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特表2023-540911病変を通過し、経皮的血管形成術を実施するための二機能バルーンカテーテル
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  • 特表-病変を通過し、経皮的血管形成術を実施するための二機能バルーンカテーテル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】病変を通過し、経皮的血管形成術を実施するための二機能バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20230920BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
A61M25/10 510
A61M25/10 550
A61M25/00 620
A61M25/00 530
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513606
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2020048699
(87)【国際公開番号】W WO2022046094
(87)【国際公開日】2022-03-03
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】500295612
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,カイル・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,キース
(72)【発明者】
【氏名】ソロモン,クリント
(72)【発明者】
【氏名】メッシナ,ジェネビーブ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA07
4C267BB02
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB15
4C267BB28
4C267BB30
4C267BB43
4C267CC09
4C267DD01
4C267GG34
4C267HH08
4C267HH11
(57)【要約】
脈管内の慢性完全閉塞などの病変を通過すると共に、病変に経皮的血管形成術を実施するためのカテーテルが提供される。カテーテルは、病変へと押し込まれて病変を通って前進するように構成されたテーパ状先端を有するシャフトを含む。膨張可能バルーンが、シャフトに搭載され、強化された押込み性およびねじれ抵抗を提供するために編組され得る。膨張可能バルーンは、近位部分と、テーパ状先端に連結され、浅いテーパを有する遠位テーパ状部分とを含む。遠位テーパ状部分およびテーパ状先端のテーパは、遠位テーパ状部分の遠位端部からテーパ状先端の隣接する部分までの連続的な傾斜移行部を共になして、病変を通過するのを容易にすることができる。また、バルーンは、病変の通過中に選択的に膨張または収縮させられてもよく、最終的には膨張させられたときに病変を圧縮するために使用され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施するための装置であって、
ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、前記病変へと押し込まれるためのテーパ状先端とを含むシャフト、および、
前記シャフトに搭載され、前記膨張内腔と連通した膨張可能バルーンであり、前記膨張可能バルーンが、近位部分と、前記病変を圧縮するための作動表面を有するバレル部分と、前記テーパ状先端と共に前記シャフトの遠位端部分に実質的に連続的な移行部を提供する遠位テーパ状部分とを有する、膨張可能バルーン
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記シャフトのうち、前記膨張可能バルーンよりも近位である少なくとも一部分が、編組されている、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンの前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端のテーパが、前記遠位テーパ状部分の近位端部から前記テーパ状先端の遠位端部までの連続的な傾斜移行部をなす、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端が、約20度未満のテーパ角度をそれぞれ有する、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記テーパ角度が、8~12度である、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記テーパ状先端が、細長く、ガイドワイヤを受けて囲繞するように構成された円形の断面を有する端部まで延在する、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンの傍らに延在する1つまたは複数のスコアリングワイヤをさらに含む、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記シャフトが、膨張させられた際の前記膨張可能バルーンの前記作動表面を識別するための1つまたは複数の放射線不透過性マーカを含む、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンが、ノンコンプライアントである、装置。
【請求項10】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施するための装置であって、
ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、前記病変へと前進させるための端部を有するテーパ状先端とを含むシャフト、および、
