(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】折り畳み式基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230920BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230920BHJP
C03C 21/00 20060101ALI20230920BHJP
C03C 15/00 20060101ALI20230920BHJP
C03C 17/30 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/00 338
C03C21/00 101
C03C15/00 Z
C03C17/30
G09F9/30 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514026
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020048492
(87)【国際公開番号】W WO2022046080
(87)【国際公開日】2022-03-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アラン,ダグラス クリッピンガー
(72)【発明者】
【氏名】デイネカ,マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ユィホイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シンホア
(72)【発明者】
【氏名】カラウシュ,ユスフ カイエド
(72)【発明者】
【氏名】シュィ,ティンガァ
【テーマコード(参考)】
4G059
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AA11
4G059AB05
4G059AB11
4G059AC16
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5C094AA36
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5G435AA07
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5G435KK05
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL10
5G435LL17
5G435LL18
(57)【要約】
折り畳み式基板は、第1の主面を構成する第1の外側層、第2の主面を構成する第2の外側層、およびそれらの間に位置付けられたコア層を含む。このコア層は、第1の外側層の第1の部分と第2の部分の間に位置付けられた第1の中央表面区域を含むことがあり、このコア層は、第2の外側層の第3の部分と第4の部分の間に位置付けられた第2の中央表面区域を含むことがある。ある折り畳み式基板は、第1の圧縮深さ、第1の層の深さ、および第1の平均濃度を有する第1の部分を含む。中央部分は、第1の中央圧縮深さ、第1の中央の層の深さ、および中央平均濃度を有することがある。方法は、折り畳み式基板を化学的に強化する工程を含む。ある方法は、折り畳み式基板をエッチングし、次いで、折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式基板において、
第1の主面と、該第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さであって、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある基板厚さ、
前記第1の主面および該第1の主面の反対にある第1の内面を有し、該第1の主面と該第1の内面との間に規定された第1の外側厚さを有する第1の外側層であって、該第1の外側層は、第1の最小距離だけ隔てられた第1の部分と第2の部分を含み、該第1の部分は前記第1の主面および前記第1の内面を有し、該第2の部分は前記第1の主面および前記第1の内面を有する、第1の外側層、
前記第2の主面および該第2の主面の反対にある第2の内面を有し、該第2の主面と該第2の内面との間に規定された第2の外側厚さを有する第2の外側層であって、該第2の外側層は、第2の最小距離だけ隔てられた第3の部分と第4の部分を含み、該第3の部分は前記第2の主面および前記第2の内面を有し、該第4の部分は前記第2の主面および前記第2の内面を有する、第2の外側層、および
第3の内面および該第3の内面の反対にある第4の内面を有し、該第3の内面と該第4の内面との間に規定された中央厚さを有し、前記第1の外側層の前記第1の部分と該第1の外側層の前記第2の部分との間にある第1の中央表面区域、および前記第2の外側層の前記第3の部分と該第2の外側層の前記第4の部分との間にある第2の中央表面区域を有するコア層であって、前記中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にあり、該コア層は、前記第1の外側層と前記第2の外側層との間に位置付けられ、前記第3の内面は前記第1の部分の第1の内面および前記第2の部分の第1の内面に接触しており、前記第4の内面は前記第3の部分の第2の内面および前記第4の部分の第2の内面に接触しており、前記第1の中央表面区域は、第1の距離だけ前記第1の主面から窪んでおり、前記第2の中央表面区域は、第2の距離だけ前記第2の主面から窪んでいる、コア層、
を備えた折り畳み式基板。
【請求項2】
前記コア層が、前記第1の外側層の第1の熱膨張係数より大きいコア熱膨張係数を有し、該コア熱膨張係数は、前記第2の外側層の第2の熱膨張係数より大きい、請求項1記載の折り畳み式基板。
【請求項3】
前記コア層のコア密度が前記第1の外側層の第1の密度より大きく、該コア密度は、前記第2の外側層の第2の密度より大きい、請求項1または2記載の折り畳み式基板。
【請求項4】
前記コア層のコア網状構造膨張係数が、前記第1の外側層の第1の網状構造膨張係数より小さく、該コア網状構造膨張係数は、前記第2の外側層の第2の網状構造膨張係数より小さい、請求項1から3いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項5】
前記第1の外側厚さが、前記第2の外側厚さと実質的に等しい、請求項1から4いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項6】
前記基板厚さが、約125マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲にある、請求項1から5いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項7】
前記中央厚さが、約25マイクロメートルから約60マイクロメートルの範囲にある、請求項1から6いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項8】
前記第1の主面上に配置され、前記第1の中央表面区域と該第1の主面により画成される第一面との間に画成される凹部を満たすコーティングをさらに含む、請求項1から7いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項9】
前記第1の外側層が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み、前記第2の外側層が、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み、前記第1の中央表面区域と前記第2の中央表面区域との間に位置付けられた前記コア層の中央部分が、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含み、カリウムの前記第1の平均濃度とカリウムの前記中央平均濃度との間の絶対差が、約100百万分率以下である、請求項1から8いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項10】
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第1の部分から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第3の部分から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域、
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第2の部分から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第4の部分から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域、
前記第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域、および
前記第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域、を含む、請求項1から9いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項11】
前記基板厚さの百分率としての前記第1の圧縮深さと、前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、請求項10記載の折り畳み式基板。
【請求項12】
前記第1の部分が、前記第1の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さを有し、前記第3の部分が、前記第2の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さを有し、前記第2の部分が、前記第3の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さを有し、前記第4の部分が、前記第4の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さを有し、前記中央部分が、前記第1の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さを有し、該中央部分が、前記第2の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さを有し、前記基板厚さの百分率としての前記第1の層の深さと前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である、請求項10または11記載の折り畳み式基板。
【請求項13】
前記第2の距離が、前記基板厚さの約5%から約20%である、請求項1から12いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項14】
前記第1の距離が前記第2の距離と実質的に等しい、請求項1から12いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項15】
第1の外側層および第2の外側層の間に位置付けられ、それらと接触するコア層を含み、第1の主面と第2の主面の間に規定された基板厚さを有する折り畳み式基板であって、前記第1の外側層は前記第1の主面を画成し、前記第2の外側層は、該第1の主面と反対にある前記第2の主面を画成する、折り畳み式基板を製造する方法において、
前記第1の主面の一部をエッチングして、前記コア層の第1の中央表面区域を形成する工程、および
前記第2の主面の一部をエッチングして、前記コア層の第2の中央表面区域を形成する工程、
を含み、
中央部分が、前記第1の中央表面区域と前記第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有し、該中央部分における前記コア層の第1の中央表面区域は、前記第1の外側層の第1の部分と該第1の外側層の第2の部分との間に位置付けられており、前記中央部分における前記コア層の第2の中央表面区域は、前記第2の外側層の第3の部分と該第2の外側層の第4の部分との間に位置付けられている、方法。
【請求項16】
前記第1の外側層が、酸化物基準で第1の既存の平均濃度のカリウムを含み、前記コア層が、酸化物基準でコア既存の平均濃度のカリウムを含み、カリウムの前記コア既存の平均濃度は、カリウムの前記第1の既存の平均濃度よりも約10百万分率以上大きい、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1の主面の一部をエッチングする工程、および前記第2の主面の一部をエッチングする工程の後に、前記折り畳み式基板を化学的に強化する工程をさらに含む、請求項15または16記載の方法。
【請求項18】
前記化学的に強化する工程の前に、前記第1の外側層が、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の拡散率を有し、前記コア層が、1種類以上のアルカリ金属イオンのコア拡散率を有し、前記第1の拡散率は前記コア拡散率より大きい、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記化学的に強化する工程の後、前記第1の外側層が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み、前記第2の外側層が、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み、前記中央部分が、前記第1の中央表面区域と前記第2の中央表面区域との間に位置付けられており、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含み、カリウムの前記第1の平均濃度とカリウムの前記中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である、請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
前記化学的に強化する工程が、
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第1の部分から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第3の部分から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第2の部分から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第4の部分から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を形成する工程、および
前記第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を形成する工程、
を含み、
前記基板厚さの百分率としての前記第1の圧縮深さと前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約1%以下である、請求項17から19いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広く、折り畳み式基板およびその製造方法に関し、より詳しくは、複数の部分を含む折り畳み式基板および折り畳み式基板を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス系基板が、例えば、表示装置、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)などに、よく使用されている。
【0003】
ディスプレイの折り畳み式のもの、並びに折り畳み式ディスプレイ上に載置される折り畳み式保護カバーを開発することが望ましい。折り畳み式ディスプレイおよびカバーは、良好な耐衝撃性および穿刺抵抗を有するべきである。それと同時に、折り畳み式ディスプレイおよびカバーは、小さい最小曲げ半径(例えば、約10ミリメートル(mm)以下)を有するべきである。しかしながら、小さい最小曲げ半径を有するプラスチック製ディスプレイおよびカバーの耐衝撃性および/または穿刺抵抗は、不十分である傾向にある。さらに、世間一般の見解では、小さい最小曲げ半径を有する極薄ガラス系シート(例えば、約75マイクロメートル(μmまたはミクロン)以下の厚さ)の耐衝撃性および/または穿刺抵抗は、不十分である傾向にあると言われている。さらに、耐衝撃性および/または穿刺抵抗が良好な、より厚いガラス系シート(例えば、125マイクロメートル超)は、比較的大きい最小曲げ半径(例えば、約30ミリメートル以上)を有する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その結果、小さい最小曲げ半径および良好な耐衝撃性および穿刺抵抗を有する折り畳み式装置を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の部分と第2の部分を有する折り畳み式基板、折り畳み式基板を備えた折り畳み式装置、並びに折り畳み式基板を備えた折り畳み式装置と折り畳み式基板を製造する方法が、ここに述べられている。それらの部分は、良好な寸法安定性、機械的不安定性の発生率の低下、良好な耐衝撃性、および/または良好な穿刺抵抗を提供することができる、ガラス系および/またはセラミック系部分を含み得る。第1の部分および/または第2の部分は、さらに向上した耐衝撃性および/または向上した穿刺抵抗をさらに提供できる、1つ以上の圧縮応力領域を含むガラス系および/またはセラミック系部分を含み得る。ガラス系および/またはセラミック系基板を含む基板を提供することによって、その基板は、さらに向上した耐衝撃性および/または穿刺抵抗も提供できると同時に、良好な折り畳み性能を促進させることができる。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、耐衝撃性および穿刺抵抗をさらに向上させるのに十分に大きく(例えば、約80マイクロメートル(ミクロンまたはμm)から約2ミリメートル)あり得る。基板厚さ(例えば、第1の部分の第1の厚さおよび/または第2の部分の第2の厚さ)より小さい中央厚さを有する中央部分を含む折り畳み式基板を提供することにより、その中央部分における減少した厚さに基づいて、小さい有効最小曲げ半径(例えば、約10ミリメートル以下)を可能にすることができる。
【0006】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板は、複数の凹部、例えば、第1の距離だけ第1の主面から窪んだ第1の中央表面区域、および第2の距離だけ第2の主面から窪んだ第2の中央表面区域を有し得る。第1の凹部を第2の凹部の反対に設けることによって、基板厚さより小さい中央厚さを提供することができる。さらに、第1の凹部を第2の凹部の反対に設けることによって、例えば、中央部分と第1の部分および/または第2の部分との間で、折り畳み式装置の最大曲げ誘発歪みを減少させることができる。それは、中央厚さを有する中央部分が、凹部が1つだけ設けられた場合よりも、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の中立軸により近くにあり得るからである。それに加え、第2の距離と実質的に等しい第1の距離を設けることによって、折り畳み式基板は、基板厚さと中央厚さの中点を有する面に対して対称であるので、例えば、中央部分における機械的不安定性の発生率を減少させることができる。さらに、第1の凹部を第2の凹部の反対に設けることによって、第1の距離と第2の距離の合計だけ窪んだ表面を有する単一凹部と比べて、第1の凹部および/または第2の凹部に配置された材料の曲げ誘発歪みを減少させることができる。第1の凹部および/または第2の凹部に配置された材料の曲げ誘発歪みを減少させることによって、その材料の歪み要件が減少したために、様々な材料を使用することが可能になる。例えば、より堅いおよび/またはより剛性の材料を第1の凹部に配置することができ、これにより、折り畳み式装置の耐衝撃性、穿刺抵抗、耐摩耗性、および/または引っ掻き抵抗を改善することができる。それに加え、第1の凹部に配置された第1の材料および第2の凹部に配置された第2の材料の性質を制御することにより、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の中立軸の位置を制御することができ、これにより、機械的不安定性、装置の疲労、および/または装置の破壊の発生率を低下させる(例えば、軽減する、なくす)ことができる。
【0007】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板は、中央部分を第1の部分に取り付ける第1の移行部分および/または中央部分を第2の部分に取り付ける第2の移行領域を含み得る。移行領域に連続して増加する厚さを設けることによって、その移行領域における応力集中を減少させることができる、および/または光学的歪みを避けることができる。十分な長さ(例えば、約1mm以上)の移行領域を設けることによって、折り畳み式基板の厚さにおける急な階段状の変化によりそうでなければ存在するかもしれない光学的歪みを避けることができる。十分に小さい長さ(例えば、約5mm以下)の移行領域を設けることによって、減少した耐衝撃性および/または減少した穿刺抵抗を有するかもしれない中間厚さを有する折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の量を減少させることができる。さらに、中央部分の中央引張応力領域の最大引張応力より大きい最大引張応力を有する引張応力領域を第1の移行部分および/または第2の移行部分に設けることによって、折り畳み中の第1の部分または第2の部分と第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。さらに、第1の部分の第1の引張応力領域および/または第2の部分の第2の引張応力領域の最大引張応力より大きい最大引張応力を有する引張応力領域を第1の移行部分および/または第2の移行部分に設けることによって、折り畳み中の中央部分と第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。
【0008】
本開示の実施の形態の装置および方法は、化学強化の結果として折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の異なる部分の膨張の差を制御(例えば、制限、減少、等化)することによって、機械的不安定性、装置の疲労、および/または装置の破壊の発生率を低下させる(例えば、軽減する、なくす)ことができる。異なる部分の膨張の差を制御することによって、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板が臨界座屈歪み(例えば、機械的不安定性の兆候)に到達する前に、より大きい折り畳み誘発歪みを促進し得る折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の複数の部分の間の化学強化誘発歪みを減少させることができる。さらに、機械的不安定性および/またはコア層と第1の外側層および/または第2の外側層との間の差、または中央部分と第1の部分および/または第2の部分との間の差を減少させることによって、例えば、そのような差から折り畳み式装置および/または折り畳み式基板内に歪みにより生じる、光学的歪みを減少させることができる。
【0009】
いくつかの実施の形態において、積層体を含む折り畳み式装置および/または折り畳み式基板を設けることによって、1つの化学強化過程において、第1の部分、第2の部分、および中央部分の間の膨張の差を制御することができる。例えば、第1の外側層および/または第2の外側層に対するコア層の性質により、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の実質的に均一な膨張を可能にすることができる。いくつかの実施の形態において、コア層の密度は、第1の外側層および/または第2の外側層の密度より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア層の熱膨張係数は、第1の外側層および/または第2の外側層の熱膨張係数より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア層の網状構造膨張係数(network dilation coefficient)は、第1の外側層および/または第2の外側層の網状構造膨張係数より小さいことがあり得る。さらに、第1の外側層および/または第2の外側層に対する関係をコア層に設けることによって、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板を折り畳む力を減少させる(例えば、最小にする)ことができる。
【0010】
中央部分の1種類以上のアルカリ金属の濃度に近い1種類以上のアルカリ金属の平均濃度(例えば、酸化物基準の100百万分率、10百万分率以内)を有する第1の部分および/または第2の部分を設けることによって、化学強化の結果として、中央部分と比べた第1の部分および/または第2の部分の膨張差を最小にすることができる。実質的に均一な膨張により、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0011】
中央部分の対応する比に近い(例えば、0.5%以内、0.1%以内、0.01%以内)第1の部分および/または第2の部分の厚さに対する層の深さの比を与えることにより化学強化の結果として、中央部分と比べた第1の部分および/または第2の部分の表面近くの膨張の差を最小にすることができる。表面近くの膨張の差を最小にすることにより、第1の主面、第2の主面、第1の中央表面区域、および/または第2の中央表面区域の面における応力および/または歪みを減少させることができ、これにより、さらに、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0012】
中央部分の対応する比に近い(例えば、0.5%以内、0.1%以内、0.01%以内)第1の部分および/または第2の部分の厚さに対する圧縮深さの比を与えることによって、中央部分に対する第1の部分および/または第2の部分における化学強化により誘発された歪みの間の差を最小にすることができる。化学強化により誘発された歪みの差を最小にすることにより、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0013】
第1の主面、第2の主面、第1の中央表面区域、および/または第2の中央表面区域内の応力および/または歪みを最小にすることによって、応力誘起光学的歪みを減少させることができる。また、そのような応力を最小にすることにより、穿刺抵抗および/または耐衝撃性を向上させることができる。また、そのような応力を最小にすることを、中心線に沿った光学的遅れの小さい差(例えば、約2ナノメートル以下)に関連付けることができる。さらに、そのような応力を最小にすることにより、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0014】
本開示の方法は、上述した利益の内の1つ以上を有する折り畳み式基板の製造を可能にすることができる。いくつかの実施の形態において、本開示の方法、例えば、折り畳み式基板に関連する時間、設備、空間、および人件費を減少させることができる、積層体を含む折り畳み式基板を製造する方法は、1つの化学強化工程で上述した利益を達成することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板の任意の化学強化の前に、既存の凹部(例えば、第1の主面から窪んだ既存の第1の中央表面区域、第2の主面から窪んだ既存の第2の中央表面区域)を設ける、または形成することができ、これにより、他のやり方で達成できるであろうよりも深い凹部(例えば、より大きい第1の距離、より大きい第2の距離)を有する折り畳み式装置にとって上述した利益を提供することができる。いくつかの実施の形態において、上述した利益は、折り畳み式基板を化学的に強化し、折り畳み式基板の中央部分をエッチングし(例えば、既存の第1の中央表面区域をエッチングして、新たな第1の中央表面区域を形成し、既存の第2の中央表面区域をエッチングして、新たな第2の中央表面区域を形成し)、次いで、折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程によって与えることができる。さらなる実施の形態において、上述した利益は、さらなる化学強化の第2の期間に対する最初の化学強化の期間を、および/または中央部分からエッチングされる厚さを制御することによって、与えることができる。折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程を設けることによって、機械的変形および/または機械的不安定性に遭遇せずに、より大きい圧縮応力を達成することができ、このより大きい圧縮応力は、折り畳み式基板の耐衝撃性および/または穿刺抵抗をさらに向上させることができる。
【0015】
本開示のいくつかの例示の実施の形態が、様々な実施の形態の特徴のいずれを、単独で、または互いとの組合せで使用してもよいという了解の下で、下記に記載されている。
【0016】
実施の形態1.折り畳み式基板は、第1の主面と、第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さを有する。この基板厚さは、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある。折り畳み式基板は、第1の主面およびこの第1の主面の反対にある第1の内面を有する第1の外側層を有する。第1の外側厚さが、第1の主面と第1の内面との間に規定される。第1の外側層は、第1の最小距離だけ隔てられた第1の部分および第2の部分を含む。第1の部分は第1の主面および第1の内面を有する。第2の部分は第1の主面および第1の内面を有する。折り畳み式基板は、第2の主面およびこの第2の主面の反対にある第2の内面を有する第2の外側層を有する。第2の外側層は、第2の主面と第2の内面との間に規定された第2の外側厚さを有する。第2の外側層は、第2の最小距離だけ隔てられた第3の部分と第4の部分を含む。第3の部分は第2の主面および第2の内面を有する。第4の部分は第2の主面および第2の内面を有する。折り畳み式基板は、第3の内面およびこの第3の内面の反対にある第4の内面を有するコア層を含む。中央厚さが、第3の内面と第4の内面との間に規定されている。中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にある。コア層は、第1の外側層と第2の外側層との間に位置付けられている。第3の内面は第1の部分の第1の内面および第2の部分の第1の内面に接触している。第1の中央表面区域が、第1の外側層の第1の部分と第1の外側層の第2の部分との間に位置付けられている。第4の内面は、第3の部分の第2の内面および第4の部分の第2の内面に接触している。第2の中央表面区域が、第2の外側層の第3の部分と第2の外側層の第4の部分との間に位置付けられている。第1の中央表面区域は、第1の距離だけ第1の主面から窪んでいる。第2の中央表面区域は、第2の距離だけ第2の主面から窪んでいる。
【0017】
実施の形態2.コア層が、第1の外側層の第1の熱膨張係数より大きいコア熱膨張係数を有する、実施の形態1の折り畳み式基板。コア熱膨張係数は、第2の外側層の第2の熱膨張係数より大きい。
【0018】
実施の形態3.第1の熱膨張係数が第2の熱膨張係数と実質的に等しい、実施の形態2の折り畳み式基板。
【0019】
実施の形態4.コア熱膨張係数が、第1の熱膨張係数より約10×10-7/℃から約70×10-7/℃大きい、実施の形態2~3のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0020】
実施の形態5.コア層のコア密度が第1の外側層の第1の密度より大きい、実施の形態1~4のいずれか1つの折り畳み式基板。コア密度は、第2の外側層の第2の密度より大きい。
【0021】
実施の形態6.コア密度が、第1の密度より約0.01から約0.05グラム毎立方センチメートル(g/cm3)大きい、実施の形態5の折り畳み式基板。
【0022】
実施の形態7.第1の密度が、第2の密度と実質的に等しい、実施の形態5~6のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0023】
実施の形態8.コア層のコア網状構造膨張係数が、第1の外側層の第1の網状構造膨張係数より小さい、実施の形態1~7のいずれか1つの折り畳み式基板。コア網状構造膨張係数は、第2の外側層の第2の網状構造膨張係数より小さい。
【0024】
実施の形態9.第1の網状構造膨張係数が、第2の網状構造膨張係数と実質的に等しい、実施の形態8の折り畳み式基板。
【0025】
実施の形態10.第1の最小距離が、約5ミリメートルから約50ミリメートルの範囲にある、実施の形態1~9のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0026】
実施の形態11.第1の最小距離が、第2の最小距離と実質的に等しい、実施の形態1~10のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0027】
実施の形態12.第1の外側厚さが、第2の外側厚さと実質的に等しい、実施の形態1~11のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0028】
実施の形態13.基板厚さが、約125マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲にある、実施の形態1~12のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0029】
実施の形態14.中央厚さが、約25マイクロメートルから約60マイクロメートルの範囲にある、実施の形態1~13のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0030】
実施の形態15.第1の外側層がガラス系基板から作られる、実施の形態1~14のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0031】
実施の形態16.第1の外側層がセラミック系基板から作られる、実施の形態1~14のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0032】
実施の形態17.コア層がガラス系基板から作られる、実施の形態1~16のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0033】
実施の形態18.コア層がセラミック系基板から作られる、実施の形態1~16のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0034】
実施の形態19.第1の主面上に配置され、第1の中央表面区域と第1の主面により画成される第一面との間に画成される凹部を満たすコーティングをさらに含む、実施の形態1~17のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0035】
実施の形態20.第1の外側層が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み、第2の外側層が、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に位置付けられたコア層の中央部分が、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含む、実施の形態1~19のいずれか1つの折り畳み式基板。カリウムの第1の平均濃度とカリウムの中央平均濃度との間の絶対差が、約100百万分率以下である。
【0036】
実施の形態21.カリウムの第2の平均濃度とカリウムの中央平均濃度との間の絶対差が、約100百万分率以下である、実施の形態20の折り畳み式基板。
【0037】
実施の形態22.第1の主面で第1の外側層の第1の部分から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域をさらに含む、実施の形態1~21のいずれか1つの折り畳み式基板。この折り畳み式基板は、第2の主面で第2の外側層の第3の部分から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を含む。この折り畳み式基板は、第1の主面で第1の外側層の第2の部分から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を含む。この折り畳み式基板は、第2の主面で第2の外側層の第4の部分から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を含む。この折り畳み式基板は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を含む。この折り畳み式基板は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を含む。
【0038】
実施の形態23.基板厚さの百分率としての第1の圧縮深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態22の折り畳み式基板。
【0039】
実施の形態24.基板厚さの百分率としての第3の圧縮深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態22~23のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0040】
実施の形態25.基板厚さの百分率としての第2の圧縮深さと、中央厚さの百分率としての第2の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態22~24のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0041】
実施の形態26.基板厚さの百分率としての第4の圧縮深さと、中央厚さの百分率としての第2の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態22~25のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0042】
実施の形態27.第1の部分が、第1の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さを有する、実施の形態22~26のいずれか1つの折り畳み式基板。第3の部分は、第2の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さを有する。第2の部分は、第3の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さを有する。第4の部分は、第4の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さを有する。中央部分は、第1の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さを有する。中央部分は、第2の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さを有する。基板厚さの百分率としての第1の層の深さと中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である。
【0043】
実施の形態28.基板厚さの百分率としての第3の層の深さと中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態27の折り畳み式基板。
【0044】
実施の形態29.基板厚さの百分率としての第2の層の深さと中央厚さの百分率としての第2の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態27~28のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0045】
実施の形態30.基板厚さの百分率としての第4の層の深さと中央厚さの百分率としての第2の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態27~29のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0046】
実施の形態31.第2の中央表面区域が、第2の距離だけ第2の主面から窪んでいる、実施の形態1~30のいずれか1つの折り畳み式基板。第2の距離は、基板厚さの約5%から約20%である。
【0047】
実施の形態32.第1の距離が第2の距離と実質的に等しい、実施の形態31の折り畳み式基板。
【0048】
実施の形態33.折り畳み式基板は、第1の主面と、この第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さを有する。基板厚さは、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある。折り畳み式基板は、基板厚さを有する第1の部分を含む。第1の部分は、第1の主面から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を含む。第1の部分は、第2の主面から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を含む。第1の部分は、第1の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さを有する。第1の部分は、第2の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さを有する。折り畳み式基板は、基板厚さを有する第2の部分を含む。第2の部分は、第1の主面から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を含む。第2の部分は、第2の主面から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を含む。第2の部分は、第3の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さを有する。第2の部分は、第4の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さを有する。折り畳み式基板は、第1の部分と第2の部分との間に位置付けられた中央部分を含む。中央部分は、第1の中央表面区域とこの第1の中央表面区域の反対にある第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する。中央部分は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を含む。中央部分は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を含む。中央部分は、第1の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さを有する。中央部分は、第2の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さを有する。中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にある。第1の中央表面区域は、第1の距離だけ第1の主面から窪んでいる。基板厚さの百分率としての第1の層の深さと中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である。
【0049】
実施の形態34.基板厚さの百分率としての第3の層の深さと中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態33の折り畳み式基板。
【0050】
実施の形態35.基板厚さの百分率としての第2の層の深さと中央厚さの百分率としての第2の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態33~34のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0051】
実施の形態36.基板厚さの百分率としての第4の層の深さと中央厚さの百分率としての第2の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態33~35のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0052】
実施の形態37.第1の部分が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み、第2の部分が、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み、中央部分が、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含む、実施の形態33~36のいずれか1つの折り畳み式基板。カリウムの第1の平均濃度とカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である。
【0053】
実施の形態38.折り畳み式基板は、第1の主面と、この第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さを有する。基板厚さは、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある。折り畳み式基板は、基板厚さを有する第1の部分を含む。第1の部分は、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含む。第1の部分は、第1の主面から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を含む。第1の部分は、第2の主面から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、基板厚さを有する第2の部分を含む。第2の部分は、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含む。第2の部分は、第1の主面から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を含む。第2の部分は、第2の主面から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第1の部分と第2の部分との間に位置付けられた中央部分を含む。中央部分は、第1の中央表面区域とこの第1の中央表面区域の反対にある第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する。中央部分は、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含む。中央部分は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を含む。中央部分は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を含む。中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にある。第1の中央表面区域は、第1の距離だけ第1の主面から窪んでいる。カリウムの第1の平均濃度とカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である。
【0054】
実施の形態39.カリウムの第2の平均濃度とカリウムの中央平均濃度との間の絶対差が、約100百万分率以下である、実施の形態37~38のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0055】
実施の形態40.基板厚さの百分率としての第1の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態33~39のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0056】
実施の形態41.折り畳み式基板は、第1の主面と、この第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さを有する。基板厚さは、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある。折り畳み式基板は、基板厚さを有する第1の部分を含む。第1の部分は、第1の主面から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を含む。第1の部分は、第2の主面から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、基板厚さを有する第2の部分を含む。第2の部分は、第1の主面から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を含む。第2の部分は、第2の主面から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第1の中央表面区域と、この第1の中央表面区域の反対にある第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する中央部分を含む。中央部分は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を含む。中央部分は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を含む。中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にある。第1の中央表面区域は、第1の距離だけ第1の主面から窪んでいる。中央部分は、第1の部分と第2の部分との間に位置付けられている。基板厚さの百分率としての第1の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約1%以下である。
【0057】
実施の形態42.基板厚さの百分率としての第3の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である実施の形態40~41のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0058】
実施の形態43.基板厚さの百分率としての第2の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第2の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である実施の形態40~42のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0059】
実施の形態44.基板厚さの百分率としての第4の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第2の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である実施の形態40~43のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0060】
実施の形態45.基板厚さが約125マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲にある、実施の形態33~44のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0061】
実施の形態46.中央厚さが、約25マイクロメートルから約60マイクロメートルの範囲にある、実施の形態33~45のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0062】
実施の形態47.折り畳み式基板がガラス系基板を含む、実施の形態33~46のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0063】
実施の形態48.折り畳み式基板がセラミック系基板を含む、実施の形態33~46のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0064】
実施の形態49.第2の中央表面区域が、第2の距離だけ第2の主面から窪んでいる、実施の形態33~48のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0065】
実施の形態50.第2の距離が基板厚さの約5%から約20%である、実施の形態49の折り畳み式基板。
【0066】
実施の形態51.第1の距離が第2の距離と実質的に等しい、実施の形態49~50のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0067】
実施の形態52.第2の主面が、第2の中央表面区域を構成する、実施の形態49~51のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0068】
実施の形態53.第1の圧縮応力領域が、約700メガパスカル以上の第1の最大圧縮応力を有する、実施の形態22~52のいずれか1つの折り畳み式基板。第2の圧縮応力領域は第2の最大圧縮応力を有する。第3の圧縮応力領域は、約700メガパスカル以上の第3の最大圧縮応力を有する。第4の圧縮応力領域は、第4の最大圧縮応力を有する。第1の中央圧縮応力領域は、約700メガパスカル以上の第1の中央最大圧縮応力を有する。第2の中央圧縮応力領域は、第2の中央最大引張応力を有する。
【0069】
実施の形態54.第2の最大圧縮応力が、約700メガパスカル以上である、実施の形態53の折り畳み式基板。第4の最大圧縮応力は、約700メガパスカル以上である。第2の中央最大引張応力は、約700メガパスカル以上である。
【0070】
実施の形態55.第1の圧縮応力領域と第2の圧縮応力領域との間に位置付けられた第1の部分の第1の引張応力領域をさらに含む、実施の形態22~53のいずれか1つの折り畳み式基板。第1の引張応力領域は第1の最大引張応力を有する。折り畳み式基板は、第3の圧縮応力領域と第4の圧縮応力領域との間に位置付けられた第2の部分の第2の引張応力領域を含む。第2の引張応力領域は、第2の最大引張応力を有する。折り畳み式基板は、第1の中央圧縮応力領域と第2の中央圧縮応力領域との間に位置付けられた中央部分の中央引張応力領域を含む。中央引張応力領域は、中央最大引張応力を有する。中央最大引張応力と第1の最大引張応力との間の絶対差は、約10メガパスカル以下である。
【0071】
実施の形態56.中央最大引張応力と第2の最大引張応力との間の絶対差が、約10メガパスカル以下である、実施の形態55の折り畳み式基板。
【0072】
実施の形態57.第1の最大引張応力が、第2の最大引張応力と実質的に等しい、実施の形態55~56のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0073】
実施の形態58.中央部分が、第1の中央表面区域の一部と第2の中央表面区域の一部との間に位置付けられた中央部分の中央引張応力領域をさらに含む、実施の形態22~57のいずれか1つの折り畳み式基板。中央引張応力領域が中央最大引張応力を有する。中央部分は、第1の中央主面を第1の部分に取り付ける第1の移行部分を含む。第1の移行部分は、第1の移行最大引張応力を有する第1の移行引張応力領域を含む。中央部分は、第1の中央主面を第2の部分に取り付ける第2の移行部分を含む。第2の移行部分は、第2の移行最大引張応力を有する第2の移行引張応力領域を含む。第1の移行最大引張応力は、中央最大引張応力よりも大きい。
【0074】
実施の形態59.第2の移行最大引張応力が、中央最大引張応力よりも大きい、実施の形態58の折り畳み式基板。
【0075】
実施の形態60.第1の圧縮応力領域と第2の圧縮応力領域との間に位置付けられた第1の部分の第1の引張応力領域をさらに含む、実施の形態58~59のいずれか1つの折り畳み式基板。第1の引張応力領域は第1の最大引張応力を有する。第1の移行最大引張応力は、第1の最大引張応力よりも大きい。
【0076】
実施の形態61.第3の圧縮応力領域と第4の圧縮応力領域との間に位置付けられた第2の部分の第2の引張応力領域をさらに含む、実施の形態58~60のいずれか1つの折り畳み式基板。折り畳み式基板は、第2の最大引張応力を有する第2の引張応力領域を含む。第2の移行最大引張応力は、第2の最大引張応力よりも大きい。
【0077】
実施の形態62.第1の距離が、基板厚さの約20%から約45%である、実施の形態1~61のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0078】
実施の形態63.基板厚さが、中央厚さの約4倍より少なくとも71マイクロメートル大きい、実施の形態1~62のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0079】
実施の形態64.基板が5ミリメートルの有効曲げ半径を達成する、実施の形態1~63のいずれか1つの折り畳み式基板。
【0080】
実施の形態65.実施の形態1~64のいずれか1つの折り畳み式基板を備えた折り畳み式装置。折り畳み式装置は、第1の接触面およびこの第1の接触面の反対にある第2の接触面を有する接着剤を含む。この接着剤の少なくとも一部は、第2の中央表面区域と第2の主面により画成された第二面との間に画成された凹部内に位置付けられている。
【0081】
実施の形態66.実施の形態1~64のいずれか1つの折り畳み式基板を備えた折り畳み式装置。折り畳み式装置は、第2の中央表面区域と第2の主面により画成された第二面との間に位置付けられた高分子系部分を含む。この折り畳み式装置は、第1の接触面およびこの第1の接触面の反対にある第2の接触面を有する接着剤を含む。
【0082】
実施の形態67.高分子系部分が、約5%から約10%の範囲の降伏歪みを有する、実施の形態66の折り畳み式装置。
【0083】
実施の形態68.折り畳み式基板の屈折率と、高分子系部分の屈折率との間の差の大きさが、約0.1以下である、実施の形態66~67のいずれか1つの折り畳み式装置。
【0084】
実施の形態69.基板の屈折率と、接着剤の屈折率との間の差の大きさが、約0.1以下である、実施の形態65~68のいずれか1つの折り畳み式装置。
【0085】
実施の形態70.接着剤の第2の接触面に取り付けられた表示装置をさらに含む、実施の形態65~69のいずれか1つの折り畳み式装置。
【0086】
実施の形態71.消費者向け電気製品は、前面、背面、および側面を有する筐体を備える。消費者向け電気製品は、少なくとも部分的に筐体内にある電気部品を含む。その電気部品は、制御装置、メモリ、およびディスプレイを含む。そのディスプレイは、筐体の前面にある、またはそれに隣接している。この消費者向け電気製品は、ディスプレイを覆って配置されたカバー基板を含む。筐体の一部またはカバー基板の少なくとも一方は、実施の形態1~64のいずれか1つの折り畳み式基板から作られる。
【0087】
実施の形態72.第1の外側層および第2の外側層の間に位置付けられ、それらと接触するコア層を含む折り畳み式基板を製造する方法。基板厚さが、第1の主面と第2の主面の間に規定されている。第1の外側層は第1の主面を画成し、第2の外側層は、第1の主面と反対にある第2の主面を画成する。この方法は、第1の主面の一部をエッチングして、コア層の第1の中央表面区域を形成する工程を含む。この方法は、第2の主面の一部をエッチングして、コア層の第2の中央表面区域を形成する工程を含む。中央部分が、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する。中央部分におけるコア層の第1の中央表面区域は、第1の外側層の第1の部分と第1の外側層の第2の部分との間に位置付けられている。中央部分におけるコア層の第2の中央表面区域は、第2の外側層の第3の部分と第2の外側層の第4の部分との間に位置付けられている。
【0088】
実施の形態73.折り畳み式基板を製造する方法は、コア層を延伸成形する工程を含む。この方法は、第1の外側層および第2の外側層を延伸成形する工程を含む。この方法は、コア層の第3の内面に第1の外側層を積層する工程、およびコア層の第4の内面に第2の外側層を積層する工程を含む。第1の外側層は第1の主面を画成し、第2の外側層は、第1の主面と反対にある第2の主面を画成する。基板厚さが、第1の主面と第2の主面との間に規定される。積層中、第1の外側層は、第1の外側層の軟化点より高い第1の温度を有し、第2の外側層は、第2の外側層の軟化点より高い第2の温度を有し、コア層は、コア層の軟化点より高い第3の温度を有する。次に、この方法は、第1の主面の一部をエッチングして、コア層の第1の中央表面区域を形成する工程を含む。この方法は、第2の主面の一部をエッチングして、コア層の第2の中央表面区域を形成する工程を含む。折り畳み式基板は、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する中央部分を含む。第1の中央表面区域は、第1の外側層の第1の部分と第1の外側層の第3の部分との間に位置付けられている。第2の中央表面区域は、第2の外側層の第2の部分と第2の外側層の第4の部分との間に位置付けられている。
【0089】
実施の形態74.第1の外側層が、酸化物基準で第1の既存の平均濃度のカリウムを含む、実施の形態72~73のいずれか1つの方法。コア層は、酸化物基準でコア既存の平均濃度のカリウムを含む。カリウムのコア既存の平均濃度は、カリウムの第1の既存の平均濃度よりも約10百万分率以上大きい。
【0090】
実施の形態75.第2の外側層が、酸化物基準で第2の既存の平均濃度のカリウムを含み、カリウムのコア既存の平均濃度が、カリウムの第2の既存の平均濃度よりも約10百万分率以上大きい、実施の形態74の方法。
【0091】
実施の形態76.第1の外側層が、酸化物基準で第1の既存の平均濃度のリチウムを含み、コア層が、酸化物基準でコア既存の平均濃度のリチウムを含み、リチウムの第1の既存の平均濃度が、リチウムのコア既存の平均濃度よりも約10百万分率以上大きい、実施の形態72~75のいずれか1つの方法。
【0092】
実施の形態77.第1の主面の一部をエッチングする工程、および第2の主面の一部をエッチングする工程の後に、折り畳み式基板を化学的に強化する工程をさらに含む、実施の形態72~76のいずれか1つの方法。
【0093】
実施の形態78.
