されてもよい。試料は、区画内で希釈(例えば、緩衝液による)を受けてもよい。
【0502】
基材は、試料由来の生体分子を捕捉またはそれと相互作用するように構成された表面を含んでいてもよい。例えば、表面は、核酸結合部分、例えば、試料由来の核酸と結合することができる一本鎖核酸で官能化されてもよい。表面は、試料と接触する際に、生体分子コロナを形成することができるセンサーエレメントを含んでいてもよい。表面は、ウェルプレート中のウェルの側面などの区画の一部分を含んでいてもよい。
【0503】
基材は、
図40に示されるように、区画の内容物への磁場の適用を可能にするように構成されていてもよい。一部の場合では、適用される磁場は、区画内で非磁気物質から磁気物質を分離し得る。
【0504】
基材は、振動エネルギーを受け入れる機器に連結されていてもよい。一部の場合では、基材は、
図40に示されるように、機器によって、振とう、振動、または超音波処理されてもよい。
センサーエレメント
【0505】
本開示の方法は、センサーエレメントを利用して、試料またはその部分から生体分子を収集し得る。一部の場合では、センサーエレメントは、試料(例えば、生体分子を含む生体試料)と接触した場合に、複数の生体分子に結合する(例えば非特異的に)か、またはそれを吸着する(例えば、粒子の物理化学的特性に応じて、可変的に選択的に)ことができるエレメントを指し得る。センサーエレメントは、可変的に選択的な吸着により、生体試料から生体分子を収集し得る。一部の場合では、可変的に選択的な吸着は、タンパク質-リガンド(アビジン-ビオチン相互作用)、タンパク質-受容体、またはタンパク質-親和性試薬(例えば、エピトープ-抗体)相互作用ではない相互作用を含む。例えば、可変的に選択的な吸着は、複数の分析物(例えば、生体試料由来の生体分子)を、それらに固定化された(例えば、化学的に繋留された)タンパク質、リガンドまたは親和性試薬を含まない粒子の表面と接触させることを含んでいてもよい。センサーエレメントによる生体試料からの生体分子または生体分子群の可変的に選択的な吸着は、センサーエレメントの表面上で、生体分子または生体分子群を含む生体分子コロナを生じさせてもよい。一部の場合では、可変的に選択的な吸着は、低親和性のある範囲の分析物の結合を表す(例示的であるが、非限定的な例として、可変的に選択的な吸着は、50μMの最小解離定数での少なくとも50の分析物の結合を含み得る)。一部の場合では、可変的に選択的な吸着は、少なくとも約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、または500μMの最小解離定数での少なくとも50の分析物の結合を含み得る。一部の場合では、可変的に選択的な吸着は、最大で約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、または500μMの最小解離定数での少なくとも50の分析物の結合を含み得る。一部の場合では、可変的に選択的な吸着は、遅い結合キネティクスを有する(例えば、10~100分のおよその疑似一次吸着半減期を有する)のある範囲の分析物の結合を表す。一部の場合では、センサーエレメントは、タンパク質の群についてより高い可変的に選択的な吸着親和性、およびタンパク質の別の群についてより低い可変的に選択的な吸着親和性を有するように修飾されてもよい。一部の場合では、センサーエレメントは、一部の逆に帯電した生体分子に対するセンサーエレメントの親和性を増加させるための電荷を含むように修飾されてもよい。一部の場合では、センサーエレメントは、ペプチド、タンパク質、または核酸などの特異的結合部分を含むように修飾されてもよい。
【0506】
センサーエレメントは、別個の構造(例えば、粒子)、または構造の一部分(例えば、ナノ材料の表面)を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、センサーエレメントであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、センサーエレメントであってもよく、またはそれを含んでいてもよいナノ粒子であってもよい。一部の場合では、粒子またはナノ粒子を含む組成物は、センサーエレメントであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の場合では、組成物は、乾燥組成物であってもよい。乾燥組成物は、センサーエレメントであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の場合では、センサーエレメントは、ナノスケールのセンサーエレメントを包含し得る。一部の場合では、センサーエレメントは、多孔質構造(例えば、ポリマーマトリックス)を含んでいてもよい。一部の場合では、センサーエレメントは、単一構造からの突起(例えば、剛性金属酸化物表面から伸びた可撓性オリゴマー)を含んでいてもよい。多くの場合では、センサーエレメントは、少なくとも1方向で、約5ナノメートル(nm)~約50000nmの長さの寸法を含み得る。好適なセンサーエレメントは、例えば、限定されるものではないが、約5nm~約40000nm、あるいは、約5nm~約30000nm、あるいは、約5nm~約20,000nm、あるいは、約5nm~約10,000nm、あるいは、約5nm~約5000nm、あるいは、約5nm~約1000nm、あるいは、約5nm~約500nm、あるいは、約5nm~50nm、あるいは、約10nm~100nm、あるいは、約20nm~200nm、あるいは、約30nm~300nm、あるいは、約40nm~400nm、あるいは、約50nm~500nm、あるいは、約60nm~600nm、あるいは、約70nm~700nm、あるいは、約80nm~800nm、あるいは、約90nm~900nm、あるいは、約100nm~1000nm、あるいは、約1000nm~10000nm、あるいは、約10000nm~50000nm、およびその間の任意の組合せまたは量(例えば、5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、80nm、90nm、100nm、125nm、150nm、175nm、200nm、225nm、250nm、275nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、1000nm、1200nm、1300nm、1400nm、1500nm、1600nm、1700nm、1800nm、1900nm、2000nm、2500nm、3000nm、3500nm、4000nm、4500nm、5000nm、5500nm、6000nm、6500nm、7000nm、7500nm、8000nm、8500nm、9000nm、10000nm、11000nm、12000nm、13000nm、14000nm、15000nm、16000nm、17000nm、18000nm、19000nm、20000nm、25000nm、30000nm、35000nm、40000nm、45000nm、50000nm、およびその間の任意の数値)を含む、少なくとも1方向で、約5nm~約50,000nmのセンサーエレメントを含み得る。一部の場合では、ナノスケールのセンサーエレメントは、少なくとも1方向で、1ミクロン未満であるセンサーエレメントを指し得る。ナノスケールのセンサーエレメントの範囲の好適な例としては、限定されるものではないが、例えば、約5nm~約500nm、あるいは、約5nm~約400nm、あるいは、約5nm~約300nm、あるいは、約5nm~約200nm、あるいは、約5nm~約100nm、あるいは、約5nm~約50nm、あるいは、約10nm~約1000nm、あるいは、約10nm~約750nm、あるいは、約10nm~約500nm、あるいは、約10nm~約250nm、あるいは、約10nm~約200nm、あるいは、約10nm~約100nm、あるいは、約50nm~約1000nm、あるいは、約50nm~約500nm、あるいは、約50nm~約250nm、あるいは、約50nm~約200nm、あるいは、約50nm~約100nm、およびその間の任意の組合せ、範囲または量(例えば、5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、S0nm、55nm、60nm、65nm、70nm、80nm、90nm、100nm、125nm、150nm、175nm、200nm、225nm、250nm、275nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、1000nmなど)を含む、1方向で、約5nm~約1000nmのエレメントが挙げられ得る。本明細書に記載されるセンサーエレメントへの言及では、センサーエレメントという用語の使用は、センサーおよび関連する方法のためのナノスケールのセンサーエレメントの使用を含む。
【0507】
センサーエレメントは、試料と接触する際に、生体分子コロナを形成してもよい。一部の場合では、「生体分子コロナ」という用語は、センサーエレメントに結合する異なる生体分子の組成物、シグネチャー、またはパターンを指し得る。一部の場合では、生体分子コロナは、異なる生体分子を指すだけでなく、センサーエレメントに結合する1つもしくは複数の生体分子の量(amount)、レベル、もしくは量(quantity)の相違、センサーエレメントに結合する1つもしくは複数の生体分子の電荷もしくはコンフォメーションの状態の相違、またはセンサーエレメントに結合する1つもしくは複数の生体分子の化学的(例えば、酸化還元、転写後、または翻訳後)状態の相違も指し得る。それぞれのセンサーエレメントの生体分子コロナが、同じ生体分子の一部を含有していてもよいこと、他のセンサーエレメントに関して別個の生体分子を含有していてもよいこと、および/または生体分子のレベルもしくは量、種類もしくは電荷もしくはコンフォメーションにおいて相違していてもよいことが企図される。一部の場合では、生体分子コロナは、提供される生体試料とは異なる組成物を含んでいてもよい。一部の場合では、生体分子コロナは、提供される生体試料、例えば、より長い長さまたはより高い分子量のタンパク質および/または核酸におけるよりも、提供される生体試料中に存在するより高い割合のタンパク質および/または核酸のサブセットを含んでいてもよい。
【0508】
生体分子コロナは、センサーエレメントの物理化学的特性のみに依存し得るだけでなく、試料の性質および試料への曝露の期間に依存し得る。これらの生体分子コロナを作り上げる生体分子の種類、量、およびカテゴリーは、センサーエレメントの物理化学的特性、および試料中に存在する異なる生体分子間の複雑な相互作用に対応していてもよい。これらの相互作用は、それぞれのセンサーエレメントについての生体分子コロナの生成をもたらし得る。
【0509】
生体分子コロナは、タンパク質、糖類、脂質、代謝産物、核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、生体分子コロナは、タンパク質コロナである。別の場合では、生体分子コロナは、多糖コロナである。さらに別の場合では、生体分子コロナは、代謝産物コロナである。一部の場合では、生体分子コロナは、リピドミックコロナである。生体分子コロナは、生体分子の複数の層を含んでいてもよい。例えば、生体分子コロナは、1~50超の生体分子の層に対応する、2nm~50nm超の平均厚さを含んでいてもよい。生体分子コロナは、さまざまな長さまたはさまざまな分子量の核酸を含んでいてもよい。生体分子コロナは、さまざまな長さまたはさまざまな分子量のタンパク質を含んでいてもよい。
非特異的結合
【0510】
粒子は、可変的に選択的な吸着(例えば、粒子が生体分子または生体分子群を含む生体試料と接触する際の生体分子または生体分子群の吸着であって、この吸着は、例えば、粒子の物理化学的特性を含む因子に応じて可変的に選択的である)または非特異的結合により、生体分子コロナを形成し得る。非特異的結合は、特異的結合を排除する結合相互作用のクラスを指し得る。特異的結合の例は、タンパク質-リガンド結合相互作用、抗原-抗体結合相互作用、核酸ハイブリダイゼーション、または鋳型分子が相補配列もしくは相補的3D構造を含む標的分子の結合を好み、相補配列もしくは相補的3D構造を含まない非標的分子の結合を嫌う配列もしくは3D構造を提供する、鋳型分子と標的分子との間の結合相互作用を含み得る。
【0511】
非特異的結合は、多種多様な化学的および物理的相互作用および効果の1つまたは組合せを含み得る。非特異的結合は、電磁力、例えば、静電相互作用、ロンドン分散、ファンデルワールス相互作用、または双極子間相互作用(例えば、永久双極子と誘起双極子の両方の間)を含んでいてもよい。非特異的結合は、ジスルフィド架橋などの共有結合により媒介されてもよい。非特異的結合は、水素結合により媒介されてもよい。非特異的結合は、疎溶媒性効果(例えば、疎水性効果)を含んでいてもよく、ここで、ある対象は、溶媒環境によって忌避され、別の対象の表面などの溶媒の境界を強制する。非特異的結合は、エントロピー効果、例えば、枯渇力において、または臨界共溶温度(例えば、より低い臨界共溶温度)を上回る熱エネルギーの上昇を含んでいてもよい。非特異的結合は、キネティック効果を含んでいてもよく、ここで、ある結合分子は、別の結合分子よりも速い結合キネティクスを有し得る。
【0512】
非特異的結合は、複数の標的(例えば、少なくとも5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000の単一の粒子に吸着された異なる標的)に対する複数の非特異的結合親和性を含んでいてもよい。複数の標的は、約1、2、または3桁内である類似の非特異的結合親和性を有していてもよい(例えば、非特異的結合自由エネルギー、平衡定数、競合吸着などによって測定される通り)。これは、非標的分子よりも所与の標的分子に対してより高い結合親和性を含み得る特異的結合と対比され得る。
【0513】
生体分子は、さまざまな密度で、表面における非特異的結合により表面上に吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子は、1平方ミリメートル(mm2)あたり少なくとも約10-9ミリグラム(mg)の生体分子の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、タンパク質は、1平方ミリメートル(mm2)あたり少なくとも約10-9ミリグラム(mg)の生体分子の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000fg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000pg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000ng/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000μg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000fg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000pg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000ng/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000μg/mm2の密度で吸着されてもよい。一部の場合では、生体分子またはタンパク質は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mg/mm2の密度で吸着されてもよい。
【0514】
吸着された生体分子は、さまざまな種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、少なくとも5種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、少なくとも200種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、少なくとも500種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、5~1000種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、20~200種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、吸着されたタンパク質は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000種類のタンパク質を含んでいてもよい。
【0515】
一部の場合では、生体試料中のタンパク質は、少なくとも1桁の濃度で含まれていてもよい。一部の場合では、生体試料中のタンパク質は、少なくとも2桁の濃度で含まれていてもよい。一部の場合では、生体試料中のタンパク質は、少なくとも3桁の濃度で含まれていてもよい。一部の場合では、生体試料中のタンパク質は、少なくとも4桁の濃度で含まれていてもよい。一部の場合では、生体試料中のタンパク質は、少なくとも5桁の濃度で含まれていてもよい。一部の場合では、生体試料中のタンパク質は、少なくとも6桁の濃度で含まれていてもよい。
粒子の種類
【0516】
センサーエレメントは、粒子であり得るか、またはそれを含み得る。本明細書に開示されるさまざまな種類の粒子は、さまざまな材料から作製することができる。例えば、粒子材料は、金属、ポリマー、磁気材料、酸化物、および/または脂質を含む材料から作製されていてもよい。磁気粒子は、酸化鉄粒子であってもよい。金属材料の例としては、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、バナジウム、クロム、マンガン、ニオブ、モリブデン、タングステン、タンタル、鉄、およびカドミウム、または米国特許第7749299号に記載される任意の他の材料のいずれか1つまたはそれらの任意の組合せが挙げられる。酸化物材料の例としては、酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、酸化バナジウム、または酸化ニッケルのいずれか1つまたはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の場合では、粒子材料は、ケイ素から作製されていてもよい。粒子は、磁気粒子、例えば、超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)であってもよい。
【0517】
ポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート(polypropylfumerates)、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、またはポリアミン、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))、ポリエステル(例えば、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリ乳酸、またはポリカプロラクトン)、またはポリアルキレングリコール(例えば、PEG)およびポリエステル(例えば、PLGA)のコポリマーなどの2つもしくはそれよりも多くのポリマーのコポリマーのいずれか1つまたはそれらの任意の組合せが挙げられる。ポリマーは、脂質末端のポリアルキレングリコールおよびポリエステル、または米国特許第9549901号に開示される任意の他の材料であってもよい。
【0518】
一部の場合では、ポリマーは、線形トポロジー、分枝トポロジー、スタートポロジー、樹状トポロジー、超分枝トポロジー、ボトルブラシトポロジー、環トポロジー、連結されたトポロジー、またはそれらの任意の組合せを有するポリマーを含んでいてもよい。一部の場合では、ポリマーは、3アームトポロジー、4アームトポロジー、5アームトポロジー、6アームトポロジー、7アームトポロジー、8アームトポロジー、9アームトポロジー、または10アームトポロジーを含んでいてもよい。一部の場合では、ポリマーは、架橋剤を含んでいてもよい。
【0519】
一部の場合では、ポリマーは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000モノマーを含んでいてもよい。一部の場合では、ポリマーは、最大で約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000モノマーを含んでいてもよい。
【0520】
本開示の粒子を形成するために使用することができる脂質の例としては、カチオン性脂質、アニオン性脂質、および中性に帯電した脂質が挙げられる。例えば、粒子は、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、コレステロール、セレブロシド、およびジアシルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、およびジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N-ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N-スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N-グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(palmitoyloleyolphosphatidylglycerol)(POPG)、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(POPG)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(SOPE)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジセチルホスフェート、およびコレステロール、またはその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9445994号に列挙される任意の他の材料のいずれか1つまたはそれらの任意の組合せから作製することができる。
【0521】
【0522】
本開示の粒子は、合成された粒子であってもよい。粒子は、表面官能化されていてもよい。本開示の粒子の種類の例は、カルボキシレート(シトレート)超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)、フェノール-ホルムアルデヒド被覆SPION、シリカ被覆SPION、ポリスチレン被覆SPION、カルボキシル化ポリ(スチレン-co-メタクリル酸)被覆SPION、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆SPION、ポリ(N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド)(PDMAPMA)被覆SPION、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸被覆SPION、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)(PVBTMAC)被覆SPION、カルボキシレート、PAA被覆SPION、ポリ(オリゴ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)(POEGMA)被覆SPION、カルボキシレートマイクロ粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化粒子、カルボン酸被覆粒子、シリカ粒子、約150nmの直径のカルボン酸粒子、約0.4~0.6μmの直径のアミノ表面マイクロ粒子、約0.1~0.39μmの直径のシリカアミノ官能化マイクロ粒子、約0.1~0.39μmの直径のJeffamine表面粒子、約2.0~2.9μmの直径のポリスチレンマイクロ粒子、シリカ粒子、約50nmの直径の元の被覆を有するカルボキシル化粒子、約0.13μmの直径のデキストランに基づく被覆で被覆された粒子、または低酸性度のシリカシラノール被覆粒子であってもよい。一部の場合では、粒子は、その表面上に特異的結合のための官能化タンパク質を欠いていてもよい。一部の場合では、表面官能化粒子は、抗体もしくはT細胞受容体、キメラ抗原受容体、受容体タンパク質、またはそれらのバリアントもしくは断片を含まない。
【0523】
本開示の粒子は、広範囲のサイズで、生物流体中でのインキュベーション後にタンパク質コロナを形成する方法において作製および使用することができる。本開示の粒子は、ナノ粒子であってもよい。本開示のナノ粒子は、約10nm~約1000nmの直径であってもよい。例えば、本明細書に開示されるナノ粒子は、少なくとも10nm、少なくとも100nm、少なくとも200nm、少なくとも300nm、少なくとも400nm、少なくとも500nm、少なくとも600nm、少なくとも700nm、少なくとも800nm、少なくとも900nm、10nm~50nm、50nm~100nm、100nm~150nm、150nm~200nm、200nm~250nm、250nm~300nm、300nm~350nm、350nm~400nm、400nm~450nm、450nm~500nm、500nm~550nm、550nm~600nm、600nm~650nm、650nm~700nm、700nm~750nm、750nm~800nm、800nm~850nm、850nm~900nm、100nm~300nm、150nm~350nm、200nm~400nm、250nm~450nm、300nm~500nm、350nm~550nm、400nm~600nm、450nm~650nm、500nm~700nm、550nm~750nm、600nm~800nm、650nm~850nm、700nm~900nm、または10nm~900nmの直径であり得る。ナノ粒子は、1000nm未満の直径であってもよい。
【0524】
本開示の粒子は、マイクロ粒子であってもよい。マイクロ粒子は、約1μm~約1000μmの直径である粒子であってもよい。例えば、本明細書に開示されるマイクロ粒子は、少なくとも1μm、少なくとも10μm、少なくとも100μm、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、少なくとも600μm、少なくとも700μm、少なくとも800μm、少なくとも900μm、10μm~50μm、50μm~100μm、100μm~150μm、150μm~200μm、200μm~250μm、250μm~300μm、300μm~350μm、350μm~400μm、400μm~450μm、450μm~500μm、500μm~550μm、550μm~600μm、600μm~650μm、650μm~700μm、700μm~750μm、750μm~800μm、800μm~850μm、850μm~900μm、100μm~300μm、150μm~350μm、200μm~400μm、250μm~450μm、300μm~500μm、350μm~550μm、400μm~600μm、450μm~650μm、500μm~700μm、550μm~750μm、600μm~800μm、650μm~850μm、700μm~900μm、または10μm~900μmの直径であり得る。マイクロ粒子は、1000μm未満の直径であってもよい。
【0525】
表面積と質量との間の比は、粒子の特性の決定因子であり得る。例えば、粒子が溶液から吸着する生体分子の数および種類は、粒子の表面積と質量の比により変わり得る。本明細書に開示される粒子は、3~30cm2/mg、5~50cm2/mg、10~60cm2/mg、15~70cm2/mg、20~80cm2/mg、30~100cm2/mg、35~120cm2/mg、40~130cm2/mg、45~150cm2/mg、50~160cm2/mg、60~180cm2/mg、70~200cm2/mg、80~220cm2/mg、90~240cm2/mg、100~270cm2/mg、120~300cm2/mg、200~500cm2/mg、10~300cm2/mg、1~3000cm2/mg、20~150cm2/mg、25~120cm2/mg、または40~85cm2/mgの表面積と質量の比を有し得る。小粒子(例えば、50nmまたはそれ未満の直径を有する)は、表面積によるよりも質量による直径へのより高次の依存性が一部において原因で、著しく高い表面積と質量の比を有し得る。一部の場合では(例えば、小粒子について)、粒子は、200~1000cm2/mg、500~2000cm2/mg、1000~4000cm2/mg、2000~8000cm2/mg、または4000~10000cm2/mgの表面積と質量の比を有し得る。一部の場合では(例えば、大粒子について)、粒子は、1~3cm2/mg、0.5~2cm2/mg、0.25~1.5cm2/mg、または0.1~1cm2/mgの表面積と質量の比を有し得る。
【0526】
一部の場合では、本明細書に記載される方法で使用される複数の粒子(例えば、粒子パネルの)は、ある範囲の表面積と質量の比を有していてもよい。一部の場合では、複数の粒子についての表面積と質量の比の範囲は、100cm2/mg、80cm2/mg、60cm2/mg、40cm2/mg、20cm2/mg、10cm2/mg、5cm2/mg、または2cm2/mg未満である。一部の場合では、複数の粒子についての表面積と質量の比は、複数の粒子間で40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%以下で変わる。一部の場合では、複数の粒子は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、またはそれよりも多くの異なる種類の粒子を含んでいてもよい。
【0527】
一部の場合では、複数の粒子(例えば、粒子パネルの)は、より広い範囲の表面積と質量の比を有していてもよい。一部の場合では、複数の粒子についての表面積と質量の比の範囲は、100cm2/mg超、150cm2/mg超、200cm2/mg超、250cm2/mg超、300cm2/mg超、400cm2/mg超、500cm2/mg超、800cm2/mg超、1000cm2/mg超、1200cm2/mg超、1500cm2/mg超、2000cm2/mg超、3000cm2/mg超、5000cm2/mg超、7500cm2/mg超、10000cm2/mg超またはそれよりも広い。一部の場合では、複数の粒子(例えば、パネル内の)についての表面積と質量の比は、100%超、200%超、300%超、400%超、500%超、1000%超、10000%超、またはそれよりも大きく、変わり得る。一部の場合では、広範囲の表面積と質量の比を有する複数の粒子は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、またはそれよりも多くの異なる種類の粒子を含む。
【0528】
粒子は、多彩な物理的特性を含み得る。粒子の物理的特性は、組成、サイズ、表面電荷、疎水性、親水性、両親媒性、表面官能性、表面トポグラフィー、表面曲率、多孔性、コア材料、シェル材料、形状、ゼータ電位、およびそれらの任意の組合せを含み得る。粒子は、コア-シェル構造を有していてもよい。一部の場合では、コア材料は、金属、ポリマー、磁気材料、酸化物、および/または脂質を含み得る。一部の場合では、シェル材料は、金属、ポリマー、磁気材料、酸化物、および/または脂質を含み得る。
【0529】
一部の場合では、表面トポグラフィーは、さまざまなスケールの粗さを含んでいてもよく、例えば、粗さは、少なくとも約0.1nm、0.2nm、0.3nm、0.4nm、0.5nm、0.6nm、0.7nm、0.8nm、0.9nm、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1000μmの表面に対する横方向の寸法を有していてもよい。一部の場合では、粗さは、最大で約0.1nm、0.2nm、0.3nm、0.4nm、0.5nm、0.6nm、0.7nm、0.8nm、0.9nm、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1000μmの表面に対する横方向の寸法を有していてもよい。
【0530】
一部の場合では、粗さは、少なくとも約0.1nm、0.2nm、0.3nm、0.4nm、0.5nm、0.6nm、0.7nm、0.8nm、0.9nm、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1000μmの深さを有していてもよい。一部の場合では、粗さは、最大で約0.1nm、0.2nm、0.3nm、0.4nm、0.5nm、0.6nm、0.7nm、0.8nm、0.9nm、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、または1000μmの深さを有していてもよい。
【0531】
表面官能性は、重合可能な官能基、正もしくは負に帯電した官能基、双性イオン官能基、酸性もしくは塩基性官能基、極性官能基、非極性官能基、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。表面官能性は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、アンモニウム基、アルキル基、イミダゾリウム基、スルホニウム基、ピリジニウム基、ピロリジニウム基、ホスホニウム基、アミノプロピル基、アミン基、ボロン酸基、N-スクシンイミジルエステル基、PEG基、ストレプトアビジン、メチルエーテル基、トリエトキシルプロピルアミノシラン基、PCP基、シトレート基、リポ酸基、BPEI基、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。複数の粒子の中からの粒子は、ミセル、リポソーム、酸化鉄粒子、銀粒子、金粒子、パラジウム粒子、量子ドット、白金粒子、チタン粒子、シリカ粒子、金属酸化物または無機酸化物粒子、合成ポリマー粒子、コポリマー粒子、ターポリマー粒子、金属コアを有するポリマー性粒子、金属酸化物コアを有するポリマー性粒子、ポリスチレンスルホネート粒子、ポリエチレンオキシド粒子、ポリオキシエチレングリコール粒子、ポリエチレンイミン粒子、ポリ乳酸粒子、ポリカプロラクトン粒子、ポリグリコール酸粒子、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)ポリマー粒子、セルロースエーテルポリマー粒子、ポリビニルピロリドン粒子、ポリビニルアセテート粒子、ポリビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー粒子、ポリビニルアルコール粒子、アクリレート粒子、ポリアクリル酸粒子、クロトン酸コポリマー粒子、ポリエチレンホスホネート粒子、ポリアルキレン粒子、カルボキシビニルポリマー粒子、アルギン酸ナトリウム粒子、カラギーナン粒子、キサンタンガム粒子、アカシアガム粒子、アラビアガム粒子、グアーガム粒子、プルラン粒子、寒天粒子、キチン粒子、キトサン粒子、ペクチン粒子、カラヤガム(karaya tum)粒子、ローカストビーンガム粒子、マルトデキストリン粒子、アミロース粒子、トウモロコシデンプン粒子、ジャガイモデンプン粒子、コメデンプン粒子、タピオカデンプン粒子、エンドウデンプン粒子、サツマイモデンプン粒子、オオムギデンプン粒子、コムギデンプン粒子、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン粒子、デキストリン粒子、レバン粒子、エルシナン粒子、グルテン粒子、コラーゲン粒子、ホエイタンパク質単離物粒子、カゼイン粒子、乳タンパク質粒子、大豆タンパク質粒子、ケラチン粒子、ポリエチレン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリ酸無水物粒子、ポリヒドロキシ酸粒子、ポリプロピルフマレート粒子、ポリカプロラクトン粒子、ポリアミン粒子、ポリアセタール粒子、ポリエーテル粒子、ポリエステル粒子、ポリ(オルトエステル)粒子、ポリシアノアクリレート粒子、ポリウレタン粒子、ポリホスファゼン粒子、ポリアクリレート粒子、ポリメタクリレート粒子、ポリシアノアクリレート粒子、ポリ尿素粒子、ポリアミン粒子、ポリスチレン粒子、ポリ(リシン)粒子、キトサン粒子、デキストラン粒子、ポリ(アクリルアミド)粒子、誘導体化ポリ(アクリルアミド)粒子、ゼラチン粒子、デンプン粒子、キトサン粒子、デキストラン粒子、ゼラチン粒子、デンプン粒子、ポリ-β-アミノ-エステル粒子、ポリ(アミドアミン)粒子、ポリ乳酸-co-グリコール酸粒子、ポリ酸無水物粒子、生物還元性ポリマー粒子、および2-(3-アミノプロピルアミノ)エタノール粒子、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択されてもよい。
【0532】
一部の場合では、表面官能性は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アミド、アルコール、酢酸、カルボン酸、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0533】
図18は、粒子のための一部の表面官能性を示す。一部の場合では、表面官能性は、ブタン-1-アミン、プロパン-2-アミン、エタン-1,2-ジアミン、1,3-フェニレンジメタンアミン、2-アミノエタン-1-オール、2-フェニルピロリジン、ヘキサン-1-アミン、ジエチルアミン、(3s,5s,7s)-アダマンタン-1-アミン、ピリジン-2-イルメタンアミン、(S)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン、フェニルメタンアミン、tert-ブチル(2-アミノエチル)カルバメート、3-アミノフェノール、ベンゼン-1,4-ジアミン、1-(2-アミノエチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン、2,2’-アザネジイル二酢酸、(S)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン、6-アミノヘキサン-1-オール、4,4’-メチレンビス(シクロヘキサン-1-アミン)、N
1,N
1-ジメチルエタン-1,2-ジアミン、ヘキサン-1,6-ジアミン、O-(2-アミノエチル)ポリエチレングリコール、シリカ、ポリ(N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド)(PDMAPMA)、グルコース-6-リン酸、N
1-(2-アミノエチル)-N
2-ブチルエタン-1,2-ジアミン、それらの立体異性体、それらの塩、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0534】
表面官能性は、粒子の生体分子コロナの組成に影響を与え得る。一部の場合では、第1の表面官能性を有する粒子、および第2の表面官能性を有する粒子は、両方の生体分子コロナに共通する最大で80%の種類のタンパク質を含む生体分子コロナを形成してもよい。一部の場合では、異なる表面官能性を有する2つの粒子は、生体試料中に、共通して、最大で約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の種類のタンパク質を含んでいてもよい。
【0535】
本開示は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる中から2つまたはそれよりも多くの粒子を含む組成物および方法を含む。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも2~少なくとも20の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも3~少なくとも6の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも4~少なくとも8の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも4~少なくとも10の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも5~少なくとも12の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも6~少なくとも14の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも8~少なくとも15の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも1つの物理化学的特性において異なる複数の粒子の中から少なくとも10~少なくとも20の粒子を含んでいてもよい。そのような組成物および方法は、少なくとも2の別個の粒子の種類、少なくとも3の別個の粒子の種類、少なくとも4の別個の粒子の種類、少なくとも5の別個の粒子の種類、少なくとも6の別個の粒子の種類、少なくとも7の別個の粒子の種類、少なくとも8の別個の粒子の種類、少なくとも9の別個の粒子の種類、少なくとも10の別個の粒子の種類、少なくとも11の別個の粒子の種類、少なくとも12の別個の粒子の種類、少なくとも13の別個の粒子の種類、少なくとも14の別個の粒子の種類、少なくとも15の別個の粒子の種類、少なくとも20の別個の粒子の種類、少なくとも25の粒子の種類、または少なくとも30の別個の粒子の種類を含んでいてもよい。
【0536】
本明細書に記載される組成物は、1つまたは2つ以上の別個の粒子の種類を含む粒子パネルを含む。本明細書に記載される粒子パネルは、粒子の種類の数、および単一のパネルにおける粒子の種類の多様性において変化し得る。例えば、パネルにおける粒子は、サイズ、多分散性、形状および形態、表面電荷、表面化学および官能化、ならびに基本材料に基づいて変化してもよい。パネルは、試料とともにインキュベートされて、タンパク質およびタンパク質濃度について分析されてもよい。試料中のタンパク質は、粒子パネルにおける異なる粒子の種類の表面に吸着されて、タンパク質コロナを形成する。粒子パネルにおけるある特定の粒子の種類に吸着される正確なタンパク質およびタンパク質の濃度は、粒子の種類の組成、サイズ、および表面電荷に依存してもよい。したがって、パネルにおけるそれぞれの粒子の種類は、タンパク質の異なるセットの吸着、特定のタンパク質の異なる濃度、またはそれらの組合せに起因して、異なるタンパク質コロナを有していてもよい。パネルにおけるそれぞれの粒子の種類は、互いに排他的なタンパク質コロナを有していてもよく、または重複するタンパク質コロナを有していてもよい。重複するタンパク質コロナは、タンパク質の同一性、タンパク質濃度、またはその両方において重複し得る。
【0537】
本開示は、試料の種類に応じて、パネルに含めるための粒子の種類を選択するための方法も提供する。パネルに含まれる粒子の種類は、高い存在量のタンパク質の除去のために最適化された粒子の組合せであってもよい。パネルに含まれる粒子の種類は、低存在量のタンパク質を吸着するために最適化された粒子の組合せであってもよい。パネルへの包含についても一致した粒子の種類は、目的の特定のタンパク質を吸着するために選択されたものである。粒子は、ナノ粒子を含み得る。粒子は、マイクロ粒子を含み得る。粒子は、ナノ粒子およびマイクロ粒子の組合せを含み得る。
【0538】
本明細書に開示される粒子パネルを使用して、広いダイナミックレンジにわたって、本明細書に開示される別個のタンパク質、および/または本明細書に開示される特異的なタンパク質のいずれかの数を特定することができる。例えば、別個の粒子の種類を含む本明細書に開示される粒子パネルは、試料中のタンパク質について富化することができ、これは、タンパク質が試料(例えば、血漿試料)中に存在するダイナミックレンジ全体にわたって、生体分子アッセイワークフローを使用して、特定することができる。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも2のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも3のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも4のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも5のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも6のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも7のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも8のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも9のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも10のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも11のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも12のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも13のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも14のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも15のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、少なくとも20のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、2~100のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、2~20のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、2~10のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、2~5のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、5~10のダイナミックレンジにわたって、タンパク質を富化および特定する。
【0539】
任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、単一のタンパク質またはタンパク質群を富化および特定することができる。一部の場合では、単一のタンパク質またはタンパク質群は、異なる翻訳後修飾を有するタンパク質を含んでいてもよい。例えば、粒子パネルにおける第1の粒子の種類は、第1の翻訳後修飾を有するタンパク質またはタンパク質群を富化し得、粒子パネルにおける第2の粒子の種類は、第2の翻訳後修飾を有する同じタンパク質または同じタンパク質群を富化し得、粒子パネルにおける第3の粒子の種類は、翻訳後修飾を欠く同じタンパク質または同じタンパク質群を富化し得る。一部の場合では、任意の数の本明細書に開示される別個の粒子の種類を含む粒子パネルは、単一のタンパク質またはタンパク質群の異なるドメイン、配列、またはエピトープに結合することによって、単一のタンパク質またはタンパク質群を富化および特定する。例えば、粒子パネルにおける第1の粒子の種類は、タンパク質またはタンパク質群の第1のドメインに結合することによってタンパク質またはタンパク質群を富化し得、粒子パネルにおける第2の粒子の種類は、タンパク質またはタンパク質群の第2のドメインに結合することによって同じタンパク質または同じタンパク質群を富化し得る。
【0540】
粒子パネルは、シリカおよびポリマー表面を有する粒子の組合せを含んでいてもよい。例えば、粒子パネルは、薄い層のシリカで被覆されたSPION、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)(PDMAPMA)で被覆されたSPION、およびポリ(エチレングリコール)(PEG)で被覆されたSPIONを含んでいてもよい。本開示と調和する粒子パネルは、シリカ被覆SPION、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆SPION、PDMAPMA被覆SPION、カルボキシル官能化ポリアクリル酸被覆SPION、アミノ表面官能化SPION、ポリスチレンカルボキシル官能化SPION、シリカ粒子、およびデキストラン被覆SPIONからなる群から選択される2つまたはそれよりも多くの粒子を含むこともできる。本開示と調和する粒子パネルはまた、無界面活性剤のカルボキシレートマイクロ粒子、カルボキシル官能化ポリスチレン粒子、シリカ被覆粒子、シリカ粒子、デキストラン被覆粒子、オレイン酸被覆粒子、ホウ素化ナノ粉末被覆粒子、PDMAPMA被覆粒子、ポリ(グリシジルメタクリレート-ベンジルアミン)被覆粒子、および水酸化ポリ(N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド-co-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル-(3-スルホプロピル)アンモニウム、P(DMAPMA-co-SBMA)被覆粒子からなる群から選択される2つまたはそれよりも多くの粒子を含んでいてもよい。本開示と調和する粒子パネルは、シリカ被覆粒子、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン被覆粒子、ポリ(N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド)(PDMAPMA)被覆粒子、ホスフェート-糖官能化ポリスチレン粒子、アミン官能化ポリスチレン粒子、ポリスチレンカルボキシル官能化粒子、ユビキチン官能化ポリスチレン粒子、デキストラン被覆粒子、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0541】
本開示の粒子は、生体試料(例えば、生物流体)と接触させて、生体分子コロナを形成してもよい。複雑な生体試料と接触する際に、複数の粒子の1種類または複数の種類の粒子は、100またはそれよりも多くの種類のタンパク質を吸着してもよい(例えば、100pMのある種類の粒子を含む生体試料の100μlのアリコート中、所与の種類の約1010の粒子は、集合的に、100またはそれよりも多くの種類のタンパク質を吸着してもよい)。粒子および生体分子コロナは、例えば、遠心分離、磁気分離、濾過、または重力分離によって、生体試料から分離されてもよい。粒子の種類および生体分子コロナは、いくつかの分離技法を使用して、生体試料から分離されてもよい。分離技法の非限定的な例としては、磁気分離、カラムに基づく分離、濾過、スピンカラムに基づく分離、遠心分離、超遠心分離、密度もしくは勾配に基づく遠心分離、重力分離、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。タンパク質コロナ分析は、分離された粒子および生体分子コロナに対して行われてもよい。タンパク質コロナ分析は、例えば、質量分析によって、生体分子コロナ中の1つまたは複数のタンパク質を特定するステップを含んでいてもよい。方法は、単一の粒子の種類(例えば、表1に列挙される粒子の種類)を生体試料に接触させるステップを含んでいてもよい。方法はまた、複数の粒子の種類(例えば、表1に提供される複数の粒子の種類)を生体試料に接触させるステップを含んでいてもよい。複数の粒子の種類を組み合わせ、単一の試料体積中の生体試料と接触させてもよい。複数の粒子の種類は、生体試料に連続して接触させ、後の粒子の種類を生体試料に接触させる前に、生体試料から分離されてもよい。生体分子コロナのタンパク質コロナ分析は、総タンパク質分析方法と比較して、分析のダイナミックレンジを圧縮し得る。