前記シャフトに搭載された膨張可能バルーンであり、前記膨張可能バルーンが、前記テーパ状先端の前記端部に取り付けられ、前記テーパ状先端の前記端部への連続的な傾斜移行部を形成する、膨張可能バルーン
を備える、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記シャフトが、前記膨張可能バルーンよりも近位方向で編組されている、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンが、近位テーパ状部分および遠位テーパ状部分を含み、前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端のテーパが、前記連続的な傾斜移行部を共に形成する、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端が、どちらも20度未満のテーパ角度を有する、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンが、ノンコンプライアントである、装置。
【請求項15】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施するためのバルーンカテーテルであって、
少なくとも1つの編組された部分を含むシャフトであり、前記シャフトが、ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、前記病変へと押し込まれるためのテーパ状先端とを含み、前記先端が、その近位端部分から遠位端部までのテーパを有する、シャフト、および、
前記シャフトによって支持され、前記先端の前記近位端部分に隣接して連結された遠位テーパ状部分を有する膨張可能バルーン
を備える、バルーンカテーテル。
【請求項16】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記遠位テーパ状部分が、前記テーパ状先端の第2のテーパに対応する第1のテーパを有して、前記カテーテルに、その遠位端部分に沿った実質的に均一なテーパを提供する、バルーンカテーテル。
【請求項17】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記テーパ状先端が、細長い、バルーンカテーテル。
【請求項18】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記テーパ状先端が、前記シャフトの一体部分である、バルーンカテーテル。
【請求項19】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記膨張可能バルーンが、ノンコンプライアントである、バルーンカテーテル。
【請求項20】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記シャフトの前記編組された部分が、前記膨張可能バルーンよりも近位である、バルーンカテーテル。
【請求項21】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施する方法であって、
カテーテルのシャフトによって支持されたバルーンの遠位端部分との連続的なテーパを有する先端を含む前記カテーテルを、前記病変へと前進させるステップと、
前記バルーンを使用して前記病変を圧縮するステップと
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記前進させるステップが、前記カテーテルの前記シャフトを通るガイドワイヤを前記病変へと前進させるステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
前記前進させるステップが、前記膨張させられたバルーンを連続的に膨張および収縮させるステップをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
本明細書において言及されるすべての公報および特許出願は、それぞれの個々の公報または特許出願が参照によって組み込まれることを明確に個々に示される場合と同程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
血管内カテーテルは、多くのタイプの血管疾患を治療するのに効果的であり、脈管内で血流を妨げている病変に経皮的血管形成術すなわち「PTA(percutaneously transluminal angioplasty)」を実施することによるものを含む。こうしたカテーテルは、患者の脈管構造へと導入され、ガイドワイヤによって治療部位へと進められ得る。しかし、場合によっては、ガイドワイヤが脈管を完全に塞ぐ狭窄に遭遇することがあり、これは慢性完全閉塞すなわち「CTO(chronic total occlusion)」として知られている。
【0003】
こうした状況では、手技の成功はしばしば慢性完全閉塞にガイドワイヤを挿入する能力に依存する。これは、カッタを使用して病変を通り抜けることなどによってガイドワイヤのアクセスを確立するために、いわゆる「通過」カテーテルなどの二次的な器具の使用を含む場合がある。こうしたアクセスが確立されると、次いでたとえばPTAなどにより病変を治療する技法を実施するために、異なるカテーテルが使用される。CTOを通過し、次いで病変を治療するのに別個の器具を使用することは、脈管構造へ複数回アクセスする必要があるため、手技を複雑にし、関連する時間および費用も増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、CTOなどの病変を通過することと、次いで病変に経皮的血管形成術または粥腫切除術を実施することの2つの機能を実施することができる単一のカテーテルに対する需要が認識されている。器具がこうした手技に使用された後、治療を必要とする場合がある任意の他の病変に継続して器具を使用することができるように、器具は十分に頑強であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための装置が提供される。装置は、ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、病変へと押し込まれるように構成されたテーパ状先端とを含むシャフトを備える。膨張可能バルーンが、シャフトに搭載され、膨張内腔と連通しており、膨張可能バルーンは、近位部分と、病変を圧縮するための作動表面を有するバレル部分と、遠位テーパ状部分とを有する。バルーンの遠位テーパ状部分は、テーパ状先端と共に、シャフトの遠位端部分に実質的に連続的な移行部を提供する。