第1の外側層および第2の外側層の間に位置付けられ、それらと接触するコア層を含む折り畳み式基板を製造する方法。基板厚さが、第1の外側層の第1の主面と第2の外側層の第2の主面の間に規定されている。コア層は、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する中央部分を含む。中央部分におけるコア層の第1の中央表面区域は、第1の外側層の第1の部分と第1の外側層の第2の部分との間に位置付けられている。中央部分におけるコア層の第2の中央表面区域は、第2の外側層の第3の部分と第2の外側層の第4の部分との間に位置付けられている。この方法は、折り畳み式基板を化学的に強化する工程を含む。
【0094】
実施の形態79.化学的に強化する工程の前に、第1の外側層が、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の拡散率を有する、実施の形態77~78のいずれか1つの方法。コア層は、1種類以上のアルカリ金属イオンのコア拡散率を有し、第1の拡散率はコア拡散率より大きい。
【0095】
実施の形態80.第1の比が、第1の主面と第1の外側層の第1の内面との間に規定された第1の厚さで除算された第1の拡散率の平方根からなる、実施の形態79の方法。コア比は、中央厚さで除算されたコア拡散率の平方根からなり、第1の比とコア比との間の絶対差は、約0.01s-0.5以下である。
【0096】
実施の形態81.第2の比が、第2の主面と第2の部分の第2の内面との間に規定された第2の厚さで除算された第2の外側層の1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の拡散率の平方根からなる、実施の形態80の方法。第2の比とコア比との間の絶対差は、約0.01s-0.5以下である。
【0097】
実施の形態82.化学的に強化する工程の後、第1の外側層が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含む、実施の形態77~81のいずれか1つの方法。第2の外側層は、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含む。中央部分が、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に位置付けられており、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含む。カリウムの第1の平均濃度とカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である。
【0098】
実施の形態83.化学的に強化する工程が、第1の主面で第1の外側層の第1の部分から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を形成する工程を含む、実施の形態77~82のいずれか1つの方法。この方法は、第2の主面で第2の外側層の第3の部分から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を形成する工程を含む。この方法は、第1の主面で第1の外側層の第2の部分から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を形成する工程を含む。この方法は、第2の主面で第2の外側層の第4の部分から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を形成する工程を含む。この方法は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を形成する工程を含む。この方法は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を形成する工程を含む。
【0099】
実施の形態84.基板厚さの百分率としての第1の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態83の方法。
【0100】
実施の形態85.基板厚さの百分率としての第3の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態83~84のいずれか1つの方法。
【0101】
実施の形態86.基板厚さの百分率としての第2の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第2の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態83~85のいずれか1つの方法。
【0102】
実施の形態87.基板厚さの百分率としての第4の圧縮深さと中央厚さの百分率としての第2の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態83~86のいずれか1つの方法。
【0103】
実施の形態88.第1の部分が、第1の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さを有する、実施の形態83~87のいずれか1つの方法。第3の部分は、第2の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さを有する。第2の部分は、第3の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さを有する。第4の部分は、第4の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さを有する。中央部分は、第1の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さを有する。中央部分は、第2の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さを有する。基板厚さの百分率としての第1の層の深さと中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である。
【0104】
実施の形態89.基板厚さの百分率としての第3の層の深さと中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態88の方法。
【0105】
実施の形態90.基板厚さの百分率としての第2の層の深さと中央厚さの百分率としての第2の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態88~89のいずれか1つの方法。
【0106】
実施の形態91.基板厚さの百分率としての第4の層の深さと中央厚さの百分率としての第2の中央の層の深さとの間の絶対差が、約0.5%以下である、実施の形態88~89のいずれか1つの方法。
【0107】
実施の形態92.コア層が、第1の外側層の第1の熱膨張係数より大きいコア熱膨張係数を有する、実施の形態72~91のいずれか1つの方法。コア熱膨張係数は、第2の外側層の第2の熱膨張係数より大きい。
【0108】
実施の形態93.コア層のコア密度が、第1の外側層の第1の密度より大きい、実施の形態72~92のいずれか1つの方法。コア密度は、第2の外側層の第2の密度より大きい。
【0109】
実施の形態94.コア層のコア網状構造膨張係数が、第1の外側層の第1の網状構造膨張係数より小さい、実施の形態72~93のいずれか1つの方法。コア網状構造膨張係数は、第2の外側層の第2の網状構造膨張係数より小さい。
【0110】
実施の形態95.第1の主面と、この第1の主面と反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さを有する折り畳み式基板を製造する方法。この方法は、第1の期間に亘り折り畳み式基板を化学的に強化する工程を含む。次に、この方法は、第1の主面の一部をエッチングして、第1の中央表面区域を形成する工程を含む。この方法は、第2の主面の一部をエッチングして、第2の中央表面区域を形成する工程を含む。次に、この方法は、第2の期間に亘り折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程を含む。中央部分は、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する。中央部分は、第1の部分と第2の部分との間に位置付けられている。第1の中央表面区域は、第1の距離だけ第1の主面から窪んでいる。第2の中央表面区域は、第2の距離だけ第2の主面から窪んでいる。さらに化学的に強化する工程の後、折り畳み式基板は、第1の主面から第1の圧縮深さまで延在する第1の部分の第1の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第2の主面から第2の圧縮深さまで延在する第3の部分の第2の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第1の主面から第3の圧縮深さまで延在する第2の部分の第3の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第2の主面から第4の圧縮深さまで延在する第4の部分の第4の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する中央部分の第1の中央圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する中央部分の第2の中央圧縮応力領域を含む。
【0111】
実施の形態96.第1の主面と、この第1の主面と反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さを有する折り畳み式基板を製造する方法。この方法は、第1の期間に亘り折り畳み式基板を化学的に強化する工程を含む。次に、この方法は、既存の第1の中央表面区域をエッチングして、第1の中央表面区域を形成する工程を含む。既存の第1の中央表面区域は、第1の主面と同一平面上にはない。この方法は、既存の第2の中央表面区域をエッチングして、第2の中央表面区域を形成する工程を含む。次に、この方法は、第2の期間に亘り折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程を含む。中央部分は、第1の中央表面区域と第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有する。中央部分は、第1の部分と第2の部分との間に位置付けられている。第1の中央表面区域は、第1の距離だけ第1の主面から窪んでいる。さらに化学的に強化する工程の後、折り畳み式基板は、第1の主面から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第2の主面から第2の圧縮深さまで延在する第3の部分の第2の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第1の主面から第3の圧縮深さまで延在する第2の部分の第3の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第2の主面から第4の圧縮深さまで延在する第4の部分の第4の圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する中央部分の第1の中央圧縮応力領域を含む。折り畳み式基板は、第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する中央部分の第2の中央圧縮応力領域を含む。
【0112】
実施の形態97.第1の中央表面区域をエッチングする工程の前に、既存の第1の中央表面区域は、基板厚さの約10%から約75%に及ぶ第1の既存の距離だけ第1の主面から窪んでいる、実施の形態96の方法。
【0113】
実施の形態98.既存の第2の中央表面区域をエッチングする工程の前に、既存の第2の中央表面区域は、第2の主面と実質的に同一平面上にある、実施の形態96~97のいずれか1つの方法。
【0114】
実施の形態99.既存の第2の中央表面区域をエッチングする工程の前に、既存の第2の中央表面区域は、約1%から約50%に及ぶ第2の既存の距離だけ第2の主面から窪んでいる、実施の形態96~97のいずれか1つの方法。
【0115】
実施の形態100.第2の中央表面区域が、第2の距離だけ第2の主面から窪んでいる、実施の形態96~99のいずれか1つの方法。
【0116】
実施の形態101.既存の第2の中央表面区域をエッチングする工程の前に、既存の第2の中央表面区域が第2の主面から突出している、実施の形態97~98のいずれか1つの方法。
【0117】
実施の形態102.既存の第2の中央表面区域をエッチングする工程の後、第2の中央表面区域が第2の主面と実質的に同一平面上にある、実施の形態101の方法。
【0118】
実施の形態103.第1の距離が第2の距離と実質的に等しい、実施の形態95または実施の形態100の方法。
【0119】
実施の形態104.第2の距離が、基板厚さの約5%から約20%である、実施の形態95または実施の形態100の方法。
【0120】
実施の形態105.第1の距離が、基板厚さの約20%から約45%である、実施の形態95~104のいずれか1つの方法。
【0121】
実施の形態106.第1の期間に対する第2の期間の比の平方根が、基板厚さと中央厚さとの間の差で除算された中央厚さの10%以内である、実施の形態95~105のいずれか1つの方法。
【0122】
実施の形態107.第1の期間に対する第2の期間の比の平方根が、基板厚さと中央厚さとの間の差で除算された中央厚さと実質的に等しい、実施の形態106の方法。
【0123】
実施の形態108.第2の期間が第1の期間の約2%から約50%である、実施の形態95~107のいずれか1つの方法。
【0124】
実施の形態109.化学的に強化する工程の後であるが、さらに化学的に強化する工程の前に、第1の部分が、第1の中間圧縮深さまで延在する第1の中間圧縮応力領域を含む、実施の形態95~108のいずれか1つの方法。基板厚さで除算された第1の中間圧縮深さは、約10%から約20%の範囲にある。
【0125】
実施の形態110.化学的に強化する工程の後であるが、さらに化学的に強化する工程の前に、第1の部分が、化学強化中に導入された1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の主面からの第1の中間圧縮応力領域および第1の中間層の深さを含む、実施の形態95~108のいずれか1つの方法。基板厚さで除算された第1の中間層の深さは、約10%から約20%の範囲にある。
【0126】
実施の形態111.折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程の後、第1の部分が、化学的に強化する工程および/またはさらに化学的に強化する工程の最中に第1の部分に導入された1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の主面からの第1の層の深さを有する、実施の形態95~110のいずれか1つの方法。中央部分が、さらに化学的に強化する工程の最中に中央部分に導入された1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央表面区域からの第1の中央の層の深さを有する。基板厚さの百分率としての第1の層の深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である。
【0127】
実施の形態112.折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程の後、折り畳み式基板が、化学的に強化する工程および/またはさらに化学的に強化する工程の最中に第2の部分に導入された1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の主面からの第3の層の深さをさらに有する、実施の形態111の方法。基板厚さの百分率としての第3の層の深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である。
【0128】
実施の形態113.1種類以上のアルカリ金属イオンが、カリウムイオンを含む、実施の形態111~112のいずれか1つの方法。
【0129】
実施の形態114.折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程の後、第1の部分が、酸化物基準の第1の平均濃度のカリウムを含む、実施の形態95~113のいずれか1つの方法。中央部分は、酸化物基準の中央平均濃度のカリウムを含む。カリウムの第1の平均濃度と、カリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である。
【0130】
実施の形態115.折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程の後、第2の部分が、酸化物基準の第2の平均濃度のカリウムを含む、実施の形態114の方法。カリウムの第2の平均濃度と、カリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である。
【0131】
実施の形態116.折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程の後、基板厚さの百分率としての第1の圧縮深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態95~115のいずれか1つの方法。
【0132】
実施の形態117.折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程の後、基板厚さの百分率としての第3の圧縮深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施の形態116の方法。
【0133】
実施の形態118.化学的に強化する工程の後、折り畳み式基板が、第1の圧縮応力領域と第2の圧縮応力領域との間に位置付けられた第1の部分の第1の引張応力領域をさらに含む、実施の形態95~117のいずれか1つの方法。第1の引張応力領域は第1の最大引張応力を有する。折り畳み式基板は、第3の圧縮応力領域と第4の圧縮応力領域との間に位置付けられた第2の部分の第2の引張応力領域をさらに含む。第2の引張応力領域は、第2の最大引張応力を有する。折り畳み式基板は、第1の中央圧縮応力領域と第2の中央圧縮応力領域との間に位置付けられた中央部分の中央引張応力領域をさらに含む。中央引張応力領域は、中央最大引張応力を有する。中央最大引張応力と第1の最大引張応力との間の絶対差は、約10メガパスカル以下である。
【0134】
実施の形態119.中央最大引張応力と第2の最大引張応力との間の絶対差が、約10メガパスカル以下である、実施の形態118の方法。
【0135】
実施の形態120.第1の最大引張応力が、第2の最大引張応力と実質的に等しい、実施の形態118~119のいずれか1つの方法。
【0136】
実施の形態121.化学的に強化する工程の後、中央部分が、第1の中央表面区域の一部と第2の中央表面区域の一部との間に位置付けられた中央部分の中央引張応力領域をさらに含む、実施の形態95~120のいずれか1つの方法。中央引張応力領域は、中央最大引張応力を有する。中央部分は、第1の中央表面区域を第1の部分に取り付ける第1の移行部分を含む。第1の移行部分は、第1の移行最大引張応力を有する第1の移行引張応力領域を含む。中央部分は、第1の中央表面区域を第2の部分に取り付ける第2の移行部分を含む。第2の移行部分は、第2の移行最大引張応力を有する第2の移行引張応力領域を含む。第1の移行最大引張応力は、中央最大引張応力よりも大きい。
【0137】
実施の形態122.第2の移行最大引張応力が、中央最大引張応力よりも大きい、実施の形態121の方法。
【0138】
実施の形態123.化学的に強化する工程の後、折り畳み式基板は、第1の圧縮応力領域と第2の圧縮応力領域との間に位置付けられた第1の部分の第1の引張応力領域をさらに含む、実施の形態121~122のいずれか1つの方法。第1の引張応力領域は、第1の最大引張応力を有する。第1の移行最大引張応力は、第1の最大引張応力よりも大きい。
【0139】
実施の形態124.化学的に強化する工程の後、折り畳み式基板は、第3の圧縮応力領域と第4の圧縮応力領域との間に位置付けられた第2の部分の第2の引張応力領域をさらに含む、実施の形態121~123のいずれか1つの方法。第2の引張応力領域は、第2の最大引張応力を有する。第2の移行最大引張応力は、第2の最大引張応力よりも大きい。
【0140】
実施の形態125.第1の主面上にコーティングを配置する工程をさらに含み、そのコーティングが、第1の中央表面区域と第1の主面により画成された第一面との間に画成された凹部を満たす、実施の形態78~124のいずれか1つの方法。
【0141】
実施の形態126.折り畳み式基板の第2の主面上に接着剤を配置する工程をさらに含む、実施の形態78~125のいずれか1つの方法。この接着剤は、第1の接触面およびこの第1の接触面の反対にある第2の接触面を有する。
【0142】
実施の形態127.接着剤の少なくとも一部が、第2の中央表面区域と第2の主面により画成された第二面との間に画成された凹部内に位置付けられている、実施の形態126の方法。
【0143】
実施の形態128.基板の屈折率と接着剤の屈折率との間の差の大きさが、約0.1以下である、実施の形態126~127のいずれか1つの方法。
【0144】
実施の形態129.表示装置を接着剤の第2の接触面に取り付ける工程をさらに含む、実施の形態126~128のいずれか1つの方法。
【図面の簡単な説明】
【0145】
本開示の実施の形態の先と他の特徴および利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれたときに、よりよく理解される。
【
図1】折り畳み形態の概略図が
図9に示されたように見えるであろう、いくつかの実施の形態による平らな形態にある例示の折り畳み式装置の概略図
【
図2】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図3】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図4】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図5】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図6】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図7】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図8】いくつかの実施の形態による、
図1の線2-2に沿った折り畳み式装置の断面図
【
図9】平らな形態の概略図が
図1に示されたように見えるであろう、折り畳み形態にある本開示の実施の形態の例示の折り畳み式装置の概略図
【
図10】例示の改良型折り畳み式装置の有効最小曲げ半径を決定するための試験装置の断面図
【
図11】例示の改良型折り畳み式装置の有効最小曲げ半径を決定するための試験装置の断面図
【
図12】折り畳み形態にある本開示の実施の形態の例示の折り畳み式装置の概略図
【
図13】いくつかの実施の形態による例示の消費者向け電子機器の概略平面図
【
図15】本開示の実施の形態にしたがう折り畳み式装置を製造する例示の方法を示す流れ図
【
図16】本開示の実施の形態にしたがう折り畳み式装置を製造する例示の方法を示す流れ図
【
図17】本開示の実施の形態にしたがう折り畳み式装置を製造する例示の方法を示す流れ図
【
図18】本開示の実施の形態にしたがう折り畳み式装置を製造する例示の方法を示す流れ図
【
図19】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図20】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図21】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図22】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図23】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図24】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図25】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図26】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図27】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図28】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図29】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図30】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図31】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図32】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図33】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図34】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図35】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図36】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図37】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図38】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図39】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図40】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図41】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図42】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図43】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図44】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図45】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図46】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図47】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図48】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図49】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図50】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図51】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図52】折り畳み式基板および/または折り畳み式装置を製造する方法における工程を示す概略図
【
図53】ガラス系基板の厚さの関数としてのガラス系基板の主面上の最大主応力を示す、ガラス系基板のペン落下試験の実験結果を示すグラフ
【
図54】基板厚さおよび中央厚さの関数としての、折り畳み式装置に観察された機械的不安定性のタイプを示すグラフ
【
図55】本開示のいくつかの実施の形態に関する結果を示すプロット
【
図56】本開示のいくつかの実施の形態に関する結果を示すプロット
【
図57】本開示のいくつかの実施の形態に関する結果を示すプロット
【
図58】本開示の実施の形態の折り畳み式基板に関する光学的遅れの測定値を示す概略図
【
図59】本開示の実施の形態の折り畳み式基板に関する光学的遅れの測定値を示す概略図 本開示を通じて、特定の態様を強調するために、図面が使用される。それゆえ、特に明記のない限り、図面に示された異なる領域、部分、および基板の相対的サイズは、実際の相対的サイズに比例すると考えるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0146】
ここで、例示の実施の形態が示されている、添付図面を参照して、以下に、実施の形態をより詳しく説明する。できるときはいつでも、図面に亘り、同じまたは同様の部分を指すために、同じ参照番号が使用される。しかしながら、請求項は、様々な実施の形態の多くの異なる態様を包含することができ、ここに述べられた実施の形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0147】
図1~9および11~12は、本開示の実施の形態による、折り畳み式基板206、407、または807を備えた折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および1201および/または試験用折り畳み式装置1102の図を示す。特に明記のない限り、1つの折り畳み式装置の実施の形態の特徴に関する議論は、本開示のどの実施の形態の対応する特徴にも等しく適用できる。例えば、本開示に亘る同一の部品番号は、いくつかの実施の形態において、特定された特徴は互いに同一であること、および特に明記のない限り、1つの実施の形態の特定された特徴に関する議論は、本開示の他の実施の形態のいずれかの特定された特徴にも等しく適用できることを示すことができる。
【0148】
図2~3および6は、折り畳まれていない(例えば、平らな)形態にある本開示の実施の形態による、折り畳み式基板206を備えた折り畳み式装置101、301、および601の例示の実施の形態を概略示しており、一方で、
図11は、折り畳まれた形態にある本開示の実施の形態による、折り畳み式基板206を備えた試験用折り畳み式装置1102の例示の実施の形態を示している。折り畳み式基板206は、第1の外側層213と第2の外側層215との間に位置付けられたコア層207を含む積層体を含む。
図4~5および7は、折り畳まれていない(例えば、平らな)形態にある本開示の実施の形態による、折り畳み式基板407を備えた折り畳み式装置401、501、および701の例示の実施の形態を概略示しており、一方で、
図12は、折り畳まれた形態にある本開示の実施の形態による、折り畳み式基板407を備えた試験用折り畳み式装置1201を示している。
図8は、折り畳まれていない(例えば、平らな)形態にある本開示の実施の形態による、折り畳み式基板807を備えた折り畳み式装置801を概略示している。
【0149】
折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および1201は、第1の部分221、421、または821、第2の部分231、431、または831、および第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間に位置する中央部分281、481、または881を含む。
図2および4に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101または401は、剥離ライナー271を備えることができるが、さらなる実施の形態において、図示された剥離ライナー271よりむしろ、他の基板(例えば、本出願を通じて議論されるガラス系基板および/またはセラミック系基板)が使用されることがある。
図1~5および11~12に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、401、501、および1201または試験用折り畳み式装置1102は、コーティング251を備えることができる。
図1~5および12に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、401、501、および1201は、接着剤層261を備えることができる。
図2、5、および12に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、501、および1201は、高分子系部分241を備えることができる。
図1~12に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807は、第1の凹部234、434、または834を備えることができる。
図1~7および10~12に示されるような、さらなる実施の形態において、折り畳み式基板206または407は、第2の凹部244または444をさらに備えることができる。本開示の折り畳み式装置のいずれも、第2の基板(例えば、ガラス系基板および/またはセラミック系基板)、剥離ライナー271、表示装置307、コーティング251、接着剤層261、および/または高分子系部分241を備えることができることを理解すべきである。
【0150】
本開示を通じて、
図1を参照して、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、および/または801の幅103は、この折り畳み式装置の褶曲軸102の方向104に、折り畳み式装置の互いに反対のエッジの間に取られた折り畳み式装置の寸法と考えられ、この方向104は幅103の方向も構成する。さらに、本開示を通じて、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、および/または801の長さ105は、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、および/または801の褶曲軸102に垂直な方向106における折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、および/または801の互いに反対のエッジの間に取られた折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、および/または801の寸法と考えられる。
図1~5に示されるような、いくつかの実施の形態において、本開示のいずれの実施の形態の折り畳み式装置も、折り畳み式装置が平らな形態(例えば、
図1参照)にあるときに、褶曲軸102および基板厚さ211、411、または811の方向を含む褶曲面109を有し得る。この面109は、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置の中心軸107を含むことがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置は、幅103の方向104に延在する褶曲軸102の周りで方向111(例えば、
図1参照)に折り畳んで、折り畳まれた形態(例えば、
図9および11~12)を形成することができる。図から分かるように、折り畳み式装置は、折り畳み式装置が、2つに折り畳めるように1つの褶曲軸を含むことがあり、ここで、例えば、折り畳み式装置を半分に折り畳むことができる。さらなる実施の形態において、折り畳み式装置は、各々の褶曲軸が、ここに述べられた中央部分281、481、または881と類似か同一の対応する中央部分を含む、2つ以上の褶曲軸を含むことがある。例えば、2つの褶曲軸を設けることにより、折り畳み式装置を3つに折り畳むことができ、ここで、例えば、折り畳み式装置を、第1の部分221、421、または821、第2の部分231、431、または831、およびこの第1の部分または第2の部分と類似か同一の第3の部分を、それぞれ、第1の部分と第2の部分との間、および第2の部分と第3の部との間にある、中央部分281、481、または881およびその中央部分と類似か同一の別の中央部分を介して重ねて、折り畳むことができる。
【0151】
折り畳み式基板206を備えた折り畳み式装置101、301、または601は、第1の外側層213と第2の外側層215との間に位置付けられたコア層207を備えることができる。折り畳み式装置401、501、701、または801は、折り畳み式基板407または807を備えることができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407または807、第1の外側層213、第2の外側層215、および/またはコア層207は、8H以上、例えば、9H以上の鉛筆硬度を有するガラス系基板および/またはセラミック系基板で構成することができる。
【0152】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407または807、第1の外側層213、第2の外側層215、および/またはコア層207は、ガラス系基板で構成することができる。ここに用いられているように、「ガラス系」とは、ガラスとガラスセラミックの両方を含み、ここで、ガラスセラミックは、1つ以上の結晶相および非晶質の残留ガラス相を有する。ガラス系材料(例えば、ガラス系基板)は、非晶質材料(例えば、ガラス)および必要に応じて、1種類以上の結晶質材料(例えば、セラミック)で構成されることがある。非晶質材料およびガラス系材料は、強化されることがある。ここに用いられているように、「強化される」という用語は、例えば、下記に述べられるように、基板の表面にあるより小さいイオンをより大きいイオンとイオン交換することによって、化学的に強化された材料を称することがある。しかしながら、他の強化方法、例えば、熱的調質、または圧縮応力領域と中央引張領域を作るために基板の複数の部分の間の熱膨張係数の不一致を利用して、強化基板を形成してもよい。リチアを含んでも含まなくてもよい、例示のガラス系材料は、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリ含有アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルカリ含有リンケイ酸塩ガラス、およびアルカリ含有アルミノリンケイ酸塩ガラスで構成される。1つ以上の実施の形態において、ガラス系材料は、モルパーセント(モル%)で、約40モル%から約80モル%の範囲のSiO2、約5モル%から約30モル%の範囲のAl2O3、0モル%から約10モル%の範囲のB2O3、0モル%から約5モル%の範囲のZrO2、0モル%から約15モル%の範囲のP2O5、0モル%から約2モル%の範囲のTiO2、0モル%から約20モル%の範囲のR2O、および0モル%から約15モル%の範囲のROを含むことがある。ここに用いられているように、R2Oは、アルカリ金属酸化物、例えば、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、およびCs2Oを称することができる。ここに用いられているように、ROは、MgO、CaO、SrO、BaO、およびZnOを称することができる。いくつかの実施の形態において、ガラス系基板は、必要に応じて、Na2SO4、NaCl、NaF、NaBr、K2SO4、KCl、KF、KBr、As2O3、Sb2O3、SnO2、Fe2O3、MnO、MnO2、MnO3、Mn2O3、Mn3O4、Mn2O7の各々を0モル%から約2モル%の範囲でさらに含むことがある。「ガラスセラミック」は、ガラスの制御された結晶化により生成された材料を含む。いくつかの実施の形態において、ガラスセラミックは、約1%から約99%の結晶化度を有する。適切なガラスセラミックの例としては、Li2O・Al2O3・SiO2系(すなわち、LAS系)ガラスセラミック、MgO・Al2O3・SiO2系(すなわち、MAS系)ガラスセラミック、ZnO×Al2O3×nSiO2系(すなわち、ZAS系)ガラスセラミック、および/またはβ-石英固溶体、β-スポジュメン、コージエライト、葉長石、および/または二ケイ酸リチウムを含む主結晶相を有するガラスセラミックが挙げられるであろう。そのガラスセラミック基板は、化学強化過程を使用して強化されることがある。1つ以上の実施の形態において、MAS系のガラスセラミック基板は、Li2SO4溶融塩中で強化することができ、それによって、2Li+のMg2+との交換が起こり得る。
【0153】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407または807、第1の外側層213、第2の外側層215、および/またはコア層207は、セラミック系基板で構成することができる。ここに用いられているように、「セラミック系」は、セラミックおよびガラスセラミックの両方を含み、ここで、ガラスセラミックは、1つ以上の結晶相および非晶質の残留ガラス相を有する。セラミック系材料は、強化(例えば、化学強化)されることがある。いくつかの実施の形態において、セラミック系材料は、ガラス系材料を加熱して、セラミック(例えば、結晶質)部分を形成することによって、形成することができる。さらなる実施の形態において、セラミック系材料は、結晶相の形成を促進させることができる1種類以上の核形成剤を含むことがある。いくつかの実施の形態において、セラミック系材料は、1種類以上の酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、ホウ化物、および/またはケイ化物を含み得る。セラミック酸化物の例示の実施の形態としては、ジルコニア(ZrO2)、ジルコン(ZrSiO4)、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム(Na2O))、アルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化マグネシウム(MgO))、チタニア(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化鉄、酸化ベリリウム、酸化バナジウム(VO2)、溶融石英、ムライト(酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の組合せを含む鉱物)、およびスピネル(MgAl2O4)が挙げられる。セラミック窒化物の例示の実施の形態としては、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化ベリリウム(Be3N2)、窒化ホウ素(BN)、窒化タングステン(WN)、窒化バナジウム、アルカリ土類金属窒化物(例えば、窒化マグネシウム(Mg3N2))、窒化ニッケル、および窒化タンタルが挙げられる。酸窒化セラミックの例示の実施の形態としては、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、およびSiAlON(アルミナと窒化ケイ素の組合せであり、化学式、例えば、Si12-m-nAlm+nOnN16-n、Si6-nAlnOnN8-n、またはSi2-nAlnO1+nN2-nを有し得、式中、m、n、および結果としての下付文字は全て、自然数である)。炭化物および炭素ガラスセラミックの例示の実施の形態としては、炭化ケイ素(SiC)、炭化タングステン(WC)、炭化鉄、炭化ホウ素(B4C)、アルカリ金属炭化物(例えば、炭化リチウム(Li4C3))、アルカリ土類金属炭化物(例えば、炭化マグネシウム(Mg2C3))、およびグラファイトが挙げられる。ホウ化物の例示の実施の形態としては、ホウ化クロム(CrB2)、ホウ化モリブデン(Mo2B5)、ホウ化タングステン(W2B5)、ホウ化鉄、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)、ホウ化ハフニウム(HfB2)、ホウ化バナジウム(VB2)、ホウ化ニオブ(NbB2)、およびホウ化ランタン(LaB6)が挙げられる。ケイ化物の例示の実施の形態としては、二ケイ化モリブデン(MoSi2)、二ケイ化タングステン(WSi2)、二ケイ化チタン(TiSi2)、ケイ化ニッケル(NiSi)、アルカリ金属ケイ化物(例えば、ケイ化ナトリウム(NaSi))、アルカリ土類金属ケイ化物(例えば、ケイ化マグネシウム(Mg2Si))、二ケイ化ハフニウム(HfSi2)、およびケイ化白金(PtSi)が挙げられる。
【0154】
本開示を通じて、高分子材料(例えば、接着剤、高分子系部分)の引張強度、極限伸び(例えば、破断点歪み)、および降伏点は、23℃および50%の相対湿度で、I型の犬用の骨形試料を用いて、引張試験装置、例えば、Instron 3400またはInstron 6800を使用し、ASTM D638を使用して決定される。本開示を通じて、弾性率(例えば、ヤング率)および/またはポアソン比は、ISO 527-1:2019を使用して測定される。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807、第1の外側層213、第2の外側層215、および/またはコア層207は、約1ギガパスカル(GPa)以上、約3GPa以上、約5GPa以上、約10GPa以上、約100GPa以下、約80GPa以下、約60GPa以下、または約20GPa以下の弾性率を有し得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807は、約1GPaから約100GPa、約1GPaから約80GPa、約3GPaから約80GPa、約3GPaから約60GPa、約5GPaから約60GPa、約5GPaから約20GPa、約10GPaから約20GPaの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にある弾性率を有し得る。さらなる実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807、第1の外側層213、第2の外側層215、および/またはコア層207は、約10GPaから約100GPa、約40GPaから約100GPa、約60GPaから約100GPa、約60GPaから約80GPa、約80GPaから約100GPaの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にある弾性率を有するガラス系部分および/またはセラミック系部分を含み得る。
【0155】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807、第1の外側層213、第2の外側層215、および/またはコア層207は、光学的に透明であり得る。ここに用いられているように、「光学的に透明な」または「光学的に透き通った」は、1.0mm厚の材料片を通る400nmから700nmの波長範囲において70%以上の平均透過率を意味する。いくつかの実施の形態において、「光学的に透明な材料」または「光学的に透き通った材料」は、1.0mm厚の材料片を通る400nmから700nmの波長範囲において、75%以上、80%以上、85%以上、または90%以上、92%以上、94%以上、96%以上の平均透過率を有することがある。400nmから700nmの波長範囲における平均透過率は、400nmから700nmの整数波長の透過率を測定し、その測定値を平均化することによって、計算される。
【0156】
図2~3、6、および11に示されるように、折り畳み式装置101、301、および601、並びに試験用折り畳み式装置1102は、折り畳み式基板206を備える。この折り畳み式基板は、第1の主面203および第1の主面203と反対にある第2の主面205を有し得る。
図2~3および6に示されるように、第1の主面203は、第一面204aに沿って延在し得る。第2の主面205は、第二面204bに沿って延在し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第二面204bは、第一面204aと平行であり得る。ここに用いられているように、基板厚さ211は、第一面204aと第二面204bとの間の距離として、第1の主面203と第2の主面205との間に規定することができる。
【0157】
図2~3、6、および11に示されるように、折り畳み式基板206は、第1の外側層213を備えることができる。図から分かるように、第1の外側層213は、第1の主面203および第1の主面203と反対にある第1の内面214を有し得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、および/または601が平らな形態にあるときに、第1の内面214は、第三面204cに沿って延在し得る。ここに用いられているように、第1の外側層213の第1の外側厚さ217は、第一面204aと第三面204cとの間の距離として、第1の主面203と第1の内面214との間に規定することができる。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211は、約10マイクロメートル(μm)以上、約25μm以上、約40μm以上、約60μm以上、約80μm以上、約100μm以上、約125μm以上、約150μm以上、約2ミリメートル(mm)以下、約1mm以下、約800μm以下、約500μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約180μm以下、または約160μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211は、約10μmから約2mm、約25μmから約2mm、約40μmから約2mm、約60μmから約2mm、約80μmから約2mm、約100μmから約2mm、約100μmから約1mm、約100μmから約800μm、約100μmから約500μm、約125μmから約500μm、約125μmから約300μm、約125μmから約200μm、約150μmから約200μm、約150μmから約160μmの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0158】
ここで、第1の外側層213を、
図2の折り畳み式装置101を参照して説明する。これは、第1の外側層213のそのような説明が、特に明記のない限り、本開示の任意の実施の形態、例えば、
図3、6、および11に示された折り畳み式装置301および/または601、試験用折り畳み式装置1102、および/または折り畳み式基板206にも適用できるという了解の下でである。
図2に示されるように、第1の外側層213は、第1の部分213aおよび第2の部分213bを含み得る。第1の最小距離210が、第1の外側層213の第1の部分213aと第1の外側層213の第2の部分213bとの間に規定され得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側層213の第1の部分213aは、第1の主面203の第1の表面区域223および第1の表面区域223と反対にある第1の内面214の第1の内面区域214aを含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側層213の第2の部分213bは、第1の主面203の第3の表面区域233および第3の表面区域233と反対にある第1の内面214の第2の内面区域214bを含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の表面区域223および第3の表面区域233は、第一面204aに沿って延在し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の内面区域214aおよび第2の内面区域214bは、第三面204cに沿って延在し得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側層213の第1の部分213aは、第1の外側厚さ217を有し得る。さらなる実施の形態において、第1の外側厚さ217は、その対応する長さ(すなわち、折り畳み式装置の長さ105の方向106における)および/またはその対応する幅(すなわち、折り畳み式装置の幅103の方向104における)に亘り、第1の表面区域223と第1の内面区域214aとの間で実質的に均一であることがある。いくつかの実施の形態において、第1の外側層213の第2の部分213bは、第1の外側厚さ217を有し得る。さらなる実施の形態において、第1の外側厚さ217は、その対応する長さ(すなわち、折り畳み式装置の長さ105の方向106における)および/またはその対応する幅(すなわち、折り畳み式装置の幅103の方向104における)に亘り、第3の表面区域233と第2の内面区域214bとの間で実質的に均一であることがある。
【0159】
図2~3、6、および11に示されるように、折り畳み式基板206は、第2の外側層215を備えることができる。図から分かるように、第2の外側層215は、第2の主面205および第2の主面205と反対にある第2の内面216を有し得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、および/または601が平らな形態にあるときに、第2の内面216は、第四面204dに沿って延在し得る。ここに用いられているように、第2の外側層215の第2の外側厚さ237は、第二面204bと第四面204dとの間の距離として、第2の主面205と第2の内面216との間に規定することができる。
【0160】
ここで、第2の外側層215を、
図2の折り畳み式装置101を参照して説明する。これは、第2の外側層215のそのような説明が、特に明記のない限り、本開示の任意の実施の形態、例えば、
図3、6、および11に示された折り畳み式装置301および/または601、試験用折り畳み式装置1102、および/または折り畳み式基板206にも適用できるという了解の下でである。
図2に示されるように、第2の外側層215は、第1の部分215aおよび第2の部分215bを含み得る。第2の最小距離220が、第2の外側層215の第1の部分215aと第2の外側層215の第2の部分215bとの間に規定され得る。いくつかの実施の形態において、第2の外側層215の第1の部分215aは、第2の主面205の第2の表面区域225および第2の表面区域225と反対にある第2の内面216の第1の内面区域216aを含み得る。いくつかの実施の形態において、第2の外側層215の第2の部分215bは、第2の主面205の第4の表面区域235および第4の表面区域235と反対にある第2の内面216の第4の内面区域216bを含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の表面区域225および第4の表面区域235は、第二面204bに沿って延在し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第3の内面区域216aおよび第4の内面区域216bは、第四面204dに沿って延在し得る。いくつかの実施の形態において、第2の外側層215の第1の部分215aは、第2の外側厚さ237を有し得る。さらなる実施の形態において、第2の外側厚さ237は、その対応する長さ(すなわち、折り畳み式装置の長さ105の方向106における)および/またはその対応する幅(すなわち、折り畳み式装置の幅103の方向104における)に亘り、第2の表面区域225と第3の内面区域216aとの間で実質的に均一であることがある。いくつかの実施の形態において、第2の外側層215の第2の部分215bは、第2の外側厚さ237を有し得る。さらなる実施の形態において、第2の外側厚さ237は、その対応する長さ(すなわち、折り畳み式装置の長さ105の方向106における)および/またはその対応する幅(すなわち、折り畳み式装置の幅103の方向104における)に亘り、第4の表面区域235と第4の内面区域216bとの間で実質的に均一であることがある。
【0161】
図2~3、6、および11に示されるように、折り畳み式基板206は、コア層207を備えることができる。図から分かるように、コア層207は、第3の内面208および第3の内面208と反対にある第4の内面218を有し得る。いくつかの実施の形態において、第3の内面208は、第三面204cに沿って延在し得る。いくつかの実施の形態において、第4の内面218は、第四面204dに沿って延在し得る。ここに用いられているように、コア層207の中央厚さ227は、第三面204cと第四面204dとの間の距離として、第3の内面208と第4の内面218との間に規定することができる。
【0162】
いくつかの実施の形態において、第1の外側厚さ217、第2の外側厚さ237、および/または中央厚さ227は、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約25μm以上、約40μm以上、約80μm以上、約100μm以上、約125μm以上、約150μm以上、約1mm以下、約800μm以下、約500μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約180μm以下、または約160μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側厚さ217、第2の外側厚さ237、および/または中央厚さ227は、約1μmから約1mm、約1μmから約800μm、約5μmから約800μm、約5μmから約500μm、約10μmから約500μm、約10μmから約300μm、約25μmから約300μm、約25μmから約200μm、約40μmから約200μm、約80μmから約200μm、約80μmから約200μm、約100μmから約200μm、約125μmから約200μm、約125μmから約180μm、約125μmから約160μm、約125μmから約150μmの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。さらなる実施の形態において、中央厚さ227は、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約25μm以上、約40μm以上、約100μm以下、約80μm以下、約60μm以下、または約50μm以下であり得る。さらなる実施の形態において、中央厚さ227は、約1μmから約100μm、約5μmから約100μm、約10μmから約100μm、約10μmから約80μm、約25μmから約80μm、約25μmから約60μm、約40μmから約60μmの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側厚さ217は、第2の外側厚さ237と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側厚さ217は、第2の外側厚さ237より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の外側厚さ237が第1の外側厚さ217より大きいことがあり得る。
【0163】
ここで、コア層207を、
図2の折り畳み式装置101を参照して説明する。これは、コア層207のそのような説明が、特に明記のない限り、本開示の任意の実施の形態、例えば、
図3、6、および11に示された折り畳み式装置301および/または601、試験用折り畳み式装置1102、および/または折り畳み式基板206にも適用できるという了解の下でである。
図2に示されるように、コア層207は、第1の外側層213と第2の外側層215との間に位置付けることができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、コア層207の第3の内面208は、第1の外側層213の第1の部分213aの第1の内面214の第1の内面区域214aと接触し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、コア層207の第3の内面208は、第1の外側層213の第2の部分213bの第1の内面214の第2の内面区域214bと接触し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、コア層207の第4の内面218は、第2の外側層215の第1の部分215aの第2の内面216の第3の内面区域216aと接触し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、コア層207の第4の内面218は、第2の外側層215の第2の部分215bの第4の内面区域216bと接触し得る。
【0164】
図2に示されるように、第3の内面208は、第1の外側層213の第1の部分213aの第1の内面214の第1の内面区域214aと、第1の外側層213の第2の部分213bの第1の内面214の第2の内面区域214bとの間の第1の中央表面区域209を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、コア層207の第1の中央表面区域209は、第1の距離だけ第1の主面203から窪んでいることがあり得、この第1の距離は、第1の外側厚さ217と実質的に等しいか、またはそれより大きいことがあり得る。第1の凹部234が、第一面204aと第1の中央表面区域209との間に画成され得る。
【0165】
