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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】作物管理
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/10 20060101AFI20230920BHJP
   G01N 21/33 20060101ALI20230920BHJP
   G01N 21/3563 20140101ALI20230920BHJP
   A01D 41/127 20060101ALN20230920BHJP
【FI】
G01N33/10
G01N21/33
G01N21/3563
A01D41/127 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513666
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 FI2021050542
(87)【国際公開番号】W WO2022043603
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】20205829
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523066129
【氏名又は名称】グレインセンス オーイー
【氏名又は名称原語表記】GRAINSENSE OY
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】マールバッハ,ラルフ
【テーマコード(参考)】
2B396
2G059
【Fターム(参考)】
2B396JC06
2B396JE02
2B396KA07
2B396KC02
2B396KE05
2B396ML04
2B396ML10
2B396QA27
2B396QC03
2B396QE21
2G059AA05
2G059BB09
2G059DD12
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE12
2G059GG02
2G059HH03
2G059KK01
(57)【要約】
本発明の一例示的態様によれば、農作物の穀物の穀粒のロットからサンプルを採取するステップと、そのサンプルから、穀粒サイズの第1の関数としての穀粒タンパク質濃度を決定するステップと、そのサンプルから、穀粒サイズの第2の関数としての穀粒質量を決定するステップと、第1の関数及び第2の関数から、穀粒サイズの第3の関数としての穀粒タンパク質質量を決定するステップと、第2の関数及び第3の関数から、農作物の穀物の穀粒のロットのタンパク質濃度に対するふるい分け操作の効果を決定するステップと、を含む方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作物の穀物の穀粒のロットからサンプルを採取するステップと、
測定装置による測定により、前記サンプルから、穀粒サイズの第1の関数としての穀粒タンパク質濃度を決定するステップと、
前記測定装置による測定により、前記サンプルから、穀粒サイズの第2の関数としての穀粒質量を決定するステップと、
前記第1の関数及び前記第2の関数から、穀粒サイズの第3の関数としての穀粒タンパク質質量を決定するステップと、
前記第2の関数及び前記第3の関数から、農作物の穀物の穀粒の前記ロットのタンパク質濃度に対するふるい分け操作の効果を決定し、前記ふるい分け操作の前記結果の前記決定された効果を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ふるい分け操作の前記効果は、2つ以上のふるい開口部サイズに関して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の関数及び前記第3の関数に基づいて、前記ロットのタンパク質濃度を、特定の閾値を超えて増加させるであろうふるい分けパラメータを決定するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ふるい分け操作を実施するステップを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の関数を決定する前記ステップは、前記サンプルを少なくとも5種類のサイズの収納箱にふるい分けするステップと、前記少なくとも5種類のサイズの収納箱のそれぞれの重量を測定するステップと、を含み、前記第1の関数を決定する前記ステップは、前記少なくとも5種類のサイズの収納箱のそれぞれのタンパク質含有量を測定するステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の関数及び前記第2の関数を決定する前記ステップは、光学積分キャビティにおいて個別穀粒を一度に1つずつ分析するステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記個別穀粒は、加圧空気で押されて前記積分キャビティ内を進む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記穀粒は、コンバイン収穫機に取り付けられたサンプリング装置から押し出されて前記積分キャビティ内を進む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