【0006】
一実施形態では、シャフトのうち、膨張可能バルーンよりも近位である少なくとも一部分が、編組されている。膨張可能バルーンの遠位テーパ状部分およびテーパ状先端のテーパが、遠位テーパ状部分の近位端部からテーパ状先端の遠位端部までの連続的な傾斜移行部をなす。これは、遠位テーパ状部分とテーパ状先端の両方にたとえば8~12度、または約10度など、約20度未満のテーパ角度を与えることによって実現され得る。テーパ状先端は、細長くてもよく、ガイドワイヤを受けて囲繞するように構成された円形の断面を有する端部まで延在してもよい。1つまたは複数のスコアリングワイヤが、任意選択で膨張可能バルーンの傍らに延在してもよい。シャフトは、膨張させられた際の膨張可能バルーンの作動表面を識別するための1つまたは複数の放射線不透過性マーカを含んでもよい。膨張可能バルーンは、非弾性繊維の層を含むことなどによって、非順応性(または、ノンコンプライアント)であってもよいが、所望の程度の順応性を提供するために弾性繊維で形成されてもよく、または繊維なしの複合材料バルーンとして形成されてもよい。
【0007】
本開示の別の態様は、脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための装置に関する。装置は、ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、病変へと前進させるための端部を有するテーパ状先端とを含むシャフトを含む。膨張可能バルーンが、シャフトに搭載される。より具体的には、膨張可能バルーンは、テーパ状先端の端部に取り付けられ、テーパ状先端の端部への連続的な傾斜移行部を形成する。
【0008】
一実施形態では、シャフトは、膨張可能バルーンよりも近位方向で編組されている。膨張可能バルーンは、近位テーパ状部分および遠位テーパ状部分を含んでもよい。遠位テーパ状部分およびテーパ状先端のテーパは、連続的な傾斜移行部を共に形成する。遠位テーパ状部分およびテーパ状先端は、どちらも約20度未満のテーパ角度を有する。膨張可能バルーンは、ノンコンプライアントでもよい。
【0009】
本開示の別の態様によれば、脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するためのバルーンカテーテルが提供される。バルーンカテーテルは、少なくとも1つの編組された部分を含むシャフトを備える。シャフトは、ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、病変へと押し込まれるように構成されたテーパ状先端とを含み、先端は、その近位端部分から遠位端部までのテーパを有する。膨張可能バルーンが、シャフトによって支持され、先端の近位端部分に隣接して連結された遠位テーパ状部分を含む。
【0010】
一実施形態では、遠位テーパ状部分は、テーパ状先端の第2のテーパに対応する第1のテーパを有して、カテーテルに、その遠位端部分に沿った実質的に均一なテーパを提供する。テーパ状先端は、細長くてもよく、シャフトの一体部分を備えることができる。膨張可能バルーンはノンコンプライアントでもよく、シャフトの編組された部分は、膨張可能バルーンよりも近位でもよい。
【0011】
本開示は、脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施する方法にも関する。方法は、カテーテルのシャフトによって支持されたバルーンの遠位端部分との連続的なテーパを有する先端を含むカテーテルを、病変へと前進させるステップと、バルーンを使用して病変を圧縮するステップとを含む。前進させるステップは、カテーテルのシャフトを通るガイドワイヤを病変へと前進させるステップを含んでもよい。前進させるステップは、膨張させられたバルーンを連続的に膨張および収縮させるステップをさらに含んでもよい。
【0012】
本開示の上記の利点および別の利点は、添付図面と併せて以下の説明を参照することによってよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示によるバルーンカテーテルの部分断面側面図である。 図1Aは、本開示によるバルーンカテーテルの遠位端部分の拡大部分断面側面図である。
図2】本開示による、図1のカテーテルと関連させて使用するためのノンコンプライアントのバルーンの部分側面図である。
図3】本開示による、図1のカテーテルで使用するためのシャフトの設計を示す図である。 図3Aは、本開示による、図1のカテーテルで使用するためのシャフトの設計を示す図である。 図3Bは、本開示による、図1のカテーテルで使用するためのシャフトの設計を示す図である。 図3Cは、本開示による、図1のカテーテルで使用するためのシャフトの設計を示す図である。
図4】脈管内の(CTOなどの)病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための、開示されるバルーンカテーテルの、考えられる使用を示す図である。
図5】脈管内の(CTOなどの)病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための、開示されるバルーンカテーテルの、考えられる使用を示す図である。
図6】脈管内の(CTOなどの)病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための、開示されるバルーンカテーテルの、考えられる使用を示す図である。