【0542】
生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、規定された濃度の粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、1pM~100nMの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、1pM~500pMの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、10pM~1nMの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、100pM~10nMの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、500pM~100nMの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、50μg/ml~300μg/ml(生体試料の体積に対する粒子の質量)の粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、100μg/ml~500μg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、250μg/ml~750μg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、400μg/ml~1mg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、600μg/ml~1.5mg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、800μg/ml~2mg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、1mg/ml~3mg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、2mg/ml~5mg/mlの粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、5mg/ml未満の粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、5mg/ml超の粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、10mg/ml超の粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。生体試料を粒子または複数の粒子と接触させるステップは、15mg/ml超の粒子を生体試料に添加するステップを含んでいてもよい。
【0543】
一部の場合では、生体試料は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、または500000超の種類のタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、生体試料は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、または500000未満の種類のタンパク質を含んでいてもよい。
【0544】
複数の粒子中の粒子は、変化するサイズの度合いおよび均質な形状を有していてもよい。特定の種類の粒子の収集のための直径の標準偏差は、粒子の種類についての平均直径の20%、10%、5%、または2%未満(例えば、100nmの平均直径を有する粒子について2nm未満)であってもよい。これは、2未満、1未満、0.8未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満、0.3未満、0.2未満、0.1未満、または0.05未満という複数の粒子を含む試料についての低い多分散指数に相当してもよい。逆に、複数の粒子は、平均サイズおよび形状において、高い度合いの分散を有していてもよい。複数の粒子を含む試料についての多分散指数は、3超、4超、5超、8超、10超、12超、15超、または20超であってもよい。複数の粒子の中での均質なサイズおよび形状は、粒子に吸着される生体分子の数および種類に影響を及ぼし得る。一部の方法について、粒子の中でのサイズの均質性(例えば、低い多分散指数)は、特定の生体分子のより高い富化、および富化された生体分子の存在量と粒子の種類との間のより強い対応を可能にし得る。一部の方法について、低いサイズの均質性は、より多くの数の生体分子の種類の収集を可能にし得る。
【0545】
粒子は、さまざまな直径を含んでいてもよい。一部の場合では、直径は、動的光散乱によって測定され得る。一部の場合では、粒子は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、または1000nmの直径を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、または1000nmの直径を含んでいてもよい。
【0546】
粒子は、溶媒中でさまざまなゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、少なくとも約-100mV~最大で約100mVのゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、少なくとも約-50mV~最大で約50mVのゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、少なくとも約-40mV~最大で約-20mVのゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、少なくとも約-20mV~最大で約0mVのゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、少なくとも約0mV~最大で約20mVのゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、少なくとも約20mV~最大で約40mVのゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、約-1000、-900、-800、-700、-600、-500、-400、-300、-200、-100、-90、-80、-70、-60、-50、-40、-30、-20、-10、0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000mV超のゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、約-1000、-900、-800、-700、-600、-500、-400、-300、-200、-100、-90、-80、-70、-60、-50、-40、-30、-20、-10、0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000mV未満のゼータ電位を含んでいてもよい。
【0547】
一部の場合では、溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、溶媒は、緩衝液であってもよい。一部の場合では、溶媒は、クラウディング剤を含んでいてもよい。一部の場合では、溶媒は、界面活性剤を含んでいてもよい。
【0548】
一部の場合では、溶媒は、塩を含んでいてもよい。一部の場合では、塩は、LiF、LiCl、LiBr、LiI、Li2SO4、BeF2、BeCl2、BeBr2、BeI2、BeSO4、NaF、NaCl、NaBr、NaI、Na2SO4、MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、MgSO4、KF、KCl、KBr、KI、K2SO4、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、KSO4、NH4F、NH4Cl、NH4Br、NH4I、(NH4)2SO4、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0549】
一部の場合では、溶媒は、さまざまな酸または塩基を含んでいてもよい。一部の場合では、酸は、塩酸、酢酸、亜硫酸、硝酸、クエン酸、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、塩基は、NaOH、KOH、Ca(OH)2、NH4OH、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0550】
一部の場合では、溶媒は、さまざまなpH値を含んでいてもよい。一部の場合では、溶媒は、ほぼ生理学的なpHのpHを含んでいてもよい。一部の場合では、溶媒は、少なくとも約6.9~最大で約7.0、少なくとも約7.0~最大で約7.1、少なくとも約7.1~最大で約7.2、少なくとも約7.2~最大で約7.3、少なくとも約7.3~最大で約7.4、少なくとも約7.4~最大で約7.5、少なくとも約7.5~最大で約7.6、少なくとも約7.6~最大で約7.7、少なくとも約7.7~最大で約7.8、または少なくとも約7.9~最大で約8.0のpHを含んでいてもよい。一部の場合では、溶媒は、少なくとも約1~最大で約2、少なくとも約2~最大で約3、少なくとも約3~最大で約4、少なくとも約4~最大で約5、少なくとも約5~最大で約6、少なくとも約6~最大で約7、少なくとも約7~最大で約8、少なくとも約8~最大で約9、少なくとも約9~最大で約10、少なくとも約10~最大で約11、少なくとも約11~最大で約12、少なくとも約12~最大で約13、または少なくとも約13~最大で約14のpHを含んでいてもよい。
【0551】
一部の場合では、溶媒は、無菌溶媒を含んでいてもよい。一部の場合では、無菌または無菌であるとは、ある特定の実験、ある特定の組成物、ある特定の方法などに適用可能な量未満の生物学的物質を含む物質を指し得る。無菌と考えられる許容される量は、実験ごと、組成物ごと、および方法ごとに変化し得る。一部の場合では、質量分析のために使用される無菌溶媒は、約100μg/mL、10μg/mL、1μg/mL、100ng/mL、10ng/mL、1ng/mL、100pg/mL、10pg/mL、1pg/mL、100fg/mL、10fg/mL、または1fg/mL未満の添加された生物学的物質を含んでいてもよい。一部の場合では、無菌溶媒は、検出限界未満の量で添加された生物学的物質を含んでいてもよい。
【0552】
一部の場合では、粒子は、結合ベイト粒子であってもよい。一部の場合では、粒子は、機構的ベイト粒子であってもよい。一部の場合では、粒子は、内因性シグナル伝達が可能であってもよい。
【0553】
一部の場合では、粒子は、選択性を広げるように設計されてもよい。一部の場合では、粒子は、選択性を狭くするように設計されてもよい。一部の場合では、選択性は、粒子の表面化学を変更することによって、広がってよく、または狭くなってもよい。一部の場合では、粒子の表面化学を変更することには、新たなまたは異なる官能基を接着させること、表面を酸化すること、表面を水素化すること、表面を照射することが含まれていてもよい。一部の場合では、選択性は、粒子の表面上に特異的な分子を配置することによって、広げられてもよく、または狭くされてもよい。一部の場合では、選択性は、粒子表面上にタンパク質を配置することによって、広げられてもよく、または狭くされてもよい。一部の場合では、選択性は、非常に特異的なタンパク質を捕捉するために、抗体または抗原を配置することによって、広げられてもよく、または狭くされてもよい。
試料の収集および抽出方法
【0554】
各種の試料を、本開示の方法および組成物に従ってアッセイし得る。本明細書に開示される試料は、さまざまな種類のセンサーエレメントを有する試料を順次調査した後、生体分子コロナ分析によって分析されてもよい。試料は、タンパク質コロナ分析の前に、分画または枯渇されてもよい。本開示の方法は、試料を1つまたは複数の粒子の種類と接触させるステップ、および試料において生体分子コロナ分析を行うステップを含んでいてもよい。
【0555】
試料は、生体試料であってもよい。例えば、生体試料は、生物流体試料、例えば、脳脊髄液(CSF)、滑液(SF)、尿、血漿、血清、涙液、間隙液、精液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、汗または唾液であってもよい。生物流体は、流動化固体、例えば、組織ホモジネート、または生体試料から抽出された液体であってもよい。生体試料は、例えば、組織試料、または穿刺吸引(FNA)試料であってもよい。生体試料は、細胞培養試料であってもよい。例えば、本明細書に開示される方法において使用され得る試料は、細胞培養において成長した細胞を含み得るか、または細胞培養から取り出された細胞材料を含み得る。生物流体は、流動化生体試料であってもよい。例えば、生物流体は、流動化細胞培養抽出物であってもよい。試料は、液体試料から抽出されてもよく、または試料は固体試料から抽出されてもよい。例えば、試料は、流動化固体から抽出されたガス状分子(例えば、揮発性有機化合物)を含んでいてもよい。
【0556】
本明細書に記載される生体分子コロナ分析方法は、広いダイナミックレンジにわたって、本開示の試料中のタンパク質をアッセイするステップを含んでいてもよい。試料中でアッセイされる生体分子のダイナミックレンジは、試料内に含有される生体分子のためのアッセイ方法(例えば、質量分析、ペプチドシークエンシング、ペプチド親和性捕捉、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、分光法、またはイムノアッセイ)によって測定される生体分子存在量の測定されたシグナルの範囲であってもよい。例えば、広いダイナミックレンジにわたってタンパク質を検出することができるアッセイは、非常に低い存在量のタンパク質から非常に高い存在量のタンパク質まで検出することが可能であり得る。アッセイのダイナミックレンジは、生体分子存在量の関数として、アッセイシグナル強度の傾きに直接関連してもよい。例えば、低ダイナミックレンジでのアッセイは、生体分子存在量の関数として、アッセイシグナル強度の(正であるが)低い傾きを有していてもよく、例えば、低存在量の生体分子について検出されたシグナルの比に対する高存在量の生体分子について検出されたシグナルの比は、高ダイナミックレンジでのアッセイよりも低ダイナミックレンジでのアッセイについて低くあり得る。本明細書に記載される生体分子コロナ分析方法は、アッセイのダイナミックレンジを圧縮し得る。アッセイのダイナミックレンジは、生体分子存在量の関数として、アッセイシグナル強度の傾きが他のアッセイのものよりも低い場合に、別のアッセイと比べて、圧縮され得る。例えば、質量分析を伴う生体分子コロナ分析を使用してアッセイされた血漿試料は、試料に対して直接、質量分析単独を使用してアッセイされた血漿試料と比較して、またはデータベース(例えば、Keshishian et al., Mol. Cell Proteomics 14, 2375-2393 (2015)において提供されるデータベース、本明細書で「Carrデータベース」とも称される)における血漿生体分子についての提供された存在量値と比較して、圧縮されたダイナミックレンジを有し得る。圧縮されたダイナミックレンジは、質量分析単独を使用するよりも、質量分析を伴う生体分子コロナ分析を使用して血漿試料中のより低い存在量の生体分子の検出を可能にし得る。
【0557】
アッセイのダイナミックレンジの圧縮は、本明細書に開示される方法(例えば、粒子による一連の調査、それに続く質量分析などのタンパク質存在量を定量化するためのアッセイ)を使用して、低存在量の生体分子の検出を可能にし得る。例えば、アッセイ(例えば、質量分析)は、3桁のダイナミックレンジを検出することが可能であってもよい。5つのタンパク質A、B、C、D、およびEを含む試料では、それぞれ、1ng/mL、10ng/mL、100ng/mL、1,000ng/mL、および10,000ng/mLの存在量で、アッセイ(例えば、質量分析)は、タンパク質B、C、D、およびEを検出し得る。しかしながら、試料を粒子とともにインキュベートする本明細書に開示される方法を使用すると、タンパク質A、B、C、D、およびEは、粒子表面に対して異なる親和性を有し得、粒子の表面に吸着されて、試料中の存在とは異なる存在量で生体分子コロナを形成し得る。例えば、タンパク質A、B、C、D、およびEは、それぞれ、1ng/mL、231ng/mL、463ng/mL、694ng/mL、および926ng/mLの存在量で、生体分子コロナ中に存在し得る。したがって、試料を調査する方法において本明細書に開示される粒子を使用することで、2桁のダイナミックレンジの圧縮をもたらすことができ、得られるアッセイ(例えば、質量分析)は、5つのタンパク質すべてを検出し得る。
【0558】
一部の態様では、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、a)第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のより高い存在量の生体分子によって生じるシグナル、およびb)第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のより低い存在量の生体分子によって生じるシグナルの第1の比である。一部の態様では、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、最も高い存在量の生体分子の濃度の第1の生体分子コロナ中の複数のタンパク質における最も低い存在量の生体分子の濃度に対する第1の比である。一部の態様では、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、生体分子の上位十分位数の第1の生体分子コロナ中の複数のタンパク質における生体分子の下位十分位数に対する第1の比である。一部の態様では、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子における生体分子の四分位範囲のスパンを含む第1の比である。一部の態様では、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、第1の生体分子コロナ中の複数の生体分子における生体分子のすべての濃度対試料中の同じ生体分子の公知の濃度のプロットにおいて、フィットしたデータの傾きを含む第1の比である。
【0559】
一部の態様では、総生体分子分析方法(例えば、総タンパク質分析方法)によって測定される試料中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、試料中の複数の生体分子における生体分子の四分位範囲のスパンを含む第2の比である。一部の態様では、総生体分子分析方法によって測定される試料中の複数の生体分子のダイナミックレンジは、試料中の複数の生体分子における生体分子のすべての濃度対試料中の同じ生体分子の公知の濃度のプロットにおいて、フィットしたデータの傾きを含む第2の比である。一部の態様では、試料中の同じ生体分子の公知の濃度は、データベースから得られる。一部の態様では、ダイナミックレンジの圧縮は、第2の比と比べて、減少した第1の比を含む。さらなる態様では、減少した第1の比は、第2の比の少なくとも1.1分の1、少なくとも1.2分の1、少なくとも1.3分の1、少なくとも1.4分の1、少なくとも1.5分の1、少なくとも2分の1、少なくとも2.5分の1、少なくとも3分の1、少なくとも3.5分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも10分の1、少なくとも100分の1、少なくとも1000分の1、または少なくとも10,000分の1である。
【0560】
目的の生体分子(例えば、低存在量のタンパク質)は、未処置試料(例えば、粒子を使用してアッセイされない試料)と比べて、生体分子コロナ中で富化され得る。富化のレベルは、未処置試料と比較して、生体分子コロナ中の生体分子の総量に対する目的の生体分子の相対存在量のパーセントの増加または倍数の増加であり得る。目的の生体分子は、粒子と接触していない試料と比較して、生体分子コロナ中の目的の生体分子の相対存在量を増加させることによって、生体分子コロナ中で富化され得る。目的の生体分子は、粒子と接触していない試料と比較して、生体分子コロナ中の高存在量の生体分子の相対存在量を減少させることによって、富化され得る。生体分子コロナ分析アッセイを使用して、生体試料(例えば、生物流体)中の低存在量の生体分子を迅速に特定し得る。生体分子コロナ分析アッセイは、生体試料を粒子と最初に接触させてから約8時間以下で、生体試料中の少なくとも約500の低存在量の生体分子を特定し得る。生体分子コロナ分析アッセイは、生体試料を粒子と最初に接触させてから約8時間以下で、生体試料中の少なくとも約1000の低存在量の生体分子を特定し得る。生体分子コロナ分析アッセイは、生体試料を粒子と最初に接触させてから約4時間以下で、生体試料中の少なくとも約500の低存在量の生体分子を特定し得る。生体分子コロナ分析アッセイは、生体試料を粒子と最初に接触させてから約4時間以下で、生体試料中の少なくとも約1000の低存在量の生体分子を特定し得る。
複数試料分析
【0561】
方法は、対象(例えば、がん患者)由来の複数試料の分析を含み得る。例えば、複数試料は、核酸試料およびタンパク質試料を含んでいてもよい。核酸試料およびタンパク質試料は、血液試料などの1つまたは複数の生体試料に由来していてもよい。
【0562】
生体分子分布は、試料の種類および/または組織の種類(例えば、組織学)間で不均等であり得る。多くの生物学的状態について、対象由来の異なる試料は、別個のものを含み得、一部の場合では、バイオマーカー(例えば、タンパク質または遺伝子)の多様なセットを含み得る。例えば、ヒト血漿は、比較的低い核酸含有量および生物学的状態により強く変化するヒトプロテオームのサブセットを含み得る一方で、組織ホモジネートは、生物学的状態に感受性のゲノム含有量であるが、広範囲の生物学的状態にわたって安定なタンパク質分布を含んでいてもよい。核酸分析のために有用な試料は、タンパク質分析のために不十分な試料であってもよいが、タンパク質分析のために有用な試料は、低い核酸含有量を含有していてもよい。一部の場合では(例えば、がんの多くの形態について)、細胞ホモジネートは、生物学的状態の分析のために不十分なタンパク質発現における小さな変異を同時に提示しながら、生物学的状態の広範囲におよぶゲノム情報およびトランスクリプトミクス情報の反映を提供することができる。血漿タンパク質存在量は、対象の生物学的状態に感受性であり得るが、血漿の核酸濃度は、分析のために極めて低くあり得る。
【0563】
方法は、プロテオミクスアッセイおよび核酸アッセイのために異なる種類の試料を利用することによって、これらの制限を克服し得る。例えば、がんを有すると疑われる対象について、潜在的ながん性組織に対する生検は、核酸分析のために使用され得るが、血漿は、プロテオミクス分析のために使用され得る。方法はまた、タンパク質分析および核酸分析のために、試料の異なる部分を利用してもよい。例えば、アッセイは、核酸分析のために血液試料由来の軟膜、およびプロテオミクス分析のために試料の血漿部分を利用してもよい。
【0564】
本開示の方法は、対象由来の第1の試料において核酸分析を行うステップ、および対象由来の第2の試料においてタンパク質分析を行うステップを含んでいてもよい。対象は、疾患もしくはがんを有していてもよく、またはそれを有することが疑われていてもよい。本開示と調和する方法は、対象由来の複数の試料の種類(例えば、頬のスワビングおよび尿)において核酸分析またはタンパク質分析を行うステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、同じ試料に対して核酸分析およびタンパク質分析を行うステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、最初に試料からタンパク質を収集するステップ、および次いで、試料から核酸を収集するステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、最初に試料から核酸を収集するステップ、および次いで、試料からタンパク質を収集するステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、試料から核酸およびタンパク質を同時に精製するステップを含んでいてもよい(例えば、核酸およびタンパク質を別々の相に分離するためのフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール抽出)。本開示の方法は、試料中のRNAからDNAを分離するステップ、および必要に応じて、シークエンシング分析のために逆転写によってRNAをcDNAに変換するステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、サイズ、電荷、等電点、またはそれらの任意の組合せに基づいて種を分離するステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、試料に対して溶解を行うステップを含んでいてもよい。本開示の方法は、試料に対してクロマトグラフィー分離を行うステップを含んでいてもよい。
生体分子コロナをアッセイするステップ
【0565】
生体試料をアッセイするための方法は、さらなる分析(例えば、質量分光分析)のために生体分子コロナから分析物を調製するステップを含んでいてもよい。生体分子コロナは、上清を除去すること、および次いで、複数の生体分子を生体分子コロナから別々の溶液に脱着させることによって、上清(センサーエレメントに結合していない生体試料の部分)から分離されてもよい。一部の方法では、生体分子コロナ由来の生体分子の第1の部分は、生体分子コロナから脱着され、廃棄され、生体分子コロナ由来の生体分子の第2の部分は、生体分子コロナから脱着され、収集される(例えば、分析のため)。生体分子コロナ由来の生体分子の複数の部分は、別々に、脱着、収集および分析されてもよい。別々の部分は、生体分子の異なる組成物を含んでいてもよく、部分間の相違を使用して、試料を鑑別してもよい。
【0566】
一部の場合では、生体試料をアッセイするための方法は、シグナルを生じ得る。一部の場合では、シグナルは、プロテオミクス情報、ゲノム情報、またはその両方を決定するために、含まれていてもよく、または使用されてもよい。一部の場合では、シグナルは、化学シグナル、イオンシグナル、蛍光シグナル、別の形態のシグナル、またはそれらの任意の組合せの形態の、プロテオミクス情報または遺伝子型情報を含む起源から発せられるプロテオミクス情報または遺伝子型情報を指し得る。一部の場合では、シグナルは、タンパク質に割り当て可能であってもよい。一部の場合では、シグナルは、核酸に割り当て可能であってもよい。一部の場合では、生体試料をアッセイするための方法は、タンパク質、核酸分子、またはそれらの組合せなどの生体分子に割り当て可能であり得る複数のシグナルを生じてもよい。一部の場合では、複数のシグナルは、少なくとも20000、50000、100,000、1,000,000の区別可能なシグナル、またはそれよりも多くを含み得る。
【0567】
生体分子コロナ由来の生体分子は、変性されてもよく、断片化されてもよく、化学的に修飾されてもよく、またはそれらの任意の組合せであってもよい。これらの処理は、脱着した生体分子または生体分子コロナ内の生体分子に対して行われ得る。生体分子コロナから脱着した複数の生体分子は、生体分子コロナ由来の生体分子の1%、2%、3%、4%、5%、6%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99%超を含んでいてもよい。脱着は、5秒、15秒、30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、8分、10分、12分、15分、20分、30分、40分、50分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、またはそれよりも長くを含む、異なる時間の長さで行われてもよい。一部の場合では、脱着は、振とうまたは超音波処理などの物理的撹拌を含む。生体分子コロナから脱着した生体分子のパーセントは、脱着時間、生体分子が脱着される溶液の化学組成(例えば、pHまたは緩衝液の種類)、脱着温度、適用される物理的撹拌の形態および強度、またはそれらの任意の組合せに依存し得る。生体分子コロナから脱着した生体分子の種類は、2つの脱着条件または方法間で、1%、2%、3%、4%、5%、6%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、またはそれよりも大きく異なっていてもよい。
【0568】
生体分子コロナから収集された生体分子は、分析の前に、さらなる化学的処置に付されてもよい。これは、自動化装置において、生体分子コロナ、生体分子コロナ内の生体分子のサブセット、または生体分子コロナから脱着した生体分子を消化して、消化された試料を形成するステップを含み得る。生体分子の処置はまた、生体分子のメチル化または還元などの生体分子コロナ由来の生体分子を化学的に修飾するステップを含んでいてもよい。一部の場合では、生体分子からの生体分子の分離は、無傷の生体分子の分離を含む。無傷の生体分子の分離は、その後に処理および分析(例えば、質量分光分析)に付され得る無傷の生体分子(例えば、タンパク質)を生成し得る。
【0569】
方法は、分析のために生体分子コロナから生体分子を調製する複数ラウンドを含んでいてもよい。方法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれよりも多くの調製のラウンドを含んでいてもよく、ここで、複数のラウンドは、分析のための別々の試料を生成する(例えば、脱着した生体分子は、それぞれのラウンド後に収集され、質量分光分析に付され得る)。2ラウンドはまた、異なる脱着方法または条件、例えば、異なる脱着溶液の体積、異なる脱着溶液の種類(例えば、異なる緩衝剤またはオスモル濃度を含む脱着溶液)、異なる温度、または物理的撹拌の異なる種類および度合いを含んでいてもよい。単一の生体分子コロナからの調製の2またはそれよりも多くの成功裏のラウンド(例えば、生体分子コロナ由来の生体分子の第1のサブセットの脱着および収集、それに続く生体分子コロナ由来の生体分子の第2のサブセットの脱着および収集)は、脱着方法がラウンド間で同一である場合でさえ、生体分子の2つのセットを作成し得る。これは、タンパク質コロナ内の生体分子相互作用の検出または分析を知らせ得る。
【0570】
方法は、区画内でセンサーエレメント(例えば、粒子)を固定化するステップを含んでいてもよい。固定化は、試料体積の一部分が除去される場合に、センサーエレメントが試料体積(例えば、ウェルプレート中のウェル)から除去されるのを防止し得る。固定化は、化学的に行われてもよく、直接的または間接的に(例えば、リンカーを介して)センサーエレメントを、容器内の壁などの表面に取り付けるステップを含んでいてもよい。固定化は、磁場を適用して、試料容器内に磁気センサーエレメント(例えば、磁気粒子)を保持することによって達成されてもよい。固定化は、マイクロプレートウェルの内部表面上などの表面上にセンサーエレメントを形成するまたは埋め込むことによって達成されてもよい。
【0571】
センサーエレメントの固定化は、生体分子コロナが、センサーエレメントから分離するのを可能にし得る。これは、複数の生体分子を、センサーエレメントに会合した生体分子コロナから脱着するステップ、センサーエレメントを固定化するステップ、および次いで、生体分子コロナ由来の複数の生体分子を有する溶液を収集し、それによって、生体分子コロナの少なくとも一部分をセンサーエレメントから分離するステップを含んでいてもよい。あるいは、センサーエレメントは、その生体分子コロナの一部分が脱着される前に固定化されてもよい。
【0572】
本明細書に開示される方法は、濾過するステップを含んでいてもよい。濾過するステップは、センサーエレメントまたはある種類の生体分子(例えば、プロテアーゼ)を試料から分離し得る。例えば、方法は、複数の生体分子を、センサーエレメントと会合した生体分子コロナから脱着するステップ、およびセンサーエレメントがフィルター上で収集され、複数の生体分子が溶液中に残るように、溶液を濾過するステップを含んでいてもよい。濾過するステップは、変性(例えば、消化)の後に行われてもよい。濾過するステップはまた、複数の生体分子または生物学的種、例えば、無傷のタンパク質(例えば、生体試料由来の消化されていないタンパク質、またはタンパク質を断片化するために試料に添加されるプロテアーゼ)を除去し得る。
【0573】
方法は、精製ステップを含んでいてもよい。精製ステップは、生体試料(例えば、生体分子コロナから溶出および収集された生体分子)を、精製ユニット(例えば、クロマトグラフィーカラム)または精製ユニット内の区画に移動させるステップを含んでいてもよい。精製ユニットは、固相抽出またはクロマトグラフィーカラムを含んでいてもよい。精製ステップは、試薬(例えば、化学物質および酵素)を、収集後の調製ステップの後に、試料から除去し得る。精製後、生体試料は、さらなる富化もしくは化学的処置のために再収集されてもよく、または分析の形態(例えば、質量分光分析)に付されてもよい。
【0574】
まとめると、本開示の方法は、生体試料のための高度なプロファイリング深度を可能にし得る。本開示の方法において収集された複数の生体分子は、複数の生体分子のさらなる操作または修飾なく、生体分子のサブセットが収集された生体試料中の少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または60%超の種類の生体分子の質量分析検出を可能にし得る。複数の生体分子は、複数の生体分子のさらなる操作または修飾なく、試料中の少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または50%超の種類のタンパク質の質量分析検出を可能にし得る。センサーエレメントにおいて収集されたか、または分析のために調製された複数の生体分子は、複数の生体分子のさらなる操作または修飾なく、試料中の6、7、8、9、10、11、12桁、またはそれよりも多くの桁に及ぶ2つの生体分子(例えば、タンパク質)の同時の質量分析検出を可能にし得る。例えば、2つの生体分子は、6桁以内の濃度で脱着および収集され、断片化され、次いで、質量分光分析のために提出されてもよい。
生体試料におけるタンパク質コロナ分析
【0575】
本明細書に開示される粒子およびその使用の方法は、生体試料(例えば、生物流体)中の多数の異なるタンパク質またはタンパク質群に結合し得る。本明細書に記載されるタンパク質コロナ分析方法を使用して分析され得る生体試料の非限定的な例としては、生物流体試料(例えば、脳脊髄液(CSF)、滑液(SF)、尿、血漿、血清、涙液、精液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、汗もしくは唾液)、流動化固体(例えば、組織ホモジネート)、または細胞培養に由来する試料が挙げられる。例えば、本明細書に開示される粒子は、本明細書に開示される任意の生体試料とともにインキュベートされて、少なくとも40のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも60のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも80のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも100のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも120のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも140のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも160のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも180のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも200のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも220のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも240のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも260のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも280のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも300のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも320のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも340のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも360のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも380のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも400のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも420のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも440のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも460のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも480のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも500のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも520のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも540のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも560のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも580のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも600のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも620のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも640のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも660のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも680のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも700のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも720のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも740のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも760のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも780のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも800のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも820のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも840のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも860のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも880のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも900のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも920のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも940のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも960のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも980のタンパク質またはタンパク質群、少なくとも1000のタンパク質またはタンパク質群、100~1000のタンパク質またはタンパク質群、150~950のタンパク質またはタンパク質群、200~900のタンパク質またはタンパク質群、250~850のタンパク質またはタンパク質群、300~800のタンパク質またはタンパク質群、350~750のタンパク質またはタンパク質群、400~700のタンパク質またはタンパク質群、450~650のタンパク質またはタンパク質群、500~600のタンパク質またはタンパク質群、200~250のタンパク質またはタンパク質群、250~300のタンパク質またはタンパク質群、300~350のタンパク質またはタンパク質群、350~400のタンパク質またはタンパク質群、400~450のタンパク質またはタンパク質群、450~500のタンパク質またはタンパク質群、500~550のタンパク質またはタンパク質群、550~600のタンパク質またはタンパク質群、600~650のタンパク質またはタンパク質群、650~700のタンパク質またはタンパク質群、700~750のタンパク質またはタンパク質群、750~800のタンパク質またはタンパク質群、800~850のタンパク質またはタンパク質群、850~900のタンパク質またはタンパク質群、900~950のタンパク質またはタンパク質群、950~1000のタンパク質またはタンパク質群を含むタンパク質コロナを形成することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、本明細書に開示される任意の生体試料とともにインキュベートされて、少なくとも約50~500のタンパク質またはタンパク質群を含むタンパク質コロナを形成することができる。
【0576】
一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、生体試料とともにインキュベートされて、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、または500,000のタンパク質またはタンパク質群を含むタンパク質コロナを形成することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、生体試料とともにインキュベートされて、最大で約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、または500,000のタンパク質またはタンパク質群を含むタンパク質コロナを形成することができる。
【0577】
一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、タンパク質コロナ内で、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、または500,000のタンパク質またはタンパク質群を特定することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、タンパク質コロナ内で、最大で約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、または500,000のタンパク質またはタンパク質群を特定することができる。
【0578】
一部の場合では、アッセイは、特定の生体試料中の多数のタンパク質またはタンパク質群を特定するために、いくつかの異なる種類の粒子を、別々にまたは組み合わせて含んでいてもよい。一部の場合では、粒子は、生体試料中の多数のタンパク質またはタンパク質群に結合し、特定するために、マルチプレックス化することができる。一部の場合では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100の粒子を組み合わせて使用してもよい。一部の場合では、組み合わせて使用される粒子は、少なくとも約250~約25,000のタンパク質またはタンパク質群に結合し、特定することができる。一部の場合では、組み合わせて使用される粒子は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000、または50000のタンパク質またはタンパク質群に結合し、特定することができる。一部の場合では、組み合わせて使用される粒子は、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、45000、または50000のタンパク質またはタンパク質群に結合し、特定することができる。
【0579】
一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、単一の対象または複数の対象由来の生体試料とともにインキュベートすることができる。一部の場合では、生体試料は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000の対象由来であってもよい。一部の場合では、生体試料は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000の対象由来であってもよい。
【0580】
一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、約50~500種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、約5~5000種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、少なくとも約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、または5000種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、最大で約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、または5000種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。
【0581】
一部の場合では、本明細書に開示される複数の粒子は、約250~25000種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。一部の場合では、本明細書に開示される複数の粒子は、少なくとも約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または10000種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。一部の場合では、本明細書に開示される粒子は、最大で約5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または10000種類のタンパク質またはタンパク質群を特定または定量化することができる。
【0582】
さらにまた、本開示の方法は、試料から富化されたタンパク質またはタンパク質群の同時定量化を可能にし得る。一部の診断方法の欠点は、個々のバイオマーカーの濃度または相対状態分布(例えば、リン酸化TrkA対非リン酸化TrkA)(例えば、血液中のIL-10の濃度)が、対象間でより高い変動、または生物学的状態に対するよりも背景因子(例えば、生体試料をドナー提供する前にどのぐらい最近対象が食事をしたか)に対するより高い依存性を有し得ることである。しかしながら、本明細書にさらに提示されるように、多数のタンパク質の存在比は、特定の生物学的状態に対して強く特徴的であり得、類似の生物学的状態(例えば、健康対前糖尿病、またはステージ1対ステージ2の慢性リンパ球性白血病)をさらに区別することができる。本開示に記載される方法は、個々の粒子または粒子の種類から相対的なまたは絶対的なタンパク質存在量を区別する能力を提供することができる。2つの粒子の種類は、別々に分析またはアッセイされてもよく、このようにして、多数のタンパク質(例えば、70種類のタンパク質)の相対存在量を複数の粒子の種類にわたって比較することを可能にし得る。
【0583】
生体分子コロナのタンパク質コロナ分析は、総タンパク質分析方法と比較して、分析のダイナミックレンジを圧縮し得る。多くの分析技法(例えば、質量分析)は、単一測定に対する濃度範囲の限界を有する。例えば、一部の質量分析検出方法は、6桁超異なる濃度で存在する2つのペプチドを同時に検出する能力を欠いていることがある。そのため、バルク試料に対する粗分析は、豊富な分析物(例えば、血漿中のアルブミン)からのシグナルを目立たせ得るが、低存在量の標的(例えば、血漿中のインターロイキン)からのシグナルを分解しない。本開示の方法は、2、3、4、5、または6桁の濃度内で存在するタンパク質の種類の数を増加させ得、これは、平行して、試料からのより多くの数のタンパク質の検出を可能にし得る。
【0584】
例えば、生体分子コロナ形成を含む方法は、濃度が、試料中の最も高濃度の生体分子の6桁内である生体分子の種類の数を、少なくとも25%、50%、100%、200%、300%、500%、または1000%、増加させ得る。同様に、圧縮されたダイナミックレンジは、その濃度が試料中の最も豊富な生体分子の6桁内であるタンパク質の種類の数の増加を含み得る。方法は、その濃度が、試料中の最も高濃度のタンパク質の6桁内であるタンパク質の種類の数を、少なくとも25%、50%、100%、200%、300%、500%、または1000%、増加させ得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも10%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも20%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも30%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも40%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも50%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも60%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来の生体分子の種類の少なくとも70%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも10%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも20%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも30%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも40%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも50%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも60%を含み得る。方法は、生体試料から生体分子のサブセットを富化し得、生体分子のサブセットは、6桁の濃度範囲内の生体試料由来のタンパク質の種類の少なくとも70%を含み得る。