毎秒70個を超える穀粒を個別に押して前記積分キャビティ内を進ませるステップを含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記穀粒は小麦の穀粒を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの処理コアと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含む装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアとともに、少なくとも、
測定により、農作物の穀物の穀粒のロットからサンプルに関して、穀粒サイズの第1の関数としての穀粒タンパク質濃度を取得するステップと、
測定により、前記サンプルに関して、穀粒サイズの第2の関数としての穀粒質量を取得するステップと、
前記第1の関数及び前記第2の関数から、穀粒サイズの第3の関数としての穀粒タンパク質質量を決定するステップと、
前記第2の関数及び前記第3の関数から、農作物の穀物の穀粒の前記ロットのタンパク質濃度に対するふるい分け操作の効果を決定し、前記ふるい分け操作の前記結果の前記決定された効果を表示するステップと、
を前記装置に実施させるように構成されている、
装置。
【請求項12】
前記ふるい分け操作の効果を、2つ以上のふるい開口部サイズに関して決定するステップを実施するように構成された、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の関数及び前記第3の関数に基づいて、前記ロットのタンパク質濃度を、特定の閾値を超えて増加させるであろうふるい分けパラメータを決定するステップを実施するように構成された、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
光学積分キャビティであって、
前記キャビティの内部を紫外線で照明するように構成された紫外線放射源と、
前記キャビティ内の紫外線強度を測定するように構成された光検出器と、
を含む光学積分キャビティ。
【請求項15】
前記紫外線放射源は、波長が340~390ナノメートルの区間に収まる光を放射するように構成されている、請求項14に記載の光学積分キャビティ。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の光学積分キャビティを使用して、前記キャビティ内に農作物の穀粒があるときの紫外線の強度低下の度合いを測定し、前記度合いに基づいて前記穀粒の体積を決定するステップを含む方法。
【請求項17】
前記穀粒が前記キャビティ内にある時間の間に、前記穀粒が加圧ガスによって押されて前記キャビティ内を飛ぶ度合いを決定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小麦や大麦のような作物の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
小麦や大麦のような作物は、世界中で広く栽培されている。穀物は、生産される環境が異なれば異なる特性を有する。例えば、土壌、日当たり、及び肥料の使い方の違いは、穀物の育ち方に影響を及ぼす。同じ畑で生産される穀物であっても、時期が異なれば、生育期の諸条件に応じて異なる特性を有する場合がある。そのような諸条件の例として、雨の量及びタイミング、気温、風の鉛直分布、及び畑に降り注ぐ日光の量及びタイミングがある。
【0003】
小麦に関しては、そのタンパク質含有量が興味のあるところである。小麦のロットを探し求めることは、特にそれらのタンパク質含有量に基づいて行われることになる。これは、タンパク質の量が小麦の有用性に影響する為である。タンパク質含有量が多い小麦はパン製造に有用であり、タンパク質含有量が少ない小麦はパン製造ではなく動物の飼育に有用であると考えてよい。その一方で、タンパク質含有量が少ない小麦は、クッキー製造用の軟質小麦を作るのに理想的であると言える。
【0004】
タンパク質は概して、人間の飲食における重要な主要栄養素である為、人口に対して十分な食糧供給を確保することにおいては、タンパク質の十分な供給を確保することが不可欠である。果物の場合には、それらの油含有量が様々な用途でのそれらの有用性に関係しうるとともに、人間にとってのそれらの栄養価を決定することにも関係しうる。
【0005】
小麦及び他の粒状作物の個々のロットの分類は、生産及び流通の様々な段階でのタンパク質及び油の含有量に基づいて行われてきた。これまで行われてきた、作物のロット(例えば、トラック1台分)の分類及び選別では、例えば、ロット同士を組み合わせることを可能にしており、これは、組み合わされたロットがやはり本来の用途(例えば、パン製造等)に有用であるように行われてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの態様によれば、独立請求項の対象が提供されている。幾つかの実施形態は、従属請求項において定義されている。