図7】脈管内の(CTOなどの)病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための、開示されるバルーンカテーテルの、考えられる使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
明確にするために、いくつかの要素の寸法は他の要素と比較して誇張されている場合があり、またはいくつかの物理的構成要素が1つの機能ブロックまたは要素に含まれている場合がある。さらに、場合によっては、対応する要素または類似の要素を示すために参照符号が図面中で繰り返されることがある。さらに、図面に示されている項目のうちのいくつかが、組み合わせられて単一の機能にされる場合がある。
【0015】
本開示は、CTOなどの病変を通過すると共に経皮的血管形成術を実施するのにも使用することができる単一のカテーテルを提供する。器具がこうした手技に使用された後、一度の介入での治療を必要とする場合がある任意の他の病変に継続して器具を使用することができるように、器具は十分に頑強であり得る。
【0016】
以下の詳細な説明では、本開示の徹底的な理解を可能にするために多くの具体的な詳細が述べられる。開示される実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実践されてもよい。他の場合、本開示の態様を曖昧にしないために、よく知られている方法、手技、構成要素、または構造については詳細に説明されない場合がある。
【0017】
本開示は、脈管を治療するためのシステムおよび方法を対象とする。本開示のシステムおよび方法の原理および動作は、図面および添付の説明を参照するとよりよく理解することができる。
【0018】
本発明は、その適用において、以下の説明に述べられ、または図面に示されている構成要素の構成および配置の詳細に限定されない。本発明は他の実施形態が可能であり、または種々のやり方で実践もしくは実行することができる。また、本明細書で採用される術語および用語法は説明を目的としたものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0019】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のいくつかの特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供される場合もある。その反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の種々の特徴が、別々に、または任意の適した下位の組合せで提供される場合もある。
【0020】
ここで図1図3を参照すると、血管内で使用するためのカテーテル10が提供される。カテーテルは、近位端部分12aと、膨張可能バルーン14が位置決めされる遠位端部分12bとを有するシャフト12を含む。バルーン14は、一方の端部でシャフト12に対して封止された近位テーパ状部分16と、やはりシャフト12に対して封止された遠位テーパ状部分18と、それらの間のバレル部分20とを含む。バレル部分20は概ね円筒形であり、バルーン14が膨張させられたとき、この部分が、PTA手技中に病変と接触して病変を圧縮するための作動表面Wを画定する。
【0021】
バルーン14はノンコンプライアントであるように形成されてもよく、これは、バルーン14に加えられる流体圧力が増加する結果として完全に膨張させられた後、バルーン14の直径が実質的に拡大しないことを意味する。この状態を実現するために、バルーン14は、図2に示されているように非弾性繊維14aを含むことができる。繊維14aは、図2に示されている重なり合ったらせんパターンで、編組されたもしくは織られた形態で、または、長手方向および横方向の別個の筋として、もしくは「フープ」繊維としてなどの種々の形態で、(基部バルーンまたはマンドレルなどに)設置されてもよい。形態にかかわらず、設置された繊維14aは外層またはコーティングによって被覆されて、バルーン14に平滑で弾力的な外側表面を提供することができる。このタイプのノンコンプライアントのバルーン14は膨張させられたときにかなり剛性かつ頑強であり、以下で理解されるように、これは、CTOを通過するのに関連してバルーン14を使用する際の助けとなり得る。しかし、バルーン14は、たとえばある程度の弾性または伸びを有する繊維14aを使用することなどにより、半順応性にすることもできる。別法として、バルーン14は繊維を含まなくてもよく、望ましい強度または弾性の組合せを提供する接着させて取り付けられた複数の材料層を備えてもよい。
【0022】
カテーテル10の遠位端部は先端22を含み、これはバルーン14の遠位テーパ状部分18よりも遠位に位置決めされ得る。先端22は細長くてもよい(たとえば約1センチメートルより長い長さと、それよりかなり小さい横方向寸法とを有する)。おそらく図1Aから最もよく理解されるように、先端22は、バルーン14の最遠位端部に隣接する最大直径Dからカテーテル10の遠位端部の比較的細い地点Pまで遠位方向にテーパ付けされてもよい。テーパは連続的でありかつ/または均一であってもよく、長手方向軸Xに対して、たとえば1~20度の間、より具体的には約10度から約20度など、約20度未満である角度αで延在してもよい。先端22は、脈管の損傷を防止するために非侵襲的な材料(すなわちたとえばプラスチック樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、またはTeflonなどの材料を含むことができる柔軟でありかつ可撓性の材料)で形成されてもよく、地点Pに円形の断面を有する開口を含み、カテーテルが病変を通って前進している間、開口からガイドワイヤ30を通し、所定の位置に保持することができる。先端22はシャフト12の遠位端部分12bに一体に連結されてもよく、シャフト12の遠位端部分12bと分割不能に形成されてもよい。
【0023】