図2に示されるように、第4の内面218は、第2の外側層215の第1の部分215aの第2の内面216の第3の内面区域216aと、第2の外側層215の第2の部分231の第2の内面216の第4の内面区域216bとの間の第2の中央表面区域219を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、コア層207の第2の中央表面区域219は、第2の距離だけ第2の主面205から窪んでいることがあり得、この第2の距離は、第2の外側厚さ237と実質的に等しいか、またはそれより大きいことがあり得る。第2の凹部244が、第二面204bと第2の中央表面区域219との間に画成され得る。
【0166】
第1の中央表面区域209の幅は、第1の最小距離210と実質的に等しいことがあり得、第2の中央表面区域219の幅は、第2の最小距離220と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の最小距離210および/または第2の最小距離220は、約1mm以上、約3mm以上、約5mm以上、約8mm以上、約10mm以上、約15mm以上、約20mm以上、約100mm以下、約60mm以下、約50mm以下、約40mm以下、約35mm以下、約30mm以下、または約25mm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の最小距離210および/または第2の最小距離220は、約1mmから約100mm、約3mmから約100mm、約3mmから約60mm、約5mmから約60mm、約5mmから約50mm、約8mmから約50mm、約8mmから約40mm、約10mmから約40mm、約10mmから約35mm、約15mmから約35mm、約15mmから約30mm、約20mmから約30mm、約20mmから約25mmの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の最小距離210は、第2の最小距離220と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の最小距離210は、第2の最小距離220より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の最小距離220は、第1の最小距離210より大きいことがあり得る。
【0167】
いくつかの実施の形態において、基板厚さ211の百分率としての第1の中央表面区域209が第一面204aから窪んでいる第1の距離(例えば、第1の外側厚さ217)および/または基板厚さ211の百分率としての第2の中央表面区域219が第二面204bから窪んでいる第2の距離(例えば、第2の外側厚さ237)は、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約75%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約35%以下、または約30%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211の百分率としての第1の距離および/または第2の距離は、約1%から約75%、約1%から約60%、約5%から約60%、約5%から約50%、約10%から約50%、約10%から約40%、約15%から約40%、約15%から約35%、約20%から約35%、約20%から約30%、約25%から約30%の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の距離は、第2の距離と実質的に等しいことがあり得る。第1の距離を第2の距離と実質的に等しくすることにより、例えば、中央部分における機械的不安定性の発生をさらに減少させることができる。何故ならば、折り畳み式基板が、基板厚さと中央厚さの中点を含む面に対して対称であるからである。いくつかの実施の形態において、第2の距離が第1の距離より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の距離が第2の距離より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さ211の百分率としての第2の中央表面区域219が第二面204bから窪んでいる第2の距離(例えば、第2の外側厚さ237)は、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約15%以下であり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さ211の百分率としての第2の中央表面区域219が第二面204bから窪んでいる第2の距離(例えば、第2の外側厚さ237)は、約1%から約30%、約1%から約25%、約2%から約25%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約15%の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0168】
いくつかの実施の形態において、基板厚さ211の百分率としての中央厚さ227は、約0.5%以上、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約6%以上、約20%以下、約13%以下、約10%以下、または約8%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211の百分率としての中央厚さ227は、約0.5%から約20%、約0.5%から約13%、約1%から約13%、約1%から約10%、約2%から約10%、約2%から約8%、約5%から約8%、約6%から約8%の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0169】
第1の外側層213は第1の熱膨張係数を有し得、第2の外側層215は第2の熱膨張係数を有し得、コア層207はコア熱膨張係数を有し得る。本開示を通じて、折り畳み式基板または折り畳み式基板の層の熱膨張係数は、温度に基づく線膨張率を称し、25℃でのASTM E228-17にしたがって測定される。いくつかの実施の形態において、第1の熱膨張係数、第2の熱膨張係数、および/またはコア熱膨張係数は、約5×10-7/℃以上、約10×10-7/℃以上、約20×10-7/℃以上、約30×10-7/℃以上、約40×10-7/℃以上、約50×10-7/℃以上、約60×10-7/℃以上、約500×10-7/℃以下、約300×10-7/℃以下、約200×10-7/℃以下、約150×10-7/℃以下、約100×10-7/℃以下、約90×10-7/℃以下、約80×10-7/℃以下、または約70×10-7/℃以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の熱膨張係数、第2の熱膨張係数、および/またはコア熱膨張係数は、約5×10-7/℃から約500×10-7/℃、約5×10-7/℃から約300×10-7/℃、約10×10-7/℃から約300×10-7/℃、約10×10-7/℃から約200×10-7/℃、約20×10-7/℃から約200×10-7/℃、約20×10-7/℃から約100×10-7/℃、約30×10-7/℃から約100×10-7/℃、約30×10-7/℃から約90×10-7/℃、約40×10-7/℃から約90×10-7/℃、約40×10-7/℃から約80×10-7/℃、約50×10-7/℃から約80×10-7/℃、約50×10-7/℃から約70×10-7/℃、約60×10-7/℃から約70×10-7/℃の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の熱膨張係数は、第2の熱膨張係数と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア熱膨張係数は、第1の熱膨張係数および/または第2の熱膨張係数より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、コア熱膨張係数は、約5×10-7/℃以上、約10×10-7/℃以上、約20×10-7/℃以上、約30×10-7/℃以上、約40×10-7/℃以上、約50×10-7/℃以上、約100×10-7/℃以下、約80×10-7/℃以下、約70×10-7/℃以下、または約60×10-7/℃以下だけ第1の熱膨張係数および/または第2の熱膨張係数より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、コア熱膨張係数が第1の熱膨張係数および/または第2の熱膨張係数より大きくあり得る量は、約5×10-7/℃から約100×10-7/℃、約5×10-7/℃から約80×10-7/℃、約10×10-7/℃から約80×10-7/℃、約10×10-7/℃から約70×10-7/℃、約20×10-7/℃から約70×10-7/℃、約20×10-7/℃から約60×10-7/℃、約30×10-7/℃から約60×10-7/℃、約30×10-7/℃から約50×10-7/℃、約40×10-7/℃から約60×10-7/℃、約40×10-7/℃から約50×10-7/℃の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。本明細書のどこかに述べたように、第1の外側層および/または第2の外側層に対するコア層の熱膨張係数の差、もしくは第1の部分および/または第2の部分に対する中央部分の熱膨張係数の差を制御することにより、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板が臨界座屈歪み(例えば、機械的不安定性の兆候)に到達する前の大きい折り畳み誘発歪みを促進し得る折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の層間および/または部分間の化学強化誘発膨張および/または歪みを減少させることができ、また光学的歪みの発生を減少させることができる。
【0170】
第1の外側層213は第1の密度を有し得、第2の外側層215は第2の密度を有し得、コア層207はコア密度を有し得る。本開示の全体に亘り、密度は、25℃でASTM C693-93(2019)にしたがって測定される。いくつかの実施の形態において、第1の密度、第2の密度、および/またはコア密度は、約2グラム毎立方センチメートル(g/cm3)以上、約2.2g/cm3以上、約2.3g/cm3以上、約2.4g/cm3以上、約2.42g/cm3以上、約2.45g/cm3以上、約2.47g/cm3以上、約3g/cm3以下、約2.8g/cm3以下、約2.7g/cm3以下、約2.65g/cm3以下、約2.6g/cm3以下、約2.58g/cm3以下、約2.55g/cm3以下、約2.52g/cm3以下、または約2.5g/cm3以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の密度、第2の密度、および/またはコア密度は、約2g/cm3から約3g/cm3、約2g/cm3から約2.8g/cm3、約2.2g/cm3から約2.8g/cm3、約2.2g/cm3から約2.7g/cm3、約2.3g/cm3から約2.7g/cm3、約2.4g/cm3から約2.7g/cm3、約2.42g/cm3から約2.7g/cm3、約2.42g/cm3から約2.68g/cm3、約2.45g/cm3から約2.68g/cm3、約2.45g/cm3から約2.65g/cm3、約2.48g/cm3から約2.65g/cm3、約2.48g/cm3から約2.52g/cm3、約2.48g/cm3から約2.5g/cm3の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の密度は第2の密度と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア密度は、第1の密度および/または第2の密度より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、コア密度は、約0.005g/cm3以上、約0.01g/cm3以上、約0.015g/cm3以上、約0.02g/cm3以上、約0.025g/cm3以上、約0.055g/cm3以下、約0.05g/cm3以下、約0.045g/cm3以下、約0.04g/cm3以下、約0.35g/cm3以下、または約0.3g/cm3以下だけ、第1の密度および/または第2の密度より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、コア密度が第1の密度および/または第2の密度より大きいことがあり得る量は、約0.005g/cm3から約0.055g/cm3、約0.005g/cm3から約0.05g/cm3、約0.01g/cm3から約0.05g/cm3、約0.01g/cm3から約0.045g/cm3、約0.015g/cm3から約0.045g/cm3、約0.015g/cm3から約0.04g/cm3、約0.02g/cm3から約0.04g/cm3、約0.02g/cm3から約0.035g/cm3、約0.025g/cm3から約0.035g/cm3、約0.025g/cm3から約0.30g/cm3の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。本明細書のどこかに述べたように、第1の外側層および/または第2の外側層に対するコア層の密度の差、もしくは第1の部分および/または第2の部分に対する中央部分の密度の差を制御することにより、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板が臨界座屈歪み(例えば、機械的不安定性の兆候)に到達する前の大きい折り畳み誘発歪みを促進し得る折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の層間および/または部分間の化学強化誘発膨張および/または歪みを減少させることができ、また光学的歪みの発生を減少させることができる。
【0171】
第1の外側層213は第1の網状構造膨張係数を有し得、第2の外側層215は第2の網状構造膨張係数を有し得、コア層207はコア網状構造膨張係数を有し得る。本開示の全体を通じて、網状構造膨張係数(例えば、格子膨張係数)は、アルカリ金属イオンが材料(例えば、ガラス系材料、セラミック系材料)中に交換されるときに、アルカリ金属イオンの増加のモル%当たりで材料の体積が増加する割合を称する。いくつかの実施の形態において、網状構造膨張係数は、酸化物基準のカリウムに関するものであり得る。いくつかの実施の形態において、網状構造膨張係数は、酸化物基準のナトリウムに関するものであり得る。いくつかの実施の形態において、第1の網状構造膨張係数、第2の網状構造膨張係数、および/またはコア網状構造膨張係数は、約300×10-6/モル%以上、約500×10-6/モル%以上、約700×10-6/モル%以上、約800×10-6/モル%以上、約900×10-6/モル%以上、約2000×10-6/モル%以下、約1500×10-6/モル%以下、約1200×10-6/モル%以下、約1100×10-6/モル%以下、または約1000×10-6/モル%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の網状構造膨張係数、第2の網状構造膨張係数、および/またはコア網状構造膨張係数は、約300×10-6/モル%から約2000×10-6/モル%、約300×10-6/モル%から約1500×10-6/モル%、約500×10-6/モル%から約1500×10-6/モル%、約500×10-6/モル%から約1200×10-6/モル%、約700×10-6/モル%から約1200×10-6/モル%、約700×10-6/モル%から約1100×10-6/モル%、約800×10-6/モル%から約1100×10-6/モル%、約800×10-6/モル%から約1000×10-6/モル%、約900×10-6/モル%から約1000×10-6/モル%の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の網状構造膨張係数は、第2の網状構造膨張係数と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア網状構造膨張係数は、第1の網状構造膨張係数および/または第2の網状構造膨張係数より小さいことがあり得る。先に述べたように、第1の外側層および/または第2の外側層に対するコア層の網状構造膨張係数の差、もしくは第1の部分および/または第2の部分に対する中央部分の網状構造膨張係数の差を制御することにより、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板が臨界座屈歪み(例えば、機械的不安定性の兆候)に到達する前の大きい折り畳み誘発歪みを促進し得る折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の層間および/または部分間の化学強化誘発膨張および/または歪みを減少させることができ、また光学的歪みの発生を減少させることができる。
【0172】
図4~5および7に示されるように、折り畳み式基板407は、第1の主面403および第1の主面403と反対にある第2の主面405を有し得る。
図4~5および7に示されるように、第1の主面403は、第一面404aに沿って延在し得る。第2の主面405は、第二面404bに沿って延在し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第二面404bは、第一面404aと平行であり得る。ここに用いられているように、基板厚さ411は、第一面404aと第二面404bとの間の距離として、第1の主面403と第2の主面405との間に規定することができる。基板厚さ411は、基板厚さ211に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。
【0173】
図4~5および7に示されるように、折り畳み式基板407は、第1の表面区域423および第1の表面区域423と反対にある第2の表面区域425を有する第1の部分421も含み得る。これから、第1の部分421を
図4の折り畳み式装置401を参照して説明する。これは、第1の部分421のそのような説明が、特に明記のない限り、本開示の任意の実施の形態、例えば、
図5および7に示された折り畳み式装置501および701および/または折り畳み式基板407にも適用できるという了解の下でである。
図4に示されるように、第1の部分421は、第1の表面区域423および第1の表面区域423と反対にある第2の表面区域425を有し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の部分421の第2の表面区域425は、平面を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の表面区域425は、第1の表面区域423と平行であり得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の主面403は第1の表面区域423を構成し得、第2の主面405は第2の表面区域425を構成し得る。さらなる実施の形態において、第1の表面区域423は、第一面404aに沿って延在し得る。さらなる実施の形態において、第2の表面区域425は、第二面404bに沿って延在し得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411は、第1の部分421の第1の表面区域423と第1の部分421の第2の表面区域425との間の距離に相当し得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411は、第1の表面区域423に亘り実質的に均一であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の表面区域423と第2の表面区域425との間に規定された第1の厚さは、基板厚さ211または411に関して先に述べられた範囲の1つ以上に含まれ得る。さらなる実施の形態において、第1の厚さは基板厚さ411を含み得る。さらなる実施の形態において、第1の部分421の第1の厚さは、対応する長さ(すなわち、折り畳み式装置の長さ105の方向106)および/または対応する幅(すなわち、折り畳み式装置の幅103の方向104)に亘り、第1の表面区域423と第2の表面区域425との間で、実質的に均一であることがある。
【0174】
図4~5および7に示されるように、折り畳み式基板407は、第3の表面区域433および第3の表面区域433と反対にある第4の表面区域435を含む第2の部分431も含み得る。ここで、第2の部分433を、
図4の折り畳み式装置401を参照して説明する。これは、第2の部分431のそのような説明が、特に明記のない限り、本開示の任意の実施の形態、例えば、
図5および7に示された折り畳み式装置501および/または701および/または折り畳み式基板407にも適用できるという了解の下でである。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の部分431の第3の表面区域433は、平面を構成し得る。さらなる実施の形態において、第2の部分431の第3の表面区域433は、第1の部分421の第1の表面区域423と共通の面内にあり得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の部分431の第4の表面区域435は、平面を構成し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第4の表面区域435は、第3の表面区域433と平行であり得る。さらなる実施の形態において、第2の部分431の第4の表面区域435は、第1の部分421の第2の表面区域425と共通の面内にあり得る。第2の厚さは、第2の部分431の第3の表面区域433と、第2の部分431の第4の表面区域435との間に規定することができる。いくつかの実施の形態において、第2の厚さは、基板厚さ211または411に関して先に述べられた範囲内にあり得る。さらなる実施の形態において、第2の厚さは、基板厚さ411を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の厚さは、基板厚さ411(例えば、第1の厚さ)と実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の部分431の第2の厚さは、第3の表面区域433と第4の表面区域435との間で実質的に均一であることがある。
【0175】
図4~5および7に示されるように、折り畳み式基板407は、第1の部分421と第2の部分431との間に位置する中央部分481を含み得る。いくつかの実施の形態において、中央部分481は、第1の中央表面区域409および第1の中央表面区域409と反対にある第2の中央表面区域419を含み得る。さらなる実施の形態において、中央部分481は、第1の表面区域423と第3の表面区域433との間に位置する第1の中央表面区域409を含み得る。図示されたような、またさらなる実施の形態において、第1の中央表面区域409は、第1の距離417だけ第1の主面403から窪み得る。この第1の距離417は、折り畳み式基板206に関する第1の距離(例えば、第1の外側厚さ217)に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。図示されたような、またさらなる実施の形態において、第1の中央表面区域409は、折り畳み式装置401、501、および/または701が平らな形態にある場合、第三面404cに沿って延在し得、一方で、第1の中央表面区域409は、さらなる実施の形態において、非平面区域として設けられてもよい。第1の凹部434が、第1の中央表面区域409(例えば、第三面404c)と第一面404aとの間に画成され得る。さらなる実施の形態において、第三面404cは、第一面404aおよび/または第二面404bと実質的に平行であり得る。
【0176】
いくつかの実施の形態において、中央部分481は、第2の表面区域425と第4の表面区域435との間に位置する第2の中央表面区域419を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の中央表面区域419は、第2の距離437だけ第2の主面405から窪み得る。この第2の距離437は、折り畳み式基板206に関する第2の距離(例えば、第2の外側厚さ237)に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。図示されたような、またさらなる実施の形態において、第2の中央表面区域419は、折り畳み式装置401、501、および/または701が平らな形態にある場合、第四面404dに沿って延在し得、一方で、第2の中央表面区域419は、さらなる実施の形態において、非平面区域として設けられてもよい。第2の凹部444が、第2の中央表面区域419(例えば、第四面404d)と第二面404bとの間に画成され得る。第1の中央表面区域が第1の主面から窪んでいる第1の距離を、第2の中央表面区域が第2の主面から窪んでいる第2の距離と実質的に等しくすることにより、例えば、中央部分における機械的不安定性の発生をさらに減少させることができる。何故ならば、折り畳み式基板が、基板厚さと中央厚さの中点を含む面に対して対称であるからである。
【0177】
中央厚さ427は、第1の中央表面区域409と第2の中央表面区域419との間に規定することができ、これは、第三面404cと第四面404dとの間の距離として測定することができる。いくつかの実施の形態において、中央厚さ427は、折り畳み式基板206の中央厚さ227について上述した範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての中央厚さ427は、折り畳み式基板206の基板厚さ211の百分率として中央厚さ227について上述した範囲の1つ以上に入り得る。第三面404cに沿って延在する中央部分481の第1の中央表面区域409を、第四面404dに沿って延在する中央部分481の第2の中央表面区域419に平行に設けることによって、中央厚さ427について所定の厚さで向上した折り畳み性能を提供できる均一な中央厚さ427が、中央部分481に亘り延在することがある。中央部分481に亘る均一な中央厚さ427は、中央部分481の一部が中央部分481の残りより薄い場合に生じるであろう応力集中を防ぐことによって、折り畳み性能を改善することができる。
【0178】
図4~5に示されるような、いくつかの実施の形態において、第1の中央表面区域409と第1の表面区域423および/または第3の表面区域433との間の移行部は、実質的に急勾配である(例えば、第一面404aおよび/または第三面404cに垂直な真っ直ぐな面と似ているほど十分に狭い)ことがあり得る。
図4~5に示されるような、いくつかの実施の形態において、第2の中央表面区域419と第2の表面区域425および/または第4の表面区域435との間の移行部は、実質的に急勾配である(例えば、第二面404bおよび/または第四面404dに垂直な真っ直ぐな面と似ているほど十分に狭い)ことがあり得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、折り畳み式基板407は、例えば、
図8における第1の移行部分853に似ていることがあり得る、第1の表面区域と第1の中央表面区域との間および/または第2の表面区域と第2の中央表面区域との間に第1の移行部を含み得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、折り畳み式基板407は、例えば、
図8における第2の移行部分855に似ていることがあり得る、第3の表面区域と第1の中央表面区域との間および/または第4の表面区域と第2の中央表面区域との間に第2の移行部を含み得る。
【0179】
図7に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置701は、折り畳み式基板407の対応する部分と似ている、または同一の第1の部分421および/または第2の部分431を含み得る折り畳み式基板707を備えることができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板707は、第1の部分421と、第三面404cを構成する中央部分781の部分(例えば、第1の中央表面区域709)との間に位置付けられた第1の移行部分753を含み得る。さらなる実施の形態において、第1の移行部分753は、第1の移行部分の厚さが連続的に変化する、第1の部分421から延在する第1の移行部分753の部分および急激に変化し得る第三面404cから延在する部分を含む。またさらなる実施の形態において、急激な変化の移行深さ727は、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約12μm以上、約50μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約18μm以下、または約15μm以下であり得る。またさらなる実施の形態において、急激な変化の移行深さ727は、約1μmから約50μm、約1μmから約30μm、約2μmから約30μm、約2μmから約25μm、約5μmから約25μm、約5μmから約20μm、約10μmから約20μm、約10μmから約18μm、約12μmから約18μm、約12μmから約15μmの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
図7に示されるような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板707は、第2の部分431と、第三面404cを構成する中央部分781の部分(例えば、第1の中央表面区域709)との間に位置付けられた第2の移行部分755を含み得る。さらなる実施の形態において、第2の移行部分755は、第2の移行部分の厚さが連続的に変化する、第2の部分431から延在する第2の移行部分755の部分および急激に変化し得る第三面404cから延在する部分を含む。またさらなる実施の形態において、第2の移行部分における急激な変化の移行深さ727は、第1の移行部分における急激な変化の移行深さ727について上述した範囲の1つ以上に入り得る。またさらなる実施の形態において、第2の移行部分における急激な変化の移行深さ727は、第1の移行部分における急激な変化の移行深さ727と実質的に等しいことがあり得る。
【0180】
図8に示されるように、折り畳み式装置801は、折り畳み式基板807を備えることができる。この折り畳み式基板は、第1の主面803および第1の主面803と反対にある第2の主面805を有し得る。
図8に示されるように、第1の主面803は、第一面804aに沿って延在し得る。第2の主面805は、第二面804bに沿って延在し得る。図示されたようないくつかの実施の形態において、第二面804bは第一面804aに対して平行であり得る。ここに用いられているように、基板厚さ811は、第一面804aと第二面404bとの間の距離として第1の主面803と第2の主面805との間に規定され得る。基板厚さ811は、基板厚さ211または411に関して上述した範囲の1つ以上に入り得る。
【0181】
図8に示されるように、折り畳み式基板807は、第1の表面区域823および第1の表面区域823と反対にある第2の表面区域825を有する第1の部分821も含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の部分821の第2の表面区域825は、平面を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の表面区域825は、第1の表面区域823と平行であり得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の主面803は第1の表面区域823を構成し得、第2の主面805は第2の表面区域825を構成し得る。さらなる実施の形態において、第1の表面区域823は第一面804aに沿って延在し得る。さらなる実施の形態において、第2の表面区域825は第二面804bに沿って延在し得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811は、第1の部分821の第1の表面区域823と第1の部分821の第2の表面区域825との間の距離に相当し得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811は、第1の表面区域823に亘り実質的に均一であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の表面区域823と第2の表面区域825との間に規定された第1の厚さは、基板厚さ211、411、または811に関して先に述べられた範囲の1つ以上に含まれ得る。さらなる実施の形態において、第1の厚さは基板厚さ811を含み得る。さらなる実施の形態において、第1の部分821の第1の厚さは、対応する長さ(すなわち、折り畳み式装置の長さ105の方向106)および/または対応する幅(すなわち、折り畳み式装置の幅103の方向104)に亘り、第1の表面区域823と第2の表面区域825との間で、実質的に均一であることがある。
【0182】
図8に示されるように、折り畳み式基板807は、第3の表面区域833および第3の表面区域833と反対にある第4の表面区域835を含む第2の部分831も含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の部分831の第3の表面区域833は、平面を構成し得る。さらなる実施の形態において、第2の部分831の第3の表面区域833は、第1の部分821の第1の表面区域823と共通の面内にあり得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の部分831の第4の表面区域835は、平面を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第4の表面区域835は、第3の表面区域833と平行であり得る。さらなる実施の形態において、第2の部分831の第4の表面区域835は、第1の部分821の第2の表面区域825と共通の面内にあり得る。第2の厚さは、第2の部分831の第3の表面区域833と、第2の部分831の第4の表面区域835との間に規定することができる。いくつかの実施の形態において、第2の厚さは、基板厚さ211、411、または811に関して先に述べられた範囲内にあり得る。さらなる実施の形態において、第2の厚さは、基板厚さ811を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の厚さは、基板厚さ811(例えば、第1の厚さ)と実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の部分831の第2の厚さは、第3の表面区域833と第4の表面区域835との間で実質的に均一であることがある。
【0183】
図8に示されるように、折り畳み式基板807は、第1の部分821と第2の部分831との間に位置する中央部分881を含み得る。いくつかの実施の形態において、中央部分881は、第1の中央表面区域809および第1の中央表面区域809と反対にある第2の中央表面区域819を含み得る。さらなる実施の形態において、中央部分881は、第1の表面区域823と第3の表面区域833との間に位置する第1の中央表面区域809を含み得る。図示されたような、またさらなる実施の形態において、第1の中央表面区域809は、第1の距離817だけ第1の主面803から窪み得る。第1の距離817は、折り畳み式基板206に関して第1の距離(例えば、第1の外側厚さ217)について上述した範囲の1つ以上に入り得る。図示されたような、またさらなる実施の形態において、第1の中央表面区域809は、折り畳み式装置801が平らな形態にある場合、第三面804cに沿って延在し得、一方で、第1の中央表面区域809は、さらなる実施の形態において、非平面区域として設けられてもよい。第1の凹部834が、第1の中央表面区域809(例えば、第三面804c)と第一面804aとの間に画成され得る。さらなる実施の形態において、第三面804cは、第一面804aおよび/または第二面804bと実質的に平行であり得る。さらなる実施の形態において、中央部分881は、第2の表面区域825と第4の表面区域835との間に位置付けられた第2の中央表面区域819を含み得る。図示されたような、またさらなる実施の形態において、第2の主面805は、第2の中央表面区域819を構成し得る。またさらなる実施の形態において、図示されていないが、この第2の中央表面区域の一部は、第二面から窪んでいても差し支えない。またさらなる実施の形態において、図示されていないが、折り畳み式基板は、折り畳み式基板の第2の主面に、第2の中央表面区域を露出する別の凹部を含んでいても差し支えない。
【0184】
中央部分881の中央厚さ827は、第1の中央表面区域809と第2の中央表面区域819との間に規定することができる。いくつかの実施の形態において、第1の中央表面区域809は、折り畳み式装置801が平らな形態にあるときに、第三面804cに沿って延在することがあるが、第1の中央表面区域809は、さらなる実施の形態において、非平面区域として設けられることがある。さらなる実施の形態において、第三面804cは、第一面804aおよび/または第二面804bと実質的に平行であり得る。いくつかの実施の形態において、中央厚さ827は、折り畳み式基板206の中央厚さ227について上述した範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811の百分率としての中央厚さ827は、折り畳み式基板206の基板厚さ211の百分率としての中央厚さ227について上述した範囲の1つ以上に入り得る。第三面804cに沿って延在する中央部分881の第1の中央表面区域809を第二面804bに平行に設けることによって、中央厚さ827の所定の厚さで向上した折り畳み性能を与えることのできる均一な中央厚さ827が、中央部分881に亘り延在することがある。中央部分881に亘る均一な中央厚さ827は、中央部分881の一部が中央部分881の残りよりも薄い場合に生じるであろう応力集中を防ぐことによって、折り畳み性能を改善することができる。
【0185】
図8に示されるように、中央部分881は、第1の移行部分853を含み得る。第1の移行部分853は、第1の部分821を、中央厚さ827を有する中央部分881の領域に取り付けることができる。第1の移行部分853の厚さは、第二面804bと第1の中央表面区域809との間に規定することができる。
図8に示されるように、第1の移行部分853の厚さは、第1の中央表面区域809(例えば、中央厚さ827)から第1の部分821(例えば、基板厚さ811)に連続して増加し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の移行部分853の厚さは、第1の中央表面区域809から第1の部分821へと定率で増加し得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の移行部分853の厚さは、第1の移行部分853の中央よりも、第1の中央表面区域809が第1の移行部分853と交わるところで、一層徐々に増加することがある。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の移行部分853の厚さは、第1の移行部分853の中央よりも、第1の部分821が第1の移行部分853と交わるところで、一層徐々に増加することがある。いくつかの実施の形態において、
図8に示されていないが、中央部分は、第1の移行部分を構成しないことがある
図4の中央部分481に似ていても差し支えない。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の移行部分853は、例えば、第2の中央表面区域が第二面から窪んでいる場合、第2の表面区域から第2の中央表面区域まで移行し得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の移行部分は、第1の移行部分の厚さが連続的に変化する第1の部分から延在する部分、および急激に変化し得る第三面804cから延在する部分を含み得る(例えば、
図7参照)。
【0186】
中央部分881は、第2の移行部分855を含み得る。
図8に示されるように、第2の移行部分855は、第2の部分831を、中央厚さ827を有する中央部分881の領域(例えば、第1の中央表面区域809を構成する領域)に取り付けることができる。第2の移行部分855の厚さは、第二面804bと第1の中央表面区域809との間に規定することができる。
図8に示されるように、第2の移行部分855の厚さは、第1の中央表面区域809(例えば、中央厚さ827)から第2の部分831(例えば、基板厚さ811)に連続して増加し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の移行部分855の厚さは、第1の中央表面区域809から第2の部分831へと定率で増加し得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第2の移行部分855の厚さは、第2の移行部分855の中央よりも、第1の中央表面区域809が第2の移行部分855と交わるところで、一層徐々に増加することがある。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第2の移行部分855の厚さは、第2の移行部分855の中央よりも、第2の部分831が第2の移行部分855と交わるところで、一層徐々に増加することがある。
図8に示されるような、いくつかの実施の形態において、中央部分881は、第2の移行部分を構成することがある。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、中央部分は、第2の移行部分を構成しないことがある
図4の中央部分481に似ていても差し支えない。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第2の移行部分855は、例えば、第2の中央表面区域が第二面から窪んでいる場合、第4の表面区域から第2の中央表面区域まで移行し得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第2の移行部分は、例えば、
図7に示されたものと同様に、第2の移行部分の厚さが連続的に変化する第2の部分から延在する部分、および急激に変化し得る第三面804cから延在する部分を含み得る。
【0187】
図8に示されるように、第1の移行部分853の幅は、折り畳み式装置801の長さ105の方向106において中央厚さ827を構成する中央部分881の部分(例えば、第三面804c)と第1の部分821との間に規定することができる。第2の移行部分855の幅は、折り畳み式装置801の長さ105の方向106において中央厚さ827を構成する中央部分881の部分(例えば、第三面804c)と第2の部分831との間に規定することができる。いくつかの実施の形態において、第1の移行部分853の幅および/または第2の移行部分855の幅は、そうでなければ、第1の厚さと中央厚さとの間の段状移行または小さい移行幅(例えば、1mm未満)で起こるであろう光学的歪みを避けるのに十分に大きい(例えば、1mm以上)ことがあり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板の穿刺抵抗を向上させつつ、光学的歪みも避けるために、第1の移行部分853の幅および/または第2の移行部分855の幅は、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約5mm以下、約4mm以下、または約3mm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の移行部分853の幅および/または第2の移行部分855の幅は、約1mmから約5mm、約1mmから約4mm、約1mmから約3mm、約2mmから約5mm、約2mmから約4mm、約2mmから約3mm、約3mmから約5mm、約3mmから約4mmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0188】
ここに用いられているように、第1の層および/または構成部材が、第2の層および/または構成部材「を覆って配置された」と記載されている場合、第1の層および/または構成部材と、第2の層および/または構成部材との間に、他の層が存在してもしなくてもよい。さらに、ここに用いられているように、「を覆って配置された」とは、重力に関する相対的な位置を称するものではない。例えば、第1の層および/または構成部材が、第2の層および/または構成部材の下、上、またはその片側に位置している場合、例えば、第1の層および/または構成部材は、第2の層および/または構成部材「を覆って配置された」と考えることができる。ここに用いられているように、第2の層および/または構成部材「に結合された」と記載されている第1の層および/または構成部材は、それらの層および/または構成部材が、それら2つの層および/または構成部材の間の直接接触および/または結合、もしくは接着層を介して、のいずれかで、互いに結合されていることを意味する。ここに用いられているように、第2の層および/または構成部材と「接触している」または「接触する」と記載されている第1の層および/または構成部材は、直接的な接触を称し、それらの層および/または構成部材が互いに結合されている状況を含む。
【0189】
図2~5および12に示されるように、折り畳み式装置101、301、401、501、および/または1201は、接着剤層261を備え得る。図から分かるように、接着剤層261は、第1の接触面263および第1の接触面263と反対にあり得る第2の接触面265を有し得る。
図2~5に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第2の接触面265は、平面を構成し得る。
図2および5に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、平面を構成し得る。接着剤層261の接着剤厚さ267は、第1の接触面263と第2の接触面265との間の最小距離として規定することができる。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の接着剤厚さ267は、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約100μm以下、約60μm以下、約30μm以下、または約20μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の接着剤厚さ267は、約1μmから約100μm、約5μmから約100μm、約5μmから約60μm、約5μmから約30μm、約10μmから約30μm、約10μmから約20μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0190】
図2および4に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第2の接触面265は、剥離ライナー271(下記に記載されている)の第1の主面273に面し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261の第2の接触面265は、剥離ライナー271の第1の主面273と接触し得る。
図3、5、および12に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第2の接触面265は、表示装置307の第1の主面303に面し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261の第2の接触面265は、表示装置307の第1の主面303と接触し得る。
【0191】
図2~5および12に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、第1の部分221または421の第2の表面区域225または425に面し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、第1の部分221または421の第2の表面区域225または425に接触し得る。
図2~5および12に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、第2の部分231または431の第4の表面区域235または435に面し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、第2の部分231または431の第4の表面区域235または435に接触し得る。
図2~5および12に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、中央部分281または481の第2の中央表面区域219または419に面し得る。
図3~4に示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、中央部分281または481の第2の中央表面区域219または419に接触し得る。
図3~4に示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261は、第2の凹部244または444中に延在し得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、この第2の凹部は、例えば、電子デバイスおよび/または機械デバイスの入る余地を残すために、完全には満たされていないことがある。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、例えば、接着剤層261と似た、別の接着剤層が、第1の主面(例えば、第1の表面区域、第3の表面区域)を覆って配置され得るおよび/またはそれと接触し得る、および/または第1の凹部中に延在し得るが、第1の凹部は、例えば、電子デバイスおよび/または機械デバイスの入る余地を残すために、完全には満たされていないことがある。
【0192】
いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、ポリオレフィン、ポリアミド、ハロゲン化物含有高分子(例えば、ポリ塩化ビニルまたはフッ素含有高分子)、エラストマー、ウレタン、フェノール樹脂、パリレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の内の1つ以上を含み得る。ポリオレフィンの例示の実施の形態としては、低分子量ポリエチレン(LDPE)、高分子量ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、およびポリプロピレン(PP)が挙げられる。フッ素含有高分子の例示の実施の形態としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロポリエーテル(PEPE)、ペルフルオロスルホン酸(PFSA)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)ポリマー、およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)ポリマーが挙げられる。エラストマーの例示の実施の形態としては、ゴム(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム)およびブロック共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン、耐衝撃性ポリスチレン)、ポリ(ジクロロホスファゼン))が挙げられる。さらなる実施の形態において、接着剤層261は、光学的に透明な接着剤を含み得る。またさらなる実施の形態において、その光学的に透明な接着剤は、1種類以上の光学的に透明な高分子:アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、エポキシ、シリコーンおよび/またはポリウレタンを含み得る。エポキシの例としては、ビスフェノール系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ、脂環式エポキシ、およびグリシジルアミン系エポキシが挙げられる。またさらなる実施の形態において、光学的に透明な接着剤としては、以下に限られないが、アクリル接着剤、例えば、3M 8212接着剤、または光学的に透明な液体接着剤、例えば、LOCTITE光学的に透明な液体接着剤が挙げられる。光学的に透明な接着剤の例示の実施の形態としては、透明なアクリル、エポキシ、シリコーン、およびポリウレタンが挙げられる。例えば、光学的に透明な液体接着剤は、全てがHenkelから入手できる、LOCTITE AD 8650、LOCTITE AA 3922、LOCTITE EA E-05MR、LOCTITE UK U-09LVの内の1つ以上を含み得る。
【0193】
いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、約0.001メガパスカル(MPa)以上、約0.01MPa以上、約0.1MPa以上、約1MPa以下、約0.5MPa以下、約0.1MPa以下、または約0.05MPa以下の弾性率を有し得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、約0.001MPaから約1MPa、約0.01MPaから約1MPa、約0.01MPaから約0.5MPa、約0.05MPaから約0.5MPa、約0.1MPaから約0.5MPa、約0.001MPaから約0.5MPa、約0.001MPaから約0.01MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の弾性率を有し得る。いくつかの実施の形態において、この接着剤層は、高分子系部分241の弾性率について先に述べられた範囲の内の1つ上に入る弾性率を有し得る。
【0194】
図2、5、および12に示されたように、折り畳み式装置101、401、および/または1201の高分子系部分241は、第1の部分221または421と第2の部分231または431との間に位置付けることができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、第2の凹部244または444内に少なくとも部分的に位置付けることができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、高分子系部分241は、第2の凹部244または444を満たすことができる。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第2の凹部は、例えば、電子デバイスおよび/または機械デバイスの入る余地を残すために、完全には満たされていないことがある。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、例えば、高分子系部分241と似た、別の高分子系部分が、第1の凹部中に延在し得る、および/または第1の凹部を満たし得る。
図2~5および12に示されるように、高分子系部分241は、第3の接触面245と反対の第4の接触面247を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第4の接触面247は、平面を構成し得る。さらなる実施の形態において、第4の接触面247は、第2の表面区域225まちは425および第4の表面区域235または435と実質的に同一平面上にある(例えば、共通の面、第二面204bまたは404bに沿って延在する)ことがある。いくつかの実施の形態において、第3の接触面245は、平面を構成し得る。いくつかの実施の形態において、第4の接触面247が第2の表面区域225または425および第4の表面区域235または435と実質的に同一平面上にあることに加え、第3の接触面245は、第2の中央表面区域219または419と実質的に同一平面上にあり(例えば、共通の面、第四面204dに沿って延在し)得る。
図2および5に示されたような、いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、高分子系部分241の第4の接触面247に面し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、接着剤層261の第1の接触面263は、高分子系部分241の第4の接触面247接触し得る。
【0195】
いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は高分子(例えば、光学的に透明な高分子)を含む。さらなる実施の形態において、高分子系部分241は、光学的な透明な:アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、エポキシ、シリコーン、および/またはポリウレタンの1つ以上を含み得る。エポキシの例としては、ビスフェノール系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ、脂環式エポキシ、およびグリシジルアミン系エポキシが挙げられる。さらなる実施の形態において、高分子系部分241は、ポリオレフィン、ポリアミド、ハロゲン化物含有高分子(例えば、ポリ塩化ビニルまたはフッ素含有高分子)、エラストマー、ウレタン、フェノール樹脂、パリレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の内の1つ以上を含み得る。ポリオレフィンの例示の実施の形態としては、低分子量ポリエチレン(LDPE)、高分子量ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、およびポリプロピレン(PP)が挙げられる。フッ素含有高分子の例示の実施の形態としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロポリエーテル(PEPE)、ペルフルオロスルホン酸(PFSA)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)ポリマー、およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)ポリマーが挙げられる。エラストマーの例示の実施の形態としては、ゴム(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム)およびブロック共重合体(例えば、ポリスチレン、ポリジクロロホスファゼン、およびポリ(5-エチリデン-2-ノルボルネン)の内の1つ以上を含む、例えば、スチレン・ブタジエン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリ(ジクロロホスファゼン))が挙げられる。いくつかの実施の形態において、その高分子系部分は、ゾルゲル材料を含むことがある。ポリウレタンの例示の実施の形態としては、熱硬化性ポリウレタン、例えば、Incorezから入手できるDispurez 102および熱可塑性ポリウレタン、例えば、Huntsmanから入手できるKrystalFlex PE505が挙げられる。またさらなる実施の形態において、第2の部分は、エチレン酸共重合体を含み得る。エチレン酸共重合体の例示の実施の形態としては、Dowから入手できるSURLYN(例えば、Surlyn PC-2000、Surlyn 8940、Surlyn 8150)が挙げられる。第2の部分の追加の例示の実施の形態としては、1質量%から2質量%の架橋剤を含む、Axaltaから入手できるEleglass w802-GL044が挙げられる。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、ナノ粒子、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、シリカナノ粒子、または高分子から作られたナノ粒子をさらに含み得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分は、高分子・繊維複合体を形成するために繊維をさらに含み得る。
【0196】
いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、熱膨張係数(CTE)を有し得る。ここに用いられているように、熱膨張係数は、-20℃と40℃の間でPicoscale Michelson Interferometerを使用して、ASTM E289-17にしたがって測定される。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、酸化銅、β石英、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、ピロリン酸塩、および/またはニッケルチタン合金の内の1つ以上の粒子を含み得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、約-20×10-71/℃以上、約-10×10-71/℃以上、約-5×10-71/℃以上、約-2×10-71/℃以上、約10×10-71/℃以下、約5×10-71/℃以下、約2×10-71/℃以下、約1×10-71/℃以下、または0 1/℃以下のCTEを有し得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、約-20×10-71/℃から約10×10-71/℃、約-20×10-71/℃から約5×10-71/℃、約-10×10-71/℃から約-5×10-71/℃、約-10×10-71/℃から約2×10-71/℃、約-10×10-71/℃から0 1/℃、約-5×10-71/℃から約0 1/℃、約-2×10-71/℃から約0 1/℃の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内のCTEを有し得る。低い(例えば、負の)熱膨張係数を有する高分子系部分を設けることにより、高分子系部分の硬化中の体積変化により生じる反りを軽減することができる。