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、農作物の穀物の穀粒のロットからサンプルを採取するステップと、そのサンプルから、穀粒サイズの第1の関数としての穀粒タンパク質濃度を決定するステップと、そのサンプルから、穀粒サイズの第2の関数としての穀粒質量を決定するステップと、第1の関数及び第2の関数から、穀粒サイズの第3の関数としての穀粒タンパク質質量を決定するステップと、第2の関数及び第3の関数から、農作物の穀物の穀粒のロットのタンパク質濃度に対するふるい分け操作の効果を決定するステップと、を含む方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの処理コアと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含む装置が提供され、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つの処理コアとともに、少なくとも、農作物の穀物の穀粒のロットからサンプルに関して、穀粒サイズの第1の関数としての穀粒タンパク質濃度を取得するステップと、そのサンプルに関して、穀粒サイズの第2の関数としての穀粒質量を取得するステップと、第1の関数及び第2の関数から、穀粒サイズの第3の関数としての穀粒タンパク質質量を決定するステップと、第2の関数及び第3の関数から、農作物の穀物の穀粒のロットのタンパク質濃度に対するふるい分け操作の効果を決定するステップと、をこの装置に実施させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】穀粒の重量とタンパク質含有量との間のマッピングの一例を示す。
図2】自動測定装置の一例を示す。
図3】本発明の少なくとも幾つかの実施形態をサポートすることが可能な装置の一例を示す。
図4】本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるシグナリングを示す。
図5】本発明の少なくとも幾つかの実施形態による方法のフローグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
あるロットの穀物の有用性がふるい分け操作によって向上しうるかどうかを推定することにより、穀物の複数ロットの全体的な有用性が強化される。これは、ふるい分けによって強化されうるロットがある一方で、ふるい分けによって強化できないロットはそのままにされてよく、不必要なふるい分けをして量を減らしてしまうことがない為である。従って、得られる利点として、所与の複数ロットの穀物から、より広範な最終製品群が製造されることが可能になり、更に、不要なふるい分け操作をしないことが可能になる。言い換えると、所与のロットの穀物が、より広範な、技術的にそれぞれ異なる製造工程群において有用になりうる。
【0012】
図1は、穀粒の重量と穀粒のタンパク質含有量との間のマッピングの一例を示す。タンパク質又は油の含有量に基づく穀物及び他の粒状作物の選別は、上述のように、流通過程の様々な段階で行われてよい。小麦等の穀物のロット(例えば、トラック1台分)の選別は、工業国の集荷網及び流通網において実施されてきた。穀物を分析して穀物の含有成分(例えば、水分及びタンパク質)を特定する為に、品質ラボラトリが使用されてよい。使用法の決定は、そのような分析に基づいてよい。
【0013】
穀物のロットを分析する為に、そのロットのサンプルを採取してよい。例えば、1リットルの穀物は、トラック1台分の穀物の代表的なサンプルを構成しうる。自動サンプリング機構を使用して、そのロットの複数の場所からサンプルが収集されてよい。2つのサンプルが採取されてよく、これは、後の時点で他方のサンプルに基づく反復分析を実施することを可能にする為である。
【0014】
上述のように、小麦の有用性は、例えば、タンパク質含有量に依存する。パン製造の様々な工程では、例えば、タンパク質含有量が12.5%を超えることが必要とされる。工程が異なれば閾値も異なってくる(例えば、12%)。原理的には穀物のロットの処理として有用性が高いのは、タンパク質含有量が穀粒ごとにかなり異なることから、ロットを穀粒ごとに個別に選別して、それらの穀粒を、タンパク質含有量が大きく異なる複数のサブロットに分けることであろう。例えば、図1によれば、穀粒のタンパク質含有量のばらつきは10~30%である。しかしながら、実際のところ、ロットの全ての個別穀粒を分析することは非常に骨が折れる。穀粒の重量が40mgであるとすると、流量を毎時10トンにするには、毎秒69400個の穀粒を分析することが必要になる(69400kps(kernels per second(穀粒数毎秒)))。穀粒の内部特性(例えば、タンパク質、水分、又は油の含有量)をそのように高速に分析することをうまくやり遂げるのは難しい。そのような内部特性の分析は、(例えば、近赤外領域の)多波長分光法により達成可能である。
【0015】
そこで、ロットの全ての穀粒を個別に選別するより簡単な装置及び方法で、個別穀粒選別の利点を少なくともある程度まで達成することが必要とされる。本明細書に記載の実施形態では、測定段階を処理段階から分離している為、不必要な処理(例えば、ふるい分け)をしなくてよい。農場ではシンプルな光学的測定装置が既に使用されているかもしれないが、これらはP(タンパク質濃度)対KS(穀粒サイズ)情報の値を最大化する。これは、穀粒のロットがまだ、他の農場からのロットと互いに混合されていない為であり、それによって、P対KS曲線の勾配が小さくなる。これについては本明細書の後のほうで説明する。
【0016】
図1は、個別穀粒の測定結果を示す。個別穀粒の測定結果は黒点110であり、これらの結果に曲線120を当てはめた。図から分かるように、小さい穀粒ほどタンパク質含有量が多く、大きい穀粒ほどタンパク質含有量が少ないという傾向がある。一般的には重い穀粒ほど大きい為、ふるいで小さい穀粒を選り分けると、結果として、タンパク質含有量が強化されたサブロットが得られるが、結果としてのタンパク質濃度の変化は比較的小さく、ロットごとにばらつきがある場合がある。