【0585】
本開示の方法およびセンサーエレメントは、生体分子コロナ組成物が試料の脂質濃度に関して不変であるように、適合されていてもよい。生体試料における最大で10%の脂質濃度の変化は、生体分子コロナ中のタンパク質の組成の5%、2%、1%、または0.1%未満の変化をもたらし得る。生体試料における最大で10%の脂質濃度の変化は、生体分子コロナ中のタンパク質の種類の数の5%、2%、1%、または0.1%未満の変化をもたらし得る。生体試料における最大で10%の脂質濃度の変化は、生体分子コロナ中のタンパク質の総数の5%、2%、1%、または0.1%未満の変化をもたらし得る。
【0586】
一部の場合では、生体試料は、血液、血漿、または血清を含んでいてもよく、生体分子コロナは、生体試料よりも、アルブミンの非アルブミンタンパク質に対するより低い割合を含んでいてもよい。アルブミンの非アルブミンタンパク質に対する比は、タンパク質が吸着された試料におけるよりも、生体分子コロナにおいて、20%、30%、40%、50%、60%、または70%低くあり得る。
【0587】
一部の場合では、プロテオミクス情報またはプロテオミクスデータは、ペプチドおよび/またはタンパク質構成要素を含む物質についての情報を指し得る。一部の場合では、プロテオミクス情報は、ペプチドまたはタンパク質についての、一次構造情報、二次構造情報、三次構造情報、または四次情報を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、タンパク質-リガンド相互作用についての情報を含んでいてもよく、ここで、リガンドは、生物中で見出され得るさまざまな生体分子および物質、例えば、ヌクレオチド、核酸、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、単糖、多糖、脂質、リン脂質、ホルモン、またはそれらの任意の組合せのいずれか1つを含んでいてもよい。
【0588】
一部の場合では、プロテオミクス情報は、単一の細胞、組織、臓器、組織および/もしくは臓器系(心臓血管系、呼吸器系、消化系、または神経系など)、または多細胞臓器全体についての情報を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、個体(例えば、個々の人間または個々の細菌)、または個体の集団(例えば、がんを有すると診断されている人間ら、または細菌のコロニー)についての情報を含んでいてもよい。プロテオミクス情報は、古細菌、細菌、真核生物、原生生物、クロミスタ生物、植物界、真菌界、または動物界からの生命体を含む、さまざまな生命体からの情報を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、ウイルスからの情報を含んでいてもよい。
【0589】
一部の場合では、プロテオミクス情報は、生命のコードにおけるエクソンおよびイントロンに関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、ペプチドおよび/またはタンパク質の、一次構造における変異、二次構造における変異、三次構造における変異、または四次構造における変異に関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、選択的スプライシング変異、構造変異、またはその両方を含む、エクソンの発現における変異に関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、ペプチドおよび/またはタンパク質の、コンフォメーション情報、翻訳後修飾情報、化学修飾情報(例えば、リン酸化)、補助因子(例えば、塩または他の調節化学物質)関連情報、または基質関連情報を含んでいてもよい。一部の場合では、翻訳後修飾は、アシル化、アルキル化、プレニル化、フラビン化、アミド化、アミノ化、脱アミノ化、カルボキシル化、脱カルボキシル化、ニトロシル化、ホルミル化、シトルリン化、グリコシル化、糖化、ハロゲン化、ヒドロキシル化、リン酸化、スルフリル化、グルタチオン化、スクシニル化、カルボニル化、カルバミル化、酸化、酸素化、還元、ユビキチン化、SUMO化、NEDD化、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、健康な細胞または病的な細胞のアポトーシスの比率または率を含んでいてもよい。一部の場合では、プロテオミクス情報は、健康な状態または病的な状態などの細胞の状態を含んでいてもよい。
【0590】
本開示の方法および組成物は、生体試料中の特定のタンパク質の特定および測定を提供することができる。これは、粒子の表面上で形成されたコロナの消化を介したプロテオミクスデータの処理を含んでいてもよい。特定および測定することができるタンパク質の例としては、高い存在量のタンパク質、培地のタンパク質の存在量、および低存在量のタンパク質が挙げられる。一部の場合では、低存在量のタンパク質は、約10ng/mLまたはそれより下の濃度で試料中に存在していてもよい。一部の場合では、高存在量のタンパク質は、約10μg/mLまたはそれを上回る濃度で試料中に存在していてもよい。中存在量のタンパク質は、約10ng/mL~約10μg/mLの濃度で試料中に存在していてもよい。一部の生体試料中で高い存在量のタンパク質であり得るタンパク質の例としては、アルブミン、IgG、および血漿中でタンパク質質量の約95%を与える存在量の上位14タンパク質が挙げられる。一部の場合では、従来の枯渇カラムを使用して精製されるタンパク質は、本明細書に開示される粒子、粒子パネル、または粒子組成物を使用して、試料中で直接検出されてもよい。タンパク質の例は、Keshishian et al. (Mol Cell Proteomics. 2015 Sep;14(9):2375-93. doi: 10.1074/mcp.M114.046813. Epub 2015 Feb 27.)、Farr et al. (J Proteome Res. 2014 Jan 3;13(1):60-75. doi: 10.1021/pr4010037. Epub 2013 Dec 6.)、またはPernemalm et al. (Expert Rev Proteomics. 2014 Aug;11(4):431-48. doi: 10.1586/14789450.2014.901157. Epub 2014 Mar 24.)などの公開データベースにおいて列挙された任意のタンパク質であってもよい。
【0591】
本明細書に開示される方法および組成物を使用して測定および特定することができるタンパク質の例としては、アルブミン、IgG、リゾチーム、CEA、HER-2/ニュー、膀胱腫瘍抗原、サイログロブリン、アルファ-フェトプロテイン、PSA、CA125、CA19.9、CA15.3、レプチン、プロラクチン、オステオポンチン、IGF-II、CD98、ファスシン、sPigR、14-3-3 eta、トロポニンI、B型ナトリウム利尿ペプチド、BRCA1、c-Myc、IL-6、フィブリノーゲン、EGFR、ガストリン、PH、G-CSF、デスミン、NSE、FSH、VEGF、P21、PCNA、カルシトニン、PR、CA125、LH、ソマトスタチン、S100、インスリン、アルファ-プロラクチン、ACTH、Bcl-2、ERアルファ、Ki-67、p53、カテプシンD、ベータカテニン、VWF、CD15、k-ras、カスパーゼ3、EPN、CD10、FAS、BRCA2、CD30L、CD30、CGA、CRP、プロトロンビン、CD44、APEX、トランスフェリン、GM-CSF、E-カドヘリン、IL-2、Bax、IFN-ガンマ、ベータ-2-MG、TNFアルファ、c-erbB-2、トリプシン、サイクリンD1、MG B、XBP-1、HG-1、YKL-40、S-ガンマ、NESP-55、ネトリン-1、ジェミニン、GADD45A、CDK-6、CCL21、BrMS1、17ベータHDI、PDGFRA、Pcaf、CCL5、MMP3、クローディン-4、およびクローディン-3が挙げられ得る。本明細書に開示される粒子パネルを使用して測定および特定することができるタンパク質の他の例は、目的の特定の疾患の適応症(例えば、前立腺がん、肺がん、またはアルツハイマー病)のためのオープンターゲットデータベースに列挙された任意のタンパク質またはタンパク質群である。
【0592】
生体試料のプロテオミクスデータは、いくつかの異なる分析技法を使用して、特定、測定、および定量化することができる。例えば、プロテオミクスデータは、SDS-PAGE、または任意のゲルに基づく分離技法を使用して分析することができる。ペプチドおよびタンパク質はまた、ELISAなどのイムノアッセイを使用して、特定、測定、および定量化することができる。あるいは、プロテオミクスデータは、質量分析、高速液体クロマトグラフィー、LC-MS/MS、Edman分解、免疫親和性技法、そのそれぞれがその全体が参照により本明細書に組み込まれるEP3548652号、WO2019083856号、WO2019133892号に開示される方法、および他のタンパク質分離技法を使用して、特定、測定、および定量化することができる。
【0593】
一部の場合では、測定技法は、タンパク質群を特定する。タンパク質を検出するために設計された測定技法も、タンパク質群を検出し得る。一部の場合では、タンパク質群は、共通のペプチド配列によって特定される2つまたはそれよりも多くのタンパク質を指し得る。一部の場合では、タンパク質群は、共通の機能によって特定される2つまたはそれよりも多くのタンパク質を指し得る。一部の場合では、タンパク質群は、所与のタンパク質のプロテオフォームを含む。一部の場合では、タンパク質群は、同じ生化学経路におけるそれらの関与によって特定される2つまたはそれよりも多くのタンパク質を指し得る。一部の場合では、タンパク質群は、細胞、組織、または臓器におけるそれらの共通の局在化によって特定される2つまたはそれよりも多くのタンパク質を指し得る。一部の場合では、タンパク質群は、本明細書に開示される粒子に対する共通の親和性によって特定される2つまたはそれよりも多くのタンパク質を指し得る。あるいは、または加えて、タンパク質群は、配列を特定するステップを使用して特定される1つのタンパク質を指し得る。例えば、試料中で、2つのタンパク質(タンパク質1:XYZZXおよびタンパク質2:XYZYZ)間で共通するペプチド配列がアッセイされる場合、タンパク質群は、2つのメンバー(タンパク質1およびタンパク質2)を有する「XYZタンパク質群」であり得る。あるいは、ペプチド配列が、単一のタンパク質(タンパク質1)に対する場合、タンパク質群は、1つのメンバー(タンパク質1)を有する「ZZX」タンパク質群であり得る。それぞれのタンパク質群は、2つ以上のペプチド配列によって支持され得る。本開示に従って検出または特定されるタンパク質は、試料中で検出される別個のタンパク質(例えば、質量分析を使用して検出される別個の関係がある他のタンパク質)を指し得る。そのため、粒子パネルにおいて別個の粒子の種類に対応する別個のコロナ中に存在するタンパク質の分析は、多数の特徴的強度を生じる。
【0594】
タンパク質群は、類似のまたは区別できない質量分析フィンガープリントを有するタンパク質の群であってもよい。アッセイにおいて特定されるタンパク質群の数は、検出されるタンパク質の数と相関してもよい。一部の場合では、タンパク質群は、タンパク質アイソフォームのセットを含んでいてもよい。一部の場合では、タンパク質群は、複数のタンパク質ファミリーからのタンパク質を含んでいてもよい。一部の場合では、タンパク質群は、単一のタンパク質ファミリーからのタンパク質からなっていてもよい。一部の場合では、タンパク質群は、単一の種類のタンパク質を含んでいてもよい。
【0595】
図15は、本明細書に開示される方法の一部についての利点をグラフで示す。本開示の一部の方法を使用して、多型、翻訳後修飾、ペプチド、タンパク質、タンパク質相互作用、および/または経路を研究してもよい。本開示の一部の方法を使用して、深い分解能(例えば、多型)および高コンテキスト(例えば、経路)でプロテオミクスを研究してもよい。本開示の一部の方法は、拡張可能であり得る。本開示の一部の方法は、バイアスがなくてもよい。
【0596】
図16は、本明細書に開示される方法の一部についての平行の構成可能なワークフローを概略的に示す。非常に複雑な従来の実験室セットアップとは対照的に、本開示の方法の一部は、より簡易で、より有効な形式で行われてもよい。本開示の方法の一部は、平行の構成可能なワークフローを用いて行われてもよい。
【0597】
図17は、本開示の一部の方法を行うパイプラインを概略的に示す。本開示の一部の方法は、簡易で自動化されたハンドリングを可能にし得、流体ハンドリングおよび磁気捕捉を含み得、ならびに/または液体ハンドリング機器アッセイインプリメンテーションを含み得る。
ペプチドバリアント
【0598】
一部の場合では、ペプチドバリアントは、アッセイを使用して検出されてもよい。一部の場合では、ペプチドバリアントは、DNA中のコード領域のセットから発現されるペプチドを指し得、ここで、DNA中のコード領域の同じセットまたはサブセットは、一次構造をそれぞれ含む複数のペプチドを発現することができる。一部の場合では、DNA中のコード領域の所与のセットは、例えば、構成的スプライシング、エクソンスキッピング、イントロン保持、エクソンの相互排除、選択的スプライシング、選択的5’スプライシング、選択的3’スプライシング、可変プロモーター使用、転写後修飾、またはそれらの任意の組合せを通して、各種のペプチドを発現してもよい。
【0599】
一部の場合では、ペプチドバリアントは、プロテオミクスアッセイを使用して検出されてもよく、ここで、プロテオミクスアッセイは、バリアント配列であると特定され得るペプチド配列を検出する。
【0600】
一部の場合では、ペプチドバリアントは、遺伝子型アッセイを使用して検出されてもよく、ここで、遺伝子型アッセイは、ペプチドバリアントをコードするバリアント配列であると特定され得る配列を含むmRNAを検出する。
ダイナミックレンジ
【0601】
本明細書に記載される生体分子コロナ分析方法は、広いダイナミックレンジにわたって、本開示の試料中の生体分子をアッセイするステップを含んでいてもよい。試料中でアッセイされる生体分子のダイナミックレンジは、アッセイ(例えば、質量分析、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、分光法、またはイムノアッセイ)において分解(例えば、規定のシグナルとノイズの閾値を上回るシグナルが存在する)または特定される生体分子のある範囲の濃度であってもよい。例えば、広いダイナミックレンジにわたってタンパク質を検出することができるアッセイは、非常に低い存在量のタンパク質から非常に高い存在量のタンパク質まで検出することが可能であり得る。アッセイのダイナミックレンジは、生体分子存在量の関数として、アッセイシグナル強度の傾きに直接関連してもよい。例えば、低ダイナミックレンジでのアッセイは、生体分子の存在量の関数として、アッセイシグナル強度の(正であるが)低い傾きを有していてもよく、例えば、低存在量の生体分子について検出されたシグナルの比に対する高存在量の生体分子について検出されたシグナルの比は、高ダイナミックレンジでのアッセイよりも低ダイナミックレンジでのアッセイについて低くあり得る。特定の場合では、ダイナミックレンジは、試料またはアッセイする方法内のタンパク質のダイナミックレンジを指していてもよい。
【0602】
本明細書に記載される生体分子コロナ分析方法は、アッセイのダイナミックレンジを圧縮し得る。アッセイのダイナミックレンジは、生体分子存在量の関数として、アッセイシグナル強度の傾きが他のアッセイのものよりも低い場合に、別のアッセイと比べて、圧縮され得る。例えば、質量分析を伴うタンパク質コロナ分析を使用してアッセイされた血漿試料は、試料に対して直接、質量分析単独を使用してアッセイされた血漿試料と比較して、またはデータベース(例えば、Keshishian et al., Mol. Cell Proteomics 14, 2375-2393 (2015)において提供されるデータベース、本明細書で「Carrデータベース」とも称される)における血漿タンパク質についての提供された存在量値と比較して、圧縮されたダイナミックレンジを有し得る。圧縮されたダイナミックレンジは、質量分析単独を使用するよりも、質量分析を伴う生体分子コロナ分析を使用して生体試料中のより低い存在量の生体分子の検出を可能にし得る。
【0603】
プロテオミクス分析アッセイのダイナミックレンジは、最も高い存在量のタンパク質(例えば、存在量が最も高い10%のタンパク質)によって生じるシグナルの最も低い存在量のタンパク質(例えば、存在量が最も低い10%のタンパク質)によって生じるシグナルに対する比であってもよい。プロテオミクス分析のダイナミックレンジの圧縮は、第2のプロテオミクス分析アッセイのものと比べて、第1のプロテオミクス分析アッセイについて、最も高い存在量のタンパク質によって生じるシグナルの最も低い存在量のタンパク質によって生じるシグナルに対する比を、減少させることを含み得る。本明細書に開示されるタンパク質コロナ分析アッセイは、総タンパク質分析方法(例えば、質量分析、ゲル電気泳動、または液体クロマトグラフィー)のダイナミックレンジと比べて、ダイナミックレンジを圧縮し得る。
【0604】
生体分子分析アッセイのダイナミックレンジを圧縮して、高存在量の生体分子と比べて低存在量の生体分子の検出を容易にするためのいくつかの方法を本明細書に提供する。例えば、本開示の粒子の種類は、試料を順次に調査するために使用することができる。試料中での粒子の種類のインキュベーションの際に、含む生体分子コロナが、粒子の種類の表面上で形成する。生体分子が、粒子の種類の使用なく、例えば、試料の直接的な質量分析によって試料中で直接検出される場合、ダイナミックレンジは、生体分子が粒子の種類の表面上に向けられる場合よりも、より広い範囲の濃度、またはより多い桁に及び得る。そのため、本明細書に開示される粒子の種類を使用することは、試料中の生体分子のダイナミックレンジを圧縮するために使用され得る。理論に拘束されないが、この効果は、粒子の種類の生体分子コロナにおいて、より高い親和性で、より低い存在量の生体分子のより多くの捕捉、および粒子の種類の生体分子コロナにおいて、より低い親和性で、より高い存在量の生体分子のより少ない捕捉に起因して、観察され得る。
【0605】
プロテオミクス分析アッセイのダイナミックレンジは、試料中のタンパク質の総存在量の関数として、プロテオミクス分析アッセイによって測定されるタンパク質シグナルのプロットの傾きであってもよい。ダイナミックレンジを圧縮することには、試料中のタンパク質の総存在量の関数として、第2のプロテオミクス解析アッセイによって測定されるタンパク質シグナルのプロットの傾きと比べて、試料中のタンパク質の総存在量の関数として、プロテオミクス分析アッセイによって測定されるタンパク質シグナルのプロットの傾きを減少させることを含んでいてもよい。本明細書に開示されるタンパク質コロナ分析アッセイは、総タンパク質分析方法(例えば、質量分析、ゲル電気泳動、または液体クロマトグラフィー)のダイナミックレンジと比べて、ダイナミックレンジを圧縮し得る。
【0606】
プロテオミクス分析は、プロテオミクス分析を核酸分析に連結することによって増強され得る。これは、そのような連結アプローチの非存在下で他に特定不能であり得るか、または不正確な特定が割り当てられ得るタンパク質およびペプチドの正確な特定を容易にし得る。核酸分析は、プロテオミクスデータ(例えば、ペプチド断片の質量分析データ)からの特定可能なペプチドの数を増加させ得る。例えば、ゲノムデータまたはトランスクリプトミクスデータは、他に割り当て不能な質量分析の特徴の特定を可能にし得る。対象由来の核酸のプロファイリングはまた、タンパク質群の中から亜集団または個々のタンパク質を特定してもよく、さらにまた、タンパク質群の中からタンパク質の存在量または相対存在量を決定してもよい(例えば、タンパク質群が99:1の存在比で存在する2つのアイソフォームからなることを決定することによって)。一部の場合では、タンパク質群からのタンパク質の相対存在量の決定は、タンパク質分析方法の検出限界を下回る存在量または濃度のタンパク質を特定し得る。そのため、タンパク質分析および核酸分析とタンパク質分析との連結は、1桁、2桁、3桁、4桁、またはそれよりも大きく、タンパク質分析の感度を増加させ得る。例えば、核酸分析およびタンパク質分析を含む方法は、タンパク質分析のみを含む方法よりも幅広い濃度範囲にわたってタンパク質またはタンパク質群を特定し得る。
【0607】
そのような決定の例は、主要なプレカリクレイン形態と比べて、0.01%の頻度でマイナーなプレカリクレインの対立遺伝子の特定を要約する
図2Bに提供される。バリアント(例えば、対立遺伝子またはスプライシング)頻度のそのような特定を使用して、タンパク質存在量データ(例えば、本開示のタンパク質分析方法によって得られる)を精緻化し、単一のタンパク質群の存在量を、複数のタンパク質またはタンパク質下位群の存在量に分割することができる。
図2Bの場合では、質量分析的に決定されたプレカリクレインの存在量は、総存在量の99.99%で存在する主要形態、および総存在量の0.01%のマイナー形態に分けられ得る。
核酸分析
【0608】
本開示は、核酸を分析する(例えば、検出するまたはシークエンシングする)ためのさまざまな組成物および方法を提供する。一部の場合では、遺伝子型(またはゲノム)情報は、本開示の組成物および方法の一部を使用して得てもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、ヌクレオチドおよび/または核酸の構成要素を含む物質についての情報を指し得る。一部の場合では、遺伝子型情報は、エピジェネティック情報を含んでいてもよい。一部の場合では、エピジェネティック情報は、ヒストン修飾、DNAメチル化、ゲノム中の異なる領域のアクセス性、その動力学的変化、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、核酸についての、一次構造情報、二次構造情報、三次構造情報、または四次情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、核酸-リガンド相互作用についての情報を含んでいてもよく、ここで、リガンドは、生物中で見出され得るさまざまな生体分子および物質、例えば、ヌクレオチド、核酸、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、単糖、多糖、脂質、リン脂質、ホルモン、またはそれらの任意の組合せのいずれか1つを含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、健康な細胞または病的な細胞のアポトーシスの比率または率を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、健康な状態または病的な状態などの細胞の状態を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、核酸分子の化学修飾情報を含んでいてもよい。一部の場合では、化学修飾は、メチル化、脱メチル化、アミノ化、脱アミノ化、アセチル化、酸化、酸素化、還元、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、生体試料が起源とする細胞の種類に関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、核酸の非翻訳領域についての情報を含んでいてもよい。
【0609】
一部の場合では、遺伝子型情報は、単一の細胞、組織、臓器、組織および/もしくは臓器系(心臓血管系、呼吸器系、消化系、または神経系など)、または多細胞臓器全体についての情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、個体(例えば、個々の人間または個々の細菌)、または個体の集団(例えば、がんを有すると診断されている人間ら、または細菌のコロニー)についての情報を含んでいてもよい。遺伝子型情報は、古細菌、細菌、真核生物、原生生物、クロミスタ生物、植物界、真菌界、または動物界からの生命体を含む、さまざまな生命体からの情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、ウイルスからの情報を含んでいてもよい。
【0610】
一部の場合では、遺伝子型情報は、生命のコードにおけるエクソンおよびイントロンに関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、塩基の置換、欠失、挿入、またはそれらの任意の組合せを含む核酸の一次構造における変異または突然変異に関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、核酸中の非標準核酸塩基の包含に関する情報を含んでいてもよい。一部の場合では、遺伝子型情報は、エピジェネティックスにおける変異または突然変異に関する情報を含んでいてもよい。
【0611】
一部の場合では、遺伝子型情報は、1つまたは複数の核酸がコードするペプチドおよび/またはタンパク質の、一次構造における変異、二次構造における変異、三次構造における変異、または四次構造における変異に関する情報を含んでいてもよい。
【0612】
そのような組成物および方法は、生体分子の複数の種類を標的にするアッセイにおいて適用されてもよい。例えば、アッセイは、単一の試料由来のタンパク質および核酸を分析してもよい。
【0613】
広範囲の疾患および未病の状態は、核、細胞質、および無細胞核酸における検出可能な変化によって証明される。しかしながら、多くの核酸疾患マーカーは、特定の生物学的状態に対する不十分な指標であり得、そのためそれら自身によって、正確な診断のために使用することができない。これは、一部において、糖尿病および多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含むいくつかの疾患に起因し得る無細胞DNA(cfDNA)をコードする高レベルのインスリンを伴う場合のように、多くの遺伝子マーカーが複数の疾患と相関するという事実に起因していてもよい。加えて、疾患状態に関連する遺伝子マーカーの存在は、疾患それ自体と常に相関しないことがある。例えば、がん検出の領域では、非腫瘍原性細胞は、同じ対象由来の対応するがん細胞よりも多くの癌遺伝子を持つことが見出されていることがある。そのため、核酸バイオマーカーは、対象についての多数の情報を提供することができるが、その情報は、正確な診断のために利用することが困難であり得る。
【0614】
本開示は、核酸データおよび他の種類の生体分子データ、例えば、プロテオミクスデータからの正確な分析技法ならびに診断法を可能にする方法を提供する。複数の形態の生体分子分析を核酸分析と組み合わせることによって、特定の疾患状態と弱く相関するか、またはそれと相関することが知られていない個々のバイオマーカー(例えば、遺伝子マーカー)を、非常に正確な診断法のために使用することができる。さらにまた、多数のバイオマーカーを測定および分析することによって、内部の対象の変異および背景因子(例えば、ストレスに起因する遺伝子発現における短期間の変化)が原因のノイズを、疾患または状態についての真陽性結果から識別することができる。
【0615】
一部のアッセイでは、異なる種類の生体分子を、別々の試料区画において、富化または分析することができる。例えば、アッセイは、第1の試料区画において核酸を分析するステップ、第2の試料区画においてタンパク質を分析するステップ、ならびに必要に応じて、第3の試料区画において脂質および代謝産物を分析するステップを含んでいてもよい。一部のアッセイでは、複数の種類の生体分子を、単一の試料区画内で富化または分析することができる(例えば、核酸およびペプチドは、試料の単一の体積から富化することができる)。
【0616】
シークエンシングのためのさまざまな試薬、および核酸をシークエンシングする方法は、タンパク質(例えば、コロナ分析を使用する)および核酸(例えば、シークエンシング方法を使用する)について平行でアッセイする本明細書に開示される組成物および方法と調和する。本明細書に開示される方法は、1つまたは複数の核酸分子を試料から富化するステップを含んでいてもよい。これは、溶液中での富化、センサーエレメント(例えば、粒子)上での富化、基材(例えば、エッペンドルフ管の表面)上での富化、または核酸の選択的除去(例えば、配列特異的親和性沈殿による)を含んでいてもよい。富化は、2つまたはそれよりも多くの異なる標的核酸の差次的増幅を含む増幅を含んでいてもよい。差次的増幅は、配列、CG含有量、または転写後修飾、例えば、メチル化状態に基づいていてもよい。富化はまた、ハイブリダイゼーション方法、例えば、プルダウン方法を含んでいてもよい。例えば、基材の区画は、特定の配列の核酸とハイブリダイズすることができ、それによって、複雑な生体液から特定の核酸を単離することができる固定化核酸を含んでいてもよい。ハイブリダイゼーションは、他の核酸標的の中で、遺伝子、エクソン、イントロン、調節領域、スプライス部位、再構築遺伝子を標的にしてもよい。ハイブリダイゼーションは、複数の別個の配列を標的にするように、または単一の配列に適合するように設計された核酸プローブのプールを利用することができる。
【0617】
富化は、ハイブリダイゼーション反応を含んでいてもよく、生体試料から核酸分子のサブセットを生じさせてもよい。ハイブリダイゼーションは、溶液中、基材表面(例えば、マイクロウェルプレートにおけるウェルの壁)上、センサーエレメント上、またはそれらの任意の組合せで行われてもよい。ハイブリダイゼーション方法は、一塩基多型に感受性であってもよい。例えば、ハイブリダイゼーション方法は、分子反転プローブを含んでいてもよい。
【0618】
富化はまた、増幅を含んでいてもよい。好適な増幅方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、固相PCR、RT-PCR、qPCR、マルチプレックスPCR、タッチダウンPCR、ナノPCR、ネステッドPCR、ホットスタートPCR、ヘリカーゼ依存性増幅、ループ介在等温増幅(LAMP)、自家持続配列複製、核酸配列に基づく増幅、ストランド置換増幅、ローリングサークル増幅、リガーゼ連鎖反応、および任意の他の好適な増幅技法が挙げられる。
【0619】
シークエンシングは、特異的な配列またはゲノムの領域を標的にしてもよい。シークエンシングは、エクソンなどのある種類の配列を標的にしてもよい。一部の場合では、シークエンシングは、エクソームシークエンシングを含む。一部の場合では、シークエンシングは、全エクソームシークエンシングを含む。シークエンシングは、クロマチン化または非クロマチン化核酸を標的にしてもよい。シークエンシングは、配列非特異的であってもよい(例えば、標的配列にかかわらず読み取りを提供する)。シークエンシングは、ゲノムのポリメラーゼがアクセス可能な領域を標的にしてもよい。シークエンシングは、細胞の一部に局在している核酸、例えば、ミトコンドリアまたは細胞質を標的にしてもよい。シークエンシングは、細胞、組織、または臓器に局在している核酸を標的にしてもよい。シークエンシングは、RNA、DNA、任意の他の核酸、またはそれらの任意の組合せを標的にしてもよい。
【0620】
「核酸」は、一本鎖、二本鎖、または多数鎖の形態の任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指し得る。核酸は、5-ブロモウラシル、ペプチド核酸、ロックドヌクレオチド、グリコールヌクレオチド、トレオースヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、3’-デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、7-デアザ-GTP、フルオロフォア結合ヌクレオチド、チオール含有ヌクレオチド、ビオチン連結ヌクレオチド、メチル-7-グアノシン、メチル化ヌクレオチド、イノシン、チオウリジン、プソイドウリジン(pseudourdine)、ジヒドロウリジン、キューオシン、およびワイオシンを含む、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ならびにそれらの天然および非天然アナログの任意の組合せを含んでいてもよい。核酸は、遺伝子、遺伝子の一部分、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、cDNA、組換え核酸、分枝状核酸、プラスミド、無細胞DNA(cfDNA)、無細胞RNA(cfRNA)、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA、YRNA、環状RNA、核小体低分子RNA、または偽遺伝子RNAを含んでいてもよい。核酸は、DNAまたはRNA分子を含んでいてもよい。核酸はまた、規定の3次元構造を有していてもよい。一部の場合では、核酸は、非標準核酸塩基またはヌクレオチド、例えば、ヒポキサンチン、キサンチン、7-メチルグアニン、5,6-ジヒドロウラシル、5-メチルシトシン、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。核酸はまた、非核酸分子を含んでいてもよい。
【0621】
核酸は、さまざま起源に由来していてもよい。一部の場合では、核酸は、エキソソーム、アポトーシス小体、腫瘍細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せに由来してもよい。
【0622】
核酸は、さまざまな長さを含んでいてもよい。一部の場合では、核酸は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000のヌクレオチドを含んでいてもよい。一部の場合では、核酸は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000のヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0623】
さまざまな試薬を、シークエンシングのために使用してもよい。一部の場合では、試薬は、プライマー、オリゴヌクレオチド、スイッチオリゴヌクレオチド、アダプター、増幅アダプター、ポリメラーゼ、dNTP、補助因子、緩衝剤、酵素、イオン性補助因子、リガーゼ、逆転写酵素、制限酵素、エンドヌクレアーゼ、トランスポザーゼ、プロテアーゼ、プロテイナーゼK、DNase、RNase、溶解剤、リゾチーム、アクロモペプチダーゼ、リソスタフィン、ラビアーゼ、キタラーゼ、リチカーゼ、阻害剤、不活性化剤、キレート化剤、EDTA、クラウディング剤、還元剤、DTT、界面活性剤、Triton(登録商標)X-100、Tween(登録商標)20、ドデシル硫酸ナトリウム、サルコシル、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0624】
核酸をシークエンシングするためのさまざまな方法を使用してもよい。一部の場合では、核酸シークエンシング方法は、ハイスループットシークエンシング、次世代シークエンシング、フローシークエンシング、超並列シークエンシング、ショットガンシークエンシング、単一分子リアルタイムシークエンシング、イオン半導体シークエンシング、電気泳動シークエンシング、パイロシークエンシング、合成によるシークエンシング、コンビナトリアルプローブアンカー合成シークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、ナノポアシークエンシング、GenapSysシークエンシング、連鎖停止シークエンシング、ポロニーシークエンシング、454パイロシークエンシング、可逆的停止化学シークエンシング、ヘリスコープ単一分子シークエンシング、トンネル電流DNAシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、クローン単一分子アレイシークエンシング、MSによるシークエンシング、DNA-seq、RNA-seq、ATAC-seq、メチル-seq、ChIP-seq、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0625】
シークエンシングのための試薬、および核酸をシークエンシングするための方法としては、WO2012050920号、WO2020023744号、WO2019108851号、WO2019084158号、WO2020023744号、US20190177803号、およびUS20190316185号に記載されるものが挙げられ、それらのすべては、それらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0626】
本明細書に開示されるように、核酸は、下流の適用のために、標準的な分子生物学的技法によって処理されてもよい。核酸は、本開示の試料から単離された核酸から調製されてもよい。核酸は、その後、二本鎖核酸を含み得るアダプターポリヌクレオチド配列に付着されてもよい。核酸は、アダプターポリヌクレオチド配列に付着させる前に、末端修復されてもよい。アダプターポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列の一方または両方の末端に付着されていてもよい。同じまたは異なるアダプターは、断片のそれぞれの末端に結合し、それによって、「アダプター-核酸-アダプター」概念を生じてもよい。複数の同じまたは異なるアダプターは、断片のそれぞれの末端に結合してもよい。一部の場合では、異なるアダプターは、アダプターが核酸の両方の末端に付着する場合に、核酸のそれぞれの末端に付着してもよい。核酸アダプターを目的の核酸に付着させるさまざまな方法が、標準的な分子クローニング技法(参照により本明細書に組み込まれるSambrook and Russell, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 3 edition Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001))を使用するものを含む、本明細書に開示される組成物および方法と調和する。
【0627】
シークエンシングプライマーに相補的なオリゴヌクレオチドタグが、標的核酸に付着したアダプターとともに組み込まれていてもよい。複数試料の分析のために、別々のシークエンシングプライマーに相補的な異なるオリゴヌクレオチドタグが、標的核酸に付着したアダプターとともに組み込まれていてもよい。
【0628】
オリゴヌクレオチドインデックスタグも、標的核酸に付着したアダプターとともに組み込まれていてもよい。欠失生成物が、構造(例えば、粒子などのセンサーエレメント)上に固定化された核酸に欠失生成物をハイブリダイズする前に、複数のポリヌクレオチドから生じる場合では、目的の異なる核酸に対応するポリヌクレオチドは、最初に、異なるオリゴヌクレオチドタグに付着され得、その結果、その後に生じた目的の異なる核酸に対応する欠失生成物は、グループ分けまたは識別され得る。それ故に、目的の同じ核酸に由来する欠失生成物は、同じオリゴヌクレオチドインデックスタグを有し得、その結果、インデックスタグは、目的の同じ核酸に由来する配列読み取りデータを特定する。同様に、目的の異なる核酸に由来する欠失生成物は、異なるオリゴヌクレオチドインデックスタグを有して、センサーエレメント上などでそれらをグループ分けまたは識別することを可能にし得る。オリゴヌクレオチドインデックスタグは、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75から100までのヌクレオチドまたは塩基対の長さ、またはその間の任意の長さの範囲であってもよい。
【0629】
オリゴヌクレオチドインデックスタグは、別々に、またはプライマー、プライマー結合部位、もしくは他の構成要素と併せて、付加されてもよい。逆に、ペアエンド読み取りを行ってもよく、ここで、第1の末端からの読み取りデータは、目的の配列の一部分を含んでいてもよく、他の(第2の)末端からの読み取りデータは、第1の読み取りデータが起源とする断片を特定するためのタグとして利用されてもよい。
【0630】
配列読み取りデータは、伸長した捕捉プローブへの改変ヌクレオチドの組み込みのポイントから開始してもよい。シークエンシングプライマーは、伸長した捕捉プローブまたはそれらの相補体にハイブリダイズされてもよく、これは、必要に応じて、配列読み取りデータを開始する前に増幅され、天然ヌクレオチドの存在下で伸長してもよい。シークエンシングプライマーの伸長は、鋳型に組み込まれた第1の改変ヌクレオチドの組み込みのポイントで停止してもよく、相補改変ヌクレオチドは、改変ヌクレオチドを組み込むことができるポリメラーゼ(例えば、TiTaqポリメラーゼ)を使用して、停止のポイントで組み込まれてもよい。配列読み取りデータは、停止後の最初の塩基、または改変ヌクレオチド組み込みのポイントで開始してもよい。合成によるシークエンシング方法では、配列読み取りデータは、停止後の最初の塩基、または改変ヌクレオチド組み込みのポイントで開始してもよい。
【0631】
本開示の態様は、核酸(ポリヌクレオチド)シークエンシングに関する方法および組成物を含む。本開示の方法は、対象または試料中の核酸の特定および定量化のために提供する。本明細書に記載される一部の方法および組成物では、標的核酸またはその断片の一部分のヌクレオチド配列は、各種の方法およびデバイスを使用して決定されてもよい。シークエンシング方法の例としては、電気泳動、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、単一分子シークエンシング、およびリアルタイムシークエンシング方法が挙げられる。標的核酸またはその断片のヌクレオチド配列を決定するためのプロセスは、自動化プロセスであってもよい。ある特定の増幅反応では、捕捉プローブは、鋳型として核酸試料由来のポリヌクレオチドを使用するヌクレオチド合成反応のプライミングを可能にするプライマーとして機能してもよい。この方法では、アレイに供給されるポリヌクレオチドの配列に関する情報が得られ得る。アレイ上で捕捉プローブにハイブリダイズしたポリヌクレオチドは、捕捉プローブに結合したポリヌクレオチドにハイブリダイズするプライマーおよびシークエンシング試薬がアレイにさらに供給されると、シークエンシング鋳型としての役割を果たし得る。アレイを使用するシークエンシングの方法は、当技術分野において以前に記載されている。
【0632】
核酸分析方法は、核酸クラスターにおいてペアエンド読み取りデータを生じさせてもよい。ペアエンド読み取りデータを得るための方法は、WO/07010252号およびWO/07091077号に記載されており、それらのそれぞれは、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。そのような方法では、核酸クラスターは、表面などのセンサーエレメント上で固定化されていてもよい。ペアエンドシークエンシングは、1つのペアエンド読み取りの間に、それぞれのクラスターのフォワードおよびリバース鋳型鎖の両方の読み取りを容易にする。一般に、鋳型クラスターは、ブリッジ増幅によって、基材(例えば、フローセル)の表面上で増幅され、連続して、対形成したプライマーによってシークエンシングされ得る。鋳型鎖の増幅の際に、架橋二本鎖構造が、生成してもよい。これを処理して、表面からそれぞれの二重鎖の鎖の一方の一部分を放出することもできる。一本鎖核酸は、シークエンシング、プライマーハイブリダイゼーション、およびプライマー伸長のサイクルのために利用可能であり得る。第1のシークエンシングの実行後、第1の一本鎖鋳型の末端は、最初のクラスター増幅手順から残った固定化プライマーにハイブリダイズしてもよい。固定化プライマーは、鋳型としてハイブリダイズされた第1の一本鎖を使用して伸長されて、元の二本鎖構造を再合成してもよい。二本鎖構造を処置して、第1の鋳型鎖の少なくとも一部分を除去して、一本鎖形態中の固定化された再合成鎖を放出してもよい。再合成鎖をシークエンシングして、第2の読み取りデータを決定してもよく、その場所は、断片化プロセスから得られた元の鋳型断片の反対側の端が起源である。
【0633】
核酸シークエンシングは、単一分子のシークエンシングまたは合成によるシークエンシングであってもよい。シークエンシングは、超並列アレイシークエンシング(例えば、Illumina(商標)シークエンシング)であってもよく、これは、フローセルなどの支持体上に固定化された鋳型核酸分子を使用して行われ得る。ハイスループットシークエンシング方法は、少なくとも約10,000、100,000、100万、1000万、1億、10億、またはそれよりも多くのポリヌクレオチド分子を同時に(または実質的に同時に)シークエンシングし得る。シークエンシング方法としては、限定されるものではないが、パイロシークエンシング、合成によるシークエンシング、単一分子シークエンシング、ナノポアシークエンシング、半導体シークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、デジタル遺伝子発現(Helicos)、超並列シークエンシング、例えば、Helicos、Clonal Single Molecule Array(Solexa/Illumina)、PacBio、SOLiD、Ion Torrent、またはNanoporeプラットフォームを使用するシークエンシングが挙げられ得る。シークエンシングは、第1世代シークエンシング方法、例えば、マクサム-ギルバートシークエンシングまたはサンガーシークエンシング、またはハイスループットシークエンシング(例えば、次世代シークエンシングまたはNGS)方法を含んでいてもよい。
【0634】
本明細書に開示されるシークエンシング方法は、全ゲノムまたはその部分のシークエンシングを含み得る。シークエンシングは、全ゲノム、全エクソーム、それらの部分(例えば、その潜在的なコード領域および非コード領域を含む遺伝子のパネル)のシークエンシングを含んでいてもよい。シークエンシングは、トランスクリプトームまたはその部分のシークエンシングを含んでいてもよい。シークエンシングは、エクソームまたはその部分のシークエンシングを含んでいてもよい。シークエンシングカバレッジは、分析もしくは実験セットアップ、または所望のシークエンシングフットプリントに基づいて最適化されてもよい。
【0635】
本開示のシークエンシング方法は、生殖細胞感受性遺伝子座、体細胞一塩基多型(SNP)、小さい挿入および欠失(インデル)突然変異、コピー数変異(CNV)、および構造バリアント(SV)を検出することが可能であり得る。
【0636】
本開示のシークエンシング方法は、RNAの配列分析を含んでいてもよい。RNAの配列または発現レベルは、シークエンシングのためにRNAから相補的DNA(cDNA)分子を生じる逆転写反応を使用することによって、または発現レベルの定量化のために逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を使用することによって、分析されてもよい。本開示のシークエンシング方法は、RNAの構造バリアントおよびアイソフォーム、例えば、スプライシングバリアントおよび構造バリアントを検出し得る。本開示のシークエンシング方法は、RNAの配列または構造バリアントを定量化し得る。
【0637】
さらにまた、本開示のシークエンシング方法は、核酸を定量化し、このようにして、個々の試料内の配列変異を特定および定量化し得ることが可能になり得る(例えば、遺伝子の第1のパーセントは、未突然変異であり、試料中に存在する遺伝子の第2のパーセントは、インデルを含有する)。
【0638】
核酸分析方法は、生体試料から収集された核酸の物理的分析を含んでいてもよい。方法は、それらの質量、転写後修飾状態(例えば、キャッピング)、ヒストニル化、環状化(例えば、染色体外の環状DNAエレメントを検出するため)、または融解温度に基づいて核酸を区別してもよい。例えば、アッセイは、生体試料から収集されたDNAに対する制限断片長多型(RFLP)または電気泳動分析を含んでいてもよい。一部の場合では、転写後修飾は、5’キャッピング、3’切断、3’ポリアデニル化、スプライシング、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0639】
核酸分析はまた、配列特異的調査を含んでいてもよい。配列特異的調査のためのアッセイは、生体試料中のその存在、非存在または相対存在量を決定するために、特定の配列を標的にしてもよい。例えば、アッセイは、対象から収集された試料中の目的の遺伝子(例えば、癌遺伝子)の存在を決定するための、サザンブロット、qPCR、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、または核酸結合部分(例えば、一本鎖ヌクレオチドまたは核酸結合タンパク質)による捕捉を含んでいてもよい。アッセイはまた、配列特異的収集をシークエンシング分析と連結してもよい。例えば、アッセイは、特異的な標的配列を含む核酸において特定の粘着末端モチーフを生じるステップ、アダプターを特定の粘着末端モチーフを有する核酸にライゲーションするステップ、およびアダプターがライゲーションされた核酸をシークエンシングして、目的の遺伝子中の突然変異の存在または率を決定するステップを含んでいてもよい。
ゲノムバリアント
【0640】
一部の場合では、ゲノムバリアントは、アッセイを使用して検出されてもよい。一部の場合では、ゲノムバリアントは、参照試料中の同じDNAアドレスが起源の異なる核酸配列である配列を含む試料中のDNAアドレスが起源の核酸配列を指し得る。一部の場合では、ゲノムバリアントは、突然変異、例えば、挿入突然変異、欠失突然変異、置換突然変異、コピー数変異、トランスバージョン、転座、反転、異数性、部分異数性、倍数性、染色体不安定性、染色体構造変更、遺伝子融合、染色体融合、遺伝子切断、遺伝子増幅、遺伝子重複、染色体損傷、DNA損傷、核酸化学修飾の異常変化、エピジェネティックパターンの異常変化、核酸メチル化感染の異常変化、染色体損傷、DNA損傷、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、ゲノムバリアントのセットは、一塩基多型(SNP)を含んでいてもよい。
【0641】
一部の場合では、ゲノムバリアントは、DNAもしくはそのコピー、例えば、RNA、または例えば、DNAもしくはRNAから増幅された核酸ライブラリーから検出されてもよい。
【0642】
一部の場合では、ゲノムバリアントは、プロテオミクスアッセイを使用して検出されてもよく、ここで、プロテオミクスアッセイは、その一次配列中に突然変異を有すると特定され得るペプチド配列を検出する。
デュアルタンパク質-核酸アッセイ
【0643】
本開示は、試料由来のタンパク質および核酸の平行した特定のための方法を提供する。これらの2つの形態の分析を連結することで、それぞれの種類に特有の制限を克服することができる。特に、タンパク質分析または核酸分析を個々に行うと、不確定な特定、例えば、不確かなゲノムコピー数または決定的でないタンパク質アイソフォーム割り当てを生じ得る。多くの場合では、核酸分析およびタンパク質分析の適切な連結は、これらの不確定性を克服することができ、タンパク質分析および核酸分析が個々に提供するものの合計を超えて、診断的洞察のレベルを増加させることができる。
【0644】