【0197】
いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、約0.01メガパスカル(MPa)以上、約1MPa以上、約10MPa以上、約20MPa以上、約100MPa以上、約200MPa以上、約1,000MPa以上、約5,000MPa以下、約3,000MPa以下、約1,000MPa以下、約500MPa以下、または約200MPa以下の弾性率を有し得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、約0.001MPaから約5,000MPa、約0.01MPaから約3,000MPa、約0.01MPaから約1,000MPa、約0.01MPaから約500MPa、約0.01MPaから約200MPa、約1MPaから約5,000MPa、約1MPaから約1,000MPa、約1MPaから約1,000MPa、約1MPaから約200MPa、約10MPaから約5,000MPa、約10MPaから約1,000MPa、約10MPaから約200MPa、約20MPaから約3,000MPa、約20MPaから約1,000MPa、約20MPaから約200MPa、約100MPaから約3,000MPa、約100MPaから約1,000MPa、約100MPaから約200MPa、約200MPaから約5,000MPa、約200MPaから約3,000MPa、約200MPaから約1,000MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の弾性率を有し得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241の弾性率は、約1GPaから約20GPa、約1GPaから約18GPa、約1GPaから約10GPa、約1GPaから約5GPa、約1GPaから約3GPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。高分子系部分241に約0.01MPaから約3,000MPaの範囲内(例えば、約20MPaから約3GPaの範囲内)の弾性率を与えることによって、破損しない折り畳み式装置の折り畳みを促進することができる。いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、高分子系部分241の弾性率より大きい弾性率を有し、この構成により、穿刺抵抗の性能が改善される。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241の弾性率は、折り畳み式基板206、407、または807の弾性率よりも小さいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、この段落において先に挙げた範囲内の弾性率を有することがある。さらなる実施の形態において、接着剤層261は、高分子系部分241の弾性率と実質的に同じ弾性率を有することがある。さらなる実施の形態において、接着剤層261の弾性率は、約1GPaから約20GPa、約1GPaから約18GPa、約1GPaから約10GPa、約1GPaから約5GPa、約1GPaから約3GPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241の弾性率は、第1の部分221、421、または821の弾性率より小さいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241の弾性率は、第2の部分231、431、または831の弾性率より小さいことがあり得る。
【0198】
図2~5および11~12に示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206または407の第1の主面203を覆って、コーティング251を配置することができる。さらなる実施の形態において、コーティング251は、第1の部分221または421、第2の部分231または431、および中央部分281または481を覆って配置することができる。いくつかの実施の形態において、コーティング251は、第3の主面253および第3の主面253と反対にある第4の主面255を有し得る。さらなる実施の形態において、コーティング251(例えば、第4の主面255)は、折り畳み式基板206または407(例えば、第1の主面203または403)と接触し得る。さらなる実施の形態において、コーティング251の少なくとも一部は、第1の凹部234または434中に位置付けることができる。またさらなる実施の形態において、コーティング251は、第1の凹部234または434を満たすことができる。さらなる実施の形態において、コーティング251は、第3の主面253と第4の主面255との間に規定されたコーティング厚さ257を有し得る。さらなる実施の形態において、コーティング厚さ257は、約0.1μm以上、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約15μm以上、約20μm以上、約25μm以上、約40μm以上、約50μm以上、約60μm以上、約70μm以上、約80μm以上、約90μm以上、約200μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約20μm以下、約15μm以下、または10約μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、コーティング厚さ257は、約0.1μmから約200μm、約1μmから約200μm、約10μmから約200μm、約50μmから約200μm、約0.1μmから約100μm、約1μmから約100μm、約10μmから約100μm、約20μmから約100μm、約30μmから約100μm、約40μmから約100μm、約50μmから約100μm、約60μmから約100μm、約70μmから約100μm、約80μmから約100μm、約90μmから約100μm、約0.1μmから約50μm、約1μmから約50μm、約10μmから約50μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。さらなる実施の形態において、コーティング厚さ257は、約0.1μmから約50μm、約0.1μmから約30μm、約0.1μmから約25μm、約0.1μmから約20μm、約0.1μmから約15μm、約0.1μmから約10μm、約1μmから約30μm、約1μmから約25μm、約1μmから約20μm、約1μmから約15μm、約1μmから約10μm、約5μmから約30μm、約5μmから約25μm、約5μmから約20μm、約5μmから約15μm、約5μmから約10μm、約10μmから約30μm、約10μmから約25μm、約10μmから約20μm、約10μmから約15μm、約15μmから約30μm、約15μmから約25μm、約15mから約20μm、約20μmから約30μm、約20μmから約25μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。
【0199】
いくつかの実施の形態において、高分子系部分および/または接着剤層は、降伏歪みを有し得る。第1の凹部を第2の凹部の反対に設けることによって、凹部中の高分子系部分または他の材料(例えば、接着剤層)が経験する歪みを減少させることができる(例えば、0%から50%の減少)。その結果、高分子系部分の降伏歪みの要件を緩和することができる。いくつかの実施の形態において、高分子系部分および/または接着剤層の降伏歪みは、約3%以上、約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約500%以下、約100%以下、約50%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約9%以下、または約8%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、高分子系部分および/または接着剤層の降伏歪みは、約1%から約500%、約1%から約100%、約2%から約100%、約2%から約50%、約3%から約50%、約3%から約20%、約4%から約20%、約4%から約15%、約5%から約15%、約5%から約10%、約5%から約9%、約6%から約9%、約6%から約8%、約7%から約8%の範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0200】
いくつかの実施の形態において、コーティング251は、高分子硬質コーティングを構成し得る。さらなる実施の形態において、この高分子硬質コーティングは、エチレン酸共重合体、ポリウレタン系高分子、アクリル樹脂、およびメルカプトエステル樹脂の内の1つ以上から作られ得る。エチレン酸共重合体の例示の実施の形態としては、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、エチレンアクリルメタクリル酸三元重合体(例えば、DuPontにより製造されている、Nucrel)、エチレン酸共重合体のイオノマー(例えば、DuPontにより製造されている、Surlyn)、およびエチレンアクリル酸共重合体アミンディスパージョン(例えば、BYKにより製造されている、Aquacer)が挙げられる。ポリウレタン系高分子の例示の実施の形態としては、水性変性ポリウレタンディスパージョン(例えば、Axaltaにより製造されている、Eleglas(登録商標))が挙げられる。紫外線硬化性であり得るアクリル樹脂の例示の実施の形態としては、アクリル樹脂(例えば、Allinexにより製造されている、Uvekol(登録商標)樹脂)、シアノアクリレート接着剤(例えば、Kraydenにより製造されている、Permabond(登録商標))、およびUVラジカルアクリル樹脂(例えば、Ultrabondフロントガラス修復樹脂、例えば、Ultrabond(45CPS))が挙げられる。メルカプトエステル樹脂の例示の実施の形態としては、メルカプトエステルトリアリルイソシアヌレート(例えば、Norland光学接着剤NOA 61)が挙げられる。さらなる実施の形態において、高分子硬質コーティングは、エチレンアクリル酸共重合体およびエチレンメタクリル酸共重合体を含み得、これは、典型的に、アルカリ金属イオン、例えば、ナトリウムおよびカリウムのイオン、また亜鉛によるカルボン酸残基の中和によって、イオノマー樹脂を形成するようにイオノマー化されることがある。そのようなエチレンアクリル酸イオノマーおよびエチレンメタクリル酸イオノマーは、水中に分散され、基板上に被覆されて、イオノマーコーティングを形成することがある。あるいは、そのような酸共重合体は、アンモニアにより中和されることがあり、これは、被覆および乾燥の後に、アンモニアを遊離して、コーティングとして酸共重合体を再形成する。高分子コーティングから作られたコーティングを設けることにより、折り畳み式装置は、低エネルギー破壊を有し得る。
【0201】
いくつかの実施の形態において、前記コーティングは、光学的に透明な高分子ハードコート層を含む高分子硬質コーティングを構成し得る。光学的に透明な高分子ハードコート層に適した材料としては、以下に限られないが、硬化アクリル樹脂材料、無機有機ハイブリッド高分子材料、脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレート、シロキサン系ハイブリッド材料、およびナノ複合材料、例えば、ナノシリケートを有するエポキシおよびウレタン材料が挙げられる。いくつかの実施の形態において、光学的に透明な高分子ハードコート層は、これらの材料の1種類以上から実質的になることがある。いくつかの実施の形態において、光学的に透明な高分子ハードコート層は、これらの材料の1種類以上からなることがある。ここに用いられているように、「無機有機ハイブリッド高分子材料」は、無機成分と有機成分を有する単量体から作られた高分子材料を意味する。無機有機ハイブリッド高分子は、無機基と有機基を有する単量体の間の重合反応によって得られる。無機有機ハイブリッド高分子は、別々の無機と有機の成分または相、例えば、有機基質内に分散した無機微粒子を含むナノ複合材料ではない。より具体的に、光学的に透明な高分子(OTP)ハードコート層に適した材料としては、以下に限られないが、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、有機高分子材料、無機有機ハイブリッド高分子材料、および脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレートが挙げられる。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、有機高分子材料、無機有機ハイブリッド高分子材料、もしくは脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレートから実質的になることがある。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、ポリイミド、有機高分子材料、無機有機ハイブリッド高分子材料、もしくは脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレートからなることがある。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、ナノ複合材料を含むことがある。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、ナノシリケートと、エポキシおよびウレタン材料の少なくとも一方と含むことがある。そのようなOTPハードコート層に適した組成物が、ここに全て引用により含まれる、米国特許出願公開第2015/0110990号明細書に記載されている。ここに用いられているように、「有機高分子材料」は、有機成分のみを有する単量体から作られた高分子材料を意味する。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、グンゼ株式会社により製造されている、9Hの硬度を有する有機高分子材料、例えば、グンゼの「Highly Durable Transparent Film」から構成されることがある。ここに用いられているように、「無機有機ハイブリッド高分子材料」は、無機成分と有機成分を有する単量体から作られた高分子材料を意味する。無機有機ハイブリッド高分子は、無機基と有機基を有する単量体の間の重合反応によって得られる。無機有機ハイブリッド高分子は、別々の無機と有機の成分または相、例えば、有機基質内に分散した無機微粒子を含むナノ複合材料ではない。いくつかの実施の形態において、無機有機ハイブリッド高分子材料は、無機ケイ素系基を含む重合単量体、例えば、シルセスキオキサン高分子を含むことがある。シルセスキオキサン高分子は、例えば、以下の化学構造:(RSiO1.5)nを有するアルキル-シルセスキオキサン、アリール-シルセスキオキサン、またはアリールアルキル-シルセスキオキサンであることがあり、式中、Rは、有機基、例えば、以下に限られないが、メチルまたはフェニルである。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、有機基質と組み合わされたシルセスキオキサン高分子、例えば、日鉄ケミカル&マテリアルにより製造されている、シルプラス(登録商標)から作られることがある。いくつかの実施の形態において、8H以上の硬度を有するOTPハードコート層は、90質量%から95質量%の芳香族六官能性ウレタンアクリレート(例えば、Miwon Specialty Chemical Co.により製造されている、PU662NT(芳香族六官能性ウレタンアクリレート))および10質量%から5質量%の光開始剤(例えば、Ciba Specialty Chemicals Corporationにより製造されている、Darocur(登録商標)1173)を含むことがある。いくつかの実施の形態において、脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレートでできているOTPハードコート層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板上にその層を回転塗布し、ウレタンアクリレートを硬化させ、PET基板からウレタンアクリレート層を取り除くことによって、独立した層として形成されることがある。OTPハードコート層は、部分的範囲を含む、1μmから150μmの範囲内のコーティング厚さ(例えば、コーティング厚さ257)を有することがある。例えば、コーティング厚さ(例えば、コーティング厚さ257)は、10μmから140μm、20μmから130μm、30μmから120μm、40μmから110μm、50μmから100μm、60μmから90μm、70μmから80μm、2μmから140μm、4μmから130μm、6μmから120μm、8μmから110μm、10μmから100μm、10μmから90μm、10μmから80m、10μmから70μm、10μmから60μm、10μmから50μmの範囲内、または端点としてこれらの値の内の任意の2つを有する範囲内にあり得る。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、単一のモノリス層であることがある。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、部分的範囲を含む、80μmから120μmの範囲の厚さを有する無機有機ハイブリッド高分子材料層または有機高分子材料層であることがある。例えば、無機有機ハイブリッド高分子材料または有機高分子材料から作られたOTPハードコート層は、80μmから110μm、90μmから100μm、または端点としてこれらの値の内の任意の2つを有する範囲内の厚さを有することがある。いくつかの実施の形態において、OTPハードコート層は、部分的範囲を含む、10μmから60μmの範囲の厚さを有する脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレート材料層であることがある。例えば、脂肪族または芳香族六官能性ウレタンアクリレート材料から作られたOTPハードコート層は、10μmから55μm、10μmから50μm、10μmから40μm、10μmから45μm、10μmから40μm、10μmから35μm、10μmから30μm、10μmから25μm、10μmから20μm、または端点としてこれらの値の内の任意の2つを有する範囲内の厚さを有することがある。
【0202】
いくつかの実施の形態において、コーティング251は、設けられた場合、洗浄し易いコーティング、低摩擦コーティング、油分を弾くコーティング、ダイヤモンド様コーティング、耐引掻性コーティング、または耐摩耗性コーティングの1つ以上も含むことがある。耐引掻性コーティングは、酸窒化物、例えば、約500マイクロメートル以上の厚さを有する酸窒化アルミニウムまたは酸窒化ケイ素から作られることがある。そのような実施の形態において、耐摩耗性層は、耐引掻性層と同じ材料から作られることがある。いくつかの実施の形態において、低摩擦コーティングは、高度にフッ素化されたシランカップリング剤、例えば、オキシメチル基がケイ素原子に結合したアルキルフルオロシランから作られることがある。そのような実施の形態において、洗浄し易いコーティングは、低摩擦コーティングと同じ材料から作られることがある。他の実施の形態において、洗浄し易いコーティングは、プロトン化可能な基、例えば、アミン、例えば、オキシメチル基がケイ素原子に結合したアルキルアミノシランから作られることがある。そのような実施の形態において、油分を弾くコーティングは、洗浄し易いコーティングと同じ材料から作られることがある。いくつかの実施の形態において、ダイヤモンド様コーティングは、炭素から作られ、炭化水素プラズマの存在下で高電位を印加することによって、作られることがある。
【0203】
第1の凹部を第2の凹部の反対に設けることによって、第1の距離と第2の距離の合計だけ窪んだ表面を持つ単一の凹部と比べて、第1の凹部および/または第2の凹部中に位置付けられた材料の曲げ誘発歪みを減少させることができる。第1の凹部および/または第2の凹部中に位置付けられた材料の曲げ誘発歪みを減少させることによって、その材料の歪みの要件が減少したために、より幅広い材料を使用することが可能になる。例えば、第1の凹部内により硬いおよび/またはより剛性の材料(例えば、コーティング251)を位置付けることができ、これにより、折り畳み式装置の耐衝撃性、穿刺抵抗、耐摩耗性、および/または引っ掻き抵抗を改善することができる。それに加え、第1の凹部内に位置付けられた第1の材料(例えば、コーティング251)および第2の凹部内に位置付けられた第2の材料の性質を制御することによって、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の中立軸の位置を制御することができ、これにより、機械的不安定性、装置の疲労、および/または装置の破壊の発生率を低下させる(例えば、軽減する、なくす)ことができる。
【0204】
図2および4に示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101および401は、剥離ライナー271を含み得るが、さらなる実施の形態において、図示された剥離ライナー271よりむしろ、他の基板(例えば、本明細書を通じて述べられるガラス系基板および/またはセラミック系基板)が用いられることがある。図示されたような、さらなる実施の形態において、剥離ライナー271、または別の基板を、接着剤層261を覆って配置することができる。図示されたような、またさらなる実施の形態において、剥離ライナー271、または別の基板は、接着剤層261の第2の接触面265と直接接触し得る。剥離ライナー271、または別の基板は、第1の主面273および第1の主面273と反対にある第2の主面275を有し得る。図から分かるように、剥離ライナー271、または別の基板は、接着剤層261の第2の接触面265を剥離ライナー271の第1の主面273、または別の基板に取り付けることによって、接着剤層261上に配置することができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、剥離ライナー271の第1の主面273、または別の基板は、平面を構成し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、剥離ライナー271の第2の主面275、または別の基板は、平面を構成し得る。剥離ライナー271を含む基板は、紙および/または高分子から作ることができる。紙の例示の実施の形態としては、クラフト紙、マシン・フィニッシュド紙、ポリコート紙(例えば、高分子被覆、グラシン紙、シリコン処理紙)、またはクレーコート紙が挙げられる。高分子の例示の実施の形態としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))およびポリオレフィン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP))が挙げられる。
【0205】
図3、5、および12に示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置301、501、および1201は、表示装置307を備え得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、表示装置307は、接着剤層261を覆って配置することができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、表示装置307は、接着剤層261の第2の接触面265に接触し得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置301、501、および1201に似た折り畳み式装置の製造は、
図2および4の折り畳み式装置101または401の剥離ライナー271を除去し、表示装置307を接着剤層261の第2の接触面265に取り付けることによって、行われることがある。あるいは、折り畳み式装置301は、表示装置307を接着剤層261の第2の接触面265に取り付ける前に、剥離ライナー271を除去する余計な工程を行わずに、例えば、剥離ライナー271が接着剤層261の第2の接触面265に施されていない場合、製造されることがある。表示装置307は、第1の主面303および第1の主面303と反対にある第2の主面305を有し得る。図から分かるように、表示装置307は、接着剤層261の第2の接触面265を表示装置307の第2の主面305に取り付けることによって、接着剤層261上に配置することができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、表示装置307の第1の主面303は、平面を構成し得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、表示装置307の第1の主面303は、平面を構成し得る。表示装置307は、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、またはプラズマディスプレイパネル(PDP)を含み得る。いくつかの実施の形態において、表示装置307は、携帯型電子機器、例えば、消費者向け電子製品、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル機器、またはラップトップ型コンピュータの一部であり得る。
【0206】
本開示の実施の形態は、消費者向け電子製品を含み得る。その消費者向け電子製品は、前面、背面、および側面を有し得る。この消費者向け電子製品は、筐体内に少なくとも部分的にある電気部品をさらに含み得る。その電気部品は、制御装置、メモリ、およびディスプレイを含み得る。このディスプレイは、筐体の前面に、またはそれに隣接してあり得る。消費者向け電子製品は、ディスプレイを覆って配置されたカバー基板を備え得る。いくつかの実施の形態において、筐体の一部またはカバー基板の少なくとも一方は、本開示を通じて述べられている折り畳み式装置を構成する。
【0207】
ここに開示された折り畳み式装置は、別の物品、例えば、ディスプレイを有する物品(またはディスプレイ物品)(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステム、ウェアラブル機器(例えば、腕時計)などを含む消費者向け電子機器)、建築物品、輸送物品(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、電気器具物品、もしくはある程度の透明性、耐引掻性、耐摩耗性またはその組合せの恩恵を受けることのある任意の物品に組み込まれることがある。ここに開示された折り畳み式装置のいずれかを組み込んだ例示の物品が、
図13~14に示されている。詳しくは、
図13~14は、前面1304、背面1306、および側面1308を有する筐体1302;筐体内に少なくとも部分的にある、または完全に中にある、少なくとも制御装置、メモリ、および筐体の前面にまたはそれに隣接してあるディスプレイ1310を含む電気部品(図示せず);およびディスプレイを覆ってあるように筐体の前面にまたはそれを覆ってあるカバー基板1312を含む消費者向け電子機器1300を示す。いくつかの実施の形態において、カバー基板1312または筐体1302の一部の少なくとも一方は、ここに開示された折り畳み式装置、例えば、折り畳み式基板のいずれかを含むことがある。
【0208】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807は、ガラス系基板および/またはセラミック系基板で構成することができ、第1の部分221、421、または821、第2の部分231、431、または831、および/または中央部分281、481、または881は、1つ以上の圧縮応力領域を含み得る。いくつかの実施の形態において、圧縮応力領域は、化学強化によって作られることがある。化学強化は、表面層内のイオンが、同じ価数または酸化状態を有するより大きいイオンにより置換される-すなわち交換される-イオン交換過程を含むことがある。化学強化する方法は、後述されている。理論で束縛されることは意図していないが、第1の部分221、421、または821、第2の部分231、431、または831、および/または中央部分281、481、または881を化学強化することにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗(例えば、約15センチメートル(cm)以上、約20cm以上、約50cm以上のペン落下高さの破損に抵抗する)を可能にすることができる。理論で束縛されることは意図していないが、第1の部分221、421、または821、第2の部分231、431、または831、および/または中央部分281、481、または881を化学強化すると、この化学強化により生じる圧縮応力が、基板の最表面の曲げ誘起引張応力に対抗できるので、小さい(例えば、約10mmより小さい)曲げ半径を可能にすることができる。圧縮応力領域は、圧縮深さと呼ばれる深さだけ、第1の部分および/または第2の部分の一部に延在することがある。ここに用いられているように、圧縮深さは、ここに記載された化学強化された基板および/または部分中の応力が圧縮応力から引張応力に変化する深さを意味する。圧縮深さは、イオン交換処理および測定される物品の厚さに応じて、圧縮応力計または散乱光偏光器(SCALP、ここに報告された値は、エストニア国のGlasstress Co.により製造されたSCALP-5を使用して測定した)により測定することができる。基板および/または部分内の応力が、カリウムイオンを基板中に交換することによって生じている場合、圧縮深さを測定するために、圧縮応力計、例えば、FSM-6000(株式会社折原製作所(日本国))が使用される。特に明記のない限り、圧縮応力(表面CSを含む)は、市販の機器、例えば、折原製作所により製造されたFSM-6000を使用して圧縮応力計(FSM)により測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する、応力光学係数(SOC)の精密測定に依存する。特に明記のない限り、SOCは、その内容がここに全て引用される、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」と題する、ASTM基準C770-16に記載されている、手順C(ガラスディスク法)にしたがって測定される。応力が、ナトリウムイオンを基板中に交換することによって生じており、測定される物品が約400μmより厚い場合、圧縮深さおよび中央張力(CT)を測定するために、SCALPが使用される。基板および/または部分内の応力が、カリウムイオンとナトリウムイオンの両方をその基板および/または部分中に交換することによって生じており、測定される物品が約400μmより厚い場合、圧縮深さおよびCTは、SCALPによって測定される。理論で束縛されることは意図されていないが、ナトリウムイオンの交換深さは圧縮深さを表し、一方で、カリウムイオンの交換深さは、圧縮応力の大きさの変化(しかし、圧縮から引張への応力の変化ではない)を表す。応力プロファイルのグラフ表示を導くために、屈折近視野(RNF;RNF法は、引用によりここに全て含まれる、「Systems and methods for measuring a profile characteristic of a glass sample」と題する米国特許第8854623号明細書に記載されている)法が使用されることもある。応力プロファイルのグラフ表示を導くために、RNF法が利用される場合、SCALPにより与えられる最大中央張力値が、RNF法に利用される。RNFにより導かれる応力プロファイルのグラフ表示は、SCALP測定によって与えられる最大中央張力値に対して力平衡され、較正される。ここに用いられているように、「層の深さ(DOL)」は、イオン(例えば、ナトリウム、カリウム)が基板および/または部分中に交換された深さを意味する。本開示を通じて、最大中央張力がSCALPにより直接測定できない場合(測定される物品が約400μmより薄い場合など)、最大中央張力は、基板の厚さと圧縮深さの2倍との間の差で割った、最大圧縮応力と圧縮深さの積により近似することができ、ここで、圧縮応力および圧縮深さは、FSMで測定される。
【0209】
いくつかの実施の形態において、ガラス系部分および/またはセラミック系部分から作られた第1の部分221、421、または821は、第1の表面区域223、432、または823から第1の圧縮深さまで延在し得る第1の表面区域223、423、または823での第1の圧縮応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガラス系部分および/またはセラミック系部分から作られた第1の部分221、421、または821は、第2の表面区域225、425、または825から第2の圧縮深さまで延在し得る第2の表面区域225、425、または825での第2の圧縮応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第1の圧縮深さおよび/または第2の圧縮深さは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約30%以下、約25%以下、または約20%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第1の圧縮深さおよび/または第2の圧縮深さは、約1%から約30%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第1の圧縮深さおよび/または第2の圧縮深さは、約10%以下、例えば、約1%から約10%、約1%から約8%、約3%から約8%、約5%から約8%、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲であり得る。
【0210】
さらなる実施の形態において、第1の圧縮深さは、第2の圧縮深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の圧縮深さおよび/または第2の圧縮深さは、約1μm以上、約10μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約60μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の圧縮深さおよび/または第2の圧縮深さは、約1μmから約200μm、約1μmから約150μm、約10μmから約150μm、約10μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約60μm、約50μmから約60μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。第1の厚さの約1%から約30%の範囲にある第1の圧縮深さおよび/または第2の圧縮深さを含む第1のガラス系および/またはセラミック系部分から構成される第1の部分を設けることにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0211】
いくつかの実施の形態において、第1の圧縮応力領域は、第1の最大圧縮応力を有し得る。いくつかの実施の形態において、第2の圧縮応力領域は、第2の最大圧縮応力を有し得る。さらなる実施の形態において、第1の最大圧縮応力および/または第2の最大圧縮応力は、約100メガパスカル(MPa)以上、約300MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約1,500MPa以下、約1,200MPa以下、約1,000MPa以下、または約800MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、第1の最大圧縮応力および/または第2の最大圧縮応力は、約100MPaから約1,500MPa、約100MPaから約1,200MPa、約300MPaから約1,200MPa、約300MPaから約1,000MPa、約500MPaから約1,000MPa、約600MPaから約1,000MPa、約600MPaから約1,000MPa、約700MPaから約1,000MPa、約700MPaから約800MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。約100MPaから約1,500MPaの範囲内の第1の最大圧縮応力および/または第2の最大圧縮応力を提供することにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0212】
いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821は、第1の圧縮応力領域および第1の層の深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さを有し得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821は、第2の圧縮応力領域および第2の層の深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さを有し得る。ここに用いられているように、1種類以上のアルカリ金属イオンの層の深さの1種類以上のアルカリ金属イオンは、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、および/またはフランシウムを含み得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリイオンの第1の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリイオンの第2の層の深さの1種類以上のアルカリイオンは、カリウムを含む。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第1の層の深さおよび/または第2の層の深さは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第1の層の深さおよび/または第2の層の深さは、約1%から約40%、約1%から約35%、約1%から約30%、約1%から約25%、約1%から約20%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さは、約10%以下、例えば、約1%から約10%、約1%から約8%、約3%から約8%、約5%から約8%、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さは、約1μm以上、約10μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約60μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さは、約1μmから約200μm、約1μmから約150μm、約10μmから約150μm、約10μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約60μm、約50μmから約60μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0213】
いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821は、第1の引張応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その第1の引張応力領域は、第1の圧縮応力領域と第2の圧縮応力領域との間に位置付けることができる。いくつかの実施の形態において、第1の引張応力領域は、第1の最大引張応力を有し得る。さらなる実施の形態において、第1の最大引張応力は、約10MPa以上、約20MPa以上、約30MPa以上、約100MPa以下、約80MPa以下、または約60MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、第1の最大引張応力は、約10MPaから約100MPa、約10MPaから約80MPa、約10MPaから約60MPa、約20MPaから約100MPa、約20MPaから約80MPa、約20MPaから約60MPa、約30MPaから約100MPa、約30MPaから約80MPa、約30MPaから約60MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。約10MPaから約100MPaの範囲内の第1の最大引張応力を提供することにより、下記に記載されるように、低エネルギー破壊を与えつつ、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0214】
いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821は、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み得る。ここに用いられているように、「酸化物基準」は、成分が、化合物中の非酸素成分が特定の酸化物形態か、または特定の酸化物形態が特定されない場合には、完全に酸化された酸化物に変換されたかのように測定されることを意味する。例えば、酸化物基準のナトリウム(Na)は、酸化ナトリウム(Na2O)に関する量を称し、一方で、酸化物基準のカリウムは、酸化カリウム(K2O)に関する量を称する。それゆえ、成分は、その成分が「酸化物基準」の量で計数されるために、実際に、特定の酸化物形態または完全に酸化された酸化物形態にある必要はない。それゆえ、酸化物基準で濃度を計算する前に、特定の酸化物形態が特定されない場合、特定成分に関する「酸化物基準」の測定は、特定成分の非酸素元素を含む材料を、特定の酸化物形態または完全に酸化された酸化物に概念的に変換する工程を含む。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第1の平均濃度は、約10百万分率(ppm)以上、約50ppm以上、約200ppm以上、約500ppm以上、約1,000ppm以上、約2,000ppm以上、約300,000ppm以下、約100,000ppm以下、約50,000ppm以下、約20,000ppm以下、約10,000ppm以下、または約5,000ppm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第1の平均濃度は、約10ppmから約300,000ppm、約50ppmから約300,000ppm、約50ppmから約100,000ppm、約200ppmから約100,000ppm、約200ppmから約50,000ppm、約500ppmから約50,000ppm、約500ppmから約20,000ppm、約1,000ppmから約20,000ppm、約2,000ppmから約10,000ppm、約2,000ppmから約5,000ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。理論で束縛されることは意図していないが、平均濃度のカリウムは、化学強化により導入されたカリウムおよび形成されたままの折り畳み式基板中のカリウムを含む。
【0215】
いくつかの実施の形態において、第2のガラス系および/またはセラミック系部分から作られた第2の部分231、431、または831は、第3の表面区域233、433、または833から第3の圧縮深さまで延在し得る第3の表面区域233、433、または833での第3の圧縮応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、第2のガラス系および/またはセラミック系部分から作られた第2の部分231、431、または831は、第4の表面区域235、435、または835から第4の圧縮深さまで延在し得る第4の表面区域235、435、または835での第4圧縮応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第3の圧縮深さおよび/または第4の圧縮深さは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約30%以下、約25%以下、または約20%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第3の圧縮深さおよび/または第4の圧縮深さは、約1%から約30%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。さらなる実施の形態において、第3の圧縮深さは、第4の圧縮深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第3の圧縮深さおよび/または第4の圧縮深さは、約1μm以上、約10μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約60μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第3の圧縮深さおよび/または第4の圧縮深さは、約1μmから約200μm、約1μmから約150μm、約10μmから約150μm、約10μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約60μm、約50μmから約60μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。基板厚さの約1%から約30%の範囲にある第3の圧縮深さおよび/または第4の圧縮深さを含むガラス系および/またはセラミック系部分をから構成される第2の部分を設けることにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0216】
いくつかの実施の形態において、第3の圧縮応力領域は、第3の最大圧縮応力を有し得る。いくつかの実施の形態において、第4の圧縮応力領域は、第4の最大圧縮応力を有し得る。さらなる実施の形態において、第3の最大圧縮応力および/または第4の最大圧縮応力は、約100メガパスカル(MPa)以上、約300MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約1,500MPa以下、約1,200MPa以下、約1,000MPa以下、または約800MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、第3の最大圧縮応力および/または第4の最大圧縮応力は、約100MPaから約1,500MPa、約100MPaから約1,200MPa、約300MPaから約1,200MPa、約300MPaから約1,000MPa、約500MPaから約1,000MPa、約600MPaから約1,000MPa、約600MPaから約1,000MPa、約700MPaから約1,000MPa、約700MPaから約800MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。約100MPaから約1,500MPaの範囲内の第3の最大圧縮応力および/または第4の最大圧縮応力を提供することにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0217】
いくつかの実施の形態において、第2の部分231、431、または831は、第3の圧縮応力領域および第3の層の深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さを有し得る。いくつかの実施の形態において、第2の部分231は、第4の圧縮応力領域および第4の圧縮層の深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さを有し得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリイオンの第3の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリイオンの第4の層の深さの1種類以上のアルカリイオンは、カリウムを含む。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第3の層の深さおよび/または第4の層の深さは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての第3の層の深さおよび/または第4の層の深さは、約1%から約40%、約1%から約35%、約1%から約30%、約1%から約25%、約1%から約20%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さ211、411、または811の百分率としての1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さは、約10%以下、例えば、約1%から約10%、約1%から約8%、約3%から約8%、約5%から約8%、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さは、約1μm以上、約10μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約60μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さは、約1μmから約200μm、約1μmから約150μm、約10μmから約150μm、約10μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約60μm、約50μmから約60μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0218】
いくつかの実施の形態において、第2の部分231、431、または831は、第2の引張応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その第2の引張応力領域は、第3の圧縮応力領域と第4の圧縮応力領域との間に位置付けることができる。いくつかの実施の形態において、第2の引張応力領域は、第2の最大引張応力を有し得る。さらなる実施の形態において、第2の最大引張応力は、約10MPa以上、約20MPa以上、約30MPa以上、約100MPa以下、約80MPa以下、または約60MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、第2の最大引張応力は、約10MPaから約100MPa、約10MPaから約80MPa、約10MPaから約60MPa、約20MPaから約100MPa、約20MPaから約80MPa、約20MPaから約60MPa、約30MPaから約100MPa、約30MPaから約80MPa、約30MPaから約60MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。約10MPaから約100MPaの範囲内の第2の最大引張応力を提供することにより、下記に記載されるように、低エネルギー破壊を与えつつ、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0219】
いくつかの実施の形態において、第2の部分231、431、または831は、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第2の平均濃度は、約10百万分率(ppm)以上、約50ppm以上、約200ppm以上、約500ppm以上、約1,000ppm以上、約2,000ppm以上、約300,000ppm以下、約100,000ppm以下、約50,000ppm以下、約20,000ppm以下、約10,000ppm以下、または約5,000ppm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第2の平均濃度は、約10ppmから約300,000ppm、約50ppmから約300,000ppm、約50ppmから約100,000ppm、約200ppmから約100,000ppm、約200ppmから約50,000ppm、約500ppmから約50,000ppm、約500ppmから約20,000ppm、約1,000ppmから約20,000ppm、約2,000ppmから約10,000ppm、約2,000ppmから約5,000ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0220】
いくつかの実施の形態において、第1の圧縮深さは、第3の圧縮深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の圧縮深さは、第4の圧縮深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の最大圧縮応力は、第3の最大圧縮応力と等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の最大圧縮応力は、第4の最大圧縮応力と等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さは、1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さは、1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、カリウムの第1の平均濃度は、カリウムの第2の平均濃度と実質的に等しくあり得る。
【0221】
いくつかの実施の形態において、ガラス系部分および/またはセラミック系部分から作られた中央部分281、481、または881は、第1の中央表面区域209、409、または809から第1の中央圧縮深さまで延在し得る第1の中央表面区域209、409、または809での第1の中央圧縮応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガラス系部分および/またはセラミック系部分から作られた中央部分281、481、または881は、第2の中央表面区域219、419、または819から第2の中央圧縮深さまで延在し得る第2の中央表面区域219、419、または819での第2の中央圧縮応力領域を含むことがある。いくつかの実施の形態において、中央厚さ227、427、または827の百分率としての第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約30%以下、約25%以下、または約20%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、中央厚さ227、427、または827の百分率としての第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さは、約1%から約30%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。さらなる実施の形態において、中央厚さ227、427、または827の百分率としての第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さは、約10%以上、例えば、約10%から約30%、約10%から約25%、約15%から約25%、約15%から約20%、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0222】
さらなる実施の形態において、第1の中央圧縮深さは、第2の中央圧縮深さと実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さは、約1μm以上、約10μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約60μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さは、約1μmから約200μm、約1μmから約150μm、約10μmから約150μm、約10μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約60μm、約50μmから約60μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。中央厚さの約1%から約30%の範囲にある第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さを含む第1のガラス系および/またはセラミック系部分から構成される中央部分を設けることにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0223】
いくつかの実施の形態において、第1の中央圧縮応力領域は、第1の中央最大圧縮応力を有し得る。いくつかの実施の形態において、第2の中央圧縮応力領域は、第2の中央最大圧縮応力を有し得る。さらなる実施の形態において、第1の中央最大圧縮応力および/または第2の中央最大圧縮応力は、約100メガパスカル(MPa)以上、約300MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約1,500MPa以下、約1,200MPa以下、約1,000MPa以下、または約800MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、第1の中央最大圧縮応力および/または第2の中央最大圧縮応力は、約100MPaから約1,500MPa、約100MPaから約1,200MPa、約300MPaから約1,200MPa、約300MPaから約1,000MPa、約500MPaから約1,000MPa、約600MPaから約1,000MPa、約600MPaから約1,000MPa、約700MPaから約1,000MPa、約700MPaから約800MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内にあり得る。約100MPaから約1,500MPaの範囲内の第1の中央最大圧縮応力および/または第2の中央最大圧縮応力を提供することにより、良好な耐衝撃性および/または穿刺抵抗を可能にすることができる。
【0224】
いくつかの実施の形態において、中央部分281、481、または881は、第1の中央圧縮応力領域および第1の中央の層の深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さを有し得る。いくつかの実施の形態において、中央部分281、481、または881は、第2の中央圧縮応力領域および第2の中央の層の深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さを有し得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリイオンの第1の中央の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリイオンの第2の中央の層の深さの1種類以上のアルカリイオンは、カリウムを含む。いくつかの実施の形態において、中央厚さ227、427、または827の百分率としての第1の中央の層の深さおよび/または第2の中央の層の深さは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、中央厚さ227、427、または827の百分率としての第1の中央の層の深さおよび/または第2の中央の層の深さは、約1%から約40%、約1%から約35%、約1%から約30%、約1%から約25%、約1%から約20%、約5%から約30%、約5%から約25%、約5%から約20%、約10%から約30%、約10%から約25%、約10%から約20%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、中央厚さ227、427、または827の百分率としての1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さは、約10%以下、例えば、約1%から約10%、約1%から約8%、約3%から約8%、約5%から約8%、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さは、約1μm以上、約10μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約60μm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さおよび/または1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さは、約1μmから約200μm、約1μmから約150μm、約10μmから約150μm、約10μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約60μm、約50μmから約60μmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0225】
いくつかの実施の形態において、第1の圧縮深さおよび/または第3の圧縮深さは、第1の中央圧縮深さより大きくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の圧縮深さおよび/または第4の圧縮深さは、第2の中央圧縮深さより大きくあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の層の深さおよび/または第3の層の深さは、第1の中央の層の深さより大きくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の層の深さおよび/または第4の層の深さは、第2の中央の層の深さより大きくあり得る。