【0017】
一般に、小麦の穀粒は、ストレス要因がない中で育てば、その炭水化物含有量が「フル」に達する。これに対し、タンパク質含有量は、穀粒生育過程の初期において決定される傾向が強い。日光又は栄養の不足のようなストレス要因があると、炭水化物含有量は最大限より少なくなるが、タンパク質含有量のほうはストレス要因の影響をあまり受けない。以上の結果を簡単にまとめると、ある程度のストレスの下で育った小さい小麦と、より少ないストレスの下で育った大きい小麦とでは、前者のほうがタンパク質濃度が高く、後者のほうが、ストレスが少ないぶん、より多くの炭水化物を蓄積するという傾向がある。
【0018】
更に図1によれば、大きい穀粒ほどタンパク質含有量が少ない傾向があるが、この傾向はノイズが多く、穀粒の大きなサンプルでのみ見られる。実際、小麦の同じ頭からの穀粒であっても、タンパク質含有量のばらつきが約5ポイントになることがある。従って、当てはめた曲線120は、穀粒のロットが異なれば異なり、生育条件及び季節変動によって異なる。曲線120は、穀粒のタンパク質の質量を穀粒のサイズの関数として表しているものと受け取られたい。
【0019】
ふるい分けは、穀粒のサイズに応じて動作する。一般に、穀粒の質量はサイズとよく相関しており、重い穀粒ほどサイズが大きい。穀粒の形状は、穀物の1つの種の中ではかなり一定に保たれる。長さのような直線寸法であっても、穀粒の重量との間にはかなり良い正の相関がある。従って、穀粒のサイズと穀粒の質量との間の関係性は、全く複雑ではないと見られてよい。例えば、穀粒の直径が穀粒のサイズであるとされてよい。これは、穀粒のロットに対してふるい分けを行う場合にふるいが選択するものが直径だからである。
【0020】
実際、タンパク質含有量の穀粒サイズに対する逆相関は、曲線120の傾斜であって、局所生育条件に対するストレスが最大だった場合に最も強くなる。以下で述べる本発明の実施形態は、穀粒のタンパク質の量を穀粒サイズの関数として測定する方法、並びに穀粒サイズの影響を最小限に抑える方法を説明するものである為、多くの場合、あるロットの穀物の有用性を強化することに関しての利点は、それが最も必要とされる場合、即ち、生育にストレスがかかっている場合に最も大きくなる。生育にストレスがかからなかった場合、曲線120は比較的フラットになるであろう。通常、曲線120は穀粒サイズとタンパク質濃度との間の負の相関を示すが、負の相関の程度、即ち、傾斜は、一般に、特定のロットの穀粒に関して確定されない限り、不明である。
【0021】
図1を精査すると、興味深い事実が明らかになる。タンパク質濃度(P)と穀粒質量(M)との間の相関は低いが、有意の傾斜はある。言い換えれば、これらの結果を、例えば、20種類の穀粒サイズ別の収納箱(例えば、最初の箱は4~6mg、次の箱は6~8mg、と続いて最後の箱は43~44mg)に収納し、各箱において単一穀粒の結果の平均値を求め、それらの平均値をプロットすると、結果として曲線120のような曲線が得られるであろう。図1の例では、20mgの穀粒の場合の単一穀粒タンパク質濃度の平均値P(20mg)は17%であり、40mgの穀粒の場合の単一穀粒タンパク質濃度の平均値P(40mg)は11%であり、その差は6%前後と推定される。どのサイズの箱においても穀粒間のばらつきは同程度である為、数個の穀粒の結果が与えられたたけでは、P対KS相関を目で見て検出するのは困難であろう。更に、単一の畑からの穀粒の「局所」群においては、P対KS関係はおそらく常にかなり非直線的であり、それによって相関の検出が更に一層困難になる。
【0022】
しかしながら、実際には、数値的相関の値は、収納箱平均の曲線の傾斜ほど当を得たものではない。小麦は、実際には、ロット全体で平均された、滑らかなP対KS曲線が存在するような膨大な量で取引される。あるロットの穀粒に関して滑らかな曲線が十分な精度で推定されたら、ロットの特性を修正する為に可能なふるい分け操作の為のカスタマイズされた穀粒サイズ閾値を定義することが可能である。この操作を実地で実施することが妥当かどうかは、あらかじめ判断されてよい。非常に明快な例として、元の小麦ロットのバルクタンパク質濃度が12.4%であって、単一穀粒分布が図1と同様であったとすると、例えば、質量の10%をふるい分けで除外することによって、タンパク質含有量を、技術的閾値の12.5%を超える値まで安全に高めるのは非常に賢明なことと言えよう。その結果、元のロットの90%がパン製造に使用されることが可能であり、元の量の10%だけが、最も大きい穀粒の形で、例えば、動物の飼育に割り当てられることになる。一般に、そのようなプロセスの大きな利点は、ロットのタンパク質濃度が最初からパン製造(又は他の用途)のプロセスの為の技術的閾値に近い場合に達成可能でありうる。ふるい分け操作を行わない場合でも、穀粒ロットの特性をより細かく理解することが、製粉段階において(例えば、製粉パラメータを最適化することに)役立ちうる。
【0023】
一般に、想定されるふるい分け操作の効果を推定する為に、以下のステップを実施してよい。
・穀粒の代表的なサンプル(例えば、10,000個以上の穀粒)を採取する。
・そのサンプルについて、穀粒サイズの関数としての穀粒タンパク質濃度(P対KS)を決定する。
・そのサンプルについて、穀粒サイズの関数としての穀粒質量(M対KS)を決定する。