一部の方法は、センサーエレメント(例えば、粒子)上のタンパク質および核酸の平行した収集を含んでいてもよい。例えば、方法は、センサーエレメント上でのタンパク質および核酸の同時吸着、それに続く核酸配列シークエンシングおよび質量分析によるタンパク質分析を含んでいてもよい。方法はまた、センサーエレメント上でのタンパク質および核酸の同時吸着、ならびに平行したタンパク質分析(例えば、質量分析)および核酸シークエンシングのためのセンサーエレメントからのタンパク質および核酸の収集を含んでいてもよい。そのような方法は、例えば、クロマトグラフィー、センサーエレメントからのタンパク質および核酸の別々の溶出、差次的沈殿、相分離、または親和性捕捉による、核酸からのタンパク質の分離を含んでいてもよい。あるいは、方法は、センサーエレメント上のタンパク質の吸着、それに続く試料からの核酸の収集を含んでいてもよい。さらに、方法は、タンパク質(例えば、生体分子コロナ)分析および核酸分析のために試料を別々の部分に分けるステップを含んでいてもよい。
【0645】
核酸分析は、タンパク質(例えば、生体分子コロナ)分析をガイドしてもよく、または知らせてもよい。核酸分析の結果は、タンパク質特定に寄与してもよい。一部の場合では、タンパク質分析は、タンパク質が存在するかを決定してもよく、核酸分析は、タンパク質の正確な配列を決定してもよい。これは、質量分析データが、タンパク質またはペプチドの配列の一部分のみを特定する場合に起こってもよい。そのような場合では、核酸データ、例えば、試料中の特定のRNAアイソフォームの特定を使用して、タンパク質またはペプチドの同一性または全配列を判別してもよい。例として、タンパク質ドメイン転位(例えば、構成的活性および潜在的ながんリスクの増加をもたらすHRASプロテインキナーゼドメイン転位)が、ペプチド断片の消化パターンを変更しない場合は、タンパク質分析単独により確かめることは困難であり得るが、生体分子コロナ分析およびゲノム分析の組合せによって解明され得、ここで、生体分子コロナ分析は、タンパク質の存在を特定してもよく、ゲノム分析は、その転位状態を決定することができる。
【0646】
核酸(例えば、トランスクリプトミクス)分析を使用して、どのタンパク質スプライシングバリアントが試料中に存在するかを決定してもよい。RNA分析をさらに使用して、タンパク質スプライシングバリアントの相対存在量を決定してもよい。タンパク質分析を使用して、試料中に存在するRNAバリアント(例えば、mRNAスプライシングバリアント)を決定してもよい。
【0647】
核酸分析はまた、実験的に特定されたタンパク質群の中から個々のタンパク質を区別してもよい。生体分子コロナ分析は、複数のタンパク質を含むタンパク質群を特定してもよい。そのような場合では、ゲノム配列、RNA配列(例えば、特定のRNAアイソフォームまたはスプライシングバリアント)、または発現をモジュレートする核酸修飾(例えば、メチル化)などの核酸情報を使用して、タンパク質群の中から存在するタンパク質またはタンパク質のセットを判別してもよい。例えば、生体分子コロナ分析は、7つの関連するタンパク質(例えば、哺乳動物細胞において見出された7つの確認された14-3-3タンパク質アイソフォーム)からなるタンパク質群を特定し得るが、その後の核酸分析は、7つの関連するタンパク質のうちの2つをコードするRNAが試料中に存在することを決定し、それによって、試料中に存在するタンパク質群の中からタンパク質を決定し得る。
【0648】
この方法では、核酸分析は、タンパク質アッセイによって特定されるタンパク質またはタンパク質群の数を増加させ得る。核酸分析は、特定されたタンパク質群内に存在する特定のタンパク質を決定してもよく、またはタンパク質群の中からタンパク質下位群を特定してもよい。したがって、核酸分析をタンパク質分析と連結することで、タンパク質分析のみを含むアッセイと比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、または少なくとも100%、特定されるタンパク質またはタンパク質群の数を増加させ得る。
【0649】
核酸分析はまた、タンパク質(例えば、タンパク質コロナ)および生体分子コロナ分析をガイドしてもよい。一部の場合では、質量分光分析(およびそれによって、生体分子コロナ方法)は、データ依存型取得を含み、ここで、いくつかのイオン(例えば、特定のm/z比)は、タンデム質量分光分析のために事前選択される。データ依存型取得のイオンまたは複数のイオンは、核酸分析結果に基づいて選択されてもよい。例えば、核酸分析は、配列中で異なるが質量が共通の予測ペプチド断片を有する2つのタンパク質バリアントを特定してもよく、データ依存型取得におけるペプチド断片の質量を含む質量分析機器への命令を提供してもよい。質量分光分析はまた、データ依存型取得を含んでいてもよく、ここで、質量/電荷の範囲は、タンデム質量分光分析のために事前選択される。そのような場合では、核酸分析は、分析される質量/電荷の範囲を決定付けてもよく、または部分的に決定付けてもよい。核酸分析はまた、イオン化方法論をガイドしてもよい。例えば、核酸分析からの結果は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)質量分析実験のためのレーザー出力を決定し、それによって、分析のために生じた生体分子断片に影響を及ぼしてもよい。
対象特異的ライブラリー
【0650】
核酸分析およびタンパク質分析を、個々にまたは組み合わせて使用して、質量分光分析の深度および精度を促進および拡大することができる対象特異的(例えば、患者特異的)ライブラリーを開発し得る。一部の質量分光分析は、タンパク質割り当てにおける曖昧さの度合いによって制限されている。一部の場合では、タンパク質の配列の一部分のみが、質量分析シグナルによってカバーされ、それによって、アッセイに、残りの配列決定されていない部分における変異に気が付かなくさせることがある。さらにまた、質量分光分析は、特定の転位(例えば、ドメイン転位)およびスプライシング変異を特定することができない可能性があり得る。そのような欠点を是正することは、費用がかかり、時間がかかり得る。例えば、複数の形態の消化を含む質量分光分析を拡大することで、増加したユーザーインプットの費用で、配列カバレッジを増加させることができる。
【0651】
対象特異的ライブラリーを作成することは、対象からの質量分析データのより早くおよびより深い分析を可能にし得る。対象特異的ライブラリーは、対象中に存在するタンパク質を含んでいてもよい。対象特異的ライブラリーは、対象中に存在する核酸(例えば、遺伝子)を含んでいてもよい。対象特異的ライブラリーを使用して、対象から予測される実験シグナル(例えば、ペプチド断片に対応する質量分析シグナルまたはDNA電気泳動バンド)を含む特異的スペクトルライブラリーを作成してもよい。対象特異的ライブラリーを、プロテオミクスデータ、核酸データ、メタボロミックデータ(例えば、ラクトース加水分解を測定して、ラクトースの存在を決定する)、リピドミックデータ、またはそれらの任意の組合せを用いて作成してもよい。
【0652】
対象特異的ライブラリーは、タンパク質または核酸の特定の正確性を増加させ得る。一部の場合では、可能性があるタンパク質特定は、対象のゲノム中で特定される潜在的なタンパク質配列に限定され得る。例えば、8つの対立遺伝子バリアントを包含するタンパク質群は、対象からの核酸データに基づいて、特異的な形態に狭められることがある。
【0653】
図5は、対象特異的ライブラリーを作成および利用するための方法を示す。この方法は、連結された核酸分析およびタンパク質分析が、どのようにして診断の深度および正確性を増加させることができるかを示す。対象特異的ライブラリーは、核酸データから構築することができる501。データを処理して、配列バリアントを特定し(例えば、参照配列とのアライメントに少なくとも基づいて)502、対象特異的核酸バリアントのライブラリーをもたらしてもよい503。由来し得る核酸データは、ゲノムもしくはトランスクリプトームの特異的もしくは富化部分を使用する、全ゲノムシークエンシングまたは標的化シークエンシングを含む。さらにまた、スクリーニングは、エクソームシークエンシングを含んで、それによって、試料由来のスプライシングバリアントを特定してもよい。
【0654】
核酸配列(例えば、遺伝子バリアント)は、インシリコで翻訳されて504、対象特異的タンパク質配列データベースが作成されてもよい505。データベースは、試料における質量分析データからのタンパク質またはタンパク質群の特定に役立ち得るタンパク質配列を含んでいてもよい。多くの場合では、データベースを使用して、タンパク質群の中からどのタンパク質が試料中に存在するかを決定し得る。データベースはまた、タンパク質配列の存在量または相対存在量を含んでいてもよい。例えば、データベースは、試料中のタンパク質の異なるアイソフォームの相対存在量、または遺伝子もしくは複数の遺伝子中での突然変異比率を含んでいてもよい。
【0655】
対象特異的タンパク質配列データベース505を使用して、対象特異的スペクトルライブラリー507をコンピュータ的に作成してもよく506、これは、504において作成されたデータに一部において基づいて、対象由来の試料からの予想されるまたは推定上の質量分析シグナルを含んでいてもよい。質量分析特徴のコンピュータ予測は、試料の精製および消化法などの実験的変数を構成してもよい。対象特異的スペクトルライブラリーは、予想されるタンデム質量分析特徴、および質量分析特徴の予測される相対強度を含んでいてもよい。対象特異的スペクトルライブラリーはまた、経験的に誘導された質量分析の特徴を含んでいてもよい。例えば、ペプチドバリアントは、データ依存型取得質量分析実験509から特定されてもよい508。
【0656】
対象特異的スペクトルライブラリー507を使用して、対象由来の試料から収集された質量分析データ(例えば、データ依存型取得質量分析データ510)の絡まりを解き、このようにして、試料中の特定のゲノムバリアントを特定し得る512。一部の質量分析実験の欠点は、シグナルが、標的タンパク質の部分について得られるのみであり得、その結果、質量分光分析が、タンパク質配列の未解決部分の配列変異に気が付かないことである。対象特異的スペクトルライブラリー507は、本明細書に記載される場合、質量分析特徴を公知のタンパク質またはタンパク質バリアントと相関させることによってこの限定(存在する場合)を克服することができ、一部の場合では、質量分析データを、部分的にまたは完全にタンパク質配列を特定するために使用することを可能にし得る511。さらにまた、対象特異的スペクトルライブラリー507は、質量分析データからタンパク質を定量化する(例えば、対象試料中の存在量を決定する)のに役立ち得る。これは、一部において、試料中で特定される複数のタンパク質間の共通の質量分析シグナル(例えば、複数のタンパク質に共通するm/z)を配分することを含んでいてもよい。
【0657】
対象特異的ライブラリーの有用性は、それらが、タンパク質分析のみにより区別することが困難である群(例えば、タンパク質群)からのタンパク質を識別し、その特定を可能にし得ることである。一部の場合では、対象特異的ライブラリーはまた、タンパク質またはタンパク質のセットの相対的なまたは絶対的な定量化(例えば、生体試料中の濃度)を可能にし得る。対象特異的ライブラリーはまた、タンパク質分析(例えば、質量分析)単独により検出可能ではないことがある点突然変異または転位などの突然変異の存在を決定することができる。
【0658】
ヘテロ接合対は、質量分光分析単独により検出することが特に困難であり得る。一部の場合では、ヘテロ接合対の別個のポイントまたは領域は、タンパク質分析の間に検出されないことがある。例えば、質量分光分析は、複数の対立遺伝子から生じるタンパク質間で異なる領域または複数の領域をカバーするシグナルを生じない可能性がある。対形成核酸分析は、対象が、特定の遺伝子についてホモ接合性またはヘテロ接合性であるかを決定することができ、存在する対立遺伝子または複数の対立遺伝子をさらに決定することができる。
【0659】
そのような方法の例は、
図6に提供される。対象のゲノムのシークエンシング601は、特定の遺伝子についてのホモ接合性またはヘテロ接合性602を明らかにし得る。シークエンシングは、特定の遺伝子を標的にしてもよく、対象のゲノムの一部分もしくは複数の部分をカバーしていてもよく、または対象のゲノムの全体をカバーしていてもよい。対象について得られた核酸配列は、インシリコで翻訳されて、対象中に存在する予測タンパク質配列を含有する対象特異的タンパク質配列データベース603を構築し得る。複数のタンパク質配列は、例えば、ヘテロ接合性または選択的スプライシングの場合において、単一の遺伝子について予測されてもよい。タンパク質配列を使用して、対象試料604から予測される質量分析シグナルを作成してもよい。これは、対象からのタンパク質質量分析データの分析を簡易にすることができ、同様に、その特異度および精度を増強することができる。例えば、質量分析シグナルのセットが、試料由来のタンパク質群を特定する場合、タンデム核酸配列および質量分析シグナルは、試料中に存在する特定のタンパク質またはタンパク質のセット、例えば、遺伝子について2つの対立遺伝子から生じるタンパク質の対を特定してもよい。
【0660】
さらにまた、タンパク質データを使用して、対象における発現レベルを決定してもよい。核酸分析は、対象中に存在するいくつかの遺伝子を特定し得るが、対象由来の試料に対するタンパク質分析は、どの遺伝子が発現および翻訳されているかを決定することができる。この概念は、
図7に示され、これは、ヘテロ接合性の遺伝子対からの1つの対立遺伝子が、特定の対象において発現されていることを決定する質量分析データ701を示す。
疾患検出
【0661】
本明細書に開示される組成物および方法を使用して、特定の生体試料におけるさまざまな生物学的状態を特定することができる。例えば、生物学的状態は、特定のタンパク質またはタンパク質のセットの上昇したレベルまたは低いレベルを指し得る。他の例では、生物学的状態は、がんなどの疾患を指し得る。一部の場合では、生物学的状態は、健康な状態であり得る。一部の場合では、生物学的状態の特定は、生体試料についてのある特定の状態に対する確率を決定するステップを含んでいてもよい。1つまたは複数の粒子の種類を、試料(例えば、CSF)とともにインキュベートし、タンパク質コロナの形成を可能にし得る。次いで、タンパク質コロナを、タンパク質またはタンパク質群のパターンを特定するために、ゲル電気泳動または質量分析によって分析することができる。タンパク質コロナの分析(例えば、質量分析またはゲル電気泳動による)は、コロナ分析と称されることがある。タンパク質またはタンパク質群のパターンは、対照試料に対して行われた同じ方法と比較することができる。タンパク質またはタンパク質群のパターンの比較の際に、第1の試料が、一部の生物学的状態(例えば、脳がん)に対応するマーカーの上昇したレベルを含むことが特定されてもよい。したがって、粒子およびその使用の方法を使用して、特定の疾患状態を診断することができる。
【0662】
本明細書に記載される方法を使用して、特定の生物学的(例えば、疾患)状態と調和する、生体分子フィンガープリント(例えば、試料中の50のタンパク質および10の核酸配列の相対存在量)を作成することができる。生物学的状態は、疾患、障害、または組織の異常であってもよい。疾患状態は、早期、中期、または後期の段階の疾患状態であってもよい。
【0663】
一部の場合では、生体分子フィンガープリントを使用して、対象の疾患状態を決定することができ、対象における疾患を診断もしくは予知することができ、あるいは疾患状態または疾患もしくは障害に関連するバイオマーカーのパターンを特定することができる。例えば、経時的な(日、月、年)対象における生体分子フィンガープリントの変化は、疾患の早期ステージまたは任意の他の疾患状態に関連し得る生体分子フィンガープリントの決定に幅広く利用可能であり得る対象における疾患または障害(例えば、疾患状態)を追跡する能力を可能にする。本明細書に開示されるように、例えば、がんにおいて、疾患を早期に検出する能力は、それが完全に発生または転移する前でさえ、その患者についてのポジティブな転帰の有意な増加、および平均余命を増加させる能力、および疾患に関連するより低い死亡率を可能にする。
【0664】
本明細書に開示される方法は、ハイスループット様式で、疾患の前ステージまたは前駆段階に関連する生体分子フィンガープリントを提供することができる。本開示の方法は、非常に平行な様式で、生体分子フィンガープリントを作成するための試料の大スケールの速い処理を可能にし、それによって、多くの対象にわたる、対象の疾患状態の迅速で大スケールの決定、対象における疾患の診断もしくは予知、または疾患状態もしくは疾患もしくは障害に関連するバイオマーカーのパターンの特定を可能にする。
【0665】
疾患または障害は、がんであってもよい。「がん」という用語は、腫瘍および良性腫瘍を含む細胞の異常な成長によって特徴付けられる、任意のがん、新生物および前がん性疾患を包含することを意味する。がんは、例えば、肺がん、膵臓がん、または皮膚がんであってもよい。本開示は、試料から、がんを診断し得、がんの特定の種類およびステージも区別し得る(例えば、対象(a)ががんを有さない場合、(b)が前がん発生ステージである、(c)ががんの早期ステージである、(d)ががんの後期ステージであるかを決定し得る)組成物および方法を提供する。
【0666】
本開示の方法は、追加的に使用して、他のがん、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、青年期のがん、副腎皮質癌、小児副腎皮質癌、稀な小児のがん、AIDS関連がん、カポジ肉腫(軟部組織肉腫)、AIDS関連リンパ腫(リンパ腫)、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫(リンパ腫)、肛門がん、虫垂がん、消化管カルチノイド腫瘍、星状細胞腫、小児脳がん、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系脳がん、中枢神経系脳がん、皮膚の基底細胞癌、皮膚がん、胆管がん、膀胱がん、小児膀胱がん、骨がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、脳腫瘍、乳がん、小児乳がん、気管支腫瘍、小児バーキットリンパ腫、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管カルチノイド腫瘍、カルチノイド腫瘍、小児カルチノイド腫瘍、未知の原発性癌腫、小児の未知の原発性癌腫、小児心(心臓)腫瘍、心腫瘍、中枢神経系における腫瘍、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、小児脳がん、胚腫瘍、生殖細胞腫瘍、子宮頸がん、小児子宮頸がん、小児がん、稀な小児がん、胆管癌、胆管がん、小児脊索腫、脊索腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性新生物、結腸直腸がん、小児結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉症、セザリー症候群、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚腫瘍、子宮内膜がん、子宮がん、上衣腫、食道がん、小児食道がん、感覚神経芽腫、頭頚部がん、ユーイング肉腫、骨がん、小児頭蓋外生殖細胞腫瘍、頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼がん、小児眼球内黒色腫、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、ファロピウス管がん、骨の線維性組織球腫、悪性の骨肉腫、胆嚢がん、胃がん、小児胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、軟部組織肉腫、小児消化管間質腫瘍、生殖細胞腫瘍、小児中枢神経系生殖細胞腫瘍、小児頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、卵巣生殖細胞腫瘍、精巣がん、妊娠性絨毛性疾患、ヘアリー細胞白血病、小児心臓腫瘍、心臓腫瘍、肝細胞(肝臓)がん、組織球増殖症、ランゲルハンス細胞、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、小児眼球内黒色腫、島細胞腫瘍、膵内分泌腫瘍、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、腎臓(腎細胞)がん、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭がん、白血病、唇および口腔がん、肝臓がん、肺がん(非小細胞および小細胞)、小児肺がん、リンパ腫、男性乳がん、骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫、黒色腫、小児黒色腫、眼球内黒色腫、小児眼球内黒色腫、メルケル細胞癌、皮膚がん、悪性中皮腫、小児中皮腫、転移性がん、原発不明転移性扁平上皮頸部がん、nut遺伝子変化を伴う正中線上の癌、口がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成性/骨髄増殖性新生物、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性新生物、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、唇および口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、小児卵巣がん、膵臓がん、小児膵臓がん、膵内分泌腫瘍(島細胞腫瘍)、小児喉頭乳頭腫、乳頭腫、傍神経節腫、小児傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、小児褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽細胞腫、妊娠乳がん、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性腹膜がん、前立腺がん、直腸がん、再発性がん、腎細胞(腎臓)がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、小児軟部組織肉腫、唾液腺がん、肉腫、小児横紋筋肉腫、軟部組織肉腫、小児血管腫瘍、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫、軟部組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群(リンパ腫)、皮膚がん、小児皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、皮膚の扁平上皮細胞癌、原発不明の扁平上皮頸部がん、転移性頭頚部がん、胃がん、小児胃がん、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉症およびセザリー症候群、精巣がん、小児精巣がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行細胞がん、未知の原発性癌腫、未知の原発性小児がん、小児の稀ながん、尿管および腎盂の移行細胞がん、尿道がん、子宮がん、子宮内膜の子宮肉腫、膣がん、小児膣がん、血管腫瘍、外陰部がん、ウィルムス腫瘍および他の小児腎臓腫瘍、または若年成人におけるがんを検出することができる。
【0667】
一部の場合では、疾患または障害は、心血管疾患を含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「心血管疾患」(CVD)または「心血管障害」という用語は、身体の心臓、心臓弁、および血管系(例えば、静脈および動脈)に影響を及ぼす多数の状態の分類を指し得、限定されるものではないが、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、アンギナ、うっ血性心不全、大動脈瘤、大動脈解離、腸骨または大腿骨の動脈瘤、肺塞栓症、心房細動、脳卒中、一過性虚血性発作、収縮機能障害、拡張機能障害、心筋炎、心房頻拍、心室細動、心内膜炎、末梢血管疾患、および冠動脈疾患(CAD)を含む疾患および状態を包含する。さらに、心血管疾患という用語は、最終的に心血管イベントまたは心血管系合併症を有する対象を指し得、心血管疾患、例えば、限定されるものではないが、心筋梗塞、不安定狭心症、動脈瘤、脳卒中、心不全、非致死性心筋梗塞、脳卒中、狭心症、一過性虚血性発作、大動脈瘤、大動脈解離、心筋症、異常な心臓カテーテル挿入、異常な心イメージング、ステントまたはグラフトの血行再建、異常なストレス試験を体験するリスク、異常な心筋灌流を経験するリスク、および死亡を含む突然の心臓死または急性冠状動脈症候群によって引き起こされる対象における有害な状態の兆候を指す。
【0668】
本明細書で使用される場合、心血管疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症を検出、診断または予知する能力は、対象が、心血管疾患の前ステージにあるか、心血管疾患の早期の、中等度のもしくは重度の形態を発生しているか、または心血管疾患に関連する1つもしくは複数の心血管イベントもしくは合併症を患っているかを決定することを含み得る。
【0669】
アテローム性動脈硬化症(動脈硬化性血管疾患またはASVDとしても公知)は、浸潤および蓄積の結果としての動脈壁の肥厚、ならびに動脈の壁の最内層における白血球を含有する動脈プラークの堆積が、動脈の狭窄および硬化をもたらす心血管疾患を指し得る。動脈プラークは、マクロファージ細胞またはデブリの蓄積を指し得、脂質(コレステロールおよび脂肪酸)、カルシウムおよび可変量の線維性結合組織を含有し得る。アテローム性動脈硬化症に関連する疾患としては、限定されるものではないが、アテローム血栓症、冠状動脈性心疾患、深部静脈血栓症、頸動脈疾患、狭心症、末梢動脈疾患、慢性腎疾患、急性冠状動脈症候群、血管狭窄症、心筋梗塞、動脈瘤、または脳卒中が挙げられる。本開示の方法は、限定されるものではないが、対象における狭窄の異なる度合いを含む、アテローム性動脈硬化症の異なるステージを区別し得る。
【0670】
一部の場合では、疾患または障害は、内分泌疾患である。「内分泌疾患」という用語は、対象の内分泌系の調節不全に関連する障害を指し得る。内分泌疾患は、ホルモンの不均衡を引き起こす多すぎるもしくは少なすぎる内分泌性ホルモンを産生する腺から、またはホルモンレベルに影響を及ぼし得るか、または及ぼし得ない内分泌系における病変(小結節または腫瘍など)の発生に起因して生じ得る。処置することが可能な好適な内分泌疾患としては、限定されるものではないが、例えば、先端巨大症、アジソン病、副腎がん、副腎障害、未分化甲状腺がん、クッシング症候群、ドゥケルヴァン甲状腺炎、糖尿病、濾胞性甲状腺がん、妊娠糖尿病、甲状腺腫、グレーブス病、成長障害、成長ホルモン欠乏症、橋本甲状腺炎、ハースル細胞甲状腺がん、高血糖症、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、低血糖症、副甲状腺機能低下症、甲状腺機能低下症、低テストステロン、甲状腺髄様がん、MEN 1、MEN 2A、MEN 2B、閉経、メタボリックシンドローム、肥満、骨粗しょう症、甲状腺乳頭がん、副甲状腺疾患、褐色細胞腫、下垂体障害、下垂体腫瘍、多嚢胞性卵巣症候群、前糖尿病、無症状の甲状腺炎、甲状腺がん、甲状腺疾患、甲状腺結節、甲状腺炎、ターナー症候群、1型糖尿病、2型糖尿病などが挙げられる。
【0671】
一部の場合では、疾患または障害は、炎症性疾患である。本明細書に言及されるように、炎症性疾患は、対象の身体における制御されていない炎症によって引き起こされる疾患を指し得る。炎症は、外部または内部であり得る有害な刺激、例えば、病原体、壊死した細胞および組織、刺激物などに対する対象の生物学的応答であり得る。しかしながら、炎症応答が異常になると、これは、自己組織の傷害をもたらし得、さまざまな疾患および障害に至り得る。炎症性疾患としては、限定されるものではないが、喘息、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、過敏性、骨盤内炎症性疾患、自己免疫疾患、関節炎、壊死性腸炎(NEC)、胃腸炎、骨盤内炎症性疾患(PID)、肺気腫、胸膜炎、腎盂炎、咽頭炎、アンギナ、尋常性座瘡、尿路感染症、虫垂炎、滑液包炎、大腸炎、膀胱炎、皮膚炎、静脈炎、鼻炎、腱炎、扁桃炎、血管炎、自己免疫疾患、セリアック病、慢性前立腺炎、過敏性、再灌流傷害、サルコイドーシス、移植拒絶反応、血管炎、間質性膀胱炎、花粉症、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、脊椎関節炎、ぶどう膜炎、全身性エリテマトーデス、およびがんが挙げられ得る。例えば、関節炎としては、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、または若年性特発性関節炎などが挙げられ得る。
【0672】
疾患または障害は、神経疾患であってもよい。神経障害または神経疾患は、互換的に使用することができ、脳、脊髄、およびそれらを接続する神経の疾患を指し得る。神経疾患としては、限定されるものではないが、脳腫瘍、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、ALS、動静脈奇形、脳血管疾患、脳動脈瘤、てんかん、多発性硬化症、末梢神経障害、ヘルペス後神経痛、脳卒中、前頭側頭型認知症、脱髄疾患(限定されるものではないが、多発性硬化症、デビック病(すなわち、視神経脊髄炎)、橋中心髄鞘崩壊症、進行性多巣性白質脳症、白質ジストロフィー、ギランバレー症候群、進行性炎症性ニューロパチー、シャルコー-マリー-トゥース病、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、および抗MAG末梢性ニューロパチーを含む)などが挙げられる。神経障害としては、免疫介在性神経障害(IMND)も挙げられ、これは、中枢または末梢神経系に存在する宿主タンパク質に対して反応し、疾患の病状に寄与する免疫系の少なくとも1つの構成要素を伴う疾患を含む。IMNDとしては、限定されるものではないが、脱髄疾患、傍腫瘍性神経症候群、免疫介在性脳脊髄炎、免疫介在性自律神経ニューロパチー、重症筋無力症、自己抗体関連脳症、および急性散在性脳脊髄炎が挙げられ得る。
【0673】
本開示の方法は、アルツハイマー病を伴うまたは伴わない対象間を正確に区別することが可能であり得る。これらはまた、未病であって、スクリーニングの数年後にアルツハイマー病を発生し得る対象を検出することが可能であり得る。これは、疾患の発生前でさえ、非常に早期ステージで疾患を処置することを可能にするという利点を提供することができる。
【0674】
本開示の方法は、未病のステージの疾患または障害を検出することができる。未病のステージは、対象が、疾患の任意の徴候または症状を発生していないステージである。前癌性ステージは、がんまたは腫瘍またはがん性細胞が、対象内で特定されていないステージであろう。未神経疾患のステージは、人が、神経疾患の1つまたは複数の症状を発生していないステージを指し得る。疾患の1つまたは複数の徴候または症状の前に疾患を診断する能力は、対象の密接なモニタリングを可能にし得、非常に早期ステージで疾患を処置する能力は、疾患の進行を停止する、それを治癒する、またはその重症度を低減することができる見通しを増加させる。
【0675】
本開示の方法は、早期ステージの疾患または障害を検出することが可能であり得る。早期ステージの疾患は、疾患の最初の徴候または症状が、対象内で現れ得る場合を指し得る。早期ステージの疾患は、外部の徴候または症状が存在しないステージであってもよい。例えば、アルツハイマー病では、早期ステージは、症状がまだ検出されていない未アルツハイマー病のステージであり得るが、対象は、アルツハイマー病を数か月または数年後に発生するであろう。
【0676】
疾患発生前または早期の状態のいずれかで疾患を特定することで、多くの場合、対象に対してポジティブな転帰に対するより高い可能性をもたらし得る。例えば、早期のステージ(ステージ0またはステージ1)でがんを診断することで、生存の可能性を、80%を上回るまで増加させることができる。ステージ0のがんは、近隣の組織に広がり始める前のがんを記載し得る。このステージのがんは、通常は、腫瘍全体を外科手術により除去することによって、高度に治癒可能である場合が多い。ステージ1のがんは、通常、近隣の組織に深く成長しておらず、リンパ節または身体の他の部分に広がっていない、小さながんまたは腫瘍であり得る。
【0677】
本開示の方法は、中期ステージの疾患を検出することが可能であり得る。中期状態の疾患は、最初の徴候および症状が過ぎた疾患のステージを記載し得、対象は、疾患の1つまたは複数の症状を経験し得る。例えば、がんについて、ステージIIまたはIIIのがんは、中期ステージと考えられ、近隣の組織により深く成長しているより大きながんまたは腫瘍を示す。一部の例では、ステージIIまたはIIIのがんは、リンパ節にも広がっていることがあるが、身体の他の部分には広がっていなくてもよい。
【0678】
さらに、方法は、後期または進行ステージの疾患を検出することが可能であり得る。後期または進行ステージの疾患は、「重度」または「進行性」と呼ばれてもよく、通常、対象が、疾患の複数の症状および作用を患っていることを示す。例えば、重度のステージのがんは、ステージIVを含み、ここで、がんは、身体の他の臓器または部分に広がっており、進行性がんまたは転移性がんと称される場合がある。
【0679】
一部の場合では、本開示の方法は、異なる種類の疾患間だけでなく、異なるステージの疾患(例えば、早期ステージのがん)間を区別することが可能であり得る。これは、健康な対象を、未病の状態の対象から区別することを含み得る。未病の状態は、ステージ0もしくはステージ1のがん、または早期段階の神経変性疾患、認知症、冠状動脈疾患、腎疾患、心血管疾患(例えば、冠状動脈疾患)、糖尿病、または肝疾患であってもよい。異なるステージの疾患間を区別することには、がんの2つのステージ(例えば、ステージ0対ステージ1、またはステージ1対ステージ3)間を区別することを含み得る。
【0680】
疾患検出は、対象からの核酸データおよびタンパク質データを分析または処理するステップを含んでいてもよい。一部の場合では、核酸データは、タンパク質分析をガイドすることができる。核酸分析の一般的な欠点は、遺伝子または転写物の存在が、それぞれ、発現または翻訳を必ずしも意味しないことである。例えば、一部の場合では、癌遺伝子の突然変異は、疾患、もしくはさらに変更された発現をもたらしてもよく、またはもたらさなくてもよい。いくつかの本開示の方法は、対象が起源の遺伝子データおよび/またはトランスクリプトームデータに関連するタンパク質を少なくとも直接特定することによって、これに対処することができる。
【0681】
一部の場合では、タンパク質分析は、核酸分析をガイドすることができる。全ゲノム、トランスクリプトーム、またはエクソームのシークエンシングは、時間および費用がかかり得るが、個々の核酸のシークエンシングまたはクエリは、多くの場合、安価で、速く、正確である。そのため、本開示の一部の方法は、タンパク質分析、それに続く標的化核酸分析を含む。本開示の一部の方法は、標的化核酸分析、それに続くタンパク質分析を含む。本開示の一部の方法は、平行して標的化核酸分析およびタンパク質分析を行うステップを含む。例えば、対象が早期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)を有し得ることを示す血漿プロテオーム分析に、可能性のあるNSCLC癌遺伝子を標的にする核酸分析が続くことができる。
乾燥組成物およびキット
【0682】
本明細書に開示される組成物は、凍結乾燥されていてもよい。凍結乾燥は、溶媒を含む物質を凍結させ、および次いで、減圧、温度上昇、またはその両方によって溶媒を昇華させて、溶媒の固相から気相への移行を引き起こす方法を指し得る。凍結させるステップは、物質を液体窒素などの寒剤と接触させる(例えば、その中に物質を浸漬する)ステップを含んでいてもよい。凍結させるステップは、物質を、寒剤で冷却したプレートなどの冷たい表面に接触させるステップを含んでいてもよい。本明細書に開示されるある特定の例では、凍結させるステップは、規定の体積の物質を寒剤に滴下し、それによって、規定の体積を有する凍結ビーズを形成するステップを含む。凍結された組成物、または乾燥組成物は、凍結乾燥された物質を指し得る。
【0683】
本明細書に開示されるさまざまな粒子またはそのさまざまな組成物が、凍結乾燥されていてもよい。本明細書に開示されるさまざまな溶媒を、凍結乾燥のための溶媒として使用してもよい。一部の場合では、本明細書に開示される粒子組成物は、溶媒として水を使用して凍結乾燥される。一部の場合では、液体は、有機溶媒を含む。液体はまた、有機の水性混合物、例えば、水、メタノール混合物、有機溶媒、例えば、クロロホルム、または有機溶媒混合物、例えば、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル混合物であってもよい。一部の場合では、有機溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、ブタノール、ブタノン、tert-ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン、ジエチレングリコール、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシ-エタン(グリム、DME)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,4-ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)、ヘキサン、メタノール、メチルt-ブチル、エーテル(MTBE)、塩化メチレン、N-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、ニトロメタン、ペンタン、プロパノール、プロパノール、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、トリエチルアミン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0684】
一部の場合では、物質は、支持体内で凍結乾燥される。例えば、物質は、瞬間凍結され、複数のウェル(例えば、ウェルプレートのウェル)または管内で溶媒昇華条件に付してもよい。凍結乾燥された物質を含有する支持体は、その後、本明細書にさらに開示されるように、生体試料分析のために使用されてもよい。
【0685】
さまざまな支持剤が、組成物を凍結乾燥するために使用され得る。一部の場合では、支持剤は、賦形剤を含んでいてもよい。一部の場合では、賦形剤は、デキストラン、PEG、スクロース、グルコース、トレハロース、ラクトース、ポリソルベート、アミノ酸、マンニトール、グリシン、グリセロール、またはそれらの任意の組合せもしくは変形形態を含んでいてもよい。一部の場合では、支持剤は、塩を含んでいてもよい。
【0686】
支持剤は、凍結乾燥のために、さまざまな量で存在し得る。一部の場合では、支持剤は、約5mg/mL未満である濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、約50mg/mL未満である濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、約250mg/mL未満である濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、約250mg/mL超である濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、約100mg/mL~200mg/mLである濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mg/mL超である濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mg/mL未満である濃度を有していてもよい。一部の場合では、支持剤は、少なくとも約60wt%~70wt%の量で存在していてもよい。一部の場合では、支持剤は、少なくとも約75wt%~85wt%の量で存在していてもよい。一部の場合では、支持剤は、少なくとも約97.5wt%の量で存在していてもよい。一部の場合では、支持剤は、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99wt%の量で存在していてもよい。一部の場合では、支持剤は、最大で約50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99wt%の量で存在していてもよい。
【0687】
粒子は、凍結乾燥のために、さまざまな量で存在し得る。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約5mg/mL超の粒子濃度を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約100mg/mL未満の粒子濃度を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約10mg/mL~約100mg/mLの粒子濃度を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約15mg/mL~約80mg/mLの粒子濃度を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mg/mL超の粒子濃度を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mg/mL未満の粒子濃度を有していてもよい。
【0688】
粒子は、本開示によって提供されるものを含むさまざまな表面修飾を含んでいてもよい。一部の場合では、表面修飾は、シリカ被覆、トリアミン官能化、PDMAPMAポリマー官能化、グルコース-6-リン酸官能化、またはモノアミン表面官能化を含んでいてもよい。一部の場合では、表面修飾は、金属酸化物被覆を含んでいてもよい。一部の場合では、表面修飾は、少なくとも1つの露出した第1級アミン基、第2級アミン基、第3級アミン基を含んでいてもよい。一部の場合では、表面修飾は、少なくとも1つの単糖を含んでいてもよい。一部の場合では、表面修飾は、シリカ被覆、PDMAPMAポリマー官能化、グルコース-6-リン酸官能化、ポリスチレンカルボキシル官能化、デキストラン官能化、アミド官能化、カルボキシル官能化、トリアミン官能化、ジアミン官能化、モノアミン表面官能化、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の場合では、表面修飾は、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン官能化、1,6-ヘキサンジアミン官能化、N1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ヘキサン-1,6-ジアミン、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0689】
さまざまな体積の溶液または懸濁液が凍結乾燥されてもよい。例えば、ある体積の溶液または懸濁液を、凍結溶媒に滴下して、溶液または懸濁液の凍結したビーズを形成してもよく、次いで、このビーズを、フリーズドライして、元の体積の溶液の少なくとも一部分を含む凍結乾燥されたビーズを形成してもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約1μL超である体積を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、約100μL未満の体積を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、2μL~60μLの体積を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、25μL~45μLの体積を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000μLの体積を有していてもよい。一部の場合では、溶液または懸濁液は、最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000μLの体積を有していてもよい。
【0690】
凍結乾燥された組成物は、乾燥組成物を含んでいてもよい。一部の場合では、乾燥または乾燥するとは、ある特定の量未満の液体相、例えば、水または別の溶媒を含む組成物の状態を指し得る。一部の場合では、乾燥組成物は、約10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、または0.00001wt%未満の溶媒を含む組成物を含み得る。一部の場合では、乾燥組成物は、約10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、または0.00001vol%未満の溶媒を含む組成物を含み得る。一部の場合では、乾燥組成物は、球状の形状、円柱状の形状、長方形の形状、または任意の他の形状を含むビーズを含んでいてもよい。
【0691】
一部の場合では、乾燥組成物は、1ビーズあたり少なくとも約0.5mgの表面修飾粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、乾燥組成物は、1ビーズあたり約0.5mg~約5mgの表面修飾粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、乾燥組成物は、1ビーズあたり少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100mgの粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、乾燥組成物は、1ビーズあたり最大で約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100mgの粒子を含んでいてもよい。
【0692】
凍結乾燥は、物質に安定性を付与することができる。一部の場合では、凍結乾燥形態のナノ粒子を製剤化することは、長期間にわたって、安定な物理化学的特性を可能にし得る。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、冷蔵温度または室温で不活性または安定であり得る。
【0693】
粒子は、本明細書に記載される組成物の一部では、安定性を含んでいてもよい。一部の場合では、安定性または安定であるとは、ある期間にわたって物質の有用性または有効性を保持しながら、閾値量未満で変化させる物質の特性に起因し得る。さまざまな物質のさまざまな特性は、有用性または有効性のさまざまな尺度に基づいて、さまざまな期間の間、安定性に起因してもよい。
【0694】
凍結乾燥された組成物は、安定するように、さまざまな物理化学的特性を含んでいてもよい。物理化学的特性は、ゼータ電位を含んでいてもよい。物理化学的特性は、ナノ粒子組成物におけるゼータ電位の分布を含んでいてもよい。物理化学的特性は、ナノ粒子組成物における平均ゼータ電位を含んでいてもよい。物理化学的特性は、ナノ粒子組成物におけるゼータ電位の標準偏差を含んでいてもよい。一部の場合では、ゼータ電位は、電気泳動、電気浸透、流動電位測定、または沈降電位測定によって測定される。一部の場合では、物理化学的特性は、粒子サイズを含んでいてもよい。物理化学的特性は、ナノ粒子組成物における粒子サイズの分布を含んでいてもよい。物理化学的特性は、ナノ粒子組成物における平均粒子サイズを含んでいてもよい。物理化学的特性は、ナノ粒子組成物における粒子サイズの標準偏差を含んでいてもよい。
【0695】
一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の直径の90%~110%である直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の直径の80%~120%である直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の直径の95%~105%である直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の直径の98%~102%である直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の直径の99%~101%である直径を含んでいてもよい。
【0696】
一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均直径の90%~110%である平均直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均直径の80%~120%である平均直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均直径の95%~105%である平均直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均直径の98%~102%である平均直径を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均直径の99%~101%である平均直径を含んでいてもよい。
【0697】
一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中のゼータ電位の90%~110%であるゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中のゼータ電位の80%~120%であるゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中のゼータ電位の95%~105%であるゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中のゼータ電位の98%~102%であるゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中のゼータ電位の99%~101%であるゼータ電位を含んでいてもよい。
【0698】
一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均ゼータ電位の90%~110%である平均ゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均ゼータ電位の80%~120%である平均ゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均ゼータ電位の95%~105%である平均ゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均ゼータ電位の98%~102%である平均ゼータ電位を含んでいてもよい。一部の場合では、凍結乾燥された粒子は、溶液または懸濁液中の平均ゼータ電位の99%~101%である平均ゼータ電位を含んでいてもよい。
【0699】
一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定(例えば、電気泳動、電気浸透、流動電位測定、または沈降電位測定)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%である平均ゼータ電位を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の90%~110%である平均ゼータ電位を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の95%~105%である平均ゼータ電位を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の98%~102%である平均ゼータ電位を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の85%~115%である平均ゼータ電位標準偏差を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の90%~110%である平均ゼータ電位標準偏差を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の95%~105%であるゼータ電位標準偏差を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の98%~102%であるゼータ電位標準偏差を有していてもよい。