【0226】
いくつかの実施の形態において、中央部分281、481、または881は、中央引張応力領域を有することがある。いくつかの実施の形態において、その中央引張応力領域は、第1の中央圧縮応力領域と第2の中央圧縮応力領域との間に位置付けることができる。いくつかの実施の形態において、その中央引張応力領域は、中央最大引張応力を有し得る。さらなる実施の形態において、その中央最大引張応力は、約125MPa以上、約150MPa以上、約200MPa以上、約375MPa以下、約300MPa以下、または約250MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、中央最大引張応力は、約125MPaから約375MPa、約125MPaから約300MPa、約125MPaから約250MPa、約150MPaから約375MPa、約150MPaから約300MPa、約150MPaから約250MPa、約200MPaから約375MPa、約200MPaから約300MPa、約200MPaから約250MPaの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。約125MPaから約375MPaの範囲内の中央最大引張応力を提供することにより、小さい最小曲げ半径を可能にすることができる。
【0227】
いくつかの実施の形態において、第1の最大引張応力は、第2の最大引張応力と実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の最大引張応力および第2の最大引張応力は、中央最大引張応力より小さいことがあり得る。中央部分における中央最大引張応力より小さい第1の最大引張応力および第2の最大引張応力を提供することにより、低エネルギー破壊を可能にすることができると同時に、より小さい最小曲げ半径を可能にすることができる。いくつかの実施の形態において、中央最大引張応力と第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力との間の絶対差は、0MPa以上、約1MPa以上、約5MPa以上、約50MPa以下、約20MPa以下、約10MPa以下、または約8MPa以下であり得る。いくつかの実施の形態において、中央最大引張応力と第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力との間の絶対差は、0MPaから約50MPa、約1MPaから約50MPa、約1MPaから約20MPa、約5MPaから約20MPa、約5MPaから約10MPa、約5MPaから約8MPaの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0228】
いくつかの実施の形態において、第1の圧縮深さは、第1の中央圧縮深さと実質的に等しいことがあり得る。またさらなる実施の形態において、第3の圧縮深さは、第1の中央圧縮深さと実質的に等しいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の圧縮深さは、第2の中央圧縮深さと実質的に等しいことがあり得る。またさらなる実施の形態において、第4の圧縮深さは、第2の中央圧縮深さと実質的に等しいことがあり得る。先に述べたように、中央厚さは基板厚さより小さいことがあり得(例えば、約0.5%から約13%の範囲で)、これにより、第1の部分、第2の部分、および中央部分に関する圧縮深さが実質的に同じであることがあっても、中央最大中央張力を第1の最大中央張力および第2の最大中央張力より大きくすることができる。
【0229】
いくつかの実施の形態において、第1の移行部分(例えば、第1の移行部分853)および/または第2の移行部分は、移行引張応力領域を含み得る。この移行引張応力領域は、移行最大引張応力を有し得る。さらなる実施の形態において、移行最大引張応力は、約125MPa以上、約150MPa以上、約200MPa以上、約500MPa以下、約375MPa以下、約300MPa以下、または約250MPa以下であり得る。さらなる実施の形態において、移行最大引張応力は、約125MPaから約500MPa、約125MPaから約375MPa、約125MPaから約300MPa、約125MPaから約250MPa、約150MPaから約375MPa、約150MPaから約300MPa、約150MPaから約250MPa、約200MPaから約375MPa、約200MPaから約300MPa、約200MPaから約250MPaの範囲、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。さらなる実施の形態において、移行最大引張応力は、中央最大引張応力より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、移行最大引張応力は、第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力より大きいことがあり得る。中央最大引張応力より大きい移行最大引張応力を提供することによって、折り畳み中の第1の部分または第2の部分と第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力よりも大きい移行最大引張応力を提供することによって、折り畳み中の中央部分と、第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。
【0230】
いくつかの実施の形態において、中央部分281、481、または881は、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含み得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度は、約10百万分率(ppm)以上、約50ppm以上、約200ppm以上、約500ppm以上、約1,000ppm以上、約2,000ppm以上、約300,000ppm以下、約100,000ppm以下、約50,000ppm以下、約20,000ppm以下、約10,000ppm以下、または約5,000ppm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度は、約10ppmから約300,000ppm、約50ppmから約300,000ppm、約50ppmから約100,000ppm、約200ppmから約100,000ppm、約200ppmから約50,000ppm、約500ppmから約50,000ppm、約500ppmから約20,000ppm、約1,000ppmから約20,000ppm、約2,000ppmから約10,000ppm、約2,000ppmから約5,000ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0231】
折り畳み式基板(例えば、折り畳み式基板206、407、または807)は、様々なタイプの機械的不安定性に曝され得る。本開示を通じて、機械的不安定性は、局部機械的不安定性並びに全体機械的不安定性を含む。ここに用いられているように、局部機械的不安定性は、全体として表面をゆがめずに、例えば、座屈および/またはしわなく、表面(例えば、第1の中央表面区域)の面からの偏差(例えば、複数の偏差)として現れる。ここに用いられているように、全体機械的不安定性は、面からの全表面の歪み、例えば、反りとして現れる。
図54に示されるように、横軸5401(例えば、X軸)は中央厚さ(例えば、中央厚さ227、427、または827)を構成し、縦軸5403(例えば、Y軸)は基板厚さ211、411、または811を構成する。
図54にプロットされた形状は、その位置での中央厚さと基板厚さの組合せに観察された機械的不安定性の1つ(または複数)のタイプに対応する。菱形5409は座屈に対応する。円形5407は座屈としわに対応する。三角形5413は反りとしわに対応する。正方形5411は反りに対応する。曲線5404および5405は、局部不安定性が生じる中央厚さと基板厚さの組合せとは対照的に、広い不安定性(例えば、反り)のみが生じる中央厚さと基板厚さの組合せを区切るものである。曲線5405は、基板厚さが、中央厚さの約4倍から71マイクロメートルを減算したものより大きい場合に、局部不安定性が観察されるであろうことを示す線である。より詳しくは、曲線5405は、基板厚さが、中央厚さの約4.1倍から71.37マイクロメートルを減算したものより大きい場合に、局部不安定性が観察されるであろうことを示す。曲線5404および5405は、より薄い折り畳み式基板(曲線5404および/または5405より上)が被ったいくつかの不安定性(例えば、局部機械的不安定性)は、より厚い折り畳み式基板(曲線5404および/または5405より下)が被ったいくつかの不安定性と異なり得ることを示す。
【0232】
折り畳み式基板の一部(例えば、中央部分)の臨界歪み(例えば、臨界座屈歪み)を超えた場合、機械的不安定性(例えば、局部機械的不安定性)の兆候が生じるであろう。例えば、20mmの中央部分881の幅を有する
図8の折り畳み式基板807に似た中央部分の臨界座屈歪みは、中央厚さの二乗を10
6倍したものから中央厚さの23倍を減算したものに0.0006を加算することによって、近似することができる。例えば、理論で束縛されることは意図していないが、30μmの中央厚さ827を有する
図8の折り畳み式基板807に似た中央部分の臨界座屈歪みは、中央部分881の幅の二乗で除算された3×10
-7により近似することができる。
【0233】
折り畳み式基板を化学強化することにより生じた折り畳み式基板の中央部分の化学強化により誘発された圧縮歪みは、ネットワーク膨張係数(the network dilation coefficient)(B)、濃度差(C)、および中央厚さで除算された中央部分の層の深さと、基板厚さで除算された第1の部分(または第2の部分)の層の深さとの間の差の積に比例し得る。いくつかの実施の形態において、中央部分の化学強化により誘発された圧縮歪みの圧縮歪みは、濃度差を最小にすることにより、および/または中央厚さで除算された中央部分の層の深さと、基板厚さで除算された第1の部分(または第2の部分)の層の深さとの間の差を最小にすることにより、減少させる(例えば、臨界座屈歪みより低いレベルまで)ことができる。ここに用いられているように、ネットワーク膨張係数は、基板中に交換された1種類以上のアルカリイオンの濃度の増加の結果として(例えば、化学強化の結果として)、折り畳み式基板(例えば、第1の部分、第2の部分、中央部分)の体積がどれだけ膨張するかを称する。いくつかの実施の形態において、第1の部分のネットワーク膨張係数および/または第2の部分のネットワーク膨張係数は、例えば、第1の部分および/または第2の部分および中央部分の全てが、化学強化前に同じ材料から作られている場合、中央部分のネットワーク膨張係数と実質的に等しくあり得る。
【0234】
ここに用いられているように、ある部分の濃度差は、その部分の表面での濃度と、その部分の内部の濃度との間の差を称する。特に明記のない限り、濃度および濃度差は、化学強化および/または圧縮応力領域に関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの濃度を称する。いくつかの実施の形態において、濃度および/または濃度差は、酸化物基準のカリウムの濃度を称し得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分の内部の濃度および/または第2の部分の内部の濃度は、例えば、第1の部分および/または第2の部分および中央部分が、化学強化前に同じ材料から作られている場合、および/またはある部分の層の深さが、対応する部分の厚さの約45%未満である場合、中央部分の内部の濃度と実質的に等しくあり得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分の酸化物基準のカリウムの第1の平均濃度は、第1の部分の内部における酸化物基準のカリウムの濃度より大きくあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の部分の酸化物基準のカリウムの第2の平均濃度は、第2の部分の内部における酸化物基準のカリウムの濃度より大きくあり得る。いくつかの実施の形態において、中央部分の酸化物基準のカリウムの中央平均濃度は、中央部分の内部における酸化物基準のカリウムの濃度より大きくあり得る。
【0235】
ここに用いられているように、複数の部分の間の濃度差は、ある平均濃度と、別の平均濃度との間の差を意味する。特に明記のない限り、濃度および濃度差は、化学強化および/または圧縮応力領域に関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの濃度を称する。いくつかの実施の形態において、濃度および/または濃度差は、酸化物基準のカリウムの濃度を称し得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第1の平均濃度と、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約1ppm以上、約10ppm以上、約20ppm以上、約50ppm以上、約70ppm以上、約500ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、または約85ppm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第1の平均濃度と、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約1ppmから約500ppm、約10ppmから約500ppm、約10ppmから約200ppm、約20ppmから約200ppm、約20ppmから約100ppm、約50ppmから約100ppm、約70ppmから約100ppm、約70ppmから約85ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第2の平均濃度と、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約1ppm以上、約10ppm以上、約20ppm以上、約50ppm以上、約70ppm以上、約500ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、または約85ppm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第2の平均濃度と、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、約1ppmから約500ppm、約10ppmから約500ppm、約10ppmから約200ppm、約20ppmから約200ppm、約20ppmから約100ppm、約50ppmから約100ppm、約70ppmから約100ppm、約70ppmから約85ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。例えば、化学強化により誘発された歪みは、平均濃度間の絶対差が約75ppm以下である場合、30μmの中央厚さおよび20mmの中央幅を有する折り畳み式基板について、臨界座屈歪みより小さくあり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第1の平均濃度と、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、70ppm未満、例えば、約0.1ppmから約60ppm、約0.1ppmから約50ppm、約0.1ppmから約40ppm、約0.1ppmから約30ppm、約0.1ppmから約20ppm、約0.5ppmから約20ppm、約0.5ppmから約10ppm、約1ppmから約10ppm、約5ppmから約10ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、酸化物基準のカリウムの第2の平均濃度と、酸化物基準のカリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、70ppm未満、例えば、約0.1ppmから約50ppm、約0.1ppmから約20ppm、約0.5ppmから約20ppm、約0.5ppmから約10ppm、約1ppmから約10ppm、約5ppmから約10ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。酸化物基準のカリウムの、第1の平均濃度および/または第2の平均濃度と、中央平均濃度との間に絶対差を設けることにより、化学強化により誘発された歪みを減少させる(例えば、臨界座屈歪み未満に)、および/または折り畳み式基板および/または折り畳み式装置における機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0236】
いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第1の層の深さと、中央厚さで除算された第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第1の層の深さと、中央厚さで除算された第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.08%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第3の層の深さと、中央厚さで除算された第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第3の層の深さと、中央厚さで除算された第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.08%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0237】
いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第2の層の深さと、中央厚さで除算された第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第2の層の深さと、中央厚さで除算された第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.08%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第4の層の深さと、中央厚さで除算された第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第4の層の深さと、中央厚さで除算された第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.08%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。例えば、化学強化により誘発された歪みは、基板厚さで除算された第1の部分または第2の部分に関連する層の深さと、中央厚さで除算された中央部分に関連する層の深さとの間の絶対差が約0.075%以下である場合、30μmの中央厚さおよび20mmの中央幅を有する折り畳み式基板について、臨界座屈歪みより小さくあり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第1の層の深さ、第2の層の深さ、第3の層の深さ、または第4の層の深さの内の1つと、中央厚さで除算された第1の中央の層の深さまたは第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、0.07%未満、例えば、約0.001%から約0.07%、約0.01%から約0.07%、約0.01%から約0.05%、約0.01%から約0.02%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。基板厚さで除算された第1の層の深さ、第2の層の深さ、第3の層の深さ、および/または第4の層の深さと、中央厚さで除算された第1の中央の層の深さおよび/または第2の中央の層の深さとの間の絶対差(例えば、カリウムの層の深さ)を設けることにより、化学強化により誘発された歪みを減少させる(例えば、臨界座屈歪み未満に)、および/または折り畳み式基板および/または折り畳み式装置における機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0238】
圧縮深さは、対応する層の深さに比例し得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第1の圧縮深さと、中央厚さで除算された第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第1の圧縮深さと、中央厚さで除算された第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.008%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第3の圧縮深さと、中央厚さで除算された第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第3の圧縮深さと、中央厚さで除算された第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.008%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0239】
いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第2の圧縮深さと、中央厚さで除算された第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第2の圧縮深さと、中央厚さで除算された第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.008%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第4の圧縮深さと、中央厚さで除算された第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%以上、約0.002%以上、約0.005%以上、約1%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.008%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第4の圧縮深さと、中央厚さで除算された第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約0.001%から約1%、約0.002%から約1%、約0.002%から約0.2%、約0.005%から約0.2%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.005%から約0.008%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。例えば、化学強化により誘発された歪みは、基板厚さで除算された第1の部分または第2の部分に関連する圧縮深さと、中央厚さで除算された中央部分に関連する圧縮深さとの間の絶対差が約0.075%以下である場合、30μmの中央厚さおよび20mmの中央幅を有する折り畳み式基板について、臨界座屈歪みより小さくあり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さで除算された第1の圧縮深さ、第2の圧縮深さ、第3の圧縮深さ、または第4の圧縮深さの内の1つと、中央厚さで除算された第1の中央圧縮深さまたは第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、0.07%未満、例えば、約0.001%から約0.07%、約0.01%から約0.07%、約0.01%から約0.05%、約0.01%から約0.02%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。基板厚さで除算された第1の圧縮深さ、第2の圧縮深さ、第3の圧縮深さ、および/または第4の圧縮深さと、中央厚さで除算された第1の中央圧縮深さおよび/または第2の中央圧縮深さとの間の絶対差を設けることにより、化学強化により誘発された歪みを減少させる(例えば、臨界座屈歪み未満に)、および/または折り畳み式基板および/または折り畳み式装置における機械的不安定性の発生率を減少させることができる。 いくつかの実施の形態において、化学強化により誘発された歪みおよび/または応力を、折り畳み式基板の光学的遅れプロファイルに観察することができる。ここに用いられているように、光学的遅れプロファイルは、折り畳み式基板を通る約553nmの光波長を有する緑色LEDから放出された光を検出するグレーフィールド旋光計を使用して測定される。理論で束縛されることは意図していないが、光学的遅れにおける空間的差異は、例えば、応力誘起複屈折として、折り畳み式基板における応力の差(例えば、面内歪み)に対応し得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分と第2の部分との中間の中心線に沿った中央部分の光学的遅れ、その中心線に沿った光学的遅れの最大値とその中心線に沿った光学的遅れの最小値との間の絶対差は、約0.1nm以上、約0.5nm以上、約1nm以上、約3nm以下、約2nm以下、または約1.5nm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、中心線に沿った光学的遅れの最大値とその中心線に沿った光学的遅れの最小値との間の絶対差は、約0.1nmから約3nm、約0.1nmから約2nm、約0.5nmから約2nm、約0.5nmから約1.5nm、約1nmから約1.5nmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0240】
いくつかの実施の形態において、中央部分281、481、または881の光学的遅れと、第1の部分221、421、または821および/または第2の部分231、431、または831の最小光学的遅れとの間の最大差は、約0.1nm以上、約0.5nm以上、約1nm以上、約2nm以上、約3nm以上、約8nm以下、約6nm以下、約5nm以下、または約4nm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、中央部分281、481、または881の光学的遅れと、第1の部分221、421、または821および/または第2の部分231、431、または831の最小光学的遅れとの間の最大差は、約0.1nmから約8nm、約0.1nmから約6nm、約0.5nmから約6nm、約0.5nmから約5nm、約1nmから約5nm、約2nmから約5nm、約2nmから約5nm、約2nmから約4nmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。例えば、中央部分281、481、または881の光学的遅れと、第1の部分221、421、または821および/または第2の部分231、431、または831の最小光学的遅れとの間の最大差が約4.6nm以下である場合、約30μmの中央厚さを有する折り畳み式基板は、機械的不安定性を避けることができる。例えば、中央部分281、481、または881の光学的遅れと、第1の部分221、421、または821および/または第2の部分231、431、または831の最小光学的遅れとの間の最大差が約5.9nm以下である場合、約40μmの中央厚さを有する折り畳み式基板は、機械的不安定性を避けることができる。
【0241】
いくつかの実施の形態において、高分子系部分241は、光学的に透明であり得る。高分子系部分241は、第1の屈折率を有し得る。この第1の屈折率は、光学的に透明な接着剤を通過する光の波長の関数であることがある。第1の波長の光について、材料の屈折率は、真空中の光の速度と、対応する材料中の光の速度との間の比として定義される。理論で束縛されることは意図していないが、光学的に透明な接着剤の屈折率は、第1の角度のサイン対第2の角度のサインの比を使用して決定することができ、この第1の波長の光は、第1の角度で、光学的に透明な接着剤の表面に空気から入射し、第2の角度で光学的に透明な接着剤の表面で屈折して、光学的に透明な接着剤内に光を伝搬させる。第1の角度と第2の角度の両方とも、光学的に透明な接着剤の表面の法線に対して測定される。ここに用いられているように、屈折率は、ASTM E1967-19にしたがって測定され、ここで、第1の波長は589nmを含む。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241の第1の屈折率は、約1以上、約1.3以上、約1.4以上、約1.45以上、約1.49以上、約3以下、約2以下、約1.7以下、約1.6以下、または約1.55以下であることがある。いくつかの実施の形態において、高分子系部分241の第1の屈折率は、約1から約3、約1から約2、約1から約1.7、約1.3から約1.7、約1.4から約1.7、約1.4から約1.6、約1.45から約1.55、約1.49から約1.55の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0242】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807は、第2の屈折率を有し得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率は、約1以上、約1.3以上、約1.4以上、約1.45以上、約1.49以上、約3以下、約2以下、約1.7以下、約1.6以下、または約1.55以下であることがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率は、約1から約3、約1から約2、約1から約1.7、約1.3から約1.7、約1.4から約1.7、約1.4から約1.6、約1.45から約1.55、約1.49から約1.55の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率と、高分子系部分241の第1の屈折率との間の差の絶対値と等しい差異は、約0.1以下、約0.07以下、約0.05以下、約0.001以上、約0.01以上、または約0.02以上であり得る。いくつかの実施の形態において、その差異は、約0.001から約0.1、約0.001から約0.07、約0.001から約0.05、約0.01から約0.1、約0.01から約0.07、約0.01から約0.05、約0.02から約0.1、約0.02から約0.07、約0.02から約0.05の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内である。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率より小さいことがある。
【0243】
いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、第3の屈折率を有し得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率に関して先に述べた範囲の内の1つ以上の範囲内にあり得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率と、高分子系部分241の第1の屈折率との間の差の絶対値と等しい差異は、約0.1以下、約0.07以下、約0.05以下、約0.001以上、約0.01以上、または約0.02以上であり得る。いくつかの実施の形態において、その差異は、約0.001から約0.1、約0.001から約0.07、約0.001から約0.05、約0.01から約0.1、約0.01から約0.07、約0.01から約0.05、約0.02から約0.1、約0.02から約0.07、約0.02から約0.05の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内である。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率より小さいことがある。
【0244】
いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率と、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率との間の差の絶対値と等しい差異は、約0.1以下、約0.07以下、約0.05以下、約0.001以上、約0.01以上、または約0.02以上であり得る。いくつかの実施の形態において、その差異は、約0.001から約0.1、約0.001から約0.07、約0.001から約0.05、約0.01から約0.1、約0.01から約0.07、約0.01から約0.05、約0.02から約0.1、約0.02から約0.07、約0.02から約0.05の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内である。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率は、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、接着剤層261の第3の屈折率は、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率より小さいことがある。
【0245】
いくつかの実施の形態において、コーティング251は第4の屈折率を有し得る。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率について上述した範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率と、高分子系部分241の第1の屈折率との間の差の絶対値と等しい差は、約0.1以下、約0.07以下、約0.05以下、約0.001以上、約0.01以上、または約0.02以上であり得る。いくつかの実施の形態において、その差は、約0.001から約0.1、約0.001から約0.07、約0.001から約0.05、約0.01から約0.1、約0.01から約0.07、約0.01から約0.05、約0.02から約0.1、約0.02から約0.07、約0.02から約0.05の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にある。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、高分子系部分241の第1の屈折率より小さいことがある。
【0246】
いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率と、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率との間の差の絶対値と等しい差は、約0.1以下、約0.07以下、約0.05以下、約0.001以上、約0.01以上、または約0.02以上であり得る。いくつかの実施の形態において、その差は、約0.001から約0.1、約0.001から約0.07、約0.001から約0.05、約0.01から約0.1、約0.01から約0.07、約0.01から約0.05、約0.02から約0.1、約0.02から約0.07、約0.02から約0.05の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にある。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、折り畳み式基板206、407、または807の第2の屈折率より小さいことがある。
【0247】
いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率と、接着剤層261の第3の屈折率との間の差の絶対値と等しい差は、約0.1以下、約0.07以下、約0.05以下、約0.001以上、約0.01以上、または約0.02以上であり得る。いくつかの実施の形態において、その差は、約0.001から約0.1、約0.001から約0.07、約0.001から約0.05、約0.01から約0.1、約0.01から約0.07、約0.01から約0.05、約0.02から約0.1、約0.02から約0.07、約0.02から約0.05の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にある。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、接着剤層261の第3の屈折率より大きいことがある。いくつかの実施の形態において、コーティング251の第4の屈折率は、接着剤層261の第3の屈折率より小さいことがある。
【0248】
折り畳み式装置および/または折り畳み式基板は、低エネルギー破壊または高エネルギー破壊と記載することができる破壊モードを有することがある。折り畳み式基板の破壊モードは、
図10の平行板装置1001を使用して測定することができる。有効最小曲げ半径について下記に記載されるように、目標平行板距離1007が達成されるまで、平行な剛性ステンレス鋼板1003、1005を、50μm/秒の速度で共に動かす。目標平行板距離1007は、4mm、または折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の有効最小曲げ半径の2倍の大きい方である。次に、炭化タングステン製の鋭い接触プローブを、折り畳み式基板206の最も外側の外周面から30mmの距離1009にある衝撃位置1011で折り畳み式基板206に衝突させる。ここに用いられているように、粒子が、1メートル毎秒(m/s)以上で破砕中に折り畳み式基板206から放出され、その破砕により、2を超える亀裂の枝分かれを生じた場合、破砕は高エネルギーである。ここに用いられているように、破砕により、2以下の亀裂の枝分かれしか生じないか、または1m/s以上で、破砕中に折り畳み式基板206から粒子が放出されない場合、破砕は低エネルギーである。放出された粒子の平均速度は、鋭い接触プローブが衝撃位置に接触したときから、その後の5,000ミリ秒まで、折り畳み式基板の高速ビデオを記録することによって、測定されることがある。
【0249】
図9および11~12は、折り畳み形態にある本開示の実施の形態による試験用折り畳み式装置1102および/または折り畳み式装置1201のいくつかの実施の形態を概略示す。
図11に示されるように、試験用折り畳み式装置1102は、折り畳み式基板206の第2の主面205が折り畳まれた試験用折り畳み式装置1102の内側にあるように折り畳まれている。
図11に示された折り畳み形態において、ユーザは、折り畳み式基板206を通じてPETシート1107の代わりに表示装置307を視聴し、それゆえ、第2の主面205の側に位置しているであろう。
図12に示されるように、折り畳み式装置401は、折り畳み式基板407の第2の主面405が折り畳まれた折り畳み式装置1201の外側にあるように折り畳まれている。
図12において、ユーザは、折り畳み式基板407を通じて表示装置307を視聴し、それゆえ、第2の主面205の側に位置しているであろう。
図11~12に示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置は、試験用折り畳み式装置1102または折り畳み式装置1201(例えば、第1の主面203または403、第1の中央表面区域209または409)を覆って配置されたコーティング251を含み得る。さらなる実施の形態において、ユーザは、そのコーティングを通じて、表示装置307を視聴するであろう。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、高分子系部分241および/または接着剤層261は、追加の基板(例えば、剥離ライナー271またはPETシート1107の代わりにガラス系基板および/またはセラミック系基板)を覆って配置することができ、その追加の基板を、表示装置307を覆って配置することができる。
【0250】
ここに用いられているように、「折り畳み式」は、完全な折り畳み、ある程度の折り畳み、曲げ、屈曲、または多数の機能性を含む。ここに用いられているように、「破損する」、「破損」などの用語は、折損、破壊、剥離、または亀裂伝搬を称する。折り畳み式装置は、折り畳み式装置が、約85℃および約85%の相対湿度で24時間に亘り「X」半径に保持されたときに破損に抵抗した場合、「X」の有効曲げ半径を達成する、または「X」の有効曲げ半径を有する、または「X」の有効曲げ半径を備える。同様に、折り畳み式装置は、折り畳み式装置が、約85℃および約85%の相対湿度で24時間に亘り「X」の平行板距離に保持されたときに破損に抵抗した場合、「X」の平行板距離を達成する、または「X」の平行板距離を有する、または「X」の平行板距離を備える。
【0251】
ここに用いられているように、折り畳み式装置の「有効最小曲げ半径」および「平行板距離」は、第1の 剛性ステンレス鋼板1103および第2の剛性ステンレス鋼板1105から構成された一対の平行な剛性ステンレス鋼板1103、1105を備えた平行板装置1101(
図11参照)を使用した、以下の試験構成および過程により測定される。「有効最小曲げ半径」または「平行板距離」を測定する場合、試験用接着剤層1109は、50μmの厚さを有する(例えば、
図2~5における接着剤層261の代わりに)。「有効最小曲げ半径」または「平行板距離」を測定する場合、試験は、
図2および4の剥離ライナー271または
図3および5に示された表示装置307ではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)の100μm厚のシート1107に行われる。それゆえ、折り畳み式装置のある形態の「有効最小曲げ半径」または「平行板距離」を測定するための試験中、試験用折り畳み式装置1102は、
図2および4の剥離ライナー271または
図3および5に示された表示装置307ではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)の100μm厚のシート1107を使用することにより、製造される。試験用折り畳み式装置1102を調製するときに、ポリエチレンテレフタレート(PET)の100μm厚のシート1107を、剥離ライナー271を、
図2および4に示されるように接着剤層261の第2の接触面265に貼り付ける、または表示装置307を、
図3および5に示されるように接着剤層261の第2の接触面265に貼り付けるのと同じやり方で、試験用接着剤層1109に貼り付ける。
図6~8の折り畳み式装置601、701、および/または801を試験するために、試験用接着剤層1109およびシート1107を、同様に、
図12の形態に示されるように取り付けて、試験用折り畳み式装置1102に試験を行うことができる。試験用折り畳み式装置1102は、折り畳み式基板206、407、または807が、
図11に示された形態と似た、曲げの内側にあるように、一対の平行な剛性ステンレス鋼板1103、1105の間に配置される。「平行板距離」を決定するために、これらの平行板の間の距離は、平行板距離1111が、試験されるべき「平行板距離」と等しくなるまで、50μm/秒の速度で減じられる。次に、平行板は、この「平行板距離」に保持されて、約85℃および約85%の相対湿度で24時間に亘り試験される。ここに用いられているように、「最小平行板距離」は、折り畳み式装置が上述した条件および形態の下で破損せずに耐えられる最小の平行板距離である。「有効最小曲げ半径」を決定するために、平行板の間の距離は、平行板距離1111が、試験されるべき「有効最小曲げ半径」の2倍と等しくなるまで、50μm/秒の速度で減じられる。次に、平行板は、その有効最小曲げ半径の2倍に保持されて、約85℃および約85%の相対湿度で24時間に亘り試験される。ここに用いられているように、「有効最小曲げ半径」は、折り畳み式装置が上述した条件および形態の下で破損せずに耐えられる最小の有効曲げ半径である。
【0252】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および/または1201、および/または試験用折り畳み式装置1102は、200mm以下、100mm以下、50mm以下、20mm以下、10mm以下、5mm以下、または3mm以下の平行板距離を達成することができる。さらなる実施の形態において、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および/または1201、および/または試験用折り畳み式装置1102は、50ミリメートル(mm)、または20mm、または10mm、または5mm、または3mmの平行板距離を達成することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および/または1201、および/または試験用折り畳み式装置1102は、約40mm以下、約20mm以下、約10mm以下、約5mm以下、約3mm以下、約1mm以下、約1mm以上、約3mm以上、約5mm以上、または約10mm以上の最小平行板距離を有し得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および/または1201、および/または試験用折り畳み式装置1102は、約1mmから約40mm、約1mmから約20mm、約1mmから約10mm、約1mmから約5mm、約1mmから約3mm、約3mmから約40mm、約3mmから約40mm、約3mmから約20mm、約3mmから約10mm、約3mmから約5mm、約5mmから約10mmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の有効最小曲げ半径を有し得る。
【0253】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の中央部分281、481、および/または881の幅は、長さ105の方向106に第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間に規定される。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の中央部分281、481、および/または881の幅は、第1の部分221、421、または821から第2の部分231、431、または831まで延在し得る。いくつかの実施の形態において、長さ105の方向106において第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間に規定された折り畳み式基板206、407、または807の中央部分281、481、および/または881の幅は、有効最小曲げ半径の約2.8倍以上、約3倍以上、約4倍以上、約6倍以下、約5倍以下、または約4倍以下であり得る。いくつかの実施の形態において、有効最小曲げ半径の倍数としての中央部分281、481、および/または881の幅は、約2.8倍から約6倍、約2.8倍から約5倍、約2.8倍から約4倍、約3倍から約6倍、約3倍から約5倍、約3倍から約4倍、約4倍から約6倍、約4倍から約5倍の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。理論で束縛されることは意図していないが、平行板の間の円形形態にある曲げ部分の長さは、平行板距離1111の約1.6倍以上(例えば、有効最小曲げ半径の約3倍、有効最小曲げ半径の約3.2倍)であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の中央部分281、481、および/または881の幅。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の中央部分281、481、および/または881の幅は、約2.8mm以上、約6mm以上、約9mm以上、約60mm以下、約40mm以下、または約24mm以下であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206、407、または807の中央部分281、481、および/または881の幅は、約2.8mmから約60mm、約2.8mmから約40mm、約2.8mmから約24mm、約6mmから約60mm、約6mmから約40mm、約6mmから約24mm、約9mmから約60mm、約9mmから約40mm、約9mmから約24mmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。中央部分(例えば、第1の部分と第2の部分との間)の上述した範囲内の幅を設けることにより、破損しない折り畳み式装置の折り畳みを促進することができる。
【0254】
折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および1201は、「ペン落下試験」にしたがって測定されたときに、あるペン落下高さ(例えば、5センチメートル(cm)以上、10センチメートル以上、20cm以上)での破損を避けるために、折り畳み式装置のある領域(例えば、第1の部分221、421、または821を含む領域、第2の部分231、431、または831を含む領域、高分子系部分241および/または中央部分281、481、または881を含む領域)の能力により規定される耐衝撃性を有することがある。ここに用いられているように、「ペン落下試験」は、折り畳み式装置の試料が、
図3および5に示された表示装置307または
図2および4に示された剥離ライナー271の代わりに、50μmの厚さを有する試験用接着剤層1109に貼り付けられたPETの100μm厚のシート1107に関する平行板試験におけるように構成された主面(例えば、折り畳み式基板206、407、または807の第2の主面205、405、または805)に荷重(すなわち、特定の高さから落とされたペンからの)が与えられて試験されるように行われる。このように、ペン落下試験におけるPET層は、折り畳み式電子表示装置(例えば、OLED装置)をシミュレーションすることが意図されている。試験中、PET層に結合された折り畳み式装置を、PET層をアルミニウム板と接触させて、アルミニウム板(400グリットの研磨紙で、ある表面粗さに研磨された6063アルミニウム合金)上に置く。アルミニウム板上に載置された試料の面に、テープは使用していない。
【0255】
ペンを折り畳み式装置の外面に導くためにペン落下試験に管が使用される。
図2~8および11~12に示された折り畳み式装置101、301、401、501、601、701、801、および1201および/または試験用折り畳み式装置1102について、ペンを折り畳み式基板206、407、または807の第2の主面205、405、または805に導き、重力の方向に延在する管の縦軸が第2の主面205、405、または805に対して実質的に垂直になるように、管を折り畳み式基板206、407、または807の第2の主面205、405、または805と接触するように配置する。その管は、1インチ(2.54cm)の外径、9/16インチ(1.4cm)の内径、および90cmの長さを有する。アクリロニトリルブタジエン(ABS)シムを用いて、このペンを各試験について所定の高さに保持する。各落下後、管を試料に対して再配置して、そのペンを試料上の異なる衝撃位置に導く。ペン落下試験に利用されるペンは、直径0.7mm(0.68mm)の炭化タングステン製ボールペンのペン先を備え、キャップを含む質量が5.73グラム(g)(キャップを含まないと、4.68g)のBIC Easy Glinde PenのFineである。
【0256】
ペン落下試験について、ボールペンのペン先が試験試料と相互作用できるように、上端(すなわち、ペン先と反対の端部)にキャップを取り付けたペンを落下させる。ペン落下試験による落下順序において、あるペンの落下は、1cmの初期高さで行われ、0.5cmずつ20cmまで増加させて、連続して落下させ、次に、20cmに到達したら、試験試料が破損するまで、2cmずつ増加させる。各落下を行った後、試料に対する任意の観察できる破砕、破損、または他の損傷の証拠の存在を、特定のペン落下高さと共に記録する。ペン落下試験を使用すると、同じ落下順序にしたがって、多数の試料を試験して、統計的精度が改善された母集団を生成することができる。ペン落下試験について、ペンは、5回の落下毎に、試験される各新たな試料について、新たなペンに交換すべきである。それに加え、全てのペン落下は、試料の中心で、またはその近くで、試料の無作為位置で行われ、試料のエッジまたはその近くにペン落下は行われなかった。
【0257】
ペン落下試験の目的のために、「破損」は、積層体における目に見える機械的欠陥の形成を意味する。機械的欠陥は、亀裂または塑性変形(例えば、表面圧痕)であることがある。亀裂は、表面亀裂または貫通亀裂であることがある。亀裂は、積層体の内部または外部表面上に形成されることがある。亀裂は、折り畳み式基板206、407、または807および/またはコーティングの全てまたは一部に広がることがある。目に見える機械的欠陥は、0.2mm以上の最小寸法を有する。
【0258】
図53は、ガラス系基板の第2の主面上への2cmのペン落下高さに基づくガラス系基板のマイクロメートルで表される厚さ5301の関数としてのガラス系基板の第1の主面上のメガパスカル(MPa)で表された最大主応力5303の曲線5305を示す。
図53に示されるように、ガラス系シートの第1の主面上の最大主応力は、65μm辺りで最大である。このことは、ペン落下性能は、65μm辺りの厚さを避けることにより、例えば、約50μm未満または約80μm超の厚さにすることにより、改善することができることを示唆している。
【0259】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置は、10センチメートル(cm)、12cm、14cm、16cm、または20cmのペン落下高さで、第1の部分221、421、または821または第2の部分231、431、または831を含む領域におけるペン落下の破損に抵抗することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置が、第1の部分221、421、または821または第2の部分231、431、または831を含む領域に亘り破損せずに耐えられる最大ペン落下高さは、約10cm以上、約12cm以上、約14cm以上、約16cm以上、約40cm以下、または約30cm以下、約20cm以下、約18cm以下であることがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置が、第1の部分221、421、または821または第2の部分231、431、または831を含む領域に亘り破損せずに耐えられる最大ペン落下高さは、約10cmから約40cm、約12cmから約40cm、約12cmから約30cm、約14cmから約30cm、約14cmから約20cm、約16cmから約20cm、約18cmから約20cmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0260】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置は、1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、またはそれより大きいペン落下高さで、第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間の高分子系部分241を含む領域(例えば、中央部分281、481、または881)におけるペン落下の破損に抵抗することができる。いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間の高分子系部分241を含む領域に亘り破損せずに折り畳み式装置が耐えられる最大ペン落下高さは、約1cm以上、約2cm以上、約3cm以上、約4cm以上、約20cm以下、約10cm以下、約8cm以下、または約6cm以下であることがある。いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間の高分子系部分241を含む領域に亘り破損せずに折り畳み式装置が耐えられる最大ペン落下高さは、約1cmから約20cm、約2cmから約20cm、約2cmから約10cm、約3cmから約10cm、約3cmから約8cm、約4cmから約8cm、約4cmから約6cmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分221、421、または821と第2の部分231、431、または831との間の高分子系部分241を含む領域が破損せずに折り畳み式装置が耐えられる最大ペン落下高さは、約1cmから約10cm、約1cmから約8cm、約1cmから約5cm、約2cmから約5cm、約3cmから約5cm、約4cmから約5cmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0261】
折り畳み式装置に関する所定の平行板距離を達成するために、最小力が使用されることがある。本開示の実施の形態の折り畳み式装置の「畳み力(closing force)」を測定するために、先に記載された
図11の平行板装置1101が使用される。所定の平行板距離を含む、平らな形態(例えば、
図1参照)から曲げ(例えば、折り畳まれた)形態(例えば、
図9および11~12参照)になるための力が測定される。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から10mmの平行板距離まで曲げる力は、約20ニュートン(N)以下、15N以下、約12N以下、約10N以下、約0.1N以上、約0.5N以上、約1N以上、約2N以上、約5N以上であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から10mmの平行板距離まで曲げる力は、約0.1Nから約20N、約0.5Nから約20N、約0.5Nから約15N、約1Nから約15N、約1Nから約12N、約2Nから約12N、約2Nから約10N、約5Nから約10Nの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から3mmの平行板距離まで曲げる力は、約10N以下、約8N以下、約6N以下、約4N以下、約3N以下、約0.05N以上、約0.1N以上、約0.5N以上、約1N以上、約2N以上、約3N以上であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から3mmの平行板距離まで曲げる力は、約0.05Nから約10N、約0.1Nから約10N、約0.1Nから約8N、約0.5Nから約8N、約0.5Nから約6N、約1Nから約6N、約1Nから約4N、約2Nから約4N、約2Nから約3Nの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0262】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から10mmの平行板距離まで曲げるための折り畳み式装置の幅103当たりの力は、約20ニュートン毎ミリメートル(N/mm)以下、0.15N/mm以下、約0.12N/mm以下、約0.10N/mm以下、約0.001N/mm以上、約0.005N/mm以上、約0.01N/mm以上、約0.02N/mm以上、約0.05N/mm以上であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から0.10/mmの平行板距離まで曲げるための折り畳み式装置の幅103当たりの力は、約0.001N/mmから約0.20N/mm、約0.005N/mmから約0.20N/mm、約0.005N/mmから約0.15N/mm、約0.01N/mmから約0.15N/mm、約0.01N/mmから約0.12N/mm、約0.02N/mmから約0.12N/mm、約0.02N/mmから約0.10N/mm、約0.05N/mmから約0.10N/mmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から3mmの平行板距離まで曲げるための折り畳み式装置の幅103当たりの力は、約0.10N/mm以下、約0.08N/mm以下、約0.06N/mm以下、約0.04N/mm以下、約0.03N/mm以下、約0.0005N/mm以上、約0.001N/mm以上、約0.005N/mm以上、約0.01N/mm以上、約0.02N/mm以上、約0.03N/mm以上であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置を平らな形態から3mmの平行板距離まで曲げるための折り畳み式装置の幅103当たりの力は、約0.0005N/mmから約0.10N/mm、約0.001N/mmから約0.10N/mm、約0.001N/mmから約0.08N/mm、約0.005N/mmから約0.08N/mm、約0.005N/mmから約0.06N/mm、約0.01N/mmから約0.06N/mm、約0.01N/mmから約0.04N/mm、約0.02N/mmから約0.04N/mm、約0.02N/mmから約0.03N/mmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0263】