・先に決定した2つの関数、即ち、穀粒サイズの関数としてのタンパク質濃度、及び穀粒サイズの関数としての穀粒質量から、穀粒サイズの関数としてのタンパク質質量(PM対KS)を決定する。
・穀粒サイズの関数としての質量、及び穀粒サイズの関数としてのタンパク質質量に基づいて、ふるい分け操作の効果を推定する。例えば、ロットを、穀粒サイズ範囲の異なる2つのサブロットに分割した場合、結果として得られる質量パーセント及び/又はタンパク質濃度はどのようになるであろうか?追加又は代替として、タンパク質濃度条件を満たすサブロットを生成するであろうふるい穴径が決定されてよく、これは、例えば、このサブロットを特定のパン製造工程で使用することを可能にする為に行われてよい。そのようなタンパク質濃度条件は、最小タンパク質濃度要件を含んでよく、例えば、タンパク質質量濃度が少なくとも12.5%でなければならないという要件を含んでよい。
【0024】
コンピュータ装置が、上述のように穀物ロットを分析するように構成されてよく、(例えば、有限数の収納箱に関する)P対KS関数及びM対KS関数を入力として受け取り、ふるい分け操作の効果の推定を出力として返すことによって分析を行うように構成されてよい。代替又は追加として、コンピュータ装置は、P対KS関数及びM対KS関数を自動的に取得することを制御するように構成されてよく、これについては後で説明する。
【0025】
閉ループ制御がインストールされてよく、それによって、ふるい穴径は、穀粒サイズの関数としての質量、及び穀粒サイズの関数としてのタンパク質質量に基づいて決定され、穀物のロットは少なくとも2つのサブフローにふるい分けされる。これらのサブフローは、それぞれのタンパク質濃度を決定するように分析されてよく、この情報が元のふるい分け段階にフィードバックされることによって、サブフローがそれぞれの所望のタンパク質濃度特性に保持されることが可能である。閉ループ制御は、連続的に流れる穀粒の「ロット」において使用されてよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、サンプルの手動測定が採用される。これらの実施形態では、代表的なサンプル(例えば、1~2リットルの小麦)が、小麦(又は他の穀物)の大きなロットから採取される。次にこのサンプルは、(例えば、一連のふるいを使用して)少なくとも5種類のサイズの収納箱にふるい分けされる。次に、その少なくとも5種類のサイズの収納箱のそれぞれの重量が測定される。これらの測定から、穀粒サイズの関数としての質量の関数が決定されてよく、この当てはめを実施するには点が5つあれば十分である。次に、各ふるい分画のタンパク質濃縮が実施されてよい。例えば、化学的又は光学的な分光分析方法が採用されてよい。光学的分光分析は、手持ち式光学積分キャビティ(例えば、フィンランドのGrainsense社製のもの等)を使用して実施されてよい。
【0027】
穀粒サイズの関数としての質量、及び穀粒サイズの関数としてのタンパク質含有量から、穀粒サイズ分布の関数としてのタンパク質質量が取得可能である。穀粒サイズの関数としてのタンパク質質量から、穀物のロットに対するふるい分け操作の効果を判定することが可能である。
【0028】
手動測定の代替として、自動測定が採用されてよい。(例えば、球形状の)自動光学積分キャビティが構築されてよく、これは、積分キャビティ内を一列縦隊で(即ち、一度に1つの穀粒しかキャビティ内にいられないような時間間隔で次々に)移動する個別穀粒を測定する。そのような装置を図2に示す。
【0029】
図2は、自動測定装置の一例を示す。右にはコンバイン収穫機Aを概略的に示す。パドル8が搬送チェーン7によってFの搬送方向に動く。
【0030】
穀物9の流量が、コンバイン収穫機Aに沿って穀物の流れを作り出すのに十分であるように、制御可能開口部13が開けられる。この流れは連続であってよく、時間を決められてもよい。これに対応して、制御可能開口部13は、一定の間隔で開けられるか、開けられたままである。制御可能開口部13を通り抜けた穀物9は、重力によってBの方向に動く。その結果、穀物9はサンプリングホイール4のアクセスエリアを通り抜ける。サンプリングホイール4では、サンプル開口部34は負圧のチャンバにつながっており、それによって、サンプル開口部34において吸引力が発生する。従って、サンプル開口部34は個別穀物9を引き付け、引き付けた個別穀物9でサンプル開口部が詰まったら、それ以上の穀物9を引き付けるのをやめる(10)。
【0031】
サンプルホイール4上の半径方向矢印は、サンプルホイール4上の、それぞれのサンプル開口部34に負圧又は正圧がかかる位置を示している。サンプル開口部34によって保持された個別穀物9は、サンプリング済み穀物32となって、サンプリングホイール34にくっついている。
【0032】
サンプリング済み穀物32は、Dの方向に回転運動するサンプリングホイール4の表面の一点に追従して、空気圧がEの方向になる円周位置まで達する。この圧力の切り換えは、サンプリングホイール4のこの回転速度と同調して行われてよく、それによって、サンプリング済み穀物32は、まず、加速されたサンプリング済み穀物33になり、次に、自由に動くサンプリング済み穀物31になり、任意選択で、任意選択のガイド管36を通り抜ける。加速されたサンプリング済み穀物33がサンプル開口部34から離れたら、サンプル開口部34は圧力の方向が変わり、アクセスエリアに戻って、新たな個別穀物9の捕捉に備える。
【0033】