【0700】
一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の85%~115%である平均直径を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の90%~110%である平均直径を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の95%~105%である平均直径を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の98%~102%である平均直径を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の85%~115%である直径標準偏差を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の90%~110%である直径標準偏差を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の95%~105%である直径標準偏差を有していてもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の98%~102%である直径標準偏差を有していてもよい。
【0701】
一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも85%を吸着してもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも90%を吸着してもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも95%を吸着してもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも96%を吸着してもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも97%を吸着してもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも98%を吸着してもよい。一部の場合では、溶液中での乾燥組成物の再構成の際に、粒子は、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した粒子が同じ生体試料から吸着されるであろう生体試料中の生体分子の少なくとも99%を吸着してもよい。
【0702】
凍結乾燥された組成物は、さまざまな期間にわたって、安定な物理化学的特性を有していてもよい。一部の場合では、期間は、少なくとも約12日、少なくとも約14日、少なくとも約30日、少なくとも40日、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月、または少なくとも約1年の期間を含んでいてもよい。
【0703】
凍結乾燥された組成物は、さまざまな温度で、安定な物理化学的特性を有していてもよい。一部の場合では、温度は、ほぼ室温であってもよい。一部の場合では、温度は、約37℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約60℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約-26℃~約0℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約-10℃~約-5℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約0℃~20℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約0℃~約10℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約25℃~約60℃であってもよい。一部の場合では、温度は、約35℃~約40℃であってもよい。一部の場合では、乾燥組成物または凍結乾燥された組成物は、約37℃で少なくとも40日間安定である。一部の場合では、乾燥組成物または凍結乾燥された組成物は、周囲温度で少なくとも11か月間安定である。
【0704】
乾燥組成物は、さまざまな他の内容物とキットに包装されてもよい。一部の場合では、キットは、粒子(例えば、表面修飾粒子)および凍結乾燥された支持剤を含む乾燥組成物を含み、乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含んでいてもよい。一部の場合では、基材は、管、ウェル、マルチウェル、またはマイクロ流体デバイス中のマイクロ流体チャネルもしくはチャンバーであってもよい。一部の場合では、マルチウェルは、12ウェルプレート、24ウェルプレート、48ウェルプレート、72ウェルプレート、96ウェルプレート、192ウェルプレート、または384ウェルプレートであってもよい。一部の場合では、基材は、複数の空間的に分離された場所(例えば、マルチウェルプレートの個々のウェル、またはマイクロ流体デバイスの個々のマイクロ流体チャネル)を含んでいてもよく、そのそれぞれは、乾燥組成物を含んでいてもよい。一部の場合では、個々の場所に含まれる乾燥組成物は、組成物中の粒子の少なくとも1つの物理化学的特性が互いに異なっていてもよい。粒子は、試料から異なる生体分子または生体分子群を吸着するように構成されていてもよい。一部の場合では、複数の空間的に分離された場所の個々の場所は、個々におよび/または独立してアドレス可能であってもよい。
【0705】
図19Aは、それぞれ、以下の方法:走査型電子顕微鏡法(SEM、2列目の画像)、動的光散乱(DLS、グラフの3列目)、透過型電子顕微鏡(TEM、4列目の画像)、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM、5列目)、およびX線光電子分光法(XPS、6列目)による、左の一番上の列において、上から下に、シリカ被覆SPION、ポリ(N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド)(PDMAPMA)被覆SPION、およびポリ(オリゴ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)(POEGMA)被覆SPIONに示される3つの超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)の特徴付けを示す。DLSは、3反復のそれぞれの粒子の種類を示す。HRTEM写真を、個々の粒子の表面で記録した。粒子は、合成された場合、サイズまたは組成の分布を含んでいてもよい。一部の場合では、1種類の粒子は、ある特定のサイズ、形態、組成、または組成プロファイルに対して再現可能に製造され得る。一部の場合では、製造された粒子は、品質管理のために特徴付けられてもよい。
乾燥組成物およびキットを使用する方法
【0706】
本明細書に記載される乾燥組成物は、生体試料と接触して、表面修飾粒子の表面上に生体分子コロナを生成することができる。一部の場合では、乾燥組成物は、最初に、組成物を生体試料と接触させる前に、再構成されてもよい。
【0707】
本開示のさまざまな態様は、生体試料をアッセイするための方法であって、粒子および支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップ、液体中で乾燥組成物を再構成して、再構成された組成物を形成するステップ、ならびに生体試料を再構成された組成物と接触させて、試料由来の生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を粒子に結合させるステップを含む、方法を提供する。一部の場合では、乾燥組成物は、本開示に調和する凍結乾燥されたビーズを含む。一部の場合では、乾燥組成物は、凍結乾燥されたビーズ、または複数の凍結乾燥されたビーズである。
【0708】
一部の場合では、再構成は、固体を無菌溶媒に溶解または懸濁させて、液体混合物を形成することを指し得る。一部の場合では、乾燥組成物は、混合物を生体試料と接触させる前に、再構成されてもよい。
【0709】
一部の場合では、乾燥組成物は、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、マイクロ流体デバイス、または管の体積中に提供される。そのような場合では、乾燥組成物は、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、マイクロ流体デバイス、または管の体積内で再構成されてもよい。再構成された組成物はまた、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、マイクロ流体デバイス、または管の体積内で生体試料と接触してもよい。例えば、方法は、マルチウェルプレートのウェル内で乾燥組成物を再構成するステップ、および次いで、ある体積の生体試料をウェルに添加するステップを含んでいてもよい。
【0710】
一部の場合では、粒子は、表面修飾粒子、例えば、表1の表面修飾粒子である。粒子は、生体試料由来の生体分子の可変的に選択的な結合のための物理化学的特性を含んでいてもよい。例えば、粒子は、脂肪族非極性表面官能化を含んでいてもよく、これは、中性の非極性分析物の吸着と比べて、帯電した分析物の吸着を嫌う。粒子は、複数の粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、複数の粒子の個々の粒子は、異なる表面を含む。一部の場合では、複数の粒子の個々の粒子は、異なる物理化学的特性を含む。例えば、粒子は、アミン官能化粒子、カルボキシレート官能化粒子、およびスチレン官能化粒子を含んでいてもよい。粒子の異なる物理化学的特性は、生体試料由来の生体分子または生体分子群のそれらの可変的に選択的な吸着に影響を及ぼしてもよい。
【0711】
乾燥組成物を使用する方法は、再構成のためのさまざまな速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、25℃で、少なくとも0.1分-1の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、25℃で、少なくとも0.5分-1の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約25℃で、少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9分-1の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約37℃で、少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9分-1の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約25℃で、最大で約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9分-1の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約37℃で、最大で約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9分-1の速度を含んでいてもよい。
【0712】
一部の場合では、再構成は、約25℃で、1分あたり少なくとも0.2mgの粒子の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約25℃で、1分あたり少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9mgの粒子の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約25℃で、1分あたり最大で約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9mgの粒子の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約37℃で、1分あたり少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9mgの粒子の速度を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、約37℃で、1分あたり最大で約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9mgの粒子の速度を含んでいてもよい。
【0713】
一部の場合では、再構成は、最大で20分間行われてもよい。一部の場合では、再構成は、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60分間行われてもよい。そのような時間の後、再構成は、少なくとも85%完了、少なくとも90%完了、少なくとも95%完了、少なくとも98%完了、少なくとも99%完了、または少なくとも99.5%完了であってもよい。
【0714】
一部の場合では、再構成は、再構成を加速する物理的摂動を含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、超音波処理、混合、または振とうを含んでいてもよい。一部の場合では、再構成は、物理的摂動を含んでいなくてもよい。
【0715】
乾燥組成物を再構成することで、凍結乾燥前の粒子組成物の元の特性を明らかにし得る。一部の場合では、再構成の後、表面修飾粒子は、粒子凝集物を実質的に含まない。一部の場合では、再構成の後、表面修飾粒子の約10%未満が、粒子凝集物として存在していてもよい。一部の場合では、再構成の後、表面修飾粒子の約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、00.01%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%未満が、粒子凝集物として存在していてもよい。
【0716】
一部の場合では、再構成の後、液体は、約5~約9のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、約6~約8のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、約7~約8のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、約7.2~約7.7のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、約7.5のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、少なくとも5のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、少なくとも6のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、最大で9のpHを含む。一部の場合では、再構成の後、液体は、最大で8のpHを含む。
【0717】
一部の場合では、再構成の前に、液体は、最大で約500mM、最大で約350mM、最大で約250mM、最大で約200mM、最大で約150mM、最大で約100mM、最大で約50mM、最大で約30mM、最大で約10mM、最大で約5mM、最大で約1mM、最大で約0.5mM、最大で約0.1mM、または最大で約0.05mMのイオン濃度を有する。一部の場合では、再構成の前に、液体は、少なくとも約500mM、少なくとも約350mM、少なくとも約250mM、少なくとも約200mM、少なくとも約150mM、少なくとも約100mM、少なくとも約50mM、少なくとも約30mM、少なくとも約10mM、少なくとも約5mM、少なくとも約1mM、少なくとも約0.5mM、少なくとも約0.1mM、または少なくとも約0.05mMのイオン濃度を有する。一部の場合では、再構成の後に、液体は、最大で約500mM、最大で約350mM、最大で約250mM、最大で約200mM、最大で約150mM、最大で約100mM、最大で約50mM、最大で約30mM、最大で約10mM、最大で約5mM、最大で約1mM、最大で約0.5mM、最大で約0.1mM、または最大で約0.05mMのイオン濃度を有する。一部の場合では、再構成の後に、液体は、少なくとも約500mM、少なくとも約350mM、少なくとも約250mM、少なくとも約200mM、少なくとも約150mM、少なくとも約100mM、少なくとも約50mM、少なくとも約30mM、少なくとも約10mM、少なくとも約5mM、少なくとも約1mM、少なくとも約0.5mM、少なくとも約0.1mM、または少なくとも約0.05mMのイオン濃度を有する。
【0718】
一部の場合では、乾燥組成物は、最初にそれらを溶媒中で再構成することなく、生体試料と接触させてもよい。乾燥組成物は、生物流体試料内で溶解または懸濁されてもよい。例えば、本開示と調和する方法は、粒子および凍結乾燥された支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップ、ならびに乾燥組成物の再構成の非存在下で生物流体試料(例えば、血漿)を乾燥組成物と接触させて、生物流体試料由来の生体分子または生体分子群を粒子に吸着させるステップを含んでいてもよい。例えば、乾燥組成物は、血液、血漿、血清、CSF、尿、涙液、細胞溶解物、組織溶解物、細胞ホモジネート、組織ホモジネート、乳頭吸引液、針吸引液、糞便試料、滑液、全血、唾液、またはそれらの組合せと接触させてもよい。
【0719】
生体試料は、さまざまな量の溶媒で希釈されてもよい。一部の場合では、生体試料は、緩衝液に希釈されてもよい。一部の場合では、生体試料は、約1部の生体試料の少なくとも約1部の緩衝液に対する体積比で希釈されてもよい。一部の場合では、生体試料は、約1部の生体試料の少なくとも約2部の緩衝液に対する体積比で希釈されてもよい。一部の場合では、生体試料は、約1部の生体試料の少なくとも約5部の緩衝液に対する体積比で希釈されてもよい。一部の場合では、生体試料は、約1部の生体試料の少なくとも約10部の緩衝液に対する体積比で希釈されてもよい。一部の場合では、生体試料は、約1部の生体試料の少なくとも約20部の緩衝液に対する体積比で希釈されてもよい。
【0720】
一部の場合では、生体試料と接触するステップの後、乾燥組成物中の粒子は、生体試料に個々に溶媒和されてもよい。一部の場合では、粒子の少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、99.91%、99.92%、99.93%、99.94%、99.95%、99.96%、99.97%、99.98%、または99.99%が、生体試料に個々に溶媒和されてもよい。
機械学習を使用する分類
【0721】
疾患もしくは障害および/または疾患状態に関連する生体分子のセットを決定する方法は、少なくとも2つの試料の生体分子コロナの分析を含むことができる。この決定、分析または統計的分類は、限定されるものではないが、例えば、数ある中でも、多種多様な教師ありおよび教師なしデータ分析、機械学習、ディープラーニング、ならびに階層クラスター分析(HCA)、主成分分析(PCA)、部分最小二乗判別分析(PLS-DA)、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、決定木、サポートベクターマシン(SVM)、k最近傍、単純ベイズ、線形回帰、多項式回帰、回帰のためのSVM、K平均クラスタリング、および隠れマルコフモデルを含むクラスタリングアプローチを含む方法によって行うことができる。言い換えれば、それぞれの試料のコロナ中の生体分子は、互いと比較/分析されて、どのパターンが個々のコロナ間で共通しているかを統計的有意性で決定して、疾患もしくは障害、または疾患状態に関連する生体分子のセットを決定する。
【0722】
一部の場合では、機械学習アルゴリズムを使用して、例を記載するインプット特徴に基づいてクラスラベルを例に正確に割り当てるモデルを構築することができる。一部の場合では、本明細書に記載される方法のために機械学習および/またはディープラーニングアプローチを用いることが有利であり得る。例えば、機械学習を使用して、生体分子コロナをさまざまな疾患状態(例えば、疾患なし、疾患の前駆体、初期または後期のステージの疾患を有するなど)に関連付けることができる。例えば、一部の場合では、1つまたは複数の機械学習アルゴリズムを、本明細書に開示される方法と併せて用い、生体分子コロナおよびそれらに由来する生体分子のセットによって検出され、得られるデータを分析することができる。例えば、機械学習は、対象が、前ステージのがんを有するか、がんを有するか、またはがんを有さないか、もしくは発生していないかを決定するためだけでなく、がんの種類を区別するために、本明細書に記載される方法を使用して得られたゲノム情報およびプロテオミクス情報と連結することができる。
【0723】
機械学習アルゴリズムはまた、使用して、生物学的状態(例えば、疾患状態、健康状態、疾患のステージががんのサブタイプであるなどの疾患のサブタイプ)に、タンパク質コロナ分析からの結果および核酸シークエンシング分析からの結果を関連付け、タンパク質と核酸との間の任意の傾向または相関をさらに関連付けてもよい。
【0724】
機械学習を使用して、複数の粒子を使用して検出されたタンパク質をクラスター化してもよい。
図20は、タンパク質の存在量、ならびにタンパク質の構造基および官能基を分析するための複数の粒子を使用するための方法を示す。一部の場合では、粒子のライブラリーを使用して、1つまたは複数の生体試料からタンパク質をアッセイしてもよい。一部の場合では、粒子のライブラリー中の粒子は、多様な物理化学的特性を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子のライブラリーによって検出されたタンパク質は、クラスタリングアルゴリズムを使用して、クラスター化されてもよい。一部の場合では、粒子のライブラリーによって検出されたタンパク質は、検出されたタンパク質シグナルの強度、粒子の化学的特性、タンパク質の構造基および/もしくは官能基、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいてクラスター化されてもよい。
【0725】
粒子のライブラリーは、任意の数の粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子のライブラリーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000の粒子を含んでいてもよい。一部の場合では、粒子のライブラリーは、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000の粒子を含んでいてもよい。
【0726】
粒子の物理化学的特性は、本明細書に開示されるさまざまな特性を含んでいてもよい。一部の場合では、物理化学的特性は、電荷、疎水性、親水性、両親媒性、配位、反応クラス、表面自由エネルギー、さまざまな官能基/修飾(例えば、糖、ポリマー、アミン、アミド、エポキシ、架橋剤、ヒドロキシル、芳香族、またはリン酸基)を含んでいてもよい。一部の場合では、反応クラスは、粒子上に官能化を提供する反応の種類(例えば、Stoberプロセス)を指し得る。一部の場合では、特異的な反応クラスは、クラス特異的反応効率を有することができ、粒子特性に影響を及ぼす1つまたは複数の副生成物を与え得る。
【0727】
一部の場合では、クラスタリングアルゴリズムは、類似性の一部の尺度によるデータセット中の試料をグループ分けする方法を指し得る。一部の場合では、試料は、セット空間においてグループ分けすることができ、例えば、エレメント「a」は、セット「A」にある。一部の場合では、試料は、連続空間においてグループ分けすることができ、例えば、エレメント「a」は、クラスター「A」を含むエレメントの重心から離れた距離「l」のユークリッド空間中の点である。一部の場合では、試料は、グラフ空間においてグループ分けすることができ、例えば、エレメント「a」は、クラスター「A」を含むエレメントに高度に接続される。一部の場合では、クラスタリングは、類似性の一部の尺度に基づいて、一部の数学的空間において複数のエレメントをグループに組織化する原理を指し得る。
【0728】
一部の場合では、クラスタリングは、類似性の任意の定量的尺度によってデータセット中の任意の数のタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、K平均クラスタリングを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、階層クラスタリングを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、ランダムフォレストモデルを使用することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、ブースティングツリーモデルを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、サポートベクターマシンを使用することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、データセットをクラスターに分割するN次元空間において1つまたは複数のN-1次元表面を算出することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、分布に基づくクラスタリングを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、N次元空間に分布したデータに対して複数の事前分布をフィットさせることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、密度に基づくクラスタリングを使用することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、ファジィクラスタリングを使用することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、クラスターに属するデータポイントの確率値をコンピュータ計算することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、制約を使用することを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、教師あり学習を使用することを含み得る。一部の実施形態では、クラスタリングは、教師なし学習を使用することを含み得る。
【0729】
一部の場合では、クラスタリングは、類似性に基づいてタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、定量的類似性に基づいてタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、それぞれのタンパク質の1つまたは複数の特徴に基づいてタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、それぞれのタンパク質の1つまたは複数の標識に基づいてタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、タンパク質の数値表現におけるユークリッド座標に基づいてタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、クラスタリングは、タンパク質の構造基または官能基(例えば、Protein Data BankまたはCATH Protein Structure Classificationデータベースなどのタンパク質データベースからのタンパク質構造、部分構造、または官能基)に基づいてタンパク質をグループ分けすることを含み得る。一部の場合では、タンパク質の構造基または官能基は、タンパク質の一次構造、二次構造、三次構造、または四次構造を含んでいてもよい。一部の場合では、タンパク質の構造基または官能基は、アルファヘリックス、ベータシート、異なる特性(例えば、脂肪族、芳香族、親水性、酸性、塩基性など)を有するアミノ酸の相対分布、構造ファミリー(例えば、TIMバレルおよびベータバレルフォールド)、タンパク質ドメイン(例えば、デスエフェクタードメイン)に少なくとも部分的に基づいていてもよい。一部の場合では、タンパク質の構造基または官能基は、機能的または空間的特性(例えば、官能基-免疫グロブリン、サイトカイン、細胞骨格タンパク質などの群)に少なくとも部分的に基づいていてもよい。
自動化システム
【0730】
本開示の方法および組成物の一部は、自動化システムと一体化されてもよい。組成物および方法を自動化システムに一体化する利点は、実験を合理化することができ、ユーザーの時間を節約し、研究、臨床または適用される設定における有効性を改善することである。自動化システムは、実験の再現性、より速いターンアラウンド、および自動化システムを使用して従い得る有用なプロトコールを共有する研究者と臨床医との間の良好なコミュニケーションを提供することができる。自動化システムは、平行して多数の実験を実行するように操作することができ、ハイスループットアプローチを可能にし得、それを使用して、本明細書に記載される機械学習方法の一部のためのデータを作成することができる。
【0731】
生体試料をアッセイするための自動化システムは、粒子および支持剤を含む乾燥組成物を含む基材、生体試料を含む試料ストレージユニット、基材および試料ストレージユニットに動作可能に連結されたローディングユニット、ならびに機械実行可能コードを含むコンピュータ可読媒体であって、プロセッサーによる実行の際に、(a)ローディングユニットを使用して、生体試料またはその一部分を試料ストレージユニットから基材に移動させるステップ、(b)生体試料を乾燥組成物との接触に向かわせて、複数の生体分子または生体分子群を含む生体分子コロナを生成するステップを含む方法を行う、コンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。
【0732】
基材は、本開示に記載されるさまざまな基材のいずれか1つを含んでいてもよい。一部の場合では、基材は、単一ウェル、マルチウェルプレート、管、複数管装置、またはマイクロ流体デバイスである。一部の場合では、自動化システムは、複数のマルチウェルプレートを含んでいてもよい。
【0733】
基材は、本開示に記載されるさまざまな組成物のいずれかの1つまたは複数を含んでいてもよい。一部の場合では、基材は、複数の乾燥組成物を含み、ここで、複数の乾燥組成物の個々の乾燥組成物に含まれる少なくとも1つの粒子のサブセットは、別のサブセットと異なっていてもよい。一部の場合では、少なくとも1つの粒子のサブセットは、少なくとも1つの物理化学的特性において別のサブセットとは異なっていてもよい。一部の場合では、複数の乾燥組成物は、シリカ被覆SPION、トリアミン官能化ナノ粒子、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、モノアミン官能化ナノ粒子、またはそれらの組合せをそれぞれ含む少なくとも2つの乾燥組成物を含む。一部の場合では、マルチウェルプレート中のそれぞれのウェルは、個々の乾燥組成物を含む。
【0734】
自動化システムは、異なる生体試料を用いる実験をすぐに実行することができる。一部の場合では、試料ストレージユニットは、複数の異なる生体試料を含むことができる。一部の場合では、生体試料を移動させるステップは、複数の異なる生体試料のそれぞれを、マルチウェルプレートの異なるウェルに移動させるステップを含むことができる。
【0735】
自動化システムは、生体試料の異なる部分を用いる実験を実行することができる。一部の場合では、生体試料は、複数の部分を含む。例えば、一部分は、分画された生体試料の分画であってもよい。一部の場合では、一部分は、組織試料の小区分、または全血試料の分画(例えば、軟膜の一部分)であってもよい。一部の場合では、一部分は、生体試料溶解物の上清であってもよい。生体試料の一部分は、ウェルに移動させることができる。生体試料の一部分は、希釈されてもよい(例えば、pH6のリン酸緩衝液などの水性緩衝液により)。生体試料は、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍、希釈されてもよい。一部の場合では、移動は、自動化システムによって同時に行われてもよい。
【0736】
自動化システムは、さまざまな時間の間、生体試料が粒子組成物と接触するように構成することができる。一部の場合では、生体試料は、少なくとも約10秒の時間の間、粒子組成物と接触したままであり得る。一部の場合では、生体試料は、少なくとも約10秒の時間の間、乾燥組成物と接触したままであり得る。一部の場合では、時間は、少なくとも約1分である。一部の場合では、時間は、少なくとも約5分である。
【0737】
自動化システムは、ステップを追加するように、またはさまざまな実験ステップを除去するように構成することができる。自動化システムは、さまざまな実験ステップを再配置するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、洗浄ステップを実行するように構成することができる。例えば、自動化システムは、再懸濁を伴って、生体分子コロナを洗浄するように構成されていてもよい。一部の場合では、自動化システムは、再懸濁を伴わずに、生体分子コロナを洗浄するためのステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、溶解物を生成するためのステップを実行するように構成することができる。例えば、自動化システムは、超音波処理または電場を適用して、生体試料中に存在するエキソソームを溶解してもよい。一部の場合では、自動化システムは、溶解物を還元するためのステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、溶解物を濾過するためのステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、溶解物をアルキル化するためのステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナを変性させるためのステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、段階的な変性プロセスで生体分子コロナを変性させるためのステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナを消化するためのステップを実行するように構成することができる。消化ステップは、プロテアーゼ、例えば、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼAsp-N、エンドプロテイナーゼArg-C、エンドプロテイナーゼLys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、サブチリシン、クロストリパイン、カルボキシペプチダーゼ、カテプシンC、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。消化ステップは、化学的ペプチド切断剤、例えば、臭化シアンを含んでいてもよい。自動化システムは、異なる条件、プロテアーゼ、または化学的切断剤を含んでいてもよい一連の消化ステップを実行するように構成されていてもよい。消化ステップは、最大で50ng/mL、最大で100ng/mL、最大で200ng/mL、最大で500ng/mL、最大で1μg/mL、最大で2μg/mL、最大で5μg/mL、最大で10μg/mL、最大で25μg/mL、最大で50μg/mL、最大で100μg/mL、最大で200μg/mL、または最大で500μg/mLのプロテアーゼを使用してもよい。消化ステップは、少なくとも500μg/mL、少なくとも200μg/mL、少なくとも100μg/mL、少なくとも50μg/mL、少なくとも25μg/mL、少なくとも10μg/mL、少なくとも5μg/mL、少なくとも2μg/mL、少なくとも1μg/mL、少なくとも500ng/mL、少なくとも200ng/mL、少なくとも100ng/mL、または少なくとも50ng/mLのプロテアーゼを利用してもよい。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナを1ミリリットルあたり少なくとも約200ナノグラム(ng/mL)~1ミリリットルあたり約200マイクログラム(μg/mL)の濃度のトリプシンで消化するステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナを1ミリリットルあたり少なくとも約100マイクログラム(μg/mL)~約0.1g/Lの濃度のトリプシンで消化するステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナを1ミリリットルあたり少なくとも約200ナノグラム(ng/mL)~1ミリリットルあたり約200マイクログラム(μg/mL)の濃度のlysCで消化するステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナを1ミリリットルあたり少なくとも約20マイクログラム(μg/mL)~約0.02g/Lの濃度のlysCで消化するステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、消化ステップは、最大で3時間行われる。一部の場合では、消化ステップは、最大で1時間行われる。一部の場合では、消化ステップは、最大で30分間行われる。一部の場合では、消化ステップは、少なくとも1000Da、少なくとも2000Da、少なくとも3000Da、少なくとも4000Da、少なくとも5000Da、少なくとも6000Da、少なくとも8000Da、または少なくとも10000Daの平均質量を有するペプチドを生じる。一部の場合では、消化ステップは、最大で10000Da、最大で8000Da、最大で6000Da、最大で5000Da、最大で4000Da、最大で3000Da、最大で2000Da、または最大で1000Daの平均質量を有するペプチドを生じる。一部の場合では、消化ステップは、約1000Da~約4000Daの平均質量を有するペプチドを生じる。一部の場合では、消化ステップは、例えば、生体分子または生体分子群が溶液中で消化されるように、生体分子または生体分子群の少なくともサブセットの生体分子コロナからの溶出に先行する。溶出は、希釈、加熱、物理的摂動、化学剤(例えば、弱いカオトロピック剤)の添加、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0738】
一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナまたは生体分子コロナの一部分を溶出するように構成することができる(例えば、粒子に吸着された生体分子コロナの固い部分を脱離しながら、生体分子コロナの柔らかい部分を粒子から選択的に溶出する)。一部の場合では、自動化システムは、生体分子コロナに対して液体クロマトグラフィーを行うように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、乾燥組成物の一部分を生体試料の一部分から分離するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、磁場を使用して、乾燥組成物の一部分を生体試料の一部分から分離するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、プロテオミクス実験を実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、ゲノム実験を実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、プロテオゲノミクス実験を実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、質量分析実験を実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、シークエンシング実験を実行するように構成することができる。
【0739】
自動化システムは、さまざまな温度でさまざまな実験ステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、約-20、-19、-18、-17、-16、-15、-14、-13、-12、-11、-10、-9、-8、-7、-6、-5、-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100℃で実験ステップを実行するように構成することができる。
【0740】
自動化システムは、さまざまな期間の間、さまざまな実験ステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、または60分間、実験ステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10時間、実験ステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、または60分間、実験ステップを実行するように構成することができる。一部の場合では、自動化システムは、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10時間、実験ステップを実行するように構成することができる。
【0741】
一部の場合では、溶出させるステップは、最大で約2倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含んでいてもよい。一部の場合では、溶出させるステップは、最大で約4倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含んでいてもよい。一部の場合では、溶出させるステップは、最大で約8倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含んでいてもよい。一部の場合では、溶出させるステップは、最大で約16倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含んでいてもよい。一部の場合では、溶出させるステップは、希釈を含む。希釈は、20倍以下、10倍以下、8倍以下、5倍以下、2倍以下、または1.5倍以下の希釈であってもよい。溶出は、加熱、超音波処理、振とう、または撹拌などの物理的摂動を含んでいてもよい。一部の場合では、溶出させるステップは、無傷の生体分子(例えば、無傷のタンパク質)を粒子から放出させるステップを含む。
【0742】
一部の場合では、自動化装置は、固相抽出を行ってもよい。固相抽出は、分析物(例えば、生体分子コロナタンパク質から消化されたペプチド)を、試薬(例えば、プロテアーゼ)、生体高分子および超分子生物学的構造(例えば、リボソームおよび細胞壁の部分)、ならびに下流の分析に適さない種(例えば、液体クロマトグラフィーカラムと不適合の分析物)から分離してもよい。一部の場合では、固相抽出は、TF、iST、またはC18を含む固相抽出プレートを利用する。固相抽出は、大気圧よりも上で行われてもよい。圧力は、1平方インチあたり少なくとも25ポンド(psi)、少なくとも約50psi、少なくとも約100psi、少なくとも約200psi、少なくとも約300psi、少なくとも約400psi、または少なくとも約500psiであってもよい。一部の場合では、固相抽出ステップは、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100psiで、固相抽出プレートから溶出させるステップを含んでいてもよい。一部の場合では、固相抽出ステップは、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100psiで、固相抽出プレートから溶出させるステップを含んでいてもよい。
【0743】
自動化システムは、バーコードのセットを使用して、生体試料、乾燥組成物、実験ステップ、基材、基材(例えば、プラスチックウェア基材)内の区画もしくは体積、または試薬を特定するステップを含むことができる。自動化システムは、基材(例えば、プレートウェア)バーコードに少なくとも部分的に基づいて基材を移動させるように構成されていてもよい。例えば、自動化システムは、マルチウェルプレートを、ヒーターから磁石アレイに移動させて、マルチウェルプレートの体積に含有される磁気粒子を固定化してもよい。自動化システムは、乾燥組成物バーコードに少なくとも部分的に基づいて乾燥組成物を移動させるように構成されていてもよい。自動化システムは、生体試料バーコードに少なくとも部分的に基づいて生体試料を移動させるように構成されていてもよい。自動化システムは、基材の区画または体積間で試料および/または試薬を移動させるように構成されていてもよい。自動化システムは、試薬バーコードに少なくとも部分的に基づいて試薬を移動させるように構成されていてもよい。自動化システムは、実験ステップバーコードに少なくとも部分的に基づいて実験ステップをセットアップするように構成されていてもよい。
【0744】
一部の場合では、バーコードは、プラスチックウェア、粒子、試薬、キット、発明者管理システム、自動化システム、プレートレイアウト、またはそれらの任意の組合せのための情報を含んでいてもよい。
【0745】
一部の場合では、自動化システムは、顧客実験室情報管理システム(LIMS)、在庫管理システム、MS機、パーソナルコンピュータ、クラウド、インターネット、またはそれらの任意の組合せと通信していてもよい。
【0746】
一部の場合では、自動化システムは、バーコード、バーコード情報、プレートレイアウト、実験ログ、MSファイル、生体試料情報、プロテオミクスアッセイもしくはゲノムアッセイの分析結果、またはそれらの任意の組合せを通信してもよい。
コンピュータシステム
【0747】
本開示は、本開示の方法を行うようにプログラムされているコンピュータシステムを提供する。
図60は、例えば、1つまたは複数の生体試料を1つまたは複数の粒子と接触させて、1つまたは複数の生体分子コロナを形成し、プロテオミクス方法、ゲノム方法、またはその両方により1つまたは複数の生体分子コロナを分析するように、プログラムされているか、またはそうでなければそのように構成されている、コンピュータシステム6001を示す。
【0748】
コンピュータシステム6001は、例えば、1つまたは複数の生体試料を1つまたは複数の粒子と接触させて、1つまたは複数の生体分子コロナを形成するステップ、およびプロテオミクス方法、ゲノム方法、またはその両方により1つまたは複数の生体分子コロナを分析するステップなどの本開示の分析、算出、および作成のさまざまな態様を調節してもよい。コンピュータシステム6001は、ユーザーの電子デバイスまたは電子デバイスに対して離れて位置するコンピュータシステムであってもよい。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであってもよい。電子デバイスは、ワイヤレスキーボードおよびマウスを含んでいてもよい。電子デバイスは、ディスプレーマウント(例えば、Hamiltonアーム)を含んでいてもよい。
【0749】
コンピュータシステム6001は、中央演算処理装置(CPU、本明細書ではまた「プロセッサー」および「コンピュータプロセッサー」)6005を含み、これは、シングルコアプロセッサーもしくはマルチコアプロセッサー、または並列処理のための複数のプロセッサーであってもよい。コンピュータシステム6001はまた、メモリまたはメモリ場所6010(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ)、電子ストレージユニット6015(例えば、ハードディスク)、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース6020(例えば、ネットワークアダプター)、ならびに周辺デバイス6025、例えば、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、および/または電子ディスプレーアダプターを含む。メモリ6010、ストレージユニット6015、インターフェース6020、および周辺デバイス6025は、マザーボードなどのコミュニケーションバス(実線)を通じてCPU6005と通信している。ストレージユニット6015は、データを格納するためのデータストレージユニット(またはデータリポジトリ)であってもよい。コンピュータシステム6001は、通信インターフェース6020の助けによりコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)6030に動作可能に連結されていてもよい。ネットワーク6030は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信しているイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであってもよい。
【0750】
ネットワーク6030は、一部の場合では、遠隔通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク6030は、1つまたは複数のコンピュータサーバーを含んでいてもよく、これは、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る。例えば、1つまたは複数のコンピュータサーバーは、例えば、1つまたは複数の生体試料を1つまたは複数の粒子と接触させて、1つまたは複数の生体分子コロナを形成するステップ、およびプロテオミクス方法、ゲノム方法、またはその両方により1つまたは複数の生体分子コロナを分析するステップなどの本開示の分析、算出、および作成のさまざまな態様を行うために、ネットワーク6030上のクラウドコンピューティング(「クラウド」)を可能にしてもよい。そのようなクラウドコンピューティングは、例えば、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、およびIBM cloudなどのクラウドコンピューティングプラットフォームによって提供されてもよい。ネットワーク6030は、コンピュータシステム6001の助けによる一部の場合では、ピアツーピアネットワークを行ってもよく、これは、コンピュータシステム6001に連結されたデバイスが、クライアントまたはサーバーとして振る舞うことを可能にし得る。
【0751】
CPU6005は、1つもしくは複数のコンピュータプロセッサーおよび/または1つもしくは複数のグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含んでいてもよい。CPU6005は、一連の機械可読命令を実行してもよく、これは、プログラムまたはソフトウェアに具体化されていてもよい。命令は、メモリ6010などのメモリ場所に格納されていてもよい。命令は、CPU6005に指示してもよく、これは、その後、本開示の方法を行うようにCPU6005にプログラムしてもよく、またはそうでなければそのように構成されてもよい。CPU6005によって行われる動作の例としては、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックが挙げられ得る。
【0752】