図1図1A、および図2から、膨張状態のバルーン14の遠位テーパ状部分18は長手方向にかなりゆるやかな、または浅いテーパを有し、遠位テーパ状部分18の近位端部から遠位端部へと幅が小さくなることが理解され得る。構成は、バルーン14の遠位テーパ状部分18およびテーパ状先端22のテーパ角度が対応するかまたは実質的に同じである(つまり、長手方向において同じ角度αが均一に続く)ような構成でもよいが、遠位テーパ状部分およびテーパ状先端22のテーパ角度は異なっていてもよい。いずれの場合でも、遠位テーパ状部分18の近位端部からバルーン14が取り付けられるテーパ状先端22の隣接する遠位端部分22aまで、最終的には地点Pまで、連続的な傾斜移行部が作られる。「連続的な傾斜移行部」により、シャフト12の遠位端部分12bに沿って作られるテーパの角度が、(バレル部分20からの移行部に対応する)遠位テーパ状部分18の近位端部から先端22の遠位端部の地点Pに隣接するところまで実質的に連続的であることが意味されるが、依然として連続的にテーパしながら、角度が移行部に沿って数度変動し得ないことは意味しない。
【0024】
さらに理解され得るように、この連続的傾斜移行部の特徴により、近位方向に見たときに先端22の遠位端部の地点Pから少なくともバレル部分20の遠位端部まで、ゆるやかであるが実質的に連続的に拡大する直径がカテーテル10に与えられる。このテーパ付けは、(図1Aに示されているように)バルーン14の遠位テーパ状部分18の首部18aがシャフト12またはテーパ状先端22と重なり合い、それに取り付けられている場所がある場合を除いて、概ね平滑であり、実質的に途切れない。取付けは、溶着、接着剤などのような、知られている接合技法を使用して実現することができる(存在する場合、場合によっては接合部が繊維によって被覆されてもよい)。
【0025】
長手方向軸Xに対するバルーン14の遠位テーパ状部分18および先端22のテーパ角度は、約20度未満など、浅くてもよい。たとえば、テーパ角度は、たとえば約10度から約20度の間のどこかなど、約1~20度またはそれ未満でもよい(示されている実施形態のテーパ角度の値は、たとえば約8~12度、または約10度である)。いずれの場合でも、遠位テーパ状部分18のテーパ角度は、通常は20~30度であるかまたはそれより大きいバルーン14の近位テーパ状部分16のテーパ角度よりも小さくなり得る。
【0026】
理解され得るように、これは遠位テーパ状部分18が細長く(つまりその幅よりも長く)、したがって近位テーパ状部分16よりも(2~3倍長くなど)シャフト12のより長い部分に沿って延在することを意味する。テーパ状先端22の角度とバルーン14の遠位テーパ状部分18の角度とが実質的に一致しているとき、これにより、カテーテル10の遠位テーパ状部分18に実質的に均一なテーパが与えられる。図1および図2から理解され得るように、この構成により、長手方向軸Xに対して横方向の非対称性もバルーン14に与えられる。
【0027】
図3を参照すると、シャフト12はカテーテル10の押込み性を改善するように構成され得る。一例では、これは、近位端部分12aに沿ってなど、シャフト12の少なくとも一部分に編組24を設置することによって実現され得る。シャフト12は(場合によっては異なる材料の共押出し成形を含む)押出し成形によって形成されたポリマー管を備えてもよく、そこに編組24が設置される。たとえば、編組24は、バルーン14よりも近位方向に、または先端22まで、また先端22を含めてシャフト12に設置されてもよい。この編組24は細い金属ワイヤを備えてもよく、これは設置されるとシャフト12を形成する管の引張り強度を強化する。これは、CTOを通過するために押し込まれている間などにカテーテル10に著しい長手方向の力がかけられることを可能にし、座屈またはねじれのいかなる傾向も軽減しながら、蛇行した解剖学的構造を通って進むのに十分な可撓性を保持する。編組24は、示されているように外側に設置されてもよく、シャフト12の基盤として使用されるポリマー管を形成する材料に編組24を埋め込むことによるものを含めて、シャフト12の内部に存在してもよい。当技術分野で知られているように、シャフト12を形成する管の壁厚を増加させることによってなど、押込み性は他のやり方でも強化することができ、これは、結果として膨張/収縮回数を増加させることができるという結果を伴い、当然、このことは特に複数回の膨張事象が必要とされるときに性能に影響し得る。
【0028】
シャフト12は種々の断面構成のうちの1つを有することができる。たとえば、図3Aに示されているように、シャフト12は同軸設計のものでもよく、流体を送出してバルーン14を膨張または収縮させるための第1の外側膨張内腔26と、カテーテル10にガイドワイヤ30を通して「オーバーザワイヤ」(OTW:over the wire)構成を形成する、(バルーン14を通る別個の管に形成され、先端22に連結されてもよい)第2の内側内腔28とを含んでもよい。膨張内腔26は、シャフト12に連結されたハブ34に位置付けられる膨張ポート32と連通することができる。ガイドワイヤ内腔28は、やはりハブ34に関連付けられたガイドワイヤポート36と連通することができる。
【0029】
別法として、図3Bに示されているように、シャフト12は「二内腔」構成を備えてもよい。この手法では、膨張内腔26とガイドワイヤ内腔28とは、図3Aのバージョンの共通軸上に存在するのではなく、並んで位置付けられる。この実施形態では、依然としてハブ34の各ポート32、36との連通が確立される。
【0030】
任意選択で、カテーテル10は、展開時に病変をスコアリングまたは切断するのに使用するための、バルーン14の傍らに延在する1つまたは複数の外部スコアリングワイヤ33を含んでもよい。こうした場合、図3Cに示されているように、シャフト12は、これらのスコアリングワイヤの近位部分を受けるために、シャフト12内に追加の内腔38を含んでもよい。1つまたは複数のワイヤ33は長手方向の運動に逆らうように固定されてもよく、または任意選択で、シャフト12の近位端部分12aにばねまたは同様の付勢機構を介してワイヤを取り付けることによってなど、バルーン14が展開するときに長手方向に動くように設計されてもよい。
【0031】