コーティングを設けることにより、小さい平行板距離を達成するための小さい力を可能にすることができる。理論で束縛されることは意図していないが、折り畳み式基板の弾性率より小さい弾性率を有するコーティングは、ガラス系基板および/またはセラミック系基板が使用された場合よりも、コーティング(例えば、ユーザに面する表面)から離れて移された折り畳み式基板の中立軸をもたらすことができる。理論で束縛されることは意図していないが、約200μm以下の厚さを有するコーティングを設けることにより、より厚い基板が使用された場合よりも、コーティング(例えば、ユーザに面する表面)から離れて移された折り畳み式基板の中立軸をもたらすことができる。理論で束縛されることは意図していないが、コーティング(例えば、ユーザに面する表面)から離れて移された折り畳み式基板部分の中立軸は、小さい平行板距離を達成するための小さい力を可能にすることができる。何故ならば、これにより、引張応力の集中と、引張応力が折り畳み式基板のより広い部分に広がっているために、折り畳み式基板の一部の結果としての変形とが減少するからである。
【0264】
本開示の実施の形態による折り畳み式装置および/または折り畳み式基板を製造する方法の実施の形態が、
図15~18における流れ図、並びに
図19~52に示された例示の方法の工程を参照して説明されている。
【0265】
ここで、
図2~3、6、および11~12に示された、折り畳み式装置101、301、601、および/または1201、試験用折り畳み式装置1102、および/または折り畳み式基板206を製造する例示の実施の形態を、
図19~24および50~52、並びに
図15の流れ図を参照して説明する。本開示の方法の第1の工程1501において、方法は、折り畳み式基板206を提供することで始めることができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206は、基板を購入するか、他のやり方で得る、もしくは折り畳み式基板を成形することによって、提供されることがある。先に述べたように、折り畳み式基板206は、第1の外側層213と第2の外側層215との間に位置付けられたコア層207を含み得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206のコア層207、第1の外側層213、および/または第2の外側層215は、ガラス系基板および/またはセラミック系基板から構成され得る。さらなる実施の形態において、ガラス系基板および/またはセラミック系基板は、様々なリボン成形過程、例えば、スロットドロー法、ダウンドロー法、フュージョンダウンドロー法、アップドロー法、圧搾ロール法、リドロー法またはフロート法によってそれらを成形することによって、提供することができる。さらなる実施の形態において、セラミック系基板は、ガラス系基板を加熱して、1種類以上のセラミック結晶を結晶化させることによって、提供することができる。折り畳み式基板206は、ある面に沿って延在し得る第2の主面205(
図20~21参照)を有することがある。第2の主面205は、第1の主面203と反対にあり得る。
【0266】
例えば、
図19に示されるように、折り畳み式基板206を製造するために、積層フュージョンドロー装置1901を使用することができる。図から分かるように、積層フュージョンドロー装置1901は、下側成形装置1904の上方に位置付けられた上側成形装置1902を備えることができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、上側成形装置1902は、第1の溶融材料1906を受け入れるように作られた第1の樋1910を備えることができ、下側成形装置1904は、第2の溶融材料1908を受け入れるように作られた第2の樋1912を備えることができる。いくつかの実施の形態において、第2の溶融材料1908は、第2の樋1912から溢れ、下側成形装置1904の対応する外側成形面1916および1918の上を流れることができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、外側成形面1916および1918は、下側成形装置1904の基部1920で集束して、冷却されるとコア層207を形成できるコア溶融層1932を形成することができる。いくつかの実施の形態において、第1の溶融材料1906は、第1の樋1910から溢れ、上側成形装置1902の対応する外面1922および1924の上を流れることができる。さらなる実施の形態において、第1の溶融材料1906は、第2の溶融材料が下側成形装置1904の対応する外側成形面1916および1918の上を流れるときに、第1の溶融材料1906が下側成形装置1904の周りを流れ、第2の溶融材料1908と接触するように上側成形装置1902によりそらされ得る。またさらなる実施の形態において、第1の溶融材料1906は、冷却されると第1の外側層213を形成できる第1の溶融外側層1934を形成することができ、第1の溶融材料1906は、冷却されると第2の外側層215を形成できる第2の溶融外側層1936を形成することができる。図示されたような、またさらなる実施の形態において、コア溶融層1932を、基部1920の下方で、第1の溶融外側層1934と第2の溶融外側層1936との間に位置付けることができる。またさらなる実施の形態において、基部1920で第1の溶融外側層1934および第2の溶融外側層1936を構成する第1の溶融材料1906の温度は、第1の溶融外側層1934および第2の溶融外側層1936を構成する第1の溶融材料1906の軟化点より高いことがあり得る。またさらなる実施の形態において、基部1920でコア溶融層1932を構成する第2の溶融材料1908の温度は、コア溶融層1932を構成する第2の溶融材料1908の軟化点より高いことがあり得る。またさらなる実施の形態において、第1の溶融外側層1934を、コア溶融層1932に積層させて(例えば、
図2~3および6において、第1の外側層213をコア層207の第3の内面208に積層することができる)、および/または第2の溶融外側層1936をコア溶融層1932に積層させて(例えば、
図2~3および6において、第2の外側層215をコア層207の第4の内面218に積層させることができる)、
図20~21に示された折り畳み式基板206を形成することができる。
【0267】
いくつかの実施の形態において、コア層207のコア密度は、第1の外側層213の第1の密度および/または第2の外側層215の第2の密度よりも大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア層207の網状構造膨張係数は、第1の外側層213の網状構造膨張係数および/または第2の外側層215の網状構造膨張係数よりも小さいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア層207の熱膨張係数は、第1の外側層213の熱膨張係数および/または第2の外側層215の熱膨張係数より大きいことがあり得る。
【0268】
いくつかの実施の形態において、工程1501において、折り畳み式基板206に、コア層207の第1の中央表面区域209を露出する折り畳み式基板206の第1の主面203における第1の凹部234および/またはコア層207の第2の中央表面区域219を露出する折り畳み式基板206の第2の主面205における第2の凹部244を設けることができる。さらなる実施の形態において、凹部(例えば、第1の凹部234、第2の凹部244)は、第1の主面203および/または第2の主面205をエッチング、レーザアブレーション、または機械加工することによって、形成することができる。例えば、エッチング過程は、下記に記載される工程1503、1505、および1507に似ているであろう。例えば、折り畳み式基板206を機械加工する工程は、下記に記載される工程1517に似ているであろう。
【0269】
工程1501の後、いくつかの実施の形態において、コア層207は、酸化物基準でコア既存平均濃度のカリウムおよび/または酸化物基準でコア既存平均濃度のリチウムを含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側層213は、酸化物基準で第1の既存平均濃度のカリウムおよび/または酸化物基準で第1の既存平均濃度のリチウムを含み得る。いくつかの実施の形態において、第2の外側層215は、酸化物基準で第2の既存平均濃度のカリウムおよび/または酸化物基準で第2の既存平均濃度のリチウムを含み得る。いくつかの実施の形態において、カリウムのコア既存平均濃度は、カリウムの第1の既存平均濃度および/またはカリウムの第2の既存平均濃度より約10百万分率以上大きい。いくつかの実施の形態において、リチウムの第1の既存平均濃度および/またはリチウムの第2の既存平均濃度は、リチウムのコア既存平均濃度より約10百万分率以上大きいことがあり得る。理論で束縛する意図はないが、コア層により大きい既存平均濃度のカリウムを提供することによって、化学強化過程の結果としてのコア層の膨張が減少するであろう、および/または第1の外側層および/または第2の外側層に対するコア層の化学強化の程度が減少するであろう。理論で束縛する意図はないが、第1の外側層および/または第2の外側層により大きい既存平均濃度のリチウムを提供することによって、化学強化の程度が増加するであろう、および/またはコア層に対して、化学強化過程の結果としての対応する層の膨張が増加するであろう。
【0270】
工程1501の後(例えば、折り畳み式基板206を化学的に強化する工程を含む工程1509の前)、いくつかの実施の形態において、コア層は、1種類以上のアルカリ金属イオンのコア拡散率を有し得る。いくつかの実施の形態において、第1の外側層は、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の拡散率を有し得る。いくつかの実施の形態において、第2の外側層は、1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の拡散率を有し得る。いくつかの実施の形態において、第1の拡散率および/または第2の拡散率は、コア拡散率より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、その拡散率は、ナトリウムイオンのものであり得る。いくつかの実施の形態において、その拡散率は、カリウムのものであり得る。理論で束縛する意図はないが、第1の外側層および/または第2の外側層に、コア層における関連する拡散率より小さい1種類以上のアルカリ金属イオンの拡散率を設けることによって、コア層に対する第1の外側層および/または第2の外側層における化学強化の程度を増加させることができる。さらなる実施の形態において、第1の比は、第1の外側層213の第1の厚さ(例えば、第1の外側厚さ217)で除算された第1の拡散率の平方根と定義することができる。さらなる実施の形態において、第2の比は、第2の外側層215の第2の厚さ(例えば、第2の外側厚さ237)で除算された第2の拡散率の平方根と定義することができる。さらなる実施の形態において、コア比は、コア層207の中央厚さ(例えば、中央厚さ227)で除算されたコア拡散率の平方根と定義することができる。さらなる実施の形態において、第1の比とコア比との間の差は、約0.01s-0.5以下であり得る。またさらなる実施の形態において、第1の比は、コア比と実質的に等しいことがあり得る。さらなる実施の形態において、第2の比とコア比との間の差は、約0.01s-0.5以下であり得る。またさらなる実施の形態において、第2の比は、コア比と実質的に等しいことがあり得る。さらなる実施の形態において、第1の比および/または第2の比と、コア比との間の差は、約0.00001s-0.5以上、約0.0001s-0.5以上、約0.001s-0.5以上、約0.003s-0.5以上、約0.1s-0.5以下、約0.05s-0.5以下、約0.02s-0.5以下、約0.01s-0.5以下、または約0.008s-0.5以下であり得る。さらなる実施の形態において、第1の比および/または第2の比と、コア比との間の差は、約0.00001s-0.5から約0.1s-0.5、約0.0001s-0.5から約0.05s-0.5、約0.001s-0.5から約0.02s-0.5、約0.001s-0.5から約0.01s-0.5、約0.003s-0.5から約0.01s-0.5、約0.003s-0.5から約0.005s-0.5の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。理論で束縛する意図はないが、化学強化による層の深さは、対応する厚さで除算された拡散率の平方根に比例する。第1の比、第2の比、および/またはコア比を設けることによって、対応する厚さの百分率として実質的に等しい層の深さを提供することができ、これにより、折り畳み式基板における化学強化誘発歪みを減少させることができる。
【0271】
工程1501の後、いくつかの実施の形態において、方法は、折り畳み式基板206の第1の主面203および/または第2の主面205を機械加工することによって、第1の凹部内234および/または第2の凹部244を形成する工程を含む工程1517に進むことができる。折り畳み式基板206の第1の主面203に、コア層207の第1の中央表面区域209を露出する第1の凹部234を形成することができる。折り畳み式基板206の第2の主面205に、コア層207の第2の中央表面区域219を露出する第2の凹部244を形成することができる。例えば、第1の主面203および/または第2の主面205は、ダイヤモンド彫刻によって機械加工されて、ガラス系基板および/またはセラミック系基板に非常に精密なパターンを生成することがある。
図20に示されるように、ダイヤモンド彫刻を使用して、折り畳み式基板206の第1の主面203に第1の凹部234を作ることができ、ここで、ダイヤモンドチッププローブ2001は、コンピュータ数値制御(CNC)装置2003を使用して制御することができる。CNC装置による彫刻に、ダイヤモンド以外の材料を使用しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の凹部234の反対にあることがある第2の凹部244を形成するために、同様の過程を使用することができる。凹部を形成する他の方法、例えば、リソグラフィーおよびレーザアブレーションを使用できることが理解されよう。
【0272】
工程1501の後、いくつかの実施の形態において、方法は、折り畳み式基板206の1つ以上の部分を覆ってマスクを配置する工程を含む工程1503に進むことができる。
図21に示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1503は、折り畳み式基板206の1つ以上の部分を覆って第1の液体2107を配置する工程を含むことができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、折り畳み式基板206の1つ以上の部分を覆って第1の液体2107を配置するために、容器2101(例えば、導管、可撓管、マイクロピペット、または注射器)を使用することができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の液体2107は、第1の液体堆積物2103として第1の表面区域223を覆って、また第2の液体堆積物2105として第3の表面区域233を覆って配置することができる。図示されていないが、第2の表面区域および/または第4の表面区域を覆って、同様の液体堆積物を形成できることを理解すべきである。さらなる実施の形態において、液体堆積物(例えば、
図21に示された第1の液体堆積物2103および第2の液体堆積物2105)を硬化させて、マスク(例えば、
図22に示された第1のマスク2205および第3のマスク2209)を形成することができる。第1の液体を硬化させる工程は、第1の液体2107を加熱する工程、第1の液体2107に紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間(例えば、約30分から24時間、約1時間から約8時間)待機する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、別の方法(例えば、化学的気相成長法(CVD)(例えば、低圧CVD、プラズマ支援CVD)、物理的気相成長法(PVD)(例えば、蒸発、分子線エピタキシー、イオンメッキ)、原子層堆積(ALD)、スパッタリング、噴霧熱分解、化学浴析出法、ゾルゲル堆積)を使用して、マスク(例えば、マスク2205、2207、2209、および2211)を形成してもよい。
図22に示されるように、工程1503の結果として、第1の表面区域223を覆って配置された第1のマスク2205、第2の表面区域225を覆って配置された第2のマスク2207、第3の表面区域233を覆って配置された第3のマスク2209、および/または第4の表面区域235を覆って配置された第4のマスク2211が形成され得る。いくつかの実施の形態において、マスクの材料は、二酸化チタン(TiO
2)、ジルコニア(ZrO
2)、酸化スズ(SnO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、シリカ(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、および/またはその組合せを含み得るが、他の実施の形態において、マスクに他の材料を使用しても差し支えない。
【0273】
工程1503の後、
図22に示されるように、方法は、折り畳み式基板206をエッチングする工程を含む工程1505に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、エッチングは、折り畳み式基板206をエッチング液2203に曝露する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチング液2203は、エッチング液浴2201内に収容されたエッチング液であり得る。またさらなる実施の形態において、エッチング液は、1種類以上の鉱酸(例えば、HCl、HF、H
2SO
4、HNO
3)を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、エッチングは、第1の主面203の中央部分281をエッチングして、第1の中央表面区域209を形成する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の中央表面区域209は、第3の内面208の一部を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより、第一面204aと第1の中央表面区域209との間に第1の凹部234を形成することができる。いくつかの実施の形態において、第1の凹部234の深さは、第1の外側層213の第1の外側厚さ217と実質的に等しいことがあり得る(例えば、
図2~3および5参照)。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の凹部の深さは、第1の外側層の第1の厚さより大きいことがあり得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、エッチングは、第2の主面205の中央部分281をエッチングして、第2の中央表面区域219を形成する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の中央表面区域219は、第4の内面218の一部を構成し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより、第二面204bと第2の中央表面区域219との間に第2の凹部244を形成することができる。いくつかの実施の形態において、第2の凹部244の深さは、第1の外側層213の第2の外側厚さ237と実質的に等しいことがあり得る(例えば、
図2~3および5参照)。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第2の凹部の深さは、第2の外側層の第2の厚さより大きいことがあり得る。
【0274】
工程1505の後、
図23に示されるように、方法は、マスクを除去する工程を含む工程1507に進むことができる。図示されたようないくつかの実施の形態において、マスク(例えば、マスク2205、2207、2209、および2211)を除去する工程は、表面(例えば、第3の表面区域233)に亘り方向2302に研削工具2301を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具の使用は、掃引、削取り、研削、プッシング(pushing)などを含むことがある。さらなる実施の形態において、マスク(例えば、マスク2205、2207、2209、および2211)は、表面(例えば、第1の表面区域223、第2の表面区域225、第3の表面区域233、第4の表面区域235)を溶剤で洗浄することによって、除去することができる。いくつかの実施の形態において、マスクを除去する工程は、それぞれ、第1の表面区域223、第2の表面区域225、第3の表面区域233、および第4の表面区域235からマスク2205、2207、2209、および2211を除去する工程を含み得る。
【0275】
それに加え、またはそれに代えて、工程1501、1507、または1517は、折り畳み式基板206の第2の主面205から副層を除去して、
図2~3および6に示された第2の主面205を構成し得る新たな第2の主面を露出する(例えば、機械加工により、エッチングにより、リソグラフィーにより、アブレーションにより)ことによって、折り畳み式基板206の厚さを減少させる工程を含み得る。第1の主面と第2の主面の両方から副層を除去すると、折り畳み式基板206の対応する層の下層の内側部分よりも一貫していない光学的性質を有するであろう折り畳み式基板206の外側副層を除去することができる。その結果、折り畳み式基板206の対応する層の長さと幅の全体に亘る全厚は、折り畳み式基板206の全体に亘り歪みがほとんどまたは全くない、一貫した光学性能を与えるより一貫した光学的性質を有するであろう。第1の主面203から副層を、および/または第2の主面205から副層を除去することは、第1の凹部234および/または第2の凹部244の形成中に生じる表面欠陥を除去するのに有益であり得る。例えば、第1の凹部234および/または第2の凹部244を生成するために第1の主面203および/または第2の主面205を機械加工する(例えば、ダイヤモンドチッププローブで)と、折り畳む際に、折り畳み式基板206の破滅的破壊が生じることのある弱点を示し得る微小亀裂表面傷または他の欠陥が生じることがある。それゆえ、第1の主面203から副層をおよび/または第2の主面205から副層を除去することによって、第1の凹部234および/または第2の凹部244の形成中に副層に生成された表面欠陥が除去されることがあり、ここで、表面欠陥がより少ない新たな第1の主面および/または新たな第2の主面を提示することができる。より少ない表面欠陥しか存在しないので、折り畳み式基板を破損させずに、より小さい曲げ半径が達成されるであろう。例えば、折り畳み式基板のある加工は、折り畳み式基板の中央部分よりも、折り畳み式基板の第1の主面および第2の主面で、ガラス系材料特性および/またはセラミック系材料特性の差を示すことがある。例えば、ダウンドロー法の最中に、それらの主面でのガラス系材料および/またはセラミック系材料の性質は、中央部分と異なることがある。
【0276】
工程1501、1507、または1517の後、
図24に示されるように、前記方法は、折り畳み式基板206を化学強化する工程を含む工程1509に進むことができる。イオン交換による折り畳み式基板206(例えば、第1の外側層、第2の外側層、および/またはコア層のガラス系基板および/またはセラミック系基板)の化学強化は、折り畳み式基板206の表面からある深さにある第1の陽イオンが、この第1の陽イオンより大きい半径を有する、溶融塩または塩溶液2403内の第2の陽イオンと交換されるときに行うことができる。例えば、折り畳み式基板206の表面からその深さにあるリチウム陽イオンは、塩溶液2403内のナトリウム陽イオンまたはカリウム陽イオンと交換され得る。その結果、リチウム陽イオンは、塩溶液2403内にある交換されるナトリウム陽イオンまたはカリウム陽イオンの半径より小さい半径を有するので、折り畳み式基板206の表面は、圧縮状態におかれ、それによって、イオン交換過程によって化学強化される。折り畳み式基板206を化学強化する工程は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板206の少なくとも一部を、硝酸カリウム、リン酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、および/またはリン酸ナトリウムを含む塩溶液2403を収容する塩浴2401と接触させ、それによって、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンが折り畳み式基板206から、塩浴2401中に収容された塩溶液2403に拡散する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液2403の温度は、約300℃以上、約360℃以上、約400℃以上、約500℃以下、約460℃以下、または約440℃以下であり得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液2403の温度は、約300℃から約500℃、約360℃から約500℃、約400℃から約500℃、約300℃から約460℃、約360℃から約460℃、約400℃から約460℃、約300℃から約400℃、約360℃から約400℃の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206は、約15分以上、約1時間以上、約3時間以上、約48時間以下、約24時間以下、または約8時間以下に亘り、塩溶液2403と接触させられ得る。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板206は、約15分から約48時間、約1時間から約48時間、約3時間から約48時間、約15分から約24時間、約1時間から約24時間、約3時間から約48時間、約3時間から約24時間、約3時間から約8時間の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の時間に亘り塩溶液2403と接触させられ得る。
【0277】
折り畳み式基板206を化学強化する工程は、第1の中央表面区域209を化学強化する工程、第1の表面区域223を化学強化する工程、第3の表面区域233を化学強化する工程、第2の表面区域225を化学強化する工程、第4の表面区域235を化学強化する工程、および第2の中央表面区域219を化学強化する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、化学強化する工程は、第1の部分221を第1の主面203の第1の表面区域223から第1の圧縮深さまで化学強化する工程、第1の部分221を第2の主面205の第2の表面区域225から第2の圧縮深さまで化学強化する工程、第2の部分231を第1の主面203の第3の表面区域233から第3の圧縮深さまで化学強化する工程、第2の部分231を第2の主面205の第4の表面区域235から第4の圧縮深さまで化学強化する工程、中央部分281を第1の中央表面区域209から第1の中央圧縮深さまで化学強化する工程、および/または中央部分281を第2の中央表面区域219から第2の中央圧縮深さまで化学強化する工程を含み得る。
【0278】
工程1509の後、折り畳み式基板206は、対応する圧縮応力領域に関して先に述べられた1つ以上の範囲内の圧縮深さおよび/または関連する層の深さを有する1つ以上の圧縮応力領域(例えば、第1の、第2の、第3の、第4の、第1の中央の、および/または第2の中央の圧縮応力領域)を有し得る。さらなる実施の形態において、基板厚さで除算された、第1の層の深さ、第2の層の深さ、第3の層の深さ、または第4の層の深さの内の1つの層の深さと、中央厚さで除算された、第1の中央の層の深さまたは第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さで除算された、第1の圧縮深さ、第2の圧縮深さ、第3の圧縮深さ、または第4の圧縮深さの内の1つと、中央厚さで除算された、第1の中央圧縮深さまたは第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、カリウムの第1の平均濃度またはカリウムの第2の平均濃度と、カリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内であり得る。
【0279】
工程1509の後、
図50に示されるように、本開示の方法は、第1の主面203を覆っておよび/または第1の凹部234内にコーティング251を配置する工程を含む工程1511に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の主面203を覆って第2の液体4703を配置することができる。さらなる実施の形態において、第1の部分221の第1の表面区域223および第2の部分231の第3の表面区域233を覆って第2の液体4703を配置することができる。さらなる実施の形態において、第2の液体4703は、第1の中央表面区域209を覆って配置することができる、および/または第1の凹部234を満たすことができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の液体4703を配置するために、容器4701(例えば、導管、可撓管、マイクロピペット、または注射器)を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、第2の液体4703は、コーティング前駆体、溶媒、粒子、ナノ粒子、および/または繊維を含むことがある。いくつかの実施の形態において、コーティング前駆体は、制限なく、単量体、促進剤、硬化剤、エポキシ、および/またはアクリレートの1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、接着促進剤の溶媒は、極性溶媒(例えば、水、アルコール、酢酸エステル、アセトン、ギ酸、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキソン、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、ポリ(エーテルエーテルケトン))、および/または非極性溶媒(例えば、ペンタン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン)を含むことがある。第2の液体4703は、
図51に示されるように、硬化させて、コーティング251を形成することができる。第2の液体4703を硬化させる工程は、第2の液体4703を加熱する工程、第2の液体4703に紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間(例えば、約30分から24時間、約1時間から約8時間)待機する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、別の方法(例えば、化学的気相成長法(CVD)(例えば、低圧CVD、プラズマ支援CVD)、物理的気相成長法(PVD)(例えば、蒸発、分子線エピタキシー、イオンメッキ)、原子層堆積(ALD)、スパッタリング、噴霧熱分解、化学浴析出法、ゾルゲル堆積)を使用して、コーティング251を形成してもよい。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、コーティング251は、第1の主面203(例えば、第1の表面区域223、第3の表面区域233)と接触せずに、第1の凹部234内に配置する(例えば、第1の凹部234を満たす)ことができる。
【0280】
工程1509または1511の後、
図51に示されるように、本開示の方法は、第2の凹部244内に材料を配置する工程を含む工程1513に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の凹部244内に第3の液体4803を配置することができる。いくつかの実施の形態において、第3の液体4803は、前駆体、溶媒、粒子、ナノ粒子、および/または繊維を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第3の液体4803は、容器4801から第2の凹部244に配置することができるが、第1の凹部および/または第2の液体に関して先に述べたように、第2の凹部内に第3の液体または他の材料を堆積させるために、他の方法を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、第3の液体4803を硬化させて(例えば、第3の液体を加熱する、第3の液体を照射する、特定の時間に亘り待機する)、
図52に示されたように第2の凹部244内に高分子系部分241を形成することができる。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第3の液体を硬化させて、第2の凹部244内に配置された、例えば、接着剤層261と似た、接着剤層を形成することができる。
【0281】
工程1511または1513の後、本開示の方法は、折り畳み式基板206を使用して折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1515に進むことができる。
図52に示されるように、工程1515は、第2の主面205の第2の表面区域225および第2の主面205の第4の表面区域235と接触するように接着剤層261を施す工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、接着剤の1つ以上のシートを含み得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261および/または第2の凹部内に配置される材料(例えば、高分子系部分241)を含む1つ以上のシート間に一体界面があり得、これにより、シート間で光が進むときの光回折および/または光学的不連続性を低下させる(例えば、避ける)ことができる。何故ならば、その1つ以上のシートは、いくつかの実施の形態において、実質的に同じ屈折率を有し得るからである。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、接着剤層の少なくとも一部を第2の凹部内に配置することができる。いくつかの実施の形態において、剥離ライナー(例えば、
図2および4における剥離ライナー271を参照のこと)または表示装置(例えば、
図3および5における表示装置307を参照のこと)が接着剤層261(例えば、第1の接触面263)上に配置されることがある。工程1515の後、折り畳み式装置を製造する
図15の流れ図にしたがう本開示の方法は、工程1519で完了することができる。
【0282】
いくつかの実施の形態において、本開示の実施の形態による折り畳み式装置を製造する方法は、上述したように、連続して、
図15の流れ図の工程1501、1503、1505、1507、1509、1511、1513、1515、および1519に沿って進むことができる。
図15に示されるような、いくつかの実施の形態において、例えば、1つまたは複数の凹部を折り畳み式基板206内に、この折り畳み式基板を機械加工する(例えば、凹部を形成するために折り畳み式基板を化学的にエッチングする代わりに)ことによって形成すべき場合、工程1501から、工程1503を省いて、矢印1502に従うことができる。いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式装置が工程1501の終わりに凹部を含む場合、工程1501から、折り畳み式基板を化学的に強化する工程を含む工程1509へと、矢印1506に従うことができる。いくつかの実施の形態において、工程1509から、第2の凹部内に材料を配置する工程を含む工程1513へと、矢印1508に従うことができる。さらなる実施の形態において、方法は、工程1513から、第1の主面を覆って、および/または第1の凹部234内にコーティング251を配置する工程を含む工程1511へと、矢印1512に従うことができる。さらなる実施の形態において、例えば、折り畳み式装置が工程1513の終わりに完全に組み立てられている場合、または別の材料を第1の凹部内に、第1の主面を覆って、および/または第2の主面を覆って配置すべき場合、工程1513から工程1519へと、矢印1518に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式基板206が所望の製品(例えば、第1の凹部または第2の凹部内に材料を含まない)である場合、工程1509から工程1519へと、矢印1510に従うことができる。本開示の実施の形態にしたがって折り畳み式装置を製造するために、上記選択肢のいずれを組み合わせてもよい。
【0283】
ここで、
図4~5、7、および12に示された、折り畳み式装置401、501、および/または1201、および/または折り畳み式基板407を製造する例示の実施の形態を、
図25~34および47~49、並びに
図16の流れ図を参照して説明する。本開示の方法の第1の工程1601において、方法は、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505(
図25~27参照)を提供することで始めることができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505は、基板を購入するか、他のやり方で得る、もしくは折り畳み式基板を成形することによって、提供されることがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505は、ガラス系基板および/またはセラミック系基板から構成され得る。さらなる実施の形態において、ガラス系基板および/またはセラミック系基板は、様々なリボン成形過程、例えば、スロットドロー法、ダウンドロー法、フュージョンダウンドロー法、アップドロー法、圧搾ロール法、リドロー法またはフロート法によってそれらを成形することによって、提供することができる。さらなる実施の形態において、セラミック系基板は、ガラス系基板を加熱して、1種類以上のセラミック結晶を結晶化させることによって、提供することができる。折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505は、ある面に沿って延在し得る第2の主面405(
図27参照)を有することがある。第2の主面405は、第1の主面403と反対にあり得る。
【0284】
いくつかの実施の形態において、工程1601において、折り畳み式基板407に、中央部分481において折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第1の中央表面区域409を露出する第1の凹部434を折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第1の主面403に設けることができる。いくつかの実施の形態において、工程1601において、折り畳み式基板407に、中央部分481において折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第2の中央表面区域419を露出する第2の凹部444を折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第2の主面405に設けることができる。さらなる実施の形態において、図示されていないが、第1の中央表面区域409および/または第2の中央表面区域419は、移行領域(例えば、移行領域853および/または855に似ている)を含み得る。さらなる実施の形態において、第1の主面403および/または第2の主面405をエッチング、レーザアブレーション、または機械加工することによって、凹部(例えば、第1の凹部434、第2の凹部444)を形成してもよい。例えば、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505を機械加工する工程は、下記に述べられる工程1603に似ているであろう。いくつかの実施の形態において、工程1601において、折り畳み式基板407に、例えば、工程1605に関して下記に述べられる性質の1つ以上を有する、1つ以上の初期圧縮応力領域を設けることができる。
【0285】
工程1601の後、いくつかの実施の形態において、方法は、第1の凹部434および/または第2の凹部444を形成する工程を含む工程1603に進むことができる。いくつかの実施の形態において、凹部は、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第1の主面403および/または第2の主面405を機械加工することによって、形成することができる。中央部分481の第1の中央表面区域409を露出する第1の凹部434を、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第1の主面403に形成することがある。中央部分481の第2の中央表面区域419を露出する第2の凹部444を、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第2の主面405に形成することがある。例えば、第1の主面403および/または第2の主面405は、ダイヤモンド彫刻によって機械加工されて、ガラス系基板および/またはセラミック系基板に非常に精密なパターンを生成することがある。
図26に示されるように、ダイヤモンド彫刻を使用して、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第1の主面403に第1の凹部434を作ることができ、ここで、ダイヤモンドチッププローブ2001は、コンピュータ数値制御(CNC)装置2003を使用して制御することができる。CNC装置による彫刻に、ダイヤモンド以外の材料を使用しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第1の凹部434と反対にあることがある第2の凹部444を形成するために、類似の過程を使用することができる。凹部を形成する他の方法、例えば、リソグラフィーおよびレーザアブレーションを使用して差し支えないことを理解すべきである。工程1603の後、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板2505は、第1の凹部434および/または第2の凹部444を含む折り畳み式基板407を構成することができる。
【0286】
いくつかの実施の形態において、工程1603は、第1の凹部および/または第2の凹部を形成するためのエッチング過程(例えば、上述した1503、1505、および1507と似た、マスキング、エッチング、およびマスクの除去)を含み得る。
図27に示されるような、さらなる実施の形態において、工程1603は、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の1つ以上の部分を覆うマスクを配置する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、工程1603は、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の1つ以上の部分を覆う第1の液体2107を配置する工程を含み得る。工程1503を参照して、図示され、先に述べられたような、さらなる実施の形態において、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の1つ以上の部分を覆って第1の液体2107を配置するために、容器2101が使用されることがある。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の液体2107は、第1の液体堆積物2103として第1の表面区域423を覆って、また第2の液体堆積物2105として第3の表面区域433を覆って配置することができる。図示されていないが、第2の表面区域および/または第4の表面区域を覆って、同様の液体堆積物を形成できることを理解すべきである。さらなる実施の形態において、液体堆積物(例えば、
図27に示された第1の液体堆積物2103および第2の液体堆積物2105)を硬化させて、マスク(例えば、
図28に示された第1のマスク2205および第3のマスク2209)を形成することができる。第1の液体を硬化させる工程は、第1の液体2107を加熱する工程、第1の液体2107に紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間に亘り待機する工程を含み得る。さらなる実施の形態において、上述したような、別の方法を使用して、マスク(例えば、マスク2205、2207、2209、および2211)を形成してもよい。
図28に示されるように、第1のマスク2205を、第1の表面区域423を覆って配置することができる、第2のマスク2207を、第2の表面区域425を覆って配置することができる、第3のマスク2209を、第3の表面区域433を覆って配置することができる、および/または第4のマスク2211を、第4の表面区域435を覆って配置することができる。
図28に示されるような、さらなる実施の形態において、工程1603は、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505をエッチングする工程をさらに含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングは、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505をエッチング液2203(例えば、1種類以上の鉱酸)に曝露する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチング液2203は、エッチング液浴2201内に収容されたエッチング液であり得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングは、第1の主面403の中央部分481をエッチングして、第1の中央表面区域409を形成する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより、第一面404aと第1の中央表面区域409との間に第1の凹部434を形成することができる。またさらなる実施の形態において、第1の凹部434は、第1の距離417だけ第一面404aおよび/または第1の主面403から窪み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングは、第2の主面405の中央部分481をエッチングして、第2の中央表面区域419を形成する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより、第二面404bと第2の中央表面区域419との間に第2の凹部444を形成することができる。またさらなる実施の形態において、第2の凹部444は、第2の距離437だけ第二面404bおよび/または第2の主面405から窪み得る。またさらなる実施の形態において、工程1603は、マスクを除去する工程をさらに含み得る。
図29に示されるような、いくつかの実施の形態において、マスク(例えば、マスク2205、2207、2209、および2211)を除去する工程は、表面(例えば、第3の表面区域433)に亘り方向2302に研削工具2301を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具の使用は、掃引、削取り、研削、プッシング(pushing)などを含むことがある。さらなる実施の形態において、マスク(例えば、マスク2205、2207、2209、および2211)は、表面(例えば、第1の表面区域423、第2の表面区域425、第3の表面区域433、第4の表面区域435)を溶剤で洗浄することによって、除去することができる。いくつかの実施の形態において、マスクを除去する工程は、それぞれ、第1の表面区域423、第2の表面区域425、第3の表面区域433、および第4の表面区域435からマスク2205、2207、2209、および2211を除去する工程を含み得る。工程1603の後、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板2205は、第1の凹部434および/または第2の凹部444を含む折り畳み式基板407を構成し得る。
【0287】
それに加え、またはそれに代えて、工程1601および/または1603は、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の第2の主面205から副層を除去して、
図4~5および7に示された第2の主面205を構成し得る新たな第2の主面を形成する(例えば、機械加工により、エッチングにより、リソグラフィーにより、アブレーションにより)ことによって、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の厚さを減少させる工程を含み得る。先に述べたように、第1の主面と第2の主面の両方から副層を除去すると、例えば、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の全体に亘り歪みがほとんどまたは全くなく、一貫した光学的性能を提供するためにより一貫した光学的性質を有する、折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の対応する層の下層の内側部分よりも一貫していない光学的性質を有することのある折り畳み式基板407および/または折り畳み式基板2505の外側副層を除去し、凹部の形成中に生成された表面欠陥を除去することができる。
【0288】
工程1601または1603の後、
図25および30に示されるように、方法は、折り畳み式基板407を化学的に強化する工程を含む工程1605に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407を化学的に強化する工程は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板407の少なくとも一部を、塩溶液2403を含む塩浴2401と接触させる工程を含み得、この塩溶液は、工程1509に関して塩溶液2403について上述した成分の1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液2403の温度および/または折り畳み式基板407が塩溶液2403と接触し得る時間は、工程1509に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、工程1605において折り畳み式基板407を化学的に強化する工程は、第1の中央表面区域409を化学的に強化して、第1の中央表面区域409から初期の第1の中央圧縮深さまで延在する初期の第1の中央圧縮応力領域を形成する工程、第1の表面区域423を化学的に強化して、第1の表面区域423から初期の第1の圧縮深さまで延在する初期の第1の圧縮応力領域を形成する工程、第3の表面区域433を化学的に強化して、第3の表面区域433から初期の第3の圧縮深さまで延在する初期の第3の圧縮応力領域を形成する工程、第2の表面区域425を化学的に強化して、第2の表面区域425から初期の第2の圧縮深さまで延在する初期の第2の圧縮応力領域を形成する工程、第4の表面区域435を化学的に強化して、第4の表面区域435から初期の第4の圧縮深さまで延在する初期の第4の圧縮応力領域を形成する工程、および第2の中央表面区域419を化学的に強化して、第2の中央表面区域419から初期の第2の中央圧縮深さまで延在する初期の第2の中央圧縮応力領域を形成する工程を含み得る。
【0289】
工程1601または1605の後、折り畳み式基板407は、初期圧縮深さおよび/または関連する初期層の深さを有する1つ以上の初期圧縮応力領域(例えば、第1の、第2の、第3の、第4の、第1の中央の、および/または第2の中央圧縮応力領域)を含み得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約16%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約5%から約25%、約8%から約25%、約8%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約16%、約14%から約16%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板407の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約50%以上、約60%以上、約65%以上、約68%以上、約80%以下、約75%以下、約72%以下、または約70%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板407の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約50%から約80%、約60%から約80%、約60%から約75%、約65%から約75%、約65%から約72%、約68%から約72%、約68%から約70%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約16%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約5%から約25%、約8%から約25%、約8%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約16%、約14%から約16%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板407の対応する層の深さの百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約50%以上、約60%以上、約65%以上、約68%以上、約80%以下、約75%以下、約72%以下、または約70%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板407の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約50%から約80%、約60%から約80%、約60%から約75%、約65%から約75%、約65%から約72%、約68%から約72%、約68%から約70%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0290】
工程1605の後、図示されていないが、方法は、折り畳み式基板をエッチングして、既存の第1の中央表面区域および/または既存の第2の中央表面区域から副層を除去する工程を含む工程1607を含み得る。工程1503、1505、および1507に関して先に述べたような、または工程1707、1709、および1711に関して下記に述べるような、いくつかの実施の形態において、工程1605は、折り畳み式基板470(例えば、既存の第1の中央表面区域および/または既存の第2の中央表面区域)をエッチング液(例えば、エッチング液2203)に曝露する(その後でマスクを除去することができる)前に、第1の表面区域423、第2の表面区域425、第3の表面区域433、および/または第4の表面区域435を覆ってマスクを配置する工程を含み得る。さらなる実施の形態において、中央部分481(例えば、第1の中央表面区域、第2の中央表面区域)から除去された深さは、対応する圧縮応力領域が対応する表面から延在する対応する層の深さおよび/または圧縮深さと実質的に等しいことがあり得る。さらなる実施の形態において、中央部分481(例えば、第1の中央表面区域、第2の中央表面区域)から除去された深さは、対応する圧縮応力領域が対応する表面から延在する対応する層の深さおよび/または圧縮深さより大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、中央部分481(例えば、第1の中央表面区域、第2の中央表面区域)から除去された深さは、対応する圧縮応力領域が対応する表面から延在する対応する層の深さおよび/または圧縮深さより小さいことがあり得る。
【0291】
工程1601、1603、1605、または1607の後、
図31に示されるように、方法は、アルカリ金属イオンを含むペーストを第1の部分421および第2の部分431に施す工程を含む工程1609に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1609は、供給源3101から、第1の部分421上に第1の塩ペースト3103を、第2の部分431上に第1の塩ペースト3105を配置する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の塩ペースト3103は、第1の部分421の第1の表面区域423に施すことができ、第1の塩ペースト3105は、第2の部分431の第3の表面区域433に施すことができる。さらなる実施の形態において、図示されていないが、第1の塩ペースト(例えば、第1の塩ペースト3103および/または3105)を、第1の部分421の第2の表面区域425および第2の部分431の第4の表面区域435に施すことができる。いくつかの実施の形態において、供給源3101は、導管(例えば、可撓管、マイクロピペット、または注射器)、噴射ノズル、または容器(例えば、ビーカー)を備えることがある。第1の塩ペースト3103は、第1の部分421および第2の部分431上に配置し、硬化させて、
図32~33に示されるような、第1の塩堆積物3205、3207、3209、および/または3211を形成することができる。
【0292】
ここに用いられているように、塩ペーストは、カリウムおよび/またはナトリウムを含有する。いくつかの実施の形態において、第1の塩ペースト3103および3105は、硝酸カリウム、リン酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、および/またはリン酸ナトリウムの内の1つ以上を含み得る。さらなる実施の形態において、第1の塩ペーストは、硝酸カリウムおよびリン酸カリウムを含み得る。さらなる実施の形態において、第1の塩ペーストは、アルカリ土類金属(例えば、アルカリ土類金属イオン、アルカリ土類金属含有化合物)を実質的に含まないことがあり得る。ここに用いられているように、アルカリ土類金属には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、およびラジウムがある。さらなる実施の形態において、第1の塩ペーストは、約1,000ppm以上、約5,000ppm以上、約10,000ppm以上、約25,000ppm以上、約500,000ppm以下、約200,000ppm以下、約100,000ppm以下、または約50,000ppm以下の、酸化物基準の濃度のカリウムおよび/またはナトリウムを含有し得る。さらなる実施の形態において、第1の塩ペーストは、約1,000ppmから約500,000ppm、約5,000ppmから約500,000ppm、約5,000ppmから約200,000ppm、約10,000ppmから約200,000ppm、約10,000ppmから約100,000ppm、約25,000ppmから約100,000ppm、約25,000ppmから約50,000ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の、酸化物基準の濃度のカリウムおよび/またはナトリウムを含有し得る。
【0293】
いくつかの実施の形態において、第1の塩ペースト3103および3105は、有機結合剤または溶媒を含み得る。その有機結合剤は、セルロース、セルロース誘導体、疎水的に改質されたエチレンオキシドウレタン改質剤(HUER)、およびエチレンアクリル酸の内の1つ以上を含み得る。セルロース誘導体の例としては、エチルセルロース、メチルセルロース、およびAQUAZOL(登録商標)(ポリ(2-エチル-2-オキサジン))が挙げられる。溶媒としては、極性溶媒(例えば、水、アルコール、酢酸エステル、アセトン、ギ酸、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキソン、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、ポリ(エーテルエーテルケトン))、および/または非極性溶媒(例えば、ペンタン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン)が挙げられる。いくつかの実施の形態において、第1の塩ペーストは、その溶媒および/または有機結合剤を除去することによって、硬化させて、第1の塩堆積物3205、3207、3209、および/または3211を形成することができる。さらなる実施の形態において、溶媒および/または有機結合剤は、8時間以上に亘り室温(約20℃から約30℃)で第1の塩ペースト3103および3105を乾燥させることによって、除去することができる。さらなる実施の形態において、溶媒および/または有機結合剤は、約8分から約30分、または約8分から約20分、または約8分から約15分の範囲の期間に亘り、約100℃から約140℃または約100℃から約120℃の範囲の温度で第1の塩ペースト3103および3105を乾燥させることによって、除去することができる。
【0294】