CPU6005は、集積回路などの回路の部分であってもよい。システム6001の1つまたは複数の他の構成要素が、回路に含まれていてもよい。一部の場合では、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0753】
ストレージユニット6015は、ドライバー、ライブラリー、および保存されたプログラムなどのファイルを格納していてもよい。ストレージユニット6015は、ユーザーデータ、例えば、ユーザー選択およびユーザープログラムを格納していてもよい。コンピュータシステム6001は、一部の場合では、コンピュータシステム6001の外部である、例えば、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム6001と通信するリモートサーバーに位置する1つまたは複数の追加のデータストレージユニットを含んでいてもよい。
【0754】
コンピュータシステム6001は、ネットワーク6030を通じて1つまたは複数のリモートコンピュータシステムと通信してもよい。例えば、コンピュータシステム6001は、ユーザーのリモートコンピュータシステムと通信してもよい。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートもしくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android(登録商標)使用可能デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末が挙げられる。ユーザーは、ネットワーク6030を介してコンピュータシステム6001にアクセスしてもよい。
【0755】
本明細書に記載される方法は、例えば、メモリ6010または電子ストレージユニット6015などのコンピュータシステム6001の電子ストレージ場所に格納された機械(例えば、コンピュータプロセッサー)実行可能コードによって行われてもよい。機械実行可能コードまたは機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供されていてもよい。使用の間、コードは、プロセッサー6005によって実行されてもよい。一部の場合では、コードは、ストレージユニット6015から読み出され、プロセッサー6005による容易なアクセスのためにメモリ6010に格納されてもよい。一部の状況では、電子ストレージユニット6015は、除外されてもよく、機械実行可能命令は、メモリ6010に格納される。
【0756】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサーを有する機械による使用のために事前コンパイルおよび構成されてもよく、または実行時間の間に、コンパイルされてもよい。コードは、コードが事前コンパイルまたはコンパイルされたままの様式で実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で提供されてもよい。
【0757】
本明細書に提供されるシステムおよび方法の態様、例えば、コンピュータシステム6001は、プログラミングにおいて具体化されてもよい。技術のさまざまな態様は、典型的には、ある種類の機械可読媒体に保持または一体化されている機械(またはプロセッサー)実行可能コードおよび/または関連するデータの形態の「製品」または「製造物品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、電子ストレージユニット、例えば、メモリ(例えば、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)、またはハードディスクに格納されていてもよい。「ストレージ」型媒体は、コンピュータ、プロセッサーなど、またはその関連モジュールのいずれかまたはすべての有形メモリ、例えば、さまざまな半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどを含んでいてもよく、これは、ソフトウェアプログラミングについての任意の時に、非一時的ストレージを提供し得る。ソフトウェアの全部または部分は、時には、インターネットまたはさまざまな他の電気通信ネットワークを通じて通信してもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサーから別のものに、例えば、管理サーバーまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバーのコンピュータプラットフォームに、ソフトウェアをロードすることを可能にし得る。そのため、ソフトウェアエレメントを有し得る別の種類の媒体としては、光波、電波および電磁波、例えば、有線および光地上通信ネットワークを通じて、ならびにさまざまな無線リンクにより、ローカルデバイス間の物理的インターフェースを横断して使用されるものが挙げられる。そのような波を運ぶ物理的エレメント、例えば、有線または無線リンク、光リンクなどはまた、ソフトウェアを有している媒体と見なされてもよい。本明細書で使用される場合、非一時的な有形「ストレージ」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためのプロセッサーへの命令の提供に関与する、任意の媒体を指す。
【0758】
故に、機械可読媒体、例えば、コンピュータ実行可能コードは、それらに限定されないが、有形ストレージ媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態を取り得る。不揮発性ストレージ媒体としては、例えば、図面に示される、光ディスクまたは磁気ディスク、例えば、任意のコンピュータなど中のストレージデバイスのいずれか、例えば、データベースを実装するために使用され得るものなどが挙げられる。揮発性ストレージ媒体としては、ダイナミックメモリ、例えば、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリが挙げられる。有形伝送媒体としては、同軸ケーブル、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む銅線および光ファイバーが挙げられる。搬送波伝送媒体は、電気信号もしくは電磁信号、または音波もしくは光波の形態、例えば、ラジオ波(RF)データ通信および赤外線(IR)データ通信の間に作成される形態を取ってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的ストレージ媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、搬送波搬送データもしくは命令、そのような搬送波を伝達するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み出し得る任意の他の媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のためのプロセッサーへの1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシークエンスの運搬に関与していてもよい。
【0759】
コンピュータシステム6001は、提供するため、例えば、1つまたは複数の生体試料を1つまたは複数の粒子と接触させて、1つまたは複数の生体分子コロナを形成し、プロテオミクス方法、ゲノム方法、またはその両方により1つまたは複数の生体分子コロナを分析するためのユーザーインターフェース(UI)6040を含む電子ディスプレー6035を含んでいてもよく、またはそれと通信していてもよい。UIの例としては、限定されないが、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、およびウェブベースのユーザーインターフェースが挙げられる。
【0760】
本開示の方法およびシステムは、1つまたは複数のアルゴリズムによって行われてもよい。アルゴリズムは、中央演算処理装置6005による実行の際にソフトウェアによって行われてもよい。アルゴリズムは、例えば、1つまたは複数の生体試料を1つまたは複数の粒子と接触させて、1つまたは複数の生体分子コロナを形成すること、およびプロテオミクス方法、ゲノム方法、またはその両方により1つまたは複数の生体分子コロナを分析することができる。
【0761】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本発明が属する分野の当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書での「または」への任意の言及は、他に規定されない限り、「および/または」を包含することが意図される。
【0762】
「少なくとも」、「超」または「超またはそれに等しい」という用語が、一連の2つもしくはそれよりも多くの数値中の最初の数値に先行する場合はいつでも、「少なくとも」、「超」または「超またはそれに等しい」という用語は、その一連の数値中の数値のそれぞれに適用される。例えば、1、2もしくは3超またはそれに等しいとは、1超もしくはそれに等しい、2超もしくはそれに等しい、または3超もしくはそれに等しいと等価である。
【0763】
「以下」、「未満」、「未満またはそれに等しい」または「最大で」という用語が、一連の2つもしくはそれよりも多くの数値中の最初の数値に先行する場合はいつでも、「以下」、「未満」、または「未満またはそれに等しい」または「最大で」という用語は、その一連の数値中の数値のそれぞれに適用される。例えば、3、2もしくは1未満またはそれに等しいは、3未満またはそれに等しい、2未満またはそれに等しい、または未満またはそれに等しいと等価である。
【0764】
値が範囲として記載されている場合、そのような開示は、具体的な数値または具体的な下位範囲が明示的に規定されているかにかかわらず、そのような範囲内のすべての可能な下位範囲、ならびにそのような範囲内に入る具体的な数値の開示を含むことが理解されるであろう。
【実施例】
【0765】
以下の実際例は、本明細書に記載されるデバイス、方法、システムおよびキットの範囲に対して、例示的かつ非限定的である。
(実施例1)
タンパク質および核酸の平行分析
【0766】
この実施例は、タンパク質および核酸の平行分析を記載する。生体試料を得る。必要に応じて、生体試料は、2つの部分に分割される。試料の部分を、粒子に接触させる。粒子は、試料から、タンパク質(および他の生体分子)を、生体分子コロナを形成するその表面上で吸着する。粒子を試料から分離する。生体分子をトリプシン処理する。トリプシン処理されたペプチドを質量分析によって分析し、ペプチドを特定し、濃度を特定する。
【0767】
平行して、試料の別の部分を、アダプター、標識化ヌクレオチド(光学的に検出可能な標識で標識した)、プライマー、ポリメラーゼを含むシークエンシングのための試薬と接触させる。接触は、シークエンシングのための基材上で行ってもよい。試料中の核酸を、例えば、PCR増幅によって増幅する。シークエンシングのための試料または基材を画像化し、試料中の核酸の配列を決定する。
【0768】
タンパク質コロナ分析によって決定された試料中のタンパク質の組成および濃度を、シークエンシングによって決定された試料中の核酸の組成および濃度と比較する。これらの比較は、対照起源(例えば、健康な生物学的状態)由来の試料、および公知の実験起源(例えば、疾患の生物学的状態)由来の試料と相関する。訓練された分類子および機械学習アルゴリズムを使用して、試料中に存在するタンパク質および核酸に基づいて、試料の生物学的状態を分類する。アッセイされた試料の生物学的状態を、試料中に存在するタンパク質(コロナ分析によって決定された通り)および試料中に存在する核酸(シークエンシングによって決定された通り)に基づいて決定する。
(実施例2)
タンパク質および核酸の平行分析
【0769】
この実施例は、早期ステージおよび後期ステージの小細胞肺癌(NSCLC)を有する対象由来の試料に対するプロテオゲノミクス分析を記載する。タンパク質バリアント(アイソフォームなど)を特定することは、プロテオミクス分析における主要な課題であり得る。多くの場合、タンパク質を特定することができる方法は、単一アミノ酸置換などのマイナーな配列変異に気が付かない。
【0770】
本実施例では、エクソンに基づくシークエンシングおよびプロテオミクス分析を、早期ステージおよび後期ステージのNSCLCを有する対象由来の29の血漿試料において、平行して行った。プロテオミクス分析のために、血漿試料を、分配し、表2に示され、種々のサイズ(動的光散乱、「DLS」によって決定される通り)、多分散指数(「PDI」、DLSによって決定される通り)および平均ゼータ電位の10の異なる種類のSPIONと別々に接触させた。粒子含有試料を、複数回の洗浄サイクルに付し、次いで、粒子に結合したタンパク質を溶出するために好適な条件に曝露した。溶出したタンパク質を、消化し、質量分光分析のために提出し、それによって、プロテオミクスデータを作成した。
【表2】
【0771】
合計で1189タンパク質を、10の試料にわたって特定した。加えて、ペプチド変異(単一アミノ酸置換を含む)を、それぞれの試料において特定した。
図2Aは、それぞれの試料から特定されたタンパク質変異の数を要約する。およそ70のペプチド変異の平均を、29の血漿試料にわたって特定し、個々の試料からの数は、50強~125弱の範囲であった。
【0772】
図2のパネルBは、ゲノムデータおよびプロテオミクスデータに基づくタンパク質バリアントの特定の例を提供する。一試料で、ゲノム分析は、タンパク質のプレカリクレインをコードするKLKB1遺伝子に対するヘテロ接合性を特定した。試料は、KLKB1に対する参照対立遺伝子、および
図2のパネルBで丸を付けられた赤色のアミノ酸によって示されるグリシンからアルギニンへの置換をコードするマイナー対立遺伝子を含有していた。エクソンシークエンシングが0.01%のマイナー対立遺伝子頻度を特定したとしても、プロテオミクス分析は、参照対立遺伝子およびマイナー対立遺伝子に対応するプレカリクレインの形態を特定し、遺伝子プロファイリングが、複雑な試料からタンパク質バリアントを判別することを可能にし得ることを実証した。
(実施例3)
タンパク質および核酸の平行分析
【0773】
この実施例では、ゲノム分析およびプロテオミクス分析を使用して、健康な患者およびがん患者由来の試料における骨形態形成タンパク質1(BMP1)バリアントの存在を決定した。選択的スプライシングは、RNAレベルで7つのBMP1バリアントについての、およびタンパク質レベルで4つのバリアントについての原因となる。これらのタンパク質バリアントのうち、2つはBMP1タンパク質の長い形態であり、2つはBMP1タンパク質の短い形態である。同時のゲノム分析およびプロテオミクス分析は、80人の健康な患者および61人の早期ステージの非小細胞肺がん患者にわたって、4つのBMP1タンパク質バリアントを定量化することを可能にした。
【0774】
プロテオミクス分析を、それぞれの試料を粒子パネルに接触させること、粒子上で収集されたタンパク質を消化すること、および得られたペプチド断片を質量分析により分析することによって行った。141人の対象由来の血漿試料を、異なる物理化学的特性を有する5つのSPIONのパネルを用いて調査した(表3に要約した)。それぞれの対象由来の血漿試料を、TE緩衝液に希釈し、5つのSPIONパネルからの2.5~15mg/mlのそれぞれの粒子と1:1で混合し、37℃で1時間インキュベートし、血漿タンパク質コロナの形成をもたらした。粒子の収集および洗浄ステップの後、タンパク質コロナを、LC-MS/MS分析のために粒子上で消化した。
【表3】
【0775】
合計で7つのペプチド断片を、BMP1について特定した。ペプチドを、対象由来の転写物をコードするとして特定された4つのアイソフォームにマッピングし、4つのアイソフォームのそれぞれの部分的カバレッジを提供した。
図3Aは、4つの特定されたBMP1アイソフォームについてのエクソン-イントロン構造を提供する。最も長いアイソフォームであるBMP-202(
図3A、上)は、7つの検出されたBMP1ペプチド断片のすべてを含有していた。次に長いアイソフォームであるBMP-201(
図3A、上から2番目)は、7つの断片のうち6つを含有していた。2つのより短いアイソフォームであるBMP-204およびBMP-203(
図3A、下の2行)は、ペプチド断片1および2のみを含有していた。
図3Bは、健康な血漿試料および早期ステージのNSCLC血漿試料における7つのBMP1ペプチド断片についての正規化された質量分析強度を提供し、そのうち、2つはNSCLCにおいてより豊富であり、5つは健康な対照においてより豊富である。
【0776】
この実施例は、組み合わされた核酸(例えば、転写物特定)分析およびタンパク質(例えば、ペプチド存在量)分析が、組み合わされて、試料中に存在するペプチドアイソフォームを特定および定量化することができることを実証する。
(実施例4)
タンパク質および核酸の平行分析
【0777】
この実施例は、健康な患者およびがん患者由来の試料における翻訳後修飾の特定をカバーする。翻訳後修飾は、タンパク質の活性、シグナル伝達、およびホメオスタシスの主要な変化を付与することができる。翻訳後の活性を特定することなくタンパク質配列を特徴付ける技法は、このようにして、生物学的状態を特定するために必要な極めて重要な情報を見逃し得る。例えば、ヘパリン補助因子2の過剰発現は、がんの発生において役割を果たし得るが、そのリン酸化状態は、いくつかの疾患についての存在およびステージを示すこともできる。
【0778】
この実施例では、リン酸化ヘパリン補助因子2の非リン酸化ヘパリン補助因子2に対する比を、早期ステージおよび後期ステージの肺がん患者、健康な患者、ならびに併存対照から収集された14の試料にわたって測定した。
図4は、4つの試料の種類にわたるリン酸化の非リン酸化に対する比(
図4における「修飾比」)を示す。図から分かるように、ヘパリン補助因子2のリン酸化は、肺がん患者におけるよりも健康な患者において高い。しかしながら、最も明白な相違は、早期ステージと後期ステージの肺がん患者の間であり、後期ステージの肺がん試料は、複数倍低いヘパリン補助因子2のリン酸化を含む。結果は、組み合わされたタンパク質分析および翻訳後修飾分析が、疾患状態および疾患ステージの診断を可能にし得ることを実証する。
(実施例5)
粒子に基づくプロテオミクス分析におけるペプチドシグナル多重度
【0779】
この実施例は、粒子に基づくプロテオミクス分析におけるシグナル多重度および再現性をカバーする。プロテオミクス方法の診断力は、多くの場合、標的タンパク質ごとに得られるシグナルの数と相関する。これは、一部において、別個のタンパク質ファミリーにわたって保存された配列モチーフに起因し、これは、分析の間に、似ていないタンパク質に類似のシグナルを生じさせ得る。そのため、特定のタンパク質について得られたわずかなシグナルのみが、タンパク質を特定するのに有用であり得る。さらにまた、単一タンパク質について得られるシグナルの数を増加させることで、そのタンパク質についての配列カバレッジの度合いを増加させることができる。そのため、標的タンパク質についてより多くのシグナルを生じる方法は、そのタンパク質内の配列変異を特定する可能性がより高くなり、別個の患者試料にわたるより高い度合いの反復性を提供し得る。
【0780】
本実施例は、広範囲の疾患および状態について正確な診断を可能にする、患者の多様なセット(例えば、異なる健康プロファイルを有する患者の集団)にわたる数千のタンパク質を反復して特定することができるプロテオゲノミクスアッセイを提供する。健康な患者および早期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)患者の収集由来の141の血漿試料のタンパク質含有量を、5つの患者パネルおよび質量分析を使用して、別々に分析した。
図8Aは、61人の早期ステージのNSCLC患者および80人の健康な患者の対象分布を要約する。血漿試料を、最初に、10mMのトリス、1mMのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、150mMの塩化カリウム、および0.05%の3-((3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ)-1-プロパンスルホネート(CHAPS)から構成される緩衝液に1:5希釈した。乾燥した粉末化された形態で提供される5つの粒子を含有するナノ粒子混合物を、脱イオン水中での超音波処理およびボルテックスによって再構成し、希釈された血漿試料と1:1(体積対体積)で混合した。次いで、混合物を、密閉し、300rpmの振とう下、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、粒子を、上清から磁気的に分離した。ナノ粒子に結合したタンパク質をトリプシン消化に付し、得られたペプチド断片をLC-MS/MSによって分析した。
【0781】
合計で2499のタンパク質群を、すべての対象にわたって検出し、1992のタンパク質群を、対象の少なくとも25%において検出した。
図8Bは、研究におけるさまざまな対象のパーセンテージにわたって検出されたタンパク質群の数を要約する。検出されたタンパク質の約50%は、対象集団の70%にわたって共通して特定され得たが、検出されたタンパク質の約80%は、集団の約25%にわたって共通して検出された。そのため、研究された集団の中から選択された任意の2人のNSCLC患者は、1000超の特定されたタンパク質群を共有する可能性があった。約500のタンパク質(研究において特定されたタンパク質群の20%)は、すべての患者の中で共通して特定された。
【0782】
図9は、特定され、それぞれ特定されたタンパク質に相関するペプチド断片の数を提示する。1~30超のペプチドの範囲のガウシアン様分布を、アッセイにおいて特定されたタンパク質について特定し、平均でおおよそ12のペプチド断片が、試料から特定されたそれぞれのタンパク質について特定された。タンパク質の大部分は、10またはそれよりも少ないペプチドに基づいて特定され、タンパク質の多くは、5またはそれよりも少ない特定されたペプチドに対応する。
【0783】
これらの結果は、試料からタンパク質について特定されたそれぞれのタンパク質について特定されたペプチドの数が、多くの場合に、統計的分布に従うことを示す。一部のタンパク質は、アッセイによって完全にカバーされたが、他は、少数(例えば、3またはそれよりも少ない)ペプチドに基づいて特定された。特定のタンパク質またはタンパク質群について特定されたペプチドの数は、アッセイ方法、例えば、タンパク質を断片化するために使用された、プロテアーゼ、複数のプロテアーゼ、または化学剤に依存し得る。そのため、方法は、目的の特定のタンパク質に対して高いペプチドカウントを得るように合わせることができる。
(実施例6)
粒子に基づくプロテオミクス分析におけるペプチドシグナル多重度
【0784】
この実施例は、患者集団にわたる対立遺伝子の検出および頻度をカバーする。エクソンシークエンシングを使用して、29人の対象について、個別化された質量分析検索ライブラリーを作成した。合計で464のアミノ酸バリアントを、対象集団にわたって検出した。これらのバリアントを含有するタンパク質の分析は、少なくとも178の別々の遺伝子中の推定上の対立遺伝子特異的存在を示唆した。
【0785】
図10は、研究された29人の対象において特定された464のタンパク質バリアントにわたる代替対立遺伝子頻度カウント(y軸)(暗色の線、1010)、および2504人の個体の全ゲノムシークエンシングによって特定された10
8を上回るバリアントについての対立遺伝子頻度(明色の線、1020)を提供する。2つのデータセットの頻度分布間の対応度は、本方法の不偏性の検証を示す。
【0786】
図11は、研究1110において特定された464の対立遺伝子、および対立遺伝子特異的発現1120を示すとして特定されたバリアントについての密度プロットを提供し、これは、1つまたは複数のペプチドが、その遺伝子型を有するすべての対象において、参照対立遺伝子のみまたは代替対立遺伝子のみにマッピングされるが、その両方ではない場合を表す。プロットから分かるように、対立遺伝子特異的発現は、低頻度の対立遺伝子について増加した率を示し、これらの遺伝子型特異的対立遺伝子についての潜在的な機能を示唆する。
(実施例7)
粒子に基づくプロテオミクス分析におけるペプチドシグナル多重度
【0787】
この実施例は、タンパク質アイソフォームの特定をカバーする。80人の健康な対象および61人の早期ステージの非小細胞肺がん対象由来の血漿試料を、表3に要約された5つの粒子パネルを用いて調査した。簡潔には、患者由来の血漿試料を、1mMのNa2(EDTA)、150mMのKCl、および0.05%のCHAPSを含有する10mMのトリス緩衝液に1:5希釈した。100のナノ粒子(粒子の種類あたり約2.5~15mg/ml)を、希釈された生体試料と1:1で混合し、密閉し、300rpmの振とうで、37℃で1時間インキュベートした。粒子を、上清から磁気的に分離し、洗浄し、次いで、粒子上のタンパク質消化のためのトリプシン処理条件に付した。溶出したペプチドを、20分のLCグラジエントを用いるLC-MS/MSによって分析した。
【0788】
141の試料にわたって特定された1992の特定されたタンパク質を濾過して、健康な場合または早期の場合のいずれかからの対象の少なくとも50%に存在するタンパク質を選択し、対照とがんとの間で異なる存在量を有していたペプチドについて検索した(p<0.05、ベンジャミーニ-ホッホベルク補正)。NSCLC関連タンパク質アイソフォームを特定するために、1992の特定されたタンパク質をスクリーニングして、有意により低い健康な血漿存在量を有する少なくとも1つのペプチド、および有意により高い健康な血漿存在量を有する少なくとも1つのペプチドを有するタンパク質を区別した(早期ステージのNSCLC存在量と比べて)。この方法は、
図12Aに概要を述べ、これは、LC-MS/MS分析から7つの検出されたペプチド断片を有する仮定上のタンパク質を表す。4つのペプチド断片の血漿存在量は、健康な群および早期ステージのNSCLC群にわたって不変であるが、3つのペプチド(点線のボックスの内側、
***で示す)は、健康な試料または早期ステージのNSCLC試料のいずれかにおいてより優位であり、それらが、早期ステージのNSCLCにおいて増強または抑制された発現を有するアイソフォームに属することを示唆する。
【0789】
差次的早期ステージのNSCLCアイソフォーム発現を有する合計で16のタンパク質(表4に要約される)を特定した。
図12Bは、Open Target肺癌関連スコアによってタンパク質ヒットをランク付けする。7つのタンパク質(表4の「高」)は、0.3を上回るOpen Targetスコアを有しており、したがって、肺癌との関連が公知であるが、9つのタンパク質は、0.1を下回る低いOpen Targetスコアを有しており、肺癌との関連がわずかであるか、または公知ではないことを示す。これらの9つのタンパク質(表4の「低」)は、差次的アイソフォーム分析により発見された新しい肺癌バイオマーカーを構成する。
【表4】
【0790】
図12Cは、Human Plasma Proteome Projectからの濃度を使用して、公知の血漿タンパク質存在量による16の特定されたNSCLCタンパク質をプロットする。16の特定されたタンパク質のうちの15は、公知の血漿存在量を有し、ヒト血漿濃度でおおよそ5桁に及び、補体C4-A(P0C0L4)およびアポリポタンパク質B(APOB)は、ほぼ100μg/mlの最も高い濃度を有し、骨形成タンパク質1は、大体1ng/mlの最も低い濃度(アルブミンよりも血漿濃度で7桁超低い)を有する。したがって、本開示の方法は、生体試料由来の稀なタンパク質についてさえ、タンパク質アイソフォームを区別することができる。本実施例はまた、これらの方法を使用して、総タンパク質発現レベルに関わりなく、差次的アイソフォーム発現に基づいてバイオマーカーを特定し得ることを実証する。
(実施例8)
粒子に基づくプロテオミクス分析におけるペプチドシグナル多重度
【0791】
この実施例は、単一試料レベルでのタンパク質バリアント検出を示す。プロテオミクスデータの複雑さは、類似する種、例えば、単一タンパク質のバリアント形態を識別するためのその有用性を制限し得る。したがって、データ依存型取得質量分析(DDA-MS)などのいくつかのハイスループット技法は、多くの場合、複雑な試料分析について実行不可能と考えられる。粒子に基づく試料分画を核酸分析と組み合わせることで、複数の角度からこの問題に対処し、そのような試みから、データおよびデータ分析の両方を単純化する。
【0792】
健康な患者、併存患者、早期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)患者、および後期ステージの非小細胞肺がん患者由来の血漿試料の組み合わされたタンパク質分析および核酸分析は、464のペプチドバリアントを解明した。試料を、4人の健康な患者、11人の併存患者、5人の早期ステージのNSCLC患者、および9人の後期ステージのNSCLC患者から得た。それぞれの対象由来の血漿試料を、粒子パネル(例えば、実施例7に概要を述べた表3の5つの粒子パネル)を用いて分画し、DDA-MSを用いて調査した。患者特異的プロテオミクスライブラリーを、翻訳された患者ゲノムから作製し、DDA-MSデータからのペプチドバリアントの特定をガイドした。
【0793】
図13は、29人の対象のそれぞれにおいて特定されたタンパク質バリアントの総数の概要を述べる。この図では、それぞれのバーは、単一対象において検出されたタンパク質バリアントの数を表す。合計で464のペプチドバリアントが、対象集団にわたって特定され、バリアントの数は、対象1人あたり約50~約150の範囲であった。464のバリアントを、表4に概要を述べた16のうち7つの肺がん関連候補タンパク質、すなわち、APOB、COL6A3、FERMT3、FLNA、ITIH1、PRG4、およびTLN1にマッピングした。
【0794】
図14は、7つの肺がん関連候補タンパク質について、それぞれの対象において特定されたバリアントタンパク質の数を提供する。それぞれのバーは、所与の肺がん関連候補タンパク質について、単一の対象において特定されたバリアントの数を表す。結果は、組み合わされた核酸分析および生体分子コロナ分析が、集団-スケールプロテオミクス研究に十分なスケールで、血漿中に存在するタンパク質バリアントおよびペプチドの特定を可能にする不偏の深い血漿プロテオームプロファイルを作成することができることを実証する。
(実施例9)
凍結乾燥されたビーズの形成
【0795】
この実施例は、凍結乾燥されたビーズへの、粒子を含む製剤の凍結乾燥を示す。粒子および賦形剤を含む製剤の固定体積の液滴を、液体窒素中で瞬間凍結させ、次いで、凍結乾燥した。製剤中の粒子の濃度は、18.75mg/mL~75mg/mLの範囲であった。液滴の体積は、30μL~40μLの範囲であった。液滴の体積は、製剤に対する有害な影響なく、2μL程度に低減してもよく、または60μL程度に高くしてもよい。スクロース、d-マンニトール、トレハロース、およびそれらの組合せを含むさまざまな賦形剤を使用した。賦形剤の濃度は、約100mg/mL~160mg/mLの範囲であった。75mg/mLの粒子濃度および40μLの液滴体積は、1液滴あたり約3mgの粒子に相当する。粒子の濃度は、製剤に対する有害な影響なく、18.75mg/mlより下に低減してもよく、または75mg/mLよりも高くしてもよい。凍結乾燥されたビーズを、将来の使用のために、乾燥剤とともにPCRストリップに個々に包装した。好適な数のビーズが、管に事前ロードされていてもよい。
【0796】
実験を、凍結乾燥されたビーズに対して実施して、それらの安定性を評価した。
図54A~54Bは、ロットS-003-121についての粒子サイズおよび粒子の平均ゼータ電位の安定性の実験的測定を示す。凍結乾燥されたビーズのサブセットを、凍結乾燥後最大で12日間、37℃で保持し、凍結乾燥されたビーズの別のサブセットを、凍結乾燥後最大で12日間、60℃で保持した。1日、2日、5日、6日、および12日後、粒子を、水中で再構成し、直径を、動的光散乱(DLS)を用いて測定し、平均ゼータ電位をMalvern ZetaSizer NanoZSを用いて測定した。
図55および
図56は、さまざまな製剤:S-118-103、S-118-104、S-118-109、S-128-064、S-128-066、S-229-055、S-229-056、およびS-229-057について、それぞれ、サイズ測定値および平均ゼータ電位測定値を示す。ロット番号および対応する製剤を、下記に示す表5に列挙する。
【0797】
【0798】
凍結乾燥されたビーズのサブセットを再構成し、アッセイを、それらを用いて実施して、タンパク質群カウントおよびペプチドカウントを測定した。
図57は、4つの異なる条件についての結果を示す。標準パネルについて、粒子の液体パネルを、標準濃度で使用した。条件12について、凍結乾燥されたビーズを、40μLの水と混ぜ合わせて、それぞれの粒子についてナノ粒子濃度を生成し、次いで、40μLの血漿と接触させた。Liquid Lyo対照について、凍結乾燥されたビーズを生成するために使用した同じ組成の液体材料(すなわち、凍結乾燥されていない)を、40μLの血漿と接触させた。条件4で、40μLの血漿を、水を添加していない乾燥の凍結乾燥されたビーズに直接添加した。標準のMS注入濃度(4μLの緩衝液中約500ngのペプチド)をマッチさせながら、それぞれのMS分析を実施した。実験結果は、さまざまな条件にわたる一貫性を示す。Liquid Lyo対照および条件12(凍結乾燥されたビーズを再構成とともに使用)は、標準パネルと統計的に等価に行う。条件4(再構成なしの凍結乾燥されたビーズ、血漿と直接接触)は、標準パネルと統計的に等しい数のペプチド群を検出するが、しかしながら、これは、標準パネルと比較して、より多くのペプチドも検出する(統計学的有意性あり、n=10)。
(実施例10)
自動化システム
【0799】
この実施例は、プロテオゲノミクス方法のための自動化システム(機器)の使用を示す。
図34は、さまざまな消耗材料(例えば、ナノ粒子製剤、溶媒、試薬など)を提供するステップ、自動化システムを使用してアッセイを実施するステップ、質量分析を使用してアッセイ結果を生成するステップ、および次いで、結果を分析し、ユーザーに結果を表示するデータ分析ソフトウェアを含むパイプラインを示す。
【0800】
以下に、機械実行可能コードを含むコンピュータ可読媒体を含む自動化システムに実装される方法の例を記載する。(1)ユーザー(すなわち、オペレーター)は、試料(例えば、凍結試料を解凍することによって)、試薬(例えば、試薬を希釈する)、および粒子(例えば、凍結乾燥されたビーズを再構成する)を調製する。調製された試料、試薬および粒子を、自動化システムにロードする。次いで、自動化システムは、この時点から以下を含む実験ステップを自動的に行う:(2)5分以内に実行されるデバイス初期化(Chassis、MPE2、Hamilton Heater Shaker(HHS)、Inheco CPAC)、(3)5分以内に実行される試料のアッセイプレートへのピペッティング、(4)15分以内に実行される粒子のアッセイプレートへのピペッティング、(5)60分以内に実行される37℃でのインキュベーション、(6)30分以内に実行されるアッセイプレートの洗浄、(7)10分以内に実行される溶解緩衝液、還元緩衝液、およびアルキル化緩衝液のアッセイプレートへの添加、(8)10分以内にHHSにおいて実行される95℃でのインキュベーション、(9)20分以内に実行されるアッセイプレートの室温への冷却、(10)8分以内に実行されるトリプシン/LysC酵素の添加、(11)180分以内に実行されるHHSとの37℃でのインキュベーション、(12)3分以内に実行される停止溶液の添加、(13)5分以内に実行される粒子のプルダウン、(14)8分以内に実行される、MPE2においてSPEプレートを使用する試料の処理、(15)8分以内に実行される、MPE2においてSPEプレートを使用する洗浄Aによる試料の処理、(16)8分以内に実行される、MPE2においてSPEプレートを使用する洗浄B-1による試料の処理、(17)8分以内に実行される、MPE2においてSPEプレートを使用する洗浄B-2による試料の処理、ならびに(18)5分以内に実行される、MPE2においてSPEプレートを使用する試料の溶出。(19)ユーザーは、次いで、実験の終了後に、自動化システムを清掃することができる。実験の総期間は、約7時間である。
【0801】
前に記載した一連の実験ステップは、余分なステップを含んでいることがあり、一部のステップを排除してもよく、またはそれぞれのステップにおいて変形形態を有していてもよい。
図40は、変形形態を伴う自動化システムに実装され得る方法の例を示す。これらの変形形態は、ユーザーが、どの変形形態を使用すべきかを選択することができるように実装されていてもよい。例えば、ステップ(1)に変形形態が存在していてもよく、ここで、ユーザーは、試料(例えば、その元の体積の最大で20倍の血漿試料)を希釈し、アッセイのために異なる体積(例えば、40μL~100μLのどこか)を選択し、試料を特定の温度(例えば、室温または4℃)に解凍し、ナノ粒子をシングルプレックスまたはマルチプレックス(例えば、1区画あたり2、3、4、5、または任意の数のナノ粒子)にし、または試料に対する妨害ステップ(例えば、溶血/脂質濃縮)を行うことができる。一部の場合では、タンパク質以外の生体分子のバックグラウンドは、粒子の物理化学的特性に応じてタンパク質コロナを変化させてもよい。一部の場合では、生体分子のバックグラウンドはまた、生体分子コロナの一部を形成してもよい。一部の場合では、妨害ステップは、異なる濃度で、ある特定の生体分子(例えば、脂質)の異なる濃度を滴定するステップを含んでいてもよい。
【0802】
インキュベーションステップのいずれかに変形形態が存在していてもよく、ここで、インキュベーションのための期間を変更することができ(例えば、5分または終夜)、インキュベートされる溶液のpHを変更することができ(例えば、3.8、5.0、または7.4のpH)、インキュベートされる溶液のイオン強度を変更することができ(例えば、0、50、または150mM)、インキュベートされる溶液が振とうされる速度を変更することができる(例えば、0、150、または300RPM)。
【0803】
洗浄ステップのいずれかに変形形態が存在していてもよく、ここで、溶液中の構成要素の一部または全部を、再懸濁させることができ、または再懸濁させなくてもよい。溶液中の構成要素の一部または全部を、例えば、磁場を適用して磁気粒子を捕捉することによって、分離することができる。
【0804】
溶解、還元、またはアルキル化ステップに変形形態が存在していてもよく、ここで、段階的な変性を行うことができる。溶液の温度を変更することができる(例えば、50℃または95℃)。例えば、さまざまな濃度(トリプシンの標準量の1倍、2倍の濃度)で、さまざまな期間(例えば、3時間または終夜)トリプシンを使用することによって、タンパク質またはペプチドが消化されるステップが存在していてもよい。一部の場合では、トリプシンについての標準量は、タンパク質の質量と比較して、約1/10~約1/100質量のトリプシンの質量の範囲であってもよい。タンパク質またはペプチドは、例えば、トリプシン/LysCを使用することによって、段階的な様式で消化されてもよい。
【0805】
溶出ステップに変形形態が存在していてもよい。溶出体積を変更することができ(例えば、75、150、または300μL)、きれいな乾燥空気(CDA)または窒素をさまざまな圧力(0~50psiのどれか)で供給することができ、異なる種類の固相抽出(SPE)プレートを使用してもよい(例えば、Thermal Fisher SPEプレート、iST、C18、または他の基材)。
【0806】
図38は、自動化システムで使用することができるプレートレイアウトを示す。アッセイプレートは、2列から構成され、それぞれの列は、1試料あたり5つのナノ粒子と対照についての追加の列に対応する。アッセイプレートは8行を含み、ここで、それぞれの行は、試料を投入することができる。
図39は、自動化システムのデッキレイアウトを示す。デッキは、多数のモジュールを含み、そのそれぞれは、特定の機能を果たすか、またはそれを行うために装備されている。異なるモジュールおよびそれらの説明の一覧を、下記の表6に列挙する。
【0807】
一部の場合では、自動化システムは、対照実験を実行するように構成することができる。
図41は、プレートのレイアウトを示し、ここで、一部の区画は、対照実験を実行するために指定される。本明細書に記載される方法の一部は、複数の別個のステップを含むので、対照実験は、ステップまたはステップの群の成功/失敗を示すように設計することができる。対照実験は、プロセス対照実験(PC3+S-003、ACとラベル付け)、消化対照実験(PC3(1:5希釈)、DCとラベル付け)、MPE
2対照実験(ペプチドミックス、CCとラベル付け)、および質量分析対照実験(ペプチドミックス、MCとラベル付け)を含むことができる。これらの対照実験は、
図40に示されるように、実験のある特定のステップで、またはその間で実行するように構成されていてもよい。MPE
2は、濾過プレート上で陽圧を駆動するために使用することができる自動化システムの構成要素であり得る。一部の場合では、MPE
2は、Monitored Multi-Flow Positive Pressure Evaporative Extractionモジュール(Hamilton)を指し得る。
【0808】
【0809】
一部の場合では、自動化システムは、一度に8~16の試料を実行するように構成することができる。生体試料(すなわち、生物流体)中の生体分子を、1試料あたり5つの異なるアプローチを用いて測定することができる。測定は、血漿、細胞抽出物、および溶解物を含む複数の生物流体に対して実施することができる。測定は、自動で行うことができ、検出のために液体クロマトグラフィー(LC)またはMSにすぐに注入できるペプチドを用いて、7~8時間で完了することができる。不偏の測定は、LC/MS時間を低減することを可能にし、これらの測定は、不可知論のLC/MS検出器またはアプローチ、例えば、Sciex6600+におけるDIA SWATH(データ非依存型取得)アプローチを使用した1分画あたり30分以下のグラジエント長さ(サンプル間)、および/またはThermo Orbitrap Lumosにおける1時間以下のグラジエント長さのDDA(データ依存型取得)アプローチであり得る。DIA SWATH(データ非依存型取得)およびDDA(データ非依存型取得)は、MSについてのモードであり、ペプチドが分析される方法、およびタンパク質が、MS生データに基づいてコンピュータ的に再構築される方法において異なる。測定は、無傷のタンパク質において行うことができるので、測定は、実験データにおけるタンパク質間相互作用を明らかにし得る。
【0810】
一部の場合では、自動化システムは、5つのナノ粒子の調査で、最大で16の試料を収容することができる96ウェルプレートを含むことができる。一部の場合では、必要な試料体積の量は、240μL~40μL未満またはそれに等しくあり得る。一部の場合では、試薬は、4℃で9か月超または室温で6か月超の間、安定性を保持しながら保管することができる。一部の場合では、アッセイは、7時間以内に実行することができる。一部の場合では、MS実験の実行時間は、120分以内であり得る。一部の場合では、MS実験は、ScanningSWATHを用いて実行されてもよい。一部の場合では、ScanningSWATHは、数分までの短いグラジエントのための迅速MS取得モードを指し得る。一部の場合では、ScanningSWATHは、スキャニング四重極を使用する迅速MS取得モードを指し得る。一部の場合では、ScanningSWATHは、Sciex timTOF rapid IMS-IMSを使用することができ、これは、イオン移動度分離を含むことができ、それらの電荷/双極子および形状特性に基づくイオンの先行分離を含むことができる。一部の場合では、自動化システムは、可視化(例えば、群分析、PCA)ツールまたは品質管理ツールを含む分析ツールを含むことができ、これは、クラウドに基づくコンピュータシステムに組み込まれていてもよい。一部の場合では、自動化システムに実装されたタンパク質検出方法は、浅プラズマ方法に対して5倍の優位性(すなわち、検出されるタンパク質群の数の優位性)、枯渇プラズマ方法に対して3倍の優位性を示し得る。一部の場合では、自動化システムに実装されるタンパク質検出方法は、公開データセット(例えば、Geyer et al. Mol. Syst. Biol. 13, 942 (2017))に対して5%の正確性の改善(より低いCV)を有し得る。
【0811】
研究を実施して、自動化システムによるアッセイ通過速度を測定した。実験を、
図41に示されるサブセットを使用して、400の生体試料のセットについて実施した。それぞれの生体試料を、別々のウェルにおいて(合計で2000ウェルについて)5つの粒子組成物と接触させた。
【0812】
図42は、3つの自動化システムの実験結果を示す。同一の実験のセットを、3つの自動化システムのそれぞれにおいて実施し、結果は同等であった。ペプチド群カウントおよびペプチドカウントは、統計学的に同等であった(n=10)。血漿タンパク質の関数として血漿の深度を、データベース強度によってランク付けし、それぞれの自動化システムについてほぼ同一の結果を与えた。
【0813】
図43は、複数のプレートにおいて2つの異なる自動化システム(システム1およびシステム2)を用いて実施された対照実験(すなわち、プロセス対照、消化対照、MPE
2対照、および質量分析対照)のセットの結果を示す。ウェル通過速度/収率を、許容されるペプチドの数が検出されたウェルの総数に基づいて算出した。アッセイ通過速度/収率を、許容されるペプチドの数が異なる粒子組成物を有する5つのウェルすべてについて検出された生体試料の総数に基づいて算出した。約99.9%の実験(ウェル通過速度/収率、すなわち、ウェルごとに算出されたパーセンテージ)および約99.5%の実験(アッセイ通過速度/収率、すなわち、試料ごとに算出されたパーセンテージ)を成功裏に行い、さらにまた、システム1とシステム2との間の結果は、ほとんど同一であった。小パーセンテージの不成功(すなわち、異常値)実験についての失敗の根本原因は、これらの場合における試薬担体位置に起因すると特定した。
【0814】
図44は、自動化システムを用いるNSCLC研究由来の試料を用いて実施した実験の結果を示す。異なる疾患クラス、部位、および質に及ぶ14の試料が存在した。試料に対する実験を、自動化システムで処理したプレートを使用して、ThermoFischer(TF)Lumos MS(DDA)において実行した。1810のタンパク質群が、14の試料のいずれかにわたって2334の総タンパク質群で、14の試料の25%において見られた(特定された)。2334のタンパク質群は、消化されたニートの血漿ベースラインにおいて見出された量よりも6.1倍多い量であった。血漿単独を用いて実施された実験は、ナノ粒子パネルを用いて実施された実験よりも、より少ない数のタンパク質群を一貫して検出した。試料に応じて、ナノ粒子パネルを用いる実験は、血漿のみを用いて実施された実験よりも、2.74倍~6.65倍多く検出した。下記の表7は、それぞれの試料およびその説明を列挙する。
【0815】
【0816】
図45および
図46は、プラットフォームを管理するためのデータ構造を概略的に示す。データ構造は、ユーザーが、複数のプラットフォームからのデータをさまざまな機器(MS機器を含む)および本明細書に開示されるプラットフォームのプレートを使用して自動化システムによって作成されたデータと統合することを可能にする。統合されたデータは、
図45に示されるように、データ構造に自動的にロードされ、これは、データを格納および操作して、コンピューティングデバイス、プラットフォーム、および機器(例えば、MS)間で適切な情報を伝達する。
【0817】
データ構造は、バーコードを利用して、実験プロセスおよびデータ管理プロセスを容易にする。データ構造は、生体試料を含有するキット(4501)からバーコード(4502)を受信し、これは、キット内で試料を用いて実験する場合に従うべき特定の方法論に関する情報を伝達する。バーコード(4502)は、実験結果が分析される場合に、行われるべき特定の分析を伝達する。バーコード(4502)は、プレートレイアウト(4506)情報を顧客実験室情報システム(LIMS、4508)に伝達する。バーコード(4502)は、情報を材料が使用されるべき在庫管理システム(4503)に伝達する。
【0818】
データ構造は、本明細書に開示される方法の一部を行うさまざまな機器およびシステムと連動する。メタデータ(例えば、キットを受領したデータ、だれからそれを受領したか、および実験ログファイル)および出力データ(実験結果)を、システムおよびデバイス(例えば、タンパク質分析プラットフォーム(4504)、MS(4509)、パーソナルコンピュータ(4512)、顧客LIMS(4508))のように、適切なチャネルを通じて通信する。データ構造は、デジタル通信チャネルを通じて実験および分析と連動することができる。質量分析(4509)結果(4510)は、クラウド(4513)に通過することができる。データ構造は、ユーザーが、複数の機器(4504)からのデータを本開示のプラスチックウェアを実行することによって作成されたデータと統合することを可能にする。実験結果、履歴、および他のメタデータを含むログファイル(4505)がクラウド(4513)に送信される。実験の結果を、クラウド(4513)上で分析して、顧客LIMS(4508)に通信するゲノム情報またはプロテオミクス情報(4511)を生成する。
【0819】
別の例では、
図46に示されるように、キット(4601)のバーコードは、さまざまな物品、例えば、プラスチックウェア(4602)、ナノ粒子(4603)、試薬(4604)、キット(4605)に関連する。バーコードを使用して、在庫管理システム(4606)を通じて、これらの物品の目録を追跡することができる。バーコードはまた、本明細書に開示されるさまざまな方法のいずれかの品質管理および/またはトラブルシューティングにおいて使用されてもよい。バーコードは、アッセイを連動させるために、自動化システム(4607)に通信されてもよい。
【0820】
自動化システム(4607)は、顧客LIMS(4612)から試料バーコード(4614)も受信し、プレートレイアウト(4611)を顧客LIMSに伝達する。自動化システムはまた、ログファイル(実験履歴、成果などを捕捉することができる)を、ロギングシステムがログファイルを格納する(4610)インターネット(4609)に伝達する。顧客LIMS(4613)は、実験情報を、データを作成するLC-MS機(4613)に伝達することができ、これは、顧客LIMS(4613)に返信される。顧客LIMSは、MSファイル(4616)、MSファイル名、およびプレートレイアウト(4615)をクラウド(4618)に伝達する。顧客LIMSはまた、試料情報(4617)をクラウド(4618)に伝達する。
(実施例12)
分析性およびGUI
【0821】
この実施例は、さまざまな分析方法、および分析方法を行うためまたはその結果を表示するためのグラフィカルエレメントを記載する。
【0822】
図47は、ユーザーが触れることができるボタンのセットを含むグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を示す。
図47に示されるようなGUIは、自動化システムにインストールされた、ラップトップ、スマートフォン、またはコンピュータを通じてアクセスすることができる。
【0823】
図48および
図49は、本明細書に記載されるパイプラインに組み込まれ得るさまざまな分析ツールを示す。分析ツールは、実験(例えば、使用される試料についての欄、試料体積、使用される粒子、機器、MSプロトコール)を列挙するためのデータスクリーン(4801)、特異的試料および条件に対する2つの粒子についてのタンパク質群カウントおよびペプチド強度分布を示すプロット(4802)、異なる条件および条件のサブセット下で見出されたタンパク質群の重複を示す混乱プロット(4803)、それらの参照存在量に対してマッピングされて見出されたタンパク質のプロット(4804)、異なる条件下での2つの粒子についてのペプチド量の結果を示すプロット(4805)、対照のモニター(4901)、ならびにクラスタリングアルゴリズムおよび可視化(4902)を含む。一部の場合では、分析ツールは、GUI上に1つまたは複数のグラフィカルエレメントを表示してもよい。一部の場合では、分析ツールは、翻訳後修飾、配列バリアント、異なるエクソン、タンパク質間相互作用、またはそれらの任意の組合せを分析するためのツールを含んでいてもよい。