有利なことに、サンプル開口部34には汚れが詰まらない。これは、正圧と負圧がかかること、そして特に、両圧力状態が切り替わることで、サンプル開口部34の内側がきれいに保たれる為である。ガイド管36の内側には連続する流れWが導入されてよく、これによって、動いているサンプリング済み穀物31はプローブ管3を通り抜け、最後は光学分析器の外まで運ばれる。プローブ管3は、透明なチューブを含んでよい。加速されたサンプリング済み穀物33は、サンプリングホイール4から離れると、動いているサンプリング済み穀物31になり、これは、ガイド管36の内側のガイド流れWに捕捉され、その後、プローブ管3を通り、そこで光学分析される。流れWは、動いているサンプリング済み穀物31の搬送速度をよりよく制御することを可能にする。
【0034】
光源14が反射バッフルに光を照射するように構成され、反射バッフルはその光を積分球2の内壁に向けて拡散反射し、その光は再度拡散反射される。これに対し、サンプリング済み穀物が拡散光の一部とスペクトル相互作用し、それによって、その一部が、管3を通過中のサンプリング済み穀物31に対して透過するか反射すると、動いているサンプリング済み穀物31は、プローブ光に対して特徴的なスペクトル指紋を残す。サンプリング済み穀物31と相互作用したプローブ光は、吸収スペクトルの形での穀物成分の情報を有し、これはスペクトル分析器1によって分析及び/又は記憶されてよい。
【0035】
毎秒100個の穀粒(100kps)を現実的な寸法及び10ワット前後のランプ出力で分析する場合、キャビティ内の各穀粒の測定に使える時間は約5ミリ秒であろう。これは現実的な測定速度である。後述するように、各穀粒のサイズを測定する為に紫外線が別途使用されてよい。
【0036】
図3は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態をサポートできる装置(例えば、既に開示のコンピュータ装置)の一例を示す。図示の装置300は、例えば、コンピューティング装置を含んでよい。装置300にはプロセッサ310が含まれ、プロセッサ310は、例えば、シングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサを含んでよく、シングルコアプロセッサは1つの処理コアを含み、マルチコアプロセッサは2つ以上の処理コアを含む。プロセッサ310は、一般に、制御装置を含んでよい。プロセッサ310は、2つ以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサ310は、制御装置であってよい。処理コアは、例えば、ARMホールディングス(ARM Holdings)製のCortex-A8処理コア、又はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ社(Advanced Micro Devices Corporation)製のSteamroller処理コアを含んでよい。プロセッサ310は、少なくとも1つのクアルコム(Qualcomm)Snapdragonプロセッサ又はインテル(Intel)Atomプロセッサを含んでよい。プロセッサ310は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでよい。プロセッサ310は、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでよい。プロセッサ310は、装置300において方法ステップを実施する手段であってよい。プロセッサ310は、少なくともある程度はコンピュータ命令によって、アクションを実施するように構成されてよい。
【0037】
装置300は、メモリ320を含んでよい。メモリ320は、ランダムアクセスメモリ及び/又は永久メモリを含んでよい。メモリ320は、少なくとも1つのRAMチップを含んでよい。メモリ320は、例えば、ソリッドステートメモリ、磁気メモリ、光メモリ、及び/又はホログラムメモリを含んでよい。メモリ320は、少なくともある程度はプロセッサ310からアクセス可能であってよい。メモリ320は、少なくともある程度はプロセッサ310に含まれてよい。メモリ320は、情報を記憶する手段であってよい。メモリ320は、プロセッサ310が実行するように構成されているコンピュータ命令を含んでよい。特定のアクションをプロセッサ310に実施させるように構成されたコンピュータ命令がメモリ320に記憶されていて、装置300全体が、メモリ320からのコンピュータ命令を使用するプロセッサ310の指示の下で動作するように構成されている場合、プロセッサ310及び/又はその少なくとも1つの処理コアが上記特定のアクションを実施するように構成されていると考えられてよい。メモリ320は、少なくともある程度はプロセッサ310に含まれてよい。メモリ320は、少なくとも一部が装置300の外にあって装置300からアクセス可能であってよい。
【0038】
装置300は、送信器330を含んでよい。装置300は、受信器340を含んでよい。送信器330及び受信器340は、それぞれ、少なくとも1つのセルラ規格又は非セルラ規格に従って情報を送信及び受信するように構成されてよい。送信器330は、2つ以上の送信器を含んでよい。受信器340は、2つ以上の受信器を含んでよい。送信器330及び/又は受信器340は、例えば、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)規格、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA(登録商標))規格、5G規格、ロング・ターム・エボリューション(LTE)規格、IS-95規格、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、イーサネット規格、及び/又はワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)規格に従って動作するように構成されてよい。