図32に示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1609は、アルカリ金属イオンを含むペーストを中央部分281に施す工程を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1609は、容器3201から中央部分481の第1の中央表面区域409上に第2の塩ペースト3203を配置する工程を含み得る。さらなる実施の形態において、図示されていないが、第2の塩ペースト(例えば、第2の塩堆積物3303)を中央部分481の第2の中央表面区域419に施すことができる。いくつかの実施の形態において、供給源3101は、供給源3101に関して先に記載された構造のいずれを有してもよい。第2の塩ペースト3203を中央部分481上に配置し、それを硬化させて、
図33に示されたような第2の塩堆積物3303、および/または3305を形成することができる。
図32~33に示されたような、さらなる実施の形態において、第2の塩ペースト3203を、第1の塩ペースト3103および/または3105と併用して、折り畳み式基板407上に配置された第1の塩堆積物3205、3207、3209、および/または3211、および第2の塩堆積物3303および/または3305を形成することができる。さらなる実施の形態において、図示されていないが、第2の塩堆積物は、第1の塩堆積物を配置せずに、折り畳み式基板上に配置されてもよい。
【0295】
いくつかの実施の形態において、第2の塩ペースト3203は、第1の塩ペースト3103および3105に関して先に述べられたカリウム含有化合物および/またはナトリウム含有化合物の内の1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、第2の塩堆積物3203は、第1の塩ペースト3103および/または3105と同じ組成を有し得る。いくつかの実施の形態において、第2の塩ペースト3203は、第1の塩ペースト3103および3105に関して先に述べられたものを含む、有機結合剤または溶媒を含み得る。いくつかの実施の形態において、第2の塩ペーストは、例えば、室温(例えば、約8時間以上に亘り)、もしくはある期間(例えば、約8分から約30分、または約8分から約20分、または約8分から約15分の範囲内)に亘り高温(例えば、約100℃から約140℃または約100℃から約120℃の範囲内)で、第2の塩ペースト3203を乾燥させることにより、溶媒および/または有機結合剤を除去することによって、乾燥させて、第2の塩堆積物3303および/または3305を形成することができる。
【0296】
いくつかの実施の形態において、第2の塩ペースト3203は、第1の塩ペーストの対応する濃度より小さい、酸化物基準の濃度のカリウムおよび/またはナトリウムを含み得る。さらなる実施の形態において、第1の塩ペーストの対応する濃度の百分率としての、酸化物基準のカリウムおよび/またはナトリウムの濃度は、約10%以上、約20%以上、約25%以上、約80%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、または約30%以下であり得る。さらなる実施の形態において、第1の塩ペーストの対応する濃度の百分率としての、酸化物基準のカリウムおよび/またはナトリウムの濃度は、約10%から約80%、約10%から約60%、約20%から約60%、約20%から約50%、約25%から約50%、約25%から約40%、約25%から約30%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0297】
いくつかの実施の形態において、第2の塩ペースト3203は、1種類以上のアルカリ土類金属(例えば、アルカリ土類金属イオン、アルカリ土類金属含有化合物)を含み得る。さらなる実施の形態において、その第2の塩ペースト中の1種類以上のアルカリ土類金属は、カルシウム(例えば、カルシウムイオン、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム)を含み得る。理論で束縛されることは意図していないが、塩ペースト中に1種類以上のアルカリ土類金属を提供することにより、例えば、塩ペースト中のアルカリ金属と競合する(これにより、折り畳み式基板中のイオンと、塩ペースト中のアルカリ金属イオンとの間の交換速度が低下する)ことによって、化学強化の程度を減少させることができる。理論で束縛されることは意図していないが、塩ペースト中の1種類以上のアルカリ土類金属としてカルシウムを提供することにより、カリウムイオンとカルシウムイオンとの間のイオン半径および質量の類似性のために、他のアルカリ土類金属よりも、カリウムとより効果的に競合することができる。さらなる実施の形態において、1種類以上のアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)の濃度は、約10ppm以上、約50ppm以上、約100ppm以上、約200ppm以上、約400ppm以上、約10,000ppm以下、約5,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約750ppm以下、または約500ppm以下であり得る。さらなる実施の形態において、1種類以上のアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)の濃度は、約10ppmから約10,000ppm、約10ppmから約5,000ppm、約50ppmから約5,000ppm、約50ppmから約2,000ppm、約100ppmから約2,000ppm、約100ppmから約1,000ppm、約200ppmから約1,000ppm、約200ppmから約750ppm、約400ppmから約750ppm、約400ppmから約500ppmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内であり得る。
【0298】
工程1609の後、
図33に示されるように、本開示の方法は、折り畳み式基板407を加熱する工程を含む工程1611に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407は、オーブン3301内に配置することができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、折り畳み式基板407は、複数の第1の塩堆積物3205、3207、3209、および/または3211、および1つ以上の第2の塩堆積物3303および/または3305を含み得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、工程1609において加熱されている(例えば、オーブン3301内で)折り畳み式基板407は、第1の塩堆積物3205、3207、3209、および/または3211を含み得るが、どのような第2の塩堆積物3303および/または3305も含み得ず、その逆も同様である。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407は、約300℃以上、約360℃以上、約400℃以上、約500℃以下、約460℃以下、または約400℃以下の温度で加熱することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407は、約300℃から約500℃、約360℃から約500℃、約400℃から約500℃、約300℃から約460℃、約360℃から約460℃、約400℃から約460℃、約300℃から約400℃、約360℃から約400℃の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の温度で加熱することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407は、約15分以上、約1時間以上、約3時間以上、約48時間以下、約24時間以下、または約8時間以下に亘り加熱することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板407は、約15分から約48時間、約1時間から約48時間、約3時間から約48時間、約15分から約24時間、約1時間から約24時間、約3時間から約48時間、約3時間から約24時間、約3時間から約8時間の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の時間に亘り加熱することができる。折り畳み式基板407が加熱された後、折り畳み式基板407は、化学強化された第1の部分421、第2の部分431、および/または中央部分481を含むことがあり、これらの部分は、上述したように、関連する圧縮深さおよび/または層の深さを有する圧縮応力領域を含み得、これらは、上述した関係(例えば、基板厚さの百分率としての第1の表面区域、第2の表面区域、第3の表面区域、および/または第4の表面区域からの圧縮深さおよび/または層の深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央表面区域および/または第2の中央表面区域からの対応する深さとの間の絶対差)のいずれかおよび/または全てをさらに含み得る。
【0299】
工程1611の後、
図34に示されるように、本開示の方法は、塩ペースト(例えば、塩堆積物)を除去する工程を含む工程1613に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、ペースト(例えば、第1の塩堆積物3209)を除去する工程は、表面(例えば、第3の表面区域433)に亘り方向3402に研削工具3401を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具を使用する工程は、掃引、削取り、研削、プッシングを含むことがある。さらなる実施の形態において、ペースト(例えば、第1の塩堆積物3205、3207、3209、および/または3211)は、表面(例えば、第1の表面区域423、第2の表面区域425、第3の表面区域433、第4の表面区域435)を溶媒で洗浄することによって、除去することができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、ペースト(例えば、第2の塩堆積物3303)を除去する工程は、表面(例えば、第1の中央表面区域409)に亘り方向3404に研削工具3403を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具を使用する工程は、掃引、削取り、研削、プッシングなどを含むことがある。さらなる実施の形態において、ペースト(例えば、第2の塩堆積物3303および/または3305)は、表面(例えば、第1の中央表面区域409および/または第2の中央表面区域419)を溶剤で洗浄することによって、除去することができる。
【0300】
工程1613の後、本開示の方法は、折り畳み式基板407をさらに化学強化する工程を含む工程1615に進むことができる。
図30に示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1615において折り畳み式基板407をさらに化学強化する工程は、上述した工程1605において化学強化する工程と類似または同一であり得る。
図30示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1615は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板407の少なくとも一部を、工程1615または1509に関して先に述べられたアルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ金属含有化合物の内の1つ以上を含む塩溶液2403を収容する塩浴2401と接触させる工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液2403は、工程1615または1509に関して先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内の温度を有し得る。工程1615の後、折り畳み式基板407は、対応する圧縮応力領域に関して先に述べられた1つ以上の範囲内の圧縮深さおよび/または関連する層の深さを有する1つ以上の圧縮応力領域(例えば、第1の、第2の、第3の、第4の、第1の中央の、および/または第2の中央の圧縮応力領域)を含み得る。
【0301】
いくつかの実施の形態において、工程1613または1615は、折り畳み式基板407を化学的にエッチングする工程をさらに含み得る。上述したように、折り畳み式基板407を化学的にエッチングする工程は、折り畳み式基板407を、エッチング浴中に収容されたエッチング液と接触させる工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の主面403および第1の中央表面区域409がエッチングされる。いくつかの実施の形態において、第2の主面405および第2の中央表面区域419がエッチングされる。さらなる実施の形態において、第1の主面403、第1の中央表面区域409、第2の主面405、および/または第2の中央表面区域419がエッチングされる。化学的にエッチングする工程は、工程1613および/または1615において存在する場合、折り畳み式基板407を化学強化することにより残されることのある表面欠陥を除去するように設計することができる。実際に、化学強化する工程により、折り畳み式基板407の強度および/または光学的品質に影響し得る表面欠陥が生じることがある。工程1613および/または1615中にエッチングすることにより、化学強化中に生じた表面欠陥を除去することができる。いくつかの実施の形態において、そのようなエッチングは、約1nm以上、約5nm以上、約2μm以下、約1μm以下、約500nm以下、約100nm以下、約50nm以下、または約10nm以下の深さを有する層の一部を除去するように設計することができる。いくつかの実施の形態において、そのようなエッチングは、約1nmから約2μm、約1nmから約1μm、約5nmから約1μm、約5nmから約500nm、約5nmから約100nm、約5nmから約50nm、約5nmから約10nmの範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲内の深さを有する層の一部を除去するように設計することができる。そのようなエッチングは、折り畳み式基板407の厚さ、または化学強化中に達成される表面圧縮を実質的に変えることを避けるであろう。
【0302】
工程1613または1615の後、本開示の方法は、折り畳み式基板407を使用して折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1617に進むことができる。
図47に示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1617は、第1の主面403を覆っておよび/または第1の凹部434内にコーティング251を配置する工程を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の主面403を覆って第2の液体4703を配置することができる。さらなる実施の形態において、第2の液体4703を、第1の部分421の第1の表面区域423および第2の部分431の第3の表面区域433を覆って配置することができる。さらなる実施の形態において、第2の液体4703を、第1の中央表面区域409を覆って配置することができる、および/または第1の凹部434を満たすことができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の液体4703を配置するために、容器4701(例えば、導管、可撓管、マイクロピペット、または注射器)を使用することができる。いくつかの実施の形態において、第2の液体4703は、コーティング前駆体、溶媒、粒子、ナノ粒子、および/または繊維を含むことがある。いくつかの実施の形態において、コーティング前駆体は、工程1511に関して上述したように、制限なく、単量体、促進剤、硬化剤、エポキシ、および/またはアクリレートの1つ以上を含み得る。第2の液体4703は、
図48に示されたように、硬化させて、コーティング251を形成することができる。第2の液体4703を硬化させる工程は、第2の液体4703を加熱する工程、第2の液体4703に紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間(例えば、約30分から24時間、約1時間から約8時間)待機する工程を含み得る。工程1511に関して上述したような、いくつかの実施の形態において、別の方法を使用して、コーティング251を形成してもよい。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、コーティング251は、第1の主面403(例えば、第1の表面区域423、第3の表面区域433)と接触せずに、第1の凹部434内に配置する(例えば、第1の凹部434を満たす)ことができる。
【0303】
図48に示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1617は、第2の凹部444内に材料を配置する工程を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、第3の液体を第2の凹部444内に配置することができる。いくつかの実施の形態において、第3の液体4803は、コーティング前駆体、溶媒、粒子、ナノ粒子、および/または繊維を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第3の液体4803は、容器4801から第2の凹部444内に配置することができるが、工程1511に関して第1の凹部および/または第2の液体について先に述べたように、第2の凹部内に第3の液体または他の材料を堆積させるために、他の方法を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、第3の液体4803を硬化させて(例えば、第3の液体を加熱する、第3の液体を照射する、特定の時間に亘り待機する)、
図49に示されたように第2の凹部444内に高分子系部分241を形成することができる。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第3の液体を硬化させて、第2の凹部444内に配置された、例えば、接着剤層261と似た、接着剤層を形成することができる。
【0304】
工程1613または1615の後、
図49に示されるように、方法は、折り畳み式基板407を使用して、折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1619に進むことができる。
図49に示されたように、工程1617は、第2の主面405の第2の表面区域425および第2の主面405の第4の表面区域435と接触するように接着剤層261を施す工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、接着剤の1つ以上のシートを含み得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261および/または第2の凹部内に配置される材料(例えば、高分子系部分241)を含む1つ以上のシート間に一体界面があり得、これにより、シート間で光が進むときの光回折および/または光学的不連続性を低下させる(例えば、避ける)ことができる。何故ならば、その1つ以上のシートは、いくつかの実施の形態において、実質的に同じ屈折率を有し得るからである。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、接着剤層の少なくとも一部を第2の凹部内に配置することができる。いくつかの実施の形態において、剥離ライナー(例えば、
図2および4における剥離ライナー271を参照のこと)または表示装置(例えば、
図3および5における表示装置307を参照のこと)が接着剤層261(例えば、第1の接触面463)上に配置されることがある。工程1617の後、折り畳み式装置を製造する
図16の流れ図にしたがう本開示の方法は、工程1619で完了することができる。
【0305】
いくつかの実施の形態において、本開示の実施の形態による折り畳み式装置を製造する方法は、上述したように、連続して、
図16の流れ図の工程1601、1603、1605、1607、1609、1611、1613、1615、1617、および1619に沿って進むことができる。
図16に示されるような、いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式基板407が1つまたは複数の凹部をすでに含んでいる場合、工程1601から、工程1603を省いて、矢印1602に従うことができる。いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式装置が工程1601の終わりに凹部を含み、折り畳み式基板407が初期圧縮応力領域を既に含むか、または折り畳み式基板407を、工程1609の後まで、化学的に強化すべきではない場合、工程1601から、折り畳み式基板上にマスクを配置する工程を含む工程1609へと、矢印1604に従うことができる。いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式基板407が初期圧縮応力領域を既に含むか、または折り畳み式基板407を、工程1609の後まで、化学的に強化すべきではない場合、工程1603から、折り畳み式基板407上にマスクを配置する工程を含む工程1609へと、矢印1608に従うことができる。さらなる実施の形態において、方法は、例えば、コーティング251を第1の凹部434内および/または第1の主面403を覆って配置すべきではなく、高分子系部分241を第2の凹部444内に配置すべきではない場合、工程1613から、折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1617へと、矢印1612に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式基板407が所望の製品(例えば、第1の凹部または第2の凹部内に材料を含まない)である場合、工程1613から工程1619へと、矢印1614に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式装置が剥離ライナー271、表示装置307、および/または接着剤層261を含むべきではない場合、工程1615から工程1619へと、矢印1618に従うことができる。本開示の実施の形態にしたがって折り畳み式装置を製造するために、上述した選択肢のいずれを組み合わせてもよい。
【0306】
ここで、
図7に示された折り畳み式装置701に似た折り畳み式装置および/または折り畳み式基板707に似た折り畳み式基板を製造する例示の実施の形態を、
図35~39および47~49、並びに
図17の流れ図を参照して説明する。本開示の方法の第1の工程1701において、方法は、折り畳み式基板707を提供することで始めることができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板707は、基板を購入するか、他のやり方で得る、もしくは折り畳み式基板を成形することによって、提供されることがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板707は、ガラス系基板および/またはセラミック系基板から構成され得る。さらなる実施の形態において、ガラス系基板および/またはセラミック系基板は、様々なリボン成形過程、例えば、スロットドロー法、ダウンドロー法、フュージョンダウンドロー法、アップドロー法、圧搾ロール法、リドロー法またはフロート法によってそれらを成形することによって、提供することができる。さらなる実施の形態において、セラミック系基板は、ガラス系基板を加熱して、1種類以上のセラミック結晶を結晶化させることによって、提供することができる。折り畳み式基板707は、ある面に沿って延在し得る第2の主面405(
図35参照)および/またはある面に沿って延在し得る第1の主面403と反対にある第2の主面405を有することがある。さらなる実施の形態において、第1の凹部3534は、第1の主面403をエッチング、レーザアブレーション、または機械加工することによって、形成することができる。例えば、折り畳み式基板707を機械加工する工程は、上述した工程1603に似ているであろう。いくつかの実施の形態において、工程1701において、折り畳み式基板707に、例えば、工程1605に関して上述した性質の1つ以上を有する、1つ以上の初期圧縮応力領域を設けることができる。
【0307】
いくつかの実施の形態において、工程1701では、折り畳み式基板707に、
図35に示されるように、中央部分781において折り畳み式基板707の既存の第1の中央表面区域3609を露出する第1の凹部3534を折り畳み式基板707の第1の主面403に設けることができる。さらなる実施の形態において、既存の第1の中央表面区域3609の一部は、第一中心面3704aに沿って延在し得る。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、折り畳み式基板に、中央部分における折り畳み式基板の第2の中央表面区域を露出する第2の凹部を折り畳み式基板の第2の主面に設けることができる。
図35に示されたような、いくつかの実施の形態において、既存の第1の中央表面区域3609は、第1の移行部分3553(例えば、
図8における第1の移行部分853と似た)および/または第2の移行部分3555(例えば、
図8における第2の移行部分855と似た)を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の移行部分3553の厚さは、第一中心面3704aを構成する既存の第1の中央表面区域3609の一部から第1の部分421まで連続的に増加し得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の移行部分3555の厚さは、第一中心面3704aを構成する既存の第1の中央表面区域3609の一部から第2の部分431まで連続的に増加し得る。
【0308】
工程1701の後、
図35に示されるように、方法は、折り畳み式基板707を化学的に強化する工程を含む工程1703に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板707を化学的に強化する工程は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板707の少なくとも一部を、塩溶液2403を含む塩浴2401と接触させる工程を含み得、この塩溶液は、工程1713に関して塩溶液2403について上述した成分の1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液2403の温度および/または折り畳み式基板707が塩溶液2403と接触できる時間は、工程1509に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、工程1703において折り畳み式基板707を化学的に強化する工程は、第1の主面403を化学的に強化して、第1の部分421の第1の主面403から初期の第1の圧縮深さまで延在する初期の第1の圧縮応力領域を形成する工程、第1の主面403を化学的に強化して、第2の部分431の第1の主面403から初期の第3の圧縮深さまで延在する初期の第3の圧縮応力領域を形成する工程、第2の主面405を化学的に強化して、第1の部分421の第2の主面405から初期の第2の圧縮深さまで延在する初期の第2の圧縮応力領域を形成する工程、第2の主面405を化学的に強化して、第2の部分431の第2の主面405から初期の第4の圧縮深さまで延在する初期の第4の圧縮応力領域を形成する工程、既存の第1の中央表面区域3609を化学的に強化して、既存の第1の中央表面区域3609から初期の第1の中央圧縮深さまで延在する初期の第1の中央圧縮応力領域を形成する工程、および第2の主面405を化学的に強化して、中央部分781における第2の主面405から初期の第2の中央圧縮深さまで延在する初期の第2の中央圧縮応力領域を形成する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約16%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約5%から約25%、約8%から約25%、約8%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約16%、約14%から約16%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板707の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約50%以上、約60%以上、約65%以上、約68%以上、約80%以下、約75%以下、約72%以下、または約70%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板707の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約50%から約80%、約60%から約80%、約60%から約75%、約65%から約75%、約65%から約72%、約68%から約72%、約68%から約70%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約16%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ411の百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約5%から約25%、約8%から約25%、約8%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約16%、約14%から約16%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板707の対応する層の深さの百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約50%以上、約60%以上、約65%以上、約68%以上、約80%以下、約75%以下、約72%以下、または約70%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板707の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約50%から約80%、約60%から約80%、約60%から約75%、約65%から約75%、約65%から約72%、約68%から約72%、約68%から約70%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0309】
工程1701または1703の後、
図36に示されるように、方法は、折り畳み式基板707の1つ以上の部分を覆ってマスクを配置する工程を含む工程1707に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1707は、折り畳み式基板707の1つ以上の部分を覆って第1の液体2107を配置する工程を含み得る。図示され、工程1503に関して先に記載されたような、さらなる実施の形態において、折り畳み式基板707の1つ以上の部分を覆って第1の液体2107を配置するために、容器2101が使用されることがある。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の液体2107は、第1の液体堆積物3603として第1の部分421の第1の主面403および既存の第1の中央表面区域3609の第1の移行部分3553を覆って、また第2の液体堆積物3605として第2の部分431の第1の主面403および既存の第1の中央表面区域3609の第2の移行部分3555を覆って配置することができる。図示されていないが、第1の部分の第2の主面および/または第2の部分の第2の主面を覆って、同様の液体堆積物を形成できることを理解すべきである。さらなる実施の形態において、液体堆積物(例えば、
図36に示された第1の液体堆積物3603および第2の液体堆積物3605)を硬化させて、マスク(例えば、
図37に示された第1のマスク3705および第3のマスク3709)を形成することができる。第1の液体を硬化させる工程は、第1の液体2107を加熱する工程、第1の液体2107に紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間に亘り待機する工程を含み得る。さらなる実施の形態において、上述したような、別の方法を使用して、マスク(例えば、マスク3705、3707、3709、および3711)を形成してもよい。
図37に示されるように、第1のマスク3705を、第1の部分421の第1の主面403および既存の第1の中央表面区域3609の第1の移行部分3553を覆って配置することができる、第3のマスク3709を、第2の部分431の第1の主面403および既存の第1の中央表面区域3609の第2の移行部分3555を覆って配置することができる、第2のマスク3707を、第1の部分421の第2の主面を覆って配置することができる、および/または第4のマスク3711を、第2の部分431の第2の主面405を覆って配置することができる。
【0310】
工程1707の後、
図37に示されるように、方法は、折り畳み式基板707をエッチングする工程を含む工程1709に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、エッチングは、折り畳み式基板707をエッチング液2203(例えば、1種類以上の鉱酸)に曝露する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチング液2203は、エッチング液浴2201内に収容されたエッチング液であり得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングは、中央部分781の一部(例えば、既存の第1の中央表面区域3609のマスキングされていない部分)をエッチングして、第1の中央表面区域709を形成する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより形成された第1の中央表面区域709は、移行深さ727だけ第一中心面3704aから窪み得る。さらなる実施の形態において、エッチングにより形成された第1の中央表面区域709は、移行深さ727を有する対応する移行部分の厚さに急激な変化を有する第1の移行部分753および/または第2の移行部分755を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより、第2の主面405と第2の中央表面区域719との間に第2の凹部444を形成することができる。
【0311】
工程1709の後、
図38に示されるように、方法は、マスクを除去する工程を含む工程1711に進むことができる。
図38に示されたようないくつかの実施の形態において、マスク(例えば、マスク3705、3707、3709、および3711)を除去する工程は、表面(例えば、第3の表面区域433)に亘り方向3802に研削工具3801を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具の使用は、掃引、削取り、研削、プッシングなどを含むことがある。さらなる実施の形態において、マスク(例えば、マスク3705、3707、3709、および3711)は、表面(例えば、第1の表面区域423、第2の表面区域425、第3の表面区域433、第4の表面区域435)を溶剤で洗浄することによって、除去することができる。いくつかの実施の形態において、マスクを除去する工程は、それぞれ、第1の表面区域423、第2の表面区域425、第3の表面区域433、および第4の表面区域435からマスク3705、3707、3709、および3711を除去する工程を含み得る。
【0312】
工程1703の後、方法は、折り畳み式基板707を機械加工する工程を含む工程に進むことができる。工程1707の効果と同様に、工程1705は、第一中心面3704aを構成する既存の第1の中央表面区域3609および/または第2の主面405の中央部分781から材料を除去することができる。折り畳み式基板707を機械加工する工程は、工程1517を参照して上述した技術のいずれを含んでも差し支えない。
【0313】
工程1711または1705の後、
図39に示されるように、方法は、折り畳み式基板707を化学的に強化する工程を含む工程1713に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板707を化学的に強化する工程は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板707の少なくとも一部を、塩溶液2403を含む塩浴2401と接触させる工程を含み得、この塩溶液は、工程1509に関して塩溶液2403について上述した成分の1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液2403の温度および/または折り畳み式基板707が塩溶液2403と接触できる時間は、工程1509に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、工程1713において折り畳み式基板707を化学的に強化する工程は、第1の表面区域423を化学的に強化して、第1の表面区域423から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を形成する工程、第2の表面区域425を化学的に強化して、第2の表面区域425から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を形成する工程、第3の表面区域433を化学的に強化して、第3の表面区域433から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を形成する工程、第4の表面区域435を化学的に強化して、第4の表面区域435から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を形成する工程、第1の中央表面区域709を化学的に強化して、第1の中央表面区域709から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を形成する工程、および第2の中央表面区域719を化学的に強化して、第2の中央表面区域719から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を形成する工程を含み得る。工程1713の後、折り畳み式基板は、対応する圧縮応力領域に関して先に述べた1つ以上の範囲内に入る圧縮深さおよび/または関連する層の深さを有する1つ以上の圧縮応力領域(例えば、第1の、第2の、第3の、第4の、第1の中央の、および/または第2の中央の圧縮応力領域)を有し得る。さらなる実施の形態において、基板厚さで除算された、第1の層の深さ、第2の層の深さ、第3の層の深さ、または第4の層の深さの内の1つの層の深さと、中央厚さで除算された、第1の中央の層の深さまたは第2の中央の層の深さとの間の絶対差は、先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、基板厚さで除算された、第1の圧縮深さ、第2の圧縮深さ、第3の圧縮深さ、または第4の圧縮深さの内の1つと、中央厚さで除算された、第1の中央圧縮深さまたは第2の中央圧縮深さとの間の絶対差は、先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内であり得る。さらなる実施の形態において、カリウムの第1の平均濃度またはカリウムの第2の平均濃度と、カリウムの中央平均濃度との間の絶対差は、先に述べられた範囲の内の1つ以上の範囲内であり得る。
【0314】
工程1713の後、第1の移行部分および/または第2の移行部分は、移行最大引張応力を有する移行引張応力領域を含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の部分は、第1の最大引張応力を有する第1の引張応力領域を含み得、第2の部分は、第2の最大引張応力を有する第2の引張応力領域を含み得、中央部分は、中央最大引張応力を有する中央引張応力領域を含み得る。さらなる実施の形態において、移行最大引張応力は、中央最大引張応力より大きいことがあり得る。さらなる実施の形態において、移行最大引張応力は、第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力より大きいことがあり得る。例えば、工程1705および1707において第1の移行部分および/または第2の移行部分をマスキングすると、対応する初期の圧縮応力領域の除去を防ぐことができ、これにより、工程1713の後に、第1の移行部分および/または第2の移行部分が、中央部分より大きい最大引張応力を有することができる。同様に、第1の部分および/または第2の部分に対する第1の移行部分および/または第2の移行部分の減少した厚さと組み合わされた、工程1705および1707を通じて維持された第1の移行部分および/または第2の移行部分の初期の圧縮応力領域により、移行最大引張応力を、第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力より大きくすることができる。移行最大引張応力を中央最大引張応力より大きくすることによって、折り畳み中の、第1の部分または第2の部分と、第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。移行最大引張応力を、第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力より大きくすることによって、折り畳み中の、中央部分と、第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。
【0315】
工程1713の後、本開示の方法は、第1の主面403を覆って、および/または第1の凹部内にコーティング251を配置する工程を含む工程1715に進むことができる。折り畳み式基板407について
図47に示されたような、いくつかの実施の形態において、第1の主面203を覆って第2の液体4703を配置することができる。さらなる実施の形態において、第1の部分421の第1の表面区域423および第2の部分431の第3の表面区域433を覆って第2の液体4703を配置することができる。さらなる実施の形態において、第2の液体4703は、第1の中央表面区域409を覆って配置することができる、および/または第1の凹部434を満たすことができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の液体4703を配置するために、容器4701(例えば、導管、可撓管、マイクロピペット、または注射器)を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、第2の液体4703は、コーティング前駆体、溶媒、粒子、ナノ粒子、および/または繊維を含むことがある。いくつかの実施の形態において、コーティング前駆体は、制限なく、単量体、促進剤、硬化剤、エポキシ、および/またはアクリレートの1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、接着促進剤の溶媒は、極性溶媒(例えば、水、アルコール、酢酸エステル、アセトン、ギ酸、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキソン、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、ポリ(エーテルエーテルケトン))、および/または非極性溶媒(例えば、ペンタン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン)を含むことがある。第2の液体4703は、
図48~49に示されるように、硬化させて、コーティング251を形成することができる。第2の液体4703を硬化させる工程は、第2の液体4703を加熱する工程、第2の液体4703に紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間(例えば、約30分から24時間、約1時間から約8時間)待機する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、別の方法(例えば、化学的気相成長法(CVD)(例えば、低圧CVD、プラズマ支援CVD)、物理的気相成長法(PVD)(例えば、蒸発、分子線エピタキシー、イオンメッキ)、原子層堆積(ALD)、スパッタリング、噴霧熱分解、化学浴析出法、ゾルゲル堆積)を使用して、コーティング251を形成してもよい。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、コーティング251は、第1の主面403(例えば、第1の表面区域423、第3の表面区域433)と接触せずに、第1の凹部434内に配置する(例えば、第1の凹部434を満たす)ことができる。
【0316】
工程1713または1715の後、本開示の方法は、第2の凹部444内に材料を配置する工程を含む工程1717に進むことができる。折り畳み式基板407について
図48に示されたような、いくつかの実施の形態において、第2の凹部444内に第3の液体4803を配置することができる。いくつかの実施の形態において、第3の液体4803は、前駆体、溶媒、粒子、ナノ粒子、および/または繊維を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第3の液体4803は、容器4801から第2の凹部444に配置することができるが、第1の凹部および/または第2の液体に関して先に述べたように、第2の凹部内に第3の液体または他の材料を堆積させるために、他の方法を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、第3の液体4803を硬化させて(例えば、第3の液体を加熱する、第3の液体を照射する、特定の時間に亘り待機する)、
図49に示されたように第2の凹部444内に高分子系部分241を形成することができる。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、第3の液体を硬化させて、第2の凹部444内に配置された、例えば、接着剤層261と似た、接着剤層を形成することができる。
【0317】
工程1715または1717の後、本開示の方法は、折り畳み式基板707を使用して折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1719に進むことができる。折り畳み式基板407について
図49に示されたように、工程1719は、第2の主面405の第2の表面区域425および第2の主面405の第4の表面区域435と接触するように接着剤層261を施す工程を含み得る。例えば、いくつかの実施の形態において、接着剤層261は、接着剤の1つ以上のシートを含み得る。いくつかの実施の形態において、接着剤層261および/または第2の凹部内に配置される材料(例えば、高分子系部分241)を含む1つ以上のシート間に一体界面があり得、これにより、シート間で光が進むときの光回折および/または光学的不連続性を低下させる(例えば、避ける)ことができる。何故ならば、その1つ以上のシートは、いくつかの実施の形態において、実質的に同じ屈折率を有し得るからである。いくつかの実施の形態において、図示されていないが、接着剤層の少なくとも一部を第2の凹部内に配置することができる。いくつかの実施の形態において、剥離ライナー(例えば、
図2および4における剥離ライナー271を参照のこと)または表示装置(例えば、
図3および5における表示装置307を参照のこと)が接着剤層261(例えば、第1の接触面263)上に配置されることがある。工程1719の後、折り畳み式装置を製造する
図17の流れ図にしたがう本開示の方法は、工程1721で完了することができる。
【0318】
いくつかの実施の形態において、本開示の実施の形態による折り畳み式装置を製造する方法は、上述したように、連続して、
図17の流れ図の工程1701、1703、1707、1709、1711、1713、1715、1717、1719、および1721に沿って進むことができる。
図17に示されるような、いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式基板707が、工程1701の後、1つ以上の圧縮応力領域を含む場合、工程1701から、工程1703を省いて、矢印1702に従うことができる。さらなる実施の形態において、工程1707、1709、および1711によって折り畳み式基板を化学的に強化する代わりに、工程1703から、折り畳み式基板707を機械加工する工程を含む工程1705へと、矢印1708に従うことができる。いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式基板707が、工程1701の後に1つ以上の圧縮応力領域を含む場合、工程1701から工程1707へと、矢印1704に従うことができる。いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式基板707が所望の凹部を既に含む場合、工程1701から、折り畳み式基板を化学的に強化することを含む工程1713へと、矢印1706に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、工程1713から、第2の凹部444中に材料を配置する工程を含む工程1717へと、矢印1714に従うことができる。さらなる実施の形態において、方法は、工程1717から、第1の主面を覆って、および/または第1の凹部434内にコーティング251を配置する工程を含む工程1715へと、矢印1716に従うことができる。またさらなる実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式装置がコーティング251および高分子系部分241を既に含む、または1つ以上の凹部内に別の材料を配置すべき場合、工程1715から、折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1719へと、矢印1718に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式装置が工程1715の終わりに完全に組み立てられている場合、または第1の凹部内および/または第1の主面を覆って、および/または第2の主面を覆って、別の材料を配置すべき場合、工程1715から工程1721へと、矢印1720に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式装置が工程1717の終わりに完全に組み立てられている場合、または第2の凹部内および/または第2の主面を覆って、別の材料を配置すべき場合、工程1717から工程1721へと、矢印1722に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式基板707が所望の製品(例えば、第1の凹部または第2の凹部内に材料を含まない)である場合、工程1713から工程1721へと、矢印1712に従うことができる。本開示の実施の形態にしたがって折り畳み式装置を製造するために、上述した選択肢のいずれを組み合わせてもよい。
【0319】
ここで、
図8に示された折り畳み式装置801に似た折り畳み式装置を製造する例示の実施の形態を、
図40~49、並びに
図18の流れ図を参照して説明する。本開示の方法の第1の工程1801において、方法は、折り畳み式基板4007を提供することで始めることができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板4007は、基板を購入するか、他のやり方で得る、もしくは折り畳み式基板を成形することによって、提供されることがある。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板4007は、ガラス系基板および/またはセラミック系基板から構成され得る。さらなる実施の形態において、ガラス系基板および/またはセラミック系基板は、様々なリボン成形過程、例えば、スロットドロー法、ダウンドロー法、フュージョンダウンドロー法、アップドロー法、圧搾ロール法、リドロー法またはフロート法によってそれらを成形することによって、提供することができる。さらなる実施の形態において、セラミック系基板は、ガラス系基板を加熱して、1種類以上のセラミック結晶を結晶化させることによって、提供することができる。折り畳み式基板4007は、ある面に沿って延在し得る既存の第2の主面4005(
図40参照)を有することがある。既存の第2の主面4005は、第1の主面4003の反対にあり得る。
【0320】
いくつかの実施の形態において、工程1801では、折り畳み式基板4007に、中央部分4081において折り畳み式基板4007の既存の第1の中央表面区域4009を露出する第1の凹部834を、折り畳み式基板4007の第1の主面4003に設けることができる。さらなる実施の形態において、図示されていないが、既存の第1の中央表面区域4009は移行領域(例えば、移行領域853および/または855に似た)を含み得る。さらなる実施の形態において、第1の凹部834は、第1の主面4003をエッチング、レーザアブレーションまたは機械加工することによって、形成されることがある。例えば、折り畳み式基板4007を機械加工する工程は、上述した工程1603に似ているであろう。いくつかの実施の形態において、工程1801では、折り畳み式基板4007に、例えば、工程1605に関して上述した性質の1つ以上を有する、1つ以上の圧縮応力領域を設けることができる。
【0321】
工程1801の後、いくつかの実施の形態において、方法は、既存の第2の主面4005を機械加工する工程を含む工程1803に進むことができる(
図41参照)。いくつかの実施の形態において、工程1803は、既存の第2の主面4005の第1の部分821を除去して、第1の部分821の第2の表面区域825を露出させる工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、工程1803は、既存の第2の主面4005の第2の部分831を除去して、第2の部分831の第4の表面区域835を露出させる工程を含み得る。
図41に示されるように、第2の表面区域825および/または第4の表面区域は、第2の主面805を構成し得る。
図41に示されるように、面4104に沿って延在する既存の第2の主面4005は、第2の表面区域825および/または第4の表面区域835を露出するように改質することができる。例えば、折り畳み式基板404に関して
図26に示されるように、ダイヤモンド彫刻を使用することができ、ここで、ダイヤモンドチッププローブ2001は、コンピュータ数値制御(CNC)装置2003を使用して制御することができる。CNC装置による彫刻に、ダイヤモンド以外の材料を使用しても差し支えない。凹部を形成する他の方法、例えば、リソグラフィーおよびレーザアブレーションを使用して差し支えないことを理解すべきである。
【0322】
工程1801の後、
図40に示されるように、方法は、折り畳み式基板4007の1つ以上の部分を覆ってマスクを配置する工程を含む工程1805に進むことができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、工程1805は、中央部分4081において既存の第2の主面4005上に第1の液体堆積物4011を配置する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の液体堆積物4011を配置するために、容器3201を使用することができる。さらなる実施の形態において、第1の液体堆積物4011は、上述した第1の液体2107を含み得る。さらなる実施の形態において、液体堆積物(例えば、
図40に示された第1の液体堆積物4011)を硬化させて、マスク(例えば、
図41に示された第1のマスク4103)を形成することができる。第1の液体堆積物を硬化させる工程は、それを加熱する工程、それに紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間に亘り待機する工程を含み得る。さらなる実施の形態において、マスクを形成するために、上述したような、別の方法を使用してもよい。
【0323】
工程1805の後、方法は、折り畳み式基板4007の少なくとも既存の第2の主面4005をエッチングする工程を含む工程1807に進むことができる。さらなる実施の形態において、エッチングは、折り畳み式基板4007をエッチング液(例えば、1種類以上の鉱酸)に曝露する工程を含み得る。
図41に示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングは、面4104に沿って延在する既存の第2の主面4005の第1の部分821をエッチングして、第1の部分821の第2の表面区域825を露出する工程を含み得る。
図41に示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングは、面4104に沿って延在する既存の第2の主面4005の第2の部分831をエッチングして、第2の部分831の第4の表面区域835を露出する工程を含み得る。
図41に示されたような、さらなる実施の形態において、エッチングにより露出された第2の表面区域825および/または第4の表面区域835は、第2の主面850を構成し得る。
【0324】
工程1807の後、
図41に示されるように、方法は、マスク4103を除去する工程を含む工程1809に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、マスク4103を除去する工程は、表面(例えば、中央部分4081における既存の第2の主面4005)に亘り方向4102に研削工具4101を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具の使用は、掃引、削取り、研削、プッシングなどを含むことがある。さらなる実施の形態において、マスク4103は、表面(例えば、中央部分4081ににおける既存の第2の主面4005)を溶剤で洗浄することによって、除去することができる。いくつかの実施の形態において、マスクを除去する工程は、中央部分4081において既存の第2の主面4005からマスク4103を除去する工程を含み得る。
【0325】
工程1803または1809の後、
図42に示されるように、方法は、折り畳み式基板4007を化学的に強化する工程を含む工程1811に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板4007を化学的に強化する工程は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板4007の少なくとも一部を、塩溶液4203を含む塩浴4201と接触させる工程を含み得、この塩溶液は、工程1509に関して塩溶液2403について上述した成分の1つ以上を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液4203の温度および/または折り畳み式基板4007が塩溶液4203と接触できる時間は、工程1509に関して先に述べた範囲の1つ以上に入り得る。いくつかの実施の形態において、工程1811において折り畳み式基板4007を化学的に強化する工程は、既存の第1の中央表面区域4009を化学的に強化して、既存の第1の中央表面区域4009から初期の第1の中央圧縮深さまで延在する初期の第1の中央圧縮応力領域を形成する工程、第1の表面区域823を化学的に強化して、第1の表面区域823から初期の第1の圧縮深さまで延在する初期の第1の圧縮応力領域を形成する工程、第3の表面区域833を化学的に強化して、第3の表面区域833から初期の第3の圧縮深さまで延在する初期の第3の圧縮応力領域を形成する工程、第2の表面区域825を化学的に強化して、第2の表面区域825から初期の第2の圧縮深さまで延在する初期の第2の圧縮応力領域を形成する工程、第4の表面区域835を化学的に強化して、第4の表面区域835から初期の第4の圧縮深さまで延在する初期の第4の圧縮応力領域を形成する工程、および既存の第2の主面4005を化学的に強化して、既存の第2の主面4005から初期の第2の中央圧縮深さまで延在する初期の第2の中央圧縮応力領域を形成する工程を含み得る。
【0326】