(実施例13)
生質量分析データからの生体分子存在量の決定
【0824】
質量分析シグナル強度は、多くの場合、分析物の構造、試料の条件、および方法論(例えば、イオン化方法、クロマトグラフィーグラジエントの長さ)を含むいくつかの因子に依存する。したがって、単一の試料に由来する2つの分析物(例えば、単一のタンパク質の断片)は、異なる質量分析シグナル強度を生じ得、現象は、多くの場合に「フライアビリティ」と称される。この特有のシグナル変形形態は、多くの場合、時間およびリソース集約的なスパイクイン、較正シリーズ、またはタグ付け実験なしで、シグナル強度の比較および分析物の存在量の決定を実行不可能にする。
【0825】
この実施例は、複数の試料にわたってシグナル強度を比較することによるフライアビリティ値を決定するため、および次いで、これらのフライアビリティ値を使用して、試料中の生体分子についての絶対存在量を決定するための方法を提供する。前述の例は、2つの生体分子(例えば、2つのタンパク質バリアント)に関連するが、この方法は、生体分子が、(1)共通のシグナルを共有し、(2)固有のシグナルをそれぞれ含む(すなわち、他の種からのシグナルと重複しない)限り、任意の数の生体分子に拡張することができる。例えば、この方法を使用して、共通のシグナルを共有し、固有のシグナルをそれぞれ有する6つのシアル酸の存在量を決定することができた。さらにまた、方法は、生体分子の群、例えば、複数のアイソフォームを含む対立遺伝子、または共通配列を共有するタンパク質のクラスに拡張されてもよい。
【0826】
この実施例では、対立遺伝子「Aref」および対立遺伝子「Aalt」を有する共通のヘテロ接合性対立遺伝子「A」を共有する3人の個体が、質量分光分析のために血漿試料を提出する。両方の対立遺伝子は、共通のシグナルを共有し、固有のシグナルをそれぞれ有する。それぞれのシグナルのフライアビリティが線形であると仮定すると、それぞれの対立遺伝子(AaltおよびAref)の存在量およびヘテロ接合性対立遺伝子Aの総存在量は、それらのフライアビリティおよび関連するシグナル強度の積として表すことができる。例えば、Aaltが、ペプチドP1およびP2に対応するシグナルS1およびS2に関連する場合、ならびにArefが、ペプチドP1およびP3に対応するシグナルS1およびS3に関連する場合、Aaltの存在量は、S2の強度およびP2のフライアビリティの積として表されてもよく、Arefの存在量は、S3の強度およびP3のフライアビリティの積として表されてもよく、AaltおよびArefの組み合わされた存在量(ヘテロ接合性対立遺伝子Aの総存在量)は、S1の強度およびP1のフライアビリティの積として表されてもよい。
【0827】
フライアビリティは、3つの試料にわたって一定であると仮定することができる。したがって、Aalt、Aref、およびAに関連するシグナルの強度が3つの試料間で変わる場合、それぞれのシグナルについてのフライアビリティ値は、固有に決定されてもよい。存在量A、AaltおよびArefが、フライアビリティおよびシグナル強度の積である場合、A、AaltおよびArefの存在量は、質量分析データ単独から、さらなる試料の操作または較正データなしで決定されてもよい。
(実施例14)
粒子を使用する深く幅広いプロテオームカバレッジ
【0828】
生体試料(例えば、血漿)中のタンパク質は、広い濃度範囲またはダイナミックレンジを含み得る。高存在量のタンパク質の量が低減している試料(例えば、枯渇した血漿)においてさえ、深く(高存在量のタンパク質および低存在量のタンパク質の両方)および幅広く(ある特定のタンパク質に対する最小限の選択バイアスで幅広い各種のタンパク質を検出する)タンパク質を検出することは、難易度が高くあり得る。この実施例は、粒子に基づくプロテオミクスアッセイが、プロテオームの深く幅広いカバレッジを提供する能力を示す。
【0829】
図21は、MS強度のデータベース、本開示のナノ粒子を使用することなく枯渇した血漿中で検出されたMS強度、本開示の5つのナノ粒子のパネルを使用して枯渇した血漿中で検出された複合(例えば、組み合わされた)MS強度、および本開示の5つのナノ粒子の1つをそれぞれ使用して枯渇した血漿中で検出された5つの独立したMS強度についてのプロットを示す。NSCLCを有する141人の対象からの血漿試料をこの研究のために使用した。タンパク質を、データベースにおいてMS強度のランクによって順序付けた。タンパク質が試料の少なくとも25%に存在した場合に、タンパク質をプロットした。複合プロットでは、色の強度は、5つの別個のナノ粒子からの最高の検出値を示す。複合プロットは、ナノ粒子がより完全に利用可能な血漿タンパク質の全検体を検出したことを示す。その一方で、それぞれ個々のナノ粒子も、枯渇した血漿の直接MS分析よりも多くのタンパク質を検出した。個々のナノ粒子は、血漿プロテオームのほぼ全範囲をアッセイすることが可能であった。一部の場合では、ナノ粒子のパネルは、プロテオームの範囲全体またはプロテオームの特異的な部分をカバーするように最適化されてもよい。ナノ粒子を使用する枯渇した血漿におけるMS実験は、より少ない存在量のタンパク質を検出すること、および/またはより完全にプロテオームを検出することを可能にし得る。
(実施例15)
対象試料にわたる対立遺伝子分布
【0830】
この実施例は、質量分析によるバリアントタンパク質検出をカバーする。質量分光学的生体分子コロナ分析を、下記の表8に概要が述べられた10の粒子パネルを用いて、別々の対象由来の29の試料において行った。合計で464のペプチドバリアントを、29人の対象からの個別化質量分析検索ライブラリーを使用して検出した。次いで、464のペプチドバリアント内で捕捉された遺伝的バリアントを、バリアントがヘテロ接合性またはホモ接合性であるか(参照対立遺伝子または代替対立遺伝子のいずれかについて)に基づいてビニングした。
【表8】
【0831】
図61は、ヘテロ接合性対立遺伝子(それぞれのプロットにおいて中央のバー、「het」)および参照に対応するホモ接合性対立遺伝子(それぞれのプロットにおいて右のバー、「ref」)に対応する検出された遺伝的バリアント、または代替(それぞれのプロットにおいて左のバー、「alt」)対立遺伝子バリアントのカウントを要約する。それぞれのプロットは、固有の試料に対応し、プロットは、29の試料のそれぞれを集合的にカバーする。プロットから分かるように、組み合わされたゲノム検出方法およびプロテオミクス検出方法は、ホモ接合性およびヘテロ接合性の対立遺伝子の発現を観察および区別することが可能であった。大部分の試料は、ホモ接合性対立遺伝子よりも、ヘテロ接合性のより高い存在量を示した。
【0832】
図62のパネルAは、29の試料にわたって観察された464のペプチドについてのgnomADヒト参照ゲノムコンソーシアムに基づいた、代替対立遺伝子頻度のヒストグラムを提供する。
図62のパネルBは、10%の増分に及んでビンにグループ分けされた代替対立遺伝子頻度を要約する。大部分の代替対立遺伝子は、それらの頻度に基づいて適切にアノテートされるが、観察されたペプチドのうちの89は、「参照」対立遺伝子頻度よりも高い「代替」対立遺伝子頻度を有する対立遺伝子に対応した。共通であることによりバリアントを階層化するゴールにより、
図63は、ホモ接合性対立遺伝子を、0.1超の相対頻度を有する主要形態(それぞれのプロットにおいて中央列、「>」)および0.1未満またはそれに等しい相対頻度を有するマイナー形態(それぞれのプロットにおいて、最も左の列、(「<=」)を再度アノテートすることによって、この食い違いについて補正する。これらのプロットから分かるように、エクソーム配列がガイドするプロテオミクス分析は、低頻度および高頻度のホモ接合性対立遺伝子を明らかにした。
【0833】
図64は、0.01未満の代替対立遺伝子頻度を有する検出された単一アミノ酸多型バリアントを要約する。
図64Aは、5つの検出されたバリアントを列挙する表を提供し、列2は検出された突然変異を提供し、列3は、バリアントが検出された対象の数を示し、列4は、それぞれのバリアントについての遺伝子名称を提供する。
図64B~Fは、29の試料における「参照」(上側)および「代替」(下側)の形態の相対カウントを提供する。
図64G~Kは、29の試料における「参照」(右)および「代替」(左)のバリアント形態についての相対質量分析強度を提供する。これらのプロットから分かるように、対立遺伝子の存在量は、バリアント形態にわたって異なり得る。例えば、SERPINA1について(
図64CおよびHに示されるデータ)、対立遺伝子の「代替」形態は、対立遺伝子発現が検出された試料において、「参照」形態よりもほぼ1桁多い存在量である。逆に、APOBについて(
図64EおよびJに示されるデータ)、「参照」形態は、対立遺伝子発現が検出された試料において、「代替」形態よりも約1桁多い存在量を有する。
【0834】
図65A~Bは、29の試料にわたる検出されたヘテロ接合性対立遺伝子間の重複を示す。
図65Aは、カウントによって順序付けたペプチドのセットを提供する。プロットから分かるように、大部分の高カウント群は単一試料に対応し、固有のヘテロ接合性対立遺伝子がそれぞれの試料について検出されたことを示している。
図65Bは、重複度によってランク付けされたペプチドのセットを提供する。このプロットから分かるように、2つのペプチドのセットは、29の試料の7超で検出されなかった。
【0835】
図66A~Bは、0.5未満の代替対立遺伝子頻度を有するバリアントペプチドについて、29の試料にわたる検出されたホモ接合性対立遺伝子間の重複を示す。
図67A~Bは、0.5超の代替対立遺伝子頻度を有するバリアントペプチドについて、29の試料にわたる検出されたホモ接合性対立遺伝子間の重複を示す。プロットから分かるように、多くのバリアントペプチドは、それぞれの対象に固有であるが、少数のバリアントペプチドは、多くの対象にわたって共通である。
【0836】
本開示の好ましい実施形態を本明細書に示し、記載したが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には自明であろう。多数の変形形態、変更、および置換は、ここに、本開示から逸脱することなく、当業者に思い当たるであろう。本明細書に記載される本開示の実施形態に対するさまざまな代替を本開示を実行する際に用いてもよいことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が、本開示の範囲を定義すること、そしてこれらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物が、それによって包含されることが意図される。
番号付け実施形態
【0837】
本明細書で企図される実施形態としては、実施形態1~390が挙げられる。
【0838】
実施形態1. 対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)前記対象由来の前記生体試料をアッセイして、前記生体試料中のタンパク質を特定して、前記生体試料のプロテオミクス情報を得るステップ、(b)前記生体試料由来の核酸分子を分析して、前記生体試料の遺伝子型情報を特定するステップ、ならびに(c)前記プロテオミクス情報および前記遺伝子型情報に基づいて、前記対象のペプチドバリアントまたはゲノムバリアントを特定するステップであって、前記ペプチドバリアントまたは前記ゲノムバリアントが、それぞれ、(a)または(b)において、他に特定可能ではない、ステップを含む方法。
【0839】
実施形態2. 前記生体試料が、全血、血漿、軟膜、血清、尿、脳脊髄液、滑液、涙液、唾液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、汗、間隙液、精液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、流動化固体、穿刺吸引試料、組織ホモジネート、リンパ液、細胞培養試料、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態1に記載の方法。
【0840】
実施形態3. 前記生体試料が、血漿または血清を含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0841】
実施形態4. 前記生体試料が、5000種類超のタンパク質を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0842】
実施形態5. (a)が、前記生体試料を、前記生体試料中の前記複数のタンパク質を特定するアッセイに付すステップを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0843】
実施形態6. (a)が、前記生体試料を粒子と、前記生体試料由来の前記タンパク質の前記粒子への吸着に十分な条件下で接触させるステップを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0844】
実施形態7. 前記タンパク質が、前記粒子に対して圧縮されたダイナミックレンジを含む、実施形態6に記載の方法。
【0845】
実施形態8. 前記粒子に吸着された前記タンパク質が、前記生体試料中の存在量よりも低い存在量を有する1つまたは複数のタンパク質を含む、実施形態6または7に記載の方法。
【0846】
実施形態9. 前記粒子の表面積1平方ミリメートル(mm2)あたり少なくとも10-9ミリグラム(mg)の前記タンパク質が吸着される、実施形態6~8のいずれか1つに記載の方法。
【0847】
実施形態10. 前記粒子が、異なる物理化学的特性を有する複数の粒子を含む、実施形態6~9のいずれか1つに記載の方法。
【0848】
実施形態11. 前記異なる物理化学的特性が、サイズ、形状、表面官能化、コア材料、密度、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態10に記載の方法。
【0849】
実施形態12. 前記複数の粒子の第1の粒子によって吸着された前記タンパク質の第1のタンパク質のサブセットが、前記複数の粒子の第2の粒子によって吸着された前記タンパク質の第2のタンパク質のサブセットと共通する最大で80%の種類のタンパク質を含む、実施形態10または11のいずれかに記載の方法。
【0850】
実施形態13. 前記タンパク質が、少なくとも5種類のタンパク質を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0851】
実施形態14. 前記タンパク質が、少なくとも200種類のタンパク質を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0852】
実施形態15. 前記タンパク質が、少なくとも500種類のタンパク質を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0853】
実施形態16. 前記タンパク質が、少なくとも1000種類のタンパク質を含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0854】
実施形態17. 前記タンパク質が、少なくとも2000種類のタンパク質を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0855】
実施形態18. 前記タンパク質が、少なくとも5000種類のタンパク質を含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0856】
実施形態19. 前記タンパク質が、5~1000種類のタンパク質を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0857】
実施形態20. 前記タンパク質が、20~200種類のタンパク質を含む、実施形態1~13および19のいずれか1つに記載の方法。
【0858】
実施形態21. 前記タンパク質が、前記生体試料中に少なくとも2%の前記種類のタンパク質を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0859】
実施形態22. 前記タンパク質が、前記生体試料中に0.2%~2%の前記種類のタンパク質を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0860】
実施形態23. (a)が、前記生体試料中の前記タンパク質の存在量を特定するステップを含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
【0861】
実施形態24. (c)が、前記プロテオミクス情報および前記遺伝子型情報に基づいて、前記タンパク質のスプライシングバリアント、コンフォメーション、翻訳後修飾、補助因子の関連、または基質の関連を特定するステップを含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
【0862】
実施形態25. 前記タンパク質が、前記生体試料中で少なくとも4桁の濃度に及ぶ、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
【0863】
実施形態26. 前記核酸分子の配列を得て、前記遺伝子型情報を特定するステップをさらに含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0864】
実施形態27. 前記配列を前記得るステップが、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態26に記載の方法。
【0865】
実施形態28. 前記核酸分子が、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞リボ核酸(cfRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0866】
実施形態29. 前記無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)が、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態28に記載の方法。
【0867】
実施形態30. (b)が、前記核酸分子を、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含むものとして特定するステップを含む、実施形態28または29に記載の方法。
【0868】
実施形態31. (b)が、前記ctDNAの細胞型、がん型、がんのステージ、またはそれらの任意の組合せを特定するステップを含む、実施形態30に記載の方法。
【0869】
実施形態32. (c)の前記特定するステップが、前記ctDNAの前記細胞型、前記がん型、または前記がんのステージを前記特定するステップを含む、実施形態31に記載の方法。
【0870】
実施形態33. 前記無細胞リボ核酸(cfRNA)が、メッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、YRNA、マイクロRNA(miRNA)、環状RNA、核小体低分子RNA(snRNA)、偽遺伝子RNA、トランスファーRNA(tRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態28に記載の方法。
【0871】
実施形態34. (b)が、前記核酸分子を、メッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、YRNA、マイクロRNA(miRNA)、環状RNA、核小体低分子RNA(snRNA)、偽遺伝子RNA、トランスファーRNA(tRNA)、またはそれらの任意の組合せの配列を含むとして特定するステップを含む、実施形態33に記載の方法。
【0872】
実施形態35. 前記核酸分子が、エキソソーム、アポトーシス小体、腫瘍細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せに由来する、実施形態1~34のいずれか1つに記載の方法。
【0873】
実施形態36. (b)が、前記核酸分子が、エキソソーム、アポトーシス小体、病的な細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せに由来したことを特定するステップを含む、実施形態35に記載の方法。
【0874】
実施形態37. (b)が、前記試料が由来する生物体における前記健康な細胞または前記病的な細胞のアポトーシスの比率または率を特定するステップを含む、実施形態36に記載の方法。
【0875】
実施形態38. (b)が、前記健康な細胞または前記病的な細胞の存在量を特定するステップを含む、実施形態36または37のいずれかに記載の方法。
【0876】
実施形態39. (b)が、前記健康な細胞または前記病的な細胞の細胞型を特定するステップを含む、実施形態36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0877】
実施形態40. 前記細胞型に関連するか、またはそれに由来するタンパク質のサブセットを特定するステップをさらに含む、実施形態39に記載の方法。
【0878】
実施形態41. (c)の前記特定するステップが、前記細胞型に関連するか、またはそれに由来する前記タンパク質のサブセットを前記特定するステップを含む、実施形態40に記載の方法。
【0879】
実施形態42. 前記タンパク質の化学修飾を特定するステップをさらに含む、実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法。
【0880】
実施形態43. 前記ペプチドバリアントまたは前記ゲノムバリアントが、前記化学修飾を含む、実施形態42に記載の方法。
【0881】
実施形態44. 前記化学修飾に少なくとも一部において基づいて前記試料の生物学的状態を特定するステップをさらに含む、実施形態42または43のいずれかに記載の方法。
【0882】
実施形態45. 前記核酸分子を前記分析するステップが、配列読み取りデータを得るステップ、および前記配列読み取りデータを参照配列に対して整列させて、前記遺伝子型情報を特定するステップを含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法。
【0883】
実施形態46. 前記核酸分子を前記分析するステップが、前記核酸分子の化学修飾を特定するステップを含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法。
【0884】
実施形態47. 前記ペプチドバリアントまたは前記ゲノムバリアントを前記特定するステップが、前記核酸分子の前記化学修飾を前記特定するステップを含む、実施形態46に記載の方法。
【0885】
実施形態48. 前記化学修飾に少なくとも一部において基づいて前記元の細胞の生物学的状態を特定するステップをさらに含む、実施形態46または47のいずれか1つに記載の方法。
【0886】
実施形態49. 前記生体試料が、前記プロテオミクス情報および前記遺伝子型情報に基づいて、生物学的状態を有する確率を決定するステップをさらに含む、実施形態1~48のいずれか1つに記載の方法。
【0887】
実施形態50. (b)が、前記核酸分子を、前記生体試料の前記遺伝子型情報を特定する分析に付すステップを含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の方法。
【0888】
実施形態51. 対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)前記対象由来の前記生体試料中の核酸分子を分析して、前記核酸分子が起源とする細胞型を特定するステップ、および(b)前記細胞型に関連する前記生体試料中の複数のタンパク質についてのタンパク質存在量を定量化するステップを含む、方法。
【0889】
実施形態52. 前記生体試料が、全血、血漿、軟膜、血清、尿、脳脊髄液、滑液、涙液、唾液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、汗、間隙液、精液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、流動化固体、穿刺吸引試料、組織ホモジネート、リンパ液、細胞培養試料、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態51に記載の方法。
【0890】
実施形態53. 前記生体試料が、血漿または血清を含む、実施形態51または52に記載の方法。
【0891】
実施形態54. 前記生体試料が、1000種類超のタンパク質を含む、実施形態51~53のいずれか1つに記載の方法。
【0892】
実施形態55. 前記核酸分子の配列を得て、前記遺伝子型情報を特定するステップをさらに含む、実施形態51~54のいずれか1つに記載の方法。
【0893】
実施形態56. 前記配列を前記得るステップが、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態55に記載の方法。
【0894】
実施形態57. 前記核酸分子を前記分析するステップが、前記核酸分子の化学修飾を特定するステップを含む、実施形態50~56のいずれか1つに記載の方法。
【0895】
実施形態58. 前記化学修飾が、メチル化、脱メチル化、アミノ化、脱アミノ化、アセチル化、酸化、酸素化、還元、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態57に記載の方法。
【0896】
実施形態59. 前記核酸分子が起源とする前記細胞型を前記特定するステップが、前記化学修飾の前記特定に少なくとも一部において基づく、実施形態57または58のいずれかに記載の方法。
【0897】
実施形態60. 前記分析するステップが、前記核酸分子の非標準核酸塩基を特定する、実施形態51~59のいずれか1つに記載の方法。
【0898】
実施形態61. 前記非標準核酸塩基が、ヒポキサンチン、キサンチン、7-メチルグアニン、5,6-ジヒドロウラシル、5-メチルシトシン、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態60に記載の方法。
【0899】
実施形態62. 前記核酸分子が起源とする前記細胞型を前記特定するステップが、前記非標準核酸塩基の前記特定に少なくとも一部において基づく、実施形態60または61のいずれかに記載の方法。
【0900】
実施形態63. 前記分析するステップが、前記核酸分子の転写後修飾を特定する、実施形態51~62のいずれか1つに記載の方法。
【0901】
実施形態64. 前記転写後修飾が、5’キャッピング、3’切断、3’ポリアデニル化、スプライシング、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態63に記載の方法。
【0902】
実施形態65. 前記核酸分子が起源とする前記細胞型を前記特定するステップが、前記転写後修飾の前記特定に少なくとも一部において基づく、実施形態63または64のいずれかに記載の方法。
【0903】
実施形態66. 前記分析するステップが、前記核酸の非翻訳領域を特定するステップを含む、実施形態51~65のいずれか1つに記載の方法。
【0904】
実施形態67. 前記核酸分子が起源とする前記細胞型を前記特定するステップが、前記非翻訳領域の前記特定に少なくとも一部において基づく、実施形態66に記載の方法。
【0905】
実施形態68. 前記タンパク質存在量を前記定量化するステップが、前記生体試料を粒子と接触させ、それによって、前記複数のタンパク質を含む前記粒子上の生体分子コロナを形成するステップを含む、実施形態61~67のいずれか1つに記載の方法。
【0906】
実施形態69. 前記複数のタンパク質が、前記生体分子コロナ内の圧縮されたダイナミックレンジを含む、実施形態68に記載の方法。
【0907】
実施形態70. 前記生体分子コロナが、前記生体試料中の存在量よりも低減された存在量を有する1つまたは複数の高存在量のタンパク質を含む、実施形態68または69のいずれかに記載の方法。
【0908】
実施形態71. 前記生体分子コロナが、前記粒子の表面積1mm2あたり少なくとも10-9mgの前記複数のタンパク質を含む、実施形態68~70のいずれか1つに記載の方法。
【0909】
実施形態72. 前記粒子が、異なる物理化学的特性を含む複数の粒子を含む、実施形態68~71のいずれか1つに記載の方法。
【0910】
実施形態73. 前記異なる物理化学的特性が、サイズ、形状、表面官能化、コア材料、密度、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態72に記載の方法。
【0911】
実施形態74. 前記複数の粒子の第1の粒子によって吸着された前記複数のタンパク質の第1のタンパク質のサブセットが、前記複数の粒子の第2の粒子によって吸着された前記複数のタンパク質の第2のタンパク質のサブセットと共通する最大で80%の種類のタンパク質を含む、実施形態72または73のいずれかに記載の方法。
【0912】
実施形態75. 前記複数のタンパク質が、少なくとも5種類のタンパク質を含む、実施形態51~74のいずれか1つに記載の方法。
【0913】
実施形態76. 前記複数のタンパク質が、少なくとも200種類のタンパク質を含む、実施形態51~75のいずれか1つに記載の方法。
【0914】
実施形態77. 前記複数のタンパク質が、少なくとも500種類のタンパク質を含む、実施形態51~76のいずれか1つに記載の方法。
【0915】
実施形態78. 前記複数のタンパク質が、5~1000種類のタンパク質を含む、実施形態1~75のいずれか1つに記載の方法。
【0916】
実施形態79. 前記タンパク質が、20~200種類のタンパク質を含む、実施形態1~75および78のいずれか1つに記載の方法。
【0917】
実施形態80. 前記複数のタンパク質が、前記生体試料中に少なくとも2%の前記種類のタンパク質を含む、実施形態51~79のいずれか1つに記載の方法。
【0918】
実施形態81. 前記複数のタンパク質が、前記生体試料中に0.2%~2%の前記種類のタンパク質を含む、実施形態51~79のいずれか1つに記載の方法。
【0919】
実施形態82. 前記複数のタンパク質が、前記生体試料中で少なくとも4桁の濃度に及ぶ、実施形態51~81のいずれか1つに記載の方法。
【0920】
実施形態83. 前記タンパク質存在量を前記定量化するステップが、前記複数のタンパク質のスプライシングバリアント、コンフォメーション、翻訳後修飾、補助因子の関連、または基質の関連を特定するステップを含む、実施形態51~82のいずれか1つに記載の方法。
【0921】
実施形態84. 前記タンパク質存在量を前記定量化するステップが、相対スプライシングバリアント存在量を特定するステップを含む、実施形態83に記載の方法。
【0922】
実施形態85. 前記タンパク質存在量に少なくとも部分的に基づいて前記血漿試料の生物学的状態を特定するステップをさらに含む、実施形態51~84のいずれか1つに記載の方法。
【0923】
実施形態86. 前記核酸分子が、無細胞核酸を含む、実施形態51~85のいずれか1つに記載の方法。
【0924】
実施形態87. 前記無細胞核酸が、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)または無細胞リボ核酸(cfRNA)を含む、実施形態86に記載の方法。
【0925】
実施形態88. (a)が、前記核酸分子を、前記細胞型を特定する分析に付すステップを含む、実施形態51~87のいずれか1つに記載の方法。
【0926】
実施形態89. (b)が、前記生体試料中の前記複数のタンパク質について前記タンパク質存在量を定量化しているステップを含む、実施形態51~88のいずれか1つに記載の方法。
【0927】
実施形態90. 対象由来の生体試料を分画するための方法であって、(a)前記生体試料を複数の粒子と接触させて、前記複数の粒子上で、前記生体試料由来のタンパク質および核酸分子を含む生体分子コロナを形成するステップ、ならびに(b)少なくとも前記生体分子コロナのサブセットを前記生体試料から分離し、それによって、前記生体試料を分画するステップを含む、方法。
【0928】
実施形態91. 前記生体試料が、全血、血漿、軟膜、血清、尿、脳脊髄液、滑液、涙液、唾液、全血、乳、乳頭吸引液、針吸引液、管洗浄液、膣液、鼻液、耳液、胃液、膵液、小柱液、肺洗浄液、汗、間隙液、精液、前立腺液、痰、糞便物質、気管支洗浄液、スワビング由来の液体、気管支吸引液、流動化固体、穿刺吸引試料、組織ホモジネート、リンパ液、細胞培養試料、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態90に記載の方法。
【0929】
実施形態92. 前記生体試料が、血漿または血清を含む、実施形態90または91
に記載の方法。
【0930】
実施形態93. エキソソーム、アポトーシス小体、細胞、ビルトソーム、またはそれらの任意の組合せを溶解するステップをさらに含む、実施形態90~92のいずれか1つに記載の方法。
【0931】
実施形態94. 前記生体分子コロナのタンパク質または核酸が、前記溶解物に由来する、実施形態93に記載の方法。
【0932】
実施形態95. 前記核酸分子が、無細胞核酸を含む、実施形態90~94のいずれか1つに記載の方法。
【0933】
実施形態96. 前記核酸分子が、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)または無細胞リボ核酸(cfRNA)を含む、実施形態95に記載の方法。
【0934】
実施形態97. 前記無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)が、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態96に記載の方法。
【0935】
実施形態98. 前記無細胞リボ核酸(cfRNA)が、メッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖ノンコーディングRNA、テロメラーゼRNA、Piwi相互作用RNA、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、YRNA、マイクロRNA(miRNA)、環状RNA、核小体低分子RNA(snRNA)、偽遺伝子RNA、トランスファーRNA(tRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態96または97に記載の方法。
【0936】
実施形態99. 前記生体分子コロナの前記核酸分子が、少なくとも30ヌクレオチドの平均長さを含む、実施形態90~98のいずれか1つに記載の方法。
【0937】
実施形態100. 前記生体分子コロナの前記核酸分子が、少なくとも60ヌクレオチドの平均長さを含む、実施形態90~99のいずれか1つに記載の方法。
【0938】
実施形態101. 前記生体分子コロナの前記核酸分子が、前記生体試料の核酸分子よりも長い平均長さを有する、実施形態90~100のいずれか1つに記載の方法。
【0939】
実施形態102. 前記タンパク質が、少なくとも5種類のタンパク質を含む、実施形態90~101のいずれか1つに記載の方法。
【0940】
実施形態103. 前記タンパク質が、少なくとも200種類のタンパク質を含む、実施形態90~102のいずれか1つに記載の方法。
【0941】
実施形態104. 前記タンパク質が、少なくとも500種類のタンパク質を含む、実施形態90~103のいずれか1つに記載の方法。
【0942】
実施形態105. 前記タンパク質が、少なくとも1000種類のタンパク質を含む、実施形態90~104のいずれか1つに記載の方法。
【0943】
実施形態106. 前記タンパク質が、少なくとも2000種類のタンパク質を含む、実施形態90~105のいずれか1つに記載の方法。
【0944】
実施形態107. 前記タンパク質が、少なくとも5000種類のタンパク質を含む、実施形態90~106のいずれか1つに記載の方法。
【0945】
実施形態108. 前記タンパク質が、5~1000種類のタンパク質を含む、実施形態90~105のいずれか1つに記載の方法。
【0946】
実施形態109. 前記タンパク質が、20~200種類のタンパク質を含む、実施形態90~102および108のいずれか1つに記載の方法。
【0947】
実施形態110. 前記タンパク質が、前記生体試料中に少なくとも2%のその種類のタンパク質を含む、実施形態90~109のいずれか1つに記載の方法。
【0948】
実施形態111. 前記タンパク質が、前記生体試料中に0.2%~2%のその種類のタンパク質を含む、実施形態90~109のいずれか1つに記載の方法。
【0949】
実施形態112. 前記タンパク質が、前記生体試料中の存在量と比べて、低減された存在量を有する1つまたは複数の高存在量のタンパク質を含む、実施形態90~111のいずれか1つに記載の方法。
【0950】
実施形態113. 前記タンパク質由来のタンパク質が、前記生体試料中で約100ng/ml未満またはそれに等しい濃度を含む、実施形態90~112のいずれか1つに記載の方法。
【0951】
実施形態114. 対象由来の生体試料を分析するための方法であって、(a)前記対象由来の前記生体試料中のタンパク質をアッセイして、第1の複数のタンパク質またはタンパク質断片に割り当て可能なシグナルを特定するステップ、(b)核酸配列データについて、前記生体試料中の核酸分子をアッセイし、それによって、前記核酸配列に関連する第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップ、および(c)前記第1の複数のタンパク質またはタンパク質断片から、前記生体試料中の1つまたは複数のタンパク質を特定するステップであって、前記1つまたは複数のタンパク質が、前記核酸配列データの非存在下で、他に特定不能である、ステップを含む、方法。
【0952】
実施形態115. 前記生体試料が、約500マイクロリットル(μL)未満またはそれに等しい体積を有する、実施形態114に記載の方法。
【0953】
実施形態116. 前記生体試料が、血漿または血清を含む、実施形態114または115のいずれかに記載の方法。
【0954】
実施形態117. 前記タンパク質を前記アッセイするステップが、前記タンパク質を粒子に吸着させるステップを含む、実施形態114~116のいずれか1つに記載の方法。
【0955】
実施形態118. 前記タンパク質を前記粒子に前記吸着させるステップが、前記生体試料由来の高存在量のタンパク質と比べて、前記生体試料由来の低存在量のタンパク質を富化する、実施形態117に記載の方法。
【0956】
実施形態119. 前記タンパク質を前記粒子に前記吸着させるステップが、前記タンパク質のダイナミックレンジを圧縮する、実施形態117または118のいずれかに記載の方法。
【0957】
実施形態120. 前記タンパク質を前記アッセイするステップが、質量分光分析を含む、実施形態114~119のいずれか1つに記載の方法。
【0958】
実施形態121. 前記タンパク質を前記アッセイするステップが、親和性捕捉、組織学的検査、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態114~120のいずれか1つに記載の方法。
【0959】
実施形態122. 前記タンパク質を前記アッセイするステップが、前記タンパク質をシークエンシングするステップを含む、実施形態114~121のいずれか1つに記載の方法。
【0960】
実施形態123. 前記タンパク質を前記アッセイするステップが、翻訳後修飾を特定するステップを含む、実施形態114~122のいずれか1つに記載の方法。
【0961】
実施形態124. 前記翻訳後修飾が、アシル化、アルキル化、プレニル化、フラビン化、アミド化、アミノ化、脱アミノ化、カルボキシル化、脱カルボキシル化、ニトロシル化、ホルミル化、シトルリン化、グリコシル化、糖化、ハロゲン化、ヒドロキシル化、リン酸化、スルフリル化、グルタチオン化、スクシニル化、カルボニル化、カルバミル化、酸化、酸素化、還元、ユビキチン化、SUMO化、NEDD化、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態123に記載の方法。
【0962】
実施形態125. 前記核酸分子を前記アッセイするステップが、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態114~124のいずれか1つに記載の方法。
【0963】
実施形態126. 前記核酸分子を前記アッセイするステップが、シークエンシングするステップを含む、実施形態114~125のいずれか1つに記載の方法。
【0964】
実施形態127. 前記第2の複数のタンパク質またはタンパク質断片を前記特定するステップが、前記核酸分子のコード領域をシークエンシングするステップを含む、実施形態126に記載の方法。
【0965】
実施形態128. 前記第2の複数のタンパク質または前記タンパク質断片を前記特定するステップが、前記核酸分子の非コード領域をシークエンシングするステップを含む、実施形態126または127のいずれかに記載の方法。
【0966】
実施形態129. 前記第2の複数のタンパク質または前記タンパク質断片を前記特定するステップが、前記核酸分子の核酸分子に結合するタンパク質またはタンパク質断片を特定するステップを含む、実施形態114~128のいずれか1つに記載の方法。
【0967】
実施形態130. (c)の前記特定するステップが、1つまたは複数のタンパク質アイソフォームを特定するステップを含む、実施形態114~129のいずれか1つに記載の方法。
【0968】
実施形態131. 前記1つまたは複数のタンパク質が、前記生体試料中の生物学的状態または状況の存在または非存在を示す、実施形態114~130のいずれか1つに記載の方法。
【0969】
実施形態132. 前記生物学的状態または状況が、がんを含む、実施形態131に記載の方法。
【0970】
実施形態133. (c)の前記特定するステップが、前記がんのステージを特定する、実施形態132に記載の方法。
【0971】
実施形態134. 前記1つまたは複数のタンパク質が、前記第1の複数のタンパク質のタンパク質のアイソフォームを含む、実施形態114~133のいずれか1つに記載の方法。
【0972】
実施形態135. 前記特定するステップが、前記1つまたは複数のタンパク質に関連し、前記第1の複数のタンパク質に割り当て可能な前記シグナルのシグナルと重複するシグナルを特定するステップを含む、実施形態114~134のいずれか1つに記載の方法。
【0973】
実施形態136. 対象由来の生体試料を処理するための方法であって、(a)前記核酸分子またはその断片の核酸配列について、前記対象由来の前記生体試料中の核酸分子をアッセイするステップ、(b)前記核酸配列をコンピュータ処理して、前記ヌクレオチド配列に関連するタンパク質のタンパク質配列を含むデータを作成するステップ、(c)少なくとも前記タンパク質のサブセットに割り当て可能なシグナルについて、前記生体試料をアッセイするステップ、および前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットから、(b)において作成された前記データに少なくとも部分的に基づいてタンパク質を特定するステップを含む、方法。
【0974】
実施形態137. 前記核酸分子を前記アッセイするステップが、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)、定量的蛍光PCR(QF-PCR)、ナノポアシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、合成によるシークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態136に記載の方法。
【0975】
実施形態138. 前記核酸分子が、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞リボ核酸(cfRNA)、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態136または137のいずれかに記載の方法。
【0976】
実施形態139. 前記核酸分子を前記アッセイするステップが、エキソソーム、アポトーシス小体、病的な細胞、健康な細胞、ビルトソーム、細胞外膜小胞、好中球細胞外トラップ(NET)、またはそれらの任意の組合せから少なくとも前記核酸分子のサブセットを収集するステップを含む、実施形態136~138のいずれか1つに記載の方法。
【0977】
実施形態140. 前記ヌクレオチド配列に関連するタンパク質配列が、前記核酸配列によってコードされないタンパク質を含む、実施形態136~139のいずれか1つに記載の方法。
【0978】
実施形態141. (c)の前記アッセイするステップが、前記生体試料を粒子と接触させ、それによって、前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットを含む前記粒子上の生体分子コロナを形成するステップ含む、実施形態136~140のいずれか1つに記載の方法。
【0979】
実施形態142. (c)の前記アッセイするステップが、質量分析、ペプチドシークエンシング、ペプチド親和性捕捉、組織学的検査、クロマトグラフィー、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態136~141のいずれか1つに記載の方法。
【0980】
実施形態143. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットが、少なくとも20のタンパク質を含む、実施形態136~142のいずれか1つに記載の方法。
【0981】
実施形態144. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットが、少なくとも200のタンパク質を含む、実施形態136~143のいずれか1つに記載の方法。
【0982】
実施形態145. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットが、少なくとも500のタンパク質を含む、実施形態136~144のいずれか1つに記載の方法。
【0983】
実施形態146. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットに割り当て可能な前記シグナルが、少なくとも100,000シグナルを含む、実施形態136~145のいずれか1つに記載の方法。
【0984】
実施形態147. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットに割り当て可能な前記シグナルが、少なくとも1,000,000シグナルを含む、実施形態136~146のいずれか1つに記載の方法。
【0985】
実施形態148. 前記特定するステップが、前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットの中からスプライシングバリアントを特定するステップを含む、実施形態136~147のいずれか1つに記載の方法。
【0986】
実施形態149. 前記スプライシングバリアントを前記特定するステップが、複数のスプライシングバリアントの存在量比を特定するステップを含む、実施形態148に記載の方法。
【0987】
実施形態150. 前記タンパク質が、前記生体試料中での生物学的状況または状態に関連する、実施形態136~149のいずれか1つに記載の方法。
【0988】
実施形態151. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットに割り当て可能な前記シグナルが、複数の重複するシグナルを含み、前記特定するステップが、前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットのタンパク質からの前記複数の重複するシグナルの重複するシグナルの強度を決定するステップを含む、実施形態136~150のいずれか1つに記載の方法。
【0989】
実施形態152. 前記少なくとも前記タンパク質の前記サブセットから第1のタンパク質および第2のタンパク質の存在量比を特定するステップをさらに含み、前記第1のタンパク質および前記第2のタンパク質が、前記複数の重複するシグナルのシグナルに関連する、実施形態151に記載の方法。
【0990】
実施形態153. 前記重複するシグナルのシグナルが、質量分析シグナルを含む、実施形態151または152のいずれかに記載の方法。
【0991】
実施形態154. 前記質量分析シグナルが、複数のタンデム質量分析シグナルに関連し、前記特定するステップが、(b)の前記タンパク質配列に少なくとも一部において基づいて前記タンデム質量分析シグナルを割り当てるステップを含む、実施形態153に記載の方法。
【0992】
実施形態155. 生体試料をアッセイするための方法であって、(a)表面修飾粒子および支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップであって、前記表面修飾粒子が、複数の生体分子または生体分子群の可変的に選択的な吸着のための物理化学的特性を有する、ステップ、(b)液体中で前記乾燥組成物を再構成するステップ、ならびに(c)前記生体試料を(b)において再構成された前記乾燥組成物と接触させて、前記表面修飾粒子の表面上で、前記生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を吸着させるステップを含む、方法。
【0993】
実施形態156. 前記生体分子または生体分子群が、タンパク質またはタンパク質群を含む、実施形態155に記載の方法。
【0994】
実施形態157. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生体試料中で、少なくとも7桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態156に記載の方法。
【0995】
実施形態158. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生体試料中で、少なくとも8桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態156または157のいずれかに記載の方法。
【0996】
実施形態159. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生体試料中で、少なくとも9桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態156~158のいずれか1つに記載の方法。
【0997】
実施形態160. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生体試料中で、少なくとも10桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態156~159のいずれか1つに記載の方法。
【0998】
実施形態161. 前記液体が、水、有機溶媒、またはそれらの組合せもしくは混合物を含む、実施形態155~160のいずれか1つに記載の方法。
【0999】
実施形態162. 前記生体試料が、血漿、血清、CSF、尿、涙液、細胞溶解物、組織溶解物、細胞ホモジネート、組織ホモジネート、針吸引液、糞便試料、滑液、全血、唾液、またはそれらの組合せを含む、実施形態155~161のいずれか1つに記載の方法。
【1000】