次に図4図5図6、および図7を参照すると、CTOなどの病変を通過することと、次いでPTA手技を実施することの両方におけるカテーテル10の使用について説明されている。図4に示されているように、バルーン14が収縮し、折り畳まれた状態でガイドワイヤ30が脈管V内の病変Lの部位へと前進させられると、カテーテル10をガイドワイヤに沿って病変Lに隣接する位置へと案内することができ、バルーン14を膨張させることができる。バルーン14の位置決めは、X線透視法、およびこの目的のためにシャフト12に提供され得るたとえば金属バンドなどの1つまたは複数の適した放射線不透過性マーカ40(図1を参照)の使用によって補助されてもよい。マーカ40はバルーン14の作動表面Wの縁部または境界を表示するように位置決めされ得る。
【0032】
典型的なCTOの状況では、ガイドワイヤ30単体で病変Lを完全に貫通して、その遠位端部へのアクセスを得ることができない場合がある。こうした場合、図5に示されているように、カテーテル10のテーパ状先端22をガイドワイヤ30に沿って、また病変Lへと前進させて、前進のための経路を作るのを助けることができる。理解され得るように、少なくとも部分的に編組されたシャフト12によって提供される強化された押込み性は、座屈またはねじれなしに病変に先端22を押し込む助けとなる。同様に、バルーン14の膨張状態は、ガイドワイヤ30を脈管V内で中心に位置決めした状態に保つ助けとなるように機能し、ガイドワイヤ30が内膜下に入るのを回避するのを助ける。
【0033】
図6に示されているように前進を継続することができ、前進させられるにつれて、膨張したバルーン14のテーパ状遠位端部分18は病変Lをゆるやかに開くように機能する。これには、バルーン14を少なくとも部分的に収縮させてテーパ状先端22によって次第に病変Lを通り抜け、次いでバルーン14を再膨張させて、(テーパ状遠位部分18によってなど)病変にある程度の横方向の圧縮を与え、さらにそこを通る進行経路を確立することなどにより、バルーン14の直径を連続的に変化させることが状況に応じて必要とされる場合がある。このプロセスは、病変を通過し、病変を最大限完全に圧縮するための位置にバルーン14のバレル部分20を配置するために、必要に応じて繰り返されてもよい。示されているように、ノンコンプライアントの繊維ベースのバージョンの場合、バルーン14は、劣化または意図しない収縮(破裂)なしに複数回の膨張および収縮、ならびに病変Lを通る前進を経験するのに十分に頑強である。
【0034】
最終的には、バルーン14のバレル部分20は病変L内に完全に位置決めされ得る。まだ最大直径まで展開されていなかった場合、最大直径まで展開されると、バルーン14は病変Lを圧縮し、したがって閉鎖した脈管Vを再開通、浄化する(またスコアリングワイヤ33などの1つまたは複数のカッタが任意選択で提供されているとき、病変をスライスまたはスコアリングするようにも機能することができる)。バルーン14は、圧縮された病変Lに塗布するために、任意選択で薬物などの治療薬を保持することもできる。
【0035】
PTA手技が完了すると、バルーン14は次いで収縮させられ、任意選択で再び折り畳まれ得る。ガイドワイヤ30の助けを借りて、カテーテル10は、次いで脈管Vまたは脈管構造内の別の場所へと案内されて、病変を通過し、またはPTAを実施することができ、バルーン14の設計は、やはり再膨張および病変の圧縮に再び耐えるのに十分に頑強である。追加的に、または別法として、カテーテル10は単一の病変の通過および圧縮が完了すると脈管Vから単に引き抜かれてもよい。
【0036】
脈管構造内でなされ得る使用法に応じて、当然、カテーテル10は種々の直径で提供されてもよい。膝下(BTK:below-the-knee)の脈管構造での使用を容易にするために、カテーテル10は小さいサイズを有するように作成されてもよい。たとえば、カテーテル10は5フレンチ(外周が約5.24mm、または外径が1.667mm)でもよい。用途に応じて他のサイズが使用されてもよい。
【0037】
要約すると、本開示は以下の項目に関すると考えることができる。
1.脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための装置であって、
ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、病変へと押し込まれるように構成されたテーパ状先端とを含むシャフト、および、
シャフトに搭載され、膨張内腔と連通した膨張可能バルーンであり、膨張可能バルーンが、近位部分と、病変を圧縮するための作動表面を有するバレル部分と、テーパ状先端と共にシャフトの遠位端部分に実質的に連続的な移行部を提供する遠位テーパ状部分とを有する、膨張可能バルーン
を備える、装置。
【0038】
2.項目1に記載の装置であって、
シャフトのうち、膨張可能バルーンよりも近位である少なくとも一部分が、編組されている、装置。
【0039】
3.項目1または項目2に記載の装置であって、
膨張可能バルーンの遠位テーパ状部分およびテーパ状先端のテーパが、遠位テーパ状部分の近位端部からテーパ状先端の遠位端部までの連続的な傾斜移行部をなす、装置。
【0040】
4.項目1から3のいずれか一項に記載の装置であって、
遠位テーパ状部分およびテーパ状先端が、どちらも約20度未満のテーパ角度を有する、装置。
【0041】
5.項目4に記載の装置であって、
テーパ角度が、約10度である、装置。
6.項目1から5のいずれか一項に記載の装置であって、
テーパ状先端が、細長く、ガイドワイヤを受けて囲繞するように構成された円形の断面を有する端部まで延在する、装置。
【0042】
7.項目1から6のいずれか一項に記載の装置であって、
膨張可能バルーンの傍らに延在する1つまたは複数のスコアリングワイヤをさらに含む、装置。
【0043】
8.項目1から7のいずれか一項に記載の装置であって、
シャフトが、膨張させられた際の膨張可能バルーンの作動表面を識別するための1つまたは複数の放射線不透過性マーカを含む、装置。
【0044】
9.項目1から8のいずれか一項に記載の装置であって、
膨張可能バルーンが、非順応性である、装置。
10.脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するための装置であって、
ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、病変へと前進させるための端部を有するテーパ状先端とを含むシャフト、および、
シャフトに搭載された膨張可能バルーンであり、膨張可能バルーンが、テーパ状先端の端部に取り付けられ、テーパ状先端の端部への連続的な傾斜移行部を形成する、膨張可能バルーン
を備える、装置。
【0045】
11.項目10に記載の装置であって、
シャフトが、膨張可能バルーンよりも近位方向で編組されている、装置。
12.項目10または項目11に記載の装置であって、
膨張可能バルーンが、近位テーパ状部分および遠位テーパ状部分を含み、遠位テーパ状部分およびテーパ状先端のテーパが、連続的な傾斜移行部を共に形成する、装置。
【0046】
13.項目10から12のいずれか一項に記載の装置であって、
遠位テーパ状部分およびテーパ状先端が、どちらも約20度未満のテーパ角度を有する、装置。
【0047】
14.項目10から13のいずれか一項に記載の装置であって、
膨張可能バルーンが、非順応性である、装置。
15.脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施するためのバルーンカテーテルであって、
少なくとも1つの編組された部分を含むシャフトであり、シャフトが、ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、病変へと押し込まれるように構成されたテーパ状先端とを含み、先端が、その近位端部分から遠位端部までのテーパを有する、シャフト、および、
シャフトによって支持され、先端の近位端部分に隣接して連結された遠位テーパ状部分を有する膨張可能バルーン
を備える、バルーンカテーテル。
【0048】
16.項目15に記載のバルーンカテーテルであって、
遠位テーパ状部分が、テーパ状先端の第2のテーパに対応する第1のテーパを有して、カテーテルに、その遠位端部分に沿った実質的に均一なテーパを提供する、バルーンカテーテル。
【0049】
17.項目15または項目16に記載のバルーンカテーテルであって、
テーパ状先端が、細長い、バルーンカテーテル。
18.項目15から17のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
テーパ状先端が、シャフトの一体部分である、バルーンカテーテル。
【0050】
19.項目15から18のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
膨張可能バルーンが、非順応性である、バルーンカテーテル。
20.項目15から19のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
シャフトの編組された部分が、膨張可能バルーンよりも近位である、バルーンカテーテル。
【0051】
21.脈管内の病変を通過し、病変に経皮的血管形成術を実施する方法であって、
カテーテルのシャフトによって支持されたバルーンの遠位端部分との連続的なテーパを有する先端を含むカテーテルを、病変へと前進させるステップと、
バルーンを使用して病変を圧縮するステップと
を含む、方法。
【0052】
22.項目21に記載の方法であって、
前進させるステップが、カテーテルのシャフトを通るガイドワイヤを病変へと前進させるステップを含む、方法。
【0053】
23.項目21または項目22に記載の方法であって、
前進させるステップが、膨張させられたバルーンを連続的に膨張および収縮させるステップをさらに含む、方法。
【0054】
本明細書において、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書において、「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、単数形の参照対象と複数形の参照対象との両方を指す。一例として、「a compartment」は、1つかまたは2つ以上のcompartmentを指す。
【0055】
本明細書において、パラメータ、量、時間的継続時間などのような測定可能な値を指す「およそ」、「実質的に」、または「約」は、こうした変動が開示された本発明において実施するのに適当である限りにおいて、指定された値の、また指定された値から+/-20%かまたはそれより少ない変動、好ましくは+/-10%かまたはそれより少ない変動、より好ましくは+/-5%かまたはそれより少ない変動、さらにより好ましくは+/-1%かまたはそれより少ない変動、さらにより好ましくは+/-0.1%かまたはそれより少ない変動を包含することを意図されている。しかし、修飾語「およそ」が指す値自体も具体的に開示されていることを理解されたい。
【0056】
本明細書において、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」および「備える(comprises)」、ならびに「からなる(comprised of)」は、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、または「含有する(contain)」、「含有している(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、これらに続くもの、たとえば構成要素の存在を明示する、包含的なまたはオープンエンドな用語であり、当技術分野で知られているかまたはそこで開示されている記載されていない追加の構成要素、特徴、要素、部材、ステップの存在を排除または除外しない。
【0057】
特定の実施形態に関連して本発明について説明してきたが、多くの代替手段、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲に記載の趣旨および範囲に含まれるすべてのこうした代替手段、修正形態、および変形形態を包含する。本明細書において言及されたすべての公報、特許および特許出願は、それぞれの個々の公報、特許または特許出願が参照によって本明細書に組み込まれることを明確に個々に示される場合と同程度に、参照により、本明細書に全体として組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の特定は、こうした参照が従来技術として本開示に利用可能であるという承認として解釈されるべきではない。