【0039】
装置300は、ユーザインタフェース(UI)360を含んでよい。UI360は、ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、装置300を振動させることによってユーザに信号を伝達するように構成された振動子、スピーカ、及びマイクロホンのうちの少なくとも1つを含んでよい。ユーザは、UI360を介して装置300を操作することが可能であってよく、例えば、UI360を介して穀物のロットに対するふるい分け操作の効果をシミュレートすることが可能であってよい。
【0040】
プロセッサ310は、情報をプロセッサ310から、装置300内の導線を経由して、装置300に含まれる他の装置に出力するように構成された送信器を備えてよい。そのような送信器は、(例えば、情報を、メモリ320に記憶させる為に、少なくとも1つの導線を経由してメモリ320に出力するように構成された)シリアルバス送信器を含んでよい。シリアルバスの代替として、送信器はパラレルバス送信器を含んでよい。同様にプロセッサ310は、情報を、装置300に含まれる他の装置から、装置300内の導線を経由して、プロセッサ310内で受信するように構成された受信器を含んでよい。そのような受信器は、(例えば、情報を、プロセッサ310で処理する為に、受信器340から少なくとも1つの導線を経由して受信するように構成された)シリアルバス受信器を含んでよい。シリアルバスの代替として、受信器はパラレルバス受信器を含んでよい。
【0041】
装置300は更に、図3に示されていない装置を含んでよい。例えば、装置300がスマートフォンを含む場合、装置300は少なくとも1つのデジタルカメラを含むことになろう。幾つかの装置300は、背面カメラ及び前面カメラを含んでよく、背面カメラはデジタル写真撮影用であってよく、前面カメラはテレビ電話用であってよい。装置300は、装置300のユーザを少なくともある程度認証するように構成された指紋センサを含んでよい。幾つかの実施形態では、装置300には上述の装置の少なくとも1つが含まれない。
【0042】
プロセッサ310、メモリ320、送信器330、受信器340、及び/又はUI 360は、多様な様式で、装置300内の導線によって相互接続されてよい。例えば、上記装置のそれぞれが装置300内のマスタバスに個々に接続されてよく、これにより、装置間の情報交換が可能になる。しかしながら、当業者であれば理解されるように、これは一例に過ぎず、本発明の範囲から逸脱しない限り、実施形態に応じて、上記装置のうちの少なくとも2つを相互接続する様々な方法が選択されてよい。
【0043】
図4は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるプロセスを示す。縦軸上に配置されているのは、左側がサンプリング装置SAM、中央が測定装置MEAS、右側がコンピューティング装置COM(例えば、上述のコンピュータ装置)である。時間は上から下に進む。
【0044】
最初のフェーズ410及び420は連続的なフェーズであってよく、これらのフェーズでは、あるロットの穀物(例えば、小麦又は大麦)の代表的なサンプルがサンプリング装置SAMによって採取される。上述のように、サンプルは、そのロットの穀粒のロット内ばらつきがうまく反映されるように、そのロットの複数部分から採取されてよい。
【0045】
フェーズ430では、測定装置MEASは、そのサンプルに関して、穀粒サイズの関数としての穀粒タンパク質濃度、及び穀粒サイズの関数としての穀粒質量を決定する。これらの関数は、フェーズ440でコンピューティング装置COMに伝達される。コンピューティング装置COMは、フェーズ450で、フェーズ440で受け取った関数から、そのサンプルについての、穀粒サイズの関数としてのタンパク質質量、及びふるい分け操作の結果の推定を導出する。フェーズ460は、穀粒サイズの関数としてのタンパク質質量を表示すること、及びふるい分け操作の結果の推定を表示することのうちの少なくとも一方を含む。
【0046】
図5は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態による方法のフローグラフである。図示の方法の各フェーズは、装置110、補助装置、又はパーソナルコンピュータで実施されてよく、例えば、方法がインストールされて方法の動作を制御するように構成された制御装置において実施されてよい。
【0047】
フェーズ510は、農作物の穀物の穀粒のロットからサンプルを採取するステップを含む。フェーズ510は任意選択である。フェーズ520は、そのサンプルから、穀粒サイズの第1の関数としての穀粒タンパク質濃度を決定するステップを含む。フェーズ530は、そのサンプルから、穀粒サイズの第2の関数としての穀粒質量を決定するステップを含む。フェーズ540は、第1の関数及び第2の関数から、穀粒サイズの第3の関数としての穀粒タンパク質質量を決定するステップを含む。最後にフェーズ550は、第2の関数及び第3の関数から、農作物の穀物の穀粒のロットのタンパク質濃度に対するふるい分け操作の効果を決定するステップを含む。
【0048】