実施形態163. 前記支持剤が、賦形剤を含む、実施形態155~162のいずれか1つに記載の方法。
【1001】
実施形態164. 前記支持剤が、賦形剤である、実施形態163に記載の方法。
【1002】
実施形態165. 前記賦形剤が、デキストラン、PEG、スクロース、グルコース、トレハロース、ラクトース、ポリソルベート、アミノ酸、マンニトール、グリシン、グリセロール、またはそれらの任意の組合せもしくは変形形態を含む、実施形態163または164のいずれかに記載の方法。
【1003】
実施形態166. 前記乾燥組成物が、凍結乾燥されたビーズの形式である、実施形態155~165のいずれか1つに記載の方法。
【1004】
実施形態167. 前記乾燥組成物が、マルチウェルプレート、流体チャネル、流体チャンバー、または管の体積内にある、実施形態155~166のいずれか1つに記載の方法。
【1005】
実施形態168. 前記乾燥組成物が、(b)において、前記マルチウェルプレート、前記流体チャネル、前記流体チャンバー、または前記管の前記体積内で再構成される、実施形態167に記載の方法。
【1006】
実施形態169. (c)において、前記再構成された乾燥組成物が、前記マルチウェルプレート、前記流体チャネル、前記流体チャンバー、または前記管の前記体積内で前記生体試料と接触する、実施形態168に記載の方法。
【1007】
実施形態170. 前記乾燥組成物が、前記マルチウェルプレート、前記流体チャネル、前記流体チャンバー、または前記管の前記体積内の凍結乾燥されたビーズである、実施形態167~169のいずれか1つに記載の方法。
【1008】
実施形態171. 前記乾燥組成物が、前記マルチウェルプレート、前記流体チャネル、前記流体チャンバー、または前記管の前記体積内の複数の凍結乾燥されたビーズである、実施形態167~171のいずれか1つに記載の方法。
【1009】
実施形態172. 前記乾燥組成物が、前記表面修飾粒子を含む複数の粒子を含む、実施形態155~171のいずれか1つに記載の方法。
【1010】
実施形態173. 少なくとも1つの前記複数の粒子のサブセットの個々の粒子が、異なる表面を含む、実施形態172に記載の方法。
【1011】
実施形態174. 少なくとも1つの前記複数の粒子のサブセットの個々の粒子が、少なくとも1つの物理化学的特性において別のサブセットとは異なる、実施形態172または173のいずれかに記載の方法。
【1012】
実施形態175. 前記個々の粒子が、生体分子または生体分子群の異なるセットの可変的に選択的な吸着のために異なる物理化学的特性をそれぞれ含む、実施形態174に記載の方法。
【1013】
実施形態176. 前記複数の粒子が、少なくとも2つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、実施形態172~175のいずれか1つに記載の方法。
【1014】
実施形態177. 前記複数の粒子が、少なくとも6つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、実施形態172~176のいずれか1つに記載の方法。
【1015】
実施形態178. 前記複数の粒子が、少なくとも10またはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、実施形態172~177のいずれか1つに記載の方法。
【1016】
実施形態179. 前記複数の粒子が、磁気粒子を含む、実施形態172~178のいずれか1つに記載の方法。
【1017】
実施形態180. 前記複数の粒子が、ナノ粒子、マイクロ粒子、またはそれらの組合せを含む、実施形態172~179のいずれか1つに記載の方法。
【1018】
実施形態181. 前記複数の粒子が、ナノ粒子およびマイクロ粒子を含む、実施形態180に記載の方法。
【1019】
実施形態182. 前記表面修飾粒子が、抗体、T細胞受容体、キメラ抗原受容体、受容体タンパク質、またはそれらのバリアントもしくは断片を含まない、実施形態155~181のいずれか1つに記載の方法。
【1020】
実施形態183. (a)の前に、前記表面修飾粒子および前記支持剤を含む溶液または懸濁液を作製するステップをさらに含む、実施形態155~182のいずれか1つに記載の方法。
【1021】
実施形態184. 前記溶液または懸濁液が、1マイクロリットル(μL)超である体積を有する、実施形態183に記載の方法。
【1022】
実施形態185. 前記溶液または懸濁液が、100μL未満である体積を有する、実施形態183または184のいずれかに記載の方法。
【1023】
実施形態186. 前記溶液または懸濁液が、2マイクロリットル(μL)~60μLの体積を有する、実施形態183~185のいずれか1つに記載の方法。
【1024】
実施形態187. 前記溶液または懸濁液が、25μL~45μLの体積を有する、実施形態183~186のいずれか1つに記載の方法。
【1025】
実施形態188. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、50mg/mL超である濃度を有する、実施形態183~187のいずれか1つに記載の方法。
【1026】
実施形態189. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、250mg/mL未満である濃度を有する、実施形態183~188のいずれか1つに記載の方法。
【1027】
実施形態190. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、100mg/mL~200mg/mLの濃度を有する、実施形態183~189のいずれか1つに記載の方法。
【1028】
実施形態191. 前記溶液または懸濁液が、2.5ミリグラム/ミリリットル(mg/mL)超の粒子濃度を有する、実施形態183~190のいずれか1つに記載の方法。
【1029】
実施形態192. 前記溶液または懸濁液が、100mg/mL未満の粒子濃度を有する、実施形態183~191のいずれか1つに記載の方法。
【1030】
実施形態193. 前記溶液または懸濁液が、10mg/mL~100mg/mLの粒子濃度を有する、実施形態183~192のいずれか1つに記載の方法。
【1031】
実施形態194. 前記溶液または懸濁液が、15mg/mL~80mg/mLの粒子濃度を有する、実施形態183~192のいずれか1つに記載の方法。
【1032】
実施形態195. 前記乾燥組成物が、1ビーズあたり少なくとも0.5mgの前記表面修飾粒子を含むビーズである、実施形態155~194のいずれか1つに記載の方法。
【1033】
実施形態196. 前記乾燥組成物が、1ビーズあたり0.5mg~約5mgの前記表面修飾粒子を含むビーズである、実施形態155~195のいずれか1つに記載の方法。
【1034】
実施形態197. (b)の後の前記表面修飾粒子の直径が、前記溶液または懸濁液中の前記表面修飾粒子の直径の約90%~約110%である、実施形態183~196のいずれか1つに記載の方法。
【1035】
実施形態198. (b)の後の前記表面修飾粒子のゼータ電位が、前記瞬間凍結するステップの前の前記液体中の同じ表面修飾粒子のゼータ電位の約90%~約110%である、実施形態183~197のいずれか1つに記載の方法。
【1036】
実施形態199. (c)の後の前記表面修飾粒子が、凍結乾燥の非存在下で前記液体に溶解した同じ表面修飾粒子が前記生体試料から吸着されるであろう前記生体試料中の生体分子の少なくとも90%を吸着する、実施形態183~198のいずれか1つに記載の方法。
【1037】
実施形態200. 前記溶液または懸濁液を瞬間凍結して、凍結した組成物を生成するステップをさらに含み、前記瞬間凍結するステップが、液体窒素中、冷却板上、または冷却された空気中においてである、実施形態183~198のいずれか1つに記載の方法。
【1038】
実施形態201. 前記凍結した組成物を凍結乾燥して、前記乾燥組成物を生成するステップをさらに含む、実施形態199または200のいずれかに記載の方法。
【1039】
実施形態202. ウェルまたは管においてインサイチュで前記瞬間凍結するステップを実施するステップをさらに含む、実施形態199~201のいずれか1つに記載の方法。
【1040】
実施形態203. 複数のウェルまたは複数の管において前記瞬間凍結するステップを実施するステップをさらに含む、実施形態199~202のいずれか1つに記載の方法。
【1041】
実施形態204. 前記再構成が、25℃で、少なくとも0.1分-1の速度を含む、実施形態155~203のいずれか1つに記載の方法。
【1042】
実施形態205. 前記再構成が、25℃で、少なくとも0.5分-1の速度を含む、実施形態155~204のいずれか1つに記載の方法。
【1043】
実施形態206. 前記再構成が、最大で20分間行われる、実施形態155~205のいずれか1つに記載の方法。
【1044】
実施形態207. 前記再構成が、超音波処理、振とう、または混合を含む、実施形態155~206のいずれか1つに記載の方法。
【1045】
実施形態208. 前記再構成が、物理的摂動を含まない、実施形態155~206のいずれか1つに記載の方法。
【1046】
実施形態209. 前記再構成の後、前記表面修飾粒子が、粒子凝集物を実質的に含まない、実施形態155~208のいずれか1つに記載の方法。
【1047】
実施形態210. 前記再構成の後、前記液体が、約5~約9のpHを含む、実施形態155~209のいずれか1つに記載の方法。
【1048】
実施形態211. 前記可変的に選択的な吸着が、低い結合親和性、遅い結合キネティクス、またはその両方を含む、実施形態155~210のいずれか1つに記載の方法。
【1049】
実施形態212. 前記可変的に選択的な吸着が、タンパク質-リガンド相互作用ではない相互作用を含む、実施形態155~211のいずれか1つに記載の方法。
【1050】
実施形態213. 前記可変的に選択的な吸着が、前記複数の生体分子または生体分子群を前記表面修飾粒子の表面と接触させるステップを含み、前記表面が、官能化タンパク質を含まない、実施形態155~212のいずれか1つに記載の方法。
【1051】
実施形態214. 前記複数の生体分子または生体分子群の前記可変的に選択的な吸着が、生体分子コロナを形成する、実施形態155~213のいずれか1つに記載の方法。
【1052】
実施形態215. 生物流体試料をアッセイするための方法であって、(a)表面修飾粒子および凍結乾燥された支持剤を含む乾燥組成物を提供するステップであって、前記表面修飾粒子が、複数の生体分子または生体分子群に対する親和性を有する、ステップ、ならびに(b)前記乾燥組成物の再構成の非存在下で、前記生物流体試料を前記乾燥組成物と接触させて、前記表面修飾粒子の表面上で、前記生体分子または生体分子群の少なくとも一部分を吸着させるステップを含む、方法。
【1053】
実施形態216. 前記生物流体試料が、血漿、血清、CSF、尿、涙液、細胞溶解物、組織溶解物、細胞ホモジネート、組織ホモジネート、乳頭吸引液、針吸引液、糞便試料、滑液、全血、唾液、またはそれらの組合せを含む、実施形態215に記載の方法。
【1054】
実施形態217. 前記生物流体試料が、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約1部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される、実施形態215または216のいずれかに記載の方法。
【1055】
実施形態218. 前記生物流体試料が、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約2部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される、実施形態215~217のいずれか1つに記載の方法。
【1056】
実施形態219. 前記生物流体試料が、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約5部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される、実施形態215~218のいずれか1つに記載の方法。
【1057】
実施形態220. 前記生物流体試料が、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約10部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される、実施形態215~219のいずれか1つに記載の方法。
【1058】
実施形態221. 前記生物流体試料が、(b)の前に、約1部の生物流体試料の少なくとも約20部の緩衝液に対する体積比で緩衝液に希釈される、実施形態215~220のいずれか1つに記載の方法。
【1059】
実施形態222. 前記生体分子または生体分子群が、タンパク質またはタンパク質群を含む、実施形態215~221のいずれか1つに記載の方法。
【1060】
実施形態223. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生物流体試料中で、少なくとも7桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態222に記載の方法。
【1061】
実施形態224. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生物流体試料中で、少なくとも8桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態222または223のいずれかに記載の方法。
【1062】
実施形態225. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生物流体試料中で、少なくとも9桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態222~224のいずれか1つに記載の方法。
【1063】
実施形態226. 前記タンパク質またはタンパク質群が、前記生物流体試料中で、少なくとも10桁の濃度のダイナミックレンジを有する、実施形態222~225のいずれか1つに記載の方法。
【1064】
実施形態227. 前記支持剤が、賦形剤を含む、実施形態215~226のいずれか1つに記載の方法。
【1065】
実施形態228. 前記支持剤が、賦形剤である、実施形態227に記載の方法。
【1066】
実施形態229. 前記賦形剤が、デキストラン、PEG、スクロース、グルコース、トレハロース、ラクトース、ポリソルベート、アミノ酸、マンニトール、グリシン、グリセロール、またはそれらの任意の組合せもしくは変形形態を含む、実施形態227または228のいずれかに記載の方法。
【1067】
実施形態230. 前記乾燥組成物が、凍結乾燥されたビーズである、実施形態215~229のいずれか1つに記載の方法。
【1068】
実施形態231. 前記凍結乾燥されたビーズが、2マイクロリットル(μL)~60μLの体積を含む、実施形態230に記載の方法。
【1069】
実施形態232. 前記乾燥組成物が、マルチウェルプレートまたは管の体積内にある、実施形態215~231のいずれか1つに記載の方法。
【1070】
実施形態233. 前記乾燥組成物が、前記マルチウェルプレートまたは前記管の前記体積内の凍結乾燥されたビーズである、実施形態232に記載の方法。
【1071】
実施形態234. 前記乾燥組成物が、前記マルチウェルプレートまたは前記管の前記体積内の複数の凍結乾燥されたビーズである、実施形態232または233のいずれかに記載の方法。
【1072】
実施形態235. 前記乾燥組成物が、前記表面修飾粒子を含む複数の粒子を含む、実施形態215~234のいずれか1つに記載の方法。
【1073】
実施形態236. (b)の後に、前記複数の粒子の少なくとも99.9%が、前記生物流体試料中で凝集していない、実施形態235に記載の方法。
【1074】
実施形態237. 少なくとも1つの前記複数の粒子のサブセットの個々の粒子が、少なくとも1つの物理化学的特性において別のサブセットとは異なる、実施形態235または236のいずれかに記載の方法。
【1075】
実施形態238. 前記個々の粒子が、生体分子または生体分子群の異なるセットの可変的に選択的な吸着のために異なる物理化学的特性をそれぞれ含む、実施形態237に記載の方法。
【1076】
実施形態239. 前記複数の粒子が、少なくとも2つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、実施形態236~238のいずれか1つに記載の方法。
【1077】
実施形態240. 前記複数の粒子が、少なくとも6つまたはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、実施形態235~239のいずれか1つに記載の方法。
【1078】
実施形態241. 前記複数の粒子が、少なくとも10またはそれよりも多くの別個の粒子の種類を含む、実施形態235~240のいずれか1つに記載の方法。
【1079】
実施形態242. 前記複数の粒子が、磁気粒子を含む、実施形態235~241のいずれか1つに記載の方法。
【1080】
実施形態243. 前記複数の粒子が、ナノ粒子、マイクロ粒子、またはそれらの組合せを含む、実施形態235~242のいずれか1つに記載の方法。
【1081】
実施形態244. 前記複数の粒子が、ナノ粒子およびマイクロ粒子を含む、実施形態243に記載の方法。
【1082】
実施形態245. 前記表面修飾粒子が、抗体、T細胞受容体、キメラ抗原受容体、受容体タンパク質、またはそれらのバリアントもしくは断片を含まない、実施形態215~244のいずれか1つに記載の方法。
【1083】
実施形態246. (a)の前に、前記表面修飾粒子および前記支持剤を含む溶液または懸濁液を作製するステップをさらに含む、実施形態215~245のいずれか1つに記載の方法。
【1084】
実施形態247. 前記溶液または懸濁液が、1マイクロリットル(μL)超である体積を有する、実施形態246に記載の方法。
【1085】
実施形態248. 前記溶液または懸濁液が、100μL未満である体積を有する、実施形態246または247のいずれかに記載の方法。
【1086】
実施形態249. 前記溶液または懸濁液が、2マイクロリットル(μL)~60μLの体積を有する、実施形態246~248のいずれか1つに記載の方法。
【1087】
実施形態250. 前記溶液または懸濁液が、25μL~45μLの体積を有する、実施形態246~249のいずれか1つに記載の方法。
【1088】
実施形態251. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、50mg/mL超である濃度を有する、実施形態246~250のいずれか1つに記載の方法。
【1089】
実施形態252. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、250mg/mL未満である濃度を有する、実施形態246~251のいずれか1つに記載の方法。
【1090】
実施形態253. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、250mg/mL未満である濃度を有する、実施形態246~252のいずれか1つに記載の方法。
【1091】
実施形態254. 前記溶液または懸濁液中の前記支持剤が、100mg/mL~200mg/mLの濃度を有する、実施形態246~253のいずれか1つに記載の方法。
【1092】
実施形態255. 前記溶液または懸濁液が、2.5ミリグラム/ミリリットル(mg/mL)超の粒子濃度を有する、実施形態246~254のいずれか1つに記載の方法。
【1093】
実施形態256. 前記溶液または懸濁液が、100mg/mL未満の粒子濃度を有する、実施形態246~255のいずれか1つに記載の方法。
【1094】
実施形態257. 前記溶液または懸濁液が、10mg/mL~100mg/mLの粒子濃度を有する、実施形態246~256のいずれか1つに記載の方法。
【1095】
実施形態258. 前記溶液または懸濁液が、15mg/mL~80mg/mLの粒子濃度を有する、実施形態246~257のいずれか1つに記載の方法。
【1096】
実施形態259. 前記溶液または懸濁液を瞬間凍結して、凍結した組成物を生成するステップをさらに含む、実施形態246~258のいずれか1つに記載の方法。
【1097】
実施形態260. 前記瞬間凍結するステップが、液体窒素中で瞬間凍結するステップを含む、実施形態259に記載の方法。
【1098】
実施形態261. 前記凍結した組成物を凍結乾燥して、前記乾燥組成物を生成するステップをさらに含む、実施形態259または260のいずれかに記載の方法。
【1099】
実施形態262. (b)の後の前記液体中の粒子直径が、前記溶液または懸濁液中の平均粒子サイズの約90%~約110%である、実施形態246~261のいずれか1つに記載の方法。
【1100】
実施形態263. (b)の後に、前記表面修飾粒子の0.1%未満が、粒子凝集物として存在する、実施形態246~262のいずれか1つに記載の方法。
【1101】
実施形態264. (b)の後の前記液体中の前記表面修飾粒子が、参照ゼータ電位の約90%~約110%のゼータ電位を含み、前記参照ゼータ電位が、前記液体を前記瞬間凍結するステップの前に、前記表面修飾粒子を含む溶液から測定可能である、実施形態259~263のいずれか1つに記載の方法。
【1102】
実施形態265. 前記凍結した組成物が、ウェルまたは管中で形成される、実施形態259~264のいずれか1つに記載の方法。
【1103】
実施形態266. 前記凍結した組成物が、複数のウェルまたは複数の管中で形成される、実施形態259~265のいずれか1つに記載の方法。
【1104】
実施形態267. 前記乾燥組成物が、1ビーズあたり少なくとも0.5mgの前記表面修飾粒子を含むビーズである、実施形態215~266のいずれか1つに記載の方法。
【1105】
実施形態268. 前記乾燥組成物が、1ビーズあたり約0.5mg~約5mgの前記表面修飾粒子を含むビーズである、実施形態215~267のいずれか1つに記載の方法。
【1106】
実施形態269. 生体試料をアッセイするためのシステムであって、粒子および支持剤を含む乾燥組成物を含む基材、生体試料を含む試料ストレージユニット、前記基材および前記試料ストレージユニットに動作可能に連結されたローディングユニット、ならびに機械実行可能コードを含むコンピュータ可読媒体であって、プロセッサーによる実行の際に、(a)前記ローディングユニットを使用して、前記生体試料またはその一部分を前記試料ストレージユニットから前記基材に移動させるステップ、および(b)前記生体試料を前記乾燥組成物との接触に向かわせて、複数の生体分子または生体分子群を含む生体分子コロナを生成するステップを含む方法を行う、コンピュータ可読媒体を含む、システム。
【1107】
実施形態270. 前記基材が、マルチウェルプレートまたは管である、実施形態269に記載のシステム。
【1108】
実施形態271. 前記基材が、前記乾燥組成物をそれぞれ含む複数の乾燥組成物を含む、実施形態269または270のいずれかに記載のシステム。
【1109】
実施形態272. 前記複数の乾燥組成物の個々の乾燥組成物に含まれる少なくとも1つの粒子のサブセットが、別のサブセットとは異なる、実施形態271に記載のシステム。
【1110】
実施形態273. 前記少なくとも1つの粒子のサブセットが、少なくとも1つの物理化学的特性において前記別のサブセットとは異なる、実施形態272に記載のシステム。
【1111】
実施形態274. 前記複数の乾燥組成物が、シリカ被覆SPION、トリアミン官能化ナノ粒子、PDMAPMAポリマー官能化ナノ粒子、グルコース-6-リン酸官能化ナノ粒子、モノアミン官能化ナノ粒子、またはそれらの組合せをそれぞれ含む少なくとも2つの乾燥組成物を含む、実施形態271~273のいずれか1つに記載のシステム。
【1112】
実施形態275. 前記マルチウェルプレートのそれぞれのウェルが、前記複数の乾燥組成物の個々の乾燥組成物を含む、実施形態271~274のいずれか1つに記載のシステム。
【1113】
実施形態276. 前記試料ストレージユニットが、複数の異なる生体試料を含む、実施形態269~275のいずれか1つに記載のシステム。
【1114】
実施形態277. (a)の前記移動させるステップが、前記複数の異なる生体試料のそれぞれを、前記マルチウェルプレートの異なるウェルに移動させるステップを含む、実施形態276に記載のシステム。
【1115】
実施形態278. 前記生体試料が、複数の部分を含む、実施形態269~277のいずれか1つに記載のシステム。
【1116】
実施形態279. (a)の前記移動させるステップが、前記生体試料の前記複数の部分のそれぞれを、前記マルチウェルプレートの異なるウェルに移動させるステップを含む、実施形態278に記載のシステム。
【1117】
実施形態280. 前記生体試料の前記複数の部分を前記移動させるステップが、実質的に平行して行われる、実施形態279に記載のシステム。
【1118】
実施形態281. 前記生体試料または前記その一部分が、(b)の前に、溶媒に少なくとも約2倍体積に希釈される、実施形態269~280のいずれか1つに記載のシステム。
【1119】
実施形態282. 前記生体試料または前記その一部分が、(b)の前に、溶媒に少なくとも約10倍体積に希釈される、実施形態269~281のいずれか1つに記載のシステム。
【1120】
実施形態283. 前記生体試料の細胞膜が、(b)の前に、少なくとも部分的に溶解されている、実施形態269~282のいずれか1つに記載のシステム。
【1121】
実施形態284. (b)の前に、液体中で前記乾燥組成物を再構成するステップをさらに含む、実施形態269~283のいずれか1つに記載のシステム。
【1122】
実施形態285. 前記液体が、少なくとも約3.5~最大で約7.4のpHを有する、実施形態284に記載のシステム。
【1123】
実施形態286. 前記液体が、少なくとも約4.5~最大で約5.5のpHを有する、実施形態284または285のいずれかに記載のシステム。
【1124】
実施形態287. 前記液体が、最大で約150mMのイオン濃度を有する、実施形態284~286のいずれか1つに記載のシステム。
【1125】
実施形態288. 前記液体が、最大で約50mMのイオン濃度を有する、実施形態284~287のいずれか1つに記載のシステム。
【1126】
実施形態289. 前記液体が、最大で約0.1mMのイオン濃度を有する、実施形態284~288のいずれか1つに記載のシステム。
【1127】
実施形態290. 前記生体試料が、(b)において、少なくとも約10秒間、前記乾燥組成物と接触したままである、実施形態269~289のいずれか1つに記載のシステム。
【1128】
実施形態291. 前記生体試料が、(b)において、少なくとも約1分間、前記乾燥組成物と接触したままである、実施形態269~290のいずれか1つに記載のシステム。
【1129】
実施形態292. 前記生体試料が、(b)において、少なくとも約5分間、前記乾燥組成物と接触したままである、実施形態269~291のいずれか1つに記載のシステム。
【1130】
実施形態293. 前記方法が、再懸濁を伴って、(b)の後に、前記生体分子コロナを洗浄するステップをさらに含む、実施形態269~292のいずれか1つに記載のシステム。
【1131】
実施形態294. 前記方法が、再懸濁を伴わずに、(b)の後に、前記生体分子コロナを洗浄するステップをさらに含む、実施形態269~292のいずれか1つに記載のシステム。
【1132】
実施形態295. 前記方法が、(b)の前に、前記生体試料の種を溶解して、溶解物を生成するステップをさらに含む、実施形態269~294のいずれか1つに記載のシステム。
【1133】
実施形態296. 前記方法が、前記溶解物を還元するステップをさらに含む、実施形態295に記載のシステム。
【1134】
実施形態297. 前記方法が、前記溶解物を濾過するステップをさらに含む、実施形態295または296のいずれかに記載のシステム。
【1135】
実施形態298. 前記方法が、前記溶解物をアルキル化するステップをさらに含む、実施形態295~297のいずれか1つに記載のシステム。
【1136】
実施形態299. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナを変性させて、変性された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む、実施形態269~298のいずれか1つに記載のシステム。
【1137】
実施形態300. 前記変性させるステップが、段階的に変性させるステップである、実施形態299に記載のシステム。
【1138】
実施形態301. 前記変性させるステップが、約50℃~約95℃の温度で実施される、実施形態299または300のいずれかに記載のシステム。
【1139】
実施形態302. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナを消化して、消化された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む、実施形態269~301のいずれか1つに記載のシステム。
【1140】
実施形態303. 前記消化するステップが、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度でトリプシンを使用するステップを含む、実施形態302に記載のシステム。
【1141】
実施形態304. 前記消化するステップが、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度で段階的にlysCを使用するステップを含む、実施形態302または303のいずれかに記載のシステム。
【1142】
実施形態305. 前記消化するステップが、最大で約3時間消化するステップを含む、実施形態302~304のいずれか1つに記載のシステム。
【1143】
実施形態306. 前記消化するステップが、最大で約1時間消化するステップを含む、実施形態302~305のいずれか1つに記載のシステム。
【1144】
実施形態307. 前記消化するステップが、約1000ダルトン~約4000ダルトン(Da)の平均質量を有するペプチドを生じる、実施形態302~306のいずれか1つに記載のシステム。
【1145】
実施形態308. 前記方法が、前記複数の生体分子または生体分子群を溶液に放出させるステップをさらに含む、実施形態269~294のいずれか1つに記載のシステム。
【1146】
実施形態309. 前記方法が、前記複数の生体分子または生体分子群を還元するステップをさらに含む、実施形態308に記載のシステム。
【1147】
実施形態310. 前記方法が、前記複数の生体分子または生体分子群を濾過するステップをさらに含む、実施形態308または309のいずれかに記載のシステム。
【1148】
実施形態311. 前記方法が、前記複数の生体分子または生体分子群をアルキル化するステップをさらに含む、実施形態308~310のいずれか1つに記載のシステム。
【1149】
実施形態312. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナを変性させて、変性された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む、実施形態308~311のいずれか1つに記載のシステム。
【1150】
実施形態313. 前記変性させるステップが、段階的に変性させるステップである、実施形態312に記載のシステム。
【1151】
実施形態314. 前記変性させるステップが、約50℃~約95℃の温度で実施される、実施形態312または313のいずれかに記載のシステム。
【1152】
実施形態315. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナを消化して、消化された生体分子コロナを生成するステップをさらに含む、実施形態308~314のいずれか1つに記載のシステム。
【1153】
実施形態316. 前記消化するステップが、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度でトリプシンを使用するステップを含む、実施形態315に記載のシステム。
【1154】
実施形態317. 前記消化するステップが、1ミリリットルあたり約20マイクログラム(μg/mL)~1リットルあたり約0.1グラム(g/L)の濃度で段階的にlysCを使用するステップを含む、実施形態315または316のいずれかに記載のシステム。
【1155】
実施形態318. 前記消化するステップが、最大で約3時間消化するステップを含む、実施形態315~317のいずれか1つに記載のシステム。
【1156】
実施形態319. 前記消化するステップが、最大で約1時間消化するステップを含む、実施形態315~318のいずれか1つに記載のシステム。
【1157】
実施形態320. 前記消化するステップが、約1000ダルトン~約4000ダルトン(Da)の平均質量を有するペプチドを生じる、実施形態315~319のいずれか1つに記載のシステム。
【1158】
実施形態321. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナを溶出させるステップをさらに含む、実施形態269~307のいずれか1つに記載のシステム。
【1159】
実施形態322. 前記溶出させるステップが、無傷のタンパク質を前記粒子から放出させるステップを含む、実施形態321に記載のシステム。
【1160】
実施形態323. 前記溶出させるステップが、最大で約2倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含む、実施形態321または322のいずれかに記載のシステム。
【1161】
実施形態324. 前記溶出させるステップが、最大で約8倍の体積の溶液を用いて溶出させるステップを含む、実施形態321~323のいずれか1つに記載のシステム。
【1162】
実施形態325. 前記溶出させるステップが、最大で約50psiの圧力で溶出させるステップを含む、実施形態321~324のいずれか1つに記載のシステム。
【1163】
実施形態326. (b)の後に、固相抽出をさらに含む、実施形態269~325のいずれか1つに記載のシステム。
【1164】
実施形態327. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナに対して質量分析を行うステップをさらに含む、実施形態269~326のいずれか1つに記載のシステム。
【1165】
実施形態328. 前記方法が、(b)の後に、前記生体分子コロナに対して液体クロマトグラフィーを行うステップをさらに含む、実施形態269~327のいずれか1つに記載のシステム。
【1166】
実施形態329. 前記基材が、プラスチックウェアを含み、前記方法が、少なくともプラスチックウェアバーコード、粒子バーコードおよび試薬バーコードを含むバーコードのセットを提供するステップ、ならびに前記バーコードのセットを前記コンピュータ可読媒体に通信するステップをさらに含む、実施形態269~328のいずれか1つに記載のシステム。
【1167】
実施形態330. 前記方法が、プラスチックウェアを、前記プラスチックウェアバーコードに少なくとも部分的に基づいて、プラスチックウェアストレージから前記ローディングユニットに移動させるステップをさらに含む、実施形態329に記載のシステム。
【1168】
実施形態331. 前記方法が、前記乾燥組成物を、前記粒子バーコードに少なくとも部分的に基づいて、粒子ストレージから前記ローディングユニットに移動させるステップをさらに含む、実施形態329または330のいずれかに記載のシステム。
【1169】
実施形態332. 前記方法が、試薬を、前記試薬バーコードに少なくとも部分的に基づいて、試薬ストレージから前記ローディングユニットに移動させるステップをさらに含む、実施形態329~331のいずれか1つに記載のシステム。
【1170】
実施形態333. 前記方法が、前記乾燥組成物の少なくとも一部分を前記生体試料の少なくとも一部分から分離するステップを含む、実施形態269~332のいずれか1つに記載のシステム。
【1171】
実施形態334. 前記方法が、少なくとも前記生体分子コロナの前記複数の生体分子または生体分子群のサブセットを前記生体試料から分離するステップを含む、実施形態269~333のいずれか1つに記載のシステム。
【1172】
実施形態335. 前記分離するステップが、磁気分離を含む、実施形態333または334に記載のシステム。
【1173】
実施形態336. 乾燥粒子製剤であって、(i)複数の生体分子または生体分子群の吸着のための表面修飾を含む粒子、および(ii)支持剤を含む乾燥組成物を含み、前記乾燥組成物が、25℃超の温度で少なくとも3か月間安定である、乾燥粒子製剤。
【1174】
実施形態337. 前記表面修飾が、シリカ被覆、トリアミン官能化、PDMAPMAポリマー官能化、グルコース-6-リン酸官能化、またはモノアミン表面官能化を含む、実施形態336に記載の乾燥粒子製剤。
【1175】
実施形態338. 前記表面修飾が、金属酸化物被覆を含む、実施形態336または337のいずれかに記載の乾燥粒子製剤。
【1176】
実施形態339. 前記表面修飾が、少なくとも1つの露出した第1級アミン基、第2級アミン基、第3級アミン基を含む、実施形態336~338のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1177】
実施形態340. 前記表面修飾が、少なくとも1つの単糖を含む、実施形態336~339のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1178】
実施形態341. 前記複数の生体分子または生体分子群が、ペプチド、核酸、代謝産物、脂質、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態336~340のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1179】
実施形態342. 前記支持剤が、スクロース、d-マンニトール、トレハロース、グリセロール、デキストラン、PEG、グルコース、ラクトース、ポリソルベート、またはアミノ酸のうちの少なくとも1つを含む、実施形態336~341のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1180】
実施形態343. 前記複数の粒子が、前記支持剤の存在下で凍結乾燥されている、実施形態336~342のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1181】
実施形態344. 前記支持剤が、前記乾燥組成物の少なくとも約60wt%を構成する、実施形態336~343のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1182】
実施形態345. 前記支持剤が、前記乾燥組成物の少なくとも約70wt%を構成する、実施形態336~344のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1183】
実施形態346. 前記支持剤が、前記乾燥組成物の最大で約80wt%を構成する、実施形態336~345のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1184】
実施形態347. 前記支持剤が、前記乾燥組成物の最大で約90wt%を構成する、実施形態336~346のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1185】
実施形態348. 前記温度が、25℃~60℃である、実施形態336~347のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1186】
実施形態349. 前記温度が、35℃~40℃である、実施形態336~348のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1187】
実施形態350. 前記粒子が、溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%である平均ゼータ電位を有する、実施形態336~349のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1188】
実施形態351. 前記粒子が、溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の90%~110%である平均ゼータ電位を有する、実施形態336~350のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1189】
実施形態352. 前記粒子が、溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の95%~105%である平均ゼータ電位を有する、実施形態336~351のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1190】
実施形態353. 前記粒子が、溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の85%~115%である平均ゼータ電位標準偏差を有する、実施形態336~352のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1191】
実施形態354. 溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の90%~110%である平均ゼータ電位標準偏差を有する、実施形態336~353のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1192】
実施形態355. 溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位標準偏差の95%~105%であるゼータ電位標準偏差を有する、実施形態336~354のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1193】
実施形態356. 溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の85%~115%である平均直径を有する、実施形態336~355のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1194】
実施形態357. 溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の90%~110%である平均直径を有する、実施形態336~356のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1195】
実施形態358. 溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の95%~105%である平均直径を有する、実施形態336~357のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1196】
実施形態359. 溶液中での前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の平均直径の98%~102%である平均直径を有する、実施形態336~358のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1197】
実施形態360. 前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の85%~115%である直径標準偏差を有する、実施形態336~359のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1198】
実施形態361. 前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の90%~110%である直径標準偏差を有する、実施形態336~360のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1199】
実施形態362. 前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の95%~105%である直径標準偏差を有する、実施形態336~361のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1200】
実施形態363. 前記乾燥組成物の再構成の際に、前記粒子が、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で同じ溶液に溶解した同じ粒子の直径標準偏差の98%~102%である直径標準偏差を有する、実施形態336~362のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1201】
実施形態364. 実施形態336~363のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤、および前記乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含むキット。
【1202】
実施形態365. 前記基材が、管またはウェルを含む、実施形態364に記載のキット。
【1203】
実施形態366. 前記基材が、96ウェルプレートである、実施形態364または365のいずれかに記載のキット。
【1204】
実施形態367. 前記基材が、マイクロ流体デバイスを含む、実施形態364~366のいずれか1つに記載のキット。
【1205】
実施形態368. 前記基材が、そのそれぞれが実施形態337~364のいずれか1つに記載の乾燥組成物を含む複数の空間的に分離された場所を含む、実施形態364~367のいずれか1つに記載のキット。
【1206】
実施形態369. 前記複数の空間的に分離された場所の個々の場所が、個々におよび/または独立してアドレス可能である、実施形態368に記載のキット。
【1207】
実施形態370. 乾燥粒子製剤であって、複数の生体分子または生体分子群の吸着のために表面修飾された粒子、および支持剤を含む乾燥組成物を含み、前記乾燥組成物が、溶媒への再構成なしのその後の使用のために構成されている、乾燥粒子製剤。
【1208】
実施形態371. 前記乾燥組成物が、25℃超の温度で少なくとも7日間安定である、実施形態370に記載の乾燥粒子製剤。
【1209】
実施形態372. 前記温度が、25℃~60℃である、実施形態370または371のいずれかに記載の乾燥粒子製剤。
【1210】
実施形態373. 前記温度が、35℃~40℃である、実施形態370~372のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1211】
実施形態374. 前記乾燥組成物が、37℃で少なくとも7日間安定である、実施形態370~373のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1212】
実施形態375. 前記乾燥組成物が、37℃で少なくとも10日間安定である、実施形態370~374のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1213】
実施形態376. 前記粒子が、凍結乾燥されている、実施形態370~375のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1214】
実施形態377. 前記粒子が、前記支持剤の存在下で凍結乾燥されている、実施形態370~376のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1215】
実施形態378. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、動的光散乱(DLS)によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの85%~115%である粒子サイズを有する、実施形態370~377のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1216】
実施形態379. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの90%~110%である粒子サイズを有する、実施形態370~378のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1217】
実施形態380. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの95%~105%である粒子サイズを有する、実施形態370~379のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1218】
実施形態381. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、DLSによって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のサイズの98%~102%である粒子サイズを有する、実施形態370~380のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1219】
実施形態382. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の85%~115%であるゼータ電位を有する、実施形態370~381のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1220】
実施形態383. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の90%~110%であるゼータ電位を有する、実施形態370~382のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1221】
実施形態384. 前記凍結乾燥された粒子が、前記乾燥組成物の再構成の際に、ゼータ電位測定によって決定される、凍結乾燥の非存在下で溶液に溶解した同じ粒子のゼータ電位の95%~105%であるゼータ電位を有する、実施形態370~383のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1222】
実施形態385. 前記その後の使用が、試料との接触後の生体分子コロナ形成を含む、実施形態370~384のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤。
【1223】
実施形態386. 実施形態370~385のいずれか1つに記載の乾燥粒子製剤、および前記乾燥組成物を受け入れおよび保持するように構成された基材を含むキット。
【1224】
実施形態387. 前記基材が、管またはウェルを含む、実施形態386に記載のキット。
【1225】
実施形態388. 前記基材が、96ウェルプレートである、実施形態386または387のいずれかに記載のキット。
【1226】
実施形態389. 前記基材が、そのそれぞれが乾燥組成物を含む複数の空間的に分離された場所を含む、実施形態386~388のいずれか1つに記載のキット。
【1227】
実施形態390. 前記複数の空間的に分離された場所の個々の場所が、個々におよび/または独立してアドレス可能である、実施形態389に記載のキット。
【配列表】
【国際調査報告】