工程1811の後、折り畳み式基板4007は、初期圧縮深さおよび/または関連する初期層の深さを有する1つ以上の初期圧縮応力領域(例えば、第1の、第2の、第3の、第4の、第1の中央の、および/または第2の中央圧縮応力領域)を含み得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811の百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約16%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811の百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約5%から約25%、約8%から約25%、約8%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約16%、約14%から約16%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板4007の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約50%以上、約60%以上、約65%以上、約68%以上、約80%以下、約75%以下、約72%以下、または約70%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板4007の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の圧縮深さ、初期の第2の圧縮深さ、初期の第3の圧縮深さ、および/または初期の第4の圧縮深さは、約50%から約80%、約60%から約80%、約60%から約75%、約65%から約75%、約65%から約72%、約68%から約72%、約68%から約70%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811の百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約5%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約25%以下、約20%以下、約18%以下、または約16%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、基板厚さ811の百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約5%から約25%、約8%から約25%、約8%から約20%、約10%から約20%、約10%から約18%、約12%から約18%、約12%から約16%、約14%から約16%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板4007の対応する層の深さの百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約50%以上、約60%以上、約65%以上、約68%以上、約80%以下、約75%以下、約72%以下、または約70%以下であり得る。いくつかの実施の形態において、完成した折り畳み式基板4007の対応する圧縮深さの百分率としての初期の第1の層の深さ、初期の第2の層の深さ、初期の第3の層の深さ、および/または初期の第4の層の深さは、約50%から約80%、約60%から約80%、約60%から約75%、約65%から約75%、約65%から約72%、約68%から約72%、約68%から約70%の範囲内、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲にあり得る。
【0327】
図42に示されたような、いくつかの実施の形態において、工程1811の後(例えば、工程1815において折り畳み式基板4007をエッチングする前)、既存の第2の主面4005を構成する既存の第2の中央表面区域は、第2の主面805から突出し得る。先に述べたように、第2の表面区域825および第4の表面区域835は、第2の主面805を構成することができる。さらなる実施の形態において、既存の第2の主面4005を構成する既存の第2の中央表面区域が第2の主面805から突出する距離は、工程1811において作られた初期の第2の中央圧縮深さと実質的に等しいか、またはそれより大きいことがあり得る。
【0328】
工程1811の後、
図43~44に示されるように、方法は、折り畳み式基板4007を覆ってマスクを配置する工程を含む工程1813に進むことができる。
図43に示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1813は、第2の表面区域825を覆って第1の液体堆積物4303を配置する工程、および第4の表面区域835を覆って第2の液体堆積物4305を配置する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第1の液体堆積物4303および第2の液体堆積物4305を構成する液体を配置するために、容器3201(例えば、導管、可撓管、マイクロピペット、または注射器)を使用することができる。さらなる実施の形態において、図示されていないが、第1の表面区域823を覆って、第3の液体堆積物を配置することができる、および/または第3の表面区域833を覆って、第4の液体堆積物を配置することができる。さらなる実施の形態において、液体堆積物(例えば、第1の液体堆積物4303および第2の液体堆積物4305)を硬化させて、マスク(例えば、
図44に示された第2のマスク4405および/または第4のマスク4409)を形成することができる。液体堆積物を硬化させる工程は、それを加熱する工程、それに紫外(UV)線を照射する工程、および/または所定の時間に亘り待機する工程を含み得る。さらなる実施の形態において、上述したような、別の方法を使用して、マスクを形成してもよい。
図44に示されるように、工程1813によって、第1のマスク4407を、第1の表面区域823を覆って配置することができる、第2のマスク4405を、第2の表面区域825を覆って配置することができる、第3のマスク4411を、第3の表面区域833を覆って配置することができる、および/または第4のマスク4409を、第4の表面区域835を覆って配置することができる。
【0329】
工程1813の後、
図44に示されるように、方法は、折り畳み式基板4007をエッチングする工程を含む工程1815に進むことができる。図示されたような、さらなる実施の形態において、エッチング液4403は、エッチング液浴4401内に収容されたエッチング液であり得る。またさらなる実施の形態において、エッチング液4403は、1種類以上の鉱酸(例えば、HCl、HF、H
2SO
4、HNO
3)を含み得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、エッチングは、面4104に沿って延在する既存の第2の主面4005の中央部分4081をエッチングして、第2の中央表面区域819を形成する工程を含み得る。図示されたような、さらなる実施の形態において、第2の中央表面区域819は、第2の表面区域825および/または第4の表面区域835と同一平面上にあり得る。図示されたような、いくつかの実施の形態において、エッチングは、既存の第1の中央表面区域4009(
図42参照)を構成する中央部分4081(例えば、別の面4406に沿って延在する)をエッチングして、第2の中央表面区域4509を露出させる工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、第1の中央表面区域を露出するために除去された材料の深さは、初期の第1の中央圧縮深さと実質的に等しい、それより小さい、またはそれより大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、第2の中央表面区域を露出するために除去された材料の深さは、初期の第2の中央圧縮深さと実質的に等しい、それより小さい、またはそれより大きいことがあり得る。
【0330】
工程1815の後、
図45に示されるように、本開示の方法は、マスクを除去する工程を含む工程1817に進むことができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、マスク(例えば、第4のマスク4409)を除去する工程は、表面(例えば、第4の表面区域835)に亘り方向4502に研削工具4501を動かす工程を含み得る。またさらなる実施の形態において、工具の使用は、掃引、削取り、研削、プッシング(pushing)などを含むことがある。さらなる実施の形態において、マスクは、折り畳み式基板の表面を溶剤で洗浄することによって、除去することができる。図示されたような、いくつかの実施の形態において、マスクを除去する工程は、(例えば、研削工具4501で)第1の表面区域823から第1のマスク4407を除去する工程、第2の表面区域825から第2のマスク4405を除去する工程、第3の表面区域833から第3のマスク4411を除去する工程、および/または第4の表面区域から第4のマスク4409を除去する工程を含み得る。
【0331】
工程1817の後、本開示の方法は、折り畳み式基板4007をさらに化学的に強化する工程を含む工程1819に進むことができる。
図46に示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1819において折り畳み式基板4007をさらに化学的に強化する工程は、上述した工程1605、1615、または1811における化学的に強化する工程と似ている、または同一であり得る。
図46に示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1819は、リチウム陽イオンおよび/またはナトリウム陽イオンを含む折り畳み式基板4007の少なくとも一部を、工程1811、1615、または1509に関して上述したアルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ金属含有化合物の1つ以上を含む塩溶液4603を収容する塩浴4601と接触させる工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、塩溶液4603は、工程1811、1615、または1509に関して上述した範囲の1つ以上に入る温度を有し得る。工程1819の後、折り畳み式基板4007は、対応する圧縮応力領域に関して先に述べた1つ以上の範囲内に入る圧縮深さおよび/または関連する層の深さを有する1つ以上の圧縮応力領域(例えば、第1の、第2の、第3の、第4の、第1の中央の、および/または第2の中央の圧縮応力領域)を有し得、これらは、上述した関係(例えば、基板厚さの百分率としての第1の表面区域、第2の表面区域、第3の表面区域、および/または第4の表面区域からの圧縮深さおよび/または層の深さと、中央厚さの百分率としての第1の中央表面区域および/または第2の中央表面区域からの対応する深さとの間の絶対差)のいずれかおよび/または全てをさらに含み得る。
【0332】
工程1819の後、本開示の方法は、第1の主面803を覆って、および/または第1の凹部834内に材料(例えば、コーティング251、高分子系部分241、接着剤層261)を配置する工程を含む工程1821に進むことができる。いくつかの実施の形態において、コーティングを配置する工程は、上述した工程1713または1715と同一または実質的に類似であり得る。
【0333】
工程1817または1819の後、本開示の方法は、折り畳み式基板4007を使用して折り畳み式装置を組み立てる工程を含む工程1821に進むことができる。工程1821は、折り畳み式基板の第1の主面または第2の主面と接触するように接着剤層を施す工程を含み得る。さらに、工程1821は、接着剤層上に剥離ライナー(例えば、
図2および4における剥離ライナー271を参照のこと)または表示装置(例えば、
図3および5における表示装置307を参照のこと)を配置する工程を含み得る。工程1821の後、折り畳み式装置を製造する
図18の流れ図にしたがう本開示の方法は、工程1823で完了することができる。
【0334】
いくつかの実施の形態において、本開示の実施の形態による折り畳み式装置を製造する方法は、上述したように、連続して、
図18の流れ図の工程1801、1805、1807、1809、1811、1813、1815、1817、1819、1821、1823、および1825に沿って進むことができる。
図18に示されるような、いくつかの実施の形態において、工程1801から、折り畳み式基板を機械加工して、第1の主面の中央部分から材料を除去する工程を含む工程1803へと、矢印1802に従うことができる。いくつかの実施の形態において、例えば、折り畳み式基板が、工程1801の終わりに第1の凹部を既に含む場合、工程1801から工程1811へと、矢印1804に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式装置が工程1821の終わりに完全に組み立てられている場合、または別の材料を第1の凹部内および/または第2の主面を覆って配置すべき場合、工程1821から工程1825へと、矢印1812に従うことができる。いくつかの実施の形態において、方法は、例えば、折り畳み式基板4007が所望の製品(例えば、第1の凹部または第2の凹部内に材料を含まない)である場合、工程1819から工程1825へと、矢印1808に従うことができる。本開示の実施の形態にしたがって折り畳み式装置を製造するために、上記選択肢のいずれを組み合わせてもよい。
【実施例】
【0335】
以下の実施例によって、様々な実施の形態がさらに明白になるであろう。実施例A~Cは、
図4~5および7~8に示された折り畳み式基板407または801を備えた折り畳み式装置401、501、701、または801を形成するための本開示の実施の形態の例示の方法を実証する。実施例D~Eの第1の凹部内の材料の歪み、実施例D~Eの第1の中央表面区域での歪み、および実施例D~Eを折り畳む力が、
図55~57に示されている。数値シミュレーションに基づく面外反りが、実施例F~Gについて、
図58~59に示されている。
【0336】
表1において、第1の部分と第2の部分の厚さ、中央部分の厚さ、第1の部分と第2の部分の平均の層の深さ(DOL)、および中央部分の平均の層の深さ(DOL)が、説明された方法の異なる段階での実施例A~Cについて提示されている。
【0337】
【0338】
実施例Aは、100μmの基板厚さ(例えば、第1の厚さ、第2の厚さ)および58μmの中央厚さを有するガラス系基板を最初に備えていた。最初の化学強化過程において、全ての表面から、14μmの実質的に均一な層の深さ(DOL)が生じた。次に、中央部分をエッチングすることによって、既存の第1の中央表面区域から14μmが除去され、既存の第2の中央表面区域から14μmが除去された。これにより、それらの表面から実質的に全てのDOLが除去されて、中央厚さが30μmとなり、一方で、第1の部分と第2の部分はそのまま残された。第2の化学強化過程において、第1の中央表面区域および第2の中央表面区域について、6μmのDOLが生じるほど十分に、全ての表面が強化され、この過程により、第1の部分と第2の部分において表面のDOLが6μmだけ増加した。全体として、この過程により、20μmのDOL(100μmの基板厚さの20%)を有する第1の部分と第2の部分、および6μmのDOL(30μmの中央部分の20%)を有する中央部分が生じた。
【0339】
実施例Bは、150μmの基板厚さ(例えば、第1の厚さ、第2の厚さ)および78μmの中央厚さを有するガラス系基板を最初に備えていた。最初の化学強化過程において、全ての表面から、24μmの実質的に均一な層の深さ(DOL)が生じた。次に、中央部分をエッチングすることによって、既存の第1の中央表面区域から24μmが除去され、既存の第2の中央表面区域から24μmが除去された。これにより、それらの表面から実質的に全てのDOLが除去されて、中央厚さが30μmとなり、一方で、第1の部分と第2の部分はそのまま残された。第2の化学強化過程において、第1の中央表面区域および第2の中央表面区域について、6μmのDOLを生じるほど十分に、全ての表面が強化され、この過程により、第1の部分と第2の部分において表面のDOLが6μmだけ増加した。全体として、この過程により、30μmのDOL(150μmの基板厚さの20%)を有する第1の部分と第2の部分、および6μmのDOL(30μmの中央部分の20%)を有する中央部分が生じた。
【0340】
実施例Cは、200μmの基板厚さ(例えば、第1の厚さ、第2の厚さ)および98μmの中央厚さを有するガラス系基板を最初に備えていた。最初の化学強化過程において、全ての表面から、34μmの実質的に均一な層の深さ(DOL)が生じた。次に、中央部分をエッチングすることによって、既存の第1の中央表面区域から34μmが除去され、既存の第2の中央表面区域から34μmが除去された。これにより、それらの表面から実質的に全てのDOLが除去されて、中央厚さが30μmとなり、一方で、第1の部分と第2の部分はそのまま残された。第2の化学強化過程において、第1の中央表面区域および第2の中央表面区域について、6μmのDOLを生じるほど十分に、全ての表面が強化され、この過程により、第1の部分と第2の部分において表面のDOLが6μmだけ増加した。全体として、この過程により、40μmのDOL(200μmの基板厚さの20%)を有する第1の部分と第2の部分、および6μmのDOL(30μmの中央部分の20%)を有する中央部分が生じた。
【0341】
実施例A~Cは、異なる基板厚さに関する、中央厚さの百分率としての中央部分の平均の層の深さ(例えば、第1の中央の層の深さ、第2の中央の層の深さ)と実質的に等しいことがあり得る、基板厚さの百分率としての第1の部分(例えば、第1の層の深さ、第2の層の深さ)および/または第2の部分(例えば、第3の層の深さ、第4の層の深さ)の平均の層の深さを達成するための方法を実証している。実施例A~Cにおいて、第1の化学強化過程により、基板厚さの14%のDOL(最終DOLの70%)が達成され、次いで、中央部分の各表面からDOLがエッチングされ、最後に、さらなる化学強化過程を使用して、最終DOLを達成した。対応する厚さの百分率としての異なる基板厚さ、異なる中央厚さ、および異なるDOLの折り畳み式基板を製造するために、類似の方法を使用できることを理解すべきである。
【0342】
実施例D~Eは、ガラス系基板(63.6モル%のSiO2、15.7モル%のAl2O3、10.8モル%のNa2O、6.2モル%のLi2O、1.16モル%のZnO、0.04モル%のSnO2、および2.5モル%のP2O5の公称組成を有する組成物1)、150μmの基板厚さ、30μmの中央厚さ、および移行部分がない20mmの中央部分の幅を有する。実施例Dは、120μmだけ第1の主面から窪んだ第1の中央表面区域を有する第1の凹部を含むが、第1の凹部の反対側に第2の凹部はない。実施例Eは、60μmだけ第1の主面から窪んだ第1の中央表面区域を有する第1の凹部および第1の凹部と反対側にある第2の凹部を含み、第2の中央表面区域は60μmだけ第2の主面から窪んでいる。
【0343】
図55において、横軸5501(例えば、X軸)は平行板距離(mm)であり、縦軸5503(例えば、Y軸)は第1の凹部内に位置する材料(例えば、高分子系部分、接着剤、コーティング)に対する歪みである。実施例Dの結果が曲線5505で示され、実施例Eの結果が曲線5507で示されている。図から分かるように、ただ1つの第1の凹部を含む実施例Dは、図示された全ての平行板距離について、第1の凹部と第2の凹部の両方を含む実施例Eの対応する材料よりも大きい歪みを第1の凹部内に位置付けられた材料に対して有する。実際に、実施例Eの歪みは、実施例Dの歪みの約半分である。
【0344】
図56において、横軸5601(例えば、X軸)は平行板距離(mm)であり、縦軸5603(例えば、Y軸)は第1の中央表面区域に対する歪みである。実施例Dの結果が曲線5605で示され、実施例Eの結果が曲線5607で示されている。図から分かるように、ただ1つの第1の凹部を含む実施例Dは、図示された全ての平行板距離について、第1の凹部と第2の凹部の両方を含む実施例Eの対応する第1の中央表面区域よりも大きい歪みを第1の中央表面区域に対して有する。実際に、少なくとも12mmより大きい平行板距離について、実施例Eの歪みは、実施例Dの歪みの約半分である。
【0345】
図57において、横軸5701(例えば、X軸)は平行板距離(mm)であり、縦軸5703(例えば、Y軸)は、折り畳み式基板を所定の平行板距離に折り畳むための力(ニュートン(N))である。実施例Dの結果が曲線5705で示され、実施例Eの結果が曲線5707で示されている。図から分かるように、実施例Dを約10mm以下の平行板距離に折り畳む力は、実施例Eを同じ平行板距離に折り畳む対応する力よりも大きい。
【0346】
図55~57は、1つだけの凹部ではなく、互いに反対にある2つの凹部を使用することにより、凹部内に位置付けられた材料に対する歪みを約半分に減少させ、折り畳み式基板(例えば、第1の中央表面区域)に対する歪みを約半分に減少させ、折り畳み式基板を曲げる力を減少させることができることを示す。
【0347】
図58~59は、実施例F~Gの数値シミュレーションに基づく折り畳み式装置の面外変形を図示している。実施例F~Gは両方とも、150μmの基板厚さ、30μmの中央厚さ、および20mmの中央部分の幅を有する。実施例Fにおいて、第2の中央表面区域は第2の主面と同一平面上にあり、一方で、第1の中央表面区域は120μmだけ第1の主面から窪んでいる。対照的に、実施例Gにおいて、第1の中央表面区域は65μmだけ第1の主面から窪んでおり、第2の中央表面区域は65μmだけ第2の主面から窪んでいる。実施例F~Gにおいて、第1の部分と第2の部分は、21520×10
-7/℃の疑似熱膨張係数(artificial coefficient of thermal expansion)を有し、一方で、中央部分は、4300×10
-7/℃の疑似熱膨張係数を有し、折り畳み式基板は、第1の部分、第2の部分、および中央部分が規定寸法を有する温度から1℃加熱した。ここに用いられているように、疑似熱膨張係数は、0.461、網状構造膨張係数、表面と内部での1種類以上のアルカリ金属イオンの濃度差、および対応する厚さで除算された表面からの圧縮応力領域の層の深さの積と等しい。
【0348】
理論で束縛する意図はないが、実施例F~Gにおける疑似熱膨張係数の差から引き起こされる機械的不安定性は、折り畳み式基板を化学的に強化することにより生じる異なる部分における異なる圧縮深さおよび/または層の深さに基づく異なる膨張から生じる機械的不安定性に対応し得る。例えば、実施例F~Gにおける疑似熱膨張係数の差は、700×10-6/モル%の網状構造膨張係数および各部分の表面と内部との間の20モル%の濃度差、933×10-6/モル%の網状構造膨張係数および各部分の表面と内部との間の15モル%の濃度差、または1400×10-6/モル%の網状構造膨張係数および各部分の表面と内部との間の10モル%の濃度差について、基板厚さの百分率としての第1の部分および/または第2の部分の層の深さ(例えば、第1の層の深さ、第2の層の深さ、第3の層の深さ、第4の層の深さ)と、中央厚さの百分率としての中央部分の層の深さ(例えば、第1の中央の層の深さ、第2の中央の層の深さ)との間の約23%の差に対応し得るであろう。例えば、実施例F~Gにおける疑似熱膨張係数の差は、各部分が0.22のポアソン比および71GPaの弾性率を有する場合、第1の最大引張応力および/または第2の最大引張応力と中央最大引張応力との間の約140MPaの差に対応し得るであろう。例えば、実施例F~Gにおける疑似熱膨張係数の差は、各部分が0.22のポアソン比および71GPaの弾性率を有する場合、第1の部分および/または第2の部分の最大圧縮応力(例えば、第1の最大引張応力、第2の最大引張応力、第3の最大圧縮応力、第4の最大圧縮応力)と中央部分の最大圧縮応力(例えば、第1の中央最大圧縮応力、第2の中央最大圧縮応力)との間の約140MPaの差に対応し得るであろう。
【0349】
実施例Fを示す
図58において、中央部分が中心にあり、領域5811の最大幅部分にほぼ対応する幅を有する。領域5805は、最大の正の変形(例えば、約80μm)に対応し、主に、中央部分と隣接部分における折り畳み式基板の上縁と底縁に位置している。上部と底部では、領域5807が領域5805に隣接しており、領域5807は、領域5805よりわずかに小さい正の変形に対応する。領域5809が領域5807に隣接しており、領域5809は、負の変形(例えば、約-450μm)に対応する。
【0350】
対照的に、領域5821が、最大の負の変形(例えば、約-850μm)に対応し、中央部分の中心線に沿って位置している。領域5823が、より穏やかな負の変形(例えば、約-350μm)を有する領域5815に隣接している。中央部分は、上部から底部に、領域5805、5815、5811、5813、5815、5823、5815、5823、5815、5813、5815、5815、および5805を含む、おおよそバンド状区画を含む。実際に、これらのバンドは、1つおきに領域5815と交互になっており、残りのバンドは、領域5823を含む
図58の中央に向かっている。領域5813は、領域5809と領域5815の負の変形の中間の負の変形に対応する。領域5817は、バンド状領域(例えば、領域5815および5823)の中心に隣接し、領域5823ほど極端ではない負の変形(例えば、-700μm)に対応する。右端と左端に位置する領域5819は、領域5817ほど極端ではない負の変形(例えば、-600μm)に対応する。
【0351】
実施例Gを示す、
図59において、中央部分が中心にあり、領域5905の最大幅部分にほぼ対応する幅を有する。領域5907は、最大の正の変形(例えば、1ピコメートル未満)に対応し、これは、実施例Fについて
図58で引き起こされた大きさより少なくとも6桁小さい大きさである。領域5905が、領域5905より小さい正の変形に対応する領域5909に隣接している。領域5909は、ほぼ無変形に対応する領域5911に隣接している。中央部分の中心線に沿って位置する領域5905は、領域5911と領域5909との間の中間の変形に対応する。左端と右端に位置する領域5917は、最大の負の変形(例えば、-1ピコメートル未満)に対応し、これは、実施例Fについて
図58で引き起こされた大きさより少なくとも6桁小さい大きさである。領域5917は、領域5917より小さい負の変形に対応する領域5915に隣接している。領域5913が、領域5911と5915との間に位置し、領域5913は、領域5911と5915の変形の中間の変形に対応する。
【0352】
図58~59に示された実施例F~Gの結果に基づいて、第1の主面と第2の主面の両方から窪んだ中央部分を含む実施例Gは、実施例Fで引き起こされた大きさより少なくとも10桁小さい大きさの変形を示した。さらに、実施例Gにおけるように、第1の中央表面区域が第1の主面から窪んだ第1の距離が、第2の中央表面区域が第2の主面から窪んだ第2の距離と実質的に等しくなるように中央部分を位置付けることにより、変形がさらに減少する。
【0353】
上述した観察結果を組み合わせて、小さい有効最小曲げ半径、高い耐衝撃性、低い畳み力、向上した耐久性、および低下した疲労を有する折り畳み式基板を提供することができる。前記部分は、ガラス系および/またはセラミック系部分から構成することができ、これは、良好な寸法安定性、減少した機械的不安定性の発生率、良好な耐衝撃性、および/または良好な穿刺抵抗を提供することができる。第1の部分および/または第2の部分は、1つ以上の圧縮応力領域を含むガラス系および/またはセラミック系部分から構成することができ、これは、向上した耐衝撃性および/または向上した穿刺抵抗をさらに提供することができる。ガラス系および/またはセラミック系基板から構成された基板を提供することによって、その基板は、向上した耐衝撃性および/または穿刺抵抗も提供すると同時に、良好な折り畳み性能を促進することができる。いくつかの実施の形態において、基板厚さは、耐衝撃性および穿刺抵抗をさらに向上させるために十分に大きい(例えば、80マイクロメートル(μm)から約2マイクロメートル)ことがあり得る。基板厚さ(例えば、第1の部分の第1の厚さおよび/または第2の部分の第2の厚さ)より小さい中央厚さを有する中央部分を含む折り畳み式基板を提供することにより、その中央部分の減少した厚さに基づいて、小さい有効最小曲げ半径(例えば、約10ミリメートル以下)を可能にできる。
【0354】
いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板は、複数の凹部、例えば、第1の距離だけ第1の主面から窪んだ第1の中央表面区域および第2の距離だけ第2の主面から窪んだ第2の中央表面区域を含み得る。第1の凹部を第2の凹部の反対側に設けると、中央厚さを基板厚さより小さくすることができる。中央厚さを有する中央部分が、凹部を1つだけ設けた場合よりも、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の中立軸により近くなり得るので、第1の凹部を第2の凹部の反対側に設けることによって、例えば、中央部分と第1の部分および/または第2の部分との間の、折り畳み式装置の最大曲げ誘発歪みを減少させることができる。それに加え、折り畳み式基板は、基板厚さおよび中央厚さにおける中点を有する面に対して対称であるので、第1の距離を第2の距離と実質的に等しくすることによって、例えば、中央部分における機械的不安定性の発生率を減少させることができる。さらに、第1の凹部を第2の凹部の反対側に設けることによって、第1の距離と第2の距離の合計だけ窪んだ表面を持つ1つの凹部と比べて、第1の凹部および/または第2の凹部内に位置付けられた材料の曲げ誘発歪みを減少させることができる。第1の凹部および/または第2の凹部内に位置付けられた材料の曲げ誘発歪みを減少させることにより、材料の歪み要件が減少したために、様々な材料を使用することが可能になる。例えば、より堅いおよび/またはより剛性の材料を第1の凹部に配置することができ、これにより、折り畳み式装置の耐衝撃性、穿刺抵抗、耐摩耗性、および/または引っ掻き抵抗を改善することができる。それに加え、第1の凹部に配置された第1の材料および第2の凹部に配置された第2の材料の性質を制御することにより、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の中立軸の位置を制御することができ、これにより、機械的不安定性、装置の疲労、および/または装置の破壊の発生率を低下させる(例えば、軽減する、なくす)ことができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板は、中央部分を第1の部分に取り付ける第1の移行領域および/または中央部分を第2の部分に取り付ける第2の移行領域を含み得る。連続して増加する厚さを有する移行領域を設けることにより、移行領域における応力集中を減少させる、および/または光学的歪みを避けることができる。十分な長さの移行領域(例えば、約1mm以上)を設けることにより、そうでなければ、折り畳み式基板の厚さにおける急な階段状の変化のために存在するかもしれない光学的歪みを避けることができる。十分に小さい長さの移行領域(例えば、約5mm以下)を設けることにより、低下した耐衝撃性および/または低下した穿刺抵抗を有するであろう中間厚さを有する折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の量を減少させることができる。さらに、第1の移行部分および/または第2の移行部分に、中央部分の中央引張応力領域の最大引張応力よりも大きい最大引張応力を有する引張応力領域を設けることによって、折り畳み中の第1の部分または第2の部分と、第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。さらに、第1の移行部分および/または第2の移行部分に、第1の部分の第1の引張応力領域および/または第2の部分の第2の引張応力領域の最大引張応力よりも大きい最大引張応力を有する引張応力領域を設けることによって、折り畳み中の中央部分と、第1の移行部分および/または第2の移行部分との間の歪みを相殺することができる。
【0355】
本開示の実施の形態の装置および方法は、化学強化の結果としての折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の異なる部分の膨張の差を制御(例えば、制限、減少、均等化)することによって、機械的不安定性、装置の疲労、および/または装置の破壊の発生率を低下させる(例えば、軽減する、なくす)ことができる。異なる部分の膨張の差を制御することによって、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板が臨界座屈歪み(例えば、機械的不安定性の兆候)に到達する前に、より大きい折り畳み誘発歪みを促進し得る折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の複数の部分の間の化学強化誘発歪みを減少させることができる。さらに、機械的不安定性および/またはコア層と第1の外側層および/または第2の外側層との間の差、または中央部分と第1の部分および/または第2の部分との間の差を減少させることによって、例えば、そのような差から折り畳み式装置および/または折り畳み式基板内に歪みにより生じる、光学的歪みを減少させることができる。
【0356】
いくつかの実施の形態において、積層体を含む折り畳み式装置および/または折り畳み式基板を設けることによって、1つの化学強化過程において、第1の部分、第2の部分、および中央部分の間の膨張の差を制御することができる。例えば、第1の外側層および/または第2の外側層に対するコア層の性質により、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板の実質的に均一な膨張を可能にすることができる。いくつかの実施の形態において、コア層の密度は、第1の外側層および/または第2の外側層の密度より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア層の熱膨張係数は、第1の外側層および/または第2の外側層の熱膨張係数より大きいことがあり得る。いくつかの実施の形態において、コア層の網状構造膨張係数は、第1の外側層および/または第2の外側層の網状構造膨張係数より小さいことがあり得る。さらに、第1の外側層および/または第2の外側層に対する関係をコア層に設けることによって、折り畳み式装置および/または折り畳み式基板を折り畳む力を減少させる(例えば、最小にする)ことができる。
【0357】
中央部分の1種類以上のアルカリ金属の濃度に近い(例えば、酸化物基準の100百万分率以内、10百万分率以内)平均濃度の1種類以上のアルカリ金属を有する第1の部分および/または第2の部分を設けることにより、化学強化の結果として、中央部分と比べた第1の部分および/または第2の部分の膨張差を最小にすることができる。実質的に均一な膨張により、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。中央部分の対応する比に近い(例えば、0.5%以内、0.1%以内、0.01%以内)第1の部分および/または第2の部分の厚さに対する層の深さの比を与えることにより、化学強化の結果として、中央部分と比べた第1の部分および/または第2の部分の表面近くの膨張の差を最小にすることができる。表面近くの膨張の差を最小にすることにより、第1の主面、第2の主面、第1の中央表面区域、および/または第2の表面区域の面における応力および/または歪みを減少させることができ、これにより、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率をさらに減少させることができる。中央部分の対応する比に近い(例えば、1%以内、0.5%以内、0.1%以内)第1の部分および/または第2の部分の厚さに対する圧縮深さの比を設けることにより、中央部分に対する第1の部分および/または第2の部分における化学強化により誘発された歪みの間の差を最小にすることができる。化学強化により誘発された歪みの差を最小にすることにより、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。第1の主面、第2の主面、第1の中央表面区域、および/または第2の表面区域の応力および/または歪みを最小にすることにより、応力により誘発された光学的歪みを減少させることができる。また、そのような応力を最小にすることにより、穿刺抵抗および/または耐衝撃性を向上させることができる。また、そのような応力を最小にすることを、中心線に沿った光学的遅れの小さい差(例えば、約2ナノメートル以下)と関連付けることができる。さらに、そのような応力を最小にすることにより、化学強化の結果としての機械的変形および/または機械的不安定性の発生率を減少させることができる。
【0358】
本開示の方法は、上述した利益の内の1つ以上を有する折り畳み式基板の製造を可能にすることができる。いくつかの実施の形態において、本開示の方法、例えば、折り畳み式基板に関連する時間、設備、空間、および人件費を減少させることができる、積層体を含む折り畳み式基板を製造する方法は、1つの化学強化工程で上述した利益を達成することができる。いくつかの実施の形態において、折り畳み式基板の任意の化学強化の前に、既存の凹部(例えば、第1の主面から窪んだ既存の第1の中央表面区域、第2の主面から窪んだ既存の第2の中央表面区域)を設ける、または形成することができ、これにより、他のやり方で達成できるであろうよりも深い凹部(例えば、より大きい第1の距離、より大きい第2の距離)を有する折り畳み式装置にとって上述した利益を提供することができる。いくつかの実施の形態において、上述した利益は、折り畳み式基板を化学的に強化し、折り畳み式基板の中央部分をエッチングし(例えば、既存の第1の中央表面区域をエッチングして、新たな第1の中央表面区域を形成し、既存の第2の中央表面区域をエッチングして、新たな第2の中央表面区域を形成し)、次いで、折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程によって与えることができる。さらなる実施の形態において、上述した利益は、さらなる化学強化の第2の期間に対する最初の化学強化の期間を、および/または中央部分からエッチングされる厚さを制御することによって、与えることができる。折り畳み式基板をさらに化学的に強化する工程を設けることによって、機械的変形および/または機械的不安定性に遭遇せずに、より大きい圧縮応力を達成することができ、このより大きい圧縮応力は、折り畳み式基板の耐衝撃性および/または穿刺抵抗をさらに向上させることができる。
【0359】
ここに用いられている方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部-は、描かれた図面に関してのみ使用され、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0360】
様々な開示された実施の形態は、その実施の形態に関して記載された特徴、要素、または工程を含むことがあることが認識されよう。また、特徴、要素、または工程は、ある実施の形態に関して記載されているけれども、様々な説明されていない組合せまたは順列で、代わりの実施の形態と交換されても、または組み合わされてもよいことも認識されよう。
【0361】
ここに用いられているように、名詞は、「少なくとも1つ」の対象を指し、特に明記のない限り、「ただ1つ」の対象に限定されるべきではないことも理解すべきである。例えば、「成分」に対する言及は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、そのような成分を2つ以上有する実施の形態を含む。同様に、「複数」は、「1つより大きい」を示す意図がある。
【0362】
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、必要に応じて、許容差、変換係数、丸め、測定誤差など、並びに当業者に公知の他の要因を反映して、近似であるおよび/またはそれより大きいか小さいことがあることを意味する。範囲が、「約」ある特定値から、および/または「約」別の特定値まで、とここに記載することができる。そのような範囲が表された場合、実施の形態は、そのある特定値から、および/または他方の特定値まで、を含む。同様に、値が、先行詞「約」を使用して、近似として表されている場合、その特定値は、別の実施の形態を形成することが理解されよう。明細書において数値または範囲の端点に「約」が付いていようとなかろうと、その数値または範囲の端点は、「約」により修飾されたものと、「約」により修飾されていないものの2つの実施の形態を含むことが意図されている。範囲の各々の端点は、他方の端点に関してと、他方の端点とは関係なくの両方において有意であることがさらに理解されよう。
【0363】
ここに用いられているように、「実質的」、「実質的に」という用語、およびその変形は、記載された特徴が、ある値または記載と等しいか、またはほぼ等しいことを示す意図がある。例えば、「実質的に平らな」表面は、平らか、または実質的に平らな表面を示す意図がある。さらに、先に定義されたように、「実質的に類似」は、2つの値が、等しいか、またはほぼ等しいことを示す意図がある。いくつかの実施の形態において、「実質的に類似」は、互いの約10%以内、例えば、互いの約5%以内、または互いの約2%以内の値を示すことがある。
【0364】
特に明記のない限り、ここに記載されたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることは、決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に列挙していない場合、もしくは請求項または説明に、工程が特定の順序に限定されるべきことが他の具体的に述べられていない場合、どの特定の順序も暗示されることは、決して意図されていない。
【0365】
特定の実施の形態の様々な特徴、要素または工程が、移行句「含む」を使用して開示されることがあるが、移行句「からなる」または「から実質的になる」を使用して記載されることのあるものを含む代わりの実施の形態が暗示されることを理解すべきである。それゆえ、例えば、A+B+Cを含む装置に対して暗示される代わりの実施の形態は、装置がA+B+Cからなる実施の形態、および装置がA+B+Cから実質的になる実施の形態を含む。ここに用いられているように、「含む」および「含んでいる」という用語、並びにその変形は、特に明記のない限り、同意語であり、制約がないと解釈されるものとする。
【0366】
上記実施の形態、およびそれらの実施の形態の特徴は、例示であり、単独で提供されても、本開示の範囲から逸脱せずに、ここに与えられた他の実施の形態の任意の1つ以上の特徴と任意の組合せで提供されても差し支えない。
【0367】
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、この中の実施の形態の改変および変更を、それらが付随の請求項およびその同等物に含まれるという条件で、包含することが意図されている。
【0368】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0369】
実施形態1
折り畳み式基板において、
第1の主面と、該第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さであって、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある基板厚さ、
前記第1の主面および該第1の主面の反対にある第1の内面を有し、該第1の主面と該第1の内面との間に規定された第1の外側厚さを有する第1の外側層であって、該第1の外側層は、第1の最小距離だけ隔てられた第1の部分と第2の部分を含み、該第1の部分は前記第1の主面および前記第1の内面を有し、該第2の部分は前記第1の主面および前記第1の内面を有する、第1の外側層、
前記第2の主面および該第2の主面の反対にある第2の内面を有し、該第2の主面と該第2の内面との間に規定された第2の外側厚さを有する第2の外側層であって、該第2の外側層は、第2の最小距離だけ隔てられた第3の部分と第4の部分を含み、該第3の部分は前記第2の主面および前記第2の内面を有し、該第4の部分は前記第2の主面および前記第2の内面を有する、第2の外側層、および
第3の内面および該第3の内面の反対にある第4の内面を有し、該第3の内面と該第4の内面との間に規定された中央厚さを有し、前記第1の外側層の前記第1の部分と該第1の外側層の前記第2の部分との間にある第1の中央表面区域、および前記第2の外側層の前記第3の部分と該第2の外側層の前記第4の部分との間にある第2の中央表面区域を有するコア層であって、前記中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にあり、該コア層は、前記第1の外側層と前記第2の外側層との間に位置付けられ、前記第3の内面は前記第1の部分の第1の内面および前記第2の部分の第1の内面に接触しており、前記第4の内面は前記第3の部分の第2の内面および前記第4の部分の第2の内面に接触しており、前記第1の中央表面区域は、第1の距離だけ前記第1の主面から窪んでおり、前記第2の中央表面区域は、第2の距離だけ前記第2の主面から窪んでいる、コア層、
を備えた折り畳み式基板。
【0370】
実施形態2
前記コア層が、前記第1の外側層の第1の熱膨張係数より大きいコア熱膨張係数を有し、該コア熱膨張係数は、前記第2の外側層の第2の熱膨張係数より大きい、実施形態1に記載の折り畳み式基板。
【0371】
実施形態3
前記コア層のコア密度が前記第1の外側層の第1の密度より大きく、該コア密度は、前記第2の外側層の第2の密度より大きい、実施形態1または2に記載の折り畳み式基板。
【0372】
実施形態4
前記コア層のコア網状構造膨張係数が、前記第1の外側層の第1の網状構造膨張係数より小さく、該コア網状構造膨張係数は、前記第2の外側層の第2の網状構造膨張係数より小さい、実施形態1から3のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0373】
実施形態5
前記第1の外側厚さが、前記第2の外側厚さと実質的に等しい、実施形態1から4のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0374】
実施形態6
前記基板厚さが、約125マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲にある、実施形態1から5のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0375】
実施形態7
前記中央厚さが、約25マイクロメートルから約60マイクロメートルの範囲にある、実施形態1から6のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0376】
実施形態8
前記第1の主面上に配置され、前記第1の中央表面区域と該第1の主面により画成される第一面との間に画成される凹部を満たすコーティングをさらに含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0377】
実施形態9
前記第1の外側層が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み、前記第2の外側層が、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み、前記第1の中央表面区域と前記第2の中央表面区域との間に位置付けられた前記コア層の中央部分が、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含み、カリウムの前記第1の平均濃度とカリウムの前記中央平均濃度との間の絶対差が、約100百万分率以下である、実施形態1から8のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0378】
実施形態10
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第1の部分から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第3の部分から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域、
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第2の部分から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第4の部分から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域、
前記第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域、および
前記第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域、を含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0379】
実施形態11
前記基板厚さの百分率としての前記第1の圧縮深さと、前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、実施形態10に記載の折り畳み式基板。
【0380】
実施形態12
前記第1の部分が、前記第1の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の層の深さを有し、前記第3の部分が、前記第2の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の層の深さを有し、前記第2の部分が、前記第3の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第3の層の深さを有し、前記第4の部分が、前記第4の圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第4の層の深さを有し、前記中央部分が、前記第1の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の中央の層の深さを有し、該中央部分が、前記第2の中央圧縮深さに関連する1種類以上のアルカリ金属イオンの第2の中央の層の深さを有し、前記基板厚さの百分率としての前記第1の層の深さと前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央の層の深さとの間の絶対差は、約0.5%以下である、実施形態10または11に記載の折り畳み式基板。
【0381】
実施形態13
前記第2の距離が、前記基板厚さの約5%から約20%である、実施形態1から12のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0382】
実施形態14
前記第1の距離が前記第2の距離と実質的に等しい、実施形態1から12のいずれか1つに記載の折り畳み式基板。
【0383】
実施形態15
第1の外側層および第2の外側層の間に位置付けられ、それらと接触するコア層を含み、第1の主面と第2の主面の間に規定された基板厚さを有する折り畳み式基板であって、前記第1の外側層は前記第1の主面を画成し、前記第2の外側層は、該第1の主面と反対にある前記第2の主面を画成する、折り畳み式基板を製造する方法において、
前記第1の主面の一部をエッチングして、前記コア層の第1の中央表面区域を形成する工程、および
前記第2の主面の一部をエッチングして、前記コア層の第2の中央表面区域を形成する工程、
を含み、
中央部分が、前記第1の中央表面区域と前記第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さを有し、該中央部分における前記コア層の第1の中央表面区域は、前記第1の外側層の第1の部分と該第1の外側層の第2の部分との間に位置付けられており、前記中央部分における前記コア層の第2の中央表面区域は、前記第2の外側層の第3の部分と該第2の外側層の第4の部分との間に位置付けられている、方法。
【0384】
実施形態16
前記第1の外側層が、酸化物基準で第1の既存の平均濃度のカリウムを含み、前記コア層が、酸化物基準でコア既存の平均濃度のカリウムを含み、カリウムの前記コア既存の平均濃度は、カリウムの前記第1の既存の平均濃度よりも約10百万分率以上大きい、実施形態15に記載の方法。
【0385】
実施形態17
前記第1の主面の一部をエッチングする工程、および前記第2の主面の一部をエッチングする工程の後に、前記折り畳み式基板を化学的に強化する工程をさらに含む、実施形態15または16に記載の方法。
【0386】
実施形態18
前記化学的に強化する工程の前に、前記第1の外側層が、1種類以上のアルカリ金属イオンの第1の拡散率を有し、前記コア層が、1種類以上のアルカリ金属イオンのコア拡散率を有し、前記第1の拡散率は前記コア拡散率より大きい、実施形態17に記載の方法。
【0387】
実施形態19
前記化学的に強化する工程の後、前記第1の外側層が、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムを含み、前記第2の外側層が、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムを含み、前記中央部分が、前記第1の中央表面区域と前記第2の中央表面区域との間に位置付けられており、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムを含み、カリウムの前記第1の平均濃度とカリウムの前記中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である、実施形態17または18に記載の方法。
【0388】
実施形態20
前記化学的に強化する工程が、
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第1の部分から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第3の部分から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第1の主面で前記第1の外側層の前記第2の部分から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第2の主面で前記第2の外側層の前記第4の部分から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域を形成する工程、
前記第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域を形成する工程、および
前記第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域を形成する工程、
を含み、
前記基板厚さの百分率としての前記第1の圧縮深さと前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央圧縮深さとの間の絶対差は、約1%以下である、実施形態17から19のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0389】
101、301、401、501、601、701、801、1201 折り畳み式装置
204a 第一面
204b 第二面
204c 第三面
204d 第四面
206、407、807 折り畳み式基板
207 コア層
209、409、809 第1の中央表面区域
219、419、819 第2の中央表面区域
213 第1の外側層
214 第1の内面
215 第2の外側層
213a、221、421、821 第1の部分
213b、231、431、831 第2の部分
223、823 第1の表面区域
225、825 第2の表面区域
233、833 第3の表面区域
234、434、834 第1の凹部
235、835 第4の表面区域
244、444 第2の凹部
241 高分子系部分
251 コーティング
261 接着剤層
271 剥離ライナー
281、481、881 中央部分
307 表示装置
1102 試験用折り畳み式装置
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式基板において、
第1の主面と、該第1の主面の反対にある第2の主面との間に規定された基板厚さであって、約100マイクロメートルから約2ミリメートルの範囲にある基板厚さと、
前記基板厚さを有する第1の部分であって、酸化物基準で第1の平均濃度のカリウムと、前記第1の主面から第1の圧縮深さまで延在する第1の圧縮応力領域と、前記第2の主面から第2の圧縮深さまで延在する第2の圧縮応力領域とを含む第1の部分と、
前記基板厚さを有する第2の部分であって、酸化物基準で第2の平均濃度のカリウムと、前記第1の主面から第3の圧縮深さまで延在する第3の圧縮応力領域と、前記第2の主面から第4の圧縮深さまで延在する第4の圧縮応力領域とを含む第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置付けられた中央部分であって、該中央部分は、第1の中央表面区域と該第1の中央表面区域の反対にある第2の中央表面区域との間に規定された中央厚さと、酸化物基準で中央平均濃度のカリウムと、前記第1の中央表面区域から第1の中央圧縮深さまで延在する第1の中央圧縮応力領域と、前記第2の中央表面区域から第2の中央圧縮深さまで延在する第2の中央圧縮応力領域とを含み、前記中央厚さは、約25マイクロメートルから約80マイクロメートルの範囲にあり、前記第1の中央表面区域は、第1の距離だけ前記第1の主面から窪んでおり、カリウムの前記第1の平均濃度とカリウムの前記中央平均濃度との間の絶対差は、約100百万分率以下である、中央部分と、
を含む、折り畳み式基板。
【請求項2】
前記基板厚さの百分率としての前記第1の圧縮深さと前記中央厚さの百分率としての前記第1の中央圧縮深さとの間の絶対差が、約1%以下である、請求項1記載の折り畳み式基板。
【請求項3】
前記基板厚さが約125マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲にある、請求項1または2記載の折り畳み式基板。
【請求項4】
前記第2の中央表面区域が、第2の距離だけ前記第2の主面から窪んでいる、請求項1から3いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項5】
前記第2の距離が前記基板厚さの約5%から約20%である、請求項4記載の折り畳み式基板。
【請求項6】
前記第1の距離が前記第2の距離と実質的に等しい、請求項4または5記載の折り畳み式基板。
【請求項7】
前記第1の圧縮応力領域が約700メガパスカル以上の第1の最大圧縮応力を有し、前記第2の圧縮応力領域が第2の最大圧縮応力を有し、前記第3の圧縮応力領域が約700メガパスカル以上の第3の最大圧縮応力を有し、前記第4の圧縮応力領域が第4の最大圧縮応力を有し、前記第1の中央圧縮応力領域が約700メガパスカル以上の第1の中央最大圧縮応力を有し、前記第2の中央圧縮応力領域が第2の中央最大引張応力を有する、請求項1から6いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項8】
前記第1の圧縮応力領域と前記第2の圧縮応力領域との間に位置付けられた前記第1の部分の第1の引張応力領域をさらに含み、該第1の引張応力領域は第1の最大引張応力を有し、前記折り畳み式基板は、前記第3の圧縮応力領域と前記第4の圧縮応力領域との間に位置付けられた前記第2の部分の第2の引張応力領域を含み、該第2の引張応力領域は第2の最大引張応力を有し、該折り畳み式基板は、前記第1の中央圧縮応力領域と前記第2の中央圧縮応力領域との間に位置付けられた前記中央部分の中央引張応力領域を含み、該中央引張応力領域は中央最大引張応力を有し、該中央最大引張応力と前記第1の最大引張応力との間の絶対差は約10メガパスカル以下である、請求項1から7いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項9】
前記中央部分が、前記第1の中央表面区域の一部と前記第2の中央表面区域の一部との間に位置付けられた該中央部分の中央引張応力領域をさらに含み、該中央引張応力領域が中央最大引張応力を有し、前記中央部分は、前記第1の中央主面を前記第1の部分に取り付ける第1の移行部分を含み、該第1の移行部分は、第1の移行最大引張応力を有する第1の移行引張応力領域を含み、前記中央部分は、前記第1の中央主面を前記第2の部分に取り付ける第2の移行部分を含み、該第2の移行部分は、第2の移行最大引張応力を有する第2の移行引張応力領域を含み、前記第1の移行最大引張応力は、前記中央最大引張応力よりも大きい、請求項1から8いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項10】
前記第2の移行最大引張応力が、前記中央最大引張応力よりも大きい、請求項9記載の折り畳み式基板。
【請求項11】
前記第1の距離が、前記基板厚さの約20%から約45%である、請求項1から10いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項12】
前記基板が5ミリメートルの有効曲げ半径を達成する、請求項1から11いずれか1項記載の折り畳み式基板。
【請求項13】
請求項1から12いずれか1項記載の折り畳み式基板を備えた折り畳み式装置であって、該折り畳み式装置は、第1の接触面および該第1の接触面の反対にある第2の接触面を有する接着剤を含み、該接着剤の少なくとも一部は、前記第2の中央表面区域と前記第2の主面により画成された第二面との間に画成された凹部内に位置付けられている、折り畳み式装置。
【請求項14】
請求項1から12いずれか1項記載の折り畳み式基板を備えた折り畳み式装置であって、該折り畳み式装置は、前記第2の中央表面区域と前記第2の主面により画成された第二面との間に位置付けられた高分子系部分を含み、該折り畳み式装置は、第1の接触面および該第1の接触面の反対にある第2の接触面を有する接着剤を含む、折り畳み式装置。
【請求項15】
前記高分子系部分が、約5%から約10%の範囲の降伏歪みを有し、前記折り畳み式基板の屈折率と、該高分子系部分の屈折率との間の差の大きさが、約0.1以下である、請求項14記載の折り畳み式装置。
【国際調査報告】