光学積分キャビティを使用して(例えば、小麦又は大麦の穀粒の)穀粒組成を測定する場合には、紫外線光源(例えば、紫外線発光ダイオード(LED)等)がキャビティの内側を照明するように構成されてよい。キャビティ内に穀粒がある場合、空のキャビティに対するキャビティ内の紫外線吸収の度合いは、吸光係数が高いように紫外線波長が選択されていれば、穀粒の表面積に比例する。この場合、実際には、穀粒に当たる全てのフォトンが穀粒表面に吸収される。これは、(例えば、図2に関して述べたような積分キャビティにある)穀粒の体積を素早く決定することに用いられてよく、或いは、上述の手動測定の実施形態に関連して用いられてよい。例えば、紫外線波長は、340~390ナノメートルの区間に収まりうる。代替として、タンパク質含有量が決定されてよく、次に(又はその前に)、紫外線フラッシュを使用して、その特定の穀粒の体積が決定されてよく、それによって、サンプル中の個別穀粒が正確に認識される。
【0049】
積分キャビティ内に穀粒があるときの紫外線の強度低下の度合い、従って、吸光の度合いを検出する為に、例えば、シリコンベースの光検出器が使用されてよい。
【0050】
当然のことながら、開示された本発明の実施形態は、本明細書で開示された特定の構造、処理手順、又は材料に限定されず、当業者であれば理解されるであろう、その等価物まで拡張される。更に、当然のことながら、本明細書で使用された術語は、特定の実施形態の説明の為にのみ使用されており、限定的であることを意図されていない。
【0051】
本明細書を通しての一実施形態(one embodiment)又は一実施形態(an embodiment)への参照は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態では(in one embodiment)」又は「一実施形態では(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。例えば、約(about)又はほぼ(substantially)等の語句を使用して数値が参照された場合は、厳密な数値も開示されている。
【0052】
本明細書で使用されている複数のアイテム、構造要素、組成要素、及び/又は材料は、便宜上、一般的なリストに存在してよい。しかしながら、これらのリストは、リストの各要素が別個且つ固有の要素として個別に識別されるかのように解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の要素は、反対の意味で示されているのでない限り、それらが一般的なグループに存在することにのみ基づいて、同じリストの他の任意の要素の事実上の等価物として解釈されるべきである。更に、本明細書では、本発明の様々な実施形態及び実施例は、それらの様々な構成要素に関しては代替形態と併せて参照されてよい。当然のことながら、そのような実施形態、実施例、及び代替形態は、互いの事実上の等価物として解釈されるべきではなく、本発明の別個且つ独立の表現と見なされるべきである。
【0053】
更に、記載の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされてよい。ここまでの説明では、本発明の実施形態が十分理解されるように、長さ、幅、形状等の例のような様々な具体的詳細を示されている。しかしながら、当業者であれば理解されるように、本発明は、これらの具体的詳細のうちの1つ以上がなくても、或いは、他の方法、構成要素、材料等によっても実施可能である。他の例では、よく知られている構造、材料、又は動作が詳しく図示又は説明されていないが、これは、本発明の態様が曖昧にならないようにする為である。
【0054】
上述の各実施例は、本発明の原理を1つ以上の特定用途において例示したものであるが、当業者であれば明らかなように、発明的能力を行使することなく、且つ、本発明の原理及び概念から逸脱しない限り、実施態様の形式、用法、及び細部の様々な変更が行われてよい。従って、本発明は、後述の特許請求項によって限定される場合を除いて限定されないものとする。
【0055】
本文書では「含む(to comprise)」及び「含む(to include)」という動詞は、記載されていない特徴の存在を排除することも必要とすることもない開放的限定(open limitations)として使用されている。従属請求項に記載された特徴は、特に別段に明記されない限りは、相互に自由に組み合わされてよい。更に、当然のことながら、「a」又は「an」、即ち、単数形の使用は、本文書全体を通して複数性を排除しない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、小麦や大麦等の穀物の有用性を高めることに産業上の用途を見出す。
頭字語リスト
M 穀粒質量
kps 穀粒数毎秒
KS 穀粒サイズ
P タンパク質濃度
PM タンパク質質量
参照符号リスト
110 穀粒結果
120 当てはめ曲線
7 搬送チェーン
9 穀物(穀粒)
13 開口部
4 サンプリングホイール
32 サンプリング済み穀物
33 加速されたサンプリング済み穀物
34 サンプル開口部
31 動いているサンプリング済み穀物
36 ガイド管
2 積分球(キャビティ)
14 光源
3 プローブ管
1 スペクトル分析器
300~360 図3の装置の構造
410~460 図4の方法のフェーズ
510~550 図5の方法のフェーズ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】