図1
図1A
図2
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施するための装置であって、
ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、前記病変へと押し込まれるためのテーパ状先端とを含むシャフト、および、
前記シャフトに搭載され、前記膨張内腔と連通した膨張可能バルーンであり、前記膨張可能バルーンが、近位部分と、前記病変を圧縮するための作動表面を有するバレル部分と、前記テーパ状先端と共に前記シャフトの遠位端部分に実質的に連続的な移行部を提供する遠位テーパ状部分とを有する、膨張可能バルーン
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記シャフトのうち、前記膨張可能バルーンよりも近位である少なくとも一部分が、編組されている、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンの前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端のテーパが、前記遠位テーパ状部分の近位端部から前記テーパ状先端の遠位端部までの連続的な傾斜移行部をなす、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端が、約20度未満のテーパ角度をそれぞれ有する、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記テーパ角度が、8~12度である、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記テーパ状先端が、細長く、ガイドワイヤを受けて囲繞するように構成された円形の断面を有する端部まで延在する、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンの傍らに延在する1つまたは複数のスコアリングワイヤをさらに含む、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記シャフトが、膨張させられた際の前記膨張可能バルーンの前記作動表面を識別するための1つまたは複数の放射線不透過性マーカを含む、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンが、ノンコンプライアントである、装置。
【請求項10】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施するための装置であって、
ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、前記病変へと前進させるための端部を有するテーパ状先端とを含むシャフト、および、
前記シャフトに搭載された膨張可能バルーンであり、前記膨張可能バルーンが、前記テーパ状先端の前記端部に取り付けられ、前記テーパ状先端の前記端部への連続的な傾斜移行部を形成する、膨張可能バルーン
を備える、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記シャフトが、前記膨張可能バルーンよりも近位方向で編組されている、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンが、近位テーパ状部分および遠位テーパ状部分を含み、前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端のテーパが、前記連続的な傾斜移行部を共に形成する、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記遠位テーパ状部分および前記テーパ状先端が、どちらも20度未満のテーパ角度を有する、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置であって、
前記膨張可能バルーンが、ノンコンプライアントである、装置。
【請求項15】
脈管内の病変を通過し、前記病変に経皮的血管形成術を実施するためのバルーンカテーテルであって、
少なくとも1つの編組された部分を含むシャフトであり、前記シャフトが、ガイドワイヤ内腔と、膨張内腔と、前記病変へと押し込まれるためのテーパ状先端とを含み、前記先端が、その近位端部分から遠位端部までのテーパを有する、シャフト、および、
前記シャフトによって支持され、前記先端の前記近位端部分に隣接して連結された遠位テーパ状部分を有する膨張可能バルーン
を備える、バルーンカテーテル。
【請求項16】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記遠位テーパ状部分が、前記テーパ状先端の第2のテーパに対応する第1のテーパを有して、前記カテーテルに、その遠位端部分に沿った実質的に均一なテーパを提供する、バルーンカテーテル。
【請求項17】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記テーパ状先端が、細長い、バルーンカテーテル。
【請求項18】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記テーパ状先端が、前記シャフトの一体部分である、バルーンカテーテル。
【請求項19】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記膨張可能バルーンが、ノンコンプライアントである、バルーンカテーテル。
【請求項20】
請求項15に記載のバルーンカテーテルであって、
前記シャフトの前記編組された部分が、前記膨張可能バルーンよりも近位である、バルーンカテーテル。
【国際調査報告】